JP7608865B2 - 電磁波吸収体を備えたシステム、及び電磁波吸収体を用いた電磁波の吸収方法 - Google Patents

電磁波吸収体を備えたシステム、及び電磁波吸収体を用いた電磁波の吸収方法 Download PDF

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Description

本発明は、電磁波吸収体を備えたシステム、及び電磁波吸収体を用いた電磁波の吸収方法に関する。
メタマテリアルは、そのサイズが対象とする電磁波の波長に比べて小さい人工物質であり、自然界の物質には無い特性を示すことから、近年、注目を浴びている。特に、左手系メタマテリアルと呼ばれる物質は、特定の周波数領域で負の屈折率を示す。そのため、完全レンズや透明マントといった新規な光学用途での応用を目指して、研究開発が盛んにおこなわれている。
1999年に英国の物理学者J.B.Pendryは、電磁波の波長に比べて小さい周期構造を有するナノメタル構造体を提案し、この構造体の屈折率が負になることを理論的に示した(非特許文献1)。このナノメタル構造体は、微小なスプリットリング共振器(SRR)とメタルワイヤからなるナノユニットを3次元的に配列した構造を備えている。ナノユニットのサイズを小さくすることで、ナノメタル構造体は電磁波に対して均質な媒質として働き、SRRとメタルワイヤの機能に依存する電磁波応答を示す。SRRは電磁波に対してLC共振器として働き、共振周波数の上側で負の透磁率を示す。また導電性メタルワイヤは負の誘電率を示す。SRRとメタルワイヤを組み合わせることで、実効誘電率と実効透磁率の両方が負になり、その結果、誘電率の平方根と透磁率の平方根との積で表される屈折率が負になる。さらにPendryは、負の屈折率を示す左手系メタマテリアルを用いることで、光の回折限界を超えて、いくらでも細かな構造を観察できる完全レンズが実現できることを理論的に示した(非特許文献2)。
Pendryの発表を受けて、米国の物理学者D.R.Smithらは、SRRとメタルワイヤからなるナノメタル構造体を実際に作製し、この構造物の誘電率と透磁率とがマイクロ波領域で負になることを実証した(非特許文献3)。これらの発表を受けて、メタマテリアルは一気に注目を浴びるようになった。
一方で、ナノメタル構造体の代わりに誘電体を用いた誘電体メタマテリアルが提案されている。ナノメタル構造物は、導体損が大きく、また製造のために精密微細な加工技術が必要との欠点がある。これに対して、誘電体メタマテリアルは、非共振時の損失が小さく、製造が容易という利点がある。
例えば、R.Yahiaouiらは、高誘電率TiOセラミックディスクからなる誘電体共振器を2次元的に周期配列した構造を提案している(非特許文献4)。誘電体共振器のサイズを電磁波の波長程度に小さくすると、Mie共鳴が起こる。そのためTE共振とTM共振のいずれの共振モードを利用することが可能になる。誘電体共振器は、TE共振モードにおいて共振周波数の上側で負の実効透磁率を示す。またTM共振モードにおいて共振周波数の上側で負の実効誘電率を示す。この点、TE共振モードが、ナノメタル構造のSRRに相当し、TM共振モードがメタルワイヤに相当すると言うことができる。
J.B.Pendry et al., Magnetism from Conductors, and Enhanced Non-linear Phenomena, IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques, November 1999, volume 47, Issue 11, page 2075-2084 J.B.Pendry, Negative Refraction Makes a Perfect Lens, PYSICAL REVIEW LETTERS, 30 October, 2000, Volume 85, Number 18, page 3966-3969 R.A.Shelby et al, Experimental Verification of a Negative Index of Refraction, Science, 6 April, 2001, Volume 292, Issue 5514, page 77-79 R.Yahiaoui et al., Towards left-handed metamaterials using single-size dielectric resonators: The case of TiO2-disks at millimeter wavelengths, APPLIED PHYSICS LETTERS, Volume 101, 042909 (2012)
このように、誘電体メタマテリアルなどのメタマテリアルに関する開発が盛んに行われるものの、その殆どが、負の屈折率を示す物質、即ち左手系メタマテリアルを対象とし、また完全レンズや透明マントといった光学用途での応用を目指している。ナノメタル構造体を、マイクロ波領域におけるアンテナや伝送線路に適用する技術が僅かに知られるものの、誘電体メタマテリアルを光学部品以外の電子デバイスに適用することを目指した技術は知られていない。
一方で、近年の電子情報通信技術の急速な発展に伴い、電磁波の利用が急速に増えるとともに、使用される電磁波の高周波化及び広帯域化が進んでいる。また電磁波の利用拡大及び高周波化が進むにつれて、電磁ノイズによる電子機器の誤作動や身体への悪影響といった電磁干渉の問題がクローズアップされ、EMC対策への要望が高まっている。
EMC対策の一手段として、電磁波吸収体(電波吸収体)を用いて不要な電磁波を吸収し、その侵入を防ぐ手法が提案されている。電磁波吸収体は、入射した電磁波のエネルギー(電磁波エネルギー)を吸収体が吸収し、これを熱エネルギーに変換して放射する現象(吸収減衰)を利用する。吸収減衰を効果的に利用するためには、優れた吸収特性を示す吸収体(吸収材料)を用いることが重要である。具体的には、吸収体の伝送減衰量(率)が吸収帯域において高いことが望まれる。
電磁波吸収には、吸収体を構成する材料の磁気損失、誘電損失、または抵抗損失が利用され、これらの損失を利用する吸収体をそれぞれ磁性電磁波吸収体、誘電性電磁波吸収体、及び抵抗性電磁波吸収体とよぶ。このうち、軟磁性金属粉末やフェライト粉末などの強磁性材料を用いた磁性電磁波吸収体は、優れた吸収特性を示すことから広く利用されている。
磁性電磁波吸収体は、強磁性体の磁気共鳴に基づき発現する損失を利用している。すなわち強磁性体は、主として磁性元素(Fe、Ni、Co等)に束縛される電子(3d電子)のスピン角運動量に基づく磁気モーメントを有している。また相互作用により各磁気モーメントの向く方向に束縛が生じ、その結果、自発磁化が生じている。磁性体に電磁波を照射すると、低周波領域では磁壁移動により、高周波領域では磁化回転により、磁化の向きが変動する。周波数が高くなると、特定の周波数で磁化変動が電磁波と干渉し合う結果、磁化が共鳴する現象、すなわち磁気共鳴が生じる。磁気共鳴が生じる周波数では、透磁率の虚部(μ’’)がピークをもち、損失が極大となる。磁気共鳴に基づく損失を磁気損失とよぶ。
しかしながら、従来から提案される磁性電磁波吸収体には改良の余地があった。すなわち磁性電磁波吸収体は、強磁性材料の磁気損失を利用して電磁波を吸収している。一方で、磁性に関してスネーク(Snoek)の限界と呼ばれる理論が知られており、この理論によれば、磁性体の透磁率の上限と共鳴周波数との間に関係がある。そのため、高周波領域で高い透磁率を維持するのは困難であり、それ故、優れた電磁波吸収特性を高周波領域で得る上で限界があった。
本発明者は、このような実情に鑑みて鋭意検討を行った。その結果、磁性元素を含まない誘電体であっても、その特性及び形状を制御すれば、Mie共鳴モードが発現して磁気共鳴が起こること、この磁気共鳴を利用すれば、誘電体の厚み制御によって電磁波を吸収体内部に侵入させることができ、その結果、電磁波の吸収が起こることを見出した。
本発明は、このような知見に基づき完成されたものであり、誘電体のMie共鳴に基づく磁気損失を利用した電磁波吸収体を備えたシステム、及びこの電磁波吸収体を用いた電磁波吸収方法の提供を課題とする。
本発明は、下記(A)~(F)の態様を包含する。なお本明細書において「~」なる表現は、その両端の数値を含む。すなわち「X~Y」は「X以上Y以下」と同義である。
(A)電磁波放射源と電磁波吸収体とを備えたシステムであって、
前記電磁波吸収体は円板状誘電体を備え、
前記円板状誘電体は、100MHzにおける比誘電率実部ε’が30以上、且つ厚さT(単位:μm)に対する直径D(単位:μm)の比(D/T比)が3以上であり、
前記電磁波放射源が放射する電磁波の周波数f(単位:Hz)と、前記円板状誘電体の100MHzにおける比誘電率実部ε’及び厚さT(単位:μm)と、が、下記(1)及び(2)式(ただし、cは光速(3.0×1014μm/秒))を満足する、システム。
Figure 0007608865000001
Figure 0007608865000002
(B)前記電磁波放射源が、伝送線路、高周波回路、電子素子、電子部品、電子機器、レーダー、及び/又はケーブルである、上記(A)のシステム。
(C)前記周波数fにおける前記電磁波吸収体の反射減衰量の絶対値が10dB以上である、上記(A)又は(B)のシステム。
(D)電磁波吸収体を用いた電磁波の吸収方法であって、
前記電磁波吸収体は円板状誘電体を備え、
前記円板状誘電体は、100MHzにおける比誘電率実部ε’が30以上、且つ厚さT(単位:μm)に対する直径D(単位:μm)の比(D/T比)が3以上であり、
前記電磁波の周波数f(単位:Hz)と、前記円板状誘電体の100MHzにおける比誘電率実部ε’及び厚さT(単位:μm)と、が、下記(1)及び(2)式(ただし、cは光速(3.0×1014μm/秒))を満足する、方法。
Figure 0007608865000003
Figure 0007608865000004
(E)前記電磁波が、伝送線路、高周波回路、電子素子、電子部品、電子機器、レーダー、及び/又はケーブルからの漏洩電磁波である、上記(D)の方法。
(F)前記周波数fにおける前記電磁波吸収体の反射減衰量の絶対値が10dB以上である、上記(D)又は(E)の方法。
本発明によれば、誘電体のMie共鳴に基づく磁気損失を利用した電磁波吸収体を備えたシステム、及びこの電磁波吸収体を用いた電磁波の吸収方法が提供される。
例1で得られた電磁波吸収体の複素比誘電率の周波数分散を示す。 例1で得られた電磁波吸収体の複素比透磁率の周波数分散を示す。 例2で得られた電磁波吸収体の複素比透磁率の周波数分散を示す。 例3で得られた電磁波吸収体の複素比透磁率の周波数分散を示す。 例4で得られた電磁波吸収体の複素比透磁率の周波数分散を示す。 例1で得られた電磁波吸収体の電磁波吸収特性を示す。 例2で得られた電磁波吸収体の電磁波吸収特性を示す。 例3で得られた電磁波吸収体の電磁波吸収特性を示す。 例4で得られた電磁波吸収体の電磁波吸収特性を示す。
1.電磁波吸収体を備えたシステム
本実施形態のシステムは電磁波放射源と電磁波吸収体とを備える。この電磁波吸収体は円板状誘電体を備える。また、この円板状誘電体は、100MHzにおける比誘電率実部ε’が30以上、且つ厚さT(単位:μm)に対する直径D(単位:μm)の比(D/T比)が3以上である。さらに電磁波放射源が放射する電磁波の周波数f(単位:Hz)と、円板状誘電体の100MHzにおける比誘電率実部ε’及び厚さT(単位:μm)と、が、下記(1)及び(2)式(ただし、cは光速(3.0×1014μm/秒))を満足する。
Figure 0007608865000005
Figure 0007608865000006
<電磁波放射源>
本実施形態のシステムは電磁波放射源を備える。ここで電磁波放射源とは、伝送線路、高周波回路、電子素子、電子部品、電子機器、レーダー、及び/又はケーブルなどの漏洩(不要)電磁波放射源となるものである。高周波回路を含む電子素子、電子部品、または電子機器は、動作中の回路からたえず漏洩電磁波が周囲に放射される。また高周波信号を伝送する伝送線やケーブルは、信号の伝送に伴い漏洩電磁波が周囲に放射される。車載用レーダーなどのレーダーの送信機、アンテナ及び受信機は、動作に伴い多量の電磁波を放射する。電磁波吸収体を設けることで、このような漏洩電磁波が吸収され、その結果、他の伝送線路、高周波回路、電子素子、電子部品、電子機器、ケーブル、レーダー、あるいは人体などの周囲環境への電磁波障害を防ぐことができる。なお電磁波吸収体の詳細については後述する。
本実施形態のシステムは、単数の漏洩(不要)電磁波放射源を備えてもよく、あるいは複数の放射源を含んでもよい。また電磁波吸収体は、漏洩電磁波を吸収して電磁波障害を防ぐことができる限り、その設置態様は限定されない。例えば、一個の漏洩電磁波放射源と、その内部あるいは外面に設けられた電磁波吸収体と、からシステムを構成してもよい。電磁波吸収体を内部に設ける場合には、電子回路の一区画に電磁波吸収体を設けて、他の回路への漏洩を防ぐ態様が考えられる。また電子部品の内部に電磁波吸収体を組み込み、この電子部品内に含まれる素子間の電磁干渉を防ぐ態様としてもよい。電子部品のパッケージに電磁波吸収体を組み込み、他の部品との電磁干渉を防ぐ態様としてもよい。電子機器の筐体に電磁波吸収体を設けて、他の機器または人体への電磁波障害を防ぐ態様としてもよい。ケーブルの外部被膜に電磁波吸収体を組み込み、電磁波漏洩を防ぐ態様としてもよい。電磁波放射源と、この放射源からの漏洩電磁波を防ぐように電磁波吸収体が設けられる限り、本実施形態のシステムはいずれの態様をとることが可能である。
<電磁波吸収体>
本実施形態のシステムは電磁波吸収体を備える。この電磁波吸収体は、下記第1の態様及び第2の態様のいずれを満足するものであってよい。このうち第2の態様は第1の態様の一実施形態であり、第1の態様に包含される。各態様における電磁波吸収体を以下に説明する。
-第1の態様-
第1の態様における電磁波吸収体は円板状誘電体(以下、「誘電体」と称する場合がある)を備える。この誘電体は、誘電体メタマテリアルとして働き、Mie共鳴として知られる共鳴モードを示す。そのため、磁気共鳴に基づく磁気損失を所定の周波数領域で示し、この周波数領域で電磁波吸収特性を示す。
まずMie共鳴についての一般論を説明する。誘電体のサイズが入射電磁波の波長と同程度、またはそれよりも小さいとき、ある周波数(第1Mie共鳴周波数)で誘電体内部に電場と磁場の定常状態が生まれ、これにより共鳴現象が発現する。この共鳴現象をMie共鳴と呼ぶ。より詳細に説明するに、電磁波放射源が遠方界にある場合、電磁波は平面波として誘電体に入射する。この際、誘電体と空気との界面で電磁波電界成分の接線成分と垂直成分の両方が境界条件を満足するように電磁波が入射する。その結果、誘電体内ではそれまでの伝搬媒体と異なる電磁界分布が生じる。この中でも磁気的なMie共鳴に対応するモードでは、誘電体内部に渦をまくような電界および変位電流の分布が生じる。
誘電体内で渦状の変位電流(電界)が生じる結果、誘電体内部には変位電流(電界)と垂直に振動磁界が発生する。この点、誘電体内の渦状の変位電流(電界)分布を磁気双極子と見なすことができる。この振動する磁気双極子は、入射電磁波の磁界成分と相互に作用して、特定の周波数(第1Mie共鳴周波数)で磁気的な共鳴(磁気共鳴)を引き起こす。要するに、入射電磁波の電界成分が誘電体内に磁気双極子を生じさせ、この磁気双極子と電磁波磁界成分が作用し合うことで磁気共鳴が起こる。
同様にして、電気共鳴も起きる。すなわち、入射電磁波の磁界成分が誘電体内に電気双極子を生じさせ、この電気双極子と電磁波電界成分とが特定の周波数(第2Mie共鳴周波数)で電気的に共鳴(電気共鳴)する。
本発明者が調べたところ、Mie共鳴に基づく磁気共鳴により磁気損失が生じ、その大きさは電磁波を十分に吸収する程度に大きいことが分かった。すなわち、本発明者は、電磁波中の物質の散乱モデル(Lewinモデル)に基づき、誘電体の実効誘電率(εeff)及び実効透磁率(μeff)を算出し、さらに合計則に基づき、磁気損失(Q)の大きさを見積もった。
ここで、Lewinモデルは、多数の球状粒子(粒径a、誘電率ε、透磁率ε)がマトリックス(誘電率ε、透磁率μ)中に周期間隔pを保ちながら分散している複合体について、電磁波応答を理論的に考察したモデルである。複合体の実効誘電率(εeff)と実効透磁率(μeff)は下記(3)~(5)式にしたがって求められる。また、磁気損失(Q)は下記(6)式に示す合計則にしたがって求められる。なお下記(3)~(6)式において、vはマトリックス中球状粒子の体積割合、fは周波数、ωは角周波数、cは光速である。またμ’’は実効透磁率μeffの虚部である。
Figure 0007608865000007
Figure 0007608865000008
Figure 0007608865000009
Figure 0007608865000010
上記(3)~(6)式を用いて、シミュレーションにより磁気損失(Q)を求めたところ、球状粒子及びマトリックスが磁性成分(磁性元素)をもたない場合、即ちμ=μ=1の場合であっても、磁気損失(Q)が生じることが分かった。また、この磁気損失(Q)は、球状粒子とマトリックスの誘電率(ε、ε)に大きく依存することが分かった。さらに電磁波の周波数(f)が大きくなるにつれ、磁気損失(Q)は急増することが分かった。
このように、誘電率の高い誘電体を用いることで、Mie共鳴に基づく大きな磁気損失が高周波領域で生じることが分かった。またこの磁気損失を電磁波吸収の用途に適用できることが期待された。
次に本実施形態の誘電体について説明する。誘電体は、高誘電率材料から構成される限り、その材質は限定されない。例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸カルシウム(CaTiO)、チタン酸ビスマスアルカリ(Bi0.50.5TiO、Bi0.5Na0.5TiO等)、ニオブ酸アルカリ(NaNbO、KNbO等)、鉛系材料(PZT、PMN-PT等)、ビスマス層状化合物(SBT等)などの高誘電率材料を挙げることができる。誘電体は、これらの材料を1種のみ含んでもよく、あるいは複数種の材料を含んでもよい。複数種の材料を含む場合には、混晶の形態で含んでもよく、あるいは固溶体の形態で含んでもよい。誘電体は、チタン酸バリウム(BaTiO)及びチタン酸ビスマスカリウム(Bi0.50.5TiO)の少なくとも一方を含んでもよい。
また誘電体は、多結晶でよく、あるいは単結晶であってもよい。さらに誘電体は、誘電材料の乾燥体、成形体又は焼結体であってもよい。ここで乾燥体は、誘電材料を乾燥させて有機溶剤などの液体成分を乾燥させたものであり、また成形体は、誘電材料を成形したものである。さらに焼結体は、成形体を焼結したものである。なお乾燥体において一部の溶剤が残存する懸念がある。したがって、溶剤は残存しにくい沸点の低いものが好ましい。また仮に残存したとしても問題が生じにくい誘電率の高いものが好ましい。ただしペースト中での粉の分散も重要であるため、分散性とのバランスを考えて溶剤を選択すればよい。分散剤についても同様である。
誘電体は、公知の手法で作製すればよい。例えば、セラミック焼結体である誘電体は、誘電体原料を成形及び焼成して作製すればよい。誘電体原料は、固相反応法、錯体重合法、共沈法、水熱合成法、ゾルゲル法、及び気相法などの公知の手法で合成すればよい。また誘電体原料以外に、成形助剤や焼結助剤などの添加剤を加えてもよい。単結晶である誘電体は、水溶液法、水熱合成法、フラックス法、ベルヌーイ法、チョクラルスキー法、ブリッジマン法、浮遊帯溶融法、スカイメルト法、昇華再結晶法、化学輸送法、及び化学気相成長法などの公知の手法で作製すればよい。
誘電体は、100MHzにおける比誘電率実部ε’が30以上である。高誘電率誘電体を用いることで、この誘電体を備える電磁波吸収体に高い電磁波吸収性能を付与することが可能になる。すなわち、誘電体の誘電率が高いほど、屈折率増大に基づく電磁波の波長短縮効果が大きくなり、より小さい吸収体でMie共鳴が実現する。誘電体の誘電率は高いほど好ましい。ε’は100以上が好ましく、300以上がより好ましい。ε’の上限は特に限定されない、しかしながら、典型的には2000以下、より典型的には1000以下である。なお測定周波数を100MHzに設定した理由は、GHz超の周波数域では測定手法上の問題があり、高誘電率材料の誘電率を精度よく測定することが困難であるからである。
誘電体は、厚さT(単位:μm)に対する直径D(単位:μm)の比(D/T比)が3以上である。本発明者が検討を重ねた結果、扁平形状の誘電体の方が、より薄い吸収体を実現できることが分かった。すなわちD/T比(アスペクト比)を高くすることで、厚みが同じ場合に比べて、より低周波でMie共鳴が生じる。換言するに、Mie共鳴周波数が同じであれば、より薄型の吸収体を実現できる。D/T比は5以上が好ましく、10以上がさらに好ましい。
本実施形態の電磁波吸収体が備える各誘電体は円板状の形状を有している。すなわち断面が円形である。誘電体の断面は、できるだけ完全な円形に近いほど好ましい。完全な円では径が一定である。しかしながら断面が完全な円形の誘電体は、その製造が困難な場合がある。したがって誘電体は断面が完全な円形であるものに限定されない。各誘電体において、径のバラツキが±10%以下であれば許容される。
本実施形態のシステムにおいて、電磁波放射源が放射する電磁波の周波数f(単位:Hz)と、円板状誘電体の100MHzにおける比誘電率実部ε’及び厚さT(単位:μm)と、が、下記(1)及び(2)式(ただし、cは光速(3.0×1014μm/秒))を満足する。
Figure 0007608865000011
Figure 0007608865000012
この点について説明するに、Mie共鳴時の物質はFabry-Perot共振と類似の挙動を示すことが知られている。またFabry-Perot共振において、物質の厚さd’は、共振時の波長λ’及び共振周波数fと下記(7)式に示す関係を満足することが知られている。なお下記(7)式において、cは光速であり、ε’は物質の比誘電率実部である。
Figure 0007608865000013
Fabry-Perot共振の結果から推論するに、Mie共鳴においても、誘電体の厚さdが上記(7)式の関係を満足する条件、すなわち誘電体の厚さTが共振波長の半波長分(λ’/2)に近い条件で磁気損失が大きくなると期待される。
したがって電磁波吸収体に備えられる誘電体の平均厚さTが上記(2)式を満足する条件で、Mie共鳴に基づく磁気損失が引き起こされ、それにより電磁波が効率的に吸収される。なお上記(2)式において、λ’は誘電体内での電磁波の波長(単位:μm)である。誘電体内での波長は、真空中の電磁波の波長(c/f)に比べて誘電率の平方根に逆比例するように短縮される。また上記(2)式においてTの上限を広くとっているのは、誘電率実部ε’が100MHzで測定した値であるからである。高周波側では誘電率が低下するため、その低下分を見込んでTの上限を幅広くとっている。ただし、温度における吸収周波数の変化を抑える観点では、誘電率の周波数に対する変化は小さいほうが好ましい。つまり上記(7)式に近い関係が保たれていることが好ましい。したがってTは下記(8)式の関係を満足することが好ましく、下記(9)式の関係を満足することがより好ましく、下記(10)式の関係を満足することがさらに好ましい。
Figure 0007608865000014
Figure 0007608865000015
Figure 0007608865000016
本実施形態の電磁波吸収体は、誘電体メタマテリアルとして働く上記誘電体配置群を備えることで、特定波長の電磁波に対してMie共鳴モードに基づく磁気損失を示す。具体的には、電磁波吸収体は、特定の周波数(fmax;磁気損失最大周波数)で実効的な比透磁率虚部(μ’’ar)及び損失係数(tanδaM)の極大値をもつ。複素比透磁率虚部(μ’’ar)の極大値は0.50以上、1.00以上、または1.50以上であってよい。また損失係数(tanδaM)の極大値は0.50以上、1.00以上、1.50以上、または2.00以上であってよい。
電磁波放射源が放射する電磁波の周波数fは、特に限定されない。しかしながら1GHz以上10THz以下が好ましく、3GHz以上5THz以下がより好ましく、10GHz以上1THz以下がさらに好ましく、10GHz以上300GHz以下が特に好ましく、30GHz以上100GHz以下が最も好ましい。周波数fは60GHz以上80GHz以下であってもよい。本実施形態のシステムは、上述した電磁波吸収体を備えることで、GHz帯域における漏洩(不要)電磁波を十分に吸収することができる。具体的には、上記周波数範囲内に電磁波吸収の極大をもたせ、この極大時の反射減衰量の絶対値を10dB以上、15dB以上、または20dB以上にすることができる。
-第2の態様-
第2の態様における電磁波吸収体は基体と誘電体配置群を備える。この誘電体配置群は複数個の円板状誘電体から構成される。また、この誘電体配置群を構成する各誘電体は、前面及び底面を有し、且つ底面が基体の一表面と対向するように配置される。さらにこの誘電体配置群を構成する誘電体は、100MHzにおける比誘電率実部ε’が30以上、平均直径Dが100μm以上10000μm以下(0.1mm以上10mm以下)、且つ平均厚さTが20μm以上300μm以下(0.02mm以上0.3mm以下)である。またこの誘電体は、平均厚さTに対する平均直径Dの比(D/T比)が3以上であり、厚さTの変動係数CVが20%以下である。
第2の態様における電磁波吸収体は、基体を備える。基体は、誘電体を保持する機能を有しており、この機能を有する限り、その材質は限定されない。例えば、樹脂、金属、セラミックスなどが例示される。また、その形状も限定されず、例えば、板、シート、及び箔が例示さる。シート状樹脂基体や箔状金属基体を用いることで、電磁波吸収体に可撓性を付与することが可能になる。また金属基体を用いることで、基体に電磁波反射層としての機能を付与できる。
第2の態様における電磁波吸収体は、基体の他に、複数個の円板状誘電体から構成される誘電体配置群を備える。この誘電体配置群を構成する各誘電体は、前面及び底面を有し、且つその底面が基体の一表面と対向するように配置されている。すなわち円板状誘電体は、その底面が基体表面に略平行になるように基体上に分散配置されている。円板状誘電体を分散配置させることで、電磁波を効率よく吸収することが可能になる。すなわち、電磁波は、その一部が誘電体の表面で反射される。そのため、入射する電磁波の全てが誘電体中に侵入して減衰する訳ではない。例えば、基体上に誘電体を一様に形成すると、誘電体表面で反射する電磁波の割合が多くなり、吸収特性が低下する恐れがある。これに対して、複数の円板状誘電体を配置すると誘電体間に間隙ができ、この間隙に電磁波が侵入する。間隙に侵入した電磁波が誘電体と共鳴することで吸収が生じる。
第2の態様において、電磁波吸収体が備える各誘電体は円板状の形状を有している。すなわち断面が円形である。誘電体の断面は、できるだけ完全な円形に近いほど好ましい。完全な円では径が一定である。しかしながら断面が完全な円形の誘電体は、その製造が困難な場合がある。したがって誘電体は断面が完全な円形であるものに限定されない。各誘電体において、径のバラツキが±10%以下であれば許容される。
第2の態様において、誘電体配置群に含まれる誘電体間のサイズ(径)のバラツキが小さいほど好ましい。誘電体サイズ(径)にバラツキが生じると、それぞれの誘電体がもつ共鳴周波数が揃わないため、急峻で深い電磁波吸収特性を得ることが困難になる恐れがある。誘電体の径の大きさのバラツキは±10%以下が好ましい。
誘電体配置群に含まれる誘電体を規則的に配置してもよく、あるいは不規則に配置してもよい。さらに誘電体の個数も、2個以上であればよい。誘電体の間隙を樹脂などの材料で充填した態様としてもよく、あるいは充填しない態様としてもよい。このように誘電体を配置することで、吸収体表面から入射した電磁波が効率的に誘電体内に侵入し、そこで吸収される。
第2の態様における誘電体の材質や製造方法は、第1の態様における誘電体と同様である。すなわち、誘電体は、高誘電率材料から構成される限り、その材質は限定されない。
また誘電体は、多結晶であってよく、あるいは単結晶であってもよい。誘電体は、誘電材料の乾燥体、成形体又は焼結体であってもよい。さらに誘電体は、公知の手法で作製すればよい。
Fabry-Perot共振の結果から推論するに、第2の態様における誘電体の平均厚さTを限定することで、例えば30GHz以上1THz以下の周波数域において、Mie共鳴に基づく磁気損失を効果的に利用することができ、その結果、電磁波吸収特性を十分に発揮させることが可能になる。平均厚さTは30μm以上250μm以下であってよく、50μm以上200μm以下であってよく、70μm以上150μm以下であってもよい。
第2の態様において、誘電体配置群を構成する誘電体は、平均直径Dが100μm以上10000μm以下(0.1mm以上10mm以下)である。本発明者が調べたところ、第2の態様における円板状誘電体の径を入射電磁波の波長より小さくすることで、電磁波の吸収効率を最大にできることが分かった。すなわち先述したように、複数の円板状誘電体を配置することで、誘電体間に間隙ができる。この間隙に電磁波が侵入することで電磁波吸収が効率的に行われる。入射する電磁波の波長より誘電体の径を小さくすることで、誘電体間の間隙への電磁波の侵入が促進され、その結果、誘電体の共鳴現象がより顕著に起こる。平均直径Dは200μm以上5000μm以下であってよく、300μm以上3000μm以下であってよく、500μm以上2000μm以下であってもよい。
第2の態様において、誘電体配置群を構成する誘電体は、平均厚さTに対する平均直径Dの比(D/T比)が3以上である。D/T比(アスペクト比)を高くすることで、厚みが同じ場合に比べて、より低周波でMie共鳴が生じる。つまり、より薄型の吸収体が実現される。D/T比は5以上が好ましく、10以上がさらに好ましい。
第2の態様において、誘電体配置群は、これを構成する誘電体の厚さTの変動係数CVが20%以下である。ここで変動係数CVはバラツキの指標となるものである。すなわち誘電体配置群を構成する誘電体間での厚さのバラツキを小さくすることで、それぞれの誘電体がもつ共鳴周波数が揃う。そのため、より急峻で深い電磁波吸収特性を得ることができる。変動係数は15%以下が好ましく、10%以下がさらに好ましい。なお変動係数CVは、誘電体配置群を構成する個々の誘電体の厚さTと平均厚さTとを用いて、下記(11)式及び(12)式にしたがって求められる。なお下記(11)式及び(12)式において、nは誘電体配置群を構成する誘電体の個数、uは厚さの不偏分散(標本分散)、uは厚さの標本標準偏差である。
Figure 0007608865000017
Figure 0007608865000018
第2の態様において、好ましくは、誘電体配置群を構成する誘電体の面積割合は10%以上90%以下である。ここで誘電体の面積割合とは、基体表面のうち誘電体が分散配置されている領域の総面積に対する、誘電体前面(または底面)の合計面積の割合のことである。すなわち電磁波吸収体を上方から見たときに誘電体が占める面積の割合のことである。面積割合を10%以上にすると、磁気共鳴(Mie共鳴)を起す誘電体の割合が大きくなる結果、電磁波吸収特性がより優れたものになる。また面積割合を90%以下にすることで、誘電体間に十分な間隙を設けることができるため、この間隙に侵入した電磁波が引き起こす磁気共鳴現象を十分に利用することができる。そのため電磁波吸収特性が優れたものになる。面積割合は10%以上75%以下であってよく、10%以上50%以下であってもよい。
第2の態様において、好ましくは、誘電体配置群を構成する誘電体の個数面密度は3個/cm以上である。ここで個数密度とは、基体表面のうち誘電体が分散配置されている領域の総面積に対する、誘電体の総個数の比である。すなわち電磁波吸収体を上方から見たときに単位面積当たりの誘電体の個数のことである。個数面密度を高めることで、磁気共鳴(Mie共鳴)を起す誘電体の割合が高くなり、その結果、電磁波吸収特性がより優れたものになる。個数面密度は15個/cm以上が好ましく、30個/cm以上がより好ましい。
第2の態様において、好ましくは、誘電体配置群を構成する誘電体の誘電正接(tanδ)は0.03以上である。誘電正接の高い誘電体を用いることで、Mie共鳴時の磁気損失が大きくなるとともに誘電損失も電磁波吸収に利用することができる。そのため、電磁波吸収特性がより一層優れたものになると期待される。誘電正接は0.06以上、0.09以上、または0.12以上であってもよい。
第2の態様において、電磁波放射源が放射する電磁波の周波数f(単位:Hz)と、電磁波吸収体が備える誘電体の比誘電率実部ε’、平均直径D(単位:μm)及び厚さT(単位:μm)と、は、下記(13)~(16)式を満足する。なお下記(13)及び(14)式において、cは光速(3.0×1014μm/秒=3.0×10m/秒)である。
Figure 0007608865000019
Figure 0007608865000020
Figure 0007608865000021
Figure 0007608865000022
この点について説明するに、第2の態様において、第1の態様の場合と同様に誘電体の厚さ(T)が共振波長の半波長(λ’/2)に近似しているときに磁気損失が生じる。したがって電磁波吸収体に備えられる複数の誘電体の平均厚さTが上記(16)式を満足する条件で、Mie共鳴に基づく磁気損失が引き起こされ、それにより電磁波が効率的に吸収される。なお上記(16)式において、λ’は誘電体内での電磁波の波長(単位:μm)である。誘電体内での波長は、真空中の電磁波の波長(c/f)に比べて誘電率の平方根に逆比例するように短縮される。また上記(16)式においてTの上限を広くとっているのは、誘電率実部ε’が100MHzで測定した値であるからである。高周波側では誘電率が低下するため、その低下分を見込んでTの上限を幅広くとっている。ただし、温度における吸収周波数の変化を抑える観点では、誘電率の周波数に対する変化は小さいほうが好ましい。つまり上記(7)式に近い関係が保たれていることが好ましい。したがってTは下記(17)式の関係を満足することが好ましく、下記(18)式の関係を満足することがより好ましく、下記(19)式の関係を満足することがさらに好ましい。
Figure 0007608865000023
Figure 0007608865000024
Figure 0007608865000025
第2の態様において、上述したように、入射する電磁波の波長より誘電体の径を小さくすることで、電磁波吸収を効率的に行える。したがって電磁波吸収体に備えられる複数の誘電体の平均直径Dが上記(15)式を満足する条件で電磁波の吸収効率が改善される。なお上記(15)式において、λは真空下での電磁波の波長(単位:μm)であり、これは大気下での波長と殆ど同じである。Dは下記(20)式の関係を満足することが好ましく、下記(21)式の関係を満足することがより好ましく、下記(22)式の関係を満足することがさらに好ましい。
Figure 0007608865000026
Figure 0007608865000027
Figure 0007608865000028
第2の態様において、電磁波放射源が放射する電磁波の周波数fは、特に限定されない。しかしながら1GHz以上10THz以下が好ましく、3GHz以上5THz以下がより好ましく、10GHz以上1THz以下がさらに好ましく、10GHz以上300GHz以下が特に好ましく、30GHz以上100GHz以下が最も好ましい。周波数fは60GHz以上80GHz以下であってもよい。本実施形態のシステムは、上述した電磁波吸収体を備えることで、GHz帯域における漏洩(不要)電磁波を十分に吸収することができる。具体的には、上記周波数範囲内に電磁波吸収の極大をもたせ、この極大時の反射減衰量の絶対値を10dB以上、15dB以上、または20dB以上にすることができる。
第1の態様及び第2の態様のいずれであっても、電磁波吸収体は基体と誘電体配置群以外の他の部材を含んでもよい。例えば表面にインピーダンス整合層や表面保護層を設けてもよい。また裏面に反射部材を設けてもよい。インピーダンス整合層として、磁性粉や誘電体粉末を樹脂中に分散させた層が例示される。表面保護層として、樹脂やガラスからなる層が例示される。反射部材として、膜状、箔状、板状、または網状の金属部材が挙げられる。
2.電磁波吸収方法
本実施形態の電磁波の吸収方法は、電磁波吸収体を用いる。また、この電磁波吸収体は円板状誘電体を備える。この円板状誘電体は、100MHzにおける比誘電率実部ε’が30以上、且つ厚さT(単位:μm)に対する直径D(単位:μm)の比(D/T比)が3以上である。さらに電磁波の周波数f(単位:Hz)と、円板状誘電体の100MHzにおける比誘電率実部ε’及び厚さT(単位:μm)と、が、下記(1)及び(2)式(ただし、cは光速(3.0×1014μm/秒))を満足する。
Figure 0007608865000029
Figure 0007608865000030
本実施形態の電磁波の吸収方法の詳細は、本実施形態のシステムについて説明したとおりである。すなわち電磁波は、伝送線路、高周波回路、電子素子、電子部品、電子機器、レーダー、及び/又はケーブルなどの電磁波放射源が放射する漏洩電磁波である。また電磁波吸収体の詳細は、上述した第1及び第2態様のいずれかにおける電磁波吸収体と同様である。
電磁波の周波数fは、特に限定されない。しかしながら1GHz以上10THz以下が好ましく、3GHz以上5THz以下がより好ましく、10GHz以上1THz以下がさらに好ましく、10GHz以上300GHz以下が特に好ましく、30GHz以上100GHz以下が最も好ましい。周波数fは60GHz以上80GHz以下であってもよい。本実施形態の方法は、上述した電磁波吸収体を用いることで、GHz帯域における不要電磁波を十分に吸収することができる。具体的には、上記周波数範囲内に電磁波吸収の極大をもたせ、この極大時の反射減衰量の絶対値を10dB以上、15dB以上、または20dB以上にすることができる。
このような本実施形態によれば、誘電体のMie共鳴に基づく磁気損失を利用した電磁波吸収体を備えたシステム、及びこの電磁波吸収体を用いた電磁波吸収方法が実現される。このシステム及び吸収方法には様々な利点がある。
従来の電磁波吸収体では、誘電材料の誘電特性、及び/又は磁性材料の磁気特性を利用して電磁波吸収を図っている。具体的には、誘電材料の誘電損失や磁性材料の磁気損失を利用して電磁波エネルギーを熱エネルギーに変換している。また誘電材料の誘電率と磁性材料の透磁率を個別に制御することで、材料の特性インピーダンスを外部環境の特性インピーダンスと整合させ、それにより吸収体表面での電磁波反射を防いでいる。
しかしながら、スネーク(Snoek)の限界によれば、磁性材料の高い磁気特性を高周波まで維持することは困難である。そのため従来の材料では、特にGHz以上の高周波域で高い吸収特性を得る上で限界があった。また電磁波吸収体の背面に金属板を設置して、吸収体表面での反射波と吸収体表面での反射波を干渉させることで電磁波を減衰させる手法も知られているが、この手法では、吸収周波数が電磁波の入射角に強く依存するという問題があった。
これに対して、本実施形態のシステムや吸収方法は、誘電体のMie共鳴に基づく磁気損失を利用している、強磁性体を用いていないためスネークの限界の縛りを受けず、高周波域まで高い吸収性能を維持することが可能である。また共振周波数の電磁波入射角依存性が小さいため、様々な方向から入射する電磁波に対処できるという利点がある。
その上、本実施形態のシステムや吸収方法で用いられる電磁波吸収体は、複数個の円板状誘電体を備えている。また限定されるものではないが、入射する電磁波の波長より誘電体の直径を小さくするとともに、誘電体の面積割合を90%以下に限定している。そして、これらにより電磁波吸収特性がより一層優れたものになる。すなわち複数個の誘電体を設けることで誘電体間に間隙ができる。そして誘電体の直径を小さくするとともに、適度に疎となるように誘電体を配置することで、電磁波がこの間隙に侵入して、誘電体のMie共鳴が効果的に発現されるようになる。これに対して、従来の電磁波吸収体は、Mie共鳴を利用していない。そのため、通常は占有率を上げるため吸収物質を一面に配置する。つまり本実施形態とは異なり、吸収物質は適度に疎になるように配置されていない。
Mie共鳴に基づく磁気損失を利用する本実施形態のシステム、及び電磁波吸収方法は、従来は全くなかったコンセプトに基づくものであり、学術的にも産業的にも画期的なものである。
(1)電磁波吸収体の作製
[例1]
例1では、チタン酸バリウム(BTO;BaTiO)焼結体を誘電体として用いて電磁波吸収体を作製した。
誘電体原料としてD50が60nmのチタン酸バリウム粉末、溶剤としてネオペンチルグルコールジオレート(日油株式会社、ユニスターHP281R)、及び分散剤(Lubrizol社、HPA-N107)を下記表1に示す配合組成が得られるように秤量し、自公転ミキサーを用いて混錬した。これによりペーストを作製した。
次いで、複数個の円形の穴(φ1.2mm)を設けたメタルマスク(厚み150μm)をアルミナ板上に置き、作製したペーストをメタルマスク上に塗布した。その後、メタルマスクを外して、アルミナ上に厚さ150μmのペーストパターンを形成した。そして、作製したペーストパターンを1025℃×3時間の条件で焼成して、複数個のチタン酸バリウム焼結体を誘電体として得た。
得られたチタン酸バリウム焼結体5200個をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(12cm×12cm×0.05mm)上にランダムに配置し、その間隙にエポキシ樹脂を注入及び硬化させて、電磁波吸収体を作製した。得られた電磁波吸収体の特性を下記表3に示す。
[例2]
例2では、チタン酸バリウム(BTO;BaTiO)焼結体を誘電体として用いて電磁波吸収体を作製した。
誘電体原料として、粒径(D50)の異なる3種類のチタン酸バリウム粉末を用いた。また誘電体原料、溶剤及び分散剤の秤量を、下記表1に示す配合組成が得られるように行った。さらにメタルマスクの厚みを125μmに変えて、厚さ125μmのペーストパターンを形成した。それ以外は例1と同様にして電磁波吸収体を作製した。
[例3]
例3では、チタン酸バリウム(BTO;BaTiO)成形体を誘電体として用いて電磁波吸収体を作製した。
複数個の円形の穴(φ1.2mm)を設けたメタルマスク(厚み125μm)をPETフィルム(12cm×12cm×0.05mm)上に置き、例2で得られたペーストをメタルマス上に塗布した。その後、メタルマスクを外して、PETフィルム上に厚さ125μmのペーストパターンを形成した。得られたペーストパターンを200℃で減圧乾燥して溶剤の一部を揮発除去させた。このようにしてPET上にチタン酸バリウム成形体2500個を誘電体として作製した。その後、成形体の間隙にエポキシ樹脂を注入及び硬化させて電磁波吸収体を作製した。例3では、例1と異なり、誘電体の配置はメタルマスクの規則的なペーストパターンを維持しており、ランダム配置にはなっていない。
[例4]
例4では、チタン酸バリウムストロンチウム(BSTO;Ba0.8Sr0.2TiO)焼結体を誘電体として用いて電磁波吸収体を作製した。
誘電体原料としてチタン酸バリウムストロンチウム(Ba0.8Sr0.2TiO)粉末を用いた。まず炭酸バリウム(BaTiO)、炭酸ストロンチウム(SrCO)及び酸化チタン(TiO)を用いて固相反応法でチタン酸バリウムストロンチウム粉末を合成した。次いで、誘電体原料、溶剤及び分散剤を下記表1に示す配合組成が得られるように秤量し、自公転ミキサーを用いて混錬した。これによりペーストを作製した。
次いで、複数個の円形の穴(φ1.2mm)を設けたメタルマスク(厚み100μm)をアルミナ板上に置き、作製したペーストをメタルマスク上に塗布した。その後、メタルマスクを外して、アルミナ上に厚さ100μmのペーストパターンを形成した。そして、作製したペーストパターンを1200℃×3時間の条件で焼成して、複数個のチタン酸バリウムストロンチウム焼結体を誘電体として得た。
得られたチタン酸バリウムストロンチウム焼結体をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にランダムに配置し、その間隙にエポキシ樹脂を注入及び硬化させて、電磁波吸収体を作製した。
Figure 0007608865000031
(2)評価
例1~例4について、各種特性の評価を以下のとおり行った。
<誘電体の寸法>
例1~例4のそれぞれについて、ペーストパターンの直径を誘電体の平均直径Dと見なした。焼成後の直径方向の収縮は小さいため、ペーストパターンの直径と焼結体の直径を同一視できるからである。厚みについては、得られた複数個の誘電体(焼結体、成形体)から無作為に20個の誘電体を選び、各誘電体の中心部における厚みT(i=1,2・・・20)をレーザー顕微鏡で測定し、その平均値Tを求めた。そして、上記(11)式及び(12)に従って、厚さの変動係数CVを求めた。
<誘電体の誘電特性>
例1~例4で得られた誘電体について、100MHzにおける誘電特性を測定した。具体的には以下の手順で測定を行った。まず誘電体の両面に銀ペーストを塗布して電極を形成してサンプルを作製した。次いで、電圧電流法でサンプルのインピーダンスを求め、得られたインピーダンスを解析してキャパシタ成分及び抵抗成分を求めた。そしてサンプル厚み及び電極面積を用いて、キャパシタ成分及び抵抗成分から複素比誘電率(ε=ε’-jε’’)を算出した。ここで、ε’とε’’は、それぞれ複素比誘電率の実部と虚部である。また複素比誘電率の実部ε’と虚部ε’’を用いて、誘電正接(tanδ)下記(23)式にしたがって求めた。
Figure 0007608865000032
<電磁波吸収体の特性>
例1~例4で得られた電磁波吸収体について、60~80GHzにおける複素比誘電率、複素比透磁率、及び電磁波吸収特性の測定を、以下の手順で行った。すなわち、自由空間法により、ベクトルネットワークアナライザ(アンリツ株式会社、ME7838A)を用いてサンプルの反射特性及び透過特性を測定し、得られた反射特性と透過特性から複素比誘電率(εa=εa’-jεa’’)と複素比透磁率(μa=μa’-jμa’’)を算出した。ここでεarとμarのそれぞれは電磁波吸収体全体の実効複素比誘電率と実効比透磁率であり、誘電体の複素誘電率ε及び複素比透磁率μとは区別される。
そして電磁波吸収体の比透磁率実部μar’と虚部μar’’の周波数分散を求め、虚部μar’’が極大値をもつ周波数を磁気損失最大周波数fmaxとした。そしてfmaxにおける比透磁率実部μar’(fmax)と虚部μar’’(fmax)を用いて、損失係数tanδaM(fmax)を下記(24)式にしたがって算出した。
Figure 0007608865000033
またサンプルの背後に厚さ1mmの金属板を設置し、電磁波の透過成分を十分に低減させた状態で反射特性を求めた。そして入射波強度と反射波強度の比から反射減衰量(率)RLを求めた。さらに反射減衰量の極大(吸収量の極大)が測定周波数内に存在するサンプルについて、反射減衰量が極大となる周波数を吸収周波数fとし、fにおける反射減衰量の絶対値を最大反射減衰量RLとして求めた。またfにおける電磁波(吸収電磁波)の大気中での波長λ、及び誘電体中での波長λ’を、下記(25)式及び(26)式にしたがって算出した。なお、下記(25)及び(26)式において、cは光速、ε’は誘電体の100MHzにおける複素比誘電率実部である。
Figure 0007608865000034
Figure 0007608865000035
(3)評価結果
例1~例4について誘電体の構成を表2にまとめて示す。また例1~4の電磁波吸収体の誘電率、透磁率及び伝送減衰量の周波数特性を図1~図9に示す。さらに電磁波吸収体の磁気特性及び吸収特性を表3及び表4にまとめて示す。
[例1]
表2に示されるように、例1の誘電体(焼結体)は、平均厚みが135μmであり、標準偏差が13μmであった。例1では、誘電体作製時の原料ペースト中のBaTiO含有率が小さかった。そのため焼成時の厚み収縮が大きく、これが比較的大きい標準偏差につながったと考えられる。また表2に示されるように、例1の誘電体は、100MHzにおける比誘電率実部ε’が500程度と大きかった。このことから真空に対して大きな誘電応答を示すことが分かった。
例1の電磁波吸収体の比誘電率を図1に示す。誘電体(焼結体)を樹脂中に分散させて作製したたため、誘電体単体の場合と比べて誘電率が大きく低下していた。また誘電率に明確な共鳴挙動が見られなかった。
例1の電磁波吸収体の比透磁率を図2に示す。低周波側での透磁率実部はほぼ1であった。電磁波吸収体に含まれる誘電体は磁性元素を含んでいない。低周波側での透磁率実部の値は、磁性元素に基づく強磁性的な磁気秩序が生じていないことを裏付けている。一方で、強磁性的な磁気秩序が生じていないにもかかわらず、70GHz近傍で磁気的な共鳴が生じて、透磁率虚部が極大となっていた。透磁率虚部が最大となる周波数(磁気損失最大周波数)fmaxにおける比透磁率虚部μar’’は1.53、損失係数(tanδ)は1.79と非常に大きかった(表3)。強磁性的な磁気秩序が生じていないことから、誘電体の誘電率と厚みに依存するMie共鳴モードに起因する磁気損失が生じと考えられる。
例1の電磁波吸収体の伝送減衰量(吸収特性)を図6に示す。70GHz近傍で伝送減衰量が極大となり、そのときのピーク値は-10dB超であった。誘電体の厚みを電磁波波長の1/2長程度にすることでMie共鳴が生じる。しかしながら強誘電体内ではその誘電率に起因した波長短縮が起こるため、表4に示すように厚みが波長と比べて十分小さい範囲で共鳴モードが生じることとなる。大半の強誘電体のGHz帯における比誘電率は100~10000の間にあるが、この場合、誘電体の厚みを測定波長の1/20~1/200程度にすることで上述した共鳴モードが生じると考えられる。本共鳴モード近傍では電磁波が焼結体内に効率よく侵入し吸収されると考えられる。
[例2]
例2では、例1と同様にBaTiOからなる誘電体(焼結体)を樹脂中に分散させて電磁波吸収体を作製した。誘電体作製時に3種類の異なる粒径(D50)をもつBaTiOを混合することでペーストのBaTiO含有率を高めた。その結果、表2に示すように、メタルマスク厚みと焼結体厚みの差が例1では15μmであるのに対し、例2では7μmと抑制されていた。また、収縮率低下に起因すると考えられる厚みの変動係数の低下も確認できた。加えて例1と比べて焼結体中のBaTiO密度も向上していると考えられ、表2に示すような誘電体(焼結体)の誘電率増加も確認した。その結果、例2は例1と比べて波長短縮効果が強まり、表4に示すようにλ’と誘電体厚みの比が増大していた。
例2の電磁波吸収体の透磁率を図3に示す。例2では電磁波吸収体が備える誘電体の厚みが例1より薄いにも関わらず、例1と同程度の周波数で共鳴ピークが観察された。これは、誘電体の厚み低下による共鳴モードの高周波化が、誘電率の増加に依る共鳴モードの低周波化とほぼ打ち消しあったためと考えられる。
例2の電磁波吸収体の伝送減衰量(吸収特性)を図7に示す。透磁率の場合と同様に、吸収が極大となる周波数が例1とほぼ同じであることを確認した。
[例3]
例3では、例2と同じ配合組成でペーストを作製したものの、焼成は行わず乾燥のみ行って誘電体(成形体)を作製し、この成形体を樹脂中に分散して電磁波吸収体を作製した。誘電体(成形体)の平均厚みが例2と比べてわずかに増加していた。これは溶媒及び分散剤の一部が残留したためと考えられる。
例3の電磁波吸収体の透磁率を図4に示す。例3の電磁波吸収体は成形体からなる誘電体を備えているが、焼結体からなる誘電体を備えた場合(例1及び例2)と同様の共鳴的挙動が見られた。しかしながら共鳴が起こる周波数が例2と比較して若干高周波側に移行していた。溶剤及び分散剤の一部が残留することで成形体全体の誘電率が低下し、波長短縮効果が弱まったためと考えられる。
例3の電磁波吸収体の伝送減衰量(吸収特性)を図8に示す。磁気的な共鳴モードに対応して、焼結体を用いた場合(例1及び例2)と同様の吸収が起こることを確認した。また例3では、誘電体(成形体)をメタルマスクのパターンと同じく規則的に配置して電磁波吸収体を作製しているものの、ランダム配置した場合(例1及び例2)と類似の効果が得られている。個々の誘電体が電磁波吸収能をもつため、周囲の誘電体との配置態様が吸収能に与える影響が少ないためと考えられる。
[例4]
例4では、BaTiOのBaの一部をSrに置換した組成について誘電体(焼結体)を作製し、この誘電体を樹脂中に分散させて電磁波吸収体を作製した。この組成を有するペロブスカイト型化合物は室温においてリラクサー的な挙動を示すことが知られている。そのため誘電体(焼結体)は100MHzにおける誘電率が例1及び例2より高かった。
例4の電磁波吸収体の透磁率を図5に示す。例1と比較すると誘電体の厚みが薄くなっているにも関わらず、ほぼ同じ周波数で共鳴的な挙動が見られた。これは、共鳴モードが生じる周波数に関して、誘電率増加による波長短縮及び周波数低減の効果と、誘電体厚み減少による周波数増加の効果が打ち消しあったためと考えられる。
例4の電磁波吸収体の伝送減衰量を図9に示す。磁気的な共鳴モードに起因すると考えらえる吸収が確認された。
Figure 0007608865000036
Figure 0007608865000037
Figure 0007608865000038

Claims (6)

  1. 電磁波放射源と電磁波吸収体とを備えたシステムであって、
    前記電磁波吸収体は円板状誘電体を備え、
    前記円板状誘電体は、100MHzにおける比誘電率実部ε’が30以上、且つ厚さT(単位:μm)に対する直径D(単位:μm)の比(D/T比)が3以上であり、
    前記電磁波放射源が放射する電磁波の周波数f(単位:Hz)と、前記円板状誘電体の100MHzにおける比誘電率実部ε’及び厚さT(単位:μm)と、が、下記(1)及び(2)式(ただし、cは光速(3.0×1014μm/秒))を満足する、システム。
    Figure 0007608865000039
    Figure 0007608865000040
  2. 前記電磁波放射源が、伝送線路、高周波回路、電子素子、電子部品、電子機器、レーダー、及び/又はケーブルである、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記周波数fにおける前記電磁波吸収体の反射減衰量の絶対値が10dB以上である、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 電磁波吸収体を用いた電磁波の吸収方法であって、
    前記電磁波吸収体は円板状誘電体を備え、
    前記円板状誘電体は、100MHzにおける比誘電率実部ε’が30以上、且つ厚さT(単位:μm)に対する直径D(単位:μm)の比(D/T比)が3以上であり、
    前記電磁波の周波数f(単位:Hz)と、前記円板状誘電体の100MHzにおける比誘電率実部ε’及び厚さT(単位:μm)と、が、下記(1)及び(2)式(ただし、cは光速(3.0×1014μm/秒))を満足する、方法。
    Figure 0007608865000041
    Figure 0007608865000042
  5. 前記電磁波が、伝送線路、高周波回路、電子素子、電子部品、電子機器、レーダー、及び/又はケーブルからの漏洩電磁波である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記周波数fにおける前記電磁波吸収体の反射減衰量の絶対値が10dB以上である、請求項4又は5に記載の方法。

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