JP7526271B2 - リード切断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リード部品のリードを切断するリード切断装置に関するものである。
下記特許文献には、リード部品のリードを切断刃により切断するリード切断装置について記載されている。
特開平7-15184号公報
本明細書は、リード部品のリードを適切に切断することを課題とする。
上記課題を解決するために、本明細書は、リード部品のリードを切断する切断刃と、前記リードが切断される際の前記切断刃の変位量を検出するセンサと、前記センサにより検出された検出値を複数回、記憶する記憶装置と、を備え、前記記憶装置が、同じ種類のリード部品のリードが切断される際に前記センサにより検出された検出値を複数回、記憶するリード切断装置を開示する。
本開示によれば、リードが切断される際の切断刃の変位量が、複数回分、記憶装置に記憶される。これにより、複数回分の切断刃の変位量を利用することが可能となり、リードを適切に切断することができる。
部品実装機を示す斜視図である。 部品装着装置を示す斜視図である。 基材搬送保持装置とカットアンドクリンチ装置とを示す斜視図である。 カットアンドクリンチ装置を示す斜視図である。 カットアンドクリンチユニットを示す斜視図である。 スライド体を示す断面図である。 スライド体を示す斜視図である。 制御装置を示すブロック図である。 スライド体及びコネクタを示す斜視図である。 リード部品のリードが切断される直前のカットアンドクリンチユニットを示す概略図である。 リード部品のリードが切断された後のカットアンドクリンチユニットを示す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
図1に、部品実装機10を示す。部品実装機10は、回路基材12に対する部品の実装作業を実行するための装置である。部品実装機10は、装置本体20、基材搬送保持装置22、部品装着装置24、マークカメラ26、パーツカメラ28、部品供給装置30、ばら部品供給装置32、カットアンドクリンチ装置(図3参照)34、制御装置(図8参照)36を備えている。なお、回路基材12として、回路基板、三次元構造の基材等が挙げられ、回路基板として、プリント配線板、プリント回路板等が挙げられる。
装置本体20は、フレーム40と、そのフレーム40に上架されたビーム42とによって構成されている。基材搬送保持装置22は、フレーム40の前後方向の中央に配設されており、搬送装置50とクランプ装置52とを有している。搬送装置50は、回路基材12を搬送する装置であり、クランプ装置52は、回路基材12を保持する装置である。これにより、基材搬送保持装置22は、回路基材12を搬送するとともに、所定の位置において、回路基材12を固定的に保持する。なお、以下の説明において、回路基材12の搬送方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する。つまり、部品実装機10の幅方向は、X方向であり、前後方向は、Y方向である。
部品装着装置24は、ビーム42に配設されており、2台の作業ヘッド60,62と作業ヘッド移動装置64とを有している。各作業ヘッド60,62の下端面には、図2に示すように、吸着ノズル66が設けられており、その吸着ノズル66によって部品を吸着保持する。また、作業ヘッド移動装置64は、X方向移動装置68とY方向移動装置70とZ方向移動装置72とを有している。そして、X方向移動装置68とY方向移動装置70とによって、2台の作業ヘッド60,62は、一体的にフレーム40上の任意の位置に移動させられる。また、各作業ヘッド60,62は、スライダ74,76に作業者が工具を用いることなく着脱可能に位置決めして装着されており、Z方向移動装置72は、スライダ74,76を個別に上下方向に移動させる。つまり、作業ヘッド60,62は、Z方向移動装置72によって、個別に上下方向に移動させられる。
マークカメラ26は、下方を向いた状態でスライダ74に取り付けられており、作業ヘッド60とともに、X方向,Y方向およびZ方向に移動させられる。これにより、マークカメラ26は、フレーム40上の任意の位置を撮像する。パーツカメラ28は、図1に示すように、フレーム40上の基材搬送保持装置22と部品供給装置30との間に、上を向いた状態で配設されている。これにより、パーツカメラ28は、作業ヘッド60,62の吸着ノズル66に保持された部品を撮像する。
部品供給装置30は、フレーム40の前後方向での一方側の端部に配設されている。部品供給装置30は、トレイ型部品供給装置78とフィーダ型部品供給装置(図8参照)80とを有している。トレイ型部品供給装置78は、トレイ上に載置された状態の部品を供給する装置である。フィーダ型部品供給装置80は、テープフィーダ、スティックフィーダ(図示省略)によって部品を供給する装置である。
ばら部品供給装置32は、フレーム40の前後方向での他方側の端部に配設されている。ばら部品供給装置32は、ばらばらに散在された状態の複数の部品を整列させて、整列させた状態で部品を供給する装置である。つまり、任意の姿勢の複数の部品を、所定の姿勢に整列させて、所定の姿勢の部品を供給する装置である。なお、部品供給装置30および、ばら部品供給装置32によって供給される部品として、電子回路部品,太陽電池の構成部品,パワーモジュールの構成部品等が挙げられる。また、電子回路部品には、リードを有する部品,リードを有さない部品等が有る。
カットアンドクリンチ装置34は、図3に示すように、搬送装置50が備える1対の搬送レーン90の間に配設されている。カットアンドクリンチ装置34は、図4に示すように、カットアンドクリンチユニット100とユニット移動装置102とを有している。カットアンドクリンチユニット100は、クランプ装置52に保持された回路基材12に形成された貫通穴(図10参照)104に挿入されたリード部品(図10参照)106のリード(図10参照)108を切断するとともに、屈曲させる装置である。カットアンドクリンチユニット100は、図5に示すように、ユニット本体110と、1対のスライド体112とを含む。ユニット本体110の上端には、スライドレール116が直線的に延びるように配設されており、そのスライドレール116によって、1対のスライド体112が、スライド可能に支持されている。これにより、1対のスライド体112が直線的に接近・離間する。また、1対のスライド体112の間の距離は、電磁モータ(図8参照)118の駆動により制御される。
また、1対のスライド体112の各々は、固定体120と可動体122とを有しており、固定体120において、スライドレール116にスライド可能に保持されている。その固定体120の背面側には、1対のスライド体112が並ぶ方向に延びるように、2本のスライドレール126が固定されており、それら2本のスライドレール126によって、可動体122がスライド可能に保持されている。そして、可動体122の位置は、電磁モータ(図8参照)128の駆動により、固定体120に対して制御可能にスライドする。
また、固定体120の上端部は、図6及び図7に示すように、先細形状とされており、その上端部を上下方向に貫通するように、第1挿入穴130が形成されている。なお、第1挿入穴130の上端面への開口縁は、固定刃(図10参照)131である。また、第1挿入穴130の下端は、固定体120の前方側の側面に向かって開口しており、その側面への開口の下方には、カットしたリード屑を回収するための廃棄ボックス132が配設されている。
また、可動体122の上端部も、先細形状とされており、その上端部には、L字型に屈曲された屈曲部133が形成されている。屈曲部133は、固定体120の上端面の上方に延び出している。また、固定体120の上端面に開口する第1挿入穴130は、屈曲部133によって覆われているが、屈曲部133には、第1挿入穴130と対向するように、第2挿入穴136が形成されている。第2挿入穴136は、屈曲部133を上下方向に貫通する貫通穴であり、第2挿入穴136の内周面は、下方に向かうほど内径が小さくなるテーパ面である。なお、第2挿入穴136の屈曲部133の下端面への開口縁は、可動刃(図10参照)138である。また、屈曲部133の上端面には、可動体122のスライド方向に延びるように、ガイド溝139が形成されている。ガイド溝139は、第2挿入穴136の開口を跨ぐように形成されており、ガイド溝139と第2挿入穴136とは繋がっている。そして、ガイド溝139は、屈曲部133の両側面に開口している。
また、可動体122は、可動本体140と可動交換体142とによって構成されている。可動本体140は、可動体122の下側の部分を構成するものであり、図6に示すように、スライドレール126によってスライド可能に支持されている。一方、可動交換体142は、可動体122の上側の部分を構成するものであり、屈曲部133を含んでいる。その可動交換体142は、可動本体140にボルト締結されることで、位置決めして固定されており、ボルトの取り外しにより、可動本体140から可動交換体142を取り外すことが可能である。つまり、可動交換体142は、可動本体140に着脱可能である。また、固定体120も、可動体122と同様に、固定体120の下側の部分を構成する固定本体144と、固定体120の上側の部分を構成する固定交換体146とによって構成されており、固定交換体146は固定本体144にボルト締結により着脱可能である。
また、可動体122を構成する可動交換体142の上端部の側面には、図7に示すように、歪ゲージ148が配設されている。歪ゲージ148は、概して薄膜形状とされており、可動交換体142の側面に粘着剤により貼着されている。歪ゲージ148は、金属薄膜の抵抗体(図示省略)を有しており、その抵抗体の変形に伴う電気抵抗の変化を検出することで、その抵抗体の歪量、つまり、変位量が演算される。なお、図7には、1つの可動体122の可動交換体142に歪ゲージ148が配設されたものが図示されているが、1対の可動体122それぞれの可動交換体142には歪ゲージ148が配設されている。
また、ユニット移動装置102は、図3に示すように、X方向移動装置150とY方向移動装置152とZ方向移動装置154と自転装置156とを有している。X方向移動装置150は、スライドレール160とXスライダ162とを含む。スライドレール160は、X方向に延びるように配設されており、Xスライダ162は、スライドレール160にスライド可能に保持されている。そして、Xスライダ162は、電磁モータ(図8参照)164の駆動により、X方向に移動する。Y方向移動装置152は、スライドレール166とYスライダ168とを含む。スライドレール166は、Y方向に延びるようにXスライダ162に配設されており、Yスライダ168は、スライドレール166にスライド可能に保持されている。そして、Yスライダ168は、電磁モータ(図8参照)170の駆動により、Y方向に移動する。Z方向移動装置154は、スライドレール172とZスライダ174とを含む。スライドレール172は、Z方向に延びるようにYスライダ168に配設されており、Zスライダ174は、スライドレール172にスライド可能に保持されている。そして、Zスライダ174は、電磁モータ(図8参照)176の駆動により、Z方向に移動する。
また、自転装置156は、概して円盤状の回転テーブル178を有している。回転テーブル178は、それの鉛直軸心を中心に回転可能にZスライダ174に支持されており、電磁モータ(図8参照)180の駆動により、回転する。そして、回転テーブル178の上に、カットアンドクリンチユニット100が、作業者が工具を用いることなくワンタッチで着脱可能に位置決めして配設されている。このような構造により、カットアンドクリンチユニット100は、X方向移動装置150、Y方向移動装置152、Z方向移動装置154によって、任意の位置に移動するとともに所定の位置に位置決めが可能であり、また、自転装置156によって、任意の角度に自転するとともに所定の角度に位置決めが可能である。これにより、カットアンドクリンチユニット100を、クランプ装置52によって保持された回路基材12の下方において、任意の位置および角度に位置決めすることが可能である。
制御装置36は、図8に示すように、コントローラ190、複数の駆動回路192、画像処理装置196を備えている。複数の駆動回路192は、上記搬送装置50、クランプ装置52、作業ヘッド60,62、作業ヘッド移動装置64、トレイ型部品供給装置78、フィーダ型部品供給装置80、ばら部品供給装置32、電磁モータ118,128,164,170,176,180に接続されている。コントローラ190は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路192に接続されている。これにより、基材搬送保持装置22、部品装着装置24等の作動が、コントローラ190によって制御される。また、コントローラ190は、画像処理装置196に接続されている。画像処理装置196は、マークカメラ26およびパーツカメラ28によって得られた画像データを処理するものであり、コントローラ190は、それら画像データから各種情報を取得する。
また、制御装置36は記憶装置198を有している。記憶装置198は、コントローラ190に接続されており、コントローラ190からの指令に従って、各種情報を記憶する。また、制御装置36は、表示パネル199にも接続されている。表示パネル199は、図1に示すように、ばら部品供給装置32の作業者側に配設されており、制御装置36からの指令に従って、任意の画面を表示する。さらに、コントローラ190は、歪ゲージ148にも接続されている。歪ゲージ148は、上述したように、抵抗体の変形に伴う電気抵抗に基づいて変位量を検出する。このため、コントローラ190は、歪ゲージ148により検出された変位量を取得する。
なお、歪ゲージ148は、コネクタを介してコントローラ190に接続されている。詳しくは、図9に示すように、カットアンドクリンチユニット100の1対のスライド体112各々の隣の位置には、コネクタ200が可動本体140に固定的に配設されている。また、歪ゲージ148は、上述したように、スライド体112を構成する可動体122の可動交換体142に配設されている。そして、その歪ゲージ148には、出力線202の一端部が接続されており、その出力線202の他端部が、コネクタ200に接続されている。また、コネクタ200には、可動交換体142が任意の水平方向および垂直方向の位置に移動できるように、コントローラ190に通じる入力線204の一端部が接続されている。このように、歪ゲージ148は、コネクタ200を介してコントローラ190に接続されている。
部品実装機10では、上述した構成によって、基材搬送保持装置22に保持された回路基材12に対して部品の装着作業が行われる。部品実装機10では、種々の部品を回路基材12に装着することが可能であるが、リード部品106を回路基材12に装着する場合について、以下に説明する。
具体的には、回路基材12が、基材搬送保持装置22の搬送装置50によって作業位置まで搬送され、その位置において、クランプ装置52によって固定的に保持される。次に、マークカメラ26が、回路基材12の上方に移動し、回路基材12を撮像する。これにより、回路基材12の保持位置等に関する情報が得られる。また、部品供給装置30若しくは、ばら部品供給装置32が、所定の供給位置において、リード部品106を作業ヘッド60,62に供給する。そして、作業ヘッド60,62の何れかが、部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル66によって、リード部品106の部品本体(図10参照)200を吸着保持する。
続いて、リード部品106を保持した作業ヘッド60,62が、パーツカメラ28の上方に移動し、パーツカメラ28によって、吸着ノズル66に保持されたリード部品106が撮像される。これにより、部品の保持位置等に関する情報が得られる。続いて、リード部品106を保持した作業ヘッド60,62が、回路基材12の上方に移動し、回路基材12の保持位置の誤差,部品の保持位置の誤差等を補正する。そして、吸着ノズル66により吸着保持されたリード部品106のリード108が、回路基材12に形成された貫通穴104に挿入される。この際、回路基材12の下方には、カットアンドクリンチユニット100が移動している。
具体的には、カットアンドクリンチユニット100において、1対のスライド体112の第2挿入穴136の間の距離が、回路基材12に形成された2つの貫通穴104の間の距離と同じとなるように、1対のスライド体112の間の距離が、電磁モータ118の作動により移動して位置決めされる。また、回路基材12の2つの貫通穴104の並ぶ方向と、1対のスライド体112の2つの第2挿入穴136の並ぶ方向とが一致するように、自転装置156が作動して位置決めされる。
そして、X方向移動装置150及びY方向移動装置152の作動により、第2挿入穴136のXY方向での座標と、回路基材12の貫通穴104のXY方向での座標とが一致するように、カットアンドクリンチユニット100が移動して位置決めされる。これにより、カットアンドクリンチユニット100が、XY方向に沿って移動することで、スライド体112の第2挿入穴136と、回路基材12の貫通穴104とが上下方向に重なった状態に位置決めされる。
次に、カットアンドクリンチユニット100は、Z方向移動装置154の作動により、可動体122の上面が回路基材12の下面に接触、若しくは、回路基材12の下面に近接する僅か下方に位置するように、上昇して位置決めされる。このように、X方向移動装置150,Y方向移動装置152,Z方向移動装置154,自転装置156の作動が制御されることで、スライド体112の第2挿入穴136と、回路基材12の貫通穴104とが重なった状態で、カットアンドクリンチユニット100が回路基材12の下方に位置決めされる。
そして、吸着ノズル66により吸着保持されたリード部品106のリード108が、回路基材12の貫通穴104に挿入されると、そのリード108の先端部は、図10に示すように、カットアンドクリンチユニット100の可動体122の第2挿入穴136を経て、固定体120の第1挿入穴130に挿入される。次に、リード108の先端部が、固定体120の第1挿入穴130に挿入されると、1対の可動体122が電磁モータ128の作動により離間する方向にスライドする。これにより、リード108が、図11に示すように、第1挿入穴130の固定刃131と第2挿入穴136の可動刃138とによって切断される。そして、リード108の切断により分離された先端部は、第1挿入穴130の内部において落下し、廃棄ボックス132に収容される。
また、1対の可動体122は、リード108を切断した後も、さらに離間する方向にスライドする。このため、先端が切断されたリード108は、可動体122のスライドに伴って、第2挿入穴136の内周のテーパ面に沿って屈曲し、さらに、可動体122がスライドすることで、リード108が可動交換体142に設けられたガイド溝139に沿って屈曲する。これにより、先端が切断された1対のリード108は、互いに離間する方向に屈曲し、リード108の貫通穴104からの抜けが防止された状態で、リード部品106が回路基材12に装着される。
このように、カットアンドクリンチユニット100において、固定刃131と可動刃138とによりリード部品106のリード108が切断され、屈曲されることで、リード部品106が回路基材12に装着される。ただし、固定刃131及び可動刃138は消耗品であるため、リード108の切断に伴って切れ味が低下したり欠けが生じたりすると、交換する必要がある。このため、従来は、作業者がリードの切断面を確認し、切断面が滑らかでない場合に、作業者が、固定刃131及び可動刃138の切れ味が低下していると判断し、固定刃131及び可動刃138の交換を行っていた。しかしながら、切断面が滑らかでない場合、つまり、切断面が荒れている場合には、リード108が滑らかに切断されずに、そのような場合には、リード108を適切に切断することができずに、部品実装機10の稼働を止めてしまう虞がある。
また、カットアンドクリンチユニット100によるリード108の切断回数をカウントしておいて、カウントされた切断回数が予め設定された閾回数を超えた場合に、固定刃131及び可動刃138の切れ味が低下すると想定し、固定刃131及び可動刃138の交換を行うことも可能である。しかしながら、リード108の切断回数が閾回数を超えた場合であっても、固定刃131及び可動刃138の切れ味が低下していない場合がある。このような場合には、まだ使用することのできる固定刃131及び可動刃138、つまり、まだ切れ味が低下していない固定刃131及び可動刃138を交換しなければならず、無駄が生じる。一方、リード108の切断回数が閾回数を超える前に、固定刃131及び可動刃138の切れ味が低下する場合もある。このような場合には、既に切れ味が低下している固定刃131及び可動刃138によりリードの切断が実行されるために、適切にリードを切断できない虞がある。このように、リードの切断回数を利用して固定刃131及び可動刃138の適切な交換時期を推定することができない。
このようなことに鑑みて、カットアンドクリンチユニット100では、歪ゲージ148により検出された変位量を利用して、固定刃131及び可動刃138の交換時期の推定が行われる。つまり、歪ゲージ148により検出された変位量は、その歪ゲージ148が配設されている可動体122の変位量とみなすことができる。そして、可動体122の可動刃138と固定体120の固定刃131とによりリードが切断される際に、可動体122が僅かに撓むことで変形する。このため、固定刃131及び可動刃138の切れ味が良い場合には、リード108が固定刃131及び可動刃138により滑らかに切断されるため、可動体122の変位量、つまり、歪ゲージ148の変位量は小さい。一方、固定刃131及び可動刃138の切れ味が悪い場合には、リード切断時に固定刃131及び可動刃138にかかる負荷が大きくなり、可動体122の変位量、つまり、歪ゲージ148の変位量は大きくなる。そこで、歪ゲージ148により検出された変位量が、予め設定された閾値を超える場合には、固定刃131及び可動刃138の交換を促す画面が表示パネル199に表示される。
具体的には、カットアンドクリンチユニット100によりリード108が切断される毎に、歪ゲージ148により変位量が検出され、検出された変位量がコントローラ190に入力される。この際、コントローラ190は、歪ゲージ148から変位量が入力される毎に、入力された変位量を記憶装置198に記憶させる。そして、コントローラ190は、歪ゲージ148により検出された変位量が閾値を超えているか否かを判断する。この際、歪ゲージ148により検出された変位量が閾値を超えている場合には、カットアンドクリンチユニットは新たなリードの切断を行うことなく、固定刃131及び可動刃138の交換を促す画面が表示パネル199に表示される。また、固定刃131及び可動刃138の交換を促す画面が表示パネル199に表示され、部品実装機10の作動が停止する。これにより、固定刃131及び可動刃138の切れ味の低下を適切に判断し、適切なタイミングで固定刃131及び可動刃138の交換を行うことができる。
なお、固定刃131の交換時には、固定交換体146が固定本体144から取り外され、新たな固定交換体146が、位置決めした状態でボルトにより固定本体144に固定される。また、可動刃138の交換時には、可動交換体142が可動本体140から取り外されるとともに、その可動交換体142に貼着されている歪ゲージ148の出力線202がコネクタ200から取り外される。そして、新たな可動交換体142が、位置決めした状態でボルトにより可動本体140に固定されるとともに、新たな可動交換体142に貼着されている歪ゲージ148の出力線202が同じコネクタ200に接続される。このように、固定刃131及び可動刃138の交換が行われると、交換された固定刃131及び可動刃138によりリードの切断チェックが行われる。つまり、交換された固定刃131及び可動刃138によりリードの切断が行われ、その際に貼着された歪ゲージ148により可動刃の変位量が検出される。そして、検出された変位量が閾値以下であるか否かが確認され、検出された変位量が閾値以下である場合には、コントローラは、固定刃131及び可動刃138の交換が適切に完了したと判断する。
なお、上述した閾値はリード部品の種類毎に設定されている。つまり、同じ材質のリードにおいては、リードの線径が太いほど、固定刃131及び可動刃138にかかる負荷は大きくなり、同じ線経のリードにおいては、リードの材質が固いほど、固定刃131及び可動刃138にかかる負荷は大きくなる。このため、リードの線径,材質などに応じて、リードを切断するときの可動刃の変位量の閾値がリード部品の種類毎に設定されている。これにより、リード部品の種類に関わらず、リードを切断するときの固定刃131及び可動刃138の切れ味の低下を適切に判断することができる。
このように、変位量の閾値がリード部品の種類毎に設定されていることから、同じ種類のリード部品のリードが連続して複数回、切断される毎に歪ゲージ148により検出された変位量は、1つのグループとして、記憶装置198に記憶される。この際、歪ゲージ148により検出された全ての変位量が、それぞれのリードを切断した時の時刻とともに、切断したリード部品の種類を示す情報とを対応付けて記憶装置198に記憶する。なお、同じ種類のリード部品とは、同じ形状,同じ性能,同じ材質,同じ線径,同じ色の部品である。そして、歪ゲージ148により検出された全ての変位量において閾値を超えているか否かが判断される。つまり、カットアンドクリンチユニット100において同じ種類のリード部品のリードが切断される毎に、歪ゲージ148により検出された変位量の変化が確認される。これにより、固定刃131及び可動刃138の切れ味の低下をきめ細やかに判断することが可能となり、固定刃131及び可動刃138の交換のタイミングを適切に判断することができる。特に、線径が太いリード,材質が固いリード等の切断時には、固定刃131及び可動刃138にかかる負荷が大きくなるため、歪ゲージ148により検出される変位量に誤差が生じやすくなる。このような場合には、リードが切断される毎に、歪ゲージ148により検出された変位量の変化を確認すること、つまり、変位量が閾値を超えているか否かを判断することで、確実に固定刃131及び可動刃138の低下の有無を判断することができる。
一方で、線径が細いリード,材質が柔らかいリード等の切断時には、固定刃131及び可動刃138にかかる負荷は小さいため、歪ゲージ148により検出される変位量の検出誤差は生じ難い。このようなリードを切断する場合には、リードが切断される毎に、歪ゲージ148により検出したすべての変位量を確認する必要性は低く、歪ゲージ148により複数回、検出した変位量のうちの一部の変位量を確認すればよい。つまり、歪ゲージ148により複数回、検出された歪ゲージ148の変位量のうちの一部の変位量において閾値が超えているか否かを判断すればよい。例えば、線径が細いリード,材質が柔らかいリード等を有するリード部品では、同じ種類のリード部品のリードが連続して複数回、切断される毎に歪ゲージ148により検出された変位量のうちの一部の所定回数の変位量を、記憶装置198は1つのグループとして記憶する。この際、歪ゲージ148により検出された全ての変位量を記憶装置198が記憶する場合と同様に、歪ゲージ148により検出された全ての変位量のうちの一部の所定回数の変位量が、それぞれのリードを切断した時の時刻とともに、リード部品の種類を示す情報とを対応付けて記憶装置198は記憶する。
具体的には、リードが10回、切断された場合に、連続する所定回数、例えば、3回分のリードを切断した時の歪みゲージの変位量であって、2回目の切断時の変位量,3回目の切断時の変位量,4回目の切断時の変位量を、記憶装置198は記憶する。また、リードが10回、切断された場合に、連続しない所定回数、例えば、3回分のリードを切断した時の歪みゲージの変位量であって、2回目の切断時の変位量,5回目の切断時の変位量,7回目の切断時の変位量を、記憶装置198は記憶する。なお、何回目のリードを切断した時の歪みゲージの変位量を記憶装置198が記憶するかを、作業者は表示パネル199を通じてコントローラ190に任意に設定することができる。そして、コントローラ190は、そのように記憶装置198に記憶された変位量が閾値を超えているか否かを判断する。このように、線径が細いリード,材質が柔らかいリード等の切断時には、リードが切断される毎に歪ゲージ148により検出された変位量のうちの一部の所定回数の変位量が、記憶装置198に記憶され、その一部の所定回数の変位量が閾値を超えているか否かが判断される。
また、上述したように、同じ種類のリード部品のリードを切断した時に歪ゲージ148により検出された変位量が、1つのグループとして記憶装置198に記憶されるが、他の種類のリード部品に関しても、歪ゲージ148により検出された変位量が、1つのグループとして記憶装置198に記憶される。つまり、複数種類のリード部品のリードを切断した時に歪ゲージ148により検出された変位量は、リード部品の種類毎のグループに区分けされた状態で記憶装置198に記憶される。具体的には、例えば、A部品のリード切断時に歪ゲージ148により検出された変位量は、A部品のグループとして、記憶装置198に記憶され、B部品のリード切断時に歪ゲージ148により検出された変位量は、B部品のグループとして、記憶装置198に記憶される。このように、部品種類毎に歪ゲージ148による変位量を記憶することで、部品種ごとの変位量の変化を確認することが可能となる。
また、従来のカットアンドクリンチユニットでは、リードの切断を適切に行うために、第1挿入穴130及び第2挿入穴136にリードが挿入されているか否かを検出するための専用のセンサが設けられていた。一方、カットアンドクリンチユニット100では、歪ゲージ148により検出された変位量に基づいて、固定刃131及び可動刃138の交換時期を推定することに加えて、第1挿入穴130及び第2挿入穴136へリードが挿入されたか否かをも確認される。詳しくは、リード切断時において、上述したように、電磁モータ128の作動により可動体122がスライドすることで、第1挿入穴130及び第2挿入穴136に挿入されたリード108が切断され、かつ曲げられる。この際、第1挿入穴130及び第2挿入穴136にリード108が挿入されていれば、固定刃131及び可動刃138にリード108が接触するために、可動体122に負荷がかかることで、可動体122に貼着された歪ゲージ148により変位量が検出される。一方で、第1挿入穴130及び第2挿入穴136にリード108が挿入されていない場合には、電磁モータ128の作動により可動体122がスライドしたとしても、固定刃131及び可動刃138にリード108は接触しないため、可動体122に負荷はかからないことから、可動体122に貼着された歪ゲージ148により変位量は検出されない。そこで、電磁モータ128の作動により可動体122がスライドした際に、歪ゲージ148により変位量が検出された場合には、第1挿入穴130及び第2挿入穴136にリード108が挿入されているものと判断される。一方、電磁モータ128の作動により可動体122がスライドした際に、可動体122に貼着された歪ゲージ148により変位量が検出されない場合には、第1挿入穴130及び第2挿入穴136にリード108が挿入されていないと判断される。このように、カットアンドクリンチユニット100では、可動体122に貼着された歪ゲージ148により検出された変位量に基づいて、第1挿入穴130及び第2挿入穴136へのリードの挿入の有無が確認される。これにより、第1挿入穴130及び第2挿入穴136へのリードの挿入の有無を検出するための専用のセンサを設ける必要がなくなり、コスト,配設スペース等を抑制することができる。
なお、カットアンドクリンチユニット100は、リード切断装置の一例である。リード部品106は、リード部品の一例である。リード108は、リードの一例である。固定刃131及び可動刃138は、切断刃の一例である。歪ゲージ148は、センサの一例である。記憶装置198は、記憶装置の一例である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、固定刃131及び可動刃138によりリードが切断されている、つまり、2枚の切断刃によりリードが切断されているが、例えば、1枚の切断刃によりリードが切断されてもよい。例えば、1枚の切断刃により、回路基材12の貫通穴104に挿入されたリードを、貫通穴104の内壁面に押し当てながら切断してもよい。
また、上記実施例では、リードを切断するとともに、リードを屈曲するカットアンドクリンチユニット100に本発明が適用されているが、リードを切断するのみで屈曲しないリード切断装置に本発明が適用されてもよい。
また、上記実施例では、可動体122の可動交換体142が交換される際に、新たに取り付けられる可動交換体142には新たな歪ゲージ148が貼着されている。つまり、可動交換体142に貼着されている歪ゲージ148は再利用されない。しかしながら、可動交換体142に貼着されている歪ゲージ148を再利用してもよい。例えば、歪ゲージ148を可動交換体142にネジ止めやシール材、あるいははめ込み式などを利用して、容易に着脱可能に配設し、可動交換体142が可動本体140から取り外された場合に、その可動交換体142から歪ゲージ148を取り外す。そして、その取り外した歪ゲージ148を、新たな可動交換体142に配設してもよい。
また、上記実施例では、可動交換体142に貼着した歪ゲージ148の検出値に基づいて可動刃138と固定刃131の交換時期が推定されているが、歪ゲージ148に代えて、圧力センサ,応力センサ等を用いてもよい。また、交換する対象は1対の交換体である必要はなく、可動交換体のみ、あるいは固定交換体のみとしても良い。
また、上記実施例では、歪ゲージ148が可動交換体142の上端部、つまり、可動刃138に近い位置に配設されているが、可動刃138から離れた位置に配設されてもよい。また、可動交換体142でなく、可動本体140と可動交換体142との間に、歪ゲージ148が配設されてもよい。さらに言えば、可動体122に代えて、固定体120に歪ゲージ148が配設されてもよい。また歪ゲージ148は、1対の可動交換体と固定交換体のそれぞれに配設しても良い。また1対の交換体のうちのいずれかの交換体にのみ歪ゲージを配設して、使用する歪ゲージの数を削減してもよい。
100:カットアンドクリンチユニット(リード切断装置) 106:リード部品 108:リード 131:固定刃(切断刃) 138:可動刃(切断刃) 148:歪ゲージ(センサ) 198:記憶装置

Claims (3)

  1. リード部品のリードを切断する切断刃と、
    前記リードが切断される際の前記切断刃の変位量を検出するセンサと、
    前記センサにより検出された検出値を複数回、記憶する記憶装置と、
    を備え
    前記記憶装置が、
    同じ種類のリード部品のリードが切断される際に前記センサにより検出された検出値を複数回、記憶するリード切断装置。
  2. 前記記憶装置が、
    同じ種類のリード部品を1つのグループとして、複数グループのリード部品のリードが切断される際に前記センサにより検出された検出値を複数回、記憶する請求項1に記載のリード切断装置。
  3. 前記記憶装置が、
    同じ種類のリード部品のリードが連続して複数回、切断される毎に前記センサにより検出された検出値のうちの所定の回数、を記憶する請求項1または請求項2に記載のリード切断装置。
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