JP7543088B2 - 配管の設置方法 - Google Patents
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Description
また、クレーンで吊上げた配管を天井部周りの所定の位置に設置する際に、建屋の骨格を為す鉄骨の上で作業員が配管の設置作業(例えば、配管に仮吊り用のワイヤを取り付ける作業等)を行う場合があった。この場合には、不安定な体勢で作業を行うことから作業効率の悪化を招来するとともに、作業員の安全性が十分でない可能性があった。
また、作業員の安全性を向上させることができる配管の設置方法を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る配管の設置方法は、ボイラに設けられる配管を所定位置へ設置する配管の設置方法であって、複数の前記配管を作業床に配置する配置工程と、複数の前記配管が配置された前記作業床を所定の高さまで吊上げる吊上げ工程と、吊上げられた前記作業床に配置された複数の前記配管を各々前記所定位置へ設置する設置工程と、を備え、前記ボイラは、蒸気を生成するボイラ本体と前記ボイラ本体を収容する建屋とを有し、前記配管は、前記ボイラ本体の天井部と前記建屋の天井部との間に設けられる。
また、本開示によれば、作業員の安全性を向上させることができる。
図1に示すように、ボイラ1は、後述するボイラ本体20を収容する建屋10を備えている。建屋10は、内部に空間が形成される箱状体である。図1に示すように、建屋10は、骨格を為すボイラ鉄骨(骨格部)11を備えている。建屋10は、ボイラ1が完成した状態においては、ボイラ鉄骨11を覆うように建屋10壁部(図示省略)が設けられているが、図1ではボイラ鉄骨11のみが構築された状態を図示している。なお、建屋10壁部は設置されない場合もある。
ボイラ本体20は、内部で蒸気を生成する。ボイラ本体20は、燃料を燃焼することで燃焼ガスを生成する火炉(図示省略)と、燃焼ガスが流通する燃焼ガス通路(図示省略)と、火炉及び燃焼ガス通路の壁部(ボイラ天井部20aを含む)を構成するボイラ壁21と、を備えている。燃焼ガス通路には、内部に給水が流通する伝熱管群(図示省略)が配置されており、燃焼ガスの熱によって給水が加熱され蒸気が生成される。
ボイラ壁21は、板状の複数の伝熱管パネル22を有している。各伝熱管パネル22は、複数の伝熱管(図示省略)とこれらを接続するフィン(図示省略)とを有している。ボイラ壁21は、複数の伝熱管パネル22を略面一となるように並べて配置し、隣接する伝熱管パネル22同士のフィン部を接合することで構成されている。ボイラ壁21は、燃焼ガスの熱を伝熱管の内部を流通する水や蒸気と熱交換して、火炉及び燃焼ガス通路の過剰な温度上昇を抑制している。
各天井部周り配管30は、水平方向に延在する配管やエルボ管である。各天井部周り配管30の内部には、伝熱管群に供給される給水又は蒸気や、伝熱管群から排出された給水又は蒸気等が流通している。複数の天井部周り配管30は、鉛直方向に所定の間隔で並んで配置されるとともに、水平方向にも所定の間隔(図2の長さL1)で並んで配置されている。
本実施形態では、建屋10のボイラ鉄骨11が構築された状態であって、かつ、ボイラ本体20のボイラ天井部20aを構成する伝熱管パネル22が設置される前の状態において、天井部周り配管30を設置する。
作業床40は、床面41(板部材の上面)を有している。床面41は、床面41上で作業員が所定の作業を行える程度の広さ及び剛性を有している。所定の作業とは、例えば、天井部周り配管30に対して配管玉掛け用ワイヤ58を取り付ける作業である。
作業床40の床面41には、平面視した際の四隅に玉掛け用金具42(図3参照)が設けられている。玉掛け用金具42は、作業床40を吊上げる際に利用される。また、作業床40の床面41には、複数の仮吊り用金具43が設けられている。仮吊り用金具43は、作業床40を仮吊りする際に利用される。
次に、天井部周り配管30が固縛された作業床40をトレーラ2に搭載し、作業床40を吊上げ位置の鉛直方向の下方まで運搬する。
なお、クレーン50と作業床40とは、吊り天秤53を介して接続されている。このため、床面41が水平状態を維持したまま、作業床40を吊上げることができる。
全ての領域の作業が終了すると、天井部周り配管30の設置作業(仮吊り作業)が完了する。
天井部周り配管30の設置作業(仮吊り作業)が完了すると、次に、クレーン50で伝熱管パネル22を地上から吊上げる。そして、天井部鉄骨12aに対して、伝熱管パネル22を仮吊りする。伝熱管パネル22の仮吊り作業を終えると、次に、仮吊りされた状態の天井部周り配管30の開先端部同士を点溶接(仮溶接)で固定する。次に、天井部周り配管30の開先端部同士を全周溶接(本溶接)する。このようにして、各天井部周り配管30の据付作業を行う。
本実施形態では、複数の天井部周り配管30が配置された作業床40を所定の高さ(本実施形態では、天井部鉄骨12aの近傍)まで吊上げている。このように、複数の天井部周り配管30を一度に吊上げることで、複数の天井部周り配管30を1本ずつ所定の高さまで吊上げる場合と比較して、吊上げ作業に要する時間を短縮することができる。したがって、天井部周り配管30を設置(仮吊り)する作業の効率を向上させることができる。
特に、本実施形態では、比較的高い位置に配置される天井部周り配管30を設置する作業に対して、本開示に係る配管の設置方法を適用している。高い位置に配置される配管を吊上げる場合には、1度の吊り上げ作業に要する時間が長くなる。上述のように、本実施形態では、複数の天井部周り配管30を1本ずつ所定の高さまで吊上げる場合と比較して、吊り上げ作業の回数を低減することができるので、吊上げ作業に要する時間をより短縮することができる。したがって、天井部周り配管30を設置する作業の効率をより向上させることができる。
天井部周り配管30を吊上げる高さ(以下、「揚程」と称する。)が大きいと、吊り上げ作業時に吊り荷(天井部周り配管30)が風などに煽られる荷ぶれが起き易い。荷ぶれが起きると、図示省略の吊棒(ボイラ本体20を吊下げて支持するための棒)や、周辺の鉄骨などと接触する恐れがあるため、天井部周り配管30の吊上げ作業が難化し、作業効率の悪化の一因となる可能性がある。一方、上述のように本実施形態では、揚程が低減するので、吊り上げ作業を容易化することができるので、作業効率を向上させることができる。また、作業を容易化することができるので、作業員の熟練度によらず作業を行うことができるので、作業員による作業の精度のバラつきを抑制することができ、作業の精度を向上させることができる。
また、作業員が作業床40上で安定した体勢で作業を行うことができるので、作業員の安全性を向上させることができる。
また、回り止め45が設けられているので、作業床40に搭載された天井部周り配管30の交差方向の移動を規制して、作業床40からの落下を防止することができる。
また、建屋10の天井部鉄骨12aを利用しているので、作業床40を吊り下げるための新たな鉄骨構造物を設ける場合と比較して、部品点数を低減することができる。したがって、天井部周り配管30の設置方法に要するコストを低減することができる。
例えば、上記実施形態では、ボイラ鉄骨11を平面視した際にボイラ鉄骨11の内側に形成される領域を9つの領域に分割し、1つの領域毎に天井部周り配管30を設置する作業を行う例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、複数のクレーン50及び作業床40を利用することができる場合には、複数の領域において、同時に天井部周り配管30の設置作業を行ってもよい。複数の領域で同時に作業を行うことによって、天井部周り配管30の設置作業を短時間化することができる。また、分割する領域の数は、9つ以外であってもよい。また、領域を分割せずに、全領域において1つのクレーン50及び作業床40で天井部周り配管30の設置作業を行ってもよい。
本開示の一態様に係る配管の設置方法は、ボイラ(1)に設けられる配管(30)を所定位置へ設置する配管(30)の設置方法であって、複数の前記配管(30)を作業床(40)に配置する配置工程と、複数の前記配管(30)が配置された前記作業床(40)を所定の高さまで吊上げる吊上げ工程と、吊上げられた前記作業床(40)に配置された複数の前記配管(30)を各々前記所定位置へ設置する設置工程と、を備える。
また、上記構成では、作業床を吊上げ、吊上げられた作業床に配置された複数の配管を各々所定位置へ設置している。作業床は、作業員が所定の作業を行える床面を有しているので、作業床に乗った状態で作業員が設置工程を行うことができる。これにより、安定した体勢で配管の設置作業を行うことができるので、作業員が作業し易い。したがって、作業効率を向上させることができる。
また、作業員が作業床上で安定した体勢で配管の設置作業を行うことができるので、作業員の安全性を向上させることができる。
建屋の骨格部を利用しているので、作業床を吊り下げるための新たな構造を設ける場合と比較して、部品点数を低減することができる。したがって、配管の設置方法に要するコストを低減することができる。
2 :トレーラ
10 :建屋
10a :建屋天井部
11 :ボイラ鉄骨
12 :水平鉄骨
12a :天井部鉄骨
13 :鉛直鉄骨
20 :ボイラ本体
20a :ボイラ天井部
21 :ボイラ壁
22 :伝熱管パネル
30 :天井部周り配管
40 :作業床
41 :床面
42 :玉掛け用金具
43 :仮吊り用金具
44 :敷板
45 :回り止め
46 :固縛用ワイヤ
50 :クレーン
51 :玉掛け用ワイヤ
52 :玉掛け用チェーンブロック
53 :吊り天秤
55 :作業床仮吊り用ワイヤ
56 :仮吊り用チェーンブロック
57 :昇降用ハシゴ
58 :配管玉掛け用ワイヤ
59 :配管仮吊り用ワイヤ
G :地面
Claims (4)
- ボイラに設けられる配管を所定位置へ設置する配管の設置方法であって、
複数の前記配管を作業床に配置する配置工程と、
複数の前記配管が配置された前記作業床を所定の高さまで吊上げる吊上げ工程と、
吊上げられた前記作業床に配置された複数の前記配管を各々前記所定位置へ設置する設置工程と、を備え、
前記ボイラは、蒸気を生成するボイラ本体と前記ボイラ本体を収容する建屋とを有し、
前記配管は、前記ボイラ本体の天井部と前記建屋の天井部との間に設けられる配管の設置方法。 - 前記配置工程は、前記配管を前記所定位置に応じた位置に配置する請求項1に記載の配管の設置方法。
- 前記配置工程は、前記配管と前記作業床の上面との間に設けられるスペーサによって、前記配管と前記作業床の前記上面との間に隙間が形成されるように前記配管を配置する請求項1または請求項2に記載の配管の設置方法。
- 前記建屋の前記天井部は、骨格を為す骨格部を有し、
前記設置工程は、前記作業床を前記骨格部に対して吊り下げた状態で行われる請求項1に記載の配管の設置方法。
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