<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるスロットマシン10に本発明を適用した場合の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図であり、図3は筐体11の正面図である。
図2及び図3に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前方に開放された箱状に形成されている。
筐体11の前面側には、図1及び図2に示すように前面扉12が取り付けられている。前面扉12はその左側部に設けられた軸部12aを回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14への所定のキーによる解錠操作により解除される。
前面扉12の中央部上寄りには図1に示すように、遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明な材質により形成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
図2及び図3に示すように、筐体11は仕切り板11aによりその内部が上下2分割されており、仕切り板11aの上部にはリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L、中リール32M及び右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リール32L,32M,32Rの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
遊技パネル20の下方左側には図1に示すように、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。メダル及び仮想メダルといった遊技媒体がベットされているときにこのスタートレバー41が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン42,43,44が設けられている。各ストップボタン42,43,44は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42,43,44は、左リール32Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
なお、スタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、各ストップボタン42,43,44の操作に基づき各リール32L,32M,32Rが回転を停止して、遊技媒体の付与及び遊技状態の管理といった各種処理の実行が完了するまでが、1回のゲーム(遊技回)に相当する。
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、図2に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ52によって、受付許可時であればホッパ装置53へ導かれ、受付禁止時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口58からメダル受け皿59へと導かれる(図1参照)。なお、ホッパ装置53は、有効ライン上に遊技媒体の付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口58を通じてメダル受け皿59に払い出す機能を有している。
メダル投入口45の下方には、図1に示すように、メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ52内に詰まった際に押される返却ボタン46が設けられている。また、表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、クレジットされた仮想メダルを一度にベット可能な最大分投入するための第1クレジット投入ボタン47と、仮想メダルを一度に2枚投入するための第2クレジット投入ボタン48と、仮想メダルを一度に1枚投入するための第3クレジット投入ボタン49とが設けられている。
スタートレバー41の左側には、精算ボタン51が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン51を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口58から払い出されるようになっている。
筐体11の内部においてホッパ装置53の左方には、図2及び図3に示すように、電源装置54が設けられている。電源装置54には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源スイッチ55と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン56と、スロットマシン10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更するために操作される設定キー挿入部57と、が設けられている。なお、スロットマシン10の設定状態は「設定1」~「設定6」の6段階に限定されることはなく複数段階であれば任意である。
設定キー挿入部57に設定キーを挿入して所定方向に回転操作することにより設定キー挿入部57がON操作された状態となる。その状態でスロットマシン10への動作電力の供給を開始させることで(すなわち主制御装置70のMPU72への動作電力の供給を開始させることで)、スロットマシン10の設定状態を変更することが可能な変更可能状態となる。そして、この状態においてリセットボタン56を1回押圧操作する度にスロットマシン10の設定状態が「設定1」~「設定6」の範囲において昇順で1段階ずつ変更される。なお、「設定6」の状態でリセットボタン56が操作された場合には「設定1」に更新される。また、設定キー挿入部57に挿入している設定キーをON操作の位置から所定方向とは反対方向に回転操作して初期位置に復帰させることにより設定キー挿入部57がOFF操作された状態となる。スタートレバー41が操作された後に設定キー挿入部57がOFF操作された状態となることで上記変更可能状態が終了し、その時点における設定値の状態で遊技を行うことが可能な状態となる。つまり、変更可能状態が終了した後にリセットボタン56を操作しても設定値を変更することはできない。
スロットマシン10の設定状態は当該スロットマシン10における単位時間当たりの有利度を定めるものであり、「設定n」(nは「1」~「6」の整数)のnが大きい値ほど(すなわち設定値が高いほど)有利度が高くなる。具体的には、設定値が高いほどボーナス状態(BB状態及びRB状態)の当選確率が高くなるように設定されているとともに、遊技媒体の付与契機となる小役の当選確率も高くなるように設定されている。
次に、各リール32L,32M,32Rに付されている図柄について説明する。
図4には、左リール32L、中リール32M及び右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応させて番号が「0」~「20」まで付されているが、これら番号は後述する主制御装置70が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの15番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)の7種類がある。そして、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は異なっている。
図5は、表示窓部21L,21M,21Rの正面図である。各表示窓部21L,21M,21Rは、対応するリール32L,32M,32Rに付された21個の図柄のうち図柄全体が視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、1本のメインラインMLが設定されている。メインラインMLは、左リール32Lの中段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの中段図柄を結んだラインである。規定数の遊技媒体がベットされた状態で各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該メインラインML上に当選役に対応した入賞が成立した場合には、遊技媒体の付与という利益、再遊技という利益及び遊技状態の移行のいずれかが付与される。
つまり、本スロットマシン10では、入賞が成立し得るラインとして1本のメインラインMLのみが設定されている。そして、当該メインラインMLは一直線に延びるラインとして設定されている。したがって、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL1と、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの上段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL2と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの下段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL3と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL4といった1直線に延びるライン上に、入賞対象となる図柄の組合せが成立したとしても、入賞は成立しない。
以下、図6を参照しながら、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明する。図6は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明するための説明図である。
遊技媒体の付与が行われる小役入賞としては、第1補填入賞、第2補填入賞、第3補填入賞、第1ベル入賞、第2ベル入賞、第1スイカ入賞、第2スイカ入賞及びチェリー入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第1補填入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第2補填入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第3補填入賞となる。第1~第3補填入賞のいずれかとなった場合、遊技媒体の付与対象数が「1」となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第1ベル入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第2ベル入賞となる。第1~第2ベル入賞のいずれかとなった場合、遊技媒体の付与対象数が「11」となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、第1スイカ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、第2スイカ入賞となる。第1~第2スイカ入賞のいずれかとなった場合、遊技媒体の付与対象数が「5」となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「チェリー」図柄となった場合、中リール32Mの停止図柄及び右リール32Rの停止図柄がいずれであったとしてもチェリー入賞となる。チェリー入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「2」となる。
遊技媒体をベットすることなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞として、通常リプレイ入賞、第1チャンスリプレイ入賞、第2チャンスリプレイ入賞、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、又はメインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、通常リプレイ入賞となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第1チャンスリプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第2チャンスリプレイ入賞となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第1RTリプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第2RTリプレイ入賞となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第1転落リプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第2転落リプレイ入賞となる。
上記いずれかのリプレイ入賞となった場合、遊技媒体のベットを不要としながら次ゲームの遊技を行うことが可能となる再遊技の特典が付与される。具体的には、「3」の遊技媒体をベットしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、遊技媒体のベットを不要としながら、「3」の遊技媒体がベットされた状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。
上記各種リプレイ入賞のうち、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞は、リプレイ入賞の特典の付与契機となるだけではなく抽選モードの移行契機となる。本スロットマシン10では役の抽選処理(図17)において抽選対象となる役の種類及び各役の当選確率が相違するように複数種類の抽選モードが設定されており、これら抽選モード間の移行は抽選モードの移行契機となるリプレイ入賞が成立した場合に発生する。各抽選モードの内容及び各抽選モードへの移行条件については後に詳細に説明する。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞として、第1BB入賞、第2BB入賞、第3BB入賞、第4BB入賞、第1RB入賞及び第2RB入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、第1BB入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「白7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄である場合、第2BB入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄である場合、第3BB入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「白7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、第4BB入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、第1RB入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「白7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、第2RB入賞となる。
第1BB入賞、第2BB入賞、第3BB入賞又は第4BB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。また、第1RB入賞又は第2RB入賞が成立した場合には、遊技状態がRB状態に移行する。BB状態及びRB状態はいずれもボーナス状態に該当する。ボーナス状態は、ボーナス状態以外の遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待数が高くなる遊技状態である。具体的には、第1ベル入賞の成立を可能とさせる役に他の遊技状態の場合よりも高い確率(例えば約1/1.5)で当選するとともに、当該役に当選した場合には各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングとは無関係に第1ベル入賞が成立することとなる。一方、ボーナス状態において1ゲームを開始させるために必要な遊技媒体数は他の遊技状態と同一となっている。したがって、ボーナス状態においてはボーナス状態以外の遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の純増期待値が高くなる。なお、ボーナス状態において1ゲームを開始させるために必要な遊技媒体数が他の遊技状態よりも少ない構成としてもよく、ボーナス状態においてはボーナス状態以外の遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の純増期待値が高くなるのであればボーナス状態において1ゲームを開始させるために必要な遊技媒体数が他の遊技状態よりも多い構成としてもよい。
ボーナス状態のうちBB状態は、複数ゲームに亘って継続し、ゲームの実行内容に応じた事象の発生に基づき終了条件が成立した場合に終了する。当該終了条件は任意であるが、本スロットマシン10ではBB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数がBB終了基準数(具体的には「350」)以上となることが終了条件として設定されている。なお、BB状態において実行されたゲーム数がBB終了基準ゲーム数となった場合に当該終了条件が成立する構成としてもよい。
ボーナス状態のうちRB状態は、複数ゲームに亘って継続し、ゲームの実行内容に応じた事象の発生に基づき終了条件が成立した場合に終了する。当該終了条件は任意であるが、本スロットマシン10ではRB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数がRB終了基準数(具体的には「150」)以上となることが終了条件として設定されている。このRB終了基準数はBB終了基準数よりも少ない数となっている。したがって、BB状態の方がRB状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、RB状態において実行されたゲーム数がRB終了基準ゲーム数となった場合に当該終了条件が成立する構成としてもよい。この場合、RB終了基準ゲーム数をBB終了基準ゲーム数よりも少ない数とすることにより、BB状態の方がRB状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態とすることが可能となる。
次に、各種報知及び各種演出を実行するための装置について説明する。
前面扉12の上部には、図1に示すように、上部ランプ61及びスピーカ62が設けられているとともに画像表示装置63が設けられている。上部ランプ61は、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した態様で発光制御されるとともに、入賞結果に応じた態様で発光制御される。また、上部ランプ61は、画像表示装置63における表示演出に対応した発光演出が行われるように発光制御される。スピーカ62は左右一対として設けられており、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御されるとともに、入賞結果に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御される。また、スピーカ62は、画像表示装置63における表示演出に対応した音出力演出が行われるように音出力制御される。
画像表示装置63は表示面を有しており、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されているが、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。スロットマシン10において異常が発生した場合には当該異常に対応した画像が当該表示面にて表示されるように表示制御される。また、画像表示装置63は、内部抽選における役の当選結果及び各ゲームにおける入賞結果に対応した画像が表示面にて表示されるように表示制御される。つまり、画像表示装置63では表示演出が実行される。
前面扉12の遊技パネル20には、表示窓部21L,21M,21Rの下方の位置に、貯留記憶された仮想メダルの数を表示するクレジット表示部65と、小役入賞時に付与対象となった遊技媒体数を表示するとともに画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合にその報知される内容に対応した表示が行われ、さらには遊技履歴の管理結果を報知するための表示が行われる兼用表示部66と、遊技区間が有利区間であることに対応した表示が行われる有利区間表示部67とが設けられている。クレジット表示部65は7セグメント表示器によって構成されており、各セグメントには緑色などの単色発光タイプのLEDが用いられている。
図7(a)は兼用表示部66及び有利区間表示部67が設けられた共通表示領域68の正面図である。共通表示領域68には、図7(a)に示すように2個の7セグメント表示器66a,66bを横方向に並設することで設けられた兼用表示部66と、1個の発光部からなる有利区間表示部67とが集約されている。
遊技媒体の付与に対応するいずれかの小役入賞(第1~第3補填入賞、第1~第2ベル入賞、第1~第2スイカ入賞又はチェリー入賞)が成立した場合には、その小役入賞が成立したゲームの終了時にその小役入賞に対応する遊技媒体の付与数が兼用表示部66にて表示される。具体的には、第1~第3補填入賞のいずれかが成立した場合には左側の7セグメント表示器66aは非表示となるとともに右側の7セグメント表示器66bに「1」が表示されることによって「1」の遊技媒体が付与されたことが報知される。第1~第2ベル入賞のいずれかが成立した場合には左側の7セグメント表示器66a及び右側の7セグメント表示器66bのそれぞれに「1」が表示されることによって「11」の遊技媒体が付与されたことが報知される。また、第1~第2スイカ入賞のいずれかが成立した場合には左側の7セグメント表示器66aは非表示となるとともに右側の7セグメント表示器66bに「5」が表示されることによって「5」の遊技媒体が付与されたことが報知される。また、チェリー入賞が成立した場合には左側の7セグメント表示器66aは非表示となるとともに右側の7セグメント表示器66bに「2」が表示されることによって「2」の遊技媒体が付与されたことが報知される。一方、いずれかのリプレイ入賞、いずれかのBB入賞及びいずれかのRB入賞といった遊技媒体が付与されない入賞が成立したとしても、その入賞に対応する表示が兼用表示部66にて行われることはなく、この場合には各7セグメント表示器66a,66bは非表示の状態に維持される。兼用表示部66における遊技媒体の付与数の表示は、その表示が行われたゲームの次ゲームを開始させるために遊技媒体がベットされた場合に終了され、このベットされたタイミングにおいて各7セグメント表示器66a,66bは非表示の状態となる。
画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合には、その報知される停止順序に対応する情報が兼用表示部66にて表示される。図7(b)は兼用表示部66にて表示される停止順序に対応する情報の内容を説明するための説明図である。図7(b)に示すように、本スロットマシン10では画像表示装置63にて報知されるリール32L,32M,32Rの停止順序として、第1停止が左リール32Lであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が右リール32Rである停止順序と、第1停止が左リール32Lであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が中リール32Mである停止順序と、第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rである停止順序と、第1停止が中リール32Mであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が左リール32Lである停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が中リール32Mである停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が左リール32Lである停止順序と、第1停止が左リール32Lであり残りが任意である停止順序と、第1停止が中リール32Mであり残りが任意である停止順序と、第1停止が右リール32Rであり残りが任意である停止順序と、が存在している。
画像表示装置63における停止順序の報知は、役の抽選処理にて第1ベル当選データを含む役に当選した場合、第1RTリプレイ当選データを含む役に当選した場合、第2RTリプレイ当選データを含む役に当選した場合、第1転落リプレイ当選データを含む役に当選した場合又は第2転落リプレイ当選データを含む役に当選した場合に実行され得る。具体的には、第1ベル当選データを含む役に当選した場合、上記各停止順序のうち今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に第1ベル入賞が成立する。そして、第1ベル入賞が成立した場合には既に説明したとおり「11」の遊技媒体が遊技者に付与される。
第1RTリプレイ当選データを含む役に当選した場合、上記各停止順序のうち今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に第1RTリプレイ入賞が成立する。そして、第1RTリプレイ入賞が成立した場合には抽選モードが通常モードよりもいずれかのリプレイ当選データを含む役に当選し易い(すなわちいずれかのリプレイ入賞が成立し易い)第1RTモードに移行する。また、第2RTリプレイ当選データを含む役に当選した場合、上記各停止順序のうち今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に第2RTリプレイ入賞が成立する。そして、第2RTリプレイ入賞が成立した場合には抽選モードが第1RTモードよりもいずれかのリプレイ当選データを含む役に当選し易い(すなわちいずれかのリプレイ入賞が成立し易い)第2RTモードに移行する。
第1転落リプレイ当選データを含む役に当選した場合、上記各停止順序のうち今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に第1転落リプレイ入賞が回避される。第1転落リプレイ入賞が成立した場合には抽選モードが第1RTモードから通常モードに移行してしまうが第1転落リプレイ入賞の成立を回避することでこの通常モードへの移行を回避することができる。また、第2転落リプレイ当選データを含む役に当選した場合、上記各停止順序のうち今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に第2転落リプレイ入賞が回避される。第2転落リプレイ入賞が成立した場合には抽選モードが第2RTモードから第1RTモードに移行してしまうが第2転落リプレイ入賞の成立を回避することでこの第1RTモードへの移行を回避することができる。
上記停止順序のいずれかが画像表示装置63にて報知される場合には、兼用表示部66における左側の7セグメント表示器66aは非表示の状態が維持される一方、右側の7セグメント表示器66bにてその報知対象の停止順序に対応する表示が行われる。この表示内容は図7(b)に示す通りであり、画像表示装置63における停止順序の報知内容に対して兼用表示部66の停止順序の表示内容が1対1で対応させて設定されている。但し、これに限定されることはなく、画像表示装置63における停止順序の報知内容の一部又は全部に対しては兼用表示部66の複数種類の表示内容が対応させて設定されている構成としてもよい。
兼用表示部66における停止順序の表示内容は、兼用表示部66にて遊技媒体の付与に対応する表示が行われる場合に表示対象となる表示内容と相違している。これにより、兼用表示部66にて表示されている内容が、遊技媒体の付与数に対応しているのか、それともリール32L,32M,32Rの停止順序に対応しているのかを区別し易くなる。
図8(a)及び図8(b)は画像表示装置63における停止順序の報知内容と兼用表示部66における停止順序の表示内容との関係を説明するための説明図である。
画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、図8(a)に示すように、画像表示装置63にはゲームを終了させるために必要な停止操作の回数と同数の単位表示画像G1~G3が表示され、各単位表示画像G1~G3においてリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示が行われる。具体的には左リール32Lに対応する左単位表示画像G1と、中リール32Mに対応する中単位表示画像G2と、右リール32Rに対応する右単位表示画像G3とが表示される。そして、図8(a)においては第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rである場合の停止順序が報知される様子を示しているため、左単位表示画像G1には左リール32Lの停止順序に対応する「2」の画像が表示され、中単位表示画像G2には中リール32Mの停止順序に対応する「1」の画像が表示され、右単位表示画像G3には右リール32Rの停止順序に対応する「3」の画像が表示される。
画像表示装置63においては上記のようにリール32L,32M,32Rの停止順序そのものを報知する画像が表示されるのに対して、兼用表示部66では図8(b)に示すように、上記リール32L,32M,32Rの停止順序に対応する「L」の表示が行われる。つまり、画像表示装置63においてはリール32L,32M,32Rの数に対応する単位表示画像G1~G3が表示されるとともに各単位表示画像G1~G3において対応するリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示が行われるのに対して、兼用表示部66ではリール32L,32M,32Rの数とは無関係な表示が行われる。これにより、兼用表示部66においてリール32L,32M,32Rの停止順序の報知内容に対応する表示が行われるとしても、画像表示装置63における表示内容に遊技者を注目させることが可能となる。
兼用表示部66の表示範囲は画像表示装置63の表示範囲よりも狭い範囲となっている。この点からも、画像表示装置63に比べて兼用表示部66に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。また、兼用表示部66は、リール32L,32M,32Rを視認可能とする表示窓部21L,21M,21Rを挟んで画像表示装置63側とは逆側に存在している。これにより、画像表示装置63に対して兼用表示部66が離間された位置に配置されることとなり、これによっても兼用表示部66に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。
リール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、兼用表示部66におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示及び画像表示装置63におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示は役の抽選処理が行われた後であってリール32L,32M,32Rの停止操作が有効化される前に開始される。この場合、兼用表示部66におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示の方が、画像表示装置63におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示よりも先に開始されるが、これら表示が同時又は略同時に開始される構成としてもよく、表示開始順序が逆であってもよい。また、兼用表示部66及び画像表示装置63におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示は、当該表示の実行対象となったゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rに対して停止指令が発生した場合に終了される。
兼用表示部66は共通表示領域68において中央側に配置されているのに対して、有利区間表示部67は共通表示領域68の隅角側に配置されている。有利区間表示部67は、遊技区間が通常区間及び有利区間のうち有利区間であることを報知するための表示部である。有利区間とは、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて成立対象となる入賞が異なる役に当選した場合に遊技者にとって有利な入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される区間、及び遊技者にとって有利な遊技状態であるART状態への移行確率が通常区間よりも高くなる区間のいずれかに該当する区間である。一方、通常区間とは、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて成立対象となる入賞が異なる役に当選した場合に遊技者にとって有利な入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない区間であって、遊技者にとって有利な遊技状態であるART状態への移行確率が有利区間よりも低くなる区間又はART状態への移行が発生しない区間である。
通常区間において有利区間への移行条件が成立して有利区間に移行した場合に、有利区間表示部67は点灯状態となることにより有利区間であることの報知が開始される。また、有利区間において通常区間への移行条件が成立して通常区間に移行した場合に、有利区間表示部67は消灯状態となることにより有利区間であることの報知が終了される。これにより、有利区間であることを遊技ホールの管理者等に報知することが可能となる。また、共通表示領域68に集約させて設けられる兼用表示部66は、遊技媒体の付与が発生した場合に点灯状態とされ次のゲームの開始に際して消灯状態とされるとともに、リール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置63にて表示される場合に点灯状態とされそのゲームの終了に際して消灯状態とされる。したがって、有利区間表示部67を共通表示領域68内に配置することで遊技者にとって目立ち過ぎるものとなってしまうことを抑えた構成において、有利区間である状況では共通表示領域68において有利区間表示部67のみが点灯状態となっている状況を積極的に生じさせることが可能となり、遊技ホールの管理者にとって有利区間表示部67の確認の容易化が図られる。
なお、有利区間においては有利区間表示部67の点灯状態が維持される構成に代えて有利区間においては有利区間表示部67にて所定の周期で点滅表示が行われる構成としてもよい。また、兼用表示部66及び有利区間表示部67として、液晶表示装置などの他の表示器を用いてもよい。
スロットマシン10には、各種制御装置が設けられている。具体的には、図3に示すように、リールユニット31の上方には、主制御装置70が設けられている。当該主制御装置70は、筐体11の背面部を生じさせる背板11bに取り付けられている。主制御装置70は、主制御基板71が基板ボックス81に収容されて構成されている。主制御基板71の一方の板面である素子搭載面には、MPU72が搭載されている。基板ボックス81は当該基板ボックス81の外部から当該基板ボックス81内に収容されたMPU72を目視することが可能となるように透明に形成されている。なお、基板ボックス81は無色透明に形成されているが、基板ボックス81の外部から当該基板ボックス81内に収容されたMPU72を目視することが可能であれば有色透明に形成されていてもよい。主制御装置70は基板ボックス81において主制御基板71の素子搭載面と対向する対向壁部82がスロットマシン10前方を向くようにして筐体11の背板11bに搭載されている。したがって、前面扉12を筐体11に対してスロットマシン10前方に開放させて筐体11の内部空間を露出させることにより、基板ボックス81の対向壁部82を目視することが可能となるとともに当該対向壁部82を通じてMPU72を目視することが可能となる。
基板ボックス81は複数のケース体を前後に組合せることにより形成されているが、これら複数のケース体には、これらケース体の分離を阻止するとともにこれらケース体の分離に際してその痕跡を残すための結合部83が設けられている。結合部83は、略直方体形状の基板ボックス81における一辺に複数並設されている。これにより、一部の結合部83を利用してケース体の分離を阻止している状態において当該一部の結合部83を破壊してケース体を分離したとしても、その後に別の結合部83を結合状態とすることでケース体の分離を再度阻止することが可能となる。また、ケース体の分離に際して結合部83が破壊されてその痕跡が残ることにより、結合部83を目視確認することでケース体の分離が不正に行われているか否かを把握することが可能となる。また、基板ボックス81において結合部83が並設された一辺とは別の一辺にはケース体間の境界を跨ぐようにして封印シール84が貼り付けられている。封印シール84はその引き剥がしに際して粘着層がケース体に残る。これにより、ケース体の分離に際して封印シール84が剥がされた場合にはその痕跡を残すことが可能となる。
スロットマシン10には図2に示すように、主制御装置70以外にも演出制御装置90が設けられている。演出制御装置90は、前面扉12において画像表示装置63の後方に重ねて配置されている。演出制御装置90は、主制御装置70から受信したコマンドに基づき、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63の制御を実行する。なお、演出制御装置90は、主制御装置70と同様に、基板ボックス内に制御基板が収容されてなる。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置70の主制御基板71には既に説明したとおりMPU72が搭載されている。MPU72には、当該MPU72により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM73と、そのROM73内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM74と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。なお、MPU72に対してROM73及びRAM74が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU72には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU72の入力側には、リールユニット31、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42,43,44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a,43a,44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、各クレジット投入ボタン47,48,49の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ47a,48a,49a、精算ボタン51の操作を検出する精算検出センサ51a、ホッパ装置53の払出検出センサ、並びに電源装置54に設けられたリセットボタン56の操作を検出するリセット検出センサ及び設定キー挿入部57に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU72に入力される。
MPU72の出力側には、リールユニット31、セレクタ52に設けられたセレクタ駆動部52a、ホッパ装置53の払出モータ、兼用表示部66、有利区間表示部67及び演出制御装置90等が接続されている。各ゲームにおいてはリールユニット31の各リール32L,32M,32Rの回転駆動制御がMPU72により行われる。セレクタ52は、メダル投入口45から投入されたメダルを、受付許可時であれば投入メダル検出センサ45aにて検出させた後にホッパ装置53へ導き、受付禁止時であれば投入メダル検出センサ45aにて検出させることなくメダル受け皿59へ排出する機能を有する。セレクタ駆動部52aはセレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換えるための機能を有しており、具体的にはセレクタ52に設けられた通路切換片を受付許可用の位置と受付禁止用の位置との間で動作させる。MPU72はセレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力状態及び停止状態を切り換えることにより、セレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換える。
MPU72は、小役入賞が成立してメダルの払い出しを実行する場合にはホッパ装置53の駆動制御を実行する。また、MPU72は、遊技媒体の付与が発生した場合にはその付与対象となった遊技媒体の数が表示されるように兼用表示部66を表示制御する。また、MPU72は、有利区間である場合には有利区間であることの報知が行われるように有利区間表示部67を表示制御する。また、MPU72は、遊技の管理結果に対応する表示が行われるように兼用表示部66を表示制御する。また、MPU72は、各ゲームの各タイミングで演出制御装置90にコマンドを送信するとともに、画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序を報知させるためのコマンドを演出制御装置90に送信する場合にはその報知させる内容に対応した表示が行われるように兼用表示部66の表示制御を実行する。この場合、画像表示装置63の直接的な表示制御は演出制御装置90により行われるのに対して、兼用表示部66の直接的な表示制御はMPU72により行われる。つまり、相対的に複雑な表示制御の実行対象となる画像表示装置63については演出制御装置90において直接的な表示制御が実行され、相対的に簡素な表示制御の実行対象となる兼用表示部66についてはMPU72において直接的な表示制御が実行される。これにより、MPU72の処理負荷の軽減を図りながら、演出への注目度の向上を重視した表示と、信頼性を重視した表示との両方を行うことが可能となる。
MPU72の入力側には、電源装置54に設けられた停電監視回路が接続されている(図示略)。電源装置54には、主制御装置70をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部及び停電監視回路が搭載されており、停電監視回路は、外部電源から電源部に印加されている電圧を監視し、当該電圧が基準電圧以下となった場合にMPU72に停電信号を出力する。MPU72は、停電信号を受信することにより停電時処理を実行し、復電後において停電前の処理状態への復帰を可能とする。また、電源装置54には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電断中電力としてバックアップ電力をRAM74に供給するための電断中電源部が設けられている。これにより、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況であっても、電断中電源部においてバックアップ電力を供給可能な状況(例えば1日や2日)ではRAM74においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタン56を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM74に記憶保持されているデータは初期化される。
演出制御装置90は、各種報知や各種演出の実行を制御するための演出制御基板91を具備している。演出制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92には、当該MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM93、及びそのROM93内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM94が内蔵されているとともに、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路、割込回路、データ入出力回路及び乱数発回路などが内蔵されている。
なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。また、RAM94には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電源装置54の電断中電源部からバックアップ電力が供給されないが、RAM94に対してバックアップ電力が供給される構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、既に説明したとおり主制御装置70のMPU72が接続されており、当該MPU72から各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63が接続されている。MPU92は、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき、上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御、及び画像表示装置63の表示制御を実行することで、各種報知や各種演出が行われるようにする。
演出制御基板91には、図示は省略するが、MPU92の他に、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、キャラクタROM、及びビデオRAM等が搭載されている。VDPは、画像表示装置63に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDPは、ビデオRAMのデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAMに記憶させる画像データを、キャラクタROMから所定のタイミングで読み出して画像表示装置63に表示させる。キャラクタROMは、画像表示装置63に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROMには、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。ビデオRAMは、画像表示装置63に表示させる表示データを記憶するためのメモリである。MPU92は、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき演出の実行内容を決定した場合、その決定した演出の実行内容に従って、各更新タイミングに対応する画像の内容を指示する描画リストをVDPに出力する。VDPは、当該描画リストに従ってキャラクタROMから画像データを読み出し、その読み出した画像データを利用してビデオRAMに表示データを作成する。そして、VDPは、その作成した表示データに対応する画像信号を画像表示装置63に出力することで、当該画像表示装置63にその表示データに対応する画像を表示させる。
なお、以下の説明では説明の便宜上、主制御装置70のMPU72、ROM73及びRAM74をそれぞれ主側MPU72、主側ROM73及び主側RAM74といい、演出制御装置90のMPU92、ROM93及びRAM94をそれぞれ演出側MPU92、演出側ROM93及び演出側RAM94という。
次に、主側MPU72により実行される処理について説明する。まず、主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に当該主側MPU72にて実行されるメイン処理について図10のフローチャートを参照しながら説明する。
まず電源投入ウエイト処理を実行する(ステップS101)。当該電源投入ウエイト処理では、例えばメイン処理が起動されてからウエイト用の所定時間(具体的には1秒)が経過するまで次の処理に進行することなく待機する。かかる電源投入ウエイト処理の実行期間において画像表示装置63の動作開始及び初期設定が完了することとなる。その後、主側RAM74のアクセスを許可する(ステップS102)。
その後、設定キー挿入部57がON操作されているか否かを判定する(ステップS103)。設定キー挿入部57がON操作されている場合(ステップS103:YES)、スロットマシン10の設定値を設定するための処理を実行する。具体的にはまず全部クリア処理を実行する(ステップS104)。全部クリア処理では、主側RAM74における全部のエリアを初期化する。この場合、主側RAM74においてスロットマシン10の設定値を記憶するエリア、ボーナス状態であるか否かを示すデータが記憶されたエリア、ボーナス状態における遊技媒体の合計付与数を示すデータが記憶されたエリア、遊技状態を示すデータが記憶されたエリア、ART状態の終了条件を特定するためのデータが記憶されたエリア、遊技区間を示すデータが記憶されたエリア、遊技履歴の管理結果のデータが記憶されたエリアも含めて主側RAM74の各エリアを「0」クリアする。そして、これら各エリアに対して初期設定を行う。これにより、全部クリア処理が実行された場合には、電源遮断前の状態とは無関係に通常遊技状態であって通常区間となるとともに、電源遮断前の状態が異常の発生を契機として遊技の進行が規制された状態であった場合にはその異常状態が解除される。また、ステップS104では主側MPU72の各種レジスタも「0」クリアした後に初期設定を行う。なお、全部クリア処理に際して遊技履歴の管理結果のデータが記憶されたエリア(具体的には合計ゲーム数カウンタ74a、有利ゲーム数カウンタ74b)が「0」クリアの対象から除外される構成としてもよい。また、スロットマシン10の設定状態を変更するための操作が行われている場合であってもリセットボタン56が押圧操作されていない場合には主側RAM74の全部クリア処理が実行されずに、スロットマシン10の設定状態を変更するための操作が行われているとともにリセットボタン56が押圧操作されている場合に全部クリア処理が実行される構成としてもよい。
その後、設定値更新処理を実行する(ステップS105)。設定値更新処理では、まずクレジット表示部65に現在の設定値を表示する。なお、設定値更新処理が実行される前に全部クリア処理(ステップS104)が実行されているため、設定値更新処理の開始に際してクレジット表示部65には「設定1」に対応する表示が行われる。設定値更新処理では、リセットボタン56が操作される度に設定値を1更新するとともに、その更新後の設定値をクレジット表示部65に表示する。なお、設定値が「設定6」である状況でリセットボタン56が操作された場合には設定値は「設定1」に更新される。スタートレバー41が操作された後に設定キーのON操作が解除された場合に設定値更新処理を終了する。この場合、クレジット表示部65における設定値の表示が終了される。
設定値更新処理を実行した後は、有利区間の初期化処理を実行する(ステップS106)。有利区間の初期化処理では、有利区間に関する情報を初期化する処理を実行する。これにより、設定値更新処理が実行された場合には、遊技区間が確実に通常区間となる。有利区間の初期化処理を実行した後は、後述する通常処理(図13)に移行する(ステップS107)。
メイン処理において設定キーのON操作が行われていない場合(ステップS103:NO)、ステップS108以降の復電処理を実行する。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させるための処理である。復電処理では、まず主側RAM74に設けられた停電フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS108)。停電フラグは主側RAM74に設けられており、主側MPU72への動作電力の供給が停止される場合において予め定められた停電時処理が正常に実行された場合には当該停電フラグに「1」が設定されることとなる。
停電フラグに「1」が設定されている場合には(ステップS108:YES)、チェックサムの算出処理を実行する(ステップS109)。チェックサムの算出方法は任意であるが、例えばチェックサムの演算対象となる記憶エリアの全ての数値を加算する算出方法が挙げられる。このチェックサムの算出方法は後述する停電時処理(図12)におけるチェックサムの算出方法と同一の算出方法となっている。後述する停電時処理(図12)において算出されたチェックサムは主側RAM74に記憶されることとなるが、このチェックサムが記憶される主側RAM74の記憶エリアはチェックサムの算出に際して演算対象となる記憶エリアから除外される。つまり、チェックサムの算出に際しては主側RAM74において一部の記憶エリアが演算対象となる。この演算対象となる記憶エリアは、主側MPU72への動作電力の供給が停止される場合における停電時処理(図12)においてチェックサムを算出してから主側MPU72への動作電力の供給が再開されてステップS109の処理が実行されるまで、主側RAM74へのバックアップ電力といった電力供給が継続された場合には基本的には情報の書き換えが行われない記憶エリアである。したがって、主側MPU72への動作電力の供給が停止されてから当該主側MPU72への動作電力の供給が再開されるまでに主側RAM74の情報が変更されていない場合には、主側RAM74についてのチェックサムは主側MPU72への動作電力の供給が停止される直前と同一である。なお、このチェックサムの算出に際して演算対象となる記憶エリアには、主側RAM74においてスロットマシン10の設定状態を示す設定値の情報が設定されたエリアが含まれている。その後、主側MPU72への動作電力の供給が停止される直前に実行された停電時処理(図12)において算出されて主側RAM74に保存されたチェックサムを読み出し、その読み出したチェックサムが、ステップS109にて算出したチェックサムと一致しているか否かを判定する(ステップS110)。
チェックサムが一致している場合には(ステップS110:YES)、設定値が正常であるか否かを判定する(ステップS111)。設定値が「設定1」~「設定6」のいずれかである場合に正常であると判定し、「0」又は「7」以上である場合に異常であると判定する。
ステップS108、ステップS110及びステップS111の全てにおいて肯定判定をした場合には前回の電断時における停電時処理(図12)が正常に実行されたことを意味する。この場合、リセットボタン56が押圧操作されていることを条件として(ステップS112:YES)、設定値以外のクリア処理を実行する(ステップS113)。当該クリア処理では、主側RAM74におけるスロットマシン10の設定値を記憶するエリア以外のエリアを「0」クリアした後に初期設定を行う。その後、通常処理に進む(ステップS107)。
一方、リセットボタン56が押圧操作されていない場合(ステップS112:NO)、主側RAM74に保存されたスタックポインタの値を主側MPU72のスタックポインタに書き込み、主側RAM74に退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させることで、主側MPU72のレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる(ステップS114)。また、主側RAM74の停電フラグを「0」クリアする(ステップS115)。
その後、リール制御用のクリア処理(ステップS116)及び復帰アドレスの調整処理(ステップS117)を実行する。これらの処理の内容については後に説明する。その後、復電処理の実行を認識させるための復電コマンドを演出側MPU92に送信した後に(ステップS118)、電源遮断前の番地に戻る(ステップS119)。
一方、ステップS108、ステップS110及びステップS111のいずれかで否定判定をした場合には動作禁止処理を実行する。動作禁止処理では、次回のタイマ割込み処理(図11)の実行を禁止し(ステップS120)、主側MPU72の全ての出力ポートを「0」クリアすることにより当該出力ポートに接続された全てのアクチュエータをOFF状態とし(ステップS121)、ホール管理者等にエラーの発生を報知するためのエラー報知処理を実行する(ステップS122)。そして、無限ループとなる。当該動作禁止処理は、全部クリア処理(ステップS104)が実行されることにより解除される。なお、当該動作禁止処理は、設定値以外のクリア処理(ステップS113)が実行されたとしても解除されないが、全部クリア処理(ステップS104)及び設定値以外のクリア処理(ステップS113)のいずれかが実行された場合に解除される構成としてもよい。
次に、主側MPU72にて実行されるタイマ割込み処理について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。なお、タイマ割込み処理は、例えば1.49ミリ秒ごとに起動される。
レジスタ退避処理(ステップS201)では、後述する通常処理(図13)で使用している主側MPU72内の全レジスタの値を主側RAM74に退避させる。ステップS202では停電フラグに「1」が設定されているか否かを確認し、停電フラグに「1」が設定されているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。停電フラグは、電源装置54の停電監視回路からの停電信号が主側MPU72に入力された場合に設定される。
図12は停電時処理を示すフローチャートである。停電時処理では、まずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し(ステップS301)、送信が終了していない場合には(ステップS301:NO)、本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には(ステップS301:YES)、主側MPU72のスタックポインタの値を主側RAM74に保存する(ステップS302)。その後、主側MPU72の出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする(ステップS303)。そして、チェックサムの算出処理を実行した後に(ステップS304)、その算出したチェックサムを主側RAM74に記憶させる(ステップS305)。チェックサムの算出処理の処理内容はメイン処理(図10)におけるステップS109と同様である。その後、主側RAM74へのアクセスを禁止する(ステップS306)。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
タイマ割込み処理(図11)の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグに「1」が設定されていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、主側MPU72自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、これら各リール32L,32M,32Rに設けられたステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入力ポートに接続された各種センサの状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。
ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ減算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部へ出力するカウンタ処理を行う。ステップS210では、各種コマンドを演出側MPU92へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS212では、先のステップS201にて主側RAM74に退避させた各レジスタの値をそれぞれ主側MPU72内の対応するレジスタに復帰させる。ステップS213では遊技履歴を管理するとともにその管理結果に対応する内容を兼用表示部66に表示させるための管理用処理を実行する。その後、ステップS214にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行される通常処理について図13のフローチャートに基づき説明する。
まず次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う(ステップS401)。その後、開始待ち処理を実行する(ステップS402)。開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかのリプレイ入賞が発生したか否かを判定する。いずれかのリプレイ入賞が発生していた場合には、前回のベット数と同数のベット設定を行う再遊技処理を行い、開始待ち処理を終了する。いずれのリプレイ入賞も発生していなかった場合には、精算ボタン51が操作されたか否かを判定し、精算ボタン51が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算ボタン51が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入ボタン47~49の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入ボタン47~49の操作との両方が行われていない場合にはそのまま開始待ち処理を終了する。
ステップS402の開始待ち処理の実行後、メダルのベット数が規定数(具体的には「3」)に達しているか否かを判定し(ステップS403)、ベット数が規定数に達していない場合には開始待ち処理(ステップS402)に戻る。ベット数が規定数に達している場合にはスタートレバー41が操作されたか否かを判定する(ステップS404)。スタートレバー41が操作されていない場合には、開始待ち処理(ステップS402)に戻る。一方、スタートレバー41が操作された場合には、メインラインMLを有効化させた後に、受付禁止処理を実行する(ステップS405)。受付禁止処理が実行されることにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45aにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。
その後、常時抽選処理を実行した後に(ステップS406)、今回のゲームにおける役の抽選を行うための役の抽選処理を実行する(ステップS407)。そして、主側RAM74に設けられたフリーズカウンタの値が「0」となっていることを条件として(ステップS408:YES)、各リール32L,32M,32Rを今回の役の抽選処理の結果に対応した態様で駆動制御するためのリール制御処理を実行する(ステップS409)。
その後、媒体付与処理を実行する(ステップS410)。媒体付与処理では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立している場合に、当該小役入賞に対応した数の遊技媒体を遊技者に付与するための処理を実行する。具体的には、仮想メダルを付与する場合には主側RAM74に設けられたクレジットカウンタに今回の小役入賞に対応した値を加算し、クレジットカウンタの値が上限貯留数に達している場合にはその上限貯留数を超えた数分のメダルがメダル受け皿59に払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。また、媒体付与処理では、今回付与対象となった遊技媒体の数に対応する表示が行われるように兼用表示部66を表示制御する。この兼用表示部66における遊技媒体の数に対応する表示は、遊技媒体のベットが新たに行われるまで継続される。
その後、今回のゲームの結果に対応する遊技状態及び遊技区間の設定を可能とするための遊技終了時の対応処理を実行する(ステップS411)。また、スロットマシン10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに出力するための外部出力設定処理を実行する(ステップS412)。また、主側RAM74のフリーズカウンタの値が「0」となっていることを条件として(ステップS413:YES)、受付許可処理を実行する(ステップS414)。受付許可処理が実行されることにより、メダル投入口45から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ45aにて検出された後にホッパ装置53にて回収される。
<抽選を行うための構成>
次に、通常処理(図13)のステップS407における役の抽選処理の説明に先立ち主側MPU72にて各種抽選を行うための構成について説明する。図14及び図15は主制御基板71に設けられた乱数回路群100を説明するための説明図である。
図14に示すように乱数回路群100には、第1~第12共用乱数回路101a~101lと、第1~第4専用乱数回路102a~102dとが設けられている。また、乱数回路群100には、これら乱数回路101a~101l,102a~102dのそれぞれに対応させて第1~第16ラッチレジスタ103a~103pが設けられている。また、乱数回路群100には、第1~第12共用乱数回路101a~101lに対して共通してクロック信号を入力する共用クロック回路104と、第1~第4専用乱数回路102a~102dのそれぞれに個別にクロック信号を入力する第1~第4専用クロック回路105a~105dと、が設けられている。
図15に示すように第1~第12共用乱数回路101a~101lにはそれぞれ8ビットの記憶領域を有する第1~第12乱数カウンタ106a~106lが設けられている。これら第1~第12乱数カウンタ106a~106lの値は、図14に示すように第1~第12共用乱数回路101a~101lに対して共通させて設けられた共用クロック回路104から第1~第12共用乱数回路101a~101lにクロック信号が入力されることにより更新される。例えば第1共用乱数回路101aであれば共用クロック回路104から出力されたクロック信号が第1共用乱数回路101aに設けられた図示しない乱数発生回路に入力され、当該乱数発生回路がクロック信号を受けることにより当該乱数発生回路から第1乱数カウンタ106aに入力されている8ビットのデータが更新される。また、例えば第8共用乱数回路101hであれば共用クロック回路104から出力されたクロック信号が第8共用乱数回路101hに設けられた図示しない乱数発生回路に入力され、当該乱数発生回路がクロック信号を受けることにより当該乱数発生回路から第8乱数カウンタ106hに入力されている8ビットのデータが更新される。なお、乱数発生回路は第1~第12共用乱数回路101a~101lのそれぞれに設けられている。
共用クロック回路104から出力されるクロック信号を伝送する信号経路は主制御基板71において12本に分岐されており、その分岐された各信号経路は第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち対応する乱数回路に接続されている。したがって、第1~第12共用乱数回路101a~101lのそれぞれには同一のタイミングでクロック信号が入力される。これにより、第1~第12共用乱数回路101a~101lにおける乱数の更新周期はいずれも共用クロック回路104からクロック信号が出力される周期で一定となるとともに、乱数の更新タイミングも共用クロック回路104からクロック信号が出力されるタイミングで一定となる。
第1~第12共用乱数回路101a~101lにおける8ビット乱数の更新は、「0」~「255」の乱数が所定の順序で生成されるとともにこれら乱数の全てが1回ずつ生成されることで更新の1周期が完了するように行われる。そして、この更新周期が繰り返されることとなる。この場合に、第1~第12共用乱数回路101a~101lにおける乱数の更新順序は相互に異なっている。例えば、第1共用乱数回路101aは「0」から「255」に向けて昇順となるように1ずつ乱数が増加していくように乱数の更新順序が設定されており、第2共用乱数回路101bは「255」から「0」に向けて降順となるように1ずつ乱数が減少していくように乱数の更新順序が設定されており、第3共用乱数回路101cは偶数を昇順で全て更新した後に奇数を昇順で全て更新するように乱数の更新順序が設定されており、第4~第12共用乱数回路101d~101lはこれら更新順序とは異なる更新順序であって相互に異なる更新順序に設定されている。これにより、上記のように第1~第12共用乱数回路101a~101lにおける乱数の更新周期及び更新タイミングが相互に一定である構成であっても、第1~第12共用乱数回路101a~101lのそれぞれの乱数が各更新タイミングにおいて常に相互に同一となってしまわないようにすることが可能となる。
また、第1~第12共用乱数回路101a~101lのそれぞれにおいて乱数の更新が1周した場合には当該更新周期の初期値とは異なる初期値から新たな更新周期が開始されることとなるが、更新周期の回数との関係での初期値の選択態様が第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいて相互に異なっている。これにより、各更新タイミングにおける第1~第12共用乱数回路101a~101lのそれぞれの乱数の組合せパターンを多様化させることが可能となる。
図15に示すように第1専用乱数回路102a及び第2専用乱数回路102bにはそれぞれ16ビットの記憶領域を有する第13乱数カウンタ106m及び第14乱数カウンタ106nが設けられており、第3専用乱数回路102cには8ビットの記憶領域を有する第15乱数カウンタ106oが設けられており、第4専用乱数回路102dには7ビットの記憶領域を有する第16乱数カウンタ106pが設けられている。これら第13~第16乱数カウンタ106m~106pの値は、図14に示すように第1~第4専用乱数回路102a~102dのそれぞれに対応させて個別に設けられた第1~第4専用クロック回路105a~105dから対応する第1~第4専用乱数回路102a~102dにクロック信号が入力されることにより更新される。
例えば第1専用乱数回路102aであれば第1専用クロック回路105aから出力されたクロック信号が第1専用乱数回路102aに設けられた図示しない乱数発生回路に入力され、当該乱数発生回路がクロック信号を受けることにより当該乱数発生回路から第13乱数カウンタ106mに入力されている16ビットのデータが更新される。また、第2専用乱数回路102bであれば第2専用クロック回路105bから出力されたクロック信号が第2専用乱数回路102bに設けられた図示しない乱数発生回路に入力され、当該乱数発生回路がクロック信号を受けることにより当該乱数発生回路から第14乱数カウンタ106nに入力されている16ビットのデータが更新される。また、第3専用乱数回路102cであれば第3専用クロック回路105cから出力されたクロック信号が第3専用乱数回路102cに設けられた図示しない乱数発生回路に入力され、当該乱数発生回路がクロック信号を受けることにより当該乱数発生回路から第15乱数カウンタ106oに入力されている8ビットのデータが更新される。また、第4専用乱数回路102dであれば第4専用クロック回路105dから出力されたクロック信号が第4専用乱数回路102dに設けられた図示しない乱数発生回路に入力され、当該乱数発生回路がクロック信号を受けることにより当該乱数発生回路から第16乱数カウンタ106pに入力されている7ビットのデータが更新される。
第1~第12共用乱数回路101a~101lには上記のとおり個別にクロック回路が設けられているのではなく、それぞれに共通となる共用クロック回路104が設けられていることにより、第1~第12共用乱数回路101a~101lにおける乱数の更新周期及び乱数の更新タイミングが一定となる。これに対して、第1~第4専用乱数回路102a~102dにはそれぞれに対して個別に第1~第4専用クロック回路105a~105dが設けられている。詳細には、第1専用クロック回路105aから出力されるクロック信号を伝送する信号経路は第1専用乱数回路102aに接続されており、第2専用クロック回路105bから出力されるクロック信号を伝送する信号経路は第2専用乱数回路102bに接続されており、第3専用クロック回路105cから出力されるクロック信号を伝送する信号経路は第3専用乱数回路102cに接続されており、第4専用クロック回路105dから出力されるクロック信号を伝送する信号経路は第4専用乱数回路102dに接続されている。
第1~第4専用クロック回路105a~105dにおけるクロック信号の出力周期は相互に異なっている。これにより、第1~第4専用乱数回路102a~102dにおける乱数の更新周期及び乱数の更新タイミングをそれぞれ独自のものとすることが可能となる。また、第1~第4専用クロック回路105a~105dのそれぞれのクロック信号の出力周期は共用クロック回路104におけるクロック信号の出力周期とも異なっている。これにより、第1~第4専用乱数回路102a~102dにおける乱数の更新周期及び乱数の更新タイミングを第1~第12共用乱数回路101a~101lにおける乱数の更新周期及び乱数の更新タイミングと異ならせることが可能となる。
第1専用乱数回路102a及び第2専用乱数回路102bにおける16ビット乱数の更新は「0」~「65535」の乱数が所定の順序で生成されるとともにこれら乱数の全てが1回ずつ生成されることで更新の1周期が完了するように行われる。そして、この更新周期が繰り返されることとなる。この場合に、第1専用乱数回路102a及び第2専用乱数回路102bにおける乱数の更新順序は相互に異なっている。例えば、第1専用乱数回路102aは偶数を昇順で全て更新した後に奇数を昇順で全て更新するように乱数の更新順序が設定されており、第2専用乱数回路102bは奇数を昇順で全て更新した後に偶数を昇順で全て更新するように乱数の更新順序が設定されている。これにより、乱数の更新周期及び乱数の更新タイミングだけではなく乱数の更新順序についても第1専用乱数回路102aと第2専用乱数回路102bとで異ならせることが可能となり、これら第1専用乱数回路102a及び第2専用乱数回路102bの独自性を担保することが可能となる。
なお、上記構成に限定されることはなく第1専用乱数回路102aと第2専用乱数回路102bとで乱数の更新順序が同一である構成としてもよい。この場合であっても、主制御装置70への動作電力の供給が開始された場合に乱数の更新を開始する場合の初期値が第1専用乱数回路102a及び第2専用乱数回路102bにおいて相互に異ならせることにより同一の乱数を取りづらくさせることが可能となる。
第3専用乱数回路102cにおける8ビット乱数の更新は、「0」~「255」の乱数が所定の順序で生成されるとともにこれら乱数の全てが1回ずつ生成されることで更新の1周期が完了するように行われる。そして、この更新周期が繰り返されることとなる。第4専用乱数回路102dにおける7ビット乱数の更新は、「0」~「127」の乱数が所定の順序で生成されるとともにこれら乱数の全てが1回ずつ生成されることで更新の1周期が完了するように行われる。そして、この更新周期が繰り返されることとなる。
第1~第12共用乱数回路101a~101l及び第1~第4専用乱数回路102a~102dにおいて生成された乱数は、新たなゲームを開始させることが可能な状況において当該ゲームの開始契機としてスタートレバー41が操作された場合に、各乱数回路101a~101l,102a~102dのそれぞれに対応させて設けられた第1~第16ラッチレジスタ103a~103pに書き込まれる。当該構成について詳細には、図14に示すように主側MPU72には、新たなゲームを開始させることが可能な状況において当該ゲームの開始契機としてスタートレバー41が操作された場合にラッチ信号を出力するためのラッチ信号出力部107が設けられている。ラッチ信号出力部107から出力されるラッチ信号を伝送する信号経路は主制御基板71において16本に分岐されており、その分岐された各信号経路は第1~第16ラッチレジスタ103a~103pのうち対応するレジスタに接続されている。これにより、スタートレバー41の操作に基づきラッチ信号出力部107からラッチ信号が出力された場合には、第1~第12共用乱数回路101a~101l及び第1~第4専用乱数回路102a~102dのそれぞれにおいて生成されている乱数がそれぞれの乱数回路101a~101l,102a~102dに対応するラッチレジスタ103a~103pに書き込まれることとなる。そして、第1~第16ラッチレジスタ103a~103pに書き込まれた乱数は主側MPU72において各種抽選を行う場合に必要に応じて取得されて使用される。
ここで、第1~第4専用乱数回路102a~102dにおいて生成されて第13~第16ラッチレジスタ103m~103pに書き込まれた乱数は、使用対象となる抽選処理の種類が一義的に定められている。具体的には、第1専用乱数回路102aにおいて生成されて第13ラッチレジスタ103mに書き込まれた16ビット乱数は後述する役の抽選処理にて使用され、第2専用乱数回路102bにおいて生成されて第14ラッチレジスタ103nに書き込まれた16ビット乱数は後述する有利区間への移行抽選処理にて使用され、第3専用乱数回路102cにおいて生成されて第15ラッチレジスタ103oに書き込まれた8ビット乱数は後述する常時抽選処理にて使用され、第4専用乱数回路102dにおいて生成されて第16ラッチレジスタ103pに書き込まれた7ビット乱数は後述するART状態への移行抽選処理にて使用される。第1~第4専用乱数回路102a~102dにおける乱数の更新は既に説明したとおり独自の更新周期及び更新タイミングであって独自の更新順序で行われる。この場合に、役の抽選処理、有利区間への移行抽選処理、常時抽選処理及びART状態への移行抽選処理において第1~第4専用乱数回路102a~102dの乱数を利用する構成とすることにより、これら各抽選処理を相互に同期させないようにしながら独自に行うことが可能となる。
また、役の抽選処理は遊技状態に関係なく各ゲームにおいて行われ、常時抽選処理はART状態である場合に各ゲームにおいて行われ、通常区間においては有利区間への移行抽選処理が各ゲームにおいて実行される頻度が高い。また、ART状態への移行抽選処理は有利区間への移行抽選処理が行われたゲームにて行われる可能性が高く、さらにはART状態への移行の有無を決定付ける抽選処理である。このような事情において、これら各抽選処理のそれぞれにて第1~第4専用乱数回路102a~102dの乱数を利用する構成とすることにより、これら各抽選処理の結果を同期させないようにしながら、各抽選処理を厳密に行うことが可能となる。
一方、第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいて生成されて第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数は、使用対象となる抽選処理の種類が一義的に定められておらず、予め定められた複数種類の抽選処理のうちのいずれかにおいて使用されることとなる。当該予め定められた複数種類の抽選処理の種類数は、第1~第12共用乱数回路101a~101lの数よりも多い数に設定されている。そして、第1~第12共用乱数回路101a~101lは使用順序が予め定められており、複数種類の抽選処理のうち所定の抽選処理の実行タイミングとなった場合に、例えば第1共用乱数回路101aが使用対象となっている場合には第1ラッチレジスタ103aに書き込まれた乱数が利用され、例えば第8共用乱数回路101hが使用対象となっている場合には第8ラッチレジスタ103hに書き込まれた乱数が利用される。つまり、第1~第12共用乱数回路101a~101lよりも多い数として設定された複数種類の抽選処理において第1~第12共用乱数回路101a~101lが兼用されることとなる。これにより、複数種類の抽選処理のそれぞれに対して個別に乱数回路を設定する構成に比べて乱数回路の数を抑えることが可能となる。
このように複数種類の抽選処理において第1~第12共用乱数回路101a~101lが兼用される構成において、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおける乱数の更新は同一の更新周期及び同一の更新タイミングで行われる。また、第1~第12共用乱数回路101a~101lにより生成される乱数はいずれも8ビット乱数となっている。これにより、例えば複数種類の抽選処理に含まれる所定の抽選処理を実行する場合において、第1の抽選タイミングでは第1共用乱数回路101aの乱数が取得され、第2の抽選タイミングでは第8共用乱数回路101hの乱数が取得されたとしても、それら乱数は一定の態様で更新されているものとして扱うことが可能となる。その一方、第1~第12共用乱数回路101a~101lの乱数の更新は異なる更新順序で行われるため完全には同期しないようになっている。これにより、上記複数種類の抽選処理のうち複数の抽選処理が同一ゲームにおいて実行される場合に、それら複数の抽選処理にて取得された乱数が同一の値とならないようにすることが可能となる。ちなみに、上記複数種類の抽選処理には、後述する偽前兆状態への移行抽選処理、チャンス状態への移行抽選処理、上乗せゲーム数の抽選処理、Aループへの移行抽選処理及びBループへの移行抽選処理などが含まれる。
次に、上記各乱数を取得するために主側MPU72にて実行される乱数取得処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。なお、乱数取得処理は主側MPU72にて各種抽選を行う必要が生じた場合にその都度、共通のサブルーチンの処理として実行される。
今回の実行対象の抽選処理が役の抽選処理である場合、第1専用乱数回路102aが乱数の使用対象となる(ステップS501:YES)。この場合、今回のゲームを開始させるためのスタートレバー41の操作時における第1専用乱数回路102aの乱数が書き込まれた第13ラッチレジスタ103mから乱数の数値情報を取得する(ステップS502)。
今回の実行対象の抽選処理が有利区間への移行抽選処理である場合、第2専用乱数回路102bが乱数の使用対象となる(ステップS503:YES)。この場合、今回のゲームを開始させるためのスタートレバー41の操作時における第2専用乱数回路102bの乱数が書き込まれた第14ラッチレジスタ103nから乱数の数値情報を取得する(ステップS504)。
今回の実行対象の抽選処理が常時抽選処理である場合、第3専用乱数回路102cが乱数の使用対象となる(ステップS505:YES)。この場合、今回のゲームを開始させるためのスタートレバー41の操作時における第3専用乱数回路102cの乱数が書き込まれた第15ラッチレジスタ103oから乱数の数値情報を取得する(ステップS506)。
今回の実行対象の抽選処理がART状態への移行抽選処理である場合、第4専用乱数回路102dが乱数の使用対象となる(ステップS507:YES)。この場合、今回のゲームを開始させるためのスタートレバー41の操作時における第4専用乱数回路102dの乱数が書き込まれた第16ラッチレジスタ103pから乱数の数値情報を取得する(ステップS508)。
今回の実行対象の抽選処理が役の抽選処理、有利区間への移行抽選処理、常時抽選処理及びART状態への移行抽選処理のいずれでもない場合、第1~第12共用乱数回路101a~101lが乱数の使用対象となる(ステップS507:NO)。この場合、まず主側RAM74に設けられた乱数ポインタの値を1加算する(ステップS509)。乱数ポインタは第1~第12共用乱数回路101a~101lのうちいずれを乱数の使用対象とするのかを主側MPU72にて特定するためのカウンタであり、「0」~「11」の数値情報を取り得る。そして、乱数ポインタが「0」である場合には第1共用乱数回路101aが乱数の使用対象となり、乱数ポインタが「1」である場合には第2共用乱数回路101bが乱数の使用対象となり、乱数ポインタが「2」である場合には第3共用乱数回路101cが乱数の使用対象となりといったように、乱数ポインタが「m」である場合には第m+1共用乱数回路101a~101lが乱数の使用対象となる(mは0以上の整数)。
1加算後の乱数ポインタの値が最大値である「11」を超えた場合(ステップS510:YES)、乱数ポインタを「0」クリアする(ステップS511)。これにより、乱数ポインタの値は、「0」~「11」の数値範囲において抽選処理の使用対象となる度に1加算されるとともに、当該数値範囲の最大値を超えた場合には最小値に戻るようにループされることとなる。よって、第1~第12共用乱数回路101a~101lが乱数の使用対象となる場合、抽選処理の使用対象となる度に予め定められた順序に従って使用対象となる第1~第12共用乱数回路101a~101lが順次変更され、最後の順番となる共用乱数回路101a~101lが使用対象となった後は最初の順番となる共用乱数回路101a~101lが再度使用対象となる。
ステップS510にて否定判定をした場合、又はステップS511の処理を実行した場合、第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち乱数ポインタの値に対応する共用乱数回路101a~101lの乱数が今回のゲームを開始させるためのスタートレバー41の操作時に書き込まれたラッチレジスタから乱数の数値情報を取得する(ステップS512)。これにより、第1~第12共用乱数回路101a~101lの数を超える種類数の抽選処理にて第1~第12共用乱数回路101a~101lを共用する場合であっても、第1~第12共用乱数回路101a~101lの数の範囲内において各抽選処理にてそれぞれ異なる乱数回路101a~101lにより生成された乱数を取得することが可能となる。
また、第1~第12共用乱数回路101a~101lの数は、当該第1~第12共用乱数回路101a~101lを使用対象とする抽選処理のうち1ゲームにて同時に発生する抽選処理の数以下となっている。これにより、当該使用対象となる抽選処理のうち複数の抽選処理が1ゲームにて同時に発生したとしても、それら複数の抽選処理にてそれぞれ異なる乱数回路101a~101lにより生成された乱数を取得することが可能となる。
<役の抽選処理>
次に、通常処理(図13)のステップS407にて実行される役の抽選処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。
まず乱数取得処理を実行する(ステップS601)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。役の抽選処理では第1専用乱数回路102aから第13ラッチレジスタ103mに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1専用乱数回路102aにおいては「0」~「65535」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで第1専用乱数回路102aにより第13ラッチレジスタ103mに書き込まれた乱数を取得することとなる。
乱数を取得した後、役の当否判定を行うための抽選テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS602)。本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入部57に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて役の抽選処理を実行させるのかを設定することができる。「設定n」よりも「設定n+1」の方が遊技者にとって有利な当選確率となる。具体的には、「設定n」よりも「設定n+1」の方がBB状態への移行契機となる役の当選確率が高いことにより、「設定n」よりも「設定n+1」の方が遊技者にとって有利となる。また、同一の段階の設定値であっても主側MPU72において抽選テーブルが相違する抽選モードとして、通常モードと、第1RTモードと、第2RTモードとの3種類が存在している。また、遊技状態として、これら各抽選モードの状態とは別にボーナス状態(BB状態及びRB状態)が存在している。ステップS602では、現状の設定値と、現状の抽選モードと、現状の遊技状態との組合せに対応する抽選テーブルを選択する。
「設定3」である場合を例に挙げて、非ボーナス状態における通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれに対応する抽選テーブルについて説明する。まず通常モードである場合に選択される通常モード用抽選テーブルについて説明する。図18は通常モード用抽選テーブルを説明するための説明図である。なお、以下の説明では図19の説明図を適宜参照する。
通常モード用抽選テーブルには、図18に示すように、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。ポイント値PVは、対応する抽選役の当選確率を第1専用乱数回路102aの最大値(「65535」)との関係で定めるものである。
具体的には、インデックス値IV=1には、第1ベル当選データと、第1補填当選データと、が設定されている。インデックス値IV=1で当選となった場合、図19に示すように、第1停止(最初に停止指令が発生したリール)が左リール32Lである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞が確実に発生する。
本スロットマシン10においてはストップボタン42~44が操作されてから最大4図柄分まで滑らせることが可能なリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。換言すれば、ストップボタン42~44が操作されてから規定時間(190ミリ秒)が経過するまでに停止させるリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。このようなリール制御が行われることにより、当選している役に対応した入賞を成立させ易くすることが可能となるとともに、当選していない役に対応した入賞が成立してしまうことを回避することが可能となる。但し、滑らせることが可能なリール32L,32M,32Rの回転量が上記のように制限されているため、一のリール32L,32M,32Rにおいて、入賞を成立させるための図柄の組合せを構成する構成図柄間に5図柄以上が存在していると、対応するストップボタン42~44の操作タイミングによっては当該構成図柄がメインラインML上に停止しないことが起こり得る(当該事象を所謂「取りこぼし」ともいう)。第1補填入賞~第3補填入賞、第1ベル入賞、第2ベル入賞及び各種リプレイ入賞は対応する順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合には取りこぼしが発生しない入賞態様であり、第1スイカ入賞、第2スイカ入賞、チェリー入賞、第1BB入賞、第2BB入賞、第3BB入賞、第4BB入賞、第1RB入賞及び第2RB入賞はリール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングによっては取りこぼしが発生し得る入賞態様である。
インデックス値IV=2には、図18に示すように、第1ベル当選データと、第2補填当選データと、が設定されている。インデックス値IV=2で当選となった場合、図19に示すように、第1停止が中リール32Mである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第2補填入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=3には、図18に示すように、第1ベル当選データと、第3補填当選データと、が設定されている。インデックス値IV=3で当選となった場合、図19に示すように、第1停止が右リール32Rである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第3補填入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=4には、図18に示すように、第1ベル当選データのみが設定されている。インデックス値IV=4で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に成立する。インデックス値IV=17には、図18に示すように、第2ベル当選データのみが設定されている。インデックス値IV=17で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2ベル入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=5には、図18に示すように、第1スイカ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=5で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第1スイカ入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第1スイカ入賞が成立しない可能性がある。インデックス値IV=18には、図18に示すように、第2スイカ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=18で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第2スイカ入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第2スイカ入賞が成立しない可能性がある。
インデックス値IV=6には、図18に示すように、チェリー当選データのみが設定されている。インデックス値IV=6で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくチェリー入賞が成立し得る。但し、左リール32Lの回転位置に対する左ストップボタン42の操作タイミングによっては、チェリー入賞が成立しない可能性がある。
インデックス値IV=7には、図18に示すように、第3BB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=7で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第3BB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングよっては、第3BB入賞が成立しない可能性がある。また、インデックス値IV=8には、図18に示すように、第4BB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=8で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第4BB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングよっては、第4BB入賞が成立しない可能性がある。また、インデックス値IV=9には、図18に示すように、第1RB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=9で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第1RB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングよっては、第1RB入賞が成立しない可能性がある。
インデックス値IV=19には、図18に示すように、第1BB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=19で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第1BB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングよっては、第1BB入賞が成立しない可能性がある。また、インデックス値IV=20には、図18に示すように、第2BB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=20で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第2BB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングよっては、第2BB入賞が成立しない可能性がある。また、インデックス値IV=21には、図18に示すように、第2RB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=21で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第2RB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングよっては、第2RB入賞が成立しない可能性がある。
ここで、第1~第4BB当選データと第1~第2RB当選データとを含むボーナス当選データ以外の当選データは入賞が成立したか否かに関係なく当選となったゲームにて消去され、当選となったゲームの次以降のゲームには持ち越されない。これに対して、上記ボーナス当選データは、主側RAM74のクリア処理が行われる場合を除き、当選となったゲームの次以降のゲームであっても対応するボーナス入賞が成立するまで記憶保持される。この場合に、ボーナス当選データが持ち越されている状態のゲームにおいては全てのボーナス当選データに対応するインデックス値IVは抽選対象から除外される。これにより、ボーナス当選データが既に記憶保持されているにも関わらずボーナス当選データが新たに記憶されてしまわないようにすることが可能となり、複数のボーナス当選データが累積して記憶されてしまわないようにすることが可能となる。
インデックス値IV=10には、図18に示すように、第1チャンスリプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=10で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1チャンスリプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=22には、図18に示すように、第2チャンスリプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=22で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2チャンスリプレイ入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=11~16には、図18に示すように、通常リプレイ当選データと、第1RTリプレイ当選データとが設定されている。この場合、インデックス値IV=11で当選となった場合、図19に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止(2番目に停止指令が発生したリール)が中リール32Mであり、第3停止(最後に停止指令が発生したリール)が右リール32Rである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=16で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。
図18の通常モード用抽選テーブルが選択される場合、インデックス値IV=1の際に当選となる確率、インデックス値IV=2の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=3の際に当選となる確率は、それぞれ約1/6.6である。また、インデックス値IV=4の際に当選となる確率は、約1/13.1である。また、インデックス値IV=5の際に当選となる確率は、約1/164である。また、インデックス値IV=6の際に当選となる確率は、約1/423である。また、インデックス値IV=7の際に当選となる確率及びインデックス値IV=8の際に当選となる確率は、それぞれ約1/437である。また、インデックス値IV=9の際に当選となる確率は、約1/328である。また、インデックス値IV=10の際に当選となる確率は、約1/655である。また、インデックス値IV=11の際に当選となる確率、インデックス値IV=12の際に当選となる確率、インデックス値IV=13の際に当選となる確率、インデックス値IV=13の際に当選となる確率、インデックス値IV=14の際に当選となる確率、インデックス値IV=15の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=16の際に当選となる確率は、それぞれ約1/41である。また、インデックス値IV=17の際に当選となる確率は、約1/16.4である。また、インデックス値IV=18の際に当選となる確率は、約1/146である。また、インデックス値IV=19の際に当選となる確率及びインデックス値IV=20の際に当選となる確率は、それぞれ約1/437である。また、インデックス値IV=21の際に当選となる確率は、約1/328である。また、インデックス値IV=22の際に当選となる確率は、約1/655である。
ここで、通常モード用抽選テーブルには、既に説明したとおり、インデックス値IV=11~16の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第1RTリプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=11~16のいずれかに当選する確率は約1/41である。そして、インデックス値IV=11~16のいずれかで当選となった場合、リール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に第1RTリプレイ入賞が成立し、抽選モードが通常モードから第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、役の抽選処理(図17)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
次に、「設定3」であって第1RTモードである場合に選択される第1RTモード用抽選テーブルについて説明する。図20及び図21は第1RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図20に示すように、インデックス値IV=1~10のそれぞれに設定されている当選データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図18)と同一となっている。また、第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=23~28のそれぞれに設定されている当選データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=17~22のそれぞれと同一となっている。
この場合、インデックス値IV=1~6,23~24には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1~6,23~24のそれぞれに設定されている当選データ及び各当選確率が通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=1~6,17~18のそれぞれと同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード及び第1RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。
また、第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=7~9,25~27には通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=7~9,19~21と同様にボーナス当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード及び第1RTモードにおいて各ボーナス役に当選する確率は同一となっている。また、第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=10,28には通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=10,22と同様にチャンスリプレイ当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード及び第1RTモードにおいて各チャンスリプレイ役に当選する確率は同一となっている。
インデックス値IV=11~22に設定されている当選役データは、通常モードと相違している。詳細には、第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図20に示すように、インデックス値IV=11~16の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第2RTリプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=11~16のいずれかに当選する確率は約1/6.8である。
インデックス値IV=11で当選となった場合、図21に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=16で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。
第1RTモードにおいてインデックス値IV=11~16のいずれかで当選となりリール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に第2RTリプレイ入賞が成立して抽選モードが第1RTモードから第2RTモードに移行する。第2RTモードに移行した場合、役の抽選処理(図17)において参照される抽選テーブルは第2RTモード用抽選テーブルとなる。
第1RTモード用抽選テーブルには、図20に示すように、インデックス値IV=17~22の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第1転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=17~22のいずれかに当選する確率は約1/10.9である。
第1RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=17で当選となった場合、図21に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=18で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=19で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=20で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=21で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=22で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが通常モードに移行する。通常モードに移行した場合、役の抽選処理(図17)において参照される抽選テーブルは通常モード用抽選テーブルとなる。
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=10~22,28にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第1RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は約1/4.1となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/6.7となっている。つまり、第1RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い抽選モードとなっている。
次に、「設定3」であって第2RTモードである場合に選択される第2RTモード用抽選テーブルについて説明する。図22及び図23は第2RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図22に示すように、インデックス値IV=1~10のそれぞれに設定されている当選データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図18)及び第1RTモード用抽選テーブル(図20)と同一となっている。また、第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=18~23のそれぞれに設定されている当選データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=17~22及び第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=23~28のそれぞれと同一となっている。
この場合、インデックス値IV=1~6,18~19には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1~6,18~19のそれぞれに設定されている当選データ及び各当選確率が、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=1~6,17~22のそれぞれと同一となっているとともに、第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=1~6,23~24のそれぞれと同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。
また、第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=7~9,20~22には通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=7~9,19~21及び第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=7~9,25~27と同様にボーナス当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードにおいて各ボーナス役に当選する確率は同一となっている。また、第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=10,23には通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=10,22及び第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=10,28と同様にチャンスリプレイ当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードにおいて各チャンスリプレイ役に当選する確率は同一となっている。
インデックス値IV=11~17に設定されている当選役データは、通常モード及び第1RTモードと相違している。詳細には、第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図22に示すように、インデックス値IV=11~16の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第2転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=11~16のいずれかに当選する確率は約1/6.8である。
第2RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=11で当選となった場合、図23に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=16で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第2転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、役の抽選処理(図17)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=17に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=17において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/5.5で当選となる。そして、このインデックス値IV=17で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
第2RTモード用抽選テーブルには、インデックス値IV=10~17,23にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第2RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は、約1/3.0となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/6.7となっているとともに第1RTモードにおけるリプレイ確率は約1/4.1となっている。したがって、第2RTモードは通常モード及び第1RTモードよりもリプレイ確率が高い抽選モードとなっている。但し、これに限定されることはなく、第1RTモードと第2RTモードとでリプレイ確率が同一である構成としてもよく、第1RTモードと第2RTモードとでリプレイ確率が若干相違しているものの略同一である構成としてもよい。
なお、主側ROM73には、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブル以外にもBB状態又はRB状態である場合に役の抽選処理(図17)にて参照されるボーナス用抽選テーブルが記憶されているとともに、ボーナス役に当選しているもののそれに対応するボーナス入賞が成立していない場合に役の抽選処理(図17)にて参照される内部用抽選テーブルが記憶されている。
ボーナス用抽選テーブルでは第1ベル入賞の成立を可能とさせる役に約1/1.5で当選するとともに、当該役に当選した場合には各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングとは無関係に第1ベル入賞が成立することとなる。また、ボーナス用抽選テーブルでは第1スイカ入賞の成立を可能とさせる役に約1/6.6で当選するとともにチェリー入賞の成立を可能とさせる役に約1/7.8で当選する。これら第1スイカ入賞及びチェリー入賞は各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングによっては成立しない。上記のようにボーナス用抽選テーブルが設定されていることにより、BB状態又はRB状態においては各ゲームにて基本的に第1ベル入賞が成立して「11」の遊技媒体が付与されることとなるが、第1スイカ入賞又はチェリー入賞が成立することもあり第1スイカ入賞が成立した場合には「5」の遊技媒体が付与されチェリー入賞が成立した場合には「2」の遊技媒体が付与される。これに対して、BB状態は当該BB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数がBB終了基準数(例えば「350」)以上となることで終了し、RB状態は当該RB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数がRB終了基準数(例えば「150」)以上となることで終了する。したがって、BB状態及びRB状態が終了するまでに要するゲーム数は役の抽選処理(図17)の結果、及び取りこぼしの発生の有無により変動することとなる。なお、ボーナス用抽選テーブルはスロットマシン10の有利度を変動させる「1」~「6」の設定値の間において共通となっている。
内部用抽選テーブルは、通常モード用抽選テーブル(図18)におけるインデックス値IV=1~6,10,17,18,22に対応する当選データがそれらインデックス値IVの当選確率で設定されているとともに、これに加えて通常リプレイ当選データのみが設定されたインデックス値が通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=11~16の合計の当選確率となるようにして設定されている。したがって、ボーナス役の内部当選状態となっている場合には、遊技媒体の付与を可能とする役及び当該役の当選確率が通常モードと同一であるとともにリプレイ確率が通常モードと同一であるものの、ボーナス役に当選することはなくさらに通常モード、第1RTモード及び第2RTモードへの移行契機となる役に当選することもない。
ここで、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルのいずれにおいても、「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一のインデックス値IVと「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVとが存在している。図24(a)~図24(c)は「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVを説明するための説明図であり、図24(a)は通常モード用抽選テーブルの場合を示し、図24(b)は第1RTモード用抽選テーブルの場合を示し、図24(c)は第2RTモード用抽選テーブルの場合を示す。
図24(a)に示すように通常モード用抽選テーブルにおいてはインデックス値IV=17~22が「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVであり、インデックス値IV=1~16が「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一のインデックス値IVである。図24(b)に示すように第1RTモード用抽選テーブルにおいてはインデックス値IV=23~28が「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVであり、インデックス値IV=1~22が「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一のインデックス値IVである。図24(c)に示すように第2RTモード用抽選テーブルにおいてはインデックス値IV=18~23が「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVであり、インデックス値IV=1~17が「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一のインデックス値IVである。
つまり、いずれの抽選テーブルであったとしても、「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一のインデックス値IVはインデックス値IV=1から連番となる前側範囲のインデックス値IVに集約されており、「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVは前側範囲における最後のインデックス値IVの次の順番のインデックス値IVから最後のインデックス値IVまで連番となる後側範囲のインデックス値IVに集約されている。このように「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一のインデックス値IVを前側範囲に集約するとともに「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVを後側範囲に集約することにより、スロットマシン10の設計段階において「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一であるインデックス値IV及び当選確率が異なるインデックス値IVの設定や修正を行い易くなる。
各抽選テーブルにおいて「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なる後側範囲に含まれるインデックス値IVは異なるものの、後側範囲に含まれるインデックス値IVのそれぞれに設定されている当選データ及び当選確率は各抽選テーブル間において共通している。具体的には、通常モード用抽選テーブルにおいては図24(a)に示すようにインデックス値IV=17~22が後側範囲に含まれており、第1RTモード用抽選テーブルにおいては図24(b)に示すようにインデックス値IV=23~28が後側範囲に含まれており、第2RTモード用抽選テーブルにおいては図24(c)に示すようにインデックス値IV=18~23が後側範囲に含まれている。この場合に、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=17と第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=23と第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=18とは設定されている当選データ及び当選確率が相互に同一となっており、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=18と第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=24と第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=19とは設定されている当選データ及び当選確率が相互に同一となっており、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=19と第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=25と第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=20とは設定されている当選データ及び当選確率が相互に同一となっており、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=20と第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=26と第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=21とは設定されている当選データ及び当選確率が相互に同一となっており、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=21と第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=27と第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=22とは設定されている当選データ及び当選確率が相互に同一となっており、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=22と第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=28と第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=23とは設定されている当選データ及び当選確率が相互に同一となっている。これにより、各抽選テーブルにおいて「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なることとなる役の種類を共通なものとすることが可能となるとともに、各抽選テーブルにおいて当該役の各設定値における当選確率を同一とすることが可能となる。
ちなみに、第2ベル当選データのみが設定されたインデックス値、第2スイカ当選データのみが設定されたインデックス値、第1BB当選データのみが設定されたインデックス値、第2BB当選データのみが設定されたインデックス値、第2RB当選データのみが設定されたインデックス値及び第2チャンスリプレイ当選データのみが設定されたインデックス値IVの各当選確率はいずれも、大きい設定値の方が小さい設定値よりも当選確率が高くなる傾向を有するように設定されている。但し、これに限定されることはなく、大きい設定値の方が小さい設定値よりも遊技者にとって有利となるのであれば一部のインデックス値については大きい設定値の方が小さい設定値よりも当選確率が低くなる傾向を有するように設定されている構成としてもよい。
既に説明したとおり各抽選テーブルにおいて前側範囲に含まれるインデックス値IV=1~10には相互に同一の当選データが設定されているとともに各当選確率も相互に同一となっている。これにより、各抽選テーブルにおいて「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一となる役であって設定されている当選データの種類が同一である役の当選確率を同一とすることが可能となる。
上記のように前側範囲と後側範囲とが設定されている構成において、前側範囲には、遊技媒体の付与を可能とする役、リプレイ入賞を可能とする役、ボーナス入賞を可能とする役が設定されているとともに、後側範囲にも、遊技媒体の付与を可能とする役、リプレイ入賞を可能とする役、ボーナス入賞を可能とする役が設定されている。つまり、遊技媒体の付与を可能とする役は前側範囲と後側範囲とに混在しているとともにそれら役のインデックス値IVは前側範囲と後側範囲との間で連続性を失っている。同様に、リプレイ入賞を可能とする役は前側範囲と後側範囲とに混在しているとともにそれら役のインデックス値IVは前側範囲と後側範囲との間で連続性を失っている。同様に、ボーナス入賞を可能とする役は前側範囲と後側範囲とに混在しているとともにそれら役のインデックス値IVは前側範囲と後側範囲との間で連続性を失っている。そうすると、役の抽選処理(図17)の実行後の各種処理において当選役を把握するための処理構成が複雑化してしまうおそれがある。
また、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルにおいて前側範囲の後半側に設定されているインデックス値には抽選モード間の移行契機を生じさせるための当選データ及びリプレイ確率を変化させるための当選データが設定されていることにより、後側範囲の最初のインデックス値IVが各抽選テーブルにおいて相違している。例えば、第2ベル当選データのみが設定されたインデックス値IVは通常モード用抽選テーブルでは「17」となり、第1RTモード用抽選テーブルでは「23」となり、第2RTモード用抽選テーブルでは「18」となる。また、例えば、第1BB当選データのみが設定されたインデックス値IVは通常モード用抽選テーブルでは「19」となり、第1RTモード用抽選テーブルでは「25」となり、第2RTモード用抽選テーブルでは「20」となる。また、例えば、第2チャンスリプレイ当選データのみが設定されたインデックス値IVは通常モード用抽選テーブルでは「22」となり、第1RTモード用抽選テーブルでは「28」となり、第2RTモード用抽選テーブルでは「23」となる。この場合に、役の抽選処理(図17)の実行後の各種処理において同一の役であるにも関わらず異なるインデックス値IVのまま扱おうとすると、当該役の特定を行う処理の度にインデックス値IVだけではなく現状の抽選モードを把握する必要が生じてしまい、処理構成が複雑化してしまうおそれがある。
上記のような不都合を解消するために。本スロットマシン10ではスロットマシン10の設計段階において主側ROM73にオフセットテーブル111が予め記憶されている。図25はオフセットテーブル111を説明するための説明図である。
図25に示すようにオフセットテーブル111には当選番号の情報が設定されている。当選番号の情報として「1」~「41」の数値情報が連番で設定されている。そして、オフセットテーブル111では、通常モード用抽選テーブルの各インデックス値IV、第1RTモード用抽選テーブルの各インデックス値IV及び第2RTモード用抽選テーブルの各インデックス値IVが「1」~「41」のいずれかの当選番号の情報に対応付けられている。この対応付けは、遊技媒体の付与を可能とする役である小役のグループと、ボーナス入賞の成立を可能とする役であるボーナス役のグループと、リプレイ入賞の成立を可能とする役であるリプレイ役のグループとのそれぞれが連番となる当選番号の情報により形成されるように行われている。また、この対応付けは、同一種類の当選データが設定された役が異なる抽選モード間であっても同一の当選番号の情報として扱うことが可能となるように行われている。
具体的には、「1」~「8」の連番となる当選番号の情報のグループが小役のグループとなり、「9」~「14」の連番となる当選番号の情報のグループがボーナス役のグループとなり、「15」以降の連番となる当選番号の情報のグループがリプレイ役のグループとなるようにオフセットテーブル111が設定されている。また、リプレイ役のグループにおいては「15」及び「16」の当選番号の情報に通常リプレイ当選データが設定されていないリプレイ役が集約されており、「17」以降の当選番号の情報に通常リプレイ当選データが設定されたリプレイ役が集約されている。
各抽選テーブルにおいて「1」のインデックス値IVには第1ベル当選データと第1補填当選データとが設定されているが当該インデックス値IV=1はいずれの抽選テーブルであっても「1」の当選番号の情報が設定されている。各抽選テーブルにおいて「2」のインデックス値IVには第1ベル当選データと第2補填当選データとが設定されているが当該インデックス値IV=2はいずれの抽選テーブルであっても「2」の当選番号の情報が設定されている。各抽選テーブルにおいて「3」のインデックス値IVには第1ベル当選データと第3補填当選データとが設定されているが当該インデックス値IV=3はいずれの抽選テーブルであっても「3」の当選番号の情報が設定されている。各抽選テーブルにおいて「4」のインデックス値IVには第1ベル当選データのみが設定されているが当該インデックス値IV=4はいずれの抽選テーブルであっても「4」の当選番号の情報が設定されている。
通常モード用抽選テーブルにおける「17」のインデックス値IV、第1RTモード用抽選テーブルにおける「23」のインデックス値IV及び第2RTモード用抽選テーブルにおける「18」のインデックス値IVには第2ベル当選データのみが設定されているがこれらインデックス値IVは「5」の当選番号の情報が設定されている。これにより、設定されている当選データが同一であるものの各抽選テーブルにおいてインデックス値IVが異なる当該役を役の抽選処理(図17)後の各種処理において同一の情報として扱うことが可能となる。
各抽選テーブルにおいて「5」のインデックス値IVには第1スイカ当選データのみが設定されているが当該インデックス値IV=5はいずれの抽選テーブルであっても「6」の当選番号の情報が設定されている。
通常モード用抽選テーブルにおける「18」のインデックス値IV、第1RTモード用抽選テーブルにおける「24」のインデックス値IV及び第2RTモード用抽選テーブルにおける「19」のインデックス値IVには第2スイカ当選データのみが設定されているがこれらインデックス値IVは「7」の当選番号の情報が設定されている。これにより、設定されている当選データが同一であるものの各抽選テーブルにおいてインデックス値IVが異なる当該役を役の抽選処理(図17)後の各種処理において同一の情報として扱うことが可能となる。
各抽選テーブルにおいて「6」のインデックス値IVにはチェリー当選データのみが設定されているが当該インデックス値IV=6はいずれの抽選テーブルであっても「8」の当選番号の情報が設定されている。各抽選テーブルにおいて「7」のインデックス値IVには第3BB当選データのみが設定されているが当該インデックス値IV=7はいずれの抽選テーブルであっても「9」の当選番号の情報が設定されている。各抽選テーブルにおいて「8」のインデックス値IVには第4BB当選データのみが設定されているが当該インデックス値IV=8はいずれの抽選テーブルであっても「10」の当選番号の情報が設定されている。
通常モード用抽選テーブルにおける「19」のインデックス値IV、第1RTモード用抽選テーブルにおける「25」のインデックス値IV及び第2RTモード用抽選テーブルにおける「20」のインデックス値IVには第1BB当選データのみが設定されているがこれらインデックス値IVは「11」の当選番号の情報が設定されている。これにより、設定されている当選データが同一であるものの各抽選テーブルにおいてインデックス値IVが異なる当該役を役の抽選処理(図17)後の各種処理において同一の情報として扱うことが可能となる。
通常モード用抽選テーブルにおける「20」のインデックス値IV、第1RTモード用抽選テーブルにおける「26」のインデックス値IV及び第2RTモード用抽選テーブルにおける「21」のインデックス値IVには第2BB当選データのみが設定されているがこれらインデックス値IVは「12」の当選番号の情報が設定されている。これにより、設定されている当選データが同一であるものの各抽選テーブルにおいてインデックス値IVが異なる当該役を役の抽選処理(図17)後の各種処理において同一の情報として扱うことが可能となる。
各抽選テーブルにおいて「9」のインデックス値IVには第1RB当選データのみが設定されているが当該インデックス値IV=9はいずれの抽選テーブルであっても「13」の当選番号の情報が設定されている。
通常モード用抽選テーブルにおける「21」のインデックス値IV、第1RTモード用抽選テーブルにおける「27」のインデックス値IV及び第2RTモード用抽選テーブルにおける「22」のインデックス値IVには第2RB当選データのみが設定されているがこれらインデックス値IVは「14」の当選番号の情報が設定されている。これにより、設定されている当選データが同一であるものの各抽選テーブルにおいてインデックス値IVが異なる当該役を役の抽選処理(図17)後の各種処理において同一の情報として扱うことが可能となる。
各抽選テーブルにおいて「10」のインデックス値IVには第1チャンスリプレイ当選データのみが設定されているが当該インデックス値IV=10はいずれの抽選テーブルであっても「15」の当選番号の情報が設定されている。
通常モード用抽選テーブルにおける「22」のインデックス値IV、第1RTモード用抽選テーブルにおける「28」のインデックス値IV及び第2RTモード用抽選テーブルにおける「23」のインデックス値IVには第2チャンスリプレイ当選データのみが設定されているがこれらインデックス値IVは「16」の当選番号の情報が設定されている。これにより、設定されている当選データが同一であるものの各抽選テーブルにおいてインデックス値IVが異なる当該役を役の抽選処理(図17)後の各種処理において同一の情報として扱うことが可能となる。
「17」以降の当選番号には各抽選テーブルにおいてインデックス値IVの共通化は行われておらず、各抽選テーブルのインデックス値IVのそれぞれに対して個別の当選番号の情報が設定されている。これは、「17」以降の当選番号を対応付けられているインデックス値IVに設定された当選データの種類が各抽選テーブル間において共通していないためである。具体的には、通常モード用抽選テーブルにおいて通常リプレイ当選データ及び第1RTリプレイ当選データが設定されたインデックス値IV=11~16は、それぞれ「17」~「22」の当選番号の情報が設定されている。また、第1RTモード用抽選テーブルにおいて、通常リプレイ当選データ及び第2RTリプレイ当選データが設定されたインデックス値IV=11~16は、それぞれ「23」~「28」の当選番号の情報が設定されているとともに、通常リプレイ当選データ及び第1転落リプレイ当選データが設定されたインデックス値IV=17~22は、それぞれ「29」~「34」の当選番号の情報が設定されている。また、第2RTモード用抽選テーブルにおいて、通常リプレイ当選データ及び第2転落リプレイ当選データが設定されたインデックス値IV=11~16は、それぞれ「35」~「40」の当選番号の情報が設定されているとともに、通常リプレイ当選データのみが設定されたインデックス値IV=17は、「41」の当選番号の情報が設定されている。
上記のようにオフセットテーブル111が設けられていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役、リプレイ入賞を可能とする役及びボーナス入賞を可能とする役が前側範囲と後側範囲とで混在していた状態が役の抽選処理(図17)後の各種処理において同一グループの役ごとに集約させた状態で扱うことが可能となる。また、同一の当選データが設定されているにも関わらず各抽選テーブル間において異なるインデックス値IVが設定されている役を、役の抽選処理(図17)後の各種処理において同一の情報として扱うことが可能となる。さらにまた、役の抽選処理(図17)の結果を演出側MPU92に送信する場合には当該結果を送信するためのコマンドに上記当選番号の情報を設定すればよいため、当該コマンドの情報量を抑えることが可能となる。
なお、詳細な説明は省略するがボーナス用抽選テーブル及び内部用抽選テーブルのそれぞれのインデックス値IVについてもオフセットテーブル111において、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルの各インデックス値IVと共通する当選番号の情報の対応付けが行われている。ボーナス用抽選テーブルであれば第1ベル当選データのみが設定されたインデックス値IVと、第1スイカ当選データのみが設定されたインデックス値IVと、チェリー当選データのみが設定されたインデックス値IVとが設定されているが、第1ベル当選データのみが設定されたインデックス値IVは「4」の当選番号の情報に対応付けられており、第1スイカ当選データのみが設定されたインデックス値IVは「6」の当選番号の情報に対応付けられており、チェリー当選データのみが設定されたインデックス値IVは「8」の当選番号の情報に対応付けられている。また、内部用抽選テーブルであれば既に説明したとおり通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=1~6,10,17,18,22に対応する当選データがそれらインデックス値IVの当選確率で設定されているとともに、これに加えて通常リプレイ当選データのみが設定されたインデックス値が通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=11~16の合計の当選確率となるようにして設定されている。したがって、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=1~6,10,17,18,22に対応するインデックス値IVについては通常モード用抽選テーブルにおけるそれらインデックス値IVと対応する当選番号の情報が対応付けられており、通常リプレイ当選データのみが設定されたインデックス値IVについては第2RTモード用抽選テーブルにおいて通常リプレイ当選データのみが設定されたインデックス値IV=17と同様に「41」の当選番号の情報が対応付けられている。
役の抽選処理(図17)の説明に戻り、抽選テーブルを選択した後(ステップS602)、主側RAM74に設けられた1周目フラグに「1」を設定する(ステップS603)。役の抽選処理では、「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一である前側範囲のインデックス値IV、及び「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なる後側範囲のインデックス値IVのうち前側範囲のインデックス値IVから抽選を行う。この場合に、1周目フラグは現状の抽選対象が前側範囲であるか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
その後、主側RAM74に設けられた対象インデックスカウンタに第1基準値を設定する(ステップS604)。対象インデックスカウンタは抽選対象となっている役の種類を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。また、第1基準値は各抽選テーブルにおいて前側範囲に含まれるインデックス値IVの数として設定されている。具体的には、通常モード用抽選テーブルであればインデックス値IV=1~16が前側範囲に該当するため第1基準値は「16」となり、第1RTモード用抽選テーブルであればインデックス値IV=1~22が前側範囲に該当するため第1基準値は「22」となり、第2RTモード用抽選テーブルであればインデックス値IV=1~17が前側範囲に該当するため第1基準値は「17」となる。
なお、詳細な説明は省略するがボーナス用抽選テーブルであればインデックス値IVが3個のみ設定されているとともにそれらインデックス値IVは全て「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一となっているため第1基準値は「3」となる。また、詳細な説明は省略するが内部用抽選テーブルであれば前側範囲に該当するインデックス値IVの数が第1基準値として設定される。
その後、役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する(ステップS605)。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在の抽選対象となっているインデックス値IVに設定されたポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS601にて取得した乱数を現在の判定値DVとし、この乱数に第1基準値に対応するインデックス値IVに設定されたポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。例えば通常モード用抽選テーブルであれば第1基準値は「16」であるため、通常モード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=16に設定されたポイント値PVを、ステップS601にて取得した乱数に加算した値を判定値DVとする。
その後、現状の抽選対象となっている役の当否判定を行う(ステップS606)。役の当否判定では判定値DVが「65535」を超えたか否かを判定する。「65535」を超えていない場合には、対象インデックスカウンタの値を1減算した後に(ステップS607)、その1減算後における対象インデックスカウンタの値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS608)。対象インデックスカウンタの値が「0」ではない場合(ステップS608:NO)、ステップS605に戻り、更新後における対象インデックスカウンタの値に対応する役について当否判定を行う。
対象インデックスカウンタの値が「0」である場合(ステップS608:YES)、現状がボーナス状態であるか否かを判定する(ステップS609)。ボーナス用抽選テーブルには後側範囲のインデックス値IVが設定されていないため、現状がボーナス状態であれば(ステップS609:YES)、今回のゲームではいずれの役にも当選しなかったものとして、そのままステップS614の処理に進む。
現状がボーナス状態ではない場合、(ステップS609:NO)、主側RAM74の1周目フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS610)。つまり、役の当否判定が完了したインデックス値IV群が前側範囲であるか否かを判定する。1周目フラグに「1」が設定されている場合(ステップS610:YES)、当該1周目フラグを「0」クリアした後に(ステップS611)、対象インデックスカウンタに第2基準値を設定する(ステップS612)。第2基準値は各抽選テーブルにおいて後側範囲に含まれるインデックス値IVの数として設定されている。具体的には、通常モード用抽選テーブルであればインデックス値IV=17~22が後側範囲に該当し、第1RTモード用抽選テーブルであればインデックス値IV=23~28が後側範囲に該当し、第2RTモード用抽選テーブルであればインデックス値IV=18~23が後側範囲に該当するため、いずれの抽選テーブルであっても第2基準値は「6」となる。なお、ボーナス用抽選テーブルであれば後側範囲に含まれるインデックス値IVが存在していないため第2基準値が設定されることはない。また、詳細な説明は省略するが内部用抽選テーブルであれば後側範囲に該当するインデックス値IVの数が第2基準値として設定される。第2基準値を設定した後はステップS605に戻り、第2基準値に対応する役について当否判定を行う。また、ステップS610にて否定判定をした場合には、今回のゲームではいずれの役にも当選しなかったものとして、そのままステップS614の処理に進む。
一方、ステップS606にて「65535」を超えた場合には、現状の抽選対象となっている役と対応する当選番号の情報を取得するとともに現状の抽選対象となっている役に対応する当選データを主側RAM74に設定するための当選データの取得処理を実行する(ステップS613)。図26は当選データの取得処理を示すフローチャートである。
まず主側RAM74の1周目フラグに「1」が設定されているか否かを判定することで、今回当選となった役が前側範囲に含まれるインデックス値IVであるか否かを判定する(ステップS701)。1周目フラグに「1」が設定されている場合(ステップS701:YES)主側RAM74の対象インデックスカウンタの値が今回当選となったインデックス値IVに対応しているため、そのままステップS703以降の処理を実行する。
一方、1周目フラグの値が「0」である場合、今回当選となった役が後側範囲に含まれるインデックス値IVであることを意味する。後側範囲に含まれるインデックス値IVの当否判定を行う場合、対象インデックスカウンタに第2基準値が設定されることとなるが、当該第2基準値は後側範囲に含まれるインデックス値IVの数であるため、今回実際に当選となった役のインデックス値IVは対象インデックスカウンタの値と一致しない。そして、今回実際に当選となった役のインデックス値IVと対象インデックスカウンタの値との差分は、今回抽選の対象となった抽選テーブルの第1基準値と一致する。したがって、ステップS701にて否定判定をした場合、今回抽選の対象となった抽選テーブルの第1基準値を対象インデックスカウンタの値に加算する(ステップS702)。この場合に加算される第1基準値は通常モード用抽選テーブルであれば「16」となり、第1RTモード用抽選テーブルであれば「22」となり、第2RTモード用抽選テーブルであれば「17」となる。
ステップS701にて肯定判定をした場合、又はステップS702の処理を実行した場合、主側ROM73からオフセットテーブル111を読み出す(ステップS703)。そして、今回抽選対象となっている抽選テーブルの種類、及び現状の対象インデックスカウンタの値に対応する当選番号の情報をオフセットテーブル111から読み出し、その当選番号の情報を今回のゲームにおける当選番号の情報として主側RAM74に記憶する(ステップS704)。なお、当然のことながらいずれの役にも当選しなかった場合には当選番号の情報は主側RAM74に記憶されない。
その後、今回当選となった役に含まれる当選データの情報を主側RAM74に展開する(ステップS705)。主側RAM74には本スロットマシン10において存在している当選データの数と同数の当選対応エリアが設定されており、ステップS705ではそれら当選対応エリアのうち今回当選となった役に含まれる当選データに対応するエリアに「1」を設定し、第1BB当選データ、第2BB当選データ、第3BB当選データ、第4BB当選データ、第1RB当選データ及び第2RT当選データといった各種ボーナス当選データ以外の当選データであって今回当選となった役に含まれない当選データに対応する当選対応エリアを「0」クリアする。各種ボーナス当選データに対応する当選対応エリアの値は、対応する当選データを含む役に当選した場合に「1」が設定され、対応する入賞が成立するまでは主側RAM74のクリア処理が実行されない限り「1」が設定された状態が維持される。そして、その「1」が設定されたボーナス当選データに対応する当選対応エリアは、対応する入賞が成立した場合又は主側RAM74のクリア処理が実行された場合に「0」クリアされる。なお、各種ボーナス当選データ以外の当選データに対応する当選対応エリアは、役の抽選処理(図17)にていずれの役にも当選しなかった場合にも「0」クリアされる。
その後、今回のゲームの開始時にリール演出を実行するか否かを決定するためのリール演出の抽選処理を実行する。具体的には、まず今回の役の抽選処理(図17)にて「8」~「16」のいずれかの当選番号が設定されたか否かを判定する(ステップS706)。「8」の当選番号はチェリー当選データに対応しており、「9」の当選番号は第3BB当選データに対応しており、「10」の当選番号は第4BB当選データに対応しており、「11」の当選番号は第1BB当選データに対応しており、「12」の当選番号は第2BB当選データに対応しており、「13」の当選番号は第1RB当選データに対応しており、「14」の当選番号は第2RB当選データに対応しており、「15」の当選番号は第1チャンスリプレイ当選データに対応しており、「16」の当選番号は第2チャンスリプレイ当選データに対応している。これらのうち第1~第4BB当選データ及び第1~第2RB当選データはボーナス状態への移行契機となる当選データに対応しており、チェリー当選データ、第1チャンスリプレイ当選データ及び第2チャンスリプレイ当選データはART状態への移行契機やART状態におけるゲーム数の上乗せ契機を生じさせ得る当選データに対応している。
ステップS706にて肯定判定をした場合、乱数取得処理を実行する(ステップS707)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。リール演出の抽選処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。そして、ステップS707にて取得した乱数を、主側ROM73に予め記憶されているリール演出テーブルに対して照合することにより、リール演出の実行当選となったか否かを判定する(ステップS708)。リール演出テーブルにおいてはリール演出の実行当選となる確率が「8」~「16」のいずれの当選番号であっても20%の確率となるように設定されている。但し、これに限定されることはなく当該当選確率よりも高い構成としてもよく低い構成としてもよく、さらに「8」~「16」の当選番号に応じてリール演出の実行当選となる確率が相違する構成としてもよい。
リール演出の実行当選となった場合(ステップS708:YES)、主側RAM74に設けられたリール演出当選フラグに「1」を設定する(ステップS709)。リール演出当選フラグは今回のゲームの開始時にリール演出を実行すべきことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。リール演出では、全てのリール32L,32M,32Rが停止している状況においてこれらリール32L,32M,32Rの回転が開始された後に、停止操作を要することなく、演出用図柄の組合せ(例えば「BAR」図柄が一直線に並ぶ図柄の組合せ)をメインラインML上に停止表示させた状態で各リール32L,32M,32Rの回転が停止される演出が行われる。これにより、上記のような当選データのいずれかが今回の役の抽選処理(図17)にて選択されたことを、リール32L,32M,32Rの回転開始時における当該リール32L,32M,32Rの動きを利用して報知することが可能となる。
役の抽選処理(図17)の説明に戻り、ステップS609にて肯定判定をした場合、ステップS610にて否定判定をした場合、又はステップS613の処理を実行した場合、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報第1設定処理を実行した後に(ステップS614)、演出内容の決定処理を実行する(ステップS615)。演出内容の決定処理では、今回のゲームにおいて上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63において実行する演出の大枠の内容を決定するための処理を実行する。当該大枠の内容として、通常遊技状態であれば、ボーナス状態又はART状態が発生することの期待度が徐々に低くなるように高期待度内容と中期待度内容と低期待度内容とが設定されている。演出内容の決定処理では現状の遊技状態、現状の遊技区間及び役の抽選処理の結果の組合せに対応する抽選テーブルを利用して、演出の大枠の内容を抽選により決定する。
その後、ゲーム開始コマンドの送信処理を実行する(ステップS616)。当該送信処理では、演出内容の決定処理において決定された大枠の内容に対応する情報と、今回の役の抽選処理(図17)にて当選となっている場合にはその当選となった役に対応する当選番号の情報と、現状の抽選モード及び現状の遊技状態に対応する情報と、をゲーム開始コマンドに設定し、そのゲーム開始コマンドを演出側MPU92に送信する。ゲーム開始コマンドとは、新たなゲームが開始されたことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドであって、主側MPU72にて決定された演出の大枠の内容及び当選番号の情報を演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。
演出側MPU92は、ゲーム開始コマンドを受信した場合、今回のゲームにおける演出の大枠の内容を当該ゲーム開始コマンドから把握する。そして、演出側MPU92は、その把握した演出の大枠の内容に応じた態様で演出の細部の内容を、ゲーム開始コマンドに設定されている当選番号の情報、現状の抽選モードに対応する情報及び現状の遊技状態に対応する情報などを踏まえて決定する。そして、その決定した演出の内容に対応するデータテーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出し、その読み出したデータテーブルに従って上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を実行する。
その後、ステップS617にて遊技区間の第1制御処理を実行し、ステップS618にてゲーム開始時のボーナス用処理を実行し、ステップS619にて上乗せ用処理を実行し、ステップS620にて報知制御処理を実行する。これらの処理内容については後に詳細に説明する。
次に、通常処理(図13)のステップS409にて実行されるリール制御処理について、図27のフローチャートを参照しながら説明する。
リール制御処理では、まず主側RAM74に設けられた定速フラグ74cに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS801)。定速フラグ74cは各リール32L,32M,32Rが回転を開始した後において全てのリール32L,32M,32Rの加速期間が終了して定速回転が開始された後の状況であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。詳細は後述するが各リール32L,32M,32Rが回転を開始した後において全てのリール32L,32M,32Rの加速期間が終了して定速回転が開始された場合に定速フラグ74cに「1」が設定される。
定速フラグ74cに「1」が設定されていない場合(ステップS801:NO)、すなわち各リール32L,32M,32Rにおける回転が開始されたタイミングである場合又は各リール32L,32M,32Rが回転を開始した後において各リール32L,32M,32Rの加速期間が完了していない場合、加速用処理を実行する(ステップS802)。加速用処理では、各リール32L,32M,32Rが停止している状況であれば、前回のゲームでリール32L,32M,32Rの回転が開始された時点から予め定めたウエイト期間(例えば4.1秒)が経過していることを条件として、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるための処理を実行する。また、加速用処理では、各リール32L,32M,32Rが回転を開始した後であれば、各リール32L,32M,32Rを定速回転に向けて加速させるための処理を実行する。
定速フラグ74cに「1」が設定されている場合(ステップS801:YES)、ストップボタン42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する(ステップS803)。いずれのストップボタン42~44も操作されていない場合には、ストップボタン42~44のいずれかが操作されるまでステップS803の処理を繰り返し実行する。ストップボタン42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、回転中のリール32L,32M,32Rと対応するストップボタン42~44が操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する(ステップS804)。停止指令が発生していない場合には、ステップS803に戻り、ストップボタン42~44のいずれかが操作されるまでステップS803の処理を繰り返し実行する。停止指令が発生した場合には、停止指令コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS805)。停止指令コマンドとは、いずれのストップボタン42~44が操作されて停止指令が発生したのかを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。停止指令コマンドを設定した場合には回転中のリールを停止させるべくステップS806~ステップS812に示す停止制御処理を行う。
停止制御処理では、ストップボタン42~44が操作されたタイミングで基点位置(具体的には下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する(ステップS806)。具体的には、リールインデックスセンサ164(図28参照)の検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。その後、主側RAM74に格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリール32L,32M,32Rのスベリ数を算出する(ステップS807)。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップボタン42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリール32L,32M,32Rを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS807では、主側RAM74に格納されている停止情報に基づいてスベリ数として「0」~「4」のいずれかの値を算出する。
その後、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する(ステップS808)。そして、今回停止させるべきリール32L,32M,32Rの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し(ステップS809)、等しくなった場合にはリール32L,32M,32Rの回転を停止させるリール停止処理を行う(ステップS810)。当該リール停止処理では後述するモータ制御処理(図35)において停止対象となるリール32L,32M,32Rの制動を開始させるとともにその制動が完了するまで待機する。その後、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する(ステップS811)。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、停止情報第2設定処理を行い(ステップS812)、ステップS803に戻る。
ここで、停止情報とは、各リール32L,32M,32Rの停止態様を、役の抽選処理(図17)の結果に対応したものとするための情報であり、当該停止情報を利用することにより、各ストップボタン42~44が停止操作された場合に基点位置に到達している到達図柄に対するスベリ数(具体的には「0」~「4」)を算出することが可能となる。当該停止情報としては、各図柄とスベリ数との対応関係を示すスベリ数データが、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応させて主側ROM73に予め記憶されている。但し、これに限定されることはなく、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応するスベリ数データを、リール32L,32M,32Rの回転中などに導出する構成としてもよい。
上記停止情報を設定するための処理として、役の抽選処理(図17)のステップS614にて実行される停止情報第1設定処理と、リール制御処理(図27)のステップS812にて実行される停止情報第2設定処理とが存在している。停止情報第1設定処理では、役の抽選処理の結果に応じて停止情報を設定する。停止情報第2設定処理では、停止情報第1設定処理又は前回の停止情報第2設定処理にて主側RAM74に格納された停止情報を、リール32L,32M,32Rの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、設定されている当選データと、リール32L,32M,32Rの停止順序と、停止しているリール32L,32M,32Rの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。
ステップS811にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、主側RAM74に設けられた回転中フラグ74dを「0」クリアするとともに(ステップS813)、主側RAM74の定速フラグ74cを「0」クリアする(ステップS814)。定速フラグ74cは既に説明したとおり、各リール32L,32M,32Rが回転を開始した後において全てのリール32L,32M,32Rの加速期間が終了して定速回転が開始された後の状況であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。回転中フラグ74dは、各リール32L,32M,32Rが回転を開始した後において正規の回転停止処理を全てのリール32L,32M,32Rに対して完了した状況ではないことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
その後、入賞判定処理を実行する(ステップS815)。入賞判定処理では、各リール32L,32M,32RにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類を把握する。そして、主側RAM74に展開されている当選データの内容に基づき、各リール32L,32M,32RにおいてメインラインML上に停止表示されている図柄の組合せが役の抽選処理において当選となった役に対応する図柄の組合せであるか否かを判定し、当選となった役に対応する図柄の組合せである場合には当選役の入賞の成立として入賞対応処理を実行する。入賞対応処理では、その入賞が小役入賞であれば媒体付与処理において遊技媒体の付与を可能とするように付与対象となる遊技媒体数の情報を主側RAM74に設定する。一方、その入賞がリプレイ入賞であれば、次回の開始待ち処理(ステップS402)にて再遊技設定処理が実行されるようにするためのフラグ設定処理を実行する。
入賞判定処理を実行した後は入賞結果コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS816)。入賞結果コマンドには、今回の入賞成立の有無を示すデータが含まれているとともに、入賞が成立している場合にはその入賞の種類を示すデータが含まれている。
<リール32L,32M,32Rの駆動制御の詳細について>
ここで、リール32L,32M,32Rの駆動制御の詳細について説明する。図28は左リール32Lの組立斜視図である。なお、中リール32M及び右リール32Rも左リール32Lと同様の構成となっている。
左リール32Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材161と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルト(図28では図示略)とを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材161に貼付されている。帯状のベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材161の中心部はステッピングモータ162の駆動軸に取り付けられている。したがって、ステッピングモータ162の駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材161が回転され、左リール32Lが回転するようになっている。
ステッピングモータ162は、リールユニット31内において起立状態に配置されたモータプレート163の側面にねじ固定されている。モータプレート163には、発光素子164aと受光素子164bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ164が設置されている。一方、円筒骨格部材161には、半径方向に延びるセンサカットバン165がねじ固定されている。このセンサカットバン165の先端部165aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ164の両素子164a,164bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール32Lが1回転するごとにセンサカットバン165の先端部165aの通過をリールインデックスセンサ164が検出し、その検出の都度、主側MPU72に検出信号が出力される。したがって、主側MPU72はこの検出信号に基づいて左リール32Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ162は例えば504パルスの励磁信号を与えることにより504ステップ進むことで1回転されるように設定されており、このステップ数によってステッピングモータ162の回転位置、すなわち左リール32Lの回転位置が制御される。各リール32L,32M,32Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。したがって、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ164の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓部21Lから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓部21Lから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
図29(a)はステッピングモータ162の駆動系を示す接続図であり、図29(b)はステッピングモータ162の駆動特性を示す図である。
ステッピングモータ162として、ハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータを使用している。なお、ステッピングモータ162はハイブリッド型に限らず、種々のステッピングモータを使用することができる。
ハイブリッド型のステッピングモータ162は、図29(a)に示すように、中央に配置された回転子171と、回転子171の周囲に配置され第1~第4ポール173~176を有する固定子172とを備えている。回転子171は、N極に着磁された手前側回転子171aと、S極に着磁された奥側回転子171bとで構成され、手前側回転子171aの周囲に設けられた歯と歯の間に、奥側回転子171bの周囲に設けられた歯が位置するように1/2ピッチだけ相対的にずらされた状態で回転軸に取り付けられている。そして、手前側回転子171aと奥側回転子171bとの間には図示しない筒状磁石が取着されている。
第1ポール173と第3ポール175には、図29(b)に示すように、励磁コイルL0と励磁コイルL2がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL0の巻き終わり端と励磁コイルL2の巻き始め端とが結線され、ここに所定の直流電源+B(例えば+24ボルト)が印加される。同じく、第2ポール174と第4ポール176にも励磁コイルL1と励磁コイルL3がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL1の巻き終わり端と励磁コイルL3の巻き始め端とが結線され、ここに上述した直流電源+Bが印加される。
第1ポール173の励磁コイルL0に励磁信号を印加し、第1ポール173をS極に励磁するとともに第3ポール175をN極に励磁する相をA相とし、これとは逆に第3ポール175の励磁コイルL2に励磁信号を印加し、第1ポール173をN極に励磁するとともに第3ポール175をS極に励磁する相を逆A相と称する。同様に、第2ポール174の励磁コイルL1に励磁信号を印加し、第2ポール174をS極に励磁するとともに第4ポール176をN極に励磁する相をB相とし、これとは逆に第4ポール176の励磁コイルL3に励磁信号を印加し、第2ポール174をN極に励磁するとともに第4ポール176をS極に励磁する相を逆B相と称する。
ステッピングモータ162に対する励磁信号は励磁データとして、図29(b)に示すモータドライバ177に与えられる。この励磁データは主側RAM74に格納され、タイマ割込み処理によって適切な励磁データが出力される。この励磁データによってステッピングモータ162に対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁信号(電流)が通電される。
ステッピングモータ162が1相励磁駆動方式の場合には、A相、B相、逆A相及び逆B相に対して順次励磁信号を印加することにより、回転子171を時計方向又は反時計方向に回転駆動させることができる。つまり、例えばまずA相に通電すると、S極になった第1ポール173の突起と手前側回転子171aの歯、N極になった第3ポール175の突起と奥側回転子171bの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次にB相に通電すると、S極になった第2ポール174の突起と手前側回転子171aの歯、N極になった第4ポール176の突起と奥側回転子171bの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次に逆A相に通電すると、N極になった第1ポール173の突起と奥側回転子171bの歯、S極になった第3ポール175の突起と手前側回転子171aの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次に逆B相に通電すると、N極になった第2ポール174の突起と奥側回転子171bの歯、S極になった第4ポール176の突起と手前側回転子171aの歯とがそれぞれ吸引力により向き合う。この順序で励磁することにより、回転子171は図29(a)において時計周りの方向に回転する。
本実施形態のスロットマシン10では、リール32L,32M,32Rの回転を開始させて定速回転となるまでの加速期間及び定速回転を維持させるための定速期間においては、1相励磁と2相励磁とを交互に行う1-2相励磁駆動が採用されている。これら加速期間及び定速期間において1-2相励磁駆動を行うために主側MPU72により参照されるテーブルとして励磁順テーブルが存在している。励磁順テーブルはスロットマシン10の製造段階において主側ROM73に予め記憶されている。図30は励磁順テーブルの内容を説明するための説明図である。
励磁順テーブルは図30に示すように、「0」~「7」の励磁順ポインタが設定されているとともに、各励磁順ポインタのそれぞれに励磁相の種類が設定されている。「0」の励磁順ポインタにはA相に通電する1相励磁が設定されており、「1」の励磁順ポインタにはA相及びB相の両方に通電する2相励磁が設定されており、「2」の励磁順ポインタにはB相に通電する1相励磁が設定されており、「3」の励磁順ポインタにはB相及び逆A相の両方に通電する2相励磁が設定されており、「4」の励磁順ポインタには逆A相に通電する1相励磁が設定されており、「5」の励磁順ポインタには逆A相及び逆B相の両方に通電する2相励磁が設定されており、「6」の励磁順ポインタには逆B相に通電する1相励磁が設定されており、「7」の励磁順ポインタには逆B相及びA相の両方に通電する2相励磁が設定されている。励磁順ポインタが「7」である状況においてリール32L,32M,32Rの加速期間又は定速期間が継続される場合には、制御対象となる励磁順ポインタが「0」に戻り、「0」の励磁順ポインタによる駆動制御が行われることとなる。なお、本実施形態のスロットマシン10では504パルスの励磁信号によりリール32L,32M,32Rが1周する構成であるため、1パルスの励磁信号に基づく角度変化、すなわち1ステップあたりの角度変化は約0.714°となる。
上記構成のステッピングモータ162を使用する場合、図31に示すような駆動特性が要求される。
この駆動特性は、スタートレバー41が操作されてからステッピングモータ162が回転を始め一定の定速回転に至るまでの加速期間Taと定速期間とに大別でき、定速期間はストップボタン42~44が操作されるまで回転速度を維持しつづける維持期間Tbと、ストップボタン42~44の操作に基づいて所定のスベリを伴いながら停止する停止期間Tcとに分けられる。
加速期間Taの長さに関する規制は設けられていない一方、ストップボタン42~44が操作されない場合の加速期間Taと維持期間Tbとを加えた時間は30秒以上でなければならないという規制が設けられている。停止期間Tcについても、ストップボタン42~44を操作してから最大約190msec以内にステッピングモータ162を停止させることが要求されている。
次に、ステッピングモータ162の駆動制御についての構成を説明する。
既に説明したとおり、ステッピングモータ162は加速期間を経て定速回転の状態に遷移するが、かかる加速期間は遊技の強制的な待ち時間となってしまうため、ステッピングモータ162は加速状態からできるだけ早く定速回転の状態に遷移させることが望ましい。そのためにはステッピングモータ162の励磁相の切り替えを早く行うようにすればよいが、そうすると脱調や回転の不安定性をもたらす恐れがある。
特に、ステッピングモータ162においては、初期励磁の際に回転子171の歯がポール173~176の突起に吸引されるときに、回転子171の初期の回転揺れ(往復動を伴った微小振動)が発生する。リールユニット31の仕様などによっても相違するが、例えば30msecで1往復する揺れが5~6往復程度発生する。したがって、このような初期の回転揺れを考慮に入れながら加速期間における励磁相の切り替え態様を設定する必要がある。
かかる初期の回転揺れの影響を抑制しながら、ステッピングモータ162の加速を行う手法としては、2相励磁による初期励磁の状態をある程度維持するとともにその後の2相励磁と1相励磁との切り替え間隔を徐々に短くしていく手法が考えられる。例えば図32に示すようなタイミングで励磁相を切り替える構成が考えられる。この場合、初期励磁として2相励磁に設定した状態が130割込み(すなわちタイマ割込み処理(図11)の130回分)に亘って保持された後に、1相励磁に切り替えられ、その状態を8割込みに亘って保持した後に、2相励磁に切り替えられ、その後、除々に励磁相の切り替え間隔が短くなるように設定されている。当該構成であれば、193.7msec(=1.49msec×130割込み)が初期励磁期間として設定され、この間に上記初期の回転揺れを消失させることが可能となる。
次に、リール32L,32M,32Rの駆動制御を行うために主側MPU72にて実行される具体的な処理内容を説明する。
図33は主側MPU72にて実行される加速用処理を示すフローチャートである。なお、加速用処理は、リール制御処理(図27)におけるステップS802にて実行される。
加速用処理では、まず主側RAM74に設けられた開始設定済みフラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS901)。開始設定済みフラグは、リール32L,32M,32Rの回転を開始させるための処理が完了したことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。開始設定済みフラグに「1」が設定されていない場合(ステップS901:NO)、主側RAM74に設けられたウエイト用カウンタの値が「0」となっているか否かを判定することで、前回のゲームでリール32L,32M,32Rの回転が開始された時点から予め定めたウエイト期間(例えば4.1秒)が経過しているか否かを判定する(ステップS902)。ウエイト用カウンタに設定された値はタイマ割込み処理(図11)が実行される度にステップS208のタイマ減算処理にて減算される。
ウエイト期間が経過していない場合(ステップS902:NO)、そのまま本加速用処理を終了する。ウエイト期間が経過している場合(ステップS902:YES)、主側RAM74に設けられたリール演出当選フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS903)。リール演出当選フラグは既に説明したとおり、今回のゲームの開始時にリール演出を実行すべきことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
リール演出当選フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS903:NO)、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに対応する加速カウンタに「25」を設定する(ステップS904~ステップS906)。そして、主側ROM73から通常の加速テーブルを読み出す(ステップS907)。
各加速カウンタは主側RAM74に設けられており、主側MPU72は各加速カウンタの数値情報に基づいて、リール32L,32M,32Rの加速期間において励磁相の切り替えタイミングとなった場合に加速用テーブルにおけるいずれの加速用の励磁順序のデータを参照すべきかを把握する。また、通常の加速テーブルは、リール演出が実行されない状況において各リール32L,32M,32Rを加速させるための励磁相の切り替えタイミング、及び各切り替えタイミングにおける励磁相の種類を定めたテーブルであり、具体的には図32に示す内容となっている。例えば加速カウンタの値が「25」の場合には図32に示す通常の加速テーブルにおいて1番目の励磁順序として定められた切り替え間隔及び励磁相の種類が利用対象となり、加速カウンタの値が「15」の場合には図32に示す通常の加速テーブルにおいて11番目の励磁順序として定められた切り替え間隔及び励磁相の種類が利用対象となる。通常の加速テーブルを参照して各加速カウンタの値に対応する駆動制御が各リール32L,32M,32Rに対して行われることにより、各リール32L,32M,32Rが同時に回転を開始するとともに同時又は略同時に加速が完了して定速状態となる。
リール演出当選フラグに「1」が設定されている場合(ステップS903:YES)、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに対応する加速カウンタに「150」を設定する(ステップS908~ステップS910)。そして、主側ROM73から演出用駆動テーブルを読み出す(ステップS911)。演出用駆動テーブルはリール演出が実行されるように各リール32L,32M,32Rに加速及び停止を行わせるための励磁相の切り替えタイミング、及び各切り替えタイミングにおける励磁相の種類を定めたテーブルである。演出用駆動テーブルを参照して各加速カウンタの値に対応する駆動制御が各リール32L,32M,32Rに対して行われることにより、各リール32L,32M,32Rが同時に回転を開始するとともに、停止操作を要することなく、演出用図柄の組合せ(例えば「BAR」図柄が一直線に並ぶ図柄の組合せ)をメインラインML上に停止表示させた状態で各リール32L,32M,32Rの回転が停止される。
ステップS907又はステップS911の処理を実行した場合、主側RAM74の開始設定済みフラグに「1」を設定する(ステップS912)。また、今回のゲームでリール32L,32M,32Rの回転が開始された時点から次回のゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が開始されるまでにウエイト期間が最低限確保されるようにするために、主側RAM74のウエイト用カウンタにウエイト期間(例えば4.1秒)の情報を設定する(ステップS913)。その後、主側RAM74の回転中フラグ74dに「1」を設定する(ステップS914)。回転中フラグ74dに「1」が設定されている場合、タイマ割込み処理(図11)のステップS206におけるステッピングモータ制御処理にて各リール32L,32M,32Rを駆動制御するための処理が実行される。
図34はステッピングモータ制御処理を示すフローチャートである。なお、ステッピングモータ制御処理はタイマ割込み処理(図11)におけるステップS206にて実行される。
主側RAM74の回転中フラグ74dに「1」が設定されている場合(ステップS1001:YES)、主側RAM74に設けられた制御対象カウンタに「3」を設定する(ステップS1002)。制御対象カウンタは、各リール32L,32M,32Rのうちいずれに対してステップS1003~ステップS1007の処理を実行するのかを主側MPU72にて特定するためのカウンタである。制御対象カウンタの値が「3」である場合には左リール32Lが制御対象となり、制御対象カウンタの値が「2」である場合には中リール32Mが制御対象となり、制御対象カウンタの値が「1」である場合には右リール32Rが制御対象となる。
その後、現状の制御対象カウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rについて、リールインデックスセンサ164の検知結果と励磁データの出力回数とに基づき回転位置を把握する(ステップS1003)。また、モータ制御処理を実行する(ステップS1004)。モータ制御処理では、ステッピングモータ162に対する回転制御のための励磁データの生成処理を行う。そして、その生成した励磁データを、現状の制御対象カウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rに対応付けた状態で出力する(ステップS1005)。これにより、現状の制御対象カウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rについての励磁データがモータドライバ177に供給される。その結果、現状の制御対象カウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rのステッピングモータ162は即座に励磁データによって指定された励磁相への通電処理を行い、回転子171に対する励磁処理がなされることとなる。なお、現状の制御対象カウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの回転の停止が既に完了している場合には新たな励磁データが設定されることはなく、さらにステップS1005の処理は実行されない。
その後、主側RAM74の制御対象カウンタの値を1減算し(ステップS1006)、その1減算後における制御対象カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS1007)。制御対象カウンタの値が「0」となっていない場合(ステップS1007:NO)、その新たな制御対象カウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rに対してステップS1003~ステップS1007の処理を実行する。一方、制御対象カウンタの値が「0」となっている場合(ステップS1007:YES)、本ステッピングモータ制御処理を終了する。
図35はステップS1004のモータ制御処理を示すフローチャートである。
まず今回の制御対象のリール32L,32M,32Rが制動中であるか否かを判定する(ステップS1101)。今回の制御対象のリール32L,32M,32Rに対して、リール制御処理(図27)におけるステップS810の処理が実行された場合であって当該リール32L,32M,32Rの制動が完了していない場合にステップS1101にて肯定判定をする。
ステップS1101に否定判定をした場合、今回の制御対象のリール32L,32M,32Rに対応する加速カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS1102)。ステップS1102にて肯定判定をした場合、今回の制御対象のリール32L,32M,32Rに対応する切り替え間隔カウンタの値が1以上であることを条件として当該切り替え間隔カウンタの値を1減算する(ステップS1103)。そして、当該切り替え間隔カウンタの値が「0」である場合(ステップS1104:YES)、励磁相の切り替えタイミングであることを意味するためステップS1105に進む。
ステップS1105では切り替え間隔カウンタの設定処理を実行する。当該設定処理では、通常の加速テーブル及び演出用駆動テーブルのうち現状読み出されている加速用テーブルを参照して切り替え間隔カウンタに数値情報を設定する。通常の加速テーブルについて具体的には、加速カウンタの値が「25」である場合には加速期間の開始時であることを意味する。この場合、制御対象のリール32L,32M,32Rに対応する切り替え間隔カウンタに、通常の加速テーブルにおいて1番目の加速用の励磁順序に設定されている切り替え間隔である130割込みに対応する「130」を設定する。また、加速カウンタの値が「24」である場合には、通常の加速テーブルにおいて2番目の加速用の励磁順序が対象となる。この場合には、制御対象のリール32L,32M,32Rに対応する切り替え間隔カウンタに、当該2番目の加速用の励磁順序に設定されている切り替え間隔である8割込みに対応する「8」を設定する。
その後、励磁順ポインタの更新処理を実行する(ステップS1106)。具体的には、励磁順ポインタの数値情報を1加算し、その加算後の数値情報が当該励磁順ポインタの最大値である「7」を超えた場合には、当該数値情報を「0」クリアする。その後、励磁順テーブル(図30)において現状の励磁順ポインタの数値情報に対応させて設定されている励磁データを読み出し、その読み出した励磁データを今回の制御対象のリール32L,32M,32Rについての今回の励磁データとして主側RAM74に記憶する(ステップS1107)。
その後、今回の制御対象のリール32L,32M,32Rに対応する加速カウンタの値を1減算する(ステップS1108)。これにより、今回の制御対象となっているリール32L,32M,32Rについて次回の励磁相の切り替えを実行する場合、この減算後における加速カウンタの値に対応した切り替え間隔のデータが設定される。
今回の制御対象のリール32L,32M,32Rに対応する加速カウンタの値が「0」である場合(ステップS1102:NO)、主側RAM74の定速フラグ74cに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS1109)。定速フラグ74cに「1」が設定されている場合(ステップS1109:YES)、各リール32L,32M,32Rが定速回転を行っている定速期間であることを意味するため定速用処理を実行する(ステップS1110)。定速用処理では、1相励磁と2相励磁とが1割込み分ずつ交互に切り換えられるようにするための処理を実行する。
ステップS1110にて定速用処理を実行した後は、今回の制御対象となっているリール32L,32M,32Rの制動開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS1111)。具体的には、今回の制御対象となっているリール32L,32M,32Rに対してリール制御処理(図27)におけるステップS810の処理が実行された場合に制動開始タイミングであるとして制動設定処理を実行する(ステップS1112)。制動設定処理では停止用テーブルを主側ROM73から読み出し、当該停止用テーブルに従った制御を開始する。具体的には、4相励磁を行うための励磁データを主側RAM74に記憶する。当該制動設定処理を実行することにより、今回の制御対象となっている次回のモータ制御処理では、ステップS1101にて肯定判定をして制動中処理を実行する(ステップS1113)。これにより、停止用テーブルに従って100割込み分に亘って4相励磁が継続され、100割込み分に亘る4相励磁が終了した場合に当該制御対象となっているリール32L,32M,32Rの駆動制御を終了する。
加速用処理(図33)の説明に戻り、ステップS901にて肯定判定をした場合又はステップS914の処理を実行した場合、全てのリール32L,32M,32Rに対応する加速カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS915)。全てのリール32L,32M,32Rに対応する加速カウンタの値が「0」である場合、全てのリール32L,32M,32Rについて加速期間が終了したことを意味する。この場合、主側RAM74のリール演出当選フラグに「1」が設定されているのであれば(ステップS916:YES)、リール演出時の再加速処理を実行する(ステップS917)。当該再加速処理の処理内容は後に説明する。一方、主側RAM74のリール演出当選フラグに「1」が設定されていないのであれば(ステップS916:NO)、主側RAM74の定速フラグ74cに「1」を設定するとともに(ステップS918)、主側RAM74の開始設定済みフラグを「0」クリアする(ステップS919)。
定速フラグ74cに「1」が設定されることで、既に説明したとおりリール制御処理(図27)ではステップS801にて肯定判定をすることでステップS803以降の処理を実行する。つまり、各リール32L,32M,32Rにおいて加速期間が終了して定速回転が開始された場合には各リール32L,32M,32Rのストップボタン42~44の操作が有効化され、ストップボタン42~44の操作に基づき対応するリール32L,32M,32Rの停止制御が実行される。なお、主側MPU72は、定速フラグ74cに「1」が設定されている状況においては、停止指令が未だ発生していないリール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42~44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
ここで、主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に実行されるメイン処理(図10)では既に説明したとおり全部クリア処理(ステップS104)及び設定値以外のクリア処理(ステップS113)のいずれもが実行されなかった場合であって主側RAM74の状態が正常であった場合(ステップS108、ステップS110及びステップS111:YES)、電源遮断前のアドレスに戻る前に、リール制御用のクリア処理(ステップS116)が実行されるとともに復帰アドレスの調整処理(ステップS117)が実行される。
リール制御用のクリア処理(ステップS116)では、主側RAM74の定速フラグ74c、回転中フラグ74d、開始設定済みフラグ及びリール演出当選フラグのそれぞれを「0」クリアする。復帰アドレスの調整処理(ステップS117)では、復帰アドレスがリール制御処理(図27)である場合、その復帰アドレスをリール制御処理(図27)における開始アドレスに修正する。これら処理が実行されることにより、少なくとも1個のリール32L,32M,32Rの回転中に主側MPU72への動作電力の供給が停止された場合であって主側MPU72への動作電力の供給が再開された場合において電源遮断前のアドレスへの復帰(ステップS119)が行われる場合、リール制御処理(図27)の開始アドレスから通常処理を開始することが可能となる。そして、主側RAM74の定速フラグ74c、回転中フラグ74d、開始設定済みフラグ及びリール演出当選フラグのそれぞれが「0」クリアされていることにより、主側MPU72への動作電力の供給が停止されたタイミングがリール32L,32M,32Rの回転が開始された後のタイミングであったとしても、通常の加速テーブルに従ってリール32L,32M,32Rの加速を開始することが可能となる。
図36はリール32L,32M,32Rの回転中に動作電力の供給が停止された場合において動作電力の供給が再開された場合におけるリール32L,32M,32Rの駆動制御の流れを示すタイムチャートである。図36(a)は主側MPU72に動作電力が供給されている期間を示し、図36(b)は主側RAM74の定速フラグ74cの状態を示し、図36(c)は主側MPU72においてメイン処理が実行されている期間を示し、図36(d)はリール32L,32M,32Rの加速期間を示し、図36(e)はリール32L,32M,32Rの定速期間を示し、図36(f)はストップボタン42~44の操作有効期間を示す。
主側MPU72に動作電力が供給されている状況であるt1のタイミングでゲームの開始操作が行われることで、図36(d)に示すように各リール32L,32M,32Rの加速が開始され、t2のタイミングで各リール32L,32M,32Rの加速が完了することで、図36(b)に示すように定速フラグ74cに「1」が設定されるとともに図36(e)に示すようにリール32L,32M,32Rの定速回転が開始される。また、図36(f)に示すように当該t2のタイミングでストップボタン42~44の操作が有効化される。
その後、t3のタイミングで図36(a)に示すように主側MPU72への動作電力の供給が停止される。したがって、当該t3のタイミングで図36(e)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が停止される。この場合、主側RAM74の情報の記憶状態がバックアップ電力により維持されるため図36(b)に示すように定速フラグ74cに「1」が設定された状態は動作電力の供給の停止中も維持される。
その後、t4のタイミングで図36(a)に示すように主側MPU72への動作電力の供給が再開される。当該t4のタイミングで図36(c)に示すように主側MPU72にてメイン処理(図10)が開始される。この場合、図36(b)に示すように定速フラグ74cに「1」が設定された状態となっている。
その後、t5のタイミングで図36(c)に示すように主側MPU72におけるメイン処理(図10)の実行が終了される。当該メイン処理(図10)では全部クリア処理(ステップS104)及び設定値以外のクリア処理(ステップS113)のいずれもが実行されることはなく、さらに主側RAM74の状態が正常であったため(ステップS108、ステップS110及びステップS111:YES)、電源遮断前のアドレスに戻ることとなるが、電源遮断前のアドレスに戻る前に、リール制御用のクリア処理(ステップS116)が実行されるとともに復帰アドレスの調整処理(ステップS117)が実行される。したがって、t5のタイミングで図36(b)に示すように定速フラグ74cが「0」クリアされる。また、t5のタイミングでリール制御処理(図27)の開始アドレスから通常処理(図13)が再開される。したがって、t5のタイミングで図36(d)に示すようにリール32L,32M,32Rの加速が開始され、t6のタイミングで各リール32L,32M,32Rの加速が完了することで、図36(b)に示すように定速フラグ74cに「1」が設定されるとともに図36(e)に示すようにリール32L,32M,32Rの定速回転が開始される。また、図36(f)に示すように当該t6のタイミングでストップボタン42~44の操作が有効化される。
仮に、リール32L,32M,32Rの回転中に主側MPU72への動作電力の供給が停止された場合においてリール制御用のクリア処理(ステップS116)及び復帰アドレスの調整処理(ステップS117)が実行されなかった場合、主側MPU72への動作電力の供給の再開後においてはリール制御処理(図27)における開始アドレスよりも後のアドレスの処理が実行される一方、実際にはリール32L,32M,32Rの回転が正常に行われない状況が発生してしまい、遊技の進行が阻害されてしまう。特に、リール32L,32M,32Rの定速回転中に主側MPU72への動作電力の供給が停止された場合において上記のような事象が発生すると、リール32L,32M,32Rの回転が正常に行われていない状況であるにも関わらずストップボタン42~44の停止操作が有効に受け付けられて、正常に回転していないリール32L,32M,32Rに対して停止制御が実行されてしまうおそれがある。これに対して、上記のとおりリール制御用のクリア処理(ステップS116)及び復帰アドレスの調整処理(ステップS117)が実行されることにより、主側MPU72への動作電力の供給が停止されたタイミングがリール32L,32M,32Rの回転が開始された後のタイミングであったとしても、主側MPU72への動作電力の供給が再開された場合には、ストップボタン42~44の停止操作が無効化された状況において通常の加速テーブルに従ってリール32L,32M,32Rの加速を開始することが可能となる。
<リール演出時の再加速処理について>
次に、加速用処理(図33)のステップS917にて実行されるリール演出時の再加速処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。なお、リール演出時の再加速処理はリール演出当選フラグに「1」が設定されているとともに、定速フラグに「1」が設定されていない状況であって全ての加速カウンタの値が「0」である状況である場合に実行される。したがって、リール演出当選フラグに「1」が設定されており定速フラグに「1」が設定されていない状況であってもいずれか1個の加速カウンタの値が1以上である場合にはリール演出時の再加速処理は実行されることはなく、その後に全ての加速カウンタの値が「0」となった場合にリール演出時の再加速処理が実行される。
まず主側RAM74に設けられた開始対象カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS1201)。開始対象カウンタはリール演出時の再加速処理の実行が完了していないリール32L,32M,32Rが存在しているか否か及びリール演出時の再加速処理の実行対象となるリール32L,32M,32Rの種類を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。開始対象カウンタの値が「0」である場合(ステップS1201:NO)、開始対象カウンタに「3」を設定する(ステップS1202)。
ステップS1201にて肯定判定をした場合、又はステップS1202の処理を実行した場合、主側RAM74に設けられた待機カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS1203)。リール演出においては全てのリール32L,32M,32Rの回転が開始された後に停止操作を要することなく演出用図柄の組合せをメインラインML上に停止表示させた状態で全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止される。そして、リール演出が終了した後はリール32L,32M,32Rの回転をストップボタン42~44の停止操作に対応させて停止させるという通常の遊技を可能とすべくリール32L,32M,32Rの回転を再度開始させる。この場合、リール32L,32M,32Rの回転の再開に際しては、所定の順序(具体的には左リール32L→中リール32M→右リール32Rの順序)で1個ずつリール32L,32M,32Rの回転が開始されるとともに、1個のリール32L,32M,32Rの加速期間が終了して定速回転となった後に次のリール32L,32M,32Rの回転が開始される。そして、1個のリール32L,32M,32Rの加速期間が終了した場合に待機期間を発生させるか否か及び待機期間を発生させる場合にはその待機期間をどの程度の期間とするかを決定するための抽選処理が実行され、待機期間の発生が決定された場合にはその決定された待機期間が経過した場合に次のリール32L,32M,32Rの回転が開始される。このように待機期間が発生し得る構成とすることにより、リール演出の実行後におけるリール32L,32M,32Rの再回転に際して図柄の回転位置に偏りが発生してしまわないようにすることが可能となる。待機カウンタは、当該待機期間を計測するためのカウンタであって、当該待機期間の計測途中であるか否かを主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
待機カウンタの値が「0」である場合(ステップS1203:NO)、ステップS1204以降の待機期間の抽選処理を実行する。具体的には、まず待機期間テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS1204)。待機期間テーブルには、0秒、0.1秒、0.2秒、0.3秒、0.4秒、0.5秒、0.6秒及び0.7秒が設定されており、それぞれの当選確率は同一の確率となっている。この場合、0秒が待機期間の非発生に対応しており、0.1秒~0.7秒は待機期間の発生に対応している。
その後、乱数カウンタからの取得処理を実行する(ステップS1205)。当該取得処理では、乱数回路群100から乱数を取得するのではなく、主側RAM74に設けられた乱数カウンタから乱数を取得する。乱数カウンタは比較的短い間隔で数値が更新される構成であり、更新後の数値が最大値を超えた場合には最小値に更新される。具体的にはタイマ割込み処理(図11)が1回実行される度に数値の更新が行われる。また、乱数カウンタの乱数の更新が1周するのに要する時間は、タイマ割込み処理(図11)の160割込み分となっている。この時間は通常の加速テーブル(図32)を利用して1個のリール32L,32M,32Rが加速される場合における加速期間よりも短い時間となっている。
その後、ステップS1205にて取得した乱数をステップS1204にて読み出した待機期間テーブルに対して照合することにより、待機期間の発生当選となったか否かを判定する(ステップS1206)。待機期間の発生当選とならなかった場合、すなわち待機期間の抽選処理にて0秒が選択された場合(ステップS1206:NO)、再回転の開始対象となっている1個のリール32L,32M,32Rの加速を開始させるためにステップS1210以降の処理を実行する。待機期間の発生当選となった場合(ステップS1206:YES)、待機期間の抽選処理にて選択された待機期間を主側RAM74の待機カウンタに設定する(ステップS1207)。これにより、再回転の開始対象となっている1個のリール32L,32M,32Rの加速の開始を待機するための待機期間の計測が開始される。
主側RAM74の待機カウンタの値が1以上である場合(ステップS1203:YES)、当該待機カウンタの値を1減算する(ステップS1208)。そして、その1減算後における待機カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS1209)。待機カウンタの値が1以上である場合(ステップS1209:YES)、そのまま本リール演出時の再加速処理を終了する。
待機カウンタの値が「0」でありステップS1209にて肯定判定をした場合、又は待機期間の抽選処理にて0秒が選択された場合(ステップS1206:NO)、ステップS1210に進む。ステップS1210では、再回転の開始対象となっている1個のリール32L,32M,32Rに対応する加速カウンタに「25」を設定する。そして、主側ROM73から通常の加速テーブルを読み出す(ステップS1211)。なお、今回の再回転の開始対象となっているリール32L,32M,32Rが再回転の開始順序において2番目以降の順序である場合には最初に再回転の開始対象となった左リール32Lの再回転の開始に際して通常の加速テーブルが既に読み出されているため、通常の加速テーブルの再度の読み出しは行わない。また、通常の加速テーブルは加速用処理(図33)におけるステップS907にて読み出される通常の加速テーブルと同一であり、具体的には図32に示すテーブル内容となっている。
ステップS1210及びステップS1211の処理が実行されることにより、次回の加速用処理(図33)ではステップS915にて否定判定をすることでステップS917の処理を実行しない。また、ステッピングモータ制御処理(図34)におけるステップS1004のモータ制御処理(図35)では、今回の再回転の開始対象となったリール32L,32M,32Rが制御対象となった場合にステップS1102にて肯定判定をすることで、通常の加速テーブルに従って加速させるための処理が実行される。これにより、今回の再回転の開始対象となった1個のリール32L,32M,32Rが通常の加速テーブルに従って加速されることとなる。
その後、主側RAM74の開始対象カウンタの値を1減算し(ステップS1212)、その1減算後における開始対象カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS1213)。ステップS1213にて肯定判定をした場合、全てのリール32L,32M,32Rについて再回転を開始させるための処理が完了したことを意味するため、主側RAM74のリール演出当選フラグを「0」クリアする(ステップS1214)。
次に、リール演出の実行後に各リール32L,32M,32Rの再回転が行われる様子について図38のタイムチャートを参照しながら説明する。図38(a)は主側RAM74の乱数カウンタにおける乱数の更新が1周するタイミングを示し、図38(b)はリール演出の実行期間を示し、図38(c)はリール32L,32M,32Rの再回転が待機されている待機期間を示し、図38(d)は再回転が行われる場合における左リール32Lの加速期間を示し、図38(e)は再回転における加速期間が終了した後において左リール32Lが定速回転する定速期間を示し、図38(f)は再回転が行われる場合における中リール32Mの加速期間を示し、図38(g)は再回転における加速期間が終了した後において中リール32Mが定速回転する定速期間を示し、図38(h)は再回転が行われる場合における右リール32Rの加速期間を示し、図38(i)は再回転における加速期間が終了した後において右リール32Rが定速回転する定速期間を示す。
図38(b)に示すようにt1のタイミングで各リール32L,32M,32Rにおいてリール演出が実行される。そして、t2のタイミングで当該リール演出が終了して各リール32L,32M,32Rが停止した状態となる。
当該t2のタイミングで左リール32Lが再回転の開始対象となるが、待機期間の抽選処理にて待機期間の発生当選となる。したがって、図32(c)に示すようにt2のタイミング~t3のタイミングに亘って左リール32Lの再回転の開始が待機される。そして、t3のタイミングで図32(d)に示すように左リール32Lの再回転が開始される。つまり、通常の加速テーブルを利用して左リール32Lの回転が開始されて加速が行われる。
その後、t4のタイミングで図32(d)に示すように左リール32Lの加速期間が終了することで図32(e)に示すように左リール32Lの定速回転が開始される。なお、このタイミングでは中リール32M及び右リール32Rが定速回転となっていないため主側RAM74の定速フラグ74cに「1」が設定されることはなくストップボタン42~44の操作は有効化されない。
t4のタイミングで中リール32Mが再回転の開始対象となるが、待機期間の抽選処理にて待機期間の発生当選となる。したがって、図32(c)に示すようにt4のタイミング~t5のタイミングに亘って中リール32Mの再回転の開始が待機される。そして、t5のタイミングで図32(f)に示すように中リール32Mの再回転が開始される。つまり、通常の加速テーブルを利用して中リール32Mの回転が開始されて加速が行われる。
その後、t6のタイミングで図32(f)に示すように中リール32Mの加速期間が終了することで図32(g)に示すように中リール32Mの定速回転が開始される。なお、このタイミングでは右リール32Rが定速回転となっていないため主側RAM74の定速フラグ74cに「1」が設定されることはなくストップボタン42~44の操作は有効化されない。
t6のタイミングで右リール32Rが再回転の開始対象となるが、待機期間の抽選処理にて待機期間の発生当選となる。したがって、図32(c)に示すようにt6のタイミング~t7のタイミングに亘って右リール32Rの再回転の開始が待機される。そして、t7のタイミングで図32(h)に示すように右リール32Rの再回転が開始される。つまり、通常の加速テーブルを利用して右リール32Rの回転が開始されて加速が行われる。
その後、t8のタイミングで図32(h)に示すように右リール32Rの加速期間が終了することで図32(i)に示すように右リール32Rの定速回転が開始される。なお、このタイミングでは全てのリール32L,32M,32Rが定速回転となっているため主側RAM74の定速フラグ74cに「1」が設定され、ストップボタン42~44の操作が有効化される。
ここで、待機期間の抽選処理にて利用される乱数カウンタにおいて乱数の更新が1周するために要する期間Tは、各リール32L,32M,32Rにおいて通常の加速テーブルを利用して加速が行われる加速期間(t3のタイミング~t4のタイミング、t5のタイミング~t6のタイミング、t7のタイミング~t8のタイミング)よりも短い期間となっている。具体的には乱数カウンタにおいて乱数の更新が1周するために要する期間はタイマ割込み処理(図11)の割込み回数で160割込み分となっているのに対して、各リール32L,32M,32Rにおいて通常の加速テーブルを利用して加速が行われる加速期間は213割込み分となっている。これにより、各リール32L,32M,32Rの再回転を開始する場合における待機期間を決定する場合に主側RAM74の1個の乱数カウンタが兼用される構成において、1個のリール32L,32M,32Rについて待機期間を決定するために乱数カウンタから乱数を取得してから次の順番のリール32L,32M,32Rについて待機期間を決定するために乱数カウンタから乱数を取得するまでに、当該乱数カウンタにおける乱数の更新が1周以上している状態とすることが可能となる。よって、各リール32L,32M,32Rのそれぞれにおける待機期間の抽選処理を独立して行うことが可能となる。
<遊技状態及び遊技区間について>
次に、遊技状態及び遊技区間について説明する。図39は本スロットマシン10に存在している遊技状態及び遊技区間を説明するための説明図である。
本スロットマシン10では遊技状態として、通常遊技状態ST1と、ボーナス内部状態ST2と、BB状態ST3と、RB状態ST4と、偽前兆状態ST5と、本前兆状態ST6と、チャンス状態ST7と、準備状態ST8と、ART状態ST9と、が存在している。これら遊技状態ST1~ST9は相互に重複して発生することはない。
通常遊技状態ST1は、主側RAM74の全部クリア処理(ステップS104)又は設定値以外のクリア処理(ステップS113)が実行されることにより滞在する遊技状態である。また、BB状態ST3が終了した場合において準備状態ST8への移行が発生しない場合、RB状態ST4が終了した場合において準備状態ST8への移行が発生しない場合、偽前兆状態ST5が終了した場合、チャンス状態ST7が終了した場合において準備状態ST8への移行が発生しない場合、及びBB状態ST3やRB状態ST4への移行を契機とすることなくART状態ST9が終了した場合、遊技状態が通常遊技状態ST1となる。通常遊技状態ST1は1ゲームにおける遊技媒体の付与期待値という点では、BB状態ST3、RB状態ST4、準備状態ST8及びART状態ST9よりも有利度が低い遊技状態であり、ボーナス内部状態ST2、偽前兆状態ST5、本前兆状態ST6及びチャンス状態ST7と有利度が略同一である。また、既に説明したとおり抽選モードとして通常モード、第1RTモード及び第2RTモードが存在しているが、通常遊技状態ST1においてはこれら抽選モードのいずれにも滞在し得る。なお、主側RAM74の全部クリア処理(ステップS104)又は設定値以外のクリア処理(ステップS113)が実行された場合には通常遊技状態ST1であって通常モードとなる。
ボーナス内部状態ST2は、いずれかのボーナス当選データが設定されたゲームでそのボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立しなかった場合に滞在する遊技状態であり、そのボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立した場合に終了する遊技状態である。ボーナス内部状態ST2では既に説明したとおり役の抽選処理(図17)にて内部用抽選テーブルが参照される。この場合、当該内部用抽選テーブルには抽選モードを移行させる役(すなわちインデックス値IV)が設定されていないため、ボーナス内部状態ST2においては抽選モードの移行は発生しない。ボーナス内部状態ST2におけるリプレイ確率は通常モード用抽選テーブル(図18)が参照される場合と同様であるため、ボーナス内部状態ST2はリプレイ確率が通常モードに維持される遊技状態であるとも言える。なお、これに限定されることはなくボーナス内部状態ST2におけるリプレイ確率が通常モードの場合よりも高い構成としてもよく、例えば第1RTモードのリプレイ確率と同一である構成としてもよく、第2RTモードのリプレイ確率と同一である構成としてもよく、通常モードと第1RTモードとの間のリプレイ確率である構成としてもよく、第1RTモードと第2RTモードとの間のリプレイ確率である構成としてもよく、第2RTモードの場合よりも高いリプレイ確率である構成としてもよい。また、ボーナス内部状態ST2におけるリプレイ確率が通常モードの場合よりも低い構成としてもよい。
BB状態ST3及びRB状態ST4の内容は既に説明したとおりである。BB状態ST3及びRB状態ST4においては抽選モードの移行は発生しない。
偽前兆状態ST5は通常遊技状態ST1において偽前兆状態ST5への移行抽選処理にて移行当選となることで滞在する。偽前兆状態ST5の継続ゲーム数は5~10ゲームの範囲で抽選により決定される。この場合、短い継続ゲーム数の当選確率の方が長い継続ゲーム数の当選確率よりも高く設定されている。偽前兆状態ST5は、途中でボーナス役の当選、本前兆状態ST6への移行及びチャンス状態ST7への移行が行われない限り、この決定された継続ゲーム数に亘って継続される。
偽前兆状態ST5では、画像表示装置63における各ゲームの演出内容として、ART状態ST9への移行の期待度が高い演出が実行され易くなる。また、偽前兆状態ST5では、開始ゲーム側よりも最終ゲーム側の方が派手な演出が実行される。具体的には、偽前兆状態ST5の最終ゲームを含めて連続する一部のゲームにおいては、複数のゲーム間において同一のキャラクタが表示される演出又は一連のストーリーに従った演出が実行され得る。そして、最終ゲームにおいてART状態ST9への移行が発生しないことを遊技者に認識させるための演出が表示される。既に説明したとおり抽選モードとして通常モード、第1RTモード及び第2RTモードが存在しているが、偽前兆状態ST5においてはこれら抽選モードのいずれにも滞在し得る。
本前兆状態ST6は通常遊技状態ST1又は偽前兆状態ST5において本前兆状態ST6への移行抽選処理にて移行当選となることで滞在し、本前兆状態ST6が終了した場合にはART状態ST9への移行の前段階の状態である準備状態ST8に移行する。また、本前兆状態ST6の途中でボーナス役の当選が発生した場合に本前兆状態ST6は終了することとなるが、当該ボーナス役に対応するボーナス状態が終了した後は準備状態ST8に移行する。本前兆状態ST6の継続ゲーム数は5~10ゲームの範囲で抽選により決定される。この場合、長い継続ゲーム数の当選確率の方が短い継続ゲーム数の当選確率よりも高く設定されている。また、本前兆状態ST6において選択される継続ゲーム数の期待値は、偽前兆状態ST5において選択される継続ゲーム数の期待値よりも長いゲーム数となっている。
本前兆状態ST6では、画像表示装置63における各ゲームの演出内容として、ART状態ST9への移行の期待度が高い演出が実行され易くなる。この場合に実行される演出は偽前兆状態ST5においても実行され得る演出であるが、本前兆状態ST6の方が偽前兆状態ST5よりもART状態ST9への移行の期待度が高い演出が実行され易い。また、本前兆状態ST6では、開始ゲーム側よりも最終ゲーム側の方が派手な演出が実行される。具体的には、本前兆状態ST6の最終ゲームを含めて連続する一部のゲームにおいては、複数のゲーム間において同一のキャラクタが表示される演出又は一連のストーリーに従った演出が実行され得る。そして、最終ゲームにおいてART状態ST9への移行が発生することを遊技者に認識させるための演出が表示される。上記のように偽前兆状態ST5と本前兆状態ST6とが存在していることにより、これら前兆状態ST5,ST6に対応する前兆演出が実行された場合には、遊技者はART状態ST9への移行を期待することとなる。既に説明したとおり抽選モードとして通常モード、第1RTモード及び第2RTモードが存在しているが、本前兆状態ST6においてはこれら抽選モードのいずれにも滞在し得る。なお、本前兆状態ST6の継続ゲーム数が例えば10ゲームといった所定の複数ゲームに固定されている構成としてもよい。
チャンス状態ST7は通常遊技状態ST1又は偽前兆状態ST5においてチャンス状態ST7への移行抽選処理にて移行当選となることで滞在する。チャンス状態ST7は5ゲームに亘って継続する遊技状態であり、役の抽選処理(図17)の結果が所定の抽選結果である場合にはその抽選結果に対応する当選確率でART状態ST9への移行抽選処理を実行する。そして、ART状態ST9への移行当選となった場合にはART状態ST9への移行の前段階の状態である準備状態ST8に移行する。この場合、ART状態ST9への移行抽選処理にて移行当選となった場合にはチャンス状態ST7の継続ゲーム数が全て消化されていなくても、当該移行当選となったゲームの次のゲームで準備状態ST8への移行が発生する。また、チャンス状態ST7の途中でボーナス役の当選が発生した場合にチャンス状態ST7は終了する。
チャンス状態ST7では、画像表示装置63における各ゲームの演出内容としてチャンス状態ST7であることに対応する演出が実行される。そして、ART状態ST9への移行抽選処理にて移行当選となったゲームにて当該移行当選となったことを示す演出が実行される。既に説明したとおり抽選モードとして通常モード、第1RTモード及び第2RTモードが存在しているが、チャンス状態ST7においてはこれら抽選モードのいずれにも滞在し得る。なお、チャンス状態ST7の継続ゲーム数が複数種類のゲーム数の中から抽選により決定される構成としてもよい。
準備状態ST8はART状態ST9に移行する前段階として滞在する遊技状態であり、BB状態ST3、RB状態ST4、本前兆状態ST6及びチャンス状態ST7から移行し得る。既に説明したとおり抽選モードとして通常モード、第1RTモード及び第2RTモードが存在しているが、準備状態ST8においてはこれら抽選モードのいずれにも滞在し得る。準備状態ST8では「1」~「3」の当選番号が設定されている場合、第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。そして、第1ベル入賞が成立することで「11」の遊技媒体が付与される。これにより、準備状態ST8の1ゲームにおける遊技媒体の期待付与数を高めることが可能となる。また、準備状態ST8では「17」~「22」の当選番号が設定されている場合、第1RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、「23」~「28」の当選番号が設定されている場合、第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、「29」~「34」の当選番号が設定されている場合、第1転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。準備状態ST8において第2RTリプレイ入賞が成立して抽選モードが第2RTモードに移行することにより遊技状態がART状態ST9に移行する。なお、抽選モードが第2RTモードである状況で準備状態ST8への移行が発生することがあるが、この場合には抽選モードが第1RTモードに移行し、その後に第2RTモードへの移行が発生した場合にART状態ST9に移行する。
ART状態ST9は上記のとおり準備状態ST8において第2RTリプレイ入賞が成立することで移行する遊技状態である。ART状態ST9は当該ART状態ST9の残りの継続ゲーム数が「0」となった場合に終了する。この場合には遊技状態は通常遊技状態ST1となる。また、ART状態ST9の途中でボーナス当選となった場合にはボーナス内部状態ST2、BB状態ST3又はRB状態ST4に移行する。この場合にはBB状態ST3又はRB状態ST4が終了した後に準備状態ST8に移行し、最終的にART状態ST9に復帰することとなる。
既に説明したとおり抽選モードとして通常モード、第1RTモード及び第2RTモードが存在しているが、ART状態ST9においてはこれら抽選モードのいずれにも滞在し得る。ART状態ST9では「1」~「3」の当選番号が設定されている場合、第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。そして、第1ベル入賞が成立することで「11」の遊技媒体が付与される。これにより、ART状態ST9の1ゲームにおける遊技媒体の期待付与数を高めることが可能となる。また、ART状態ST9では「17」~「22」の当選番号が設定されている場合、第1RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、「23」~「28」の当選番号が設定されている場合、第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、「29」~「34」の当選番号が設定されている場合、第1転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、「35」~「40」の当選番号が設定されている場合、第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。これにより、ART状態ST9においては基本的に抽選モードが第2RTモードに維持される。そして、第2RTモードはリプレイ確率が通常モード及び第1RTモードよりも高いモードである。つまり、ART状態ST9は第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される遊技状態であって基本的にリプレイ確率が高く維持される遊技状態である。よって、ART状態ST9における遊技媒体の期待純増数を高めることが可能となる。なお、ART状態ST9において抽選モードが第2RTモードから第1RTモードに移行したり第1RTモードから通常モードに移行したとしても、ART状態ST9が維持され第2RTモードではない状況であってもART状態ST9の残りの継続ゲーム数は減算される。
上記のように各種遊技状態ST1~ST9が存在している構成において、これら遊技状態ST1~ST9とは別に遊技区間が設定されている。遊技区間として通常区間SC1と有利区間SC2とが設定されている。つまり、本スロットマシン10では遊技状況を決定付ける要素として、「1」~「6」の設定値と、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードの抽選モードと、各種遊技状態ST1~ST9と、通常区間SC1及び有利区間SC2の遊技区間と、が存在している。
通常区間SC1とは、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて成立対象となる入賞が異なる役に当選した場合に遊技者にとって有利な入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない区間であって、遊技者にとって有利な遊技状態であるART状態ST9への移行条件が成立する確率が有利区間SC2よりも低くなる区間である。より詳細には通常区間SC1においてはART状態ST9への移行条件が成立しない。主側RAM74の全部クリア処理(ステップS104)又は設定値以外のクリア処理(ステップS113)が実行された場合には通常遊技状態ST1及び通常モードであって通常区間SC1となる。また、有利区間SC2において有利区間SC2の初期化処理が実行された場合にも通常区間SC1となる。
有利区間SC2とは、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて成立対象となる入賞が異なる役に当選した場合に遊技者にとって有利な入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される区間、及び遊技者にとって有利な遊技状態であるART状態ST9への移行確率が通常区間SC1よりも高くなる区間の少なくとも一方に該当する区間である。有利区間SC2は、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて成立対象となる入賞が異なる役に含まれる入賞種類のうち遊技媒体の付与数が最も多い入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が少なくとも1回実行されるまでは確実に継続する。具体的には、有利区間SC2は、役の抽選処理(図17)にて「1」~「3」の当選番号が設定されて第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が少なくとも1回実行されるまでは確実に継続する。なお、当該停止順序の報知が少なくとも1回実行されることで当該最低限の終了条件は成立したこととなり、第1ベル入賞が実際に成立したかどうかに関係なく当該最低限の終了条件は成立する。そして、当該報知が少なくとも1回実行された場合には、有利区間SC2は当該有利区間SC2が設定された状況に応じて決定された終了条件、及び有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達するという条件のうちいずれかが成立するまで継続する。
図39に示すように通常遊技状態ST1、ボーナス内部状態ST2、BB状態ST3及びRB状態ST4には、通常区間SC1及び有利区間SC2のいずれにおいても滞在し得る。一方、偽前兆状態ST5、本前兆状態ST6、チャンス状態ST7、準備状態ST8及びART状態ST9には、通常区間SC1において滞在することはなく、有利区間SC2においてのみ滞在する。
次に、上記のような遊技状態ST1~ST9及び遊技区間SC1,SC2の設定を可能とする具体的な処理構成について説明する。図40は主側MPU72にて実行される遊技区間の第1制御処理を示すフローチャートである。なお、遊技区間の第1制御処理は役の抽選処理(図17)におけるステップS617にて実行される。このステップS617の処理はゲームの開始時において役の当否判定が完了した後に実行される。
まず現状の遊技状態がボーナス内部状態ST2、ボーナス状態ST3,ST4、準備状態ST8又はART状態ST9であるか否かを判定する(ステップS1301)。ステップS1301にて否定判定をした場合にステップS1302以降の処理を実行する。
ステップS1302では、主側RAM74に設けられた有利区間フラグに「1」が設定されているか否かを判定する。有利区間フラグは遊技区間が有利区間SC2であるか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグであり、有利区間フラグに「1」が設定されている場合が有利区間SC2であり、有利区間フラグの値が「0」である場合が通常区間SC1である。
遊技区間が通常区間SC1である場合(ステップS1302:NO)、今回の役の抽選処理(図17)にて「4」,「6」,「8」,「15」のいずれかの当選番号が設定されたか否かを判定する(ステップS1303)。ステップS1303にて肯定判定をした場合には有利区間SC2への移行抽選処理を実行する。
具体的には、まず今回の役の抽選処理(図17)にて設定された当選番号に対応する有利移行テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS1304)。この場合、当選確率が低い当選番号の方が有利区間SC2への移行当選となる確率が高くなるように有利移行テーブルが設定されている。ちなみに当該有利移行テーブルは「1」~「6」の設定値に関係なく共通となっている。このように設定値に関係なくテーブルが共通である点は、役の抽選処理(図17)以外の抽選処理の全てに該当する。また、乱数取得処理を実行する(ステップS1305)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。有利区間SC2への移行抽選処理では第2専用乱数回路102bから第14ラッチレジスタ103nに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第2専用乱数回路102bにおいては「0」~「65535」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで第2専用乱数回路102bにより第14ラッチレジスタ103nに書き込まれた乱数を取得することとなる。そして、ステップS1305にて取得した乱数をステップS1304にて読み出した有利移行テーブルに対して照合することにより、有利区間SC2への移行当選となったか否かを判定する(ステップS1306)。
有利区間SC2への移行当選となった場合(ステップS1306:YES)、主側RAM74の有利区間フラグに「1」を設定し、主側RAM74に設けられた有利継続カウンタの値を「0」クリアし、主側RAM74に設けられた未報知フラグに「1」を設定する(ステップS1307)。有利継続カウンタは、有利区間SC2において継続して実行されたゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。未報知フラグは、有利区間SC2に移行した後に、役の抽選処理(図17)にて「1」~「3」の当選番号が設定されて第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が既に発生したか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
既に説明したとおり遊技区間の第1制御処理はゲームの開始時に実行される。この場合に有利区間SC2への移行抽選処理にて移行当選となった場合には当該遊技区間の第1制御処理にて主側RAM74の有利区間フラグに「1」が設定される。これにより、有利区間SC2への移行当選となったゲームの開始時点において有利区間SC2への移行が発生することとなる。但し、これに限定されることはなく有利区間SC2への移行当選となったゲームの次ゲームで有利区間SC2への移行が発生する構成としてもよく、有利区間SC2への移行当選となったゲームに対して2ゲーム以上後のゲームで有利区間SC2への移行が発生する構成としてもよい。
有利区間SC2への移行設定を行った後は、有利区間表示部67を消灯状態から点灯状態に切り換える(ステップS1308)。これにより、有利区間SC2であることの報知が有利区間表示部67にて開始されることとなる。
有利区間SC2となることでリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され得ることとなる。ここで、図41のフローチャートを参照しながら、主側MPU72にて実行される報知制御処理について説明する。なお、報知制御処理は役の抽選処理(図17)におけるステップS620にて実行される。このステップS620の処理はゲームの開始時において役の当否判定が完了した後に実行される。
主側RAM74の有利区間フラグに「1」が設定されている状況で(ステップS1401:YES)、役の抽選処理(図17)にて「1」~「3」のいずれかの当選番号が設定された場合(ステップS1402:YES)、遊技状態が準備状態ST8又はART状態ST9であること、及び主側RAM74の未報知フラグに「1」が設定されていることのいずれかの条件が成立している場合に(ステップS1403又はステップS1404:YES)、第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を報知するための処理を実行する。
具体的には、まず第1ベル入賞用の停止順把握処理を実行する(ステップS1405)。当該停止順把握処理では、今回の当選番号に対応する第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の情報を把握する。そして、その把握した停止順序の情報に対応する表示が兼用表示部66にて開始されるように当該兼用表示部66を表示制御する(ステップS1406)。この兼用表示部66の表示は、今回のゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rが停止するまで継続される。その後、ベル入賞用コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS1407)。当該ベル入賞用コマンドには今回のゲームにおいて第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU92にて特定可能とするための情報が設定される。
その後、主側RAM74の未報知フラグを「0」クリアする(ステップS1408)。この場合、未報知フラグの値が既に「0」である場合にはその状態が維持され、未報知フラグの値が「1」である場合には「0」に変更される。これにより、今回の有利区間SC2において既に第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が実行されたことを主側MPU72にて特定することが可能となる。
報知制御処理では、役の抽選処理(図17)にて「17」~「28」のいずれかの当選番号が設定された場合(ステップS1409:YES)、遊技状態が準備状態ST8又はART状態ST9であることを条件として(ステップS1410:YES)、第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を報知するための処理を実行する。
具体的には、まず昇格リプレイ用の停止順把握処理を実行する(ステップS1411)。当該停止順把握処理では、今回の当選番号に対応する第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の情報を把握する。そして、その把握した停止順序の情報に対応する表示が兼用表示部66にて開始されるように当該兼用表示部66を表示制御する(ステップS1412)。この兼用表示部66の表示は、今回のゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rが停止するまで継続される。その後、昇格リプレイ用コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS1413)。当該昇格リプレイ用コマンドには今回のゲームにおいて第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU92にて特定可能とするための情報が設定される。
報知制御処理では、役の抽選処理(図17)にて「29」~「40」のいずれかの当選番号が設定された場合(ステップS1414:YES)、遊技状態がART状態ST9であることを条件として(ステップS1415:YES)、第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を報知するための処理を実行する。
具体的にはまず転落リプレイ回避用の停止順把握処理を実行する(ステップS1416)。当該停止順把握処理では、今回の当選番号に対応する第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の情報を把握する。そして、その把握した停止順序の情報に対応する表示が兼用表示部66にて開始されるように当該兼用表示部66を表示制御する(ステップS1417)。この兼用表示部66の表示は、今回のゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rが停止するまで継続される。その後、転落リプレイ回避用コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS1418)。当該転落リプレイ回避用コマンドには今回のゲームにおいて第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU92にて特定可能とするための情報が設定される。
なお、詳細な説明は省略するが遊技状態が準備状態ST8である場合において役の抽選処理(図17)にて「29」~「34」のいずれかの当選番号が設定された場合、第1転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を報知するための処理が実行される。その一方、遊技状態が準備状態ST8である場合において役の抽選処理(図17)にて「35」~「40」のいずれかの当選番号が設定されたとしても、第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。準備状態ST8からART状態ST9への移行条件が第2RTリプレイ入賞に成立することであるため、第2RTモードにおいて準備状態ST8への移行が発生した場合には第2転落リプレイ入賞の成立を回避させないことにより、第1RTモードに一旦転落させて第2RTリプレイ入賞が成立する機会を与えることが可能となる。
図42は演出側MPU92にて実行される報知用処理を示すフローチャートである。なお、報知用処理は演出側MPU92において比較的短い周期(例えば4ミリ秒)で繰り返し実行される。
主側MPU72からベル入賞用コマンド、昇格リプレイ用コマンド又は転落リプレイ回避用コマンドを受信した場合(ステップS1501:YES)、今回受信した停止順コマンドに対応するリール32L,32M,32Rの停止順序の画像を画像表示装置63にて表示するために必要なデータの設定を行う(ステップS1502)。但し、このタイミングでは今回の停止順コマンドに対応したリール32L,32M,32Rの停止順序の画像は画像表示装置63にて表示されない。その後、演出側RAM94に設けられた計測用カウンタに報知遅延期間に対応する値を設定する(ステップS1503)。報知遅延期間はリール32L,32M,32Rが回転を開始して定速回転となるまでの加速期間よりも短い期間として設定されており、例えば0.5ミリ秒に設定されている。計測用カウンタに設定された値は、報知用処理が開始される度に減算される。
報知用処理では、演出側RAM94の計測用カウンタを利用して計測している報知遅延期間が経過した場合(ステップS1504:YES)、報知開始処理を実行する(ステップS1505)。報知開始処理では、ステップS1502にて設定したデータに基づき画像表示装置63にて画像を表示させる。これにより、例えば図8(a)に示すように、今回の停止順コマンドに対応したリール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置63にて表示される。この画像表示装置63の表示は、今回のゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rが停止するまで継続される。
上記構成の場合、主側MPU72により直接的に表示制御される兼用表示部66にてリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する報知が開始されたタイミング以降に、演出側MPU92により直接的に表示制御される画像表示装置63にてリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する報知が開始される。これにより、画像表示装置63にて当選役に関する報知が実行されている場合には確実に兼用表示部66において当選役に関する報知が実行されることとなり、画像表示装置63にて実行されているリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する報知が不正行為によるものであるか否かの確認を兼用表示部66の表示内容を利用して行う場合において、当該確認を任意のタイミングで行うことが可能となる。
なお、兼用表示部66におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する報知と画像表示装置63におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する報知とは同一又は略同一のタイミングで終了することとなるが、これに限定されることはなく、画像表示装置63におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する報知が終了した後に兼用表示部66におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する報知が終了する構成としてもよく、この順番が逆であってもよい。
遊技区間の第1制御処理(図40)の説明に戻り、今回のゲームよりも前のゲームにて有利区間フラグに「1」が設定されている場合(ステップS1302:YES)、又は今回のゲームにおいて有利区間フラグに「1」が設定された場合(ステップS1307)、現状の遊技状態がチャンス状態ST7であるか否かを判定する(ステップS1309)。チャンス状態ST7である場合(ステップS1309:YES)、チャンス状態用処理を実行する(ステップS1310)。チャンス状態用処理については後に説明する。
チャンス状態ST7ではない場合(ステップS1309:NO)、今回の役の抽選処理(図17)にて「4」~「8」,「15」,「16」のいずれかの当選番号が設定されたか否かを判定する(ステップS1311)。ステップS1311にて肯定判定をした場合には現状の遊技状態が本前兆状態ST6ではないことを条件として(ステップS1312:NO)、本前兆状態用の移行抽選処理、チャンス状態用の移行抽選処理及び偽前兆状態用の移行抽選処理のうち少なくとも1個の移行抽選処理を実行する。
詳細にはまず本前兆状態用の移行抽選処理について説明する。当該移行抽選処理ではまず今回の役の抽選処理(図17)にて設定された当選番号に対応する本前兆移行テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS1313)。この場合、当選確率が低い当選番号の方が本前兆状態ST6への移行当選となる確率が高くなるように本前兆移行テーブルが設定されている。また、乱数取得処理を実行する(ステップS1314)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。本前兆状態用の移行抽選処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。そして、ステップS1314にて取得した乱数をステップS1313にて読み出した本前兆移行テーブルに対して照合することにより、本前兆状態ST6への移行当選となったか否かを判定する(ステップS1315)。
本前兆状態ST6への移行当選となった場合には(ステップS1315:YES)、主側RAM74に設けられた本前兆当選フラグに「1」を設定する(ステップS1316)。本前兆当選フラグは今回のゲームの開始時において本前兆状態ST6への移行当選となったことを主側MPU72にて特定するためのフラグであり、本前兆当選フラグに「1」が設定されている場合には当該ゲームの終了時に本前兆状態ST6に移行させるための処理が実行される。つまり、本前兆状態ST6への移行当選となったゲームの次ゲームにおいて本前兆状態ST6に遊技状態が移行することとなる。
本前兆状態ST6への移行当選とならなかった場合(ステップS1315:NO)、チャンス状態用の移行抽選処理を実行する(ステップS1317)。チャンス状態用の移行抽選処理の詳細については後に説明する。その後、今回のゲームにおいてチャンス状態ST7への移行当選となったか否か、又は現状の遊技状態が偽前兆状態ST5であるか否かを判定する(ステップS1318)。ステップS1318にて否定判定をした場合、偽前兆状態用の移行抽選処理を実行する(ステップS1319)。
図43は偽前兆状態用の移行抽選処理を示すフローチャートである。当該移行抽選処理ではまず今回の役の抽選処理(図17)にて設定された当選番号に対応する偽前兆移行テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS1601)。この場合、当選確率が高い当選番号の方が偽前兆状態ST5への移行当選となる確率が高くなるように偽前兆移行テーブルが設定されている。また、乱数取得処理を実行する(ステップS1602)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。偽前兆状態ST5への移行抽選処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。そして、ステップS1602にて取得した乱数をステップS1601にて読み出した偽前兆移行テーブルに対して照合することにより、偽前兆状態ST5への移行当選となったか否かを判定する(ステップS1603)。
偽前兆状態ST5への移行当選となった場合には(ステップS1603:YES)、主側RAM74に設けられた偽前兆当選フラグに「1」を設定する(ステップS1604)。偽前兆当選フラグは今回のゲームの開始時において偽前兆状態ST5への移行当選となったことを主側MPU72にて特定するためのフラグであり、偽前兆当選フラグに「1」が設定されている場合には当該ゲームの終了時に偽前兆状態ST5に移行させるための処理が実行される。つまり、偽前兆状態ST5への移行当選となったゲームの次ゲームにおいて偽前兆状態ST5に遊技状態が移行することとなる。
以上のように各移行抽選処理が実行されることにより、本前兆状態ST6又はチャンス状態ST7である場合には偽前兆状態用の移行抽選処理、本前兆状態用の移行抽選処理及びチャンス状態用の移行抽選処理のいずれも実行されない。これにより、本前兆状態ST6又はチャンス状態ST7が既に開始されている状況において偽前兆状態ST5、本前兆状態ST6又はチャンス状態ST7が新たに設定されてしまわないようにすることが可能となる。
一方、偽前兆状態ST5であったとしても本前兆状態用の移行抽選処理及びチャンス状態用の移行抽選処理は実行される。これにより、ART状態ST9への移行に繋がらない偽前兆状態ST5の実行よりも、ART状態ST9への移行に繋がる本前兆状態ST6又はチャンス状態ST7への新たな移行を優先させることが可能となる。
偽前兆状態ST5が既に既に設定されている場合には、偽前兆状態用の移行抽選処理は実行されない。これにより、偽前兆状態ST5が既に実行されている状況であるにも関わらず、新たな偽前兆状態ST5が重複して実行されてしまわないようにすることが可能となる。
偽前兆状態ST5、本前兆状態ST6及びチャンス状態ST7のいずれでもない場合、上記各移行抽選処理の実行優先度は、本前兆状態用の移行抽選処理が最も高く、チャンス状態用の移行抽選処理が次に高く、偽前兆状態用の移行抽選処理が最も低く設定されている。また、偽前兆状態ST5である場合、本前兆状態用の移行抽選処理の方がチャンス状態用の移行抽選処理よりも実行優先度が高く設定されている。これにより、ART状態ST9への移行が確実に発生することとなる本前兆状態ST6への移行を最優先させるとともにART状態ST9への移行が発生し得るチャンス状態ST7の優先度をART状態ST9への移行が発生しない偽前兆状態ST5の優先度よりも高くすることが可能となる。
「4」~「8」,「15」,「16」のいずれかの当選番号が設定されたゲームにおいて本前兆状態用の移行抽選処理にて移行当選とならなかった場合にはチャンス状態用の移行抽選処理が実行され、チャンス状態用の移行抽選処理にて移行当選とならなかった場合には偽前兆状態用の移行抽選処理が実行される。これにより、偽前兆状態ST5、本前兆状態ST6及びチャンス状態ST7のいずれかが設定される頻度を高めることが可能となる。
ここで、有利区間SC2への移行抽選処理は役の抽選処理(図17)にて「4」,「6」,「8」,「15」のいずれかの当選番号が設定された場合に実行される。これら当選番号に対応する役はいずれも「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一である役である。つまり、有利区間SC2への移行抽選処理は当選確率に設定差が存在しない役に当選したことを契機として実行される。これにより、有利区間SC2への移行確率に関して「1」~「6」の設定値の間で有利又は不利が生じないようにすることが可能となる。
一方、本前兆状態用の移行抽選処理、チャンス状態用の移行抽選処理及び偽前兆状態用の移行抽選処理は役の抽選処理(図17)にて「4」~「8」,「15」,「16」のいずれかの当選番号が設定された場合に実行される。これら当選番号のうち「4」,「6」,「8」,「15」は上記のとおり「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一となる役である。これら当選番号は有利区間SC2への移行抽選処理の実行契機となる当選番号と同一である。したがって、有利区間SC2への移行抽選処理と、本前兆状態用の移行抽選処理、チャンス状態用の移行抽選処理及び偽前兆状態用の移行抽選処理のうち少なくとも1個の移行抽選処理とが同一のゲームにて実行されることがある。
上記当選番号のうち「5」,「7」,「16」は「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なる役である。つまり、本前兆状態用の移行抽選処理、チャンス状態用の移行抽選処理及び偽前兆状態用の移行抽選処理は当選確率に設定差が存在しない役に当選したことを契機として実行されるとともに、当選確率に設定差が存在する役に当選したことを契機として実行される。これにより、偽前兆状態ST5への移行確率、本前兆状態ST6への移行確率及びチャンス状態ST7への移行確率に関しては「1」~「6」の設定値の間で有利又は不利が生じ得るようにすることが可能となる。
但し、本前兆状態用の移行抽選処理、チャンス状態用の移行抽選処理及び偽前兆状態用の移行抽選処理は遊技区間が有利区間SC2であることを条件として実行される。つまり、既に有利区間SC2である状況で開始されたゲーム、又は有利区間SC2への移行当選となったゲームであることを条件として、本前兆状態用の移行抽選処理、チャンス状態用の移行抽選処理及び偽前兆状態用の移行抽選処理が実行される。したがって、偽前兆状態ST5、本前兆状態ST6又はチャンス状態ST7への移行を生じさせるための前段階である有利区間SC2への移行に関しては「1」~「6」の設定値の間で有利又は不利を生じさせないようにしながら、有利区間SC2に移行した後は偽前兆状態ST5、本前兆状態ST6又はチャンス状態ST7への移行に関して「1」~「6」の設定値の間で有利又は不利が生じ得るようにすることが可能となる。
次に、主側MPU72にて実行される遊技終了時の対応処理について、図44のフローチャートを参照しながら説明する。なお、遊技終了時の対応処理は通常処理(図13)におけるステップS411にて実行される。このステップS411の処理はリール制御処理(ステップS409)よりも後に実行されるため、1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行されることとなる。
まずBB状態ST3又はRB状態ST4の移行制御や進行制御を行うためのボーナス用処理を実行する(ステップS1701)。ボーナス用処理については後に詳細に説明する。その後、ボーナス内部状態ST2、BB状態ST3及びRB状態ST4のいずれでもないことを条件として(ステップS1702:NO)、抽選モードの制御処理を実行する(ステップS1703)。抽選モードの制御処理では、今回のゲームにおいて第1RTリプレイ入賞が成立している場合には通常モードから第1RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が成立している場合には第1RTモードから第2RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第1転落リプレイ入賞が成立している場合には第1RTモードから通常モードに移行させ、今回のゲームにおいて第2転落リプレイ入賞が成立している場合には第2RTモードから第1RTモードに移行させる。
その後、現状の遊技状態に対応する処理にジャンプする(ステップS1704)。具体的には、遊技状態が通常遊技状態ST1、偽前兆状態ST5、本前兆状態ST6及びチャンス状態ST7のいずれかである場合には通常用処理を実行し(ステップS1705)、遊技状態が準備状態ST8である場合には準備状態処理を実行し(ステップS1706)、遊技状態がART状態ST9である場合にはART状態処理を実行する(ステップS1707)。また、ステップS1702にて肯定判定をした場合、又はステップS1705~ステップS1707のいずれかの処理を実行した場合、遊技区間の第2制御処理を実行する(ステップS1708)。遊技区間の第2制御処理では、有利区間SC2から通常区間SC1への移行条件が成立している場合に遊技区間を通常区間SC1に移行させるための処理を実行する。
図45は遊技区間の第2制御処理を示すフローチャートである。なお、上記のとおり遊技終了時の対応処理は1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行されるため、遊技区間の第2制御処理も1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行される。
ステップS1801~ステップS1811では有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合に、当該有利区間SC2を終了させるための処理を実行する。これらの処理内容については後に詳細に説明する。
有利区間SC2であって(ステップS1803:YES)、ステップS1806にて否定判定をした場合、遊技状態が通常遊技状態ST1であって主側RAM74に設けられた有利維持カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS1812)。有利維持カウンタは、ART状態ST9が終了して通常遊技状態ST1に遊技状態が移行する場合において通常遊技状態ST1に移行した後においても有利維持ゲーム数に亘って有利区間SC2を維持させる場合に、当該有利維持ゲーム数の残りゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
ステップS1812にて肯定判定をした場合、主側RAM74の未報知フラグの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS1813)。既に説明したとおり未報知フラグは、有利区間SC2に移行した後に、役の抽選処理(図17)にて「1」~「3」の当選番号が設定されて第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が既に発生したか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。そして、当該停止順序の報知が既に発生している場合には未報知フラグの値が「0」となっている。
ステップS1813にて肯定判定をした場合、有利区間の初期化処理を実行する(ステップS1814)。有利区間の初期化処理では主側RAM74の有利区間フラグを「0」クリアする。また、有利区間の初期化処理では、偽前兆状態ST5、本前兆状態ST6、チャンス状態ST7、準備状態ST8及びART状態ST9のいずれかに滞在していたとしても、それら遊技状態ST5~ST9の継続ゲーム数を記憶するためのカウンタを含めてそれら遊技状態ST5~ST9であることを示す各種データをクリアすることにより遊技状態を通常遊技状態ST1に移行させる。なお、ステップS1814の処理は通常遊技状態ST1であることを条件に実行されるため、この各種データをクリアする処理は実行することなく、有利区間フラグを「0」クリアする処理を実行する。その後、有利区間表示部67を点灯状態から消灯状態に切り換える(ステップS1815)。これにより、有利区間表示部67における有利区間であることの報知が終了される。
既に説明したとおり有利区間SC2への移行が発生した場合には偽前兆状態ST5、本前兆状態ST6又はチャンス状態ST7への移行が発生し得る。この場合に、通常遊技状態ST1であることを条件として有利区間SC2が終了されるため、偽前兆状態ST5、本前兆状態ST6又はチャンス状態ST7である場合には、第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が実行された後であっても有利区間SC2が維持されることとなる。
詳細は後述するが有利区間SC2においてBB状態ST3又はRB状態ST4が開始された場合、通常区間SC1においてBB状態ST3又はRB状態ST4が開始される場合よりもART状態ST9に移行し易くなる。この場合に上記のとおり偽前兆状態ST5である場合には有利区間SC2に維持されることにより、偽前兆状態ST5を本前兆状態ST6であるかもしれないと遊技者に期待させるための演出用の状態だけではなく、ART状態ST9への移行期待度が高くなる状態とすることが可能となる。よって、偽前兆状態ST5への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
また、通常遊技状態ST1である場合であっても未報知フラグに「1」が設定されている場合には有利区間SC2は終了されない。これにより、偽前兆状態ST5が終了した場合、又はART状態ST9への移行が発生することなくチャンス状態ST7が終了した場合であっても、有利区間SC2が開始されてから第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が1回実行されるまでは有利区間SC2が継続されることとなる。そして、この有利区間SC2が継続している状況でBB状態ST3又はRB状態ST4が開始された場合、ART状態ST9への移行期待度が高くなる。よって、偽前兆状態ST5又はチャンス状態ST7において第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されたか否かに遊技者は注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
遊技区間の第2制御処理におけるステップS1816~ステップS1822の処理は所定のボーナス内部状態ST2において実行される。当該処理については後に詳細に説明する。
ここで、有利区間SC2への移行及び通常区間SC1への復帰が行われる様子を図46のタイムチャートを参照しながら説明する。図46(a)は通常区間SC1である期間を示し、図46(b)は有利区間SC2である期間を示し、図46(c)は役の抽選処理(図17)にて設定差の無い役であって上記各種移行抽選処理の実行契機となる役に当選したタイミングを示し、図46(d)は役の抽選処理(図17)にて設定差の有る役であって上記各種移行抽選処理の実行契機となる役に当選したタイミングを示し、図46(e)は本前兆状態ST6の実行期間を示し、図46(f)は偽前兆状態ST5の実行期間を示す。
まず遊技区間が有利区間SC2に移行したゲームにおいて本前兆状態ST6への移行も発生する場合について説明する。
図46(a)に示すように通常区間SC1である状況であるt1のタイミングで、図46(c)に示すように役の抽選処理(図17)にて「4」,「6」,「8」,「15」のいずれかの当選番号(以下、設定差無しの契機当選番号ともいう)が設定されることで有利区間SC2への移行抽選処理が実行され移行当選となる。これにより、当該t1のタイミングで図46(a)及び図46(b)に示すように遊技区間が通常区間SC1から有利区間SC2に移行する。また、当該t1のタイミングで、上記設定差無しの契機当選番号の設定を契機として本前兆状態用の移行抽選処理が実行され移行当選となる。これにより、図46(e)に示すように遊技状態が本前兆状態ST6に移行する。つまり、遊技区間が有利区間SC2に移行したゲームにおいて本前兆状態ST6への移行も発生することとなる。そして、本前兆状態ST6に移行した場合には最終的にART状態ST9に移行することとなる。
次に、遊技区間が有利区間SC2に移行したゲームよりも後のゲームで偽前兆状態ST5への移行が発生し、さらに偽前兆状態ST5が終了する場合に有利区間SC2も終了する場合について説明する。
図46(a)に示すように通常区間SC1である状況であるt2のタイミングで、図46(d)に示すように役の抽選処理(図17)にて「5」,「7」,「16」のいずれかの当選番号(以下、設定差有りの契機当選番号ともいう)に当選する。この場合、通常区間SC1であるとともに設定差有りの契機当選番号が設定されたとしても有利区間SC2への移行抽選処理は実行されないため、偽前兆状態用の移行抽選処理及び本前兆状態用の移行抽選処理は実行されない。なお、チャンス状態用の移行抽選処理も実行されない。
その後、t3のタイミングで、図46(c)に示すように役の抽選処理(図17)にて設定差無しの契機当選番号が設定され、それにより実行された有利区間SC2への移行抽選処理にて移行当選となることで、図46(a)及び図46(b)に示すように遊技区間が通常区間SC1から有利区間SC2に移行する。但し、当該t3のタイミングでは偽前兆状態用の移行抽選処理及び本前兆状態用の移行抽選処理が実行されたもののいずれの移行抽選処理においても移行当選とならない。
その後、t4のタイミングで、図46(d)に示すように役の抽選処理(図17)にて設定差有りの契機当選番号が設定される。この場合、既に有利区間SC2に設定されているため、偽前兆状態用の移行抽選処理及び本前兆状態用の移行抽選処理が実行される。そして、偽前兆状態用の移行抽選処理にて移行当選となることで、図46(f)に示すように偽前兆状態ST5に移行する。
その後、t5のタイミングで、偽前兆状態ST5の残りの継続ゲーム数が「0」となり当該偽前兆状態ST5の終了条件が成立することで、図46(f)に示すように偽前兆状態ST5が終了して通常遊技状態ST1に復帰する。この場合に、t4のタイミング~t5のタイミングまでに既に役の抽選処理(図17)にて「1」~「3」のいずれかの当選番号の情報が設定されるとともに第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されているため、主側RAM74の未報知フラグは「0」クリアされている。したがって、t5のタイミングで偽前兆状態ST5の終了条件が成立することで有利区間SC2の終了条件も成立することとなる。よって、図46(a)及び図46(b)に示すように当該t5のタイミングで遊技区間が有利区間SC2から通常区間SC1に復帰する。
次に、遊技区間が有利区間SC2に移行したゲームで偽前兆状態ST5への移行が発生し、さらに偽前兆状態ST5が終了したゲームよりも後のゲームで有利区間SC2が終了する場合について説明する。
図46(a)に示すように通常区間SC1である状況であるt6のタイミングで、図46(c)に示すように役の抽選処理(図17)にて設定差無しの契機当選番号が設定されることで有利区間SC2への移行抽選処理が実行され移行当選となる。これにより、当該t6のタイミングで図46(a)及び図46(b)に示すように遊技区間が通常区間SC1から有利区間SC2に移行する。また、当該t6のタイミングで、上記設定差無しの契機当選番号の設定を契機として偽前兆状態用の移行抽選処理が実行され移行当選となる。これにより、図46(f)に示すように遊技状態が偽前兆状態ST5に移行する。つまり、遊技区間が有利区間SC2に移行したゲームにおいて偽前兆状態ST5への移行も発生することとなる。
その後、t7のタイミングで、偽前兆状態ST5の残りの継続ゲーム数が「0」となり当該偽前兆状態ST5の終了条件が成立することで、図46(f)に示すように偽前兆状態ST5が終了して通常遊技状態ST1に復帰する。但し、t6のタイミング~t7のタイミングまでに既に役の抽選処理(図17)にて「1」~「3」のいずれの当選番号の情報も設定されていないため第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されておらず、主側RAM74の未報知フラグには「1」が設定された状態のままとなっている。したがって、t7のタイミングで偽前兆状態ST5の終了条件が成立したとしても有利区間SC2の終了条件は成立していない。よって、図46(b)に示すようにt7のタイミングで有利区間SC2は維持される。
その後、t8のタイミングで役の抽選処理(図17)にて「1」~「3」のいずれかの当選番号の情報が設定されるとともに第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されることで、主側RAM74の未報知フラグが「0」クリアされる。これにより、図46(a)及び図46(b)に示すように当該t8のタイミングで遊技区間が有利区間SC2から通常区間SC1に復帰する。
上記のとおり有利区間SC2は第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が実行されるタイミングに応じて、偽前兆状態ST5が終了するゲームにおいて一緒に終了する場合もあれば、偽前兆状態ST5が終了したゲームよりも後のゲームにおいて終了する場合もある。これにより、有利区間SC2の終了タイミングを多様化させることが可能となるとともに、偽前兆状態ST5が終了したとしても有利区間SC2が維持されているのではないかと遊技者に期待させることが可能となる。なお、偽前兆状態ST5が終了する前に有利区間SC2が終了することはない。また、チャンス状態ST7についても当該チャンス状態ST7が終了するゲームにおいて有利区間SC2が一緒に終了する場合もあれば、チャンス状態ST7が終了したゲームよりも後のゲームにおいて有利区間SC2が終了する場合もある。
次に、遊技区間が有利区間SC2に移行したゲームで偽前兆状態ST5への移行が発生し、さらに偽前兆状態ST5の途中で本前兆状態ST6への移行が発生する場合について説明する。
図46(a)に示すように通常区間SC1である状況であるt9のタイミングで、図46(c)に示すように役の抽選処理(図17)にて設定差無しの契機当選番号が設定されることで有利区間SC2への移行抽選処理が実行され移行当選となる。これにより、当該t9のタイミングで図46(a)及び図46(b)に示すように遊技区間が通常区間SC1から有利区間SC2に移行する。また、当該t9のタイミングで、上記設定差無しの契機当選番号の設定を契機として偽前兆状態用の移行抽選処理が実行され移行当選となる。これにより、図46(f)に示すように遊技状態が偽前兆状態ST5に移行する。つまり、遊技区間が有利区間SC2に移行したゲームにおいて偽前兆状態ST5への移行も発生することとなる。
その後、図46(f)に示すように偽前兆状態ST5が継続している状況であるt10のタイミングで、図46(d)に示すように役の抽選処理(図17)にて設定差有りの契機当選番号が設定される。この場合、既に有利区間SC2に設定されているとともに偽前兆状態ST5であるため、本前兆状態用の移行抽選処理が実行される。そして、本前兆状態用の移行抽選処理にて移行当選となることで、図46(e)及び図46(f)に示すように偽前兆状態ST5が途中で終了されて本前兆状態ST6が新たに開始される。本前兆状態ST6に移行した場合には最終的にART状態ST9に移行することとなる。
上記のとおり偽前兆状態ST5の途中であっても設定差有りの契機当選番号が設定された場合には本前兆状態ST6への移行が発生するため、前兆状態ST5,ST6に対応する演出の実行途中であっても設定差有りの契機当選番号に対応する役に当選することを遊技者は期待することとなる。よって、前兆状態ST5,ST6に対応する演出が実行されている状況における遊技者の注目度を向上させることが可能となる。
<前兆状態ST5,ST6及びチャンス状態ST7の演出の実行制御について>
次に、前兆状態ST5,ST6及びチャンス状態ST7の演出の実行制御について説明する。まず図47のフローチャートを参照しながらチャンス状態用の移行抽選処理について説明する。なお、チャンス状態用の移行抽選処理は遊技区間の第1制御処理(図40)におけるステップS1317にて実行される。遊技区間の第1制御処理はゲームの開始時において役の当否判定が完了した後に実行されるため、チャンス状態用の移行抽選処理もゲームの開始時において役の当否判定が完了した後に実行される。
まず今回の役の抽選処理(図17)にて設定された当選番号に対応するチャンス移行テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS1901)。この場合、当選確率が低い当選番号の方がチャンス状態ST7への移行当選となる確率が高くなるようにチャンス移行テーブルが設定されている。また、チャンス状態ST7にはART状態ST9への移行当選となる確率が相対的に高低となるように高確率モードと低確率モードとが存在している。チャンス移行テーブルにはチャンス状態ST7への移行当選となる乱数範囲として、高確率モードであるチャンス状態ST7となる乱数範囲と、低確率モードであるチャンス状態ST7となる乱数範囲とが区別して設定されている。この場合、当選確率が低い当選番号の方が高確率モードであるチャンス状態ST7への移行当選となる確率が高くなるようにチャンス移行テーブルが設定されている。
その後、乱数取得処理を実行する(ステップS1902)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。チャンス状態用の移行抽選処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。そして、ステップS1902にて取得した乱数をステップS1901にて読み出したチャンス移行テーブルに対して照合することにより、チャンス状態ST7への移行当選となったか否かを判定する(ステップS1903)。
チャンス状態ST7への移行当選となった場合には(ステップS1903:YES)、主側RAM74に設けられたチャンス当選フラグに「1」を設定する(ステップS1904)。チャンス当選フラグは今回のゲームの開始時においてチャンス状態ST7への移行当選となったことを主側MPU72にて特定するためのフラグであり、チャンス当選フラグに「1」が設定されている場合には当該ゲームの終了時にチャンス状態ST7に移行させるための処理が実行される。つまり、チャンス状態ST7への移行当選となったゲームの次ゲームにおいてチャンス状態ST7に遊技状態が移行することとなる。また、高確率モードであるチャンス状態ST7への移行当選となった場合には(ステップS1905:YES)、主側RAM74に設けられた高確率フラグに「1」を設定する(ステップS1906)。高確率フラグはチャンス状態ST7において高確率モードであるか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
次に、図48のフローチャートを参照しながら主側MPU72にて実行される通常用処理について説明する。なお、通常用処理は遊技終了時の対応処理(図44)におけるステップS1705にて実行される。遊技終了時の対応処理は1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行されるため、通常用処理も1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行される。
主側RAM74のチャンス当選フラグに「1」が設定されている場合(ステップS2001:YES)、今回のゲームの開始時にチャンス状態ST7への移行当選となったことを意味する。この場合、チャンス状態ST7の移行設定処理を実行する。具体的には、主側RAM74に設けられたチャンス状態カウンタにチャンス状態ST7の継続ゲーム数の情報として「5」を設定する(ステップS2002)。チャンス状態カウンタはチャンス状態ST7であること及びチャンス状態ST7の残りの継続ゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。なお、ステップS2001にて肯定判定をした場合にチャンス当選フラグを「0」クリアする。
その後、チャンス状態ST7が開始されることを示すチャンス開始コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2003)。演出側MPU92はチャンス開始コマンドを受信することにより、チャンス状態ST7に対応する演出が開始されるようにする。
その後、主側RAM74に設けられた偽前兆カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS2004)。偽前兆カウンタは偽前兆状態ST5であること及び偽前兆状態ST5の残りの継続ゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。偽前兆カウンタの値が1以上である場合(ステップS2004:YES)、偽前兆状態ST5を終了させるために偽前兆状態ST5の終了処理を実行する(ステップS2005)。具体的には主側RAM74の偽前兆カウンタの値を「0」クリアする。つまり、偽前兆状態ST5の途中であってもチャンス状態ST7が開始されることがあり、偽前兆状態ST5の途中でチャンス状態ST7が開始された場合には当該偽前兆状態ST5は中断されるのではなく途中であっても終了される。
チャンス状態ST7に移行した場合には、1ゲームの開始時において役の当否判定が完了した後に実行される遊技区間の第1制御処理(図40)においてステップS1309にて肯定判定をしてチャンス状態用処理を実行する(ステップS1310)。
<チャンス状態用処理について>
ここで、チャンス状態用処理について説明する。図49はチャンス状態用処理を示すフローチャートである。
まず主側RAM74の高確率フラグに「1」が設定されているか否かを判定することで、今回のチャンス状態ST7が高確率モード及び低確率モードのいずれであるのかを判定する(ステップS2101)。高確率フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS2101:NO)、主側ROM73から低確率用の抽選テーブル112を読み出す(ステップS2102)。一方、高確率フラグに「1」が設定されている場合(ステップS2101:YES)、主側ROM73から高確率用の抽選テーブル113を読み出す(ステップS2103)。
図50(a)は低確率用の抽選テーブル112を説明するための説明図であり、図50(b)は高確率用の抽選テーブル113を説明するための説明図である。
低確率用の抽選テーブル112及び高確率用の抽選テーブル113のいずれであっても役の抽選処理(図17)の結果に対応させて抽選値情報が設定されている。これら抽選値情報はいずれも1バイト(8ビット)のデータ容量となっている。低確率用の抽選テーブル112及び高確率用の抽選テーブル113のいずれであってもボーナス当選データに対応している「9」~「14」の当選番号についてはART状態ST9への移行当選が確定するように、それら当選番号に対応する抽選値情報が設定されている。また、それ以外の当選番号については、低確率用の抽選テーブル112及び高確率用の抽選テーブル113のいずれであっても役の抽選処理(図17)にて当選となる確率が低い抽選番号ほどART状態ST9への移行当選となる確率が高くなるように、それら当選番号に対応する抽選値情報が設定されている。この場合、同一の当選番号で比較した場合、低確率用の抽選テーブル112よりも高確率用の抽選テーブル113の方がART状態ST9への移行当選となる確率が高くなるように抽選値情報が設定されている。特に、「15」及び「16」の当選番号については、低確率用の抽選テーブル112においてはART状態ST9への移行当選とならないことが有り得るように抽選値情報が設定されているのに対して、高確率用の抽選テーブル113においてはART状態ST9への移行当選が確定するように抽選値情報が設定されている。
ステップS2102又はステップS2103の処理を実行した場合、乱数取得処理を実行する(ステップS2104)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。ART状態ST9への移行抽選処理では第4専用乱数回路102dから第16ラッチレジスタ103pに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第4専用乱数回路102dでは7ビット乱数の更新が行われるため「0」~「127」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで第4専用乱数回路102dにより第16ラッチレジスタ103pに書き込まれた乱数を取得することとなる。取得した乱数は主側RAM74に設けられた取得乱数カウンタ74eに格納される。
その後、ステップS2102又はステップS2103にて読み出した抽選テーブル112,113から、今回のゲームにおける役の抽選処理(図17)の結果に対応する抽選値情報を取得する(ステップS2105)。例えば低確率モードにおいて役の抽選処理(図17)にて「15」の当選番号が選択された場合には抽選値情報として、10進数で「80」、2進数で「01010000」の情報を取得する。また、高確率モードにおいて役の抽選処理(図17)にて「15」の当選番号が選択された場合には抽選値情報として、10進数で「255」、2進数で「11111111」の情報を取得する。
その後、減算処理を実行する(ステップS2106)。減算処理では、ステップS2104にて主側RAM74の取得乱数カウンタ74eに取得した乱数から、ステップS2105にて低確率用の抽選テーブル112又は高確率用の抽選テーブル113から取得した抽選値情報を減算した結果が得られるようにするための演算処理を実行する。当該演算処理では、取得乱数カウンタ74eに取得した乱数から抽選値情報を実際に減算する構成としてもよく、抽選値情報の2の補数を算出し、その演算した2の補数を取得乱数カウンタ74eに加算することで、取得乱数カウンタ74eに取得した乱数から抽選値情報を実際に減算した場合と同様の結果を導出する構成としてもよい。
抽選値情報を実際に減算する構成の場合には減算の過程において取得乱数カウンタ74eの8ビットがオールゼロの状態からさらなる減算が行われて取得乱数カウンタ74eの8ビットがオール「1」の状態となった場合、すなわち取得乱数カウンタ74eの数値情報が最小値から最大値に更新された場合に主側MPU72に設けられたキャリーフラグ114に「1」が設定され、最小値から最大値への更新が行われなかった場合にはキャリーフラグ114に「0」が設定された状態が維持される。そして、キャリーフラグ114に「1」が設定されている場合に減算結果がオールゼロを下回って桁下がりが発生したと判定する。
一方、抽選値情報の2の補数を加算する構成の場合には加算の過程において取得乱数カウンタ74eの8ビットがオール「1」の状態からさらなる加算が行われて取得乱数カウンタ74eの8ビットがオールゼロの状態となった場合、すなわち取得乱数カウンタ74eの数値情報が最大値から最小値に更新された場合に主側MPU72に設けられたキャリーフラグ114に「1」が設定され、最大値から最小値への更新が行われなかった場合にはキャリーフラグ114に「0」が設定された状態が維持される。そして、キャリーフラグ114に「0」が設定されている場合に減算結果がオールゼロを下回って桁下がりが発生したと判定する。
減算処理の結果がオールゼロを下回って桁下がりが発生している場合(ステップS2107:YES)、ART状態ST9への移行当選が発生したものとして、主側RAM74に設けられたART当選フラグに「1」を設定する(ステップS2108)。ART当選フラグは今回のゲームの開始時においてART状態ST9への移行当選となったことを主側MPU72にて特定するためのフラグであり、ART当選フラグに「1」が設定されている場合には当該ゲームの終了時に準備状態ST8に移行させるための処理が実行される。つまり、ART状態ST9への移行当選となったゲームの次ゲームにおいてART状態ST9への前段階である準備状態ST8に遊技状態が移行することとなる。
ART状態ST9への移行抽選処理が実行される場合における数値情報の扱いについて図51の説明図を参照しながら説明する。なお、ステップS2106の減算処理にて取得乱数カウンタ74eの乱数から抽選値情報が実際に減算される場合について説明する。
まず図51(a1)~図51(a4)を参照しながら減算処理の結果がオールゼロを下回らない場合について説明する。
乱数取得処理(ステップS2104)にて図51(a1)に示すように7ビットの乱数が取得される。そして、その7ビットの乱数が図51(a2)に示すように1バイトの取得乱数カウンタ74eに格納される。その後、今回は低確率モードであって役の抽選処理(図17)にて「15」の当選番号が選択されているため、低確率用の抽選テーブル112から抽選値情報として図51(a3)に示すように「01010000」の情報を取得する。なお、当該抽選値情報は主側MPU72のレジスタに記憶される。
その後、図51(a2)に示す状態となっている取得乱数カウンタ74eから図51(a3)に示す抽選値情報の減算が行われることで、図51(a4)に示すように取得乱数カウンタ74eの情報が「00010000」となる。この場合、取得乱数カウンタ74eの8ビットがオールゼロの状態からさらなる減算が行われて取得乱数カウンタ74eの8ビットがオール「1」の状態となる事象、すなわち取得乱数カウンタ74eの数値情報が最小値から最大値に更新される事象が発生していないため、キャリーフラグ114に「0」が設定された状態が維持される。よって、ART状態ST9への移行当選とならない。
次に、図51(b1)~図51(b4)を参照しながら減算処理の結果がオールゼロを下回る場合について説明する。
乱数取得処理(ステップS2104)にて図51(b1)に示すように7ビットの乱数が取得される。そして、その7ビットの乱数が図51(b2)に示すように1バイトの取得乱数カウンタ74eに格納される。その後、今回は高確率モードであって役の抽選処理(図17)にて「15」の当選番号が選択されているため、高確率用の抽選テーブル113から抽選値情報として図51(b3)に示すように「11111111」の情報を取得する。なお、当該抽選値情報は主側MPU72のレジスタに記憶される。
その後、図51(b2)に示す状態となっている取得乱数カウンタ74eから図51(b3)に示す抽選値情報の減算が行われることで、図51(b4)に示すように取得乱数カウンタ74eの情報が「01100001」となる。この場合、取得乱数カウンタ74eの8ビットがオールゼロの状態からさらなる減算が行われて取得乱数カウンタ74eの8ビットがオール「1」の状態となる事象、すなわち取得乱数カウンタ74eの数値情報が最小値から最大値に更新される事象が発生しているため、キャリーフラグ114に「1」が設定されている。よって、ART状態ST9への移行当選となる。
上記のとおりART状態ST9への移行抽選処理にて利用される乱数は1バイトのビット数よりも少ないビット数である7ビットとなっている。これにより、ART状態ST9への移行抽選処理として共通のプログラムを利用しながら、100%当選となる状況と外れとなり得る状況とのそれぞれを生じさせる場合においていずれの状況であっても1バイトの抽選値情報を利用することが可能となる。
利用される乱数が1バイトのビット数と同一の8ビットである場合、100%当選となる状況を生じさせるための100%対応の抽選値情報が1バイトであるとすると、減算後においてオールゼロとなる状況も当選結果として扱わない限り、当該100%対応の抽選値情報を利用しても100%当選とならない。一方、減算後においてオールゼロとなる状況も当選結果として扱ってしまうと、乱数としてオールゼロが取得されることを排除する必要が生じてしまう。したがって、利用される乱数が1バイトのビット数と同一の8ビットである場合には少なくとも100%対応の抽選値情報を1バイトのビット数よりも多い数のビット数として設定する必要が生じてしまう。これに対して、上記のとおりART状態ST9への移行抽選処理にて利用される乱数は1バイトのビット数よりも少ないビット数である7ビットとなっていることにより、100%対応の抽選値情報として1バイトの抽選値情報を利用することが可能となる。よって、抽選値情報を予め記憶するために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
通常用処理(図48)の説明に戻り、主側RAM74のチャンス状態カウンタの値が1以上であり遊技状態がチャンス状態ST7である場合(ステップS2006:YES)、主側RAM74のART当選フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS2007)。ART当選フラグに「1」が設定されている場合(ステップS2007:YES)、準備状態の設定処理を実行する(ステップS2008)。当該設定処理では、主側RAM74のART当選フラグ及びチャンス状態カウンタの両方を「0」クリアする。また、遊技終了時の対応処理(図44)にてステップS1706の準備状態処理が実行されるようにするための主側RAM74の情報の設定を行う。その後、準備状態ST8が開始されることを示す準備開始コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2009)。演出側MPU92は準備開始コマンドを受信することにより、準備状態ST8に対応する演出が開始されるようにする。
一方、ART当選フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS2007:NO)、主側RAM74のチャンス状態カウンタの値を1減算する(ステップS2010)。そして、その1減算後におけるチャンス状態カウンタの値が「0」である場合(ステップS2011:YES)、チャンス状態ST7が終了して通常遊技状態ST1に復帰することとなる。この場合、チャンス状態ST7が終了して通常遊技状態ST1に復帰することを示すチャンス終了コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2012)。演出側MPU92はチャンス終了コマンドを受信することにより、チャンス状態ST7が終了して通常遊技状態ST1に復帰することに対応する演出が開始されるようにする。
ステップS2006にて否定判定をした場合、主側RAM74の本前兆当選フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS2013)。本前兆当選フラグに「1」が設定されている場合、今回のゲームの開始時に本前兆状態ST6への移行当選となったことを意味する。この場合、本前兆状態ST6の移行設定処理を実行する。具体的には、本前兆カウンタの設定処理を実行する(ステップS2014)。本前兆カウンタは本前兆状態ST6であること及び本前兆状態ST6の残りの継続ゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。本前兆カウンタの設定処理では、今回開始する本前兆状態ST6の継続ゲーム数を抽選により決定する。この抽選に際しては第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち乱数ポインタにより指定されている乱数回路により対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を利用する。この抽選により選択される継続ゲーム数は5~10ゲームのいずれかとなっており、長い継続ゲーム数の当選確率の方が短い継続ゲーム数の当選確率よりも高く設定されている。なお、ステップS2013にて肯定判定をした場合に本前兆当選フラグを「0」クリアする。
その後、本前兆状態ST6が開始されたことを示す本前兆開始コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2015)。当該本前兆開始コマンドには今回開始される本前兆状態ST6の継続ゲーム数の情報が設定される。演出側MPU92は本前兆開始コマンドを受信することにより、本前兆状態ST6に対応する演出が開始されるようにする。
その後、偽前兆カウンタの値が1以上であることを条件として(ステップS2016:YES)、偽前兆状態ST5を終了させるために偽前兆状態ST5の終了処理を実行する(ステップS2017)。具体的には主側RAM74の偽前兆カウンタの値を「0」クリアする。つまり、偽前兆状態ST5の途中であっても本前兆状態ST6が開始されることがあり、偽前兆状態ST5の途中で本前兆状態ST6が開始された場合には当該偽前兆状態ST5は中断されるのではなく途中であっても終了される。
ステップS2013にて否定判定をした場合、主側RAM74の本前兆カウンタの値が1以上であることを条件として(ステップS2018:YES)、本前兆カウンタの値を1減算する(ステップS2019)。そして、1減算後における本前兆カウンタの値が「0」である場合(ステップS2020:YES)、準備状態の設定処理を実行する(ステップS2021)。当該設定処理では、既に説明したとおり主側RAM74のART当選フラグ及びチャンス状態カウンタの両方を「0」クリアするとともに、遊技終了時の対応処理(図44)にてステップS1706の準備状態処理が実行されるようにするための主側RAM74の情報の設定を行う。その後、準備状態ST8が開始されることを示す準備開始コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2022)。演出側MPU92は準備開始コマンドを受信することにより、準備状態ST8に対応する演出が開始されるようにする。
ステップS2018にて否定判定をした場合、主側RAM74の偽前兆当選フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS2023)。偽前兆当選フラグに「1」が設定されている場合、今回のゲームの開始時に偽前兆状態ST5への移行当選となったことを意味する。この場合、偽前兆状態ST5の移行設定処理を実行する。具体的には、偽前兆カウンタの設定処理を実行する(ステップS2024)。偽前兆カウンタは偽前兆状態ST5であること及び偽前兆状態ST5の残りの継続ゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。偽前兆カウンタの設定処理では、今回開始する偽前兆状態ST5の継続ゲーム数を抽選により決定する。この抽選に際しては第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち乱数ポインタにより指定されている乱数回路により対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を利用する。この抽選により選択される継続ゲーム数は5~10ゲームのいずれかとなっており、短い継続ゲーム数の当選確率の方が長い継続ゲーム数の当選確率よりも高く設定されている。なお、ステップS2023にて肯定判定をした場合に偽前兆当選フラグを「0」クリアする。
その後、偽前兆状態ST5が開始されたことを示す偽前兆開始コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2025)。当該偽前兆開始コマンドには今回開始される偽前兆状態ST5の継続ゲーム数の情報が設定される。演出側MPU92は偽前兆開始コマンドを受信することにより、偽前兆状態ST5に対応する演出が開始されるようにする。
ステップS2023にて否定判定をした場合、主側RAM74の偽前兆カウンタの値が1以上であることを条件として(ステップS2026:YES)、偽前兆カウンタの値を1減算する(ステップS2027)。主側MPU72は偽前兆カウンタの値が1以上である場合、遊技状態が偽前兆状態ST5であると特定し、1減算後における偽前兆カウンタの値が「0」となった場合には偽前兆状態ST5が終了したことを特定する。
ステップS2026にて否定判定をした場合、主側RAM74の有利維持カウンタの値が1以上であることを条件として(ステップS2028:YES)、有利維持カウンタの値を1減算する(ステップS2029)。有利維持カウンタは、既に説明したとおりART状態ST9が終了して通常遊技状態ST1に遊技状態が移行する場合において通常遊技状態ST1に移行した後においても有利維持ゲーム数に亘って有利区間SC2を維持させる場合に、当該有利維持ゲーム数の残りゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。主側MPU72は有利維持カウンタの値が1以上である場合、有利維持区間であると特定し、1減算後における有利維持カウンタの値が「0」となった場合には有利維持区間が終了したことを特定する。
次に、演出側MPU92にて実行される通常用の演出制御処理を、図52のフローチャートを参照しながら説明する。なお、通常用の演出制御処理は遊技状態が通常遊技状態ST1、偽前兆状態ST5、本前兆状態ST6及びチャンス状態ST7である場合に演出側MPU92において比較的短い周期(例えば4ミリ秒)で繰り返し実行される。
まず演出側RAM94に設けられた本前兆演出フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS2201)。本前兆演出フラグは本前兆状態ST6に対応する演出の実行中であることを演出側MPU92にて特定するためのフラグである。本前兆演出フラグの値が「0」である場合(ステップS2201:NO)、主側MPU72から本前兆開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2202)。本前兆開始コマンドを受信している場合(ステップS2202:YES)、演出側RAM94に設けられた偽前兆演出フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS2203)。偽前兆演出フラグは偽前兆状態ST5に対応する演出の実行中であることを演出側MPU92にて特定するためのフラグである。
偽前兆演出フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS2203:NO)、本前兆演出の開始設定処理を実行する(ステップS2204)。本前兆演出の開始設定処理では、今回受信した本前兆開始コマンドに設定されている本前兆状態ST6の継続ゲーム数の情報を読み出す。そして、当該継続ゲーム数の情報に対応する本前兆演出の決定テーブルを読み出し、当該本前兆演出の決定テーブルを利用して抽選により今回の本前兆状態ST6における一連の本前兆演出の内容を決定し、その決定結果に対応する本前兆演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。当該本前兆演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて本前兆演出が実行される。
なお、詳細は後述するが主側MPU72においては遊技状態がチャンス状態ST7とはなっていないものの当該チャンス状態ST7に対応するチャンス演出が実行されている場合がある。このような状況下において本前兆開始コマンドを主側MPU72から受信した場合にはステップS2204の本前兆演出の開始設定処理が実行されることで、チャンス演出が終了されて本前兆演出が開始される。この場合、演出側RAM94に設けられたチャンス演出フラグは「0」クリアされる。
偽前兆演出フラグに「1」が設定されている場合(ステップS2203:YES)、偽前兆状態ST5の途中で本前兆状態ST6が開始されたことを意味する。この場合、前兆演出の調整処理を実行する(ステップS2205)。前兆演出の調整処理では、その時点における偽前兆演出の内容に対して演出の連続性を有する本前兆演出が実行されるようにするための本前兆演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。この場合、当該本前兆演出テーブルは今回受信した本前兆開始コマンドに設定されている本前兆状態ST6の継続ゲーム数の情報に対応したものとなる。当該本前兆演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、それまで実行されていた偽前兆演出の内容と連続性を有するような内容で、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて本前兆演出が実行される。なお、偽前兆演出の途中で本前兆演出が開始された場合、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63においてはそれまで実行された偽前兆演出のゲーム数とこれから実行される本前兆演出のゲーム数との合計分のゲーム数の前兆演出が実行されることとなる。
ステップS2204又はステップS2205の処理を実行した場合、演出側RAM94の本前兆演出フラグに「1」を設定するとともに、偽前兆演出フラグの値を「0」クリアする(ステップS2206)。
本前兆演出フラグに「1」が設定されている場合(ステップS2201:YES)、主側MPU72から準備開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2207)。準備開始コマンドを受信しているということは本前兆状態ST6が終了して準備状態ST8に移行したことを意味する。この場合、準備演出の開始設定処理を実行する(ステップS2208)。準備演出の開始設定処理では、準備状態ST8に対応する準備演出の実行を可能とする準備演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。当該準備演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて準備演出が実行される。そして、遊技者は当該演出を確認することで準備状態ST8であることを把握することが可能となる。その後、演出側RAM94の本前兆演出フラグの値を「0」クリアする(ステップS2209)。
準備開始コマンドを受信していない場合(ステップS2207:NO)、本前兆演出の更新設定処理を実行する(ステップS2210)。当該更新設定処理では、1ゲームが新たに実行されることで本前兆演出の更新タイミングとなっているのであれば、現状参照対象となっている本前兆演出テーブルにおいて参照すべき範囲を1ゲームの新たな開始に応じて変更する処理を実行する。これにより、本前兆演出の実行内容が当該本前兆演出の継続ゲーム数に応じて変化することとなる。
ステップS2202にて否定判定をした場合、演出側RAM94のチャンス演出フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS2211)。チャンス演出フラグはチャンス状態ST7に対応する演出の実行中であることを演出側MPU92にて特定するためのフラグである。チャンス演出フラグの値が「0」である場合(ステップS2211:NO)、主側MPU72からチャンス開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2212)。チャンス開始コマンドを受信している場合(ステップS2212:YES)、演出側RAM94の偽前兆演出フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS2213)。
偽前兆演出フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS2213:NO)、チャンス演出の開始設定処理を実行する(ステップS2214)。チャンス演出の開始設定処理では、チャンス状態ST7に対応するチャンス演出の実行を可能とするチャンス演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。チャンス状態ST7は既に説明したとおり途中でART状態ST9への移行当選とならない限り5ゲームに亘って継続する。したがって、チャンス演出テーブルは5ゲーム分に亘って継続する演出に対応するデータが設定されている。当該チャンス演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてチャンス演出が実行される。そして、遊技者は当該演出を確認することでチャンス状態ST7であることを把握することが可能となる。その後、演出側RAM94のチャンス演出フラグに「1」を設定する(ステップS2215)。
一方、偽前兆演出フラグに「1」が設定されている場合(ステップS2213:YES)、演出側RAM94に設けられたチャンス待機フラグに「1」を設定する(ステップS2216)。チャンス待機フラグは、偽前兆状態ST5に対応する偽前兆演出の実行中であることでチャンス演出の開始を待機している状態であることを演出側MPU92にて特定するためのフラグである。ここで、主側MPU72では偽前兆状態ST5の途中でチャンス状態ST7への移行当選となった場合、偽前兆状態ST5を途中で終了させてチャンス状態ST7に移行させる。これに対して、演出側MPU92は偽前兆演出の途中でチャンス状態ST7への移行が発生したとしても偽前兆演出を途中で終了させることなく、主側MPU72にてチャンス状態ST7に対応する制御が実行されているとしても偽前兆演出を継続させる。これにより、遊技状態としてはチャンス状態ST7への移行を偽前兆状態ST5の継続よりも優先させることでチャンス状態ST7が発生することによる遊技者の利益を担保しながら、演出としては偽前兆演出を継続させることで演出の内容に違和感を与えないようにすることが可能となる。
チャンス演出フラグに「1」が設定されている場合(ステップS2211:YES)、主側MPU72から準備開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2217)。準備開始コマンドを受信しているということはチャンス状態ST7においてART状態ST9への移行当選となることで準備状態ST8に移行したことを意味する。この場合、準備演出の開始設定処理を実行する(ステップS2218)。準備演出の開始設定処理では、準備状態ST8に対応する準備演出の実行を可能とする準備演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。当該準備演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて準備演出が実行される。そして、遊技者は当該演出を確認することで準備状態ST8であることを把握することが可能となる。
準備開始コマンドを受信していない場合(ステップS2217:NO)、演出側RAM94に記憶されているチャンス演出テーブルにおいて参照すべき情報がチャンス演出の終了タイミングに対応する情報であるか否かを判定することにより、チャンス演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS2219)。チャンス状態ST7において継続ゲーム数が消化された場合には主側MPU72からチャンス終了コマンドが送信されるが、演出側MPU92はチャンス演出の終了タイミングを把握する場合にチャンス終了コマンドを受信したか否かを特定しない。さらに言うと、主側MPU72からチャンス終了コマンドを受信したとしてもチャンス演出テーブルにおいて参照すべき情報がチャンス演出の終了タイミングに対応する情報ではない場合にはチャンス演出の終了タイミングであるとは判定しない。これにより、詳細は後述するが偽前兆演出が実行されていることを理由にチャンス演出の実行が遅延された場合においてそのチャンス演出をチャンス状態ST7の継続ゲーム数である5ゲームに亘って実行させることが可能となる。
チャンス演出の終了タイミングである場合(ステップS2219:YES)、チャンス演出の終了設定処理を実行する(ステップS2220)。当該チャンス演出の終了設定処理では、チャンス状態ST7が終了して通常遊技状態ST1に復帰することに対応する通常復帰演出テーブル及び通常遊技状態ST1に対応する通常演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。これら演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて、チャンス状態ST7が終了して通常遊技状態ST1に復帰することに対応する通常復帰演出が実行された後に通常遊技状態ST1に対応する通常演出が実行される。そして、遊技者は当該演出を確認することでチャンス状態ST7が終了して通常遊技状態ST1に復帰したことを把握することが可能となる。
ステップS2218又はステップS2220の処理を実行した場合、演出側RAM94のチャンス演出フラグの値を「0」クリアする(ステップS2221)。また、ステップS2219にて否定判定をした場合、チャンス演出の更新設定処理を実行する(ステップS2222)。当該更新設定処理では、1ゲームが新たに実行されることでチャンス演出の更新タイミングとなっているのであれば、現状参照対象となっているチャンス演出テーブルにおいて参照すべき範囲を1ゲームの新たな開始に応じて変更する処理を実行する。これにより、チャンス演出の実行内容が当該チャンス演出の継続ゲーム数に応じて変化することとなる。
ステップS2212にて否定判定をした場合、又はステップS2216の処理を実行した場合、偽前兆状態用の演出制御処理を実行する(ステップS2223)。図53は偽前兆状態用の演出制御処理を示すフローチャートである。
演出側RAM94の偽前兆演出フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS2301:NO)、主側MPU72から偽前兆開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2302)。偽前兆開始コマンドを受信している場合(ステップS2302:YES)、偽前兆演出の開始設定処理を実行する(ステップS2303)。偽前兆演出の開始設定処理では、今回受信した偽前兆開始コマンドに設定されている偽前兆状態ST5の継続ゲーム数の情報を読み出す。そして、当該継続ゲーム数の情報に対応する偽前兆演出の決定テーブルを読み出し、当該偽前兆演出の決定テーブルを利用して抽選により今回の偽前兆状態ST5における一連の偽前兆演出の内容を決定し、その決定結果に対応する偽前兆演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。当該偽前兆演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて偽前兆演出が実行される。その後、演出側RAM94の偽前兆演出フラグに「1」を設定する(ステップS2304)。
演出側RAM94の偽前兆演出フラグに「1」が設定されている場合(ステップS2301:YES)、演出側RAM94に記憶されている偽前兆演出テーブルにおいて参照すべき情報が偽前兆演出の終了タイミングに対応する情報であるか否かを判定することにより、偽前兆演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS2305)。偽前兆演出の終了タイミングである場合(ステップS2305:YES)、演出側RAM94のチャンス待機フラグに「1」が設定されているか否かを判定することで、チャンス演出の開始が待機されている状態であるか否かを判定する(ステップS2306)。
チャンス待機フラグに「1」が設定されている場合(ステップS2306:YES)、チャンス演出の開始設定処理を実行する(ステップS2307)。チャンス演出の開始設定処理では、チャンス状態ST7に対応するチャンス演出の実行を可能とするチャンス演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。当該チャンス演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてチャンス演出が実行される。そして、遊技者は当該演出を確認することでチャンス状態ST7であることを把握することが可能となる。
チャンス待機フラグに「1」が設定されていることを契機としたチャンス演出の開始設定処理であっても、チャンス開始コマンドを主側MPU72から受信した場合に即座に実行されるチャンス演出の開始設定処理と同様に、チャンス状態ST7の継続ゲーム数である5ゲーム分に亘って継続するチャンス演出に対応するデータが設定されたチャンス演出テーブルを使用する。そして、既に説明したとおりチャンス演出が実行されている状況ではチャンス演出テーブルにおいて参照すべき情報がチャンス演出の終了タイミングであることに対応する情報とならない限り、主側MPU72からチャンス終了コマンドを受信したとしてもチャンス演出は終了されない。これにより、偽前兆演出が実行されている途中でチャンス状態ST7となり偽前兆演出が終了するまでチャンス演出の待機がされるとともに、当該偽前兆演出が終了した後にチャンス演出が開始される場合であっても、チャンス状態ST7の継続ゲーム数である5ゲームに亘ってチャンス演出が実行される。よって、チャンス状態ST7は5ゲームに亘って継続するものであると遊技者に認識させることが可能となる。
その後、演出側RAM94のチャンス待機フラグを「0」クリアし、演出側RAM94のチャンス演出フラグに「1」を設定し、演出側RAM94の偽前兆演出フラグを「0」クリアする(ステップS2308)。
偽前兆演出の終了タイミングであって演出側RAM94のチャンス待機フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS2305:YES、ステップS2306:NO)、主側MPU72から偽前兆開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2309)。既に説明したとおり主側MPU72においては偽前兆状態ST5の途中でチャンス状態ST7への移行当選となった場合には偽前兆状態ST5を終了してチャンス状態ST7を開始させるのに対して、演出側MPU92は偽前兆演出を継続させる。この場合、例えば最初の偽前兆状態ST5が10ゲームに亘って継続すると決定された後の1ゲーム後にチャンス状態ST7となりさらに当該チャンス状態ST7においてART状態ST9への移行当選とならなかった場合、演出側MPU92において偽前兆演出の7ゲーム目を実行した段階において主側MPU72の遊技状態では偽前兆状態ST5及びチャンス状態ST7のいずれでもなく通常遊技状態ST1となる。そうすると、当該状況下で主側MPU72において偽前兆状態ST5への移行が決定されると、演出側MPU92においては偽前兆演出を実行している状況で偽前兆開始コマンドを新たに受信することとなる。
偽前兆開始コマンドを受信していない場合(ステップS2309:NO)、偽前兆演出の終了設定処理を実行する(ステップS2310)。当該偽前兆演出の終了設定処理では、偽前兆状態ST5が終了して通常遊技状態ST1に復帰することに対応する通常復帰演出テーブル及び通常遊技状態ST1に対応する通常演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。これら演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて、偽前兆状態ST5が終了して通常遊技状態ST1に復帰することに対応する通常復帰演出が実行された後に通常遊技状態ST1に対応する通常演出が実行される。そして、遊技者は当該演出を確認することで前兆演出が終了して通常遊技状態ST1に復帰したことを把握することが可能となる。
偽前兆開始コマンドを受信している場合(ステップS2309:YES)、偽前兆演出の調整処理を実行する(ステップS2311)。偽前兆演出の調整処理では、その時点における偽前兆演出の内容に対して演出の連続性を有する偽前兆演出が実行されるようにするための偽前兆演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。この場合、当該偽前兆演出テーブルは今回受信した偽前兆開始コマンドに設定されている偽前兆状態ST5の継続ゲーム数の情報に対応したものとなる。当該偽前兆演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、それまで実行されていた偽前兆演出の内容と連続性を有するような内容で、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて偽前兆演出が実行される。なお、偽前兆演出の途中で偽前兆演出が開始された場合、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63においてはそれまで実行された偽前兆演出のゲーム数とこれから実行される偽前兆演出のゲーム数との合計分のゲーム数の前兆演出が実行されることとなる。
偽前兆演出の終了タイミングではない場合(ステップS2305:NO)、演出側RAM94のチャンス待機フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS2312)。チャンス待機フラグに「1」が設定されている場合(ステップS2312:YES)、主側MPU72から準備開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2313)。既に説明したとおり演出側MPU92においては偽前兆演出を実行するための制御を実行している状況であっても主側MPU72における遊技状態はチャンス状態ST7である状況が発生し得る。そして、このような状況において主側MPU72にてチャンス状態ST7におけるART状態ST9への移行抽選処理にて移行当選となることで、偽前兆演出が実行されている状況であっても主側MPU72から演出側MPU92に準備開始コマンドが送信される。
準備開始コマンドを受信している場合(ステップS2313:YES)、準備演出の開始設定処理を実行する(ステップS2314)。準備演出の開始設定処理では、準備状態ST8に対応する準備演出の実行を可能とする準備演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。当該準備演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて準備演出が実行される。そして、遊技者は当該演出を確認することで準備状態ST8であることを把握することが可能となる。なお、偽前兆演出が実行されている状況において準備演出の開始設定処理が実行された場合、偽前兆演出の一連のストーリーを遮るような形でART状態ST9への移行当選となったことに対応する演出が実行される。その後、演出側RAM94の偽前兆演出フラグを「0」クリアするとともに演出側RAM94のチャンス待機フラグを「0」クリアする(ステップS2315)。
チャンス待機フラグに「1」が設定されている状況であって主側MPU72から準備開始コマンドを受信していない場合(ステップS2312:YES、ステップS2313:NO)、主側MPU72からチャンス終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2316)。偽前兆演出が実行されている状況において主側MPU72にて制御されていたチャンス状態ST7の継続ゲーム数が消化された場合、チャンス待機フラグに「1」が設定されている状況において主側MPU72からチャンス終了コマンドを受信する。チャンス終了コマンドを受信している場合(ステップS2316:YES)、演出側RAM94のチャンス待機フラグを「0」クリアする(ステップS2317)。
一方、ステップS2312にて否定判定をした場合、又はステップS2316にて否定判定をした場合、主側MPU72から偽前兆開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2318)。既に説明したとおり主側MPU72においては偽前兆状態ST5の途中でチャンス状態ST7への移行当選となった場合には偽前兆状態ST5を終了してチャンス状態ST7を開始させるのに対して、演出側MPU92は偽前兆演出を継続させる。この場合、例えば最初の偽前兆状態ST5が10ゲームに亘って継続すると決定された後の1ゲーム後にチャンス状態ST7となりさらに当該チャンス状態ST7においてART状態ST9への移行当選とならなかった場合、演出側MPU92において偽前兆演出の7ゲーム目を実行した段階において主側MPU72の遊技状態では偽前兆状態ST5及びチャンス状態ST7のいずれでもなく通常遊技状態ST1となる。そうすると、当該状況下で主側MPU72において偽前兆状態ST5への移行が決定されると、演出側MPU92においては偽前兆演出を実行している状況で偽前兆開始コマンドを新たに受信することとなる。
偽前兆演出開始コマンドを受信していない場合(ステップS2318:NO)、偽前兆演出の更新設定処理を実行する(ステップS2319)。当該更新設定処理では、1ゲームが新たに実行されることで偽前兆演出の更新タイミングとなっているのであれば、現状参照対象となっている偽前兆演出テーブルにおいて参照すべき範囲を1ゲームの新たな開始に応じて変更する処理を実行する。これにより、偽前兆演出の実行内容が当該偽前兆演出の継続ゲーム数に応じて変化することとなる。
偽前兆演出コマンドを受信している場合(ステップS2318:YES)、偽前兆演出の調整処理を実行する(ステップS2320)。偽前兆演出の調整処理では、その時点における偽前兆演出の内容に対して演出の連続性を有する偽前兆演出が実行されるようにするための偽前兆演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。この場合、当該偽前兆演出テーブルは今回受信した偽前兆開始コマンドに設定されている偽前兆状態ST5の継続ゲーム数の情報に対応したものとなる。当該偽前兆演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、それまで実行されていた偽前兆演出の内容と連続性を有するような内容で、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて偽前兆演出が実行される。なお、偽前兆演出の途中で偽前兆演出が開始された場合、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63においてはそれまで実行された偽前兆演出のゲーム数とこれから実行される偽前兆演出のゲーム数との合計分のゲーム数の前兆演出が実行されることとなる。
次に、偽前兆演出及びチャンス演出が実行される様子について、図54のタイムチャートを参照しながら説明する。図54(a)は偽前兆状態ST5に滞在している期間を示し、図54(b)はチャンス状態ST7に滞在している期間を示し、図54(c)は準備状態ST8に滞在している期間を示し、図54(d)は偽前兆演出が実行されている期間を示し、図54(e)はチャンス演出が実行されている期間を示し、図54(f)はART状態ST9に当選したことを示す演出が実行されている期間を示す。
まず、偽前兆状態ST5の途中でチャンス状態ST7に移行するものの当該チャンス状態ST7が偽前兆演出の終了前に終了する場合について説明する。
図54(a)に示すようにt1のタイミングで、主側MPU72による制御により偽前兆状態ST5が開始されることで、図54(d)に示すように演出側MPU92による制御により偽前兆演出が開始される。その後、t2のタイミングで図54(a)及び図54(b)に示すように主側MPU72による制御により遊技状態が偽前兆状態ST5からチャンス状態ST7に移行する。但し、このようにチャンス状態ST7への移行が発生したとしても、図54(e)に示すようにチャンス演出は開始されることはなく、図54(d)に示すように偽前兆演出が継続される。
その後、図54(d)に示すように偽前兆演出が実行されている状況であるt3のタイミングで、チャンス状態ST7の継続ゲーム数が消化されることで、図54(b)に示すように主側MPU72による制御によりチャンス状態ST7が終了する。この場合であっても、t1のタイミングにおいて偽前兆状態ST5への移行が発生したタイミングで設定された偽前兆演出の継続ゲーム数が消化されていないため、図54(d)に示すように偽前兆演出が継続される。その後、t4のタイミングで、当該偽前兆演出の継続ゲーム数が消化されることで、図54(d)に示すように偽前兆演出が終了される。
次に、偽前兆状態ST5の途中でチャンス状態ST7に移行するとともに偽前兆演出が実行されている途中でART状態ST9への移行当選となる場合について説明する。
図54(a)に示すようにt5のタイミングで、主側MPU72による制御により偽前兆状態ST5が開始されることで、図54(d)に示すように演出側MPU92による制御により偽前兆演出が開始される。その後、t6のタイミングで図54(a)及び図54(b)に示すように主側MPU72による制御により遊技状態が偽前兆状態ST5からチャンス状態ST7に移行する。但し、このようにチャンス状態ST7への移行が発生したとしても、図54(e)に示すようにチャンス演出は開始されることはなく、図54(d)に示すように偽前兆演出が継続される。
その後、t7のタイミングで、主側MPU72の制御によるチャンス状態ST7においてART状態ST9への移行抽選処理が実行され当該移行抽選処理にて移行当選となる。したがって、当該t7のタイミングで、図54(b)及び図54(c)に示すように主側MPU72による制御により遊技状態がチャンス状態ST7から準備状態ST8に移行する。また、当該t7のタイミングで、図54(d)及び図54(f)に示すように偽前兆演出が終了されて、ART状態ST9に当選したことを示す演出が開始される。そして、当該演出はt8のタイミングまで実行される。
上記のように偽前兆演出の途中で突然、ART状態ST9に当選したことを示す演出が実行されることにより遊技者に意外性を与えることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
次に、偽前兆状態ST5の途中でチャンス状態ST7に移行するとともに偽前兆演出が終了したタイミングであってもチャンス状態ST7であることでチャンス演出が続けて開始される場合について説明する。
図54(a)に示すようにt9のタイミングで、主側MPU72による制御により偽前兆状態ST5が開始されることで、図54(d)に示すように演出側MPU92による制御により偽前兆演出が開始される。その後、t10のタイミングで図54(a)及び図54(b)に示すように主側MPU72による制御により遊技状態が偽前兆状態ST5からチャンス状態ST7に移行する。但し、このようにチャンス状態ST7への移行が発生したとしても、図54(e)に示すようにチャンス演出は開始されることはなく、図54(d)に示すように偽前兆演出が継続される。
その後、主側MPU72による制御においてチャンス状態ST7が維持されている状況であるt11のタイミングで、図54(d)に示すように偽前兆演出が終了されることで、図54(e)に示すようにチャンス演出が開始される。この場合に、当該t11のタイミングでは既にチャンス状態ST7に移行してから所定ゲーム数消化されているため、チャンス状態ST7の残りの継続ゲーム数はチャンス状態ST7の終了基準ゲーム数である5ゲームよりも少ないゲーム数となっている。しかしながら、t11のタイミングで開始されるチャンス演出の継続ゲーム数はチャンス状態ST7の終了基準ゲーム数である5ゲームに設定される。
その後、t12のタイミングで、図54(b)に示すようにチャンス状態ST7が終了する。但し、当該t12のタイミングでは未だチャンス演出の継続ゲーム数が残っているため、図54(e)に示すようにチャンス演出が継続される。したがって、t12のタイミング以降は遊技状態がチャンス状態ST7ではないにも関わらずチャンス演出が実行される状態となる。その後、t13のタイミングで、図54(e)に示すようにチャンス演出が終了される。
ここで、t11のタイミングの前後における画像表示装置63の表示内容について図55(a)及び図55(b)の説明図を参照しながら説明する。図55(a)はt11のタイミングよりも前のタイミングにおいて画像表示装置63にて偽前兆演出に対応する画像が表示されている様子を示し、図55(b)はt11のタイミングの後において画像表示装置63にてチャンス演出に対応する画像の表示が開始された様子を示す。
図55(a)に示すように偽前兆演出においては画像表示装置63にて第1キャラクタ画像G4と第2キャラクタ画像G5とが表示されて、これら第1キャラクタ画像G4と第2キャラクタ画像G5とが対決しているような動画表示が行われる。なお、このように対決しているような動画表示は本前兆演出においても実行される。また、ART状態ST9への移行当選となることなく前兆演出が終了する場合には最終的に第1キャラクタ画像G4が第2キャラクタ画像G5に敗北するような動画表示が行われ、ART状態ST9への移行当選となって前兆演出が終了する場合には最終的に第1キャラクタ画像G4が第2キャラクタ画像G5に勝利するような動画表示が行われる。
図55(b)に示すようにチャンス演出においては画像表示装置63にチャンス状態ST7であることを示唆する示唆画像G6が表示されるとともに、チャンス演出の残りの継続ゲーム数を示すゲーム数画像G7が表示される。この場合に、主側MPU72による制御においてチャンス状態ST7に移行したタイミングでチャンス演出が開始される場合、及び主側MPU72による制御においてチャンス状態ST7である状況で偽前兆演出が終了することで当該偽前兆演出に続けてチャンス演出が開始される場合のいずれであっても、ゲーム数画像G7としてチャンス状態ST7の終了基準ゲーム数である5ゲームを示す画像が表示される。これにより、偽前兆演出が実行されている状況で既にチャンス状態ST7におけるゲームが消化されていることにより、偽前兆演出に続けてチャンス演出が開始されたタイミングではチャンス状態ST7の残りの継続ゲーム数が終了基準ゲーム数よりも少ないゲーム数となっていたとしても、遊技者には当該終了基準ゲーム数に亘ってART状態ST9への移行当選となることを期待させることが可能となる。
また、チャンス状態ST7においては各ゲームにてART状態ST9への移行抽選処理が実行される機会が与えられ、チャンス状態ST7の途中であってもART状態ST9への移行当選となった場合には準備状態ST8への移行が発生する。したがって、偽前兆演出に続けてチャンス演出が実行される場合においてチャンス演出の継続ゲーム数がチャンス状態ST7の残りの継続ゲーム数よりも多い状況となった場合、チャンス状態ST7が終了する前であればチャンス演出が実行されている途中で準備状態ST8への移行が発生し得るとともに、チャンス状態ST7が終了した後であってチャンス演出が実行されている状況ではチャンス状態ST7においてART状態ST9への移行当選とならなかったと遊技者に認識させることが可能となる。
<ボーナス状態に関する処理について>
次に、ボーナス状態(BB状態ST3又はRB状態ST4)に関する処理について説明する。図56は主側MPU72にて実行されるボーナス用処理を示すフローチャートである。なお、ボーナス用処理は遊技終了時の対応処理(図44)におけるステップS1701にて実行される。遊技終了時の対応処理は1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行されるため、ボーナス用処理も1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行される。
主側RAM74に記憶されているBB当選データに対応するBB入賞が成立した場合(ステップS2401:YES)、主側RAM74に設けられたBBフラグに「1」を設定する(ステップS2402)。BBフラグはBB状態ST3であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
今回成立したBB入賞が第3BB入賞又は第4BB入賞である場合(ステップS2403:YES)、主側RAM74に設けられた特定ボーナスフラグに「1」を設定する(ステップS2404)。第3BB入賞の成立を可能とする第3BB当選データは通常モード用抽選テーブル(図18)、第1RTモード用抽選テーブル(図20)及び第2RTモード用抽選テーブル(図22)のいずれであってもインデックス値IV=7に設定されており、第4BB入賞の成立を可能とする第4BB当選データはこれら抽選テーブルのいずれであってもインデックス値IV=8に設定されている。そして、これらインデックス値IV=7,8は「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一の役として設定されている。つまり、特定ボーナスフラグは当選確率に設定差が存在しないボーナス入賞が成立したか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。詳細は後述するが当選確率に設定差が存在しているボーナス入賞が成立した場合には当該ボーナス状態の開始時に遊技区間を通常区間SC1から有利区間SC2に移行させる設定は行われないのに対して、当選確率に設定差が存在していないボーナス入賞が成立した場合には当該ボーナス状態の開始時に遊技区間を通常区間SC1から有利区間SC2に移行させる設定が行われる。
一方、主側RAM74に記憶されているRB当選データに対応するRB入賞が成立した場合(ステップS2405:YES)、主側RAM74に設けられたRBフラグに「1」を設定する(ステップS2406)。RBフラグはRB状態ST4であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
また、今回成立したRB入賞が第1RB入賞である場合(ステップS2407:YES)、主側RAM74の特定ボーナスフラグに「1」を設定する(ステップS2408)。第1RB入賞の成立を可能とする第1RB当選データは通常モード用抽選テーブル(図18)、第1RTモード用抽選テーブル(図20)及び第2RTモード用抽選テーブル(図22)のいずれであってもインデックス値IV=9に設定されている。そして、インデックス値IV=9は「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一の役として設定されている。したがって、今回のRB入賞が当選確率に設定差が存在していないボーナス入賞の成立に対応していることを主側MPU72にて特定するために、ステップS2408にて特定ボーナスフラグに「1」を設定する。
ステップS2403にて否定判定をした場合、ステップS2404の処理を実行した場合、ステップS2407にて否定判定をした場合、又はステップS2408の処理を実行した場合、今回のボーナス入賞に対応するボーナス役に当選した際の遊技状態が本前兆状態ST6であるか否かを判定する(ステップS2409)。本前兆状態ST6は当該本前兆状態ST6の継続ゲーム数が消化された場合に準備状態ST8への移行が確定している遊技状態である。したがって、本前兆状態ST6であった場合には(ステップS2409::YES)、今回のボーナス状態の終了後に準備状態ST8に移行させるためにART当選用処理を実行する(ステップS2410)。当該ART当選用処理では、主側RAM74に設けられたART当選フラグに「1」を設定する。ART当選フラグは、ボーナス状態の終了後に準備状態ST8に移行させる必要があることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。また、ART当選用処理では、ART状態ST9への移行当選となったことを示すART当選コマンドを演出側MPU92に送信する。演出側MPU92はART当選コマンドを受信することにより、今回のボーナス状態が終了した後にART状態ST9となることを示す演出が今回のボーナス状態の開始時に実行されるようにする。
ステップS2409にて否定判定をした場合、又はステップS2410の処理を実行した場合、主側RAM74に設けられた合計払出カウンタを「0」クリアする(ステップS2411)。合計払出カウンタはボーナス状態において遊技者に付与された遊技媒体の合計数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。主側MPU72は合計払出カウンタの値に基づいてボーナス状態の終了条件が成立したか否かを特定する。
その後、ボーナス状態が開始されることを示すボーナス開始コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2412)。当該ボーナス開始コマンドには今回開始されるボーナス状態がBB状態ST3及びRB状態ST4のいずれであるかを示す情報が設定されている。演出側MPU92はボーナス開始コマンドを受信することにより、今回開始対象となった種類のボーナス状態に対応する演出が開始されるようにする。
その後、主側RAM74に設けられた主側エンディング演出フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS2413)。主側エンディング演出フラグは、詳細は後述するが有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に近づくことで開始されるエンディング演出の実行中であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。ステップS2413にて否定判定をした場合、フリーズカウンタの設定処理を実行する(ステップS2414)。
フリーズカウンタの設定処理では、主側RAM74に設けられたフリーズカウンタに、ボーナス開始時のフリーズ期間(具体的には10秒)に対応する数値情報を設定する。フリーズカウンタに設定された数値情報はタイマ割込み処理(図11)におけるタイマ減算処理(ステップS208)にて定期的に減算される。ボーナス用処理にてフリーズカウンタに数値が設定された場合、通常処理(図13)におけるステップS413にて待機する。これにより、新たなゲームの開始が待機された状態となる。このように新たなゲームの開始が待機された状態において上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてボーナス状態が開始されることに対応する演出が実行されることで、ボーナス状態への移行が発生したことを遊技者に明確に認識させることが可能となるとともに、ボーナス状態への移行が強調されることで遊技者に満足感を与えることが可能となる。通常処理(図13)におけるステップS413にて待機された状態はフリーズカウンタの値が「0」となることで解除される。
主側RAM74のBBフラグ又はRBフラグに「1」が設定されている場合(ステップS2415:YES)、ボーナス状態用処理を実行する(ステップS2416)。当該ボーナス状態用処理にて、BB状態ST3又はRB状態ST4の進行が制御される。
次に、図57のフローチャートを参照しながら主側MPU72にて実行されるゲーム開始時のボーナス用処理について説明する。なお、ゲーム開始時のボーナス用処理は役の抽選処理(図17)におけるステップS618にて実行される。このステップS618の処理はゲームの開始時において役の当否判定が完了した後に実行される。
今回がボーナス状態に移行した後に最初に実行されるゲームであるボーナス状態の開始ゲームである場合(ステップS2501:YES)、ステップS2502~ステップS2520に示すボーナス状態の開始ゲーム用処理を実行する。具体的には、まず主側RAM74の有利区間フラグに「1」が設定されているか否かを判定することで、今回のボーナス状態が有利区間SC2である状況において開始されたか否かを判定する(ステップS2502)。有利区間フラグに「1」が設定されている場合(ステップS2502:YES)、ステップS2506以降のART状態ST9に関する利益を遊技者に付与するための処理を実行する。これにより、有利区間SC2である状況においてボーナス状態が開始されることの有利度を高めることが可能となる。
既に説明したとおり偽前兆状態ST5となった場合、偽前兆演出が実行されるものの当該偽前兆状態ST5が終了した後にART状態ST9への移行が発生するわけではない。しかしながら、偽前兆状態ST5である場合、有利区間SC2が維持される。この場合に上記のとおり有利区間SC2である状況においてボーナス状態が開始された場合にはART状態ST9に関する利益が遊技者に付与され得る。これにより、偽前兆状態ST5を本前兆状態ST6であることを遊技者に期待させるための遊技状態としてだけではなく、ボーナス状態が開始されることで遊技者にとって有利となる遊技状態として機能させることが可能となる。よって、前兆演出が実行されることに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
有利区間フラグに「1」が設定されていない場合であっても(ステップS2502:NO)、主側RAM74の特定ボーナスフラグに「1」が設定されている場合(ステップS2503:YES)、主側RAM74の有利区間フラグに「1」を設定するとともに(ステップS2504)、有利区間表示部67を消灯状態から点灯状態に切り換える(ステップS2505)。特定ボーナスフラグに「1」が設定されている場合というのは、既に説明したとおり今回のボーナス状態が当選確率に設定差が存在していないボーナス役を契機としている場合である。つまり、当選確率に設定差が存在していないボーナス役に対応するボーナス状態となった場合には、ボーナス状態となる前の遊技区間が通常区間SC1であったとしてもボーナス状態が開始されたゲームにて有利区間SC2に設定されることとなる。そして、ボーナス状態が開始されたゲームにて有利区間SC2に設定されることで、ステップS2506以降のART状態ST9に関する利益を遊技者に付与するための処理が実行される。よって、当選確率に設定差が存在していないボーナス役に対応するボーナス状態の方が、当選確率に設定差が存在しているボーナス役に対応するボーナス状態よりも有利なボーナス状態とすることが可能となる。
ここで、当選確率に設定差が存在していないボーナス役として、第3BB当選データが設定された役(インデックス値IV=7)と第4BB当選データが設定された役(インデックス値IV=8)とが存在しているが、有利区間SC2においてこれら第3BB当選データ又は第4BB当選データが設定されているボーナス内部状態ST2となった場合には有利区間SC2から通常区間SC1に移行させる機会が与えられる。有利区間SC2は継続ゲーム数が上限ゲーム数となった場合に強制的に終了されるため、ART状態ST9ではない状況において消化されたゲーム数は有利区間SC2の継続ゲーム数として極力計測されないことが好ましい。この場合に、ボーナス状態となった場合にはその開始ゲームにおいて有利区間SC2に確実に設定されることとなる状況となる場合には当該ボーナス状態が開始される前に通常区間SC1に一旦移行され得るようにすることにより、例えば偽前兆状態ST5において当選確率に設定差が存在していないボーナス役に対応するボーナス状態が開始される場合に当該偽前兆状態ST5であって有利区間SC2である状況で消化されたゲーム数を一旦クリアし、その後に有利区間SC2に新たに移行させることが可能となる。
当該作用を生じさせるための処理構成について説明する。遊技区間の第2制御処理(図45)では、第3BB当選データ又は第4BB当選データが設定されているボーナス内部状態ST2である場合(ステップS1816:YES)、当該当選データが設定された遊技状態が本前兆状態ST6、準備状態ST8及びART状態ST9のいずれかであるか否かを判定する(ステップS1817)。ステップS1817にて肯定判定をした場合には、有利区間SC2の初期化処理が実行されないようにする。通常区間SC1に移行させる場合には有利区間SC2の初期化処理が実行されてART状態ST9が実行される権利も消失しまうため、本前兆状態ST6、準備状態ST8及びART状態ST9である場合には当該権利の消失を発生させないようにするために有利区間SC2の初期化処理を実行しない。
ステップS1817にて否定判定をした場合、役の抽選処理(図17)にて「1」~「3」のいずれかの当選番号の情報が設定されたか否かを判定する(ステップS1818)。これら当選番号はリール32L,32M,32Rの停止順序が正解の停止順序である場合に第1ベル入賞が成立する当選番号である。なお、ボーナス内部状態ST2においては有利区間SC2であったとしても当該当選番号の情報が設定されたとしてもリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。
ステップS1818にて肯定判定をした場合、今回のゲームにおけるリール32L,32M,32Rの停止順序が転落対応の停止順序であるか否かを判定する(ステップS1819)。転落対応の停止順序は第1ベル入賞が成立しない停止順序であって「1」~「3」の当選番号のそれぞれで異なる停止順序として設定されている。また、転落対応の停止順序は第1停止、第2停止及び第3停止の全てのリール32L,32M,32Rの停止順序が定められた停止順序である。このように転落対応の停止順序が設定されていることにより、遊技者によるリール32L,32M,32Rの停止順序が転落対応の停止順序と偶然一致した場合に有利区間SC2の初期化処理が実行されるようにすることが可能となる。なお、転落対応の停止順序は、第1停止、第2停止及び第3停止の全てのリール32L,32M,32Rの停止順序であることに限定されることはなく、第1停止のリール32L,32M,32Rの種類のみによって定められている構成としてもよい。また、転落対応の停止順序となることで有利区間SC2が一旦終了する状況であることを遊技者に示唆する演出は実行されないが、当該演出が実行される構成としてもよい。
転落対応の停止順序である場合(ステップS1819:YES)、主側RAM74の未報知フラグの値が「0」であることを条件として(ステップS1820:YES)、有利区間SC2の初期化処理を実行するとともに(ステップS1821)、有利区間表示部67を点灯状態から消灯状態に切り換える(ステップS1822)。これにより、遊技区間が通常区間SC1に一旦移行することとなる。また、このように通常区間SC1に一旦移行したとしても第3BB入賞又は第4BB入賞が成立してBB状態ST3に移行した場合には当該BB状態ST3の最初のゲームにて遊技区間が確実に有利区間SC2に移行するとともに有利区間SC2であることにより生じる利益も付与されることとなる。
なお、転落対応の停止順序が遊技者に報知される構成としてもよい。この場合、上記のような状況において通常区間SC1への移行を積極的に生じさせることが可能となる。
ゲーム開始時のボーナス用処理(図57)の説明に戻り、ステップS2502にて肯定判定をした場合又はステップS2505の処理を実行した場合、通常遊技状態ST1であって有利維持区間において今回のボーナス状態の開始契機となったボーナス入賞が成立したか否かを判定する(ステップS2506)。ステップS2506にて肯定判定をした場合、主側RAM74のART当選フラグに「1」を設定する(ステップS2507)。つまり、通常遊技状態ST1であって有利維持区間においてボーナス入賞が成立した場合には、有利区間SC2においてボーナス状態の開始ゲームが実行されることを条件として、当該ボーナス入賞に対応するボーナス状態が終了した後に準備状態ST8に移行することとなる。これにより、有利維持区間においてボーナス入賞が成立することに遊技者は期待することとなる。その後、ART状態ST9への移行当選となったことを示すART当選コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2508)。演出側MPU92はART当選コマンドを受信することにより、今回のボーナス状態が終了した後にART状態ST9となることを示す演出がボーナス状態の開始ゲームにおいて実行されるようにする。
ステップS2506にて否定判定をした場合又はステップS2508の処理を実行した場合、今回のボーナス状態の契機となったボーナス役に当選したタイミングの遊技状態が準備状態ST8若しくはART状態ST9であることを条件として(ステップS2509:YES)、又は主側RAM74のART当選フラグに「1」が設定されていることを条件として(ステップS2510:YES)、ART状態ST9の残りの継続ゲーム数を上乗せするための処理を実行する。当該上乗せするための処理として、まずボーナス開始時の上乗せテーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS2511)。当該ボーナス開始時の上乗せテーブルは今回のボーナス状態の種類に関係なく共通となっているが、ボーナス状態の種類に応じて上乗せ当選となる確率及び上乗せ期待ゲーム数のうち少なくとも一方が相違している構成としてもよい。また、ボーナス開始時の上乗せテーブルは「1」~「6」の設定値の間において共通となっているが、設定値に応じて上乗せ当選となる確率及び上乗せ期待ゲーム数のうち少なくとも一方が相違している構成としてもよい。
その後、乱数取得処理を実行する(ステップS2512)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。ボーナス開始時の上乗せ抽選処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。そして、ステップS2512にて取得した乱数をステップS2511にて読み出したボーナス開始時の上乗せテーブルに対して照合することにより、上乗せ当選となったか否かを判定する(ステップS2513)。具体的には、ボーナス開始時の上乗せテーブルには、上乗せゲーム数が「0」ゲームであることを示す抽選結果が設定されているとともに、1ゲーム以上となる上乗せゲーム数の抽選結果が複数種類設定されている。ステップS2513では、それら1ゲーム以上となる上乗せゲーム数の抽選結果のいずれかが選択されたか否かを判定する。
上乗せ当選となった場合(ステップS2513:YES)、上乗せ設定処理を実行する(ステップS2514)。上乗せ設定処理では、主側RAM74に設けられたARTゲーム数カウンタ121に今回選択された抽選結果に対応する上乗せゲーム数の値を加算する。その後、ボーナス状態においてART状態ST9の継続ゲーム数が上乗せされたことを示すボーナス中の上乗せコマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2515)。当該上乗せコマンドには今回発生した上乗せゲーム数の情報が設定されている。演出側MPU92はボーナス中の上乗せコマンドを受信することにより、今回選択された上乗せゲーム数が付与されたことを示す演出が実行されるようにする。
一方、今回のボーナス状態の契機となったボーナス役に当選したタイミングの遊技状態が準備状態ST8及びART状態ST9のいずれでもなくさらに主側RAM74のART当選フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS2509及びステップS2510:NO)、ART状態ST9に移行させるか否かを決定するための処理を実行する。当該ART状態ST9に移行させるか否かを決定するための処理として、まずART直撃用テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS2516)。当該ART直撃用テーブルは今回のボーナス状態の種類に関係なく共通となっているが、ボーナス状態の種類に応じてART状態ST9への移行当選となる確率が相違している構成としてもよい。また、ART直撃用テーブルは「1」~「6」の設定値の間において共通となっているが、設定値に応じてART状態ST9への移行当選となる確率が相違している構成としてもよい。
その後、乱数取得処理を実行する(ステップS2517)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。ART状態ST9への移行抽選処理では第4専用乱数回路102dから第16ラッチレジスタ103pに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第4専用乱数回路102dにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで第4専用乱数回路102dにより第16ラッチレジスタ103pに書き込まれた乱数を取得することとなる。そして、ステップS2517にて取得した乱数をステップS2516にて読み出したART直撃用テーブルに対して照合することにより、ART状態ST9への移行当選となったか否かを判定する(ステップS2518)。
ART状態ST9への移行当選となった場合(ステップS2518:YES)、主側RAM74のART当選フラグに「1」を設定する(ステップS2519)。その後、ART状態ST9への移行当選となったことを示すART当選コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2520)。演出側MPU92はART当選コマンドを受信することにより、今回のボーナス状態が終了した後にART状態ST9となることを示す演出がボーナス状態の開始ゲームにおいて実行されるようにする。
ステップS2501にて否定判定をした場合、ステップS2503にて否定判定をした場合、ステップS2513にて否定判定をした場合、ステップS2515の処理を実行した場合、ステップS2518にて否定判定をした場合、又はステップS2520の処理を実行した場合、ボーナス中のゲーム開始時処理を実行する(ステップS2521)。つまり、ボーナス状態が開始されたゲームにおいては、ART状態ST9の継続ゲーム数の上乗せ処理、ART状態ST9への移行抽選処理又はART状態ST9への移行処理が実行された場合であっても、ボーナス中のゲーム開始時処理が実行される。そして、当該ボーナス中のゲーム開始時処理ではART状態ST9の残りの継続ゲーム数の上乗せ抽選処理又はART状態ST9への移行抽選処理が実行される。
図58はボーナス中のゲーム開始時処理を示すフローチャートである。ボーナス中のゲーム開始時処理では、主側RAM74の有利区間フラグに「1」が設定されているか否か、すなわち遊技区間が有利区間SC2であるか否かを判定する(ステップS2601)。有利区間SC2である場合(ステップS2601:YES)、今回のゲームにおいて抽選契機役に当選したか否かを判定する(ステップS2602)。具体的には、第1スイカ入賞の成立を可能とさせる役又はチェリー入賞の成立を可能とさせる役に当選している場合に抽選契機役に当選していると判定する。
ステップS2602にて肯定判定をした場合、今回のボーナス状態の契機となったボーナス役に当選したタイミングの遊技状態が準備状態ST8若しくはART状態ST9であることを条件として(ステップS2603:YES)、又は主側RAM74のART当選フラグに「1」が設定されていることを条件として(ステップS2604:YES)、ART状態ST9の残りの継続ゲーム数を上乗せするための処理を実行する。当該上乗せするための処理として、まずボーナス中の上乗せテーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS2605)。当該ボーナス中の上乗せテーブルは今回のボーナス状態の種類に関係なく共通となっているが、ボーナス状態の種類に応じて上乗せ当選となる確率及び上乗せ期待ゲーム数のうち少なくとも一方が相違している構成としてもよい。また、ボーナス中の上乗せテーブルは今回当選となった抽選契機役の種類に関係なく共通となっているが、今回当選となった抽選契機役の種類に応じて上乗せ当選となる確率及び上乗せ期待ゲーム数のうち少なくとも一方が相違している構成としてもよい。また、ボーナス中の上乗せテーブルは「1」~「6」の設定値の間において共通となっているが、設定値に応じて上乗せ当選となる確率及び上乗せ期待ゲーム数のうち少なくとも一方が相違している構成としてもよい。
ここで、ボーナス中の上乗せテーブルはゲーム開始時のボーナス用処理(図57)におけるステップS2511にて主側ROM73から読み出されるボーナス開始時の上乗せテーブルよりも、上乗せ当選となる確率が低く設定されているとともに、上乗せ期待ゲーム数が少ないゲーム数となっている。これにより、ボーナス状態が開始されたゲームにおけるART状態ST9の残りの継続ゲーム数の上乗せ期待度をボーナス状態における2ゲーム目以降のゲームよりも高めることが可能となる。但し、これに限定されることはなく上乗せ当選となる確率及び上乗せ期待ゲーム数が、ボーナス中の上乗せテーブルとボーナス開始時の上乗せテーブルとで同一又は略同一である構成としてもよい。
その後、乱数取得処理を実行する(ステップS2606)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。ボーナス中の上乗せ抽選処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。そして、ステップS2606にて取得した乱数をステップS2605にて読み出したボーナス中の上乗せテーブルに対して照合することにより、上乗せ当選となったか否かを判定する(ステップS2607)。具体的には、ボーナス中の上乗せテーブルには、上乗せゲーム数が「0」ゲームであることを示す抽選結果が設定されているとともに、1ゲーム以上となる上乗せゲーム数の抽選結果が複数種類設定されている。ステップS2607では、それら1ゲーム以上となる上乗せゲーム数の抽選結果のいずれかが選択されたか否かを判定する。
上乗せ当選となった場合(ステップS2607:YES)、上乗せ設定処理を実行する(ステップS2608)。上乗せ設定処理では、主側RAM74に設けられたARTゲーム数カウンタ121に今回選択された抽選結果に対応する上乗せゲーム数の値を加算する。ARTゲーム数カウンタ121はART状態ST9の残りの継続ゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。その後、ボーナス状態においてART状態ST9の継続ゲーム数が上乗せされたことを示すボーナス中の上乗せコマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2609)。当該上乗せコマンドには今回発生した上乗せゲーム数の情報が設定されている。演出側MPU92はボーナス中の上乗せコマンドを受信することにより、今回選択された上乗せゲーム数が付与されたことを示す演出が実行されるようにする。
一方、今回のボーナス状態の契機となったボーナス役に当選したタイミングの遊技状態が準備状態ST8及びART状態ST9のいずれでもなくさらに主側RAM74のART当選フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS2603及びステップS2604:NO)、ART状態ST9に移行させるか否かを決定するための処理を実行する。当該ART状態ST9に移行させるか否かを決定するための処理として、まずボーナス中移行テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS2610)。当該ボーナス中移行テーブルは今回のボーナス状態の種類に関係なく共通となっているが、ボーナス状態の種類に応じてART状態ST9への移行当選となる確率が相違している構成としてもよい。また、ボーナス中移行テーブルは今回当選となった抽選契機役の種類に関係なく共通となっているが、今回当選となった抽選契機役の種類に応じてART状態ST9への移行当選となる確率が相違している構成としてもよい。また、ボーナス中移行テーブルは「1」~「6」の設定値の間において共通となっているが、設定値に応じてART状態ST9への移行当選となる確率が相違している構成としてもよい。
ここで、ボーナス中の移行テーブルはゲーム開始時のボーナス用処理(図57)におけるステップS2516にて主側ROM73から読み出されるART直撃用テーブルよりも、ART状態ST9への移行当選となる確率が低く設定されている。これにより、ボーナス状態が開始されたゲームにおけるART状態ST9への移行当選となる期待度をボーナス状態における2ゲーム目以降のゲームよりも高めることが可能となる。但し、これに限定されることはなくART状態ST9への移行当選となる確率が、ボーナス中移行テーブルとART直撃用テーブルとで同一又は略同一である構成としてもよい。
その後、乱数取得処理を実行する(ステップS2611)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。ART状態ST9への移行抽選処理では第4専用乱数回路102dから第16ラッチレジスタ103pに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第4専用乱数回路102dにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで第4専用乱数回路102dにより第16ラッチレジスタ103pに書き込まれた乱数を取得することとなる。そして、ステップS2611にて取得した乱数をステップS2610にて読み出したボーナス中移行テーブルに対して照合することにより、ART状態ST9への移行当選となったか否かを判定する(ステップS2612)。
ART状態ST9への移行当選となった場合(ステップS2612:YES)、主側RAM74のART当選フラグに「1」を設定する(ステップS2613)。その後、ART状態ST9への移行当選となったことを示すART当選コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2614)。演出側MPU92はART当選コマンドを受信することにより、今回のボーナス状態が終了した後にART状態ST9となることを示す演出が今回のゲームにおいて実行されるようにする。
次に、主側MPU72にて実行されるボーナス状態用処理について図59のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ボーナス状態用処理はボーナス用処理(図56)におけるステップS2416にて実行される。ボーナス用処理は1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行されるため、ボーナス状態用処理も1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行される。
今回のゲームにおいて遊技媒体の付与が発生している場合(ステップS2701:YES)、主側RAM74の合計払出カウンタに今回付与された遊技媒体の数に対応する値を加算する(ステップS2702)。そして、その加算後における合計払出カウンタの値が現状のボーナス状態に対応する終了基準数以上となっているか否かを判定する(ステップS2703)。具体的には、現状のボーナス状態がBB状態ST3である場合にはBB終了基準数(例えば「350」)以上であるか否かを判定し、現状のボーナス状態がRB状態ST4である場合にはRB終了基準数(例えば「150」)以上であるか否かを判定する。
ステップS2703にて肯定判定をした場合には、今回のボーナス状態の契機となったボーナス役に当選したタイミングの遊技状態が準備状態ST8若しくはART状態ST9であることを条件として(ステップS2704:YES)、又は主側RAM74のART当選フラグに「1」が設定されていることを条件として(ステップS2705:YES)、準備状態の設定処理を実行する(ステップS2706)。当該設定処理では、主側RAM74のART当選フラグを「0」クリアする。また、遊技終了時の対応処理(図44)にてステップS1706の準備状態処理が実行されるようにするための主側RAM74の情報の設定を行う。これにより、今回のボーナス状態の終了後における遊技状態が準備状態ST8となる。
ステップS2705にて否定判定をした場合、又はステップS2706の処理を実行した場合、ボーナス状態が終了することを示すボーナス終了コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2707)。当該ボーナス終了コマンドにはボーナス状態の終了後における遊技状態が通常遊技状態ST1及び準備状態ST8のいずれであるのかを示す情報が設定されている。演出側MPU92はボーナス終了コマンドを受信することにより、ボーナス状態が終了することを示す演出が開始されるようにするとともに、当該演出の終了後にはボーナス状態の終了後の遊技状態に対応する演出が開始されるようにする。
その後、主側RAM74の主側エンディング演出フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS2708)。主側エンディング演出フラグは、詳細は後述するが有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に近づくことで開始されるエンディング演出の実行中であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。ステップS2708にて否定判定をした場合、フリーズカウンタの設定処理を実行する(ステップS2709)。
フリーズカウンタの設定処理では、主側RAM74に設けられたフリーズカウンタに、ボーナス終了時のフリーズ期間(具体的には10秒)に対応する数値情報を設定する。フリーズカウンタに設定された数値情報はタイマ割込み処理(図11)におけるタイマ減算処理(ステップS208)にて定期的に減算される。ボーナス状態用処理にてフリーズカウンタに数値が設定された場合、通常処理(図13)におけるステップS413にて待機する。これにより、新たなゲームの開始が待機された状態となる。このように新たなゲームの開始が待機された状態において上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてボーナス状態が終了することに対応する演出が実行されることで、ボーナス状態が終了したことを遊技者に明確に認識させることが可能となる。通常処理(図13)におけるステップS413にて待機された状態はフリーズカウンタの値が「0」となることで解除される。
<ART状態ST9について>
次に、ART状態ST9について説明する。まず準備状態ST8である場合に実行される準備状態処理について図60のフローチャートを参照しながら説明する。なお、準備状態処理は遊技終了時の対応処理(図44)におけるステップS1706にて実行される。遊技終了時の対応処理は1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行されるため、準備状態処理も1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行される。
まず今回の役の抽選処理(図17)にて「4」~「8」,「15」,「16」のいずれかの当選番号が設定されたか否かを判定する(ステップS2801)。ステップS2801にて肯定判定をした場合、今回の役の抽選処理(図17)にて設定された当選番号に対応する直上乗せテーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS2802)。この場合、当選確率が低い当選番号の方が直上乗せ当選となる確率が高くなるとともに上乗せ期待ゲーム数が多いゲーム数となるように直上乗せテーブルが設定されている。なお、直上乗せテーブルは「1」~「6」の設定値の間において共通となっているが、設定値に応じて直上乗せ当選となる確率及び上乗せ期待ゲーム数のうち少なくとも一方が相違している構成としてもよい。
その後、乱数取得処理を実行する(ステップS2803)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。直上乗せ抽選処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。そして、ステップS2803にて取得した乱数をステップS2802にて読み出した直上乗せテーブルに対して照合することにより、直上乗せ当選となったか否かを判定する(ステップS2804)。具体的には、直上乗せテーブルには、上乗せゲーム数が「0」ゲームであることを示す抽選結果が設定されているとともに、1ゲーム以上となる上乗せゲーム数の抽選結果が複数種類設定されている。ステップS2804では、それら1ゲーム以上となる上乗せゲーム数の抽選結果のいずれかが選択されたか否かを判定する。
直上乗せ当選となった場合(ステップS2804:YES)、上乗せ設定処理を実行する(ステップS2805)。上乗せ設定処理では、主側RAM74に設けられたARTゲーム数カウンタ121に今回選択された抽選結果に対応する上乗せゲーム数の値を加算する。その後、準備状態ST8においてART状態ST9の残りの継続ゲーム数が上乗せされたことを示す準備中の上乗せコマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2806)。当該上乗せコマンドには今回発生した上乗せゲーム数の情報が設定されている。演出側MPU92は準備中の上乗せコマンドを受信することにより、今回選択された上乗せゲーム数が付与されたことを示す演出が実行されるようにする。
ステップS2801にて否定判定をした場合、ステップS2804にて否定判定をした場合、又はステップS2806の処理を実行した場合、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が成立したか否かを判定する(ステップS2807)。第2RTリプレイ入賞が成立している場合(ステップS2807:YES)、準備状態ST8からART状態ST9への移行契機が発生したことを意味するため、ART開始用処理を実行する(ステップS2808)。ART開始用処理では、遊技終了時の対応処理(図44)にてステップS1707のART状態処理が実行されるようにするための主側RAM74の情報の設定を行う。これにより、遊技状態がART状態ST9となる。
また、ART開始用処理では、準備状態ST8が開始される前における遊技状態がボーナス状態であって当該ボーナス状態の直前の遊技状態がART状態ST9である場合、ART状態ST9に復帰したことを意味するため、ボーナス状態に移行する直前のART状態ST9における遊技状況に復帰させるための設定を行う。但し、ボーナス状態においてART状態ST9の継続ゲーム数の上乗せが発生している場合には当該上乗せゲーム数が加算された状態からART状態ST9に復帰することとなる。また、ART開始用処理では、今回の準備状態ST8が、BB状態ST3、RB状態ST4、本前兆状態ST6又はチャンス状態ST7においてART状態ST9への移行当選となったことを契機としている場合には、ART状態ST9の開始ゲーム数である50ゲームの情報を主側RAM74のARTゲーム数カウンタに加算する。この場合、準備状態ST8の前の遊技状態がボーナス状態であるとともに当該ボーナス状態においてART状態ST9への移行当選だけではなくART状態ST9の残りの継続ゲーム数の上乗せ当選が発生している場合には、その上乗せ当選となったことに付与された継続ゲーム数が加算された状態でART状態ST9が開始されることとなる。また、準備状態ST8においてART状態ST9の残りの継続ゲーム数の上乗せ当選が発生している場合には、その上乗せ当選となったことに付与された継続ゲーム数が加算された状態でART状態ST9が開始されることとなる。
その後、ART状態ST9への移行が発生したことを示すART開始コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2809)。ART開始コマンドには今回のART状態ST9への移行がART状態ST9への復帰に該当するか否かを示す情報が設定されているとともに、ART状態ST9への復帰に該当しない場合にはART状態ST9の開始ゲーム数として50ゲームが付与されたことを示す情報が設定されている。演出側MPU92はART開始コマンドを受信することにより、ART状態ST9が開始されたことを示す演出が実行されるようにするとともに、当該演出が終了した後にART状態ST9に対応する演出が実行されるようにする。また、演出側MPU92はART状態ST9の復帰に該当する場合には前回ART状態ST9が途中で終了したタイミングにおける演出の実行状態が再開されるようにする。
<ART状態ST9における上乗せについて>
次に、ART状態ST9における上乗せについて説明する。
図61(a)はART状態ST9において主側MPU72にて利用される主側RAM74の記憶エリアの内容を説明するための説明図である。図61(a)に示すように主側RAM74にはARTゲーム数カウンタ121とBループ継続カウンタ122と仮設定フラグ123とが設けられている。ARTゲーム数カウンタ121はART状態ST9の残りの継続ゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。Bループ継続カウンタ122はART状態ST9の継続ゲーム数が各ゲームにおいて上乗せされる状態である後述するBループが継続しているゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。仮設定フラグ123はART状態ST9において1ゲームが開始される場合に役の抽選処理(図17)の前に実行される常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となったか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
図61(b)はART状態ST9において演出側MPU92にて利用される演出側RAM94の記憶エリアの内容を説明するための説明図である。図61(b)に示すように演出側RAM94にはART減算対象カウンタ125と表示用カウンタ126とストックゲーム数カウンタ127と特別上乗せ演出のストックエリア128とが設けられている。
ART減算対象カウンタ125は、ART状態ST9において1ゲームが実行される度に演出側MPU92により1減算されるカウンタである。ART減算対象カウンタ125の値が「0」となった場合にはART状態ST9が終了するか否かを示す演出が実行される。
表示用カウンタ126は、ART減算対象カウンタ125と同様にART状態ST9において1ゲームが実行される度に演出側MPU92により1減算されるカウンタである。ART状態ST9においては表示用カウンタ126に設定されている値がART状態ST9の残りの継続ゲーム数として画像表示装置63に表示される。
ストックゲーム数カウンタ127は、ART状態ST9の実際の残りの継続ゲーム数とART減算対象カウンタ125の値との差分が設定されるカウンタである。換言すればストックゲーム数カウンタ127は遊技者には報知されていないものの実際には獲得しているART状態ST9の残りの継続ゲーム数を演出側MPU92にて特定するためのカウンタである。
特別上乗せ演出のストックエリア128は、ART状態ST9の継続ゲーム数が複数ゲームに亘って上乗せされるかのような演出である特別上乗せ演出を実行すべきことを示す情報及び当該特別上乗せ演出の種類の情報を記憶するためのエリアである。
次に、主側MPU72にて実行される上乗せ用処理について図62のフローチャートを参照しながら説明する。なお、上乗せ用処理は役の抽選処理(図17)におけるステップS619にて実行される。このステップS619の処理はゲームの開始時において役の当否判定が完了した後に実行される。
まずART状態ST9であるか否かを判定する(ステップS2901)。ART状態ST9ではない場合にはステップS2902以降の処理を実行しない。これにより、ART状態ST9以外の遊技状態においてはステップS2902以降の処理は実行されないこととなる。
ここで、例えばART状態ST9の途中でいずれかのBB当選データ又はRB当選データが設定されることがあるが、これらボーナス当選データが設定されたボーナス内部状態ST2においてはステップS2902以降の処理は実行されない。なお、有利区間SC2においてボーナス内部状態ST2となったとしても既に説明したような通常区間SC1への移行条件が成立しない限り有利区間SC2に維持されるとともに、その後のボーナス状態においても有利区間SC2は維持される。また、ART状態ST9の途中でBB状態ST3又はRB状態ST4に移行した場合、その移行がボーナス内部状態ST2を経由したか否かに関係なくステップS2902以降の処理は実行されない。この場合、当該ボーナス状態の終了後には準備状態ST8を経由してART状態ST9に復帰することとなるが、ART状態ST9に復帰した場合にはART状態ST9の状況はART状態ST9が途中で中断される直前の状況となる。例えば後述するAループの途中でART状態ST9が中断された場合にはART状態ST9への復帰後はAループが再開され、後述するBループの途中でART状態ST9が中断された場合にはART状態ST9への復帰後はBループが再開される。これは演出側MPU92における演出についても同様である。
ART状態ST9である場合であって(ステップS2901:YES)、ステップS2902~ステップS2905の処理を実行した場合、ステップS2906以降の処理を実行する。ステップS2906以降の処理では、ART状態ST9の継続ゲーム数を上乗せするか否かを決定するための処理として、直上乗せの発生抽選処理と、Aループの発生抽選処理と、Bループの発生抽選処理とを実行する。直上乗せとは、直上乗せ用の抽選処理にて直上乗せ当選となったゲームにおいてのみ上乗せが発生する上乗せ態様であって、その上乗せゲーム数が遊技者に報知される上乗せ態様である。これに対して、Aループ及びBループは継続抽選処理において継続当選となっている間は各ゲームにて固定の上乗せゲーム数(具体的には50ゲーム)が付与される上乗せ状態である。但し、Aループ及びBループにおいて上乗せゲーム数が付与されたとしてもその上乗せゲーム数が即座に遊技者に報知されることはなく、報知条件が成立した場合にその上乗せゲーム数が遊技者に報知される。また、AループとBループとはこれらの上乗せ状態への移行条件が相違しているとともに、上乗せゲーム数の遊技者への報知態様も相違している。
ステップS2906では直上乗せ用処理を実行する。直上乗せ用処理ではART状態ST9の継続ゲーム数を今回のゲームにおいて上乗せするか否かを決定するとともに、上乗せを発生させる場合にはその上乗せゲーム数を決定する。直上乗せ用処理では通常処理(図13)のステップS406にて実行される常時抽選処理の処理結果を踏まえて上乗せゲーム数を決定することがある。そこで、まず常時抽選処理について説明する。図63は常時抽選処理を示すフローチャートである。
まずART状態ST9であるか否かを判定する(ステップS3001)。ART状態ST9ではない場合(ステップS3001:NO)、そのまま本常時抽選処理を終了する。これにより、ART状態ST9以外の遊技状態である場合にはステップS3002以降の処理が実行されないこととなる。
ART状態ST9である場合(ステップS3001:YES)、主側ROM73から共通上乗せテーブルを読み出す(ステップS3002)。図64(a)は共通上乗せテーブルの内容を説明するための説明図である。共通上乗せテーブルには直上乗せ当選となる確率が5%となるように当選対応の乱数が設定されている。また、直上乗せ当選となった場合における上乗せゲーム数は1種類のみ設定されており具体的には10ゲームとなっている。ここで、常時抽選処理は通常処理(図13)において役の抽選処理(図17)が実行される前に実行される。したがって、役の抽選処理(図17)の結果とは無関係に常時抽選処理が実行される。つまり、役の抽選処理(図17)にていずれの役にも当選しなかった場合及びいずれかの役に当選した場合のいずれであっても同一の態様で常時抽選処理が実行されるとともに、役の抽選処理(図17)にて当選となった役の種類がいずれであっても同一の態様で常時抽選処理が実行される。
その後、乱数取得処理を実行する(ステップS3003)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。常時抽選処理では第3専用乱数回路102cから第15ラッチレジスタ103oに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第3専用乱数回路102cにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで第3専用乱数回路102cにより第15ラッチレジスタ103oに書き込まれた乱数を取得することとなる。
その後、ステップS3003にて取得した乱数をステップS3002にて読み出した共通上乗せテーブルに対して照合することにより、直上乗せ当選となったか否かを判定する(ステップS3004)。既に説明したとおり共通上乗せテーブルには直上乗せ当選となる当選対応の乱数が設定されているため、ステップS3004ではステップS3003にて取得した乱数が共通上乗せテーブルに設定されている当選対応の乱数のいずれかと一致するか否かを判定する。ステップS3004にて肯定判定をした場合には主側RAM74の仮設定フラグ123に「1」を設定する(ステップS3005)。
次に、図65のフローチャートを参照しながら直上乗せ用処理について説明する。直上乗せ用処理は上乗せ用処理(図62)のステップS2906にて実行される。
ステップS3101では、今回の役の抽選処理(図17)にて「4」,「6」,「8」,「15」のいずれかの当選番号が設定されたか否かを判定する。ステップS3101にて肯定判定をした場合にはステップS3102~ステップS3107に示す役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理を実行し、ステップS3101にて否定判定をした場合にはステップS3102~ステップS3107の処理を実行しない。
「4」,「6」,「8」,「15」の当選番号には「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一となるインデックス値IVが対応付けられている。つまり、役の抽選処理(図17)にて「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一となるインデックス値IVに当選した場合にはステップS3102~ステップS3107に示す役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理を実行し、役の抽選処理(図17)にて外れ結果となった場合又は「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVに当選した場合には当該上乗せ抽選処理を実行しない。このように役の抽選処理(図17)にて「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一となるインデックス値IVに当選したことを条件として、ステップS3102~ステップS3107に示す役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理が実行される構成とすることで、当該上乗せ抽選処理にて選択された上乗せゲーム数が付与されたことに基づき設定値を予測しようとしてもそれを不可とすることが可能となる。
役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理では、まず主側ROM73から直上乗せテーブルを読み出す(ステップS3102)。図64(b)は直上乗せテーブルの内容を説明するための説明図である。直上乗せテーブルには「4」,「6」,「8」,「15」の当選番号のそれぞれに対応させて当選確率及び当選となった場合における上乗せゲーム数の範囲が設定されている。
具体的には、「4」の当選番号に対しては当選確率が10%となるように当選対応の乱数が設定されているとともに、上乗せゲーム数として15ゲーム~30ゲームが設定されている。15ゲーム~30ゲームの上乗せゲーム数は15ゲーム、20ゲーム、25ゲーム、30ゲームであり、直上乗せ当選となる当選対応の乱数はこれら上乗せゲーム数のいずれかに対応付けられている。「6」の当選番号に対しては当選確率が25%となるように当選対応の乱数が設定されているとともに、上乗せゲーム数として20ゲーム~40ゲームが設定されている。20ゲーム~40ゲームの上乗せゲーム数は20ゲーム、25ゲーム、30ゲーム、35ゲーム、40ゲームであり、直上乗せ当選となる当選対応の乱数はこれら上乗せゲーム数のいずれかに対応付けられている。「8」の当選番号に対しては当選確率が60%となるように当選対応の乱数が設定されているとともに、上乗せゲーム数として25ゲーム~50ゲームが設定されている。25ゲーム~50ゲームの上乗せゲーム数は25ゲーム、30ゲーム、40ゲーム、50ゲームであり、直上乗せ当選となる当選対応の乱数はこれら上乗せゲーム数のいずれかに対応付けられている。「15」の当選番号に対しては当選確率が100%となるように当選対応の乱数が設定されているとともに、上乗せゲーム数として50ゲーム~100ゲームが設定されている。50ゲーム~100ゲームの上乗せゲーム数は50ゲーム、100ゲームであり、直上乗せ当選となる当選対応の乱数はこれら上乗せゲーム数のいずれかに対応付けられている。
上記のとおり直上乗せテーブルを利用して上乗せ抽選処理が実行される場合、直上乗せ当選となる確率は常時抽選処理(図63)において共通上乗せテーブルを利用して上乗せ抽選処理が実行される場合に直上乗せ当選となる確率よりも高い確率となっている。また、直上乗せ当選となることで選択される上乗せゲーム数は、直上乗せテーブルを利用して上乗せ抽選処理が実行される場合の方が常時抽選処理(図63)において共通上乗せテーブルを利用して上乗せ抽選処理が実行される場合よりも多いゲーム数となっている。これにより、直上乗せテーブルを利用して上乗せ抽選処理が実行されることの有利度を常時抽選処理が実行されることの有利度よりも高くすることが可能となる。
なお、直上乗せテーブルを利用して上乗せ抽選処理が実行されることの有利度を常時抽選処理が実行されることの有利度よりも高くする上では、直上乗せテーブルを利用して上乗せ抽選処理が実行される場合に選択される上乗せゲーム数の期待値を、常時抽選処理において共通上乗せテーブルを利用して上乗せ抽選処理が実行される場合に選択される上乗せゲーム数の期待値よりも高くする構成としてもよい。この場合、直上乗せテーブルを利用して上乗せ抽選処理が実行される場合に選択される上乗せゲーム数として、共通上乗せテーブルを利用して上乗せ抽選処理が実行される場合に選択される上乗せゲーム数よりも少ないゲーム数が設定されている構成としてもよい。
ステップS3102の処理を実行した後は、乱数取得処理を実行する(ステップS3103)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。直上乗せ用処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。
その後、ステップS3103にて取得した乱数をステップS3102にて読み出した直上乗せテーブルに対して照合することにより、直上乗せ当選となったか否かを判定する(ステップS3104)。いずれかの上乗せゲーム数に該当している場合(ステップS3104:YES)、上乗せ設定処理を実行する(ステップS3105)。上乗せ設定処理では、主側RAM74に設けられたARTゲーム数カウンタ121に今回選択された抽選結果に対応する上乗せゲーム数の値を加算する。その後、ART状態ST9の継続ゲーム数が上乗せされたことを示す直上乗せコマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS3106)。当該直上乗せコマンドには今回発生した上乗せゲーム数の情報が設定されているとともに有利継続カウンタに記憶されている有利区間SC2の継続ゲーム数の情報も設定されている。演出側MPU92は直上乗せコマンドを受信することにより、今回選択された上乗せゲーム数が付与されたことを示す演出が実行されるようにする。
その後、主側RAM74の仮設定フラグ123を「0」クリアする(ステップS3107)。仮設定フラグ123には既に説明したとおり常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となることで「1」が設定される。この場合に、ステップS3107にて仮設定フラグ123を「0」クリアする構成とすることで、常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となったとしても、役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理にて直上乗せ当選となった場合には常時抽選処理(図63)における直上乗せ当選の結果が無効化されることとなる。これにより、上乗せゲーム数が重複して付与されないようにすることが可能となるとともに、遊技者の有利度が高い側の上乗せゲーム数を付与対象とすることが可能となる。
ステップS3101にて否定判定をした場合、又はステップS3104にて否定判定をした場合、主側RAM74の仮設定フラグ123に「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS3108)。つまり、常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となっているか否かを判定する。ステップS3108にて肯定判定をした場合、上乗せ設定処理を実行する(ステップS3109)。具体的には、主側RAM74に設けられたARTゲーム数カウンタ121に常時抽選処理(図63)にて選択される固定の上乗せゲーム数である「10」の値を加算する。その後、ART状態ST9の継続ゲーム数が上乗せされたことを示す直上乗せコマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS3110)。当該直上乗せコマンドには今回発生した上乗せゲーム数の情報が設定されているとともに有利継続カウンタに記憶されている有利区間SC2の継続ゲーム数の情報も設定されている。演出側MPU92は直上乗せコマンドを受信することにより、今回選択された上乗せゲーム数が付与されたことを示す演出が実行されるようにする。その後、主側RAM74の仮設定フラグ123を「0」クリアする(ステップS3111)。
図66は常時抽選処理(図63)及び直上乗せ用処理(図65)により上乗せゲーム数の直上乗せが発生する様子を示すタイムチャートである。図66(a)は1ゲームの実行期間を示し、図66(b)は常時抽選処理(図63)が実行されるタイミングを示し、図66(c)は役の抽選処理(図17)が実行されるタイミングを示し、図66(d)は役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理が実行されるタイミングを示し、図66(e)は主側RAM74のARTゲーム数カウンタ121に上乗せゲーム数の加算が行われるタイミングを示す。
まず常時抽選処理(図63)及び役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理の両方が実行される場合について説明する。
図66(a)に示すようにt1のタイミングで1ゲームが新たに開始されることで、図66(b)に示すように当該t1のタイミングで常時抽選処理(図63)が実行されるとともに、その後のt2のタイミングで図66(c)に示すように役の抽選処理(図17)が実行される。この場合、役の抽選処理(図17)にて「4」,「6」,「8」,「15」の当選番号のいずれかが選択される。したがって、その後のt3のタイミングで図66(d)に示すように役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理が実行される。
この場合、当該上乗せ抽選処理にて直上乗せ当選となった場合には当該上乗せ抽選処理にて選択された上乗せゲーム数が図66(e)に示すように主側RAM74のARTゲーム数カウンタ121に加算される。一方、上乗せ抽選処理にて直上乗せ当選とならなかった場合であってもその前に実行されている常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となっている場合には固定の上乗せゲーム数が図66(e)に示すように主側RAM74のARTゲーム数カウンタ121に加算される。
次に、常時抽選処理(図63)が実行される一方、役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理が実行されない場合について説明する。
図66(a)に示すようにt4のタイミングで1ゲームが新たに開始されることで、図66(b)に示すように当該t4のタイミングで常時抽選処理(図63)が実行されるとともに、その後のt5のタイミングで図66(c)に示すように役の抽選処理(図17)が実行される。この場合、役の抽選処理(図17)にて「4」,「6」,「8」,「15」の当選番号のいずれもが選択されない。したがって、今回のゲームでは図66(d)に示すように役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理が実行されない。
但し、t4のタイミングで実行された常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となっている。したがって、t6のタイミングで図66(e)に示すように固定の上乗せゲーム数が主側RAM74のARTゲーム数カウンタ121に加算される。
上記のとおり役の抽選処理(図17)とは無関係に常時抽選処理(図63)が実行される。これにより、役の抽選処理(図17)がいずれの結果であったとしてもART状態ST9において上乗せゲーム数が付与され得るようにすることが可能となる。よって、ART状態ST9の各ゲームにおいて上乗せゲーム数の付与を遊技者に期待させることが可能となる。
役の抽選処理(図17)の結果が所定の結果であった場合には当該役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理が実行される。そして、当該上乗せ抽選処理にて直上乗せ当選となった場合には常時抽選処理(図63)の結果に関係なく当該上乗せ抽選処理にて選択された上乗せゲーム数が付与される。これにより、役の抽選処理(図17)の結果に対応する態様で上乗せゲーム数が付与される状況を生じさせることが可能となる。
上乗せ用処理(図62)の説明に戻り、直上乗せ用処理(ステップS2906)を実行した後は、役の抽選処理(図17)にて「4」~「8」、「15」,「16」のいずれかの当選番号が設定されたか否かを判定する(ステップS2907)。ステップS2907にて肯定判定をした場合、主側RAM74のAループフラグ及びBループフラグのいずれかに「1」が設定されているか否かを判定することで、現状がAループ中及びBループ中のいずれかであるかを判定する(ステップS2908)。ステップS2908にて否定判定をした場合、Aループの発生抽選処理を実行する。具体的には、まずAループ抽選テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS2909)。Aループ抽選テーブルは今回のAループの発生抽選処理の実行契機となった当選番号がいずれであっても共通となっているとともに、「1」~「6」の設定値の間において共通となっている。
図67(a)はAループ抽選テーブルを説明するための説明図である。Aループ抽選テーブルには抽選結果として、外れ結果と、第1継続抽選テーブルの選択結果と、第2継続抽選テーブルの選択結果と、第3継続抽選テーブルの選択結果と、第4継続抽選テーブルの選択結果とが存在している。Aループの発生抽選処理において第1~第4継続抽選テーブルのいずれかが選択された場合にAループの発生当選となる。また、Aループ抽選テーブルでは第1~第4継続抽選テーブルのそれぞれの選択率が同一となっているが、これに限定されることはなく選択率が相互に異なっている構成としてもよい。なお、Aループの発生抽選処理の実行契機となった当選番号の種類に応じてAループの発生当選となる確率が相違している構成としてもよい。例えば当選確率が低い当選番号の方がAループの発生当選となる確率が高くなるようにAループ抽選テーブルが設定されている構成としてもよい。また、Aループ抽選テーブルは「1」~「6」の設定値の間において共通となっているが、設定値に応じてAループの発生当選となる確率が相違している構成としてもよい。
第1~第4継続抽選テーブルには図67(b)に示すようにAループが継続したゲーム数に応じたAループの継続率を定めるデータが設定されている。この場合、第1~第4継続抽選テーブルの種類に応じて継続率の設定態様が相違している。具体的には、1ゲーム目の継続率として、第1継続抽選テーブルでは90%が設定されており第2継続抽選テーブルでは50%が設定されており第3継続抽選テーブルでは30%が設定されており第4継続抽選テーブルでは10%が設定されている。2ゲーム目の継続率として、第1継続抽選テーブルでは10%が設定されており第2継続抽選テーブルでは20%が設定されており第3継続抽選テーブルでは30%が設定されており第4継続抽選テーブルでは90%が設定されている。3ゲーム目の継続率として、第1継続抽選テーブルでは10%が設定されており第2継続抽選テーブルでは20%が設定されており第3継続抽選テーブルでは30%が設定されており第4継続抽選テーブルでは30%が設定されている。4ゲーム目~10ゲーム目の継続率として、第1継続抽選テーブルでは10%が設定されており第2継続抽選テーブルでは20%が設定されており第3継続抽選テーブルでは30%が設定されており第4継続抽選テーブルでは10%が設定されている。そして、Aループが11ゲーム目に突入した場合には再度1ゲーム目の継続率が使用対象となる。つまり、10ゲームを1周期として各周期において使用対象の継続抽選テーブルがループさせて使用される。
上乗せ用処理(図62)の説明に戻り、ステップS2909にてAループ抽選テーブルを読み出した後は乱数取得処理を実行する(ステップS2910)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。Aループの発生抽選処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。そして、ステップS2910にて取得した乱数をステップS2909にて読み出したAループ抽選テーブルに対して照合することにより、Aループの発生当選となったか否かを判定する(ステップS2911)。
Aループの発生当選となった場合(ステップS2911:YES)、主側RAM74のAループフラグに「1」を設定する(ステップS2912)。これにより、次回のゲームからAループによる上乗せが発生することとなる。また、ステップS2911にてAループ抽選テーブルを用いて選択した継続抽選テーブルを主側RAM74に記憶させる(ステップS2913)。
その後、ARTゲーム数カウンタ121の加算処理を実行する(ステップS2914)。当該加算処理ではARTゲーム数カウンタ121に「10」を加算する。これにより、ART状態ST9の残りの継続ゲーム数が「0」となるゲームにてAループの発生当選となった場合にはART状態ST9を継続させてAループによる上乗せを発生させることが可能となる。また、10ゲームは直上乗せ当選となった場合にも選択され得るゲーム数である。これにより、Aループの発生当選となったことを契機として10ゲームの上乗せが発生した場合に、それが直上乗せによるものか、Aループの発生当選によるものかを遊技者が区別できないようにすることが可能となる。
その後、Aループに当選したことを示すAループ当選コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2915)。Aループ当選コマンドにはAループに当選したことを示す情報だけではなく、ART状態ST9の継続ゲーム数が「10」加算されたことを示す情報及び有利継続カウンタに記憶されている有利区間SC2の継続ゲーム数の情報も設定されている。演出側MPU92はAループ当選コマンドを受信することにより、ART状態ST9の継続ゲーム数の特別上乗せが発生することを遊技者に期待させるための期待演出が実行されるようにする。
一方、ステップS2907にて否定判定をした場合、主側RAM74のAループフラグ及びBループフラグのいずれかに「1」が設定されているか否かを判定することで、現状がAループ中及びBループ中のいずれかであるかを判定する(ステップS2916)。ステップS2916にて否定判定をした場合、主側RAM74に設けられた周期カウンタの値が周期基準値以上となったか否かを判定する(ステップS2917)。周期カウンタはBループの発生抽選処理を実行するタイミングを主側MPU72にて特定するためのカウンタであり、ART状態ST9であってAループ及びBループのいずれでもない状況において新たなゲームが開始された場合に1加算され、Bループの発生抽選処理が実行されることで「0」クリアされる。周期基準値としては「100」が設定されている。したがって、ART状態ST9であってAループ及びBループのいずれでもない状況において100ゲーム以上のゲームが実行された場合にBループの発生抽選処理が実行されることとなる。
ここで、周期カウンタの値が周期基準値以上となったとしても直上乗せの発生抽選処理又はAループの発生抽選処理が実行される場合にはBループの発生抽選処理は実行されない。これにより、1ゲームの開始時に重複して発生する抽選処理の数を抑えることが可能となる。よって、主側MPU72の処理負荷を軽減することが可能となる。
周期カウンタの値が周期基準値以上となっている場合(ステップS2917:YES)、ステップS2919以降のBループの発生抽選処理を実行する。また、周期カウンタの値が周期基準値以上となっていない場合であっても役の抽選処理(図17)にて「41」の当選番号が設定されている場合にも(ステップS2918:YES)、ステップS2919以降のBループの発生抽選処理を実行する。「41」の当選番号は第2RTモード用抽選テーブル(図22)におけるインデックス値IV=17に対応しており、当該役には通常リプレイ当選データのみが設定されている。
Bループの発生抽選処理では、まずBループ抽選テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS2919)。Bループ抽選テーブルは今回のBループの発生抽選処理の実行契機となった当選番号がいずれであっても共通となっているとともに、「1」~「6」の設定値の間において共通となっている。
図67(c)はBループ抽選テーブルを説明するための説明図である。Bループ抽選テーブルには抽選結果として、外れ結果と、第5継続抽選テーブルの選択結果と、第6継続抽選テーブルの選択結果と、第7継続抽選テーブルの選択結果と、第8継続抽選テーブルの選択結果とが存在している。Bループの発生抽選処理において第5~第8継続抽選テーブルのいずれかが選択された場合にBループの発生当選となる。この場合、Bループの発生当選となる確率はAループの発生当選となる確率よりも低く設定されているが、Bループの発生当選となる確率がAループの発生当選となる確率と同一又は略同一である構成としてもよく、Bループの発生当選となる確率がAループの発生当選となる確率よりも高く設定されている構成としてもよい。また、Bループ抽選テーブルでは第5~第8継続抽選テーブルのそれぞれの選択率が同一となっているが、これに限定されることはなく選択率が相互に異なっている構成としてもよい。
なお、周期カウンタの値が周期基準値以上となった場合と役の抽選処理(図17)にて「41」の当選番号が設定された場合とでBループの発生当選となる確率が相違している構成としてもよい。例えば、前者の方が後者の場合よりもBループの発生当選となる確率が高い構成としてもよく、前者の方が後者の場合よりもBループの発生当選となる確率が低い構成としてもよい。また、Bループ抽選テーブルは「1」~「6」の設定値の間において共通となっているが、設定値に応じてBループの発生当選となる確率が相違している構成としてもよい。
第5~第8継続抽選テーブルには、図67(b)に示すようにBループが継続したゲーム数に応じたBループの継続率を定めるデータが設定されている。この場合、第5~第8継続抽選テーブルの種類に応じて継続率の設定態様が相違している。具体的には、1ゲーム目の継続率として、第5継続抽選テーブルでは10%が設定されており第6継続抽選テーブルでは100%が設定されており第7継続抽選テーブルでは25%が設定されており第8継続抽選テーブルでは60%が設定されている。2ゲーム目の継続率として、第5継続抽選テーブルでは90%が設定されており第6継続抽選テーブルでは50%が設定されており第7継続抽選テーブルでは80%が設定されており第8継続抽選テーブルでは60%が設定されている。3ゲーム目の継続率として、第5継続抽選テーブルでは90%が設定されており第6継続抽選テーブルでは100%が設定されており第7継続抽選テーブルでは80%が設定されており第8継続抽選テーブルでは60%が設定されている。4ゲーム目~10ゲーム目の継続率として、第5継続抽選テーブルでは90%が設定されており第6継続抽選テーブルでは50%が設定されており第7継続抽選テーブルでは80%が設定されており第8継続抽選テーブルでは60%が設定されている。そして、Bループが11ゲーム目に突入した場合には再度1ゲーム目の継続率が使用対象となる。つまり、10ゲームを1周期として各周期において使用対象の継続抽選テーブルがループさせて使用される。
上乗せ用処理(図62)の説明に戻り、ステップS2919にてBループ抽選テーブルを読み出した後は乱数取得処理を実行する(ステップS2920)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。Bループの発生抽選処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。そして、ステップS2920にて取得した乱数をステップS2919にて読み出したBループ抽選テーブルに対して照合することにより、Bループの発生当選となったか否かを判定する(ステップS2921)。
Bループの発生当選となった場合(ステップS2921:YES)、主側RAM74のBループフラグに「1」を設定する(ステップS2922)。これにより、次回のゲームからBループによる上乗せが発生することとなる。また、ステップS2921にてBループ抽選テーブルを用いて選択した継続抽選テーブルを主側RAM74に記憶させる(ステップS2923)。
その後、ARTゲーム数カウンタ121の加算処理を実行する(ステップS2924)。当該加算処理ではARTゲーム数カウンタ121に「10」を加算する。これにより、ART状態ST9の残りの継続ゲーム数が「0」となるゲームにてBループの発生当選となった場合にはART状態ST9を継続させてBループによる上乗せを発生させることが可能となる。
ステップS2924ではBループに当選したことを示すコマンドではなく10ゲームの上乗せに対応する直上乗せコマンドを送信する。なお、当該直上乗せコマンドには有利継続カウンタに記憶されている有利区間SC2の継続ゲーム数の情報も設定されている。演出側MPU92は当該直上乗せコマンドを受信することにより、10ゲームの上乗せゲーム数が付与されたことを示す演出が実行されるようにする。その一方、Bループに当選したことに対応する演出は実行しない。これにより、遊技者が認識していない状況において内部的にART状態ST9の継続ゲーム数が上乗せされていく状況を生じさせることが可能となる。ちなみに、10ゲームは直上乗せ当選となった場合にも選択され得るゲーム数である。これにより、Bループの発生当選となったことを契機として10ゲームの上乗せが発生した場合に、それが直上乗せによるものか、Bループの発生当選によるものかを遊技者が区別できないようにすることが可能となる。
次に、主側MPU72にて実行されるAループ用処理について図68のフローチャートを参照しながら説明する。Aループ用処理は、上乗せ用処理(図62)において主側RAM74のAループフラグに「1」が設定されている場合に(ステップS2902:YES)、ステップS2903にて実行される。なお、既に説明したとおり上乗せ用処理はゲームの開始時において役の当否判定が完了した後に実行されるため、Aループ用処理もゲームの開始時において役の当否判定が完了した後に実行される。
まず主側RAM74のARTゲーム数カウンタ121に「50」を加算する(ステップS3201)。つまり、Aループにおいては1ゲームが実行される度にART状態ST9の継続ゲーム数に50ゲームが加算される。その後、Aループによる上乗せが発生したことを示すAループ加算コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS3202)。演出側MPU92はAループ加算コマンドを受信することにより演出側RAM94のストックゲーム数カウンタ127の値を加算する処理は実行するものの、Aループ加算コマンドを受信したことに対応する演出は実行しない。これにより、遊技者が認識していない状況において内部的にART状態ST9の残りの継続ゲーム数が上乗せされていく状況を生じさせることが可能となる。
その後、第1~第4継続抽選テーブルのうち主側RAM74に記憶された使用対象の継続抽選テーブルから今回のゲームの継続率に対応する継続当選値を把握する(ステップS3203)。具体的には、主側RAM74には継続率ポインタが設けられており、Aループが開始された状況においては当該継続率ポインタの値は「1」に設定されている。継続率ポインタの値が「1」である場合、第1~第4継続抽選テーブルにおける1ゲーム目に設定されている継続率が今回の使用対象の継続率となる。また、Aループにおいて1ゲームが消化される度に継続率ポインタの値が1加算される。そして、継続率ポインタの値が「2」である場合、第1~第4継続抽選テーブルにおける2ゲーム目に設定されている継続率が今回の使用対象の継続率となり、継続率ポインタの値が「3」である場合、第1~第4継続抽選テーブルにおける3ゲーム目に設定されている継続率が今回の使用対象の継続率となり、継続率ポインタの値が「4」~「10」のいずれかである場合、第1~第4継続抽選テーブルにおける4ゲーム目以降に設定されている継続率が今回の使用対象の継続率となる。また、1加算後における継続率ポインタの値が「10」を超えた場合には継続率ポインタの値は初期値である「1」に戻される。これにより、第1~第4継続抽選テーブルのうち使用対象となっている継続抽選テーブルが10ゲーム周期で繰り返し使用されることとなる。
その後、乱数取得処理を実行する(ステップS3204)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。Aループの継続抽選処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。そして、ステップS3204にて取得した乱数をステップS3203にて把握した継続率に対応する継続当選値に対して照合することにより、継続当選となったか否かを判定する(ステップS3205)。
継続当選となった場合(ステップS3205:YES)、継続率ポインタの値を1加算する(ステップS3206)。そして、1加算後における継続率ポインタの値が「10」を超えている場合には(ステップS3207:YES)、継続率ポインタの値を初期値である「1」に設定する(ステップS3208)。これにより、第1~第4継続抽選テーブルのうち使用対象となっている継続抽選テーブルが10ゲーム周期で繰り返し使用されることとなる。
一方、継続当選とならなかった場合(ステップS3205:NO)、主側RAM74のAループフラグを「0」クリアする(ステップS3209)。これにより、Aループが終了することとなる。その後、Aループが終了したことを示すAループ終了コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS3210)。演出側MPU92はAループ終了コマンドを受信することにより、Aループが終了したことに対応する処理を実行する。
以上のとおりAループにおいては、1ゲームが実行される度にART状態ST9の継続ゲーム数が50ゲーム上乗せされるとともにAループの継続抽選処理が実行される。このA継続抽選処理の継続率は第1~第4継続抽選テーブルにおいてAループにおける継続ゲーム数に応じたシナリオとして定められている。そして、Aループの継続抽選処理にて継続当選となる間はAループが継続されることとなる。これにより、AループとなることでART状態ST9の継続ゲーム数を大きく上乗せさせることが可能となる。
次に、主側MPU72にて実行されるBループ用処理について図69のフローチャートを参照しながら説明する。Bループ用処理は、上乗せ用処理(図62)において主側RAM74のBループフラグに「1」が設定されている場合に(ステップS2904:YES)、ステップS2905にて実行される。なお、既に説明したとおり上乗せ用処理はゲームの開始時において役の当否判定が完了した後に実行されるため、Bループ用処理もゲームの開始時において役の当否判定が完了した後に実行される。
まず主側RAM74のARTゲーム数カウンタ121に「50」を加算する(ステップS3301)。つまり、Bループにおいてはゲームが実行される度にART状態ST9の残りの継続ゲーム数に50ゲームが加算される。この加算されるゲーム数はAループにおいてゲームが実行される度にART状態ST9の継続ゲーム数に加算されるゲーム数と同一となっている。これにより、AループとBループとで1ゲーム毎にART状態ST9の残りの継続ゲーム数に加算されるゲーム数については有利度を同一とすることが可能となる。但し、これに限定されることはなく1ゲーム毎にART状態ST9の残りの継続ゲーム数に加算されるゲーム数が、AループとBループとで相違するものの略同一である構成としてもよく、Aループの方がBループよりも多いゲーム数である構成としてもよく、Bループの方がAループよりも多いゲーム数である構成としてもよい。
その後、主側RAM74のBループ継続カウンタ122の値を1加算する(ステップS3302)。Bループ継続カウンタ122は既に説明したとおりBループが継続しているゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
その後、Bループによる上乗せが発生したことを示すBループ加算コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS3303)。演出側MPU92はBループ加算コマンドを受信することにより演出側RAM94のストックゲーム数カウンタ127の値を加算する処理は実行するものの、Bループ加算コマンドを受信したことに対応する演出は実行しない。これにより、遊技者が認識していない状況において内部的にART状態ST9の残りの継続ゲーム数が上乗せされていく状況を生じさせることが可能となる。
その後、第5~第8継続抽選テーブルのうち主側RAM74に記憶された使用対象の継続抽選テーブルから今回のゲームの継続率に対応する継続当選値を把握する(ステップS3304)。具体的には、主側RAM74には継続率ポインタが設けられており、Bループが開始された状況においては当該継続率ポインタの値は「1」に設定されている。なお、当該継続率ポインタはAループにおいても使用されるが、AループとBループとが同時に発生することはないためAループとBループとで兼用しても問題は生じない。
継続率ポインタの値が「1」である場合、第5~第8継続抽選テーブルにおける1ゲーム目に設定されている継続率が今回の使用対象の継続率となる。また、Bループにおいて1ゲームが消化される度に継続率ポインタの値が1加算される。そして、継続率ポインタの値が「2」である場合、第5~第8継続抽選テーブルにおける2ゲーム目に設定されている継続率が今回の使用対象の継続率となり、継続率ポインタの値が「3」である場合、第5~第8継続抽選テーブルにおける3ゲーム目に設定されている継続率が今回の使用対象の継続率となり、継続率ポインタの値が「4」~「10」のいずれかである場合、第5~第8継続抽選テーブルにおける4ゲーム目以降に設定されている継続率が今回の使用対象の継続率となる。また、1加算後における継続率ポインタの値が「10」を超えた場合には継続率ポインタの値は初期値である「1」に戻される。これにより、第5~第8継続抽選テーブルのうち使用対象となっている継続抽選テーブルが10ゲーム周期で繰り返し使用されることとなる。
その後、乱数取得処理を実行する(ステップS3305)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。Bループの継続抽選処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。そして、ステップS3305にて取得した乱数をステップS3304にて把握した継続率に対応する継続当選値に対して照合することにより、継続当選となったか否かを判定する(ステップS3306)。
継続当選となった場合(ステップS3306:YES)、継続率ポインタの値を1加算する(ステップS3307)。そして、1加算後における継続率ポインタの値が「10」を超えている場合には(ステップS3308:YES)、継続率ポインタの値を初期値である「1」に設定する(ステップS3309)。これにより、第5~第8継続抽選テーブルのうち使用対象となっている継続抽選テーブルが10ゲーム周期で繰り返し使用されることとなる。
一方、継続当選とならなかった場合(ステップS3306:NO)、主側RAM74のBループフラグを「0」クリアする(ステップS3310)。これにより、Bループが終了することとなる。
その後、主側RAM74のBループ継続カウンタ122の値が21以上となっているか否かを判定する(ステップS3311)。つまり、Bループが21ゲーム以上に亘って継続したか否かを判定する。
ここで、Bループにおいては既に説明したとおり各ゲームにおいART状態ST9の継続ゲーム数に50ゲームが加算される。したがって、Bループが21ゲーム以上に亘って継続した状況は、Bループにおいて1050ゲーム以上の継続ゲーム数の上乗せが発生したことを意味する。そして、Bループにおいては継続ゲーム数の上乗せが発生したとしても当該上乗せが発生したことを報知する演出はその都度行われるのではなく、Bループが21ゲーム以上継続している状況で当該Bループが終了した場合に継続ゲーム数の上乗せをまとめて報知する演出が行われる。
この場合に、当該演出が行われるための条件としてBループの継続ゲーム数が21ゲーム以上であるという条件が設定されていることにより、1000ゲーム以上の上乗せをまとめて報知することが可能となる。つまり、1000ゲームの上乗せであればBループが20ゲーム継続することで足りるが、このBループが継続している20ゲームに亘ってART状態ST9の残りの継続ゲーム数も消化されることとなるため、仮にART状態ST9の残りの継続ゲーム数が10ゲームである状況下でBループが開始された場合にはBループの11ゲーム目からは当該Bループにおいて上乗せされたゲーム数を消化する必要が生じる。そうすると、1000ゲームの上乗せ報知を実行する前に既に当該1000ゲームの一部が消化されているため、1000ゲームの上乗せを報知する演出を実行することができなくなってしまう。これに対して、Bループにおける上乗せをまとめて報知する演出が実行される条件として、Bループが21ゲーム以上継続するという条件が設定されていることにより、20ゲームを超えた分のゲーム数によって生じる上乗せゲーム数がBループにおいて消化されたゲーム数以上となるため、1000ゲーム以上の上乗せの報知を担保することが可能となる。
Bループ継続カウンタ122の値が21以上である場合、主側RAM74の有利継続カウンタの値と主側RAM74のARTゲーム数カウンタ121の値との和が有利区間SC2の継続ゲーム数の上限ゲーム数(具体的には1500ゲーム)を超えているか否かを判定する(ステップS3312)。そして、ステップS3312を肯定判定する場合には、ステップS3313及びステップS3314の処理を実行しないことにより、1000ゲーム以上の上乗せをまとめて報知する演出は実行されない。
有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合には有利区間SC2が強制的に終了され、それに伴ってART状態ST9の残りの継続ゲーム数が残っている状況であってもART状態ST9は強制的に終了される。この場合、有利区間SC2の上限ゲーム数を超える状況であるにも関わらず当該上限ゲーム数を超える分も含めてART状態ST9の残りの継続ゲーム数の上乗せが報知されてしまうと、有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合にART状態ST9の残りの継続ゲーム数が強制的に無効化されてしまったという印象を遊技者に強く与えてしまうおそれがあり、ART状態ST9の残りの継続ゲーム数が多いほどこの印象が強くなる。これに対して、主側RAM74の有利継続カウンタの値と主側RAM74のARTゲーム数カウンタ121の値との和が有利区間SC2の継続ゲーム数の上限ゲーム数(具体的には1500ゲーム)を超えている場合には、1000ゲーム以上の上乗せをまとめて報知する演出が実行されないことにより、上記のような不利益感を遊技者に与えてしまわないにようにすることが可能となる。
ステップS3312にて否定判定をした場合、フリーズカウンタの設定処理を実行する(ステップS3313)。また、特別フリーズ演出を実行すべきことを示す特別フリーズコマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS3314)。特別フリーズコマンドにはBループにおいて継続されたゲーム数に対応する情報が含まれる。
フリーズカウンタの設定処理では、主側RAM74のフリーズカウンタに、特別フリーズ演出用のフリーズ期間(具体的には30秒)に対応する数値情報を設定する。フリーズカウンタに設定された数値情報はタイマ割込み処理(図11)におけるタイマ減算処理(ステップS208)にて定期的に減算される。Bループ用処理にてフリーズカウンタに数値が設定された場合、通常処理(図13)におけるステップS408にて待機する。これにより、新たなゲームが開始された状況であってもリール32L,32M,32Rの回転開始が待機された状態となる。このようにリール32L,32M,32Rの回転開始が待機された状態において、演出側MPU92は特別フリーズコマンドの受信に対して、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて特別フリーズ演出が実行されるようにする。特別フリーズ演出では1000ゲーム以上の上乗せをまとめて報知する演出が実行される。また、特別フリーズコマンドにはBループにおいて継続されたゲーム数に対応する情報が含まれているため、演出側MPU92は、(「Bループにおいて継続されたゲーム数」-「「Bループにおいて消化されたゲーム数」を「Bループにおいて1ゲーム毎にART状態ST9の継続ゲーム数に上乗せされるゲーム数(50ゲーム)」で除算した結果の小数点以下を切り上げた値」)×「Bループにおいて1ゲーム毎にART状態ST9の継続ゲーム数に上乗せされるゲーム数(50ゲーム)」を導出し、その導出結果を報知する。これにより、Bループにおいて消化されたゲーム数を加味したとしても、未消化である1000ゲーム以上の上乗せをまとめて報知することが可能となる。
ステップS3312にて肯定判定をした場合、又はステップS3314の処理を実行した場合、主側RAM74のBループ継続カウンタ122を「0」クリアする(ステップS3315)。
以上のとおりBループにおいては、1ゲームが実行される度にART状態ST9の残りの継続ゲーム数が50ゲーム上乗せされるとともにBループの継続抽選処理が実行される。この継続抽選処理の継続率は第5~第8継続抽選テーブルにおいてBループにおける継続ゲーム数に応じたシナリオとして定められている。そして、Bループの継続抽選処理にて継続当選となる間はBループが継続されることとなる。これにより、BループとなることでART状態ST9の残りの継続ゲーム数を大きく上乗せさせることが可能となる。また、Bループにおいて上乗せされたゲーム数は、1000ゲーム以上の上乗せを報知することができる状況であることを条件として遊技者に報知される。これにより、1000ゲーム以上の上乗せというインパクトのある上乗せ報知を積極的に提供することが可能となる。
次に、図70のフローチャートを参照しながら主側MPU72にて実行されるART状態処理について説明する。なお、ART状態処理は遊技終了時の対応処理(図44)におけるステップS1707にて実行される。遊技終了時の対応処理は1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行されるため、ART状態処理も1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行される。
まず主側RAM74のARTゲーム数カウンタ121の値を1減算する(ステップS3401)。そして、その1減算後におけるARTゲーム数カウンタ121の値が「0」であることを条件として(ステップS3402:YES)、ステップS3403以降のART終了用処理を実行する。
ART終了用処理ではまずART状態ST9の終了処理を実行する(ステップS3403)。当該終了処理では、遊技状態をART状態ST9から通常遊技状態ST1に移行させるためのデータ設定を行う。これにより、例えば遊技終了時の対応処理(図44)ではステップS1705の通常用処理が実行されることとなる。
その後、主側RAM74の有利継続カウンタの値が継続可能ゲーム数以下であるか否かを判定する(ステップS3404)。継続可能ゲーム数は1200ゲームに設定されている。つまり、有利区間SC2の継続ゲーム数が継続可能ゲーム数である1200ゲーム以下である状況においてART状態ST9の終了タイミングとなったか否かを判定する。この継続可能ゲーム数は有利区間SC2の継続ゲーム数の上限ゲーム数よりも少ないゲーム数に設定されているとともに、有利区間SC2のエンディング演出が開始される継続ゲーム数よりも少ないゲーム数に設定されている。
ステップS3404にて肯定判定をした場合、有利維持抽選テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS3405)。有利維持抽選テーブルには有利維持当選に該当する当選値が設定されている。有利維持抽選テーブルは今回終了するART状態ST9の継続ゲーム数やART状態ST9において獲得した遊技媒体数に関係なく共通となっているが、ART状態ST9の継続ゲーム数やART状態ST9において獲得した遊技媒体数に応じて選択対象が異なるように複数種類設定されている構成としてもよい。例えば、ART状態ST9の継続ゲーム数が所定ゲーム数よりも少ない場合には所定ゲーム数よりも多い場合に比べて有利維持当選となる確率が高い有利維持抽選テーブルが選択される構成としてもよく、ART状態ST9において獲得した遊技媒体数が所定数よりも少ない場合には所定数よりも多い場合に比べて有利維持当選となる確率が高い有利維持抽選テーブルが選択される構成としてもよい。この場合、ART状態ST9において得られた利益が少ないほど、ART状態ST9の終了後に有利区間SC2が維持される確率を高くすることが可能となる。
その後、乱数取得処理を実行する(ステップS3406)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。有利維持区間の発生抽選処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。そして、ステップS3406にて取得した乱数をステップS3405にて読み出した有利維持抽選テーブルに対して照合することにより、有利維持当選となったか否かを判定する(ステップS3407)。
有利維持当選となった場合(ステップS3407:YES)、主側RAM74の有利維持カウンタに有利維持ゲーム数に対応する値(具体的には「10」)を設定する(ステップS3408)。これにより、ART状態ST9が終了した後であっても有利維持ゲーム数のゲームが消化されるまでは遊技区間が有利区間SC2に維持される。その後、有利維持区間に移行したことを示す有利維持コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS3409)。演出側MPU92は有利維持コマンドを受信することにより、ART状態ST9が終了したことに対応する演出が実行されるようにするとともに、当該演出の終了後に有利維持区間に対応する演出が実行されるようにする。
ステップS3404にて否定判定をした場合、又はステップS3407にて否定判定をした場合、ART状態ST9が終了したことを示すART終了コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS3410)。演出側MPU92はART終了コマンドを受信することによりART状態ST9が終了したことに対応する演出が実行されるようにするとともに、当該演出の終了後に有利維持区間ではない通常遊技状態ST1に対応する演出が実行されるようにする。
<ART状態ST9における演出について>
次に、ART状態ST9における演出について説明する。まず図71のタイムチャートを参照しながらART状態ST9において発生する演出の概要について説明する。図71(a)はAループの実行期間を示し、図71(b)はBループの実行期間を示し、図71(c)は直上乗せの発生タイミングを示し、図71(d)は直上乗せ演出の実行期間を示し、図71(e)は特別上乗せ演出の実行期間を示し、図71(f)は特別フリーズ演出の実行期間を示し、図71(g)はストック放出演出の実行期間を示し、図71(h)はエンディング演出の実行期間を示す。
ART状態ST9においてt1のタイミングで、図71(c)に示すように主側MPU72にてART状態ST9の継続ゲーム数の直上乗せが発生する。この場合、図71(d)に示すようにt1のタイミング~t2のタイミングに亘って上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて直上乗せ演出が実行される。当該直上乗せ演出では、ART状態ST9の継続ゲーム数の直上乗せが発生したことに対応する演出が実行されるとともに、画像表示装置63では主側MPU72に決定された直上乗せのゲーム数を示す画像が表示される。
ART状態ST9においてt3のタイミングで、図71(a)に示すように主側MPU72にてAループが開始される。当該t3のタイミングでは図71(e)に示すように特別上乗せ演出は実行されないものの特別上乗せ演出の発生を遊技者に期待させる期待演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて開始される。当該期待演出は特別上乗せ演出が実行されない状況であっても実行され得る。期待演出が実行された場合には遊技者はその後に特別上乗せ演出が発生することを期待することとなる。その後、t4のタイミングで期待演出の終了タイミングとなる。この場合、図71(a)に示すように主側MPU72にてAループが継続されている状況であっても、図71(e)に示すように当該t4のタイミングまでにAループにより発生した上乗せゲーム数に対応する特別上乗せ演出が開始される。当該特別上乗せ演出は複数ゲームに亘って継続し、当該複数ゲームの各ゲームにて今回の特別上乗せ演出の実行に対応する上乗せゲーム数が分散して報知される。例えば100ゲームの上乗せに対応するとともに2ゲームに亘って継続する特別上乗せ演出であれば、各ゲームにおいて50ゲームの上乗せが報知される。
図71(e)に示すように特別上乗せ演出が実行されている状況であっても、t5のタイミングで図71(c)に示すように主側MPU72にてART状態ST9の残りの継続ゲーム数の直上乗せが発生することにより、図71(d)に示すようにt5のタイミング~t6のタイミングに亘って上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて直上乗せ演出が実行される。
図71(a)に示すようにt7のタイミングで主側MPU72におけるAループが終了する。この場合に、Aループが実行されている状況においては当該Aループにより発生した上乗せゲーム数に応じて複数回の特別上乗せ演出の実行が決定される。したがって、図71(e)に示すようにAループが終了した後においても特別上乗せ演出が継続して実行されることがある。当該特別上乗せ演出はt8のタイミングで終了する。
ART状態ST9においてt9のタイミングで、図71(b)に示すように主側MPU72にてBループが開始される。当該t9のタイミングではBループの発生に対応する演出は実行されない。図71(b)に示すようにBループが実行されている状況であっても、t10のタイミングで図71(c)に示すように主側MPU72にてART状態ST9の残りの継続ゲーム数の直上乗せが発生することにより、図71(d)に示すようにt10のタイミング~t11のタイミングに亘って上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて直上乗せ演出が実行される。
その後、図71(b)に示すようにt12のタイミングで主側MPU72にてBループが終了する。この場合、当該Bループにおける継続ゲーム数が21ゲーム以上となっている。したがって、主側MPU72において1ゲームが開始されたもののリール32L,32M,32Rの回転開始を待機する状態となるとともに、図71(f)に示すようにt12のタイミング~t13のタイミングに亘って上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて特別フリーズ演出が実行される。特別フリーズ演出ではART状態ST9の残りの継続ゲーム数の上乗せゲーム数として1000ゲーム以上の上乗せゲーム数が報知される。
その後、t14のタイミングで演出側RAM94のART減算対象カウンタ125にて計測されている減算対象の演出側継続ゲーム数が「0」となる。この場合、演出側RAM94のストックゲーム数カウンタ127に1以上の値が設定されている場合には減算対象となっていないART状態ST9の残りの継続ゲーム数が存在していることとなる。したがって、図71(g)に示すようにART状態ST9が継続することに対応するストック放出演出がt14のタイミング~t15のタイミングに亘って上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行される。
ART状態ST9においてt16のタイミングで、ART状態ST9の残りの継続ゲーム数が有利区間SC2の上限ゲーム数に到達することになるゲーム数に対応している状況において有利区間SC2の継続ゲーム数がエンディング演出の開始契機ゲーム数となる。したがって、図71(h)に示すように当該t16のタイミングで上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてエンディング演出が開始される。そして、当該エンディング演出は有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達するt17のタイミングまで継続する。
以下、上記のような各種演出の実行を可能とするための演出側MPU92における処理内容について説明する。図72は演出側MPU92にて実行される非通常用の演出制御処理を示すフローチャートである。なお、非通常用の演出制御処理は遊技状態がボーナス内部状態ST2、BB状態ST3、RB状態ST4、準備状態ST8及びART状態ST9である場合に演出側MPU92において比較的短い周期(例えば4ミリ秒)で繰り返し実行される。
主側MPU72からエンディング演出コマンドを受信している場合(ステップS3501:YES)、演出側RAM94に設けられた演出側エンディング演出フラグに「1」を設定する(ステップS3502)。そして、演出側エンディング演出フラグに「1」が設定されている場合(ステップS3503:YES)、エンディング演出用処理を実行する(ステップS3504)。当該エンディング演出用処理については後に詳細に説明する。
ステップS3503にて否定判定をした場合、主側MPU72から準備中の上乗せコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3505)。準備中の上乗せコマンドは既に説明したとおり準備状態ST8において直上乗せ抽選処理にて直上乗せ当選となることで主側MPU72から送信される。準備中の上乗せコマンドを受信している場合(ステップS3505:YES)、準備中の上乗せコマンドに設定されている今回の上乗せゲーム数を演出側RAM94のART減算対象カウンタ125及び表示用カウンタ126のそれぞれに加算する(ステップS3506)。ART減算対象カウンタ125に加算されることで今回の上乗せゲーム数がART状態ST9に移行した後の減算対象となるとともに、表示用カウンタ126に加算されることで今回の上乗せゲーム数が加算された結果の継続ゲーム数がART状態ST9に移行した後において当該ART状態ST9の残りの継続ゲーム数として画像表示装置63に表示される。
その後、準備中の上乗せ演出設定処理を実行する(ステップS3507)。準備中の上乗せ演出設定処理では、準備状態ST8においてART状態ST9の継続ゲーム数の上乗せが発生したことを示す演出の実行を可能とする上乗せテーブルを演出側ROM93から読み出す。当該上乗せテーブルは今回の上乗せゲーム数に対応している。当該上乗せテーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて直上乗せ演出が実行されるとともに、今回の上乗せゲーム数を示す画像が画像表示装置63に表示される。
なお、既に説明したとおりボーナス状態においてもART状態ST9の継続ゲーム数の上乗せが発生することがある。この場合、主側MPU72はボーナス中の上乗せコマンドを送信する。演出側MPU92は主側MPU72からボーナス中の上乗せコマンドを受信した場合、その他の演出用処理(ステップS3520)にて、ボーナス中の上乗せコマンドに設定されている今回の上乗せゲーム数を演出側RAM94のART減算対象カウンタ125及び表示用カウンタ126のそれぞれに加算する。また、ボーナス状態においてART状態ST9の継続ゲーム数の上乗せが発生したことを示す演出の実行を可能とする上乗せテーブルを読み出す。当該上乗せテーブルは今回の上乗せゲーム数に対応している。当該上乗せテーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて直上乗せ演出が実行されるとともに、今回の上乗せゲーム数を示す画像が画像表示装置63に表示される。
ステップS3505にて否定判定をした場合、又はステップS3507の処理を実行した場合、主側MPU72からART開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3508)。ART開始コマンドは既に説明したとおりART状態ST9が開始された場合に主側MPU72から送信される。ART開始コマンドを受信している場合(ステップS3508:YES)、ART開始コマンドに設定された情報に基づき、今回のART状態ST9の移行がART状態ST9への復帰に該当するか否かを判定する(ステップS3509)。
ART状態ST9への復帰に該当しない場合(ステップS3509:NO)、ART開始コマンドに設定されているART状態ST9の新たな開始に対応する開始ゲーム数(具体的には50ゲーム)を演出側RAM94のART減算対象カウンタ125及び表示用カウンタ126のそれぞれに加算する(ステップS3510)。この場合、ART状態ST9が開始される前のボーナス状態及び準備状態ST8においてART状態ST9の継続ゲーム数の上乗せが発生していない場合にはART減算対象カウンタ125及び表示用カウンタ126のそれぞれの値は開始ゲーム数に対応する「50」となる。一方、ART状態ST9が開始される前のボーナス状態及び準備状態ST8においてART状態ST9の残りの継続ゲーム数の上乗せが発生している場合にはその上乗せにより発生したゲーム数が上記開始ゲーム数に対して加算された値がART減算対象カウンタ125及び表示用カウンタ126に設定された状態となる。
ステップS3509にて肯定判定をした場合、又はステップS3510の処理を実行した場合、ART開始演出設定処理を実行する(ステップS3511)。ART開始演出設定処理では、今回がART状態ST9の復帰ではなくART状態ST9の新たな開始である場合、ART状態ST9が開始されることに対応するART開始演出テーブル及びART状態ST9に対応するART中演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。まずART開始演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてART状態ST9が開始されることに対応する演出が実行されるとともに、その後にART中演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてART状態ST9に対応する演出が実行される。この場合、画像表示装置63では表示用カウンタ126の値に対応するゲーム数がART状態ST9の残りの継続ゲーム数として表示される。
一方、ART開始演出設定処理では今回がART状態ST9の復帰である場合、ART状態ST9が中断される直前における演出の実行内容に復帰させるためのデータ設定を行う。この復帰先の演出の実行内容を特定するためのデータは、ART状態ST9が中断される場合に演出側RAM94に記憶されている。そして、当該復帰させるためのデータ設定により演出側RAM94に記憶された演出用のテーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてART状態ST9に対応する演出が再開される。この場合、画像表示装置63では表示用カウンタ126の値に対応するゲーム数がART状態ST9の残りの継続ゲーム数として表示される。
ステップS3508にて否定判定をした場合、又はステップS3511の処理を実行した場合、ステップS3512にて直上乗せ演出用処理を実行し、ステップS3513にてAループ演出用処理を実行し、ステップS3514にてBループ演出用処理を実行する。これらの処理については後に詳細に説明する。
その後、ART状態ST9である状況において主側MPU72から1ゲームの新たな開始を示すゲーム開始コマンドを受信した場合(ステップS3515及びステップS3516:YES)、演出側RAM94のART減算対象カウンタ125の値を1減算するとともに演出側RAM94の表示用カウンタ126の値を1減算する(ステップS3517)。そして、1減算後におけるART減算対象カウンタ125の値が「0」である場合(ステップS3518:YES)、ストック放出用処理を実行する(ステップS3519)。ストック放出用処理について後に詳細に説明する。
なお、非通常用の演出制御処理では上記各種処理以外にもその他の演出用処理を実行する(ステップS3520)。その他の演出用処理では、遊技状態がボーナス内部状態ST2、BB状態ST3、RB状態ST4又は準備状態ST8における演出の実行制御を行うための処理を実行する。
図73は非通常用の演出制御処理(図72)におけるステップS3512の直上乗せ演出用処理を示すフローチャートである。
まず主側MPU72から直上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS3601)。直上乗せコマンドは既に説明したとおりART状態ST9において直上乗せの発生抽選処理にて直上乗せ当選となること又はBループに設定された場合に主側MPU72から送信される。当該直上乗せコマンドには今回発生した上乗せゲーム数の情報が設定されているとともに現状の有利区間SC2の継続ゲーム数の情報も設定されている。
直上乗せコマンドを受信している場合(ステップS3601:YES)、当該直上乗せコマンドに設定されている現状の有利区間SC2の継続ゲーム数と、ART減算対象カウンタ125の値と、ストックゲーム数カウンタ127の値と、当該直上乗せコマンドに設定されている今回発生した上乗せゲーム数との和が、有利区間SC2の上限ゲーム数(具体的には「1500」)を超えているか否かを判定する(ステップS3602)。つまり、今回発生した上乗せゲーム数がART状態ST9の残りの継続ゲーム数に加算されたとしても、有利区間SC2の上限ゲーム数との関係でその加算された上乗せゲーム数の少なくとも一部が無効化されてしまうか否かを判定する。上記のとおりART減算対象カウンタ125の値だけではなくストックゲーム数カウンタ127の値も参照して有利区間SC2の上限ゲーム数を超えているか否かを判定することにより、既に付与されているものの未だ遊技者への報知対象となっていないART状態ST9の残りの継続ゲーム数(すなわちストックゲーム数カウンタ127に記憶されているゲーム数)の遊技者への報知及び消化を今回発生した直上乗せによる上乗せゲーム数よりも優先させることが可能となる。
ステップS3602にて否定判定をした場合、今回発生した上乗せゲーム数をART減算対象カウンタ125及び表示用カウンタ126のそれぞれに加算する(ステップS3603)。ART減算対象カウンタ125に加算されることで今回の上乗せゲーム数がART状態ST9において減算対象となるとともに、表示用カウンタ126に加算されることで今回の上乗せゲーム数が加算された結果の継続ゲーム数がART状態ST9の残りの継続ゲーム数として画像表示装置63に表示される。
ステップS3602にて肯定判定をした場合、今回受信した上乗せコマンドに設定されている現状の有利区間SC2の継続ゲーム数と、ART減算対象カウンタ125の値と、ストックゲーム数カウンタ127の値との和が、有利区間SC2の上限ゲーム数(具体的には「1500」)を超えているか否かを判定する(ステップS3604)。つまり、今回発生した上乗せゲーム数を加算するまでもなく、既に付与されているART状態ST9の残りの継続ゲーム数を消化することにより有利区間SC2の上限ゲーム数を超えることになるか否かを判定する。
ステップS3604にて否定判定をした場合、現状の有利区間SC2の継続ゲーム数と、ART減算対象カウンタ125の値と、ストックゲーム数カウンタ127の値との和を有利区間SC2の上限ゲーム数から減算した結果のゲーム数を今回発生した上乗せゲーム数として、ART減算対象カウンタ125及び表示用カウンタ126のそれぞれに加算する(ステップS3605)。ART減算対象カウンタ125に加算されることで今回の調整後における上乗せゲーム数がART状態ST9において減算対象となるとともに、表示用カウンタ126に加算されることで今回の調整後における上乗せゲーム数が加算された結果の継続ゲーム数がART状態ST9の残りの継続ゲーム数として画像表示装置63に表示される。今回の調整後における上乗せゲーム数をART減算対象カウンタ125及び表示用カウンタ126のそれぞれに加算することにより、有利区間SC2の上限ゲーム数の範囲内においてゲーム数の上乗せを行うことが可能となる。
ステップS3603又はステップS3605の処理を実行した場合、現状が特別上乗せ演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS3606)。特別上乗せ演出はストックゲーム数カウンタ127に記憶されているゲーム数をART状態ST9の残りの継続ゲーム数として遊技者に報知するための演出の一種である。特別上乗せ演出は例えばAループが発生した場合に行われる演出であり、既に説明したとおりART状態ST9の継続ゲーム数が複数ゲームに亘って上乗せされるかのような演出が実行される。
特別上乗せ演出の実行中ではない場合(ステップS3606:NO)、通常の直上乗せ演出設定処理を実行する(ステップS3607)。当該直上乗せ演出設定処理では、ART減算対象カウンタ125及び表示用カウンタ126に今回加算されたゲーム数の上乗せが発生したことを示す演出の実行を可能とする通常の直上乗せテーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。当該通常の直上乗せテーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて直上乗せ演出が実行されるとともに、今回の上乗せゲーム数を示す画像が画像表示装置63に表示される。
特別上乗せ演出の実行中である場合(ステップS3606:YES)、特別上乗せ演出中の直上乗せ演出設定処理を実行する(ステップS3608)。当該直上乗せ演出設定処理では、現状実行されている特別上乗せ演出を継続させながら、ART減算対象カウンタ125及び表示用カウンタ126に今回加算されたゲーム数の上乗せが発生したことを示す演出の実行を可能とする特別上乗せ演出中の直上乗せテーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。当該特別上乗せ演出中の直上乗せテーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて特別上乗せ演出が実行されている状況において直上乗せ演出が実行されるとともに、今回の上乗せゲーム数を示す画像が画像表示装置63に表示される。これにより、特別上乗せ演出が行われている状況であっても直上乗せ演出が実行されることとなるため、特別上乗せ演出が実行されている状況においては特別上乗せ演出の実行に伴う上乗せゲーム数の発生だけではなく各ゲームにおける役の抽選処理(図17)の結果に基づく上乗せゲーム数の発生も遊技者に期待させることが可能となる。
一方、ステップS3604にて肯定判定をした場合、今回発生した上乗せゲーム数をART減算対象カウンタ125、表示用カウンタ126及びストックゲーム数カウンタ127のいずれにも加算することなく、さらに直上乗せ演出も実行しない。これにより、既に有利区間SC2の上限ゲーム数を超えることが確定している場合には直上乗せ演出が実行されないようにすることが可能となる。
次に、非通常用の演出制御処理(図72)におけるステップS3513にて実行されるAループ演出用処理について、図74のフローチャートを参照しながら説明する。
まずAループによる期待演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS3701)。Aループによる期待演出とは、特別上乗せ演出が実行される前に実行される演出であり、期待演出の実行期間として3ゲームに亘って継続される。Aループによる期待演出では、この期待演出の実行期間に含まれる各ゲームにて特別上乗せ演出の発生を遊技者に期待させることを可能とする演出が実行される。このようにAループによる期待演出が実行されることにより、特別上乗せ演出の発生に対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
なお、Aループが発生しておらず特別上乗せ演出が実行されない状況であっても偽期待演出は実行され得る。Aループによる期待演出が開始される場合にはAループの発生当選に基づく10ゲームの上乗せが発生することに対応させて、偽期待演出は当該上乗せゲーム数と同一である10ゲームの上乗せとなる直上乗せ演出が実行されたことに続けて開始される。そして、当該偽期待演出もAループの期待演出と同様に期待演出の実行期間として3ゲームに亘って継続され、この期待演出の実行期間に含まれる各ゲームではAループの期待演出においても実行され得る演出が実行される。このように偽期待演出が実行されることにより、ART状態ST9において期待演出が実行された場合にはその後に特別上乗せ演出が実行されるのか否かに遊技者を注目させることが可能となる。
Aループによる期待演出の実行中ではない場合(ステップS3701:NO)、主側MPU72からAループ当選コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS3702)。Aループ当選コマンドは既に説明したとおり主側MPU72にてAループに移行する場合に当該主側MPU72から送信される。Aループ当選コマンドを受信している場合(ステップS3702:YES)、当該Aループ当選コマンドに設定されている現状の有利区間SC2の継続ゲーム数と、ART減算対象カウンタ125の値と、ストックゲーム数カウンタ127の値と、当該Aループ当選コマンドに設定されている上乗せゲーム数の情報である「10」との和が、有利区間SC2の上限ゲーム数(具体的には「1500」)を超えているか否かを判定する(ステップS3703)。
つまり、今回発生したAループ当選時の上乗せゲーム数がART状態ST9の残りの継続ゲーム数に加算されたとしても、有利区間SC2の上限ゲーム数との関係でその加算された上乗せゲーム数の少なくとも一部が無効化されてしまうか否かを判定する。上記のとおりART減算対象カウンタ125の値だけではなくストックゲーム数カウンタ127の値も参照して有利区間SC2の上限ゲーム数を超えているか否かを判定することにより、既に付与されているものの未だ遊技者への報知対象となっていないART状態ST9の残りの継続ゲーム数(すなわちストックゲーム数カウンタ127に記憶されているゲーム数)の遊技者への報知及び消化を今回新たに発生したAループの開始時の上乗せゲーム数よりも優先させることが可能となる。
ステップS3703にて肯定判定をした場合には、主側MPU72にてAループが実行されている状況であっても、Aループによる期待演出が実行されないとともに特別上乗せ演出も実行されない。これにより、既に有利区間SC2の上限ゲーム数を超えることが確定している状況であるにも関わらず、更なる継続ゲーム数の増加を報知するような演出が実行されないようにすることが可能となる。
ステップS3703にて否定判定をした場合、期待演出の開始設定処理を実行する(ステップS3704)。当該開始設定処理では、Aループ当選時の上乗せゲーム数である10ゲームの上乗せが発生したことを示す演出の実行を可能とするAループ当選時の直上乗せテーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。また、期待演出の実行期間に亘って今回実行する期待演出の実行パターンを抽選により決定しその抽選により決定された実行パターンに対応する期待演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。この場合、Aループによる期待演出では偽期待演出よりも特別上乗せ演出の実行期待度が高い演出が選択され易い。直上乗せテーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われた後に、期待演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてまず10ゲームの直上乗せ演出が実行されるとともに今回の10ゲームの上乗せゲーム数を示す画像が画像表示装置63にて表示され、その後に期待演出の実行期間に亘って期待演出が実行される。
その後、演出側RAM94に設けられた期待演出カウンタに期待演出の実行期間に対応する「3」を設定する(ステップS3705)。期待演出カウンタは、期待演出の実行中であること及び期待演出の実行期間の残りのゲーム数を演出側MPU92にて特定するためのカウンタである。期待演出カウンタに設定された値は1ゲームが新たに開始される度に1減算される。
その後、ART減算対象カウンタ125及び表示用カウンタ126のそれぞれの値を「10」加算する(ステップS3706)。ART減算対象カウンタ125に加算されることで今回の上乗せゲーム数がART状態ST9において減算対象となるとともに、表示用カウンタ126に加算されることで今回の上乗せゲーム数が加算された結果の継続ゲーム数がART状態ST9の残りの継続ゲーム数として画像表示装置63に表示される。
その後、演出側RAM94に設けられたAループ演出フラグに「1」を設定する(ステップS3707)。Aループ演出フラグは、主側MPU72がAループであるとともにAループに対応する演出を実行すべき状況であることを演出側MPU92にて特定するためのフラグである。
ステップS3702にて否定判定をした場合、ステップS3703にて肯定判定をした場合、又はステップS3707の処理を実行した場合、演出側RAM94のAループ演出フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS3708)。Aループ演出フラグに「1」が設定されている場合(ステップS3708:YES)、主側MPU72からAループ加算コマンドを受信していることを条件として(ステップS3709:YES)、ストックゲーム数カウンタ127への加算処理を実行する(ステップS3710)。Aループにおいては既に説明したとおり1ゲームが実行される度にART状態ST9の残りの継続ゲーム数に50ゲームが加算されることとなるため、ステップS3710の加算処理ではストックゲーム数カウンタ127に「50」を加算する。ステップS3709にて否定判定をした場合、又はステップS3710の処理を実行した場合、特別上乗せ演出用処理を実行する(ステップS3711)。特別上乗せ演出用処理については後に詳細に説明する。
Aループによる期待演出の実行中である場合(ステップS3701:YES)、演出側RAM94の期待演出カウンタの更新契機が発生したか否かを判定する(ステップS3712)。具体的には、1ゲームが新たに開始されたか否かを判定する。ステップS3712にて肯定判定をした場合、期待演出カウンタの値を1減算し(ステップS3713)、その1減算後における期待演出カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS3714)。期待演出カウンタの値が「0」ではない場合(ステップS3714:NO)、期待演出の更新設定処理を実行する(ステップS3715)。当該更新設定処理では、現状参照対象となっている期待演出テーブルにおいて参照すべき範囲を1ゲームの新たな開始に応じて変更する処理を実行する。これにより、期待演出の実行内容が当該期待演出の継続ゲーム数に応じて変化することとなる。
一方、期待演出カウンタの値が「0」である場合(ステップS3714:YES)、特別上乗せ演出の選択処理を実行する(ステップS3716)。図75は特別上乗せ演出の選択処理を示すフローチャートである。
まず現状の有利区間SC2の継続ゲーム数と、ART減算対象カウンタ125の値と、最低特別上乗せゲーム数との和が、有利区間SC2の上限ゲーム数(具体的には「1500」)を超えているか否かを判定する(ステップS3801)。現状の有利区間SC2の継続ゲーム数は、Aループ当選コマンドを受信した場合に当該Aループ当選コマンドから把握した有利区間SC2の継続ゲーム数に、Aループ当選コマンドを受信してから消化したゲーム数を加算することにより導出する。また、特別上乗せ演出においては既にストックゲーム数カウンタ127に記憶されているゲーム数を、ART状態ST9の継続ゲーム数への上乗せが発生したものとして遊技者に認識させるための演出が実行される。
図76は特別上乗せ演出の種類を説明するための説明図である。図76に示すように特別上乗せ演出として、25ゲームの上乗せが発生したような演出が2ゲームのそれぞれで行われることで50ゲームの上乗せを遊技者に認識可能とさせる第1特別上乗せ演出と、25ゲームの上乗せが発生したような演出が4ゲームのそれぞれで行われることで100ゲームの上乗せを遊技者に認識可能とさせる第2特別上乗せ演出と、50ゲームの上乗せが発生したような演出が2ゲームのそれぞれで行われることで100ゲームの上乗せを遊技者に認識可能とさせる第3特別上乗せ演出と、50ゲームの上乗せが発生したような演出が3ゲームのそれぞれで行われることで150ゲームの上乗せを遊技者に認識可能とさせる第4特別上乗せ演出と、50ゲームの上乗せが発生したような演出が4ゲームのそれぞれで行われることで200ゲームの上乗せを遊技者に認識可能とさせる第5特別上乗せ演出と、100ゲームの上乗せが発生したような演出が2ゲームのそれぞれで行われることで200ゲームの上乗せを遊技者に認識可能とさせる第6特別上乗せ演出と、100ゲームの上乗せが発生したような演出が3ゲームのそれぞれで行われることで300ゲームの上乗せを遊技者に認識可能とさせる第7特別上乗せ演出と、200ゲームの上乗せが発生したような演出が3ゲームのそれぞれで行われることで600ゲームの上乗せを遊技者に認識可能とさせる第8特別上乗せ演出と、が設定されている。この場合、Aループにおいては既に説明したとおり1ゲームが実行される度に50ゲームの上乗せが発生するため、第1~第8特別上乗せ演出のいずれであっても最終的に報知される上乗せゲーム数は50×nゲーム(nは1以上の整数)となっている。上記のように第1~第8特別上乗せ演出が設定されているため、最低特別上乗せゲーム数は第1特別上乗せ演出が実行される場合の50ゲームとなる。
特別上乗せ演出の選択処理(図75)の説明に戻り、ステップS3801では、今回の有利区間SC2において既に消化されたゲーム数と既にART状態ST9の残りの継続ゲーム数として遊技者に報知されたゲーム数との和を有利区間SC2の上限ゲーム数から引いたゲーム数が最低特別上乗せゲーム数以上であるか否かを判定している。そして、最低特別上乗せゲーム数以上ではない場合には特別上乗せ演出が実行されない。これにより、特別上乗せ演出が発生して上乗せゲーム数が報知されたにも関わらず、その報知された上乗せゲーム数の一部が有利区間SC2の上限ゲーム数との関係で無効化されてしまうという事象が発生しないようにすることが可能となる。
ステップS3801にて否定判定をした場合、状況に対応する特別上乗せ抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す(ステップS3802)。ここで、ストックゲーム数カウンタ127に記憶されている値に応じて実行可能となる特別上乗せ演出の数及び種類が異なる。また、今回のART状態ST9において既に消化されたゲーム数とART減算対象カウンタ125との和を有利区間SC2の上限ゲーム数から引いたゲーム数である残りの上限ゲーム数を超えない範囲となるように特別上乗せ演出の数及び種類を設定する必要がある。したがって、これらストックゲーム数カウンタ127の値及び残りの上限ゲーム数の組合せに対応する特別上乗せ抽選テーブルを演出側ROM93から読み出すこととなる。
当該特別上乗せ抽選テーブルにおいては1単位の特別上乗せ演出のみを選択する抽選結果だけではなく、複数単位の特別上乗せ演出を選択する抽選結果も存在している。例えば、ストックゲーム数カウンタ127の値が「800」であって残りの上限ゲーム数が800ゲーム以上である場合に参照される特別上乗せ抽選テーブルには、第2特別上乗せ演出→第5特別上乗せ演出→第6特別上乗せ演出→第7特別上乗せ演出という特別上乗せ演出の種類及び実行順序を決定する抽選結果が存在しているとともに、第5特別上乗せ演出→第8特別上乗せ演出という特別上乗せ演出の種類及び実行順序を決定する抽選結果が存在している。また、ストックゲーム数カウンタ127の値が「300」であって残りの上限ゲーム数が300ゲーム以上である場合に参照される特別上乗せ抽選テーブルには、第3特別上乗せ演出→第6特別上乗せ演出という特別上乗せ演出の種類及び実行順序を決定する抽選結果が存在しているとともに、第7特別上乗せ演出のみという抽選結果も存在している。
ここで、複数種類の特別上乗せ演出が選択される場合、報知される合計の上乗せゲーム数が多いゲーム数である種類の特別上乗せ演出の方が後の実行順序となる。これにより、1単位の特別上乗せ演出が終了したことに続けて1単位の特別上乗せ演出が実行される場合、後側の1単位の特別上乗せ演出では前側の1単位の特別上乗せ演出よりも多くの上乗せゲーム数が報知されることとなり、遊技者の期待感を好適に高めることが可能となる。但し、これに限定されることはなく、報知される合計の上乗せゲーム数が少ないゲーム数である種類の特別上乗せ演出の方が後の実行順序となる構成としてもよく、報知される合計の上乗せゲーム数に関係なく実行順序が設定されている構成としてもよい。
特別上乗せ抽選テーブルを読み出した後は、特別上乗せ演出の抽選処理を実行する(ステップS3803)。当該抽選処理では、演出側RAM94において定期的に更新される乱数カウンタの現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、ステップS3802にて読み出した特別上乗せ抽選テーブルに対して照合することで、今回の実行対象となる特別上乗せ演出の種類を特定するとともに、今回の実行対象となる特別上乗せ演出の種類が複数種類存在している場合にはその実行順序を特定する。
一方、ステップS3801にて肯定判定をした場合、有利区間SC2の上限ゲーム数との関係で特別上乗せ演出を実行する余地がないことを意味する。したがって、特別上乗せ演出の実行を不可とするように演出側RAM94のAループ演出フラグを「0」クリアする(ステップS3804)。
Aループ演出用処理(図74)の説明に戻り、ステップS3716にて特別上乗せ演出の選択処理を実行した後は、演出側RAM94のAループ演出フラグの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS3717)。Aループ演出フラグの値が「0」である場合(ステップS3717:YES)、有利区間SC2の上限ゲーム数との関係で特別上乗せ演出の実行が不可となっているため、ステップS3718以降の処理を実行しない。
Aループ演出フラグに「1」が設定されている場合(ステップS3717:NO)、特別上乗せ演出の設定処理を実行する(ステップS3718)。当該設定処理では、特別上乗せ演出の選択処理において選択された最初の実行対象となる特別上乗せ演出の種類を把握し、その把握した特別上乗せ演出の実行を可能とする特別上乗せ演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。この記憶された特別上乗せ演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて今回実行対象となった特別上乗せ演出が当該特別上乗せ演出に対応する継続ゲーム数に亘って実行される。
その後、演出側RAM94に設けられた特別上乗せ演出カウンタに、今回実行対象となった特別上乗せ演出に対応する継続ゲーム数の値を設定する(ステップS3719)。例えば今回実行対象となった特別上乗せ演出が第1特別上乗せ演出であれば「2」を設定し、第5特別上乗せ演出であれば「4」を設定する。特別上乗せ演出カウンタは、特別上乗せ演出の実行中であること及び特別上乗せ演出の実行期間の残りのゲーム数を演出側MPU92にて特定するためのカウンタである。特別上乗せ演出カウンタに設定された値は1ゲームが新たに開始される度に1減算される。
その後、ステップS3716における特別上乗せ演出の選択処理において複数単位の特別上乗せ演出を選択していることを条件として(ステップS3720:YES)、特別上乗せ演出のストック処理を実行する(ステップS3721)。既に説明したとおり演出側RAM94には特別上乗せ演出のストックエリア128が設けられている。当該ストックエリア128はリングバッファとして設けられており、実行が待機されている特別上乗せ演出の種類の情報をその実行順序に従って記憶することが可能となっている。
ステップS3720にて否定判定をした場合、又はステップS3721の処理を実行した場合、ステップS3716における特別上乗せ演出の選択処理にて選択された特別上乗せ演出により報知される合計の上乗せゲーム数をART減算対象カウンタ125に加算し(ステップS3722)、さらに当該合計の上乗せゲーム数をストックゲーム数カウンタ127から減算する(ステップS3723)。この場合、ステップS3716における特別上乗せ演出の選択処理にて複数単位の特別上乗せ演出が選択されている場合には、それら複数単位の特別上乗せ演出により報知される合計の上乗せゲーム数をART減算対象カウンタ125に加算するとともにストックゲーム数カウンタ127から減算する。
但し、表示用カウンタ126への加算処理は実行しない。表示用カウンタ126への加算処理は特別上乗せ演出の実行に伴って上乗せゲーム数の報知が実行される度に行われる。これにより、画像表示装置63において表示されているART状態ST9の残りの継続ゲーム数の表示内容を、特別上乗せ演出の実行に対応させることが可能となる。ステップS3723の処理を実行した後は既に説明したステップS3709~ステップS3711の処理を実行する。
次に、ステップS3711にて実行される特別上乗せ演出用処理について、図77のフローチャートを参照しながら説明する。
特別上乗せ演出の実行中である場合(ステップS3901:YES)、演出側RAM94の特別上乗せ演出カウンタの更新契機が発生したか否かを判定する(ステップS3902)。具体的には、1ゲームが新たに開始されたか否かを判定する。ステップS3902にて肯定判定をした場合、特別上乗せ演出カウンタの値を1減算する(ステップS3903)。また、現状設定されている1単位の特別上乗せ演出において今回のゲームにて報知される上乗せゲーム数を現状参照対象となっている特別上乗せ演出テーブルから把握し、その把握した上乗せゲーム数を表示用カウンタ126に加算する(ステップS3904)。これにより、画像表示装置63におけるART状態ST9の残りの継続ゲーム数の表示に、特別上乗せ演出として今回のゲームにて報知された上乗せゲーム数が加算されることとなる。また、特別上乗せ演出の更新設定処理を実行する(ステップS3905)。当該更新設定処理では、現状参照対象となっている特別上乗せ演出テーブルにおいて参照すべき範囲を1ゲームの新たな開始に応じて変更する処理を実行する。これにより、特別上乗せ演出の実行内容が当該特別上乗せ演出の継続ゲーム数に応じて変化することとなる。
その後、演出側RAM94の特別上乗せ演出カウンタの値が「0」であるか否かを判定することにより、現状実行対象となっている1単位の特別上乗せ演出が終了したか否かを判定する(ステップS3906)。ステップS3906にて否定判定をした場合、ストックゲーム数カウンタ127の値が1単位の特別上乗せ演出を新たに作成することが可能なゲーム数に対応する作成基準値以上であるか否かを判定する(ステップS3907)。作成基準値は具体的には最低特別上乗せゲーム数である50ゲームに設定されている。
ステップS3907にて肯定判定をした場合、作成抽選処理を実行する(ステップS3908)。作成抽選処理では演出側ROM93に記憶された作成抽選テーブルに対して、演出側RAM94において定期的に更新される乱数カウンタから読み出した数値情報を照合する。作成抽選テーブルは50%の確率で作成当選となるように設定されている。作成抽選処理にて作成当選となった場合(ステップS3909:YES)、特別上乗せ演出のストックを行うことが可能な状況であるか否かを判定する(ステップS3910)。
具体的には、特別上乗せ演出の選択処理(図75)におけるステップS3801と同様に、現状の有利区間SC2の継続ゲーム数と、ART減算対象カウンタ125の値と、最低特別上乗せゲーム数(具体的には「50」)との和が、有利区間SC2の上限ゲーム数(具体的には「1500」)を超えているか否かを判定するとともに、演出側RAM94における特別上乗せ演出のストックエリア128に特別上乗せ演出の情報をストックする空き領域が存在しているか否かを判定する。有利区間SC2の上限ゲーム数を超えておらず、さらに特別上乗せ演出のストックエリア128に空き領域が存在している場合、ステップS3910にて肯定判定をする。
ステップS3910にて肯定判定をした場合、途中抽選処理を実行する(ステップS3911)。途中抽選処理では、まず状況に対応する特別上乗せ抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。具体的には、ストックゲーム数カウンタ127に記憶されている値に応じて実行可能となる特別上乗せ演出の種類が異なる。また、今回のART状態ST9において既に消化されたゲーム数とART減算対象カウンタ125との和を有利区間SC2の上限ゲーム数から引いたゲーム数である残りの上限ゲーム数を超えない範囲となるように特別上乗せ演出の種類を設定する必要がある。したがって、これらストックゲーム数カウンタ127の値及び残りの上限ゲーム数の組合せに対応する特別上乗せ抽選テーブルを演出側ROM93から読み出すこととなる。この場合に、特別上乗せ演出の選択処理(図75)におけるステップS3802にて読み出される特別上乗せ抽選テーブルには一度に複数の特別上乗せ演出が選択される抽選結果が存在していたが、ステップS3911にて読み出される特別上乗せ抽選テーブルには一度に複数の特別上乗せ演出が選択される抽選結果は存在していない。途中抽選処理では、演出側RAM94において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した特別上乗せ抽選テーブルに対して照合する。これにより、今回のストック対象となる特別上乗せ演出の種類を特定する。
その後、特別上乗せ演出のストック処理を実行する(ステップS3912)。既に説明したとおり演出側RAM94には特別上乗せ演出のストックエリア128が設けられている。当該ストックエリア128はリングバッファとして設けられており、実行が待機されている特別上乗せ演出の種類の情報をその実行順序に従って記憶することが可能となっている。ステップS3912では、特別上乗せ演出のストックエリア128において空き領域のうち実行順序が最先となる領域に、ステップS3911にて選択した特別上乗せ演出の種類の情報を書き込む。
その後、ステップS3911にて選択された特別上乗せ演出により報知される合計の上乗せゲーム数をART減算対象カウンタ125に加算し(ステップS3913)、さらに当該合計の上乗せゲーム数をストックゲーム数カウンタ127から減算する(ステップS3914)。但し、表示用カウンタ126への加算処理は実行しない。表示用カウンタ126への加算処理は特別上乗せ演出の実行に伴って上乗せゲーム数の報知が実行される度に行われる。これにより、画像表示装置63において表示されているART状態ST9の残りの継続ゲーム数の表示内容を特別上乗せ演出の実行に対応させることが可能となる。
特別上乗せ演出用処理においてステップS3906にて肯定判定をした場合、すなわち実行途中であった特別上乗せ演出が終了した場合、特別上乗せ演出のストックエリア128を参照することで特別上乗せ演出のストックが存在しているか否かを判定する(ステップS3915)。ストックが存在している場合(ステップS3915:YES)、特別上乗せ演出の設定処理を実行する(ステップS3916)。当該設定処理では、特別上乗せ演出のストックエリア128において最先の実行順序となる領域に記憶されている特別上乗せ演出の種類の情報を把握し、その把握した特別上乗せ演出の実行を可能とする特別上乗せ演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。この記憶された特別上乗せ演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて今回実行対象となった特別上乗せ演出が当該特別上乗せ演出に対応する継続ゲーム数に亘って実行される。その後、演出側RAM94の特別上乗せ演出カウンタに、今回実行対象となった特別上乗せ演出に対応する継続ゲーム数の値を設定する(ステップS3917)。
ストックが存在していない場合(ステップS3915:NO)、主側MPU72から未だAループ終了コマンドを受信していない状況であって特別上乗せ演出を作成可能な状況であるか否かを判定する(ステップS3918)。特別上乗せ演出を作成可能な状況であるか否かの判定について具体的には、特別上乗せ演出の選択処理(図75)におけるステップS3801と同様に、現状の有利区間SC2の継続ゲーム数と、ART減算対象カウンタ125の値と、最低特別上乗せゲーム数(具体的には「50」)との和が、有利区間SC2の上限ゲーム数(具体的には「1500」)を超えているか否かを判定する。
ステップS3918にて肯定判定をした場合、ステップS3911と同様に途中抽選処理を実行することで特別上乗せ演出の種類を抽選により選択する(ステップS3919)。この場合の途中抽選処理においても1単位の特別上乗せ演出が選択される。そして、特別上乗せ演出の設定処理を実行する(ステップS3920)。当該設定処理では、ステップS3919にて選択した特別上乗せ演出の実行を可能とする特別上乗せ演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。この記憶された特別上乗せ演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて今回実行対象となった特別上乗せ演出が当該特別上乗せ演出に対応する継続ゲーム数に亘って実行される。その後、演出側RAM94の特別上乗せ演出カウンタに、今回実行対象となった特別上乗せ演出に対応する継続ゲーム数の値を設定する(ステップS3921)。
その後、今回実行対象として設定された特別上乗せ演出により報知される合計の上乗せゲーム数をART減算対象カウンタ125に加算し(ステップS3922)、さらに当該合計の上乗せゲーム数をストックゲーム数カウンタ127から減算する(ステップS3923)。但し、表示用カウンタ126への加算処理は実行しない。表示用カウンタ126への加算処理は特別上乗せ演出の実行に伴って上乗せゲーム数の報知が実行される度に行われる。これにより、画像表示装置63において表示されているART状態ST9の残りの継続ゲーム数の表示内容を、特別上乗せ演出の実行に対応させることが可能となる。
特別上乗せ演出の実行中ではなく(ステップS3901:NO)、さらに期待演出の実行中でもない場合(ステップS3924:NO)、主側MPU72からAループ終了コマンドを受信済みであるか否かを判定する(ステップS3925)。Aループ終了コマンドは既に説明したとおり主側MPU72においてAループが終了した場合に送信される。Aループ終了コマンドを受信済みである場合(ステップS3925:YES)、演出側RAM94のAループ演出フラグを「0」クリアする(ステップS3926)。Aループ演出フラグが「0」クリアされることにより、Aループ演出用処理(図74)のステップS3708にて否定判定をすることとなるため、特別上乗せ演出用処理が実行されなくなる。
次に、図78のタイムチャートを参照しながら主側MPU72にてAループが発生した場合に演出側MPU92による制御により期待演出及び特別上乗せ演出が実行される様子について説明する。図78(a)は主側MPU72におけるAループの実行期間を示し、図78(b)は期待演出の実行期間を示し、図78(c)は特別上乗せ演出の実行期間を示し、図78(d)は特別上乗せ演出がストックされている期間を示す。
まず特別上乗せ演出がストックされない場合について説明する。
t1のタイミングで図78(a)に示すように主側MPU72にてAループが開始される。これにより、遊技者に報知されないものの1ゲームが実行される度にART状態ST9の残りの継続ゲーム数が50ゲーム上乗せされることとなる。また、当該t1のタイミングで図78(b)に示すように期待演出が開始される。期待演出は既に説明したとおり主側MPU72にてAループが継続しているか否かに関係なく3ゲームに亘って実行される。
その後、図78(b)に示すように期待演出が継続している状況であるt2のタイミングで、図78(a)に示すように主側MPU72におけるAループが終了する。但し、Aループが終了したとしても期待演出は3ゲームに亘って継続して実行されるため継続される。
その後、図78(b)に示すようにt3のタイミングで期待演出が終了する。当該t3のタイミングで、その時点における演出側RAM94のストックゲーム数カウンタ127の値に応じて実行対象となる特別上乗せ演出の数及び種類が選択される。この場合、主側MPU72におけるAループが早期に終了しておりストックゲーム数カウンタ127に記憶されている上乗せゲーム数が少ないことに起因して1単位の特別上乗せ演出が選択される。そして、図78(c)に示すようにt3のタイミング~t4のタイミングに亘ってその選択された1単位の特別上乗せ演出が実行される。当該特別上乗せ演出は複数ゲームに亘って継続し、各ゲームにて上乗せゲーム数が遊技者に報知される。
次に、特別上乗せ演出がストックされる場合について説明する。
t5のタイミングで図78(a)に示すように主側MPU72にてAループが開始される。これにより、1ゲームが実行される度にART状態ST9の残りの継続ゲーム数が50ゲーム上乗せされることとなる。また、当該t5のタイミングで図78(b)に示すように期待演出が開始される。期待演出は既に説明したとおり主側MPU72にてAループが継続しているか否かに関係なく3ゲームに亘って実行される。
その後、図78(a)に示すように主側MPU72にてAループが継続している状況であるt6のタイミングで図78(b)に示すように期待演出が終了する。当該t6のタイミングで、その時点における演出側RAM94のストックゲーム数カウンタ127の値に応じて実行対象となる特別上乗せ演出の数及び種類が選択される。この場合、3単位の特別上乗せ演出の実行が決定される。したがって、図78(c)に示すようにt6のタイミングで1単位の特別上乗せ演出が開始されるとともに、図78(d)に示すように2単位の特別上乗せ演出の実行がストックされた状態となる。
その後、図78(c)に示すようにt7のタイミングで1単位の特別上乗せ演出が終了する。この場合、図78(d)に示すように特別上乗せ演出の実行がストックされているため、図78(c)に示すようにt8のタイミングで特別上乗せ演出が新たに開始される。なお、図78(a)に示すように主側MPU72においては未だにAループが継続しているため、遊技者には報知されないものの各ゲームにおいてART状態ST9の残りの継続ゲーム数が50ゲーム上乗せされている。
その後、t8のタイミングで開始された特別上乗せ演出が実行されている状況であるt9のタイミングで図78(a)に示すように主側MPU72におけるAループが終了する。また、その後のt10のタイミングで図78(c)に示すように1単位の特別上乗せ演出が終了する。この場合、図78(d)に示すように特別上乗せ演出の実行がストックされているため、図78(c)に示すようにt11のタイミングで特別上乗せ演出が新たに開始される。当該特別上乗せ演出の開始により図78(d)に示すように特別上乗せ演出の実行がストックされていない状態となる。その後、t12のタイミングで図78(c)に示すように特別上乗せ演出が終了する。
次に、非通常用の演出制御処理(図72)におけるステップS3514にて実行されるBループ演出用処理について、図79のフローチャートを参照しながら説明する。
主側MPU72からBループ加算コマンドを受信している場合(ステップS4001:YES)、ストックゲーム数カウンタ127への加算処理を実行する(ステップS4002)。Bループにおいては既に説明したとおり1ゲームが実行される度にART状態ST9の残りの継続ゲーム数に50ゲームが加算されることとなるため、ステップS4002の加算処理ではストックゲーム数カウンタ127に「50」を加算する。
ステップS4001にて否定判定をした場合、又はステップS4002の処理を実行した場合、主側MPU72から特別フリーズコマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS4003)。特別フリーズコマンドは、主側MPU72におけるBループの連続ゲーム数が21ゲーム以上となった場合であって当該Bループにより上乗せされたゲーム数の全てをART状態ST9の残りの継続ゲーム数に加算したとしても有利区間SC2の上限ゲーム数を超えない場合に主側MPU72から送信されるコマンドである。また、既に説明したとおりBループの連続ゲーム数が21ゲーム以上となっている状況とは、Bループにおいて消化されたゲーム数を加味したとしてもBループの終了時点で遊技者に報知されていない上乗せゲーム数が1000ゲーム以上発生していることとなる。したがって、特別フリーズコマンドを受信した場合、演出側MPU92では1000ゲーム以上の上乗せが報知された演出を実行することとなる。
特別フリーズコマンドを受信している場合(ステップS4003:YES)、特別フリーズ演出の開始設定処理を実行する(ステップS4004)。当該開始設定処理では、特別フリーズコマンドに設定されているBループにおいて継続されたゲーム数に対応する情報を把握する。そして、(「Bループにおいて継続されたゲーム数」-「「Bループにおいて消化されたゲーム数」を「Bループにおいて1ゲーム毎にART状態ST9の継続ゲーム数に上乗せされるゲーム数(50ゲーム)」で除算した結果の小数点以下を切り上げた値」)×「Bループにおいて1ゲーム毎にART状態ST9の継続ゲーム数に上乗せされるゲーム数(50ゲーム)」を特別上乗せゲーム数として導出し、その導出した特別上乗せゲーム数の報知を可能とする特別フリーズ演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。
当該特別フリーズ演出テーブルには上記導出された特別上乗せゲーム数の表示を可能とする情報が設定されているとともに特別フリーズ演出の実行を可能とするための情報が設定されている。また、特別フリーズ演出は主側MPU72にて設定される特別フリーズ演出用のフリーズ期間(具体的には30秒)に亘って実行されるため、いずれの上乗せゲーム数を示す特別フリーズ演出テーブルであっても演出の実行期間は特別フリーズ演出用のフリーズ期間に設定されている。特別フリーズ演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて特別フリーズ演出が実行されるとともに上記のように導出した1000ゲーム以上の上乗せゲーム数を示す画像が画像表示装置63にて表示される。
その後、上記導出した特別上乗せゲーム数をART減算対象カウンタ125に加算するとともに表示用カウンタ126に加算する(ステップS4005)。これにより、特別上乗せゲーム数が演出側MPU92においてART状態ST9におけるゲームの消化に伴い減算対象となるゲーム数となるとともに画像表示装置63におけるART状態ST9の残りの継続ゲーム数に特別上乗せゲーム数が加算されることとなる。その後、上記特別上乗せゲーム数をストックゲーム数カウンタ127から減算する(ステップS4006)。
次に、図80のタイムチャートを参照しながら主側MPU72にてBループが発生した場合に演出側MPU92による制御により特別フリーズ演出が実行される様子について説明する。図80(a)は主側MPU72におけるBループの実行期間を示し、図80(b)は1ゲームの実行期間を示し、図80(c)は特別フリーズ演出の実行期間を示す。
まず特別フリーズ演出が実行されない場合について説明する。
t1のタイミングで図80(a)に示すように主側MPU72にてBループが開始される。これにより、遊技者に報知されないものの1ゲームが実行される度にART状態ST9の残りの継続ゲーム数が50ゲーム上乗せされることとなる。なお、Aループが開始された場合には既に説明したとおり上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて期待演出が開始されたが、Bループの開始を契機とした期待演出は実行されない。
その後、図80(a)に示すようにBループが継続している状況であるt1のタイミング~t2のタイミング、t3のタイミング~t4のタイミング、及びt5のタイミング~t6のタイミングに亘って図80(b)に示すように1ゲームが実行される。これら各ゲームはBループの状況で実行されるためそれぞれのゲームにてART状態ST9の残りの継続ゲーム数が50ゲーム上乗せされるとともに、Bループの継続抽選処理にて継続当選となる。
その後、図80(a)に示すようにBループが継続している状況であるt7のタイミングで図80(b)に示すように1ゲームが開始される。当該1ゲームが開始されることによりART状態ST9の残りの継続ゲーム数が50ゲーム上乗せされる。但し、Bループの継続抽選処理にて継続外れとなる。したがって、t7のタイミングで図80(a)に示すように主側MPU72におけるBループが終了する。この場合、Bループにおいて連続したゲーム数が21ゲーム以上となっていないため、図80(c)に示すように特別フリーズ演出は実行されない。
次に、特別フリーズ演出が実行される場合について説明する。
t9のタイミングで図80(a)に示すように主側MPU72にてBループが開始される。これにより、遊技者に報知されないものの1ゲームが実行される度にART状態ST9の残りの継続ゲーム数が50ゲーム上乗せされることとなる。
その後、図80(a)に示すようにBループが継続している状況において、図80(b)に示すようにt9のタイミング~t10のタイミング、t11のタイミング~t12のタイミング、及びt13のタイミング~t14のタイミングを含めて、20ゲームが実行される。その後、図80(a)に示すようにBループが継続している状況であるt15のタイミングで図80(b)に示すように1ゲームが開始される。当該1ゲームが開始されることによりART状態ST9の残りの継続ゲーム数が50ゲーム上乗せされる。但し、Bループの継続抽選処理にて継続外れとなる。したがって、t15のタイミングで図80(a)に示すように主側MPU72におけるBループが終了する。
この場合、Bループにおいて連続したゲーム数が21ゲーム以上となっている。したがって、図80(b)に示すようにt15のタイミングで1ゲームが開始されるものの主側MPU72において特別フリーズ演出用のフリーズ期間が設定されることにより、t15のタイミング~t16のタイミングに亘って、新たなゲームが開始された状況であってもリール32L,32M,32Rの回転開始が待機された状態となる。また、図80(c)に示すようにt15のタイミング~t16のタイミングに亘って特別フリーズ演出が実行される。そして、t16のタイミングで主側MPU72において特別フリーズ演出用のフリーズ期間が経過するとともに図80(c)に示すように特別フリーズ演出が終了する。これにより、t16のタイミング~t17のタイミングに亘ってリール32L,32M,32Rの回転を伴うゲームが実行される。
次に、非通常用の演出制御処理(図72)におけるステップS3519にて実行されるストック放出用処理について、図81のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ストック放出用処理は演出側RAM94のART減算対象カウンタ125の値が「0」となった場合に実行される。
まず演出側RAM94のストックゲーム数カウンタ127の値が1以上であるか否かを判定する(ステップS4101)。ストックゲーム数カウンタ127の値が1以上である状況とは、主側MPU72において消化対象となっているART状態ST9の残りの継続ゲーム数が1以上である状況において演出側MPU92において消化対象となっているART状態ST9の残りの継続ゲーム数が「0」となった状況である。そして、この状況においては主側MPU72において消化対象となっているART状態ST9の残りの継続ゲーム数は演出側RAM94のストックゲーム数カウンタ127に記憶されている。
ステップS4101にて肯定判定をした場合、ストックゲーム数カウンタ127の値が第1放出基準値未満であるか否かを判定する(ステップS4102)。第1放出基準値は10ゲームの値に対応している。ART状態ST9には既に説明したとおり各種上乗せ演出が存在しているが、これら各種上乗せ演出において報知され得る最小のゲーム数が10ゲームとなっている。つまり、第1放出基準値は各種上乗せ演出において報知され得る最小のゲーム数として設定されている。
ステップS4102にて肯定判定をした場合、ストックゲーム数カウンタ127に記憶されている値を全てART減算対象カウンタ125に設定する(ステップS4103)。これにより、ストックゲーム数カウンタ127に記憶されていた全てのゲーム数が演出側MPU92におけるART状態ST9の消化対象のゲーム数として設定される。その後、演出側RAM94の表示用カウンタ126を「0」クリアする(ステップS4104)。これにより、演出側MPU92におけるART状態ST9の消化対象のゲーム数が新たに設定されたものの、そのゲーム数は画像表示装置63にてART状態ST9の残りの継続ゲーム数として表示されない。また、ストックゲーム数カウンタ127を「0」クリアする(ステップS4105)。
その後、第1放出演出の開始設定処理を実行する(ステップS4106)。当該開始設定処理では、第1放出演出の実行を可能とする第1放出演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。第1放出演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて第1放出演出が実行される。第1放出演出ではART状態ST9の終了が近いことを示す演出が実行される。また、第1放出演出ではART状態ST9の残りの継続ゲーム数が不明である旨の画像が画像表示装置63にて表示される。
ここで、図82(a)及び図82(b)の説明図を参照しながらART状態ST9における画像表示装置63の表示内容について説明する。ART状態ST9において表示用カウンタ126の値が1以上であるとともに各種上乗せ演出が実行されていない場合、図82(a)に示すようにART状態ST9用の演出キャラクタG8による動画表示が行われるとともに、表示用カウンタ126に記憶されている値をART状態ST9の残りの継続ゲーム数として報知するためのゲーム数画像G9が表示される。当該ゲーム数画像G9に表示されているゲーム数は1ゲームが消化される度に1減算される。そして、1減算された結果、ゲーム数画像G9に表示されているゲーム数が「0」となるとともにストックゲーム数カウンタ127に記憶されている値が1以上であって10未満である場合には第1放出演出が開始される。第1放出演出では図82(b)に示すようにART状態ST9の終了が近いことを示す終了示唆画像G10が表示されるとともに、ART状態ST9の残りの継続ゲーム数が不明である旨を示すゲーム数不明画像G11が表示される。このように第1放出演出が実行された場合、遊技者はART状態ST9が終了に近付いていることを認識する。
なお、第1放出演出が実行されている状況においてART状態ST9の残りの継続ゲーム数が直上乗せ、Aループによる上乗せ又はBループによる上乗せなどが発生した場合には、第1放出演出が終了されるとともにその上乗せに対応する演出が実行される。そして、その後に、図82(a)に示すようなART状態ST9用の通常演出が実行される。また、具体的な処理の記載は省略するが、第1放出演出が実行されている状況においてART状態ST9の残りの継続ゲーム数が上乗せされる場合、その上乗せの契機となった演出に対応する上乗せゲーム数がそのまま報知されるのではなく、上乗せの契機となった演出に対応する上乗せゲーム数と第1放出演出の残りの継続ゲーム数との和のゲーム数が、上乗せゲーム数として報知されるとともに、その後に開始されるART状態ST9用の通常演出においてART状態ST9の残りの継続ゲーム数として報知される。
ストック放出用処理(図81)の説明に戻り、ステップS4102にて否定判定をした場合、ストックゲーム数カウンタ127の値が第1放出基準値以上であって第2放出基準値以下であるか否かを判定する(ステップS4107)。第2放出基準値は100ゲームの値に対応している。ART状態ST9には既に説明したとおり直上乗せ演出が存在しているが、当該直上乗せ演出において報知され得る最大のゲーム数が100ゲームとなっている。つまり、第2放出基準値は直上乗せ演出において報知され得る最大のゲーム数として設定されている。
ステップS4107にて肯定判定をした場合、ストックゲーム数カウンタ127に記憶されている値を全てART減算対象カウンタ125及び表示用カウンタ126のそれぞれに設定する(ステップS4108)。これにより、ストックゲーム数カウンタ127に記憶されていた全てのゲーム数が演出側MPU92におけるART状態ST9の消化対象のゲーム数として設定される。また、演出側MPU92におけるART状態ST9の消化対象のゲーム数として新たに設定されたゲーム数が、ART状態ST9の残りの継続ゲーム数として画像表示装置63にて表示される。その後、ストックゲーム数カウンタ127を「0」クリアする(ステップS4109)。
その後、第2放出演出の開始設定処理を実行する(ステップS4110)。当該開始設定処理では、第2放出演出の実行を可能とする第2放出演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。第2放出演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて第2放出演出が実行される。第2放出演出ではART状態ST9の残りの継続ゲーム数が上乗せされたことを示す演出が実行されるとともに、その上乗せゲーム数が画像表示装置63においてART状態ST9の残りの継続ゲーム数に加算される画像が表示される。
図82(c)は第2放出演出が実行される場合における画像表示装置63の表示内容を説明するための説明図である。第2放出演出では100ゲームが上乗せされたことを示す上乗せ報知画像G12が表示されるとともに、0ゲームとなっているゲーム数画像G9にその上乗せ報知画像G12に表示されているゲーム数が加算される画像が表示される。これにより、遊技者は100ゲームの上乗せが発生したと認識する。第2放出演出が実行された後は、図82(a)に示すようなART状態ST9用の通常の演出が実行される。
ストック放出用処理(図81)の説明に戻り、ステップS4107にて否定判定をした場合、ストックゲーム数カウンタ127に100ゲームを超えるゲーム数が記憶されていることを意味する。この場合、放出ゲーム数の選択処理を実行する(ステップS4111)。当該選択処理では、現状のストックゲーム数カウンタ127の値に対応する放出選択テーブルを演出側ROM93から読み出すとともに、演出側RAM94において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出す。そして、その読み出した数値情報を放出選択テーブルに対して照合することで、ART状態ST9の残りの継続ゲーム数として放出するゲーム数を選択する。この場合、放出選択テーブルには、ストックゲーム数カウンタ127に記憶されている値を上限として10ゲーム間隔で複数種類の放出ゲーム数が設定されているとともに、各放出ゲーム数の選択率は一定又は略一定となっている。
その後、放出ゲーム数の選択処理にて選択したゲーム数の値をART減算対象カウンタ125及び表示用カウンタ126のそれぞれに設定する(ステップS4112)。これにより、放出ゲーム数の選択処理にて選択したゲーム数が演出側MPU92におけるART状態ST9の消化対象のゲーム数として設定される。また、放出ゲーム数の選択処理にて選択したゲーム数が、ART状態ST9の残りの継続ゲーム数として画像表示装置63にて表示される。その後、放出ゲーム数の選択処理にて選択したゲーム数の値をストックゲーム数カウンタ127から減算する(ステップS4113)。
その後、第3放出演出の開始設定処理を実行する(ステップS4114)。当該開始設定処理では、第3放出演出の実行を可能とする第3放出演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。第3放出演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて第3放出演出が実行される。第3放出演出ではART状態ST9の残りの継続ゲーム数が上乗せされたことを示す演出が実行されるとともに、その上乗せゲーム数が画像表示装置63においてART状態ST9の残りの継続ゲーム数に加算される画像が表示される。第3放出演出の具体的な内容は、図82(c)に示す第2放出演出の内容と同様である。
一方、ストックゲーム数カウンタ127の値が「0」であることでステップS4101にて否定判定をした場合、ART終了演出の開始設定処理を実行する(ステップS4115)。当該開始設定処理では、ART終了演出の実行を可能とするART終了演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。ART終了演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてART終了演出が実行される。ART終了演出では、ART状態ST9が終了したことを示す演出が実行されるとともに、画像表示装置63においては今回のART状態ST9にて消化されたゲーム数及び今回のART状態ST9にて遊技者に付与された遊技媒体の数が報知される。
次に、図83のタイムチャートを参照しながら各種放出演出が実行される様子を説明する。図83(a)はART状態ST9の実行期間を示し、図83(b)はART状態ST9における通常演出の実行期間を示し、図83(c)はストックゲーム数カウンタ127の値が1以上となっている期間を示し、図83(d)は第1放出演出の実行期間を示し、図83(e)は第2放出演出の実行期間を示し、図83(f)は第3放出演出の実行期間を示し、図83(g)は直上乗せ演出の発生タイミングを示す。
まず第1~第3放出演出のうち第1放出演出のみが実行される場合について説明する。
t1のタイミングで図83(a)に示すようにART状態ST9が開始されることにより、当該t1のタイミングで図83(b)に示すようにART状態ST9における通常演出が開始される。その後、t2のタイミングで演出側RAM94のART減算対象カウンタ125の値が「0」となる。この場合、図83(c)に示すようにストックゲーム数カウンタ127の値が1以上となっていることにより、即座にART状態ST9が終了されるのではなく放出演出が開始される。t2のタイミングにおけるストックゲーム数カウンタ127の値は第1放出基準値未満であるため、t2のタイミングで図83(d)に示すように第1放出演出が開始される。この第1放出演出はt2のタイミングでストックゲーム数カウンタ127に設定されていた値に対応するゲーム数に亘って継続する。なお、t2のタイミングで図83(c)に示すようにストックゲーム数カウンタ127の値は「0」となっている。
その後、第1放出演出が実行されている状況においてART状態ST9の残りの継続ゲーム数の上乗せが発生しないことにより、t3のタイミングで主側MPU72及び演出側MPU92の両方にて計測されているART状態ST9の残りの継続ゲーム数が「0」となる。したがって、当該t3のタイミングで図83(a)に示すようにART状態ST9が終了するとともに、図83(d)に示すように第1放出演出が終了する。
次に、第1~第3放出演出のそれぞれが実行される場合について説明する。
t4のタイミングで図83(a)に示すようにART状態ST9が開始されることにより、当該t4のタイミングで図83(b)に示すようにART状態ST9における通常演出が開始される。その後、t5のタイミングで演出側RAM94のART減算対象カウンタ125の値が「0」となる。この場合、図83(c)に示すようにストックゲーム数カウンタ127の値が1以上となっていることにより、即座にART状態ST9が終了されるのではなく放出演出が開始される。t5のタイミングにおけるストックゲーム数カウンタ127の値は第1放出基準値未満であるため、t5のタイミングで図83(d)に示すように第1放出演出が開始される。
その後、第1放出演出が実行されている状況であるt6のタイミングで図83(g)に示すように直上乗せ演出が発生する。当該直上乗せ演出では直上乗せによる上乗せ対象となったゲーム数と第1放出演出の残りの継続ゲーム数との和のゲーム数が上乗せゲーム数として報知される。また、当該t6のタイミングで、図83(b)及び図83(d)に示すように第1放出演出が終了してART状態ST9における通常演出が開始される。
その後、t7のタイミングで演出側RAM94のART減算対象カウンタ125の値が「0」となる。この場合、図83(c)に示すようにストックゲーム数カウンタ127の値が1以上となっていることにより、即座にART状態ST9が終了されるのではなく放出演出が開始される。t7のタイミングにおけるストックゲーム数カウンタ127の値は第2放出基準値を超えているため、図83(f)に示すようにt7のタイミング~t8のタイミングに亘って第3放出演出が実行される。この場合、放出ゲーム数の選択処理(ステップS4111)にて選択されたゲーム数が上乗せゲーム数として報知されるとともに、当該上乗せゲーム数がART状態ST9の残りの継続ゲーム数として表示される。
その後、図83(b)に示すようにt8のタイミング~t9のタイミングに亘ってART状態ST9の通常演出が実行される。そして、t9のタイミングで演出側RAM94のART減算対象カウンタ125の値が「0」となる。この場合、図83(c)に示すようにストックゲーム数カウンタ127の値が1以上となっていることにより、即座にART状態ST9が終了されるのではなく放出演出が開始される。t9のタイミングにおけるストックゲーム数カウンタ127の値は第1放出基準値以上であって第2放出基準値以下であるため、図83(e)に示すようにt9のタイミング~t10のタイミングに亘って第2放出演出が実行される。この場合、ストックゲーム数カウンタ127に設定されているゲーム数が上乗せゲーム数として報知されるとともに、当該上乗せゲーム数がART状態ST9の残りの継続ゲーム数として表示される。なお、t9のタイミングで図83(c)に示すようにストックゲーム数カウンタ127の値は「0」となっている。
その後、図83(b)に示すようにt10のタイミング~t11のタイミングに亘ってART状態ST9の通常演出が実行される。そして、t11のタイミングで主側MPU72及び演出側MPU92の両方にて計測されているART状態ST9の残りの継続ゲーム数が「0」となる。したがって、当該t11のタイミングで図83(a)に示すようにART状態ST9が終了するとともに、図83(b)に示すようにART状態ST9の通常演出が終了する。
<有利区間SC2のエンディング演出について>
次に、有利区間SC2のエンディング演出について説明する。まず図45のフローチャートを再度参照して、遊技区間の第2制御処理におけるステップS1801~ステップS1811の処理について説明する。
まず主側RAM74に設けられたフリーズ待機フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS1801)。フリーズ待機フラグは、エンディング演出の途中でボーナス状態となった場合であってそのボーナス状態の途中で有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合に当該ボーナス状態が終了するまでエンディング演出の終了時におけるフリーズ設定を待機している状態であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
フリーズ待機フラグに「1」が設定されている場合(ステップS1801:YES)、フリーズ設定処理を実行する(ステップS1802)。フリーズ設定処理については後に詳細に説明する。フリーズ待機フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS1801:NO)、主側RAM74の有利区間フラグに「1」が設定されているか否かを判定することで、遊技区間が有利区間SC2であるか否かを判定する(ステップS1803)。有利区間フラグに「1」が設定されている場合(ステップS1803:YES)、主側RAM74の有利継続カウンタの値を1加算する(ステップS1804)。その後、エンディング対応処理を実行する(ステップS1805)。
図84は主側MPU72にて実行されるエンディング対応処理を示すフローチャートである。なお、エンディング対応処理は遊技区間の第2制御処理(図45)におけるステップS1805にて実行される。遊技区間の第2制御処理は既に説明したとおり1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行されるため、エンディング対応処理も1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行される。
まず主側RAM74に設けられた主側エンディング演出フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS4201)。主側エンディング演出フラグは、有利区間SC2のエンディング演出の実行期間となっていることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
主側エンディング演出フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS4201:NO)、主側RAM74において有利区間SC2の継続ゲーム数を計測するためのカウンタである有利継続カウンタの値がエンディング対応ゲーム数(具体的には「1450」)以上となっているか否かを判定する(ステップS4202)。ステップS4202にて肯定判定をした場合、主側RAM74の有利継続カウンタの値と主側RAM74のARTゲーム数カウンタ121の値との和が有利区間SC2の上限ゲーム数(具体的には「1500」)以上となっているか否かを判定する(ステップS4203)。つまり、ART状態ST9において消化されたゲーム数とART状態ST9の残りの継続ゲーム数との和が有利区間SC2の上限ゲーム数以上となっているか否かを判定する。
ステップS4203にて肯定判定をした場合、ART状態ST9の残りの継続ゲーム数との関係で有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達することが確定していることを意味する。この場合、主側RAM74の主側エンディング演出フラグに「1」を設定する(ステップS4204)。また、エンディング演出を開始すべきことを示すエンディング演出コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS4205)。演出側MPU92はエンディング演出コマンドを受信することで、期待演出や特別上乗せ演出といった他の演出を実行している状況であったとしても当該エンディング演出を開始させる。また、エンディング演出コマンドには有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達するまでの残りのゲーム数に対応する情報が設定される。これにより、演出側MPU92にて有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達するまでの残りのゲーム数を把握することが可能となる。
上記構成であることにより有利区間SC2の継続ゲーム数がエンディング対応ゲーム数以上となった場合であってART状態ST9の残りの継続ゲーム数との関係で有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達することが確定している場合にエンディング演出の実行期間となる。この場合、ARTゲーム数カウンタ121の値が1以上であることを条件としてエンディング演出の実行期間となるため、エンディング演出の実行期間が開始される遊技状態としては、ART状態ST9、ART状態ST9の途中で発生したボーナス状態(BB状態ST3又はRB状態ST4)、及びART状態ST9の途中で発生したボーナス状態が終了した後の準備状態ST8のいずれかとなる。
演出側MPU92にて実行される処理の内容について説明する。演出側MPU92は主側MPU72からエンディング演出コマンドを受信した場合、非通常用の演出制御処理(図72)におけるステップS3501にて肯定判定をして、演出側RAM94に設けられた演出側エンディング演出フラグに「1」を設定する(ステップS3502)。演出側エンディング演出フラグは、有利区間SC2のエンディング演出の実行期間となっていることを演出側MPU92にて特定するためのフラグである。演出側エンディング演出フラグに「1」が設定されている場合(ステップS3503:YES)、エンディング演出用処理を実行する(ステップS3504)。
図85は演出側MPU92にて実行されるエンディング演出用処理を示すフローチャートである。
エンディング演出の開始タイミングである場合(ステップS4301:YES)、エンディング演出の実行ゲーム数の把握処理を実行する(ステップS4302)。当該把握処理では、有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達するまでの残りのゲーム数を今回受信したエンディング演出コマンドから把握する。そして、その把握したゲーム数を演出側RAM94に設けられたエンディング演出カウンタに設定する。エンディング演出カウンタはエンディング演出の残りの実行ゲーム数を演出側MPU92にて特定するためのカウンタであり、エンディング演出カウンタに1以上の値が設定されている場合には1ゲームが新たに開始される度に当該エンディング演出カウンタの値が1減算され、エンディング演出カウンタの値が既に「0」となっている場合には1ゲームが新たに開始されたとしてもその状態が維持される。
その後、エンディング演出の開始設定処理を実行する(ステップS4303)。当該開始設定処理では、ステップS4302にて把握したゲーム数に亘ってエンディング演出の実行を可能とするエンディング演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。エンディング演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてエンディング演出が実行される。
エンディング演出の開始タイミングではない場合(ステップS4301:NO)、エンディング演出の更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS4304)。具体的には、1ゲームが新たに開始されたか否かを判定する。ステップS4304にて肯定判定をした場合、エンディング演出の更新設定処理を実行する(ステップS4305)。当該更新設定処理では、現状参照対象となっているエンディング演出テーブルにおいて参照すべき範囲を1ゲームの新たな開始に応じて変更する処理を実行する。これにより、エンディング演出の実行内容が当該エンディング演出の継続ゲーム数に応じて変化することとなる。
ステップS4304にて否定判定をした場合、又はステップS4305の処理を実行した場合、いずれかのボーナス当選データが主側RAM74に設定されているか否かを判定する(ステップS4306)。なお、主側MPU72はボーナス当選データが設定されたゲームの開始時にその設定されたボーナス当選データの種類を特定可能とする情報が設定されたゲーム開始コマンドを送信するとともにボーナス入賞が成立した場合にはそれに対応するコマンドを送信するため、演出側MPU92はそれらコマンドに基づいて主側RAM74にボーナス当選データが設定されているか否かを特定することが可能である。
いずれかのボーナス当選データが主側RAM74に設定されている場合(ステップS4306:YES)、第1告知及び第2告知の両方が実行されていないことを条件として(ステップS4307:NO)、第1告知の演出設定処理を実行する(ステップS4308)。当該第1告知の演出設定処理では、画像表示装置63にてエンディング演出に対応する動画が表示されている状況においてボーナス当選に対応する画像が縮小表示されるようにするためのデータ設定を行う。
図86(a)はエンディング演出が実行されている状況においてボーナス当選に対応する画像が表示される第1告知の内容を説明するための説明図である。図86(a)に示すように画像表示装置63の表示面における右下側の隅角を区画するようにして部分表示領域が設定されている。この場合、画像表示装置63の表示面において部分表示領域以外の領域の方が部分表示領域よりも広く設定されている。そして、部分表示領域以外の領域ではエンディング演出用の画像G13が動画表示されており、部分表示領域においていずれかのボーナス当選データが主側RAM74に設定されていることに対応するボーナス告知画像G14が表示されている。このようにボーナス告知画像G14が表示されることにより、エンディング演出が実行されている状況であってもボーナス入賞を成立させることが可能な状況であることを遊技者に認識させることが可能となる。また、第1告知ではエンディング演出用の画像G13の方がボーナス告知画像G14よりも目立つように表示される。これにより、エンディング演出用の画像G13の視認性を極力低下させないようにしながらボーナス告知画像G14を表示させることが可能となる。なお、第1告知が実行されている状況は後述する第2告知が開始される場合、又はボーナス入賞が成立することにより終了される。
ステップS4306にて否定判定をした場合、ステップS4307にて肯定判定をした場合、又はステップS4308の処理を実行した場合、ボーナス内部状態ST2となってから所定ゲーム数(具体的には5ゲーム)が消化されたか否かを判定する(ステップS4309)。ステップS4309にて肯定判定をした場合、第2告知が実行されていないことを条件として(ステップS4310:NO)、第2告知の演出設定処理を実行する(ステップS4311)。当該第2告知の演出設定処理では、画像表示装置63にてエンディング演出に対応する動画が縮小表示されている状況においてボーナス当選に対応する画像が第1告知の場合よりも拡大表示されるようにするためのデータ設定を行う。
図86(b)はエンディング演出が実行されている状況においてボーナス当選に対応する画像が表示される第2告知の内容を説明するための説明図である。図86(b)に示すように画像表示装置63の表示面における右下側の隅角を区画するようにして部分表示領域が設定されている。この場合、画像表示装置63の表示面において部分表示領域以外の領域の方が部分表示領域よりも広く設定されている。そして、部分表示領域ではエンディング演出用の画像G13が動画表示されており、部分表示領域以外の領域においていずれかのボーナス当選データが主側RAM74に設定されていることに対応するボーナス告知画像G14が表示されている。つまり、第1告知の場合とは各画像G13,G14が表示される領域が逆の関係となっている。このようにボーナス告知画像G14が拡大表示されることにより、エンディング演出に集中していてボーナス当選に気付いていない遊技者にボーナス当選となっていることを強調することが可能となる。なお、第2告知が実行されている状況はボーナス入賞が成立することにより終了される。
ステップS4309にて否定判定をした場合、ステップS4310にて肯定判定をした場合、又はステップS4311の処理を実行した場合、いずれかのBB入賞が成立していることを条件として(ステップS4312:YES)、演出側RAM94に設けられたBB演出待機フラグに「1」を設定し(ステップS4313)、いずれかのRB入賞が成立していることを条件として(ステップS4314:YES)、演出側RAM94に設けられたRB演出待機フラグに「1」を設定する(ステップS4315)。BB演出待機フラグはエンディング演出の実行中にBB状態ST3となっていることを演出側MPU92にて特定するためのフラグであり、RB演出待機フラグはエンディング演出の実行中にRB状態ST4となっていることを演出側MPU92にて特定するためのフラグである。なお、BB演出待機フラグに「1」が設定されている状況においてエンディング演出の残りの実行ゲーム数が「0」となるまでにBB状態ST3の最終ゲームが開始された場合にはBB演出待機フラグが「0」クリアされる。また、RB演出待機フラグに「1」が設定されている状況においてエンディング演出の残りの実行ゲーム数が「0」となるまでにRB状態ST4の最終ゲームが開始された場合にはRB演出待機フラグが「0」クリアされる。
ここで、既に説明したとおりBB状態ST3又はRB状態ST4が開始される場合には主側MPU72のボーナス用処理(図56)におけるステップS2414にてフリーズカウンタの設定処理が実行されることで新たなゲームの開始が待機された状態となる。そして、当該フリーズ設定が行われた状況において演出側MPU92にてボーナス状態が開始されることに対応する演出が実行される。この場合に、主側RAM74の主側エンディング演出フラグに「1」が設定されている場合、ステップS2413にて肯定判定をすることでステップS2414の処理を実行しない。これにより、エンディング演出が実行されている途中でボーナス状態が開始されたとしても当該ボーナス状態が開始されることに対応するフリーズ設定が行われないようにすることが可能となる。エンディング演出が実行されている状況においてボーナス状態となった場合には主側MPU72においてはボーナス状態に対応する制御が実行されることとなるが、演出側MPU92においてはボーナス状態に対応する演出の実行制御を行うことなくエンディング演出をそのまま継続させる。この場合に、上記のとおりエンディング演出が実行されている途中でボーナス状態が開始されたとしてもフリーズ設定が行われないことにより、エンディング演出の流れをフリーズ設定によって阻害してしまわないようにすることが可能となる。
また、既に説明したとおりBB状態ST3又はRB状態ST4が終了される場合には主側MPU72のボーナス状態用処理(図59)におけるステップS2709にてフリーズカウンタの設定処理が実行されることで新たなゲームの開始が待機された状態となる。そして、当該フリーズ設定が行われた状況において演出側MPU92にてボーナス状態が終了することに対応する演出が実行される。この場合に、主側RAM74の主側エンディング演出フラグに「1」が設定されている場合、ステップS2708にて肯定判定をすることでステップS2709の処理を実行しない。これにより、エンディング演出が実行されている途中でボーナス状態が終了されたとしても当該ボーナス状態が終了されることに対応するフリーズ設定が行われないようにすることが可能となる。ボーナス状態の途中でエンディング演出となった場合及びエンディング演出が実行されている状況においてボーナス状態となった場合には主側MPU72においてはボーナス状態に対応する制御が実行されることとなるが、演出側MPU92においてはボーナス状態に対応する演出の実行制御を行うことなくエンディング演出の実行制御を行う。この場合に、上記のとおりエンディング演出が実行されている途中でボーナス状態が終了されたとしてもフリーズ設定が行われないことにより、エンディング演出の流れをフリーズ設定によって阻害してしまわないようにすることが可能となる。
エンディング演出用処理(図85)では演出側RAM94のエンディング演出カウンタの値が「0」となったゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止したタイミングである場合(ステップS4316:YES)、エンディング演出終了用処理を実行する(ステップS4317)。つまり、エンディング演出が開始される場合に設定された当該エンディング演出の残りの実行ゲーム数が「0」となったゲームの終了タイミングである場合にエンディング演出終了用処理を実行する。
図87はエンディング演出終了用処理を示すフローチャートである。
まず演出側RAM94に設けられた演出延長フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS4401)。演出延長フラグは、エンディング演出の途中でボーナス状態となるとともにエンディング演出の残りの実行ゲーム数が「0」となっても当該ボーナス状態が継続していることに起因してエンディング演出を延長させている状況であるか否かを演出側MPU92にて特定するためのフラグである。
演出延長フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS4401:NO)、演出側RAM94のBB演出待機フラグに「1」が設定されているか否かを判定することで、BB状態ST3であるか否かを判定する(ステップS4402)。BB演出待機フラグに「1」が設定されている場合(ステップS4402:YES)、BB演出待機フラグを「0」クリアした後に(ステップS4403)、現状のBB状態ST3において遊技者に付与された遊技媒体の合計付与数が特定基準数以下であるか否かを判定する(ステップS4404)。BB状態ST3は既に説明したとおり当該BB状態ST3において付与された遊技媒体の合計数がBB終了基準数(具体的には「350」)以上となることで終了することとなるが、この遊技媒体の合計数は主側MPU72だけではなく主側MPU72から送信されるコマンドに基づき演出側MPU92においても計測されている。また、特定基準数はBB終了基準数よりも少ない数に設定されている。具体的には、特定基準数はBB終了基準数の半分以下である「100」に設定されている。但し、これに限定されることはなく特定基準数がBB終了基準数の1/3以下に設定されている構成としてもよく、1/4以下に設定されている構成としてもよい。
BB状態ST3において遊技者に付与された遊技媒体の合計付与数が特定基準数以下である場合(ステップS4404:YES)、BB演出の開始設定処理を実行する(ステップS4405)。その後、演出側RAM94の演出側エンディング演出フラグを「0」クリアする(ステップS4406)。
BB演出の開始設定処理では、エンディング演出の終了に対応する演出の実行を可能とするエンディング終了演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させるとともに、BB演出の実行を可能とするBB演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。エンディング終了演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてエンディング終了演出が実行される。また、その後にBB演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてBB演出が実行される。つまり、BB状態ST3の途中でエンディング演出の開始時に設定された当該エンディング演出の残りの実行ゲーム数が「0」となった場合、当該BB状態ST3において遊技者に付与された遊技媒体の合計数が未だ特定基準数以下であれば、BB状態ST3の途中であったとしてもエンディング演出が終了されてBB演出が開始される。これにより、エンディング演出の終了間際にBB状態ST3が開始された場合にはエンディング演出に続けてBB演出が実行される状況を生じさせることが可能となる。
ここで、詳細は後述するがBB状態ST3において遊技者に付与された遊技媒体の合計付与数が特定基準数以下である状況においてエンディング演出カウンタの値が「0」となるゲームの終了タイミングとなった場合を含めてエンディング終了演出が実行される場合、主側MPU72にて新たなゲームの開始をエンディング終了時のフリーズ期間に亘って強制的に待機させるフリーズ設定が行われる。このエンディング終了時のフリーズ期間はエンディング終了演出の実行期間に対応しており、具体的には15秒に設定されている。このように新たなゲームの開始を強制的に待機させた状態においてエンディング終了演出を実行することにより、エンディング終了演出への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
また、エンディング終了演出に続けてBB演出が実行される場合にはエンディング終了演出に対応する画像表示装置63の表示演出においてBB状態ST3が続けて開始されることを示す画像が表示される。つまり、エンディング終了演出に続けてBB演出が開始される場合にはエンディング終了演出に対応するフリーズ期間は設定されるもののボーナス状態が開始されることに対応するボーナス開始時のフリーズ期間は設定されない。これにより、エンディング終了演出の実行期間を十分に確保しながらフリーズ期間が過剰に長くなってしまわないようにすることが可能となる。
ステップS4402にて否定判定をした場合、演出側RAM94のRB演出待機フラグに「1」が設定されているか否かを判定することで、RB状態ST4であるか否かを判定する(ステップS4407)。RB演出待機フラグに「1」が設定されている場合(ステップS4407:YES)、RB演出待機フラグを「0」クリアする(ステップS4408)。
ステップS4404にて否定判定をした場合、又はステップS4408の処理を実行した場合、エンディング演出を延長させるための処理を実行する。つまり、エンディング演出の開始時に設定された残りの実行ゲーム数が「0」となった場合にBB状態ST3であって当該BB状態ST3において遊技者に付与された遊技媒体の合計数が既に特定基準数を超えている場合には当該BB状態ST3が終了するまでエンディング演出が延長される。また、エンディング演出の開始時に設定された残りの実行ゲーム数が「0」となった場合にRB状態ST4である場合には当該RB状態ST4が終了するまでエンディング演出が延長される。
エンディング演出を延長させるための処理として、まずエンディング演出の延長設定処理を実行する(ステップS4409)。当該延長設定処理では、エンディング演出を1ゲーム延長するための延長用テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。延長用テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63におけるエンディング演出の実行が1ゲーム延長される。この場合、直前のエンディング演出の内容に対して演出の連続性を有するような1ゲームの演出が実行される。その後、演出側RAM94の演出延長フラグに「1」を設定する(ステップS4410)。
エンディング演出終了用処理において演出側RAM94の演出延長フラグ、BB演出待機フラグ及びRB演出待機フラグのいずれにも「1」が設定されていない場合(ステップS4401、ステップS4402及びステップS4407:NO)、通常演出の開始設定処理を実行する(ステップS4411)。当該開始設定処理では、エンディング演出の終了に対応する演出の実行を可能とするエンディング終了演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させるとともに、通常遊技状態ST1に対応する演出の実行を可能とする通常演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。この場合、まずエンディング終了演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてエンディング終了演出が実行される。また、その後に通常演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて通常遊技状態ST1に対応する演出が実行される。
演出側RAM94の演出延長フラグに「1」が設定されている場合(ステップS4401:YES)、ボーナス状態(BB状態ST3又はRB状態ST4)が終了したか否かを判定する(ステップS4412)。ボーナス状態が終了していない場合(ステップS4412:NO)、エンディング演出の延長設定処理を実行する(ステップS4413)。当該延長設定処理では、ステップS4409と同様に、エンディング演出を1ゲーム延長するための延長用テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。延長用テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63におけるエンディング演出の実行が1ゲーム延長される。この場合、直前のエンディング演出の内容に対して演出の連続性を有するような1ゲームの演出が実行される。
ボーナス状態(BB状態ST3又はRB状態ST4)が終了している場合(ステップS4412:YES)、演出側RAM94の演出延長フラグを「0」クリアするとともに(ステップS4414)、演出側RAM94の演出側エンディング演出フラグを「0」クリアする(ステップS4415)。その後、通常演出の開始設定処理を実行する(ステップS4416)。当該開始設定処理では、エンディング演出の終了に対応する演出の実行を可能とするエンディング終了演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させるとともに、通常遊技状態ST1に対応する演出の実行を可能とする通常演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。この場合、まずエンディング終了演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてエンディング終了演出が実行される。また、その後に通常演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて通常遊技状態ST1に対応する演出が実行される。
遊技区間の第2制御処理(図45)の説明に戻り、ステップS1805にてエンディング対応処理を実行した後は、主側RAM74の有利継続カウンタの値が有利区間SC2の上限ゲーム数(具体的には「1500」)に対応する値となったか否かを判定する(ステップS1806)。ステップS1806にて肯定判定をした場合、有利区間の初期化処理を実行する(ステップS1807)。有利区間の初期化処理では主側RAM74の有利区間フラグを「0」クリアする。また、有利区間の初期化処理では、偽前兆状態ST5、本前兆状態ST6、チャンス状態ST7、準備状態ST8及びART状態ST9のいずれかに滞在していたとしても、それら遊技状態ST5~ST9の継続ゲーム数を記憶するためのカウンタを含めてそれら遊技状態ST5~ST9であることを示す各種データをクリアすることにより遊技状態を通常遊技状態ST1に移行させる。その後、有利区間表示部67を点灯状態から消灯状態に切り換える(ステップS1808)。これにより、有利区間表示部67における有利区間であることの報知が終了される。
その後、主側RAM74の主側エンディング演出フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS1809)。ステップS1809にて肯定判定をした場合、フリーズ設定処理を実行する(ステップS1810)。
一方、ステップS1809にて否定判定をした場合、強制終了コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS1811)。演出側MPU92は強制終了コマンドを受信した場合、非通常用の演出制御処理(図72)におけるステップS3520のその他の演出用処理にて通常演出の開始設定処理を実行する。当該開始設定処理では、通常遊技状態ST1に復帰することを示す通常復帰演出の実行を可能とする通常復帰演出テーブル及び通常遊技状態ST1に対応する演出の実行を可能とする通常演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。この場合、まず通常復帰演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて通常復帰演出が実行された後に、通常演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて通常遊技状態ST1に対応する演出が実行される。
次に、遊技区間の第2制御処理(図45)におけるステップS1802又はステップS1810にて実行されるフリーズ設定処理について、図88のフローチャートを参照しながら説明する。なお、遊技区間の第2制御処理は1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行されるため、フリーズ設定処理も1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行される。
主側RAM74のフリーズ待機フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS4501:NO)、エンディング演出が実行されている状況において有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達したことを意味する。この場合、まず主側RAM74の主側エンディング演出フラグを「0」クリアする(ステップS4502)。その後、今回のゲームが開始されたタイミングにおける遊技状態がBB状態ST3であれば(ステップS4503:YES)、今回のゲームがBB状態ST3の最終ゲームであるか否かを判定する(ステップS4504)。今回のゲームがBB状態ST3の最終ゲームでなければ(ステップS4504:NO)、BB状態ST3において遊技者に付与された遊技媒体の合計付与数が特定基準数以下であるか否かを判定する(ステップS4505)。特定基準数は演出側MPU92におけるエンディング演出終了用処理(図87)のステップS4404にて判定した特定基準数と同一となっている。つまり、特定基準数はBB終了基準数よりも少ない数に設定されており、具体的には特定基準数はBB終了基準数の半分以下である「100」に設定されている。
ステップS4504にて肯定判定をした場合、又はステップS4505にて肯定判定をした場合、フリーズカウンタの設定処理を実行する(ステップS4506)。フリーズカウンタの設定処理では、主側RAM74のフリーズカウンタにエンディング終了時のフリーズ期間(具体的には15秒)に対応する数値情報を設定する。フリーズカウンタに設定された数値情報はタイマ割込み処理(図11)におけるタイマ減算処理(ステップS208)にて定期的に減算される。ステップS4506にてフリーズカウンタに数値が設定された場合、通常処理(図13)におけるステップS413にて待機する。これにより、新たなゲームの開始が待機された状態となる。このように新たなゲームの開始が待機された状態において既に説明したとおり上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてエンディング終了演出が実行されることで、エンディング終了演出に遊技者を注目させることが可能となる。通常処理(図13)におけるステップS413にて待機された状態はフリーズカウンタの値が「0」となることで解除される。
一方、ステップS4504及びステップS4505の両方にて否定判定をした場合、フリーズカウンタの設定処理を実行することなく主側RAM74のフリーズ待機フラグに「1」を設定する。BB状態ST3の最終ゲームではなくさらにBB状態ST3において遊技者に付与された遊技媒体の合計付与数が特定基準数以下ではない場合、有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達して有利区間SC2の初期化処理が実行された後であっても通常区間SC1であってBB状態ST3である状況において演出側MPU92におけるエンディング演出の実行が延長される。したがって、このような状況においてはエンディング演出の終了時におけるフリーズ設定を、エンディング演出の延長が終了するタイミングとなるまで、すなわちBB状態ST3が終了するタイミングとなるまで待機する。フリーズ待機フラグはかかるフリーズ設定の待機状態であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
今回のゲームが開始されたタイミングにおける遊技状態がBB状態ST3ではない場合(ステップS4503:NO)、今回のゲームがRB状態ST4の最終ゲーム以外であったか否かを判定する(ステップS4508)。今回のゲームがRB状態ST4ではない場合、又は今回のゲームがRB状態ST4の最終ゲームであった場合(ステップS4508:NO)、フリーズカウンタの設定処理を実行する(ステップS4509)。フリーズカウンタの設定処理では、ステップS4506と同様に、主側RAM74のフリーズカウンタにエンディング終了時のフリーズ期間(具体的には15秒)に対応する数値情報を設定する。フリーズカウンタに設定された数値情報はタイマ割込み処理(図11)におけるタイマ減算処理(ステップS208)にて定期的に減算される。ステップS4509にてフリーズカウンタに数値が設定された場合、通常処理(図13)におけるステップS413にて待機する。これにより、新たなゲームの開始が待機された状態となる。このように新たなゲームの開始が待機された状態において既に説明したとおり上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてエンディング終了演出が実行されることで、エンディング終了演出に遊技者を注目させることが可能となる。通常処理(図13)におけるステップS413にて待機された状態はフリーズカウンタの値が「0」となることで解除される。
上記のとおりステップS4506及びステップS4509のそれぞれにてフリーズカウンタの設定処理が実行されることにより、エンディング演出の実行期間において有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合において、そのゲームがボーナス状態ではない場合、ボーナス状態ではあるもののボーナス状態の最終ゲームである場合、又はBB状態ST3において遊技者に付与された遊技媒体の合計付与数が特定基準数以下である場合には、そのゲームの終了時にエンディング終了時のフリーズ期間が発生する。そして、当該エンディング終了時のフリーズ期間においてエンディング終了演出が実行されることとなる。
今回のゲームがRB状態ST4であって当該RB状態ST4の最終ゲームではない場合(ステップS4508:YES)、フリーズカウンタの設定処理を実行することなく主側RAM74のフリーズ待機フラグに「1」を設定する(ステップS4510)。RB状態ST4であって当該RB状態ST4の最終ゲームではない場合、有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達して有利区間SC2の初期化処理が実行された後であっても通常区間SC1であってRB状態ST4である状況において演出側MPU92におけるエンディング演出の実行が延長される。したがって、このような状況においてはエンディング演出の終了時におけるフリーズ設定を、エンディング演出の延長が終了するタイミングとなるまで、すなわちRB状態ST4が終了するタイミングとなるまで待機する。フリーズ待機フラグはかかるフリーズ設定の待機状態であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
フリーズ待機フラグに「1」が設定されている場合(ステップS4501:YES)、BB状態ST3又はRB状態ST4の最終ゲームであるか否かを判定する(ステップS4511)。ステップS4511にて肯定判定をした場合、今回のゲームにてエンディング演出が延長されている状態が終了することとなる。したがって、主側RAM74のフリーズ待機フラグを「0」クリアした後に(ステップS4512)、フリーズカウンタの設定処理を実行する(ステップS4513)。
フリーズカウンタの設定処理では、ステップS4506及びステップS4509と同様に、主側RAM74のフリーズカウンタにエンディング終了時のフリーズ期間(具体的には15秒)に対応する数値情報を設定する。フリーズカウンタに設定された数値情報はタイマ割込み処理(図11)におけるタイマ減算処理(ステップS208)にて定期的に減算される。ステップS4509にてフリーズカウンタに数値が設定された場合、通常処理(図13)におけるステップS413にて待機する。これにより、新たなゲームの開始が待機された状態となる。このように新たなゲームの開始が待機された状態において既に説明したとおり上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてエンディング終了演出が実行されることで、エンディング終了演出に遊技者を注目させることが可能となる。通常処理(図13)におけるステップS413にて待機された状態はフリーズカウンタの値が「0」となることで解除される。
次に、図89のタイムチャートを参照しながらエンディング演出が実行される様子について説明する。図89(a)は有利区間SC2の実行期間を示し、図89(b)はBB状態ST3の実行期間を示し、図89(c)はRB状態ST4の実行期間を示し、図89(d)はエンディング演出の実行期間を示し、図89(e)はボーナス演出(BB演出又はRB演出)の実行期間を示し、図89(f)はフリーズ期間を示す。
まずBB状態ST3及びRB状態ST4のいずれでもない状況においてエンディング演出が終了する場合について説明する。
図89(a)に示すように有利区間SC2である状況であるt1のタイミングで有利区間SC2の継続ゲーム数がエンディング対応ゲーム数以上となるとともにART状態ST9の残りの継続ゲーム数との関係で有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達することが確定することにより、図89(d)に示すように当該t1のタイミングでエンディング演出が開始される。その後、t2のタイミングで図89(a)に示すように有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達したゲームの終了タイミングとなることにより、図89(f)に示すように新たなゲームの開始が強制的に待機された状態となるフリーズ期間が開始される。当該フリーズ期間においてエンディング終了演出が実行される。その後、t3のタイミングで図89(f)に示すようにフリーズ期間が終了することで、図89(d)に示すようにエンディング演出が終了される。
次に、BB状態ST3の途中でエンディング演出が終了する場合について説明する。
図89(a)に示すように有利区間SC2である状況であるt4のタイミングで有利区間SC2の継続ゲーム数がエンディング対応ゲーム数以上となるとともにART状態ST9の残りの継続ゲーム数との関係で有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達することが確定することにより、図89(d)に示すように当該t4のタイミングでエンディング演出が開始される。その後、エンディング演出が実行されている状況であるt5のタイミングで図89(b)に示すようにBB状態ST3が開始される。この場合、図89(f)に示すようにBB状態ST3が開始されたことに対応するフリーズ設定は行われない。これにより、エンディング演出の流れがフリーズ設定によって阻害されてしまわないようにすることが可能となる。
その後、図89(b)に示すようにBB状態ST3が実行されている状況であるt6のタイミングで、図89(a)に示すように有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達したゲームの終了タイミングとなる。この場合、BB状態ST3においてそれまでに付与された遊技媒体の合計付与数が特定基準数以下であるため、エンディング演出の延長は発生しない。したがって、t6のタイミングで図89(f)に示すように新たなゲームの開始が強制的に待機された状態となるフリーズ期間が開始される。当該フリーズ期間においてエンディング終了演出が実行される。その後、t7のタイミングで図89(f)に示すようにフリーズ期間が終了することで、図89(d)に示すようにエンディング演出が終了される。また、当該t7のタイミングで図89(e)に示すようにBB状態ST3に対応する演出が開始される。
その後、t8のタイミングでBB状態ST3が終了するゲームの終了タイミングとなる。したがって、t8のタイミングで図89(f)に示すように新たなゲームの開始が強制的に待機された状態となるフリーズ期間が開始される。当該フリーズ期間においてBB状態ST3が終了することに対応する演出が実行される。その後、t9のタイミングで図89(f)に示すようにフリーズ期間が終了することで、図89(e)に示すようにBB状態ST3に対応する演出が終了される。
次に、RB状態ST4の途中で有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達することでエンディング演出が延長される場合について説明する。
図89(a)に示すように有利区間SC2である状況であるt10のタイミングで有利区間SC2の継続ゲーム数がエンディング対応ゲーム数以上となるとともにART状態ST9の残りの継続ゲーム数との関係で有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達することが確定することにより、図89(d)に示すように当該t10のタイミングでエンディング演出が開始される。その後、エンディング演出が実行されている状況であるt11のタイミングで図89(c)に示すようにRB状態ST4が開始される。この場合、図89(f)に示すようにRB状態ST4が開始されたことに対応するフリーズ設定は行われない。これにより、エンディング演出の流れがフリーズ設定によって阻害されてしまわないようにすることが可能となる。
その後、図89(c)に示すようにRB状態ST4が実行されている状況であるt12のタイミングで、図89(a)に示すように有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達したゲームの終了タイミングとなる。この場合、RB状態ST4が継続しているためエンディング演出が延長されることとなる。
その後、t13のタイミングでRB状態ST4が終了するゲームの終了タイミングとなる。したがって、t13のタイミングで図89(f)に示すように新たなゲームの開始が強制的に待機された状態となるフリーズ期間が開始される。当該フリーズ期間においてエンディング終了演出が実行される。その後、t14のタイミングで図89(f)に示すようにフリーズ期間が終了することで、図89(c)に示すようにRB状態ST4が終了されるとともに図89(d)に示すようにエンディング演出が終了される。
<有利維持区間について>
次に、有利維持区間について説明する。
既に説明したとおりART状態処理(図70)のステップS3404~ステップS3409の処理が実行されることにより、ART状態ST9が終了する場合においてそれまでの有利区間SC2の継続ゲーム数が継続可能ゲーム数(具体的には「1200」)以下である場合には有利維持区間の発生抽選処理が実行され、当該有利維持区間の発生抽選処理にて有利維持当選となった場合には主側RAM74の有利維持カウンタに有利維持ゲーム数に対応する値(具体的には「10」)が設定されるとともに有利区間SC2が維持される有利維持区間となる。有利維持区間においては1ゲームが消化される度に有利維持カウンタの値が1減算され、通常遊技状態ST1であって有利維持カウンタの値が「0」である状況となった場合、遊技区間の第2制御処理(図45)のステップS1812にて肯定判定をすることに基づき有利区間SC2の初期化処理が実行されて有利区間SC2が終了する。
有利維持区間においてボーナス入賞が成立した場合にはその入賞成立により開始されるボーナス状態の最初のゲームが有利区間SC2であればボーナス状態の終了後にART状態ST9に移行することが確定することとなる。この場合に、設定差無しのボーナス入賞である第3BB入賞、第4BB入賞又は第1RB入賞の成立に伴うボーナス状態であれば、当該ボーナス入賞が成立したゲームにおける遊技区間に関係なくボーナス状態の開始ゲームにおいて有利区間SC2となる。したがって、当該ボーナス入賞が有利維持区間の最終ゲームで成立したとしてもボーナス状態の開始ゲームにおいては有利区間SC2に維持されるため、ボーナス状態の終了後にART状態ST9に移行することが確定することとなる。
その一方、設定差有りのボーナス入賞である第1BB入賞、第2BB入賞又は第2RB入賞の成立に伴うボーナス状態であれば、当該ボーナス状態の開始に伴う有利区間SC2の維持や設定は行われない。そうすると、当該ボーナス入賞が有利維持区間の最終ゲームで成立した場合、ボーナス状態の開始ゲームにおいては通常区間SC1となるため、有利維持区間においてボーナス入賞が発生したとしてもART状態ST9への移行が確定しない。これに対して、有利維持区間においてボーナス当選となった場合にはそのボーナス当選となった役の種類及び有利維持区間の消化ゲーム数に対応する態様で演出が実行される。当該演出の実行制御を行うための処理構成について以下に説明する。
図90は有利維持区間用の演出制御処理を示すフローチャートである。なお、有利維持区間用の演出制御処理は通常用の演出制御処理(図52)が実行された後に実行される。
まず主側MPU72から有利維持コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS4601)。有利維持コマンドはART状態ST9が終了する場合において有利維持区間が開始される場合に主側MPU72から送信される。有利維持コマンドを受信した場合(ステップS4601:YES)、有利維持演出の開始設定処理を実行する(ステップS4602)。当該開始設定処理では、有利維持ゲーム数(具体的には「10」)に亘って有利維持区間に対応する有利維持演出の実行を可能とする有利維持演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。有利維持演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて有利維持演出が実行される。なお、画像表示装置63における有利維持演出においては有利維持演出に対応する画像は表示されるものの、有利維持演出の残りの継続ゲーム数は表示されない。また、当該有利維持演出の残りの継続ゲーム数についての報知は、画像表示装置63だけではなく上部ランプ61及びスピーカ62を含めて行われない。
有利維持演出の実行中である場合(ステップS4603:YES)、いずれかのボーナス当選データが主側RAM74に設定されているか否かを判定する(ステップS4604)。いずれかのボーナス当選データが主側RAM74に設定されている場合(ステップS4604:YES)有利維持区間の最終ゲームであるか否かを判定する(ステップS4605)。
有利維持区間の最終ゲームではない場合(ステップS4605:NO)、ボーナス当選告知の実行中ではないことを条件として(ステップS4606:NO)、ボーナス当選の告知設定処理を実行する(ステップS4607)。当該ボーナス当選の告知設定処理では、画像表示装置63にて有利維持演出に対応する動画が表示されている状況においてボーナス当選に対応する画像が表示されるようにするためのデータ設定を行う。
図91(a)はボーナス当選告知画像G15の内容を説明するための説明図である。図91(a)に示すように画像表示装置63には「ボーナスを成立させろ!」という文字によるボーナス当選告知画像G15が表示されている。このようにボーナス当選告知画像G15が表示されることにより、有利維持区間の範囲内でボーナス入賞を成立させることを遊技者に促すことが可能となる。当該ボーナス当選告知画像G15の表示は、後述するボーナス種別告知画像G16の表示が開始される場合、又はボーナス入賞が成立することにより終了される。
有利維持区間の最終ゲームである場合(ステップS4605:YES)、主側RAM74に現状設定されている当選データが当選確率に設定差が存在している当選データである第1BB当選データ、第2BB当選データ及び第2RB当選データのいずれかであるか否かを判定する(ステップS4608)。なお、演出側MPU92は主側MPU72から送信されるゲーム開始コマンドに基づき主側RAM74にボーナス当選データが設定されているか否かを特定することができるとともにそのボーナス当選データの種類も特定することができる。
これらいずれかの当選データである場合(ステップS4608:YES)、有利維持区間の最終ゲームにおいてボーナス入賞を成立させたとしても当該ボーナス入賞の成立に対応するボーナス状態の開始ゲームにおいては遊技区間が通常区間SC1となってしまうため、ART状態ST9への移行が確定しない。そこで、通常演出の実行中ではないことを条件として(ステップS4609:NO)、通常演出の開始設定処理を実行する(ステップS4610)。通常演出の開始設定処理では、通常遊技状態ST1であって通常区間SC1に対応する通常演出の実行を可能とする通常演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。通常演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて通常演出が実行される。
有利維持区間の最終ゲームにおいて当選確率に設定差が存在しているボーナス入賞が成立した場合を除き、有利維持区間においてボーナス入賞が成立した場合にはART状態ST9への移行が確定する。この場合に、当選確率に設定差が存在しているボーナス当選データが設定されている状況で有利維持区間の最終ゲームとなった場合にはそのゲームの開始時に通常演出が開始されるようにすることにより、有利維持区間においてボーナス入賞が成立したにも関わらずART状態ST9への移行が発生しなかったという印象を遊技者に与えづらくなる。
ステップS4608にて否定判定をした場合、ボーナス種別告知の実行中ではないことを条件として(ステップS4611:NO)、ボーナス種別の告知設定処理を実行する(ステップS4612)。当該ボーナス種別の告知設定処理では、画像表示装置63にて有利維持演出に対応する動画が表示されている状況において主側RAM74に現状設定されているボーナス当選データに対応するボーナス入賞の成立を可能とする図柄の組合せを示す画像が表示されるようにするためのデータ設定を行う。
図91(b)は主側RAM74に第3BB当選データが設定されている状況におけるボーナス種別告知画像G16の内容を説明するための説明図である。図91(b)に示すように画像表示装置63には第3BB入賞を成立させる図柄の組合せに対応する「赤7・赤7・白7」というボーナス種別告知画像G16が表示されている。このようにボーナス種別告知画像G16が表示されることにより、有利維持区間の最終ゲームにおいて当選確率に設定差が存在していないボーナス入賞が成立する確率を高めることが可能となる。当該ボーナス種別告知画像G16の表示はボーナス入賞が成立することにより終了される。
有利維持演出の実行中であって(ステップS4603:YES)、新たな1ゲームが開始されることにより有利維持演出の更新タイミングとなった場合(ステップS4613:YES)、有利維持演出の更新設定処理を実行する(ステップS4614)。当該更新設定処理では、現状参照対象となっている有利維持演出テーブルにおいて参照すべき範囲を1ゲームの新たな開始に応じて変更する処理を実行する。これにより、有利維持演出の実行内容が当該有利維持演出の継続ゲーム数に応じて変化することとなる。
次に、図92のタイムチャートを参照しながら有利維持区間が進行していく様子について説明する。図92(a)は有利維持区間の実行期間を示し、図92(b)は有利区間SC2の実行期間を示し、図92(c)は当選確率に設定差が存在していないボーナス当選データが設定されたタイミングを示し、図92(d)は当選確率に設定差が存在しているボーナス当選データが設定されたタイミングを示し、図92(e)はボーナス状態の実行期間を示し、図92(f)はART状態ST9への移行当選となったタイミングを示し、図92(g)は有利維持演出の実行期間を示し、図92(h)はボーナス当選又はボーナス種別の告知演出の実行期間を示し、図92(i)は通常演出の実行期間を示す。
まず有利維持区間において設定差有りのボーナス当選となるとともに有利維持区間の最終ゲームよりも前のゲームでボーナス入賞が成立する場合について説明する。
図92(b)に示すように有利区間SC2である状況であるt1のタイミングで、図92(a)に示すように有利維持区間が開始されるとともに図92(g)に示すように有利維持演出が開始される。その後、有利維持区間の最終ゲームよりも前のゲームが開始されたタイミングであるt2のタイミングで図92(d)に示すように設定差有りのボーナス当選となる。この場合、当該t2のタイミングで図92(h)に示すようにボーナス当選の告知演出が開始される。具体的には図91(a)に示すようにボーナス当選告知画像G15の表示が開始される。
当該ボーナス当選告知画像G15を確認した遊技者は当該ボーナス当選となったゲームでボーナス入賞を成立させる。これにより、当該ゲームの終了タイミングであるt3のタイミングで、図92(a)及び図92(e)に示すように有利維持区間が終了されてボーナス状態が開始される。また、当該t3のタイミングで図92(g)に示すように有利維持演出が終了されるとともに図92(h)に示すようにボーナス当選告知画像G15の表示が終了される。その後、t4のタイミングでボーナス状態の最初のゲームが開始される。この場合、図92(b)に示すように有利区間SC2が維持されているため、有利維持区間においてボーナス入賞が成立するとともにそのボーナス状態の開始ゲームが有利区間SC2において開始されることとなる。したがって、当該t4のタイミングで図92(f)に示すようにART状態ST9への移行当選となる。
次に、有利維持区間において設定差有りのボーナス当選となるとともに有利維持区間の最終ゲームでボーナス入賞が成立する場合について説明する。
図92(b)に示すように有利区間SC2である状況であるt5のタイミングで、図92(a)に示すように有利維持区間が開始されるとともに図92(g)に示すように有利維持演出が開始される。その後、有利維持区間の最終ゲームよりも前のゲームが開始されたタイミングであるt6のタイミングで図92(d)に示すように設定差有りのボーナス当選となる。この場合、当該t6のタイミングで図92(h)に示すようにボーナス当選の告知演出が開始される。具体的には図91(a)に示すようにボーナス当選告知画像G15の表示が開始される。
当該ボーナス当選告知画像G15を確認したものの遊技者はボーナス入賞を成立させることができないまま、t7のタイミングで有利維持区間の最終ゲームが開始される。この場合、図92(a)に示すように主側MPU72においては有利維持区間に維持されている状況であっても、図92(g)及び図92(i)に示すようにt7のタイミングで有利維持演出が終了されて通常演出が開始される。また、このように有利維持演出が終了されて通常演出が開始されたとしても、図92(h)に示すようにボーナス当選告知画像G15の表示は継続される。そして、当該最終ゲームにおいてボーナス入賞が成立する。この場合、当該最終ゲームの終了タイミングであるt8のタイミングで、図92(a)に示すように有利維持区間が終了されるとともに図92(b)に示すように有利区間SC2が終了される。また、当該t8のタイミングで、図92(e)に示すようにボーナス状態が開始される。当該ボーナス状態の開始ゲームにおいては有利区間SC2ではなく通常区間SC1となっている。したがって、有利維持区間の最終ゲームにおいてボーナス入賞が成立したもののART状態ST9への移行当選とならない。
上記のとおり有利維持区間の最終ゲームよりも前のゲームにおいて設定差有りのボーナス当選となりボーナス当選告知画像G15が表示されたとしても有利維持区間の最終ゲームよりも前にボーナス入賞を成立させることができないと、有利維持区間においてボーナス入賞が成立したとしてもART状態ST9への移行当選とならない。つまり、ART状態ST9への移行当選とするためには、ボーナス当選告知画像G15の表示に対するボーナス当選データの種類の予測を有利維持区間の最終ゲームよりも前のゲームまでに当てる必要が生じる。これにより、有利維持区間における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
次に、有利維持区間の最終ゲームにて設定差有りのボーナス当選となる場合について説明する。
図92(a)に示すように有利維持区間であって図92(b)に示すように有利区間SC2である状況においてt9のタイミングで有利維持区間の最終ゲームが開始される。この場合、当該t9のタイミングで図92(d)に示すように設定差有りのボーナス当選となる。有利維持区間の最終ゲームにて設定差有りのボーナス当選となった場合には、図92(h)に示すようにボーナス当選告知画像G15は表示されない。また、t9のタイミングで図92(g)及び図92(i)に示すように有利維持演出が終了されて通常演出が開始される。そして、有利維持区間の最終ゲームにてボーナス入賞を成立させたとしても、当該最終ゲームの終了タイミングであるt10のタイミングで図92(a)に示すように有利維持区間が終了されるだけではなく図92(b)に示すように有利区間SC2が終了される。また、当該t10のタイミングで、図92(e)に示すようにボーナス状態が開始される。当該ボーナス状態の開始ゲームにおいては有利区間SC2ではなく通常区間SC1となっている。したがって、有利維持区間の最終ゲームにおいてボーナス入賞が成立したもののART状態ST9への移行当選とならない。
次に、有利維持区間の最終ゲームにて設定差無しのボーナス当選となる場合について説明する。
図92(a)に示すように有利維持区間であって図92(b)に示すように有利区間SC2である状況においてt11のタイミングで有利維持区間の最終ゲームが開始される。この場合、当該t11のタイミングで図92(c)に示すように設定差無しのボーナス当選となる。設定差無しのボーナス当選となっている場合であって有利維持区間の最終ゲームである場合には、図92(h)に示すようにボーナス種別の告知演出が開始される。具体的には図91(b)に示すようにボーナス種別告知画像G16の表示が開始される。
当該ボーナス種別告知画像G16を確認した遊技者は当該ボーナス当選となったゲームでボーナス入賞を成立させる。これにより、当該ゲームの終了タイミングであるt12のタイミングで、図92(a)及び図92(e)に示すように有利維持区間が終了されてボーナス状態が開始される。また、当該t12のタイミングで図92(g)に示すように有利維持演出が終了されるとともに図92(h)に示すようにボーナス種別告知画像G16の表示が終了される。その後、t13のタイミングでボーナス状態の最初のゲームが開始される。この場合、図92(b)に示すように有利区間SC2が維持されているため、有利維持区間においてボーナス入賞が成立するとともにそのボーナス状態の開始ゲームが有利区間SC2において開始されることとなる。したがって、当該t13のタイミングで図92(f)に示すようにART状態ST9への移行当選となる。
<遊技の履歴管理について>
次に、遊技の履歴を管理するとともにその管理結果を報知するために主側MPU72にて実行される管理用処理について図93のフローチャートを参照しながら説明する。なお、管理用処理はタイマ割込み処理(図11)におけるステップS213にて実行される。
1ゲームが新たに実行された場合(ステップS4701:YES)、主側RAM74に設けられた合計ゲーム数カウンタ74aの値を1加算する(ステップS4702)。合計ゲーム数カウンタ74aは、遊技状態及び遊技区間に関係なく消化されたゲーム数を計測するためのカウンタである。合計ゲーム数カウンタ74aは3バイトからなり256の3乗から1減算した値を上限としてゲーム数を計測することが可能である。また、合計ゲーム数カウンタ74aの値はメイン処理(図10)においてステップS104の全部クリア処理又はステップS113の設定値以外のクリア処理が実行されない限り「0」クリアされない。したがって、遊技ホールにおける複数の営業日における累計のゲーム数を計測することが可能である。
1ゲームが新たに実行された場合であって(ステップS4701:YES)、有利区間SC2である場合(ステップS4703:YES)、合計ゲーム数カウンタ74aの値を1加算するだけではなく、主側RAM74に設けられた有利ゲーム数カウンタ74bの値を1加算する(ステップS4704)。有利ゲーム数カウンタ74bは主側RAM74において有利継続カウンタとは別に設けられており、有利区間SC2の初期化処理が実行されたとしても有利ゲーム数カウンタ74bは「0」クリアされない。したがって、通常区間SC1を間に挟んで有利区間SC2が複数回発生する場合、それら複数回の有利区間SC2において消化されたゲーム数の合計を有利ゲーム数カウンタ74bにて計測することが可能である。有利ゲーム数カウンタ74bは3バイトからなり256の3乗から1減算した値を上限としてゲーム数を計測することが可能である。また、有利ゲーム数カウンタ74bの値はメイン処理(図10)においてステップS104の全部クリア処理又はステップS113の設定値以外のクリア処理が実行されない限り「0」クリアされない。したがって、遊技ホールにおける複数の営業日において実行された有利区間SC2の累計のゲーム数を計測することが可能である。
ステップS4701にて否定判定をした場合、ステップS4703にて否定判定をした場合、又はステップS4704の処理を実行した場合、遊技履歴の管理結果を表示している状況であるか否かを判定する(ステップS4705)。遊技履歴の管理結果を表示している状況ではない場合(ステップS4705:NO)、遊技履歴の管理結果の表示指示が発生しているか否かを判定する(ステップS4706)。具体的には、スロットマシン10の動作電力が供給されている状況において前面扉12が開放されて電源装置54に設けられたリセットボタン56が操作されたか否かを判定する。スロットマシン10の動作電力が供給されている状況においてリセットボタン56が操作された場合には遊技履歴の管理結果の表示指示が発生したことになる。
遊技履歴の管理結果の表示指示が発生していると判定した場合(ステップS4706:YES)、合計ゲーム数カウンタ74aの値に対する有利ゲーム数カウンタ74bの値の割合を演算する(ステップS4707)。つまり、演算結果=「有利ゲーム数カウンタ74bの値」/「合計ゲーム数カウンタ74aの値」となるように演算を実行する。
その後、表示開始処理を実行する(ステップS4708)。表示開始処理ではステップS4707の演算結果の兼用表示部66及び有利区間表示部67における表示を開始させる。この場合、ステップS4707の演算結果を100倍した値のうち、10の位が兼用表示部66における左側の7セグメント表示器66aに表示され、1の位が右側の7セグメント表示器66bに表示されるように兼用表示部66を表示制御する。上記演算結果はパーセント表示として報知される。具体的には、上記演算結果を100倍した値が「35」であれば、左側の7セグメント表示器66aでは「3」が表示され、右側の7セグメント表示器66bでは「5」が表示される。
但し、このように2つの7セグメント表示器66a,66bのみによる表示の場合、上記演算結果を100倍した値が「100」の場合と「0」の場合とで兼用表示部66における表示内容が同一となってしまう。そこで、上記演算結果を100倍した値が「100」の場合には左側の7セグメント表示器66a及び右側の7セグメント表示器66bのそれぞれに「0」が表示されるだけではなく有利区間表示部67が点灯状態とされ、上記演算結果を100倍した値が「0」の場合には左側の7セグメント表示器66a及び右側の7セグメント表示器66bのそれぞれに「0」が表示されるだけではなく有利区間表示部67が消灯状態とされる。なお、兼用表示部66において遊技履歴の管理結果が表示されている場合であって上記演算結果を100倍した値が「100」ではない場合には現状の遊技区間が有利区間SC2であったとしても有利区間表示部67が消灯状態とされる。
一方、遊技履歴の管理結果を表示している場合(ステップS4705:YES)、スタート検出センサ41a、ストップ検出センサ42a~44a、投入メダル検出センサ45a、クレジット投入検出センサ47a~49a及び精算検出センサ51aのいずれかからON信号を受信しているか否かを判定する(ステップS4709)。スタートレバー41が押圧操作されていることを示すON信号をスタート検出センサ41aから受信している場合、いずれかのストップボタン42~44が押圧操作されていることを示すON信号をいずれかのストップ検出センサ42a~44aから受信している場合、メダルが投入されたことを示すON信号を投入メダル検出センサ45aから受信している場合、いずれかのクレジット投入ボタン47~49が押圧操作されていることを示すON信号をいずれかのクレジット投入検出センサ47a~49aから受信している場合、又は精算ボタン51が押圧操作されたことを示すON信号を精算検出センサ51aから受信している場合、ステップS4709にて肯定判定をする。この場合、各ON信号が有効期間において発生したか否かに関係なくステップS4709にて肯定判定をする。
つまり、スタート検出センサ41aからのON信号の受信がリール32L,32M,32Rの回転開始契機となるか否かに関係なくステップS4709にて肯定判定をする。また、ストップ検出センサ42a~44aからのON信号の受信がリール32L,32M,32Rの回転停止契機となるか否かに関係なくステップS4709にて肯定判定をする。また、投入メダル検出センサ45aからのON信号の受信がベット設定又はクレジット増加の対象となるか否かに関係なくステップS4709にて肯定判定をする。また、クレジット投入検出センサ47a~49aからのON信号の受信がベット設定の対象となるか否かに関係なくステップS4709にて肯定判定をする。また、精算検出センサ51aからのON信号の受信がクレジットされた仮想メダルの精算契機となるか否かに関係なくステップS4709にて肯定判定をする。
ステップS4709にて肯定判定をした場合、表示終了処理を実行する(ステップS4710)。表示終了処理では、兼用表示部66及び有利区間表示部67における上記演算結果の表示を終了させて、兼用表示部66及び有利区間表示部67の表示内容を上記演算結果の表示を開始させる直前の表示内容とする。例えば、兼用表示部66において1ゲームの入賞結果に対応する遊技媒体の付与数が表示されている状況で上記演算結果の表示が開始された場合には、その遊技媒体の付与数の表示を再開させる。また、兼用表示部66においてリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する情報が表示されている状況で上記演算結果の表示が開始された場合には、その停止順序に対応する情報の表示を再開させる。また、兼用表示部66において何ら表示されていない状況で上記演算結果の表示が開始された場合、何ら表示されていない状態とする。また、有利区間表示部67が消灯状態である状況で上記演算結果の表示が行われることで有利区間表示部67が点灯状態となった場合には、消灯状態に復帰させる。また、有利区間表示部67が点灯状態である状況で上記演算結果の表示が行われることで有利区間表示部67が消灯状態となった場合には、点灯状態に復帰させる。
次に、図94のタイムチャートを参照しながら遊技履歴の管理結果が兼用表示部66を利用して表示される様子について説明する。図94(a)は兼用表示部66において1ゲームの入賞結果に対応する遊技媒体の付与数の表示(付与数表示)が行われている期間を示し、図94(b)は兼用表示部66において遊技履歴の管理結果を演算した結果の表示(以下、管理表示という)が行われている期間を示し、図94(c)は前面扉12が開放状態となっている期間を示し、図94(d)は管理表示指示が行われたタイミングを示し、図94(e)は表示終了契機となる各種センサ41a,42a~44a,45a,47a~49a,51aのいずれかからのON信号を受信したタイミングを示す。
図94(a)に示すように兼用表示部66において付与数表示が行われている状況であるt1のタイミングで図94(c)に示すように前面扉12が開放され、その後のt2のタイミングで図94(d)に示すように管理表示操作としてリセットボタン56が操作される。これにより、当該t2のタイミングで図94(b)に示すように兼用表示部66において管理表示が開始される。その後、当該管理表示が継続されている状況であるt3のタイミングで図94(c)に示すように前面扉12が閉鎖される。この場合、本スロットマシン10では前面扉12が開放されているか否かを検出するためのセンサが設けられているが、前面扉12の開閉によっては兼用表示部66及び有利区間表示部67における管理表示の終了契機は発生しない。したがって、t3のタイミングであっても図94(b)に示すように管理表示が継続される。このように前面扉12の開閉によって管理表示の終了契機が発生しないことにより、前面扉12を開放してリセットボタン56を操作することで兼用表示部66及び有利区間表示部67における管理表示を開始させた場合、その後に前面扉12を閉鎖した状態においてその管理表示の内容を確認することが可能となる。
なお、各リール32L,32M,32Rが1周したことを検出するリールインデックスセンサも管理表示の終了契機を発生させるセンサから除外されている。これにより、リール32L,32M,32Rが回転している状況において管理表示を開始させた場合に、遊技ホールの管理者の意思に反してリール32L,32M,32Rの回転状況によってその管理表示が終了されてしまわないようにすることが可能となる。
その後、t4のタイミングで、図94(e)に示すように表示終了契機となる各種センサ41a,42a~44a,45a,47a~49a,51aのいずれかからのON信号を受信する。これにより、当該t4のタイミングで図94(a)及び図94(b)に示すように管理表示が終了されて付与数表示が再開される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技者の有利度に対応する複数段階の設定値の中から使用対象となる設定値が設定される構成であるため、遊技者はより有利な設定値が使用対象として設定されていることを期待することとなる。また、複数種類の遊技状態ST1~ST9が存在しているとともにそれとは別に遊技区間が存在していることにより遊技の進行内容を多様化させることが可能となる。また、通常区間SC1においてはART状態ST9への移行が発生しないのに対して有利区間SC2においてはART状態ST9への移行が発生し得るとともに、通常区間SC1及び有利区間SC2はいずれも通常遊技状態ST1、ボーナス内部状態ST2、BB状態ST3及びRB状態ST4において滞在し得る構成であるため、有利な遊技状態であって有利区間SC2であることを期待しながら遊技者は遊技を行うこととなる。
この場合に、設定値に応じて当選確率が変動するボーナス役(具体的には第1BB当選データの役、第2BB当選データの役、第2RB当選データの役)に対応するボーナス状態(BB状態ST3、RB状態ST4)が有利区間SC2において発生したことに基づいてART状態ST9への移行が発生し得る。一方、設定値に応じて当選確率が変動するボーナス役に対応するボーナス状態が通常区間SC1において発生したとしてもART状態ST9への移行は発生しない。これにより、有利区間SC2において設定値に応じて当選確率が変動するボーナス役に対応するボーナス状態が発生することを遊技者は期待することとなる。また、当該構成によればART状態ST9への移行確率がボーナス状態の発生確率に影響を受けることとなるため、ART状態ST9への移行確率を設定値に応じて直接的に変動させなくても、ART状態ST9への移行確率を設定値に応じて間接的に変動させることが可能となる。
有利区間SC2において設定値に応じて当選確率が変動するボーナス役に当選したとしてもそれだけではART状態ST9の移行抽選処理は実行されることはなく、有利区間SC2において設定値に応じて当選確率が変動するボーナス役に対応するボーナス状態のゲームが実行されたことに基づいてART状態ST9の移行抽選処理が実行される。これにより、ART状態ST9への移行を期待する遊技者は設定値に応じて当選確率が変動するボーナス役に当選することに注目するだけではなく、有利区間SC2において当該ボーナス役に対応するボーナス状態が開始されたか否かに注目することとなる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
設定値に応じて当選確率が変動しないボーナス役(具体的には第3BB当選データの役、第4BB当選データの役、第1RB当選データの役)に対応するボーナス状態が有利区間SC2において発生した場合にもART状態ST9への移行が発生し得る。これにより、ART状態ST9への移行確率に対する設定値の影響が顕著なものとなってしまわないようにすることが可能となる。
設定値に応じて当選確率が変動しないボーナス役に対応するボーナス状態が通常区間SC1において発生した場合には、当該ボーナス状態への移行を契機として遊技区間が通常区間SC1から有利区間SC2に移行するためART状態ST9への移行が発生し得る。これに対して、設定値に応じて当選確率が変動するボーナス役に対応するボーナス状態が通常区間SC1において発生したとしても遊技区間は通常区間SC1に維持されるためART状態ST9への移行は発生しない。これにより、前者のボーナス状態に対する遊技者の注目度を後者のボーナス状態よりも高めることが可能となる。
通常区間SC1において設定値に応じて当選確率が変動しない非ボーナス役に当選することで有利区間SC2への移行抽選処理が実行され、当該移行抽選処理にて当選となることで遊技区間が通常区間SC1から有利区間SC2に移行する。これにより、有利区間SC2への移行確率は設定値に応じて変動しないようにすることが可能となる。よって、ART状態ST9への移行確率に対する設定値の影響が顕著なものとなってしまわないようにすることが可能となる。
有利区間SC2において設定値に応じて当選確率が変動するボーナス役に当選したとしてもART状態ST9の移行抽選処理は実行されることはなく、有利区間SC2において当該ボーナス役に対応するボーナス状態におけるゲームが実行された場合にART状態ST9の移行抽選処理が実行される。これにより、ART状態ST9への移行を期待する遊技者はボーナス役に当選することに注目するだけではなく、当該ボーナス役に対応するボーナス状態におけるゲームが実行された場合に有利区間SC2であるか否かに注目することとなる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
通常区間SC1において設定値に応じて当選確率が変動するボーナス役に当選しさらに当該ボーナス役に対応するボーナス状態が開始されたとしても、通常区間SC1から有利区間SC2への移行は発生しない。これにより、設定値に応じて当選確率が変動するボーナス役に対応するボーナス状態におけるゲームが有利区間SC2において実行されるためには、有利区間SC2において当該ボーナス役に当選するとともに当該有利区間SC2において当該ボーナス役に対応するボーナス状態におけるゲームが実行される必要がある。よって、遊技者は有利区間SC2の継続状況にも注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
設定値に応じて当選確率が変動するボーナス役に対応するボーナス状態の最初のゲームが有利区間SC2において実行された場合にART状態ST9の移行抽選処理が実行される。これにより、有利区間SC2において当該ボーナス役に当選した場合には早期にボーナス入賞を成立させることにより、ART状態ST9の移行抽選処理が実行される機会を得やすくなる。
設定値に応じて当選確率が変動しないボーナス役に対応するボーナス状態が発生した場合には通常区間SC1であったとしても有利区間SC2となりART状態ST9の移行抽選処理が実行される。これにより、通常区間SC1においては設定値に応じて当選確率が変動するボーナス役よりも設定値に応じて当選確率が変動しないボーナス役に当選することを遊技者は期待することとなる。
ART状態ST9が終了した後であっても有利維持区間に設定されることで有利区間SC2が継続されることとなる。そして、当該有利維持区間である状況においてボーナス入賞が成立するとともに当該ボーナス入賞に対応するボーナス状態におけるゲームが有利区間SC2にて実行された場合にはART状態ST9への移行が確定することとなる。これにより、遊技者は有利維持区間においてボーナス入賞が成立することを期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
有利維持区間においてボーナス入賞が成立したとしても、そのボーナス入賞が成立したゲームが有利維持区間の最終ゲームである場合には、当該ボーナス入賞の成立が設定値に応じて当選確率が変動するボーナス役に対応しているとするとボーナス状態におけるゲームにおいて通常区間SC1となっているため、ART状態ST9への移行は発生しない。これに対して、有利維持区間の最終ゲームで設定値に応じて当選確率が変動するボーナス役に当選した場合には、有利維持区間の最終ゲームであっても当該有利維持区間に対応する有利維持演出の実行を行わずに通常演出が行われるようにする。これにより、有利維持区間の最終ゲームにおいてボーナス入賞が成立したにも関わらずART状態ST9への移行が発生しなかったという印象を遊技者に与えづらくなる。
一方、設定値に応じて当選確率が変動しないボーナス役に対応するボーナス状態が発生した場合には通常区間SC1であったとしても有利区間SC2となる。したがって、有利維持区間の最終ゲームで当該ボーナス役に対応するボーナス入賞が成立した場合にはART状態ST9への移行が確定する。そこで有利維持区間の最終ゲームにおいて設定値に応じて当選確率が変動しないボーナス役に当選した場合には当該最終ゲームにおいても有利維持演出を実行する。これにより、有利維持区間においてボーナス入賞が成立してART状態ST9への移行が確定する事象が発生する機会を多くすることが可能となり、有利維持区間への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
有利維持区間にて実行されたゲーム数が有利維持ゲーム数となった場合に有利維持区間が終了されるとともに有利区間SC2が終了される。これにより、有利維持区間の終了契機を遊技者にとって明確なものとすることが可能となる。
有利区間SC2において実行されたゲーム数が上限ゲーム数よりも有利維持ゲーム数以上少ないゲーム数として設定された継続可能ゲーム数以下である状況でART状態ST9が終了したことに基づいて有利維持区間に設定される。これにより、有利区間SC2において実行されたゲーム数が上限ゲーム数間近であるにも関わらず有利維持区間が発生してしまわないようにすることが可能となる。
本前兆状態ST6となった場合には複数ゲームに亘ってART状態ST9への移行を遊技者に期待させる演出が実行されるとともに終了後にART状態ST9への移行が発生することとなる構成において、偽前兆状態ST5となった場合には複数ゲームに亘ってART状態ST9への移行を遊技者に期待させる演出が実行されるものの終了後にART状態ST9への移行が発生しない。これにより、複数ゲームに亘ってART状態ST9への移行を遊技者に期待させる演出が実行された場合にはその後にART状態ST9に移行することを遊技者は期待することとなり遊技の興趣向上を図ることが可能となる。この場合に、偽前兆状態ST5においては遊技区間が有利区間SC2に設定される。これにより、偽前兆状態ST5であったとしてもART状態ST9への移行契機が生じるようにすることが可能となるため、本前兆状態ST6だけではなく偽前兆状態ST5に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
偽前兆状態ST5においてART状態ST9への移行契機が発生した場合、偽前兆状態ST5において実行されたゲーム数もその後に継続する有利区間SC2において実行されたゲーム数として計測される。そして、有利区間SC2において実行されたゲーム数が上限ゲーム数となった場合には当該有利区間SC2は終了される。これにより、偽前兆状態ST5において有利区間SC2のメリットを得られるようにしたことに対して、有利区間SC2の上限ゲーム数に関しては偽前兆状態ST5が継続することのデメリットを生じさせるようにすることが可能となる。
偽前兆状態ST5が終了するまでに第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が1回発生している場合には当該偽前兆状態ST5が終了する場合に有利区間SC2が終了される一方、偽前兆状態ST5が終了したとしても第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が1回発生していない場合には偽前兆状態ST5の終了後においても有利区間SC2が維持される。これにより、有利区間SC2となった場合には第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が1回発生することが担保されることとなり有利区間SC2の有利度を確保することが可能となるとともに、当該停止順序の報知が発生するか否かに応じて偽前兆状態ST5の終了タイミングに対する有利区間SC2の終了タイミングを多様化させることが可能となる。
チャンス状態ST7において所定の役に当選することでART状態ST9の移行抽選処理が実行され、当該移行抽選処理にて移行当選となることでART状態ST9への移行が発生することとなる。これにより、遊技者はチャンス状態ST7が発生することを期待するとともに、チャンス状態ST7においては所定の役に当選することを期待することとなる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、チャンス状態ST7の各ゲームにおいてチャンス演出が実行されることにより、チャンス状態ST7に対する遊技者の期待感を好適に高めることが可能となる。この場合に、偽前兆状態ST5であり偽前兆演出が実行されている状況においてチャンス状態ST7に設定された場合、チャンス演出が開始されるのではなく偽前兆演出が継続される。これにより、偽前兆演出のそれまでの演出内容の流れがチャンス演出の発生によって阻害されてしまわないようにすることが可能となる。また、このようにチャンス演出が実行されることなく偽前兆演出が継続される場合であっても遊技状態はチャンス状態ST7となっているため、チャンス状態ST7の利益を消失させてしまわないようにしながら上記のような優れ効果を奏することが可能となる。
本前兆状態ST6の終了後にはART状態ST9への移行が発生するとともにチャンス状態ST7において実行された移行抽選処理にて移行当選となった場合にもART状態ST9への移行が発生する。この場合に、上記のとおり偽前兆演出が実行されている途中でチャンス状態ST7に設定された場合には偽前兆演出が継続されるようにすることで、当該偽前兆演出の途中でART状態ST9への移行当選となりART状態ST9への移行が発生することがある。これにより、偽前兆演出が実行されている状況であってもART状態ST9への移行が発生し得ることとなり、偽前兆演出と本前兆演出とのいずれが実行されている状況であってもART状態ST9への移行を遊技者に期待させることが可能となる。
チャンス状態ST7である状況において偽前兆演出が終了した場合にはチャンス演出が開始される。これにより、チャンス演出が実行される機会を与えることが可能となる。また、このように偽前兆演出が終了したことに続けてチャンス演出が実行される場合であっても、当該チャンス演出はチャンス状態ST7に設定された場合にチャンス演出が開始される場合と同様のゲーム数に亘って継続される。これにより、チャンス演出の実行途中でチャンス状態ST7が終了したとしても当該チャンス演出が実行されている間は遊技者の期待感を持続させることが可能となる。
有利区間SC2にて実行されたゲーム数が上限ゲーム数となったことに基づいて有利区間SC2が終了されることにより、遊技者に有利な有利区間SC2が過剰に継続してしまわないようにすることが可能となる。この場合に、有利区間SC2にて実行されたゲーム数が上限ゲーム数よりも少ないゲーム数として設定されたエンディング対応ゲーム数以上となったことに基づいてエンディング演出が実行される。これにより、有利区間SC2が終了に近付いていることを遊技者に認識させることが可能となる。また、エンディング演出を確認したいと遊技者に思わせることにより有利区間SC2を継続させることへの意欲を高めることが可能となり、さらには実際にエンディング演出が実行された場合に遊技者に満足感を与えることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
ART状態ST9の残りの継続ゲーム数が有利区間SC2の上限ゲーム数に到達することとなるゲーム数以上である状況において、有利区間SC2にて実行されたゲーム数がエンディング対応ゲーム数以上である場合にエンディング演出が実行される。これにより、有利区間SC2にて実行されたゲーム数が上限ゲーム数に到達することが確定している状況においてエンディング演出が実行されることとなる。よって、エンディング演出が実行されたにも関わらず有利区間SC2にて実行されたゲーム数が上限ゲーム数に到達しないという事象が発生しないようにすることが可能となる。
遊技者に有利な遊技状態であるBB状態ST3、RB状態ST4、準備状態ST8及びART状態ST9のいずれの状況であっても、有利区間SC2にて実行されたゲーム数がエンディング対応ゲーム数以上であることに基づいてエンディング演出が実行される。これにより、遊技者に有利な遊技状態である状況においてエンディング演出が実行されることとなり、エンディング演出が実行された場合に遊技者に満足感を与えることが可能となる。
エンディング演出が実行されている状況においてボーナス状態が発生した場合、ボーナス演出(BB演出、RB演出)が開始されずにエンディング演出が継続される。これにより、エンディング演出の実行を優先することが可能となる。
BB状態である状況であってエンディング演出が実行されている状況において有利区間SC2にて実行されたゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合、その時点の当該BB状態における遊技媒体の合計付与数が特定基準数以下であればBB演出が開始される。これにより、エンディング演出の実行が優先される状況であっても、BB演出が実行される機会を確保することが可能となる。
BB状態である状況であってエンディング演出が実行されている状況において有利区間SC2にて実行されたゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合、その時点の当該BB状態における遊技媒体の合計付与数が特定基準数を超えていればエンディング演出が継続される。また、RB状態である状況であってエンディング演出が実行されている状況において有利区間SC2にて実行されたゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合、エンディング演出が継続される。これにより、遊技者にとって有利な状況が継続している期間を利用してエンディング演出を延長させることが可能となる。また、有利区間SC2の終了後にボーナス状態が継続している状況をART状態ST9が継続している状況であると遊技者に認識させることが可能となる。
有利区間SC2にて実行されたゲーム数が上限ゲーム数となった場合に遊技者の操作に基づく通常の遊技の進行が停止された状態となる。これにより、有利区間SC2が終了することを遊技者に明確に認識させることが可能となる。この場合に、有利区間SC2の終了後においてもボーナス状態が継続することに伴ってエンディング演出が継続される場合には、有利区間SC2の終了に際して遊技の進行が停止された状態とならない。これにより、エンディング演出が継続される場合において当該エンディング演出の流れが遊技の進行が停止される状態によって阻害されてしまわないようにすることが可能となるとともに、有利区間SC2の終了後にボーナス状態が継続している状況をART状態ST9が継続している状況であると遊技者に認識させ易くなる。
ボーナス状態が開始される場合及び終了する場合に遊技者の操作に基づく通常の遊技の進行が停止された状態となる。これにより、ボーナス状態が開始されること又は終了されることを遊技者に明確に認識させることが可能となる。この場合に、エンディング演出が実行されている状況においてボーナス状態が開始又は終了されたとしても、遊技の進行が停止された状態とならない。これにより、エンディング演出の流れがボーナス状態に起因した遊技の進行停止状態によって阻害されてしまわないようにすることが可能となる。
通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルのいずれであっても、「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一のインデックス値IVはインデックス値IV=1から連番となる前側範囲のインデックス値IVに集約されており、「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVは前側範囲における最後のインデックス値IVの次の順番となるインデックス値IVから最後のインデックス値IVまで連番となる後側範囲のインデックス値IVに集約されている。このように「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一のインデックス値IVを前側範囲に集約するとともに「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVを後側範囲に集約することにより、スロットマシン10の設計段階において「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一であるインデックス値IV及び当選確率が異なるインデックス値IVの設定や修正を行い易くなる。
通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルにおいては、同一の当選データが設定されている役であっても各抽選テーブル間で異なるインデックス値IVが設定されている。これに対して、オフセットテーブル111が設けられており、当該オフセットテーブル111においては同一の当選データが設定されているものの異なるインデックス値IVが設定されている役が同一の当選番号に集約されている。そして、役の抽選処理において当選役を判定した後の各種処理においては当該当選番号が利用される。これにより、設定されている当選データが同一であるものの各抽選テーブルにおいてインデックス値IVが異なる役を役の抽選処理の実行後における各種処理において同一の情報として扱うことが可能となり、各種処理における当選役の特定処理の処理構成を簡素化することが可能となる。
オフセットテーブル111の当選番号は連番の情報として設定されている。これにより、役の抽選処理において当選役を判定した後の各種処理において当選役を把握するための処理を好適に行うことが可能となる。
各抽選テーブルにおけるインデックス値IVと当選番号との関係がオフセットテーブル111としてスロットマシン10の設計段階において設定されている。これにより、各抽選テーブルのインデックス値IVに基づいて当選番号を把握するための処理負荷を軽減することが可能となる。
ART状態ST9の残りの継続ゲーム数のうち表示用カウンタ126に設定されているゲーム数は遊技者に報知されるが、ストックゲーム数カウンタ127に設定されているゲーム数は遊技者に報知されない。そして、ストックゲーム数カウンタ127に設定されているゲーム数に応じて、ゲーム数が遊技者に付与されたことを示す特別上乗せ演出が実行される。これにより、ストックゲーム数カウンタ127に設定されているゲーム数に応じた演出が実行されることとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
ストックゲーム数カウンタ127には複数回の上乗せ契機分のゲーム数が記憶され、その記憶されたゲーム数がART状態ST9の残りの継続ゲーム数の増加分としてまとめて報知される。これにより、一度に多くのゲーム数が付与されたと遊技者に認識させることが可能となり、意外性を与えることが可能となる。
ストックゲーム数カウンタ127に設定されたゲーム数が同一である状況であっても、特別上乗せ演出として遊技者に報知されるゲーム数の選択態様は複数種類存在している。これにより、ストックゲーム数カウンタ127に設定されたゲーム数から報知対象となるゲーム数の選択態様を多様化させることが可能となる。
ストックゲーム数カウンタ127に設定されたゲーム数が同一である状況であっても、選択対象となる特別上乗せ演出は複数種類存在している。これにより、特別上乗せ演出の実行態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
複数種類の特別上乗せ演出の実行が一度に決定されることがある。これにより、特別上乗せ演出が実行される頻度を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特別上乗せ演出が実行される場合には複数のゲームのそれぞれにおいてART状態ST9の残りの継続ゲーム数の増加が報知される。これにより、ART状態ST9の残りの継続ゲーム数の増加が報知される回数を多くすることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特別上乗せ演出が実行されている状況においてゲーム数の直上乗せ条件が成立した場合には、特別上乗せ演出によるART状態ST9の残りの継続ゲーム数の増加報知に加えて、ゲーム数の直上乗せ報知が実行される。これにより、ART状態ST9の残りの継続ゲーム数の増加報知に関して遊技者に意外性を与えることが可能となる。
主側MPU72においてART状態ST9の残りの継続ゲーム数を増加させるための処理が実行され、演出側MPU92において当該継続ゲーム数の増加に対応する演出を実行するための処理が実行される。これにより、ART状態ST9の進行制御に関しては主側MPU72において集約して行うようにしながら、継続ゲーム数の増加に対応する演出を複雑に行ったとしても主側MPU72の処理負荷が増加してしまわないようにすることが可能となる。よって、ART状態ST9に関する制御を好適に行うことが可能となる。
主側MPU72においてBループが発生することで各ゲームにおいて所定増加ゲーム数として50ゲームがART状態ST9の残りの継続ゲーム数に加算される。この場合に、Bループにおいて実行されたゲーム数が特定基準回数である21ゲーム以上となったことに基づいて、当該Bループに付与されたゲーム数の合計分がまとめて遊技者に報知される特別フリーズ演出が実行される。これにより、多くのゲーム数の付与がまとめて報知される機会を与えることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
主側MPU72においてBループに設定されたとしても上記特別フリーズ演出が発生するまではBループに設定されたことに対応する演出は実行されない。これにより、特別フリーズ演出が突然発生したという印象を遊技者に与えることが可能となり、遊技者に意外性を与えることが可能となる。
特別フリーズ演出が実行される場合には遊技者の操作に基づく通常の遊技の進行が停止された状態となる。これにより、特別フリーズ演出に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
Bループにおいて実行されたゲーム数が特定基準回数である21ゲーム以上となった状況でBループが終了したことに基づいて特別フリーズ演出が実行される。これにより、多くのゲーム数が付与された状況下において特別フリーズ演出が実行されるようにすることが可能となるとともに、Bループが終了したことを遊技者に報知することが可能となる。
上記特定基準回数は1000ゲームを所定増加ゲーム数である50ゲームで除算した商よりも大きい値に設定されている。これにより、Bループの途中で当該Bループにおいて付与されたゲーム数が消化されたとしても、未消化のゲーム数として1000ゲーム以上のゲーム数がART状態ST9の残りの継続ゲーム数に加算されたことを遊技者に報知することが可能となる。
主側MPU72においてAループが発生することで各ゲームにおいて特定増加ゲーム数として50ゲームがART状態ST9の残りの継続ゲーム数に加算される。この場合に、Aループにおいて付与されたゲーム数は遊技者に報知されずにストックゲーム数カウンタ127に一旦加算される一方、Aループに設定された場合には特定演出ゲーム数である3ゲームに亘って期待演出が実行されるため、期待演出が実行されている状況においてストックゲーム数カウンタ127にどの程度のゲーム数が加算されているのかを遊技者に期待させることが可能となる。
特定演出ゲーム数に亘って期待演出が実行された場合にはAループが未だ終了していない状況であってもその時点におけるストックゲーム数カウンタ127の値に対応する特別上乗せ演出が実行される。これにより、期待演出の実行中にはその後に実行される特別上乗せ演出の内容に遊技者は期待することとなる。また、Aループが終了するまでは特別上乗せ演出が実行されない構成に比べて特別上乗せ演出を早期に開始させることが可能となる。
特定演出ゲーム数に亘って期待演出が実行されている状況であってもAループの終了条件が成立した場合にはAループが終了する。これにより、期待演出が終了する前にAループが終了する状況と、期待演出が完了した後もAループが継続する状況とを生じさせることが可能となる。
ストックゲーム数カウンタ127の値が1以上である状況において遊技者に報知されているART状態ST9の残りの継続ゲーム数が0ゲームとなった場合、ストックゲーム数カウンタ127の値が第1放出基準値及び第2放出基準値との関係でどういった値であるか否かにより、ART状態ST9を継続させる放出演出の実行態様が相違している。これにより、ストックゲーム数カウンタ127の値に応じて放出演出の実行態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
ストックゲーム数カウンタ127の値が第1放出基準値以上である状況において遊技者に報知されているART状態ST9の残りの継続ゲーム数が0ゲームとなった場合、ストックゲーム数カウンタ127の値の少なくとも一部の値がART状態ST9の残りの継続ゲーム数として遊技者に報知される。これにより、ART状態ST9がまだある程度は継続することに対する安心感を遊技者に与えることが可能となる。
ストックゲーム数カウンタ127の値が第2放出基準値を超えている状況において遊技者に報知されているART状態ST9の残りの継続ゲーム数が0ゲームとなった場合、ストックゲーム数カウンタ127の値の一部の値のみがART状態ST9の残りの継続ゲーム数として遊技者に報知される。これにより、ART状態ST9の残りの継続ゲーム数が報知されることとなる放出演出が実行される頻度を高めることが可能となり、遊技者に報知されているART状態ST9の残りの継続ゲーム数が0ゲームに近付いたとしてもART状態ST9がまだ継続するのではないかと遊技者に期待させることが可能となる。
ストックゲーム数カウンタ127の値が第1放出基準値よりも少ない状況において遊技者に報知されているART状態ST9の残りの継続ゲーム数が0ゲームとなった場合、ART状態ST9の残りの継続ゲーム数を報知しないようにしながらART状態ST9を継続させる。これにより、ART状態ST9がいつまで継続するのかと遊技者に期待させることが可能となる。
複数種類の抽選処理において第1~第12共用乱数回路101a~101lが共通で利用される。これにより、乱数回路101a~101lの数を抑えることが可能となり、構成の簡素化を図ることが可能となる。
第1~第12共用乱数回路101a~101lは予め定められた順序で乱数の取得対象となる。これにより、乱数の取得対象が一の乱数回路101a~101lに偏ってしまわないようにすることが可能となる。また、主側RAM74の乱数ポインタの値に対応する共用乱数回路101a~101lから乱数を取得する構成であるため、乱数の取得対象となる共用乱数回路101a~101lを特定するための処理構成が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
第1~第12共用乱数回路101a~101lから乱数を取得する抽選処理の数は、第1~第12共用乱数回路101a~101lの数よりも多い数となっている。これにより、乱数回路101a~101lの増加を抑制しながら抽選処理の数を増やすことが可能となる。
第1~第12共用乱数回路101a~101lの数は、1ゲームにおいて第1~第12共用乱数回路101a~101lから乱数を取得する抽選処理の最大数よりも多い数となっている。これにより、第1~第12共用乱数回路101a~101lが複数の抽選処理にて共同で利用される構成において1ゲームにて同一の第1~第12共用乱数回路101a~101lの乱数が複数の抽選処理にて利用されてしまわないようにすることが可能となる。
役の抽選処理に際しては第1~第12共用乱数回路101a~101lから乱数を取得するのではなく第1専用乱数回路102aから乱数を取得する。これにより、役の抽選処理を厳密に行うことが可能となる。
第1~第12共用乱数回路101a~101lはいずれも8ビット乱数となっている。これにより、一の抽選処理において第1~第12共用乱数回路101a~101lのいずれから乱数を取得したとしても同一のビット数の乱数を利用することが可能となる。
1ゲームが実行される度に主側RAM74の合計ゲーム数カウンタ74aの値が1加算されるとともに有利区間SC2において1ゲームが実行される度に主側RAM74の有利ゲーム数カウンタ74bの値が1加算される。これにより、有利区間SC2に滞在している割合を導出するための情報をスロットマシン10において記憶保持することが可能となる。また、合計ゲーム数カウンタ74aの値と有利ゲーム数カウンタ74bの値とを利用して有利区間SC2に滞在している割合が演算されてその演算結果が兼用表示部66及び有利区間表示部67において表示される。これにより、有利区間SC2に滞在している割合を把握することが可能となる。また、兼用表示部66及び有利区間表示部67において有利区間SC2に滞在している割合の演算結果が表示されている状況において終了契機が発生した場合には当該表示が終了される。これにより、有利区間SC2に滞在している割合の演算結果を表示する必要がない状況においては、兼用表示部66及び有利区間表示部67にて当該表示が行われないようにすることが可能となる。
スタート検出センサ41a、ストップ検出センサ42a~44a、投入メダル検出センサ45a、クレジット投入検出センサ47a~49a及び精算検出センサ51aのいずれからON信号を受信している場合であっても終了契機の発生と特定され、兼用表示部66及び有利区間表示部67における有利区間SC2に滞在している割合の演算結果の表示が終了される。これにより、当該表示を終了させるための操作性を向上させることが可能となる。
兼用表示部66及び有利区間表示部67において有利区間SC2に滞在している割合の演算結果の表示を開始させるための操作は1種類のみである。これにより、兼用表示部66及び有利区間表示部67における有利区間SC2に滞在している割合の演算結果の表示が意図せず開始されてしまわないようにすることが可能となる。
スタート検出センサ41aからのON信号の送信、投入メダル検出センサ45aからのON信号の送信、及びクレジット投入検出センサ47a~49aからのON信号の送信は遊技を開始させる場合に発生し得る。この場合に、このように遊技を開始させる場合に発生し得る事象が発生したことに基づいて、兼用表示部66及び有利区間表示部67における有利区間SC2に滞在している割合の演算結果の表示が終了される。これにより、兼用表示部66及び有利区間表示部67において有利区間SC2に滞在している割合の演算結果が表示されたまま遊技が行われてしまわないようにすることが可能となる。
スタートレバー41の操作が有効化されていない状況においてスタート検出センサ41aからON信号を受信した場合であっても、兼用表示部66及び有利区間表示部67における有利区間SC2に滞在している割合の演算結果の表示が終了される。これにより、スタートレバー41の操作が有効化された状況となることを待たなくても、スタートレバー41を操作することにより兼用表示部66及び有利区間表示部67における有利区間SC2に滞在している割合の演算結果の表示を終了させることが可能となる。これはストップボタン42~44についても同様である。
リール32L,32M,32Rの回転中に主側MPU72への動作電力の供給が停止された場合には、その後の動作電力の供給の再開に際してスタートレバー41の新たな操作に基づく回転開始契機が発生していなくてもリール32L,32M,32Rの回転が開始される。これにより、リール32L,32M,32Rの回転による1ゲームの実行が動作電力の供給の停止によって無効化されてしまわないようにすることが可能となる。また、このように動作電力の供給の再開に際してリール32L,32M,32Rの回転が新たに開始される場合にはストップボタン42~44の操作による停止制御の実行が規制される。これにより、ストップボタン42~44が操作された状態のまま動作電力の供給が再開された場合に、リール32L,32M,32Rの回転を開始した直後に当該リール32L,32M,32Rの停止制御が実行されてしまわないようにすることが可能となる。リール32L,32M,32Rの回転を開始した直後にリール32L,32M,32Rの停止制御が実行されてしまうとリール32L,32M,32Rの回転が正常に行われないおそれがあるが、上記のようにストップボタン42~44の操作による停止制御の実行が規制されることによりそのような事象が発生しないようにすることが可能となる。
定速フラグ74cに「1」が設定されている状況において動作電力の供給が停止された場合には動作電力の供給が再開された後の状況において定速フラグ74cに「1」が設定されていない状態とされる。そして、リール32L,32M,32Rの回転を実行すべき状況において定速フラグ74cに「1」が設定されていない場合にはリール32L,32M,32Rの加速が開始される。これにより、定速フラグ74cを利用して、リール32L,32M,32Rの回転中に動作電力の供給が停止された場合であって動作電力の供給が再開された場合に、ストップボタン42~44の操作を無効なものとしながらリール32L,32M,32Rの回転を新たに開始することが可能となる。
定速フラグ74cに「1」が設定されている状況において動作電力の供給が停止された場合には、動作電力の供給が開始された場合にメイン処理(図10)におけるステップS104及びステップS113の各クリア処理が実行されない場合であっても定速フラグ74cが「0」クリアされる。そして、リール32L,32M,32Rの回転を実行すべき状況において定速フラグ74cに「1」が設定されていない場合にはリール32L,32M,32Rの加速が開始される。これにより、定速フラグ74cを利用して、リール32L,32M,32Rの回転中に動作電力の供給が停止された場合であって動作電力の供給が再開された場合にストップボタン42~44の操作を無効なものとしながらリール32L,32M,32Rの回転を新たに開始することが可能となる。
定速フラグ74cに「1」が設定されている状況において動作電力の供給が停止された場合には動作電力の供給が再開された場合におけるメイン処理(図10)にて定速フラグ74cが「0」クリアされる。これにより、動作電力の供給の再開に際して確実に定速フラグ74cに「1」が設定されていない状態とすることが可能となる。
役の抽選処理(図17)の結果とは無関係に常時抽選処理(図63)が実行され、常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となったことに基づいて上乗せゲーム数が付与される。これにより、役の抽選処理(図17)の結果に依存しない態様で上乗せゲーム数が付与される状況を生じさせることが可能となる。よって、役の抽選処理(図17)の結果が所望の結果ではない状況であっても上乗せゲーム数が付与されるのではないかと遊技者に期待させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
役の抽選処理(図17)に際して利用される乱数はスタートレバー41が操作されたことに基づいて取得されるとともに、常時抽選処理(図63)に際して利用される乱数もスタートレバー41が操作されたことに基づいて取得される。これにより、役の抽選処理(図17)の結果とは無関係に常時抽選処理(図63)が実行される構成であっても、常時抽選処理(図63)に際して利用される乱数の取得契機を役の抽選処理(図17)に際して利用される乱数の取得契機と同様にスタートレバー41の操作で共通化させることが可能となる。よって、乱数の取得契機に関する構成を複雑化させることなく既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
役の抽選処理(図17)に際しては第1専用乱数回路102aにおいて更新される乱数が取得され、常時抽選処理(図63)に際しては第3専用乱数回路102cにおいて更新される乱数が取得される。これにより、常時抽選処理(図63)の結果を役の抽選処理(図17)の結果とは完全に独立させることが可能となる。
ART状態ST9においては各ゲームにて常時抽選処理(図63)が実行される。これにより、ART状態ST9においては役の抽選処理(図17)の結果に関係なく各ゲームにて上乗せゲーム数の付与を遊技者に期待させることが可能となる。
直上乗せ用処理(図65)では役の抽選処理(図17)の結果に対応する態様で上乗せ抽選処理が実行される。これにより、役の抽選処理(図17)の結果とは無関係に上乗せゲーム数が付与される状況と、役の抽選処理(図17)の結果に対応する態様で上乗せゲーム数が付与される状況とを生じさせることが可能となる。これにより、遊技者は役の抽選処理(図17)の結果に応じて上乗せゲーム数が付与されることを期待するとともに、役の抽選処理(図17)の結果とは無関係に上乗せゲーム数が付与されることを期待することとなる。
常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となることで付与される上乗せゲーム数は、役の抽選処理(図17)の結果に対応する態様で実行される上乗せ抽選処理にて直上乗せ当選となることで付与される上乗せゲーム数よりも少ないゲーム数となっている。これにより、上乗せゲーム数の付与に関して役の抽選処理(図17)の結果に遊技者を注目させることが可能となるとともに、役の抽選処理(図17)の結果が所望の結果ではなかったとしても上乗せゲーム数の付与を遊技者に期待させることが可能となる。
役の抽選処理(図17)の結果に対応する態様で実行される上乗せ抽選処理にて直上乗せ当選となることで上乗せゲーム数が付与される場合には常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となったとしても当該直上乗せ当選を契機とした上乗せゲーム数の付与は行われない。これにより、上乗せゲーム数が過剰に付与されてしまわないようにしながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
役の抽選処理(図17)にて複数段階の設定値のいずれであっても当選確率が同一である役に当選したことに基づいて、役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理が実行される。一方、常時抽選処理(図63)は役の抽選処理(図17)の結果とは無関係に実行される。これにより、設定値の予測を行いづらくしながら上乗せゲーム数を付与することが可能となる。
ART状態ST9への移行抽選処理にて利用される乱数は1バイトのビット数よりも少ないビット数である7ビットとなっている。これにより、ART状態ST9への移行抽選処理として共通のプログラムを利用しながら、100%当選となる状況と外れとなり得る状況とのそれぞれを生じさせる場合においていずれの状況であっても1バイトの抽選値情報を利用することが可能となる。
利用される乱数が1バイトのビット数と同一の8ビットである場合、100%当選となる状況を生じさせるための100%対応の抽選値情報が1バイトであるとすると、減算後においてオールゼロとなる状況も当選結果として扱わない限り、当該100%対応の抽選値情報を利用しても100%当選とならない。一方、減算後においてオールゼロとなる状況も当選結果として扱ってしまうと、乱数としてオールゼロが取得されることを排除する必要が生じてしまう。したがって、利用される乱数が1バイトのビット数と同一の8ビットである場合には少なくとも100%対応の抽選値情報を1バイトのビット数よりも多い数のビット数として設定する必要が生じてしまう。これに対して、上記のとおりART状態ST9への移行抽選処理にて利用される乱数は1バイトのビット数よりも少ないビット数である7ビットとなっていることにより、100%対応の抽選値情報として1バイトの抽選値情報を利用することが可能となる。よって、抽選値情報を予め記憶するために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
一のリール32L,32M,32Rにおける加速期間が終了した後に次の順番のリール32L,32M,32Rにおける加速期間が開始されるようにリール32L,32M,32Rの回転が開始されることがある。これにより、リール32L,32M,32Rの回転が順次開始される様子を遊技者に視認させることが可能となる。この場合に、一のリール32L,32M,32Rにおける加速期間が終了してから次の順番のリール32L,32M,32Rにおける加速期間が開始されるまでの期間が変動し得る。これにより、リール32L,32M,32Rの回転が順次開始される場合におけるその開始態様を多様化することが可能となる。
1ゲームが開始された場合にリール演出が実行されない場合にはリール32L,32M,32Rの回転が同時に開始され、1ゲームが開始された場合にリール演出が実行される場合において当該リール演出が終了した後にリール32L,32M,32Rの回転を再開させる場合には各リール32L,32M,32Rの回転が順次開始されるとともに一のリール32L,32M,32Rにおける加速期間が終了してから次の順番のリール32L,32M,32Rにおける加速期間が開始されるまでの期間が変動し得る。これにより、リール32L,32M,32Rの回転の実行態様を多様化させることが可能となる。
また、リール演出が終了した後にリール32L,32M,32Rの回転を再開させる場合において各リール32L,32M,32Rの回転が順次開始されるとともに一のリール32L,32M,32Rにおける加速期間が終了してから次の順番のリール32L,32M,32Rにおける加速期間が開始されるまでの期間が変動し得る。これにより、リール演出が実行された後にリール32L,32M,32Rの回転が再度開始される場合におけるリール32L,32M,32Rの回転の実行態様を多様化させることが可能となる。
リール演出後に左リール32Lの回転を開始する場合には当該リール演出の終了タイミングから左リール32Lにおける加速期間が開始されるまでの期間が変動し得る。また、次の順番のリール32L,32M,32Rである中リール32Mの回転を開始する場合には左リール32Lにおける加速期間が終了してから中リール32Mにおける加速期間が開始されるまでの期間が変動し得る。これにより、左リール32L及び中リール32Mのそれぞれについて加速期間が開始されるまでの期間を多様化することが可能となり、結果的にリール32L,32M,32Rの回転が順次開始される場合におけるその開始態様を多様化することが可能となる。
各リール32L,32M,32Rにおいて加速期間を開始させるまでの待機期間の有無及びその長さが抽選により決定される。これにより、待機期間の決定態様を不規則なものとすることが可能となる。
左リール32Lについての加速期間を開始させるまでの待機期間の有無及びその長さの決定に際して利用される乱数カウンタと、中リール32Mについての加速期間を開始させるまでの待機期間の有無及びその長さの決定に際して利用される乱数カウンタとは同一である。これにより、構成の簡素化を図りながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
上記乱数カウンタが1周するまでに要する期間は、左リール32Lにおける加速期間が開始されてから終了するまでに要する期間よりも短い。これにより、左リール32Lについての待機期間及び中リール32Mについての待機期間のいずれを決定する場合であっても共通の乱数カウンタが利用される構成において、各待機期間についての抽選を独立して行うことが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態ではボーナス状態の1種として疑似ボーナス状態が存在している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
疑似ボーナス状態はART状態ST9と同様に、役の抽選処理(図17)にて「1」~「3」のいずれかの当選番号が設定された場合に第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、遊技モードを第1RTモード又は第2RTモードに昇格させる昇格リプレイ入賞の成立を可能とする役に当選した場合には昇格リプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、遊技モードを通常モード又は第1RTモードに転落させる転落リプレイ入賞の成立を可能とする役に当選した場合には転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。つまり、疑似ボーナス状態はART状態ST9と同様に基本的には遊技モードが第2RTモードである状況において進行するとともに役の抽選処理(図17)にて「1」~「3」のいずれかの当選番号が設定された場合に第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。したがって、疑似ボーナス状態は単位ゲーム数当たりにおける遊技媒体の付与期待数がART状態ST9と同一となる。但し、これに限定されることはなく疑似ボーナス状態とART状態ST9との単位ゲーム数当たりにおける遊技媒体の付与期待数が若干相違するものの略同一である構成としてもよく、大きく相違する構成としてもよい。
疑似ボーナス状態はART状態ST9と同様に有利区間SC2であることを条件に発生するとともに、残りの継続ゲーム数が消化された場合に終了する。また、疑似ボーナス状態においてART状態ST9への移行当選となることで疑似ボーナス状態の終了後にART状態ST9に移行する。なお、本前兆状態ST6又は準備状態ST8のように既にART状態ST9への移行が確定している状況、及びART状態ST9である状況においては、疑似ボーナス状態への移行は発生しない。以下、疑似ボーナス状態に関する処理構成について説明する。
図95は主側MPU72にて実行される疑似ボーナスの発生管理処理を示すフローチャートである。なお、疑似ボーナスの発生管理処理は役の抽選処理(図17)において役の当否判定が完了した後に実行される。
主側RAM74の有利区間フラグに「1」が設定されている状況であって(ステップS4801:YES)、役の抽選処理(図17)にて「4」~「8」,「15」,「16」の当選番号が設定された場合(ステップS4802:YES)、疑似ボーナス状態の移行抽選処理を実行する。つまり、疑似ボーナス状態の移行抽選処理は有利区間SC2であることを条件として実行される。また、疑似ボーナス状態の移行抽選処理は役の抽選処理(図17)にて所定の役に当選した場合に実行される。
疑似ボーナス状態の移行抽選処理では、まず今回の役の抽選処理(図17)にて設定された当選番号に対応する疑似ボーナス移行テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS4803)。この場合、当選確率が低い当選番号の方が疑似ボーナス状態への移行当選となる確率が高くなるように疑似ボーナス移行テーブルが設定されている。
その後、乱数取得処理を実行する(ステップS4804)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。疑似ボーナス状態への移行抽選処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。そして、ステップS4804にて取得した乱数をステップS4803にて読み出した疑似ボーナス移行テーブルに対して照合することにより、疑似ボーナス状態への移行当選となったか否かを判定する(ステップS4805)。疑似ボーナス状態への移行当選となっている場合(ステップS4805:YES)、主側RAM74に設けられた疑似ボーナス当選フラグに「1」を設定する(ステップS4806)。疑似ボーナス当選フラグは疑似ボーナス状態への移行当選となったか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
次に、図96のフローチャートを参照しながら疑似ボーナスの管理処理について説明する。なお、疑似ボーナスの管理処理は1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行される。
主側RAM74の疑似ボーナス当選フラグに「1」が設定されている場合(ステップS4901:YES)、主側RAM74に設けられたボーナス前兆カウンタにボーナス前兆状態の継続ゲーム数に対応する値として「5」を設定する(ステップS4902)。ボーナス前兆カウンタに値が設定されることにより遊技状態がボーナス前兆状態となる。ボーナス前兆カウンタに設定された値は新たに1ゲームが実行される度に1減算され、ボーナス前兆カウンタの値が「0」となった場合にボーナス準備状態に移行する。また、ボーナス前兆状態となったことを示すボーナス前兆開始コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS4903)。演出側MPU92はボーナス前兆開始コマンドを受信した場合、ボーナス前兆状態に対応する演出が実行されるように上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63の制御を行う。
主側RAM74のボーナス前兆カウンタの値が1以上である場合(ステップS4904:YES)、当該ボーナス前兆カウンタの値を1減算する(ステップS4905)。そして、その1減算後におけるボーナス前兆カウンタの値が「0」である場合(ステップS4906:YES)、主側RAM74に設けられたボーナス準備フラグに「1」を設定する(ステップS4907)。ボーナス準備フラグに「1」が設定されることにより遊技状態がボーナス準備状態となる。また、ボーナス準備状態となったことを示すボーナス準備開始コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS4908)。演出側MPU92はボーナス準備開始コマンドを受信した場合、ボーナス準備状態に対応する演出が実行されるように上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63の制御を行う。
主側RAM74のボーナス準備フラグに「1」が設定されている場合(ステップS4909:YES)、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が成立したか否かを判定する(ステップS4910)。第2RTリプレイ入賞が成立している場合(ステップS4910:YES)、ボーナス準備状態から疑似ボーナス状態への移行契機が発生していることを意味するため、疑似ボーナス開始処理を実行する(ステップS4911)。その後、疑似ボーナス状態となったことを示す疑似ボーナス開始コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS4912)。演出側MPU92は疑似ボーナス開始コマンドを受信した場合、疑似ボーナス状態に対応する演出が実行されるように上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63の制御を行う。また、疑似ボーナス開始コマンドには後述する疑似ボーナス開始処理にて決定される初期継続ゲーム数及び移行条件ゲーム数の情報が設定される。また、疑似ボーナス状態である場合(ステップS4913:YES)、疑似ボーナス進行用処理を実行する(ステップS4914)。
図97はステップS4911の疑似ボーナス開始処理を示すフローチャートである。
まず今回の疑似ボーナス状態の初期継続ゲーム数を決定するための処理を実行する。具体的には主側ROM73から初期継続ゲーム数テーブルを読み出す(ステップS5001)。初期継続ゲーム数テーブルは、「1」~「6」の設定値や今回のボーナス前兆状態の発生契機となった役の抽選処理(図17)の結果に関係なく1種類のみ用意されている。初期継続ゲーム数テーブルには、疑似ボーナス状態の開始時における継続ゲーム数として初期継続ゲーム数が複数種類設定されている。図98(a)は初期継続ゲーム数テーブルを説明するための説明図である。初期継続ゲーム数テーブルには、図98(a)に示すように初期継続ゲーム数として33ゲームと、41ゲームと、49ゲームと、50ゲームとが設定されている。また、初期継続ゲーム数テーブルにおいては33ゲームの選択確率が50%に設定されており、41ゲームの選択確率が30%に設定されており、49ゲームの選択確率が10%に設定されており、50ゲームの選択確率が10%に設定されている。
ここで、疑似ボーナス状態においては最初の25ゲームが分岐前演出の実行期間に対応しており分岐前演出では画像表示装置63において所定のストーリーに沿った動画表示が行われる。そして、分岐前演出の実行期間が終了した後に分岐演出の実行期間が発生する。分岐演出の実行期間は8ゲームに設定されており、当該分岐演出として画像表示装置63では疑似ボーナス状態の終了後にART状態ST9への移行が発生するか否かを示す演出が実行される。分岐演出について具体的には味方キャラクタと敵キャラクタとが対決するような動画表示が行われ、ART状態ST9への移行が発生する場合には味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する動画表示が行われ、ART状態ST9への移行が発生しない場合には味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する動画表示が行われ、ART状態ST9への移行の有無の報知が次の実行回の分岐演出に持ち越される場合には味方キャラクタと敵キャラクタとが引き分ける動画表示が行われる。
初期継続ゲーム数として33ゲームが選択された場合には分岐前演出の実行期間が終了した後に分岐演出の実行期間が1回発生し、初期継続ゲーム数として41ゲームが選択された場合には分岐前演出の実行期間が終了した後に分岐演出の実行期間が2回発生し、初期継続ゲーム数として49ゲーム又は50ゲームが選択された場合には分岐前演出の実行期間が終了した後に分岐演出の実行期間が3回発生する。疑似ボーナス状態における分岐演出の実行期間の発生回数は3回が上限である。したがって、初期継続ゲーム数として49ゲーム又は50ゲームが選択された場合には疑似ボーナス状態の実行途中で当該疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数が上乗せされたとしても分岐演出の実行期間の発生回数は変更されない。一方、初期継続ゲーム数として33ゲーム又は41ゲームが選択された場合、疑似ボーナス状態の実行途中で当該疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数が上乗せされた場合には合計3回であることを上限として分岐演出の実行期間の発生回数が増加し得る。
その後、乱数取得処理を実行する(ステップS5002)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。初期継続ゲーム数の抽選処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。
ステップS5002にて取得した乱数をステップS5001にて読み出した初期継続ゲーム数テーブルに対して照合することにより、今回の疑似ボーナス状態の初期継続ゲーム数を選択し、その選択した初期継続ゲーム数を主側RAM74に設けられた継続ゲーム数カウンタ131に設定する(ステップS5003)。つまり、図99の説明図に示すように本実施形態では主側RAM74にARTゲーム数カウンタ121とは別に継続ゲーム数カウンタ131が設けられている。継続ゲーム数カウンタ131には疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数が設定される。主側MPU72は継続ゲーム数カウンタ131を確認することにより疑似ボーナス状態であるか否かを特定するとともに当該疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数を特定する。
次に移行条件ゲーム数を決定するための処理を実行する。移行条件ゲーム数とは、今回の疑似ボーナス状態においてART状態ST9への移行当選となるために必要な疑似ボーナス状態の継続ゲーム数のことである。つまり、疑似ボーナス状態の継続ゲーム数が移行条件ゲーム数を超えることで当該疑似ボーナス状態の終了後にART状態ST9への移行が発生することとなる。
移行条件ゲーム数を決定するための処理として具体的には、まず主側ROM73から移行条件ゲーム数テーブルを読み出す(ステップS5004)。移行条件ゲーム数テーブルは、「1」~「6」の設定値や今回のボーナス前兆状態の発生契機となった役の抽選処理(図17)の結果に関係なく1種類のみ用意されている。移行条件ゲーム数テーブルには、移行条件ゲーム数が複数種類設定されている。図98(b)は移行条件ゲーム数テーブルを説明するための説明図である。移行条件ゲーム数テーブルには、図98(b)に示すように移行条件ゲーム数として33ゲームと、41ゲームと、49ゲームとが設定されている。また、移行条件ゲーム数テーブルにおいては33ゲームの選択確率が5%に設定されており、41ゲームの選択確率が10%に設定されており、49ゲームの選択確率が85%に設定されている。
ここで、これら移行条件ゲーム数はいずれも、図98(a)に示すように初期継続ゲーム数テーブルに設定されている初期継続ゲーム数と一致する。また、初期継続ゲーム数テーブルには初期継続ゲーム数として50ゲームが設定されており、当該50ゲームは移行条件ゲーム数テーブルに設定されているいずれの移行条件ゲーム数よりも多いゲーム数となっている。既に説明したとおり疑似ボーナス状態の継続ゲーム数が移行条件ゲーム数を超えることで当該疑似ボーナス状態の終了後にART状態ST9への移行が発生する。したがって、移行条件ゲーム数として33ゲームが選択された場合には初期継続ゲーム数として41ゲーム、49ゲーム又は50ゲームが選択された段階でART状態ST9への移行が確定し、移行条件ゲーム数として41ゲームが選択された場合には初期継続ゲーム数として49ゲーム又は50ゲームが選択された段階でART状態ST9への移行が確定し、移行条件ゲーム数として49ゲームが選択された場合には初期継続ゲーム数として50ゲームが選択された段階でART状態ST9への移行が確定する。
その後、乱数取得処理を実行する(ステップS5005)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。移行条件ゲーム数の抽選処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。
ステップS5005にて取得した乱数をステップS5004にて読み出した移行条件ゲーム数テーブルに対して照合することにより、今回の疑似ボーナス状態の移行条件ゲーム数を選択し、その選択した移行条件ゲーム数を主側RAM74に設けられた移行条件ゲーム数カウンタ132に設定する(ステップS5006)。つまり、図99の説明図に示すように本実施形態では主側RAM74に移行条件ゲーム数カウンタ132が設けられている。移行条件ゲーム数カウンタ132には残りの移行条件ゲーム数が設定される。疑似ボーナス状態において1ゲームが消化される度に移行条件ゲーム数カウンタ132の値は1減算され、移行条件ゲーム数カウンタ132に記憶されている残りの移行条件ゲーム数を疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数が超えた場合にART状態ST9への移行が確定することとなる。
その後、継続ゲーム数カウンタ131に記憶されている疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数が移行条件ゲーム数カウンタ132に記憶されている残りの移行条件ゲーム数を超えているか否かを判定する(ステップS5007)。ステップS5007にて肯定判定をした場合、主側RAM74に設けられたART当選フラグに「1」を設定する(ステップS5008)。ART当選フラグは疑似ボーナス状態においてART状態ST9への移行が確定したか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
次に、主側MPU72にて実行される疑似ボーナス中のゲーム開始時処理について、図100のフローチャートを参照しながら説明する。なお、疑似ボーナス中のゲーム開始時処理は役の抽選処理(図17)において役の当否判定が完了した後に実行される。
役の抽選処理(図17)にて「4」~「8」,「15」,「16」の当選番号が設定された場合(ステップS5101:YES)、主側RAM74のART当選フラグに「1」が設定されていないのであれば(ステップS5102:NO)、疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数の上乗せ抽選処理を実行する。当該上乗せ抽選処理ではまず今回の役の抽選処理(図17)にて設定された当選番号に対応する第1上乗せテーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS5103)。この場合、当選確率が低い当選番号の方が上乗せ当選となる確率が高くなるように第1上乗せテーブルが設定されているとともに当選確率が低い当選番号の方が上乗せ当選時における上乗せゲーム数の期待値が多くなるように第1上乗せテーブルが設定されている。
図101(a)は第1上乗せテーブルを説明するための説明図である。第1上乗せテーブルは図101(a)に示すように、役の抽選処理(図17)にて設定された当選番号が「4」又は「5」である場合には上乗せ当選とならない確率が90%となり、8ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率が10%となるように設定されており、役の抽選処理(図17)にて設定された当選番号が「6」又は「7」である場合には上乗せ当選とならない確率が70%となり、8ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率が25%となり、22ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率が5%となるように設定されており、役の抽選処理(図17)にて設定された当選番号が「8」である場合には上乗せ当選とならない確率が10%となり、8ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率が70%となり、52ゲームの上乗せゲーム数、102ゲームの上乗せゲーム数、202ゲームの上乗せゲーム数及び302ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率がそれぞれ5%となるように設定されており、役の抽選処理(図17)にて設定された当選番号が「15」又は「16」である場合には8ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率が50%となり、22ゲームの上乗せゲーム数、32ゲームの上乗せゲーム数、52ゲームの上乗せゲーム数及び102ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率がそれぞれ5%となり、202ゲームの上乗せゲーム数及び302ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率がそれぞれ15%となるように設定されている。
上記のとおり上乗せゲーム数として8ゲーム又は22ゲーム以上が設定されている。このうち22ゲーム以上の上乗せゲーム数が選択された場合にはその時点でART状態ST9への移行が確定することとなる。つまり、初期継続ゲーム数の最低ゲーム数が33ゲームであるのに対して移行条件ゲーム数の最高ゲーム数が49ゲームであるため、22ゲーム以上の上乗せが発生した場合には疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数が確実に残りの移行条件ゲーム数を超えることになるからである。
これに対して8ゲームの上乗せゲーム数が選択されたとしてもART状態ST9への移行が確定しない場合がある。例えば移行条件ゲーム数として疑似ボーナス状態の開始時に49ゲームが選択された場合、初期継続ゲーム数が33ゲームである状況で8ゲーム上乗せが2回発生したとしても疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数は残りの移行条件ゲーム数を超えない。また、移行条件ゲーム数として疑似ボーナス状態の開始時に49ゲームが選択された場合、初期継続ゲーム数が41ゲームである状況で8ゲーム上乗せが1回発生したとしても疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数は残りの移行条件ゲーム数を超えない。このような事情においてART状態ST9への移行が確定しない可能性がある上乗せゲーム数として8ゲームのみが設定されていることにより、上乗せゲーム数が発生したとしてもART状態ST9への移行が確定しない場合には当該ART状態ST9への移行に対応しない態様による分岐演出の実行期間を単に追加するだけでよいため、上乗せゲーム数が発生した場合における演出の調整を行い易くなる。
疑似ボーナス中のゲーム開始時処理(図100)の説明に戻り、ステップS5103にて第1上乗せテーブルを読み出した後は、乱数取得処理を実行する(ステップS5104)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。疑似ボーナス状態の継続ゲーム数の上乗せ抽選処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。
ステップS5104にて取得した乱数をステップS5103にて読み出した第1上乗せテーブルに対して照合した結果、いずれかの上乗せゲーム数が選択された場合(ステップS5105:YES)、継続ゲーム数カウンタ131に記憶されている疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数と今回選択した上乗せゲーム数との和が移行条件ゲーム数カウンタ132に記憶されている残りの移行条件ゲーム数よりも大きい値であるか否かを判定する(ステップS5106)。ステップS5106にて否定判定をした場合、未だART状態ST9への移行が確定していないことを意味するため、今回選択された上乗せゲーム数の値を継続ゲーム数カウンタ131に加算する(ステップS5107)。この場合、分岐演出の実行期間の発生回数に余裕がある状況で8ゲームの上乗せが発生したことを意味するため、分岐演出の実行期間が1回加算されたことになる。
ステップS5106にて肯定判定をした場合、ART状態ST9への移行が確定したことを意味する。この場合、主側RAM74のART当選フラグに「1」を設定する(ステップS5108)。その後に、主側RAM74のARTゲーム数カウンタ121に今回選択された上乗せゲーム数の値を加算する(ステップS5109)。つまり、ART状態ST9への移行が確定した段階で、その移行確定の契機となった上乗せゲーム数も含めて、上乗せゲーム数は疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数としてではなくART状態ST9の残りの継続ゲーム数として加算される。これにより、ART状態ST9が長く継続し易くなるようにすることが可能となる。
一方、ART当選フラグに既に「1」が設定されている場合(ステップS5102:YES)、ART状態ST9の残りの継続ゲーム数の上乗せ抽選処理を実行する。当該上乗せ抽選処理ではまず今回の役の抽選処理(図17)にて設定された当選番号に対応する第2上乗せテーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS5110)。この場合、当選確率が低い当選番号の方が上乗せ当選となる確率が高くなるように第2上乗せテーブルが設定されているとともに当選確率が低い当選番号の方が上乗せ当選時における上乗せゲーム数の期待値が多くなるように第2上乗せテーブルが設定されている。
図101(b)は第2上乗せテーブルを説明するための説明図である。第2上乗せテーブルは図101(b)に示すように、役の抽選処理(図17)にて設定された当選番号が「4」又は「5」である場合には上乗せ当選とならない確率が90%となり、12ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率が10%となるように設定されており、役の抽選処理(図17)にて設定された当選番号が「6」又は「7」である場合には上乗せ当選とならない確率が70%となり、12ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率が10%となり、22ゲームの上乗せゲーム数、32ゲームの上乗せゲーム数、52ゲームの上乗せゲーム数及び102ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率がそれぞれ5%となるように設定されており、役の抽選処理(図17)にて設定された当選番号が「8」である場合には上乗せ当選とならない確率が10%となり、12ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率が50%となり、22ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率が10%となり、32ゲームの上乗せゲーム数及び52ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率がそれぞれ5%となり、102ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率が10%となり、202ゲームの上乗せゲーム数及び302ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率がそれぞれ5%となるように設定されており、役の抽選処理(図17)にて設定された当選番号が「15」又は「16」である場合には22ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率が30%となり、32ゲームの上乗せゲーム数及び52ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率がそれぞれ10%となり、102ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率が20%となり、202ゲームの上乗せゲーム数及び302ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率がそれぞれ15%となるように設定されている。
上記のとおり第2上乗せテーブルが選択された場合、上乗せ当選となる確率は第1上乗せテーブルが選択された場合と同一である。しかしながら、上乗せ当選となった場合における上乗せゲーム数の期待値は第2上乗せテーブルの方が第1上乗せテーブルよりも多くなるように設定されている。これにより、疑似ボーナス状態の途中でART状態ST9への移行が確定することの有利度を高めることが可能となる。また、第1上乗せテーブルにおいては上乗せゲーム数の最小ゲーム数が8ゲームであるのに対して、第2上乗せテーブルにおいては上乗せゲーム数の最小ゲーム数が12ゲームである。この点からも疑似ボーナス状態の途中でART状態ST9への移行が確定することの有利度を高めることが可能となる。
疑似ボーナス中のゲーム開始時処理(図100)の説明に戻り、ステップS5110にて第2上乗せテーブルを読み出した後は、乱数取得処理を実行する(ステップS5111)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。ART状態ST9の残りの継続ゲーム数の上乗せ抽選処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。
ステップS5111にて取得した乱数をステップS5110にて読み出した第2上乗せテーブルに対して照合した結果、いずれかの上乗せゲーム数が選択された場合(ステップS5112:YES)、主側RAM74のARTゲーム数カウンタ121に今回選択された上乗せゲーム数の値を加算する(ステップS5113)。
ステップS5107の処理を実行した場合、ステップS5109の処理を実行した場合、又はステップS5113の処理を実行した場合、ゲーム数の上乗せが発生したことを示す上乗せ発生コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS5114)。上乗せ発生コマンドには今回選択された上乗せゲーム数の情報が設定されるとともに、今回の上乗せゲーム数が疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数及びART状態ST9の残りの継続ゲーム数のうちいずれの加算対象となったのかを示す情報が設定される。演出側MPU92は上乗せ発生コマンドを受信した場合、今回の上乗せに対応する態様による演出の実行制御を行う。これについては後に詳細に説明する。
次に、主側MPU72にて実行される疑似ボーナス進行用処理について、図102のフローチャートを参照しながら説明する。
疑似ボーナス進行用処理は疑似ボーナスの管理処理(図96)におけるステップS4914にて実行されるものであり、疑似ボーナス管理処理は1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行される。つまり、疑似ボーナス進行用処理が実行される状況は、疑似ボーナス状態において1ゲームが消化された状況である。したがって、まず主側RAM74の継続ゲーム数カウンタ131の値を1減算し(ステップS5201)、その後に主側RAM74の移行条件ゲーム数カウンタ132の値を1減算する(ステップS5202)。
その後、継続ゲーム数カウンタ131の値が「0」であるか否かを判定する(ステップS5203)。ステップS5203にて肯定判定をした場合、疑似ボーナス状態の終了タイミングであることを意味する。この場合、主側RAM74のART当選フラグに「1」が設定されているか否かを判定することで、疑似ボーナス状態においてART状態ST9への移行が確定したか否かを判定する(ステップS5204)。
ART当選フラグに「1」が設定されている場合(ステップS5204:YES)、ART開始用処理を実行する(ステップS5205)。ART開始用処理では、遊技終了時の対応処理(図44)にてステップS1707のART状態処理が実行されるようにするための主側RAM74の情報の設定を行う。これにより、遊技状態がART状態ST9となる。また、ART開始用処理では、主側RAM74のARTゲーム数カウンタ121にART状態ST9の開始ゲーム数である50ゲームの情報を加算する。
その後、ART状態ST9が開始されることを示すART開始コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS5206)。演出側MPU92はART開始コマンドを受信した場合、ART状態ST9が開始されることに対応する演出の実行を可能とするART開始演出テーブル及びART状態ST9に対応する演出の実行を可能とするART演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。まずART開始演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われた後に、ART演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてまずART開始演出が実行された後にART演出が実行される。また、演出側MPU92はART開始コマンドを受信した場合、演出側RAM94のART減算対象カウンタ125及び表示用カウンタ126のそれぞれにART状態ST9の開始ゲーム数である50ゲームの情報を加算する。これにより、ART状態ST9の残りの継続ゲーム数として50ゲームの表示が画像表示装置63にて行われる。
ここで、疑似ボーナス状態においてはART状態ST9への移行が確定することで、ゲーム数の上乗せ条件の成立に対して主側RAM74のARTゲーム数カウンタ121が加算されることでART状態ST9の残りの継続ゲーム数が上乗せされる。これに対して、当該上乗せゲーム数は演出側MPU92において演出側RAM94のストックゲーム数カウンタ127への加算対象となる。そして、ART状態ST9の開始タイミングにおいては、そのストックゲーム数カウンタ127に加算されたゲーム数はART減算対象カウンタ125及び表示用カウンタ126にシフトされない。したがって、疑似ボーナス状態においてART状態ST9への移行が確定した状況で上乗せされた分のゲーム数はART状態ST9の開始時には遊技者に報知されることはなく、当該ART状態ST9の途中のタイミングで遊技者に報知される。これにより、ART状態ST9の途中でゲーム数の上乗せが報知される頻度を高めることが可能となる。
一方、ART当選フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS5204:NO)、疑似ボーナス状態においてART状態ST9への移行が確定しなかったことを意味する。この場合、ART状態ST9への移行が生じることなく疑似ボーナス状態が終了したことを示す疑似ボーナス終了コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS5207)。演出側MPU92は疑似ボーナス終了コマンドを受信した場合、疑似ボーナス状態が終了されることに対応する演出の実行を可能とするボーナス終了演出テーブル及び通常遊技状態ST1に対応する通常演出の実行を可能とする通常演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。まずボーナス終了演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われた後に、通常演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてまずボーナス終了演出が実行された後に通常演出が実行される。
図103のタイムチャートを参照しながら、疑似ボーナス状態においてART当選フラグの状況に応じて上乗せゲーム数の扱いが変化する様子について説明する。図103(a)は疑似ボーナス状態の実行期間を示し、図103(b)はART状態ST9の実行期間を示し、図103(c)はART当選フラグの状態を示し、図103(d)は上乗せ発生タイミングを示し、図103(e)は主側RAM74の継続ゲーム数カウンタ131への加算タイミングを示し、図103(f)は主側RAM74のARTゲーム数カウンタ121への加算タイミングを示す。
まず疑似ボーナス状態においてART状態ST9への移行が確定しない場合について説明する。
t1のタイミングで図103(a)に示すように疑似ボーナス状態が開始される。疑似ボーナス状態の開始時には当該疑似ボーナス状態の初期継続ゲーム数が決定されるため、当該t1のタイミングで図103(e)に示すように継続ゲーム数カウンタ131に初期継続ゲーム数が加算される。但し、当該初期継続ゲーム数は移行条件ゲーム数以下であるため、図103(c)に示すように疑似ボーナス状態の開始時にはART当選フラグに「1」は設定されない。
その後、疑似ボーナス状態の実行途中であるt2のタイミング及びt3のタイミングのそれぞれで図103(d)に示すように上乗せ発生タイミングとなる。但し、これらタイミングのいずれにおいても疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数が残りの移行条件ゲーム数を上回らない。したがって、図103(e)に示すようにt2のタイミング及びt3のタイミングのそれぞれにて継続ゲーム数カウンタ131に上乗せゲーム数が加算される。また、図103(c)に示すようにt2のタイミング及びt3のタイミングのいずれにおいてもART当選フラグに「1」が設定されない。
その後、t4のタイミングで図103(a)に示すように疑似ボーナス状態が終了する。この場合、図103(c)に示すようにART当選フラグに「1」が設定されていないため、図103(b)に示すようにART状態ST9への移行は発生しない。
次に、疑似ボーナス状態の途中でART状態ST9への移行が確定する場合について説明する。
t5のタイミングで図103(a)に示すように疑似ボーナス状態が開始される。疑似ボーナス状態の開始時には当該疑似ボーナス状態の初期継続ゲーム数が決定されるため、当該t5のタイミングで図103(e)に示すように継続ゲーム数カウンタ131に初期継続ゲーム数が加算される。但し、当該初期継続ゲーム数は移行条件ゲーム数以下であるため、図103(c)に示すように疑似ボーナス状態の開始時にはART当選フラグに「1」は設定されない。
その後、疑似ボーナス状態の実行途中であるt6のタイミングで図103(d)に示すように上乗せ発生タイミングとなる。当該上乗せゲーム数が疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数に加算されることにより、当該残りの継続ゲーム数が残りの移行条件ゲーム数を上回ることになる。したがって、t6のタイミングで図103(c)に示すようにART当選フラグに「1」が設定されるとともに、今回の上乗せゲーム数は図103(f)に示すようにARTゲーム数カウンタ121に加算される。
その後、t7のタイミングで図103(d)に示すように上乗せ発生タイミングとなる。この場合、図103(c)に示すように既にART当選フラグに「1」が設定されているため、今回の上乗せゲーム数は図103(f)に示すようにARTゲーム数カウンタ121に加算される。
その後、t8のタイミングで図103(a)に示すように疑似ボーナス状態が終了する。この場合、図103(c)に示すようにART当選フラグに「1」が設定されているため、図103(b)に示すようにART状態ST9に移行する。
次に、疑似ボーナス状態が開始される場合にART状態ST9への移行が確定する場合について説明する。
t9のタイミングで図103(a)に示すように疑似ボーナス状態が開始される。疑似ボーナス状態の開始時には当該疑似ボーナス状態の初期継続ゲーム数が決定されるため、当該t9のタイミングで図103(e)に示すように継続ゲーム数カウンタ131に初期継続ゲーム数が加算される。この場合に、当該初期継続ゲーム数が移行条件ゲーム数を上回る。したがって、t9のタイミングで図103(c)に示すようにART当選フラグに「1」が設定される。
その後、t10のタイミング及びt11のタイミングのそれぞれで図103(d)に示すように上乗せ発生タイミングとなる。この場合、図103(c)に示すように既にART当選フラグに「1」が設定されているため、これら各タイミングの上乗せゲーム数は図103(f)に示すようにARTゲーム数カウンタ121に加算される。
その後、t12のタイミングで図103(a)に示すように疑似ボーナス状態が終了する。この場合、図103(c)に示すようにART当選フラグに「1」が設定されているため、図103(b)に示すようにART状態ST9に移行する。
次に、演出側MPU92にて実行される疑似ボーナス用の演出制御処理について、図104のフローチャートを参照しながら説明する。なお、疑似ボーナス用の演出制御処理は疑似ボーナス状態において比較的短い周期(例えば4ミリ秒)で繰り返し実行される。
主側MPU72から疑似ボーナス開始コマンドを受信している場合(ステップS5301:YES)、分岐前演出の開始設定処理を実行する(ステップS5302)。分岐前演出の開始設定処理では、分岐前演出の実行を可能とする分岐前演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。分岐前演出テーブルは25ゲームに亘って継続する分岐前演出の実行を可能とする情報が設定されている。分岐前演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の時刻制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて25ゲームに亘って分岐前演出が実行される。
その後、疑似ボーナス開始コマンドに設定されている初期継続ゲーム数の情報から今回の疑似ボーナス状態において発生する分岐演出の発生回数を把握し、その把握した分岐演出の発生回数の情報を演出側RAM94に設けられた分岐演出カウンタに設定する(ステップS5303)。演出側MPU92は分岐前演出の終了後に分岐演出カウンタの値が「0」となるまで分岐演出を実行させる。
その後、疑似ボーナス開始コマンドに設定されている初期継続ゲーム数が同じく疑似ボーナス開始コマンドに設定されている移行条件ゲーム数を上回っているか否かを判定することで、疑似ボーナス状態の開始時においてART状態ST9への移行が確定しているか否かを判定する(ステップS5304)。ステップS5304にて否定判定をした場合、ART非当選用の分岐演出の設定処理を実行する(ステップS5305)。当該設定処理では、現状実行予定の分岐演出の回数が1回であれば、当該分岐演出の結果が味方キャラクタの敗北となる敗北演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。この場合、演出側MPU92は分岐前演出テーブルによる演出の実行制御を終了した後は、敗北演出テーブルによる演出の実行制御を行う。また、当該設定処理では、現状実行予定の分岐演出の回数が複数回であれば、最終回よりも前の実行回の分岐演出の結果が引き分けとなる引き分け演出テーブルを当該実行回の数分だけ演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させ、最終回の分岐演出の結果が味方キャラクタの敗北となる敗北演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。この場合、演出側MPU92は分岐前演出テーブルによる演出の実行制御を終了した後は、引き分け演出テーブルによる演出の実行制御を当該引き分け演出テーブルが演出側RAM94に記憶されている数分実行し、その後に敗北演出テーブルによる演出の実行制御を行う。
ステップS5304にて肯定判定をした場合、ART当選用の分岐演出の設定処理を実行する(ステップS5306)。疑似ボーナス状態の開始時にART状態ST9への移行が確定する場合というのは、初期継続ゲーム数として41ゲーム、49ゲーム及び50ゲームのいずれかが選択された場合であり、41ゲームであれば分岐演出が2回実行され、49ゲーム又は50ゲームであれば分岐演出が3回実行される。つまり、ART当選用の分岐演出の設定処理が実行される場合、分岐演出が2回以上実行されることとなる。この場合に、当該設定処理では、最終回よりも前の実行回の分岐演出の結果が引き分けとなる引き分け演出テーブルを当該実行回の数分だけ演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させ、最終回の分岐演出の結果が味方キャラクタの勝利となる勝利演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。この場合、演出側MPU92は分岐前演出テーブルによる演出の実行制御を終了した後は、引き分け演出テーブルによる演出の実行制御を当該引き分け演出テーブルが演出側RAM94に記憶されている数分実行し、その後に勝利演出テーブルによる演出の実行制御を行う。
その後、演出側RAM94に設けられたART当選済みフラグに「1」を設定する(ステップS5307)。ART当選済みフラグは今回の疑似ボーナス状態において既にART状態ST9への移行が確定していることを演出側MPU92にて特定するためのフラグである。
疑似ボーナス用の演出制御処理では、新たな1ゲームが実行されて分岐前演出の更新タイミングとなっている場合(ステップS5308:YES)、分岐前演出の更新設定処理を実行する(ステップS5309)。当該更新設定処理では、現状参照対象となっている分岐前演出テーブルにおいて参照すべき範囲を1ゲームの新たな開始に応じて変更する処理を実行する。これにより、分岐前演出の実行内容が当該分岐前演出の継続ゲーム数に応じて変化することとなる。また、当該更新設定処理では、分岐前演出の終了タイミングとなっている場合、演出側RAM94において次の参照対象として設定されているいずれかの種類の分岐演出テーブルに従って演出の実行制御を開始する。これにより、最初の実行回の分岐演出が開始される。
疑似ボーナス用の演出制御処理では、主側MPU72から上乗せ発生コマンドを受信している場合(ステップS5310:YES)、演出側RAM94のART当選済みフラグに「1」が設定されていない場合(ステップS5311:NO)、今回受信した上乗せ発生コマンドにART状態ST9の残りの継続ゲーム数が加算対象となっていることを示す情報が設定されているか否かを判定することで、今回のゲームにてART状態ST9への移行が確定したか否かを判定する(ステップS5312)。
ステップS5312にて否定判定をした場合、ART非当選用の分岐演出の調整処理を実行する(ステップS5313)。ゲーム数の上乗せが発生したもののART状態ST9への移行が確定しない場合というのは、今回の上乗せゲーム数が8ゲームであることを意味する。したがって、ART非当選用の分岐演出の調整処理では、引き分け結果となる分岐演出の1実行回が敗北結果となる分岐演出の実行回の前に追加されるようにするための調整を行う。具体的には、敗北演出テーブルによる演出の実行制御を行う前の段階であれば、当該敗北演出テーブルによる演出の実行制御が行われる前に実行対象となるように引き分け演出テーブルを演出側RAM94に記憶させる。また、敗北演出テーブルによる演出の実行制御を行っている段階であれば、当該敗北演出テーブルの内容を最終的に引き分け結果となる内容に修正するとともにその後に実行対象となるように敗北演出テーブルを演出側RAM94に記憶させる。
ステップS5312にて肯定判定をした場合、ART当選用の分岐演出の調整処理を実行する(ステップS5314)。ゲーム数の上乗せが発生してART状態ST9への移行が確定する場合、今回の上乗せゲーム数はART状態ST9の残りの継続ゲーム数に加算される。したがって、ART当選用の分岐演出の調整処理では、敗北結果となる分岐演出の内容が勝利結果となる分岐演出の内容に変更されるようにする。具体的には、敗北演出テーブルによる演出の実行制御を行う前の段階であれば、当該敗北演出テーブルを勝利演出テーブルに変更する。また、敗北演出テーブルによる演出の実行制御を行っている段階であれば、当該敗北演出テーブルの内容を最終的に勝利結果となる内容に修正する。その後、演出側RAM94のART当選済みフラグに「1」を設定し(ステップS5315)、今回受信した上乗せ発生コマンドに設定されている上乗せゲーム数に対応する値を演出側RAM94のストックゲーム数カウンタ127に加算する(ステップS5316)。
ART当選済みフラグに「1」が設定されている状況において上乗せ発生コマンドを受信した場合、ステップS5311にて肯定判定をする。この場合、今回受信した上乗せ発生コマンドに設定されている上乗せゲーム数に対応する値を演出側RAM94のストックゲーム数カウンタ127に加算する(ステップS5316)。
疑似ボーナス用の演出制御処理では、新たな1ゲームが実行されて分岐演出の更新タイミングとなっている場合(ステップS5317:YES)、分岐演出の更新設定処理を実行する(ステップS5318)。当該更新設定処理では、現状参照対象となっている分岐演出テーブル(引き分け演出テーブル、敗北演出テーブル又は勝利演出テーブル)において参照すべき範囲を1ゲームの新たな開始に応じて変更する処理を実行する。これにより、分岐演出の実行内容が当該分岐演出の継続ゲーム数に応じて変化することとなる。また、当該更新設定処理では、1実行回の分岐演出の終了タイミングとなった場合であって実行対象の分岐演出の実行回が残っている場合、演出側RAM94において次の参照対象として設定されているいずれかの種類の分岐演出テーブルに従って演出の実行制御を開始する。
図105のタイムチャートを参照しながら、疑似ボーナス状態において分岐前演出及び分岐演出が実行される様子について説明する。図105(a)は疑似ボーナス状態の実行期間を示し、図105(b)はART状態ST9の実行期間を示し、図105(c)は分岐前演出の実行期間を示し、図105(d)は分岐演出の実行期間を示し、図105(e)は上乗せ発生コマンドを演出側MPU92が受信するタイミングを示し、図105(f)は分岐演出の1実行回の追加タイミングを示し、図105(g)は分岐演出の内容の修正タイミングを示す。
まず疑似ボーナス状態においてART状態ST9への移行が確定しない場合について説明する。
t1のタイミングで図105(a)に示すように疑似ボーナス状態が開始される。また、初期継続ゲーム数として33ゲームが選択されたことにより、この時点では今回の疑似ボーナス状態における分岐演出の実行予定回数は1回となっている。また、初期継続ゲーム数として33ゲームが選択されているのに対して、移行条件ゲーム数は41ゲームに設定されているため、当該開始タイミングではART状態ST9への移行は確定しない。また、t1のタイミングで図105(c)に示すように分岐前演出が開始される。
その後、分岐前演出が実行されている状況であるt2のタイミングで図105(e)に示すように主側MPU72から上乗せ発生コマンドを受信する。この場合、当該上乗せ発生コマンドに設定されている上乗せゲーム数は8ゲームである。したがって、当該上乗せゲーム数が発生したとしても疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数は残りの移行条件ゲーム数を上回らない。よって、当該t2のタイミングで図105(f)に示すように今回の上乗せゲーム数の発生を契機として分岐演出の実行予定回数が1回追加され、分岐演出の実行予定回数は2回となる。
その後、t3のタイミングで図105(c)に示すように分岐前演出が終了する。そして、図105(d)に示すように、当該t3のタイミング~t4のタイミングに亘って引き分け結果となる分岐演出の1実行回が実行されるとともに、t5のタイミング~t6のタイミングに亘って敗北結果となる分岐演出の1実行回が実行される。当該敗北結果となる分岐演出が終了するt6のタイミングで図105(a)に示すように疑似ボーナス状態が終了する。この場合、ART状態ST9への移行が確定していないため、図105(b)に示すようにART状態ST9への移行は発生しない。
次に、分岐前演出が実行されている途中でART状態ST9への移行が確定する場合について説明する。
t7のタイミングで図105(a)に示すように疑似ボーナス状態が開始される。また、初期継続ゲーム数として33ゲームが選択されたことにより、この時点では今回の疑似ボーナス状態における分岐演出の実行予定回数は1回となっている。また、初期継続ゲーム数として33ゲームが選択されているのに対して、移行条件ゲーム数は41ゲームに設定されているため、当該開始タイミングではART状態ST9への移行は確定しない。また、t7のタイミングで図105(c)に示すように分岐前演出が開始される。
その後、分岐前演出が実行されている状況であるt8のタイミングで図105(e)に示すように主側MPU72から上乗せ発生コマンドを受信する。この場合、当該上乗せ発生コマンドに設定されている上乗せゲーム数は22ゲームである。したがって、当該上乗せゲーム数の発生によって疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数が残りの移行条件ゲーム数を上回ることとなる。よって、当該t8のタイミングで図105(g)に示すように実行予定となっている敗北結果に対応する分岐演出の内容を勝利結果に修正する。
その後、t9のタイミングで図105(c)に示すように分岐前演出が終了する。そして、図105(d)に示すように、当該t9のタイミング~t10のタイミングに亘って勝利結果となる分岐演出の1実行回が実行される。当該勝利結果となる分岐演出が終了するt10のタイミングで図105(a)に示すように疑似ボーナス状態が終了する。この場合、ART状態ST9への移行が確定しているため、図105(b)に示すようにART状態ST9に移行する。
次に、敗北結果となる分岐演出が実行されている途中でART状態ST9への移行が確定する場合について説明する。
t11のタイミングで図105(a)に示すように疑似ボーナス状態が開始される。また、初期継続ゲーム数として33ゲームが選択されたことにより、この時点では今回の疑似ボーナス状態における分岐演出の実行予定回数は1回となっている。また、初期継続ゲーム数として33ゲームが選択されているのに対して、移行条件ゲーム数は41ゲームに設定されているため、当該開始タイミングではART状態ST9への移行は確定しない。また、t11のタイミングで図105(c)に示すように分岐前演出が開始される。
その後、分岐前演出が実行されている状況であるt12のタイミングで図105(e)に示すように主側MPU72から上乗せ発生コマンドを受信する。この場合、当該上乗せ発生コマンドに設定されている上乗せゲーム数は8ゲームである。したがって、当該上乗せゲーム数が発生したとしても疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数は残りの移行条件ゲーム数を上回らない。よって、当該t12のタイミングで図105(f)に示すように今回の上乗せゲーム数の発生を契機として分岐演出の実行予定回数が1回追加され、分岐演出の実行予定回数は2回となる。
その後、t13のタイミングで図105(c)に示すように分岐前演出が終了する。そして、図105(d)に示すように、当該t13のタイミング~t14のタイミングに亘って引き分け結果となる分岐演出の1実行回が実行され、その後にt15のタイミングで敗北結果となる分岐演出の1実行回が開始される。
当該敗北結果となる分岐演出が実行されている状況であるt16のタイミングで図105(e)に示すように主側MPU72から上乗せ発生コマンドを受信する。この場合、当該上乗せ発生コマンドに設定されている上乗せゲーム数は8ゲームである。したがって、当該上乗せゲーム数の発生によって疑似ボーナス状態の残りの継続ゲーム数が残りの移行条件ゲーム数を上回ることとなる。よって、当該t16のタイミングで図105(g)に示すように現状実行されている敗北結果に対応する分岐演出の内容を勝利結果に修正する。
その後、t17のタイミングで図105(d)に示すように勝利結果に対応する分岐演出が終了する。当該t17のタイミングで図105(a)に示すように疑似ボーナス状態が終了する。この場合、ART状態ST9への移行が確定しているため、図105(b)に示すようにART状態ST9に移行する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
疑似ボーナス状態において遊技者に付与された合計ゲーム数が移行条件ゲーム数を超えることでART状態ST9への移行が確定する構成において、移行条件ゲーム数が抽選により決定される。これにより、疑似ボーナス状態となった場合には少ないゲーム数の移行条件ゲーム数が選択されることを期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
疑似ボーナス状態が開始された場合に初期継続ゲーム数が抽選により決定される。そして、当該抽選にて決定された初期継続ゲーム数が移行条件ゲーム数を超えた場合にはART状態ST9への移行が確定することとなる。これにより、疑似ボーナス状態においてART状態ST9への移行が確定するパターンを多様化させることが可能となる。
疑似ボーナス状態の途中で上乗せゲーム数が付与され得る。これにより、疑似ボーナス状態が開始された段階では遊技者に付与された合計ゲーム数が移行条件ゲーム数を超えていないかったとしても疑似ボーナス状態の途中で上乗せゲーム数が付与されることにより移行条件ゲーム数を超えることが起こり得る。これにより、疑似ボーナス状態における遊技への注目度を高めることが可能となる。
疑似ボーナス状態の途中で上乗せゲーム数が付与されたものの移行条件ゲーム数を超えない場合にはその上乗せゲーム数は疑似ボーナス状態において消化される。これにより、疑似ボーナス状態の継続ゲーム数が増加する状況を生じさせることが可能となる。
疑似ボーナス状態の途中で上乗せゲーム数が付与された場合に移行条件ゲーム数を超える場合には、当該上乗せゲーム数は疑似ボーナス状態の終了後に発生するART状態ST9において消化される。これにより、ART状態ST9の継続ゲーム数を多くなり易くさせることが可能となる。
疑似ボーナス状態において既にART状態ST9への移行が確定している状況で上乗せゲーム数が付与される場合、その上乗せゲーム数はART状態ST9において消化される。これにより、既にART状態ST9への移行が確定しているにも関わらず疑似ボーナス状態の継続ゲーム数が増加してしまい疑似ボーナス状態における遊技が間延びしてしまうという事象の発生を阻止することが可能となる。
遊技者に付与された合計ゲーム数が移行条件ゲーム数を超えるまでは疑似ボーナス状態に対応する態様でゲーム数の上乗せ抽選処理が実行され、遊技者に付与された合計ゲーム数が移行条件ゲーム数を超えた後はART状態ST9に対応する態様でゲーム数の上乗せ抽選処理が実行される。これにより、それぞれの状況に適した態様でゲーム数の上乗せ抽選処理を実行することが可能となる。また、移行条件ゲーム数を超えるタイミングが早いほどART状態ST9に対応する態様でゲーム数の上乗せ抽選処理が実行される期間を長く確保することが可能となる。
疑似ボーナス状態の初期継続ゲーム数が決定された段階で移行条件ゲーム数を超えたとしても、当該初期継続ゲーム数は疑似ボーナス状態において消化される。これにより、疑似ボーナス状態の終了後にART状態ST9が発生することが確定している状況であっても、疑似ボーナス状態においてある程度のゲームが消化されるようにすることが可能となる。
なお、疑似ボーナス状態において遊技者に付与されたゲーム数が移行条件ゲーム数を超えた場合にART状態ST9への移行が確定する構成に代えて、疑似ボーナス状態において遊技者に付与されたゲーム数が移行条件ゲーム数以上となった場合にART状態ST9への移行が確定する構成としてもよい。
また、疑似ボーナス状態の初期継続ゲーム数が抽選により決定される構成に代えて初期継続ゲーム数は固定のゲーム数である構成としてもよい。この場合、移行条件ゲーム数の抽選結果によっては当該固定のゲーム数が移行条件ゲーム数を超える場合と超えない場合とが生じる構成としてもよい。また、固定のゲーム数は確実に移行条件ゲーム数を超えない構成としてもよい。この場合には疑似ボーナス状態において上乗せゲーム数が付与されない限りは、遊技者に付与されたゲーム数が移行条件ゲーム数を超えることはない。
また、疑似ボーナス状態にて上乗せゲーム数が付与された場合において当該上乗せゲーム数の付与を契機として、遊技者に付与されたゲーム数が移行条件ゲーム数を超えた場合、当該上乗せゲーム数がART状態ST9において消化される構成に代えて、疑似ボーナス状態において消化される構成としてもよい。これにより、疑似ボーナス状態を長く継続させることが可能となる。
また、疑似ボーナス状態においてART状態ST9への移行が確定している場合に付与された上乗せゲーム数は、ストックゲーム数カウンタ127に加算されることで遊技者に報知されない構成としたが、少なくともART状態ST9の開始タイミングまでに報知される構成としてもよい。例えば、疑似ボーナス状態においてART状態ST9への移行が確定したゲームにおいてART状態ST9への移行が確定したことが報知されるとともに、当該疑似ボーナス状態において上乗せゲーム数が付与される度にその付与されたゲームにてART状態ST9の残りの継続ゲーム数が増加したことを示す報知が実行される構成としてもよい。また、上乗せゲーム数が付与されたゲームではそれが報知されないものの疑似ボーナス状態が終了してART状態ST9が開始される場合に、当該ART状態ST9の初期継続ゲーム数に対して疑似ボーナス状態における上乗せゲーム数が加算された状態で当該ART状態ST9の残りの継続ゲーム数が報知される構成としてもよい。
また、疑似ボーナス状態においてART状態ST9への移行が確定した後の方がART状態ST9への移行が確定する前よりも上乗せゲーム数の付与に関して遊技者にとって有利となる構成に代えて、いずれの場合であっても上乗せゲーム数の付与に関する有利度が同一又は略同一である構成としてもよく、ART状態ST9への移行が確定する前の方がART状態ST9への移行が確定した後よりも上乗せゲーム数の付与に関して遊技者にとって有利となる構成としてもよい。
<第3の実施形態>
本実施形態ではゲーム数の上乗せ抽選処理にて実行される上乗せテーブルの構成が上記第2の実施形態と異なっている。以下、上記第2の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第2の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図106(a)~図106(d)は本実施形態における上乗せテーブル141~144の内容を説明するための説明図である。本実施形態では上乗せテーブル141~144として、図106(a)に示す第1上乗せテーブル141と、図106(b)に示す第2上乗せテーブル142と、図106(c)に示す第3上乗せテーブル143と、図106(d)に示す第4上乗せテーブル144と、を主側MPU72にて利用可能となっている。なお、詳細は後述するが第1~第4上乗せテーブル141~144がそのまま主側ROM73に予め記憶されているのではなく、第1~第4上乗せテーブル141~144を作成可能とする第1~第4圧縮データ146~149が主側ROM73に予め記憶されている。
第1上乗せテーブル141は疑似ボーナス状態においてART状態ST9への移行が確定していない状況で上乗せ抽選処理が実行される場合に参照される。第2上乗せテーブル142は疑似ボーナス状態においてART状態ST9への移行が確定している状況で上乗せ抽選処理が実行される場合に参照される。第3上乗せテーブル143はART状態ST9においてAループ及びBループが実行されていない状況で直上乗せとして上乗せ抽選処理が実行される場合に参照される。第4上乗せテーブル144はART状態ST9においてAループ又はBループが実行されている状況で直上乗せとして上乗せ抽選処理が実行される場合に参照される。
図106(a)~図106(d)に示すように第1上乗せテーブル141、第2上乗せテーブル142、第3上乗せテーブル143及び第4上乗せテーブル144のそれぞれには、上乗せインデックスの数値情報が設定されたデータ領域が設定されているとともに、「4」~「8」,「15」,「16」の当選番号の各グループについて上乗せインデックスの数値情報に対応させて当選となる乱数の数が設定されたデータ領域が設定されている。これらデータ領域について具体的には、上乗せインデックスの数値情報として、「0」~「8」の値が連番で設定されている。この場合、上乗せインデックスの数値情報が設定されたデータ領域はそれぞれ1バイト分のデータが割り当てられている。つまり、第1~第4上乗せテーブル141~144のそれぞれにおいて上乗せインデックスの数値情報として「0」~「8」の9個のデータ領域が設定されているが、それら9個のデータ領域はいずれも1バイト分のデータとなっている。
上乗せインデックスの数値情報は実際の上乗せゲーム数を主側MPU72にて特定するための数値情報である。上乗せインデックスの数値情報に対して実際の上乗せゲーム数を特定するためのデータとして、インデックス対応テーブル145が主側ROM73に予め記憶されている。図107はインデックス対応テーブル145を説明するための説明図である。「0」の上乗せインデックスの数値情報は上乗せゲーム数が0ゲームであること、すなわち上乗せ抽選処理にて外れ結果となったことに対応している。「1」の上乗せインデックスの数値情報は上乗せゲーム数が8ゲームであることに対応している。「2」の上乗せインデックスの数値情報は上乗せゲーム数が12ゲームであることに対応している。「3」の上乗せインデックスの数値情報は上乗せゲーム数が22ゲームであることに対応している。「4」の上乗せインデックスの数値情報は上乗せゲーム数が32ゲームであることに対応している。「5」の上乗せインデックスの数値情報は上乗せゲーム数が52ゲームであることに対応している。「6」の上乗せインデックスの数値情報は上乗せゲーム数が102ゲームであることに対応している。「7」の上乗せインデックスの数値情報は上乗せゲーム数が202ゲームであることに対応している。「8」の上乗せインデックスの数値情報は上乗せゲーム数が302ゲームであることに対応している。
上記のように第1~第4上乗せテーブル141~144には上乗せゲーム数の数値情報をそのまま設定するのではなく上乗せインデックスの数値情報を設定し、インデックス対応テーブル145を利用して上乗せインデックスの数値情報から上乗せゲーム数の数値情報を導出する構成とすることにより第1~第4上乗せテーブル141~144のデータ容量を抑えることが可能となる。つまり、上乗せゲーム数の数値情報は最大で302ゲームであり当該数値情報を2進数で表すためには9ビットが必要となり、バイト単位では2バイトが必要となる。そして、上乗せゲーム数の加算処理における処理の共通化を図るべく、各上乗せゲーム数の数値情報が設定されたデータ領域のデータ容量を一定なものとしようとすると、最大の上乗せゲーム数の数値情報に合わせる必要があるため、各上乗せゲーム数の数値情報が設定されたデータ領域のデータ容量はそれぞれ2バイトとなる。この場合に、各上乗せゲーム数の数値情報が第1~第4上乗せテーブル141~144のそれぞれにそのまま設定されているとすると、2バイト×9個×4個で72バイトが必要となる。これに対して、第1~第4上乗せテーブル141~144には1バイトのデータ容量である上乗せインデックスの数値情報を設定するとともに上乗せインデックスの数値情報から実際の上乗せゲーム数の数値情報を導出するためのインデックス対応テーブル145を利用する場合、第1~第4上乗せテーブル141~144における上乗せインデックスの数値情報を設定するためのデータ容量として1バイト×9個×4個で36バイトが必要となるとともにインデックス対応テーブル145において1バイト×9個+2バイト×9個で27バイトが必要となり、合計で63バイトとなる。この63バイトは各上乗せゲーム数の数値情報が第1~第4上乗せテーブル141~145のそれぞれにそのまま設定されている場合の72バイトよりも少ないデータ容量となっている。
第1~第4上乗せテーブル141~144における当選乱数の個数が設定されたデータ領域について詳細には、図106(a)~図106(d)に示すように、「4」~「8」,「15」,「16」の当選番号は、「4」及び「5」の当選番号が含まれる第1グループと、「6」及び「7」の当選番号が含まれる第2グループと、「8」の当選番号が含まれる第3グループと、「15」及び「16」の当選番号が含まれる第4グループとに分類されている。また、本実施形態では上乗せ抽選処理では16ビット乱数の専用乱数回路102a~102dが利用される。そして、第1~第4上乗せテーブル141~144のそれぞれにおいて、第1グループにて各上乗せインデックスの数値情報が当選となるための当選乱数の個数と、第2グループにて各上乗せインデックスの数値情報が当選となるための当選乱数の個数と、第3グループにて各上乗せインデックスの数値情報が当選となるための当選乱数の個数と、第4グループにて各上乗せインデックスの数値情報が当選となるための当選乱数の個数と、が設定されている。
ここで、第1~第4上乗せテーブル141~144のそれぞれにおいて1以上となる当選乱数の個数が設定される上乗せインデックスの数値情報の種類が異なっている。具体的には、図106(a)に示すように第1上乗せテーブル141においては「0」,「1」,「6」~「8」の上乗せインデックスの数値情報には第1~第4グループのいずれかに1以上となる当選乱数の個数が設定されているのに対して、「2」~「5」の上乗せインデックスの数値情報には第1~第4グループのいずれにおいても当選乱数の個数は0個に設定されている。また、図106(b)に示すように第2上乗せテーブル142においては「2」以外の上乗せインデックスの数値情報には第1~第4グループのいずれかに1以上となる当選乱数の個数が設定されているのに対して、「2」の上乗せインデックスの数値情報には第1~第4グループのいずれにおいても当選乱数の個数は0個に設定されている。また、図106(c)に示すように第3上乗せテーブル143においては「0」,「2」~「4」の上乗せインデックスの数値情報には第1~第4グループのいずれかに1以上となる当選乱数の個数が設定されているのに対して、「1」,「5」~「8」の上乗せインデックスの数値情報には第1~第4グループのいずれにおいても当選乱数の個数は0個に設定されている。また、図106(d)に示すように第4上乗せテーブル144においては「6」~「8」の上乗せインデックスの数値情報には第1~第4グループのいずれかに1以上となる当選乱数の個数が設定されているのに対して、「0」~「5」の上乗せインデックスの数値情報には第1~第4グループのいずれにおいても当選乱数の個数は0個に設定されている。
上記のように第1~第4上乗せテーブル141~144のそれぞれにおいて第1~第4グループのいずれにおいても当選乱数の個数が0個に設定されている上乗せインデックスの数値情報が存在している場合であっても、第1~第4上乗せテーブル141~144のいずれであっても上乗せインデックスの数値情報として「0」~「8」の数値情報が共通して設定されていることにより、第1~第4上乗せテーブル141~144においてインデックス対応テーブル145を共通して利用することが可能となる。つまり、第1~第4上乗せテーブル141~144のそれぞれにおいて非共通の上乗せインデックスの数値情報が設定されている場合、第1~第4上乗せテーブル141~144のそれぞれに対応させてインデックス対応テーブル145を用意する必要が生じるが、上記のように第1~第4上乗せテーブル141~144のそれぞれにおいて共通の上乗せインデックスの数値情報が設定されていることにより1種類のインデックス対応テーブル145を共通して利用することが可能となる。これにより、インデックス対応テーブル145に必要な記憶容量を抑えることが可能となるとともに、第1~第4上乗せテーブル141~144のいずれを利用する場合であっても共通のインデックス対応テーブル145を読み出して利用すればよいため、当該インデックス対応テーブル145を読み出すための処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
上乗せ抽選処理に際しては第1~第4上乗せテーブル141~144のうち参照対象となるテーブルが主側RAM74に展開されることとなるが、主側ROM73には第1~第4上乗せテーブル141~144がそのまま記憶されているのではなく、第1~第4圧縮データ146~149として記憶されている。第1~第4上乗せテーブル141~144のそれぞれには、既に説明したとおり第1~第4グループのいずれにおいても当選乱数の個数が0個に設定されている上乗せインデックスの数値情報が存在している。したがって、第1~第4圧縮データ146~149においては、このような当選乱数の個数が0個に設定されている上乗せインデックスの数値情報については当選乱数の個数を示すデータを有していない。
第1~第4圧縮データ146~149について以下に詳細に説明する。図108(a)~図108(d)は第1~第4圧縮データ146~149を説明するための説明図である。
第1圧縮データ146は第1上乗せテーブル141を作成するためのデータであり、第2圧縮データ147は第2上乗せテーブル142を作成するためのデータであり、第3圧縮データ148は第3上乗せテーブル143を作成するためのデータであり、第4圧縮データ149は第4上乗せテーブル144を作成するためのデータである。図108(a)~図108(d)に示すように第1~第4圧縮データ146~149にはヘッダデータと実データとが設定されている。
ヘッダデータには対応する圧縮データ146~149に設定されている実データがいずれの上乗せインデックスの数値情報に対応しているのかを示す情報が設定されている。また、実データには第1~第4グループのいずれかにおいて1個以上の当選乱数の個数が設定されている上乗せインデックスの数値情報について第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。この場合、実データとして、複数の上乗せインデックスの数値情報に対応する当選乱数の個数の情報が設定されているが、それら各情報は上乗せインデックスの数値情報で見て昇順となるように配列されている。
第1圧縮データ146について詳細には、図108(a)に示すように先頭データとして2バイトのヘッダデータが設定されており、当該ヘッダデータには第1圧縮データ146において実データが存在している上乗せインデックスの数値情報を特定可能とする情報として、「0」,「1」,「6」,「7」,「8」が設定されている。また、実データとして5個の単位実データが設定されており、ヘッダデータに続けて設定されている1番目の単位実データには第1上乗せテーブル141において「0」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。また、1番目の単位実データに続けて設定されている2番目の単位実データには第1上乗せテーブル141において「1」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。また、2番目の単位実データに続けて設定されている3番目の単位実データには第1上乗せテーブル141において「6」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。また、3番目の単位実データに続けて設定されている4番目の単位実データには第1上乗せテーブル141において「7」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。また、4番目の単位実データに続けて設定されている5番目の単位実データには第1上乗せテーブル141において「8」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。
第1上乗せテーブル141を利用して上乗せ抽選処理を実行する場合には、主側ROM73から読み出した第1圧縮データ146に対してデコード処理を実行することにより主側RAM74に第1上乗せテーブル141を展開させる。この場合、まず「0」~「8」の上乗せインデックスの数値情報を昇順となるように主側RAM74に書き込む。その後に、ヘッダデータに設定されている上乗せインデックスの数値情報を読み出す。そして、当該上乗せインデックスの数値情報のうち小さい値の数値情報から順に、実データに配列されている各単位実データを主側RAM74に既に書き込まれている上乗せインデックスの数値情報に対応させて書き込む。これにより、「0」,「1」,「6」,「7」,「8」の上乗せインデックスの数値情報については第1~第4グループのそれぞれについて当選乱数の個数の情報が設定された状態となる。その後に、主側RAM74に書き込まれている上乗せインデックスの数値情報のうちヘッダデータに設定されいない数値情報に対して第1~第4グループのそれぞれについて当選乱数の個数が0個であることに対応する情報設定を行う。これにより、第1圧縮データ146を利用して主側RAM74に第1上乗せテーブル141が展開された状態となる。
第2圧縮データ147について詳細には、図108(b)に示すように先頭データとして2バイトのヘッダデータが設定されており、当該ヘッダデータには第2圧縮データ147において実データが存在している上乗せインデックスの数値情報を特定可能とする情報として、「0」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」が設定されている。また、実データとして8個の単位実データが設定されており、ヘッダデータに続けて設定されている1番目の単位実データには第2上乗せテーブル142において「0」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。また、1番目の単位実データに続けて設定されている2番目の単位実データには第2上乗せテーブル142において「2」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。また、2番目の単位実データに続けて設定されている3番目の単位実データには第2上乗せテーブル142において「3」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。また、3番目の単位実データに続けて設定されている4番目の単位実データには第2上乗せテーブル142において「4」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。また、4番目の単位実データに続けて設定されている5番目の単位実データには第2上乗せテーブル142において「5」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。また、5番目の単位実データに続けて設定されている6番目の単位実データには第2上乗せテーブル142において「6」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。また、6番目の単位実データに続けて設定されている7番目の単位実データには第2上乗せテーブル142において「7」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。また、7番目の単位実データに続けて設定されている8番目の単位実データには第2上乗せテーブル142において「8」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。
第2上乗せテーブル142を利用して上乗せ抽選処理を実行する場合には、主側ROM73から読み出した第2圧縮データ147に対してデコード処理を実行することにより主側RAM74に第2上乗せテーブル142を展開させる。この場合、まず「0」~「8」の上乗せインデックスの数値情報を昇順となるように主側RAM74に書き込む。その後に、ヘッダデータに設定されている上乗せインデックスの数値情報を読み出す。そして、当該上乗せインデックスの数値情報のうち小さい値の数値情報から順に、実データに配列されている各単位実データを主側RAM74に既に書き込まれている上乗せインデックスの数値情報に対応させて書き込む。これにより、「0」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」の上乗せインデックスの数値情報については第1~第4グループのそれぞれについて当選乱数の個数の情報が設定された状態となる。その後に、主側RAM74に書き込まれている上乗せインデックスの数値情報のうちヘッダデータに設定されいない数値情報に対して第1~第4グループのそれぞれについて当選乱数の個数が0個であることに対応する情報設定を行う。これにより、第2圧縮データ147を利用して主側RAM74に第2上乗せテーブル142が展開された状態となる。
第3圧縮データ148について詳細には、図108(c)に示すように先頭データとして2バイトのヘッダデータが設定されており、当該ヘッダデータには第3圧縮データ148において実データが存在している上乗せインデックスの数値情報を特定可能とする情報として、「0」,「2」,「3」,「4」が設定されている。また、実データとして4個の単位実データが設定されており、ヘッダデータに続けて設定されている1番目の単位実データには第3上乗せテーブル143において「0」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。また、1番目の単位実データに続けて設定されている2番目の単位実データには第3上乗せテーブル143において「2」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。また、2番目の単位実データに続けて設定されている3番目の単位実データには第3上乗せテーブル143において「3」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。また、3番目の単位実データに続けて設定されている4番目の単位実データには第3上乗せテーブル143において「4」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。
第3上乗せテーブル143を利用して上乗せ抽選処理を実行する場合には、主側ROM73から読み出した第3圧縮データ148に対してデコード処理を実行することにより主側RAM74に第3上乗せテーブル143を展開させる。この場合、まず「0」~「8」の上乗せインデックスの数値情報を昇順となるように主側RAM74に書き込む。その後に、ヘッダデータに設定されている上乗せインデックスの数値情報を読み出す。そして、当該上乗せインデックスの数値情報のうち小さい値の数値情報から順に、実データに配列されている各単位実データを主側RAM74に既に書き込まれている上乗せインデックスの数値情報に対応させて書き込む。これにより、「0」,「2」,「3」,「4」の上乗せインデックスの数値情報については第1~第4グループのそれぞれについて当選乱数の個数の情報が設定された状態となる。その後に、主側RAM74に書き込まれている上乗せインデックスの数値情報のうちヘッダデータに設定されいない数値情報に対して第1~第4グループのそれぞれについて当選乱数の個数が0個であることに対応する情報設定を行う。これにより、第3圧縮データ148を利用して主側RAM74に第3上乗せテーブル143が展開された状態となる。
第4圧縮データ149について詳細には、図108(d)に示すように先頭データとして2バイトのヘッダデータが設定されており、当該ヘッダデータには第4圧縮データ149において実データが存在している上乗せインデックスの数値情報を特定可能とする情報として、「6」,「7」,「8」が設定されている。また、実データとして3個の単位実データが設定されており、ヘッダデータに続けて設定されている1番目の単位実データには第4上乗せテーブル144において「6」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。また、1番目の単位実データに続けて設定されている2番目の単位実データには第4上乗せテーブル144において「7」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。また、2番目の単位実データに続けて設定されている3番目の単位実データには第4上乗せテーブル144において「8」の上乗せインデックスの数値情報における第1~第4グループのそれぞれに設定されている当選乱数の個数の情報が設定されている。
第4上乗せテーブル144を利用して上乗せ抽選処理を実行する場合には、主側ROM73から読み出した第4圧縮データ149に対してデコード処理を実行することにより主側RAM74に第4上乗せテーブル144を展開させる。この場合、まず「0」~「8」の上乗せインデックスの数値情報を昇順となるように主側RAM74に書き込む。その後に、ヘッダデータに設定されている上乗せインデックスの数値情報を読み出す。そして、当該上乗せインデックスの数値情報のうち小さい値の数値情報から順に、実データに配列されている各単位実データを主側RAM74に既に書き込まれている上乗せインデックスの数値情報に対応させて書き込む。これにより、「6」,「7」,「8」の上乗せインデックスの数値情報については第1~第4グループのそれぞれについて当選乱数の個数の情報が設定された状態となる。その後に、主側RAM74に書き込まれている上乗せインデックスの数値情報のうちヘッダデータに設定されいない数値情報に対して第1~第4グループのそれぞれについて当選乱数の個数が0個であることに対応する情報設定を行う。これにより、第4圧縮データ149を利用して主側RAM74に第4上乗せテーブル144が展開された状態となる。
上乗せ抽選処理にて使用される乱数が16ビットである構成において、上乗せ抽選処理にて各上乗せインデックスの数値情報に対応する当選乱数の個数を特定する場合における処理の簡素化の観点から、第1~第4上乗せテーブル141~144において各当選乱数の個数が設定されたデータ領域のデータ容量はそれぞれ2バイトに設定されている。第1~第4上乗せテーブル141~144には第1~第4グループが設定されているとともに第1~第4グループのそれぞれにおいて「0」~「8」の上乗せインデックスの数値情報のそれぞれに対応させて当選乱数の個数を表すデータが設定されているため、第1~第4上乗せテーブル141~144のいずれであっても当選乱数の個数の情報を特定するためのデータ容量は2バイト×9個×4個で72バイトとなる。また、第1~第4上乗せテーブル141~144には「0」~「8」の上乗せインデックスの数値情報が設定されており、それら数値情報はそれぞれ1バイトのデータ容量となっている。したがって、第1~第4上乗せテーブル141~144のそれぞれのデータ容量は72バイト+1バイト×9個で81バイトとなる。これに対して、第1圧縮データ146のデータ容量は2バイトのヘッダデータと2バイト×4個×5個の実データとの和である42バイトとなり第1上乗せテーブル141のデータ容量よりも小さい。また、第2圧縮データ147のデータ容量は2バイトのヘッダデータと2バイト×4個×8個の実データとの和である66バイトとなり第2上乗せテーブル142のデータ容量よりも小さい。また、第3圧縮データ148のデータ容量は2バイトのヘッダデータと2バイト×4個×4個の実データとの和である34バイトとなり第3上乗せテーブル143のデータ容量よりも小さい。また、第4圧縮データ149のデータ容量は2バイトのヘッダデータと2バイト×4個×3個の実データとの和である26バイトとなり第4上乗せテーブル144のデータ容量よりも小さい。これにより、主側ROM73において必要なデータ容量を抑えながら第1~第4上乗せテーブル141~144を利用することが可能となる。
次に、主側MPU72において第1~第4上乗せテーブル141~144を利用して実行される上乗せ抽選処理について、図109のフローチャートを参照しながら説明する。なお、上乗せ抽選処理は1ゲームが新たに開始された場合において役の抽選処理(図17)が実行された後であってリール32L,32M,32Rの回転が開始される前に実行される。
まず第1~第4圧縮データ146~149のうち現状の遊技状況に対応する圧縮データ146~149を主側ROM73から読み出す(ステップS5401)。その後、「0」~「8」の上乗せインデックスの数値情報を昇順となるように主側RAM74に書き込む(ステップS5402)。
その後、ステップS5401にて読み出した圧縮データ146~149のヘッダデータに設定されている上乗せインデックスの数値情報を読み出すとともに、当該上乗せインデックスの数値情報のうち小さい値の数値情報から順に、ステップS5401にて読み出した圧縮データ146~149の実データに配列されている各単位実データを主側RAM74に既に書き込まれている上乗せインデックスの数値情報に対応させて書き込む(ステップS5403)。その後、主側RAM74に書き込まれている上乗せインデックスの数値情報のうちヘッダデータに設定されいない数値情報に対して第1~第4グループのそれぞれについて当選乱数の個数が0個であることに対応する情報設定を行う(ステップS5404)。
その後、乱数取得処理を実行する(ステップS5405)。乱数取得処理では、上乗せ抽選処理に対応する専用乱数回路102a~102dにおいて更新された16ビット乱数を取得する。
その後、上乗せインデックスの取得処理を実行する(ステップS5406)。図110は上乗せインデックスの取得処理を示すフローチャートである。ステップS5401~ステップS5404にて主側RAM74に展開された上乗せテーブル141~144における第1~第4グループのうち今回の役の抽選処理(図17)にて設定された当選番号に対応するグループを把握する(ステップS5501)。その後、主側RAM74に設けられた繰り返しカウンタに上乗せインデックスの数値情報の最大値に対応する「9」を設定する(ステップS5502)。また、主側RAM74に設けられた判定値カウンタにステップS5405にて取得した16ビット乱数の値を設定する(ステップS5503)。
その後、ステップS5401~ステップS5404にて主側RAM74に展開された上乗せテーブル141~144のうちステップS5501にて把握したグループにおいて、主側RAM74の繰り返しカウンタの値に対応する上乗せインデックスの数値情報に対応させて設定されている当選乱数の個数を読み出す(ステップS5504)。この場合、例えば繰り返しカウンタの値が「9」であれば「8」の上乗せインデックスの数値情報に対応させて設定されている当選乱数の個数を読み出し、繰り返しカウンタの値が「5」であれば「4」の上乗せインデックスの数値情報に対応させて設定されている当選乱数の個数を読み出し、繰り返しカウンタの値が「1」であれば「0」の上乗せインデックスの数値情報に対応させて設定されている当選乱数の個数を読み出す。そして、その把握した当選乱数の個数を主側RAM74の判定値カウンタに加算する(ステップS5505)。
その後、その加算後における判定値カウンタの値が16ビット乱数の最大値である「65535」を超えたか否かを判定する(ステップS5506)。ステップS5506にて否定判定をした場合、現状の繰り返しカウンタの値に対応する上乗せインデックスの数値情報は当選とならなかったことを意味する。この場合、主側RAM74の繰り返しカウンタの値を1減算し(ステップS5507)、その1減算後における繰り返しカウンタの値が「0」ではないことを条件として(ステップS5508:NO)、その1減算後における繰り返しカウンタの値についてステップS5504~ステップS5506の処理を実行する。
ステップS5506にて肯定判定をした場合、現状の繰り返しカウンタの値に対応する上乗せインデックスの数値情報に当選したことを意味する。よって、現状の繰り返しカウンタの値に対応する上乗せインデックスの数値情報を取得する(ステップS5509)。例えば繰り返しカウンタの値が「9」であれば上乗せインデックスの数値情報として「8」を取得し、繰り返しカウンタの値が「5」であれば上乗せインデックスの数値情報として「4」を取得し、繰り返しカウンタの値が「1」であれば上乗せインデックスの数値情報として「0」を取得する。
ステップS5508にて肯定判定をした場合、本来なら「0」~「8」の上乗せインデックスの数値情報のいずれかが選択されているタイミングでステップS5506にて肯定判定をするはずであるのにも関わらず、「0」~「8」の上乗せインデックスの数値情報のいずれにおいてもステップS5506にて肯定判定をしなかったとして、異常報知が実行されるようにするための処理を実行する(ステップS5510)。これにより、電気的なノイズや上乗せテーブルの設定値の不具合が発生している場合にはそれを遊技ホールの管理者に報知することが可能となる。
上乗せ抽選処理(図109)の説明に戻り、ステップS5406にて上乗せインデックスの取得処理を実行した後は、主側ROM73からインデックス対応テーブル145を読み出す(ステップS5407)。その後、ステップS5406にて取得した上乗せインデックスの情報に対応する上乗せゲーム数の情報をインデックス対応テーブル145から読み出す(ステップS5408)。そして、その読み出した上乗せゲーム数の情報を現状加算対象となっているカウンタに加算する(ステップS5409)。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1~第4上乗せテーブル141~144のそれぞれにおいて第1~第4グループのいずれにおいても当選乱数の個数が0個に設定されている上乗せインデックスの数値情報が存在している場合であっても、第1~第4上乗せテーブル141~144の全てにおいて上乗せインデックスの数値情報として「0」~「8」の数値情報が共通して設定されている。これにより、第1~第4上乗せテーブル141~144においてインデックス対応テーブル145を共通して利用することが可能となる。つまり、第1~第4上乗せテーブル141~144のそれぞれにおいて非共通の上乗せインデックスの数値情報が設定されている場合、第1~第4上乗せテーブル141~144のそれぞれに対応させてインデックス対応テーブル145を用意する必要が生じるが、上記のように第1~第4上乗せテーブル141~144のそれぞれにおいて共通の上乗せインデックスの数値情報が設定されていることにより1種類のインデックス対応テーブル145を共通して利用することが可能となる。これにより、インデックス対応テーブル145に必要な記憶容量を抑えることが可能となるとともに、第1~第4上乗せテーブル141~144のいずれを利用する場合であっても共通のインデックス対応テーブル145を読み出して利用すればよいため、当該インデックス対応テーブル145を読み出すための処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
上乗せ抽選処理に際しては第1~第4上乗せテーブル141~144のうち参照対象となるテーブルが主側RAM74に展開されることとなるが、主側ROM73には第1~第4上乗せテーブル141~144がそのまま記憶されているのではなく、第1~第4圧縮データ146~149として記憶されている。第1~第4上乗せテーブル141~144のそれぞれには、既に説明したとおり第1~第4グループのいずれにおいても当選乱数の個数が0個に設定されている上乗せインデックスの数値情報が存在している。これに対して、第1~第4圧縮データ146~149においては、このような当選乱数の個数が0個に設定されている上乗せインデックスの数値情報については当選乱数の個数を示すデータを有していない。これにより、主側ROM73において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
なお、上記のように所定のインデックス値に当選乱数の個数が設定されていない抽選テーブルが存在している場合であっても複数の抽選テーブル間においてインデックス値を共通化させる構成を、上乗せ抽選処理用のテーブル群ではなく他の抽選用のテーブル群に対して適用してもよい。
また、第1~第4上乗せテーブル141~144が第1~第4圧縮データ146~149として主側ROM73に記憶されている構成に限定されることはなく、第1~第4上乗せテーブル141~144がそのまま主側ROM73に記憶されている構成としてもよい。
また、第1~第4圧縮データ146~149のデータ構成は上記のものに限定されることはなく、データを圧縮することが可能であれば具体的なデータ構成は任意である。
<第4の実施形態>
本実施形態では主側MPU72における乱数取得処理の処理構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図111は本実施形態における乱数取得処理を示すフローチャートである。
ステップS5601~ステップS5608では上記第1の実施形態における乱数取得処理(図16)のステップS501~ステップS508と同一の処理を実行する。これにより、第1~第4専用乱数回路102a~102dが乱数の取得対象である場合には、対応する専用乱数回路102a~102dにて更新された乱数が取得される。
第1~第12共用乱数回路101a~101lが乱数の使用対象である場合(ステップS5607:NO)、まず主側RAM74に設けられた乱数ポインタの値を1加算する(ステップS5609)。乱数ポインタは第1~第12共用乱数回路101a~101lのうちいずれを乱数の使用対象とするのかを主側MPU72にて特定するためのカウンタであり、「0」~「11」の数値情報を取り得る。そして、乱数ポインタが「0」である場合には第1共用乱数回路101aが乱数の使用対象となり、乱数ポインタが「1」である場合には第2共用乱数回路101bが乱数の使用対象となり、乱数ポインタが「2」である場合には第3共用乱数回路101cが乱数の使用対象となりといったように、乱数ポインタが「m」である場合には第m+1共用乱数回路101a~101lが乱数の使用対象となる(mは0以上の整数)。
1加算後の乱数ポインタの値が最大値である「11」を超えた場合(ステップS5610:YES)、乱数ポインタを「0」クリアする(ステップS5611)。これにより、乱数ポインタの値は、「0」~「11」の数値範囲において抽選処理の使用対象となる度に1加算されるとともに、当該数値範囲の最大値を超えた場合には最小値に戻るようにループされることとなる。よって、第1~第12共用乱数回路101a~101lが乱数の使用対象となる場合、抽選処理の使用対象となる度に予め定められた順序に従って使用対象となる第1~第12共用乱数回路101a~101lが順次変更され、最後の順番となる共用乱数回路101a~101lが使用対象となった後は最初の順番となる共用乱数回路101a~101lが再度使用対象となる。
ステップS5610にて否定判定をした場合、又はステップS5611の処理を実行した場合、第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち乱数ポインタの値に対応する共用乱数回路101a~101lの乱数が今回のゲームを開始させるためのスタートレバー41の操作時に書き込まれたラッチレジスタから乱数の数値情報を取得する(ステップS5612)。
その後、今回取得すべき乱数が16ビット乱数であるか否かを判定する(ステップS5613)。つまり、本実施形態では第1~第12共用乱数回路101a~101lを利用して8ビット乱数だけではなく16ビット乱数が取得される場合がある。ステップS5613にて否定判定をした場合、今回取得すべき乱数が8ビット乱数であることを意味するため、そのまま本乱数取得処理を終了する。
ステップS5613にて肯定判定をした場合、16ビット乱数を取得済みであるか否かを判定する(ステップS5614)。ステップS5614にて否定判定をした場合、ステップS5609~ステップS5612の処理を再度実行することで、既に取得した8ビット乱数の取得対象となった共用乱数回路101a~101lに対して次の取得順序である共用乱数回路101a~101lから8ビット乱数を追加で取得する。これにより、既に取得した8ビット乱数と今回新たに取得した8ビット乱数とで合計で16ビット乱数を取得したことになる。
以上詳述した本実施形態によれば、第1~第12共用乱数回路101a~101lを利用して8ビット乱数だけではなく16ビット乱数を取得することが可能となる。これにより、第1~第12共用乱数回路101a~101lが利用対象となる抽選処理の種類を多様化させることが可能となる。
また、8ビット乱数を取得する場合には第1~第12共用乱数回路101a~101lのうちの1個から8ビット乱数を取得し、16ビット乱数を取得する場合には第1~第12共用乱数回路101a~101lのうちの2個からそれぞれ8ビット乱数を取得する構成である。これにより、8ビット乱数を取得する処理構成を利用しながら16ビット乱数を取得することが可能となる。また、8ビット乱数の更新周期は16ビット乱数の更新周期に比べて短いため、16ビット乱数を取得する場合には8ビット乱数を2個取得する構成とすることで、更新周期を短くしながら16ビット乱数を利用することが可能となる。
<第5の実施形態>
本実施形態では第1~第12共用乱数回路101a~101lにクロック信号を供給する構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図112は本実施形態における乱数回路群100を説明するための説明図である。
乱数回路群100において第1~第4専用乱数回路102a~102dに関する構成については上記第1の実施形態と同一である。一方、上記第1の実施形態では第1~第12共用乱数回路101a~101lには共通となる共用クロック回路104が設けられており、当該共用クロック回路104から第1~第12共用乱数回路101a~101lの全てにクロック信号が出力される構成としたが、本実施形態では図94に示すように第1~第12共用乱数回路101a~101lのそれぞれに1対1で対応させて第1~第12クロック回路151a~151lが設けられている。これら第1~第12クロック回路151a~151lのクロック信号の出力周期は相互に異なっているとともに、相互に倍数の関係とならないように設定されている。これにより、任意のタイミングにおける第1~第12共用乱数回路101a~101lのそれぞれの乱数の組合せパターンを多様化させることが可能となる。
また、第1~第12クロック回路151a~151lのクロック信号の出力周期はいずれも、遊技者がスタートレバー41を操作するのに要する時間に比べて十分に短い周期となっている。例えば遊技者がスタートレバー41を操作するのに要する時間が1秒であるのに対して、第1~第12クロック回路151a~151lのクロック信号の出力周期は3マイクロ秒~30マイクロ秒の範囲となっている。これにより、第1~第12共用乱数回路101a~101lにおける乱数の更新周期のずれは、遊技者がスタートレバー41を操作するのに要する時間との関係で十分に小さいものとなっている。
<第6の実施形態>
本実施形態では演出側MPU92における通常用の演出制御処理の処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図113は本実施形態における通常用の演出制御処理を示すフローチャートである。
ステップS5701では上記第1の実施形態における通常用の演出制御処理(図52)のステップS2201~ステップS2210と同一の処理を実行する。その後、演出側RAM94のチャンス演出フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS5702)。チャンス演出フラグはチャンス状態ST7に対応する演出の実行中であることを演出側MPU92にて特定するためのフラグである。チャンス演出フラグの値が「0」である場合(ステップS5702:NO)、主側MPU72からチャンス開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS5703)。チャンス開始コマンドを受信している場合(ステップS5703:YES)、演出側RAM94の偽前兆演出フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS5704)。
偽前兆演出フラグに「1」が設定されている場合(ステップS5704:YES)、現状実行されている偽前兆演出は中止対象であるか否かを判定する(ステップS5705)。偽前兆演出には、ART状態ST9への移行の期待度が高い演出が実行される種類と、ART状態ST9への移行の期待度が低い演出が実行される種類とが存在している。なお、偽前兆状態ST5はそもそもART状態ST9への移行に結びつかない遊技状態であるため、いずれの種類の偽前兆演出が実行されている場合であっても偽前兆演出の終了後にART状態ST9への移行は発生しない。
現状実行されている偽前兆演出がART状態ST9への移行の期待度が低い演出が実行される種類である場合、ステップS5705にて肯定判定をして、偽前兆演出フラグを「0」クリアする(ステップS5706)。これにより、実行途中の偽前兆演出がチャンス状態ST7への移行に伴って途中で中止されることとなる。
ステップS5704にて否定判定をした場合、又はステップS5706の処理を実行した場合、チャンス演出の開始設定処理を実行する(ステップS5707)。チャンス演出の開始設定処理では、チャンス状態ST7に対応するチャンス演出の実行を可能とするチャンス演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。当該チャンス演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてチャンス演出が実行される。そして、遊技者は当該演出を確認することでチャンス状態ST7であることを把握することが可能となる。その後、演出側RAM94のチャンス演出フラグに「1」を設定する(ステップS5708)。
一方、現状実行されている偽前兆演出がART状態ST9への移行の期待度が高い演出が実行される種類である場合、ステップS5705にて否定判定をする。この場合、演出側RAM94のチャンス待機フラグに「1」を設定する(ステップS5709)。チャンス待機フラグは、偽前兆状態ST5に対応する偽前兆演出の実行中であることに起因してチャンス演出の開始を待機している状態であることを演出側MPU92にて特定するためのフラグである。ここで、主側MPU72では偽前兆状態ST5の途中でチャンス状態ST7への移行当選となった場合、偽前兆状態ST5を途中で終了させてチャンス状態ST7に移行させる。これに対して、演出側MPU92は偽前兆演出の途中でチャンス状態ST7への移行が発生したとしてもその実行途中の偽前兆演出がART状態ST9への移行の期待度が高い演出が実行される種類である場合、偽前兆演出を途中で終了させることなく、主側MPU72にてチャンス状態ST7に対応する制御が実行されているとしても偽前兆演出を継続させる。これにより、遊技状態としてはチャンス状態ST7への移行を偽前兆状態ST5の継続よりも優先させることでチャンス状態ST7が発生することによる遊技者の利益を担保しながら、ART状態ST9への移行の期待度が高い演出の実行途中である偽前兆演出を継続させることで演出の内容に違和感を与えないようにすることが可能となる。
ステップS5703にて否定判定をした場合、又はステップS5709の処理を実行した場合、偽前兆状態用の演出制御処理を実行する(ステップS5710)。偽前兆状態用の演出制御処理の処理内容は上記第1の実施形態と同一である。また、ステップS5702にて肯定判定をした場合、ステップS5711~ステップS5716の処理を実行する。これらステップS5711~ステップS5716の処理内容は上記第1の実施形態における通常用の演出制御処理(図52)のステップS2217~ステップS2222と同一である。
以上詳述した本実施形態によれば、現状実行されている偽前兆演出がART状態ST9への移行の期待度が高い演出が実行される種類である場合、主側MPU72においてチャンス状態ST7への移行が発生したとしても、当該偽前兆演出の実行を継続させる。これにより、遊技状態としてはチャンス状態ST7への移行を偽前兆状態ST5の継続よりも優先させることでチャンス状態ST7が発生することによる遊技者の利益を担保しながら、ART状態ST9への移行の期待度が高い演出の実行途中である偽前兆演出を継続させることで演出の内容に違和感を与えないようにすることが可能となる。
その一方、現状実行されている偽前兆演出がART状態ST9への移行の期待度が低い演出が実行される種類である場合、主側MPU72においてチャンス状態ST7への移行が発生した場合には当該偽前兆演出を途中で中止させてチャンス演出を開始させる。これにより、注目度が低い偽前兆演出が実行されている状況においては、主側MPU72にてチャンス状態ST7への移行が発生することに合わせて、現状実行されている偽前兆演出よりも遊技者の注目度が高いチャンス演出の開始を優先させることが可能となる。
<第7の実施形態>
本実施形態では、演出側MPU92における偽前兆状態用の演出制御処理の処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図114は本実施形態における偽前兆状態用の演出制御処理を示すフローチャートである。なお、偽前兆状態用の演出制御処理は偽前兆演出が実行されている状況だけではなく、本前兆演出、チャンス演出、ボーナス状態用の演出、準備状態ST8用の演出及びART状態ST9用の演出が実行されていない状況であっても実行される。
ステップS5801~ステップS5804では上記第1の実施形態における偽前兆状態用の演出制御処理(図53)のステップS2301~ステップS2304と同一の処理を実行する。演出側RAM94の偽前兆演出フラグに「1」が設定されている場合(ステップS5801:YES)、演出側RAM94に記憶されている偽前兆演出テーブルにおいて参照すべき情報が偽前兆演出の終了タイミングに対応する情報であるか否かを判定することにより、偽前兆演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS5805)。
ステップS5805にて肯定判定をした場合、主側MPU72から偽前兆開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS5806)。偽前兆開始コマンドを受信していない場合(ステップS5806:NO)、偽前兆演出の終了設定処理を実行する(ステップS5807)。当該偽前兆演出の終了設定処理では、偽前兆状態ST5が終了して通常遊技状態ST1に復帰することに対応する通常復帰演出テーブル及び通常遊技状態ST1に対応する通常演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。これら演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて、偽前兆状態ST5が終了して通常遊技状態ST1に復帰することに対応する通常復帰演出が実行された後に通常遊技状態ST1に対応する通常演出が実行される。そして、遊技者は当該演出を確認することで前兆演出が終了して通常遊技状態ST1に復帰したことを把握することが可能となる。
偽前兆開始コマンドを受信している場合(ステップS5806:YES)、偽前兆演出の調整処理を実行する(ステップS5808)。偽前兆演出の調整処理では、その時点における偽前兆演出の内容に対して演出の連続性を有する偽前兆演出が実行されるようにするための偽前兆演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。この場合、当該偽前兆演出テーブルは今回受信した偽前兆開始コマンドに設定されている偽前兆状態ST5の継続ゲーム数の情報に対応したものとなる。当該偽前兆演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、それまで実行されていた偽前兆演出の内容と連続性を有するような内容で、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて偽前兆演出が実行される。なお、偽前兆演出の途中で偽前兆演出が開始された場合、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63においてはそれまで実行された偽前兆演出のゲーム数とこれから実行される偽前兆演出のゲーム数との合計分のゲーム数の前兆演出が実行されることとなる。
偽前兆演出の終了タイミングではない場合(ステップS5805:NO)、主側MPU72から偽前兆開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS5809)。偽前兆演出開始コマンドを受信していない場合(ステップS5809:NO)、偽前兆演出の更新設定処理を実行する(ステップS5810)。当該更新設定処理では、1ゲームが新たに実行されることで偽前兆演出の更新タイミングとなっているのであれば、現状参照対象となっている偽前兆演出テーブルにおいて参照すべき範囲を1ゲームの新たな開始に応じて変更する処理を実行する。これにより、偽前兆演出の実行内容が当該偽前兆演出の継続ゲーム数に応じて変化することとなる。
偽前兆演出コマンドを受信している場合(ステップS5809:YES)、偽前兆演出の調整処理を実行する(ステップS5811)。偽前兆演出の調整処理では、その時点における偽前兆演出の内容に対して演出の連続性を有する偽前兆演出が実行されるようにするための偽前兆演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。この場合、当該偽前兆演出テーブルは今回受信した偽前兆開始コマンドに設定されている偽前兆状態ST5の継続ゲーム数の情報に対応したものとなる。当該偽前兆演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、それまで実行されていた偽前兆演出の内容と連続性を有するような内容で、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて偽前兆演出が実行される。なお、偽前兆演出の途中で偽前兆演出が開始された場合、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63においてはそれまで実行された偽前兆演出のゲーム数とこれから実行される偽前兆演出のゲーム数との合計分のゲーム数の前兆演出が実行されることとなる。
ステップS5802にて否定判定をした場合、ステップS5804の処理を実行した場合、ステップS5807の処理を実行した場合、ステップS5808の処理を実行した場合、ステップS5810の処理を実行した場合、又はステップS5811の処理を実行した場合、主側MPU72から準備開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS5812)。演出側MPU92においては偽前兆演出を実行するための制御を実行している状況であっても主側MPU72における遊技状態はチャンス状態ST7である状況が発生し得る。そして、このような状況において主側MPU72にてチャンス状態ST7におけるART状態ST9への移行抽選処理にて移行当選となることで、偽前兆演出が実行されている状況であっても主側MPU72から演出側MPU92に準備開始コマンドが送信される。
準備開始コマンドを受信している場合(ステップS5812:YES)、準備演出の開始設定処理を実行する(ステップS5813)。準備演出の開始設定処理では、準備状態ST8に対応する準備演出の実行を可能とする準備演出テーブルを演出側ROM93から読み出して演出側RAM94に記憶させる。当該準備演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて準備演出が実行される。そして、遊技者は当該演出を確認することで準備状態ST8であることを把握することが可能となる。なお、偽前兆演出が実行されている状況において準備演出の開始設定処理が実行された場合、偽前兆演出の一連のストーリーを遮るような形でART状態ST9への移行当選となったことに対応する演出が実行される。その後、偽前兆演出に関する各種フラグを「0」クリアする(ステップS5814)。
以上詳述した本実施形態によれば、偽前兆演出が実行されている途中で主側MPU72にてチャンス状態ST7への移行が発生したとしても実行途中の偽前兆演出が継続されるとともに、主側MPU72にてチャンス状態ST7が継続している状況で偽前兆演出が終了されたとしてもチャンス演出は開始されない。これにより、偽前兆演出の途中で急にチャンス演出が開始されたり、偽前兆演出の終了と同時にチャンス演出が開始されないこととなり、チャンス演出が急に開始されたことに対する違和感を遊技者に与えないようにすることが可能となる。
<第8の実施形態>
本実施形態ではエンディング演出の実行中にボーナス当選となった場合におけるボーナス当選告知の実行態様が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図115は演出側MPU92にて実行されるエンディング中のボーナス告知用処理を示すフローチャートである。なお、エンディング中のボーナス告知用処理はエンディング演出の実行中に実行される。
いずれかのボーナス当選データが主側RAM74に設定されているか否かを判定する(ステップS5901)。なお、主側MPU72はボーナス当選データが設定されたゲームの開始時にその設定されたボーナス当選データの種類を特定可能とする情報が設定されたゲーム開始コマンドを送信するとともにボーナス入賞が成立した場合にはそれに対応するコマンドを送信するため、演出側MPU92はそれらコマンドに基づいて主側RAM74にボーナス当選データが設定されているか否かを特定することが可能である。
ステップS5901にて肯定判定をした場合、ボーナス当選データが設定されたゲームの開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS5902)。ステップS5902にて肯定判定をした場合、今回設定されたボーナス当選データの種類に対応する非告知対応ゲーム数を演出側ROM93から読み出す(ステップS5903)。非告知対応ゲーム数はボーナス当選データの種類に応じて複数種類設定されている。具体的には、いずれかのBB当選データが設定された場合には非告知対応ゲーム数として10ゲームが選択され、いずれかのRB当選データが設定された場合には非告知対応ゲーム数として20ゲームが選択される。
ステップS5902にて否定判定をした場合、又はステップS5903の処理を実行した場合、エンディング演出の開始時に設定されたエンディング演出の継続ゲーム数の残りゲーム数が非告知対応ゲーム数未満となったか否かを判定する(ステップS5904)。ステップS5904にて肯定判定をした場合、告知演出設定処理を実行する(ステップS5905)。告知演出設定処理では、画像表示装置63にてエンディング演出に対応する動画が表示されている状況においてボーナス当選に対応する画像が縮小表示されるようにするためのデータ設定を行う。
以上詳述した本実施形態によれば、エンディング演出の途中でボーナス当選となった場合、エンディング演出の残りの継続ゲーム数が所定のゲーム数となったタイミングでボーナス当選告知が行われることになる。これにより、エンディング演出との関係で好ましいタイミングでボーナス当選告知が行われるようにすることが可能となる。
なお、当選確率に設定差が存在しているか否かにより非告知対応ゲーム数が相違する構成としてもよい。
<第9の実施形態>
本実施形態ではリール32L,32M,32Rの回転中に動作電力の供給が停止された場合において動作電力の供給の再開時にリール32L,32M,32Rの回転の再開を適切に行わせるための処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図116は主側MPU72にて実行される本実施形態における停電時処理を示すフローチャートである。なお、停電時処理は上記第1の実施形態と同様にタイマ割込み処理(図11)において停電フラグに「1」が設定されていることを特定した場合にステップS203にて実行される。
停電時処理では、まずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し(ステップS6001)、送信が終了していない場合には(ステップS6001:NO)、本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には(ステップS6001:YES)、リール制御用のクリア処理を実行するとともに(ステップS6002)、復帰アドレスの調整処理を実行する(ステップS6003)。リール制御用のクリア処理は上記第1の実施形態におけるメイン処理(図10)のステップS116と同一であり、復帰アドレスの調整処理は上記第1の実施形態におけるメイン処理(図10)のステップS117と同一である。
具体的には、リール制御用のクリア処理(ステップS6002)では、主側RAM74の定速フラグ74c、回転中フラグ74d、開始設定済みフラグ及びリール演出当選フラグのそれぞれを「0」クリアする。復帰アドレスの調整処理(ステップS6003)では、通常処理(図13)に対する復帰アドレスがリール制御処理(図27)である場合、その復帰アドレスをリール制御処理(図27)における開始アドレスに修正する。これら処理が実行されることにより、少なくとも1個のリール32L,32M,32Rの回転中に主側MPU72への動作電力の供給が停止された場合であって主側MPU72への動作電力の供給が再開された場合において電源遮断前のアドレスへの復帰(ステップS119)が行われる場合、リール制御処理(図27)の開始アドレスから通常処理を開始することが可能となる。そして、主側RAM74の定速フラグ74c、回転中フラグ74d、開始設定済みフラグ及びリール演出当選フラグのそれぞれが「0」クリアされていることにより、主側MPU72への動作電力の供給が停止されたタイミングがリール32L,32M,32Rの回転が開始された後のタイミングであったとしても、通常の加速テーブルに従ってリール32L,32M,32Rの加速を開始することが可能となる。なお、本実施形態ではメイン処理(図10)にてリール制御用のクリア処理及び復帰アドレスの調整処理は実行されない。
その後、主側MPU72のスタックポインタの値を主側RAM74に保存し(ステップS6004)、主側MPU72の出力ポートの出力状態をクリアすることで図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする(ステップS6005)。そして、チェックサムの算出処理を実行した後に(ステップS6006)、その算出したチェックサムを主側RAM74に記憶させる(ステップS6007)。チェックサムの算出処理の処理内容は上記第1の実施形態における停電時処理(図12)のステップS304と同一であり、さらに言うとメイン処理(図10)におけるステップS109と同一である。その後、主側RAM74へのアクセスを禁止する(ステップS6008)。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
上記構成によれば、メイン処理(図10)にてリール制御用のクリア処理及び復帰アドレスの調整処理の実行を要することなく、動作電力の供給が再開された場合におけるリール32L,32M,32Rの回転の再開を適切に行うことが可能となる。
また、停電時処理(図116)においてチェックサムが算出される前にリール制御用のクリア処理及び復帰アドレスの調整処理が実行されるため、それら処理が実行された後の状態における主側RAM74のチェックサムを算出して記憶することが可能となる。そして、動作電力の供給が再開された場合におけるメイン処理(図10)では上記第1の実施形態と同様にチェックサムが正常か否かが特定され、チェックサムが異常である場合には異常用の処理(ステップS120~ステップS122)が実行される。これにより、リール制御用のクリア処理及び復帰アドレスの調整処理が実行された後の状態における主側RAM74の情報に対して動作電力の供給の再開に際して正常か否かを判定することが可能となる。
<第10の実施形態>
本実施形態ではリール32L,32M,32Rの回転中に動作電力の供給が停止された場合において動作電力の供給の再開時にリール32L,32M,32Rの回転の再開を適切に行わせるための処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図117は主側MPU72にて実行される停止操作判定処理を示すフローチャートである。なお、停止操作判定処理はタイマ割込み処理(図11)におけるステップS207にて実行される。
まず主側RAM74の定速フラグ74cに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS6101)。定速フラグ74cは上記第1の実施形態と同様に全てのリール32L,32M,32Rにおいて定速回転が開始されてストップボタン42~44の操作が有効化された状況であるか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。定速フラグ74cに「1」が設定されていない場合には(ステップS6101:NO)、ストップボタン42~44の操作が無効となっているため、そのまま本停止操作判定処理を終了する。
定速フラグ74cに「1」が設定されている場合(ステップS6101:YES)、主側RAM74に設けられた判定対象カウンタに「3」を設定する(ステップS6102)。判定対象カウンタは、各リール32L,32M,32Rのうちいずれに対してステップS6103~ステップS6109の処理を実行するのかを主側MPU72にて特定するためのカウンタである。判定対象カウンタの値が「3」である場合には左リール32Lが制御対象となり、判定対象カウンタの値が「2」である場合には中リール32Mが制御対象となり、判定対象カウンタの値が「1」である場合には右リール32Rが制御対象となる。
その後、現状の判定対象カウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rについて、履歴データのシフト処理を実行する(ステップS6103)。本実施形態では、一のストップボタン42~44に対応するストップ検出センサ42a~44aから当該一のストップボタン42~44が操作されていないことに対応する検出信号を受信していることを2回の停止操作判定処理の処理回に亘って連続して確認した後に、当該一のストップボタン42~44が操作されていることに対応する検出信号を受信していることを1回の停止操作判定処理の処理回にて確認した場合に、当該一のストップボタン42~44が停止操作されたと特定する。
図118は上記のような停止操作の特定を行うために主側RAM74に設けられた各履歴エリア181~183を説明するための説明図である。図118に示すように主側RAM74には左用履歴エリア181と、中用履歴エリア182と、右用履歴エリア183とが設けられている。左用履歴エリア181は左ストップボタン42に対応するストップ検出センサ42aの検出信号に対応する情報が格納され、中用履歴エリア182は中ストップボタン43に対応するストップ検出センサ43aの検出信号に対応する情報が格納され、右用履歴エリア183は右ストップボタン44に対応するストップ検出センサ44aの検出信号に対応する情報が格納される。これら各履歴エリア181~183にはそれぞれ今回エリア181a,182a,183a、前回エリア181b,182b,183b及び前々回エリア181c,182c,183cが設けられている。
今回エリア181a,182a,183aには現状の処理回における停止操作判定処理(図117)にて確認したストップ検出センサ42a~44aの検出信号に対応する情報が格納され、前回エリア181b,182b,183bには前回の処理回における停止操作判定処理(図117)にて確認したストップ検出センサ42a~44aの検出信号に対応する情報が格納され、前々回エリア181c,182c,183cには前々回の処理回における停止操作判定処理(図117)にて確認したストップ検出センサ42a~44aの検出信号に対応する情報が格納される。なお、対応するストップボタン42~44が操作されていないことに対応する検出信号をストップ検出センサ42a~44aから受信していることを確認した場合には対応するエリア181a~183cに「0」が設定され、対応するストップボタン42~44が操作されていることに対応する検出信号をストップ検出センサ42a~44aから受信していることを確認した場合には対応するエリア181a~183cに「1」が設定される。なお、ストップ検出センサ42a~44aは、対応するストップボタン42~44が操作されていない場合にはLOWレベル信号の出力を継続し、対応するストップボタン42~44が操作されている場合にはHIレベル信号の出力を継続する。但し、これらHI及びLOWの関係が逆であってもよい。
停止操作判定処理(図117)の説明に戻り、履歴データのシフト処理(ステップS6103)では現状の判定対象カウンタの値に対応する履歴エリア181~183について履歴データの格納順序が1個後のエリアにデータをシフトさせる処理を実行する。つまり、判定対象カウンタの値が「3」であれば左用履歴エリア181について、前回エリア181b→前々回エリア181c及び今回エリア181a→前回エリア181bとなるように各データをシフトする。また、判定対象カウンタの値が「2」であれば中用履歴エリア182について、前回エリア182b→前々回エリア182c及び今回エリア182a→前回エリア182bとなるように各データをシフトする。また、判定対象カウンタの値が「1」であれば右用履歴エリア183について、前回エリア183b→前々回エリア183c及び今回エリア183a→前回エリア183bとなるように各データをシフトする。
その後、現状の判定対象カウンタに対応するストップボタン42~44が操作されているか否かを判定する(ステップS6104)。具体的には、現状の判定対象カウンタに対応するストップ検出センサ42a~44aから対応するストップボタン42~44が操作されていることに対応する検出信号を受信しているか否かを判定する。ステップS6104にて肯定判定をした場合、現状の判定対象カウンタに対応する履歴エリア181~183の今回エリア181a,182a,183aに「1」を設定する(ステップS6105)。ステップS6104にて否定判定をした場合、現状の判定対象カウンタに対応する履歴エリア181~183の今回エリア181a,182a,183aを「0」クリアする(ステップS6106)。
ステップS6105又はステップS6106の処理を実行した場合、現状の判定対象カウンタに対応する履歴エリア181~183の前々回エリア181c,182c,183c及び前回エリア181b,182b,183bが「0」であるとともに今回エリア181a,182a,183aが「1」であるか否かを判定する(ステップS6107)。ステップS6107にて肯定判定をした場合、主側RAM74に設けられた現状の判定対象カウンタに対応する停止操作フラグに「1」を設定する(ステップS6108)。停止操作フラグは各ストップボタン42~44に1対1で対応させて設けられている。停止操作フラグに「1」が設定されている場合、リール制御処理(図27)のステップS803にて肯定判定をする。そして、ステップS803にて肯定判定をした場合においてその停止操作フラグに対応するリール32L,32M,32Rに対して未だ停止制御が開始されていない場合にステップS804にて肯定判定をして当該リール32L,32M,32Rに対する停止制御を実行する。
なお、停止操作フラグに「1」が設定された状態はリール制御処理(図27)のステップS804にて肯定判定をした場合及び否定判定をした場合のいずれであっても「0」クリアされて解除される。また、停止操作判定処理(図117)は定速フラグ74cに「1」が設定されている間はステップS6102以降の処理を実行するとともに定速フラグ74cに「1」が設定されている状態は全てのリール32L,32M,32Rの停止が完了した場合に「0」クリアされて解除される。したがって、停止操作フラグに「1」が設定されてその停止操作フラグに対応するリール32L,32M,32Rに対して停止制御が開始された後も、当該停止操作フラグに対応するストップボタン42~44について停止操作判定処理(図117)におけるステップS6102以降の処理が実行される。この場合、ストップボタン42~44の操作が継続されなければ、全てのリール32L,32M,32Rの停止が完了するまでに各履歴エリア181~183の全エリア181a~183cに「0」が設定された状態となる。
ステップS6107にて否定判定をした場合又はステップS6108の処理を実行した場合、主側RAM74の判定対象カウンタの値を1減算する(ステップS6109)。そして、1減算後における判定対象カウンタの値が1以上であれば(ステップS6110:NO)、ステップS6103の処理に戻り、1減算後における判定対象カウンタの値が「0」であれば(ステップS6110:YES)、本停止操作判定処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行される回転監視処理について説明する。回転監視処理はタイマ割込み処理(図11)におけるステップS207にて実行される。
まずリール32L,32M,32Rの回転が正常であるか否かを判定する(ステップS6201)。具体的には、主側MPU72は各リール32L,32M,32Rの回転位置を対応するステッピングモータ162のステップ数により管理しているが、その把握しているステップ数がリール32L,32M,32Rの1周に対応しているステップ数を超えて異常範囲に達しているにも関わらず当該リール32L,32M,32Rのリールインデックスセンサ164からON信号を受信していない状況であるか否かを判定する。
ステップS6201にて否定判定をした場合、リール32L,32M,32Rの駆動制御が行われているにも関わらずリール32L,32M,32Rが停止していたり、回転が不安定となっていることを意味する。この場合、リール制御用のクリア処理を実行するとともに(ステップS6202)、復帰アドレスの調整処理を実行する(ステップS6203)。リール制御用のクリア処理は上記第1の実施形態におけるメイン処理(図10)のステップS116と同一であり、復帰アドレスの調整処理は上記第1の実施形態におけるメイン処理(図10)のステップS117と同一である。
具体的には、リール制御用のクリア処理(ステップS6202)では、主側RAM74の定速フラグ74c、回転中フラグ74d、開始設定済みフラグ及びリール演出当選フラグのそれぞれを「0」クリアする。復帰アドレスの調整処理(ステップS6203)では、通常処理(図13)に対する復帰アドレスがリール制御処理(図27)である場合、その復帰アドレスをリール制御処理(図27)における開始アドレスに修正する。これら処理が実行されることにより、リール32L,32M,32Rの駆動制御が行われているにも関わらずリール32L,32M,32Rが停止等している場合には全てのリール32L,32M,32Rを再加速させることが可能となる。なお、詳細な説明は省略するが当該再加速が行われる前に全てのリール32L,32M,32Rが完全に停止するようにリール32L,32M,32Rの停止制御が実行される。
次に、図120のフローチャートを参照しながら主側MPU72にて実行される本実施形態におけるメイン処理を説明する。
ステップS6301~ステップS6315及びステップS6317~ステップS6321では上記第1の実施形態におけるメイン処理(図10)のステップS101~ステップS115及びステップS118~ステップS122と同一の処理を実行する。ステップS6315にて主側RAM74の停電フラグを「0」クリアした後は、リール制御用のクリア処理及び復帰アドレスの調整処理を実行するのではなく、各履歴エリア181~183のそれぞれの今回エリア181a,182a,183aに「1」を設定する(ステップS6316)。
このように動作電力の供給が開始された場合に今回エリア181a,182a,183aに「1」を設定することにより、ストップボタン42~44の操作が継続された状況で動作電力の供給が開始されたとしても最初の停止操作判定処理(図117)では、そのストップボタン42~44に対応する履歴エリア181~183に対してステップS6103が実行された場合に当該履歴エリア181~183の前回エリア181b,182b,183bに「1」が設定された状態となる。したがって、当該処理回の停止操作判定処理(図117)におけるステップS6107にて肯定判定されることはなく停止操作フラグに「1」が設定されることはない。さらに動作電力の供給が開始される前から行っていたストップボタン42~44の操作が継続されている間はステップS6107にて肯定判定をすることはないため、当該ストップボタン42~44の操作に対しては停止操作フラグに「1」が設定されない。これにより、リール32L,32M,32Rの回転中であって定速フラグ74cに「1」が設定されている状況で動作電力の供給が停止された場合においてその後の動作電力の供給の再開に際してストップボタン42~44が操作されていたとしても、回転開始直後であるリール32L,32M,32Rに対して停止制御が開始されてしまわないようにすることが可能となる。
また、リール32L,32M,32Rの回転が異常である場合には定速フラグ74cが「0」クリアされるとともにリール32L,32M,32Rの再加速が行われるため、動作電力の供給が再開される場合に行われていたストップボタン42~44の操作を受け付けない状況において定速フラグ74cの「0」クリアを通じてストップボタン42~44の操作を無効化することが可能となる。そして、リール32L,32M,32Rの加速が完了した場合に定速フラグ74cに再度「1」が設定されることでストップボタン42~44の操作が有効化される。これにより、リール32L,32M,32Rの回転中に動作電力の供給が停止された場合であってもその後に動作電力の供給が再開された場合にリール32L,32M,32Rの回転が正常ではない状況でリール32L,32M,32Rの停止制御が開始されてしまわないようにすることが可能となる。
また、メイン処理(図120)にて各履歴エリア181~183の今回エリア181a,182a,183aに「1」を設定するという簡素な処理を実行するだけで、リール32L,32M,32Rの回転が正常ではない状況でリール32L,32M,32Rの停止制御が開始されてしまわないようにすることが可能となる。
なお、今回エリア181a,182a,183aに「1」を設定する処理がメイン処理(図120)にて実行される構成に限定されることはなく、動作電力の供給が停止される場合に実行される停電時処理にて実行される構成としてもよい。
また、メイン処理(図120)又は停電時処理にて今回エリア181a,182a,183aのみに「1」を設定する構成に限定されることはなく、前回エリア181b,182b,183bのみに「1」を設定する構成としてもよく、今回エリア181a,182a,183a及び前回エリア181b,182b,183bに「1」を設定する構成としてもよく、各履歴エリア181~183の全てに「1」を設定する構成としてもよい。
<第11の実施形態>
本実施形態では主側MPU72にて実行される直上乗せ用処理の処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図121は主側MPU72にて実行される本実施形態における直上乗せ用処理を示すフローチャートである。
ステップS6401では、今回の役の抽選処理(図17)にて「4」,「6」,「8」,「15」のいずれかの当選番号が設定されたか否かを判定する。ステップS6401にて肯定判定をした場合にはステップS6402~ステップS6409に示す役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理を実行し、ステップS6401にて否定判定をした場合にはステップS6402~ステップS6409の処理を実行しない。「4」,「6」,「8」,「15」の当選番号には「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一となるインデックス値IVが対応付けられている。
つまり、役の抽選処理(図17)にて「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一となるインデックス値IVに当選した場合にはステップS6402~ステップS6409に示す役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理を実行し、役の抽選処理(図17)にて外れ結果となった場合又は「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVに当選した場合には当該上乗せ抽選処理を実行しない。このように役の抽選処理(図17)にて「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一となるインデックス値IVに当選したことを条件として、ステップS6402~ステップS6409に示す役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理が実行される構成とすることで、当該上乗せ抽選処理にて選択された上乗せゲーム数が付与されたことから設定値を予測しようとしてもそれを不可とすることが可能となる。
役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理では、まず主側ROM73から直上乗せテーブルを読み出す(ステップS6402)。直上乗せテーブルの内容は上記第1の実施形態における直上乗せ用処理(図65)のステップS3102にて読み出される直上乗せテーブル(図64(b))と同様である。
ステップS6402の処理を実行した後は、乱数取得処理を実行する(ステップS6403)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。直上乗せ用処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。
その後、ステップS6403にて取得した乱数をステップS6402にて読み出した直上乗せテーブルに対して照合することにより、直上乗せ当選となったか否かを判定する(ステップS6404)。いずれかの上乗せゲーム数に該当している場合(ステップS6404:YES)、上乗せ設定処理を実行する(ステップS6405)。上乗せ設定処理では、主側RAM74に設けられたARTゲーム数カウンタ121に今回選択された抽選結果に対応する上乗せゲーム数の値を加算する。
その後、主側RAM74の仮設定フラグ123に「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS6406)。つまり、今回のゲームにおける役の抽選処理(図17)が実行される前に実行された常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となっているか否かを判定する。仮設定フラグ123に「1」が設定されている場合(ステップS6406:YES)、上乗せ加算処理を実行する(ステップS6407)。具体的には、ステップS6405にて上乗せゲーム数の加算が実行された後におけるARTゲーム数カウンタ121に対して、常時抽選処理(図63)にて選択される固定の上乗せゲーム数である「10」の値を加算する。そして、仮設定フラグ123を「0」クリアする(ステップS6408)。
その後、ART状態ST9の継続ゲーム数が上乗せされたことを示す直上乗せコマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS6409)。当該直上乗せコマンドには今回発生した上乗せゲーム数の情報が設定されているとともに有利継続カウンタに記憶されている有利区間SC2の継続ゲーム数の情報も設定されている。演出側MPU92は直上乗せコマンドを受信することにより、今回選択された上乗せゲーム数が付与されたことを示す演出が実行されるようにする。
ステップS6401にて否定判定をした場合、又はステップS6404にて否定判定をした場合、主側RAM74の仮設定フラグ123に「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS6410)。つまり、常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となっているか否かを判定する。ステップS6410にて肯定判定をした場合、上乗せ設定処理を実行する(ステップS6411)。具体的には、主側RAM74に設けられたARTゲーム数カウンタ121に常時抽選処理(図63)にて選択される固定の上乗せゲーム数である「10」の値を加算する。その後、ART状態ST9の継続ゲーム数が上乗せされたことを示す直上乗せコマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS6412)。当該直上乗せコマンドには今回発生した上乗せゲーム数の情報が設定されているとともに有利継続カウンタに記憶されている有利区間SC2の継続ゲーム数の情報も設定されている。演出側MPU92は直上乗せコマンドを受信することにより、今回選択された上乗せゲーム数が付与されたことを示す演出が実行されるようにする。その後、主側RAM74の仮設定フラグ123を「0」クリアする(ステップS6413)。
上記構成によれば、役の抽選処理(図17)が実行される前に実行された常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となっている状況において、役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理にて直上乗せ当選となった場合には、当該上乗せ抽選処理にて選択された上乗せゲーム数だけではなく常時抽選処理(図63)にて選択された上乗せゲーム数も付与される。これにより、多くの上乗せゲーム数が付与される機会を与えることが可能となる。
<第12の実施形態>
本実施形態では主側MPU72にて実行される直上乗せ用処理の処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図122は主側MPU72にて実行される本実施形態における直上乗せ用処理を示すフローチャートである。
ステップS6501では、今回の役の抽選処理(図17)にて「4」,「6」,「8」,「15」のいずれかの当選番号が設定されたか否かを判定する。ステップS6501にて肯定判定をした場合にはステップS6502~ステップS6509に示す役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理を実行し、ステップS6501にて否定判定をした場合にはステップS6502~ステップS6509の処理を実行しない。「4」,「6」,「8」,「15」の当選番号には「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一となるインデックス値IVが対応付けられている。
つまり、役の抽選処理(図17)にて「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一となるインデックス値IVに当選した場合にはステップS6502~ステップS6509に示す役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理を実行し、役の抽選処理(図17)にて外れ結果となった場合又は「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVに当選した場合には当該上乗せ抽選処理を実行しない。このように役の抽選処理(図17)にて「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一となるインデックス値IVに当選したことを条件として、ステップS6502~ステップS6509に示す役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理が実行される構成とすることで、当該上乗せ抽選処理にて選択された上乗せゲーム数が付与されたことから設定値を予測しようとしてもそれを不可とすることが可能となる。
役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理では、まず主側ROM73から直上乗せテーブルを読み出す(ステップS6502)。直上乗せテーブルの内容は上記第1の実施形態における直上乗せ用処理(図65)のステップS3102にて読み出される直上乗せテーブル(図64(b))と同様である。
ステップS6502の処理を実行した後は、乱数取得処理を実行する(ステップS6503)。乱数取得処理の処理内容は図16を利用して既に説明したとおりである。直上乗せ用処理では第1~第12共用乱数回路101a~101lのうち現状の乱数ポインタに対応する乱数回路から第1~第12ラッチレジスタ103a~103lのうち対応するラッチレジスタに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、既に説明したとおり第1~第12共用乱数回路101a~101lにおいては「0」~「255」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで現状の乱数ポインタに対応する第1~第12共用乱数回路101a~101lにより対応する第1~第12ラッチレジスタ103a~103lに書き込まれた乱数を取得することとなる。
その後、ステップS6503にて取得した乱数をステップS6502にて読み出した直上乗せテーブルに対して照合することにより、直上乗せ当選となったか否かを判定する(ステップS6504)。いずれかの上乗せゲーム数に該当している場合(ステップS6504:YES)、主側RAM74に設けられた仮設定カウンタの値が1以上となっているか否かを判定する(ステップS6505)。本実施形態では常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となった場合に付与対象となる上乗せゲーム数は10ゲームに固定されておらず、10ゲーム、15ゲーム、20ゲーム、25ゲーム及び30ゲームのいずれかとなっている。この場合、10ゲーム及び15ゲームは直上乗せテーブル(図64(b))に設定されている上乗せゲーム数の最低ゲーム数以下のゲーム数となっているが、20ゲーム、25ゲーム及び30ゲームは直上乗せテーブル(図64(b))に設定されている上乗せゲーム数の最低ゲーム数よりも多いゲーム数となっている。常時抽選処理(図63)では直上乗せ当選となった場合には付与対象となった上乗せゲーム数の値を主側RAM74の仮設定カウンタに設定する。
主側RAM74の仮設定カウンタの値が1以上である場合(ステップS6505:YES)、直上乗せテーブル(図64(b))から選択された上乗せゲーム数の値と主側RAM74の仮設定カウンタの値とを比較する(ステップS6506)。ステップS6505にて否定判定をした場合又はステップS6506の処理を実行した場合、上乗せ設定処理を実行する(ステップS6507)。上乗せ設定処理では、主側RAM74の仮設定カウンタの値が「0」である場合又は直上乗せテーブル(図64(b))から選択された上乗せゲーム数の値が主側RAM74の仮設定カウンタの値以上である場合、直上乗せテーブル(図64(b))から選択された上乗せゲーム数の値を主側RAM74のARTゲーム数カウンタ121に加算する。一方、直上乗せテーブル(図64(b))から選択された上乗せゲーム数の値よりも主側RAM74の仮設定カウンタの値の方が大きい場合、主側RAM74の仮設定カウンタの値を主側RAM74のARTゲーム数カウンタ121に加算する。
その後、主側RAM74の仮設定カウンタの値を「0」クリアする(ステップS6508)。また、ART状態ST9の継続ゲーム数が上乗せされたことを示す直上乗せコマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS6509)。当該直上乗せコマンドには今回発生した上乗せゲーム数の情報が設定されているとともに有利継続カウンタに記憶されている有利区間SC2の継続ゲーム数の情報も設定されている。演出側MPU92は直上乗せコマンドを受信することにより、今回選択された上乗せゲーム数が付与されたことを示す演出が実行されるようにする。
ステップS6501にて否定判定をした場合、又はステップS6504にて否定判定をした場合、主側RAM74の仮設定カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS6510)。つまり、常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となっているか否かを判定する。ステップS6510にて肯定判定をした場合、上乗せ設定処理を実行する(ステップS6511)。具体的には、主側RAM74のARTゲーム数カウンタ121に主側RAM74の仮設定カウンタの値を加算する。その後、ART状態ST9の継続ゲーム数が上乗せされたことを示す直上乗せコマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS6512)。当該直上乗せコマンドには今回発生した上乗せゲーム数の情報が設定されているとともに有利継続カウンタに記憶されている有利区間SC2の継続ゲーム数の情報も設定されている。演出側MPU92は直上乗せコマンドを受信することにより、今回選択された上乗せゲーム数が付与されたことを示す演出が実行されるようにする。その後、主側RAM74の仮設定カウンタの値を「0」クリアする(ステップS6513)。
上記構成によれば、常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となった場合に付与対象となる上乗せゲーム数が複数種類設定されていることにより、上乗せゲーム数の付与態様を多様化することが可能となる。この場合に、常時抽選処理(図63)において直上乗せ当選となっている状況において役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理にて直上乗せ当選となった場合には、常時抽選処理(図63)にて付与対象となった上乗せゲーム数及び役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理にて付与対象となった上乗せゲーム数のうち多い側のゲーム数が遊技者に付与される。これにより、遊技者に付与される上乗せゲーム数が過剰に多くなってしまわないようにしながら、遊技者にとって有利となるように上乗せゲーム数が付与されるようにすることが可能となる。
<第13の実施形態>
本実施形態では主側MPU72にて実行されるチャンス状態用処理の処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図123は主側MPU72にて実行される本実施形態におけるチャンス状態用処理を示すフローチャートである。
まず主側RAM74の高確率フラグに「1」が設定されているか否かを判定することで、今回のチャンス状態ST7が高確率モード及び低確率モードのいずれであるのかを判定する(ステップS6601)。高確率フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS6601:NO)、主側ROM73から低確率用の抽選テーブル112を読み出す(ステップS6602)。一方、高確率フラグに「1」が設定されている場合(ステップS6601:YES)、主側ROM73から高確率用の抽選テーブル113を読み出す(ステップS6603)。低確率用の抽選テーブル112の内容は上記第1の実施形態におけるチャンス状態用処理(図49)のステップS2102にて読み出される低確率用の抽選テーブル112(図50(a))と同一であり、高確率用の抽選テーブル113の内容は上記第1の実施形態におけるチャンス状態用処理(図49)のステップS2103にて読み出される高確率用の抽選テーブル113(図50(b))と同一である。
ステップS6602又はステップS6603の処理を実行した場合、乱数取得処理を実行する(ステップS6604)。乱数取得処理の処理内容は上記第1の実施形態と同様である。ART状態ST9への移行抽選処理では第4専用乱数回路102dから第16ラッチレジスタ103pに書き込まれた乱数を取得する。詳細には、第4専用乱数回路102dでは上記第1の実施形態と同様に7ビット乱数の更新が行われるため「0」~「127」の乱数を生成しており、スタートレバー41の操作を確認して通常処理(図13)のステップS404にて肯定判定をしたタイミングで第4専用乱数回路102dにより第16ラッチレジスタ103pに書き込まれた乱数を取得することとなる。取得した乱数は主側RAM74に設けられた取得乱数カウンタ74eに格納される。
その後、第16ラッチレジスタ103pから取得した乱数が格納された取得乱数カウンタ74eに固定値を加算する(ステップS6605)。具体的には、固定値の情報は8ビットのデータ容量となっており、10進数で「128」、2進数で「10000000」に設定されている。この固定値の情報を取得乱数カウンタ74eに加算する。第4専用乱数回路102dにて更新されて第16ラッチレジスタ103pに書き込まれる乱数は既に説明したとおり7ビットとなっているため、「0」~「127」の乱数となる。この場合に、ステップS6605にて一律に「128」の固定値を加算することで、ステップS6605の処理後において取得乱数カウンタ74eにおいて取り得る乱数の値は「128」~「255」となる。
その後、ステップS6602又はステップS6603にて読み出した抽選テーブル112,113から、今回のゲームにおける役の抽選処理(図17)の結果に対応する抽選値情報を取得する(ステップS6606)。例えば低確率モードにおいて役の抽選処理(図17)にて「15」の当選番号が選択された場合には抽選値情報として、10進数で「80」、2進数で「01010000」の情報を取得する。また、高確率モードにおいて役の抽選処理(図17)にて「15」の当選番号が選択された場合には抽選値情報として、10進数で「255」、2進数で「11111111」の情報を取得する。
その後、加算処理を実行する(ステップS6607)。加算処理では、ステップS6605にて固定値を加算した後における取得乱数カウンタ74eに対して、ステップS6606にて低確率用の抽選テーブル112又は高確率用の抽選テーブル113から取得した抽選値情報を加算した結果が得られるようにするための演算処理を実行する。この場合、加算の過程において取得乱数カウンタ74eの8ビットがオール「1」の状態からさらなる加算が行われて取得乱数カウンタ74eの8ビットがオール「0」の状態となった場合、すなわち取得乱数カウンタ74eの数値情報が最大値から最小値に更新された場合に主側MPU72に設けられたキャリーフラグ114に「1」が設定され、最大値から最小値への更新が行われなかった場合にはキャリーフラグ114に「0」が設定された状態が維持される。そして、キャリーフラグ114に「1」が設定されている場合に加算結果がオール「1」を上回って桁上がりが発生したと判定する。
加算処理の結果がオール「1」を上回って桁上がりが発生している場合(ステップS6608:YES)、ART状態ST9への移行当選が発生したものとして、主側RAM74に設けられたART当選フラグに「1」を設定する(ステップS6609)。ART当選フラグは今回のゲームの開始時においてART状態ST9への移行当選となったことを主側MPU72にて特定するためのフラグであり、ART当選フラグに「1」が設定されている場合には当該ゲームの終了時に準備状態ST8に移行させるための処理が実行される。つまり、ART状態ST9への移行当選となったゲームの次ゲームにおいてART状態ST9への前段階である準備状態ST8に遊技状態が移行することとなる。
ART状態ST9への移行抽選処理が実行される場合における数値情報の扱いについて図124の説明図を参照しながら説明する。まず図124(a1)~図124(a5)を参照しながら加算処理の結果がオール「1」を上回らない場合について説明する。
乱数取得処理(ステップS6604)にて図124(a1)に示すように7ビットの乱数が取得される。そして、その7ビットの乱数が図124(a2)に示すように1バイトの取得乱数カウンタ74eに格納される。その後、取得乱数カウンタ74eに固定値である「10000000」の情報が加算されることで、図124(a3)に示すように取得乱数カウンタ74eの情報が「11100000」となる。
その後、今回は低確率モードであって役の抽選処理(図17)にて「4」の当選番号が選択されているため、低確率用の抽選テーブル112から抽選値情報として図124(a4)に示すように「00010100」の情報を取得する。なお、当該抽選値情報は主側MPU72のレジスタに記憶される。
その後、図124(a3)に示す状態となっている取得乱数カウンタ74eに対して図124(a4)に示す抽選値情報の加算が行われることで、図124(a5)に示すように取得乱数カウンタ74eの情報が「11110100」となる。この場合、取得乱数カウンタ74eの8ビットがオール「1」の状態からさらなる加算が行われて取得乱数カウンタ74eの8ビットがオールゼロの状態となる事象、すなわち取得乱数カウンタ74eの数値情報が最大値から最小値に更新される事象が発生していないため、キャリーフラグ114に「0」が設定された状態が維持される。よって、ART状態ST9への移行当選とならない。
次に、図124(b1)~図124(b5)を参照しながら加算処理の結果がオール「1」を上回る場合について説明する。
乱数取得処理(ステップS6604)にて図124(b1)に示すように7ビットの乱数が取得される。そして、その7ビットの乱数が図124(b2)に示すように1バイトの取得乱数カウンタ74eに格納される。その後、取得乱数カウンタ74eに固定値である「10000000」の情報が加算されることで、図124(a3)に示すように取得乱数カウンタ74eの情報が「11100000」となる。
その後、今回は高確率モードであって役の抽選処理(図17)にて「15」の当選番号が選択されているため、高確率用の抽選テーブル113から抽選値情報として図124(b4)に示すように「11111111」の情報を取得する。なお、当該抽選値情報は主側MPU72のレジスタに記憶される。
その後、図124(b3)に示す状態となっている取得乱数カウンタ74eに対して図124(b4)に示す抽選値情報の加算が行われることで、図124(b5)に示すように取得乱数カウンタ74eの情報が「11011111」となる。この場合、取得乱数カウンタ74eの8ビットがオール「1」の状態からさらなる加算が行われて取得乱数カウンタ74eの8ビットがオールゼロの状態となる事象、すなわち取得乱数カウンタ74eの数値情報が最大値から最小値に更新される事象が発生しているため、キャリーフラグ114に「1」が設定されている。よって、ART状態ST9への移行当選となる。
上記のとおりART状態ST9への移行抽選処理にて利用される乱数は1バイトのビット数よりも少ないビット数である7ビットとなっている。また、取得した乱数に対して固定値である「128」が一律で加算される。これにより、ART状態ST9への移行抽選処理として共通のプログラムを利用しながら、100%当選となる状況と外れとなり得る状況とのそれぞれを生じさせる場合においていずれの状況であっても1バイトの抽選値情報を利用することが可能となる。
利用される乱数が1バイトのビット数と同一の8ビットである場合、100%当選となる状況を生じさせるための100%対応の抽選値情報が1バイトであるとすると、加算後においてオール「1」となる状況も当選結果として扱わない限り、当該100%対応の抽選値情報を利用しても100%当選とならない。一方、加算後においてオール「1」となる状況も当選結果として扱ってしまうと、乱数としてオール「1」が取得されることを排除する必要が生じてしまう。したがって、利用される乱数が1バイトのビット数と同一の8ビットである場合には少なくとも100%対応の抽選値情報を1バイトのビット数よりも多い数のビット数として設定する必要が生じてしまう。これに対して、上記のとおりART状態ST9への移行抽選処理にて利用される乱数は1バイトのビット数よりも少ないビット数である7ビットとなっていることにより、100%対応の抽選値情報として1バイトの抽選値情報を利用することが可能となる。よって、抽選値情報を予め記憶するために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
また、取得した乱数に対して固定値である「128」が一律で加算され、その固定値の加算後における乱数に対して抽選値情報が加算される構成であるため、7ビットの乱数を利用しながら加算方式で抽選を行う場合であっても、8ビットの取得乱数カウンタ74eにおいて桁上がりが発生したか否かを判定することで当選の有無を特定することが可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施形態の構成に対して個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。また、上記各実施形態の構成を相互に組み合わせて適用してもよく、上記各実施形態の構成を相互に組み合わせた構成に対して以下の別形態の構成を個別に又は組み合わせて適用してもよい。
(1)有利区間SC2において設定値に応じて当選確率が変動する役に当選した場合、偽前兆状態ST5の移行抽選処理、本前兆状態ST6の移行抽選処理及びチャンス状態ST7の移行抽選処理が実行される構成としたが、設定値に応じて当選確率が変動する役に当選したとしてもこれら移行抽選処理が実行されない構成としてもよい。この場合、有利区間SC2において設定値に応じて当選確率が変動しない役に当選した場合にのみ上記移行抽選処理が実行されることとなるため、ART状態ST9への移行確率に対する設定値の影響を低減させることが可能となる。また、当該構成に代えて、設定値に応じて当選確率が変動する役に当選するとともにその役に対応する入賞が成立した場合に上記移行抽選処理が実行される構成としてもよい。
(2)有利区間SC2の移行抽選処理において当選したゲームにて、偽前兆状態ST5の移行抽選処理、本前兆状態ST6の移行抽選処理及びチャンス状態ST7の移行抽選処理が実行され得る構成としたが、有利区間SC2の移行抽選処理において当選したゲームではこれら移行抽選処理が実行されない構成としてもよい。これにより、有利区間SC2への移行と、各遊技状態ST5~ST7への移行とを異なるゲームを契機として発生させることが可能となる。
また、有利区間SC2の移行抽選処理は設定値に応じて当選確率が変動しない役に当選した場合に実行される構成としたが、これに限定されることはなく、設定値に応じて当選確率が変動しない役に当選するとともにその当選となった役に対応する入賞が成立した場合に実行される構成としてもよく、設定値に応じて当選確率が変動する役に当選した場合に実行される構成としてもよく、設定値に応じて当選確率が変動する役に当選するとともにその当選となった役に対応する入賞が成立した場合に実行される構成としてもよい。
(3)有利区間SC2の移行抽選処理において当選となった場合、当該当選となったゲームの次のゲームから有利区間SC2が開始される構成としてもよい。この場合、有利区間SC2であることを条件として偽前兆状態ST5の移行抽選処理、本前兆状態ST6の移行抽選処理及びチャンス状態ST7の移行抽選処理が実行され得る構成とすると、有利区間SC2の移行抽選処理において当選となったとしても当該ゲームでは有利区間SC2となっていないため、有利区間SC2の移行抽選処理において当選となったゲームでは偽前兆状態ST5の移行抽選処理、本前兆状態ST6の移行抽選処理及びチャンス状態ST7の移行抽選処理が実行されないことになる。
(4)通常遊技状態ST1において有利区間SC2への移行が発生した場合、当該有利区間SC2において第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される度に終了抽選処理が実行され、終了抽選処理にて終了当選となることで通常区間SC1への移行が発生する構成としてもよい。この場合、通常遊技状態ST1において移行した有利区間SC2であっても第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が複数回行われ得るようにすることが可能となる。
(5)有利区間SC2の終了契機を発生させるために必要な第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知回数は1回に限定されることはなく、2回、3回又は4回以上といった複数回であってもよい。
(6)有利区間SC2の終了契機として、第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されることが設定されている構成に代えて、第1ベル入賞よりも遊技媒体の付与数が多い入賞であってリール32L,32M,32Rの停止順序が所定の順序である場合に成立する入賞である特定入賞が存在している場合には、当該特定入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が所定回数(例えば1回又は2回)発生するまでは有利区間SC2が終了しない構成としてもよい。つまり、当該構成においてはリール32L,32M,32Rの停止順序が所定の順序となった場合に成立する入賞のうち遊技媒体の付与数が最大となる入賞について当該入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が所定回数発生するまでは有利区間SC2が終了しないこととなる。この場合、通常遊技状態ST1において移行した有利区間SC2であっても特定入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が所定回数発生するまでは、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて第1ベル入賞が成立する役に当選した場合には、当該第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される構成としてもよい。
(7)有利区間SC2の終了契機を発生させるために必要な第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知回数が、通常遊技状態ST1、偽前兆状態ST5及びチャンス状態ST7といった複数の遊技状態間で相違している構成としてもよい。例えば、上記必要な報知回数が通常遊技状態ST1よりも偽前兆状態ST5の方が多い回数とすることで、偽前兆状態ST5を通常遊技状態ST1よりも有利な遊技状態とすることが可能となる。
(8)通常遊技状態ST1であって有利区間SC2である状況において第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、当該報知は兼用表示部66にて行われる一方、画像表示装置63では行われない構成としてもよい。この場合、有利区間SC2の終了契機となる第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知を目立たないようにして行うことが可能となる。
(9)有利区間SC2においては有利区間表示部67が発光状態(すなわち表示状態)となる構成において、スロットマシン10に所定の異常状態が発生している場合には有利区間表示部67が消灯状態(すなわち非表示状態)となる構成としてもよい。また、この場合には兼用表示部66において異常状態の種類に対応する表示が行われる構成としてもよい。このように共通表示領域68に兼用表示部66と有利区間表示部67とが集約させて設けられている構成においてスロットマシン10に所定の異常状態が発生している場合には有利区間表示部67を消灯状態とした上で兼用表示部66にて異常状態の種類に対応する表示を行うことにより、同一の異常状態が発生している場合であっても有利区間SC2であるか否かによって共通表示領域68の表示態様が変化するという事象が発生しないため、異常状態の種類を特定し易くなる。
(10)Bループにおいて実行されたゲーム数が21ゲーム以上となった場合には、Bループにおいて実行されたゲーム数が22ゲーム以上であったとしても特別フリーズ演出として1000ゲームの上乗せが報知される構成としてもよい。この場合、一度に報知される上乗せゲーム数が過剰に多くなってしまわないようにすることが可能となる。
(11)Bループが開始された場合に主側MPU72にて計測されているART状態ST9の残りの継続ゲーム数が20ゲーム未満である場合には特別フリーズ演出が発生しない構成としてもよい。この場合、ART状態ST9の残りの継続ゲーム数が20ゲーム以上である状況においてBループが発生し当該Bループにおいて20ゲーム実行された場合にはBループが継続しているか否かに関係なく合計上乗せゲーム数の報知を行う構成とすることで、Bループにおいて付与されたゲーム数を途中で消化させることを想定することなく1000ゲームの上乗せ報知を実行することが可能となる。
(12)Bループが開始された段階で20ゲームが上乗せされる構成としてもよい。この場合、Bループにおいて20ゲーム実行された場合にはBループが継続しているか否かに関係なく合計上乗せゲーム数の報知を行う構成とすることで、Bループにおいて付与されたゲーム数を途中で消化させることを想定することなく1000ゲームの上乗せ報知を実行することが可能となる。
(13)エンディング演出が終了した後にBB演出が開始されない場合よりも、エンディング演出が終了してBB演出が開始される場合の方が、エンディング終了時のフリーズ期間が長くなる構成としてもよい。この場合、エンディング演出が終了してBB演出が開始される場合にはその長くなった期間を利用して、エンディング演出の終了演出を実行した後にBB開始演出を実行することが可能となる。
(14)設定値に応じて当選確率が変動するボーナス役と設定値に応じて当選確率が変動しないボーナス役とで、エンディング演出の途中でボーナス役に当選となった場合にボーナス当選告知(第1告知、第2告知)が行われるか否かが相違する構成としてもよい。例えば、設定値に応じて当選確率が変動するボーナス役についてはエンディング演出の途中で当選となった場合にボーナス当選告知が行われ、設定値に応じて当選確率が変動しないボーナス役についてはエンディング演出の途中で当選となったとしてもボーナス当選告知が行われない構成としてもよい。後者のボーナス役に対応するボーナス状態(BB状態ST3、RB状態ST4)となった場合には遊技区間が通常区間SC1であったとしても有利区間SC2への移行が発生するため、エンディング演出が終了して有利区間SC2が終了した後に当該ボーナス役に対応するボーナス状態を発生させることにより、有利区間SC2が強制的に終了されたとしても当該有利区間SC2に直ちに復帰させることが可能となる。
(15)有利区間SC2において付与された遊技媒体の合計数が所定数以上であることを条件としてエンディング演出が実行される構成としてもよい。これにより、遊技者が満足するほど遊技媒体が付与されていないにも関わらずエンディング演出が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
(16)エンディング演出が実行される場合には5ゲーム刻みの動画演出を行い、終了時には今回のART状態ST9における遊技媒体の獲得数や今回のART状態ST9において実行されたゲーム数を示す終了画面が表示される構成としてもよい。
(17)エンディング演出が実行されている状況であって有利区間SC2にて実行されたゲーム数が1490ゲーム以降である状況でボーナス役に当選した場合にはボーナス当選告知(第1告知、第2告知)が行われない構成としてもよい。この場合、ボーナス内部状態ST2では通常遊技状態ST1よりもリプレイ当選確率が高くなる構成とするとともに第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される構成とすることで、ボーナス内部状態ST2においてエンディング演出が実行されている状況であってもART状態ST9においてエンディング演出が実行されていると遊技者に認識させることが可能となる。
(18)エンディング演出ではエンドロールを再生する構成とし、その再生速度を変更することでエンディング演出の終了タイミングとエンドロールの終了タイミングとを合わせる構成としてもよい。
(19)エンディング演出の途中でボーナス状態となることでエンディング演出が延長される場合には、その延長したゲームにおいてキャラクタ紹介といった追加画像が表示される構成としてもよい。また、延長したゲームにおいて設定値を示唆する画像が表示される構成としてもよい。この場合、エンディング演出の途中でボーナス役に当選した場合にはボーナス入賞を敢えて成立させないことでエンディング演出を延長させて設定値の示唆画像を表示させようとする行為が想定される。そこで、ボーナス役に当選してから例えば5ゲーム以上に亘ってボーナス入賞が成立しなかった場合にはエンディング演出が延長されたとしても設定値の示唆画像が表示されない構成としてもよい。
(20)ボーナス状態の途中で有利区間SC2において実行されたゲーム数がエンディング対応ゲーム数以上となった場合には、ボーナス用の演出が終了されてエンディング演出が開始される構成としてもよく、ボーナス状態が終了してからエンディング演出が開始される構成としてもよく、ボーナス状態が終了した後に発生した準備状態ST8からART状態ST9への移行が発生した場合にエンディング演出が開始される構成としてもよい。
ボーナス状態が終了した後にエンディング演出が開始される構成においては有利区間SC2において実行されたゲーム数に対してエンディング演出の開始が遅れることになる。この場合、エンディング演出では基本的に5ゲーム刻みの動画演出が行われるのに対して3ゲーム刻みの動画演出が行われるようにすることでエンディング演出が終了するまでに全ての演出内容を表示できるようにしてもよい。また、エンディング演出の最終ゲームまでに全ての演出内容を表示できない場合にはエンディング演出が終了する場合に発生するフリーズ期間を利用して全ての演出内容を表示できるようにしてもよい。
また、エンディング演出として、30ゲーム分の演出、40ゲーム分の演出、50ゲーム分の演出といったように複数種類の演出を用意しておき、有利区間SC2において実行されたゲーム数に対するエンディング演出の開始タイミングに応じた演出が選択される構成としてもよい。
(21)ボーナス状態において消化されたゲーム数は、有利区間SC2における継続ゲーム数の計測から除外される構成としてもよい。これにより、ボーナス状態の途中で有利区間SC2において実行されたゲーム数が上限ゲーム数に到達しないようにすることが可能となるとともに、ボーナス状態の途中でエンディング演出が開始されないようにすることが可能となる。
(22)有利維持区間の最終ゲーム以外においてボーナス役に当選した場合にはそのボーナス役の種類に関係なく即座にボーナス種別告知が行われる構成としてもよい。これにより、有利維持区間において最終ゲームよりも前のゲームにおいてボーナス入賞が成立する機会を多くすることが可能となる。
(23)有利維持区間においてボーナス入賞が成立しさらにボーナス状態の開始ゲームにおいて有利区間SC2であればART状態ST9への移行が確定する構成に代えて、ART状態ST9の移行抽選処理が実行されるとともに他の場合よりもART状態ST9への移行当選となる確率が高い構成としてもよい。この場合であっても、有利維持区間においてボーナス入賞が成立したことに対して利益を付与することが可能となる。
(24)有利維持区間の継続ゲーム数が固定である構成に限定されることはなく、抽選により決定される構成としてもよい。但し、抽選により決定される場合であっても有利区間SC2において実行されたゲーム数が上限ゲーム数を超えない範囲のゲーム数が選択される必要がある。
(25)ボーナス状態の開始ゲームにおいて有利区間SC2である場合にART状態ST9の移行抽選処理が実行される構成に代えて、ボーナス状態の途中のゲームにおいて有利区間SC2である場合にART状態ST9の移行抽選処理が実行される構成としてもよく、ボーナス状態の最終ゲームにおいて有利区間SC2である場合にART状態ST9の移行抽選処理が実行される構成としてもよい。この場合、ボーナス状態が有利区間SC2である状況で開始された場合には有利区間SC2の終了契機が抽選により決定される構成としてもよい。例えばボーナス状態の最終ゲームにおいて有利区間SC2である場合にART状態ST9の移行抽選処理が実行される構成においては、有利区間SC2の終了契機としてボーナス状態の最終ゲームが終了するまでという内容が選択されない限り、ボーナス状態を契機としたART状態ST9の移行抽選処理が実行されないことになる。
また、上記構成においてボーナス状態の発生契機となったボーナス役に応じてART状態ST9の移行抽選処理が実行されるタイミングが相違する構成としてもよい。例えば所定のボーナス役に対応するボーナス状態であれば開始ゲームにおいてART状態ST9の移行抽選処理が実行され、特定のボーナス役に対応するボーナス状態であれば最終ゲームにおいてART状態ST9の移行抽選処理が実行される構成とすることで、ボーナス役の種類によってART状態ST9の移行抽選処理が実行される確率を変動させることが可能となる。
(26)有利区間SC2において設定値に応じて当選確率が変動するボーナス役に当選した場合にはその当選したゲームにてART状態ST9の移行抽選処理が実行される構成としてもよい。この場合、有利区間SC2であることが遊技者に報知されるようにすることで、ボーナス役に当選することに対する注目度を高めることが可能となる。また、有利区間SC2において設定値に応じて当選確率が変動するボーナス役に入賞した場合にはその入賞したゲームにてART状態ST9の移行抽選処理が実行される構成としてもよい。
(27)通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルの各インデックス値IVを当選番号に対応付けるためのオフセットテーブル111の構成は上記第1の実施形態における構成に限定されない。例えば、小役のグループ→ボーナス役のグループ→リプレイ役のグループの順に設定されているのではなく、ボーナス役のグループ→リプレイ役のグループ→小役のグループの順に設定されている構成としてもよい。
(28)通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルに共通させてオフセットテーブル111が設定されているのではなく、各抽選テーブルに対応させて個別にオフセットテーブルが設けられている構成としてもよい。例えば、通常モード用抽選テーブルにおいては、設定値に応じて当選確率が変動する役のグループと設定値に応じて当選確率が変動しない役のグループとで分けて集約されているのに対して、小役のグループと、ボーナス役のグループと、リプレイ役のグループとで分けて集約するためにオフセットテーブルが設けられている構成としてもよい。また、同様の目的で第1RTモード用抽選テーブルに対してもオフセットテーブルが設けられており、第2RTモード用抽選テーブルに対してもオフセットテーブルが設けられている構成としてもよい。この場合、各オフセットテーブルの当選番号がオフセットテーブル間で重複しないように設定されている構成としてもよい。当該構成であっても各抽選テーブルにおいては設計が容易となる態様でインデックス値IVを設定するとともに、各オフセットテーブルにおいてはその後の処理における当選役の情報の扱いが容易となる態様で当選番号を設定することができる。
(29)偽前兆状態ST5において当該偽前兆状態ST5の開始契機となる役に当選した場合には偽前兆状態ST5が延長され得る構成としてもよい。そして、偽前兆状態ST5が延長された場合には有利区間SC2もその分だけ延長される構成としてもよい。これにより、偽前兆状態ST5の延長を通じて有利区間SC2が延長されることとなるため、偽前兆状態ST5が延長される方が遊技者にとって有利となる。
(30)偽前兆状態ST5の途中であったとしても第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が実行された場合には有利区間SC2が終了して通常区間SC1に移行する構成としてもよい。これにより、偽前兆状態ST5であっても通常区間SC1である状況を生じさせることが可能となる。
(31)偽前兆状態ST5の途中で所定の役に当選した場合にはART状態ST9の移行抽選処理が実行される一方、本前兆状態ST6の途中で所定の役に当選した場合にはART状態ST9における残りの継続ゲーム数の上乗せ抽選処理が実行される構成としてもよい。この場合、偽前兆状態ST5の継続ゲーム数が長い方が遊技者にとって有利となるだけではなく、本前兆状態ST6の継続ゲーム数が長い方が遊技者にとって有利となる。そこで、偽前兆状態ST5の途中で本前兆状態ST6への移行当選となった場合にはその時点における偽前兆状態ST5の残りの継続ゲーム数が本前兆状態ST6の継続ゲーム数に加算される構成としてもよい。これにより、本前兆状態ST6の継続ゲーム数が長くなる機会を与えることが可能となる。
(32)偽前兆状態ST5の継続ゲーム数が抽選により決定される構成に限定されることはなく、所定のゲーム数(例えば10ゲーム)に固定されている構成としてもよい。
(33)偽前兆状態ST5であって有利区間SC2である状況においてボーナス入賞が成立した場合にはART状態ST9への移行が確定する構成としてもよい。この場合、偽前兆演出が実行されている状況においてボーナス入賞が成立することを遊技者は期待することとなる。
(34)偽前兆状態ST5の途中でチャンス状態ST7に移行した場合には、偽前兆演出を継続させながらチャンス状態ST7であることを示す演出や報知が実行される構成としてもよい。この場合、偽前兆演出の一連の流れを楽しませながらチャンス状態ST7に期待させることが可能となる。
(35)偽前兆状態ST5の途中でチャンス状態ST7に移行した場合には、偽前兆演出をその時点で終了させてチャンス演出を開始させる構成としてもよい。
(36)偽前兆状態ST5ではない状況でチャンス状態ST7に移行した場合と、偽前兆状態ST5の途中でチャンス状態ST7に移行した場合とで、チャンス状態ST7においてART状態ST9への移行当選となる確率が相違する構成としてもよい。例えば、偽前兆状態ST5ではない状況でチャンス状態ST7に移行した場合の方が偽前兆状態ST5の途中でチャンス状態ST7に移行した場合よりもチャンス状態ST7においてART状態ST9への移行当選となる確率が高い構成としてもよい。また、偽前兆状態ST5の途中でチャンス状態ST7に移行した場合の方が偽前兆状態ST5ではない状況でチャンス状態ST7に移行した場合よりもチャンス状態ST7においてART状態ST9への移行当選となる確率が高い構成としてもよい。
(37)ストックゲーム数カウンタ127に設定されているゲーム数が表示用カウンタ126に移行されない状況において、ストックゲーム数カウンタ127に設定されているゲーム数に対応する報知が実行される構成としてもよい。例えば、画像表示装置63にストックゲーム数カウンタ127に設定されているゲーム数に対応する色が表示される表示領域を設定し、例えばストックゲーム数カウンタ127の値が500以上であれば当該表示領域にて赤色を表示し、500未満であって300以上である場合には緑色を表示し、300未満であって200以上であれば黄色を表示し、200未満であって100以上であれば青色を表示し、100未満であれば白色を表示する構成としてもよい。これにより、ストックゲーム数カウンタ127に設定されているゲーム数を遊技者に予測させることが可能となる。
(38)特別上乗せ演出が1度に複数選択され得る構成としたが、1度に選択される特別上乗せ演出の個数は1個である構成としてもよい。この場合、特別上乗せ演出の選択を行う処理の実行頻度を高くなるものの、選択された特別上乗せ演出を記憶しておくためのエリアが不要となる。
(39)Aループが発生した場合にのみ特別上乗せ演出が実行される構成としたが、これに限定されることはなく、例えばストックゲーム数カウンタ127の値が1以上である状況において表示用カウンタ126の値が「0」となった場合に実行される放出演出の一種として特別上乗せ演出が実行される構成としてもよい。この場合、遊技者に報知されているART状態ST9の残りの継続ゲーム数が0ゲームとなったことを契機として特別上乗せ演出が実行されるため、遊技者に意外性を与えることが可能となる。
(40)主側MPU72にてAループが設定された場合には期待演出が開始される構成としたが、期待演出が実行されない構成としてもよい。この場合、Aループが設定されてから所定ゲーム数が経過したタイミングでストックゲーム数カウンタ127の値に対応する特別上乗せ演出が実行される構成としてもよい。これにより、特別上乗せ演出が突然発生することとなるため、遊技者に意外性を与えることが可能となる。
(41)主側MPU72にてAループが設定された場合、当該Aループが終了するまではストックゲーム数カウンタ127の値に対応する特別上乗せ演出が実行されない構成としてもよい。これにより、ストックゲーム数カウンタ127の値が大きいで状況で特別上乗せ演出が実行されるようにすることが可能となる。
(42)主側MPU72では上乗せゲーム数を付与するか否かの抽選処理が実行され当選となった場合には常に固定のゲーム数(例えば30ゲーム)をART状態ST9の残りの継続ゲーム数に加算し、演出側MPU92にてそのゲーム数をどのようなタイミングで報知するかが決定される構成としてもよい。この場合、主側MPU72における上乗せ抽選処理の処理パターンが1パターンのみとなるため、主側MPU72の処理負荷を軽減することが可能となる。
(43)ストックゲーム数カウンタ127の値が「0」である状況で表示用カウンタ126の値が「0」となった場合には、各ゲームにおいてART状態ST9の終了抽選処理が実行されて終了当選となった場合にART状態ST9が終了する構成としてもよい。また、これに代えて、第1RTモードへの転落が発生するまではART状態ST9が継続され第1RTモードへの転落が発生した場合にART状態ST9が終了する構成としてもよく、通常モードへの転落が発生するまではART状態ST9が継続され通常モードへの転落が発生した場合にART状態ST9が終了する構成としてもよい。この場合、第1放出演出と同一の演出が実行される構成としてもよく、第1放出演出とは異なる演出が実行される構成としてもよい。
(44)ボーナス状態(BB状態ST3、RB状態ST4)及びART状態ST9が発生することなく実行されたゲーム数が解除ゲーム数に到達した場合には、ART状態ST9が付与される構成としてもよく、上記第2の実施形態のような疑似ボーナス状態が付与される構成としてもよい。
(45)ボーナス内部状態ST2においてはボーナス役に対応する図柄の方が、遊技媒体の付与を発生させる役に対応する図柄よりも停止制御に際して優先される構成としてもよい。この場合、ボーナス内部状態ST2において「1」~「3」の当選番号が設定された場合には第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されるとともに、当選しているボーナス役に対応する図柄の組み合わせが報知される構成としてもよい。このように報知が実行された場合、ボーナス入賞を成立させない停止操作タイミングであって第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序で停止操作を行うことにより、ボーナス入賞ではなく第1ベル入賞を成立させることが可能となる。
(46)遊技区間としてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない通常区間SC1とリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され得る有利区間SC2とが設定されている構成に限定されることはなく、いずれにおいてもリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され得るものの停止順序の報知対象となる当選データの種類が相違する複数の区間が設定されている構成としてもよく、いずれにおいてもリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され得るものの当該停止順序の報知が実行される頻度が相違する複数の区間が設定されている構成としてもよい。この場合であっても複数の区間において停止順序の報知に関して有利度に差を与えることにより、遊技区間の移行に対して遊技者を注目させることが可能となる。
(47)遊技区間がいずれであるのかを遊技者に認識させるための報知が有利区間表示部67以外において実行される構成としてもよい。例えば、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63のうちの少なくとも一つにおいて、遊技区間がいずれであるのかを遊技者に認識可能とする演出が実行される構成としてもよい。また、これら構成に加えて又は代えて、いずれの遊技区間であるのかを示す情報が遊技ホールのホールコンピュータに向けて外部出力される構成としてもよい。
(48)全体のゲーム数に対する有利区間SC2の総ゲーム数の比率を計算する場合において、BB状態ST3又はRB状態ST4において実行されたゲーム数が有利区間SC2の総ゲーム数として加算されない構成としてもよい。
(49)全体のゲーム数に対する有利区間SC2の総ゲーム数の比率の計算が設定値ごとに行われる構成としてもよい。この場合、設定値が変更されたとしても設定値ごとに行われている上記比率の情報が初期化されずに計算が継続される構成とする必要がある。本構成によれば、設定値ごとに上記比率を把握することが可能となる。
(50)消化されたゲームの合計ゲーム数と、有利区間SC2において消化されたゲームの合計である有利ゲーム数とを履歴情報として記憶し、合計ゲーム数に対する有利ゲーム数の割合を演算する構成としたが、これに限定されることはなく、役の抽選処理において抽選の対象となる所定役の当選回数と合計ゲーム数とを履歴情報として記憶し、当該所定役の当選確率を演算する構成としてもよい。この場合、対象となる所定役として第1所定役と第2所定役とが存在しており、第1所定役及び第2所定役のそれぞれについて個別に当選回数を履歴情報として記憶するとともに第1所定役及び第2所定役のそれぞれについて当選確率を演算する構成としてもよい。また、全ての役のそれぞれについて個別に当選回数を履歴情報として記憶するとともに各役のそれぞれについて当選確率を演算する構成としてもよい。これにより、管理対象の役の当選確率を遊技ホールの管理者に報知することが可能となる。
また、遊技媒体の付与数の合計数と合計ゲーム数とを履歴情報として記憶し、単位ゲーム数当たりの遊技媒体の付与数を演算する構成としてもよい。これにより、単位ゲーム数当たりの遊技媒体の付与数を遊技ホールの管理者に報知することが可能となる。また、遊技媒体の付与数の合計数と合計ゲーム数との組合せを、各遊技状態及び有利区間SC2のそれぞれについて個別に履歴情報として記憶し、単位ゲーム数当たりの遊技媒体の付与数を各遊技状態及び有利区間SC2のそれぞれについて個別に演算する構成としてもよい。
また、ボーナス状態への移行回数とボーナス状態ではない遊技状態において消化されたゲームの合計ゲーム数とを履歴情報として記憶し、ボーナス状態への移行確率を演算する構成としてもよい。
(51)有利区間SC2にて実行されたゲーム数が上限ゲーム数となった場合に当該有利区間SC2が終了する構成に加えて又は代えて、有利区間SC2において実行された終了抽選処理の結果が終了当選結果であった場合に有利区間SC2が終了して通常区間SC1に移行する構成としてもよい。この終了抽選処理が実行される契機は任意であるが、例えば各ゲームにおいて終了抽選処理が実行される構成としてもよく、所定の抽選契機役に当選した場合又は所定の抽選契機入賞が成立した場合に終了抽選処理が実行される構成としてもよい。また、有利区間SC2における継続ゲーム数が所定ゲーム数以上となったことを条件として、抽選契機が発生する度に終了抽選処理が実行され、終了抽選処理の結果が終了当選結果であった場合に有利区間SC2が終了して通常区間SC1に移行する構成としてもよい。
また、上記構成に代えて、有利区間SC2にて継続して実行されたゲーム数が上限ゲーム数となった場合及び有利区間SC2が継続している状況において付与された遊技媒体の合計数が上限媒体数となった場合のいずれかの条件が成立した場合に有利区間SC2が終了して通常区間SC1に移行する構成としてもよい。また、有利区間SC2にて継続して実行されたゲーム数が上限ゲーム数となった場合及び有利区間SC2が継続している状況における遊技媒体の純増数が上限媒体数となった場合のいずれかの条件が成立した場合に有利区間SC2が終了して通常区間SC1に移行する構成としてもよい。
(52)有利区間SC2においてはリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されることで通常区間SC1よりも有利区間SC2の方が有利となる構成に限定されることはなく、例えば小役入賞が成立した場合における遊技媒体の付与数が多くなることで通常区間SC1よりも有利区間SC2の方が有利となる構成としてもよく、1ゲームを開始するために必要な遊技媒体の数が少なくなることで通常区間SC1よりも有利区間SC2の方が有利となる構成としてもよい。
(53)遊技履歴を利用した演算結果の報知が兼用表示部66及び有利区間表示部67にて行われる構成に限定されることはなく、例えばクレジット表示部65を利用して行われる構成としてもよく、クレジット表示部65及び兼用表示部66を利用して行われる構成としてもよい。また、報知対象の演算結果が複数種類存在している場合には各種類の報知対象の事象が順次切り換えて表示される構成としてもよい。このように順次切り換えて表示される場合には、例えばクレジット表示部65において報知対象の事象の種類が表示され、兼用表示部66においてその報知対象の事象についての演算結果又は当該演算結果の内容に対応する情報が表示される構成としてもよい。これにより、報知対象の事象が複数種類存在している場合であっても少ない表示部を利用してそれら複数種類の報知対象の事象についての報知を行うことが可能となる。
(54)通常区間SC1についても継続ゲーム数の上限ゲーム数が設定されている構成としてもよい。この場合、通常区間SC1において継続して実行されたゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合には有利区間SC2に設定されることになる。これにより、通常区間SC1が上限ゲーム数に到達するまで継続したことに対する補填を行うことが可能となる。また、当該通常区間SC1における上限ゲーム数を「設定1」~「設定6」の各設定値間において同一とすることにより、当該上限ゲーム数に関して設定値による有利又は不利が生じないようにすることが可能となる。
(55)上記第1の実施形態においてメイン処理(図10)にて復帰アドレスの調整処理(ステップS117)が実行される構成に代えて、復帰アドレスの調整処理(ステップS117)が実行されない構成としてもよい。この場合、メイン処理(図10)におけるリール制御用のクリア処理(ステップS116)では定速フラグ74cを「0」クリアする一方、回転中フラグ74dを「0」クリアしない構成とする。また、メイン処理(図10)においてステップS119の処理が実行される前に、回転中フラグ74dに「1」が設定されている状況において定速フラグ74cに「1」が設定されていない状況であるか否かが判定され、回転中フラグ74dに「1」が設定されている状況において定速フラグ74cに「1」が設定されている場合にはステップS119にてリール制御処理(図27)の開始アドレスに復帰するようにする。当該構成であってもリール32L,32M,32Rの回転中に動作電力の供給が停止された場合には動作電力の供給が再開された場合にストップボタン42~44の操作を無効なものとしながらリール32L,32M,32Rの回転を開始することが可能となる。
(56)常時抽選処理(図63)にて選択されるゲーム数が1種類のゲーム数に固定されている構成に限定されることはなく、複数種類のゲーム数が存在しており、常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となった場合にはそれら複数種類のゲーム数から一のゲーム数が付与対象の上乗せゲーム数として選択される構成としてもよい。この場合、それら複数種類のゲーム数がいずれも役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理(ステップS3102~ステップS3104)にて選択され得る最低のゲーム数以下である構成としてもよく、それら複数種類のゲーム数の一部が役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理(ステップS3102~ステップS3104)にて選択され得る最低のゲーム数よりも多いゲーム数である構成としてもよい。但し、後者の場合であっても常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となった場合に選択される上乗せゲーム数の期待値が、役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理(ステップS3102~ステップS3104)にて直上乗せ当選となった場合に選択される上乗せゲーム数の期待値よりも低い構成とすることで、常時抽選処理(図63)よりも役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理(ステップS3102~ステップS3104)の有利度を高めることが可能となる。
(57)常時抽選処理(図63)が役の抽選処理(図17)が実行される前に実行される構成に限定されることはなく、常時抽選処理(図63)が役の抽選処理(図17)が実行された後に実行される構成としてもよい。この場合であっても常時抽選処理(図63)が役の抽選処理(図17)の結果とは無関係に実行されるようにすることで、役の抽選処理(図17)の結果が所望の結果ではなかったとしても上乗せゲーム数の付与の発生を遊技者に期待させることが可能となる。
(58)常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となったことを契機として上乗せゲーム数が付与される場合、当該常時抽選処理(図63)が実行されたゲームよりも後のゲームにてその上乗せゲーム数が遊技者に付与される構成としてもよい。この場合、所定のゲームにおける役の抽選処理(図17)の結果が所望の結果ではなかったとしてもその後のゲームにて上乗せゲーム数が付与されることを遊技者に期待させることが可能となる。
(59)常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となったことを契機として上乗せゲーム数が付与される場合と、役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理(ステップS3102~ステップS3104)にて直上乗せ当選となったことを契機として上乗せゲーム数が付与される場合とで、上乗せゲーム数が付与されたことの報知が実行されるタイミングが相違している構成としてもよい。例えば、役の抽選処理(図17)の結果に対応する上乗せ抽選処理(ステップS3102~ステップS3104)にて直上乗せ当選となったことを契機として上乗せゲーム数が付与される場合には、リール32L,32M,32Rの回転が開始される前又は一部のリール32L,32M,32Rの回転が停止される場合といったようにリール32L,32M,32Rの回転が全て停止する前に上乗せゲーム数が付与されたことの報知が実行され、常時抽選処理(図63)にて直上乗せ当選となったことを契機として上乗せゲーム数が付与される場合にはリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に上乗せゲーム数が付与されたことの報知が実行される構成とする。これにより、リール32L,32M,32Rの回転中及び全リール32L,32M,32Rの停止後のいずれにおいても上乗せゲーム数が付与されることを遊技者に期待させることが可能となる。
(60)常時抽選処理(図63)がART状態ST9以外の遊技状態であっても各ゲームにて実行される構成としてもよい。例えばART状態ST9においては上記第1の実施形態と同様に上乗せゲーム数を付与するか否かの抽選処理が常時抽選処理(図63)にて実行され、ART状態ST9以外の遊技状態においてはART状態ST9への移行抽選処理に関する抽選モードを低確率モードから高確率モードに移行させるか否かのモード抽選処理が常時抽選処理(図63)にて実行される構成としてもよい。
(61)常時抽選処理(図63)にて上乗せゲーム数を付与するか否かの抽選処理が実行される構成に代えて、ART状態ST9への移行抽選処理に関する抽選モードを低確率モードから高確率モードに移行させるか否かのモード抽選処理が実行される構成としてもよい。この場合、当該モード抽選処理が常時抽選処理(図63)にて実行されるとともに、役の抽選処理(図17)の結果に対応する抽選処理においても実行される構成とすることで、抽選モードの移行に関して役の抽選処理(図17)の結果に遊技者が注目することとなるとともに、役の抽選処理(図17)の結果が所望の結果ではない場合であっても高確率モードへの移行を遊技者に期待させることが可能となる。また、上記モード抽選処理に代えて、高確率モードにおいて低確率モードへの転落を発生させるか否かを決定するための転落抽選処理として、上記のような構成を利用してもよい。
(62)第4専用乱数回路102dのビット数は7ビットに限定されることはなく取得乱数カウンタ74eのビット数よりも少ないビット数であれば任意である。例えば取得乱数カウンタ74eが上記第1の実施形態と同様に1バイトである場合には第4専用乱数回路102dのビット数は6ビットであってもよく5ビットであってもよく4ビット以下であってもよい。また、取得乱数カウンタ74eが2バイトである場合には第4専用乱数回路102dのビット数は15ビット以下であれば任意である。
(63)取得乱数カウンタ74e及び当該取得乱数カウンタ74eのビット数よりも少ないビット数である第4専用乱数回路102dを利用して実行される抽選処理はART状態ST9への移行抽選処理に限定されない。例えば、ART状態ST9への移行抽選処理に関する抽選モードの昇格抽選処理又は転落抽選処理にて利用される構成としてもよく、ART状態ST9における上乗せゲーム数の付与抽選処理にて利用される構成としてもよい。
(64)リール演出の実行後に各リール32L,32M,32Rの回転を1個ずつ所定の順序で開始する構成に限定されることはなく、3個以上のリール32L,32M,32Rのうちの一部であって複数のリール32L,32M,32Rは同時に回転が開始される構成としてもよい。また、回転が開始される順序が固定の順序である構成に限定されることはなく、所定の規則に従って回転が開始される順序が変更される構成としてもよく、回転が開始される順序が抽選により不規則に決定される構成としてもよい。
(65)リール演出が実行された後にリール32L,32M,32Rの回転を再度開始する場合にリール32L,32M,32Rの回転が順次開始される構成としたが、リール演出が実行されない場合であってもリール32L,32M,32Rの回転が順次開始される構成としてもよい。
(66)一のリール32L,32M,32Rの加速期間が完了してから次の順番のリール32L,32M,32Rの加速期間が開始されるまでに待機期間が発生しない事象が生じ得る構成としたが、これに限定されることはなく、確実に待機期間が発生する構成としてもよい。この場合、待機期間の抽選処理(ステップS1204~ステップS1206)では待機間の長さを抽選により決定することとなる。
(67)一のリール32L,32M,32Rの加速期間が完了してから次の順番のリール32L,32M,32Rの加速期間が開始されるまでに待機期間が発生する場合には常に一定の待機期間が発生する構成としてもよい。この場合、待機期間の抽選処理(ステップS1204~ステップS1206)ではその固定の待機期間を発生させるか否かを抽選により決定することとなる。
(68)有効ラインがメインラインMLの1本のみである構成に限定されることはなく、有効ラインが2本、3本又は4本以上である構成としてもよい。この場合、ベットされた遊技媒体の数が多いほど有効ラインの数が多くなる構成としてもよく、ベットされた遊技媒体の数とは無関係に最大数の有効ラインが設定される構成としてもよい。
(69)主側MPU72から演出側MPU92に送信される情報の種類は上記各実施形態におけるものに限定されることはなく、例えば遊技媒体の付与に対応する入賞が成立した場合、その入賞により付与される遊技媒体の数の情報が主側MPU72から演出側MPU92に送信される構成としてもよい。この場合、入賞により付与される遊技媒体の数の情報を画像表示装置63などにおいて報知することが可能となる。また、全てのリール32L,32M,32Rが停止していない状況であっても一部のリール32L,32M,32Rの回転が停止される場合又は停止された場合に、それに対応する情報が主側MPU72から演出側MPU92に送信される構成としてもよい。この場合、リール32L,32M,32Rの回転状況に対応する演出を画像表示装置63などにおいて行うことが可能となる。
(70)上記各実施形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(71)本発明を所謂Bタイプのスロットマシンに適用してもよく、またCタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはRTゲーム、CTゲーム又はATゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよい。
(72)各リール32L,32M,32Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報としての機能を有するものであればよい。
(73)上記各実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、遊技媒体として遊技球を利用して遊技が行われるパチンコ機に対して適用してもよく、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては理解の容易のため上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技者の有利度に対応する複数段階の設定値の中から使用対象となる設定値を設定する設定手段(主側MPU72における当選確率設定処理を実行する機能)と、
有利度が相違する複数種類の遊技状態(通常遊技状態ST1、ボーナス内部状態ST2、BB状態ST3、RB状態ST4)の間で遊技状態を移行させる状態移行手段(主側MPU72における遊技終了時の対応処理を実行する機能)と、
遊技区間を第1区間(通常区間SC1)に設定する第1区間設定手段(主側MPU72におけるステップS1807、ステップS1814及びステップS1821の処理を実行する機能)と、
前記遊技区間を第2区間(有利区間SC2)に設定する第2区間設定手段(主側MPU72におけるステップS1307及びステップS2504の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2区間は前記第1区間において発生しない特定特典(ART状態ST9への移行)が遊技者に付与され得る、又は前記第2区間は前記第1区間よりも特定特典が遊技者に付与され易い構成であり、
前記第1区間及び前記第2区間はいずれも前記複数種類の遊技状態のうち所定遊技状態において滞在し得る構成であって、前記複数種類の遊技状態のうち他の遊技状態においても滞在し得る構成であり、
本遊技機は、前記設定値に応じて発生確率が変動し得る所定事象(第1BB当選データの設定、第2BB当選データの設定、第2RB当選データの設定)又は当該所定事象の発生に基づき発生する所定対応状況(第1BB入賞又は第2BB入賞の成立に基づくBB状態ST3、第2RB入賞の成立に基づくRB状態ST4)が前記第2区間において発生したことに基づいて前記特定特典を遊技者に付与する特定付与手段(主側MPU72におけるステップS2516~ステップS2520の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、遊技者の有利度に対応する複数段階の設定値の中から使用対象となる設定値が設定される構成であるため、遊技者はより有利な設定値が使用対象となっていることを期待することとなる。また、複数種類の遊技状態が存在しているとともにそれとは別に複数種類の遊技区間が存在していることにより遊技の進行内容を多様化させることが可能となる。また、第2区間は第1区間よりも特定特典が付与され易い構成であるとともに、第1区間及び第2区間はいずれも所定遊技状態及び他の遊技状態においても滞在し得る構成であるため、有利な遊技状態であって第2区間となることを期待しながら遊技者は遊技を行うこととなる。
この場合に、設定値に応じて発生確率が変動し得る所定事象又は当該所定事象の発生に基づき発生する所定対応状況が第2区間において発生したことに基づいて特定特典が遊技者に付与される。これにより、第2区間において所定事象又は所定対応状況が発生することを遊技者は期待することとなる。また、当該構成によれば特定特典の付与確率が所定事象の発生確率に影響を受けることとなるため、特定特典の付与確率を設定値に応じて直接的に変動させなくても、当該特定特典の付与確率を設定値に応じて間接的に変動させることが可能となる。
特徴A2.抽選処理を実行する抽選手段(主側MPU72における役の抽選処理を実行する機能)を備え、
前記所定事象は、前記抽選処理において所定抽選結果(第1BB当選データの設定、第2BB当選データの設定、第2RB当選データの設定)となることであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、第2区間において特定特典が付与されることを期待する遊技者は抽選処理において所定抽選結果となることを期待することとなる。よって、抽選処理の抽選結果に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。また、抽選処理において所定抽選結果となる確率が設定値に応じて変動することにより、第2区間において特定特典が付与される確率を設定値に応じて間接的に変動させることが可能となる。
特徴A3.前記抽選処理の実行に対応させて1ゲームの遊技が実行されるようにする遊技実行手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選処理の結果が前記所定抽選結果となったことに基づき、当該所定抽選結果となったゲームよりも後のゲームにおいて前記所定対応状況となるようにする手段(主側MPU72におけるボーナス用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定付与手段は、前記第2区間において前記所定対応状況であることに基づいて前記特定特典を遊技者に付与することを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、第2区間において抽選処理の抽選結果が所定抽選結果となったとしても特定特典が付与されることはなく、所定抽選結果となったゲームよりも後のゲームにおいて当該所定抽選結果を契機として発生する所定対応状況が第2区間において発生することに基づき特定特典が付与される。これにより、特定特典が付与されることを期待する遊技者は所定抽選結果となることに注目するだけではなく、当該所定抽選結果となったゲームよりも後のゲームで所定対応状況となった場合に第2区間であるか否かに注目することとなる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴A4.前記第2区間設定手段は、前記第1区間において前記所定抽選結果となったことを契機として前記所定対応状況が発生するとしても前記第2区間に設定しないことを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、第2区間において所定対応状況であることに基づいて特定特典が付与される構成において、第2区間において所定対応状況であるためには第2区間において所定抽選結果となりさらにその後のゲームで所定対応状況となった場合であっても第2区間に維持されている必要がある。よって、遊技者は第2区間の継続状況にも注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴A5.前記特定付与手段は、前記設定値に応じて発生確率が変動しない特定事象(第3BB当選データの設定、第4BB当選データの設定、第1RB当選データの設定)又は当該特定事象の発生に基づき発生する特定対応状況(第3BB入賞又は第4BB入賞の成立に基づくBB状態ST3、第1RB入賞の成立に基づくRB状態ST4)が前記第2区間において発生したことに基づいて前記特定特典を遊技者に付与することを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、設定値に応じて発生確率が変動しない特定事象又は当該特定事象の発生に基づき発生する特定対応状況が第2区間において発生した場合にも特定特典が遊技者に付与され得る。これにより、第2区間において特定特典が付与される確率に対する設定値の影響が顕著なものとなってしまわないようにすることが可能となる。
特徴A6.抽選処理を実行する抽選手段(主側MPU72における役の抽選処理を実行する機能)を備え、
前記所定事象は、前記抽選処理において所定抽選結果(第1BB当選データの設定、第2BB当選データの設定、第2RB当選データの設定)となることであり、
前記特定事象は、前記抽選処理において特定抽選結果(第3BB当選データの設定、第4BB当選データの設定、第1RB当選データの設定)となることであることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、第2区間において特定特典が付与されることを期待する遊技者は抽選処理において所定抽選結果又は特定抽選結果となることを期待することとなる。よって、抽選処理の抽選結果に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。また、抽選処理において所定抽選結果となる確率が設定値に応じて変動することにより、第2区間において特定特典が付与される確率を設定値に応じて間接的に変動させることが可能となる一方、抽選処理において特定抽選結果となる確率が設定値に応じて変動しないことにより、第2区間において特定特典が付与される確率に対する設定値の影響が顕著なものとなってしまわないようにすることが可能となる。
特徴A7.前記抽選処理の実行に対応させて1ゲームの遊技が実行されるようにする遊技実行手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選処理の結果が前記所定抽選結果となったことに基づき、当該所定抽選結果となったゲームよりも後のゲームにおいて前記所定対応状況となるようにする手段(主側MPU72におけるボーナス用処理を実行する機能)と、
前記抽選処理の結果が前記特定抽選結果となったことに基づき、当該特定抽選結果となったゲームよりも後のゲームにおいて前記特定対応状況となるようにする手段(主側MPU72におけるボーナス用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定付与手段は、前記第2区間において前記所定抽選結果となったことを契機とした前記所定対応状況であることに基づいて前記特定特典を遊技者に付与し、前記第2区間において前記特定抽選結果となったことを契機とした前記特定対応状況であることに基づいて前記特定特典を遊技者に付与することを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、第2区間において抽選処理の抽選結果が所定抽選結果又は特定抽選結果となったとしても特定特典が付与されることはなく、所定抽選結果又は特定抽選結果となったゲームよりも後のゲームにおいて当該所定抽選結果を契機として発生する所定対応状況又は当該特定抽選結果を契機として発生する特定対応状況が第2区間において発生することに基づき特定特典が付与される。これにより、特定特典が付与されることを期待する遊技者は所定抽選結果又は特定抽選結果となることに注目するだけではなく、当該所定抽選結果となったゲームよりも後のゲームで所定対応状況又は特定対応状況となった場合に第2区間であるか否かに注目することとなる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴A8.前記第2区間設定手段は、前記第1区間において前記所定対応状況が発生するとしても前記第2区間に設定しない一方、前記第1区間において前記特定対応状況が発生する場合には前記第2区間に設定することを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、第2区間において所定対応状況であることに基づいて特定特典が付与される構成において、第2区間において所定対応状況であるためには第2区間において所定抽選結果となりさらにその後のゲームで所定対応状況となった場合であっても第2区間に維持されている必要がある。よって、遊技者は第2区間の継続状況にも注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
その一方、第1区間において特定抽選結果となったとしてもそれを契機として第2区間に設定される。したがって、遊技区間が第1区間及び第2区間のいずれであっても特定抽選結果となれば第2区間において特定対応状況である状況となり、当該状況となったことに基づいて特定特典が遊技者に付与される。よって、遊技者は特定抽選結果となることを期待することとなる。
特徴A9.前記第2区間設定手段は、前記設定値に応じて発生確率が変動しない所定移行契機が発生したことに基づいて前記遊技区間を前記第2区間に設定することを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、第2区間の移行確率は設定値に応じて変動しない。これにより、特定特典が付与される確率に対する設定値の影響が顕著なものとなってしまわないようにすることが可能となる。
特徴A10.前記所定対応状況は遊技者に有利な特別遊技状態であることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、特別遊技状態の移行確率が設定値に応じて変動するとともに、当該移行確率の設定値に応じた変動に関連させて特定特典の付与確率も設定値に応じて変動することとなる。これにより、遊技者に有利な特別遊技状態の移行確率が高い設定値である場合には特定特典の付与確率も高いこととなり、高い設定値が選択されることに対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
特徴A11.遊技者の有利度に対応する複数段階の設定値の中から使用対象となる設定値を設定する設定手段(主側MPU72における当選確率設定処理を実行する機能)と、
有利度が相違する複数種類の遊技状態(通常遊技状態ST1、ボーナス内部状態ST2、BB状態ST3、RB状態ST4)の間で遊技状態を移行させる状態移行手段(主側MPU72における遊技終了時の対応処理を実行する機能)と、
遊技区間を第1区間(通常区間SC1)に設定する第1区間設定手段(主側MPU72におけるステップS1807、ステップS1814及びステップS1821の処理を実行する機能)と、
前記遊技区間を第2区間(有利区間SC2)に設定する第2区間設定手段(主側MPU72におけるステップS1307及びステップS2504の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2区間は前記第1区間において発生しない特定特典(ART状態ST9への移行)が遊技者に付与され得る、又は前記第2区間は前記第1区間よりも特定特典が遊技者に付与され易い構成であり、
前記第1区間及び前記第2区間はいずれも前記複数種類の遊技状態のうち所定遊技状態において滞在し得る構成であって、前記複数種類の遊技状態のうち他の遊技状態においても滞在し得る構成であり、
本遊技機は、前記設定値に応じて発生確率が変動しない特定事象(第3BB当選データの設定、第4BB当選データの設定、第1RB当選データの設定)又は当該特定事象の発生に基づき発生する特定対応状況(第3BB入賞又は第4BB入賞の成立に基づくBB状態ST3、第1RB入賞の成立に基づくRB状態ST4)が前記第2区間において発生したことに基づいて前記特定特典を遊技者に付与する特定付与手段(主側MPU72におけるステップS2516~ステップS2520の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A11によれば、遊技者の有利度に対応する複数段階の設定値の中から使用対象となる設定値が設定される構成であるため、遊技者はより有利な設定値が使用対象となっていることを期待することとなる。また、複数種類の遊技状態が存在しているとともにそれとは別に複数種類の遊技区間が存在していることにより遊技の進行内容を多様化させることが可能となる。また、第2区間は第1区間よりも特定特典が付与され易い構成であるとともに、第1区間及び第2区間はいずれも所定遊技状態及び他の遊技状態においても滞在し得る構成であるため、有利な遊技状態であって第2区間となることを期待しながら遊技者は遊技を行うこととなる。
この場合に、設定値に応じて発生確率が変動しない特定事象又は当該特定事象の発生に基づき発生する特定対応状況が第2区間において発生したことに基づいて特定特典が遊技者に付与される。これにより、第2区間において特定事象又は特定対応状況が発生することを遊技者は期待することとなる。また、当該構成によれば特定特典の付与確率に対する設定値の影響を抑えながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴A1~A11の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.第1区間(通常区間SC1)よりも遊技者に有利な第2区間(有利区間SC2)に遊技区間を設定する区間設定手段(主側MPU72におけるステップS1307及びステップS2504の処理を実行する機能)と、
前記第2区間にて実行されたゲーム数が上限ゲーム数となったことに基づいて当該第2区間を終了させる区間終了手段(主側MPU72におけるステップS1807の処理を実行する機能)と、
前記第2区間にて実行されたゲーム数が前記上限ゲーム数よりも少ないゲーム数として設定された終了前ゲーム数となったことに基づいて、終了前演出(エンディング演出)が実行されるようにする終了前演出実行手段(主側MPU72におけるステップS4205の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS4303の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、第2区間にて実行されたゲーム数が上限ゲーム数となったことに基づいて当該第2区間が終了されることにより、遊技者に有利な第2区間が過剰に継続してしまわないようにすることが可能となる。この場合に、第2区間にて実行されたゲーム数が上限ゲーム数よりも少ないゲーム数として設定された終了前ゲーム数となったことに基づいて終了前演出が実行される。これにより、第2区間が終了に近付いていることを遊技者に認識させることが可能となる。また、終了前演出を確認したいと遊技者に思わせることにより第2区間を継続させることへの意欲を高めることが可能となり、さらには実際に終了前演出が実行された場合に遊技者に満足感を与えることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴B2.増加契機が発生して前記第2区間の継続ゲーム数が増加されたことに基づき当該第2区間にて実行されたゲーム数が前記上限ゲーム数に到達し得る構成であることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、第2区間にて実行されたゲーム数が上限ゲーム数に到達し得る状況となったことの特典として終了前演出が実行される。これにより、終了前演出が実行された場合に遊技者に満足感を与えることが可能となる。
特徴B3.前記終了前演出実行手段は、前記第2区間の残りの継続ゲーム数が当該第2区間にて実行されたゲーム数が前記上限ゲーム数に到達することを可能とするゲーム数である状況において、当該第2区間にて実行されたゲーム数が前記終了前ゲーム数となったことに基づいて、前記終了前演出が実行されるようにすることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、第2区間にて実行されるゲーム数が上限ゲーム数に到達することが確定している状況において終了前演出が実行されるため、終了前演出が実行されたにも関わらず第2区間にて実行されたゲーム数が上限ゲーム数に到達しないという事象が発生しないようにすることが可能となる。
特徴B4.前記第2区間において滞在し得る遊技状態として複数種類の遊技状態が存在しており、
前記終了前演出実行手段は、遊技者に有利な所定の遊技状態(BB状態ST3、RB状態ST4、準備状態ST8、ART状態ST9)である状況において、前記第2区間にて実行されたゲーム数が前記終了前ゲーム数となったことに基づいて、前記終了前演出が実行されるようにすることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、第2区間であって遊技者に有利な所定の遊技状態である状況において終了前演出が実行されるため、終了前演出が実行された場合に遊技者に満足感を与えることが可能となる。
特徴B5.遊技者に有利な特別遊技状態(BB状態ST3、RB状態ST4)を発生させる状態発生手段(主側MPU72におけるボーナス用処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態において特別演出(BB演出)が実行されるようにする特別演出実行手段(演出側MPU92におけるステップS3520及びステップS4405の処理を実行する機能)と、
前記終了前演出が実行されている状況において前記特別遊技状態が発生した場合、前記特別演出を開始させずに当該終了前演出を継続させる演出継続手段(演出側MPU92におけるステップS4409及びステップS4413の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、終了前演出が実行されている状況において特別遊技状態が発生した場合には特別演出の開始よりも終了前演出の継続が優先されることにより、終了前演出の実行を担保することが可能となる。
特徴B6.前記演出継続手段は、前記特別遊技状態が終了していない状況において前記終了前演出が終了した場合、前記特別演出が開始されるようにする手段(演出側MPU92におけるステップS4404にて肯定判定をする機能)を備えていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、終了前演出の継続が優先される構成であっても、特別演出が実行される機会を担保することが可能となる。
特徴B7.前記演出継続手段は、前記特別遊技状態が終了していない状況において前記第2区間にて実行されたゲーム数が前記上限ゲーム数となった場合、前記終了前演出を継続させる手段(演出側MPU92におけるステップS4409の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B5又はB6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、遊技者にとって有利な第2区間が終了したとしても遊技者にとって有利な特別遊技状態が継続される場合に終了前演出が継続されることにより、遊技者にとって有利な状況が継続している期間を利用して終了前演出を延長させることが可能となる。また、第2区間の終了後に特別遊技状態が継続している状況を第2区間が継続している状況であると遊技者に認識させることが可能となる。
特徴B8.前記第2区間にて実行されたゲーム数が前記上限ゲーム数となった場合、遊技者の操作に基づく通常の遊技の進行が停止される進行停止状態に設定する進行停止手段(主側MPU72におけるステップS4506及びステップS4509の処理を実行する機能)を備え、
当該進行停止手段は、前記特別遊技状態が終了していない状況において前記第2区間にて実行されたゲーム数が前記上限ゲーム数となったことで前記終了前演出が継続される場合、前記進行停止状態に設定しないことを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、第2区間にて実行されたゲーム数が上限ゲーム数となった場合に進行停止状態となることで第2区間が終了することを遊技者に明確に認識させることが可能となる。この場合に、第2区間の終了後に特別遊技状態が継続することに伴って終了前演出が継続される場合には第2区間の終了に際して進行停止状態とならない。これにより、終了前演出が継続される場合において当該終了前演出の流れが進行停止状態によって阻害されてしまわないようにすることが可能となる。また、第2区間の終了後に特別遊技状態が継続している状況を第2区間が継続している状況であると遊技者に認識させ易くなる。
特徴B9.前記演出継続手段は、
前記特別遊技状態が終了するまでに要すると想定されるゲーム数が相対的に長いゲーム数である状況において前記第2区間にて実行されたゲーム数が前記上限ゲーム数となった場合、前記終了前演出が終了した後に前記特別演出が開始されるようにする手段(演出側MPU92におけるステップS4404にて肯定判定をする機能)と、
前記特別遊技状態が終了するまでに要すると想定されるゲーム数が相対的に短いゲーム数である状況において前記第2区間にて実行されたゲーム数が前記上限ゲーム数となった場合、前記終了前演出を継続させる手段(演出側MPU92におけるステップS4409の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B5乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B9によれば、特別遊技状態が終了するまでに要すると想定されるゲーム数に応じて、終了前演出が終了した後に特別演出が開始される状況と終了前演出が継続される状況とを生じさせることが可能となる。
特徴B10.前記特別遊技状態が開始される場合又は終了される場合、遊技者の操作に基づく通常の遊技の進行が停止される進行停止状態に設定する進行停止手段(主側MPU72におけるステップS2414及びステップS2709の処理を実行する機能)を備え、
当該進行停止手段は、前記終了前演出が実行されている状況において前記特別遊技状態が開始された場合又は終了された場合、前記進行停止状態に設定しないことを特徴とする特徴B5乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B10によれば、特別遊技状態が開始される場合又は終了される場合に進行停止状態に設定されることにより特別遊技状態が開始されること又は終了されることを遊技者に明確に認識させることが可能となる。この場合に、終了前演出が実行されている状況において特別遊技状態が開始された場合又は終了された場合には進行停止状態に設定されないことにより、終了前演出の流れが特別遊技状態に起因した進行停止状態によって阻害されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴B11.有利度が相違する複数種類の遊技状態(通常遊技状態ST1、ボーナス内部状態ST2、BB状態ST3、RB状態ST4)の間で遊技状態を移行させる状態移行手段(主側MPU72における遊技終了時の対応処理を実行する機能)を備え、
前記第2区間は前記第1区間において発生しない特定特典(ART状態ST9への移行)が遊技者に付与され得る、又は前記第2区間は前記第1区間よりも特定特典が遊技者に付与され易い構成であり、
前記第1区間及び前記第2区間はいずれも前記複数種類の遊技状態のうち所定遊技状態において滞在し得る構成であって、前記複数種類の遊技状態のうち他の遊技状態においても滞在し得る構成であることを特徴とする特徴B1乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B11によれば、複数種類の遊技状態が存在しているとともにそれとは別に複数種類の遊技区間が存在していることにより遊技の進行内容を多様化させることが可能となる。また、第2区間は第1区間よりも特定特典が付与され易い構成であるとともに、第1区間及び第2区間はいずれも所定遊技状態及び他の遊技状態においても滞在し得る構成であるため、有利な遊技状態であって第2区間となることを期待しながら遊技者は遊技を行うこととなる。
なお、特徴B1~B11の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群及び上記特徴B群の各発明によれば以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴C群>
特徴C1.取得契機が発生した場合に抽選情報を取得する取得手段(主側MPU72における乱数取得処理を実行する機能)と、
遊技状況に対応する抽選情報群(通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル、第2RTモード用抽選テーブル)と前記取得手段が取得した前記抽選情報とを利用して当選判定を実行する当選判定手段(主側MPU72におけるステップS503~ステップS513の処理を実行する機能)と、
前記当選判定の結果に対応する入賞が成立した場合、入賞対応制御を実行する入賞対応制御手段(主側MPU72におけるステップS410及びステップS411の処理を実行する機能)と、
を備え、
一の遊技状況に対応する前記抽選情報群は、
複数の識別情報(インデックス値IV)と、
当該識別情報に対応させて設定され、対応する前記識別情報に前記取得手段により取得された前記抽選情報が対応しているか否かを前記当選判定手段にて特定可能とするための抽選対応情報(ポイント値PV)と、
を有しており、
前記当選判定手段は、
前記抽選対応情報を利用することにより所定の前記抽選情報群において前記抽選情報に対応する前記識別情報を把握する第1把握手段(主側MPU72におけるステップS604、ステップS607、ステップS612及びステップS702の処理を実行する機能)と、
当該第1把握手段により把握された前記識別情報に対応する情報であってその後の制御に際して参照される情報である当選情報(当選番号)を把握する第2把握手段(主側MPU72におけるステップS704の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、抽選情報群を利用することで抽選情報に対応する識別情報を把握した後に、当該識別情報に対応する当選情報を把握し、その把握した当選情報を利用して当選判定後における制御が実行される。これにより、抽選情報群においては識別情報の把握に際して適切な態様で識別情報を配列させ、当選判定の後の制御に際しては当該制御において利用し易い当選情報を利用することが可能となる。よって、抽選処理を好適に行うことが可能となる。
特徴C2.前記当選情報は連番の情報として設定されていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、当選情報は連番の情報として設定されているため、当選判定の後の制御において当選判定の結果を把握するための処理を好適に行うことが可能となる。
特徴C3.前記当選情報のうち所定の当選情報は複数の当選対象情報(当選データ)と対応しており、
前記第2把握手段により前記所定の当選情報が把握される状況においては、前記複数の当選対象情報のそれぞれに対応する前記入賞のうちいずれかの前記入賞が成立し得ることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、当選対象情報そのものとは異なる当選情報が当選判定の後の制御において利用されるため、当該制御を行うための処理構成を簡素化することが可能となる。
特徴C4.遊技者の有利度に対応する複数段階の設定値の中から使用対象となる設定値を設定する設定手段(主側MPU72における当選確率設定処理を実行する機能)を備え、
所定の前記抽選情報群は、前記設定値に応じて当選確率が変動する前記識別情報が集約された第1集約範囲(通常モード用抽選テーブルであればインデックス値IV=17~22、第1RTモード用抽選テーブルであればインデックス値IV=23~28、第2RTモード用抽選テーブルであればインデックス値IV=18~23)と、前記設定値に応じて当選確率が変動しない前記識別情報が集約された第2集約範囲(通常モード用抽選テーブルであればインデックス値IV=1~16、第1RTモード用抽選テーブルであればインデックス値IV=1~22、第2RTモード用抽選テーブルであればインデックス値IV=1~17)と、が設定されていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、所定の抽選情報群は設定値に応じて当選確率が変動するか否かにより識別情報が第1集約範囲と第2集約範囲とで区別されていることにより、遊技機の設計段階や遊技機の使用段階などにおける所定の抽選情報群のチェックを行い易くなる。また、このように第1集約範囲と第2集約範囲とで識別情報が区別されている構成であっても、当選判定に際して識別情報に対応する当選情報が把握されることにより、当選判定の後の制御においては当該制御において好ましい態様となった当選情報を利用することが可能となる。
特徴C5.前記入賞の種類として、前記入賞対応制御として遊技媒体の付与が行われる種類と、前記入賞対応制御としてゲームの再実行を可能とする種類と、が少なくとも存在しており、
所定の種類の前記入賞を可能とする前記識別情報が前記第1集約範囲及び前記第2集約範囲の両方に存在していることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、所定の抽選情報群においては所定の種類の入賞を可能とする識別情報が第1集約範囲と第2集約範囲とで分散して設定されている構成であっても、当選情報においては所定の種類の入賞を可能とする情報を集約させることが可能となる。
特徴C6.前記識別情報と前記当選情報との対応関係を定めた対応関係情報群(オフセットテーブル111)を予め記憶した情報記憶手段(主側ROM73)を備え、
前記第2把握手段は、前記対応関係情報群を利用することにより、前記第1把握手段により把握された前記識別情報に対応する前記当選情報を把握することを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、識別情報と当選情報との対応関係が対応関係情報群において予め設定されていることにより、識別情報から当選情報を把握するための処理負荷を軽減することが可能となる。
特徴C7.第1遊技状況において使用対象となる前記抽選情報群(通常モード用抽選テーブル)に設定された第1識別情報(例えば通常モード用抽選テーブルのインデックス値IV=17)と第2遊技状況(第1RTモード用抽選テーブル)において使用対象となる前記抽選情報群に設定された第2識別情報(例えば第1RTモード用抽選テーブルのインデックス値IV=23)とは、識別情報の内容は異なるものの成立可能となる入賞が同一となる識別情報であり、
前記第2把握手段は、前記第1把握手段により前記第1識別情報が把握された場合及び前記第1把握手段により前記第2識別情報が把握さた場合のいずれであっても、同一の前記当選情報(例えば「5」の当選番号)を把握することを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C7によれば、第1遊技状況に対応する抽選情報群と第2遊技状況に対応する抽選情報群とでそれぞれにとって好ましい態様で識別情報を設定することが可能となる。また、このように各抽選情報群において好ましい態様で識別情報が設定されている構成であっても、それら抽選情報群において成立可能となる入賞が同一となるものの異なる識別情報については同一の当選情報として把握されるため、当選判定の後の制御においては当該制御において好ましい態様となった当選情報を利用することが可能となる。
なお、特徴C1~C7の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴C群の発明によれば以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては抽選を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴D群>
特徴D1.抽選処理を実行する抽選手段(主側MPU72における役の抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選処理の実行に対応させて1ゲームの遊技が実行されるようにする遊技実行手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技区間を第1区間(通常区間SC1)に設定する第1区間設定手段(主側MPU72におけるステップS1807、ステップS1814及びステップS1821の処理を実行する機能)と、
前記遊技区間を第2区間(有利区間SC2)に設定する第2区間設定手段(主側MPU72におけるステップS1307及びステップS2504の処理を実行する機能)と、
前記抽選処理において所定抽選結果(第1BB当選データの設定、第2BB当選データの設定、第2RB当選データの設定)となったことに基づき、当該所定抽選結果となったゲームよりも後のゲームにおいて所定対応状況(第1BB入賞又は第2BB入賞の成立に基づくBB状態ST3、第2RB入賞の成立に基づくRB状態ST4)となるようにする所定対応手段(主側MPU72におけるボーナス用処理を実行する機能)と、
前記第2区間において前記所定抽選結果となったことを契機とした前記所定対応状況であることに基づいて特定特典(ART状態ST9への移行)を遊技者に付与する特定付与手段(主側MPU72におけるステップS2516~ステップS2520の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、第2区間において抽選処理の抽選結果が所定抽選結果となったとしても特定特典が付与されることはなく、所定抽選結果となったゲームよりも後のゲームにおいて当該所定抽選結果を契機として発生する所定対応状況が第2区間において発生することに基づき特定特典が付与される。これにより、特定特典が付与されることを期待する遊技者は所定抽選結果となることに注目するだけではなく、当該所定抽選結果となったゲームよりも後のゲームで所定対応状況となった場合に第2区間であるか否かに注目することとなる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴D2.前記第2区間設定手段は、前記第1区間において前記所定抽選結果となったことを契機として前記所定対応状況が発生するとしても前記第2区間に設定しないことを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、第2区間において所定対応状況であることに基づいて特定特典が付与される構成において、第2区間において所定対応状況であるためには第2区間において所定抽選結果となりさらにその後のゲームで所定対応状況となった場合であっても第2区間に維持されている必要がある。よって、遊技者は第2区間の継続状況にも注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴D3.前記抽選処理において特定抽選結果(第3BB当選データの設定、第4BB当選データの設定、第1RB当選データの設定)となったことに基づき、当該特定抽選結果となったゲームよりも後のゲームにおいて特定対応状況(第3BB入賞又は第4BB入賞の成立に基づくBB状態ST3、第1RB入賞の成立に基づくRB状態ST4)となるようにする特定対応手段(主側MPU72におけるボーナス用処理を実行する機能)を備え、
前記特定付与手段は、前記第2区間において前記特定抽選結果となったことを契機とした前記特定対応状況であることに基づいて前記特定特典を付与し、
前記第2区間設定手段は、前記特定抽選結果となったことを契機とした前記特定対応状況においては前記第2区間であるようにすることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、特定抽選結果となったことに基づき特定対応状況となる場合、当該特定対応状況においては第2区間であり、第2区間において特定対応状況であることに基づいて特定特典が遊技者に付与される。これにより、遊技者は所定抽選結果となることを期待するだけではなく所定抽選結果となることよりも特定抽選結果となることを期待することとなる。よって、期待する対象が段階的なものとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴D4.前記特定付与手段は、前記所定抽選結果となったことを契機とした前記所定対応状況の最初のゲームが前記第2区間において開始されることに基づいて前記特定特典を遊技者に付与することを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D4によれば、所定対応状況の最初のゲームが第2区間において開始されることに基づき特定特典が遊技者に付与されるため、第2区間である状況において所定抽選結果となった場合には早期に所定対応状況が発生することを遊技者は期待することとなる。
特徴D5.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
を備え、
前記遊技実行手段は、前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づき前記1ゲームの開始として前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御するものであり、
前記所定対応手段は、前記抽選処理にて前記所定抽選結果となった場合における前記絵柄の変動表示後に、当該所定抽選結果に対応する所定停止結果が表示されている場合に、当該所定停止結果が表示されたゲームの次のゲームから前記所定対応状況が開始されるようにし、
前記所定停止結果は前記停止操作手段の操作態様によっては表示されない停止結果であり、
前記抽選処理にて前記所定抽選結果となった場合において前記所定停止結果が表示されなかった場合、前記所定抽選結果となったことが当該ゲームの次のゲームに持ち越されることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D5によれば、所定抽選結果となったとしても所定停止結果の表示を可能とする操作態様で停止操作が行われないと所定対応状況は開始されない。この場合に、第2区間において所定抽選結果となったとしても特定特典は付与されることはなく所定抽選結果となったゲームよりも後のゲームで開始される所定対応状況において第2区間であることに基づいて特定特典が付与される。したがって、所定抽選結果となった場合に早期に所定停止結果を表示させることが可能な遊技者の方が、第2区間において所定対応状況である事象が発生し易くなり、それに伴って特定特典が付与され易くなる。その一方、所定抽選結果となった場合において所定停止結果が表示されなかった場合には所定抽選結果となったことが当該ゲームの次のゲームに持ち越されるため、所定抽選結果となった場合に早期に所定停止結果を表示させることができない遊技者が過剰な不利益を受けてしまわないようにすることが可能となる。
特徴D6.前記第2区間において第2区間対応演出(有利維持演出)を実行する第2区間演出制御手段(演出側MPU92における有利維持区間用の演出制御処理を実行する機能)を備え、
当該第2区間演出制御手段は、前記第2区間の最終ゲームにおいて前記所定抽選結果が発生している場合、当該最終ゲームにおいて前記第2区間対応演出が実行されないようにすることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D6によれば、第2区間の最終ゲームにおいて所定抽選結果となり所定対応状況となる契機が発生したとしても所定対応状況では第2区間が終了しているため、特定特典が付与されない。これに対して、第2区間の最終ゲームにおいて所定抽選結果となった場合、当該最終ゲームにおいて第2区間対応演出が実行されない。これにより、第2区間に対応する第2区間対応演出が実行されている状況において所定抽選結果が発生しており所定対応状況となる契機が発生したにも関わらず特定特典が付与されなかったという印象を遊技者に与えづくなる。
特徴D7.前記抽選処理において特定抽選結果(第3BB当選データの設定、第4BB当選データの設定、第1RB当選データの設定)となったことに基づき、当該特定抽選結果となったゲームよりも後のゲームにおいて特定対応状況(第3BB入賞又は第4BB入賞の成立に基づくBB状態ST3、第1RB入賞の成立に基づくRB状態ST4)となるようにする特定対応手段(主側MPU72におけるボーナス用処理を実行する機能)を備え、
前記特定付与手段は、前記第2区間において前記特定抽選結果となったことを契機とした前記特定対応状況であることに基づいて前記特定特典を付与し、
前記第2区間設定手段は、前記第1区間において前記所定抽選結果となったことを契機として前記所定対応状況が発生するとしても前記第2区間に設定しない構成であって、前記特定抽選結果となったことを契機とした前記特定対応状況においては前記第2区間であるようにする構成であり、
前記第2区間演出制御手段は、前記第2区間の最終ゲームにおいて前記抽選処理において前記特定抽選結果となったとしても当該最終ゲームにおいて前記第2区間対応演出が実行されるようにすることを特徴とする特徴D6に記載の遊技機。
特徴D7によれば、特定抽選結果となったことに基づき特定対応状況となる場合、当該特定対応状況においては第2区間であり、第2区間において特定対応状況であることに基づいて特定特典が遊技者に付与される。これにより、遊技者は所定抽選結果となることを期待するだけではなく所定抽選結果となることよりも特定抽選結果となることを期待することとなる。よって、期待する対象が段階的なものとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。この場合に、第2区間の最終ゲームにおいて特定抽選結果となったとしても当該最終ゲームにおいて第2区間対応演出が実行される。これにより、第2区間対応演出が実行されている状況で特定対応状況となる契機が発生して特定特典が付与される機会を多くすることが可能となり、第2区間対応演出に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴D8.前記所定対応状況は遊技者に有利な特別遊技状態であることを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D8によれば、第2区間において特別遊技状態であることに基づいて特定特典が付与されることにより、遊技者に有利な特別遊技状態が発生した場合にさらに特定特典が付与され得ることとなる。よって、第2区間において特別遊技状態であることに対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
特徴D9.有利度が相違する複数種類の遊技状態(通常遊技状態ST1、ボーナス内部状態ST2、BB状態ST3、RB状態ST4)の間で遊技状態を移行させる状態移行手段(主側MPU72における遊技終了時の対応処理を実行する機能)を備え、
前記第2区間は前記第1区間において発生しない特定特典(ART状態ST9への移行)が遊技者に付与され得る、又は前記第2区間は前記第1区間よりも特定特典が遊技者に付与され易い構成であり、
前記第1区間及び前記第2区間はいずれも前記複数種類の遊技状態のうち所定遊技状態において滞在し得る構成であって、前記複数種類の遊技状態のうち他の遊技状態においても滞在し得る構成であることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D9によれば、複数種類の遊技状態が存在しているとともにそれとは別に複数種類の遊技区間が存在していることにより遊技の進行内容を多様化させることが可能となる。また、第2区間は第1区間よりも特定特典が付与され易い構成であるとともに、第1区間及び第2区間はいずれも所定遊技状態及び他の遊技状態においても滞在し得る構成であるため、有利な遊技状態であって第2区間となることを期待しながら遊技者は遊技を行うこととなる。
なお、特徴D1~D9の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.第1区間(通常区間SC1)よりも遊技者に有利な第2区間(有利区間SC2)に遊技区間を設定する区間設定手段(主側MPU72におけるステップS1307及びステップS2504の処理を実行する機能)と、
複数ゲームに亘って継続し終了後に特典(ART状態ST9への移行)が付与される第1期待状態(本前兆状態ST6)に設定する第1状態設定手段(主側MPU72におけるステップS2014の処理を実行する機能)と、
複数ゲームに亘って継続し終了後に前記特典が付与されない第2期待状態(偽前兆状態ST5)に設定する第2状態設定手段(主側MPU72におけるステップS2024の処理を実行する機能)と、
前記第1期待状態及び前記第2期待状態の各ゲームにおいて前記特典が付与されることを遊技者に期待させることを可能とする期待演出が行われるようにする期待演出制御手段(演出側MPU92におけるステップS2204、ステップS2205、ステップS2210及びステップS2223の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記区間設定手段は、前記第2期待状態において前記第2区間であるようにする手段(主側MPU72におけるステップS1302及びステップS1307の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、第2区間においては第1区間よりも有利となるため遊技者は遊技区間が第2区間となることを期待しながら遊技を行うこととなる。また、第1期待状態又は第2期待状態となることにより各ゲームにおいて特典付与の発生を遊技者に期待させることを可能とする期待演出が実行されることにより、期待演出を確認した遊技者は特典の付与を期待することとなり遊技の興趣向上が図られる。また、終了後に特典が付与される第1期待状態だけでなく終了後に特典が付与されない第2期待状態が存在していることにより、実際に特典が付与されない状況であっても複数ゲームに亘り期待演出が実行されるため、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
この場合に、第2期待状態においては遊技区間が第2区間に設定される。これにより、終了後に特典が付与されない第2期待状態であったとしても遊技区間に関しては第1区間よりも遊技者に有利な第2区間となる。よって、終了後に特典が付与されない第2期待状態であっても実質的に遊技者にとって有利な遊技状態とすることが可能となるため、第1期待状態だけではなく第2期待状態に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴E2.前記区間設定手段は、前記第1期待状態において前記第2区間であるようにする手段(主側MPU72におけるステップS1302及びステップS1307の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、第1期待状態及び第2期待状態のいずれであっても第2区間に設定されるため、複数ゲームに亘って期待演出が行われる状況となった場合には第1区間よりも有利な第2区間であることになる。したがって、複数ゲームに亘って期待演出が行われる状況となることに遊技者を期待させることが可能となる。
特徴E3.前記第1状態設定手段は、前記第1期待状態ではない遊技状態において第1所定契機が発生したことに基づいて当該第1期待状態を開始させる第1開始手段(主側MPU72におけるステップS2014、ステップS2016及びステップS2017の処理を実行する機能)を備え、
当該第1開始手段は、前記第2期待状態において前記第1所定契機が発生したことに基づいて前記第1期待状態を開始させることを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、第2期待状態において第1所定契機が発生したことに基づいて第1期待状態が開始されるため、第2期待状態においては第1所定契機が発生することを遊技者は期待することとなる。よって、第2期待状態における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴E4.前記第2区間において有利付与契機が発生したことに基づいて遊技者に前記特典又は別の特典を付与し、前記第1区間において前記有利付与契機が発生したとしてもその特典を付与しない手段(主側MPU72におけるステップS1309~ステップS1319の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E4によれば、第2区間において有利付与契機が発生したことに基づいて遊技者に特典又は別の特典が付与されるため、第2区間に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。この場合に、上記特徴E1の構成を備え第2期待状態においては第2区間に設定されるため、第2期待状態に対する遊技者の注目度を高めることが可能となるとともに、第2期待状態においては有利付与契機が発生することに遊技者を期待させることが可能となる。
特徴E5.前記第2区間において有利付与契機が発生したことに基づいて遊技者に有利であって当該第2区間が維持される有利遊技状態(準備状態ST8、ART状態ST9)に遊技状態を移行させる有利移行手段(主側MPU72におけるステップS2001~ステップS2022の処理を実行する機能)と、
前記第2区間において実行されたゲーム数が上限ゲーム数となったことに基づいて当該第2区間を終了させる区間終了手段(主側MPU72におけるステップS1807の処理を実行する機能)と、
を備え、
当該区間終了手段は、前記第2期待状態において前記有利遊技状態への移行が発生した場合、前記第2期待状態において実行されたゲーム数と前記有利遊技状態において実行されたゲーム数との和が前記上限ゲーム数となった場合には前記第2区間を終了させることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E5によれば、第2区間において実行されたゲーム数が上限ゲーム数となったことに基づいて第2区間が終了されるため、有利な第2区間が過剰に継続してしまわないようにすることが可能となる。この場合に、第2期待状態において有利遊技状態への移行が発生した場合、第2期待状態において実行されたゲーム数と有利遊技状態において実行されたゲーム数との和が上限ゲーム数となった場合には第2区間が終了される。これにより、第2期待状態において第2区間のメリットを得られるようにしたことに対して、第2区間の上限ゲーム数に関しては第2期待状態が継続することのデメリットを生じさせるようにすることが可能となる。
特徴E6.前記第2期待状態が終了するまでに有利事象が所定回数発生した場合には当該第2期待状態が終了する場合に前記第2区間を終了させ、前記第2期待状態が終了したとしても前記有利事象が前記所定回数発生するまでは前記第2区間を継続させる手段(主側MPU72におけるステップS1812~ステップS1815の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E6によれば、第2期待状態が終了するまでに有利事象が所定回数発生している場合には当該第2期待状態が終了する場合に第2区間が終了される一方、第2期待状態が終了したとしても有利事象が所定回数発生していない場合には第2区間が継続される。これにより、第2区間となった場合には有利事象が所定回数発生することが担保されることとなり第2区間の有利度を確保することが可能となるとともに、当該有利事象の発生態様に応じて第2期待状態の終了タイミングに対する第2区間の終了タイミングを多様化させることが可能となる。
特徴E7.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいて抽選処理を実行する抽選手段(主側MPU72におけるステップS501~ステップS508の処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づき前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記絵柄の変動表示後に、前記抽選処理にて当選となった当選結果に対応した停止結果が表示されている場合に、当選結果対応の入賞の成立として当該当選結果対応の制御を実行する対応実行手段(主側MPU72におけるステップS410の処理を実行する機能)と、
を備え、
当該対応実行手段は、前記抽選処理にて付与当選結果(当選番号=1~3)となり前記絵柄の変動表示後に当該付与当選結果に対応した付与対応停止結果が表示されている場合に付与対応の入賞の成立として遊技者に所定数の遊技媒体を付与し、
前記付与対応停止結果は、前記抽選処理にて前記付与当選結果となった場合において付与対応態様で前記停止操作手段が操作された場合に表示される結果であり、
本遊技機は、前記第2区間において前記抽選処理にて前記付与当選結果となった場合、前記付与対応態様を報知する手段(主側MPU72における報知制御処理を実行する機能、演出側MPU92における報知用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E7によれば、第2区間においては付与当選結果となった場合に付与対応態様が報知されることにより付与対応の入賞の成立に対応する遊技媒体が付与される。これにより、第2区間を有利な区間とすることが可能となる。
なお、特徴E1~E7の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴F群>
特徴F1.第1区間(通常区間SC1)よりも遊技者に有利な第2区間(有利区間SC2)に遊技区間を設定する区間設定手段(主側MPU72におけるステップS1307及びステップS2504の処理を実行する機能)と、
前記第2区間において遊技者に有利な有利遊技状態(ART状態ST9)に滞在させる有利設定手段(主側MPU72におけるステップS2008、ステップS2021及びステップS2808の処理を実行する機能)と、
前記第2区間において実行されたゲーム数が上限ゲーム数となったことに基づいて当該第2区間を終了させる区間終了手段(主側MPU72におけるステップS1807の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記有利設定手段は、前記第2区間において実行されたゲーム数が前記上限ゲーム数となったことに基づいて当該第2区間が終了する場合、前記有利遊技状態を終了させるものであり、
前記区間設定手段は、前記第2区間において実行されたゲーム数が前記上限ゲーム数となる前に前記有利遊技状態が終了したことに基づいて、その後も前記第2区間が継続する第2区間継続状況(有利維持区間)となるようにする区間継続手段(主側MPU72におけるステップS3408の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、第2区間にて実行されたゲーム数が上限ゲーム数となったことに基づいて当該第2区間が終了されることにより、遊技者に有利な第2区間が過剰に継続してしまわないようにすることが可能となる。また、第2区間において実行されたゲーム数が上限ゲーム数となったことに基づいて第2区間が終了する場合には有利遊技状態も終了することとなるため、有利遊技状態を第2区間において滞在可能な遊技状態とすることが可能となる。
この場合に、第2区間において実行されたゲーム数が上限ゲーム数となる前に有利遊技状態が終了した場合、その後も第2区間が継続する第2区間継続状況となり得る。これにより、有利遊技状態が終了した後も第2区間継続状況となることを遊技者に期待させることが可能となり遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴F2.前記区間継続手段は、前記第2区間継続状況において実行されたゲーム数が継続終了ゲーム数となった場合に前記第2区間を終了させることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、第2区間継続状況の終了契機を遊技者にとって明確なものとすることが可能となる。
特徴F3.前記区間継続手段は、前記第2区間において実行されたゲーム数が前記上限ゲーム数よりも少ないゲーム数として設定された継続可能ゲーム数以下である状況で前記有利遊技状態が終了したことに基づいて、前記第2区間継続状況となるようにすることを特徴とする特徴F1又はF2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、第2区間において実行されたゲーム数が上限ゲーム数間近であるにも関わらず第2区間継続状況が発生してしまわないようにすることが可能となる。
特徴F4.前記区間継続手段は、前記第2区間継続状況において実行されたゲーム数が継続終了ゲーム数となった場合に前記第2区間を終了させるものであり、
前記上限ゲーム数に対する前記継続可能ゲーム数の差が、前記継続終了ゲーム数以上であることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
特徴F4によれば、第2区間継続状況の終了契機を遊技者にとって明確なものとすることが可能となるとともに、第2区間継続状況の途中で第2区間において実行されたゲーム数が上限ゲーム数に到達してしまわないようにすることが可能となる。
特徴F5.前記有利設定手段は、前記第2区間継続状況において有利移行契機が発生したことに基づいて前記有利遊技状態に移行させることを特徴とする特徴F1乃至F4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F5によれば、第2区間継続状況において有利移行契機が発生したことに基づいて有利遊技状態に再度移行することとなるため、第2区間継続状況に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴F6.前記区間終了手段は、前記有利遊技状態が終了して前記第2区間継続状況となった場合において当該第2区間継続状況にて前記有利遊技状態への再度の移行が発生した場合、当該再度の移行が発生するまでの前記第2区間にて実行されたゲーム数と当該再度の移行による前記有利遊技状態にて実行されたゲーム数との和が前記上限ゲーム数となった場合に前記第2区間を終了させることを特徴とする特徴F5に記載の遊技機。
特徴F6によれば、第2区間継続状況において有利移行契機が発生したことに基づいて有利遊技状態に再度移行する構成であっても、第2区間が過剰に継続してしまわないようにすることが可能となる。
特徴F7.前記有利移行契機の発生は、遊技者に有利な特別遊技状態(BB状態ST3、RB状態ST4)への移行が発生することであることを特徴とする特徴F5又はF6に記載の遊技機。
特徴F7によれば、第2区間継続状況において遊技者に有利な特別遊技状態への移行が発生した場合にはさらに有利遊技状態への再度の移行も発生することとなる。これにより、第2区間継続状況において特別遊技状態が発生することに遊技者を期待させることが可能となる。
特徴F8.抽選処理を実行する抽選手段(主側MPU72における役の抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選処理において所定抽選結果(第1BB当選データの設定、第2BB当選データの設定、第2RB当選データの設定)となったことに基づき、当該所定抽選結果となったゲームよりも後のゲームにおいて所定対応状況(第1BB入賞又は第2BB入賞の成立に基づくBB状態ST3、第2RB入賞の成立に基づくRB状態ST4)となるようにする所定対応手段(主側MPU72におけるボーナス用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記有利設定手段は、前記第2区間継続状況による前記第2区間が継続されている状況において前記所定対応状況となったことに基づいて前記有利遊技状態に移行させることを特徴とする特徴F5乃至F7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F8によれば、第2区間継続状況において抽選処理の抽選結果が所定抽選結果となったとしても有利遊技状態への再度の移行は発生することはなく、所定抽選結果となったゲームよりも後のゲームにおいて当該所定抽選結果を契機として発生する所定対応状況が第2区間継続状況による第2区間において発生することに基づき有利遊技状態への再度の移行が発生する。これにより、有利遊技状態への再度の移行を期待する遊技者は所定抽選結果となることに注目するだけではなく、当該所定抽選結果となったゲームよりも後のゲームで所定対応状況となった場合に第2区間継続状況による第2区間であるか否かに注目することとなる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴F9.前記有利設定手段は、前記第2区間継続状況による前記第2区間が継続されている状況において前記所定対応状況の最初のゲームが開始されたことに基づいて前記有利遊技状態に移行させることを特徴とする特徴F8に記載の遊技機。
特徴F9によれば、所定対応状況の最初のゲームが第2区間継続状況による第2区間において開始されることに基づき有利遊技状態への再度の移行が発生するため、第2区間継続状況において所定抽選結果となった場合には早期に所定対応状況が発生することを遊技者は期待することとなる。
特徴F10.前記第2区間継続状況において第2区間対応演出(有利維持演出)を実行する第2区間演出制御手段(演出側MPU92における有利維持区間用の演出制御処理を実行する機能)を備え、
当該第2区間演出制御手段は、前記第2区間継続状況の最終ゲームにおいて前記所定抽選結果が発生している場合、当該最終ゲームにおいて前記第2区間対応演出が実行されないようにすることを特徴とする特徴F8又はF9に記載の遊技機。
特徴F10によれば、第2区間継続状況の最終ゲームにおいて所定抽選結果となり所定対応状況となる契機が発生したとしても所定対応状況では第2区間が終了しているため、有利遊技状態への再度の移行は発生しない。これに対して、第2区間継続状況の最終ゲームにおいて所定抽選結果となった場合、当該最終ゲームにおいて第2区間対応演出が実行されない。これにより、第2区間継続状況に対応する第2区間対応演出が実行されている状況において所定抽選結果が発生しており所定対応状況となる契機が発生したにも関わらず有利遊技状態への再度の移行が発生しなかったという印象を遊技者に与えづくなる。
なお、特徴F1~F10の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴G群>
特徴G1.複数ゲームに亘って継続する付与期待状態(チャンス状態ST7)に設定する付与期待設定手段(主側MPU72におけるステップS2002の処理を実行する機能)と、
前記付与期待状態において付与対応契機が発生した場合に特典(ART状態ST9への移行)を付与するか否かの付与対応抽選処理を実行する付与対応抽選手段(主側MPU72におけるチャンス状態用処理を実行する機能)と、
前記付与対応抽選処理にて付与対応当選となったことに基づいて、前記特典を付与する対応付与手段(主側MPU72におけるステップS2008の処理を実行する機能)と、
前記付与期待状態の各ゲームにおいて付与期待演出(チャンス演出)が行われるようにする付与期待演出制御手段(第1の実施形態では演出側MPU92におけるステップS2214及びステップS2222の処理を実行する機能)と、
を備え、
当該付与期待演出制御手段は、特定演出(偽前兆演出)が実行されている状況において前記付与期待設定手段により前記付与期待状態に設定された場合、当該特定演出の実行を前記付与期待演出の実行よりも優先させる演出優先手段(第1の実施形態では演出側MPU92におけるステップS2213にて肯定判定をする機能、第6の実施形態では演出側MPU92におけるステップS5705にて否定判定をする機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、付与期待状態において付与対応契機が発生することで付与対応抽選処理が実行され、当該付与対応抽選処理にて付与対応当選となったことに基づき特典が付与される。これにより、遊技者は付与期待状態に設定されることを期待するとともに、付与期待状態においては付与対応契機が発生することを期待することとなる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、付与期待状態の各ゲームにおいて付与期待演出が行われることにより、付与期待状態に対する遊技者の期待感を好適に高めることが可能となる。
この場合に、特定演出が実行されている状況において付与期待状態に設定された場合、その実行中の特定演出の実行が付与期待演出の実行よりも優先される。これにより、付与期待状態が設定された場合に付与期待演出を開始させてしまうと特定演出のそれまでの内容との関係で遊技者に違和感を与えてしまうような場合には、特定演出をそのまま継続させることが可能となる。また、このように付与期待演出が実行されることなく特定演出が継続される場合であっても遊技状態は付与期待状態になっているため、付与期待状態に設定されるという利益を消失させてしまわないようにしながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴G2.複数ゲームに亘って継続する所定期待状態(偽前兆状態ST5)に設定する所定期待設定手段(主側MPU72におけるステップS2024の処理を実行する機能)と、
前記所定期待状態の各ゲームにおいて前記特典又は別の特典が付与されることを遊技者に期待させることを可能とする前記特定演出が行われるようにする特定演出制御手段(演出側MPU92におけるステップS2204、ステップS2205、ステップS2210及びステップS2223の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
特徴G2によれば、所定期待状態となることにより各ゲームにおいて特典付与の発生を遊技者に期待させることを可能とする特定演出が実行されることにより、特定演出を確認した遊技者は特典の付与を期待することとなり遊技の興趣向上が図られる。この場合に、上記特徴G1の構成を備え、特定演出が実行されている状況において付与期待状態に設定された場合、その実行中の特定演出の実行が付与期待演出の実行よりも優先される。これにより、付与期待状態が設定された場合に付与期待演出を開始させてしまうと特定演出のそれまでの内容との関係で遊技者に違和感を与えてしまうような場合には、特定演出をそのまま継続させることが可能となる。
特徴G3.前記所定期待状態として、複数ゲームに亘って継続し終了後に前記特典又は別の特典が付与される第1所定期待状態(本前兆状態ST6)と、複数ゲームに亘って継続し終了後に前記特典又は別の特典が付与されない第2所定期待状態(偽前兆状態ST5)と、が存在しており、
前記演出優先手段は、前記第2所定期待状態に対応する前記特定演出が実行されている状況において前記付与期待設定手段により前記付与期待状態に設定された場合、当該特定演出の実行を前記付与期待演出の実行よりも優先させることを特徴とする特徴G2に記載の遊技機。
特徴G3によれば、終了後に特典付与が発生しない第2所定期待状態に対応する特定演出が実行されている状況であっても、付与期待状態の設定に対して、実行中の特定演出の実行が付与期待演出の実行よりも優先される。これにより、第2所定期待状態に対応する特定演出であっても、演出の実行内容に遊技者に違和感を与えてしまわないようにすることが可能となる。
特徴G4.前記対応付与手段により付与される前記特典と、前記第1所定期待状態の終了後に付与される前記特典とが同一であることを特徴とする特徴G3に記載の遊技機。
第2所定期待状態の途中で付与期待状態が発生したとしても特定演出の実行が継続される構成とした場合、特定演出が実行されている途中で付与対応抽選処理にて付与対応当選となることが想定される。これに対して、特徴G4によれば、その場合に付与される特典が第1所定期待状態の終了後に付与される特典と同一であるため、実行中の特定演出を第1所定期待状態に対応する特定演出であると遊技者に思わせることが可能となる。
特徴G5.前記演出優先手段により前記特定演出の実行が優先されている状況において前記付与対応抽選処理にて前記付与対応当選となったことに基づいて、それに対応する演出が実行されるようにする手段(演出側MPU92におけるステップS2314の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G5によれば、特定演出の実行が優先されている状況において付与対応抽選処理にて付与対応当選となった場合にはそれに対応する演出が実行されるため、特定演出の実行が優先されている状況であっても特典が付与されることを遊技者に明示することが可能となる。
特徴G6.前記特定演出は第1特定演出(第6の実施形態における中止対象ではない偽前兆演出)と第2特定演出(第6の実施形態における中止対象である偽前兆演出)とが存在しており、
前記演出優先手段は、前記第1特定演出が実行されている状況において前記付与期待設定手段により前記付与期待状態に設定された場合、当該第1特定演出の実行を前記付与期待演出の実行よりも優先させるものであり、
前記付与期待演出制御手段は、前記第2特定演出が実行されている状況において前記付与期待設定手段により前記付与期待状態に設定された場合、当該第2特定演出を終了させて前記付与期待演出を開始させる手段(演出側MPU92におけるステップS5705にて肯定判定をする機能)を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G6によれば、特定演出の種類に応じて特定演出の継続が優先される場合と付与期待演出の新たな開始が優先される場合とがある。これにより、各状況において好ましい態様で演出を実行することが可能となる。
特徴G7.前記付与期待演出制御手段は、前記付与期待状態である状況であって前記特定演出の実行が前記付与期待演出の実行よりも優先されている状況において前記特定演出が終了した場合、前記付与期待演出を開始させる終了後開始手段(演出側MPU92におけるステップS2307の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G7によれば、特定演出が終了した後に付与期待演出が開始されるため、付与期待演出が実行される機会を付与することが可能となる。
特徴G8.前記付与対応抽選処理にて前記付与対応当選となることなく前記付与期待状態にて実行されたゲーム数が終了基準ゲーム数となった場合、当該付与期待状態を終了させる手段(主側MPU72におけるステップS2010~ステップS2012の処理を実行する機能)を備え、
前記終了後開始手段は、前記付与期待状態である状況であって前記特定演出の実行が前記付与期待演出の実行よりも優先されている状況において前記特定演出が終了した場合、前記付与期待演出を前記終了基準ゲーム数のゲームが実行されるまで継続させ得ることを特徴とする特徴G7に記載の遊技機。
特徴G8によれば、特定演出が終了した後に付与期待演出が開始される場合であっても、当該付与期待演出は終了基準ゲーム数のゲームが実行されるまで継続され得るため、特定演出が実行されていない状況において付与期待状態となった場合と同じ態様で付与期待演出を実行することが可能となる。
特徴G9.前記付与期待演出制御手段は、前記付与期待状態である状況であって前記特定演出の実行が前記付与期待演出の実行よりも優先されている状況において前記特定演出が終了したとしても前記付与期待演出を開始させないことを特徴とする特徴G1乃至G6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G9によれば、特定演出に続けて付与期待演出が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
なお、特徴G1~G9の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴H群>
特徴H1.特別遊技状態(疑似ボーナス状態)に設定する特別設定手段(主側MPU72における疑似ボーナス開始処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態の開始時及び前記特別遊技状態の実行中の少なくとも一方において遊技者に付与された合計ゲーム数(継続ゲーム数カウンタ131の値)が付与基準ゲーム数(移行条件ゲーム数カウンタ132の値)を超えたこと及び付与基準ゲーム数以上となったことの一方であるゲーム数条件が成立したことに基づいて遊技者に特典(ART状態ST9への移行)を付与する特典付与手段(主側MPU72におけるステップS5205の処理を実行する機能)と、
前記付与基準ゲーム数を抽選にて決定する基準抽選手段(主側MPU72におけるステップS5004及びステップS5005の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、特別遊技状態において遊技者に付与された合計ゲーム数が付与基準ゲーム数を超えることで又は付与基準ゲーム数以上となることでゲーム数条件が成立した場合には遊技者に特典が付与される構成において、付与基準ゲーム数が抽選により決定される。これにより、特別遊技状態となった場合には遊技者は少ないゲーム数の付与基準ゲーム数が選択されることを期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴H2.前記特別遊技状態の実行中において特別付与条件が成立した場合に遊技者にゲーム数を付与するゲーム数付与手段(主側MPU72におけるステップS5103~ステップS5113の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
特徴H2によれば、付与基準ゲーム数が抽選により決定された段階ではゲーム数条件が成立していなかったとしても、特別遊技状態の実行中であっても遊技者にゲーム数が付与されることでゲーム数条件が成立し得る。これにより、特別遊技状態における遊技への注目度を高めることが可能となる。
特徴H3.前記ゲーム数付与手段により付与された後において前記ゲーム数条件が成立しない場合、遊技者に付与されたゲーム数が前記特別遊技状態において消化されるようにする手段(主側MPU72におけるステップS5107の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H2に記載の遊技機。
特徴H3によれば、ゲーム数条件が成立しない状況においては特別付与条件の成立に伴い特別遊技状態の継続ゲーム数を増加させることが可能となる。
特徴H4.前記ゲーム数付与手段により付与された後において前記ゲーム数条件が成立した場合、当該ゲーム数付与手段により今回付与されたゲーム数が前記特別遊技状態の終了後に発生する遊技者に有利な有利遊技状態(ART状態ST9)において消化されるようにする手段(主側MPU72におけるステップS5109の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H2又はH3に記載の遊技機。
特徴H4によれば、ゲーム数条件が成立した場合には当該ゲーム数条件の成立の契機となったゲーム数も特別遊技状態の終了後における有利遊技状態において消化されるため、有利遊技状態の継続ゲーム数が多くなり易くなる。
特徴H5.前記ゲーム数付与手段は、前記ゲーム数条件が成立した後に遊技者にゲーム数を付与する場合における当該ゲーム数の決定態様を、前記ゲーム数条件が成立する前に遊技者にゲーム数を付与する場合における当該ゲーム数の決定態様と異ならせることを特徴とする特徴H2乃至H4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H5によれば、ゲーム数条件が成立したか否かにより、特別付与条件が成立したことに対してゲーム数が付与される場合におけるゲーム数の決定態様が変化するため、当該ゲーム数の決定態様をゲーム数条件の成立の有無に関連させながら多様化させることが可能となる。
特徴H6.前記特典付与手段は、前記特典の付与として前記特別遊技状態の終了後に遊技者に有利な有利遊技状態に移行させる構成であり、
前記ゲーム数付与手段は、
前記ゲーム数条件が成立する前に遊技者にゲーム数を付与する場合、前記特別遊技状態に対応する決定態様により当該付与するゲーム数を決定する手段(主側MPU72におけるステップS5103~ステップS5105の処理を実行する機能)と、
前記ゲーム数条件が成立した後に遊技者にゲーム数を付与する場合、前記有利遊技状態に対応する決定態様により当該付与するゲーム数を決定する手段(主側MPU72におけるステップS5110~ステップS5112の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴H2乃至H5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H6によれば、ゲーム数条件が成立する前は特別遊技状態に適した決定態様で遊技者に付与するゲーム数を決定することが可能となり、ゲーム数条件が成立した後は有利遊技状態に適した決定態様で遊技者に付与するゲーム数を決定することが可能となる。
特徴H7.前記特典付与手段は、前記特典の付与として前記特別遊技状態の終了後に遊技者に有利な有利遊技状態(ART状態ST9)に移行させることを特徴とする特徴H1乃至H6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H7によれば、ゲーム数条件が成立した場合には特別遊技状態の終了後に有利遊技状態に移行するため、ゲーム数条件が成立するか否かに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴H8.前記特別遊技状態が開始される場合に当該特別遊技状態の初期継続ゲーム数を抽選により決定する手段(主側MPU72におけるステップS5001~ステップS5003の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H1乃至H7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H8によれば、付与基準ゲーム数だけではなく特別遊技状態の初期継続ゲーム数も抽選により決定されるため、ゲーム数条件が成立する場合の各ゲーム数のパターンを多様化させることが可能となる。
特徴H9.前記特別遊技状態が開始される場合に設定された初期継続ゲーム数により前記ゲーム数条件が成立したとしても、当該初期継続ゲーム数が前記特別遊技状態において消化されるようにする手段(主側MPU72におけるステップS5003の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H1乃至H8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H9によれば、初期継続ゲーム数が決定された段階でゲーム数条件が成立したとしても当該初期継続ゲーム数は特別遊技状態において消化されるため、特別遊技状態の開始時にゲーム数条件が成立する場合であっても特別遊技状態においてある程度のゲームが消化されるようにすることが可能となる。
なお、特徴H1~H9の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴I群>
特徴I1.特別遊技状態(疑似ボーナス状態)に設定する特別設定手段(主側MPU72における疑似ボーナス開始処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態において特別付与条件が成立した場合に遊技者にゲーム数を付与するゲーム数付与手段(主側MPU72におけるステップS5103~ステップS5113の処理を実行する機能)と、
有利移行条件が成立している状況で前記特別遊技状態が終了する場合、当該特別遊技状態の終了後に遊技者に有利な有利遊技状態(ART状態ST9)に移行させる有利移行手段(主側MPU72におけるステップS5205の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記ゲーム数付与手段は、
前記有利移行条件が成立していない状況において前記特別付与条件が成立した場合、前記特別遊技状態の残りの継続ゲーム数を増加させる手段(主側MPU72におけるステップS5107の処理を実行する機能)と、
前記有利移行条件が成立している状況において前記特別付与条件が成立した場合、前記有利遊技状態の残りの継続ゲーム数を増加させる手段(主側MPU72におけるステップS5109の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴I1によれば、有利移行条件が成立している状況で特別遊技状態が終了する場合には当該特別遊技状態の終了後に有利遊技状態に移行するため、特別遊技状態において有利移行条件に成立することを遊技者は期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。当該構成において、有利移行条件が成立していない状況において特別付与条件が成立した場合には特別遊技状態の残りの継続ゲーム数が増加する。これにより、特別遊技状態において有利移行条件が成立する機会を多くすることが可能となる。その一方、有利移行条件が既に成立している状況において特別付与条件が成立した場合には有利遊技状態の残りの継続ゲーム数が増加する。これにより、既に有利移行条件が成立しているにも関わらず特別遊技状態の残りの継続ゲーム数が増加してしまい特別遊技状態における遊技が間延びしてしまうという事象の発生を阻止することが可能となるとともに、有利遊技状態の残りの継続ゲーム数が増加する機会を付与することが可能となる。
特徴I2.前記ゲーム数付与手段は、前記有利移行条件が成立した後に遊技者にゲーム数を付与する場合における当該ゲーム数の決定態様を、前記有利移行条件が成立する前に遊技者にゲーム数を付与する場合における当該ゲーム数の決定態様と異ならせることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
特徴I2によれば、有利移行条件が成立したか否かにより、特別付与条件が成立したことに対してゲーム数が付与される場合におけるゲーム数の決定態様が変化するため、当該ゲーム数の決定態様を有利移行条件の成立の有無に関連させながら多様化させることが可能となる。
特徴I3.前記ゲーム数付与手段は、
前記有利移行条件が成立する前に遊技者にゲーム数を付与する場合、前記特別遊技状態に対応する決定態様により当該付与するゲーム数を決定する手段(主側MPU72におけるステップS5103~ステップS5105の処理を実行する機能)と、
前記有利移行条件が成立した後に遊技者にゲーム数を付与する場合、前記有利遊技状態に対応する決定態様により当該付与するゲーム数を決定する手段(主側MPU72におけるステップS5110~ステップS5112の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴I1又はI2に記載の遊技機。
特徴I3によれば、有利移行条件が成立する前は特別遊技状態に適した決定態様で遊技者に付与するゲーム数を決定することが可能となり、有利移行条件が成立した後は有利遊技状態に適した決定態様で遊技者に付与するゲーム数を決定することが可能となる。
特徴I4.前記有利移行条件が成立した後における前記ゲーム数の付与態様の方が、前記有利移行条件が成立する前における前記ゲーム数の付与態様よりも遊技者にとって有利であることを特徴とする特徴I1乃至I3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I4によれば、特別遊技状態において有利移行条件が早期に成立した方が遊技者にとって有利となるため、有利移行条件が成立するか否かに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴I5.前記有利移行条件は、前記特別遊技状態において遊技者に付与されたゲーム数が付与基準ゲーム数(移行条件ゲーム数カウンタ132の値)を超えること又は付与基準ゲーム数以上となることにより成立することを特徴とする特徴I1乃至I4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I5によれば、特別遊技状態において遊技者に付与されるゲーム数に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴I6.前記特別遊技状態と前記有利遊技状態とは、単位ゲーム数当たりにおける遊技媒体の付与期待数が同一又は略同一であることを特徴とする特徴I1乃至I5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I6によれば、特別遊技状態と有利遊技状態とで単位ゲーム数当たりにおける遊技媒体の付与期待数が同一又は略同一であることにより、遊技者に付与されたゲーム数が特別遊技状態及び有利遊技状態のいずれで消化されたとしても有利度に差を与えないようにすることが可能となる。
なお、特徴I1~I6の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴J群>
特徴J1.所定遊技状態(ART状態ST9)に設定する所定設定手段(主側MPU72におけるステップS2808の処理を実行する機能)と、
前記所定遊技状態において当該所定遊技状態の残りの継続ゲーム数(ARTゲーム数カウンタ121の値)が0ゲームとなったことに基づいて当該所定遊技状態を終了させる所定終了手段(主側MPU72におけるステップS2703の処理を実行する機能)と、
前記所定遊技状態の前記残りの継続ゲーム数のうち報知対象となる報知対象ゲーム数(表示用カウンタ126の値)を遊技者に認識可能とさせるためのゲーム数報知を行うゲーム数報知手段(演出側MPU92におけるステップS3506及びステップS3510の処理を実行する機能)と、
前記所定遊技状態の前記残りの継続ゲーム数に対する前記報知対象ゲーム数の差である非報知対象ゲーム数(ストックゲーム数カウンタ127の値)に対応する特別対応演出(特別上乗せ演出)が実行されるようにする特別対応実行手段(演出側MPU92におけるステップS3718、ステップS3916及びステップS3920の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴J1によれば、所定遊技状態の残りの継続ゲーム数のうち報知対象となる報知対象ゲーム数はゲーム数報知により遊技者に報知されるが、報知対象ゲーム数ではない非報知対象ゲーム数は遊技者に報知されない。そして、非報知対象ゲーム数に対応する特別対応演出が実行される。これにより、非報知対象ゲーム数に応じた演出が実行されることとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴J2.前記所定遊技状態において所定付与条件が成立した場合に当該所定遊技状態の残りの継続ゲーム数を増加させるゲーム数増加手段(主側MPU72における上乗せ用処理を実行する機能)と、
前記ゲーム数増加手段により前記所定遊技状態の残りの継続ゲーム数が増加される場合、その増加対象のゲーム数の少なくとも一部を前記非報知対象ゲーム数に加算する手段(演出側MPU92におけるステップS3710の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴J1に記載の遊技機。
特徴J2によれば、所定遊技状態の最中に非報知対象ゲーム数が加算されるため、その加算の結果として特別対応演出が実行されるようにすることが可能となる。
特徴J3.前記非報知対象ゲーム数の少なくとも一部である移行対象ゲーム数を前記報知対象ゲーム数に加算する報知加算手段(演出側MPU92におけるステップS3904の処理を実行する機能)を備え、
前記特別対応実行手段は、前記特別対応演出として、前記移行対象ゲーム数が前記報知対象ゲーム数に加算されることに対応する演出が実行されるようにすることを特徴とする特徴J1又はJ2に記載の遊技機。
特徴J3によれば、非報知対象ゲーム数の少なくとも一部が報知対象ゲーム数に加算されるとともそれに対応する演出が実行される。これにより、報知対象ゲーム数にゲーム数が加算される演出の実行タイミングの自由度を高めることが可能となる。
特徴J4.前記報知加算手段は、前記所定遊技状態の前記残りの継続ゲーム数に対する前記報知対象ゲーム数の差である非報知対象ゲーム数が同一のゲーム数である状況であっても、当該非報知対象ゲーム数を超えない範囲である複数種類のゲーム数の中から前記移行対象ゲーム数を選択するものであることを特徴とする特徴J3に記載の遊技機。
特徴J4によれば、移行対象ゲーム数の発生態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴J5.前記特別対応実行手段は、前記移行対象ゲーム数が同一である状況であっても異なる種類の前記特別対応演出を実行させ得ることを特徴とする特徴J3又はJ4に記載の遊技機。
特徴J5によれば、特別対応演出の実行態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴J6.前記報知加算手段は、前記所定遊技状態の前記残りの継続ゲーム数に対する前記報知対象ゲーム数の差である非報知対象ゲーム数を超えない範囲において前記移行対象ゲーム数をゲーム数選択処理の一度の処理回にて複数選択する複数選択手段(演出側MPU92におけるステップS3802及びステップS3803の処理を実行する機能)を備え、
前記特別対応実行手段は、前記複数選択手段が選択した複数の前記移行対象ゲーム数の前記報知対象ゲーム数への加算がそれぞれ異なるタイミングで実行される前記特別対応演出において行われるようにする手段(演出側MPU92におけるステップS3721及びステップS3916の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴J3乃至J5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J6によれば、特別対応演出が実行される頻度を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴J7.前記特別対応実行手段は、一の前記特別対応演出として、複数のゲームのそれぞれでゲーム数が付与され、それら付与されたゲーム数の合計が当該加算対応演出の実行契機となった前記移行対象ゲーム数となる演出を実行することを特徴とする特徴J3乃至J6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J7によれば、複数ゲームに亘って報知対象ゲーム数が増加する状況を生じさせることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴J8.前記所定遊技状態において所定付与条件が成立した場合に当該所定遊技状態の残りの継続ゲーム数を増加させるゲーム数増加手段(主側MPU72における上乗せ用処理を実行する機能)と、
前記特別対応演出が実行されている状況において前記所定付与条件が成立した場合に、当該所定付与条件の成立により前記所定遊技状態の残りの継続ゲーム数に加算されたゲーム数が前記報知対象ゲーム数に加算されることに対応する演出を前記特別対応演出に対して追加で行われるようにする手段(演出側MPU92におけるステップS3608の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴J3乃至J7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J8によれば、特別対応演出が実行されている状況であっても当該特別対応演出による報知対象ゲーム数の増加とは別の演出による報知対象ゲーム数の増加が発生することとなる。これにより、報知対象ゲーム数の増加に関して遊技者に意外性を与えることが可能となる。
なお、特徴J1~J8の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴D群、上記特徴E群、上記特徴F群、上記特徴G群、上記特徴H群、上記特徴I群及び上記特徴J群の各発明によれば以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴K群>
特徴K1.遊技の進行を管理する第1制御手段(主側MPU72)と、
前記第1制御手段から送信される情報に基づいて演出の実行を制御する第2制御手段(演出側MPU92)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
所定遊技状態(ART状態ST9)に設定する所定設定手段(主側MPU72におけるステップS2808の処理を実行する機能)と、
前記所定遊技状態において当該所定遊技状態の残りの継続ゲーム数(ARTゲーム数カウンタ121の値)が0ゲームとなったことに基づいて当該所定遊技状態を終了させる所定終了手段(主側MPU72におけるステップS3403の処理を実行する機能)と、
前記所定遊技状態において所定付与条件が成立した場合に当該所定遊技状態の残りの継続ゲーム数を増加させるゲーム数増加手段(主側MPU72におけるステップS3105、ステップS3201及びステップS3301の処理を実行する機能)と、
前記所定遊技状態が開始されることに対応する第1送信情報(ART開始コマンド)を送信する第1送信手段(主側MPU72におけるステップS2809の処理を実行する機能)と、
前記ゲーム数増加手段による前記残りの継続ゲーム数の増加が行われる場合、その増加されるゲーム数に対応する第2送信情報(直上乗せコマンド、Aループ加算コマンド、Bループ加算コマンド)を送信する第2送信手段(主側MPU72におけるステップS3106、ステップS3202及びステップS3303の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2制御手段は、
前記第1送信情報を受信したことに基づいて前記所定遊技状態に対応する演出が開始されるようにする所定演出開始手段(演出側MPU92におけるステップS3511の処理を実行する機能)と、
前記第2送信情報を受信したことに基づいて前記所定遊技状態の残りの継続ゲーム数が増加したことに対応する演出をその後に実行するための受信対応処理を実行する受信対応手段(演出側MPU92におけるステップS3607、ステップS3608、ステップS3710及びステップS4002の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴K1によれば、第1制御手段において所定遊技状態の残りの継続ゲーム数を増加させるための処理が実行され、第2制御手段において当該継続ゲーム数の増加に対応する演出を実行するための処理が実行される。これにより、所定遊技状態の進行制御に関しては第1制御手段において集約して行うようにしながら、継続ゲーム数の増加に対応する演出を複雑に行ったとしても第1制御手段の処理負荷が増加してしまわないようにすることが可能となる。よって、所定遊技状態に関する制御を好適に行うことが可能となる。
特徴K2.前記第1制御手段は、前記所定遊技状態において所定突入契機が発生したことに基づいて増加状態(Bループ)に設定し、所定終了条件が成立するまで当該増加状態を継続させる増加状態設定手段(主側MPU72におけるステップS2922及びステップS3304~ステップS3315の処理を実行する機能)を備え、
前記ゲーム数増加手段は、前記増加状態において前記所定付与条件が成立する度に前記所定遊技状態の残りの継続ゲーム数を所定増加ゲーム数増加させる構成であり、
前記第2制御手段は、前記増加状態において発生した前記所定増加ゲーム数の複数回分の増加に対応する報知対象情報を遊技者に報知する合計報知手段(演出側MPU92におけるステップS4004の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
特徴K2によれば、増加状態となることで所定付与条件が成立する度に所定遊技状態の残りの継続ゲーム数が所定増加ゲーム数増加されるため、遊技者は増加状態となることを期待することとなる。また、増加状態において発生した所定増加ゲーム数の複数回分の増加に対応する報知対象情報が遊技者に報知されるため、多くのゲーム数が付与されたことを1度に報知することが可能となる。
特徴K3.前記合計報知手段は、前記増加状態が終了したことに基づいて当該増加状態において付与されたゲーム数に対応する報知対象情報を遊技者に報知することを特徴とする特徴K2に記載の遊技機。
特徴K3によれば、増加状態が発生した場合には当該増加状態が終了したことに基づいて当該増加状態において付与されたゲーム数に対応する報知対象情報が遊技者に報知されるため、多くのゲーム数が付与されたことを1度に報知することが可能となる。
特徴K4.前記合計報知手段は、前記増加状態において付与されたゲーム数として特定基準ゲーム数以上の報知を行うことが可能な状況において前記報知対象情報を遊技者に報知し、
前記特定基準ゲーム数は前記所定増加ゲーム数の複数倍以上のゲーム数であることを特徴とする特徴K2又はK3に記載の遊技機。
特徴K4によれば、報知対象情報が遊技者に報知される場合には所定増加ゲーム数の複数倍以上のゲーム数が付与されたことが一度に報知されるため、当該報知の実行に対して遊技者に意外性を与えることが可能となる。
特徴K5.前記第1制御手段は、
前記増加状態において前記所定増加ゲーム数の増加が特定基準回数以上成立した後に前記増加状態が終了する場合、遊技者の操作に基づく遊技の進行を待機させる待機状態に設定する手段(主側MPU72におけるステップS3313の処理を実行する機能)と、
前記待機状態の設定に対応する第3送信情報を送信する第3送信手段(主側MPU72におけるステップS3314の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記合計報知手段は、前記第3送信情報を受信したことに基づいて前記報知対象情報を遊技者に報知することを特徴とする特徴K4に記載の遊技機。
特徴K5によれば、遊技者の操作に基づく遊技の進行が待機されている状態において報知対象情報が遊技者に報知されるため、報知対象情報が報知されていることに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴K6.前記特定基準回数の値は、特定基準ゲーム数を前記所定増加ゲーム数で除算した商よりも大きい値であることを特徴とする特徴K5に記載の遊技機。
特徴K6によれば、報知対象情報が報知される場合には特定基準ゲーム数以上が付与されたことを遊技者に報知することが可能であるため、報知対象情報が報知されたことに対して遊技者に意外性を与えることが可能となる。また、特定基準回数の値が特定基準ゲーム数を所定増加ゲーム数で除算した商よりも大きな値として設定されていることにより、増加状態において付与されたゲーム数が当該増加状態の実行中に消化されたとしても、増加状態が終了したタイミングで遊技者に報知されていないゲーム数を特定基準ゲーム数以上とすることが可能となる。
特徴K7.前記受信対応手段は、
前記第2送信情報に対応するゲーム数を遊技者に認識可能とさせるために報知対象ゲーム数に加算する報知用手段(演出側MPU92におけるステップS3603及びステップS3605の処理を実行する機能)と、
前記第2送信情報に対応するゲーム数を遊技者に認識可能とさせない非報知対象ゲーム数に加算する非報知用手段(演出側MPU92におけるステップS3710及びステップS4002の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴K1乃至K6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K7によれば、主制御手段において所定遊技状態の残りの継続ゲーム数が増加された場合にその増加対象となったゲーム数が即座に報知される場合と報知されない場合とが存在している。これにより、残りの継続ゲーム数の増加を報知するタイミングを多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、当該報知するタイミングを多様化させる制御は第2制御手段において行われるため、第1制御手段の処理負荷を軽減させながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴K8.前記第1制御手段は、前記所定遊技状態の残りの継続ゲーム数を記憶する継続ゲーム数記憶手段(ARTゲーム数カウンタ121)を備え、
前記ゲーム数増加手段は、前記報知用手段により前記報知対象ゲーム数が加算される場合及び前記非報知用手段により前記非報知対象ゲーム数が加算される場合のいずれとなる場合であっても前記所定付与条件の成立に基づき付与されたゲーム数を前記継続ゲーム数記憶手段に加算させることを特徴とする特徴K7に記載の遊技機。
特徴K8によれば、所定遊技状態の残りの継続ゲーム数が増加することの報知がどのように行われる場合であっても第1制御手段は所定付与条件の成立に基づき付与されたゲーム数を継続ゲーム数記憶手段に加算させるだけでよいため、第1制御手段の処理負荷を軽減させることが可能となる。
特徴K9.前記第2制御手段は、前記非報知対象ゲーム数に対応する特別対応演出(特別上乗せ演出)が実行されるようにする特別対応実行手段(演出側MPU92におけるステップS3718、ステップS3916及びステップS3920の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K7又はK8に記載の遊技機。
特徴K9によれば、所定遊技状態の残りの継続ゲーム数のうち報知対象となる報知対象ゲーム数はゲーム数報知により遊技者に報知されるが、報知対象ゲーム数ではない非報知対象ゲーム数は遊技者に報知されない。そして、非報知対象ゲーム数に対応する特別対応演出が実行される。これにより、非報知対象ゲーム数に応じた演出が実行されることとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、当該演出の実行制御は第2制御手段において行われるため、第1制御手段の処理負荷を軽減させながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴K10.前記第2制御手段は、前記非報知対象ゲーム数の少なくとも一部である移行対象ゲーム数を前記報知対象ゲーム数に加算する報知加算手段(演出側MPU92におけるステップS3904の処理を実行する機能)を備え、
前記特別対応実行手段は、前記特別対応演出として、前記移行対象ゲーム数が前記報知対象ゲーム数に加算されることに対応する演出が実行されるようにすることを特徴とする特徴K9に記載の遊技機。
特徴K10によれば、非報知対象ゲーム数の少なくとも一部が報知対象ゲーム数に加算されるとともそれに対応する演出が実行される。これにより、報知対象ゲーム数にゲーム数が加算される演出の実行タイミングの自由度を高めることが可能となる。また、当該演出の実行制御は第2制御手段において行われるため、第1制御手段の処理負荷を軽減させながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴K11.前記報知加算手段は、前記所定遊技状態の前記残りの継続ゲーム数に対する前記報知対象ゲーム数の差である非報知対象ゲーム数が同一のゲーム数である状況であっても、当該非報知対象ゲーム数を超えない範囲である複数種類のゲーム数の中から前記移行対象ゲーム数を選択するものであることを特徴とする特徴K10に記載の遊技機。
特徴K11によれば、移行対象ゲーム数の発生態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、当該移行対象ゲーム数を多様化させるための制御は第2制御手段において行われるため、第1制御手段の処理負荷を軽減させながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴K12.前記特別対応実行手段は、前記移行対象ゲーム数が同一である状況であっても異なる種類の前記特別対応演出を実行させ得ることを特徴とする特徴K10又はK11に記載の遊技機。
特徴K12によれば、特別対応演出の実行態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、当該特別対応演出の実行態様を多様化させるための制御は第2制御手段において行われるため、第1制御手段の処理負荷を軽減させながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴K13.前記報知加算手段は、前記所定遊技状態の前記残りの継続ゲーム数に対する前記報知対象ゲーム数の差である非報知対象ゲーム数を超えない範囲において前記移行対象ゲーム数をゲーム数選択処理の一度の処理回にて複数選択する複数選択手段(演出側MPU92におけるステップS3802及びステップS3803の処理を実行する機能)を備え、
前記特別対応実行手段は、前記複数選択手段が選択した複数の前記移行対象ゲーム数の前記報知対象ゲーム数への加算がそれぞれ異なるタイミングで実行される前記特別対応演出において行われるようにする手段(演出側MPU92におけるステップS3721及びステップS3916の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴K10乃至K12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K13によれば、特別対応演出が実行される頻度を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、当該特別対応演出の実行頻度を高めるための制御は第2制御手段において行われるため、第1制御手段の処理負荷を軽減させながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴K14.前記特別対応実行手段は、一の前記特別対応演出として、複数のゲームのそれぞれでゲーム数が付与され、それら付与されたゲーム数の合計が当該加算対応演出の実行契機となった前記移行対象ゲーム数となる演出を実行することを特徴とする特徴K10乃至K13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K14によれば、複数ゲームに亘って報知対象ゲーム数が増加する状況を生じさせることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、当該制御は第2制御手段において行われるため、第1制御手段の処理負荷を軽減させながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴K15.前記第2制御手段は、前記特別対応演出が実行されている状況において前記所定付与条件が成立した場合に、当該所定付与条件の成立により前記所定遊技状態の残りの継続ゲーム数に加算されたゲーム数が前記報知対象ゲーム数に加算されることに対応する演出を前記特別対応演出に対して追加で行われるようにする手段(演出側MPU92におけるステップS3608の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K10乃至K14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K15によれば、特別対応演出が実行されている状況であっても当該特別対応演出による報知対象ゲーム数の増加とは別の演出による報知対象ゲーム数の増加が発生することとなる。これにより、報知対象ゲーム数の増加に関して遊技者に意外性を与えることが可能となる。また、当該制御は第2制御手段において行われるため、第1制御手段の処理負荷を軽減させながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴K1~K15の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴K群の発明によれば以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては所定遊技状態の実行制御を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴L群>
特徴L1.所定遊技状態(ART状態ST9)に設定する所定設定手段(主側MPU72におけるステップS2808の処理を実行する機能)と、
前記所定遊技状態において当該所定遊技状態の残りの継続ゲーム数(ARTゲーム数カウンタ121の値)が0ゲームとなったことに基づいて当該所定遊技状態を終了させる所定終了手段(主側MPU72におけるステップS3403の処理を実行する機能)と、
前記所定遊技状態において所定突入契機が発生したことに基づいて増加状態(Bループ)に設定し、所定終了条件が成立するまで当該増加状態を継続させる増加状態設定手段と、
前記増加状態において所定付与条件が成立する度に前記所定遊技状態の残りの継続ゲーム数を所定増加ゲーム数増加させるゲーム数増加手段(主側MPU72におけるステップS3301の処理を実行する機能)と、
前記増加状態において前記所定増加ゲーム数の増加が特定基準回数以上成立したことに基づいて、特別演出処理を実行する特別演出処理実行手段(主側MPU72におけるステップS3313の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴L1によれば、増加状態となることで所定付与条件が成立する度に所定遊技状態の残りの継続ゲーム数が所定増加ゲーム数増加されるため、遊技者は増加状態となることを期待することとなる。この場合に、増加状態において所定増加ゲーム数の増加が特定基準回数以上成立したことに基づいて特別演出処理が実行されるため、所定遊技状態の残りの継続ゲーム数が多く付与された場合にはそれに対応する演出を遊技者に提供することが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴L2.前記増加状態に設定されたとしても前記特別演出処理が実行されるまでは前記増加状態に対応する演出は実行されないことを特徴とする特徴L1に記載の遊技機。
特徴L2によれば、遊技者は増加状態であることを認識していない状況において特別演出処理が突然実行されるため意外性を与えることが可能となる。
特徴L3.前記特別演出処理実行手段は、前記特別演出処理として、遊技者の操作に基づく遊技の進行を待機させる待機状態に設定することを特徴とする特徴L1又はL2に記載の遊技機。
特徴L3によれば、所定遊技状態の残りの継続ゲーム数が多く付与された場合には遊技者の操作に基づく遊技の進行が待機されるため、このように残りの継続ゲーム数が多く付与されたことを強調することが可能となる。
特徴L4.前記特別演出処理実行手段は、前記増加状態において前記所定増加ゲーム数の増加が前記特定基準回数以上成立した後に前記増加状態が終了する場合、前記特別演出処理を実行することを特徴とする特徴L1乃至L3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴L4によれば、増加状態が発生した場合には当該増加状態が終了したことに基づいて特別演出処理が実行されるため、多くのゲーム数が付与された状況下において特別演出処理が実行されるようにすることが可能となるとともに、特別演出処理の実行により増加状態に設定されていたこと及び増加状態が終了したことを遊技者に報知することが可能となる。
特徴L5.前記特別演出処理が実行される場合、前記増加状態において付与された合計ゲーム数に対応する報知対象情報を遊技者に報知する合計報知手段(演出側MPU92におけるステップS4004の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴L1乃至L4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴L5によれば、多くのゲーム数が付与されたことを1度に報知することが可能となる。
特徴L6.前記特定基準回数の値は、特定基準ゲーム数を前記所定増加ゲーム数で除算した商よりも大きい値であることを特徴とする特徴L1乃至L5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴L6によれば、増加状態において特定基準ゲーム数以上が付与された場合に特別演出処理が実行されるため、特別演出処理が実行されることに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。また、特定基準回数の値が特定基準ゲーム数を所定増加ゲーム数で除算した商よりも大きな値として設定されていることにより、増加状態において付与されたゲーム数が当該増加状態の実行中に消化されたとしても、増加状態において付与されたゲーム数であって未消化のゲーム数が特定基準ゲーム数以上である状況で特別演出処理が実行されるようにすることが可能となる。
なお、特徴L1~L6の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴M群>
特徴M1.所定遊技状態(ART状態ST9)に設定する所定設定手段(主側MPU72におけるステップS2808の処理を実行する機能)と、
前記所定遊技状態において当該所定遊技状態の残りの継続ゲーム数(ARTゲーム数カウンタ121の値)が0ゲームとなったことに基づいて当該所定遊技状態を終了させる所定終了手段(主側MPU72におけるステップS3403の処理を実行する機能)と、
前記所定遊技状態の残りの継続ゲーム数のうち遊技者に報知されていない非報知対象ゲーム数を記憶する非報知対象記憶手段(ストックゲーム数カウンタ127)と、
前記所定遊技状態において特定突入契機が発生したことに基づいて特定増加状態(Aループ)に設定し、特定終了条件が成立するまで当該特定増加状態を継続させる特定増加状態設定手段(主側MPU72におけるステップS2912~ステップS2914の処理を実行する機能)と、
前記特定増加状態において特定付与条件が成立する度に前記所定遊技状態の残りの継続ゲーム数を特定増加ゲーム数増加させるゲーム数増加手段(主側MPU72におけるステップS3201の処理を実行する機能)と、
前記特定増加状態に設定された場合、特定演出ゲーム数に亘って特定対応演出(期待演出)が実行されるようにする特定対応演出制御手段(演出側MPU92におけるステップS3704及びステップS3705の処理を実行する機能)と、
前記特定対応演出が実行されている状況において前記ゲーム数増加手段が増加させた前記特定増加ゲーム数を、前記非報知対象記憶手段に加算する非報知対象加算手段(演出側MPU92におけるステップS3710の処理を実行する機能)と、
前記特定演出ゲーム数に亘って前記特定対応演出が実行された場合、前記特定増加状態が終了していない状況であっても前記非報知対象記憶手段に記憶されているゲーム数に対応する特別対応演出(特別上乗せ演出)が実行されるようにする特別対応実行手段(演出側MPU92におけるステップS3718、ステップS3916及びステップS3920の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴M1によれば、所定遊技状態において特定増加状態となった場合には特定付与条件が成立する度に所定遊技状態の残りの継続ゲーム数が特定増加ゲーム数増加されるため、遊技者は特定増加状態となることを期待することとなる。また、特定増加状態において付与されたゲーム数は一旦、非報知対象ゲーム数として付与される一方、特定増加状態に設定された場合には特定演出ゲーム数に亘って特定対応演出が実行されるため、当該特定対応演出が実行されている状況において非報知対象ゲーム数がどの程度増加しているのかを遊技者に期待させることが可能となる。また、特定演出ゲーム数に亘って特定対応演出が実行された場合には特定増加状態が終了していない状況であってもその時点における非報知対象ゲーム数に対応する特別対応演出が実行される。これにより、特定対応演出の実行中においてはその後に実行される特別対応演出の内容に遊技者は期待することとなる。また、特定増加状態が終了するまでは特別対応演出が実行されない構成に比べて特別対応演出を早期に開始させることが可能となる。
特徴M2.前記特定増加状態設定手段は、前記特定増加状態が設定されてから前記特定演出ゲーム数が消化される前であっても前記特定終了条件が成立した場合には当該特定増加状態を終了させることを特徴とする特徴M1に記載の遊技機。
特徴M2によれば、特定対応演出が完了する前に特定増加状態が終了する状況と、特定対応演出が完了した後も特定増加状態が継続する状況とを生じさせることが可能となる。
特徴M3.前記特別対応実行手段は、前記特別対応演出として、前記非報知対象記憶手段に記憶されているゲーム数の少なくとも一部である移行対象ゲーム数が遊技者への報知対象となる報知対象ゲーム数に加算されることに対応する演出が実行されるようにすることを特徴とする特徴M1又はM2に記載の遊技機。
特徴M3によれば、特別対応演出として、非報知対象ゲーム数の少なくとも一部である移行対象ゲーム数が報知対象ゲーム数に加算されることに対応する演出が実行されるため、特別対応演出に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴M4.前記非報知対象記憶手段に記憶されている前記非報知対象ゲーム数を超えない範囲において前記移行対象ゲーム数をゲーム数選択処理の一度の処理回にて複数選択する複数選択手段(演出側MPU92におけるステップS3802及びステップS3803の処理を実行する機能)を備え、
前記特別対応実行手段は、前記複数選択手段が選択した複数の前記移行対象ゲーム数の前記報知対象ゲーム数への加算がそれぞれ異なるタイミングで実行される前記特別対応演出において行われるようにする手段(演出側MPU92におけるステップS3721及びステップS3916の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴M3に記載の遊技機。
特徴M4によれば、特別対応演出が実行される頻度を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴M5.前記特別対応実行手段は、一の前記特別対応演出として、複数のゲームのそれぞれでゲーム数が付与され、それら付与されたゲーム数の合計が当該加算対応演出の実行契機となった前記移行対象ゲーム数となる演出を実行することを特徴とする特徴M3又はM4に記載の遊技機。
特徴M5によれば、複数ゲームに亘って報知対象ゲーム数が増加する状況を生じさせることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴M6.前記所定遊技状態において所定付与条件が成立した場合に当該所定遊技状態の残りの継続ゲーム数を増加させるゲーム数増加手段(主側MPU72におけるステップS3105の処理を実行する機能)と、
前記特別対応演出が実行されている状況において前記所定付与条件が成立した場合に、当該所定付与条件の成立により前記所定遊技状態の残りの継続ゲーム数に加算されたゲーム数が前記報知対象ゲーム数に加算されることに対応する演出を前記特別対応演出に対して追加で行われるようにする手段(演出側MPU92におけるステップS3608の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴M3乃至M5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴M6によれば、特別対応演出が実行されている状況であっても当該特別対応演出による報知対象ゲーム数の増加とは別の演出による報知対象ゲーム数の増加が発生することとなる。これにより、報知対象ゲーム数の増加に関して遊技者に意外性を与えることが可能となる。
特徴M7.前記特別対応実行手段は、前記非報知対象記憶手段に記憶されている前記非報知対象ゲーム数が同一のゲーム数である状況であっても、異なる前記特別対応演出が実行され得るようにすることを特徴とする特徴M1乃至M6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴M7によれば、特別対応演出の実行態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴M8.前記特別対応実行手段は、前記特別対応演出として、前記非報知対象記憶手段に記憶されているゲーム数の少なくとも一部である移行対象ゲーム数が遊技者への報知対象となる報知対象ゲーム数に加算されることに対応する演出が実行されるようにするものであって、前記非報知対象記憶手段に記憶されている前記非報知対象ゲーム数が同一のゲーム数である状況であっても当該非報知対象ゲーム数を超えない範囲である複数種類のゲーム数の中から前記移行対象ゲーム数を選択するものであることを特徴とする特徴M7に記載の遊技機。
特徴M8によれば、移行対象ゲーム数の発生態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
なお、特徴M1~M8の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴N群>
特徴N1.所定遊技状態(ART状態ST9)に設定する所定設定手段(主側MPU72におけるステップS2808の処理を実行する機能)と、
前記所定遊技状態において当該所定遊技状態の残りの継続ゲーム数(ARTゲーム数カウンタ121の値)が0ゲームとなったことに基づいて当該所定遊技状態を終了させる所定終了手段(主側MPU72におけるステップS3403の処理を実行する機能)と、
前記所定遊技状態の前記残りの継続ゲーム数のうち報知対象となる報知対象ゲーム数(表示用カウンタ126の値)を遊技者に認識可能とさせるためのゲーム数報知を行うゲーム数報知手段(演出側MPU92におけるステップS3506及びステップS3510の処理を実行する機能)と、
前記所定遊技状態の残りの継続ゲーム数のうち遊技者に報知されていない非報知対象ゲーム数を記憶する非報知対象記憶手段(ストックゲーム数カウンタ127)と、
当該非報知対象記憶手段に1ゲーム以上に対応する前記非報知対象ゲーム数が記憶されている状況において前記報知対象ゲーム数が0ゲームとなった場合、前記非報知対象記憶手段に記憶されている前記非報知対象ゲーム数が終了時基準ゲーム数(第1放出基準値、第2放出基準値)よりも多い場合には当該終了基準ゲーム数よりも少ない場合とは異なる態様で前記所定遊技状態の継続演出(第1放出演出、第2放出演出、第3放出演出)が実行されるようにする継続演出実行手段(演出側MPU92におけるステップS4106、ステップS4110及びステップS4114の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴N1によれば、所定遊技状態の残りの継続ゲーム数のうち遊技者に報知されていない非報知対象ゲーム数が存在していることにより、報知対象ゲーム数が0ゲームとなったとしても所定遊技状態が継続されるのではないかと遊技者に期待させることが可能となる。この場合に、非報知対象ゲーム数が1ゲーム以上である状況において報知対象ゲーム数が0ゲームとなった場合、非報知対象ゲーム数が終了時基準ゲーム数以上であるか否かに応じて異なる態様で所定遊技状態の継続演出が実行される。これにより、非報知対象ゲーム数に応じて継続演出の実行態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴N2.前記継続演出実行手段は、前記非報知対象記憶手段に1ゲーム以上に対応する前記非報知対象ゲーム数が記憶されている状況において前記報知対象ゲーム数が0ゲームとなった場合において前記非報知対象記憶手段に記憶されている前記非報知対象ゲーム数が前記終了時基準ゲーム数よりも多い場合、前記継続演出として、当該非報知対象ゲーム数のうち少なくとも一部であるゲーム数を前記報知対象ゲーム数に加算する演出(第2放出演出、第3放出演出)を実行するゲーム数報知実行手段(演出側MPU92におけるステップS4110及びステップS4114の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴N1に記載の遊技機。
特徴N2によれば、報知対象ゲーム数が0ゲームとなった場合において非報知対象ゲーム数が終了時基準ゲーム数以上である場合、所定遊技状態がまだある程度は継続することとなる。このような場合には非報知対象ゲーム数の少なくとも一部を遊技者に報知することにより、所定遊技状態が継続することに対する安心感を遊技者に与えることが可能となる。
特徴N3.前記継続演出実行手段は、
記非報知対象記憶手段に1ゲーム以上に対応する前記非報知対象ゲーム数が記憶されている状況において前記報知対象ゲーム数が0ゲームとなった場合において前記非報知対象記憶手段に記憶されている前記非報知対象ゲーム数が前記終了時基準ゲーム数よりも少ない場合、前記継続演出として、当該非報知対象ゲーム数の全部を前記報知対象ゲーム数に加算する演出(第2放出演出)を実行する第1継続演出実行手段(演出側MPU92におけるステップS4110の処理を実行する機能)と、
記非報知対象記憶手段に1ゲーム以上に対応する前記非報知対象ゲーム数が記憶されている状況において前記報知対象ゲーム数が0ゲームとなった場合において前記非報知対象記憶手段に記憶されている前記非報知対象ゲーム数が前記終了時基準ゲーム数よりも多い場合、前記継続演出として、当該非報知対象ゲーム数の一部である移行対象ゲーム数を前記報知対象ゲーム数に加算する演出(第3放出演出)を実行する第2継続演出実行手段(演出側MPU92におけるステップS3414の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴N1又はN2に記載の遊技機。
特徴N3によれば、報知対象ゲーム数が0ゲームとなった場合において非報知対象ゲーム数の少なくとも一部が遊技者に報知されることにより所定遊技状態が継続することに対する安心感を遊技者に与えることが可能となる。この場合に、非報知対象ゲーム数が終了時基準ゲーム数よりも多い場合には非報知対象ゲーム数の一部のみが遊技者に報知される。これにより、所定遊技状態の継続演出が実行される頻度を高めることが可能となり、報知対象ゲーム数が0ゲームに近付いたとしても所定遊技状態がまだ継続するのではないかと遊技者に期待させることが可能となる。
特徴N4.前記第2継続演出実行手段は、前記非報知対象ゲーム数を超えない範囲において前記移行対象ゲーム数を複数種類のゲーム数の中から選択することを特徴N3に記載の遊技機。
特徴N4によれば、移行対象ゲーム数を多様化させることが可能となる。
特徴N5.前記継続演出実行手段は、前記非報知対象記憶手段に1ゲーム以上に対応する前記非報知対象ゲーム数が記憶されている状況において前記報知対象ゲーム数が0ゲームとなった場合において前記非報知対象記憶手段に記憶されている前記非報知対象ゲーム数が前記終了時基準ゲーム数よりも少ない場合、前記継続演出として、前記所定遊技状態の残りの継続ゲーム数を遊技者に報知しない状況において当該所定遊技状態の残りの継続ゲーム数を消化させる演出(第1放出演出)を実行する手段(演出側MPU92におけるステップS4106の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴N1乃至N4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴N5によれば、報知対象ゲーム数が0ゲームとなった場合において非報知対象ゲーム数が終了時基準ゲーム数よりも少ない場合には所定遊技状態の残りの継続ゲーム数を遊技者に報知しないようにすることにより、所定遊技状態の継続に対する遊技者の期待感を低下させてしまわないようにすることが可能となる。
なお、特徴N1~N5の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴L群、上記特徴M群及び上記特徴N群の各発明によれば以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴O群>
特徴O1.第1抽選契機が発生した場合に数値情報を利用して第1抽選処理を実行する第1抽選手段(例えば主側MPU72における偽前兆状態用の移行抽選処理を実行する機能)と、
第2抽選契機が発生した場合に数値情報を利用して第2抽選処理を実行する第2抽選手段(例えば主側MPU72におけるチャンス状態用の移行抽選処理を実行する機能)と、
更新契機が発生した場合に数値情報が更新される所定記憶手段(第1~第12共用乱数回路101a~101l)と、
を備え、
前記所定記憶手段の数値情報は、前記第1抽選手段により取得されることがあり、前記第2抽選手段により取得されることがあることを特徴とする遊技機。
特徴O1によれば、所定記憶手段にて更新される数値情報は第1抽選処理にて利用されるとともに第2抽選処理にて利用される。これにより、更新される数値情報を記憶する手段の数を抑えることが可能となり、構成の簡素化を図ることが可能となる。
特徴O2.数値情報が更新されることとなる数値情報記憶手段(第1~第12共用乱数回路101a~101l)を、前記所定記憶手段を含めて複数備えており、
本遊技機は、
数値情報の取得対象となる前記数値情報記憶手段を特定するために参照される特定用参照情報を記憶する参照情報記憶手段(主側RAM74の乱数ポインタ)と、
前記特定用参照情報に対応する前記数値情報記憶手段が数値情報の取得対象となった場合、数値情報の取得対象が次の順番の前記数値情報記憶手段となるように前記特定用参照情報を更新する手段(主側MPU72におけるステップS509~ステップS511の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1抽選手段は、前記第1抽選契機が発生した場合、前記特定用参照情報に対応する前記数値情報記憶手段から数値情報を取得し、
前記第2抽選手段は、前記第2抽選契機が発生した場合、前記特定用参照情報に対応する前記数値情報記憶手段から数値情報を取得することを特徴とする特徴O1に記載の遊技機。
特徴O2によれば、複数の数値情報記憶手段は予め定められた順序で数値情報の取得対象となるため、数値情報の取得対象が一の数値情報記憶手段に偏ってしまわないようにすることが可能となる。また、特定用参照情報に対応する数値情報記憶手段から数値情報を取得する構成であるため、数値情報の取得対象となる数値情報記憶手段を特定するための処理構成が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
特徴O3.数値情報が更新されることとなる数値情報記憶手段(第1~第12共用乱数回路101a~101l)を、前記所定記憶手段を含めて複数備えており、
複数の前記数値情報記憶手段から数値情報を取得する対象となる取得対象抽選手段は、前記第1抽選手段及び前記第2抽選手段を含めて複数存在しており、
前記取得対象抽選手段の数は前記数値情報記憶手段の数よりも多い数であることを特徴とする特徴O1又はO2に記載の遊技機。
特徴O3によれば、複数の数値情報記憶手段から数値情報を取得することとなる抽選処理の数が数値情報記憶手段の数よりも多い数であるため、数値情報記憶手段の増加を抑制しながら抽選処理の数を増やすことが可能となる。
特徴O4.前記数値情報記憶手段の数は、1ゲームにおいて実行対象となる前記取得対象抽選手段の最大数以上の数であることを特徴とする特徴O3に記載の遊技機。
特徴O4によれば、数値情報記憶手段の数が1ゲームにおいて実行対象となる取得対象抽選処理の最大数以上の数であることにより、複数の数値情報記憶手段が複数の取得対象抽選処理にて共同で利用される構成において1ゲームにて同一の数値情報記憶手段の数値情報が複数の抽選処理にて利用されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴O5.前記所定記憶手段とは別に設けられ、更新契機が発生した場合に数値情報が更新される別数値情報記憶手段(第1専用乱数回路102a)と、
所定抽選契機が発生した場合に前記別数値情報記憶手段から取得した数値情報を利用して別抽選処理を実行する別抽選手段(主側MPU72におけるステップS601~ステップS613の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴O1乃至O4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴O5によれば、別抽選処理に際しては所定記憶手段とは別に設けられた別数値情報記憶手段から数値情報が取得される。これにより、別抽選処理を厳格に行うことが可能となる。
特徴O6.前記第1抽選手段及び前記第2抽選手段のそれぞれにおいて数値情報の取得対象となり更新契機が発生した場合に数値情報が更新される数値情報記憶手段(第1~第12共用乱数回路101a~101l)を、前記所定記憶手段を含めて複数備えており、
複数の前記数値情報記憶手段はいずれも同一のビット数であることを特徴とする特徴O1乃至O5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴O6によれば、複数の抽選処理にて共同で利用される複数の数値情報記憶手段はいずれも同一のビット数であるため、一の抽選処理においていずれの数値情報記憶手段を利用したとしても同一のビット数の数値情報を取得して利用することが可能となる。
特徴O7.前記第1抽選手段は、前記第1抽選契機が発生した場合、1個の前記数値情報記憶手段から数値情報を取得し、
前記第2抽選手段は、前記第2抽選契機が発生した場合、複数個の前記数値情報記憶手段から数値情報を取得することを特徴とする特徴O6に記載の遊技機。
特徴O7によれば、抽選処理に際して異なるビット数の数値情報を利用する抽選手段であっても複数の数値情報記憶手段を他の抽選手段と共同で利用することが可能となる。
なお、特徴O1~O7の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴P群>
特徴P1.取得契機が発生した場合に取得した数値情報を第1抽選情報群(第1上乗せテーブル141)に照合することにより抽選処理(上乗せ抽選処理)を実行する第1特定抽選手段(主側MPU72における第1上乗せテーブル141を利用して上乗せ抽選処理を実行する機能)と、
取得契機が発生した場合に取得した数値情報を第2抽選情報群(第2上乗せテーブル142)に照合することにより抽選処理(上乗せ抽選処理)を実行する第2特定抽選手段(主側MPU72における第2上乗せテーブル142を利用して上乗せ抽選処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1抽選情報群は、
複数の識別情報(上乗せインデックス)と、
当該識別情報に対応させて設定され、対応する当該識別情報に前記数値情報が対応しているか否かを前記第1特定抽選手段にて特定可能とするための抽選対応情報(当選乱数の個数)と、
を有しており、
前記第2抽選情報群は、
複数の識別情報(上乗せインデックス)と、
当該識別情報に対応させて設定され、対応する当該識別情報に前記数値情報が対応しているか否かを前記第2特定抽選手段にて特定可能とするための抽選対応情報(当選乱数の個数)と、
を有しており、
前記第1抽選情報群及び前記第2抽選情報群には、前記複数の識別情報として同一の情報が設定されており、
前記第1抽選情報群においては、前記複数の識別情報のうち所定の識別情報が前記第1特定抽選手段の抽選処理にて選択されないように当該所定の識別情報に対応する前記抽選対応情報が設定されており、
前記第2抽選情報群においては、前記所定の識別情報が前記第2特定抽選手段の抽選処理にて選択され得るように当該所定の識別情報に対応する前記抽選対応情報が設定されており、
本遊技機は、
前記複数の識別情報のそれぞれと対応させて抽選結果情報(上乗せゲーム数)が設定された対応情報群(インデックス対応テーブル145)を記憶する情報記憶手段(主側ROM73)と、
前記第1特定抽選手段又は前記第2特定抽選手段にて選択された前記識別情報に対応する前記抽選結果情報を前記対応情報群から把握する情報把握手段(主側MPU72におけるステップS5408の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴P1によれば、第1抽選情報群が参照される場合に所定の識別情報が第1特定抽選手段の抽選処理にて選択されないにも関わらず、第1抽選情報群には所定の識別情報を含めて第2抽選情報群と同一となるように複数の識別情報が設定されている。また、それら複数の識別情報のそれぞれと対応させて抽選結果情報が設定された対応情報群が情報記憶手段に記憶されており、第1特定抽選手段の抽選処理又は第2特定抽選手段の抽選処理にて選択された識別情報に対応する抽選結果情報が対応情報群から把握される。当該構成であることにより、第1抽選情報群及び第2抽選情報群のそれぞれに対応する対応情報群を情報記憶手段に記憶させる必要がないため、情報記憶手段において対応情報群を記憶するために必要な記憶容量を低減することが可能となる。
特徴P2.前記複数の識別情報は連番となるように設定されており、
前記抽選処理においては前記複数の識別情報の番号順に従って各識別情報を抽選結果として選択するか否かの判定処理(主側MPU72におけるステップS5504~ステップS5506の処理)を実行することを特徴とする特徴P1に記載の遊技機。
特徴P2によれば、識別情報が連番で設定されていることにより抽選処理を好適に行うことが可能となる。この場合に、第1抽選情報群と第2抽選情報群とで識別情報が別の情報として扱われていると第1抽選情報群及び第2抽選情報群のそれぞれに対応させて対応情報群を用意する必要が生じる。これに対して、上記特徴P1の構成を備え第1抽選情報群と第2抽選情報群とで同一の識別情報が設定されていることにより、第1抽選情報群と第2抽選情報群とで対応情報群を共通化させることが可能となる。
特徴P3.前記第2抽選情報群においては、前記複数の識別情報のうち特定の識別情報が前記第2特定抽選手段の抽選処理にて選択されないように当該特定の識別情報に対応する前記抽選対応情報が設定されており、
前記第1抽選情報群においては、前記特定の識別情報が前記第1特定抽選手段の抽選処理にて選択され得るように当該特定の識別情報に対応する前記抽選対応情報が設定されていることを特徴とする特徴P1又はP2に記載の遊技機。
特徴P3によれば、第1抽選情報群と第2抽選情報群とで抽選処理にて選択されない識別情報が相違しているにも関わらず同一の識別情報が設定されていることにより、第1抽選情報群と第2抽選情報群とで対応情報群を共通化させることが可能となる。
特徴P4.前記情報記憶手段は、前記第1抽選情報群に対応する第1圧縮情報(第1圧縮データ146)を記憶しており、
本遊技機は、前記第1圧縮情報に対して展開処理を実行することにより前記第1抽選情報群を生じさせる手段(主側MPU72におけるステップS5402~ステップS5404の処理を実行する機能)を備え、
前記第1圧縮情報には前記所定の識別情報に対応する前記抽選対応情報が設定されていないことを特徴とする特徴P1乃至P3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴P4によれば、第1抽選情報群に抽選処理にて選択されない所定の識別情報が設定されているとしても、当該第1抽選情報群に対応する第1圧縮情報においては所定の識別情報に対応する抽選対応情報が設定されていない。これにより、第1抽選情報群を使用するために必要な情報の記憶容量の増大化を抑制しながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴P1~P4の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴O群及び上記特徴P群の各発明によれば以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては抽選を好適に行うことが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴Q群>
特徴Q1.遊技が実行されることにより所定事象が発生した場合にそれに対応する遊技の履歴情報を履歴記憶手段(合計ゲーム数カウンタ74a、有利ゲーム数カウンタ74b)に記憶させる履歴記憶実行手段(主側MPU72におけるステップS4701~ステップS4704の処理を実行する機能)と、
前記履歴記憶手段に記憶されている前記履歴情報を利用して所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報を導出する情報導出手段(主側MPU72におけるステップS4707の処理を実行する機能)と、
当該情報導出手段により導出された前記態様情報に対応する表示が行われるように情報表示手段(兼用表示部66、有利区間表示部67)を表示制御する情報表示制御手段(主側MPU72におけるステップS4708の処理を実行する機能)と、
を備え、
当該情報表示制御手段は、終了契機が発生したことに基づいて前記情報表示手段における前記態様情報に対応する表示が終了されるようにする終了制御手段(主側MPU72におけるステップS4710の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴Q1によれば、所定事象が発生した場合にはそれに対応する履歴情報が履歴記憶手段にて記憶される。これにより、所定事象の発生回数又は発生頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定事象の発生頻度の管理を好適に行うことが可能となる。また、履歴情報が遊技機自身にて記憶されることにより、履歴情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することができる。また、履歴記憶手段に記憶されている履歴情報を利用して所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報が導出される。そして、態様情報に対応する表示が情報表示手段にて行われる。これにより、所定事象の発生頻度などの遊技履歴の管理結果を把握することが可能となる。また、終了契機が発生したことに基づいて情報表示手段における態様情報に対応する表示が終了される。これにより、態様情報を表示する必要がない状況においては情報表示手段にて態様情報が表示されないようにすることが可能となる。
特徴Q2.前記終了契機が複数種類存在していることを特徴とする特徴Q1に記載の遊技機。
特徴Q2によれば、終了契機が複数種類存在していることにより、情報表示手段における態様情報に対応する表示を終了させる場合の操作性を向上させることが可能となる。
特徴Q3.前記情報表示制御手段は、開始契機が発生したことに基づいて前記情報表示手段における前記態様情報に対応する表示が開始されるようにする開始制御手段(主側MPU72におけるステップS4708の処理を実行する機能)を備え、
前記開始契機は1種類であることを特徴とする特徴Q2に記載の遊技機。
特徴Q3によれば、開始契機が1種類であることにより、情報表示手段における態様情報に対応する表示が意図せず開始されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴Q4.前記終了制御手段は、遊技を開始させるための条件を成立させるために発生し得る対応事象(スタート検出センサ41aのON信号の出力、投入メダル検出センサ45aのON信号の出力、クレジット投入検出センサ47a~49aのON信号の出力)が発生したことに基づいて前記終了契機が発生したと特定することを特徴とする特徴Q1乃至Q3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴Q4によれば、遊技を開始させる場合に発生し得る対象事象が発生したことに基づいて情報表示手段における態様情報に対応する表示が終了されるため、情報表示手段にて態様情報が表示されたまま遊技が行われてしまわないようにすることが可能となる。
特徴Q5.対応事象が発生した場合に所定出力状態となる所定出力手段(スタート検出センサ41a、クレジット投入検出センサ47a~49a)と、
有効状況において前記所定出力手段が前記所定出力状態となったことに基づいて有効対応制御を実行する手段(主側MPU72におけるステップS402の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS404にて肯定判定をする機能)と、
を備え、
前記終了制御手段は、前記有効状況ではない状況において前記所定出力手段が前記所定出力状態となったことに基づいて前記終了契機が発生したと特定することを特徴とする特徴Q1乃至Q4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴Q5によれば、有効状況ではない状況であっても所定出力手段が所定出力状態となることで情報表示手段における態様情報に対応する表示が終了されるため、有効状況となることを待たなくても態様情報に対応する表示を終了させることが可能となる。
なお、特徴Q1~Q5の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴Q群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技機の管理が好適に行われる必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴R群>
特徴R1.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
前記絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
変動開始契機が発生したことに基づいて前記絵柄の変動表示を開始させ、前記停止操作手段が操作されたことに基づいて前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記絵柄表示制御手段は、前記絵柄の変動表示が実行されている状況において動作電力の供給が停止された場合であって動作電力の供給が再開された場合に前記変動開始契機が発生していなくもて前記絵柄の変動表示を開始させる再開対応手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS103及びステップS112にて否定判定をする機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS6303及びステップS6312にて否定判定をする機能)を備え、
本遊技機は、少なくとも前記絵柄の変動表示が実行されている状況において動作電力の供給が停止された場合であって動作電力の供給が再開された場合に前記停止操作手段の操作による停止制御の実行が規制されるようにする停止規制手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS116及びステップS117の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS6316の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴R1によれば、絵柄の変動表示が実行されている状況において動作電力の供給が停止された場合には、その後の動作電力の供給の再開に際して変動開始契機が発生していなくても絵柄の変動表示が開始される。これにより、絵柄の変動表示の実行が動作電力の供給の停止によって無効化されてしまわないようにすることが可能となる。また、このように動作電力の供給の再開に際して絵柄の変動表示が新たに開始される場合には停止操作手段の操作による停止制御の実行が規制される。これにより、動作電力の供給が停止された場合において停止操作手段が操作された状態のまま動作電力の供給が再開された場合に、絵柄の変動表示を開始した直後に当該絵柄の停止制御が実行されてしまわないようにすることが可能となる。絵柄の変動表示を開始した直後に絵柄の停止制御が実行されてしまうと絵柄の変動表示が正常に行われないおそれがあるが、上記のように停止操作手段の操作による停止制御の実行が規制されることによりそのような事象が発生しないようにすることが可能となる。
特徴R2.前記絵柄表示制御手段は、
前記絵柄の変動表示を開始させた場合に加速期間を生じさせる加速手段(主側MPU72における加速用処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS1103~ステップS1108の処理を実行する機能)と、
前記加速期間が終了した場合に定速対応情報を定速対応記憶領域(定速フラグ74c)に設定する手段(主側MPU72におけるステップS918の処理を実行する機能)と、
前記定速対応記憶領域に前記定速対応情報が設定されている場合に前記絵柄が定速で変動表示するように定速期間を生じさせる手段(主側MPU72におけるステップS1110の処理を実行する機能)と、
前記定速対応記憶領域に前記定速対応情報が設定されていない場合には前記停止操作手段が操作されたとしても停止制御を実行することなく、前記定速対応記憶領域に前記定速対応情報が設定されている場合に前記停止操作手段が操作されたことに基づいて停止制御を実行する手段(主側MPU72におけるステップS801にて肯定判定をしてステップS803以降の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記停止規制手段は、前記定速対応記憶領域に前記定速対応情報が設定されている状況において動作電力の供給の停止契機が発生した場合、動作電力の供給が再開された後の状況において前記定速対応記憶領域に前記定速対応情報が設定されていない状態となっているようにするものであり、
前記加速手段は、前記絵柄の変動表示を実行すべき状況において前記定速対応記憶領域に前記定速対応情報が設定されていない場合に前記加速期間を生じさせるものであることを特徴とする特徴R1に記載の遊技機。
特徴R2によれば、絵柄の変動表示が開始された場合にはまず加速期間が発生しその後に定速期間となる。そして、定速期間において定速対応情報が設定されていることにより停止操作手段の操作が有効化されることとなる。これにより、絵柄が定速で変動表示している状況において絵柄の停止制御が実行されることとなり絵柄の停止制御を適切に行うことが可能となる。この場合に、定速対応情報が設定されている状況において動作電力の供給の停止契機が発生した場合には動作電力の供給が再開された後の状況において定速対応情報が設定されていない状態となっている。そして、絵柄の変動表示を実行すべき状況において定速対応情報が設定されていない場合には加速期間となる。これにより、定速対応情報を利用して、絵柄の変動表示が実行されている状況において動作電力の供給が停止された場合であって動作電力の供給が再開された場合に停止操作手段の操作を無効なものとしながら絵柄の変動表示を新たに開始することが可能となる。
特徴R3.前記定速対応記憶領域を有し各種情報を記憶する情報記憶手段(主側RAM74)と、
動作電力の供給が開始された場合において消去条件が成立していることに基づいて前記情報記憶手段に記憶されている情報を消去する情報消去手段(主側MPU72におけるステップS104及びステップS113の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記停止規制手段は、前記定速対応記憶領域に前記定速対応情報が設定されている状況において動作電力の供給の停止契機が発生した場合、動作電力の供給が再開された場合において前記情報消去手段による情報の消去が行われなかったとしても、動作電力の供給が再開された後の状況において前記定速対応記憶領域に前記定速対応情報が設定されていない状態となっているようにすることを特徴とする特徴R2に記載の遊技機。
特徴R3によれば、定速対応情報が設定されている状況において動作電力の供給の停止契機が発生した場合には、動作電力の供給が開始された場合に情報消去手段により情報記憶手段の情報が消去されなかった場合であっても定速対応情報が設定されていない状態となる。そして、絵柄の変動表示を実行すべき状況において定速対応情報が設定されていない場合には加速期間となる。これにより、定速対応情報を利用して、絵柄の変動表示が実行されている状況において動作電力の供給が停止された場合であって動作電力の供給が再開された場合に停止操作手段の操作を無効なものとしながら絵柄の変動表示を新たに開始することが可能となる。
特徴R4.前記停止規制手段は、動作電力の供給が開始された場合に前記定速対応記憶領域に前記定速対応情報が設定されていない状態とすることを特徴とする特徴R2又はR3に記載の遊技機。
特徴R4によれば、定速対応情報が設定されている状況において動作電力の供給が停止された場合には動作電力の供給が再開された場合に定速対応情報が設定されていない状態とされる。これにより、動作電力の供給の再開に際して確実に定速対応情報が設定されていない状態とすることが可能となる。
特徴R5.前記停止規制手段は、動作電力の供給が停止される場合に前記定速対応記憶領域に前記定速対応情報が設定されていない状態とすることを特徴とする特徴R2又はR3に記載の遊技機。
特徴R5によれば、定速対応情報が設定されている状況において動作電力の供給が停止される場合にはその時点で定速対応情報が設定されていない状態とされる。これにより、動作電力の供給の再開に際して特別な処理を実行しなくても動作電力の供給の再開に際して定速対応情報が設定されていない状態とすることが可能となる。
特徴R6.前記絵柄表示制御手段は、
確認契機が発生したことに基づいて前記停止操作手段が操作されているか否かを確認するための確認処理を実行する確認手段(第10の実施形態における主側MPU72の停止操作判定処理を実行する機能)と、
1回前の処理回における前記確認処理の確認結果の情報が所定履歴情報として履歴記憶手段(履歴エリア181~183)に記憶されるようにする履歴記憶実行手段(主側MPU72におけるステップS6103~ステップS6106の処理を実行する機能)と、
前記所定履歴情報が前記停止操作手段が操作されていないことを示す確認結果に対応する情報である状況において前記確認処理にて前記停止操作手段が操作されていることが確認されたことに基づいて、前記絵柄の変動表示を停止させることを可能とする手段(主側MPU72におけるステップS6108の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記停止規制手段は、少なくとも前記絵柄の変動表示が実行されている状況において動作電力の供給が停止された場合であって動作電力の供給が再開された場合にその後に前記確認処理が実行された状況において、前記所定履歴情報が前記停止操作手段が操作されていることを示す確認結果に対応する情報であるようにすることを特徴とする特徴R1乃至R5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴R6によれば、絵柄の変動表示が実行されている状況において動作電力の供給が停止された場合には動作電力の供給が再開されて確認処理が実行された場合に所定履歴情報が停止操作手段が操作されていることを示す確認結果に対応する情報となっている。停止操作手段が操作されていないことを示す所定履歴情報が記憶されている状況において停止操作手段が操作されていることが確認処理にて確認されたことに基づいて、絵柄の変動表示の停止制御が実行される構成であるため、上記のように確認処理が実行された場合に停止操作手段が操作されていることを示す所定履歴情報が記憶されている場合には停止操作手段が操作されていることが確認処理にて確認されたとしても絵柄の変動表示の停止制御は実行されない。これにより、所定履歴情報の内容を調整するだけで既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴R7.前記絵柄表示制御手段は、
前記絵柄の変動表示を開始させた場合に加速期間を生じさせる加速手段(主側MPU72における加速用処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS1103~ステップS1108の処理を実行する機能)と、
前記加速期間が終了した場合に定速対応情報を定速対応記憶領域(定速フラグ74c)に設定する手段(主側MPU72におけるステップS918の処理を実行する機能)と、
前記定速対応記憶領域に前記定速対応情報が設定されている場合に前記絵柄が定速で変動表示するように定速期間を生じさせる手段(主側MPU72におけるステップS1110の処理を実行する機能)と、
前記定速対応記憶領域に前記定速対応情報が設定されていない場合には前記停止操作手段が操作されたとしても停止制御を実行することなく、前記定速対応記憶領域に前記定速対応情報が設定されている場合に前記停止操作手段が操作されたことに基づいて停止制御を実行する手段(主側MPU72におけるステップS801にて肯定判定をしてステップS803以降の処理を実行する機能)と、
前記絵柄の変動表示が正常に行われていない状況であることを特定した場合に前記定速対応記憶領域に前記定速対応情報が設定されていない状態となるようにする手段(主側MPU72におけるステップS6202の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記加速手段は、前記絵柄の変動表示を実行すべき状況において前記定速対応記憶領域に前記定速対応情報が設定されていない場合に前記加速期間を生じさせるものであることを特徴とする特徴R6に記載の遊技機。
特徴R7によれば、絵柄の変動表示が開始された場合にはまず加速期間が発生しその後に定速期間となる。そして、定速期間において定速対応情報が設定されていることにより停止操作手段の操作が有効化されることとなる。これにより、絵柄が定速で変動表示している状況において絵柄の停止制御が実行されることとなり絵柄の停止制御を適切に行うことが可能となる。また、絵柄の変動表示が正常に行われていない状況であることが特定された場合には定速対応情報が設定されていない状態とされ、絵柄の変動表示を実行すべき状況において定速対応情報が設定されていない場合には加速期間となる。この場合に、定速対応情報が設定されている状況において動作電力の供給が停止されたとしても動作電力の供給が再開された場合にはその後の確認処理の実行に際して停止操作手段が操作されていることを示す所定履歴情報が記憶されているため、実質的に停止操作手段の操作が無効化される。そして、停止操作手段の操作が無効化されている状況において定速対応情報が設定されていない状態となるようにすることが可能となるとともに加速期間が新たに開始されるようにすることが可能となる。
なお、特徴R1~R7の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴R群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。また、パチンコ遊技機においては表示装置や回転体を利用して絵柄の変動表示を実行する構成も知られている。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始されることで絵柄の変動表示が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後における絵柄の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては絵柄の変動表示を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴S群>
特徴S1.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
前記絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
前記開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選実行手段(主側MPU72における役の抽選処理を実行する機能)と、
前記開始操作手段が操作されたことに基づいて前記絵柄の変動表示が開始され、停止契機が発生したことに基づいて前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記絵柄の変動表示が停止された場合に前記役の抽選処理の結果に対応する前記絵柄の停止結果となっていることに基づいて、入賞対応制御を実行する入賞対応制御手段(主側MPU72におけるステップS410の処理を実行する機能)と、
前記役の抽選処理の結果とは無関係に第1所定抽選処理を実行する第1所定抽選実行手段(主側MPU72における常時抽選処理を実行する機能)と、
前記第1所定抽選処理にて当選結果となったことに基づいて遊技者に所定特典(上乗せゲーム数の付与)を付与する所定特典付与手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS3109の処理を実行する機能、第11の実施形態では主側MPU72におけるステップS6411の処理を実行する機能、第12の実施形態では主側MPU72におけるステップS6511の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴S1によれば、開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理が実行されるとともに絵柄の変動表示が開始され、絵柄の変動表示が停止された場合に役の抽選処理の結果に対応する絵柄の停止結果となっていることに基づいて入賞対応制御が実行される。したがって、遊技者は絵柄の変動表示の停止結果に注目しながら遊技を行うこととなる。この場合に、役の抽選処理の結果とは無関係に第1所定抽選処理が実行され、第1所定抽選処理にて当選結果となったことに基づいて所定特典が付与される。これにより、役の抽選処理の結果に依存しない態様で所定特典が付与される状況を生じさせることが可能となる。よって、役の抽選処理の結果が所望の結果ではない状況であっても所定特典が付与されるのではないかと遊技者に期待させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴S2.前記役抽選実行手段は、前記開始操作手段が操作されたことに基づいて取得された数値情報を利用して前記役の抽選処理を実行するものであり、
前記第1所定抽選実行手段は、前記開始操作手段が操作されたことに基づいて取得された数値情報を利用して前記第1所定抽選処理を実行するものであることを特徴とする特徴S1に記載の遊技機。
特徴S2によれば、役の抽選処理の結果とは無関係に第1所定抽選処理が実行される構成であっても、第1所定抽選処理に際して利用される数値情報の取得契機を役の抽選処理に際して利用される数値情報の取得契機と同様に開始操作手段の操作で共通化させることが可能となる。よって、数値情報の取得契機を複雑化させることなく既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴S3.前記役の抽選処理にて利用される前記数値情報と前記第1所定抽選処理にて利用される前記数値情報とは異なる数値情報更新手段(第1専用乱数回路102a、第3専用乱数回路102c)により更新された数値情報であることを特徴とする特徴S2に記載の遊技機。
特徴S3によれば、第1所定抽選処理にて利用される数値情報は役の抽選処理にて利用される数値情報を更新するための数値情報更新手段とは異なる数値情報更新手段により更新される。これにより、第1所定抽選処理の結果を役の抽選処理の結果とは完全に独立させることが可能となる。
特徴S4.前記第1所定抽選実行手段は、少なくとも特定状況(ART状態ST9)において各ゲームにて前記第1所定抽選処理を実行することを特徴とする特徴S1乃至S3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴S4によれば、少なくとも特定状況においては各ゲームにて第1所定抽選処理が実行されるため、少なくとも特定状況においては役の抽選処理の結果に関係なく各ゲームにて所定特典の付与を遊技者に期待させることが可能となる。
特徴S5.前記役の抽選処理の結果に対応する態様で第2所定抽選処理を実行する第2所定抽選実行手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS3102~ステップS3104の処理を実行する機能、第11の実施形態では主側MPU72におけるステップS6402~ステップS6404の処理を実行する機能、第12の実施形態では主側MPU72におけるステップS6502~ステップS6504の処理を実行する機能)を備え、
前記所定特典付与手段は、前記第1所定抽選処理にて当選結果となったことに基づいて前記所定特典を付与し、前記第2所定抽選処理にて当選結果となったことに基づいて前記所定特典を付与することを特徴とする特徴S1乃至S4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴S5によれば、役の抽選処理の結果とは無関係に所定特典が付与される状況と、役の抽選処理の結果に対応する態様で所定特典が付与される状況とを生じさせることが可能となる。これにより、遊技者は役の抽選処理の結果に応じて所定特典が付与されることを期待するとともに、役の抽選処理の結果とは関係なく所定特典が付与されることを期待することとなる。
特徴S6.前記第1所定抽選処理にて当選結果となったことに基づいて付与される前記所定特典の有利度は、前記第2所定抽選処理にて当選結果となったことに基づいて付与される前記所定特典の有利度よりも低い又は低くなり易いことを特徴とする特徴S5に記載の遊技機。
特徴S6によれば、所定特典の付与に関しても役の抽選処理の結果に遊技者を注目させることが可能となるとともに、役の抽選処理の結果が所望の結果ではなかったとしても所定特典の付与を遊技者に期待させることが可能となる。
特徴S7.前記所定特典付与手段は、前記第2所定抽選処理にて当選結果となったことに基づいて前記所定特典が付与される場合には前記第1所定抽選処理にて当選結果となっていたとしても当該当選結果を契機とした前記所定特典の付与を行わないことを特徴とする特徴S5又はS6に記載の遊技機。
特徴S7によれば、所定特典が過剰に付与されてしまわないようにしながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴S8.遊技者の有利度に対応する複数段階の設定値の中から使用対象となる設定値を設定する設定手段(主側MPU72におけるステップS105の処理を実行する機能)を備え、
前記第2所定抽選実行手段は、前記役の抽選処理にて前記複数段階の設定値のいずれであっても当選確率が同一である特定の役に当選したことに基づいて前記第2所定抽選処理を実行することを特徴とする特徴S5乃至S7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴S8によれば、設定値の予測を行いづらくしながら所定特典を付与することが可能となる。
なお、特徴S1~S8の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴S群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。また、パチンコ遊技機においては表示装置や回転体を利用して絵柄の変動表示を実行する構成も知られている。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始されることで絵柄の変動表示が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後における絵柄の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴T群>
特徴T1.特定乱数情報を更新する乱数更新手段(第4専用乱数回路102d)と、
取得契機が発生した場合に前記特定乱数情報を抽選用記憶領域(取得乱数カウンタ74e)に格納する乱数取得手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2104の処理を実行する機能、第13の実施形態では主側MPU72におけるステップS6604の処理を実行する機能)と、
前記特定乱数情報が格納された後の前記抽選用記憶領域に対して抽選値情報の更新を行う情報更新手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2106の処理を実行する機能、第13の実施形態では主側MPU72におけるステップS6607の処理を実行する機能)と、
前記抽選用記憶領域に対して前記抽選値情報の更新が行われることで当該抽選用記憶領域の数値情報が最小値及び最大値の一方から他方に変更された後の結果に対応する数値情報となった場合に当選対応処理を実行する当選対応実行手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2107及びステップS2108の処理を実行する機能、第13の実施形態では主側MPU72におけるステップS6608及びステップS6609の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選用記憶領域は所定ビット数の領域であり、
前記特定乱数情報は前記所定ビット数よりも少ない特定ビット数であることを特徴とする遊技機。
特徴T1によれば、抽選用記憶領域に対して抽選値情報の更新が行われることで当該抽選用記憶領域の数値情報が最小値及び最大値の一方から他方に変更された後の結果に対応する数値情報となった場合に当選対応処理が実行される構成において、抽選用記憶領域が所定ビット数の領域であるのに対して、特定乱数情報が所定ビット数よりも少ない特定ビット数となっている。これにより、当選対応処理が100%実行される状況を生じさせる場合には抽選値情報として特定ビット数による最大値よりも大きい値となる数値情報を利用すればよく、このような抽選値情報のビット数を所定ビット数の範囲に抑えることが可能となる。よって、抽選処理を好適に実行することが可能となる。
特徴T2.前記情報更新手段は、前記抽選用記憶領域に記憶されている数値情報に対して前記抽選値情報が減算された結果の数値情報が導出されるようにするものであり、
前記当選対応実行手段は、前記情報更新手段により導出された結果の数値情報が、前記抽選用記憶領域の数値情報が前記抽選値情報の減算により最大値から最小値に変更された後の結果に対応する数値情報となった場合に前記当選対応処理を実行することを特徴とする特徴T1に記載の遊技機。
特徴T2によれば、抽選に際して減算式で数値情報の更新が行われる構成において特定乱数情報が所定ビット数よりも少ない特定ビット数に設定されていることにより、抽選値情報として特定ビット数による最大値よりも大きい値となる数値情報を利用するだけで当選対応処理が100%実行される状況を生じさせることが可能となる。
特徴T3.前記抽選値情報として、前記所定ビット数の情報であって前記特定ビット数による最大値よりも大きい値となる第1抽選値情報(低確率用の抽選テーブル112における「9」~「14」の当選番号に対応する抽選値情報、高確率用の抽選テーブル113における「9」~「16」の当選番号に対応する抽選値情報)と、前記所定ビット数の情報であって前記特定ビット数による最大値以下となる第2抽選値情報(低確率用の抽選テーブル112における「4」~「8」,「15」,「16」の当選番号に対応する抽選値情報、高確率用の抽選テーブル113における「4」~「8」の当選番号に対応する抽選値情報)と、が存在していることを特徴とする特徴T1又はT2に記載の遊技機。
特徴T3によれば、第1抽選値情報を利用することにより当選対応処理が100%実行されるようにすることが可能となり、第2抽選値情報を利用することにより特定乱数情報に応じて当選対応処理が実行される状況と実行されない状況とのいずれもが発生するようにすることが可能となる。
特徴T4.前記特定ビット数は前記所定ビット数よりも1ビット少ないビット数であることを特徴とする特徴T1乃至T3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴T4によれば、特定乱数情報として取り得る数値範囲を極力大きくしながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴T5.前記所定ビット数は所定バイトに対応するビット数であることを特徴とする特徴T1乃至T4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴T5によれば、バイト単位での数値情報の扱いを可能としながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴T6.前記情報更新手段は、
前記特定乱数情報が格納された後の前記抽選用記憶領域に記憶されている数値情報に対して予め定められた特定数値情報(固定値)が加算された結果の数値情報が導出されるようにする第1導出手段(主側MPU72におけるステップS6605の処理を実行する機能)と、
当該第1導出手段により導出された数値情報に対して前記抽選値情報が加算された結果の数値情報が導出されるようにする第2導出手段(主側MPU72におけるステップS6607の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記当選対応実行手段は、前記第2導出手段により導出された結果の数値情報が、前記抽選用記憶領域の数値情報が前記抽選値情報の加算により最大値から最小値に変更された後の結果に対応する数値情報となった場合に前記当選対応処理を実行することを特徴とする特徴T1乃至T5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴T6によれば、特定乱数情報に特定数値情報が加算された結果の数値情報に対して抽選値情報が加算された結果の数値情報が導出される構成であるため、特定乱数情報が所定ビット数よりも少ない特定ビット数である構成であっても加算式による抽選を実現することが可能となる。
特徴T7.前記特定数値情報は、前記特定乱数情報がいずれの数値情報であっても、前記第1導出手段により導出された結果の数値情報が、前記抽選用記憶領域の数値情報が最大値から最小値に変更された後の結果に対応する数値情報とならないように設定されていることを特徴とする特徴T6に記載の遊技機。
特徴T7によれば、特定乱数情報に特定数値情報が加算されただけで当選結果に対応する数値情報が導出されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴T8.前記抽選値情報は複数種類設定されており、
前記特定数値情報は、前記抽選値情報がいずれの種類であっても、前記第2導出手段により導出された結果の数値情報が、前記抽選用記憶領域の数値情報が最大値から最小値に変更された後の結果に対応する数値情報となり得るように設定されていることを特徴とする特徴T6又はT7に記載の遊技機。
特徴T8によれば、いずれの種類の抽選値情報が利用される場合であっても当選結果に対応する数値情報が導出されるようにすることが可能となる。
なお、特徴T1~T8の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴U群>
特徴U1.特定乱数情報を更新する乱数更新手段(第4専用乱数回路102d)と、
取得契機が発生した場合に前記特定乱数情報を抽選用記憶領域(取得乱数カウンタ74e)に格納する乱数取得手段(主側MPU72におけるステップS6604の処理を実行する機能)と、
前記特定乱数情報が格納された後の前記抽選用記憶領域に記憶されている数値情報に対して予め定められた特定数値情報(固定値)が加算された結果の数値情報が導出されるようにする第1導出手段(主側MPU72におけるステップS6605の処理を実行する機能)と、
当該第1導出手段により導出された数値情報に対して抽選値情報が加算された結果の数値情報が導出されるようにする第2導出手段(主側MPU72におけるステップS6607の処理を実行する機能)と、
当該第2導出手段により導出された結果の数値情報が、前記抽選用記憶領域の数値情報が前記抽選値情報の加算により最大値から最小値に変更された後の結果に対応する数値情報となった場合に当選対応処理を実行する当選対応実行手段(主側MPU72におけるステップS6608及びステップS6609の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴U1によれば、特定乱数情報に特定数値情報が加算された結果の数値情報に対して抽選値情報が加算された結果の数値情報が導出され、その数値情報が抽選用記憶領域の数値情報が最大値から最小値に変更された後の結果に対応する数値情報となっている場合に当選対応処理が実行される。これにより、特定乱数情報のビット数が抽選用記憶領域のビット数よりも少ないビット数であったとしても加算式による抽選を適切に行うことが可能となる。よって、抽選処理を好適に実行することが可能となる。
特徴U2.前記抽選用記憶領域は所定ビット数の領域であり、
前記特定乱数情報は前記所定ビット数よりも少ない特定ビット数であることを特徴とする特徴U1に記載の遊技機。
特徴U2によれば、抽選用記憶領域が所定ビット数の領域であるのに対して、特定乱数情報が所定ビット数よりも少ない特定ビット数となっている。これにより、当選対応処理が100%実行される状況を生じさせる場合には抽選値情報として特定ビット数による最大値よりも大きい値となる数値情報を利用すればよく、このような抽選値情報のビット数を所定ビット数の範囲に抑えることが可能となる。よって、抽選処理を好適に実行することが可能となる。
特徴U3.前記抽選値情報として、前記所定ビット数の情報であって前記特定ビット数による最大値よりも大きい値となる第1抽選値情報(低確率用の抽選テーブル112における「9」~「14」の当選番号に対応する抽選値情報、高確率用の抽選テーブル113における「9」~「16」の当選番号に対応する抽選値情報)と、前記所定ビット数の情報であって前記特定ビット数による最大値以下となる第2抽選値情報(低確率用の抽選テーブル112における「4」~「8」,「15」,「16」の当選番号に対応する抽選値情報、高確率用の抽選テーブル113における「4」~「8」の当選番号に対応する抽選値情報)と、が存在していることを特徴とする特徴U2に記載の遊技機。
特徴U3によれば、第1抽選値情報を利用することにより当選対応処理が100%実行されるようにすることが可能となり、第2抽選値情報を利用することにより特定乱数情報に応じて当選対応処理が実行される状況と実行されない状況とのいずれもが発生するようにすることが可能となる。
特徴U4.前記特定ビット数は前記所定ビット数よりも1ビット少ないビット数であることを特徴とする特徴U2又はU3に記載の遊技機。
特徴U4によれば、特定乱数情報として取り得る数値範囲を極力大きくしながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴U5.前記所定ビット数は所定バイトに対応するビット数であることを特徴とする特徴U2乃至U4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴U5によれば、バイト単位での数値情報の扱いを可能としながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴U6.前記特定数値情報は、前記特定乱数情報がいずれの数値情報であっても、前記第1導出手段により導出された結果の数値情報が、前記抽選用記憶領域の数値情報が最大値から最小値に変更された後の結果に対応する数値情報とならないように設定されていることを特徴とする特徴U1乃至U5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴U6によれば、特定乱数情報に特定数値情報が加算されただけで当選結果に対応する数値情報が導出されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴U7.前記抽選値情報は複数種類設定されており、
前記特定数値情報は、前記抽選値情報がいずれの種類であっても、前記第2導出手段により導出された結果の数値情報が、前記抽選用記憶領域の数値情報が最大値から最小値に変更された後の結果に対応する数値情報となり得るように設定されていることを特徴とする特徴U1乃至U6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴U7によれば、いずれの種類の抽選値情報が利用される場合であっても当選結果に対応する数値情報が導出されるようにすることが可能となる。
なお、特徴U1~U7の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴T群及び上記特徴U群の各発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。また、パチンコ遊技機においては表示装置や回転体を利用して絵柄の変動表示を実行する構成も知られている。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始されることで絵柄の変動表示が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後における絵柄の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては抽選処理を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴V群>
特徴V1.絵柄の変動表示を行う変動表示領域(リール32L,32M,32R)を複数有する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
複数の前記変動表示領域のうち一の変動表示領域における前記絵柄の変動表示の加速期間を発生させ、当該加速期間が終了した後に次の順番の変動表示領域における前記絵柄の変動表示の加速期間を発生させる加速手段(主側MPU72におけるステップS1103~ステップS1108の処理及びステップS1210~ステップS1211の処理を実行する機能)と、
前記一の変動表示領域における前記加速期間が終了してから前記次の順番の変動表示領域における前記加速期間が開始されるまでの待機期間の有無及び待機期間の長さのうち少なくとも一方を決定する期間決定手段(主側MPU72におけるステップS1204~ステップS1207の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴V1によれば、一の変動表示領域における加速期間が終了した後に次の順番の変動表示領域における加速期間が開始されるように絵柄の変動表示が開始されることがある。これにより、絵柄の変動表示が順次開始される様子を遊技者に視認させることが可能となる。この場合に、一の変動表示領域における加速期間が終了してから次の順番の変動表示領域における加速期間が開始されるまでの期間が変動し得る。これにより、絵柄の変動表示が順次開始される場合におけるその開始態様を多様化することが可能となる。よって、絵柄の変動表示の実行態様を多様化することが可能となる。
特徴V2.変動開始契機が発生したことに基づいて複数の前記変動表示領域における前記絵柄の変動表示を開始させる絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)を備え、
前記変動開始契機として第1変動開始契機(リール演出当選フラグに「1」が設定されていない状況)と第2変動開始契機(リール演出当選フラグに「1」が設定されている状況)とが存在しており、
前記絵柄表示制御手段は、
前記第1変動開始契機が発生したことに基づいて、前記期間決定手段による前記待機期間に関する決定を行わせることなく複数の前記変動表示領域における前記絵柄の変動表示を行わせる第1絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるステップS904~ステップS907の処理を実行する機能)と、
前記第2変動開始契機が発生したことに基づいて、前記期間決定手段による前記待機期間に関する決定に対応する態様で複数の前記変動表示領域における前記絵柄の変動表示を行わせる第2絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるステップS908~ステップS911の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS916にて肯定判定をする機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴V1に記載の遊技機。
特徴V2によれば、第1変動開始契機が発生した場合には待機期間に関する決定が行われることなく複数の変動表示領域における絵柄の変動表示が行われ、第2変動開始契機が発生した場合には待機期間に関する決定に対応する態様で複数の変動表示領域における絵柄の変動表示が行われる。これにより、絵柄の変動表示の実行態様を多様化させることが可能となる。
特徴V3.前記第2絵柄表示制御手段は、前記第2変動開始契機が発生したことに基づいて前記絵柄表示手段にて前記絵柄による特定変動表示(リール演出)を行わせ、当該特定変動表示が完了した後に、前記期間決定手段による前記待機期間に関する決定に対応する態様で複数の前記変動表示領域における前記絵柄の変動表示を行わせることを特徴とする特徴V2に記載の遊技機。
特徴V3によれば、第2変動開始契機が発生した場合には特定変動表示が行われた後に絵柄の変動表示が再度開始される。これにより、絵柄の変動表示の実行態様に意外性を与えることが可能となる。また、特定変動表示が行われた後に絵柄の変動表示が再度開始される場合には、待機期間に関する決定に対応する態様で複数の変動表示領域における絵柄の変動表示が行われる。これにより、特定変動表示が行われた後に絵柄の変動表示が再度開始される場合における絵柄の変動表示の実行態様を多様化させることが可能となる。
特徴V4.前記期間決定手段は、前記一の変動表示領域における前記加速期間を開始する場合に所定の開始契機に対して当該一の変動表示領域における前記加速期間が開始されるまでの待機期間の有無及び待機期間の長さのうち少なくとも一方を決定し、前記次の順番の変動表示領域における前記加速期間を開始する場合に前記一の変動表示領域における前記加速期間が終了してから前記次の順番の変動表示領域における前記加速期間が開始されるまでの待機期間の有無及び待機期間の長さのうち少なくとも一方を決定することを特徴とする特徴V1乃至V3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴V4によれば、一の変動表示領域における絵柄の変動表示が開始される場合には所定の開始契機から一の変動表示領域における加速期間が開始されるまでの期間が変動し得る。また、次の順番の変動表示領域における絵柄の変動表示が開始される場合には一の変動表示領域における加速期間が終了してから次の順番の変動表示領域における加速期間が開始されるまでの期間が変動し得る。これにより、一の変動表示領域及び次の順番の変動表示領域のそれぞれについて加速期間が開始されるまでの期間を多様化することが可能となり、結果的に絵柄の変動表示が順次開始される場合におけるその開始態様を多様化することが可能となる。
特徴V5.前記期間決定手段は、前記待機期間の有無及び待機期間の長さのうち少なくとも一方を待機抽選処理にて決定することを特徴とする特徴V1乃至V4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴V5によれば、待機期間の有無及び待機期間の長さのうち少なくとも一方が抽選により決定されるため、待機期間の決定態様を不規則なものとすることが可能となる。
特徴V6.所定数値情報を更新する所定数値更新手段(乱数カウンタ)を備え、
前記期間決定手段は、
前記一の変動表示領域における前記加速期間を開始する場合に前記所定数値情報を取得する第1取得手段(主側MPU72における開始対象カウンタの値が「3」である場合にステップS1205の処理を実行する機能)と、
当該第1取得手段により取得された前記所定数値情報を利用して、所定の開始契機に対して当該一の変動表示領域における前記加速期間が開始されるまでの待機期間の有無及び待機期間の長さのうち少なくとも一方を抽選により決定する第1決定手段(主側MPU72における開始対象カウンタの値が「3」である場合にステップS1206の処理を実行する機能)と、
前記次の順番の変動表示領域における前記加速期間を開始する場合に前記所定数値情報を取得する第2取得手段(主側MPU72における開始対象カウンタの値が「2」である場合にステップS1205の処理を実行する機能)と、
当該第2取得手段により取得された前記所定数値情報を利用して、前記一の変動表示領域における前記加速期間が終了してから前記次の順番の変動表示領域における前記加速期間が開始されるまでの待機期間の有無及び待機期間の長さのうち少なくとも一方を抽選により決定する第2決定手段(主側MPU72における開始対象カウンタの値が「2」である場合にステップS1206の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴V1乃至V5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴V6によれば、一の変動表示領域における絵柄の変動表示が開始される場合には所定の開始契機から一の変動表示領域における加速期間が開始されるまでの期間が変動し得る。また、次の順番の変動表示領域における絵柄の変動表示が開始される場合には一の変動表示領域における加速期間が終了してから次の順番の変動表示領域における加速期間が開始されるまでの期間が変動し得る。これにより、一の変動表示領域及び次の順番の変動表示領域のそれぞれについて加速期間が開始されるまでの期間を多様化することが可能となり、結果的に絵柄の変動表示が順次開始される場合におけるその開始態様を多様化することが可能となる。また、待機期間の有無及び待機期間の長さのうち少なくとも一方が抽選により決定されるため、待機期間の決定態様を不規則なものとすることが可能となる。また、一の変動表示領域についての待機期間及び次の順番の変動表示領域についての待機期間のいずれを決定する場合であっても共通の所定数値更新手段が利用される。これにより、構成の簡素化を図りながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴V7.前記所定数値更新手段により前記所定数値情報の更新が1周するまでに要する期間は、前記一の変動表示領域における前記加速期間が完了するまでに要する期間よりも短いことを特徴とする特徴V6に記載の遊技機。
特徴V7によれば、一の変動表示領域についての待機期間及び次の順番の変動表示領域についての待機期間のいずれを決定する場合であっても共通の所定数値更新手段が利用される構成において、各待機期間についての抽選を独立して行うことが可能となる。
なお、特徴V1~V7の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B11、特徴C1~C7、特徴D1~D9、特徴E1~E7、特徴F1~F10、特徴G1~G9、特徴H1~H9、特徴I1~I6、特徴J1~J8、特徴K1~K15、特徴L1~L6、特徴M1~M8、特徴N1~N5、特徴O1~O7、特徴P1~P4、特徴Q1~Q5、特徴R1~R7、特徴S1~S8、特徴T1~T8、特徴U1~U7、特徴V1~V7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴V群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。また、パチンコ遊技機においては表示装置や回転体を利用して絵柄の変動表示を実行する構成も知られている。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始されることで絵柄の変動表示が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後における絵柄の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては絵柄の変動表示の実行態様を多様化する必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。