JP7608847B2 - エポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂組成物、及び塗料 - Google Patents
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Description
ポリアミンを変性した化合物もエポキシ樹脂硬化剤として有用である。例えば特許文献1には、メタキシリレンジアミン、イソホロンジアミン等のポリアミンと、アルデヒド類、炭素数1~9のアルキル基を芳香環上の置換基として2個以上有するアルキルフェノール類とをマンニッヒ反応により縮合させて得られる化合物をエポキシ樹脂硬化剤として含むエポキシ樹脂組成物が、得られる硬化物の耐酸性に優れ、特に橋脚の補強、コンクリートの混和物等の土木分野、床材、塗料、接着剤等として好適に用いられることが開示されている。
本発明の課題は、耐水性及び耐薬品性に優れる塗膜を形成できるエポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂組成物、及び塗料を提供することにある。
すなわち本発明は、下記に関する。
[1]下記一般式(1)で表されるジアミン又はその変性体を含有するエポキシ樹脂硬化剤。
(式(1)中、R1は炭素数1~8のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、又は炭素数7~13のアラルキル基を表す。pは0~3の数である。)
[2]前記変性体が、前記一般式(1)で表されるジアミンと、少なくとも1つのエポキシ基を有するエポキシ化合物との反応生成物である、上記[1]に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
[3]前記一般式(1)で表されるジアミンが2-ベンジルプロパン-1,3-ジアミンである、上記[1]又は[2]に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
[4]エポキシ樹脂と、上記[1]~[3]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物。
[5]上記[4]に記載のエポキシ樹脂組成物を含有する塗料。
本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、下記一般式(1)で表されるジアミン又はその変性体を含有するエポキシ樹脂硬化剤である。
(式(1)中、R1は炭素数1~8のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、又は炭素数7~13のアラルキル基を表す。pは0~3の数である。)
上記エポキシ樹脂硬化剤を用いることにより、耐水性及び耐薬品性に優れる塗膜を形成できるエポキシ樹脂組成物を提供することができる。以下、本発明のエポキシ樹脂硬化剤を単に「本発明の硬化剤」ともいう。
前記一般式(1)のR1において、炭素数1~8のアルキル基としては、炭素数1~8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、及び各種オクチル基等が挙げられる。ここでいう「各種」とは、直鎖及びあらゆる分岐鎖のものを含むことを示す。
炭素数6~12のアリール基としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。
炭素数7~13のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
形成される塗膜の耐水性及び耐薬品性向上の観点、エポキシ樹脂との相溶性の観点、及び入手性の観点から、前記一般式(1)のR1は、好ましくは炭素数1~8のアルキル基、より好ましくは炭素数1~3のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
一般式(1)におけるpが2又は3である場合、R1はすべて同一でもよく、互いに異なっていてもよい。
前記一般式(1)で表されるジアミンは、下記工程1及び工程2を順に有する方法により製造することが好ましい。該方法により、ジアミンを効率よく製造することができる。
工程1:下記一般式(I)で表されるアルデヒド化合物と、下記式(II)で表されるマロノニトリルとを脱水縮合反応させて、下記一般式(III)で表される不飽和ニトリル化合物を得る工程
工程2:前記一般式(III)で表される不飽和ニトリル化合物を、少なくとも1種の触媒の存在下で水素化する工程
上記式中、R2は下記構造で表される置換基である。
(R1及びpは前記と同じである。*は結合箇所を示す。)
工程1では、前記一般式(I)で表されるアルデヒド化合物と、前記式(II)で表されるマロノニトリルとを脱水縮合反応させて、前記一般式(III)で表される不飽和ニトリル化合物を得る。
アルデヒド化合物とマロノニトリルとの脱水縮合反応は、クネーフェナーゲル縮合によって常法により行うことができ、好ましくは触媒存在下で、アルデヒド化合物とマロノニトリルとを反応させる。該反応は溶媒中で行ってもよく、無溶媒で行うこともできる。
触媒としては、塩化ジルコニル、ピペリジン等の塩基性触媒が好ましい。
反応条件は特に制限されないが、常圧において、通常20~40℃の温度下で行うことができる。反応終了後は、例えば反応液を冷却して、一般式(III)で表される不飽和ニトリル化合物を沈殿させ、回収することができる。
工程2では、工程1で得られた前記一般式(III)で表される不飽和ニトリル化合物を、少なくとも1種の触媒の存在下で水素化する。工程2を経て、前記一般式(1)で表されるジアミンを得ることができる。
工程2における水素化は、一段階又は多段階で実施することができる。前記一般式(1)で表されるジアミンを高収率で製造する観点からは、工程2における水素化は二段階で実施することが好ましい。この場合、第一段階においては前記一般式(III)で表される不飽和ニトリル化合物の不飽和結合部分を水素化し、第二段階において、-CNを還元して-CH2NH2に変換する。
また工程2の水素化では、好ましくは触媒としてパラジウム及びコバルトからなる群から選ばれる少なくとも1種をベースとする水素化触媒を用いる。工程2における水素化を二段階で実施する場合、前記一般式(1)で表されるジアミンを高収率で製造する観点から、水素化の第一段階においてはパラジウム触媒を用いることが好ましく、水素化の第二段階においては、ラネータイプの触媒を用いることが好ましい。
工程2の反応条件は適宜選択することができるが、反応効率向上の観点から、水素化の第一段階は、好ましくは温度20~120℃及び圧力2~30MPa、より好ましくは温度40~100℃及び圧力2.5~15MPa、さらに好ましくは温度60~90℃及び圧力3~10MPaの範囲で選択される。また水素化の第二段階は、好ましくは温度20~120℃及び圧力2~30MPa、好ましくは温度50~115℃及び圧力5~20MPa、さらに好ましくは温度80~110℃及び圧力5~15MPaの範囲で選択される。
水素化を多段階で行う場合、各段階は、異なる触媒帯域を有する1つの反応器で行ってもよく、複数の反応器で行うこともできる。
一般式(1)で表されるジアミンの変性体の具体例としては、一般式(1)で表されるジアミンと、少なくとも1つのエポキシ基を有するエポキシ化合物、不飽和炭化水素化合物、カルボン酸又はその誘導体等とを反応させた反応生成物;一般式(1)で表されるジアミンと、フェノール化合物及びアルデヒド化合物とを反応させたマンニッヒ反応物;一般式(1)で表されるジアミンと、ケトン化合物とを反応させたケトイミン(ケチミン);等が挙げられる。
これらの中でも、一般式(1)で表されるジアミンの変性体としては、形成される塗膜の耐水性及び耐薬品性向上の観点から、好ましくは、一般式(1)で表されるジアミンと、少なくとも1つのエポキシ基を有するエポキシ化合物との反応生成物である。なお、本明細書において、一般式(1)で表されるジアミンと、少なくとも1つのエポキシ基を有するエポキシ化合物との反応生成物とは、該ジアミンと該エポキシ化合物との反応により得られる生成物であって、該ジアミンと該エポキシ化合物との反応物(アダクト)を含む反応組成物を意味する。以下、該反応生成物を単に「前記反応生成物」ともいう。
該エポキシ化合物の具体例としては、エピクロロヒドリン、ブチルジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3-プロパンジオールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビフェノールジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシアントラセンジグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルグリコールウリル、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有する多官能エポキシ樹脂、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導されたグリシジルアミノ基を有する多官能エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導されたグリシジルアミノ基を有する多官能エポキシ樹脂、パラアミノフェノールから誘導されたグリシジルアミノ基及び/又はグリシジルオキシ基を有する多官能エポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルオキシ基を有する多官能エポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有する多官能エポキシ樹脂、フェノールノボラックから誘導されたグリシジルオキシ基を有する多官能エポキシ樹脂、及びレゾルシノールから誘導されたグリシジルオキシ基を2つ以上有する多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
形成される塗膜の耐水性及び耐薬品性向上の観点、及び硬化性の観点からは、エポキシ化合物としては分子中に芳香環又は脂環式構造を含む化合物がより好ましく、分子中に芳香環を含む化合物がさらに好ましく、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルオキシ基を有する多官能エポキシ樹脂がよりさらに好ましい。
但し、本発明の硬化剤中の前記一般式(1)で表されるジアミン及びその変性体の含有量は、形成される塗膜の耐水性及び耐薬品性向上の観点から、硬化剤中の全硬化剤成分に対し、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、よりさらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上、よりさらに好ましくは95質量%以上であり、100質量%であってもよい。
硬化剤中の硬化剤成分とは、硬化剤中に含まれる、エポキシ樹脂中のエポキシ基と反応し得る活性水素を2つ以上有する成分を意味し、硬化剤中の全硬化剤成分に対する前記反応生成物の質量%とは、硬化剤中に含まれる硬化性成分の総量に対する前記反応生成物の含有割合をいう。
また本発明の硬化剤の活性水素当量は、形成される塗膜の耐水性及び耐薬品性向上の観点から、好ましくは60以上、より好ましくは80以上であり、硬化性向上の観点から、好ましくは150以下、より好ましくは130以下である。本発明の硬化剤に前記非反応性希釈剤を配合する場合には、該希釈剤を含む硬化剤のAHEWがこの範囲となることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、前記エポキシ樹脂硬化剤とを含有する。本発明のエポキシ樹脂組成物により形成される塗膜は耐水性及び耐薬品性が高く、例えば塗料として好適に用いられる。
エポキシ樹脂組成物の主剤であるエポキシ樹脂は、飽和又は不飽和の脂肪族化合物や脂環式化合物、芳香族化合物、複素環式化合物のいずれであってもよい。耐水性の高い硬化物を得る観点からは、芳香環又は脂環式構造を分子内に含むエポキシ樹脂が好ましい。
当該エポキシ樹脂の具体例としては、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、パラキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、パラアミノフェノールから誘導されたグリシジルアミノ基及び/又はグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラックから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂及びレゾルシノールから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂が挙げられる。上記のエポキシ樹脂は、2種以上混合して用いることもできる。
なお、ここでいう「主成分」とは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の成分を含みうることを意味し、好ましくは全体の50~100質量%、より好ましくは70~100質量%、さらに好ましくは90~100質量%を意味する。
但し、本発明の効果を有効に得る観点から、エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤の合計量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上、よりさらに好ましくは95質量%以上であり、100質量%であってもよい。
本発明は、前記エポキシ樹脂組成物を含有する塗料を提供する。本発明の塗料は、前記エポキシ樹脂組成物を含有することにより、形成される塗膜の耐水性及び耐薬品性が良好になる。当該塗料としては、例えば、船舶塗料、重防食塗料、タンク用塗料、パイプ内装用塗料、外装用塗料、床材用塗料等が挙げられる。
基材としてリン酸亜鉛処理鉄板(パルテック(株)製;SPCC-SD PB-N144 0.8×70×150mm)を用いた。23℃、50%R.H.条件下で、基材上に各例のエポキシ樹脂組成物をアプリケーターを用いて塗布し、塗膜を形成した(塗布直後の塗膜厚み:200μm)。この塗膜を23℃、50%R.H.条件下で保存し、1日経過後に指触により以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
Ex:優秀(約50Nの力で親指を押し付けた際も塗膜のべたつきがなく、指紋の残存もなし)
G:良好(約50Nの力で親指を押し付けた際に塗膜のべたつきはないが、指触後の指紋の残存あり)
F:可(約50Nの力で親指を押し付けた際に塗膜のべたつきあり)
P:不良(約5Nの力で親指を押し付けた際に塗膜のべたつきあり)
前記と同様の方法で基材(リン酸亜鉛処理鉄板)上にエポキシ樹脂組成物を塗布して塗膜を形成した(塗布直後の厚み:200μm)。この塗膜を23℃、50%R.H.条件下で保存し、1日経過後にJIS K5600-5-4:1999に準拠して鉛筆硬度を測定した。結果を表1に示す。
前記と同様の方法で基材(リン酸亜鉛処理鉄板)上にエポキシ樹脂組成物を塗布して塗膜を形成した(塗布直後の厚み:200μm)。この塗膜を23℃、50%R.H.条件下で保存し、1、2、7日経過後に塗膜表面にスポイトで純水を2~3滴滴下し、その箇所を50mLスクリュー管瓶で蓋をした。24時間経過後に水を拭き取り、外観を目視観察して、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
Ex:変化なし
G:わずかに変化はあるが、良好
F:変化あり
ガラス板(太佑機材(株)製 25×348×2.0mm)上に、23℃、50%R.H.条件下、各例のエポキシ樹脂組成物を76μmのアプリケーターを用いて塗布し、塗膜を形成した。塗膜を形成したガラス板を塗料乾燥時間測定器(太佑機材(株)製)にセットし、測定器の針が塗膜表面を引っかいた際の条痕を観察して、各乾燥段階(指触乾燥、半乾燥、完全乾燥)への到達時間を以下の基準で測定した。結果を表1に示す。時間が短い方が、硬化速度が速いことを示す。
指触乾燥(Set to Touch):ガラス板上に針の跡が残り始める時間
半乾燥(Dust Free):針の跡が塗膜の中から塗膜表面上に浮き出てくる時間
完全乾燥(Dry through):塗膜上に針の跡が残らなくなる時間
前記と同様の方法で基材(リン酸亜鉛処理鉄板)上にエポキシ樹脂組成物を塗布して塗膜を形成した(塗布直後の厚み:200μm)。得られた塗膜の1日経過後の外観を目視観察して、透明性及び光沢性を以下の基準で評価した。
(透明性)
Ex:濁りがない
G:わずかに濁りがあるが、使用上問題ない
F:白濁している
(光沢性)
Ex:光沢あり
G:やや光沢が劣るが、使用上問題ない
F:光沢なし
基材としてリン酸亜鉛処理鉄板(パルテック(株)製;SPCC-SD PB-N144 0.8×70×150mm)を用いた。基材上に各例のエポキシ樹脂組成物をアプリケーターを用いて塗布して塗膜を形成し(塗布直後の塗膜厚み:200μm)、非塗装部を錆止め塗料(関西ペイント(株)製「ミリオンプライマー」及び「ミリオンクリヤー」)でシールして試験片を作製した。この試験片を23℃、50%R.H.条件下で保存し、14日経過後の試験片について次の方法で耐薬品性評価を行った。
トルエンを1Lのポリ容器に注ぎ入れ、前記試験片を約80mm浸漬させ、23℃条件下で1、2、及び3週間経過後に外観を目視観察して、以下の基準で評価した。
Ex:変化なし
G:わずかに変化はあるが、良好
F:変化あり
前記試験片の塗膜表面に、JIS K5600-7-9:2006に準拠してカッターナイフを用いて長さ50mmの対角状に交差する2本の切り込みを入れたクロスカット試験片を作製した。
塩水噴霧試験機(スガ試験機(株)製「STP-90」、槽内温度35℃)にクロスカット試験片を設置した。塩水(濃度5質量%)を噴霧し続けて、1、2、及び3週間経過後に外観を目視観察し、クロスカット部位で発生した基材上の錆幅(mm)を確認した。錆幅が小さいほど防食性に優れることを示す。
ベンザルマロノニトリルを出発原料として用い、下記手順にて水素化を行った。
(水素化第一段階)
アルゴン置換した200mLオートクレーブに、ベンザルマロノニトリル(東京化成工業(株)製)8.0gを加えた。次いで、該オートクレーブ内に溶媒としてテトラヒドロフラン80g、及び水素化触媒として10%-Pd/C(エヌ・イー ケムキャット製)2.0gを添加して密閉し、オートクレーブ内を加圧条件下で水素置換した。水素置換は、圧力2MPaで1回、1MPaで2回行った。
系内を水素で5MPaまで昇圧した後、昇温しながら300rpmで撹拌を開始した。75℃に達した時点を反応開始として約3時間撹拌を継続し、水素吸収が見られなくなった時点で反応終了とし、加熱・攪拌を停止して放冷した。
圧力を下げた後、オートクレーブ内を開放し、反応液をろ過してろ液を回収した。回収したろ液をガスクロマトグラフィー(GC)にて分析したところ、下記構造で表されるベンザルマロノニトリルの部分水素化物の、GC面積%換算での収率は50%であった。
次に、アルゴン置換した200mLオートクレーブに、前記ベンザルマロノニトリルの部分水素化物を含むろ液30.0g、及びテトラヒドロフラン49.4gを添加した。次いで、水素化触媒であるラネーコバルト(Raney 2724、W.R.Grace製)を6.5gはかり取り、該オートクレーブ内に添加し、オートクレーブ内を加圧条件下で水素置換した。水素置換は、圧力2MPaで1回、1MPaで2回行った。
系内を水素で8MPaまで昇圧した後、昇温しながら300rpmで撹拌を開始した。100℃に達した時点を反応開始として約5時間撹拌を継続し、水素吸収が見られなくなった時点で反応終了とし、加熱・攪拌を停止して放冷した。
圧力を下げた後、オートクレーブ内を開放し、系内をテトラヒドロフランで洗浄しながら反応液を回収した。回収した反応液をガスクロマトグラフィー(GC)にて分析し、ベンザルマロノニトリルの部分水素化物を出発物質としてのGC面積%換算で、下記構造で表される2-ベンジルプロパン-1,3-ジアミンが理論量生成していることを確認した。該反応液をさらに蒸留精製し、BPDAを得た。BPDAのAHEWは41である。
攪拌装置、温度計、窒素導入管、滴下漏斗及び冷却管を備えた内容積100mLのセパラブルフラスコに、製造例1で得られたBPDA8.2gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら80℃に昇温した。80℃に保ちながら、エポキシ化合物として、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルオキシ基を有する多官能エポキシ樹脂(三菱ケミカル(株)製「jER828」、エポキシ当量:186g/当量)37.2g(エポキシ樹脂硬化剤中の活性水素数/エポキシ化合物中のエポキシ基数=8/1となる量)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、100℃に昇温して2時間反応を行い、BPDAとjER828との反応生成物(AHEW73)を得た。
攪拌装置、温度計、窒素導入管、滴下漏斗及び冷却管を備えた内容積100mLのセパラブルフラスコに、イソホロンジアミン8.5gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら80℃に昇温した。80℃に保ちながら、エポキシ化合物として、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルオキシ基を有する多官能エポキシ樹脂(三菱ケミカル(株)製「jER828」、エポキシ当量:186g/当量)37.2g(エポキシ樹脂硬化剤中の活性水素数/エポキシ化合物中のエポキシ基数=8/1となる量)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、100℃に昇温して2時間反応を行い、イソホロンジアミンとjER828との反応生成物(AHEW75)を得た。
製造例2で得られた反応生成物に対し、非反応性希釈剤であるベンジルアルコールを全体量の40質量%となる量を添加して希釈し、前記反応生成物の濃度が60質量%のエポキシ樹脂硬化剤A(AHEW122)を得た。
エポキシ樹脂組成物の主剤であるエポキシ樹脂として、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルオキシ基を有する多官能液状エポキシ樹脂(三菱ケミカル(株)製「jER828」、エポキシ当量186g/当量)を使用した。該エポキシ樹脂と硬化剤Aとを、エポキシ樹脂中のエポキシ基数に対する硬化剤中の活性水素数の比(硬化剤中の活性水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基数)が1/1となるよう配合して混合し、エポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、前述の方法で各種評価を行った。結果を表1に示す。
比較製造例1で得られた反応生成物に対し、非反応性希釈剤であるベンジルアルコールを全体量の40質量%となる量を添加して希釈し、前記反応生成物の濃度が60質量%の比較用エポキシ樹脂硬化剤a(AHEW125)を得た。
実施例1において、エポキシ樹脂硬化剤Aに替えて該エポキシ樹脂硬化剤aを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でエポキシ樹脂組成物を調製し、前記評価を行った。結果を表1に示す。
Claims (4)
- 下記一般式(1)で表されるジアミンの変性体を含有するエポキシ樹脂硬化剤であって、
(式(1)中、R1は炭素数1~8のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、又は炭素数7~13のアラルキル基を表す。pは0~3の数である。)
前記一般式(1)で表されるジアミンの変性体が、前記一般式(1)で表されるジアミンと、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物との反応生成物を含み、
前記反応生成物は、前記エポキシ化合物中のエポキシ基数に対する前記ジアミン中の活性水素数(ジアミン中の活性水素数/エポキシ化合物中のエポキシ基数)が50/1~4/1となるように、前記ジアミンと前記エポキシ化合物とを反応させたものである、エポキシ樹脂硬化剤。 - 前記一般式(1)で表されるジアミンが2-ベンジルプロパン-1,3-ジアミンである、請求項1に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
- エポキシ樹脂と、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物。
- 請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物を含有する塗料。
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