JP7745819B1 - 繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸 - Google Patents
繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸Info
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Abstract
本発明の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸(1)は、少なくとも連続強化繊維(a1)(2)を含む芯部(A)と、熱可塑性短繊維(3)からなる鞘部(B)とから形成された実質的に無撚りの繊維束(4)に、熱可塑性短繊維からなる紡績糸(C)(5)が巻付けられていることを特徴とする。
Description
(1)少なくとも連続強化繊維(a1)を含む芯部(A)と、熱可塑性短繊維からなる鞘部(B)とから形成された実質的に無撚りの繊維束に、熱可塑性短繊維からなる紡績糸(C)が巻付けられていることを特徴とする繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。(2)芯部(A)が、連続強化繊維(a1)のみから構成されることを特徴とする(1)に記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
(3)芯部(A)が、熱可塑性短繊維からなる紡績糸(a2)と、紡績糸(a2)を被覆するように配置された連続強化繊維(a1)とから構成されることを特徴とする(1)に記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
(4)芯部(A)が、連続強化繊維(a1)と熱可塑性短繊維(a3)を混合して構成されることを特徴とする(1)に記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
(5)連続強化繊維(a1)が、炭素繊維、ガラス繊維、バサルト繊維、PBO繊維、及びアラミド繊維からなる群から選択される少なくとも一種の繊維であり、複合紡績糸中の連続強化繊維(a1)の混率が20~80質量%であることを特徴とする(1)に記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
(6)鞘部(B)を構成する熱可塑性短繊維、及び紡績糸(C)を構成する熱可塑性短繊維の各々が、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、及びポリヒドロキシエーテルからなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする(1)に記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
(7)紡績糸(a2)を構成する熱可塑性短繊維が、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、及びポリヒドロキシエーテルからなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする(3)に記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
(8)紡績糸(a2)と、鞘部(B)及び紡績糸(C)との質量比((a2):(B)+(C))が、70:30~30:70であることを特徴とする(3)に記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
(9)熱可塑性短繊維(a3)が、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、及びポリヒドロキシエーテルからなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする(4)に記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
(10)熱可塑性短繊維(a3)と、鞘部(B)及び紡績糸(C)との質量比((a3):((B)+(C)))が、70:30~30:70であることを特徴とする(4)に記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
(11)複合紡績糸の総繊度が500~50000dtexであることを特徴とする(1)~(10)のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
JIS-L1015-8.5.1正量繊度A法に基づいて単糸繊度(単繊維繊度)を求めた。
芯部の紡績糸(a2)、押さえ糸としての紡績糸(C)の総繊度を、JIS L 1095 9.4.2に準じて測定した。
複合紡績糸を検撚機に取り付けて複合紡績糸の両端を把持した後、繊維束と押さえ糸(C)の間に針を差し込んで、押さえ糸(C)が緩む程度に解撚しながらピンセットと鋏を使って慎重に押さえ糸(C)のみを除去した。その後、解撚した分だけ繊維束を施撚する。この繊維束の中央部をピンセットで挟んで繊維軸方向にしごいたときに、繊維束からピンセットの動きに合わせて熱可塑性短繊維が移動してしまう場合に実質的に無撚りと判断した。これは繊維束を維持できない状態である。
芯部の紡績糸(a2)、押さえ糸としての紡績糸(C)、及び複合紡績糸の収縮率を、JIS L 1013 8.18.2 a)(2010)乾熱寸法変化率%に準じて測定した。乾燥機の温度は130℃とした。
JIS-L1095-9.15.1 A法に準じて撚数を求めた。具体的には、複合紡績糸を検撚機に取り付けた後、繊維束と押さえ糸(C)の間に針を差し込んで解撚し、繊維束と押さえ糸が分離した撚数を結束撚数とした。
JIS L1030-2 繊維製品の混用率試験方法-第2部:繊維混用率 4.解じょ法に準じて測定した。
複合紡績糸中の連続強化繊維の体積含有率Vf‘(%)を下記式で求めた。
Vf‘=(Tf/ρf)/(Tf/ρf+Tr/ρr)×100
Tf:連続強化繊維の繊度(dtex)
Tr:熱可塑性繊維(短繊維+紡績糸)の繊度(dtex)
ρf:連続強化繊維の比重(g/cm3)
ρr:熱可塑性繊維(短繊維+紡績糸)の比重(g/cm3)
JIS L 1095 9.4.2に準じて測定した。
市販のポリプロピレン板(厚み3mm)に径10mmの孔をあける。複合紡績糸を色付きの繊維束で包み込み、前記細孔に通し、固定したのち、ミクロトームで裁断し、観察試料とする。試料はデジタルマイクロスコープVHX-7000を使用して撮影した。複合紡績糸の断面全体が観察できるよう拡大倍率150倍とした。連続強化繊維層の最も厚い箇所の厚み方向距離(L1)を計測機能により測定し、この半分の値(L1/2)を含浸距離とした。
作成した一方向成形体の外観から連続強化繊維の配向性を評価する。図5,6と比較して以下のように判定した。
1:図6に示すように連続強化繊維の配向乱れが見られる
2:図5に示すように連続強化繊維の配向乱れが全く見られない
判定が1であれば、成形体として低い物性であり、2であれば優れた物性となる。
成形体の厚み方向断面を以下のように観察した。カット辺が連続強化繊維方向に添うように成形体を15mm×15mmに裁断した試料を用意し、エポキシ樹脂で包埋した。成形体の厚み方向断面が良好に観察できるようになるまで、前記試料を研磨した。研磨した試料を、高級システム倒立金属顕微鏡 GX71/DP73 顕微鏡用デジタルカメラ(オリンパス製)を使用して撮影した。撮影範囲は、成形体の厚み方向1.5mm×繊維配列方向15mmの範囲の撮影画像を重ね合わせていき、連続した一枚の画像にした。観察面全体に対し、連続強化繊維の分散の程度により、以下の指標で評価した。なお、図7~9において白い粒状の点が連続強化繊維であり、黒の領域が熱可塑性樹脂である
1:図9に示すように、成形体断面において、強化繊維束の形跡がはっきり残り、樹脂だまりが存在する
2:図8に示すように、成形体断面において、強化繊維束の形跡は見られないが、樹脂だまりが存在する
3:図7に示すように、成形体断面において、強化繊維束の形跡が全く見られず、樹脂だまりも存在しない
判定結果が1であれば、成形体として低い物性となり、2であれば優れた物性を発揮し、3であればより優れた物性を発揮する。
連続強化繊維の重量含有率(Wf)は、JIS K 7052を参考に、測定した。洗浄乾燥した磁器るつぼを、電子天秤を使用して0.1mgまで正確に秤量した(M1)。試験片として厚さ1.5mm、150mm角の試験片を成形体の任意の位置から切り出し、磁器るつぼの中に入れ、質量が一定になるまで,105℃の乾燥機の中で乾燥した。その後、デシケータの中で冷却し,電子天秤を使用して、0.1mg まで正確に秤量(M2)した。これを電気炉中で雰囲気温度420℃で8時間加熱した。磁器るつぼと焼成灰分をデシケータに移して室温になるまで冷し、これを0.1mgまで秤量した(M3)。これらの値を用いて、次式により連続強化繊維の重量含有率(Wf)を算出した。
Wf=(M3-M1)/(M2-M1)×100
Wf:連続強化繊維の重量含有率(%)
M1:磁器の乾燥質量(g)
M2:焼成前のルツボとサンプルの質量(g)
M3:焼成後のルツボとサンプルの質量(g)
上記で得られた連続強化繊維の重量含有率(Wf)を用いて、次式により連続強化繊維の体積含有率(Vf)を算出した。
Vf=Wf/ρf/(Wf/ρf+(1-Wf)/ρr)×100
成形体の厚み方向断面を以下のように観察した。カット辺が連続強化繊維の方向に添うように成形体を15mm×15mmに裁断した試料を用意し、エポキシ樹脂で包埋した。成形体の厚み方向断面が良好に観察できるようになるまで、前記試料を研磨した。研磨した試料を、デジタルマイクロスコープVHX-7000を使用して撮影した。拡大倍率300倍で撮影した。撮影画像において、観察面全体の面積および空隙(ボイド)となっている部位の面積を求め、下記式により空洞率を算出し、5箇所の算出値の平均を空洞率として採用した。
空洞率(%)=100×(空洞が占める部位の総面積)/(観察面の総面積)
JIS-K7074に規定する試験片寸法、試験方法に準じて測定した。
(i)試験片の作成
得られた成形体から繊維方向と平行方向(0°)に長さ100mm、幅15mmの試験片を切り出した。
(ii)曲げ強度及び曲げ弾性率の測定
切り出した試験片を用いて、23℃,湿度50%の環境下で、支点間距離を80mmとし、速度5mm/minで3点曲げ試験を行って強度と弾性率を測定した。試験機としては、島津製作所製「オートグラフAG-X plus 100kN」を用いた。得られた測定値3回分の平均値を曲げ強度と曲げ弾性率として採用した。
JIS-K7165に規定する試験片寸法、試験方法に準じて測定した。
(i)試験片の作成
得られた成形体から繊維方向と平行方向(0°)に長さ200mm、幅1.25mmの試験片を切り出した。試験片の両端は、タブで補強した。タブはガラス繊維による織物とエポキシ樹脂との複合材を用い、タブのサイズは長さ50mm、幅1.25mmとした。タブの接着剤として、(株)東京測器研究所製CN接着剤(汎用)を用いた。試験片にタブを接着した後、23℃,湿度50%の環境下で一晩静置した。
(ii)引張強度及び引張弾性率の測定
上記で作成した試験片を用いて、23℃,湿度50%の環境下で、つかみ具距離を100mmとし、速度2mm/minで引張試験を行って引張強度と引張弾性率を測定した。試験機としては、島津製作所製「オートグラフAG-X plus 100kN」を用いた。ひずみゲージとして共和電業(株)製KFRPB-5-120-C1-3 L3M2Rを取り付けた。得られた測定値3回分の平均値を引張強度と引張弾性率として採用した。
複合紡績糸を製造するための各原料繊維を次のようにして用意した。
(連続強化繊維)
連続強化繊維(a1)として、東レ株式会社製PAN系炭素繊維(「トレカT700SC-12000」総繊度8000dtex、12000フィラメント、単糸繊度0.66dtex、引張強度4900MPa、密度1.80g/cm3)を用いた。この連続強化繊維の分解温度は酸素雰囲気下で500℃以上である。
ポリアミド6重合体(PA6)を紡糸して、1100dtex/500フィラメントの長繊維(単糸繊度2.2dtex、密度1.13g/cm3)を得た。この長繊維を多数本集めてギロチン式カッターで51mmの長さに切断して短繊維を得た。前記ポリアミド6短繊維を100%使って小原鉄工製混綿機を用いて混打綿した。その後、豊和製カード機を用いてカードスライバーとし、原織機製練条機に通して371.2ゲレン/6ydのスライバーを得た。次いで豊田自動織機製粗紡機を用いて7.9倍のドラフトを掛け、124ゲレン/15ydの熱可塑性短繊維の粗糸を紡出した。この粗糸を鞘部(B)となる熱可塑性短繊維とした。前述の粗糸を、豊田自動織機製精紡機を用いて24.9倍のドラフトを掛け、押さえ糸とする紡績糸(C)を30/1で紡出した。この熱可塑性短繊維の融点は225℃であった。
株式会社小関登商店製トライスピン紡績機(ON―2000H)を用いて、総繊度12943dtexの複合紡績糸を作製した。具体的には、図4の芯糸2として前述の連続強化繊維を供給し、鞘糸3として前述の熱可塑性短繊維の粗糸を6本供給し、ドラフト装置9で前述の熱可塑性短繊維の粗糸3に6.2倍のドラフトを掛けて、連続強化繊維2と重ね合わせて実質無撚りの芯鞘繊維束4とし、その後、押さえ糸5として前述の紡績糸をボビン8のスピンドル回転数1420rpmで芯鞘繊維束4にS撚で巻き付けて繊維束を結束し、複合紡績糸1を作製し、チーズ13に巻き取った。得られた複合紡績糸の詳細及び評価結果を表1に示す。
ラップリールワインダーを用いて、長さ400mm、幅220mmの金属枠に作成した複合糸を巻きピッチ1.5mmとし、幅150mmで巻き取った。これを(株)浅野製プレス成形機を使って金型温度265℃、圧力3MPaで10分間加熱圧縮成形し、一方向成形体を1枚作製した。この成形体の詳細及び評価結果を表1に示す。
連続強化繊維(a1)として、東レ株式会社製PAN系炭素繊維(「トレカT300B-1000」総繊度660dtex、1000フィラメント、単糸繊度0.66dtex、引張強度3530MPa、密度1.78g/cm3)を用いた。この連続強化繊維の分解温度は酸素雰囲気下で500℃以上である。鞘部(B)、及び押さえ糸とする紡績糸(C)は実施例1と同じものを用い、実施例1と同じ装置を用いて実施例1と同様に作成した。ただし、実施例1では、熱可塑性短繊維の粗糸を連続強化繊維と重ね合わせる際に6本の粗糸に6.2倍のドラフトを掛けていたが、実施例2では、1本の粗糸を連続強化繊維束と重ね合わせてから21.3倍のドラフトを掛けるように変更することで、総繊度1084dtexの複合紡績糸を作成した。得られた複合紡績糸の詳細及び評価結果を表1に示す。
連続強化繊維(a1)、鞘部(B)、及び押さえ糸とする紡績糸(C)は実施例1と同じものを用いた。芯部(A)の一部を構成する紡績糸(a2)を実施例1に記載の124ゲレン/15ydの粗糸を2本用いて16.6倍でドラフトを掛け、10/1で紡出した。実施例1と同じ装置を用いて実施例1と同様に複合紡績糸を作成した。ただし、連続強化繊維(a1)の内部に配置されるように10/1の紡績糸を4本配置し、芯部(A)の一部を構成する紡績糸(a2)と鞘部(B)および紡績糸(C)の質量比は(a2):((B)+(C))=47:53とした。また、実施例1では、熱可塑性短繊維の粗糸を連続強化繊維と重ね合わせる際に6本の粗糸に6.2倍のドラフトを掛けていたが、実施例3では、4本の粗糸を連続強化繊維束と重ね合わせてから8.3倍のドラフトを掛けるように変更することで、総繊度12978dtexの複合紡績糸を作成した。得られた複合紡績糸の詳細及び評価結果を表1に示す。
連続強化繊維(a1)として、東レ株式会社製PAN系炭素繊維「トレカT700SC-6000」総繊度4000dtex、6000フィラメント、単糸繊度0.66dtex、引張強度4900MPa、密度1.80g/cm3)を用いた。この連続強化繊維の分解温度は酸素雰囲気下で500℃以上である。鞘部(B)、及び押さえ糸とする紡績糸(C)、芯部(A)の一部を構成する紡績糸(a2)は実施例3と同じものを用い、実施例1と同じ装置を用いて実施例3と同様に作成した。ただし、連続強化繊維の内部に配置されるように10/1の紡績糸を2本配置し、芯部(A)の一部を構成する紡績糸(a2)と鞘部(B)および紡績糸(C)の質量比は(a2):((B)+(C))=47:53とした。また、実施例3では、熱可塑性短繊維の粗糸を連続強化繊維と重ね合わせる際に4本の粗糸に8.3倍のドラフトを掛けていたが、実施例4では、2本の粗糸を連続強化繊維束と重ね合わせてから8.7倍のドラフトを掛けるように変更することで、総繊度6511dtexの複合紡績糸を作成した。得られた複合紡績糸の詳細及び評価結果を表1に示す。
連続強化繊維(a1)は実施例1と同じものを用いた。熱可塑性短繊維の作成のために、ポリプロピレン重合体(PP)を紡糸して、1100dtex/500フィラメントの長繊維(単糸繊度2.2dtex、密度0.91g/cm3)を得て、この長繊維を多数本集めてギロチン式カッターで51mmの長さに切断して短繊維を得た。前記ポリプロピレン短繊維を100%使って小原鉄工製混綿機を用いて混打綿した。その後、豊和製カード機を用いてカードスライバーとし、原織機製練条機に通して370.0ゲレン/6ydのスライバーを得た。次いで豊田自動織機製粗紡機を用いて7.7倍のドラフトを掛け、120ゲレン/15ydの熱可塑性短繊維の粗糸を紡出した。この粗糸を鞘部となる熱可塑性短繊維(B)とした。また、前述の粗糸を豊田自動織機製精紡機を用いて16.1倍のドラフトを掛け、押さえ糸とする紡績糸(C)および芯部(A)の一部を構成する紡績糸(a2)として20/1で紡出した。この熱可塑性短繊維の融点は168℃であった。実施例1と同じ装置を用いて実施例3と同様に複合紡績糸を作成した。ただし、連続強化繊維の内部に配置されるように20/1の紡績糸を6本配置し、芯部(A)の一部を構成する紡績糸(a2)と鞘部(B)および紡績糸(C)の質量比は(a2):((B)+(C))=44:56とした。また、実施例3では、熱可塑性短繊維の粗糸を連続強化繊維と重ね合わせる際に4本の粗糸に8.3倍のドラフトを掛けていたが、実施例5では、4本の粗糸を連続強化繊維束と重ね合わせてから9.3倍のドラフトを掛けるように変更することで、総繊度12000dtexの複合紡績糸を作成した。得られた複合紡績糸の詳細及び評価結果を表1に示す。
連続強化繊維(a1)は実施例1と同じものを用いた。熱可塑性短繊維の作成のために、ポリカーボネート重合体(PC)を紡糸して、1540dtex/200フィラメントの長繊維(単糸繊度7.7dtex、密度1.2g/cm3)を得て、この長繊維を多数本集めてギロチン式カッターで51mmの長さに切断して短繊維を得た。前記ポリカーボネート短繊維を100%使って小原鉄工製混綿機を用いて混打綿した。その後、豊和製カード機を用いてカードスライバーとし、原織機製練条機に通して375ゲレン/6ydのスライバーを得た。次いで豊田自動織機製粗紡機を用いて7.8倍のドラフトを掛け、120ゲレン/15ydの熱可塑性短繊維の粗糸を紡出した。この粗糸を鞘部(B)となる熱可塑性短繊維とした。また、前述の粗糸2本を豊田自動織機製精紡機を用いて16.0倍のドラフトを掛け、押さえ糸とする紡績糸(C)および芯部(A)の一部を構成する紡績糸(a2)として10/1で紡出した。この熱可塑性短繊維のガラス転移温度は149℃であった。実施例1と同じ装置を用いて実施例3と同様に複合紡績糸を作成した。ただし、連続強化繊維の内部に配置されるように10/1の紡績糸を4本配置し、芯部(A)の一部を構成する紡績糸(a2)と鞘部(B)および紡績糸(C)の質量比は(a2):((B)+(C))=44:56とした。また、実施例3では、熱可塑性短繊維の粗糸を連続強化繊維と重ね合わせる際に4本の粗糸に8.3倍のドラフトを掛けていたが、実施例6では、4本の粗糸を連続強化繊維束と重ね合わせてから8.0倍のドラフトを掛けるように変更することで、総繊度13333dtexの複合紡績糸を作成した。得られた複合紡績糸の詳細及び評価結果を表1に示す。
連続強化繊維(a1)は実施例1と同じものを用いた。熱可塑性短繊維の作成のために、ポリフェニレンサルファイド重合体(PPS)を紡糸して、1100dtex/500フィラメントの長繊維(単糸繊度2.2dtex、密度1.35g/cm3)を得て、この長繊維を多数本集めてギロチン式カッターで51mmの長さに切断して短繊維を得た。前記ポリフェニレンサルファイド短繊維を100%使って小原鉄工製混綿機を用いて混打綿した。その後、豊和製カード機を用いてカードスライバーとし、原織機製練条機に通して371ゲレン/6ydのスライバーを得た。次いで豊田自動織機製粗紡機を用いて7.4倍のドラフトを掛け、125ゲレン/15ydの熱可塑性短繊維の粗糸を紡出した。この粗糸を鞘部(B)となる熱可塑性短繊維とした。また、前述の粗糸2本を豊田自動織機製精紡機を用いて33.4倍のドラフトを掛け、押さえ糸とする紡績糸(C)および芯部(A)の一部を構成する紡績糸(a2)として20/1で紡出した。この熱可塑性短繊維の融点は277℃であった。実施例1と同じ装置を用いて実施例3と同様に複合紡績糸を作成した。ただし、連続強化繊維の内部に配置されるように20/1の紡績糸を9本配置し、芯部(A)の一部を構成する紡績糸(a2)と鞘部(B)および紡績糸(C)の質量比は(a2):((B)+(C))=44:56とした。また、実施例3では、熱可塑性短繊維の粗糸を連続強化繊維と重ね合わせる際に4本の粗糸に8.3倍のドラフトを掛けていたが、実施例7では、4本の粗糸を連続強化繊維束と重ね合わせてから6.4倍のドラフトを掛けるように変更することで、総繊度14000dtexの複合紡績糸を作成した。得られた複合紡績糸の詳細及び評価結果を表1に示す。
連続強化繊維(a1)は実施例1と同じものを用いた。熱可塑性短繊維の作成のために、ポリイミド重合体(PI)を紡糸して、1100dtex/500フィラメントの長繊維(単糸繊度2.2dtex、密度1.4g/cm3)を得て、この長繊維を多数本集めてギロチン式カッターで51mmの長さに切断して短繊維を得た。前記ポリイミド短繊維を100%使って小原鉄工製混綿機を用いて混打綿した。その後、豊和製カード機を用いてカードスライバーとし、原織機製練条機に通して369.0ゲレン/6ydのスライバーを得た。次いで豊田自動織機製粗紡機を用いて7.4倍のドラフトを掛け、125ゲレン/15ydの熱可塑性短繊維の粗糸を紡出した。この粗糸を鞘部(B)となる熱可塑性短繊維とした。また、前述の粗糸2本を豊田自動織機製精紡機を用いて33.4倍のドラフトを掛け、押さえ糸とする紡績糸(C)および芯部(A)の一部を構成する紡績糸(a2)として20/1で紡出した。この熱可塑性短繊維の融点は277℃であった。実施例1と同じ装置を用いて実施例3と同様に複合紡績糸を作成した。ただし、連続強化繊維の内部に配置されるように20/1の紡績糸を9本配置し、芯部(A)の一部を構成する紡績糸(a2)と鞘部(B)および紡績糸(C)の質量比は(a2):((B)+(C))=43:57とした。また、実施例3では、熱可塑性短繊維の粗糸を連続強化繊維と重ね合わせる際に4本の粗糸に8.3倍のドラフトを掛けていたが、実施例8では、4本の粗糸を連続強化繊維束と重ね合わせてから6.1倍のドラフトを掛けるように変更することで、総繊度14198dtexの複合紡績糸を作成した。得られた複合紡績糸の詳細及び評価結果を表1に示す。
連続強化繊維(a1)、鞘部(B)、及び押さえ糸とする紡績糸(C)、芯部(A)の一部を構成する紡績糸(a2)は実施例6と同じものを用い、実施例1と同じ装置を用いて実施例3と同様に複合紡績糸を作成した。ただし、連続強化繊維の内部に配置されるように10/1の紡績糸を6本配置し、芯部である連続強化繊維の内側の紡績糸(a2)と鞘部(B)および紡績糸(C)の質量比は(a2):((B)+(C))=67:33とした。また、実施例3では、熱可塑性短繊維の粗糸を連続強化繊維と重ね合わせる際に4本の粗糸に8.3倍のドラフトを掛けていたが、実施例9では、2本の粗糸を連続強化繊維束と重ね合わせてから7.9倍のドラフトを掛けるように変更することで、総繊度13333dtexの複合紡績糸を作成した。得られた複合紡績糸の詳細及び評価結果を表1に示す。
連続強化繊維(a1)として、東レ株式会社製PAN系炭素繊維「トレカT700SC-24000」総繊度16500dtex、24000フィラメント、単糸繊度0.66dtex、引張強度4900MPa、密度1.80g/cm3)を用いた。この連続強化繊維の分解温度は酸素雰囲気下で500℃以上である。鞘部(B)、及び押さえ糸とする紡績糸(C)、芯部(A)の一部を構成する紡績糸(a2)は実施例6と同じものを用い、実施例1と同じ装置を用いて実施例3と同様に複合紡績糸を作成した。ただし、連続強化繊維の内部に配置されるように10/1の紡績糸を20本配置し、芯部(A)の一部を構成する紡績糸(a2)と鞘部(B)および紡績糸(C)の質量比はa2:(B+C)=46:54とした。また、実施例3では、熱可塑性短繊維の粗糸を連続強化繊維と重ね合わせる際に4本の粗糸に8.3倍のドラフトを掛けていたが、実施例10では、10本の粗糸を連続強化繊維束と重ね合わせてから3.7倍のドラフトを掛けるように変更することで、総繊度42167dtexの複合紡績糸を作成した。得られた複合紡績糸の詳細及び評価結果を表1に示す。
連続強化繊維(a1)として、日本板硝子製ガラスロービング(高強度・高弾性ガラス繊維)「RMR060X-RW370K-C」、総繊度6000dtex、1750フィラメント、繊維径13μm、引張強度4300MPa、密度2.58g/cm3)を用いた。この連続強化繊維の分解温度は酸素雰囲気下で500℃以上である。鞘部(B)、及び押さえ糸とする紡績糸(C)、芯部(A)の一部を構成する紡績糸(a2)は実施例5と同じものを用い、実施例1と同じ装置を用いて実施例3と同様に複合紡績糸を作成した。ただし、連続強化繊維の内部に配置されるように20/1の紡績糸を3本配置し、芯部(A)の一部を構成する紡績糸(a2)と鞘部(B)および紡績糸(C)の質量比は(a2):((B)+(C))=42:58とした。また、実施例3では、熱可塑性短繊維の粗糸を連続強化繊維と重ね合わせる際に4本の粗糸に8.3倍のドラフトを掛けていたが、実施例11では、2本の粗糸を連続強化繊維束と重ね合わせてから10.4倍のドラフトを掛けるように変更することで、総繊度8093dtexの複合紡績糸を作成した。得られた複合紡績糸の詳細及び評価結果を表1に示す。
連続強化繊維(a1)、鞘部(B)、及び押さえ糸とする紡績糸(C)は実施例1と同じものを用いた。連続強化繊維と混繊させる熱可塑性短繊維群として、実施例1に記載の371.2ゲレン/6ydのスライバーを、豊田自動織機製粗紡機を用いて11.6倍のドラフトを掛け、80ゲレン/15ydの粗糸を用いた。実施例1と同じ装置を用いて実施例3と同様に複合紡績糸を作成した。ただし、連続強化繊維は直径1cmのローラーに4回通し、熱可塑性短繊維群(a3)と合わせることで紡出時のテンションにより集束し、芯部が混繊される。連続強化繊維と混繊された熱可塑性短繊維群(a3)と鞘部(B)および紡績糸(C)の質量比は(a3):((B)+(C))=42:58とした。また、実施例3では、熱可塑性短繊維の粗糸を連続強化繊維と重ね合わせる際に4本の粗糸に8.3倍のドラフトを掛けていたが、実施例12では、6本の粗糸を連続強化繊維束と重ね合わせてから6.8倍のドラフトを掛けるように変更することで、総繊度15533dtexの複合紡績糸を作成した。得られた複合紡績糸の詳細及び評価結果を表1に示す。
比較例1は、押さえ糸として熱可塑性長繊維を用いた例である。
連続強化繊維(a1)、鞘部(B)は実施例1と同じものを用いた。熱可塑性長繊維として、222dtex、24フィラメント(単糸繊度9.3dtex、密度1.13g/cm3)セミダルの市販ポリアミド6(PA6)の長繊維(生糸)を用いた。この熱可塑性長繊維の融点は225℃であった。実施例1と同じ装置を用いて実施例1と同様に複合紡績糸を作成した。ただし、実施例1では、熱可塑性短繊維の6本の粗糸を連続強化繊維と重ね合わせる際に粗糸に6.2倍のドラフトを掛けていたが、比較例1では、6本の粗糸を連続強化繊維束と重ね合わせてから5.9倍のドラフトを掛けるように変更することで、総繊度13022dtexの複合紡績糸を作成した。得られた複合紡績糸の詳細及び評価結果を表1に示す。
2 連続強化繊維
3 熱可塑性短繊維
4 芯鞘繊維束
5 紡績糸
6 複合紡績糸
7 紡績糸
8 二重芯鞘繊維束
9 ドラフト装置
10 ガイド
11 中空ボビン
12 フィードローラ
13 チーズ
14 熱可塑性短繊維
15 芯鞘繊維束
16 複合紡績糸
Claims (11)
- 少なくとも連続強化繊維(a1)を含む芯部(A)と、熱可塑性短繊維からなる鞘部(B)とから形成された実質的に無撚りの繊維束に、熱可塑性短繊維からなる紡績糸(C)が巻付けられていることを特徴とする繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
- 芯部(A)が、連続強化繊維(a1)のみから構成されることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
- 芯部(A)が、熱可塑性短繊維からなる紡績糸(a2)と、紡績糸(a2)を被覆するように配置された連続強化繊維(a1)とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
- 芯部(A)が、連続強化繊維(a1)と熱可塑性短繊維(a3)を混合して構成されることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
- 連続強化繊維(a1)が、炭素繊維、ガラス繊維、バサルト繊維、PBO繊維、及びアラミド繊維からなる群から選択される少なくとも一種の繊維であり、複合紡績糸中の連続強化繊維(a1)の混率が20~80質量%であることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
- 鞘部(B)を構成する熱可塑性短繊維、及び紡績糸(C)を構成する熱可塑性短繊維の各々が、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、及びポリヒドロキシエーテルからなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
- 紡績糸(a2)を構成する熱可塑性短繊維が、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、及びポリヒドロキシエーテルからなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項3に記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
- 紡績糸(a2)と、鞘部(B)及び紡績糸(C)との質量比((a2):(B)+(C))が、70:30~30:70であることを特徴とする請求項3に記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
- 熱可塑性短繊維(a3)が、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、及びポリヒドロキシエーテルからなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項4に記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
- 熱可塑性短繊維(a3)と、鞘部(B)及び紡績糸(C)との質量比((a3):((B)+(C)))が、70:30~30:70であることを特徴とする請求項4に記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
- 複合紡績糸の総繊度が500~50000dtexであることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性プラスチック用複合紡績糸。
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