JP7679673B2 - カーボンブラック含有マスターバッチ、それを含む熱可塑性樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents
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Description
特許文献3には、顔料の粗大粒子がなく、マスターバッチ用樹脂中に顔料が均一に分散された樹脂着色用マスターバッチを製造する方法として、樹脂とカーボンブラック等の着色剤とを混練し、得られた混練物を微粉砕し、得られた微粉砕物を再び混練する樹脂着色用マスターバッチの製造方法が提案されている。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
本発明の成形品は、黒色発色性、特に漆黒性、ブツの無い外観特性に優れ、さらに耐候性にも優れていることから、自動車の内装材及び外装材、事務機器用部品、家電用部品、医療機器用部品、電子機器用部品等、各種工業用材料として有用であり、特に無塗装で表面外観に優れ、高級感が重視される用途に好適に用いることができる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」と「メタクリル酸」の一方又は双方を意味する。
また、「単位」とは、重合体中に含まれる、重合前の化合物(単量体、即ちモノマー)に由来する構造部分を意味し、例えば、「芳香族ビニル系単量体単位」とは「芳香族ビニル系単量体に由来して硬質共重合体(b-2)中に含まれる構造部分」を意味する。重合体の各単量体単位の含有割合は、当該重合体の製造に用いた単量体混合物中の該単量体の含有割合に該当する。
本発明のカーボンブラック含有マスターバッチ(B)について以下に説明する。
カーボンブラック(b-1)は、一次粒子の数平均粒子径が10~20nmの範囲内にある小粒径のカーボンブラックであり、黒色着色剤としての役割を果たす。カーボンブラック(b-1)の一次粒子の数平均粒子径は10~15nmであることが好ましい。
カーボンブラック(b-1)の一次粒子の数平均粒子径が前記下限値以上であることにより、カーボンブラック(b-1)の分散性を向上させることができる。カーボンブラック(b-1)の一次粒子の数平均粒子径が前記上限値以下であることにより、成形品の黒色発色性を向上させることができる。
二次処理としては、例えば、酸化処理による表面官能基の付与、不活性雰囲気下での加熱処理による結晶構造による黒鉛化、水蒸気または炭酸ガスでの賦活処理等が挙げられる。前記酸化処理としては、オゾン、硝酸、亜硝酸、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素のいずれかによる処理が挙げられる。酸化処理によってカーボンブラック表面にカルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸性官能基が生成し、カーボンブラック表面の濡れ性や分散性が向上する。
また、本発明のカーボンブラック含有マスターバッチ(B)は、一次粒子の数平均粒子径が10~20nmの範囲内のカーボンブラック(b-1)を含んでいれば、一次粒子径の数平均粒子径が前記範囲外のカーボンブラックを少量(例えば、カーボンブラック含有マスターバッチ(B)中の樹脂成分100質量部に対して3質量部以下)含んでもよい。
硬質共重合体(b-2)は、芳香族ビニル系単量体単位及びシアン化ビニル系単量体単位を含む硬質共重合体であり、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体と必要に応じて用いられるこれらと共重合可能なその他のビニル系単量体とを共重合することで得られる。
硬質共重合体(b-2)の質量平均分子量及び分子量分布が上記範囲内であれば、カーボンブラック(b-1)をカーボンブラック含有マスターバッチ(B)中に微分散させることができ、さらには熱可塑性樹脂組成物中に均一に分散させることができ、これにより、ブツの発生をより確実に抑制できる。
分散剤(b-3)は、高級脂肪酸、酸エステル、酸アミド及び高級アルコールより選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。特に好ましくは、エチレンビスステアリン酸アミドを含むことである。
酸エステルとしては、例えば、ミリスチン酸セシル、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニル、ペンタエリスリトールジステアリレート、ペンタエリスリトールテトラステアリレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ポリオキシエチレン、硬化ヒマシ油等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
中でも、エチレンビスステアリン酸アミドを用いることにより、カーボンブラック(b-1)の分散性を向上させることができるため好ましい。
本発明のカーボンブラック含有マスターバッチ(B)は、一次粒子の数平均粒子径が10~20nmのカーボンブラック(b-1)5~70質量部と、芳香族ビニル系単量体単位及びシアン化ビニル系単量体単位を含む硬質共重合体(b-2)10~93質量部と、分散剤(b-3)2~20質量部とを含有する(ただし、カーボンブラック(b-1)と硬質共重合体(b-2)と分散剤(b-3)の合計で100質量部)、好ましくは、この含有割合は、カーボンブラック(b-1)10~60質量部、硬質共重合体(b-2)30~87質量部、分散剤(b-3)3~10質量部であり、より好ましくは、カーボンブラック(b-1)30~55質量部、硬質共重合体(b-2)37~66質量部、分散剤(b-3)4~8質量部である。
本発明のカーボンブラック含有マスターバッチ(B)の粒子サイズは、ふるい分けによる粒子サイズを示している。具体的には、ふるいの目開き300μm(メッシュ:50)を通過し、目開き150μm(メッシュ:100)を通過しない粒子サイズを150~300μmと称している。
本発明のカーボンブラック含有マスターバッチ(B)の粒子サイズが、ふるいの目開き300μm(メッシュ:50)を通過し、目開き150μm(メッシュ:100)を通過しない粒子サイズ150~300μmの範囲であることで、発色性の向上、ブツ発生の抑制を図ることができる。
本発明のカーボンブラック含有マスターバッチ(B)の製造方法としては、カーボンブラック(b-1)、硬質共重合体(b-2)及び分散剤(b-3)をミキサーにて予備混合した後、混練機を用いて溶融混練したものを直接粉砕機にかけて特定の粒子サイズに粉砕してもよいし、または、一旦、ペレット化し、それを粉砕機に掛けるなどした後、振動ふるい機を用いて、特定の粒子サイズのものを取り出してもよい。
混練機としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ミキシングロール等を使用することができる。このうち、一軸押出機または二軸押出機が好適に使用できる。さらに、ダイヘッド部の樹脂流路に60メッシュや100メッシュのフィルターを設置することで、混練時の樹脂の練りが効くため好ましい。このようなメッシュは、単数または複数枚組み合わせて使用することができる。
また、混合から混練、さらにふるい分けは、冷却装置などを組み合わせて連続して製造することも可能である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上述の本発明のカーボンブラック含有マスターバッチ(B)と熱可塑性樹脂(A)とを含むものである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物のカーボンブラック含有マスターバッチ(B)の熱可塑性樹脂(A)との配合割合は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、カーボンブラック含有マスターバッチ(B)を0.1~10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.3~8質量部、さらに好ましくは0.5~5質量部、最も好ましくは0.8~3質量部である。
黒色発色性に関しては、カーボンブラック含有マスターバッチ(B)中に含まれるカーボンブラック(b-1)の含有量によって配合量を検討する必要はあるが、黒色発色性、特に漆黒性や成形品の外観のブツを抑制する点から、上記の割合とすることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂(A)としては、特に制限されないが、例えばアクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル-α-メチルスチレン共重合体(αSAN樹脂)、スチレン-無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル-スチレン-N-置換マレイミド三元共重合体、スチレン-無水マレイン酸-N-置換マレイミド三元共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-ブタジエン(SBR)、水素添加SBS、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)等のスチレン系エラストマー、各種のオレフィン系エラストマー、各種のポリエステル系エラストマー、ポリスチレン、メチルメタクリレート-スチレン共重合体(MS樹脂)、アクリロニトリル-スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、ポリアセタール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE樹脂)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリフェニレンサルファイド(PPS樹脂)、ポリエーテルサルフォン(PES樹脂)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK樹脂)、ポリアリレート、液晶ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂(例えばナイロン)等が挙げられる。
これら熱可塑性樹脂(A)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
グラフト共重合体(C)は、ゴム状重合体の存在下に、芳香族ビニル系単量体及びシアン化ビニル系単量体の少なくとも一方を含むビニル系単量体をグラフト重合して得た共重合体である。
以下、ビニル系単量体の重合体のことを、上記枝ポリマー部及び非グラフト物も含めて「ビニル系重合体」という。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が有するアルキル基の炭素数は、1~12が好ましく、1~8がより好ましい。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体のなかでも、得られる成形品の耐衝撃性がより向上する点で、アクリル酸n-ブチルが特に好ましい。
前記単量体成分の重合方法は特に制限されず、公知の方法に従って行うことができるが、乳化重合によって重合することが好ましい。乳化重合では、前記単量体成分を乳化剤によって水中で乳化してエマルションを調製し、ラジカル重合開始剤を添加して、前記単量体成分をラジカル重合する。この乳化重合によって、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体からなるアクリル系ゴム状重合体を含むラテックスを製造することができる。
グラフト交叉剤又は架橋剤としては、例えば、メタクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸エチレングリコールジエステル、ジメタクリル酸プロピレングリコールジエステル、ジメタクリル酸1,3-ブチレングリコールジエステル、ジメタクリル酸1,4-ブチレングリコールジエステル等が挙げられる。これらグラフト交叉剤又は架橋剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
乳化剤のなかでも、ラジカル重合時のラテックスの安定性に優れ、重合率を高められることから、サルコシン酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸塩等の各種カルボン酸塩が好ましい。さらには、グラフト共重合体(C)を含む熱可塑性樹脂組成物を高温成形した際にガス発生を抑制できることから、アルケニルコハク酸ジカリウムが好ましい。
前記乳化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
グラフト共重合体(C)は、ビニル系単量体として、芳香族ビニル系単量体及びシアン化ビニル系単量体の少なくとも一方を含む。また、ビニル系単量体として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含んでもよい。
シアン化ビニル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t-ブチル等が挙げられる。
前記ビニル系単量体は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
グラフト共重合体(C)のラテックスからグラフト共重合体(C)を回収する方法としては、例えばグラフト共重合体(C)のラテックスを、凝固剤を溶解させた熱水中に投入することによってスラリー状に凝析する湿式法;加熱雰囲気中にグラフト共重合体(C)のラテックスを噴霧することによって半直接的にグラフト共重合体(C)を回収するスプレードライ法等が挙げられる。
メタクリル系樹脂(D)は、メタクリル酸エステル系単量体、またはメタクリル酸エステル系単量体とメタクリル酸エステル系単量体以外のその他の共重合可能な単量体とを含むメタクリル系単量体混合物を重合して得られる樹脂である。
シアン化ビニル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸3-ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。
N-置換マレイミド単量体としては、N-置換アリールマレイミド類、N-置換アルキルマレイミド類、N-置換シクロアルキルマレイミド類が挙げられる。
N-置換アリールマレイミド類としては、例えば、N-フェニルマレイミド、N-o-クロロフェニルマレイミド等が挙げられる。
N-置換アルキルマレイミド類としては、例えば、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミド、N-プロピルマレイミド、N-ブチルマレイミド、N-t-ブチルマレイミド等が挙げられる。
N-置換シクロアルキルマレイミド類としては、例えば、N-シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
メタクリル系樹脂(D)の質量平均分子量は、以下の方法により測定される。
メタクリル系樹脂(D)をアセトン中で攪拌し、得られたアセトン可溶分をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、その溶液を、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)装置に導入し、分子量が既知の標準ポリスチレンを用いて作成した検量線を利用してアセトン可溶分の分子量を測定し、質量基準の平均分子量を求める。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)及びカーボンブラック含有マスターバッチ(B)以外に他の添加剤を含有してもよい。
他の添加剤としては、例えば、酸化防止剤や光安定剤等の各種安定剤、可塑剤、離型剤、滑剤、カーボンブラック以外の顔料、染料、帯電防止剤、難燃剤、無機充填剤、金属粉末等が挙げられる。
各添加剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して0.1~5質量部であることが好ましく、0.3~2質量部であることがより好ましい。各添加剤(G)の含有量が前記下限値以上であれば、各添加剤の添加効果を充分に発揮できる。各添加剤の含有量が前記上限値以下であれば、無駄になる添加剤の量が少なくなり、経済的である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、カーボンブラック含有マスターバッチ(B)と、熱可塑性樹脂(A)と必要に応じて用いられる他の添加剤とを添加混合することにより製造することができる。
各成分は、ミキサーを用いて充分に混合して混合物を調製し、この混合物を更に混練機を用いて溶融混練することが好ましい。
混練機としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ミキシングロール等を使用することができる。このうち、一軸押出機または、二軸押出機が好適に使用できる。さらに、ダイヘッド部の樹脂流路に60メッシュや100メッシュのフィルターを設置することで、混練時の樹脂の練りが効くため好ましい。このようなメッシュは、単数または複数枚組み合わせて使用することができる。
溶融混練後、得られた溶融混練物を冷却した後、ペレタイザーを用いてペレット化することが好ましい。
本発明の成形品は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形してなるものである。本発明の成形品は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を公知の成形方法によって成形加工して得られる。
下記例中の「%」及び「部」は、特に断りのない限り、「質量%」及び「質量部」を意味する。
各実施例及び各比較例で用いたカーボンブラック含有マスターバッチは、以下のカーボンブラック、硬質共重合体及び分散剤を用いて製造した。
(b-1-1):三菱ケミカル株式会社製 三菱カーボンブラック#2600B
一次粒子の数平均粒子径:13nm
(b-1-2):三菱ケミカル株式会社製 三菱カーボンブラック#2900B
一次粒子の数平均粒子径:15nm
(b-1-3):三菱ケミカル株式会社製 三菱カーボンブラック#750B
一次粒子の数平均粒子径:22nm
(b-2):アクリロニトリル29部とスチレン71部とを懸濁重合して得たアクリロニ
トリル-スチレン共重合体
Mw:112,000
Mw/Mn:2.1
<分散剤>
(b-3):花王レオケミカル製 カオーワックスEB-G
エチレンビスステアリン酸アミド
表1に示すように、カーボンブラック(b-1-1)10部と、硬質共重合体(b-2)85部と、分散剤(b-3)5部の配合割合で、二軸押出機を用い、160℃で溶融混練し、ペレット化した。
次に、得られたペレットを室温まで冷却後、粉砕機(ラボネクスト(株)製 ミニスピードミル 型式:MS-05)を使用して粉砕し、その後、振動ふるい機を用いて、ふるい分けを行い、各ふるいに残った粒子サイズについての割合を分布として表1に示した。この粒子サイズを150~300μmの範囲内の割合としてカーボンブラック含有マスターバッチ(B-1)とした。
表1に示す各組成に基づいた配合割合として、カーボンブラック含有マスターバッチ(B-1)の製造方法と同様にしてペレット化を行った。次いで、粉砕してふるい分けし、それぞれ各粒子サイズの範囲の質量割合のカーボンブラック含有マスターバッチ(B-2)~(B-10)を得た。
熱可塑性樹脂(A)としては、以下の方法で製造したグラフト共重合体と市販のメタクリル系樹脂を用いた。
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機及び攪拌装置を備えた反応器内に、イオン交換水190部、アルケニルコハク酸ジカリウム0.6部、アクリル酸n-ブチル50部、アリルメタクリレート0.6部、t-ブチルハイドロパーオキサイド0.1部からなる混合物を添加した。この反応器に窒素気流を通じることによって雰囲気の窒素置換を行い、内温を55℃まで昇温した。内温が55℃に達した時点で、硫酸第一鉄七水塩0.0001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.0003部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.2部、イオン交換水10部からなる水溶液を添加し、ラジカル重合を開始させた。重合発熱が確認された後、ジャケット温度を75℃とし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続し、さらに1時間この状態を維持した。得られたアクリル系ゴム状重合体の体積平均粒子径は120nmであった。体積平均粒子径は動的光散乱法により測定した値である。
得られたゴム状重合体のラテックスに、硫酸第一鉄七水塩0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部、イオン交換水10部からなる水溶液を添加した。次いで、アクリロニトリル15部、スチレン35部、t-ブチルハイドロパーオキサイド0.225部からなる混合液を100分間にわたって滴下し、重合した。滴下終了後、温度80℃の状態を30分間保持した後、クメンヒドロパーオキシド0.05部を添加し、さらに温度75℃の状態を30分間保持した後、冷却し、グラフト共重合体(C-1)のラテックスを得た。
次いで、1.5%硫酸水溶液100部を80℃に加熱し、この中へグラフト共重合体(C-1)のラテックス100部を徐々に滴下して凝固した。そして、析出物を分離し、脱水、洗浄した後に乾燥して、粉状のグラフト共重合体(C-1)を得た。
アクリル酸n-ブチル50部をブタジエンゴム8部とアクリル酸n-ブチル42部に変更した以外は前記グラフト共重合体(C-1)の製造と同様にしてグラフト共重合体(C-2)を得た。
(D-1):ポリメタクリル酸メチル
三菱ケミカル株式会社製 アクリペットVH5
メタクリル酸メチル単位:98%
アクリル酸メチル単位:2%
Mw:6,900
(D-2):ポリメタクリル酸メチル
株式会社日本触媒製 ポリイミレックスPML203
メタクリル酸メチル単位:80%
N-フェニルマレイミド単位:10%
N-シクロヘキシルマレイミド単位:10%
Mw:200,000
<染料>
E-1:有本化学工業株式会社製 Plast Black DA-423
表2に示すように、カーボンブラック含有マスターバッチ(B-1)2.0部、グラフト共重合体(C-1)30部、メタクリル系樹脂(D-1)70部を配合し、さらに、ステアリン酸マグネシウム(日油株式会社製)0.2部、酸化防止剤(株式会社ADEKA製アデカスタブAO-60)0.2部、及び光安定剤(株式会社ADEKA製アデカスタブLA-57)0.4部を、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。得られた混合物を、スクリュー式押出機(株式会社日本製鋼所製、TEX-30α型二軸押出機)を用い、ダイヘッド部分の樹脂流路に60メッシュを装着して、250℃の条件で溶融混練した。これにより得た溶融混練物を冷却後、ペレタイザーを用いてペレット化して、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
表2に示すように配合を変更した以外は実施例1と同様にして、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
なお、表2において、ステアリン酸マグネシウム(日油株式会社製)0.2部、酸化防止剤(株式会社ADEKA製アデカスタブAO-60)0.2部、及び光安定剤(株式会社ADEKA製アデカスタブLA-57)0.4部の記載は省略している。
各例の熱可塑性樹脂組成物について下記のように成形し、耐衝撃性、成形品の色調、外観(ブツ)、耐候性を評価した。結果を表2に示す。
ISO 3167に準拠して、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物から、射出成形機(東芝機械株式会社製、「IS55FP-1.5A」)を用いて試験片を作製した。この試験片のシャルピー(Charpy)衝撃強度をISO 179-1:2000に準拠して、ノッチあり、23℃雰囲気の条件で測定した。シャルピー衝撃強度が高い程、耐衝撃性に優れる。
射出成形機(株式会社日本製鋼所製)を用いて、熱可塑性樹脂組成物から、100mm四方で厚み3mmの試験片(成形品1)を作製した。この試験片5枚の表面をCCDカメラで観察し、0.1mm以上のブツが5枚中何個あるかを計測し、下記基準で評価した。
ブツ個数が少ないほど成形品外観が優れる。
(評価結果)
◎:ブツが0~5個で優れる。
○:ブツが6~12個で使用できる。
△:ブツが13~20個で問題がある。
×:ブツが21個以上で外観不良で劣る。
測色計(SCE方式)を用い、成形品1の色調(L*)を測定した。L*の値が小さい程、成形品の黒味が濃く、発色性に優れる。
スガ試験機株式会社製の「サンシャインスーパーロングライフウェザーメーターWEL-SUN-DCH型」を用い、63℃、サイクル条件:60分(降雨:12分)の環境下に成形品1を1000時間暴露した。1000時間の暴露前後の成形品1の変色の度合い(ΔE)を、色差計を用いて測定した。ΔEの値が小さい程、耐候性に優れる。
一方、比較例では、発色性、耐候性、成形外観のいずれか一つ以上の項目に劣る結果となった。
具体的には、比較例1の熱可塑性樹脂組成物では、カーボンブラック含有マスターバッチ(B-8)の粒子サイズが小さいため、樹脂中にブツとして分散する形が見られた。
比較例2の熱可塑性樹脂組成物では、カーボンブラック含有マスターバッチ(B-9)の粒子サイズが大きいため、やはり、樹脂中にブツとして分散する形が見られた。
比較例3の熱可塑性樹脂組成物では、カーボンブラック含有マスターバッチ(B-10)で一次粒子の数平均粒子径が20nmを超えるカーボンブラックを使用したので、マスターバッチにしても、成形品の発色性が低かった。
比較例4の熱可塑性樹脂組成物は、カーボンブラック(b-1-1)をそのまま配合したため、成形品の発色性、成形品の外観(ブツ)が劣るものであった。
比較例5の熱可塑性樹脂組成物では、染料を用いて着色したので、成形品の耐候性が低かった。
Claims (9)
- 一次粒子の数平均粒子径が10~20nmのカーボンブラック(b-1)5~70質量部と、芳香族ビニル系単量体単位及びシアン化ビニル系単量体単位を含む硬質共重合体(b-2)10~93質量部と、分散剤(b-3)2~20質量部とを合計で100質量部含有するカーボンブラック含有マスターバッチ(B)であって、その粒子サイズが150~300μmである、カーボンブラック含有マスターバッチ(B)。
- 前記分散剤(b-3)が、高級脂肪酸、酸エステル、酸アミド及び高級アルコールより選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のカーボンブラック含有マスターバッチ(B)。
- 前記分散剤(b-3)が、エチレンビスステアリン酸アミドである、請求項2に記載のカーボンブラック含有マスターバッチ(B)。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカーボンブラック含有マスターバッチ(B)と、熱可塑性樹脂(A)とを含む熱可塑性樹脂組成物。
- 前記カーボンブラック含有マスターバッチ(B)を、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して0.1~10質量部含む、請求項4に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂(A)が、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体及びシアン化ビニル系単量体の少なくとも一方を含むビニル系単量体をグラフト重合してなるグラフト共重合体(C)と、メタクリル系樹脂(D)とを含有する、請求項4又は5に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記ゴム状重合体がアクリル系ゴム状重合体である、請求項6に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂組成物中の全樹脂成分100質量部中に、前記グラフト共重合体(C)を15~70質量部、前記メタクリル系樹脂(D)を30~85質量部含有する、請求項6又は7に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項4ないし8のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。
Priority Applications (1)
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