JP7672000B2 - 熱膨張接着シート - Google Patents

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Description

本発明は、熱膨張接着シートに関するものである。
基材の表面に接着性を有する熱膨張層を備える熱膨張接着シートにおいては、基材から熱膨張層が剥離してしまうことを抑制するために、基材と熱膨張層との接着性を向上させる中間層を備えることが考えられている(特許文献1、2)。
しかしながら、熱膨張層を膨張させる際の加熱時だけでなく、膨張接着後の高温雰囲気下における基材と熱膨張層との間の剥離を十分に抑制できる熱膨張接着シートについては未だ提供されていないのが現状である。
特許第6903986号 特開2021-155495号公報
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、加熱時及び膨張接着後の高温雰囲気下における基材と熱膨張層との間の剥離を十分に抑制できる熱膨張接着シートを提供することを主な目的とする。
すなわち本発明に係る熱膨張接着シートは、以下のようなものである。
[1]基材と、該基材に積層された中間層と、該中間層の基材と反対側の面に積層された熱膨張層とを備える熱膨張接着シートであって、200°Cにおけるせん断強度試験において熱膨張接着シートを破壊可能なせん断力を加えた場合における破壊界面が前記熱膨張層内に存在するものであることを特徴とする熱膨張接着シート。
[2]前記中間層がカルボキシ基を有する樹脂を含有し、前記カルボキシ基を有する樹脂の酸価が5以上であり、前記熱膨張層が、エポキシ基を含有する樹脂と、熱膨張剤とを含有するものである、[1]に記載の熱膨張接着シート。
[3]前記中間層の厚みが0.5μm以上4μm以下である[1]又は[2]に記載の熱膨張接着シート。
[4]前記熱膨張層が、前記エポキシ樹脂の硬化剤を含有し、該硬化剤がアミン系樹脂であり、前記硬化剤のエポキシ樹脂に対する当量比(硬化剤の当量/エポキシ当量)が0.9以下である、[1]~[3]の何れかに記載の熱膨張接着シート。
[5]動摩擦係数が0.6以下である[1]~[4]の何れかに記載の熱膨張接着シート。
[6]前記熱膨張層に含有されている熱膨張剤の熱膨張開始温度が100°C以上150°C以下である[1]~[5]のいずれかに記載の熱膨張接着シート。
[7]基材と、該基材に積層された中間層と、該中間層の基材と反対側の面に積層された熱膨張層とを備える熱膨張接着シートを製造する方法であって、前記中間層を架橋させるための加熱工程を行う前に、前記中間層上に前記熱膨張層を積層することを特徴とする熱膨張接着シート製造方法。
本発明によれば、熱膨張層を膨張させる際の加熱時及び膨張接着後の高温雰囲気下における基材と熱膨張層との間の剥離を十分に抑制できる熱膨張接着シートを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る熱膨張接着シートの構成を示す概略断面図である。 本実施形態に係る熱膨張接着シートの製造工程を示す概略断面図である。 従来の熱膨張接着シートの製造工程を示す概略断面図である。 従来の熱膨張接着シートの製造工程を示す概略断面図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る熱膨張シートについて説明する。
<熱膨張接着シート>
図1は、本実施形態に係る熱膨張接着シート1の構成を示す概略断面図である。
本実施形態に係る熱膨張接着シート1は、例えば、電子機器或いは電子デバイス用の導材シート、電子機器或いは電子デバイス用の絶縁シート等として様々な分野に使用できるものである。
この熱膨張接着シート1は、例えば、隙間の内部に配置して、例えば120℃以上250℃以下等の高温で加熱することにより隙間を挟んで向かい合う2つの被着面を接着するものであり、基材10と、該基材10の両面に形成された熱膨張層20と、基材10及び熱膨張層20との間に形成された中間層30とを備えるものである。
本実施形態に係る熱膨張接着シート1は、200°Cにおけるせん断強度試験において該熱膨張接着シート1を破壊可能なせん断力を加えた場合における破壊界面が前記熱膨張層20内に存在するものである。破壊界面を熱膨張層20内に存在させる事により、基材10と中間層30との間、及び中間層30と熱膨張層20との間の接着強度を安定させ、高温耐久試験(例えば200℃500時間)処理後の熱膨張層20の基材10からの剥離を抑制することが可能となる。
なお、前記せん断強度試験は、例えば、熱膨張接着シート1を2枚の支持板の間に挟んだ状態で加熱膨張させて前記2枚の支持板にしっかりと接着させたものとサンプルとし、このサンプルの2枚の支持板を熱膨張接着シート1の面方向に沿って互いに逆方向に引っ張った際のせん断接着力を測定することによって行った。
加熱膨張後の熱膨張接着シート1を破壊可能なせん断接着力(JIS K6850に基づくせん断強度(接着強度))は、23℃において、例えば2.0MPa以上であることが好ましく、2.5MPa以上であることがより好ましく、3.0MPa以上であることがさらに好ましい。また、200℃における前記せん断接着力は0.4MPa以上であることが好ましく、0.45MPa以上であることがより好ましく、0.5MPa以上であることが特に好ましい。せん断破壊可能なせん断接着力が200℃において0.4MPa以上であり、その際の破壊界面が熱膨張層20内に存在するものとすれば、基材10と中間層30及び中間層30と熱膨張層20との間の界面の接着力が加熱膨張後においても高温環境下において十分に高いものとなるため好ましい。ここでの高温環境下とは、例えば、100℃以上250℃以下の環境のことを指し、例えば、後述するようなステーターコア(第1の被着体ともいう。)とコイル(第2の被着体ともいう。)の間に挿入してこれらを接着する用途に使用する場合のモータによる発熱等により加熱膨張後に定常的に120℃以上160℃以下の温度に曝される場合や瞬間的に170℃以上220℃以下といった高温に曝される場合等を挙げることができる。
本実施形態に係る熱膨張接着シート1は、加熱膨張させた後の電気絶縁性が高いことが好ましい。JIS C 2107に基づく熱膨張接着シート1の絶縁破壊電圧は、例えば3kV以上であることが好ましく、5kV以上であることがより好ましい。また、加熱膨張させた後の熱膨張接着シート1の熱伝導率は、例えば0.1W/mK以上であることが好ましく、0.15W/mK以上であることがより好ましい。なお、これら電気絶縁性については、熱膨張接着シートの製造に用いる基材の種類や熱膨張層、中間層に含有される樹脂の種類によって調節することができる。また、熱膨張接着シートの厚みを大きくすることによっても電気絶縁性を向上させることができる。また、熱伝導率については熱膨張層に含有されるフィラーの種類や含有量等によって調節可能である。
以下に、このような性質を有する熱膨張接着シート1の好適な構成例及び製造例について説明する。
<<基材>>
基材10は、熱膨張層20を支持する支持材としての機能を果たすものである。
具体的に、この基材10は、シート状のものであることが好ましく、単層構造であっても、積層構造であってもよい。また、基材10は、内部に多孔構造を有していてもよく、有していなくてもよい。
基材10の厚さは、例えば1μm以上125μm以下であることが好ましく、10μm以上75μm以下であることがより好ましく、20μm以上50μm以下であることが特に好ましい。例えば、本実施形態に係る熱膨張接着シート1をモータスロットに挿入して使用する場合においては、基材10にある程度の厚みを持たせることにより、モータスロットへの挿入時に熱膨張接着シート1が座屈してしまうことを抑えることができる。また、基材10の厚みを大きくし過ぎないことによって、コイルの占積率を十分に確保することができる。これらの理由からも、基材10の厚みを前述したような範囲にすることが好ましい。
基材10の材質は、特に限定されず、無機材料でも有機材料でもよい。例えば、熱膨張接着シート1に電気伝導性が求められる場合には金属フィルムを使用することができ、熱膨張接着シート1に電気絶縁性が求められる場合に樹脂フィルムを使用することができる。
前記金属フィルムとしては、特に限定されないが、例えば銅箔およびアルミ箔を使用できる。金属フィルムの厚さは、例えば1μm以上100μm以下であり、10μm以上70μm以下であることが好ましく、15μm以上50μm以下であることがより好ましい。なお、基材10の材質として金属フィルムを用いる場合には、有機材料を用いる場合に比べて熱膨張接着シート1の熱伝導率をも高めることができる。
前記樹脂フィルムに含まれる樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、芳香族ポリエステル等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート;ポリアリレート;ポリウレタン;ポリアミド、ポリエーテルアミド等のポリアミド樹脂;ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド樹脂;ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のポリスルホン樹脂;ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等のポリエーテルケトン樹脂;ポリフェニレンサルファイド(PPS);変性ポリフェニレンオキシド等が挙げられる。
樹脂のガラス転移温度は、例えば80℃以上であることが好ましく、140℃以上であってもよいし、200℃以上であってもよい。また、樹脂として、液晶ポリマー(LCP)を用いるものとしてもよい。
本実施形態において基材10は電気絶縁性を有するものであることが好ましく、ポリイミド(PI)またはポリエチレンナフタレート(PEN)を含有するものであることが好ましい。ポリイミドおよびポリエチレンナフタレートは、耐熱性が高く、加熱により熱膨張接着シート1を熱膨張させ発泡硬化させる場合に好適である。また、ポリイミドおよびポリエチレンナフタレートは、絶縁性が高く、例えば発泡硬化後の熱膨張接着シート1により部材同士を絶縁することができることから好ましい。
<<熱膨張層>>
熱膨張層20は、加熱により膨張し接着性を発揮する層であり、本実施形態においては基材10の両面に形成されて熱膨張接着シート1の最外面を形成するものである。
熱膨張層20は、基材及び中間層の表面を連続的に覆う連続層であってもよく、基材又は中間層の表面上に設けられた複数の島からなる不連続層であってもよい。不連続層としては、例えば、ストライプ、ドット等のパターンが挙げられる。また、熱膨張層20の表面が、エンボス等の凹凸形状を有していてもよい。
熱膨張層20の表面は被着体に仮固定できる程度の粘着性を有しているものとしても良いが、加熱膨張させる前の熱膨張層20が非粘着性(タックフリー)であるものとしても良い。
本実施形態に係る熱膨張接着シート1においては、熱膨張層20の外表面(すなわち熱膨張接着シートの最外面)の動摩擦係数が、例えば、0.60以下であることが好ましく、0.55以下であることがより好ましく、0.50以下であることがさらに好ましい。さらに、上記動摩擦係数は、例えば、0.15以上であることが好ましい。該表面の動摩擦係数が、0.60以下である熱膨張接着シート1とすることにより、例えば、モータスロット等の部材の隙間に挿入しやすく使い勝手の良い熱膨張接着シート1とすることができる。
本実施形態に係る熱膨張接着シート1のように、基材10の両面に熱膨張層20が配置されている場合には、2つの熱膨張層20のうち、少なくとも一方の熱膨張層20の外表面の動摩擦係数が上記範囲であればよい。中でも、2つの熱膨張層20の両方の外表面の動摩擦係数が上記範囲であることが好ましい。なお、熱膨張層20の外表面の動摩擦係数は、JIS K7125に準拠して求めることができる。熱膨張接着シートの外表面の動摩擦係数は、例えば、最外層の表面に凹凸を設けること等によって、被着体との接触面積を低減させる事により低くするなどの調節が可能である。また最外層に含有させる樹脂として弾性率の高いものを使用すると動摩擦係数が小さく傾向があることから、最外層の樹脂組成によっても調節することが可能である。
熱膨張層20の外表面の動摩擦係数が0.60以下である場合には、滑り性や挿入性をさらに良好にできる。例えば、2つの部材の間に熱膨張接着シート1を配置して前記2つの部材同士を接着する場合に、これら部材の隙間に熱膨張接着シート1をスムーズに挿入したり、一方の部材に熱膨張接着シート1を配置した後の隙間に他方の部材をスムーズに挿入したりすることができる。具体的な用途としては、例えば、ステーターコアとコイルを接着してモータを製造する場合を挙げることができる。前述したように、熱膨張層20の外表面の動摩擦係数が0.60以下である熱膨張接着シートであれば、ステーターコアの隙間によりスムーズに挿入することができ、接着シートが挿入されてより狭くなったすき間にコイルをよりスムーズに挿入することができる。
また、本実施形態に係る熱膨張層20は、その膨張硬化過程において、熱膨張剤の熱膨張開始温度から硬化挙動における硬化活性温度までの温度範囲に、熱硬化樹脂の粘度が最低となる最低粘度温度があることが好ましい。このような性質の熱膨張接着シート1とすることによって、熱膨張層を十分に膨張させた後で樹脂を硬化させることができるため、熱膨張接着シート1全体としての膨張率及び接着性を最適なものとすることができるため好ましい。
熱硬化樹脂の粘度が最低となる最低粘度温度は、例えば、粘弾性測定装置により測定した温度と樹脂試料の溶融粘度(複素粘度)との関係から、複素粘度曲線のオフピークを示す温度として求めることができる。
本実施形態に係る熱膨張層20の具体例としては、熱硬化性樹脂と、硬化剤と、熱膨張剤とを含有するものを挙げることができる。
熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂を挙げることができる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ヒンダトイン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン/フェノールエポキシ樹脂、脂環式アミンエポキシ樹脂、脂肪族アミンエポキシ樹脂及びこれらに各種変性を行ったエポキシ樹脂等を単独で使用することもできるし又は複数種類混合して使用するものとしても良い。
熱膨張層20における熱硬化性樹脂の含有量は20wt%以上80wt%以下であることが好ましく、30wt%以上70wt%以下であることがより好ましく、40wt%以上60wt%以下であることが特に好ましい。
硬化剤としては、前述した熱硬化性樹脂を硬化させるものであれば良く、例えば、ジシアンジアミド、脂肪族ポリアミド等のアミド系硬化剤;ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、アンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン、等のアミン系硬化剤;ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、p-キシレンノボラック樹脂等のフェノール系硬化剤;酸無水物系硬化剤などを広く用いることができる。
前述した硬化剤はいずれも問題なく使用することができ、また含有量も特に制限はないが、これらの中でも、硬化剤がアミド系硬化剤を含み、かつ上記熱硬化性樹脂が有するエポキシ基などの官能基(E)と、硬化剤が有する前記官能基(E)と反応可能なカルボキシル基などの官能基(C)との当量比(C/E)が0.6以上0.9以下であるものとすることが特に好ましい。前記当量比を0.6以上とすることにより、熱膨張層20において十分な硬化反応を起こし熱膨張層20の強度を十分に高めることができる。また前記当量比を0.9以下とすることにより、硬化剤が余ってしまうことによる接着力の低下を抑制し、かつ硬化剤と反応していない余剰のエポキシ樹脂を残存させることによって、このエポキシ樹脂と中間層30に含有されている、例えば、カルボキシ基を備える樹脂との間で架橋反応を起こして、中間層30と熱膨張層20との界面における接着性を確保することができるため好ましい。
使用する熱硬化性樹脂と硬化剤との組み合わせによって、各成分の好適な含有量は変化するが、前述したような当量比を実現するためには、熱膨張層中の硬化剤の含有量を、熱膨張層中の熱硬化性樹脂の含有量100質量%に対して1質量%以上40質量%以下とすることが好ましい。例えば、硬化剤としてアミド系硬化剤を主成分として用いる場合、熱膨張層中の硬化剤の含有量は、熱膨張層中に含まれる熱硬化性樹脂100質量%に対して1質量%以上15質量%以下であることが好ましい。一方、硬化剤としてフェノール系硬化剤を主成分として用いる場合、熱膨張層中の硬化剤の含有量は、熱膨張層中の熱硬化性樹脂100質量%に対して、例えば、5質量%以上40質量%以下であることが好ましい。
前記熱膨張剤としては、その熱膨張開始温度が100°C以上150°C以下であることが好ましく、熱膨張開始温度が120℃以上130℃以下であることがより好ましい。具体的には、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素アンモニウム、アジド類などの無機系発泡剤や、トリクロロモノフルオロメタンなどのフッ化アルカン、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系化合物、パラトルエンスルホニルヒドラジドなどのヒドラジン系化合物、p-トルエンスルホニルセミカルバジドなどのセミカルバジド系化合物、5-モルホリル-1,2,3,4-チアトリアゾールなどのトリアゾール系化合物、N,N’-ジニトロソテレフタルアミドなどのN-ニトロソ化合物などの有機系発泡剤などの他に炭化水素系溶剤をマイクロカプセル化させたマイクロカプセル化発泡剤などを好適に用いることができる。中でもマイクロカプセル型発泡剤を用いることがより好ましい。これらは単独で用いても良いし、併用してもよい。
熱膨張層20における熱膨張剤の含有量は3wt%以上19wt%以下であることが好ましく、4wt%以上17wt%以下であることがより好ましく、5wt%以上15wt%以下であることがさらに好ましい。
熱膨張層20における熱膨張剤の含有量を3wt%以上とすれば熱膨張層20を十分に発泡させることができるので接着強度を向上させることができるため好ましい。また、熱膨張層20における熱膨張剤の含有量を19wt%以下であるとすれば熱膨張層20の過剰な発泡に起因する接着強度の低下を抑制でき、又、エポキシ樹脂の含有量を十分に確保することができるため耐熱性を抑えることができるため好ましい。
熱膨張層20は、さらに熱可塑性樹脂を含有するものとしても良い。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、カルボキシル基末端ブタジエンニトリルゴム(CTBN)およびエポキシ変性ブタジエンの少なくとも1種を含むことができる。これらの中でも熱可塑性樹脂として、エラストマー系樹脂を含有することが好ましく、ブチラール樹脂、アクリル系熱可塑性エラストマーおよびウレタン系熱可塑性エラストマーの少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。
また、2種類以上の熱可塑性樹脂を使用する場合には、少なくとも1つの熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tgが、100°C以上120°C以下であることが好ましい。
熱膨張層20に熱可塑性樹脂を含有させる場合の熱膨張層20における熱可塑性樹脂の含有量は3wt%以上30wt%以下であることが好ましく、4wt%以上20wt%以下であることがより好ましく、5wt%以上15wt%以下であることがさらに好ましい。熱可塑性樹脂の含有量を3wt%以上とすることにより熱膨張層20の柔軟性及び靭性を高めて、基材に対する熱膨張層の密着性をさらに向上させることができる。また、熱可塑性樹脂の含有量を30wt%以下とすることによって、熱膨張させた際に、熱膨張接着シート1に含有される熱膨張剤の熱膨張開始温度に到達した際の接着シートの複素溶融粘度を抑えて、熱膨張層20を十分に膨張させることができる。
熱膨張層20は、さらにフィラーを含有するものとしても良い。
前記フィラーとしては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、タルク(珪酸マグネシウム)、酸化チタン、チタン酸カリウム、ベーマイト等の無機フィラーを挙げることができる。
フィラーの形状としては、多角形状、球状、繊維状、鱗状、針状、異形状など様々なものを使用可能である。アスペクト比が比較的高いフィラーを用いた場合には、熱膨張接着シート1の剛性、特に剛軟度を向上させることができるため好ましい。アスペクト比としては、10以上50以下であることが好ましく、20以上40以下であることがより好ましい。アスペクト比が比較的高いフィラーとしては繊維状フィラー、鱗状フィラー、針状フィラー等を挙げることができるが、分散性の良さや熱膨張接着シート1の剛性向上効果の高さから針状フィラーを用いることが特に好ましい。
前述したようなフィラーを熱膨張層20に含有させることによって得られる熱膨張接着シート全体としての剛軟度は、例えば0.1mN以上であり、0.2mN以上であることが好ましい。一方、上記剛軟度は、例えば5.0mN以下であることが好ましく、4.0mN以下であることが好ましい。剛軟度をこのような範囲とすることによって、熱膨張接着シートの形状保持性が良好となることが期待できる。なお、この剛軟度は、熱膨張接着シートから25×25mmのシートを切り出して作製した試験片について、ガーレ式試験機((株)東洋テスター工業製)を使用し、JIS L 1085に準じて試験を行って算出することができる。
熱膨張層20にフィラーを含有させる場合の熱膨張層20におけるフィラーの含有量は、5wt%以上50wt%以下であることが好ましく、7wt%以上35wt%以下であることがより好ましく、10wt%以上25wt%以下であることが特に好ましい。
熱膨張層20におけるフィラーの含有量を5wt%以上とすれば、熱伝導性や熱膨張接着シート1の剛性をより向上することができるため好ましい。また、熱膨張層20におけるフィラーの含有量を50wt%以下とすれば、シート状に成膜する前の溶剤を含んだ接着剤の溶液状態におけるチキソ性の過剰発現を抑制し、熱膨張接着シート1の製造上の制限を小さく抑えることができる。
加熱膨張前の熱膨張層20一層分の厚みは、10μm以上100μm以下であることが好ましく、15μm以上75μm以下であることがより好ましく、20μm以50μm以下であることが特に好ましい。
<<中間層>>
中間層30は、熱膨張層20を基材10に対して接着するためのものであり、前記基材10と前記熱膨張層20との間に形成されるものである。本実施形態において中間層30は、基材10の両面に形成されている。中間層30は、基材の表面を連続的に覆う連続層であっても良いし、複数の島からなる不連続層であっても良い。
中間層30は、熱膨張層20を積層する前にはほとんど架橋構造が形成されていないものであり、熱膨張層20を加熱膨張させるときに熱膨張層20との間で架橋反応を起こすことができるものであることが好ましい。
熱膨張層20との間での架橋反応を十分なものとするためには、中間層30が官能基としてカルボキシル基を含有する樹脂を含有するものであることが好ましい。また、同じ理由から本実施形態に係る中間層30は中間層30に含まれる樹脂を硬化させるための硬化剤を非添加のものとすることが好ましい。
カルボキシル基を含有する樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂は、ポリエステル、ポリエステルを含む共重合体等を挙げることができる。
また、カルボキシル基を含有する樹脂の酸価が5以上であることが好ましい。酸価を5以上とすることによって、熱膨張層20を加熱膨張させるときに、前記カルボキシル基を熱膨張層に含有されているエポキシ樹脂と十分に架橋させることができるので、中間層30と熱膨張層20との間の接着力を十分に高めて熱膨張層20の剥離を十分に抑制することができる。
中間層30は、基材10と熱膨張層20との間に形成されるものであり熱膨張層20と基材10との間に発生する応力を緩和するものであることが好ましいため、柔軟性に優れる材料を含有することが好ましい。
また、中間層30には、前述した樹脂の他にも、耐熱性、熱伝導性、剛性を向上させる目的でフィラーを含有させてもよい。
フィラーとしては、熱膨張層20に含有させるものと同様のものを使用することができる。中間層30と熱膨張層20とに同じ種類のフィラーを用いてもよいし、異なる種類のフィラーを使用してもよい。
中間層30にフィラーを含有させる場合、中間層30におけるフィラーの含有量は10wt%以下とすることが好ましい。中間層30におけるフィラーの含有量を前述した範囲内とすることによって、中間層30に含まれる樹脂と熱膨張層20に含まれる樹脂とが互いに接触する面積を十分に確保できるので、中間層30と熱膨張層20との間の接着力を高く維持することができるため好ましい。
熱膨張接着シート1全体としての膨張率を高くするために、中間層30に熱膨張剤を含有させるものとしてもよい。
熱膨張剤の種類は、熱膨張層20に含有させるものと同様のものを使用することができる。中間層30と熱膨張層20とに同じ種類のものを用いてもよいし、異なる種類のものを使用してもよい。
中間層30に熱膨張剤を含有させる場合の、中間層における熱膨張剤の含有量は、熱膨張層における熱膨張剤の含有量よりも少ないことが好ましく、例えば、25wt%以下であることが好ましい。より好ましくは10wt%以下であり、5wt%以下とすれば基材と中間層との間で熱膨張剤が膨張する可能性を十分に低くして、中間層30と熱膨張層20との間での剥離を十分に抑制することができるので特に好ましい。
中間層30の厚みは、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.3μm以上7μm以下であることがより好ましく0.5μm以上4μm以下であることが特に好ましい。
<熱膨張接着シートの製造方法>
本実施形態に係る熱膨張接着シート1は、例えば、以下のような手順及方法で作製することができる。
前述した構成の中間層30を形成する材料(例えば、ポリエステル樹脂等)を適切な溶媒に溶解又は分散させたワニス状又はスラリー状の中間層組成物を調整する。また、前述した熱膨張層20を形成する材料(例えば、熱硬化性樹脂、硬化剤、熱可塑性樹脂、フィラー、熱膨張剤)を適切な溶媒に溶解又は分散させたワニス状又はスラリー状の熱膨張層組成物を調整する。
次に例えば図2に示すように、前記中間層組成物を、例えば、ロールトゥーロール成膜装置を用いて、乾燥後の厚さが任意の厚さになるように基材10の一方の面上に塗布する。塗布方法としては、例えば、ロールコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ロッドコ-ト、ブレードコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ダイコート、リップコート、ディップコート等を挙げることができる。
前述したような方法で基材の表面に塗布した中間層組成物を、熱膨張層20の膨張開始温度よりも低い温度である50℃以上110℃以下の温度で30秒以上300秒以下の時間乾燥させて中間層30aを形成する。
このように形成された中間層30a上に、ロールトゥーロール成膜装置を用いて引き続き、乾燥後の厚さが任意の厚さになるように熱膨張層組成物を塗布する。中間層30a上に塗布した熱膨張層組成物を50℃以上110℃以下の温度で30秒以上300秒間乾燥させて熱膨張層20aを形成する。
基材の片面に中間層30a及び熱膨張層20aが形成された段階で初めて、成膜装置からロールを取り外して、このロールを基材10の中間層30a及び熱膨張層20aが形成されている面と反対側の面に次の層を形成することができる向きで成膜装置に設置し直す。その後、前述したものと同様の手順を基材のもう一方の面に対して行うことによって2層目の中間層30b及び2層目の熱膨張層20bを基材10上に形成することによって本実施形態にかかる熱膨張接着シート1を製造することができる。
<本実施形態に係る熱膨張接着シートによる効果>
本実施形態に係る熱膨張接着シート1は、200℃(すなわち熱膨張接着シート1を熱膨張させて接着に使用する際と同様の温度)におけるせん断強度試験において、熱膨張接着シート1が破壊されるまでせん断力をかけた場合の破壊界面が熱膨張層20内に存在するものである。このことは、該熱膨張接着シート1が、基材10だけでなく中間層30のせん断強度が熱膨張層20よりも高く、かつ基材10と中間層30や中間層30と熱膨張層20との間の接着力も十分に高く、特に熱膨張接着シート1を加熱膨張させる際だけでなく加熱膨張後の高温環境下における熱膨張層20の基材10からの剥離を十分に抑制することができるものであることを示している。
中間層30を熱膨張層20の加熱膨張前にはほとんど架橋していない状態のものとしているので、熱膨張接着シート1を加熱膨張させる時(接着用途における使用時)に中間層30と熱膨張層20との間で架橋反応を起こすことができる。その結果、熱膨張層20が基材10から剥離しやすい加熱膨張時に熱膨張層20と中間層30との間の接着力を高めることができ、熱膨張層20の剥離を従来よりも抑えることができる。
また、本実施形態に係る中間層30は、極性基としてカルボキシル基を有しているため、熱膨張層20との間だけでなく、基材10との間にも水素結合やファンデルワールス力等の分子間力が働き、中間層30と基材10が強く接着される。そのため、本実施形態に係る熱膨張接着シート1を加熱膨張させた後においては、熱膨張層20と中間層30、及び中間層30と基材10における各層間における接着力が十分に高くなる。一方、本実施形態に係る熱膨張層20は、層内の凝集力が十分に高く設計されているものではあるが、加熱膨張により内部に空気層が形成されることによって各層間での接着力に比べて内部における凝集力が弱くなり、熱膨張層20内部での凝集破壊が起こるものと考えられる。
なお、中間層30と熱膨張層20とが架橋したかどうかについては、例えば、DSC(示差走査熱測定)にて発熱ピークを観測する、又はFT-IR(フーリエ変換赤外分光法)にて架橋前に存在していたカルボキシル基由来のピークの消失又は減少を観測することにより確認することができる。また、中間層30と熱膨張層20とが架橋している場合にはこれら層間の接着力が十分に強くなり、前述したせん断強度試験において中間層30と熱膨張層20との界面で剥離することが難しく、これらを剥離させようとすると熱膨張層20内部で破壊が起こる。そのため、中間層30と熱膨張層20との界面でこれら2層を剥離できるか否かによって架橋の有無を判断することも可能である。
熱膨張層20がエポキシ樹脂を含有するものであり、中間層30が官能基としてカルボキシル基を有する樹脂を含有するものであるので、熱膨張接着シート1を加熱膨張させる際に、熱膨張層20と中間層30とを確実に架橋させることができる。
中間層30が含有する官能基としてカルボキシル基を有する樹脂の酸価が5以上のものとすることによって、熱膨張層20との間に十分な架橋を形成し、中間層30と熱膨張層20との間の接着力をより高めることができる。
基材10と、該基材10の両面にそれぞれ形成された中間層30a・30bと、該中間層30の外側にそれぞれ形成された熱膨張層20a・20bとを備え、かつ前記中間層30a・30bが耐熱性を有する熱膨張接着シート1を製造する場合には、中間層30a・30bを熱硬化性のものとする必要がある。そのため、従来は、中間層30の上に熱膨張層20を積層する前に中間層30を熱硬化により形成することが一般的である。しかしながら、この従来の製造方法では、片面に中間層30aと熱膨張層20aを積層してからもう一方の面に中間層30bを形成しようとすると先に形成した熱膨張層20aが膨張してしまうという問題がある。
そこで、従来、基材10と、該基材10の両面にそれぞれ形成された中間層30a・30bと、該中間層30a・30bの外側にそれぞれ形成された熱膨張層20a・20bとを備える熱膨張接着シート1を製造する方法としては、図3に示すように、まず基材10の両面に中間層30a・30bのみを形成した後に、これら中間層30a・30bの外側にそれぞれ熱膨張層20a・20bを形成するという工程が考えられている。
しかしながら、このような製造方法では、図3に示すように、基材10の両面に中間層30a・30bをそれぞれ形成する工程及びこれら中間層30a・30bの外側にそれぞれ熱膨張層20a・20bを形成する4段階の工程が必要であり、さらにこれら4つの工程の間に毎回一度ロールを装置から外してセットし直す作業が必要になるため、中間層30を備えない熱膨張接着シート1の製造工程に比べて2倍以上の時間や手間がかかることになる。
中間層30a・30bを備えた熱膨張接着シート1を中間層30を備えない熱膨張接着シート1とほとんど同じ時間や手間で製造しようとすると、図4に示すように、基材10の両面から中間層30a・30b及び熱膨張層20a・20bをそれぞれ一度に積層可能な特別な装置が必要である。
これに対して本実施形態に係る熱膨張接着シート1によれば、前述したように、中間層30a・30bを予め架橋させることなく熱膨張層20a・20bを積層した後、熱膨張接着シート1の使用時(すなわち熱膨張層20a・20bを熱膨張させる際の加熱時)に架橋させるようにしているので、特別な設備を準備することなく、中間層30を備えない熱膨張接着シート1の製造方法とほとんど同じ時間や手間で熱膨張接着シート1を製造することができる。
<変形例>
本発明は、前述したものに限られない。
例えば、本発明に係る熱膨張接着シート1は、基材10の両面に中間層30及び熱膨張層20を備えたものでなくても良く、基材10の片面だけに中間層30及び熱膨張層20を備えるものであっても良い。
熱膨張層の最外面に剥離紙をさらに積層するものとしてもよい。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の変形や、実施形態の一部同士の組み合わせを行っても構わない。
以下に本発明について具体的な例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらに限られないことは言うまでもない。
ここでは、実施例及び比較例として何種類かの熱膨張接着シートを製造し、これらの物性を評価した。
<実施例1~3及び比較例1~3に係る熱膨張接着シートの製造>
<<中間層30aの形成>>
以下の表2に記載の成分を含有する中間層組成物を、ベーカー式アプリケーターを使用して、乾燥後の厚さが表2に記載の厚さになるように基材10上に塗布した。
基材10としては、東レ・デュポン社製の製品名カプトン(登録商標)100EN-Sを使用した。
これを80℃で120秒乾燥して溶媒を除去することで、中間層30aを形成した。この実施例、比較例においては、溶媒としてトルエン及びメチルエチルケトン(MEK)を用いている。
<<熱膨張層20aの形成>>
以下の表1に記載の成分を含有する熱膨張層組成物を、ベーカー式アプリケーターを使用して、乾燥後の厚さが任意の厚さになるように先に形成した中間層30aの上に塗布した。
これを110℃で90秒乾燥して溶媒を除去することで、熱膨張層20aを形成した。
表1中の数値の単位は、当量比以外は、全て熱膨張層100質量%に対する質量%である。また、表中の各成分は以下の通りである。
A1:「EPICLON N-690」エポキシ当量225g/eq(DIC社製)
A2:「EPICLON N-890」エポキシ当量210g/eq(DIC社製)
硬化剤:「Dicy7」 アミン当量21g/eq(三菱ケミカル社製)
硬化促進剤:EH-5046S(ADEKA社製)
熱可塑性樹脂:エスレックKS-6Z(積水化学工業社製)
熱膨張剤:マツモトマイクロスフェアーFN-100SSD (松本油脂製薬社製)
フィラー:CT-76(浅田製粉社製)
<<中間層30bの形成>>
中間層30aと同じ中間層組成物を、ベーカー式アプリケーターを使用して、乾燥後の厚さが任意の厚さになるように基材10の中間層30a及び熱膨張層20aを形成した面とは反対の面に塗布した。
これを80℃で120秒乾燥して溶媒を除去することで、中間層30bを形成した。
<<熱膨張層20bの形成>>
熱膨張層20aと同じ熱膨張層組成物を、ベーカー式アプリケーターを使用して、乾燥後の厚さが任意の厚さになるように中間層30bの上に塗布した。
これを110℃で90秒乾燥して溶媒を除去することで、熱膨張層20bを形成した。
<熱膨張性接着シートの評価>
前述したようにして作成した熱膨張接着シートについてそれぞれ以下の評価試験を行った。
<<せん断接着力>>
加熱膨張させる前の熱膨張接着シートから12.5×25mmのシートを切り出し、これを用いて以下の手順で測定した。
110℃のゴムロールを使用して熱膨張接着シートをSPCC板に固定し、厚さ0.4mmのスペーサを熱膨張接着シートの両側に配置し、その上に更に別のSPCC板を重ね、固定治具(クランプ等)を使用してSPCC板間の隙間を固定することにより、サンプルを作製した。
上記サンプルを昇温速度50℃/minで200℃まで昇温し、200℃で7分間加熱して、サンプル中の熱膨張接着シートを発泡(3.2倍発泡)および硬化させた。このとき、2枚のSPCC板間の隙間は0.4mmで固定される。
その後、万能試験機((株)島津製作所製 AGS-10kNX ロードセル容量:10kN)を使用し、試験雰囲気を200℃に設定して試験速度5mm/分の条件で上記サンプルの2枚のSPCC板を、サンプルの面方向に沿って互いに反対方向に引っ張り、サンプルが破断した際の印加圧力をせん断接着力として測定した。
また、試験後の破壊界面について観察を行い、破壊界面を下記A~Cに分類した。結果は表2に示す。
A:熱膨張層の凝集破壊
B:熱膨張層の凝集破壊だが中間層との近傍で破壊
C:中間層の凝集破壊、又は熱膨張層/中間層の界面剥離
<<加熱膨張時の基材剥がれ>>
熱膨張接着シートを50×50mmに切り出し、これを160℃に設定された加熱炉に10分間投入して発泡および硬化させた後、外観を目視で確認し、下記の基準で熱膨張層の浮きを評価した。結果は表2に示す。
×:熱膨張層が基材から浮き、剥がれが発生。
〇:熱膨張層の浮き、剥がれ、共になし。
<<膨張接着層の割れ確認>>
熱膨張接着シートから10×100mmのシートを切り出し、これを180度方向へ折り曲げ、折り曲げ部に2kg分銅で5秒間荷重を与え、荷重を解放した後、熱膨張接着シートの表面状態を目視で観察して、下記の基準で熱膨張層の割れ性を評価した。結果は表2に示す。
×:熱膨張層に割れが発生。
〇:熱膨張層の割れなし。

表2中に略称で示した各成分は以下の通りである。また、各樹脂の含有量は、中間層に含有されている樹脂の総含有量(100質量%)に対する質量%で示している。
C1:バイロン 74SS (東洋紡株式会社)、酸価3300
C2:バイロン GK-810 (東洋紡株式会社)、酸価5
C3:バイロン 200 (東洋紡株式会社)、酸価<2
A3:「エポフレンド AT501」エポキシ当量1050g/eq(ダイセル社製)
<考察>
実施例及び比較例の結果から、200°Cにおけるせん断強度試験において該熱膨張接着シートを破壊可能なせん断力を加えた場合における破壊界面が前記熱膨張層内に存在するものである。実施例1~5と比較例1~3とを比較すれば、前記破壊界面が熱膨張層内に存在している熱膨張シートにおいては、その組成を変化させた場合であっても200℃におけるせん断接着力が0.4MPaを大きく超えており、加熱膨張時の剥離抑制だけでなく200℃という非常に高温の状態での使用時における熱膨張層の剥離についても十分に抑制できるものであることが確認できた。
また、中間層を予め架橋させた後に熱膨張層を形成するものとすると熱膨張接着シート全体としての弾性率が高くなり応力緩和効果が低くなる。一方で、中間層を架橋させずに熱膨張層を積層させる本発明の場合には、中間層の弾性率が低く抑制され、応力緩和効果が高くなる為、例えば、外側に配置された膨張性接着層の弾性率が高く、割れやすい性状であっても、中間層の応力緩和効果により、膨張性接着シートを曲げた際に膨張性接着層が割れる事を抑制することができる。
本発明によれば、熱膨張層を膨張させる際の加熱時における基材と熱膨張層との間の剥離を十分に抑制できる熱膨張接着シートを提供することができる。
1 熱膨張接着シート
10 基材
20、20a、20b 熱膨張層
30、30a、30b 中間層


Claims (7)

  1. 基材と、
    該基材に積層された中間層と、
    該中間層の基材と反対側の面に積層された熱膨張層とを備える熱膨張接着シートであって、
    200°Cにおけるせん断強度試験において熱膨張接着シートを破壊可能なせん断力を加えた場合における破壊界面が前記熱膨張層内に存在するものであり、
    前記中間層には、該中間層に含まれる樹脂を硬化させるための硬化剤が非添加であり、
    前記中間層がカルボキシ基を有する樹脂を含有し、前記カルボキシ基を有する樹脂の酸価が5以上であり、前記熱膨張層が、エポキシ基を含有する樹脂と、熱膨張剤とを含有するものであることを特徴とする熱膨張接着シート。
  2. 前記中間層の厚みが0.5μm以上4μm以下である、請求項1に記載の熱膨張接着シート。
  3. 前記熱膨張層が、該熱膨張層に含有されているエポキシ基を含有する樹脂を硬化させる硬化剤を含有し、該硬化剤がアミン系硬化剤又はアミド系硬化剤であり、前記硬化剤の前記エポキシ基を含有する樹脂に対する当量比(硬化剤の当量/エポキシ当量)が0.9以下である、請求項1に記載の熱膨張接着シート。
  4. 前記熱膨張層の外表面における動摩擦係数が0.6以下である、請求項1に記載の熱膨張接着シート。
  5. 前記熱膨張層に含有されている熱膨張剤の熱膨張開始温度が100°C以上150°C以下である、請求項1に記載の熱膨張接着シート。
  6. 基材と、該基材に積層された中間層と、該中間層の基材と反対側の面に積層された熱膨張層とを備える熱膨張接着シートであって、200°Cにおけるせん断強度試験において熱膨張接着シートを破壊可能なせん断力を加えた場合における破壊界面が前記熱膨張層内に存在するものであり、前記中間層には、該中間層に含まれる樹脂を硬化させるための硬化剤が非添加であり、前記中間層がカルボキシ基を有する樹脂を含有し、前記カルボキシ基を有する樹脂の酸価が5以上であり、前記熱膨張層が、エポキシ基を含有する樹脂と、熱膨張剤とを含有するものである熱膨張接着シートを製造する方法であって、
    前記中間層を架橋させるための加熱工程を行う前に、前記中間層上に前記熱膨張層を積層することを特徴とする熱膨張接着シート製造方法。
  7. 第1の被着体と、第2の被着体と、熱膨張接着シートとを含む物品の製造方法であって、
    前記第1の被着体と前記第2の被着体との間に、請求項1~のいずれか一項に記載の熱膨張接着シートを配置し、前記熱膨張接着シートを加熱膨張させて、前記第1の被着体と前記第2の被着体との間に形成された隙間を充填することにより、前記第1の被着体と前記第2の被着体とを接着させる、製造方法。
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