JP2019136646A - 帯電水粒子散布方法 - Google Patents
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Description
本発明は、トンネル空間を含む所定の閉鎖空間に浮遊する粉塵の除去に使用される帯電水粒子散布方法であって、
閉鎖空間に構築された未舗装道路を走行する移動体に搭載された送風機の送風口近傍に配置された帯電水粒子生成手段により、移動体を走行させながら、水粒子を生成し、水粒子を誘導帯電方式で帯電させて帯電水粒子を生成しつつ送風機からの空気流に乗せて所定方向に噴出させることにより、帯電水粒子と空気中に浮遊する粉塵との間に作用するグラディエント力によって粉塵を帯電水粒子に捕捉して落下除去させることを特徴とする。
移動体に水タンク、ポンプ及び電源部を搭載し、発電機からの電源供給により駆動されるポンプにより水タンクに貯留された水を複数の帯電水粒子生成手段に供給して水粒子を生成させると共に電源部からの電源供給により水粒子を誘導帯電方式で帯電させて帯電水粒子を生成させ、帯電水粒子を発電機からの電源供給により駆動される送風機からの空気流に乗せて噴出させる。
移動体を粉塵濃度、地盤の濡れ具合及び他の移動体の速度に応じて時速20キロメートル以下の所定速度で走行しながら帯電水粒子生成手段により帯電水粒子を空気流に乗せて噴出させる。
帯電水粒子生成ユニットは、移動体を走行させながら、5L/min乃至50L/minの範囲の所定水量の帯電水粒子を空気流に乗せて噴出させる。ダンプカーの走行台数に応じて、たとえばダンプカーの走行台数が多くなれば巻き上げ粉塵量が多くなるので、前記移動体の投入台数を増加することで調整する。
帯電水粒子生成手段と送風機とからなる帯電水粒子生成ユニットによる帯電水粒子を含む空気流の噴出方向を、水平方向に対し20°乃至45°の範囲の所定の上向き角度とする。
帯電水粒子生成手段と送風機とからなる帯電水粒子生成ユニットを、移動体に固定された架台に対し上下回り及び左右回りに回動自在に支持することにより、送風機からの帯電水粒子を含む空気流の方向を調整自在とする。
帯電水粒子生成手段は、帯電水粒子の噴出方向を空気流中心軸の下流方向に対し45°乃至90°の範囲の所定の角度とする。
帯電水粒子生成手段は、
加圧供給された水を噴出しつつ水粒子を生成する噴出ノズル部と、
所定の電圧が印加されて所定の電界を形成し、噴出ノズル部で生成した水粒子を電界によって帯電させて帯電水粒子にする誘導電極部と、
誘導電極部に印加する電圧の基準電位を与える水側電極部と、
を備えて構成されている。
帯電水粒子生成手段は、粒径が50μm乃至300μmとなる様々な粒径の水粒子を生成するように構成されている。
本発明は、トンネル空間を含む所定の閉鎖空間に浮遊する粉塵の除去に使用される帯電水粒子散布方法であって、閉鎖空間に構築された未舗装道路を走行する移動体に搭載された送風機の近傍に配置された帯電水粒子生成手段により、移動体を走行させながら、水粒子を生成し、水粒子を誘導帯電方式で帯電させて帯電水粒子を生成しつつ送風機からの空気流に乗せて所定方向に噴出させることにより、帯電水粒子と空気中に浮遊する粉塵との間に作用するグラディエント力によって粉塵を帯電水粒子に捕捉して落下除去させるようにしたため、所定の閉鎖空間、例えばトンネル空間に浮遊した粉塵を帯電水粒子で捕捉して除去することができ、また、移動体により走行ながら帯電水粒子を空気流に乗せて噴出することで、換気されていない長い工事区間であっても、効率良く粉塵を除去することができ、シールド坑内路盤工事の作業環境が改善され、また、セグメント表面への粉塵の付着が防止されて美観を確保すると共に清掃の手間を低減して生産性を向上し、また、トンネル空間の湿度を上昇させることで作業環境の改善に寄与すると共に車両の通行に伴う粉塵の巻き上げが抑制され、更に、従来の散水車による散水に比べると散布され水量は僅かであることから路盤が過剰に湿気を含むといった路盤品質の低下を起こすこともない。
また、移動体に水タンク、ポンプ及び電源部を搭載し、発電機からの電源供給により駆動されるポンプにより水タンクに貯留された水を複数の帯電水粒子生成手段に供給して水粒子を生成させると共に電源部からの電源供給により水粒子を誘導帯電方式で帯電させて帯電水粒子を生成させ、帯電水粒子を発電機からの電源供給により駆動される送風機からの空気流に乗せて噴出させるようにしたため、送風機からの空気流に乗せて帯電水粒子を噴出させるために必要な水タンク、ポンプ及び電源部を含む全ての設備機器か中型トラック等の移動体に搭載されており、移動体によりシールド坑内路盤工事の未舗装路に沿って走行するだけで、工事区間となるトンネル空間に滞留している粉塵を効率良く除去することができる。
また、移動体を粉塵濃度、地盤の濡れ具合及び他の移動体の速度に応じて時速20キロメートル以下の所定速度で走行させながら帯電水粒子生成ユニットにより帯電水粒子を空気流に乗せて噴出させるようにしたため、シールド坑内路盤工事の区間を走行しながら帯電水粒子を空気流に乗せて走行方向と反対方向となる後方のトンネル空間に均一且つ十分に噴出するができる。
また、帯電水粒子生成ユニットは、移動体を走行しながら、5L/min乃至50L/minの範囲の所定水量の帯電水粒子を空気流に乗せて噴出させるようにしたため、例えば1kmの工事区間であれば時速10km/hで走行すると約6分かかることから、20L/minとすると約120L(0.12トン)の散布量となり、少ない水量であっても、帯電水粒子を空気流に乗せて噴出することで、トンネル空間に滞留する粉塵を効率良く除去できる。
また、帯電水粒子生成手段と送風機とからなる帯電水粒子生成ユニットによる帯電水粒子を含む空気流の噴出方向を、水平方向に対し20°乃至45°の範囲の所定の上向き角度とし、更に、帯電水粒子生成ユニットを、移動体に固定された架台に対し上下回り及び左右回りに回動自在に支持することにより、送風機からの帯電水粒子を含む空気流の方向を調整自在としたため、シールド坑内路盤の工事区間における粉塵の滞留状況に合わせ噴出方向を仰角を20°乃至45°の範囲で、水平角を移動体上の帯電水粒子生成ユニットをトンネル中央側に向けることで最適な噴出方向に調整した方向の空気流に帯電水粒子を乗せて噴出することができ、トンネルの横断面方向から見て帯電水粒子の散布空間割合を大きくすることができることから、トンネル空間全体の粉塵濃度を効率よく下げることができる。
また、帯電水粒子生成手段は、帯電水粒子の噴出方向を空気流中心軸の下流方向に対し45°乃至90°の範囲の所定の角度としたため、送風機からの空気流に対し最適な噴出方向に設定された帯電水噴霧生成手段から空気流に向けて帯電水粒子が噴出され、帯電水粒子を確実に空気流に乗せて噴出させることができる。
また、帯電水粒子生成手段は、加圧供給された水を噴出しつつ水粒子を生成する噴出ノズル部と、所定の電圧が印加されて所定の電界を形成し、噴出ノズル部で生成した水粒子を電界によって帯電させて帯電水粒子にする誘導電極部と、誘導電極部に印加する電圧の基準電位を与える水側電極部とを備えて構成されているため、帯電水粒子生成手段の噴出ノズル部で生成した水粒子を誘導電極部によって形成された電界によって帯電させることができ、容易に且つ確実に帯電水粒子を生成して噴出させることができる。
また、帯電水粒子生成手段は、粒径が50μm乃至300μmとなる様々な粒径の水粒子を生成するように構成されているため、水粒子の粒径が50μmよりも小さいと、湿度が低いと水粒子を帯電させた後の帯電水粒子が蒸発しやすくなり、粉塵の除去効果が発揮され難くなり、また、生成する水粒子の粒径が300μmよりも大きいと、帯電水粒子生成手段で水粒子を帯電させて生成し噴出する帯電水粒子の数が少なくなるとともに自重が大きいことから沈降速度も大きく空間に滞留する時間が少なくなってしまい、やはり、粉塵の除去や粉塵の発生抑止効果が十分に発揮されなくなってしまうことから、粒径が50〜300μmの水粒子を生成することで、ひいては放出後の空間中にて、粒径が300μm以下であってクーロン力の作用によりさらに細かく分裂した様々な粒子径の帯電水粒子が生成されることで、さらに確実且つ効果的に、空気中に浮遊した粉塵の除去を行なうことが可能になる。
(帯電水粒子散布作業の概要)
図1はトンネル内のシールド坑内路盤工事で発生した粉塵を除去する本発明の帯電水粒子散布方法による作業を示した説明図である。
図2は作業車に搭載された帯電水粒子散布設備を示した説明図である。図2に示すように、作業車14の荷台14aには、帯電水粒子散布設備15として、帯電水粒子生成ユニット16、ポンプユニット22、水タンク24、操作盤26及び電源部として機能するディーゼル発電機28が搭載され、帯電水粒子生成ユニット16は送風機18と送風機18の送風口の周囲に環状に配置された複数の帯電水粒子生成手段20により構成される。
図3は空気流に帯電水粒子を乗せて噴出する帯電水粒子生成ユニットの構成を示した説明図であり、図3(A)に側面を示し、図3(B)に送風口からを見た正面を示す。
図4は作業車に搭載された帯電水粒子散布設備の機能構成を示した説明図である。図4に示すように、帯電水粒子生成ユニット16に設けられた送風機18にはファンモータ32により回転駆動されるファン30が風洞の中に配置されており、送風機18の送風口には10台の帯電水粒子生成手段20が環状に配置されている。
図5は帯電水粒子生成ユニットに設けられる複数の帯電水粒子生成手段に対する電気系統を示した回路ブロック図である。
図6は帯電水粒子散布手段を示した説明図であり、図6(A)は正面を示し、図6(B)は平面を示す。図7は図6(B)のX−X断面により帯電水粒子散布手段の内部構造を示した断面図である。
図8はシールド掘進工事で使用するバッテリーロコにより牽引する台車に帯電水粒子生成設備を搭載した実施形態を示した説明図であり、図8(A)はボックスカルバート運搬用編成を示し、図8(B)はセグメント搬送用編成を示す。
(閉鎖空間)
上記の実施形態は、本発明の帯電水粒子散布方法により粉塵を除去する空間としてトンネル空間を例にとっているが、本発明はこれに限定されず、粉塵が存在する適宜の閉鎖空間での本発明の帯電水粒子散布方法の適用が含まれる。
上記の実施形態は、シールド坑内路盤工事で発生する粉塵の除去を例にとっているが、これに限定されない。例えば、シールド掘進時に掘削した土砂をトンネル外に搬送する連続ベルトコンベアで発生する粉塵を本発明の帯電水粒子散布方法の適用により除去する。
上記の実施形態は、送風機の送風口の周囲に帯電水粒子生成手段を配置しているが、これに限定されない。例えば、帯電水粒子生成手段を送風機の正面の空気流が通る中に配置してもよいし、横一列に配置してもよいし、更に、アーチ状に配置してもよい。
上記の実施形態は、移動体を所定速度で移動しながら帯電水粒子を空気流に乗せて噴霧しているが、トンネル内の他の場所に比べ粉塵が多い場所であれば、移動体の速度を低下あるいは一時的に停止して噴霧してもよい。
上記の実施形態は、移動体の走行方向とは反対方向に帯電水粒子を空気流に乗せて噴霧しているが、帯電水粒子生成手段を移動体の側面に配置し、トンネルの側面寄りを走行しながら帯電水粒子を空気流に乗せて噴霧するようにしてもよい。
上記の実施形態は、移動体として機能する1台の作業車に帯電水粒子生成設備の構成機器の全てを搭載しているが、例えば水タンクについては、給水車を別に準備して並走させることで、走行しながら行う帯電水粒子の散布時間を長くすることができる。
上記の実施形態は、送風機における送風口の周囲に環状に配置した複数の帯電水粒子生成手段の全体を動作するフルモードと、1つ置きとなる半分を動作させるハーフモードを選択可能としているが、各帯電水粒子生成手段毎に給水を開閉する制御弁と電圧印加をオン、オフする制御スイッチを設けることで、必要に応じて動作させる帯電水粒子生成手段の数及び位置を任意に選択できるようにしても良い。
上記の実施形態にあっては、送風機からの噴出中心軸線の仰角θを調整可能としているが、送風機からの噴出中心軸線を水平回りに調整可能としてもよい。これにより帯電水粒子生成設備を搭載した作業車は、トンネル内で片側通行路を走行することから、送風機からの噴出中心軸線をトンネル中央側に向けてオフセットさせることで、片側通行路を走行しながらトンネル空間全体に帯電水粒子を空気流に乗せて噴出させることができる。
上記の実施形態は、移動体を走行しながら帯電水粒子生成手段からの帯電水粒子を送風機による空気流に乗せて噴霧しているが、移動体の荷台に搭載したゲート(橋脚)の上部に帯電水粒子生成手段を設け、ゲートの高さをトンネルに接触しない程度に高くし、移動体を走行しながらゲート上部に設けた帯電水粒子生成手段から帯電水粒子を噴霧し、噴霧した帯電水粒子を移動体自身が走行するときの風に乗せて散布するようにしてもよい。この場合、ゲートはアーチ状としてもよい。
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10a:セグメント
12:路盤
14:作業車
14a:荷台
16:帯電水粒子生成ユニット
17:落水ガイド
18:送風機
20:帯電水粒子生成手段
22:ポンプユニット
24:水タンク
26:操作盤
27:ゴムマット
28:ディーゼル発電機
30:ファン
32:ファンモータ
34:支持リング
35:角度調整機構
36:架台
38:回動軸
40,42:噴出中心軸線
44:ポンプモータ
46:ポンプ
48a,48b:配管
50a,50b:制御弁
52,54:電流制限器
56a,56b:電圧印加ケーブル
58a,58b:アースケーブル
60:電源部
62a,62b,64a,64b:制御スイッチ
70:レール軌道
72:バッテリーロコ
74,78:台車
76:ボックスカルバート
80:セグメント
Claims (9)
- トンネル空間を含む所定の閉鎖空間に浮遊する粉塵の除去に使用される帯電水粒子散布方法であって、
前記閉鎖空間を走行する移動体に搭載された送風機の近傍に配置された帯電水粒子生成手段により、前記移動体を走行させながら、水粒子を生成し、当該水粒子を誘導帯電方式で帯電させて帯電水粒子を生成しつつ前記送風機からの空気流に乗せて所定方向に噴出させることにより、前記帯電水粒子と空気中に浮遊する粉塵との間に作用するグラディエント力によって当該粉塵を前記帯電水粒子に捕捉して落下除去させることを特徴とする帯電水粒子散布方法。
- 請求項1記載の帯電水粒子散布方法に於いて、
前記移動体に水タンク、ポンプ及び電源部を搭載し、前記電源部からの電源供給により駆動される前記ポンプにより前記水タンクに貯留された水を前記帯電水粒子生成手段に供給して前記水粒子を生成させると共に前記電源部からの電源供給により前記水粒子を前記誘導帯電方式で帯電させて前記帯電水粒子を生成させ、前記帯電水粒子を前記電源部からの電源供給により駆動される前記送風機からの前記空気流に乗せて噴出させることを特徴とする帯電水粒子散布方法。
- 請求項1記載の帯電水粒子散布方法に於いて、
前記移動体を時速20キロメートル以下の所定速度で走行させながら前記帯電水粒子生成手段により前記帯電水粒子を前記空気流に乗せて噴出させることを特徴とする帯電水粒子散布方法。
- 請求項1記載の帯電水粒子散布方法に於いて、
前記帯電水粒子生成手段は、前記移動体を走行させながら、5L/min乃至50L/minの範囲の所定水量の前記帯電水粒子を前記空気流に乗せて噴出させることを特徴とする帯電水粒子散布方法。
- 請求項1記載の帯電水粒子散布方法に於いて、
前記帯電水粒子生成手段と前記送風機とからなる帯電水粒子生成ユニットによる前記帯電水粒子を含む前記空気流の噴出方向を、水平方向に対し20°乃至45°の範囲の所定の上向き角度としたことを特徴とする帯電水粒子散布方法。
- 請求項5記載の帯電水粒子散布方法に於いて、
前記帯電水粒子生成ユニットを、前記移動体に固定された架台に対し上下回り及び左右回りに回動自在に支持することにより、前記送風機からの前記帯電水粒子を含む前記空気流の方向を調整自在としたことを特徴とする帯電水粒子散布方法。
- 請求項1記載の帯電水粒子散布方法に於いて、
前記帯電水粒子生成手段は、前記帯電水粒子の噴出方向を前記送風機による空気流中心軸の下流方向に対し45°乃至90°の範囲の所定の角度としたことを特徴とする帯電水粒子散布方法。
- 請求項1に記載の帯電水粒子散布方法において、
前記帯電水粒子生成手段は、
加圧供給された水を噴出しつつ前記水粒子を生成する噴出ノズル部と、
所定の電圧が印加されて所定の電界を形成し、前記噴出ノズル部で生成した前記水粒子を前記電界によって帯電させて前記帯電水粒子にする誘導電極部と、
前記誘導電極部に印加する電圧の基準電位を与える水側電極部と、
を備えて構成されていることを特徴とする帯電水粒子散布方法。
- 請求項1記載の帯電水粒子散布方法において、前記帯電水粒子生成手段は、粒径が50μm乃至300μmとなる様々な粒径の前記水粒子を生成するように構成されていることを特徴とする帯電水粒子散布方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114984700A (zh) * | 2022-06-08 | 2022-09-02 | 森拓建设集团有限公司 | 一种市政工程用降尘装置 |
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2018
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