JP7530232B2 - 堆肥 - Google Patents

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Description

本発明は堆肥に関する。特に、本発明は炭化物及び鉄成分を含有する堆肥に関する。
水田に用いられる肥料として、化学肥料に代えて堆肥を用いることが望まれている。一方で、堆肥を水田で使用すると、水田中に存在する還元細菌による還元作用によって、水稲根に有害な硫化水素が発生するという問題がある。また、水田から地球温暖化の原因の一つであるメタンガスが発生するという問題がある。この硫化水素およびメタンガスの発生は堆肥中に鉄成分を混在させることで抑制することができる。鉄成分が混在する堆肥として、例えば、家畜排せつ物に製鋼スラグを混合して生成された堆肥が知られている(特許文献1)。
特開2012-180266号公報
しかしながら、例えば特許文献1に記載される堆肥において、鉄成分の溶解性が十分に説明されてないため、土壌中における効果が開示されていない。また、鉄鋼スラグに含まれる鉄濃度が数%と低いため、大量の堆肥を水田中に散布しなければ、硫化水素およびメタンガスの発生を抑制する効果を持続的に発揮させることが難しいという問題がある。本発明の一実施形態は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、このような硫化水素の発生を持続的に抑制する堆肥を提供することを課題の一つとする。
本発明の一実施形態に係る堆肥は、炭化物および鉄含有物質を含む堆肥であって、前記堆肥の固形分に対する前記鉄含有物質の鉄成分の割合が1重量%以上30重量%以下であり、前記鉄成分の5%以上がペーテルマンクエン酸塩溶液に溶解する可溶性鉄である。
前記鉄成分と結合されるりん酸を含み、前記鉄成分に対する前記りん酸のりん酸成分の割合が0.2以上であってもよい。
前記鉄成分の0.5%以上5%以下が水に溶解する水溶性鉄であってもよい。
前記全ての鉄の0.5%以上5%以下が水に溶解する水溶性鉄であってもよい。
前記固形分に対するカリウムの割合が1重量%以上21重量%以下であってもよい。
前記固形分に対する前記りん酸成分の割合が1重量%以上であってもよい。
前記固形分に対する、水に溶解する水溶性りん酸の割合が0.01重量%以上であってもよい。
前記固形分に対する、ペーテルマンクエン酸塩溶液に溶解する可溶性りん酸の割合が1重量%以上であってもよい。
前記固形分に対する灰分の割合が5重量%以上30重量%以下であり、かつ、前記固形分に対する有機炭素の割合が10重量%以上40重量%以下であってもよい。
前記固形分に対するマンガンの割合が0.005重量%以上0.2重量%以下であてもよい。
前記固形分に対するホウ酸の割合が1ppm以上50ppm以下であってもよい。
前記固形分に対する亜鉛の割合が1ppm以上700ppm以下であってもよい。
水分の割合が30重量%以上80重量%以下であってもよい。
本発明の一実施形態に係る堆肥によれば、当該堆肥を水田で使用した場合における硫化水素の発生を持続的に抑制することができる。また、当該堆肥を水田で使用することで、植物の根の周囲の酸化還元電位を高め、嫌気性を好むメタン生成古細菌のはたらきを抑制することが可能であり、水田からのメタンガスの発生を抑制することができる。また、当該堆肥を水田で使用することで、植物の根の周囲に酸化鉄の被膜をつくることが可能であり、硫化水素やメタンガスなどの有害成分から根を守ることができる。
本発明の一実施形態に係る堆肥の製造方法を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態における堆肥および堆肥の製造方法について説明する。ただし、本発明の一実施形態における堆肥および堆肥の製造方法は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す例の記載内容に限定して解釈されない。
以下の実施形態において、特段の記載がない場合、「可溶性」は、水には溶けないが、ペーテルマンクエン酸塩溶液に溶解する肥料成分を指す。本実施形態において「可溶性鉄」は、水には不溶であるが、ペーテルマンクエン酸塩溶液に溶解する鉄を指す。同様に、「可溶性りん酸」は、水には不溶であるが、ペーテルマンクエン酸塩溶液に溶解するりん酸を指す。なお、ペーテルマンクエン酸塩溶液は、JIS K 8283に規定するクエン酸一水和物173gに水を加えて溶かし、窒素42gに相当するアンモニア水を冷却しながら徐々に加え、冷却後に水を加えて1000mlにしたものを指す。可溶性鉄及び可溶性りん酸は、作物の根から出る根酸程度の弱い酸にはすぐに溶けないが、根酸より少し強い酸に溶ける鉄及びりん酸である。したがって、可溶性鉄及び可溶性りん酸は、堆肥から徐々に溶け出し、長期間肥効を得ることができる。
「水溶性」は、水に溶解する肥料成分を指す。本実施形態において「水溶性鉄」は、水に溶解する鉄を指す。同様に、「水溶性りん酸」は、水に溶解するりん酸を指す。水溶性鉄及び水溶性りん酸は、土壌に含まれる水分に速やかに溶けて作物に吸収される鉄及びりん酸である。したがって、水溶性鉄及び水溶性りん酸は、速効性の高い肥効を得ることができる。
以下の実施形態において、堆肥に含まれる鉄(例えばゼロ価の鉄)及び鉄化合物(例えば酸化鉄又はりん酸鉄)を含む物質を「鉄含有物質」という。当該鉄含有物質に含まれる鉄元素の成分を「鉄成分」という。鉄含有物質に含まれる鉄成分は、例えば堆肥に含まれる鉄及び鉄化合物を王水に溶解させることによって得られた溶液に含まれる全ての鉄イオンに相当する。なお、堆肥に含まれる鉄成分に対する可溶性鉄の割合を示す場合、堆肥中に含まれる鉄成分(堆肥中において炭化物とは個別に存在する鉄成分に加えて、当該炭化物に担持される鉄成分を含む)に対する可溶性鉄の割合を示す。
上記の可溶性鉄、水溶性鉄、及び鉄成分は、上記のようにそれぞれについて得られた溶液に対するICP発光分光分析法によって求められる。また、上記の可溶性りん酸、水溶性りん酸、及び堆肥に含まれる全てのりん酸(以下、「りん酸成分」という。)は、バナドモリブデン酸アンモニウム吸光光度法によって求められる。
[ICP発光分光分析法及びバナドモリブデン酸アンモニウム吸光光度法]
ICP発光分光分析法及びバナドモリブデン酸アンモニウム吸光光度法は、それぞれ肥料等試験法(2018)(独立行政法人 農林水産消費安全技術センター著)に基づく試験法である。肥料等試験法とは、農林水産省が定められた試験法(評価方法)であり、試験に使用する試薬及び機器等をJIS規格等で規定した試験法である。以下の実施形態に記載された鉄成分、可溶性鉄、及び水溶性鉄は、上記の肥料等試験法(2018)のICP発光分光分析法に記載された方法で求められたものである。りん酸成分、可溶性りん酸、及び水溶性りん酸は、上記の肥料等試験法(2018)のバナドモリブデン酸アンモニウム吸光光度法に記載された方法で求められたものである。
「固形分」とは、対象物から水分を除いた固形部分(不揮発性物質)を指す。
[1.堆肥の構成]
まず、堆肥の構成について説明する。本実施形態に係る堆肥は、堆肥材、炭化物及び鉄含有物質を含む。なお、本実施形態において、鉄含有物質は、堆肥中において堆肥材と炭化物とは別に存在する場合もある。または、鉄含有物質は、炭化物に担持されている場合もある。鉄含有物質が炭化物に担持されるとは、具体的には、鉄含有物質が炭化物の表面(炭化物の外表面及び炭化物によって囲まれた領域の表面)又は細孔の内部に存在していることを意味する。
堆肥材として、一般的な(例えば、市販の)堆肥材を用いることができる。例えば、堆肥材として、植物性堆肥材及び動物性堆肥材を用いることができる。植物性堆肥材として、パーク堆肥材、もみ殻堆肥材、及び腐葉土等を用いることができる。動物性堆肥材として、牛ふん堆肥材、馬ふん堆肥材、豚ぷん堆肥材、及び発酵鶏ふん等を用いることができる。
炭化物として、バイオマスが炭化した炭化物を用いることが可能であり、代表的には、リグノセルロースが炭化した炭化物を用いることができる。リグノセルロースとして、木材、パーティクルボード、おがくず、農業廃棄物、汚水、サイレージ、草、もみ殻、バガス、綿、ジュート、麻、亜麻、竹、サイザル麻、アバカ、わら、麦わら、トウモロコシ軸、トウモロコシストーバ、スイッチグラス、アルファルファ、乾草、ヤシの毛、海藻、藻類、及びそれらの混合物からなる群より選択される一つ以上の材料を用いることができる。
堆肥に含まれる鉄含有物質は、ゼロ価の鉄、2価の鉄、3価の鉄、酸化鉄、塩化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、酢酸鉄、及びシュウ酸鉄等の少なくともいずれか一つを含む。当該酸化鉄は、例えば、FeO(ウスタイト)、Fe(ヘマタイト若しくはマグへマイト)、又はFe(マグネタイト)等であってもよい。上記の鉄は、1種類の化合物であってもよく、複数の化合物であってもよい。
また、堆肥に含まれる鉄含有物質は、鉄成分とりん酸イオンに含まれるリンとが結合したりん酸鉄を含む。鉄成分を含む炭化物を水の中に入れると、鉄がイオン化し、オキシ水酸化鉄(FeOOH)などの水酸化物を生成する。水にりん酸を含む場合、水酸化物は水中に存在するりん酸イオンと反応し、りん酸鉄を形成し炭化物に吸着固定することができる。
本実施形態において、当該りん酸の一部は、鉄含有物質に含まれる鉄成分と結合、代表的には吸着されている。つまり、鉄成分と結合されるリンは、炭化物の表面又は細孔の内部に存在している。鉄成分と結合されるリンにおいて、上記鉄成分に対する鉄成分と結合されるりん酸のりん酸成分の割合は、0.2以上、0.25以上、0.3以上、又は0.4以上である。
ここでは、ゼロ価の鉄、2価の鉄、3価の鉄、酸化鉄、塩化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、酢酸鉄、及びシュウ酸鉄等の少なくともいずれか一つを含む鉄含有物を担持する炭化物を「鉄含有炭化物」、りん酸鉄を含む鉄含有物を担持する炭化物を「鉄-リン含有炭化物」という。
堆肥の固形分に対する鉄含有物質の鉄成分の割合は1重量%以上30重量%以下、2重量%以上20重量%以下、3重量%以上15重量%以下、又は5重量%以上10重量%以下である。また、当該堆肥の固形分に対する窒素の割合は1重量%以上21重量%以下、2重量%以上18重量%以下、3重量%以上15重量%以下、又は5重量%以上10重量%以下である。また、当該堆肥の固形分に対するカリウムの割合は1重量%以上21重量%以下、2重量%以上18重量%以下、3重量%以上15重量%以下、又は5重量%以上10重量%以下である。
上記鉄成分のうち可溶性鉄の割合は5%以上、7%以上、10%以上、又は15%以上である。また、上記鉄成分のうち水溶性鉄の割合は0.5%以上5%以下、1%以上3%以下である。可溶性鉄は水に溶解しにくいため、可溶性鉄の割合が水溶性鉄より高いことで、雨水によって鉄成分が流亡する割合を低減することができる。
上記堆肥の固形分に対するりん酸成分の割合は1重量%以上、2重量%以上、3重量%以上、又は5重量%以上である。また、当該堆肥の固形分に対する水溶性りん酸の割合は0.01重量%以上、0.02重量%以上、0.03重量%以上、又は0.05重量%以上である。また、上記堆肥の固形分に対する可溶性りん酸の割合は1重量%以上、2重量%以上、3重量%以上、又は5重量%以上である。
炭化物に担持された鉄成分と結合するりん酸は、無機態リン及び有機態リンを含み、これらはそれぞれ溶解性と不溶性に分類される。溶解性無機態リンとしては、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸などが挙げられる。溶解性有機態リンとしては、リン脂質などのリン酸エステル類、農薬などが挙げられる。不溶性無機態リンとしては、カルシウムや鉄、アルミニウム、ナトリウム、カリウムなどの金属のリン酸塩が挙げられる。不溶性有機態リンとしては、バクテリアやプランクトンなどの生態あるいは死骸の構成成分が例示される。なお、上記りん酸は、堆肥材中において炭化物とは個別に存在してもよい。
上記堆肥の固形分に対する灰分の割合は5重量%以上30重量%以下、6重量%以上28重量%以下、7重量%以上25重量%以下、又は10重量%以上20重量%以下である。上記堆肥の固形分に対する有機炭素の割合は10重量%以上40重量%以下、12重量%以上35重量%以下、又は15重量%以上30重量%以下である。上記堆肥の固形分に対するマンガンの割合は0.005重量%以上0.2重量%以下、0.01重量%以上0.18重量%以下、0.015重量%以上0.15重量%以下、又は0.02重量%以上0.1重量%以下である。上記堆肥における水分の割合は30重量%以上80重量%以下、35重量%以上75重量%以下、40重量%以上70重量%以下、45重量%以上65重量%以下、又は50重量%以上60重量%以下である。
なお、上記の灰分は、後述する造粒物の焼成工程(S140)によって生じる灰を指す。具体的には、灰分は、焼成工程で残存した、炭化物の原料に含まれるカルシウム、カリウム等の金属、ケイ酸等である。
また、有機炭素は、後述する有機系バインダーが上記焼成工程(S140)によって焼成されたものを指す。具体的には、有機炭素は、有機系バインダーとして用いられる糖蜜、廃糖蜜、澱粉、デキストリン、コーンスターチ、米糠、ポリビニルアルコール、パルプ廃液、リグニンスルホン酸塩、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、フェノール樹脂、またはタールピッチなどが焼成されたものである。
有機炭素の含有量は、全炭素の含有量から無機炭素の含有量を差し引くことで算出することができる。全炭素の含有量は、例えば、試料を燃焼し、発生する二酸化炭素の量を基に算出することができる。また、無機炭素の含有量は、例えば、試料を酸性にして加熱し、炭酸塩などから遊離した二酸化炭素の量を基に算出することができる。全炭素の含有量を測定するときの燃焼温度は、焼成工程(S140)の焼成温度よりも高いことが好ましい。例えば、焼成工程(S140)の焼成温度が850℃であれば、全炭素の含有量を測定するときの燃焼温度は、900℃とすることができる。また、無機炭素の含有量を測定するときの加熱温度は、焼成工程(S140)の焼成温度よりも低いことが好ましい。無機炭素の含有量を測定するときの加熱温度は、例えば、200℃である。なお、全有機炭素計を用いることにより、全炭素の含有量および無機炭素の含有量を測定し、有機炭素の含有量を算出することできる。
上記堆肥の固形分に対するホウ酸の割合は1ppm以上50ppm以下、2ppm以上45ppm以下、3ppm以上40ppm以下、5ppm以上30ppm以下、又は10ppm以上20ppm以下である。上記堆肥の固形分に対する亜鉛の割合は1ppm以上700ppm以下、2ppm以上600ppm以下、3ppm以上500ppm以下、5ppm以上400ppm以下、又は10ppm以上300ppm以下である。
堆肥に含まれる炭化物は、ペレット形状を有する。ここで、ペレット形状とは、一定の高さを有する形状をいう。当該炭化物のペレット形状は、例えば、略円柱、略楕円柱、または略多角柱などである。当該炭化物のペレット形状は、後述する造粒物の形状によって概ね決定されるが、ペレット形状の高さは、1mm以上20mm以下、3mm以上15mm以下、又は6mm以上12mm以下である。また、ペレット形状の径(高さに対して垂直方向の最大幅)は、1mm以上20mm以下、2mm以上10mm以下、又は3mm以上6mm以下である。本実施形態に係る堆肥の製造方法では、炭化物の大きさを制御することが可能である。したがって、炭化物の大きさは、使用しやすく、吸着効果の高い上記範囲であることが好ましい。
以上のように、本実施形態に係る堆肥によると、例えば、堆肥の固形分に対する鉄含有物質の鉄成分の割合が1重量%以上30重量%以下であり、当該鉄成分のうち可溶性鉄の割合が5%以上の場合、当該堆肥は当該堆肥の固形分に対して0.05重量%以上1重量%以下の可溶性鉄を含む。上記のように、可溶性鉄は、作物の根から出る根酸程度の弱い酸にはすぐに溶けないが、根酸より少し強い酸に溶けるため、堆肥から徐々に溶け出し、長期間硫化水素発生の抑制効果を得ることができる。また、土壌中の可溶性鉄が増えると、土壌中のケイ酸の吸収量を増加させることができる。土壌中のケイ酸濃度が高まると、水稲が倒れにくくなり、受光体勢が改善されて光合成が活発になる。この結果、稲の生長が窒素に依存しなくなり、玄米の窒素分が低下し、旨味が高まると共に、いもち病を予防することができる。
また、当該鉄成分は、硫化水素の発生を抑制する効果に加えて、作物の根の周囲に酸化鉄の被膜を形成する。当該酸化鉄の被膜によって、硫化水素やメタンガスなどから根を保護することができる。また、堆肥の周囲の酸化還元電位を高め、嫌気性を好むメタン生成古細菌のはたらきを抑制することができ、その結果、メタンガスの発生を抑制することができる。
[2.堆肥の製造方法]
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る堆肥の製造方法について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る堆肥の製造方法を示すフローチャートである。
図1に示すように、堆肥の製造方法は、混合工程(S110)、混練工程(S120)、造粒工程(S130)、焼成工程(S140)、リン添加工程(S150)及び堆肥混合工程(S160)を含む。以下、各工程について説明する。混合工程(S110)~焼成工程(S140)によって鉄含有炭化物を形成し、リン添加工程(S150)によって鉄含有炭化物にリンを添加させて鉄-リン含有炭化物を形成し、堆肥混合工程(S160)によって鉄-リン含有炭化物を堆肥材と混合して堆肥を形成する。
[2-1.混合工程(S110)]
混合工程(S110)では、炭化物と鉄化合物とを混合する。
混合工程で用いられる炭化物は、生立木(広葉樹、針葉樹、竹などの間伐材、林地廃材を含む)、製材工場または木材加工工場の廃材(鋸屑、樹皮屑、チップ屑、端切材を含む)、植物性の殻、建築解体材、もしくは家具材の木質系廃材などの有機物を炭化させることで生成することができる。
有機物の炭化は、窒素ガスまたはアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気、無酸素雰囲気、低酸素雰囲気、還元雰囲気、もしくは減圧雰囲気の下で、有機物を加熱することによって行われる。有機物の炭化を減圧雰囲気で行う場合、100Pa以上10Pa以下の低真空状態、0.1Pa以上100Pa以下の中真空状態、10-5Pa以上0.1Pa以下の高真空状態、または10-5Pa以下の超高真空状態で行うことができる。また、有機物の炭化を低酸素雰囲気で行う場合、酸素濃度は0.01%以上3%以下、または0.1%以上1%以下で行うことができる。有機物の炭化における加熱温度は、400℃以上1200℃以下、500℃以上1100℃以下、600℃以上1000℃以下、又は700℃以上900℃以下である。また、加熱時間は、10分以上10日以下、又は10分以上5時間以下である。
有機物の炭化は、内燃式または外熱式で、バッチ式の開放型または密閉型の炭窯炉、連続式のロータリーキルンまたは揺動式炭化炉、スクリュー炉、加熱チャンバ、もしくは蓋がされた耐熱容器(坩堝)を用いて行うことができる。内熱式とは、炭化に必要な熱を材料から確保する炭化炉であり、材料を燃焼させるために必要な酸素を供給して有機物の炭化を行うことができる。外熱式とは、炭化に必要な熱を外部から供給する炭化炉であり、酸素を遮断して有機物の炭化を行うことができる。
有機物を還元条件下で加熱すると、昇温途中(例えば、約280℃)で有機物の組成分解が始まり、有機物内の酸素または水素が、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、または炭化水素などのガスとして揮発し、有機物は炭素成分の多い無定形炭素へと変化する。さらに高温で加熱し続けることで、有機物内の酸素または水素がさらに減少し、純度の高い固定炭素および灰分から構成される炭化物が生成される。有機物内の水分または構成成分が揮発性ガス等として脱離するため、有機物の炭化によって生成される炭化物は、多数かつ大小様々な連続多孔が形成された多孔質となる。また、炭化温度の上昇に伴い炭素化が進行して生成される炭化物は、耐熱性(耐火性)、吸着性、または導電性の性質を有するようになる。
炭化物と鉄化合物とを混合するにあたり、炭化物および鉄化合物の各々の粒径を調整してもよい。炭化物および鉄化合物の各々の粒径を調整することで、炭化物と鉄化合物とを均一に混合することができる。炭化物および鉄化合物の各々の粒径の調整は、炭化物または鉄化合物を破砕することによって行われる。特に、炭化物の粒径は、鉄化合物の粒径よりも大きい場合が多いため、炭化物を破砕し、炭化物の粒径を鉄化合物の粒径に合わせてもよい。
なお、後述する混練工程(S120)においても、炭化物および鉄化合物を破砕することができるが、混練工程(S120)では粒径の微調整が難しい。そのため、炭化物および鉄化合物の粒径を調整する場合は、混合工程(S110)において、炭化物および鉄化合物の各々の粒径を予め調整しておくことが好ましい。
炭化物および鉄化合物の大きさは特に限定されないが、例えば、炭化物及び酸化鉄の両方が10μm以上20mm以下の粒径、炭化物が10μm以上20mm以下かつ酸化鉄が10μm~10mm以下の粒径、又は炭化物200が50μm~2mm以下かつ酸化鉄が100μm~1mm以下の粒径である。炭化物および鉄化合物の大きさが上記範囲であると、炭化物および鉄化合物とが均一に混合されるだけでなく、後述する混練工程において、有機系バインダー中に、炭化物と鉄化合物とを均一に分散させることができる。
炭化物と鉄化合物との混合においては、一定量の水を添加してもよい。水を添加することで、混合工程(S110)における粉塵の発生を防止することができるとともに、後述する混練工程(S120)において、炭化物と鉄化合物とを均一に混練することができる。
以上の混合工程(S110)によって、炭化物と鉄化合物の混合物が生成される。
[2-2.混練工程(S120)]
混練工程(S120)では、混合物(炭化物および鉄化合物)に有機系バインダーを加えて混練し、ペーストを生成する。
有機系バインダーとしては、例えば、糖蜜、廃糖蜜、澱粉、デキストリン、コーンスターチ、米糠、ポリビニルアルコール、パルプ廃液、リグニンスルホン酸塩、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、フェノール樹脂、またはタールピッチなどを用いることができる。なお、有機系バインダーは、1種の材料を含んでいてもよく、複数種の材料を含んでいてもよい。特に、有機系バインダーとしては、糖蜜または廃糖蜜が好ましい。糖蜜は、固形成分が多いため、ペーストを固めやすい。また、糖蜜は、炭素成分を多く含むため、後述する焼成工程(S140)で、効率よく造粒物を還元することができる。さらに、糖蜜は、安価で有害成分が少ないことから、鉄含有炭化物の製造コストを抑制することができ、また、製造された鉄含有炭化物は、安全な肥料として利用することができる。
有機系バインダーの粘度は、必要に応じて調整することができる。例えば、有機系バインダーに水または有機溶媒を添加し、有機系バインダーの粘度を調整することができる。有機系バインダーの粘度が大きすぎると、混練しにくくなる。また、有機系バインダーの粘度が小さすぎると、後述する造粒工程(S130)の前にペーストの粘度を調整しなければならない。ペーストの粘度の調整は、添加した水または有機溶媒を蒸発させることによって行われるが、水または有機溶媒の蒸発させる工程が必要となるだけでなく、水または有機溶媒の蒸発によって炭化物および鉄化合物の凝集化が生じ、有機系バインダー中における炭化物および鉄化合物の分散性が低下する。そのため、有機系バインダーの粘度は、混合物と混練する前に調整されていることが好ましい。
有機系バインダーの添加量においても、炭化物の固形成分の量を基準とする。炭化物の固形成分の量(α)と有機系バインダーの量(γ)の比は、α:γ=100:10~1000、α:γ=100:100~500、又はα:γ=100:100~300である。
混練工程(S120)において、有機系バインダー中の炭化物および鉄化合物の分散性を決定するパラメータは、混合物と有機系バインダーとの混合比だけではない。混合工程(S110)における分散性は、例えば混練機の温度、および時間などのパラメータによっても制御することができる。そこで、以下では、混練機について説明する。
混合物と有機系バインダーとの混練においては、混練機を用いることができる。混練機としては、例えば、単軸スクリュー混練機、二軸スクリュー混練機、ミキシングロール、ニーダ、またはバンバリーミキサなどを用いることができる。
なお、上記の混練機として混合の機能を有する混練機が用いられてもよい。その場合、混合工程(S110)と混練工程(S120)とを連続して行うことができる。例えば、混練機に、炭化物および鉄化合物を投入して混合する。続いて、混練機に、有機系バインダーを投入して混合物と混練する。混練機に、炭化物、鉄化合物、および有機系バインダーを一括して投入し、混合および混練することもできるが、炭化物および鉄化合物が凝集しやすく、また、気泡が発生しやすい。そのため、混合工程(S110)と混練工程(S120)とは別々に行われてもよい。また、混練工程(S120)において、混練機を用いることにより、一定の速度で一定の量の有機系バインダーを混合物に添加することができる。
また、混練する温度は、任意に設定することができるが、0℃以上50℃以下、又は10℃以上40℃以下である。また、混練する時間は、1秒以上1時間以下、1分以上30分以下、又は1分以上15分以下である。混練工程(S120)のパラメータを上記範囲とすることで、有機系バインダー中における炭化物および鉄化合物の分散性を最適化することができる。
以上の混練工程(S120)によって、有機系バインダー中に、炭化物と鉄化合物とが分散されたペーストが生成される。
[2-3.造粒工程(S130)]
造粒工程(S130)では、ペーストを造粒して、炭化物、鉄化合物、および有機系バインダーを含む造粒物を生成する。
造粒物の生成は、造粒機を用いて行うことができる。造粒機としては、例えば、圧縮型造粒機、押出型造粒機、ロール型造粒機、ブレード型造粒機、溶融型造粒機、または噴霧型造粒機などを用いることができる。円柱状の造粒物の生成においては、押出型造粒機を用いることができる。ここでは、押出型造粒機を用いた造粒物の生成について説明する。
押出型造粒機は、装着されたダイスから所定の形状に成形されたペーストが押し出される。押し出されたペーストは、所定の長さで切断され、押出方向が高さ方向となるペレット形状の造粒物が生成される。押出型造粒機の切断速度(回転切断方式であれば、回転速度)を調整することで、造粒物の長さ(ペレット形状の高さ)を調整することができる。また、ダイスの開口径を調整することで、造粒物の径(断面形状が円形の場合は直径)を調整することができる。そのため、押出型造粒機を用いることにより、大きさが制御されたペレット形状(例えば、円柱状)を有する造粒物を生成することができる。
造粒物の長さは、1mm以上20mm以下、3mm以上15mm以下、又は3mm以上12mm以下である。また、造粒物の直径は、1mm以上20mm以下、2mm以上10mm以下、又は3mm以上6mm以下である。造粒物の大きさが上記範囲であると、後述する焼成工程(S140)において鉄化合物を十分に還元することができるため、鉄含有炭化物によるリンの吸着効果を高めることができる。
造粒物の断面形状は、円形に限られない。ダイスの開口形状を変えることで、造粒物の断面形状も変えることができる。造粒物の断面形状は、例えば、楕円形または多角形などであってもよい。すなわち、造粒物は、円柱だけでなく、楕円柱または多角柱のペレット形状であってもよい。
造粒工程(S130)においては、造粒物のペレット形状が安定するように、補助剤を添加してもよい。補助剤としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、またはウレタン樹脂などの有機樹脂を用いることができる。なお、後述する焼成工程(S140)で、これら有機樹脂は炭化され、その炭化物も鉄含有炭化物として機能することができる。
以上の造粒工程(S130)によって、炭化物、鉄化合物、および有機系バインダーを含む造粒物が生成される。
[2-4.焼成工程(S140)]
焼成工程(S140)では、造粒物を焼成して鉄含有炭化物を生成する。
造粒物の焼成は、還元雰囲気の下で造粒物を加熱することによって行われる。造粒物には有機系バインダーが含まれている。有機系バインダーを加熱すると、一酸化炭素ガス、水素ガス、硫化水素ガス、二酸化硫黄ガス、または炭化水素ガスなどの還元性ガスが発生する。そのため、別途還元性ガスを導入することなく、造粒物から発生した還元性ガスを用いて、還元性雰囲気を形成することができる。すなわち、造粒物から発生した還元性ガスを用いて、鉄化合物を還元することができる。さらに、造粒物の内部で還元性ガスを発生させることができるため、造粒物の内部の鉄化合物を十分に還元することができる。また、鉄化合物の周囲の有機系バインダーからの還元性ガスによって鉄化合物が鉄に還元されることにより、焼成後の鉄含有炭化物の多孔質の中に鉄が含まれた構造を有する。そのため、鉄含有炭化物のリンの吸着量を高めることができる。
なお、還元性ガスは爆発性や可燃性の観点から取り扱いが難しいガスも多い。そのため、発生した還元性ガスを希釈して排気するため、造粒物の焼成において不活性ガスを含んでもよい。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガスまたはアルゴンガスなどを用いることができる。不活性ガスを用いる場合、例えば、焼成炉内の一酸化炭素の濃度が1%以上20%以下になるように、窒素ガスを流してもよい。
また、有機系バインダーから発生する還元性ガスだけでなく、さらに、一酸化炭素ガス、水素ガス、硫化水素ガス、二酸化硫黄ガス、炭化水素ガス、またはこれらの混合ガスなどの還元性ガスを用いて還元性雰囲気を形成することもできる。ただし、この場合においても、従来の鉄含有炭化物の製造方法と比較して、還元性ガスの量を削減することができる。
造粒物の焼成における加熱温度は、400℃以上1200℃以下、400℃以上900℃以下、又は700℃以上900℃以下である。また、加熱時間は、1分以上10時間以下、又は10分以上5時間以下である。本実施形態に係る鉄含有炭化物の製造方法では、有機系バインダーから発生する還元性ガスを用いて鉄化合物を還元することができるため、通常の鉄含有炭化物の製造方法と比較して、加熱温度を低くし、または加熱時間を短縮することが可能である。
造粒物を焼成することによって、有機系バインダーは炭化物に変化し、鉄化合物は鉄に変化する。以上の焼成工程によって、鉄含有炭化物が生成される。
[2-5.リン添加工程(S150)]
リン添加工程(S150)では、上記の鉄含有炭化物に対して対象物質を添加する。なお、本実施形態では、上記の鉄含有炭化物に含まれる鉄にリンを添加する。例えば、リンを含む水溶液中に鉄含有炭化物を浸漬することで、鉄イオンとりん酸イオンとが反応し、上記の鉄にリンが添加された鉄-リン含有炭化物が形成される。鉄含有炭化物を上記水溶液中に浸漬した状態で、脱気処理(減圧処理)を行ってもよい。また、脱気処理の際に当該水溶液が入った容器を振動させてもよい。なお、以下の堆肥混合処理(S160)で用いられる堆肥材に、鉄含有炭化物に添加するのに十分なリンが含まれている場合、リン添加工程(S150)は省略してもよい。なお、水溶液中で鉄含有炭化物にリン酸を添加する代わりに、鉄含有炭化物と固体の(例えば、粉末状の)リンとを混合することでリンを添加してもよい。
[2-6.堆肥混合工程(S160)]
堆肥混合工程(S160)では、上記の鉄-リン含有炭化物又は鉄含有炭化物(リンが吸着される前の鉄含有炭化物)と堆肥材とを混合させる。この工程によって、本実施形態に係る堆肥が形成される。
以上、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。上記のS110~S140の工程は鉄含有炭化物の製造工程の一態様であり、上記の工程に限定されない。例えば、本実施形態の堆肥を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、上述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
以下に実施例をあげて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
炭化物として不定形状の木炭300gと酸化鉄83.3gとを3分間混合し、混合物を得た。なお、木炭の水分量は7.5%であり、木炭の固形成分は、300×92.5%=277.5gであった。そのため、木炭の固形成分の量と酸化鉄の量との比は277.5:83.3であり、おおよそ10:3であった。
次に、混合物を混練機(株式会社ダルトン製、型式:KDRJ-10)に投入し、常温で2分間かけて廃糖蜜465gを添加し、3分間混練してペーストを得た。木炭の固形成分の量と廃糖蜜の量との比は277.5:465であり、おおよそ10:17であった。
次に、ペーストを造粒機(株式会社ダルトン製、型式:F-5)に投入し、回転速度112rpmの条件の下、径が8mmで高さが40mmのペレット形状の造粒物を得た。
次に、窒素雰囲気下で、造粒物を750℃で3時間焼成して鉄含有炭化物Aを得た。
2kgの鉄含有炭化物Aを充填させたカラムに、下水汚泥脱水分離液を2L/日の流量で4日間通水した。なお、ここで用いた下水汚泥脱水分離液は、沖縄県の下水処理場で汚泥を遠心分離して得られたろ液である。この結果、鉄含有炭化物は、ろ液中のリンを吸着し、鉄-リン含有炭化物Aが形成された。
この後、リンが吸着された鉄-リン含有炭化物Aを自然乾燥させた。その後、鉄-リン含有炭化物Aを堆肥材と混合することで、堆肥を作製した。
<実施例2>
スギ由来の木材を木質バイオマスガス化発電装置により発電することで副生される炭化物を得た。得られた炭化物400gを10Lのポリ硫酸第二鉄(II)の水溶液(鉄含有率11%)に、通常大気圧をゼロとしたゲージ圧で-0.09MPa、室温にて10分浸漬した。浸漬後の炭化物1000gを105℃で24時間乾燥させ、さらに窒素および一酸化炭素ガスの存在下、700℃で3時間加熱して担持されたポリ硫酸第二鉄(II)の還元を行って、鉄含有炭化物Bを得た。
2kgの鉄含有炭化物Bを充填させたカラムに、下水汚泥脱水分離液を2L/日の流量で4日間通水した。なお、ここで用いた下水汚泥脱水分離液は、神奈川県の下水処理場で汚泥を遠心分離して得られたろ液である。この結果、鉄含有炭化物は、ろ液中のリンを吸着し、鉄-リン含有炭化物Bが形成された。
この後、リンが吸着された鉄-リン含有炭化物Bを自然乾燥させた。その後、鉄-リン含有炭化物Bを堆肥材と混合することで、堆肥を作製した。
[鉄-リン含有炭化物に含まれる鉄及びりん酸の比率]
上記の条件で作製した実施例1及び実施例2の鉄-リン含有炭化物A及び鉄-リン含有炭化物Bに対して、ICP発光分光分析法を用いて評価した結果、及びバナドモリブデン酸アンモニウム吸光光度法を用いて評価した結果を表1に示す。
Figure 0007530232000001
表1に記載された「鉄全量(T-Fe)」及び「可溶性鉄(S-Fe)」は、それぞれICP発光分光分析法を用いて評価した結果である。「りん酸全量(T-P)」及び「可溶性りん酸(S-P)」は、それぞれバナドモリブデン酸アンモニウム吸光光度法を用いて評価した結果である。「S-Fe/T-Fe」は鉄全量に対する可溶性鉄の比率、「T-P/T-Fe」は鉄全量に対するりん酸全量の比率である。なお、鉄全量(T-Fe)は、本明細書の鉄成分の全量に相当し、りん酸全量(T-P)は、本明細書のりん酸成分の全量に相当する。
本実施例により、鉄成分の5%以上がペーテルマンクエン酸塩溶液に溶解する可溶性鉄である鉄-リン含有炭化物が作製された。実施例1及び2のいずれの鉄-リン含有炭化物を用いた堆肥でも、水田で使用した場合における硫化水素の発生を持続的に抑制することができる。

Claims (13)

  1. 炭化物および鉄含有物質を含む堆肥であって、
    前記堆肥の固形分に対する前記鉄含有物質の鉄成分の割合が1重量%以上30重量%以下であり、
    前記鉄成分の5%以上が、水には溶けずペーテルマンクエン酸塩溶液に溶解する可溶性鉄である堆肥。
  2. 前記鉄成分と結合されるりん酸を含み、
    前記鉄成分に対する前記りん酸のりん酸成分の割合が0.2以上である、請求項1に記載の堆肥。
  3. 前記鉄成分の0.5%以上5%以下が水に溶解する水溶性鉄である、請求項1又は2に記載の堆肥。
  4. 前記固形分に対する窒素の割合が1重量%以上21重量%以下である、請求項1乃至3のいずれか一に記載の堆肥。
  5. 前記固形分に対するカリウムの割合が1重量%以上21重量%以下である、請求項1乃至4のいずれか一に記載の堆肥。
  6. 前記固形分に対する前記りん酸成分の割合が1重量%以上である、請求項2乃至5のいずれか一に記載の堆肥。
  7. 前記固形分に対する、水に溶解する水溶性りん酸の割合が0.01重量%以上である、請求項6に記載の堆肥。
  8. 前記固形分に対する、ペーテルマンクエン酸塩溶液に溶解する可溶性りん酸の割合が1重量%以上である、請求項6又は7に記載の堆肥。
  9. 前記固形分に対する灰分の割合が5重量%以上30重量%以下であり、かつ、前記固形分に対する有機炭素の割合が10重量%以上40重量%以下である、請求項1乃至8のいずれか一に記載の堆肥。
  10. 前記固形分に対するマンガンの割合が0.005重量%以上0.2重量%以下である、請求項1乃至9のいずれか一に記載の堆肥。
  11. 前記固形分に対するホウ酸の割合が1ppm以上50ppm以下である、請求項1乃至10のいずれか一に記載の堆肥。
  12. 前記固形分に対する亜鉛の割合が1ppm以上700ppm以下である、請求項1乃至11のいずれか一に記載の堆肥。
  13. 水分の割合が30重量%以上80重量%以下である、請求項1乃至12のいずれか一に記載の堆肥。
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