JP7682008B2 - 酸化珪素膜用研磨液組成物 - Google Patents

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Description

本開示は、酸化セリウム粒子を含有する酸化珪素膜用研磨液組成物、これを用いた半導体基板の製造方法及び基板の研磨方法に関する。
ケミカルメカニカルポリッシング(CMP)技術とは、加工しようとする被研磨基板の表面と研磨パッドとを接触させた状態で研磨液をこれらの接触部位に供給しつつ被研磨基板及び研磨パッドを相対的に移動させることにより、被研磨基板の表面凹凸部分を化学的に反応させると共に機械的に除去して平坦化させる技術である。
現在では、半導体素子の製造工程における、層間絶縁膜の平坦化、シャロートレンチ素子分離構造の形成、プラグ及び埋め込み金属配線の形成等を行う際には、このCMP技術が必須の技術となっている。近年、半導体素子の多層化、高精細化が飛躍的に進み、半導体素子の歩留まり及びスループット(収量)の更なる向上が要求されるようになってきている。それに伴い、CMP工程に関しても、研磨傷フリーで且つより高速な研磨が望まれるようになってきている。
例えば、特許文献1には、湿式セリア粒子、官能化ヘテロ環、pH調節剤、及び水性単体を含み、pH約1~6のCMP用研磨液組成物が提案されている。同文献の請求項2~3等には、前記湿式セリア粒子が、三座(tridentate)ヒドロキシル基を含む表面を有し、2.0×10-5モル/m2以上の三座ヒドロキシル基の表面被覆率を有し、ラマンスペクトルが458cm-1におけるピーク及び583cm-1におけるピークを含み、前記458cm-1におけるピーク強度対583cm-1におけるピーク強度の比が100以下であることが記載されている。
特表2018-512475号公報
近年の半導体分野においては高集積化が進んでおり、配線の複雑化や微細化が求められている。そのため、CMPでは、砥粒の粒径を小さくすることで欠陥の低減を図っているが、この場合、研磨速度が低下する問題があり、酸化珪素膜の研磨速度の向上が要求されている。
特に、3次元NAND型フラッシュメモリの層間絶縁膜のCMPによる平坦化工程においては、被研磨基板上に階段状にスタックされたフィルムのアレイ部とその周辺部とで酸化珪素膜の表面凹凸の段差が大きいため、CMPによる平坦化に時間がかかるという問題がある。例えば、参考文献International Conference on Planarization/CMP technology(ICPT), p106 (2016)には、図2に示されるようにCMP前にエキストラエッチング(extra-etching process)を行うことによって、凸部を微細化し、CMP効率を向上し、研磨時間を短縮する方法が提案されている。一方、記録容量の増大に伴い、アレイ部の厚みはさらに向上し、表面凹凸の段差がさらに大きくなる。したがって、このような微細な凸部を高速に除去することがより一層求められるようになってきている。
そこで、本開示は、基板表面の酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)を向上可能な酸化珪素膜用研磨液組成物、これを用いた半導体基板の製造方法及び基板の研磨方法を提供する。
本開示は、一態様において、酸化セリウム粒子(成分A)と、複素芳香族化合物(成分B)と、水系媒体とを含有し、成分Aの酸素貯蔵量が50μmol/g以上である、酸化珪素膜用研磨液組成物に関する。
本開示は、一態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨膜を研磨する工程を含み、前記被研磨膜は、半導体基板の製造過程で形成される酸化珪素膜である、研磨方法に関する。
本開示は、一態様において、本開示の記載の研磨液組成物を用いて被研磨膜を研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法に関する。
本開示によれば、一態様において、基板表面の酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)を向上可能な酸化珪素膜用研磨液組成物を提供できる。
図1は、評価用ウエハを説明するための概略図である。 図2は、3次元NAND型フラッシュメモリの層間絶縁膜のCMP前にエキストラエッチングすることを説明するための概略図である。
本開示は、一態様において、所定の酸素貯蔵量を有する酸化セリウム(以下、「セリア」ともいう)粒子と複素芳香族化合物とを組み合わせることで、基板表面の酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)、例えば、エキストラエッチング後の基板に存在する酸化珪素膜凸部の研磨速度を向上できるという知見に基づく。
すなわち、本開示は、一態様において、酸化セリウム粒子(成分A)と、複素芳香族化合物(成分B)と、水系媒体とを含有し、成分Aの酸素貯蔵量が50μmol/g以上である、酸化珪素膜用研磨液組成物(以下、「本開示の研磨液組成物」ともいう)に関する。本開示の研磨液組成物によれば、基板表面の酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)を向上できる。
本開示の効果発現のメカニズムの詳細は明らかではないが、以下のように推察される。
酸化珪素膜の研磨には、一般的に、セリア粒子が使用されている。通常、セリア粒子中のセリウムは4価であり、まれに酸素(O)が脱落して3価になる。セリア粒子中の3価のセリウムは、酸化珪素膜のSi-O結合を弱めて、酸化珪素膜が脆弱化し、研磨を促進させると考えられる。
本開示では、所定の酸素貯蔵量を有するセリア粒子(成分A)と複素芳香族化合物(成分B)とを併用することで、セリア粒子の酸化珪素膜への吸着を促進し、凸部でのセリア粒子の接触確率を向上するため、基板表面の酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)を向上できると考えられる。さらに、還元性を有する複素芳香族化合物においては、上記の作用に加え、セリア粒子の酸素脱落を促進し、酸化珪素膜の脆弱化を促進し、研磨速度がさらに促進すると考えられる。
但し、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
[被研磨膜]
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、酸化珪素膜の研磨に用いられる研磨液組成物(酸化珪素膜用研磨液組成物)であり、酸化珪素膜の研磨を必要とする工程に使用できる。例えば、本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、半導体基板の素子分離構造を形成する工程で行われる酸化珪素膜の研磨、層間絶縁膜を形成する工程で行われる酸化珪素膜の研磨、埋め込み金属配線を形成する工程で行われる酸化珪素膜の研磨、又は、埋め込みキャパシタを形成する工程で行われる酸化珪素膜の研磨に使用できる。また、本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、3次元NAND型フラッシュメモリ等の3次元半導体装置の製造に使用できる。
特に、本開示の研磨液組成物は、酸化珪素膜凸部を有する基板の研磨に好適に用いることができる。酸化珪素膜凸部とは、一又は複数の実施形態において、基板表面上の酸化珪素膜の凸部であり、例えば、幅10μm~500μm、高さ4μm~10μmの凸部が挙げられる。酸化珪素膜凸部は、一又は複数の実施形態において、3次元NAND型フラッシュメモリの層間絶縁膜のCMP前のエキストラエッチング(extra-etching process)によって形成されうる。酸化珪素膜凸部は、一又は複数の実施形態において、エキストラエッチング後の基板表面上の酸化珪素膜凸部である。酸化珪素膜凸部を有する基板は、一又は複数の実施形態において、3次元NAND型フラッシュメモリの層間絶縁膜のCMP前にエキストラエッチングされた後の基板である。本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、エキストラエッチング後の基板を研磨するためのものである。
[酸化セリウム(セリア)粒子(成分A)]
本開示の研磨液組成物は、研磨砥粒としてセリア粒子(以下、単に「成分A」ともいう)を含有する。成分Aは、1種類でもよいし、2種以上の組合せであってもよい。
成分Aは、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)向上の観点から、酸素貯蔵能が高いことが好ましい。本開示において、酸素貯蔵能とは、セリウムイオンの酸化還元に伴い、酸素を吸放出する機能をいい、酸素貯蔵量の数値が大きいほど、酸素貯蔵能に優れ、酸化還元特性が高いと判断できる。成分Aの酸素貯蔵量は、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)向上の観点から、50μmol/g以上であって、75μmol/g以上が好ましく、100μmol/g以上がより好ましく、125μmol/g以上が更に好ましく、150μmol/g以上が更に好ましい。また、成分Aの酸素貯蔵量は、セリア粒子の長期安定性の観点から、500μmol/g以下が好ましく、300μmol/g以下がより好ましく、250μmol/g以下が更に好ましい。本開示において、酸素貯蔵量は、熱重量示差熱分析装置を用いて測定でき、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。成分Aの酸素貯蔵量は、セリア粒子の結晶性を制御することにより調整することができる。
成分Aの製造方法、形状、及び表面状態については特に限定されなくてもよい。成分Aとしては、例えば、コロイダルセリア、不定形セリア、セリアコートシリカ等が挙げられる。
コロイダルセリアは、例えば、特表2010-505735号公報の実施例1~4に記載の方法で、ビルドアッププロセスにより得ることができる。
不定形セリアとしては、例えば、粉砕セリアが挙げられる。粉砕セリアの一実施形態としては、例えば、炭酸セリウムや硝酸セリウムなどのセリウム化合物を焼成、粉砕して得られる焼成粉砕セリアが挙げられる。粉砕セリアのその他の実施形態としては、例えば、無機酸や有機酸の存在下でセリア粒子を湿式粉砕することにより得られる単結晶粉砕セリアが挙げられる。湿式粉砕時に使用される無機酸としては、例えば硝酸が挙げられ、有機酸としては、例えば、カルボキシル基を有する有機酸が挙げられ、具体的には、酢酸、プロピオン酸、ピコリン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、アミノ安息香酸及びp-ヒドロキシ安息香酸から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。湿式粉砕方法としては、例えば、遊星ビーズミル等による湿式粉砕が挙げられる。
セリアコートシリカとしては、例えば、特開2015-63451号公報の実施例1~14もしくは特開2013-119131号公報の実施例1~4に記載の方法で、シリカ粒子表面の少なくとも一部が粒状セリアで被覆された構造を有する複合粒子が挙げられ、該複合粒子は、例えば、シリカ粒子にセリアを沈着させることで得ることができる。
成分Aの形状としては、例えば、略球状、多面体状、ラズベリー状が挙げられる。
成分Aの平均一次粒子径は、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)向上の観点から、5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましく、そして、研磨傷発生の抑制の観点から、300nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、100nm以下が更に好ましく、45nm以下が更に好ましい。同様の観点から、成分Aの平均一次粒子径は、5nm以上300nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が更に好ましく、10nm以上45nm以下が更に好ましい。本開示において成分Aの平均一次粒子径は、BET(窒素吸着)法によって算出されるBET比表面積S(m2/g)を用いて算出される。BET比表面積は、実施例に記載の方法により測定できる。
本開示の研磨液組成物中の成分Aの含有量は、成分A、成分B及び水の合計含有量を100質量%とすると、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)向上の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、0.2質量%以上が更に好ましく、0.3質量%以上が更に好ましく、0.4質量%以上が更に好ましく、そして、コスト低減の観点から、5質量%以下が好ましく、2.5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物中の成分Aの含有量は、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上2.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上1質量%以下が更に好ましい。成分Aが2種以上のセリア粒子の組合せである場合、成分Aの含有量はそれらの合計含有量をいう。
[複素芳香族化合物(成分B)]
本開示の研磨液組成物に含まれる複素芳香族化合物(以下、単に「成分B」ともいう)としては、一又は複数の実施形態において、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)向上の観点から、少なくとも1つの水素原子がヒドロキシル基、チオール基又はカルボキシル基で置換された含窒素複素芳香族化合物が挙げられ、少なくとも1つの水素原子がヒドロキシル基又はチオール基で置換された含窒素複素芳香族化合物が好ましく、少なくとも1つの水素原子がヒドロキシル基で置換された含窒素複素芳香族化合物がより好ましい。成分Bは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
成分Bとしては、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)向上の観点から、少なくとも1つの水素原子がヒドロキシル基で置換された含窒素複素芳香環骨格を含む、N-オキシド化合物又はその塩(以下、「成分B1」ともいう)、少なくとも1つの水素原子がチオール基で置換された含窒素複素芳香環骨格を含む、N-オキシド化合物又はその塩(以下、「成分B2」ともいう)、及び、少なくとも1つのカルボキシル基を有する含窒素複素芳香環骨格を含む化合物又はその塩(以下、「成分B3」ともいう)から選ばれる少なくとも1種が好ましく、少なくとも1つの水素原子がヒドロキシル基で置換された含窒素複素芳香環骨格を含む、N-オキシド化合物又はその塩(成分B1)、及び、少なくとも1つの水素原子がチオール基で置換された含窒素複素芳香環骨格を含む、N-オキシド化合物又はその塩(成分B2)から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、少なくとも1つの水素原子がヒドロキシル基で置換された含窒素複素芳香環骨格を含む、N-オキシド化合物又はその塩(成分B1)が更に好ましい。
本開示において、N-オキシド化合物とは、一又は複数の実施形態において、N-オキシド基(N→O基)を有する化合物を示す。N-オキシド化合物は、N→O基を1又は2以上有することができ、入手容易性の点からは、N→O基の数は1つが好ましい。
<N-オキシド化合物(成分B1)>
本開示の研磨液組成物に含まれる成分Bは、一又は複数の実施形態において、含窒素複素芳香環の少なくとも1つの水素原子がヒドロキシル基で置換された含窒素複素芳香環骨格を含む、N-オキシド化合物又はその塩(成分B1)である。上記の塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機アミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。成分B1は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上の組合せであってもよい。
本開示において、「少なくとも1つの水素原子がヒドロキシル基で置換された含窒素複素芳香環骨格」とは、含窒素複素芳香環の少なくとも1つの水素原子がヒドロキシル基で置換された構造を示す。
本開示において、成分B1の含窒素複素芳香環骨格に含まれる少なくとも1つの窒素原子がN-オキシドを形成する。成分B1に含まれる含窒素複素芳香環としては、一又は複数の実施形態において、単環又は2環の縮合環が挙げられる。成分B1に含まれる含窒素複素芳香環の窒素原子数としては、一又は複数の実施形態において、1~3個が挙げられ、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)向上の観点から、1又は2個が好ましく、1個がより好ましい。
成分B1に含まれる含窒素複素芳香環骨格としては、一又は複数の実施形態において、ピリジンN-オキシド骨格、キノリンN-オキシド骨格等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。本開示において、ピリジンN-オキシド骨格とは、ピリジン環に含まれる窒素原子がN-オキシドを形成している構成を示す。キノリンN-オキシド骨格とは、キノリン環に含まれる窒素原子がN-オキシドを形成している構成を示す。
成分B1としては、一又は複数の実施形態において、ピリジン環の少なくとも1つの水素原子がヒドロキシ基で置換されたピリジン環を有するN-オキシド化合物、キノリン環の少なくとも1つの水素原子がヒドロキシ基で置換されたキノリン環を有するN-オキシド化合物、及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)向上の観点から、成分B1としては、ピリジン環の少なくとも1つの水素原子がヒドロキシ基で置換されたピリジン環を有するN-オキシド化合物又はその塩が好ましい。
成分B1としては、例えば、2-ヒドロキシピリジンN-オキシド及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種等が挙げられる。
<N-オキシド化合物(成分B2)>
本開示の研磨液組成物に含まれる成分Bは、一又は複数の実施形態において、含窒素複素芳香環骨格の少なくとも1つの水素原子がチオール基で置換された含窒素複素芳香環骨格を含む、N-オキシド化合物又はその塩(成分B2)である。上記の塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機アミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。成分B2は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上の組合せであってもよい。
本開示において、「少なくとも1つの水素原子がチオール基で置換された含窒素複素芳香環骨格」とは、含窒素複素芳香環の少なくとも1つの水素原子がチオール基で置換された構造を示す。
本開示において、成分B2の含窒素複素芳香環骨格に含まれる少なくとも1つの窒素原子がN-オキシドを形成する。成分B2に含まれる含窒素複素芳香環としては、一又は複数の実施形態において、単環又は2環の縮合環が挙げられる。成分B2に含まれる含窒素複素芳香環の窒素原子数としては、一又は複数の実施形態において、1~3個が挙げられ、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)向上の観点から、1又は2個が好ましく、1個がより好ましい。
成分B2に含まれる含窒素複素芳香環骨格としては、一又は複数の実施形態において、ピリジンN-オキシド骨格、キノリンN-オキシド骨格等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。本開示において、ピリジンN-オキシド骨格とは、ピリジン環に含まれる窒素原子がN-オキシドを形成している構成を示す。キノリンN-オキシド骨格とは、キノリン環に含まれる窒素原子がN-オキシドを形成している構成を示す。
成分B2としては、一又は複数の実施形態において、ピリジン環の少なくとも1つの水素原子がチオール基(-SH)で置換されたピリジン環を有するN-オキシド化合物、キノリン環の少なくとも1つの水素原子がチオール基(-SH)で置換されたキノリン環を有するN-オキシド化合物、及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)向上の観点から、成分B2としては、ピリジン環の少なくとも1つの水素原子がチオール基(-SH)で置換されたピリジン環を有するN-オキシド化合物又はその塩が好ましい。
成分B2としては、例えば、2-メルカプトピリジンN-オキシド又はその塩等が挙げられる。
<含窒素複素芳香環化合物(成分B3)>
本開示の研磨液組成物に含まれる成分Bは、一又は複数の実施形態において、少なくとも1つの水素原子がカルボキシル基に置換された含窒素複素芳香環骨格を含む化合物又はその塩(成分B3)である。上記の塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、エタノールアミン塩等の有機アミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。成分B3は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上の組合せであってもよい。
成分B3に含まれる含窒素複素芳香環としては、一又は複数の実施形態において、単環又は2環の縮合環が挙げられる。成分B3に含まれる含窒素複素芳香環の窒素原子数としては、一又は複数の実施形態において、1~3個が挙げられ、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)向上の観点から、1又は2個が好ましく、1個がより好ましい。
成分B3に含まれる含窒素複素芳香環骨格としては、一又は複数の実施形態において、ピリジン骨格が挙げられる。
成分B3としては、ピリジン環に少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物又はその塩が好ましく、例えば、ピコリン酸、ピコリン酸N-オキシド、ニコチン酸、イソニコチン酸等が挙げられる。
成分Bは、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)向上の観点から、成分Bの10ppm水溶液をサイクリックボルタンメトリー(Ag/AgCl電極基準、25℃)で測定したときの還元電位が0.45V以上となる化合物であることが好ましい。前記還元電位は、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)向上の観点から、0.45V以上が好ましく、0.50V以上がより好ましく、0.55V以上が更に好ましく、0.60V以上が更に好ましく、0.65V以上が更に好ましく、0.70V以上が更に好ましく、0.75V以上が更に好ましく、0.80V以上が更に好ましく、0.85V以上が更に好ましく、そして、0.95V以下が好ましく、0.90V以下がより好ましい。還元電位は、実施例に記載の方法により測定できる。
本開示の研磨液組成物中の成分Bの含有量は、一又は複数の実施形態において、成分A、成分B、及び水系媒体の合計含有量を100質量%とすると、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)向上の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、そして、セリア粒子の分散性確保の観点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましく、0.05質量%以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物中の成分Bの含有量は、0.001質量%以上1質量%以下が好ましく、0.005質量%以上0.5質量%以下がより好ましく、0.005質量%以上0.1質量%以下が更に好ましく、0.005質量%以上0.05質量%以下が更に好ましい。成分Bが2種以上の組合せである場合、成分Bの含有量はそれらの合計の含有量をいう。
本開示の研磨液組成物中における成分Aと成分Bとの質量比A/B(成分Aの含有量/成分Bの含有量)は、一又は複数の実施形態において、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)向上の観点から、1以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、10以上が更に好ましく、20以上が更に好ましく、26以上が更に好ましく、32以上が更に好ましく、そして、100以下が好ましく、50以下がより好ましく、40以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物中における質量比A/Bは、1以上100以下が好ましく、5以上50以下がより好ましく、10以上40以下が更に好ましい。
[水系媒体]
本開示の研磨液組成物に含まれる水系媒体としては、蒸留水、イオン交換水、純水及び超純水等の水、又は、水と溶媒との混合溶媒等が挙げられる。上記溶媒としては、水と混合可能な溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)が挙げられる。水系媒体が、水と溶媒との混合溶媒の場合、混合媒体全体に対する水の割合は、本開示の効果が妨げられない範囲であれば特に限定されなくてもよく、経済性の観点から、例えば、95質量%以上が好ましく、98質量%以上がより好ましく、実質的に100質量%が更に好ましい。被研磨基板の表面清浄性の観点から、水系媒体としては、水が好ましく、イオン交換水及び超純水がより好ましく、超純水が更に好ましい。本開示の研磨液組成物中の水系媒体の含有量は、成分A、成分B、及び必要に応じて配合される後述する任意成分を除いた残余とすることができる。
[式(I)で表される化合物(成分C)]
本開示の研磨液組成物は、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)のさらなる向上の観点から、下記式(I)で表される化合物(以下、単に「成分C」ともいう)をさらに含有することができる。成分Cは、1種であってもよいし、2種以上の組合せであってもよい。
前記式(I)中、R1及びR2は同一又は異なって、ヒドロキシル基又はその塩を示し、R3は、H、-NH2、-NHCH3、-NC26、-N+(CH33、アルキル基、フェニル基、シチジン基、グアニジノ基又はアルキルグアニジノ基を示し、Xは、結合手又は炭素数1以上12以下のアルキレン基を示し、nは0又は1を示す。
式(I)において、R1及びR2はそれぞれ、研磨液組成物への溶解性の観点から、ヒドロキシル基が好ましい。
3は、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)のさらなる向上の観点から、H、-NH2、-N+(CH33、アルキル基、フェニル基、シチジン基、又はアルキルグアニジノ基が好ましく、アルキルグアニジノ基又はフェニル基がより好ましく、アルキルグアニジノ基が更に好ましい。アルキル基としては、研磨液組成物への溶解性の観点から、炭素数1以上12以下のアルキル基が好ましく、炭素数2以上6以下のアルキル基がより好ましく、炭素数4のアルキル基(ブチル基)が更に好ましい。アルキルグアニジノ基としては、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)のさらなる向上の観点から、炭素数2以上12以下のアルキルグアニジノ基がより好ましく、炭素数2以上4以下のアルキルグアニジノ基が更に好ましく、メチルグアニジノ基が更に好ましく、1-メチルグアニジノ基が更に好ましい。
Xは、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)のさらなる向上の観点から、炭素数1以上12以下のアルキレン基が好ましく、炭素数1以上10以下のアルキレン基がより好ましく、炭素数1以上8以下のアルキレン基が更に好ましく、炭素数1以上6以下のアルキレン基が更に好ましく、炭素数1以上4以下のアルキレン基が好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基が更に好ましく、炭素数2のアルキレン基(エチレン基)が好ましい。
nは、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)のさらなる向上の観点から、1が好ましい。
成分Cとしては、例えば、クレアチノールホスファート、O-ホスホリルエタノールアミン、ホスホコリンクロリドナトリウム水和物、ブチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、シチジン5-リン酸等が挙げられる。これらのなかでも、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)のさらなる向上及び入手性の観点から、成分Cは、クレアチノールホスファート、フェニルホスホン酸及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本開示の研磨液組成物中の成分Cの含有量は、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)向上の観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.0015質量%以上、更に好ましくは0.002質量%以上である。そして、セリア粒子の分散性確保の観点から、1質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0.05質量%以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物中の成分Cの含有量は、0.001質量%以上1質量%以下が好ましく、0.0015質量%以上0.1質量%以下がより好ましく、0.002質量%以上0.05質量%以下が更に好ましい。成分Cが2種以上の組合せである場合、成分Cの含有量はそれらの合計の含有量をいう。
[その他の成分]
本開示の研磨液組成物は、本開示の効果が損なわれない範囲で、その他の成分をさらに配合してなるものであってもよい。その他の成分としては、例えば、pH調整剤、界面活性剤、増粘剤、分散剤、防錆剤、防腐剤、塩基性物質、研磨速度向上剤、カウンターイオン等が挙げられる。本開示の研磨液組成物がその他の成分をさらに含有する場合、本開示の研磨液組成物中のその他の成分の含有量は、研磨速度向上の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.0025質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、そして、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましい。
[研磨液組成物]
本開示の研磨液組成物は、例えば、成分A、成分B及び水系媒体、並びに、所望により上述した任意成分(成分C、その他の成分)を公知の方法で配合する工程を含む製造方法によって製造できる。例えば、本開示の研磨液組成物は、少なくとも成分A、成分B及び水系媒体を配合してなるものとすることができる。成分Aが複数種類のセリア粒子の組合せである場合、成分Aは、複数種類のセリア粒子をそれぞれ配合することにより得ることができる。成分Bが複数種類の複素芳香族化合物の組合せである場合、成分Bは、複数種類の複素芳香族化合物をそれぞれ配合することにより得ることができる。本開示において「配合する」とは、成分A、成分B及び水系媒体、並びに必要に応じて上述した任意成分(成分C、その他の成分)を同時に又は順に混合することを含む。混合する順序は特に限定されない。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の混合器を用いて行うことができる。本開示の研磨液組成物の製造方法における各成分の配合量は、上述した本開示の研磨液組成物中の各成分の含有量と同じとすることができる。
本開示の研磨液組成物の実施形態は、全ての成分が予め混合された状態で市場に供給される、いわゆる1液型であってもよいし、使用時に混合される、いわゆる2液型であってもよい。2液型の研磨液組成物としては、例えば、成分Aを含む第1液と、成分Bを含む第2液とから構成され、使用時に第1液と第2液とが混合されるものが挙げられる。第1液と第2液との混合は、研磨対象の表面への供給前に行われてもよいし、これらは別々に供給されて被研磨基板の表面上で混合されてもよい。第1液及び第2液はそれぞれ必要に応じて上述した任意成分を含有することができる。
本開示の研磨液組成物のpHは、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)向上の観点から、3.5以上が好ましく、4以上がより好ましく、4.5以上が更に好ましく、そして、9以下が好ましく、8.5以下がより好ましく、8以下が更に好ましく、8未満が更に好ましく、7以下が更に好ましく、6以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物のpHは、3.5以上9以下が好ましく、4以上8.5以下がより好ましく、4.5以上8以下が更に好ましく、4.5以上8未満が更に好ましく、4.5以上7以下が更に好ましく、4.5以上6以下が更に好ましい。本開示において、研磨液組成物のpHは、25℃における値であって、pHメータを用いて測定でき、具体的には、実施例に記載の方法で測定できる。
本開示において「研磨液組成物中の各成分の含有量」とは、研磨時、すなわち、研磨液組成物の研磨への使用を開始する時点での前記各成分の含有量をいう。本開示の研磨液組成物は、その安定性が損なわれない範囲で濃縮された状態で保存および供給されてもよい。この場合、製造・輸送コストを低くできる点で好ましい。そしてこの濃縮液は、必要に応じて水で適宜希釈して研磨工程で使用することができる。希釈割合としては5~100倍が好ましい。
[研磨液キット]
本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を製造するためのキット(以下、「本開示の研磨液キット」ともいう)に関する。
本開示の研磨液キットとしては、例えば、成分A及び水系媒体を含む研磨砥粒分散液と、成分Bを含む添加剤水溶液と、を相互に混合されない状態で含む、研磨液キット(2液型研磨液組成物)が挙げられる。前記研磨砥粒分散液と前記添加剤水溶液とは、使用時に混合され、必要に応じて水系媒体を用いて希釈される。前記研磨砥粒分散液に含まれる水系媒体は、研磨液組成物の調製に使用する水系媒体の全量でもよいし、一部でもよい。前記添加剤水溶液には、研磨液組成物の調製に使用する水系媒体の一部が含まれていてもよい。前記研磨砥粒分散液及び前記添加剤水溶液にはそれぞれ必要に応じて、上述した任意成分(成分C、その他の成分)が含まれていてもよい。
本開示の研磨液キットによれば、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)を向上可能な研磨液組成物を得ることができる。
[研磨方法]
本開示は、一態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨膜を研磨する工程を含み、前記被研磨膜は、半導体基板の製造過程で形成される酸化珪素膜である、研磨方法(以下、本開示の研磨方法ともいう)に関する。被研磨膜としては、上述した本開示の研磨液組成物における被研磨膜が挙げられる。例えば、本開示の研磨方法における被研磨膜は、一又は複数の実施形態において、エキストラエッチング後の基板表面上の酸化珪素膜凸部である。本開示の研磨方法は、一又は複数の実施形態において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む。被研磨基板は、一又は複数の実施形態において、エキストラエッチング後の基板であり、一又は複数の実施形態において、酸化珪素膜凸部を有する基板である。本開示の研磨方法を使用することにより、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)の向上が可能であるため、品質が向上した半導体基板の生産性を向上できるという効果が奏されうる。本開示の研磨方法における研磨の方法及び条件は、後述する本開示の半導体基板の製造方法と同じようにすることができる。
[半導体基板の製造方法]
本開示は、一態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨膜を研磨する工程(研磨工程)を含む、半導体基板の製造方法(以下、「本開示の半導体基板の製造方法」ともいう)に関する。被研磨膜としては、上述した本開示の研磨液組成物における被研磨膜が挙げられる。例えば、本開示の半導体基板の製造方法における被研磨膜は、一又は複数の実施形態において、エキストラエッチング後の基板表面上の酸化珪素膜凸部である。本開示の半導体基板の製造方法は、一又は複数の実施形態において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む。被研磨基板は、一又は複数の実施形態において、エキストラエッチング後の基板であり、一又は複数の実施形態において、酸化珪素膜凸部を有する基板である。本開示の半導体基板の製造方法によれば、酸化珪素膜凸部の研磨速度(凸部解消速度)の向上が可能であるため、品質が向上した半導体基板を効率よく製造できるという効果が奏されうる。
本開示の半導体基板の製造方法の具体例としては、まず、シリコン基板上に、二酸化シリコン膜、次いで、当該二酸化シリコン層上に窒化珪素(Si34)膜を交互に積層する。その後、ポリシリコンによるチャネル形成、積層膜のトリミング、電荷トラップ層形成、タングステン(W)ゲートを形成し、アレイを形成する。その後、アレイ上に二酸化シリコン層をCVD法(化学気相成長法)等にて積層する。このようにして形成された酸化珪素膜は、アレイ部と周辺部では大きな段差を有する。次いで、CMPにより、アレイ部の酸化珪素膜を、周辺部と同じ高さになるまで研磨する。図2に示されるようにCMP前にエキストラエッチング(extra-etching process)を行うことによって、凸部を微細化し、CMP効率を向上し、研磨時間を短縮する方法が提案されている。
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、エキストラエッチング後の酸化珪素膜凸部を有する基板の研磨に好適に用いることができる。酸化珪素膜凸部とは、一又は複数の実施形態において、基板表面上の酸化珪素膜の凸部であり、例えば、幅10μm~500μm、高さ4μm~10μmの凸部が挙げられる。
CMPによる研磨では、被研磨基板の表面と研磨パッドとを接触させた状態で、本開示の研磨液組成物をこれらの接触部位に供給しつつ被研磨基板及び研磨パッドを相対的に移動させることにより、被研磨基板の表面の凹凸部分を平坦化させる。
前記研磨工程において、研磨パッドの回転数は、例えば、30~200rpm/分、被研磨基板の回転数は、例えば、30~200rpm/分、研磨パッドを備えた研磨装置に設定される研磨荷重は、例えば、20~500g重/cm2、研磨液組成物の供給速度は、例えば、10~500mL/分以下に設定できる。研磨液組成物が2液型研磨液組成物の場合、第1液及び第2液のそれぞれの供給速度(又は供給量)を調整することで、被研磨膜の研磨速度を調整できる。
前記研磨工程において、被研磨膜(酸化珪素膜)の研磨速度は、生産性向上の観点から、50nm/分以上が好ましく、80nm/分以上がより好ましく、90nm/分以上が更に好ましい。
以下、実施例により本開示を説明するが、本開示はこれに限定されるものではない。
1.各パラメータの測定方法
(1)研磨液組成物のpH
研磨液組成物の25℃におけるpH値は、pHメータ(東亜電波工業社製、「HM-30G」)を用いて測定した値であり、pHメータの電極を研磨液組成物へ浸漬して1分後の数値である。
(2)セリア粒子(成分A)の平均一次粒径
セリア粒子(成分A)の平均一次粒径(nm)は、下記BET(窒素吸着)法によって得られる比表面積S(m2/g)を用い、セリア粒子の真密度を7.2g/cm3として算出した。
(3)セリア粒子(成分A)のBET比表面積
比表面積は、セリア分散液を120℃で3時間熱風乾燥した後、メノウ乳鉢で細かく粉砕しサンプルを得た。測定直前に120℃の雰囲気下で15分間乾燥した後、比表面積測定装置(マイクロメリティック自動比表面積測定装置「フローソーブIII2305」、島津製作所製)を用いて窒素吸着法(BET法)により測定した。
(4)セリア粒子の酸素貯蔵量
セリア粒子の酸素貯蔵量は、熱重量示差熱分析装置(Thermo plus TG8110、Rigaku製)により、下記に示す方法により測定した。
セリア分散液を600℃で3時間熱風乾燥した後、メノウ乳鉢で細かく粉砕した。その後、セリア粒子をPtパンに入れ、装置にセットした。窒素:水素=1:1のガスを装置内に充填し、室温から800℃まで昇温し、セリア粒子の還元を実施した。800℃に保持したまま、系内を窒素置換し、30分保持した。次いで、酸素:窒素=1:9のガスにてセリア粒子を酸化させた。この際にセリア粒子が吸収する酸素量を用い、酸素貯蔵量(μmol/g)を算出した。
(5)還元電位
1)支持電解質として用いる硫酸ナトリウム水溶液が0.1mol/Lになるよう超純水にて調製し、窒素置換を3時間以上行う。
2)ガラスバイアル(20mL)に硫酸ナトリウム水溶液を9.9mL秤量する。
3)ガラス状カーボン(グラッシーカーボン)作用電極の表面を、1μm研磨用ダイヤモンド及びダイヤモンド研磨用パッド(何れもビー・エー・エス社製)を用い、電極を垂直に押し当て、8の字を描くように十分研磨をする。続いて、0.05μmのアルミナ及びアルミナ研磨用パッド(何れもビー・エー・エス社製)を用い、電極表面が鏡面になるまで8の字を描くように十分研磨をする。その後、電極表面を超純水で洗浄し乾燥させる。
4)ガラス状カーボン電極、銀/塩化銀参照電極、白金カウンター電極をALS電気化学アナライザー(モデル611D)に接続し、硫酸ナトリウム水溶液に浸漬させて3極式電気化学セルを組み立てる。
5)サイクリックボルタンメトリー変数を高電位1V、低電位1V、スキャン速度0.1V/s、スィープセグメント5wに設定し、電位-電流データポイントをモニターに表示する。
6)ガラスバイアル内にテフロン(登録商標)チューブを通し窒素置換を十分に行った後、支持電解質のみで測定を行う。このとき、窒素置換が不十分であると、溶存酸素由来のピークが検出される。
7)測定サンプル(添加剤:1000ppm)を超純水にて調製し、窒素置換を十分に行った後、該測定サンプル0.1mLをガラスバイアル内の硫酸ナトリウム水溶液9.9mLに添加し、添加剤の10ppm水溶液を得た。
8)Open Circuit Potentialを測定し、サイクリックボルタンメトリー変数の初期電位に設定し、測定を行う。このとき、溶存酸素由来のピークが検出されていないことを確認し、測定サンプル由来のサイクリックボルタモグラムから酸化還元電位を確認する。
2.研磨液組成物の調製(実施例1~12及び比較例1~2)
(実施例1~9、12及び比較例1~2)
セリア粒子(表1及び表3に示す成分A)、複素芳香族化合物(表2及び表3に示す成分B)及び水を混合して実施例1~9、12及び比較例1~2の研磨液組成物を得た。各研磨液組成物中の各成分の含有量は、表3に示すとおりである。水の含有量は、成分Aと成分Bとを除いた残余である。
(実施例10~11)
セリア粒子(表1及び表3に示す成分A)、複素芳香族化合物(表2及び表3に示す成分B)、化合物(表3に示す成分C)及び水を混合して実施例10~11の研磨液組成物を得た。各研磨液組成物中の各成分の含有量は、表3に示すとおりである。水の含有量は、成分Aと成分Bと成分Cとを除いた残余である。
実施例1~12及び比較例1~2の研磨液組成物のpHは5であった。pH調整はアンモニアもしくは硝酸を用いて実施した。
実施例1~12及び比較例1~2の研磨液組成物の調製に用いた成分A、成分B及び(成分C)の詳細は表1、表2及び下記に示すとおりである。
(成分B)
B1:2-ヒドロキシピリジンN-オキシド(東京化成工業株式会社製)
B2:2-メルカプトピリジンN-オキシド(東京化成工業株式会社製)
B3:ピコリン酸(東京化成工業株式会社製)
(成分C)
C1:クレアチノールホスファート(東京化成工業社製)[式(I)中、R1:OH、R2:OH、R3:1-メチルグアニジノ基、X:エチレン基、n:1である。]
C2:フェニルホスホン酸(東京化成工業社製)[式(I)中、R1:OH、R2:OH、R3:フェニル基、X:結合手、n:0である。]
3.研磨液組成物(実施例1~12及び比較例1~2)の評価
[評価用サンプル]
評価用サンプルとして、図1に示すウエハ(直径200mm)を使用した。この評価用サンプルは、シリコン基板上に膜厚6μmの酸化珪素膜が形成された後、ドライエッチングによって、図1に示すように、格子状の凹凸部が形成されている。凹部は、縦20mm×横20mm×深さ4μmの大きさである。酸化珪素膜はP-TEOSにより形成されている。この評価用サンプルは、エキストラエッチング後の酸化珪素膜凸部を有する基板のモデル基板である。
[研磨条件]
研磨装置:片面研磨機[荏原製作所製、FREX-200]
研磨パッド:硬質ウレタンパッド「IC-1000/Suba400」[ニッタ・ハース社製]
定盤回転数:100rpm
ヘッド回転数:107rpm
研磨荷重:280hPa
研磨液供給量:200mL/分
研磨時間:1分間
[凸部解消速度]
実施例1~12及び比較例1~2の各研磨液組成物を用いて、上記研磨条件で評価用サンプルを研磨した。
研磨前後の配線幅500umの凸部の酸化ケイ素膜の膜厚をASET-F5X(KLA製)を用い測定した。凸部解消速度は下記式により求め、比較例1の研磨速度を100としたときの結果を表3に示した。
凸部解消速度=[研磨前の凸部の酸化ケイ素膜厚(Å)-研磨後の凸部の酸化ケイ素膜厚(Å)]/研磨時間(分)
表3に示されるように、酸素貯蔵量が50μmol/g以上の酸化セリウム粒子と複素芳香族化合物とを併用した実施例1~12は、酸素貯蔵量が50μmol/g未満の酸化セリウム粒子を用いた比較例1に比べて凸部解消速度が向上していた。なお、酸素貯蔵量が50μmol/g以上の酸化セリウム粒子を用いたが、複素芳香族化合物を用いなかった比較例2は研磨が進行しなかった。
本開示の研磨液組成物は、高密度化又は高集積化用の半導体基板の製造方法において有用である。

Claims (11)

  1. 酸化セリウム粒子(成分A)と、複素芳香族化合物(成分B)と、水系媒体と、下記式(I)で表される化合物(成分C)とを含有し、
    成分Aの酸素貯蔵量が50μmol/g以上である、酸化珪素膜用研磨液組成物。
    Figure 0007682008000005
    前記式(I)中、R 1 及びR 2 は同一又は異なって、ヒドロキシル基又はその塩を示し、R 3 は、H、-NH 2 、-NHCH 3 、-NC 2 6 、-N + (CH 3 3 、アルキル基、フェニル基、シチジン基、グアニジノ基又はアルキルグアニジノ基を示し、Xは、結合手又は炭素数1以上12以下のアルキレン基を示し、nは0又は1を示す。
  2. 成分Aの酸素貯蔵量が100μmol/g以上である、請求項1に記載の研磨液組成物。
  3. 成分Bは、成分Bの10ppm水溶液をサイクリックボルタンメトリー(Ag/AgCl電極基準、25℃)で測定したときの還元電位が0.45V以上となる化合物である、請求項1又は2に記載の研磨液組成物。
  4. 成分Bは、少なくとも1つの水素原子がヒドロキシル基で置換された含窒素複素芳香族化合物である、請求項1から3のいずれかに記載の研磨液組成物。
  5. 成分Bは、ピリジン環の少なくとも1つの水素原子がヒドロキシル基に置換されたピリジン環を有するN-オキシド化合物、キノリン環の少なくとも1つの水素原子がヒドロキシル基に置換されたキノリン環を有するN-オキシド化合物、及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項1から4のいずれかに記載の研磨液組成物。
  6. 成分Bは、2-ヒドロキシピリジンN-オキシド及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項1から5のいずれかに記載の研磨液組成物。
  7. 成分Cはクレアチノールホスファート、フェニルホスホン酸及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項に記載の研磨液組成物。
  8. エキストラエッチング後の基板を研磨するための、請求項1からのいずれかに記載の研磨液組成物。
  9. 請求項1からのいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨膜を研磨する工程を含み、前記被研磨膜は、半導体基板の製造過程で形成される酸化珪素膜である、研磨方法。
  10. 請求項1からのいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨膜を研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法。
  11. 前記被研磨膜は、エキストラエッチング後の基板表面上の酸化珪素膜凸部である、請求項又は10に記載の方法。
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