JP7520694B2 - 圧入鋼板の機械式継手構造 - Google Patents

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Description

本発明は、橋脚などの柱状の既設構造物の周りに鋼板を組み立てて圧入する圧入鋼板の鋼板同士を接合する圧入鋼板の機械式継手構造に関する。
従来、既設RC橋脚の耐震補強工法としては、RC巻立て工法や鋼板巻立て工法、柱状体圧入補強工法(ピア-リフレ工法)などが知られている。例えば、柱状体圧入補強工法(ピア-リフレ工法)の一例として、特許文献1には、本願出願人が提案した、既設のRC橋脚に鋼板を巻き立て、圧入し、水中不分離型無収縮モルタルにより既設橋脚と一体化することにより耐震補強を行う既設RC橋脚耐震補強用の圧入装置及びそれを用いた鋼板圧入工法が開示されている(特許文献1の明細書の段落[0026]~[0030]、図面の図8~図14等参照)。
特許文献1に記載の圧入装置及びそれを用いた鋼板圧入工法は、鋼矢板等による土留めや仮締切などの作業空間を確保するための仮設工事が不要であり、掘削は鋼板と既設橋脚とのわずかな隙間に限定されるため、工費・工期を削減することができ、環境にも優しいという特徴がある。また、圧入工法であるため堤防などの開削ができない施工条件でも補強工事を行うことができるという優れた特徴があった。
しかし、特許文献1に記載の鋼板圧入工法に用いる圧入鋼板の接合は、圧入時に強い応力が作用する鋼板同士を接合するものであり、図6に示すように、V型(レ型)の開先を突き合わせて現地で完全溶け込み溶接をして接合する必要があるために以下のような問題点があった。つまり、現地溶接の問題点は、(1)溶接部の品質にバラツキを生じること、(2)溶接技能者を確保することが困難であること、(3)天候に左右されるため作業工程の調整が困難であること、(4)溶接の熱で鋼板に歪が発生し熱変形してしまうこと等、である。
このような問題点を解消するべく、特許文献2には、鋼板巻立て工法に用いる補強鋼板の端部にそれぞれ凹凸を設けた継手部材を設け、それらの継手部材を噛み合わせて接合する構造物補強用部材の機械式継手構造が開示されている(特許文献2の明細書の段落[0028]~[0047]、図面の図1~図3等参照)。
しかし、特許文献2に記載の構造物補強用部材の機械式継手構造は、建物の柱や梁、橋脚などの柱状のコンクリート構造物の周りに巻き立てる補強鋼板の各ピースの接合部分をずらして挿入し、挿入後噛み合わせ継手を接合する、構造であった。このため、巻き立てた補強鋼板の上下の接合部に適用できるものではなく、圧縮力や引張力など様々な大きな応力が作用する補強鋼板を巻き立てて圧入する圧入鋼板の接合部には適用できるものではなかった。
特開2012-167474号公報 特開2016-145506号公報
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、熱で歪んで変形しないように溶接接合など入熱する接合方法を用いずに、大きな応力が作用する圧入鋼板の上下接合にも適用でき、外側からの片側施工で短時間に簡単に接合可能な圧入鋼板の機械式継手構造を提供することにある。
請求項1に係る圧入鋼板の機械式継手構造は、柱状の既設構造物の周りに補強鋼板として圧入される複数枚の圧入鋼板同士を接合する圧入鋼板の機械式継手構造であって、前記圧入鋼板の端部に取り付けられた凹部及び凸部の両方を有する継手部と、前記凹部又は前記凸部と噛合する凹部及び凸部の両方を有する継手板と、を備え、隣接する前記圧入鋼板の前記継手部同士が、前記凹部と前記凸部とが噛合することで前記継手部より内側に配設された前記継手板を介して接合されているとともに、前記既設構造物から離れた外側からの施工だけで止め付け可能なワンサイド接続具で前記継手部と前記継手板とが接合されていることを特徴とする。
請求項2に係る圧入鋼板の機械式継手構造は、請求項1に係る圧入鋼板の機械式継手構造において、少なくとも上下に隣接する前記圧入鋼板同士が前記継手板を介して接合されていることを特徴とする。
請求項3に係る圧入鋼板の機械式継手構造は、請求項1又は2に係る圧入鋼板の機械式継手構造において、前記ワンサイド接続具は、前記継手部の外側の表面から外側に突出していないことを特徴とする。
請求項4に係る圧入鋼板の機械式継手構造は、請求項3に係る圧入鋼板の機械式継手構造において、前記ワンサイド接続具は、前記継手板に雌ねじを形成して止め付け可能なフォーミングスクリューであることを特徴とする。
請求項5に係る圧入鋼板の機械式継手構造は、請求項1ないし4のいずれかに記載の圧入鋼板の機械式継手構造において、前記圧入鋼板の一般部と前記継手部とは、面一となっているか、又は段差なくなだらかな傾斜面で接合されていることを特徴とする。
請求項1~5に係る発明によれば、溶接接合など入熱する接合方法を用いず機械式継手で圧入鋼板同士を接合するので、圧入鋼板に熱で歪が発生して変形するおそれがなくなるだけでなく、溶接技能者を確保することが困難であるという問題を解消することができる。また、鋼板接合の品質が、作業員の熟練度に左右されることがなく、常に均一で高品質な接合が可能となる。その上、請求項1~5に係る発明によれば、乾式接合である機械式継手で大きな応力が作用する圧力鋼板の上下接合にも適用することができ、天候に左右されないため作業工程の調整が容易で、しかも作業時間を短縮することができる。このため、補強鋼板の圧入作業を短縮して、既設構造物の耐震補強などの柱状体圧入補強工法(ピア-リフレ工法)の作業効率を向上させることができる。
特に、請求項2に係る発明によれば、上下に隣接する前記圧入鋼板同士が前記継手板を介して接合されているので、熱を使わずに機械式継手で圧入鋼板同士を接合することができ、鋼板の圧入作業自体を短縮して前記作用効果を達成することができる。
特に、請求項3に係る発明によれば、ワンサイド接続具が圧入時の貫入抵抗にならず、スムーズかつ安全に短時間で圧入作業を行うことができる。
特に、請求項4に係る発明によれば、フォーミングスクリューで接合するので、接合部分の締付強度が向上し、強い応力にも対抗することができるだけでなく、さらに短時間で接合することができる。
特に、請求項5に係る発明によれば、圧入鋼板の接合部の外周表面に角部が突出して形成されていないこととなり、防錆塗装などの表面処理が容易となるだけでなく、設置した補強鋼板の耐候性及び耐久性が向上する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧入鋼板の機械式継手構造の構成を模式的に示す分解斜視図である。 図2は、同上の圧入鋼板の機械式継手構造を示す断面図である。 図3は、同上の圧入鋼板の機械式継手構造で接合した圧入鋼板を用いて補強した橋脚を示す側面図である。 図4は、本発明の第2実施形態に係る圧入鋼板の機械式継手構造の構成を模式的に示す分解斜視図である。 図5は、同上の圧入鋼板の機械式継手構造を示す断面図である。 図6は、従来の圧入鋼板の接合部を示す断面図である。
以下、本発明に係る圧入鋼板の機械式継手構造の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
先ず、図1~図3を用いて、本発明の第1実施形態に係る圧入鋼板の機械式継手構造について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る圧入鋼板の機械式継手構造1の構成を模式的に示す分解斜視図であり、図2は、第1実施形態に係る圧入鋼板の機械式継手構造1を示す断面図である。また、図3は、第1実施形態に係る圧入鋼板の機械式継手構造1で接合した圧入鋼板2,2’を用いて補強した橋脚P1を示す側面図である。
図1,図2に示すように、本実施形態に係る圧入鋼板の機械式継手構造1は、複数枚からなる圧入鋼板2の一般部20と、その一般部20の端部に形成された継手部21と、この継手部21と隣接する他の圧入鋼板2’の継手部21’と噛合する継手板3など、から構成されている。また、継手部21(継手部21’)と継手板3とは、接続具4で締め付けられて接続されている。
(圧入鋼板)
圧入鋼板2は、図3に示すように、柱状の既設構造物として例示する既設橋梁B1の橋脚P1の周りに、耐震補強などの補強鋼板として設置される構造設計に応じた所定厚さの鋼板である。この圧入鋼板2は、柱状体圧入補強工法(ピア-リフレ工法)等により、橋脚P1の上部に設置された圧入装置M1を用いて地盤G1に圧入されるため、圧入時には引張力や押圧力に加え曲げ応力やせん断力などの大きな応力が作用する。このため、前述のように、従来の圧入鋼板同士の接合部は、図6に示すように、V型の開先として突き合わせて裏当て金を設置して現場にて完全溶け込み溶接で接合する必要があった。
しかし、本実施形態に係る圧入鋼板の機械式継手構造1では、後述の継手部21(継手部21’)と継手板3の凹凸の噛合によるせん断キーと、接続具4で緊結する支圧力及び摩擦力により、溶接接合など熱で歪が発生する接合方法を用いず機械式継手で圧入鋼板同士を接合している。
(一般部)
圧入鋼板2の一般部20は、補強する橋脚P1(柱状の既設構造物)の水平断面形状に応じた矩形平板状又は曲面状の所定形状を呈する一定厚の鋼板の一般部分であり、圧入鋼板2の補強機能を担う部位である。
(継手部)
継手部21は、図3に示すように、圧入鋼板2の端部、即ち、一般部20の上下方向に延びる左右の端部2a及び一般部20の水平方向に延びる上下の端部2bに形成され、一般部20より厚い鋼板からなる応力伝達機能を担う部位である。
この継手部21の裏面(内側の面)には、図1,図2に示すように、一対の凸部22,22と、その間に設けられた凹部23が形成されている。また、継手部21の中央には、接続具4を挿通する接続具用孔24が形成されている。勿論、圧入鋼板2と隣接する圧入鋼板2’も同様の構成となっている。このため、圧入鋼板2’の各部位の構成は、各符号に「’」をつけて説明を省略する。
また、継手部21は、工場等において予め一般部20に溶接部25において完全溶け込み溶接で接合されている。また、図2に示すように、一般部20と継手部21との接合面は、なだらかな傾斜面26,26’となっていることが好ましく、一般部20と継手部21との接合部分に段差ができる場合は、エポキシのパテ等で埋めて、圧入鋼板2の外側の表面に角部が突出して形成されていないようにする。一般部20と継手部21との接合面を傾斜面26,26’とすることにより、圧入鋼板2の外周表面に防錆塗装などの表面処理が容易となるだけでなく、防錆塗装などの表面処理の耐久性が向上するため、設置した補強鋼板(圧入鋼板2)の耐候性及び耐久性も向上するからである。
(継手板)
継手板3は、図3に示すように、圧入鋼板2の左右の端部2a及び上下の端部2bに沿って圧入鋼板2の内側に設けられ、前述の継手部21と継手部21’と噛合して接合する部材である。図1,図2に示すように、この継手板3の表面(外側面)には、継手部21の凹部23に嵌合する圧入鋼板2の端部に沿って形成された一対の凸部31,31と、これら凸部31,31の間に形成された凹部32が形成されている。なお、内側とは、圧入鋼板2で橋脚P1(柱状の既設構造物)を補強する際に、橋脚P1側となる側を指し、外側とは、その反対となる橋脚P1から離れた側を指す(以下同じ)。
この凹部32には、図1,図2に示すように、継手部21の凸部22と、隣接する継手部21’の凸部22’とが互いに嵌り込んでせん断キーを形成して掛け止め、圧入鋼板2の中心線Cに沿った引張力や押圧力に対抗する。このとき、図2に示すように、圧入鋼板2の部材断面において、せん断キーを形成する凸部31と凹部23の境界面が、構造軸線である中心線C上に位置することとなり、せん断キーで掛け止める際の応力があまり偏心しないため、圧入鋼板2の厚さを抑えることが可能となる。
また、図1に示すように、継手板3の凸部31の中央には、接続具4をねじ込む際に真っすぐに進むように誘導する予備孔33が穿設されている。この予備孔33は、接続具4をねじ込んで接続具4のねじ山でねじ溝を形成するために、接続具4の軸径よりも小さい孔となっている。なお、この予備孔33は、予め工場等で形成しておくのではなく、現地に搬入した後に削孔してもよい。
(接続具)
本実施形態に係る接続具4は、図1に示すように、ねじ込む母材に外側(片側)からの施工だけでねじ自身のねじ山で雌ねじを形成して2つの部材同士を締め付けて接合することができるフォーミングスクリューである。勿論、本発明に係る接続具は、フォーミングスクリューに限られず、外側(片側)からの施工だけで圧入鋼板2の継手部21と継手板3とを締め付けて接合することができるワンサイドボルトやワンサイドリベットなどのワンサイド接続具であればよい。
また、接続具4は、図2に示すように、継手部21内に完全に埋没され、継手部21の外側の表面から外側に突出していないことが好ましい。接続具4が継手部21の外側の表面から外側に突出していると、圧入鋼板2を地盤G1に圧入する際に、接続具4の突出部分の摩擦抵抗が増し、貫入抵抗になってしまうからである。
以上説明した本実施形態に係る圧入鋼板の機械式継手構造1によれば、機械式継手で圧入鋼板同士を接合するので、溶接時の熱により圧入鋼板2に歪が発生して変形するおそれがなくなる。また、圧入鋼板の機械式継手構造1によれば、現地において溶接接合する必要がなくなるので、溶接技能者を確保することが困難であるという問題を解消することができる。
その上、圧入鋼板の機械式継手構造1によれば、機械式継手で接合するので、誰でも簡単に接合することができるだけでなく、鋼板接合の品質が作業員の熟練度に左右されることがなく、常に均一で高品質な接合が可能となる。
それに加え、圧入鋼板の機械式継手構造1によれば、乾式接合である機械式継手で大きな応力が作用する圧入鋼板2の上下接合にも適用することができ、天候に左右されないため作業工程の調整が容易で、しかも作業時間を短縮することができる。このため、補強鋼板(圧入鋼板2)の圧入作業を短縮して、橋脚P1の耐震補強などの柱状体圧入補強工法(ピア-リフレ工法)の作業効率を向上させることができる。
また、圧入鋼板の機械式継手構造1によれば、接続具4が継手部21内に完全に埋没され、継手部21の外側の表面から外側に突出していないため、圧入時の貫入抵抗にならず、スムーズかつ安全に短時間で圧入作業を行うことができる。
さらに、圧入鋼板の機械式継手構造1によれば、フォーミングスクリューで接合するので、ねじ込む母材に外側(片側)からの施工だけでねじ自身のねじ山で雌ねじを形成して2つの部材同士を締め付けて接合することができる。このため、継手部21と継手板3との接合部分の締付強度が向上し、強い応力にも対抗することができるだけでなく、短時間で接合することができる。
その上、圧入鋼板の機械式継手構造1によれば、一般部20と継手部21との接合面は、なだらかな傾斜面26,26’となっており、圧入鋼板2の接合部の外周表面に角部が突出して形成されていない。このため、防錆塗装などの表面処理が容易となるだけでなく、設置した補強鋼板の耐候性及び耐久性が向上する。
[第2実施形態]
次に、図4,図5を用いて、本発明の第2実施形態に係る圧入鋼板の機械式継手構造1’について説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係る圧入鋼板の機械式継手構造1’の構成を模式的に示す分解斜視図であり、図5は、第2実施形態に係る圧入鋼板の機械式継手構造1’を示す断面図である。
第2実施形態に係る圧入鋼板の機械式継手構造1’が、前述の圧入鋼板の機械式継手構造1と相違する点は、主に、凹部と凸部の関係が、継手部と継手板とで入れ替わって逆になってせん断キーを構成している点である。よって、その点について説明し、同一構成は、同一符号を付し、説明を省略する。
図4,図5に示すように、第2実施形態に係る圧入鋼板の機械式継手構造1’は、複数枚からなる圧入鋼板5の一般部50と、その一般部50の端部に形成された継手部51と、この継手部51と隣接する他の圧入鋼板5’の継手部51’と噛合する継手板6など、から構成されている。また、継手部51(継手部51’)と継手板6とは、前述の接続具4で接続されている。
(圧入鋼板)
圧入鋼板5は、前述の圧入鋼板2と同様に、既設橋梁B1の橋脚P1の周りに、耐震補強などの補強鋼板として設置される構造設計に応じた所定厚さの鋼板である(図3参照)。また、本実施形態に係る圧入鋼板の機械式継手構造1’も、継手部51(継手部51’)と継手板6の凹凸の噛合によるせん断キーと、接続具4で緊結する支圧力及び摩擦力により、溶接接合など熱で歪が発生する接合方法を用いず機械式継手で圧入鋼板同士を接合している点は、前述の圧入鋼板の機械式継手構造1と同様である。
(一般部)
また、圧入鋼板5の一般部50も、前述の一般部20と同様に、補強する橋脚P1(柱状の既設構造物)の水平断面形状に応じた矩形平板状又は曲面状の所定形状を呈する一定厚の鋼板の一般部分であり、圧入鋼板5の補強機能を担う部位である。
(継手部)
継手部51も、継手部21と同様に、圧入鋼板5の端部に形成され、一般部50と略同じ厚さの鋼板からなる応力伝達機能を担う部位である。また、この継手部51の裏面(内側の面)には、図4,図5に示すように、凸部52が形成されている。そして、継手部21の中央には、接続具4を挿通する接続具用孔53が形成されている。勿論、圧入鋼板5と隣接する圧入鋼板5’も同様の構成となっている。このため、圧入鋼板5’の各部位の構成は、各符号に「’」をつけて説明を省略する。
なお、継手部51,51’は、工場等において予め一般部50,50’に溶接部54,54’で完全溶け込み溶接で接合されている。また、図4,図5に示すように、一般部50と継手部51との接合面は、面一となっており、前述の一般部20と継手部21との接合面よりさらに防錆塗装などの表面処理が容易となっているだけでなく、圧入鋼板5の貫入抵抗も低減されている。
(継手板)
継手板6は、前述の継手板3と同様に、圧入鋼板5の左右の端部及び上下の端部に沿って圧入鋼板5の内側に設けられ、前述の継手部51と継手部51’と噛合して接合する部材である。図4,図5に示すように、この継手板6の表面(外側面)には、継手部51の凸部52と嵌合する圧入鋼板5の端部に沿って形成された一対の凹部61,61と、これら凹部61,61の間と外側の両サイドに3つの凸部62,62,62が形成されている。
これらの凹部61,61には、図4,図5に示すように、継手部51の凸部52と、隣接する継手部51’の凸部52’とがそれぞれ嵌り込んでせん断キーを形成して掛け止め、圧入鋼板5の中心線Cに沿った引張力や押圧力に対抗する。このとき、図5に示すように、圧入鋼板5の部材断面において、せん断キーを形成する凸部52と凹部61との境界面が、構造軸線である中心線Cより下方に位置することとなり、せん断キーで掛け止める際の応力が下方に偏心している。よって、圧入鋼板5は、同じ応力が作用する場合、前述の圧入鋼板2より厚くする必要がある。
また、図4に示すように、継手板6の凹部61の中央には、接続具4をねじ込む際に真っすぐに進むように誘導する予備孔63が穿設されている。この予備孔63は、接続具4をねじ込んで接続具4のねじ山でねじ溝を形成するために、接続具4の軸径よりも小さい孔となっている。なお、この予備孔63は、予め工場等で形成しておくのではなく、現地に搬入した後に削孔してもよい。
以上説明した本実施形態に係る圧入鋼板の機械式継手構造1’によれば、圧入鋼板の機械式継手構造1と同様に、機械式継手で圧入鋼板同士を接合するので、溶接時の熱により圧入鋼板5に歪が発生して変形するおそれがなくなる。また、圧入鋼板の機械式継手構造1’によれば、現地において溶接接合する必要がなくなるので、溶接技能者を確保することが困難であるという問題を解消することができる。
その上、圧入鋼板の機械式継手構造1’によれば、機械式継手で接合するので、誰でも簡単に接合することができるだけでなく、鋼板接合の品質が作業員の熟練度に左右されることがなく、常に均一で高品質な接合が可能となる。
それに加え、圧入鋼板の機械式継手構造1’によれば、乾式接合である機械式継手で大きな応力が作用する圧入鋼板5の上下接合にも適用することができ、天候に左右されないため作業工程の調整が容易で、しかも作業時間を短縮することができる。このため、補強鋼板(圧入鋼板5)の圧入作業を短縮して、橋脚P1の耐震補強などの柱状体圧入補強工法(ピア-リフレ工法)の作業効率を向上させることができる。
また、圧入鋼板の機械式継手構造1’によれば、一般部50と継手部51との接合面が面一となっており、前述の一般部20と継手部21との接合面よりさらに、防錆塗装などの表面処理が容易となっている。このため、設置した補強鋼板(圧入鋼板5)の耐候性及び耐久性も向上する。その上、圧入鋼板5の貫入抵抗も低減されており、圧入作業をさらにスムーズに短時間で行うことができる。
以上、本発明の第1実施形態に係る圧入鋼板の機械式継手構造1及び第2実施形態に係る圧入鋼板の機械式継手構造1’について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎない。よって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
1,1’:圧入鋼板の機械式継手構造
2,2’,5,5’:圧入鋼板
2a:左右の端部
2b:上下の端部
20,20’,50,50’:一般部
21,21’,51,51’:継手部
22,22’;凸部
23,23’:凹部
52,52’:凸部
24,24’,53,53’:接続具用孔
25,25’,54,54’:溶接部
26,26’:傾斜面
3,6:継手板
31:凸部
32:凹部
61:凹部
62:凸部
33,63:予備孔
4:接続具
C:中心線(構造軸線)
B1:既設橋梁
P1:橋脚(既設構造物)
G1:地盤
M1:圧入装置

Claims (5)

  1. 柱状の既設構造物の周りに補強鋼板として圧入される複数枚の圧入鋼板同士を接合する圧入鋼板の機械式継手構造であって、
    前記圧入鋼板の端部に取り付けられた凹部及び凸部の両方を有する継手部と、前記凹部又は前記凸部と噛合する凹部及び凸部の両方を有する継手板と、を備え、
    隣接する前記圧入鋼板の前記継手部同士が、前記凹部と前記凸部とが噛合することで前記継手部より内側に配設された前記継手板を介して接合されているとともに、
    前記既設構造物から離れた外側からの施工だけで止め付け可能なワンサイド接続具で前記継手部と前記継手板とが接合されていること
    を特徴とする圧入鋼板の機械式継手構造。
  2. 少なくとも上下に隣接する前記圧入鋼板同士が前記継手板を介して接合されていること
    を特徴とする請求項1に記載の圧入鋼板の機械式継手構造。
  3. 前記ワンサイド接続具は、前記継手部の外側の表面から外側に突出していないこと
    を特徴とする請求項1又は2に記載の圧入鋼板の機械式継手構造。
  4. 前記ワンサイド接続具は、前記継手板に雌ねじを形成して止め付け可能なフォーミングスクリューであること
    を特徴とする請求項3に記載の圧入鋼板の機械式継手構造。
  5. 前記圧入鋼板の一般部と前記継手部とは、面一となっているか、又は段差なくなだらかな傾斜面で接合されていること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の圧入鋼板の機械式継手構造。
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