本開示の一態様に係る無人航空機は、第1方向の第1長さが、前記第1方向に直交する第2方向の第2長さよりも長い本体と、前記第1方向と前記第2方向に平行な仮想平面内で回転する複数の主回転翼と、前記本体に搭載され、前記複数の主回転翼をそれぞれ回転させる複数の主モータと、前記本体に搭載され、地面から離れた位置にある少なくとも1つのレールに吊下げ可能な少なくとも1つの接続器と、前記本体を前記第1方向へ推進させるための推進力を与える少なくとも1つの副回転翼と、前記本体に搭載され、前記少なくとも1つの副回転翼を回転させる少なくとも1つの副モータと、前記複数の主モータと前記少なくとも1つの副モータとを制御する制御回路と、を備える。
これによれば、接続器によって本体がレールに接続されて吊下がることができるため、主回転翼が回転しなくても、無人航空機が落下することを抑制することができる。
また、接続器がレールに接続されて吊下がった状態で副回転翼を回転させることで、無人航空機がレールに沿って移動することができるため、目的地点まで移動することができる。この場合、主モータを駆動させる代わりに副モータを駆動させることで無人航空機を移動させることができるため、無人航空機における消費電力を抑制することができる。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記接続器は、第1の接続器と、第2の接続器と、第3の接続器とを含み、前記第1の接続器は、前記本体の中心よりも前記第1方向側に位置し、前記第2の接続器は、前記本体の中心よりも前記第1方向側と反対側に位置し、前記第3の接続器は、前記第1の接続器と前記第2の接続器との間であり、前記本体の中心付近に位置する。
これによれば、3つの接続器を用いることで、無人航空機が走行しているレールから別のレールに、より安全に乗り移ることができるようになる。
また、3つの接続器によって無人航空機をより安定的にレールに接続することができる。このため、この無人航空機では、安全性を確保することができる。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記第3の接続器と前記本体との間に配置された回転台と、前記回転台に付勢されることで、前記回転台に形成された係合部と係合する被係合部を有するラチェットとを備える。
これによれば、回転台が回転することで、無人航空機の向きを回転させることができるようになる。また、所定角度回転した場合に、回転台の係合部とラチェットの被係合部とが係合することで、回転台の回転を制御することができるようになる。このため、本体の向きを所望の向きにすることができるようになるため、無人航空機が走行しているレールから別のレールに安全に乗り移ることができるようになる。
本開示の他の態様に係る制御方法において、前記無人航空機は、前記第3の接続器と前記無人航空機の本体との間に回転台を備え、前記回転台に対して前記本体を回転させることにより、前記無人航空機の向きを変更させる。
これによれば、本体の向きを所望の向きにすることができるようになるため、無人航空機が走行しているレールから別のレールに安全に乗り移ることができるようになる。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記第1方向を法線ベクトルとする第1平面上に前記無人航空機を投影することによって得られる第1投影面に外接する第1最小矩形の第1面積は、前記第2方向を法線ベクトルとする第2平面上に前記無人航空機を投影することによって得られる第2投影面に外接する第2最小矩形の第2面積よりも小さい。
これによれば、レールの長さ方向に沿って本体が長尺となるため、無人航空機は、レールに沿って安定して走行することができる。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記複数の主回転翼は、第1の主回転翼と、前記第1の主回転翼に対して前記第2方向で隣り合う第2の主回転翼と、前記第1の主回転翼に対して前記第1方向で隣り合う第3の主回転翼と、前記第2の主回転翼に対して前記第1方向で隣り合い、かつ、前記第3の主回転翼に対して前記第2方向で隣り合う第4の主回転翼とを含み、前記第1の主回転翼と前記第2の主回転翼との間の第1間隔は、前記第1の主回転翼と前記第3の主回転翼との間の第2間隔よりも狭い。
これによれば、レールの長さ方向に沿って、第1の主回転翼および第2の主回転翼と、第3の主回転翼および第4の主回転翼とを配置することができる。このため、無人航空機がレールに沿って走行する際に、本体の姿勢をより安定させることができる。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記少なくとも1つの副モータの回転軸は、前記第1方向に延びている。
これによれば、無人航空機をレールに沿って走行させるための推進力を容易に付与することができるようになる。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記少なくとも1つの副回転翼は、前記仮想平面よりも低い位置に配置される。
これによれば、主回転翼と副回転翼との接触を抑制することができるため、無人航空機の安全性を高めることができる。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記少なくとも1つの副モータの回転軸は、前記第2方向を法線ベクトルとする平面内で、前記第1方向に対する傾斜角が可変である。
これによれば、副モータの回転軸を可変させることができるため、無人航空機をヨー方向(水平方向)に回転させることができる。このため、無人航空機の向きを変えることができる。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記少なくとも1つの接続器のそれぞれは、固定部と、一端が前記固定部に接続され、他端が前記固定部に対して開閉する第1アームと、一端が前記固定部に接続され、他端が前記固定部に対して開閉する第2アームと、前記第1アームを開閉させる第1アクチュエータと、前記第2アームを開閉させる第2アクチュエータとを含み、前記制御回路は、前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータとを制御し、前記第1アームは、前記第2アームに対して、前記第1方向の前方に位置している。
これによれば、無人航空機の第1アームが第1レールに接続されているとき、第2アームを別のレールである第2レールに接続した後に、第1アームを第1レールから外すことができる。このため、無人航空機は、第1レールから第2レールに接続を切り替えて移動する(乗り換える)ことができる。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、閉状態の前記第1アームと前記固定部とによって囲まれる第1領域は、閉状態の前記第2アームと前記固定部とによって囲まれる第2領域と離れている。
これによれば、1つの接続体で2つのレールに同時に接続することができる。このため、無人航空機の姿勢を安定化させることができる。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記少なくとも1つの接続器のそれぞれは、前記レールに吊下げ可能なアームと、前記アームの内周面に設けられ、前記レールに対して回転可能に接触するローラとを含む。
これによれば、無人航空機の接続体がレールに接続されている場合、ローラがレールに接触して回転することで、無人航空機がレールに沿って移動することができる。つまり、無人航空機は、自身の進行方向への推進力だけでレールに沿って移動することができる。このため、自身を持ち上げるための揚力にエネルギーを費やさなくてもよくなるため、省エネルギー化を実現することができる。
本開示の他の態様に係るシステムは、無人航空機と、前記無人航空機が運搬する少なくとも1つの荷物に接続可能な少なくとも1つの第1アダプタ、および、前記無人航空機に着脱可能な少なくとも1つの第2アダプタを含む装置と、前記無人航空機と前記装置との間をつなぐワイヤと、を備えたシステムであって、前記無人航空機は、前記ワイヤの一端が接続されたリールと、前記ワイヤを繰り出すリフトモータを備える。
これによれば、所定位置の周辺に障害物がある場合の障害があっても、第1装置および第2装置が障害物を迂回するように移動させることができる。このため、第2装置を所定位置の鉛直上方まで移動させることができるため、荷物を所定位置まで確実に配送することができる。
本開示の他の態様に係るシステムにおいて、前記装置は、前記少なくとも1つの第1アダプタが設けられた支持体と、前記支持体の複数の側面に配置された複数のモータと、前記複数のモータによって駆動される複数のプロペラと、を含み、前記複数のプロペラのそれぞれの中心を通る仮想面に対して、前記複数のモータの回転軸が成す角度は、-45度以上、かつ、+45度以下である。
これによれば、仮想面に対する複数のモータの回転軸の角度を制御することで、荷物を所定位置に載置する際に、所定位置に対する荷物の位置合わせを行うことができる。
本開示の他の態様に係るシステムにおいて、前記複数の側面は、前記装置が前記無人航空機に装着された装着状態において前記第1方向で対向する第1側面および第2側面と、前記装着状態において前記第2方向で対向する第3側面および第4側面とを含み、前記複数のモータは、前記第1側面に配置された第1モータと、前記第2側面に配置された第2モータと、前記第3側面に配置された第3モータと、前記第4側面に配置された第4モータとを含み、前記複数のプロペラは、前記第1モータによって回転する第1プロペラと、前記第2モータによって回転する第2プロペラと、前記第3モータによって回転する第3プロペラと、前記第4モータによって回転する第4プロペラとを含む。
これによれば、第1モータ、第2モータ、第3モータおよび第4モータを駆動させることで、装置を所望の方向に進ませることができる。これにより、所定位置に対する装置の位置を、精度よく微調整することができる。
本開示の一態様に係る制御方法は、無人航空機を制御する制御方法であって、前記無人航空機は、第1方向の第1長さが、前記第1方向に直交する第2方向の第2長さよりも長い本体と、前記第1方向と前記第2方向とに平行な仮想平面内で回転する複数の主回転翼と、前記本体に搭載され、前記複数の主回転翼をそれぞれ回転させる複数の主モータと、前記本体に搭載され、地面から離れた位置にある少なくとも1つのレールに吊下げ可能な少なくとも3つの接続器と、前記本体を前記第1方向へ推進させるための推進力を与える少なくとも1つの副回転翼と、前記本体に搭載され、前記少なくとも1つの副回転翼を回転させる少なくとも1つの副モータと、前記複数の主モータと前記少なくとも1つの副モータとを制御する制御回路と、を備え、第1の接続器は、前記本体の中心よりも前記第1方向側に位置し、第2の接続器は、前記本体の中心よりも前記第1方向側と反対側に位置し、第3の接続器は、前記第1の接続器と第2の接続器との間であり、前記本体の中心付近に位置し、2つのレールが交差する交差点において、前記無人航空機を、第1レールから第2レールへ接続を切り替える際、前記第2レールへ前記第1の接続器が接近したか否かを判断し、前記第2レールへ前記第1の接続器が接近したと判断した場合、前記第1の接続器を前記第1レールから離脱させ、前記副回転翼を回転させることで前記第1方向へ前記無人航空機を推進させ、前記第1の接続器が前記第2レールを通過したか否かを判断し、前記第1の接続器が前記第2レールを通過したと判断した場合、前記第2の接続器を前記第1レールから離脱させ、前記無人航空機の前記第1方向が、前記第2レールの方向と平行となるように、前記無人航空機を回転させ、前記無人航空機の回転後、前記第1の接続器と前記第2の接続器を前記第2レールに接続させる。
これによれば、無人航空機が第1レールから第2レールへ、確実に接続を切り替える(乗り換える)ことができる。
本開示の他の態様に係る制御方法では、前記第1の接続器が前記第2レールを通過したと判断した場合、前記第1の接続器を前記第1レールに接続させ、前記無人航空機の重心バランスが取れているか否かを判断し、前記無人航空機の重心バランスが取れていると判断した場合、前記第1の接続器と、前記第2の接続器を前記第1レールから離脱させ、前記無人航空機の前記第1方向が、前記第2レールの方向と平行となるように、前記無人航空機を回転させ、前記無人航空機の回転後、前記第1の接続器と前記第2の接続器とを前記第2レールに接続させる。
これによれば、例えば第1レールに対して第2レールが傾斜していても、無人航空機の重心バランスを変化させることで、無人航空機が第1レールから第2レールへ、確実に接続を切り替える(乗り換える)ことができる。
本開示の他の態様に係る制御方法では、前記無人航空機の回転後、前記第1の接続器と前記第2の接続器とを前記第2レールに接続させた後に、前記第3の接続器を前記第1レールから離脱させて前記回転台を回転させることにより、前記第3の接続器の姿勢を前記第1の接続器および前記第2の接続器のそれぞれの姿勢と合わせる。
これによれば、第3の接続器を第1レールから離脱させると、第3の接続器の姿勢を第1の接続器および第2の接続器のそれぞれの姿勢に合わせることができる。このため、第3の接続器を第1の接続器および第2の接続器とともに、第2レールに接続させることができる。
本開示の他の態様に係る制御方法において、前記無人航空機は、前記副回転翼と前記第1方向において対応する位置に、回転用の回転翼を備え、前記回転用の回転翼の推進力により、前記無人航空機の向きを変更させる。
本開示の他の態様に係る無人航空機は、第1方向の第1長さが、前記第1方向に直交する第2方向の第2長さよりも長い本体と、前記本体に搭載され、地面から離れた位置にある少なくとも1つのレールに吊下げ可能な少なくとも1つの接続器と、前記本体を前記第1方向へ推進させるための推進力を与える少なくとも1つの回転翼と、前記本体に搭載され、前記少なくとも1つの回転翼を回転させる少なくとも1つのモータと、前記少なくとも1つのモータとを制御する制御回路と、を備え、前記接続器は、第1の接続器と、第2の接続器と、第3の接続器とを含み、第1の接続器は、前記本体の中心よりも第1方向側に位置し、第2の接続器は、前記本体の中心よりも第1方向側と反対側に位置し、第3の接続器は、前記第1の接続器と第2の接続器との間であり、前記本体の中心付近に位置する。
本開示の他の態様に係る無人航空機は、前記第1方向と前記第2方向に平行な仮想平面内で回転する複数の副回転翼と、前記本体に搭載され、前記複数の副回転翼をそれぞれ回転させる複数の副モータと、を備え、前記制御回路は、前記複数の副モータを制御する。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記複数の副回転翼は、第1の副回転翼と、前記第1の副回転翼に対して前記第2方向で隣り合う第2の副回転翼と、前記第1の副回転翼に対して前記第1方向で隣り合う第3の副回転翼と、前記第2の副回転翼に対して前記第1方向で隣り合い、かつ、前記第3の副回転翼に対して前記第2方向で隣り合う第4の副回転翼とを含み、前記第1の副回転翼と前記第2の副回転翼との間の第1間隔は、前記第1の副回転翼と前記第3の副回転翼との間の第2間隔よりも狭い。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記少なくとも1つのモータの回転軸は、前記第1方向に延びている。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記少なくとも1つの回転翼は、前記第1方向と前記第2方向に平行な仮想平面よりも低い位置に配置される。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記少なくとも1つのモータの回転軸は、前記第2方向を法線ベクトルとする平面内で、前記第1方向に対する傾斜角が可変である。
本開示の他の態様に係る制御方法は、無人航空機を制御する制御方法であって、前記無人航空機は、第1方向の第1長さが、前記第1方向に直交する第2方向の第2長さよりも長い本体と、前記本体に搭載され、地面から離れた位置にある少なくとも1つのレールに吊下げ可能な少なくとも3つの接続器と、前記本体を前記第1方向へ推進させるための推進力を与える少なくとも1つの回転翼と、前記本体に搭載され、前記少なくとも1つの回転翼を回転させる少なくとも1つのモータと、前記少なくとも1つのモータとを制御する制御回路と、を備え、第1の接続器は、前記本体の中心よりも第1方向側に位置し、第2の接続器は、前記本体の中心よりも第1方向側と反対側に位置し、第3の接続器は、前記第1の接続器と第2の接続器との間であり、前記本体の中心付近に位置し、2つのレールが交差する交差点において、前記無人航空機を、第1レールから第2レールへ接続を切り替える際、前記第2レールへ前記第1の接続器が接近したか否かを判断し、前記第2レールへ前記第1の接続器が接近したと判断した場合、前記第1の接続器を前記第1レールから離脱させ、前記回転翼を回転させることで前記第1方向へ前記無人航空機を推進させ、前記第1の接続器が前記第2レールを通過したか否かを判断し、前記第1の接続器が前記第2レールを通過したと判断した場合、前記第2の接続器を前記第1レールから離脱させ、前記無人航空機の前記第1方向が、前記第2レールの方向と平行となるように、前記無人航空機を回転させ、前記無人航空機の回転後、前記第1の接続器と前記第2の接続器とを前記第2レールに接続させる。
これによれば、回転翼を回転させることで無人航空機の進行方向を容易に変更することができるようになる。
本開示の他の態様に係る昇降システムは、無人航空機と、前記無人航空機に着脱可能に取り付けられる第1装置と、前記第1装置と前記無人航空機とを繋ぐ第1ワイヤと、前記第1ワイヤを巻き取り可能な第1リールと、荷物に着脱可能に取り付けられ、かつ、前記第1装置に着脱可能に取り付けられる第2装置と、前記第1装置と前記第2装置の間を繋ぐ第2ワイヤと、前記第2ワイヤを巻き取り可能な第2リールと、制御部とを備え、前記制御部は、前記無人航空機が地上から離れた位置に存在する場合、前記無人航空機から第1装置および第2装置を離脱させ、前記第1リールを制御して前記第1ワイヤを繰り出させ、前記第1装置から前記第2装置を離脱させ、前記第2リールを制御して前記第2ワイヤを繰り出させてもよい。
これによれば、所定位置の鉛直上方に障害物がある場合等、荷物を所定位置に運び難い場合であっても、第1装置および第2装置が障害物を迂回するように移動することができる。このため、第2装置を所定位置の鉛直上方まで移動させることができるため、荷物を所定位置まで確実に配送することができる。
本開示の他の態様に係る昇降システムにおいて、前記第1装置は、前記無人航空機に着脱可能に取り付けられる第1支持体と、前記第1支持体の複数の側面部に配置された複数の第1モータと、前記複数の第1モータによって駆動される複数の第1プロペラとを有し、前記第2装置は、前記第1装置に着脱可能に取り付けられる第2支持体と、前記第2支持体の複数の側面部に配置された複数の第2モータと、前記複数の第2モータによって駆動される複数の第2プロペラとを有していてもよい。
これによれば、無人航空機に対する第1装置の位置を調節し、かつ、第1装置に対する第2装置の位置を調節することができる。このため、第1装置および第2装置が障害物を迂回するように移動させることができる。その結果、荷物を所定位置まで確実に配送することができる。
本開示の他の態様に係る昇降システムにおいて、前記制御部は、前記無人航空機から第1装置および第2装置を離脱させた後に、前記複数の第1モータおよび/または前記複数の第2モータを駆動させ、前記第1装置から前記第2装置を離脱させた後に、前記複数の第1モータおよび前記複数の第2モータを駆動させてもよい。
これによれば、障害物を迂回するための目的位置まで、第1装置および第2装置が一体的に移動することができる。このため、制御部は、複数の第1モータおよび複数の第2モータを駆動制御する処理負担の増大を抑制することができる。
本開示の他の態様に係る昇降システムにおいて、前記制御部は、前記第1装置から前記第2装置を離脱させた後に、前記複数の第1モータおよび前記複数の第2モータに対して異なる制御を行うことによって、前記無人航空機と前記第1装置との間で前記第1ワイヤが延びる第1吊下げ方向と、前記第1装置と前記第2装置との間で前記第2ワイヤが延びる第2吊下げ方向とを異ならせてもよい。
これによれば、所定位置の鉛直上方に障害物があっても、障害物を確実に迂回するように、第1装置および第2装置を位置させることができる。その結果、この昇降システムでは、荷物を所定位置まで確実に配送することができる。
本開示の他の態様に係る昇降システムにおいて、前記制御部は、前記第1装置から前記第2装置を離脱させた後に、前記複数の第1モータおよび前記複数の第2モータに対して異なる制御を行うことによって、地面に垂直な方向から見て、前記第1装置と前記第2装置との重なる面積を減少させる、または、前記第1装置と前記第2装置との重なりを無くしてもよい。
これによれば、第2装置の鉛直上方に第1装置が配置されないように、第1装置と第2装置との相対位置を変更することができる。このため、所定位置の鉛直上方に障害物があっても、障害物を確実に迂回するように、第1装置および第2装置を位置させることができる。その結果、荷物を所定位置まで確実に配送することができる。
本開示の他の態様に係る昇降システムにおいて、前記制御部は、前記第2装置から前記荷物を離脱させた後、前記第2リールによって前記第2ワイヤを巻き取り、前記第2装置を前記第1装置に装着させ、前記第1リールによって前記第1ワイヤを巻き取り、前記第1装置および前記第2装置を前記無人航空機に装着させてもよい。
これによれば、荷物を所定位置に配送した後、第2ワイヤを巻き取りながら第2装置を第1装置に装着でき、第1ワイヤを巻き取りながら第1装置および第2装置を無人航空機に装着できる。このため、第1ワイヤおよび第2ワイヤが障害物と接触したりすることで、これらワイヤが損傷したり、絡まったりすることを抑制することができる。このため、昇降システムの稼働効率の低下を抑制することができる。
本開示の他の態様に係る昇降システムにおいて、前記無人航空機は、レールを把持可能なアームを有し、前記制御部は、前記無人航空機が地上から離れた位置に存在し、かつ、前記アームが前記レールを把持している状態にある場合、前記無人航空機から第1装置および第2装置を離脱させてもよい。
これによれば、アームによって無人航空機をレールに保持することができる。このため、第1装置および第2装置を無人航空機から離脱させても、第1ワイヤおよび第2ワイヤを介して第1装置および第2装置を保持することができる。このため、第1装置および第2装置が落下することを抑制することができる。
無人航空機を飛行させなくても、レールに保持することができるため、無人航空機によるエネルギー消費を抑制することができる。
本開示の他の態様に係る昇降システムにおいて、前記昇降システムは、前記第1装置と前記第2装置の間に着脱可能に取り付けられる第3装置と、前記第1装置と前記第3装置との間をつなぐ第3ワイヤと、前記第3ワイヤを巻き取り可能な第3リールと、前記第3装置と前記第2装置との間をつなぐ第4ワイヤと、前記第4ワイヤを巻き取り可能な第4リールと、を備えてもよい。
これによれば、荷物を所定位置に配送した後、第4ワイヤを巻き取りながら第2装置を第3装置に装着でき、第3ワイヤを巻き取りながら第2装置および第3装置を第1装置に装着でき、第1ワイヤを巻き取りながら第2装置、第3装置および第1装置を無人航空機に装着できる。このため、第1ワイヤ、第3ワイヤおよび第4ワイヤが障害物と接触したりすることで、これらワイヤが損傷したり、絡まったりすることを抑制することができる。このため、昇降システムの稼働効率の低下を抑制することができる。
本開示の他の態様に係る昇降システムにおいて、前記複数の第1プロペラのそれぞれの中心を通る仮想面に対して、前記複数の第1モータのそれぞれの回転軸が成す角度は、-45度以上、かつ、+45度以下である。
これによれば、仮想面に対する複数のモータの回転軸の角度を制御することで、荷物を所定位置に載置する際に、所定位置に対する荷物の位置合わせを行うことができる。当該第1装置および第2装置を所望の方向に進行させることで、所定位置に対する第1装置および第2装置の位置を微調整することができる。
支持体がワイヤを介して物体に吊下げられた状態で、第1装置および第2装置が降下する際、鉛直方向から見て荷物が所定位置と合わさるように、位置合わせを行うことができるため、第1装置および第2装置の位置を微調整することができる。
したがって、この第1装置および第2装置では、所定位置に荷物を配置することができる。特に、屋外で当該第1装置および第2装置を使用する場合、風などによって所定位置に対して第1装置および第2装置が位置ズレしても、位置ズレを補正するように、第1装置および第2装置が所定位置に向かって移動することができるため、所定位置に荷物を配置することができる。
本開示の他の態様に係る昇降システムは、さらに、前記仮想面に対する前記複数の第1モータのそれぞれの回転軸が成す前記角度を調節する1以上のアクチュエータを備える。
これによれば、支持体に対する複数の第1モータの姿勢を調節することができる。このため、第1装置および第2装置が水平方向に移動したり、鉛直方向に移動したりすることができる様になる。これにより、荷物が所定位置と合わさるように、より正確に位置合わせを行うことができるようになる。
本開示の他の態様に係る昇降システムにおいて、前記1以上のアクチュエータは、第1モードにおいて、前記角度が0度となるように前記回転軸を傾斜させ、第2モードにおいて、前記角度が仰角となるように前記回転軸を傾斜させる。
これによれば、複数のモータの回転軸のうちの1以上のモータの回転軸の姿勢を個々に制御することができる。このため、第1装置および第2装置が所定位置に移動するべく、第1装置および第2装置の姿勢および進行方向等を細かく制御することができるため、第1装置および第2装置の位置をより精度よく微調整することができる。
本開示の他の態様に係る昇降システムにおいて、前記第1ワイヤは、前記第1支持体の少なくとも1つの接続点に直接接続される。
これによれば、第1支持体に1つの接続点を設けるだけで、第1ワイヤを介して第1支持体を吊下げることができる。このため、第1ワイヤの構成を簡素化することができる。
本開示の他の態様に係る昇降システムにおいて、前記第1ワイヤは、第1メインワイヤと、複数の第1サブワイヤとを有し、前記複数の第1サブワイヤの一端は、前記第1支持体の複数の接続点と一対一で直接接続され、前記複数の第1サブワイヤの他端は、1つの共通の接続点である前記第1メインワイヤの一端と接続され、前記第1メインワイヤは、前記複数の第1サブワイヤを介して前記第1支持体を前記無人航空機に吊下げて支持する。
これによれば、複数の接続点を介して、一対一で複数の第1サブワイヤを第1支持体に接続することができる。このため、第1メインワイヤおよび第1サブワイヤによって第1支持体を吊下げた状態での第1支持体の姿勢を安定させることができる。
本開示の他の態様に係る昇降システムにおいて、前記第1支持体は、多角形状の第1枠体を有し、前記複数の接続点は、複数の頂点に相当する前記第1枠体の複数の部分に配置される。
これによれば、第1ワイヤによって第1支持体を吊下げた状態での第1支持体の姿勢をより確実に安定させることができる。
本開示の他の態様に係る昇降システムにおいて、前記第1支持体は、多角形状の第1枠体を有し、前記1つの接続点は、仮想面に平行な前記第1枠体内の面上で移動可能である。
これによれば、第1支持体に対する1つの接続点の位置を変更することができる。このため、例えば荷物を保持した状態の第1支持体の重心位置が中心からズレても、当該接続点の位置を重心に合わせるように、当該接続点の位置を変更することができる。このため、第1ワイヤに吊下げられた第1支持体の姿勢を、所望の姿勢に正すことができる。
本開示の他の態様に係る昇降システムにおいて、前記第1支持体の前記側面部は、第1側面部と、前記第1側面部に前記第1支持体および/または前記荷物を挟んで対向する第2側面部とを含み、前記複数の第1モータは、前記第1側面部に設けられ、第1回転軸を有する第1の第1モータと、前記第2側面部に設けられ、第2回転軸を有する第2の第1モータとを有し、前記制御部は、前記第1回転軸を第1回転方向に回転させ、かつ、前記第2回転軸を前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させる第3モードと、前記第1回転軸および前記第2回転軸を前記第2回転方向に回転させる第4モードとを実行する。
これによれば、第1モータの第1回転軸と第2モータの第2回転軸との回転方向を反転させることで、第1装置および第2装置は、所望の方向に進む推力を得ることができる。これにより、第1装置および第2装置は、所定位置に対する第1装置および第2装置の位置を、精度よく微調整することができる。
本開示の他の態様に係る昇降システムにおいて、前記複数の第1モータは、前記第1側面部において、仮想面内で前記第1の第1モータと隣り合う位置に設けられ、第3回転軸を有する第3の第1モータと、前記第2側面部において、前記仮想面内で前記第2の第1モータと隣り合う位置に設けられ、第4回転軸を有する第4の第1モータとをさらに含み、前記制御部は、前記第3モードにおいて、前記第3回転軸を前記第2回転方向に回転させ、かつ、前記第4回転軸を前記第1回転方向に回転させ、前記第4モードにおいて、前記第3回転軸および前記第4回転軸を前記第1回転方向に回転させる。
これによれば、第3モータの第3回転軸および第4モータの第4回転軸の回転方向を反転させることで、所望の方向に進む推力を得ることができる。第1モータの第1回転軸および第2モータの第2回転軸の回転方向を制御することもできるため、所定位置に対する装置の位置を、より精度よく微調整することができる。
本開示の他の態様に係る昇降システムにおいて、前記第2装置は、前記荷物を格納するための格納装置の位置を検知するセンサをさらに備える。
これによれば、格納装置に対する装置の位置を精度よく検知することができるため、格納装置に対する装置の位置を、より精度よく微調整することができる。
本開示の他の態様に係る無人航空機は、第1方向の第1長さが、前記第1方向に直交する第2方向の第2長さよりも長い本体と、前記第1方向と前記第2方向に平行な仮想平面内で回転する複数の主回転翼と、前記本体に搭載され、前記複数の主回転翼をそれぞれ回転させる複数の主モータと、前記本体に搭載され、前記仮想平面に交差する第3方向に向かって前記本体から延びており、地面から離れた位置にある少なくとも1つのレールに吊下げ可能(hangable)な少なくとも1つの接続器(connector)と、前記本体を前記第1方向へ推進させるための推進力を与える少なくとも1つの副回転翼と、前記本体に搭載され、前記少なくとも1つの副回転翼を回転させる少なくとも1つの副モータと、前記複数の主モータと前記少なくとも1つの副モータとを制御する制御回路と、を備える。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記複数の主回転翼は、前記第1の主回転翼に対して同軸反転で回転する第5の主回転翼と、前記第2の主回転翼に対して同軸反転で回転する第6の主回転翼と、前記第3の主回転翼に対して同軸反転で回転する第7の主回転翼と、前記第4の主回転翼に対して同軸反転で回転する第8の主回転翼と、をさらに含む。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記少なくとも1つの副回転翼と、前記少なくとも1つの副モータは、前記本体のうちの前記第1方向の一端に配置されている。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記少なくとも1つの副回転翼のそれぞれは、可変のピッチ角を有する複数のブレードを含み、前記制御回路は、前記ピッチ角を制御する。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記少なくとも1つの副回転翼のそれぞれは、複数のブレードを含み、前記少なくとも1つの副モータの回転軸と前記仮想平面との間の距離は、前記複数のブレードのそれぞれの長さよりも大きい。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記少なくとも1つの副回転翼のそれぞれは、前記本体に対して、前記第3方向に沿ってスライド可能に取り付けられている。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記複数の主回転翼は、2枚のブレードからなり、前記制御回路は、前記複数の主モータを停止させ、かつ、前記少なくとも1つの副モータを稼働させるときに、前記2枚のブレードを前記第1方向に平行な位置で止める。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記少なくとも1つの接続器は、第1の接続器と、前記第1の接続器と前記第1方向で隣り合う第2の接続器とを含む。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記少なくとも1つのレールは、互いに平行に延びる第1レールと第2レールとを含み、前記少なくとも1つの接続器は、前記第1レールに吊下げ可能な第1アームと、前記第2レールに吊下げ可能な第2アームとを含む。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記少なくとも1つの接続器のそれぞれは、固定部と、一端が前記固定部に接続され、他端が前記固定部に対して開閉する第1アームと、一端が前記固定部に接続され、他端が前記固定部に対して開閉する第2アームと、前記第1アームを開閉させる第1アクチュエータと、前記第2アームを開閉させる第2アクチュエータとを含み、前記制御回路は、前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータとを制御し、閉状態の前記第1アームと前記固定部とによって囲まれる第1領域は、閉状態の前記第2アームと前記固定部とによって囲まれる第2領域と離れている。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記固定部は、前記第3方向に延びて前記第1領域および前記第2領域を隔てる仕切部を含む。
本開示の他の態様に係るシステムは、無人航空機と、前記無人航空機が運搬する少なくとも1つの荷物に接続可能な少なくとも1つの第1アダプタ、および、前記無人航空機に着脱可能な少なくとも1つの第2アダプタを含む装置と、を備える。
本開示の他の態様に係るシステムにおいて、前記無人航空機と前記装置との間をつなぐワイヤをさらに備え、前記無人航空機は、前記ワイヤの一端が接続されたリールと、前記ワイヤを繰り出すリフトモータとをさらに含む。
本開示の他の態様に係るシステムにおいて、前記制御回路は、前記少なくとも1つの荷物に接続された前記装置を、前記無人航空機から離脱させ、前記リフトモータに前記ワイヤを繰り出させる。
本開示の他の態様に係るシステムにおいて、前記制御回路は、前記装置と前記少なくとも1つの荷物の間の接続を解除し、前記リフトモータに前記ワイヤを巻き取らせる。
本開示の他の態様に係るシステムにおいて、前記少なくとも1つの荷物は、複数の荷物であり、前記少なくとも1つの第1アダプタは、前記複数の荷物に独立して着脱可能な複数の第1アダプタを含む。
本開示の他の態様に係る無人航空機は、本体と、前記本体の第1側で前記本体と回動可能に接続された第1可動体と、前記本体の前記第1側とは反対の第2側で前記本体と回動可能に接続された第2可動体と、前記第1可動体に配置された複数の第1モータと、前記第2可動体に配置された複数の第2モータと、前記複数の第1モータによってそれぞれ回転する複数の第1回転翼と、前記複数の第2モータによってそれぞれ回転する複数の第2回転翼と、前記本体から上方に延びており、地面から離れた位置にある少なくとも1つのレールに吊下げ可能な少なくとも1つの接続器と、を備える。
本開示の他の態様に係る無人航空機は、前記本体に対する前記第1可動体の第1角度を変更可能な第1アクチュエータと、前記本体に対する前記第2可動体の第2角度を変更可能な第2アクチュエータと、前記複数の第1モータおよび前記複数の第2モータ、ならびに、前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータを制御する制御回路と、をさらに備える。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記制御回路は、前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータを介して、下記(a)~(c)のモードを切り替える(a)前記複数の第1モータのそれぞれの第1回転軸の向きと前記複数の第2モータのそれぞれの第2回転軸の向きとがともに鉛直上向きとなる第1モード。(b)前記第1回転軸の向きが第1水平方向であり、かつ、前記第2回転軸の向きが鉛直上向きとなる第2モード。(c)前記第1回転軸の向きが前記第1水平方向であり、かつ、前記第2回転軸の向きが前記第1水平方向とは反対の第2水平方向となる第3モード。
本開示の他の態様に係る無人航空機において、前記第1水平方向および前記第2水平方向は、いずれも前記本体から外側に向かう方向である。
本開示の他の態様に係る制御方法は、無人航空機の制御方法であって、前記無人航空機は、保冷または保温を要する輸送物を保持しており、前記無人航空機の目的位置を取得する第1取得ステップと、前記無人航空機の現在位置を取得する第2取得ステップと、前記輸送物の許容上限温度に到達する予想時刻を取得する第3取得ステップと、を有し、前記無人航空機が前記現在位置から前記目的位置まで移動した際の時刻が、前記予想時刻よりも大きい場合には、前記無人航空機を前記出発位置に移動させ、前記無人航空機が前記現在位置から前記目的位置まで移動した際の時刻が、前記予想時刻以下である場合には、前記無人航空機を前記目的位置に移動させる。
これによれば、予想時刻に応じて輸送物を目的位置に配達したり、輸送物の輸送を停止して出発位置に戻ったりすることができる。このため、輸送物の品質を保護することができたり、無人航空機の稼働率の低下を抑制したりすることができる。
本開示の他の態様に係る制御方法は、無人航空機の制御方法であって、前記無人航空機は、保冷または保温を要する輸送物を保持しており、前記無人航空機の出発位置を取得する第4取得ステップと、前記無人航空機の目的位置を取得する第5取得ステップと、前記無人航空機の現在位置を取得する第6取得ステップと、前記輸送物の許容上限温度を取得する第7取得ステップとを有し、前記現在位置から前記目的位置までの距離が、所定の値よりも大きい場合、前記無人航空機を前記出発位置に移動させ、前記現在位置から前記目的位置までの距離が、所定の値以下である場合、前記無人航空機を前記目的位置に移動させ、前記所定の値は、前記無人航空機を所定の速度で移動させた場合、前記輸送物の温度が前記許容上限温度に到達する値である。
これによれば、現在位置に応じて輸送物を目的位置に配達したり、輸送物の輸送を停止して出発位置に戻ったりすることができる。このため、輸送物の品質を保護することができたり、無人航空機の稼働率の低下を抑制したりすることができる。
本開示の他の態様に係る制御方法は、前記所定の速度をV、前記輸送物の温度が前記許容上限温度に到達する時刻をtZ前記現在位置における時刻をtCとした場合、前記所定の値は、V×(tZ-tC)として算出される。
これによれば、輸送物の温度をモニタリングすることで、ユーザに対して適切な温度の輸送物を配送することができるようになる。このため、許容上限温度を逸脱した輸送物をユーザに配達してしまうことが抑制される。
本開示の他の態様に係る制御方法は、宅配ボックスの制御方法であって、前記宅配ボックスの保有する電力量を計測する計測ステップと、前記電力量が所定の値よりも大きい場合、前記宅配ボックスに格納された輸送物であった前記宅配ボックス内の荷物の重量を計測し、前記荷物の重量を示す情報をサーバに送信する送信ステップとを有する。
これによれば、宅配ボックスの内部の重さを計測することで、宅配ボックスの内部に荷物が格納されているか否かを判断することができるようになる。
本開示の他の態様に係る制御方法は、前記宅配ボックスは扉を有し、前記扉の開閉により電力を発生し、電力を蓄電する電力発生ステップを有する。
これによれば、宅配ボックスの扉を開閉する動作によって自動的に発電することができるため、宅配ボックスの省エネルギー化を実現することができる。
本開示の他の態様に係る制御方法は、前記電力量が所定の値よりも大きい場合、前記扉の開閉に関する情報を前記サーバに送信する送信ステップを有する。
これによれば、発電によって蓄電した電力を用いて、扉の開閉に関する情報を送信することができる。このため、宅配ボックスの省エネルギー化を実現することができる。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(実施の形態1)
[構成:飛行システム1]
図1は、実施の形態1における飛行システム1を例示したブロック図である。
図1に示すように、飛行システム1は、昇降システム5を用いて配送元から配送先に荷物(物品)を送り届けることが可能なシステムである。例えば、飛行システム1は、荷物を搭載した昇降システム5が飛行することで、荷物を配送する。配送元は荷物を送り出す側であり、配送先は荷物を受けとる側である。本実施の形態では、配送元は、配送センターであり宅配業者の施設、中継地点となるコンビニエンスストア等である。また、本実施の形態では、配送先は、荷物を受けとる側つまり届け先であり、例えば住宅、中継地点となるコンビニエンスストアなど、住宅、コンビニエンスストア等に設けられる宅配ボックスなどである。中継地点は、コンビニエンスストアまたはコンビニエンスストアに併設して設けている施設であるが、これに限定されない。
なお、配送する荷物の大きさによって、昇降システム5の大きさを異ならせてもよい。また、本実施の形態の飛行システム1における配送範囲は、例えば、配送元から配送先までの距離が数百メートル、数キロメートル程度である。本実施の形態の飛行システム1では、配送元を中心とした半径数百メートル、数キロメートルの範囲内を移動する。
飛行システム1は、管理サーバ9と、昇降システム5とを備える。
<管理サーバ9>
図2は、実施の形態1における管理サーバ9を例示したブロック図である。
図2に示すように、管理サーバ9は、昇降システム5と無線通信可能に接続される。管理サーバ9は、配送先の位置情報および配送元の位置情報に基づいて、昇降システム5の移動ルートを設定する。また、管理サーバ9は、昇降システム5の位置情報を取得したり、設定した昇降システム5の移動ルートの状態に応じて移動ルートを変更したりする。また、管理サーバ9は、他に可動している又は可動予定の昇降システム5に応じて、昇降システム5の移動ルートを設定したりする。管理サーバ9は、設定した移動ルートに基づいて、昇降システム5に出発指示を送信したりする。また、管理サーバ9は、昇降システム5の飛行状態も管理したりする。このような、管理サーバ9は、コンピュータ、クラウドサーバ等によって実現される。移動ルートは、レール7が設置されている地域およびレール7が存在しない地域を昇降システム5が移動するための飛行ルートであり、地図データに示される。
レール7は、例えば、地表から数メートル~数十メートルの高さの位置に張られ、地面に設置される支柱、施設等によって固定される。なお、レール7は、地上の全域に張り巡らされてもよく、少なくとも配送先の周辺に張り巡らされるだけでもよい。レール7は、例えば道路に沿って張られる。
レール7は、接続点を有する。接続点は、一のレール7に他のレール7が接続される部分である。なお、接続点の直下には、シート状、網状又は板状の構造体が配置される。
管理サーバ9は、第1通信部91と、記憶部92と、ディスプレイ93とを備える。
第1通信部91は、昇降システム5と無線通信することが可能な無線モジュールである。第1通信部91では、例えば、第1通信部91の受信部が昇降システム5から位置情報を受信したり、第1通信部91の送信部が昇降システム5に移動ルートを示す情報および出発指示を送信したりする。
記憶部92は、昇降システム5が移動するための飛行ルートを示す地図情報が格納される記録媒体である。記憶部92は、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリ等で構成される。
ディスプレイ93は、昇降システム5の現在位置、昇降システム5が移動する予定の移動ルートを表示したりする表示部である。また、ディスプレイ93は、昇降システム5の状態を表示したりする。昇降システム5の状態は、高度、出力、移動速度、水平面に対する傾斜角、故障の状態等である。
<昇降システム5>
図3は、実施の形態1における昇降システム5を例示したブロック図である。
図3に示すように、昇降システム5は、管理サーバ9によって設定された移動ルートを示す情報を受信すると、当該情報に示される移動ルートに応じて移動する。昇降システム5は、飛行したり、レール7に沿って移動したりすることで、配送元から配送先に移動して、配送先に荷物を送り届ける。
昇降システム5は、無人航空機10と、第1スラスタ装置110とを備える。
<無人航空機10>
図4は、実施の形態1における無人航空機10を例示した斜視図である。
図3および図4に示すように、無人航空機10は、例えば、ドローン等の飛行体である。無人航空機10、単に空中を飛行するだけでなく、地上に張り巡らされたレール7に沿って移動する。無人航空機10は、ワイヤ51に連結されたまま、第1スラスタ装置110を連結した状態で、レール7に沿って飛行する。本実施の形態では、飛行システム1は、レール7を構成要件に含んでいてもよい。
具体的には、無人航空機10は、リングを有するアーム30がレール7に接続された状態でレール7に沿いながら、配送元から配送先に移動する。より具体的には、無人航空機10は、アーム30のリングがレール7と連結(以下、アーム30がレール7と連結ということがある)した状態で、配送元から配送先まで飛行する。ここで、レール7に沿って移動とは、無人航空機10のアーム30が必ずしもレール7の上を直接、滑るわけではない。アーム30がレール7の上を直接滑れば、アーム30およびレール7が摩耗することがあるため、レール7と無人航空機10のアーム30とは、非接触の状態で飛行してもよい。
なお、本実施の形態では、無人航空機10は1台であるが、複数台の無人航空機10、例えば第1無人航空機と第2無人航空機とがワイヤ51等で接続されて連結された状態で、飛行してもよい。
無人航空機10は、機体本体20と、複数の検知部と、制御処理部11と、駆動制御部12と、第2通信部13と、バッテリ14とを備える。
機体本体20は、複数のプロペラ22、複数の第1プロペラ駆動モータ23、複数の検知部、制御処理部11、駆動制御部12、第2通信部13およびバッテリ14などを搭載する。
機体本体20は、本体部21と、アーム30と、複数のプロペラ22と、複数の第1プロペラ駆動モータ23とを有する。機体本体20は、無人航空機の一例であってもよい。
図4に示すように、本体部21は、矩形な枠状体で構成される。本体部21は、複数の第1プロペラ駆動モータ23を所定の姿勢で支持する。なお、本体部21は、内部に第1スラスタ装置110を配置することが可能な開口が形成されてもよい。言い換えれば、機体本体20に第1スラスタ装置110が装着されている場合、本体部21は、第1スラスタ装置110の周囲を囲むように配置され、第1スラスタ装置110を所定の姿勢で支持してもよい。
図5は、実施の形態1における無人航空機10のアーム30を例示した模式図である。
図5に示すように、アーム30は、第1アーム31および第2アーム32を有し、第1アーム31と第2アーム32とが連結することで、リング状の形状を形作り、レール7と連結する。アーム30が開放した状態では、第1アーム31の端部と第2アーム32の端部との間の距離が、レール7の直径よりも大きくなる。また、アーム30が閉鎖した状態では、第1アーム31の端部と第2アーム32の端部との間の距離が、レール7の直径よりも小さくなる。よって、アーム30は、レール7から外れることがなくレール7と連結したり、レール7から外れたりすることが可能となる。
アーム30は、第1アーム31および第2アーム32の他に、バネ33と、支持する支持部34と、電動モータ35と、距離センサ36とを有する。
第1アーム31は、支持部34と一体的に構成される。第1アーム31は、無人航空機10の進行方向から見てリング状の一部が欠損したC形状をなしたフック状である。なお、第1アーム31がU形状であってもよく、アーム30のリング部分の形状は、上述には限定されない。第1アーム31には、その外殻部分が切り欠かれることで、レール7の侵入を許容する開口部31aが設けられる。
第1アーム31の開口部31aは、レール7の侵入を許容するため、開口部31aの長さ(図37の第1アーム31の一方側の端部aから他方側の端部bまでの長さ)は、レール7の直径よりも大きい。第1アーム31の一方側の端部は第2アーム32と当接し、第1アーム31の他方側の端部は第2アーム32が収容される収容部31cが形成される。収容部31cは、第1アーム31の形状に沿った円弧状である。
第1アーム31の一方側の端部には、第2アーム32の一方側の端部が挿入される凹部31bが形成される。これにより、第2アーム32が第1アーム31の開口部31aを閉鎖した場合、第2アーム32にレール7側から力が加わっても、凹部31bに第2アーム32が嵌るため、第2アーム32が第1アーム31から離間し難くなる。
収容部31cには、第2アーム32がスライド移動によって収容される。収容部31cは、第2アーム32の全てを収容してもよく、一部を収容してもよい。収容部31cの内部には、第1アーム31の開口部31aを第2アーム32によって閉鎖するように、第2アーム32に付勢力をかけるバネ33が設けられる。バネ33の一端は、第2アーム32の他方側の端部に接続され、バネ33の他端は、収容部31cの奥側の底部に接続される。バネ33は、例えば、コイルバネ、ゴム等の弾性体である。
第1アーム31および第2アーム32を無人航空機10の進行方向から見た場合に、円形状に見えるが、アーム30が直立の場合、第1アーム31の開口部31aは、この円形状の中心軸を通過する水平線よりも下側に形成される。このため、第1アーム31の開口部31aが開放していても、第1アーム31がフックの役割を果たすため、レール7に連結された第1アーム31が離間し難い。
第2アーム32は、第1アーム31の開口部31aを開放または閉鎖するように、電動モータ35によってスライド移動させられる。第2アーム32が開口部31aを閉鎖する際には、第1アーム31および第2アーム32がリング状となり、第2アーム32が開口部31aを開放する際には、アーム30がC形状(円弧状)となる。第2アーム32は、収容部31cの形状と対応するような円弧状である。
図4および図5に示すように、支持部34は、第1アーム31および第2アーム32を機体本体20に支持する支柱である。支持部34の一端には、第1アーム31が接続され、支持部34の他端には、機体本体20が接続される。支持部34の一端と第1アーム31との接続部分の近傍には、電動モータ35が取り付けられる。支持部34は、機体本体20を上から見た場合に、その中央部分から立上るように設けられる。
電動モータ35は、制御処理部11によって駆動制御されるモータである。電動モータ35は、第2アーム32を収容部31cに収容するようにスライド移動させる。具体的には、電動モータ35の回転軸に備えられたギア等が、第2アーム32の外周面に形成された歯部と噛み合うことで、第2アーム32がスライド移動する。当然のことながら、電動モータ35の駆動力は、バネ33のバネ力よりも強い。
電動モータ35は、第2アーム32をスライド移動させることが可能な位置、つまり、支持部34と第1アーム31との接続部分に設置される。接続部分は、第1アーム31の開口部31aの近傍、かつ、収容部31cの外周側である。
距離センサ36は、レール7とアーム30との第1距離を計測する。距離センサ36は、アーム30のリングの少なくとも上側部分または下側部分に設置される。本実施の形態では、距離センサ36は、アーム30の上側部分に設置されている様子を例示している。距離センサ36は、計測した第1距離を示す第1距離情報を制御処理部11に出力する。
図3および図4に示すように、複数のプロペラ22は、機体本体20の上面に設けられる。具体的には、複数のプロペラ22は、その回転面が機体本体20の厚み方向と直交する平面と略平行となるように、機体本体20に設けられる。複数のプロペラ22は、複数の第1プロペラ駆動モータ23と一対一で対応し、それぞれの第1プロペラ駆動モータ23の回転駆動によって、第1プロペラ駆動モータ23の回転軸心周りで回転することで、無人航空機10に推力を与える。それぞれのプロペラ22は機体本体20の角部に設けられ、本実施の形態では、4つのプロペラ22が機体本体20に配置される。なお、プロペラ22は3つ以下でもよく、5つ以上でもよい。
複数の第1プロペラ駆動モータ23は、複数のプロペラ22をそれぞれ回転させる電動モータである。それぞれの第1プロペラ駆動モータ23は、制御処理部11によって駆動制御される。それぞれの第1プロペラ駆動モータ23は、機体本体20の本体部21の角部に固定される。本実施の形態では、4つの第1プロペラ駆動モータ23が機体本体20に配置される。なお、第1プロペラ駆動モータ23は、本体部21の角部に固定されていなくてもよく、他の個所に固定されていてもよい。なお、第1プロペラ駆動モータ23は、3つ以下でもよく、5つ以上でもよい。
複数の検知部は、例えば、GPS(Global Positioning System)センサ41、ジャイロセンサ42、速度センサ43、風速センサ44、カメラセンサ45、張力センサ46等である。
GPSセンサ41は、無人航空機10の位置を示す緯度経度等の地理空間を示す位置情報を検出する。GPSセンサ41は、無人航空機10の現在位置を示す位置情報を制御処理部11に出力する。GPSセンサ41は、センサの一例である。
ジャイロセンサ42は、飛行中の無人航空機10の機体本体20の角速度および加速度を検出する。ジャイロセンサ42は、無人航空機10の機体本体20の角速度および加速度を示す角速度情報および加速度情報を制御処理部11に出力する。
速度センサ43は、無人航空機10の移動速度を検出するセンサであり、例えば、飛行時およびホバリング状態時における無人航空機10の速度を検出する。速度センサ43は、無人航空機10の移動速度を示す情報である速度情報を制御処理部11に出力する。
風速センサ44は、無人航空機10の周囲の風速を検知するセンサであり、例えば、ホバリング状態時における無人航空機10の周囲の風速を検知する。第1スラスタ装置110が無人航空機10から離脱して降下する場合、風速センサ44は、無人航空機10の周囲の風速を検出する。風速センサ44は、無人航空機10の周囲の風速を示す情報である風速情報を制御処理部11に出力する。
カメラセンサ45は、機体本体20に設けられ、荷物および宅配ボックスを上空から撮像することが可能な撮像装置である。カメラセンサ45は、荷物および宅配ボックスを撮像し、撮像した画像である画像情報を制御処理部11に出力する。例えば、画像情報には、荷物と宅配ボックスとの相対位置(距離)、機体本体20から荷物までの距離、機体本体20から宅配ボックスまでの距離、地面から宅配ボックスの開口までの高さ等を示す情報が含まれる。カメラセンサ45は、例えば、TOF(Time-of-Flight)カメラ、測距センサ等であってもよい。
張力センサ46は、無人航空機10と第1スラスタ装置110とを連結しているワイヤ51の張力を検出するセンサである。張力センサ46は、無人航空機10と第1スラスタ装置とを連結するワイヤ51の張力を示す張力情報を制御処理部11に出力する。
制御処理部11は、無人航空機10の飛行状態を制御したり、ワイヤ51の巻き取りおよび繰り出しを制御したりする。無人航空機10の飛行状態は、前進、後進、右旋回、左旋回、ホバリングなどである。
制御処理部11は、位置情報、角速度情報、加速度情報および速度情報を取得することで、無人航空機10の移動速度、加速度等を制御する。具体的には、制御処理部11は、位置情報、角速度情報、加速度情報および速度情報に基づいて、水平方向に対する機体本体20の傾きを制御したり、無人航空機10のプロペラ22の回転数を制御したりする。
また、制御処理部11は、風速情報等を取得することで、無人航空機10のホバリング状態時における無人航空機10の移動量を検出する。具体的には、制御処理部11は、機体本体20が風によって移動させられるため、水平方向に対する機体本体20の傾きを制御したり、無人航空機10のプロペラ22の回転数を制御したりすることで、風による無人航空機10の位置ズレを補正する。なお、制御処理部11は、位置情報、角速度情報および速度情報に基づいて、風による無人航空機10の位置ズレを補正してもよい。
また、制御処理部11は、画像情報を取得することで、配送先の目的地点の上空に荷物を位置させるように、昇降システム5の位置を補正する。
また、制御処理部11は、無人航空機10が配送先に到着すると、駆動制御部12のアーム制御モジュール12aを制御して、アーム30にレール7を掴ませ、アーム30をレール7に連結させる。こうして無人航空機10は、所定の位置でレール7に固定される。なお、例えば、アーム30に電磁石を搭載していれば、制御処理部11が駆動制御部12のアーム制御モジュール12aを制御して、アーム30に搭載された電磁石のコイルに電流を流させることによって、アーム30がレール7に固定されてもよい。このように、無人航空機10が配送先の上空に到着した際に、アーム30がレール7に固定されるため、グランドエフェクトによる影響による位置ズレを抑制できる。本実施の形態では、配送先の上空は、宅配ボックス470の上空である。
制御処理部11は、第1アーム31の開口部31aを開放するときだけ、アーム制御モジュール12aに開放指示を出力して、電動モータ35を駆動させて第2アーム32をスライド移動させて収容部31cに収容する。第1アーム31の開口部31aを閉鎖するときには、制御処理部11は、アーム制御モジュール12aに閉鎖指示を出力して、電動モータ35を駆動させない、つまり電動モータ35の駆動を停止する。この際、第2アーム32は、バネ33の付勢力によって、第1アーム31の開口部31aを閉鎖する。なお、本実施の形態では、バネ33を用いなくてもよく、電動モータ35によって第2アーム32をスライド移動させることで、第1アーム31の開口部31aの開放および閉鎖を行ってもよい。
駆動制御部12は、アーム制御モジュール12aと、プロペラ制御モジュール12bと、ワイヤ制御モジュール12cとを備える。また、本実施の形態のように、駆動制御部12は、ワイヤ制御モジュール12cを備えていてもよい。
アーム制御モジュール12aは、制御処理部11からの指示に基づいて、アーム30をレール7に連結するための電動モータ35の駆動を制御する。つまり、アーム制御モジュール12aは、制御処理部11から第1アーム31の開口部31aの開放指示を取得すると、電動モータ35を駆動させることで、第2アーム32をスライド移動させて第1アーム31の開口部31aを開放する。これにより、第1アーム31の開口部31aからレール7を侵入させる。また、アーム制御モジュール12aは、制御処理部11から第1アーム31の開口部31aの閉鎖指示を取得すると、電動モータ35の駆動を停止させることで、第2アーム32がバネ33の付勢力によって、第1アーム31の開口部31aを閉鎖する。
プロペラ制御モジュール12bは、制御処理部11からの指示に基づいて、複数の第1プロペラ駆動モータ23の駆動を制御する。つまり、プロペラ制御モジュール12bは、制御処理部11から駆動指示を取得すると、複数のプロペラ22の回転数、回転方向(時計回り又は反時計回り)等を制御する。また、プロペラ制御モジュール12bは、複数の第1プロペラ駆動モータ23のうちの1以上の第1プロペラ駆動モータ23に対応するプロペラ22の駆動および停止を制御したり、回転数および回転方向を制御したりする。
ワイヤ制御モジュール12cは、制御処理部11からの指示に基づいて、ワイヤ51の繰り出しおよび巻き取りを制御してもよい。つまり、ワイヤ制御モジュール12cは、制御処理部11からワイヤ51の送出指示を取得すると、ワイヤ駆動モータ24を駆動させることで、ワイヤ51を繰り出し、第1スラスタ装置110を無人航空機10から離間させてもよい。また、ワイヤ制御モジュール12cは、制御処理部11からワイヤ51の巻き取り指示を取得すると、ワイヤ駆動モータ24を駆動させることでワイヤ51を巻き取り、第1スラスタ装置110を回収してもよい。
なお、無人航空機10は、ワイヤ駆動モータ24を備えていてもよい。つまり、ワイヤ駆動モータ24は、機体本体20の本体部21に搭載されていてもよい。ワイヤ駆動モータ24は、ワイヤ51を繰り出すおよび巻き取るリールを回転させる電動モータであってもよい。それぞれのワイヤ駆動モータ24は、制御処理部11を介してワイヤ制御モジュール12cによって駆動制御されてもよい。
第2通信部13は、管理サーバ9と無線通信することが可能な無線モジュールである。第2通信部13は、例えば、受信部が管理サーバ9から出発指示および移動ルートを示す情報を受信すると、受信した出発指示を制御処理部11に出力したり、GPSセンサ41で検知した位置情報等を管理サーバ9に送信したりする。
バッテリ14は、無人航空機10が飛行するための電力を第1プロペラ駆動モータ23などに付与する電池であり、リチウムバッテリ等によって実現される。バッテリ14は、制御処理部11、複数の第1プロペラ駆動モータ23等に電力を供給する。
<第1スラスタ装置110>
図6は、実施の形態1における飛行システム1の第1スラスタ装置110および第1スラスタ装置110に装着された荷物を例示した斜視図である。
第1スラスタ装置110は、宅配ボックスに対して荷物の位置を補正することが可能な装置である。第1スラスタ装置110は、ワイヤ51を介して無人航空機10の機体本体20と通信可能であるが、通信モジュールなどを用いて無線通信してもよい。なお、第1スラスタ装置110は、ドローンなどの無人航空機10であってもよい。第1スラスタ装置110は、第1アダプタの一例である。
図7は、実施の形態1における飛行システム1の第1スラスタ装置110を例示した模式図である。図7のaは、第1スラスタ装置110を鉛直上方から見た場合、モータの回転軸が仮想面V1と平行な場合の平面図であり、図7のbは、第1スラスタ装置110の側面から見た場合、モータの回転軸が仮想面V1と平行な場合の側面図である。図7のcは、第1スラスタ装置110を鉛直上方から見た場合、モータの回転軸が仮想面V1に対して傾いた場合の平面図であり、図7のdは、第1スラスタ装置110の側面から見た場合、モータの回転軸が仮想面V1に対して傾いた場合の側面図である。第1スラスタ装置110は第1装置の一例である。図7の水平方向と鉛直方向を示す矢印は、図7のb、dに対応する。
第1スラスタ装置110は、無人航空機10の第1子機であり、無人航空機10に着脱可能に取り付けられる。
図3、図6および図7に示すように、第1スラスタ装置110は、支持体111と、ワイヤ51と、複数の第2プロペラ駆動モータ112と、複数のプロペラ113と、スラスタ制御部124と、ワイヤ制御モジュール125と、1以上のアクチュエータ126と、カメラセンサ127とを有する。支持体111は第1支持体の一例である。
図6および図7に示すように、支持体111は、荷物の上部と係合することで、荷物を所定の姿勢で保持することが可能な支持部材である。支持体111は、荷物が着脱可能に保持する。支持体111は、荷物の周囲を囲む多角形状の枠体を有する。支持体111は、支持体111の中央に形成された開口部の内部に荷物を格納し、荷物の上端縁を囲み荷物を挟むように掴む、または、荷物と接続することで、荷物を所定の姿勢で保持することができる。支持体111は、第1アダプタの一例である。
支持体111は、無人航空機10に着脱可能に取り付けられる。支持体111には、ワイヤ51の下端(後述するサブワイヤ)が連結される。支持体111は、平面視で荷物の形状に応じた形状である。本実施の形態では、支持体111は、多角形状の一例である矩形状をなしている。
支持体111は、複数の第2プロペラ駆動モータ112を支持する。支持体111の外周側面部には、複数の第2プロペラ駆動モータ112と、複数のプロペラ113とが設けられる。本実施の形態では、支持体111の一辺ごとに、2つのプロペラ113と2つの第2プロペラ駆動モータ112とが設けられる。本実施の形態では、支持体111は、後述する仮想面V1が水平面と平行な姿勢となった場合、支持体111の鉛直方向(後述するワイヤ51の長さ方向と平行な方向)下側に形成される、荷物を挿入する開口部を有する。
ワイヤ51は、第1スラスタ装置110と無人航空機10とを繋ぐ。ワイヤ51は、一端が無人航空機10と連結され、他端が第1スラスタ装置110と連結される。
図3および図7に示すように、ワイヤ51は、支持体111を吊下げ可能であり、支持体111の少なくとも1つの接続点Pに直接接続される。ワイヤ51は、一端側が支持体111に接続され、他端側が地面から離れた位置に配置される物体に接続されることで、支持体111を吊下げる。物体は、例えば上述したレール7、ドローン等の無人航空機10である。本実施の形態では、仮想面V1が水平面と平行になる場合、ワイヤ51は、支持体111の鉛直上側に接続される。ワイヤ51は、第1スラスタ装置110を物体に吊下げる場合、第1スラスタ装置110を水平な姿勢で保持する。
なお、ワイヤ51には、無人航空機10と第1スラスタ装置110とを通信可能に接続する通信線が設けられていてもよく、無人航空機10の電力を供給する電力線が設けられていてもよい。なお、ワイヤ51に通信線および電力線が設けられていない場合、ワイヤ51は、単なる金属製、樹脂製等のワイヤ51であってもよい。この場合、無人航空機10と第1スラスタ装置110とは無線通信によって通信可能に接続されていてもよい。また、この場合、第1スラスタ装置110はバッテリ14を有していてもよい。
ワイヤ51は、メインワイヤ51aと、複数のサブワイヤ51bとを有する。
メインワイヤ51aの一端が複数のサブワイヤ51bと接続され、メインワイヤ51aの他端が物体と接続される。メインワイヤ51aは、複数のサブワイヤ51bを介して支持体111を物体に吊下げて支持する。第1スラスタ装置110が物体に吊下げられる場合、メインワイヤ51aは、支持体111によって、鉛直方向に沿って引っ張られる。
複数のサブワイヤ51bの一端は、支持体111の複数の接続点Pに直接接続されて固定される。具体的には、複数のサブワイヤ51bの各々の一端は、平面視で多角形状である支持体111の複数の角部分と一対一で接続される。複数のサブワイヤ51bの他端は、1つの共通の接続点Pであるメインワイヤ51aの一端と接続される。複数の接続点Pは、平面視で複数の頂点に相当する枠体の複数の角部分(枠体の部分)に配置される。本実施の形態では、支持体111が平面視で矩形状であるため、複数のサブワイヤ51bは、矩形状の頂点に相当する4角の各々に一対一で接続される。
なお、支持体111に配置される複数の接続点Pのうちの一部は、支持体111上で移動してもよい。
複数の第2プロペラ駆動モータ112は、モータ本体が回転軸112aを回転させることで、複数のプロペラ113をそれぞれ回転させる電動モータである。複数の第2プロペラ駆動モータ112のそれぞれは、スラスタ制御部124によってその駆動および停止が個別に制御される。第2プロペラ駆動モータ112は、例えば、ワイヤ51を介して無人航空機10の機体本体20のバッテリ14から電力が供給されてもよい。なお、支持体111にバッテリが搭載されていてもよく、複数の第2プロペラ駆動モータ112のそれぞれは、そのバッテリから電力が供給されてもよい。
複数の第2プロペラ駆動モータ112は、支持体111の外周を構成する側面部に配置される。複数の第2プロペラ駆動モータ112は、支持体111の周囲を囲むように分散配置され、支持体111に支持される。複数の第2プロペラ駆動モータ112は、アクチュエータ126によって、枠体に対して回動可能に支持される。本実施の形態では、複数の第2プロペラ駆動モータ112は、仮想面V1が水平面と平行な姿勢となった場合、支持体111の鉛直方向上側に配置される。
複数のプロペラ113のそれぞれは、支持体111の外周側面部に配置され、水平方向に推力を発生させるように、支持体111に配置される。複数のプロペラ113のそれぞれは、プロペラ113の回転平面と鉛直方向とが略平行となる姿勢で支持体111に設けられ、空気を支持体111の外側に繰り出す。回転平面とは、プロペラ113の羽根が回転する平面であり、プロペラ113の回転軸(第2プロペラ駆動モータ112の回転軸)と直交する平面である。
複数のプロペラ113は、支持体111の外周側面部に含まれる一対の第1側面部に配置された1以上の第1プロペラと、支持体111の一対の第1側面部とは異なり、外周側面部に含まれる一対の第2側面部に配置された1以上の第2プロペラとを含む。本実施の形態では、1以上の第1プロペラは、一対の第1側面部のうちの前側の第1側面部と後側の第1側面部とにそれぞれ設けられ、1以上の第2プロペラは、一対の第2側面部のうちの右側の第2側面部と左側の第2側面部とにそれぞれ設けられる。前側とは図面の第1スラスタ装置110の前側、後側とは図面の第1スラスタ装置110の後側、右側は図面の第1スラスタ装置110の右側、左側は図面の第1スラスタ装置110の左側である。
複数のプロペラ113は、複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aと一対一で対応し、複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aと一対一で固定される。複数のプロペラ113のそれぞれは、複数の第2プロペラ駆動モータ112によって駆動され、回転軸112aの長さ方向に沿って推力を発生させる。複数のプロペラ113の回転平面は、複数の第2プロペラ駆動モータ112の回動と同期して、仮想面V1に対して傾斜する。仮想面V1とは、支持体111に対する複数の第2プロペラ駆動モータ112のそれぞれの姿勢が同一となる場合に、複数のプロペラ113のそれぞれの中心を含む面である。仮想面V1は、仮想平面であることが好ましい。プロペラ113の中心とは、第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aの軸心J1とプロペラ113の回転平面とが交差する点である。
仮想面V1に対して複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112a(つまり軸心J1)が成す角度θは、-45度以上、かつ、+45度以下である。当該角度θは、複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aが仮想面V1に対して揺動する可動範囲であり、仮想面V1を基準面として、仮想面V1に対する回転軸112aの軸心J1の角度θが-45度から+45度までの範囲である。特に、当該角度θは、-30度以上、かつ、+30度以下であることが好ましい。
図3および図4に示すように、カメラセンサ127は、支持体111の荷物側、つまり、鉛直下方側に設けられ、宅配ボックス8を撮像することで取得した画像情報をスラスタ制御部124に出力する。カメラセンサ127は、複数設けられていてもよい。また、カメラセンサ127は、第1スラスタ装置110の必須の構成要件ではない。このため、第1スラスタ装置110はカメラセンサ127を有していなくてもよい。
スラスタ制御部124は、ワイヤ51を繰り出す期間の少なくとも一部の期間において、第1スラスタ装置110の複数の第2プロペラ駆動モータ112の少なくとも1つを駆動するように制御する。
具体的には、スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110のカメラセンサ127から取得した画像情報および無人航空機10のカメラセンサ45から取得した画像情報に基づいて、宅配ボックス8と荷物の位置を算出する。スラスタ制御部124は、宅配ボックス8の開口8aの鉛直上方に荷物を配置させるように、第1スラスタ装置110の複数の第2プロペラ駆動モータ112を制御することで、俯瞰した状態で宅配ボックス8の開口8a内に荷物が納まるように、第1スラスタ装置110および荷物を移動させる。具体的には、スラスタ制御部124は、宅配ボックス8の開口8aと荷物との誤差(位置ズレ)を算出し、算出した誤差を修正するように、宅配ボックス8の開口8aに対する荷物の位置を補正する。
また、スラスタ制御部124は、1以上のアクチュエータ126を制御することで、仮想面V1に対する複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aが成す角度θを調節する。スラスタ制御部124は、アクチュエータ126を制御することで、支持体111に対して複数の第2プロペラ駆動モータ112を回動させることで、複数の第2プロペラ駆動モータ112の姿勢を制御する。スラスタ制御部124は、支持体111に対して複数の第2プロペラ駆動モータ112を回動させる角度θ、仮想面V1に対する複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aの角度θを制御する。なお、スラスタ制御部124は、仮想面V1に対する複数の第2プロペラ駆動モータ112の角度θを個別に制御できる。
スラスタ制御部124は、複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aの回転数も制御する。スラスタ制御部124は、複数の第2プロペラ駆動モータ112に供給する電流値を変更することで、回転軸112aの回転数を制御する。なお、スラスタ制御部124は、複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aの回転数も個別に制御できる。
図3および図7に示すように、スラスタ制御部124は、第1モードと、第2モードとを有する。
第1モードは、図7のaおよびbに示すように、仮想面V1に対する複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aの角度θが0度となるように、回転軸112aを傾斜させる。第2モードは、図7のcおよびdに示すように、角度θが仰角となるように、仮想面V1に対する1以上の回転軸112aを傾斜させる。
図3および図4に示すように、また、スラスタ制御部124は、張力情報を取得することで、ワイヤ制御モジュール125を制御する。具体的には、スラスタ制御部124は、ワイヤ51の巻き取り又は繰り出しを制御することで、無人航空機10に対する第1スラスタ装置110の距離を調節する。
ワイヤ制御モジュール125は、ワイヤ駆動モータ118aと、リール118とを有する。
ワイヤ駆動モータ118aは、ワイヤ51を巻き取る又は繰り出すリール118を回転させる電動モータである。それぞれのワイヤ駆動モータ118aは、スラスタ制御部124によって駆動制御される。
リール118は、回転することによって、ワイヤ51を巻き取ったり、繰り出したりすることができる。リール118は、ワイヤ制御モジュール125によって回転が制御される。
ワイヤ制御モジュール125は、スラスタ制御部124からの指示に基づいて、ワイヤ51の巻き取り又は繰り出しを制御する。第1スラスタ装置110を無人航空機10に装着する場合、ワイヤ制御モジュール125は、スラスタ制御部124からワイヤ51の巻き取り指示を取得すると、ワイヤ駆動モータ118aを駆動させることでリール118を回転させてワイヤ51を巻き取る。また、第1スラスタ装置110を無人航空機10から離間させる場合、ワイヤ制御モジュール125は、スラスタ制御部124からワイヤ51の送出指示(繰り出し指示)を取得すると、ワイヤ駆動モータ118aを駆動させることでリール118を回転させてワイヤ51を繰り出す。
1以上のアクチュエータ126は、仮想面V1に対する複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aが成す角度θを調節する。具体的には、1以上のアクチュエータ126は、スラスタ制御部124に駆動されて複数の第2プロペラ駆動モータ112を回動させることで、支持体111に対する複数の第2プロペラ駆動モータ112の姿勢を変更する。1以上のアクチュエータ126は、例えば、ギア、プーリ、ベルト等の駆動機構で構成される。
[動作]
<配送元での処理>
図8は、実施の形態1における管理サーバ9および昇降システム5の処理を例示したフローチャートである。
図8では、本実施の形態における飛行システム1の処理について説明する。この処理では、昇降システム5が配送元を出発するまでの処理について説明する。
図8に示すように、管理サーバ9は、配送元と配送先との位置関係、地域環境等に基づいて、配送元から配送先までの移動ルートを選定する。また、管理サーバ9は、第2通信部13を介して昇降システム5に飛行準備の指示を送信する(S11)。飛行準備とは、昇降システム5に荷物の積載準備、昇降システム5が飛行するために十分なバッテリ14の準備などである。
次に、昇降システム5が飛行準備の指示を受信すると、昇降システム5の無人航空機10の制御処理部11は、出発可能か否かを判定する(S21)。出発可能か否かの判定は、無人航空機10に第1スラスタ装置110が接続されているかどうかを判定したり、第1スラスタ装置110に荷物が積まれているかどうかを判定したりする。具体的には、制御処理部11は、第1スラスタ装置110と通信可能であるかどうか等によって、無人航空機10に第1スラスタ装置110が接続されているか否かを判定する。また、制御処理部11は、第1スラスタ装置110に搭載される検知部によって第1スラスタ装置110の支持体111に荷物が設けられているか否かを判定する。この場合、検知部は、第1スラスタ装置110の支持体111に近接する荷物を検知する近接センサ、荷物が第1スラスタ装置110の支持体111に設けられることで押下されるスイッチセンサ、昇降システム5(又は第1スラスタ装置110)の重量を検知する重量センサなどであってもよい。
制御処理部11は、昇降システム5が出発可能でない場合は(S21でNO)、処理をステップS12に戻す。この場合、制御処理部11は、管理サーバ9に飛行準備が完了していないことを通知する。
制御処理部11は、昇降システム5が出発可能である場合は(S21でYES)、第2通信部13を介して、管理サーバ9へ準備完了の通知を送信する(S22)。
管理サーバ9は、昇降システム5から準備完了信号を受信したか否かを判定する(S12)。管理サーバ9は、昇降システム5から準備完了信号を受信していない場合(S12でNO)、処理をステップS11に戻す。なお、管理サーバ9は、ステップS12でNOの場合、ステップS12に戻してもよい。
管理サーバ9は、昇降システム5から準備完了信号を受信した場合(S12でYES)、第1通信部91を介して、昇降システム5に出発指示および移動ルートを示す情報を送信する(S13)。
こうして、昇降システム5では、出発指示および移動ルートを示す情報を管理サーバ9から受信すると、飛行を開始し、配送元を出発することができる(S23)。
<配送元から配送先まで>
図9は、実施の形態1における昇降システム5の処理を例示したフローチャートである。
図9では、無人航空機10のアーム30をレール7に接続してから、昇降システム5が配送元から配送先に移動して、宅配ボックス8に荷物の格納を完了するまでを説明する。
図9に示すように、昇降システム5では、アーム30がレール7を掴むようにアーム30を駆動させることで、アーム30がレール7に接続されて連結される(S31)。
昇降システム5では、受信した情報に含まれる移動ルートに応じて、配送元から配送先まで移動する。移動する際、昇降システム5では、無人航空機10、第1スラスタ装置110に沿って移動する(S32)。昇降システム5は、GPSセンサ41で検知したそれぞれの現在位置を示す位置情報(例えば、上述の緯度経度情報等の地理空間情報である)を、所定の時間間隔で管理サーバ9に送信し続ける。管理サーバ9は、昇降システム5の位置情報を逐次受信するため、昇降システム5の位置情報を即時に取得できる。
次に、昇降システム5の無人航空機10の制御処理部11は、配送先の上空に到着したかどうかを判定する(S33)。具体的には、制御処理部11は、GPSセンサ41から得られる現在位置と、管理サーバ9から取得した配送先の位置とを比較し、これらが一致するか否かを判定する。
例えば、制御処理部11は、無人航空機10が配送先付近に近づいた際に、カメラセンサ45が撮像した画像情報に示される第1位置と、GPSセンサ41から取得した位置情報に示す第2位置とを比較してもよい。第1位置と第2位置とが一致しない場合、制御処理部11は、第1位置と第2位置とが一致するように、無人航空機10の飛行を制御してもよい(つまり、プロペラ113の回転を制御する。)。具体的には、無人航空機10が配送先の上空付近に近づいた際に、カメラセンサ45は、宅配ボックス8の上面又はレール7に張られるコード化された媒体471を撮像してもよい。コード化された媒体471には、宅配ボックス8の位置を示す第1位置が含まれる。カメラセンサ45がコード化された媒体471を読み取ることで、制御処理部11は、第1位置と第2位置とが一致するように、無人航空機10の飛行を制御してもよい。なお、コード化された媒体471は、例えばバーコード、二次元コードであるが、カメラセンサ45が認識することが可能な単なるマークでもよい。こうして、無人航空機10は、配送先の上空に到着する。
なお、制御処理部11は、GPSセンサ41の代わりに、カメラセンサ45を用いて、宅配ボックス8から第1スラスタ装置110までの相対的な位置を測定してもよい。制御処理部11は、イメージセンサを用いて取得した周辺の画像から、第1スラスタ装置110の位置を測定してもよい。
現在位置と目的地点とが一致しない場合(S33でNO)、制御処理部11は、ステップS33に処理を戻す。
現在位置と目的地点とが一致する場合(S33でYES)、制御処理部11は、配送先の上空に到着したと判定し、アーム30によってレール7を掴むように駆動制御部12を制御する。こうして、無人航空機10は、レール7に固定される(S34)。
次に、制御処理部11は、第1スラスタ装置110に下降指示を送信し(S35)、プロペラ113の回転を停止させる(S36)。この場合、無人航空機10は、レール7に連結されたアーム30によって宙吊りの状態となる。なお、無人航空機10が配送先の上空に到着すると、無人航空機10は、アーム30によってレール7を掴むことなく、アーム30をレール7に連結した状態でホバリングさせてもよい。
こうして、昇降システム5の第1スラスタ装置110は、無人航空機10から下降する。
<荷物の格納>
図10は、実施の形態1における第1スラスタ装置110が宅配ボックス8に荷物を格納する動作を例示したフローチャートである。
図10では、第1スラスタ装置110を用いて荷物を宅配ボックス8に格納する手順を説明する。
図10に示すように、第1スラスタ装置110は、下降指示を取得すると(S41)、下降指示に基づいて、降下態勢に入る。具体的には、第1スラスタ装置110のスラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール125を制御してワイヤ51の繰り出しを開始する(S42)。より具体的には、スラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール125のワイヤ駆動モータ118aを制御してリール118を回転させ、ワイヤ51の繰り出しを開始する。これにより、第1スラスタ装置110は、降下を開始する。
次に、スラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール125を介してワイヤ駆動モータ118aを制御することでワイヤ51を繰り出し、繰り出されたワイヤ51の部分の長さが所定の長さを超えたか否かを判定する(S43)。
繰り出されたワイヤ51の部分の長さが所定の長さを超えていない場合(S43でNO)、スラスタ制御部124は、ステップS43に処理を戻す。
スラスタ制御部124は、繰り出されたワイヤ51の部分の長さが所定の長さを超えた場合(S43でYES)、複数のワイヤ駆動モータ118aを駆動させる(S44)。
次に、スラスタ制御部124は、カメラセンサ127から画像情報を取得し、荷物と宅配ボックス8との距離および相対位置を算出する。スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110の複数の第2プロペラ駆動モータ112をそれぞれ制御することで、宅配ボックス8の開口8aに対する荷物の位置(言い換えれば、開口8aに対する第1スラスタ装置110との位置)を補正する(S45)。なお、無人航空機10の制御処理部11は、無人航空機10の複数の第2プロペラ駆動モータ112を制御することで宅配ボックス8の開口8aに対する荷物の位置を補正するように、無人航空機10を移動させてもよい。
これにより、宅配ボックス8に対する上方の第1スラスタ装置110の位置が補正され、宅配ボックス8の開口8aに対する荷物の位置が補正される。スラスタ制御部124は、鉛直方向における第1スラスタ装置110と宅配ボックス8の開口8aとの重なり誤差の補正を繰り返しながら、宅配ボックス8の開口8aに対する第1スラスタ装置110を位置合わせし、宅配ボックス8の開口8aと第1スラスタ装置110つまり荷物とを一致させる。
スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110と宅配ボックス8の開口8aとの重なり誤差(位置ずれ量)が所定範囲内かどうかを判定する(S46)。
スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110と宅配ボックス8の開口8aとの重なり誤差が所定範囲内でなければ(S46でNO)、ステップS45に処理を戻し、宅配ボックス8の開口8aに対する荷物の位置を補正する。
スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110と宅配ボックス8の開口8aとの重なり誤差が所定範囲内であれば(S46でYES)、第1スラスタ装置110から荷物を切離す(S47)。これにより、第1スラスタ装置110は、宅配ボックス8に荷物を格納する。このように、第1スラスタ装置110は、宅配ボックス8の開口8aに被さるように降下することで、宅配ボックス8に荷物を格納する。
次に、第1スラスタ装置110は、宅配ボックス8に荷物を格納後、荷物を切離した後に上昇し、無人航空機10の機体本体20に装着される。具体的には、スラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール125のリール118を回転させることでワイヤ51を巻き取り、第1スラスタ装置110を上昇させて無人航空機10に装着させる(S48)。そして、第1スラスタ装置110が無人航空機10に装着されて、昇降システム5は、配送元に戻る。
<位置の補正>
図11は、実施の形態1における飛行システム1の第1スラスタ装置110と宅配ボックス8との上面図である。
図11では、第1スラスタ装置110と宅配ボックス8とを俯瞰した状態であり、第1スラスタ装置110による荷物の位置を補正する場合を例示する。第1スラスタ装置110は、ワイヤ51を介して無人航空機10に連結されているため、例えば、図7の回転軸112aの軸心J1と水平面とが平行となるように、スラスタ制御部としての第1スラスタ制御部124が1以上のアクチュエータ126を介して複数の第2プロペラ駆動モータ112の姿勢を制御する。
例えば、第1スラスタ装置110が水平面に移動した場合、図3、図7および図11のaおよびbに示すように、第1スラスタ制御部124は、複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aの軸心J1を水平面と平行となるように、複数の第2プロペラ駆動モータ112の姿勢を制御する。第1スラスタ制御部124は、進行したい方向と反対方向に配置されている1以上の第2プロペラ駆動モータ112を駆動させる。これにより、第1スラスタ装置110は、所望の方向に進むことができる。
この第1スラスタ装置110では、ワイヤ51を介して無人航空機10に連結されているため、例えば、水平面に対して回転軸112aの軸心J1を傾かせるように、第1スラスタ制御部124が1以上のアクチュエータ126を介して複数の第2プロペラ駆動モータ112の姿勢を制御する。例えば、第1スラスタ装置110を上昇又は浮遊させたい場合、図3、図7のcおよびdに示すように、第1スラスタ制御部124は、複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aの軸心J1を水平面に対して傾斜させるように、複数の第2プロペラ駆動モータ112の姿勢を制御する。第1スラスタ制御部124は、1以上の第2プロペラ駆動モータ112を駆動させる。これにより、第1スラスタ装置110は、上昇又は浮遊することができる。
図3および図11のaでは、宅配ボックス8の開口8aと第1スラスタ装置110とが一部が重なっているが、このままでは、宅配ボックス8に荷物を格納することはできないため、第1スラスタ制御部124は、複数の第2プロペラ駆動モータ112をそれぞれ制御することで、第1スラスタ装置110をX軸方向およびY軸方向を合成したXY方向に移動させる。例えば、第1スラスタ制御部124は、左側(矢印と反対方向のX軸マイナス側)の第2側面部に配置される2つの第2プロペラ駆動モータ112をそれぞれ制御することで、無人航空機10をXY方向に移動させ、図11のbの状態となる。
図3および図11のbでは、宅配ボックス8の開口8aと第1スラスタ装置110とが一部が重なっているが、宅配ボックス8の開口8aと荷物との間に位置ズレが生じている。第1スラスタ制御部124は、複数の第2プロペラ駆動モータ112をそれぞれ制御することで、第1スラスタ装置110をXY平面上で所定のロール角だけ回転させる。例えば、第1スラスタ制御部124は、後側(矢印の方向のY軸マイナス側)の第1側面部の右側(矢印の方向のX軸プラス側)の第2プロペラ駆動モータ112を制御し、前側(矢印の方向のY軸プラス側)の第1側面部の左側の第2プロペラ駆動モータ112を制御することで、第1スラスタ装置110をXY平面で回転移動させ、図11のcの状態となる。
図3および図11のcでは、まだ、宅配ボックス8の開口8aと第1スラスタ装置110とが一部が重なっているが、宅配ボックス8の開口8aと荷物とに位置ズレが生じている。第1スラスタ制御部124は、複数の第2プロペラ駆動モータ112をそれぞれ制御することで、第1スラスタ装置110をY軸方向に移動させる。例えば、第1スラスタ制御部124は、前側の第1側面部の2つの第2プロペラ駆動モータ112をそれぞれ制御することで、無人航空機10をY軸方向に移動させ、宅配ボックス8の開口8aに荷物が納まるように宅配ボックス8の開口8aと第1スラスタ装置110とを一致させる。
このように、荷物を宅配ボックス8に格納したい場合、鉛直方向から見て、荷物が宅配ボックス8の開口8aに収まるように、第1スラスタ装置110が宅配ボックス8の開口8aに対して位置合わせを行える。これにより、第1スラスタ装置110は、荷物を宅配ボックス8に格納できる。
<集合住宅施設への配送>
図12は、実施の形態1における飛行システム1の第1スラスタ装置110が集合住宅施設に無人航空機10が荷物を配送する様子を例示した模式図である。
図3および図12に示すように、レール7の鉛直下方に宅配ボックス8が存在していない場合、第1スラスタ制御部124は、カメラセンサ127から取得した画像情報に基づいて、宅配ボックス8を認識し、第1スラスタ装置110の複数の第2プロペラ駆動モータ112を制御することで、宅配ボックス8に荷物を格納させる。
具体的には、図3、図12のaでは、第1スラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール125を制御してワイヤ51の繰り出しを開始し、画像情報に基づいて宅配ボックス8を算出し、複数の第2プロペラ駆動モータ112を制御する。これにより、第1スラスタ装置110は、宅配ボックス8に向かって移動する。そして、第1スラスタ装置110は、宅配ボックス8の開口8aの鉛直上方に移動する。
図3、図12のbでは、第1スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110に荷物を宅配ボックス8に格納させる。具体的には、第1スラスタ装置110は、宅配ボックス8の開口8aに向けて降下し、宅配ボックス8に荷物を格納する。
図3、図12のcに示すように、第1スラスタ装置110は、宅配ボックス8に荷物を格納後、荷物を切離した後に上昇し機体本体20に装着される。そして、無人航空機10は配送元に戻る。
[作用効果]
次に、本実施の形態に係る昇降システム5の作用効果について説明する。
上述したように、本実施の形態に係る昇降システム5において、無人航空機10は、さらに、荷物に着脱可能に取り付けられた第1スラスタ装置110を備え、第1スラスタ装置110は、複数のプロペラ113と、複数のプロペラ113をそれぞれ回転させる複数の第2プロペラ駆動モータ112と、複数の第2プロペラ駆動モータ112を支持する支持体111と、を有する。
これによれば、無人航空機10が宅配ボックス8の直上に対して位置ズレが生じても、第1スラスタ装置110が荷物を宅配ボックス8に誘導することができる。このため、無人航空機10は、確実に荷物を降下させて宅配ボックス8に格納させることができるため、より確実に配送先に荷物を配送することができる。宅配ボックス8の開口8aが狭く、荷物を挿入し難い状況でも、無人航空機10では、確実に荷物を宅配ボックス8に挿入することができる。これにより、無人航空機10を着陸させる広い場所を必要としない。
特に、この昇降システム5では、風などによって無人航空機10が宅配ボックス8の直上から移動してしまう場合があっても、第1スラスタ装置110が荷物を宅配ボックス8に格納させることができる。
また、本実施の形態に係る昇降システム5において、複数のプロペラ113は、支持体111の第1側面部に配置された第1プロペラ113aと、支持体111の第1側面部とは異なる第2側面部に配置された第2プロペラ113bとを含む。
これによれば、宅配ボックス8に対する第1スラスタ装置110の位置および向きを調節することができる。このため、この無人航空機10では、第1スラスタ装置110が、より確実に荷物を宅配ボックス8に格納させることができる。
また、本実施の形態に係る昇降システム5において、第1スラスタ制御部124は、ワイヤ51を繰り出す期間の少なくとも一部の期間において、第1スラスタ装置110が複数の第2プロペラ駆動モータ112の少なくとも1つを駆動するよう制御する。
これによれば、無人航空機10から荷物を降下させる際に、宅配ボックス8に対する第1スラスタ装置110の位置および向きを調節することができる。このため、この無人航空機10では、スムーズに荷物を宅配ボックス8に格納させることができる。
また、本実施の形態に係る昇降システム5は、荷物を着脱可能に取り付ける支持体111と、一端が支持体111に接続され、他端が地面から離れた位置に配置される物体に接続されることで、支持体111を吊下げ可能なワイヤ51と、支持体111の側面部に配置された複数の第2プロペラ駆動モータ112と、複数の第2プロペラ駆動モータ112によって駆動される複数のプロペラ113と、複数の第2プロペラ駆動モータ112を制御する第1スラスタ制御部124とを備える。そして、複数のプロペラ113のそれぞれの中心を通る仮想面V1に対して、複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aが成す角度θは、-45度以上、かつ、+45度以下である。
これによれば、仮想面V1に対する複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aの角度θを制御することで、荷物を所定位置に載置する際に、所定位置に対する荷物の位置合わせを行うことができる。当該第1スラスタ装置110を所望の方向に進行させることで、所定位置に対する第1スラスタ装置110の位置を微調整することができる。
また、本実施の形態に係る昇降システム5において、第1スラスタ装置110は、少なくとも1つの第1アダプタが設けられた支持体111と、支持体111の複数の側面に配置された複数の第2プロペラ駆動モータ112と、複数の第2プロペラ駆動モータ112によって駆動される複数のプロペラ113と、を含み、複数のプロペラ113のそれぞれの中心を通る仮想面に対して、複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aが成す角度は、-45度以上、かつ、+45度以下である。
これによれば、仮想面に対する複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aの角度を制御することで、荷物を所定位置に載置する際に、所定位置に対する荷物の位置合わせを行うことができる。
支持体111がワイヤ51を介して物体に吊下げられた状態で、第1スラスタ装置110が降下する際、鉛直方向から見て荷物が所定位置と合わさるように、位置合わせを行うことができるため、第1スラスタ装置110の位置を微調整することができる。
したがって、この第1スラスタ装置110では、所定位置に荷物を配置することができる。特に、屋外で当該第1スラスタ装置110を使用する場合、風などによって所定位置に対して第1スラスタ装置110が位置ズレしても、位置ズレを補正するように、第1スラスタ装置110が所定位置に向かって移動することができるため、所定位置に荷物を配置することができる。
また、本実施の形態に係る昇降システム5において、角度θは、-30度以上、かつ、+30度以下である。
これによれば、第1スラスタ装置110の浮遊する推力が大きくなり難くなるため、例えば、第1スラスタ装置110の急な上昇によるワイヤ51の弛みを抑制することができる。
また、本実施の形態に係る昇降システム5は、さらに、仮想面V1に対する複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aが成す角度θを調節する1以上のアクチュエータ126を備える。
これによれば、支持体111に対する複数の第2プロペラ駆動モータ112の姿勢を調節することができる。このため、第1スラスタ装置110が水平方向に移動したり、鉛直方向に移動したりすることができる様になる。これにより、荷物が所定位置と合わさるように、より正確に位置合わせを行うことができるようになる。
また、本実施の形態に係る昇降システム5において、第1スラスタ制御部124は、1以上のアクチュエータ126を制御することで、仮想面V1に対する1以上の回転軸112aが成す角度θを調節し、角度θが0度となるように1以上の回転軸112aを傾斜させる第1モードと、角度θが仰角となるように1以上の回転軸112aを傾斜させる第2モードとを有する。
これによれば、複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aのうちの1以上の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸112aの姿勢を個々に制御することができる。このため、第1スラスタ装置110が所定位置に移動するべく、第1スラスタ装置110の姿勢および進行方向等を細かく制御することができるため、第1スラスタ装置110の位置をより精度よく微調整することができる。
また、本実施の形態に係る昇降システム5において、ワイヤ51は、メインワイヤ51aと、複数のサブワイヤ51bとを有する。複数のサブワイヤ51bの一端は、支持体111の複数の接続点Pに直接接続される。複数のサブワイヤ51bの他端は、1つの共通の接続点Pであるメインワイヤ51aの一端と接続される。そして、メインワイヤ51aは、複数のサブワイヤ51bを介して支持体111を物体に吊下げて支持する。
これによれば、複数の接続点Pを介して、一対一で複数のサブワイヤ51bを支持体111に接続することができる。このため、ワイヤ51によって支持体111を吊下げた状態での支持体111の姿勢を安定させることができる。
また、本実施の形態に係る昇降システム5において、支持体111は、荷物の周囲に配置される多角形状の枠体を有する。そして、複数の接続点Pは、複数の頂点に相当する枠体の複数の部分に配置される。
これによれば、ワイヤ51によって支持体111を吊下げた状態での支持体111の姿勢をより確実に安定させることができる。
(実施の形態1の変形例1)
以下では、本変形例における第1スラスタ装置110aの基本的な構成は、実施の形態1等の第1スラスタ装置の基本的な構成と同様であるため、本変形例における第1スラスタ装置110aの基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、接続点Pが移動(変異)する点で実施の形態1等と相違する。
図13は、実施の形態1の変形例1における第1スラスタ装置110aを例示した模式図である。図13のaは、第1スラスタ装置110aを鉛直上方から見た場合の支持体111およびワイヤ51等を例示する平面図であり、図13のbは、第1スラスタ装置110aの側面を見た場合の支持体111およびワイヤ51等を例示する側面図である。図13の水平方向と鉛直方向を示す矢印は、図13のbに対応する。
本変形例では、支持体111の中心に接続点Pが配置される。具体的には、仮想面V1が水平面と平行になる場合、接続点Pは、支持体111の鉛直上面の中心に配置される。
支持体111は、外枠111aと、縦桟111bと、横桟111cとを有する。
外枠111aは、支持体111の外郭部を構成し、荷物を所定の姿勢で保持する。外枠111aは、荷物の周囲に配置される多角形状である。縦桟111bおよび横桟111cは、格子状に外枠111aの内側に配置され、仮想面V1が水平面と平行になる場合、支持体111の鉛直上側に配置される。外枠111aを鉛直方向に見た場合、縦桟111bと横桟111cとが、外枠111aの中心で交差する。上述の接続点Pは、縦桟111bと横桟111cとの交差部分に配置される。外枠111aは、第1枠体の一例である。
図14は、実施の形態1の変形例1における第1スラスタ装置110aの縦桟111bおよび横桟111cがスライドした様子を例示した模式図である。図14の水平方向と鉛直方向を示す矢印は、図14のbに対応する。
縦桟111bおよび横桟111cは、外枠111a内でスライド可能である。縦桟111bと横桟111cとの交差部分の位置は、外枠111aの内部で変異する。具体的には、縦桟111bは、横桟111cの長さ方向に対して直交する方向にスライド可能である。言い換えれば、横桟111cは、縦桟111bの長さ方向に対して直交する方向にスライド可能である。縦桟111bおよび横桟111cが外枠111a内でスライドすることで、1つの接続点Pは、仮想面V1に平行な面内で移動可能である。仮想面V1に平行な面内は、外枠111a内側において、縦桟111bおよび横桟111cがスライド可能な領域である。
このような、本変形例に係る昇降システムにおいて、ワイヤ51は、支持体111の少なくとも1つの接続点Pに直接接続される。
これによれば、支持体111に1つの接続点Pを設けるだけで、ワイヤ51を介して支持体111を吊下げることができる。このため、ワイヤ51の構成を簡素化することができる。
また、本変形例に係る昇降システムにおいて、支持体111は、荷物の周囲に配置される多角形状の枠体を有する。そして、1つの接続点Pは、仮想面V1に平行な枠体内の面上で移動可能である。
これによれば、支持体111に対する1つの接続点Pの位置を変更することができる。このため、例えば荷物を保持した状態の支持体111の重心位置が中心からズレても、当該接続点Pの位置を重心に合わせるように、当該接続点Pの位置を変更することができる。このため、ワイヤ51に吊下げられた支持体111の姿勢を、所望の姿勢に正すことができる。
(実施の形態1の変形例2)
以下では、本変形例における第1スラスタ装置110aの基本的な構成は、実施の形態1の変形例1等の基本的な構成と同様であるため、本変形例における第1スラスタ装置110aの基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、第1スラスタ装置110aの複数の第2プロペラ駆動モータ112の一部が時計回りに回転し、複数の第2プロペラ駆動モータ112の他の一部が反時計回りに回転する点で実施の形態1の変形例1等と相違する。
図15は、実施の形態1の変形例2における第1スラスタ装置110aの複数の第2プロペラ駆動モータ112におけるプロペラ113の回転方向を例示した模式図である。
図15に示すように、支持体111の側面部は、第1側面部111dと、第1側面部111dに支持体111および/または荷物を挟んで対向する第2側面部111eとを有する。第1側面部111dおよび第2側面部111eは、外枠111aの一部を構成する。本変形例では、支持体111の外枠111aは矩形状であるため、第1側面部111dは外枠111aの一片であり、第2側面部111eは第1側面部111dの他方側の一片である。第1側面部111dは第1側面を有し、第2側面部111eは第2側面を有し、第1側面および第2側面は互いに対向する。第1側面部111dおよび第2側面部111eの両側に配置される2つの側面部の一方は第3側面を有し、他方は第4側面を有し、第3側面および第4側面は互いに対向する。
複数の第2プロペラ駆動モータ112のうちの一部の第2プロペラ駆動モータ112である第2プロペラ駆動モータ112fは、第1側面部111dに設けられ、第1回転軸112a1(回転軸の一例)を有する。第2プロペラ駆動モータ112fは、第1モータの一例である。複数の第2プロペラ駆動モータ112のうちの一部の第2プロペラ駆動モータ112である第2プロペラ駆動モータ112bは、第2側面部111eに設けられ、第2回転軸112b1(回転軸の一例)を有する。第2プロペラ駆動モータ112bは、第2モータの一例である。複数の第2プロペラ駆動モータ112のうちの一部の第2プロペラ駆動モータ112である第2プロペラ駆動モータ112cは、第1側面部111dにさらに設けられ、仮想面内で第2プロペラ駆動モータ112fと隣り合う位置に設けられる。第2プロペラ駆動モータ112cは、第3モータの一例である。第2プロペラ駆動モータ112cは、第3回転軸112c1(回転軸の一例)を有する。複数の第2プロペラ駆動モータ112のうちの一部の第2プロペラ駆動モータ112である第2プロペラ駆動モータ112dは、第2側面部111eにさらに設けられ、仮想面内で第2プロペラ駆動モータ112bと隣り合う位置に設けられる。第2プロペラ駆動モータ112dは、第4モータの一例である。第2プロペラ駆動モータ112dは、第4回転軸112d1(回転軸の一例)を有する。
本変形例では、第2プロペラ駆動モータ112fおよび第2プロペラ駆動モータ112cは、第1側面部111dの長さ方向に沿って配置され、第2プロペラ駆動モータ112bおよび第2プロペラ駆動モータ112dは、第2側面部111eの長さ方向に沿って配置される。
スラスタ制御部124は、第3モードと、第4モードとを有する。
第3モードは、スラスタ制御部124が、第1回転軸112a1を第1回転方向に回転させ、かつ、第2回転軸112b1を第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させる。例えば、スラスタ制御部124は、第1側面部111dの第2プロペラ駆動モータ112fの第1回転軸112a1の軸心J1を時計回りに回転させ、かつ、第2側面部111eの第2プロペラ駆動モータ112fの第1回転軸112a1の軸心J1を反時計回りに回転させる。時計回りは、プロペラを対抗して見た場合の時計回りである。
第3モードは、スラスタ制御部124が、第3回転軸112c1を第2回転方向に回転させ、かつ、第4回転軸112d1を第1回転方向に回転させる。例えば、スラスタ制御部124は、第1側面部111dの第2プロペラ駆動モータ112cの第3回転軸112c1の軸心J1を反時計回りに回転させ、かつ、第2側面部111eの第2プロペラ駆動モータ112dの第4回転軸112d1の軸心J1を時計回りに回転させる。
第4モードは、スラスタ制御部124が、第1回転軸112a1および第2回転軸112b1を第2回転方向に回転させる。例えば、スラスタ制御部124は、第1側面部111dの第2プロペラ駆動モータ112fの第1回転軸112a1の軸心J1を反時計回りに回転させ、かつ、第2側面部111eの第2プロペラ駆動モータ112fの第1回転軸112a1の軸心J1も反時計回りに回転させる。
また第4モードは、スラスタ制御部124が、第3回転軸112c1および第4回転軸112d1を第1回転方向に回転させる。例えば、スラスタ制御部124は、第1側面部111dの第2プロペラ駆動モータ112cの第3回転軸112c1の軸心J1を時計回りに回転させ、かつ、第2側面部111eの第2プロペラ駆動モータ112dの第4回転軸112d1の軸心J1も時計回りに回転させる。
本変形例では、図15のaに示すように、第1側面部111dの一方の第2プロペラ駆動モータ112fの第1回転軸112a1を時計回りに回転させ、第1側面部111dの他方の第2プロペラ駆動モータ112cの第3回転軸112c1を反時計回りに回転させる。第2側面部111eの一方の第2プロペラ駆動モータ112bの第2回転軸112b1を反時計回りに回転させ、第2側面部111eの他方の第2プロペラ駆動モータ112dの第4回転軸112d1を時計回りに回転させる。この場合、推力は、図15のaの実線の矢印で示すようになる。この場合、第1側面部111d側では、第1側面部111dから第2側面部111e側の方向に小さい推力が発生し、第2側面部111e側では、第2側面部111eから第1側面部111d側の方向に大きい推力が発生する。これにより、第1スラスタ装置110aは、第2側面部111eから第1側面部111dへの方向にゆっくりと進む。
本変形例では、図15のbに示すように、第1側面部111dの一方の第2プロペラ駆動モータ112fの第1回転軸112a1を反時計回りに回転させ、第1側面部111dの他方の第2プロペラ駆動モータ112cの第3回転軸112c1を時計回りに回転させる。第2側面部111eの一方の第2プロペラ駆動モータ112bの第2回転軸112b1を反時計回りに回転させ、第2側面部111eの他方の第2プロペラ駆動モータ112dの第4回転軸112d1を時計回りに回転させる。この場合、推力は、図15のaの実線の矢印で示すようになる。この場合、第1側面部111d側では、第2側面部111e側と反対方向に小さい推力が発生し、第2側面部111e側では、第2側面部111eから第1側面部111d側の方向に大きい推力が発生する。これにより、第1スラスタ装置110aは、第2側面部111eから第1側面部111dへの方向に進む。
このような、本変形例に係る昇降システムにおいて、支持体111の側面部は、第1側面部111dと、第1側面部111dに支持体111および/または荷物を挟んで対向する第2側面部111eとを有する。複数の第2プロペラ駆動モータ112は、第1側面部111dに設けられ、第1回転軸112a1を有する第2プロペラ駆動モータ112fと、第2側面部111eに設けられ、第2回転軸112b1を有する第2プロペラ駆動モータ112bとを有する。そして、スラスタ制御部124は、第1回転軸112a1を第1回転方向に回転させ、かつ、第2回転軸112b1を第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させる第3モードと、第1回転軸112a1および第2回転軸112b1を第2回転方向に回転させる第4モードとを有する。
これによれば、第2プロペラ駆動モータ112fの第1回転軸112a1と第2プロペラ駆動モータ112bの第2回転軸112b1との回転方向を反転させることで、第1スラスタ装置110aは、所望の方向に進む推力を得ることができる。これにより、第1スラスタ装置110aは、所定位置に対する第1スラスタ装置110aの位置を、精度よく微調整することができる。
本変形例に係る昇降システムにおいて、複数の側面は、第1スラスタ装置110aが無人航空機10に装着された装着状態において第1方向で対向する第1側面および第2側面と、装着状態において第2方向で対向する第3側面および第4側面とを含み、複数の第2プロペラ駆動モータ112は、第1側面に配置された第1モータと、第2側面に配置された第2モータと、第3側面に配置された第3モータと、第4側面に配置された第4モータとを含み、複数のプロペラは、第1モータによって回転する第1プロペラと、第2モータによって回転する第2プロペラと、第3モータによって回転する第3プロペラと、第4モータによって回転する第4プロペラとを含む。
これによれば、第1モータ、第2モータ、第3モータおよび第4モータを駆動させることで、第1スラスタ装置110aを所望の方向に進ませることができる。これにより、所定位置に対する第1スラスタ装置110aの位置を、精度よく微調整することができる。
また、本変形例に係る昇降システムにおいて、複数の第2プロペラ駆動モータ112は、第1側面部111dにおいて、仮想面内で第2プロペラ駆動モータ112fと隣り合う位置に設けられ、第3回転軸112c1を有する第2プロペラ駆動モータ112cと、第2側面部111eにおいて、仮想面内で第2プロペラ駆動モータ112bと隣り合う位置に設けられ、第4回転軸112d1を有する第2プロペラ駆動モータ112dとをさらに有する。複数の第2プロペラ駆動モータ112は、第3モードにおいて、第3回転軸112c1を第2回転方向に回転させ、かつ、第4回転軸112d1を第1回転方向に回転させる。そして、複数の第2プロペラ駆動モータ112は、第4モードにおいて、第3回転軸112c1および第4回転軸112d1を第1回転方向に回転させる。
これによれば、第2プロペラ駆動モータ112cの第3回転軸112c1および第2プロペラ駆動モータ112dの第4回転軸112d1の回転方向を反転させることで、所望の方向に進む推力を得ることができる。第2プロペラ駆動モータ112fの第1回転軸112a1および第2プロペラ駆動モータ112bの第2回転軸112b1の回転方向を制御することもできるため、所定位置に対する装置の位置を、より精度よく微調整することができる。
(実施の形態1の変形例3)
以下では、本変形例における昇降システム5の基本的な構成は、実施の形態1等の昇降システムの基本的な構成と同様であるため、本変形例における昇降システム5の基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、宅配ボックス8の蓋が自動的に回動する点で実施の形態1等と相違する。
図16は、実施の形態1の変形例3における飛行システム1の第1スラスタ装置110が宅配ボックス8に荷物を格納する様子を例示した模式図である。
第1スラスタ装置110を用いて荷物を宅配ボックス8に格納する手順を説明する。
図16のaおよびbに示すように、まず、無人航空機10は、配送先である宅配ボックス8の鉛直上方のレール7に到着すると、スラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール12cを制御してワイヤ51の繰り出しを開始する。ワイヤ制御モジュール12cがワイヤ51を繰り出し、荷物と宅配ボックス8との距離が規定距離になると、宅配ボックス8は、蓋を開き、開口8aを開放する。
次に、スラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール12cを制御してワイヤ51を繰り出す際に、荷物と宅配ボックス8とを測位し、宅配ボックス8から荷物の相対的な位置の誤差を算出する。誤差が規定値以上である場合、スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110の複数のプロペラ駆動モータをそれぞれ制御することで宅配ボックス8の開口8aに対する荷物の位置を補正する。
図16のcに示すように、スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110と宅配ボックス8の開口8aとの誤差の補正を繰り返しながら、宅配ボックス8の開口8aに対する第1スラスタ装置110を位置合わせし、宅配ボックス8の開口8aと第1スラスタ装置110とを一致させる。スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110によって、荷物を宅配ボックス8に格納させる。具体的には、第1スラスタ装置110は、宅配ボックス8の開口8aに被さるように降下し、宅配ボックス8に荷物を格納する。
図16のdおよびeに示すように、第1スラスタ装置110は、宅配ボックス8に荷物を格納後、荷物を切離した後に上昇し無人航空機10の本体に装着される。そして、無人航空機10は配送元に戻る。
(実施の形態1の変形例4)
[構成]
以下では、本変形例における昇降システム5の基本的な構成は、実施の形態1等の昇降システムの基本的な構成と同様であるため、本変形例における昇降システム5の基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、第1スラスタ装置110bが荷物を掴む把持部117を有する点で実施の形態1等と相違する。
図17は、実施の形態1の変形例4における第1スラスタ装置110bが宅配ボックス8に荷物を格納する別の様子を例示した模式図である。
図17に示すように、本実施の形態では、第1スラスタ装置110bは、親機として無人航空機10(上述のドローン)とワイヤ51を介して連結される。なお、図17では、一例として無人航空機10を用いているが、上述したレールに、ワイヤ51が接続されていてもよく、無人航空機10に限定されない。
第1スラスタ装置110bは、支持体111、ワイヤ51、複数の第2プロペラ駆動モータ112、複数のプロペラ113、リール118、スラスタ制御部124、ワイヤ制御モジュール125、および、1以上のアクチュエータ126等の他に、センサ119をさらに備える。
支持体111は、荷物を挟む把持部117を有する。把持部117は、支持体111から鉛直下方に延び、支持体111の下方に配置された荷物を両側から挟むことで荷物を所定の姿勢に支持することができる。例えば、把持部117は、スラスタ制御部124によって、駆動されることで、荷物を把持したり、把持した荷物を切離したりすることができる。なお、把持部117は、荷物を支持体111に積載することができればよい。把持部117は、第1アダプタの一例である。
リール118は、ワイヤ51の他端が接続され、回転することによって、ワイヤ51を繰り出したり、巻き取ったりすることができる。リール118は、ワイヤ制御モジュール125によって回転が制御される。
ワイヤ制御モジュール125は、リール118を回転させてワイヤ51を繰り出したり、巻き取ったりする。ワイヤ制御モジュール125は、スラスタ制御部124に駆動制御されることで、リール118を回転させる回転速度を変更したりする。
センサ119は、荷物を格納するための宅配ボックス8の鉛直上方にリール118が位置するとき、宅配ボックス8の位置を検知する。センサ119は、支持体111に設けられ、荷物および宅配ボックス8を上空から検知することが可能である。例えば、センサ119が撮像装置である場合、荷物および宅配ボックス8を撮像し、撮像した画像である画像情報をスラスタ制御部124に出力する。画像情報には、荷物と宅配ボックス8との相対位置(距離)、宅配ボックス8とリール118との相対位置(距離)、宅配ボックス8から支持体111までの距離、荷物から宅配ボックス8までの距離等を示す情報が含まれる。センサ119は、例えば、TOF(Time-of-Flight)カメラ、測距センサ等である。なお、センサ119は、画像情報を制御処理部に送信してもよい。
スラスタ制御部124は、画像情報に基づいて、荷物を格納するための宅配ボックス8の鉛直上方にリール118が位置するか否かを判定する。荷物を格納するための宅配ボックス8の鉛直上方に第1スラスタ装置110bが位置する場合、繰り出されたワイヤ51の部分の長さが所定の長さを超えた後に、スラスタ制御部124は、複数の第2プロペラ駆動モータ112の駆動を開始させる。所定の長さは、宅配ボックス8からリール118までの距離の半分に相当する。
スラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール125を介してリール118を回転させることでワイヤ51を繰り出し、第1スラスタ装置110bを無人航空機10から降下させる。これにより、第1スラスタ装置110bの荷物が宅配ボックス8に格納される。スラスタ制御部124は、宅配ボックス8に荷物を降ろすと、ワイヤ制御モジュール125を介してリール118を回転させることでワイヤ51を巻き取り、第1スラスタ装置110bを上昇させて無人航空機10に近づける。
[動作]
図18は、実施の形態1の変形例4における第1スラスタ装置110bが宅配ボックス8に荷物を格納する動作を例示するフローチャートである。図17および図18では、無人航空機10が宅配ボックス8の鉛直上方に到着した場合を想定して説明する。
図17のaおよび図18に示すように、まず、無人航空機10は、配送先である宅配ボックス8の鉛直上方まで飛行し到着する(S51)。
次に、図17のaおよびbおよび図18に示すように、スラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール125を制御してリール118を回転させ、ワイヤ51の繰り出しを開始する。これにより、第1スラスタ装置110bは、降下を開始する(S52)。
次に、スラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール125を制御することでワイヤ51を繰り出し、繰り出されたワイヤ51の部分の長さが所定の長さを超えた(Q1>Q2/2)か否かを判定する(S53)。
スラスタ制御部124は、ステップ繰り出されたワイヤ51の部分の長さが所定の長さを超えていない場合(S53でNO)、S53に処理を戻す。
スラスタ制御部124は、繰り出されたワイヤ51の部分の長さが所定の長さを超えた場合(S53でYES)、複数の第2プロペラ駆動モータ112を駆動させる(S54)。これにより、宅配ボックス8に対する上方の第1スラスタ装置110bの位置が補正され、宅配ボックス8の開口8aに対する荷物の位置が補正される。スラスタ制御部124は、鉛直方向における第1スラスタ装置110bと宅配ボックス8の開口8aとの重なり誤差の補正を繰り返しながら、宅配ボックス8の開口8aに対する第1スラスタ装置110bを位置合わせし、宅配ボックス8の開口8aと第1スラスタ装置110bつまり荷物とを一致させる。
図17のcおよび図18に示すように、第1スラスタ装置110bは、宅配ボックス8内に荷物を降ろす(S55)。具体的には、第1スラスタ装置110bは、宅配ボックス8の開口8aに被さるように降下し、宅配ボックス8に荷物を格納する。
図17のdおよび図18に示すように、第1スラスタ装置110bは、宅配ボックス8に荷物を格納後、荷物を切離した後に上昇して無人航空機10の本体に装着される。そして、無人航空機10は、配送元に戻る。
なお、図19では、第1スラスタ装置110bを固定する物体がレールである場合を例示する。図19は、実施の形態1の変形例4における第1スラスタ装置110bが宅配ボックス8に荷物を格納する別の様子を例示した模式図である。図19では、繰り出されたワイヤ51の部分の長さが所定の長さを超えており、Q1>Q2/2の関係を示す。Q1は無人航空機10から宅配ボックス8までの距離を示し、Q2は第1スラスタ装置110bから宅配ボックス8までの距離を示す。この場合においても、図17および図18と同様の処理および動作となる。
[作用効果]
次に、本実施の形態における第1スラスタ装置110bの作用効果について説明する。
上述したように、本実施の形態に係る第1スラスタ装置110bは、ワイヤ51の他端が接続されたリール118と、リール118を回転させてワイヤ51を繰り出すワイヤ制御モジュール125とをさらに備える。そして、荷物を格納するための宅配ボックス8の鉛直上方にリール118が位置する場合、繰り出されたワイヤ51の部分の長さが所定の長さを超えた後に、スラスタ制御部124は、複数の第2プロペラ駆動モータ112を駆動し始める。
これによれば、第1スラスタ装置110bが宅配ボックス8に近づくと、所定位置に対する第1スラスタ装置110bの位置の調整を開始するため、所定位置に対する第1スラスタ装置110bの位置合わせを行い易くなる。
本実施の形態に係る第1スラスタ装置110bは、荷物を格納するための宅配ボックス8の鉛直上方にリール118が位置するとき、宅配ボックス8の位置を検知するセンサ119をさらに備える。
これによれば、宅配ボックス8に対する第1スラスタ装置110bの位置を精度よく検知することができるため、宅配ボックス8に対する第1スラスタ装置110bの位置を、より精度よく微調整することができる。
本実施の形態に係る第1スラスタ装置110bにおいて、所定の長さは、宅配ボックス8からリール118までの距離の半分に相当する。
これによれば、第1スラスタ装置110bが宅配ボックス8の近くに位置すると、所定位置に対する第1スラスタ装置110bの位置の調整を開始するため、所定位置に対する第1スラスタ装置110bの位置合わせをより行い易くなる。
(実施の形態1の変形例5)
[構成]
以下では、本変形例における第1スラスタ装置110cの基本的な構成は、実施の形態1等の第1スラスタ装置の基本的な構成と同様であるため、本変形例における第1スラスタ装置110cの基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、第1スラスタ装置110cの周囲を囲む防護体129が設けられる点で実施の形態1等と相違する。
図20は、実施の形態1の変形例5における第1スラスタ装置110cを例示した模式図である。
図20に示すように、第1スラスタ装置110cは、支持体111、ワイヤ51、複数の第2プロペラ駆動モータ112、複数のプロペラ113、図3のスラスタ制御部124、および、1以上のアクチュエータ126の他に、防護体129をさらに備える。
防護体129は、仮想面V1と交差し、かつ、第1スラスタ装置110cの周囲を囲むように、支持体111に固定される。具体的には、防護体129は、少なくとも複数の第2プロペラ駆動モータ112の周囲を囲むように配置され、第1スラスタ装置110cを側面視した場合に回転するプロペラ113を覆っている。言い換えれば、防護体129は、第1スラスタ装置110cを側面視した場合に、複数のプロペラ113の回転面を覆っている。
防護体129は、平面視で、支持体111の形状に応じた多角形状である。防護体129は、どのような構造であってもよいが、空気抵抗および重量等を考慮すると、網状体であることが好ましい。本変形例では、防護体129として防護網を用いている。
防護体129は、支持体111と連結体128によって接続されて固定される。具体的には、連結体128の一端は支持体111の角部分に接続され、連結体128の他端は防護体129の角部分に連結される。本変形例では、支持体111も防護体129も、平面視で矩形状であるため、4つの連結体128が防護体129を支持体111に接続して固定する。なお、支持体111が防護体129を支持することができればよく、連結体128の数は、支持体111の角部分の数に依存しない。
[作用効果]
次に、本変形例における第1スラスタ装置110cの作用効果について説明する。
上述したように、本変形例における第1スラスタ装置110cは、複数のプロペラ113を囲む防護体129をさらに有する。
これによれば、防護体129が回転するプロペラ113を保護することができるため、プロペラ113が他の物体と接触することを抑制することができる。
(実施の形態2)
[構成]
以下では、本実施の形態における昇降システム5bの基本的な構成は、実施の形態1等の昇降システムの基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における昇降システム5bの基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、2つのスラスタ装置として、第1スラスタ装置110、第2スラスタ装置130を用いる点で実施の形態1等と相違する。
図21は、実施の形態2における昇降システム5bの第1スラスタ装置110が荷物を降ろす様子を例示する図である。図22は、実施の形態2における昇降システム5bの第1スラスタ装置110が荷物を降ろした後の様子を例示する図である。図21および図22では、無人航空機10からアーム等の構成を省略している。
図21に示すように、昇降システム5bでは、隣り合う2つの建物の間であり、かつ、建物の軒下に宅配ボックス8が配置されている宅配環境を例示する。図21では、建物の軒が障害物となり得るため、無人航空機10が宅配ボックス8の上に移動することは困難である。この昇降システム5bでは、2つのスラスタ装置である第1スラスタ装置110と第2スラスタ装置130とを用いて、宅配ボックス8に荷物を配送する。図22では、荷物を配送した後、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130を回収する。
図23は、実施の形態2における昇降システム5bを例示したブロック図である。
図23に示すように、昇降システム5bは、無人航空機10と、第1スラスタ装置110と、実施の形態1のワイヤとしての第1ワイヤ51と、リールとしての第1リールと、第2スラスタ装置130と、第2ワイヤ52と、第2リールと、スラスタ制御部124とを備える。
無人航空機10は、例えば親機となるドローンであり、上述のドローンと実質的に同様の構成である。
第1スラスタ装置110は、無人航空機10の第1子機であり、無人航空機10に着脱可能に取り付けられる。第1スラスタ装置110は、第1支持体と、複数の第2プロペラ駆動モータ112と、実施の形態1の複数のプロペラとしての複数の第1プロペラとを有する。第1支持体は、無人航空機10に着脱可能に取り付けられる。複数の第2プロペラ駆動モータ112は、第1支持体の外周を構成する複数の側面部に配置される。複数の第1プロペラは、複数の第2プロペラ駆動モータ112の回転軸と一対一で対応し、複数の第2プロペラ駆動モータ112によって駆動される。第1スラスタ装置110は、実施の形態1等の第1スラスタ装置と実質的に同様の構成である。第1支持体および第1プロペラは、実施の形態1等の支持体およびプロペラと同様の構成である。
第1ワイヤ51は、第1スラスタ装置110と無人航空機10とを繋ぐ。第1ワイヤ51は、一端が無人航空機10と連結され、他端が第1スラスタ装置110と連結される。
第1リールは、リフトモータによって回転することで、第1ワイヤ51を繰り出したり、巻き取ったりすることができる。第1リールは、ワイヤ制御モジュール125によって回転が制御される。本実施の形態では、第1リールは、第1スラスタ装置110に搭載されるが、無人航空機10に搭載されてもよい。第1リールは、実施の形態1等のリールと同様の構成である。
第2スラスタ装置130は、無人航空機10の第2子機である。第2スラスタ装置130は、荷物を着脱可能に取り付け、かつ、第1スラスタ装置110に着脱可能に取り付けられる。第2スラスタ装置130は、第2ワイヤ52を介して第1スラスタ装置110と連結される。第2スラスタ装置130は、第2支持体と、第2プロペラ駆動モータ141と、第2プロペラとを有する。第2スラスタ装置130は第2装置の一例である。第1スラスタ装置110と第2スラスタ装置130とは無線通信によって通信可能に接続されていてもよい。また、この場合、第2スラスタ装置130はバッテリを有していてもよい。第2スラスタ装置130は、第2アダプタの一例である。また、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130を合わせて、装置の一例である。
本実施の形態では、第2スラスタ装置130は、第1スラスタ装置110と同様の構成であり、同様の構成については詳細な説明について適宜説明を省略する。
第2スラスタ装置130も、支持体と、第2ワイヤ52と、複数の第2プロペラ駆動モータ132と、複数のプロペラと、スラスタ制御部144と、ワイヤ制御モジュール145とを有する。第2スラスタ装置130の支持体、第2ワイヤ52、複数の第2プロペラ駆動モータ132、複数のプロペラ、スラスタ制御部144、ワイヤ制御モジュール145、アクチュエータ146およびカメラセンサ147は、第1スラスタ装置110の支持体、第1ワイヤ51、複数の第2プロペラ駆動モータ112、複数のプロペラ、スラスタ制御部124およびワイヤ制御モジュール125、アクチュエータ126およびカメラセンサ127と同様の構成である。
第2支持体は、第1スラスタ装置110又は無人航空機10に着脱可能に取り付けられる。複数の第2プロペラ駆動モータ141は、第2支持体の外周を構成する複数の側面部に配置される。複数の第2プロペラは、複数の第2プロペラ駆動モータ141の回転軸と一対一で対応し、複数の第2プロペラ駆動モータ141によって駆動される。第2スラスタ装置130は、第1スラスタ装置110と同様の構成である。第2支持体および第2プロペラは、上述の支持体およびプロペラと同様の構成である。
第2ワイヤ52は、第1スラスタ装置110と第2スラスタ装置130とを繋ぐ。第2ワイヤ52は、一端が第1スラスタ装置110と連結され、他端が第2スラスタ装置130と連結される。
第2リールは、リフトモータによって回転することで、第2ワイヤ52を繰り出したり、巻き取ったりするとができる。第2リールは、ワイヤ制御モジュール145によって回転が制御される。本実施の形態では、第2リールは、第2スラスタ装置130に搭載されるが、第1スラスタ装置110に搭載されてもよい。第2リールは、第1リールと同様の構成である。
なお、本実施の形態では、無人航空機10に制御処理部、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130のそれぞれにスラスタ制御部124、144が搭載されているが、少なくともいずれかに制御処理部11、スラスタ制御部124又はスラスタ制御部144が搭載されていればよい。
[動作]
次に、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130の動作について、図21~図23を用いて説明する。
スラスタ制御部124は、図21の矢印Aに示すように、無人航空機10が地上から離れた位置に存在する場合、ワイヤ制御モジュール125を介して第1リールを制御して、第1ワイヤ51を繰り出させ、無人航空機10から第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130を離脱させる。このとき、スラスタ制御部124は、無人航空機10から第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130を離脱させた後に、複数の第2プロペラ駆動モータ112、および、複数の第2プロペラ駆動モータ141の少なくとも一方を駆動させる。スラスタ制御部124は、無人航空機10から第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130が離脱すると、宅配ボックス8に対して位置合わせを行うために、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130の少なくとも一方の移動を制御する。当然のことながら、スラスタ制御部124は、無人航空機10、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130のそれぞれに対する宅配ボックス8の距離および位置を認識している。
スラスタ制御部124は、無人航空機10から第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130が離脱した場合、ワイヤ制御モジュール145を介して第2リールを制御して第2ワイヤ52を繰り出させ、図21の矢印B、Cに示すように、第1スラスタ装置110から第2スラスタ装置130を離脱させる。このとき、スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110から第2スラスタ装置130を離脱させた後に、複数の第2プロペラ駆動モータ112および複数の第2プロペラ駆動モータ141を駆動させる。スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110から第2スラスタ装置130が離脱すると、第2スラスタ装置130が宅配ボックス8に対して位置合わせを行うために、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130の移動を制御する。
スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110から第2スラスタ装置130を離脱させた後に、複数の第2プロペラ駆動モータ112および複数の第2プロペラ駆動モータ141に対して異なる制御を行う。スラスタ制御部124は、図21の矢印Dに示すように、無人航空機10と第1スラスタ装置110との間で第1ワイヤ51が延びる第1吊下げ方向を調節し、第1スラスタ装置110と第2スラスタ装置130との間で第2ワイヤ52が延びる第2吊下げ方向を調節する。スラスタ制御部124は、少なくとも第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130の位置を調節することで、第1吊下げ方向と第2吊下げ方向とを異ならせる。スラスタ制御部124は、さらに、無人航空機10の位置を調節することで、第1吊下げ方向と第2吊下げ方向とを異ならせてもよい。
このとき、スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110から第2スラスタ装置130を離脱させた後に、複数の第2プロペラ駆動モータ112および複数の第2プロペラ駆動モータ141に対して異なる制御を行うことによって、地面に垂直な方向(例えば、鉛直方向)から見て、第1スラスタ装置110と第2スラスタ装置130との重なる面積を減少させる、又は、第1スラスタ装置110と第2スラスタ装置130との重なりを無くす。スラスタ制御部124は、無人航空機10から第1スラスタ装置110が離脱し、かつ、第1スラスタ装置110から第2スラスタ装置130が離脱すると、第1スラスタ装置110と第2スラスタ装置130とが鉛直方向で重ならないように、第1スラスタ装置110と第2スラスタ装置130との位置を調節する。これにより、鉛直方向に対する第1スラスタ装置110と第2スラスタ装置130との位置を相対的に異ならせるため、無人航空機10と第1スラスタ装置110と第2スラスタ装置130とを結ぶ直線が折れ線状になる。無人航空機10と第2スラスタ装置130とを結ぶ直線上に、第1スラスタ装置110が配置されなくなる。このように、スラスタ制御部124は、無人航空機10と第2スラスタ装置130とを結ぶ直線に対して、障害物を迂回するように第1スラスタ装置110を配置する。
スラスタ制御部124は、図21の矢印Eに示すように、第2スラスタ装置130から荷物を離脱させた後、図22の矢印F、G、Hに示すように、ワイヤ制御モジュール145を制御することで、第2リールによって第2ワイヤ52を巻き取り取らせて、第2スラスタ装置130を第1スラスタ装置110に装着させる。スラスタ制御部124は、第2リールによる第2ワイヤ52の巻き取りによって、第2スラスタ装置130を第1スラスタ装置110の位置まで導かせる(引っ張る)ことで、第1スラスタ装置110に第2スラスタ装置130を回収させる。
スラスタ制御部124は、図22の矢印Iに示すように、ワイヤ制御モジュール125を制御することで、第1リールによって第1ワイヤ51を巻き取り、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130を無人航空機10に装着させる。スラスタ制御部124は、第2スラスタ装置130を第1スラスタ装置110に装着させた後に、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130を無人航空機10に装着させるが、第2スラスタ装置130を第1スラスタ装置110に装着させると同時に、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130を無人航空機10に装着させてもよい。
[作用効果]
次に、本実施の形態における昇降システム5bの作用効果について説明する。
上述したように、本実施の形態に係る昇降システム5bは、無人航空機10と、無人航空機10に着脱可能に取り付けられる第1スラスタ装置110と、第1スラスタ装置110と無人航空機10とを繋ぐ第1ワイヤ51と、第1ワイヤ51を巻き取り可能な第1リールと、荷物に着脱可能に取り付けられ、かつ、第1スラスタ装置110に着脱可能に取り付けられる第2スラスタ装置130と、第1スラスタ装置110と第2スラスタ装置130の間を繋ぐ第2ワイヤ52と、第2ワイヤ52を巻き取り可能な第2リールと、スラスタ制御部124とを備える。そして、スラスタ制御部124は、無人航空機10が地上から離れた位置に存在する場合、無人航空機10から第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130を離脱させ、第1リールを制御して第1ワイヤ51を繰り出させ、第1スラスタ装置110から第2スラスタ装置130を離脱させ、第2リールを制御して第2ワイヤ52を繰り出させる。
これによれば、所定位置の鉛直上方に障害物がある場合等、荷物を所定位置に運び難い場合であっても、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130が障害物を迂回するように移動することができる。このため、第2スラスタ装置130を所定位置の鉛直上方まで移動させることができるため、荷物を所定位置まで確実に配送することができる。
本実施の形態に係る昇降システム5bは、無人航空機10と、無人航空機10が運搬する少なくとも1つの荷物に接続可能な少なくとも1つの第1アダプタ、および、無人航空機10に着脱可能な少なくとも1つの第2アダプタを含む第1スラスタ装置110と、無人航空機10と第1スラスタ装置110との間をつなぐ第1ワイヤ51と、を備えたシステムであって、無人航空機10は、第1ワイヤ51の一端が接続された第1リールと、第1ワイヤ51を繰り出すリフトモータを備える。
これによれば、所定位置の周辺に障害物がある場合の障害があっても、第1装置および第2装置が障害物を迂回するように移動させることができる。このため、第2装置を所定位置の鉛直上方まで移動させることができるため、荷物を所定位置まで確実に配送することができる。
本実施の形態に係る昇降システム5bにおいて、第1スラスタ装置110は、無人航空機10に着脱可能に取り付けられる第1支持体と、第1支持体の複数の側面部に配置された複数の第2プロペラ駆動モータ112と、複数の第2プロペラ駆動モータ112によって駆動される複数の第1プロペラとを有する。そして、第2スラスタ装置130は、第1スラスタ装置110に着脱可能に取り付けられる第2支持体と、第2支持体の複数の側面部に配置された複数の第2プロペラ駆動モータ141と、複数の第2プロペラ駆動モータ141によって駆動される複数の第2プロペラとを有する。
これによれば、無人航空機10に対する第1スラスタ装置110の位置を調節し、かつ、第1スラスタ装置110に対する第2スラスタ装置130の位置を調節することができる。このため、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130が障害物を迂回するように移動させることができる。その結果、荷物を所定位置まで確実に配送することができる。
本実施の形態に係る昇降システム5bにおいて、スラスタ制御部124は、無人航空機10から第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130を離脱させた後に、複数の第2プロペラ駆動モータ112および/または複数の第2プロペラ駆動モータ141を駆動させる。そして、スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110から第2スラスタ装置130を離脱させた後に、複数の第2プロペラ駆動モータ112および複数の第2プロペラ駆動モータ141を駆動させる。
これによれば、障害物を迂回するための目的位置まで、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130が一体的に移動することができる。このため、スラスタ制御部124は、複数の第2プロペラ駆動モータ112および複数の第2プロペラ駆動モータ141を駆動制御する処理負担の増大を抑制することができる。
本実施の形態に係る昇降システム5bにおいて、スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110から第2スラスタ装置130を離脱させた後に、複数の第2プロペラ駆動モータ112および複数の第2プロペラ駆動モータ141に対して異なる制御を行うことによって、無人航空機10と第1スラスタ装置110との間で第1ワイヤ51が延びる第1吊下げ方向と、第1スラスタ装置110と第2スラスタ装置130との間で第2ワイヤ52が延びる第2吊下げ方向とを異ならせる。
これによれば、所定位置の鉛直上方に障害物があっても、障害物を確実に迂回するように、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130を位置させることができる。その結果、この昇降システム5bでは、荷物を所定位置まで確実に配送することができる。
本実施の形態に係る昇降システム5bにおいて、スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110から第2スラスタ装置130を離脱させた後に、複数の第2プロペラ駆動モータ112および複数の第2プロペラ駆動モータ141に対して異なる制御を行うことによって、地面に垂直な方向から見て、第1スラスタ装置110と第2スラスタ装置130との重なる面積を減少させる、または、第1スラスタ装置110と第2スラスタ装置130との重なりを無くす。
これによれば、第2スラスタ装置130の鉛直上方に第1スラスタ装置110が配置されないように、第1スラスタ装置110と第2スラスタ装置130との相対位置を変更することができる。このため、所定位置の鉛直上方に障害物があっても、障害物を確実に迂回するように、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130を位置させることができる。その結果、荷物を所定位置まで確実に配送することができる。
本実施の形態に係る昇降システム5bにおいて、スラスタ制御部124は、第2スラスタ装置130から荷物を離脱させた後、第2リールによって第2ワイヤ52を巻き取り、第2スラスタ装置130を第1スラスタ装置110に装着させ、第1リールによって第1ワイヤ51を巻き取り、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130を無人航空機10に装着させる。
これによれば、荷物を所定位置に配送した後、第2ワイヤ52を巻き取りながら第2スラスタ装置130を第1スラスタ装置110に装着でき、第1ワイヤ51を巻き取りながら第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130を無人航空機10に装着できる。このため、第1ワイヤ51および第2ワイヤ52が障害物と接触したりすることで、これらワイヤが損傷したり、絡まったりすることを抑制することができる。このため、昇降システム5bの稼働効率の低下を抑制することができる。
(実施の形態2の変形例1)
以下では、本変形例における昇降システム5cの基本的な構成は、実施の形態2等の昇降システムの基本的な構成と同様であるため、本変形例における昇降システム5cの基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、3つのスラスタ装置を用いる点、第2ワイヤおよび第2リールの代わりに、第3ワイヤ53、第3リール、第4ワイヤ54および第4リールが用いられる点で実施の形態2等と相違する。
図24は、実施の形態2の変形例1における昇降システム5cの第1スラスタ装置110が荷物を降ろす様子を例示する図である。図25は、実施の形態2の変形例1における昇降システム5cの第1スラスタ装置110が荷物を降ろした後の様子を例示する図である。図24および図25では、無人航空機10からアーム等の構成を省略している。
図24および図25に示すように、昇降システム5cは、無人航空機10、第1スラスタ装置110、第1ワイヤ51、第1リール、第2スラスタ装置130、および、スラスタ制御部124の他に、第3スラスタ装置150と、第3ワイヤ53と、第3リールと、第4ワイヤ54と、第4リールとを備える。
第3スラスタ装置150は、第1スラスタ装置110と第2スラスタ装置130の間に着脱可能に取り付けられる。第3スラスタ装置150は、無人航空機10の第3子機であり、第1スラスタ装置110に着脱可能に取り付けられる。第3スラスタ装置150は、第3支持体と、複数の第2プロペラ駆動モータと、複数の第3プロペラとを有する。第3支持体は、第1スラスタ装置110に着脱可能に取り付けられる。複数の第2プロペラ駆動モータは、第3支持体の外周を構成する複数の側面部に配置される。複数の第3プロペラは、複数の第2プロペラ駆動モータの回転軸と一対一で対応し、複数の第2プロペラ駆動モータによって駆動される。第3スラスタ装置150は、上述の第1スラスタ装置110と実質的に同様の構成である。
第3ワイヤ53は、第1スラスタ装置110と第3スラスタ装置150とを繋ぐ。第3ワイヤ53は、一端が第1スラスタ装置110と連結され、他端が第3スラスタ装置150と連結される。
第3リールは、回転することによって、第3ワイヤ53を繰り出したり、巻き取ったりすることができる。第3リールは、第3スラスタ装置150のワイヤ制御モジュールによって回転が制御される。本変形例では、第3リールは、第3スラスタ装置150に搭載されるが、第1スラスタ装置110に搭載されてもよい。第3リール、第3プロペラおよび第2プロペラ駆動モータは、上述のリール、プロペラおよびモータと同様の構成である。
第4ワイヤ54は、第3スラスタ装置150と第2スラスタ装置130とを繋ぐ。第4ワイヤ54は、一端が第3スラスタ装置150と連結され、他端が第2スラスタ装置130と連結される。
第4リールは、回転することによって、第4ワイヤ54を繰り出したり、巻き取ったりするとができる。第4リールは、第2スラスタ装置130のワイヤ制御モジュールによって回転が制御される。第4リール、第4プロペラおよび第4モータは、上述のリール、プロペラおよびモータと同様の構成である。
このような、本変形例に係る昇降システム5cは、第1スラスタ装置110と第2スラスタ装置130の間に着脱可能に取り付けられる第3スラスタ装置150と、第1スラスタ装置110と第3スラスタ装置150との間をつなぐ第3ワイヤ53と、第3ワイヤ53を巻き取り可能な第3リールと、第3スラスタ装置150と第2スラスタ装置130との間をつなぐ第4ワイヤ54と、第4ワイヤ54を巻き取り可能な第4リールと、をさらに備える。
これによれば、図24の矢印A~Fのように、荷物を所定位置に配送した後、図25の矢印G~Lのように、第4ワイヤ54を巻き取りながら第2スラスタ装置130を第3スラスタ装置150に装着でき、第3ワイヤ53を巻き取りながら第2スラスタ装置130および第3スラスタ装置150を第1スラスタ装置110に装着でき、第1ワイヤ51を巻き取りながら第2スラスタ装置130、第3スラスタ装置150および第1スラスタ装置110を無人航空機10に装着できる。このため、第1ワイヤ51、第3ワイヤ53および第4ワイヤ54が障害物と接触したりすることで、これらワイヤが損傷したり、絡まったりすることを抑制することができる。このため、昇降システム5cの稼働効率の低下を抑制することができる。
(実施の形態2の変形例2)
以下では、本変形例における昇降システム5cの基本的な構成は、実施の形態2等の昇降システムの基本的な構成と同様であるため、本変形例における昇降システム5cの基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、昇降システム5cがマンションなどの集合住宅に荷物を配送する様子を例示している点で実施の形態2等と相違する。
図26は、実施の形態2の変形例2における昇降システム5cの第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130が集合住宅施設に荷物を配送する様子を例示した模式図である。
図26のaでは、第1スラスタ装置110のスラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110のワイヤ制御モジュール125を制御して第1リールに第1ワイヤ51の繰り出しを開始させ、複数の第2プロペラ駆動モータ112および/または複数の第2プロペラ駆動モータ141を制御する。これにより、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130は、無人航空機10aから離脱し、宅配ボックス8に近づくように降下する。
宅配ボックス8に対して第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130が所定距離内に近づいたことを、無人航空機10aの制御処理部11、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130のスラスタ制御部124、144のいずれかが検知すると、第2スラスタ装置130は、第1スラスタ装置110から離脱する。第2スラスタ装置130のスラスタ制御部144は、第2スラスタ装置130のワイヤ制御モジュール145を制御して第2リールに第2ワイヤ52の繰り出しを開始させ、複数の第2プロペラ駆動モータ141を制御する。そして、第2スラスタ装置130は、宅配ボックス8の開口の鉛直上方に移動する。
図26のaおよびbでは、第2スラスタ装置130のスラスタ制御部144は、第2スラスタ装置130に対して荷物の切離しを実行させることで、荷物を宅配ボックス8に格納させる。
図26のbおよびcに示すように、第2スラスタ装置130のスラスタ制御部144は、第2スラスタ装置130のワイヤ制御モジュール145を制御して第2リールに第2ワイヤ52の巻き取りを開始させ、複数の第2プロペラ駆動モータ141を制御する。これにより、第2スラスタ装置130は、第1スラスタ装置110の鉛直下方に移動し、第1スラスタ装置110に装着される。第1スラスタ装置110において、スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110のワイヤ制御モジュール125を制御して第1リールに第1ワイヤ51の巻き取りを開始させ、複数の第2プロペラ駆動モータを制御する。これにより、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130が一体となって上昇し、無人航空機10aの鉛直下方に移動し、無人航空機10に第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130が装着される。
(実施の形態2の変形例3)
以下では、本変形例における昇降システム5dの基本的な構成は、実施の形態2等の昇降システムの基本的な構成と同様であるため、本変形例における昇降システム5dの基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、第2スラスタ装置130が把持部137を有する点で実施の形態2等と相違する。
図27は、実施の形態2の変形例3における昇降システム5dを例示した模式図である。
スラスタ制御部144は、アーム30がレール7を把持している状態にある場合、無人航空機10aから第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130を離脱させる。スラスタ制御部144は、センサなどによって、アーム30によるレール7の把持に関する情報を取得すると、取得した当該情報に基づいて、無人航空機10aから第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130を離脱させる。スラスタ制御部144は、ワイヤ制御モジュールを制御して第1リールに第1ワイヤ51の繰り出しを開始させ、複数の第2プロペラ駆動モータ112および/または複数の第2プロペラ駆動モータ141を制御する。これにより、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130は、無人航空機10aに対して離脱することができる。
このような、本変形例に係る昇降システム5dにおいて、無人航空機10aは、レール7を把持可能なアーム30を有する。そして、スラスタ制御部144は、無人航空機10aが地上から離れた位置に存在し、かつ、アーム30がレール7を把持している状態にある場合、無人航空機10aから第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130を離脱させる。
これによれば、アーム30によって無人航空機10aをレール7に保持することができる。このため、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130を無人航空機10aから離脱させても、第1ワイヤ51および第2ワイヤ52を介して第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130を保持することができる。このため、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130が落下することを抑制することができる。
無人航空機10aを飛行させなくても、昇降システム5dをレール7に保持することができるため、無人航空機10aによるエネルギー消費を抑制することができる。
(実施の形態2の変形例4)
以下では、本変形例における第1スラスタ装置110の基本的な構成は、実施の形態2等の第1スラスタ装置110の基本的な構成と同様であるため、本変形例における昇降システム5dおよび第1スラスタ装置110の基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、第1スラスタ装置110がアーム30を有する点で実施の形態2等と相違する。
図28は、実施の形態2の変形例4における昇降システム5dの第1スラスタ装置110を例示した模式図である。
図28に示すように、第1スラスタ装置110は、さらに、アーム180を有する。アーム180は、上述したように、レール7に掴まる(把持する)ことで、レール7に沿いながら、移動することが可能である。アームは、第1スラスタ装置110の移動を停止させる場合、レール7に連結されたアーム180によって宙吊りの状態となることも可能である。
なお、本変形例では、アーム180を例示しているが、アーム180の代わりにワイヤであってもよい。
(実施の形態3)
以下では、本実施の形態における昇降システム5eの基本的な構成は、実施の形態1等の昇降システムと基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における昇降システム5eの基本的な構成について適宜説明を省略し、主に、実施の形態1等とは異なる部分について説明する。本実施の形態では、無人航空機10bの第1アーム331がフック状であり、揺動する点で実施の形態1と異なる。
図29は、実施の形態2における飛行システム1の昇降システム5eが配送元から配送先に荷物を配送する様子を例示したイメージ図である。
図29に示すように、飛行システム1は、無人航空機10bと、管理サーバ9と、複数の支柱19と、レール7とを備える。
昇降システム5eは、配送元を中心とした半径数百メートルの範囲内を移動する。なお、本実施の形態では、半径が約500m乃至1000m以内である。本実施の形態では半径約400mを想定している。
<無人航空機10b>
この飛行システム1の無人航空機10bは、配送元の管理サーバ9から、地図データに示される配送元から配送先までの飛行ルートを示すルート情報を取得する。無人航空機10bは、積載した荷物を、管理サーバ9から取得したルート情報に基づいて、配送元から配送先まで移動する。
図30は、実施の形態3における昇降システム5eの無人航空機10bを例示した正面図および側面図である。具体的には、図30は、接続体330の延びる方向と仮想平面の法線方向とを略直交する姿勢における無人航空機10bを示す正面図および側面図である。
図30に示すように、無人航空機10bは、機体本体312、複数の検知部、制御処理部11、駆動制御部12、通信部およびバッテリの他に、一対の翼313と、接続体330と、可動部340とを備える。
一対の翼313は、機体本体312の外周部分に設けられる。一対の翼313は、一対のピッチ翼として機能する。なお、機体本体312の外周部分には、上述した一対のヨー翼および一対のピッチ翼が設けられてもよい。
機体本体312が直立の姿勢である場合において、一対の翼313は、機体本体312の重心に対して水平方向に対称に配置される。一対の翼313のそれぞれは、水平方向を軸心として軸部と、軸部によって回動可能に支持される羽部とを有する。羽部は、水平方向を軸心として回転する。羽部が回転することで上下方向の風力を制御する。進行方向から見て、羽部を上に回転させれば上方向に舵をとり、羽部を下に回転させれば下方向に舵をとる。
なお、機体本体312が直立の姿勢である場合において、一対の翼313は、機体本体312の重心に対して鉛直方向上に対称に配置されてもよい。この場合、一対のヨー翼としてのそれぞれは、鉛直方向を軸心として軸部と、軸部によって回動可能に支持される羽部とを有していてもよい。羽部は、鉛直方向を軸心として回転する。羽部が回転することで左右方向の風力を制御してもよい。進行方向から見て、羽部を左に回転させれば左方向に舵をとり、羽部を右に回転させれば右方向に舵をとってもよい。
接続体330は、機体本体312を吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレール7に接続することが可能である。接続体330は、機体本体312に対して離れる方向(鉛直上方向)に延びる長尺状の支持接続部材である。
接続体330は、第1端330aと、第2端330bとを有する。
第1端330aは、接続体330の機体本体312側の端部であり、機体本体312に対して揺動可能に軸支されて、機体本体312に接続される。第2端330bは、第1端330aと反対側の端部であり、レール7にスライド自在に接続する。
接続体330は、第1アーム331と、支持部332と、ベース333と、角度駆動部343と、第1アクチュエータ341とを有する。
第1アーム331は、支持部332の一端に接続される。本実施の形態の第1アーム331は、ベース333を介して支持部332と接続される。第1アーム331は、無人航空機10bをレール7に吊下げるためのハンガである。
第1アーム331は、第1フック331aを有する。
第1フック331aは、第1アクチュエータ341に接続される第1接続端331a1から他端側の第1開放端331b1まで延び、第1接続端331a1から第1開放端331b1に至るまでに第1方向に折れ曲がる第1屈曲部331cを有する。第1フック331aは、無人航空機10bの進行方向から見てリング状の外殻部分の一部が欠損した略C形状、略F形状、略J形状または略U形状等をなしている。第1フック331aには、その外殻部分が切り欠かれることで、レール7の侵入を許容する開口部331dが設けられる。開口部331dは、第1開放端331b1と第1接続端331a1との間である。第1フック331aが、接続体330の第2端330bに相当する。なお、第1フック331aには、上述したように、レール7に回転自在に接触するための車輪が設けられていてもよい。
支持部332は、一端側が機体本体312に対して揺動自在に接続され、かつ、他端側がベース333を介して第1アーム331に接続されることで、第1アーム331を機体本体312に支持する。本実施の形態では、支持部332は、機体本体312に対して直立した姿勢に対して±90°揺動する。支持部332は、機体本体312に対して離れる方向に延びる長尺状の支柱である。支持部332が機体本体312と接続される部分が、第1端330aに相当する。
ベース333は、支持部332と第1アーム331とを接続する部分であり、支持部332と第1アーム331との間に配置され、第1アーム331を支持する支持体である。ベース333は、第1アーム331の第1接続端331a1と支持部332の他端とに接続される。ベース333には、角度駆動部343が設けられる。
角度駆動部343は、支持部332の延びる方向(または機体本体312)に対するベース333の角度を変更することで、支持部332に対してベース333を揺動させることができる。角度駆動部343は、第3アクチュエータの一例である。
第1アクチュエータ341は、支持部332に対する第1フック331aの角度を設定する。第1アクチュエータ341は、支持部332と第1フック331aとの間に配置され、第1フック331aの第1接続端331a1を揺動可能に軸支する。本実施の形態では、第1アクチュエータ341は、ベース333に配置される。
なお、接続体330は、上述した実施の形態1およびその変形例のアームであってもよく、本実施の形態の無人航空機10bに適用することは言うまでもない。例えば、第1アーム331は、開口部331dを開閉する開閉部を有していてもよい。これにより、レール7を第1アーム331に接続した後に、第1アーム331がレール7から離間しないように開口部331dを閉鎖してもよい。
可動部340は、接続体330がレール7に支持されたときの支持方向に対する、複数のプロペラ22を含む仮想平面の傾きを設定する。可動部340は、制御処理部11の指示を受けて能動的に傾きを変更可能なアクチュエータであってもよい。あるいは、可動部340は、複数のプロペラ制御モジュール12bのそれぞれの回転数の差異によって機体本体312が受ける回転力を利用して受動的に傾きを変更可能な回転自在の部材であってもよい。可動部340は、機体本体312と接続体330との間に配置されるが、機体本体312に収容されてもよい。支持方向は、接続体330の第1端330aから第2端330bに向かう方向であり、支持部332の延びる方向でもある。
可動部340は、機体本体312に軸支されている支持部332の一端を軸心周りで揺動させることで、機体本体312に対する支持部332の姿勢を制御することができる。ここで、仮想平面は、機体本体312が水平な姿勢となるとき水平方向と略平行となり、機体本体312が直立の姿勢となるとき鉛直方向と略平行となる平面である。
制御処理部11は、可動部340および第1アクチュエータ341等も制御する。制御処理部11は、レール7に接続体330を接続する場合、カメラセンサ45等から取得した画像情報に示されるレール7を認識することで、接続体330を第1アーム331に接続する。
制御処理部11は、レール7から接続体330を外す場合、第1アクチュエータ341を駆動させることで、仮想平面の法線方向に対する接続体330を傾ける。制御処理部11は、法線方向に対して接続体330の延びる方向の角度を大きくするように、第1アクチュエータ341を制御することで、接続体330がレール7から外れる。制御処理部11は、角度駆動部343を制御することで、支持部332の延びる方向に対するベース333の角度を変更することで、第1フック331aを高くし、第1フック331aを揺動させて第1フック331aをレール7から外すこともできる。なお、制御処理部11は、第1アクチュエータ341および可動部340等を制御することで、レール7から接続体330を外してもよい。制御処理部11は、無人航空機10bをスイングさせたり、飛行高度を変更したりすることで、レール7から接続体330を外してもよい。
制御処理部11は、接続体330の第1フック331aがレール7に接続されている場合において、(i)複数のプロペラ制御モジュール12bの回転数を、無人航空機10bを浮遊させるための最小の回転数よりも小さく、かつ、無人航空機10bをレール7の延びる方向に推進するための最小の回転数よりも大きい、回転数にし、(ii)可動部340によって、接続体330の支持方向に対して仮想平面の法線方向がなす角度θを大きくする。
(i)において、制御処理部11は、レール7に沿って無人航空機10bが移動できるように、適切な速度を保ちながら、それぞれのプロペラ制御モジュール12bの回転数を制御する。例えば、制御処理部11は、接続体330とレール7とが接触しない状態を保ちながら無人航空機10bの移動を制御する。制御処理部11は、この角度θを調節することで、無人航空機10bの速度を調節したり、レール7と第1フック331aとの距離を調節したりする。(ii)において、制御処理部11が角度θを大きくすることで、無人航空機10bは直立の姿勢に近づくため、無人航空機10bの推力が増すため、無人航空機10bの速度が速くなる。
例えば、(ii)において、制御処理部11は、角度θを15°、45°、65°または80°よりも大きくするように、複数のプロペラ制御モジュール12bの回転数を制御する。
(i)の動作は、(ii)の動作よりも前に実行されてもよく、後に実行されてもよく、あるいは、両者の動作の少なくとも一部が並行して実行されてもよい。
制御処理部11は、第1アクチュエータ341によって角度θを大きくした後、推進力による無人航空機10bの速度が所定値を超えた場合に、接続体330をレール7から外す。言い換えれば、制御処理部11は、無人航空機10bの速度を所定値よりも大きくする場合に接続体330をレール7から外し、複数のプロペラ制御モジュール12bの回転数を増加させて、無人航空機10bの速度を上昇させる。制御処理部11は、速度センサ335から速度情報を取得することで、速度が所定値を超えているかどうかを判定する。
制御処理部11は、接続体330がレール7から外れている場合に、可動部340によって角度θを小さくし、無人航空機10bを浮遊させるための最小の回転数よりも大きくするように、複数のプロペラ制御モジュール12bの回転数を制御する。例えば、制御処理部11は、複数のプロペラ制御モジュール12bの回転数を増加させて、速度を上昇させたり、飛行高度を上昇させたりする。
なお、制御処理部11は、ワイヤ351を繰り出される間、宅配ボックス8に対する荷物の相対位置に応じて、無人航空機10bの位置を調整(補正)してもよい。具体的には、制御処理部11は、風速センサ735から風速情報および画像情報を取得すると、画像情報に示される宅配ボックス8と荷物との相対位置(距離)、および、宅配ボックス8の開口と荷物の向きなどを認識してもよい。例えば、制御処理部11は、荷物の位置が宅配ボックス8の鉛直上方の位置から矢印方向に変位している場合に、レール7の延びる方向に沿って、無人航空機10bを矢印方向とは反対の風上の方向に移動してもよい。このように、制御処理部11は、無人航空機10bの位置を補正してもよい。
[動作]
次に、本実施の形態における無人航空機10bおよび飛行システム1の動作について説明する。この動作では、無人航空機10bが配送先の目的地点に到着した場合、ワイヤ351の繰り出しから積荷である荷物の切り離しまで説明する。
図31は、実施の形態3における昇降システム5eの動作を例示したフローチャートである。
図29~図31に示すように、まず、無人航空機10bは、接続体330がレール7に接続されている状態で、配送先である宅配ボックス8の鉛直上方に到着する(位置取らせる)と、制御処理部11は、ワイヤ制御モジュール311を制御してワイヤ351の繰り出しを開始する(S51)。荷物が降下する。この際、制御処理部11は、カメラセンサ45から画像情報を取得し、荷物と宅配ボックス8との距離を算出する。
次に、制御処理部11は、荷物と宅配ボックス8との距離が第1規定距離に到達したかどうかを判定する(S52)。例えば、第1規定距離は、機体本体312から宅配ボックス8までの距離の1/2、1/3等の距離である。第1規定距離は、制御処理部11が宅配ボックス8と荷物との相対的な位置の誤差を算出できる程度の距離であってもよいため、機体本体312から宅配ボックス8までの距離の1/2、1/3等の距離に限定されない。なお、制御処理部11は、ワイヤ制御モジュール311を制御してワイヤ351の繰り出し速度が速い速度である第1速度で荷物を降下させてもよい。制御処理部11は、ワイヤ351の繰り出しを開始してから、荷物が第1規定距離に到達するまでの間、第1速度で荷物を降下させてもよい。
荷物と宅配ボックス8との距離が第1規定距離に到達したかどうかの判定は、カメラセンサ45から取得した画像情報、または、ワイヤ351の繰り出し長さなどから第1規定距離を算出することができる。
制御処理部11は、荷物と宅配ボックス8との距離が第1規定距離に到達していないと判定した場合(S52でNO)、ステップS51に処理を戻す。
制御処理部11は、荷物と宅配ボックス8との距離が第1規定距離に到達したと判定した場合(S52でYES)、カメラセンサ45から取得した画像情報に基づいて、荷物および宅配ボックス8を測位し、宅配ボックス8から荷物の相対的な位置の誤差(位置ズレ)を算出する。ここでは、制御処理部11は、荷物と宅配ボックス8とを俯瞰した場合における、宅配ボックス8の開口と荷物との誤差を算出する。ここで、誤差とは、宅配ボックス8の開口の縦方向および横方向を基準としたXY平面に対する荷物のX軸、Y軸およびロール角のズレを意味する。
ステップS52でYESの場合、制御処理部11は、ワイヤ制御モジュール311を制御してワイヤ351の繰り出し速度が遅い速度である第2速度で荷物を降下させてもよい。制御処理部11は、ワイヤ351の繰り出しを開始してから第1速度で降下させ、荷物が第1規定距離に到達した後に、第2速度で荷物を降下させてもよい。第2速度は、第1速度よりも遅い速度である。
次に、制御処理部11は、誤差が規定値以上であるかどうかを判定する。誤差が大きい場合は、荷物が宅配ボックス8との位置ズレにより離間し、このままでは、荷物が宅配ボックス8に格納できなくなる恐れがある。規定値は、荷物を宅配ボックス8の開口から挿入できるかどうかの指標である。
制御処理部11は、誤差が規定値以上であると判定した場合(S54でYES)、ワイヤ制御モジュール311を制御してワイヤ351の繰り出しを停止する(S55)。
制御処理部11は、荷物と宅配ボックス8の開口とが重なる、つまり、荷物が宅配ボックス8の開口に納まるように、荷物の位置を補正(誤差を修正)する。具体的には、制御処理部11は、画像情報に基づいて複数のプロペラ制御モジュール12bを制御することで、宅配ボックス8の開口に対する荷物の位置を補正するように、無人航空機10bを移動させる(S56)。そして、制御処理部11は、ステップS53に処理を戻す。このように、宅配ボックス8の開口に対する荷物位置の補正を繰り返す。
ここで、宅配ボックス8の開口に対する荷物の位置を補正する場合を例示する。
図32は、風によって荷物が矢印方向に流される場合に、宅配ボックス8の開口8aと荷物との位置を補正する様子を例示した模式図である。図32のaは、宅配ボックス8の鉛直上方に無人航空機10bが移動し、ワイヤ351を繰り出して荷物を降下させている様子を例示している。図32のaでは、矢印方向に風が吹いており、宅配ボックス8の鉛直上方の位置から風下に向かって変位している。このため、図32のbでは、無人航空機10bが風上(矢印方向と反対方向)に向かって移動した様子を例示している。
図33は、風によって荷物が矢印方向に流される場合に、宅配ボックス8の開口8aと荷物との位置を補正する別の様子を例示した模式図である。図33のaは、風が吹いていない状態である。この場合では、そのまま荷物を宅配ボックス8に格納させることができる。図33のbおよびdは、矢印の方向に風が吹いており、荷物が宅配ボックス8の開口8aの鉛直上方から風下(矢印方向と反対方向)に変位している(ズレている)様子を示す。図33のcおよびeでは、制御処理部11が複数のプロペラ制御モジュール12bおよび可動部340を制御して機体本体312の姿勢を傾ける、つまり機体本体312を矢印の方向にスイングさせることで、ワイヤ351に連結されている荷物を風上(風上の方向の一例)に移動させる。具体的には、制御処理部11が複数のプロペラ制御モジュール12bおよび可動部340を制御して、荷物を風上の方向に変位させるように、機体本体312の姿勢を風上の方向に傾斜させる。制御処理部11は、荷物の位置が宅配ボックス8の鉛直上方の位置から矢印方向に変位している場合に、レール7を支点として無人航空機10bをスイングさせて、無人航空機10bの重心を風上の方向に移動させる。
これらのように、制御処理部11は、画像情報に基づいて複数のプロペラ制御モジュール12bおよび可動部340を制御して、無人航空機10bを移動させたりスイングさせたりすることで、宅配ボックス8の開口8aと荷物との位置を補正する。
なお、ワイヤ351の繰り出しを継続させながら、宅配ボックス8の開口8aと荷物との位置を補正してもよい。この場合、ステップS55を省略してもよい。宅配ボックス8の開口8aと荷物との位置を補正する際に、制御処理部11は、ワイヤ制御モジュール311を制御してワイヤ351の繰り出し速度を第2速度よりも遅い第3速度にしてもよい。
制御処理部11は、誤差が規定値未満であると判定した場合(S54でNO)、ワイヤ351の繰り出しを継続させる(S57)。
次に、制御処理部11は、荷物と宅配ボックス8との距離が第1規定距離よりも短い距離である第2規定距離に到達したかどうかを判定する(S58)。例えば、第2規定距離は、機体本体312から宅配ボックス8までの距離の1/5、1/10、または1/10以下等の距離である。なお、制御処理部11は、ワイヤ制御モジュール311を制御してワイヤ351の繰り出し速度を第2速度または第3速度で荷物を降下させてもよい。制御処理部11は、ワイヤ351の繰り出しを開始してから、荷物が第1規定距離から第2規定距離に至る間、第2速度または第3速度で荷物を降下させてもよい。
荷物と宅配ボックス8との距離が第2規定距離に到達したかどうかの判定は、カメラセンサ45から取得した画像情報、または、ワイヤ351の繰り出し長さなどがから第2規定距離を算出することができる。
制御処理部11は、荷物と宅配ボックス8との距離が第2規定距離に到達していないと判定した場合(S58でNO)、ステップS57に処理を戻す。
次に、制御処理部11は、荷物と宅配ボックス8との距離が第2規定距離に到達したと判定した場合(S58でYES)、ワイヤ制御モジュール311を制御してワイヤ351の繰り出しを停止し、カメラセンサ45から取得した画像情報に基づいて、荷物と宅配ボックス8とを測位し、宅配ボックス8から荷物の相対的な位置の誤差を算出する。ここでは、制御処理部11は、荷物と宅配ボックス8とを俯瞰した場合における、宅配ボックス8の開口8aと荷物との誤差(位置ズレ)を算出する。
制御処理部11は、荷物が宅配ボックス8の開口8aに納まるように、複数のプロペラ制御モジュール12bを制御することで、宅配ボックス8の開口8aと荷物との位置を補正するように、無人航空機10bを移動させることで、開口8aに対する無人航空機10bの位置を補正する(S59)。なお、ステップS54のように、制御処理部11は、誤差が規定値以上であるかどうかを判定してもよい。
次に、制御処理部11は、ワイヤ制御モジュール311を制御してワイヤ351の繰り出しを開始する(S60)。
次に、制御処理部11は、カメラセンサ45から取得した画像情報に基づいて、荷物が宅配ボックス8の開口8aを通過し、宅配ボックス8に格納されたかどうかを判定する(S61)。例えば、制御処理部11は、カメラセンサ45から取得した画像情報から宅配ボックス8の開口8aと荷物との重なりを算出し、張力センサ46によってワイヤ351の張力の弛緩を検出することで、張力センサ46から取得した張力情報に基づいて、荷物が宅配ボックス8の底部に配置されたと判定する。
制御処理部11は、荷物が宅配ボックス8に格納されたと判定した場合(S61でYES)、ワイヤ351先端の図示しない荷物取付部を制御して荷物取付部が荷物を外す(切離す)。これにより、荷物は宅配ボックス8に格納される(S62)。荷物取付部は、荷物を連結保持するまたは掴むことが可能である。制御処理部11は、ワイヤ制御モジュール311を制御してワイヤ351の巻き取りを行い、巻き取りが完了すると、配送元へと戻る。そして、制御処理部11は、処理を終了する。
一方、制御処理部11は、荷物が宅配ボックス8に格納されていないと判定した場合(S61でYES)、カメラセンサ45から取得した画像情報から宅配ボックス8の開口8aと荷物との重なりを算出できず、かつ、張力センサ46から取得した張力情報に基づいて、ワイヤ351の張力の弛緩を検出できない。このため、制御処理部11は、規定量だけ、ワイヤ351の巻き取りをワイヤ制御モジュール311に行わせることで、荷物を宅配ボックス8の開口8aから遠ざける(S63)。ここで、規定量は、例えば、数センチメートル以下、数十センチメートル以下である。そして、制御処理部11は、ステップS57に戻る。
[飛行システム1の構成]
次に、本実施の形態における無人航空機10bおよび飛行システム1を用いて、荷物を配送する様子を例示する。
図34は、実施の形態3における飛行システム1の無人航空機10bが配送元から配送先の中継地点に荷物を配送する様子を例示したイメージ図である。
図29および図34に示すように、配送先が中継地点である場合、中継地点に荷物が届けられると、その中継地点が配送元となって、輸送手段によって次の配送先に配送する。中継地点は、各住宅等の配送先に向けて個別に配送するための配送元でもあり、中継地点を中心として所定距離内に存在する各配送先の荷物が集められる配送先でもある。中継地点では、集められた荷物を振り分け、例えば無人航空機10b等の配送手段を用いて、各配送先に向けて荷物が配送される。この場合、中継地点にも管理サーバ9が設けられていてもよく、無人航空機10bがこの管理サーバ9からルート情報を取得してもよく、無人航空機10bが配送センターの管理サーバ9からルート情報を取得してもよい。ここで、輸送手段は、上述した無人航空機10bだけでなく、宅配ロボット、車両、人等であってもよい。
なお、中継地点では、配送先に送る荷物の重さによって無人航空機10bで配送するか、宅配ロボット等で配送するかを振り分けてもよい。荷物の重さが所定値未満であれば無人航空機10bで配送し、荷物の重さが所定値以上であれば宅配ロボットで配送してもよい。例えば、荷物の重量が5Kg未満では無人航空機10bで配送し、荷物の重量が5Kg以上では、宅配ロボットで配送してもよい。
飛行システム1は、複数の無人航空機10bを同時に管理して、複数個所の配送先に荷物を配送することができる。なお、1台の無人航空機10bは、1箇所の配送先に荷物を送り届ければ、配送元に戻るが、2箇所以上の配送先に荷物を送り届けてもよい。
図35Aは、実施の形態3における飛行システム1の無人航空機10bが移動する際の、地面からの高さを例示した模式図である。
図29および図35Aに示すように、飛行システム1は、さらに、レール支持部393と、後述する図36の防護ネット394と、引き込み支柱19bと、引き込みワイヤ395と、図32の宅配ボックス8とを備える。
複数の支柱19のそれぞれは、電柱または街路灯である。それぞれの支柱19は、地面に設置される。それぞれの支柱19には、飛行システム1に用いられるレール7が固定される。例えば、複数の支柱19のそれぞれには、レール支持部393が固定されている。具体的には、レール支持部393は、飛行システム1のレール7を支持する支持部材であり、支柱19の延びる方向から突出するように固定され、支柱19から離間した状態でレール7を保持できる。
飛行システム1のレール7は、例えば、複数の支柱19、施設等に張り渡されて固定される。レール7は、無人航空機10bの接続体が接続された状態でレール7に沿って無人航空機10bが移動するように、無人航空機10bの移動を案内する。レール7は、無人航空機10bが接続体を介してレール7に吊下がっても無人航空機10bおよび無人航空機10bに積載されている荷物を支持できる。例えば、レール7は、細長い棒状の部材、ワイヤ等である。
図35Aに示すように、レール7は、複数の支柱19のそれぞれの間において、地面から離れた位置に設置される。例えば、レール7は、無人航空機10bが地表から約10メートル以上約13メートル以下の高さであるドローンハイウェイを移動できるように、約10メートル以上約13メートル以下の高さに張られる。このため、レール7は、地表から約12メートル以上約13メートル以下の高さに張られていてもよい。
これは、支柱19が電柱の場合、電柱は、避雷針、送電線等が設けられる。通常、避雷針は、電柱の先端に取り付けられ、その下方に高圧用の送電線が配置され、高圧用の送電線のさらに下方であり、かつ、約13メートル以上の高さに低圧用の送電線が配置されることがある。そして、一般的な住宅などの高さが約10メートルとすると、約10メートル以上約13メートル以下の高さにスペースがあると考えられる。無人航空機10bが住宅の高さよりも高い位置を飛行することで、住宅および送電線に接触し難く、配送先のユーザのプライバシーおよび住宅などの施設の人のプライバシーを保護する。
なお、これらの高さの数値は一例であり、周辺環境によって変化するため、これらの高さの数値に限定されない。このため、ドローンハイウェイは、約10メートルよりも下方に設置されることもあり得る。
図35Bは、実施の形態3における飛行システム1のドローンハイウェイの位置を例示した模式図である。図35Bのaは、無人航空機10bの移動方向から見た場合であり、図35Bのbは、無人航空機10bの移動方向と直交する方向から見た場合である。
図35Bのaおよびbに示すように、例えば、地面からの高さが17mの電柱などの支柱19の場合、レール7は、約15メートル以上約16メートル以下となる位置に配置する。無人航空機10bは、荷物を合わせて約13メートル以上約16メートル以下の範囲に位置する。
ドローンハイウェイは、横幅が約2メートルである。このため、レール7の向かい側にも別のレール7を設置する場合、横幅も考慮してレール7が設置される。
支柱19には、地面から約13メートルの地点に防護ネット394が設けられる。防護ネット394は、レール支持部393の鉛直下方に張られ、支柱19に支持される。具体的には、防護ネット394は、支柱19の長手方向と直交する平面と略平行となる姿勢で、支柱19に支持される。防護ネット394は、支柱19から張り出すように、ドローンハイウェイの鉛直下方に配置される。図35Bでは、防護ネット394の大きさは、支柱19から約2.5メートル張り出ており、かつ、無人航空機10bが移動する移動方向(レール7の延びる方向)に約6メートル以上の長さである。防護ネット394と無人航空機10bとを平面視した場合に、防護ネット394の大きさは、無人航空機10bよりも大きい。防護ネット394は、例えばクッション性のある網状または布状の構造体であり、レール7から接続体330が外れても、無人航空機10bが地面に衝突することを抑制する。
図36は、実施の形態3における飛行システム1の無人航空機10bが引き込み支柱19bおよび引き込みワイヤ395を介して、宅配ボックス8に荷物を格納する様子を例示した模式図である。図37は、実施の形態3における飛行システム1の無人航空機10bが引き込み支柱19bおよび引き込みワイヤ395を介して、宅配ボックス8に荷物を格納する様子を例示した斜視図である。
図36および図37に示すように、引き込み支柱19bは、所定敷地内に配置され、例えば地面または施設に設置される。図36および図37では、引き込み支柱19bが地面に設置されている場合を例示している。引き込み支柱19bは、支柱19よりも高さが低く、引き込みワイヤ395の一端を固定している。引き込み支柱19bの先端は、レール7および送電線よりも下方に設けられる。
引き込みワイヤ395は、レール7に張り渡される。具体的には、引き込みワイヤ395の一端は引き込み支柱19bに接続されて固定され、引き込みワイヤ395の他端は、レール7に張り渡されて接続される。引き込みワイヤ395の他端とレール7との接続点(分岐点)では、無人航空機10bの接続体がフックを有するため、レール7から引き込みワイヤ395に直接接続できる。この接続点は、複数の支柱19のうちの隣り合う第1支柱と第2支柱との間に設けられるが、第1支柱または第2支柱に設けられてもよい。
接続点の鉛直下方には、防護ネット394が配置され支柱19に支持される。接続点から接続体が外れても、防護ネット394によって、無人航空機10bが地面に衝突することが抑制される。
接続点ではレール7と接続している接続体が引き込みワイヤ395に切り替わることで、引き込みワイヤ395が、接続体と接続して、接続体を引き込み支柱19bまで案内する。これにより、無人航空機10bは、引き込み支柱19bに到着する。この場合、引き込み支柱19bが実質的な配送先となる。
なお、本実施の形態では、飛行システム1は、防護ネット394、引き込み支柱19bおよび引き込みワイヤ395を備えているが、引き込み支柱19bおよび引き込みワイヤ395を備えていなくてもよい。無人航空機10bは配送先に到着した際に、そのまま荷物を降ろしてもよく、引き込み支柱19bおよび引き込みワイヤ395は、飛行システム1の必須の構成要件ではない。
宅配ボックス8は、住宅等の配送先に設置される。図36および図37では、引き込み支柱19bの根元部分に設置されるが、無人航空機10bが荷物を格納できればよいため、設置位置は特に限定されない。宅配ボックス8は、無人航空機10bが運んできた荷物を格納するための目的地点となる。
図36および図37に示すように、引き込み支柱19bは、所定敷地内に配置され、例えば地面に設置される。引き込み支柱19bは、支柱19よりも高さが低く、引き込みワイヤ395の一端を固定している。
引き込みワイヤ395は、レール7に張り渡される。具体的には、引き込みワイヤ395の一端は引き込みワイヤ395に接続されて固定され、引き込みワイヤ395の他端は、レール7に張り渡されて接続される。引き込みワイヤ395の他端とレール7との接続点では、無人航空機10bの接続体がフックを有するため、レール7から引き込みワイヤ395に直接接続できる。この接続点は、複数の支柱19のうちの隣り合う第1支柱と第2支柱との間に設けられるが、第1支柱または第2支柱に設けられてもよい。より具体的には、設置面から、引き込みワイヤ395と引き込み支柱19bとが接続される第1接続点P1までの高さは、設置面から、引き込みワイヤ395と支柱19またはレール7とが接続される第2接続点P2までの高さよりも低い。設置面は、本実施の形態では、地面である。なお、建物に支柱19または引き込み支柱19bが接地される場合、接続される建物の部分が設置面となる。
図38は、実施の形態3における飛行システム1の無人航空機10bの機体本体312が鉛直方向と略平行な姿勢となって、支柱19およびレール7を介して、宅配ボックス8に荷物を格納する様子を例示した側面図である。
宅配ボックス8の開口8aが小さい場合、無人航空機10bが支柱19(引き込み支柱でもよい)と接触し、荷物を宅配ボックス8に格納できなくなる場合がある。このため、図38に示すように、無人航空機10bの制御処理部11は、アクチュエータを制御して、機体本体312の姿勢を鉛直方向と略平行な姿勢にすることで、機体本体312を直立させる。制御処理部11は、接続体の支持方向(鉛直方向)に対して、図30のような複数のプロペラ22を含む仮想平面の法線方向がなす角度θを大きくするように、アクチュエータを制御することで、機体本体312を直立させる。
宅配ボックス8の開口8aが小さいかどうかは、無人航空機10bに搭載されるカメラセンサ45等から取得した画像情報等によって判定する。
例えば、図38のaおよびbで示すように、無人航空機10bは、レール7に沿って移動する。無人航空機10bの制御処理部11は、宅配ボックス8の開口8aをカメラセンサ45等によって撮像し、撮像した画像情報から機体本体312の仮想平面が水平方向と略平行な姿勢で、宅配ボックス8に荷物を格納できるかどうかを判定する。判定した結果、機体本体312の仮想平面が水平方向と略平行な姿勢で、宅配ボックス8に荷物を格納できないと判定すると、制御処理部11は、可動部340を制御して、機体本体312の姿勢を鉛直方向と略平行な姿勢にする。図38のcで示すように、無人航空機10bは、宅配ボックス8の鉛直上方に到着する。図38のdで示すように、制御処理部11は、ワイヤ制御モジュール311を制御することで、ワイヤ351を繰り出して荷物を下降させ、宅配ボックス8に荷物を格納する。このような飛行システム1では、確実に荷物を宅配ボックス8に格納する。
図39は、実施の形態3における飛行システム1において、レール7が無い場所を飛行する場合を例示した模式図である。河川などのように幅の長さによってはレール7を設置できない場合があるため、図39では、無人航空機10bが河川を横断する場合等を例示している。
図39のa~cに示すように、可動部340は、機体本体312の仮想平面と略水平な姿勢から直立の姿勢となるように機体本体312を傾ける。無人航空機10bは、河川を横断するために加速する。
図39のcおよびdに示すように、接続体330がレール7から離間する。
図39のdおよびeに示すように、無人航空機10bは、加速による推進力と、一対の翼313によって、河川を横断する。制御処理部11が画像情報等によってレール7の位置を算出し、無人航空機10bがレール7に近づくと、可動部340を制御することによって、直立の姿勢から機体本体312の仮想平面と略水平な姿勢となるように機体本体312を傾ける。これにより、無人航空機10bは減速する。
図39のeおよびfに示すように、制御処理部11が画像情報等によってレール7の位置を算出し、無人航空機10bの接続体330が対岸に設置されているレール7に接続する。
図39のf、gおよびhに示すように、無人航空機10bが減速して接続体330をレール7に接続した後に、制御処理部11が可動部340を制御することによって、機体本体312の仮想平面と略水平な姿勢から直立の姿勢となるように機体本体312を傾ける。これにより、無人航空機10bはレール7を安全に走行できる速さに加速する。このように、無人航空機10bは、河川など、レール7を設置できない場所でも横断する。
[作用効果]
次に、本実施の形態における無人航空機10bおよび飛行システム1の作用効果について説明する。
無人航空機10bは、荷物を配送する無人航空機10bであって、複数の回転翼と、複数の回転翼をそれぞれ回転させる複数のプロペラ制御モジュール12bと、複数のプロペラ制御モジュール12bを支持する機体本体312と、機体本体312を吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレール7に接続するための接続体330と、接続体330がレール7に支持されたときの支持方向に対する、複数の回転翼を含む仮想平面の傾きを設定する可動部340と、複数のプロペラ制御モジュール12bおよび可動部340を制御する制御処理部11と、を備え、接続体330は、機体本体312に接続された第1端330aと、レール7にスライド自在に接続するための第2端330bとを有し、支持方向は、接続体330の第1端330aから第2端330bに向かう方向であり、制御処理部11は、接続体330の第2端330bがレール7に接続されている場合に、(i)複数のプロペラ制御モジュール12bの回転数を、無人航空機10bを浮遊させるための最小の回転数よりも小さく、かつ、無人航空機10bをレール7の延びる方向に推進するための最小の回転数よりも大きい、回転数にし、(ii)可動部340によって、接続体330の支持方向に対して仮想平面の法線方向がなす角度θを大きくする。
これによれば、無人航空機10bは、接続体330がレール7に接続した状態で、無人航空機10bがレール7に沿って移動することができる。(i)の場合では、制御処理部11が、複数のプロペラ制御モジュール12bの回転数を制御することで、無人航空機10bを浮遊させるための最小の回転数よりも小さく、かつ、無人航空機10bを推進するための最小の回転数よりも大きくするため、無人航空機10bは、レール7に沿って適切な速度で移動することができる。(ii)の場合では、制御処理部11が可動部340を制御することで、接続体330の支持方向に対する複数の回転翼を含む仮想平面の傾きを変更することで、無人航空機10bの速度を調節することができる。
飛行システム1は、無人航空機10bと、複数の支柱19と、複数の支柱19のうちの隣り合う2つの間に張り渡されたレール7と、を備える。
可動部340は、機体本体312と接続体330との間に配置されている。
これによれば、可動部340は、機体本体312に対して接続体330の角度θを容易に変更することができる。
例えば、接続体330を機体本体312の重心部分およびその近傍に配置した場合に、可動部340も機体本体312の重心部分およびその近傍に配置されることとなる。このため、無人航空機10bの重心の釣り合いを取ることができる。
無人航空機10bは、さらに、一対の翼313を備える。
これによれば、例えば、一対の翼313がヨー翼であれば、無人航空機10bを水平方向に回転させたり、一対の翼313がピッチ翼であれば、無人航空機10bを鉛直方向に回転させたりすることができる。その結果、無人航空機10bの進行方向を自由に操舵することができるため、無人航空機10bは安定した移動を実現することができる。
制御処理部11は、可動部340によって角度θを大きくした後、無人航空機10bの推進速度が所定値を超えた場合に、接続体330をレール7から外す。
これによれば、接続体330とレール7との接触を抑制することができるため、無人航空機10bの安全性を高めることができる。
制御処理部11は、接続体330がレール7から外れている場合に、可動部340によって角度θを小さくし、無人航空機10bを浮遊させるための最小の回転数よりも大きくするように、複数のプロペラ制御モジュール12bの回転数を制御する。
これによれば、接続体330がレール7から外れている場合に、角度θを小さくすることで、無人航空機10bが地面から所定高さの位置まで浮遊することができるようになる。このため、物体と接触したりすることが抑制されるため、無人航空機10bの安全性を高めることができる。
制御処理部11は、(ii)において、角度θを15°よりも大きくするように、複数のプロペラ制御モジュール12bの回転数を制御する。
制御処理部11は、(ii)において、角度θを45°よりも大きくするように、複数のプロペラ制御モジュール12bの回転数を制御する。
制御処理部11は、(ii)において、角度θを65°よりも大きくするように、複数のプロペラ制御モジュール12bの回転数を制御する。
制御処理部11は、(ii)において、角度θを80°よりも大きくするように、複数のプロペラ制御モジュール12bの回転数を制御する。
可動部340の角度を適切に設定することにより、無人航空機10bに働く推力と浮力の比率を調整することができる。角度θが大きくなるほど、複数のプロペラ制御モジュール12bの回転による力が、無人航空機10bの略水平方向の推力に寄与する割合が高まる。これにより、複数のプロペラ制御モジュール12bの回転数を落としても、無人航空機10bは十分な推力を得ることができる。
接続体330は、機体本体312に揺動自在に接続された支持部332と、支持部332の一端に接続された第1アーム331とを有する。
これによれば、支持部332の揺動とともに第1アーム331を揺動させることができる。このため、レール7に接続し易くなる。
第1アーム331は、無人航空機10bをレール7に吊下げるためのハンガである。
これによれば、無人航空機10bの停止時に、第1アーム331がレール7から吊下がることができる。このため、無人航空機10bがレール7に吊下がった状態で、荷物を配送先に載置することができる。
無人航空機10bは、さらに、機体本体312に接続された、荷物を吊下げるためのワイヤ351と、ワイヤ351を巻き取り可能なリフトモータとを備え、制御処理部11は、接続体330がレール7に接続されている状態で、荷物を格納するための宅配ボックス8の鉛直上方に無人航空機10bを位置取らせ、リフトモータを駆動して、ワイヤ351を繰り出すことで、機体本体312に対して荷物を降下させて宅配ボックス8に格納させる。
これによれば、無人航空機10bが目的地点に到着したときに、制御処理部11がリフトモータを制御してワイヤ351を繰り出すことで、荷物を降下させて宅配ボックス8に格納させることができる。このため、無人航空機10bは、配送先に荷物を配送することができる。
制御処理部11は、ワイヤ351を繰り出す間、宅配ボックス8に対する荷物の相対位置に応じて、機体本体312の位置および向きの少なくとも一方を調整する。
これによれば、無人航空機10bが宅配ボックス8の直上に対して位置ズレが生じても、制御処理部11が機体本体312の位置および向きの少なくとも一方を調整することで、宅配ボックス8に対する機体本体312を位置合わせすることができる。このため、無人航空機10bは、確実に荷物を降下させて宅配ボックス8に格納させることができるため、確実に配送先に荷物を配送することができる。
特に、この無人航空機10bでは、風などによって無人航空機10bが宅配ボックス8の直上から移動してしまう場合があっても、宅配ボックス8に対する機体本体312を位置合わせすることができる。
制御処理部11は、荷物の位置が宅配ボックス8の鉛直上方の位置から矢印方向に変位している場合に、レール7の延びる方向に沿って、無人航空機10bを矢印方向とは反対の風上の方向に移動させる。
これによれば、風などによってワイヤ351を介して荷物が矢印方向に流されることで位置が変位(移動)しても、制御処理部11が無人航空機10bを矢印方向と反対方向の風上の方向に変位させることができる。このため、無人航空機10bは、確実に荷物を降下させて宅配ボックス8に格納させることができるため、より確実に配送先に荷物を配送することができる。
制御処理部11は、荷物の位置が宅配ボックス8の鉛直上方の位置から矢印方向に変位している場合に、レール7を支点として無人航空機10bをスイングさせて、無人航空機10bの重心を矢印方向とは反対の風上の方向に移動させる。
これによれば、風などによってワイヤ351を介して荷物が矢印方向に変位しても、制御処理部11が無人航空機10bの重心を移動させることで、荷物を矢印方向と反対方向の風上の方向に変位させることができる。このため、無人航空機10bは、確実に荷物を降下させて宅配ボックス8に格納させることができるため、より確実に配送先に荷物を配送することができる。
飛行システム1において、複数の支柱19のそれぞれは、電柱である。
これによれば、既存の電柱を支柱19として用いることとができるため、レール7を張り渡すための新たな支柱19を設置する必要もない。このため、このシステムでは、設置に際するコストの高騰化を抑制することができる。
飛行システム1は、さらに、所定敷地内に配置された引き込み支柱19bと、レール7に張り渡された引き込みワイヤ395と、を備え、地面から、引き込みワイヤ395と引き込み支柱19bとが接続される第1接続点P1までの高さは、地面から、引き込みワイヤ395とレール7とが接続される第2接続点P2までの高さよりも低い。
これによれば、レール7は第1接続点P1よりも高い位置に配置されるため、無人航空機10bは高い位置を移動することができる。無人航空機10bは、人に視認され難い位置を走行するため、配送先のユーザのプライバシーおよびレール7に面して設置されている住宅などの施設の人のプライバシーを保護することができる。
電柱は、送電線を支持し、レール7は、送電線よりも下方であり、かつ、引き込み支柱19bの先端よりも高い位置に設けられる。
これによれば、送電線の下方にレール7を配置するため、送電線と接触しない位置にレール7を配置し、かつ、無人航空機10bを走行させることができる。このため、荷物を配送する無人航空機10bの安全性を確保することができる。
接続体330は、さらに、第1アーム331に接続されており、レール7に回転自在に接触するための、実施の形態4の変形例1のような車輪を有していてもよい。
これによれば、無人航空機10bがレール7に接続された際に、車輪がレール7に接触した状態で移動することができる。車輪はレール7との摩擦によって回転を始めるため、無人航空機10bは、回転翼の回転による進行方向への推進力だけでレール7の上を走行することができる。このため、無人航空機10bは、回転翼の回転力を、自身を持ち上げるための揚力に使用しなくてもよくなる。その結果、無人航空機10bの省エネルギー化を実現することができる。
(実施の形態3の変形例1)
以下では、本変形例における飛行システム1の基本的な構成は、実施の形態3等の飛行システムと基本的な構成と同様であるため、本変形例における飛行システム1の基本的な構成について適宜説明を省略する。
図40は、実施の形態3の変形例1における飛行システム1の引き込み支柱19b、第1引き込みワイヤ395aおよび第2引き込みワイヤ395bが集合住宅施設に設置されている場合を例示した模式図である。
図40では、引き込み支柱19bが施設(本変形例では集合住宅施設)における天井部の側壁に設置されている場合を例示している。図40では、引き込みワイヤとして、第1引き込みワイヤ395aおよび第2引き込みワイヤ395bが用いられる。
第1引き込みワイヤ395aは、天井部の側壁に設置されたそれぞれの引き込み支柱19bによって、各階における天井部の側壁に張り巡らされている。第2引き込みワイヤ395bは、一端が引き込み支柱19bまたは第1引き込みワイヤ395aと接続し、他端が施設の外壁に接続される。なお、外壁にも支柱19bが設けられていてもよい。第2引き込みワイヤ395bは、施設における一戸ごとに接続されていてもよく、接続されていなくてもよい。
図41は、実施の形態3の変形例1における集合住宅施設に無人航空機10bが荷物を配送する様子を例示した模式図である。
例えば、図41のaおよびbに示すように、無人航空機10bは、接続体330が第1引き込みワイヤ395aに接続された状態で、第1引き込みワイヤ395aに沿って移動する。図41のcに示すように、無人航空機10bは、配送先に接続される第2引き込みワイヤ395bと第1引き込みワイヤ395aまたは引き込み支柱19bとの接続点で、接続体330を第2引き込みワイヤ395bに切り替える。図41のdに示すように、無人航空機10bは、第2引き込みワイヤ395bに案内されて目的の配送先に到着し荷物を降ろす。
なお、図40では、第1引き込みワイヤ395aおよび第2引き込みワイヤ395bが集合住宅施設に張り巡らされているが、レール7が張り巡らされていてもよい。
(実施の形態3の変形例2)
以下では、本変形例における飛行システム1の基本的な構成は、実施の形態3等の飛行システムと基本的な構成と同様であるため、本変形例における飛行システム1の基本的な構成について適宜説明を省略する。
図42は、実施の形態3の変形例2における飛行システム1の支柱19cが街路灯の場合を例示した模式図である。
図42に示すように、宅配ボックス8は、歩道に配置され、施設ごとに配置されている。引き込み支柱19bおよび引き込みワイヤ395によって、荷物は、施設における各階に配送される。引き込み支柱19bおよび引き込みワイヤ395は、例えば、配送先が、施設の2階以上の場合に設置してもよい。
図43は、実施の形態3の変形例2における飛行システム1の支柱19cが街路灯の場合のドローンハイウェイの位置を例示した模式図である。図43のaは、無人航空機10bの移動方向から見た場合であり、図43のbは、無人航空機10bの移動方向と直交する方向から見た場合である。
図43のaおよびbに示すように、本変形例では、街路灯の照明装置の鉛直上方に防護ネット394が設けられる。防護ネット394は、支柱19cの有する照明装置を支持するポールに支持されて固定される。図43では、防護ネット394の大きさは、ポールから約3メートル張り出ており、かつ、無人航空機10bが移動する移動方向(レール7の延びる方向)に約4メートルの長さである。防護ネット394の大きさは照明装置の設置環境によって変化してもよい。
このような、本変形例における無人航空機10bおよび飛行システム1の作用効果について説明する。
複数の支柱19cは、街路灯である。
これによれば、既存の街路灯を支柱19cとして用いることとができるため、レール7を張り渡すための新たな支柱19cを設置する必要もない。このため、このシステムでは、設置に際するコストの高騰化を抑制することができる。
(実施の形態3の変形例3)
以下では、本変形例における無人航空機10cおよび飛行システム1の基本的な構成は、実施の形態3等の飛行システムと基本的な構成と同様であるため、本変形例における飛行システム1の基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では接続体330cの構成が実施の形態3等と異なる点で相違する。
本変形例の無人航空機10cの接続体330cは、第1アーム331と、支持部332と、第1アクチュエータ341とを有する。本変形例では、接続体330cは、実施の形態3のようなベース333および角度駆動部343を有さない。
図44は、実施の形態3の変形例3における飛行システム1の無人航空機10cを例示した斜視図である。
図44に示すように、本変形例の第1アーム331の第1フック331aは、無人航空機10cの進行方向から見てリング状の外殻部分の一部が欠損した略C形状をなしている。第1フック331aの第1接続端331a1は、支持部332の他端と接続されている。
図45は、実施の形態3の変形例3における飛行システム1の無人航空機10cの機体本体312の姿勢を変更する様子を例示した斜視図である。
図45のa、bおよびcに示すように、制御処理部11は、可動部340、複数のプロペラ22および一対の翼313を制御することで、接続体330cの支持部332の姿勢を保ったまま、機体本体312の姿勢を変更する。具体的には、支持部332の延びる方向に対する仮想平面の法線方向の角度を変更する。
(実施の形態4)
以下では、本実施の形態における無人航空機10cの基本的な構成は、実施の形態3等の無人航空機と基本的な構成が同様であるため、本実施の形態における無人航空機10cの基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、さらに、無人航空機10cには、第2アーム751が設けられている点で実施の形態3等と相違する。
図46は、実施の形態4における無人航空機10cの構成を説明するブロック図である。図47は、実施の形態4における無人航空機10cを例示した正面図である。具体的には、図47は、実施の形態4における飛行システム1の無人航空機10cを示す正面図である。
図46および図47に示すように、本実施の形態の接続体730dは、実施の形態3の変形例3の第1アクチュエータとして第1アクチュエータ741等の他に、さらに、第2アーム751と、第2アクチュエータ752とを有する。
第2アーム751は、支持部732の一端に接続される。具体的には、第1アーム731は、第1アーム731と対向するように、ベース733を介して支持部732と接続される。第1アーム731および第2アーム751は、互い違いとなるようにベース733に配置されている。第2アーム751は、無人航空機10cをレール7に吊下げるためのハンガである。
第2アーム751は、第2フック751aを有する。
第2フック751aは、第2アクチュエータ752に接続される第2接続端751a2から他端側の第2開放端751b2まで延び、第2接続端751a2から第2開放端751b2に至るまでに、第1方向とは反対向きの第2方向に折れ曲がる第2屈曲部751cを有する。第2フック751aは、無人航空機10cの進行方向から見てリング状の外殻部分の一部が欠損した略C形状、略F形状、略J形状または略U形状等をなしている。第2フック751aには、その外殻部分が切り欠かれることで、レール7の侵入を許容する開口部が設けられる。開口部は、第2開放端751b2と第2接続端751a2との間である。第2フック751aが、接続体730dの第2端の一例である。なお、第2フック751aには、上述したように、レール7に回転自在に接触するための車輪が設けられていてもよい。
第2フック751aと第1フック731aとが対向し、かつ、第2フック751aおよび第1フック731aを無人航空機10cの進行方向から見て、第2フック751aの第2開放端751b2および第2接続端751a2と第1フック731aの第1開放端731b1および第1接続端731a1とは、レール7を介して対向する。
ベース733は、支持部732と第1アーム731および第2アーム751とを接続する部分であり、支持部732と第1アーム731および第2アーム751との間に配置される。ベース733は、第1アーム731の第1接続端731a1および第2アーム751の第2接続端751a2と支持部732の他端側とに接続される。
第2アクチュエータ752は、支持部732に対する第2フック751aの角度を設定する。第2アクチュエータ752は、支持部732と第2フック751aとの間に配置され、第2フック751aの第2接続端751a2を揺動可能に軸支する。本実施の形態では、第2アクチュエータ752は、ベース733に配置される。
図48は、実施の形態4における飛行システム1の無人航空機10cおよびレール7を上面から見た場合に、第1レール71から第2レール72に接続体730dの接続を切り替える様子を例示した上面図である。図48では、支柱19に支持される第1レール71、第2レール72等を例示している。
図47および図48に示すように、本実施の形態の制御処理部11は、第1アクチュエータ341および第2アクチュエータ752を制御することで、第1レール71に接続されている接続体730dを第2レール72に切り替えることができる。レール7の切り替については、後述する。レール7は、第1レール71および第2レール72の総称であり、本実施の形態において、単にレール7と言う場合は、第1レール71および第2レール72を含む意味である。
本実施の形態の飛行システム1は、複数の支柱19のうちの隣り合う2つの支柱19の間に張り渡された第1レール71および第2レール72と、防護ネット394とを備える。
第1レール71を基本レールとすると、第2レール72は、第1レール71から分岐するレールであり、第1レール71と離間した状態で第1レール71に接近して配置される、つまり第1レール71に沿って隣に延びる。第1レール71と第2レール72とが接近した部分は、近接領域であり、無人航空機10cがレール7を切り替え可能な分岐点となる分岐器である。例えるなら、第2レール72は、先端軌条である。近接領域は、第1レール71と第2レール72との間の距離が無人航空機10cの幅H1以下に近接する領域(距離H2)である。例えば、近接領域は、第1レール71と第2レール72とが最接近している領域である。
防護ネット394は、第1レール71と第2レール72との近接領域の鉛直下方に張られ、支柱19に支持される。
[動作]
次に、本実施の形態における飛行システム1の動作について説明する。この飛行システム1の無人航空機10cでは、2つのアームである第1アーム731および第2アーム751を用いて、第1レール71から第2レール72に接続を切り替えることができる。図49は、実施の形態4における飛行システム1の無人航空機10cの接続体730dを、第1レール71から第2レール72に切り替える動作を例示したフローチャートである。ここでは、第1レール71に沿って移動している無人航空機10cが、第1レール71から第2レール72に経路を切り替える場合について説明する。
まず、図46、図48のaおよび図49に示すように、無人航空機10cの接続体730dの第1フック731aおよび第2フック751aが第1レール71と接続されている場合、無人航空機10cが第1フック731aおよび第2フック751aによって第1レール71にスライド自在に吊下がっている。この場合に、図48のb、cおよび図49に示すように、制御処理部11は、画像情報等に基づいて、無人航空機10cが第2レール72の先端部に接近してこの先端部を通過すると、第2アクチュエータ752を制御することで第2フック751aを揺動させて第1レール71から外して第2レール72に引っ掛ける(S71)。制御処理部11は、画像情報等に基づいて、第2レール72が第1レール71に沿って接近している近接領域を認識し、近接領域で第2アクチュエータ752を制御することで第2フック751aを揺動させて第2レール72に引っ掛けることで、第2フック751aと第2レール72とを接続することで、図48のcの状態となる。
次に、図48のc、dおよび図49に示すように、制御処理部11は、第1アクチュエータ341を制御することで第1フック731aを揺動させて、第1レール71から第1フック731aを外す(S72)ことで、図48のdの状態となる。
次に、図48のd、eおよび図49に示すように、制御処理部11は、第1アクチュエータ341を制御することで第1フック731aを揺動させて、第2レール72に第1フック731aを引っ掛けることで、第1フック731aと第2レール72とを接続する(S73)。その後、制御処理部11は、第2アクチュエータ752を制御することで第2フック751aを揺動させて、第2レール72から第2フック751aを外すことで、図48のeの状態となる。そして、無人航空機10cは、第2レール72に沿って移動したり、第2レール72から第3レールに接続体730dの接続を切り替えたりする。
無人航空機10cが第2レール72をそのまま移動する場合、図48のgおよび図49に示すように、レール支持部393を通過した後に、制御処理部11は、第2アクチュエータ752を制御することで第2フック751aを揺動させて、第2レール72に引っ掛けることで、第2フック751aと第2レール72とを接続する(S74)。第2レール72に第1フック731aおよび第2フック751aを接続することで、無人航空機10cは、第2レール72から離間しないように接続される。
次に、接続体730dを第1レール71から第2レール72に切り替える際における、接続体730dの動きを詳細に説明する。
図50は、実施の形態4における飛行システム1の無人航空機10cおよびレール7の背面側において、第1レール71から第2レール72に接続体730dの接続を切り替える様子を例示した背面図である。図51は、実施の形態4における飛行システム1の無人航空機10cの接続体730dを、第1レール71から第2レール72に切り替える動作の例を詳細に示すフローチャートである。
図50では、支柱19に支持される第1レール71、第2レール72等を例示している。図50では、無人航空機10cの進行方向側(正面側)から無人航空機10c、第1レール71および第2レール72を見た場合を例示している。
図46、図50のa、bおよび図51に示すように、制御処理部11は、第2フック751aを第2レール72に引っ掛けるときに、角度駆動部343を制御することで、支持部732に対してベース733の角度を変更し、第2フック751aが第1フック731aよりも高くなるようにベース733を傾ける(S81)。このとき、第2接続端751a2は第1接続端731a1よりも高くなる。なお、ベース733を傾ける代わりに機体本体712を傾けてもよい。
図46、図50のb、cおよび図51に示すように、第2フック751aが第1レール71から離れるため、制御処理部11は、角度駆動部343を制御することでベース733の姿勢を基に戻しながら、第2アクチュエータ752を制御することで第2フック751aを第1レール71と第2レール72との間を通して、第2フック751aを揺動させることで第1レール71から外す(S82)。
図46、図50のdおよび図51に示すように、制御処理部11は、第2アクチュエータ752を制御することで第2フック751aを揺動させて第2レール72に引っ掛けるように近づけ、角度駆動部343を制御することで、支持部732に対してベース733の角度を変更し、第2フック751aが第1フック731aよりも高くなるようにベース733を傾ける(S83)。
図46、図50のeおよび図51に示すように、制御処理部11は、角度駆動部343を制御することでベース733の姿勢を基に戻しながら、第2アクチュエータ752を制御することで第2フック751aを揺動させて第2レール72に引っ掛けることで、第2フック751aと第2レール72とが接続される(S8304)。
図46、図50のfおよび図51に示すように、制御処理部11は、第1フック731aを第1レール71から外すときに、角度駆動部343を制御することで、支持部732に対してベース733の角度を変更し、第1フック731aが第2フック751aよりも高くなるようにベース733を傾ける(S85)。このとき、第1接続端731a1は第2接続端751a2よりも高くなる。なお、ベース733を傾ける代わりに機体本体712を傾けてもよい。
図46、図50のf、gおよび図51に示すように、第1フック731aが第1レール71から離れるため、制御処理部11は、角度駆動部343を制御することでベース733の姿勢を基に戻しながら、第1アクチュエータ341を制御することで第1フック731aを揺動させて第1レール71から外す(S86)。
図46、図50のhおよび図51に示すように、制御処理部11は、第2アクチュエータ752を制御することで、第1レール71と第2レール72との間を通して第2レール72に引っ掛けるように近づけ、角度駆動部343を制御することで、支持部732に対してベース733の角度を変更し、第1フック731aが第2フック751aよりも高くなるようにベース733を傾ける(S87)。
図46、図50のiおよび図51に示すように、制御処理部11は、角度駆動部343を制御することでベース733の姿勢を基に戻しながら、第1アクチュエータ341を制御することで第1フック731aを揺動させて第2レール72に引っ掛けることで、第1フック731aと第2レール72とが接続される(S88)。これにより、第2レール72には、第1フック731aおよび第2フック751aが接続される。
[作用効果]
次に、本実施の形態における飛行システム1の作用効果について説明する。
接続体730dは、さらに、支持部732の一端に接続された第2アーム751を有する。
これによれば、第1アーム731だけでなく、第2アーム751もレール7に対して接続することができるため、無人航空機10cがレール7から落下することが抑制され、無人航空機10cを用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
第1アーム731は、無人航空機10cをレール7に吊下げるための第1のハンガであり、第2アーム751は、無人航空機10cをレール7に吊下げるための第2のハンガであり、接続体730dは、さらに、支持部732に対する第1アーム731の角度を設定する第1アクチュエータ341と、支持部732に対する第2アーム751の角度を設定する第2アクチュエータ752とを有する。
これによれば、無人航空機10cでは、レール7に対して確実に吊下がることができるため、無人航空機10cがレール7から落下することが抑制され、無人航空機10cを用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
接続体730dは、さらに、支持部732と第1アーム731および第2アーム751との間に配置されるベース733と、支持部732に対するベース733の角度を設定する第3アクチュエータとを有する。
これによれば、ベース733の角度を変えるだけで、機体本体712に対する第1アーム731の高さを変更したり、第2アーム751の高さを変更したりすることができる。このため、機体本体712を傾けなくても、第1アーム731および第2アーム751の高さを変更することができるため、無人航空機10cの安定性を保つことができる。
第1アーム731は、第1アクチュエータ341に接続される第1接続端731a1から第1開放端731b1まで延びる第1フック731aを有し、第2アーム751は、第2アクチュエータ752に接続される第2接続端751a2から第2開放端751b2まで延びる第2フック751aを有し、第1フック731aは、第1接続端731a1から第1開放端731b1に至るまでに第1方向に折れ曲がる第1屈曲部731cを有し、第2フック751aは、第2接続端751a2から第2開放端751b2に至るまでに、第1方向とは反対向きの第2方向に折れ曲がる第2屈曲部751cを有する。
これによれば、第1フック731aがレール7に吊下がった場合に、機体本体712を水平な姿勢で保つことができ、第2フック751aがレール7に吊下がった場合も、機体本体712を水平な姿勢で保つことができる。このため、第1フック731aおよび第2フック751aは、無人航空機10cを適切な姿勢で保持することができるようになる。
第1フック731aおよび第2フック751aによりレール7に引っ掛け易くなる。
制御処理部11は、無人航空機10cが、第1フック731aによって第1レール71にスライド自在に吊下がっている場合に、第2アクチュエータ752を制御して、第1レール71に隣接した状態で第1レール71に沿って隣に延びる第2レール72に、第2フック751aを引っ掛け、第1アクチュエータ341を制御して、第1フック731aを第1レール71から外す。
これによれば、例えば、無人航空機10cの第1フック731aが第1レール71に接続されているとき、第2フック751aを第2レール72に接続した後に、第1フック731aを第1レール71から外すことで、無人航空機10cは、第1レール71から別のレール7である第2レール72に接続を切り替えて移動することができる。このため、無人航空機10cは、レール7とレール7との分岐点において、確実にレール7を切り替えることができるため、無人航空機10cの落下が抑制されることで、無人航空機10cを用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
飛行システム1は、無人航空機10cと、複数の支柱19と、複数の支柱19のうちの隣り合う2つの支柱19の間に張り渡された第1レール71および第2レール72と、を備える。
制御処理部11は、無人航空機10cが、第1フック731aおよび第2フック751aによって第1レール71にスライド自在に吊下がっている場合に、第2アクチュエータ752を制御して、第2フック751aを、第1レール71から外して、第1レール71に沿って隣に延びる第2レール72に引っ掛けさせ、第1アクチュエータ341を制御して、第1フック731aを、第1レール71から外して、第2レール72に引っ掛けさせる。
これによれば、例えば、無人航空機10cの第1フック731aおよび第2フック751aが第1レール71に接続されているとき、第2フック751aを第1レール71から外して第2レール72に接続した後に、第1フック731aを第1レール71から外して第2レール72に接続することで、無人航空機10cは、第1レール71から別のレール7である第2レール72に接続を切り替えて移動することができる。このため、無人航空機10cは、レール7とレール7との分岐点において、確実にレール7を切り替えることができるため、無人航空機10cの落下が抑制されることで、無人航空機10cを用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
制御処理部11は、第2フック751aを第2レール72に引っ掛けるときに、機体本体712または支持部732を第2方向に傾けて、第2接続端751a2を第1接続端731a1よりも高くし、第1フック731aを第1レール71から外すときに、機体本体712または支持部732を第1方向に傾けて、第1接続端731a1を第2接続端751a2よりも高くする。
これによれば、機体本体712または支持部732を傾けることで、第1フック731aおよび第2フック751aをレール7に簡易に引っ掛けたり、第1フック731aおよび第2フック751aをレール7から簡易に外したりすることができる。
飛行システム1は、さらに、第1レール71と第2レール72との近接領域の鉛直下方に張られた防護ネット394を備え、近接領域は、第1レール71と第2レール72との間の距離が無人航空機10cのサイズ以下に近接する領域である。
これによれば、第1レール71と第2レール72との間の距離H2が機体本体712の幅H1(サイズ)よりも小さいため、無人航空機10cが第1レール71から第2レール72に容易に切り替えて移動することができる。
第1レール71と第2レール72との近接領域の鉛直下方に防護ネット394が設けられることで、無人航空機10cが第1レール71および第2レール72から外れても、無人航空機10cが地面に落下することを抑制することができる。このため、無人航空機10cを用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
(実施の形態4の変形例)
以下では、本変形例における飛行システム1の基本的な構成は、実施の形態4等の飛行システム1の基本的な構成と同様であるため、本変形例における飛行システム1の基本的な構成について適宜説明を省略する。
図52は、実施の形態4の変形例における飛行システム1の無人航空機10cの第1フック731aおよびレールの側面図、上面図および正面図である。図52のaは、飛行システム1の無人航空機10cの第1フック731a、第1レール71および第2レール72を側面から見た側面図である。図52のbは、飛行システム1の無人航空機10cの第1フック731a、第1レール71および第2レール72を上面から見た上面図である。図52のcは、飛行システム1の無人航空機10cの進行方向側から、無人航空機10cの第1フック731a、第1レール71および第2レール72を見た正面図である。
図52に示すように、本変形例では、第2レール72の少なくとも一部の高さは、隣り合う第1レール71の高さよりも高い。第2レール72は、第1レール71から分岐する線であり、第2レール72の先端部が、第1レール71の延びる方向に沿って配置される。第2レール72は、その一部が第1レール71よりも高く配置され、第1レール71に対して迂回するように延びる行き違い線である。第2レール72は、第1レール71を2つの無人航空機10cが互いに対向して走行してきた場合に、2つの無人航空機10cのうちの一方の無人航空機10cを離合させるためのレールである。なお、第1レール71および第2レール72は、送電線であってもよい。
本変形例の飛行システム1では、2つの無人航空機10cのうちの第1ドローンが第1レール71に沿って第1移動方向に走行し、かつ、2つの無人航空機10cのうちの第2ドローンが第1レール71に沿って第1移動方向と反対方向の第2移動方向に走行する場合、第1ドローンは、第2ドローンの接近をカメラセンサ45などによって検出すると、第1レール71から第2レール72に接続体730dの接続を切り替える。第2レール72は、第1レール71よりも高いため、第1レール71を走行する第2ドローンと第2レール72を走行する第1ドローンとがすれ違うことができる。第1レール71と第2レール72との高さを変えることで、第1ドローンの機体本体712または荷物と第2ドローンの機体本体712または荷物とが接触し難くなる。
なお、第1ドローンと第2ドローンとが行き違うことができればよいため、第1レール71と第2レール72とを離間させて第1ドローンと第2ドローンとの距離を確保してもよい。
このような、本変形例における飛行システム1の作用効果について説明する。
第2レール72の少なくとも一部の高さは、隣り合う第1レール71の高さよりも高い。
これによれば、第1レール71を2つの無人航空機10cが対向して走行する場合、2つの無人航空機10cのうちの一方の無人航空機10cが第2レール72に退避することができる。第2レール72を退避路線として用いることができる。このため、無人航空機10cが衝突したり、混雑したりすることを抑制することができる。
(実施の形態5)
[構成]
以下では、本実施の形態における第1スラスタ装置110の基本的な構成は、実施の形態1等の第1スラスタ装置の基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における第1スラスタ装置110の基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、第1スラスタ装置110のプロペラ1013のブレード1013a1が凸部1013a2を有する点で実施の形態10等と相違する。
図53は、実施の形態5における第1スラスタ装置110のプロペラ1013の形状を例示する図である。図53のaは、プロペラ1013の斜視図であり、図53のaは、プロペラ1013のブレード1013a1の断面を示す部分断面図である。
図53に示すように、複数のプロペラ1013のそれぞれは、複数のブレード1013a1を有する。本実施の形態では、複数のプロペラ1013のそれぞれは、2つのブレード1013a1を有するが、ブレード1013a1を3つ以上有していてもよく、1つ有していてもよい。
複数のブレード1013a1のそれぞれの表面には、複数の凸部1013a2が設けられる。複数の凸部1013a2は、複数のブレード1013a1の回転方向に沿って延びる縞状パターンである。複数の凸部1013a2は、複数のブレード1013a1のそれぞれの表面に、等間隔に形成される。なお、無人航空機のプロペラにおいても、プロペラ1013と同様の構成であってもよい。
[作用効果]
次に、本実施の形態における第1スラスタ装置110の作用効果について説明する。
上述したように、本実施の形態に係る第1スラスタ装置110において、複数のプロペラ1013のそれぞれは、複数のブレード1013a1を有する。複数のブレード1013a1のそれぞれの表面には、複数の凸部1013a2が設けられる。そして、複数の凸部1013a2は、複数のブレード1013a1の回転方向に沿って延びる縞状パターンである。
これによれば、第1スラスタ装置110の飛行中における風の影響を抑制することができる。このため、風が吹いている環境下でも、第1スラスタ装置110の姿勢を安定にすることができるため、所定位置に対する第1スラスタ装置110の位置合わせをより行い易くなる。
(実施の形態6)
[構成]
以下では、本実施の形態における宅配ボックス1004aの基本的な構成は、実施の形態1等の宅配ボックスの基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における宅配ボックス1004aの基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、宅配ボックス1004aが上蓋1004a2と横蓋1004a3とを有する点で実施の形態2等と相違する。
図54は、実施の形態6における宅配ボックス1004aを例示した模式図である。
図54に示すように、宅配ボックス1004aは、容器1004a1と、上蓋1004a2と、横蓋1004a3とを備える。
容器1004a1は、荷物を格納するための空間Kを画定する。容器1004a1は、荷物を格納する筐体である。容器1004a1は、直方体状であるが、荷物を格納することができれば、いかような形状あってもよい。容器1004a1の鉛直上方の上面部1004a6には、上蓋1004a2が閉じることで覆われる上面開口1004a5が形成される。容器1004a1の側面部1004a7には、横蓋1004a3が閉じることで覆われる側面開口1004a4が形成される。上面開口1004a5および側面開口1004a4は、容器1004a1の空間Kと連通する。
上蓋1004a2は、容器1004a1の上面部1004a6に設けられ、上面開口1004a5から空間K内に荷物を入れるために上面開口1004a5を開閉可能である。上蓋1004a2は、閉じたときに上面開口1004a5を覆い、開いたときに上面開口1004a5を開放する。上蓋1004a2は、容器1004a1に対して所定の軸心周りで回動可能に保持される。
横蓋1004a3は、容器1004a1の側面部1004a7に設けられ、空間K内の荷物を側面開口1004a4から取り出すために側面開口1004a4を開閉可能である。横蓋1004a3は、閉じたときに側面開口1004a4を覆い、開いたときに側面開口1004a4を開放する。横蓋1004a3は、容器1004a1に対して所定の軸心周りで回動可能に保持される。
なお、上蓋1004a2および横蓋1004a3は、容器1004a1に対して外側に向けて開く構成であるが、空間K内に向けて内側に開く構成でもよい。上蓋1004a2および横蓋1004a3は、片開きに限定されず、両開きでもよい。
[作用効果]
次に、本実施の形態に係る宅配ボックス1004aの作用効果について説明する。
上述したように、本実施の形態に係る宅配ボックス1004aは、荷物を格納するための空間Kを画定する容器1004a1と、容器1004a1の上面部1004a6に設けられ、上面開口1004a5から空間K内に荷物を入れるために上面開口1004a5を開閉可能な上蓋1004a2と、容器1004a1の側面部1004a7に設けられ、空間K内の荷物を側面開口1004a4から取り出すために側面開口1004a4を開閉可能な横蓋1004a3とを備える。
これによれば、荷物を宅配ボックス1004aの上方から宅配ボックス1004aの空間K内に入れることができ、空間Kに格納された荷物を宅配ボックス1004aの側方から取り出すことができる。このため、荷物を容易に取り出すことができる。
(実施の形態7)
[構成]
以下では、本実施の形態におけるシステム1101に含まれる宅配ボックス1004bの基本的な構成は、実施の形態6等の宅配ボックスの基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における宅配ボックス1004bの基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、宅配ボックス1004bが穴部1004a8等を有する点で実施の形態6等と相違する。
図55は、実施の形態7におけるシステム1101の宅配ボックス1004bの上面図である。図56は、実施の形態7におけるシステム1101の昇降装置1001gが荷物を降ろす様子を例示した模式図である。図56のaは、昇降装置1001gが宅配ボックス1004bの鉛直上方から降下する様子を示し、図56のbは、昇降装置1001gの凸部1004g1が宅配ボックス1004bの穴部1004a8に挿入され、昇降装置1001gが宅配ボックス1004bに接続された様子を示す。昇降装置1001gは、スラスタ装置の一例である。
図55および図56に示すように、本実施の形態のシステム1101は、宅配ボックス1004bと、昇降装置1001gとを備える。
宅配ボックス1004bは、容器1004a1、上蓋1004b2、および、横蓋の他に、穴部1004a8と、開閉部とを備える。穴部1004a8は、容器1004a1の上面部に設けられた、凸部1004g1を挿入可能である。穴部1004a8は、上面部に形成される凹部であるが、例えばねじ穴であってもよい。穴部1004a8は、鉛直上方から容器1004a1を見て、容器1004a1の角部に形成される。
上蓋1004b2は、空間内(内側)に向けて開く内開きであり、かつ、両開きである。なお、上蓋1004b2は、片開きであってもよい。
開閉部は、穴部1004a8に凸部1004g1が挿入されたときに上蓋1004b2を空ける機構である。開閉部は、アクチュエータなどの機械式の機構であってもよく、穴部1004a8に挿入された凸部1004g1を検知することで上蓋1004b2を開く電動式の機構であってもよい。
昇降装置1001gは、荷物に着脱可能に取り付けられ、宅配ボックス1004bの鉛直上方から降下可能である。昇降装置1001gは、穴部1004a8が挿入されることで係合する凸部1004g1を有する。昇降装置1001gは、例えば上述した、無人航空機、スラスタ装置等である。本実施の形態では、昇降装置1001gは、スラスタ装置を例示している。
凸部1004g1は、昇降装置1001gの下端面から下方に突出する。凸部1004g1は、例えば、ねじ、単なる脚でもよく、穴部1004a8に挿入可能であればよい。
図56のaで示すように、昇降装置1001gは、宅配ボックス1004bの鉛直上方から宅配ボックス1004bに向けて降下する際に、凸部1004g1と宅配ボックス1004bの穴部1004a8とが鉛直方向で一致するように移動する。昇降装置1001gは、凸部1004g1を穴部1004a8に挿入させることで、宅配ボックス1004bの上面部と位置合わせされる。これにより、宅配ボックス1004bの上面開口を覆うように、昇降装置1001gが宅配ボックス1004bの上面部に接続される。そして、昇降装置1001gは、荷物を切離して、荷物を宅配ボックス1004bの空間に格納する。
[作用効果]
次に、本実施の形態におけるシステム1101の作用効果について説明する。
上述したように、本実施の形態に係るシステム1101は、宅配ボックス1004bと、荷物に着脱可能に取り付けられ、宅配ボックス1004bの鉛直上方から降下可能な昇降装置1001gと、を備えるシステム1101である。そして、昇降装置1001gは、凸部1004g1を有する。そして、宅配ボックス1004bは、上面部に設けられた、凸部1004g1を挿入可能な穴部1004a8と、穴部1004a8に凸部1004g1が挿入されたときに上蓋1004b2を空ける機構とを有する。
これによれば、昇降装置1001gが荷物を宅配ボックス1004bに格納する際に、凸部1004g1を穴部1004a8に挿入することで、宅配ボックス1004bの上面開口に対して昇降装置1001gを位置合わせすることができる。このため、宅配ボックス1004bの空間に荷物を確実に格納することができる。
(実施の形態8)
[構成]
以下では、本実施の形態における無人航空機1105の基本的な構成は、実施の形態1等の無人航空機の基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における無人航空機1105の基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、無人航空機1105が第1アーム1121および第2アーム1122を有する点で実施の形態3等と相違する。
図57は、実施の形態8における無人航空機1105を例示した模式図である。
無人航空機1105は、複数の回転翼1112と、複数の回転翼1112をそれぞれ回転させる複数のモータ1113と、複数のモータ1113を支持する本体1111と、接続体1120とを備える。
接続体1120は、本体1111を吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレールに接続する。接続体1120は、固定部1123と、第1アーム1121と、第2アーム1122と、第1アクチュエータ1122aと、第2アクチュエータ1122bと、制御部1124とを有する。接続体1120は、上述の接続体1120と同様の構成を有するため、同様の構成については適宜説明を省略する。
固定部1123は、第1アーム1121および第2アーム1122を回動可能に支持し、無人航空機1105の本体1111に接続されて固定されている。固定部1123は、側面視で逆T字状をなしている。
固定部1123は、モータ1113の並び方向に延びる第1ベース部1123aと、第1アーム1121と第2アーム1122との間に配置される第2ベース部1123bとを有する。第2ベース部1123bは、第1ベース部1123aから上方に向かって延び、かつ、後述する第1領域R1と第2領域R2を隔てる。具体的には、第2ベース部1123bは、第1ベース部1123aの中心部分から第1アーム1121および第2アーム1122のそれぞれの先端部(後述する第1アーム1121の他端および第2アーム1122の他端)まで立ち上がるように延びる。固定部1123は、仕切部の一例である。
第1アーム1121および第2アーム1122は、無人航空機1105をレールに吊下げるためのハンガである。第1アーム1121および第2アーム1122は、互い違いとなるように固定部1123に配置される。
具体的には、第1アーム1121は、一端が固定部1123に接続され、他端が固定部1123に対して開閉する。第2アーム1122も、一端が固定部1123に接続され、他端が固定部1123に対して開閉する。第1アーム1121の一端は、第1ベース部1123aの一端に回動可能に固定され、第2アーム1122の一端は、第1ベース部1123aの他端に回動可能に固定される。第1アーム1121の他端および第2アーム1122の他端は、第2ベース部1123bの先端を挟むように、当該先端と当接および離間可能である。
第1アーム1121が第2ベース部1123bの先端と当接する閉状態では、第1アーム1121と固定部1123とによって囲まれる第1領域R1が形成される。第2アーム1122が第2ベース部1123bの先端と当接する閉状態では、第2アーム1122と固定部1123とによって囲まれる第2領域R2が形成される。第1領域R1は、第2領域R2と離れ、第2ベース部1123bによって区切られる。
第1アクチュエータ1122aは、第1アーム1121を開閉させる。第2アクチュエータ1122bは、第2アーム1122を開閉させる。第1アクチュエータ1122aは、第1アーム1121の一端に接続されて、第1アーム1121を回動させる。第2アクチュエータ1122bは、第2アーム1122の一端に接続されて、第2アーム1122を回動させる。
制御部1124は、第1アクチュエータ1122aと第2アクチュエータ1122bとを制御する。制御部1124は、第1アクチュエータ1122aおよび第2アクチュエータ1122bを制御することで、第1レール(レールの一例)に接続されている接続体1120を第1レールとは別の第2レール(レールの一例)に切り替える。制御部1124は、第1アクチュエータ1122aおよび第2アクチュエータ1122bを制御することで、第2レールに接続されている接続体1120を第1レールに切り替える。
制御部1124は、第1アーム1121と第2アーム1122の少なくとも一方が閉状態となるように第1アクチュエータ1122aおよび第2アクチュエータ1122bを制御する。
具体的には、制御部1124は、第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する指示を受けた場合、第2アーム1122が閉状態にあるか否かを判定する。制御部1124は、第2アーム1122が閉状態にある場合には、第1アーム1121を開状態に変更させる。第2アーム1122が閉状態にある場合、第2領域R2が閉じられた領域となるため、第2領域R2に第2レールが配置されていれば、無人航空機1105は、第2レールに接続されているため、第2レールからの落下が抑制される。
一方、制御部1124は、第2アーム1122が開状態にある場合には、第1アーム1121を閉状態のまま維持させる。第2アーム1122が開状態にある場合、第2領域R2が開放された領域となっているため、無人航空機1105は、第2レールに接続されておらず、閉状態の第1アーム1121に第1レールが接続されて保持されている。このため、制御部1124は、第1アーム1121を開状態にせず、閉状態を維持させる。これにより、無人航空機1105は、第1レールに接続されて保持されるため、第1レールからの落下が抑制される。
具体的には、制御部1124は、第2アーム1122を閉状態から開状態に変更する指示を受けた場合、第1アーム1121が閉状態にあるか否かを判定する。制御部1124は、第1アーム1121が閉状態にある場合には、第2アーム1122を開状態に変更させる。第1アーム1121が閉状態にある場合、第1領域R1が閉じられた領域となるため、第1領域R1に第1レールが配置されていれば、無人航空機1105は、第1レールに接続されて保持されるため、第1レールからの落下が抑制される。
一方、制御部1124は、第1アーム1121が開状態にある場合には、第2アーム1122を閉状態のまま維持させる。第1アーム1121が開状態にある場合、第1領域R1が開放された領域となっているため、無人航空機1105は、第1レールに接続されておらず、閉状態の第2アーム1122に第2レールが接続されて保持されている。このため、制御部1124は、第2アーム1122を開状態にせず、閉状態を維持させる。これにより、無人航空機1105は、第2レールに接続されて保持されるため、第2レールからの落下が抑制される。
制御部1124は、第1アーム1121が閉状態にあるか否か、第2アーム1122が閉状態にあるか否かを判定する手段は、第1アクチュエータ1122aおよび第2アクチュエータ1122bに出力する指示などの有無、第1アクチュエータ1122aおよび第2アクチュエータ1122bの可動状態などによって判定できる。第1アーム1121および第2アーム1122の開閉状態を検知するセンサなどを設けることで、第1アーム1121が閉状態にあるか否か、第2アーム1122が閉状態にあるか否かを制御部1124が判定してもよい。
[動作]
次に、本実施の形態における無人航空機1105の動作について説明する。
図58は、実施の形態8における無人航空機1105の第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する動作を例示するフローチャートである。
図58に示すように、制御部1124は、第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する指示を取得する(S1110)。この指示は、例えば、第2アーム1122に第2レールが接続されている場合、第2レールから第1レールに接続を切り替える際に、制御部1124が取得する。
次に、制御部1124は、第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する指示を受けた場合、第2アーム1122が閉状態にあるか否かを判定する(S1111)。
制御部1124は、第2アーム1122が閉状態にある場合(S1111でYES)、第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する(S1112)。制御部1124は、第1アクチュエータ1122aを制御することで、第1アーム1121を第2ベース部1123bの先端部から遠ざける様(時計回り)に回動させて、第1アーム1121を開状態にする。この場合、開放された第1領域R1に第1レールを配置させることができる。そして、制御部1124は、第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する動作の処理を終了する。
一方、制御部1124は、第2アーム1122が開状態にある場合(S1111でNO)、第1アーム1121を閉状態のまま維持させる。そして、制御部1124は、第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する動作の処理を終了する。
本実施の形態における無人航空機1105は、以下の図59に示す動作をしてもよい。以下の図59の動作について、図58と同様の処理については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
図59は、実施の形態8における無人航空機1105の第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する別の動作を例示するフローチャートである。
図58に示すように、制御部1124は、ステップS1110、S1111の処理を経て、第2アーム1122が開状態にある場合(S1111でNO)、第2アーム1122を開状態から閉状態に変更する(S1113)。制御部1124は、第2アクチュエータ1122bを制御することで、第2アーム1122を第2ベース部1123bの先端部に近付ける様(時計回り)に回動させて、第2アーム1122を閉状態にする。この場合、閉じられた第2領域R2に第2レールを配置させることもできる。そして、制御部1124は、ステップS1112に進み、第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する動作の処理を終了する。
なお、図58および図59では、第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する指示の場合について説明したが、第2アーム1122を閉状態から開状態に変更する指示の場合についても同様であるため、説明を省略する。
[作用効果]
次に、本実施の形態における無人航空機1105の作用効果について説明する。
上述したように、本実施の形態に係る無人航空機1105は、複数の回転翼1112と、複数の回転翼1112をそれぞれ回転させる複数のモータ1113と、複数のモータ1113を支持する本体1111と、本体1111を吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレールに接続するための接続体1120とを備える。接続体1120は、固定部1123と一端が固定部1123に接続され、他端が固定部1123に対して開閉する第1アーム1121と、一端が固定部1123に接続され、他端が固定部1123に対して開閉する第2アーム1122と、第1アーム1121を開閉させる第1アクチュエータ1122aと、第2アーム1122を開閉させる第2アクチュエータ1122bと、第1アクチュエータ1122aと第2アクチュエータ1122bとを制御する制御部1124とを有する。そして、閉状態の第1アーム1121と固定部1123とによって囲まれる第1領域R1は、閉状態の第2アーム1122と固定部1123とによって囲まれる第2領域R2と離れている。
これによれば、無人航空機1105の第1アーム1121がレールである第1レールに接続されているとき、第2アーム1122を第2レールに接続した後に、第1アーム1121を第1レールから外すことができる。このため、無人航空機1105は、第1レールから別のレールである第2レールに接続を切り替えて移動することができる。
本実施の形態に係る無人航空機1105において、少なくとも1つの接続体のそれぞれは、固定部1123と、一端が固定部1123に接続され、他端が固定部1123に対して開閉する第1アーム1121と、一端が固定部1123に接続され、他端が固定部1123に対して開閉する第2アーム1122と、第1アーム1121を開閉させる第1アクチュエータ1122aと、第2アーム1122を開閉させる第2アクチュエータ1122bとを含み、制御部1124は、第1アクチュエータ1122aと第2アクチュエータ1122bとを制御し、第1アーム1121は、第2アーム1122に対して、第1方向の前方に位置している。
これによれば、無人航空機1105の第1アーム1121が第1レール7aに接続されているとき、第2アーム1122を別のレールである第2レール7bに接続した後に、第1アーム1121を第1レール7aから外すことができる。このため、無人航空機1105は、第1レール7aから第2レール7bに接続を切り替えて移動する(乗り換える)ことができる。
本実施の形態に係る無人航空機1105において、閉状態の第1アーム1121と固定部1123とによって囲まれる第1領域R1は、閉状態の第2アーム1122と固定部1123とによって囲まれる第2領域R2と離れている。
これによれば、1つの接続体で2つのレールに同時に接続することができる。このため、無人航空機1105の姿勢を安定化させることができる。
本実施の形態に係る無人航空機1105において、固定部1123は、本体1111から上方に向かって延び、かつ、第1領域R1と第2領域R2を隔てる仕切部を有する。
これによれば、1つの接続体1120で2つのレールに接続することができる。このため、2つの接続体1120を用いる場合よりも、接続体1120の姿勢を保持することができる。
本実施の形態に係る無人航空機1105において、制御部1124は、第1アーム1121および第2アーム1122の少なくとも一方が閉状態となるように、第1アクチュエータ1122aおよび第2アクチュエータ1122bを制御する。
これによれば、閉状態となった第1領域R1および第2領域R2の少なくとも一方にレールが配置されていれば、無人航空機1105をレールに確実に吊下げることができる。
本実施の形態に係る無人航空機1105において、制御部1124は、第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する指示を受けた場合、第2アーム1122が閉状態にあるか否かを判定する。制御部1124は、第2アーム1122が閉状態にある場合には、第1アーム1121を開状態に変更させる。そして、制御部1124は、第2アーム1122が開状態にある場合には、第1アーム1121を閉状態のまま維持させる。
これによれば、閉状態の第2アーム1122に第2レールが接続されている場合、第1アーム1121に第1レールを接続することができる。第2アーム1122が開状態の場合、閉状態の第1アーム1121に第1レールが接続されていれば、第1アーム1121を開状態とせずに、第1アーム1121の閉状態を維持することができる。このように、無人航空機1105を確実にレールに吊下げることができるため、無人航空機1105の落下を抑制することができる。
本実施の形態に係る無人航空機1105において、制御部1124は、第2アーム1122を閉状態から開状態に変更する指示を受けた場合、第1アーム1121が閉状態にあるか否かを判定する。当該指示を受けた場合、制御部1124は、第1アーム1121が閉状態にある場合には、第2アーム1122を開状態に変更させる。そして、当該指示を受けた場合、制御部1124は、第1アーム1121が開状態にある場合には、第2アーム1122を閉状態のまま維持させる。
これによれば、閉状態の第1アーム1121に第1レールが接続されている場合、第2アーム1122に第2レールを接続することができる。第1アーム1121が開状態の場合、閉状態の第2アーム1122に第2レールが接続されていれば、第2アーム1122を開状態とせずに、第2アーム1122の閉状態を維持することができる。このように、無人航空機1105を確実にレールに吊下げることができるため、無人航空機1105の落下を抑制することができる。
(実施の形態8の変形例1)
以下では、本変形例における無人航空機1105の基本的な構成は、実施の形態8等の無人航空機の基本的な構成と同様であるため、本変形例における無人航空機1105の基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、無人航空機1105の接続体1120が軸心O周りで回動する点で実施の形態8等と相違する。
図60は、実施の形態8の変形例1における無人航空機1105を例示した模式図である。図60のaは、無人航空機1105の第2アーム1122を開状態にした場合を例示し、図60のbは、無人航空機1105の第2アーム1122を開状態にした場合に、軸心O周りで接続体1120が回動した場合を例示する。
制御部1124は、複数のモータ1113の回転速度を制御する。具体的には、制御部1124は、第1アーム1121が開状態であり、第2アーム1122が閉状態であり、かつ、第2アーム1122が第2領域R2を通るレールに吊下がっている場合、複数のモータ1113のうち、第1アーム1121に最も近い第1モータ1113aの第1回転速度を、第2アーム1122に最も近い第2モータ1113bの第2回転速度よりも大きくする。
制御部1124は、第2アーム1122が開状態であり、第1アーム1121が閉状態であり、かつ、第1アーム1121が第1領域R1を通るレールに吊下がっている場合、複数のモータ1113のうち、第2アーム1122に最も近い第2モータ1113bの第2回転速度を、第1アーム1121に最も近い第1モータ1113aの第1回転速度よりも大きくする。
制御部1124は、第1アーム1121又は第2アーム1122の回動によって重心がズレることによる、無人航空機1105の姿勢の傾きを補正するように、重心がズレた側(開状態の第1アーム1121側又は第2アーム1122側)に浮力を付加することで、無人航空機1105の姿勢を略水平に保つ。
接続体1120は、本体1111に対する固定部1123の角度を変更する第3アクチュエータ1122cをさらに有する。本体1111に対する固定部1123の角度とは、本体1111に対する固定部1123の姿勢を示し、本体1111の表面(例えば水平面に平行な面)に対する固定部1123の第2ベース部1123bの延びる方向(長さ方向)の角度である。
制御部1124は、さらに、第3アクチュエータ1122cを制御する。具体的には、制御部1124は、第1アーム1121が開状態であり、第2アーム1122が閉状態であり、かつ、第2アーム1122が第2領域R2を通るレールに吊下がっている場合、第3アクチュエータ1122cを介して、第2領域R2が本体1111の中心の直上に位置するように角度を変更させる。
制御部1124は、第2アーム1122が開状態であり、第1アーム1121が閉状態であり、かつ、第1アーム1121が第1領域R1を通るレールに吊下がっている場合、第3アクチュエータ1122cを介して、第1領域R1が本体1111の中心の直上に位置するように角度を変更させる。
制御部1124は、第3アクチュエータ1122cによって無人航空機1105の本体1111に対して固定部1123を傾かせた姿勢にすることで、例えば、第1アーム1121だけが開状態であれば第1領域R1から第1レール71を離間させたり、第2アーム1122だけが開状態であれば第2領域R2から第2レール72を離間させたりする。
このような、本変形例に係る無人航空機1105において、制御部1124は、さらに、複数のモータ1113の回転速度を制御する。第1アーム1121が開状態、第2アーム1122が閉状態であって、かつ、第2アーム1122が第2領域R2を通るレールに吊下がっている場合、制御部1124は、複数のモータ1113のうち、第1アーム1121に最も近い第1モータ1113aの第1回転速度を、第2アーム1122に最も近い第2モータ1113bの第2回転速度よりも大きくする。または、第2アーム1122が開状態、第1アーム1121が閉状態であって、かつ、第1アーム1121が第1領域R1を通るレールに吊下がっている場合、制御部1124は、複数のモータ1113のうち、第2アーム1122に最も近い第2モータ1113bの第2回転速度を、第1アーム1121に最も近い第1モータ1113aの第1回転速度よりも大きくする。
これによれば、第2アーム1122が閉状態であり、第1アーム1121が開状態であれば、第1アーム1121の重みによって第1アーム1121側に重心が移動する。このため、第1アーム1121側の第1モータ1113aの第1回転速度を第2アーム1122側の第2モータ1113bの第2回転速度よりも大きくすることで、第1アーム1121側にズレた重心分の重みに相当する浮力を、無人航空機1105に付与することができる。
第1アーム1121が閉状態であり、第2アーム1122が開状態の場合も同様であり、第2アーム1122の重みによって第2アーム1122側に重心が移動する。このため、第2アーム1122側の第2モータ1113bの第2回転速度を第1アーム1121側の第1モータ1113aの第1回転速度よりも大きくすることで、第2アーム1122側にズレた重心分の重みに相当する浮力を、無人航空機1105に付与することができる。
このため、この無人航空機1105では、重心が無人航空機1105の本体1111の中心からズレても、無人航空機1105の本体1111の姿勢を水平方向と略平行に保つことができる。
本変形例における無人航空機1105において、接続体1120は、本体1111に対する固定部1123の角度を変更する第3アクチュエータ1122cをさらに有し、制御部1124は、さらに、第3アクチュエータ1122cを制御し、第1アーム1121が開状態、第2アーム1122が閉状態であって、かつ、第2アーム1122が第2領域R2を通るレールに吊下がっているとき、制御部1124は、第3アクチュエータ1122cを介して、第2領域R2が本体1111の中心の直上に位置するように角度を変更させ、または、第2アーム1122が開状態、第1アーム1121が閉状態であって、かつ、第1アーム1121が第1領域R1を通るレールに吊下がっている場合、制御部1124は、第3アクチュエータ1122cを介して、第1領域R1が本体1111の中心の直上に位置するように角度を変更させる。
これによれば、第1アーム1121が開状態であり、第2レール72に吊下がった第2アーム1122が閉状態であれば、無人航空機1105の本体1111に対する固定部1123の姿勢(角度)を変更するだけで、第1領域R1に存在していた第1レール71を第1領域R1の外側に開放することができる。
第2アーム1122が開状態であり、第1レール71に吊下がった第1アーム1121が閉状態であれば、無人航空機1105の本体1111に対する固定部1123の姿勢(角度)を変更するだけで、第2領域R2に存在していた第2レール72を第2領域R2の外側に開放することができる。
このように、当該本体1111に対する固定部1123を傾かせるだけで、第1レール71を接続体1120から切り離したり、第2レール72を接続体1120から切り離したりすることが容易にできる。第1レール71に接続されている接続体1120を第2レール72に切り替えたり、第2レール72に接続されている接続体1120を第1レール71に切り替えたりすることも容易にできる。
(実施の形態8の変形例2)
以下では、本変形例におけるシステム1102が有する無人航空機1105およびレールの基本的な構成は、実施の形態8等の無人航空機およびレールの基本的な構成と同様であるため、本変形例における無人航空機1105およびレールの基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、レールに情報が付加されている点で実施の形態8等と相違する。
図61は、実施の形態8の変形例2における無人航空機1105およびレール7のシステム1102を例示した模式図である。図61のaは、レール7に所定の情報を含む凹凸部分400a1が設けられており、図61のbは、レール7に所定の情報を含むマーカ400a2が付されている。図61のbでは、二点鎖線で示す無人航空機1105からレール7の下面側を見た様子を例示している。
図61に示すように、システム1102は、無人航空機1105と、レール7とを備える。
レール7は、図61のaに示すように、所定の情報を含む凹凸部分400a1が設けられている。無人航空機1105の接続体1119a1と接触するレール7の上面部分に、凹凸部分400a1が設けられている。なお、接続体1119a1が凹凸部分400a1に示される所定の情報を読み取ることができればよいため、凹凸部分400a1は、レール7の上面以外に形成されていてもよく、場所は限定されない。無人航空機1105は、レール7を移動する際に、凹凸部分400a1を通過するため、凹凸部分400a1の形状から、所定の情報を読み取る。所定の情報は、接続体1119a1または無人航空機1105の本体1111に設けられたセンサ1118によって読み取られる。所定の情報は、例えば、住所、位置情報等の情報である。なお、センサ1118は、接続体1119a1のアームに設けられていてもよい。
レール7は、図61のbに示すように、所定の情報を含むマーカ400a2が設けられていてもよい。無人航空機1105の接続体1119a1と接触するレール7の下面部分に、マーカ400a2が設けられている。なお、接続体1119a1がマーカ400a2に示される所定の情報を読み取ることができればよいため、マーカ400a2は、レール7の下面以外に形成されていてもよく、場所は限定されない。無人航空機1105は、レール7を移動する際に、マーカ400a2を通過するため、マーカ400a2の模様から、所定の情報を読み取る。所定の情報は、接続体1119a1または無人航空機1105の本体1111に設けられたセンサ1118によって読み取られる。所定の情報は、例えば、住所、位置情報等の情報である。
このような、本変形例におけるシステム1102は、無人航空機1105と、レール7とを備えるシステム1102であって、レール7には、所定の情報を含むマーカ400a2が設けられている。
これによれば、レール7に付されたマーカ400a2が示す所定の情報を無人航空機1105が読み取ることができる。例えば、所定の情報には、住所、位置情報等の情報を含ませることで、より正確に荷物を所定位置に配送することができるようになる。
本変形例におけるシステム1102は、無人航空機1105と、レール7とを備えるシステム1102であって、レール7には、所定の情報を含む凹凸部分400a1が設けられている。
これによれば、無人航空機1105がレール7を移動する際に、レール7に付された凹凸部分400a1から、所定の情報を取得することができる。例えば、所定の情報には、住所、位置情報等の情報を含ませることで、より正確に荷物を所定位置に配送することができるようになる。
(実施の形態9)
[構成]
以下では、本実施の形態における無人航空機1106の基本的な構成は、実施の形態1等の無人航空機(ドローン)の基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における無人航空機1106の基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、無人航空機1106の本体1106aがレール7の傾きに応じて姿勢を変更する点で実施の形態3等と相違する。
図62は、実施の形態9における無人航空機1106を例示した模式図である。図62のaは、無人航空機1106の本体1106aが仮想平面V2に対して水平方向と平行となる姿勢であり、支持方向に対して仮想平面V2の法線方向がなす角度が0°の場合を示す。図62のbは、無人航空機1106の本体1106aが仮想平面V2に対して水平方向から所定角度傾いた姿勢であり、支持方向に対して仮想平面V2の法線方向がなす角度が所定角度の場合を示す。図62のcは、無人航空機1106の本体1106aが仮想平面V2に対して水平方向と垂直になる姿勢であり、支持方向に対して仮想平面V2の法線方向がなす角度が90°の場合を示す。
図62に示すように、無人航空機1106は、複数の回転翼1112と、複数の回転翼1112をそれぞれ回転させる複数のモータと、複数のモータを支持する本体1106aと、接続体1130と、アクチュエータ1133と、複数のモータおよびアクチュエータ1133を制御する制御部1134と、センサ1135とを備える。
接続体1130は、本体1106aを吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレール7に接続する。接続体1130は、本体1106aに接続された第1端と、レール7にスライド自在に接続するための第2端とを有する。
アクチュエータ1133は、図62のaからcに示すように、接続体1130がレール7に支持されたときの支持方向に対して、複数の回転翼1112を含む仮想平面V2の法線方向がなす角度を変化させる。支持方向は、接続体1130の第1端から第2端に向かう方向である。
センサ1135は、レール7の傾きを検知する。レール7の傾きは、水平方向に対するレール7の傾きであり、特に水平方向に対するレール7の上面の傾きである。センサ1135は、検知したレール7の傾きを示すレール傾き情報を制御部1134に出力する。
制御部1134は、第1モードと第2モードと第3モードとを有する。
図62のaに示すように、第1モードは、アクチュエータ1133を介して、仮想平面V2の法線方向を支持方向に一致させる。図62のcに示すように、第2モードは、アクチュエータ1133を介して、仮想平面V2の法線方向を支持方向に直交させる。第3モードは、図62のbに示すように、アクチュエータ1133を介して、角度θを、10度以上、かつ、30度以下にする。
図63は、実施の形態9における無人航空機1106がレール7を移動する様子を例示した模式図である。図63のaからcでは、水平方向に対するレール7の傾き(レール7の長さ方向)と仮想平面V2の法線とが平行であることを示す。図63のaでは、上り傾斜するレール7i1を走行する無人航空機1106を示し、図63のbでは、水平方向と平行なレール7i2を走行する無人航空機1106を示し、図63のcでは、下り傾斜するレール7i3を走行する無人航空機1106を示す。
制御部1134は、図63に示すように、センサ1135から取得したレール傾き情報に示されるレール7の傾きに応じて、角度を変化させる。具体的には、制御部1134は、アクチュエータ1133を介して、仮想平面V2の法線方向をレール7の傾きに一致させる。
図64は、実施の形態9における無人航空機1106の前進時と逆走時とを示す様子を例示した模式図であり、変形例1、2における無人航空機1106の逆走時を示す様子を例示した模式図である。図64のaは、無人航空機1106の本体1106aを支持方向に対して傾かせた場合に無人航空機1106を前進させる様子を例示している。図64のbは、図64のaの状態から、第1モータ1136aおよび第2モータ1136bを逆回転させることで、無人航空機1106を逆走させる様子を例示している。図64のcは、図64のbの状態から、支持方向に対して無人航空機1106の本体1106aの傾きを反対にし、さらに、第1モータ1136aおよび第2モータ1136bをさらに逆回転(第1モータ1136aおよび第2モータ1136bの回転方向を元に戻す)することで、無人航空機1106を逆走させる様子を例示している。
図64のaに示すように、制御部1134は、無人航空機1106をレール7に沿って第1方向に推進させる第1指示を取得した場合、仮想平面V2の法線方向を、支持方向から第1方向に傾斜させる。ここで、第1方向は、無人航空機1106を前進させる場合であり、第2方向は、第1方向の反対である。この指示を取得した場合、制御部1134は、複数のモータのうち、本体1106aの中心よりも第1方向に位置する第1モータ1136aのプロペラを第1回転方向に回転させる。さらに、この指示を取得した場合、制御部1134は、複数のモータのうち、本体1106aの中心よりも第2方向に位置するに第2モータ1136bのプロペラを第2回転方向に回転させる。ここで、第2回転方向は、第1回転方向の反対である。これにより、無人航空機1106は、前進する。
図64のbに示すように、制御部1134は、無人航空機1106をレール7に沿って第2方向に推進させる第2指示を取得した場合、第1モータ1136aのプロペラを第2回転方向に回転させ、かつ、第2モータ1136bのプロペラを第1回転方向に回転させる。制御部1134は、第1モータ1136aおよび第2モータ1136bの回転方向を逆にすることで、無人航空機1106をレール7に沿って逆走させる。第1指示および第2指示は、例えば、飛行状態を管理する管理部から送信されることで取得したり、目的地点に向かうための現在位置を検知するセンサ1135などに基づいて取得したりする。
図64のcに示すように、制御部1134は、第2指示を取得した場合、さらに、アクチュエータ1133を介して、仮想平面V2の法線方向を、支持方向から第1方向に傾斜させる。制御部1134は、仮想平面V2の法線方向が支持方向に対して第2方向側に傾斜していた無人航空機1106の本体1106aの姿勢を、その反対側の、仮想平面V2の法線方向が支持方向に対して第1方向側に傾斜させる。制御部1134は、第1モータ1136aおよび第2モータ1136bをさらに逆回転させる、第1モータ1136aを第1回転方向および第2モータ1136bを第1回転方向に回転させる。これにより、無人航空機1106は逆走する。
[変形例1]
図64のdは、図64のaの状態から、支持方向を軸心とした回転方向に沿って固定部1132を回転させることで、無人航空機1106を逆走させる様子を例示している。図64のdは、本実施の形態の図64のaからcの変形例である。
接続体1130は、本体1106aに接続された固定部1132と、レール7に接続されるアーム1131と、第2アクチュエータとを有する。なお、接続体1130は、さらに上記それぞれの実施の形態の構成を有していてもよい。
第2アクチュエータは、固定部1132とアーム1131との間に配置され、支持方向を回転軸の軸心として回転可能である。
図64のdに示すように、制御部1134は、無人航空機1106をレール7に沿って第2方向に推進させる第2指示を取得した場合、第2アクチュエータを介して、支持方向を回転軸として本体1106aの向きを反転させる。
このような、本変形例における無人航空機1106では、支持方向を回転軸の軸心として、固定部1132がアーム1131に対して回転することで、支持方向に対して無人航空機1106の本体1106aの傾きを反転させることができる。これにより、無人航空機1106は、逆走することができる。この場合でも、荷物を配送した後は、移動してきたレール7に沿って戻ることができる。
[変形例2]
図64のeは、図64のaの状態から、接続体1130をレール7から切り離して、無人航空機1106の姿勢を水平方向に判定させることで、無人航空機1106を逆走させる様子を例示している。図64のeは、本実施の形態の図64のaからdの変形例である。
本変形例では、接続体1130は、レール7に接続され、開閉可能なアーム1131と、アーム1131を開閉させる第3アクチュエータとを有する。なお、接続体1130は、さらに上記それぞれの実施の形態の構成を有していてもよい。
図64のeに示すように、制御部1134は、無人航空機1106をレール7に沿って第2方向に推進させる第2指示を取得した場合、第3アクチュエータを介して、アーム1131を閉状態から開状態に変更させる。さらに、制御部1134は、複数のモータを制御して、支持方向を中心に本体1106aの向きを反転させる。さらに、制御部1134は、第3アクチュエータを介して、アーム1131を開状態から閉状態に変更させる。
このような、本変形例における無人航空機1106では、一端、無人航空機1106がレール7から切り離されて、無人航空機1106が方向を逆転させてから、無人航空機1106の接続体1130とレール7とを再度接続する。これにより、無人航空機1106は、逆走することができる。この場合でも、荷物を配送した後は、移動してきたレール7に沿って戻ることができる。
[作用効果]
次に、本実施の形態に係る無人航空機1106の作用効果について説明する。
上述したように、本実施の形態に係る無人航空機1106は、複数の回転翼1112と、複数の回転翼1112をそれぞれ回転させる複数のモータと、複数のモータを支持する本体1106aと、本体1106aを吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレール7に接続するための接続体1130と、接続体1130がレール7に支持されたときの支持方向に対して、複数の回転翼1112を含む仮想平面V2の法線方向がなす角度を変化させるアクチュエータ1133と、複数のモータおよびアクチュエータ1133を制御する制御部1134と、を備え、接続体1130は、本体1106aに接続された第1端と、レール7にスライド自在に接続するための第2端とを有し、支持方向は、接続体1130の第1端から第2端に向かう方向であり、制御部1134は、第1モードにおいて、アクチュエータ1133を介して、仮想平面V2の法線方向を支持方向に一致させ、第2モードにおいて、アクチュエータ1133を介して、仮想平面V2の法線方向を支持方向に直交させる。
これによれば、制御部1134は、レール7を走行する際に、支持方向に対する無人航空機1106の本体1106aの姿勢を変更することができる。例えば、無人航空機1106がレール7を走行する場合、第2モードを実行したり、無人航空機1106がレール7から離れる場合、第1モードを実行したりすることができる。このため、無人航空機1106は、状況によって適宜飛行態様を変更することができる。
制御部1134は、第3モードにおいて、アクチュエータ1133を介して、角度を、10度以上、かつ、30度以下にする。
これによれば、レール7と支持体とが接触せずに、無人航空機1106は、レール7に沿って移動することができる。
無人航空機1106は、レール7の傾きを検知するセンサ1135をさらに備え、制御部1134は、レール7の傾きに応じて、角度を変化させる。
これによれば、レール7が水平方向に対して傾斜している場合でも、無人航空機1106は、傾斜したレール7に沿って移動することができる。
制御部1134は、アクチュエータ1133を介して、仮想平面V2の法線方向をレール7の傾きに一致させる。
これによれば、接続体1130がレール7に沿って移動することができるようになるため、レール7と支持体とが接触することを抑制することができる。
制御部1134は、無人航空機1106をレール7に沿って第1方向に推進させる第1指示を受け取った場合、仮想平面V2の法線方向を、支持方向から第2方向に傾斜させ、複数のモータのうち、本体1106aの中心よりも第1方向に位置する第1モータ1136aの回転翼1112を第1回転方向に回転させ、複数のモータのうち、本体1106aの中心よりも第2方向に位置するに第2モータ1136bの回転翼1112を第2回転方向に回転させ、第2方向は、第1方向の反対であり、第2回転方向は、第1回転方向の反対である。
これによれば、支持方向に対する無人航空機1106の本体1106aに対する姿勢を所望の状態に維持しながら、前進することができる。
制御部1134は、無人航空機1106をレール7に沿って第2方向に推進させる第2指示を取得した場合、第1モータ1136aの回転翼1112を第2回転方向に回転させ、第2モータ1136bの回転翼1112を第1回転方向に回転させる。
これによれば、第1モータ1136aおよび第2モータ1136bを逆回転させることで、無人航空機1106は、逆走することができる。例えば、荷物を配送した後は、移動してきたレール7に沿って戻ることができる。
制御部1134は、第2指示を取得した場合、さらに、アクチュエータ1133を介して、仮想平面V2の法線方向を、支持方向から第1方向に傾斜させ、第1モータ1136aの回転翼1112を第1回転方向に回転させ、第2モータ1136bの回転翼1112を第2回転方向に回転させる。
これによれば、支持方向に対して無人航空機1106の本体1106aの傾きを反対にすることができる。仮想平面V2の法線方向が支持方向に対して第2方向側から第1方向側に傾く。これにより、無人航空機1106は、逆走することができる。例えばこの場合でも、荷物を配送した後は、移動してきたレール7に沿って戻ることができる。
接続体1130は、本体1106aに接続された固定部1132と、レール7に接続されるアーム1131と、固定部1132とアーム1131との間に配置され、支持方向を回転軸として回転可能な第2アクチュエータとを有し、制御部1134は、無人航空機1106をレール7に沿って第2方向に推進させる第2指示を取得した場合、第2アクチュエータを介して、支持方向を回転軸として本体1106aの向きを反転させる。
これによれば、支持方向を回転軸として固定部1132がアーム1131に対して回転することで、支持方向に対して無人航空機1106の本体1106aの傾きを反転対称にすることができる。これにより、無人航空機1106は、逆走することができる。例えばこの場合でも、荷物を配送した後は、移動してきたレール7に沿って戻ることができる。
接続体1130は、レール7に接続され、開閉可能なアーム1131と、アーム1131を開閉させる第3アクチュエータとを有し、制御部1134は、無人航空機1106をレール7に沿って第2方向に推進させる第2指示を取得した場合、第3アクチュエータを介して、アーム1131を閉状態から開状態に変更させ、複数のモータを制御して、支持方向を中心に本体1106aの向きを反転させ、第3アクチュエータを介して、アーム1131を開状態から閉状態に変更させる。
これによれば、一端、無人航空機1106がレール7から切り離されて、無人航空機1106が向きを反転させて、無人航空機1106の接続体1130とレール7とを再度接続する。例えばこの場合でも、荷物を配送した後は、移動してきたレール7に沿って戻ることができる。
(実施の形態9の変形例1)
以下では、本変形例における無人航空機1106の基本的な構成は、実施の形態9等の無人航空機の基本的な構成と同様であるため、本変形例における無人航空機1106および接続体1150の基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、接続体1150にローラ1154が設けられている点で実施の形態9等と相違し、ローラ1154に凹部1154aが形成されている点で実施の形態4の変形例1等と相違する。
図65は、実施の形態9の変形例1における無人航空機1106の接続体1150を例示した模式図である。
本変形例の接続体1150は、レール7に接続されるアーム1131と、アーム1131の内周面に設けられ、レール7に回転可能に接触するローラ1154と、モータ1159とを有する。なお、接続体1150は、モータ1159を有していなくてもよく、モータ1159は、接続体1150の必須の構成要件ではない。
アーム1131は、レール7に接続される第1アーム1152と、第1アーム1152の開口部1152bを開放または閉鎖する第2アーム1158とを有する。第2アーム1158は、モータ1159によってスライド移動させられる。
ローラ1154は、レール7に回転自在に接触するための車輪であり、第1アーム1152に回転可能に設けられる。具体的には、ローラ1154は、第1アーム1152の内周側の切欠き部1152aに設けられた回転軸1153に軸支され、回転軸1153を軸心として回動する。回転軸1153は、両端が第1アーム1152に固定される。
ローラ1154は、レール7をガイドするように、回転軸1153の回転方向(周方向)に沿って凹む凹部1154aを有する。凹部1154aは、レール7の形状に応じて形成される。例えば、レール7の長さ方向と直交する平面でレール7を切断した場合の断面が円形状であれば、ローラ1154を平面視して半円状に形成され、当該断面が方形状であれば、ローラ1154を平面視して方形状に形成される。
モータ1159は、制御部1134によって駆動制御される。モータ1159は、第2アーム1158を第1アーム1152の内部に収容するようにスライド移動させる。
このような、本変形例における無人航空機1106において、接続体1150は、レール7に接続されるアーム1131と、アーム1131の内周面に設けられ、レール7に回転可能に接触するローラ1154とを有する。
これによれば、無人航空機1106の接続体1150がレール7に接続されている場合、ローラ1154がレール7に接触することで、無人航空機1106がレール7に沿って移動することができる。無人航空機1106は、自身の進行方向への推進力だけでレール7に沿って移動することができる。無人航空機1106では、自身を持ち上げるための揚力にエネルギーを費やさなくてもよくなるため、省エネルギー化を実現することができる。
本変形例に係る無人航空機1106において、少なくとも1つの接続体1150のそれぞれは、レール7に吊下げ可能なアーム1131と、アーム1131の内周面に設けられ、レール7に対して回転可能に接触するローラ1154とを含む。
これによれば、無人航空機1106の接続体1150がレール7に接続されている場合、ローラ1154がレール7に接触して回転することで、無人航空機1106がレール7に沿って移動することができる。つまり、無人航空機1106は、自身の進行方向への推進力だけでレール7に沿って移動することができる。このため、自身を持ち上げるための揚力にエネルギーを費やさなくてもよくなるため、省エネルギー化を実現することができる。
(実施の形態9の変形例2)
以下では、本変形例における無人航空機1106の基本的な構成は、実施の形態9等の無人航空機の基本的な構成と同様であり、本変形例における接続体1160の基本的な構成は、実施の形態9の変形例1等の接続体の基本的な構成と同様であるため、本変形例における無人航空機1106および接続体1160の基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、接続体1160に一対のブレーキパッド1166が設けられている点で実施の形態9の変形例1等と相違する。
図66は、実施の形態9の変形例2における無人航空機1106の接続体1160を例示した模式図である。
本変形例の接続体1160は、第1アーム1152、第2アーム1158、ローラ1164、モータ1159および制御部1134の他に、筐体1165と、一対のブレーキパッド1166と、ブレーキ機構1167とを有する。なお、接続体1160は、第1アーム1152、第2アーム1158、ローラ1164、モータ1159、制御部1134および筐体1165を有していなくてもよく、第1アーム1152、第2アーム1158、ローラ1164、モータ1159、制御部1134および筐体1165は、接続体1160の必須の構成要件ではない。
筐体1165は、第1アーム1152の内周側の切欠き部1152aに設けられる。筐体1165は、回転軸1153およびローラ1164を収容する。筐体1165は、回転軸1153の両端を固定する。
一対のブレーキパッド1166は、軸心X1、X2周りで回動可能に、筐体1165または第1アーム1152に固定される。一対のブレーキパッド1166は、ブレーキ機構1167に駆動制御されることによって、レール7を挟むように軸心X1、X2周りで回動したり、レール7から離間するように軸心X1、X2周りで回動したりする。一対のブレーキパッド1166は、連動して動作する。
ブレーキ機構1167は、一対のブレーキパッド1166の間隔を変化させて、一対のブレーキパッド1166でレール7を挟み込む。ブレーキ機構1167は、一対のブレーキパッド1166の回動を制御するアクチュエータ1133などの駆動部を有する。ブレーキ機構1167は、例えば、制御部1134などによって制御されることで、一対のブレーキパッド1166の回動を制御する。
図67は、実施の形態9の変形例2における無人航空機1106の前進時とブレーキ時のプロペラの回転方向を例示した模式図である。図67のaは、無人航空機1106の前進時に第1モータ1136aがプロペラを第1回転方向に回転させ、かつ、第2モータ1136bがプロペラを第2回転方向に回転させる様子を例示している。図67のbは、無人航空機1106のブレーキ時に第1モータ1136aがプロペラを第2回転方向に回転させ、かつ、第2モータ1136bがプロペラを第1回転方向に回転させる様子を例示している。
図67のaに示すように、制御部1134は、無人航空機1106を前進する状態から、図67のbに示すように、無人航空機1106を停止する状態へ遷移するとき、第1モータ1136aのプロペラのおよび第2モータ1136bのプロペラの回転方向を反転させる。制御部1134は、無人航空機1106を停止させる停止指示を取得した場合、第1モータ1136aのプロペラを第2回転方向に回転させ、第2モータ1136bのプロペラを第1回転方向に回転させる。停止指示は、例えば、目的地点(配送先)に近づくと、飛行状態を管理する管理部から送信されることで取得したり、目的地点(配送先)に近づくことを検知したセンサなどに基づいて取得したりする。
制御部1134は、当該停止指示を取得した場合、ブレーキ機構1167を制御することで、一対のブレーキパッド1166を回動させて、一対のブレーキパッド1166にレール7を挟み込ませる。
このような、本変形例における無人航空機1106において、接続体1160は、一対のブレーキパッド1166と、一対のブレーキパッド1166の間隔を変化させて、一対のブレーキパッド1166でレール7を挟み込むブレーキ機構1167とを有する。
これによれば、無人航空機1106の接続体1160がレール7に接続されている場合、一対のブレーキパッド1166でレール7を挟むことができる。このため、移動する無人航空機1106を容易に減速させたり、停止させたりすることができる。
本変形例における無人航空機1106において、制御部1134は、無人航空機1106を停止させる停止指示を取得した場合、第1モータ1136aの回転翼1112を第2回転方向に回転させ、第2モータ1136bの回転翼1112を第1回転方向に回転させる。
これによれば、前進時の第1モータ1136aの回転翼1112および第2モータ1136bの回転翼1112の回転方向に対して、停止指示の第1モータ1136aの回転翼1112および第2モータ1136bの回転翼1112の回転方向を反転させることができる。これにより、無人航空機1106の移動を停止させることができる。
(実施の形態10)
[構成]
以下では、本実施の形態における宅配ボックス1004hの基本的な構成は、実施の形態6等の宅配ボックスの基本的な構成と同様であり、無人航空機1170の基本的な構成は、実施の形態1等の無人航空機の基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における宅配ボックス1004hおよび無人航空機1170の基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、宅配ボックス1004hが荷重支持体1006hを有する点、無人航空機1170の複数の脚1170aを荷重支持体1006hに接続する点で実施の形態6等と相違する。
図68は、実施の形態10における無人航空機1170および宅配ボックス1004hを例示した模式図である。図68のaは、無人航空機1170が宅配ボックス1004hの荷重支持体1006hに着陸する様子を例示している。図68のaでは、荷重支持体1006hに着陸前の無人航空機1170を実線で示し、荷重支持体1006hに着陸後の無人航空機1170を二点鎖線で示す。図67のbは、無人航空機1170が宅配ボックス1004hの荷重支持体1006hに着陸際に、無人航空機1170の脚1170aが凹部1004h3に案内される様子を例示している。図67のaでは、脚1170aが凹部1004h3に係合する様子を二点鎖線で示し、脚1170aが凹部1004h3に案内されて移動した様子を実線で示す。
宅配ボックス1004hは、無人航空機1170によって配送された荷物を格納可能である。宅配ボックス1004hは、容器1004h1と、上蓋1005hと、荷重支持体1006hとを備える。
容器1004h1は、底面部1005h1と、底面部1005h1から立ち上がる複数の側面部1005h2とを有する。容器1004h1は、荷物を格納するための空間を画定する。容器1004h1は、荷物を格納する筐体である。容器1004h1の鉛直上方の上面部には、上蓋1005hが閉じることで覆われる上面開口が形成される。
上蓋1005hは、容器1004h1の上方である上面部に設けられ、空間内に荷物を入れるために上面開口を開閉可能である。上蓋1005hは、閉じたときに上面開口を覆い、開いたときに上面開口を開放する。
荷重支持体1006hは、水平方向に沿ってまたは地表面に沿って配置され、荷物を有する無人航空機1170を支持可能である。荷重支持体1006hは、宅配ボックス1004hの容器1004h1に設けられる荷重支持体1006hは、支持部1004h2と、複数の凹部1004h3とを有する。
支持部1004h2は、容器1004h1の複数の側面部1005h2の少なくとも1つに固定される。支持部1004h2は、鉛直方向に長尺であり、容器1004h1の上面部から立ち上がる。支持部1004h2は、下端が容器1004h1の上面部に接続され、上端が複数の凹部1004h3に接続される。本実施の形態では、支持部1004h2は、4つの凹部1004h3を支持する。
複数の凹部1004h3は、無人航空機1170の複数の脚1170aと一対一で対応し、無人航空機1170の複数の脚1170aを支持可能である。複数の凹部1004h3のそれぞれは、上方に開口したすり鉢状または円錐状をなした凹部1004h3である。複数の凹部1004h3は、容器1004h1の鉛直上方、つまり容器1004h1の上面開口の鉛直上方に配置される。複数の凹部1004h3は、容器1004h1の上面部に対して上蓋1005hが開いた場合、上蓋1005hと接触しない位置に配置される。
本実施の形態では、4つの凹部1004h3が支持部1004h2に支持される。4つの凹部1004h3は、それぞれが容器1004h1の上面部の角部に対応するように分散して配置される。無人航空機1170の荷物の障害とならないように、それぞれが離れて配置される。このため、容器1004h1の上面開口の鉛直上方には、凹部1004h3および支持部1004h2が配置されていないことが好ましい。なお、本実施の形態では、荷重支持体1006hは、4つの凹部1004h3を有するが、凹部1004h3の数は限定されない。
無人航空機1170は、宅配ボックス1004hの荷重支持体1006hの上に着地可能な複数の脚1170aを有する。複数の脚1170aは、無人航空機1170の本体1170bに設けられ、無人航空機1170が飛行する際に、鉛直下方側に配置される。無人航空機1170は、複数の凹部1004h3の鉛直上方まで飛行すると、降下を開始して複数の脚1170aと複数の凹部1004h3とを一対一で対応させる。これにより、複数の脚1170aが複数の凹部1004h3と係合し、複数の凹部1004h3に一対一で案内される。これにより、無人航空機1170は、荷重支持体1006hによって所定の位置に保持される。本実施の形態では、無人航空機1170は、4つの脚1170aを有するが、脚1170aの数は限定されない。
[作用効果]
次に、本実施の形態に係る宅配ボックス1004hの作用効果について説明する。
上述したように、本実施の形態における宅配ボックス1004hは、無人航空機1170によって配送された荷物を格納可能な宅配ボックス1004hであって、底面部1005h1と側面部1005h2とを有する容器1004h1と、容器1004h1の上方に設けられた上蓋1005hと、荷物を有する無人航空機1170の荷重を支持可能な荷重支持体1006hとを備える。無人航空機1170は、荷重支持体1006hの上に着地可能な複数の脚1170aを有する。荷重支持体1006hは、複数の脚1170aを支持可能な複数の凹部1004h3を有する。そして、複数の凹部1004h3のそれぞれは、上方に開口したすり鉢状または円錐状の凹部1004h3である。
これによれば、複数の凹部1004h3は、無人航空機1170が降下する際に、複数の脚1170aと係合することで、複数の脚1170aを案内することができる。このため、荷重支持体1006hは、無人航空機1170を所定の姿勢で保持することができる。このため、無人航空機1170が荷物を配送する場合、無人航空機1170が容器1004h1の鉛直上方に容易に位置することができる。このため、荷物を確実に宅配ボックス1004hに格納させることができる。
(実施の形態11)
[構成]
以下では、本実施の形態におけるシステム1107の基本的な構成は、実施の形態1等の飛行システムの基本的な構成と同様であり、宅配ボックス1140の基本的な構成は、実施の形態6等の宅配ボックスの基本的な構成と同様であるため、本実施の形態におけるシステム1107および宅配ボックス1140の基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、システム1107が宅配ボックス1140等を有する点で実施の形態7等と相違する。
図69は、実施の形態11における無人航空機1171および宅配ボックス1140を例示した模式図である。図70は、実施の形態11における無人航空機1171および宅配ボックス1140を例示した斜視図である。
図69および図70のaに示すように、システム1107は、宅配ボックス1140と、無人航空機1171とを備える。
宅配ボックス1140は、無人航空機1171によって配送された荷物を格納可能である。宅配ボックス1140は、容器1140aと、蓋1140bと、扉1140cと、荷重支持体1401と、1以上のリンクロッド1416と、一対のロッド支持体1141aと、第1軸L1と、第2軸L2と、第1連動部1161と、第2連動部1162と、操作表示部1145とを備える。
容器1140aは、底面部1140dと、底面部1140dから立ち上がる複数の側面部1144aとを有する。容器1140aは、荷物を格納するための空間を画定する筐体である。
蓋1140bは、容器1140aの上面部1143aに設けられる上蓋であり、容器1140aに対して回転可能に連結される。蓋1140bは、上面開口1143bから空間内に荷物を入れるために容器1140aの上面開口1143bを開閉可能である。蓋1140bは、荷重支持体1401に無人航空機1171の荷重が加わると、容器1140aの上面部1143aを開放するように開く。蓋1140bは、荷重支持体1401に加わった無人航空機1171の荷重が失われたときに、容器1140aの上面開口1143bを覆うように閉まる。
扉1140cは、容器1140aの側面開口1144bに設けられる横蓋であり、容器1140aに対して回転可能に連結される。扉1140cは、側面開口1144bから空間内の荷物を取り出すために容器1140aの側面開口1144bを開閉可能である。
荷重支持体1401は、水平方向に沿ってまたは地表面に沿って配置され、荷物を有する無人航空機1171の荷重を支持可能である。荷重支持体1401は、容器1140aの鉛直上方に配置される。荷重支持体1401は、上述のレール7の一部であり、無人航空機1171を吊下げ可能な吊り棒である。荷重支持体1401は、鉛直方向に屈曲するV字状またはU字状の屈曲部1402を有する。屈曲部1402は、容器1140aの直上に配置され、鉛直方向に屈曲する。屈曲部1402は、無人航空機1171の第1アーム1172が接続され、第1アーム1172を保持可能である。
1以上のリンクロッド1416は、荷重支持体1401と宅配ボックス1140の蓋1140bとの間に連結、荷重支持体1401と宅配ボックス1140の蓋1140bとを接続する。具体的には、1以上のリンクロッド1416は、一端が荷重支持体1401に接続され、他端が宅配ボックス1140の蓋1140bに接続される。1以上のリンクロッド1416は、無人航空機1171が荷重支持体1401に荷重を加えた場合、当該荷重を宅配ボックス1140の蓋1140bに伝達して、蓋1140bを開かせる。
具体的には、1以上のリンクロッド1416は、第1リンクロッド1416aと、第2リンクロッド1416bと、第3リンクロッド1416cとを有する。
第1リンクロッド1416aは、荷重支持体1401と第2リンクロッド1416bとを接続し、荷重支持体1401に加わった無人航空機1171の荷重を第2リンクロッド1416bに伝達する。第1リンクロッド1416aの第1端は、荷重支持体1401に対して回転可能に連結される。第1リンクロッド1416aの第2端は、第2リンクロッド1416bの第3端に対して回転可能に連結される。本実施の形態では、第1リンクロッド1416aは、鉛直方向に沿って直立する。
第2リンクロッド1416bは、第2リンクロッド1416bと第3リンクロッド1416cとを接続し、第1リンクロッド1416aから伝達された無人航空機1171の荷重を、第3リンクロッド1416cに伝達する。第2リンクロッド1416bの第4端は、第3リンクロッド1416cの第5端に対して回転可能に連結される。本実施の形態では、第2リンクロッド1416bは、第1リンクロッド1416aの長さ方向と直交するように、水平方向に沿って配置される。
第3リンクロッド1416cは、第3リンクロッド1416cと宅配ボックス1140の蓋1140bとを接続し、第1リンクロッド1416aおよび第2リンクロッド1416bから伝達された無人航空機1171の荷重を、宅配ボックス1140の蓋1140bに伝達する。第3リンクロッド1416cの第6端は、宅配ボックス1140の蓋1140bに対して回転可能に連結される。
一対のロッド支持体1141aは、第1リンクロッド1416a、第2リンクロッド1416bおよび第3リンクロッド1416cを上述の姿勢で支持するための長尺な棒である。一対のロッド支持体1141aは、鉛直方向に沿って、または、地表面に対して直立する姿勢で地面に配置される。なお、一対のロッド支持体1141aは、一方のロッド支持体1141aによって、第1リンクロッド1416a、第2リンクロッド1416bおよび第3リンクロッド1416cを支持してもよい。
一対のロッド支持体1141aは、互いに平行な姿勢で配置され、一方のロッド支持体1141aと他方のロッド支持体1141aとの間に、1以上のリンクロッド1416が配置される。本実施の形態では、第1リンクロッド1416aおよび第2リンクロッド1416bが配置される。
一対のロッド支持体1141aは、一対の連結体1142を有する。本実施の形態では、一対の連結体1142は、水平方向に沿って延びる円柱状の棒である。
一対の連結体1142は、一方のロッド支持体1141aと他方のロッド支持体1141aとを連結することで、一対のロッド支持体1141aの姿勢を保持する。一方の連結体1142は、一対のロッド支持体1141aの上方側に配置されて、一方のロッド支持体1141aと他方のロッド支持体1141aとを連結する。他方の連結体1142は、一対のロッド支持体1141aの下方側に配置されて、一方のロッド支持体1141aと他方のロッド支持体1141aとを連結する。他方の連結体1142は、第2リンクロッド1416bの第3端側で第2リンクロッド1416bと直交するように挿通している。他方の連結体1142は、第2リンクロッド1416bを回転可能に軸支し、無人航空機1171の荷重によって、第2リンクロッド1416bが回転する際の支点となる。なお、一方の連結体1142が第1軸L1として機能する支持部材であってもよく、他方の連結体1142が第2軸L2として機能する支持部材であってもよい。
なお、一方のロッド支持体1141aが荷重支持体1401と直交するように挿通していてもよい。この場合、一方の連結体1142は、荷重支持体1401を回転可能に軸支し、無人航空機1171の荷重によって、荷重支持体1401が回転する際の支点としてもよい。この場合、一対のロッド支持体1141aは、第1軸L1として機能する一方の連結体1142を固定する支持部材の一例であってもよい。
第1軸L1は、吊り棒である荷重支持体1401の両端の間の位置で、荷重支持体1401の回転を支持する。第1軸L1は、荷重支持体1401に対する第1リンクロッド1416aを回転可能に軸支する。なお、第1軸L1は、一対のロッド支持体1141aに固定されていてもよい。
第2軸L2は、第3リンクロッド1416cの第5端と第6端との間の位置で、第3リンクロッド1416cの回転を支持する。第2軸L2は、第3リンクロッド1416cに対する宅配ボックス1140の蓋1140bを回転可能に軸支する。なお、第2軸L2は、宅配ボックス1140の容器1140aまたは蓋1140bに固定されていてもよい。この場合、容器1140aまたは蓋1140bは、第2軸L2を固定する支持部材の一例となる。なお、第2軸L2は、容器1140aまたは蓋1140b以外の別の支持部材によって固定されていてもよい。
第1連動部1161は、蓋1140bが開いたときに扉1140cをロックする。第1連動部1161は、1以上のリンクロッド1416を介して無人航空機1171の荷重が宅配ボックス1140の蓋1140bに伝達されると、扉1140cをロックする、つまり扉1140cが開放されないように施錠する。第1連動部1161は、蓋1140bが開かれる前、同時または直後に扉1140cをロックしてもよい。第1連動部1161は、容器1140aに荷物を格納する際に、容器1140aの扉1140cが開かないように、扉1140cをロックする。第1連動部1161は、扉1140cをロックする鍵、アクチュエータなどの駆動機構である。
第2連動部1162は、蓋1140bが閉まったときに蓋1140bをロックする。第2連動部1162は、1以上のリンクロッド1416を介して無人航空機1171の荷重が失われたことが宅配ボックス1140の蓋1140bに伝達されると、蓋1140bが閉まった直後に蓋1140bをロックする、つまり蓋1140bが開放されないように施錠する。第2連動部1162は、扉1140cをロックする鍵、アクチュエータなどの駆動機構である。
操作表示部1145は、宅配ボックス1140に荷物が格納された場合、宅配ボックス1140の利用者が鍵を用いて解錠処理を行うための入力部である。操作表示部1145は、例えば、宅配ボックス1140に荷物が格納された場合、「使用中」などの表示がされてもよく、操作表示部1145は、表示部を有する。
図69に示すように、無人航空機1171は、荷重支持体1401に吊下がるための第1アーム1172を有する。第1アーム1172は、上述した接続体または接続体が有するアームと同様であるため、説明を省略する。
無人航空機1171は、さらに、ワイヤ1174と、第2アーム1173と、リール1175と、リフトモータ1176と、制御部1177と、カメラ1178とを有する。
ワイヤ1174は、第2アーム1173を吊下げ可能であり、第2アーム1173の一端(例えば、鉛直上端)に接続される。
第2アーム1173は、ワイヤ1174の一端に接続され、荷物を保持する。本実施の形態での第2アーム1173は、一対の把持部と、モータとを有し、荷物の一部を両側から挟むことで、荷物を所定の姿勢で保持する。第2アーム1173は、制御部1177がモータの駆動を制御することによって、一対の把持部により荷物を挟み込んで掴むことで荷物を持ち上げたり、一対の把持部を開放することで、挟んだ荷物を切り離したりする。なお、第2アーム1173は、モータの駆動によって、一対の把持部を可動させることで、荷物を保持したり、開放したりすることができればよいため、本実施の形態に限定されない。
リール1175は、ワイヤ1174の他端に接続され、回転することによって、ワイヤ1174を繰り出したり、巻き取ったりすることができる。リール1175は、リフトモータ1176によって回転が制御される。
制御部1177は、蓋1140bが開いた後に、リフトモータ1176を制御することでリール1175を回転させてワイヤ1174を繰り出し、荷物を容器1140aの中に搬入させる。制御部1177は、荷物が容器1140aの底面部1140dに置かれた後に、第2アーム1173による荷物の保持を解除させて、リール1175にワイヤ1174を巻き取らせる。制御部1177は、第2アーム1173のモータを制御することで、第2アーム1173を回動させて、第2アーム1173から荷物の切離しをさせる。
制御部1177は、第2アーム1173のモータを制御して第2アーム1173から荷物の切り離しを実行すると、カメラ1178に撮像指示を出力する。制御部1177は、カメラ1178を介して宅配ボックス1140の容器1140aの内部(空間)の画像を取得する。制御部1177は、カメラ1178が撮像した容器1140aおよび容器1140aの内部の状態を示す画像に基づいて、無人航空機1171が荷物を格納したことを確証する認証処理を実行する。
例えば、制御部1177は、撮像された画像に荷物に相当する物体が含まれているかどうかを判定してもよい。制御部1177は、荷物が容器1140aに格納されていれば認証処理として配送完了とし、荷物が容器1140aに格納されていなければ未認証処理として、リフトモータ1176を制御することでリール1175を回転させてワイヤ1174を巻き取り、再度、リール1175を回転させてワイヤ1174を繰り出して、荷物を容器1140aの中に搬入させてもよい。
制御部1177は、配送完了すると、リフトモータ1176を制御することでリール1175を回転させてワイヤ1174を巻き取り、無人航空機1171をレール7から離脱させる。
カメラ1178は、容器1140aの中を撮影可能である。カメラ1178は、無人航空機1171の本体の下方側に設けられ、本体の鉛直下方を撮像する。カメラ1178は、制御部1177の撮像指示を取得することによって撮像するが、常時撮像していてもよい。
[動作]
無人航空機1171が荷物を宅配ボックス1140に格納する動作を説明する。
図72は、実施の形態11における無人航空機1171が宅配ボックス1140に荷物の配送を開始してから終了するまでの処理を例示したフローチャートである。図73は、実施の形態11における無人航空機1171が宅配ボックス1140に荷物の格納を開始してから第2アーム1173が荷物を切り離すまでを例示した模式図である。なお、図73と図70および図71とは完全に整合しているわけではないが、少なくとも無人航空機1171が荷重支持体1401に吊下がれば、宅配ボックス1140の蓋1140bが開く点で共通している。また、図73では、宅配ボックス1140の蓋1140bの外周を囲み、かつ、無人航空機1171と宅配ボックス1140との間に案内部1149を配置している。
まず、図72および図73のaに示すように、無人航空機1171は、配送先である宅配ボックス1140の鉛直上方に到着すると、無人航空機1171の制御部は、複数のモータの運転を停止する。無人航空機1171は、荷重支持体1401に接触することで、荷重を加える。無人航空機1171は、荷重支持体1401の屈曲部1402に吊下がることで、荷重支持体1401に支持される(S1201)。ステップS1201は、無人航空機1171を宅配ボックス1140の荷重支持体1401に支持させるステップの一例である。
次に、宅配ボックス1140が蓋1140bを開放する動作を、図70および図71を用いて説明する。
図71は、実施の形態11における無人航空機1171がレール7に吊下がった場合の宅配ボックス1140の動きを例示した側面図である。
図70のaおよび図71のaは、無人航空機1171が荷重支持体1401に接続された状態を示す。図70のaおよび図71のaの次の状態として、図70のbおよび図71のbは、無人航空機1171がレール7の荷重支持体1401に接続され、無人航空機1171の荷重が荷重支持体1401に加わっている状態を示す。図70のbおよび図71のbでは、無人航空機1171の荷重が荷重支持体1401に加わると、荷重支持体1401が無人航空機1171の荷重によって撓み、第1軸L1を介して、荷重支持体1401に対して回動した第1リンクロッド1416aが鉛直上方に引き上げられる。第1リンクロッド1416aは、第2リンクロッド1416bを鉛直上方に引き上げる。第2リンクロッド1416bは、第1リンクロッド1416aに対して回動しながら、他方の連結体142を支点に回動し、第3リンクロッド1416cを鉛直下方側に押し下げる。第3リンクロッド1416cは、第2リンクロッド1416bに対して回動しながら、宅配ボックス1140の蓋1140bを押し下げる。蓋1140bは、第3リンクロッド1416cに対して回動することで、第2軸L2心周りで回動し容器1140aの上面開口1143bを開放させる。こうして、図70のcおよび図71のcのように、無人航空機1171の荷重によって蓋1140bが容器1140aに対して直立し、容器1140aの上面開口1143bを完全に開放する。
図72および図73の説明に戻る。図72および図73のbに示すように、宅配ボックス1140は、蓋1140bを開き、上面開口1143bを開放する。第1連動部1161は、1以上のリンクロッド1416を介して無人航空機1171の荷重が宅配ボックス1140の蓋1140bに伝達されると、扉1140cをロックすることで、扉1140cが開放されないように施錠する(S1202)。
次に、図72および図73のcに示すように、制御部は、リフトモータ1176を制御してワイヤ1174の繰り出しを開始することで、荷物を容器1140aの中に格納する(S1203)。制御部は、リフトモータ1176を制御することでリール1175を回転させてワイヤ1174を繰り出して荷物を降下させ、荷物を容器1140aの中に搬入させる。このとき、案内部1149に荷物が案内されるため、宅配ボックス1140に対して荷物の位置合わせを行うことができる。このため、案内部1149は、荷物を宅配ボックス1140に格納させることができる。案内部1149は、例えば、網状の枠体、板状の枠体などである。ステップS1203は、荷物を容器1140aの中に格納させるステップの一例である。
図74は、実施の形態11における無人航空機1171が宅配ボックス1140に格納された荷物をカメラ1178が撮像してから無人航空機1171がレール7から離脱するまでを例示した模式図である。
次に、図72、図73のdおよび図74のaに示すように、制御部は、ステップS1203を実行すると、カメラ1178に撮像指示を出力する。荷物が宅配ボックス1140に格納されたかどうかの確認を行う。これにより、カメラ1178は、荷物および容器1140aを撮像する(S1204)。カメラ1178は、撮像した画像を制御部に出力する。
制御部は、撮像された画像に基づいて、容器1140a内に荷物が格納さたかどうかを判定する(S1205)。制御部は、容器1140a内に荷物が格納さた場合(S1205でYES)、荷物とワイヤ1174との接続を解除する(S1206)。制御部は、第2アーム1173のモータを制御することで、第2アーム1173を回動させることで、一対の把持部を開かせて、第2アーム1173から荷物の切離しをさせる。ステップS1206は、荷物とワイヤ1174との接続を解除するステップの一例である。
なお、制御部は、荷物が容器1140aに格納されていない場合(S1205でNO)、未認証処理として、リフトモータ1176を制御することでリール1175を回転させてワイヤ1174を巻き取り、再度、リール1175を回転させてワイヤ1174を繰り出して、荷物を容器1140aの中に搬入させる。この処理を所定回数繰り返してもよい。
次に、制御部は、荷物が容器1140aに格納されていれば認証処理として配送完了とし、無人航空機1171が荷物を格納したことを確証する認証処理を実行する(S1207)。
次に、図72および図74のbに示すように、制御部は、配送完了すると、リフトモータ1176を制御することでリール1175を回転させてワイヤ1174を巻き取る(S1208)。ステップS1208は、ワイヤ1174を巻き取るステップの一例である。
次に、図72および図74のcに示すように、制御部は、複数のモータを駆動させることで、無人航空機1171を浮遊させ、無人航空機1171を荷重支持体1401から離間させる(S1209)。このとき、荷重支持体1401への無人航空機1171の荷重が失われるため、宅配ボックス1140の蓋1140bは、容器1140aの上面開口1143bを覆うように閉まる。ステップS1209は、無人航空機1171を荷重支持体1401から離れさせるステップの一例である。
次に、図72および図74のdに示すように、第2連動部1162は、蓋1140bが閉まったときに蓋1140bをロックする(S1210)。これにより、宅配ボックス1140の蓋1140bは、宅配ボックス1140の利用者が鍵を用いて解錠処理を実行することで、蓋1140bのロックが解錠されて、蓋1140bを開くことができる。そして、このシステム1107は、処理を終了する。
[作用効果]
次に、本実施の形態に係る宅配ボックス1140、システム1107および方法の作用効果について説明する。
上述したように、本実施の形態に係る宅配ボックス1140は、無人航空機1171によって配送された荷物を格納可能な宅配ボックス1140であって、底面部1140dと側面部1144aとを有する容器1140aと、容器1140aに対して回転可能に連結された蓋1140bと、荷物を有する無人航空機1171の荷重を支持可能な荷重支持体1401と、荷重支持体1401と蓋1140bとの間に連結された1以上のリンクロッド1416とを備える。そして、1以上のリンクロッド1416は、無人航空機1171が荷重支持体1401に荷重を加えた場合、当該荷重を蓋1140bに伝達して蓋1140bを開く。
これによれば、無人航空機1171が荷重支持体1401に吊下がるだけで、自動的に容器1140aの蓋1140bを開くことができる。このため、無人航空機1171が配送した荷物を容器1140aに格納することができる。
本実施の形態に係る方法は、無人航空機1171によって配送された荷物を宅配ボックス1140に格納する方法であって、無人航空機1171を宅配ボックス1140の荷重支持体1401に支持させるステップと、宅配ボックス1140の蓋1140bが開いた後、無人航空機1171からワイヤ1174を介して荷物を降ろして、荷物を容器1140aの中に格納させるステップと、荷物とワイヤ1174との接続を解除するステップと、ワイヤ1174を巻き取るステップと、無人航空機1171を荷重支持体1401から離れさせるステップと、を含む。
本実施の形態に係る宅配ボックス1140において、蓋1140bは、荷重支持体1401に加わった荷重が失われたときに、容器1140aの上部を覆うように閉まる。
これによれば、無人航空機1171が荷重支持体1401から離れて飛び立てば、自動的に容器1140aの蓋1140bを示すことができる。
本実施の形態に係る宅配ボックス1140において、荷重支持体1401は、容器1140aの上方に配置されている。
これによれば、無人航空機1171が荷重支持体1401に吊下がれば、容器1140aの蓋1140bが開くため、無人航空機1171が配送した荷物を容易に容器1140aに格納することができる。
本実施の形態に係る宅配ボックス1140において、荷重支持体1401は、無人航空機1171を吊下げ可能な吊り棒である。
これによれば、荷重支持体1401に吊下がる無人航空機1171の荷重を確実に支えることができる。
本実施の形態に係る宅配ボックス1140において、吊り棒は、容器1140aの直上にV字状またはU字状の屈曲部1402を有する。
これによれば、無人航空機1171が屈曲部1402に掴まり易くなるため、無人航空機1171を容易に位置決めすることができる。このため、無人航空機1171が荷重支持体1401に吊下がれば、容器1140aの蓋1140bが開くため、無人航空機1171が配送した荷物を、より容易に容器1140aに格納することができる。
本実施の形態に係る宅配ボックス1140において、1以上のリンクロッド1416は、第1リンクロッド1416aと、第2リンクロッド1416bと、第3リンクロッド1416cとを有する。第1リンクロッド1416aの第1端は、吊り棒に対して回転可能に連結される。第1リンクロッド1416aの第2端は、第2リンクロッド1416bの第3端に対して回転可能に連結される。第2リンクロッド1416bの第4端は、第3リンクロッド1416cの第5端に対して回転可能に連結される。そして、第3リンクロッド1416cの第6端は、蓋1140bに対して回転可能に連結される。
これによれば、吊り棒に無人航空機1171が吊下がると、無人航空機1171の荷重により吊り棒が鉛直下方に撓む。これにより、吊り棒を介してその荷重が第1リンクロッド1416a、第2リンクロッド1416b、および、第3リンクロッド1416cを介して容器1140aの蓋1140bに伝達される。このため、無人航空機1171が吊り棒に吊下がるだけで、確実に容器1140aの蓋1140bを開けることができる。したがって、この宅配ボックス1140では、無人航空機1171が配送した荷物を、より容易に容器1140aに格納することができる。
本実施の形態に係る宅配ボックス1140は、吊り棒の両端の間の位置で、荷重支持体1401の回転を支持する第1軸L1と、第3リンクロッド1416cの第5端と第6端との間の位置で、第3リンクロッド1416cの回転を支持する第2軸L2と、をさらに備える。
これによれば、無人航空機1171の荷重が第1軸L1を介して第1リンクロッド1416aに確実に伝達することができる。第3リンクロッド1416cに伝達された無人航空機1171の荷重を、第2軸L2を介して容器1140aの蓋1140bに確実に伝達することができる。このため、容器1140aの蓋1140bを開放することができる。
本実施の形態に係る宅配ボックス1140は、第1軸L1と第2軸L2との位置を固定させる支持部材をさらに備える。
これによれば、吊り棒に吊下がった無人航空機1171の重みを、第1リンクロッド1416a、第2リンクロッド1416b、および、第3リンクロッド1416cを介して容器1140aの蓋1140bに確実に伝達することができるため、確実に容器1140aの蓋1140bを開けることができる。
本実施の形態に係る宅配ボックス1140は、容器1140aの側面部1144aに設けられた扉1140cと、蓋1140bが開いたときに、扉1140cをロックする第1連動部1161とをさらに備える。
これによれば、荷物を容器1140aに格納する際に、扉1140cから荷物の飛び出しを抑制することができる。扉1140cをロックすることで、扉1140cの施錠忘れを抑制することができるため、宅配ボックス1140に格納された荷物の盗難を抑制することができるため、利便性に優れている。
本実施の形態に係る宅配ボックス1140は、蓋1140bが閉まったときに、蓋1140bをロックする第2連動部1162をさらに備える。
これによれば、蓋1140bが閉まれば自動的に蓋1140bをロックすることができる。このため、蓋1140bを施錠するなどのロックする手間が生じ難くなる。蓋1140bをロックすることで、蓋1140bの施錠忘れを抑制することができるため、宅配ボックス1140に格納された荷物の盗難を抑制することができるため、利便性に優れている。
本実施の形態に係るシステム1107は、宅配ボックス1140と、無人航空機1171とを備える。
本実施の形態に係るシステム1107において、無人航空機1171は、荷重支持体1401に吊下がるための第1アーム1172を有する。
これによれば、無人航空機1171は、荷重支持体1401に確実に吊下がることができるため、例えばモータ駆動などを停止させても、姿勢を維持することができる。
本実施の形態に係るシステム1107において、無人航空機1171は、ワイヤ1174と、ワイヤ1174の一端に接続され、荷物を保持する第2アーム1173と、ワイヤ1174の他端に接続され、ワイヤ1174を巻き取り可能なリール1175と、制御部1177とを有し、制御部1177は、蓋1140bが開いた後に、ワイヤ1174を繰り出して荷物を容器1140aの中に搬入し、荷物が容器1140aの底面部1140dに置かれた後に、第2アーム1173による荷物の保持を解除させて、リール1175にワイヤ1174を巻き取らせる。
これによれば、無人航空機1171が荷重支持体1401に吊下がったときに、ワイヤ1174を繰り出すことで、第2アーム1173および荷物を容器1140aに向けて降下させることができる。荷物が容器1140aの底面部1140dに載置されると、第2アーム1173を荷物から離間させることができる。このため、このシステム1107では、荷物を容器1140aの内部に確実に格納することができる。
本実施の形態に係るシステム1107において、無人航空機1171は、容器1140aの中を撮影可能なカメラ1178をさらに有する。
これによれば、無人航空機1171が容器1140aの中に荷物を格納したか否かを確認することができる。このため、荷物を容器1140aの内部に格納できていなければ、第2アーム1173を荷物から離間させないようにすることもできる。再度、荷物を引き上げた後に容器1140aの中に荷物を格納することもできる。
本実施の形態に係るシステム1107において、制御部1177は、カメラ1178を介して宅配ボックス1140の内部の画像を取得し、画像に基づいて、無人航空機1171が荷物を格納したことを確証する認証処理を実行する。
これによれば、荷物を宅配ボックス1140に格納したことを証明することができるため、荷物を容器1140aに格納したことの確実性を担保することができる。
(実施の形態12)
[構成]
以下では、本実施の形態における昇降システム6aの基本的な構成は、実施の形態1等の昇降システムの基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における昇降システム6aの基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、無人航空機10fの枠体の機体本体1220の後方側面にプロペラ22およびプロペラ駆動モータ1211bをさらに有している点で実施の形態1等と相違する。
図75は、実施の形態12における昇降システム6aおよび荷物を例示した斜視図である。
図75に示すように、機体本体1220は、レール7の長さ方向に沿って長尺である。また、機体本体1220の側面には、プロペラ駆動モータ1211bが固定される。このプロペラ駆動モータ1211bの回転軸は、水平方向と略平行となる姿勢で支持部に固定される。機体本体1220の側面に配置されるプロペラ駆動モータ1211bのプロペラ(以下、側面プロペラ22a)の回転面は、鉛直面と略平行である。
プロペラ駆動モータ1211bは、機体本体1220に対して鉛直方向に移動することな可能に構成される。プロペラ駆動モータ1211bは、制御処理部11によって駆動制御部12のアクチュエータが制御される。プロペラ駆動モータ1211bは、無人航空機10fを水平方向、つまり、側面プロペラ22aの回転面と直交する方向に推力を付与する。これにより、無人航空機10fは、レール7の長さ方向に沿って移動する。
側面プロペラ22aは、他の全てのプロペラ22と干渉しない位置に配置される。つまり、側面プロペラ22aの回転面は、他の全てのプロペラ22の回転面と交差しない。例えば、側面プロペラ22aの回転面の鉛直上端は、側面プロペラ22a側に配置されるプロペラ22の回転面の延長面よりも鉛直下方側に配置される。言い換えれば、側面プロペラ22aは、仮想平面よりも低い位置に配置される。仮想平面は、機体本体1220の上面と略平行又は当該上面を含んでいてもよく、複数のプロペラ22の回転面と略平行又は当該回転面を含んでいてもよい。これにより、機体本体1220の側面に配置されるプロペラ22が回転しても、他の全てのプロペラ22との接触が抑制される。
制御処理部11は、プロペラ22の長さ方向が機体本体1220の長さ方向と略平行となるように、プロペラ駆動モータ1211bの駆動を停止させる。これにより、この無人航空機10fでは、横幅が小さくなるため、飛行枠が小さくなる。飛行枠は、レール7に連結された昇降システム6aが移動する範囲を規定するための枠である。
この昇降システム6aは、横幅120cm、高さ60cmの飛行枠内を通過することが可能である。具体的には、機体本体1220は、レール7の長さ方向と平行な縦幅150cm、横幅90cm、高さ60cmである。また、昇降システム6aでは、無人航空機10fのプロペラ22が回転している場合、高さ60cm、横幅90cmとなり、無人航空機10fのプロペラ22が停止している場合、高さ60cm、横幅60cmとなる。この昇降システム6aでは、プロペラ22が回転している場合、無人航空機10fの両端の横方向に15cmの間隔が空けられ、高さ方向(鉛直方向)において、無人航空機10fの上側が50cm、下側が10cmの間隔が空けられている。また、レール7は、無人航空機10fの上端から30cmの間隔が空けられている。なお、これらの数値はあくまでの一例であり、本実施の形態の記載に限定されない。
また、第1スラスタ装置110に荷物を搭載した大きさは、縦幅65cm、横幅45cm、高さ50cmとなる。なお、第1スラスタ装置110に搭載する荷物の大きさは、様々な大きさの荷物を搭載することができる。
また、この昇降システム6aでは、第1スラスタ装置110が1つの荷物を運ぶだけでなく複数の荷物を運んでもよい。つまり、第1スラスタ装置110は、複数の荷物を掴み、所定の姿勢で支持する。また、第1スラスタ装置110は、荷物を宅配ボックスに格納する場合、複数の荷物のうち一部の荷物を切離すことができる。
図76は、第1スラスタ装置110が2つの荷物を掴んでいる様子を例示した模式図である。図77は、第1スラスタ装置110が2つの荷物を宅配ボックス1008に格納する様子を例示した模式図である。
また、図77では、無人航空機10fが宅配ボックス1008の鉛直上方に到着した場合を想定して説明する。
図77のaに示すように、まず、無人航空機10fは、配送先である宅配ボックス1008の鉛直上方まで飛行し到着する。
次に、図77のaおよびbに示すように、制御処理部11は、ワイヤ制御モジュール12cを制御してリールを回転させ、ワイヤ51の繰り出しを開始する。これにより、第1スラスタ装置110は、降下を開始する。
第1スラスタ装置110は、宅配ボックス1008に対する第1スラスタ装置110の位置を補正しながら降下する。制御処理部11は、鉛直方向における第1スラスタ装置110と宅配ボックス1008の開口との重なり誤差の補正を繰り返しながら、宅配ボックス1008の開口と第1スラスタ装置110つまり荷物とを一致させる。
図77のcに示すように、第1スラスタ装置110は、宅配ボックス1008内に一部の荷物を降ろす。具体的には、第1スラスタ装置110は、宅配ボックス1008の開口に被さるように降下し、2つの荷物のうち、宅配ボックスに格納すべき荷物を切離して格納する。つまり、制御処理部11は、配送先となる宅配ボックスの識別コード(例えば、住所)と、荷物に付されている識別コード(例えば、住所)とが一致する荷物を抽出し、抽出した荷物だけを宅配ボックスに格納する。本実施の形態では、1つの荷物が該当するため、第1スラスタ装置110は1つの荷物を切離して格納する。
図77のdに示すように、第1スラスタ装置110は、荷物を切離して宅配ボックス1008に荷物を格納後、上昇して無人航空機10fの機体本体1220に装着される。そして、昇降システム6aは、配送元に戻る。
このように、第1スラスタ装置110に複数の荷物を積載することができるため、昇降システム6aは、一度の飛行で複数個所の配送先に荷物を届けることができる。このため、荷物の配送するための昇降システム6aの移動による社会的なエネルギー効率の低下を抑制することができる。また、昇降システム6aによる全体的な移動量の増大を抑制することができるため、配送効率の低下を抑制することができる。
図78は、第1スラスタ装置110が4つの荷物を宅配ボックス1008に格納する様子を例示した模式図である。図79は、第1スラスタ装置110が8つの荷物を宅配ボックス1008に格納する様子を例示した模式図である。図78の場合でも、図79の場合でも、図77と同様である。
(実施の形態12の変形例1)
以下では、本変形例における飛行体の昇降システム6bの基本的な構成は、実施の形態12等の基本的な構成と同様であるため、本変形例における昇降システム6bの基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、さらに設けられた第2スラスタ装置130が荷物を運ぶ点、第1スラスタ装置110と第2スラスタ装置130とがレール7の長さ方向に沿って無人航空機10fに並んで配置されている点で実施の形態と異なる。
図80は、実施の形態12の変形例1における昇降システム6bおよび荷物を例示した斜視図である。
本変形例では、図80に示すように、第1スラスタ装置110および第2スラスタ装置130のそれぞれが荷物を掴み、所定の姿勢で支持する。それぞれの荷物は、同一の配送先であってもよく、異なる配送先であってもよい。
昇降システム6bが配送先に到着すると、無人航空機10fの制御処理部11は、配送先となる宅配ボックス1008の識別コード(例えば、住所)と、荷物に付されている識別コード(例えば、住所)とが一致する荷物を抽出し、該当する荷物を積載したスラスタ装置をだけを、宅配ボックス1008に降下させる。なお、複数の荷物が同一の配送先であれば、例えば、第1スラスタ装置110が宅配ボックス1008に荷物を格納した後に、第2スラスタ装置130がもう一つの荷物を宅配ボックス1008に格納してもよい。
(実施の形態12の変形例2)
以下では、本変形例における飛行体の昇降システム6bの基本的な構成は、実施の形態12等の基本的な構成と同様であるため、本変形例における昇降システム6bの基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、機体本体1220が8つのプロペラ22と、1つの側面プロペラ22aを有する点で実施の形態と異なる。
図81は、実施の形態12の変形例2における昇降システム6bおよび荷物を例示した斜視図である。
図81に示すように、機体本体1220の本体部21には、一対のプロペラ22が本体部21を挟むように、複数個所に配置される。一対のプロペラ22の一方は本体部21の鉛直上方に配置され、一対のプロペラ22の他方は本体部21の鉛直下方に配置される。本変形例では、一対のプロペラ22が本体部21の4か所に固定される。
一対のプロペラ22の回転は、同期してもよく、同期していなくてもよい。また、一対のプロペラ22の回転は、一方が時計回りで回転してもよく、他方が反時計回りで回転してもよい。このような、プロペラ22の回転方向は、制御処理部11がプロペラ駆動モータ1211bを制御することで行われる。つまり、制御処理部11が一対のプロペラ22が同期して回転させてもよく、同期させずに回転させてもよい。また、制御処理部11が一対のプロペラのそれぞれの回転方向および回転速度を個別に制御してもよい。この場合、プロペラの数に応じて機体本体1220にプロペラ駆動モータ1211bを配置してもよい。
(実施の形態12の変形例3)
以下では、本変形例における昇降システム6bの基本的な構成は、実施の形態12等の基本的な構成と同様であるため、本変形例における昇降システム6bの基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、機体本体1220の本体部21の一部が回動する点で実施の形態と異なる。
図82は、実施の形態12の変形例3における昇降システム6bを例示した斜視図である。図82では、回動枠部21a1が回動していない状態は実線で示し、回動枠部21a1が回動した状態を二点鎖線で示す。
無人航空機10fは、本体部21aの一部が回動する回動枠部21a1と、回動枠部21a1の回動を許容するヒンジと、駆動モータとを有する。回動枠部21a1には、2つのプロペラ駆動モータ1211bが設けられる。回動枠部21a1は、ヒンジを軸にして機体本体1220を畳むように回動することで、鉛直方向と略平行な姿勢となる。駆動モータは、制御処理部11によって制御されることでヒンジを軸にして回動枠部を回動させて、回動枠部21a1を鉛直方向と略平行な姿勢にしたり、回動枠部21a1を水平方向と略平行な姿勢にしたりする。制御処理部11は、無人航空機10fがレール7に接続された場合に、機体本体1220を畳むように回動枠部を鉛直方向と略平行な姿勢にし、回動枠部に固定される2つのプロペラ駆動モータ1211bを駆動させる。
2つのプロペラ駆動モータ1211bは、それぞれのプロペラ22を回転させることで、無人航空機10fを水平方向、つまり、側面プロペラ22aの回転面と直交する方向に推力を付与する。これにより、無人航空機10fは、レール7の長さ方向に沿って移動する。
(実施の形態13)
[構成]
以下では、本実施の形態における昇降システム6cの基本的な構成は、実施の形態1等の昇降システムの基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における昇降システム6cの基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、第1アーム1331および第2アーム1332にローラ1351が設けられている点、固定部にGPSセンサ1352が配置されている点で実施の形態等と相違する。
図83は、実施の形態13における昇降システム6cを例示した斜視図である。図83では、第1スラスタ装置を省略している。図84は、実施の形態13における接続体1330を例示した拡大斜視図である。
本実施の形態では、図83および図84に示すように、2本のレール7に沿って走行する昇降システム6cを例示する。昇降システム6cの無人航空機10gには、機体本体1220の長さ方向に沿って配置される2つの接続体1330が機体本体1220の本体部21に固定される。本実施の形態では、レール7は電線である。
第1アーム1331および第2アーム1332は、機体本体1220の本体部21に固定される。第1アーム1331および第2アーム1332のそれぞれは、ローラ1351と、ローラ駆動モータ1353と、重量センサ1354と、電界センサ1355と、カメラセンサ1356と、赤外線センサ1357とを有する。
ローラ1351は、第1アーム1331および第2アーム1332のそれぞれに設けられる。ローラ1351は、第1アーム1331および第2アーム1332とレール7とが対向する箇所で、第1アーム1331および第2アーム1332に対して回動可能に設けられる。ローラ1351は、レール7に回転自在に接触するための車輪である。
ローラ駆動モータ1353は、第1アーム1331および第2アーム1332のそれぞれに設けられ、ローラ1351とは一対一で対応する。ローラ駆動モータ1353は、制御処理部11によって制御されることで、それぞれのローラ1351を回転駆動させる。つまり、それぞれのローラ駆動モータ1353は、それぞれのローラ1351を回転駆動させることで、昇降システム6cをレール7の上に走行させる。
なお、図85に示すように、複数のレール7が並んで配置されている場合、レール7の長さ方向と直交する方向に並ぶように、複数の接続体1330を図83の本体部21に配置してもよい。この場合、1台の昇降システム6cで複数本のレール7の状態を点検することができる。図85は、実施の形態13における複数のレール7に接続された複数の接続体1330を例示した拡大斜視図である。
制御処理部11は、昇降システム6cがレール7上を移動する場合、それぞれのプロペラ駆動モータ1211bの駆動を停止させて、それぞれのローラ駆動モータ1353を駆動させるように制御する。
GPSセンサ1352は、ベース部1330aの先端に配置される。本実施の形態では、GPSセンサ1352は、昇降システム6cの位置を受信し易くなるように、2つのアームにおけるそれぞれのベース部1330aの先端に設けられる。GPSセンサ1352は、センサの一例である。
図83および図84に示すように、本実施の形態の昇降システム6cでは、2本のレール7に2つのアームによって吊り下がった状態で保持される。制御処理部11がそれぞれのローラ駆動モータ1353およびそれぞれのプロペラ駆動モータ1211bを制御することにより、無人航空機10gは、ローラ駆動モータ1353の駆動によって、レール7に沿って移動することができる。
重量センサ1354は、第1アーム1331および第2アーム1332のそれぞれに設けられる。重量センサ1354は、第1アーム1331および第2アーム1332のそれぞれのローラ1351がレール7に接触する際に、レール7に加わる昇降システム6cの重量を検知する。重量センサ1354は、第1アーム1331および第2アーム1332のそれぞれにおける、ローラ1351の内側部分に設けられる。重量センサ1354は、検知した昇降システム6cの重量を示す重量情報を制御処理部11に出力する。
電界センサ1355は、第1アーム1331および第2アーム1332のそれぞれに設けられる。電界センサ1355は、移動ルートにおけるレール7の磁界の状態を検知する。電界センサ1355は、GPSセンサ1352が取得した位置情報に紐付けた磁界情報であって、検知したレール7の磁界の状態を示す磁界情報を制御処理部11に出力する。
カメラセンサ1356は、第1アーム1331、第2アーム1332およびベース部1330aのそれぞれに設けられる。それぞれのカメラセンサ1356は、レール7を撮像することでレール7の状態等を検知する。
赤外線センサ1357は、ベース部1330aに設けられる。赤外線センサ1357は、夜間などの暗い環境において、レール7を撮像することでレール7の状態等を検知する。
それぞれのカメラセンサ1356および赤外線センサ1357は、レール7の表面を撮像することで、レール7の状態を撮像した画像情報を制御処理部11に出力する。
制御処理部11は、重量センサ1354から重量情報を取得することで、レール7に加わる張力を計算したりする。複数の昇降システム6cが同一のレール7上に存在する場合、制御処理部11は、重量情報に基づいて、レール7の耐荷重を超えるかどうかを判定したりする。レール7の耐荷重を超える場合、制御処理部11は、昇降システム6cの走行を一時停止(待機)させたりする。
なお、制御処理部11は、電界センサ1355から接触情報を取得することで、レール7からローラ1351が外れているかどうかを検知したりしてもよい。レール7からローラ1351が外れていれば、制御処理部11は、それぞれのプロペラ駆動モータ1211bを制御してプロペラ22を回転させることにより、それぞれのローラ1351がレール7上を走行するように、昇降システム6cの姿勢を修正してもよい。
制御処理部11は、それぞれの電界センサ1355から電界情報を取得することで、通信部を介して管理サーバ9に送信する。制御処理部11は、それぞれのカメラセンサ1356からレール7の状態を撮像した画像情報を、通信部を介して管理サーバ9に送信する。これにより、管理サーバ9は、昇降システム6cから受信した磁界情報および画像情報に基づいて、レール7の状態を容易に点検できる。つまり、管理サーバ9は、磁界情報および画像情報に基づいて、レール7の破損の有無等の点検ができる。
(実施の形態13の変形例1)
以下では、本実施の形態における昇降システムの基本的な構成は、実施の形態13等の昇降システムの基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における昇降システムの基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、接続体1340にブラシ1358が設けられている点で実施の形態等と相違する。
図86は、実施の形態13の変形例1における接続体1340を例示した拡大斜視図である。
図86に示すように、無人航空機の接続体1340は、レール7の表面と接触するブラシ1358を有する。ブラシ1358は、ベース部1330aに固定され、昇降システムがレール7を走行する際に、レール7の表面と接触することで、レール7に付着した付着物を除去する。ブラシ1358は、昇降システムの走行方向において、ローラ1351の前方側に配置される。このため、昇降システムがレール7を走行する際に、ローラ1351が付着物を轢かないように、ブラシ1358がレール7の付着物を除去することができる。このため、この昇降システムでは、ローラ1351がレール7から離間し難くなるため、昇降システムの稼働効率の低下を抑制することができる。特に、レール7が電線である場合、電線に付着した付着物を好適に除去することができるため、昇降システムが安全性にレール7を走行することができる。
なお、複数のレール7が並んで配置されている場合、レール7の長さ方向と直交する方向に並ぶように、複数のアームを本体部21に配置してもよい。この場合、1台の昇降システムで複数本のレール7を掃除したりすることができる。
(実施の形態13の変形例2)
以下では、本変形例における昇降システムの基本的な構成は、実施の形態13等の昇降システムの基本的な構成と同様であるため、本変形例における昇降システムの基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、2つの接続体1341、1342のうち、一方の接続体1341の内径が大きく他方の接続体1342の内径が小さい点で実施の形態等と相違する。
図87は、実施の形態13の変形例2における接続体1341、1342を例示した拡大斜視図である。
図87に示すように、無人航空機には、内径の大きい一方の接続体1341と、当該接続体1341よりも内径の小さい他方の接続体1342とを有する。無人航空機における2つの接続体1341、1342のうち一方の接続体1341は、昇降システムがレール7を掴んだ場合に使用される。つまり、一方の接続体1341は、レール7の上を走行することができる。
また、一方の接続体1341がレール7の上を移動する場合、風等の外乱の影響によって昇降システムの揺れが大きくなる。そのため、一方の接続体1341に設けられたそれぞれのカメラセンサとレール7との距離が一定にならず、カメラセンサが取得する画像が乱れることがある。このため、制御処理部11は、昇降システムが大きく揺れる場合(所定の振動数以上の場合)、一方の接続体1341をレール7に接続した後に、他方の接続体1342でレール7にさらに接続するように、一方の接続体1341の駆動を制御する。これにより、昇降システムにおける揺れを抑制することができる。
(実施の形態14)
[構成]
以下では、本実施の形態における昇降システム6cの基本的な構成は、実施の形態1等の昇降システムの基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における昇降システム6cの基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、宅配ボックス1108がユーザの荷物を回収する場合を例示する点で実施の形態等と相違する。
図88は、実施の形態14における昇降システム6cが配送するための荷物を回収する様子を例示した模式図である。図89は、実施の形態14における昇降システム6cに荷物が積載される様子を例示した模式図である。図90は、実施の形態14における昇降システム6cに荷物が積載された後に、無人航空機10hが飛び立つ様子を例示した模式図である。図91は、実施の形態14における昇降システム6cが公共施設に設けられた宅配ボックス1108を介して荷物を回収する様子を例示した模式図である。本実施の形態でいう宅配ボックス1108は、ユーザが目的地点に宅配してもらいたい荷物を回収して宅配するためのボックスである。
本実施の形態では、宅配ボックス1108は、コンビニエンスストア等の公共施設に設けられ、宅配ボックス1108の開口が公共施設の屋根に設けられる。つまり、宅配ボックス1108は、鉛直方向に延びる長尺の搬入口部1109を有する。
図88のa、bおよび図91に示すように、まず、無人航空機10hは、配送先である宅配ボックス1108の鉛直上方に到着すると、制御処理部11は、宅配ボックス1108の開口と第1スラスタ装置110に積載される荷物との位置合わせを行うように、複数のプロペラ駆動モータ1211bを制御する。昇降システム6cは、宅配ボックス1108の開口に被さるように降下し、宅配ボックス1108の開口に第1スラスタ装置110を挿入する。
図88のbに示すように、制御処理部11は、ワイヤ制御モジュール12cを制御してワイヤの繰り出しを開始する。第1スラスタ装置110は、宅配ボックス1108の搬入口部1109に案内されながら下降する。
図88のc、dおよび図89aに示すように、第1スラスタ装置110が宅配ボックス1108の底部に載置される。ユーザは、宅配ボックス1108の横蓋を開放して、搬入口1108aから第1スラスタ装置110に荷物を取りつけて、第1スラスタ装置110に荷物を積載する。このとき、第1スラスタ装置110のスラスタ制御部124は、スイッチセンサ、重量センサ等の検知部によって、荷物が積載されたことを検知する。なお、ユーザは、予め宅配ボックス1108に荷物を格納しておいてもよい。この場合、第1スラスタ装置110が荷物を自動的に積載してもよい。
図89のb、cに示すように、ユーザが宅配ボックス1108の横蓋を閉じ、荷物が積載されたことを検知部が検知すると、検知部が検知した結果に基づいて、制御部は、ワイヤ制御モジュールを制御してワイヤの巻き取りを開始する。第1スラスタ装置110は、宅配ボックス1108の搬入口部1109に案内されながら上昇する。
図89のc、dおよび図90のaおよびbに示すように、第1スラスタ装置110が無人航空機10hの本体に装着される。そして、昇降システム6cは、宅配ボックス1108の開口から離間して、公共施設を配送元として配送先に移動する。
(実施の形態15)
[構成]
以下では、本実施の形態における昇降システム6cの基本的な構成は実施の形態1等の昇降システムの基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における昇降システム6cの基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、宅配ボックスに格納された荷物を昇降システム6cが回収して宅配する場合を例示する点で実施の形態等と相違する。
本実施の形態では、ユーザによって第1スラスタ装置110に荷物が積載されてから配送先の宅配ボックスに荷物を配送するまでを説明する。
図92は、実施の形態15における昇降システム6cの第1スラスタ装置110が荷物を回収する様子を例示した模式図である。図93は、実施の形態15における昇降システム6cの第1スラスタ装置110が回収した荷物を宅配ボックス1508に格納する様子を例示した模式図である。図94は、実施の形態15における昇降システム6cの第1スラスタ装置110が宅配ボックス1508に荷物を格納した後、宅配ボックス1508から離間する様子を例示した模式図である。図95は、実施の形態15における昇降システム6cの無人航空機10hが第1スラスタ装置110に装着される様子を例示した模式図である。
図92のaに示すように、第1スラスタ装置110が荷物を回収して、第1スラスタ装置110が荷物を積載すると、制御処理部11は、ワイヤ制御モジュール12cを制御してワイヤの巻き取りを開始する。なお、第1スラスタ装置110のワイヤ制御モジュール125がワイヤの巻き取りを開始してもよい。荷物を積載した第1スラスタ装置110が上昇して、第1スラスタ装置110が無人航空機10hの本体に装着される。
図92のbに示すように、昇降システム6cは、宅配ボックス1508の開口から離間して、公共施設を配送元として配送先に移動する。
図92のcに示すように、昇降システム6cが配送先となる宅配ボックス1508の近くに移動すると、制御処理部11は、第1スラスタ装置110の姿勢を水平面に対して傾斜する姿勢で傾かせるように、第1スラスタ装置110に傾斜指示を出力する。スラスタ制御部124は、傾斜指示を取得すると、ワイヤの長さ方向と直交する平面に対して第1スラスタ装置110の仮想面U2(本実施の形態では水平面U1)が交差するように、支持体を傾かせる。具体的には、スラスタ制御部124は、制御処理部11から傾斜指示を取得すると、第1スラスタ装置110を俯瞰した場合において、第1スラスタ装置110の重心位置から接続点を移動させる。より具体的には、スラスタ制御部124は、宅配ボックス1508から離れる方向に縦桟1015bおよび横桟1015cを外枠1015a内でスライド移動させることで、接続点を第1スラスタ装置110の重心位置から遠ざける。これにより、昇降システム6cでは、第1スラスタ装置110が傾く、つまり、第1スラスタ装置110の支持体が水平面U1に対して角度θ1で傾く。
図92のdに示すように、スラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール125を制御してワイヤの繰り出しを開始する。これにより、第1スラスタ装置110は、水平面U1に対して傾斜した姿勢のまま下降する。
図93のaおよびbに示すように、スラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール125を制御してワイヤの繰り出しを実行し続けるとともに、画像情報に基づいて宅配ボックス1508を認識し、認識した宅配ボックス1508の位置に応じて複数の第2プロペラ駆動モータ112を制御する。これにより、第1スラスタ装置110は、宅配ボックス1508に向かって移動する。そして、第1スラスタ装置110は、宅配ボックス1508の開口の鉛直上方に移動する。このとき、第1スラスタ装置110は、無人航空機10hを軸として弧を描くように移動する。第1スラスタ装置110が宅配ボックス1508の開口の鉛直上方に移動すると、第1スラスタ装置110の仮想面U2は、水平面U1と略平行な姿勢となる。このとき、第1スラスタ装置110を通過する鉛直線U3とワイヤの長さ方向との角度、および、無人航空機10hを通過する鉛直線U3とワイヤの長さ方向との角度は、角度θ1よりも大きいθ1+αとなる。
図93のa、bおよびcに示すように、スラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール125を制御してワイヤの繰り出しを実行し続けるとともに、画像情報に基づいて複数のプロペラ駆動モータを制御することで、宅配ボックス1508の開口に第1スラスタ装置110を下降させる。第1スラスタ装置110は、第1スラスタ装置110の仮想面U2が水平面U1と略平行な姿勢で下降する。
図93のcに示すように、第1スラスタ装置110は、宅配ボックス1508の開口を覆うように宅配ボックス1508に着陸し、荷物を宅配ボックス1508の開口から挿入する。
図94のaに示すように、第1スラスタ装置110は、荷物を切離すことで、荷物が宅配ボックス1508に格納される。
図94のbおよびcに示すように、スラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール125を制御してワイヤの巻き取りを実行するとともに、画像情報に基づいて複数の第2プロペラ駆動モータ112を制御することで、第1スラスタ装置110が上昇する。このため、第1スラスタ装置110は、宅配ボックス1508の開口から離間する。スラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール125を制御してワイヤの巻き取りを停止させる。このとき、第1スラスタ装置110は、レールに固定された無人航空機10hに対してワイヤを引っ張っているため、弧を描くように移動する。つまり、第1スラスタ装置110は、複数の第2プロペラ駆動モータ112によるプロペラの回転により、又は、自重により振り子のように、無人航空機10hの鉛直下方に移動する。
図95のaおよびbに示すように、ワイヤ制御モジュール125を制御してワイヤの巻き取りを実行することで、第1スラスタ装置110が上昇し無人航空機10hに装着される。そして、昇降システム6cは、無人航空機10hは配送元に戻る。
次に、第1スラスタ装置110が水平面に対して傾く構成を説明する。
図96は、実施の形態15における昇降システム6cの第1スラスタ装置110が水平面に対して傾く様子を例示した模式図である。図96のaは、実施例1の第1スラスタ装置110を示し、図96のbは、実施例2の第1スラスタ装置110を示す。
次に、第1スラスタ装置110を傾斜させる構成について説明する。
[実施例1]
図96のaでは、第1スラスタ装置110のワイヤ制御モジュール125は、ヒンジ及びヒンジ駆動モータを有していてもよい。ワイヤ制御モジュール125は、ワイヤの長さ方向と直交する平面に対して第1スラスタ装置110の仮想面U2が交差するように、支持体を傾かせてもよい。これにより、第1スラスタ装置110の支持体は、水平面U1に対して角度θ1で傾くことができる。
[実施例2]
図96のbでは、図14の実施の形態1の変形例1の第1スラスタ装置110aであってもよい。第1スラスタ装置110aは、支持体の重心位置に対して、ワイヤと支持体との接続点の位置を変更させることで、ワイヤの長さ方向と直交する平面に対して第1スラスタ装置110の仮想面U2が交差するように、支持体を傾かせてもよい。これにより、第1スラスタ装置110の支持体は、水平面U1に対して角度θ1で傾くことができる。
(実施の形態16)
[構成]
以下では、本実施の形態における昇降システム6cの基本的な構成は、実施の形態15等の昇降システムの基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における昇降システム6cの基本的な構成について適宜説明を省略する。
図97は、実施の形態16における物流システム3aの全体概要を例示した模式図である。図98は、実施の形態16における物流システム3aの全体概要を例示した別の模式図である。
本実施の形態の物流システム3aでは、昇降システム6c、支柱及びレール7を用いて、荷物を回収して配達する。
図97及び図98に示すように、物流システム3aでは、レール7が張り巡らせ、レール7が支柱に支持される。本実施の形態のレール7は、電線であり、支柱は、電柱である。昇降システム6cの無人航空機10iは、レール7に沿って走行することで、荷物を回収したり荷物を配達したりすることができる。無人航空機10iは、荷物を回収するための宅配ボックス1108から荷物を回収すると、レール7に沿って目的地点まで移動する。無人航空機10iは、目的地点に到着すると、無人航空機10iがレール7に掴まった状態で第1スラスタ装置110が下降することで、宅配ボックス1008を格納する。そして、無人航空機10iは、次の荷物を回収するために、宅配ボックス1108に戻る。
図99は、実施の形態16における物流システム3aの支柱及びレールを例示した模式図である。図99のaは、支柱及びレールの斜視図であり、図99のaおよびbは、支柱及びレールを俯瞰した平面図である。
物流システム3aは、支柱と、レール7と、昇降システム6cとを有する。
図99に示すように、支柱は、レール7を支持するための支柱本体1631と、レール7を支持するレール支持部1632とを有する。レール支持部1632は、支柱の長さ方向と直交するように延びる長尺の支持部材である。本実施の形態では、支柱本体1631の長さ方向に対して直交する方向に延びる2つのレール支持部1632が固定される。2つのレール支持部1632のうちの一方のレール支持部1632は、支柱本体1631から第1の規定方向に延び、2つのレール支持部1632のうちの他方のレール支持部1632は、第1の規定方向と直交しかつ支柱本体1631から第2の規定方向に延びる。一方のレール支持部1632は、第1レール7aを支持し、他方のレール支持部1632は、第1レール7aと異なる第2レール7bを支持する。第1レール7aと第2レール7bとは、長さ方向で直交するように設けられる。つまり、第1レール7aは、第2レール7bと交差している。
図100は、実施の形態16における無人航空機10iを例示した斜視図である。
図100に示すように、無人航空機10iは、2つの接続体を有する。2つの接続体は、機体本体1220の長さ方向(レール7の長さ方向)に沿うように、並んで配置される。2つの接続体は、第1接続体1620aおよび第2接続体1620bとする。また、第1接続体1620aおよび第2接続体1620bのそれぞれは、第1フック1621と第2フック1622とを有する。このため、単に接続体という場合は、第1接続体1620aおよび第2接続体1620bを総称していう。第1接続体1620aおよび第2接続体1620bは、アームの一例である。接続体は、アームの一例である。
第1フック1621および第2フック1622は、駆動制御部12に制御されることによって、レール7を挿通する空間を形成する閉状態と、閉状態から第1フック1621および第2フック1622が回動することで、レール7を開放する開状態との間で切り替わる。
閉状態では、第1フック1621の先端と第2フック1622の先端とが合わさることで、レール7が接続体から離間しない閉じた領域が形成される。開状態では、第1フック1621の先端と第2フック1622の先端とが離れることで、レール7が接続体から離間する開放された領域が形成される。
第1接続体1620aは、2つの接続体のうちの無人航空機10iの進行方向側の最も前方側に配置され、第2接続体1620bは、2つの接続体のうちの無人航空機10iの進行方向と反対の側の最も後方側に配置される。前方側は、無人航空機10iの進行方向側であり、後方側は、無人航空機10iの進行方向と反対側である。
また、無人航空機10iの前方側及び後方側には、それぞれ側面プロペラ22aが設けられる。側面プロペラ22aは、機体本体1220に固定されて前後方向に延びるプロペラ支持部22a7に、姿勢を変更可能に固定される。プロペラ支持部22a7には、側面プロペラ22aを回転させるためのモータが内蔵される。このモータは、制御処理部11によって制御される。
側面プロペラ22aは、第1プロペラ駆動モータ23に駆動されることで、無人航空機10iを前進させたり後進させたりするための推力を機体本体1220に付与する。それぞれの側面プロペラ22aは、同一のプロペラ22であってもよいが、後方側に配置される側面プロペラ22a(無人航空機10iの後方側の側面プロペラ22a)の方が前方側に配置される側面プロペラ22a(無人航空機10iの前方側の側面プロペラ22a)よりも、側面プロペラ22aのブレードが長くてもよい。
前方側及び後方側の側面プロペラ22aは、側面プロペラ22aの回転軸22a8の軸方向が、レール7の長さ方向に対して回動可能である。つまり、それぞれの側面プロペラ22aは、それぞれの側面プロペラ22aの回転軸22a8の軸方向が、レール7の長さ方向に沿うように維持される姿勢(正方向時の側面プロペラ22aの姿勢)と、レール7の長さ方向と直交する方向と平行に維持される姿勢(水平方向時の側面プロペラ22aの姿勢)との間で変位可能である。つまり、側面プロペラ22aの回転軸22a8の軸方向は、レール7の長さ方向と略平行な姿勢から、レール7の長さ方向を法線とする平面と略平行となる姿勢までの間で、変位可能である。
正方向時の側面プロペラ22aの姿勢では、無人航空機10iは、機体本体1220の長さ方向に推力が付与されるため、当該長さ方向に沿って移動可能である。また、水平方向時の側面プロペラ22aの姿勢では、無人航空機10iは、機体本体1220の長さ方向と直交する方向に推力が付与されて回動する。
図101は、実施の形態16における無人航空機10iを側方から見て、無人航空機10iがレール7に沿って移動する様子を例示した模式図である。
図101に示すように、無人航空機10iは、複数の距離センサ1681と、角度センサ1682と、複数の圧力センサ1683とを有する。
複数の距離センサ1681は、無人航空機10iの機体本体1220の上方側で固定される。複数の距離センサ1681は、無人航空機10iと、レール7、レール7以外の障害物(例えばレール支持部1632)との距離を検知する。それぞれの距離センサ1681は、検知した距離を示す距離情報を制御処理部11に出力する。これにより、無人航空機10iとレール7、レール7以外の障害物との距離に基づいて、無人航空機10iの移動速度を変更する制御を行うことができる。例えば、レール7は撓んでいる箇所があるため無人航空機10iが高速で移動すればレール7と衝突する恐れがあるが、距離情報に基づいて移動速度が制御されるため、無人航空機10iがレール7又は他の障害物と接触することを抑制することができる。
角度センサ1682は、機体本体1220の傾きを検知する。つまり、角度センサ1682は、水平面に対する機体本体1220の仮想平面の傾斜角度を検知する。角度センサ1682は、検知した傾斜角度を示す角度情報を制御処理部11に出力する。制御処理部11は、角度情報に基づいて機体本体1220の姿勢を制御する。
複数の圧力センサ1683は、それぞれの接続体がレール7に接続された際に、それぞれの接続体を介して機体本体1220に加わる圧力(重力)を検知する。複数の圧力センサ1683は、機体本体1220とそれぞれの接続体との接続部分に設けられる。複数の圧力センサ1683のそれぞれは、それぞれの接続体に設けられる。圧力センサ1683は、検知した圧力を示す圧力情報を制御処理部11に出力する。制御処理部11は、圧力情報に基づいて機体本体1220のそれぞれのプロペラ22の駆動を制御する。具体的には、複数の接続体のうち1以上の接続体について、圧力情報に示される圧力が所定値以上になると、複数の接続体のうちのいずれかの接続体とレール7との接続が解除された状態になる。このため、制御処理部11は、圧力が所定値以上となる圧力情報を取得した圧力センサ1683に対応するプロペラ22を駆動させるように、プロペラ制御モジュール12bを制御する。圧力センサ1683に対応するプロペラ22とは、機体本体1220において、圧力センサ1683が配置されている側のプロペラ22を意味する。例えば、第1接続体1620aに対応する圧力センサ1683が、圧力が所定値以上となる圧力情報を取得した場合、前方側のプロペラ22を駆動させる。また、第2接続体1620bに対応する圧力センサ1683が、圧力が所定値以上となる圧力情報を取得した場合、後方側のプロペラ22を駆動させる。
図101は、実施の形態16における無人航空機10iを側方から見て、無人航空機10iがレール7に沿って移動する様子を例示した模式図である。図101に示すように、無人航空機10iのプロペラ22の回転は停止しているが、側面プロペラ22aは回転している。
図102は、実施の形態16における無人航空機10iを側方から見て、第1接続体1620aとレール7との接続が解除された状態であり、かつ、第2接続体1620bとレール7とが接続された状態を例示した模式図である。図102は、図101の状態から、無人航空機10iがさらに前進した状態である。
制御処理部11は、それぞれの距離センサ1681から取得した情報に基づいて、レール支持部1632(又は、複数のレール7が交差している場合は、交差しているレール7)と第1接続体1620aとの距離が所定距離未満になると、駆動制御部12を介して第1接続体1620aを駆動させる。つまり、駆動制御部12は、第1アクチュエータを制御することで、第1フック1621および第2フック1622のそれぞれを所定の軸心周りで回動させて、第1接続体1620aを開状態にする。レール支持部1632との接触を避けるため、第1接続体1620aは、第1フック1621および第2フック1622の回動によって開状態になることで、レール7との接続を解除する。第1接続体1620aとレール支持部1632とが接触しないように、第1接続体1620aがレール支持部1632よりも鉛直下方に配置される。これにより、無人航空機10iは、第1接続体1620aがレール支持部1632と接触せずに、レール支持部1632の鉛直下方を通過することができる。
また、無人航空機10iは、姿勢を保つため、前方側(第1接続体1620a側)のプロペラ22を駆動させる。つまり、第1接続体1620aとレール7との接続が解除されると、無人航空機10iには、機体本体1220の重心Gの鉛直上から水平方向ズレた、第2接続体1620bとレール7との接続点を支点(軸)として、矢印方向に回動する重力モーメントが働く。しかし、無人航空機10iでは、前方側のプロペラ22が駆動することで、機体本体1220の前方側の部分を、鉛直上方(矢印方向)に持ち上げる揚力としての反重力モーメントが働く。
具体的には、制御処理部11は、距離情報に基づいて、レール7と第1接続体1620aとの距離が所定距離未満になると、プロペラ制御モジュール12bを介して前方側のプロペラ22を回転させる。つまり、プロペラ制御モジュール12bは、第1プロペラ駆動モータ23を制御することで、前方側のプロペラ22を回転させる。第1接続体1620aが開状態になることで、失われた機体本体1220を支持する力を、前方側のプロペラ22の回転による揚力で補う。
なお、無人航空機10iは、後方側のプロペラ22が鉛直上方に揚力を付与するように、さらに駆動してもよい。この場合、機体本体1220は当該支点を軸として機体本体1220が時計回りに回動するため、無人航空機10iでは、機体本体1220の前方側の部分を鉛直上方(矢印方向)に持ち上げる反重力モーメントが働く。
これにより、無人航空機10iは、機体本体1220の姿勢を略水平に維持することができる。
図103は、実施の形態16における無人航空機10iを側方から見て、第1接続体1620aとレール7とが接続された状態であり、かつ、第2接続体1620bとレール7との接続が解除された状態を例示した模式図である。図103は、図102の状態から、無人航空機10iがさらに前進した状態である。
制御処理部11は、それぞれの距離センサ1681から取得した情報に基づいて、レール支持部1632(又は、複数のレール7が交差している場合は、交差しているレール7)と第2接続体1620bとの距離が所定距離未満になると、駆動制御部12を介して第2接続体1620bを駆動させる。つまり、駆動制御部12は、第2アクチュエータを制御することで、第1フック1621および第2フック1622のそれぞれを所定の軸心周りで回動させて、第2接続体1620bを開状態にする。レール支持部1632との接触を避けるため、第2接続体1620bは、第1フック1621および第2フック1622の回動によって開状態になることで、レール7との接続を解除する。第2接続体1620bとレール支持部1632とが接触しないように、第2接続体1620bがレール支持部1632よりも鉛直下方に配置される。これにより、無人航空機10iは、第2接続体1620bがレール支持部1632と接触せずに、レール支持部1632の鉛直下方を通過することができる。
また、無人航空機10iは、姿勢を保つため、後方側(第2接続体1620b側)のプロペラ22を駆動させる。つまり、第2接続体1620bとレール7との接続が解除されると、無人航空機10iには、機体本体1220の重心Gの鉛直上から水平方向ズレた、第1接続体1620aとレール7との接続点を支点(軸)として、矢印方向に回動する重力モーメントが働く。しかし、無人航空機10iでは、後方側のプロペラ22が駆動することで、機体本体1220の後方側の部分を、鉛直上方(矢印方向)に持ち上げる揚力としての反重力モーメントが働く。
具体的には、制御処理部11は、距離情報に基づいて、レール7と第2接続体1620bとの距離が所定距離未満になると、プロペラ制御モジュール12bを介して後方側のプロペラ22を回転させる。つまり、プロペラ制御モジュール12bは、第1プロペラ駆動モータ23を制御することで、後方側のプロペラ22を回転させる。第2接続体1620bが開状態になることで、失われた機体本体1220を支持する力を、後方側のプロペラ22の回転による揚力で補う。
なお、無人航空機10iは、前方側のプロペラ22が鉛直上方に揚力を付与するように、さらに駆動してもよい。この場合、機体本体1220は当該支点を軸として機体本体1220が反時計回りに回動するため、無人航空機10iでは、機体本体1220の後方側の部分を鉛直上方(矢印方向)に持ち上げる反重力モーメントが働く。
これにより、無人航空機10iは、機体本体1220の姿勢を略水平に維持することができる。
[変形例]
図104は、実施の形態16の変形例における無人航空機10i1を側方から見た状態を例示した模式図である。図104は、本実施の形態の図101の変形例である。
図104の無人航空機10i1は、さらに、複数の可変翼22fを有する。
複数の可変翼22fは、機体本体1220の側面に設けられ、ピッチ翼として機能する。具体的には、機体本体1220の前方側には一対の可変翼22fが配置され、かつ、機体本体1220の後方側には一対の可変翼22fが配置される。前方側の一対の可変翼22fは、機体本体1220の前方側の一対のプロペラ22に対応して配置され、当該一対のプロペラ22の側方に配置される。また、後方側の一対の可変翼22fは、機体本体1220の後方側の一対のプロペラ22に対応して配置され、当該一対のプロペラ22の側方に配置される。
一対の可変翼22fは、機体本体1220の長さ方向に対して対称に配置される。一対の可変翼22fのそれぞれは、水平方向を軸心として軸部と、軸部によって回動可能に支持される羽部とを有する。羽部は、水平方向を軸心として回動する。羽部が回動することで上下方向の風力を制御する。軸部が羽部の前方側の端縁を上方に回動させれば、機体本体1220には、鉛直上方の揚力が付与される。
複数の可変翼22fは、制御処理部11によって駆動が制御される。具体的には、制御処理部11は、複数の距離センサ1681からレール支持部1632までの距離情報を、複数の距離センサ1681のそれぞれから取得する。制御処理部11は、距離情報に基づいて、レール支持部1632から複数の距離センサ1681のそれぞれとの距離が所定距離未満になったことを判定すると、駆動制御部12を介して、それぞれのプロペラ22、それぞれの可変翼22f及びそれぞれの接続体の回動を制御する。
図105は、実施の形態16の変形例における無人航空機10i1を側方から見て、第1接続体1620aとレール7との接続が解除された状態であり、かつ、第2接続体1620bとレール7とが接続された状態を例示した模式図である。図105は、図104の状態から、無人航空機10i1がさらに前進した状態である。
レール支持部1632との接触を避けるため、第1接続体1620aは、第1フック1621および第2フック1622の回動によって開状態になることで、レール7との接続を解除する。第1接続体1620aとレール支持部1632とが接触しないように、第1接続体1620aは、レール支持部1632よりも鉛直下方に配置される。これにより、無人航空機10i1は、第1接続体1620aがレール支持部1632と接触せずに、レール支持部1632の鉛直下方を通過することができる。
また、無人航空機10i1は、姿勢を保つため、前方側(第1接続体1620a側)のプロペラ22を駆動させる。つまり、第1接続体1620aとレール7との接続が解除されると、無人航空機10i1には、機体本体1220の重心Gの鉛直上から水平方向ズレた、第2接続体1620bとレール7との接続点を支点(軸)として、矢印方向に回動する重力モーメントが働く。
無人航空機10i1は、前方側の一対の可変翼22fの羽部を回動させる。つまり、水平方向と略平行な姿勢の羽部を、前方側が上り傾斜する姿勢となるように時計回りに回動させる。これにより、無人航空機10i1が進行方向に進む際、空気によって、羽部には、進行方向と反対方向に抗力が働くため、羽部を鉛直方向に押し上げる揚力が働く。このため、無人航空機10i1では、前方側の一対の可変翼22fが回動することで、機体本体1220の前方側の部分を、鉛直上方(矢印方向)に持ち上げる揚力としての反重力モーメントが働く。
なお、無人航空機10i1では、前方側のプロペラ22が駆動することで、機体本体1220の前方側の部分を、鉛直上方(矢印方向)に持ち上げる揚力としての反重力モーメントを働かせてもよい。
なお、無人航空機10i1は、後方側のプロペラ22が鉛直上方に揚力を付与するように、さらに駆動してもよい。この場合、機体本体1220は当該支点を軸として機体本体1220が時計回りに回動するため、無人航空機10i1では、機体本体1220の前方側の部分を鉛直上方(矢印方向)に持ち上げる反重力モーメントが働く。
図106は、実施の形態16の変形例における無人航空機10i1を側方から見て、第1接続体1620aとレール7とが接続された状態であり、かつ、第2接続体1620bとレール7との接続が解除された状態を例示した模式図である。図106は、図105の状態から、無人航空機10i1がさらに前進した状態である。
レール支持部1632との接触を避けるため、第2接続体1620bは、第1フック1621および第2フック1622の回動によって開状態になることで、レール7との接続を解除する。第2接続体1620bとレール支持部1632とが接触しないように、第2接続体1620bは、レール支持部1632よりも鉛直下方に配置される。これにより、無人航空機10i1は、第2接続体1620bがレール支持部1632と接触せずに、レール支持部1632の鉛直下方を通過することができる。
また、無人航空機10i1は、姿勢を保つため、後方側(第2接続体1620b側)のプロペラ22を駆動させる。つまり、第2接続体1620bとレール7との接続が解除されると、無人航空機10i1には、機体本体1220の重心Gの鉛直上から水平方向ズレた、第1接続体1620aとレール7との接続点を支点(軸)として、矢印方向に回動する重力モーメントが働く。
さらに、無人航空機10i1は、後方側の一対の可変翼22fの羽部を回動させる。つまり、水平方向と略平行な姿勢の羽部を、前方側が上り傾斜する姿勢となるように時計回りに回動させる。これにより、無人航空機10i1が進行方向に進む際、空気によって、羽部には、進行方向と反対方向に抗力が働くため、羽部を鉛直方向に押し上げる揚力が働く。このため、無人航空機10i1では、後方側の一対の可変翼22fが回動することで、機体本体1220の後方側の部分を、鉛直上方(矢印方向)に持ち上げる揚力としての反重力モーメントが働く。
なお、無人航空機10i1では、前方側のプロペラ22が駆動することで、機体本体1220の後方側の部分を、鉛直上方(矢印方向)に持ち上げる揚力としての反重力モーメントを働かせてもよい。
なお、無人航空機10i1は、前方側のプロペラ22が鉛直上方に揚力を付与するように、さらに駆動してもよい。この場合、機体本体1220は当該支点を軸として機体本体1220が時計回りに回動するため、無人航空機10i1では、機体本体1220の前方側の部分を鉛直上方(矢印方向)に持ち上げる反重力モーメントが働く。
これにより、無人航空機10i1は、機体本体1220の姿勢を略水平に維持することができる。また、本変形例では、プロペラ22を駆動させることなく、一対の可変翼22fを回動させることで、無人航空機10i1の姿勢を略水平に維持することができるため、無人航空機10i1の消費電力の増大を抑制することができる。
[動作]
図107は、実施の形態16における無人航空機10iが第1レール7aを走行する際に、第1レール7aを支持する一方のレール支持部1632を通過する様子を例示する模式図である。図107では、「a*」が無人航空機10iを俯瞰した様子を例示し、「b*」が第1接続体1620aと第1レール7aとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「c*」が第2接続体1620bと第1レール7aとを進行方向に向かって見た場合を例示している。「*」は、図107内で説明する図の順番を示す数字である。また、図107では、レール支持部1632を破線で示し、プロペラ22が回転している場合は実線で示し、プロペラ22が回転していない場合は破線で示す。また、図107では、適宜符号を省略する。
図107のa1、b1、c1、a2、b2およびc2に示すように、無人航空機10iは、側面プロペラ22aを回転させることで、第1レール7aに沿って進行する。第1接続体1620aが破線で示す一方のレール支持部1632に近づくと、無人航空機10iは、第1接続体1620aの第1フック1621および第2フック1622を回動させて、第1接続体1620aを開状態にする。第1接続体1620aは、第1レール7aとの接続が解除され、第1接続体1620aと一方のレール支持部1632とが接触しないように、一方のレール支持部1632よりも鉛直下方に配置される。このとき、第2接続体1620bは第1レール7aに接続された状態である。第1接続体1620aを第1レール7aとの接続から外す際に、無人航空機10iは、実線で示すように、前方側のプロペラ22を回転させることで鉛直上方への浮力を付与する。これにより、無人航空機10iは、姿勢を保つ。
図107のa3、b3、c3、a4、b4およびc4に示すように、第1接続体1620aが一方のレール支持部1632の鉛直下方を通過すると、無人航空機10iは、第1接続体1620aの第1フック1621と第2フック1622とを回動させて、第1接続体1620aを閉状態にすることで、第1接続体1620aを第1レール7aに連結し、前方側のプロペラ22の回転を停止させる。このとき、第1接続体1620aおよび第2接続体1620bは、第1レール7aに接続された状態である。
図107のa5、b5、c5、a6、b6およびc6に示すように、第2接続体1620bが一方のレール支持部1632に近づくと、無人航空機10iは、第2接続体1620bの第1フック1621および第2フック1622を回動させて、第2接続体1620bを開状態にする。第2接続体1620bは、第1レール7aとの接続が解除され、第2接続体1620bと一方のレール支持部1632とが接触しないように、一方のレール支持部1632よりも鉛直下方に配置される。このとき、第1接続体1620aは第1レール7aに接続された状態である。第2接続体1620bを第1レール7aとの接続から外す際に、無人航空機10iは、実線で示すように、後方側に配置されているプロペラ22を回転させることで、鉛直上方への浮力を付与する。これにより、無人航空機10iは、姿勢を保つ。
図108は、実施の形態16における無人航空機10iが第1レール7aを走行する際に、第1レール7aと第2レール7bとの交差点に向かう様子を例示する模式図である。図108では、「a*」が無人航空機10iを俯瞰した様子を例示し、「b*」が第1接続体1620aと第1レール7aとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「c*」が第2接続体1620bとレール7とを進行方向に向かって見た場合を例示している。「*」は、図108内で説明する図の順番を示す数字である。また、図108では、レール支持部1632を破線で示し、プロペラ22が回転している場合は実線で示し、プロペラ22が回転していない場合は破線で示す。また、図108では、適宜符号を省略する。
図108のa1、b1、c1、a2、b2、c2、a3、b3およびc3に示すように、第1接続体1620aが第2レール7bに近づくと、無人航空機10iは、第1接続体1620aの第1フック1621および第2フック1622を回動させて、第1接続体1620aを開状態にする。第1接続体1620aは、第1接続体1620aと第1レール7aとの接続が解除され、第1接続体1620aと第2レール7bとが接触しないように、第2レール7bよりも鉛直下方に配置される。このとき、第2接続体1620bは第1レール7aに接続された状態である。第1接続体1620aを第1レール7aとの接続から外す際に、無人航空機10iは、実線で示すように、前方側のプロペラ22を回転させることで、鉛直上方への浮力を付与する。これにより、無人航空機10iは、姿勢を保つ。
図109は、実施の形態16における無人航空機10iの第1接続体1620aと第1レール7aとの接続が解除される様子を例示する模式図である。図109では、「a*」が無人航空機10iを俯瞰した様子を例示し、「b*」が第1接続体1620aと第1レール7a又は第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「c*」が第2接続体1620bと第1レール7aとを進行方向に向かって見た場合を例示している。「*」は、図109内で説明する図の順番を示す数字である。また、図109では、適宜符号を省略する。
図109のa1、b1、c1、a2、b2、c2、a3、b3およびc3に示すように、無人航空機10iは、第1接続体1620aが第2レール7bの鉛直下方を通過して一端停止する。このとき、無人航空機10iを鉛直上方から見た場合、第1レール7aと第2レール7bとの接続点は、第1接続体1620aと第2接続体1620bとの間に配置される。次に無人航空機10iは、反時計回りに回転する。つまり、無人航空機10iは、側面プロペラ22aを水平方向時の姿勢にして側面プロペラ22a回転させることで、反時計回りに回転する。そして、無人航空機10iは、鉛直上方から見た場合、第1接続体1620aと第2レール7bとが重なる位置まで回転する。
図110は、実施の形態16における無人航空機10iの第2接続体1620bと第1レール7aとの接続が解除される様子を例示する模式図である。図110では、「a*」が無人航空機10iを俯瞰した様子を例示し、「b*」が第1接続体1620aと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「c*」が第2接続体1620bと第1レール7a又は第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示している。「*」は、図110内で説明する図の順番を示す数字である。また、図110では、適宜符号を省略する。
図110のa1、b1およびc1に示すように、無人航空機10iは、第1接続体1620aと第2レール7bとが重なる位置まで回転してから、第1フック1621と第2フック1622とを回動させて、第1接続体1620aが閉状態になることで、第1接続体1620aを第2レール7bに連結し、前方側のプロペラ22の回転を停止させる。このとき、第2接続体1620bは第1レール7aに接続された状態である。
図110のa2、b2、c2、a3、b3およびc3に示すように、無人航空機10iは、第2接続体1620bの第1フック1621および第2フック1622を回動させて、第2接続体1620bを開状態にする。第2接続体1620bは、第1レール7aとの接続が解除され、第2接続体1620bと第1レール7aとが接触しないように、第1レール7aよりも鉛直下方に配置される。このとき、第2接続体1620bは第2レール7bに接続されたままの状態である。第2接続体1620bを第1レール7aとの接続から外す際に、無人航空機10iは、実線で示すように、後方側のプロペラ22を回転させることで鉛直上方への浮力を付与する。これにより、無人航空機10iは、姿勢を保つ。
また、無人航空機10iは、反時計回りに回転する。つまり、無人航空機10iは、側面プロペラ22aを回転させることで、反時計回りに回転する。そして、無人航空機10iは、鉛直上方から見た場合、第2接続体1620bと第2レール7bとが重なる位置まで回転する。このとき、第2接続体1620bの第2フック1622は、第2レール7bと接触可能な位置まで回動する。本実施の形態では、無人航空機10iは、左折する場合を例示しているが、右折する場合、第2接続体1620bの第1フック1621は、第2レール7bと接触可能な位置まで回動する。また、無人航空機10iは、図110のa1に示すように、機体本体1220の長さ方向と直交する方向と第2レール7bの長さ方向との角度θが45°となる姿勢まで回動する。このとき、機体本体1220の中心点Oは、第1レール7aから距離dだけ離れる。
図111は、実施の形態16における無人航空機10iの第2接続体1620bと第2レール7bとが接続される様子を例示する模式図である。図111では、「a*」が無人航空機10iを俯瞰した様子を例示し、「b*」が第1接続体1620aと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「c*」が第2接続体1620bと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示している。「*」は、図111内で説明する図の順番を示す数字である。また、図111では、適宜符号を省略する。
図111のa1、b1、c1、a2、b2、c2、a3、b3およびc3に示すように、無人航空機10iは、第2接続体1620bと第2レール7bとが重なる位置まで回転する。無人航空機10iは、第2フック1622と第2レール7bとが接触又は近接した位置(第2フック1622における鉤爪の内側)に配置されると、第1フック1621も回動させて第2接続体1620bを閉状態にすることで、第2接続体1620bを第2レール7bに連結し、前方側のプロペラ22の回転を停止させる。このとき、第1接続体1620aは第2レール7bに接続された状態である。無人航空機10iは、第2レール7bに沿って安全に移動可能となる。
図112は、実施の形態16における無人航空機10iが第1レール7aを通過する様子を例示する模式図である。図112では、「a*」が無人航空機10iを俯瞰した様子を例示し、「b*」が第1接続体1620aと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「c*」が第2接続体1620bと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示している。「*」は、図112で説明する図の順番を示す数字である。また、図112では、適宜符号を省略する。
図112のa1、b1およびc1に示すように、無人航空機10iが右方向に移動する場合、無人航空機10iは、第1接続体1620aの第1フック1621および第2フック1622を回動させて、第1接続体1620aを開状態にする。第1接続体1620aは、第2レール7bとの接続が解除され、第1接続体1620aと第2レール7bとが接触しないように、第2レール7bよりも鉛直下方に配置される。このとき、第2接続体1620bは第2レール7bに接続されたままの状態である。第1接続体1620aを第2レール7bとの接続から外す際に、無人航空機10iは、実線で示すように、第1接続体1620aのプロペラ22を回転させることで鉛直上方への浮力を付与する。これにより、無人航空機10iは、姿勢を保つ。なお、図109のa1で無人航空機10iを時計回りに回転することで、無人航空機10iが右方向に移動してもよい。
また、図112のa2、b2およびc2に示すように、無人航空機10iが左方向に移動する場合、無人航空機10iは、第2接続体1620bの第1フック1621および第2フック1622を回動させて、第2接続体1620bを開状態にする。第2接続体1620bは、第2レール7bとの接続が解除され、第2接続体1620bと第2レール7bとが接触しないように、第2レール7bよりも鉛直下方に配置される。このとき、第1接続体1620aは第2レール7bに接続されたままの状態である。第2接続体1620bを第2レール7bとの接続から外す際に、無人航空機10iは、実線で示すように、後方側(第2接続体1620b側)のプロペラ22を回転させることで鉛直上方への浮力を付与する。これにより、無人航空機10iは、姿勢を保つ。
以下では、左方向に進行した場合を例に挙げて説明する。
図112のa3、b3およびc3に示すように、無人航空機10iは、側面プロペラ22aを回転させることで、第2レール7bに沿って左方向に進行し、第2接続体1620bが第1レール7aの鉛直下方を通過する。
図113は、実施の形態16における無人航空機10iが第2レール7bを走行する際に、第1接続体1620aが第2レール7bを支持するレール支持部1632を通過する様子を例示する模式図である。図113では、「a*」が無人航空機10iを俯瞰した様子を例示し、「b*」が第1接続体1620aと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「c*」が第2接続体1620bと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示している。「*」は、図113内で説明する図の順番を示す数字である。また、図113では、レール支持部1632を破線で示し、プロペラ22が回転している場合は実線で示し、プロペラ22が回転していない場合は破線で示す。また、図113では、適宜符号を省略する。
図113のa1、b1、c1、a2、b2、c2、a3、b3およびc3に示すように、無人航空機10iは、側面プロペラ22aを回転させることで、第2レール7bに沿って進行する。無人航空機10iは、破線で示す他方のレール支持部1632に近づくと、第1接続体1620aの第1フック1621および第2フック1622を回動させて、第1接続体1620aを開状態にする。第1接続体1620aは、第2レール7bとの接続が解除され、第1接続体1620aと他方のレール支持部1632とが接触しないように、他方のレール支持部1632よりも鉛直下方に配置される。このとき、第2接続体1620bは第2レール7bに接続された状態である。第1接続体1620aを第2レール7bとの接続から外す際に、無人航空機10iは、実線で示すように、前方側のプロペラ22を回転させることで鉛直上方への浮力を付与する。これにより、無人航空機10iは、姿勢を保ちながら第2レール7bに沿って移動し、第1接続体1620aが他方のレール支持部1632の鉛直下方を通過する。
図114は、実施の形態16における無人航空機10iが第2レール7bを走行する際に、第2接続体1620bが第2レール7bを支持するレール支持部1632を通過する様子を例示する模式図である。図114では、「a*」が無人航空機10iを俯瞰した様子を例示し、「b*」が第1接続体1620aと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「c*」が第2接続体1620bと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示している。「*」は、図114内で説明する図の順番を示す数字である。また、図114では、レール支持部1632を破線で示し、プロペラ22が回転している場合は実線で示し、プロペラ22が回転していない場合は破線で示す。また、図114では、適宜符号を省略する。
図114のa1、b1、c1、a2、b2およびc2に示すように、無人航空機10iは、第1接続体1620aの第1フック1621と第2フック1622とを回動させて、第1接続体1620aを閉状態にすることで、第1接続体1620aを第1レール7aに連結し、前方側のプロペラ22の回転を停止させる。このとき、第2接続体1620bは、第2レール7bに接続された状態である。
第2接続体1620bが他方のレール支持部1632に近づくと、無人航空機10iは、第2接続体1620bの第1フック1621および第2フック1622を回動させて、第2接続体1620bを開状態にする。第2接続体1620bは、第2レール7bとの接続が解除され、第2接続体1620bと他方のレール支持部1632とが接触しないように、他方のレール支持部1632よりも鉛直下方に配置される。このとき、第1接続体1620aは第2レール7bに接続された状態である。第2接続体1620bを第2レール7bとの接続から外す際に、無人航空機10iは、実線で示すように、後方側に配置されているプロペラ22を回転させることで、鉛直上方への浮力を付与する。無人航空機10iは、姿勢を保つ。これにより、無人航空機10iは、姿勢を保ちながら第2レール7bに沿って移動し、第2接続体1620bが他方のレール支持部1632の鉛直下方を通過する。
図114のa3、b3およびc3に示すように、無人航空機10iは、第2接続体1620bが他方のレール支持部1632の鉛直下方を通過すると、第2接続体1620bの第1フック1621と第2フック1622とを回動させて、第2接続体1620bを閉状態にすることで、第2接続体1620bを第2レール7bに連結し、後方側に配置されているプロペラ22の回転を停止させる。このとき、第2接続体1620bは第2レール7bに接続された状態である。
このように、無人航空機10iは、それぞれのレール支持部1632、および、第1レール7aと第2レール7bとの接続点を通過することができる。
(実施の形態16の変形例)
以下では、本変形例における無人航空機10jの基本的な構成は、実施の形態16等の無人航空機の基本的な構成と同様の構成であるため、本変形例における無人航空機10jの基本的な構成について適宜説明を省略する。
図115は、実施の形態16の変形例における無人航空機10jを例示した斜視図である。
図115に示すように、無人航空機10jは、3つの接続体を有する。3つの接続体は、レール7の長さ方向に沿って並んで配置される。3つの接続体は、第1接続体1620a、第2接続体1620bおよび第3接続体1620cとする。
第1接続体1620aは、3つの接続体のうちの無人航空機10jの最も前方側に配置され、第2接続体1620bは、無人航空機10jの最も後方側に配置され、第3接続体1620cは、第1接続体1620aと第2接続体1620bとの間に配置される。なお、第1接続体1620a、第2接続体1620bおよび第3接続体1620cのそれぞれの構成は同様の構成であるが、第1接続体1620a、第2接続体1620bおよび第3接続体1620cのそれぞれの第1フック1621および第2フック1622の形状が異なっていてもよい。
第3接続体1620cは、鉛直方向と平行な軸O周りで回転可能である。第3接続体1620cは、360°回転することができる。第3接続体1620cは、駆動制御部12に制御されることで回転する。具体的には、制御処理部11は、第3接続体1620cの接続を第1レール7aと第2レール7bとの間で切り替える場合、駆動制御部12を介して第3接続体1620cを所定角度だけ回転させる。より具体的には、駆動制御部12は、アクチュエータを制御することで、第1フック1621および第2フック1622のそれぞれを所定の軸心周りで回動させて、第3接続体1620cを開状態にし、第1レール7aと第3接続体1620cとの接続を解除する。駆動制御部12は、第3接続体1620cを軸O周りで所定角度だけ回転させる。そして、第3接続体1620cが第2レール7bに接続可能な位置の場合、駆動制御部12は、第1フック1621および第2フック1622のそれぞれを所定の軸心周りで回動させて、第3接続体1620cを閉状態にし、第2レール7bと第3接続体1620cとを接続する。第3接続体1620cは、アームの一例である。
[動作]
図116は、実施の形態16の変形例における無人航空機10jが第1レール7aを走行する際に、第1レール7aを支持する一方のレール支持部1632を通過する様子を例示する模式図である。図116では、「a*」が無人航空機10jを俯瞰した様子を例示し、「b*」が第1接続体1620aと第1レール7aとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「c*」が第3接続体1620cと第1レール7aとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「d*」が第2接続体1620bと第1レール7aとを進行方向に向かって見た場合を例示している。「*」は、図116内で説明する図の順番を示す数字である。また、図116では、適宜符号を省略する。
図116のa1、b1、c1、a2、b2およびc2に示すように、無人航空機10jは、側面プロペラ22aを回転させることで、第1レール7aに沿って進行する。第1接続体1620aが破線で示す一方のレール支持部1632に近づくと、無人航空機10jは、第1接続体1620aの第1フック1621および第2フック1622を回動させて、第1接続体1620aを開状態にする。第1接続体1620aは、第1レール7aとの接続が解除され、第1接続体1620aと一方のレール支持部1632とが接触しないように、一方のレール支持部1632よりも鉛直下方に配置される。このとき、第3接続体1620c及び第2接続体1620bは第1レール7aに接続された状態であるため、無人航空機10jは、姿勢が保たれる。なお、第1接続体1620aを第1レール7aとの接続から外す際に、無人航空機10jは、実線で示すように、前方側のプロペラ22を回転させることで鉛直上方への浮力を付与してもよい。
図116のa3、b3、c3、a4、b4およびc4に示すように、第1接続体1620aが一方のレール支持部1632の鉛直下方を通過すると、無人航空機10jは、第1接続体1620aの第1フック1621と第2フック1622とを回動させて、第1接続体1620aを閉状態にすることで、第1接続体1620aを第1レール7aに連結する。第3接続体1620cが一方のレール支持部1632に近づくと、無人航空機10jは、第3接続体1620cの第1フック1621および第2フック1622を回動させて、第3接続体1620cを開状態にする。第3接続体1620cは、第1レール7aとの接続が解除され、第3接続体1620cと一方のレール支持部1632とが接触しないように、一方のレール支持部1632よりも鉛直下方に配置される。このとき、第1接続体1620aおよび第2接続体1620bは、第1レール7aに接続された状態である。
図116のa5、b5、c5、a6、b6、c6、a7、b7およびc7に示すように、第3接続体1620cが一方のレール支持部1632の鉛直下方を通過すると、無人航空機10jは、第3接続体1620cの第1フック1621と第2フック1622とを回動させて、第3接続体1620cが閉状態にすることで、第3接続体1620cを第1レール7aに連結する。第2接続体1620bが一方のレール支持部1632に近づくと、無人航空機10jは、第2接続体1620bの第1フック1621および第2フック1622を回動させて、第2接続体1620bを開状態にする。第2接続体1620bは、第1レール7aとの接続が解除され、第2接続体1620bと一方のレール支持部1632とが接触しないように、一方のレール支持部1632よりも鉛直下方に配置される。このとき、第1接続体1620a及び第3接続体1620cは第1レール7aに接続された状態であり、無人航空機10jは、姿勢が保たれる。なお、第2接続体1620bを第1レール7aとの接続から外す際に、無人航空機10jは、実線で示すように、後方側のプロペラ22を回転させることで鉛直上方への浮力を付与してもよい。これにより、無人航空機10jは、姿勢を保ちながら第1レール7aに沿って移動し、第2接続体1620bが一方のレール支持部1632の鉛直下方を通過する。
図117は、実施の形態16の変形例における無人航空機10jの第1接続体1620aおよび第2接続体1620bと第1レール7aとの接続が解除される様子を例示する模式図である。図117では、「a*」が無人航空機10jを俯瞰した様子を例示し、「b*」が第1接続体1620aと第1レール7aとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「c*」が第3接続体1620cと第1レール7aとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「d*」が第2接続体1620bと第1レール7aとを進行方向に向かって見た場合を例示している。「*」は、図117内で説明する図の順番を示す数字である。また、図117では、適宜符号を省略する。
図117のa1、b1、c1、a2、b2、c2、a3、b3およびc3に示すように、無人航空機10jは、開状態の第1接続体1620aが第2レール7bと接触しないように、第1接続体1620aが第2レール7bの鉛直下方を通過した。無人航空機10jは、第1接続体1620aが第1レール7aの鉛直下方を通過した位置で一端停止する。このとき、無人航空機10jを鉛直上方から見た場合、第1レール7aと第2レール7bとの接続点は、第1接続体1620aと第3接続体1620cとの間に配置される。無人航空機10jは、さらに、第2接続体1620bの第1フック1621および第2フック1622を回動させて、第2接続体1620bを開状態にする。第2接続体1620bは、第1レール7aとの接続が解除され、第2接続体1620bと第1レール7aとが接触しないように、第1レール7aよりも鉛直下方に配置される。無人航空機10jは、反時計回りに回転する。つまり、無人航空機10jは、図117のaに示す無人航空機10jが水平方向に回転するように側面プロペラ22aの姿勢を変更(水平方向時)してから、側面プロペラ22aを回転させることで、反時計回りに回転する。無人航空機10jは、鉛直上方から見た場合、第1接続体1620aおよび第2接続体1620bと第2レール7bとが重なる位置まで回転する。そして、無人航空機10jは、第1接続体1620aの第1フック1621および第2接続体1620bの第2フック1622のそれぞれを、第2レール7bと接触可能な位置まで回動する。
図118は、実施の形態16の変形例における無人航空機10jの第1接続体1620aおよび第2接続体1620bと第2レール7bとが接続される様子を例示する模式図である。図118では、「a*」が無人航空機10jを俯瞰した様子を例示し、「b*」が第1接続体1620aと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「c*」が第3接続体1620cと第1レール7aとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「d*」が第2接続体1620bと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示している。「*」は、図118内で説明する図の順番を示す数字である。本変形例では、無人航空機10jは、左折する場合を例示している。また、図118では、適宜符号を省略する。
図118のa1、b1、c1、a2、b2、c2、a3、b3およびc3に示すように、無人航空機10jは、第1接続体1620aの第2フック1622を回動させて、第1接続体1620aが閉状態にすることで、第1接続体1620aを第2レール7bに連結する。このとき、第3接続体1620cは第1レール7aに接続された状態である。無人航空機10jが回転することで、第2接続体1620bの第2フック1622と第2レール7bとが接触又は近接した位置(第2フック1622における鉤爪の内側)に配置されると、無人航空機10jは、第2接続体1620bの第1フック1621も回動させて第2接続体1620bを閉状態にして、第2接続体1620bを第2レール7bに連結する。
図119は、実施の形態16の変形例における無人航空機10jの第3接続体1620cが第2レール7bに接続される様子を例示する模式図である。図119では、「a*」が無人航空機10jを俯瞰した様子を例示し、「b*」が第1接続体1620aと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「c*」が第3接続体1620cと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「d*」が第2接続体1620bと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示している。「*」は、図119内で説明する図の順番を示す数字である。また、図119では、適宜符号を省略する。
図119のa1、b1およびc1に示すように、無人航空機10jは、第3接続体1620cの第1フック1621および第2フック1622を回動させて、第3接続体1620cを開状態にする。第3接続体1620cは、第1レール7aとの接続が解除され、第1レール7aおよび第2レール7bと接触しないように、第1レール7aおよび第2レール7bよりも鉛直下方に配置される。無人航空機10jは、鉛直上方から見た場合、さらに第3接続体1620cと第1レール7aおよび第2レール7bとの接続点とが重なる位置まで回転する。つまり、無人航空機10jは、機体本体1220の長さ方向が第2レール7bの長さ方向と平行となるように回転する。第3接続体1620cと第1レール7aとの接続の解除は、無人航空機10jの回転と同時に行ってもよい。このとき、第1接続体1620aおよび第2接続体1620bは第2レール7bに接続されたままの状態である。
図119のa2、b2およびc2に示すように、無人航空機10jは、第3接続体1620cを回転させて、第1接続体1620aおよび第2接続体1620bと同様の姿勢となるまで回転させる。つまり、第3接続体1620cは、鉛直方向を軸として90°回転する。無人航空機10jは、側面プロペラ22aを回転させることで、第2レール7bに沿って進行し、第2レール7bに接続することが可能な位置(第1レール7aと接触しない位置)まで移動する。無人航空機10jは、第3接続体1620cの第1フック1621と第2フック1622とを回動させて、第3接続体1620cを閉状態にすることで、第3接続体1620cを第2レール7bに連結する。これにより、無人航空機10jは、第1レール7aと第2レール7bとの接続点を通過することができる。
図119のa3、b3およびc3に示すように、無人航空機10jは、第2接続体1620bの第1フック1621および第2フック1622を回動させて、第2接続体1620bを開状態にする。第2接続体1620bは、第2レール7bとの接続が解除され、第2接続体1620bと第2レール7bとが接触しないように、第2レール7bよりも鉛直下方に配置される。このとき、第1接続体1620aおよび第3接続体1620cは第2レール7bに接続されたままの状態であり、無人航空機10jは、姿勢が保たれる。無人航空機10jは、側面プロペラ22aを回転させることで、第2レール7bに沿って左方向に進行し、第2接続体1620bが第1レール7aの鉛直下方を通過する。
図120は、実施の形態16の変形例における無人航空機10jの第1接続体1620aおよび第3接続体1620cが他のレール支持部1632を通過する様子を例示する模式図である。図120では、「a*」が無人航空機10jを俯瞰した様子を例示し、「b*」が第1接続体1620aと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「c*」が第3接続体1620cと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「d*」が第2接続体1620bと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示している。「*」は、図120内で説明する図の順番を示す数字である。また、図120では、適宜符号を省略する。
図120のa1、b1、c1、a2、b2、c2、a3、b3およびc3に示すように、無人航空機10jは、側面プロペラ22aを回転させることで、第2レール7bに沿って進行する。無人航空機10jは、破線で示す他方のレール支持部1632に近づくと、第1接続体1620aの第1フック1621および第2フック1622を回動させて、第1接続体1620aを開状態にする。第1接続体1620aは、第2レール7bとの接続が解除され、第1接続体1620aと他方のレール支持部1632とが接触しないように、他方のレール支持部1632よりも鉛直下方に配置される。このとき、第3接続体1620cおよび第2接続体1620bは第2レール7bに接続された状態である。これにより、無人航空機10jは、姿勢を保ちながら第2レール7bに沿って移動し、第1接続体1620aが他方のレール支持部1632の鉛直下方を通過する。
また、無人航空機10jは、第1接続体1620aの第1フック1621と第2フック1622とを回動させて、第1接続体1620aが閉状態になることで、第1接続体1620aを第2レール7bに連結する。第3接続体1620cが他方のレール支持部1632に近づくと、無人航空機10jは、第3接続体1620cの第1フック1621および第2フック1622を回動させて、第3接続体1620cを開状態にする。第3接続体1620cは、第2レール7bとの接続が解除され、第3接続体1620cと他方のレール支持部1632とが接触しないように、他方のレール支持部1632よりも鉛直下方に配置される。このとき、第1接続体1620aおよび第2接続体1620bは、第1レール7aに接続された状態である。
図121は、実施の形態16の変形例における無人航空機10jの第2接続体1620bが他のレール支持部1632を通過する様子を例示する模式図である。図121では、「a*」が無人航空機10jを俯瞰した様子を例示し、「b*」が第1接続体1620aと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「c*」が第3接続体1620cと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示し、「d*」が第2接続体1620bと第2レール7bとを進行方向に向かって見た場合を例示している。「*」は、図121内で説明する図の順番を示す数字である。また、図121では、適宜符号を省略する。
図121のa1、b1、c1、a2、b2およびc2に示すように、無人航空機10jは、姿勢を保ちながら第2レール7bに沿って移動し、第3接続体1620cが他方のレール支持部1632の鉛直下方を通過する。無人航空機10jは、第3接続体1620cの第1フック1621と第2フック1622とを回動させて、第2接続体1620bを閉状態にすることで、第3接続体1620cを第2レール7bに連結する。このとき、第1接続体1620aおよび第2接続体1620bは、第2レール7bに接続された状態である。
第2接続体1620bが他方のレール支持部1632に近づくと、無人航空機10jは、第2接続体1620bの第1フック1621および第2フック1622を回動させて、第2接続体1620bを開状態にする。第2接続体1620bは、第2レール7bとの接続が解除され、第2接続体1620bと他方のレール支持部1632とが接触しないように、他方のレール支持部1632よりも鉛直下方に配置される。このとき、第1接続体1620aおよび第3接続体1620cは第2レール7bに接続された状態である。これにより、無人航空機10jは、姿勢を保ちながら第2レール7bに沿って移動し、第2接続体1620bが他方のレール支持部1632の鉛直下方を通過する。無人航空機10jは、第2接続体1620bの第1フック1621と第2フック1622とを回動させて、第2接続体1620bが閉状態になることで、第2接続体1620bを第2レール7bに連結する。
このように、無人航空機10jは、それぞれのレール支持部1632及び第1レール7aと第2レール7bとの接続点を通過することができる。
(実施の形態17)
[構成]
以下では、本実施の形態における無人航空機10kの基本的な構成は、実施の形態16等の無人航空機の基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における無人航空機10kの基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、接続体のアームにローラが設けられている点で実施の形態16等と相違する。
図122は、実施の形態17における無人航空機10kの第1接続体1720a、第2接続体1720bおよび第3接続体1720c等を例示する斜視図である。
無人航空機10kの機体本体1711は、機体本体1711の長さ方向(レール7の長さ方向)に沿って形成される第1接続体支持部1719と、第2接続体支持部1770とを有する。
第1接続体支持部1719は、一対の立設部1719aと、主桁1719bと、揺動部1761と、複数の支持棒1762とを有する。本実施の形態では、複数の接続体は、第1接続体1720a、第2接続体1720bおよび第3接続体1720cである。
一対の立設部1719aは、機体本体1711の鉛直上方側に設けられ、機体本体1711に対して立ち上がる柱状体である。一対の立設部1719aは、機体本体1711の長さ方向に沿って並んで配置される。一対の立設部1719aは、主桁1719bを支持する。
主桁1719bは、一対の立設部1719aの先端部を互いに接続する。主桁1719bは、機体本体1711の長さ方向に沿って配置され、第1接続体1720a、第2接続体1720bおよび第3接続体1720cを支持する。
揺動部1761は、主桁1719bの長さ方向に沿って配置される長尺の柱状体である。揺動部1761は、主桁1719bの鉛直下方に配置され、長さ方向の中央部分が主桁1719bに対して所定の軸心周りで揺動可能に固定される。揺動部1761が揺動することが可能な揺動面は、鉛直方向と略平行である。揺動部1761の前方側には、1つの支持棒1762の下端が所定の軸心周りで揺動可能に固定され、揺動部1761の後方側にも、1つの支持棒1762の下端が所定の軸心周りで揺動可能に固定される。揺動部1761は、揺動面に沿って揺動することで、それぞれの支持棒1762を押し上げたり押し下げたりする。つまり、揺動部1761は、シーソーのように揺動することで、支持棒1762を介して接続体の位置を変位させる。
複数の支持棒1762は、揺動部1761に対して立ち上がるように、揺動部1761に揺動可能に支持され、かつ、主桁1719bに挿通された状態で支持される。複数の支持棒1762は、揺動部1761が揺動面に応じて揺動することで、鉛直方向に変位可能である。本実施の形態では、2つの支持棒1762が揺動部1761に設けられる。それぞれの支持棒1762は、主桁1719bに挿通した状態で、揺動部1761に揺動可能に支持されるため、ぐらつき又はがたつきが抑制される。
複数の支持棒1762は、複数の接続体を固定する。本実施の形態では、複数の支持棒1762のうちの1つの支持棒1762の先端には、第1接続体1720aが固定され、複数の支持棒1762のうちの1つの支持棒1762の先端には、第2接続体1720bが固定される。支持棒1762は、接続体の数に応じて第1接続体支持部1719に設けられる。
このため、揺動部1761が主桁1719bに対して所定の軸心周りで揺動することで、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bの高さを調節する。なお、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bの位置を変位させる構成は、本実施の形態のような揺動部1761及び複数の支持棒1762に限定されず、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを昇降させることが可能であれば、公知の技術を用いてもよい。
制御処理部11は、それぞれの距離センサから取得した情報に基づいて、レール7支持部(又は、複数のレール7が交差している場合は、交差しているレール7)と第1接続体1720aとの距離が所定距離未満になると、駆動制御部12を制御することで、第1接続体1720aの位置を第2接続体1720bの位置よりも高くする。つまり、駆動制御部12は、アクチュエータを制御することで、揺動部1761を主桁1719bに対して所定の軸心周りで揺動させることで、前方側の位置が高くなり、後方側の位置が低くなるように揺動部1761を傾斜させる。これにより、第1接続体1720aは揺動部1761を介して支持棒1762に押し上げられ、第2接続体1720bは揺動部1761を介して支持棒1762に押し下げられるため、第1接続体1720aの位置は、第2接続体1720bの位置よりも高くなる。第1接続体1720aの第1フック1721および第2フック1722は、レール7から離間するため、駆動制御部12は、アクチュエータを制御することで、第1フック1721および第2フック1722のそれぞれを所定の軸心周りで回動させて、第1接続体1720aを開状態にする。このため、第1接続体1720aを開状態にする際に、レール7と第1フック1721および第2フック1722との間の摩擦が生じ難くなる。これにより、第1接続体1720aは、レール7との接続を容易に解除することができる。なお、第2接続体1720bにおいてもこれらと同様である。
図123は、実施の形態17における無人航空機10kの第2接続体1720bが鉛直方向に可動した様子を例示する斜視図である。図123のaは、第3接続体1720cの位置が通常の状態(下降状態)を示し、図123のbは、第3接続体1720cの位置が変位した状態(上昇状態)を示している。
図122および図123に示すように、第2接続体支持部1770は、第3接続体1720cを固定する第1固定部1771と、主桁1719bに対して鉛直方向と平行な軸周りで回動可能な第2固定部1772と、第1固定部1771と第2固定部1772とを連結し、第2固定部1772に対する第1固定部1771の位置を変位させる位置調節部1773と、第2固定部1772と重ね合わさるように主桁1719bに固定される第3固定部1774と、第2固定部1772と第3固定部1774との間に配置される複数のコロとを有する。第1固定部1771、第2固定部1772および第3固定部1774のそれぞれは、固定部の一例である。
第1固定部1771は、上面に第3接続体1720cを固定する平板状の部材であり、主桁1719bから離間した位置に配置される。
第2固定部1772は、主桁1719bに固定され、位置調節部1773を介して第1固定部1771を支持する平板状の部材である。第2固定部1772は、第1固定部1771と重ね合わさるように配置される。第2固定部1772の中央部分には、複数のコロを配置する環状溝が形成される。
位置調節部1773は、第1固定部1771と第2固定部1772とを接続し、駆動制御部12によって制御されることで、第2固定部1772に対する第1固定部1771の位置を調節する。つまり、位置調節部1773は、第1固定部1771を昇降させることで、第3接続体1720cの位置を変位させる。本実施の形態では、位置調節部1773は、図123のbに示すように、第1固定部1771に固定される第1柱状部1773aと、第2固定部1772に固定される第2柱状部1773bとを有する。第2柱状部1773bは、駆動制御部12によって制御されることで、第1柱状部1773aが内部に挿入された管状であり、第1柱状部1773aを鉛直方向にスライド移動(昇降)する。なお、第1柱状部1773aは、第2柱状部1773bが内部に挿入された管状であってもよい。なお、位置調節部1773は、本実施の形態に限定されず、第3接続体1720cを昇降させることが可能であれば、公知の技術を用いてもよい。
第3固定部1774は、主桁1719bに固定された板状の部材である。第3固定部1774の中央部分であり、第2固定部1772の環状溝と対向する位置には、複数のコロを配置する環状溝が形成される。第3固定部1774は、主桁1719bに固定されているため、接続体がレール7に接続された場合、無人航空機10kの重量が加わることで、複数のコロを挟んだ状態で第2固定部1772に押し付けられる。このため、第3固定部1774が第2固定部1772と離間し難くなるとともに、第2固定部1772の環状溝と第3固定部1774の環状溝との間に配置される複数のコロを支持することができる。
複数のコロは、例えば玉、円錐コロ等であり、第2固定部1772の環状溝と第3固定部1774の環状溝との間に配置され、2つの環状溝で挟まれる。複数のコロは、第2固定部1772の回転に応じて回転する。
このように、第2固定部1772が第3固定部1774に対して鉛直方向と平行な軸周りで回転することができるようになるため、第2固定部1772、第3固定部1774および複数のコロは、ターンテーブルのような役割を果たしている。
無人航空機10kの第1接続体1720a、第2接続体1720bおよび第3接続体1720cは、レール7の長さ方向に沿って並んで配置される。第1接続体1720a、第2接続体1720bおよび第3接続体1720cは、主桁1719bに固定される。
第1接続体1720aは、3つの接続体のうちの無人航空機10kの最も前方側に配置され、第2接続体1720bは、無人航空機10kの最も後方側に配置され、第3接続体1720cは、第1接続体1720aと第2接続体1720bとの間に配置される。第1接続体1720aおよび第2接続体1720bの構成は同様の構成であり、第3接続体1720cは、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bの構成と異なっている。
図122に示すように、第1接続体1720aの第1フック1721および第2フック1722のそれぞれには、第1ローラ1751aと第2ローラ1751bとが設けられる。また、第2接続体1720bの第1フック1721および第2フック1722のそれぞれには、第1ローラ1751aと第2ローラ1751bとが設けられる。
第1ローラ1751aは、第1接続体1720aおよび/または第2接続体1720bが閉状態の場合、レール7の鉛直上方に配置される。第2ローラ1751bは、レール7に対して回転自在に接触するための車輪である。第1ローラ1751aの回転軸は、レール7の長さ方向に対して直交する方向であり、水平方向と略平行である。第1ローラ1751aは、ローラの一例である。
第2ローラ1751bは、第1接続体1720aおよび/または第2接続体1720bが閉状態の場合、レール7の側方側に配置される。第2ローラ1751bは、レール7に対して回転自在に接触するための車輪である。第2ローラ1751bの回転軸は、レール7の長さ方向に対して直交する方向であり、鉛直方向と略平行である。第2ローラ1751bは、ローラの一例である。
第1接続体1720aおよび/または第2接続体1720bが閉状態の場合、第1フック1721の第1ローラ1751aと第2フック1722の第1ローラ1751aとは、レール7の鉛直上方に配置され、第1フック1721の第2ローラ1751bと第2フック1722の第2ローラ1751bとは、レール7を挟むように、レール7の側方側に配置される。
第3接続体1720cの第1フック1721および第2フック1722のそれぞれには、第3ローラ1751cが設けられる。
第3ローラ1751cは、第3接続体1720cが閉状態の場合、レール7の鉛直上方に配置される。第3ローラ1751cは、レール7に対して回転自在に接触するための車輪である。第1ローラ1751aの回転軸は、レール7の長さ方向に対して直交する方向であり、水平方向と略平行である。第3ローラ1751cは、ローラの一例である。
例えば、第1接続体1720aが閉状態の場合、第1フック1721の第1ローラ1751aと第2フック1722の第1ローラ1751aとは、レール7の鉛直上方に配置され、第1フック1721の第2ローラ1751bと第2フック1722の第2ローラ1751bとは、レール7を挟むように、レール7の側方側に配置される。
[動作例1]
図124は、実施の形態17における無人航空機10kの第1接続体1720aが第2レール7bを通過する様子を例示する斜視図である。
図124のaおよびbに示すように、無人航空機10kは、側面プロペラを回転させることで、第1レール7aに沿って進行する。第1接続体1720aが第2レール7bに近づくと、無人航空機10kは、揺動部1761を揺動させることで、第1接続体1720aを押し上げ、第2接続体1720bを押し下げる。これにより第1接続体1720aの第1フック1721および第2フック1722が第1レール7aから離間する。無人航空機10kは、第1接続体1720aを押し上げることで、第1接続体1720aを第1レール7aから離間させると、第1接続体1720aの第1フック1721および第2フック1722を回動して、第1接続体1720aを開状態にする。第1接続体1720aは、第1レール7aとの接続が解除され、第1接続体1720aと第2レール7bとが接触しないように、第1接続体1720aが第2レール7bよりも鉛直下方に配置される。このとき、第3接続体1720c及び第2接続体1720bは第1レール7aに接続された状態であるため、無人航空機10kは、姿勢が保たれる。なお、第1接続体1720aを第1レール7aとの接続から外す際に、無人航空機10kは、前方側のプロペラを回転させることで鉛直上方への浮力を付与してもよい。
図124のcに示すように、無人航空機10kは、姿勢を保ちながら第1レール7aに沿って移動し、第1接続体1720aが第2レール7bの鉛直下方を通過する。
図125は、実施の形態17における無人航空機10kの第3接続体1720cが第2レール7bを通過する様子を例示する斜視図である。
図125のaに示すように、第1接続体1720aが第2レール7bの鉛直下方を通過すると、無人航空機10kは、第1接続体1720aの第1フック1721と第2フック1722とを回動させて、第1接続体1720aを閉状態にすることで、第1接続体1720aを第1レール7aに連結させる。そして、無人航空機10kは、揺動部1761を揺動させることで、第2接続体1720bを押し上げ、第1接続体1720aを押し下げて、揺動部1761を元の姿勢(主桁1719bと揺動部1761とが略平行の姿勢であり、揺動部1761を揺動させる直前の姿勢)に戻す。このとき、第3接続体1720cおよび第2接続体1720bは、第1レール7aに接続された状態である。
図125のbに示すように、第3接続体1720cが第2レール7bに近づくと、無人航空機10kは、位置調節部1773を駆動させることで、第3接続体1720cを上昇させた上昇状態にする。これにより第3接続体1720cの第1フック1721および第2フック1722が第1レール7aから離間する。無人航空機10kは、第3接続体1720cを押し上げることで、第3接続体1720cを第1レール7aから離間させると、第3接続体1720cの第1フック1721および第2フック1722を回動して、第3接続体1720cを開状態にする。第3接続体1720cは、第1レール7aとの接続が解除され、第3接続体1720cと第2レール7bとが接触しないように、第3接続体1720cが第2レール7bよりも鉛直下方に配置される。このとき、第1接続体1720a及び第2接続体1720bは第1レール7aに接続された状態であるため、無人航空機10kは、姿勢が保たれる。
図125のcに示すように、無人航空機10kは、姿勢を保ちながら第1レール7aに沿って移動し、第3接続体1720cが第2レール7bの鉛直下方を通過する。
図125のdに示すように、第3接続体1720cが第2レール7bの鉛直下方を通過すると、無人航空機10kは、第3接続体1720cの第1フック1721と第2フック1722とを回動させて、第3接続体1720cを閉状態にすることで、第3接続体1720cを第1レール7aに連結させる。そして、無人航空機10kは、位置調節部1773を駆動させることで、第3接続体1720cを下降させた下降状態にする。このとき、第1接続体1720aおよび第3接続体1720cは、第1レール7aに接続された状態である。
図126は、実施の形態17における無人航空機10kの第2接続体1720bが第2レール7bを通過する様子を例示する斜視図である。
図126のaに示すように、第2接続体1720bが第2レール7bに近づくと、無人航空機10kは、揺動部1761を揺動させることで、第2接続体1720bを押し上げ、第1接続体1720aを押し下げる。これにより第2接続体1720bの第1フック1721および第2フック1722が第1レール7aから離間する。無人航空機10kは、第2接続体1720bを押し上げることで、第2接続体1720bを第1レール7aから離間させると、第2接続体1720bの第1フック1721および第2フック1722を回動して、第2接続体1720bを開状態にする。第2接続体1720bは、第1レール7aとの接続が解除され、第2接続体1720bと第2レール7bとが接触しないように、第2接続体1720bが第2レール7bよりも鉛直下方に配置される。このとき、第1接続体1720a及び第3接続体1720cは第1レール7aに接続された状態であるため、無人航空機10kは、姿勢が保たれる。なお、第2接続体1720bを第1レール7aとの接続から外す際に、無人航空機10kは、前方側のプロペラを回転させることで鉛直上方への浮力を付与してもよい。
図126のbに示すように、無人航空機10kは、姿勢を保ちながら第1レール7aに沿って移動し、第2接続体1720bが第2レール7bの鉛直下方を通過する。
図126のcに示すように、第2接続体1720bが第2レール7bの鉛直下方を通過すると、無人航空機10kは、第2接続体1720bの第1フック1721と第2フック1722とを回動させて、第2接続体1720bを閉状態にすることで、第2接続体1720bを第1レール7aに連結させる。そして、無人航空機10kは、揺動部1761を揺動させることで、第1接続体1720aを押し上げ、第2接続体1720bを押し下げて、揺動部1761を元の姿勢(主桁1719bと揺動部1761とが略平行の姿勢であり、揺動部1761を揺動させる直前の姿勢)に戻す。このとき、第1接続体1720aおよび第3接続体1720cは、第1レール7aに接続された状態である。
このように、無人航空機10kは、第1レール7aと第2レール7bとの接続点を通過することができる。
[動作例2]
図127は、実施の形態17における無人航空機10kが第1レール7aから第2レール7bに接続する様子を例示する模式図である。
無人航空機10kは、側面プロペラを回転させることで、第1レール7aに沿って進行する。図127のaおよびbに示すように、第1接続体1720aが第2レール7bに近づくと、無人航空機10kは、第3接続体1720cの第1フック1721および第2フック1722を回動して第3接続体1720cを閉状態にする。図127のcに示すように、無人航空機10kは、第1接続体1720aの第1フック1721および第2フック1722を回動して第1接続体1720aを開状態にする。第1接続体1720aは、第1レール7aとの接続が解除され、第1接続体1720aと第2レール7bとが接触しないように、第1接続体1720aが第2レール7bよりも鉛直下方に配置される。
図127のdに示すように、第1接続体1720aが第2レール7bの鉛直下方を通過して、第3接続体1720cが第2レール7bに近づくと、無人航空機10kは、側面プロペラ22aの回転を停止させることで、走行を停止する。図127のeに示すように、無人航空機10kは、第2接続体1720bの第1フック1721および第2フック1722を回動して第2接続体1720bを開状態にする。第2接続体1720bは、第1レール7aとの接続が解除され、第2接続体1720bと第2レール7bとが接触しないように、第2接続体1720bが第2レール7bよりも鉛直下方に配置される。
図127のfに示すように、第3接続体1720cだけが第1レール7aに連結されている状態であるため、無人航空機10kは、図115に示すように無人航空機10kが水平方向に回転するように側面プロペラ22aの姿勢を変更してから、側面プロペラ22aを回転させることで、反時計回りに回転する。
図128は、実施の形態17における無人航空機10kの第3接続体1720cと第1レール7aとの接続が解除される様子を例示する模式図である。図128のa、bおよびdは無人航空機10kを俯瞰した状態を示し、図128のcおよびeは無人航空機10kの第1接続体1720a、第2接続体1720bおよび第3接続体1720cを側方から見た状態を示す。
図128のa、bおよびcに示すように、無人航空機10kは、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bと第2レール7bとが重なる位置まで回転する。無人航空機10kは、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bと第2レール7bとが重なる位置まで回転してから、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bのそれぞれの第1フック1721と第2フック1722とを回動させて、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを閉状態にすることで、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを第2レール7bに連結する。
図128のdおよびeに示すように、無人航空機10kは、位置調節部1773を駆動させることで、第3接続体1720cを上昇させた上昇状態にする。これにより第3接続体1720cの第1フック1721および第2フック1722が第1レール7aから離間する。無人航空機10kは、第3接続体1720cを第1レール7aから離間させると、第3接続体1720cの第1フック1721および第2フック1722を回動して、第3接続体1720cを開状態にする。第3接続体1720cは、第1レール7aとの接続が解除され、第3接続体1720cと第1レール7aおよび第2レール7bとが接触しないように、第1レール7aおよび第2レール7bよりも鉛直下方に配置される。無人航空機10kは、さらに第3接続体1720cと第1レール7aおよび第2レール7bとの接続点とが重なる位置まで回転する。つまり、無人航空機10kは、機体本体1711の長さ方向が第2レール7bの長さ方向と略平行となるように回転する。
図129は、実施の形態17における無人航空機10kの第3接続体1720cと第2レール7bとを接続してから、無人航空機10kが第1レール7aと第2レール7bとの接続点を通過する様子を例示する模式図である。
図129のaおよびbに示すように、無人航空機10kは、第3接続体1720cを回転させて、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bと同様の姿勢となるまで回転させる。つまり、第3接続体1720cは、鉛直方向を軸として90°回転する。無人航空機10kは、側面プロペラ22aを回転させることで、第2レール7bに沿って進行し、第2レール7bに接続することが可能な位置(第3接続体1720cが第1レール7aと接触しない位置)まで移動する。図129のcに示すように、無人航空機10kは、第3接続体1720cの第1フック1721と第2フック1722とを回動させて、第3接続体1720cを閉状態にすることで、第3接続体1720cを第2レール7bに連結する。
図129のdに示すように、無人航空機10kは、第2接続体1720bの第1フック1721および第2フック1722を回動して、第2接続体1720bを開状態にする。第2接続体1720bは、第2レール7bとの接続が解除され、第2接続体1720bと第2レール7bとが接触しないように、第2接続体1720bが第2レール7bよりも鉛直下方に配置される。図129のeに示すように、無人航空機10kは、側面プロペラ22aを回転させることで、第2レール7bに沿って左方向に進行し、第2接続体1720bが第1レール7aの鉛直下方を通過する。図129のfに示すように、無人航空機10kは、第2接続体1720bの第1フック1721と第2フック1722とを回動させて、第2接続体1720bが閉状態になることで、第2接続体1720bを第2レール7bに連結する。
これにより、無人航空機10kは、第1レール7aと第2レール7bとの接続点を通過することができる。
(実施の形態17の変形例)
以下では、本変形例における基本的な構成は、実施の形態17等の無人航空機の基本的な構成と同様であるため、本変形例における無人航空機10kの基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、接続体1720とレール7との接続態様が異なる点で実施の形態17等と相違する。本変形例では、第1接続体1720a、第2接続体1720bおよび第3接続体1720cを総称して、単に接続体1720ということがある。接続体1720は、アームの一例である。
図130は、実施の形態17の変形例における無人航空機10kの接続体1720を例示する斜視図である。図131は、実施の形態17の変形例における無人航空機10kの接続体1720を正面から見た場合を例示する正面図である。図131では、接続体1720がレール7に接続する様子を例示しているが、接続体1720がレール7から解除される動作は図131のa~dの逆の動作となるため、説明を省略する。
図130に示すように、接続体1720は、第1フック1721および第2フック1722と、2つの第1ギア1731aと、2つの第2ギア1731bと、2つのモータ1731cと、2つの第3ギア1731dとを有する。2つの第1ギア1731a、2つの第2ギア1731b、2つのモータ1731cおよび2つの第3ギア1731dは、上述のアクチュエータであり、駆動制御部12によって駆動制御される。
2つの第1ギア1731aは、筐体1730内に回転可能に収容され、軸周りで回転することで、当該軸周りで第1フック1721および第2フック1722を回動させる。
2つの第1ギア1731aの一方は、第1フック1721のローラ側と反対側の端部(根本)に固定される。また、2つの第1ギア1731aの他方は、第2フック1722のローラ側と反対側の端部(根本)に固定される。2つの第1ギア1731aのそれぞれは、2つの第2ギア1731bのそれぞれと一対一で噛み合い、それぞれの第2ギア1731bの回転によって回動することで、第1フック1721および第2フック1722を回転させる。
2つの第2ギア1731bは、筐体1730内に回転可能に収容され、第1ギア1731aの軸とは異なる軸周りで回転することで、第1ギア1731aを回転させる。2つの第2ギア1731bの一方は、一方の第1ギア1731aと噛み合うことで、一方の第1ギア1731aを軸周りで回転させる。また、2つの第2ギア1731bの他方は、他方の第1ギア1731aと噛み合うことで、他方の第1ギア1731aを軸周りで回転させる。
2つのモータ1731cは、それぞれの回転軸の軸方向が、それぞれの第1ギア1731aの軸方向、および、それぞれの第2ギア1731bの軸方向と直行するように、筐体1730内に収容される。
2つのモータ1731cのそれぞれの回転軸には第3ギア1731dが設けられ、2つの第3ギア1731dが2つの第2ギア1731bのそれぞれと一対一で噛み合っている。つまり、2つのモータ1731cの一方は、第3ギア1731dが一方の第2ギア1731bと噛み合うことで、一方の第1ギア1731aを介して第1フック1721を回動させる。また、2つのモータ1731cの他方は、第3ギア1731dが他方の第2ギア1731bと噛み合うことで、他方の第1ギア1731aを介して第2フック1722を回動させる。
図130のaおよび図131のaでは、接続体1720が開状態になっており、接続体1720がレール7に接続されていない。図130のbおよび図131のbに示すように、駆動制御部12は、2つのモータ1731cのそれぞれを駆動させて第3ギア1731dを回転させることで、2つの第2ギア1731bを介して2つの第1ギア1731aを一対一で回転させる。これにより、第1フック1721および第2フック1722が回動する。
図130のcおよび図131のcに示すように、それぞれのアクチュエータによって、第1フック1721および第2フック1722がレール7の上から被さるように配置される。つまり、第1フック1721および第2フック1722のそれぞれの第1ローラ1751aがレール7の鉛直上方に配置され、それぞれの第1ローラ1751aとレール7とが所定距離N離間する。このとき、第1フック1721および第2フック1722のそれぞれの第1ローラ1751aの姿勢は、第1ローラ1751aの回転軸の軸方向が水平方向と略平行となる姿勢である。
図130のdおよび図131のdに示すように、さらに駆動制御部12は、アクチュエータを制御することで、第1フック1721および第2フック1722を回動させる。これにより第1フック1721および第2フック1722は、レール7の鉛直上方から抑え込むように、レール7を抑えつける。このとき、第1フック1721および第2フック1722のそれぞれの第1ローラ1751aの回転軸の軸方向は、水平方向に対して所定角度傾いている。つまり、図131のcに示すように、第1ギア1731aに対する第1フック1721の長さ方向は、鉛直方向と略平行であるが、図131のdに示すように、第1ギア1731aに対する第1フック1721の長さ方向は、鉛直方向に対して角度βだけ傾いている。
このように、この無人航空機10kでは、接続体1720をレール7に接続する際に、図130のcおよび図131のcに示すように、第1ローラ1751aの回転軸の軸方向が水平方向と略平行となる姿勢であり、接続体1720とレール7とが離間している状態である。接続体1720をレール7に接続する際に、接続体1720がレール7の鉛直上方側から被さるため、接続体1720とレール7との間で摩擦が発生し難くなる。このため、この無人航空機10kでは、容易に接続体1720をレール7に接続することができる。
つまり、第1フック1721および第2フック1722が閉じることで接続体1720が閉状態となり、接続体1720がレール7に接続される。
図132は、実施の形態17の変形例における無人航空機10kの接続体1720を正面から見た場合に、第1フック1721をレール7に接続する様子を例示する正面図である。図132では、第1フック1721をレール7に接続する様子を例示しているが、第2フック1722をレール7に接続する場合も同様である。
図132のaでは、接続体1720が開状態になっており、接続体1720がレール7に接続されていない。図132のbに示すように、駆動制御部12は、アクチュエータを制御することで、第1フック1721に対応する一方のモータ1731cを駆動させて第3ギア1731dを回転させることで、一方の第2ギア1731bを介して一方の第1ギア1731aを回転させる。これにより、第1フック1721が回動する。
図132のcに示すように、アクチュエータによって、第1フック1721がレール7の上から被さるように配置される。つまり、第1フック1721の第1ローラ1751aがレール7の鉛直上方に配置され、第1ローラ1751aとレール7とが所定距離離間する。このとき、第1フック1721の第1ローラ1751aの姿勢は、第1ローラ1751aの回転軸の軸方向が水平方向と略平行となる姿勢である。
図132のdに示すように、さらに駆動制御部12は、アクチュエータを制御することで、第1フック1721を回動させる。これにより第1フック1721は、レール7の鉛直上方から抑え込むように、レール7を抑えつける。このとき、第1フック1721のそれぞれの第1ローラ1751aの回転軸の軸方向は、水平方向に対して所定角度傾いている。つまり、図132のcに示すように、第1ギア1731aに対する第1フック1721の長さ方向は、鉛直方向と略平行であるが、図132のdに示すように、第1ギア1731aに対する第1フック1721の長さ方向は、鉛直方向に対して角度βだけ傾いている。このように、第1フック1721が回動することで、第1フック1721がレール7に接続される。
図133は、実施の形態17の変形例における無人航空機10kの第2接続体1720bを正面から見た場合に、第1レール7aに接続されている第2接続体1720bを解除する様子を例示する正面図、および、無人航空機10kを俯瞰した状態を例示する模式図である。図133では、図127等のように、レール7としての第1レール7aからレール7としての第2レール7bに接続を切り替える場合を例に挙げる。図133では、接続体1720としての第2接続体1720bを用いて説明する。
図133のaに示すように、第1フック1721および第2フック1722のそれぞれの第1ローラ1751aの回転軸の軸方向は、水平方向に対して所定角度傾いている。つまり、図133のbに示すように、第1ギア1731aに対する第1フック1721の長さ方向は、鉛直方向と略平行であるが、図133のaに示すように、第1ギア1731aに対する第1フック1721の長さ方向は、鉛直方向に対して角度だけ傾いている。図133のbでは、駆動制御部12は、2つのモータ1731cのそれぞれを駆動させて第3ギア1731dを回転させることで、2つの第2ギア1731bを介して2つの第1ギア1731aを一対一で回転させる。これにより、第1フック1721および第2フック1722が回動する。そして、第1フック1721および第2フック1722は、第1レール7aの鉛直上方から離間することで、第1ローラ1751aが第1レール7aと非接触の状態となり、第2接続体1720bが第1レール7aから離間する。
図133のbに示すように、それぞれのアクチュエータによって、第1フック1721および第2フック1722のそれぞれの第1ローラ1751aが第1レール7aの鉛直上方に配置され、それぞれの第1ローラ1751aと第1レール7aとが所定距離離間する。このとき、第1フック1721および第2フック1722のそれぞれの第1ローラ1751aの姿勢は、第1ローラ1751aの回転軸の軸方向が水平方向と略平行となる姿勢である。
図133のcおよびdに示すように、それぞれのアクチュエータによって、さらに第1フック1721および第2フック1722が回動することで、第2接続体1720bが開状態になり、第2接続体1720bと第1レール7aとの接続が解除される。このとき、第1フック1721および第2フック1722は、筐体1730の上面に沿って略平行な仮想平面以下に配置される。
図133のeは、図133のdの無人航空機10kを俯瞰した場合において、第2接続体1720bが第1レール7aと接続が解除されている様子を例示する。なお、図133のeでは、第1接続体1720aも同様に開状態であるが、第3接続体1720cが第1レール7aに接続されている。
図134は、実施の形態17の変形例における無人航空機10kの接続体1720を正面から見た場合に、第1レール7aから第2レール7bに接続体1720の接続を切り替える様子を例示する正面図、および、無人航空機10kを俯瞰した状態を例示する模式図である。
図134のaおよびcでは、第2接続体1720bを例に挙げている。図134のbおよびdは、図133のeの状態から無人航空機10kが回転した様子を例示している。図134のaおよびbに示すように、無人航空機10kは、無人航空機10kが水平方向に回転するように側面プロペラの姿勢を変更してから、側面プロペラを回転させることで、反時計回りに回転する。
図134のcおよびdに示すように、無人航空機10kは、反時計回りに回転しながら、駆動制御部12がアクチュエータを制御することで、第1接続体1720aの第1フック1721に対応する一方のモータ1731cを駆動させて第3ギア1731dを回転させることで、一方の第2ギア1731bを介して一方の第1ギア1731aを回転させる。これにより、第1接続体1720aの第1フック1721が回動し、当該第1フック1721が第2レール7bの上から被さるように配置される。また、無人航空機10kは、反時計回りに回転しながら、駆動制御部12がアクチュエータを制御することで、第2接続体1720bの第2フック1722に対応する他方のモータ1731cを駆動させて第3ギア1731dを回転させることで、他方の第2ギア1731bを介して他方の第1ギア1731aを回転させる。これにより、第2接続体1720bの第2フック1722が回動し、当該第2フック1722が第2レール7bの上から被さるように配置される。
図135は、実施の形態17の変形例における無人航空機10kの接続体1720を正面から見た場合に、第2レール7bに接続体1720を接続する様子を例示する正面図である。
図135のaおよびbに示すように、無人航空機10kは、反時計回りに回転して、無人航空機10kの長さ方向が第2レール7bの長さ方向と略平行な姿勢となる。つまり、無人航空機10kが図133のeの状態から90°回転する。
無人航空機10kは、駆動制御部12がアクチュエータを制御することで、第1接続体1720aの第2フック1722に対応する他方のモータ1731cを駆動させて第3ギア1731dを回転させることで、他方の第2ギア1731bを介して他方の第1ギア1731aを回転させる。これにより、図135のcおよびdに示すように、第1接続体1720aの第2フック1722が回動し、当該第2フック1722が第2レール7bの上から被さるように配置される。また、無人航空機10kは、駆動制御部12がアクチュエータを制御することで、第2接続体1720bの第1フック1721に対応する一方のモータ1731cを駆動させて第3ギア1731dを回転させることで、一方の第2ギア1731bを介して一方の第1ギア1731aを回転させる。これにより、第2接続体1720bの第1フック1721が回動し、当該第1フック1721が第2レール7bの上から被さるように配置される。
図135のeに示すように、さらに駆動制御部12は、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bのそれぞれのアクチュエータを制御することで、第1フック1721および第2フック1722を回動させる。これにより第1フック1721および第2フック1722は、レール7の鉛直上方から被さるように、レール7を抑えつける。このとき、第1フック1721および第2フック1722のそれぞれの第1ローラ1751aの回転軸の軸方向は、水平方向に対して所定角度傾いている。
図135のfおよびgに示すように、無人航空機10kは、第3接続体1720cと第1レール7aとの接続を解除し、第3接続体1720cを90°回転させて第3接続体1720cと第2レール7bとを接続する。
そして、第1フック1721および第2フック1722が閉じることで第3接続体1720cが閉状態となり、第3接続体1720cが第2レール7bに接続される。
(実施の形態18)
[構成]
以下では、本実施の形態における第1スラスタ装置110a1の基本的な構成は、実施の形態1等の第1スラスタ装置110a1と基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における第1スラスタ装置と基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、第1スラスタ装置110a1に第1ガイド部1811が設けられている点で実施の形態1等と相違する。
図136は、実施の形態18におけるシステムの載置台1890を例示する斜視図である。図137は、実施の形態18における昇降システムの第1スラスタ装置110a1が載置台1890に配置された荷物を回収する様子を例示する斜視図である。図138は、実施の形態18における昇降システムの第1スラスタ装置110a1が載置台1890に配置された荷物を回収した様子を例示する側面図である。
本実施の形態におけるシステムは、図136および図137に示すように、載置台1890と、昇降システムとを備える。
載置台1890は、昇降システムが配達又は配送するための荷物を載置する台である。載置台1890は、床、地面などの載置される底板部1895と、底板部1895の上面に形成される荷物支持部1894とを有する。
荷物支持部1894は、底板部1895に対して突出した凸部である。具体的には、図136にaに示すように、荷物支持部1894は、底板部1895の上面に対して直立した姿勢で配置される複数の板部からなる。荷物支持部1894を上から見た場合に、底板部1895に格子状に形成される。なお、荷物支持部1894を上から見た場合に、荷物支持部1894は、簀の子状に形成されていてもよい。載置台1890では、板状である荷物支持部1894の側面に荷物を載置することが可能である。つまり、荷物支持部1894の側面が載置面に相当する。
載置台1890には、荷物支持部1894が格子状であるため、第1スラスタ装置110a1の第1ガイド部1811を案内するための空間、つまり、荷物と底板部1895との間に隙間が形成される。当該空間は、第1ガイド部1811が変位する際に、第1ガイド部1811との接触が回避される逃げ部である。
なお、図136のbおよびcに示すように、荷物支持部1894a、1894bは、底板部1895a、1895bの上面に対して突出する柱状部又は筒状部であってもよい。本実施の形態の図136のbでは、底板部1895aは円柱状の柱状部を例示し、図136のcでは、底板部1895bは角柱状の柱状部を例示しているが、荷物を支持することが可能であれば、荷物支持部1894a、1894bの形状は限定されない。なお、図136のbおよびcの荷物の下端面の面積は、当該下端面と接触する荷物支持部1894a、1894bの載置面よりも大きい。
なお、荷物支持部1894は、荷物の下端面と底板部1895との間に第1ガイド部1811の回動支持部1812が回動することによって荷物を支持することができる空間が形成されていれば、如何様な形状であってもよい。このため、荷物支持部1894の形状は、図136に限定されない。
図137に示すように、第1スラスタ装置110a1は、さらに、一対の第1ガイド部1811を有する。
一対の第1ガイド部1811のそれぞれは、第1連絡部1813と、回動支持部1812とを有する。
第1連絡部1813は、鉛直方向に延びる長尺な棒状であり、第1支持体111の側面に沿って設けられる。第1連絡部1813の上端は、第1スラスタ装置110a1に設けられる駆動部と連結され、第1連絡部1813の下端は、第1スラスタ装置110a1に設けられる回動支持部1812と連結される。第1連絡部1813は、第1スラスタ装置110a1の駆動部によって駆動されることで、回動支持部1812を回動させるための力を付与する。第1連絡部1813は、第1スラスタ装置110a1のスラスタ制御部124によって制御された駆動部が駆動することで、回動支持部1812に対して鉛直上方及び鉛直下方に応力を付与したりすることで、回動支持部1812を回転させる。
図137のcおよび図138のaおよびbに示すように、回動支持部1812は、第1スラスタ装置110a1の第1支持体111の下端縁に配置され、所定の軸回りで回転する。回動支持部1812は、側面から見て略L字状に形成される長尺の部材である。回動支持部1812は、荷物を回収する際に、所定の軸回りで回転することで、荷物を下から掬うように、荷物の下端面を支持する。回動支持部1812は、荷物を支持できる支持状態と、支持状態に対して回転することで荷物を支持しない非支持状態との間で変位する。
[動作]
図137のaおよびbに示すように、第1スラスタ装置110a1は、載置台1890に載置されている荷物の上空から下降し、荷物に対して位置合わせを行う。位置合わせを行った後に、第1スラスタ装置110a1は、下降して、第1支持体111の内部に荷物を挿入する。
図137のcに示すように、第1スラスタ装置110a1の回動支持部1812は、載置台1890における隣り合う2つの荷物支持部1894の間に配置される。この時、回動支持部1812は、隣り合う2つの荷物支持部1894にガイドされることで、荷物に対する第1支持体111の姿勢が調節される。
第1スラスタ装置110a1のスラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110a1が荷物を回収可能な位置に配置されたことを検知する。例えば、当該スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110a1が載置面に接触したことを示す情報を取得すると、第1スラスタ装置110a1の駆動部を制御することで、一対の第1ガイド部1811を駆動させる。具体的には、図138のaおよびbに示すように、一対の第1連絡部1813は、駆動部によって駆動されることで、一対の回動支持部1812を一対一で回動させるための力を付与する。つまり、一対の第1連絡部1813は、一対の回動支持部1812に対して鉛直下方に応力を付与することで、一対の回動支持部1812を所定の軸回りで回動させる。一対の回動支持部1812は、隣り合う2つの荷物支持部1894と荷物との空間内で回動することで、荷物を掬うように、荷物の下端面の両側から支持する。これにより、第1スラスタ装置110a1は、荷物を支持する。
図138のcに示すように、第1スラスタ装置110a1は、荷物を回収して無人航空機に向かって上昇する。
(実施の形態18の変形例1)
以下では、本変形例における第1スラスタ装置110a2の基本的な構成は、実施の形態18等の第1スラスタ装置の基本的な構成と同様であるため、本変形例における第1スラスタ装置110a2の基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、システムの載置台1880の形状が異なる点でも実施の形態18等と相違する。また、本変形例では、第1スラスタ装置110a2にさらに第2ガイド部1821が設けられている点で実施の形態18等と相違する。
図139は、実施の形態18の変形例におけるシステムの載置台1880を例示する斜視図と、載置台1880の平面図である。図139のaは、載置台1880に荷物が配置されている様子を示し、図139のbは、載置台1880を鉛直上方から見た場合を示す。
図139のaおよびbに示すように、荷物支持部1894は、底板部1895に対して突出した凸部である。荷物支持部1894の中央部分は、載置される荷物を支持することが可能な大きさに形成され、荷物支持部1894の上面は、荷物を載置することができる平面上の載置面1882が形成される。図139のbに示すように、荷物支持部1894は、平面視でX形状である。荷物支持部1894には、第1スラスタ装置110a2の第1ガイド部1811および第2ガイド部1821を案内するための第1切欠き部1883と第2切欠き部1881とが形成される。
第1切欠き部1883は、第1ガイド部1811に対応する。第1切欠き部1883は、第1ガイド部1811が変位する際に、第1ガイド部1811との接触を回避するための空間である。第1切欠き部1883は、第1ガイド部1811の数に応じて一対一で形成される。本実施の形態では、2つの第1切欠き部1883が荷物支持部1894に形成される。
第2切欠き部1881は、第2ガイド部1821に対応する。第2切欠き部1881は、第2ガイド部1821が変位する際に、第2ガイド部1821との接触を回避するための空間である。第2切欠き部1881は、第2ガイド部1821の数に応じて一対一で形成される。本実施の形態では、2つの第2切欠き部1881が荷物支持部1894に形成される。第2切欠き部1881の内面1881aは、荷物支持部1894の中央部分に近づくにつれて、次第に狭まる錘状または錐台状である。第2切欠き部1881の内面1881aの先端(荷物支持部1894の中央部分)は、後述するスライド案内部1821b2が配置されるように、スライド案内部1821b2に応じた形状である。
図140は、実施の形態18の変形例におけるシステムの載置台1880が変形する様子を例示する斜視図である。図140のaは、載置台1880に荷物を載置する際の第1状態を示し、図140のbは、載置台1880に荷物を載置しない(使用しない)際の第2状態を示す。
載置台1880は、さらに、第1切欠き部1883および第2切欠き部1881を埋めるための、複数の可動床1881bを有する。複数の可動床1881bのそれぞれは、第1状態から第2状態に変位する場合、上昇することで、第1切欠き部1883および第2切欠き部1881を埋める。複数の可動床1881bのそれぞれは、底板部1895に収容されていてもよい。
このような載置台1880は、荷物を回収してもらう場合、重力センサ、加圧センサ等を郵政ていてもよい。つまり、載置台1880の載置面1882に荷物が積載されると、その荷物の重みを検知することで、可動床1881bが降下することで、載置台1880が第2状態から第1状態に変位してもよい。
また、荷物を配達する場合、載置台1880は、載置台1880の上空に停止した無人航空機または第1スラスタ装置110a2を検知すると、可動床1881bが降下することで、載置台1880が第2状態から第1状態に変位してもよい。なお、載置台1880は、無人航空機または第1スラスタ装置110a2から信号を取得することで第2状態から第1状態に変位してもよい。
図141は、実施の形態18の変形例1における昇降システムの第1スラスタ装置110a2が載置台1880に配置された荷物を回収する様子を例示する斜視図である。図142は、実施の形態18の変形例における昇降システムの第1スラスタ装置110a2が載置台1880に配置された荷物を回収した様子を例示する斜視図である。図143は、実施の形態18の変形例における昇降システムの第1スラスタ装置110a2の第2ガイド部1821の動きを例示する斜視図である。
図141および図142に示すように、第1スラスタ装置110a2は、さらに、一対の第2ガイド部1821を有する。
一対の第2ガイド部1821のそれぞれは、第2連絡部1821aと、スライド部1821bとを有する。
第2連絡部1821aは、鉛直方向に延びる長尺な棒状であり、第1支持体111の側面に沿って設けられる第2連絡部1821aの上端は、第1スラスタ装置110a2に設けられる駆動部と連結し、第2連絡部1821aの下端は、第1スラスタ装置110a2に設けられるスライド部1821bのスライド本体部1821b1と連結される。第2連絡部1821aは、第1スラスタ装置110a2の駆動部が駆動することによって、スライド部1821bを移動させるための力をスライド本体部1821b1に伝達する。
図141のbおよび図142のaおよびbに示すように、一対のスライド部1821bは、第1スラスタ装置110a2の第1支持体111の下端縁に配置され、荷物を挟むようにスライド案内部1821b2を移動させる。
具体的には、一対のスライド部1821bのそれぞれは、スライド本体部1821b1と、スライド案内部1821b2とを有する。
スライド本体部1821b1は、第1支持体111の下端縁に配置されて固定され、スライド案内部1821b2を水平方向に移動させるアクチュエータである。
スライド案内部1821b2は、直立した板状の部材であり、スライド本体部1821b1によって、スライド本体部1821b1の下端面に沿って移動可能である。スライド案内部1821b2は、水平方向に略平行な板状のスライド本体部1821b1に対して鉛直下方に直立した姿勢で、スライド本体部1821b1に支持される。一対のスライド案内部1821b2は、スライド本体部1821b1によって、載置台1880に載置される荷物に対する第1支持体111の姿勢を正すために、荷物を両側から挟むように荷物に接近する。また、スライド案内部1821b2は、第1支持体111から荷物を切り離す場合、スライド本体部1821b1によって荷物から離れ得るようにスライド移動してもよい。
[動作]
図141のaおよびbに示すように、第1スラスタ装置110a2は、載置台1880に載置されている荷物の上空から下降し、荷物に対して位置合わせを行う。位置合わせを行った後に、第1スラスタ装置110a2は、下降して、第1支持体111の内部に荷物を挿入する。
図141のbおよびcに示すように、第1スラスタ装置110a2は、荷物に対してさらに位置の微調整を行う。図141のcは、第1スラスタ装置110a2および荷物を俯瞰した状態を示す。図141のcでは、第1スラスタ装置110a2の長さ方向が荷物の長さ方向に対して所定角度ズレていることが判る。
第1スラスタ装置110a2のスラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110a2が荷物を回収可能な位置に配置されたことを検知する。例えば、当該スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110a2が載置面1882に接触したことを示す情報を取得すると、図143のaおよびbに示すように、第1スラスタ装置110a2の駆動部を制御することで、一対の第2ガイド部1821のスライド部1821bを移動させる。これにより、一対のスライド案内部1821b2は、スライド本体部1821b1によって、荷物を両側から挟むように荷物に接近する。このとき、一対のスライド案内部1821b2は、載置台1880に形成されている一対の第2切欠き部1881の内面1881a(側面)を滑りながら荷物に接近する。これにより、図141のdおよびeに示すように、荷物に対する第1支持体111の姿勢が調節される。図141のeは、第1スラスタ装置110a2および荷物を俯瞰した状態を示す。図141のeでは、第1スラスタ装置110a2の長さ方向が荷物の長さ方向と略平行であることが判る。このため、この第1スラスタ装置110a2では、一対の第1ガイド部1811が荷物を適切に支持することができるため、荷物を安全に配送することができる。
また、第1スラスタ装置110a2のスラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110a2が荷物を回収可能な位置に配置されたことを検知する。例えば、当該スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110a2が載置面1882に接触したことを示す情報を取得すると、第1スラスタ装置110a2の駆動部を制御することで、一対の第1ガイド部1811を駆動させる。具体的には、図142のaに示すように、一対の第1連絡部1813は、駆動部によって駆動されることで、一対の回動支持部1812を一対一で回動させるための力を付与する。つまり、一対の第1連絡部1813は、一対の回動支持部1812に対して鉛直下方に応力を付与することで、一対の回動支持部1812を所定の軸回りで回動させる。一対の回動支持部1812は、隣り合う2つの荷物支持部1894と荷物との空間内で回動することで、荷物を掬うように、荷物の下端面の両側から支持する。これにより、第1スラスタ装置110a2は、荷物を支持する。
図142のbに示すように、第1スラスタ装置110a2は、荷物を回収して無人航空機に向かって上昇する。
(実施の形態18の変形例2)
[構成]
以下では、本変形例における第1スラスタ装置110a3の基本的な構成は、実施の形態18の変形例1等の第1スラスタ装置の基本的な構成と同様であるため、本変形例における第1スラスタ装置110a3の基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、第2ガイド部1823の構成が異なる点でも実施の形態18の変形例1等と相違する。
図144は、実施の形態18の変形例2における昇降システムの第1スラスタ装置110a3の第2ガイド部1823の動きを例示する斜視図である。図144のaは、複数のスライド案内部1823b2が連なって伸びた状態であり荷物から離間している状態を示し、図144のbは、複数のスライド案内部1823b2が連なって伸びた状態であり荷物に接近している状態を示し、図144のcは、複数のスライド案内部1823b2が1つに纏められている状態を示す。
一対のスライド部1823bのそれぞれは、スライド本体部1823b1と、複数のスライド案内部1823b2とを有する。
図144のaおよびcに示すように、スライド本体部1823b1は、第1支持体111が荷物の直上まで近づくと、複数のスライド案内部1823b2が鉛直方向に1つに並んで連なるように、複数のスライド案内部1823b2を配列させる。図144のbに示すように、一対のスライド本体部1823b1は、複数のスライド案内部1823b2を移動させることで、荷物を両側から挟むように、複数のスライド案内部1823b2を荷物に接近させる。このとき、複数のスライド案内部1823b2の最も下端に位置するスライド案内部1823b2は、載置台1880の第2切欠き部1881の空間に配置されるため、荷物に対する第1支持体111の姿勢を適切に支持することができる。
[動作]
図145は、実施の形態18の変形例2における昇降システムの第1スラスタ装置110a3が載置台1880に配置された荷物を回収する様子を例示する斜視図である。
図145のaおよびbに示すように、第1スラスタ装置110a3は、載置台1880に載置されている荷物の上空から下降し、荷物に対して位置合わせを行う。位置合わせを行った後に、第1スラスタ装置110a3は、下降して、第1支持体111の内部に荷物を挿入する。
図145のbおよびcに示すように、第1スラスタ装置110a3は、荷物に対してさらに位置の微調整を行う。図145のcは、第1スラスタ装置110a3および荷物を俯瞰した状態を示す。図145のcでは、第1スラスタ装置110a3の長さ方向が荷物の長さ方向に対して所定角度ズレていることが判る。
第1スラスタ装置110a3のスラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110a3が荷物を回収可能な位置に配置されたことを検知する。例えば、当該スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110a3が載置面1882に接触したことを示す情報を取得すると、図145のeおよびdに示すように、第1スラスタ装置110a3の駆動部を制御することで、一対の第2ガイド部1823のスライド部1823bを移動させる。これにより、複数のスライド案内部1823b2の一対は、スライド本体部1823b1によって、荷物を両側から挟むように荷物に接近する。このとき、複数のスライド案内部1823b2の最も下端に位置するスライド案内部1823b2の一対は、載置台1880に形成されている一対の第2切欠き部1881の内面1881a(側面)を滑りながら荷物に接近する。これにより、図145のeに示すように、荷物に対する第1支持体111の姿勢が調節される。図145のeは、第1スラスタ装置110a3および荷物を俯瞰した状態を示す。図145のeでは、第1スラスタ装置110a3の長さ方向が荷物の長さ方向と略平行であることが判る。このため、この第1スラスタ装置110a3では、一対の第1ガイド部1811が荷物を適切に支持することができるため、荷物を安全に配送することができる。
図146は、実施の形態18の変形例2における昇降システムの第1スラスタ装置110a3が載置台1880に配置された荷物を回収した様子を例示する斜視図である。
図146のaに示すように、第1スラスタ装置110a3が下降するとともに、スライド本体部1823b1は、複数のスライド案内部1823b2を折り畳むことで1つに纏める。また、第1スラスタ装置110a3のスラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110a3が荷物を回収可能な位置に配置されたことを検知する。例えば、当該スラスタ制御部124は、第1スラスタ装置110a3が載置面1882に接触したことを示す情報を取得すると、第1スラスタ装置110a3の駆動部を制御することで、一対の第1ガイド部1811を駆動させる。具体的には、一対の連動部は、駆動部によって駆動されることで、一対の回動支持部1812を一対一で回動させるための力を付与する。つまり、一対の連動部は、一対の回動支持部1812に対して鉛直下方に応力を付与することで、一対の回動支持部1812を所定の軸回りで回動させる。一対の回動支持部1812は、隣り合う2つの荷物支持部1894と荷物との空間内で回動することで、荷物を掬うように、荷物の下端面の両側から支持する。これにより、第1スラスタ装置110a3は、荷物を支持する。
図146のbに示すように、第1スラスタ装置110a3は、荷物を回収して無人航空機に向かって上昇する。
(実施の形態19)
[構成]
以下では、本実施の形態における無人航空機10mの基本的な構成は、実施の形態16等の無人航空機の基本的な構成と同様の構成であるため、本実施の形態における無人航空機10mの基本的な構成について適宜説明を省略する。
図147Aは、実施の形態19における無人航空機10mを例示する模式図である。図147Bは、実施の形態19における無人航空機10mの第1投影面及び第2投影面等を例示する模式図である。
図147A及び図147Bに示すように、機体本体1912は、第1方向の第1長さN1が、第1方向に略直交する第2方向の第2長N2さよりも長い。第1方向は、無人航空機10mが走行する方向と平行な方向である。本実施の形態では、第1方向は、無人航空機10mが第1レール7aに沿って移動している場合、第1レール7aの長さ方向と平行な方向である。このため、機体本体1912は、第1レール7aの長さ方向に長尺である。機体本体1912は、本体の一例である。
機体本体1912は第1方向と略平行な方向に長尺であるため、第1方向を法線ベクトルとする第1平面上に無人航空機10mを投影することによって得られるドットのハッチングで示す第1投影面に外接する第1最小矩形の第1面積は、第2方向を法線ベクトルとする第2平面上に無人航空機10mを投影することによって得られるドットのハッチングで示す第2投影面に外接する第2最小矩形の第2面積よりも小さくなる。つまり、第1平面においても第2平面においても機体本体1912の厚みは変わらないため、第1平面に投影される無人航空機10mの幅方向の長さが、第2平面に投影される無人航空機10mの移動方向の長さよりも短ければ、第1面積は第2面積よりも小さくなる。
また、無人航空機10mは、複数のプロペラ22と、複数の第1プロペラ駆動モータ23と、少なくとも1つの側面プロペラ22a1と、少なくとも1つの第3プロペラ駆動モータ22a3と、制御処理部11と、少なくとも1つの接続体と、接続体支持部1970とを備える。
複数のプロペラ22は、第1方向と第2方向に平行な仮想平面内に位置している。複数のプロペラ22は、第1のプロペラ22と、第1のプロペラ22に対して第2方向で隣り合う第2のプロペラ22と、第1のプロペラ22に対して第1方向で隣り合う第3のプロペラ22と、第2のプロペラ22に対して第1方向で隣り合い、かつ、第3のプロペラ22に対して第2方向で隣り合う第4のプロペラ22とを含む。例えば、第1のプロペラ22および第2のプロペラ22は、機体本体1912の前方側に配置される2つのプロペラ22である。また、第3のプロペラ22および第4のプロペラ22は、機体本体1912の後方側に配置される2つのプロペラ22である。また、機体本体1912は第1方向と略平行な方向に長尺であるため、第1のプロペラ22と第2のプロペラ22との間の第1間隔は、第1のプロペラ22と第3のプロペラ22との間の第2間隔よりも狭い。プロペラ22は、主回転翼の一例である。
複数の第1プロペラ駆動モータ23は、機体本体1912に搭載され、複数のプロペラ22をそれぞれ回転させる。第1プロペラ駆動モータ23は、主モータの一例である。
少なくとも1つの接続体は、地面から離れた位置にある少なくとも1つのレールに吊下げ可能である。本実施の形態の無人航空機10mは、機体本体1912に設けられる3つの接続体を有する。3つの接続体は、実施の形態17等の第1接続体1720a、第2接続体1720bおよび第3接続体1720cと同様であるが、他の実施の形態の接続体を用いてもよい。3つの接続体は、レールの長さ方向に沿って並んで配置される。第1接続体1720aは、機体本体1912の中心よりも第1方向側に位置する。第2接続体1720bは、機体本体1912の中心よりも第1方向側と反対側に位置する。第3接続体1720cは、第1接続体1720aと第2接続体1720bとの間であり、機体本体1912の中心付近に位置する。本実施の形態では、第3接続体1720cは機体本体1912の中心点O(中心)よりも後方側に配置されている。つまり、本実施の形態では、第3接続体1720cは、中心点O上に存在していないが、中心点O上に存在していてもよい。
接続体は、接続器の一例である。また、第1接続体1720aは第1の接続器の一例であり、第2接続体1720bは第2の接続器の一例であり、第3接続体1720cは第3の接続器の一例である。
第1接続体1720a、第2接続体1720bおよび第3接続体1720cは、第1フック1721および第2フック1722を有する。第1フック1721は第1アームの一例であり、第2フック1722は第2アームの一例である。
少なくとも1つの第3プロペラ駆動モータ22a3は、機体本体1912に搭載され、少なくとも1つの側面プロペラを回転させる。本実施の形態では、第3プロペラ駆動モータ22a3は、機体本体1912の前方側および後方側の側面にそれぞれ配置される。このため、前方側の第3プロペラ駆動モータ22a3は、前方側の側面プロペラ22a2を回転させる。前方側の側面プロペラ22a2は、第1方向において後方側の側面プロペラ22a1と対応する位置に配置され、機体本体1912を回転させるためのプロペラである。側面プロペラ22a2は、推進力により、無人航空機10mの進行方向の向きを変更させる。また、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3は、機体本体1912を第1方向へ推進させるため、第3プロペラ駆動モータ22a3の回転軸22a4は、第1方向に延びており、後方側の側面プロペラ22a1を回転させる。少なくとも前方側の第3プロペラ駆動モータ22a3の回転軸22a4は、図82および図100のように第2方向を法線ベクトルとする平面内で、第1方向に対する傾斜角が可変である。後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3は、副モータの一例である。側面プロペラ22a1は、副回転翼の一例である。なお、側面プロペラ22a2が副回転翼の一例であってもよく、この場合、前方側の第3プロペラ駆動モータ22a3が副モータの一例であってもよい。
少なくとも1つの側面プロペラは、機体本体1912を第1方向へ推進させるための推進力を与える。本実施の形態では、側面プロペラは、機体本体1912の後方側に配置されたプロペラである後方側の側面プロペラ22a1である。側面プロペラ22a1は、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3によって回転する。なお、前方側の側面プロペラ22a2が機体本体1912を第1方向へ推進させるための推進力を与えてもよい。
制御処理部11は、機体本体1912の各構成を制御する。例えば、制御処理部11は、複数の第1プロペラ駆動モータ23と、少なくとも1つの第3プロペラ駆動モータ22a3とを制御する。また、制御処理部11は、第1接続体1720a、第2接続体1720bおよび第3接続体1720cなどの駆動も制御する。制御処理部11は、制御回路の一例である。
制御処理部11は、第1レール7aおよび第2レール7bが交差する交差点において、無人航空機10mが第1レール7aから第2レール7bへ乗り移る(接続を切り替える)際、第2レール7bへ第1接続体1720aが接近したか否かを判断する。つまり、制御処理部11は、第2レール7bと第1接続体1720aとの距離が所定距離未満であるか否かを判定する。
また、制御処理部11は、第2レール7bへ第1接続体1720aが接近したと判断した場合、第1接続体1720aを第1レール7aから離脱させ、側面プロペラ22a2を回転させることで第1方向へ無人航空機10mを推進させる。つまり、制御処理部11は、第2レール7bと第1接続体1720aとの距離が所定距離未満であれば第1接続体1720aを開状態にして、第1接続体1720aを第1レール7aから切り離した後に、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させて、無人航空機10mを前進させる。
また、制御処理部11は、第1接続体1720aが第2レール7bを通過したか否かを判断し、第1接続体1720aが第2レール7bを通過したと判断した場合、第2接続体1720bを第1レール7aから離脱させ、無人航空機10mの第1方向が、第2レール7bの方向と平行となるように、無人航空機10mを回転させ、無人航空機10mの回転後、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを第2レール7bに接続させる。つまり、制御処理部11は、第1接続体1720aが第2レール7bの鉛直下方を通過したか否かを判定し、第1接続体1720aが第2レール7bの鉛直下方を通過した後に、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを開状態にして第1レール7aから切り離し、機体本体1912を回転させた後に、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを第2レール7bに接続する。
また、制御処理部11は、第1接続体1720aが第2レール7bを通過したと判断した場合、第1接続体1720aを第1レール7aに接続させ、無人航空機10mの重心バランスが取れているか否かを判断する。つまり、制御処理部11は、第1接続体1720aが第2レール7bを通過した場合、機体本体1912の重心バランス(姿勢)に問題がないか否かを判定する。
制御処理部11は、無人航空機10mの重心バランスが取れていると判断した場合、第1接続体1720aと、第2接続体1720bを第1レール7aから離脱させ、無人航空機10mの第1方向が、第2レール7bの方向と平行となるように、無人航空機10mを回転させ、無人航空機10mの回転後、第1接続体1720aと第2接続体1720bとを第2レール7bに接続させる。つまり、制御処理部11は、機体本体1912の重心バランス(姿勢)に問題がない場合、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを開状態にして第1レール7aから切り離し、機体本体1912を回転させた後に、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを第2レール7bに接続する。
図148は、実施の形態19における無人航空機10mの接続体支持部1970およびラチェット1975を例示する模式図、接続体支持部1970およびラチェット1975の断面を例示する断面図である。
本実施の形態における無人航空機10mでは、図148に示すように、機体本体1912の前方側の側面プロペラ22a2が、第1固定部1971に対して第2固定部1972を回動(機体本体1912を回動)させるための応力を付与する。また、機体本体1912の後方側の側面プロペラ22a1が、機体本体1912を前進させる応力を付与する。なお、機体本体1912の前方側および後方側のそれぞれの側面プロペラ22a1が、機体本体1912を回動させる応力を付与してもよく、機体本体1912を前進させる応力を付与してもよい。
接続体支持部1970は、第3接続体1720cと機体本体1912との間に配置されている。接続体支持部1970は、第1固定部1971と、第2固定部1972と、複数のコロと、ラチェット1975と、引張バネ1919a、1919bとを有する。第1固定部1971および第2固定部1972は、この順番で重なるように、配置される。
第1固定部1971には、第3接続体1720cが固定される。具体的には、第1固定部1971は、上面に第3接続体1720cを固定している平板状の部材であり、機体本体1912から離間した位置に配置される。第1固定部1971は、機体本体1912および第2固定部1972に対して鉛直方向と平行な軸周り(中心点O周り)で回動する。第1固定部1971は、回転台の一例である。
第2固定部1972は、第1固定部1971と重ね合わさるように機体本体1912に固定される。第2固定部1972は、機体本体1912に固定される平板状の部材である。第2固定部1972は、回転台の一例である。
第2固定部1972の中央部分には、係合孔1972aが形成される。第1固定部1971は、その一部又は全てが、第2固定部1972の係合孔1972aに配置される。第1固定部1971および第2固定部1972の係合孔1972aは、平面視で円形状である。第1固定部1971の外面と第2固定部1972の係合孔1972aの内面とは、所定距離離間した状態であるため、第1固定部1971および第2固定部1972の係合孔1972aは、第1固定部1971は、第2固定部1972の係合孔1972aに対して回動可能である。第1固定部1971の中心軸(中心点O)は、第2固定部1972の係合孔1972aの中心軸と略一致する。
なお、第2固定部1972の中央部分には、係合孔1972aとしての貫通孔の代わりに凹部が形成されていてもよく、第1固定部1971と係合するための貫通孔又は凹部が形成されていればよい。
なお、第1固定部1971および第2固定部1972のそれぞれの中央部分には、環状溝が形成されてもよい。環状溝は、第1固定部1971および第2固定部1972の係合孔1972aの、内周側又は外周側に形成される。複数のコロは、第1固定部1971および第2固定部1972のそれぞれの中央部分に形成される環状溝に沿って配置されてもよい。複数のコロは、第1固定部1971および第2固定部1972で挟まれることで、ベアリングのように、第1固定部1971に対して第2固定部1972を回動させてもよい。
第1固定部1971の外周側面には、第2固定部1972に向かって突出する凸状の回り止め部1971bが1つ形成される。また、第2固定部1972の係合孔1972aの内周側面には、第1固定部1971に向かって突出する凸状の回り止め部1972bが2つ形成される。第2固定部1972の係合孔1972aの2つの回り止め部1972bは、第2固定部1972の係合孔1972aの中心軸に対して点対称に配置される。
なお、本実施の形態に限定されず、第1固定部1971には2つ以上の回り止め部1971bが形成されてもよく、第2固定部1972には1つ又は3つ以上の回り止め部1972bが形成されてもよい。
第2固定部1972が、係合孔1972aの中心軸周りで回動しても、第2固定部1972の回り止め部1972bが第1固定部1971の回り止め部1971bに接触することで、第2固定部1972の回動が規制される。つまり、第2固定部1972は、第1固定部1971に対して規定角度だけ回動可能に調節される。
また、第1固定部1971には、ラチェット1975と係合するための係合部1971cが形成される。係合部1971cは、ラチェット1975の凸部と係合するための凹部であるが、凸部であってもよい。係合部1971cは、第3接続体1720cが配置される第1固定部1971の上面に形成されるが、第1固定部1971の外周面に形成されてもよい。この場合、ラチェット1975は、第1固定部1971の外周面に沿って押し当てるように、第2固定部1972に固定されてもよい。この場合、係合部1971cは、第1固定部1971の外周面に形成されていてもよい。
ラチェット1975は、第2固定部1972に固定される。具体的には、ラチェット1975は、板バネ1975aと、被係合部1975bと、締結部1975cとを有する。板バネ1975aは、長尺状をなし、第2固定部1972から第1固定部1971に渡って配置される。板バネ1975aは、一端が第1固定部1971の上面に対して付勢されるように、他端が締結部1975cによって第2固定部1972に固定される。被係合部1975bは、第1固定部1971に付勢されることで、第1固定部1971に形成された係合部1971cと係合する。被係合部1975bは、板バネ1975aの一端に固定され、第1固定部1971の上面に向かって突出する凸上部である。なお、被係合部1975bは、第1固定部1971の係合部1971cが凸状であれば、第1固定部1971の上面から離れる方に凹む凹部である。本実施の形態では、被係合部1975bは、二等辺三角形状をなしているが、直角三角形状であってもよく、円柱状、角柱状であってもよい。本実施の形態では、被係合部1975bには、斜面が形成されている。斜面は、第1固定部1971に対して第2固定部1972が回動する際に、ラチェット1975の一端を上方向に押し上げることが可能に、第2固定部1972が回動する周方向と直交する平面に対して傾斜する面である。なお、被係合部1975bにおいて、斜面が形成されている面と反対面は、板バネ1975aの長さ方向と直交する方向(第2方向)と略平行な面であってもよい。締結部1975cは、板バネ1975aを第2固定部1972に締結するネジ、ボルト等である。
ラチェット1975の被係合部1975bが第1固定部1971の係合部1971cと係合している際に、第1固定部1971に対して第2固定部1972が回動すると、第2固定部1972の回転力によって第1固定部1971の係合部1971cがラチェット1975の被係合部1975bの斜面を滑る。第2固定部1972の回転力がラチェット1975の板バネ1975aによる付勢力に打ち勝つと、ラチェット1975の被係合部1975bが第1固定部1971の係合部1971cから離間し、ラチェット1975の被係合部1975bと第1固定部1971の係合部1971cとの係合が解除される。このとき、ラチェット1975の被係合部1975bの先端は、第1固定部1971の上面を滑る。
引張バネ1919a、1919bは、第1固定部1971と機体本体1912(又は第2固定部1972)とに接続される。本実施の形態では、2つの引張バネ1919a、1919bのそれぞれが第1固定部1971と機体本体1912とに接続される。具体的には、一方の引張バネ1919a(以下、前方側の引張バネ1919a)の一端は第1固定部1971の前方側に接続されて連結され、引張バネ1919aの他端は機体本体1912の前方側に接続されて連結される。他方の引張バネ1919b(以下、後方側の引張バネ)の一端は第1固定部1971の後方側に接続されて連結され、引張バネ1919bの他端は機体本体1912の後方側に接続されて連結される。
無人航空機10mを上方から見て、第1固定部1971に対して第2固定部1972が時計回りに回動(機体本体1912が回動)すると、前方側の引張バネ1919aの一端と第1固定部1971との接続点と前方側の引張バネ1919aの他端と機体本体1912との接続点とが離れ、距離が大きくなる。このため、前方側の引張バネ1919aは、引き伸ばされる。また、後方側の引張バネ1919bの一端と第1固定部1971との接続点と後方側の引張バネ1919bの他端と機体本体1912との接続点とが近づき、距離が小さくなる。このため、前方側の引張バネ1919aは、縮む。
また、無人航空機10mを上方から見て、第1固定部1971に対して第2固定部1972が反時計回りに回動(機体本体1912が回動)すると、前方側の引張バネ1919aの一端と第1固定部1971との接続点と前方側の引張バネ1919aの他端と機体本体1912との接続点とが近づき、距離が小さくなる。のため、前方側の引張バネ1919aは、縮む。また、後方側の引張バネ1919bの一端と第1固定部1971との接続点と後方側の引張バネ1919bの他端と機体本体1912との接続点とが遠く離れ、距離が大きくなる。このため、後方側の引張バネ1919bは、引き伸ばされる。
[動作例1]
まず、図149および図150に示すように、無人航空機10mが第1レール7aから第2レール7bに進路を変える場合を例示する。
図149は、実施の形態19における無人航空機10mの第1接続体1720aが第2レール7bを通過するときの動作を例示するフローチャートである。図150は、図149における無人航空機10mの動作を例示する模式図である。図150では、実施の形態19における無人航空機10mが第1レール7aから第2レール7bに接続する様子を例示する。
無人航空機10mは、側面プロペラ22a1を回転させることで(S1901)、第1レール7aに沿って進行する。制御処理部11は、第2レール7bと第1接続体1720aとの距離が所定距離未満であるか否かを判定する(S1902)。制御処理部11は、第2レール7bと第1接続体1720aとの距離が所定距離以上であれば(S1902でNO)、ステップS1901に戻る。
制御処理部11は、第2レール7bと第1接続体1720aとの距離が所定距離未満であれば(S1902でYES)、第1接続体1720aが第2レール7bに対して近い距離に存在しているため、第1接続体1720aの第1フック1721および第2フック1722を回動して第1接続体1720aを開状態にする。このとき、制御処理部11は、側面プロペラ22a1を回転させるための後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1の回転を停止させる(S1903)。これにより、無人航空機10mは、走行を停止する。
制御処理部11は、開状態の第1接続体1720aと第2レール7bとが接触しないように、第1接続体1720aが第2レール7bよりも鉛直下方に配置されているか否かを判定する。つまり、制御処理部11は、第1接続体1720aの第1フック1721および第2フック1722が第2レール7bと接触するか否かを判定する(S1904)。
制御処理部11は、第1接続体1720aの第1フック1721および第2フック1722が第2レール7bと接触する場合(S1904でYES)、ステップS1903に処理を戻す。制御処理部11は、第1接続体1720aの第1フック1721および第2フック1722が第2レール7bと接触しない場合(S1904でNO)、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる(S1905)。これにより、無人航空機10mは、前進する。
制御処理部11は、第1接続体1720aが第2レール7bの鉛直下方を通過したか否かを判定する(S1906)。
制御処理部11は、第1接続体1720aが第2レール7bの鉛直下方を通過していない場合(S1906でNO)、ステップS1905に処理を戻す。制御処理部11は、第1接続体1720aが第2レール7bの鉛直下方を通過した場合(S1906でYES)、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転を停止させる。これにより、無人航空機10mは、走行を停止する。また、制御処理部11は、第1接続体1720aの第1フック1721および第2フック1722を回動して第1接続体1720aを閉状態にする(S1907)。
制御処理部11は、閉状態にした第1接続体1720aが第1レール7aに接続されたか否かを判定する(S1908)。制御処理部11は、閉状態にした第1接続体1720aが第1レール7aに接続されていない場合(S1908でNO)、側面プロペラ22a1、22a2を回転させて機体本体1912の姿勢を修正したり、第1接続体1720aを開状態にしたりして、第1接続体1720aを第1レール7aに接続できる姿勢に修正し、ステップS1907に処理を戻す。制御処理部11は、閉状態にした第1接続体1720aが第1レール7aに接続された場合(S1908でYES)、図151のAに処理を進める。
図151は、実施の形態19における無人航空機10mの機体本体1912が回転するときの動作を例示するフローチャートである。図152は、図151における無人航空機10mの動作を例示する模式図である。
図151および図152に示すように、制御処理部11は、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる(S1911)。これにより、無人航空機10mは、前進する。
制御処理部11は、第2レール7bと第3接続体1720cとの距離が所定距離未満であるか否かを判定する(S1912)。制御処理部11は、第2レール7bと第3接続体1720cとの距離が所定距離以上であれば(S1912でNO)、ステップS1911に戻る。
制御処理部11は、第2レール7bと第3接続体1720cとの距離が所定距離未満であれば(S1912でYES)、機体本体1912の重心バランス(姿勢)に問題があるか否か、つまり、機体本体1912が水平面に対して所定角度以上、傾斜しているかどうかを判定する(S1913)。制御処理部11は、機体本体1912が水平面に対して所定角度以上、傾斜している場合、つまり、機体本体1912の重心バランス(姿勢)に問題がある場合(S1913でYES)、機体本体1912の姿勢を補正する。具体的には、機体本体1912が水平面に対して略平行となるように、制御処理部11は、機体本体1912のプロペラ制御モジュールを介して、それぞれのプロペラ22を回転させることで、機体本体1912の姿勢を補正する(S1914)。そして、ステップS1913に戻る。
制御処理部11は、機体本体1912が水平面に対して所定角度未満の傾斜である場合、つまり、機体本体1912の重心バランス(姿勢)に問題がない場合(S1913でNO)、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを開状態にする。そして、制御処理部11は、前方側および後方側のそれぞれの第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1、22a2を回転させる(S1915)。これにより、第3接続体1720cが第2レール7bに押さえられるように、無人航空機10mは、第3接続体1720cを略中心として回転する。
制御処理部11は、機体本体1912の回転角度が45°になったか否かを判定する(S1916)。回転角度は、機体本体1912が回転を開始する時点の状態の長さ方向に対して、機体本体1912が回転した長さ方向の角度である。
制御処理部11は、機体本体1912の回転角度が45°になっていない場合(S1916でNO)、ステップS1915に戻る。制御処理部11は、機体本体1912の回転角度が45°になった場合(S1916でYES)、第1接続体1720aの第1フック1721を回動させる(S1917)。このとき、機体本体1912が回転しても、レール7と第1接続体1720aの第1フック1721とが接触しない状態となっている。
制御処理部11は、機体本体1912の回転角度が80°になったか否かを判定する(S1918)。
制御処理部11は、機体本体1912の回転角度が80°になっていない場合(S1918でNO)、ステップS1918に戻る。このとき、制御処理部11は、側面プロペラ22a1、22a2を回転させることで機体本体1912を回転させる。制御処理部11は、機体本体1912の回転角度が80°になった場合(S1918でYES)、第1接続体1720aの第1フック1721を回動させることで、半閉状態にし(S1919)、図153のBに処理を進める。半閉状態は、第1フック1721がレール7に引っ掛かることができる状態であり、第2フック1722は開状態である。
図153は、実施の形態19における無人航空機10mの第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを第2レール7bに接続した後に第3接続体を第1レール7aから切り離すときの動作を例示するフローチャートである。図154は、図153における無人航空機10mの動作を例示する模式図である。
図153および図154に示すように、制御処理部11は、第2接続体1720bの第1フック1721を回動させる(S1921)。このとき、機体本体1912が回転しても、第1レール7aおよび第2レール7bと第2接続体1720bの第1フック1721とが接触しない状態となっている。
制御処理部11は、第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1、22a2を回転させる(S1922)。これにより、無人航空機10mは、第3接続体1720cを略中心として回転する。
制御処理部11は、機体本体1912の回転角度が90°になったか否かを判定する(S1923)。
制御処理部11は、機体本体1912の回転角度が90°になっていない場合(S1923でNO)、ステップS1922に戻る。このとき、制御処理部11は、側面プロペラ22a1、22a2を回転させることで機体本体1912を回転させて、回転角度を調節する。制御処理部11は、機体本体1912の回転角度が90°になった場合(S1923でYES)、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを閉状態にする(S1924)。つまり、制御処理部11は、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bの第2フック1722を回動させることで、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを閉状態にする。
制御処理部11は、閉状態にした第1接続体1720aおよび第2接続体1720bが第2レール7bに接続されたか否かを判定する(S1925)。制御処理部11は、閉状態にした第1接続体1720aおよび第2接続体1720bが第2レール7bに接続されていない場合(S1925でNO)、側面プロペラ22a1、22a2を回転させて機体本体1912の姿勢を修正したり、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを開状態にしたりして、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを第2レール7bに接続できる姿勢に修正し、ステップS1924に処理を戻す。制御処理部11は、閉状態にした第1接続体1720aおよび第2接続体1720bが第2レール7bに接続された場合(S1925でYES)、第3接続体1720cを開状態にする(S1926)。そして、処理は、図155のCに進む。
図155は、実施の形態19における無人航空機10mの第3接続体1720cを第2レール7bに接続するときの動作を例示するフローチャートである。図156は、図155における無人航空機10mの動作を例示する模式図である。
図155および図156に示すように、第3接続体1720cが開状態になると、接続体支持部1970において、第1固定部1971は、第2固定部1972を固定している機体本体1912に対して引張バネ1919a、1919bによって回動する。これにより、第1接続体1720a、第2接続体1720bおよび第3接続体1720cは、第2レール7bに接続可能な姿勢となる。つまり、第1接続体1720a、第2接続体1720bおよび第3接続体1720cのそれぞれの第1フック1721および第2フック1722の開口と第2レール7bとが交差する姿勢となっているか否かを判定するため、制御処理部11は、開状態にした第3接続体1720cが回転したか否かを判定する。本実施の形態では、第1レール7aと第2レール7bとは直交するように配置されているため、制御処理部11は、開状態にした第3接続体1720cの回転角度が90°回転したか否かを判定する(S1931)。
制御処理部11は、開状態にした第3接続体1720cが略90°回転していない場合(S1931でNO)、第3接続体1720cが回転するまで同様の処理を行う。なお、第3接続体1720cが回転する角度は90°としているが、これに限定されず、90°以下であってもよい。また、ステップS1931で判定する角度は、第1レール7aと第2レール7bとのなす角度に依存してもよい。また、制御処理部11は、モータなどを制御することで、第3接続体1720cを回動させてもよい。
制御処理部11は、開状態にした第3接続体1720cが略90°回転した場合(S1931でYES)、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる(S1932)。これにより、無人航空機10mは、前進する。
制御処理部11は、第3接続体1720cが第1レール7aの鉛直下方を通過したか否かを判定する(S1933)。
制御処理部11は、第3接続体1720cが第1レール7aの鉛直下方を通過していない場合(S1933でNO)、ステップS1932に処理を戻す。制御処理部11は、第3接続体1720cが第1レール7aの鉛直下方を通過した場合(S1933でYES)、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1の回転を停止させる。これにより、無人航空機10mは、走行を停止する。また、制御処理部11は、第3接続体1720cの第1フック1721および第2フック1722を回動して第3接続体1720cを閉状態にする(S1934)。そして、処理は、図157のDに進む。
図157は、実施の形態19における無人航空機10mの第2接続体1720bが第1レール7aを通過するときの動作を例示するフローチャートである。図158は、図157における無人航空機10mの動作を例示する模式図である。
図157および図158に示すように、制御処理部11は、閉状態にした第3接続体1720cが第2レール7bに接続されたか否かを判定する(S1941)。制御処理部11は、閉状態にした第3接続体1720cが第2レール7bに接続されていない場合(S1941でNO)、側面プロペラ22a1、22a2を回転させて機体本体1912の姿勢を修正したり、第3接続体1720cを開状態にしたりして、第3接続体1720cを第2レール7bに接続できる姿勢に修正し、ステップS1941に処理を戻す。制御処理部11は、閉状態にした第3接続体1720cが第2レール7bに接続された場合(S1941でYES)、第2接続体1720bを開状態にする(S1942)。
制御処理部11は、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる(S1943)。これにより、無人航空機10mは、前進する。
制御処理部11は、第2接続体1720bが第1レール7aの鉛直下方を通過したか否かを判定する(S1944)。
制御処理部11は、第2接続体1720bが第1レール7aの鉛直下方を通過していない場合(S1944でNO)、ステップS1943に処理を戻す。制御処理部11は、第2接続体1720bが第1レール7aの鉛直下方を通過した場合(S1944でYES)、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転を停止させる。これにより、無人航空機10mは、走行を停止する。また、制御処理部11は、第2接続体1720bの第1フック1721および第2フック1722を回動して第2接続体1720bを閉状態にし(S1945)、第2接続体1720bが第2レール7bに接続される。
このようにして、無人航空機10mは、第1レール7aから第2レール7bに進路を変えることができる。
[動作例2]
次に、第1レール7aを走行する無人航空機10mが第1レール7aと第2レール7bとの交差点で方向転換して、走行してきた第1レール7aに沿って引き返す場合を例示する。なお、上述の動作例1のS1901~S1931までは、同様の処理であるため、その説明を省略し、図159から説明を行う。
図159は、無人航空機10mが第1レール7aと第2レール7bとの交差点で引き返す場合における、無人航空機10mの機体本体1912がさらに回転するときの動作を例示するフローチャートである。図160は、図159における無人航空機10mの動作を例示する模式図である。
図159および図160に示すように、制御処理部11は、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる(S1951)。
制御処理部11は、第2レール7bと第3接続体1720cとが近接しているか否かを判定する(S1952)。第2レール7bと第3接続体1720cとが近接とは、第2レール7bと第3接続体1720cとの接触を含む意味であるが、例えば所定距離未満の場合でもある。制御処理部11は、第2レール7bと第3接続体1720cとが近接していなければ(S1952でNO)、ステップS1951に戻る。
制御処理部11は、第2レール7bと第3接続体1720cとが近接していれば(S1952でYES)、第3接続体1720cを閉状態にする(S1953)。
制御処理部11は、閉状態にした第3接続体1720cが第2レール7bに接続されたか否かを判定する(S1954)。制御処理部11は、閉状態にした第3接続体1720cが第2レール7bに接続されていない場合(S1954でNO)、側面プロペラ22a1、22a2を回転させて機体本体1912の姿勢を修正したり、第3接続体1720cを開状態にしたりして、第3接続体1720cを第2レール7bに接続できる姿勢に修正し、ステップS1953に処理を戻す。制御処理部11は、閉状態にした第3接続体1720cが第2レール7bに接続された場合(S1954でYES)、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを開状態にする(S1955)。
制御処理部11は、機体本体1912の重心バランス(姿勢)に問題がないか否か、つまり、機体本体1912が水平面に対して所定角度以上、傾斜しているかどうかを判定する(S1956)。制御処理部11は、機体本体1912が水平面に対して所定角度以上、傾斜している場合、つまり、機体本体1912の重心バランス(姿勢)に問題がある場合(S1956でYES)、機体本体1912の姿勢を補正する。具体的には、機体本体1912が水平面に対して略平行となるように、制御処理部11は、機体本体1912のプロペラ制御モジュールを介して、それぞれのプロペラ22を回転させることで、機体本体1912の姿勢を補正する(S1957)。そして、ステップS1956に戻る。
制御処理部11は、機体本体1912が水平面に対して所定角度未満の傾斜である場合、つまり、機体本体1912の重心バランス(姿勢)に問題がない場合(S1956でNO)、前方側および後方側のそれぞれの第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1、22a2を回転させる(S1958)。これにより、第3接続体1720cが第1レール7aに押さえられるように、無人航空機10mは、第3接続体1720cを略中心として回転する。そして、処理は、図161のEに進む。
図161は、無人航空機10mが第1レール7aと第2レール7bとの交差点で引き返す場合における、無人航空機10mの機体本体1912が回転した後に、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを第1レール7aに接続するときの動作を例示するフローチャートである。図162は、図161における無人航空機10mの動作を例示する模式図である。
図161および図162に示すように、制御処理部11は、機体本体1912の回転角度が170°になったか否かを判定する(S1961)。
制御処理部11は、機体本体1912の回転角度が170°になっていない場合(S1961でNO)、つまり回転角度が170°未満の場合、ステップS1961に戻る。制御処理部11は、機体本体1912の回転角度が170°になった場合(S1961でYES)、第2接続体1720bの第1フック1721を回動させる(S1962)。このとき、機体本体1912が回転しても、第1レール7aと第1接続体1720aの第1フック1721とが接触しない状態となっている。
制御処理部11は、機体本体1912の回転角度が170°以上になったか否かを判定する(S1963)。
制御処理部11は、機体本体1912の回転角度が170°以上になっていない場合(S1963でNO)、ステップS1963に戻る。このとき、制御処理部11は、側面プロペラ22a1、22a2を回転させることで機体本体1912を回転させて調節する。制御処理部11は、機体本体1912の回転角度が170以上°になった場合(S1963でYES)、第2接続体1720bの第1フック1721を回動させる(S1964)。このとき、機体本体1912が回転しても、第1レール7aと第2接続体1720bの第1フック1721とが接触しない状態となっている。
制御処理部11は、機体本体1912の回転角度が180°になったか否かを判定する(S1965)。
制御処理部11は、機体本体1912の回転角度が180°になっていない場合(S1965でNO)、ステップS1965に戻る。このとき、制御処理部11は、側面プロペラ22a1、22a2を回転させることで機体本体1912を回転させる。制御処理部11は、機体本体1912の回転角度が180°になった場合(S1965でYES)、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bの第1フック1721を回動させることで、半閉状態にする(S1966)。そして、処理は、図163のFに進む。
図163は、無人航空機10mが第1レール7aと第2レール7bとの交差点で引き返す場合における、無人航空機10mの第3接続体1720cを第2レール7bから切り離して偏心させるときの動作を例示するフローチャートである。図164は、図163における無人航空機10mの動作を例示する模式図である。
図163および図164に示すように、制御処理部11は、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bの第2フック1722を回動させることで、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを閉状態にする(S1971)。
制御処理部11は、閉状態にした第1接続体1720aおよび第2接続体1720bが第1レール7aに接続されたか否かを判定する(S1972)。制御処理部11は、閉状態にした第1接続体1720aおよび第2接続体1720bが第1レール7aに接続されていない場合(S1972でNO)、側面プロペラ22a1、22a2を回転させて機体本体1912の姿勢を修正したり、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを開状態にしたりして、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを第1レール7aに接続できる姿勢に修正し、ステップS1971に処理を戻す。制御処理部11は、閉状態にした第1接続体1720aおよび第2接続体1720bが第1レール7aに接続された場合(S1972でYES)、第3接続体1720cを開状態にする(S1973)。
第3接続体1720cが開状態になると、第1固定部1971は、第2固定部1972を固定している機体本体1912に対して引張バネ1919a、1919bによって回動する。これにより、第1接続体1720a、第2接続体1720bおよび第3接続体1720cは、第1レール7aに接続可能な姿勢となる。つまり、第1接続体1720a、第2接続体1720bおよび第3接続体1720cのそれぞれの第1フック1721および第2フック1722の開口と第1レール7aとが交差する姿勢となっているか否かを判定するため、制御処理部11は、開状態にした第3接続体1720cが回転したか否かを判定する。本実施の形態では、制御処理部11は、開状態にした第3接続体1720cが回転したか否かを判定する(S1974)。
制御処理部11は、開状態にした第3接続体1720cが略90°回転していない場合(S1974でNO)、第3接続体1720cが回転するまで同様の処理を行う。なお、第3接続体1720cが回転する角度は90°としているが、これに限定されず、90°以下であってもよい。また、ステップS1974で判定する角度は、第1レール7aと第2レール7bとのなす角度に依存してもよい。
制御処理部11は、開状態にした第3接続体1720cが略90°回転した場合(S1974でYES)、図165のGに処理を進める。
図165は、無人航空機10mが第1レール7aと第2レール7bとの交差点で走行してきたレールを引き返す場合において、無人航空機10mの第3接続体1720cを第1レール7aに接続させた後に、第2接続体1720bを第1レール7aから切り離し、第1レール7aを通過した第2接続体1720bが第1レール7aに接続するときの動作を例示するフローチャートである。図166は、図165における無人航空機10mの動作を例示する模式図である。図167は、図165における無人航空機10mの動作を例示する模式図である。
図165から図167に示すように、制御処理部11は、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる(S1981)。これにより、無人航空機10mは、前進する。
制御処理部11は、第3接続体1720cが第2レール7bの鉛直下方を通過したか否かを判定する(S1982)。
制御処理部11は、第3接続体1720cが第2レール7bの鉛直下方を通過していない場合(S1982でNO)、ステップS1981に処理を戻す。制御処理部11は、第3接続体1720cが第2レール7bの鉛直下方を通過した場合(S1982でYES)、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転を停止させる。これにより、無人航空機10mは、走行を停止する。また、制御処理部11は、第3接続体1720cの第1フック1721および第2フック1722を回動して第3接続体1720cを閉状態にする(S1983)。
制御処理部11は、閉状態にした第3接続体1720cが第1レール7aに接続されたか否かを判定する(S1984)。制御処理部11は、閉状態にした第3接続体1720cが第1レール7aに接続されていない場合(S1984でNO)、側面プロペラ22a1、22a2を回転させて機体本体1912の姿勢を修正したり、第3接続体1720cを開状態にしたりして、第3接続体1720cを第1レール7aに接続できる姿勢に修正し、ステップS1983に処理を戻す。制御処理部11は、閉状態にした第3接続体1720cが第1レール7aに接続された場合(S1984でYES)、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる(S1985)。これにより、無人航空機10mは、前進する。
制御処理部11は、第2レール7bと第2接続体1720bとの距離が所定距離未満であるか否かを判定する(S1986)。制御処理部11は、第2レール7bと第2接続体1720bとの距離が所定距離以上であれば(S1986でNO)、ステップS1985に戻る。
制御処理部11は、第2レール7bと第2接続体1720bとの距離が所定距離未満であれば(S1986でYES)、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転を停止させる(S1987)。これにより、無人航空機10mは、走行を停止する。また、制御処理部11は、第2接続体1720bの第1フック1721および第2フック1722を回動して第2接続体1720bを開状態にする(S1987)。
制御処理部11は、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる(S1988)。これにより、無人航空機10mは、前進する。
制御処理部11は、第2接続体1720bが第2レール7bの鉛直下方を通過したか否かを判定する(S1989)。
制御処理部11は、第2接続体1720bが第2レール7bの鉛直下方を通過していない場合(S1989でNO)、ステップS1988に処理を戻す。制御処理部11は、第2接続体1720bが第2レール7bの鉛直下方を通過した場合(S1989でYES)、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転を停止させる(S1990)。これにより、無人航空機10mは、走行を停止する。また、制御処理部11は、第2接続体1720bの第1フック1721および第2フック1722を回動して第2接続体1720bを閉状態にする(S1990)。
[動作例3]
次に、第1レール7aに接続されている無人航空機10mが、第1レール7aから第2レール7bに接続先を変更する場合における、接続体支持部1970、第1接続体1720a、第2接続体1720bおよび第3接続体1720cの動きを例示する。
図168は、無人航空機10mが回転したときの接続体支持部1970およびラチェット1975を例示する模式図、接続体支持部1970およびラチェット1975の断面を例示する断面図である。
図168のa1、b1、c1は、無人航空機10mの機体本体1912、機体本体1912に固定されている第2固定部1972および第1固定部1971の関係と、第1接続体1720a、第2接続体1720b、第3接続体1720c、第1レール7aおよび第2レール7bの関係とを例示している。図168のa2は図168のa1のa2-a2線でラチェット1975および第1固定部1971等を切断した場合の断面図、図168のb2は図168のb1のb2-b2線でラチェット1975および第1固定部1971等を切断した場合の断面図、図168のc2は図168のc1のc2-c2線でラチェット1975および第1固定部1971等を切断した場合の断面図である。また、図170以降の図についても同様であるため、これらの説明を省略する。なお、図168のa1、b1およびc1は、図152および図154に対応している。
図168のa1に示すように、制御処理部11は、第1接続体1720aおよび第2接続体1720bを開状態にし、側面プロペラ22a1、22a2を回転させる。図168のa2に示すように、機体本体1912が中心点O、つまり第1固定部1971の中心点O周りで回転する前の状態では、ラチェット1975の被係合部1975bが第1固定部1971の係合部1971cと係合している。
機体本体1912が中心点O周りで回転すると、図168のb2に示すように、接続体支持部1970では、機体本体1912に固定されている第2固定部1972の回転力によって、ラチェット1975の被係合部1975bが押し上げられることで第1固定部1971の係合部1971cから離れる。機体本体1912が回転する際に、ラチェット1975の板バネ1975aはその他端が締結部1975cによって固定されて付勢されているため、ラチェット1975の被係合部1975bは、第1固定部1971の上面に押しつけられながら、機体本体1912の回転によって第1固定部1971の上面を滑る。図168のb2に示すように、機体本体1912とともに第2固定部1972が略90°回転すると、第2固定部1972の回り止め部1972bが第1固定部1971の回り止め部1971bと当接することで、第2固定部1972の回転が規制されるため、機体本体1912の回転も規制される。そして、無人航空機10mは、第3接続体1720cが第1レール7aに接続された状態で機体本体1912が回転する。
図168のc1に示すように、制御処理部11は、閉状態にした第1接続体1720aおよび第2接続体1720bが第2レール7bに接続された場合、第3接続体1720cを開状態にする。図168のc2に示すように、ラチェット1975の状態は図168のb2と同様である。
第1固定部1971は、前方側および後方側の引張バネ1919a、1919bによって、時計回りに回転するように引っ張られている。図168のc1に示すように、第3接続体1720cが開状態になると、第1固定部1971は、第2固定部1972を固定している機体本体1912に対して、前方側および後方側の引張バネ1919a、1919bによって回動する。図168のa2に示すように、第1固定部1971が90°回転すると、ラチェット1975の被係合部1975bの上面を滑った後に、ラチェット1975の被係合部1975bは第1固定部1971の係合部1971cと係合することで、第2固定部1972に対する第1固定部1971の回転が抑制される。このため、図170のa1に示すように、第3接続体1720cは、第1固定部1971の回転とともに中心点O周りで90°だけ偏心し、第2レール7bに接続可能な姿勢となる。
なお、第1固定部1971が前方側および後方側の引張バネ1919a、1919bによって引っ張られても、図170のb1に示すように、引張バネ1919a、1919bの不具合によって第1固定部1971が90°回転せずに停止してしまうことがある。この場合、図170のc1に示すように、制御処理部11は、第3接続体1720cの第1フック1721および第2フック1722を回動して、第3接続体1720cを閉状態にする。
ここで、図168のa1およびb1におけるそれぞれの引張バネ1919a、1919bの動きについて、図169を用いて具体的に説明する。図169は、無人航空機10mが回転したときの接続体支持部1970の引張バネ1919a、1919bを例示する模式図である。
図169のaは、図168のa1の状態を示している。図169のaでは、それぞれの引張バネ1919a、1919bは自然長である。図168のbは、図169のaに対して45°の角度で機体本体1912が回転した場合を示している。この場合、前方側の引張バネ1919aは自然長よりも伸びた状態(伸びの長さが中程度であり、弾性力は普通)であり、後方側の引張バネ1919bは自然長よりも僅かに伸びた状態(伸びの長さが小さく、弾性力は小さい)又は自然長よりも縮んでいる状態である。
図169のcは、図169のaに対して90°の角度で機体本体1912が回転した場合を示している。この場合、前方側の引張バネ1919aは自然長よりも大きく伸びた状態(伸びの長さが長く、弾性力は大きい)であり、後方側の引張バネ1919bも自然長よりも伸びた状態(伸びの長さが中程度であり、弾性力は普通)である。
このため、図169のcに示すように、前方側および後方側の引張バネ1919a、1919bの弾性力によって、第1固定部1971には、時計回りに回動する力が加わえられる。
図170は、無人航空機10mが回転したときの第3接続体1720cの様子を例示する模式図、接続体支持部1970およびラチェット1975の断面を例示する断面図である。図171は、無人航空機10mの第3接続体1720cが第1レール7aを通過する様子を例示する模式図、接続体支持部1970およびラチェット1975の断面を例示する断面図である。
図170のa1、b1、c1、a2、b2、c2に示すように、制御処理部11は、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a2を回転させて、無人航空機10mを移動させる。これにより、第3接続体1720cが第1レール7aに押し付けられることで、第3接続体1720cを介して第1固定部1971が回転するため、第3接続体1720cの姿勢が正される。つまり、第3接続体1720cの第1フック1721および第2フック1722の開口面が第2レール7bと略直交するように、第3接続体1720cの姿勢が正される。言い換えれば、第3接続体1720cの上記開口面が第1レール7aの長さ方向と略平行となるように、第3接続体1720cの姿勢が正される。このように、無人航空機10mを移動させて、第3接続体1720cを第1レール7aに押し当てることで、図171のa1、a2に示すように、第3接続体1720cの姿勢を正すことができるため、前方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる場合と同様の効果を得ることができる。
図171のb1、b2に示すように、制御処理部11は、姿勢が正された第3接続体1720cを開状態にする。図171のc1、c2に示すように、制御処理部11は、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる。これにより、無人航空機10mが前進するため、第3接続体1720cが第1レール7aの鉛直下方を通過する。
図172は、無人航空機10mの第2接続体1720bが第1レール7aを通過する様子を例示する模式図、接続体支持部1970およびラチェット1975の断面を例示する断面図である。
図172のa1、a2に示すように、制御処理部11は、第3接続体1720cの第1フック1721および第2フック1722を回動して第3接続体1720cを閉状態にする。また、制御処理部11は、第2接続体1720bの第1フック1721および第2フック1722を回動して第2接続体1720bを開状態にする。
図172のb1、b2に示すように、制御処理部11は、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで側面プロペラ22a1を回転させるため、無人航空機10mが前進することで、第2接続体1720bが第1レール7aの鉛直下方を通過する。そして、図172のc1、c2に示すように、制御処理部11は、第2接続体1720bの第1フック1721および第2フック1722を回動して第2接続体1720bを閉状態にする。
[動作例4]
次に、支柱19に第1レール7aおよび第2レール7bが接続されて固定されている場合に、無人航空機10mが支柱19を迂回する様子を図173を用いて例示する。この例では、第1レール7aおよび第2レール7bは、支柱19に直接、固定されているため、第1レール7aおよび第2レール7bの撓みが抑制されている。図173は、無人航空機10mが支柱19を迂回するときの様子を例示する模式図である。
また、本動作例では、図173に示すように、第1レール7aと第2レール7bとを接続する第3レール7c1、7c2、7c3、7c4が配置されている場合を例示している。
第1レール7aは、第1レール7aの長さ方向と第2レール7bの長さ方向とが略直交するように配置されている。第3レール7c1および第3レール7c2のそれぞれは、第1レール7aおよび第2レール7bと交差するように、第1レール7aおよび第2レール7bに接続されて支持されている。第3レール7c1および第3レール7c2は、第3レール7c1の長さ方向と第3レール7c2の長さ方向とが略平行であり、支柱19を中心点として点対称となるように配置されている。また、第3レール7c3および第3レール7c4のそれぞれも、第1レール7aおよび第2レール7bと交差するように、第1レール7aおよび第2レール7bに接続されて支持されている。また、第3レール7c3および第3レール7c4は、第3レール7c1と第3レール7c2との間に配置され、第3レール7c3の長さ方向と第3レール7c4の長さ方向とが略平行であり、支柱19を中心点として点対称となるように配置されている。第3レール7c3および第3レール7c4のそれぞれの長さ方向は、第3レール7c1および第3レール7c2のそれぞれの長さ方向と略直交する。
本動作例では、無人航空機10mの移動する様子を二点鎖線の矢印EX1、EX2、EX3で示す。矢印EX1では、無人航空機10mが右折する様子を例示している。
矢印EX1では、無人航空機10mは、支柱19よりも上側(紙面の上側)の第1レール7aから第3レール7c1に乗り換えて(接続を切り替えて)走行した後に、支柱19よりも左側(紙面の左側)の第2レール7bにさらに乗り換えることで右折することができる。
また、矢印EX2では、無人航空機10mが左折する様子を例示している。矢印EX2では、無人航空機10mは、支柱19よりも上側の第1レール7aから第3レール7c3に乗り換えて走行した後に、支柱19よりも右側(紙面の右側)の第2レール7bにさらに乗り換えることで左折することができる。
また、矢印EX3では、無人航空機10mが直進する様子を例示している。矢印EX3では、無人航空機10mは、支柱19よりも右側の第2レール7bから第3レール7c2に乗り換えて走行した後に、支柱19よりも下側(紙面の下側)の第1レール7aにさらに乗り換えて走行する。次に、無人航空機10mは、支柱19よりも下側の第1レール7aから第3レール7c4に乗り換えて走行した後に、支柱19よりも左側の第2レール7bにさらに乗り換える。これにより、無人航空機10mは、第2レール7bを実質的に直進することができる。
なお、無人航空機10mが逆戻りする場合、矢印EX3のように、支柱19よりも右側の第2レール7bを移動した無人航空機10mが支柱19よりも左側の第2レール7bまで乗り換えて走行した後に、第3レール7c1に乗り換えて走行する。次に、無人航空機10mは、第3レール7c1から支柱19よりも上側の第1レール7aにさらに乗り換えて走行した後に、第3レール7c3に乗り換えて走行する。無人航空機10mは、第3レール7c3から支柱19よりも右側の第2レール7bに乗り換えることで、無人航空機10mは、方向転換をすることができるため、逆戻りすることができる。
[作用効果]
次に、本実施の形態における無人航空機10mの作用効果について説明する。
上述したように、本実施の形態に係る無人航空機10mは、第1方向の第1長さN1が、第1方向に直交する第2方向の第2長さN2よりも長い機体本体1912と、第1方向と第2方向に平行な仮想平面内で回転する複数のプロペラ22と、機体本体1912に搭載され、複数のプロペラ22をそれぞれ回転させる複数の第1プロペラ駆動モータ23と、地面から離れた位置にある少なくとも1つのレールに吊下げ可能な少なくとも1つの接続体と、機体本体1912を第1方向へ推進させるための推進力を与える少なくとも1つの側面プロペラ22a1と、機体本体1912に搭載され、少なくとも1つの側面プロペラ22a1を回転させる少なくとも1つの第3プロペラ駆動モータ22a3と、複数の第1プロペラ駆動モータ23と少なくとも1つの第3プロペラ駆動モータ22a3とを制御する制御処理部11と、を備える。
これによれば、接続体によって機体本体1912がレールに接続されて吊下がることができるため、プロペラ22が回転しなくても、無人航空機10mが落下することを抑制することができる。
また、接続体がレールに接続されて吊下がった状態で側面プロペラ22a1を回転させることで、無人航空機10mがレールに沿って移動することができるため、目的地点まで移動することができる。この場合、第1プロペラ駆動モータ23を駆動させる代わりに第3プロペラ駆動モータ22a3を駆動させることで無人航空機10mを移動させることができるため、無人航空機10mにおける消費電力を抑制することができる。
本実施の形態に係る無人航空機10mにおいて、接続体は、第1接続体1720aと、第2接続体1720bと、第3接続体1720cとを含み、第1接続体1720aは、機体本体1912の中心よりも第1方向側に位置し、第2接続体1720bは、機体本体1912の中心よりも第1方向側と反対側に位置し、第3接続体1720cは、第1接続体1720aと第2接続体1720bとの間であり、機体本体1912の中心付近に位置する。
これによれば、3つの接続体を用いることで、無人航空機10mが走行しているレールから別のレールに、より安全に乗り移ることができるようになる。
また、3つの接続体によって無人航空機10mをより安定的にレールに接続することができる。このため、この無人航空機10mでは、安全性を確保することができる。
本実施の形態に係る無人航空機10mにおいて、第3接続体1720cと機体本体1912との間に配置された第1固定部1971と、第1固定部1971に付勢されることで、第1固定部1971に形成された係合部1971cと係合する被係合部1975bを有するラチェット1975とを備える。
これによれば、第1固定部1971が回転することで、無人航空機10mの向きを回転させることができるようになる。また、所定角度回転した場合に、第1固定部1971の係合部1971cとラチェット1975の被係合部1975bとが係合することで、第1固定部1971又は機体本体1912の回転を制御することができるようになる。このため、機体本体1912の向きを所望の向きにすることができるようになるため、無人航空機10mが走行しているレールから別のレールに、安全に乗り移ることができるようになる。
本実施の形態に係る制御方法において、無人航空機10mは、第3接続体1720cと無人航空機10mの機体本体1912との間に第1固定部1971を備え、第1固定部1971に対して機体本体1912を回転させることにより、無人航空機10mの向きを変更させる。
これによれば、機体本体1912の向きを所望の向きにすることができるようになるため、無人航空機10mが走行しているレールから別のレールに、安全に乗り移ることができるようになる。
本実施の形態に係る無人航空機10mにおいて、第1方向を法線ベクトルとする第1平面上に無人航空機10mを投影することによって得られる第1投影面に外接する第1最小矩形の第1面積は、第2方向を法線ベクトルとする第2平面上に無人航空機10mを投影することによって得られる第2投影面に外接する第2最小矩形の第2面積よりも小さい。
これによれば、レールの長さ方向に沿って機体本体1912が長尺となるため、無人航空機10mは、レールに沿って安定して走行することができる。
本実施の形態に係る無人航空機10mにおいて、複数のプロペラ22は、第1のプロペラ22と、第1のプロペラ22に対して第2方向で隣り合う第2のプロペラ22と、第1のプロペラ22に対して第1方向で隣り合う第3のプロペラ22と、第2のプロペラ22に対して第1方向で隣り合い、かつ、第3のプロペラ22に対して第2方向で隣り合う第4のプロペラ22とを含み、第1のプロペラ22と第2のプロペラ22との間の第1間隔は、第1のプロペラ22と第3のプロペラ22との間の第2間隔よりも狭い。
これによれば、レールの長さ方向に沿って、第1のプロペラ22および第2のプロペラ22と、第3のプロペラ22および第4のプロペラ22とを配置することができる。このため、無人航空機10mがレールに沿って走行する際に、機体本体1912の姿勢をより安定させることができる。
本実施の形態に係る無人航空機10mにおいて、少なくとも1つの第3プロペラ駆動モータ22a3の回転軸22a4は、第1方向に延びている。
これによれば、無人航空機10mをレールに沿って走行させるための推進力を容易に付与することができるようになる。
本実施の形態に係る無人航空機10mにおいて、少なくとも1つの側面プロペラ22a1は、仮想平面よりも低い位置に配置される。
これによれば、プロペラ22と側面プロペラ22a1との接触を抑制することができるため、無人航空機10mの安全性を高めることができる。
本実施の形態に係る無人航空機10mにおいて、少なくとも1つの第3プロペラ駆動モータ22a3の回転軸22a4は、第2方向を法線ベクトルとする平面内で、第1方向に対する傾斜角が可変である。
これによれば、第3プロペラ駆動モータ22a3の回転軸22a4を可変させることができるため、無人航空機10mをヨー方向(水平方向)に回転させることができる。このため、無人航空機10mの向きを変えることができる。
本実施の形態に係る制御方法は、無人航空機10mを制御する制御方法であって、無人航空機10mは、第1方向の第1長さN1が、第1方向に直交する第2方向の第2長さN2よりも長い機体本体1912と、第1方向と第2方向とに平行な仮想平面内で回転する複数のプロペラ22と、機体本体1912に搭載され、複数のプロペラ22をそれぞれ回転させる複数の第1プロペラ駆動モータ23と、地面から離れた位置にある少なくとも1つのレールに吊下げ可能な少なくとも3つの接続体と、機体本体1912を第1方向へ推進させるための推進力を与える少なくとも1つの側面プロペラ22a1と、機体本体1912に搭載され、少なくとも1つの側面プロペラ22a1を回転させる少なくとも1つの第3プロペラ駆動モータ22a3と、複数の第1プロペラ駆動モータ23と少なくとも1つの第3プロペラ駆動モータ22a3とを制御する制御処理部11と、を備える。また、第1接続体1720aは、機体本体1912の中心よりも第1方向側に位置し、第2接続体1720bは、機体本体1912の中心よりも第1方向側と反対側に位置し、第3接続体1720cは、第1接続体1720aと第2接続体1720bとの間であり、機体本体1912の中心付近に位置し、この制御方法では、2つのレールが交差する交差点において、無人航空機10mを、第1レール7aから第2レール7bへ接続を切り替える際、第2レール7bへ第1接続体1720aが接近したか否かを判断し、第2レール7bへ第1接続体1720aが接近したと判断した場合、第1接続体1720aを第1レール7aから離脱させ、側面プロペラ22a1を回転させることで第1方向へ無人航空機10mを推進させ、第1接続体1720aが第2レール7bを通過したか否かを判断し、第1接続体1720aが第2レール7bを通過したと判断した場合、第2接続体1720bを第1レール7aから離脱させ、無人航空機10mの第1方向が、第2レール7bの方向と平行となるように、無人航空機10mを回転させ、無人航空機10mの回転後、第1接続体1720aと第2接続体1720bを第2レール7bに接続させる。
これによれば、無人航空機10mが第1レール7aから第2レール7bへ、接続を切り替える(乗り換える)ことができる。
本実施の形態に係る制御方法では、第1接続体1720aが第2レール7bを通過したと判断した場合、第1接続体1720aを第1レール7aに接続させ、無人航空機10mの重心バランスが取れているか否かを判断し、無人航空機10mの重心バランスが取れていると判断した場合、第1接続体1720aと、第2接続体1720bを第1レール7aから離脱させ、無人航空機10mの第1方向が、第2レール7bの方向と平行となるように、無人航空機10mを回転させ、無人航空機10mの回転後、第1接続体1720aと第2接続体1720bとを第2レール7bに接続させる。
これによれば、例えば第1レール7aに対して第2レール7bが傾斜していても、無人航空機10mの重心バランスを変化させることで、無人航空機10mが第1レール7aから第2レール7bへ、接続を切り替えることができる。
本実施の形態に係る制御方法では、無人航空機10mの回転後、第1接続体1720aと第2接続体1720bとを第2レール7bに接続させた後に、第3接続体1720cを第1レール7aから離脱させて第1固定部1971を回転させることにより、第3接続体1720cの姿勢を第1接続体1720aおよび第2接続体1720bのそれぞれの姿勢と合わせる。
これによれば、第3接続体1720cを第1レール7aから離脱させると、第3接続体1720cの姿勢を第1接続体1720aおよび第2接続体1720bのそれぞれの姿勢に合わせることができる。このため、第3接続体1720cを第1接続体1720aおよび第2接続体1720bとともに、第2レール7bに接続させることができる。
本実施の形態に係る制御方法において、無人航空機10mは、側面プロペラ22a1と第1方向において対応する位置に、回転用の側面プロペラ22a2を備え、回転用の側面プロペラ22a2の推進力により、無人航空機10mの向きを変更させる。
これによれば、側面プロペラ22a2を回転させることで無人航空機10mの進行方向を容易に変更することができるようになる。
(実施の形態19の変形例1)
以下では、本変形例における無人航空機10mの基本的な構成は、実施の形態19等の無人航空機の基本的な構成と同様の構成であるため、本変形例における無人航空機10mの基本的な構成について適宜説明を省略する。
図174は、実施の形態19の変形例1における無人航空機10mが第1接続体1720aを水平部分のレールから切り離す様子を例示する模式図である。
図174のaに示すように、無人航空機10mの機体本体1912mは、さらに、シャフト1914と、スライダ1913と、スライダモータ1915とを有する点で実施の形態19等と異なる。
シャフト1914は、機体本体1912mの下方側である下面に配置され、機体本体1912mの前端側と後端側とにそれぞれ配置されたシャフト支持体1916によって支持されている。つまり、シャフト1914は、2つのシャフト支持体1916によって両端が挟まれるように支持されている。シャフト1914は、機体本体1912mの長さ方向に延びている。つまり、シャフト1914は、その長さ方向がレールの長さ方向と略平行となるように、機体本体1912mに配置される。
スライダ1913は、シャフト1914に連結された状態で、シャフト1914の長さ方向に沿って摺動するように、機体本体1912mの下方側に配置されている。つまり、スライダ1913は、シャフト1914の長さ方向に沿って摺動することで、その位置を変位させることができる。スライダ1913には、ワイヤ51を介して荷物が接続されている。つまり、スライダ1913および荷物は、機体本体1912mのバランサとして機能する。なお、荷物が無人航空機10mに接続されていなくても、スライダ1913だけでも機体本体1912mのバランサとして機能する。
スライダモータ1915は、スライダ1913の位置を変位させることが可能な駆動部である。つまり、スライダモータ1915は、スライダ1913の位置を機体本体1912mの中心点Oとしての中心線に対して機体本体1912mの前方側又は後方側に移動させることで、機体本体1912mの重心位置を変更することができる。
制御処理部11は、無人航空機10mが走行するための進路において、水平面に対して所定角度以上、レールが傾斜している場合、スライダモータ1915を制御してスライダ1913の位置を中心線に対して前方側又は後方側に移動させることで、機体本体1912mの重心位置を変更することができる。
[動作]
無人航空機10mが水平部分のレール7a1から傾斜部分のレール7a2に切り替える様子を例示する。
本動作におけるレールは、水平面に対して略平行な水平部分のレール7a1と、別の一部が水平面に対して傾斜している傾斜部分のレール7a2とを含む。具体的には、水平部分のレール7a1の一端は、傾斜部分のレール7a2の他端と連結部1632aを介して接続されている。連結部1632aは、地面等に設置されている電柱等に設けられるレール支持部1632に接続されて固定される。本動作では、無人航空機10mがレール7a1からレール7a2に向かって走行する場合を例示する。
無人航空機10mは、側面プロペラ22a1を回転させることで、レール7a1に沿って進行する。図174のaに示すように、制御処理部11は、連結部1632aと第1接続体1720aとの距離が所定距離未満になると、側面プロペラ22a1を回転させるための後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1の回転を停止させる。これにより、無人航空機10mは、走行を停止する。
制御処理部11は、図174のbに示すように、連結部1632aと第1接続体1720aとの距離が所定距離未満になると、第1接続体1720aの第1フックおよび第2フックを回動して第1接続体1720aを開状態にする。第1接続体1720aを開状態にすることで、機体本体1912mが連結部1632aの鉛直下方を通過する際に、第1接続体1720aの第1フックおよび第2フックが連結部1632aと接触しなくなる。
制御処理部11は、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる。これにより、図174のcに示すように、無人航空機10mが前進して、第1接続体1720aが連結部1632aの鉛直下方を通過する。この時、レール7a2はレール7a1に対して上り傾斜しているため、第1接続体1720aを閉状態にしても、破線で示すように、第1フックおよび第2フックがレール7a2と接触してしまい、第1接続体1720aがレール7a2に連結できない場合がある。
図175は、第2接続体1720bが閉状態のときの水平部分のレール7a1との関係、第2接続体1720bが半開状態のときの水平部分のレール7a1との関係を例示する模式図である。図176は、実施の形態19の変形例1における無人航空機10mの機体本体1912mの重心位置を後方側に移動させて、第1接続体1720aを傾斜部分のレール7a2に接続する様子を例示する模式図である。
このため、図175のaおよび図176のaで示すように、第2接続体1720bの閉状態から、制御処理部11は、第2接続体1720bの第1フックおよび第2フックを少しだけ動かし、図175のbで示すような半開状態(または半閉状態とも言える)にする。これにより、第1フックおよび第2フックとレール7a1との間に距離Nの隙間が形成される。
図176のaに示すように、制御処理部11は、スライダモータ1915を制御することで、スライダ1913を機体本体1912mの後方側(進路方向と反対側)に移動させる。これにより、機体本体1912mの重心の位置は、中心線よりも機体本体1912mの後方側に移動する。このため、機体本体1912mの上面から第2接続体1720bの第1フックおよび第2フックまでの高さ方向の距離が、機体本体1912mの上面から第3接続体1720cの第1フックおよび第2フックまでの高さ方向の距離よりも大きくなるため、機体本体1912mは、レール7a2に沿った姿勢となるように、前方側が持ち上げられた状態で傾く。
図176のbに示すように、制御処理部11は、第1接続体1720aの第1フックおよび第2フックを回動して第1接続体1720aを閉状態にする。これにより、第1接続体1720aは、レール7a2に接続される。
図176のcに示すように、制御処理部11は、スライダモータ1915を制御することで、スライダ1913を機体本体1912mの前方側(進路方向側)に移動させる。これにより、機体本体1912mの重心の位置は、中心線よりも機体本体1912mの前方側に移動する。このため、矢印で示すように、機体本体1912mの後方側が持ち上がるようなモーメント力が働く。
図177は、実施の形態19の変形例1における無人航空機10mが第3接続体1720cを水平部分のレール7a1から切り離して、第3接続体1720cが連結部1632aの鉛直下方を通過する様子を例示する模式図である。
図177のaに示すように、重心の位置の移動により機体本体1912mの後方側が持ち上がるため、制御処理部11は、半開状態の第2接続体1720bを閉状態にする。
図177のbに示すように、第3接続体1720cの第1フックおよび第2フックを回動して第3接続体1720cを開状態にする。
図177のcに示すように、制御処理部11は、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる。これにより、無人航空機10mが前進して、第3接続体1720cが連結部1632aの鉛直下方を通過する。
図178は、実施の形態19の変形例1における無人航空機10mが第2接続体1720bを水平部分のレール7a1から切り離して、第2接続体1720bが連結部1632aの鉛直下方を通過する様子を例示する模式図である。
図178のaに示すように、制御処理部11は、第3接続体1720cの第1フックおよび第2フックを回動して第3接続体1720cを閉状態にする。これにより、第3接続体1720cは、レール7a2に接続される。
図178のbに示すように、第2接続体1720bの第1フックおよび第2フックを回動して第2接続体1720bを開状態にする。また、制御処理部11は、スライダモータ1915を制御することで、スライダ1913を機体本体1912mの中心線上に移動させる。これにより、機体本体1912mの重心の位置は、機体本体1912mの中心線上に移動する。
図178のcに示すように、制御処理部11は、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる。これにより、無人航空機10mが前進して、第2接続体1720bが連結部1632aの鉛直下方を通過する。
図179は、実施の形態19の変形例1における無人航空機10mが第2接続体1720bを傾斜部分のレール7a2に接続する様子を例示する模式図である。
図179に示すように、制御処理部11は、第2接続体1720bの第1フックおよび第2フックを回動して第2接続体1720bを閉状態にする。これにより、第2接続体1720bは、レール7a2に接続される。
また、制御処理部11は、スライダモータ1915を制御することで、スライダ1913を機体本体1912mの後方側に移動させる。これにより、機体本体1912mの重心の位置は、中心線よりも機体本体1912mの後方側に移動する。そして、制御処理部11は、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる。これにより、無人航空機10mは、前進する。
(実施の形態19の変形例2)
以下では、本変形例における無人航空機10m1の基本的な構成は、実施の形態19等の無人航空機の基本的な構成と同様の構成であるため、本変形例における無人航空機10m1の基本的な構成について適宜説明を省略する。
無人航空機10m1の機体本体1912mは、さらに、第4接続体1720dを有する点で実施の形態19の変形例1等と異なる。
第4接続体1720dは、第1接続体1720aと第3接続体1720cとの間に配置されている。第4接続体1720dの構成は、第1接続体1720a、第2接続体1720bおよび第3接続体1720cと同様の構成であるため、説明を省略する。
[動作]
無人航空機10mが水平部分のレール7a1から傾斜部分のレール7a2に切り替える様子を図180等を用いて例示する。図180は、実施の形態19の変形例2における無人航空機10mが第1接続体1720aを水平部分のレール7a1から切り離す様子を例示する模式図である。
本動作におけるレールは、水平面に対して略平行な水平部分のレール7a1と、別の一部が水平面に対して傾斜している傾斜部分のレール7a2とを含む。具体的には、水平部分のレール7a1の一端は、傾斜部分のレール7a2の他端と連結部1632aを介して接続されている。連結部1632aは、地面等に設置されている電柱等に設けられるレール支持部1632に接続されて固定される。本動作では、無人航空機10m1がレール7a1からレール7a2に向かって走行する場合を例示しており、通常の走行時では第4接続体1720dが開状態となっている場合を例示している。
無人航空機10m1は、側面プロペラ22a1を回転させることで、レール7a1に沿って進行する。図180のaに示すように、制御処理部11は、連結部1632aと第1接続体1720aとの距離が所定距離未満になると、側面プロペラ22a1を回転させるための後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1の回転を停止させる。これにより、無人航空機10m1は、走行を停止する。
制御処理部11は、図180のbに示すように、連結部1632aと第1接続体1720aとの距離が所定距離未満になると、第1接続体1720aの第1フックおよび第2フックを回動して第1接続体1720aを開状態にする。第1接続体1720aを開状態にすることで、機体本体1912mが連結部1632aの鉛直下方を通過する際に、第1接続体1720aの第1フックおよび第2フックが連結部1632aと接触しなくなる。また、第4接続体1720dにおいても、連結部1632aと接触しない。
また、制御処理部11は、スライダモータ1915を制御することで、スライダ1913を機体本体1912mの中心軸よりも少しだけ後方側に移動させる。本動作例では、制御処理部11は、スライダ1913を第3接続体1720cの鉛直下方に配置させる。これにより、機体本体1912mの重心の位置は、第3接続体1720cの鉛直下方に移動する。
制御処理部11は、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる。これにより、図180のcに示すように、無人航空機10m1が前進して、第1接続体1720aおよび第4接続体1720dが連結部1632aの鉛直下方を通過する。この時、レール7a2はレール7a1に対して上り傾斜しているため、第1接続体1720aを閉状態にしても、破線で示すように、第1フックおよび第2フックがレール7a2と接触してしまい、第1接続体1720aがレール7a2に連結できない場合がある。
図181は、実施の形態19の変形例2における無人航空機10mの機体本体1912mの重心位置を後方側に移動させて、第1接続体1720aおよび第4接続体1720dを傾斜部分のレール7a2に接続する様子を例示する模式図である。
図181のaに示すように、制御処理部11は、第2接続体1720bの第1フックおよび第2フックを回動して第2接続体1720bを開状態にする。また、制御処理部11は、スライダモータ1915を制御することで、スライダ1913を機体本体1912mの後端側にさらに移動させる。これにより、機体本体1912mの重心の位置は、機体本体1912mの後端側に移動する。
このため、機体本体1912mは、レール7a2に沿った姿勢となるように、前方側が持ち上げられた状態で傾く。制御処理部11は、第1接続体1720aの第1フックおよび第2フックを回動して第1接続体1720aを閉状態にする。これにより、第1接続体1720aは、レール7a2に接続される。
また、図181のbに示すように、制御処理部11は、第4接続体1720dの第1フックおよび第2フックを回動して第4接続体1720dを閉状態にする。これにより、第4接続体1720dは、レール7a2に接続される。また、第3接続体1720cの第1フックおよび第2フックを回動して第3接続体1720cを開状態にする。
図181のcに示すように、制御処理部11は、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる。これにより、無人航空機10m1が前進して、図181のcおよび図182のaに示すように、第3接続体1720cおよび第2接続体1720bがこの順番に連結部1632aの鉛直下方を通過する。
図182は、実施の形態19の変形例2における無人航空機10mの機体本体1912mの重心位置を後方側に移動させて、第2接続体1720bおよび第3接続体1720cを傾斜部分のレール7a2に接続し、第4接続体1720dを傾斜部分のレール7a2から切り離す様子を例示する模式図である。
図182のaに示すように、制御処理部11は、第3接続体1720cの第1フックおよび第2フックを回動して第3接続体1720cを閉状態にする。これにより、第3接続体1720cは、レール7a2に接続される。
図182のbに示すように、制御処理部11は、第2接続体1720bの第1フックおよび第2フックを回動して第2接続体1720bを閉状態にする。これにより、第2接続体1720bは、レール7a2に接続される。また、制御処理部11は、第4接続体1720dの第1フックおよび第2フックを回動して第4接続体1720dを開状態にする。これにより、第4接続体1720dは、レール7a2から切り離される。そして、制御処理部11は、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる。これにより、無人航空機10m1は、前進する。
(実施の形態20)
[構成]
以下では、本実施の形態における無人航空機10nの基本的な構成は、実施の形態16等の無人航空機の基本的な構成と同様の構成であるため、本実施の形態における無人航空機10nの基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、無人航空機10nの第1接続体1720aが、機体本体1912の略中心を軸として偏心する点で実施の形態16等と相違する。また、本実施の形態では、実施の形態16以外の他の実施の形態の昇降システム及び無人航空機等を用いてもよい。
図183は、実施の形態20における無人航空機10nを例示した模式図である。図184は、実施の形態20における無人航空機10nの第1接続体1720a及び第3接続体1720cを側面から見た場合を例示した模式図である。図185のaは、実施の形態20における無人航空機10nを例示した平面図、第3接続体1720c及び回転台1971aの部分拡大図であり、図185のbは、中心点周りで第3接続体1720c及び回転台1971aが回転する様子を例示した模式図である。
図183~図185に示すように、第1接続体1720aは、機体本体1912の略中心を軸として所定角度θ、移動するように、機体本体1912に設けられている。第1接続体1720aは、機体本体1912の長さ方向に対して、当該略中心から第1接続体1720aを結ぶ直線が所定角度θとなるまで、円弧を描くように移動する。本実施の形態では、所定角度θは、約90°である。
このため、機体本体1912には、第1接続体1720aがスライド移動できるように、ガイドレール1912aが形成されている。具体的には、無人航空機10nには、ガイドレール1912aの延びる方向に沿って回転する回転プレート1912bと、回転プレート1912bの回転を許容する回転軸1912cと、回転軸1912cを回転させるモータ1912dとを有する。
図184に示すように、回転プレート1912bの上面には、第1接続体1720aが連結されて固定されている。回転プレート1912bは、回転軸1912cとも連結され、回転軸1912cの軸心周りで回転する。回転プレート1912bが回転する際に、機体本体1912のガイドレール1912aに案内されることで、回転プレート1912bの回転量が規制される。ガイドレール1912aは、回転軸1912cの軸心を中心とした角度約90°の円弧状である。回転軸1912cは、機体本体1912の中心部分に固定されている。具体的には、回転軸1912cは、その軸心の延長線が上述の仮想平面と略直交する姿勢で機体本体1912に固定されている。本実施の形態では、回転軸1912cは、実質的に第1接続体1720aと第3接続体1720cとの間に位置するように配置されている。
また、本実施の形態の第3接続体1720cも、回転台1971a(第1固定部の一例)の中心点Oよりも離れて位置している。このため、図185のa及びbに示すように、第3接続体1720cは、回転台1971aの回転とともに中心点O周りで偏心する。
[動作例]
まず、図186~図191に示すように、無人航空機10nがレール7a3からレール7a4に切り替える様子を例示する。図186は、実施の形態20における無人航空機10nの第1接続体1720aが開状態になる様子を例示した模式図である。図187は、実施の形態20における無人航空機10nの第1接続体1720aが回転軸1912cの軸心に対して偏心する様子を例示した模式図である。図188は、実施の形態20における無人航空機10nの第1接続体1720aが閉状態になり、かつ、第3接続体1720cが開状態になる様子を例示した模式図である。図189は、実施の形態20における無人航空機10nの第3接続体1720cが回転台1971aの中心点に対して偏心し、第3接続体1720cが閉状態になる様子を例示した模式図である。図190は、実施の形態20における無人航空機10nの第2接続体1720bが開状態になり、機体本体1912が回転する様子を例示した模式図である。図191は、実施の形態20における無人航空機10nの第2接続体1720bが閉状態になる様子を例示した模式図である。
図186のaに示すように、本動作におけるレールは、水平面に対して略平行な方向に延びるレール7a3と、水平面に対して略平行な方向に延び、レール7a3に対して傾くように曲がっているレール7a4とを含む。具体的には、レール7a3の一端は、レール7a4の他端と接続されている。レール7a3とレール7a4との接続部分のことを曲折部7aaと呼ぶことがある。本動作では、無人航空機10nがレール7a3からレール7a4に向かって走行する場合を例示する。
無人航空機10nは、例えば図147A等に示されるような後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3が側面プロペラ22a1を回転させることで、レール7a3に沿って進行する。制御処理部11は、レール7a4と第1接続体1720aとの距離が所定距離未満であるか否かを判定する。
制御処理部11は、レール7a4と第1接続体1720aとの距離が所定距離未満であれば、第1接続体1720aが曲折部7aaに対して近い距離に存在しているため、図186のbに示すように、第1接続体1720aの第1フック1721および第2フック1722を回動して第1接続体1720aを開状態にする。このとき、図3等に示されるような制御処理部11は、第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1の回転を停止させる。これにより、無人航空機10nは、走行を停止する。
制御処理部11は、第1接続体1720aが開状態になると、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる。これにより、図187のaに示すように、無人航空機10nは、第1接続体1720aが曲折部7aaの鉛直下方を通過し、第3接続体1720cがレール7a4に近づくまで前進する。制御処理部11は、レール7a4と第3接続体1720cとの距離が所定距離未満であれば、第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1の回転を停止させる。これにより、無人航空機10nは、走行を停止する。
制御処理部11は、モータ1912dを駆動制御することで、図184の回転軸1912cを回転させる。具体的には、制御処理部11は、上面視で第1接続体1720aがレール7a4と重なるように、モータ1912dを駆動制御することで、図184の回転軸1912cを回転させる。これにより、図184及び図187のbに示すように、第1接続体1720aは、回転軸1912cの回転によって、回転プレート1912bが回転軸1912cの軸心周りで回転(反時計回りに回転)し、レール7a4の鉛直下方まで移動する。これにより、第1接続体1720aは、レール7a4の鉛直下方に配置される。本実施の形態では、第1接続体1720aは、上面視で機体本体1912の左側に配置される。第1接続体1720aは、曲折部7aaの曲がり方によっては、上面視で機体本体1912の右側に配置されることもある。
図188のaに示すように、制御処理部11は、第1接続体1720aの第1フック1721および第2フック1722を回動して第1接続体1720aを閉状態にする。第1接続体1720aが閉状態になることで、第1接続体1720aがレール7a4に接続される。
制御処理部11は、第3接続体1720cが曲折部7aaに対して近い距離に存在しているため、第1接続体1720aが閉状態になると、図188のbに示すように、第3接続体1720cの第1フック1721および第2フック1722を回動して第3接続体1720cを開状態にする。
制御処理部11は、第3接続体1720cが開状態になると、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる。これにより、図189のaに示すように、無人航空機10nは、第3接続体1720cが曲折部7aaの鉛直下方を通過するまで前進する。
制御処理部11は、無人航空機10nの第3接続体1720cが曲折部7aaの鉛直下方を通過すると、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1の回転を停止させる。これにより、無人航空機10nは、第3接続体1720cが曲折部7aaの鉛直下方を通過した直後の時点で停止する。
制御処理部11は、回転台1971aを回転させることで、開状態にした第3接続体1720cを中心点O周りで偏心させる。具体的には、制御処理部11は、第3接続体1720cのそれぞれの第1フック1721および第2フック1722の開口とレール7a4とが交差するように、第3接続体1720cを中心点O周りで偏心させる。これにより、第3接続体1720cは、回転台1971aの回転によって反時計回りに偏心し、レール7a4の鉛直下方まで移動する。これにより、第3接続体1720cは、レール7a4の鉛直下方に配置される。
図189のbに示すように、制御処理部11は、第3接続体1720cの第1フック1721および第2フック1722を回動して第3接続体1720cを閉状態にする。第3接続体1720cが閉状態になることで、第3接続体1720cがレール7a3に接続される。
制御処理部11は、第3接続体1720cが閉状態になると、第2接続体1720bが曲折部7aaに対して近い距離に存在しているため、図190のaに示すように、第2接続体1720bの第1フック1721および第2フック1722を回動して第2接続体1720bを開状態にする。
図184及び図190のbに示すように、制御処理部11は、モータ1912dを駆動制御して、回転軸1912cを回転させることで、第1接続体1720aを元の位置に戻すとともに、回転台1971aを回転させることで、第3接続体1720cを元の位置に戻す。
具体的には、制御処理部11は、第1接続体1720aが機体本体1912の幅方向における中央に位置するように(第1接続体1720a、第3接続体1720c、及び、第2接続体1720bが直線的に並ぶように)、回転軸1912cを回転させることによって回転プレート1912bを軸心周りで回転(時計回りに回転)させる。回転軸1912cの回転によって回転プレート1912bが軸心周りで回転(時計回りに回転)することで、第1接続体1720aは、元の位置に戻る。
また、制御処理部11は、第3接続体1720cのそれぞれの第1フック1721および第2フック1722の開口面と、第2接続体1720bのそれぞれの第1フック1721および第2フック1722の開口面とが対向する(略平行となる)ように、回転台1971aを回転(時計回りに回転)させる。回転台1971aの回転によって第3接続体1720cが中心点O周りで偏心(時計回りに偏心)することで、第3接続体1720cは、元の位置に戻る。
機体本体1912は、第1接続体1720a及び第3接続体1720cの回転する力によって、同様に回転(反時計回りに回転)する。こうして、第1接続体1720a、第3接続体1720c、及び、第2接続体1720bのそれぞれの第1フック1721および第2フック1722の開口面とが対向する(略平行となる)ように並び、全ての姿勢が元に戻る。
制御処理部11は、機体本体1912が回転して、第1接続体1720a、第3接続体1720c、及び、第2接続体1720bの全ての姿勢が元に戻ると、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる。これにより、無人航空機10nは、図191のaに示すように、第2接続体1720bが曲折部7aaの鉛直下方を通過するまで前進する。
制御処理部11は、無人航空機10nが第2接続体1720bが曲折部7aaの鉛直下方を通過すると、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転を停止させる。これにより、無人航空機10nは、第2接続体1720bが曲折部7aaの鉛直下方を通過した直後の時点で停止する。
図191のbに示すように、制御処理部11は、第2接続体1720bの第1フック1721および第2フック1722を回動して第2接続体1720bを閉状態にする。第2接続体1720bが閉状態になることで、第2接続体1720bがレール7a4に接続される。
これにより、無人航空機10nは、レール7a3からレール7a4に接続することができる。制御処理部11は、後方側の第3プロペラ駆動モータ22a3を制御することで、側面プロペラ22a1を回転させる。これにより、無人航空機10nは、レール7a4の走行を開始することができる。
(実施の形態21)
[構成]
以下では、本実施の形態における昇降システム5b及び無人航空機10n1の基本的な構成は、実施の形態1等の昇降システム及び無人航空機の基本的な構成と同様の構成であるため、本実施の形態における昇降システム5b及び無人航空機10n1の基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、昇降システム5bには、第1スラスタ装置110が第2スラスタ装置130に収容される点で実施の形態1等と相違する。また、本実施の形態では、実施の形態1以外の他の実施の形態の昇降システム及び無人航空機等を用いてもよい。
図192は、実施の形態21における無人航空機10n1と、無人航空機10n1が宅配ボックス8に荷物を格納する様子を例示した模式図である。図192のa1は、無人航空機10n1の側面図である。図192のa2は、無人航空機10n1の前面図である。図192のb1は、無人航空機10n1から第2スラスタ装置130を降下させる様子を例示した側面図である。図192のb2は、無人航空機10n1から第2スラスタ装置130を降下させる様子を例示した前面図である。図192のcは、無人航空機10n1から第1スラスタ装置110及び第2スラスタ装置130を降下させて荷物を宅配ボックス8に格納する様子を例示した側面図である。図192のdは、第1スラスタ装置110及び第2スラスタ装置130を水平方向に降下移動させて荷物を宅配ボックス8に格納する様子を例示した側面図である。
図192のa1、a2に示すように、第1スラスタ装置110には、内部に第2スラスタ装置130を収容できる空間が形成されている。具体的には、第1スラスタ装置110の例えば図6等に示されるような支持体111は、直方体状の枠体又は筐体であり、内部に第2スラスタ装置130を収容することができる。このため、支持体111は、第2スラスタ装置130よりも大きい。第2スラスタ装置130には、荷物を積載することが可能である。
無人航空機10n1が走行する際に、第2スラスタ装置130は、第1スラスタ装置110に収容された状態で走行する。なお、無人航空機10n1が走行する際に、第2スラスタ装置130を第1スラスタ装置110から出した状態で走行してもよい。
図192のb1、b2に示すように、無人航空機10n1は、走行中に第1スラスタ装置110及び第2スラスタ装置130が横風を受けた場合、第1スラスタ装置110及び第2スラスタ装置130は、横風と対向する面に配置されているプロペラ113を回転させることで、基準進路からズレないように、横風の影響を軽減させてもよい。無人航空機10n1は、例えば風量計等を備えていてもよい。
無人航空機10n1が宅配ボックス8の鉛直上方に到着すると、無人航空機10n1は、第1スラスタ装置110及び第2スラスタ装置130をともに下降させる。なお、第1スラスタ装置110及び第2スラスタ装置130の下降中においても、横風を受けた場合、第1スラスタ装置110及び第2スラスタ装置130は、横風と対向する面に配置されているプロペラ113を回転させることで、横風の影響を軽減させてもよい。
第1スラスタ装置110及び第2スラスタ装置130が所定距離下降すると、第1スラスタ装置110に対して、第2スラスタ装置130だけをさらに下降させる。そうして、図192のcの例では、第2スラスタ装置130は、宅配ボックス8の開口8aの開口面に到着する。また、上述したが、図192のdに示すように、宅配ボックス8の鉛直上方にレール7が存在しない場合、第1スラスタ装置110及び第2スラスタ装置130が水平方向に降下移動して宅配ボックス8の鉛直上方まで移動することで、第2スラスタ装置130を宅配ボックス8の開口8aの開口面に到着させてもよい。
また、無人航空機10n1は、後述する図193に示すように、傘110kを備えていてもよい。例えば、雨、雪等の天候の場合、無人航空機10n1の第2スラスタ装置130が宅配ボックス8に荷物を入れる際に、宅配ボックス8は蓋8f(扉の一例)を開かなければならないため、蓋8fが開かれた際に、宅配ボックス8の内部に雨、雪等が入ってしまう。このため、第1スラスタ装置110には、傘110kが設けられていてもよい。例えば、第1スラスタ装置110の支持体111の鉛直上面には、傘110kが配置されている。雨、雪等の天候でない場合、傘110kは、畳まれて(閉じられて)いてもよい。傘110kは、開いた状態では、錐状、錐台状、半球状等である。また、雨、雪等の天候の時に、傘110kが開かれてもよい。傘110kの開閉は、例えば、図3に示すような無人航空機10n1の制御処理部11によって行われてもよい。制御処理部11は、傘110kを開閉する駆動部を制御することで、傘110kの開閉が実現される。
また、制御処理部11は、外部のサーバ等から天候情報を取得することで、雨、雪等の有無を判定してもよい。また、制御処理部11は、例えば図3に示すようなカメラセンサ45によって周囲を撮像することで、雨、雪等の有無を判定してもよい。
[動作例]
図193は、実施の形態21における無人航空機10n1が雨天の時に、宅配ボックス8に荷物を格納する様子を例示した模式図である。本動作例では、周囲に雨が降っている場合を想定している。また、本動作例では、第2スラスタ装置130に荷物が積載されている。
図193のaおよびbに示すように、まず、無人航空機10n1は、レール7に接続された状態で、配送先である宅配ボックス8の鉛直上方に到着する。無人航空機10n1は、到着すると、例えば図23等に示される第1スラスタ装置110のスラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール125を制御してワイヤ51の繰り出しを開始する。これにより、第1スラスタ装置110及び第2スラスタ装置130が荷物とともに下降する。
第1スラスタ装置のワイヤ制御モジュール125がワイヤ51を繰り出し続けることで、荷物と宅配ボックス8との距離が所定距離になると、図193のcに示すように、制御処理部11は、第1スラスタ装置110の駆動部を制御することで、第1スラスタ装置110に備えられている傘110kを開かせる。これにより、雨が降っていても、傘110kが雨を遮るため、傘110kの鉛直下方に存在する宅配ボックス8が雨に濡れ難くなる。
傘110kが開かれると、宅配ボックス8は、蓋8fを開き、開口8aを開放する。なお、第2スラスタ装置130又は荷物と宅配ボックス8とがさらに接近すると、宅配ボックス8は、蓋8fを開き、開口8aを開放してもよい。
このとき、制御処理部11は、例えば図23等に示される第2通信部13を介して宅配ボックス8に蓋8fを開かせる開放指示を送信することで、宅配ボックス8に蓋8fを開かせてもよい。また、宅配ボックス8にカメラセンサ、近接センサ等のセンサが搭載されている場合、これらセンサが第2スラスタ装置130及び荷物との所定距離内の接近を検知することで、宅配ボックス8が自動的に蓋8fを開いてもよい。
開口8aが開放されても、傘110kは、雨を遮ることができるため、宅配ボックス8の内部への雨の侵入を抑制することができる。
図193のdに示すように、宅配ボックス8の蓋8fが開かれて、開口8aが開放されると、第1スラスタ装置110、第2スラスタ装置130及び荷物が、開口8aを覆い被さるように、開口8aの開口面に到着する。図193のeに示すように、第2スラスタ装置130の例えば図23等に示されるスラスタ制御部144は、ワイヤ制御モジュール145を制御してワイヤ52の繰り出しを開始する。これにより、第2スラスタ装置130及び荷物がともに下降する。第2スラスタ装置130が宅配ボックス8の底部に着地すると、第2スラスタ装置130は、荷物を切り離すことで、宅配ボックス8の内部に荷物を格納する。
図194のaに示すように、荷物が切り離されると、第2スラスタ装置130のスラスタ制御部144は、ワイヤ制御モジュール145を制御してワイヤ52の巻き取りを開始する。これにより、第2スラスタ装置130が上昇し、第1スラスタ装置110の内部に収容されるため、第2スラスタ装置130のスラスタ制御部144は、ワイヤ制御モジュール145を制御してワイヤ52の巻き取りを停止する。
第2スラスタ装置130が第1スラスタ装置110の内部に収容されると、第1スラスタ装置110のスラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール125を制御してワイヤ51の巻き取りを開始する。これにより、第1スラスタ装置110及び第2スラスタ装置130が上昇し、宅配ボックス8の開口8aの開口面から所定距離離間すると、図194のb及びcに示すように、宅配ボックス8は、速やかに蓋8fを閉じて、開口8aを閉鎖する。
図194のdに示すように、宅配ボックス8の蓋8fが閉じられると、制御処理部11は、第1スラスタ装置110の駆動部を制御することで、第1スラスタ装置110に備えられている傘110kを閉じさせる。
第1スラスタ装置110のスラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール125を制御してワイヤ51の巻き取りを続けることで、第1スラスタ装置110及び第2スラスタ装置130を上昇させる。そして、図194のeに示すように、第1スラスタ装置110及び第2スラスタ装置130が無人航空機10n1に装着されるため、第1スラスタ装置110のスラスタ制御部124は、ワイヤ制御モジュール125を制御してワイヤ51の巻き取りを停止する。そして、無人航空機10n1は、配送元に戻る。
(実施の形態22)
以下では、本実施の形態における宅配ボックス8の基本的な構成は、実施の形態1等の宅配ボックスの基本的な構成と同様であり、無人航空機10の基本的な構成は、実施の形態1等の無人航空機の基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における宅配ボックス8および無人航空機10の基本的な構成について適宜説明を省略する。また、本実施の形態では、実施の形態1以外の他の実施の形態の昇降システム及び無人航空機等を用いてもよい。
本実施の形態では、無人航空機10を用いて、宅配ボックス8に荷物を配送するための運航計画を実行する配送システム1A(システムの一例)について説明する。図195は、実施の形態22における配送システム1Aを用いてユーザが注文した商品が届けられる様子を例示した模式図である。荷物は、輸送物の一例である。
[概要]
図195に示すように、例えば、ユーザは、スマートフォン、タブレット等の端末装置2210を介して、配送システム1Aに対して商品を注文する。配送システム1Aは、注文した商品としての荷物をユーザに届ける。つまり、配送システム1Aは、注文された商品としての荷物を、ユーザの宅配ボックス8に格納することができる。配送システム1Aは、荷物の種類、状態等によって、荷物の梱包、荷物の発送時点、配送にかかる予想期間、荷物の配達時点等を管理し、所定条件を満たす場合に、宅配ボックス8に格納する。
しかし、ユーザが端末装置2210を介して商品を注文したにもかかわらず、宅配ボックス8の内部が満状態であれば、無人航空機10は荷物を宅配ボックス8に格納することはできない。この場合、ユーザによって宅配ボックス8内の荷物を取り除いて貰った後に空状態の宅配ボックス8に荷物を格納することができるようになる。このため、配送システム1Aでは、宅配ボックス8に荷物を確実に届けるようにしている。
また、ユーザが注文した商品が衣類、靴、時計、鞄等である場合、ユーザは、これらを試着したりすることで、所望の商品であるかどうかを判断することが通常である。このため、配送システム1Aは、試着を要する商品の場合には、ユーザが商品の購入を決定するまで、ユーザに対して複数回、商品を配送するようにしている。これにより、ユーザが商品を試着することで、商品を購入するか否かを判断することができる。
また、荷物が冷凍食品、冷蔵食品、ラーメン、ピザ等のように、保温性が求められる荷物(保冷または保温を要する輸送物の一例)等の場合、無人航空機10の荷台2220及び宅配ボックス8には、一定の保温性が求められる。また、無人航空機10は、所定期間内に荷物を宅配ボックス8に格納することも求められる。このため、荷物の種類によっては、厳格な時間管理が求められる。例えば、アイスクリーム等の冷凍食品は、冷たいうちにユーザに届ける必要のある荷物であり、溶けやすい性質を有する荷物でもある。ラーメン、宅配ピザ等の温かい食品は、温かいうちにユーザに届ける必要のある荷物であり、冷めやすい性質を有する荷物でもある。このため、配送システム1Aは、保温性が求められる商品等の場合には、配送にかかる時間、発送時の温度、天候、気温等を考慮して商品を配送するようにしている。
[配送システム1A]
図196は、実施の形態22における配送システム1Aを例示したブロック図である。
配送システム1Aは、図196に示すように、端末装置2210、小売りシステム2211、複数の店舗システム2212、運行管理システム2213、無人航空機10、及び、宅配ボックス8等を備えている。
端末装置2210は、ユーザアプリケーションを搭載したスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。ユーザアプリケーションは、ユーザが小売りシステム2211に対して商品を注文したい場合に、その商品を注文する際に用いられ、商品又はサービスのメニュー画面を、端末装置2210に表示する。端末装置2210は、ユーザの操作によって、表示されたメニュー画面を介してユーザ登録する。
ユーザ登録後、ユーザが端末装置2210を介して商品を注文する場合、端末装置2210は、ユーザの操作によって、複数の店舗システム2212を管理している小売りシステム2211にアクセスする。ユーザアプリケーションは、複数の店舗システム2212の商品及び商品の在庫状況等をメニュー画面に表示する。端末装置2210つまりユーザアプリケーションは、ユーザの操作によって、商品の注文に関する情報である注文情報を受け付け、受け付けた注文情報を、小売りシステム2211、及び、小売りシステム2211を介して店舗システム2212に送信する。ここで、注文情報は、ユーザが選択した商品、商品の重量、ユーザ名、ユーザの住所、配達希望時間(到着希望時刻)等を示す情報である。配送希望時刻は、ユーザに荷物を直接渡す時刻、又は、荷物を宅配ボックス8に格納した時刻である。
小売りシステム2211は、複数の店舗システム2212を管理するシステムである。例えば、小売りシステム2211は、複数の店舗システム2212のそれぞれが保有する商品の在庫を示す情報である在庫情報を、複数の店舗システム2212のそれぞれから取得することで、ユーザアプリケーションを介してユーザに提示するための商品を集約する。つまり、小売りシステム2211は、複数の店舗システム2212のそれぞれが保有する全ての商品の在庫状況(在庫情報)を一括して管理している。小売りシステム2211は、端末装置2210に在庫情報を送信したりする。これにより、商品及び商品の在庫状況等がユーザアプリケーションのメニュー画面に表示される。
また、小売りシステム2211は、ユーザ登録したユーザに関する情報を顧客データベースとして管理している。顧客データベースは、ユーザに関する情報のそれぞれを集約した情報である。ユーザに関する情報は、例えば、ユーザの住所、ユーザの氏名、ユーザの電話番号、ユーザの年齢、ユーザの性別、並びに、商品購入履歴等である。
小売りシステム2211は、端末装置2210から商品の購入が決定されて注文情報を受信すると、端末装置2210に対して、決済完了通知を行う。これにより、ユーザアプリケーションのメニュー画面には、決済完了通知を表示する。ユーザは、決済完了通知の表示によって、商品購入が出来たことを認識する。小売りシステム2211は、端末装置2210から注文情報を受信すると、注文情報に示される商品を保有している店舗システム2212に、その注文情報を送信する。
なお、小売りシステム2211は、ユーザが求める商品が店舗システム2212にない場合、ユーザが求める商品に類似する代替商品を端末装置2210に対して提示してもよい。
店舗システム2212は、ユーザが注文した商品を配送するために、店舗に導入されたシステムである。店舗システム2212は、ユーザが注文した商品の配送管理、店舗に存在している複数の商品の管理、店舗が取り扱っている商品の在庫状況の管理等を一括して行う。店舗システム2212は、小売りシステム2211に対して、在庫情報を所定期間間隔で送信する。
店舗システム2212は、小売りシステム2211を介して、端末装置2210から注文情報を受信すると、運行管理システム2213に対して、配送依頼をする。つまり、店舗システム2212は、注文情報に応じた配送依頼を運行管理システム2213に送信する。
運行管理システム2213は、商品を注文したユーザに対して商品としての荷物を届けるための複数の無人航空機10のそれぞれを管理する。運行管理システム2213は、複数の無人航空機10のそれぞれの運航管理を行い、例えば、注文情報を取得すると(第1取得ステップの一例)、注文情報に示されている配達希望時間までに配送できる無人航空機10を複数の無人航空機10の中から抽出する。運行管理システム2213は、抽出できた無人航空機10に商品である荷物が積載されると、無人航空機10を注文情報に示されているユーザの住所まで移動させる。また、運行管理システム2213は、注文情報に示されている配達希望時間までに荷物を配送できる無人航空機10が存在しない場合、ユーザの端末装置2210に対して配送できないことを通知してもよい。このような通知は、ユーザが商品を注文する際に、端末装置2210のメニュー画面に表示してもよい。
無人航空機10は、運行管理システム2213によって運行管理されることで、積載された荷物をユーザに対し配送する。例えば、荷物が積載されると、無人航空機10は、運行管理システム2213から取得した注文情報(第1取得ステップの一例)に示されるユーザの住所まで移動する。無人航空機10は、荷物を積載した状態で移動する際、GPSセンサによって自身の現在位置を示す位置情報を取得(第2取得ステップの一例)したり、カメラセンサ45によって無人航空機10の周囲を撮像したりすることで画像情報を取得したりする。無人航空機10は、取得した位置情報及び画像情報を、所定期間間隔で運行管理システム2213に送信する。なお、無人航空機10が送信する情報は、位置情報だけでもよい。
無人航空機10は、位置情報及び画像情報を運行管理システム2213に送信するとともに、運行管理システム2213から経路指示、動作指示等の制御指示を受信する。経路指示は、走行ルートに従って無人航空機10が走行するための指示である。経路指示には、経路変更等の指示も含まれる。動作指示には、一時停止、再走行、ワイヤの巻き取りおよび繰り出し等の指示が含まれる。
運行管理システム2213が無人航空機10から画像情報を取得することで、オペレータは、無人航空機10の状態を監視することができる。つまり、運行管理システム2213は、管理者であるオペレータに対して、当該画像情報を表示する。
運行管理システム2213は、無人航空機10から位置情報を取得すると、当該位置情報等に基づいて、荷物を積載した無人航空機10がユーザの住所に到着する時刻である到着予想時刻を算出する。なお、運行管理システム2213は、さらに、商品の重量、無人航空機10の性能、他の無人航空機10の運行状況、天候、ユーザの住所等に基づいて、到着予想時刻をより精度よく算出してもよい。運行管理システム2213は、無人航空機10から位置情報を取得する度に、又は、所定気間隔ごとに到着予想時刻を算出する。運行管理システム2213は、算出した到着予想時刻を示す情報及び位置情報を、端末装置2210に対して送信する。これにより、端末装置2210は、運行管理システム2213から受信した当該情報に示される到着予想時刻と、位置情報に示される無人航空機10の現在位置を、ユーザアプリケーションのメニュー画面に表示する。
なお、不具合等によって無人航空機10が荷物を配送できない場合、配送システム1Aは、荷物の品質を保持した状態で荷物を配送できない場合等、返金、代替商品の配送等の対応をとってもよい。
図197は、実施の形態22における配送システム1Aの無人航空機10が宅配ボックス8を認識して荷物を配達する様子を例示した模式図、及び、宅配ボックス8の斜視図である。
図197に示すように、宅配ボックス8は、例えば、注文情報に示されるユーザの住所に該当する個所に配置されている。無人航空機10が該当の宅配ボックス8の鉛直上方に到着すると、無人航空機10は、満状態であることを示す情報、又は、空状態であることを示す情報を取得する。
一例として、無人航空機10は、宅配ボックス8の満空確認を行う。具体的には、宅配ボックス8は、鉛直上面に無人航空機10のカメラセンサ45が認識可能なコード化された媒体8xを表示する。コード化された媒体8xには、満状態又は空状態が示されている。さらに、コード化された媒体8xには、宅配ボックス8を識別するためのID、宅配ボックス8を使用するユーザの名前、及び、ユーザの住所等が示されていてもよい。例えば、宅配ボックス8は、内部に荷物が格納されると、内部に荷物が格納されている満状態であることを示す情報に書き換える。また、宅配ボックス8は、内部から荷物が取り出されると、内部に荷物が格納されていない空状態であることを示す情報に書き換える。本実施の形態では、コード化された媒体8xは、鉛直上面の角部周辺に設けられ、約10cm角程度の大きさである。
また、別の一例として、宅配ボックス8が自身に荷物が格納されているか否かの満空確認を行ってもよい。宅配ボックス8は、満空確認後、満状態であることを示す情報、又は、空状態であることを示す情報を無人航空機10に送信してもよく、コード化された媒体8xを書き換えることで示してもよい。
なお、無人航空機10は、宅配ボックス8から満状態であることを示す情報を読み取ると運行管理システム2213を介して、満状態であることを示す情報を端末装置2210に送信する。これにより、端末装置2210のメニュー画面には、宅配ボックス8が満状態であることが表示されるため、ユーザは、無人航空機10が荷物を格納できないことを認識することができる。このため、ユーザが宅配ボックス8に格納されている別の荷物を取り出すことで、宅配ボックス8の内部を空状態にすることができる。ユーザは、宅配ボックス8の内部から別の荷物を取り出した場合、端末装置2210のメニュー画面を介して取り出し完了通知を行う。これにより、無人航空機10は、宅配ボックス8の内部に荷物を格納することができるようになる。
宅配ボックス8は、ボックス本体と、開閉センサと、重量センサと、電力量検知回路とを有する。
宅配ボックス8は、荷物を受け入れるように蓋8fを開く。この際、宅配ボックス8の開閉センサは蓋8fが開いたことを検知すると、宅配ボックス8は、通信部を介して蓋8fが開いたことを示す情報を端末装置2210に送信する。また、宅配ボックス8に荷物が格納されて、内部に積載されると、宅配ボックス8は、蓋8fを閉める。このとき、宅配ボックス8の開閉センサは蓋8fが閉じたことを検知すると、宅配ボックス8は、コード化された媒体8xを書き換えることで蓋8fが閉じたことを示す情報を提示する。なお、宅配ボックス8は、通信部を介して蓋8fが閉じたことを示す情報を端末装置2210に送信してもよい。
また、宅配ボックス8は、蓋8fの開閉エネルギーで発電することが可能である。このため、荷物を宅配ボックス8に格納したり、荷物を取り出したりする際に行われる蓋8fの開閉によって、宅配ボックス8は、発電することができる。なお、太陽光パネルを用いて、太陽光発電によって発電することができてもよい。電力量検知回路が発電によって蓄電された電力量が所定値(所定の値)以上であことを検知すると(電力量を計測する計測ステップの一例)、重量センサは、内部の重量を検知する。宅配ボックス8は、重量センサが内部の重量を検知すると、コード化された媒体8xを書き換えることで、荷物の重量を示す情報である重量情報を提示する。なお、宅配ボックス8は、通信部を介して荷物の重量を示す情報である重量情報を端末装置2210に送信してもよい。これにより、端末装置2210は、宅配ボックス8の蓋8fの開閉があったこと(蓋8fが開いたこと又は蓋8fが閉じたこと)、及び、荷物の重量を、ユーザアプリケーションのメニュー画面に表示する。また、運行管理システム2213は、荷物の重量に基づいて、内部に荷物が格納されているか否かを判定できる。
[無人航空機10の荷台2220及び宅配ボックス8の保温性]
図198は、実施の形態22における配送システム1Aの無人航空機10の荷台2220及び宅配ボックス8の保温性を確保するために採用される方式を例示した図である。本実施の形態では、無人航空機10の荷台2220は、入れ子方式を採用している。
図198に示すように、無人航空機10の荷台2220は、荷物が冷凍食品、冷蔵食品、又は、荷物が温かい食品等の場合、所定期間保温させる機能を有することが好ましい。つまり、無人航空機10が荷物を運ぶ際に、無人航空機10の走行ルートの配送時間、気温、天候等を考慮する必要がある。このため、本実施の形態の無人航空機10の荷台2220及び宅配ボックス8は、以下の機能を有する。無人航空機10の荷台2220は、第1スラスタ装置又は第2スラスタ装置に搭載されてもよく、無人航空機に直接的に搭載されてもよい。
無人航空機10の荷台2220は、保温効果の高い断熱材2222で覆われた荷台2220である。荷台2220は、荷物の周囲全体を覆うことが可能な荷台本体2221と、荷台本体2221内部の全体に敷き詰められた断熱材2222と、ペルチェ素子2223とで構成されている。断然材2222は、荷台本体2221に形成される荷物を配置するための空間の全体を覆うように、荷台本体2221の内面に積層されて配置されている。ペルチェ素子2223は、荷台本体2221内部の断然材2222の一部をくり抜いて配置されている。ペルチェ素子2223が設けられることで、荷台2220の内部を自動的に冷却させたり、温めたりすることができる。本実施の形態のペルチェ素子2223は、扁平な直方体上の荷台本体2221等で構成されている。例えば、荷台2220の内部を冷却する場合、ペルチェ素子2223の一方側は冷たくなるが、他方側が温かくなるため、他方側を荷台2220の外部に露出させて配置することが好ましい。なお、本実施の形態では、荷台2220にペルチェ素子2223を用いているが、ペルチェ素子2223を用いなくてもよい。また、例えば、発送元が荷台2220を予め冷やしておいたり、予め暖めておいたりしてもよい。
無人航空機10が荷物を運ぶ場合、荷台2220には、荷物が箱によって包装されている。荷物を包装した箱は、例えば発泡スチロール、段ボール等である。これにより、荷物の保温性をさらに高めることができる。本実施の形態では、このような無人航空機10の荷台2220は、保温効果が高いため、保温剤を配置しなくても、保温性を担保することができる。また、保温剤を用い無くてもよいため、荷物の配送コストの高騰化を抑制することができる。保温剤は、商品の温度を冷たい温度で維持するための保冷剤と、商品の温度を温かい温度で維持するための保温剤とを含む。
一方では、無人航空機10の荷台が通い箱方式の場合では、荷台を宅配ボックスとして、荷台ごとユーザに受け渡すこととなる。この場合、ユーザは、荷台を保管する必要があるとともに、無人航空機は、荷台を回収するために再度、配送先まで移動する必要がある。このため、無人航空機の稼働率が低下してしまう。
また、一方では、無人航空機の荷台が簡易包装方式の場合では、簡易包装の荷台を宅配ボックスとして、簡易包装の荷台ごとユーザに受け渡すこととなる。この場合、ユーザが簡易舗装の荷台を破棄するものであるため、当該荷台を保管したりする必要もない。しかし、当該荷台の内部には、保温性を担保するために、保温剤を使用することとなる。これは、保冷材の廃棄に繋がるため、荷物の配送コストの高騰化が生じてしまうこととなる。また、無人航空機が荷物を配送する際に、荷台の内部の温度が変化しやすいため、保温性を担保することができなくなる可能性がある。この場合、無人航空機は、荷物の品質を保持した状態で荷物を配送することができなくなることがある。
このため、本実施の形態では、保温性が求められる商品等の場合、例えば、配送システム1Aは、配送先であるユーザの宅配ボックス8への荷物の格納時刻を予想し、荷物の発送時刻から予想した当該格納時刻までの期間を示す配送予想期間を算出し、算出した配送予想期間に基づいて、配送許容時間(配送可能時間)を満たすか否かを判定したりする。また、配送システム1Aは、算出した配送予想期間に基づいて、所定条件を満たさない場合、つまり、配送予想期間が配送許容時間を超えている場合、荷物の品質を保ったまま配送することができない。この場合、配送システム1Aは、配送中の荷物の配送を中止し、配送中の荷物を回収したりする。つまり、配送許容時間は、荷物である商品の品質を保ったままユーザに受け渡せる時間である。
[動作例1]
次に、配送システム1Aにおいて、無人航空機10が宅配ボックス8の鉛直上方側に到着したときにおける、無人航空機10による宅配ボックス8の満状態及び空状態を確認するときの動作について説明する。
図199は、実施の形態22の動作例1における配送システム1Aの無人航空機10が宅配ボックス8の満状態及び空状態を確認するときの動作を例示するフローチャートである。
図199に示すように、無人航空機10は、配送先の宅配ボックス8の鉛直上方に到着する(S2201)。
無人航空機10は、宅配ボックス8の内部が満状態であることを示す情報、又は、空状態であることを示す情報を取得する。本動作例では、無人航空機10のカメラセンサ54がコード化された媒体8xを撮像することで、無人航空機10が満状態であることを示す情報、又は、空状態であることを示す情報を取得する。制御処理部11は、満状態であることを示す情報、及び、空状態であることを示す情報に基づいて、宅配ボックス8の内部が空状態であるか否かを判定する(S2202)。
制御処理部11は、宅配ボックス8の内部が空状態であると判定した場合(S2202でYES)、例えば図3に示すようなワイヤ制御モジュール125を制御してワイヤ51の繰り出しを開始することで、荷物を降下させる。このとき、宅配ボックス8の蓋8fが開くため、無人航空機10は、宅配ボックス8の内部に荷物を格納する(S2203)。
一方、制御処理部11は、宅配ボックス8の内部が空状態でないと判定した場合(満状態である場合)(S2202でNO)、宅配ボックス8の内部に別の荷物が格納されており、配送する荷物を格納できないことを意味するため、宅配ボックス8が満状態であることを示す情報を、例えば図3に示すような第2通信部13を介して端末装置2210に送信する(S2204)。端末装置2210におけるユーザアプリケーションのメニュー画面には、宅配ボックス8が満状態であることが表示される。これにより、ユーザは、無人航空機10が荷物を格納できないことを認識することができる。なお、制御処理部11は、「○○時間以内に宅配ボックス8内の別の荷物を取り出していただければ、荷物を配送致します。」というメッセージを、第2通信部を介して端末装置2210に送信することで、端末装置2210におけるユーザアプリケーションのメニュー画面に当該メッセージを表示させてもよい。これにより、ユーザが宅配ボックス8から別の荷物を取り出せば、端末装置2210は、取り出し完了通知を無人航空機10に送信する。取り出し完了通知の送信は、ユーザが端末装置2210におけるユーザアプリケーションのメニュー画面を操作することで送信してもよく、宅配ボックス8が別の荷物が取り出されたことを検知してコード化された媒体8xを満状態であることを示す情報から空状態であることを示す情報に書き換えてもよい。
ここで、制御処理部11は、無人航空機10が配送先の宅配ボックス8の鉛直上方に到着してからの経過時間を計測している。つまり、制御処理部11は、タイマ機能(計時部)を有する。制御処理部11は、計測した経過時間が所定時間以上であるか否かを判定する(S2205)。
制御処理部11は、経過時間が所定時間以上である場合(S2205でYES)、荷物の配送を中止し、プロペラ駆動モータを制御することで、無人航空機10を配送元に帰還させる(S2206)。宅配ボックス8に商品を格納することができず、ユーザに対して通知を試みても、ユーザから何ら対応がとられない場合、荷物の配送ができないと考えられるからである。
制御処理部11は、経過時間が所定時間未満である場合(S2205でNO)、宅配ボックス8から別の荷物を取り出したことを示す情報である取り出し完了通知を、ユーザの端末装置2210から取得したか否かを判定する(S2207)。
制御処理部11は、取り出し完了通知を取得していない場合(S2207でNO)、ステップS2205に処理を戻す。
一方、制御処理部11は、取り出し完了通知を取得した場合(S2207でYES)、ステップS2202に処理を戻す。例えば、ユーザが宅配ボックス8の中から別の荷物を取り出し、端末装置2210のメニュー画面を介して取り出し完了通知を選択した場合、端末装置2210は、運行管理システム2213等を介して当該取り出し完了通知を無人航空機10に送信する。こうして、この配送システム1Aでは、無人航空機10が宅配ボックス8に荷物を格納することができる。
[動作例2]
次に、動作例1のステップS2202において、無人航空機10のカメラセンサ45が宅配ボックス8の満状態及び空状態を確認するときの具体的な動作について説明する。
図200は、実施の形態22の動作例2における配送システム1Aの無人航空機10が宅配ボックス8の満状態及び空状態を確認するときの別の動作を例示するフローチャートである。
図200に示すように、配送先の宅配ボックス8の鉛直上方に位置する無人航空機10のカメラセンサ45は、宅配ボックス8を撮像することで、宅配ボックス8を検知する(S2211)。
カメラセンサ45は、宅配ボックス8の鉛直上面に設けられているコード化された媒体8xを撮像することで、宅配ボックス8のIDに関する情報、及び、当該媒体8xに示される宅配ボックス8の内部が満状態であることを示す情報、又は、空状態であることを示す情報を取得する(S2212)。上述したように、コード化された媒体8xには、宅配ボックス8の内部が満状態か空状態かが示されている。カメラセンサ45は、取得した宅配ボックス8のIDに関する情報、及び、満状態であることを示す情報、又は、空状態であることを示す情報を、無人航空機10の制御処理部11に出力する。
制御処理部11は、取得した宅配ボックス8のIDに関する情報、及び、満状態であることを示す情報又は空状態であることを示す情報を、第2通信部13を介して運行管理システム2213に送信する(S2213)。
運行管理システム2213は、取得した宅配ボックス8のIDに関する情報と、記憶部等に管理されているデータベースに含まれる宅配ボックス8のIDに関する情報とが一致しているか否か(言い換えれば、情報に変更があるか否か)を判定する(S2214)。IDに関する情報は、例えば、宅配ボックス8の固体識別情報、ユーザの住所、氏名、宅配ボックス8の位置等である。
運行管理システム2213は、取得した宅配ボックス8のIDに関する情報と、データベースに含まれる宅配ボックス8のIDに関する情報とが一致していないと判定した場合(S2214でNO)、データベースに含まれる宅配ボックス8のIDに関する情報を、取得した宅配ボックス8のIDに関する情報に書き換えて、データベースを更新する(S2215)。
運行管理システム2213は、取得した宅配ボックス8のIDに関する情報と、データベースに含まれる宅配ボックス8のIDに関する情報とが一致すると判定した場合(S2214でYES)、処理を終了する。
なお、本動作例では、無人航空機10が配送先の宅配ボックス8のIDに関する情報を取得した例を示したが、これには限定されない。例えば、無人航空機10が走行中に、走行経路上に存在している全ての宅配ボックス8のIDに関する情報を取得してもよい。運行管理システム2213は、無人航空機10が走行中に取得した宅配ボックス8のIDに関する情報をデータベースに含まれる宅配ボックス8のIDに関する情報と照らし合わせてもよい。そして、運行管理システム2213は、取得した宅配ボックス8のIDに関する情報と、データベースに含まれる宅配ボックス8のIDに関する情報とが一致していない場合、データベースに含まれる宅配ボックス8のIDに関する情報を、取得した宅配ボックス8のIDに関する情報に書き換えて、データベースを更新してもよい。
[動作例3]
次に、動作例1のステップS2202において、宅配ボックス8が自身の満状態及び空状態を確認するときの具体的な動作について説明する。
図201は、実施の形態22の動作例3における配送システム1Aの宅配ボックス8が自身の満状態及び空状態を確認するときの動作を例示するフローチャートである。
図201に示すように、宅配ボックス8の蓋8fが開閉されると、宅配ボックス8は、蓋8fの開閉エネルギーで発電し、電力を蓄電する(S2221:電力発生ステップ)。
宅配ボックス8の電力量検知回路は、発電によって蓄電された電力量が所定値以上であるか否かを検知する(S2222)。
電力量検知回路が発電によって蓄電された電力量が所定値未満であることを検知すれば(S2222でNO)、宅配ボックス8は、ステップS2221に処理を戻す。
電力量検知回路が発電によって蓄電された電力量が所定値以上であることを検知すれば(S2222でYES)、重量センサは、蓋8fの開閉時に内部の重量を検知する。つまり、宅配ボックス8の蓋8fの開閉時に、重量センサは、宅配ボックス8内部の重量を検知する(S2223)。
宅配ボックス8は、重量センサが内部の重量を検知すると、内部の重量情報を、端末装置2210を介して運行管理システム2213に、又は、直接的に運行管理システム2213に送信する。また、宅配ボックス8は、開閉センサが荷物を取り出したりする際に行われる蓋8fの開閉を検知すると、蓋8fの開閉があったことを示す情報である開閉情報(扉の開閉に関する情報の一例)を、端末装置2210を介して運行管理システム2213に、又は、直接的に運行管理システム2213に送信する(S2224:送信ステップ)。宅配ボックス8が直接的に運行管理システム2213に送信する場合、LPWA(Low Power Wide Area)等を用いて通信する。また、宅配ボックス8が直接的に端末装置2210に送信する場合、LAN(Local Area Network)等を用いて通信する。
運行管理システム2213は、受信した内部の重量情報を受信すると、受信した当該情報に示される荷物の重量が所定重量以下であるか否かを判定する(S2225)。なお、本動作例では、運行管理システム2213が判定するが、内部の重量情報を端末装置2210が取得する場合、端末装置2210のユーザアプリケーションが判断してもよい。
運行管理システム2213は、荷物の重量が所定重量以下であると判定した場合(S2225でYES)、宅配ボックス8の内部に荷物が格納されていないと判定する(S2226)。そして、配送システム1Aは、処理を終了する。
運行管理システム2213は、荷物の重量が所定重量よりも大きいと判定した場合(S2225でNO)、宅配ボックス8の内部に荷物が格納されていると判定する(S2227)。そして、配送システム1Aは、処理を終了する。
[動作例4]
次に、ユーザが端末装置2210のユーザアプリケーションを介して商品を注文した場合の動作について説明する。本動作例では、ユーザが端末装置2210を介して商品を注文するが、ユーザにもとに配達された商品をユーザが購入する意思がある場合に、商品購入の決済がされる。本動作例では、商品がユーザに届けられる前に、ユーザが商品購入の決済がされるわけではない。また、本動作例では、1台の無人航空機10につき1つの商品である荷物を運ぶ場合を例示する。本動作例では、ユーザに衣類、靴、時計、鞄等を配送する場合を想定している。
図202は、実施の形態22の動作例4における配送システム1Aを用いて商品を注文した場合の動作を例示するフローチャートである。
図202に示すように、運行管理システム2213は、注文情報を取得すると、注文情報に示されている配達希望時間までに配送できる無人航空機10を複数の無人航空機10の中から抽出する。運行管理システム2213は、抽出できた無人航空機10に商品である荷物が積載されると、注文情報に示されているユーザの住所まで無人航空機10を移動させるように、飛行開始指示を無人航空機10に送信する(S2231)。これにより、無人航空機10は、注文情報に示されるユーザの住所、配達希望時間等の条件を満たすように、荷物の配送を開始する。
無人航空機10は、飛行ルートに応じて移動し、宅配ボックス8の鉛直上方に到着する(S2232)。
無人航空機10は、例えば図3に示すようなワイヤ制御モジュール125を制御してワイヤ51の繰り出しを開始することで、荷物を降下させる。宅配ボックス8の蓋8fが開くため、無人航空機10は、宅配ボックス8の内部に荷物を格納することができる(S2233)。こうして、宅配ボックス8には、荷物が格納される。
宅配ボックス8は、重量センサが内部の重量を検知する、つまり格納された荷物の重みを検知すると、重量情報を端末装置2210に通知する。具体的には、宅配ボックス8は、重量情報として、内部に荷物が格納されたことを端末装置2210に通知する。ここで、宅配ボックス8は、コード化された媒体8x又は通信部を介して重量情報を通知する。これにより、端末装置2210におけるユーザアプリケーションのメニュー画面には、宅配ボックス8に荷物が格納されたことが表示されるため、ユーザは、荷物が配達されたことを認識することができる。端末装置2210のユーザアプリケーションは、メニュー画面に荷物の配達確認を示すボタンを表示させる。ユーザアプリケーションは、ユーザの操作を受け付けると、荷物の配達確認(受け取り確認)を運行管理システム2213に送信する(S2234)。
ユーザは、荷物が届けられると、荷物が所望の商品であるかどうかを判断する。例えば、荷物が衣類、靴、時計、鞄等である場合、ユーザは、これらを試着したりすることで、所望の商品であるかどうかを判断するものである。このため、ユーザは、気に入れば、商品を購入することとなる。
ユーザアプリケーションは、メニュー画面に、配達された商品を購入するか否かを選択するための購入決定ボタン、及び、購入キャンセルボタンを表示する。ユーザアプリケーションは、購入決定ボタンが選択されたか否かを判定する(S2235)。
ユーザが購入決定ボタンを選択すると(S2235でYES)、ユーザアプリケーションは、購入完了通知を運行管理システム2213に送信する(S2236)。つまり、ユーザが購入決定ボタンを選択した場合は、ユーザが配達された商品を購入する意思があり、商品購入の決済がされた場合を意味する。
運行管理システム2213は、購入完了通知を受信すると、無人航空機10に対して帰還開始指示を送信する(S2237)。これにより、無人航空機10は、運行管理システム2213の施設に戻る。そして、配送システム1Aは、処理を終了する。
一方、ユーザが購入キャンセルボタンを選択すると(S2235でNO)、ユーザアプリケーションは、代替商品を配送できるか否かを判定する。具体的には、ユーザアプリケーションは、今回の商品購入に関する商品配達において、商品配達回数が所定回数以下であるか否かを判定する(S2238)。ここで、ユーザが購入キャンセルボタンを選択した場合は、ユーザが配達された荷物である商品を購入する意思がなく、代替商品を希望する場合等を意味する。
ユーザアプリケーションは、今回の商品購入に関する商品配達において、商品配達回数が所定回数以下であると判定した場合(S2238でYES)、運行管理システム2213に再配達依頼を送信する。そして、配送システム1Aは、ステップS2231に戻り、別の商品として代替商品としての荷物をユーザに配達する。つまり、ユーザは、配達された商品を購入する意思が無ければ、所定回数以内に限り商品を交換することができる。所定回数は、例えば、3回程度である。この場合、1つの無人航空機10につき、1つの商品を格納し、最大で3台の無人航空機10が順番に商品を配達する。このような、商品は、例えば衣類、家具等に適用することが好ましいが、衣類、家具等に限定するものではない。商品は、文房具、食料品、電化製品、工具、食料品、消耗品等であってもよい。また、所定回数も4回以上であってもよく、2回以下であってもよい。
一方、ユーザアプリケーションは、今回の商品購入に関する商品配達において、商品配達回数が所定回数を超えていると判定した場合(S2238でNO)、メニュー画面に商品購入の取り消しを行うための表示を行う(S2239)。
そして、ユーザアプリケーションは、運行管理システム2213に対して商品購入の取り消しを示す情報を送信する(S2240)。こうして、運行管理システム2213は、端末装置2210から送信された注文情報に示される商品の注文を取り消す。そして、配送システム1Aは、処理を終了する。
また、上述したように、ユーザが購入キャンセルボタンを選択した場合(S2235でNO)、無人航空機10は、ユーザに配達した商品である荷物を受け取る。つまり、ユーザが無人航空機10に対して荷物を積載して返却する。ユーザが無人航空機10に対して荷物を返却したか否かは、カメラセンサ45、重量センサ等によって判定することができる。無人航空機10は、荷物が返却されると、運行管理システム2213の施設に戻る。
なお、無人航空機10は、ユーザに荷物を配達してから、ユーザによって購入決定ボタン、又は、購入キャンセルボタンが選択されるまで、ユーザの宅配ボックス8の鉛直上方で待機していてもよい。また、無人航空機10は、所定時間以上、ユーザによって購入決定ボタン、又は、購入キャンセルボタンの選択がされない場合、運行管理システム2213の施設に帰還してもよい。
[動作例5]
次に、ユーザが端末装置2210のユーザアプリケーションを介して商品を注文した場合の別の動作について説明する。本動作例は動作例4と類似するが、本動作例では、1台の無人航空機10につき複数の商品である荷物を運ぶ場合を例示する点で、動作例4と相違する。
図203は、実施の形態22の動作例5における配送システム1Aを用いて商品を注文した場合の別の動作を例示するフローチャートである。図202と同様の処理については、適宜同様の符号を付して説明する。
図203に示すように、運行管理システム2213は、注文情報を取得すると、注文情報に示されている配達希望時間までに配送できる無人航空機10を複数の無人航空機10の中から抽出する。運行管理システム2213は、抽出できた無人航空機10に複数の商品である複数の荷物が積載されると、注文情報に示されているユーザの住所まで無人航空機10を移動させるように、飛行開始指示を無人航空機10に送信する(S2231)。これにより、無人航空機10は、注文情報に示されるユーザの住所、配達希望時間等の条件を満たすように、複数の荷物の配送を開始する。なお、本動作例では、複数の商品を1つの住所に配送する場合を例示しているがこれには限定されない。例えば、無人航空機10には、第1住所に配送する複数の第1商品と、第1住所と異なる住所である第2住所に配送する複数の第2商品とが積載されてもよい。
無人航空機10は、飛行ルートに応じて移動し、宅配ボックス8の鉛直上方に到着する(S2232)。
無人航空機10は、例えば図3に示すようなワイヤ制御モジュール125を制御してワイヤ51の繰り出しを開始することで、複数の荷物を同時に又は個別に降下させる。宅配ボックス8の蓋8fが開くため、無人航空機10は、宅配ボックス8の内部に複数の荷物を格納することができる(S2233)。こうして、宅配ボックス8には、荷物が格納される。
なお、無人航空機10は、ユーザに複数の荷物を配達してから、ユーザによって購入決定ボタン又は購入キャンセルボタンが選択されるまで、ユーザの宅配ボックス8の鉛直上方で待機していてもよい。また、無人航空機10は、運行管理システム2213の施設に帰還し、別の配送作業を実施し、所定時間経過後に集荷のために、配達した商品であって返却される商品が格納された宅配ボックス8の鉛直上方まで戻ってもよい。こうして、無人航空機10は、返却された商品である荷物を持ち帰ることができる。
宅配ボックス8は、重量センサが内部の重量を検知する、つまり格納された複数の荷物の重みを検知すると、重量情報を端末装置2210に通知する。具体的には、宅配ボックス8は、重量情報として、内部に複数の荷物が格納さされたことを端末装置2210に通知する。これにより、端末装置2210におけるユーザアプリケーションのメニュー画面には、宅配ボックス8に複数の荷物が格納されたことが表示されるため、ユーザは、複数の荷物が配達されたことを認識することができる。端末装置2210のユーザアプリケーションは、メニュー画面に複数の荷物の配達確認を示すボタンを表示させる。ユーザアプリケーションは、ユーザの操作を受け付けると、複数の荷物の配達確認を運行管理システム2213に送信する(S2241)。なお、ユーザアプリケーションは、ユーザの操作を受け付けることで複数の荷物の配達確認を行う場合に限定されない。例えば、ユーザアプリケーションは、宅配ボックス8の重量センサが検知した重量情報、及び、開閉センサが検知した蓋8fの開閉情報等に基づいて、複数の荷物を受け取ったと判定してもよい。
また、ユーザアプリケーションは、メニュー画面に、配達された複数の荷物である複数の商品のうちから、いずれの商品を購入するか否かを選択するための購入決定ボタン、及び、購入キャンセルボタンを表示する。ユーザアプリケーションは、購入決定ボタン、又は、購入キャンセルボタンが選択されたか否かを判定する(S2242)。つまり、ユーザは、配達された複数の商品から、購入する1以上の商品を決めるか、全ての商品を購入しないかを決める。
ユーザが購入する商品を決定した場合、ユーザが購入決定ボタンを選択すると(S2242で購入決定ボタンが選択)、ユーザアプリケーションは、購入完了通知を運行管理システム2213に送信する。運行管理システム2213は、無人航空機10に対して、購入しない商品が存在する場合に購入しない商品の受け取り指示と、帰還指示とを無人航空機10に送信する。また、運行管理システム2213は、端末装置2210に対して、購入しない商品の返却を促す指示を送信する。これにより、ユーザアプリケーションは、ユーザに対して商品を無人航空機10に返却することを促すメッセージを表示する。これにより、ユーザは、購入しない商品を返却すべきことを認識することができる。無人航空機10は、購入する商品以外の商品を受け取る。ユーザは、無人航空機10に対して商品を積載して返却する。無人航空機10は、商品が返却されると、運行管理システム2213の施設に戻る(S2243)。そして、配送システム1Aは、処理を終了する。
ユーザが商品を購入しない場合、ユーザが購入キャンセルボタンを選択すると(S2242で購入キャンセルボタンが選択)、ユーザアプリケーションは、購入キャンセル通知を運行管理システム2213に送信する。運行管理システム2213は、無人航空機10に対して、購入しない全ての商品の受け取り指示と、帰還指示とを無人航空機10に送信する。また、運行管理システム2213は、端末装置2210に対して、全ての商品の返却を促す指示を送信する。これにより、ユーザアプリケーションは、ユーザに対して全ての商品を無人航空機10に返却することを促すメッセージを表示する。これにより、ユーザは、商品を返却すべきことを認識することができる。無人航空機10は、配達した全ての商品を受け取る。ユーザは、無人航空機10に対して全ての商品を積載して返却する。無人航空機10は、全ての商品が返却されると、運行管理システム2213の施設に戻る(S2244)。そして、配送システム1Aは、処理を終了する。
一方、ユーザアプリケーションは、購入決定ボタン、及び、購入キャンセルボタンが選択されない場合(S2242で非選択の場合)、無人航空機10の待機時間が待機猶予時間を超えているか否かを判定する(S2245)。待機猶予時間は、例えば数分、又は、数十分程度であり、適宜変更することができる。
ユーザアプリケーションは、無人航空機10の待機時間が待機猶予時間を超えていない場合(S2245でNO)、ステップS2242に戻す。
ユーザアプリケーションは、無人航空機10の待機時間が待機猶予時間を超えた場合(S2245でYES)、無人航空機10は、運行管理システム2213に対して、待機猶予時間を超えていることを通知する(S2246)。
運行管理システム2213は、ステップS2246より、無人航空機10の待機時間が待機猶予時間を超えた通知を取得すると、端末装置2210に対して超過料金の請求を示す情報を送信する(S2247)。端末装置2210のユーザアプリケーションは、メニュー画面に超過料金の請求を示す情報を表示する。そして、ユーザアプリケーションは、ステップS2242に戻す。
[動作例6]
次に、ユーザが複数の商品を注文する場合において、小売りシステム2211内の複数の店舗システム2212に跨って分散している場合の動作について説明する。
図204は、実施の形態22の動作例6における配送システム1Aを用いて商品を注文した場合に、複数の店舗システム2212に跨って商品が分散している場合の動作を例示するフローチャートである。
図204に示すように、端末装置2210のユーザアプリケーションは、ユーザの操作によって、小売りシステム2211における複数の店舗システム2212に跨って商品が選択された場合、第2通信部13を介して、ユーザが希望する商品群を含む注文情報を小売りシステム2211に送信する(S2251)。
小売りシステム2211は、端末装置2210からユーザが希望する商品群を受信すると、それぞれの店舗にユーザが希望する商品群の在庫があるか否かを問い合わせる(S2252)。
それぞれの店舗システム2212は、小売りシステム2211から商品群の在庫があるか否かの問い合わせを受付けると、ユーザが希望する商品群の在庫状況を確認する。それぞれの店舗システム2212は、当該商品群のうち、1以上の商品の在庫を保有している場合、小売りシステム2211に対して、在庫のある商品を示す情報を送信する。また、それぞれの店舗システム2212は、小売りシステム2211に対して、在庫がない場合も、在庫が無いことを示す情報を送信する。
小売りシステム2211は、それぞれの店舗から在庫のある商品を示す情報を受信すると、ユーザが希望する商品群の全てが、1つの店舗システム2212で揃っているか否かを判定する(S2253)。
小売りシステム2211は、ユーザが希望する商品群の全てが1つの店舗システム2212で揃っていると判定した場合(S2253でYES)、ユーザが希望する商品群を含む注文情報を、商品を発送できる確定情報として、端末装置2210に送信する。端末装置2210が確定情報を受信すると、ユーザアプリケーションは、メニュー画面に、当該注文情報を確定情報として表示する(S2254)。
そして、当該商品群の全ての商品の在庫を保有している店舗システム2212は、ユーザの住所及び配達希望時間等に沿うように、一括して商品を配送する(S2255)。こうして、ユーザには、商品群が荷物として届けられる。そして、配送システム1Aは、処理を終了する。
一報、小売りシステム2211は、ユーザが希望する商品群の全て1つの店舗システム2212で揃っていないと判定した場合(S2253でNO)、端末装置2210に対して、商品が複数の店舗に分散しており、配送が分かれることを示すメッセージを出力させる(S2256)。配送が複数の店舗に分かれることを示すメッセージは、「配達が複数店舗に分かれてしまいますが、宜しいでしょうか?」、「複数に分けての配送となりますので、配送費用が必要となりますが、宜しいでしょうか?」等である。このように、小売りシステム2211は、配送が複数の店舗に分かれてしまう場合、ユーザに対して確認メッセージを端末装置2210に出力させる。
小売りシステム2211は、ユーザの承諾が得られたか否かを判定する(S2257)。
ユーザの承諾が得られた場合(S2257でYES)、無人航空機10は、それぞれの店舗から商品をユーザに対して配送する(S2258)。こうして、ユーザには、商品群が荷物として届けられる。そして、配送システム1Aは、処理を終了する。
ユーザの承諾が得られなかった場合(S2257でNO)、小売りシステム2211は、ユーザが希望する商品群をキャンセルする。そして、配送システム1Aは、処理を終了する。
なお、ステップS2253でNOの場合において、小売りシステム2211は、商品群のうち一部の商品が存在していない場合、例えば「一部の商品の注文だけを取り消しても宜しいでしょうか?」といったメッセージを、ユーザアプリケーションのメニュー画面に出力させてもよい。
[動作例7]
次に、ユーザが注文前に、ユーザに対して商品が受け取れる状態にするように指示する場合の動作について説明する。本動作例では、主にユーザアプリケーションがユーザに対して宅配ボックス8を空状態にするように指示する場合である。
図205は、実施の形態22の動作例7における配送システム1Aを用いて商品を注文するときに、宅配ボックス8の内部を空状態にするように、ユーザアプリケーションがユーザに対して指示する場合の動作を例示するフローチャートである。
図205に示すように、端末装置2210のユーザアプリケーションは、ユーザの操作によって、小売りシステム2211に注文情報を送信する前に、注文する商品内容の確認を促すメッセージをメニュー画面に表示する。これにより、端末装置2210には、ユーザの操作によって、注文する商品内容を確認し、確認完了した旨の入力が行われる(S2261)。
ユーザアプリケーションは、宅配ボックス8の内部が空状態であるかの確認を促すメッセージをメニュー画面に表示する(S2262)。これにより、ユーザが宅配ボックス8に荷物が格納されているかいないかを確認し、荷物が格納されていれば、当該荷物を取り出すことで、宅配ボックス8を空状態にすることができる。
ユーザアプリケーションは、メニュー画面に、宅配ボックス8の内部を空状態にしたことを示す確認ボタンを表示する。ユーザアプリケーションは、当該確認ボタンが選択されたか否かを判定する(S2263)。
ユーザアプリケーションは、当該確認ボタンが選択された場合(S2263でYES)、注文情報を小売りシステム2211に送信する(S2264)。これにより、無人航空機10が注文情報に応じた商品を宅配ボックス8に格納することができるため、ユーザは、注文した商品を受け取ることができる。
ユーザアプリケーションは、当該確認ボタンが選択されない場合(S2263でNO)、ユーザに対して宅配ボックス8の内部が空状態になるように、荷物の取り出しを促すメッセージをメニュー画面に表示する(S2265)。これにより、ユーザが宅配ボックス8の内部に格納されている荷物を取り出す。そして、ユーザアプリケーションは、ステップS2262処理を戻す。
このように、本動作例では、宅配ボックス8の内部を空状態にしなければ、ユーザが商品の注文を完了することができない(商品の注文ができない)ようにすることができる。これにより、無人航空機10は、確実に宅配ボックス8に荷物を配達することができる。
[動作例8]
次に、ユーザが注文前に、ユーザに対して商品が受け取れる状態にするように指示する場合の別の動作について説明する。本動作例は動作例7と類似するが、本動作例では、主に宅配ボックス8がユーザアプリケーションを介して、ユーザに対して宅配ボックス8を空状態にするように指示する場合を例示する点で、動作例7と相違する。
図206は、実施の形態22の動作例8における配送システム1Aを用いて商品を注文するときに、宅配ボックス8の内部を空状態にするように、宅配ボックス8がユーザに対して指示する場合の別の動作を例示するフローチャートである。
図206に示すように、端末装置2210のユーザアプリケーションは、ユーザの操作によって、小売りシステム2211に注文情報を送信する前に、注文する商品内容の確認を促すメッセージをメニュー画面に表示する。これにより、端末装置2210には、ユーザの操作によって、注文する商品内容を確認し、確認完了した旨の入力が行われる(S2271)。ユーザアプリケーションは、空状態であることを示す情報を宅配ボックス8から受信するまで待機する。例えば、ユーザアプリケーションは、宅配ボックス8に対して、宅配ボックス8の内部の状態が満状態か空状態かを示す情報の要求を送信してもよい。なお、本動作例の場合、宅配ボックス8は、満状態であることを示す情報及び空状態であることを示す情報を送信するための無線通信モジュール等の通信部を有していてもよく、満状態であることを示す情報及び空状態であることを示す情報を表示するために、端末装置2210のカメラセンサに撮像させるためのコード化された媒体8xを書き換えてもよい。
宅配ボックス8は、重量センサが内部の重量を検知することで、自身の内部が空状態であるか否かを確認する(S2272)。
宅配ボックス8は、重量センサが内部の重量を検知することで、自身の内部が空状態である場合(S2272でYES)、自身の内部が空状態であることを示す情報を端末装置2210に送信する。
端末装置2210のユーザアプリケーションは、第2通信部13を介して、宅配ボックス8から空状態であることを示す情報を受信すると、ステップS2271でユーザが確認完了した商品の注文に関する情報である注文情報を、第2通信部13を介して、小売りシステム2211に送信する(S2273)。これにより、無人航空機10が商品をユーザに対して配送することで、ユーザは、商品を受け取ることができる。
宅配ボックス8は、重量センサが内部の重量を検知することで、自身の内部が満状態である場合(S2272でNO)、自身の内部が満状態であることを示す情報を端末装置2210に送信する。なお、宅配ボックス8に対して複数の荷物を格納することができる場合、重量センサが内部の重量を検知しても、宅配ボックス8に格納できるスペースがある場合、宅配ボックス8は、自身の内部が満状態であると判定しなくてもよい。宅配ボックス8は、内部に荷物が格納できない場合にのみ、自身の内部が満状態であることを示す情報を端末装置2210に送信してもよい。
端末装置2210のユーザアプリケーションは、宅配ボックス8から満状態であることを示す情報を受信すると、ユーザに対して宅配ボックス8の内部が空状態になるように、荷物の取り出しを促すメッセージをメニュー画面に表示する(S2274)。これにより、ユーザが宅配ボックス8の内部に格納されている荷物を取り出す。そして、ユーザアプリケーションは、ステップS2272処理を戻す。
このように、本動作例でも、宅配ボックス8の内部を空状態にしなければ、ユーザが商品を注文することができないようにする。これにより、無人航空機10は、確実に宅配ボックス8に荷物を配達することができる。
[動作例9]
次に、ユーザが商品の注文Aをした場合と、別のユーザが商品の注文Bをした場合とにおいて、配達希望時間に応じて、配達の順番を入れ替える場合の動作について説明する。
図207は、実施の形態22の動作例9における配送システム1Aが注文A及び注文Bを受け付けたときに配達の順番を入れ替える場合を例示する図である。図207において、横軸が時間であり、縦軸が注文A及び注文Bを示している。図208は、実施の形態22の動作例9における配送システム1Aが注文A及び注文Bを受け付けたときに配達の順番を入れ替える場合の動作を例示するフローチャートである。
図207及び図208に示すように、運行管理システム2213は、時刻t0に注文Aの注文情報を取得すると(S2281)、注文情報に示されている「注文時刻」と「配達希望時間」とに基づいて配達希望時間締切時刻tadを算出する。また、運行管理システム2213は、注文情報に示されている「配達先までの距離」に基づいて、最終必須出発時刻tafを算出する(S2282)。
また、運行管理システム2213は、現在から最も早く出発できる時刻taを出発予定時刻として予定し、帰着予定時刻taeを算出する(S2283)。
運行管理システム2213は、時刻t1に注文Bの注文情報を取得すると(S2284)、同様に、注文情報に示されている「注文時刻」と「配達希望時間」とに基づいて配達希望時間締切時刻tbdを算出する。また、運行管理システム2213は、注文情報に示されている「配達先までの距離」に基づいて、最終必須出発時刻tbfを算出する。また、運行管理システム2213は、現在から最も早く出発できる時刻taを出発予定時刻として予定し、帰着予定時刻tbeを算出する(S2285)。
運行管理システム2213は、原則として先着順つまり注文順で無人航空機10を出発させるが、注文Aを先に出発させた場合の帰着予定時刻taeと、注文Bの最終必須出発時刻tbfとを比較し、tbf>taeを満たすか否か判定する(S2286)。
運行管理システム2213は、tbf>taeを満たす場合(S2286でYES)、運行管理システム2213は、注文Aを先に配送しても注文Bが最終必須出発時刻tbfに間に合うため、予定通り注文Aの荷物を配達した後に、注文Bの荷物を配送する(S2287)。そして、運行管理システム2213は、処理を終了する。
運行管理システム2213は、tbf>taeを満たさない場合(S2286でNO)、運行管理システム2213は、注文Aの荷物を配達した後に、注文Bの荷物を配送すれば、注文Bの配達希望時間締切時刻tbdに間に合わないことを導き出す。
そこで、運行管理システム2213は、注文Aの荷物よりも注文Bの荷物を先に発送させた場合の帰着予定時刻tbeを算出しなおす。運行管理システム2213は、注文Aの荷物の出発予定時刻taに、注文Bの荷物を出発させた場合の帰着予定時刻tbeを算出する(S2288)。
運行管理システム2213は、注文Bの荷物を出発させた場合の帰着予定時刻tbeと、注文Aの最終必須出発時刻tafとを比較し、tbe<tafを満たすか否か判定する(S2289)。
運行管理システム2213は、tbe<tafを満たす場合(S2289でYES)、注文Bの荷物を配送した後に、注文Aの荷物を配送しても問題ないと判定し、注文Bの荷物を先に配送させ、その後注文Aの荷物を配送させる(S2290A)。つまり、運行管理システム2213は、注文順となる先着順原理を採用せずに、配達希望時間締切時刻に応じて配送順を変更する。言い換えれば、運行管理システム2213は、配達希望時間締切時刻に応じて配送の優先度を変更する。例えば、図208の破線の四角で示す時刻taから破線の三角で示すtaeを実線の四角で示す時刻taから実線の三角で示すtaeのように配送を延期する。また、例えば、図208の破線の四角で示す時刻tbfから破線の三角で示すtbdを実線の四角で示す時刻taから実線の三角で示すtbeのように配送を早める。こうして、運行管理システム2213は、注文A及び注文Bの荷物を配達希望時間締切時刻までに届けることができる。そして、運行管理システム2213は、処理を終了する。
運行管理システム2213は、tbe<tafを満たさない場合(S2289でNO)、配送順を変更しても注文Bの荷物の配達が配達希望時間締切時刻tbdに間に合わないことを意味するため、当初の先着順原理に従い、注文Aの荷物を先に配送させ、注文Bの荷物が配達希望時間に間に合わない旨を、ユーザの端末装置2210に対して通知する(S2290B)。そして、運行管理システム2213は、処理を終了する。
[動作例10]
次に、保温性が求められる商品を、ユーザが注文した場合において、無人航空機10が所定の輸送温度範囲内でユーザに配達する場合の動作について説明する。
図209は、実施の形態22の動作例10における配送システム1Aの無人航空機10が所定の輸送温度範囲内でユーザに荷物を配達する場合の動作を例示するフローチャートである。
図209に示すように、運行管理システム2213は、ユーザの操作によって小売りシステム2211に商品を注文されると、無人航空機10に積載する荷物に応じて予め定められた温度範囲を示す情報を無人航空機10に送信する。無人航空機10は、運行管理システム2213から受信した当該情報に示される温度範囲を、輸送温度範囲として設定する(S2291)。無人航空機10は、複数の商品が購入されたときであって、複数の商品が1つに同梱された場合、複数の商品のそれぞれの温度範囲の共通範囲を抽出し、抽出した共通範囲を輸送温度範囲とする。なお、複数の商品のそれぞれの温度範囲が乖離し、共通範囲を抽出することができない場合、無人航空機10は、共通範囲を抽出することができないことを示す情報を、運行管理システム2213を介して端末装置2210に送信してもよい。この場合、端末装置2210には、複数に分けて配送がされることを通知してもよい。
無人航空機10は、設定した輸送温度範囲を遵守するように、配送先に向けて移動する。具体的には、無人航空機10は、温度センサを有している。温度センサは、逐次、荷台2220内部に配置されている荷物の温度を検知し、検知した荷物の温度を示す情報を制御処理部11に出力する。
制御処理部11は、荷物の温度を示す情報に基づいて温度変化の時系列データを生成し、生成した温度変化の時系列データを記憶部に格納する(S2292)。
制御処理部11は、温度センサから取得した荷物の温度を示す情報を取得すると、荷物が配送先の宅配ボックス8に格納するまで(配達完了するまで)の間に、取得した温度に示される荷物の温度が輸送温度範囲を外れていないか否かを判定する(S2293)。つまり、制御処理部11は、配送中、温度センサが検知した荷台2220内部に配置されている荷物の温度を逐次モニタリングする。制御処理部11は、荷物が配送先の宅配ボックス8に格納されるまで、この判定を実行する。
なお、ステップS2293において、制御処理部11は、荷物の温度が輸送温度範囲から外れていた温度差を時間で積分又は和分した値が所定の値を超えたか否かを判定してもよい。これにより、商品に影響を殆ど与えない程度の軽微な輸送温度範囲の逸脱、瞬時的な測定エラー等を無視することができる。このため、過度な値引き、商品の廃棄等を抑制することができる。
制御処理部11は、配達完了するまでの間に、取得した温度に示される荷物の温度が輸送温度範囲を外れていないと判定した場合(S2293でYES)、商品の品質を保ったまま配達ができたことを意味するため、第2通信部13を介して運行管理システム2213に配達完了通知する。また、制御処理部11は、配達完了時における荷台2220から配送先の宅配ボックス8に格納する際の荷物の温度を温度センサが計測し、配達完了時に計測した温度を示す情報を、第2通信部13を介して運行管理システム2213に送信する。また、制御処理部11は、配送中における荷物の温度を示す情報に基づいて生成された温度変化の時系列データを、第2通信部を介して運行管理システム2213に送信する(S2294)。
運行管理システム2213は、無人航空機10から配達完了通知、配達完了時に計測した温度を示す情報、荷物における温度変化の時系列データを取得する。運行管理システム2213は、配達完了通知、配達完了時に計測した温度の通知、荷物が輸送温度範囲内で配達されたことの通知等を端末装置2210にする。さらに、運行管理システム2213は、宅配ボックス8に格納した荷物が、外気の影響で輸送温度範囲から外れてしまう予想時刻を算出し、算出した予想時刻と、予想時刻以内に荷物を受け取ることを促すメッセージを、端末装置2210に通知する(S2295)。これにより、ユーザは、速やかに宅配ボックス8に配達された荷物を取り出すことができる。ユーザは、保温性が保たれた荷物を受け取ることができる。このため、この配達システムでは、荷物の品質を保持した状態でユーザに配達することができる。
運行管理システム2213は、発送元である店舗システム2212又は小売りシステム2211に対して、配達完了通知、輸送温度範囲内で輸送されたことの通知、配達完了時刻の通知、配達完了時に計測した温度の通知をする(S2296)。そして、配送システム1Aは、処理を終了する。
一方、制御処理部11は、配達完了するまでの間に、取得した温度に示される荷物の温度が輸送温度範囲を外れている判定した場合(S2293でNO)、配送中における荷物の温度を示す情報に基づいて生成された温度変化の時系列データを、第2通信部13を介して運行管理システム2213に送信する(S2297)。
運行管理システム2213は、ユーザに端末装置2210に対して、荷物の温度が輸送温度範囲を外れたことを通知するとともに、受領の意思の有無を確認する。端末装置2210のユーザアプリケーションは、荷物の温度が輸送温度範囲を外れても、荷物の受け取り意思があるか否かを示すメッセージを、メニュー画面に表示する(S2298)。なお、ユーザアプリケーションは、ユーザに受け取り意思がある場合、料金(配送料金又は商品代金)を割り引くことを、メニュー画面を介してユーザに提示してもよい。
運行管理システム2213は、ステップS2298のメッセージの通知をしてから所定期間内に、端末装置2210から荷物の受け取り意思があることを示す情報を受信したか否かを判定する(S2299)。
運行管理システム2213は、ステップS2298のメッセージの通知をしてから所定期間内に、端末装置2210から荷物の受け取り意思があることを示す情報を受信したと判定した場合(S2299でYES)、つまり、ユーザに受け取り意思がある場合、ステップS2294に進む。
一方、運行管理システム2213は、ステップS2298のメッセージの通知をしてから所定期間内に、端末装置2210から荷物の受け取り意思があることを示す情報を受信していないと判定した場合(S2299でNO)、配送元に対して、配送中に荷物が輸送温度範囲から外れたことを通知する。運行管理システム2213は、同種の商品を配達しなおすように手配する。運行管理システム2213は、ユーザの端末装置2210に対して、配達予想時刻の変更を通知する(S2300)。そして、配送システム1Aは、処理を終了する。
[動作例11]
次に、保温性が求められる商品を、ユーザが注文した場合において、無人航空機10が所定の輸送温度範囲内でユーザに配達することができない場合に、配送中に帰投するか否かの判定をする場合の動作について説明する。本動作例では、主に冷凍用の商品を用いている。
図210は、実施の形態22の動作例11に係る配送システム1Aにおいて、時間と外気温との関係に基づいて、許容上限温度に達する時間(許容上限温度に到達する予想時刻の一例)を例示する図である。図210において、横軸が時間であり、縦軸が外気温を示している。
図210に示すように、無人航空機10の制御処理部11は、無人航空機10の配送元である出発位置を取得し(第4取得ステップの一例)、無人航空機10の配送先である目的位置を取得し(第5取得ステップの一例)、無人航空機10の現在位置を取得し(第6取得ステップの一例)、荷物の許容上限温度を取得する(第7取得ステップの一例)。無人航空機10の制御処理部11は、取得したこれらに基づいて以下の処理を行う。また、無人航空機10の制御処理部11は、平均移動速度(所定の速度)Vと、無人航空機10の現在位置から配送先の目的地点までの距離LCXと、荷物の温度変化量ΔTと配送元から配送先までの距離(走行ルートに基づく距離)LXとを計測又は算出し、LCX>LX/2を満たすか否かを判定する。制御処理部11は、LCX>LX/2を満たす場合において、LCX>(tZ-ΔT-tC)Vになれば配達を中止して出発地に帰投する。つまり、無人航空機10は、商品の品質を保持したままユーザに対して配達することができない場合、配達を中止して配送元に帰投する。なお、これらの判定は、運行管理システム2213が行ってもよい。ここで、時刻tZは、荷物(梱包・断熱機構を含む)の現在温度と熱容量、梱包熱伝導性、断熱機構の熱伝導性、荷台2220の冷蔵性能、荷台2220の暖房性能、外気温等から求めることができる。
なお、現在位置から配送先の目的地点までの距離LCXと、荷物の温度変化量ΔTと配送元から配送先までの距離(走行ルートに基づく距離)LXとの関係を示すLCX>LX/2について、LX/2としているが、これに限定されない。LX/n(1以上の値)であってもよい。本実施の形態では、n=2の場合を例示している。LX/nは、所定の値の一例である。所定の値は、無人航空機10を所定の速度で移動させた場合、荷物の温度が許容上限温度に到達する値である。
これにより、商品が許容上限温度以上又は以下にすることなく再度、冷蔵庫及び冷凍庫に戻したり、保温庫に戻したりすることができる。なお、配送元から配送先までの距離LCXが小さいほど、荷物の温度変化量ΔTを小さくしてもよい。これにより、残りの配達時間が短かく不確実性が低い状況であっても、より確実に帰着予定時刻を決定することができる。
また、LCX=LXとなる場合、無人航空機10は、荷物の配送を停止する。なお、この場合、端末装置2210のユーザアプリケーションは、商品の購入の選択ができないようにしてもよい。
制御処理部11は、LCX<LX/2を満たす場合において、LCX>(tZ-tC)Vになれば配達を中止する。つまり、配送先又は配送元のどちらに移動するとしても荷物の温度が許容上限温度を超えることとなるため、荷物を廃棄する。このようにすることで、無人航空機10の配送を迅速に行うことができるとともに、無人航空機10の稼働率を向上させることができる。(tZ-tC)Vは、所定の値の一例として算出されることがある。
[動作例12]
次に、動作例11の別の動作例について説明する。なお、動作例11等と同様の動作については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図211は、実施の形態22の動作例12における配送システム1Aの無人航空機10が所定の輸送温度範囲でユーザに荷物を配達することができない場合の別の動作を例示するフローチャートである。本動作例では、動作例11の図210も用いて説明する。
図210及び図211に示すように、無人航空機10の制御処理部11は、無人航空機10の配送先である目的位置を取得し(第1取得ステップの一例)、無人航空機10の現在位置を取得する(第2取得ステップの一例)。無人航空機10の制御処理部11は、取得したこれらに基づいて以下の処理を行う。無人航空機10の制御処理部11は、平均移動速度Vと、無人航空機10の現在位置から配送先の目的地点までの距離LCXと、現在時刻tCとに基づいて、配達予想時刻tX=tC+LCX/Vを算出する。配達予想時刻tXは、無人航空機10が現在位置から配送先まで移動した際の時刻の一例である。
制御処理部11は、荷物に応じた許容上限温度を取得し(第3取得ステップの一例)、荷物が許容上限温度以上になる予想時刻(許容上限温度に到達する予想時刻)である時刻tZを算出することで、時刻tZを取得する(第6取得ステップの一例)。制御処理部11は、配送元においてtX>tZを満たすか否かを判定する(S2301)。
制御処理部11は、tX>tZを満たす場合(S2301でYES)、配達を中止して出発地に帰投するとともに、第2通信部13を介して端末装置2210及び運行管理システム2213に対して、配達を中止することを示す情報を送信する(S2302)。つまり、無人航空機10は、商品の品質を保持したままユーザに対して配達することができないため、配達を中止して配送元に帰投する。なお、これらの判定は、運行管理システム2213が行ってもよい。そして、配送システム1Aは、処理を終了する。
なお、tX>tZを満たす場合、ユーザアプリケーションは、ユーザが商品を注文することができないように、商品を表示しないようにすることができる。また、ユーザアプリケーションは、グレーアウトすることで、商品を選択することができないようにしてもよい。
制御処理部11は、tX>tZを満たさない場合(S2301でNO)、無人航空機10による荷物の配送を継続させる(S2303)。
制御処理部11は、無人航空機10が配送元から、配送先までの走行ルートにおける距離の半分の地点よりも配送元側に存在しているか否かを判定する(S2304)。
制御処理部11は、無人航空機10が配送元から、配送先までの走行ルートにおける距離の半分の地点よりも配送先側に存在していると判定した場合(S2304でNO)、制御処理部11は、tX>tZを満たしているか否かを判定する(S2305)。
運行管理システム2213は、制御処理部11がtX>tZを満たしていない判定した場合(S2305でNO)、無人航空機10の配達を継続させて、荷物を配送先に配達させる(S2306)。そして、配送システム1Aは、処理を終了する。
一方、運行管理システム2213は、制御処理部11がtX>tZを満たしていると判定した場合(S2305でYES)、無人航空機10の配達を中止させて配送元に帰投させる。帰投によって戻された商品は、廃棄される(S2307)。つまり、無人航空機10が配送元から、配送先までの走行ルートにおける距離の半分の地点よりも配送先側に存在しているとき、無人航空機10が配送元又は配送先のいずれに移動しても荷物の温度が許容上限温度を超えてしまうため、荷物を廃棄する。なお、配送先よりも近くに商品の保管個所が存在していたり、同じ個所に商品の配達を希望していたりする場所があれば、無人航空機10は、当該個所へ荷物を配送してもよい。
運行管理システム2213は、同一の商品を別の無人航空機10によって配送するように手配する(S2308)。そして、配送システム1Aは、処理を終了する。
一方、制御処理部11は、無人航空機10が配送元から、配送先までの走行ルートにおける距離の半分の地点よりも配送元側に存在していると判定した場合(S2304でYES)、制御処理部11は、tX>tZを満たしているか否かを判定する(S2309)。
制御処理部11は、tX>tZを満たしていないと判定した場合(S2309でNO)、ステップS2304に処理を戻す。
制御処理部11は、tX>tZを満たしていると判定した場合(S2309でYES)、無人航空機10の配達を中止させて配送元に帰投させる(S2310)。この場合には、荷物を破棄しない。このように配送元に帰投することで、商品を適切な温度に保管することができるため、商品の品質の劣化を回復させたり、その劣化を抑制したりすることができる。つまり、商品を許容上限温度以上にすることなく、再度冷蔵庫又は冷凍庫に戻すことができる。このため、配送中に商品を届けることができなくても、商品の品質を損ねることもないため、商品の廃棄ロスを抑制することができる。そして、運行管理システム2213は、ステップS2308を経て、処理を終了する。
[動作例13]
次に、商品配送の緊急度と、配送中の温度変化とに応じて商品配達の順番を設定する場合の動作について説明する。
図212は、実施の形態22の動作例13に係る配送システム1Aにおいて、時間と荷物の価値の関係に基づいて、許容下限価値に達する時間を例示する図である。図212において、横軸が時間であり、縦軸が注文した商品の価値を示している。
図212では、商品Aが注文された時刻t0において、商品Aを時刻taに発送予定していたが、その前の時刻t1に、緊急を要する商品Bが注文された場合を想定する。この場合、運行管理システム2213は、時刻taに発送する商品Aを商品Bに変更し、変更した商品Bを時刻taに発送する。緊急を要する商品Bは、例えば、ユーザが今すぐにでも欲しい商品であり、ラーメン、ピザ、アイスクリーム等のように、保温性が求められる商品である場合が多く、注文時刻から配達希望時間締切時刻までの期間が短いものである。
ユーザの要望には、例えば、商品を「○○時間以内にほしい」というユーザの要望と、商品を「今すぐにほしい」という別のユーザの要望とがある。この場合、商品を「今すぐにほしい」という別のユーザにとっては、欲しい商品の商品価値は高い。欲しい商品がすぐに届かなければ、ユーザにとって商品の価値は低下する。図212に示すように、商品Aの価値は、時間の経過とともに次第に低下する傾向にあるが、商品Bの価値は、商品Aの価値よりも大きく低下する傾向にある。
運行管理システム2213は、ユーザの緊急希望度、商品種別、商品の温度管理の重要度等に基づいて、ユーザの注文に応じた価値関数、例えばV=a(t)+bを予め決定しておく。運行管理システム2213は、予め決定した価値関数に基づいて、商品配達の順番(優先度)を決定する。そこで、運行管理システム2213は、許容限界価値を下回らないように、ユーザに商品を配達する。許容限界価値とは、ユーザが商品の受け取りを許容できる時間的な価値を意味する。商品がラーメン、ピザ、アイスクリーム等であれば一般的に許容される商品の温度範囲が存在するため、許容限界価値を下回るまでの時間は短くなる。また、商品が急を要しないお菓子、消耗品等であれば、許容限界価値を下回るまでの時間は長くなる。なお、許容限界価値を下回った商品は、ユーザにとって商品価値が著しく低下していることを意味する。
例えばこの場合、運行管理システム2213は、時刻taに発送する商品Aを商品Bに変更し、商品Bを時刻tbeに別のユーザに配達する。そして、運行管理システム2213は、商品Aを時刻tAに発送するように変更し、商品Aを時刻tAeにユーザに配達する。これにより、運行管理システム2213は、商品A及び商品Bにおける発送の順番を変更することで、許容限界価値を下回らないように、それぞれのユーザに配達することができる。
[配送の料金の動的設定]
次に、ユーザの注文時における配達希望時刻及び時間帯の組み合わせによって、料金を変動させる場合について説明する。
図213は、実施の形態22に係る配送システム1Aを用いる場合における、配送の料金の動的設定を例示する図である。
ユーザの注文時において、ユーザアプリケーションは、配達希望時刻及び時間帯をメニュー画面に表示する。
例えば、ユーザが現在時刻から指定時間以内の配達を希望する場合、配送管理システムは、現在時刻、現在時刻に対する到着予想時刻を定める。図213では、配送管理システムが定めた到着予想時刻が、到着予想時刻が属するカテゴリーにおいて、最も安いカテゴリーのいずれに属するかを定めている。
図213では、繁忙時間帯の料金を他の時間帯よりも高額の設定としている。繁忙時間帯に注文が集中することが抑制されるため、配送管理システムは、効率的に配送を行うこと(無人航空機10の稼働率を平準化すること)ができる。
また、図213では、現在時刻(注文時刻)から直近の時刻を指定すればするほど、料金が高額となるように設定している。これにより、ユーザに対して余裕をもって注文するように仕向けることができるため、配送管理システムは、効率的な配送計画を立てることができる。
なお、料金は、図213の態様に限定されない。例えば、配達距離と配達希望時刻との組み合わせによって料金を変動させてもよい。また、料金は、例えば、「配達距離100メートル以内」は○○円、「配達距離100~200メートル」は○×円等のようにカテゴリー分けしてもよい。また、料金は、基本料金に、距離当たり料金に配達距離を乗算して得られた金額を加算して求めてもよい。基本料金、及び、距離当たり料金は、配達希望時刻と時間帯カテゴリーとによって定められてもよい。
(その他変形例)
以上、本開示について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これら実施の形態等に限定されるものではない。
上記に説明された上記実施の形態に係る昇降システムは、例えば、無人航空機の代わりに、自律運転航空機(autonomous aerial vehicle)に適用されてもよい。この場合、上記の説明における「無人航空機」または「ドローン」が適宜「自律運転航空機」に読み替えられる。あるいは、上記に説明された技術は、無人/有人、自律運転/手動運転を問わず、航空機に適用されてもよい。
また、上記実施の形態に係る昇降システムに含まれるそれぞれの構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、昇降システムの構成要素としての処理部は、典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
なお、上記実施の形態において、それぞれの構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、それぞれの構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。それぞれの構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態は例示された数字に制限されない。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
また、フローチャートにおけるそれぞれのステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
[補足]
無人航空機は、荷物を配送する無人航空機であって、複数の回転翼と、前記複数の回転翼をそれぞれ回転させる複数の第1モータと、前記複数の第1モータを支持する本体と、前記本体を吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレールに接続するための接続体と、前記接続体が前記レールに支持されたときの支持方向に対する、前記複数の回転翼を含む仮想平面の傾きを設定する可動部と、前記複数の第1モータおよび前記可動部を制御する制御回路と、を備え、前記接続体は、前記本体に接続された第1端と、前記レールにスライド自在に接続するための第2端とを有し、前記支持方向は、前記接続体の前記第1端から前記第2端に向かう方向であり、前記制御回路は、前記接続体の前記第2端が前記レールに接続されている場合に、(i)前記複数の第1モータの回転数を、前記無人航空機を浮遊させるための最小の回転数よりも小さく、かつ、前記無人航空機を前記レールの延びる方向に推進するための最小の回転数よりも大きい、回転数にし、(ii)前記可動部によって、前記接続体の前記支持方向に対して前記仮想平面の法線方向がなす角度を大きくする。
これによれば、無人航空機は、接続体がレールに接続した状態で、無人航空機がレールに沿って移動することができる。(i)の場合では、制御回路が、複数の第1モータの回転数を制御することで、無人航空機を浮遊させるための最小の回転数よりも小さく、かつ、無人航空機を推進するための最小の回転数よりも大きくするため、無人航空機は、レールに沿って適切な速度で移動することができる。(ii)の場合では、制御回路がアクチュエータを制御することで、接続体の支持方向に対する複数の回転翼を含む仮想平面の傾きを変更することで、無人航空機の速度を調節することができる。
配送システムは、無人航空機と、複数の支柱と、前記複数の支柱のうちの隣り合う2つの間に張り渡された前記レールと、を備えてもよい。
前記可動部は、前記本体と前記接続体との間に配置されていてもよい。
これによれば、可動部は、本体に対して接続体の角度を容易に変更することができる。
例えば、接続体を本体の重心部分およびその近傍に配置した場合に、可動部も本体の重心部分およびその近傍に配置されることとなる。このため、無人航空機の重心の釣り合いを取ることができる。
無人航空機は、さらに、一対の翼を備えていてもよい。
これによれば、例えば、一対の翼がヨー翼であれば、無人航空機を水平方向に回転させたり、一対の翼がピッチ翼であれば、無人航空機を鉛直方向に回転させたりすることができる。その結果、無人航空機の進行方向を自由に操舵することができるため、無人航空機は安定した移動を実現することができる。
前記制御回路は、前記可動部によって前記角度を大きくした後、前記無人航空機の推進速度が所定値を超えた場合に、前記接続体を前記レールから外してもよい。
これによれば、接続体とレールとの接触を抑制することができるため、無人航空機の安全性を高めることができる。
前記制御回路は、前記接続体が前記レールから外れている場合に、前記可動部によって前記角度を小さくしてもよく、前記無人航空機を浮遊させるための前記最小の回転数よりも大きくするように、前記複数の第1モータの回転数を制御してもよい。
これによれば、接続体がレールから外れている場合に、角度を小さくすることで、無人航空機が地面から所定高さの位置まで浮遊することができるようになる。このため、物体と接触したりすることが抑制されるため、無人航空機の安全性を高めることができる。
前記制御回路は、前記(ii)において、前記角度を15°よりも大きくするように、前記複数の第1モータの回転数を制御してもよい。
これらによれば、無人航空機の速度を適切にすることができる。
前記制御回路は、前記(ii)において、前記角度を45°よりも大きくするように、前記複数の第1モータの回転数を制御してもよい。
前記制御回路は、前記(ii)において、前記角度を65°よりも大きくするように、前記複数の第1モータの回転数を制御してもよい。
前記制御回路は、前記(ii)において、前記角度を80°よりも大きくするように、前記複数の第1モータの回転数を制御してもよい。
前記接続体は、前記本体に揺動自在に接続された支持部と、前記支持部の一端に接続された第1アームとを有してもよい。
これによれば、支持部の揺動とともに第1アームを揺動させることができる。このため、レールに接続し易くなる。
前記第1アームは、前記無人航空機を前記レールに吊下げるためのハンガであってもよい。
これによれば、無人航空機の停止時に、第1アームがレールから吊下がることができる。このため、無人航空機がレールに吊下がった状態で、荷物を配送先に載置することができる。
前記接続体は、さらに、前記第1アームに接続されており、前記レールに回転自在に接触するための車輪を有してもよい。
これによれば、無人航空機がレールに接続された際に、車輪がレールに接触した状態で移動することができる。車輪はレールとの摩擦によって回転を始めるため、無人航空機は、回転翼の回転による進行方向への推進力だけでレールの上を走行することができる。このため、無人航空機は、回転翼の回転力を、自身を持ち上げるための揚力に使用しなくてもよくなる。その結果、無人航空機は省エネルギー化を実現することができる。
前記接続体は、さらに、前記支持部の前記一端に接続された第2アームを有してもよい。
これによれば、第1アームだけでなく、第2アームもレールに対して接続することができるため、無人航空機がレールから落下することが抑制され、無人航空機を用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
前記第1アームは、前記無人航空機を前記レールに吊下げるための第1のハンガであってもよく、前記第2アームは、前記無人航空機を前記レールに吊下げるための第2のハンガであってもよく、前記接続体は、さらに、前記支持部に対する前記第1アームの角度を設定する第1アクチュエータと、前記支持部に対する前記第2アームの角度を設定する第2アクチュエータとを有してもよい。
これによれば、無人航空機では、レールに対して確実に吊下がることができるため、無人航空機がレールから落下することが抑制され、無人航空機を用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
前記接続体は、さらに、前記支持部と前記第1アームおよび前記第2アームとの間に配置されるベースと、前記支持部に対する前記ベースの角度を設定する第3アクチュエータとを有してもよい。
これによれば、ベースの角度を変えるだけで、本体に対する第1アームの高さを変更したり、第2アームの高さを変更したりすることができる。このため、本体を傾けなくても、第1アームおよび第2アームの高さを変更することができるため、無人航空機の安定性を保つことができる。
前記第1アームは、前記第1アクチュエータに接続される第1接続端から第1開放端まで延びる第1フックを有してもよく、前記第2アームは、前記第2アクチュエータに接続される第2接続端から第2開放端まで延びる第2フックを有してもよく、前記第1フックは、前記第1接続端から前記第1開放端に至るまでに第1方向に折れ曲がる第1屈曲部を有してもよく、前記第2フックは、前記第2接続端から前記第2開放端に至るまでに、前記第1方向とは反対向きの第2方向に折れ曲がる第2屈曲部を有してもよい。
これによれば、第1フックがレールに吊下がった場合に、本体を水平な姿勢で保つことができ、第2フックがレールに吊下がった場合も、本体を水平な姿勢で保つことができる。このため、第1フックおよび第2フックは、無人航空機を適切な姿勢で保持することができるようになる。
第1フックおよび第2フックによりレールに引っ掛け易くなる。
前記制御回路は、前記無人航空機が、前記第1フックによって第1レールにスライド自在に吊下がっている場合に、前記第2アクチュエータを制御して、前記第1レールに隣接した状態で前記第1レールに沿って隣に延びる第2レールに、前記第2フックを引っ掛けてもよく、前記第1アクチュエータを制御して、前記第1フックを前記第1レールから外してもよい。
これによれば、例えば、無人航空機の第1フックが第1レールに接続されているとき、第2フックを第2レールに接続した後に、第1フックを第1レールから外すことで、無人航空機は、第1レールから別のレールである第2レールに接続を切り替えて移動することができる。このため、無人航空機は、レールとレールとの分岐点において、確実にレールを切り替えることができるため、無人航空機の落下が抑制されることで、無人航空機を用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
配送システムは、無人航空機と、複数の支柱と、前記複数の支柱のうちの隣り合う2つの支柱の間に張り渡された前記第1レールおよび前記第2レールと、を備えてもよい。
前記制御回路は、前記無人航空機が、前記第1フックおよび前記第2フックによって第1レールにスライド自在に吊下がっている場合に、前記第2アクチュエータを制御して、前記第2フックを、前記第1レールから外して、前記第1レールに沿って隣に延びる第2レールに引っ掛けさせてもよく、前記第1アクチュエータを制御して、前記第1フックを、前記第1レールから外して、前記第2レールに引っ掛けさせてもよい。
これによれば、例えば、無人航空機の第1フックおよび第2フックが第1レールに接続されているとき、第2フックを第1レールから外して第2レールに接続した後に、第1フックを第1レールから外して第2レールに接続することで、無人航空機は、第1レールから別のレールである第2レールに接続を切り替えて移動することができる。このため、無人航空機は、レールとレールとの分岐点において、確実にレールを切り替えることができるため、無人航空機の落下が抑制されることで、無人航空機を用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
前記制御回路は、前記第2フックを前記第2レールに引っ掛けるときに、前記本体または前記支持部を前記第2方向に傾けて、前記第2接続端を前記第1接続端よりも高くしてもよく、前記第1フックを前記第1レールから外すときに、前記本体または前記支持部を前記第1方向に傾けて、前記第1接続端を前記第2接続端よりも高くしてもよい。
これによれば、本体または支持部を傾けることで、第1フックおよび第2フックをレールに簡易に引っ掛けたり、第1フックおよび第2フックをレールから簡易に外したりすることができる。
無人航空機は、さらに、前記本体に接続された、前記荷物を吊下げるための吊下げワイヤと、前記吊下げワイヤを巻き取り可能なリフトモータとを備えてもよく、前記制御回路は、前記接続体が前記レールに接続されている状態で、前記荷物を格納するための格納装置の鉛直上方に前記無人航空機を位置取らせ、前記リフトモータを駆動して、前記吊下げワイヤを繰り出すことで、前記本体に対して前記荷物を降下させて前記格納装置に格納させてもよい。
これによれば、無人航空機が目的地点に到着したときに、制御回路がリフトモータを制御して吊下げワイヤを繰り出すことで、荷物を降下させて格納装置に格納させることができる。このため、無人航空機は、配送先に荷物を配送することができる。
前記制御回路は、前記吊下げワイヤを繰り出す間、前記格納装置に対する前記荷物の相対位置に応じて、前記本体の位置および向きの少なくとも一方を調整してもよい。
これによれば、無人航空機が格納装置の直上に対して位置ズレが生じても、制御回路が本体の位置および向きの少なくとも一方を調整することで、格納装置に対する本体を位置合わせすることができる。このため、無人航空機は、確実に荷物を降下させて格納装置に格納させることができるため、確実に配送先に荷物を配送することができる。
特に、この無人航空機では、風などによって無人航空機が格納装置の直上から移動してしまう場合があっても、格納装置に対する本体を位置合わせすることができる。
前記制御回路は、前記荷物の位置が前記格納装置の鉛直上方の位置から第3方向に変位している場合に、前記レールの延びる方向に沿って、前記無人航空機を前記第3方向とは反対の第4方向に移動させてもよい。
これによれば、風などによって吊下げワイヤを介して荷物が第3方向に流されることで位置が変位(移動)しても、制御回路が無人航空機を第3方向と反対方向の第4方向に変位させることができる。このため、無人航空機は、確実に荷物を降下させて格納装置に格納させることができるため、より確実に配送先に荷物を配送することができる。
前記制御回路は、前記荷物の位置が前記格納装置の鉛直上方の位置から第5方向に変位している場合に、前記レールを支点として前記無人航空機をスイングさせて、前記無人航空機の重心を前記第5方向とは反対の第6方向に移動させてもよい。
これによれば、風などによって吊下げワイヤを介して荷物が第5方向に変位しても、制御回路が無人航空機の重心を移動させることで、荷物を第5方向と反対方向の第6方向に変位させることができる。このため、無人航空機は、確実に荷物を降下させて格納装置に格納させることができるため、より確実に配送先に荷物を配送することができる。
無人航空機は、さらに、前記荷物に着脱可能に取り付けられたスラスタ装置を備えてもよく、前記スラスタ装置は、複数のプロペラと、前記複数のプロペラをそれぞれ回転させる複数の第2モータと、前記複数の第2モータを支持する支持体と、を有してもよい。
これによれば、無人航空機が格納装置の直上に対して位置ズレが生じても、スラスタ装置が荷物を格納装置に誘導することができる。このため、無人航空機は、確実に荷物を降下させて格納装置に格納させることができるため、より確実に配送先に荷物を配送することができる。格納装置の開口が狭く、荷物を挿入し難い状況でも、無人航空機では、確実に荷物を格納装置に挿入することができる。これにより、無人航空機を着陸させる広い場所を必要としない。
特に、この無人航空機では、風などによって無人航空機が格納装置の直上から移動してしまう場合があっても、スラスタ装置が荷物を格納装置に格納させることができる。
前記複数のプロペラは、前記支持体の第1側面部に配置された第1プロペラと、前記支持体の前記第1側面部とは異なる第2側面部に配置された第2プロペラとを含んでもよい。
これによれば、格納装置に対するスラスタ装置の位置および向きを調節することができる。このため、この無人航空機では、スラスタ装置が、より確実に荷物を格納装置に格納させることができる。
前記制御回路は、前記吊下げワイヤを繰り出す期間の少なくとも一部の期間において、前記スラスタ装置が前記複数の第2モータの少なくとも1つを駆動するよう制御してもよい。
これによれば、無人航空機から荷物を降下させる際に、格納装置に対するスラスタ装置の位置および向きを調節することができる。このため、この無人航空機では、スムーズに荷物を格納装置に格納させることができる。
配送システムは、前記複数の支柱のそれぞれは、電柱であってもよい。
これによれば、既存の電柱を支柱として用いることとができるため、レールを張り渡すための新たな支柱を設置する必要もない。このため、このシステムでは、設置に際するコストの高騰化を抑制することができる。
配送システムは、さらに、所定敷地内に配置された引き込み支柱と、前記レールに張り渡された引き込みワイヤと、を備えてもよく、前記地面から、前記引き込みワイヤと前記引き込み支柱とが接続される第1接続点までの高さは、前記地面から、前記引き込みワイヤと前記レールとが接続される第2接続点までの高さよりも低くてもよい。
これによれば、レールは第1接続点よりも高い位置に配置されるため、無人航空機は高い位置を移動することができる。無人航空機は、人に視認され難い位置を走行するため、配送先のユーザのプライバシーおよびレールに面して設置されている住宅などの施設の人のプライバシーを保護することができる。
前記電柱は、送電線を支持し、前記レールは、前記送電線よりも下方であり、かつ、前記引き込み支柱の先端よりも高い位置に設けられてもよい。
これによれば、送電線の下方にレールを配置するため、送電線と接触しない位置にレールを配置し、かつ、無人航空機を走行させることができる。このため、荷物を配送する無人航空機の安全性を確保することができる。
前記複数の支柱は、街路灯であってもよい。
これによれば、既存の街路灯を支柱として用いることとができるため、レールを張り渡すための新たな支柱を設置する必要もない。このため、このシステムでは、設置に際するコストの高騰化を抑制することができる。
配送システムは、さらに、前記第1レールと前記第2レールとの近接領域の鉛直下方に張られた防護ネットを備えてもよく、前記近接領域は、前記第1レールと前記第2レールとの間の距離が前記無人航空機の幅以下に近接する領域であってもよい。
これによれば、第1レールと第2レールとの間の距離が本体の幅(サイズ)よりも小さいため、無人航空機が第1レールから第2レールに容易に切り替えて移動することができる。
第1レールと第2レールとの近接領域の鉛直下方に防護ネットが設けられることで、無人航空機が第1レールおよび第2レールから外れても、無人航空機が地面に落下することを抑制することができる。このため、無人航空機を用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
前記第2レールの少なくとも一部の高さは、隣り合う前記第1レールの高さよりも高くてもよい。
これによれば、第1レールを2つの無人航空機が対向して走行する場合、2つの無人航空機のうちの一方の無人航空機が第2レールに退避することができる。つまり、第2レールを退避路線として用いることができる。このため、無人航空機が衝突したり、混雑したりすることを抑制することができる。
前記角度は、-30度以上、かつ、+30度以下であってもよい。
これによれば、装置の浮遊する推力が大きくなり難くなるため、例えば、装置の急な上昇によるワイヤの弛みを抑制することができる。
前記装置は、前記複数のプロペラを囲む防護体をさらに有してもよい。
これによれば、防護体が回転するプロペラを保護することができるため、プロペラが他の物体と接触することを抑制することができる。
前記装置は、前記ワイヤの他端が接続されたリールと、前記リールを回転させて前記ワイヤを繰り出すリフトモータとをさらに備え、前記荷物を格納するための格納装置の鉛直上方に前記リールが位置する場合、繰り出された前記ワイヤの部分の長さが所定の長さを超えた後に、前記制御部は、前記複数のモータを駆動し始めてもよい。
これによれば、装置が格納装置に近づくと、所定位置に対する装置の位置の調整を開始するため、所定位置に対する装置の位置合わせを行い易くなる。
前記所定の長さは、前記格納装置から前記リールまでの距離の半分に相当してもよい。
これによれば、装置が格納装置の近くに位置すると、所定位置に対する装置の位置の調整を開始するため、所定位置に対する装置の位置合わせをより行い易くなる。
前記複数のプロペラのそれぞれは、複数のブレードを有し、前記複数のブレードのそれぞれの表面には、複数の凸部が設けられ、前記複数の凸部は、前記複数のブレードの回転方向に沿って延びる縞状パターンであってもよい。
これによれば、装置の飛行中における風の影響を抑制することができる。このため、風が吹いている環境下でも、装置の姿勢を安定にすることができるため、所定位置に対する装置の位置合わせをより行い易くなる。
格納装置は、荷物を格納するための空間を画定する容器と、前記容器の上面部に設けられ、上面開口から前記空間内に前記荷物を入れるために前記上面開口を開閉可能な上蓋と、前記容器の側面部に設けられ、前記空間内の前記荷物を側面開口から取り出すために前記側面開口を開閉可能な横蓋とを備えてもよい。
これによれば、荷物を格納装置の上方から格納装置の空間内に入れることができ、空間に格納された荷物を格納装置の側方から取り出すことができる。このため、荷物を容易に取り出すことができる。
システムは、格納装置と、前記荷物に着脱可能に取り付けられ、前記格納装置の鉛直上方から降下可能な昇降装置と、を備えるシステムであって、前記昇降装置は、凸部を有し、前記格納装置は、前記上面部に設けられた、前記凸部を挿入可能な穴部と、前記穴部に前記凸部が挿入されたときに前記上蓋を空ける機構とを有してもよい。
これによれば、昇降装置が荷物を格納装置に格納する際に、凸部を穴部に挿入することで、格納装置の上面開口に対して昇降装置を位置合わせすることができる。このため、格納装置の空間に荷物を確実に格納することができる。
無人航空機は、複数の回転翼と、前記複数の回転翼をそれぞれ回転させる複数のモータと、前記複数のモータを支持する本体と、前記本体を吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレールに接続するための接続体とを備え、前記接続体は、固定部と一端が前記固定部に接続され、他端が前記固定部に対して開閉する第1アームと、一端が前記固定部に接続され、他端が前記固定部に対して開閉する第2アームと、前記第1アームを開閉させる第1アクチュエータと、前記第2アームを開閉させる第2アクチュエータと、前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータとを制御する制御部とを有し、閉状態の前記第1アームと前記固定部とによって囲まれる第1領域は、閉状態の前記第2アームと前記固定部とによって囲まれる第2領域と離れてもよい。
これによれば、無人航空機の第1アームがレールである第1レールに接続されているとき、第2アームを第2レールに接続した後に、第1アームを第1レールから外すことができる。このため、無人航空機は、第1レールから別のレールである第2レールに接続を切り替えて移動することができる。
前記固定部は、前記本体から上方に向かって延び、かつ、前記第1領域と前記第2領域を隔てる仕切部を有してもよい。
これによれば、1つの接続体で2つのレールに接続することができる。このため、2つの接続体を用いる場合よりも、接続体の姿勢を安定的に保持することができる。
前記制御部は、前記第1アームおよび前記第2アームの少なくとも一方が閉状態となるように、前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータを制御してもよい。
これによれば、閉状態となった第1領域および第2領域の少なくとも一方にレールが配置されていれば、無人航空機をレールに確実に吊下げることができる。
前記制御部は、前記第1アームを閉状態から開状態に変更する指示を受けた場合、前記第2アームが閉状態にあるか否かを判定し、前記第2アームが閉状態にある場合には、前記第1アームを開状態に変更させ、前記第2アームが開状態にある場合には、前記第1アームを閉状態のまま維持させてもよい。
これによれば、閉状態の第2アームに第2レールが接続されている場合、第1アームに第1レールを接続することができる。第2アームが開状態の場合、閉状態の第1アームに第1レールが接続されていれば、第1アームを開状態とせずに、第1アームの閉状態を維持することができる。このように、無人航空機を確実にレールに吊下げることができるため、無人航空機の落下を抑制することができる。
前記制御部は、前記第2アームを閉状態から開状態に変更する指示を受けた場合、前記第1アームが閉状態にあるか否かを判定し、前記第1アームが閉状態にある場合には、前記第2アームを開状態に変更させ、前記第1アームが開状態にある場合には、前記第2アームを閉状態のまま維持させてもよい。
これによれば、閉状態の第1アームに第1レールが接続されている場合、第2アームに第2レールを接続することができる。第1アームが開状態の場合、閉状態の第2アームに第2レールが接続されていれば、第2アームを開状態とせずに、第2アームの閉状態を維持することができる。このように、無人航空機を確実にレールに吊下げることができるため、無人航空機の落下を抑制することができる。
前記制御部は、さらに、前記複数のモータの回転速度を制御し、前記第1アームが開状態、前記第2アームが閉状態であって、かつ、前記第2アームが前記第2領域を通る前記レールに吊下がっている場合、前記制御部は、前記複数のモータのうち、前記第1アームに最も近い第1モータの第1回転速度を、前記第2アームに最も近い第2モータの第2回転速度よりも大きくし、または、前記第2アームが開状態、前記第1アームが閉状態であって、かつ、前記第1アームが前記第1領域を通る前記レールに吊下がっている場合、前記制御部は、前記複数のモータのうち、前記第2アームに最も近い第2モータの第2回転速度を、前記第1アームに最も近い第1モータの第1回転速度よりも大きくしてもよい。
これによれば、第2アームが閉状態であり、第1アームが開状態であれば、第1アームの重みによって第1アーム側に重心が移動する。このため、第1アーム側の第1モータの第1回転速度を第2アーム側の第2モータの第2回転速度よりも大きくすることで、第1アーム側にズレた重心分の重みに相当する浮力を、無人航空機に付与することができる。
第1アームが閉状態であり、第2アームが開状態の場合も同様であり、第2アームの重みによって第2アーム側に重心が移動する。このため、第2アーム側の第2モータの第2回転速度を第1アーム側の第1モータの第1回転速度よりも大きくすることで、第2アーム側にズレた重心分の重みに相当する浮力を、無人航空機に付与することができる。
このため、この無人航空機では、重心が無人航空機の本体の中心からズレても、無人航空機の本体の姿勢を水平方向と略平行に保つことができる。
前記接続体は、前記本体に対する前記固定部の角度を変更する第3アクチュエータをさらに有し、前記制御部は、さらに、前記第3アクチュエータを制御し、前記第1アームが開状態、前記第2アームが閉状態であって、かつ、前記第2アームが前記第2領域を通る前記レールに吊下がっているとき、前記制御部は、前記第3アクチュエータを介して、前記第2領域が前記本体の中心の直上に位置するように前記角度を変更させ、または、前記第2アームが開状態、前記第1アームが閉状態であって、かつ、前記第1アームが前記第1領域を通る前記レールに吊下がっている場合、前記制御部は、前記第3アクチュエータを介して、前記第1領域が前記本体の中心の直上に位置するように前記角度を変更させる。
これによれば、第1アームが開状態であり、第2レールに吊下がった第2アームが閉状態であれば、無人航空機の本体に対する固定部の姿勢(角度)を変更するだけで、第1領域に存在していた第1レールを第1領域の外側に開放することができてもよい。
第2アームが開状態であり、第1レールに吊下がった第1アームが閉状態であれば、無人航空機の本体に対する固定部の姿勢(角度)を変更するだけで、第2領域に存在していた第2レールを第2領域の外側に開放することができる。
このように、当該本体に対する固定部を傾かせるだけで、第1レールを接続体から切り離したり、第2レールを接続体から切り離したりすることが容易にできる。第1レールに接続されている接続体を第2レールに切り替えたり、第2レールに接続されている接続体を第1レールに切り替えたりすることも容易にできる。
システムは、前記無人航空機と、前記レールとを備えるシステムであって、前記レールには、所定の情報を含むマーカが設けられてもよい。
これによれば、レールに付されたマーカが示す所定の情報を無人航空機が読み取ることができる。例えば、所定の情報には、住所、位置情報等の情報を含ませることで、より正確に荷物を所定位置に配送することができるようになる。
システムは、前記無人航空機と、前記レールとを備えるシステムであって、前記レールには、所定の情報を含む凹凸部分が設けられてもよい。
これによれば、無人航空機がレールを移動する際に、レールに付された凹凸部分から、所定の情報を取得することができる。例えば、所定の情報には、住所、位置情報等の情報を含ませることで、より正確に荷物を所定位置に配送することができるようになる。
無人航空機は、複数の回転翼と、前記複数の回転翼をそれぞれ回転させる複数のモータと、前記複数のモータを支持する本体と、前記本体を吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレールに接続するための接続体と、前記接続体が前記レールに支持されたときの支持方向に対して、前記複数の回転翼を含む仮想平面の法線方向がなす角度を変化させるアクチュエータと、前記複数のモータおよび前記アクチュエータを制御する制御部と、を備え、前記接続体は、前記本体に接続された第1端と、前記レールにスライド自在に接続するための第2端とを有し、前記支持方向は、前記接続体の前記第1端から前記第2端に向かう方向であり、前記制御部は、第1モードにおいて、前記アクチュエータを介して、前記仮想平面の前記法線方向を前記支持方向に一致させ、第2モードにおいて、前記アクチュエータを介して、前記仮想平面の前記法線方向を前記支持方向に直交させてもよい。
これによれば、制御部は、レールを走行する際に、支持方向に対する無人航空機の本体の姿勢を変更することができる。例えば、無人航空機がレールを走行する場合、第2モードを実行したり、無人航空機がレールから離れる場合、第1モードを実行したりすることができる。このため、無人航空機は、状況によって適宜飛行態様を変更することができる。
前記制御部は、第3モードにおいて、前記アクチュエータを介して、前記角度を、10度以上、かつ、30度以下にしてもよい。
これによれば、レールと支持体とが接触せずに、無人航空機は、レールに沿って移動することができる。
前記無人航空機は、前記レールの傾きを検知するセンサをさらに備え、前記制御部は、前記レールの傾きに応じて、前記角度を変化させてもよい。
これによれば、レールが水平方向に対して傾斜している場合でも、無人航空機は、傾斜したレールに沿って移動することができる。
前記制御部は、前記アクチュエータを介して、前記仮想平面の前記法線方向を前記レールの傾きに一致させてもよい。
これによれば、接続体がレールに沿って移動することができるようになるため、レールと支持体とが接触することを抑制することができる。
前記制御部は、前記無人航空機を前記レールに沿って第1方向に推進させる第1指示を受け取った場合、前記仮想平面の前記法線方向を、前記支持方向から第2方向に傾斜させ、前記複数のモータのうち、前記本体の中心よりも前記第1方向に位置する第1モータの回転翼を第1回転方向に回転させ、前記複数のモータのうち、前記本体の中心よりも前記第2方向に位置するに第2モータの回転翼を第2回転方向に回転させ、前記第2方向は、前記第1方向の反対であり、前記第2回転方向は、前記第1回転方向の反対であってもよい。
これによれば、支持方向に対する無人航空機の本体に対する姿勢を所望の状態に維持しながら、前進することができる。
前記制御部は、前記無人航空機を前記レールに沿って前記第2方向に推進させる第2指示を取得した場合、前記第1モータの回転翼を前記第2回転方向に回転させ、前記第2モータの回転翼を前記第1回転方向に回転させてもよい。
これによれば、第1モータおよび第2モータを逆回転させることで、無人航空機は、逆走することができる。例えば、荷物を配送した後は、移動してきたレールに沿って戻ることができる。
前記制御部は、前記第2指示を取得した場合、さらに、前記アクチュエータを介して、前記仮想平面の前記法線方向を、前記支持方向から前記第1方向に傾斜させ、前記第1モータの回転翼を前記第1回転方向に回転させ、前記第2モータの回転翼を前記第2回転方向に回転させてもよい。
これによれば、支持方向に対して無人航空機の本体の傾きを反対にすることができる。仮想平面の法線方向が支持方向に対して第2方向側から第1方向側に傾く。これにより、無人航空機は、逆走することができる。例えばこの場合でも、荷物を配送した後は、移動してきたレールに沿って戻ることができる。
前記接続体は、本体に接続された固定部と、前記レールに接続されるアームと、前記固定部と前記アームとの間に配置され、前記支持方向を回転軸として回転可能な第2アクチュエータとを有し、前記制御部は、前記無人航空機を前記レールに沿って前記第2方向に推進させる第2指示を取得した場合、前記第2アクチュエータを介して、前記支持方向を回転軸として本体の向きを反転させてもよい。
これによれば、支持方向を回転軸として固定部がアームに対して回転することで、支持方向に対して無人航空機の本体の傾きを反転対称にすることができる。これにより、無人航空機は、逆走することができる。例えばこの場合でも、荷物を配送した後は、移動してきたレールに沿って戻ることができる。
前記接続体は、前記レールに接続され、開閉可能なアームと、前記アームを開閉させる第3アクチュエータとを有し、前記制御部は、前記無人航空機を前記レールに沿って前記第2方向に推進させる第2指示を取得した場合、前記第3アクチュエータを介して、前記アームを閉状態から開状態に変更させ、前記複数のモータを制御して、前記支持方向を中心に前記本体の向きを反転させ、前記第3アクチュエータを介して、前記アームを開状態から閉状態に変更させてもよい。
これによれば、一端、無人航空機がレールから切り離されて、無人航空機が向きを反転させて、無人航空機の接続体とレールとを再度接続する。例えばこの場合でも、荷物を配送した後は、移動してきたレールに沿って戻ることができる。
前記接続体は、前記レールに接続されるアームと、前記アームの内周面に設けられ、前記レールに回転可能に接触するローラとを有してもよい。
これによれば、無人航空機の接続体がレールに接続されている場合、ローラがレールに接触することで、無人航空機がレールに沿って移動することができる。無人航空機は、自身の進行方向への推進力だけでレールに沿って移動することができる。無人航空機では、自身を持ち上げるための揚力にエネルギーを費やさなくてもよくなるため、省エネルギー化を実現することができる。
前記接続体は、一対のブレーキパッドと、前記一対のブレーキパッドの間隔を変化させて、前記一対のブレーキパッドで前記レールを挟み込むブレーキ機構とを有してもよい。
これによれば、無人航空機の接続体がレールに接続されている場合、一対のブレーキパッドでレールを挟むことができる。このため、移動する無人航空機を容易に減速させたり、停止させたりすることができる。
前記制御部は、前記無人航空機を停止させる停止指示を取得した場合、前記第1モータの回転翼を前記第2回転方向に回転させ、前記第2モータの回転翼を前記第1回転方向に回転させてもよい。
これによれば、前進時の第1モータの回転翼および第2モータの回転翼の回転方向に対して、停止指示の第1モータの回転翼および第2モータの回転翼の回転方向を反転させることができる。これにより、無人航空機の移動を停止させることができる。
格納装置は、無人航空機によって配送された荷物を格納可能な格納装置であって、底面部と側面部とを有する容器と、前記容器の上方に設けられた上蓋と、前記荷物を有する前記無人航空機の荷重を支持可能な荷重支持体とを備え、前記無人航空機は、前記荷重支持体の上に着地可能な複数の脚を有し、前記荷重支持体は、前記複数の脚を支持可能な複数の凹部を有し、前記複数の凹部のそれぞれは、上方に開口したすり鉢状または円錐状の凹部であってもよい。
これによれば、複数の凹部は、無人航空機が降下する際に、複数の脚と係合することで、複数の脚を案内することができる。このため、荷重支持体は、無人航空機を所定の姿勢で保持することができる。このため、無人航空機が荷物を配送する場合、無人航空機が容器の鉛直上方に容易に位置することができる。このため、荷物を確実に格納装置に格納させることができる。
格納装置は、無人航空機によって配送された荷物を格納可能な格納装置であって、底面部と側面部とを有する容器と、前記容器に対して回転可能に連結された蓋と、前記荷物を有する前記無人航空機の荷重を支持可能な荷重支持体と、前記荷重支持体と前記蓋との間に連結された1以上のリンクロッドとを備え、前記1以上のリンクロッドは、前記無人航空機が前記荷重支持体に荷重を加えた場合、当該荷重を前記蓋に伝達して前記蓋を開いてもよい。
これによれば、無人航空機が荷重支持体に吊下がるだけで、自動的に容器の蓋を開くことができる。このため、無人航空機が配送した荷物を容器に格納することができる。
方法では、無人航空機によって配送された荷物を格納装置に格納する方法であって、前記無人航空機を前記格納装置の荷重支持体に支持させるステップと、前記格納装置の蓋が開いた後、前記無人航空機からワイヤを介して前記荷物を降ろして、前記荷物を前記容器の中に格納させるステップと、前記荷物と前記ワイヤとの接続を解除するステップと、前記ワイヤを巻き取るステップと、前記無人航空機を前記荷重支持体から離れさせるステップと、を含んでもよい。
前記蓋は、前記荷重支持体に加わった荷重が失われたときに、前記容器の上部を覆うように閉まってもよい。
これによれば、無人航空機が荷重支持体から離れて飛び立てば、自動的に容器の蓋を示すことができる。
前記荷重支持体は、前記容器の上方に配置されてもよい。
これによれば、無人航空機が荷重支持体に吊下がれば、容器の蓋が開くため、無人航空機が配送した荷物を容易に容器に格納することができる。
前記荷重支持体は、前記無人航空機を吊下げ可能な吊り棒であってもよい。
これによれば、荷重支持体に吊下がる無人航空機の荷重を確実に支えることができる。
前記吊り棒は、前記容器の直上にV字状またはU字状の屈曲部を有してもよい。
これによれば、無人航空機が屈曲部に掴まり易くなるため、無人航空機を容易に位置決めすることができる。このため、無人航空機が荷重支持体に吊下がれば、容器の蓋が開くため、無人航空機が配送した荷物を、より容易に容器に格納することができる。
前記1以上のリンクロッドは、第1リンクロッドと、第2リンクロッドと、第3リンクロッドとを有し、前記第1リンクロッドの第1端は、前記吊り棒に対して回転可能に連結され、前記第1リンクロッドの第2端は、前記第2リンクロッドの第3端に対して回転可能に連結され、前記第2リンクロッドの第4端は、前記第3リンクロッドの第5端に対して回転可能に連結され、前記第3リンクロッドの第6端は、前記蓋に対して回転可能に連結されてもよい。
これによれば、吊り棒に無人航空機が吊下がると、無人航空機の荷重により吊り棒が鉛直下方に撓む。これにより、吊り棒を介してその荷重が第1リンクロッド、第2リンクロッド、および、第3リンクロッドを介して容器の蓋に伝達される。このため、無人航空機が吊り棒に吊下がるだけで、確実に容器の蓋を開けることができる。したがって、この格納装置では、無人航空機が配送した荷物を、より容易に容器に格納することができる。
前記格納装置は、前記吊り棒の両端の間の位置で、前記荷重支持体の回転を支持する第1軸と、前記第3リンクロッドの前記第5端と前記第6端との間の位置で、前記第3リンクロッドの回転を支持する第2軸と、をさらに備えてもよい。
これによれば、無人航空機の荷重が第1軸を介して第1リンクロッドに確実に伝達することができる。第3リンクロッドに伝達された無人航空機の荷重を、第2軸を介して容器の蓋に確実に伝達することができる。このため、容器の蓋を開放することができる。
前記第1軸と前記第2軸との位置を固定させる支持部材をさらに備えてもよい。
これによれば、吊り棒に吊下がった無人航空機の重みを、第1リンクロッド、第2リンクロッド、および、第3リンクロッドを介して容器の蓋に確実に伝達することができるため、確実に容器の蓋を開けることができる。
前記格納装置は、前記容器の側面部に設けられた扉と、前記蓋が開いたときに、前記扉をロックする第1連動部とをさらに備えてもよい。
これによれば、荷物を容器に格納する際に、扉から荷物の飛び出しを抑制することができる。扉をロックすることで、扉の施錠忘れを抑制することができるため、格納装置に格納された荷物の盗難を抑制することができるため、利便性に優れている。
前記格納装置は、前記蓋が閉まったときに、前記蓋をロックする第2連動部をさらに備えてもよい。
これによれば、蓋が閉まれば自動的に蓋をロックすることができる。このため、蓋を施錠するなどのロックする手間が生じ難くなる。蓋をロックすることで、蓋の施錠忘れを抑制することができるため、格納装置に格納された荷物の盗難を抑制することができるため、利便性に優れている。
システムは、前記格納装置と、前記無人航空機とを備えてもよい。
前記無人航空機は、前記荷重支持体に吊下がるための第1アームを有してもよい。
これによれば、無人航空機は、荷重支持体に確実に吊下がることができるため、例えばモータ駆動などを停止させても、姿勢を維持することができる。
前記システムにおいて、前記無人航空機は、ワイヤと、前記ワイヤの一端に接続され、前記荷物を保持する第2アームと、前記ワイヤの他端に接続され、前記ワイヤを巻き取り可能なリールと、制御部とを有し、前記制御部は、前記蓋が開いた後に、前記ワイヤを繰り出して前記荷物を前記容器の中に搬入し、前記荷物が前記容器の前記底面部に置かれた後に、前記第2アームによる前記荷物の保持を解除させて、前記リールに前記ワイヤを巻き取らせてもよい。
これによれば、無人航空機が荷重支持体に吊下がったときに、ワイヤを繰り出すことで、第2アームおよび荷物を容器に向けて降下させることができる。荷物が容器の底面部に載置されると、第2アームを荷物から離間させることができる。このため、このシステムでは、荷物を容器の内部に確実に格納することができる。
前記システムにおいて、前記無人航空機は、前記容器の中を撮影可能なカメラをさらに有してもよい。
これによれば、無人航空機が容器の中に荷物を格納したか否かを確認することができる。このため、荷物を容器の内部に格納できていなければ、第2アームを荷物から離間させないようにすることもできる。再度、荷物を引き上げた後に容器の中に荷物を格納することもできる。
前記システムにおいて、前記制御部は、前記カメラを介して前記格納装置の内部の画像を取得し、前記画像に基づいて、前記無人航空機が前記荷物を格納したことを確証する認証処理を実行してもよい。
これによれば、荷物を格納装置に格納したことを証明することができるため、荷物を容器に格納したことの確実性を担保することができる。
その他、昇降システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。