JP2019136646A - 帯電水粒子散布方法 - Google Patents

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Yoshitaka Kii
吉隆 紀伊
賢二 高木
Kenji Takagi
賢二 高木
隆信 末吉
Takanobu Sueyoshi
隆信 末吉
利秀 辻
Toshihide Tsuji
利秀 辻
吉田 哲雄
Tetsuo Yoshida
哲雄 吉田
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Abstract

【課題】貫通した工事中のトンネル空間の道路地盤の構築工事に伴い浮遊する粉塵の除去を全工事区間に亘り効率良く行うことを可能とする。【解決手段】シールド工法により貫通した工事中のトンネル10内の路盤12の構築工事による未舗装道路を、帯電水粒子生成設備15を作業車14に搭載して走行させる。作業車14に搭載された帯電水粒子生成設備15は、送風機の送風口の周囲に環状に配置された複数の帯電水粒子生成手装置により、水誘導帯電方式により帯電させた帯電水粒子を送風機からの空気流に乗せて後方に噴出させることにより、帯電水粒子とトンネル内に浮遊する粉塵との間に作用するグラディエント力によって、粉塵を帯電水粒子に捕捉させて落下除去させる。【選択図】図1

Description

本発明は、工事中のトンネル空間に浮遊する粉塵を除去する帯電水粒子散布方法に関する。
従来、トンネル工事等を行なう際には、極力粉塵の発生を抑えるようにし、また、発生した粉塵を空気中から効率的に除去することが重要でありこのため掘削作業等を散水しながら行って、粉塵の発生を抑え、また、発生した粉塵は除去するようにしている。
一方、噴出ノズルから霧状の水を噴出し、空気中に浮遊する粉塵に微細な水粒子を付着させ、粉塵を水粒子とともに落下させることによって空気中から除去する手法が提案され実用化されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。この手法においては、単に散水を行う場合と比較し、少量の水で効率的に粉塵を除去することが可能になる。
また、帯電した水粒子を噴出して粉塵を除去する手法も提案され実用化されている(特許文献3、特許文献4)。この手法においては、水粒子が帯電していることにより、帯電水粒子と粉塵を電気的に吸着させることができ、より効率的に粉塵を除去することが可能になる。
しかしながら、このような帯電水粒子を噴出して粉塵を捕捉除去する手法においては、帯電水粒子が数十〜数百μmの粒径の微粒子であるため、水圧を大きくして噴出ノズルから帯電水粒子を噴出させたとしても、空間の空気抵抗によって噴出後すぐに失速して遠方に到達せず、しかも到達した距離において例えば噴出ノズルを中心とした半径1m程度の範囲にしか帯電水粒子を散布することができない。このため、トンネル掘削現場など、広範の空気中に浮遊する粉塵を除去したい場合に、適用できないという問題があった。
この問題を解決するため本願発明者等にあっては、一方向に向けて流れる空気流を生成する空気流生成手段と、水粒子を生成し、水粒子を誘導帯電方式で帯電させて帯電水粒子を生成しつつ噴出させる帯電水粒子生成手段とを備え、帯電水粒子生成手段で生成して噴出した帯電水粒子を、空気流生成手段で生成した空気流にのせて一方向に給送するように構成された帯電水粒子散布装置を提案している(特許文献5)。
このような帯電水粒子散布装置により、空気流の流れ方向である一方向を所望の方向に向けることで、所望の方向の空気中に浮遊した粉塵を帯電水粒子で捕捉して除去することができ、また、空気流によって遠方まで帯電水粒子が給送されることで広範の粉塵を除去することができる。
また、不整地走行車や高所作業車等の移動体に支持構造体と共に帯電水粒子生成装置を設置し、帯電水噴霧装置を任意の位置に容易に移動、設置して粉塵の除去や発生抑制を行う方法も知られている(特許文献6)。
特許第4014122号公報 特開2002−263604号公報 特開2003−240224号公報 特開2003−275617号公報 特開2013−227806号公報 特開2013−226517号公報
ところで、自動車専用道路等のシールド工法を用いたトンネル工事にあっては、シールドマシンによりトンネルの貫通工事が終了した場合、ダンプカーにより運び込んだ土をトンネル内の下部に入れて路面地盤を構築するシールド坑内路盤工事が行われる。
このようなシールド坑内路盤工事にあっては、工事が進むにつれ、ダンプカーが通過する度に土が舞い上がってトンネル空間に粉塵が滞留して視界が悪化し、また、トンネル壁面となるセグメント表面に粉塵が付着する問題がある。
この問題を解決するためにトンネル内の走行速度を20km/h以下に制限したり、定期的に散水車を走行させて散水しているが、この段階ではトンネル内は換気なしのためトンネル内に充満した粉塵を十分に除去することは困難であり、散水車により頻繁に散水を行うと路盤品質が低下する問題もある。
そこで、トンネル内に従来の帯電水粒子散布装置を設置し、帯電水粒子を空気流に乗せてトンネル空間に噴出させることにより、トンネル空間の粉塵を除去することが考えられる。
しかしながら、従来の帯電水粒子散布装置は、粉塵発生源又はその近傍に設置して使用するものであり、これに対しシールド坑内路盤工事はトンネル全長や工事区間長に対応した長い区間となり、1台の帯電水粒子散布装置でカバーできる区間は数十メートル以下に制限され、粉塵発生区間を全てカバーするためには多数の帯電水粒子散布装置の設置が必要となる。また、移動体により帯電水粒子散布装置の設置場所を変更するようにしても、粉塵発生区間を全てカバーするには手間と時間がかかる問題がある。
本発明は、所定の閉鎖空間、例えば工事中のトンネル空間の道路地盤の構築工事(シールド坑内路盤工事)に伴い浮遊する粉塵の除去を全工事区間に亘り効率良く行うことを可能とする帯電水粒子散布方法を提供することを目的とする。
(帯電水粒子散布方法)
本発明は、トンネル空間を含む所定の閉鎖空間に浮遊する粉塵の除去に使用される帯電水粒子散布方法であって、
閉鎖空間に構築された未舗装道路を走行する移動体に搭載された送風機の送風口近傍に配置された帯電水粒子生成手段により、移動体を走行させながら、水粒子を生成し、水粒子を誘導帯電方式で帯電させて帯電水粒子を生成しつつ送風機からの空気流に乗せて所定方向に噴出させることにより、帯電水粒子と空気中に浮遊する粉塵との間に作用するグラディエント力によって粉塵を帯電水粒子に捕捉して落下除去させることを特徴とする。
(移動体の搭載機器)
移動体に水タンク、ポンプ及び電源部を搭載し、発電機からの電源供給により駆動されるポンプにより水タンクに貯留された水を複数の帯電水粒子生成手段に供給して水粒子を生成させると共に電源部からの電源供給により水粒子を誘導帯電方式で帯電させて帯電水粒子を生成させ、帯電水粒子を発電機からの電源供給により駆動される送風機からの空気流に乗せて噴出させる。
(移動体の走行速度)
移動体を粉塵濃度、地盤の濡れ具合及び他の移動体の速度に応じて時速20キロメートル以下の所定速度で走行しながら帯電水粒子生成手段により帯電水粒子を空気流に乗せて噴出させる。
(帯電水粒子の散布量)
帯電水粒子生成ユニットは、移動体を走行させながら、5L/min乃至50L/minの範囲の所定水量の帯電水粒子を空気流に乗せて噴出させる。ダンプカーの走行台数に応じて、たとえばダンプカーの走行台数が多くなれば巻き上げ粉塵量が多くなるので、前記移動体の投入台数を増加することで調整する。
(帯電水粒子の噴出方向)
帯電水粒子生成手段と送風機とからなる帯電水粒子生成ユニットによる帯電水粒子を含む空気流の噴出方向を、水平方向に対し20°乃至45°の範囲の所定の上向き角度とする。
(噴出方向の調整)
帯電水粒子生成手段と送風機とからなる帯電水粒子生成ユニットを、移動体に固定された架台に対し上下回り及び左右回りに回動自在に支持することにより、送風機からの帯電水粒子を含む空気流の方向を調整自在とする。
(帯電水粒子の空気流に対する噴出方向)
帯電水粒子生成手段は、帯電水粒子の噴出方向を空気流中心軸の下流方向に対し45°乃至90°の範囲の所定の角度とする。
(帯電水粒子生成手段の構成)
帯電水粒子生成手段は、
加圧供給された水を噴出しつつ水粒子を生成する噴出ノズル部と、
所定の電圧が印加されて所定の電界を形成し、噴出ノズル部で生成した水粒子を電界によって帯電させて帯電水粒子にする誘導電極部と、
誘導電極部に印加する電圧の基準電位を与える水側電極部と、
を備えて構成されている。
(帯電水粒子のサイズ)
帯電水粒子生成手段は、粒径が50μm乃至300μmとなる様々な粒径の水粒子を生成するように構成されている。
(基本的な効果)
本発明は、トンネル空間を含む所定の閉鎖空間に浮遊する粉塵の除去に使用される帯電水粒子散布方法であって、閉鎖空間に構築された未舗装道路を走行する移動体に搭載された送風機の近傍に配置された帯電水粒子生成手段により、移動体を走行させながら、水粒子を生成し、水粒子を誘導帯電方式で帯電させて帯電水粒子を生成しつつ送風機からの空気流に乗せて所定方向に噴出させることにより、帯電水粒子と空気中に浮遊する粉塵との間に作用するグラディエント力によって粉塵を帯電水粒子に捕捉して落下除去させるようにしたため、所定の閉鎖空間、例えばトンネル空間に浮遊した粉塵を帯電水粒子で捕捉して除去することができ、また、移動体により走行ながら帯電水粒子を空気流に乗せて噴出することで、換気されていない長い工事区間であっても、効率良く粉塵を除去することができ、シールド坑内路盤工事の作業環境が改善され、また、セグメント表面への粉塵の付着が防止されて美観を確保すると共に清掃の手間を低減して生産性を向上し、また、トンネル空間の湿度を上昇させることで作業環境の改善に寄与すると共に車両の通行に伴う粉塵の巻き上げが抑制され、更に、従来の散水車による散水に比べると散布され水量は僅かであることから路盤が過剰に湿気を含むといった路盤品質の低下を起こすこともない。
(移動体の搭載機器による効果)
また、移動体に水タンク、ポンプ及び電源部を搭載し、発電機からの電源供給により駆動されるポンプにより水タンクに貯留された水を複数の帯電水粒子生成手段に供給して水粒子を生成させると共に電源部からの電源供給により水粒子を誘導帯電方式で帯電させて帯電水粒子を生成させ、帯電水粒子を発電機からの電源供給により駆動される送風機からの空気流に乗せて噴出させるようにしたため、送風機からの空気流に乗せて帯電水粒子を噴出させるために必要な水タンク、ポンプ及び電源部を含む全ての設備機器か中型トラック等の移動体に搭載されており、移動体によりシールド坑内路盤工事の未舗装路に沿って走行するだけで、工事区間となるトンネル空間に滞留している粉塵を効率良く除去することができる。
(移動体の走行速度による効果)
また、移動体を粉塵濃度、地盤の濡れ具合及び他の移動体の速度に応じて時速20キロメートル以下の所定速度で走行させながら帯電水粒子生成ユニットにより帯電水粒子を空気流に乗せて噴出させるようにしたため、シールド坑内路盤工事の区間を走行しながら帯電水粒子を空気流に乗せて走行方向と反対方向となる後方のトンネル空間に均一且つ十分に噴出するができる。
この場合、トンネル内の走行制限速度以下の速度で走行しているダンプカー等の他の作業車両と同程度の速度で移動体を走行しながら空気流に乗せて帯電水粒子を噴出させることで、他の作業車両の通行を妨げることなく、粉塵の除去作業をすすめることができる。
(帯電水粒子の散布量による効果)
また、帯電水粒子生成ユニットは、移動体を走行しながら、5L/min乃至50L/minの範囲の所定水量の帯電水粒子を空気流に乗せて噴出させるようにしたため、例えば1kmの工事区間であれば時速10km/hで走行すると約6分かかることから、20L/minとすると約120L(0.12トン)の散布量となり、少ない水量であっても、帯電水粒子を空気流に乗せて噴出することで、トンネル空間に滞留する粉塵を効率良く除去できる。
(帯電水粒子の噴出方向及び噴射方向の調整による効果)
また、帯電水粒子生成手段と送風機とからなる帯電水粒子生成ユニットによる帯電水粒子を含む空気流の噴出方向を、水平方向に対し20°乃至45°の範囲の所定の上向き角度とし、更に、帯電水粒子生成ユニットを、移動体に固定された架台に対し上下回り及び左右回りに回動自在に支持することにより、送風機からの帯電水粒子を含む空気流の方向を調整自在としたため、シールド坑内路盤の工事区間における粉塵の滞留状況に合わせ噴出方向を仰角を20°乃至45°の範囲で、水平角を移動体上の帯電水粒子生成ユニットをトンネル中央側に向けることで最適な噴出方向に調整した方向の空気流に帯電水粒子を乗せて噴出することができ、トンネルの横断面方向から見て帯電水粒子の散布空間割合を大きくすることができることから、トンネル空間全体の粉塵濃度を効率よく下げることができる。
(帯電水粒子を乗せた空気流の噴出方向の調整による効果)
また、帯電水粒子生成手段は、帯電水粒子の噴出方向を空気流中心軸の下流方向に対し45°乃至90°の範囲の所定の角度としたため、送風機からの空気流に対し最適な噴出方向に設定された帯電水噴霧生成手段から空気流に向けて帯電水粒子が噴出され、帯電水粒子を確実に空気流に乗せて噴出させることができる。
(帯電水粒子生成手段の構成による効果)
また、帯電水粒子生成手段は、加圧供給された水を噴出しつつ水粒子を生成する噴出ノズル部と、所定の電圧が印加されて所定の電界を形成し、噴出ノズル部で生成した水粒子を電界によって帯電させて帯電水粒子にする誘導電極部と、誘導電極部に印加する電圧の基準電位を与える水側電極部とを備えて構成されているため、帯電水粒子生成手段の噴出ノズル部で生成した水粒子を誘導電極部によって形成された電界によって帯電させることができ、容易に且つ確実に帯電水粒子を生成して噴出させることができる。
(帯電水粒子のサイズによる効果)
また、帯電水粒子生成手段は、粒径が50μm乃至300μmとなる様々な粒径の水粒子を生成するように構成されているため、水粒子の粒径が50μmよりも小さいと、湿度が低いと水粒子を帯電させた後の帯電水粒子が蒸発しやすくなり、粉塵の除去効果が発揮され難くなり、また、生成する水粒子の粒径が300μmよりも大きいと、帯電水粒子生成手段で水粒子を帯電させて生成し噴出する帯電水粒子の数が少なくなるとともに自重が大きいことから沈降速度も大きく空間に滞留する時間が少なくなってしまい、やはり、粉塵の除去や粉塵の発生抑止効果が十分に発揮されなくなってしまうことから、粒径が50〜300μmの水粒子を生成することで、ひいては放出後の空間中にて、粒径が300μm以下であってクーロン力の作用によりさらに細かく分裂した様々な粒子径の帯電水粒子が生成されることで、さらに確実且つ効果的に、空気中に浮遊した粉塵の除去を行なうことが可能になる。
トンネル内のシールド坑内路盤工事で発生した粉塵を除去する本発明の帯電水粒子散布方法による作業及び帯電水粒子の散布空間を示した説明図 作業車に搭載された帯電水粒子散布設備を示した説明図 空気流に帯電水粒子を乗せて噴出する帯電水粒子生成ユニットの構成を示した説明図 作業車に搭載された帯電水粒子散布設備の設備構成を示した説明図 帯電水粒子生成ユニットに設けられる複数の帯電水粒子生成手段に対する電気系統を示した回路ブロック図 帯電水粒子生成ユニットに設けられる帯電水粒子生成手段の構造を示した説明図 図6(B)のX−X断面により帯電水粒子生成手段の内部構造を示した断面図 シールド掘進工事で使用するバッテリーロコにより牽引する台車に電水粒子生成設備を搭載した実施形態を示した説明図
[帯電水粒子散布方法を実施する設備構成]
(帯電水粒子散布作業の概要)
図1はトンネル内のシールド坑内路盤工事で発生した粉塵を除去する本発明の帯電水粒子散布方法による作業を示した説明図である。
図1に示すように、シールド工法により貫通したトンネル10はトンネル壁面がリング状のセグメント10aの連結構造により構築されており、貫通したトンネル10内には路盤12を入り口側から構築するためのシールド坑内路盤工事としてダンプカーにより土を運び込んでトンネル下部に敷き詰める作業が行われている。
このようにシールド坑内路盤工事により構築された路盤12は、路面に土が露出した未舗装路であり、土を運び込むダンプカーが頻繁に行きかうことで土が巻き上げられ、トンネル内に粉塵が多量に滞留した状態となる。
本発明にあっては、シールド坑内路盤工事が行われているトンネル10内に、帯電水粒子生成設備15を移動体として機能する例えば2トントラック等の作業車14に搭載し、作業車14をトンネル内の制限速度以下の例えば時速5乃至10キロメートルの間の所定速度で走行させながら、搭載している帯電水粒子生成設備15を作動させることで水粒子を生成し、生成した水粒子を誘導帯電方式で帯電させて帯電水粒子を生成しつつ送風機からの空気流に乗せてトンネル空間に噴出させて帯電水粒子散布空間19を形成することにより、帯電水粒子と空気中に浮遊する粉塵との間に作用するグラディエント力によって粉塵を帯電水粒子に捕捉させて落下除去させる作業を行う。
なお、作業車14の走行速度は、トンネル内を走行しているダンプカー等の他の車両と同じ走行速度とすることが望ましい。これはダンプカー等の他の作業車により遅い速度で走行していると、他の作業車の通行を妨げたり、追い越しを受けたりするが、同じ速度で走行することで、シールド坑内路盤工事を妨げることなく粉塵を除去させることができる。
(帯電水粒子生成設備の概要)
図2は作業車に搭載された帯電水粒子散布設備を示した説明図である。図2に示すように、作業車14の荷台14aには、帯電水粒子散布設備15として、帯電水粒子生成ユニット16、ポンプユニット22、水タンク24、操作盤26及び電源部として機能するディーゼル発電機28が搭載され、帯電水粒子生成ユニット16は送風機18と送風機18の送風口の周囲に環状に配置された複数の帯電水粒子生成手段20により構成される。
帯電水粒子生成ユニット16は、ポンプユニット22から加圧水の供給を受けて水粒子を生成し、水粒子を誘導帯電方式で帯電させて帯電水粒子を生成しつつ送風機18からの空気流に乗せて噴出させる。この場合、加圧水ユニット16は、作業車14を走行させながら、5L/min乃至50L/minの範囲の所定水量の帯電水粒子を空気流に乗せて噴出させる。
ポンプユニット22はポンプモータにより駆動されるポンプを備え、水タンク24に貯留している水を吸い込んで帯電水粒子生成手段20に対し1.0MPa程度の圧力で供給する。
操作盤26には帯電水粒子生成ユニット16を動作させるための各種の操作スイッチが設けられている。ディーゼル発電機28は帯電水粒子散布設備15で使用する電力をディーゼルエンジンによる例えば交流発電機の回転駆動により発電して各部に供給する。
また、ディーゼル発電機28は漏電対策としてアースをとる必要があるが、作業車14の荷台14aに搭載されているためアースをとることができず、そこでディーゼル発電機28の下に絶縁体として機能するゴムマット27を敷くことにより漏電対策をとっている。
また、ディーゼル発電機28の漏電対策として、日常的な維持点検により荷台14aを常にドライな状態に保つようにする。更に、帯電水粒子生成ユニット16から体水粒子が空気流に乗せて噴出されると、水が荷台14aに滴り落ちて濡らすことから、例えば帯電水粒子生成ユニット16の噴出側の荷台14aに板部材を斜め下向きに配置した落水ガイド17を設けることで荷台14aが濡れないようにしている。
(帯電水噴霧生成ユニットの構成)
図3は空気流に帯電水粒子を乗せて噴出する帯電水粒子生成ユニットの構成を示した説明図であり、図3(A)に側面を示し、図3(B)に送風口からを見た正面を示す。
図3に示すように、送風機18は円筒状の風胴の内部にファンモータで回転されるファン30を配置しており、ファン30の回転により、風胴の後部から吸い込んだ空気を前方の送風口から噴出中心軸線40の方向に噴出させることで、空気流18aが生成される。本実施形態の送風機18としては、例えば最大風量が400m3/min程度の送風機が使用される。
また送風機18は架台36に対し回動軸38により上下方向に回動自在に支持されており、軸方向に伸縮する角度調整機構35により水平方向に対する空気流18aの噴出中心軸線40とのなす仰角θを調整可能としている。なお、上下角度調整機構35は、これに限定されず、適宜の上下角度調整機構が適用できる。さらに架台36は架台受け37上に左右旋回軸39により左右に旋回自在に支持されており、左右角度調整機構に41より左右角度を調整できる。
トンネル空間全体の粉塵濃度を下げる目的のときには、角度調整機構35は、送風機18の噴出中心軸線40により噴出方向を決める仰角θを水平方向に対し20°〜45°の範囲で調整可能としている。
ここで、噴出方向がθ=20°を下回ると空気流に乗せた帯電水粒子の到達距離が短くなると共にトンネル空間の上層に滞留している粉塵の除去効果が薄れ、また、θ=45°を超えると空気流に乗せた帯電水粒子の到達距離が短くなると共にトンネル下層に滞留している粉塵の除去効果が薄れることから、噴出方向をθ=20°〜45°の範囲とすることで、空気流に乗せた帯電水粒子の到達距離の確保とトンネル内空間の全域に滞留する粉塵の除去とを両立させることが可能となり、図1(B)に模式的に示すように、トンネルの横断面方向から見て帯電水粒子の散布空間割合を非常に大きくすることができ,この状態で作業車を所定の速度で走行させることで、トンネル空間全体の粉塵を効率よく除去することができる。
送風機18の送風口の周囲には、図3(B)に示すように、支持リング34により例えば10台の帯電水粒子生成手段20が配置されている。
本実施形態においては、図3(A)に示すように、複数の帯電水粒子生成手段20から噴出する帯電水粒子の噴出中心軸線42が、送風機18からの空気流18aの噴出中心軸線40上のP点で交差するように、複数の帯電水粒子生成手段20が送風機18の送風口の周囲に配設されている。
このときの噴出中心軸線40に対する噴出中心軸線42交差角度は、帯電水粒子生成手段20からの帯電水粒子の噴出速度と噴出拡がり角度、送風機18からの空気流18aの流速等を考慮して、噴出された帯電水粒子が空気流18aに良好に取り込まれる角度である45°乃至90°とする。
更に、本実施形態では、送風機18の送風口の周囲に環状に配置された10台の帯電水粒子生成手段20について、10台の全てを動作して帯電水粒子を噴出させるフルモードと、例えば10台の帯電水粒子生成手段20の内の5台を一つ置きに動作させて帯電水粒子を噴出させるハーフモードとを切替えることができる。
ここで、帯電水粒子生成手段20の1台当りの帯電水粒子の散布量は例えば1L/minであり、10台が動作するフルモードでの帯電水粒子の合計散布量は10L/minとなり、また、5台が動作するハーフモードでの帯電水粒子の合計散布量は5L/minとなる。
また、作業車を時速10km/hの走行速度で帯電水粒子を空気流に乗せて噴出しながら走行した場合の単位時間当りの散布量は、10台が動作するフルモードでは600L/hとなり、また、5台が動作するハーフモードでの帯電水粒子の合計散布量は300L/hとなる。
従って、水タンク24の容量を2m3(=2000L)とすると、帯電水粒子の連続散布時間は、10台が動作するフルモードでは3時間20分程度となり、また、5台が動作するルハーフモードで6時間40分程度となり、十分な連続作業時間が確保できる。
(帯電水粒子散布設備の機能構成)
図4は作業車に搭載された帯電水粒子散布設備の機能構成を示した説明図である。図4に示すように、帯電水粒子生成ユニット16に設けられた送風機18にはファンモータ32により回転駆動されるファン30が風洞の中に配置されており、送風機18の送風口には10台の帯電水粒子生成手段20が環状に配置されている。
ポンプユニット22にはポンプモータ44とポンプ46が設けられ、水タンク24に貯留した水を吸い込んで配管48に1.0MPa程度の圧力で供給している。ポンプユニット22からの配管48は配管48a,48bに分岐されている。
分岐された配管48aは制御弁50aを介して帯電水粒子生成ユニット16に配置された10台の帯電水粒子生成手段20の内の一つ置きとなる5台に連結されて加圧された水を供給する。また、分岐された配管48bは制御弁50bを介して帯電水粒子生成ユニット16に配置された10台の帯電水粒子生成手段20の内の一つ置きとなる残りの5台に連結されて加圧された水を供給する。
ディーゼル発電機28で発電された電力は操作盤26に供給され、操作盤26のスイッチ操作に基づき、電圧信号E1,E2を10台の帯電水粒子生成手段20に交互に供給し、また、制御信号E3,E4により制御弁50a,50bの開閉制御を行い、また、駆動信号E5によりポンプモータ44を駆動し、更に、駆動信号E6によりファンモータ32を駆動するようにしている。
なお、ポンプモータ44とファンモータ32については、操作盤26を経由せず、ディーゼル発電機28に電源ケーブルを接続し、ディーゼル発電機28の給電操作により直接電力を供給して動作させるようにしても良い。
操作盤26でフルモードの操作を行うと、制御信号E3,E4により制御弁50a,50bを開制御してポンプユニット22により加圧された水を10台の全ての帯電水粒子生成手段20に供給し、同時に、電圧信号E1,E2の供給により10台の全ての帯電水粒子生成手段20に所定の印加電圧を供給し、10台の全ての帯電水粒子生成手段20により生成された帯電水粒子を送風機18からの空気流に乗せて噴出させる。
これに対し操作盤26でハーフモードの操作を行うと、例えば制御信号E3により制御弁50aを開制御してポンプユニット22により加圧された水を5台の帯電水粒子生成手段20に供給し、同時に、電圧信号E1の供給により同じ5台の帯電水粒子生成手段20に所定の印加電圧を供給し、1つ置きとなる5台の帯電水粒子生成手段20により生成された帯電水粒子を送風機18からの空気流に乗せて噴出させる。
このように本実施形態にあっては、必要に応じてフルモードとハーフモードを選択して帯電水粒子生成ユニット16からの帯電水粒子の散布量を切り替えることができる。
[帯電水粒子生成ユニットの電気系統]
図5は帯電水粒子生成ユニットに設けられる複数の帯電水粒子生成手段に対する電気系統を示した回路ブロック図である。
図5に示すように、帯電水粒子生成ユニット16に設けられた10台の帯電水粒子生成手段20には、誘導電極120と水側電極部117が設けられている。帯電水粒子生成手段20の誘導電極部120は例えば電流制限抵抗を用いた電流制限器52を介して1つ置きに電圧印加ケーブル56a,56bに接続され、また、水側電極部117は同じく電流制限抵抗を用いた電流制限器54を介して1つ置きにアースケーブル58a,58bに接続されている。
電圧印加ケーブル56a,56bは操作盤26に設けられた制御スイッチ62a,64bを介して電源部60の一方に接続され、アースケーブル58a,58bは制御スイッチ64a,64b介して電源部60の他方に接続される。制御スイッチ62a,64aは連動スイッチであり、制御スイッチ62b,64bも連動スイッチである。
フルモードの場合には操作盤26の制御スイッチ62a,62b,64a,64bがオン操作され、電源部60から10台となる全ての帯電水粒子生成手段20における誘導電極部120と水側電極部117の間に所定の電圧が印加され、生成された水粒子に帯電させるための電界が形成され、誘導帯電方式で帯電させて帯電水粒子が生成される。
ハーフモードの場合には、操作盤26の例えば制御スイッチ62,64aがオン操作され、電源部60から1つ置きとなる電圧印加ケーブル56aとアースケーブル58aが接続された5台の帯電水粒子生成手段20における誘導電極部120と水側電極部117の間に所定の電圧が印加され、生成された水粒子に帯電させるための電界が形成され、誘導帯電方式で帯電させて帯電水粒子が生成される。
なお、電流制限器52,54は、電流制限抵抗以外に、トランジスタやMOSFETのような3端子の能動素子を用いた電流制限回路で構成したり、定電流ダイオードを用いるなどしてもよい。
[帯電水粒子生成手段]
図6は帯電水粒子散布手段を示した説明図であり、図6(A)は正面を示し、図6(B)は平面を示す。図7は図6(B)のX−X断面により帯電水粒子散布手段の内部構造を示した断面図である。
図6(A)、図6(B)及び図7に示すように、本実施形態の帯電水粒子散布手段20は、装置ボディー112、ボディーカバー114、液体導管部116,水側電極部117、噴射ノズル部118、誘導電極部120、誘導電極保持部124で構成されている。
装置ボディー112、ボディーカバー114、液体導管部116、噴射ノズル部118及び誘導電極保持部124は絶縁材質で作られており、この絶縁材質は、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフロオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス(アルミナセラミックス)、ガラス琺瑯の少なくとも1種を絶縁材質に用いて形成されている。
装置ボディー112の内部には軸心線136の方向に貫通穴が形成され、下側から水側電極部117が嵌め込まれ、その上側に液体導管部116が嵌め込まれ、水側電極部117には電極連結部119が接続されている。電極連結部119にはねじ穴119aが設けられ、装置ボディー112の横方向に形成された水側電極ケーブル接続穴122から挿入されたアースケーブルの接続が行われる。
また、液体導管部116の上部はボディーカバー114を介して外部に取出され、外部のポンプユニット22で加圧された水が供給される。
水側電極部117及び電極連結部119は金属の導電材質で作られている。水側電極部117及び電極連結部119の導電材質は、金属以外に、導電性を有する樹脂、繊維束、ゴム等を用いて形成されてもよく、また、これらを組み合わせた複合体を用いて形成されていてもよい。
装置ボディー112の軸方向に配置された水側電極部117の先端側には噴射ノズル部118が設けられている。噴射ノズル部118は、平均粒子径が100〜300μmの水粒子を放出させる。
噴射ノズル118の先端側の開放空間には、誘導電極保持部124により誘導電極部120が配置される。誘導電極部120は、導電性のある電極心材120bを絶縁被覆120cにて被覆して形成され、上下方向に配置された支持部120dの下部先端にリング形状のリング部120aが形成されている。
誘導電極部120の電極心材120bは導電性を持つ金属であり、金属以外に、導電性を有する樹脂、繊維束、ゴム等を用いて形成されてもよく、また、これらを組み合わせた複合体を用いて形成されていてもよい。
また、誘導電極部120における絶縁被覆120cの絶縁材質としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフロオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス(アルミナセラミックス)、ガラス琺瑯の少なくとも1種を絶縁材質に用いて形成されている。
水側電極部117と誘導電極部120に対しては、図5に示した操作盤26に設けられた電源部60からアースケーブルと電圧印加ケーブルが接続され、水側電極部117と誘導電極部120の間に+0.5kV〜+20kVまたは−0.5Kv〜−20kVの範囲の直流(交流またはパルス状)の所定電圧を印加すると、誘導電極部120のリング部120aの周囲に所定の外部電界が形成され、噴射ノズル部118からの噴出水が分裂点A付近で分裂して水粒子が生成されることから、分裂点Aで生成された水粒子に帯電させ、帯電された水粒子の噴霧流を放出させる。
例えば、誘導電極部120に直流電圧を印加した場合には、誘導電極部120の極性に応じて、正電荷と負電荷の何れか一方の帯電した水粒子が生成される。また、交流、パルス状で電圧を印加すると、交互に切り替わる誘導電極部120の極性に応じて、選択的に正電荷あるいは負電荷で帯電した水粒子が生成される。
また、図5の電源部60による誘導電極部120に印加する電圧を、+0.5kV〜+20kVまたは−0.5Kv〜−20kVの範囲で一定電圧としてもよいし、変動させてもよい。そして、このように+0.5kV〜+20kVまたは−0.5Kv〜−20kVの範囲にすると、火花放電の発生が防止され、安全を確保しながら帯電した水粒子の噴霧流が生成される。
なお、帯電水粒子生成手段20の構造は図6、図7の実施形態に限定されず、水粒子を生成すると共に生成した水粒子を誘導帯電方式で帯電させて帯電水粒子を生成させる適宜の構造の帯電水粒子生成手段を用いることができる。
[バッテリーロコの牽引台車に搭載した実施形態]
図8はシールド掘進工事で使用するバッテリーロコにより牽引する台車に帯電水粒子生成設備を搭載した実施形態を示した説明図であり、図8(A)はボックスカルバート運搬用編成を示し、図8(B)はセグメント搬送用編成を示す。
図8(A)のボックスカルバート運搬用編成にあっては、レール軌道70を走行するバッテリーロコ72には3台の台車74が連結されており、先頭から2台の台車74にはボックスカルバート76が搭載され、3台目となる最後尾の台車74には帯電水粒子生成設備15が搭載されている。
これによりバッテリーロコ72によりトンネル内を例えば時速5乃至10キロメートルの間の所定速度で走行しながら、最後尾の台車74に搭載している帯電水粒子生成設備15を作動させることで、帯電水粒子を生成しつつ送風機からの空気流に乗せてトンネル空間に噴出させて帯電水粒子散布空間19を形成することにより、帯電水粒子と空気中に浮遊する粉塵との間に作用するグラディエント力によって粉塵を帯電水粒子に捕捉して落下除去させる作業を行う。
また、図8(B)に示すセグメント搬送用編成にあっては、レール軌道70を走行するバッテリーロコ72には2台の台車78が連結されてセグメント76が搭載され、3台目となる最後尾の台車74には帯電水粒子生成設備15が搭載されている。
これによりバッテリーロコ72によりトンネル内を例えば時速5乃至10キロメートルの間の所定速度で走行しながら、最後尾の台車74に搭載している帯電水粒子生成設備15を作動させることで、帯電水粒子を生成しつつ送風機からの空気流に乗せてトンネル空間に噴出させて帯電水粒子散布空間19を形成することにより、帯電水粒子と空気中に浮遊する粉塵との間に作用するグラディエント力によって粉塵を帯電水粒子に捕捉して落下除去させる作業を行う。
[本発明の変形例]
(閉鎖空間)
上記の実施形態は、本発明の帯電水粒子散布方法により粉塵を除去する空間としてトンネル空間を例にとっているが、本発明はこれに限定されず、粉塵が存在する適宜の閉鎖空間での本発明の帯電水粒子散布方法の適用が含まれる。
(シールド掘進時等粉塵除去)
上記の実施形態は、シールド坑内路盤工事で発生する粉塵の除去を例にとっているが、これに限定されない。例えば、シールド掘進時に掘削した土砂をトンネル外に搬送する連続ベルトコンベアで発生する粉塵を本発明の帯電水粒子散布方法の適用により除去する。
また、シールドマシンでの掘削が困難な岩盤を掘り進める山岳トンネルにあっては、岩盤にドリルで穴を開けてダイナマイトで発破して掘り進める工事が行われ、シールドマシンの掘削より多くの粉塵が発生しており、このような山岳トンネルにおける坑内粉塵の除去にも、本発明の帯電水粒子散布方法を適用して粉塵を除去する。
(帯電水粒子生成手段の配置)
上記の実施形態は、送風機の送風口の周囲に帯電水粒子生成手段を配置しているが、これに限定されない。例えば、帯電水粒子生成手段を送風機の正面の空気流が通る中に配置してもよいし、横一列に配置してもよいし、更に、アーチ状に配置してもよい。
また、帯電水粒子生成手段は、送風機の送風口の近傍に1つ配置してもよいし、複数配置した帯電水粒子生成手段の中の1つのみを動作するようにしてもよい。
(移動体による帯電水粒子の噴霧)
上記の実施形態は、移動体を所定速度で移動しながら帯電水粒子を空気流に乗せて噴霧しているが、トンネル内の他の場所に比べ粉塵が多い場所であれば、移動体の速度を低下あるいは一時的に停止して噴霧してもよい。
(帯電水粒子の散布方向)
上記の実施形態は、移動体の走行方向とは反対方向に帯電水粒子を空気流に乗せて噴霧しているが、帯電水粒子生成手段を移動体の側面に配置し、トンネルの側面寄りを走行しながら帯電水粒子を空気流に乗せて噴霧するようにしてもよい。
また、帯電水粒子生成手段を移動体の両方の側面に配置し、トンネルの中心寄り、例えば2車線であればセンターライン上を走行しながら帯電水粒子を空気流に乗せて噴霧するようにしてもよい。
更に、移動体の前にダンプカーなどの粉塵を巻き上げる作業車両が走行している場合の対応として、帯電水粒子生成手段から移動体の前方に向けて帯電水粒子を空気流に乗せて散布してもよい。この場合、帯電水粒子生成手段は送風機と共に、運転席スペースの上に配置するか、又は、荷台から運転席スペース以上の高さに配置して帯電水粒子を空気流に乗せて前方に噴霧する。
(移動体の設備機器搭載)
上記の実施形態は、移動体として機能する1台の作業車に帯電水粒子生成設備の構成機器の全てを搭載しているが、例えば水タンクについては、給水車を別に準備して並走させることで、走行しながら行う帯電水粒子の散布時間を長くすることができる。
(帯電水粒子生成ユニットの動作モード)
上記の実施形態は、送風機における送風口の周囲に環状に配置した複数の帯電水粒子生成手段の全体を動作するフルモードと、1つ置きとなる半分を動作させるハーフモードを選択可能としているが、各帯電水粒子生成手段毎に給水を開閉する制御弁と電圧印加をオン、オフする制御スイッチを設けることで、必要に応じて動作させる帯電水粒子生成手段の数及び位置を任意に選択できるようにしても良い。
(帯電水粒子の噴霧方向の調整)
上記の実施形態にあっては、送風機からの噴出中心軸線の仰角θを調整可能としているが、送風機からの噴出中心軸線を水平回りに調整可能としてもよい。これにより帯電水粒子生成設備を搭載した作業車は、トンネル内で片側通行路を走行することから、送風機からの噴出中心軸線をトンネル中央側に向けてオフセットさせることで、片側通行路を走行しながらトンネル空間全体に帯電水粒子を空気流に乗せて噴出させることができる。
また、たとえばトンネルのベルトコンベアが施設され,コンベアにて土砂を搬送しているときの粉塵発生の抑制に用いるときには,コンベアベルト及びベルト上の土砂に直接向けて、噴出方向を10°乃至−10°程度とすることもできる。
(送風機なしの帯電水粒子の噴霧)
上記の実施形態は、移動体を走行しながら帯電水粒子生成手段からの帯電水粒子を送風機による空気流に乗せて噴霧しているが、移動体の荷台に搭載したゲート(橋脚)の上部に帯電水粒子生成手段を設け、ゲートの高さをトンネルに接触しない程度に高くし、移動体を走行しながらゲート上部に設けた帯電水粒子生成手段から帯電水粒子を噴霧し、噴霧した帯電水粒子を移動体自身が走行するときの風に乗せて散布するようにしてもよい。この場合、ゲートはアーチ状としてもよい。
(その他)
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:トンネル
10a:セグメント
12:路盤
14:作業車
14a:荷台
16:帯電水粒子生成ユニット
17:落水ガイド
18:送風機
20:帯電水粒子生成手段
22:ポンプユニット
24:水タンク
26:操作盤
27:ゴムマット
28:ディーゼル発電機
30:ファン
32:ファンモータ
34:支持リング
35:角度調整機構
36:架台
38:回動軸
40,42:噴出中心軸線
44:ポンプモータ
46:ポンプ
48a,48b:配管
50a,50b:制御弁
52,54:電流制限器
56a,56b:電圧印加ケーブル
58a,58b:アースケーブル
60:電源部
62a,62b,64a,64b:制御スイッチ
70:レール軌道
72:バッテリーロコ
74,78:台車
76:ボックスカルバート
80:セグメント

Claims (9)

  1. トンネル空間を含む所定の閉鎖空間に浮遊する粉塵の除去に使用される帯電水粒子散布方法であって、
    前記閉鎖空間を走行する移動体に搭載された送風機の近傍に配置された帯電水粒子生成手段により、前記移動体を走行させながら、水粒子を生成し、当該水粒子を誘導帯電方式で帯電させて帯電水粒子を生成しつつ前記送風機からの空気流に乗せて所定方向に噴出させることにより、前記帯電水粒子と空気中に浮遊する粉塵との間に作用するグラディエント力によって当該粉塵を前記帯電水粒子に捕捉して落下除去させることを特徴とする帯電水粒子散布方法。
  2. 請求項1記載の帯電水粒子散布方法に於いて、
    前記移動体に水タンク、ポンプ及び電源部を搭載し、前記電源部からの電源供給により駆動される前記ポンプにより前記水タンクに貯留された水を前記帯電水粒子生成手段に供給して前記水粒子を生成させると共に前記電源部からの電源供給により前記水粒子を前記誘導帯電方式で帯電させて前記帯電水粒子を生成させ、前記帯電水粒子を前記電源部からの電源供給により駆動される前記送風機からの前記空気流に乗せて噴出させることを特徴とする帯電水粒子散布方法。
  3. 請求項1記載の帯電水粒子散布方法に於いて、
    前記移動体を時速20キロメートル以下の所定速度で走行させながら前記帯電水粒子生成手段により前記帯電水粒子を前記空気流に乗せて噴出させることを特徴とする帯電水粒子散布方法。
  4. 請求項1記載の帯電水粒子散布方法に於いて、
    前記帯電水粒子生成手段は、前記移動体を走行させながら、5L/min乃至50L/minの範囲の所定水量の前記帯電水粒子を前記空気流に乗せて噴出させることを特徴とする帯電水粒子散布方法。
  5. 請求項1記載の帯電水粒子散布方法に於いて、
    前記帯電水粒子生成手段と前記送風機とからなる帯電水粒子生成ユニットによる前記帯電水粒子を含む前記空気流の噴出方向を、水平方向に対し20°乃至45°の範囲の所定の上向き角度としたことを特徴とする帯電水粒子散布方法。
  6. 請求項5記載の帯電水粒子散布方法に於いて、
    前記帯電水粒子生成ユニットを、前記移動体に固定された架台に対し上下回り及び左右回りに回動自在に支持することにより、前記送風機からの前記帯電水粒子を含む前記空気流の方向を調整自在としたことを特徴とする帯電水粒子散布方法。
  7. 請求項1記載の帯電水粒子散布方法に於いて、
    前記帯電水粒子生成手段は、前記帯電水粒子の噴出方向を前記送風機による空気流中心軸の下流方向に対し45°乃至90°の範囲の所定の角度としたことを特徴とする帯電水粒子散布方法。
  8. 請求項1に記載の帯電水粒子散布方法において、
    前記帯電水粒子生成手段は、
    加圧供給された水を噴出しつつ前記水粒子を生成する噴出ノズル部と、
    所定の電圧が印加されて所定の電界を形成し、前記噴出ノズル部で生成した前記水粒子を前記電界によって帯電させて前記帯電水粒子にする誘導電極部と、
    前記誘導電極部に印加する電圧の基準電位を与える水側電極部と、
    を備えて構成されていることを特徴とする帯電水粒子散布方法。
  9. 請求項1記載の帯電水粒子散布方法において、前記帯電水粒子生成手段は、粒径が50μm乃至300μmとなる様々な粒径の前記水粒子を生成するように構成されていることを特徴とする帯電水粒子散布方法。
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