[形態1]
形態1の立上管用蓋ユニットは、
立上管の上端に設けられた蓋受体に取り付けられる蓋取付用アダプタと、
前記蓋取付用アダプタを介して支持される蓋体と、
からなる立上管用蓋ユニット。
この特徴によれば、既設の立上管に取り付けられた蓋受体の形状やサイズにかかわらず、新たな蓋体を蓋取付用アダプタとともに取り付けることができる。
[形態2]
形態2の立上管用蓋ユニットは、形態1に記載の立上管用蓋ユニットであって、
前記蓋取付用アダプタは、
前記蓋受体に支持される第1フランジ部と、
前記蓋体を支持する第2フランジ部と、
下方に延設される垂下部と、
が一体に成形されていることを特徴としている。
この特徴によれば、垂下部が立上管の上端開口部に挿入されて第1フランジ部が蓋受体に支持されることで、第2フランジ部を介して蓋体を支持することが可能となるため、既設の立上管に取り付けられた蓋受体の形状やサイズにかかわらず、新たな蓋体を蓋取付用アダプタとともに取り付けることができる。
[形態3]
形態3の立上管用蓋ユニットは、形態1に記載の立上管用蓋ユニットであって、
前記蓋取付用アダプタは、
外方に延設される第1フランジ部と、
内方に延設される第2フランジ部と、
下方に延設される垂下部と、
が一体に成形されたことを特徴としている。
この特徴によれば、垂下部が立上管の上端開口部に挿入されて第1フランジ部が蓋受体に支持されることで、第2フランジ部を介して蓋体を支持することが可能となるため、既設の立上管の形状やサイズにかかわらず、新たな蓋体を取り付けることができる。
[形態4]
形態4の立上管用蓋ユニットは、形態1~3のいずれかに記載の立上管用蓋ユニットであって、
前記蓋体は、宅地内に敷設された排水管路内の内圧を排水管路外に開放可能な圧力開放手段を有する圧力開放用蓋体を含む
ことを特徴としている。
この特徴によれば、排水管路内の内圧が上昇したときに、圧力開放手段から空気が排水管路外へ排出されることで、排水管路内の内圧の上昇を抑えることが可能となるため、内圧の上昇により蓋体が外れてしまうことを防止できる。
[形態5]
形態5の立上管用蓋ユニットは、形態4に記載の立上管用蓋ユニットであって、
前記立上管は、前記排水管路に複数設けられ、
前記圧力開放用蓋体は、宅地内に敷設された前記排水管路に複数設けられた前記立上管のうち、前記排水管路内で高まった内圧の逆流に対向する対向端壁部を備えた圧上昇発生部に位置する前記立上管に設置可能である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、圧上昇発生部に位置する立上管に設置された圧力開放手段に向かって配管内で加圧された空気が対向端壁部に当たって立上管内を上昇するので、圧力開放手段が作動し易くなり、効率的に排水管路内の圧力を外部に逃がすことができる。したがって、少数の圧力開放手段によって建物内の封水破壊を効率的に抑制することができる。
尚、本発明における「対向端壁部」とは、排水管路の長手方向の上流側端部に位置する立壁部であって、「圧上昇発生部」とは、排水管路内を逆流した内圧の上昇分が逃げる流路がない部分を言う。なお、排水管路の上流側端部には、建物からの排水配管が接続されるが、排水配管は、排水管路に対して小径であるので、高まった内圧が逃げる流路がないと見なす。
[形態6]
形態6の立上管用蓋ユニットは、形態2~5のいずれかに記載の立上管用蓋ユニットであって、
前記蓋受体の上端は地面と面一または略面一であり、
前記蓋取付用アダプタは、前記第1フランジ部の外周から内方に向けて下方に傾斜する傾斜部を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、蓋受体に第1フランジ部が支持されることで蓋取付用アダプタが地面から突出して設けられても、蓋取付用アダプタの外周に下方に傾斜する傾斜面が形成されることで、蓋取付用アダプタに足をぶつけにくくなるので、躓いたりすることを抑制できる。
[形態7]
形態7の立上管用蓋ユニットは、形態2~6のいずれかに記載の立上管用蓋ユニットであって、
前記第2フランジ部の上面は、前記第1フランジ部よりも下方に位置する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1フランジ部の上面に比して、蓋体を極力上方に突出しないように設けることができる。
[形態8]
形態8の立上管用蓋ユニットは、形態2~7のいずれかに記載の立上管用蓋ユニットであって、
前記垂下部は環状に形成されている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、垂下部が蓋受体の内周面に沿うように挿入されるため、この垂下部に沿って設置される蓋体を立上管の上端開口部の中心に支持することができる。
[形態9]
形態9の立上管用蓋ユニットは、形態2~8のいずれかに記載の立上管用蓋ユニットであって、
前記蓋取付用アダプタは、前記第1フランジ部が前記蓋受体に支持された状態において、前記蓋取付用アダプタの下部は、前記蓋受体に対し離間している
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1フランジ部のみで蓋受体に支持されるので、蓋取付用アダプタにがたつきが生じることがない。
[形態10]
形態10の立上管用蓋ユニットは、形態1~9のいずれかに記載の立上管用蓋ユニットであって、
前記第1フランジ部は、前記立上管に接着剤にて固定される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、蓋取付用アダプタが立上管から外れてしまうことを防止できる。
[形態11]
形態11の立上管用蓋ユニットは、形態1~10のいずれかに記載の立上管用蓋ユニットであって、
前記蓋取付用アダプタは、前記蓋受体に係止可能な係止部を有し、
前記係止部が前記蓋受体に係止されることで前記立上管からの逸脱が規制される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、蓋受体に蓋取付用アダプタを係止させるだけで、蓋取付用アダプタが立上管から外れてしまうことを防止できる。
[形態12]
形態12の立上管用蓋ユニットは、形態11に記載の立上管用蓋ユニットであって、
前記係止部は、前記蓋取付用アダプタに前記蓋体が支持されることで、前記蓋受体との係止状態を解除することが困難に設けられている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、蓋体が支持されているときは係止部と蓋受体との係止状態を容易に解除できないので、蓋取付用アダプタが立上管から不用意に外れてしまうことを防止できる。
[形態13]
形態13の立上管用蓋ユニットは、形態2~12のいずれかに記載の立上管用蓋ユニットであって、
前記蓋取付用アダプタは、前記第2フランジ部から下方に延設される枠状部を有し、
前記蓋体が前記蓋取付用アダプタに支持されたときに、該蓋体の外周面に設けられたシール部材が前記枠状部の内周面に当接する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、枠状部が設けられることで、立上管の内壁に大きさが異なる蓋体のシール部材を当接させるために大きさや形状を変更せずに済むため、立上管の上端開口部を好適に封止することができる。
以下に、本発明の実施例1に係る排圧配管について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施例では、図1に示すように、排圧配管1を戸建て住宅2に接続した場合を例に挙げて説明する。排圧配管1は、戸建ての住宅2の図示しない浴室やトイレやキッチン等の水回りから延在する排水手段と、敷地外の下水配管3とに接続されており、住宅2の生活排水を下水配管3に排水する。排圧配管1は敷地内に埋設され、下水配管3は敷地外の道路に埋設されている。
本実施例に係る排圧配管1は、配管本体部10と、立上管20と、圧力開放手段30とを備えている。
配管本体部10は、排水手段から下水道へと至る円筒状の配管である。排水手段は、住宅2の水回りから延在する排水配管11であり、配管本体部10よりも小径である。配管本体部10は、上流側から下流側に向かって所定の排水勾配を持って配置されている。本実施例では、配管本体部10は、直線状に形成され、戸建て住宅2の側面に沿って延在している。なお、配管本体部10の形状は、一例であって、設置される建物の形状や、水回りの配置位置に応じて適宜決定される。
立上管20は、配管本体部10に複数(本実施例では7つ)設けられており、住宅2から延在する排水配管11の接続位置にそれぞれ設けられている。立上管20は、円筒状に形成され、地中の配管本体部10から地表面に向かって立ち上がっており、これにより配管内部およびマス内部の点検を可能にしている。立上管20の上端部は、地表面と面一で露出されている。立上管20の上端には、蓋部材21または圧力開放手段30が着脱可能に取り付けられている。蓋部材21または圧力開放手段30は、立上管20の上端部に装着されており、蓋部材21または圧力開放手段30を取り外すことで、立上管20内部を点検することが可能となっている。
圧力開放手段30は、配管本体部10の内圧を外部に開放するものである。本実施例では、圧力開放手段30は、立上管20の上端部に装着される圧力開放蓋にて構成されている。圧力開放蓋は、図2に示すように、外枠部31と内枠部32と昇降部33とを備えている。
外枠部31は、立上管20の上端部に着脱可能に固定される部位である。外枠部31は、円筒状を呈しており、内側に内枠部32が挿通されている。外枠部31の外周面には雄ねじ部が形成されており、立上管20の上端部の内周面の雌ねじ部に前記雄ねじ部を螺合することで、外枠部31が立上管20の上端部に気密状態で固定される。外枠部31の内周面には、下側が縮径する段部34が形成されている。段部34には、内枠部32が載置されるようになっている。
内枠部32は、昇降部33を昇降可能に保持する部位である。内枠部32は、円筒状を呈しており、内側に昇降部33が挿通されている。内枠部32の外周上端部には、外側に広がる鍔部35が形成されている。鍔部35が外枠部31の段部34に載置されることで、内枠部32が外枠部31に対して落下不能に係止される。鍔部35の下側には、環状のシール材36が装着されており、内枠部32が外枠部31の内側に気密状態で嵌合されるようになっている。内枠部32の内周上端部には、下方に向かうにつれて縮径する傾斜面部37が形成されている。傾斜面部37の上方において、昇降部33が載置されるようになっている。傾斜面部37の下方には、昇降部33が上昇した際に昇降部33を係止する係止部38が設けられている。係止部38は、内側に向かって張り出して形成されている。
昇降部33は、内枠部32に対して昇降する部位であって、下降した状態で圧力開放蓋が閉塞され(図2の(a)参照)、上昇した状態で圧力開放蓋が開放される(図2の(b)参照)。昇降部33は、蓋板39と軸部40とを備えている。蓋板39は、円盤形状を呈し、下面外周縁部は、内枠部32の傾斜面部37と略沿った形状となっている。蓋板39の下面外周縁部には、環状のシール材41が設けられており、シール材41が傾斜面部37に密着することで、圧力開放蓋の内外の気密性を確保できる。軸部40は、蓋板39の中心部から下方に垂下している。軸部40の下端部は、内枠部32の係止部38よりも下方に延在している。軸部40の下端部には、外側に突出するストッパ43が形成されている。ストッパ43は、昇降部33が内枠部32から抜け出るのを防止する部位であって、昇降部33が上昇した際に、係止部38の下端において、係止部38の下側を係止する。
このような構成の圧力開放手段30は、直線状に配置された複数の立上管20,20・・のうち、圧上昇発生部12に位置する立上管20に設置されている。圧上昇発生部12は、配管本体部10で高まった内圧の逆流(配管本体部10内で内圧が上昇したときに発生する空気の流れであって、上流側に流れる逆流)が逃げる流路がなく、立上管20の上方に向かって上昇し易くなる部分である。圧上昇発生部12は、内圧の逆流に対向する対向端壁部13を備えている。対向端壁部13は、配管本体部の長手方向の上流側端部に位置する側壁部である。本実施例では、直線状の配管本体部10の上流側端部に位置する端壁が、対向端壁部13となる。つまり、複数の立上管20,20・・のうち、配管本体部10の最上流部に位置する立上管20に圧力開放手段30が設置されている。圧上昇発生部12では、内圧の逆流が対向端壁部13に衝突して向きが変えられて、立上管20の上方に向かって上昇する。これによって、立上管20の上端部に設けられた圧力開放手段30が開放され易くなっている。なお、配管本体部10の上流側端部には、住宅2からの排水配管11が接続されているが、排水配管11は、配管本体部10に対して小径であるので、圧上昇発生部12では、高まった内圧が逃げる流路がないと見なす。
前記構成の排圧配管1について、所定位置の立上管20に圧力開放手段30を設置し、配管本体部10の内圧を高めて、立上管20に繋がる封水トラップにおいて封水破壊が発生するか否かの実験を行った。実験に用いた排圧配管1は、呼び径100mmのストレート配管を、勾配2/100で設置している。立上管20は、呼び径150mmの配管である。圧力開放手段30は、前澤化成工業株式会社製の圧力開放蓋(CW-AIライト150)を用い、その他の立上管20には、前澤化成工業株式会社製の密閉蓋(C-AIライト150)を設置している。図3に示すように、直線状の配管本体部10の上流端部から、4m,2m,2m,3m,4m,4mの間隔をあけて立上管20が配置されている。立上管20の設置位置は、下流側から、A1,B1,C1,D1,E1、F1、G1となっている。最下流の立上管20(A1)から下流側に2m離れた位置には、内圧の逆流を形成するための逆流発生装置50が設置されている。なお、「逆流」とは、前記勾配による自然流下の方向とは逆向きに流れることを言う。
逆流発生装置50は、配管本体部10内に所定圧での逆流を生じさせるものである。逆流条件は、例えばゲリラ豪雨を想定し、トラップ内の水の跳ねだしが起こる程度の逆流を再現するものとする。
本実施例では、設置位置C1に設置された立上管20に第一の封水トラップ51a(トラップA)を接続し、設置位置G1に設置された立上管20に第二の封水トラップ51b(トラップB)を設置している。各封水トラップ51a,51bに水を入れ、圧力開放手段30の設置位置を適宜変えながら、逆流発生装置50を用いた配管本体部10内の圧力上昇によるトラップ内の水の跳ねだし量を計測した。以下の表1に実験結果を示す。
表1に示すように、圧力開放蓋(圧力開放手段30)を設置しない場合(NO1)には、トラップA、トラップBともにトラップ内の水が全て跳ねだし、跳ねだし量が計測不能(封水破壊が生じた)であった(表1では「跳ねだし」と表示している)。
圧力開放蓋を設置位置A1の立上管20に設置した場合(NO2)には、トラップA、トラップBともにトラップ内の水が全て跳ねだし、跳ねだし量が計測不能(封水破壊が生じた)であった。
圧力開放蓋を設置位置B1の立上管20に設置した場合(NO3)にも、トラップA、トラップBともにトラップ内の水が全て跳ねだし、跳ねだし量が計測不能(封水破壊が生じた)であった。
圧力開放蓋を設置位置C1の立上管20に設置した場合(NO4)には、トラップBでは、水が全て跳ねだし、跳ねだし量が計測不能であったものの、トラップAでは、水の跳ねだし量(トラップ内の満水状態の水位から下がった水位の高さ)は22mmで済んだ。これは、設置位置C1において圧力が圧力開放蓋に分散されて、トラップAにおける圧力上昇が減ったためと考えられる。
圧力開放蓋を設置位置B1およびC1の立上管20にそれぞれ設置した場合(NO5)には、トラップBでは、水が全て跳ねだし、跳ねだし量が計測不能であったものの、トラップAでは、水の跳ねだし量は20mmで済んだ。これは、設置位置C1において圧力が圧力開放蓋に分散されて、トラップAにおける圧力上昇が減ったためと考えられる。また、設置位置B1にも圧力開放蓋を設けたことで、配管本体部10内の全体の圧力が下がり、トラップAの水の跳ねだし量がNO4よりも減っていると考えられる。
圧力開放蓋を設置位置G1(圧上昇発生部12)の立上管20に設置した場合(NO6)には、トラップAの水の跳ねだし量は8mm、トラップBの水の跳ねだし量は7mmであり、他の設置位置と比較して、水の跳ねだし量が大幅に軽減された。これは、配管本体部10内を上流側へ逆流した上昇圧力が、配管本体部10の上流側端部の端壁(対向端壁部13)に衝突して向きが変えられ、立上管20の上方に向かって上昇し、立上管20の上端部に設けられた圧力開放手段30の開放により、配管本体部10の圧力が効率的に外部に排圧され、圧力上昇が抑えられ、トラップA,Bでの水の跳ねだし量が減ったと考えられる。
以上の結果より、直線状の配管本体部10においては、最上流部の立上管20に圧力開放手段30を設置することで、最も効率よく配管本体部10の内圧を排圧できることが分かった。つまり、本実施例の排圧配管1によれば、配管内で加圧された圧力が配管本体部10の最上流部の端壁(対向端壁部13)に当たって立上管20内を上昇するので、立上管20の上端部に設置された圧力開放手段30に向かって流れる。これによって、圧力開放手段30が作動し易くなり、効率的に配管本体部10内の圧力を外部に逃がすことができる。したがって、少数(上流側端部の一つ)の圧力開放手段30によって、配管本体部10の内圧の上昇を抑えることができ、住宅2内の水回りの封水破壊を効率的に抑制することができる。また、従来圧力開放蓋が設けられていた最下流の立上管23に圧力開放蓋を設けなくて済む。
さらに、本発明に係る排圧配管1は、既存の排水配管であっても、立上管20の上端部に設けられた蓋部材を圧力開放蓋に交換することで形成することができる。
次に、本発明の実施例2に係る排圧配管1aについて、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施例に係る排圧配管1aは、図4に示すように、配管本体部10aが、下流側から上流側に向かって分岐されており、住宅2を三方向から囲むように配置されている。具体的には、配管本体部10aは、分岐部15と、下流管16aと、下流管16aから互いに異なる方向に分岐する第一分岐管16bと第二分岐管16cとを備えている。
分岐部15は、T字型の分岐配管にて構成されており、T字の上側左右両端部と下端部にそれぞれ配管が接続されている。下流管16aは、配管本体部10aの下流側に位置し、下水配管3に繋がる配管である。下流管16aは、分岐部15のT字の左右方向の一端部に接続されている。
第一分岐管16bは、下流管16aから上流に向かって分岐した分岐管の一方であって、分岐部15のT字の左右方向の他端部に接続されている。つまり、第一分岐管16bは、分岐部15から下流管16aと沿った方向に向かって分岐している。第一分岐管16bは、平面視L字形状を呈し、住宅2の二辺に沿って延在している。立上管20は、第一分岐管16bのL字の屈曲部の一か所と、屈曲部よりも上流側の直線部の略中間部と上流端部の二か所に設けられている。
第二分岐管16cは、下流管16aから上流に向かって分岐した分岐管の他方であって、分岐部15のT字の下端部に接続されている。つまり、第二分岐管16cは、下流管16aと交差する方向(本実施例では直交方向)に向かって分岐している。第二分岐管16cは、直線状に形成されており、住宅2の一辺に沿って延在している。立上管20は、分岐部15の一か所と、分岐部15よりも上流側の直線部の略中間部と上流端部の二か所に設けられている。
圧力開放手段30は、実施例1と同様の圧力開放蓋にて構成されている。圧力開放手段30は、複数の立上管20,20・・のうち、圧上昇発生部12に位置する立上管20に設置されている。本実施例では、第一分岐管16bの上流側端部に位置する端壁と、第二分岐管16cの上流側端部に位置する端壁とが、内圧の逆流に対向するが、第一分岐管16bの上流側端部の端壁を請求項1における対向端壁部13とし、第一分岐管16bの上流側端部を圧上昇発生部12とする。そして、第一分岐管16bの上流側端部に設けられた立上管20に圧力開放手段30が設けられている。
これは、以下の理由による。つまり、下流管16aから逆流した内圧上昇の流れは、分岐部15において、下流管16aに沿って直線状になっている第一分岐管16bに多く流れ、下流管16aと直交する第二分岐管16cに少し流れる。第一分岐管16bに多く流れた逆流は、第一分岐管16bの上流側端部に位置する端壁に衝突して向きが変えられて、立上管20の上方に向かって上昇するため、立上管20の上端部に設けられた圧力開放手段30によって、排圧され易くなっている。要するに、第一分岐管16bの最上流部に位置する立上管20に圧力開放手段30を設けることで、最も効率的に配管本体部10の内圧を排圧することができるためである。
前記構成の排圧配管1aについて、所定位置の立上管20に圧力開放手段30を設置し、配管本体部10aの内圧を高めて、立上管20に繋がる封水トラップにおいて封水破壊が発生するか否かの実験を行った。実験に用いた配管や逆流発生装置50等は、実施例1の実験棟同等の機材を用いた。図5に示すように、立上管20の設置位置は、分岐部15をA2とし、A2から第一分岐管16bの上流側に4m離れた屈曲部をB2とし、B2から第一分岐管16bの上流側に2m離れた地点をC2とし、C2から第一分岐管16bの上流側に2m離れた第一分岐管16bの上流側端部をD2とする。さらに、A2から第二分岐管16cの上流側に2m離れた屈曲部をE2とし、E2から第二分岐管16cの上流側に2m離れた第二分岐管16cの上流側端部をF2とする。
本実施例では、設置位置F2に設置された立上管20に第一の封水トラップ51a(トラップA)を接続し、設置位置D2に設置された立上管20に第二の封水トラップ51b(トラップB)を設置している。以下の表2に実験結果を示す。
表2に示すように、圧力開放蓋(圧力開放手段30)を設置しない場合(NO1)には、トラップA、トラップBともにトラップ内の水が全て跳ねだした。
圧力開放蓋を設置位置A2の立上管20に設置した場合(NO2)には、トラップBでは、水が全て跳ねだしたものの、トラップAでは、水の跳ねだし量は1mmで済んだ。これは、設置位置A2において圧力が圧力開放蓋に分散されており、第二分岐管16c側に流れる圧力上昇の逆流は元から少なく、トラップAにおける圧力上昇が減ったためと考えられる。
圧力開放蓋を設置位置B2の立上管20に設置した場合(NO3)には、トラップAの水の跳ねだし量は2mm、トラップBの水の跳ねだし量は1mmであり、封水破壊が抑止された。これは、下流管16aから逆流した内圧上昇の流れが多く流れる第一分岐管16b内に圧力開放手段30を設けたことと、屈曲部の壁面に圧力上昇の逆流が衝突してその一部が上方に流れたことで、配管内の圧力が圧力開放蓋から排圧されたためと考えられる。
圧力開放蓋を設置位置C2の立上管20に設置した場合(NO4)には、トラップAの水の跳ねだし量は2mm、トラップBの水の跳ねだし量は2mmであり、封水破壊が抑止された。これは、下流管16aから逆流した内圧上昇の流れが多く流れる第一分岐管16b内に圧力開放手段30を設けたことで、配管内の圧力が圧力開放蓋から排圧されたためと考えられる。B2と比較すると、屈曲部の壁面への圧力上昇の逆流の衝突がない分、トラップBの跳ねだし量が多くなっている。
圧力開放蓋を設置位置D2の立上管20に設置した場合(NO5)には、トラップAの水の跳ねだし量は1mm、トラップBの水の跳ねだし量は0mmであり、跳ねだし量が一番少なく、封水破壊が抑止された。これは、下流管16aから逆流した内圧上昇の流れが多く流れる第一分岐管16b内に圧力開放手段30を設けたことと、第一分岐管16bの最上流部の壁面に圧力上昇の逆流が衝突して上方に流れたことで、配管内の圧力の大部分が圧力開放蓋から排圧されたためと考えられる。
圧力開放蓋を設置位置E2の立上管20に設置した場合(NO6)には、トラップBでは、水が全て跳ねだしたものの、トラップAでは、水の跳ねだし量は2mmで済んだ。これは、分岐部15において圧力が圧力開放蓋に分散されており、第二分岐管16c側に流れる圧力上昇の逆流は元から少ない上に圧力開放蓋が設けられているため、トラップAにおける圧力上昇が減ったためと考えられる。一方、第一分岐管16b側に流れる圧力上昇の逆流は多いところ圧力開放蓋が設けられていないため、トラップBでは全ての水が跳ねだしている。
圧力開放蓋を設置位置F2の立上管20に設置した場合(NO7)には、トラップBでは、水が全て跳ねだしたものの、トラップAでは、水の跳ねだし量は0mmで済んだ。これは、分岐部15において圧力が圧力開放蓋に分散されており、第二分岐管16c側に流れる圧力上昇の逆流は元から少ない上に、第二分岐管16cの最上流部に圧力開放蓋が設けられているため、トラップAにおける大幅に圧力上昇が減ったためと考えられる。一方、第一分岐管16b側に流れる圧力上昇の逆流は多いところ圧力開放蓋が設けられていないため、トラップBでは全ての水が跳ねだしている。
以上の結果より、実施例2の配管本体部10aにおいては、第一分岐管16bの最上流部の立上管20に圧力開放手段30を設置することで、最も効率よく配管本体部10aの内圧を排圧できることが分かった。つまり、本実施例の排圧配管1aによれば、配管内で加圧された圧力の大部分が第一分岐管16bの最上流部の端壁(対向端壁部13)に当たって立上管20内を上昇するので、その立上管20の上端部に設置された圧力開放手段30に向かって流れる。これによって、圧力開放手段30が作動し易くなり、効率的に配管本体部10a内の圧力を外部に逃がすことができる。要するに、流路が分岐する場合、逆流の多くが流れる側の第一分岐管16bに圧力開放手段30を設ければ、第二分岐管16cに圧力開放手段30を設けなくても、内圧を効率的に排圧することができる。したがって、少数(第一分岐管16bの上流側端部の一つ)の圧力開放手段30によって、配管本体部10aの内圧の上昇を抑えることができ、住宅2内の水回りの封水破壊を効率的に抑制することができる。また、従来圧力開放蓋が設けられていた最下流の立上管23に圧力開放蓋を設けなくて済む。
次に、本発明の実施例3に係る排圧配管1bについて、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施例に係る排圧配管1bは、図6に示すように、配管本体部10bが、下流側から上流側に向かって分岐されており、住宅2を三方向から囲むように配置されている。具体的には、配管本体部10bは、分岐部17と、下流管18aと、下流管18aから互いに異なる方向に分岐する第一分岐管18bと第二分岐管18cとを備えている。
分岐部17は、T字型の分岐配管にて構成されており、T字の上側左右両端部と下端部にそれぞれ配管が接続されている。下流管18aは、配管本体部10bの下流側に位置し、下水配管3に繋がる配管である。下流管18aは、分岐部17の下端部に接続されている。
第一分岐管18bは、下流管18aから上流側に向かって分岐した分岐管の一方であって、分岐部17のT字の左右方向の一端部に接続されている。つまり、第一分岐管18bは、分岐部17から下流管18aと交差する方向(本実施例では直交方向)に向かって分岐している。第一分岐管18bは、平面視L字形状を呈し、住宅2の二辺に沿って延在している。立上管20は、第一分岐管18bのL字の屈曲部と、屈曲部から延在した上流側の直線部の上流端部の二か所に設けられている。
第二分岐管18cは、下流管18aから上流側に向かって分岐した分岐管の他方であって、分岐部17のT字の左右方向の他端部に接続されている。つまり、第二分岐管18cは、下流管18aと交差する方向(本実施例では直交方向)に向かって分岐している。第二分岐管18cの基端部は、第一分岐管18bの基端部と直線状に繋がっており、第一分岐管18bと第二分岐管18cとは、下流管18aに対して、左右対称に分岐している。第二分岐管18cは、平面視L字形状を呈し、住宅2の二辺に沿って延在している。立上管20は、第二分岐管18cのL字の屈曲部と、屈曲部から延在した上流側の直線部の上流端部の二か所に設けられている。
圧力開放手段30は、実施例1と同様の圧力開放蓋にて構成されている。圧力開放手段30は、複数の立上管20,20・・のうち、圧上昇発生部12に位置する立上管20に設置されている。本実施例では、第一分岐管18bの上流側端部に位置する端壁と、第二分岐管18cの上流側端部に位置する端壁とが、内圧の逆流に対向するが、両方の端壁を対向端壁部13とし、第一分岐管18bの上流側端部および第二分岐管18cの上流側端部を、それぞれ圧上昇発生部12とする。そして、第一分岐管18bの上流側端部および第二分岐管18cの上流側端部に設けられた立上管20に、圧力開放手段30がそれぞれ設けられている。
これは、以下の理由による。つまり、下流管18aから逆流した内圧上昇の流れは、分岐部17において、第一分岐管18bと第二分岐管18cとに均等に分離して流れる。そして、第一分岐管18bに流れた逆流は、第一分岐管18bの上流側端部に位置する端壁に衝突して向きが変えられて、そこの立上管20の上方に向かって上昇するため、立上管20の上端部に設けられた圧力開放手段30が開放され易くなっている。また、第二分岐管18cに流れた逆流は、第二分岐管18cの上流側端部に位置する端壁に衝突して向きが変えられて、そこの立上管20の上方に向かって上昇するため、立上管20の上端部に設けられた圧力開放手段30によって、排圧され易くなっている。このことより、第一分岐管18bの上流側端部と、第二分岐管18cの上流側端部との両方に圧力開放手段30を設けることで、最も効率的に配管本体部10の内圧を排圧することができるためである。
前記構成の排圧配管1bについて、所定位置の立上管20に圧力開放手段30を設置し、配管本体部10aの内圧を高めて、立上管20に繋がる封水トラップにおいて封水破壊が発生するか否かの実験を行った。実験に用いた配管や逆流発生装置50等は、実施例1の実験棟同等の機材を用いた。図7に示すように、立上管20の設置位置は、分岐部17をA3とし、A3から第一分岐管16bの上流側に2m離れた屈曲部をB3とし、B3から第一分岐管18bの上流側に2m離れた第一分岐管18bの上流側端部をC3とする。さらに、A3から第二分岐管18cの上流側に4m離れた屈曲部をD3とし、D3から第二分岐管18cの上流側に4m離れた第二分岐管16cの上流側端部をE3とする。
本実施例では、設置位置C3に設置された立上管20に第一の封水トラップ51a(トラップA)を接続し、設置位置E3に設置された立上管20に第二の封水トラップ51b(トラップB)を設置している。以下の表3に実験結果を示す。
表3に示すように、圧力開放蓋(圧力開放手段30)を設置しない場合(NO1)には、トラップA、トラップBともにトラップ内の水が全て跳ねだした。
圧力開放蓋を設置位置A3の立上管20に設置した場合(NO2)には、トラップA、トラップBともにトラップ内の水が全て跳ねだした。これは、設置位置A3においても逆流する圧力が立上管20側に分散されるが、圧力の多くは、第一分岐管18bと第二分岐管18cに流れるため、トラップAおよびトラップBにおいて、跳ねだしが発生したと考えられる。
圧力開放蓋を設置位置B3の立上管20に設置した場合(NO3)には、トラップAの水の跳ねだし量は3mmで、トラップBでは全ての水が跳ねだした。これは、分岐部17から第一分岐管18b内に流れた逆流は圧力開放蓋から排圧されるので、トラップAの跳ねだしが抑止されているが、第二分岐管18c内に流れた逆流は、第二分岐管18cに圧力開放蓋がないため、外部に逃げることができず、トラップBで跳ねだしが発生したと考えられる。
圧力開放蓋を設置位置C3の立上管20に設置した場合(NO4)には、トラップAの水の跳ねだし量は2mmで、トラップBでは全ての水が跳ねだした。これは、分岐部17から第一分岐管18b内に流れた逆流は圧力開放蓋から排圧されるので、トラップAの跳ねだしが抑止されているが、第二分岐管18c内に流れた逆流は、第二分岐管18cに圧力開放蓋がないため、外部に逃げることができず、トラップBで跳ねだしが発生したと考えられる。C3は第一分岐管18bの上流側端部であるので、内圧の排圧が効率的に行われ、B3に圧力開放蓋を設けた場合(NO3)よりも跳ねだし量が少なくなっている。
圧力開放蓋を設置位置D3の立上管20に設置した場合(NO5)には、トラップAでは全ての水が跳ねだし、トラップBの水の跳ねだし量は2mmであった。これは、分岐部17から第二分岐管18c内に流れた逆流は圧力開放蓋から排圧されるので、トラップBの跳ねだしが抑止されているが、第一分岐管18b内に流れた逆流は、第一分岐管18bに圧力開放蓋がないため、外部に逃げることができず、トラップAで跳ねだしが発生したと考えられる。
圧力開放蓋を設置位置E3の立上管20に設置した場合(NO6)には、トラップAでは全ての水が跳ねだし、トラップBの水の跳ねだし量は4mmであった。これは、分岐部17から第二分岐管18c内に流れた逆流は圧力開放蓋から排圧されるので、トラップBの跳ねだしが抑止されているが、第一分岐管18b内に流れた逆流は、第一分岐管18bに圧力開放蓋がないため、外部に逃げることができず、トラップAで跳ねだしが発生したと考えられる。
圧力開放蓋を設置位置C3およびE3の立上管20にそれぞれ設置した場合(NO7)には、トラップAの水の跳ねだし量は0mm、トラップBの水の跳ねだし量は7mmであり、封水破壊が抑止された。これは、第一分岐管18bと第二分岐管18cにそれぞれ圧力開放蓋を設けたので、第一分岐管18bと第二分岐管18cとのそれぞれで、上昇した内圧が圧力開放蓋から排圧されるので、トラップBの跳ねだしが抑止されていると考えられる。C3は第一分岐管18bの上流側端部であり、E3は第二分岐管18cの上流側端部であるので、ともに内圧の排圧が効率的に行われ、後記するB3およびD3に圧力開放蓋を設けた場合(NO8)よりも跳ねだし量が少なくなっている。
圧力開放蓋を設置位置B3およびD3の立上管20にそれぞれ設置した場合(NO8)には、トラップAの水の跳ねだし量は1mm、トラップBの水の跳ねだし量は9mmであり、封水破壊が抑止された。これは、第一分岐管18bと第二分岐管18cにそれぞれ圧力開放蓋を設けたので、第一分岐管18bと第二分岐管18cとのそれぞれで、上昇した内圧が圧力開放蓋から排圧されるので、トラップBの跳ねだしが抑止されていると考えられる。B3およびD3は、分岐管の上流側端部ではないが、屈曲部に設けられているので、屈曲部の壁面に圧力上昇の逆流が衝突してその一部が上方に流れる。そのため、直線部に圧力開放蓋を設ける場合よりも、トラップにおける水の跳ねだし量を減らすことができる。
以上の結果より、実施例3の配管本体部10bにおいては、第一分岐管18bの最上流部の立上管20と、第二分岐管18cの最上流部の立上管20の両方に圧力開放手段30を設置することで、最も効率よく配管本体部10bの内圧を排圧できることが分かった。つまり、本実施例の排圧配管1bによれば、配管内で加圧された圧力は分岐部17で均等に分離されるが、一方の逆流は第一分岐管18bの最上流部の端壁(対向端壁部13)に当たって立上管20内を上昇するので、その立上管20の上端部に設置された圧力開放手段30に向かって流れる。さらに他方の逆流は第二分岐管18cの最上流部の端壁(対向端壁部13)に当たって立上管20内を上昇するので、その立上管20の上端部に設置された圧力開放手段30に向かって流れる。これによって、各圧力開放手段30が作動し易くなり、効率的に第一分岐管18bと第二分岐管18cの両方の圧力を外部に逃がすことができる。したがって、少数(第一分岐管18bの上流側端部と第二分岐管18cの上流側端部の二つ)の圧力開放手段30によって、配管本体部10bの内圧の上昇を抑えることができ、住宅2内の水回りの封水破壊を効率的に抑制することができる。また、従来圧力開放蓋が設けられていた最下流の立上管23に圧力開放蓋を設けなくて済む。
以上、本発明を実施する形態について説明したが、本発明は前記実施例1~3に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。前記実施例1~3では、住宅2の水回り設備に接続される排水配管を例に挙げたが、住宅以外の建築物や構造物であっても適用することができるのは勿論である。
前記実施例では、圧力開放手段30の昇降部33が蓋体の中央部に一つ設けられているがこれに限定されるものではない。昇降部は、蓋体の中央からずれていてもよい。また、蓋体中に複数の昇降部を備えるものや、蓋体自体が所定距離だけ上昇し、蓋体と蓋枠から排圧する構造など、排圧可能な構造でもよい。
また、圧力開放手段は、空気だけでなく、逆流した排水を開放する排圧構造であってもよい。例えば、蓋体の中央部に設けた排気機構(圧力開放手段30の昇降部33)により配管内の圧を逃がす空気開放機構と、逆流してきた排水圧を受けた蓋体が上昇し、蓋体と蓋枠との間で排水を排水し、配管内の圧力を開放する2段階での排圧構造でもよい。
前記実施例では、配管本体部10の上流部の端壁を「対向端壁部」としているが、これに限定されるものではない。図8に示すように、配管本体部10の途中に設けられた立上管20の下部の上流側に逆流防止弁60を設けて、対向端壁部としてもよい。逆流防止弁60は、排水が順方向(水勾配の下側に流れる方向)に流れる場合は開弁し(図8の(a)参照)、逆方向に流れる場合は閉弁する(図8の(b)参照)ように設置されている。逆流防止弁60は、図8の(b)に示すように、排水が逆流した際に閉弁し、配管本体部10の上流側を閉鎖する。これによって、逆流防止弁60本体が壁となり逆流に対向する対向端壁部となり、逆流防止弁60を設けた部分が圧上昇発生部となる。逆流防止弁60が設けられた立上管20の上端には、圧力開放手段30が設置されており、その他の立上管20の上端には、蓋部材21が設置されている。
このような構成においては、配管本体部10で逆流が発生すると、逆流防止弁が閉弁し、内圧の逆流が逆流防止弁60に衝突して向きが変えられて、立上管20の上方に向かって上昇する。これによって、立上管20の上端部に設けられた圧力開放手段30が開放されて、排圧される。
前記実施例1における配管本体部10の形状や立上管20の設置位置は一例であって、前記構成に限定されるものではない、配管本体部10の形状や立上管20の設置位置は、接続される建物の形状や水回りの配置位置に応じて適宜決定されるものである。
前記実施例2および実施例3では、分岐部15,17はT字状の分岐配管が用いられていたが、Y字状等の他の形状の分岐管を用いてもよい。
次に、本発明の実施例4に係る立上管用蓋ユニットについて、図9~図16に基づいて説明する。図9は、(a)は立上管の上端部に蓋部材が取り付けられた状態を示す平面図、(b)は(a)のA-A断面図である。図10は、(a)は立上管の上端部に圧力開放蓋が取り付けられた状態を示す平面図、(b)は(a)のB-B断面図である。図11は、(a)は蓋取付用アダプタを示す平面図、(b)は(a)のC-C断面図である。図12は、(a)、(b)は蓋取付用アダプタを用いた圧力開放蓋の立上管の上端部への取り付け方法を示す図である。図13は、(a)は立上管の上端部に蓋取付用アダプタを用いて圧力開放蓋が取り付けられた状態を示す平面図、(b)は(a)のD-D断面図である。図14は、(a)~(c)は外枠部の種類を説明するための図である。図15は、(a)はBタイプの立上管の上端部に蓋取付用アダプタを用いて圧力開放蓋が取り付けられた状態を示す平面図、(b)は(a)のE-E断面図である。図16は、(a)、(b)はCタイプの立上管の上端部に蓋取付用アダプタを用いて圧力開放蓋を取り付ける方法を示す図である。
[立上管用蓋ユニット]
前記実施例1~3にて説明した排圧配管1は、宅地内に敷設された配管本体部10から上方に立ち上がる複数の立上管20,20・・のうち、圧上昇発生部12に位置する最上流部の立上管20に圧力開放手段30が設置されることで構成されていたが(図1参照)、例えば、排水配管11の敷設当初は、該排水配管11の最上流部の立上管20の上端部に蓋部材21が設けられており、この蓋部材21を圧力開放蓋30A(圧力開放手段30)に交換することにより、前記実施例1~3にて説明した排圧配管1を構成する場合がある。
尚、前記実施例1~3では、圧力開放蓋は、外枠部31と内枠部32と昇降部33とを備えていたが、本実施例の交換用の圧力開放蓋30Aは、外枠部31を除き、内枠部32と昇降部33とを備えたものとしている。
具体的に説明すると、図9(a)、(b)に示されるように、既存の排水配管の最上流部の立上管20の上端部には外枠部31が気密状態で固定されている。外枠部31は、円筒状に形成され、外周面に被支持部として形成された下向きの段部44の下面が立上管20の上端に支持されることで、立上管20の上端開口部の周縁に沿うように取り付けられる。外枠部31の内周面に形成された平面視円環状の段部34からなる外枠側蓋体受部34Aに蓋部材21が載置されることで、立上管20の上端部に外枠部31の内周面によって形成される開口部(点検口)が、蓋部材21により閉塞される。また、外枠側蓋体受部34Aを構成する段部34は、水平面と該水平面の周縁に立設される立面とを有する。
尚、蓋部材21の外周面には凹部22が所定間隔おきに複数(例えば、3個)形成されており、凹部22に工具等を差し込みつつ、当該工具をてこの要領で操作することで、蓋部材21を容易に開放することができるようになっている。また、外枠部31の外枠側蓋体受部34Aの内周面と、蓋部材21の外周面との間の隙間Sは所定の大きさ(例えば、隙間Sの径方向の寸法は約3mm未満)とされている。
例えば、戸建て住宅2の施主等が、既存の排水配管を前記実施例1~3にて説明した排圧配管1への変更を所望している場合、既存の排水配管の最上流部の立上管20の上端部に装着された蓋部材21を圧力開放蓋30Aに交換することで、排圧配管1への変更に対応することができる。
しかし、施主等は、既存の蓋体に関する情報(例えば、サイズや製造メーカなど)に対する関心が低いことが多いため、図10(a)、(b)に示されるように、例えば、既存の立上管20に取り付けられていた蓋部材21の外径寸法L1と、新たに用意した圧力開放蓋30Aの外径寸法L2と、が異なる場合、立上管20の上端部に取り付けられた外枠部31に形成された平面視円環状の外枠側蓋体受部34Aの形状(例えば、内面形状など)や、内径寸法Ld及び開口径寸法Ld’などのサイズに合わないため、新たな圧力開放蓋30Aを好適に取り付けることができない。
詳しくは、図9(a)、(b)に示されるように、蓋部材21が取り付けられる場合、蓋部材21の外径寸法L1よりも、外枠部31の外枠側蓋体受部34Aの内径寸法Ldは大寸であるため、外枠側蓋体受部34Aに蓋部材21を嵌入することができるとともに、蓋部材21の外径寸法L1よりも外枠側蓋体受部34Aの開口径寸法Ld’(開口部(点検口)の直径)は小寸であるため(Ld>L1>Ld’)、圧力開放蓋30Aの荷重や該圧力開放蓋30Aにかかる外力(圧)は外枠側蓋体受部34Aによって、十分に支持される。
これに対し、図10(a)、(b)に示されるように、圧力開放蓋30Aが取り付けられる場合、既存の蓋部材21の外径寸法L1よりも、圧力開放蓋30Aの外径寸法L2の方が小寸であることで(L1>L2)、外枠部31の外枠側蓋体受部34Aの内周面と、圧力開放蓋30Aの外周面との間の隙間Sが大きくなったり(例えば、隙間Sの径方向の寸法が約3mm以上となる)、圧力開放蓋30Aが、開口部(点検口)の中心から偏心位置にずれてしまうと、部分的に大きな隙間Sが生じたりすることがある。このように大きな隙間Sが生じると、圧力開放蓋30Aにがたつきが生じ、圧力開放蓋30Aを水平に設置することができなくなることで、圧力開放時の動作に影響が及んで圧力開放蓋30Aの性能を担保できなくなる虞がある。また、雨水、土、砂、小石やゴミ等が隙間S内に進入しやすくなることで、配管本体部10内が汚れたり排水詰まりの原因にもなり得る。
また、圧力開放蓋30Aの外径寸法L2よりも、外枠部31の外枠側蓋体受部34Aの内径寸法Ldは大寸であるため、外枠側蓋体受部34Aに圧力開放蓋30Aを嵌入することはできる一方で、圧力開放蓋30Aの外径寸法L2よりも外枠側蓋体受部34Aの開口径寸法Ld’(開口部(点検口)の直径)は小寸であるものの(Ld>L2>Ld’)、その差は極めて小さく、外枠側蓋体受部34Aが圧力開放蓋30Aを支持する面積が小さいので、圧力開放蓋30Aの荷重や該圧力開放蓋30Aにかかる外力を十分に支持することができない。さらに、シール材36が外枠部31の内周面に接触しないため、気密状態をつくることが困難となる。また、気密状態が崩れることで、隙間Sに溜まった汚れや雨水の侵入や、排圧配管1内の臭気が外気に漏れる原因にもなり得る。
このように、外枠部31の外枠側蓋体受部34Aの形状やサイズに合わない圧力開放蓋30Aを取り付けようとすると、外枠側蓋体受部34Aと圧力開放蓋30Aとの間に隙間が生じたり、圧力開放蓋30Aにがたつきが生じたりするなど、圧力開放蓋30Aを好適に取り付けることができない。そこで、以下に説明する蓋取付用アダプタ70を用いることで、外枠側蓋体受部34Aの形状やサイズに合わない圧力開放蓋30Aを外枠部31に取り付けることが可能となる。
[蓋取付用アダプタ]
図11(a)、(b)に示されるように、蓋取付用アダプタ70は、立上管20の上端に設けられる外枠部31に取り付け可能であって、交換用の圧力開放蓋30Aを支持可能に構成されている。また、薄肉形状で成形した場合、流動性及び成形性が良く、また、外枠部31などの材質であるPVC樹脂との接着が可能で、耐候性の高い材料(例えば、ASA樹脂、AES樹脂、ポリカーボネート樹脂等)から構成され、外枠部31の外枠側蓋体受部34Aに支持される第1フランジ部71と、圧力開放蓋30A(蓋体)を支持する第2フランジ部72と、下方に延設される第1垂下部73及び第2垂下部74と、が一体に成形されてなる。また、第1垂下部73と第2フランジ部72とにより、平面視略円環状の蓋体受部75が形成されている。
第1フランジ部71は、平面視略円環状をなす板状部からなり、第1垂下部73の上端から外方に向けて略水平に延設されている。第2フランジ部72は、平面視略円環状をなす板状部からなり、第1垂下部73の下端から内方に向けて略水平に延設されている。第1垂下部73は、第1フランジ部71と第2フランジ部72とを接続する円筒状部であり、内周面は、上端から下方に向けて若干内側に傾斜するように形成されている。また、第2垂下部74は、第2フランジ部72の内周縁から下方に延設される円筒状部である。
蓋取付用アダプタ70の外径寸法LAは、外枠部31の外径寸法LDとほぼ同寸とされ、第1フランジ部71が外枠部31の上端面に載置可能となっている(LD=LA)。また、蓋体受部75の内径寸法Laは、交換用の圧力開放蓋30Aの外径寸法L2よりやや大寸とされていることで、圧力開放蓋30Aが嵌入可能であるが、圧力開放蓋30Aの外周面と第1垂下部73の内周面との間に生じる隙間Sが大きくならないようにしている(例えば、隙間Sの径方向の寸法は約3mm未満)。また、蓋体受部75の開口径寸法La’は、圧力開放蓋30Aの外径寸法L2よりも小寸であることで、蓋体受部75に圧力開放蓋30Aを支持することができるようになっている(La>L2>La’)。
また、第1垂下部73及び第2フランジ部72は、外枠側蓋体受部34A内に挿入可能に形成され、第2垂下部74は、外枠側蓋体受部34Aの開口内に挿入可能に形成されている。つまり、蓋取付用アダプタ70における第1フランジ部71以外の部位は、外枠部31の内部に挿入可能とされている。
また、第1フランジ部71の下面から第2フランジ部72の下面までの上下寸法Lhは、外枠部31の外枠側蓋体受部34Aの上下寸法LHよりも短寸とされている(LH>Lh)。このように蓋取付用アダプタ70は、立上管20の上端部に支持可能に第1フランジ部71が形成されるとともに、交換する新たな蓋体である圧力開放蓋30Aに合わせて外枠側蓋体受部34Aが形成されている。
[立上管用蓋ユニットを用いた蓋体の交換]
次に、上記のように構成された蓋取付用アダプタ70と、交換用の圧力開放蓋30Aと、からなる立上管用蓋ユニットを用いて、既存の蓋部材21を圧力開放蓋30Aに交換する場合について、図12~図16に基づいて説明する。
立上管20の上端部に装着された蓋部材21を圧力開放蓋30Aに交換する場合、まず、立上管20の上端部から既存の蓋部材21を取り外し、取り外した立上管20の上端部に、蓋取付用アダプタ70を上方から取り付ける。
詳しくは、図12(a)に示されるように、蓋取付用アダプタ70の第1フランジ部71及び第1垂下部73の外面、または、立上管20の外枠部31の上端面及び外枠側蓋体受部34Aの内周面付近に接着剤を塗布しておく。尚、接着剤は、少なくとも蓋取付用アダプタ70の第1フランジ部71の外面、または、外枠部31の上端面に塗布されていれば良いが、第1垂下部73の外面または外枠側蓋体受部34Aの内周面にも塗布する場合は肉厚に塗布することが好ましい。
次いで、図12(b)に示されるように、第1垂下部73及び第2フランジ部72が外枠側蓋体受部34A内に挿入されるように蓋取付用アダプタ70を下降し、第1フランジ部71を外枠部31の上端面に接着剤Zを介して載置する。そして、LD=LAの関係から蓋取付用アダプタ70の外周縁を外枠部31の外周縁に合致させることにより、蓋取付用アダプタ70と外枠部31の軸心が合致することで、蓋取付用アダプタ70が外枠部31に対し適正位置に支持される。
尚、第1フランジ部71を外枠部31の上端面に載置するときに第1垂下部73が外枠側蓋体受部34A内に挿入されることで、第1垂下部73の外周面が外枠側蓋体受部34Aの内周面に当接したときに蓋取付用アダプタ70が軸心方向に誘導されるため、外枠部31に対する蓋取付用アダプタ70の位置合わせが容易になる。
次いで、蓋取付用アダプタ70の蓋体受部75の上方から圧力開放蓋30Aを下降させると、内枠部32の上部が第2フランジ部72の上面に載置されることで蓋体受部75に支持され、蓋体受部75の開口が圧力開放蓋30Aにより閉塞される。つまり、立上管20の上部に設けられた外枠部31に取り付けられた蓋取付用アダプタ70を介して圧力開放蓋30Aが支持されることで、立上管20の上端開口部(点検口)が蓋取付用アダプタ70及び圧力開放蓋30Aにより閉塞される。
図13(a)、(b)に示されるように、蓋取付用アダプタ70の蓋体受部75に圧力開放蓋30Aが支持された状態において、圧力開放蓋30Aの外周には、蓋取付用アダプタ70の第1フランジ部71が近接して配置されることで、蓋取付用アダプタ70の蓋体受部75の内周面と圧力開放蓋30Aの外周面との間に生じる隙間S1の径方向の寸法は約3mm未満となる一方で、第2フランジ部72に圧力開放蓋30Aが載置されるとともに、第2フランジ部72の内周縁から下方に延設される円筒状の第2垂下部74の内周面にシール材36が圧着されることで、圧力開放蓋30Aにがたつきが生じて、圧力開放蓋30Aを水平に設置することができなくなったり、隙間S1からの雨水、土、砂、小石やゴミ等の立上管20内への進入や排圧配管1内の臭気の外気漏れが防止される。
また、第1垂下部73の上端から外枠部31の上端面にわたり第1フランジ部71が延設されることで、第1垂下部73の外周面と外枠側蓋体受部34Aの内周面との間に生じる隙間S2の上部が閉塞されるため、隙間S2からの雨水、土、砂、小石やゴミ等の立上管20内への進入や排圧配管1内の臭気の外気漏れが防止される。また、第1フランジ部71の上面と圧力開放蓋30Aの上面とが略面一になるため、段差が生じて躓いたり、圧力開放蓋30Aが意図せず外れてしまったりすることが防止される。
また、図14(a)~(c)に示されるように、立上管20の上端に固定された外枠部31は、製造年月日や製造メーカなどの違いによって、外枠側蓋体受部34Aなどの形状やサイズが異なる複数種類の外枠部31が存在する。
例えば、図14(a)に示される外枠部31は、図1~図13にて用いられたタイプであって、外枠部31の外径寸法LDが165mm、外枠側蓋体受部34Aの内径寸法Ldが149mm、外枠側蓋体受部34Aの開口径寸法Ld’が135mm、外枠側蓋体受部34Aの上下寸法LHが10mmのAタイプの外枠部である。図14(b)に示される外枠部31Bは、Aタイプの外枠部31とは形状及び内径寸法Ld、開口径寸法Ld’が異なるタイプであって、外枠部31の外径寸法LDが165mm、外枠側蓋体受部34Aの内径寸法Ldが155mm、外枠側蓋体受部34Aの開口径寸法Ld’が137mm、外枠側蓋体受部34Aの上下寸法LHが10mmのBタイプの外枠部である。図14(c)に示される外枠部31Cは、Aタイプの外枠部31とは形状及び内径寸法Ld、開口径寸法Ld’、上下寸法LHが異なるタイプであって、外枠部31の外径寸法LDが165mm、外枠側蓋体受部34Aの内径寸法Ldが155mm、外枠側蓋体受部34Aの開口径寸法Ld’が140mm、外枠側蓋体受部34Aの上下寸法LHが8mmのCタイプの外枠部である。尚、上記は外枠側蓋体受部34Aなどの形状やサイズが異なる外枠部の一例であり、上記以外の他の外枠部を有していてもよい。
ここで、例えば、既存の立上管20の上端部にBタイプの外枠部31CまたはCタイプの外枠部31Cが固定されている場合、Bタイプの外枠部31BやCタイプの外枠部31Cの外枠側蓋体受部34Aの内径寸法Ld(Ld=155mm)が、Aタイプの外枠部31の外枠側蓋体受部34Aの内径寸法Ld(Ld=149mm)よりも長寸であるため、図13(a)、(b)に示される圧力開放蓋30Aを取り付けようとすると、外枠部31の外枠側蓋体受部34Aの内周面と、圧力開放蓋30Aの外周面との間の隙間Sが、図10(a)、(b)にて説明した隙間Sよりもさらに大きくなる。
したがって、既設の立上管20に取り付けられたBタイプの外枠部31Bに圧力開放蓋30Aを取り付ける場合、図15(a)、(b)に示されるように、外枠部31Bに蓋取付用アダプタ70を取り付けた後、この蓋取付用アダプタ70の外枠側蓋体受部34Aに圧力開放蓋30Aを支持することで、既設の立上管20に取り付けられた外枠部31Bに、圧力開放蓋30Aを蓋取付用アダプタ70とともに取り付けることができる。
また、既設の立上管20に取り付けられたCタイプの外枠部31Cに圧力開放蓋30Aを取り付ける場合、図16(a)、(b)に示されるように、外枠部31Cに蓋取付用アダプタ70を取り付けた後、この蓋取付用アダプタ70の外枠側蓋体受部34Aに圧力開放蓋30Aを支持することで、既設の立上管20に取り付けられた外枠部31Bに、圧力開放蓋30Aを蓋取付用アダプタ70とともに取り付けることができる。
尚、Aタイプの外枠部31の外枠側蓋体受部34Aの上下寸法LHが10mmであるのに対し、Cタイプの外枠部31Cは、外枠側蓋体受部34Aの上下寸法LHが8mmであることで、図16(a)に示されるように、外枠部31Cの上端面に、上下寸法が約2mm以上をなす平面視円環状のスペーサ77を接着剤Zにより取り付けた後、該スペーサ77の上面に接着剤Zにより蓋取付用アダプタ70の第1フランジ部71を取り付けることにより、第2フランジ部72が段部34の上面に当接することを回避できる。
[作用・効果]
以上説明したように、本発明の実施例4における立上管用蓋ユニットにあっては、立上管20の上端部に設けられた外枠部31、31B、31Cに取り付けられる蓋取付用アダプタ70と、蓋取付用アダプタ70を介して支持される圧力開放蓋30A(蓋体)と、からなることで、既設の立上管20に取り付けられた外枠部31、31B、31Cの形状やサイズにかかわらず、形状やサイズが異なる新たな圧力開放蓋30Aを蓋取付用アダプタ70とともに取り付けることができる。
また、蓋取付用アダプタ70は、外枠部31に支持される第1フランジ部71と、圧力開放蓋30Aを支持する第2フランジ部72と、下方に延設される第1垂下部73と、が一体に成形されていることで、第1垂下部73が立上管20の上端開口部に挿入されて第1フランジ部71が外枠部31に支持されるため、第2フランジ部72により圧力開放蓋30Aを支持することが可能となる。つまり、蓋取付用アダプタ70は、外枠部31の上端開口部に沿うように支持される枠状の被支持部(例えば、第1フランジ部71)と、上端開口部が閉塞されるように圧力開放蓋30Aを支持可能な蓋体受部(例えば、第2フランジ部72)と、立上管20の上端開口部に挿入可能な挿入部(例えば、第1垂下部73)と、が一体に成形されていればよい。
また、新たに交換する蓋体として、宅地内に敷設された排圧配管1内の内圧を排圧配管1外に開放可能な圧力開放手段30を有する圧力開放蓋30Aを適用することで、排圧配管1内の内圧が上昇したときに、圧力開放手段30から空気が排圧配管1外へ排出されることで、排圧配管1内の内圧の上昇を抑えることが可能となるため、内圧の上昇により蓋体が外れてしまうことを防止できる。
また、圧力開放蓋30Aは、宅地内に敷設された配管本体部10に複数設けられた複数の立上管20のうち、配管本体部10内で高まった内圧の逆流に対向する対向端壁部13を備えた圧上昇発生部12に位置する立上管20に設置可能である(図1参照)。このようにすることで、圧上昇発生部12に位置する立上管20に設置された圧力開放手段30に向かって配管内で加圧された空気が対向端壁部13に当たって立上管20内を上昇するので、圧力開放手段30が作動し易くなり、効率的に排圧配管1内の圧力を外部に逃がすことができる。したがって、少数の圧力開放手段30によって建物内の封水破壊を効率的に抑制することができる。
尚、本実施例では、前記実施例1~3に記載された対向端壁部13(逆流防止弁60を含む)を備えた圧上昇発生部12に位置する立上管20の上端部に取り付けられた蓋部材21を交換する際に、蓋取付用アダプタ70とともに圧力開放蓋30Aを取り付ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記実施例1~3に記載された、対向端壁部13を備えた圧上昇発生部12に位置する立上管20、つまり、配管本体部10の最上流部に位置する立上管20以外の複数の立上管20のうち少なくとも1以上の立上管20の上端部に取り付けられた蓋部材21を圧力開放蓋30Aに交換する際に、蓋取付用アダプタ70とともに圧力開放蓋30Aを取り付けるようにしてもよい。
さらに本実施例では、立上管20の上端部に取り付けられた蓋部材21を、サイズ及び種類(例えば、圧力開放機能の有無など)が異なる圧力開放蓋30Aに交換する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、立上管20の上端部に取り付けられた蓋部材21を、サイズが異なるが種類が同一の他の蓋部材21に交換する際に、蓋取付用アダプタ70とともに蓋部材21を取り付けるようにしてもよい。また、立上管20の上端部に取り付けられた圧力開放蓋30Aを、サイズが異なるが種類が同一の他の圧力開放蓋30Aに交換する際に、蓋取付用アダプタ70とともに圧力開放蓋30Aを取り付けるようにしてもよい。さらに、立上管20の上端部に取り付けられた蓋体を、サイズや種類が同一であるが形状(例えば、平面視形状や外枠側蓋体受部34Aの内面形状など)が異なる新たな蓋体に交換する際に、新たな蓋体の形状に対応した蓋取付用アダプタとともに取り付けるようにしてもよい。
また、図13(b)に示されるように、第2フランジ部72の上面は、第1フランジ部71の下面よりも下方に位置することで、圧力開放蓋30Aを第1フランジ部71の上面よりも下方に配置して、極力地面よりも上方に突出しないように設けることができる。
また、第1垂下部73は平面視円環状に形成されていることで、第1垂下部73が外枠側蓋体受部34Aの内周面に沿うように挿入されるため、この第1垂下部73に沿って設置される圧力開放蓋30Aを立上管20の上端開口部の中心に支持することができる。
また、蓋取付用アダプタ70の第1フランジ部71が外枠部31の上端面に支持されている状態において、蓋取付用アダプタ70の下部、つまり、第1垂下部73、第2フランジ部72及び第2垂下部74は、外枠部31及び立上管20に対し離間しており、特に、圧力開放蓋30Aを下方から受支する第2フランジ部72が段部34の上面に載置されないことで、外枠部31に対する蓋取付用アダプタ70の接点は第1フランジ部71のみとなるため、蓋取付用アダプタ70にがたつきが生じることが防止される。
また、第1フランジ部71は、立上管20に接着剤Zにて固定されることで、蓋取付用アダプタ70とともに圧力開放蓋30Aが立上管20から外れてしまうことを防止できる。尚、蓋取付用アダプタ70は、接着剤Zにより第1フランジ部71が外枠部31に固定されていたが、第1フランジ部71以外の部位が外枠部31に固定されていてもよいし、立上管20に直接固定されていてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
[変形例1]
次に、本発明の変形例1としての蓋取付用アダプタについて、図17~図19に基づいて説明する。図17は、(a)は変形例1としての蓋取付用アダプタを示す平面図、(b)は(a)のF-F断面図である。図18は、(a)はBタイプの外枠部に変形例1としての蓋取付用アダプタとともに圧力開放蓋が取り付けられた状態を示す平面図、(b)は(a)のG-G断面図である。図19は、Cタイプの外枠部に変形例1としての蓋取付用アダプタとともに圧力開放蓋が取り付けられた状態を示す縦断面図である。
図17(a)、(b)に示されるように、変形例1としての蓋取付用アダプタ70Aは、実施例1に記載の蓋取付用アダプタ70と材質は同じであるが、形状が異なる。第1フランジ部71は、第1垂下部73の上端から外方に向けて延設されており、その上面には、外側に向けて下方に傾斜する傾斜面76が形成されている。第2フランジ部72は、平面視略円環状をなす板状部からなり、第1垂下部73の下端よりやや上方の位置から内方に向けて略水平に延設されている。第1垂下部73は、第1フランジ部71と第2フランジ部72とを接続する円筒状部である。また、第2垂下部74は、第2フランジ部72の内周縁から下方に延設される円筒状部である。
このように構成された変形例1としての蓋取付用アダプタ70Aにおいても、図18(a)、(b)に示されるように、Bタイプの外枠部31Bの上端部に取り付けたり、図19(a)、(b)に示されるように、Cタイプの外枠部31Cの上端部に取り付けたりすることができるため、既設の立上管20に取り付けられた外枠部31、31B、31Cの形状やサイズにかかわらず、新たな圧力開放蓋30Aを蓋取付用アダプタ70Aとともに取り付けることができる。
また、変形例1としての蓋取付用アダプタ70Aは、実施例1に記載の蓋取付用アダプタ70に比べて、第1フランジ部71の上下寸法が肉厚とされていることで強度が高められている一方で、第1フランジ部71の下面と第2フランジ部72の上面との上下方向の離間幅L10が小さいことで、蓋体受部75が地面(G.L.)とより上方に突出するように設けられる。
よって、外枠部31の上端は地面(G.L.)と面一または略面一である場合において、蓋取付用アダプタ70Aは、第1フランジ部71の内周から外側に向けて下方に傾斜する傾斜面76を備え、外枠部31に第1フランジ部71が支持されることで、蓋取付用アダプタ70Aが地面から突出して設けられても、蓋取付用アダプタ70Aの上面に、外側に向けて下方に傾斜する傾斜面76が形成されることで、蓋取付用アダプタ70Aに足をぶつけにくくなるので、躓いたりすることを抑制できる。尚、地面に対する傾斜面76の傾斜角度は任意であるが、小さい方が好ましい。
[変形例2]
次に、本発明の変形例2としての蓋取付用アダプタについて、図20に基づいて説明する。図20は、(a)はBタイプの外枠部に変形例2としての蓋取付用アダプタとともに圧力開放蓋が取り付けられた状態を示す平面図、(b)は(a)のH-H断面図である。
図20(a)、(b)に示されるように、変形例2としての蓋取付用アダプタ70Bは、変形例1に記載の蓋取付用アダプタ70Aと材質や基本的な構成は同じであるが、第2フランジ部72の下面における周方向の複数個所(例えば、2箇所など)に係止手段80が設けられている。係止手段80は、第2フランジ部72の下面から下方に向けて延設される弾性変形可能な弾性片80Aと、弾性片80Aの下端に形成された係止部80Bと、から構成される。
係止手段80は、蓋取付用アダプタ70Bを外枠部31Bに取り付ける際に、弾性片80Aが内側に弾性変形することにより、外枠側蓋体受部34Aの開口内に上方から挿入される。そして、第1フランジ部71が外枠部31Bの上端面に載置されたときに、弾性片80Aの弾性復帰力によって、外枠部31Bの内周面に形成された下向きの段部31Kに係止部80Bが係止される。これにより蓋取付用アダプタ70Bの上方への移動が規制されるため、接着剤Z等を用いなくても、蓋取付用アダプタ70Bを外枠部31Bに取り付けることができる。
このように蓋取付用アダプタ70Bは、外枠部31Bの内周面に形成された下向きの段部31Kに係止可能な係止部80Bを有し、係止部80Bが外枠部31Bに係止されることで立上管20からの逸脱が規制されるため、外枠部31Bに蓋取付用アダプタ70Bを支持するだけで、蓋取付用アダプタ70Bが立上管20から外れてしまうことを防止できる。
また、係止手段80は、蓋取付用アダプタ70Bに圧力開放蓋30Aが支持されることで立上管20内に収容され、圧力開放蓋30Aを取り外さない限り外枠部31Bとの係止状態を解除することが困難となる。つまり、圧力開放蓋30Aが支持されているときは係止部80Bと段部31Kとの係止状態を容易に解除できないので、蓋取付用アダプタ70Cが立上管20から不用意に外れてしまうことを防止できる。
また、本変形例では、蓋取付用アダプタ70Bを弾性的に係止可能な係止手段80により外枠部31Bに係止させることにより、蓋取付用アダプタ70Bを外枠部31Bに取り付ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、蓋取付用アダプタ70Bの周方向に複数設けられた係止片を、外枠部31Bに形成された複数の係止部に対し周方向に回転させることで係止可能な所謂バヨネット構造の係止手段を適用してもよいし、蓋取付用アダプタ70Bの外周面に設けた雄ねじ部を、外枠部31Bの内周面に設けた雌ねじ部に螺合させることで係止可能な係止手段を適用してもよく、種々に変更可能である。
[変形例3]
次に、本発明の変形例3としての蓋取付用アダプタについて、図21に基づいて説明する。図21は、(a)は圧力開放蓋を変形例3としての蓋取付用アダプタとともに外枠部に取り付ける状態を示す縦断面図、(b)は蓋取付用アダプタとともに圧力開放蓋が外枠部に取り付けられた状態を示す縦断面図である。
図21(a)、(b)に示されるように、変形例3としての蓋取付用アダプタ70Cは、変形例1、2に記載の蓋取付用アダプタ70A、70Bと材質や基本的な構成は同じであるが、第1フランジ部71と第2フランジ部72との基部となる第1垂下部73の径方向の幅寸法L11が幅広に形成されている。
例えば、外枠部の種類として、外枠側蓋体受部34Aの内径寸法Ldが150mmの150mmタイプの外枠部31(図9参照)と、外枠側蓋体受部34Aの内径寸法Ldが200mmの200mmタイプの外枠部31A(図21参照)と、がある場合、圧力開放蓋30Aとして、150mmタイプと200mmタイプの2種類の圧力開放蓋30Aを予め用意することが考えられるが、圧力開放蓋30Aは、蓋部材21よりも構造が複雑で高価である。
そこで、200mmタイプの外枠部31に対し、変形例3としての蓋取付用アダプタ70Cとともに150mmタイプの圧力開放蓋30Aを取り付けることで、既設の立上管20に取り付けられた外枠部31が200mmタイプであっても、150mmタイプの種類の新たな圧力開放蓋30Aを、該圧力開放蓋30Aよりも構造が簡素で安価な蓋取付用アダプタ70Cとともに取り付けることができるため、低コストで高機能の蓋体に交換することができる。
尚、本変形例3では、外枠部の種類として150mmタイプと200mmタイプの2種類を例示したが、3種類以上の外枠部に対応して、種類が異なる新たな圧力開放蓋30Aを蓋取付用アダプタ70Cとともに取り付けできるようにしてもよい。
[変形例4]
次に、本発明の変形例4としての蓋取付用アダプタについて、図22に基づいて説明する。図22は、Aタイプの外枠部に変形例4としての蓋取付用アダプタとともに圧力開放蓋が取り付けられた状態を示す縦断面図である。
図22に示されるように、変形例4としての蓋取付用アダプタ70Dは、変形例3に記載の蓋取付用アダプタ70Cと材質や基本的な構成は同じであるが、蓋取付用アダプタ70Cの下部に円筒状の補強部90が突設されている。補強部90は、弾性変形可能であり、下方に向けて外枠部31Aの内周側に傾斜するように形成され、蓋取付用アダプタ70Dが外枠部31Aに取り付けられた状態において、外枠部31Aの内周面に当接するようになっている。
このように、第1フランジ部71と第2フランジ部72とが径方向に離れて配置される場合において、蓋取付用アダプタ70Dの下部に補強部90が形成されることで、第2フランジ部72が補強部90を介して外枠部31Aの内周面により下方から支持されるようになるため、圧力開放蓋30Aに上方から外力が加わったときに、補強部90を介して外力が外枠部31Aの内周面の下方に拡がるように分散され、蓋取付用アダプタ70Cの変形が抑制される。尚、補強部90は筒状に形成されるものに限定されるものではなく、周方向に複数形成されてもよい。
[変形例5]
次に、本発明の変形例5としての蓋取付用アダプタについて、図23に基づいて説明する。図23は、Bタイプの外枠部に変形例5としての蓋取付用アダプタとともに圧力開放蓋が取り付けられた状態を示す縦断面図である。
前記実施例4及び変形例1~4では、蓋取付用アダプタ70、70A~70Dを外枠部31、31A、31Bの上端部に取り付ける場合、第1フランジ部71は、外枠部31、31A、31Bの上端面に載置される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図23に示される変形例5の蓋取付用アダプタ70Eのように、第1フランジ部71は、外枠部31の外枠側蓋体受部34Aを構成する段部34の上面に載置されるようにしてもよい。
この場合、第1垂下部73、第2フランジ部72、第2垂下部74は、外枠部31の外枠側蓋体受部34Aの開口内に挿入される。また、第1フランジ部71が外枠側蓋体受部34A内に嵌合されることで、外枠部31の上端面と圧力開放蓋30Aの上面と蓋取付用アダプタ70Eの上面とが略面一になるため、圧力開放蓋30A及び蓋取付用アダプタ70Eを、外枠部31の上端面、つまり、地面(G.L.)から上方に突出しないように設けることが可能となる。
[変形例6]
次に、本発明の変形例6としての蓋取付用アダプタについて、図24に基づいて説明する。図24は、(a)はBタイプの外枠部に変形例6としての蓋取付用アダプタとともに圧力開放蓋が取り付けられた状態を示す平面図、(b)は(a)のI-I断面図である。
図24(a)、(b)に示されるように、変形例6としての蓋取付用アダプタ70Fは、変形例1~4に記載の蓋取付用アダプタ70A~70Dと材質や基本的な構成は同じであるが、蓋取付用アダプタ70Fの外径寸法LAが、外枠部31の外径寸法LDよりも大寸とされ(LA>LD)、蓋体受部75の内径寸法Laは、圧力開放蓋30Aの外径寸法L2よりも大寸の外径寸法L3を有する圧力開放蓋30A’に対応して形成されることで、外枠側蓋体受部34Aの内径寸法Ldよりも大寸とされている(La>Ld)。
つまり、上記実施例4や変形例1~5のように、既設の立上管20に取り付けられた外枠部31Bの外枠側蓋体受部34Aに嵌合可能な外径寸法L1を有する蓋部材21を、該蓋部材21よりも小寸の外径寸法L2を有する圧力開放蓋30Aに交換する場合だけでなく、外枠側蓋体受部34Aに嵌合することができない大きな外径寸法L3を有する圧力開放蓋30A’に交換する場合においても、大きな外径寸法L3を有する圧力開放蓋30A’を、蓋取付用アダプタ70Fとともに外枠部31Bの上端部に取り付けることができる。
また、本変形例では、第2フランジ部72の下面から下方に延設される第2垂下部74が外枠側蓋体受部34Aに挿入されることで、第2垂下部74の外周面が外枠側蓋体受部34Aの内周面に当接したときに蓋取付用アダプタ70Fが軸心方向に誘導されるため、外枠部31Bに対する蓋取付用アダプタ70Fの位置合わせが容易になる。
また、前記実施例では、蓋部材21、圧力開放蓋30A及び蓋取付用アダプタ70、70A~70Fは平面視円環状に形成されていたが、例えば、外枠部31、31A~31Cの外枠側蓋体受部34Aの平面視形状に対応して平面視枠状に形成されていれば、環状や矩形枠状など、非円環状に形成されていてもよい。