JP7762012B2 - 帯電水粒子散布システム及び帯電水粒子散布方法 - Google Patents
帯電水粒子散布システム及び帯電水粒子散布方法Info
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Description
本発明は、帯電水粒子を消防用車両から火災による微粒子混合気が存在する散布対象領域へ散布する帯電水粒子散布システムであって、
散布対象領域へ向けて空気流を発生する送風部と、
送風部からの空気流の中に帯電水粒子を噴霧して散布対象領域へ散布する複数の帯電噴霧ヘッドと、
散布対象領域に存在する微粒子混合気の帯電極性を検出する帯電検出器と、
散布対象領域側から帯電検出器に向けて微粒子混合気を吸引する吸引装置と、
帯電検出器で検出した微粒子混合気の帯電極性に基づいて、散布対象領域へ散布する帯電水粒子の帯電極性を切替え制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする。
吸引装置は、
散布対象領域の微粒子混合気を吸引する非接地状態とした耐熱性のサンプリング管と、
サンプリング管を帯電検出器の入口に連結する可撓性のチューブと、
サンプリング管の吸引口を散布対象領域の微粒子混合気中に差込むようにサンプリング管及びチューブを移動自在に保持する保持装置と、
帯電検出器の出口側に配置され、サンプリング管及びチューブを経由して帯電検出器に到達するように散布対象領域から微粒子混合気を吸引する吸引ポンプと、
を備える。
保持装置は、
サンプリング管及びサンプリング管と連結されたチューブを延伸方向に沿って保持する竿部材と、
サンプリング管及びチューブを保持した状態で竿部材を移動自在に支承する支承部と、
を備える。
サンプリング管及び又はチューブに、微粒子混合気の吸引に伴うサンプリング管の内壁及び又はチューブの内壁の結露を抑制する加熱部を設ける。
少なくとも、帯電噴霧ヘッド、帯電検出器及び吸引装置は、はしご消防車のはしご先端、高所作業消防車の高所作業台、又はブーム付消防車のブーム先端に設けられる。
制御部は、帯電水粒子の帯電極性を、帯電検出器で検出した微粒子混合気の帯電極性と反対の帯電極性に切替え制御する。
吸引装置により散布対象領域に存在する微粒子混合気を帯電検出器に向けて吸引し、
帯電検出器により微粒子混合気の帯電極性を検出し、
制御部により帯電検出器で検出した微粒子混合気の帯電極性に基づいて、散布対象領域へ散布する帯電水粒子の帯電極性を切替え制御し、
送風部により散布対象領域へ向けて空気流を発生させ、
複数の帯電噴霧ヘッドにより送風部からの空気流の中に帯電水粒子を噴霧して散布対象領域へ散布することを特徴とする。
本発明の帯電水粒子散布システムによれば、複数の帯電噴霧ヘッドから噴霧された帯電水粒子を散布対象領域に散布する場合に、吸引装置により散布対象領域に発生する微粒子混合気を帯電検出器に向けて吸引して、帯電検出器により微粒子混合気の帯電極性を検出し、制御部により帯電検出器で検出した微粒子混合気の帯電極性に基づいて、散布対象領域に散布する帯電水粒子の帯電極性を切替え制御するようにしたため、燃焼物の種類や火災の性状などに起因して帯電している微粒子混合気の帯電極性と帯電噴霧ヘッドから噴霧される帯電水粒子の帯電極性が異なっていても、散布対象領域に発生する微粒子混合気の帯電極性が帯電検出器により検出されることで、帯電水粒子の帯電極性を検出された微粒子混合気の帯電極性と反対の帯電極性に切替えて散布することができ、散布した帯電水粒子に微粒子混合気に含有されている微粒子を静電気力により集めて捕捉除去し、高い消煙性能を得ることができる。
また、吸引装置は、散布対象領域の微粒子混合気を吸引する非接地状態とした耐熱性のサンプリング管と、サンプリング管を帯電検出器の入口に連結する可撓性のチューブと、サンプリング管の吸引口を散布対象領域の微粒子混合気中に差込むようにサンプリング管及びチューブを移動自在に保持する保持装置と、帯電検出器の出口側に配置され、サンプリング管及びチューブを経由して帯電検出器に到達するように散布対象領域から微粒子混合気を吸引する吸引ポンプと、を備えることで、例えば、はしご消防車のはしご先端に吸引装置を搭載することで、ビルの窓等の外壁開口から放出される高熱の微粒子混合気の中に離れた安全な位置からサンプリング管を差し入れることができ、簡単且つ安全に微粒子混合気を採取して微粒子混合気に含有される微粒子の帯電極性を検出することを可能とする。
また、保持装置は、サンプリング管及びチューブを延伸方向に沿って保持する竿部材と、サンプリング管及びチューブを保持した状態で竿部材を移動自在に支承する支承部と備えたことで、竿部材により離れた安全な位置から散布対象領域に発生する微粒子混合気の中にサンプリング管を差し入れることができる。また、サンプリング管及びチューブを保持した状態で竿部材を支承部により移動自在に支承することで、散布対象領域に発生する微粒子混合気に対しサンプリング管の差込み位置を自由に調整することでき、高い操作性が確保される。
また、サンプリング管及び又はチューブに、微粒子混合気の吸引に伴うサンプリング管の内壁及び又はチューブの内壁の結露を抑制する加熱部を設けることで、サンプリング管及びチューブを経由して吸引される微粒子混合気に含有される水蒸気が冷却されることで発生する結露を抑制(防止)し、サンプリング管及び又はチューブで発生した結露に微粒子混合気に含有される微粒子が捕捉されることを抑制(防止)し、微粒子混合気に含有される微粒子を失うことなく微粒子混合気を帯電検出器に到達させ、微粒子混合気の帯電極性の検出精度を高めることを可能とする。
また、帯電水粒子散布システムの、少なくとも、帯電噴霧ヘッド、帯電検出器及び吸引装置は、はしご消防車のはしご先端、高所作業消防車の高所作業台、又はブーム付消防車のブーム先端に設けられることで、例えば、建物の2階以上の高所等での火災であっても対応することができる。
本発明の帯電水粒子散布方法にあっては、前述した帯電水粒子散布システムと同様の効果が得られる。
まず、実施形態の基本的概念について説明する。実施形態は、概略的に帯電水粒子を散布対象領域へ散布する帯電水粒子散布システムに関するものであり、一例として消防車などの移動体に設けられるものである。
実施形態の具体的内容について、以下のように分けて説明する。
a.帯電水粒子散布システムの概要
b.帯電水粒子放出部
b1.送風部
b2.帯電水粒子生成部
b3.帯電噴霧ヘッド
b4.放出方向調整部
c.高圧電源部
c1.電水粒子生成部の回路構成
c2.高電圧可変回路
c3.転極回路
c4.高電圧の印加
c5.異常電流検出回路
d.消火剤供給部
e.帯電水粒子の帯電極性切替制御
e1.吸引装置
e1-1.サンプリング管
e1-2.チューブ
e2.保持装置
e3.帯電検出器
e3-1.電極構造
e3-2.電荷検出部
e3-3.電荷検出部の動作
e4.判定部
e5.帯電水粒子の帯電極性の切替制御
f.火災の種類と水粒子の帯電極性
f1.木材火災に対する水粒子の帯電極性
f2.油火災に対する水粒子の帯電極性
f3.水粒子帯電極性の初期設定
g.操作盤
h.帯電水粒子散布システムを搭載したはしご消防車
i.帯電水粒子散布システムの制御動作
j.本発明の変形例
本実施形態の帯電水粒子散布システムは、はしご消防車等の消防車両に搭載され、帯電水粒子を散布対象領域へ向けて散布するものであり、その構成や構造は任意であるが、例えば、図1に示すように、帯電水粒子放出部10、操作盤14、消火剤供給部16、高圧電源部18、帯電検出器80、及び吸引装置82を備え、操作盤14には操作表示部20と制御部21が設けられる。
帯電水粒子放出部10について、より詳細に説明する。帯電水粒子放出部10は、帯電水粒子が含有された帯電水粒子気流12を放出することで消火対象又は防火対象を含む建物の火災区画へ向けて帯電水粒子を散布するものであり、その構成や構造は任意であるが、例えば、送風部28と帯電水粒子生成部30を備える。
送風部28について、より詳細に説明する。送風部28は前後に開口した空洞内に、一例として、ファンモータ36で駆動する軸流ファン34が配置されており、軸流ファン34の回転により後方開口から吸い込んだ空気を加圧して前方開口から空気流を放出するものである。送風部28から放出される空気流の風量は任意であるが、例えば、最大風量が400m3/分程度とする。また、ファンモータ36により軸流ファン34の回転数を変えることで、必要に応じて風量を変えることが可能である。
帯電水粒子生成部30について、より詳細に説明する。送風部28の前方開口側に帯電水粒子生成部30が配置される。帯電水粒子生成部30は、図2(C)のように帯電水粒子放出部10の前方から見ると、支持リング31の内側に、例えば10台の帯電噴霧ヘッド32が円環状に配置されている。ここで、各帯電噴霧ヘッド32の噴霧軸は帯電水粒子気流12の放出軸25と交差するように配置されており、且つ、図2(B)のように帯電水粒子放出部10の左側面から見ると、各帯電噴霧ヘッド32の噴霧軸は、放出軸25上の前方のP点で交差するように配置されている。
次に、図2の帯電水粒子生成部30に設けられた帯電噴霧ヘッド32について、より詳細に説明する。図3は帯電噴霧ヘッド32を取り出して示しており、図3(A)に噴霧側から見た斜視図を示し、図3(B)に側面からみた断面図を示す。
帯電水粒子放出部10に設けられた放出方向調整部について、より詳細に説明する。放出方向調整部は、帯電水粒子放出部10による帯電水粒子気流12の放出方向を調整するものであり、その構成や構造は任意であるが、一例として、図2に示すように、左右方向調整部44と上下方向調整部48が設けられる。
高圧電源部18について、より詳細に説明する。高圧電源部18は、帯電水粒子放出部10に帯電水粒子を生成するための高電圧を高圧ケーブル24により供給するものであり、その構成や機能は任意であるが、例えば、図4に示すように、供給する電圧を調整する高電圧可変回路66、供給する電圧の極性を切替える転極回路68、帯電噴霧ヘッド32の誘導電極部60と水側電極部62との間に流れる異常電流を検出し異常電流検出部として機能する異常電流検出回路74、及び帯電噴霧ヘッド32に対する電圧の印加と印加停止を切替える選択回路72を備えるものである。また図4では、高圧ケーブル24は、誘導電極部60側に接続されるケーブルを電圧印加ケーブル24aとし、水側電極部62側に接続されるケーブルをアースケーブル24bとしている。
高圧電源部18に高圧ケーブル24により接続される帯電水粒子生成部30の回路構成について、より詳細に説明する。図4では、高圧電源部18と共に複数の帯電噴霧ヘッド32を備えた帯電水粒子生成部30の回路構成を示している。帯電噴霧ヘッド32は誘導電極部60と水側電極部62を備える。高圧電源部18からの電圧印加ケーブル24aは帯電噴霧ヘッド32ごとに分岐し、スイッチ回路75及び電流制限抵抗76を介して各帯電噴霧ヘッド32の誘導電極部60に接続される。また、各帯電噴霧ヘッド32の水側電極部62は電流検出抵抗78を介して共通接続され、そこに高圧電源部18からのアースケーブル24bがスイッチ77回路を介して接続されている。
高電圧可変回路66について、より詳細に説明する。高電圧可変回路66は、操作盤14の制御部21からの制御信号に応じて、誘導電極部60と水側電極部62との間に印加する電圧を調整するものであり、これにより帯電噴霧ヘッド32から消火や消煙に適した帯電量の帯電水粒子を含有した帯電水粒子気流を火災区画に放出することができる。また、印加電圧の絶対値を下げることによって帯電量を減らした帯電水粒子とすることで、帯電し易い消火対象又は防火対象に対して帯電水粒子による帯電量が増えることによって起きる可能性のある放電事故を、未然に防ぐことを可能とする。
転極回路68について、より詳細に説明する。転極回路68は、操作盤14の制御部21からの制御信号に応じて、誘導電極部60と水側電極部62との間に印加する電圧の極性を切替えるものであり、これにより帯電噴霧ヘッド32から噴霧する帯電水粒子の帯電極性をプラス極性又はマイナス極性に切替え、消火や消煙に適した帯電極性の帯電水粒子を含有した帯電水粒子気流を火災区画に放出することができる。例えば、火災区画に発生する微粒子混合気の帯電極性に対し、反対の極性に帯電した帯電水粒子を含有した帯電水粒子気流を放出することで、より高い消火、消煙性能が期待できる。
高圧電源部18から帯電噴霧ヘッド32の誘導電極部60と水側電極部62との間に高電圧を印加する場合について、直流電圧を印加する場合を例として、より詳細に説明する。
異常電流検出部として機能する異常電流検出回路74について、より詳細に説明する。異常電流検出回路74は、複数の帯電噴霧ヘッド32の各々について、誘導電極部60と水側電極部62の間に絶縁異常により流れる異常電流を検出するものである。ここで、絶縁異常とは、電気的な絶縁の異常であり、絶縁低下、絶縁不良、絶縁破壊、短絡等を含む概念である。
図1に示した消火剤供給部16について、より詳細に説明する。消火剤供給部16は、帯電水粒子放出部10に消火剤として、例えば消火用水を供給するものであり、その構成や構造は任意であるが、一例として、本実施形態の帯電水粒子散布システムがはしご消防車に搭載されることから、消火剤供給部16は消防車に設けられている消火ポンプを含む加圧送水装置または加圧送水設備で構成されるものである。この場合の水源としては、消防車に搭載された水タンクやホース接続される消火栓が含まれる。また、消火剤供給部16は操作盤14の放出起動又は放出停止の操作により動作して消火用水の供給と停止を行うものである。
帯電水粒子放出部10から放出する帯電水粒子気流に含有される帯電水粒子の帯電極性切替制御について、より詳細に説明する。帯電水粒子放出部10から放出する帯電水粒子気流に含有される帯電水粒子の帯電極性切替制御は、図1に示した吸引装置82、帯電検出器80及び操作盤14の制御部21により行われるものである。
吸引装置82について、より詳細に説明する。吸引装置82は、火災区画側から帯電検出器80に向けて、発生した火災の煙粒子を含む微粒子混合気を吸引するものであり、その構造や機能は任意であるが、例えば、図6に取り出して示すように、サンプリング管84、チューブ85、86、吸引ポンプ88、竿部材90、支承部92、及びウェイト94で構成される。この内、竿部材90、支承部92及びウェイト94は、サンプリング管84及びチューブ85を移動自在に保持する保持装置として機能する。
サンプリング管84について、より詳細に説明する。サンプリング管84は、建物の火災区画の微粒子混合気を先端の吸引口84aから吸引する中空部材であり、火災区画に差し込まれることから耐熱性を必要とし、例えば火災による熱に耐えうる金属製のパイプ等であり、更に、支持される竿部材90及び接続されるチューブ85とは絶縁して、非接地状態となるようにしている。また、サンプリング管84の口径や長さは任意であるが、操作員が火災区画に対して安全な距離を確保してサンプリング管84の先端の吸引口84aから微粒子混合気を吸引できるように、例えば口径は2~3cm程度、長さは1~2m程度としている。
チューブ85について、より詳細に説明する。チューブ85は、サンプリング管84を帯電検出器80の入口に接続する可撓性を有する中空部材であり、その構造や材質は任意であるが、例えば可撓性を有する合成樹脂製又はゴム製のチューブ、ホース等である。
吸引ポンプ88について、より詳細に説明する。吸引ポンプ88は吸引口にチューブ86を介して帯電検出器80の出口を接続しており、サンプリング管84及びチューブ85を介して微粒子混合気を吸引し、帯電検出器80を通過させた微粒子混合気を外部に排気するものである。吸引ポンプ88の構造や機能は任意であるが、モータ駆動により気体を吸引して排出する、例えば軸流ポンプ等の適宜のポンプが使用される。なお、チューブ86はその構造や材質は任意であるが、前述したチューブ85と同様に合成樹脂製又はゴム製のチューブ、ホース等としている。
保持装置について、より詳細に説明する。保持装置は、サンプリング管84の吸引口84aを火災区画で発生する微粒子混合気中に差込むようにサンプリング管84及びチューブ85を移動自在に保持するものであり、その構造や機能は任意であるが、例えば、竿部材90、支承部92及びウェイト94で構成されるものである。
帯電検出器80について、より詳細に説明する。帯電検出器80は、火災区画に発生する微粒子混合気に含有される微粒子(煙粒子)の帯電極性、即ち、微粒子の帯電極性がマイナス極性かプラス極性かを検出するものであり、その構成、構造、機能は任意であるが、例えば、図7(A)に取り出して図6の左方から見た断面で示すように、電極構造、電荷検出部105及び判定部114で構成されるものである。なお、図7(B)は、電極構造と電荷検出部105を後方から見た状態で示している。
帯電検出器80の電極構造について、より詳細に説明する。帯電検出器80の電極構造は任意であるが、例えば、筒状電極95とファラデーケージ96で構成される。
電荷検出部105について、より詳細に説明する。電荷検出部105は、筒状電極95を通過する微粒子混合気100に含有される帯電微粒子の電荷によって筒状電極95の外周面に誘引された帯電微粒子と同極性の誘導電荷を電圧信号に変換して出力するものであり、その構成や機能は任意であるが、例えば、オペアンプ106と抵抗110で構成されるものである。実際には、オペアンプ106と抵抗110は回路基板112に実装されている。
電荷検出部105の微粒子混合気に含有される帯電微粒子の電荷を検出する電荷検出動作を、より詳細に説明する。図8(A)は、電荷検出部105の筒状電極95を通過する微粒子混合気微粒子がプラス極性に帯電していた場合の電荷検出動作を示している。筒状電極95にプラス極性の帯電微粒子が通過すると、筒状電極95の内周面にマイナス極性の電荷が誘引され、これに対し筒状電極95の外周面には反対となるプラス極性の電荷が誘引される。このため、筒状電極95の外周面に誘引されたプラス極性の電荷に対応し、オペアンプ106の反転入力端子側の電圧が非反転入力端子の電圧(アース電位、0V)
に対して+Vqとなる。
じ電圧となるように、出力端子から抵抗110を介して反転入力端子に電流Iqが流れる。このためオペアンプ106の出力電圧は+Vqとなり、筒状電極95を通過する帯電微粒子のプラス電荷に対応した電荷検出電圧信号が出力される。
して-Vqとなる。
圧となるように、抵抗110を介して反転入力端子から出力端子へ電流Iqが流れる。このためオペアンプ106の出力電圧は-Vqとなり、筒状電極95を通過する帯電微粒子のマイナス極性の電荷に対応した電荷検出電圧信号が出力される。また、マイナス極性の帯電微粒子が筒状電極95から出る際には、逆極性となるプラス極性の電荷が筒状電極95の外周面に誘引され、当該タイミングではオペアンプ106から出力される電荷検出電圧信号は+Vqに変化する。即ち、筒状導体95をマイナス極性の帯電微粒子が通過すると、オペアンプ106はマイナスの電圧-Vqからプラスの電圧+Vqに微分的に変化する電荷検出電圧信号を出力する。
判定部114について、より詳細に説明する。本実施形態では、微粒子混合気の帯電極性の検出は、判定部114が電荷検出部105から出力される電荷検出電圧信号に基づいて、微粒子混合気100に含有される微粒子の帯電極性を判定することで行われる。判定部114は、電荷検出部105から出力される電荷検出電圧信号に基づいて微粒子混合気100に含有される微粒子の帯電極性を判定して制御部21に出力するものであり、その判定方法は任意であるが、例えば電荷検出部105から出力される電荷検出電圧信号の積分結果に基づいて帯電微粒子の帯電極性を判定し、電荷検出信号電圧信号の積分結果は、入力される電荷検出信号電圧信号を随時積分して時系列的に生成される。
制御部21による帯電水粒子の帯電極性の切替制御について、より詳細に説明する。制御部21は、帯電検出器80の判定部114で判定した微粒子混合気100に含有される微粒子の帯電極性に基づいて、帯電水粒子放出部10から放出する帯電水粒子気流12に含有される帯電水粒子の帯電極性が微粒子混合気100に含有される微粒子の帯電極性とは反対の帯電極性となるように切替制御するものである。
帯電水粒子放出部10から放出する帯電水粒子気流12に含有される帯電水粒子の帯電極性と火災の種類の関係について、より詳細に説明する。
木材火災とは、セルロース系を含む木材や紙等が燃焼する火災であり、比較的白色ないし灰色の煙(白煙、又は灰煙)を発生する火災であり、便宜的に木材火災という。なお、水蒸気は白煙には含まれない。木材火災に対しプラス極性の帯電水粒子を散布した場合と、マイナス極性の帯電水粒子を散布した場合を比較すると、例えば散布開始から所定の煙濃度に低下するまでの時間は、マイナス極性の帯電水粒子を散布した場合の方がプラス極性の帯電水粒子を散布した場合よりも短くなる関係にあり、木材火災に関してはマイナス極性の帯電水粒子の方が高い消煙性能が得られる。
油火災とは、ハイドロカーボン系を含む液体燃料、油脂、合成樹脂等が燃焼する火災であり、比較的黒色の煙(黒煙)を発生する火災であり、便宜的に油火災という。油火災について、プラス極性の帯電水粒子を散布した場合と、マイナス極性の帯電水粒子を散布した場合を比較すると、例えば散布開始から所定の煙濃度に低下するまでの時間はほぼ同じとなり、消煙性能に差異は認められないが、マイナス極性の帯電水粒子の散布は、散布量を少なくしても消煙性能が損なわれないことが分かっている。
本実施形態の帯電検出器80の判定部114により火災区画に発生する微粒子混合気に含有される微粒子の帯電特性を判定して制御部21により帯電水粒子の帯電極性を切替制御するまでには時間を要する場合もあり、帯電水粒子の帯電極性として、所定の帯電極性を初期設定しておく必要がある。この場合、前述したように、油火災の場合は、帯電水粒子の帯電極性による消火、消煙性能に差異がなく、木材火災の場合は、帯電水粒子の帯電極性がマイナス極性である方が消煙性能が高いことから、帯電水粒子の帯電極性の初期設定は、マイナス極性とすることが好適といえる。
図1に示した操作盤14について、より詳細に説明する。操作盤14は、操作員が本実施形態の帯電水粒子散布システムを操作するための操作部であり、操作内容は任意であるが、一例として、帯電水粒子放出部10の起動停止操作、帯電水粒子放出部10からの帯電水粒子気流12の放出方向の調整操作と各帯電噴霧ヘッド32からの噴霧量の調整操作、高圧電源部18による印加する電圧の種類の選択、電圧調整や極性切替の操作などが含まれる。
本実施形態の帯電水粒子散布システムを搭載したはしご消防車による消火、防火、消煙について、より詳細に説明する。図9は火災現場において本実施形態の帯電水粒子散布システムを搭載したはしご消防車による消火、防火、消煙作業の一例を示した説明図である。伸縮自在なはしご118の先端のバスケット120に、図1に示した帯電水粒子放出部10、帯電検出器80及び吸引装置82が設けられ、操作盤14、消火剤給水部16及び高圧電源部18は、はしご消防車76側に設けられている。
制御部21による帯電水粒子散布システムの制御動作の一例について、図10のフローチャートを参照して、より詳細に説明する。
(消防車)
上記の実施形態は、はしご消防車に帯電水粒子散布システムを搭載した場合を例にとっているが、建物の高所となる火災区画に対し外側から帯電水粒子放出部10を寄り付けることが可能な消防車であれば、適宜の消防車に搭載することを妨げない。例えば、高所作業消防車であれば高所作業台に帯電水粒子放出部10を設け、また、ブーム付消防車であればブーム先端に帯電水粒子放出部10を設ければよい。更に、無限軌道自走車に帯電水粒子放出部10を搭載し、遠隔操作により人の近づくことのできない火災区画に移動して帯電水粒子気流を投入するようにしてもよい。
上記の実施形態にあっては、高圧電源部18から帯電微噴霧ヘッド32の誘導電極部60と水側電極部62との間に直流電圧を印加しているが、直流電圧以外に、パルス電圧、脈流電圧、及び交流電圧等を印加しても良い。また、高圧電源部18から誘導電極部60と水側電極部62との間に電圧を印加する場合に、電圧調整及び電圧極性切替えを可能としているが、これに限定されず、任意であり、例えば、印加電圧及び又は電圧極性を固定してもよい。
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定はうけない。
12:帯電水粒子気流
14:操作盤
16:消火剤供給部
18:高圧電源部
20:操作表示部
21:制御部
22:送水管
24:高圧ケーブル
24a:電圧印加ケーブル
24b:アースケーブル
26a~26f:信号ケーブル
28:送風部
30:帯電水粒子生成部
31:支持リング
32:帯電噴霧ヘッド
34:軸流ファン
35:開閉弁
36:ファンモータ
38:保護カバー
40:架台
42:回動支持部
44:左右方向調整部
46:左右回動軸
48:上下方向調整部
50:上下回動軸
52:重心
54:ボディー
56:噴霧ノズル部
58:電極保持部
60:誘導電極部
62:水側電極部
64:給水接続部
66:高電圧可変回路
68:転極回路
72:選択回路
74:異常電流検出回路
75,77:スイッチ回路
76:電流制限抵抗
78:電流検出抵抗
80:帯電検出器
82:吸引装置
84:サンプリング管
84a:吸引口
85,86:チューブ
85a:加熱部
88:吸引ポンプ
90:竿部材
92:支承部
94:ウェイト
95:筒状電極
96:ファラデーケージ
98a,98b:外側筒体
100:微粒子混合気
102:絶縁リング
104:導体ケース
105:電荷検出部
106:オペアンプ
108:導体
112:回路基板
114:判定部
116:はしご消防車
118:はしご
120:バスケット
122:建物
124:火災区画
Claims (6)
- 帯電水粒子を消防用車両から火災による微粒子混合気が存在する散布対象領域へ散布する帯電水粒子散布システムであって、
前記散布対象領域へ散布するための前記帯電水粒子を噴霧する複数の帯電噴霧ヘッドと、
前記散布対象領域に存在する前記微粒子混合気の帯電極性を検出する帯電検出器と、
前記散布対象領域側から前記帯電検出器に向けて前記微粒子混合気を吸引する吸引装置と、
前記帯電検出器で検出した前記微粒子混合気の帯電極性に基づいて、前記散布対象領域へ散布する前記帯電水粒子の帯電極性を切替え制御する制御部と、
を備え、
前記吸引装置は、
前記散布対象領域の前記微粒子混合気を吸引する非接地状態とした耐熱性のサンプリング管と、
前記サンプリング管を前記帯電検出器の入口に連結する可撓性のチューブと、
前記サンプリング管の吸引口を前記散布対象領域の微粒子混合気中に差込むように前記サンプリング管及び前記チューブを移動自在に保持する保持装置と、
前記帯電検出器の出口側に配置され、前記サンプリング管及び前記チューブを経由して前記帯電検出器に到達するように前記散布対象領域から前記微粒子混合気を吸引する吸引ポンプと、
を備えたことを特徴とする帯電水粒子散布システム。
- 請求項1記載の帯電水粒子散布システムであって、
前記保持装置は、
前記サンプリング管及び前記サンプリング管と連結された前記チューブを前記チューブの延伸方向に沿って保持する竿部材と、
前記サンプリング管及び前記チューブを保持した状態で前記竿部材を移動自在に支承する支承部と、
を備えたことを特徴とする帯電水粒子散布システム。
- 請求項1又は2記載の帯電水粒子散布システムであって、
前記サンプリング管及び又は前記チューブに、前記微粒子混合気の吸引に伴う前記サンプリング管の内壁及び又は前記チューブの内壁の結露を抑制する加熱部を設けたことを特徴とする帯電水粒子散布システム。
- 請求項1乃至3の何れかに記載の帯電水粒子散布システムであって、
少なくとも、前記帯電噴霧ヘッド、前記帯電検出器及び前記吸引装置は、はしご消防車のはしご先端、高所作業消防車の高所作業台、又はブーム付消防車のブーム先端に設けられたことを特徴とする帯電水粒子散布システム。
- 請求項1乃至4の何れかに記載の帯電水粒子散布システムであって、
前記制御部は、前記帯電水粒子の帯電極性を、前記帯電検出器で検出した前記微粒子混合気の帯電極性と反対の帯電極性に切替え制御することを特徴とする帯電水粒子散布システム。
- 帯電水粒子を消防用車両から火災による微粒子混合気が存在する散布対象領域へ散布する帯電水粒子散布方法であって、
吸引装置により前記散布対象領域に存在する前記微粒子混合気を帯電検出器に向けて吸引し、
前記帯電検出器により前記微粒子混合気の帯電極性を検出し、
制御部により前記帯電検出器で検出した前記微粒子混合気の帯電極性に基づいて、前記散布対象領域へ散布する前記帯電水粒子の帯電極性を切替え制御し、
送風部により前記散布対象領域へ向けて空気流を発生させ、
複数の帯電噴霧ヘッドにより前記送風部からの前記空気流の中に前記帯電水粒子を噴霧して前記散布対象領域へ散布し、
前記吸引装置は、
前記散布対象領域の前記微粒子混合気を吸引する非接地状態とした耐熱性のサンプリング管と、
前記サンプリング管を前記帯電検出器の入口に連結する可撓性のチューブと、
前記サンプリング管の吸引口を前記散布対象領域の微粒子混合気中に差込むように前記サンプリング管及び前記チューブを移動自在に保持する保持装置と、
前記帯電検出器の出口側に配置され、前記サンプリング管及び前記チューブを経由して前記帯電検出器に到達するように前記散布対象領域から前記微粒子混合気を吸引する吸引ポンプと、
を備えたことを特徴とする帯電水粒子散布方法。
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| JP2021139693A JP7762012B2 (ja) | 2021-08-30 | 2021-08-30 | 帯電水粒子散布システム及び帯電水粒子散布方法 |
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