JP7806687B2 - ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法並びにそれを用いたポリエステルフィルム - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法並びにそれを用いたポリエステルフィルム

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Description

本発明は、ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法並びにそれを用いたポリエステルフィルムに関する。
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等に代表されるポリエステル樹脂は、機械的特性および化学的特性に優れており、それぞれのポリエステル樹脂の特性に応じて、例えば、衣料用や産業資材用の繊維、包装用や工業用などの各種フィルムやシート、ボトルやエンジニアリングプラスチックなどの成形物など、各種分野において広範囲に使用されている。
代表的なポリエステル樹脂である芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールに由来するユニットを主構成成分とするポリエステル樹脂は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)の場合には、テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとのエステル化またはエステル交換によってビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを製造し、これを高温、真空下で触媒を用いて重縮合する重縮合法等により、工業的に製造されている。
従来から、このようなポリエステル樹脂の重合時に用いられるポリエステル重合触媒としては、アンチモン化合物あるいはゲルマニウム化合物が広く用いられている。アンチモン化合物の一例である三酸化アンチモンは、安価でかつ優れた触媒活性をもつ触媒であるが、これを主成分にて、即ち、実用的な重合速度が発揮される程度の添加量にて使用すると、重合時に金属アンチモンが析出するため、ポリエステル樹脂に黒ずみや異物が発生し、フィルムの表面欠点の原因にもなる。また、中空の成形品等の原料とした場合には、透明性に優れた中空成形品を得ることが困難である。このような経緯で、触媒としてアンチモン化合物を全く含まないかあるいはアンチモン化合物を主成分として含まないポリエステル樹脂が望まれている。
アンチモン化合物以外で優れた触媒活性を有し、かつ上記の問題を有しないポリエステル樹脂を与える触媒としては、ゲルマニウム化合物がすでに実用化されている。しかし、ゲルマニウム化合物は非常に高価であるという問題点や、重合中に反応系から系外へ留出しやすいため反応系の触媒濃度が変化し重合の制御が困難になるという課題を有しており、触媒主成分として使用することには問題がある。
アンチモン系触媒あるいはゲルマニウム系触媒に代わる重合触媒の検討も行われている。テトラアルコキシチタネートに代表されるチタン化合物がすでに提案されているが、チタン化合物を用いて製造されたポリエステル樹脂は溶融成形時に熱劣化を受けやすく、またポリエステル樹脂が著しく着色するという問題点を有する。
以上のような経緯で、アンチモン、ゲルマニウム、およびチタン以外の金属成分を触媒の主たる金属成分とする重合触媒であり、触媒活性に優れ、色調や熱安定性に優れ、かつ成形品の透明性に優れたポリエステル樹脂を与える重合触媒が望まれている。
例えば、特許文献1および2には、新規の重合触媒として、アルミニウム化合物とリン化合物とからなる触媒が開示されている。また、特許文献3および4には、アルミニウム化合物とリン化合物とからなる触媒を用いて作製されたポリエステル樹脂からなるポリエステルフィルムが開示されている。上記の重合触媒を使用することにより、色調、透明性、および熱安定性が良好なポリエステル樹脂やポリエステルフィルムを得ることが出来る。しかし、特許文献1~4では、高い重合活性を得るために触媒添加量が多く、重合で必要な触媒コストが高くなるという問題があった。
国際公開第2007/032325号 特開2006-169432号公報 特開2002-249565号公報 特開2002-249602号公報
本発明は、かかる従来技術の問題を解消するためになされたものであり、その目的は、アルミニウム化合物とリン化合物からなる重合触媒を用いた場合であっても、触媒コストを低減させ、かつ、異物が少ないポリエステル樹脂組成物を提供することである。また、該ポリエステル樹脂組成物を製膜して形成されたポリエステルフィルムを提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリエステル樹脂組成物中に含まれるアルミニウム元素の量を少なくし、かつアルミニウム元素に対するリン元素のモル比を適度な範囲にすることで、目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
ポリエステル重合においてアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物などの重合触媒を使用する場合は、重合活性は一般的に触媒添加量に比例する。しかし、アルミニウム化合物とリン化合物からなる重合触媒では、アルミニウム化合物とリン化合物の錯体形成反応が重合活性に影響しているため、重合活性と触媒添加量との関係を単純化することができない。
そこで、本発明者らは、アルミニウム化合物とリン化合物からなる重合触媒について、触媒活性の支配要因について解析を実施した。その結果、ポリエステル樹脂組成物中のアルミニウム元素の量を少なくし、かつアルミニウム元素に対するリン元素のモル比を適度な範囲にすることにより、触媒コストを抑制した形で、アルミニウム系異物量の増加を抑制しつつ、かつ重合活性を向上できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1.ポリエステル樹脂と該ポリエステル樹脂に不溶な粒子である不溶性粒子とを含むポリエステル樹脂組成物であって、前記ポリエステル樹脂は、アルミニウム化合物及びリン化合物を含み、前記ポリエステル樹脂組成物は下記(1)~(4)を満足することを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
(1)前記ポリエステル樹脂組成物中におけるアルミニウム元素の含有率が9~19質量ppm
(2)前記ポリエステル樹脂組成物中におけるリン元素の含有率が13~31質量ppm
(3)前記ポリエステル樹脂組成物中のアルミニウム元素に対するリン元素のモル比が1.32以上1.80以下
(4)前記ポリエステル樹脂組成物中における前記不溶性粒子の含有率は500~2000質量ppm
2.前記ポリエステル樹脂中におけるアルミニウム系異物に相当するアルミニウム元素の含有率が3000質量ppm以下である前記1.に記載のポリエステル樹脂組成物。
3.固有粘度(IV)が0.56dl/g以上である前記1.または2.に記載のポリエステル樹脂組成物。
4.前記リン化合物は同一分子内にリン元素とフェノール構造を有する前記1.~3.のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
5.前記不溶性粒子の体積平均粒子径が0.5~3.0μmである前記1.~4.のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
6.前記不溶性粒子がシリカである前記1.~5.のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
7.前記1.~6.のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を製造するポリエステル樹脂組成物の製造方法であって、中間体として重縮合物であるポリエステル又はそのオリゴマーを合成する第1ステップと、前記中間体をさらに重縮合する第2ステップとを有し、前記第1ステップ後であって前記第2ステップの前に前記中間体にアルミニウム化合物を溶解した溶液A1とリン化合物を溶解した溶液B1とを添加し、前記溶液A1及び前記溶液B1の添加量は下記(5)~(7)を満足し、前記第1ステップ中又は前記第1ステップ終了後に前記不溶性粒子を添加し、前記不溶性粒子の添加量は下記(8)を満足することを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。
(5) 生成される前記ポリエステル樹脂に対するアルミニウム元素の添加量が9~19質量ppm
(6) 生成される前記ポリエステル樹脂に対するリン元素の添加量が18~38質量ppm
(7)前記(5)におけるアルミニウム元素の添加量に対する前記(6)におけるリン元素の添加量のモル比が1.50以上2.30以下
(8)生成される前記ポリエステル樹脂に対する前記不溶性粒子の添加量は500~2000質量ppm
8.前記ポリエステル樹脂組成物はバッチ式重合法により製造される前記7.に記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
9.前記ポリエステル樹脂組成物は連続重合法により製造されており、前記溶液A1及び前記溶液B1を、最終エステル化反応槽又は最終エステル化反応槽と最初の重合反応槽との移送ラインに添加する前記7.に記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
10.前記溶液A1はグリコール溶液であり、前記溶液A1の極大吸収波長が562.0~572.0nmである前記7.~9.のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
11.前記溶液B1はグリコール溶液であり、前記溶液B1は極大吸収波長が460.0~463.0nmである前記10.に記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
12.前記グリコール溶液B1は、グリコール溶液中においてリン化合物を170~196℃で125~240分熱処理する前記11.に記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
13.前記溶液A1及び前記溶液B1はグリコール溶液であり、前記グリコール溶液A1と前記グリコール溶液B1との混合液の極大吸収波長が559.5~560.8nmである前記7.~12.のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
14.前記1.~6.のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物から形成されたポリエステルフィルム。
15.前記ポリエステル樹脂組成物にさらに静電密着性付与剤が添加されている前記14.に記載のポリエステルフィルム。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、アルミニウム化合物とリン化合物からなる重合触媒を用いたにもかかわらず、触媒コストを低く抑えつつ、かつポリエステル樹脂組成物中に含まれる触媒由来の異物を低減することができるので、ポリエステル樹脂組成物の作製にかかるコストを低減でき、品質も向上できる。
また、触媒として添加するアルミニウム化合物を溶解した溶液、触媒として添加するリン化合物を溶解した溶液、及びこれらの混合液の酸性度や塩基性度を好ましい範囲にする(前記溶液や前記混合液の極大吸収波長を好ましい範囲にする)ことにより、アルミニウム系異物量の増加をさらに抑制することができる。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物が低コストで得られ、かつ、高品質であるため、本発明のポリエステル樹脂組成物を製膜して得られるポリエステルフィルムの作製コストも低減でき、ポリエステルフィルムの品質も向上させることができる。さらに該ポリエステルフィルムは走行性、耐摩耗性、光学特性などに優れるため、包装用フィルム、工業用フィルムなど、幅広い用途に使用することができる。
実施例および比較例の結果より求めたアルミニウム元素に対するリン元素の残存モル比とアルミニウム系異物量および重合時間との相関図である。 実施例および比較例の結果より求めたリン含有エチレングリコール溶液及びアルミニウム含有エチレングリコール溶液の混合液の極大吸収波長とアルミニウム系異物量および重合時間との相関図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂と該ポリエステル樹脂に不溶な粒子である不溶性粒子とを含む。また、前記ポリエステル樹脂は、アルミニウム化合物及びリン化合物を含む。
[ポリエステル樹脂組成物]
本発明のポリエステル樹脂組成物は下記(1)~(4)を満足する。
(1)前記ポリエステル樹脂組成物中におけるアルミニウム元素の含有率が9~19質量ppm
(2)前記ポリエステル樹脂組成物中におけるリン元素の含有率が13~31質量ppm
(3)前記ポリエステル樹脂組成物中のアルミニウム元素に対するリン元素のモル比が1.32以上1.80以下
(4)前記ポリエステル樹脂組成物中における前記不溶性粒子の含有率が500~2000質量ppm
なお、本明細書においては、質量ppmとは10-4質量%を意味する。
[ポリエステル樹脂]
本発明で用いられるポリエステル樹脂は、多価カルボン酸およびそのエステル形成性誘導体から選ばれる少なくとも一種と多価アルコールおよびそのエステル形成性誘導体から選ばれる少なくとも一種とからなるポリエステル樹脂を含む。
ポリエステル樹脂としては、主たる多価カルボン酸成分がジカルボン酸であることが好ましい。
主たる多価カルボン酸成分がジカルボン酸であるポリエステル樹脂とは、全多価カルボン酸成分に対してジカルボン酸を70モル%以上含有するポリエステル樹脂であることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステル樹脂であり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステル樹脂である。なお、ジカルボン酸を二種以上用いる場合はそれらの合計が上記範囲内であることが好ましい。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、1,3-シクロブタンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2,5-ノルボルナンジカルボン酸、ダイマー酸などに例示される飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などに例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体;オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5-(アルカリ金属)スルホイソフタル酸、ジフェニン酸、1,3-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸、4,4’-ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’-ビフェニルエーテルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸、パモイン酸、アントラセンジカルボン酸などに例示される芳香族ジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体;が挙げられる。
より好ましくは、主たる多価カルボン酸成分がテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体もしくはナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体である。ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、1,3-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
主たる多価カルボン酸成分がテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体もしくはナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体であるポリエステル樹脂とは、全多価カルボン酸成分に対してテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とを合計して70モル%以上含有するポリエステル樹脂であることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステル樹脂であり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステル樹脂である。
特に好ましくは、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体である。必要に応じて、他のジカルボン酸を構成成分としてもよい。
これらジカルボン酸以外の多価カルボン酸として、少量であれば3価以上の多価カルボン酸やヒドロキシカルボン酸を併用してもよく、3~4価の多価カルボン酸であることが好ましい。多価カルボン酸として、例えば、エタントリカルボン酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、3,4,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。全多価カルボン酸成分に対して3価以上の多価カルボン酸は20モル%以下であることが好ましく、より好ましくは10モル%以下であり、さらに好ましくは5モル%以下である。なお、3価以上の多価カルボン酸を二種以上用いる場合はそれらの合計が上記範囲内であることが好ましい。
ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸、3-ヒドロキシ酪酸、p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸、4-ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。全多価カルボン酸成分に対してヒドロキシカルボン酸は20モル%以下であることが好ましく、より好ましくは10モル%以下であり、さらに好ましくは5モル%以下である。なお、ヒドロキシカルボン酸を二種以上用いる場合はそれらの合計が上記範囲内であることが好ましい。
多価カルボン酸もしくはヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、これらのアルキルエステル、酸クロライド、酸無水物などが挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、主たる多価アルコール成分がグリコールであることが好ましい。
主たる多価アルコール成分がグリコールであるポリエステル樹脂(A)とは、全多価アルコール成分に対してグリコールを70モル%以上含有するポリエステル樹脂であることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステル樹脂であり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステル樹脂である。なお、グリコールを二種以上用いる場合はそれらの合計が上記範囲内であることが好ましい。
グリコールとしては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジエタノール、1,10-デカメチレングリコール、1,12-ドデカンジオールなどに例示されるアルキレングリコール;ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどに例示される脂肪族グリコール;ヒドロキノン、4,4’-ジヒドロキシビスフェノール、1,4-ビス(β-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(β-ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(p-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p-ヒドロキシフェニル)メタン、1,2-ビス(p-ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、2,5-ナフタレンジオール、これらのグリコールにエチレンオキシドが付加したグリコール、などに例示される芳香族グリコール;が挙げられる。
これらのグリコールのうち、アルキレングリコールが好ましく、より好ましくは、エチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブチレングリコール、又は1,4-シクロヘキサンジメタノールである。また、前記アルキレングリコールは、分子鎖中に置換基や脂環構造を含んでいてもよく、同時に2種以上を使用してもよい。
これらグリコール以外の多価アルコールとして、少量であれば3価以上の多価アルコールを併用してもよく、3~4価の多価アルコールであることが好ましい。3価以上の多価アルコールとしては、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロール、ヘキサントリオールなどが挙げられる。
全多価アルコール成分に対して3価以上の多価アルコールは20モル%以下であることが好ましく、より好ましくは10モル%以下であり、さらに好ましくは5モル%以下である。なお、3価以上の多価アルコールを二種以上用いる場合はそれらの合計が上記範囲内であることが好ましい。
また、環状エステルの併用も許容される。環状エステルとしては、ε-カプロラクトン、β-プロピオラクトン、β-メチル-β-プロピオラクトン、δ-バレロラクトン、グリコリド、ラクチドなどが挙げられる。また、多価アルコールのエステル形成性誘導体としては、多価アルコールの酢酸等の低級脂肪族カルボン酸とのエステルが挙げられる。
全多価カルボン酸成分及び全多価アルコール成分の合計に対して環状エステルは20モル%以下であることが好ましく、より好ましくは10モル%以下であり、さらに好ましくは5モル%以下である。なお、環状エステルを二種以上用いる場合はそれらの合計が上記範囲内であることが好ましい。
本発明で用いるポリエステル樹脂としては、エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、プロピレンテレフタレート、1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、エチレンナフタレート、ブチレンナフタレート、もしくはプロピレンナフタレートから選択される1種のみのモノマーからなる重合体、又は2種類以上の上記モノマーからなる共重合体であることが好ましく、本発明で用いるポリエステル樹脂はポリエチレンテレフタレート又はエチレンテレフタレートとエチレンテレフタレート以外の上記モノマーの少なくとも一種とからなる共重合体であることがより好ましく、ポリエチレンテレフタレートであることが特に好ましい。エチレンテレフタレートとエチレンテレフタレート以外の上記モノマーの少なくとも一種とからなる共重合体は、エチレンテレフタレートモノマー由来の成分が70モル%以上含有することが好ましく、80モル%以上含有することがより好ましく、90モル%以上含有することがさらに好ましい。
<重合触媒>
本発明のポリエステル樹脂は、アルミニウム化合物由来成分とリン化合物由来成分を触媒量含んでいる。すなわち、本発明のポリエステル樹脂は、アルミニウム化合物とリン化合物からなる重合触媒を用いて製造されている。
<アルミニウム化合物>
上記重合触媒を構成するアルミニウム化合物は溶媒に溶解するものであれば限定されず、公知のアルミニウム化合物が限定なく使用できる。アルミニウム化合物として、例えば、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、シュウ酸アルミニウム、アクリル酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、トリクロロ酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム、サリチル酸アルミニウムなどのカルボン酸塩;塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ホスホン酸アルミニウムなどの無機酸塩;アルミニウムメトキサイド、アルミニウムエトキサイド、アルミニウムn-プロポキサイド、アルミニウムイソプロポキサイド、アルミニウムn-ブトキサイド、アルミニウムt-ブトキサイドなどアルミニウムアルコキサイド;アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムエチルアセトアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテートジiso-プロポキサイドなどのキレート化合物;トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物およびこれらの部分加水分解物、アルミニウムのアルコキサイドやアルミニウムキレート化合物とヒドロキシカルボン酸からなる反応生成物、酸化アルミニウム、超微粒子酸化アルミニウム、アルミニウムシリケート、アルミニウムとチタンやケイ素やジルコニウムやアルカリ金属やアルカリ土類金属などとの複合酸化物などが挙げられる。これらのうちカルボン酸塩、無機酸塩、およびキレート化合物から選ばれる少なくとも1種が好ましく、これらの中でも酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、及びアルミニウムアセチルアセトネートから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、及びアルミニウムアセチルアセトネートから選ばれる少なくとも1種がさらに好ましく、酢酸アルミニウム及び塩基性酢酸アルミニウムから選ばれる少なくとも1種が特に好ましく、塩基性酢酸アルミニウムが最も好ましい。
上記アルミニウム化合物は水やグリコールなどの溶剤に可溶化するアルミニウム化合物であることが好ましい。本発明で使用できる溶媒とは、水およびアルキレングリコール類である。アルキレングリコール類には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジテトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。好ましくは、エチレングリコール、トリメチレングリコール、及びテトラメチレングリコールから選ばれる少なくとも1種であり、さらに好ましくはエチレングリコールである。アルミニウム化合物を水又はエチレングリコールに溶解した溶液を用いることが本発明の効果を顕著に発現することができるので好ましい。
前記ポリエステル樹脂組成物中におけるアルミニウム元素の含有率は、9~19質量ppmであることが必要であり、好ましくは10~19質量ppm、より好ましくは10~17質量ppm、さらに好ましくは12~17質量ppmである。アルミニウム元素が9質量ppm未満では、重合活性が十分に発揮されないおそれがある。一方、19質量ppmを超えるとアルミニウム系異物量が増大するおそれがある。
<リン化合物>
本発明の重合触媒を構成するリン化合物としては、特に限定はされないが、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物を用いると触媒活性の向上効果が大きいため好ましく、これらの中でもホスホン酸系化合物を用いると触媒活性の向上効果が特に大きいためより好ましい。
上記リン化合物のうち、同一分子内にリン元素とフェノール構造を有するリン化合物が好ましい。同一分子内にリン元素とフェノール構造を有するリン化合物であれば特に限定はされないが、同一分子内にリン元素とフェノール構造を有するホスホン酸系化合物、同一分子内にリン元素とフェノール構造を有するホスフィン酸系化合物からなる群より選ばれる一種または二種以上の化合物を用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましく、一種または二種以上の同一分子内にリン元素とフェノール構造を有するホスホン酸系化合物を用いると触媒活性の向上効果が非常に大きくより好ましい。
また、同一分子内にリン元素とフェノール構造を有するリン化合物としては、P(=O)R1(OR2)(OR3)やP(=O)R14(OR2)で表される化合物などが挙げられる。R1はフェノール部を含む炭素数1~50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基などの置換基およびフェノール構造を含む炭素数1~50の炭化水素基を表す。R4は、水素、炭素数1~50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基などの置換基を含む炭素数1~50の炭化水素基を表す。R2、R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1~50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基などの置換基を含む炭素数1~50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基は分岐構造やシクロヘキシル等の脂環構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。R2とR4の末端どうしは結合していてもよい。
同一分子内にリン元素とフェノール構造を有するリン化合物としては、例えば、p-ヒドロキシフェニルホスホン酸、p-ヒドロキシフェニルホスホン酸ジメチル、p-ヒドロキシフェニルホスホン酸ジエチル、p-ヒドロキシフェニルホスホン酸ジフェニル、ビス(p-ヒドロキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(p-ヒドロキシフェニル)ホスフィン酸メチル、ビス(p-ヒドロキシフェニル)ホスフィン酸フェニル、p-ヒドロキシフェニルホスフィン酸、p-ヒドロキシフェニルホスフィン酸メチル、p-ヒドロキシフェニルホスフィン酸フェニル、下記(化式1)で表される3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸ジアルキルなどが挙げられる。同一分子内にリン元素とフェノール構造を有するリン化合物としては、特にヒンダードフェノール構造を有するリン化合物であることが好ましく、中でも、下記(化式1)に示す3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸ジアルキルであることが好ましい。
((化式1)において、X1、X2は、それぞれ、水素、炭素数1~4のアルキル基を表す。)
上記X1、X2のアルキル基の炭素数は1~4が好ましく、1~2がより好ましい。特に、炭素数2のエチルエステル体は、Irganox1222(ビーエーエスエフ社製)が市販されており容易に入手できるので好ましい。
なお、本発明におけるリン化合物としては、上記(化式1)に示す3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸ジアルキルであることが好ましいが、それ以外に3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸ジアルキルの変性体も含まれていてもよい。変性体の詳細については後述する。
前記ポリエステル樹脂組成物中におけるリン元素の含有率は13~31質量ppmであり、15~29ppmであることが好ましい。リン元素が13質量ppm未満では、重合活性の低下やアルミニウム系異物量が増大するおそれがある。一方、31質量ppmを超えると逆に重合活性が低下するおそれやリン化合物の添加量が多くなり、触媒コストが増加するため好ましくない。
<ポリエステル樹脂組成物中のアルミニウム元素に対するリン元素のモル比>
本発明のポリエステル樹脂組成物において、アルミニウム元素に対するリン元素のモル比(後述する「アルミニウム元素に対するリン元素の添加モル比」と区別するため、以下では「アルミニウム元素に対するリン元素の残存モル比」という)を制御することも重要であり、1.32~1.80であることが必要であり、好ましくは1.38~1.68である。上述のように、ポリエステル樹脂組成物中のアルミニウム元素およびリン元素はそれぞれ、ポリエステル樹脂組成物の重合触媒として使用するアルミニウム化合物およびリン化合物に由来する。これらアルミニウム化合物とリン化合物を特定の比率で併用することで、重合系中で触媒活性を有する錯体が機能的に形成され、十分な重合活性を発揮することができる。アルミニウム元素に対するリン元素の残存モル比が1.32未満では、熱安定性および熱酸化安定性が低下するおそれや、アルミニウム系異物量が増大するおそれがある。一方、アルミニウム元素に対するリン元素の残存モル比が1.80を超えると、リン化合物の添加量が多くなりすぎるため、触媒コストが増大する。
本発明では、上述のアルミニウム化合物およびリン化合物に加えて、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物など他の重縮合触媒を、本発明のポリエステル樹脂組成物の特性、加工性、色調等製品に問題を生じない範囲内において併用してもよい。
前記ポリエステル樹脂組成物中におけるアンチモン元素の含有率は30質量ppm以下であることが好ましく、前記ポリエステル樹脂組成物中におけるゲルマニウム元素の含有率は10質量ppm以下であることが好ましく、前記ポリエステル樹脂組成物中におけるチタン元素の含有率は3質量ppm以下であることが好ましい。ただし、本発明の目的から、上記他の重縮合触媒は、極力使用しないことが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物の固有粘度(IV)は、0.56dl/g以上であることが好ましく、0.56~0.65dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.58~0.64dl/gである。ポリエステル樹脂組成物の固有粘度が上記未満の場合、成形物の機械的強度や耐衝撃性が不十分になるおそれがある。一方、ポリエステル樹脂組成物の固有粘度が上記範囲を超えた場合は、経済性が低下するため好ましくない。
[ポリエステル樹脂組成物の製造方法]
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法としては、触媒としてアルミニウム化合物およびリン化合物からなるポリエステル重合触媒を用いる点、下記(5)~(7)を満足するように重合触媒を添加する点、および不溶性粒子を後述の方法で添加する点以外は、公知の工程を備えた方法で行うことができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法としては、中間体として重縮合物(低次縮合物)であるポリエステル又はそのオリゴマーを合成する第1ステップと、前記中間体をさらに重縮合する第2ステップとを有することが好ましい。
また、前記第1ステップ後であって前記第2ステップの前に前記中間体にアルミニウム化合物を溶解した溶液A1とリン化合物を溶解した溶液B1とを下記(5)~(7)を満足するように添加することが好ましい。ポリエステル樹脂の製造に用いられる多価カルボン酸およびそのエステル形成性誘導体、少量添加してもよいヒドロキシカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体、少量添加してもよい環状エステルは、重合中に反応系から系外へ留出せず、触媒として系に最初に添加された使用量のほぼ100%が重合によって製造されたポリエステル樹脂中に残留するため、これらの仕込み量から「生成されるポリエステル樹脂」の質量を算出することができる。
(5) 生成するポリエステル樹脂に対するアルミニウム元素の添加量が9~19質量ppm
(6) 生成するポリエステル樹脂に対するリン元素の添加量が18~38質量ppm
(7) 前記(5)におけるアルミニウム元素の添加量に対する前記(6)におけるリン元素の添加量のモル比(以下、「アルミニウム元素に対するリン元素の添加モル比」という)が1.50以上2.30以下
本発明で用いられる低次縮合物(低重合体)であるポリエステル又はそのオリゴマーの製造方法としては、特に限定されない。
本発明で用いられるポリエステル樹脂の製造方法は、触媒としてアルミニウム化合物およびリン化合物からなるポリエステル重合触媒を用いる点並びにポリエステル樹脂中のアルミニウム元素の含有率、リン元素の含有率、及びアルミニウム元素に対するリン元素のモル比を特定範囲になるように調整する点以外は、従来公知の工程を備えた方法で行うことができる。例えば、ポリエチレンテレフタレートを製造する場合は、テレフタル酸とエチレングリコール、および必要により他の共重合成分を直接反応させて、水を留去しエステル化した後、常圧あるいは減圧下で重縮合を行う直接エステル化法、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコール、および必要により他の共重合成分を反応させてメチルアルコールを留去しエステル交換させた後、常圧あるいは減圧下で重縮合を行うエステル交換法により製造される。さらに必要に応じて、固有粘度を増大させる為に固相重合を行ってもよい。重合は、バッチ式重合法であっても、連続重合法であってもよい。なお、原料として用いたジカルボン酸等を含む多価カルボン酸の量(質量)から、生成するポリエステル樹脂の量(質量)は、算出可能である。
これらいずれの方式においても、エステル化反応あるいはエステル交換反応は、1段階で行ってもよいし、また多段階に分けて行ってもよい。溶融重合反応において、反応器の個数やサイズおよび各工程の製造条件等は限定なく適宜選択でき、1段階で行ってもよいし、また多段階に分けて行ってもよく、2~5段階であることが好ましく、3~4段階であることがより好ましく、3段階であることがさらに好ましい。前記溶融重合反応は、連続式反応装置で行うことが好ましい。連続式反応装置とは、エステル化反応またはエステル交換反応の反応容器と溶融重合反応容器を配管でつなぎ、それぞれの反応容器を空にさせることなく連続的に原料投入、配管での溶融重合反応容器への移送、溶融重合反応容器からの樹脂の抜き出しを行う方法である。なお、この場合、連続とは完全に常時原料投入から抜き出しが行われている必要はなく、少量ずつ、例えば反応容器量の1/10程度の量で、原料投入から抜き出しを行うような間欠的なものであってもよい。多段階に分けてエステル化反応あるいはエステル交換反応、かつ、連続重合法によりポリエステル樹脂組成物を製造される場合、アルミニウム化合物を溶解した溶液A1とリン化合物を溶解した溶液B1とを、多段階の最終の反応槽(最終エステル化反応槽又は最終エステル化反応槽)と最初の重合反応槽との移送ラインに添加することが好ましい。
また、溶融重合法で製造されたポリエステル樹脂を固相重合法で追加重合してもよい。固相重合反応は、溶融重縮合反応と同様に連続式装置で行うことが出来る。
3基以上の反応器よりなる連続重縮合装置(初期段階、中期段階および後期段階の3段階の重合方式)である場合は、1段階目を初期段階、最終段を後期段階、2段階目から最終段の一つ手前の段階までを中間段階とし、中間段階の重合反応の反応条件は、初期段階の反応条件と最終段階の反応条件の間の条件であることが好ましい。これらの重合反応工程の各々において到達される固有粘度の上昇の度合は滑らかに分配されることが好ましい。
本発明においては、前記第1ステップにより作製される中間体(低次縮合物)の酸末端基濃度は400~1500eq/tonであることが好ましい。より好ましくは500~1200eq/tonである。上記オリゴマーの酸末端基濃度の設定値を上記範囲にすることにより、重合触媒の活性を十分に引き出すことが出来る。
また、本発明においては、上記中間体の全末端基濃度に対する水酸基末端の割合(OH%)は45~70モル%であることが好ましく、55~65モル%がより好ましい。オリゴマーの水酸基末端の割合が45モル%未満では重縮合活性が不安定になり、かつアルミニウム系異物量が増大するおそれがある。一方、オリゴマーの水酸基末端の割合が70モル%を超えた場合は、重縮合活性が低下するおそれがある。
アルミニウム化合物およびリン化合物を触媒として用いる場合には、スラリー状または溶液状で添加するのが好ましく、水やグリコールなどの溶媒に溶解した溶液がより好ましく、水および/またはグリコールにしたものがさらに好ましく、エチレングリコールに溶解した溶液を用いることが最も好ましい。
本発明では、エステル化反応またはエステル交換反応の終了後、アルミニウム化合物を溶解した溶液A1とリン化合物を溶解した溶液B1をポリエステル樹脂組成物中におけるアルミニウム元素及びリン元素の含有率(残存量)が上記(1)~(3)を満たす範囲になるように添加するのが好ましい。
アルミニウム化合物を溶解した溶液A1とリン化合物を溶解した溶液B1とをポリエステル樹脂組成物中におけるアルミニウム元素及びリン元素の含有率(残存量)が上記(1)~(3)を満たすように添加することで、重合系中で触媒活性を有する錯体が機能的に形成され、十分な重合活性を発揮することができる。また、アルミニウム系異物の生成も抑制することができる。
なお、触媒として機能するアルミニウム化合物中のアルミニウム元素は、ポリエステル樹脂の重合時に減圧環境下に置かれても、触媒として系に最初に添加された使用量のほぼ100%が、重合によって製造されたポリエステル樹脂中に残留する。すなわち、アルミニウム化合物の量は重縮合の前後でほぼ変化しないため、前記中間体に対するアルミニウム元素の添加量が9~19質量ppmとなるようにすると、ポリエステル樹脂組成物中におけるアルミニウム元素の含有率も9~19質量ppmとなる。
また、アルミニウム化合物とともに触媒として機能するリン化合物は、ポリエステル樹脂の重合時に減圧環境下に置かれる際、触媒として系に最初に添加された使用量の一部(10~40%程度)が系外に除去されるが、この除去割合はアルミニウム元素に対するリン元素の添加モル比、添加するアルミニウム含有グリコール溶液やリン含有グリコール溶液の塩基性度や酸性度、アルミニウム含有溶液やリン含有溶液の添加方法(一液化して添加するか、別々に添加するか)等により変化する。したがって、最終生成物となるポリエステル樹脂組成物中のリン元素の含有率が上記(2)を満たすようにリン化合物の添加量を適宜設定するのが好ましい。
本発明では、アルミニウム化合物を溶解した溶液A1とリン化合物を溶解した溶液B1とを同時に添加することが好ましく、アルミニウム化合物を溶解した溶液A1とリン化合物を溶解した溶液B1とを、あらかじめ前記中間体に添加する比率で混合して混合液を作製しておき、一液化した混合液を前記中間体に添加することがより好ましい実施態様である。該態様で実施することにより、本発明の効果をより安定して発現することが出来る。あらかじめ一液化する方法としては、それぞれの溶液をタンクで混合する方法、触媒を添加する配管を途中で合流して混合させる方法などが挙げられる。
なお、反応容器に添加する場合には、反応容器の撹拌を高くすることが好ましい。反応容器間の配管に添加する場合には、インラインミキサーなどを設置して、添加された触媒溶液が速やかに均一混合されるようにすることが好ましい。
アルミニウム化合物を溶解した溶液A1とリン化合物を溶解した溶液B1とを別々に添加した場合、アルミニウム化合物に起因する異物が多く発生しやすく、昇温結晶化温度が低くなったり、降温結晶化温度が高くなったり、十分な触媒活性が得られなくなる場合がある。アルミニウム化合物とリン化合物を同時に添加することで、重合活性をもたらすアルミニウム化合物とリン化合物の複合体が速やかに無駄なく生成できるが、別々に添加した場合には、アルミニウム化合物とリン化合物の複合体の生成が不十分であり、また、リン化合物との複合体を生成できなかったアルミニウム化合物が異物として析出するおそれがある。
また、アルミニウム化合物を溶解した溶液A1とリン化合物を溶解した溶液B1とは、エステル化反応またはエステル交換反応終了後に添加することが好ましく、前記第1ステップ後であって前記第2ステップの前に前記中間体にアルミニウム化合物を溶解した溶液A1とリン化合物を溶解した溶液B1を添加することがより好ましい。エステル化反応またはエステル交換反応終了前に添加すると、アルミニウム系異物量が増大するおそれがある。
本発明で用いられるポリエステル樹脂が、多価カルボン酸およびそのエステル形成性誘導体から選ばれる少なくとも一種と多価アルコールおよびそのエステル形成性誘導体から選ばれる少なくとも一種とからなるものであるときは、アルミニウム化合物を溶解した溶液A1は、アルミニウム化合物を溶解したグリコール溶液である(以下、アルミニウム含有グリコール溶液A1という)ことが好ましく、リン化合物を溶解した溶液B1は、リン化合物を溶解したグリコール溶液である(以下、リン含有グリコール溶液B1という)ことが好ましい。
以下、アルミニウム含有グリコール溶液A1及びリン含有グリコール溶液B1の極大吸収波長について述べる。アルミニウム含有グリコール溶液A1及びリン含有グリコール溶液B1の極大吸収波長を特定範囲に制御することで、重合活性を安定させ、かつ安定した品質のポリエステル樹脂を得ることができる。アルミニウム含有グリコール溶液A1及びリン含有グリコール溶液B1の極大吸収波長を特定範囲に制御することにより、アルミニウム含有グリコール溶液A1及びリン含有グリコール溶液B1のルイス酸/塩基特性を特定範囲に制御することができ、該ルイス酸/塩基特性は、アルミニウム化合物とリン化合物との錯体形成反応に影響を及ぼし、該錯体形成反応は重合活性に影響を及ぼすと推測される。
<アルミニウム含有グリコール溶液A1の極大吸収波長>
アルミニウム含有グリコール溶液A1は極大吸収波長が562.0~572.0nmであることが好ましく、567.0~572.0nmがより好ましい。アルミニウム含有グリコール溶液A1の極大吸収波長は、アルミニウム含有グリコール溶液A1に酸性染料であるモーダントブルー13を添加した後、紫外可視分光光度計を用いて試料溶液の吸収スペクトルを測定することにより得られた値であり、測定方法の詳細については後述する。
アルミニウム化合物が、リン化合物と触媒活性を持つ錯体を機能的に形成して、重合活性を発揮するには、アルミニウム含有グリコール溶液A1に含まれるアルミニウム化合物の塩基性度を特定範囲にすることが好ましい。
アルミニウム含有グリコール溶液A1の極大吸収波長は、使用するアルミニウム化合物の種類や添加量、またはグリコールの種類、グリコール溶液調合時の温度、圧力、時間等によって影響を受ける。例えば、アルミニウム化合物中のアルミニウム含有率が特定範囲のものを用いることや、アルミニウム含有グリコール溶液A1の調製において水溶液をグリコール溶液化する際に減圧下又は真空下で処理することが好ましい実施態様である。
アルミニウム含有グリコール溶液A1の極大吸収波長が上記範囲未満の場合、溶液中でのアルミニウム化合物の塩基性度が低く、リン化合物との錯体が十分に形成されないため、重合活性が低下する場合や、アルミニウム系異物量が増える可能性がある。一方、極大吸収波長が上記範囲を超えることは、技術的に困難である。
<リン含有グリコール溶液B1の極大吸収波長>
リン含有グリコール溶液B1は極大吸収波長が458.0~465.0nmであることが好ましく、460.0~463.0nmであることがより好ましく、461.0~462.0nmがさらに好ましい。リン含有グリコール溶液B1の極大吸収波長は、リン含有グリコール溶液B1に塩基性染料であるビスマルクブラウン水溶液を添加した後、紫外可視分光光度計を用いて試料溶液の吸収スペクトルを測定することにより得られた値であり、測定方法の詳細については後述する。
リン化合物が、アルミニウム化合物と触媒活性を持つ錯体を機能的に形成して、重合活性を発揮するには、リン含有グリコール溶液B1に含まれるリン化合物の酸性度を特定範囲にすることが好ましい。
リン含有グリコール溶液B1の極大吸収波長は、使用するリン化合物の種類や添加量、またはグリコールの種類、グリコール溶液調合時の温度、圧力、時間等によって影響を受ける。リン含有グリコール溶液B1の極大吸収波長が上記範囲を超える場合は、リン化合物の酸性度が低く、アルミニウム化合物と錯体が十分に形成されないため、リン化合物が重合系外に留去されることによりアルミニウム系異物が増えるので好ましくない。逆に、極大吸収波長が上記範囲未満の場合、リン化合物の酸性度が高く、アルミニウム化合物との結合が強くなるため、重合活性が大幅に低下するおそれがある。
<リン化合物の熱処理>
また、本発明で使用するリン化合物は溶媒中で熱処理されたものであることが好ましい。使用する溶媒としては、水およびアルキレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種であれば限定されないが、アルキレングリコールとしては、リン化合物を溶解する溶媒を用いることが好ましく、エチレングリコール等の目的とするポリエステル樹脂の構成成分であるグリコールを用いることがより好ましい。溶媒中での加熱処理は、リン化合物を溶解してから行うのが好ましいが、完全に溶解していなくてもよい。
上記熱処理の条件は、熱処理温度が170~196℃であることが好ましく、より好ましくは175~185℃、さらに好ましくは175~180℃である。熱処理時間は125~240分が好ましく、より好ましくは140~210分である。
上記熱処理時のリン化合物の濃度は3~10質量%が好ましい。
上記の熱処理により、グリコール溶液中に含まれるリン化合物の酸性度を一定にすることができ、アルミニウム化合物と併用することによる重合活性が向上するとともに、重合触媒に起因するアルミニウム系異物量の生成を低下させることができる。
リン化合物として、上記(化式1)で示したリン化合物である3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸ジアルキルを用いた場合、上記熱処理において、(化式1)で示したリン化合物である3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸ジアルキルの一部が構造変化する。例えば、t-ブチル基の脱離、エチルエステル基の加水分解およびヒドロキシエチルエステル交換構造(エチレングリコールとのエステル交換構造)などに変化する。従って、本発明においては、リン化合物としては、(化式1)で示した3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸ジアルキル以外にも構造変化したリン化合物も含まれる。なお、t-ブチル基の脱離は、重合工程の高温下で顕著に起こる。
以下では、リン化合物を3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチルの一部が構造変化した9つのリン化合物を示している。グリコール溶液中での構造変化した各リン化合物の成分量は、該溶液のP-NMRスペクトル測定法により定量できる。
従って、本発明におけるリン化合物としては、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸ジアルキル以外にも9つの上記化学式で示される3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸ジアルキルの変性体も含まれる。
<アルミニウム含有グリコール溶液A1とリン含有グリコール溶液B1とを混合した混合液の極大吸収波長>
アルミニウム含有グリコール溶液A1とリン含有グリコール溶液B1とを混合した混合液(以下、単に「混合液」という)は極大吸収波長が559.0~560.9nmであることが好ましく、559.5~560.8nmであることがより好ましく、559.7~560.6nmがさらに好ましい。混合液の極大吸収波長は、前記混合液に酸性染料であるモーダントブルー13を添加した後、紫外可視分光光度計を用いて試料溶液の吸収スペクトルを測定することにより得られた値であり、測定方法の詳細については後述する。
前記混合液の極大吸収波長を上記範囲にすることにより、アルミニウム化合物とリン化合物の錯体形成反応が、重合活性の向上とアルミニウム系異物の抑制とを両立させるのに好ましい状態に保つことが出来るので好ましい。一方、極大吸収波長が上記範囲を超える場合は、前記混合液の塩基性度が高く、ポリエステル樹脂の重合系は酸性であることから、前記混合液を重合系中に添加するとアルミニウム化合物がポリエステル樹脂のカルボキシル基末端と中和して異物化し、アルミニウム系異物量が増加するおそれがある。逆に、極大吸収波長が上記範囲未満の場合、前記混合液の塩基性度が低くなりすぎ、アルミニウム化合物とリン化合物の配位が強固になってしまい、重合活性が低下するおそれがある。
[不溶性粒子]
本発明のポリエステル樹脂組成物中における不溶性粒子の含有率は500~2000質量ppmであり、700~1800質量ppmであることが好ましい。本発明のポリエステル樹脂組成物からフィルムを製造したときに、得られるポリエステルフィルムの表面に、不溶性粒子によって突起が形成されることで、フィルムの滑り性、走行性、耐摩耗性、巻き取り性などのハンドリング特性を向上させる機能を発現させることができる。
不溶性粒子の含有率が500質量ppm未満では、フィルムの滑り性、走行性、耐摩耗性、巻き取り性などのハンドリング特性を向上させる効果が不足するため好ましくない。一方、2000質量ppmを超えた場合は、粗大粒子等によるフィルム欠点が増大し、かつフィルムの透明性が低くなるおそれがある。また、重合時に重合活性が低下するおそれがある。
本発明で用いられる不溶性粒子は、ポリエステル樹脂に不溶な粒子であれば特に限定されず、無機粒子であってもよく、有機粒子であってもよい。また、無機と有機の複合粒子であってもよい。
前記無機粒子の種類は特に限定されず、例えば、チタン、アルミニウム、ケイ素、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどの金属の酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、アルミン酸塩などが挙げられる。
前記無機粒子の種類として、具体的には、二酸化チタン、アルミナ、アルミノシリケート、二酸化ケイ素、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどのほか、天然由来のタルク、マイカ、カオリナイト、ゼオライトなどが挙げられるが、これらに限定されない。
前記有機粒子の種類は特に限定されず、シリコーン系、架橋ポリアクリル酸系、ベンゾグアナミン樹脂系などが挙げられる。
不溶性粒子はシリカ粒子であることが、高透明のポリエステルフィルムを得ることができるので好ましい。
不溶性粒子の体積平均粒子径は0.5~3.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.8~2.5μmであり、さらに好ましくは2.0~2.5μmである。不溶性粒子の体積平均粒子径が0.5μm未満であると、滑り性、走行性などのハンドリング特性をフィルムに付与する効果が低下するおそれがある。一方、不溶性粒子の体積平均粒子径が3.0μmを超えた場合は、粗大突起の形成によりフィルムの品質を損なうおそれがある。なお、不溶性粒子の体積平均粒子径は、水あるいはエチレングリコールを媒質とし、レーザー光散乱法で測定した粒度分布から求めることができ、詳細な測定方法は後述する。
<不溶性粒子の添加方法>
不溶性粒子は、エチレングリコールに分散させたスラリーとして添加するのが好ましい。添加時期は特に限定されないが、前記不溶性粒子は前記第1ステップ中又は前記第1ステップ終了後に添加することが好ましい。具体的には、エステル交換反応工程あるいはエステル化反応工程の初期から初期段階の重縮合が開始されるまでの任意の時期に添加すればよい。反応容器に直接添加してもよいし、例えば、各反応容器間の配管にインラインミキサーなどで添加してもよい。また、添加容器を設置して添加してもよい。
また、不溶性粒子の凝集防止のため、エチレングリコールでスラリー化した後、サンドグラインダー、アトライター、超音波などの媒体撹拌型分散機による機械的分散およびアルカリ金属化合物、アンモニウム化合物、リン化合物を添加して分散効率を向上させた後、添加するのがより好ましい。
中間体に対して添加した不溶性粒子は、重合系外へ留去することなく、ポリエステル樹脂組成物中にそのまま残る。すなわち、生成されるポリエステル樹脂に対する前記不溶性粒子の添加量(添加率)はポリエステル樹脂組成物中における不溶性粒子の含有率と同じである。よって、前記中間体に対する前記不溶性粒子の添加量は500~2000質量ppmであり、700~1800質量ppmであることが好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂組成物に含まれる不溶性粒子の定量方法は限定されない。例えば、不溶性粒子固有の特性吸収の値を用いて定量する方法を用いるのが好ましい実施対応である。
本発明で用いられるポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂(不溶性粒子を除いたポリエステル樹脂組成物)中におけるアルミニウム系異物に相当するアルミニウム元素の含有率が3000質量ppm以下であることが好ましく、より好ましくは2800質量ppm以下である。アルミニウム系異物とは重合触媒として用いたアルミニウム化合物に起因するものであり、ポリエステル樹脂に不溶の異物である。アルミニウム系異物の含有率が上記を超えると、ポリエステル樹脂に不溶性の微細な異物が原因となり、フィルムの品位が悪化するおそれがある。また、重縮合工程や製膜工程でのポリエステルろ過時のフィルター詰まりが多くなるという課題にも繋がる。アルミニウム系異物に相当するアルミニウム元素の含有率の好ましい下限は0質量ppmであることが好ましいが、技術的な困難性より300質量ppm程度である。
なお、本明細書では、実施例に後述した測定方法でアルミニウム元素量を測定していることからも分かるように、この指標は、アルミニウム元素量に基づき、アルミニウム系異物量を相対的に評価するものであり、ポリエステル樹脂中に含まれるアルミニウム系異物量の絶対値を示すものではない。
なお、ポリエステル樹脂は、不溶性粒子を含まないこと以外は、上記で説明したポリエステル樹脂組成物と同じ方法で製造して得られる。ポリエステル樹脂組成物における不溶性粒子の有無は、ポリエステル樹脂中に含まれるアルミニウム系異物量には影響しない。よって、ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂組成物の構成成分である不溶性粒子を除いた成分と実質的に同じである。
実施例において後述する評価方法では、ポリエステル樹脂組成物を用いると不溶性粒子がメンブレンフィルターに詰まるため、不溶性粒子とアルミニウム系異物との濾別が出来ない。そのため、ポリエステル樹脂組成物ではなく、不溶性粒子を含まないポリエステル樹脂のアルミニウム系異物量を評価することで、ポリエステル樹脂組成物中のアルミニウム系異物量と見なすことができる。
[ポリエステル樹脂以外の樹脂]
本発明のポリエステル樹脂組成物において、ポリエステル樹脂以外の樹脂が含まれていないことが好ましいが、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、ポリエステル樹脂以外の樹脂を含んでもよい。ポリエステル樹脂以外の樹脂は、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタ-ル樹脂などが挙げられる。ポリエステル樹脂組成物におけるポリエステル樹脂以外の樹脂は好ましくは20質量%以下であり、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、3質量%以下であることが特に好ましく、1質量%以下であることが最も好ましい。ポリエステル樹脂に上記の樹脂を配合する方法は、特に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂製造工程中での添加、製造後のポリエステル樹脂とのドライブレンド等、均一に混合し得る方法などが挙げられる。
[ポリエステルフィルム]
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂組成物から形成されたポリエステルフィルムであることが好ましく、ポリエステル樹脂組成物にさらに静電密着性付与剤が添加されている(ポリエステル樹脂組成物と静電密着性付与剤とから形成されたポリエステルフィルムである)ことがより好ましく、前記ポリエステル樹脂組成物と静電密着性付与剤を含むマスターバッチとから形成されたポリエステルフィルムであることがさらに好ましい。
[静電密着性付与剤]
本発明のポリエステル樹脂組成物にマスターバッチを配合した組成物をフィルム化すると、静電密着キャスト法において、シート状物の冷却ドラムへの静電密着性を向上させることができるので、フィルム生産性の向上や、フィルムの厚み斑低減などの効果が発現できる。これにより、ポリエステルフィルムの生産性および品質を向上させることが出来る。
本発明のポリエステル樹脂組成物に静電密着性付与剤を添加する方法としては、ポリエステル樹脂組成物に静電密着性付与剤を有するマスターバッチを加えることが好ましい。静電密着性付与剤を有するマスターバッチを構成するポリエステル樹脂の構造は限定されないが、本発明で用いられるポリエステル樹脂と同じ構造のポリエステル樹脂であることが好ましい。なお、静電密着性付与剤を有するマスターバッチのことを、以下では静電密着性付与剤含有マスターバッチ又は単に「マスターバッチ」ということがある。
前記マスターバッチの溶融比抵抗は、0.005×108~0.05×108Ω・cmであることが好ましく、0.005×108~0.025×108Ω・cmであることがより好ましい。前記マスターバッチの溶融比抵抗が0.05×108Ω・cmよりも高い場合は、ポリエステル樹脂組成物の製膜性を改善するために前記マスターバッチを多量に添加する必要があり、製造コストの増大などの問題が生じる。前記マスターバッチの溶融比抵抗を0.005×108Ω・cm未満とすることは技術的に困難である。
また、ポリエステルフィルムの製膜性を改善するためには、ポリエステル樹脂組成物に前記マスターバッチを配合した組成物から製膜されたポリエステルフィルムの溶融比抵抗が0.1×108~0.3×108Ω・cmであることが好ましく、0.15×108~0.25×108Ω・cmであることがより好ましい。
静電密着性付与剤は、溶融比抵抗を下げるため、マグネシウム化合物又はアルカリ金属化合物であることが好ましい。また、これらの金属イオン成分を異物化させることなくポリエステル樹脂組成物中で分散させ、さらに熱安定性を向上させるために、リン化合物を添加することが好ましい。
マグネシウム化合物は、ポリエステルフィルム中にマグネシウム元素の含有率が15~150質量ppmとなることが好ましく、30~100質量ppmとなることがより好ましい。マグネシウム元素の含有率が上記範囲未満では、溶融比抵抗が高くなり、静電密着性が悪化して、製膜性が低下するおそれがある。一方、マグネシウム元素の含有率が上記範囲を超えると、不溶性のマグネシウム系異物の生成量が多くなり、また熱安定性の低下を招きフィルムの着色が酷くなるおそれがある。
アルカリ金属化合物は、ポリエステルフィルム中にアルカリ金属元素の含有率が1.5~15質量ppmとなることが好ましく、3~10質量ppmとなることがより好ましい。アルカリ金属元素の含有率が上記範囲未満では、溶融比抵抗が高くなり、静電密着性が悪化して、製膜性が低下するおそれがある。一方、アルカリ金属元素の含有率が上記範囲を超えると、熱安定性の低下を招きフィルムの着色が酷くなるおそれがある。
リン化合物は、ポリエステルフィルム中にリン元素の含有率が7~80質量ppmとなることが好ましく、20~50質量ppmとなることがより好ましい。リン元素の含有率が上記範囲未満では、不溶性の異物の生成量が多くなり、また溶融比抵抗が高くなり、静電密着性が悪化して、製膜性が低下するおそれがある。更に、熱安定性の低下を招きフィルムの着色が酷くなるおそれがある。一方、リン元素の含有率が上記範囲を超えると、溶融比抵抗が高くなり、静電密着性が悪化して、製膜性が低下するおそれがある。
本発明で使用するマグネシウム化合物としては、公知のマグネシウム化合物を使用することができる。例えば、酢酸マグネシウムのような低級脂肪酸塩や、マグネシウムメトキサイドのようなアルコキサイド等が挙げられ、これらはいずれか1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。特に、酢酸マグネシウムが好ましい。
マスターバッチを構成するポリエステル樹脂に対して、マグネシウム元素が400~2700質量ppmとなるように添加することが好ましい。マグネシウム元素の量が400質量ppm未満の場合は、溶融比抵抗が高くなり、ポリエステル樹脂組成物の製膜性を改善するためにマスターバッチを多量に添加する必要があり、マスターバッチとしての効能が低く製造コストの増大などの問題が生じるおそれがある。マグネシウム元素の量が2700質量ppmを超える場合には、溶融比抵抗の向上効果が飽和し、また耐熱性の低下を招きフィルムの着色が酷くなるおそれがある。マグネシウム元素の量は600~2500質量ppmであることがより好ましく、800~2000質量ppmであることがさらに好ましい。
前記マスターバッチに含めるアルカリ金属化合物のアルカリ金属は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられる。また、アルカリ金属化合物としては、例えば、酢酸リチウムや酢酸カリウムのような炭素数が2~4の低級脂肪酸塩や、カリウムメトキサイドのようなアルコキサイド等が挙げられ、これらはいずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。アルカリ金属としては、カリウムが溶融比抵抗を下げる効果が大きく、好ましい。アルカリ金属化合物としては、炭素数が2~4の低級脂肪酸塩であることが好ましく、アルカリ金属酢酸塩がより好ましく、酢酸カリウムがさらに好ましい。
マスターバッチを構成するポリエステル樹脂に対して、アルカリ金属元素が40~270質量ppmとなるように添加することが好ましい。アルカリ金属元素の量が40質量ppm未満の場合は、溶融比抵抗が高くなり、ポリエステル樹脂組成物の製膜性を改善するためにマスターバッチを多量に添加する必要があり、マスターバッチとしての効能が低く製造コストの増大などの問題が生じるおそれがある。アルカリ金属元素の量が270質量ppmを超える場合には、溶融比抵抗の向上効果が飽和し、また耐熱性の低下を招きフィルムの着色が酷くなるおそれがある。アルカリ金属元素の量は60~250質量ppmであることがより好ましく、80~200質量ppmであることがさらに好ましい。
前記マスターバッチに含めるリン化合物としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸およびこれらのエステル化合物が例示される。例えば、リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル、リン酸モノメチル、リン酸ジメチル、リン酸モノブチル、リン酸ジブチル、亜リン酸、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリブチル、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、エチルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジエチル、フェニルホスホン酸ジフェニル、エチルジエチルホスホノアセテート、ホスフィン酸、メチルホスフィン酸、ジメチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ジメチルホスフィン酸メチル、ジフェニルホスフィン酸メチルなどが挙げられる。本発明の効果を顕著に発現するためには、中でも、リン酸トリアルキルエステルおよびエチルジエチルホスホノアセテートからなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、リン酸トリアルキルエステルであることがより好ましい。リン酸トリアルキルエステルの中でも、アルキルエステルのアルキル基の少なくとも一つが炭素数2~4のアルキル基であることがさらに好ましく、アルキルエステルのアルキル基は全て炭素数が2~4のアルキル基であることが特に好ましい。特に好ましいリン化合物として、具体的には、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル等が挙げられ、これらはいずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。特にリン酸トリエチルは、マグネシウムイオンと適度な強さの相互作用を有する錯体を形成すると考えられ、溶融比抵抗が低く、異物が少なく色調に優れたマスターバッチが得られるため最も好ましい。
マスターバッチを構成するポリエステル樹脂に対して、リン元素が200~1700質量ppmとなるように添加することが好ましい。リン元素の量が200質量ppm未満の場合には、マグネシウムイオンとアルカリ金属イオンを安定化し、ポリエステル樹脂中に分散させる効果が低くなるため不溶性のマグネシウム系異物の生成量が多くなるおそれがある。さらに異物化したマグネシウムは溶融比抵抗を下げる効果がなくなるため、溶融比抵抗が高くなるおそれがある。また、耐熱性の低下を招きフィルムの着色が酷くなるおそれがある。リン元素の量が1700質量ppmを超えると、過剰なリン化合物がマグネシウムイオンと相互作用するため、マグネシウムイオンの電荷が溶融比抵抗を下げる効果に寄与せず、マグネシウム添加量が多いにもかかわらず溶融比抵抗が高くなるおそれがある。より好ましいリン元素の量は400~1000質量ppmである。
マスターバッチ中のマグネシウム原子、アルカリ金属原子、およびリン原子の含有率は、下記の実施例で記載の方法で定量することが可能である。マグネシウム化合物、アルカリ金属化合物、およびリン化合物を含むマスターバッチのポリエステル樹脂への添加時期は、特に限定されないが、ポリエステルの重合時、特にエステル化(もしくはエステル交換)工程の途中、またはエステル化(もしくはエステル交換)工程が終了した時点から重縮合工程が始まるまでの間に添加することで、ポリエステルの酸成分とマグネシウムイオンやアルカリ金属イオンが塩を形成して異物化することを抑制でき、またオリゴマー中に均一に分散できるため好ましい。
ポリエステル樹脂の重合時にこれら化合物を添加した場合、マグネシウム原子、アルカリ金属原子は、ほぼ添加量がそのままポリエステル樹脂組成物中に残存するが、リン原子は減圧環境下で重合系外へ留去することがあるため、添加量と残存量との関係を予め把握した上で、リン化合物の添加量を決める必要がある。
ポリエステルが、ジカルボン酸成分とグリコール成分を構成成分とするポリエステルであるとき、ジカルボン酸成分に対するマグネシウム元素の量をmモル%、アルカリ金属元素の量をkモル%、リン元素の量をpモル%としたとき、下記の式を満たすことで、本発明の効果が得られる。
2≦(m+k/2)/p≦3
リン原子がマグネシウムイオンとアルカリ金属イオンを異物化させることなく、安定化させていると考えられる。マグネシウムイオンが2価であるのに対してアルカリ金属イオンが1価であることから、マグネシウムイオンとアルカリ金属イオンの量の和を(m+k/2)と表し、これをpで除した比である(m+k/2)/pをリン原子に対するマグネシウムイオンとアルカリ金属イオンの相対的な量としている。
(m+k/2)/pの値が3を超える場合、リン元素の量がマグネシウム元素とアルカリ金属元素に対して相対的に少なく、マグネシウムイオンとアルカリ金属イオンを安定化し、ポリエステル樹脂中に分散させる効果が低くなり不溶性の異物(マグネシウム塩、アルカリ金属塩)の生成量が多くなる。さらに異物化したマグネシウムは溶融比抵抗を下げる効果がなくなるため、マグネシウム添加量に対して溶融比抵抗が高くなる。また、耐熱性の低下を招き静電密着性付与剤含有マスターバッチやフィルムの色調が悪化する。
「(m+k/2)/p」の値が2未満の場合には、リン元素の量がマグネシウム元素とアルカリ金属元素に対して相対的に過剰になり、過剰なリン化合物がマグネシウムイオンと相互作用するため、色調低下は改善されるが、マグネシウムイオンの電荷が溶融比抵抗を下げる効果に寄与せず、マグネシウム添加量に対して溶融比抵抗が高くなる。(m+k/2)/pは、2.3以上、3以下であることがより好ましく、2.5以上、3以下であることがさらに好ましい。
本願は、2020年9月11日に出願された日本国特許出願第2020-153076号に基づく優先権の利益を主張するものである。2020年9月11日に出願された日本国特許出願第2020-153076号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はもとよりこれらの実施例に限定されるものではない。なお、各実施例および比較例において用いた評価方法は以下の通りである。
〔評価方法〕
(1)アルミニウム含有エチレングリコール溶液a1の極大吸収波長
6mLサンプル瓶にエチレングリコール4mLと1mmol/Lモーダントブルー13水溶液0.3mLを加えた後、後述するアルミニウム含有エチレングリコール溶液a1を0.1mL加えて、サンプル瓶に蓋をして溶液が均一になるまで10秒間振り混ぜた。これを室温(23℃)で10分間静置した後、紫外可視分光光度計を用いて下記の条件で試料溶液の吸収スペクトルを測定し、アルミニウム含有エチレングリコール溶液a1の極大吸収波長を求めた。なお、本測定において、室温とは15~30℃とし、一連の操作はこの温度範囲の室内で行う。
装置:島津製作所社製 紫外可視分光光度計 UV-1800
スペクトルバンド幅:1nm
試料セル:角形セル(材質:ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、光路長:10mm)
対照液:エチレングリコール
スキャン範囲:400~700nm
スキャン速度設定:0.05sec
スキャンピッチ:0.2nm
スキャン回数:1回
(2)リン含有エチレングリコール溶液b1及びb1’の極大吸収波長
6mLサンプル瓶にエチレングリコール4mLと1mmol/Lビスマルクブラウン水溶液0.3mLを加えた後、リン含有エチレングリコール溶液b1を0.1mL加えて、サンプル瓶に蓋をして溶液が均一になるまで10秒間振り混ぜた。これを室温(23℃)で10分間静置した後、紫外可視分光光度計を用いて下記の条件で試料溶液の吸収スペクトルを測定し、リン含有エチレングリコール溶液b1の極大吸収波長を求めた。なお、本測定において、室温とは15~30℃とし、一連の操作はこの温度範囲の室内で行う。
装置:島津製作所社製 紫外可視分光光度計 UV-1800
スペクトルバンド幅:1nm
試料セル:角形セル(材質:PMMA、光路長:10mm)
対照液:エチレングリコール
スキャン範囲:400~700nm
スキャン速度設定:0.05sec
スキャンピッチ:0.2nm
スキャン回数:1回
また、リン含有エチレングリコール溶液b1をリン含有エチレングリコール溶液b1’に変更する以外は上記と同様の評価方法でリン含有エチレングリコール溶液b1’の極大吸収波長を求めた。
(3)アルミニウム含有エチレングリコール溶液a1とリン含有エチレングリコール溶液b1又はb1’との混合液の極大吸収波長
6mLサンプル瓶にエチレングリコール4mLと1mmol/Lモーダントブルー13水溶液0.3mLを加えた後、アルミニウム含有エチレングリコール溶液a1とリン含有エチレングリコール溶液b1又はb1’との混合液0.1mLを加えて、サンプル瓶に蓋をして溶液が均一になるまで10秒間振り混ぜた。これを室温(23℃)で10分間静置した後、紫外可視分光光度計を用いて下記の条件で試料溶液の吸収スペクトルを測定し、極大吸収波長を求めた。上記混合液におけるアルミニウム含有エチレングリコール溶液a1とリン含有エチレングリコール溶液b1又はb1’との混合比率は、各実施例におけるアルミニウム含有エチレングリコール溶液a1とリン含有エチレングリコール溶液b1又はb1’との混合比率と同じである。なお、本測定において、室温とは15~30℃とし、一連の操作はこの温度範囲の室内で行う。
装置:島津製作所社製 紫外可視分光光度計 UV-1800
スペクトルバンド幅:1nm
試料セル:角形セル(材質:PMMA、光路長:10mm)
対照液:エチレングリコール
スキャン範囲:400~700nm
スキャン速度設定:0.05sec
スキャンピッチ:0.2nm
スキャン回数:1回
(4)シリカ粒子の体積平均粒子径
レーザー光散乱方式の粒度分布計(Leeds&Northrup社製、Microtrac HRA model:9320-X100)を用いて、シリカ粒子のエチレングリコールスラリーを水で希釈して実質的に水系で測定した。測定結果の体積累計50%径を体積平均粒子径とした。
(5)ポリエステル樹脂組成物の固有粘度(IV)
ポリエステル樹脂組成物をフェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタン(=3/2;質量比)の混合溶媒に溶解し、温度30℃にて測定した。
(6)ポリエステル樹脂組成物中におけるアルミニウム元素の含有率
白金製るつぼにポリエステル樹脂組成物を秤量し、電気コンロでの炭化の後、マッフル炉で550℃、8時間の条件で灰化した。灰化後のサンプルを1.2M塩酸に溶解し、試料溶液とした。調製した試料溶液を高周波誘導結合プラズマ発光分析法によりポリエステル樹脂組成物中のアルミニウム元素の濃度を求めた。
装置:SPECTRO社製 CIROS-120
プラズマ出力:1400W
プラズマガス:13.0L/min
補助ガス:2.0L/min
ネブライザー:クロスフローネブライザー
チャンバー:サイクロンチャンバー
測定波長:167.078nm
(7)ポリエステル樹脂組成物中におけるリン元素の含有率
ポリエステル樹脂組成物を硫酸、硝酸、過塩素酸で湿式分解を行った後、アンモニア水で中和した。調整した溶液にモリブデン酸アンモニウムおよび硫酸ヒドラジンを加えた後、紫外可視吸光光度計(島津製作所社製、UV-1700)を用いて、波長830nmでの吸光度を測定した。あらかじめ作製した検量線から、ポリエステル樹脂組成物中のリン元素濃度を求めた。
(8)アルミニウム系異物量
ポリエステル樹脂30gおよびp-クロロフェノール/テトラクロロエタン(3/1:質量比)混合溶液250mLを、撹拌子を入れた500mL三角フラスコに投入し、ホットスターラーを使用して100~105℃、1.5時間で加熱溶解した。該溶液を、直径47mm/孔径1.0μmのポリテトラフルオロエチレン製のメンブレンフィルター(Advantec社製PTFEメンブレンフィルター、品名:T100A047A)を用いて、異物を濾別した。有効濾過直径は37.5mmとした。濾過終了後、引き続きクロロホルム50mLを用いて洗浄し、次いでフィルターを乾燥させた。
該メンブレンフィルターの濾過面を、走査型蛍光X線分析装置(RIGAKU社製、ZSX100e、Rhライン球4.0kW)でアルミニウム元素量を定量した。定量はメンブレンフィルターの中心部直径30mmの部分について行った。なお、該蛍光X線分析法の検量線はアルミニウム元素含有率が既知のポリエチレンテレフタレート樹脂を用いて求め、見掛けのアルミニウム元素量をppmで表示した。測定はX線出力50kV-70mAで分光結晶としてペンタエリスリトール、検出器としてPC(プロポーショナルカウンター)を用い、PHA(波高分析器)100-300の条件でAl-Kα線強度を測定することにより実施した。検量線用ポリエチレンテレフタレート樹脂中のアルミニウム元素量は、高周波誘導結合プラズマ発光分析法で定量した。
(9)背圧上昇係数(k)
ポリエステル樹脂組成物を140℃で16時間真空乾燥した後、溶融押出機に供給し、押出機出口圧を1.96MPaにコントロールして、フィルター径14mmφのフィルターを用いて紡糸温度295℃にて吐出量6g/分で4時間紡糸テストを行った。紡糸テスト中、30分ごとにフィルター圧力を記録し、紡糸開始から4時間経過後の圧力(MPa)の値と紡糸開始時の圧力(MPa)の値とを用いて単位時間あたりの背圧上昇分ΔP(MPa/時間)を算出した。
紡糸ノズルには、孔径0.23mmφ、長さ0.3mmのオリフィスを12個有するノズルを使用した。フィルターは、押出機出口側から順に、100メッシュ金網、10μmナスロンフィルター、100メッシュ金網、50メッシュ金網の構成のものを用いた。
背圧上昇係数kは、単位時間あたりの背圧上昇分ΔP(MPa/時間)と流量Q(kg/時間)およびろ過面積S(cm2)から次式により算出した。
k=ΔP/(Q/S)
面積Sはフィルター径より算出、流量Qは吐出量から算出した。
(10)ポリエステルフィルムの静摩擦係数(μs)
同じポリエステルフィルムを2つ用意し、JIS K-7125に準拠し、引張試験機(A&D社製テンシロンRTG-1210)を用い、23℃・65%RH環境下で一方のポリエステルフィルムと他方のポリエステルフィルムとを接合させた場合の静摩擦係数(μs)を求めた。
(11)溶融比抵抗(ρi)
275℃で溶融させた実施例11のフィルム作製に用いた組成物(以下、フィルム作製用組成物という)の両端部に2本の電極(直径0.6mmのステンレス針金)が置かれ、幅2cmの2枚の石英板で上述の組成物及び2本の電極を挟む形で、幅2cm、厚さ0.6mmの均一なフィルム作製用組成物の層を形成し、280℃の温度条件下、120Vの直流電圧を印加した時の電流(io)を測定し、これを次式に当てはめて溶融比抵抗値ρi(Ω・cm)を求めた。また、実施例12のフィルム作製用組成物についても同様に溶融比抵抗を求めた。
ρi(Ω・cm)=(A/L)×(V/io)
[A:電極面積(cm2)、L:電極間距離(cm)、V:電圧(V)、io:電流(A)]
A(cm2)=[溶融したフィルム作製用組成物層の幅]×[厚み]=2(cm)×0.06(cm)であり、V=120(V)である。Lは電極の直径を含めずに測定した値で、1.3cmである。
(12)実施例11及び12のフィルム作製用組成物の静電密着性
押出機の口金部と冷却ドラムの間にタングステンワイヤー製の電極を設け、電極とキャスティングドラム間に10~15KVの電圧を印加してキャスティングを行い、得られたキャスティング原反の表面を肉眼で観察して、ピンナーバブルの発生が起こり始めるキャスティング速度で評価した。キャスティング速度が大きいポリマーほど、静電密着性が良好である。
以下、アルミニウム含有エチレングリコール溶液、リン含有エチレングリコール溶液、シリカ粒子含有エチレングリコールスラリーの調製、及び、静電密着性付与剤含有マスターバッチの調製について説明する。
(1)アルミニウム含有エチレングリコール溶液a1の調製
塩基性酢酸アルミニウムの20g/L水溶液に対して、等量(容量比)のエチレングリコールをともに調合タンクに仕込み、室温(23℃)で数時間撹拌した後、減圧(3kPa)下、50~90℃で数時間撹拌しながら系から水を留去し、アルミニウム化合物が20g/L含まれたアルミニウム含有エチレングリコール溶液a1を調製した。アルミニウム含有エチレングリコール溶液a1の極大吸収波長は571.6nmであった。
(2)リン含有エチレングリコール溶液b1及びb1’の調製
<リン含有エチレングリコール溶液b1>
リン化合物として、Irganox1222(ビーエーエスエフ社製)を、エチレングリコールとともに調合タンクに仕込み、窒素置換下撹拌しながら175℃で150分熱処理し、リン化合物が50g/L含まれたリン含有エチレングリコール溶液b1を調製した。リン含有エチレングリコール溶液b1の極大吸収波長は461.2nmであった。
<リン含有エチレングリコール溶液b1’>
熱処理条件を80℃で60分に変更した以外はリン含有エチレングリコール溶液b1と同様の方法でリン含有エチレングリコール溶液b1’を調製した。リン含有エチレングリコール溶液b1’の極大吸収波長は470.8nmであった。
リン含有エチレングリコール溶液b1’は比較例8で使用し、全ての実施例及び比較例8以外の比較例ではリン含有エチレングリコール溶液b1を使用した。
(3)シリカ粒子含有エチレングリコールスラリーの調製
ホモジナイザー付きの分散槽にエチレングリコール5リットルと、平均粒子径2.4μmのシリカ粒子(富士シリシア化学製、サイリシア310)600gを入れて、8000rpmで2時間分散撹拌し、120g/Lのスラリーとした。
(4)静電密着性付与剤を含むマスターバッチの調製
撹拌機、蒸留塔、圧力調整器を備えた重合設備にテレフタル酸、エチレングリコール、およびトリエチルアミンを仕込み、常法に従ってエステル化反応を行い、中間生成体であるポリエステルオリゴマーを作製した。続いて、該ポリエステルオリゴマーに塩基性酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム二水和物、酢酸カリウム、リン酸トリエチルを生成されるポリエステル樹脂(生成されるポリエステル樹脂の理論量)に対してそれぞれアルミニウム元素として60質量ppm、マグネシウム元素として1000質量ppm、カリウム元素として100質量ppm、リン元素として660質量ppmとなるように添加した。
その後、1時間で系の温度を280℃まで昇温して、この間に系の圧力を徐々に減じて150Paとし、この条件下で80分間重縮合反応を行い、静電密着性付与剤を含むマスターバッチを得た。得られたマスターバッチのIVは0.5dl/g、ρi値は0.011×108Ω・cmであった。
[バッチ式重合法の例]
(実施例1)
撹拌機付き10Lステンレス製オートクレーブに、事前に調合した高純度テレフタル酸とエチレングリコールからなるエステル化率が約95%のポリエステルオリゴマーと、高純度テレフタル酸および上記方法で調製したシリカ粒子含有エチレングリコールスラリーを得られるオリゴマー混合物の質量に対してシリカ粒子として1200質量ppmとなるように仕込み、260℃でエステル化反応を行って、オリゴマー混合物を得た。得られたオリゴマー混合物は酸末端基の濃度が750eq/tonであり、水酸基末端の割合(OH%)は59モル%であった。
得られたオリゴマー混合物に、上記方法で調製したアルミニウム含有エチレングリコール溶液a1およびリン含有エチレングリコール溶液b1を混合し一液化した混合液を添加した。該混合液は、それぞれオリゴマー混合物の質量に対して、アルミニウム元素およびリン元素として10質量ppmおよび20質量ppmとなるように作製した。なお、生成されるポリエステル樹脂の量は、添加するテレフタル酸の量より算出可能であり、本実施例では、生成されるポリエステル樹脂に対してアルミニウム元素およびリン元素として10質量ppmおよび20質量ppmとなるように混合液が添加されている。
その後、1時間で系の温度を280℃まで昇温して、この間に系の圧力を徐々に減じて0.15kPaとし、この条件下で重縮合反応を行い、IVが0.60dl/gのポリエステル樹脂組成物を得た。
(実施例2~5、比較例1~5)
アルミニウム含有エチレングリコール溶液a1とリン含有エチレングリコール溶液b1とを、得られるポリエステル樹脂組成物に対して表1に記載の触媒元素添加量となるように添加した以外は実施例1と同様の方法でポリエステル樹脂組成物を得た。
(比較例6)
シリカ粒子含有エチレングリコールスラリーの添加量を変更した以外は実施例2と同様の方法でポリエステル樹脂組成物を得た。
(比較例7)
シリカ粒子含有エチレングリコールスラリーを添加しない以外は実施例2と同様の方法でポリエステル樹脂を得た。
(比較例8)
リン含有エチレングリコール溶液として前記溶液b1に代えて前記溶液b1’を用いた以外は実施例2と同様の方法でポリエステル樹脂組成物を得た。
(アルミニウム系異物量測定用ポリエステル樹脂の製造方法)
シリカ粒子含有エチレングリコールスラリーを添加しない以外は、実施例1~5及び比較例1~6、8と同様の方法でポリエステル樹脂を作製し、アルミニウム系異物量測定用ポリエステル樹脂とした。なお、比較例7では、シリカ粒子含有エチレングリコールスラリーを添加していないので、比較例7のポリエステル樹脂をそのままアルミニウム系異物量測定用ポリエステル樹脂として用いた。
実施例1~5及び比較例1~6、8で得られたポリエステル樹脂組成物、並びに比較例7で得られたポリエステル樹脂の物性を表1に示した。表1及び後述の表2では、アルミニウム元素の添加量・残存量をAl、リン元素の添加量・残存量をP、アルミニウム元素に対するリン元素の添加モル比・残存モル比をP/Alと記載した。
実施例1~5のポリエステル樹脂組成物は、アルミニウム元素及びリン元素の添加量が少ないにもかかわらず、重合時間が短くなっており、アルミニウム系異物量も少ないため背圧上昇係数も小さく高品質である。また、触媒添加量も少ないことから、触媒のコストを低減できる。
比較例1及び2は、リン化合物の添加量が多いので触媒コストが高く、かつアルミニウム元素に対するリン元素の添加モル比が高いのでアルミニウム系異物が抑制される点では好ましいが、重合活性が低下するので好ましくない。また、触媒コストが高くなる。
比較例3では、アルミニウム元素に対するリン元素の残存モル比は本発明の範囲内であるものの、アルミニウム元素の添加量が少なすぎるために重合活性が不足し、重合時間が長くなっている。
比較例4及び5は、アルミニウム元素に対するリン元素の残存モル比が低すぎるため、ポリエステル樹脂組成物中のアルミニウム系異物量が増大して背圧上昇係数が大きくなるため、ポリエステル樹脂組成物の品位が劣っている。
比較例6では、アルミニウム元素に対するリン元素の残存モル比は本発明の範囲内であるが、シリカ粒子の添加量が多すぎるために重合活性が低下し、重合時間が長くなっている。
比較例7については、比較例12(比較例7のポリエステル樹脂を用いて製造したフィルム)の箇所にて後述する。
比較例8では、アルミニウム元素に対するリン元素の添加モル比は本発明の範囲内であり、重合時間が短く、触媒コストも低い。しかし、リン含有エチレングリコール溶液b1’の極大吸収波長が実施例1~5と比べると大きすぎるため、アルミニウム元素に対するリン元素の残存モル比が低くなり、ポリエステル樹脂組成物中のアルミニウム系異物量が増大して背圧上昇係数が大きくなるため、ポリエステル樹脂組成物の品位が劣っている。
[連続重合法の例]
(実施例6)
3基の連続エステル化反応器および3基の連続重縮合反応器よりなり、かつ第3エステル化反応器から第1重縮合反応器への移送ラインに高速撹拌器を有したインラインミキサーが設置されたポリエステル樹脂の連続式製造装置に、高純度テレフタル酸1質量部に対してエチレングリコール0.75質量部を混合して調整されたスラリーを連続的に供給し、第1エステル化反応器の反応温度255℃、圧力203kPa、第2エステル化反応器の反応温度261℃、圧力102kPa、第3エステル化反応器の反応温度261-263℃、圧力126kPaにて反応させて、オリゴマーを得た。第3エステル化反応器出口のオリゴマーは酸末端基の濃度が550eq/tonであり、水酸基末端の割合(OH%)は60モル%であった。
得られたオリゴマーに、上記方法で調製したアルミニウム含有エチレングリコール溶液a1およびリン含有エチレングリコール溶液b1を混合し一液化した混合液及び上記方法にて調製したシリカ粒子含有エチレングリコールスラリーを、第3エステル化槽から第1重縮合反応器への移送ラインにインラインミキサーを用いて添加した。なお、触媒として、上記方法で調製したアルミニウム含有エチレングリコール溶液a1およびリン含有エチレングリコール溶液b1を、それぞれ得られたオリゴマーに対して、アルミニウム元素およびリン元素として13質量ppmおよび36質量ppmとなるように混合し、シリカ粒子として、得られたオリゴマーに対して1200質量ppmとなるように、上記混合液及び上記シリカ粒子含有エチレングリコールスラリーを添加している。なお、生成されるポリエステル樹脂の量は、添加するテレフタル酸の量より算出可能であり、本実施例では、生成されるポリエステル樹脂に対してアルミニウム元素およびリン元素として13質量ppmおよび36質量ppmとなるように混合液が添加されている。
混合液及びシリカ粒子を含む上記オリゴマーを、3基の反応器よりなる連続重縮合装置に連続して移送し、第1重縮合反応器の反応温度268℃、圧力5.3kPa、第2重縮合反応器の反応温度270℃、圧力0.930kPa、第3重縮合反応器の反応温度274℃、圧力0.162kPaにて重縮合を行い、IVが0.59dl/gのポリエステル樹脂組成物を得た。ポリエステル樹脂組成物は、ストランド状に押し出し、水中で冷却した後カットし、ペレット化した。
(実施例7,8、比較例9,10)
アルミニウム含有エチレングリコール溶液a1およびリン含有エチレングリコール溶液b1を、得られたオリゴマーに対して表2に記載の触媒元素添加量となるように添加した以外は実施例6と同様の方法でポリエステル樹脂組成物を得た。
実施例6~8および比較例9、10で得られたポリエステル樹脂組成物の物性等を表2に示した。
表2に記載の生産量比とは、比較例9の1時間当たりの生産量を基準として(比較例9の1時間当たりの生産量を1.00として)、実施例6~8および比較例10の1時間当たりの生産量を比率で表したものであり、生産量比が1より高ければ触媒の重合活性が高く、逆に生産量比が1以下であれば触媒の重合活性が低いことを示している。
実施例6~8のポリエステル樹脂組成物は、生産量比が比較例9よりも大きく、アルミニウム元素及びリン元素の添加量が少なく、触媒コストが低減でき、かつ重合活性が向上している。また、ポリエステル樹脂組成物中のアルミニウム系異物量も少ないため、背圧上昇係数も小さく、高品質なポリエステル樹脂組成物が得られている。
比較例10は、アルミニウム元素に対するリン元素の残存モル比が低すぎるため、ポリエステル樹脂組成物中のアルミニウム系異物量が増大して背圧上昇係数が大きくなり、ポリエステル樹脂組成物の品位が劣っている。また、生産量比も低い。
表1の実施例1~5および比較例1、2、4、5の結果を用いて、アルミニウム元素に対するリン元素の残存モル比とアルミニウム系異物量および重合時間との関係を図1に、アルミニウム含有エチレングリコール溶液a1とリン含有エチレングリコール溶液b1との混合液の極大吸収波長とアルミニウム系異物量および重合時間との関係を図2に示した。
これらの図において、比較例3の値は除いている。その理由は、比較例3ではアルミニウム元素に対するリン元素の残存モル比は本発明の範囲内であるものの、アルミニウム残存量が少なすぎるために触媒活性が充分に発揮されておらず、他の場合よりも重合活性が不足しているためである。
これらの図より、本発明の範囲が臨界的であることが明確である。また、アルミニウム系異物量と重合時間が二律背反事象であることが明確である。
[ポリエステルフィルムの製造]
(実施例9)
実施例1で得られたポリエステル樹脂組成物を、135℃で10時間真空乾燥した。次いで、二軸押出機に定量供給して、280℃でシート状に押出し、表面温度を20℃に保った金属ロール上で急冷固化し、厚さ1400μmのキャストフィルムを得た。該金属ロール上で急冷固化する際に、ノコギリ状の電極よりなる静電密着装置で金属ロールへの密着性を向上させた。
次に、このキャストフィルムを加熱されたロール群および赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に3.5倍に延伸して一軸配向フィルムを得た。引き続いて、テンターで120℃で幅方向に4.0倍に延伸し、フィルム幅長を固定した状態で、260℃で0.5秒間赤外線ヒーターで加熱し、さらに200℃で23秒間3%の弛緩処理を行い、厚さ100μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルムの静摩擦係数(μs)は0.50であり、滑り性が良好で、走行性、耐摩耗性、巻き取り性などのハンドリング特性に優れたフィルムと言える。
(実施例10)
実施例6で得られたポリエステル樹脂組成物を用いた以外は実施例9と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムの静摩擦係数(μs)は0.50であり、滑り性が良好で、走行性、耐摩耗性、巻き取り性などのハンドリング特性に優れたフィルムと言える。
(比較例11)
比較例6で得られたポリエステル樹脂を用いた以外は実施例9と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムの静摩擦係数(μs)は0.45であり、滑り性が良好で、走行性、耐摩耗性、巻き取り性などのハンドリング特性に優れたフィルムと言えるが、目視による評価で、実施例9、10のフィルムに比べて透明性が劣っていた。
(比較例12)
比較例7で得られたポリエステル樹脂組成物を用いた以外は実施例9と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムの静摩擦係数(μs)は1以上であり、滑り性が劣り、走行性、耐摩耗性、巻き取り性などのハンドリング特性に劣るフィルムと言える。
(実施例11)
実施例6のポリエステル樹脂組成物を135℃で10時間真空乾燥した。次いで、二軸押出機に定量供給し、280℃でシート状に押出し、表面温度を20℃に保った金属ロール上で急冷固化し、厚さ1680μmのキャストフィルムを得た。該金属ロール上で急冷固化する際に、汎用されているワイヤー状の電極よりなる静電密着装置で金属ロールへの密着性を向上させた。
次に、このキャストフィルムを加熱されたロール群および赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に3.5倍に延伸して一軸配向フィルムを得た。引き続いて、テンターで120℃で幅方向に4.0倍に延伸し、フィルム幅長を固定した状態で、260℃で0.5秒間赤外線ヒーターで加熱し、さらに200℃で23秒間3%の弛緩処理を行い、厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの特性を表3に示す。
(実施例12)
実施例6のポリエステル樹脂組成物および上記方法で調製した静電密着性付与剤含有マスターバッチを表3に示した割合で混合した後に135℃で10時間真空乾燥した以外は、実施例11と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムの特性を表3に示す。実施例12のポリエステルフィルムは実施例11のポリエステルフィルムより静電密着性が優れており、製膜速度を上げてフィルムを製造することが出来る。
実施例11のポリエステルフィルムは、アルミニウム系異物が少ないため、フィルムの品質としては高品質である。実施例12のポリエステルフィルムは、フィルムの品質としては高品質である上にフィルム生産性に優れ、かつ得られたフィルムの滑り性等の特性が優れており、フィルム生産性向上の要求が強い薄手のフィルム、例えば、包装用フィルム等の生産に好適である。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、アルミニウム化合物とリン化合物からなる重合触媒によって得られるポリエステル樹脂組成物の課題であった触媒コストを低く抑えつつも、ポリエステル樹脂組成物の生産性を向上させることができ、かつポリエステル樹脂組成物中に含まれる触媒由来の異物を低減できる。これより、クリーンで高品位のポリエステル樹脂組成物を提供することができる。また、本発明のポリエステル樹脂組成物を用いて製造されたポリエステルフィルムは滑り性を有する。
さらに、本発明のポリエステル樹脂組成物に静電密着性付与剤を添加して製膜することにより、溶融比抵抗を十分に低くすることができ、製膜性を改善し、品位にも優れたポリエステルフィルムを製造することができる。
したがって、本発明のポリエステル樹脂組成物を用いて製造されたポリエステルフィルムは、例えば、帯電防止性フィルム、易接着性フィルム、カード用、ダミー缶用、農業用、建材用、化粧材用、壁紙用、OHPフィルム用、印刷用、インクジェット記録用、昇華転写記録用、レーザービームプリンタ記録用、電子写真記録用、熱転写記録用、感熱転写記録用、プリント基板配線用、メンブレンスイッチ用、プラズマディスプレイ用近赤外線吸収フィルム、タッチパネルやエレクトロルミネッセンス用の透明導電性フィルム、マスキングフィルム用、写真製版用、レントゲンフィルム用、写真ネガフィルム用、位相差フィルム用、偏光フィルム用、偏光膜保護(TAC)用、偏向板や位相差板の検査用プロテクトフィルムおよび/又はセパレータフィルム、感光性樹脂フィルム用、視野拡大フィルム用、拡散シート用、反射フィルム用、反射防止フィルム用、紫外線防止用、バックグラインドテープ用など、幅広い用途に使用することができる。

Claims (13)

  1. ポリエステル樹脂と該ポリエステル樹脂に不溶な粒子である不溶性粒子とを含むポリエステル樹脂組成物であって、
    前記ポリエステル樹脂が、重合触媒由来物を含み、前記重合触媒が、アルミニウム化合物とリン化合物からなる重合触媒のみを含み、前記ポリエステル樹脂組成物は下記(1)~(4)を満足することを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
    (1) 前記ポリエステル樹脂組成物中におけるアルミニウム元素の含有率が9~19質量ppm
    (2) 前記ポリエステル樹脂組成物中におけるリン元素の含有率が13~31質量ppm
    (3) 前記ポリエステル樹脂組成物中のアルミニウム元素に対するリン元素のモル比が1.32以上1.80以下
    (4) 前記ポリエステル樹脂組成物中における前記不溶性粒子の含有率が500~2000質量ppm
  2. 前記ポリエステル樹脂中のアルミニウム系異物におけるアルミニウム系異物に相当するアルミニウム元素の含有率が3000質量ppm以下である請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 固有粘度(IV)が0.56dl/g以上である請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 前記リン化合物は同一分子内にリン元素とフェノール構造を有する請求項1~3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. 前記不溶性粒子の体積平均粒子径が0.5~3.0μmである請求項1~4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  6. 前記不溶性粒子がシリカである請求項1~5のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を製造するポリエステル樹脂組成物の製造方法であって、
    中間体として重縮合物であるポリエステル又はそのオリゴマーを合成する第1ステップと、
    前記中間体をさらに重縮合する第2ステップとを有し、
    前記第1ステップ後であって前記第2ステップの前に前記中間体にアルミニウム化合物を溶解した溶液A1とリン化合物を溶解した溶液B1とを同時に添加し、前記溶液A1及び前記溶液B1の添加量は下記(5)~(7)を満足し、前記溶液A1はグリコール溶液であり、前記溶液A1の極大吸収波長が562.0~572.0nmであり、前記溶液B1はグリコール溶液であり、前記溶液B1は極大吸収波長が460.0~463.0nmであり、
    前記第1ステップ中又は前記第1ステップ終了後に前記不溶性粒子を添加し、前記不溶性粒子の添加量は下記(8)を満足することを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。
    (5) 生成される前記ポリエステル樹脂に対するアルミニウム元素の添加量が9~19質量ppm
    (6) 生成される前記ポリエステル樹脂に対するリン元素の添加量が18~38質量ppm
    (7) 前記(5)におけるアルミニウム元素の添加量に対する前記(6)におけるリン元素の添加量のモル比が1.50以上2.30以下
    (8) 生成される前記ポリエステル樹脂に対する前記不溶性粒子の添加量が500~2000質量ppm
  8. 前記ポリエステル樹脂組成物はバッチ式重合法により製造される請求項7に記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  9. 前記ポリエステル樹脂組成物は連続重合法により製造されており、前記溶液A1及び前記溶液B1を、最終エステル化反応槽又は最終エステル化反応槽と最初の重合反応槽との移送ラインに添加する請求項7に記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  10. 前記グリコール溶液B1は、グリコール溶液中においてリン化合物を170~196℃で125~240分熱処理する請求項に記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  11. 記グリコール溶液A1と前記グリコール溶液B1との混合液の極大吸収波長が559.5~560.8nmである請求項7~10のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  12. 請求項1~6のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物から形成されたポリエステルフィルム。
  13. 前記ポリエステル樹脂組成物にさらに静電密着性付与剤が添加されている請求項12に記載のポリエステルフィルム。
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