[定義]
ここに記載の開示の理解を容易にするために、幾つかの用語を以下に定義する。
一般に、ここで使用される命名法とここで記載される生物学、生化学、医薬品化学、有機化学、及び薬理学における検査手技は、当該分野においてよく知られ、一般に用いられているものである。特に定義されない限り、ここで使用される全ての技術及び科学用語は、一般に、この開示が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
「対象」という用語は、限定されないが、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、及びマウスを含む、動物を指す。「対象」及び「患者」という用語は、例えば、ヒト対象などの哺乳類の対象、一実施態様では、ヒトを参照して、ここでは互換的に使用される。
ここで使用される「脱塩基スペーサー」という用語は、次の構造:
の二価基を表し、ここで、
n1は、約0又は約1の整数であり、
n2は、約1から約6の整数であり、
R
1は、免疫調節性ポリヌクレオチドにおけるヌクレオシドへの結合であり、
R
2は、免疫調節性ポリヌクレオチドにおけるヌクレオシド又はキャッピング基への結合であり、
各L
1は、独立して、ホスホジエステル又はホスホトリエステルであり、かつ
各L
2は、糖アナログであり、
但し、
脱塩基スペーサーがヌクレオシド間の脱塩基スペーサーである場合、各n1は1であり、かつR
2はヌクレオシドへの結合であり、かつ、
脱塩基スペーサーが末端の脱塩基スペーサーである場合、各n1は独立して約0又は約1の整数であり、かつR
2はキャッピング基への結合である。
「約」又は「およそ」という用語は、当該分野における当業者によって決定される特定の値に対しての許容可能な誤差を意味し、その値がどのように測定され又は決定されるかに部分的に依存する。所定の実施態様では、「約」又は「およそ」という用語は、1、2、3、又は4標準偏差内を意味する。所定の実施態様では、「約」又は「およそ」という用語は、与えられた値又は範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。
ここで使用される「アルカン-テトライル」という用語は、特に指定しない限り、1から16個の炭素を有する四価、非環式、直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素基を表す。アルカン-テトライルは、アルキルについて記載されるように場合によっては置換されてもよい。
ここで使用される「アルカン-トリイル」という用語は、特に指定しない限り、1から16個の炭素を有する三価、非環式、直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素基を表す。アルカン-トリイルは、アルキルについて記載されるように場合によっては置換されてもよい。
ここで使用される「アルカノイル」という用語は、カルボニル基を介して親分子基に結合する水素又はアルキル基を表し、ホルミル(すなわちカルボキシアルデヒド基)、アセチル、プロピオニル、ブチリル、及びイソ-ブチリルによって例示される。非置換アルカノイル基は、1から7個の炭素を含む。アルカノイル基は、アルキル基について記載されるように、非置換又は置換(例えば置換されていてもよいC1-7アルカノイル)されていてもよい。末尾の「-オイル」は、ここで定義される別の基に、例えば、アリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルに、「アリーロイル」、「シクロアルカノイル」、及び「(ヘテロシクリル)オイル」を定義するために加えることができる。これらの基は、それぞれアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリルに結合したカルボニル基を表す。「アリーロイル」、「シクロアルカノイル」、及び「(ヘテロシクリル)オイル」のそれぞれは、それぞれ「アリール」、「シクロアルキル」、又は「ヘテロシクリル」に対して定義されるように、場合によっては置換されてもよい。
ここで使用される「アルケニル」という用語は、一、二、又は三の炭素-炭素二重結合を含む非環式一価で直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を表す。アルケニル基の非限定的な例には、エテニル、プロパ-1-エニル、プロパ-2-エニル、1-メチルエテニル、ブタ-1-エニル、ブタ-2-エニル、ブタ-3-エニル、1-メチルプロパ-1-エニル、2-メチルプロパ-1-エニル、及び1-メチルプロパ-2-エニルが含まれる。アルケニル基は、アルキルについてここで定義されるように場合によっては置換されてもよい。
ここで使用される「アルケニレン」という用語は、1個の水素が除去された直鎖又は分岐鎖のアルケニル基を指し、よってこの基は二価である。アルケニレン基の非限定的な例には、エテン-1,1-ジイル、エテン-1,2-ジイル;プロパ-1-エン-1,1-ジイル、プロパ-2-エン-1,1-ジイル;プロパ-1-エン-1,2-ジイル、プロパ-1-エン-1,3-ジイル;プロパ-2-エン-1,1-ジイル;プロパ-2-エン-1,2-ジイル;ブタ-1-エン-1,1-ジイル;ブタ-1-エン-1,2-ジイル;ブタ-1-エン-1,3-ジイル;ブタ-1-エン-1,4-ジイル;ブタ-2-エン-1,1-ジイル;ブタ-2-エン-1,2-ジイル;ブタ-2-エン-1,3-ジイル;ブタ-2-エン-1,4-ジイル;ブタ-2-エン-2,3-ジイル;ブタ-3-エン-1,1-ジイル;ブタ-3-エン-1,2-ジイル;ブタ-3-エン-1,3-ジイル;ブタ-3-エン-2,3-ジイル;ブタ-1,2-ジエン-1,1-ジイル;ブタ-1,2-ジエン-1,3-ジイル;ブタ-1,2-ジエン-1,4-ジイル;ブタ-1,3-ジエン-1,1-ジイル;ブタ-1,3-ジエン-1,2-ジイル;ブタ-1,3-ジエン-1,3-ジイル;ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル;ブタ-1,3-ジエン-2,3-ジイル;ブタ-2,3-ジエン-1,1-ジイル;及びブタ-2,3-ジエン-1,2-ジイルが含まれる。アルケニレン基は、アルキルについて記載されるように、非置換か又は置換されてもよい(例えば、置換されていてもよいアルケニレン)。
ここで使用される「アルコキシ」という用語は、特に指定しない限り、RがC1-6アルキル基である式-ORの化学置換基を表す。幾つかの実施態様では、アルキル基は、ここで定義されるように更に置換することができる。「アルコキシ」という用語は、ここで定義される他の用語、例えば、アリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリルと組み合わされて、「アリールアルコキシ」、「シクロアルキルアルコキシ」、及び「(ヘテロシクリル)アルコキシ」基を定義することができる。これらの基は、それぞれアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリルによって置換されているアルコキシを表す。「アリールアルコキシ」、「シクロアルキルアルコキシ」、及び「(ヘテロシクリル)アルコキシ」のそれぞれは、各個々の部分についてここに定義されるように、場合によっては置換されてもよい。
ここで使用される「アルキル」という用語は、特に指定しない限り、非置換の場合に1から12個の炭素を有する非環式で直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素基を指す。所定の好ましい実施態様では、非置換アルキルは1から6個の炭素を有する。アルキル基は、メチル;エチル;n-及びイソ-プロピル;n-、sec-、イソ-及びtert-ブチル;ネオペンチル等によって例示され、場合によっては、結合価が許容されれば、アミノ;アリール;アリールオキシ;アジド;シクロアルキル;シクロアルコキシ;シクロアルケニル;シクロアルキニル;ハロ;ヘテロシクリル;(ヘテロシクリル)オキシ;ヒドロキシ;ニトロ;チオール;シリル;シアノ;=O;=S;=NR’(ここで、R’はH、アルキル、アリール、又はヘテロキシクリルである)から独立して選択される1、2、3、又は、2個以上の炭素のアルキル基の場合には、4つ以上の置換基で置換されてもよい。置換基の各々は、それ自体が非置換であるか、又は結合価が許容されれば、各基それぞれについてここで定義された非置換の置換基で置換されてもよい。
ここで使用される「アルキルアミノ」という用語は、RN1が、ここで定義されるアルキルである式-N(RN1)2又は-NHRN1を有する基を指す。アルキルアミノのアルキル部分は、アルキルについて定義されるように場合によっては置換されてもよい。置換されたアルキルアミノ上の各任意の置換基は、それ自体は非置換か、又は結合価が許容されれば、各基それぞれについてここで定義された非置換の置換基で置換されてもよい。
ここで使用される「アルキルシクロアルキレン」という用語は、二つの結合価が2個の水素原子に代わるアルキルシクロアルカンである飽和二価炭化水素基を指す。好ましくは、二つの結合価のうちの少なくとも一つがシクロアルカン部分に存在する。アルカン及びシクロアルカン部分は、ここに記載される個々の基のように場合によっては置換されてもよい。
ここで使用される「アルキレン」という用語は、二つの結合価が2個の水素原子に代わる直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素である飽和二価炭化水素基を指す。ここで定義されるアルキレンの結合価には、任意の置換基を含まない。アルキレン基の非限定的な例には、メチレン、エタン-1,2-ジニル、エタン-1,1-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、プロパン-1,2-ジイル、プロパン-1,1-ジイル、プロパン-2,2-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、ブタン-1,3-ジイル、ブタン-1,2-ジイル、ブタン-1,1-ジイル、及びブタン-2,2-ジイル、ブタン-2,3-ジイルが含まれる。「Cx-yアルキレン」という用語は、xとyの間の炭素を有するアルキレン基を表す。xの例示値は1、2、3、4、5、及び6であり、yの例示値は2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、及び12である。アルキレンは、アルキルについてここに記載されるように場合によっては置換されてもよい。
ここで使用される「アルキルスルフェニル」という用語は、式-S-(アルキル)の基を表す。アルキルスルフェニルは、アルキルについて定義されるように場合によっては置換されてもよい。
ここで使用される「アルキルスルフィニル」という用語は、式-S(O)-(アルキル)の基を表す。アルキルスルフィニルは、アルキルについて定義されるように場合によっては置換されてもよい。
ここで使用される「アルキルスルホニル」という用語は、式-S(O)2-(アルキル)の基を表す。アルキルスルホニルは、アルキルについて定義されるように場合によっては置換されてもよい。
ここで使用される「アルキニル」という用語は、少なくとも一の炭素-炭素三重結合を含む2から6個の炭素原子の一価で直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を表し、エチニル、1-プロピニル等によって例示される。アルキニル基は、アルキルについて定義されるように、非置換か又は置換されてもよい(例えば、置換されていてもよいアルキニル)。
ここで使用される「5-アルキニルウリジン」という用語は、核酸塩基が次の構造:
の5-アルキニルウラシルであるヌクレオシドを表し、ここで、Rはヌクレオシドのペンタフラノースのアノマー炭素との結合であり、Xはアルキニルである。幾つかの実施態様では、Xはエチニル又はプロピニルである(例えば、Xはエチニルである)。
ここで使用される「アルキニレン」という用語は、一又は二の炭素-炭素三重結合を含み、非置換の場合にはCとHのみを含む直鎖又は分岐鎖の二価置換基を指す。アルキニレン基の非限定的な例には、エチン-1,2-ジイル;プロパ-1-イン-1,3-ジイル;プロパ-2-イン-1,1-ジイル;ブタ-1-イン-1,3-ジイル;ブタ-1-イン-1,4-ジイル;ブタ-2-イン-1,1-ジイル;ブタ-2-イン-1,4-ジイル;ブタ-3-イン-1,1-ジイル;ブタ-3-イン-1,2-ジイル;ブタ-3-イン-2,2-ジイル;及びブタ-1,3-ジイン-1,4-ジイルが含まれる。アルキニレン基は、アルキニル基について記載されるように、非置換か又は置換されてもよい(例えば、置換されていてもよいアルキニレン)。
ここで使用される「アミノ」という用語は、-N(RN1)2を表し、ここで、アミノが非置換の場合、両方のRN1がHであり;又は、アミノが置換されている場合、各RN1は、独立して、H、-OH、-NO2、-N(RN2)2、-SO2ORN2、-SO2RN2、-SORN2、-COORN2、N-保護基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアルキル、又はヘテロシクリルであり、但し、少なくとも一つのRN1がHではなく、かつ各RN2が独立してH、アルキル、又はアリールである。置換基の各々は、それ自体が非置換か、又はそれぞれの各基についてここで定義された非置換基で置換されてもよい。幾つかの実施態様では、アミノは、非置換アミノ(すなわち、-NH2)又は置換アミノ(例えば-NHRN1)であり、ここで、RN1は独立して-OH、-SO2ORN2、-SO2RN2、-SORN2、-COORN2、置換されていてもよいアルキル、又は置換されていてもよいアリールであり、かつ各RN2は置換されていてもよいアルキル又は置換されていてもよいアリールでありうる。幾つかの実施態様では、置換アミノは、アルキル基がアルキルについてここに記載されるように置換されていてもよいアルキルアミノでありうる。所定の実施態様では、アミノ基は、-NHRN1であり、RN1は、置換されていてもよいアルキルである。RN1が置換されていてもよいアルキルである-NHRN1の非限定的な例には、置換されていてもよいアルキルアミノ、タンパク質原性アミノ酸、非タンパク質性アミノ酸、タンパク質原性アミノ酸のC1-6アルキルエステル、及び非タンパク質性アミノ酸のC1-6アルキルエステルが含まれる。
ここで使用される「アミノアルキル」という用語は、ここで定義される一、二、又は三のアミノ基で置換されたアルキルを表す。アミノアルキルは、アルキル基について記載されるように更に場合によっては置換されてもよい。
ここで使用される「アレーン-テトライル」という用語は、3個の水素原子が結合価に置き換えられているアリール基である四価基を表す。アレーン-テトライルは、アリールについてここに記載されるように場合によっては置換されてもよい。
ここで使用される「アリール」という用語は、一又は二の芳香環を有する単環式、二環式、又は多環式炭素環系を表す。アリール基は、6から10個の炭素原子を含みうる。非置換炭素環式アリール基内の全ての原子が炭素原子である。炭素環式アリール基の非限定的な例には、フェニル、ナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、フルオレニル、インダニル、インデニル等が含まれる。アリール基は、非置換か、あるいはアルキル;アルケニル;アルキニル;アルコキシ;アルキルスルフィニル;アルキルスルフェニル;アルキルスルホニル;アミノ;アリール;アリールオキシ;アジド;シクロアルキル;シクロアルコキシ;シクロアルケニル;シクロアルキニル;ハロ;ヘテロアルキル;ヘテロシクリル;(ヘテロシクリル)オキシ;ヒドロキシ;ニトロ;チオール;シリル;及びシアノからなる群から独立して選択される一、二、三、四、又は五の置換基で置換されうる。置換基の各々は、それ自体が非置換か、あるいは各それぞれの基についてここで定義された非置換の置換基で置換されてもよい。
ここで使用される「アリールアルキル」という用語は、アリール基で置換されたアルキル基を表す。アリール及びアルキル部分は、場合によってはここに記載される個々の基として置換されてもよい。
ここで使用される「アリールアルキレン」という用語は、1個の水素原子が結合価に置換されるアリールアルキル基を表す。アリールアルキレンは、場合によってはアリールアルキルについてここに記載されているように置換されてもよい。
ここで使用される「アリーレン」という用語は、1個の水素原子が結合価に置換されるアリール基を表す。アリーレンは、場合によってはアリールについてここに記載されるように置換されてもよい。
ここで使用される「アリールオキシ」という用語は、特に指定しない限り、Rがアリール基である式-ORの化学置換基を表す。置換されていてもよいアリールオキシにおいて、アリール基は、場合によってはアリールについてここに記載されるように置換される。
ここで使用される「補助部分」という用語は、親水性ポリマー、正電荷を持つポリマー、又は糖アルコールを含む一価基を表す。
ここで使用される「置換されていてもよいN」という用語は、二価の-N(RN1)-基又は三価の-N=基を表す。アザ基は、非置換であり得、その場合、RN1はH又は不存在であり、あるいは置換されており、その場合、RN1は、「アミノ」について定義された通りであるが、但しRN1はHではない。二つのアザ基が連結されて「ジアザ」が形成されうる。
ここで使用される「置換されていてもよいN-保護アミノ」という用語は、ここで定義される置換アミノを表し、少なくとも一の置換基がN-保護基であり、他の置換基が、N-保護アミノが非置換の場合、Hであり、あるいはN-保護アミノが置換される場合、H以外の置換基である。
ここで使用される「アジド」という用語は、-N3基を表す。
ここで使用される「バルキー基」という用語は、ジスルフィドへ結合するラジカルが、ラジカルがsp3混成炭素である場合、1個以下の水素原子を有し、ラジカルがsp2混成炭素の場合、水素原子を有さない炭素原子である、ここで定義される任意の置換基又は置換基群を表す。ラジカルはsp混成炭素ではない。バルキー基は、炭素原子を介してのみジスルフィドに結合する。
ここで使用される「5’-5’キャップ」という用語は、式R’-Nuc1-O-(LP)n-の基を表し、ここで、R’は、ホスフェート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、ホスホジエステル、ヒドロキシル、又は水素であり;Nuc1はヌクレオシドであり;各LPは独立して-P(=XE1)(-XE2-RE2A)-O-であり;かつnは1、2、又は3であり;
ここで、各XE1と各XE2は独立してO又はSであり、各RE2Aは、独立して水素、生物可逆性基、非生物可逆性基、補助部分、コンジュゲート基、ターゲティング部分に結合したリンカー、又はターゲティング部分と一又は複数の(例えば、1から6)の補助部分に結合したリンカーであり;かつ
ここで、R’はヌクレオシドの3’炭素に結合し、-O-はヌクレオシドの5’炭素に結合する。
ここで使用される「キャッピング基」という用語は、ポリヌクレオチドの5’又は3’末端に位置する一価又は二価の基を表す。キャッピング基は末端ホスホエステル;ジホスフェート;トリホスフェート;補助部分;生物可逆性基;非生物可逆性基;5’キャップ(例えば、5’-5’キャップ);固体担体;ターゲティング部分と場合によっては一又は複数の(例えば、1から6)の補助部分に結合したリンカー;又は基-OR’(ここで、R’は、水素、生物可逆性基、非生物可逆性基、固体担体、及びO-保護基からなる群から選択される)である。基-OR’、ジホスフェート;トリホスフェート;生物可逆性基;非生物可逆性基、固体担体、及び補助部分は、一価のキャッピング基の例である。末端ホスホエステルは、末端ホスホエステルがターゲティング部分へのリンカーを含まない場合は一価であり、又は末端ホスホエステルがターゲティング部分へのリンカーを含む場合は二価でありうる、キャッピング基の例である。(補助部分と共に又は補助部分なしに)ターゲティング部分に結合したリンカーは、二価のキャッピング基の例である。
ここで使用される「炭素環式」という用語は、芳香族又は非芳香族でありうる環が炭素原子によって形成される、置換されていてもよいC3-16単環式、二環式、又は三環式構造を表す。炭素環構造には、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、及び所定のアリール基が含まれる。
ここで使用される「カルボニル」という用語は、-C(O)-基を表す。
ここで使用される「Cx-y」という表現は、その名前が表現に従う基は、非置換の場合、合計でxからyの炭素原子を含むことを示す。基が複合基(例えば、アリールアルキル)である場合、Cx-yは、その名前が表現に従う部分は、非置換の場合、合計でxからyの炭素原子を含むことを示す。例えば、(C6-10-アリール)-C1-6-アルキルは、アリール部分が、非置換の場合、合計6から10個の炭素原子を含み、アルキル部分が、非置換の場合、合計1から6個の炭素原子を含む、基である。
ここで使用される「シアノ」という用語は、-CN基を表す。
ここで使用される「環化付加反応」という用語は、活性化、化学触媒による活性化、又は熱エネルギーを使用する活性化の何れもない場合に、合計[4n+2]π電子が結合形成に関与し、nが1、2、又は3である、二成分反応を表す。環化付加反応は、また、[4n]π電子が関与し、光化学的活性化があり、nが1、2、又は3である、二成分反応である。望ましくは、[4n+2]π電子が結合形成に関与し、n=1である。代表的な環化付加反応には、アルケンと1,3-ジエンの反応(Diels-Alder反応)、アルケンとα,β-不飽和カルボニルの反応(ヘテロDiels-Alder反応)、及びアルキンとアジド化合物の反応(例えば、ヒュスゲン環化付加)が含まれる。
ここで使用される「シクロアルケニル」という用語は、特に明記しない限り、環に少なくとも一つの二重結合と3から10個の炭素(例えば、C3-C10シクロアルケニル)を有する非芳香族炭素環式基を指す。シクロアルケニルの非限定的な例には、シクロプロパ-1-エニル、シクロプロパ-2-エニル、シクロブタ-1-エニル、シクロブタ-2-エニル、シクロペンタ-1-エニル、シクロペンタ-2-エニル、シクロペンタ-3-エニル、ノルボルネン-1-イル、ノルボルネン-2-イル、ノルボルネン-5-イル、及びノルボルネン-7-イルが含まれる。シクロアルケニル基は、シクロアルキルについて記載されているように、非置換又は置換(例えば、置換されていてもよいシクロアルケニル)されていてもよい。
ここで使用される「シクロアルケニルアルキル」という用語は、それぞれここで定義される、シクロアルケニル基で置換されたアルキル基を表す。シクロアルケニル及びアルキル部分は、ここで定義される個々の基として置換されうる。
ここで使用される「シクロアルケニレン」という用語は、1個の水素原子が結合価で置き換えられているシクロアルケニル基である二価基を表す。シクロアルケニレンは、シクロアルキルについてここに記載されるように、場合によっては置換されうる。シクロアルケニレンの非限定的な例は、シクロアルケン-1,3-ジイルである。
ここで使用される「シクロアルコキシ」という用語は、特に明記しない限り、式-ORの化学置換基を表し、ここで、Rはシクロアルキル基である。幾つかの実施態様では、シクロアルキル基は、ここで定義されるように更に置換することができる。
ここで使用される「シクロアルキル」という用語は、別段の指定がない限り、3から10個の炭素を有する環状アルキル基(例えば、C3-C10シクロアルキル)を指す。シクロアルキル基は、単環式又は二環式でありうる。二環式シクロアルキル基は、ビシクロ[p.q.0]アルキルタイプであり得、ここで、pとqのそれぞれは、独立して1、2、3、4、5、6、又は7であり、但しpとqの合計が2、3、4、5、6、7、又は8である。あるいは、二環式シクロアルキル基は、架橋シクロアルキル構造、例えばビシクロ[p.q.r]アルキルを含み得、ここで、rは1、2、又は3であり、pとqのそれぞれは、独立して1、2、3、4、5、又は6であり、但しp、q、及びrの合計が3、4、5、6、7、又は8である。シクロアルキル基は、スピロ環式基、例えば、スピロ[p.q]アルキルであり得、ここで、pとqのそれぞれは、独立して2、3、4、5、6、又は7であり、但しpとqの合計が4、5、6、7、8又は9である。シクロアルキルの非限定的な例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、1-ビシクロ[2.2.1.]ヘプチル、2-ビシクロ[2.2.1.]ヘプチル、5-ビシクロ[2.2.1.]ヘプチル、7-ビシクロ[2.2.1.]ヘプチル、及びデカリニルが含まれる。シクロアルキル基は、非置換であるか、あるいはアルキル;アルケニル;アルキニル;アルコキシ;アルキルスルフィニル;アルキルスルフェニル;アルキルスルホニル;アミノ;アリール;アリールオキシ;アジド;シクロアルキル;シクロアルコキシ;シクロアルケニル;シクロアルキニル;ハロ;ヘテロアルキル;ヘテロシクリル;(ヘテロシクリル)オキシ;ヒドロキシ;ニトロ;チオール;シリル;シアノ;=O;=S;=NR’(ここで、R’はH、アルキル、アリール、又はヘテロシクリルである)からなる群から独立して選択される一、二、三、四、又は五の置換基で置換されうる(例えば、置換されていてもよいシクロアルキル)。置換基のそれぞれは、それ自体が非置換であるか、又はそれぞれの各基についてここで定義される非置換の置換基で置換されていてもよい。
ここで使用される「シクロアルキルアルキル」という用語は、それぞれここで定義されるようなシクロアルキル基で置換されたアルキル基を表す。シクロアルキル及びアルキル部分は、ここに記載の個々の基として場合によっては置換されうる。
ここで使用される「シクロアルキレン」という用語は、1個の水素原子が結合価で置き換えられているシクロアルキル基である二価基を表す。シクロアルキレンの非限定的な例は、シクロアルカン-1,3-ジイルである。シクロアルキレンは、シクロアルキルについてここに記載されるように場合によっては置換されうる。
ここで使用される「シクロアルキニル」という用語は、別段の指定がない限り、一つ又は二つの炭素-炭素三重結合を有し、8から12個の炭素を有する一価の炭素環式基を指す。シクロアルキニルは、一つの渡環結合又は架橋を含みうる。シクロアルキニルの非限定的な例には、シクロオクチニル、シクロノニニル、シクロデシニル、及びシクロデカジイニルが含まれる。シクロアルキニル基は、シクロアルキルについて定義されているように、非置換か又は置換(例えば、置換されていてもよいシクロアルキニル)でありうる。
ここで使用される「ジヒドロピリダジン基」という用語は、1,2,4,5-テトラジン基とひずみシクロアルケニルとの間の環化付加によって得ることができる二価基を表す。
ここで使用される「ハロ」という用語は、臭素、塩素、ヨウ素、及びフッ素から選択されるハロゲンを表す。
ここで使用される「5-ハロウジン」という用語は、核酸塩基が次の構造:
の5-ハロウラシルである、ヌクレオシドを表し、ここで、Rはヌクレオシドのペンタフラノースのアノマー炭素への結合であり、Xはフルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードである。幾つかの実施態様では、Xはブロモ又はヨードである。
ここで使用される「ヘテロアルカン-テトライル」という用語は、1個のヘテロ原子によって一回;毎回、独立して、1個のヘテロ原子によって二回;毎回、独立して、1個のヘテロ原子によって三回;又は毎回、独立して、1個のヘテロ原子によって四回、中断されたアルカン-テトライル基を指す。各ヘテロ原子は、独立して、O、N、又はSである。幾つかの実施態様では、ヘテロ原子は、O又はNである。非置換CX-Yヘテロアルカン-テトライルは、ここで定義されるXからYの炭素原子並びにヘテロ原子を含む。ヘテロアルカン-テトライル基は、ヘテロアルキルについて記載されているように、非置換か又は置換されていてもよい(例えば、置換されていてもよいヘテロアルカン-テトライル)。
ここで使用される「ヘテロアルカン-トリイル」という用語は、1個のヘテロ原子によって一回;毎回、独立して、1個のヘテロ原子によって二回;毎回、独立して、1個のヘテロ原子によって三回;又は毎回、独立して、1個のヘテロ原子によって四回、中断されたアルカン-トリイル基を指す。各ヘテロ原子は、独立して、O、N、又はSである。幾つかの実施態様では、ヘテロ原子は、O又はNである。非置換CX-Yヘテロアルカン-トリイルは、ここで定義されるXからYの炭素原子並びにヘテロ原子を含む。ヘテロアルカン-トリイル基は、ヘテロアルキルについて記載されているように、非置換か又は置換されていてもよい(例えば、置換されていてもよいヘテロアルカン-トリイル)。
ここで使用される「ヘテロアルキル」という用語は、1又は2個のヘテロ原子によって一回;毎回、独立して、1又は2個のヘテロ原子によって二回;毎回、独立して、1又は2個のヘテロ原子によって三回;又は毎回、独立して、1又は2個のヘテロ原子によって四回、中断されたアルキル、アルケニル、又はアルキニル基を指す。各ヘテロ原子は、独立して、O、N、又はSである。幾つかの実施態様では、ヘテロ原子は、O又はNである。ヘテロアルキル基の何れも、二の近接する酸素又は硫黄原子を含まない。ヘテロアルキル基は、非置換か又は置換されていてもよい(例えば、置換されていてもよいヘテロアルキル)。ヘテロアルキルが置換され、置換基がヘテロ原子に結合している場合、置換基は、ヘテロ原子の性質及び結合価に従って選択される。従って、結合価が許す限り、ヘテロ原子に結合した置換基は、=O、-N(RN2)2、-SO2ORN3、-SO2RN2、-SORN3、-COORN3、N-保護基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル、又はシアノからなる群から選択され、ここで、各RN2は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、又はヘテロシクリルであり、各RN3は、独立して、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、又はヘテロシクリルである。これらの置換基のそれぞれは、それ自体が非置換か、又はそれぞれの各基についてここで定義される非置換の置換基で置換されうる。ヘテロアルキルが置換され、置換基が炭素に結合している場合、置換基は、アルキルについて記載されたものから選択され、但し、ヘテロ原子に結合している炭素原子上の置換基はCl、Br、又はIではない。炭素原子がヘテロアルキル基の末端に見出されることが理解される。
ここで使用される「ヘテロアリールオキシ」という用語は、Rがヘテロアリールである構造-ORを指す。ヘテロアリールオキシは、ヘテロシクリルに対して定義されたように場合によっては置換されうる。
ここで使用される「ヘテロシクリル」という用語は、特に明記しない限り、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立して選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含む、縮合又は架橋した5、6、7、又は8員環を有する単環式、二環式、三環式、又は四環式環系を表す。ヘテロシクリルは芳香族又は非芳香族でありうる。非芳香族5員ヘテロシクリルはゼロ又は一の二重結合を有し、非芳香族6及び7員ヘテロシクリル基はゼロから二の二重結合を有し、非芳香族8員ヘテロシクリル基はゼロから二の二重結合及び/又はゼロ又は一の炭素-炭素三重結合を有する。ヘテロシクリル基は、特に明記しない限り、1から16個の炭素原子を含む。所定のヘテロシクリル基は、最大9個の炭素原子を含みうる。非芳香族複素環基には、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ピリダジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニイル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロインドリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ピラニル、ジヒドロピラニル、ジチアゾリル等々が含まれる。複素環系が少なくとも一の芳香族共鳴構造又は少なくとも一の芳香族互変異性体を有する場合、そのような構造は芳香族ヘテロシクリル(すなわち、ヘテロアリール)である。ヘテロアリール基の非限定的な例には、ベンズイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、フリル、イミダゾリル、インドリル、イソインダゾリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、プリニル、ピロリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、クナゾリニル、キノリニル、チアジアゾリル(例えば、1,3,4-チアジアゾール)、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、テトラゾリル等々が含まれる。「ヘテロシクリル」という用語はまた、一又は複数の炭素及び/又はヘテロ原子が単環式環の二つの非隣接員を架橋する架橋多環式構造を有する複素環式化合物、例えばキヌクリジン、トロパン、又はジアザ-ビシクロ[2.2.2]オクタンを表す。「複素環」という用語は、上記の複素環の何れかが一、二、又は三の炭素環、例えば、アリール環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環、又は別の単環式複素環に縮合している二環式、三環式、及び四環式基を含む。縮合ヘテロシクリルの例には、1,2,3,5,8,8a-ヘキサヒドロインドリジン;2,3-ジヒドロベンゾフラン;2,3-ジヒドロインドール;及び2,3-ジヒドロベンゾチオフェンが含まれる。ヘテロシクリル基は、非置換であるか、あるいはアルキル;アルケニル;アルキニル;アルコキシ;アルキルスルフィニル;アルキルスルフェニル;アルキルスルホニル;アミノ;アリール;アリールオキシ;アジド;シクロアルキル;シクロアルコキシ;シクロアルケニル;シクロアルキニル;ハロ;ヘテロアルキル;ヘテロシクリル;(ヘテロシクリル)オキシ;ヒドロキシ;ニトロ;チオール;シリル;シアノ;=O;=S;=NR’(ここで、R’は、H、アルキル、アリール、又はヘテロシクリルである)からなる群から独立して選択される一、二、三、四又は五の置換基で置換されうる。置換基のそれぞれは、それ自体が非置換であるか、又はそれぞれの各基についてここで定義される非置換の置換基で置換されてもよい。
ここで使用される「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、それぞれがここで定義される、ヘテロシクリル基に置換されたアルキル基を表す。ヘテロシクリル及びアルキル部分は、ここに記載される個々の基として場合によっては置換されうる。
ここで使用される「(ヘテロシクリル)アザ」という用語は、式-N(RN1)(RN2)の化学置換基を表し、ここで、RN1はヘテロシクリル基であり、RN2はH、-OH、-NO2、-N(RN2)2、-SO2ORN2、-SO2RN2、-SORN2、-COORN2、N-保護基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアルキル、又はヘテロシクリルである。好ましくは、RN2はHである。
ここで使用される「ヘテロシクリレン」という用語は、1個の水素原子が結合価で置き換えられているヘテロシクリル基を表す。ヘテロシクリレンは、ヘテロシクリルについて記載された形で場合によっては置換されうる。ヘテロシクリレンの非限定的な例は、複素環-1,3-ジイルである。
ここで使用される「(ヘテロシクリル)オキシ」という用語は、特に明記しない限り、式-ORの化学置換基を表し、Rはヘテロシクリル基である。(ヘテロシクリル)オキシは、ヘテロシクリルについて記載された形で場合によっては置換されうる。
ここで交換可能に使用される「ヒドロキシル」及び「ヒドロキシ」という用語は、-OH基を表す。
ここで使用される「免疫調節性ポリヌクレオチド」という用語は、ヌクレオシド間ホスホエステルと場合によってはヌクレオシド間脱塩基スペーサーとからなる群から独立して選択されるヌクレオシド間架橋基によって共有結合された合計6から50の近接ヌクレオシドを含むポリヌクレオチドコンストラクトを表す。免疫調節性ポリヌクレオチドは、5’-及び3’-末端がそれぞれ5’-及び3’-キャッピング基でキャップされている。免疫調節性ポリヌクレオチドは、例えば、(例えば、免疫調節性ポリヌクレオチドが送達されなかった別の抗原提示細胞と比較して)免疫調節性ポリヌクレオチドが送達された抗原提示細胞における少なくとも一つのI型インターフェロン又は少なくとも一つの炎症性サイトカインの分泌の変化又はNFκBの活性化の変化によって決定されるように、自然免疫応答を調節することができる。免疫調節性ポリヌクレオチドは、コンジュゲート基又は免疫調節性ポリヌクレオチドがコンジュゲートの一部である場合、ターゲティング部分と場合によっては一又は複数(例えば、1から6)の補助部分(例えば、ポリエチレングリコール)に結合したリンカーを含みうる。コンジュゲート基又はリンカーは、ホスホトリエステル又は末端キャッピング基の一部でありうる。
ここで使用される「免疫刺激性ポリヌクレオチド」という用語は、例えば、(例えば、免疫刺激性ポリヌクレオチドが送達されなかった別の抗原提示細胞と比較して)免疫刺激性ポリヌクレオチドが送達された抗原提示細胞における少なくとも一つのI型インターフェロン又は少なくとも一つの炎症性サイトカインの分泌の増加又はNFκBの活性化の増加によって決定されるように、自然免疫応答を活性化することができる免疫調節性ポリヌクレオチドを表す。幾つかの実施態様では、免疫刺激性ポリヌクレオチドは、少なくとも一つのシチジン-p-グアノシン(CpG)配列を含み、ここで、pは、ヌクレオシド間ホスホジエステル(例えば、ホスフェート又はホスホロチオエート)又はヌクレオシド間ホスホトリエステル又はホスホチオトリエステルである。ここで使用される場合、CpG含有免疫刺激性ポリヌクレオチドは、細菌又はウイルス由来のCpG ODNなど、天然に存在するか、又は合成されうる。例えば、幾つかの実施態様では、免疫刺激性ポリヌクレオチドのCpG配列は、2’-デオキシリボースを含む。幾つかの実施態様では、免疫刺激性ポリヌクレオチドのCpG配列はメチル化されていない。幾つかの実施態様では、免疫刺激性ポリヌクレオチドは、ここで提供される式(A)のポリヌクレオチドである。幾つかの実施態様では、免疫刺激性ポリヌクレオチドは、ここで提供される式(B)の化合物である。
ここで使用される「免疫抑制性ポリヌクレオチド」という用語は、例えば、(例えば、免疫抑制性ポリヌクレオチドが送達されなかった別の抗原提示細胞と比較して)免疫抑制性ポリヌクレオチドが送達された抗原提示細胞における少なくとも一つのI型インターフェロン又は少なくとも一つの炎症性サイトカインの分泌の減少又はNFκBの活性化の減少によって決定されるように、自然免疫応答をアンタゴナイズすることができる免疫調節性ポリヌクレオチドを表す。
ここで使用される「ヌクレオシド間架橋基」という用語は、ヌクレオシド間ホスホエステル又はヌクレオシド間脱塩基スペーサーを表す。
ここで使用される「5-修飾シチジン」という用語は、核酸塩基が次の構造:
であるヌクレオシドを表し、ここで、Rはヌクレオシドのペンタフラノースのアノマー炭素への結合であり、Xはハロゲン、アルキニル、アルケニル、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、又はアリールである。幾つかの実施態様では、5-修飾シチジンは、5-ハロシチジン(例えば、5-ヨードシチジン又は5-ブロモシチジン)である。他の実施形態では、5-修飾シチジンは、5-アルキニルシチジンである。
ここで使用される「5-修飾ウリジン」という用語は、核酸塩基が次の構造:
であるヌクレオシドを表し、ここで、Rはヌクレオシドのペンタフラノースのアノマー炭素への結合であり、Xはハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、又はアリールであり、但し、5-修飾ウリジンはチミジンではない。幾つかの実施態様では、5-修飾ウリジンは、5-ハロウリジン(例えば、5-ヨードウリジン又は5-ブロモウリジン)である。他の実施態様では、5-修飾ウリジンは、5-アルキニルウリジンである。幾つかの実施態様では、5-修飾ウリジンは、2-デオキシリボースを含むヌクレオシドである。
ここで使用される「非生物可逆性」という用語は、エンドソーム内に存在する条件下での分解に耐性がある化学基を指す。非生物可逆性基は、チオエステル及び/又はジスルフィドを含まない。
ここで使用される「核酸塩基」という用語は、ヌクレオチド又はヌクレオシドの糖部分の1’位に結合した窒素含有複素環を表す。核酸塩基は未修飾又は修飾型でありうる。ここで使用される場合、「未修飾」又は「天然」核酸塩基は、プリン塩基アデニン(A)及びグアニン(G)、並びにピリミジン塩基チミン(T)、シトシン(C)及びウラシル(U)を含む。修飾核酸塩基には、他の合成及び天然核酸塩基、例えば5-メチルシトシン(5-me-C又はm5c)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニンとグアニンの6-メチル及び他のアルキル誘導体、アデニンとグアニンの2-プロピル及び他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-ハロウラシル及びシトシン、5-プロピニルウラシル及びシトシン、6-アゾウラシル、シトシン及びチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル及び他の8-置換アデニン及びグアニン、5-ハロ、特に5-ヨード、5-ブロモ、5-トリフルオロメチル及び他の5-置換ウラシル及びシトシン、5-アルキニル(例えば、5-エチニル)ウラシル、5-アセトアミド-ウラシル、7-メチルグアニン及び7-メチルアデニン、8-アザグアニン及び8-アザアデニン、7-デアザグアニン及び7-デアザアデニン及び3-デアザグアニン及び3-デアザアデニンが含まれる。更なる核酸塩基には、米国特許第3687808号に開示されているもの;The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering, p858-859, Kroschwitz, J. I.編 John Wiley & Sons, 1990に開示されているもの;Englisch等, Angewandte Chemie, International Edition, 1991, 30, 613によって開示されているもの;及びSanghvi, Y. S., Chapter 15, Antisense Research and Applications, pages 289 302, (Crooke等編, CRC Press, 1993)によって開示されているものが含まれる。所定の核酸塩基は、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、及びN-2、N-6及びO-6置換プリンを含み、2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル及び5-プロピニルシトシンを含む、本発明のハイブリダイズしたポリヌクレオチドの結合親和性を増加させるために特に有用である。5-メチルシトシン置換は、核酸二重鎖の安定性を0.6-1.2℃増加させることが示されている(Sanghvi等編, Antisense Research and Applications 1993, CRC Press, Boca Raton, pages 276-278)。これらは、特定の実施態様では、2’-O-メトキシエチル糖修飾と組み合わせることができる。これらの修飾核酸塩基並びに他の修飾核酸塩基の所定のものの調製を教示する米国特許には、限定されないが、上述した米国特許第3687808号、第4845205号;第5130302号;第5134066号;第5175273号;第5367066号;第5432272号;第5457187号;第5459255号;第5484908号;第5502177号;第5525711号;第5552540号;第5587469号;第5594121号;第5596091号;第5614617号;及び第5681941号が含まれる。本開示の目的のために、ここで使用される「修飾核酸塩基」は、ここに記載の一又は複数の保護基を含む、天然又は非天然の核酸塩基を更に表す。
ここで使用される「ヌクレオシド」という用語は、ペンタフラノース-核酸塩基の組み合わせを表す。ペンタフラノースは、2-デオキシリボース、あるいは2位がOR、R、ハロ(例えば、F)、SH、SR、NH
2、NHR、NR
2、又はCNで置換され、Rは、置換されていてもよいC
1-6アルキル(例えば、C
1-6アルキル又は(C
1-6アルコキシ)-C
1-6-アルキル)又は置換されていてもよい(C
6-14アリール)-C
1-4-アルキルであるその修飾型である。所定の実施態様では、2位は、OR又はFで置換され、ここで、Rは、C
1-6アルキル又は(C
1-6-アルコキシ)-C
1-6-アルキルである。ペンタフラノースは、アノマー炭素で核酸塩基に結合している。幾つかの実施態様では、「ヌクレオシド」という用語は、次の構造:
を有する二価基を指し、ここで、B
1は核酸塩基であり;Yは、H、ハロゲン(例えば、F)、ヒドロキシル、置換されていてもよいC
1-6アルコキシ(例えば、メトキシ又はメトキシエトキシ)、又は保護されたヒドロキシル基であり;Y
1はH又はC
1-6アルキル(例えば、メチル)であり;3’と5’のそれぞれは、別の基への結合の位置を示す。
ここで使用される「ヌクレオチド」という用語は、ホスフェート、ホスホロチオエート、又はホスロジチオエートに結合したヌクレオシドを指す。
ここで使用される「ホスホエステル」という用語は、少なくとも一つの結合価が非水素置換基に共有結合し、但し少なくとも一つの非水素置換基が少なくとも一つのヌクレオシドを含む基である、ホスフェート、ホスホロチオエート、又はホスホロジチオエートを含む基を表す。ヌクレオシドを含む基に一つの結合価のみが共有結合しているホスホエステルは、末端ホスホエステルである。ヌクレオシド含有基に二つの結合価が共有結合しているホスホエステルは、ヌクレオシド間ホスホエステルである。ホスホエステルは、次の構造:
の基であり得、ここで、
X
E1とX
E2のそれぞれは、独立してO又はSであり;
R
E1とR
E3のそれぞれは、独立して、水素又はヌクレオシドへの結合;脱塩基スペーサーの糖アナログ;生物可逆性基;非生物可逆性基;補助部分;コンジュゲート基;ターゲティング部分に結合したリンカー;ターゲティング部分と一又は複数(例えば、1から6)の補助部分に結合したリンカー;又は式-P(=X
E1)(-X
E2-R
E2A)-O-の基のリン原子であり、
ここで、R
E2Aは、水素、生物可逆性基、非生物可逆性基、補助部分、コンジュゲート基、ターゲティング部分に結合したリンカー、又はターゲティング部分と一又は複数(例えば、1から6)の補助部分に結合したリンカーであり;
但し、R
E1とR
E3の少なくとも一つは、少なくとも一つのヌクレオシドを含む基への結合である。
R
E1とR
E3のそれぞれが独立して、少なくとも一つのヌクレオシドを含む基への結合である場合、ホスホエステルはヌクレオシド間ホスホエステルである。R
E1とR
E3の一つがヌクレオシドを含まない基への結合である場合、ホスホエステルは末端ホスホエステルである。
ここで使用される「ホスホジエステル」という用語は、三つの結合価のうちの二つが非水素置換基で置換され、残りの結合価が水素で置換されるホスホエステルを指す。ホスホジエステルは、ホスフェート、ホスホロチオエート、又はホスホロジチオエート;ヌクレオシド、脱塩基スペーサー、及び/又はホスホリル基への一又は二の結合;及びホスホジエステルがヌクレオシド、脱塩基スペーサー、又はホスホリル基への結合を一つのみ含む場合は、生物可逆性基;非生物可逆性基;補助部分;コンジュゲート基;ターゲティング部分に結合したリンカー;及びターゲティング部分と一又は複数(例えば、1から6)の補助部分に結合したリンカーからなる群から独立して選択される一つの基からなる。末端ホスホジエステルは、ヌクレオシドを含む基への一つの結合と、生物可逆性基;非生物可逆性基;補助部分;コンジュゲート基;ホスホリル基;及びターゲティング部分と場合によっては一又は複数(例えば、1から6)の補助部分に結合したリンカーからなる群から選択される一つの基を含む。ヌクレオシド間ホスホジエステルは、ヌクレオシド含有基への二つの結合を含む。ホスホジエステルは、次の構造:
の基であり得、ここで、
X
E1とX
E2のそれぞれは、独立してO又はSであり;
R
E1とR
E3のそれぞれは、独立して、水素又はヌクレオシドへの結合;脱塩基スペーサーの糖アナログ;生物可逆性基;非生物可逆性基;補助部分;コンジュゲート基;ターゲティング部分に結合したリンカー;ターゲティング部分と一又は複数(例えば、1から6)の補助部分に結合したリンカー;又は式-P(=X
E1)(-X
E2-R
E2A)-O-の基のリン原子であり、
ここで、R
E2Aは、水素、生物可逆性基、非生物可逆性基、補助部分、コンジュゲート基、ターゲティング部分に結合したリンカー、又はターゲティング部分と一又は複数(例えば、1から6)の補助部分に結合したリンカーであり;かつ
R
E2は、水素、生物可逆性基、非生物可逆性基、補助部分、コンジュゲート基、ターゲティング部分に結合したリンカー、又はターゲティング部分と一又は複数(例えば、1から6)の補助部分に結合したリンカーであり;
但し、R
E1、R
E2、及びR
E3の一つだけが水素であり;かつ
但し、R
E1とR
E3の少なくとも一つは、少なくとも一つのヌクレオシドを含む基への結合である。
RE1及びRE3の両方が少なくとも一つのヌクレオシドを含む基への結合である場合、ホスホジエステルはヌクレオシド間ホスホジエステルである。RE1とRE3の一つだけがヌクレオシドを含む基への結合である場合、ホスホジエステルは末端ホスホジエステルである。
ここで使用される「ホスホリル」という用語は、式
の置換基を指し、ここで、
X
E1とX
E2のそれぞれは、独立してO又はSであり;
R
E2Aは、水素、生物可逆性基、非生物可逆性基、補助部分、コンジュゲート基、ターゲティング部分に結合したリンカー、又はターゲティング部分と一又は複数(例えば、1から6)の補助部分に結合したリンカーであり;かつ
R
E3Aは水素又は開放結合価である。
基がホスホリルに結合していると特定された場合、その基は、ホスホリルのリン原子に結合している。
ここで使用される「ホスホトリエステル」という用語は、三つの結合価の全てが非水素置換基で置換されているホスホエステルを指す。ホスホトリエステルは、ホスフェート、ホスホロチオエート、又はホスホロジチオエート;ヌクレオシド、又は脱塩基スペーサー、及び/又はホスホリル基への一又は二の結合;生物可逆性基;非生物可逆性基;補助部分;コンジュゲート基;及びターゲティング部分と場合によっては一又は複数(例えば、1から6)の補助部分に結合したリンカーからなる。末端ホスホトリエステルは、ヌクレオシドを含む基への一つの結合と、生物可逆性基;非生物可逆性基;補助部分;コンジュゲート基;ホスホリル基;及びターゲティング部分と場合によっては一又は複数(例えば、1から6)の補助部分に結合したリンカーからなる群から独立して選択される二つの基を含む。幾つかの実施態様では、末端ホスホトリエステルは、ターゲティング部分と場合によっては一又は複数(例えば、1から6)の補助部分に結合した1又は0のリンカーを含む。ホスホトリエステルは、次の構造:
の基であり得、ここで、
X
E1とX
E2のそれぞれは、独立してO又はSであり;
R
E1とR
E3のそれぞれは、独立して、ヌクレオシドへの結合;脱塩基スペーサーの糖アナログ;生物可逆性基;非生物可逆性基;補助部分;コンジュゲート基;ターゲティング部分に結合したリンカー;ターゲティング部分と一又は複数(例えば、1から6)の補助部分に結合したリンカー;又は式-P(=X
E1)(-X
E2-R
E2A)-O-の基のリン原子であり、
ここで、R
E2Aは、水素;生物可逆性基;非生物可逆性基;補助部分;コンジュゲート基;ターゲティング部分に結合したリンカー;又はターゲティング部分と一又は複数(例えば、1から6)の補助部分に結合したリンカーであり;かつ
R
E2は、生物可逆性基;非生物可逆性基;補助部分;コンジュゲート基;ターゲティング部分に結合したリンカー;又はターゲティング部分と一又は複数(例えば、1から6)の補助部分に結合したリンカーであり;
但し、R
E1とR
E3の少なくとも一つは、少なくとも一つのヌクレオシドを含む基への結合である。
R
E1とR
E3の両方が少なくとも一つのヌクレオシドを含む基への結合である場合、ホスホトリエステルはヌクレオシド間ホスホトリエステルである。R
E1とR
E3の一つだけがヌクレオシドを含む基への結合である場合、ホスホトリエステルは末端ホスホトリエステルである。
ここで使用される「ピリド-2-イルヒドラゾン」という用語は、構造:
の基を表し、ここで各R’は、独立してH又は置換されていてもよいC
1-6アルキルである。ピリド-2-イルヒドラゾンは、非置換でありうる(すなわち、各R’はHである)。
ここで使用される「立体化学的に富化された」という用語は、同じ基の反対の立体異性体配置よりも記載された基の一つの立体異性体配置に対する局所的な立体化学的優先性を指す。従って、立体化学的に富化されたホスホロチオエートを含むポリヌクレオチドは、予め定まった立体化学のホスホロチオエートが反対の立体化学のホスホロチオエートよりも優先して存在する鎖である。この優先性は、予め定まった立体化学のホスホロチオエートに対してジアステレオマー比を使用して数値的に表すことができる。予め定まった立体化学のホスホロチオエートに対するジアステレオマー比は、反対の立体化学を有する特定されたホスホロチオエートを有するジアステレオマーに対する、予め定まった立体化学を有する特定されたホスホロチオエートを有するジアステレオマーのモル比である。予め定まった立体化学のホスホロチオエートのジアステレオマー比は、1.1以上(例えば、4以上、9以上、19以上、又は39以上)でありうる。
ここで使用される「Qタグ」という用語は、-NH2アミンを含む化合物とのトランスグルタミナーゼ媒介反応の際に、ポリペプチドの一部を含むコンジュゲートを提供するグルタミン残基を含むポリペプチドの一部を指し、グルタミン残基は、化合物に結合したアミドを含むように修飾された側鎖を含む。Qタグは当該技術分野で知られている。Qタグの非限定的な例は、LLQGG(配列番号:582)及びGGGLLQGG(配列番号:583)である。
ここで使用される「ひずみシクロアルケニル」という用語は、開放結合価がHで置換された場合、少なくとも16kcal/モルの環ひずみエネルギーを有するシクロアルケニル基を指す。
ここで使用される「糖アナログ」という用語は、ホスフェート、ホスホロチオエート、又はホスホロジチオエートの酸素原子、又はキャッピング基への結合で二つのヒドロキシル基を置き換えるように修飾された、C3-6単糖又はC3-6アルジトール(例えば、グリセロール)である二価又は三価の基を表す。糖アナログは、相補鎖の核酸塩基との水素結合に関与することができる核酸塩基を含まない。糖アナログは環式又は非環式である。糖アナログに含まれる更なる任意の修飾は、残りのヒドロキシル基又は炭素結合水素原子の一つ、二つ、又は三つのHでの置換;ここで定義された、置換されていてもよいC1-6アルキル;ここで定義された、-linkA(-T)p;コンジュゲート基;-(CH2)t1-ORZ(ここで、t1は1から6の整数であり、RZは、置換されていてもよいC1-6アルキル、置換されていてもよいC2-6アルケニル、置換されていてもよいC2-6アルキニル、置換されていてもよいC6-14アリール、置換されていてもよいC3-8シクロアルキル、置換されていてもよい(C1-9ヘテロシクリル)-C1-6-アルキル、置換されていてもよい(C6-10アリール)-C1-6-アルキル、又は置換されていてもよい(C3-8シクロアルキル)-C1-6-アルキルである);一又は二の不飽和の導入(例えば、一又は二の二重結合);及び一つ、二つ、又は三つの水素又はヒドロキシル基の、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、又はヘテロシクリルについて定義された置換基での置換である。糖アナログの非限定的な例は、置換されていてもよいC2-6アルキレン、置換されていてもよいC2-6アルケニレン、置換されていてもよいC5シクロアルカン-1,3-ジイル、置換されていてもよいC5シクロアルケン-1,3-ジイル、置換されていてもよい複素環-1,3-ジイル(例えば、置換されていてもよいピロリジン-2,5-ジイル、置換されていてもよいテトラヒドロフラン-2,5-ジイル、又は置換されていてもよいテトラヒドロチオフェン-2,5-ジイル)、又は置換されていてもよい(C1-4アルキル)-(C3-8シクロアルキレン)(例えば、置換されていてもよい(C1アルキル)-(C3シクロアルキレン))である。
ここで使用される「ジスルフィド」という用語は、二価の-S-又は=S基を表す。ジスルフィドは-S-S-である。
ここで使用される「ターゲティング部分」という用語は、所与の標的細胞集団(例えば、抗原提示細胞(APC;例えば、プロフェッショナルAPC(例えば、B細胞、pDC、又はマクロファージ)))に関連する受容体又は他の受容性部分に特異的に結合し又は反応的に結合し又は複合体を形成する部分(例えば、小分子、例えば炭水化物)を表す。ここで提供されるコンジュゲートは、ターゲティング部分を含む。ターゲティング部分は、抗体又は抗原結合断片又はその操作された誘導体(例えば、Fcab又は融合タンパク質(例えば、scFv))でありうる。ターゲティング部分は、ポリペプチドでありうる。あるいは、ターゲティング部分は、小分子(例えば、マンノース)又は小分子クラスター(例えば、マンノースのクラスター)でありうる。ターゲティング部分を含む本発明のコンジュゲートは、ターゲティング部分が結合する標的に対して100nM未満のKdを示しうる。Kdは、当該技術分野で知られている方法を使用して、例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)を使用して、例えば、BIACORETMシステム(GE Healthcare, Little Chalfont, the United Kingdom)を使用して測定される。
ここで使用される「1,2,4,5-テトラジン基」という用語は、次の式:
の基を表し、ここで、R’は、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクリルであり;かつR”は、置換されていてもよいアルキレン、置換されていてもよいヘテロアルキレン、置換されていてもよいアリーレン、置換されていてもよいシクロアルキレン、置換されていてもよいヘテロシクリレン、又は基-R
a-R
b-(ここで、R
aとR
bのそれぞれが独立して置換されていてもよいアルキレン、置換されていてもよいヘテロアルキレン、置換されていてもよいアリーレン、置換されていてもよいシクロアルキレン、又は置換されていてもよいヘテロシクリレンである)である。
「治療効果」という用語は、薬理学的に活性な物質によって引き起こされる、対象、特に哺乳動物、より具体的にはヒトにおける局所的又は全身的効果を指す。従って、該用語は、疾患の診断、治癒、緩和、治療又は予防、あるいは動物又はヒトの望ましい身体的又は精神的発達及び状態の増強に使用されることを意図した任意の物質を意味する。ここで使用される「治療有効量」又は「治療有効用量」という用語は、治療される疾患の症状を改善し、治療し、又は少なくとも部分的に抑止するために必要な免疫調節性ポリヌクレオチド又はコンジュゲートの量を表す。この使用に有効な量は、疾患の重症度と、対象の体重と一般的状態に依存する。典型的には、インビトロで使用される投薬量は、薬学的組成物のインビボ投与に有用な量で有用なガイダンスを提供し得、動物モデルは、特定の疾患の治療のための効果的な投薬量を決定するために使用されうる。
ここで使用される「チオカルボニル」は、C(=S)基を表す。
ここで使用される「チオヘテロシクリレン」という用語は、Rがヘテロシクリレンである基-S-R-を表す。チオヘテロシクリレンは、ヘテロシクリルについて記載した形で場合によっては置換されうる。
ここで使用される「チオール」という用語は、-SH基を表す。
患者の疾患又は状態に関して使用される「治療」という用語は、本発明のポリヌクレオチド又はコンジュゲートを患者に投与することによって、患者において有益な又は所望の結果、例えば、臨床結果を得ることを指すことが意図される。有益な又は所望の結果には、疾患又は状態の一又は複数の症状の軽減又は寛解;疾患又は状態の程度の減少;疾患又は状態の安定化(すなわち、悪化しない);疾患又は状態の伝播の防止;疾患又は状態の進行の遅延化又は緩徐化;疾患又は状態の緩和;及び寛解(部分的又は全体的)が含まれうる。疾患又は状態を「緩和する」とは、本発明のポリヌクレオチド又はコンジュゲートでの治療がない場合の程度又は時間経過と比較して、疾患又は状態の程度及び/又は望ましくない臨床症状が軽減され、及び/又は進行の時間経過が遅くなることを意味する。
ここで使用される「トリアゾロシクロアルケニレン」という用語は、8員環に縮合した1,2,3-トリアゾール環を含むヘテロシクリレンを指し、その全ての環内原子は炭素原子であり、橋頭原子はsp2-混成炭素原子である。トリアゾシクロアルケニレンは、ヘテロシクリルについて記載された形で場合によっては置換されうる。
ここで使用される「トリアゾロヘテロシクリレン」という用語は、少なくとも1個のヘテロ原子を含む8員環に縮合した1,2,3-トリアゾール環を含むヘテロシクリレンを指す。トリアゾロヘテロシクリレンの橋頭堡原子は炭素原子である。トリアゾロヘテロシクリレンは、ヘテロシクリルについて記載された形で場合によっては置換されうる。
「免疫調節性ポリヌクレオチド」、「免疫刺激性ポリヌクレオチド」、「免疫抑制性ポリヌクレオチド」、及び「コンジュゲート」という用語は、それぞれ、免疫調節性ポリヌクレオチド、免疫刺激性ポリヌクレオチド、免疫抑制性ポリヌクレオチド、及びコンジュゲートの塩を包含することが理解されるべきである。例えば、「免疫調節性ポリヌクレオチド」、「免疫刺激性ポリヌクレオチド」、「免疫抑制性ポリヌクレオチド」、及び「コンジュゲート」という用語は、ホスフェート、ホスホロチオエート、又はホスホロジチオエートのプロトン化中性形態(P-XH部分(ここで、XはO又はSである))と、ホスフェート、ホスホロチオエート、又はホスホロジチオエートの脱プロトン化イオン形態(P-X-部分(ここで、XはO又はSである))の両方を包含する。従って、水素としてRE1、RE2、及びRE3の一又は複数を有すると記載されるホスホエステル及びホスホジエステルは、ホスフェート、ホスホロチオエート、又はホスホロジチオエートが脱プロトン化されたイオン形態で存在する塩を包含することが理解されるべきである。
「自然免疫応答」及び「自然免疫」という用語は、当該技術分野で認識されており、様々な経路を介したサイトカイン産生及び細胞死を含む、異なる形態の細胞活性を伴う、病原体関連分子パターンの認識時に身体の免疫系が開始する非特異的防御機構を指す。ここで使用される場合、自然免疫応答には、toll様受容体9(TLR9)によって媒介されるCpG含有免疫刺激性ポリヌクレオチドに対する細胞応答が含まれ、これには、限定されないが、炎症サイトカインの産生の増加(例えば、I型インターフェロン又はIL-10産生)、NFκB経路の活性化、免疫細胞の増殖、成熟、分化及び/又は生存の増加、及び場合によっては細胞アポトーシスの誘導が含まれる。自然免疫の活性化は、(NF)-κB活性化を測定するなど、当該技術分野で知られている方法を使用して検出することができる。
「適応免疫応答」及び「適応免疫」という用語は、当該技術分野で認識されており、体液性応答と細胞性応答の両方を含む、特定の抗原の認識時に身体の免疫系が開始する抗原特異的防御機構を指す。ここで使用される場合、適応免疫応答には、CpG含有免疫刺激性ポリヌクレオチドによって誘発され及び/又は増強される細胞応答が含まれる。幾つかの実施態様では、免疫刺激性ポリヌクレオチド又はその一部は、抗原特異的適応免疫応答の抗原標的である。他の実施態様では、免疫刺激性ポリヌクレオチドは、抗原特異的適応免疫応答の抗原標的ではないが、それにもかかわらず、適応免疫応答を増強する。適応免疫応答の活性化は、抗原特異的抗体産生、又は抗原特異的細胞媒介性細胞傷害のレベルを測定するなど、当該技術分野で知られている方法を使用して検出することができる。
「Toll様受容体」(又は「TLR」)という用語は、当該技術分野で認識されており、微生物病原体を認識する自然免疫系のセンサーとして最初は同定されたパターン認識受容体のファミリーを指す。TLRは、しばしば「PAMP」(病原体関連分子パターン)と呼ばれる微生物の異なる構造を認識する。TLRに結合するリガンドは、自然免疫応答及び/又は適応免疫応答を誘導する細胞内シグナル伝達経路のカスケードを発動させる。ここで使用される場合、「Toll様受容体」又は「TLR」という用語はまた細胞によって発現されるtoll様受容体タンパク質の機能的断片を指す。ヒトでは、TLR-1、-2、-3、-4、-5、-6、-7/8、-9、及び-10を含む、十のTLRが同定されている。D’Arpa及びLeung, Adv. Wound Care, 2017, 6, 330-343。TLRをコードするヒト遺伝子は知られている。
CD289(表面抗原分類289)とも命名されるToll様受容体9(TLR9)は、toll様受容体(TLR)ファミリーのメンバーである。Du等, Eur. Cytokine Netw., 11:362-371 (2000)。TLR9は、樹状細胞(DC)、Bリンパ球、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞、及び他の抗原提示細胞を含む免疫系細胞で発現される重要な受容体である。TLR9活性化は、自然免疫と適応免疫を橋渡しするシグナル伝達カスケードをトリガーする。Martinez-Campos等, Viral Immunol., 30:98-105 (2016);Notley等, Sci. Rep., 7:42204 (2017)。天然のTLR-9アゴニストには、非メチル化シトシン-グアニンジヌクレオチド(CpG)を含むオリゴデオキシヌクレオチド(CpG ODN)が含まれる。本開示において使用が見いだされるTLR-9リガンドには、限定されないが、天然に存在するか又は合成のCpG ODN、並びにここで提供される他のCpG含有免疫刺激性ポリヌクレオチド及び/又はイムノコンジュゲートが含まれる。TLR9シグナル伝達経路の活性化は、ミエロイド系分化抗原88(MyD88)の動員の測定、核内因子(NF)-κB、c-Jun N末端キナーゼ(JNK)、及びp38マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)シグナル伝達経路の活性化、インターフェロン調節因子-7の活性化、I型インターフェロン(IFN)、インターロイキン(IL)-6、IL-10、及びIL-12などの一又は複数のサイトカインの発現レベル、NK細胞、ナチュラルキラーT細胞、単球などの一又は複数の免疫細胞集団の活性化、及び細胞傷害性リンパ球(CTL)及びTヘルパー-1(Th1)応答のレベル、及び免疫グロブリン分泌のレベルの測定などの当該技術分野で知られている方法を使用して、検出することができる。
ここで使用される「TLR発現細胞」という用語は、toll様受容体を発現し、toll様受容体がアゴニストに結合するときにtoll様受容体シグナル伝達経路を活性化することができる細胞を指す。toll様受容体は、細胞表面上、及び/又はエンドソーム又はファゴソームなどの細胞の一又は複数の細胞内区画の膜上に発現されうる。TLR発現細胞は、toll様受容体以外の一又は複数の細胞表面抗原を更に発現しうる。所定の免疫細胞はTLRを発現し、免疫細胞におけるTLRシグナル伝達経路の活性化は、自然免疫応答及び/又は適応免疫応答を誘発する。TLRシグナル伝達経路によって活性化される免疫細胞は、体から他の罹患細胞を排除するのに役立ちうる。所定の罹患細胞(例えば、がん細胞又はウイルス感染細胞)はTLRを発現し、罹患細胞におけるTLRシグナル伝達経路の活性化は、誘導されたアポトーシスを介するなど、罹患細胞の死をもたらしうる。TLR9発現細胞の例には、限定されないが、樹状細胞(DC)、B細胞、T細胞、ランゲルハンス細胞、ケラチノサイト、肥満細胞、内皮細胞、筋線維芽細胞、及び初代線維芽細胞が含まれる。細胞がtoll様受容体(例えば、TLR9)を発現するかどうかの決定は、細胞内のtoll様受容体のmRNAの検出など、当該技術分野で知られている方法を使用して実施することができる。
「免疫細胞」という用語は当該技術分野で認識されており、ここで使用される場合、炎症誘発性サイトカインを産生する細胞、及び組織損傷及び/又は病態形成に関与する細胞などの宿主防御機構に関与する任意の細胞を指す。免疫細胞の例には、限定されないが、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、好中球、肥満細胞、マクロファージ、抗原提示細胞(APC)、好塩基球、及び好酸球が含まれる。
「抗原提示細胞」又は「APC」という用語は、当該技術分野で認識されており、T細胞などの所定のリンパ球による認識のために抗原をプロセシングし提示することによって細胞性免疫応答を媒介する免疫細胞の異種群を指す。抗原提示細胞の例示的なタイプには、限定されないが、例えば、B細胞、単球、樹状細胞、及びランゲルハンス細胞を含むプロフェッショナル抗原提示細胞、並びに例えば、ケラチノサイト、内皮細胞、星状細胞、線維芽細胞、及びオリゴ樹状細胞を含む他の抗原提示細胞が含まれる。ここで使用される場合、「抗原提示細胞」という用語は、インビボで見出される抗原提示細胞とインビボ細胞に由来するインビトロ細胞培養物で見出されるものを含む。ここで使用される場合、抗原提示細胞はまた、toll様受容体(例えば、TLR9)を発現するように、又はtoll様受容体(例えば、TLR9)の発現レベルを調節するように遺伝子改変されるなど、人工的に改変されているAPCを含む。
「樹状細胞」又は「DC」という用語は、当該技術分野で認識されており、特殊化抗原感知及び抗原提示細胞(APC)の異種群を指す。ヒトDCは、形質細胞様樹状細胞(pDC)、骨髄系DC(mDC)、及び単球由来DC(MDDC)の三つの主要サブセットに分けられる。Schraml等, Curr. Opin. Immunol., 32:13-20 (2015)。DCのサブセットは、異なるTLR発現パターンに基づいて識別されうる。一例として、DCの骨髄系又は「コンベンショナル」サブセット(mDC)は、刺激されるとTLR1-8を発現し、活性化マーカー(例えば、CD80、CD86、MHCクラスI及びII、CCR7)のカスケード、炎症誘発性サイトカイン、及びケモカインが生成される。この刺激と結果として生じる発現の結果は、抗原特異的CD4+及びCD8+T細胞のプライミングである。これらのDCは、抗原を取り込み、適切な形でそれらをT細胞に提示する向上した能力を獲得する。DCの形質細胞様サブセット(pDC)は、活性化時にTLR7及びTLR9を発現し、その結果、NK細胞及びT細胞を活性化する。
ここで使用される「抗原」という用語は、自然免疫応答と適応免疫応答の両方を含む免疫応答を誘発することができる分子又はその抗原性断片を指す。ここで使用される場合、抗原は、タンパク質、ペプチド、多糖類、脂質、核酸、特にRNA及びDNA、ヌクレオチド、及び他の生物学的又は生化学的物質でありうる。「免疫応答を誘発する」という用語は、抗原などの刺激に応答してインビボで免疫細胞を刺激することを指す。免疫応答は、T細胞及びマクロファージ刺激などの細胞性免疫応答と、B細胞及び補体刺激並びに抗体産生などの体液性免疫応答の両方からなる。免疫応答は、限定されないが、抗体イムノアッセイ、増殖アッセイなどを含む、当該技術分野で周知の技術を使用して測定することができる。
「抗原性断片」及び「抗体結合断片」という用語は、ここでは互換的に使用される。ここで使用される抗原性断片は、特定の反応において、抗原結合分子、例えば、抗体と複合体を形成することができる。ここで言及される特定の反応は、抗原又は抗原性断片が、他の抗原によって誘発されうる多数の他の抗体ではなく、その対応する抗体と非常に選択的な形で反応することを示す。このような反応の特異性は、抗原中の一又は複数のエピトープ(免疫原性決定基)の存在によって決定される。ここで使用される場合、抗原又はその抗原性断片は、一つのエピトープを有しうるか、又は一を超えるエピトープを有しうる。
ここで使用される「T細胞エピトープ」という用語は、T細胞によって産生される抗原の任意のエピトープを指す。
ここで使用される「腫瘍関連抗原」又は「TAA」という用語は、ここで提供される治療又は予防的ケアを受けている(例えば、治療用量の免疫刺激性ポリヌクレオチド又はCpG-Abイムノコンジュゲートの投与を受けている)がん患者のがん細胞又は固形腫瘍のストロマによって発現される抗原を指す。TAAは、ここで提供される治療又は予防的ケアにおいて標的とされても又は標的とされなくてもよい。TAAは、がん細胞で過剰発現され、変異され、又は誤調節される必要はないが、TAAが正常細胞において有するものと同じ機能を有することができる。幾つかの実施態様では、TAAは、がん細胞において過剰発現され、変異され、又は誤調節されうる。TAAは、タンパク質、核酸、脂質、又は他の抗原でありうる。TAAは、細胞表面に発現されたTAA、細胞内TAA、又は核内TAAでありうる。固形腫瘍との関連で、TAAは固形腫瘍塊のストロマで発現されうる。ここで使用される「ストロマ」という用語は、がん細胞以外の固形腫瘍塊中の成分を指す。例えば、ストロマは、線維芽細胞、上皮細胞、他の血管成分又は細胞外マトリックス成分を含みうる。ここで使用される場合、「ストロマ」という用語は、免疫細胞(例えば、B細胞、T細胞、樹状細胞、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞等)などの免疫系の構成要素を含まない。様々なTAAが当該技術分野で知られている。TAAの同定は、Zhang et al., Methods Mol. Biol., 520:1-10 (2009)に開示されているものなど、当該技術分野で知られている方法を使用して実施することができる。
「抗体」、「免疫グロブリン」、及び「Ig」という用語は、ここでは交換可能に使用され、最も広い意味で使用され、具体的には、例えば、個々のモノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、中和抗体、全長又はインタクトなモノクローナル抗体)、ポリエピトープ又はモノエピトープ特異性を有する抗体組成物、ポリクローナル又は一価抗体、多価抗体、少なくとも二つのインタクトな抗体から形成された多重特異性抗体(例えば、それらが所望の生物学的活性を示す限り、二重特異性抗体)、一本鎖抗体、及び抗体の断片を包含する。抗体は、ヒト、ヒト化、キメラ、及び/又はアフィニティー成熟、並びに他の種、例えば、マウス及びウサギ由来の抗体でありうる。
「抗体」という用語は、特異的抗原に結合することができ、ポリペプチド鎖の二つの同一対から構成される、ポリペプチドの免疫グロブリンクラス内のB細胞のポリペプチド産物を含むことを意図し、ここで、各対は一つの重鎖(約50-70kDa)と一つの軽鎖(約25kDa)を有し、各鎖の各アミノ末端部分は、約100から約130以上のアミノ酸の可変領域を含み、各鎖の各カルボキシル末端部分は、定常領域を含む。Borrebaeck 編 (1995) Antibody Engineering, 2版, Oxford University Press.;Kuby (1997) Immunology, 3版, W.H. Freeman and Company, New Yorkを参照のこと。抗体には、また限定されないが、合成抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、多重特異性抗体(二重特異性抗体を含む)、ヒト抗体、ヒト化抗体、ラクダ化抗体、キメラ抗体、イントラボディ、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、及び断片が由来する抗体の結合活性の一部又は全てを保持する抗体重鎖又は軽鎖ポリペプチドの一部を意味する、その機能的断片が含まれる。抗体の機能的断片の非限定的な例には、一本鎖Fv(scFv)(例えば、単一特異性又は二重特異性を含む)、Fab断片、F(ab’)断片、F(ab)2断片、F(ab’)2断片、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、Fd断片、Fv断片、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、及びミニボディが含まれる。特に、ここで提供される抗体には、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、例えば、抗原に結合する抗原結合部位(例えば、抗CD56抗体又は抗SIRPα抗体の一又は複数の相補性決定領域(CDR))を含む抗原結合ドメイン又は分子が含まれる。そのような抗体断片は、例えば、Harlow及びLane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New York (1989);Myers編, Molec. Biology and Biotechnology: A Comprehensive Desk Reference, New York: VCH Publisher, Inc.;Huston等, Cell Biophysics 1993, 22, 189-224;Plueckthun及びSkerra, Meth. Enzymol. 1989, 178, 497-515;及びDay, Advanced Immunochemistry, 2版, Wiley-Liss, Inc., New York, NY (1990)に記載されている。ここで提供される抗体は、任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、及びIgY)、任意のクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2)、又は任意のサブクラス(例えば、IgG2a及びIgG2b)の免疫グロブリン分子でありうる。
「抗原」という用語は、抗体が選択的に結合することができる予め定まった抗原を指す。標的抗原は、ポリペプチド、炭水化物、核酸、脂質、ハプテン、又は他の天然に存在する又は合成の化合物でありうる。一実施態様では、標的抗原はポリペプチドである。
「抗原結合断片」、「抗原結合ドメイン」、及び「抗原結合領域」という用語は、抗原と相互作用し、結合剤に抗原に対するその特異性と親和性を与えるアミノ酸残基(例えば、相補性決定領域(CDR))を含む抗体の一部を指す。
特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド標的上のエピトープに対する「特異的結合」、「特異的に結合する」、又は「特異的」という用語は、例えば、少なくとも約10-4M、少なくとも約10-5M、少なくとも約10-6M、少なくとも約10-7M、少なくとも約10-8M、少なくとも約10-9M、少なくとも約10-10M、少なくとも約10-11M、又は少なくとも約10-12Mの標的への解離定数(Kd)を有する分子(例えば、抗体)によって示されうる。一実施態様では、「特異的結合」という用語は、分子が、任意の他のポリペプチド又はポリペプチドエピトープに実質的に結合することなく、特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド上のエピトープに結合する結合を指す。
4鎖抗体単位は、二つの同一の軽(L)鎖と二つの同一の重鎖(H)から構成されるヘテロ四量体糖タンパク質である。IgGの場合、4鎖単位は一般に約150000ダルトンである。各L鎖は一つの共有ジスルフィド結合によってH鎖に結合され、二つのH鎖は、H鎖アイソタイプに応じて一又は複数のジスルフィド結合によって互いに結合される。各H及びL鎖は、また規則的に間隔を開けた鎖内ジスルフィド架橋を有する。各H鎖は、N末端に、可変ドメイン(VH)と、それに続き、α及びγ鎖のそれぞれに対して3つの定常ドメイン(CH)を、μ及びεアイソタイプに対して4つのCHドメインを有する。各L鎖は、N末端に、可変ドメイン(VL)と、それに続き、その他方の末端に定常ドメイン(CL)を有する。VLはVHと整列され、CLは重鎖の第一定常ドメイン(CH1)と整列される。特定のアミノ酸残基は、軽鎖と重鎖の可変ドメイン間の界面を形成すると考えられる。VHとVLの対形成は、単一の抗原結合部位を形成する。異なるクラスの抗体の構造と特性については、例えば、Basic and Clinical Immunology, 8版, Stites等編, Appleton及びLange, Norwalk, CT, 1994の71頁と6章を参照のこと。
「可変領域」又は「可変ドメイン」という用語は、一般に軽鎖又は重鎖のアミノ末端に位置し、重鎖に約120から130のアミノ酸長、軽鎖に約100から110のアミノ酸長を有し、その特定の抗原に対する各特定の抗体の結合及び特異性に使用される、抗体の軽鎖又は重鎖の一部を指す。重鎖の可変領域は「VH」と呼ばれうる。軽鎖の可変領域は「VL」と呼ばれうる。「可変」という用語は、可変領域の所定のセグメントが抗体間で配列において大きく異なるという事実を指す。V領域は抗原結合を媒介し、その特定の抗原に対する特定の抗体の特異性を定める。しかし、可変性は、可変領域の110アミノ酸スパンにわたって均等には分布していない。代わりに、V領域は、それぞれが約9-12アミノ酸長である「超可変領域」と呼ばれるより大きな可変性(例えば、極度の可変性)のより短い領域によって分離された約15-30アミノ酸のフレームワーク領域(FR)と呼ばれるより可変性の低い(例えば、比較的インバリアントな)ストレッチで構成される。重鎖及び軽鎖の可変領域は、それぞれ、三つの超可変領域によって連結された、主にβシート配置を採用する4つのFRを含み、これが、βシート構造を連結し、場合によってはβシート構造の一部を形成するループを形成する。各鎖の超可変領域は、FRによって近接して保持され、他の鎖の超可変領域と共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(例えば、Kabat等, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5版 Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD, 1991を参照)。定常領域は、抗体の抗原への結合に直接関与していないが、抗体依存性細胞傷害(ADCC)及び補体依存性細胞傷害(CDC)への抗体の関与など、様々なエフェクター機能を示す。可変領域は、異なる抗体間で配列が大きく異なる。配列の可変性はCDRに集中しているが、可変領域の可変性の低い部分はフレームワーク領域(FR)と呼ばれる。軽鎖と重鎖のCDRは、主に抗体と抗原の相互作用に関与している。特定の実施態様では、可変領域はヒト可変領域である。
「Kabatのような可変領域残基番号付け」又は「Kabatのようなアミノ酸位置番号付け」という用語と、それらの変形語は、Kabat等, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5版 Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991)において抗体の編集の重鎖可変領域又は軽鎖可変領域に使用される番号付けシステムを指す。この番号付けシステムを使用すると、実際の直鎖状アミノ酸配列は、可変ドメインのFR又はCDRの短縮又は挿入に対応するより少ない又は追加のアミノ酸を含みうる。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後に単一のアミノ酸インサート(Kabatによる残基52a)と重鎖FR残基82の後に挿入された残基(例えば、Kabatによる残基82a、82b、及び82cなど)を含みうる。残基のKabat番号付けは、「標準的な」Kabat番号付け配列との抗体の配列の相同性領域でのアラインメントによって、所与の抗体について決定されうる。Kabat番号付けシステムは、可変ドメインの残基(およそ軽鎖の残基1-107と重鎖の残基1-113)に言及する場合に一般に使用される(例えば、Kabat等, Sequences of Immunological Interest. 5版 Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1991))。「EU番号付けシステム」又は「EUインデックス」は、免疫グロブリン重鎖定常領域の残基に言及するときに一般に使用される(例えば、上掲のKabat等で報告されたEUインデックス)。「KabatのようなEUインデックス」は、ヒトIgG1 EU抗体の残基番号付けを指す。例えば、AbM、Chothia、Contact、IMGT、及びAHonを含む、他の番号付けシステムが記載されている。
「インタクトな」抗体は、抗原結合部位並びにCLと少なくとも重鎖定常領域CH1、CH2及びCH3を含むものである。定常領域は、ヒト定常領域又はそのアミノ酸配列変異体を含みうる。好ましくは、インタクトな抗体は、一又は複数のエフェクター機能を有する。
「抗体断片」という用語は、インタクトな抗体の一部、好ましくはインタクトな抗体の抗原結合又は可変領域を指す。抗体断片の例には、限定されないが、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片;ダイアボディ及びジダイアボディ(例えば、Holliger等, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 1993, 90, 6444-8;Lu等, J. Biol. Chem. 2005, 280, 19665-72;Hudson等, Nat. Med. 2003, 9, 129-134;国際公開第93/11161号;及び米国特許第5837242号及び第6492123号を参照);一本鎖抗体分子(例えば、米国特許第4946778号;第5260203号;第5482858号及び第5476786号を参照);二重可変ドメイン抗体(例えば、米国特許第7612181号を参照);単一可変ドメイン抗体(SdAb)(例えば、Woolven等, Immunogenetics 1999, 50, 98-101 Streltsov等, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 2004, 101, 12444-12449を参照);抗体断片から形成された多重特異性抗体が含まれる。
抗体の「機能的断片」、「結合断片」、又は「抗原結合断片」という用語は、インタクトな抗体に起因する生物学的機能の少なくとも一つを示す分子を指し、その機能は、少なくとも標的抗原への結合を含む。
抗体に関して使用される場合の「重鎖」という用語は、アミノ末端部分が約120から130以上のアミノ酸の可変領域を含み、カルボキシル末端部分が定常領域を含む、約50-70kDaのポリペプチド鎖を指す。定常領域は、重鎖定常領域のアミノ酸配列に基づいて、アルファ(α)、デルタ(δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)及びミュー(μ)と呼ばれる5つの異なるタイプ(例えば、アイソタイプ)の一つでありうる。異なる重鎖はサイズが異なる:α、δ及びγはおよそ450のアミノ酸を含む一方、μ及びεはおよそ550のアミノ酸を含む。軽鎖と組み合わせると、重鎖のこれらの異なるタイプは、IgGの4つのサブクラス、すなわちIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4を含む、それぞれ5つのよく知られたクラス(例えば、アイソタイプ)の抗体IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMを生じる。重鎖はヒト重鎖でありうる。
抗体に関して使用される場合の「軽鎖」という用語は、アミノ末端部分が約100から約110以上のアミノ酸の可変領域を含み、カルボキシル末端部分が定常領域を含む、約25kDaのポリペプチド鎖を指す。軽鎖のおおよその長さは211から217アミノ酸である。定常ドメインのアミノ酸配列に基づいてラムダ(λ)、カッパ(κ)と呼ばれる2つの異なるタイプがある。軽鎖アミノ酸配列は当該技術分野でよく知られている。軽鎖はヒト軽鎖でありうる。
ここで使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、例えば、集団を構成する個々の抗体は、少量で存在しうる可能性のある天然に生じる変異を除いて同一であり、各モノクローナル抗体は典型的には抗原上の単一のエピトープを認識する。特定の実施態様では、ここで使用される「モノクローナル抗体」は、単一のハイブリドーマ又は他の細胞によって生産される抗体であり、抗体は、例えば、ELISA又は当該技術分野で知られている他の抗原結合又は競合的結合アッセイによって決定されて、ベータクロトーエピトープのみに結合する。「モノクローナル」という用語は、抗体を作製するための特定の方法に限定されない。例えば、本開示において有用なモノクローナル抗体は、Kohler等, Nature 1975, 256, 495によって最初に記載されたハイブリドーマ法によって調製され得;又は、細菌、真核動物又は植物細胞において組換えDNA法を使用して作製されうる(例えば、米国特許第4816567号を参照)。「モノクローナル抗体」はまた、例えばClackson等, Nature 1991, 352, 624-628及びMarks等, J. Mol. Biol. 1991, 222, 581-597に記載された技術を使用して、ファージ抗体ライブラリーから単離されうる。クローン細胞株とそれによって発現されるモノクローナル抗体を調製するための他の方法は、当該技術分野においてよく知られている(例えば、Short Protocols in Molecular Biology, (2002) 5版, Ausubel等編, John Wiley and Sons, New Yorkの11章を参照)。モノクローナル抗体を生産する例示的な方法は、ここの実施例に提供される。
非ヒト(例えば、マウス)抗体の「ヒト化」型は、天然CDR残基が、所望の特異性、親和性、及び能力を有するマウス、ラット、ウサギ、又は非ヒト霊長類など、非ヒト種(例えば、ドナー抗体)の対応するCDRからの残基によって置き換えられているヒト免疫グロブリン(例えば、レシピエント抗体)を含むキメラ抗体である。場合によっては、ヒト免疫グロブリンの一又は複数のFR領域残基が、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体又はドナー抗体には見いだせない残基を含みうる。これらの改変は、抗体の性能を更に洗練するために行われる。ヒト化抗体の重鎖又は軽鎖は、少なくとも一又は複数の可変領域の実質的に全てを含み得、CDRの全て又は実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FRの全て又は実質的に全てがヒト免疫グロブリン配列のものである。所定の実施態様では、ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンのものを含むであろう。更なる詳細については、Jones等, Nature 1986, 321, 522-525;Riechmann等, Nature 1988, 332, 323-329;Presta, Curr. Opin. Biotechnol. 1992, 3, 394-398;Carter等, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 1992, 89, 4285-4289;及び米国特許第6800738号、第6719971号、第6639055号、第6407213号、及び第6054297号を参照のこと。
「ヒト抗体」は、ヒトによって産生される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有し、及び/又はここに開示されるヒト抗体を作製するための技術の何れかを使用して作製されたものである。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を特に除外している。ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリー(Hoogenboom及びWinter, J. Mol. Biol. 1991, 227, 381;Marks等, J. Mol. Biol. 1991, 222, 581)及び酵母ディスプレイライブラリー(Chao等, Nature Protocols 2006, 1, 755-768)を含む、当該技術分野で知られている様々な技術を使用して生産できる。ヒトモノクローナル抗体の調製にまた利用できるのは、Cole等, Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, p. 77 (1985);Boerner等, J. Immunol. 1991, 147, 86-95に記載されている方法である。ヒト抗体は、抗原チャレンジに応答してそのような抗体を産生するように改変されているが、その内因性遺伝子座が無効にされている遺伝子導入動物、例えばマウスに抗原を投与することによって調製することができる(例えば、Jakobovits, Curr. Opin. Biotechnol. 1995, 6, 561-566;Brueggemann及びTaussing, Curr. Opin. Biotechnol. 1997, 8, 455-458;及び米国特許第6075181号及び第6150584号(XENOMOUSETM技術に関し))。また、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術によって作製されたヒト抗体に関して、Li等, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 2006, 103, 3557-3562を参照のこと。
「CDR」は、免疫グロブリン(Ig又は抗体)VHβシートフレームワークの非フレームワーク領域内の三つの超可変領域(H1、H2、又はH3)のうちの一つ、又は抗体VLβシートフレームワークの非フレームワーク領域内の三つの超可変領域(L1、L2、又はL3)のうちの一つを指す。従って、CDRは、フレームワーク領域配列内に散在する可変領域配列である。CDR領域は当業者によく知られており、例えば、抗体可変(V)ドメイン内で最も超可変性の領域としてKabatによって定義されている。Kabat等, J. Biol. Chem. 1977, 252, 6609-6616;Kabat, Adv. Protein Chem. 1978, 32, 1-75。CDR領域配列は、また、保存されたβシートフレームワークの一部ではない残基としてChothiaによって構造的に定義されており、異なる立体構造に適応できる。Chothia及びLesk, J. Mol. Biol. 1987, 196, 901-917。両方の用語は当該技術分野でよく認識されている。CDR領域配列は、また、AbM、Contact及びIMGTによって定義されている。標準の抗体可変領域内のCDRの位置は、多くの構造の比較によって決定されている。Al-Lazikani等, J. Mol. Biol. 1997, 273, 927-948;Morea等, Methods. 2000, 20, 267-279。超可変領域内の残基の数は異なる抗体において変わるため、標準の位置に対する追加の残基は、慣習的に、標準の可変領域の番号付けスキームの残基番号の次にa、b、cなどで番号が付される。上掲のAl-Lazikani等(1997)。そのような命名法は、同様に当業者によく知られている。
ここで使用される場合、「超可変領域」、「HVR」、又は「HV」という用語は、配列が超可変であり、及び/又は構造的に定義されたループを形成する抗体可変領域の領域を指す。一般に、抗体は6つの超可変領域を含む;VHに3つ(H1、H2、H3)、VLに3つ(L1、L2、L3)。多くの超可変領域の描写が使用され、ここに含まれる。Kabat相補性決定領域(CDR)は、配列の可変性に基づいており、最も一般的に使用されている(例えば、Kabat等, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5版 Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991)を参照)。Chothiaは、代わりに構造ループの位置を指す。例えば、Chothia及びLesk, J. Mol. Biol. 1987, 196, 901-917を参照のこと。Kabat番号付け規則を使用して番号を付した場合のChothia CDR-H1ループの末端は、ループの長さに応じてH32とH34の間で変わる(これは、Kabat番号付けスキームが挿入をH35AとH35Bに配置するためであり;H35AもH35Bも存在しない場合、ループは32で終了し;35Aのみが存在する場合、ループは33で終了し;35Aと35Bの両方が存在する場合、ループは34で終了する)。AbM超可変領域は、Kabat CDRとChothia構造ループの間の妥協点を表しており、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアによって使用される(例えば、Martin, in Antibody Engineering, Vol. 2, Chapter 3, Springer Verlagを参照)。「contact」超可変領域は、利用可能な複合体結晶構造の分析に基づいている。これらの超可変領域又はCDRのそれぞれからの残基を以下に示す。
最近、普遍的な番号付けシステムImMunoGeneTics(IMGT)情報システムが開発され、広く採用されている。Lafranc等, Dev. Comp. Immunol. 2003, 27, 55-77。IMGTは、免疫グロブリン(IG)、T細胞受容体(TR)、並びにヒト及びその他の脊椎動物の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)に特化した統合情報システムである。ここでは、CDRは、アミノ酸配列と軽鎖又は重鎖内の位置の両方に関して言及される。免疫グロブリン可変ドメインの構造内のCDRの「位置」は種間で保存され、ループと呼ばれる構造中に存在するため、構造的特徴に従って可変ドメイン配列を整列させる番号付けシステムを使用することにより、CDR及びフレームワーク残基は容易に識別される。この情報は、ある種の免疫グロブリン由来のCDR残基を、典型的にはヒト抗体由来のアクセプターフレームワークに移植し置換する際に使用できる。追加の番号付けシステム(AHon)は、Honegger及びPlueckthun, J. Mol. Biol. 2001, 309, 657-670によって開発されている。例えば、Kabat番号付け及びIMGT固有の番号付けシステムを含む番号付けシステム間の対応は、当業者によく知られている(例えば、上掲のKabat;上掲のChothia 及びLesk;上掲のMartin;上掲のLefranc等を参照のこと)。ここに示される例示的システムは、KabatとChothiaの組み合わせである。
超可変領域は、次のような「拡張超可変領域」を含みうる:VLにおける、24-36又は24-34(L1)、46-56又は50-56(L2)及び89-97又は89-96(L3)並びにVHにおける26-35又は26-35A(H1)、50-65又は49-65(H2)及び93-102、94-102、又は95-102(H3)。ここで使用される場合、「HVR」という用語と「CDR」という用語は交換可能に使用される。
「定常領域」又は「定常ドメイン」という用語は、抗体の抗原への結合に直接関与しないが、Fc受容体との相互作用などの様々なエフェクター機能を示す、軽鎖及び重鎖のカルボキシル末端部分を指す。該用語は、抗原結合部位を含む、免疫グロブリンの他の部分、すなわち可変領域と比較して、より保存されたアミノ酸配列を有する免疫グロブリン分子の部分を意味する。定常領域は、重鎖のCH1、CH2及びCH3領域と軽鎖のCL領域を含みうる。
「フレームワーク」又は「FR」残基という用語は、CDRに隣接するその可変領域残基である。FR残基は、例えば、キメラ、ヒト化、ヒト、ドメイン抗体、ダイアボディ、直鎖抗体、及び二重特異性抗体に存在する。FR残基は、超可変領域残基又はCDR残基以外の可変ドメイン残基である。
「親和性成熟」抗体は、変化を有さない親抗体と比較して、抗原に対する抗体の親和性の改善をもたらす、一又は複数の変化(例えば、変化、付加及び/又は欠失を含むアミノ酸配列変異)をその一又は複数のHVRに有するものである。好ましい親和性成熟抗体は、標的抗原に対してナノモル又はピコモルの親和性を有するであろう。親和性成熟抗体は、当該技術分野で知られている手順によって産生される。概説には、Hudson及びSouriau, Nat. Med. 2003, 9, 129-134;Hoogenboom, Nat. Biotechnol. 2005, 23, 1105-1116;Quiroz及びSinclair, Revista Ingenieria Biomedica 2010, 4, 39-51を参照のこと。
「遮断」抗体又は「アンタゴニスト」抗体は、抗原の結合を阻害し又は低減するものである。所定の実施態様では、遮断抗体又はアンタゴニスト抗体は、抗原の結合を実質的に又は完全に遮断する。所定の実施態様では、「遮断」抗体又は「アンタゴニスト」抗体は、それが結合する抗原の生物学的活性を阻害し又は低下させるものである。他の実施態様では、遮断抗体又はアンタゴニスト抗体は、抗原の生物学的活性を実質的に又は完全に阻害する。例えば、遮断抗SIRP抗体は、SIPRαとCD47の間の相互作用を実質的に又は完全に妨げる。
「非遮断」抗体は、抗原の結合を阻害し又は低減しないものである。所定の実施態様では、「非遮断」抗体は、それが結合する抗原の生物学的活性を阻害し又は低減しないものである。他の実施態様では、非遮断抗体は、抗原が結合する別個の非重複エピトープに結合する。幾つかの実施態様では、非遮断抗体はアゴニスト抗体である。
「アゴニスト抗体」は、応答を誘発する抗体、例えば、目的のポリペプチドの機能的活性の少なくとも一つを模倣するものである。アゴニスト抗体は、例えば、リガンドが細胞表面受容体に結合し、結合が細胞間細胞シグナル伝達経路を介して細胞シグナル伝達又は活性を誘導し、抗体が同様の細胞シグナル伝達又は活性化を誘導する、リガンドミメティックである抗体を含む。
抗体「エフェクター機能」は、抗体のFc領域(例えば、天然配列Fc領域又はアミノ酸配列変異体Fc領域)に起因する生物学的活性を指し、抗体アイソタイプによって変わる。抗体エフェクター機能の例には、C1q結合及び補体依存性細胞傷害;Fc受容体結合;抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC);食作用;細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)のダウンレギュレーション;及びB細胞の活性化が含まれる。
ここでの「Fc領域」という用語は、例えば、天然配列Fc領域、組換えFc領域、及び変異体Fc領域を含む、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は変わりうるが、ヒトIgG重鎖のFc領域は、Cys226の位置のアミノ酸残基から、又はPro230からそのカルボキシル末端まで伸長するとしばしば定義される。Fc領域のC末端リジン(EU番号付けシステムによる残基447)は、例えば、抗体の産生又は精製中に、又は抗体の重鎖をコードする核酸を組換え操作することによって除去されうる。従って、インタクトな抗体の組成物は、全てのK447残基が除去された抗体集団、K447残基が除去されていない抗体集団、及びK447残基がある抗体とない抗体の混合物を有する抗体集団を含みうる。
「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、及び「治療」という用語は、状態、障害、又は疾患、あるいは状態、障害、又は疾患に関連する一又は複数の症状を緩和し又は無効にすること;あるいは状態、障害、又は疾患自体の原因を緩和し又は根絶することを含むことを意味する。
「予防する(prevent)」、「予防する(preventing)」、及び「予防」という用語は、状態、障害、又は疾患、及び/又はそれに付随する症状の発症を遅延させ、及び/又は防止し;対象が状態、障害、又は疾患を獲得することを妨げ;あるいは状態、障害、又は疾患にかかる対象のリスクを低減させる方法を含むことを意味する。
「接触する(contacting)」又は「接触(contact)」という用語は、そのような接触の結果として生理学的及び/又は化学的効果が生じるように、治療薬と細胞又は組織とを一緒にすることを指すことを意味する。接触は、インビトロ、エクスビボ、又はインビボで行うことができる。一実施態様では、治療薬は、細胞培養において細胞と接触されて(インビトロ)、細胞に対する治療薬の効果が決定される。別の実施態様では、治療薬と細胞又は組織との接触は、接触される細胞又は組織を有する対象への治療薬の投与を含む。
「治療有効量」という用語は、投与されたときに、治療されている状態、障害、又は疾患の症状の一又は複数の発症を予防するか、又はある程度緩和するのに十分な化合物の量を含むことを意味する。「治療有効量」という用語はまた、研究者、獣医、医師、又は臨床医によって求められている、生体分子(例えば、タンパク質、酵素、RNA、又はDNA)、細胞、組織、系、動物、又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発するのに十分な化合物の量を意味する。
「薬学的に許容可能な担体」、「薬学的に許容可能な添加物」、「生理学的に許容可能な担体」、又は「生理学的に許容可能な添加物」という用語は、液体又は固体充填剤、希釈剤、溶媒、又はカプセル化材料などの薬学的に許容可能な材料、組成物、又はビヒクルを意味する。一実施態様では、各成分は、薬学的製剤の他の成分と適合性があるという意味で「薬学的に許容可能」であり、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、又は他の問題もしくは合併症なしに、合理的なベネフィット/リスク比に釣り合ってヒト及び動物の組織又は器官と接触されて使用されるのに適している。Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 22版; Allen編: Philadelphia, PA, 2012;Handbook of Pharmaceutical Excipients, 7版; Rowe等編; The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association: 2012;Handbook of Pharmaceutical Additives, 3版; Ash及びAsh編; Gower Publishing Company: 2007;Pharmaceutical Preformulation and Formulation, 2版; Gibson編; CRC Press LLC: Boca Raton, FL, 2009を参照のこと。
ここで使用される「CpG-Abイムノコンジュゲート」又は「CpG-Ab」という用語は、抗体(Ab)又はその抗原結合断片と、ここに記載のCpG含有免疫刺激性ポリヌクレオチドとの結合を指す。
ここで使用される「T細胞アゴニスト」という用語は、混合された開始細胞集団からのT細胞の増殖、分化、及び/又は生存を選択的に刺激する任意の薬剤を指す。従って、結果として生じる細胞集団は、細胞の開始集団と比較して増加した数のT細胞で富化される。本開示での使用が見出されるT細胞アゴニストには、限定されないが、T細胞受容体(TCR)に特異的に結合する抗原分子、並びにT細胞共刺激分子が含まれる。T細胞共刺激分子の例には、限定されないが、OX40、CD2、CD27、CDS、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、4-1BB(CD137)、GITR、CD30、CD40、BAFFR、HVEM、CD7、LIGHT、NKG2C、SLAMF7、NKp80、CD160、B7-H3及びCD83リガンドが含まれる。特定の実施態様では、T細胞アゴニストは、T細胞共刺激分子に対する抗体である。特定の実施態様では、T細胞アゴニストは腫瘍関連抗原(TAA)である。特定の実施態様では、T細胞アゴニストは病原性抗原である。
ここで使用される場合、「免疫チェックポイント」又は「免疫チェックポイント分子」は、シグナルを調節する免疫系の分子である。免疫チェックポイント分子は、刺激性チェックポイント分子、すなわちシグナルを上げる分子、あるいは阻害性チェックポイント分子、すなわちシグナルを下げる分子でありうる。特定の実施態様では、免疫チェックポイントは、T細胞又は抗原提示細胞(APC)の何れかによって発現されるタンパク質である。所定の種類のがん細胞は、免疫チェックポイントタンパク質を発現して免疫クリアランスを逃れる。がん細胞によって発現される免疫チェックポイントタンパク質とT細胞によって発現される免疫チェックポイントタンパク質との間の相互作用を阻害するための免疫チェックポイントモジュレーターの使用が、所定のがん治療において効果的であることが証明されている。
ここで使用される場合、「免疫チェックポイントモジュレーター」は、対象における免疫チェックポイントの活性を変化させることができる薬剤である。所定の実施態様では、免疫チェックポイントモジュレーターは、限定されないが、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM-3、LAG-3、CEACAM-1、CEACAM-5、VISTA、BTLA、TIGIT、LAIR1、CD160、CD47、2B4、及びTGFRを含む一又は複数の免疫チェックポイント分子の機能を変化させる。免疫チェックポイントモジュレーターは、免疫チェックポイントのアゴニスト又はアンタゴニストでありうる。幾つかの実施態様では、免疫チェックポイントモジュレーターは、免疫チェックポイント結合タンパク質(例えば、抗体、抗体Fab断片、二価抗体、抗体薬物コンジュゲート、scFv、融合タンパク質、二価抗体、又は四価抗体)である。他の実施態様では、免疫チェックポイントモジュレーターは小分子である。特定の実施態様では、免疫チェックポイントモジュレーターは、抗PD1又は抗PD-L1抗体である。
ここで使用される「標的化送達」という用語又は動詞形「標的」は、他のどの器官、組織、細胞、又は細胞内コンパートメント(非標的位置と呼ばれる)よりも特定の器官、組織、細胞及び/又は細胞内コンパートメント(標的位置と呼ばれる)への送達薬剤(免疫刺激性ポリヌクレオチドなど)の到達を促進するプロセスを指す。標的化送達は、当該技術分野で知られている方法を使用して、例えば、標的細胞集団における送達された薬剤の濃度を、全身投与後の非標的細胞集団における送達された薬剤の濃度と比較することによって検出することができる。ここに提供されるように、標的化送達は、非標的位置と比較して、標的位置で少なくとも2倍高い濃度をもたらす。標的化送達は、標的化細胞に関連する受容部分へのターゲティング部分の特異的結合によって達成されうる。ここで使用される場合、標的細胞に関連する受容部分は、標的化細胞の表面上又は細胞質ゾル内に位置しうる。幾つかの実施態様では、受容部分は、標的化細胞に関連する抗原である。
「DAR」という用語は、免疫調節性ポリヌクレオチド抗体コンジュゲートの薬物-抗体比、より具体的には免疫調節性ポリヌクレオチド-抗体比を意味する。
[免疫調節性ポリヌクレオチド]
一実施態様では、ここに提供されるのは、免疫調節性(例えば、免疫刺激性)ポリヌクレオチドである。
所定の実施態様では、免疫調節性ポリヌクレオチドは、5修飾ウリジン又は5修飾シチジンを含む。所定の実施態様では、免疫調節性ポリヌクレオチドの5’末端(例えば、2つの5’末端ヌクレオシドの間)に5修飾ウリジン(例えば、5-エチニル-ウリジン)を含めると、ポリヌクレオチドの免疫調節特性が増強される。所定の実施態様では、免疫調節性ポリヌクレオチドは、長さが18から28ヌクレオチドである典型的なCpG ODNよりも短い(例えば、合計で約6から約16ヌクレオチド又は約12から約14ヌクレオチドを含む)。所定の実施態様では、より短い免疫調節性ポリヌクレオチド(例えば、合計で約6から約16ヌクレオチド又は約12から約14ヌクレオチドを含むもの)は、より長い、典型的なCpG ODNの免疫調節活性を保持し;又は、より長いCpG ODNと比較して、(例えば、NFκB活性化によって、又は少なくとも一つのサイトカイン(例えば、IL-6又はIL-10)の発現レベルの変化によって測定して)より高い免疫調節活性を示す。所定の実施態様では、免疫調節性ポリヌクレオチドは、脱塩基スペーサーを含む。所定の実施態様では、免疫調節性ポリヌクレオチドは、ヌクレオシド間ホスホトリエステルを含む。免疫調節性ポリペプチドの例示的な説明は、国際公開第2018189382号に見出すことができる。
所定の実施態様では、ここに提供される免疫調節性ポリヌクレオチドは、その免疫刺激活性を実質的に犠牲にすることなく、ほとんどのヌクレオシド間ホスフェート(例えば、50%を超えるヌクレオシド間ホスフェート)を含むCpG ODNよりも優れた安定性(例えば、ヌクレアーゼに対する安定性)を示す。この効果は、例えば、少なくとも50%(例えば、少なくとも70%)のヌクレオシド間ホスホロチオエート又はホスホロジチオエートを含めることによって、又はヌクレオシド間ホスホトリエステル及び/又はヌクレオシド間脱塩基スペーサーを含めることによって、達成することができる。ホスホトリエステル及び脱塩基スペーサーはまたターゲティング部分へのコンジュゲーションに便利である。完全なホスホロチオエート骨格を有するポリヌクレオチドと比較して、ホスフェートベースのホスホトリエステルと脱塩基スペーサーをまた使用して、オフターゲット活性を低下させることもできる。理論に拘束されることは望まないが、この効果は、標的細胞へのターゲティング部分媒介送達を妨害することなく自己送達を減少させることによって達成されうる。従って、ここで提供されるポリヌクレオチドは、約15以下、約14以下、約13以下、約12以下、約11以下、又は約10以下の近接ヌクレオシド間ホスホロチオエートを含みうる。例えば、合計で約12から約16のヌクレオシドを含む免疫刺激性ポリヌクレオチドは、約10以下の近接ヌクレオシド間ホスホロチオエートを含むことができる。
ここで提供される免疫刺激性ポリヌクレオチドは、合計で約50以下、約30以下、約28以下、又は約16以下のヌクレオシドを含むことができる。免疫刺激性ポリヌクレオチドは、合計で少なくとも6、約10以上、又は約12以上のヌクレオシドを含むことができる。例えば、免疫刺激性ポリヌクレオチドは、合計で約6から約30、約6から約28、約6から約20、約6から約16、約10から約20、約10から約16、約12から約28、約12から約20、又は約12から約16のヌクレオシドを含むことができる。
所定の実施態様では、免疫刺激性ポリヌクレオチドは、一又は複数のホスホトリエステル(例えば、ヌクレオシド間ホスホトリエステル)及び/又はホスホロチオエート(例えば、約1から約6又は約1から約4)を例えば一方又は両方の末端に含む(例えば、6つの5’末端ヌクレオシド又は6つの3’末端ヌクレオシド内)。一又は複数のヌクレオシド間ホスホトリエステル及び/又はホスホロチオエートを含めることにより、エキソヌクレアーゼ媒介性分解の速度を低下させることにより、ポリヌクレオチドの安定性を高めることができる。
所定の実施態様では、免疫刺激性ポリヌクレオチドは、ホスホトリエステル又は末端ホスホジエステルを含み、ここで、ホスホトリエステル又は末端ホスホジエステルは、ターゲティング部分又はコンジュゲート基に、また場合によっては一又は複数(例えば、約1から約6)の補助部分に結合したリンカーを含む。所定の実施態様では、免疫刺激性ポリヌクレオチドは、一つのリンカーのみを含む。所定の実施態様では、免疫刺激性ポリヌクレオチドは、一つのコンジュゲート基のみを含む。
ここでで提供されるポリヌクレオチドは、鎖とその部分的又は全体的な相補鎖を含むハイブリダイズしたポリヌクレオチドでありうる。ハイブリダイズしたポリヌクレオチドは、少なくとも6つ(例えば、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、又は約23)で、含まれるより短い鎖に存在するヌクレオチドの全数までの相補塩基対を有しうる。例えば、ハイブリダイズしたポリヌクレオチドのハイブリダイズ部分は、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、又は約23の塩基対を含むことができる。
一実施態様では、ここに提供されるのは、式(A):
の免疫刺激性ポリヌクレオチド又はその立体異性体、二以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、又は二以上の互変異性体の混合物;又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、又は水和物であり;
ここで、
各X
Nは、独立してヌクレオチドであり;
X
3’は、3’末端ヌクレオチドであり;
X
5’は、5’末端ヌクレオチドであり;
Y
Pは、ヌクレオシド間ホスホトリエステルであり;かつ
bとcは、それぞれ約0から約25の範囲の整数であり;但し、その合計が5以上である。
所定の実施態様では、免疫刺激性ポリヌクレオチドは、修飾された核酸塩基を有するヌクレオチドを含む。
所定の実施態様では、bは約1から約15の範囲の整数である。所定の実施態様では、bは約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、又は約15の整数である。所定の実施態様では、bは約3、約4、約11、又は約14の整数である。所定の実施態様では、bは約3の整数である。所定の実施態様では、bは約4の整数である。所定の実施態様では、bは約11の整数である。所定の実施態様では、bは約14の整数である。
所定の実施態様では、cは約0から約10の範囲の整数である。所定の実施態様では、cは約0、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10の整数である。所定の実施態様では、cは約0又は約8の整数である。所定の実施態様では、cは約0の整数である。所定の実施態様では、cは約8の整数である。
所定の実施態様では、bは約3の整数であり、cは約8の整数である。所定の実施態様では、bは約4の整数であり、cは約8の整数である。所定の実施態様では、bは約11の整数であり、cは約0の整数である。所定の実施態様では、bは約14の整数であり、cは約0の整数である。
所定の実施態様では、b及びcは合計で約5から約20の範囲である。所定の実施態様では、b及びcは合計で約5から約15の範囲である。所定の実施態様では、b及びcは合計で約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、又は約15である。所定の実施態様では、b及びcは合計で約8、約9、約10、約11、約12、約13、又は約14である。所定の実施態様では、b及びcは合計で約11である。所定の実施態様では、b及びcは合計で約12である。所定の実施態様では、b及びcは合計で約14である。
所定の実施態様では、各XNは、独立して、2’-デオキシリボヌクレオチド又は2’修飾リボヌクレオチドである。所定の実施態様では、各XNは、独立して、2’-デオキシアデノシン(A)、2’-デオキシグアノシン(G)、2’-デオキシシチジン(C)、5-ハロ-2’-デオキシシチジン、2’-デオキシチミジン(T)、2’-デオキシウリジン(U)、5-ハロ-2’-デオキシウリジン、2’-フルオロリボヌクレオチド、2’-メトキシリボヌクレオチド、又は2’-(2-メトキシエトキシ)リボヌクレオチドである。所定の実施態様では、各XNは独立して2’-デオキシリボヌクレオチドである。所定の実施態様では、各XNは、独立して、2’-デオキシアデノシン、2’-デオキシグアノシン、2’-デオキシシチジン、5-ハロ-2’-デオキシシチジン、2’-デオキシチミジン、2’-デオキシウリジン、又は5-ハロ-2’-デオキシウリジンである。所定の実施態様では、各XNは、独立して、2’-デオキシアデノシン、2’-デオキシグアノシン、2’-デオキシシチジン、2’-デオキシチミジン、5-ブロモ-2’-デオキシウリジン、又は5-ヨード-2’-デオキシウリジンである。
所定の実施態様では、X3’は、2’-デオキシリボヌクレオチド又は2’修飾リボヌクレオチドである。所定の実施態様では、X3’は、2’-デオキシリボヌクレオチドである。所定の実施態様では、X3’は、2’-デオキシアデノシン、2’-デオキシグアノシン、2’-デオキシシチジン、5-ハロ-2’-デオキシシチジン、2’-デオキシチミジン、2’-デオキシウリジン、5-ハロ-2’-デオキシウリジン、2’-フルオロリボヌクレオチド、2’-メトキシリボヌクレオチド、又は2’-(2-メトキシエトキシ)リボヌクレオチドである。所定の実施態様では、X3’は、2’-デオキシアデノシン、2’-デオキシグアノシン、2’-デオキシシチジン、5-ハロ-2’-デオキシシチジン、2’-デオキシチミジン、2’-デオキシウリジン、又は5-ハロ-2’-デオキシウリジンである。所定の実施態様では、X3’は、2’-デオキシチミジンである。所定の実施態様では、X3’は、置換ピリミジン塩基を有する2’-デオキシリボヌクレオチドである。所定の実施態様では、X3’は、5置換ピリミジン塩基を有する2’-デオキシリボヌクレオチドである。所定の実施態様では、X3’は、2’-デオキシチミジン、5-ハロ-2’-デオキシシチジン、又は5-ハロ-2’-デオキシウリジンである。所定の実施態様では、X3’は、2’-デオキシチミジン、5-ブロモ-2’-デオキシシチジン、5-ヨード-2’-デオキシシチジン、5-ブロモ-2’-デオキシウリジン、又は5-ヨード-2’-デオキシウリジンである。所定の実施態様では、X3’は、2’-デオキシチミジン、5-ブロモ-2’-デオキシウリジン、又は5-ヨード-2’-デオキシウリジンである。所定の実施態様では、X3’は、3’キャッピング基を含む末端ヌクレオチドである。所定の実施態様では、3’キャッピング基は、末端ホスホエステルである。所定の実施態様では、3’キャッピング基は、3-ヒドロキシル-プロピルホスホリル(すなわち、-P(O2)-OCH2CH2CH2OH)である。
所定の実施態様では、X5’は、2’-デオキシリボヌクレオチド又は2’修飾リボヌクレオチドである。所定の実施態様では、X5’は2’-デオキシリボヌクレオチドである。所定の実施態様では、X5’は、2’-デオキシアデノシン、2’-デオキシグアノシン、2’-デオキシシチジン、5-ハロ-2’-デオキシシチジン、2’-デオキシチミジン、2’-デオキシウリジン、5-ハロ-2’-デオキシウリジン、2’-フルオロリボヌクレオチド、2’-メトキシリボヌクレオチド、又は2’-(2-メトキシエトキシ)リボヌクレオチドである。所定の実施態様では、X5’は、2’-デオキシアデノシン、2’-デオキシグアノシン、2’-デオキシシチジン、5-ハロ-2’-デオキシシチジン、2’-デオキシチミジン、2’-デオキシウリジン、又は5-ハロ-2’-デオキシウリジンである。所定の実施態様では、X5’は、置換ピリミジン塩基を有する2’-デオキシリボヌクレオチドである。所定の実施態様では、X5’は、5置換ピリミジン塩基を有する2’-デオキシリボヌクレオチドである。所定の実施態様では、X5’は、2’-デオキシチミジン、5-ハロ-2’-デオキシシチジン、又は5-ハロ-2’-デオキシウリジンである。所定の実施態様では、X5’は、5-ハロ-2’-デオキシシチジンである。所定の実施態様では、X5’は、5-ハロ-2’-デオキシウリジンである。所定の実施態様では、X5’は、2’-デオキシチミジン、5-ブロモ-2’-デオキシシチジン、5-ヨード-2’-デオキシシチジン、5-ブロモ-2’-デオキシウリジン、又は5-ヨード-2’-デオキシウリジンである。所定の実施態様では、X5’は、2’-デオキシチミジン、5-ブロモ-2’-デオキシウリジン、又は5-ヨード-2’-デオキシウリジンである。所定の実施態様では、X5’は、5-ブロモ-2’-デオキシウリジンである。所定の実施態様では、X5’は、5-ヨード-2’-デオキシウリジンである。所定の実施態様では、X5’は3’-ホスホロチオエート基を有する。所定の実施態様では、X5’は、Rpのキラリティーを有する3’-ホスホロチオエート基を有する。所定の実施態様では、X5’は、Spのキラリティーを有する3’-ホスホロチオエート基を有する。
所定の実施態様では、YPは、ヌクレオシド間ホスホチオトリエステルである。
所定の実施態様では、Y
Pは、
であり、ここで、ZはO又はSであり;dは、約0から約50の範囲の整数である。所定の実施態様では、ZはOである。所定の実施態様では、ZはSである。所定の実施態様では、dは約0から約10の範囲の整数である。所定の実施態様では、dは約0から約5の範囲の整数である。所定の実施態様では、dは、約0、約1、約2、約3、約4、又は約5の整数である。所定の実施態様では、dは、約0、約1、又は約3の整数である。
所定の実施態様では、Y
Pは、
であり、ここで、ZはO又はSであり;dは、約0から約50の範囲の整数である。所定の実施態様では、Y
Pは、
であり、ここで、ZはO又はSであり;dは、約0から約50の範囲の整数である。所定の実施態様では、Y
Pは、
であり、ここで、ZはO又はSであり;dは、約0から約50の範囲の整数である。所定の実施態様では、ZはOである。所定の実施態様では、ZはSである。所定の実施態様では、dは約0から約10の範囲の整数である。所定の実施態様では、dは約0から約5の範囲の整数である。所定の実施態様では、dは、約0、約1、約2、約3、約4、又は約5の整数である。所定の実施態様では、dは、約0、約1、又は約3の整数である。
所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、一つの追加のヌクレオシド間ホスホトリエステルを含む。一実施態様では、追加のヌクレオシド間ホスホトリエステルは、C1-6アルキルホスホトリエステルである。別の実施態様では、追加のヌクレオシド間ホスホトリエステルは、エチルホスホトリエステルである。
所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、一つの5-ハロ-2’-デオキシウリジンを含む。一実施態様では、5-ハロ-2’-デオキシウリジンは、5-フルオロ-2’-デオキシウリジン、5-ブロモ-2’-デオキシウリジン、又は5-ヨード-2’-デオキシウリジンである。別の実施態様では、5-ハロ-2’-デオキシウリジンは、5-ブロモ-2’-デオキシウリジン又は5-ヨード-2’-デオキシウリジンである。更に別の実施態様では、5-ハロ-2’-デオキシウリジンは、5-フルオロ-2’-デオキシウリジンである。更に別の実施態様では、5-ハロ-2’-デオキシウリジンは、5-ブロモ-2’-デオキシウリジンである。更に別の実施態様では、5-ハロ-2’-デオキシウリジンは、5-ヨード-2’-デオキシウリジンである。
所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、三以上の2’-デオキシシチジンを含む。所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、三の2’-デオキシシチジンを含む。
所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、四以上の2’-デオキシグアノシンを含む。所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、四の2’-デオキシグアノシンを含む。
所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、三の2’-デオキシシチジンと四の2’-デオキシグアノシンを含む。所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、一、二、又は三のCGジヌクレオチドを含む。所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、三のCGジヌクレオチドを含む。
所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、三以上の2’-デオキシチミジンを含む。所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、三、四、五、六、七、又は八の2’デオキシチミジンを含む。所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、三、四、五、又は八の2’-デオキシチミジンを含む。
所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、2’-デオキシアデノシンを含まない。所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、一又は二の2’-デオキシアデノシンを含む。
所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、約5から約20、又は約6から約15の範囲の長さを有する。所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、又は約15の長さを有する。所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、約10、約11、約12、約13、約14、又は約15の長さを有する。
所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、一又は複数のヌクレオシド間ホスホロチオエートを含む。所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドにおける全てのヌクレオシド間ホスホエステルは、ヌクレオシド間ホスホロチオエートである。所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、一又は複数のキラルヌクレオシド間ホスホロチオエートを含む。
所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、p275、p276、p313、又はp347である。所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、p236、p238、p243、p246、p308、p361、p362、又はp425である。所定の実施態様では、式(A)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、p236、p238、p243、p246、p275、p276、p308、p313、p347、p361、p362、p425、p433、p434、p435、p436、p437、p438、p477、p478、p479、p480、p481、p482、p483、p484、p485、p486、p487、p488、又はp489である。
一実施態様では、ここで提供されるのは、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)の配列を有する免疫刺激性ポリヌクレオチド、又はその立体異性体、二以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、又は二以上の互変異性体の混合物;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、又は水和物であり;ここで、
xは、約1から約4の範囲の整数であり;
N1は、存在しないか、2’-デオキシチミジンであり;
N2は、修飾核酸塩基を有する2’-デオキシリボヌクレオチドであり;
N3は、2’-デオキシアデノシン又は2’-デオキシチミジンで、それぞれが場合によっては3’-ホスホトリエステルを含み;
N4は、2’-デオキシアデノシン又は2’-デオキシチミジンであり;
N5は、場合によっては3’-ホスホトリエステルを含む2’-デオキシチミジンであり;かつ
Cは2’-デオキシシチジンであり、Gは2’-デオキシグアノシンである。
所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)において、xは、約1、約2、約3、又は約4の整数である。所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)において、xは約1の整数である。所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)において、xは約4の整数である。
所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)において、N1は存在しない。所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)において、N1は2’-デオキシチミジンである。
所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)において、N2は、置換ピリミジン塩基を有する2’-デオキシリボヌクレオチドである。所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)において、N2は5置換ピリミジン塩基を有する2’-デオキシリボヌクレオチドである。所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)において、N2は5-ハロ-2’-デオキシシチジン又は5-ハロ-2’-デオキシウリジンである。所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)において、N2は5-ブロモ-2’-デオキシリジン又は5-ヨード-2’-デオキシウリジンである。
所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)において、N3は、3’-ホスホトリエステルを含む2’-デオキシアデノシンである。所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)において、N3は2’-デオキシチミジンである。所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)において、N3は、3’-ホスホトリエステルを含む2’-デオキシチミジンである。
所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)において、N4は2’-デオキシアデノシンである。所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)において、N4は2’-デオキシチミジンである。
所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)において、N5は2’-デオキシチミジンである。所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)において、N5は3’-ホスホトリエステルを含む2’-デオキシチミジンである。
所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、一又は複数のヌクレオシド間ホスホロチオエートを含む。所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、少なくとも一のキラルヌクレオシド間ホスホロチオエートを含む。
所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5Tの免疫刺激性ポリヌクレオチドは、p275、p276、又はp313である。所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5T(配列番号:586)の免疫刺激性ポリヌクレオチドは、p236、p238、p243、p246、p308、p361、p362、又はp425である。所定の実施態様では、N1N2CGN3CG(T)xGN4CGN5Tの免疫刺激性ポリヌクレオチドは、p236、p238、p243、p246、p275、p276、p308、p313、p347、p361、p362、p425、p433、p434、p435、p436、p437、p438、p477、p478、p479、p480、p481、p482、p483、p484、p485、p486、p487、p488、又はp489である。
所定の実施態様では、ここで提供される免疫刺激性ポリヌクレオチドは、免疫刺激性ポリヌクレオチドである。所定の実施態様では、ここで提供される免疫刺激性ポリヌクレオチドは、PAMSとして機能する。所定の実施態様では、ここで提供される免疫刺激性ポリヌクレオチドは、TLR9シグナル伝達を誘発することにより、自然免疫応答を活性化するか、又は適応免疫応答を刺激する。所定の実施態様では、ここで提供される免疫刺激性ポリヌクレオチドは、TLR9アゴニストである。
所定の実施態様では、ここで提供される免疫刺激性ポリヌクレオチドは、クラスB CpGポリヌクレオチド、又は5-ハロウリジン又は5-アルキニルウリジンを含むその修飾体、又はそれらの切断型(例えば、合計約6から約16のヌクレオシドを含むもの)である。所定の実施態様では、ここで提供される切断型免疫刺激性ポリヌクレオチドは、切断型クラスB CpGポリヌクレオチド配列(例えば、一又は複数の3’末端ヌクレオチドが除去され、あるいは一又は複数の配列内ヌクレオチドが切除されたクラスB CpGポリヌクレオチド配列)を含む。
所定の実施態様では、ここに提供される免疫刺激性ポリヌクレオチドは、少なくとも一の免疫刺激性配列(ISS)を含む。所定の実施態様では、ここに提供される免疫刺激性ポリヌクレオチドは、約1、約2、約3、又は約4のISSを含む。免疫刺激性ポリヌクレオチドにおけるISSは、標的生物に依存する。ここに提供される免疫刺激性ポリヌクレオチドに使用されるISSの共通の特徴は、シチジンp-グアノシン配列であり、ここで、pは、ヌクレオシド間ホスホジエステル(例えば、ホスフェート又はホスホロチオエート)又はヌクレオシド間ホスホトリエステルである。所定の実施態様では、ISSにおけるシチジン及びグアノシンは、それぞれ独立して2’-デオキシリボースを含む。所定の実施態様では、ここに提供される免疫刺激性ポリヌクレオチドは、約1、約2、又は約3人のヒトISSを含む。所定の実施態様では、ヒトISSは、
所定の実施態様では、修飾ウリジン又はシチジンは、5-ハロウリジン(例えば、5-ヨードウリジン又は5-ブロモウリジン)、5-アルキニルウリジン(例えば、5-エチニルウリジン又は5-プロピニルウリンジン)、5-ヘテロアリールウリジン、又は5-ハロシチジンである。所定の実施態様では、修飾グアノシンは7-デアザグアノシンである。所定の実施態様では、ヒトISSは、
所定の実施態様では、ヒトISSは
所定の実施態様では、ヒトを標的とするここに提供される免疫刺激性ポリヌクレオチドは、5’末端ヌクレオチドを含む4つの連続したヌクレオチド内にISSを含む。所定の実施態様では、ヒトを標的とするここに提供される免疫刺激性ポリヌクレオチドは、5’末端ISSを含む。所定の実施態様では、ここに提供される免疫刺激性ポリヌクレオチドは、マウスISSを含む。所定の実施態様では、マウスISSは、六量体ヌクレオチド配列:Pu-Pu-CG-Py-Pyであり、ここで、各Puは独立してプリンヌクレオチドであり、各Pyは独立してピリミジンヌクレオチドである。
所定の実施態様では、ここで提供される免疫刺激性ポリヌクレオチド中のCpGに対する5’フランキングヌクレオチドは、2’-アルコキシリボースを含まない。所定の実施態様では、ここで提供される免疫刺激性ポリヌクレオチド中のCpGに対する5’フランキングヌクレオチドは、糖として2’-デオキシリボースのみを含む。
所定の実施態様では、ここに提供される免疫刺激性ポリヌクレオチドは、(1)ホスホロチオエートの含有量が高い(例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、又は少なくとも80%のヌクレオシドがホスホロチオエートによって連結され得る);(2)ポリGテールが存在しない;(3)免疫刺激性ポリヌクレオチド中のヌクレオシドは、2’デオキシリボース又は2’修飾リボース(例えば、2’-ハロ(例えば、2’-フルオロ)又は置換されていてもよい2’-アルコキシ(例えば、2’-メトキシ)を含む;及び/又は(4)5’末端ISSが含まれ、該末端ISSは
所定の実施態様では、ここに提供される免疫調節性ポリヌクレオチドは、(例えば、TLR9拮抗作用を介して)TLR9シグナル伝達の活性化を減少させることによって適応免疫応答を抑制する。所定の実施態様では、ここに提供される免疫抑制性ポリヌクレオチドは、N1-N2-CGの式で記載されるCpGに対して5’フランキングである少なくとも二つの2’-アルコキシヌクレオチドを含み、ここでN1及びN2はそれぞれ独立して2’-アルコキシリボース(例えば、2’-メトキシリボース)を含むヌクレオチドである。
[免疫調節性ポリヌクレオチドの構造の特徴]
[脱塩基スペーサー]
所定の実施態様では、ここに提供される免疫調節性ポリヌクレオチドは、一又は複数の、一実施態様では、一又は二の脱塩基スペーサーを含み、そのそれぞれは、独立してヌクレオシド間脱塩基スペーサー又は末端脱塩基スペーサーである。免疫調節性ポリヌクレオチドが二以上の脱塩基スペーサーを含む場合、脱塩基スペーサーの構造は同じでも異なっていてもよい。
一実施態様では、脱塩基スペーサーは、式(I):
のものであり、ここで、
n1は、約0又は約1の整数であり、
n2は、約1から約6の整数であり、
R
1は、免疫調節性ポリヌクレオチド中のヌクレオシドとの結合であり、
R
2は、免疫調節性ポリヌクレオチド中のヌクレオシド又はキャッピング基との結合であり、
各L
1は、独立してホスホジエステル又はホスホトリエステルであり、
各L
2は、糖アナログである。
所定の実施態様では、脱塩基スペーサーがヌクレオシド間脱塩基スペーサーである場合、n1は約1であり、R2はヌクレオシドとの結合であり;かつ、脱塩基スペーサーが末端脱塩基スペーサーである場合、n1は約0又は約1であり、R2はキャッピング基との結合である。
所定の実施態様では、脱塩基スペーサーは、ヌクレオシド間脱塩基スペーサーである。所定の実施態様では、脱塩基スペーサーは、3’末端脱塩基スペーサーである。所定の実施態様では、それぞれの2つの近接L2基は、L1基によって分離されている(例えば、n1は、2つの近接L2基間に配置されたL1について、1である)。
所定の実施態様では、ここに提供される免疫刺激性ポリヌクレオチドは、免疫刺激性ポリヌクレオチドの5’末端ヌクレオチドを含む4つの近接したヌクレオチド内に配置されたISSを含み、ここで、ISSは、
[糖アナログ]
一実施態様では、糖アナログは、C3-6単糖又はC3-6アルジトールである二価又は三価の基(例えば、グリセロール)であり、これは、二つのヒドロキシル基を、(i)一つのホスホエステル中の酸素原子、及び(ii)別のホスホエステル中の酸素原子又はキャッピング基への結合で置き換えるように修飾される。糖アナログは環状又は非環状である。糖アナログに含まれる更なる任意の修飾は、残りのヒドロキシル基又は炭素結合水素原子の1個、2個、又は3個の、H;置換されていてもよいC1-6アルキル;ここで定義される、-linkA(-T)p;コンジュゲート基;-(CH2)t1-ORZ(ここで、t1は約1から約6の整数であり、RZは置換されていてもよいC1-6アルキル、置換されていてもよいC2-6アルケニル、置換されていてもよいC2-6アルキニル、置換されていてもよいC6-14アリール、置換されていてもよいC3-8シクロアルキル、置換されていてもよい(C1-9ヘテロシクリル)-C1-6-アルキル、置換されていてもよい(C6-10アリール)-C1-6-アルキル、又は置換されていてもよい(C3-8シクロアルキル)-C1-6-アルキルである)での置換;一又は二の不飽和(例えば、一又は二の二重結合)の導入;一、二、又は三の水素又はヒドロキシル基の、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、又はヘテロシクリルに対して定義された置換基での置換である。幾つかの実施態様では、RZは、置換されていてもよいC1-6アミノアルキル(例えば、-NH2を含む置換されていてもよいC1-6アミノアルキル)である。
糖アナログの非限定的な例は、置換されていてもよいC
2-6アルキレン、置換されていてもよいC
2-6アルケニレン、置換されていてもよいC
5シクロアルカン-1,3-ジイル、置換されていてもよいC
5シクロアルケン-1,3-ジイル、置換されていてもよいヘテロ環-1,3-ジイル(例えば、置換されていてもよいピロリジン-2,5-ジイル、置換されていてもよいテトラヒドロフラン-2,5-ジイル、又は置換されていてもよいテトラヒドロチオフェン-2,5-ジイル)、又は置換されていてもよい(C
1-4アルキル)-(C
3-8シクロアルキレン)(例えば、置換されていてもよい(C
1アルキル)-(C
3シクロアルキレン))である。糖アナログの非限定的な例は、
であり、ここで、
R
1とR
2のそれぞれは、独立してホスホエステル中の酸素原子への結合であり;
R
3とR
4のそれぞれは、独立してH;置換されていてもよいC
1-6アルキル;-(CH
2)
t1-OR
Z;又は-LinkA-R
Tであり;
ここで、t1は約1から約6の整数であり;
R
Zは、置換されていてもよいC
1-6アルキル、置換されていてもよいC
2-6アルケニル、置換されていてもよいC
2-6アルキニル、置換されていてもよいC
6-14アリール、置換されていてもよいC
3-8シクロアルキル、置換されていてもよい(C
1-9ヘテロシクリル)-C
1-6-アルキル、置換されていてもよい(C
6-10アリール)-C
1-6-アルキル、置換されていてもよい(C
3-8シクロアルキル)-C
1-6-アルキルであり;
LinkAはリンカーであり;かつ
R
Tはターゲティング部分への結合;コンジュゲーション部分;置換されていてもよいC
1-6アルキル、置換されていてもよいC
2-6アルケニル、置換されていてもよいC
2-6アルキニル、置換されていてもよいC
6-14アリール、置換されていてもよいC
3-8シクロアルキル、置換されていてもよい(C
1-9ヘテロシクリル)-C
1-6-アルキル、置換されていてもよい(C
6-10アリール)-C
1-6-アルキル、又は置換されていてもよい(C
3-8シクロアルキル)-C
1-6-アルキルである。
所定の実施態様では、RZは、置換されていてもよいC1-6アミノアルキル(例えば、-NH2を含む置換されていてもよいC1-6アミノアルキル)である。
[ホスホエステル]
所定の実施態様では、ここに提供される免疫調節性ポリヌクレオチドは、一又は複数のヌクレオシド間ホスホトリエステル及び/又は一又は二の末端ホスホジエステル及び/又はホスホトリエステルを含む。所定の実施態様では、ホスホトリエステルは、ホスフェート、ホスホロチオエート、又はホスホロジチオエートを含み、一又は二の結合価がヌクレオシド及び/又は脱塩基スペーサーで置換され、残りの結合価が、生物可逆性基、非生物可逆性基、ターゲティング部分に結合したリンカー、又はコンジュゲート基に結合される。所定の実施態様では、ヌクレオシド間ホスホトリエステルは、二つのヌクレオシド及び/又は脱塩基スペーサーに結合し、残りの結合価は、生物可逆性基、非生物可逆性基、ターゲティング部分に結合したリンカー、又はコンジュゲート基に結合する。所定の実施態様では、ヌクレオシド間ホスホジエステルは、二つのヌクレオシド及び/又は脱塩基性スペーサーに結合する。所定の実施態様では、末端ホスホジエステルは、免疫調節性ポリヌクレオチドの5’又は3’末端にホスフェート、ホスホロチオエート、又はホスホロジチオエートを含み、残りの二つの結合価のうち一つが、生物可逆性基、非生物可逆性基、ターゲティング部分に結合したリンカー、又はコンジュゲート基に結合される。
[リンカー及びコンジュゲーション部分]
所定の実施態様では、ここに提供される免疫調節性ポリヌクレオチドは、ターゲティング部分と場合によっては一又は複数の補助部分に結合されたリンカーを含む。所定の実施態様では、リンカーは、第一の結合価がヌクレオシド間又は末端ホスフェート、ヌクレオシド間又は末端ホスホロチオエート、ヌクレオシド間又は末端ホスホロジチオエート、脱塩基スペーサー、キャッピング基、又は核酸塩基に結合し、第二の結合価がターゲティング部分に結合している多価基である。所定の実施態様では、リンカーは、それぞれが補助部分に独立して結合している一又は複数の結合価を更に含む。所定の実施態様では(例えば、ターゲティング部分が小分子である場合)、ここで提供される免疫調節性ポリヌクレオチドは、複数のターゲティング部分への複数のリンカーを含む。所定の実施態様では(例えば、ターゲティング部分が抗体又はその抗原結合断片である場合)、ここで提供される免疫調節性ポリヌクレオチドは、ターゲティング部分への一つのリンカーを含む。
所定の実施態様では、ここに提供される免疫調節性ポリヌクレオチドは、コンジュゲート基を含む。コンジュゲート基は、コンジュゲーション反応、例えば、環化付加反応(例えば、双極性環化付加)、アミド化反応、又は芳香族求核置換を受けることができる官能基である。相補的反応性基と反応すると、コンジュゲート基は、ここで提供される免疫調節性ポリヌクレオチドにリンカーを生成する。
所定の実施態様では、ターゲティング部分に結合したリンカーは、ヌクレオシド間ホスホトリエステルの一部である。所定の実施態様では、ターゲティング部分に結合したリンカーは、脱塩基スペーサーの一部である。
所定の実施態様では、リンカー又はコンジュゲート基は、式(II):
のものであり、ここで、
Z
1は、二価基、三価基、四価基、又は五価基であり、結合価の一つがQ
A1に結合し、第二の結合価が開いているか、又は式(II)がリンカーの場合は、R
Tに結合し、かつ残りの結合価のそれぞれは、存在する場合、補助部分に独立して結合しており;
Z
2は、存在しないか、二価基、三価基、四価基、又は五価基であり、結合価の一つがQ
A1に結合し、第二の結合価がQ
A2又はR
Tに結合し、残りの結合価のそれぞれは、存在する場合、補助部分に独立して結合しており;
Z
3は、存在しないか、二価基、三価基、四価基、又は五価基であり、結合価の一つがQ
A2に結合し、第二の結合価がR
Tに結合し、残りの結合価のそれぞれは、存在する場合、補助部分に独立して結合しており;
R
Tは、存在しないか又はターゲティング部分への結合であり;
kは、約0又は約1の整数である。
式(II)がリンカーの場合、
Q
A1とQ
A2は、独立して、存在しないか、置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルキレン(-C(O)-N(H)-、-N(H)-C(O)-、-S(O)
2-N(H)-又は-N(H)-S(O)
2-を含むヘテロアルキレン)、置換されていてもよいC
1-12チオヘテロシクリレン
置換されていてもよいC
1-12ヘテロシクリレン
シクロブタ-3-エン-1,2-ジオン-3,4-ジイル、ピリド-2-イルヒドラゾン、置換されていてもよいC
6-16トリアゾロヘテロシクリレン
置換されていてもよいC
8-16トリアゾロシクロアルケニレン
又はジヒドロピリダジン基
であり;かつ
R
Tは、ターゲティング部分への結合であり;
但し、Q
A1とQ
A2の少なくとも一つが存在する。
式(II)がコンジュゲート基の場合、
(i)Q
A2が存在せず、Q
A1は、コンジュゲーション部分、例えば、置換されていてもよいC
2-12アルキニル、置換されていてもよいN-保護アミノ、アジド、N-マレイミド、S-保護チオール、
又はそのN-保護型、
、
環内炭素-炭素三重結合
を含む置換されていてもよいC
6-16ヘテロシクリル、1,2,4,5-テトラジン基
又は置換されていてもよいC
8-16シクロアルキニル
-NHR
N1、置換されていてもよいC
4-8ひずみシクロアルケニル(例えば、トランス-シクロオクテニル又はノルボルネニル)、又は-COOR
12又は-CHOを含む置換されていてもよいC
1-16アルキルであり;かつ
kは約0の整数であり;
あるいは
(ii)Q
A1はリンカーに対して定義された通りであり、かつQ
A2は、コンジュゲーション部分、例えば、置換されていてもよいC
2-12アルキニル、置換されていてもよいN-保護アミノ、アジド、N-マレイミド、S-保護チオール、
又はそのN-保護型、
、
環内炭素-炭素三重結合
を含む置換されていてもよいC
6-16ヘテロシクリル、1,2,4,5-テトラジン基
又は置換されていてもよいC
8-16シクロアルキニル
-NHR
N1、置換されていてもよいC
4-8ひずみシクロアルケニル(例えば、トランス-シクロオクテニル又はノルボルネニル)、又は-COOR
12又は-CHOを含む置換されていてもよいC
1-16アルキルであり;かつ
kは約1の整数であり;
ここで、
R
N1は、H、N-保護基、又は置換されていてもよいC
1-6アルキルであり;
各R
12は、独立してH又は置換されていてもよいC
1-6アルキルであり;
R
13はハロゲン又はFであり;かつ
Z
3とR
Tは存在しない。
所定の実施態様では、Z
1は分岐基と二つの二価セグメントを有し、ここで分岐基は二つの二価セグメントのそれぞれに結合し、
ここで、
二価セグメントの一つは、ヌクレオシド間又は末端ホスフェート、ヌクレオシド間又は末端ホスホロチオエート、ヌクレオシド間又は末端ホスホロジチオエート、脱塩基スペーサー、又は核酸塩基に結合し、残りの二価セグメントはQ
A1に結合し;
分岐基は、置換されていてもよいC
1-12アルカン-トリイル又は置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルカン-トリイルで、二つの結合価が二価セグメントで置換され、残りの結合価が
で置換され、ここで、
p1は、約1、約2、又は約3の整数であり;
各s2は、独立して、約0から約10の整数であり;
各Q
B及びQ
Dは、独立して、存在しないか、-CO-、-NH-、-O-、-S-、-SO
2-、-OC(O)-、-COO-、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-CH
2-、-CH
2NH-、-NHCH
2-、-CH
2O-、又は-OCH
2-であり;
各Q
Cは、独立して、存在しないか、置換されていてもよいC
1-12アルキレン、置換されていてもよいC
2-12アルケニレン、置換されていてもよいC
2-12アルキニレン、置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルキレン、置換されていてもよいC
1-9ヘテロシクリレン、又は-P(Z)(OH)-(ここで、ZはO又はSである)であり;
各Q
Gは、独立して、置換されていてもよいC
1-6アルカン-トリイル、置換されていてもよいC
1-6アルカン-テトライル、置換されていてもよいC
2-6ヘテロアルカン-トリイル、又は置換されていてもよいC
2-6ヘテロアルカン-テトライルであり;かつ
各Q
Hは、独立して、R
M1又は-Q
G[(-Q
B-Q
C-Q
D)
s2-R
M1]
p1であり、ここで、各R
M1は独立して補助部分への結合である。
所定の実施態様では、Z
2は分岐基と二つの二価セグメントを有し、ここで分岐基は二つの二価セグメントのそれぞれに結合し、
ここで、
二価セグメントの一つは、ターゲティング部分又はQ
A2に結合し、残りの二価セグメントはQ
A1に結合し;
分岐基は、置換されていてもよいC
1-12アルカン-トリイル又は置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルカン-トリイルで、二つの結合価が二価セグメントで置換され、残りの結合価が
で置換され、ここで、
p1は、約1、約2、又は約3の整数であり;
各s2は、独立して、約0から約10の整数であり;
各Q
B及びQ
Dは、独立して、存在しないか、-CO-、-NH-、-O-、-S-、-SO
2-、-OC(O)-、-COO-、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-CH
2-、-CH
2NH-、-NHCH
2-、-CH
2O-、又は-OCH
2-であり;
各Q
Cは、独立して、存在しないか、置換されていてもよいC
1-12アルキレン、置換されていてもよいC
2-12アルケニレン、置換されていてもよいC
2-12アルキニレン、置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルキレン、置換されていてもよいC
1-9ヘテロシクリレン、又は-P(Z)(OH)-(ここで、ZはO又はSである)であり;
各Q
Gは、独立して、置換されていてもよいC
1-6アルカン-トリイル、置換されていてもよいC
1-6アルカン-テトライル、置換されていてもよいC
2-6ヘテロアルカン-トリイル、又は置換されていてもよいC
2-6ヘテロアルカン-テトライルであり;かつ
各Q
Hは、独立して、R
M1又は-Q
G[(-Q
B-Q
C-Q
D)
s2-R
M1]
p1であり、ここで、各R
M1は独立して補助部分への結合である。
所定の実施態様では、Z
3は分岐基と二つの二価セグメントを有し、ここで分岐基は二つの二価セグメントのそれぞれに結合し、
ここで、
二価セグメントの一つは、ターゲティング部分に結合し、残りの二価セグメントはQ
A2に結合し;
分岐基は、置換されていてもよいC
1-12アルカン-トリイル又は置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルカン-トリイルで、二つの結合価が二価セグメントで置換され、残りの結合価が
で置換され、ここで、
p1は、約1、約2、又は約3の整数であり;
各s2は、独立して、約0から約10の整数であり;
各Q
B及びQ
Dは、独立して、存在しないか、-CO-、-NH-、-O-、-S-、-SO
2-、-OC(O)-、-COO-、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-CH
2-、-CH
2NH-、-NHCH
2-、-CH
2O-、又は-OCH
2-であり;
各Q
Cは、独立して、存在しないか、置換されていてもよいC
1-12アルキレン、置換されていてもよいC
2-12アルケニレン、置換されていてもよいC
2-12アルキニレン、置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルキレン、置換されていてもよいC
1-9ヘテロシクリレン、又は-P(Z)(OH)-(ここで、ZはO又はSである)であり;
各Q
Gは、独立して、置換されていてもよいC
1-6アルカン-トリイル、置換されていてもよいC
1-6アルカン-テトライル、置換されていてもよいC
2-6ヘテロアルカン-トリイル、又は置換されていてもよいC
2-6ヘテロアルカン-テトライルであり;かつ
各Q
Hは、独立して、R
M1又は-Q
G[(-Q
B-Q
C-Q
D)
s2-R
M1]
p1であり、ここで、各R
M1は独立して補助部分への結合である。
所定の実施態様では、Z1、Z2、又はZ3の二価セグメントは-(-QB-QC-QD-)s1-であり、ここで、
各s1は、独立して、約1から約50又は約1から約30の整数であり;
各QB及びQDは、独立して、存在しないか、-CO-、-NH-、-O-、-S-、-SO2-、-OC(O)-、-COO-、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-CH2-、-CH2NH-、-NHCH2-、-CH2O-、又は-OCH2-であり;かつ
各QCは、独立して、存在しないか、置換されていてもよいC1-12アルキレン、置換されていてもよいC2-12アルケニレン、置換されていてもよいC2-12アルキニレン、置換されていてもよいC2-12ヘテロアルキレン、又は置換されていてもよいC1-9ヘテロシクリレンであり;
但し、QB、QC、及びQDの少なくとも一つが存在する。
所定の実施態様では、少なくとも一つのQCが二価セグメントに存在する。所定の実施態様では、QCは、二価セグメントの各モノマー単位に存在する。所定の実施態様では、Z1は、存在するQCを介して結合される。所定の実施態様では、QB及びQDの少なくとも一つが、Z1の各モノマー単位に存在する。所定の実施態様では、QB及びQDの少なくとも一つが、Z2の各モノマー単位に存在する。所定の実施態様では、Z1、Z2、及びZ3の一つだけが、存在する場合、分岐基を含む。
所定の実施態様では、Z
1、Z
2、Z
3の一つ、二つ、又は三つは、独立して
であり、ここで、
各s1は、独立して約1から約50又は約1から約30の整数であり;
各Q
B及びQ
Dは、独立して、非存在、-CO-、-NH-、-O-、-S-、-SO
2-、-OC(O)-、-COO-、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-CH
2-、-CH
2NH-、-NHCH
2-、-CH
2O-。、又は-OCH
2-であり;
各Q
Cは、独立して、存在しないか、置換されていてもよいC
1-12アルキレン、置換されていてもよいC
2-12アルケニレン、置換されていてもよいC
2-12アルキニレン、置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルキレン、置換されていてもよいC
1-9ヘテロシクリレン、又は-P(Z)(OH)-(ここでZはO又はSである)であり;かつ
Q
Eは、存在しないか又は式(IV):
の分岐基であり、
ここで、
p1は、約1、約2、又は約3の整数であり;
各s2は、独立して約0から約10の整数であり;
Q
Fは、置換されていてもよいC
1-12アルカン-トリイル又は置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルカン-トリイルであり;かつ
各Q
Gは、独立して、置換されていてもよいC
1-6アルカン-トリイル、置換されていてもよいC
1―6アルカン-テトライル、置換されていてもよいC
2-6ヘテロアルカン-トリイル、又は置換されていてもよいC
2-6ヘテロアルカン-テトライルであり;
各Q
Hは、独立してR
M1又は-Q
G[(-Q
B-Q
C-Q
D)
s2-R
M1]
p1であり、ここで各R
M1は独立して補助部分への結合である。
式(IV)において、p1が約1である場合、QGは存在せず;かつp1が2又は3の場合、少なくとも一つのQGが存在する。
所定の実施態様では、Z1は、ヌクレオシド間又は末端ホスフェート、ヌクレオシド間又は末端ホスホロチオエート、ヌクレオシド間又は末端ホスホロジチオエート、脱塩基スペーサー、キャッピング基、又は核酸塩基に、存在するQCを介して結合する。
所定の実施態様では、二価セグメントにQB、QC、QD、及びQEの少なくとも一つが存在する(例えば、少なくとも一つのQCが存在し、QEが存在し、又はQEが存在しない)。所定の実施態様では、各QB及びQDは、独立して、存在しないか、-CO-、-NH-、-O-、-S-、-SO2-、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-CH2-、-CH2NH-、-NHCH2-、-CH2O-、又は-OCH2-である。
所定の実施態様では、-(-Q
B-Q
C-Q
D-)
s1-は組み合わせて基:
を形成し、ここで、
g2は、約1から約50の整数であり;
g1は約1の整数で、Q
Bは-NHCO-、-CONH-、又は-O-であり;g1は約0の整数で、Q
Dは-NHCO-であり;かつ
g3は約1の整数で、Q
Bは-NHCO-、-CONH-、又は-O-であり;又はg3は約0の整数であり、Q
Dは-CONH-である。
コンジュゲート部分は、補助部分がポリヌクレオチドにコンジュゲートされるまで保護されうる。例えば、保護されるコンジュゲーション部分は、-COORPGO又は-NHRPGNを含み得、ここでRPGOはO-保護基(例えばカルボキシル保護基)であり、RPGNはN-保護基である。
所定の実施態様では、LinkAは、
であり、ここで、
Q
A1とQ
A2は、それぞれ独立して、存在しないか、置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルキレン(例えば、-C(O)-N(H)-、-N(H)-C(O)-、-S(O)
2-N(H)-、又は-N(H)-S(O)
2-を含むヘテロアルキレン)、置換されていてもよいC
1-12チオヘテロシクリレン
置換されていてもよいC
1-12ヘテロシクリレン
シクロブタ-3-エン-1,2-ジオン-3,4-ジイル、ピリド-2-イルヒドラゾン、置換されていてもよいC
6-16トリアゾロヘテロシクリレン
置換されていてもよいC
8-16トリアゾロシクロアルケニレン
又はジヒドロピリダジン基
であり、但し、Q
A1とQ
A2の少なくとも一つが存在し;
R
Tは、ターゲティング部分への結合であり;
R
Pは、ヌクレオシド間架橋基、核酸塩基、キャッピング基、又は脱塩基スペーサーへの結合であり;
各Q
Tは、独立して、-CO-、-NH-、-NH-CH
2-、又は-CO-CH
2-であり;
各Q
Sは、独立して、置換されていてもよいC
2-12アルキレン、置換されていてもよいC
2-12アルケニレン、置換されていてもよいC
2-12アルキニレン、又は置換されていてもよい(C
6-10アリール)-C
1-6-アルキレンであり;
各R
Mは、独立して、H、補助部分、-(CH
2)
q7-CO-N(R
M1)
2、又は-C[-CH
2O-(CH
2)
q7-CO-N(R
M1)
2]
3であり、ここで、各q7は独立して約1から約5の整数であり、各R
M1は独立してH又は補助部分であり;
各X
1、X
3、及びX
5は、独立して、存在しないか、-O-、-NH-、-CH
2-NH-、-C(O)-、-C(O)-NH-、-NH-C(O)-、-NH-C(O)-NH-、-O-C(O)-NH-、-NH-C(O)-O-、-CH
2-NH-C(O)-NH-、-CH
2-O-C(O)-NH-、又は-CH
2-NH-C(O)-O-であり;
X
7は、存在しないか、-O-、-O-P(O)(OH)-O-、-O-P(S)(OH)-O-、-NH-、-CH
2-NH-、-C(O)-、-C(O)-NH-、-NH-C(O)-、-NH-C(O)-NH-、-O-C(O)-NH-、-NH-C(O)-O-、-CH
2-NH-C(O)-NH-、-CH
2-O-C(O)-NH-、又は-CH
2-NH-C(O)-O-であり;
X
2、X
4、及びX
6のそれぞれは、独立して、存在しないか、-O-、-NH-、-C(O)-NH-、-NH-C(O)-、-NH-C(O)-NH-、-O-C(O)-NH-、又は-NH-C(O)-O-であり;
x1と各x5は、独立して、約0又は約1の整数であり;
各x2は、独立して、約0から約50、約1から約40、又は約1から約30の整数であり;
各x3は、独立して、約1から約11の整数であり;
x4は、約0、約1、又は約2の整数であり;かつ
各x6は、独立して、約0から約10又は約1から約6の整数であり、但し両方のx6の合計が約12以下である。
所定の実施態様では、LinkAは、
であり、ここで、
Q
A1は、置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルキレン(例えば、-C(O)-N(H)-、-N(H)-C(O)-、-S(O)
2-N(H)-又は-N(H)-S(O)
2-を含むヘテロアルキレン)、置換されていてもよいC
1-12チオヘテロシクリレン
置換されていてもよいC
1-12ヘテロシクリレン
シクロブタ-3-エン-1,2-ジオン-3,4-ジイル、又はピリド-2-イルヒドラゾン、置換されていてもよいC
6-16トリアゾロヘテロシクリレン
置換されていてもよいC
8-16トリアゾロシクロアルケニレン
又はジヒドロピリダジン基
であり;
各R
M1は、独立してH又は補助部分であり;
各R
Tは、独立して、ターゲティング部分への結合であり;
各R
Pは、独立して、ヌクレオシド間架橋基、核酸塩基、キャッピング基、又は脱塩基スペーサーへの結合であり;
各Q
Tは、独立して、-CO-、-NH-、-NH-CH
2-又は-CO-CH
2-であり;
各Q
Pは、独立して、-C(O)-N(H)-、-N(H)-C(O)-、-S(O)
2-N(H)-、又は-N(H)-S(O)
2-であり;
各Q
Sは、独立して、置換されていてもよいC
2-12アルキレン、置換されていてもよいC
2-12アルケニレン、置換されていてもよいC
2-12アルキニレン、又は置換されていてもよい(C
6-10アリール)-C
1-6-アルキレンであり;
各q1、q3、及びq7は、独立して、約0又は約1の整数であり;
各q2とq8は、独立して、約0から約50、約1から約40、又は約1から約30の整数であり;
各q4は、独立して、約0から約10の整数であり;
各q5及びq6は、独立して、約1から約10又は約1から約6の整数であり;かつ
各q9は、独立して、約1から約10の整数である。
所定の実施態様では、LinkAは、
であり、ここで、
各構造式において、
各R
M1は、独立してH又は補助部分であり;
各R
Tは、独立して、ターゲティング部分への結合であり;
各R
Pは、独立して、ヌクレオシド間架橋基、核酸塩基、キャッピング基、又は脱塩基スペーサーへの結合であり;
各Q
Tは、独立して、-CO-、-CO-CH
2-、-NH-、又は-NH-CH
2-であり;
各Q
Pは、独立して、-C(O)-N(H)-、-N(H)-C(O)-、-S(O)
2-N(H)-、又は-N(H)-S(O)
2-であり;
各Q
Sは、独立して、置換されていてもよいC
2-12アルキレン、置換されていてもよいC
2-12アルケニレン、置換されていてもよいC
2-12アルキニレン、又は置換されていてもよい(C
6-10アリール)-C
1-6-アルキレンであり;
各q1、q3、及びq7は、独立して、約0又は約1の整数であり;
各q2とq8は、独立して、約0から約50、約1から約40、又は約1から約30の整数であり;
各q4は、独立して、約0から約10の整数であり;
各q5及びq6は、独立して、約1から約10又は約1から約6の整数であり;かつ
各q9は、独立して、約1から約10の整数である。
所定の実施態様では、q5は0である。所定の実施態様では、q5は約2から約6の整数である。
所定の実施態様では、コンジュゲート基は、
であり、ここで、
Q
A1は、独立して、置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルキレン(例えば、-C(O)-N(H)-、-N(H)-C(O)-、-S(O)
2-N(H)-、又は-N(H)-S(O)
2-を含むヘテロアルキレン)、置換されていてもよいC
1-12チオヘテロシクリレン
置換されていてもよいC
1-12ヘテロシクリレン
シクロブタ-3-エン-1,2-ジオン-3,4-ジイル、又はピリド-2-イルヒドラゾン、置換されていてもよいC
6-16トリアゾロヘテロシクリレン
置換されていてもよいC
8-16トリアゾロシクロアルケニレン
又はジヒドロピリダジン基
であり;
Q
A2は、置換されていてもよいC
2-12アルキニル、置換されていてもよいN-保護アミノ、アジド、N-マレイミド、S-保護チオール、
又はそのN-保護型、
、
環内炭素-炭素三重結合
を含む置換されていてもよいC
6-16ヘテロシクリル、1,2,4,5-テトラジン基
又は置換されていてもよいC
8-16シクロアルキニル
-NHR
N1、置換されていてもよいC
4-8ひずみシクロアルケニル(例えば、トランス-シクロオクテニル又はノルボルネニル)、又は-COOR
12又は-CHOを含む置換されていてもよいC
1-16アルキルであり;
R
N1は、H、N-保護基、又は置換されていてもよいC
1-6アルキルであり;
各R
12は、独立してH又は置換されていてもよいC
1-6アルキルであり;
R
13はハロゲン又はFであり;
R
Pは、ヌクレオシド間架橋基、核酸塩基、キャッピング基、又は脱塩基スペーサーへの結合であり;
各Q
Sは、独立して、置換されていてもよいC
2-12アルキレン、置換されていてもよいC
2-12アルケニレン、置換されていてもよいC
2-12アルキニレン、又は置換されていてもよい(C
6-10アリール)-C
1-6-アルキレンであり;
各R
Mは、独立して、H、補助部分、-(CH
2)
q7-CO-N(R
M1)
2、又は-C[-CH
2O-(CH
2)
q7-CO-N(R
M1)
2]
3であり、ここで、各q7は独立して約1から約5の整数であり、各R
M1は独立してH又は補助部分であり;
各X
3及びX
5は、独立して、存在しないか、-O-、-NH-、-CH
2-NH-、-C(O)-、-C(O)-NH-、-NH-C(O)-、-NH-C(O)-NH-、-O-C(O)-NH-、-NH-C(O)-O-、-CH
2-NH-C(O)-NH-、-CH
2-O-C(O)-NH-、又は-CH
2-NH-C(O)-O-であり;
X
7は、存在しないか、-O-、-O-P(O)(OH)-O-、-O-P(S)(OH)-O-、-NH-、-CH
2-NH-、-C(O)-、-C(O)-NH-、-NH-C(O)-、-NH-C(O)-NH-、-O-C(O)-NH-、-NH-C(O)-O-、-CH
2-NH-C(O)-NH-、-CH
2-O-C(O)-NH-、又は-CH
2-NH-C(O)-O-であり;
各X
2、X
4、及びX
6は、独立して、存在しないか、-O-、-NH-、-O-、-C(O)-、-C(O)-NH-、-NH-C(O)-、-NH-C(O)-NH-、-O-C(O)-NH-、又は-NH-C(O)-O-であり;
x1と各x5は、独立して、約0又は約1の整数であり;
各x2は、独立して、0から50(例えば、1から40又は1から30)の整数であり;
各x3は、独立して、1から11の整数であり;
x4は、0、1、又は2の整数であり;かつ
各x6は、独立して、0から10(例えば、1から6)の整数であり、但し両方のx6の合計が12以下である。
所定の実施態様では、コンジュゲート基は、
であり、ここで、
Q
A1は、置換されていてもよいC
2-12アルキニル、置換されていてもよいN-保護アミノ、アジド、N-マレイミド、S-保護チオール、
又はそのN-保護型、
、
環内炭素-炭素三重結合
を含む置換されていてもよいC
6-16ヘテロシクリル、1,2,4,5-テトラジン基
又は置換されていてもよいC
8-16シクロアルキニル
-NHR
N1、置換されていてもよいC
4-8ひずみシクロアルケニル(例えば、トランス-シクロオクテニル又はノルボルネニル)、又は-COOR
12又は-CHOを含む置換されていてもよいC
1-16アルキルであり;
R
N1は、H、N-保護基、又は置換されていてもよいC
1-6アルキルであり;
各R
12は、独立してH又は置換されていてもよいC
1-6アルキルであり;
R
13はハロゲン(例えば、F)であり;
R
Pは、ヌクレオシド間架橋基、核酸塩基、キャッピング基、又は脱塩基スペーサーへの結合であり;
各Q
Sは、独立して、置換されていてもよいC
2-12アルキレン、置換されていてもよいC
2-12アルケニレン、置換されていてもよいC
2-12アルキニレン、又は置換されていてもよい(C
6-10アリール)-C
1-6-アルキレンであり;
X
7は、存在しないか、-O-、-NH-、-O-P(O)(OH)-O-、-O-P(S)(OH)-O-、-CH
2-NH-、-C(O)-、-C(O)-NH-、-NH-C(O)-、-NH-C(O)-NH-、-O-C(O)-NH-、-NH-C(O)-O-、-CH
2-NH-C(O)-NH-、-CH
2-O-C(O)-NH-、又は-CH
2-NH-C(O)-O-であり;
X
6は、存在しないか、-O-、-NH-、-O-、-C(O)-、-C(O)-NH-、-NH-C(O)-、-NH-C(O)-NH-、-O-C(O)-NH-、又は-NH-C(O)-O-であり;
x1は、独立して0又は1であり;
各x2は、独立して、0から50、1から40、又は1から30の整数であり;
各x3は、独立して、1から11の整数であり;かつ
x4は、0、1、又は2である。
所定の実施態様では、コンジュゲート基は、
であり、ここで、
Q
A1は、置換されていてもよいC
2-12アルキニル、置換されていてもよいN-保護アミノ、アジド、N-マレイミド、S-保護チオール、
又はそのN-保護型、
、
環内炭素-炭素三重結合
を含む置換されていてもよいC
6-16ヘテロシクリル、1,2,4,5-テトラジン基
又は置換されていてもよいC
8-16シクロアルキニル
-NHR
N1、置換されていてもよいC
4-8ひずみシクロアルケニル(例えば、トランス-シクロオクテニル又はノルボルネニル)、又は-COOR
12又は-CHOを含む置換されていてもよいC
1-16アルキルであり;
R
N1は、H、N-保護基、又は置換されていてもよいC
1-6アルキルであり;
各R
12は、独立してH又は置換されていてもよいC
1-6アルキルであり;
R
13はハロゲン(例えば、F)であり;
R
Pは、ヌクレオシド間架橋基、核酸塩基、キャッピング基、又は脱塩基スペーサーへの結合であり;
Q
Pは、-C(O)-N(H)-、-N(H)-C(O)-、-S(O)
2-N(H)-、又は-N(H)-S(O)
2-であり;
各Q
Sは、独立して、置換されていてもよいC
2-12アルキレン、置換されていてもよいC
2-12アルケニレン、置換されていてもよいC
2-12アルキニレン、又は置換されていてもよい(C
6-10アリール)-C
1-6-アルキレンであり;
q1とq3のそれぞれは、独立して、0又は1であり;
q2は、0から50、1から40、又は1から30の整数であり;
q4は、0から10の整数であり;かつ
q5は、1から10又は1から6の整数である。
更にさらなる実施形態では、コンジュゲート基は、
であり、ここで、
R
Pは、ヌクレオシド間架橋基、核酸塩基、キャッピング基、又は脱塩基スペーサーへの結合であり;
Q
Pは、-C(O)-N(H)-、-N(H)-C(O)-、-S(O)
2-N(H)-、又は-N(H)-S(O)
2-であり;
各Q
Sは、独立して、置換されていてもよいC
2-12アルキレン、置換されていてもよいC
2-12アルケニレン、置換されていてもよいC
2-12アルキニレン、又は置換されていてもよい(C
6-10アリール)-C
1-6-アルキレンであり;
q1とq3のそれぞれは、独立して、0又は1であり;
q2は、0から50、1から40、又は1から30の整数であり;
q4は、0から10の整数であり;かつ
q5は、1から10又は1から6の整数である。
所定の例示的な実施態様では、コンジュゲート基は、
であり、ここで、q2は約1から約50の整数(例えば、約1から約24又は約1から約8(例えば、約2又は約3)の整数)であり、q4は約0から約10(例えば、約0、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、又は約8)の整数であり、q10は約0から約8(例えば、約1、約2、約3、約4、約5、又は約6)の整数であり、q11は約0又は約1であり、ZはO又はSであり、かつ各R
Mは、独立して、H、補助部分、-(CH
2)
q7-CO-N(R
M1)
2、又は-C[-CH
2O-(CH
2)
q7-CO-N(R
M1)
2)
3であり、ここで、各q7は、独立して約1から約5の整数であり、各R
M1は独立してH又は補助部分である。
所定の実施態様では、金属触媒環化付加によるターゲティング部分へのコンジュゲーションのためのコンジュゲート基は、
であり、ここでq2は約1から約50の整数(例えば、約1から約24、又は約1から約8(例えば、約2又は約3)の整数)であり、q4は約0から約10(例えば、約0、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、又は約8)の整数であり、q10は約0から約8(例えば、約1、約2、約3、約4、約5、又は約6)の整数であり、q11は約0又は約1であり、かつZはO又はSである。
所定の実施態様では、金属フリー環化付加によるターゲティング部分へのコンジュゲーションのためのコンジュゲート基は、
であり、ここで、q2は約1から約50の整数(例えば、約1から約24又は約1から約8(例えば、約2又は約3)の整数)であり、q4は約0から約10(例えば、約0、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、又は約8)の整数であり、q10は約0から約8(例えば、約1、約2、約3、約4、約5、又は約6)の整数であり、q11は約0又は約1であり、ZはO又はSであり、かつ各R
Mは、独立して、H、補助部分、-(CH
2)
q7-CO-N(R
M1)
2、又は-C[-CH
2O-(CH
2)
q7-CO-N(R
M1)
2)
3であり、ここで、各q7は、独立して約1から約5の整数であり、各R
M1は独立してH又は補助部分である。
所定の実施態様では、アミド形成によるターゲティング部分へのコンジュゲーションのためのコンジュゲート基は、
であり、ここで、q2は約0から約50の整数(例えば、約1から約8(例えば、約2又は約3)の整数)であり、かつq12は約1から約11の整数(例えば、約1から約5(例えば、約1、約2、約3、約4、又は約5)の整数である。
[生物可逆性基]
所定の実施態様では、生物可逆性基はジスルフィド(-S-S-)を含む。所定の実施態様では、生物可逆性基は、生理学的条件下で細胞内で切断可能である。
所定の実施態様では、生物可逆性基は式(XXII):
のものであり、ここで、
LinkBは、ホスフェート、ホスホロチオエート、又はホスホロジチオエートに結合したsp
3混成炭素原子と、-S-S-に結合した炭素原子を含む二価基であり、R
5は置換されていてもよいC
1-6アルキル、置換されていてもよいC
6-10アリール、又は-LinkC(-R
M)rであり、あるいはLinkBは、ホスフェート、ホスホロチオエート、又はホスホロジチオエートに結合したsp
3混成炭素原子と、-S-S-に結合した炭素原子を含む三価リンカーであり、LinkBの第三の結合価は-S-S-及びR
5と組み合わされて置換されていてもよいC
3-9ヘテロシクリレンを形成し;
LinkCは多価基であり;
各R
Mは、独立して、H、補助部分、又は-Q
G[(-Q
B-Q
C-Q
D)
s2-R
M1]
p1であり、
ここで、
各R
M1は独立してH又は補助部分であり、
各Q
B及び各Q
Dは、独立して、存在しないか、-CO-、-NH-、-O-、-S-、-SO
2-、-OC(O)-、-COO-、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-CH
2-、-CH
2NH-、-NHCH
2-、-CH
2O-。、又は-OCH
2-であり、
各Q
Cは、独立して、存在しないか、置換されていてもよいC
1-12アルキレン、置換されていてもよいC
2-12アルケニレン、置換されていてもよいC
2-12アルキニレン、置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルキレン、置換されていてもよいC
1-9ヘテロシクリレンであり、
各Q
Gは、独立して、置換されていてもよいC
1-6アルカン-トリイル、置換されていてもよいC
1―6アルカン-テトライル、置換されていてもよいC
2-6ヘテロアルカン-トリイル、又は置換されていてもよいC
2-6ヘテロアルカン-テトライルであり、
各s2は、独立して0から10の整数であり;かつ
p1は2又は3であり;
かつ
rは、1から6(例えば、1、2、又は3)の整数である。
所定の実施態様では、LinkB及び/又はR5は、-S-S-に結合したバルキー基を含む。-S-Sに結合したバルキー基を含めると、例えば、ポリヌクレオチド合成中の硫黄-硫黄結合の安定性を高めうる。
更なる実施態様では、LinkBは、1、2、又は3の基からなり、各基は、独立して、置換されていてもよいC1-12アルキレン、置換されていてもよいC2-12アルケニレン、置換されていてもよいC2-12アルキニレン、置換されていてもよいC6-10アリーレン、置換されていてもよいC2-12ヘテロアルキレン、及び置換されていてもよいC1-9ヘテロシクリレンからなる群から選択される。
特定の実施態様では、LinkBと-S-S-は組み合わさって、
からなる群から選択される構造を形成し、ここで、
各R
6は、独立して、C
2-7アルカノイル;C
1-6アルキル;C
2-6アルケニル;C
2-6アルキニル;C
1-6アルキルスルフィニル;C
6-10アリール;アミノ;(C
6-10アリール)-C
1-4-アルキル;C
3-8シクロアルキル;(C
3-8シクロアルキル)-C
1-4-アルキル;C
3-8シクロアルケニル;(C
3-8シクロアルケニル)-C
1-4-アルキル;ハロ;C
1-9ヘテロシクリル;C
1-9ヘテロアリール;(C
1-9ヘテロシクリル)オキシ;(C
1-9ヘテロシクリル)アザ;ヒドロキシ;C
1-6チオアルコキシ;(CH
2)
qCO
2R
A(ここで、qは0から4の整数であり、R
AはC
1-6アルキル、C
6-10アリール、及び(C
6-10アリール)-C
1-4-アルキルからなる群から選択される);-(CH
2)
qCONR
BR
C(ここで、qは0から4の整数であり、R
BとR
Cは、水素、C
1-6アルキル、C
6-10アリール、及び(C
6-10アリール)-C
1-4-アルキルからなる群から選択される);-(CH
2)
qSO
2R
D(ここで、qは0から4の整数であり、R
DはC
1-6アルキル、C
6-10アリール、及び(C
6-10アリール)-C
1-4-アルキルからなる群から選択される);-(CH
2)
qSO
2NR
ER
F(ここで、qは0から4の整数であり、R
EとR
Fのそれぞれは、独立して、水素、アルキル、アリール、及び(C
6-10アリール)-C
1-4-アルキルからなる群から選択される);チオール;アリールオキシ;シクロアルコキシ;アリールアルコキシ;(C
1-9ヘテロシクリル)-C
1-4-アルキル;(C
1-9ヘテロアリール)-C
1-4-アルキル;C
3-12シリル;シアノ;又は-S(O)R
H(ここで、R
Hは、水素、C
1-C
6アルキル、C
6-10アリール、及び(C
6-10アリール)-C
1-4-アルキルからなる群から選択される)であり;あるいは、二つの隣接するR
6基が、R
6基のそれぞれが結合している原子と共に組み合わさって、C
6アリール、C
2-5ヘテロシクリル、又はC
2-5ヘテロアリールからなる群から選択される環状基を形成し、ここで、環状基は、C
2-7アルカノイル;C
1-6アルキル;C
2-6アルケニル;C
2-6アルキニル;C
1-6アルキルスルフィニル;C
6-10アリール;アミノ;(C
6-10アリール)-C
1-4-アルキル;C
3-8シクロアルキル;(C
3-8シクロアルキル)-C
1-4-アルキル;C
3-8シクロアルケニル;(C
3-8シクロアルケニル)-C
1-4-アルキル;ハロ;C
1-9ヘテロシクリル;C
1-9ヘテロアリール;(C
1-9ヘテロシクリル)オキシ;(C
1-9ヘテロシクリル)アザ;ヒドロキシ;C
1-6チオアルコキシ;-(CH
2)
qCO
2R
A(ここで、qは0から4までの整数であり、R
AはC
1-6アルキル、C
6-10アリール、及び(C
6-10アリール)-C
1-4-アルキルからなる群から選択される);-(CH
2)
qCONR
BR
C(ここで、qは0から4の整数であり、R
BとR
Cは、水素、C
1-6アルキル、C
6-10アリール、及び(C
6-10アリール)-C
1-4-アルキルからなる群から独立して選択される);-(CH
2)
qSO
2R
D(ここで、qは0から4の整数であり、R
DはC
1-6アルキル、C
6-10アリール、及び(C
6-10アリール)-C
1-4-アルキルからなる群から選択される);-(CH
2)
qSO
2NR
ER
F(ここで、qは0から4の整数であり、R
EとR
Fのそれぞれは、独立して、水素、アルキル、アリール、及び(C
6-10アリール)-C
1-4-アルキルからなる群から選択される);チオール;アリールオキシ;シクロアルコキシ;アリールアルコキシ;(C
1-9ヘテロシクリル)-C
1-4-アルキル;(C
1-9ヘテロアリール)-C
1-4-アルキル;C
3-12シリル;シアノ;及び-S(O)R
H(ここで、R
Hは、水素、C
1-C
6アルキル、C
6-10アリール、及び(C
6-10アリール)-C
1-4-アルキルからなる群から選択される)からなる群から選択される1、2、又は3の置換基で置換され;
m1は0、1、又は2であり;かつ
m2は0、1、2、3、又は4であり;
あるいはLinkB、-S-S-及びR
5は、組み合わされて、
を含む基を形成する。
また更なる実施態様では、LinkCは、0から3の多価モノマー(例えば、置換されていてもよいC1-6アルカン-トリイル、置換されていてもよいC1-6アルカン-テトライル、又は三価窒素原子)と一又は複数の二価モノマー(例えば、1から40)を含み得、ここで、各二価モノマーは、独立して、置換されていてもよいC1-6アルキレン;置換されていてもよいC2-6アルケニレン;置換されていてもよいC2-6アルキニレン;置換されていてもよいC3-8シクロアルキレン;置換されていてもよいC3-8シクロアルケニレン;置換されていてもよいC6-14アリーレン;N、O、及びSから選択される1から4個のヘテロ原子を有する置換されていてもよいC1-9ヘテロアリーレン;N、O、及びSから選択される1から4個のヘテロ原子を有する置換されていてもよいC1-9ヘテロシクリレン;イミノ;置換されていてもよいN;O;又はS(O)m(ここで、mは0、1、又は2である)である。幾つかの実施態様では、各モノマーは、独立して、置換されていてもよいC1-6アルキレン;置換されていてもよいC3-8シクロアルキレン;置換されていてもよいC3-8シクロアルケニレン;置換されていてもよいC6-14アリーレン;N、O、及びSから選択される1から4個のヘテロ原子を有する置換されていてもよいC1-9ヘテロアリーレン;N、O、及びSから選択される1から4個のヘテロ原子を有する置換されていてもよいC1-9ヘテロシクリレン;イミノ;置換されていてもよいN;O;又はS(O)m(ここで、mは0、1、又は2である(例えば、mは2である))である。所定の実施態様では、各モノマーは、独立して、置換されていてもよいC1-6アルキレン;置換されていてもよいC3-8シクロアルキレン;置換されていてもよいC3-8シクロアルケニレン;置換されていてもよいC6-14アリーレン;N、O、及びSから選択される1から4個のヘテロ原子を有する置換されていてもよいC1-9ヘテロアリーレン;N、O、及びSから選択される1から4個のヘテロ原子を有する置換されていてもよいC1-9ヘテロシクリレン;置換されていてもよいN;O;又はS(O)m(ここで、mは0、1、又は2である(例えば、mは2である))である。補助部分をコンジュゲーション部分又はその反応生成物に連結する非生物可逆性リンカーは、2から500(例えば、2から300、2から200、2から100、又は2から50)のそのようなモノマーを含みうる。LinkCは、一又は複数のポリエチレングリコールを含みうる(例えば、ポリエチレングリコールは、88Daから1kDa(例えば、88Daから500Da)の分子量を有しうる。
式(IIa)の基-LinkC(-R
M)
rの調製に使用することができる化合物は、本明細書及び国際公開第2015/188197号に記載されている。-LinkC(-R
M)
rの非限定的な例は、
を含み、ここで、
R
14は-S-S-への結合であり、
R
Mは、補助部分又は-Q
G[(-Q
B-Q
C-Q
D)
s2-R
M1]
p1であり、
ここで、
各R
M1は、独立してH又は補助部分であり、
各Q
Bと各Q
Dは、独立して、存在しないか、-CO-、-NH-、-O-、-S-、-SO
2-、-OC(O)-、-COO-、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-CH
2-、-CH
2NH-、-NHCH
2-、-CH
2O-、又は-OCH
2-であり;
各Q
Cは、独立して、存在しないか、置換されていてもよいC
1-12アルキレン、置換されていてもよいC
2-12アルケニレン、置換されていてもよいC
2-12アルキニレン、置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルキレン、又は置換されていてもよいC
1-9ヘテロシクリレンであり;
各Q
Gは、独立して、置換されていてもよいC
1-6アルカン-トリイル、置換されていてもよいC
1-6アルカン-テトライル、置換されていてもよいC
2-6ヘテロアルカン-トリイル、又は置換されていてもよいC
2-6ヘテロアルカン-テトライルであり;
各s2は、独立して0から10の整数であり、
p1は2又は3であり;
各r4は、独立して1から6の整数であり;かつ
各r5は、独立して0から10の整数である。
所定の実施態様では、RMは補助部分である。幾つかの実施態様では、少なくとも一つのRM1は補助部分である。
所定の実施態様では、生物可逆性リンカー基は、
であり、ここで、基の一方の末端がポリヌクレオチドに連結され、他方の末端がターゲティング部分(一実施態様では、抗体)に連結される。
[非生物可逆性基]
非生物可逆性基は、血清又はエンドソーム中において生理学的条件下で切断可能な結合(例えば、エステル、チオエステル、又はジスルフィド)を含まない一価の置換基である。非生物可逆性基は、置換されていてもよいC
2-16アルキル;置換されていてもよいC
3-16アルケニル;置換されていてもよいC
3-16アルキニル;置換されていてもよいC
3-8シクロアルキル;置換されていてもよいC
3-8シクロアルケニル;置換されていてもよい(C
3-8シクロアルキル)-C
1-4-アルキル;置換されていてもよい(C
3-8シクロアルケニル)-C
1-4-アルキル;置換されていてもよいC
6-14アリール;置換されていてもよい(C
6-14アリール)-C
1-4-アルキル;N、O、及びSから選択される1から4個のヘテロ原子を有する置換されていてもよいC
1-9ヘテロアリール;N、O、及びSから選択される1から4個のヘテロ原子を有する置換されていてもよい(C
1-9ヘテロアリール)-C
1-4-アルキル;N、O、及びSから選択される1から4個のヘテロ原子を有する置換されていてもよいC
2-9ヘテロシクリル(ここで、ヘテロシクリルはS-S結合を含まない);N、O、及びSから選択される1から4個のヘテロ原子を有する置換されていてもよい(C
2-9ヘテロシクリル)-C
1-4-アルキル(ここで、ヘテロシクリルはS-S結合を含まない);又は式(XXIII):
の基であり得、ここで、
L
3は、C
2-6アルキレンであり;
R
7は、置換されていてもよいC
2-6アルキル;置換されていてもよいC
6-14アリール;置換されていてもよい(C
6-14アリール)-C
1-4-アルキル;置換されていてもよいC
3-8シクロアルキル;置換されていてもよい(C
3-8シクロアルキル)-C
1-4-アルキル;N、O、及びSからなる群から選択される1から4個のヘテロ原子を有する置換されていてもよいC
1-9ヘテロアリール;N、O、及びSからなる群から選択される1から4個のヘテロ原子を有する置換されていてもよい(C
1-9ヘテロアリール)-C
1-4-アルキル;N、O、及びSからなる群から選択される1から4個のヘテロ原子を有する置換されていてもよいC
2-9ヘテロシクリル(ここで、ヘテロシクリルはS-S結合を含まない);N、O、及びSからなる群から選択される1から4個のヘテロ原子を有する置換されていてもよい(C
2-9ヘテロシクリル)-C
1-4-アルキル(ここで、ヘテロシクリルはS-S結合を含まない);及び-OH、C
1-6アルコキシ、又は-COOHで終端されたポリ(エチレングリコール)であり;かつ
R
8は、H又はC
1-6アルキルである。
非生物可逆ホスホトリエステルは、
コンジュゲート基、C
2-16アルキル、
又は
のアジド含有基質との環化付加反応によって形成される基である置換基で置換されたホスフェート又はホスホロチオエートであり得、ここで、
nは、1から6の整数であり;
R
9は、置換されていてもよいC
6アリール;1又は2個の窒素原子を含む6員環である置換されていてもよいC
4-5ヘテロアリール;又は1又は2個の窒素原子を含む6員環である置換されていてもよいC
4-5ヘテロシクリルであり;
R
10は、H又はC
1-6アルキルであり;
R
11は、ハロゲン、-COOR
11A、又は-CON(R
11B)
2であり、ここで、R
11A及びR
11Bのそれぞれは、独立して、H、置換されていてもよいC
1-6アルキル、置換されていてもよいC
6-14アリール、置換されていてもよいC
1-9ヘテロアリール、又は置換されていてもよいC
2-9ヘテロシクリルであり;かつ
アジド含有基質は、
である。
幾つかの実施態様では、非生物可逆性基は-LinkD(-RM1)r1であり、ここで、LinkDは多価リンカーであり、各RM1は独立してH又は補助部分であり、r1は1から6の整数である。
場合によっては、-LinkD(-R
M1)
r1は、式(XXIV):
のものであり、ここで、
r1は1から6の整数であり;
各r2は、独立して、0から50(例えば、0から30)の整数であり、ここで、繰り返し単位は同じか又は異なり;
Q
Rは、[-Q
4-Q
5-Q
6]
r2-Q
L-であり、ここで、Q
Lは、置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルキレン(例えば、-C(O)-N(H)-、-N(H)-C(O)-、-S(O)
2-N(H)-、又は-N(H)-S(O)
2-を含むヘテロアルキレン)、置換されていてもよいC
1-12チオヘテロシクリレン
置換されていてもよいC
1-12ヘテロシクリレン
シクロブタ-3-エン-1,2-ジオン-3,4-ジイル、ピリド-2-イルヒドラゾン、置換されていてもよいC
6-16トリアゾロヘテロシクリレン
置換されていてもよいC
8-16トリアゾロシクロアルケニレン
又はジヒドロピリダジン基
であり;
Q
3は、r1が1の場合、直鎖状基(例えば、[-Q
4-Q
5-Q
6]
r2-)か、又はr1が2から6の整数の場合、分岐基(例えば、[-Q
4-Q
5-Q
6]s-Q
8(-Q
4-Q
5-Q
6]
r2-(Q
8)
r3)
r4で、ここでr3は0又は1、r4は0、1、2、又は3である)であり;各r2は、独立して、0から50(例えば、0から30)の整数であり、ここで、繰り返し単位は同じか又は異なり;
各Q
4と各Q
6は、独立して、存在しないか、-CO-、-NH-、-O-、-S-、-SO
2-、-OC(O)-、-COO-、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-CH
2-、-CH
2NH-、-NHCH
2-、-CH
2O-、又は-OCH
2-であり;
各Q
5は、独立して、存在しないか、置換されていてもよいC
1-12アルキレン、置換されていてもよいC
2-12アルケニレン、置換されていてもよいC
2-12アルキニレン、置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルキレン、又は置換されていてもよいC
1-9ヘテロシクリレンであり;
各Q
7は、独立して、存在しないか、-CO-、-NH-、-O-、-S-、-SO
2-、-CH
2-、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)NH-、-NH-C(O)-、-NH-CH(R
a)-C(O)-、又は-(CO)-CH(R
a)-NH-であり;
各Q
8は、独立して、置換されていてもよいC
1-6アルカン-トリイル、置換されていてもよいC
1-6アルカン-テトライル、置換されていてもよいC
2-6ヘテロアルカン-トリイル、又は置換されていてもよいC
2-6ヘテロアルカン-テトライルであり;かつ
各R
aは、独立して、H又はアミノ酸側鎖であり;かつ
各R
M1は、独立してH又は補助部分への結合である。
式(XXIV)において、Q
4、Q
5、及びQ
6の少なくとも一つが存在する。式(XXIV)において、LinkDは、各r3が0の場合は単一の分岐点を含み得、又は少なくとも一つのr3が1の場合は複数の分岐点を含みうる。式(XXIV)において、Q
Rは、-Q
5-Q
4-Q
L-であり得、ここで、Q
5は置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルキレン又は置換されていてもよいC
1-12アルキレンであり、Q
4は-CO-、-NH-、又は-O-である。式(XXIV)において、Q
Lは、
でありうる。
式(XXIV)において、Q3は、式[-Q4-Q5-Q6]r2-の直鎖状基であり得、ここで、Q4、Q5、及びQ6は、式(XXIV)について定義された通りである。あるいは、Q3は、分岐基[-Q4-Q5-Q6]r2-Q8([-Q4-Q5-Q6]r2-(Q8)r3)r4であり得、ここで、各Q8は、独立して、置換されていてもよいC1-6アルカン-トリイル、置換されていてもよいC1-6アルカン-テトライル、置換されていてもよいC2-6ヘテロアルカン-トリイル、又は置換されていてもよいC2-6ヘテロアルカン-テトライルであり;
ここで、
各r2は、独立して、0から50(例えば、0から30)の整数であり、ここで、繰り返し単位は同じか又は異なり;
r3は0又は1であり;
r4は0、1、2、又は3であり;
ここで、
r3が0の場合、LinkDは三価又は四価基であり、かつ
r3が1の場合、LinkDは四価、五価、又は六価基である。
所定の実施態様では、r3は0である。
式(I)の基-LinkD(-RM1)pの調製に使用されうる化合物は、本明細書並びに国際公開第2015/188197号に記載されている。
所定の実施態様では、非生物可逆性リンカー基は、
であり、ここで、基の一方の末端がポリヌクレオチドに連結され、他方の末端がターゲティング部分(一実施態様では、抗体)に連結される。
[補助部分]
補助部分は、色素又は親水性基又はそれらの組み合わせ(例えば、親水性ポリマー(例えば、ポリ(エチレングリコール)(PEG))、正に帯電したポリマー(例えば、ポリ(エチレンイミン))、又は糖アルコール(例えば、グルシトール))を含む一価の基である。補助部分は、100Daから2.5kDa(例えば、350Daから2.5kDa、100Daから1200Da、又は1kDaから2.5kDa)の理論的分子量を有しうる。
色素は、細胞内での本発明のコンジュゲートの取り込みの視覚化又はコンジュゲートの動きのモニタリングを目的として(例えば、蛍光退色後回復測定(FRAP)を使用して)、ホスホエステル基に含まれうる。当該技術分野で知られている色素は、5’又は3’末端にホスフェート又はホスホロチオエートを介して、又は二つの連続するヌクレオシドを一緒に結合するホスフェート又はホスホロチオエートを介してポリヌクレオチドに連結された補助部分として含まれうる。色素として使用できる有用な構造の非限定的な例には、FITC、RD1、アロフィコシアニン(APC)、aCFTM色素(Biotium, Hayward, CA)、BODIPY(InvitrogenTM 10 of Life Technologies, Carlsbad, CA)、AlexaFluor(登録商標)(InvitrogenTM of Life Technologies, Carlsbad, CA)、DyLight Fluor(Thermo Scientific Pierce Protein Biology Products, Rockford, IL)、ATTO(ATTO-TEC GmbH, Siegen, Germany)、FluoProbe(Interchim SA, Motlucon, France)、及びAbberior Probes(Abberior GmbH, Goettingen, Germany)が含まれる。
本発明の免疫調節性ポリヌクレオチド及び本発明のコンジュゲートにおいて補助部分として使用されうる親水性ポリマー及び正に帯電したポリマーは、当該技術分野で知られている。親水性ポリマーの非限定的な例はポリ(エチレングリコール)である。正に帯電したポリマーの非限定的な例はポリ(エチレンイミン)である。
糖アルコールベースの補助部分は、例えば、アミノ末端グルシトール又はグルシトールクラスターでありうる。アミノ末端グルシトール補助部分は、
である。
グルシトールクラスターの非限定的な例は、
である。
一実施態様において、ここに提供されるのは、式(B):
の化合物又は立体異性体、二以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、又は二以上の互変異性体の混合物;又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、又は水和物であり;
ここで、
R
xはコンジュゲート基であり;
L
Nはリンカーであり;
各Qは、独立して、ホスホトリエステルを含むポリヌクレオチドであり;かつ
eは、1、2、3、又は4の整数である。
所定の実施態様では、式(B)において、R
xは、
である。
所定の実施態様では、式(B)において、LNは、ポリエチレングリコールを含むリンカーである。
所定の実施態様では、式(B)において、L
Nは、
であり、ここで、dは約0から約50の範囲の整数である。所定の実施態様では、dは約0から約10の範囲の整数である。所定の実施態様では、dは約0から約5の範囲の整数である。所定の実施態様では、dは、約0、約1、又は約3の整数である。
所定の実施態様では、式(B)において、eは1の整数である。
所定の実施態様では、式(B)において、各Qは独立して式(D):
の構造を有し、ここで、X
N、X
3’、X
5’、Y
P、b、及びcは、それぞれここで定義されている通りである。
[ターゲティング部分]
ここに提供されるコンジュゲートにおいて使用されるターゲティング部分は、コンジュゲート型ペイロードポリヌクレオチドの標的送達のための体内の標的特異的細胞及び組織に対するものである。所定の実施態様では、ここに提供されるコンジュゲートによって標的とされる細胞は、ナチュラルキラー細胞である。所定の実施態様では、ここに提供されるコンジュゲートによって標的とされる細胞は、骨髄系細胞である。所定の実施態様では、ここに提供されるコンジュゲートによって標的とされる細胞は、好中球である。所定の実施態様では、ここに提供されるコンジュゲートによって標的とされる細胞は、単球である。所定の実施態様では、ここに提供されるコンジュゲートによって標的とされる細胞は、マクロファージである。所定の実施態様では、ここに提供されるコンジュゲートによって標的とされる細胞は、樹状細胞(DC)である。所定の実施態様では、ここに提供されるコンジュゲートによって標的とされる細胞は、肥満細胞である。所定の実施態様では、ここに提供されるコンジュゲートによって標的とされる細胞は、腫瘍関連マクロファージ(TAM)である。所定の実施態様では、ここに提供されるコンジュゲートによって標的とされる細胞は、骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)である。
所定の実施態様では、ターゲティング部分は抗原結合部分である。所定の実施態様では、ターゲティング部分は抗体又はその抗原結合断片である。
所定の実施態様では、ここに提供されるコンジュゲート中の抗原結合部分は、抗体又はその抗原結合断片(例えば、F(ab)2又はFab)又はその操作誘導体(例えば、Fcab又は融合タンパク質(例えば、scFv))である。所定の実施態様では、ここに提供されるコンジュゲート中の抗原結合部分は、ヒト又はキメラ(例えば、ヒト化)抗体である。
抗原結合部分は、抗原結合部分によって認識される表面抗原を有する細胞を標的とする。
所定の実施態様では、ターゲティング部分は、NK細胞によって発現される抗原に結合する抗体である。NK細胞によって発現され、ここで提供されるコンジュゲートによって標的とされうる例示的抗原には、限定されないが、CD11b、CD11c、CD16/32、CD49b、CD56(NCAM)、CD57、CD69、CD94、CD122、CD158(Kir)、CD161(NK-1.1)、CD244(2B4)、CD314(NKG2D)、CD319(CRACC)、CD328(Siglec-7)、CD335(NKp46)、Ly49、Ly108、Vα24-Jα18TCR(iNKT)、グラニュリシン、グランザイム、パーフォリン、SIRP-α、LAIR1、SIGLEC-3(CD33)、SIGLEC-7、SIGLEC-9、LIR1(ILT2、LILRB1)、NKR-P1A(KLRB1)、CD94-NKG2A、KLRG1、KIR2DL5A、KIR2DL5B、KIR2DL1、KIR2DL2、KIR2DL3、KIR2DS2、KIR2DS3、KIR2DS4、KIR2DS5、KIR3DS1、KIR2DS1、CD94-NKG2C/E、NKG2D、CD160(BY55)、CD16(FcγRIIIA)、NKp46(NCR1)、NKp30(NCR3)、NKp44(NCR2)、DNAM1(CD226)、CRTAM、CD2、CD7、CD11a、CD18、CD25、CD27、CD28、NTB-A(SLAMF6)、PSGL1、CD96(Tactile)、CD100(SEMA4D)、NKp80(KLRF1,CLEC5C)、SLAMF7(CRACC,CS1,CD319)、及びCD244(2B4,SLAMF4)が含まれる。
所定の実施態様では、ターゲティング部分は、骨髄系細胞によって発現される抗原に結合する抗体である。骨髄系細胞によって発現され、ここで提供されるコンジュゲートによって標的とされうる例示的抗原には、限定されないが、シグレック-3、シグレック7、シグレック9、シグレック15、CD200、CD200R、LILRB1、LILRB2、LILRB3、LILRB4、LILRB5、M-CSF、CSF-1R、GM-CSF R、IL4R、アルギナーゼ、IDO、TDO、MPO、EP2、COX-2、CCR2、CCR-7、CXCR1、CX3CR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR7、c-Kit、CD244、L-セレクチン/CD62L、CD11b、CD11c、CD68、CD163、CD204、DEC205、IL-1R、CD31、SIRPα、SIRPβ、PD-L1、CEACAM-8/CD66b、CD103、BDCA-1、BDCA2、BDCA-4、CD123、及びILT-7が含まれる。
所定の実施態様では、ターゲティング部分は、MDSCによって発現される抗原に結合する抗体である。MDSCによって発現され、ここで提供されるコンジュゲートによって標的とされうる例示的抗原には、限定されないが、シグレック-3、シグレック7、シグレック9、シグレック15、CD200、CD200R、LILRB1、LILRB2、LILRB3、LILRB4、LILRB5、M-CSF、CSF-1R、GM-CSF R、IL4R、アルギナーゼ、IDO、TDO、MPO、EP2、COX-2、CCR2、CCR-7、CXCR1、CX3CR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR7、c-Kit、CD244、L-セレクチン/CD62L、CD11b、CD11c、CD68、CD163、CD204、DEC205、IL-1R、CD31、SIRPα、SIRPβ、PD-L1、CEACAM-8/CD66b、CD103、BDCA-1、BDCA2、BDCA-4、CD123、及びILT-7が含まれる。
所定の実施態様では、ターゲティング部分は、TAMによって発現される抗原に結合する抗体である。TAMによって発現され、ここで提供されるコンジュゲートによって標的とされうる例示的抗原には、限定されないが、シグレック-3、シグレック7、シグレック9、シグレック15、CD200、CD200R、LILRB1、LILRB2、LILRB3、LILRB4、LILRB5、M-CSF、CSF-1R、GM-CSF R、IL4R、アルギナーゼ、IDO、TDO、MPO、EP2、COX-2、CCR2、CCR-7、CXCR1、CX3CR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR7、c-Kit、CD244、L-セレクチン/CD62L、CD11b、CD11c、CD68、CD163、CD204、DEC205、IL-1R、CD31、SIRPα、SIRPβ、PD-L1、CEACAM-8/CD66b、CD103、BDCA-1、BDCA2、BDCA-4、CD123、及びILT-7が含まれる。
所定の実施態様では、ターゲティング部分は、NK細胞に特異的な抗原に結合する抗体である。所定の実施態様では、NK細胞は抗CD56抗体によって標的とされる。所定の実施態様では、ターゲティング部分は抗CD56抗体である。所定の実施態様では、抗体はモノクローナル抗CD56抗体である。所定の実施態様では、抗体はマウス抗CD56抗体である。所定の実施態様では、マウス抗CD56抗体は、クローン5.1H11(BioLegend,カタログ番号:362502)である。所定の実施態様では、マウス抗CD56抗体は、クローンMEM-188(BioLegend,304601)である。所定の実施態様では、マウス抗CD56抗体は、クローンQA17A16(BioLegend,カタログ番号:392402)である。所定の実施態様では、抗体は、ヒト化抗CD56抗体である。所定の実施態様では、抗体はヒト抗CD56抗体である。所定の実施態様では、抗体はヒト化抗CD56抗体である
所定の実施態様では、ターゲティング部分は、骨髄系細胞に特異的な抗原に結合する抗体である。所定の実施態様では、骨髄系細胞は、抗SIRPα抗体によって標的とされる。所定の実施態様では、ターゲティング部分は抗SIRPα抗体である。所定の実施態様では、抗体はモノクローナル抗SIRPα抗体である。所定の実施態様では、抗体は、マウス抗SIRPα抗体である。所定の実施態様では、抗体は、ヒト化抗SIRPα抗体である。所定の実施態様では、抗体はヒト抗SIRPα抗体である。
所定の実施態様では、抗SIRPα抗体(119又は119生殖系列変異体)は、VH及びVLを含むヒト抗体であり、ここで、VHは、以下に列挙される配列から独立して選択され:
かつVLは、以下に列挙される配列から独立して選択される:
所定の実施態様では、抗SIRPα抗体(119又は119生殖系列変異体)は、HVR-H1、HVR-H2、HVR-H3、HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3を含むヒト抗体であり、これらのそれぞれは以下の表から独立して選択される。
119ヒト抗体はCD47遮断薬であり、これは、その開示がその全体において出典明示によりここに援用される国際公開第2018/057669A1号の表Pに記載されている。
所定の実施態様では、抗SIRPα抗体(135又は135生殖系列変異体)は、VH及びVLを含むヒト抗体であり、ここで、VHは以下に列挙される配列から独立して選択され:
かつVLは、以下に列挙される配列から独立して選択される:
所定の実施態様では、抗SIRPα抗体(135又は135生殖系列変異体)は、HVR-H1、HVR-H2、HVR-H3、HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3を含むヒト抗体であり、これらのそれぞれは以下の表から独立して選択される。
135ヒト抗体はCD47遮断薬であり、これは、その開示がその全体において出典明示によりここに援用される国際公開第2018/057669A1号の表Pに記載されている。
所定の実施態様では、抗SIRPα抗体(AB21、AB21生殖系列変異体又はAB21のヒト化型)は、VH及びVLを含む抗体であり、ここで、VHは以下に列挙される配列から独立して選択され:
かつVLは、以下に列挙される配列から独立して選択される:
所定の実施態様では、抗SIRPα抗体(AB21、AB21生殖系列変異体又はAB21のヒト化型)は、HVR-H1、HVR-H2、HVR-H3、HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3を含むヒト化抗体であり、これらのそれぞれは以下の表から独立して選択される。
AB21ヒト化抗体はCD47遮断薬であり、これは、その開示がその全体において出典明示によりここに援用される国際公開第2018/057669A1号の表Pに記載されている。
所定の実施態様では、抗SIRPα抗体(136又は136生殖系列変異体)は、VH及びVLを含むヒト抗体であり、ここで、VHは以下に列挙される配列から独立して選択され:
かつVLは、以下に列挙される配列から独立して選択される:
所定の実施態様では、抗SIRPα抗体(136又は136生殖系列変異体)は、HVR-H1、HVR-H2、HVR-H3、HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3を含むヒト抗体であり、これらのそれぞれは以下の表から独立して選択される。
136ヒト抗体は非遮断薬であり、これは、その開示がその全体において出典明示によりここに援用される国際公開第2018/057669A1号の表Pに記載されている。
所定の実施態様では、抗SIRPα抗体(218又はヒト化218)は、VH及びVLを含む抗体であり、VHは、DVQLVESGGGVVRPGESLTLSCTASGFTFTSSTMNWVRQAPGEGLDWVSSISTSGVITYYADSVKGRATISRDNSKNTLYLRLFSLRADDTAIYYCATDTFDHWGPGTLVTVSS(配列番号:584)の配列を有しており;かつVLは、以下に列挙される配列から独立して選択される:
218ヒト抗体は非遮断薬であり、これは、その開示がその全体において出典明示によりここに援用される国際公開第2018/057669A1号の表Pに記載されている。
幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:498-500からなる群から選択される配列を含むHVR-H1、配列番号:501の配列を含むHVR-H2、及び配列番号:502の配列を含むHVR-H3を含む重鎖可変(VH)ドメイン;及び/又は配列番号:503の配列を含むHVR-L1、配列番号:504の配列を含むHVR-L2、及び配列番号:505の配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:498の配列を含むHVR-H1、配列番号:501の配列を含むHVR-H2、及び配列番号:502の配列を含むHVR-H3を含む重鎖可変(VH)ドメイン;及び/又は配列番号:503の配列を含むHVR-L1、配列番号:504の配列を含むHVR-L2、及び配列番号:505の配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:499の配列を含むHVR-H1、配列番号:501の配列を含むHVR-H2、及び配列番号:502の配列を含むHVR-H3を含む重鎖可変(VH)ドメイン;及び/又は配列番号:503の配列を含むHVR-L1、配列番号:504の配列を含むHVR-L2、及び配列番号:505の配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:500の配列を含むHVR-H1、配列番号:501の配列を含むHVR-H2、及び配列番号:502の配列を含むHVR-H3を含む重鎖可変(VH)ドメイン;及び/又は配列番号:503の配列を含むHVR-L1、配列番号:504の配列を含むHVR-L2、及び配列番号:505の配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む。
幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:490-495からなる群から選択される配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:496又は497の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:490の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:496の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:491の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:496の配列を含むVLドメインを含む。 幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:492の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:496の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:493の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:496の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:494の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:496の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:495の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:496の配列を含むVLドメインを含む。 幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:490の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:497の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:491の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:497の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:491の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:497の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:492の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:497の配列を含むVLドメインを含む。 幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:493の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:497の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:494の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:497の配列を含むVLドメインを含む。 幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:495の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:497の配列を含むVLドメインを含む。
幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:512-514からなる群から選択される配列を含むHVR-H1、配列番号:515の配列を含むHVR-H2、及び配列番号:516の配列を含むHVR-H3を含む重鎖可変(VH)ドメイン;及び/又は配列番号:517の配列を含むHVR-L1、配列番号:518の配列を含むHVR-L2、及び配列番号:519の配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:512の配列を含むHVR-H1、配列番号:515の配列を含むHVR-H2、及び配列番号:516の配列を含むHVR-H3を含む重鎖可変(VH)ドメイン;及び/又は配列番号:517の配列を含むHVR-L1、配列番号:518の配列を含むHVR-L2、及び配列番号:519の配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:513の配列を含むHVR-H1、配列番号:515の配列を含むHVR-H2、及び配列番号:516の配列を含むHVR-H3を含む重鎖可変(VH)ドメイン;及び/又は配列番号:517の配列を含むHVR-L1、配列番号:518の配列を含むHVR-L2、及び配列番号:519の配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:514の配列を含むHVR-H1、配列番号:515の配列を含むHVR-H2、及び配列番号:516の配列を含むHVR-H3を含む重鎖可変(VH)ドメイン;及び/又は配列番号:517の配列を含むHVR-L1、配列番号:518の配列を含むHVR-L2、及び配列番号:519の配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む。
幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:506-509からなる群から選択される配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:510又は511の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:506の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:510の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:507の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:510の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:508の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:510の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:509の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:510の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:506の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:511の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:507の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:511の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:508の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:511の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:509の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:511の配列を含むVLドメインを含む。
幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号533-535からなる群から選択される配列を含むHVR-H1、配列番号:536の配列を含むHVR-H2、及び配列番号:537の配列を含むHVR-H3を含む重鎖可変(VH)ドメイン;及び/又は配列番号538-542からなる群から選択される配列を含むHVR-L1、配列番号:543の配列を含むHVR-L2、及び配列番号:544-546からなる群から選択される配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:534の配列を含むHVR-H1、配列番号:536の配列を含むHVR-H2、及び配列番号:537の配列を含むHVR-H3を含む重鎖可変(VH)ドメイン;及び/又は配列番号:539の配列を含むHVR-L1、配列番号:543の配列を含むHVR-L2、及び配列番号:545の配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:533の配列を含むHVR-H1、配列番号:536の配列を含むHVR-H2、及び配列番号:537の配列を含むHVR-H3を含む重鎖可変(VH)ドメイン;及び/又は配列番号:542の配列を含むHVR-L1、配列番号:543の配列を含むHVR-L2、及び配列番号:546の配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:498の配列を含むHVR-H1、配列番号:501の配列を含むHVR-H2、及び配列番号:502の配列を含むHVR-H3を含む重鎖可変(VH)ドメイン;及び/又は配列番号:503の配列を含むHVR-L1、配列番号:504の配列を含むHVR-L2、及び配列番号:505の配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:554の配列を含むHVR-H1、配列番号:557の配列を含むHVR-H2、及び配列番号:558の配列を含むHVR-H3を含む重鎖可変(VH)ドメイン;及び/又は配列番号:559の配列を含むHVR-L1、配列番号:560の配列を含むHVR-L2、及び配列番号:561の配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む。
幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:520-523からなる群から選択される配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:525-532からなる群から選択される配列を含むVLドメインを含む。
幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:554-556からなる群から選択される配列を含むHVR-H1、配列番号:557の配列を含むHVR-H2、及び配列番号:558の配列を含むHVR-H3を含む重鎖可変(VH)ドメイン;及び/又は配列番号:559の配列を含むHVR-L1、配列番号:560の配列を含むHVR-L2、及び配列番号:561の配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:554の配列を含むHVR-H1、配列番号:557の配列を含むHVR-H2、及び配列番号:558の配列を含むHVR-H3を含む重鎖可変(VH)ドメイン;及び/又は配列番号:559の配列を含むHVR-L1、配列番号:560の配列を含むHVR-L2、及び配列番号:561の配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:555の配列を含むHVR-H1、配列番号:557の配列を含むHVR-H2、及び配列番号:558の配列を含むHVR-H3を含む重鎖可変(VH)ドメイン;及び/又は配列番号:559の配列を含むHVR-L1、配列番号:560の配列を含むHVR-L2、及び配列番号:561の配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:556の配列を含むHVR-H1、配列番号:557の配列を含むHVR-H2、及び配列番号:558の配列を含むHVR-H3を含む重鎖可変(VH)ドメイン;及び/又は配列番号:559の配列を含むHVR-L1、配列番号:560の配列を含むHVR-L2、及び配列番号:561の配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む。
幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:547-550からなる群から選択される配列を含むVHドメイン、及び/又は配列番号:551-553からなる群から選択される配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:547の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:551の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:548の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:551の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:549の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:551の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:550の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:551の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:547の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:552の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:548の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:552の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:549の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:552の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:550の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:552の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:547の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:553の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:548の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:553の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:549の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:553の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:550の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:553の配列を含むVLドメインを含む。
幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:584の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:585、562、及び563からなる群から選択される配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:584の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:585の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:584の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:562の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:584の配列を含むVHドメイン及び/又は配列番号:563の配列を含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:584の配列の3つのHVRを含むVHドメイン及び/又は配列番号:585の配列の3つのHVRを含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:584の配列の3つのHVRを含むVHドメイン及び/又は配列番号:562の配列の3つのHVRを含むVLドメインを含む。幾つかの実施態様では、抗SIRPα抗体は、配列番号:584の配列の3つのHVRを含むVHドメイン及び/又は配列番号:563の配列の3つのHVRを含むVLドメインを含む。
追加の抗SIRP抗体は、米国特許出願公開第2018/0037652A1号;国際公開第2016/205042A1号;国際公開第2017/178653A2号;国際公開第2018/107058A1号;及び国際公開第2018/057669A1号に開示され;その各々の開示は、その全体について出典明示によりここに援用される。
幾つかの実施態様では、ここに提供される抗体は、ヒトFc領域、例えば、ヒトIgG1、IgG2、又はIgG4 Fc領域を含む。
幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体のFc領域は、安定性、グリコシル化又は他の修飾のパターン、エフェクター細胞機能、薬物動態等々のような一又は複数の抗体特性に影響を与える一又は複数の変異を含む。幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体は、グリコシル化が減少しているか又は最小である。幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体は、エフェクター機能が除去され又は低減している。例示的なFc変異には、限定されないが、(i)ヒトIgG1 Fc領域変異L234A、L235A、G237A、及びN297A;(ii)ヒトIgG2 Fc領域変異A330S、P331S及びN297A;及び(iii)ヒトIgG4 Fc領域変異S228P、E233P、F234V、L235A、delG236、及びN297A(EU番号付け)が含まれる。幾つかの実施態様では、ヒトIgG2 Fc領域は、A330S及びP331S変異を含む。幾つかの実施態様では、ヒトIgG4 Fc領域は、S288P変異を含む。幾つかの実施態様では、ヒトIgG4 Fc領域は、S288P及びL235E変異を含む。
幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体は、EU番号付けに従って、L234A、L235A、及びG237A変異を含むヒトIgG1 Fc領域を含む。幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体は、EU番号付けに従って、L234A、L235A、G237A、及びN297A変異を含むヒトIgG1 Fc領域を含む。幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体は、EU番号付けに従って、N297A変異を含むヒトIgG1 Fc領域を含む。幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体は、EU番号付けに従って、D265A変異を含むヒトIgG1 Fc領域を含む。幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体は、EU番号付けに従って、D265A及びN297A変異を含むヒトIgG1 Fc領域を含む。幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体は、EU番号付けに従って、A330S及びP331S変異を含むヒトIgG2 Fc領域を含む。幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体は、EU番号付けに従って、A330S、P331S、及びN297A変異を含むヒトIgG2 Fc領域を含む。幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体は、EU番号付けに従って、N297A変異を含むヒトIgG2 Fc領域を含む。幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体は、EU番号付けに従って、S228P変異を含むヒトIgG4 Fc領域を含む。幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体は、EU番号付けに従って、S228P及びD265A変異を含むヒトIgG4 Fc領域を含む。幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体は、EU番号付けに従って、S228P及びL235E変異を含むヒトIgG4 Fc領域を含む。幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体は、EU番号付けに従って、S228P及びN297A変異を含むヒトIgG4 Fc領域を含む。幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体は、EU番号付けに従って、S228P、E233P、F234V、L235A、delG236、及びN297A変異を含むヒトIgG4 Fc領域を含む。幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体は、配列番号:564-578からなる群から選択される配列を含むFc領域を含む。
幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体は、ヒトカッパ軽鎖定常ドメイン、例えば、配列番号:579の配列を含むFc領域を含む。幾つかの実施態様では、ここで提供される抗体は、ヒトラムダ軽鎖定常ドメイン、例えば、IGLC1又はIGLC2(それぞれ、配列番号:580及び581に示される例示的なFc領域配列など)を含む。
細胞表面抗原を標的とする抗体は、免疫細胞上のFc受容体(FcR)結合に関連する免疫刺激及びエフェクター機能を誘発しうる。IgG(ガンマ受容体)、IgE(イータ受容体)、IgA(アルファ受容体)、IgM(ミュー受容体)を含む、特定クラスの抗体に特異的な多くのFc受容体がある。細胞表面上のFc受容体へのFc領域の結合は、抗体被覆粒子の食作用(抗体依存性細胞媒介性食作用、又はADCP)、免疫複合体のクリアランス、キラー細胞による抗体被覆細胞の溶解(抗体依存性細胞傷害、又はADCC)及び、炎症性メディエーターの放出、経胎盤移行、及び免疫グロブリン産生の制御を含む、多くの生物学的反応をトリガーしうる。加えて、抗体への補体C1成分の結合は、補体系を活性化させうる。補体活性化は、細胞病原体の溶解に重要でありうる。しかし、補体活性化はまた炎症反応を刺激し得、自己免疫性過敏症又は他の免疫障害にも関与する場合がある。所定のFc受容体に結合する能力が低下し又は除去された変異体Fc領域は、局所細胞又は組織を損傷し又は破壊することなく、リガンド機能を標的にし、活性化し、又は中和することによって作用する治療用抗体及びFc融合ポリペプチドコンストラクトの開発に役立つ。
幾つかの実施態様では、Fcドメインモノマーは、第二及び第三の抗体定常ドメイン(例えば、CH2及びCH3)を含むポリペプチド鎖を指す。幾つかの実施態様では、Fcドメインモノマーはまたヒンジドメインを含む。幾つかの実施態様では、Fcドメインモノマーは、IgG、IgE、IgM、IgA、及びIgDを含む任意の免疫グロブリン抗体アイソタイプのものである。加えて、幾つかの実施態様では、Fcドメインモノマーは、任意のIgGサブタイプ(例えば、IgG1、IgG2、IgG2a、IgG2b、IgG2c、IgG3、及びIgG4)のものである。幾つかの実施態様では、Fcドメインモノマーは、FcドメインとFc受容体の間の相互作用を変化させる野生型Fcドメインモノマー配列からの最大10個の変化(例えば、1-10、1-8、1-6、1-4アミノ酸置換、付加又は挿入、欠失、あるいはそれらの組み合わせ)を含む。
幾つかの実施態様では、免疫グロブリンのFcドメインモノマー又はFcドメインモノマーの断片は、別のFcドメインモノマーとFcドメインを形成することができる。幾つかの実施態様では、免疫グロブリンのFcドメインモノマー又はFcドメインモノマーの断片は、別のFcドメインモノマーとFcドメインを形成することができない。幾つかの実施態様では、Fcドメインモノマー又はFcドメインの断片は、ポリペプチドの血清半減期を増加させるために、本開示のポリペプチドに融合される。幾つかの実施態様では、本開示のポリペプチドに融合されたFcドメインモノマー又はFcドメインモノマーの断片は、第二のFcドメインモノマーと二量体化して、Fc受容体に結合するFcドメインを形成するか、又は代わりに、FcドメインモノマーがFc受容体に結合する。幾つかの実施態様では、ポリペプチドの血清半減期を増加させるためにポリペプチドに融合されたFcドメイン又はFcドメインの断片は、如何なる免疫系関連応答も誘導しない。Fcドメインは、CH3抗体定常ドメイン間の相互作用によって二量体化される二つのFcドメインモノマーを含む。
野生型Fcドメインは、Fc受容体、例えば、FcγRI、FcγRIIa、FcγRIIb、FcγRIIIa、FcγRIIIb、及びFcγRIVに結合する最小構造を形成する。幾つかの実施態様では、本開示の抗体におけるFcドメインは、一又は複数のアミノ酸置換、付加又は挿入、欠失、又は抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)の減少、補体依存性細胞溶解(CDC)の減少、抗体依存性細胞媒介性食作用(ADCP)の減少、又はそれらの任意の組み合わせなどのエフェクター機能の低下を生じるそれらの任意の組み合わせを含む。例えば、本開示の抗体は、ヒトFc受容体への結合の低下(例えば、最小の結合又は結合の欠如)及び補体タンパク質C1qへの結合の低下(例えば、最小の結合又は結合の欠如);ヒトFcγRI、FcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIIB、FcγRIIIB、又はそれらの任意の組み合わせ、及びC1qへの結合の低下(例えば、最小の結合又は結合の欠如);ADCC、CDC、ADCP、又はそれらの任意の組み合わせなどの抗体依存性エフェクター機能の変化又は低下等々を示しうる。例示的な変異には、限定されないが、E233、L234、L235、G236、G237、D265、D270、N297、E318、K320、K322、A327、A330、P331、又はP329(KabatのEUインデックスによる番号付け(Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5版 Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991))での一又は複数のアミノ酸置換が含まれる。
幾つかの実施態様では、本開示の抗体では、CD16a、CD32a、CD32b、CD32c、及びCD64 Fcγ受容体への結合が低下し又は除去されている。幾つかの実施態様では、ここに記載の非天然Fc領域を有する抗体は、野生型Fc領域を含む抗体と比較して、少なくとも5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上のC1q結合の低下を示す。幾つかの実施態様では、ここに記載の非天然Fc領域を有する抗体は、野生型Fc領域を含む抗体と比較して、少なくとも5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上のCDCの低下を示す。
幾つかの実施態様では、ここでのFc変異体は、野生型配列と比較して、グリコシル化が最小か又はグリコシル化が減少している。 幾つかの実施態様では、脱グリコシル化は、N297Aの変異によって、又はN297をNではない任意のアミノ酸に変異させることによって達成される。
幾つかの実施態様では、抗体IgG定常領域の変異体(例えば、Fc変異体)は、Fcγ受容体に特異的に結合する能力が低下しているか、又は食作用を誘導する能力が低下している。幾つかの実施態様では、抗体IgG定常領域の変異体(例えば、Fc変異体)は、Fcγ受容体に特異的に結合する能力が低下しており、かつ食作用を誘導する能力が低下している。例えば、幾つかの実施態様では、Fcドメインは、「死んだ」Fcドメインに典型的な、エフェクター機能を欠くように変異される。例えば、幾つかの実施態様では、Fcドメインは、FcドメインとFcγ受容体との間の相互作用を最小化することが知られている特定のアミノ酸置換を含む。幾つかの実施態様では、Fcドメインモノマーは、IgG1抗体に由来し、一又は複数のアミノ酸置換L234A、L235A、G237A、及びN297A(Kabat等,1991によるEU番号付けシステムに従って指定)を含む。幾つかの実施態様では、Fcドメインモノマーは、IgG1抗体に由来し、一又は複数のアミノ酸置換L234A、L235A及びG237A(Kabat等,1991によるEU番号付けシステムに従って指定)を含む。幾つかの実施態様では、Fcドメインモノマーは、IgG1抗体に由来し、N297A(Kabat等,1991によるEU番号付けシステムに従って指定)を含む。幾つかの実施態様では、Fcドメインモノマーは、IgG1抗体に由来し、D265A(Kabat等,1991によるEU番号付けシステムに従って指定)を含む。幾つかの実施態様では、Fcドメインモノマーは、IgG1抗体に由来し、一又は複数のアミノ酸置換D265A及びN297A(Kabat等,1991によるEU番号付けシステムに従って指定)を含む。幾つかの実施態様では、一又は複数の追加の変異がそのようなIgG1 Fc変異体に含まれる。ヒトIgG1 Fc変異体に対するそのような追加の変異の非限定的な例には、E318A及びK322Aが含まれる。場合によっては、ヒトIgG1 Fc変異体は、野生型ヒトIgG1配列と比較して、合計で最大12、11、10、9、8、7、6、5、又は4又はそれ以下の変異を有する。幾つかの実施態様では、一又は複数の追加の欠失が、そのようなIgG1 Fc変異体に含まれる。例えば、幾つかの実施態様では、Fc IgG1重鎖定常領域のC末端リジンが、例えば、ポリペプチドが細菌又は哺乳動物細胞で産生されるときにポリペプチドの均一性を高めるために欠失される。場合によっては、ヒトIgG1 Fc変異体は、野生型ヒトIgG1配列と比較して、合計で最大12、11、10、9、8、7、6、5、又は4又はそれ以下の欠失を有している。
幾つかの実施態様では、Fcドメインモノマーは、IgG2抗体に由来し、アミノ酸置換A330S、P331S、又はA330SとP331Sの両方を含む。前述のアミノ酸位置は、Kabat等(1991)に従って定義される。アミノ酸残基のKabat番号付けは、所与の抗体について、「標準的な」Kabat番号付けされた配列との抗体の配列相同領域のアラインメントによって、決定することができる。幾つかの実施態様では、Fc変異体は、A330S、P331S及びN297Aアミノ酸置換(Kabat等(1991)によるEU番号付けシステムに従って指定)の一又は複数を含むヒトIgG2 Fc配列を含む。幾つかの実施態様では、Fc変異体は、D265A及びN297Aアミノ酸置換(Kabat等(1991)によるEU番号付けシステムに従って指定)の一又は複数を含むヒトIgG2 Fc配列を含む。幾つかの実施態様では、Fc変異体は、N297Aアミノ酸置換(Kabat等(1991)によるEU番号付けシステムに従って指定)を含むヒトIgG2 Fc配列を含む。幾つかの実施態様では、一又は複数の追加の変異がそのようなIgG2 Fc変異体に含まれる。ヒトIgG2 Fc変異体に対するそのような追加の変異の非限定的な例には、V234A、G237A、P238S、V309L、及びH268A(Kabat等(1991)によるEU番号付けシステムに従って指定)が含まれる。場合によっては、ヒトIgG2 Fc変異体は、野生型ヒトIgG2配列と比較して、合計で最大12、11、10、9、8、7、6、5、4、3又はそれ以下の変異を有する。幾つかの実施態様では、一又は複数の追加の欠失が、そのようなIgG2 Fc変異体に含まれる。
Fc変異体がIgG4 Fc変異体である場合、幾つかの実施態様では、そのようなFc変異体は、S228P、E233P、F234V、L235A、L235E、又はdelG236変異(Kabat等(1991)に従って指定)を含む。他の例では、そのようなFc変異体は、S228P及びL235E変異(Kabat等(1991)に従って指定)を含む。場合によっては、ヒトIgG4 Fc変異体は、野生型ヒトIgG4配列と比較して、合計で最大12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1の変異を有している。
幾つかの実施態様では、Fc変異体は、野生型ヒトIgG Fc領域と比較して、対象のFc受容体への結合の低下を示す。幾つかの実施態様では、Fc変異体は、野生型ヒトIgG Fc領域と比較して、対象のFc受容体への結合の除去を示す。幾つかの実施態様では、Fc変異体は、野生型ヒトIgG Fc領域と比較して、食作用の低下を示す。幾つかの実施態様では、Fc変異体は、野生型ヒトIgG Fc領域と比較して、食作用の除去を示す。
ここではADCCとも呼ばれる抗体依存性細胞媒介性細胞傷害は、ある種の細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞及び好中球)上に存在するFc受容体(FcR)に結合した分泌Igがこれら細胞傷害性エフェクター細胞を抗原保有標的細胞に特異的に結合させ、続いて標的細胞を死滅させる細胞傷害性の形態を指す。ここではADCPとも呼ばれる抗原依存性細胞媒介性食作用は、ある種の食細胞(例えば、マクロファージ)上に存在するFc受容体(FcR)に結合した分泌Igがこれら食細胞エフェクター細胞を抗原保有標的細胞に特異的に結合させ、続いて標的細胞を貪食し消化する細胞傷害性の形態を指す。標的細胞の表面に向けられたリガンド特異的高親和性IgG抗体は、細胞傷害性又は食細胞を刺激することができ、そのような死滅に使用されうる。幾つかの実施態様では、ここに記載のFc変異体を含むポリペプチドコンストラクトは、野生型Fc領域を含むポリペプチドコンストラクトと比較して、低下したADCC又はADCPを示す。幾つかの実施態様では、ここに記載のFc変異体を含むポリペプチドコンストラクトは、野生型Fc領域を含むポリペプチドコンストラクトと比較して、少なくとも5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上のADCC又はADCPの低下を示す。幾つかの実施態様では、ここに記載されるようなFc変異体を含む抗体は、野生型Fc領域を含むポリペプチドコンストラクトと比較して、除去されたADCC又はADCPを示す。
ここではCDCとも呼ばれる補体指向性細胞傷害は、抗体Fcに結合する補体成分C1qによって補体カスケードが活性化される細胞傷害の一形態を指す。幾つかの実施態様では、ここに記載のFc変異体を含むポリペプチドコンストラクトは、野生型Fc領域を含むポリペプチドコンストラクトと比較して、少なくとも5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上のC1q結合の低下を示す。場合によっては、ここに記載のFc変異体を含むポリペプチドコンストラクトは、野生型Fc領域を含むポリペプチドコンストラクトと比較して、CDCの低下を示す。幾つかの実施態様では、ここに記載のFc変異体を含むポリペプチドコンストラクトは、野生型Fc領域を含むポリペプチドコンストラクトと比較して、少なくとも5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上のCDCの低下を示す。場合によっては、ここに記載のFc変異体を含む抗体は、野生型Fc領域を含むポリペプチドコンストラクトと比較して、無視できる程度のCDCを示す。
ここでのFc変異体は、野生型ヒトIgG Fc領域と比較して、Fcγ受容体への結合の低下を示すものを含む。例えば、幾つかの実施態様では、Fc変異体は、野生型ヒトIgG Fc領域によって示されるFcγ受容体への結合よりも少ないFcγ受容体への結合を示す。場合によっては、Fc変異体は、Fcγ受容体への結合を10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(エフェクター機能の完全な除去)の係数で低下させる。幾つかの実施態様では、結合の低下は、任意の一又は複数のFcγ受容体、例えば、CD16a、CD32a、CD32b、CD32c、又はCD64に対するものである。
幾つかの例では、ここに開示されるFc変異体は、その野生型ヒトIgG Fc領域と比較して、食作用の低下を示す。そのようなFc変異体は、その野生型ヒトIgG Fc領域と比較して食作用の低下を示し、ここで、食作用活性の低下は、例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の係数のものである。場合によっては、Fc変異体は、その野生型ヒトIgG Fc領域と比較して食作用の除去を示す。
幾つかの実施態様では、ここに開示されるFc変異体は、一又は複数の融合パートナーに結合される。場合によっては、融合パートナーは、本開示の細胞傷害性剤などの治療薬部分である。場合によっては、融合パートナーは、発現タンパク質の標的化、精製、スクリーニング、ディスプレイなどを可能にするように選択される。幾つかの実施態様では、融合パートナーはまたFc受容体への結合の程度又は食作用の低下の程度いに影響を与える。
幾つかの実施態様では、ターゲティング部分は、二重特異性抗体である。所定の実施態様では、二重特異性抗体は、ヒトCD56ポリペプチドの細胞外ドメインに結合する第一抗原結合ドメインと、がん細胞によって発現される抗原に結合する第二抗原結合ドメインとを含む。所定の実施態様では、二重特異性抗体は、ヒトSIRP-αポリペプチドの細胞外ドメインに結合する第一抗原結合ドメインと、がん細胞によって発現される抗原に結合する第二抗原結合ドメインとを含む。所定の実施態様では、がん細胞によって発現される抗原は、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD38、CD52、CD56、CD70、CD74、CD79b、CD123、CD138、CS1/SLAMF7、Trop-2、5T4、EphA4、BCMA、ムチン1、ムチン16、PD-L1、PTK7、STERAP1、エンドセリンB受容体、メソセリン、EGFRvIII、ENPP3、SLC44A4、GNMB、ネクチン4、NaPi2b、LIV-1A、グアニリルシクラーゼC、DLL3、EGFR、HER2、VEGF、VEGFR、インテグリンαVβ3、インテグリンα5β1、MET、IGF1R、TRAILR1、TRAILR2、RANKL、FAP、テネイシン、Ley、EpCAM、CEA、gpA33、PSMA、TAG72、ムチン、CAIX、EPHA3、葉酸受容体α、GD2、GD3、及びNY-ESO-1/LAGE由来のペプチドを含むMHC/ペプチド複合体、SSX-2、MAGEファミリータンパク質、MAGE-A3、gp100/pmel17、メラン-A/MART-1、gp75/TRP1、チロシナーゼ、TRP2、CEA、PSA、TAG-72、未成熟ラミニン受容体、MOK/RAGE-1、WT-1、SAP-1、BING-4、EpCAM、MUC1、PRAME、サバイビン、BRCA1、BRCA2、CDK4、CML66、MART-2、p53、Ras、β-カテニン、TGF-βRII、HPV E6、又はHPVE7からなる群から選択される。所定の実施態様では、抗体は、ヒトCD56ポリペプチドの細胞外ドメインに結合する第一抗原結合ドメインと、免疫細胞によって発現される抗原に結合する第二抗原結合ドメインとを含む。所定の実施態様では、抗体は、ヒトSIRP-αポリペプチドの細胞外ドメインに結合する第一抗原結合ドメインと、免疫細胞によって発現される抗原に結合する第二抗原結合ドメインとを含む。幾つかの実施態様では、免疫細胞によって発現される抗原は、BDCA2、BDCA4、ILT7、LILRB1、LILRB2、LILRB3、LILRB4、CSF-1R、CD40、CD40L、CD163、CD206、DEC205、CD47、CD123、IDO、TDO、41BB、CTLA4、PD1、PD-L1、PD-L2、TIM-3、BTLA、VISTA、LAG-3、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、HVEM、CCR4、CD25、CD103、KIrg1、Nrp1、CD278、Gpr83、TIGIT、CD154、CD160、PVRIG、DNAM、及びICOSからなる群から選択される。
所定の実施態様では、抗体は、以下の表から選択される定常領域配列を含む。
所定の実施態様では、ターゲティング部分はポリペプチドである。所定の実施態様では、ターゲティング部分は、RGDペプチド、狂犬病ウイルス糖タンパク質(RVG)、又はDC3ペプチドである。所定の実施態様では、ターゲティング部分はアプタマーである。所定の実施態様では、ターゲティング部分は、小分子を含む。所定の実施態様では、ターゲティング部分は、葉酸、マンノース、又はPSMAリガンドを含む。
[コンジュゲート]
一実施態様では、ここに提供されるコンジュゲートは、ターゲティング部分と一又は複数の免疫調節性ポリヌクレオチド、所定の実施態様では、約1から約6又は約1から約4、約1、又は約2の免疫調節性ポリヌクレオチドを含む。所定の実施態様では、コンジュゲートは、ターゲティング部分を免疫調節性ポリヌクレオチドに共有的に連結させるリンカーを含む。所定の実施態様では、リンカーは、免疫調節性ポリヌクレオチドにおいて、核酸塩基、脱塩基スペーサー、ホスフェート、ホスホロチオエート、又はホスロジチオエートに結合する。
一実施態様では、ここに提供されるのは、式(C):
のコンジュゲート又はその立体異性体、二以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、又は二以上の互変異性体の混合物;又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、又は水和物であり;ここでAbはターゲティング部分であり;fは1、2、3、又は4の整数であり;かつL
N、Q、及びeはそれぞれここで定義された通りである。
所定の実施態様では、式(C)において、Abは抗体である。所定の実施態様では、式(C)において、Abはモノクローナル抗体である。
所定の実施態様では、式(C)において、fは1又は2の整数である。所定の実施態様では、式(C)において、fは1の整数である。
所定の実施態様では、式(C)において、eとfの両方がそれぞれ1の整数である。
一実施態様では、CpG抗体コンジュゲートは、約1から約20、約1から約10、約1から約8、約1から約4、又は約1から約2の範囲のDARを有する。別の実施態様では、CpG抗体コンジュゲートは、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、又は約8のDARを有する。
[コンジュゲートの調製]
[コンジュゲーション]
ターゲティング部分を免疫調節性ポリヌクレオチドにコンジュゲートさせるのに有用な反応は、限定されないが、トリアゾール部分を形成するアジドとアルキン系コンジュゲート基(例えば、環内炭素-炭素三重結合を含む置換されていてもよいC6-16ヘテロシクリレン又は置換されていてもよいC8-16シクロアルキニル)の間のヒュスゲン環化付加(金属触媒又は金属不含);求ジエン体とジエン/ヘテロジエンの間のディールス・アルダー反応;エン反応などのペリ環状反応経由の結合の形成;アミド又はチオアミド結合の形成;スルホンアミド結合の形成(例えば、アジド化合物による);アルコール又はフェノールのアルキル化(例えば、ウィリアムソンのアルキル化)、オキシム、ヒドラゾン、又はセミカルバジド基を形成する縮合反応;求核試薬(例えば、アミン及びチオール)による共役付加反応;ジスルフィド結合の形成;及びカルボニル(例えば、ペンタフルオロフェニル(PFP)エステル又はテトラフルオロフェニル(TFP)エステルなどの活性カルボン酸エステル)又は求電子性アレーン(例えば、オリゴフッ素化アレーンでのSNAr、フルオロベンゾニトリル基、又はフルオロニトロベンゼン基)での求核置換(例えば、アミン、チオール、又はヒドロキシル求核試薬)を含み、当該分野において知られている。
所定の実施態様では、コンジュゲーション反応は双極性環化付加であり、コンジュゲーション部分は、アジド、環内炭素-炭素三重結合を含む置換されていてもよいC6-16ヘテロシクリレン、又は置換されていてもよいC8-16シクロアルキニルを含む。相補的反応性基とコンジュゲート基は、それらの相互相補性のために選択される。例えば、アジドがコンジュゲート基と相補的反応性基の一方に使用され、アルキンがコンジュゲート基と相補的反応性基の他方に使用される。
[免疫調節性ポリヌクレオチドの調製]
ここに提供される免疫調節性ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドの化学合成の技術分野で知られている方法に従って、例えばヌクレオシドホスホラミダイトから調製することができる。ホスホラミダイトは、ホスホラミダイトのリン原子に共有的に連結されたコンジュゲート基を含みうる。
[ターゲティング部分部の調製]
ターゲティング部分は、免疫調節性ポリヌクレオチド中のコンジュゲート基とターゲティング部分に結合した相補的反応性基との間に結合を形成することによって、免疫調節性ポリヌクレオチドにコンジュゲートさせることができる。所定の実施態様では、ターゲティング部分は、相補的反応性基(例えば、抗体又は抗原結合断片又はその操作された誘導体におけるQタグ(例えば、LLQGG(配列番号:582)又はGGGLLQGG(配列番号:583))を本質的に有する。所定の実施態様では、ターゲティング部分は、(例えば、相補的反応性基をQタグに結合させることによって)相補的反応性基を含むように改変される。そのような相補的反応性基をターゲティング部分に導入する方法は、当該技術分野で知られている。
所定の実施態様では、相補的反応性基は、置換されていてもよいC
2-12アルキニル、置換されていてもよいN-保護アミノ、アジド、N-マレイミド、S-保護チオール、
又はそのN-保護部分、
環内炭素-炭素三重結合
を含む置換されていてもよいC
6-16ヘテロキシクリル、1,2,4,5-テトラジン基
置換されていてもよいC
8-16シクロアルキニル
-NHR
N1、置換されていてもよいC
4-8ひずみシクロアルケニル(例えば、トランス-シクロオクテニル又はノルボルネニル)、又は-COOR
12又は-CHOを含む置換されていてもよいC
1-16アルキルであり;
R
N1は、H、N-保護基、又は置換されていてもよいC
1-6アルキルであり;
ここで、
各R
12は、独立してH、置換されていてもよいC
1-6アルキル、又はO-保護基(例えば、カルボキシル保護基)であり;かつ
R
13はハロゲン(例えばF)である。
所定の実施態様では、相補的反応性基は、コンジュゲーション反応まで保護される。例えば、保護される相補的反応性基は、-COORPGO又は-NHRPGNを含むことができ、ここで、RPGOはO-保護基(例えばカルボキシル保護基)であり、RPGNはN-保護基である。
所定の実施態様では、相補的反応性基は-Z
3-Q
A3であり、
ここで、
Z
3は、二価、三価、四価、又は五価の基であり、ここで、結合価の一つがQ
A3で置換され、結合価の一つが開いており、残りの結合価の各々の、存在する場合は、独立して補助部分で置換され;
Q
A3は、置換されていてもよいC
2-12アルキニル、置換されていてもよいN-保護アミノ、アジド、N-マレミミド、S-保護チオール、
又はそのN-保護型、
環内炭素-炭素三重結合
を含む置換されていてもよいC
6-16ヘテロキシクリル、1,2,4,5-テトラジン基
置換されていてもよいC
8-16シクロアルキニル
-NHR
N1、置換されていてもよいC
4-8ひずみシクロアルケニル(例えば、トランス-シクロオクテニル又はノルボルネニル)、又は-COOR
12又は-CHOを含む置換されていてもよいC
1-16アルキルであり;
ここで、
R
N1は、H、N-保護基、又は置換されていてもよいC
1-6アルキルであり;
各R
12は、独立してH、置換されていてもよいC
1-6アルキル、O-保護基、又はカルボキシル保護基であり;
R
13はハロゲン又はFである。
所定の実施態様では、Z3は分岐基と二つの二価セグメントを含み、ここで分岐基は2つの二価セグメントのそれぞれに結合し、二価セグメントの一つが開放結合価を有し、残りの二価セグメントはQA3に結合し;分岐基は、置換されていてもよいC1-12アルカン-トリイル、置換されていてもよいC1-12アルカン-テトライル、置換されていてもよいC2-12ヘテロアルカン-トリイル、及び置換されていてもよいC2-12ヘテロアルカン-テトライルからなる群から独立して選択される一又は二のモノマーを含み、分岐基の二つの結合価は二つの二価セグメントに結合し、かつ残りの結合価の各々は独立して補助部分で置換される。
所定の実施態様では、Z3中の二価セグメントは、-(-QB-QC-QD-)s1-であり、ここで、
s1は、約1から約50又は約1から約30の整数であり;
各QB及びQDは、独立して非存在、-CO-、-NH-、-O-、-S-、-SO2-、-OC(O)-、-COO-、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-CH2-、-CH2NH-、-NHCH2-、-CH2O-、又は-OCH2-であり;かつ
各QCは、独立して非存在、置換されていてもよいC1-12アルキレン、置換されていてもよいC2-12アルケニレン、置換されていてもよいC2-12アルキニレン、置換されていてもよいC2-12ヘテロアルキレン、又は置換されていてもよいC1-9ヘテロシクリレンである。
所定の実施態様では、QBとQDの少なくとも一つが、Z3の各モノマー単位中に存在する。
所定の実施態様では、-Z
3-Q
A3は、
であり、ここで、
各s1は、独立して約1から約50又は約1から約30の整数であり;
Q
A3はここに記載されている通りであり;
各Q
B及びQ
Dは、独立して非存在、-CO-、-NH-、-O-、-S-、-SO
2-、-OC(O)-、-COO-、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-CH
2-、-CH
2NH-、-NHCH
2-、-CH
2O-、又は-OCH
2-であり;かつ
各Q
Cは、独立して非存在、置換されていてもよいC
1-12アルキレン、置換されていてもよいC
2-12アルケニレン、置換されていてもよいC
2-12アルキニレン、置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルキレン、又は置換されていてもよいC
1-9ヘテロシクリレンであり;
Q
Eは、非存在か又はここに記載される式(IV)の分岐基である。
所定の実施態様では、-(-Q
B-Q
C-Q
D-)
s1-は、基:
であり、ここで、
(i)g2は、約1から約50、約1から約40、又は約1から約30の整数であり;
(ii)g1は1であり、Q
Bは、-NHCO-、-CONH-、又は-O-であり;g1は0であり、Q
Dは-NHCO-であり;かつ
(iii)g3は1であり、Q
Bは、-NHCO-、-CONH-、又は-O-であり;又はg3は0であり、Q
Dは-CONH-である。
所定の実施態様では、相補的反応性基は、
であり、ここで、
Q
A2は、非存在、置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルキレン(例えば、-C(O)-N(H))-、-N(H)-C(O)-、-S(O)
2-N(H)-、又は-N(H)-S(O)
2-を含むヘテロアルキレン)、置換されていてもよいC
1-12チオヘテロシクリルレン
置換されていてもよいC
1-12ヘテロシクリルレン
シクロブタ-3-エン-1,2-ジオン-3,4-ジイル、ピリド-2-イルヒドラゾン、置換されていてもよいC
6-16トリアゾロヘテロシクリレン
置換されていてもよいC
8-16トリアゾロシクロアルケニレン
又はジヒドロピリダジン基
であり;
各Q
A3は、独立して置換されていてもよいC
2-12アルキニル、置換されていてもよいN-保護アミノ、アジド、N-マレイミド、S-保護チオール、
又はそのN-保護型、
環内炭素-炭素三重結合
を含む置換されていてもよいC
6-16ヘテロキシクリル、1,2,4,5-テトラジン基
又は置換されていてもよいC
8-16シクロアルキニル
-NHR
N1、置換されていてもよいC
4-8ひずみシクロアルケニル(例えば、トランス-シクロオクテニル又はノルボルネニル)、又は-COOR
12又は-CHOを含む置換されていてもよいC
1-16アルキルであり;
R
N1は、H、N-保護基、又は置換されていてもよいC
1-6アルキルであり;
各R
12は、独立してH又は置換されていてもよいC
1-6アルキルであり;
R
13はハロゲン又はFであり;
各R
Tは、独立してターゲティング部分への結合であり;
各Q
Tは、独立して-CO-、-NH-、-NH-CH
2-又は-CO-CH
2-であり;
各X
1、X
3、及びX
5は、独立して非存在、-O-、-NH-、-CH
2-NH-、-C(O)-、-C(O)-NH-、-NH-C(O)-、-NH-C(O)-NH-、-O-C(O)-NH-、-NH-C(O)-O-、-CH
2-NH-C(O)-NH-、-CH
2-O-C(O)-NH-、又は-CH
2-NH-C(O)-O-であり、
各X
2及びX
4は、独立して非存在、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)-NH-、-NH-C(O)-、-NH-C(O)-NH-、-O-C(O)-NH-、又は-NH-C(O)-O-であり;
各x2は、独立して約0から約50、約1から約40、又は約1から約30の整数であり;
各x3は、独立して約1から約11の整数であり;かつ
各x5は、独立して約0又は約1の整数であり;かつ
各x6は、独立して約0から約10、又は約1から約6の整数であり、但し、両方のx6の合計が約12以下である。
所定の実施態様では、相補的反応性基は、
であり、ここで、
各Q
A3は、独立して置換されていてもよいC
2-12アルキニル、置換されていてもよいN-保護アミノ、アジド、N-マレイミド、S-保護チオール、
又はそのN-保護型、
環内炭素-炭素三重結合
を含む置換されていてもよいC
6-16ヘテロキシクリル、1,2,4,5-テトラジン基
又は置換されていてもよいC
8-16シクロアルキニル
-NHR
N1、置換されていてもよいC
4-8ひずみシクロアルケニル(例えば、トランス-シクロオクテニル又はノルボルネニル)、又は-COOR
12又は-CHOを含む置換されていてもよいC
1-16アルキルであり;
各R
M1は、独立してH又は補助部分であり;
各R
N1は、独立してH、N-保護基、又は置換されていてもよいC
1-6アルキルであり;
各R
12は、独立してH又は置換されていてもよいC
1-6アルキルであり;
各R
13は、独立してハロゲン又はFであり;
各Q
Tは、独立して-CO-、-NH-、-NH-CH
2-、又は-CO-CH
2-であり;
各R
Tは、独立してターゲティング部分への結合であり;
各q5及びq6は、独立して約1から約10又は約1から約6の整数であり;
各q7は、独立して約0又は約1の整数であり;
各q8は、独立して約0から約50、約1から約40、又は約1から約30の整数であり;かつ
各q9は、独立して約1から約10の整数である。
所定の実施態様では、相補的反応性基は、
であり、ここで、
各R
M1は、独立してH又は補助部分であり;
各Q
Tは、独立して-CO-、-NH-、-NH-CH
2-、又は-CO-CH
2-であり;
各R
Tは、独立してターゲティング部分への結合であり;
各q5及びq6は、独立して約1から約又は約1から約6の整数であり;
各q7は、独立して約0又は約1の整数であり;
各q8は、独立して約0から約50、約1から約40、又は約1から約30の整数であり;かつ
各q9は、独立して約1から約10の整数である。
[薬学的組成物]
ここに提供されるコンジュゲートの送達は、当該技術分野の当業者に知られている様々な方法を使用して細胞をコンジュゲートと接触させることによって達成できる。所定の実施態様では、ここに提供されるコンジュゲートは、薬学的に許容可能な添加物を含む薬学的組成物として製剤化される。所定の実施態様では、薬学的組成物は、液体又は固体である(例えば、凍結乾燥)。
ここに提供されるコンジュゲートは、単独で又は意図された投与経路と標準的薬務に関して選択される薬学的に許容可能な添加物と混合して投与されうる。このように使用される薬学的組成物は、一又は複数の生理学的に許容される担体、添加物、及びコンジュゲートを薬学的に使用できる製剤に処理しやすくする補助剤を使用して一般的な方法で製剤化できる。
よく使用される担体又は添加物には、糖類(例えば、ラクトース、マンニトール)、牛乳タンパク質、ゼラチン、デンプン、ビタミン、セルロースとその誘導体、ポリ(エチレングリコール)及び溶媒、例えば滅菌水、アルコール、グリセロール、及び多価アルコールが含まれる。静脈内ビヒクルには、水分及び栄養補給剤を含めることができる。他の薬学的に許容可能な担体には、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、21版、Gennaro編、Lippencott Williams及びWilkins(2005)、及び米国薬局方:The National Formulary(USP 36 NF31)、2013年発行に記載されているように、水溶液、非毒性添加物、例えば塩、保存料、バッファーが含まれる。薬学的組成物の様々な成分のpHと正確な濃度は、当該技術分野の通例の実務に従って調整することができる。Goodman及び Gilman's、The Pharmacological Basis for Therapeuticsを参照のこと。
薬学的組成物の製造において、活性成分は、典型的には、添加物と混合されるか(例えば、凍結乾燥製剤)、又は添加物によって希釈される。添加物が希釈剤となる場合、それは、活性成分に対してビヒクル、担体、又は媒体として作用する固体、半固体、又は液体材料(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)でありうる。よって、組成物は、錠剤、散剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、溶液、及びシロップの形態でありうる。当該技術分野で知られているように、希釈剤のタイプは、意図される投与経路に応じて変わりうる。得られる組成物は、追加の薬剤、例えば、保存料を含みうる。製剤は追加的に、潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、及び鉱油;湿潤剤;乳化及び懸濁剤;保存剤、例えば、メチル-及びプロピルヒドロキシベンゾエート;甘味料;及び香味料を含みうる。他の例示的な添加物は、Handbook of Pharmaceutical Excipients, 6版, Rowe等編, Pharmaceutical Press (2009)に記載されている。保存料は、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、及び不活性ガスを含みうる。
これらの薬学的組成物は、通常の方法で、例えば、通常の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠製造、ゲル状化(levigating)、乳化、カプセル化、封入、又は凍結乾燥プロセスによって製造することができる。製剤を製造するための当該技術分野における周知の方法は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21版, Gennaro編, Lippencott Williams及びWilkins (2005)、及びEncyclopedia of Pharmaceutical Technology, J. Swarbrick及びJ. C. Boylan編, 1988-1999, Marcel Dekker, New Yorkに見出される。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。そのような組成物の製剤及び調製物は、薬学的製剤の当業者によく知られている。製剤の調製において、他の成分と組み合わせる前に、コンジュゲートを粉砕して適切な粒径にすることができる。
[投与経路]
薬学的組成物は、局所的又は全身的に投与することができる。治療上有効な量は、対象における疾患の進行の程度、年齢、性別、及び個体の体重などの要因によって変わる。投与計画は、最適な治療反応をもたらすように調整することができる。例えば、幾つかの分割量を毎日投与することができ、又は治療状況の緊急性によって示されるように、用量を比例的に減らすことができる。
当業者によって理解されるように、薬学的組成物は、選択された投与経路に応じて様々な形態で患者に投与することができる。ここに記載の方法で使用されるコンジュゲートは、例えば、非経口投与によって投与することができる。非経口投与には、筋肉内、静脈内、動脈内、頭蓋内、皮下、眼窩内、脳室内、脊髄内、髄腔内、腹腔内、直腸、及び局所投与経路が含まれる。局所投与経路には、経皮、皮内、頬側、及び舌下の投与経路が含まれる。薬学的組成物は、選択された投与経路に従って製剤化される。非経口投与は、選択された期間にわたる持続注入によって行うことができる。
[非経口投与のための製剤]
ここに提供されるコンジュゲートは、ここに記載の薬学的に許容可能な非経口(例えば、静脈内、筋肉内、又は皮下)製剤でそれを必要とする患者に投与することができる。薬学的製剤はまた、従来の非毒性の薬学的に許容可能な担体及びアジュバントを含む剤形又は製剤で非経口的に(例えば、静脈内、筋肉内、又は皮下に)投与することができる。特に、非経口投与に適した製剤には、抗酸化剤、バッファー、静菌剤、及び製剤を患者の血液と等張にする溶質を含みうる水性及び非水性の滅菌注射液;及び懸濁剤と増粘剤を含みうる水性及び非水性滅菌懸濁剤が含まれる。例えば、そのような組成物を調製するために、ここで提供されるコンジュゲートは、非経口的に許容可能な液体ビヒクルに溶解又は懸濁させることができる。用いられうる許容可能なビヒクル及び溶媒としては、水、適切な量の塩酸、水酸化ナトリウム又は適切なバッファーの添加により適切なpHに調整された水(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)、1,3-ブタンジオール、リンゲル液及び等張塩化ナトリウム溶液がある。水性製剤はまた一又は複数種の保存料、例えば、メチル、エチル又はn-プロピルp-ヒドロキシベンゾエートを含みうる。非経口製剤に関する追加情報は、例えば、出典明示によりここに援用される米国薬局方-国民医薬品集(USP-NF)に見出すことができる。
ここで提供されるコンジュゲートの非経口製剤は、非経口投与に適しているとUSP-NFによって特定された4種の一般的タイプの調製物の何れか一つでありうる:
(1)「注射用薬物」:薬物注射としての非経口投与のための適切な滅菌ビヒクルと組み合わされる乾燥(例えば、凍結乾燥)固体としての原薬(例えば、ここで提供されるコンジュゲート);
(2)「薬物注射用乳濁剤」:適切な乳剤媒体に溶解又は分散された原薬(例えば、ここで提供されるコンジュゲート)の液体調製物;
(3)「薬物注射用懸濁剤」:適切な液体媒体に懸濁された原薬(例えば、ここで提供されるコンジュゲート)の液体調製物;及び
(4)「注射用懸濁剤のための薬物」:薬物注射用懸濁剤としての非経口投与のための適切な滅菌ビヒクルと組み合わされる乾燥固体としての原薬(例えば、ここで提供されるコンジュゲート)。
非経口投与のための例示的な製剤は、界面活性剤、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースと適切に混合された水中で調製された、ここで提供されるコンジュゲートの溶液を含む。分散剤は、また、グリセロール、液体ポリ(エチレングリコール)、DMSO及びアルコールとのもしくはアルコールなしのそれらの混合物で、また油で調製することができる。通常の保管及び使用条件下では、これらの製剤は、微生物の増殖を防ぐための保存料を含みうる。適切な製剤の選択と調製のための通例の手順及び成分は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21版, Gennaro編, Lippencott Williams及びWilkins (2005)及び2013年発行の米国薬局方:国民医薬品集(USP36NF31)に記載されている。
生体適合性、生分解性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマー、又はポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマーを使用して、ここで提供されるコンジュゲートの放出を制御することができる。ここで提供されるコンジュゲートのための他の潜在的に有用な非経口送達システムには、エチレン-酢酸ビニルコポリマー粒子、浸透圧ポンプ又は移植可能な注入システムが含まれる。非経口製剤は、ポリヌクレオチド及び/又はコンジュゲートの迅速な放出又は徐放/持続放出用に製剤化することができる。ここで提供されるコンジュゲートの非経口放出のための例示的な製剤には、水溶液、再構成用の粉末、共溶媒溶液、油/水エマルジョン、懸濁液、ミクロスフェア、及びポリマーゲルが含まれる。
[使用方法]
一実施態様では、ここで提供されるのは、ここで開示される治療有効量のコンジュゲートを対象に投与することを含む、対象における増殖性疾患の一又は複数の症状を治療し、予防し、又は寛解させるための方法である。
所定の実施態様では、対象は哺乳動物である。所定の実施態様では、対象はヒトである。所定の実施態様では、対象は、ヒト以外の霊長類、ウシなどの家畜、スポーツ動物、又はウマ、イヌ、又はネコなどのペットである。
所定の実施態様では、増殖性疾患は腫瘍である。所定の実施態様では、増殖性疾患は、液性又は血液腫瘍である。所定の実施態様では、増殖性疾患は固形腫瘍である。所定の実施態様では、増殖性疾患は腫瘍性疾患である。
所定の実施態様では、増殖性疾患はがんである。所定の実施態様では、がんは再発したがんである。所定の実施態様では、がんは薬剤耐性がんである。所定の実施態様では、がんは再発した薬剤耐性がんである。所定の実施態様では、がんは多剤耐性がんである。所定の実施態様では、がんは再発した多剤耐性がんである。
所定の実施態様では、ここで提供されるコンジュゲートで治療可能ながんには、限定されないが、(1)限定されないが、急性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、例えば骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性、赤白血病白血病及び骨髄異形成症候群又はその症状(貧血、血小板減少症、好中球減少症、二血球減少症又は汎血球減少症など)、不応性貧血(RA)、環状鉄芽球を伴うRA(RARS)、芽球増加を伴うRA(RAEB)、移行期のRAEB(RAEB-T)、前白血病、及び慢性骨髄単球性白血病(CMML)を含む、白血病(2)限定されないが、慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ球性白血病、及びヘアリー細胞白血病を含む、慢性白血病;(3)真性赤血球増加症;(4)限定されないが、ホジキン病及び非ホジキン病を含む、リンパ腫;(5)限定されないが、くすぶり型多発性骨髄腫、非分泌型骨髄腫、骨硬化性骨髄腫、形質細胞性白血病、孤立性形質細胞腫、及び髄外性形質細胞腫を含む、多発性骨髄腫;(6)ヴァルデンストレームマクログロブリン血症;(7)意義不明の単クローン性γグロブリン血症;(8)良性単クローン性γグロブリン血症;(9)重鎖病;(10)限定されないが、骨肉腫(bone sarcoma)、骨肉腫(osteosarcoma)、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性巨細胞腫、骨線維肉腫、脊索腫、骨膜肉腫、軟部組織肉腫、血管肉腫(angiosarcoma)(血管肉腫(hemangiosarcoma))、線維肉腫、カポシ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、転移性がん、神経鞘腫、横紋筋肉腫、及び滑膜肉腫を含む、骨及び結合組織肉腫;(11)限定されないが、神経膠腫、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、乏突起神経膠腫、非膠細胞腫瘍、聴神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、髄芽腫、髄膜腫、松果体細胞腫、松果体芽細胞腫、及び原発性脳リンパ腫を含む、脳腫瘍;(12)限定されないが、腺がん、小葉(小細胞)がん、乳管内がん、髄様乳がん、粘液性乳がん、管状乳がん、乳頭状乳がん、原発性がん、パジェット病、及び炎症性乳がんを含む、乳がん;(13)限定されないが、褐色細胞腫及び副腎皮質がんを含む、副腎がん;(14)限定されないが、乳頭状又は濾胞性甲状腺がん、髄様甲状腺がん、及び未分化甲状腺がんを含む、甲状腺がん;(15)限定されないが、インスリノーマ、ガストリノーマ、グルカゴノーマ、ビポーマ、ソマトスタチン分泌腫瘍、及びカルチノイド又は膵島細胞腫瘍を含む、膵臓がん;(16)限定されないが、クッシング病、プロラクチン分泌腫瘍、先端巨大症、及び尿崩症を含む、下垂体がん;(17)限定されないが、眼の黒色腫、例えば虹彩黒色腫、脈絡膜黒色腫、毛様体黒色腫、及び網膜芽細胞腫を含む、眼がん;(18)限定されないが、扁平上皮癌、腺癌、及び黒色腫を含む、膣癌;(19)限定されないが、扁平上皮がん、黒色腫、腺がん、基底細胞がん、肉腫、及びパジェット病を含む、外陰がん;(20)限定されないが、扁平上皮がん、及び腺がんを含む、子宮頸がん;(21)限定されないが、子宮内膜がん及び子宮肉腫を含む、子宮がん;(22)限定されないが、卵巣上皮がん、境界型腫瘍、胚細胞腫瘍、及び間質性腫瘍を含む、卵巣がん;(23)限定されないが、扁平上皮がん、腺がん、腺様嚢胞がん、粘表皮がん、腺扁平上皮がん、肉腫、黒色腫、形質細胞腫、疣状がん、及び燕麦細胞(小細胞)がんを含む、食道がん;(24)限定されないが、腺がん、菌状(ポリープ状)、潰瘍形成、表在拡大型、散在性拡大型、悪性リンパ腫、脂肪肉腫、線維肉腫、及び癌肉腫を含む、胃がん;(25)結腸がん;(26)直腸がん;(27)限定されないが、肝細胞がん及び肝芽腫を含む、肝がん;(28)限定されないが、腺がんを含む、胆嚢がん;(29)限定されないが、乳頭状、結節性、及びびまん性を含む、胆管がん;(30)限定されないが、非小細胞肺がん、扁平上皮がん(類表皮がん)、腺がん、大細胞がん、及び小細胞肺がんを含む、肺がん;(31)限定されないが、胚性腫瘍、セミノーマ、未分化、古典的(典型的)、精母細胞性、非セミノーマ、胚性がん腫、奇形腫がん腫、及び絨毛がん(卵黄嚢腫瘍)を含む精巣がん;(32)限定されないが、腺癌、平滑筋肉腫、及び横紋筋肉腫を含む、前立腺がん;(33)ペナル(penal)がん;(34)限定されないが、扁平上皮がんを含む、口腔がん;(35)基底細胞がん;(36)限定されないが、腺がん、粘表皮がん、及び腺様嚢胞がん腫を含む、唾液腺がん;(37)限定されないが、扁平上皮がん及び 疣状を含む、咽頭がん;(38)限定されないが、基底細胞がん、扁平上皮がん及び黒色腫、表在性拡大型黒色腫、結節型黒色腫、黒子型悪性黒色腫、及び末端黒子型黒色腫を含む、皮膚がん;(39)限定されないが、腎細胞がん、腺がん、グラヴィッツ腫瘍、線維肉腫、及び移行上皮がん(腎盂及び/又は尿管)を含む、腎がん;(40)ウィルムス腫瘍;(41)限定されないが、移行上皮がん、扁平上皮がん、腺がん、及びがん肉腫を含む、膀胱がん;並びに、限定されないが、粘液肉腫、骨形成肉腫、内皮肉腫、リンパ管内皮肉腫、中皮腫、滑膜腫、血管芽細胞腫、上皮がん、嚢胞腺がん、気管支原性肺がん、汗腺がん、脂腺がん、乳頭がん、及び乳頭腺がんを含む、他のがんが含まれる(Fishman等, 1985, Medicine, 2版, J.B. Lippincott Co., Philadelphia及びMurphy等, 1997, Informed Decisions: The Complete Book of Cancer Diagnosis, Treatment, and Recovery, Viking Penguin, Penguin Books U.S.A., Inc., United States of America)。
所定の実施態様では、ここで提供されるコンジュゲートで治療可能ながんには、限定されないが、B細胞がん、例えば、多発性骨髄腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖病、例えば、アルファ鎖病、ガンマ鎖病、ミュー鎖病、良性単クローン性高ガンマグロブリン血症、及び免疫球性アミロイドーシス、黒色腫、乳がん、肺がん、気管支がん、結腸直腸がん、前立腺がん、膵臓がん、胃がん、卵巣がん、膀胱がん、脳又は中枢神経系がん、末梢神経系がん、食道がん、子宮頸がん、子宮又は子宮内膜がん、口腔又は咽頭のがん、肝がん、腎がん、精巣がん、胆道がん、小腸又は虫垂がん、唾液腺がん、甲状腺がん、副腎がん、骨肉腫、軟骨肉腫、及び血液組織のがんが含まれる。
所定の実施態様では、ここで提供されるコンジュゲートで治療可能ながんには、限定されないが、ヒト肉腫及びがん腫、例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨形成肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸がん、結腸直腸がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、扁平上皮がん、基底細胞がん、腺がん、汗腺がん、脂腺がん、乳頭がん、乳頭状腺がん、嚢胞腺がん、髄様がん、気管支原性がん、腎細胞がん、肝細胞がん、胆管がん、肝がん、絨毛がん、セミノーマ、胚性がん、ウィルムス腫瘍、頸部がん、骨がん、脳腫瘍、精巣がん、肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、上皮がん、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫;白血病、例えば、急性リンパ性白血病及び急性骨髄性白血病(骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性及び赤白血病);慢性白血病(慢性骨髄性(顆粒球性)白血病及び慢性リンパ性白血病);真性赤血球増加症、リンパ腫(ホジキン病及び非ホジキン病)、多発性骨髄腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、及び重鎖病が含まれる。
所定の実施態様では、がんは、限定されないが、膀胱がん、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、婦人科癌、腎癌、喉頭がん、肺がん、口腔がん、頭頸部がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、及び皮膚がんを含み、本質的に上皮性である。所定の実施態様では、がんは、乳がん、前立腺がん、肺がん、又は結腸がんである。所定の実施態様では、上皮がんは、非小細胞肺がん、非乳頭状腎細胞がん、子宮頸がん、卵巣がん(例えば、漿液性卵巣がん)、又は乳がんである。
所定の実施態様では、増殖性疾患は炎症性疾患である。所定の実施態様では、増殖性疾患は免疫障害である。所定の実施態様では、増殖性疾患は感染症である。所定の実施態様では、増殖性疾患はウイルス感染症である。
別の実施態様では、ここで提供されるのは、ここで開示される有効量のコンジュゲートを対象に投与することを含む、対象におけるナチュラルキラー細胞を調節する方法である。
また別の実施態様では、ここで提供されるのは、ここで開示される有効量のコンジュゲートを対象に投与することを含む、対象における骨髄系細胞を調節する方法である。
治療される障害、疾患、又は状態、及び対象の状態に応じて、ここで提供されるコンジュゲート又は薬学的組成物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射又は注入、皮下注射、又はインプラント)、吸入、鼻腔、膣内、直腸内、舌下、又は外用(例えば、経皮又は局所)投与経路によって投与することができ、単独で、又は各投与経路に適した薬学的に許容可能な添加物、担体、補助剤、及びビヒクルと適切な投薬単位で一緒に製剤化されうる。また提供されるのはデポ製剤でのここに提供されるコンジュゲート又は薬学的組成物の投与であり、ここで、活性成分は、予め定まった期間にわたって放出される。
ここに記載の障害、疾患、又は状態の一又は複数の症状の治療、予防、又は寛解において、適切な投薬量レベルは、一般に、約0.001から100mg/kg対象体重/日(mg/kg/日)、約0.01から約75mg/kg/日、約0.1から約50mg/kg/日、約0.5から約25mg/kg/日、又は約1から約20mg/kg/日の範囲であり、これは単一又は複数用量で投与することができる。この範囲内で、投薬量は、約0.005から約0.05、約0.05から約0.5、約0.5から約5.0、約1から約15、約1から約20、又は約1から約50mg/kg/日の範囲でありうる。
しかしながら、任意の特定の患者に対する特定の用量レベルと投薬頻度は変動し得、用いられる特定の化合物の活性、代謝安定性及びその化合物の作用の長さ、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与の方法と時間、排出速度、薬物の組み合わせ、特定の状態の重症度、及び治療を受けているホストを含む、様々な要因に依存することが理解される。
ここに提供されるコンジュゲートはまた、ここに提供されるコンジュゲートが有用である状態、障害、又は疾患の一又は複数の症状の治療、予防、又は寛解に有用な他の薬剤又は治療法と組み合わせることができ又は組み合わせて使用することができる。
適切な他の治療薬には、また、限定されないが、(1)アルファアドレナリン作用薬;(2)抗不整脈薬;(3)ACAT阻害剤などの抗アテローム性動脈硬化症薬;(4)アントラサイクリン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ダクチノマイシン、及びプリカマイシンなどの抗生物質;(5)抗がん剤及び細胞傷害性剤、例えばナイトロジェンマスタード、アルキルスルホネート、ニトロソウレア、エチレンイミン、及びトリアゼンなどのアルキル化剤;(6)アセノクマロール、アルガトロバン、ビバリルジン、レピルジン、フォンダパリヌクス、ヘパリン、フェニンジオン、ワルファリン、及びキシメラガトランなどの抗凝固剤;(7)ビグアニド(例えば、メトホルミン)、グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース)、インスリン、メグリチニド(例えば、レパグリニド)、スルホニル尿素(例えば、グリメピリド、グリブリド、及びグリピジド)、チオゾリジンジオン(例えば、トログリタゾン、ロシグリタゾン、及びピオグリタゾン)、及びPPAR-ガンマアゴニストなどの抗糖尿病薬;(8)アモロルフィン、アンホテリシンB、アニデュラファンギン、ビフォナゾール、ブテナフィン、ブトコナゾール、カスポファンギン、シクロピロックス、クロトリマゾール、エコナゾール、フェンチコナゾール、フィリピン、フルコナゾール、イソコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミカファンギン、ミコナゾール、ナフチフィン、ナタマイシン、ナイスタチン、オキシコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾール、リモシジン、セルタコナゾール、スルコナゾール、テルビナフィン、テルコナゾール、チオコナゾール、及びボリコナゾールなどの抗真菌剤;(9)抗炎症薬、例えば、アセクロフェナク、アセメタシン、アモキシプリン、アスピリン、アザプロパゾン、ベノリラート、ブロムフェナク、カルプロフェン、セレコキシブ、サリチル酸コリンマグネシウム、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、エトリコキシブ、ファイスラミン(faislamine)、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラック、ロルノキシカム、ロキソプロフェン、ルミラコキシブ、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メロキシカム、メタミゾール、サリチル酸メチル、サリチル酸マグネシウム、ナブメトン、ナプロキセン、ニメスリド、オキシフェンブタゾン、パレコキシブ、フェニルブタゾン、ピロキシカム、サリチル酸サリチル、スリンダク、スルフィンピラゾン、スプロフェン、テノキシカム、チアプロフェン酸、及びトルメチン;(10)葉酸拮抗薬、プリンアナログ、及びピリミジンアナログなどの代謝拮抗薬;(11)GPIIb/IIIa遮断薬(例えば、アブシキシマブ、エプチフィバチド、及びチロフィバン)、P2Y(AC)拮抗薬(例えば、クロピドグレル、チクロピジン及びCS-747)、シロスタゾール、ジピリダモール、及びアスピリンなどの抗血小板薬;(12)メトトレキサート、FK506(タクロリムス)、及びミコフェノール酸モフェチルなどの抗増殖剤;(13)エタネルセプト、ラパマイシン、及びレフルンイミドなどの抗TNF抗体又は可溶性TNF受容体;(14)aP2阻害剤;(15)カルベジロール及びメトプロロールなどのベータアドレナリン作用薬;(16)クエストランなどの胆汁酸吸着剤;(17)ベシル酸アムロジピンなどのカルシウムチャネル遮断薬;(18)化学療法剤;(19)セレコキシブ及びロフェコキシブなどのシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害剤;(20)シクロスポリン;(21)アザチオプリン及びシクロホスファミドなどの細胞傷害性薬;(22)クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、フルメチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、トリクロロメチアジド、ポリチアジド、ベンゾチアジド、エタクリン酸、チクリナフェン、クロルタリドン、フロセニド、ムゾリミン、ブメタニド、トリアムテレン、アミロライド、及びスピロノラクトンなどの利尿薬;(23)ホスホラミドンなどのエンドセリン変換酵素(ECE)阻害剤;(24)L-アスパラギナーゼなどの酵素;(25)第VIIa因子阻害剤及び第Xa因子阻害剤;(26)ファルネシル-タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;(27)フィブラート系薬剤;(28)PDGF活性のモジュレーターなどの増殖因子阻害剤;(29)成長ホルモン分泌促進物質;(30)プラバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン、NK-104(イタバスタチン、ニスバスタチン(nisvastatin)、又はニスバスタチン(nisbastatin)としても知られる)、及びZD-4522(ロスバスタチン、アタバスタチン、又はビサスタチンとしても知られる)などのHMG CoAレダクターゼ阻害剤;中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤;(31)糖質コルチコイド(例えば、コルチゾン)、エストロゲン/抗エストロゲン、アンドロゲン/抗アンドロゲン、プロゲスチン、及び黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗薬、及び酢酸オクトレオチドなどのホルモン剤;(32)免疫抑制剤;(33)スピロノラクトン及びエプレレノンなどの鉱質コルチコイド受容体遮断薬;(34)エクチナサイジンなどの微小管撹乱剤;(35)パクリタキセル、ドセタキセル、及びエポチロンA-Fなどの微小管安定剤;(36)MTP阻害剤;(37)ナイアシン;(38)PDE III阻害剤(例えば、シロスタゾール)及びPDE V阻害剤(例えば、シルデナフィル、タダラフィル、及びバルデナフィル)などのホスホジエステラーゼ阻害剤;(39)ビンカアルカロイド、エピポドフィロトキシン、及びタキサンなどの植物由来生成物;(40)血小板活性化因子(PAF)拮抗薬;(41)シスプラチン、サトラプラチン、及びカルボプラチンなどの白金配位錯体;(42)カリウムチャネル開口薬;(43)プレニル-タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;(44)プロテインチロシンキナーゼ阻害剤;(45)レニン阻害剤;(46)スクアレン合成酵素阻害剤;(47)アルドステロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、酢酸デオキシコルチコステロン、フルドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン(コルチゾール)、プレドニゾロン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、及びトリアムシノロンなどのステロイド;(48)テニダップなどのTNF-α阻害剤;(49)ヒルジンなどのトロンビン阻害剤;(50)アニストレプラーゼ、レテプラーゼ、テネクテプラーゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、組換えtPA、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、及びアニソイル化プラスミノーゲンストレプトキナーゼ活性化因子複合体(APSAC)などの血栓溶解剤;(51)イフェトロバンなどのトロンボキサン受容体拮抗薬;(52)トポイソメラーゼ阻害剤;(53)オマパトリラト及びゲモパトリラトなどのバソペプチダーゼ阻害剤(二重NEP-ACE阻害剤);及び(54)ヒドロキシ尿素、プロカルバジン、ミトタン、ヘキサメチルメラミン、及び金化合物などの他の種々の薬剤が含まれうる。
所定の実施態様では、ここで提供されるコンジュゲートと組み合わせて使用されうる他の治療薬には、抗がん剤及び細胞傷害剤、例えば、ナイトロジェンマスタード、アルキルスルホネート、ニトロソウレア、エチレンイミン、及びトリアゼンなどのアルキル化剤;例えば、ナイトロジェンマスタード、アルキルスルホネート、ニトロソウレア、エチレンイミン、及びトリアゼンなどのアルキル化剤が含まれる。
所定の実施態様では、ここで提供されるコンジュゲートと組み合わせて使用することができる他の治療薬には、限定されないが、免疫チェックポイント調節因子が含まれる。所定の実施態様では、免疫チェックポイント調節因子は、PD-1阻害剤である。所定の実施態様では、免疫チェックポイント調節因子は、PD-L1阻害剤である。所定の実施態様では、PD-1阻害剤は、抗PD-1抗体又はその抗原結合断片である。所定の実施態様では、PD-L1阻害剤は、抗PD-L1抗体又はその抗原結合断片である。所定の実施態様では、免疫チェックポイント調節因子は、PD-1とPD-L1との間の相互作用を遮断する。
所定の実施態様では、ここで提供されるコンジュゲートと組み合わせて使用することができる他の治療薬には、限定されないが、T細胞共刺激分子と免疫チェックポイント調節因子が含まれる。所定の実施態様では、T細胞共刺激分子は、OX40、CD2、CD27、CDS、ICAM-1、LFA-1/CD11a/CD18、ICOS/CD278、4-1BB/CD137、GITR、CD30、CD40、BAFFR、HVEM、CD7、LIGHT、NKG2C、SLAMF7、NKp80、CD160、B7-H3、又はCD83、又はそれらのリガンドである。所定の実施態様では、T細胞共刺激分子は、抗OX40抗体、抗ICOS/CD278抗体、又は抗4-1BB/CD137抗体、又はそれらの抗原結合断片である。所定の実施態様では、免疫チェックポイント調節因子は、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM-3、LAG-3、CEACAM-1、CEACAM-5、CLTA-4、VISTA、BTLA、TIGIT、LAIR1、CD47、CD160、2B4、CD172a、及びTGFRから選択される免疫チェックポイント分子の阻害剤である。所定の実施態様では、免疫チェックポイント調節因子は、抗CD47抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、又はそれらの抗原結合断片である。
所定の実施態様では、ここで提供されるコンジュゲートと組み合わせて使用することができる他の治療法には、限定されないが、外科手術、内分泌療法、生物学的反応修飾物質(例えば、インターフェロン、インターロイキン、及び腫瘍壊死因子(TNF))、温熱療法と寒冷療法、及び副作用を減弱させる薬剤(例えば、制吐薬)が含まれる。
そのような他の薬剤又は薬物は、ここで提供されるコンジュゲートと同時に又は逐次的に、そのために通例使用される経路及び量で投与することができる。ここで提供されるコンジュゲートを一又は複数の他の薬物と同時に使用する場合、ここで提供されるコンジュゲートに加えてそのような他の薬物を含む薬学的組成物を利用することができるが、必須ではない。従って、ここで提供される薬学的組成物は、ここで提供されるコンジュゲートに加えて、一又は複数の他の活性成分又は治療剤をまた含むものを含む。
所定の実施態様では、ここに提供されるコンジュゲートは、第二抗体、例えば、がんによって発現される抗原に結合する抗体(例えば、有効量の第二抗体)と組み合わせて投与される。がんによって発現される例示的な抗原は、当該技術分野で知られており、限定されないが、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD38、CD52、CD56、CD70、CD74、CD79b、CD123、CD138、CS1/SLAMF7、Trop-2、5T4、EphA4、BCMA、ムチン1、ムチン16、PTK7、PD-L1、STERAP1、エンドセリンB受容体、メソテリン、EGFRvIII、ENPP3、SLC44A4、GNMB、ネクチン4、NaPi2b、LIV-1A、グアニリルシクラーゼC、DLL3、EGFR、HER2、VEGF、VEGFR、インテグリンαVβ3、インテグリンα5β1、MET、IGF1R、TRAILR1、TRAILR2、RANKL、FAP、テネイシン、Ley、EpCAM、CEA、gpA33、PSMA、TAG72、ムチン、CAIX、EPHA3、葉酸受容体α、GD2、GD3、及びNY-ESO-1/LAGE由来のペプチドを含むMHC/ペプチド複合体、SSX-2、MAGEファミリータンパク質、MAGE-A3、gp100/pmel17、メラン-A/MART-1、gp75/TRP1、チロシナーゼ、TRP2、CEA、PSA、TAG-72、未成熟ラミニン受容体、MOK/RAGE-1、WT-1、SAP-1、BING-4、EpCAM、MUC1、PRAME、サバイビン、BRCA1、BRCA2、CDK4、CML66、MART-2、p53、Ras、β-カテニン、TGF-βRII、HPV E6、又はHPVE7を含む。所定の実施態様では、ここで提供されるコンジュゲートは、タラコツズマブ(CSL362及びJNJ-56022473としても知られる)などの、CD123(IL-3受容体アルファとしても知られる)に結合するモノクローナル抗体と組み合わせて投与される。所定の実施態様では、ここで提供されるコンジュゲートは、EGFRに結合するモノクローナル抗体(セツキシマブなど)と組み合わせて投与される。所定の実施態様では、二次抗体は、一又は複数のエフェクター機能、例えば、限定されないが、ADCC又はADCP、及び/又は補体依存性細胞傷害(CDC)を含む、免疫細胞上のFc受容体(FcR)結合に関連するエフェクター機能を含む。理論に拘束されることを望まないが、そのような抗体をここで提供されるコンジュゲートと組み合わせることが、例えば、NK又は骨髄系細胞の活性を調節しながら第二抗体が結合する腫瘍細胞を標的とするようFcR発現白血球を方向づけるのに、特に有利であると考えられる。
所定の実施態様では、ここに提供されるコンジュゲートは、免疫療法剤(例えば、有効量の免疫療法剤)と組み合わせて投与される。免疫療法剤は、免疫系を標的とし、共刺激経路のモジュレーター、がんワクチン、組換え修飾免疫細胞などの免疫系の治療的リダイレクションを促進する任意の治療薬を指しうる。例示的及び非限定的な免疫療法剤は、以下に記載される。理論に拘束されることを望まないが、ここに提供されるコンジュゲートは、例えば、腫瘍細胞を標的とするマクロファージ及びTエフェクター細胞などの他の免疫細胞の両方を活性化することで、腫瘍細胞を標的とする相補的な作用機序のため免疫療法剤との使用に適していると考えられる。
所定の実施態様では、免疫療法剤は抗体を含む。免疫療法抗体の例示的抗原は、当該技術分野において知られており、限定されないが、BDCA2、BDCA4、ILT7、LILRB1、LILRB2、LILRB3、LILRB4、CSF-1R、CD40、CD40L、CD163、CD206、DEC205、CD47、CD123、IDO、TDO、41BB、CTLA4、PD1、PD-L1、PD-L2、TIM-3、BTLA、VISTA、LAG-3、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、HVEM、CCR4、CD25、CD103、KIrg1、Nrp1、CD278、Gpr83、TIGIT、CD154、CD160、PVRIG、DNAM、及びICOSを含む。承認されており、又は後期臨床試験中の免疫療法剤には、限定されないが、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ等が含まれる。所定の実施態様では、本開示の抗体は、PD-L1/PD-1経路の阻害剤、例えば、抗PD-L1又は抗PD-1抗体と組み合わせて投与される。ここで証明されるように、本開示の抗SIRP-α抗体とPD-L1/PD-1経路の阻害剤の併用投与は、相乗的な抗腫瘍活性をもたらしうる。
所定の実施態様では、免疫療法剤は、ワクチン、腫瘍退縮ウイルス、養子細胞療法、サイトカイン、又は小分子免疫療法剤を含む。そのような免疫療法剤の例は当該技術分野で知られている。例えば、養子細胞療法と治療薬には、限定されないが、キメラ抗原受容体T細胞療法(CAR-T)、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、TCR操作NK細胞、及びマクロファージ細胞産物が含まれる。ワクチンには、限定されないが、ポリヌクレオチドワクチン、ポリペプチドワクチン、又は細胞ベース(例えば、腫瘍又は樹状細胞ベース)のワクチンが含まれうる。がんの治療に有用な様々なサイトカインが知られており、限定されないが、IL-2、IL-15、IL-7、IL-10、及びIFNが含まれる。小分子免疫治療剤には、限定されないが、IDO/TDO阻害剤、アルギナーゼ阻害剤、A2aR阻害剤、TLRアゴニスト、STINGアゴニスト、及びRig-1アゴニストが含まれる。
所定の実施態様では、ここで提供されるコンジュゲートは、限定されないが、メトトレキサート(RHEUMATREX(登録商標)、アメトプテリン)シクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))、サリドマイド(THALIDOMID(登録商標))、アクリジンカルボキサミド、アクチミド(登録商標)、アクチノマイシン、17-N-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン、アミノプテリン、アムサクリン、アントラサイクリン、抗悪性腫瘍薬(antineoplastic)、抗新生物薬(antineoplaston)、5-アザシチジン、アザチオプリン、BL22、ベンダムスチン、ビリコダール、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ボスタチン、ブスルファン、カリクリン、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、ダカルバジン、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、ジクロロ酢酸、ディスコードオリド(discode olide)、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エリブリン、エストラムスチン、エトポシド、エキサテカン、エキシスリンド、フェルギノール、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フォスフェストロール、フォテムスチン、ガンシクロビル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、IT-101、イダルビシン、イフォスファミド、イミキモド、イリノテカン、イロフルベン、イキサベピロン、ラニキダール、ラパチニブ、レナリドミド、ロムスチン、ルルトテカン、マフォスファミド、マソプロコール、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ネララビン、ニロチニブ、オブリメルセン、オキサリプラチン、PAC-1、パクリタキセル、ペメトレキセド、ペントスタチン、ピポブロマン、ピキサントロン、プリカマイシン、プロカルバジン、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、ラルチトレキセド、レベッカマイシン、レブリミド(登録商標)、ルビテカン、SN-38、サリノスポラミドA、サトラプラチン、ストレプトゾトシン、スウェインソニン、タリキダール、タキサン、テガフールウラシル、テモゾロミド、テストトラクトン、チオテパ、チオグアニン、トポテカン、トラベクテジン、トレチノイン、四硝酸トリプラチン、トリス(2-クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラシルマスタード、バルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリノスタット、又はゾスキダルを含む治療剤との組み合わせで投与される。
所定の実施態様では、ここで提供されるコンジュゲートは、限定されないが、3F8、8H9、アバゴボマブ、アブシキシマブ、アビツズマブ、アブリルマブ、アクトクスマブ、アダリムマブ、アデカツムマブ、アデュカヌマブ、アフェリモマブ、アフツズマブ、アラシズマブペゴル、ALD518、アレムツズマブ、アリロクマブ、アルツモマブペンテテート、アマツキシマブ、アナツモマブマフェナトックス、アネツマブラブタンシン、アニフロルマブ、キンズマブ(IMA-638)、アポリズマブ、アルシツモマブ、アスクリンバクマブ、アセリズマブ、アテゾリズマブ、アチヌマブ、アトリズマブ(トシリズマブ)、アトロリムマブ、バピネオズマブ、バシリキシマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベゲロマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベルチリムマブ、ベシレソマブ、ベバシズマブ、ベズロトクスマブ、ビシロマブ、ビマグルマブ、ビメキズマブ、ビバツズマブメルタンシン、ブリナツモマブ、ブロソズマブ、ボコシズマブ、ブレンツキシマブベドチン、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ、ブロルシズマブ、ブロンチクツズマブ、カナキヌマブ、カンツズマブメルタンシン、カンツズマブラブタンシン、カプラシズマブ、カプロマブペンデチド、カルルマブ、カツマキソマブ、cBR96-ドキソルビシン免疫複合体、CC49、セデリズマブ、セルトリズマブペゴル、セツキシマブ、Ch.14.18、シタツズマブボガトックス、シクスツムマブ、クラザキズマブ、クレノリキシマブ、クリバツズマブテトラキセタン、コドリツズマブ、コルツキシマブラブタンシン(Coltuximab ravtansine)、コナツムマブ、コンシズマブ、クレネズマブ、CR6261、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダロツズマブ、ダピロリズマブペゴル、ダラツムマブ、デクトレクマブ、デムシズマブ、デニンツズマブマフォドチン、デノスマブ、デルロツキシマブビオチン、デツモマブ、ジヌツキシマブ、ディリダブマブ、ドルリモマブアリトックス(Dorlimomab aritox)、ドロジツマブ、デュリゴツズマブ(Duligotumab)、デュピルマブ、デュルバルマブ、デュシギツマブ(Dusigitumab)、エクロメキシマブ、エクリズマブ、エドバコマブ、エドレコロマブ、エファリズマブ、エングマブ、エルデルマブ、エルゲムツマブ、エロツズマブ、エルシリモマブ、エマクツズマブ、エミベツズマブ、エナバツズマブ、エンフォルツマブベドチン、エンリモマブペゴル、エノブリツズマブ、エノキズマブ、エノチクマブ、エンシツキシマブ(Ensituximab)、エピツモマブシテュウキセタン(Epitumomab cituxetan)、エプラツズマブ、エルリズマブ(Erlizumab)、エルツマクソマブ、エタラシズマブ、エトロリズマブ、エビナクマブ、エボロクマブ、エクスビビルマブ、ファノレソマブ、ファラリモマブ、ファーレツズマブ、ファシヌマブ、FBTA05、フェルビズマブ、フェザキヌマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フィリブマブ、フランボツマブ、フレチクマブ、フォントリズマブ、フォラルマブ、フォラビルマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ(Fulranumab)、フツキシマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ガンテネルマブ、ガビリモマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゲボキズマブ、ギレンツキシマブ(Giren-tuximab)、グレンバツムマブベドチン、ゴリムマブ、ゴミリキシマブ、グセルクマブ、イバリズマブ、イブリツモマブチウキセタン、イクルクマブ、イダルシズマブ、イゴボマブ、IMAB362、イマルマブ、イムシロマブ、イムガツズマブ、インクラクマブ、インダツキシマブラブタンシン(Indatuximab ravtansine)、インダサツマブベドチン(Indusatumab vedotin)、イニキシマブ(In iximab)、インテツムマブ、イノリモマブ、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、イラツムマブ、イサツキシマブ、イトリズマブ、イキセキズマブ、ケリキシマブ、ラベツズマブ、ランブロリズマブ、ランパリズマブ、レブリキズマブ、レマレソマブ、レンジルマブ、レルデリムマブ、レキサツムマブ、リビビルマブ、リファスツズマブベドチン、リゲリズマブ、リロトマブサテトラキセタン、リンツズマブ、リリルマブ、ロデルシズマブ、ロキベットマブ、ロルボツズマブメルタンシン、ルカツムマブ、ルリズマブペゴル、ルミリキシマブ、ルムレツズマブ、マパツムマブ、マルゲツキシマブ、マスリモマブ、マブリリムマブ、マツズマブ、メポリズマブ、メテリムマブ、ミラツズマブ、ミンレツモマブ、ミツモマブ、モガムリズマブ、モロリムマブ、モタビズマブ、モクセツモマブパスドトックス、ムロモナブ-CD3、ナコロマブタフェナトックス、ナミルマブ、ナプツモマブエスタフェナトックス、ナマツマブ(Namatumab)、ナタリズマブ、ネバクマブ、ネシツムマブ、ネモリズマブ、ネレリモマブ、ネスバクマブ、ニモツズマブ、ニボルマブ、ノフェツモマブメエンタン(Nofetumomab me entan)、オビルトキサキシマブ、オカラツズマブ、オクレリズマブ、オドゥリモマブ(Odulimomab)、オファツムマブ、オララツマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オンツキシズマブ、オピシヌマブ、オポルツズマブモナトックス、オレゴボマブ、オルチクマブ、オテリキシズマブ、オトレルツズマブ、オクセルマブ(Oxelumab)、オザネズマブ、オゾラリズマブ、パギバキシマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、パンコマブ、パノバクマブ、パルサツズマブ、パスコリズマブ、パソツキシズマブ、パテクリズマブ、パトリツマブ、ペムブロリズマブ、ペムツモマブ、ペラキズマブ、ペルツズマブ、ペキセリズマブ、ピジリズマブ、ピナツズマブベドチン、ピンツモマブ、プラクルマブ(Placulumab)、ポラツズマブベドチン、ポネズマブ、プリリキシマブ、プリトキサキシマブ、プリツムマブ、PRO140、キリズマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラビルマブ、ラルパンシズマブ、ラムシルマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、レファネズマブ、レガビルマブ、レスリズマブ、リロツムマブ、リヌクマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、ロレドマブ(Roledumab)、ロモソズマブ、ロンタリズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、サマリズマブ、サリルマブ、サツモマブペンデチド、セクキヌマブ、セリバンツマブ、セトキサキシマブ、セビルマブ、シブロツズマブ、SGN-CD19A、SGN-CD33A、シファリムマブ、シルツキシマブ、シムツズマブ、シプリズマブ、シルクマブ、ソツズマブベドチン、ソラネズマブ、ソリトマブ、ソネプシズマブ、ソンツズマブ、スタムルマブ、スレソマブ、スビズマブ、タバルマブ、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、タネズマブ、タプリツマブパプトックス、タレクツマブ(Tarextumab)、テバズマブ(Te bazumab)、テリモマブアリトックス、テナツモマブ、テネリキシマブ、テプリズマブ、テプロツムマブ、テシドルマブ、TGN1412、チシリムマブ(トレメリムマブ)、ティルドラキズマブ、チガツズマブ、TNX650、トシリズマブ(アトリズマブ)、トラリズマブ、トサトクスマブ、トシツモマブ、トベツマブ、トラロキヌマブ、トラスツズマブ、TRBS07、トレガリズマブ、トレメリムマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ツビルマブ、ウブリツキシマブ、ウロクプルマブ、ウレルマブ、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ、バンドルツズマブベドチン、バンチクツマブ、バヌシズマブ、バパリキシマブ、バルリルマブ(Varlilumab)、バテリズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ベパリモマブ、ベセンクマブ、ビシリズマブ、ボロシキシマブ、ボルセツズマブマフォドチン、ボツムマブ(Votumumab)、ザルツムマブ、ザノリムマブ、ザツキシマブ、ジラリムマブ、又はゾリモマブアリトックス(Zolimomab aritox)を含む治療剤との組み合わせで投与される。
限定されないが、がん腫、肉腫、リンパ腫、白血病、リンパ腫、及び芽細胞腫などの、当該技術分野で知られている任意のがん型が含まれうる。そのようながんのより具体的な例には、限定されないが、肺がん、扁平上皮がん、脳腫瘍、神経膠芽細胞腫、頭頸部がん、肝細胞がん、結腸直腸がん(例えば、結腸又は直腸がん)、肝臓がん、膀胱がん、胃(gastric又はstomach)がん、膵臓がん、子宮頸がん、卵巣がん、尿路がん、乳がん、腹膜がん、子宮がん、唾液腺がん、腎臓(kidney又はrenal)がん、前立腺がん、外陰がん、甲状腺がん、肛門がん 、陰茎がん、黒色腫、多発性骨髄腫及びB細胞リンパ腫(非ホジキンリンパ腫(NHL)を含む);急性リンパ芽球性白血病(ALL);慢性リンパ性白血病(CLL);急性骨髄性白血病(AML);メルケル細胞がん;へアリー細胞白血病;慢性骨髄性白血病(CML);及び関連する転移が含まれる。
ここで提供されるコンジュゲートはまた当業者に周知の包装材料を使用する製造品として提供することができる。例えば、米国特許第5323907号;第5052558号;及び第5033252号を参照のこと。薬学的包装材料の例には、限定されないが、ブリスターパック、ボトル、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、シリンジ、及び選択された製剤と意図された投与と治療の方法に適した任意の包装材料が含まれる。
ここにまた提供されるのは、医療従事者によって使用される場合、対象への適切な量の活性成分の投与を簡素化することができるキットである。所定の実施態様では、ここに提供されるキットは、容器とここに提供されるコンジュゲートの剤形を含む。
所定の実施態様では、キットは、ここに記載される一又は複数の他の治療薬を含む容器中にここに提供されるコンジュゲートの剤形を含む容器を含む。
ここで提供されるキットは、活性成分を投与するために使用される装置を更に含みうる。そのような装置の例には、限定されないが、シリンジ、無針注射器ドリップバッグ、パッチ、及び吸入器が含まれる。ここで提供されるキットはまた活性成分の投与のためのコンドームを含みうる。
ここで提供されるキットは、一又は複数の活性成分を投与するために使用することができる薬学的に許容可能なビヒクルを更に含みうる。例えば、非経口投与のために再構成しなければならない固体形態で活性成分が提供される場合、キットは、活性成分を溶解して非経口投与に適した粒子のない滅菌溶液を形成することができる適切なビヒクルの密封容器を含みうる。薬学的に許容可能なビヒクルの例には、限定されないが、注射用水USP、塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、デキストロース注射液、デキストロース及び塩化ナトリウム注射液、及び乳酸リンゲル注射液を含む、水性ビヒクル;限定されないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールを含む、水混和性ビヒクル;及び限定されないが、コーン油、綿実油、落花生油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルを含む、非水性ビヒクルが含まれる。
開示は次の非限定的実施例によって更に理解される。
実施例1.ヌクレオチドとポリヌクレオチドの合成と精製
免疫調節性ポリヌクレオチドとその前駆体の例示的合成を以下に記載する。
[前駆体]
本発明のポリヌクレオチドの調製に有用な前駆体は、国際公開第2015/188197号に提供されている(例えば、ホスホラミダイト、ターゲティング部分、及びPEG鎖を含む生物可逆性基)。
[ホスホラミダイトと他のモノマー]
本発明のポリヌクレオチドの合成に有用なヌクレオシド含有中間体は、国際公開第2015/188197号に開示されている(国際公開第2015/188197号における例えば化合物U1-U54、A1-A15、C1-9、及びG1-G12)。
市販のホスホラミダイトは、Glen Research(Sterling,VA)又はChemGenes(Wilmington,MA)から購入した。他のホスロアミダイトを、必要に応じて、ここでの他の場所に記載した標準的反応条件を使用して適切に保護されたヌクレオシドから調製した。
[化合物S61B]
DCM(5.0mL)中のS61(0.48g,2.0mmol)の溶液に、S61A(0.60g,2.0mmol)とETT(アセトニトリル中0.25M,4.8mL,1.2mmol)を加えた。混合物を2時間撹拌した。揮発性物質の蒸発により残留物を得、これを、酢酸エチル/ヘキサンを使用してフラッシュシリカゲルカラム精製(Combi Flash Rf機器で0-30%勾配)に供し、無色の油として化合物S61B(0.49g,55%)を得た。
31P NMR(202MHz,CDCl
3;ppm):δ147.83(s)。
[化合物S108]
ジオキサン(100mL)中の2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エタノール(S108A,25.0g,167mmol)及びN-メチルモルホリン(21.0mL,191mmol)の撹拌混合物に、ジオキサン(50mL)中のFmoc-OSu(62.2g,184mmol)の溶液を滴下して加えた。一晩撹拌した後、反応物を真空中で濃縮して、淡黄色の油を得た。粗物質をEtOAcに再溶解し、飽和NaHCO
3(水性)及びブラインで洗浄した。有機層を真空中で除去して油を得、これをSiO
2クロマトグラフィーによって精製して、FmocNH-PEG2-OH(S108,55g,88%収率)を得た。ESI+ m/z 計算値371.4,実測値372.2[M+H]
+。
X1及びX2脱塩基スペーサー合成-一般スキーム:
[化合物S110]
アルゴン下0℃においてTHF(40mL)中のNaH(13.2g,鉱物油中60%,230.0mmol)の懸濁液に、THF(20mL)中のジオール(S109,4.92g,22.0mmol)の溶液を滴下して加えた;得られた混合物を室温まで温め、1時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、THF(25mL)中の臭化プロパルギル(18.6g,158.4mmol)の溶液をゆっくりと加え、得られた混合物を室温まで温め、40℃において一晩撹拌した。TLCで観察して生成物が消費した後、0℃で水を滴下して加えて反応をクエンチし、得られた混合物をジクロロメタン(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて残留物を得、これを、ISCOコンパニオン(ヘキサン/酢酸エチル,0-30%)を使用してフラッシュシリカゲルカラムによって精製して、5.92g(89.5%)の化合物S110を油として得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3;ppm):δ7.49-7.47(dd,J8.0,1.5Hz,2H),7.38-7.34(m,3H),5.43(s,1H),4.21(d,J2.5Hz,2H),4.12(t,J2.5Hz,4H),4.10(s,1H),3.91(s,1H),3.89(s,1H),3.37(s,2H);C
18H
20O
4に対するESI MS 計算値300.34,実測値[M+H]
+301.3。
[化合物S111]
ビス-プロパルギル化合物S110(5.9g,19.64mmol)を酢酸/水混合物(60mL,75:25)に溶解させ、50℃において反応を2時間継続した。反応の完了後、溶液を蒸発させ、トルエン(2×20mL)で共蒸発させた。残留物を、ISCOコンパニオン(ヘキサン/酢酸エチル、20-80%)を使用するフラッシュシリカゲルカラムを使用して、ワークアップなしで直接精製して、3.02g(72.5%)の化合物S111を油として得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3:ppm):δ4.15(d,J2.5Hz,4H),3.68(s,4H),3.59(s,4H),2.44(t,J2.5Hz,2H),2.30-2.40(br,2H);C
11H
16O
4に対してのESI MS 計算値212.24,実測値[M+H]
+213.2。
[化合物S112]
0℃においてジクロロメタン(25mL)中のジオールS111(3.0g,14.2mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.15mL,17.0mmol)、及びDMAP(0.36g,2.83mmol)の溶液に、ジクロロメタン(40mL)中のジメトキシトリチルクロリド(4.8g,14.2mmol)の溶液を滴下して加え、室温において一晩反応を続けた。混合物をジクロロメタンで希釈し、水と続いてブラインで洗浄し、有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。得られた残留物を、ISCOコンパニオン(ヘキサン/酢酸エチル,0-40%)を使用してフラッシュシリカゲルカラムで精製し、5.29g(73%)のモノDMT保護化合物S112を白色固形物として得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3:ppm):δ7.4-7.42(m,2H),7.32-7.31(m,4H),7.28-7.25(m,2H),6.84-6.81(m,4H),4.09(d,J2.5Hz,4H),3.79(s,6H),3.67(d,J6.0Hz,2H),3.64-3.56(m,4H),3.13(s,2H),2.39(t,J2.5Hz,2H);C
32H
34O
6に対するESI MS 計算値514.6,実測値[M+Na]
+ 537.4。
[化合物S113]
ジクロロメタン(4mL)中のDMT保護化合物S112(0.5g,0.98mmol)の溶液に、室温においてジクロロメタン(3mL)中の2’-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホラミダイト(0.58g,1.95mmol)の溶液を、ついでアルゴン雰囲気下で5-ベンジルチオ-1H-テトラゾール(BTT;アセトニトリル中の0.25M溶液,0.78mL,0.18mmol)を滴下して加えた。反応を開始物質が消失するまで継続し(2時間)、粗混合物を20mLのジクロロメタンで希釈し、飽和NaHCO
3溶液(10mL)とブライン(10mL)で順次洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を真空中で蒸発させ、3%のトリエチルアミンを含む酢酸エチル/ヘキサンを共溶媒として使用する(Combi Flash Rf機器で0-30%勾配)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、0.53gの化合物S113(75%)を油として得た。C
41H
51N
2O
7Pに対するESI MS 計算値714.82,実測値715.6[M+H]
+;
31P NMR(202MHz,CDCl
3):δ147.89。
[化合物S114]
アルゴン雰囲気下で8.0mLの無水ジクロロメタン中のDMT保護化合物S112(0.98g,1.9mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.39mL,2.09mmol)の-78℃溶液に、ビス-(N,N-ジイソプロピルアミノ)-クロロホスフィン(0.56g,2.09mmol)のジクロロメタン(4.0mL)溶液を滴下して加えた。反応混合物を、撹拌を1時間維持しながら、室温まで温めた。2.0mLの無水ジクロロメタン中の3-ブチン-1-オール(0.14g,1.9mmol)の溶液を室温において加えた;得られた混合物を10分間撹拌し、その時点でアセトニトリル中のETTの0.25M溶液(4.6mL,1.15mmol)を加え、更に3時間撹拌を続けた。TLCによる出発物質の消失により観察して、反応完了後、粗混合物を20mLのジクロロメタンで希釈し、飽和NaHCO
3溶液(10mL)とブライン(10mL)で順次洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。揮発性物質を真空中で蒸発させ、粗混合物を、溶媒系として3%のトリエチルアミンと共に酢酸エチル/ヘキサン(Combi Flash Rf機器で0-40%勾配)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、0.33gの化合物S114(25%)を油として得た。C
42H
52NO
7Pに対するESI MS 計算値713.83,実測値714.7[M+H]
+;
31P NMR(202MHz,CDCl
3):δ146.89。
X3及びX4脱塩基スペーサーの合成-一般スキーム:
[化合物S116]
化合物S116を、化合物S110について記載したプロトコルを使用して油として91%の収率で調製した。
1H NMR(500MHz,CDCl
3;ppm):δ7.51(d,J7.5Hz,2H),7.37-7.32(m,3H),5.56(s,1H),3.37-3.35(m,4H),4.10-4.07(dd,J13.0Hz,J2.5Hz,2H),3.65-3.64(m,1H),2.43-2.42(t,J6.5Hz,1H);C
13H
14O
3に対するESI MS
計算値218.24,実測値[M+H]
+ 219.2。
[化合物S117]
化合物S117を、化合物S111について記載したプロトコルを使用して油として91%の収率で調製した。
1H NMR(500MHz,CDCl
3;ppm):δ4.33(s,2H),3.83-3.70(m,5H),2.48(s,1H),2.04(br,2H);C
6H
10O
3に対するESI MS 計算値130.14,実測値[M+Na]
+153.0。
[化合物S118]
化合物S118を、化合物S112について記載したプロトコルを使用して白色固形物として54%の収率で調製した。
1H NMR(500MHz,CDCl
3;ppm):δ7.43(d,J7.5Hz,2H),7.37-7.27(m,5H),7.23-7.16(m,2H),6.83(d,J9.0Hz,3H),6.78-6.76(dd J8.5Hz,1H),4.35-4.22(m,2H),3.77(s,6H)3.76-3.72(m,2H),3.71-3.64(m,1H),3.27-3.19(m,2H),2.48(t,J4.5Hz,1H),2.03-1.96(m,1H);C
27H
28O
5に対するESI MS 計算値432.50,実測値[M+Na]
+ 455.4。
[化合物S119]
化合物S119を、化合物S113について記載したプロトコルを使用して油として86%の収率で調製した。C
36H
45N
2O
6Pに対するESI MS 計算値432.72,実測値433.5[M+H]
+;
31P NMR(202MHz,CDCl
3):δ149.05,148.96。
[化合物S120]
化合物S120を、化合物S114について記載したプロトコルを使用して油として47%の収率で調製した。C
37H
46NO
6Pに対するESI MS 計算値431.73,実測値432.5[M+H]
+;
31P NMR(202MHz,CDCl
3):δ147.80,147.71。
X5及びX6脱塩基スペーサーの合成-一般スキーム:
[化合物S121]
ジオキサン(25mL)中のS116(4.0g,22.2mmol)の溶液に最小量の水に溶解したKOH(0.12g,2.2mmol)の溶液を加え、得られた混合物を室温において少なくとも30分間撹拌した。この混合物を0℃に冷却し、ジオキサン(15mL)中のアクリロニトリル(2.35g,44.4mmol)の溶液を滴下して加え、得られた混合物を室温において一晩反応させた。揮発性物質を真空中で蒸発させ、残留物を水で希釈し、pHを中性近くに調整した。粗生成物を酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて残留物を得、これを、ISCOコンパニオン(ジクロロメタン/メタノール,0-5%)を使用するフラッシュシリカゲルカラムによって精製して、3.1g(60%)の化合物S121を白色固形物として得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3;ppm):δ7.49(d,J7.0Hz,2H),7.36-7.34(m,3H),5.56(s,1H),3.36(d,J 13.0Hz 2H),4.10-4.07(dd,J 13.0Hz,J 2.0Hz,2H),3.84(t,J 6.5Hz,2H),3.42(m,1H),3.69(t,J 6.5Hz,2H);C
13H
15NO
3に対するESI MS 計算値233.2,実測値[M+Na]
+ 256.3。
[化合物S122]
0℃でのTHF(10mL)中の水素化アルミニウムリチウム(0.83g,4.0mmol)の懸濁液に、THF(15mL)中の化合物S121(1.28g,5.5mmol)の溶液を滴下して加え、得られた混合物を室温まで温め、撹拌を3時間続けた。反応の完了後、反応混合物を0℃に冷却し、必要に応じて水(約2-3mL)を滴下して加えてクエンチした。追加の約8mLの水を加え、粗生成物を酢酸エチル(2×25mL)に抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて化合物S122を得、これを更に精製することなく次の工程で使用した。
1H NMR(500MHz,CDCl
3;ppm):δ7.49(d,J 7.0Hz,2H),7.40-7.32(m,3H),5.55(d,J 5.0Hz,1H),4.34(d,J 13.0Hz,1H),4.20-4.11(dd,J 12.0Hz 4H),4.05-4.03(d,J 13.0Hz,J 2.0Hz,1H),3.66-3.62(m,2H),3.27(m,1H),2.86(t,J 6.5Hz,1H),2.16(br,2H);C
13H
19NO
3に対するESI MS 計算値237.2,実測値[M+H]
+ 238.2。
[化合物S123]
0℃でのジクロロメタン(8mL)中の化合物S122(1.0g,4.2mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.3mL,12.6mmol)に、Fmoc-OSu(1.7g,5.0mmol)の溶液を滴下して加え、得られた混合物を室温において3時間反応させた。完了後、反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、水と続いてブラインで洗浄した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて残留物を得た。残留物を、ISCOコンパニオン(ヘキサン/酢酸エチル,0-50%)を使用するフラッシュシリカゲルカラムによって精製して、0.65g(35%)の化合物S123を白色固形物として得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3;ppm):δ7.75(d,J 7.5Hz,2H),7.58(d,J 7.5Hz,2H),7.51(d,J 7.5Hz,2H),7.37(t,J 7.5Hz,2H),7.31-7.26(m,5H),5.57(s,1H),5.48(br,1H),4.46-4.32(m,4H),4.15(d,J 7.0Hz,1H),4.06(t,J 12.5Hz 2H),3.67(m,2H),3.54(m,2H),3.41(s,1H),1.88(t,J 6.0Hz,2H);C
28H
29NO
5に対するESI MS 計算値459.5,実測値[M+Na]
+ 482.5。
[化合物S124]
化合物S124を、化合物S111について記載したプロトコルを使用して、油として定量的収率で調製した。
1H NMR(500MHz,CDCl
3;ppm):δ7.76(d,J 7.5Hz,2H),7.58(d,J 7.5Hz,2H),7.39(t,J 7.5Hz,2H),7.32(t,J 7.5Hz,2H),5.18(br,1H),4.44(d,J 6.5Hz,2H),4.21(t,J 6.5Hz,1H),4.76-4.73(dd,J 11.5,3.5Hz 2H),3.67-60(m,4H),3.42(m,1H),3.37(br,2H),2.07(m,2H),1.75(br,2H);C
21H
25NO
5に対するESI MS 計算値371.4,実測値[M+Na]
+ 394.3。
[化合物S125]
化合物S125を、化合物S112について記載したプロトコルを使用して、白色固形物として48%の生成物(S125)収率で調製した。
1H NMR(500MHz,CDCl
3;ppm):δ7.75(t,J 7.5Hz,2H),7.58(t,J 7.5Hz,2H),7.40-7.38(m,3H),7.32-27(m,7H),7.18-7.16(m,3H),6.83(t,J 7.0Hz,4H),5.16(br,1H),4.44(d,J 6.5Hz,2H),4.20(m,1H),3.80(s,3H),3.79(m,1H),3.76(s,3H),3.74(m,2H),3.66-3.62(m,4H),3.43-3.37(m,2H),2.31(br,1H),1.76(br,2H);C
42H43NO
7に対するESI MS 計算値673.7,実測値[M+Na]
+ 696.7。
[化合物S126]
化合物S126を、化合物S113について記載したプロトコルを使用して、油として78%の生成物(S126)収率で調製した。C
51H
60N
3O
8Pに対するESI MS 計算値874.0,実測値896.9[M+Na]
+,913.0[M+K]
+;
31P NMR(202MHz,CDCl
3;ppm):δ148.90,148.76。
脱塩基スペーサーS131の合成-一般スキーム:
[化合物S127]
アルゴン下でジクロロメタン(50mL)中のS109(2.56g,11.4mmol)の溶液に、ブロモアセトニトリル(3.01g,25.1mmol)、酸化銀(I)(5.28g,22.8mmol)、及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.84g,2.28mmol)を加え、得られた混合物を一晩撹拌した。混合物をセライト(登録商標)で濾過し、濾液を蒸発させて黒色残留物を得、これをISCOコンパニオン(ヘキサン/酢酸エチル,15-90%)でのフラッシュシリカゲルカラム精製に供して、1.34g(39%)の所望の化合物S127を粘稠な油として得た。C
16H
18N
2O
4に対するESI MS 計算値302.3,実測値[M+H]
+ 303.3。
[化合物S128]
THF(30mL)中の化合物S127(1.34g,4.43mmol)の溶液に、アルゴン下でTHF(2M,8.9mL,17.7mmol)中のLiAlH
4の溶液を加え、混合物を4時間55℃に加熱した。THF中のLiAlH
4のもう一部(2M,4mL,8.0mmol)を加え、撹拌を4時間続けた。反応の完了後、混合物を室温まで冷却し、Na
2SO
4・10H
2Oでクエンチした。固形物を濾別し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を無水Na
2SO
4で乾燥させた。混合物を濾過し、蒸発させて残留物を得、これをジクロロメタン(20mL)に溶解した。この溶液に、Fmoc-OSu(1.5g,4.43mmol)とDIEA(0.87mL,5.0mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、ついで蒸発させて残留物を得、これをISCOコンパニオン(ヘキサン/酢酸エチル,20-90%)でのフラッシュシリカゲルカラム精製に供して、1.04g(31%)の化合物S128を白色泡状物として得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3;ppm):δ7.75(4H,dd,J 7.5,4.5Hz),7.58(4H,t,J 7.0Hz),7.48(2H,d,J 7.0Hz),7.41-7.34(7H,m),7.32-7.26(4H,m),5.44(1H,s),5.15-5.05(2H,m),4.44(2H,d,J 5.5Hz),4.38(2H,d,J 6.0Hz),4.25-4.15(2H,m),4.10(2H,d,J 11.5Hz),3.82(2H,d,J 11.5Hz),3.78(2H,s),3.53(2H,s),3.42(2H,s),3.36-3.27(4H,m),3.25(2H,s);C
46H
46N
2O
8に対するESI MS 計算値754.9,実測値[M+H]
+ 755.3。
[化合物S129]
化合物S128(1.1g,1.51mmol)をAcOH/H
2O混合物(10mL,3:1)に溶解させ、反応を55℃で5時間続けた。反応の完了後、揮発性物質を蒸発させ、トルエン(2×20mL)と共蒸発させ、残留物をISCOコンパニオン(ヘキサン/酢酸エチル,30-100%)でフラッシュシリカゲルカラム精製に供して、0.54g(54%)の化合物S129を白色泡状物として得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3;ppm):δ7.75(4H,d,J 7.5Hz),7.58(4H,d,J 7.5Hz),7.39(4H,t,J 7.5Hz),7.30(4H,t,J 7.5Hz),5.20-5.05(2H,m),4.41(4H,d,J 6.5Hz),4.21(4H,t,J 6.5Hz),3.64(4H,s),3.48(8H,s),3.36(4H,s);C
39H
42N
2O
8に対するESI MS 計算値666.7,実測値[M+H]
+ 667.3。
[化合物S130]
0℃でのジクロロメタン(6mL)中のジオールS129(0.73g,1.1mmol)、DIPEA(0.19mL,1.1mmol)及びDMAP(0.013g,0.11mmol)の溶液に、ジクロロメタン(1mL)中のDMTrCl( 0.34g,0.99mmol)を滴下して加えた。得られた混合物を室温まで温め、一晩撹拌した。混合物を蒸発させて残留物を得、これをISCO(ヘキサン/酢酸エチル,20-100%)でのフラッシュシリカゲルカラム精製に供して、0.47g(44%)のモノジメトキシトリチル保護化合物S130を白色泡状物として得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3;ppm):δ7.75(4H,d,J 7.5Hz),7.58(4H,d,J 7.5Hz),7.39(4H,t,J 7.5Hz),7.32-7.25(8H,m),7.17(4H,d,J 6.5Hz),6.83(4H,d,J 6.5Hz),5.20-5.05(2H,m),4.41(4H,d,J 6.5Hz),4.21(4H,t,J 6.5Hz),3.82(6H,s),3.64(4H,s),3.48(8H,s),3.36(4H,s);C
60H
60N
2O
10に対するESI MS 計算値969.1,実測値[M+Na]
+ 991.3。
[化合物S131]
無水CH
2Cl
2(1.0mL)中のビス-(N,N-ジイソプロピルアミノ)-クロロホスフィン(0.085g,0.32mmol)の溶液を、-78℃の無水CH
2Cl
2(3.0mL)中の3-Fmoc-アミノ-プロパン-1-オール(0.090g,0.30mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.18mL,1.05mmol)の溶液に滴下して加えた。反応混合物を室温まで温め、1.5時間撹拌した。1.0mLの無水CH
2Cl
2中の化合物S130(0.30g,0.30mmol)の溶液を加え、得られた混合物を10分間撹拌した。ETTの溶液(0.72mL,アセトニトリル中0.25M,0.18mmol)を反応混合物に加え、得られた混合物を3時間撹拌した。混合物をCH
2Cl
2(20mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾液を真空中で蒸発させて残留物を得、これを、共溶媒系(0-30%の勾配)として3%のトリエチルアミンと共に酢酸エチル/ヘキサンを使用するISCOコンパニオンでのフラッシュシリカゲルカラム精製に供し、0.12gの生成物S131(32%)を白色泡状物として得た。C
84H
91N
4O
13Pに対するESI MS 計算値1395.6,実測値1395.7[M]
+;
31P NMR(202MHz,CDCl
3):δ146.41。
[化合物dT4]
FmocNH-PEG2-ヒドロキシル-ジイソプロピルアミノ-dT(5’-DMT)ホスホラミダイト(dT4)の合成。CH
2Cl
2(40mL)中の5’-DMT-デオキシチミジン(4.30g,7.89mmol)及びDIEA(1.51mL,8.68mmol)の撹拌懸濁液を、アルゴン下で-78℃に冷却した。CH
2Cl
2(10mL)中のビス(ジイソプロピルアミノ)クロロホスフィン(2.32g,8.68mmol)の溶液を滴下して加えた。混合物を冷却浴から取り出し、1時間撹拌した。CH
2Cl
2(15mL)中のFmocNH-PGE2-OH(S108,2.93g,7.89mmol)を反応混合物に加え、続いてETTの溶液(アセトニトリル中0.25M,18.9mL)を加えた。一晩撹拌した後、混合物を真空中で濃縮し、EtOAcに再溶解し、飽和NaHCO
3(水性)とブラインで洗浄した。有機層を真空中で除去して白色泡状物を得た。この粗物質をSiO
2クロマトグラフィーで精製して、表題のホスホラミダイト(dT4,4.1g,50%収率)を得た。
上に記載した合成プロトコルを、様々なトリエステルの他のホスホラミダイト前駆体の合成に使用した。
[化合物dU6]
室温においてAr(g)下でTHF(10mL)中のdU1(3.3g,5.0mmol)、1-メチルイミダゾール(1.2mL,15.0mmol)及びヨウ素(1.9g,15.0mmol)の溶液に、THF(5mL)中のtert-ブチルジメチルシリルクロリド(0.8g,5.5mmol)の溶液を撹拌しながら滴下して加えた。反応物を室温において1時間撹拌した。TLCにより反応の完了を確認した。溶媒を真空中で除去し、粗物質を酢酸エチルに溶解し、水性Na
2S
2O
3(濃)で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過して液を蒸発させた。粗物質を、ISCOコンパニオン(ヘキサン/酢酸エチル,0-50%)を使用するフラッシュシリカゲルカラムによって精製して、dU2を固形物として定量的収率で得た。NMRは公表されているものと一致。Nucleic Acids Research, 2011, Vol. 39, No. 9, 3962-3971。
トリイソプロピルシラン(1.0mL,5.0mmol)を含む80%の酢酸水溶液(40mL)に溶解させたdU2(3.9g,5.0mmol)の溶液を、室温において1時間撹拌した。TLCにより反応の完了を確認した。真空中で溶媒を除去した。粗物質を、ISCOコンパニオン(ヘキサン/酢酸エチル,0-60%)を使用するフラッシュシリカゲルカラムによって精製して、1g(43%)の所望の化合物dU3を固形物として得た。C15H25IN2O5Siに対するESI MS 計算値468.4,実測値[M+Na]+ 491.0。
Ar(g)下で氷水浴中で0℃に冷却したTHF(20mL)中のdU3(1.0g,2.2mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(60%分散液,0.2g,4.7mmol)を加えた。反応物を0℃において30分間撹拌した。ヨードメタン(0.7mL,10.8mmol)を滴下して加え、反応物を0℃において3時間撹拌した。RP-HPLC/MSにより反応の完了を確認した。反応を0℃において20mLのメタノールでクエンチし、室温まで温めた。水性NaHCO3(飽和)を加え、混合物をCH2Cl2で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、液を真空中で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル,0-50%)による精製により、固形物のdU4(0.6g,58%収率)を得た。C16H27IN2O5Siに対するESI MS 計算値482.4,実測値[M+H]+ 483.1。
フッ化Tert-ブチルアンモニウム(1M THF,3mL,3.0mmol)を、Ar(g)下でTHF(20mL)に溶解したdU4(0.6g,1.3mmol)の冷却(0℃)溶液に撹拌しながら滴下して加えた。冷却した溶液を30分間撹拌した後、室温まで温めた。3.5時間後、RP-HPLC/MSにより反応の完了を確認した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール,0-10%)により精製して、固形物のdU5(0.4g,92%収率)を得た。C10H13IN2O5に対するESI MS 計算値368.1,実測値[M+H]+ 369.0。
室温においてAl(g)下でジクロロメタン(5mL)中のdU5(0.4g,1.2mmol)の溶液に、ジクロロメタン(5mL)中の2’-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホラミダイト(0.4mL,1.3mmol)の溶液を撹拌しながら滴下して加えた。反応物を室温において30分間撹拌した。次に、エチルチオテトラゾール(ACN中の0.25M溶液、2.9mL,0.7mmol)を加え、反応を一晩続けた。TLCにより反応の完了を確認した。溶媒を真空中で除去し、粗混合物を20mLのジクロロメタンで希釈し、飽和NaHCO3溶液(10mL)とブライン(10mL)で連続して洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過して液を蒸発させた。粗混合物を酢酸エチルに溶解させ、Iscoコンパニオン(ヘキサン/酢酸エチル,0-100%)を使用するシリカゲルカラムにより精製して、0.3g(49.9%)の所望の化合物dU6を固形物として得た。C19H30N4O6Pに対するESI MS 計算値568.3,実測値567.3[M-H]-;31P NMR(202MHz,CDCl3,ppm):δ149.25。
[化合物dU9]
以下に示す標準的反応条件下でdU3を反応させることにより、表題化合物を調製した。
31P-NMR(202mHz,CDCl
3,ppm):δ149.42,149.31;MS ESI-m/z実測値667.1[M-H]。MS ESI+m/z実測値669.2[M+H],691.3[M+Na]。
補助部分に結合したリンカーの調製:
[化合物PP2、PP3、及びPP4]
(5-アジドバレリル)-ε-N-Bocリジン(PP1)の調製。ε-N-Bocリジン(9.46g,38.4mmol)とK
2CO
3(2.67g,19.3mmol)を、1:1のTHF:H
2O(60mL)に溶解させた。THF(10mL)中のペンタフルオロフェニル-5-アジドバレレート(10.8g,34.9mmol)を加え、反応物を室温において一晩撹拌した。所望の生成物をRP-HPLC-MSにより実測した,394.2[M+Na]。反応物を1NのHCl(水性)での滴定によりpH5に酸性化し、生成物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。有機層をH
2O(50mL)とブライン(50mL)で順次洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して濃厚なシロップを得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物PP2を白色の針状物として得た(8.1g、62%収率)。ESI MS+質量計算値C
16H
29N
5O
5:371.4,実測値:394.2[M+Na]
+。
PP1のペグ化のための一般的プロトコル:(5-アジドバレリル)-ε-N-(NH-BocPEG24)リジン(PP4)の調製。PP1(0.74g,2.0mmol)をHCl(2mL,ジオキサン中4N)で4時間処理した。HPLC-MSは完全な脱保護を示した、272.2[M+H]
+。反応物を1:1のH
2O:アセトニトリル(10mL)で希釈し、凍結させ、一晩凍結乾燥させて、PP2を白色固形物として定量的収率で得た。DMF(3mL)中のNHBoc-PEG24酸(1.1g,0.88mmol)をHATU(0.34g,0.88mmol)、HOBt(0.14g,0.88mmol)、及びDIEA(0.7mL,4.0mmol)で活性化させ、PP2(0.24g,0.8mmol)で2時間処理した。RP-HPLCMSは、所望のPP4の形成を示した。粗物質をRP-HPLCにより精製して、PP4を白色固形物として得た(0.55g,46%収率)。ESI MS+質量計算値C
67H
130N
6O
30:1499.77,実測値:1499.9[M+H]
+,1400.8[M-Boc]
+。
BisPegX-NH2及びTrisPegX-NH2(ここで、X=様々なPEG長)を、国際公開第2015/188197号に記載された手順を使用して、市販の出発材料から調製した。
PP2、PP3、及びPP4のペグ化のための一般的プロトコル:DMF(1mL)に溶解したリジンPP1(38mg,0.1mmol)を、HATU(37mg,0.1mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(49mL,0.3mmol)、及びmPEG48-NH
2(200mg,0.09mmol)で処理した。RP-HPLC-MSは、PP1への完全なPEG48の添加を示した。粗生成物をRP-HPLCにより精製して、NHBocPP7を白色固形物として得た(97mg,42%収率)。ESI MS+質量計算値C
113H
224N
6O
52:2499.03,実測値:833.7[M+3H]
3+,625.6[M+4H]
4+。PP7をHCl(2mL,ジオキサン中4N)で4時間脱保護した。出発物質の質量を有するピークの消失によって観察して、HPLC-MSは完全な脱保護を示した。反応物を1:1のH
2O:アセトニトリル(10mL)で希釈し、凍結させ、一晩凍結乾燥させて、白色固形物PP8を定量的に得た。ESI MS+質量計算値C
108H
216N
6O
50:2398.88,実測値:1199.8[M+2H]
2+,800.3[M+3H]
3+,600.5[M+4H]
4+,480.6[M+5H]
5+。
このスキームにおいて、条件は以下の通りである:
A)6-メチルテトラジン-OSu、HATU、ヒューニッヒの塩基、DMF;及び
B)DBCO-CpG、アセトニトリル/H
2O;
ここで、6-メチルテトラジン-OSuは次の式のものである:
及び
DBCO-CpGは次の式のものである:
[ポリヌクレオチド(PP28及びPP30)を添加したリンカーの調製のための一般的プロトコル]
PP12及びPP16のテトラジン-コンジュゲーションハンドル:PP12(43mg,0.12mmol)をDMF(0.5mL)に溶解させ、HATU(4.6mg,0.12mmol)、DIEA(12.7μL,0.73mmol)で、そして5分後に6-メチル-テトラジン-OSu(19.9mg,0.61mmol)で処理した。粗反応物を室温において30分間撹拌した。RP-HPLCMSにより、6-メチル-テトラジンカルボキシレートのPP12への完全なカップリングが示された。粗生成物をRP-HPLCにより精製し、プールした画分を凍結乾燥して、PP27を紫色の固形物として得た(39mg,85%収率)。ESI MS+質量計算値C170H325N11O76:3739.47,実測値:833.7[M+3H]3+,625.6[M+4H]4。純粋なPP27をアセトニトリル:水(1:1)中のDBCO-CpGで処理し、37℃において1-2時間、室温において更に1時間インキュベートして、PP28を得た。PP28を分取AEX(20mMのホスフェート及び20mMのホスフェート-1Mの臭化ナトリウム)によって精製した。
CpGを添加したリンカーPP28及びPP30への代替のワンポット経路。PP12(400nmol)をアセトニトリル:水(1:1)中のDBCO-CpG(420nmol)で処理し、37℃において1-2時間、ついで室温において更に1時間インキュベートする。DMSO原液中のテトラジン-OSu(4000nmol)を粗PP12-DBCO-CpG溶液に加え、紫色の溶液を3時間室温において1-2時間反応させてPP28を得る。粗PP28を分取RP-HPLC(水中50mMのTEAA及び10%アセトニトリル:水)又は分取AEX(20mMのリン酸塩及び20mMのリン酸塩-1Mの臭化ナトリウム)によって精製した。
テトラジン-PEG24-OPFP(PP32)の調製。Ar(g)下でDMF/水(1:1,12mL)中のアミノ-PEG24-カルボン酸(1.0g,0.9mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.8mL,4.4mmol)の溶液にDMF(3mL)中のメチルテトラジンフェニルアセチルスクシンイミジルエステル(370mg,1.1mmol)を撹拌しながら滴下して加えた。反応物を室温において2時間撹拌した。RP-HPLC/MSにより生成物の形成が示された。溶媒を真空中で除去し、粗物質をRP-HPLC(TFAモディファイヤー)によって精製して、PP31,1.1g(80%)を得た。C62H111N5O27に対するESI MS 計算値1358.56,実測値[M+H]+1358.8。Ar(g)下でジクロロメタン(3mL)中のPP31(109mg,0.08mmol)の溶液に、無水ピリジン(32mg,0.4mmol)及びペンタフルオロフェニルトリフルオロアセテート(67mg,0.24mmol)を加えた。反応物を室温において一晩撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物をEtOAcに再溶解させ、水性NaHCO3(5%w/v)(3×)及びブライン(1×)で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、PP32を定量的に得た。更に精製することなく次の工程で使用した。C68H110F5N5O27に対するESI MS計算値1524.61,実測値[M+2H]2+ 763.0。
PP34の調製。Ar(g)下でDMF/水(1:1,10mL)中のmPEG48-アミン(2.15g,1.00mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.87mL,5.00mmol)の溶液に、DMF(5mL)中のNα-Cbz-Nε-Boc-L-リジンスクシンイミジルエステル(570mg,1.2mmol)を撹拌しながら滴下して加えた。反応混合物を室温において2時間撹拌した。RP-HPLC/MSにより、生成物PP33の形成が示された。反応混合物を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(CH
2C
l2:MeOH 0-10%)により精製した。回収したPP33を次の反応において直接使用した。C
116H
223N
3O
53に対するESI MS 計算値2508.0,[M+3H]
3+ 836.7,[M+4H]
4+ 627.9実測値。MeOH中のPP33(1.00mmol)の溶液を窒素(g)でフラッシングし、活性炭担持パラジウム(10重量%,触媒)を加えた。溶液を交互に排気し、水素(g)(3X)をパージした。2時間後のRP-HPLC/MSにより、PP34の形成が示された。不均一な混合物をセライト層を通して濾過し、大量のメタノールで洗浄した。真空中で溶媒を除去して、PP34を得た(2.0g,84%収率、2工程)。C
108H
217N
3O
51に対するESI MS 計算値2373.87,[M+3H]
3+ 実測値792.0。
PP37の調製。Ar(g)下でDMF/水(1:1,10mL)中のPP32(124mg,0.08mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(31mg,0.24mmol)の溶液に、DMF/水(1:1,10mL)中のPP34(230mg,0.1mmol)を撹拌しながら滴下して加えた。反応物を室温において2時間撹拌し、RP-HPLC/MSにより生成物PP35の形成が示された。溶媒を真空中で除去し、PP35を更に精製することなく次の工程で使用した。C
170H
326N
8O
77に対するESI MS 計算値3714.4,[M+4H]
4+ 929.5,[M+5H]
5+ 743.8実測値。粗PP35(0.08mmol)をAr(g)下でHCl(ジオキサン中4N,5mL)で処理した。反応物を室温において2時間撹拌し、RP-HPLC/MSにより、Boc保護基の完全な除去が示された。溶媒を真空中で除去し、アミンを、DMF(5mL)及びジイソプロピルエチルアミン(140μL,0.8mmol)中のビス-Peg3-PFPエステル(230mg,0.4mmol)の溶液でアシル化した。2時間後、RP-HPLC/MSにより、生成物PP37の形成が示された。溶媒を真空中で除去し、粗物質をRP-HPLC(TFAモディファイヤー)によって精製して、PP37をテトラ-TFA塩として、31mg、8.7%の収率で得た。C
181H
333F
5N
8O
81に対するESI MS 計算値4012.56,実測値[M+3H]
3+ 1338.3,[M+4H]
4+ 1004.0,[M+5H]
5+ 803.4,[M+6H]
6+ 669。
[補助部分を含むリンカーのリスト]
上の表において、Y又はZとして特定された基は、次の構造を有する:
上の表において、「p313+N3-バレルアミド」として特定された基Zは、p313と、ZとしてN3-バレルアミドを有するリンカーとの間の環化付加反応の生成物を指す。
表1に示されるホスホラミダイトモノマーは、ここと国際公開第2015/188197号に記載されている標準的な合成手順を使用して合成した。
キラルホスホロチオエートオリゴヌクレオチド合成に使用される二環式オキサアザホスホリジンモノマーは、Wada, J. Am. Chem. Soc. 130:16031-16037, 2008によって報告されている文献のプロトコルを使用して調製した。
[キラル脱塩基スペーサー-化合物X7、X8、X9及びX10]
[X7及びX8の合成]
[X9及びX10の合成]
次は、当該技術分野で知られている方法とここに記載の方法を使用して調製することができる更なる親水性ヌクレオシドホスホラミダイトである:
ここで、RはOH、置換されていてもよいアミノ、又は-CO
2R
1(R
1はH又は対イオンである)であり、nは1から4の整数である;
ここで、RはOH、OAc、OMe、置換されていてもよいアミノ、又はCO
2R
1(R
1はH又は対イオンである)であり、nは1から51の整数である。
次は、当該技術分野で知られている方法とここに記載の方法を使用して調製することができる更なる置換ヌクレオシドホスホラミダイトである:
ここで、R及びR
1のそれぞれは、独立してH又は置換されていてもよいC
1-6アルキル(例えば、Me、Et、i-Pr、又はn-Bu)である。
次のホスホラミダイトは、Glen Research(Sterling,VA)又はChemGenes(Wilmington,MA)から購入されるか、又はここに記載の標準的プロトコルを使用して調製される:
これらの中間体は、本発明のポリヌクレオチド(例えば、5’末端修飾ヌクレオシドを含むポリヌクレオチド)の調製に使用することができる。5’末端修飾ヌクレオシドの非限定的な例は、5-ハロウリジン、5-アルキニルウリジン、5-ヘテロアリールウリジン、及び5-ハロシチジンである。
5’-キャッピング:
a)5’-5’-キャッピング:
b)5’-ホスフェート又はホスホロチオエートキャッピング:
[小分子系ターゲティング部分の合成]
小分子系ターゲティング部分の調製に有用な例示的な化合物は、国際公開第2015/188197号に記載されている(例えば、国際公開第2015/188197号に記載されている化合物M1-M30)。
[グルシトール補助部分の合成]
グルシトール系補助部分の調製に有用な例示的な化合物は、国際公開第2015/188197号に記載されている(例えば、国際公開第2015/188197号に記載されている化合物POH1-POH10)。
[一般的ポリヌクレオチド合成]
一般的スキーム:
[実験の詳細]
自動ポリヌクレオチド合成(1μmolスケール)を、次の試薬及び溶媒を用いてMerMade6又は12で実施した:
酸化剤-THF/ピリジン/H2O中0.02MのI2(1サイクル当たり60秒の酸化)、
浸硫試薬II-ジチアゾール誘導体/ピリジン/アセトニトリル(0.05M,6:4ピリジン:アセトニトリル中)(1サイクル当たり60秒)
デブロック-3%のトリクロロ酢酸(1サイクル当たり2×40秒のデブロック)、
キャップミックスA-THF/2,6-ルチジン/Ac2O(1サイクル当たり60秒のキャッピング)、及び
キャップミックスB-THF中16%のメチルイミダゾール(1サイクル当たり60秒のキャッピング)
標準的なポリヌクレオチド合成条件に対する例外は次の通りであった:
- Uny-リンカーと呼ばれる非ヌクレオシドリンカーを含むCPG担体を使用した。
- 全ての2’-デオキシリボース-ホスホラミダイトは、合成前に100%の無水アセトニトリルに100mMまで再懸濁させた。但し、一部の修飾2’-デオキシ-ホスホラミダイトは、出発物質の溶解度に応じてTHF/アセトニトリル混合物(1:4)に100mMまで溶解させた。
- ホスホラミダイトの活性化は、2.5倍モル過剰の5-ベンジルチオ-1H-テトラゾール(BTT)を用いて実施した。活性化された2’-デオキシリボース-ホスホラミダイトを、挿入ごとに2×1分間のカップリングでカップリングさせ、修飾されたホスホラミダイトは、挿入ごとに2×3分間のカップリングでカップリングさせた。
- 骨格の硫化を、ピリジン/アセトニトリル(6:4)中の0.05Mの浸硫試薬IIを用いて1分間実施した。
[ポリヌクレオチドの脱保護及び精製プロトコル]
自動ポリヌクレオチド合成に続いて、固体担体及び塩基保護基(A-Bz、C-Ac、G-iBuなど)及びホスホトリエステルのメチルエステルを、室温で2時間以上、1mLのAMA(メタノール中1:1の比の36%水性アンモニアと40%メチルアミン)で切断し脱保護し続いて遠心蒸発させた。
粗ポリヌクレオチドペレットを100μLの50%アセトニトリルに再懸濁させ、65℃に手短に加熱し、十分にボルテックスした。
ポリヌクレオチドの精製では、100μLの粗ポリヌクレオチドを、次のバッファー/勾配でRP-HPLCに注入した:
- バッファーA=水中50mMのTEAA;
- バッファーB=90%のアセトニトリル;及び
- 流量=1mL/分;
- 勾配:
・ 0-2分(100%バッファーA/0%バッファーB)、
・ 2-42分(0%から60%のバッファーB)、及び
・ 42-55分(60%から100%のバッファーB)。
[DBCOコンジュゲーション及び精製プロトコル]
ここで記載するように、DBCO NHSエステルを粗2’-デオキシDMT-ポリヌクレオチドにコンジュゲートさせた。粗ポリヌクレオチドペレットを45μLのDMSOに懸濁させ、65℃に手短に加熱し、十分にボルテックスした。5μLのDIPEAを加え、続いてDBCO-NHSエステル(30当量)を加え、DMSO(1M)に予め溶解させた。反応を10分間、又は生成物の形成がMALDIによって確認されるまで放置した。合計80μLの粗ポリヌクレオチドサンプルを、次のバッファー/勾配を用いてRP-HPLCに注入した:
- バッファーA=水中50mMのTEAA
- バッファーB=90%のアセトニトリル
- 流量=1mL/分
- 勾配:
・ 0-2分(90%バッファーA/10%バッファーB)
・ 2-42分(0%から60%のバッファーB)
・ 42-55分(60%から100%のバッファーB)。
ドミナントなRP-HPLCピークにわたって、0.5mLの画分を集め、MALDI-TOF質量分析によって分析して、所望の質量の存在を確認した。質量を選択され、精製された画分を凍結し凍結乾燥した。乾燥した後、画分を再懸濁し、対応する画分と合わせ、凍結し凍結乾燥した。
DMT切断:凍結乾燥ペレットを20μLの50%アセトニトリルに懸濁し、80μLの酢酸を加え、サンプルを室温において1時間静置し、凍結し凍結乾燥した。乾燥したサンプルを20%アセトニトリルに再溶解し、NAP10(SephadexTM-G25 DNAグレード)カラムで脱塩した。集めた純粋な画分を、最終生成物のために凍結し凍結乾燥した。
[脱塩基スペーサーを使用する一般的コンジュゲーションスキーム]
クリック反応-一般的スキーム:
ここで、
各qは、0又は1であり;
各mは、0から5の整数であり;
Zは、O又はSであり;
R
Oは、ポリヌクレオチド中のヌクレオシドへの結合であり;
Rは、H、ポリヌクレオチド中のヌクレオシド、固体担体、又はキャッピング基(例えば、-(CH
2)
3-OH)への結合であり;
各R’は独立して、H、-Q
1-Q
A1、生物可逆性基、又は非生物可逆性基であり;
各R”は独立して、H、-Q
1-Q
A-Q
2-T、生物可逆性基、又は非生物可逆性基であり;
各R
Aは独立して、H又は-OR
C(ここで、R
Cは-Q
1-Q
A1、生物可逆性基、非生物可逆性基、又は固体担体への結合である)であり;
各R
Bは独立して、H又は-OR
D(ここで、R
Dは-Q
1-Q
A-Q
2-T、生物可逆性基、又は非生物可逆性基である)であり;
ここで、
各Q
1は独立して、二価、三価、四価、又は五価の基で、一つの結合価がQ
A又はQ
A1に結合し;第二の結合価は開いており、残りの結合価のそれぞれは、存在する場合、独立して補助部分に結合しており;
各Q
2は独立して、二価、三価、四価、又は五価の基で、一つの結合価がQ
Aに結合し;第二の結合価はTに結合し、残りの結合価のそれぞれは、存在する場合、独立して補助部分に結合しており;
Q
Aは、1,2,3-トリアゾール-1,4-ジイル、置換されていてもよいC
6-16トリアゾロヘテロシクリレン
置換されていてもよいC
8-16トリアゾロシクロアルケニレン
又はジヒドロピリダジン基
であり;
Q
A1は、置換されていてもよいC
2-12アルキニル、環内炭素-炭素三重結合
を含む置換されていてもよいC
6-16ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
8-16シクロアルキニル
又は置換されていてもよいC
4-8ひずみシクロアルケニル(例えば、トランス-シクロオクテニル)であり;かつ
Tはターゲティング部分であり、
但し、出発物質が少なくとも一つの-Q
1-Q
A1を含み、かつ生成物が-Q
1-Q
A-Q
2-Tを含み;かつ
但し、出発物質及び生成物が、固体担体への0又は1の結合を含む。
[コンジュゲーション法]
[Cu触媒クリック反応]
[銅-THPTA錯体の調製]
硫酸銅五水和物(CuSO4・5H2O)の5mM水溶液とトリス(3-ヒドロキシプロピルトリアゾリルメチル)アミン(THPTA)の10mM水溶液を1:1(v/v)(1:2のモル比)で混合し、室温で1時間放置した。この錯体は、例えば、以下の一般的なコンジュゲーションスキームに示されているように、ヒュスゲン環化付加を触媒するために使用することができる。
[一般的手順(100nMスケール)]
1.7mLのエッペンドルフ管中の710μLの水と100μLのtert-ブタノール(10%の最終容量)の溶液に、60μLの銅-THPTA錯体と、続いて50μLのオリゴの2mM溶液、60μLの20mMアスコルビン酸ナトリウム水溶液及び20μLのターゲティング部分-アジドの10mM溶液を加えた。徹底的に混合した後、溶液を室温で1時間放置した。反応の完了は、ゲル分析によって確認した。反応混合物を、5-10倍モル過剰のSiliaMetS(登録商標)TAAcONa(樹脂結合EDTAナトリウム塩)を含むスクリューキャップバイアルに添加する。混合物を1時間撹拌する。次に、この混合物をillustraTMNapTM-10カラムSephadexTMで溶出させる。次に、得られた溶液を凍結させ、一晩凍結乾燥させる。
[アミド結合によるコンジュゲーション]
アミド化によるコンジュゲーションは、当該技術分野で知られているアミド化反応条件下で実施することができる。例えば、 Aaronson等, Bioconjugate Chem. 22:1723-1728, 2011を参照のこと。
ここで、
各qは、0又は1であり;
各mは、0から5の整数であり;
Zは、O又はSであり;
R
Oは、ポリヌクレオチド中のヌクレオシドへの結合であり;
Rは、H、ポリヌクレオチド中のヌクレオシド、固体担体、又はキャッピング基(例えば、-(CH
2)
3-OH)への結合であり;
各R’は独立して、H、-Q
1-Q
A1、生物可逆性基、又は非生物可逆性基であり;
各R”は独立して、H、-Q
1-Q
A-Q
2-T、生物可逆性基、又は非生物可逆性基であり;
各R
Aは独立して、H又は-OR
C(ここで、R
Cは-Q
1-Q
A1、生物可逆性基、非生物可逆性基、又は固体担体への結合である)であり;
各R
Bは独立して、H又は-OR
D(ここで、R
Dは-Q
1-Q
A-Q
2-T、生物可逆性基、又は非生物可逆性基である)であり;
ここで、
各Q
1は独立して、二価、三価、四価、又は五価の基で、一つの結合価がQ
A又はQ
A1に結合し;第二の結合価は開いており、残りの結合価のそれぞれは、存在する場合、独立して補助部分に結合しており;
各Q
2は独立して、二価、三価、四価、又は五価の基で、一つの結合価がQ
Aに結合し;第二の結合価はTに結合し、残りの結合価のそれぞれは、存在する場合、独立して補助部分に結合しており;
Q
Aは、-C(O)-N(H)-又は-N(H)-C(O)-を含む置換されていてもよいC
2-12ヘテロアルキレンであり;
Q
A1は、-NHR
N1又は-COOR
12であり、ここで、R
N1はH、N-保護基、又は置換されていてもよいC
1-6アルキルであり、R
12はH、置換されていてもよいC
1-6アルキル、又はO-保護基であり;かつ
Tはターゲティング部分であり、
但し、出発物質は少なくとも一つの-Q
1-Q
A1を含み、かつ生成物は-Q
1-Q
A-Q
2-Tを含む。
[液相コンジュゲーション]
ここで、
mは、0から5の整数であり;
Zは、O又はSであり;
R
Oは、ポリヌクレオチド中のヌクレオシドへの結合であり;
Rは、H、ポリヌクレオチド中のヌクレオシド、又はキャッピング基への結合であり;
各R’は独立して、H、-Q
1-NH
2、生物可逆性基、又は非生物可逆性基であり;
各R”は独立して、H、-Q
1-NH-CO-Q
2-T、生物可逆性基、又は非生物可逆性基であり;
各R
Aは独立して、H又は-OR
C(ここで、R
Cは-Q
1-NH
2、生物可逆性基、又は非生物可逆性基である)であり;
各R
Bは独立して、H又は-OR
D(ここで、R
Dは-Q
1-NH-CO-Q
2-T、生物可逆性基、又は非生物可逆性基である)であり;
ここで、
各Q
1は独立して、二価、三価、四価、又は五価の基で、一つの結合価が-NH-CO-又は-NH
2に結合し;第二の結合価は開いており、残りの結合価のそれぞれは、存在する場合、独立して補助部分に結合しており;
各Q
2は独立して、二価、三価、四価、又は五価の基で、一つの結合価が-NH-CO-に結合し;第二の結合価はTへの結合であり、残りの結合価のそれぞれは、存在する場合、独立して補助部分に結合しており;かつ
Tはターゲティング部分であり、
但し、出発物質は少なくとも一つの-Q
1-NH
2を含み、かつ生成物は-Q
1-NH-CO-Q
2-Tを含む。
[担体上コンジュゲーション]
ここで、
Zは、O又はSであり;
R
Oは、ポリヌクレオチド中のヌクレオシドへの結合であり;
各Q
2は独立して、二価、三価、四価、又は五価の基で、一つの結合価が-NH-CO-に結合し;第二の結合価はTへの結合であり、残りの結合価のそれぞれは、存在する場合、独立して補助部分に結合しており;かつ
Tはターゲティング部分である。
ここで、
nは、1から8の整数であり;
Aは、O又は-CH
2-であり;
Zは、O又はSであり、
R
Oは、ポリヌクレオチド中のヌクレオシドへの結合であり;
各Q
2は独立して、二価、三価、四価、又は五価の基で、一つの結合価がアジド又はトリアゾールに結合し;第二の結合価はTに結合し、残りの結合価のそれぞれは、存在する場合、独立して補助部分に結合しており;かつ
Tはターゲティング部分である。
ここで、
nは、1から8の整数であり;
Aは、O又は-CH
2-であり;
Zは、O又はSであり、
R
Oは、ポリヌクレオチド中のヌクレオシドへの結合であり;
各Q
2は独立して、二価、三価、四価、又は五価の基で、一つの結合価がアジド又はトリアゾールに結合し;第二の結合価はTに結合し、残りの結合価のそれぞれは、存在する場合、独立して補助部分に結合しており;かつ
Tはターゲティング部分である。
ここで、
nは、1から8の整数であり;
Aは、O又は-CH
2-であり;
Zは、O又はSであり、
R
Oは、ポリヌクレオチド中のヌクレオシドへの結合であり;
各Q
2は独立して、二価、三価、四価、又は五価の基で、一つの結合価がアジド又はトリアゾールに結合し;第二の結合価はTに結合し、残りの結合価のそれぞれは、存在する場合、独立して補助部分に結合しており;かつ
各Tは独立してターゲティング部分である。
[ホスホトリエステルのFmoc脱保護の代表的な例]
Fmoc保護アミンを有するホスホトリエステルを含むポリヌクレオチドを脱保護条件に供し、ホスホトリエステルのホスホジエステルへの観察可能な転換なしにFmoc脱保護を行った。
p68へのDBCO-NHSコンジュゲーション-代表的な例:
質量分析によって証明されるように、ホスホトリエステル中のアミノ基へのDBCO-NHSコンジュゲーションは、室温において10分で完了した。
DBCOコンジュゲート基を含むp68(表2を参照)のRP-HPLC精製を、次の条件を使用して実施した:
- バッファーA=水中50mMのTEAA;
- バッファーB=90%のアセトニトリル;及び
- 流量=1mL/分;
- 勾配:
・ 0-2分(100%のバッファーA/0%のバッファーB)、
・ 2-22分(0%から100%のバッファーB)、及び
・ 22-25分(100%のバッファーB)。
同様の手順を使用して、例えば、ここに記載されているものなどの2’修飾ヌクレオシドホスホラミダイトを使用してポリヌクレオチドを調製することができる。そのような手順は、国際特許出願PCT/US2015/034749に提供されている;PCT/US2015/034749におけるジスルフィドホスホトリエステルオリゴヌクレオチド合成の開示は、出典明示によりここに援用される。
表2に列挙された免疫調節性ポリヌクレオチドを調製するために、ここに記載の一般的な手順に従った。
二本鎖CpG:
アニーリングとゲル分析:
ポリヌクレオチドp88(1mL,5mMストック)を、DPBS(24.7mL)と共にp144(3.3mL,2mMストック)に加えた。ポリヌクレオチドp88を同様の方法でp145で処理した。混合物を65℃に10分間加熱した。TBE尿素ゲルによる分析により、p88の完全なアニーリングが示された(図2を参照)。各サンプル1μLを取り出し、5μLのホルムアミド添加バッファーに加え、ウェルごとに15%TBE-尿素ゲルに200ボルトで40分間添加した後、エチジウムブロマイド(EtBr)で染色した。p88、p144、及びp145の構造については、表2を参照のこと。
p88/p144を使用する二本鎖CpG-代表的な例(1):
p88/p145を使用する二本鎖CpG-代表的な例(2):
実施例2:抗体-CpGコンジュゲートの調製
A.抗SIRPα抗体-CpGヌクレオチドコンジュゲートの調製
二種の抗SIRPα抗体を選択した。抗SIRPα抗体の一方はCD47の結合を遮断し、そのエピトープはCD47の結合部位とオーバーラップする(遮断)。他方の抗SIRPα抗体は、CD47の結合部位とは異なるエピトープに結合する(非遮断)。その開示がその全体について出典明示によりここに援用される国際公開第2018/057669号を参照のこと。抗SIRPα抗体は、トランスグルタミナーゼ(「mTGase」)反応を介してコンジュゲートされた。
コンジュゲーションのために選択した遮断抗体である抗SIRPα1のVH及びVLは、それぞれ、EVQLVESGGGVVQPGGSLRLSCAASGFTFSSNAMSWVRQAPGKGLEWVAGISAGGSDTYYPASVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARETWNHLFDYWGQGTLVTVSS(配列番号:521)及びSYELTQPPSVSVSPGQTARITCSGGSYSSYYYAWYQQKPGQAPVTLIYSDDKRPSNIPERFSGSSSGTTVTLTISGVQAEDEADYYCGGYDQSSYTNPFGGGTKLTVL(配列番号:525)である。
コンジュゲーションのために選択した非遮断抗体である抗SIRPα2のVH及びVLは、それぞれ、EVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYDVNWVRQAPGKGLEWVSLISGSGEIIYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAKENNRYRFFDDWGQGTLVTVSS(配列番号:548)及びETVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVYTYLAWYQQKPGQAPRLLIYGASSRATGIPDRFSGSGSGTEFTLTISSLQSEDFAVYYCQQYYDRPPLTFGGGTKVEIK(配列番号:553)である。
ヒトIgG1にN297A変異を有する抗SIRPα抗体を、脱塩カラムを使用して、25mMのトリス、150mMのNaCl,pH8にバッファー交換した。SIRPα抗体溶液に、mTGaseとN
3-CH
2CH
2(OCH
2CH
2)
23-NH
2の構造を有するN
3-PEG23-NH
2リンカーを加えた。N297A変異があると、コンジュゲーションはグルタミン295(EU番号付け)の側鎖を介して生じうる。得られた混合物を室温で一晩放置した。mTGase反応混合物では、最終抗体濃度は50μMであり;抗体対mTGaseの比は約10であり、リンカー対抗体の比は約5であった。mTGaseと遊離PEGリンカーはプロテインA精製によって除去した。修飾抗体を、脱塩カラムを使用して1×PBSにバッファー交換した。配列番号:425のCpGヌクレオチド中のアルキンと修飾抗体中のアジド基とのその後のヒュスゲン環化付加により、式(D)又は(E)の構造を有する抗SIRPα-CpGヌクレオチドコンジュゲートが得られた:
ここで、Abは遮断又は非遮断抗SIRPα抗体であり;cは2’-デオキシシチジンであり;gは2’-デオキシグアノシンであり;tはチミジンであり;Xは5-ブロモ-2’-デオキシウリジンであり;Zは
である。
B.抗CD56抗体-CpGヌクレオチドコンジュゲートの調製
マウスモノクローナル抗CD56抗体(クローン5.1H11)を商業的に入手した。抗CD56抗体を、活性化ペンタフルオロフェニル(PFP)エステルを介してコンジュゲートさせた。ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)バッファー(~2.5μg/μL)中の抗CD56抗体の溶液に、N
3-CH
2CH
2(OCH
2CH
2)
8-CH
2CO-PFPの構造を有するアジド-PEG8-PFPエステルを、20のリンカー対抗体比で加えた。得られた混合物を室温で一晩放置して、アジド含有抗体を形成した。次に、過剰なアジド-PEG8-PFPを、DPBSを溶離液として使用するAmicon30kDスピンコンセントレーターによるバッファー交換により除去した。続いて、配列番号:425のCpGヌクレオチド中のアルキンの修飾抗体中のアジド基とのヒュスゲン環化付加により、式(F)又は(G)の構造を有する抗CD56-CpGヌクレオチドコンジュゲートが得られた:
ここで、Abは抗CD56抗体であり;sは約3又は約4の整数であり;cは2’-デオキシシチジンであり;gは2’-デオキシグアノシンであり;tはチミジンであり;Xは5-ブロモ-2’-デオキシウリジンであり;Zは
である。
実施例3.抗体-CpGヌクレオチドコンジュゲートの生物学的評価
Blood Centers of the Pacificからトリマ残留物を受け取り、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1:4希釈した。希釈した血液を4本のチューブに分け、15mLのFicoll(登録商標)Paque密度勾配培地(GE Healthcare Life Sciences)で控えめにした。チューブを400×gで30分間遠心分離した。PBMCを界面から回収し、FACSバッファー(0.5%のウシ血清アルブミンを含むPBS)に再懸濁させた。CD14+単球を、Monocyte IsolationキットII(Miltenyi Biotec)とLSカラム(Miltenyi Biotec)を製造業者のプロトコルに従って使用して、ネガティブ選択により精製した。
PBMC又はCD14+細胞を、ロズウェルパーク記念研究所完全培地(RPMI)で96ウェルフォーマット(500K/ウェル)に直ちに蒔いた。37℃で5%CO2下で24又は48時間、100nMから6.4pMの抗体と抗体CpGヌクレオチドコンジュゲートと配列番号:425のCpGポリヌクレオチドの1μMから64pMの5倍の連続希釈液を細胞に加えた。細胞を400×gで5分間遠心分離してペレット化し、PBSで1:2000で希釈した100μLの固定可能生存率色素eFluor780(Thermo Fisher)で4℃で染色した。細胞を遠心分離し、2μLのFcγR遮断試薬と、1.25μLの、抗SIRPαアッセイでは抗CD14、抗CD3、抗CD19を、抗CD56アッセイでは抗CD56、抗CD16、抗CD69、抗CD14、抗CD3及び抗CD19を含む、100μLのFACSバッファーで4℃において30分間染色した。細胞を遠心分離し、200μLのFACSバッファーで2回洗浄し、100μLの0.5%パラホルムアルデヒドで固定した。細胞数をカウントするために各ウェルにCountBright絶対計数ビーズを加えた。細胞をAttune NxTフローサイトメーターで分析し、Flowjo10.7によりその後にデータ解析した。死細胞を、eFluor780-陰性集団上でのゲーティングによって排除した。系列特異的細胞を先ず、CD14+細胞のゲーティングの前に(CD19、CD3)、そしてCD56+CD16+細胞のゲーティングの前に(CD19、CD3、CD14)、排除した。
図1及び図2に示されるように、抗CD56-CpGヌクレオチドコンジュゲートは、それぞれ24時間及び48時間でCpGヌクレオチド及び抗CD56単独と比較してNK細胞の活性化を増強した。CD69発現により決定して、抗CD56-CpGヌクレオチドコンジュゲートはNK細胞活性化を誘導することができた。
図3及び図4に示されるように、遮断抗体(抗SIRPα1)又は非遮断抗体(抗SIRPα2)との抗SIRPα-CpGヌクレオチドコンジュゲートは、全PBMC及び精製CD14+集団内でCD14+単球の増殖を誘導した。CD14+単球の絶対数を決定するためにカウントビーズを使用して、遮断抗体(抗SIRPα1)又は非遮断抗体(抗SIRPα2)の何れかとの抗SIRPα-CpGヌクレオチドコンジュゲートは、CpGヌクレオチド及び抗SIRPα抗体単独と比較して増殖を誘導した。精製CD14+単球を使用する実験は、細胞数の増加が抗SIRP抗体によって細胞中にCpGヌクレオチドを送達した結果であることを示している。これらのデータは、まとめると、異なるエピトープに結合する抗SIRPα抗体は、遮断であれ非遮断であれ、CPGヌクレオチドをCD14+単球に送達し、その細胞数の増殖をもたらすことを示している。
実施例4:KDの決定
様々な種(ヒトv1、ヒトv2、カニクイザル、マウス129、BL6、BALBc、NOD)由来のSIRPα、SIRPβ、及びSIRPγとの抗SIRPα抗体の相互作用を、次のプロトコルに従って、二つの方法、(GLCチップを介する)抗体の直接固定化法を使用して分析した。全ての実験は、GLC又はNLCセンサーチップを備えたSPRベースのProteOn XPR36バイオセンサー(BioRad社,Hercules,CA)を使用して25℃において実施した。抗体は、FREESTYLETM293-FS細胞(Thermo Fisher)を使用して発現させた。精製は、標準的なプロテインAアフィニティーカラムクロマトグラフィーによって行い、溶出抗体をPBSバッファーで保存した。
ランニングバッファーは、0.01%のTWEEN-20を含むPBS,pH7.4(PBST+)であった。全ての分析物は、A280吸光度によって決定されたその名目濃度で、そのモル計算された吸光係数を使用して、使用した。分析物は、記載されているように「ワンショット」動態モードで注入した(例えば、Bravman等, Anal. Biochem. 2006, 358, 281-288を参照)。
GLCチップを使用する方法では、Proteonアミンカップリングキットを使用して、GLCチップ上に固定化した抗SIRPα抗体(~1000RU)上に注入し、流した。固定化ステップでは、GLCチップを、25μL/分で300秒1/100に希釈したEDAC/スルホ-NHS 1:1(Biorad)で活性化した。抗SIRPα抗体を10mMの酢酸ナトリウムバッファーpH4.5で80nMの濃度に希釈し、50秒、30μL/分でチップに固定化した。チップを25μL/分で300秒、エタノールアミンで不活性化した。分析物(例えば、異なる種由来のSIRP-α、SIRP-β、SIRP-γ)を、100、33、11、3.7、1.2、及び0nMの名目濃度で「ワンショット」動態モードで注射した。結合時間を100uL/分で90秒間モニターし、解離時間を1200秒モニターした。表面はPierce IgG溶出バッファー/4MのNaClの2:1v/vブレンドで再生した。
バイオセンサーデータは、反応スポットデータ(固定化タンパク質)からスポット間データ(固定化タンパク質を含まない)を差し引き、ついで分析物注射のものからバッファー「ブランク」分析物注射の反応を差し引くことによって、二重参照とした。二重参照データを単純なLangmuirモデルに包括的に適合させ、KD値を、見かけの動態速度定数の比(KD=kd/ka)から計算した。
異なる種由来の様々なSIRP-α、SIRP-β、SIRP-γに対するブロッカー119、135及び非ブロッカー136ヒト抗体の結合動態を決定した。これらの抗体は、ヒトv1、ヒトv2、及びカニクイザル由来のSIRP-αに高親和性で結合する。それらは様々なマウスSIRP-αには結合しない。しかし、それらはヒトSIRP-βとヒトSIRP-γに高い親和性結合を示した。従って、これらの抗体は、種々の骨髄系細胞集団の活性を調節するために、CpG免疫調節性ポリヌクレオチドのコンジュゲーション及び送達に有用な汎抗SIRPであろう。結果を表3にまとめる。
異なる種由来の様々なSIRP-α、SIRP-β、SIRP-γに対するヒト化AB21遮断抗体の結合動態を決定した。AB21抗体は、ヒトv1、ヒトv2、カニクイザル由来のSIRP-α、様々なマウスSIRP-α(NOD、BL6、及びBALBc)、ヒトSIRP-β及びヒトSIRP-γに高親和性で結合する。従って、AB21遮断抗体は、様々な骨髄系細胞集団の活性を調節するために、CpG免疫調節性ポリヌクレオチドのコンジュゲーション及び送達に有用な汎抗SIRPであろう。結果を表4にまとめる。
実施例5:抗体-CpGヌクレオチドコンジュゲートのインビボ評価
CT26及びMC38細胞を、それぞれBALB/c及びC57BL/6雌マウスの右脇腹に、RPMI1640(CT26に対して)又はDMEM(MC38に対して)中マウス1匹当たり2×106細胞の濃度で注射した。腫瘍を、研究に応じて平均腫瘍サイズが75-300mm3の間に達するまでモニターした。研究に応じて1コホート当たり5-7匹のマウスとして、マウスを、PBS対照、遮断抗体(抗SIRPα1)との抗SIRPα-CpGヌクレオチドコンジュゲート、及び非遮断抗体(抗SIRPα2)との抗SIRPα-CpGヌクレオチドコンジュゲート群にランダム化した。抗SIRPα抗体の配列は実施例2に記載されている;CpGはp313に対応した。抗SIRPα-CpGヌクレオチドコンジュゲート処置マウスは、合計で2回、3日間あけて0.1-10mg/kgを投与した。薬物は双方とも腹腔内投与した。腫瘍を、キャリパーを用いて2次元で測定し、腫瘍体積は、長さ×幅×幅×0.5として計算し、長さは2回の測定値のうち大きい方とした。
CT26腫瘍を持つマウスを測定し、腫瘍体積によってランダム化した。4日目に、5匹のマウスの各コホートは75mm3の平均腫瘍サイズであった。3日あけて2回投与した10mg/kgの抗SIRPα1コンジュゲート処置マウスは腫瘍根絶(4/5マウス)を示す一方、3日あけて2回投与した10mg/kgの非コンジュゲート対照抗SIRPa抗体での処置マウスは、PBSと比較して次善の腫瘍阻害を示した(図7A)。CT26腫瘍を持つマウスを測定し、腫瘍体積によってランダム化した。8日目に、腫瘍は1群当たり7匹のマウスで100mm3の平均腫瘍サイズを有し、3日間あけての3mg/kgの抗SIRPα1コンジュゲート及び抗SIRPα2コンジュゲートでの2回の処置は、完全な腫瘍根絶を示した(図7B)。24日目に、抗SIRPα1コンジュゲート(抗SIRPα遮断抗体コンジュゲート)で処置した7匹のマウスのうち7匹と、抗SIRPα2コンジュゲート(抗SIRPα非遮断抗体コンジュゲート)で処置した7匹のマウスうち6匹が完全な腫瘍根絶を示した。図7Cに示すように、300mm3の平均腫瘍サイズで、コホート5匹のCT26腫瘍を持つマウスを、3日間あけて、0.1、0.3及び1mg/kgの抗SIRPα1コンジュゲートで2回処置した。腫瘍阻害における用量応答は、1mg/kgが最も強力であると観察された。5匹中4匹のマウスは、1mg/kgの抗SIRPα1コンジュゲートで処置した群について21日目に腫瘍根絶を示した。図7Dに示すように、3日間あけて2用量の10mg/kgの抗SIRPα1コンジュゲートで処置した155mm3の平均腫瘍体積のMC38腫瘍を持つマウスは、21日目に腫瘍の完全な根絶を示した。まとめると、これらのデータは、複数の腫瘍モデルにおける腫瘍根絶、非コンジュゲートSIRPa抗体と比較したSIRPa-CpGの比活性、SIRPa遮断及び非遮断抗体CpGコンジュゲートの両方での腫瘍根絶、及びマウスを1mg/kgと少ない抗SIRPα1コンジュゲートで処置した場合の腫瘍根絶を示す。
平均腫瘍サイズが300mm3に達するまで腫瘍をモニターした。マウスを、1コホート当たり5匹のマウスとして、PBS対照と遮断抗体(抗SIRPα1)との抗SIRPα-CpGヌクレオチドコンジュゲートにランダム化した。抗SIRPα抗体の配列は実施例2に記載されている;CpGはp313に対応した。抗SIRPα-CpGヌクレオチドコンジュゲート処置マウスでは、CT26モデルに対して1mg/kgを、全部で2回、3日間又は7日間あけて投与した。抗SIRPα-CpGヌクレオチドコンジュゲートを腹腔内に投与した。腫瘍は、キャリパーを用いて2次元で測定し、腫瘍体積は、長さ×幅×幅×0.5として計算し、長さは2回の測定値のうち大きい方とした。
CT26腫瘍を持つマウスを測定し、腫瘍体積によってランダム化した。10日目に、腫瘍は300mm3の平均腫瘍サイズを有しており、3又は7日間あけて2回投与した1mg/kgの抗SIRPα1コンジュゲートでの処置により、腫瘍の根絶が示された(図8A)。25日目に、5匹のマウスのうち4匹が双方の群で腫瘍がなかった。63日目に、3日間あけて処置した4匹の生存マウスのうち、全てで腫瘍がなかった一方、7日間あけて処置したマウスもまた4匹の生存マウスであったが、2匹だけが腫瘍がなかった(図8B)。
上に記載した実施例は、請求項記載の実施態様を如何に作製し使用するかの完全な開示と説明を当該技術分野における当業者に与えるために提供されるものであり、ここに開示されるものの範囲を制限することを意図したものではない。当業者に明らかな変更は、次の特許請求の範囲に含まれることが意図される。この明細書に引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、各々のそのような刊行物、特許又は特許出願が出典明示によってここに援用されることが具体的かつ個別に示されているかのように、出典明示によりここに援用される。