JP7650641B2 - 固体製剤 - Google Patents
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Description
[1]少なくとも一層以上の外層部と、発泡性組成物からなる内層部を備えることを特徴とする、固体製剤。
これにより、内層部の速崩性が向上した固体製剤を提供することができる。
[2]前記内層部には有効成分を含み、前記固体製剤を精製水に浸漬した時に前記有効成分の20質量%が溶出するまでの溶出時間は1時間以上であることを特徴とする、[1]に記載の固体製剤。
これにより、所定の時間の後に有効成分を速やかに放出できる固体製剤を提供することができる。
[3]前記有効成分の20質量%が溶出するまでの溶出時間と、前記有効成分の80質量%が溶出するまでの溶出時間との差が、3時間以下であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の固体製剤。
これにより、内層部の有効成分を急速に放出できる固体製剤を提供することができる。
[4]前記発泡性組成物は、発泡成分、及び発泡助剤を含有することを特徴とする、[1]~[3]のいずれかに記載の固体製剤。
これにより、発泡性組成物の発泡力及び保存安定性を向上することができる。
[5]前記外層部は、デキストリン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、及び油脂から選択される1種以上を含有することを特徴とする[1]~[4]のいずれかに記載の固体製剤。
これにより、外層部の溶解時間を制御することにより内層部の成分の溶出時間をより正確に制御することができる。
[6]前記有効成分は、カフェインであることを特徴とする、[1]~[5]のいずれかに記載の固体製剤。
これにより、所定時間経過後に、カフェインを内層部からの急速に放出する固体製剤を提供することができる。
なお、実施形態に記載する固体製剤については、本発明を説明するために例示したに過ぎず、これに制限されるものではない。
[固体製剤の内層部]
本発明の固体製剤は、発泡性組成物からなる内層部を備える。外層部の溶解により内層部と水が接触すると、内層部の発泡性組成物が生体内の水の存在下で発泡して内層部が急速に崩壊する。これにより、内層部の有効成分が速やかに溶出する。
なお、発泡性組成物には、水分を実質的に含まない。なお、「実質的に含まない」とは、例えば、5体積%未満である。
発泡性組成物に含有される発泡成分は、水の存在下で発泡助剤と反応して炭酸ガスを発生するものであり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。発泡成分としては、例えば、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。
発泡成分の具体例としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。好ましい発泡成分としては、汎用性の観点から、炭酸水素ナトリウムである。また、これらの発泡成分は、単独で配合してもよいし、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
発泡成分の含有量を上記範囲とすることで、発泡性組成物の発泡性を向上することができる。
発泡性組成物に含有される発泡助剤は、発泡成分と反応して炭酸ガスを発生するものであり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。発泡助剤としては、例えば、炭素数2~6の有機酸などが挙げられる。
発泡助剤の具体例としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、コハク酸、フマル酸、シュウ酸、アスコルビン酸などが挙げられる。好ましい発泡助剤としては、汎用性の観点から、クエン酸である。また、これらの発泡助剤は、単独で配合してもよいし、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
また、発泡性組成物中の発泡成分の含有量に対する発泡助剤の含有量の比は、特に制限されるものではない。発泡成分の含有量に対する発泡助剤の含有量の比としては、例えば、0.1以上2.0以下である。下限値としては、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上、特に好ましくは0.5以上である。一方、上限値としては、より好ましくは1.7以下、更に好ましくは1.6以下、特に好ましくは1.5以下である。
発泡助剤の含有量を上記範囲とすることで、発泡性組成物の発泡性を向上することができる。
本発明の発泡性組成物は、発泡成分、発泡助剤に加えて、クエン酸カルシウムを含有することが好ましい。クエン酸カルシウムは、発泡成分と発泡助剤の反応を阻害するためのものである。発泡成分と発泡助剤の反応をクエン酸カルシウムが阻害することにより、保存安定性が改善した発泡性組成物を効率よく製造することができる。クエン酸カルシウムは、発泡成分と発泡助剤の反応をより阻害するために、発泡助剤をコーティングしていることが好ましい。
また、発泡助剤の含有量に対するクエン酸カルシウムの含有量の比は、特に制限されるものではない。発泡助剤の含有量に対するクエン酸カルシウムの含有量の比としては、例えば、0.01以上0.11以下である。下限値としては、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.03以上、特に好ましくは0.04以上である。一方、上限値としては、より好ましくは0.09以下、更に好ましくは0.07以下、特に好ましくは0.06以下である。
クエン酸カルシウムの含有量を上記範囲とすることで、発泡性組成物の発泡力(発泡量の増大)及び保存安定性を向上することができる。
発泡性組成物は、結合剤により造粒して、発泡性顆粒としてもよい。結合剤は、組成物の結合力を高めるものであり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。結合剤としては、例えば、セルロース類、合成樹脂、糖類、ポリエーテル、ワックス類などが挙げられる。
結合剤の具体例としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、クロスカルメロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、グルコース、白糖、乳糖、麦芽糖、デキストリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、パラフィン、アラビアゴム、ゼラチン、寒天、デンプン、プルラン、シェラック、ツェインなどが挙げられる。好ましい結合剤としては、発泡性組成物の発泡力及び保存安定性を向上や、成形性の観点から、ヒドロキシプロピルセルロース、シェラック、ツェインである。また、これらの結合剤は、単独で配合してもよいし、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
発泡性顆粒とすることにより、発泡性組成物の発泡力(発泡量の増大)及び保存安定性を一層向上することができる。また、錠剤化における加工適性も向上する。
発泡成分と発泡助剤の反応を阻害するための他の手段としては、例えば、発泡成分及び発泡助剤のいずれか一方または両方を、被膜材によりコーティングする手段が挙げられる。このようなコーティングの被膜材としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プルラン、ゼラチン、シェラック、ツェイン、硬化油脂などが挙げられる。
発泡成分及び発泡助剤のいずれか一方または両方を被膜材でコーティングすることにより発泡性組成物の保存安定性を向上させることができる。
発泡成分、発泡助剤の粒径を10μm以上とすることにより、表面積が小さくなるため、被膜材によるコーティング性能を向上することができる。また、粒径を1mm以下とすることにより、錠剤化などの加工適性に優れる。
有効成分は、効能、効果を発揮するものであり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、医薬品、医薬部外品、OTC医薬品、漢方薬、生薬、化粧品、化粧料、健康食品、サプリメント、動物用薬品、飼料などに用いられる医薬成分、機能性成分などが挙げられる。
医薬成分、機能性成分の具体例としては、例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、葉酸、ビオチン、ナイアシン、パントテン酸、鉄、銅、亜鉛、マンガン、セレン、クロム、モリブデン、ポリグルタミン酸、藤茶ポリフェノール、カフェイン、脂質調整剤、抗糖尿病剤、食欲抑制剤、降圧剤、血管拡張剤、βアドレナリン受容体遮断薬、強心イオンチャンネル剤、不整脈治療剤、抗凝血剤、中枢神経機能改善剤、交感神経刺激剤、副交感神経刺激剤、抗ムスカリン様作動剤、ドーパミン作動剤、精神安定剤、抗鬱剤、抗癲癇剤、抗不安剤、催眠剤、覚醒剤、動物由来物質、植物由来物質、ラピジン、ノビレチン、スルフォラファン、アンペロプシン、クルクミン類、レスベラトロール類、ゲラニオール、オサジン、イソリキリチゲニン、ヒドロキシチロソール、25-ヒドロキシコレカルシフェロール、S-アデノシルメチオニン、アントシアニン、アスコルビン酸2-グルコシド、プロテオグリカン、N-アセチルグルコサミン、コラーゲン、ビルベリーエキス、ニンジン末、ゴカヒ、カンゾウ、シャクヤク、ケイヒ、ウイキョウ、シュクシャ、ビフィズス菌、乳酸菌、酵母、ポリデキストロースなどの食物繊維などが挙げられる。また、これらの医薬成分、機能性成分は、単独で配合してもよいし、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
本発明の発泡性組成物は、上記した発泡成分、発泡助剤、結合剤、有効成分以外に、必要に応じて医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に用いられる添加剤を含有してもよい。添加剤の具体例としては、例えば、賦形剤、甘味剤、酸味剤、香料、着色剤などが挙げられる。
本発明の固体製剤は少なくとも一層以上の外層部を備える。外層部としては、生体外、生体内部の水から内層部を保護することができ、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。例えば、有核錠の外層のように粉体組成物を打錠することにより得られたもの、フィルムコーティングや糖衣のようなコーティング、ハードカプセルやソフトカプセルなどのカプセル等が挙げられる。外層部は、腸溶性、徐放性などの特性を備えたものが好ましい。本発明の固体製剤はこれらの外層部を1種又は2種以上備えてもよい。また、外層部は少なくとも一層以上であればよく、二層以上備えてもよい。
油性成分は、外層部に添加する量を調節することにより外層部の溶解時間を制御することができる。油性成分としては、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。天然ワックス類、高級脂肪酸類、パラフィン類、油脂、高級アルコール類が挙げられる。この中でも、好ましくは油脂であり、より好ましくは硬化油であり、特に好ましくは硬化菜種油である。
結合剤の具体例としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、クロスカルメロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、グルコース、白糖、乳糖、麦芽糖、デキストリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、アラビアゴム、ゼラチン、寒天、デンプン、プルラン、シェラック、ツェインなどが挙げられる。徐放性及び成形性を向上するという観点から、好ましくはヒドロキシプロピルセルロースである。また、これらの結合剤は、単独で配合してもよいし、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
本発明の固体製剤として、発泡性組成物からなる内層部と、外層部を有する有核錠を製造して、その溶出時間と溶出率の変化について観察した。
有核錠の内層部として表1の組成の内核錠を製造した。
内層部1の製造は、炭酸水素ナトリウム(発泡剤)及びクエン酸カルシウムでコーティングしたクエン酸(発泡助剤)をヒドロキシプロピルセルロースで造粒した発泡性顆粒、微粒二酸化ケイ素(サイロページ720、富士シリシア化学社製)、ステアリン酸カルシウム、ビタミンB2(有効成分)を混合し、打錠用粉末とした。また、比較例1の製造は、内層部1の発泡性顆粒を結晶セルロース(セオラスFD-101、旭化成社製)と置き換えたものを使用した。
有核錠の外層部として表2の組成の粉体組成物を製造した。
外層部の製造は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズNE-4000、信越化学工業社製)、デキストリン(パインデックス#2、松谷化学工業社製)、結晶セルロース(セオラスFD-101、旭化成社製)、硬化菜種油(ラブリワックス102H、フロイント産業社製)、微粒二酸化ケイ素(サイロページ720、富士シリシア化学社製)、ステアリン酸カルシウムを混合し、粉体組成物とした。
内層部粉末を、1000kgfで打錠し、平杵直径5mm、粒重量75mgの内核錠を得た。
外層部となる粉体組成物と内核錠を打錠し、直径9mm、最終粒重量300mgの有核錠を得た。
製造した有核錠について、日本薬局方一般試験法溶出試験法のパドル法によるビタミンB2の溶出試験を行った。試験液(精製水)の液量は900mLとし、パドル回転数50rpmにて、試験開始0分後、1時間後及び4時間後~9時間後までの所定時間経過後の溶出率(%)を紫外可視吸光度測定法により測定した。この試験は、それぞれ3回実施した。得られた結果を図1に示す。
表3に示す内層部を用いて、実験1と同様に、内核錠を製造した。なお、部分アルファー化澱粉は(PCS-FC-30、旭化成社製)を使用した。
内核錠について、錠剤硬度計(ニュースピードチェッカーTS-75N、岡田精工社製)を用いて、硬度を測定した。
実験2で製造した内核錠について、日本薬局方一般試験法崩壊試験法により内核錠の崩壊性を評価した。試験液は精製水を用いた。外層部が溶解し、内核錠の溶け始めから崩壊するまでの時間を測定した。結果は、表3の「崩壊時間」に示す。
また、内核錠の硬度は、10.0kgf以下で優れた崩壊性が認められた。
表4に示す外層部を用いて、実験1と同様に、有核錠を製造した(内核錠は内層部1)。
実験3で製造した有核錠について、日本薬局方一般試験法崩壊試験法により有核錠の崩壊性を評価した。試験液は精製水を用いた。外層部が溶解し、内核錠の溶け始めるまでの時間を測定した。結果は、表4の「内核錠の溶け始めの時間(分)」に示す。
Claims (5)
- 少なくとも一層以上の外層部と、発泡性組成物からなる内層部を備える有核錠であって、
前記外層部は、デキストリン、及び、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又は結晶セルロースを含有し、
前記内層部には有効成分を含み、前記有核錠を精製水に浸漬した時に前記有効成分の20質量%が溶出するまでの溶出時間は1時間以上であることを特徴とする、固体製剤。 - 前記外層部は、硬化油を含有することを特徴とする、請求項1に記載の固体製剤。
- 前記有効成分の20質量%が溶出するまでの溶出時間と、前記有効成分の80質量%が溶出するまでの溶出時間との差が、3時間以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の固体製剤。
- 前記発泡性組成物は、発泡成分、及び発泡助剤を含有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の固体製剤。
- 前記有効成分は、カフェインであることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の固体製剤。
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