JP7511823B2 - miRNAの発現レベルをがんの確定診断の前のスクリーニングの指標として用いるがんの診断を補助する方法 - Google Patents

miRNAの発現レベルをがんの確定診断の前のスクリーニングの指標として用いるがんの診断を補助する方法 Download PDF

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本発明は、miRNAの発現レベルをがんの指標として用いる方法に関する。
1981年以降、がんは、我が国における死亡原因の第一位であり、がんのリスクの低下や健康寿命の延伸に向けた対策は、重要な課題である。がんは、ステージが上がるにつれ、予後が不良となる。ステージ1の段階でがんを発見することができれば、ほとんど完治することが可能であるため、できるだけ早いステージで、がんを発見しうる技術が重要である。特に、血液、尿等の体液は、診断しやすいため、体液を用いて、がんを早期にスクリーニング診断するニーズが高い。また、手術や、その他のがん治療を行った後に、早い段階で、がんの再発や転移をサーベイランス診断するニーズも存在する。
また、大腸がんの1次スクリーニングにおいて、便潜血が用いられている。
しかしながら、擬陽性率が高いため、便潜血陽性者は、侵襲度が高く、受診に抵抗のある内視鏡検査で確定診断を受けなければならない。このため、便潜血陽性者のうち、内視鏡検査を受診する割合は、50%程度と低く、問題となっている。
また、前立腺がんの1次スクリーニングにおいて、PSAが用いられている。
しかしながら、前立腺肥大でもPSAの値が高くなるため、PSA高値者は、侵襲性が非常に高いバイオプシーで確定診断を受けなければならない。
こういった侵襲度が高い診断の前段階で、尿、血液等の体液を用いて、被験者が、がんに罹患していることを高い感度で予測することができれば、がんに罹患していない被験者にとって、不要な侵襲性の高い検査をする必要がなくなる。また、より多くの被験者が、尿、血液等の体液を用いる診断を経て、確定診断を受けるようになると考えられる。
上記の観点から、従来より、各種がんマーカーが探索され、がんを早期に検出しようという努力がなされている。
しかしながら、上記マーカーは、感度が圧倒的に不足しているため、早期のがんを診断することができず、がんをモニタリングする用途で使用されているに過ぎない。また、がんに対する特異性も十分ではなく、がん以外の疾患でもマーカーの濃度が上昇する。
一方、最近になって、マイクロRNA(miRNA)の分析によるがんのスクリーニング診断や、がんの再発及び/又は転移のサーベイランス診断が試みられるようになってきた。
例えば、特許文献1には、被験者の胃がんを検出または診断する方法、あるいは、被験者が胃がんを発症する尤度を決定する方法として、被験者から得られる非細胞性生体液サンプル中の少なくとも一つのmiRNAの発現レベルを測定する工程を含み、胃がんの無い被験者と比較する場合のmiRNA発現の差次的発現が、胃がんを有する被験者の指標となる方法が開示されている。ここで、miRNAの差次的発現が、hsa-miR-142-5p、hsa-miR-29c-3p、hsa-miR-93-5p、hsa-miR-140-5p、hsa-miR-148a-3p、hsa-miR-183-5p、hsa-miR-29b-3p、hsa-miR-424-5p、hsa-miR-101-3p、hsa-miR-106b-3p、hsa-miR-128、hsa-miR-1280、hsa-miR-140-3p、hsa-miR-15b-3p、hsa-miR-186-5p、hsa-miR-18b-5p、hsa-miR-197-3p、hsa-miR-19a-3p、hsa-miR-19b-3p、hsa-miR-20b-5p、hsa-miR-21-3p、hsa-miR-23a-5p、hsa-miR-25-3p、hsa-miR-27a-5p、hsa-miR-29a-3p、hsa-miR-29b-2-5p、hsa-miR-29c-5p、hsa-miR-338-5p、hsa-miR-425-3p、hsa-miR-4306、hsa-miR-450a-5p、hsa-miR-486-5p、hsa-miR-500a-3p、hsa-miR-501-5p、hsa-miR-532-3p、hsa-miR-550a-5p、hsa-miR-579、hsa-miR-589-5p、hsa-miR-590-5p、hsa-miR-598、hsa-miR-616-5p、hsa-miR-627、hsa-miR-629-3p、hsa-miR-629-5p、hsa-miR-93-3p、hsa-miR-195-5p、hsa-miR-18a-3p、hsa-miR-363-3p、hsa-miR-181a-2-3p、hsa-miR-16-5p、hsa-miR-501-3p、hsa-miR-23a-3p、hsa-miR-339-3p、hsa-miR-15a-5p、hsa-miR-320b、hsa-miR-374b-5p、hsa-miR-650、hsa-miR-1290、hsa-miR-22-3p、hsa-miR-320c、hsa-miR-130a-3p、hsa-miR-320e、hsa-miR-378a-3p、hsa-miR-9-5p、hsa-miR-200b-3p、hsa-miR-141-3p、hsa-miR-191-5p、hsa-miR-628-5p、hsa-miR-484、hsa-miR-425-5pからなる群より選択される「アップレギュレートされた」miRNAの発現であるか;または、hsa-miR-103a-3p、hsa-miR-30a-5p、hsa-miR-181a-5p、hsa-miR-107、hsa-miR-26a-5p、hsa-miR-126-3p、hsa-miR-99b-5p、hsa-miR-339-5p、hsa-miR-122-5p、hsa-miR-136-5p、hsa-miR-139-5p、hsa-miR-146a-5p、hsa-miR-154-5p、hsa-miR-193b-3p、hsa-miR-23c、hsa-miR-30b-5p、hsa-miR-337-5p、hsa-miR-382-5p、hsa-miR-409-3p、hsa-miR-411-5p、hsa-miR-485-3p、hsa-miR-487b、hsa-miR-495、hsa-miR-885-5p、hsa-miR-99a-5p、hsa-miR-362-5p、hsa-miR-671-3p、hsa-miR-454-3p、hsa-miR-328、hsa-miR-320a、hsa-miR-126-5p、hsa-miR-27a-3p、hsa-miR-30d-5p、hsa-miR-10a-5p、hsa-miR-10b-5p、hsa-miR-497-5p、hsa-miR-134、およびhsa-miR-150-5pからなる群より選択される「ダウンレギュレートされた」miRNAの発現のいずれかである。
特表2017-525350号公報
しかしながら、多数のmiRNAの発現レベルを胃がんの指標として用いるという問題がある。
本発明は、少数のmiRNAの発現レベルを多数のがんの指標として用いることが可能な、miRNAの発現レベルをがんの指標として用いる方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、miRNAの発現レベルをがんの指標として用いる方法において、被験者の体液から、miRNAを抽出する工程と、該抽出されたmiRNAを使用して、前記被験者の体液中のmiRNAの発現レベルを検出する工程を含み、前記被験者の体液中のmiRNAであるmiR-122-5pの発現レベルが、健常者の体液中のmiR-122-5pの発現レベルよりも減少していることを、HOTAIR(Hox transcript antisense intergenic RNA)を発現するがんの指標として用い、前記体液は、血しょう又は血清である。
本発明によれば、少数のmiRNAの発現レベルを多数のがんの指標として用いることが可能な、miRNAの発現レベルをがんの指標として用いる方法を提供することができる。
大腸がん(ステージ2~4)患者の血しょう10検体を等量混合したプール検体1~3と、健常者の血しょう30検体の血しょう画分のmiR-122-5pの発現量の相対値(2-ΔΔCT)の散布図である。 大腸がん(ステージ2~4)患者の血しょう10検体を等量混合したプール検体と、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分のmiR-122-5pの発現量の相対値(2-ΔΔCT)の散布図である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体の血しょう画分のmiR-122-5pのΔΔCT値の箱ひげ図と、ROC曲線を示す図である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分のmiR-122-5pのΔΔCT値の箱ひげ図と、ROC曲線を示す図である。 8種類のがん患者の血しょうのレクチンカラム溶出画分のmiR-122-5pの発現量の相対値(2-ΔΔCT)の散布図である。 大腸がん(ステージ1~4)患者の血しょう40検体と、健常者の血しょう30検体の血しょう画分のmiR-451aの発現量の相対値(2-ΔΔCT)の散布図である。 大腸がん(ステージ1~4)患者の血しょう40検体と、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分のmiR-451aの発現量の相対値(2-ΔΔCT)の散布図である。 表4A、B、Cで得られた重回帰式及びロジスティック回帰式に、健常者の血しょう30検体と、大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分の各値を代入したときのyハット値の散布図である。 表4B、Cで得られたΔCT(miR-192-5p)値と、ΔΔCT(cel-miR-39-3p)値のロジスティック回帰式に、7種類のがん患者の血しょうのレクチンカラム溶出画分の各値を代入して得られたyハット値の散布図である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分の12種類のmiRNAのΔCT(miR-93-5p)値の決定木学習(C5.0)により得られた決定木と、ROC曲線を示す図である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(その1)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(その2)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(その3)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(その4)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(その5)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(その6)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(その7)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(その8)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(その9)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(その10)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(その11)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(その12)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(その13)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(その14)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(その15)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(その16)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(その17)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(その18)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分の12種類のmiRNAのΔCT(miR-192-5p)値の決定木学習(C5.0)により得られた決定木と、ROC曲線を示す図である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図8Aと同様にして得られた決定木(その1)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図8Aと同様にして得られた決定木(その2)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図8Aと同様にして得られた決定木(その3)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図8Aと同様にして得られた決定木(その4)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図8Aと同様にして得られた決定木(その5)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図8Aと同様にして得られた決定木(その6)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図8Aと同様にして得られた決定木(その7)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図8Aと同様にして得られた決定木(その8)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図8Aと同様にして得られた決定木(その9)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図8Aと同様にして得られた決定木(その10)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図8Aと同様にして得られた決定木(その11)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図8Aと同様にして得られた決定木(その12)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図8Aと同様にして得られた決定木(その13)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図8Aと同様にして得られた決定木(その14)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分の12種類のmiRNAのΔCT(miR-502-5p)値の決定木学習(C5.0)により得られた決定木と、ROC曲線を示す図である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図9Aと同様にして得られた決定木(その1)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図9Aと同様にして得られた決定木(その2)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図9Aと同様にして得られた決定木(その3)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図9Aと同様にして得られた決定木(その4)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図9Aと同様にして得られた決定木(その5)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図9Aと同様にして得られた決定木(その6)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図9Aと同様にして得られた決定木(その7)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図9Aと同様にして得られた決定木(その8)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図9Aと同様にして得られた決定木(その9)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図9Aと同様にして得られた決定木(その10)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図9Aと同様にして得られた決定木(その11)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図9Aと同様にして得られた決定木(その12)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図9Aと同様にして得られた決定木(その13)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図9Aと同様にして得られた決定木(その14)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分の12種類のmiRNAのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値の決定木学習(C5.0)により得られた決定木と、ROC曲線を示す図である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図10Aと同様にして得られた決定木(その1)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図10Aと同様にして得られた決定木(その2)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図10Aと同様にして得られた決定木(その3)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図10Aと同様にして得られた決定木(その4)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図10Aと同様にして得られた決定木(その5)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図10Aと同様にして得られた決定木(その6)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図10Aと同様にして得られた決定木(その7)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図10Aと同様にして得られた決定木(その8)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図10Aと同様にして得られた決定木(その9)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図10Aと同様にして得られた決定木(その10)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図10Aと同様にして得られた決定木(その11)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図10Aと同様にして得られた決定木(その12)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図10Aと同様にして得られた決定木(その13)である。 大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出した以外は、図10Aと同様にして得られた決定木(その14)である。
次に、本発明を実施するための形態を説明する。
[miRNAをがんの指標として用いる方法]
本実施形態のmiRNAをがんの指標として用いる方法は、被験者の体液から、miRNAを抽出する工程と、抽出されたmiRNAを使用して、被験者の体液中のmiRNAの発現レベルを検出する工程を含む。
本実施形態においては、被験者の体液中のmiR-122-5p(UGGAGUGUGACAAUGGUGUUUG;配列番号1)の発現レベルが、健常者の体液中のmiR-122-5pの発現レベルよりも減少していることを、HOTAIR(Hox transcript antisense intergenic RNA)を発現するがんの指標として用いる。
ここで、体液としては、全血、血漿、血清等を含む血液、髄液、リンパ液、涙、尿、汗、母乳、精液、唾液、鼻粘膜、痰、羊水、関節液、腹水、便、細胞培養上清、組織塊由来物、及び動物等由来の体液、等をあげることができる。細胞には、多細胞生物、及び微細藻類等の単細胞性微生物が含まれる。これらはそれ自体を試料として用いてもよいし、例えばMEM培地や生理食塩水等に添加されて調製された液体として用いることもできる。好ましい体液は、血しょう又は血清である。
また、被験者は、いかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒト、マウス、ラット、ネコ、イヌ、ヒツジ、ウサギ、ウマ、ウシ、ヤギ、ブタ、モルモット、ハムスター、ニワトリ、七面鳥、または非ヒト霊長類(例えば、マーモセット、マカク)等を含むが、これらに限定されない。であり、健常者は、これらの被験者のうち、がんに罹患していないものをいうである。
マイクロRNA(miRNA)とは、約21~22塩基の一本鎖RNAであるノンコーディングRNAをいい、標的mRNAを分解して、又はその翻訳を阻害することにより、転写後レベルで標的遺伝子の発現を制御する。本発明の一実施形態であるマイクロRNAには、これと同等物も含まれる。
「発現レベル」とは、miRNAの発現、活性及びそれらの量のレベルをいう。「発現レベルの減少」とは、被験体の体液に存在するmiRNAの発現レベルが、対照被検体の体液よりも低いレベルで見出されることをいう。対照被検体には、健常者が含まれる。
健常者の体液中のmiR-122-5pの発現レベルとしては、例えば、対照被験体である1又は複数の健常者の体液中のmiR-122-5pの発現レベルの平均値、中央値閾値、値の標準範囲等が挙げられる。当業者であれば、特定のがんである(又はでない)被験者集団の体液における、特定のmiRNAの活性、発現又は量の評価、及びこの評価に基づいて、適当な平均値、中央値、閾値、値の「標準範囲」等を決定することができる。
HOTAIRは、長鎖非翻訳RNA(lncRNA)の一種である。
HOTAIRを発現するがんとしては、例えば、、小腸がん、大腸がん、消化管間質腫瘍(GIST)、消化管カルチノイド、胃がん、食道がん、肝臓がん、胆のう・胆道がん、膵がん、膵・消化管神経内分泌腫瘍、ランゲルハンス細胞組織球症、腎細胞がん、腎盂・尿管がん、副腎腫瘍、骨肉腫、軟部肉腫、悪性リンパ腫、膀胱がん、尿道がん、前立腺がん、精巣腫瘍、陰茎がん、子宮体がん、子宮頸がん、子宮腫瘍、卵巣腫瘍、女性器がん、肺がん、胸腺腫瘍、中皮腫、乳がん、造血器腫瘍、白血病、骨髄増殖性疾患および多発性骨髄腫等のがんが挙げられる。
本実施形態のmiRNAの発現レベルをがんの指標として用いる方法によれば、例えば、miR-122-5pの発現レベルを、HOTAIRを発現するがんの指標として用いることができるため、がんのスクリーニング診断や、がんの再発及び/又は転移のサーベイランス診断を補助することができる。即ち、被験者の体液中のmiR-122-5pの発現レベルが、健常者の体液中のmiR-122-5pの発現レベルよりも減少していると、被験者がHOTAIRを発現するがんに罹患している(過去にがんに罹患しており、回復後の被験者にHOTAIRを発現するがんが再発及び/又は転移している)可能性が高い。
本実施形態のmiRNAの発現レベルをがんの指標として用いる方法を用いても、がんの種類を特定することができない場合がある。このため、本実施形態のmiRNAの発現レベルをがんの指標として用いる方法を、がんの1次スクリーニング、大腸がん検診における便潜血陽性者の2次スクリーニング、前立腺がん検診におけるPSA高値者の2次スクリーニング等に適用することが好ましい。
先述したように、大腸がん検診における便潜血陽性者が、確定診断である内視鏡診断を受診する割合は、50%程度の場合があるが、本実施形態のmiRNAの発現レベルをがんの指標として用いる方法により、HOTAIRを発現するがんに罹患している可能性が高いと診断された便潜血陽性者が、内視鏡診断を受診する割合は、格段に改善することができる。また、前立腺検診におけるPSA高値者も、本実施形態のmiRNAの発現レベルをがんの指標として用いる方法により、HOTAIRを発現するがんに罹患している可能性が高いと診断された後に、前立腺のバイオプシーをすることで、HOTAIRを発現するがんに罹患している可能性が低いPSA高値者が前立腺のバイオプシーを回避することが可能となる。
なお、NMR-CT、PET、超音波診断等の物理的診断、血中循環腫瘍DNA(ctDNA)、miRNA等をターゲットとした次世代シーケンサーによる診断等を実施することにより、がんの種類を特定することができる。
また、がんの再発及び/又は転移のサーベイランス診断を補助する場合は、がんが再発及び/又は転移する場所を容易に推定することができるので、本実施形態のmiRNAの発現レベルをがんの指標として用いる方法を、HOTAIRを発現する全てのがんに対して、適用することができる。
被験者の体液中のmiR-122-5pの発現レベルが、健常者の体液中のmiR-122-5pの発現レベルよりも減少していることを、HOTAIRを発現するがんの指標として用いることができる理由は、以下のように考えられている。
HOTAIRを発現するがんから、血中に放出される細胞外小胞(EVs)等にHOTAIRが搭載された後、血流に乗って肝臓に輸送される。肝臓に輸送されたHOTAIRは、肝細胞に特異的なmiR-122-5pの発現を抑制するため、肝細胞から血中に放出されるEVs、超低比重リポタンパク質(VLDL)、低比重リポタンパク質(LDL)に搭載されるmiR-122-5pが減少する。その結果、HOTAIRを発現するがんに罹患している被験者の体液中のmiR-122-5pの発現レベルが、健常者の体液中のmiR-122-5pの発現レベルよりも減少する。
ここで、肝細胞由来のEVsは、高マンノース型糖鎖を有するトランスフェリンレセプター(TfR)が表面に存在するため、高マンノース型糖鎖特異的レクチンにより特異的に結合する。また、VLDL、LDLは、高マンノース型糖鎖を有するアポリポプロテインB-100が存在するため、高マンノース型糖鎖特異的レクチンにより特異的に結合する。このため、被験者の体液を高マンノース型糖鎖特異的レクチンが固定化されている基材と接触させると、肝細胞由来のEVs、VLDL、LDLを含む成分が選択的に捕捉される。その結果、選択的に捕捉された成分から、miRNAを抽出すると、がん陽性に対する判別能が向上する。
miR-122-5p等の肝細胞由来のmiRNAを特異的に捕捉する方法として、基材に固定化したデキストラン硫酸、抗Apo-B抗体を用いて、VLDL、LDLを選択的に捕捉する方法も使用することが可能である。このとき、BPL-17等の高マンノース型糖鎖特異的で、単糖結合性のあるレクチンを固定化したデバイスで、糖鎖特異的に、EVs、VLDL、LDLを捕捉した後、マンノース等の単糖で溶出し、溶出物を基材に固定化したデキストラン硫酸で精製してもよい。これにより、より純度の高いVLDL、LDLが得られ、肝臓から分泌されるmiRNAの精度が向上する。
また、HOTAIRを発現するがんのがん細胞由来のEVs、一部の免疫系細胞(例えば、Treg等)由来のEVs、網状赤血球由来のEVsも、高マンノース型糖鎖を有するトランスフェリンレセプターが表面に存在するため、高マンノース型糖鎖特異的レクチンに特異的に結合する。このため、これらのEVsに搭載されたmiRNAも、miR-122-5p以外の補助的なmiRNAとして、本実施形態のmiRNAの発現レベルをがんの指標として用いる方法に使用される。
高マンノース型糖鎖特異的レクチンとしては、例えば、紅藻Solieria robusta由来レクチン(SolninA、SolninB、SolninC)、紅藻Eucheuma serra由来レクチン(ESA-1、ESA-2)、紅藻E.amakusaensis由来レクチン(EAA-1、EAA-2、EAA-3)、紅藻E.denticulatum由来レクチン(EDA-1、EDA-2、EDA-3)、紅藻Kappaphycus alvarezii由来レクチン(ECA-1(KAA-1)、ECA-2(KAA-2))、KAA-3)、紅藻K.striatum由来レクチン(KSA-1、KSA-2)、紅藻Meristotheca papulosa由来レクチン(MPA-1、MPA-2)、紅藻Gracialriabursa-pastoris由来レクチン(Granin-BP)、紅藻Agardhiella subulata由来レクチン(ASL-1、ASL-2)、Oscillatoria agardhii由来レクチン(OAA)、緑藻Boodlea coacta由来レクチン(BCA)、緑藻Bryopsis plumosa由来レクチン(BPL17)、緑藻B.maxima由来レクチン(BML17)、緑藻B.corticulans由来レクチン(BCL17)、紅藻Meristothecapapulosa由来レクチン(MPL-1)等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、がん陽性に対する判別能の点で、OAAが好ましい。
高マンノース型糖鎖特異的レクチンが固定化されている基材としては、例えば、高マンノース型糖鎖特異的レクチンを固定化する担体として、シリカモノリスが内包されている、スピンカラム、ピペットチップ、マイクロ流路プレート(例えば、特開2018-191636号公報参照)等が挙げられる。
シリカモノリスの市販品としては、例えば、Mono Bisシリーズ(京都モノテック製)等が挙げられる。
高マンノース型糖鎖特異的レクチンを基材に固定化する方法としては、公知の方法を用いることができる(例えば、特開2018-191636号公報参照)。
上記以外の高マンノース型糖鎖特異的レクチンが固定化されている基材として、例えば、高マンノース型糖鎖特異的レクチンを固定化する担体として、充填材が充填されているカラム等を用いてもよい。
被験者の体液(を高マンノース型糖鎖特異的レクチンが固定化されている基材と接触させることにより選択的に捕捉された成分)から、miRNAを抽出する方法としては、公知の方法を用いることができる。
miRNAの抽出に用いられる試薬の市販品としては、例えば、QIAzol Lysis Reagent(QIAGEN製)等が挙げられる。
被験者の体液(を高マンノース型糖鎖特異的レクチンが固定化されている基材と接触させることにより選択的に捕捉された成分)から、miRNAを抽出した後、公知の方法を用いて、精製してもよい。
miRNAの精製に用いられる試薬の市販品としては、例えば、NucleoSpin(登録商標) miRNA Plasma(MACHEREY-NAGEL製)等が挙げられる。
体液中のmiRNAの発現レベルを検出する方法としては、例えば、リボ核酸ハイブリダイゼーションを利用する通常の分析フォーマットとして、核ランオンアッセイ、リアルタイムPCR、LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法、RNase保護アッセイ(Melton et al., Nuc. Acids Res. 12:7035)、ノーザンブロット法及びInSituハイブリダイゼーション、マイクロアレイ分析等が挙げられる。
本実施形態においては、被験者の体液中のmiR-122-5pの発現レベルに加えて、被験者の体液中のmiR-451a(AAACCGUUACCAUUACUGAGUU;配列番号13)の発現レベルを検出することが好ましい。このとき、被験者の体液中のmiR-451aの発現レベルが、健常者の体液中のmiR-451aの発現レベルよりも減少していることを、進行がんの指標として用いる。即ち、被験者の体液中のmiR-451aの発現レベルが、健常者の体液中のmiR-451aの発現レベルよりも減少していると、被験者が進行がんに罹患している(がんに罹患していた被験者に進行がんが再発及び/又は転移している)可能性が高い。
被験者の体液中のmiR-451aの発現レベルが、健常者の体液中のmiR-451aの発現レベルよりも減少していることを、進行がんの指標として用いることができる理由は、以下のように考えられている。
進行がんは、長鎖非翻訳RNA(lncRNA)の一種であるCRNDE(Colorectal Neoplasia Differentially Expressed)を発現する。このため、がん細胞から血中に放出されるEVsにCRNDEが搭載された後、骨髄に輸送される。骨髄に輸送されたCRNDEは、赤血球前駆細胞に作用し、miR-451aの発現を抑制するため、血中のmiR-451aが減少する。その結果、進行がんに罹患している被験者の体液中のmiR-451aの発現レベルが、健常者の体液中のmiR-451aの発現レベルよりも減少する。
本実施形態において、体液中のmiRNAの発現レベルは、体液中のmiRNAの、PCR産物が一定量になるPCRのサイクル数であるCT(threshold cycle)値を測定し、当該CT値を公知の方法により、補正することにより得ることが好ましい。
体液中のmiRNAの発現レベルとしては、例えば、規定量の公知のmiRNAであるcel-miR-39-3p(UCACCGGGUGUAAAUCAGCUUG;配列番号14)が添加された体液中のcel-miR-39-3pのCT値との差である体液中のmiRNAのΔCT値、健常者の体液のプール検体中のmiRNAのΔCT値との差である体液中のmiRNAのΔΔCT値、体液中のmiRNAの発現量の相対値(2-ΔΔCT)等が挙げられる。
しかしながら、体液中のmiRNAの発現レベルを検出する度に、規定量のcel-miR-39-3pを体液に添加することは、手間がかかり、簡単な操作とはいえない。
そこで、体液中のmiRNAの発現レベルを検出する際に、体液中のmiR-192-5p(CUGACCUAUGAAUUGACAGCC;配列番号9)、miR-93-5p(CAAAGUGCUGUUCGUGCAGGUAG;配列番号5)、miR-502-5p(AUCCUUGCUAUCUGGGUGCUA;配列番号12)からなる群より選択される1種以上のmiRNAのCT値により、体液中のmiRNAのCT値を補正することが好ましい。これにより、がん陽性に対する判別能が向上することに加え、cel-miR-39-3pを体液に添加する必要がなくなり、操作も簡単になる。
なお、体液中のmiRNAのCT値は、リアルタイムPCRにより、検出することができる。
本実施形態においては、被験者の体液中のmiR-122-5pの発現レベルに加えて、被験者の体液中のmiR-126-3p(UCGUACCGUGAGUAAUAAUGCG;配列番号6)、miR-192-5p、miR-93-5p、miR-423-3p(AGCUCGGUCUGAGGCCCCUCAGU;配列番号11)、miR-21-5p(UAGCUUAUCAGACUGAUGUUGA;配列番号3)、miR-130a-3p(CAGUGCAAUGUUAAAAGGGCAU;配列番号7)、miR-23a-3p(AUCACAUUGCCAGGGAUUUCC;配列番号4)、miR-146a-5p(UGAGAACUGAAUUCCAUGGGUU;配列番号8)、miR-199a-3p(ACAGUAGUCUGCACAUUGGUUA;配列番号10)、miR-15b-5p(UAGCAGCACAUCAUGGUUUACA;配列番号2)からなる群より選択される1種以上のmiRNAの発現レベルを検出することが好ましい。このとき、被験者の体液中の上記1種以上のmiRNAの発現レベルが、それぞれ健常者の体液中の上記1種以上のmiRNAの発現レベルよりも上昇していることを、がんの指標として用いる。即ち、被験者の体液中の上記1種以上のmiRNAの発現レベルが、それぞれ健常者の体液中の上記1種以上のmiRNAの発現レベルよりも上昇していると、被験者ががんに罹患している(過去にがんに罹患しており、回復後の被験者にがんが再発及び/又は転移している)可能性が高い。
この場合、C5.0のアルゴリズムを用いた決定木学習により、上記1種以上のmiRNAを選択することが好ましい。これにより、がん陽性に対する判別能が向上する。
具体的には、被験者の体液中の上記1種以上のmiRNAのΔCT(miR-192-5p)値を検出する場合、miR-122-5p、miR-130a-3p、miR-146a-5pが選択される。
このとき、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値の閾値が-2.2~0.1であり、miR-130a-3pのΔCT(miR-192-5p)値の閾値が-2.5~-1.5であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-192-5p)値の閾値が-6.7~-3.0である。
また、被験者の体液中の上記1種以上のmiRNAのΔCT(miR-93-5p)値を検出する場合、miR-15b-5p、miR-122-5p、miR-146a-5p、miR-199a-3pが選択される。
このとき、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値の閾値が1.0~4.0であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値の閾値が0.1~5.7であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p)値の閾値が-0.5~1.8である。
また、被験者の体液中の上記1種以上のmiRNAのΔCT(miR-502-5p)値を検出する場合、miR-15b-5p、miR-122-5p、miR-146a-5pが選択される。
このとき、miR-15b-5pのΔCT(miR-502-5p)値の閾値が-7.1~-2.6であり、miR-122-5pのΔCT(miR-502-5p)値の閾値が-2.5~-0.4であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-502-5p)値の閾値が-6.4~-3.8である。
また、被験者の体液中の上記1種以上のmiRNAのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値を検出する場合、miR-122-5p、miR-126-3p、miR-146a-5pが選択される。
このとき、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値の閾値が-0.8~1.8であり、miR-126-3pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値の閾値が-4.6~-3.4であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値の閾値が-4.9~-2.0である。
なお、各miRNAのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値は、各miRNAのCT値から、miR-93-5p、miR-192-5p及びmiR-502-5pの平均CT値を引いた値である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。
[血しょう又は血清]
本実施例において、以下の血しょう又は血清を使用した。
大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体
大腸がん(ステージ2~4)患者の血しょう10検体
肝がん患者の血しょう3検体
乳がん患者の血しょう3検体
前立腺がん患者の血しょう2検体
肺がん患者の血しょう2検体
胃がん患者の血しょう2検体
食道がん患者の血しょう2検体
すい臓がん患者の血清2検体
健常者(非がん患者)の血しょう30検体
がん患者の血しょうは、株式会社ケー・エー・シー又は国際バイオ株式会社から購入した。
すい臓がん患者の血清は、福島県立医科大学から入手した。
健常者の血しょうは、ボランティアから入手した。
血しょう又は血清は、遠心分離(10,000xG,5分間,4℃)により得られた上清を、0.45μmフィルターでろ過したものを試料として使用した。
[レクチンカラム溶出画分の採取]
レクチンカラムを廃液用チューブにセットし、遠心処理(1,500xG,2分間,4℃)して保存液を捨てた。300μLのPBS溶液を加えて、遠心処理(1,500xG,2分間,4℃)し、レクチンカラムを洗浄した。各試料150μLをカラムに加えて、室温で5分間静置した後、遠心処理(1,500xG,2分間,4℃)して、フロースルー液を捨てた。300μLの10倍濃度のPBS液を加えて、遠心処理(1,500xG,2分間,4℃)してレクチンカラムを洗浄した。上記と同一のレクチンカラムを洗浄する操作を3回繰り返した。3回目の洗浄液を捨てた後、遠心処理(3,000xG,1分間,4℃)して、レクチンカラムの液を完全に取り除いた。レクチンカラムを溶出液回収用チューブにセットし、100μLのQIAzol Lysis Reagent(QIAGEN製)を加えて、室温で5分間静置した後、遠心処理(400xG,2分間,4℃)して溶出液を回収し、レクチンカラム溶出画分とした。
ここで、レクチンカラムとしては、スピンカラムに充填されたシリカモノリスに、高マンノース型糖鎖特異的レクチンとして、OAAを固定化することによって得られた、AIST-OAA固定スピンカラム(直径4mm、厚さ2mm、容量27μL、OAAの固定化量42μg)(京都モノテック製)を用いた。
[レクチンカラム溶出画分からのmiRNAの抽出及び精製]
レクチンカラム溶出画分に400μLのQIAzol Lysis Reagent(QIAGEN製)を加え、メーカーの処方により、miRNAの抽出液を得た後、250μLのイソプロピルアルコール(cel-miR-39-3p含有)を加えた。ここで、cel-miR-39-3pは、microRNA(cel-miR-39) Spike-In Kit(NORGEN BIOTEK製)をイソプロピルアルコールで1000倍に希釈して使用した。miRNAの精製は、NucleoSpin(登録商標) miRNA Plasma(MACHEREY-NAGEL製)を、メーカーの処方により、使用して行った。
[血しょう画分からのmiRNAの抽出及び精製]
各試料100μLに500μLのQIAzol Lysis Reagent(QIAGEN製)を加え、メーカーの処方により、miRNAの抽出液を得た後、250μLのイソプロピルアルコール(cel-miR-39-3p含有)を加えた。miRNAの精製は、NucleoSpin(登録商標) miRNA Plasma(MACHEREY-NAGEL製)を、メーカーの処方により、使用して行った。
[miRNAアッセイ]
miRNAアッセイは、TaqMan(登録商標) MicroRNA Assays(サーモフィッシャーサイエンティフィック製)を、メーカーの処方により、使用して行った。リアルタイムPCRは、7500 FastリアルタイムPCRシステム(サーモフィッシャーサイエンティフィック製)を、メーカーの処方により、使用して行った。
表1に、miRNAアッセイに使用した14種類のmiRNAを示す。
Figure 0007511823000001
ここで、miRNAのΔCT(miR-93-5p)値、ΔCT(miR-192-5p)値、ΔCT(miR-502-5p)値、ΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値、ΔΔCT(cel-miR-39-3p)値を各統計計算に用いた。全データは、各3回とり、その平均値を使用した。
表2Aに、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分のmiRNAのΔCT(miR-93-5p)値を示す。
Figure 0007511823000002
なお、各miRNAのΔCT(miR-93-5p)値は、各miRNAのCT値から、miR-93-5pのCT値を引いた値である。
表2Bに、大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分のmiRNAのΔCT(miR-93-5p)値を示す。
Figure 0007511823000003
表2Cに、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分のΔCT(miR-192-5p)値を示す。
Figure 0007511823000004
なお、各miRNAのΔCT(miR-192-5p)値は、各miRNAのCT値から、miR-192-5pのCT値を引いた値である。
表2Dに、大腸がん(ステージ1)患者の試料のレクチンカラム溶出画分のmiRNAのΔCT(miR-192-5p)値を示す。
Figure 0007511823000005
表2Eに、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分のmiRNAのΔΔCT(cel-miR-39-3p)値を示す。
Figure 0007511823000006
なお、各miRNAのΔCT(cel-miR-39-3p)値は、各miRNAのCT値から、cel-miR-39-3pのCT値を引いた値である。
また、各miRNAのΔΔCT(cel-miR-39)値は、各miRNAのΔCT(cel-miR-39-3p)値から、健常者の血しょう30検体を等量混合したプール検体の各miRNAのΔCT(cel-miR-39-3p)値を引いた値である。
表2Fに、大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分のmiRNAのΔΔCT(cel-miR-39-3p)値を示す。
Figure 0007511823000007
表2Gに、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分のΔCT(miR-502-5p)値を示す。
Figure 0007511823000008
なお、各miRNAのΔCT(miR-502-5p)値は、各miRNAのCT値から、miR-502-5pのCT値を引いた値である。
表2Hに、大腸がん(ステージ1)患者の試料のレクチンカラム溶出画分のmiRNAのΔCT(miR-502-5p)値を示す。
Figure 0007511823000009
表2Iに、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分のΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値を示す。
Figure 0007511823000010
なお、各miRNAのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値は、各miRNAのCT値から、miR-93-5p、miR-192-5p及びmiR-502-5pの平均CT値を引いた値である。
表2Jに、大腸がん(ステージ1)患者の試料のレクチンカラム溶出画分のmiRNAのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値を示す。
Figure 0007511823000011
表2Kに、健常者と大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体の血しょう画分のmiR-451aとmiR-122-5pのΔΔCT(cel-miR-39-3p)値を示す。
Figure 0007511823000012
表2Lに、大腸がん(ステージ2~4)患者10名の血しょうを、それぞれ等量混合したプール検体1~3のmiR-122-5pのΔΔCT(cel-miR-39-3p)値を示す。
Figure 0007511823000013
表2Mに、大腸がん(ステージ2~4)患者の血しょう9検体のmiR-451aのΔΔCT(cel-miR-39-3p)値を示す。
Figure 0007511823000014
表2Nに、7種類のがん患者の血しょう16検体のレクチンカラム溶出画分のmiRNAのΔCT(miR-192-5p)値を示す。
Figure 0007511823000015
表2Oに、8種類のがん患者の血しょう16検体と血清2検体のレクチンカラム溶出画分のmiRNAのΔΔCT(cel-miR-39-3p)値を示す。
Figure 0007511823000016
表3に、大腸がん(ステージ1)患者と健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分のmiRNAのΔΔCT(cel-miR-39-3p)値のt検定結果を示す。
Figure 0007511823000017
[統計処理]
本実施例に使用した重回帰分析、ロジスティック回帰分析、決定木学習(C5.0)は、統計処理ソフトRを用いて実施した。重回帰分析とロジスティック回帰分析によるmiRNAの選択は、AICを用いたステップワイズ法によって行った。
[実施例1:miR-122-5pの発現量の相対値(2-ΔΔCT)による大腸がん(ステージ2~4)の判定]
(統計)
図1A、Bに、大腸がん(ステージ2~4)患者の血しょう10検体を等量混合したプール検体1~3と、健常者の血しょう30検体の(A)血しょう画分と、(B)レクチンカラム溶出画分のmiR-122-5pの発現量の相対値(2-ΔΔCT)の散布図を示す。図1A、B中、棒は、平均値である。
なお、miR-122-5pのΔΔCT値は、miR-122-5pのΔCT(cel-miR-39-3p)値から、健常者の血しょう30検体を等量混合したプール検体のmiR-122-5pのΔCT(cel-miR-39-3p)値を引いた値である。
(結果)
大腸がん(ステージ2~4)患者の血しょうのプール検体1~3の(A)血しょう画分と、(B)レクチンカラム溶出画分は、健常者の血しょう30検体の平均値に比べて、miR-122-5pの発現量の相対値(2-ΔΔCT)が、それぞれ0.4倍、0.08倍となり、明らかに減少している。また、大腸がん(ステージ2~4)患者のプール検体1~3は、(A)血しょう画分よりも、(B)レクチンカラム溶出画分の方が、miR-122-5pの発現量の相対値(2-ΔΔCT)の減少がより明らかである。
以上のことから、被験者の血しょう中のmiR-122-5pの発現レベルが、健常者の血しょう中のmiR-122-5pの発現レベルよりも減少していることが、大腸がん(ステージ2~4)の指標となることがわかる。
[実施例2:miR-122-5pのΔΔCT値による大腸がん(ステージ1)の判定]
(統計)
図2A、Bに、大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体の(A)血しょう画分と、(B)レクチンカラム溶出画分のmiR-122-5pのΔΔCT値の箱ひげ図と、ROC曲線を示す。
ここで、miR-122-5pのΔΔCT値は、miR-122-5pのΔCT(cel-miR-39-3p)値から、健常者の血しょう30検体を等量混合したプール検体のmiR-122-5pのΔCT(cel-miR-39-3p)値を引いた値である。
(結果)
大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体の(A)血しょう画分と、(B)レクチンカラム溶出画分のmiR-122-5pのΔΔCT値のt検定におけるP値は、それぞれ0.002664、0.000144であった。このため、大腸がん(ステージ1)患者の血しょうのmiR-122-5pのΔΔCT値は、(A)血しょう画分と、(B)レクチンカラム溶出画分のいずれにおいても、健常者の血しょうのmiR-122-5pのΔΔCT値と有意的な差があることがわかる。
また、図2A、BのROC曲線からAUCを求めると、それぞれ0.269、0.783となったため、血しょうの(B)レクチンカラム溶出画分のmiR-122-5pのΔΔCT値は、がん陽性に対する中程度の判別能を有することがわかる。
以上のことから、被験者の血しょう中のmiR-122-5pの発現レベルが、健常者の血しょう中のmiR-122-5pの発現レベルよりも減少していることが、大腸がん(ステージ1)の指標となることがわかる。
[実施例3:miR-122-5pの発現量の相対値(2-ΔΔCT)による8種類のがんの判定]
(統計)
図3に、8種類のがん患者の血しょうのレクチンカラム溶出画分のmiR-122-5pの発現量の相対値(2-ΔΔCT)の散布図を示す。ここで、比較対照として、健常者の血しょう30検体の中央値を示した。
ここで、miR-122-5pのΔΔCT値は、miR-122-5pのΔCT(cel-miR-39-3p)値から、健常者の血しょう30検体を等量混合したプール検体のmiR-122-5pのΔCT(cel-miR-39-3p)値を引いた値である。
(結果)
血しょうのレクチンカラム溶出画分のmiR-122-5pの発現量の相対値(2-ΔΔCT)が、健常者の血しょう30検体の中央値に対して、減少しているのは、肝臓がん(ステージ3A)、乳がん(ステージ1A、3A、4)、前立腺がん(ステージ3)、肺がん(ステージ1A、2A)、胃がん(1A、3A)、食道がん(ステージ3B)、腎臓がん(ステージ3)、すい臓がん(ステージ3、IPMC:Intraductal papillary-mucinous carcinoma(膵管内乳頭粘液性腺がん))の患者であった。
以上のことから、被験者の血しょう又は血清中のmiR-122-5pの発現レベルが、健常者の血しょう又は血清中のmiR-122-5pの発現レベルよりも減少していることが、被験者が、肝臓がん(ステージ3A)、乳がん(ステージ1A、3A、4)、前立腺がん(ステージ3)、肺がん(ステージ1A、2A)、胃がん(1A、3A)、食道がん(ステージ3B)、腎臓がん(ステージ3)、すい臓がん(ステージ3、IPMC)の指標となることがわかる。
[実施例4:miR-451aの発現量の相対値(2-ΔΔCT)による大腸がん(ステージ2~4)の判定]
(統計)
図4A、Bに、大腸がん(ステージ1~4)患者の血しょう40検体と、健常者の血しょう30検体の(A)血しょう画分と、(B)レクチンカラム溶出画分のmiR-451aの発現量の相対値(2-ΔΔCT)の散布図を示す。ここで、リファレンスは、健常者の血しょう30検体を等量混合したプール検体である。
なお、miR-451aのΔΔCT値は、miR-451aのΔCT(cel-miR-39-3p)値から、健常者の血しょう30検体を等量混合したプール検体のmiR-122-5pのΔCT(cel-miR-39-3p)値を引いた値である。
(結果)
大腸がん(ステージ1)患者は、(A)血しょう画分と、(B)レクチンカラム溶出画分のいずれにおいても、血しょうのmiR-451aの発現量の相対値(2-ΔΔCT)が、健常者と略同一である。
これに対して、大腸がん(ステージ2~4)患者は、(A)血しょう画分と、(B)レクチンカラム溶出画分のいずれにおいても、血しょうのmiR-451aの発現量の相対値(2-ΔΔCT)が、健常者に対して、大幅に減少している。
以上のことから、被験者の血しょう中のmiR-451aの発現レベルが、健常者の血しょう中のmiR-451aの発現レベルよりも減少していることが、ステージ2~4のがんの指標となることがわかる。
[実施例5:重回帰分析及びロジスティック回帰分析による大腸がん(ステージ1)患者を判定するmiRNAの選択]
(統計)
表4A~Eに、大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分の12種類のmiRNAの(A)ΔCT(miR-93-5p)値、(B)ΔCT(miR-192-5p)値、(C)ΔΔCT(cel-miR-39-3p)値、(D)ΔCT(miR-502-5p)値、(E)ΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値による重回帰分析とロジスティック回帰分析の結果を示す。
Figure 0007511823000018
Figure 0007511823000019
Figure 0007511823000020
Figure 0007511823000021
Figure 0007511823000022
(結果)
大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分のmiRNAアッセイにおける重回帰分析及びロジスティック回帰分析の結果、(A)ΔCT(miR-93-5p)値、(B)ΔCT(miR-192-5p)値、(C)ΔΔCT(cel-miR-39-3p)値、(D)ΔCT(miR-502-5p)値、(E)ΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値のいずれにおいても、AUCが0.91以上、感度が0.83以上、特異度が0.8以上であった。
AICを用いたステップワイズ法によって、以下に示すmiRNAが選択された。
ΔCT(miR-93-5p)値では、重回帰分析と、ロジスティック回帰分析において、miR-15b-5p、miR-122-5p、miR-146a-5pが選択された。
ΔCT(miR-93-5p)値では、重回帰分析において、miR-15b-5p、miR-122-5p、miR-130a-3p、miR-451aが選択され、ロジスティック回帰分析において、miR-15b、miR-23a-3p、miR-122-5p、miR-130a-3p、miR-199a-3p、miR-451aが選択された。
ΔΔCT(cel-miR-39-3p)値では、重回帰分析において、miR-15b-5p、miR-122-5p、miR-130a-3p、miR-423-3pが選択され、ロジスティック回帰分析において、miR-15b-5p、miR-122-5p、miR-146a-5p、miR-423-3pが選択された。
ΔCT(miR-502-5p)値と、ΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値では、重回帰分析と、ロジスティック回帰分析において、miR-122-5p、miR-126-3p、miR-130a-3p、miR-146a-5pが選択された。
以上のことから、ΔCT(miR-93-5p)値と、ΔCT(miR-93-5p)値と、ΔΔCT(cel-miR-39-3p)値と、ΔCT(miR-502-5p)値と、ΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値の重回帰分析と、ロジスティック回帰分析において、miR-122-5pが選択されていることがわかる。
表4A、B、Cの係数値と切片値から、次の6つの回帰式が得られた。
ΔCT(miR-93-5p)の重回帰式
y=0.98177+(-0.17856)*(miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値)+(-0.16908)*(miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値)+0.32557*(miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p)値)
ΔCT(miR-93-5p)のロジスティック回帰式
y=3.9677+(-0.9179)*(miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値)+(-0.619)*(miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値)+1.4793*(miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p)値)
ΔCT(miR-192-5p)の重回帰式
y=-0.95539+(-0.15734)*(miR-15b-5pのΔCT(miR-192-5p)値)+(-0.18545)*(miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値)+0.35812*(miR-130a-3pのΔCT(miR-192-5p)値)+(-0.1467)*(miR-451aのΔCT(miR-192-5p)値)
ΔCT(miR-192-5p)のロジスティック回帰式
y=-8.8281+(-2.057)*(miR-15b-5pのΔCT(miR-192-5p)値)+(-1.1962)*(miR-23a―3pのΔCT(miR-192-5p)値)+(-0.8609)*(miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値)+2.7892*(miR-130a-3pのΔCT(miR-192-5p)値)+1.2375*(miR-199a-3pのΔCT(miR-192-5p)値)+(-1.2569)*(miR-451aのΔCT(miR-192-5p)値)
ΔΔCT(cel-miR-39-3p)の重回帰式
y=1.35371+(-0.25861)*(miR-15b-5pのΔΔCT(cel-miR-39-3p)値)+(-0.20624)*(miR-122-5pのΔΔCT(cel-miR-39-3p)値)+0.14329*(miR-130a-3pのΔΔCT(cel-miR-39-3p)値)+0.28725*(miR-423-3pのΔΔCT(cel-miR-39-3p)値)
ΔΔCT(cel-miR-39-3p)のロジスティック回帰式
y=4.033+(-1.2905)*(miR-15b-5pのΔΔCT(cel-miR-39-3p)値)+(-0.6783)*(miR-122-5pのΔΔCT(cel-miR-39-3p)値)+0.85*(miR-146a-5pのΔΔCT(cel-miR-39-3p)値)+0.9574*(miR-423-3pのΔΔCT(cel-miR-39-3p)値)
(統計)
図5に、表4A、B、Cで得られた重回帰式及びロジスティック回帰式に、健常者の血しょう30検体と、大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分の各値を代入したときのyハット値の散布図を示す。ここで、カットオフ値を0とし、y>0である場合に、がん陰性であると判定され、y<0である場合に、がん陽性であると判定される。
(結果)
健常者の血しょう30検体のうち、健常者#16、#22の血しょう2検体は、いずれの回帰式においても、偽陽性となった。また、大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体のうち、大腸がん(ステージ1)患者#21、#26の血しょう2検体は、いずれの回帰式においても、偽陰性となった。
なお、健常者#16、#22は、大腸がん(ステージ1)に罹患している可能性がある。
[実施例6:実施例5で得られたロジスティック回帰式による7種類のがんの判定]
(統計)
図6に、表4B、Cで得られたΔCT(miR-192-5p)値と、ΔΔCT(cel-miR-39-3p)値のロジスティック回帰式に、7種類のがん患者の血しょうのレクチンカラム溶出画分の各値を代入して得られたyハット値の散布図を示す。ここで、カットオフ値を0とし、y>0である場合に、がん陰性であると判定され、y<0である場合に、がん陽性であると判定される。
(結果)
ΔCT(miR-192-5p)値のロジスティック回帰式と、ΔΔCT(cel-miR-39-3p)値のロジスティック回帰式のいずれにおいても、がん陽性と判定された患者は、肝がん(ステージ3A、4A)、乳がん(ステージ1A、3A、4)、前立腺がん(ステージ3)、肺がん(ステージ1A、2A)、胃がん(ステージ3A)、食道がん(ステージ3B)、腎臓がん(ステージ1、3)の患者であった。ΔCT(miR-192-5p)値のロジスティック回帰式においてのみ、がん陽性と判定されたのは、胃がん(ステージ1A)の患者であった。
[実施例7:決定木学習(C5.0)による大腸がん(ステージ1)患者を判定するmiRNAの選択]
(統計)
図7Aに、大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分の12種類のmiRNAのΔCT(miR-93-5p)値の決定木学習(C5.0)により得られた決定木と、ROC曲線を示す。
図8Aに、大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分の12種類のmiRNAのΔCT(miR-192-5p)値の決定木学習(C5.0)により得られた決定木と、ROC曲線を示す。
図9Aに、大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分の12種類のmiRNAのΔCT(miR-502-5p)値の決定木学習(C5.0)により得られた決定木と、ROC曲線を示す。
図10Aに、大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分の12種類のmiRNAのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値の決定木学習(C5.0)により得られた決定木と、ROC曲線を示す。
(結果)
大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体のレクチンカラム溶出画分の12種類のmiRNAの決定木学習(C5.0)によって、以下に示すmiRNAが選択された。
ΔCT(miR-93-5p)値を用いる場合は、miR-15b-5p、miR-122-5p、miR-146a-5p、miR-199a-5pが選択された。
ΔCT(miR-192-5p)値を用いる場合は、miR-122-5p、miR-130a-3p、miR-146a-5pが選択された。
ΔCT(miR-502-5p)値を用いる場合は、miR-146a-5p、miR-122-5p、miR-15b-5pが選択された。
ΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値を用いる場合は、miR-146a-5p、miR-126-3p、miR-122-5pが選択された。
図7A、図8A、図9A、図10AのROC曲線からAUC(感度、特異度)を求めると、それぞれAUC:0.9989(感度:0.967、特異度:0.967)、AUC:0.9856(感度:1.0、特異度0.867)、AUC:0.953(感度:0.967、特異度:0.767)、AUC:0.974(感度:0.900、特異度:0.900)となった。
図7Aでは、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.125であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>3.917であり、miR-199a-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.115である場合、あるいは、(miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.125であり、)miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦3.917であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦-0.128であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.356である場合に、がん陽性であると判定される。
図8Aでは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>-0.39である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-0.39であり、miR-130a-3pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-1.548であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>-6.626である場合に、がん陽性であると判定される。
図9Aでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-3.828であり、miR-122-5pのΔCT(miR-502-5p)値が>-1.413である場合、あるいは、miR-146a-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-3.828であり、miR-122-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-1.413であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-502-5p)値が>-6.234である場合に、がん陽性であると判定される。
図10Aでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-2.066であり、miR-126-3pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>-4.458である場合、あるいは、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-2.066であり、miR-126-3pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-4.458であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>1.756である場合に、がん陽性であると判定される。
(統計)
図7B-Sに、大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出する以外は、図7Aと同様にして得られた決定木(18通り)を示す。
表5に、図7A-Sの決定木の感度、特異度、閾値を示す。
Figure 0007511823000023
図8B-Oに、大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出する以外は、図8Aと同様にして得られた決定木(14通り)を示す。
表6に、図8A-Oの決定木の感度、特異度、閾値を示す。
Figure 0007511823000024
図9B-Oに、大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出する以外は、図9Aと同様にして得られた決定木(14通り)を示す。
表7に、図9A-Oの決定木の感度、特異度、閾値を示す。
Figure 0007511823000025
図10B-Oに、大腸がん(ステージ1)患者の血しょう30検体と、健常者の血しょう30検体から、それぞれ20検体を抽出する以外は、図10Aと同様にして得られた決定木(14通り)を示す。
表8に、図10A-Oの決定木の感度、特異度、閾値を示す。
Figure 0007511823000026
(結果)
ΔCT(miR-93-5p)値を用いる場合は、図7Aで選択されたmiRNAが使用されている、図7B-Sのうち、図7B-D、F-N、P、R、Sの決定木の感度が0.95以上であった。
図7Bでは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>4.569であり、miR-199a-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.179である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦4.569であり、miR-199a-3pのΔCT(miR-93-5p)値が≦1.707であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.534である場合に、がん陽性であると判定される。
図7Cでは、miR-199a-3pのΔCT(miR-93-5p)値が≦4.28であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.153である場合に、がん陽性であると判定される。
図7Dでは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>3.917である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦3.917であり、miR-199a-3pのΔCT(miR-93-5p)値が≦1.897である場合に、がん陽性であると判定される。
図7Eでは、miR-199a-3pのΔCT(miR-93-5p)値が>4.647であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.288である場合に、がん陽性であると判定される。
図7Fでは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>3.971であり、miR-199a-3pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.179である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦3.917であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦-0.21であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.288である場合に、がん陽性であると判定される。
図7Gでは、miR-199a-3pのΔCT(miR-93-5p)値が≦4.28であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.387である場合、あるいは、miR-199a-3pのΔCT(miR-93-5p)値が≦4.28であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦1.387であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>4.618であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦-0.413である場合に、がん陽性であると判定される。
図7Hでは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>4.647であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.288である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>4.647であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦1.288であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦-0.392である場に、がん陽性であると判定される。
図7Iでは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>2.62である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦2.62であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦-0.154である場合に、がん陽性であると判定される。
図7Jでは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>3.917である場合に、がん陽性であると判定される。
図7Kでは、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.288であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦0.938であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>0.131である場合に、がん陽性であると判定される。
図7Lでは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>4.569である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦4.569であり、miR-199a-3pのΔCT(miR-93-5p)値が≦1.707である場合に、がん陽性であると判定される。
図7Mでは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>5.618である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦5.618であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦-0.154であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.298である場合に、がん陽性であると判定される。
図7Nでは、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.125であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>3.031である場合、あるいは、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.125であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦3.031であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦-0.128である場合に、がん陽性であると判定される。
図7Oでは、miR-199a-3pのΔCT(miR-93-5p)値が≦4.28であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.288である場合に、がん陽性であると判定される。
図7Pでは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>3.917である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦3.917であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦-0.154である場合に、がん陽性であると判定される。
図7Qでは、miR-199a-3pのΔCT(miR-93-5p)値が≦2.009であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.288である場合に、がん陽性であると判定される。
図7Rでは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>4.569であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.092である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦4.569であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦-0.154である場合に、がん陽性であると判定される。
図7Sでは、miR-199a-3pのΔCT(miR-93-5p)値が≦4.28であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>1.534である場合、あるいは、miR-199a-3pのΔCT(miR-93-5p)値が≦4.28であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-93-5p)値が≦1.534であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p)値が>5.618である場合に、がん陽性であると判定される。
ΔCT(miR-192-5p)値を用いる場合は、図8Aで選択されたmiRNAが使用されている、図8B-Oの全ての決定木の感度が0.95以上であった。
図8Bでは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>-0.508である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-0.508であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-4.191であり、且つ、>-6.626である場合に、がん陽性であると判定される。
図8Cでは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>-0.39である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-0.39であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-4.411であり、且つ、>-6.638である場合に、がん陽性であると判定される。
図8Dでは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>-0.508である場合に、がん陽性であると判定される。
図8Eでは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>-2.198である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-2.198であり、miR-130a-3pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-1.548であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>-6.626である場合に、がん陽性であると判定される。
図8Fでは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>-1.56である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-1.56であり、miR-130a-3pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-2.333であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>-6.282である場合に、がん陽性であると判定される。
図8Gでは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>-0.39である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-0.39であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-4.191であり、且つ、>-6.626である場合に、がん陽性であると判定される。
図8Hでは、miR-130a-3pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-1.548である場合、あるいは、miR-130a-3pのΔCT(miR-192-5p)値が>-1.548であり、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>0.001である場合に、がん陽性であると判定される。
図8Iでは、miR-130a-3pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-2.43であり、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>-0.508である場合、あるいは、miR-130a-3pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-2.43であり、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-0.508であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>-6.626である場合に、がん陽性であると判定される。
図8Jでは、miR-130a-3pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-2.048である場合に、がん陽性であると判定される。
図8Kでは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>-0.508である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-0.508であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-192-5p)値が≧-3.021であり、且つ、>-6.626である場合に、がん陽性であると判定される。
図8Lでは、miR-130a-3pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-1.548である場合、あるいは、miR-130a-3pのΔCT(miR-192-5p)値が>-1.548であり、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>0.001である場合に、がん陽性であると判定される。
図8Mでは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>-0.39である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-0.39であり、miR-130a-3pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-2.368であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>-6.626である場合に、がん陽性であると判定される。
図8Nでは、miR-130a-3pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-1.548であり、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>-1.469である場合、あるいは、miR-130a-3pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-1.548であり、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-1.469であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>-6.626である場合に、がん陽性であると判定される。
図8Oでは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が>-0.508である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-0.508であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-192-5p)値が≦-3.021であり、且つ、>-5.625である場合に、がん陽性であると判定される。
ΔCT(miR-502-5p)値を用いる場合は、図9Aで選択されたmiRNAが使用されている、図9B-Oのうち、図9B-F、H、I、K-Oの決定木の感度が0.95以上であった。
図9Bでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-3.828である場合に、がん陽性であると判定される。
図9Cでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-3.828であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-502-5p)値が>-5.977である場合に、がん陽性であると判定される。
図9Dでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-3.828である場合に、がん陽性であると判定される。
図9Eでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-6.301である場合に、がん陽性であると判定される。
図9Fでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-5.291である場合に、がん陽性であると判定される。
図9Gでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-3.828であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-502-5p)値が>-5.354である場合に、がん陽性であると判定される。
図9Hでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-3.997である場合に、がん陽性であると判定される。
図9Iでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-3.828であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-502-5p)値が>-4.778である場合、あるいは、miR-146a-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-3.828であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-4.778であり、且つ、>-7.025である場合に、がん陽性であると判定される。
図9Jでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-3.997であり、miR-15b-5pのΔCT(miR-502-5p)値が>-5.977である場合に、がん陽性であると判定される。
図9Kでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-3.828である場合に、がん陽性であると判定される。
図9Lでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-3.828である場合に、がん陽性であると判定される。
図9Mでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-6.29である場合に、がん陽性であると判定される。
図9Nでは、miR-15b-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-2.658である場合に、がん陽性であると判定される。
図9Oでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-502-5p)値が≦-3.828である場合に、がん陽性であると判定される。
ΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値を用いる場合は、図10Aで選択されたmiRNAが使用されている、図10B-Oのうち、図10B、D、H、Lの決定木の感度が0.95以上であった。
図10Bでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-2.066であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>1.756である場合、あるいは、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>≦-2.066であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦1.756であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>-4.829である場合に、がん陽性であると判定される。
図10Cでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-2.066であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>0.496である場合、あるいは、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-2.066であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦0.496であり、miR-126-3pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>-4.376である場合に、がん陽性であると判定される。
図10Dでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-2.066である場合に、がん陽性であると判定される。
図10Eでは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>0.97である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦0.97であり、miR-126-3pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-3.445であり、且つ、>-4.458である場合に、がん陽性であると判定される。
図10Fでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-3.033であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>0.97である場合、あるいは、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-3.033であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦0.97であり、miR-126-3pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>-4.458である場合に、がん陽性であると判定される。
図10Gでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-2.066であり、miR-126-3pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>-4.458である場合、あるいは、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-2.066であり、miR-126-3pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-4.458であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>1.756である場合に、がん陽性であると判定される。
図10Hでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-2.066である場合に、がん陽性であると判定される。
図10Iでは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>0.496である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦0.496であり、miR-126-3pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-3.445であり、且つ、>-4.376である場合に、がん陽性であると判定される。
図10Jでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-2.19であり、miR-126-3pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>-4.458である場合、あるいは、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-2.19であり、miR-126-3pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-4.458であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>1.415である場合に、がん陽性であると判定される。
図10Kでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-2.066であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>1.756である場合、あるいは、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-2.066であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦1.756であり、miR-126-3pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>-4.53である場合に、がん陽性であると判定される。
図10Lでは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>0.496である場合に、がん陽性であると判定される。
図10Mでは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>-0.734である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-0.734であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-2.066であり、miR-126-3pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>-4.046である場合に、がん陽性であると判定される。
図10Nでは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>0.353である場合、あるいは、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦0.353であり、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-2.569であり、miR-126-3pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>-4.046である場合に、がん陽性であると判定される。
図10Oでは、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-2.066であり、miR-126-3pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>-4.458である場合、あるいは、miR-146a-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-2.066であり、miR-126-3pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が≦-4.458であり、miR-122-5pのΔCT(miR-93-5p,miR-192-5p,miR-502-5p)値が>1.756である場合に、がん陽性であると判定される。
本出願は、2020年1月24日に出願された日本国特許出願2020-009850号に基づく優先権を主張するものであり、その全内容をここに援用する。

Claims (7)

  1. miRNAの発現レベルをがんの確定診断の前のスクリーニングの指標として用いるがんの診断を補助する方法であって、
    被験者の体液から、miRNAを抽出する工程と、
    該抽出されたmiRNAを使用して、前記被験者の体液中のmiRNAの発現レベルを検出する工程を含み、
    前記被験者の体液中のmiR-122-5pの発現レベルが、健常者の体液中のmiR-122-5pの発現レベルよりも減少していることを、HOTAIR(Hox transcript antisense intergenic RNA)を発現するがんの確定診断の前のスクリーニングの指標として用い、
    前記HOTAIRを発現するがんは、小腸がん、大腸がん、消化管間質腫瘍(GIST)、消化管カルチノイド、食道がん、肝臓がん、胆のう・胆道がん、膵がん、膵・消化管神経内分泌腫瘍、ランゲルハンス細胞組織球症、腎細胞がん、腎盂・尿管がん、副腎腫瘍、骨肉腫、軟部肉腫、悪性リンパ腫、膀胱がん、尿道がん、前立腺がん、精巣腫瘍、陰茎がん、子宮体がん、子宮頸がん、子宮腫瘍、卵巣腫瘍、女性器がん、肺がん、胸腺腫瘍、中皮腫、乳がん、造血器腫瘍、白血病、骨髄増殖性疾患、又は多発性骨髄腫であり、
    前記体液は、血しょう又は血清である、miRNAの発現レベルをがんの確定診断の前のスクリーニングの指標として用いるがんの診断を補助する方法。
  2. 前記被験者は、がんに罹患していた被験者である、請求項1に記載のmiRNAの発現レベルをがんの確定診断の前のスクリーニングの指標として用いるがんの診断を補助する方法。
  3. 前記被験者の体液を高マンノース型糖鎖特異的レクチンが固定化されている基材と接触させる工程をさらに含み、
    該高マンノース型糖鎖特異的レクチンにより選択的に捕捉された成分から、前記miRNAを抽出する、請求項1又は2に記載のmiRNAの発現レベルをがんの確定診断の前のスクリーニングの指標として用いるがんの診断を補助する方法。
  4. 前記高マンノース型糖鎖特異的レクチンは、Oscillatoria agardhii由来レクチン(OAA)である、請求項3に記載のmiRNAの発現レベルをがんの確定診断の前のスクリーニングの指標として用いるがんの診断を補助する方法。
  5. 前記被験者の体液中のmiR-122-5pの発現レベルに加えて、前記被験者の体液中のmiR-451aの発現レベルを検出し、
    前記被験者の体液中のmiR-451aの発現レベルが、前記健常者の体液中のmiR-451aの発現レベルよりも減少していることを、進行がんの指標として用いる、請求項1~4のいずれか一項に記載のmiRNAの発現レベルをがんの確定診断の前のスクリーニングの指標として用いるがんの診断を補助する方法。
  6. 前記体液中のmiRNAの発現レベルを検出する際に、前記体液中のmiR-192-5p、miR-93-5p、miR-502-5pからなる群より選択される1種以上のmiRNAのCT(threshold cycle)値により、前記体液中のmiRNAのCT値を補正する、請求項1~5のいずれか一項に記載のmiRNAの発現レベルをがんの確定診断の前のスクリーニングの指標として用いるがんの診断を補助する方法。
  7. 前記被験者の体液中のmiR-122-5pの発現レベルに加えて、前記被験者の体液中のmiR-126-3p、miR-192-5p、miR-93-5p、miR-423-3p、miR-21-5p、miR-130a-3p、miR-23a-3p、miR-146a-5p、miR-199a-3p、miR-15b-5pからなる群より選択される1種以上のmiRNAの発現レベルを検出し、
    前記被験者の体液中の前記1種以上のmiRNAの発現レベルが、それぞれ前記健常者の体液中の前記1種以上のmiRNAの発現レベルよりも上昇していることを、がんの指標として用いる、請求項1~6のいずれか一項に記載のmiRNAの発現レベルをがんの確定診断の前のスクリーニングの指標として用いるがんの診断を補助する方法。
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