以下、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
図1は本発明の一実施の形態における電極カテーテル1の全体図である。電極カテーテル1は、例えば、その遠位側から患者の血管内を通って心臓まで到達させて、心臓における不整脈の検査、治療、除細動等に用いられる。
本発明において、近位側とはシャフト10の延在方向に対して使用者の手元側を指し、遠位側とは近位側の反対側、即ち処置対象側を指す。また、シャフト10の延在方向を長手軸方向と称する。長手軸方向は遠近方向と言い換えることもできる。径方向とはシャフト10の半径方向を指し、径方向において内方とはシャフト10の長手軸中心側に向かう方向を指し、径方向において外方とは内方と反対側に向かう方向を指す。なお、図1において、図の右側が近位側であり、図の左側が遠位側である。
まず、第1の電極カテーテル1について説明する。
図1に示すように、電極カテーテル1は、長手軸方向に延在し、内腔を備えており、内腔と外表面とが連通するスリット40を有するシャフト10と、スリット40の外側に配置されている電極20と、電極20に接続されており、スリット40を通じてシャフト10の内腔に延在している導線30と、を有している。
シャフト10は、内腔を1つ有しているシングルルーメン構造であってもよく、内腔を複数有しているマルチルーメン構造であってもよい。シャフト10が有する内腔の数が1つであれば、シャフト10の内部に内腔を区分けする隔壁等が存在しないため、シャフト10の柔軟性を高めることができ、電極カテーテル1の挿通性を向上させることができる。シャフト10が有する内腔の数が複数であれば、内腔に配置される複数の導線30等をそれぞれ別の内腔に配置することによって、導線30が別の導線30等に接触することを防止し、導線30が断線する等の破損を防ぐことができる。
シャフト10は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、PET等のポリエステル系樹脂、PEEK等の芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、PTFE、PFA、ETFE等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の合成樹脂等が挙げられる。シャフト10は、単層構造であってもよく、複層構造であってもよい。シャフト10が複層構造である場合、例えば、シャフト10を構成する樹脂チューブの中間層として、ステンレス鋼、炭素鋼、ニッケルチタン合金等の金属編組を用いた構造とすることができる。シャフト10を構成する材料は、ポリアミド系樹脂であることが好ましく、ポリアミドエラストマーであることがより好ましい。シャフト10を構成する材料がポリアミドエラストマーであることにより、シャフト10の外表面のすべり性がよく、また、シャフト10が適度な剛性を有するため、血管への挿通性がよい電極カテーテル1とすることができる。
シャフト10の長手軸方向の長さは、治療に適切な長さを選択することができる。例えば、シャフト10の長手軸方向の長さは、500mm以上1500mm以下とすることができる。
シャフト10の外径は、0.5mm以上であることが好ましく、0.7mm以上であることがより好ましく、1mm以上であることがさらに好ましい。シャフト10の外径の下限値を上記の範囲に設定することにより、シャフト10に適度な剛性を与えることができ、血管への挿通性の高い電極カテーテル1とすることができる。また、シャフト10の外径は、3mm以下であることが好ましく、2.8mm以下であることがより好ましく、2.5mm以下であることがさらに好ましい。シャフト10の外径の上限値を上記の範囲に設定することにより、電極カテーテル1の外径が大きくなりすぎることを防ぎ、低侵襲性を高めることができる。
シャフト10の厚みは、50μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましく、150μm以上であることがさらに好ましい。シャフト10の厚みの下限値を上記の範囲に設定することにより、シャフト10の剛性を高め、血管への挿通性がよい電極カテーテル1とすることが可能となる。また、シャフト10の厚みは、350μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましく、250μm以下であることがさらに好ましい。シャフト10の厚みの上限値を上記の範囲に設定することにより、シャフト10の内腔を広くすることができ、電極カテーテル1の電極20を多極化できる。
電極20は、リング状電極であってもよく、長方形あるいは正方形等の形状の平板電極であってもよい。電極20が平板電極である場合、平板電極の裏面(内側面)および表面(外側面)の少なくとも一方が、シャフト10の表面の曲面に沿いやすいよう、曲面であってもよい。中でも、電極20はリング状であることが好ましい。電極20がリング状電極であることにより、シャフト10の周上における電極20の面積を大きくすることができ、電極20を心臓の内壁等の目的部位へ接触させやすくなる。
電極20を構成する材料は、例えば、銅、金、白金、アルミニウム、鉄、またはこれらの合金等の金属材料が挙げられる。中でも、電極20を構成する材料は、白金またはその合金であることが好ましい。電極20がこのように構成されていることにより、電極20のX線に対する造影性を高めることができ、電極カテーテル1の使用時にX線を用いることによって電極20の位置を確認することができる。
電極20は、シャフト10の外表面に配置されていることが好ましい。電極20がシャフト10に配置されていることにより、電極20を心臓の内壁に近接または接触させて心内電位を測定し、不整脈の原因となっている心臓の異常部位を特定することや、心腔内において除細動を行うこと等が可能となる。
電極20の数は、複数であることが好ましい。電極20の数が複数である場合、各電極20の大きさは、同じであってもよく、異なっていてもよい。各電極20の大きさが異なるとは、例えば、シャフト10の長手軸方向における電極20の長さが異なること等を指す。
導線30は、電極20と電極カテーテル1の電源装置等の外部機器(図示せず)とを電気的に接続するものであり、シャフト10の内腔に配置される。導線30を電極カテーテル1の外部機器に接続することにより、電極20と電極カテーテル1の外部機器とが電気的に接続される。また、図示していないが、電極カテーテル1の近位側にコネクタを有しており、導線30がコネクタに接続されている構成であって、コネクタを電極カテーテル1の外部機器に接続することによって、電極20と外部機器とを接続してもよい。
図示していないが、導線30は、コアと被覆を有している。導線30のコアを構成する材料は、導電性材料であればよいが、例えば、鉄、銅、銀、ステンレス、タングステン、ニッケル、チタン、またはこれらの合金等の金属材料が挙げられる。中でも、導線30のコアを構成する材料はステンレスであることが好ましい。ステンレスは真直性と剛性があるため、導線30のコアを構成する材料がステンレスであることにより、電極カテーテル1の製造において導線30をシャフト10の内腔に通しやすく、また、電極20の接続部等において導線30の断線が生じにくくなる。
導線30の被覆は、電極20等の他物と接続される両端部以外の部分に存在していることが好ましい。具体的には、例えば、導線30の遠位端部の被覆を一部除去し、この部分を電極20に溶接すること等によって導線30の遠位端部を電極20に接続し、電極カテーテル1の外部機器、またはハンドル50のコネクタに接続する導線30の近位端部の被覆を一部除去することにより、導線30は両端部以外の部分に被覆を有する構成とすることができる。
導線30の被覆は、絶縁性材料であればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、PET等のポリエステル系樹脂、PEEK等の芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、PTFE、PFA、ETFE等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の合成樹脂が挙げられる。導線30の被覆を構成する材料は、中でも、フッ素系樹脂であることが好ましく、PFAであることがより好ましい。導線30の被覆がフッ素系樹脂であることにより、導線30の絶縁性を高めることができ、また、シャフト10の内腔において、他の電極20に接続されている導線30等の他物に対する摺動性を向上させ、導線30の被覆と他物が接触することによる被覆の破損を防ぐことができる。
導線30を電極20へ接続する方法としては、例えば、溶接、はんだ等のろう付け、かしめ等による接続等を用いることができる。中でも、電極20への導線30の接続方法は、溶接であることが好ましい。導線30が溶接によって電極20へ接続されていることにより、導線30と電極20との接続強度を高めることができる。また、図示していないが、導線30と電極20との間に導電性を有する導電性部材を介した状態にて、導線30と電極20とが接続されていてもよい。
導線30と電極20との接続部は、大気中等に含まれる水分等による酸化劣化が生じないようにするため、樹脂等によりコーティングを行ってもよい。このコーティングに用いる樹脂としては、例えば、ポリウレタン系樹脂やエポキシ系樹脂等が挙げられる。
図2および図3は電極カテーテル1の長手軸方向に沿った断面図である。図2および図3に示すように、シャフト10の長手軸方向に沿った断面において、スリット40は、シャフト10の径方向に対して斜めである部分を有している。スリット40は、導線30をシャフト10の外部からシャフト10の内腔へ挿通するためのものである。なお、以下では、「シャフト10の径方向に対して斜めである部分」を「斜め部分」と称することがある。
シャフト10の径方向は、シャフト10の管壁の厚み方向と言い換えることもできる。なお、図2および図3において、図の上下方向がシャフト10の径方向である。
シャフト10の長手軸方向に沿った断面において、スリット40がシャフト10の径方向に対して斜めである部分を有していることにより、この斜め部分の端部に導線30が引っ掛かりやすくなる。そのため、シャフト10の長手軸方向への荷重が意図せずスリット40に挿通した導線30へ加わった際に導線30がスリット40から抜けにくくなり、電極カテーテル1の製造が行いやすく、製造効率を高めることが可能となる。
シャフト10の長手軸方向に沿った断面において、斜め部分を有しているスリット40を有するシャフト10とするには、例えば、ナイフやカッター等の刃物やドリル、ポンチ等の器具類を用いて、シャフト10の管壁の厚み方向に対して斜めとなるように器具類を進入させて、シャフト10の管壁に切り込みを入れることが挙げられる。
シャフト10の長手軸方向に沿った断面において、斜め部分を有しているスリット40の具体的な形状としては、例えば、図2に示すような、シャフト10の外表面側のスリット40の開口部がシャフト10の内腔側のスリット40の開口部よりも近位側にある構成、図示していないが、シャフト10の外表面側のスリット40の開口部がシャフト10の内腔側のスリット40の開口部よりも遠位側にある構成、図3に示すような、スリット40が折れ曲がり部を有する構成等が挙げられる。なお、スリット40が折れ曲がり部を有する構成の詳細については、後述する。
シャフト10の長手軸方向に沿った断面において、スリット40は、シャフト10の外表面側の開口からシャフト10の内腔側の開口までの全体にわたって斜め部分となっていてもよく、一部が斜め部分となっていてもよい。スリット40の、シャフト10の外表面側の開口から内腔側の開口までの一部が斜め部分となっている構成とは、スリット40が斜め部分とシャフト10の管壁の厚み方向に沿った部分とを有していることを示す。中でも、スリット40は、シャフト10の外表面側の開口から内腔側の開口までの全体にわたって斜め部分となっていることが好ましい。スリット40の全体が斜め部分となっていることにより、スリット40に挿通されている導線30とスリット40とが接触しやすく、スリット40から導線30が抜けにくくなる効果を高めることができる。
シャフト10が有するスリット40の数は、1つであってもよいが、複数であることが好ましい。シャフト10が複数のスリット40を有することにより、複数の電極20を有する電極カテーテル1とすることができる。
スリット40の上面から見たスリット40の延在方向は、曲線状や波線状、ジグザグ状等であってもよいが、直線状であることが好ましい。スリット40の延在方向が直線状であることにより、シャフト10へのスリット40の形成が容易となる。
図2および図3に示すように、シャフト10の長手軸方向に沿った断面において、スリット40は、シャフト10の長手軸とスリット40の延在方向とがなす角度θ1が10度以上80度以下である部分を有していることが好ましい。スリット40がシャフト10の長手軸とスリット40の延在方向とがなす角度θ1が10度以上80度以下である部分を有していることにより、スリット40に挿通されている導線30とスリット40とが接触しやすくなる。その結果、電極カテーテル1の製造時において、スリット40に挿通した導線30がスリット40からより抜けにくくすることができる。
シャフト10の長手軸方向に沿った断面において、スリット40の少なくとも一部は、シャフト10の長手軸とスリット40の延在方向とがなす角度θ1が10度以上であることが好ましく、15度以上であることがより好ましく、20度以上であることがさらに好ましい。シャフト10の長手軸とスリット40の延在方向とがなす角度θ1の下限値を上記の範囲に設定することにより、スリット40へ導線30を挿通しやすくなり、電極カテーテル1の製造効率を高めることができる。また、シャフト10の長手軸方向に沿った断面において、スリット40の少なくとも一部は、シャフト10の長手軸とスリット40の延在方向とがなす角度θ1が80度以下であることが好ましく、75度以下であることがより好ましく、70度以下であることがさらに好ましい。シャフト10の長手軸とスリット40の延在方向とがなす角度θ1の上限値を上記の範囲に設定することにより、導線30がスリット40に引っ掛かりやすく、抜けにくくする効果を高めることができる。
図3に示すように、シャフト10の長手軸方向に沿った断面において、スリット40は、折れ曲がり部を有していることが好ましい。折れ曲がり部とは、シャフト10の長手軸と、スリット40の延在方向とがなす角度θ1が変化している部分を指す。シャフト10の長手軸方向に沿った断面において、スリット40が折れ曲がり部を有していることにより、スリット40に挿通されている導線30が折れ曲がり部に引っ掛かって、導線30とスリット40とで摩擦が生じる。その結果、導線30がスリット40からより抜けにくくすることができる。
シャフト10の長手軸方向に沿った断面において、折れ曲り部を有しているスリット40の具体的な形状としては、例えば、図3に示すような、シャフト10の外表面側のスリット40の開口部およびシャフト10の内腔側のスリット40の開口部よりも遠位側にスリット40の中間部があり、くの字状となっている構成、図示していないが、シャフト10の外表面側のスリット40の開口部およびシャフト10の内腔側のスリット40の開口部よりも近位側にスリット40の中間部があり、逆くの字状となっている構成等が挙げられる。
シャフト10の長手軸方向に沿った断面において、折れ曲がり部を有しているスリット40とするには、例えば、ナイフやカッター等の刃物によって、シャフト10の外表面からシャフト10の管壁に切り込みを入れ、その後、シャフト10の内腔に刃物を入れ、シャフト10の外表面側から形成した切り込みに向かって、シャフト10の内表面からシャフト10の管壁にさらに切り込みを入れることが挙げられる。
電極20がリング状電極である場合、電極20の内径は、シャフト10の外径よりも小さいことが好ましい。電極20の内径がシャフト10の外径よりも小さいことにより、電極20の端部が他物に引っ掛かりにくくなり、血管や心臓の内壁等を傷つけにくくすることができる。電極20の内径をシャフト10の外径よりも小さくするには、例えば、電極20の内径をシャフト10の外径よりも大きく形成し、電極20をシャフト10に通して、電極20を外方からかしめて電極20の内径を縮める方法や、電極20の内径よりも小さい外径のシャフト10を熱膨張性樹脂で形成し、電極20をシャフト10に通してシャフト10を加熱し、シャフト10の外径を大きくする方法等が挙げられる。
図1に示すように、電極カテーテル1は、近位側にハンドル50を有していてもよい。電極カテーテル1がハンドル50を有していることにより、電極カテーテル1の操作が行いやすくなる。
図1~図3に示すように、電極カテーテル1は、シャフト10の遠位端に先端チップ60を有していてもよい。
先端チップ60としては、半球状の電極、シャフト10の遠位端の開口を防ぐ蓋状の部材等が挙げられる。シャフト10の遠位端に先端チップ60を有していることにより、電極カテーテル1の使用時に血液等の液体がシャフト10の遠位端からシャフト10の内腔に入り込むことを防止できる。また、先端チップ60が電極カテーテル1の先端の案内役となり、電極カテーテル1の挿入性を向上させることも可能となる。
先端チップ60を構成する材料は、例えば、前述のシャフト10を構成する材料、または、電極20を構成する材料等を用いることができる。なお、電極20を構成する材料等の導電性材料で先端チップ60を構成し、先端チップ60を導線30に接続することによって、先端チップ60が電極20を兼ねることも可能である。
図2および図3に示すように、電極カテーテル1がシャフト10の遠位端に先端チップ60を有している場合、先端チップ60は、先端チップ60に接続されている先端チップ接続部材61を有しており、先端チップ接続部材61は、シャフト10の内腔に配置されていることが好ましい。先端チップ接続部材61としては、シャフト10の遠位側を屈曲させるためのプルワイヤ、先端チップ60が電極20として機能するための導線30等が挙げられる。
図示していないが、電極カテーテル1は、シャフト10の遠位端に先端チップ60を有していなくてもよい。電極カテーテル1が先端チップ60を有していない場合、シャフト10の遠位端部が熱融着等されることによって、シャフト10の遠位端の開口が塞がれていることが好ましい。
図2および図3に示すように、導線30の遠位端32は、シャフト10の外部に位置していることが好ましい。導線30の遠位端32がシャフト10の外部に位置しているとは、導線30の遠位端32がシャフト10の内腔に位置していないと換言することができる。導線30の遠位端32がシャフト10の外部に位置していることにより、スリット40を通る導線30とスリット40との間に隙間が生じにくくなり、血液等の液体がシャフト10の内腔へ浸入しにくくすることができる。また、例えば、導線30と電極20との接続を溶接にて行っており、この導線30と電極20との溶接箇所と導線30の遠位端32との距離が近い場合、導線30の遠位端32がシャフト10の外部に位置していることにより、導線30と電極20との溶接箇所とスリット40との距離をあけることができ、導線30と電極20との溶接箇所がスリット40を押し広げて隙間を生じさせることを防ぐことができる。
図示していないが、導線30は、接着剤によってスリット40に固定されていることが好ましい。接着剤を用いて導線30をスリット40に固定することにより、導線30がスリット40へ強固に固定される。そのため、導線30がスリット40から抜けにくい電極カテーテル1とすることができる。
導線30をスリット40に接着固定する接着剤としては、ポリウレタン系、エポキシ系、シアノ系、フッ素系、シリコーン系の接着剤を用いることが好ましい。
次に、第2の電極カテーテル1について説明する。なお、下記の説明において、上記の説明と重複する部分は説明を省略する。
図4および図5は電極カテーテル1の長手軸方向に垂直な断面図である。図4および図5に示すように、シャフト10の長手軸方向に垂直な断面において、スリット40は、シャフト10の径方向に対して斜めである部分を有している。
シャフト10の長手軸方向に垂直な断面において、スリット40がシャフト10の径方向に対して斜めである部分を有していることにより、スリット40に挿通されている導線30が斜め部分に引っ掛かりやすく、導線30とスリット40との間に摩擦が生じて導線30がスリット40から抜けにくくなる。その結果、電極カテーテル1の製造効率を向上させることができる。
シャフト10の長手軸方向に垂直な断面において、斜め部分を有しているスリット40を有するシャフト10とするには、前述のシャフト10の長手軸方向に沿った断面において、斜め部分を有しているスリット40を有するシャフト10とする方法の例と同様に、ナイフやカッター等の刃物やドリル、ポンチ等の器具類を用いて、シャフト10の管壁の厚み方向に対して斜めとなるように器具類を進入させて、シャフト10の管壁に切り込みを入れること等が挙げられる。
シャフト10の長手軸方向に垂直な断面において、斜め部分を有しているスリット40の具体的な形状としては、例えば、図4に示すような、シャフト10の外表面側のスリット40の開口部がシャフト10の内腔側のスリット40の開口部よりも一方側(図の左側)にある構成、図示していないが、シャフト10の外表面側のスリット40の開口部がシャフト10の内腔側のスリット40の開口部よりも他方側(図の右側)にある構成、図5に示すような、スリット40が折れ曲がり部を有する構成等が挙げられる。なお、スリット40が折れ曲がり部を有する構成の詳細については、後述する。
シャフト10の長手軸方向に垂直な断面において、スリット40は、シャフト10の外表面側の開口からシャフト10の内腔側の開口までの全体にわたって斜め部分となっていてもよく、一部が斜め部分となっていてもよい。中でも、スリット40は、シャフト10の外表面側の開口から内腔側の開口までの全体にわたって斜め部分となっていることが好ましい。スリット40の全体が斜め部分となっていることにより、スリット40に挿通されている導線30とスリット40とが接触しやすく、導線30がスリット40からより抜けにくくすることができる。
図4および図5に示すように、シャフト10の長手軸方向に垂直な断面において、スリット40は、シャフト10の中心点を通る垂線PLとスリット40の延在方向とがなす角度θ2が10度以上80度以下である部分を有していることが好ましい。スリット40がシャフト10の中心点を通る垂線PLとスリット40の延在方向とがなす角度θ2が10度以上80度以下である部分を有していることにより、スリット40とスリット40に挿通されている導線30とが接触しやすくなり、電極カテーテル1の製造時において、スリット40に挿通した導線30がスリット40から抜けにくくなって、製造効率を高めることが可能となる。
シャフト10の長手軸方向に垂直な断面において、スリット40の少なくとも一部は、シャフト10の中心点を通る垂線PLとスリット40の延在方向とがなす角度θ2が10度以上であることが好ましく、15度以上であることがより好ましく、20度以上であることがさらに好ましい。シャフト10の中心点を通る垂線PLとスリット40の延在方向とがなす角度θ2の下限値を上記の範囲に設定することにより、スリット40に導線30を挿通しやすく、電極カテーテル1の製造効率を向上できる。また、シャフト10の長手軸方向に垂直な断面において、スリット40の少なくとも一部は、シャフト10の中心点を通る垂線PLとスリット40の延在方向とがなす角度θ2が80度以下であることが好ましく、75度以下であることがより好ましく、70度以下であることがさらに好ましい。シャフト10の中心点を通る垂線PLとスリット40の延在方向とがなす角度θ2の上限値を上記の範囲に設定することにより、導線30がスリット40に引っ掛かりやすくなり、導線30がスリット40から抜けにくくなる効果を高められる。
図5に示すように、シャフト10の長手軸方向に垂直な断面において、スリット40は、折れ曲がり部を有していることが好ましい。折れ曲がり部とは、シャフト10の中心点を通る垂線PLと、スリット40の延在方向とがなす角度θ2が変化している部分を指す。シャフト10の長手軸方向に垂直な断面において、スリット40が折れ曲がり部を有していることにより、スリット40に挿通されている導線30が折れ曲がり部に引っ掛かりやすくなり、導線30がスリット40から抜けにくくする効果を高めることができる。
シャフト10の長手軸方向に垂直な断面において、折れ曲り部を有しているスリット40の具体的な形状としては、例えば、図5に示すような、シャフト10の外表面側のスリット40の開口部およびシャフト10の内腔側のスリット40の開口部よりも一方側(図の左側)にスリット40の中間部があり、くの字状となっている構成、図示していないが、シャフト10の外表面側のスリット40の開口部およびシャフト10の内腔側のスリット40の開口部よりも他方側(図の右側)にスリット40の中間部があり、逆くの字状となっている構成等が挙げられる。
シャフト10の長手軸方向に垂直な断面において、折れ曲がり部を有しているスリット40とするには、前述のシャフト10の長手軸方向に沿った断面において、折れ曲がり部を有しているスリット40とする方法の例と同様に、ナイフやカッター等の刃物によって、シャフト10の外表面からシャフト10の管壁に切り込みを入れ、その後、シャフト10の内腔に刃物を入れ、シャフト10の外表面側から形成した切り込みに向かって、シャフト10の内表面からシャフト10の管壁にさらに切り込みを入れること等が挙げられる。
以上のように、本発明の第1の電極カテーテルは、長手軸方向に延在し、内腔を備えており、内腔と外表面とが連通するスリットを有するシャフトと、スリットの外側に配置されている電極と、電極に接続されており、スリットを通じてシャフトの内腔に延在している導線と、を有し、シャフトの長手軸方向に沿った断面において、スリットは、シャフトの径方向に対して斜めである部分を有しているものである。また、本発明の第2の電極カテーテルは、長手軸方向に延在し、内腔を備えており、内腔と外表面とが連通するスリットを有するシャフトと、スリットの外側に配置されている電極と、電極に接続されており、スリットを通じてシャフトの内腔に延在している導線と、を有し、シャフトの長手軸方向に垂直な断面において、スリットは、シャフトの径方向に対して斜めである部分を有しているものである。本発明の電極カテーテルがこのような構成であることにより、スリットに挿通されている導線がスリットに引っ掛かりやすく、スリットから導線が抜けにくくなって、製造が容易な電極カテーテルとすることができる。