本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特に断りがない限り、図中の矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」とする。また、図中の矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。また、図中の矢印Nの方向を「北」、矢印Sの方向を「南」、矢印Eの方向を「東」、矢印Wの方向を「西」とする。
〔コンバインの全体構成〕
図1に示すように、普通型のコンバイン1(本発明に係る「収穫機」に相当)は、収穫部H、クローラ式の走行装置11、運転部12、脱穀装置13、穀粒タンク14、搬送部16、穀粒排出装置18、衛星測位モジュール80を備えている。
走行装置11は、コンバイン1における下部に備えられている。また、走行装置11は、コンバイン1に搭載されたエンジン(図示せず)からの動力によって駆動する。そして、コンバイン1は、走行装置11によって走行可能である。
また、運転部12、脱穀装置13、穀粒タンク14は、走行装置11より上側に備えられている。運転部12は運転座席12aを有している。運転部12にはユーザー(オペレータ)が搭乗可能である。
穀粒排出装置18は、穀粒タンク14の上側に設けられている。また、衛星測位モジュール80は、運転部12の上面に取り付けられている。
収穫部Hは、コンバイン1における前部に備えられている。そして、搬送部16は、収穫部Hの後側に設けられている。また、収穫部Hは、左右の分草具10、刈刃15、リール17を含んでいる。
左右の分草具10は、収穫部Hの前端部における左端部及び右端部に設けられている。左右の分草具10は、圃場5(図2参照)の植立穀稈を、収穫対象と対象外とに分草する。左の分草具10よりも右側、且つ、右の分草具10よりも左側の植立穀稈は、収穫対象として分草される。左の分草具10よりも左側の植立穀稈、及び、右の分草具10よりも右側の植立穀稈は、対象外として分草される。
刈刃15は、左右の分草具10により収穫対象として分草された植立穀稈を刈り取る。また、リール17は、機体左右方向に沿うリール軸芯17b周りに回転駆動しながら収穫対象の植立穀稈を掻き込む。刈刃15により刈り取られた刈取穀稈は、搬送部16へ送られる。
この構成により、収穫部Hは、圃場5の穀物を収穫する。そして、コンバイン1は、収穫部Hによって圃場5の穀物を収穫しながら走行装置11によって走行する収穫走行が可能である。
収穫部Hにより収穫された刈取穀稈は、搬送部16によって機体後方へ搬送される。これにより、刈取穀稈は脱穀装置13へ搬送される。
脱穀装置13において、刈取穀稈は脱穀処理される。脱穀処理により得られた穀粒(本発明に係る「収穫物」に相当)は、穀粒タンク14に貯留される。穀粒タンク14に貯留された穀粒は、必要に応じて、穀粒排出装置18によって機外に排出される。
また、図1に示すように、運転部12には、表示端末4が配置されている。表示端末4は、種々の情報を表示可能に構成されている。本実施形態において、表示端末4は、運転部12に固定されている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、表示端末4は、運転部12に対して着脱可能に構成されていても良いし、表示端末4は、コンバイン1の機外に位置していても良い。
ここで、コンバイン1は、圃場5における収穫作業を行う場合、図2に示すように外周走行を行った後、自動走行によって収穫走行を行うように構成されている。尚、外周走行とは、手動操作によって圃場5の外周領域SA(図3参照)において行われる収穫走行である。ただし、本発明はこれに限定されず、外周領域SAにおいて行われる収穫走行は、自動走行によって行われても良い。
図2においては、外周走行でコンバイン1が走行する経路が矢印で示されている。この経路に沿った収穫走行が完了すると、圃場5は、図3に示す状態となる。本実施形態における外周走行は、図2に示すように、圃場5の最外周を一周する収穫走行である。しかしながら、本発明はこれに限定されず、二周以上の周回走行が行われても良い。
また、図2及び図3に示すように、圃場5は、圃場外縁部6の内側に位置している。圃場外縁部6は、圃場5を囲む状態で設けられている。圃場外縁部6には、例えば、畦畔や給排水ポンプ等が含まれている。
また、本実施形態において、圃場5は長方形である。ただし、本発明はこれに限定されない。圃場5はいかなる形状であっても良い。
コンバイン1の走行は、走行制御システムA(図4参照)によって制御される。即ち、走行制御システムAは、コンバイン1の走行を制御する。以下では、走行制御システムAについて詳述する。
〔自動走行に関する構成〕
図4に示すように、走行制御システムAは、制御部20を備えている。制御部20は、位置算出部21、領域取得部22、生成部23、経路選択部24、方位算出部25、走行制御部26を有している。尚、制御部20は、コンバイン1に搭載されている。また、上述の表示端末4は、走行制御システムAに含まれている。
衛星測位モジュール80は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)で用いられる人工衛星GS(図1参照)からのGPS信号を受信する。そして、図4に示すように、衛星測位モジュール80は、受信したGPS信号に基づいて、コンバイン1の自車位置を示す測位データを位置算出部21へ送る。
尚、本発明はこれに限定されない。衛星測位モジュール80は、GPSを利用するものでなくても良い。例えば、衛星測位モジュール80は、GPS以外のGNSS(GLONASS、Galileo、みちびき、BeiDou等)を利用するものであっても良い。
位置算出部21は、衛星測位モジュール80により出力された測位データに基づいて、コンバイン1の位置座標を経時的に算出する。算出されたコンバイン1の経時的な位置座標は、領域取得部22、経路選択部24、走行制御部26へ送られる。
領域取得部22は、位置算出部21から受け取ったコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、図3に示すように、外周領域SA及び収穫対象領域CAを算出する。
より具体的には、領域取得部22は、位置算出部21から受け取ったコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、圃場5における上述の外周走行でのコンバイン1の走行軌跡を算出する。そして、領域取得部22は、算出されたコンバイン1の走行軌跡に基づいて、コンバイン1が外周走行を行った領域を外周領域SAとして算出する。また、領域取得部22は、算出された外周領域SAにより囲まれた領域を、収穫対象領域CAとして算出する。
これにより、領域取得部22は、圃場5における外周領域SA及び収穫対象領域CAを示すマップ(情報)を生成する。その結果、領域取得部22は、当該マップを取得する。
このように、走行制御システムAは、圃場5における収穫対象領域CAを示す情報を取得する領域取得部22を備えている。
図4に示すように、領域取得部22により取得されたマップは、生成部23へ送られる。
生成部23は、領域取得部22から受け取ったマップに基づいて、図3に示すように、コンバイン1が収穫対象領域CAにおける収穫走行を行うための複数の走行経路LIを生成する。尚、特に限定されないが、図3に示すように、本実施形態において、走行経路LIは、縦横方向に延びる複数のメッシュ線である。また、複数のメッシュ線は直線でなくても良く、湾曲していても良い。
このように、走行制御システムAは、コンバイン1が収穫対象領域CAを収穫走行するための複数の走行経路LIを生成する生成部23を備えている。図4に示すように、生成部23により生成された複数の走行経路LIは、経路選択部24へ送られる。
経路選択部24は、位置算出部21から受け取ったコンバイン1の位置座標に基づいて、複数の走行経路LIの中から、コンバイン1が走行するべき走行経路LIを選択する。
このように、走行制御システムAは、複数の走行経路LIの中から走行経路LIを選択する経路選択部24を備えている。図4に示すように、経路選択部24により選択された走行経路LIを示す情報は、走行制御部26へ送られる。
また、図4に示すように、走行制御システムAは、慣性計測装置81を備えている。また、制御部20は、方位算出部25を有している。尚、慣性計測装置81は、コンバイン1に搭載されている。
慣性計測装置81は、コンバイン1の機体のヨー角度の角速度、及び、互いに直交する3軸方向の加速度を経時的に検知する。慣性計測装置81による検知結果は、方位算出部25へ送られる。
方位算出部25は、位置算出部21から、コンバイン1の位置座標を受け取る。そして、方位算出部25は、慣性計測装置81による検知結果と、コンバイン1の位置座標と、に基づいて、コンバイン1の機体方位を算出する。
より具体的には、まず、コンバイン1の走行中に、現在のコンバイン1の位置座標、及び、直前に走行していた地点におけるコンバイン1の位置座標に基づいて、方位算出部25は、初期機体方位を算出する。次に、初期機体方位が算出されてからコンバイン1が一定時間走行すると、方位算出部25は、その一定時間の走行の間に慣性計測装置81により検知された角速度を積分処理することにより、機体方位の変化量を算出する。
そして、このように算出された機体方位の変化量を初期機体方位に足し合わせることによって、方位算出部25は、機体方位の算出結果を更新する。その後、一定時間毎に、機体方位の変化量が同様に算出されると共に、順次、機体方位の算出結果が更新されていく。
以上の構成により、方位算出部25は、コンバイン1の機体方位を算出する。方位算出部25による算出結果は、走行制御部26へ送られる。
走行制御部26は、図1に示した走行装置11を制御することにより、コンバイン1の自動走行を制御するように構成されている。走行制御部26は、コンバイン1の位置座標及び機体方位と、経路選択部24により選択された走行経路LIを示す情報と、に基づいて、コンバイン1の自動走行を制御する。より具体的には、走行制御部26は、走行経路LIに沿った自動走行によって収穫走行が行われるように、コンバイン1の走行を制御する。
このように、走行制御システムAは、経路選択部24により選択された走行経路LIに基づいてコンバイン1の走行を制御する走行制御部26を備えている。
この自動走行において、経路選択部24は、例えば、コンバイン1が現在走行している走行経路LIの一つ後の走行経路LIを選択してもよい。即ち、経路選択部24は、新たな走行経路LIに沿った走行が始まるたびに、コンバイン1が現在走行している走行経路LIの次にコンバイン1が走行すべき一つの走行経路LIを選択するように構成されていても良い。
ただし、本発明はこれに限定されない。経路選択部24は、コンバイン1が現在走行している走行経路LIに続けてコンバイン1が走行すべき複数(例えば二つまたは三つ)の走行経路LIを選択すると共に、当該複数の走行経路LIの走行順番を決定しても良い。
尚、経路選択部24は、複数の走行経路LIのうち、まだ走行していない走行経路LIの中から、走行経路LIを選択する。経路選択部24は、位置算出部21から受け取ったコンバイン1の位置座標に基づいて、コンバイン1の走行が効率的になるように走行経路LIを選択すると好適である。
尚、制御部20、及び、制御部20に含まれる位置算出部21等の各要素は、マイクロコンピュータ等の物理的な装置であっても良いし、ソフトウェアにおける機能部であっても良い。
本実施形態では、収穫対象領域CAを収穫走行するための自動走行において、αターン走行及びUターン走行が行われる。αターン走行とは、未収穫領域の角部においてαターンを行う走行であって、未収穫領域の最外周部分を周回していく走行である。Uターン走行とは、未収穫領域における所定の方向(例えば東西方向)に沿う前進収穫走行と、既収穫領域におけるUターンによる方向転換と、を繰り返していく走行である。
本実施形態では、Uターンによる方向転換のためのスペースが圃場5において確保されるまで(言い換えれば、既収穫領域がある程度拡大するまで)は、αターン走行が行われる。Uターンによる方向転換のためのスペースが圃場5において確保された後は、Uターン走行が行われる。
尚、上述の収穫対象領域CAは、圃場5における収穫作業が進むに伴って縮小しても良い。即ち、収穫対象領域CAは、常に、未収穫領域に一致しても良い。
また、上述の収穫対象領域CAは、上述のように領域取得部22によって算出された後、変化しなくても良い。言い換えれば、収穫対象領域CAは、圃場5における収穫作業が進むに伴って縮小しなくても良い。この場合、圃場5における収穫作業が進むに伴って、収穫対象領域CAにおける未収穫領域の割合が減少していくこととなる。
図4に示すように、領域取得部22は、位置算出部21から受け取ったコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、圃場5における既収穫領域及び未収穫領域を経時的に算出する。算出された既収穫領域及び未収穫領域を示す情報は、領域取得部22から走行制御部26へ送られる。走行制御部26は、当該情報に基づいて、コンバイン1の方向転換を制御する。これにより、コンバイン1は、αターンまたはUターンによる方向転換を行う。
また、図4に示すように、制御部20は、決定部27を有している。決定部27は、排出地点PP(図8参照)を決定する。排出地点PPとは、コンバイン1が穀粒を排出する排出作業を実行する地点である。
このように、走行制御システムAは、コンバイン1が穀粒を排出する排出作業を実行する地点である排出地点PPを決定する決定部27を備えている。以下では、排出地点PPの決定と、排出作業と、について詳述する。
〔モード選択〕
図5に示すように、表示端末4は、タッチパネル44(本発明に係る「地点指定部」に相当)を有している。タッチパネル44は、各種情報を表示可能であり、且つ、タッチ操作による人為的な操作入力を受け付けるように構成されている。
表示端末4は、タッチパネル44に、図5に示すモード選択画面を表示可能である。モード選択画面には、第1モードボタン61及び第2モードボタン62が表示されている。ユーザーは、第1モードボタン61または第2モードボタン62をタッチ操作することにより、上述の決定部27の制御モードを選択することができる。
第1モードボタン61がタッチ操作されると、決定部27の制御モードは、辺選択モード(本発明に係る「第1モード」に相当)になる。第2モードボタン62がタッチ操作されると、決定部27の制御モードは、地点指定モード(本発明に係る「第2モード」に相当)になる。
尚、第1モードボタン61または第2モードボタン62がタッチ操作されると、タッチパネル44の表示はモード選択画面から別の画面へ遷移する。しかしながら、その後、ユーザーが所定の操作を行うと、タッチパネル44にモード選択画面を再び表示させることができる。これにより、決定部27の制御モードは、辺選択モードと地点指定モードとの間でモード切替可能である。
また、図5に示すモード選択画面は、上述の外周走行が完了した時点で表示されると好適である。
〔辺選択モード〕
上述の通り、図5に示した第1モードボタン61がタッチ操作されると、決定部27の制御モードは、辺選択モードになる。それと同時に、タッチパネル44の表示は、図6に示す辺選択画面へ遷移する。辺選択画面には、圃場5の全体像(形状)を示す画像が表示される。この画像には、外周領域SA及び収穫対象領域CAも示されている。尚、表示端末4は、図4に示すように、領域取得部22から上述のマップを受け取ると共に、当該マップに基づいて、この画像を表示する。
図6に示すように、ユーザーは、辺選択画面において、圃場5の外周を構成する複数の辺(図6に示す例では四つの辺)の中から一つの辺を選ぶと共に、選んだ辺をタッチ操作することができる。この例では、ユーザーは、圃場5における北側、東側、南側、西側の辺のうち、西側の辺をタッチ操作するものとする。
図4に示すように、制御部20は、辺選択部28を有している。辺選択画面において辺がタッチ操作されると、図4に示すように、表示端末4から、所定の信号が辺選択部28へ送られる。当該信号は、タッチ操作された辺を示すものである。辺選択部28は、当該信号に従って、圃場5の外周を構成する複数の辺の中から一つの辺を選択する。
即ち、辺選択部28は、ユーザーがタッチ操作した辺を選択する。図6に示す例では、辺選択部28は、西側の辺を選択することとなる。
このように、走行制御システムAは、圃場5の外周を構成する複数の辺の中から一つの辺を選択する辺選択部28を備えている。また、辺選択部28は、人為的な操作入力に従って辺を選択する。
図4に示すように、辺選択部28が選択した辺を示す情報は、辺選択部28から決定部27へ送られる。
ユーザーが、図6に示した辺選択画面において何れか一つの辺をタッチ操作した後、所定の操作(例えば、自動走行開始ボタンの操作)が行われると、図3に示すように、コンバイン1は、走行制御部26による制御によって、収穫対象領域CAを収穫走行するための自動走行を開始する。
収穫対象領域CAを収穫走行するための自動走行において、コンバイン1が上述のαターン走行を行っており、且つ、決定部27の制御モードが辺選択モードである場合、制御部20は、図7に示す第1制御フローに従って、コンバイン1の走行を制御するように構成されている。この第1制御フローは、例えば、新たな走行経路LIに沿う走行が開始されるたび(即ち、自動走行の目標となる走行経路LIが切り替わるたび)に実行される。
この第1制御フローが開始されると、まず、ステップS01の処理が実行される。ステップS01では、図4に示した経路選択部24により、Uターンによる方向転換のためのスペースが圃場5において存在するか否かが判定される。
詳述すると、領域取得部22により算出された既収穫領域及び未収穫領域を示す情報は、領域取得部22から経路選択部24へ送られる。経路選択部24は、当該情報に基づいて、ステップS01での判定を行う。
Uターンによる方向転換のためのスペースが圃場5において存在する場合(図7のステップS01にて「Yes」)、処理はステップS02へ移行する。また、Uターンによる方向転換のためのスペースが圃場5において存在しない場合(図7のステップS01にて「No」)、処理はステップS03へ移行する。
ステップS02では、制御部20の制御により、コンバイン1の自動走行がαターン走行からUターン走行に移行する。その後、この第1制御フローは終了する。そして、コンバイン1の自動走行がUターン走行に移行した後は、この第1制御フローは実行されない。
ステップS03では、制御部20に含まれる排出判定部29(図4参照)によって、排出条件が満たされているか否かが判定される。排出条件とは、上述の排出作業が実行される条件である。特に限定されないが、本実施形態において、決定部27の制御モードが辺選択モードであるときの排出条件は、「コンバイン1が選択辺51に向かって走行しており、且つ、現時点での未収穫領域の最外周部分における収穫走行を一周行った場合に穀粒タンク14に貯留される穀粒の量が所定量を超えることが推定されること」である。選択辺51とは、上述の辺選択部28により選択された辺である。
尚、本実施形態において、排出判定部29は、穀粒タンク14に貯留されている穀粒の量を検知するように構成されている。排出判定部29は、穀粒の量の検知結果に基づいて、ステップS03での判定を行う。
排出条件が満たされていない場合(図7のステップS03にて「No」)、処理はステップS04へ移行する。排出条件が満たされている場合(図7のステップS03にて「Yes」)、処理はステップS05へ移行する。
ステップS04では、コンバイン1が次に走行するべき走行経路LIを経路選択部24が選択する。このとき、経路選択部24は、コンバイン1がαターン走行を行うように、走行経路LIを選択する。その後、この第1制御フローは一旦終了する。
以下では、ステップS05からステップS13までの処理について、図8から図10に示す例を用いて説明する。図8から図10に示す例では、決定部27の制御モードが辺選択モードであり、圃場5における西側の辺が選択辺51であるものとする。
図8には、第1走行経路LI1及び第2走行経路LI2が示されている。第1走行経路LI1及び第2走行経路LI2は、何れも、東西方向に延びる走行経路LIである。尚、図8において、第1走行経路LI1及び第2走行経路LI2以外の走行経路LIの図示は省略されている。また、図9及び図10において、第2走行経路LI2以外の走行経路LIの図示は省略されている。
図8において、コンバイン1は、未収穫領域の北端部に位置する第1走行経路LI1に沿って西向きに自動走行を行っている。このとき、Uターンによる方向転換のためのスペースが圃場5において存在しないものとする(図7のステップS01にて「No」)。また、このとき、排出条件が満たされているものとする(図7のステップS03にて「Yes」)。そのため、図8に示す例では、図7のステップS05の処理が実行される。
ステップS05では、排出判定部29(図4参照)から経路選択部24へ、排出条件が満たされたことを示す信号が送られる。この信号に応じて、経路選択部24は、再開経路を選択する。再開経路とは、排出作業後においてコンバイン1が最初に走行する予定の走行経路LIである。本実施形態において、経路選択部24は、決定部27の制御モードが辺選択モードであるとき、選択辺51に対して垂直に延びる走行経路LIであって、コンバイン1が現在走行中の走行経路LIから最も遠くに位置する走行経路LIを、再開経路として選択する。図8に示す例では、未収穫領域の南端部に位置する第2走行経路LI2が、再開経路として選択される。図4に示すように、再開経路を示す情報は、経路選択部24から決定部27へ送られる。その後、処理はステップS06へ移行する。
ステップS06では、排出判定部29(図4参照)から決定部27へ、排出条件が満たされたことを示す信号が送られる。この信号に応じて、決定部27は、排出地点PPを決定する。このとき、決定部27は、辺選択部28から受け取った選択辺51を示す情報、及び、経路選択部24から受け取った再開経路を示す情報に基づいて、排出地点PPを決定する。また、このとき、決定部27は、既収穫領域に位置し、且つ、選択辺51に隣接し、且つ、再開経路の延長線上に位置する地点を、排出地点PPとして決定する。その後、処理はステップS07へ移行する。
このように、決定部27の制御モードが辺選択モードである場合、決定部27は、辺選択部28により選択された辺である選択辺51に隣接する位置に排出地点PPを決定する。決定部27により決定された排出地点PPを示す情報は、走行制御部26へ送られる(図4参照)。
ステップS07では、コンバイン1が現在走行中の走行経路LIに沿った収穫走行が完了するまで、コンバイン1が、走行制御部26の制御により、収穫走行を行う。現在走行中の走行経路LIに沿った収穫走行が完了すると、処理はステップS08へ移行する。例えば、図8に示す例では、コンバイン1が第1走行経路LI1に沿った収穫走行を行い、第1走行経路LI1の終端部(西端部)に到達すると、処理はステップS08へ移行する。
その後、コンバイン1は、図9に示すように、圃場5における西端部の既収穫領域を南方へ進んだ後、第1地点P1から第2地点P2まで、第1走行を実行する(図7のステップS08)。第1走行とは、排出前収穫領域Mでの収穫走行である。排出前収穫領域Mとは、再開経路の両端部のうち、排出地点PPに近い側の端部に対応する領域である。より具体的には、排出前収穫領域Mは、再開経路の両端部のうち、排出地点PPに近い側の端部の周辺の領域であると好適である。
即ち、第1走行は、排出作業後においてコンバイン1が最初に走行する予定の走行経路LIである再開経路の両端部のうち、排出地点PPに近い側の端部に対応する領域での収穫走行である。
図9に示す例では、排出前収穫領域Mは、第2走行経路LI2の西側の端部及び東側の端部のうち、西側(排出地点PPに近い側)の端部に対応する領域である。また、図9に示す例では、第1走行において、コンバイン1は、左側へ旋回しながら、排出前収穫領域Mでの収穫走行を行う。
その後、走行制御部26の制御により、コンバイン1は、図10に示すように、第2地点P2から排出地点PPまで、第2走行を実行する(図7のステップS09)。第2走行は、排出地点PPへ移動する走行である。
このように、走行制御部26は、排出作業を実行するためにコンバイン1が排出地点PPへ移動する場合、コンバイン1が第1走行を実行した後に第2走行を実行するようにコンバイン1の走行を制御するように構成されている。
図10に示す例では、第2走行は、後進によって行われる。そして、走行制御部26の制御により、コンバイン1は、再開経路に沿う姿勢、且つ、機体後部を選択辺51へ向けた姿勢で排出地点PPに停車する(図7のステップS10)。
即ち、走行制御部26は、第2走行の後、コンバイン1が再開経路に沿う姿勢、且つ、機体後部を選択辺51へ向けた姿勢で排出地点PPに停車するようにコンバイン1の走行を制御する。
ここで、図4に示すように、走行制御システムAは、入力部40を備えている。また、制御部20は、装置制御部30及び排出実行部31を有している。
入力部40は、コンバイン1に備えられていても良いし、コンバイン1の外部に位置していても良い。入力部40は、前ボタン41及び後ボタン42を有している。ユーザーが前ボタン41または後ボタン42を操作すると、所定の信号が装置制御部30へ送られる。即ち、ユーザーは、前ボタン41または後ボタン42を操作することにより、人為的な操作入力を行うことができる。
このように、走行制御システムAは、人為的な操作入力を受け付ける入力部40を備えている。
装置制御部30は、走行装置11(図1参照)を制御する。より具体的には、装置制御部30は、コンバイン1が排出地点PPに停車した後、入力部40への操作入力に従って、コンバイン1が機体前後方向に移動するように、走行装置11を制御する。
このように、走行制御システムAは、コンバイン1の走行装置11を制御する装置制御部30を備えている。
詳述すると、コンバイン1が排出地点PPに停車した後、ユーザーが前ボタン41を操作すると、装置制御部30は、コンバイン1が機体前方向に移動するように、走行装置11を制御する。また、ユーザーが後ボタン42を操作すると、装置制御部30は、コンバイン1が機体後方向に移動するように、走行装置11を制御する。これにより、コンバイン1の停車位置の微調整を行うことができる(図7のステップS11)。
図4に示すように、入力部40は、排出ボタン43を有している。ユーザーが排出ボタン43を操作すると、所定の信号が排出実行部31へ送られる。排出実行部31は、当該信号に応じて、穀粒排出装置18(図1参照)を制御し、穀粒の排出を実行する(図7のステップS12)。これにより、穀粒タンク14内の穀粒は、運搬車CV(図10参照)へ排出される。尚、運搬車CVは、圃場外縁部6のうち、排出地点PPに隣接する位置に停車している。
穀粒の排出が完了すると、コンバイン1は、走行制御部26の制御により、再開経路に沿って、収穫走行を再開する(図7のステップS13)。
〔地点指定モード〕
上述の通り、図5に示した第2モードボタン62がタッチ操作されると、決定部27の制御モードは、地点指定モードになる。それと同時に、タッチパネル44の表示は、図11に示す地点指定画面へ遷移する。地点指定画面には、圃場5の全体像(形状)を示す画像が表示される。この画像には、外周領域SA及び収穫対象領域CAも示されている。尚、表示端末4は、図4に示すように、領域取得部22から上述のマップを受け取ると共に、当該マップに基づいて、この画像を表示する。
図11に示すように、ユーザーは、地点指定画面において、タッチパネル44に対するタッチ操作により、排出地点PPを指定することができる。この例では、ユーザーは、圃場5の西端部に位置する地点をタッチ操作するものとする。
このように、走行制御システムAは、人為的な操作入力によって排出地点PPを指定可能なタッチパネル44を備えている。
地点指定画面において排出地点PPが指定されると、図4に示すように、表示端末4から、所定の信号が決定部27へ送られる。当該信号は、指定された排出地点PPを示すものである。決定部27は、当該信号に従って、排出地点PPを決定する。
即ち、決定部27の制御モードが地点指定モードである場合、決定部27は、タッチパネル44による指定に従って排出地点PPを決定する。決定部27により決定された排出地点PPを示す情報は、走行制御部26へ送られる(図4参照)。
ユーザーが、図11に示した地点指定画面において排出地点PPを指定した後、所定の操作(例えば、自動走行開始ボタンの操作)が行われると、図3に示すように、コンバイン1は、走行制御部26による制御によって、収穫対象領域CAを収穫走行するための自動走行を開始する。
収穫対象領域CAを収穫走行するための自動走行において、コンバイン1が上述のαターン走行を行っており、且つ、決定部27の制御モードが地点指定モードである場合、制御部20は、図12に示す第2制御フローに従って、コンバイン1の走行を制御するように構成されている。この第2制御フローは、例えば、新たな走行経路LIに沿う走行が開始されるたび(即ち、自動走行の目標となる走行経路LIが切り替わるたび)に実行される。
この第2制御フローのステップS21からステップS24での処理は、上述の第1制御フロー(図7参照)のステップS01からステップS04での処理と同様である。そのため、ステップS21からステップS24については説明を省略する。
ただし、ステップS23における排出条件は、ステップS03における排出条件とは異なっている。特に限定されないが、本実施形態において、決定部27の制御モードが地点指定モードであるときの排出条件(ステップS23における排出条件)は、「圃場5の外周を構成する複数の辺のうち排出地点PPに隣接する辺に向かってコンバイン1が走行しており、且つ、現時点での未収穫領域の最外周部分における収穫走行を一周行った場合に穀粒タンク14に貯留される穀粒の量が所定量を超えることが推定されること」である。
以下では、ステップS25からステップS32までの処理について、図13から図15に示す例を用いて説明する。図13から図15に示す例では、決定部27の制御モードが地点指定モードであり、圃場5における西側の辺に隣接する位置に、排出地点PPが位置しているものとする。
図8と同様に、図13には、第1走行経路LI1及び第2走行経路LI2が示されている。尚、図13において、第1走行経路LI1及び第2走行経路LI2以外の走行経路LIの図示は省略されている。また、図14及び図15において、第2走行経路LI2以外の走行経路LIの図示は省略されている。
ステップS25では、排出判定部29(図4参照)から経路選択部24へ、排出条件が満たされたことを示す信号が送られる。この信号に応じて、経路選択部24は、再開経路を選択する。本実施形態において、経路選択部24は、決定部27の制御モードが地点指定モードであるとき、圃場5の外周を構成する複数の辺のうち排出地点PPに隣接する辺に対して垂直に延びる走行経路LIであって、コンバイン1が現在走行中の走行経路LIから最も遠くに位置する走行経路LIを、再開経路として選択する。図13に示す例では、未収穫領域の南端部に位置する第2走行経路LI2が、再開経路として選択される。その後、処理はステップS26へ移行する。
ステップS26からステップS28での処理は、上述の第1制御フロー(図7参照)のステップS07からステップS09での処理と同様である。特に、図12及び図14に示すように、この第2制御フローにおいても、第1走行によって、排出前収穫領域Mでの収穫走行が行われる。
また、図15に示す例においても、図10と同様に、第2走行は、後進によって行われる。ただし、図15に示す例においては、走行制御部26の制御により、コンバイン1は、機体左側部または機体右側部を、圃場5の外周を構成する複数の辺のうち排出地点PPに隣接する辺へ向けた姿勢で排出地点PPに停車する(図12のステップS29)。
図15に示す例では、コンバイン1は、第2走行の後、機体右側部を、圃場5の外周を構成する複数の辺のうち排出地点PPに隣接する辺へ向けた姿勢で排出地点PPに停車する。ただし、本発明はこれに限定されない。コンバイン1は、第2走行の後、機体左側部を、圃場5の外周を構成する複数の辺のうち排出地点PPに隣接する辺へ向けた姿勢で排出地点PPに停車しても良い。
即ち、走行制御部26は、第2走行の後、コンバイン1が機体左側部または機体右側部を、圃場5の外周を構成する複数の辺のうち、排出地点PPに隣接する辺へ向けた姿勢で排出地点PPに停車するようにコンバイン1の走行を制御する。
ステップS30からステップS32での処理は、上述の第1制御フロー(図7参照)のステップS11からステップS13での処理と同様である。そのため、ステップS30からステップS32については説明を省略する。
尚、第2制御フローにおいて、ステップS30が存在していなくても良い。また、図7及び図12に示すように、第1制御フローにおけるステップS06に対応する処理は、第2制御フローには存在しない。
以上で説明した構成によれば、排出作業を実行するためにコンバイン1が排出地点PPへ移動する場合、コンバイン1が排出地点PPへ移動する前に、第1走行が行われる。そして、第1走行により、再開経路の両端部のうち、排出地点PPに近い側の端部に対応する領域での収穫走行が行われる。これにより、再開経路の両端部のうち排出地点PPに近い側の端部の周辺に、比較的広いスペースが確保されやすい。
従って、排出作業後に、コンバイン1が、再開経路における当該端部から収穫走行を再開するように制御されれば、上述の比較的広いスペースを旋回のために利用することができる。これにより、コンバイン1が、自動走行によって、再開経路における当該端部へ移動すると共に、機体方位を再開経路の延びる方向に合わせることが容易になりやすい。即ち、排出作業後に、収穫走行を再開する地点まで移動するための走行であって、且つ、機体方位を、収穫走行を再開できる方位とするための走行を、自動走行によって行うことが容易になりやすい。
即ち、以上で説明した構成によれば、排出作業後の自動走行が容易になりやすい走行制御システムA及びコンバイン1を実現できる。
〔その他の実施形態〕
(1)辺選択部28は、タッチ操作以外の人為的な操作入力に従って辺を選択しても良い。例えば、辺選択部28は、マウスやキーボード等による人為的な操作入力に従って辺を選択しても良い。
(2)決定部27の制御モードは、辺選択モードと地点指定モードとの間でモード切替不能であっても良い。例えば、走行制御システムAは、人為的な操作入力によって排出地点PPの指定ができない(地点指定モードが存在しない)ように構成されていても良い。また、走行制御システムAは、人為的な操作入力によって、圃場5の外周を構成する複数の辺の中から一つの辺を選択できない(辺選択モードが存在しない)ように構成されていても良い。
(3)辺選択部28は、人為的な操作入力に従うことなく、辺を選択しても良い。例えば、辺選択部28は、圃場5の形状等の各種情報に基づいて自動的に辺を選択しても良い。
(4)決定部27の制御モードが辺選択モードである場合において、第2走行の後、コンバイン1が排出地点PPに停車するときの姿勢(機体方位)は、いかなる姿勢であっても良い。
(5)決定部27の制御モードが地点指定モードである場合において、第2走行の後、コンバイン1が排出地点PPに停車するときの姿勢(機体方位)は、いかなる姿勢であっても良い。
尚、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。