JP7507326B1 - 超音波検査装置及び超音波検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反射波の信号強度等に応じてゲイン調整を行う場合であっても、被検体の内部状態に係る検査を高精度で遂行する。【解決手段】超音波検査装置11は、超音波を送受する圧電素子13及び音響レンズ15が備わる超音波プローブ17、反射波を増幅するためのゲインを設定するゲイン設定部23、出力超音波を被検体19が存しない試験環境に送信した場合の、ゲイン設定部23で設定されたゲインを用いて増幅された反射波を、音響レンズ15内で生じるレンズエコーに係る参照波の情報として取得する参照波情報取得部25、出力超音波を被検体19が存する検査環境に送信した場合の、ゲイン設定部23で設定されたゲインを用いて増幅された反射波を、被検体19に係る内部状態の情報を含む干渉波の情報として取得する干渉波情報取得部27、並びに干渉波の情報及び参照波の情報に基づいて被検体19に係る内部状態の情報を得る情報処理部29を備える。【選択図】 図1A

Description

本発明は、半導体ウェハ等の被検体に係る内部状態の検査を超音波を用いて行う超音波検査装置及び超音波検査方法に関する。
特許文献1には、被検体に係る内部状態の検査を超音波を用いて行う超音波検査装置の発明が開示されている。
特許文献1に係る超音波検査装置は、高周波パルスを出力する発振器と、この発振器からの高周波パルスにより超音波を出力するとともに被検査体からの超音波の入力によりこれに比例した電気信号を出力する変換素子と、この変換素子を支持するとともに超音波を集束させる音響レンズと、を備える。
特許文献1に係る超音波検査装置では、被検体の超音波検査を行う前に、音響レンズ内での超音波の往復により生じるレンズエコーのデータを記憶部に格納しておく。被検体の超音波検査に際し、得られた電気信号のデータから、同一時刻における記憶部に格納されているレンズエコーのデータを減算する。
特許文献1に係る超音波検査装置によれば、音響レンズ内で生じるレンズエコー(ノイズ)が相殺された高精度の検査結果を得ることができる。
また、特許文献2には、被検体から返ってきた反射波の強度を含む反射強度信号が仮に微小であっても、かかる微小な反射強度信号をも逃がさず捕捉するために、反射波に所定のゲイン値を乗じて信号強度を増幅する超音波検査装置の発明が開示されている。
ここで、反射波の強度は、放射波の強度が同じでも、被検体の材質、厚さなどの条件に応じて変化する。こうした課題に対応するため、特許文献2には、反射波の信号強度が所定の閾値を越えるとゲイン値を下げるようにゲイン調整を行うことも記載されている。
特許文献2に係る超音波検査装置によれば、微小な反射強度信号をもらさない高精度の検査結果を得ることができる。
特開平4-040362号公報 特開平8-145961号公報
仮に、特許文献1に係る超音波検査装置の音響レンズ内で生じるレンズエコーを相殺する技術に、特許文献2に係る超音波検査装置の反射波の信号強度に応じてゲイン調整を行う技術を組み合わせる適用を試みたとする。
しかしながら、前記した特許文献1及び特許文献2の組み合わせに係る超音波検査装置では、レンズエコーを相殺するための信号波形に対して振幅調整を行うことまではできない。そうすると、レンズエコーの相殺を試みても、ゲイン調整による振幅変動分のレンズエコーが相殺できずに残留する結果、被検体の内部状態に係る検査精度が損なわれるという課題があった。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、反射波の信号強度等に応じてゲイン調整を行う場合であっても、被検体の内部状態に係る検査を高精度で遂行可能な超音波検査装置及び超音波検査方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る超音波検査装置は、
超音波を送受する圧電素子及び音響レンズが備わる超音波プローブを備え、前記音響レンズ内で生じるレンズエコーに係る参照波の情報を取得する試験モード、及び、被検体に係る内部状態の情報を取得する検査モードを有する超音波検査装置であって、
動作モードが試験モード又は検査モードのいずれであるかの動作モード指示情報、及び、動作モードが検査モードである場合にユーザにより設定される検査ゲイン値の設定情報を受付ける受付部と、
前記圧電素子を駆動することで前記音響レンズを介して所定の出力超音波を送信する一方、当該送信した出力超音波の反射波を前記音響レンズ及び前記圧電素子を介して受信する送受信制御部と、
前記受付部による前記動作モード指示情報に基づく前記試験モードでは、前記送受信制御部に係る反射波を増幅するための複数段にわたる試験用ゲインを設定する一方、前記受付部による前記動作モード指示情報に基づく前記検査モードでは、前記複数段にわたる試験用ゲインのうち前記受付部による前記設定情報に基づく検査ゲイン値を設定するゲイン設定部と、
前記試験モードにおいて、前記出力超音波を前記被検体が存しない試験環境に送信した場合の、前記複数段にわたる各試験用ゲインを用いてそれぞれ増幅された前記反射波を、前記レンズエコーに係る参照波の情報として前記複数段にわたる各試験用ゲイン毎にそれぞれ対応付けて取得する参照波情報取得部と、
前記参照波情報取得部により取得した前記レンズエコーに係る参照波の情報を、前記複数段にわたる各試験用ゲイン毎にそれぞれ対応付けて記憶する参照波データベースと、
前記検査モードにおいて、前記出力超音波を前記被検体が存する検査環境に送信した場合の、前記検査ゲイン値を用いて増幅された前記反射波を、当該被検体に係る内部状態の情報を含む干渉波の情報として取得する干渉波情報取得部と、
前記干渉波情報取得部で取得した干渉波の情報、及び、前記参照波データベースに記憶された参照波の情報に基づいて、当該被検体に係る内部状態の情報を得る情報処理部と、
を備えて構成されることを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、反射波の信号強度等に応じてゲイン調整を行う場合であっても、被検体の内部状態に係る検査を高精度で遂行することができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態で詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る超音波検査装置の概念を表す機能ブロック図である。 超音波プローブに備わる音響レンズ内でレンズエコーが生じる様子を概念的に示す説明図である。 本発明の実施形態に係る超音波検査装置の概略構成を表す機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る超音波検査装置が有する参照波データベース構築処理の流れを示すフローチャート図である。 本発明の実施形態に係る超音波検査装置が有する検査処理の流れを示すフローチャート図である。 参照波データベースの構築例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る超音波検査装置に備わるノイズ除去部の機能を概念的に示す説明図である。 第1検査ゲイン値を用いて超音波検査を行った際の、干渉波、参照波、及び、減算処理後の被検体反射波をそれぞれ示す説明図である。 第1検査ゲイン値と比べて大きい第2検査ゲイン値を用いて超音波検査を行った際の、干渉波、参照波、及び、減算処理後の被検体反射波をそれぞれ示す説明図である。 プローブ仕様データベースの構築例を示す説明図である。 参照波データベースに登録される参照波について、第1次レンズエコーを残す変形例を概念的に示す説明図である。 第1検査ゲイン値を用いて超音波検査を行った場合の、干渉波、実施例に係る減算処理後の被検体反射波、変形例に係る減算処理後の被検体反射波をそれぞれ対比して示す説明図である。
本発明の実施形態に係る超音波検査装置及び超音波検査方法について、適宜の図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る超音波検査装置の説明において、共通の機能を有する構成要素には共通の符号を付し、その重複した説明を省略する。
〔本発明の実施形態に係る超音波検査装置11Aの概念〕
はじめに、本発明の実施形態に係る超音波検査装置11Aの概念について、図1A、図1Bを参照して説明する。図1Aは、本発明の実施形態に係る超音波検査装置11Aの概念を表す機能ブロック図である。図1Bは、超音波プローブ17に備わる音響レンズ15内でレンズエコーが生じる様子を概念的に示す説明図である。
本発明の実施形態に係る超音波検査装置11Aは、図1Aに示すように、超音波を送受する圧電素子13及び音響レンズ15が備わる超音波プローブ17を備え、音響レンズ15内で生じるレンズエコーに係る参照波USref の情報を取得する試験モード、及び、半導体ウェハ等の被検体19に係る内部状態の情報を取得する検査モードを有する。
詳しく述べると、本発明の実施形態に係る超音波検査装置11Aは、図1Aに示すように、圧電素子13を駆動することで音響レンズ15を介して所定の出力超音波を送信する一方、当該送信した出力超音波の反射波を音響レンズ15及び圧電素子13を介して受信する送受信制御部21と、前記試験モードでは、送受信制御部21に係る反射波を増幅するための複数段にわたる試験用ゲインを設定する一方、前記検査モードでは、前記複数段にわたる試験用ゲインのうちいずれかの検査ゲイン値を設定するゲイン設定部23と、前記試験モードにおいて、前記出力超音波を被検体19が存しない試験環境に送信した場合の、前記複数段にわたる各試験用ゲインを用いてそれぞれ増幅された反射波を、前記レンズエコーに係る参照波USref の情報として複数段にわたる各試験用ゲイン毎にそれぞれ対応付けて取得する参照波情報取得部25と、参照波情報取得部25により取得した前記レンズエコーに係る参照波USref の情報を、前記複数段にわたる各試験用ゲイン毎にそれぞれ対応付けて記憶する参照波データベース31と、前記検査モードにおいて、前記出力超音波を被検体19が存する検査環境に送信した場合の、検査ゲイン値を用いて増幅された反射波を、被検体19に係る内部状態の情報を含む干渉波USint の情報として取得する干渉波情報取得部27と、干渉波情報取得部27で取得した干渉波USint の情報、及び、参照波データベース31に記憶された参照波USref の情報に基づいて、被検体19に係る内部状態の情報を得る情報処理部29と、を備えて構成されている。
〔用語の定義〕
ここで、本発明の実施形態に係る説明で用いる用語を定義しておく。
送受信制御部21から出力される圧電素子13の駆動信号を送信信号、圧電素子13から出力される超音波を出力超音波、被検体19から返ってくる超音波を被検体反射波と呼ぶ。
所定の出力超音波とは、図1Bに示すように、超音波検査で用いられる所定の周波数・信号強度を呈する超音波を意味する。
出力超音波の反射波とは、出力超音波を被検体19が存する検査環境に送信した場合の、被検体19等で反射した超音波であって、レンズエコーに係る参照波USref の情報、及び、被検体19に係る内部状態を表す被検体反射波の情報を含む概念である。
参照波USref の情報とは、圧電素子13の駆動によって送信された出力超音波が音響レンズ15において内部反射を繰り返すことで生じるレンズエコー(ノイズ:図1B参照)の情報を意味する。
干渉波USint の情報とは、被検体19に係る内部状態を表す被検体反射波の情報、及び、音響レンズ15内で生じるレンズエコーに係る参照波USref の情報の両者を含む概念である(図1B参照)。
なお、参照波USref、及び、干渉波USintは、いずれも反射波の範疇に属する性質を有するところ、本発明に係る実施形態の説明では、反射波の特例として、反射波とは異なる名称を与えて取り扱うこととする。
情報処理部29は、参照波データベース31の記憶内容のうち、検査ゲイン値に対応する参照波USref の情報を読み出すと共に、干渉波情報取得部27で取得した干渉波USint の情報、及び、当該読み出した参照波USref の情報に基づいて、出力超音波の出力時を起点とする同一時刻での干渉波USint に係る信号強度成分から参照波USref に係る信号強度成分を減算する減算処理を行うことにより、当該被検体19に係る内部状態を表す被検体反射波の情報を得る。
本発明の実施形態に係る超音波検査装置11Aによれば、情報処理部29は、出力超音波の出力時を起点とする同一時刻での干渉波USint に係る信号強度成分から参照波USref に係る信号強度成分を減算する減算処理を行うことにより、当該被検体19に係る内部状態を表す被検体反射波の情報を得るため、反射波の信号強度等に応じてゲイン調整を行う場合であっても、被検体19の内部状態に係る検査を高精度で遂行することができる。
また、本発明の実施形態に係る超音波検査装置11Aは、情報処理部29により得られた被検体19に係る内部状態の情報に基づき当該被検体19の断面画像(検査画像)を生成する画像生成部35と、画像生成部35で生成した当該被検体19の検査画像を表示部38に表示させる表示制御部37と、をさらに備える。
このように構成すれば、反射波の信号強度等に応じてゲイン調整を行う場合であっても、被検体19の内部状態に係る検査を高精度で遂行する効果に加えて、表示部38に表示された被検体19の検査画像を通して、被検体19の内部状態を可視化してユーザに提示することができる。
また、本発明の実施形態に係る超音波検査装置11は、相互に仕様の異なる複数種の超音波プローブ17に係る識別情報毎に、当該複数種の各超音波プローブ17毎の仕様情報をそれぞれ対応付けて記憶するプローブ仕様データベース39(図7参照;詳しくは後記する。)と、検査に用いる超音波プローブ17に係る識別情報を受付ける受付部33と、をさらに備える。
この場合、情報処理部29は、プローブ仕様データベース39の記憶内容のなかから、受付部33で受付けた識別情報に対応する超音波プローブ17に係る仕様情報を読み出し、当該読み出した超音波プローブ17に係る仕様情報に基づいて、干渉波USint に係る信号強度成分から参照波USref に係る信号強度成分を減算する減算処理を行う際の対象時間領域を設定する構成を採用しても構わない。
本構成の作用効果について、詳しくは後記する。
また、本発明の実施形態に係る超音波検査装置11では、受付部33は、動作モードが試験モード又は検査モードのいずれであるかの動作モード指示情報のほか、動作モードが検査モードである場合にユーザにより設定される検査ゲイン値、超音波プローブ17の交換要求、当該超音波検査装置11に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報を受付ける。
この場合、参照波情報取得部25は、超音波プローブ17の交換要求、又は、当該超音波検査装置11に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報を受付部33が受付けた場合、参照波データベース31を再構築する構成を採用しても構わない。
このように構成すれば、参照波データベース31の再構築を適時かつ的確に遂行することができる。
その結果、反射波の信号強度等に応じてゲイン調整を行う場合であっても、被検体19の内部状態に係る検査を高精度で遂行する効果を一層高めることができる。
〔本発明の実施形態に係る超音波検査装置11Cの概略構成〕
次に、本発明の実施形態に係る超音波検査装置11Cの概略構成について、図1Cを参照して説明する。図1Cは、本発明の実施形態に係る超音波検査装置11Cの概略構成を表す機能ブロック図である。
図1Aに示す超音波検査装置11Aと、図1Cに示す超音波検査装置11Cとは、両者共に共通の機能を有する。ただし、図1Aに示す超音波検査装置11Aでは、概念の観点で機能を表現しているのに対し、図1Cに示す超音波検査装置11Cでは、具体化した構成の観点で機能を表現している点で、前記両者は相違する。
そこで、前記両者の相違点(補足内容を含む)に注目して説明することで、図1Cに示す超音波検査装置11Cの説明に代えることとする。
なお、本発明の実施形態に係る説明において、図1Aに示す超音波検査装置11Aと、図1Cに示す超音波検査装置11Cとを区別することを要しない場合、「超音波検査装置11」と総称する場合がある。
超音波検査装置11Cは、図1Cに示すように、制御装置20、及び、超音波プローブ17に備わる圧電素子13を駆動すると共に、超音波プローブ17それ自体を3軸方向に走査駆動するプローブ駆動部22を備えて構成されている。
圧電素子13は、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、セラミックス、フッ素系共重合体等よりなる圧電膜(不図示)を一対の電極間に挟んで構成されている。圧電素子13は、一対の電極間に所定の電圧を印加することで圧電膜を振動させ、この振動によって所定の出力超音波を送信するように動作する。また、圧電素子13は、圧電膜により受信した反射波を、一対の電極間に生じる電圧信号に変換して干渉波USint の情報として出力(図1B参照)するように動作する。
音響レンズ15は、圧電素子13より送信された所定の出力超音波を所要の焦点位置に集束させる役割を果たす。
被検体19は、図1A、図1Cに示すように、超音波の伝播媒体である水が溜められた水槽18の底部に水没状態で載置されている。被検体19は、例えば、積層構造の半導体ウエハを含む半導体パッケージである。
超音波プローブ17は、水に浸漬された状態で、被検体19との間に所定の間隔を置いて被検体19の表面に正対するように設けられている。
制御装置20は、送受信制御部21、ゲイン設定部23、ノイズ除去部28、ゲート設定部30、参照波データベース31、受付部33、画像生成部35、表示制御部37、表示部38、プローブ仕様データベース39、及び、走査制御部41を備えて構成されている。
なお、送受信制御部21、参照波データベース31、受付部33、画像生成部35、表示制御部37、表示部38、及び、プローブ仕様データベース39については特段の相違点がないため、重複した説明を省略する。
ここで、本発明の実施形態に係る超音波検査装置11の課題及び要旨に言及する。
仮に、干渉波USint の情報のみに基づいて、被検体19に係る内部状態に関する検査画像の生成を試みたとする。この場合、干渉波USint の情報は、被検体19に係る内部状態を表す被検体反射波の情報の他、音響レンズ15内で生じるレンズエコーに係る参照波USref の情報(レンズエコーノイズ)を含むため、検査画像にレンズエコーノイズが映り込んでしまい、高精度の検査画像を生成することができない。
そこで、高精度の検査画像を生成して利用するには、次の課題を解決することが重要である。
第1の課題は、信号強度の比較的弱い被検体反射波をもれなく顕在化し検査画像を生成することである。信号強度の比較的弱い被検体反射波のなかにも、半導体ウェハ等の被検体19に係る内部状態として、微小なボイド、剥離などの欠陥が潜んでいるおそれがあるからである。
第2の課題は、画像を生成する前段階において、干渉波USint の情報からレンズエコーノイズを予め除去しておくことである。高精度の検査画像を生成して利用するには、検査画像の基礎となる被検体反射波の情報を、レンズエコーノイズを含まない形態で緻密に取得することが強く求められるからである。
第1の課題を解決するために、本発明の実施形態に係る超音波検査装置11では、信号強度の比較的弱い被検体反射波をもれなく拾う目的で、超音波プローブ17に備わる圧電素子13が出力する干渉波USint の情報(干渉波形の時系列変化情報)に対し、その信号強度に応じた所定の検査ゲイン値を乗じて増幅するゲイン調整を行う。ところが、干渉波USint の情報を増幅するゲイン調整を行うと、被検体反射波の情報だけではなく、レンズエコーノイズも増幅されてしまう。
一方、第2の課題を解決するには、検査画像生成の前段階において、干渉波USint の情報からレンズエコーノイズを予め除去するため、出力超音波の出力時を起点とする同一時刻での干渉波USint に係る信号強度成分から参照波USref に係る信号強度成分を減算する。ところが、前記ゲイン調整後の干渉波USint 係る信号強度成分から、特許文献1のように、ゲイン調整の考慮を欠いた参照波(レンズエコー)USref に係る信号強度成分を減算すると、ゲイン調整による振幅変動分のレンズエコーが相殺できずに残留する結果、被検体19の内部状態に係る検査精度が損なわれてしまう。
そこで、本発明の実施形態に係る超音波検査装置11では、前記第1及び第2の課題を一挙に解決し、反射波の信号強度等に応じてゲイン調整を行う場合であっても、被検体19の内部状態に係る検査を高精度で遂行するため、ゲイン設定部23、ノイズ除去部28をそれぞれ設けている。
すなわち、ゲイン設定部23は、音響レンズ15内で生じるレンズエコーに係る参照波USref の情報を取得する試験モードでは、送受信制御部21に係る反射波を増幅するための複数段にわたる試験用ゲインを設定する一方、半導体ウェハ等の被検体19に係る内部状態の情報を取得する検査モードでは、前記複数段にわたる試験用ゲインのうちいずれかの検査ゲイン値を設定する機能を有する。
詳しく述べると、ゲイン設定部23は、前記試験モードにおいて、複数段にわたる試験用ゲインを設定すると共に、出力超音波を被検体19が存しない試験環境に送信した場合の反射波であって、複数段にわたる各試験用ゲインを用いてそれぞれ増幅された反射波を、レンズエコーに係る参照波USref の情報として複数段にわたる各試験用ゲイン毎にそれぞれ対応付けて取得する。こうして取得されたレンズエコーに係る参照波USref の情報は、複数段にわたる各試験用ゲイン毎にそれぞれ対応付けて参照波データベース31に記憶され、ノイズ除去部28に係るノイズ除去処理(詳しくは後記)において適宜利用に供される。
一方、ゲイン設定部23は、前記検査モードにおいて、前記複数段にわたる試験用ゲインのうちいずれかの検査ゲイン値(受付部33で受付けたゲイン設定値)を設定すると共に、出力超音波を被検体19が存する検査環境に送信した場合の反射波であって、検査ゲイン値を用いて増幅された反射波を、被検体19に係る内部状態の情報を含む干渉波USint の情報として取得する。こうして取得された干渉波USintの情報は、ノイズ除去部28に係るノイズ除去処理(詳しくは後記)において適宜利用に供される。
ゲイン設定部23は、「参照波情報取得部」及び「干渉波情報取得部」の機能を兼ねる。
ノイズ除去部28は、前記検査モードにおいて、参照波データベース31の記憶内容のうち、検査ゲイン値に対応する参照波USref の情報を読み出すと共に、ゲイン設定部23で増幅された被検体19に係る内部状態の情報を含む干渉波USintの情報、及び、当該読み出した参照波USref の情報に基づいて、出力超音波の出力時を起点とする同一時刻での干渉波USint に係る信号強度成分から参照波USref に係る信号強度成分を減算する減算処理を行う。
出力超音波の出力時を起点とする同一時刻とは、干渉波USint 及び参照波USref 間の位相が合った状態を意味する。なお、干渉波USint 及び参照波USref 間の位相合わせは、共通の時間軸をとる干渉波USint 及び参照波USref を表示部38の表示画面上に表示させて、ユーザが目視確認しつつ適宜遂行してもよい。
信号強度成分とは、圧電素子13から送信された出力超音波が被検体19等にぶつかって圧電素子13に戻ってきた反射波の強度成分(例えば、反射波によって圧電素子13で生じた電圧値)を意味する。
要するに、ノイズ除去部28は、被検体19に係る内部状態の情報を含む干渉波USintの情報から、レンズエコー(ノイズ)に係る参照波USref の情報を除去することにより、被検体反射波に基づく被検体19に係る内部状態の情報を出力する。
こうして出力された被検体反射波に基づく被検体19に係る内部状態の情報は、表示部38の表示画面上に表示される。
ノイズ除去部28は、「情報処理部」に相当する。
ゲート設定部30は、送受信制御部21に係る反射波(被検体19に係る内部状態の情報を含む干渉波USint )の情報等に基づいて、被検体19表面に係る深さ位置を検知し、検知した深さ位置をトリガポイント(図8参照:深さ位置は経過時間と相関する)として同定する際の時間領域をSゲートとして設定すると共に、Sゲートで同定されたトリガポイントを起点とし所定時間だけ遅延した終点によって区画される時間領域をFゲート(検査対象領域)として設定する。Sゲート、Fゲートの設定手法の詳細については、例えば、特許第7042149号公報の内容を参照すればよい。
走査制御部41は、送受信制御部21との間で超音波に係る送受信タイミング及び検査対象部位を含む各種の情報を共有し、当該各種の情報に基づいて、プローブ駆動部22宛に走査制御指令を行う。すなわち、走査制御部41は、プローブ駆動部22に備わるメカ制御部43を介して超音波プローブ17に係る現在位置情報を取得しながら、メカ制御部43、及び、超音波プローブ17をX軸・Y軸・Z軸の3軸方向に走査駆動する3軸スキャナ45の駆動制御を行うように動作する。
〔本発明の実施形態に係る超音波検査装置11の動作〕
次に、本発明の実施形態に係る超音波検査装置11の動作について、図2~図5、図6A、図6Bを適宜参照して説明する。
図2は、超音波検査装置11が有する参照波データベース構築処理の流れを示すフローチャート図である。図3は、超音波検査装置11が有する検査処理の流れを示すフローチャート図である。図4は、参照波データベース31の構築例を示す説明図である。図5は、超音波検査装置11に備わるノイズ除去部28の機能を概念的に示す説明図である。
〔参照波データベース構築処理〕
まず、超音波検査装置11に係る検査処理を行う際に参照される、参照波データベース31の構築処理の流れについて、図2及び図4を参照して説明する。
前提として、超音波検査装置11の動作モードは、複数段にわたる試験用ゲイン毎に、音響レンズ15内で生じるレンズエコーに係る参照波USref の情報を取得する試験モードに設定されているものとする。
ステップS21において、超音波検査装置11Cに備わる制御装置20は、試験用ゲイン段カウンタのカウント値nに1をセット(n=1)する。
ステップS22~23において、制御装置20に係るゲイン設定部23は、試験用ゲイン段カウンタCTのカウント値nに対応する、複数段にわたる試験用ゲインのうちn番目ゲイン値を取得すると共に、取得したn番目ゲイン値を設定する。
ステップS24において、制御装置20に係る送受信制御部21は、圧電素子13を駆動することで音響レンズ15を介して所定の出力超音波を送信する。
ステップS25において、制御装置20に係るゲイン設定部23は、n番目ゲイン値に対応する参照波USref の情報を取得する。なお、n番目ゲイン値に対応する参照波USref の情報とは、出力超音波を被検体19が存しない試験環境に送信した場合の反射波であるレンズエコー波形にn番目ゲイン値を乗じて増幅した波形情報(図5参照)を意味する。
ステップS26において、制御装置20に係るゲイン設定部23は、n番目ゲイン値、及び、n番目ゲイン値に対応する参照波USref の情報の組み合わせを参照波データベース(参照波DB)31に登録する。
ステップS27において、制御装置20に係るゲイン設定部23は、複数段にわたる試験用ゲインについて、全てのゲイン値を処理済か否かを判定する。
ステップS27の判定の結果、全てのゲイン値を処理済ではない旨の判定が下された場合(ステップS27のNo)、制御装置20は、処理の流れを次のステップS28に進ませる。
一方、ステップS27の判定の結果、全てのゲイン値を処理済である旨の判定が下された場合(ステップS27のYes)、制御装置20は、参照波データベース構築処理を終了させる。
ステップS28において、制御装置20は、試験用ゲイン段カウンタのカウント値nをインクリメント(n=n+1)する。その後、制御装置20は、処理の流れをステップS22に戻し、ステップS22~S26の処理を、全てのゲイン値を処理済である旨の判定結果が得られるまで繰り返し行わせる。
図4に表す参照波データベース31の構築例では、複数段にわたる試験用ゲインとして、3段階のゲイン値(30/50/80:単位dB)のそれぞれに対応付けて参照波USref の情報が登録されている。ここで、参照波データベース31に登録される参照波USref の情報としては、例えば、出力超音波の送信時を起点とした経過時間の変化に対する信号強度データの変化を記憶する形態を採用すればよい。
なお、試験用ゲインの段数は、前記の3段に限定されることなく、例えば、1~80dBの間において1dB単位の段数等、適宜の段数を採用しても構わない。また、試験用ゲインに係る下限値/上限値についても、被検体19の材質、焦点位置等の諸事情を考慮して適宜の値を採用しても構わない。
〔検査処理〕
次に、超音波検査装置11に係る検査処理の流れについて、図3、図5、図6A、及び図6Bを適宜参照して説明する。
前提として、超音波検査装置11の動作モードは、半導体ウェハ等の被検体19に係る内部状態の情報を取得する検査モードに設定されているものとする。
ステップS31において、超音波検査装置11Cに備わる制御装置20は、参照波データベース(参照波DB)31の再構築条件を充足したか否かを判定する。
ここで、再構築条件とは、例えば、超音波プローブ17の交換要求、又は、超音波検査装置11に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報を受付部33が受付けた場合である。超音波プローブ17が交換されるか、超音波検査装置11に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた場合、現在の参照波データベース31をそのまま用いると、検査結果が損なわれるおそれがある。
そこで、ステップS31において、制御装置20は、参照波データベース31の再構築条件を充足したか否かを判定している。
ステップS31の判定の結果、再構築条件を充足した旨の判定が下された場合(ステップS31のYes)、制御装置20は、処理の流れを次のステップS32に進ませる。
一方、ステップS31の判定の結果、再構築条件を充足しない旨の判定が下された場合(ステップS31のNo)、制御装置20は、処理の流れをステップS33にジャンプさせる。
ステップS32において、制御装置20は、参照波DB再構築推奨の情報提示を表示制御部37に行わせる。その後、制御装置20は、一連の検査処理の流れを終了させる。
なお、参照波DB再構築推奨の情報提示に接したユーザは、受付部33を介して試験モードに係る動作モード指示を行う等の所定の手順に従って、超音波検査装置11Cに図2に示す参照波DB構築処理を行わせることになる。
ステップS33~34において、制御装置20に係るゲイン設定部23は、動作モードが検査モードである場合にユーザにより受付部33を介して設定される検査ゲイン値を取得すると共に、取得した検査ゲイン値を設定する。
ステップS35において、制御装置20に係る送受信制御部21は、圧電素子13を駆動することで音響レンズ15を介して所定の出力超音波を送信する。
ステップS36において、制御装置20に係るゲイン設定部23は、検査ゲイン値に対応する干渉波USint の情報を取得する。なお、検査ゲイン値に対応する干渉波USint の情報とは、出力超音波を被検体19が存する検査環境に送信した場合の被検体反射波及びレンズエコーに係る参照波USref の重畳波形に検査ゲイン値を乗じて増幅した波形情報(図5参照)を意味する。
ステップS37において、制御装置20に係るゲイン設定部23は、参照波データベース31の記憶内容のなかから、検査ゲイン値に対応する参照波USref の情報を読み出して取得する。
ステップS38において、制御装置20に係るノイズ除去部28は、ステップS36で取得した干渉波USint の情報、及び、ステップS37で取得した参照波USref の情報に基づいて、出力超音波の出力時を起点とする同一時刻での干渉波USint に係る信号強度成分から参照波USref に係る信号強度成分を減算する減算処理を行う。この減算処理は、時間軸上の各単位時刻毎に遂行される。これにより、被検体19に係る内部状態を表す被検体反射波の情報を得る。
ここで、図6A、図6Bを参照して、超音波検査装置11の作用について説明する。
図6Aは、第1検査ゲイン値を用いて超音波検査を行った際の、干渉波USint 、参照波USref 、及び、減算処理後の被検体反射波をそれぞれ示す説明図である。図6Bは、第1検査ゲイン値と比べて大きい第2検査ゲイン値を用いて超音波検査を行った際の、干渉波USint 、参照波USref 、及び、減算処理後の被検体反射波をそれぞれ示す説明図である。
第1検査ゲイン値を用いて超音波検査を行った第1実施例のケースでは、ノイズ除去部28は、図6Aに示すように、第1検査ゲイン値に対応する干渉波USint に係る信号強度成分から、第1検査ゲイン値に対応する参照波USref に係る信号強度成分を減算する減算処理を行うことにより、減算処理後の第1実施例に係る被検体反射波の情報を得る。第1実施例に係る被検体反射波の情報を観察すると、レンズエコーノイズが除去されていることがわかる。
一方、第1検査ゲイン値と比べて大きい第2検査ゲイン値を用いて超音波検査を行った第2実施例のケースでは、ノイズ除去部28は、図6Bに示すように、第2検査ゲイン値に対応する干渉波USint に係る信号強度成分から、第2検査ゲイン値に対応する参照波USref に係る信号強度成分を減算する減算処理を行うことにより、減算処理後の第2実施例に係る被検体反射波の情報を得る。第2実施例に係る被検体反射波の情報を観察すると、レンズエコーノイズが除去されていること、及び、被検体反射波の信号強度(波の高さ)が第1検査ゲイン値を用いたケースと比べて増幅されていることがわかる。
こうした被検体反射波信号強度の増幅によって、被検体19の内部に潜む微小な失陥を、信号増幅に伴って不可避的に生じるホワイトノイズに埋没させることなく顕在化することができる。
ステップS39において、制御装置20に係るゲート設定部30は、ステップS36で取得した干渉波USint の情報等に基づいて、被検体19表面に係る深さ位置を検知し、検知した深さ位置をトリガポイント(図8参照)として同定する際の時間領域をSゲートとして設定すると共に、Sゲートで同定されたトリガポイントを起点として所定時間だけ遅延した時間領域をFゲート(検査対象領域)として設定する。
ステップS40において、制御装置20に係る画像生成部35は、ステップS39で設定したFゲート(検査対象領域)に関する被検体反射波に基づいて、被検体19に係る内部状態に係る検査画像を生成する。こうして生成された検査画像は、所定の検査ゲイン値を乗じることで増幅され、かつ、レンズエコーの影響が除去された被検体反射波に基づいて生成されるため、高精度で被検体19に係る内部状態を表すものとなる。
ステップS41において、制御装置20に係る表示制御部37は、ステップS40で生成された検査画像を、表示部38の表示画面上に表示させる。これにより、表示部38に表示された検査画像を通して、被検体19の内部状態を可視化してユーザに提示することができる。
〔ノイズ除去部28の変形例〕
次に、ノイズ除去部28の変形例について、図7~図9を参照して説明する。
図7は、プローブ仕様データベース39の構築例を示す説明図である。図8は、参照波データベース31に登録される参照波USref について、第1次レンズエコーを残す変形例を概念的に示す説明図である。
ノイズ除去部28の変形例では、参照波データベース31に登録される参照波USref に係るレンズエコーのうち、第1次レンズエコーを残す構成を採用している。
詳しく述べると、参照波USref に係るレンズエコーのうち第1次レンズエコー(図8参照)は、複数次にわたるレンズエコーのなかでも、出力超音波の送信時を起点として最も早期に生じ、かつ、その信号強度も比較的高い。第1次レンズエコーは、超音波プローブ17の上下方向の位置決めの際に、ユーザがその下限位置の目安を知るために用いられる場合がある。
すなわち、ユーザは、被検体19内部の界面に超音波の焦点を合わせるため、超音波プローブ17を被検体19に向かって、3軸スキャナ45により徐々に下降させていく。このとき、時間軸上で被検体19の表面の反射波の位置は、第1次レンズエコーの位置に向かって近づいていく。
超音波プローブ17と被検体19とが衝突する直前の位置まで超音波プローブ17を下降させていくと、時間軸上で被検体19の表面の反射波は、第1次レンズエコーと隣接する位置に達するようになる。従って、被検体19の表面の反射波と第1次レンズエコーの時間軸上の相対位置関係に基づき、ユーザは超音波プローブ17と被検体19との衝突の可能性が予見できる。
上記のようにして、第1次レンズエコーの時間軸上の位置は、ユーザが超音波プローブ17の上下方向の位置決めの際に、その下限位置の目安を知るために用いられる場合があるため、参照波データベース31に登録される参照波USref に係るレンズエコーのうち、第1次レンズエコーを残す構成を採用することとした。
なお、参照波USref のうち第1次レンズエコーに係る時間領域を特定するに際し、図7に示すプローブ仕様データベース39を参照する。プローブ仕様データベース39には、図7に示すように、相互に仕様の異なる複数種の超音波プローブ17に係る識別情報(PR1、PR2、・・・、PR9)毎に、当該複数種の各超音波プローブ17毎の仕様情報(第1次エコーゲート始点、第1次エコーゲート幅を含む)がそれぞれ対応付けて登録されている。なお、前記複数種の各超音波プローブ17毎の仕様情報(第1次エコーゲート始点、第1次エコーゲート幅)は、各超音波プローブ17のそれぞれ備わる音響レンズ15の仕様に依存して設定される。
プローブ仕様データベース39を参照することにより、変形例に係るノイズ除去部28は、参照波USref のうち第1次レンズエコーに係る時間領域を特定すると共に、当該特定した第1次レンズエコーに係る時間領域を、ノイズ除去処理に係る対象時間領域から除外する。
換言すれば、干渉波USint に係る信号強度成分から参照波USref に係る信号強度成分を減算する減算処理を行う際の対象時間領域は、超音波プローブ17に係る仕様情報に基づいて、複数次にわたるレンズエコーのうち第1次レンズエコーに係る時間領域を除外するように設定される。
図9に、第1検査ゲイン値を用いて超音波検査を行った場合の、第1検査ゲイン値に対応する干渉波USint 、第1実施例に係る被検体反射波、変形例に係る被検体反射波をそれぞれ対比して示す。
変形例に係る被検体反射波の情報を、第1実施例に係る被検体反射波の情報と対比して観察すると、第1次レンズエコーノイズが残留していることがわかる。
変形例に係るノイズ除去部28を備える超音波検査装置11によれば、干渉波USint に係る信号強度成分から参照波USref に係る信号強度成分を減算する減算処理を行う際の対象時間領域は、超音波プローブ17に係る仕様情報に基づいて、第1次レンズエコーに係る時間領域を除外するように設定されるため、ユーザは超音波プローブ17の下限位置の目安を知ることができ、超音波プローブ17と被検体19との衝突を予防できる。
〔本発明の実施形態に係る超音波検査方法〕
次に、本発明の実施形態に係る超音波検査方法について説明する。
本発明の実施形態に係る超音波検査方法は、超音波を送受する圧電素子13及び音響レンズ15が備わる超音波プローブ17を備え、前記音響レンズ15内で生じるレンズエコーに係る参照波の情報を取得する試験モード、及び、被検体19に係る内部状態の情報を取得する検査モードを有する超音波検査装置11において、圧電素子13を駆動することで音響レンズ15を介して所定の出力超音波を送信する一方、当該送信した出力超音波の反射波を音響レンズ15及び圧電素子13を介して受信することにより、被検体19に係る内部状態の検査を超音波を用いて行う際に用いられる超音波検査方法が前提となる。
本発明の実施形態に係る超音波検査方法は、前記試験モードでは、前記反射波を増幅するための複数段にわたる試験用ゲインを設定する工程と、前記出力超音波を被検体19が存しない試験環境に送信した場合の、前記複数段にわたる各試験用ゲインを用いてそれぞれ増幅された反射波を、レンズエコーに係る参照波USref の情報として複数段にわたる各試験用ゲイン毎にそれぞれ対応付けて取得することにより、当該取得したレンズエコーに係る参照波USref の情報が、複数段にわたる各試験用ゲイン毎にそれぞれ対応付けて登録された参照波データベース31を構築する工程と、を順次行なう。
一方、前記検査モードでは、複数段にわたる試験用ゲインのうちいずれかの検査ゲイン値を設定する工程と、前記出力超音波を前記被検体が存する検査環境に送信した場合の、前記検査ゲイン値を用いて増幅された反射波を、被検体19に係る内部状態の情報を含む干渉波USint の情報として取得する工程と、前記取得した干渉波USint の情報、及び、参照波データベース31に記憶された参照波USref の情報に基づいて、被検体19に係る内部状態の情報を得る情報処理工程と、を順次行なう。
本発明の実施形態に係る超音波検査方法によれば、情報処理工程では、前記取得した干渉波USint の情報、及び、参照波データベース31に記憶された参照波USref の情報に基づいて、被検体19に係る内部状態の情報を得るため、反射波の信号強度等に応じてゲイン調整を行う場合であっても、被検体19の内部状態に係る検査を高精度で遂行することができる。
また、本発明の実施形態に係る超音波検査方法は、前記情報処理工程では、参照波データベース31の記憶内容のうち、前記検査ゲイン値に対応する参照波USref の情報を読み出すと共に、前記取得した干渉波USint の情報、及び、当該読み出した参照波USref の情報に基づいて、前記干渉波USint に係る信号強度成分から当該参照波USref に係る信号強度成分を減算する減算処理を行うことにより、被検体19に係る内部状態の情報を得る構成を採用しても構わない。
このように構成すれば、情報処理工程では、前記干渉波USint に係る信号強度成分から当該参照波USref に係る信号強度成分を減算する減算処理を行うことにより、被検体19に係る内部状態の情報を得るため、より具体的な実施態様によって、反射波の信号強度等に応じてゲイン調整を行う場合であっても、被検体19の内部状態に係る検査を高精度で遂行する効果奏することができる。
また、本発明の実施形態に係る超音波検査方法は、前記情報処理工程で得られた当該被検体19に係る内部状態の情報に基づき当該被検体19の検査画像を生成する工程と、前記生成した当該被検体19の検査画像を表示部38に表示させる工程と、をさらに有する構成を採用しても構わない。
このように構成すれば、反射波の信号強度等に応じてゲイン調整を行う場合であっても、被検体19の内部状態に係る検査を高精度で遂行する効果に加えて、表示部38に表示された被検体19の検査画像を通して、被検体19の内部状態を可視化してユーザに提示することができる。
また、本発明の実施形態に係る超音波検査方法は、相互に仕様の異なる複数種の超音波プローブ17に係る識別情報毎に、当該複数種の各超音波プローブ17毎の仕様情報をそれぞれ対応付けてプローブ仕様データベース39を構築する工程と、検査に用いる超音波プローブ17に係る識別情報を受付ける工程と、をさらに有し、前記情報処理工程では、プローブ仕様データベース39の記憶内容のなかから、前記受付けた識別情報に対応する超音波プローブ17に係る仕様情報を読み出し、当該読み出した超音波プローブ17に係る仕様情報に基づいて、前記減算処理を行う際の対象時間領域から、参照波USref に係るレンズエコーのうち第1次レンズエコーに係る時間領域を除外するように設定する構成を採用しても構わない。
このように構成すれば、前記情報処理工程では、前記減算処理を行う際の対象時間領域は、超音波プローブ17に係る仕様情報に基づいて、第1次レンズエコーに係る時間領域を除外するように設定されるため、ユーザは超音波プローブ17の下限位置の目安を知ることができ、超音波プローブ17と被検体19との衝突を予防できる。
また、本発明の実施形態に係る超音波検査方法は、超音波プローブ17の交換要求、又は、当該超音波検査装置11に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報を受付ける工程と、超音波プローブ17の交換要求、又は、当該超音波検査装置11に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報を受付けた場合、参照波データベース31の再構築を促す旨を提示する工程と、をさらに有する構成を採用しても構わない。
このように構成すれば、超音波プローブ17の交換要求、又は、当該超音波検査装置11に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報を受付けた場合、参照波データベース31の再構築を促す旨が提示されるため、参照波データベース31の再構築を適時かつ的確に遂行することができる。
その結果、反射波の信号強度等に応じてゲイン調整を行う場合であっても、被検体19の内部状態に係る検査を高精度で遂行する効果を一層高めることができる。
また、本発明の実施形態に係る超音波検査方法は、超音波プローブ17の交換要求、又は、当該超音波検査装置11に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報を受付ける工程をさらに有し、参照波データベース31を構築する工程では、超音波プローブ17の交換要求、又は、当該超音波検査装置11に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報を受付けた場合、参照波データベース31を再構築する構成を採用しても構わない。
このように構成すれば、参照波データベース31を構築する工程では、超音波プローブ17の交換要求、又は、当該超音波検査装置11に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報を受付けた場合、参照波データベース31が再構築されるため、参照波データベース31の再構築を適時かつ的確に遂行する効果を一層高めることができる。
その結果、反射波の信号強度等に応じてゲイン調整を行う場合であっても、被検体19の内部状態に係る検査を高精度で遂行する効果を飛躍的に高めることができる。
〔その他の実施形態〕
以上説明した複数の実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
また、ここで説明した実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができ、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
本発明の実施形態に係る超音波検査装置11において、半導体ウェハ等の被検体19に係る内部状態の欠陥検査を超音波を用いて行う例をあげて説明したが、本発明はこの例に限定されない。本発明の実施形態に係る超音波検査装置11を、IC回路が規則的に並べられたICトレイを被検体19とするトレイ検査に適用しても構わない。また、参照波データベース31、プローブ仕様データベース39は、クラウドサーバ上など、超音波検査装置11の構成外に備わり、超音波検査装置11が適宜クラウドサーバ上などの参照波データベース31、プローブ仕様データベース39に対して適宜アクセスするような構成でも構わない。
11 超音波検査装置
11A 超音波検査装置
11C 超音波検査装置
13 圧電素子
15 音響レンズ
17 超音波プローブ
19 被検体
20 制御装置
21 送受信制御部
22 プローブ駆動部
23 ゲイン設定部(参照波情報取得部、干渉波情報取得部)
25 参照波情報取得部
27 干渉波情報取得部
28 ノイズ除去部(情報処理部)
29 情報処理部
31 参照波データベース(参照波DB)
33 受付部
35 画像生成部
37 表示制御部
38 表示部
39 プローブ仕様データベース(プローブ仕様DB)

Claims (13)

  1. 超音波を送受する圧電素子及び音響レンズが備わる超音波プローブを備え、前記音響レンズ内で生じるレンズエコーに係る参照波の情報を取得する試験モード、及び、被検体に係る内部状態の情報を取得する検査モードを有する超音波検査装置であって、
    動作モードが試験モード又は検査モードのいずれであるかの動作モード指示情報、及び、動作モードが検査モードである場合にユーザにより設定される検査ゲイン値の設定情報を受付ける受付部と、
    前記圧電素子を駆動することで前記音響レンズを介して所定の出力超音波を送信する一方、当該送信した出力超音波の反射波を前記音響レンズ及び前記圧電素子を介して受信する送受信制御部と、
    前記受付部による前記動作モード指示情報に基づく前記試験モードでは、前記送受信制御部に係る反射波を増幅するための複数段にわたる試験用ゲインを設定する一方、前記受付部による前記動作モード指示情報に基づく前記検査モードでは、前記複数段にわたる試験用ゲインのうち前記受付部による前記設定情報に基づく検査ゲイン値を設定するゲイン設定部と、
    前記試験モードにおいて、前記出力超音波を前記被検体が存しない試験環境に送信した場合の、前記複数段にわたる各試験用ゲインを用いてそれぞれ増幅された前記反射波を、前記レンズエコーに係る参照波の情報として前記複数段にわたる各試験用ゲイン毎にそれぞれ対応付けて取得する参照波情報取得部と、
    前記参照波情報取得部により取得した前記レンズエコーに係る参照波の情報を、前記複数段にわたる各試験用ゲイン毎にそれぞれ対応付けて記憶する参照波データベースと、
    前記検査モードにおいて、前記出力超音波を前記被検体が存する検査環境に送信した場合の、前記検査ゲイン値を用いて増幅された前記反射波を、当該被検体に係る内部状態の情報を含む干渉波の情報として取得する干渉波情報取得部と、
    前記干渉波情報取得部で取得した干渉波の情報、及び、前記参照波データベースに記憶された参照波の情報に基づいて、当該被検体に係る内部状態の情報を得る情報処理部と、
    を備えて構成されることを特徴とする超音波検査装置。
  2. 請求項1に記載の超音波検査装置であって、
    前記情報処理部は、前記参照波データベースの記憶内容のうち、前記検査ゲイン値に対応する参照波の情報を読み出すと共に、前記干渉波情報取得部で取得した干渉波の情報、及び、当該読み出した参照波の情報に基づいて、前記干渉波に係る信号強度成分から当該参照波に係る信号強度成分を減算する減算処理を行うことにより、当該被検体に係る内部状態の情報を得る
    ことを特徴とする超音波検査装置。
  3. 請求項2に記載の超音波検査装置であって、
    前記情報処理部により得られた当該被検体に係る内部状態の情報に基づき当該被検体の検査画像を生成する画像生成部と、
    前記画像生成部で生成した当該被検体の検査画像を表示部に表示させる表示制御部と、をさらに備える
    ことを特徴とする超音波検査装置。
  4. 請求項2又は3に記載の超音波検査装置であって、
    相互に仕様の異なる複数種の超音波プローブに係る識別情報毎に、当該複数種の各超音波プローブ毎の仕様情報をそれぞれ対応付けて記憶するプローブ仕様データベースをさらに備え、
    前記受付部は、検査に用いる超音波プローブに係る識別情報をさらに受付け、
    前記情報処理部は、前記プローブ仕様データベースの記憶内容のなかから、前記受付部で受付けた識別情報に対応する超音波プローブに係る仕様情報を読み出し、当該読み出した超音波プローブに係る仕様情報に基づいて、前記減算処理を行う際の対象時間領域から、前記参照波に係る前記レンズエコーのうち第1次レンズエコーに係る時間領域を除外するように設定する
    ことを特徴とする超音波検査装置。
  5. 請求項4に記載の超音波検査装置であって、
    前記受付部は、前記超音波プローブの交換要求、又は、当該超音波検査装置に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報をさらに受け付け、
    前記参照波情報取得部は、前記超音波プローブの交換要求、又は、当該超音波検査装置に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報を前記受付部が受付けた場合、前記参照波データベースを再構築する
    ことを特徴とする超音波検査装置。
  6. 超音波を送受する圧電素子及び音響レンズが備わる超音波プローブを備え、前記音響レンズ内で生じるレンズエコーに係る参照波の情報を取得する試験モード、及び、被検体に係る内部状態の情報を取得する検査モードを有する超音波検査装置において、前記圧電素子を駆動することで前記音響レンズを介して所定の出力超音波を送信する一方、当該送信した出力超音波の反射波を前記音響レンズ及び前記圧電素子を介して受信することにより、被検体に係る内部状態の検査を超音波を用いて行う際に用いられる超音波検査方法であって、
    動作モードが試験モード又は検査モードのいずれであるかの動作モード指示情報、及び、動作モードが検査モードである場合にユーザにより設定される検査ゲイン値の設定情報を受付ける受付工程を有し、
    前記受付工程による前記動作モード指示情報に基づく前記試験モードでは、
    前記反射波を増幅するための複数段にわたる試験用ゲインを設定する工程と、
    前記出力超音波を前記被検体が存しない試験環境に送信した場合の、前記複数段にわたる各試験用ゲインを用いてそれぞれ増幅された前記反射波を、前記レンズエコーに係る参照波の情報として前記複数段にわたる各試験用ゲイン毎にそれぞれ対応付けて取得することにより、当該取得した前記レンズエコーに係る参照波の情報が、前記複数段にわたる各試験用ゲイン毎にそれぞれ対応付けて登録された参照波データベースを構築する工程と、を順次行なう一方、
    前記受付工程による前記動作モード指示情報に基づく前記検査モードでは、
    前記複数段にわたる試験用ゲインのうち前記受付工程による前記設定情報に基づく検査ゲイン値を設定する工程と、
    前記出力超音波を前記被検体が存する検査環境に送信した場合の、前記検査ゲイン値を用いて増幅された前記反射波を、当該被検体に係る内部状態の情報を含む干渉波の情報として取得する工程と、
    前記取得した干渉波の情報、及び、前記参照波データベースに記憶された参照波の情報に基づいて、当該被検体に係る内部状態の情報を得る情報処理工程と、を順次行なう
    ことを特徴とする超音波検査方法。
  7. 請求項6に記載の超音波検査方法であって、
    前記情報処理工程では、前記参照波データベースの記憶内容のうち、前記検査ゲイン値に対応する参照波の情報を読み出すと共に、前記取得した干渉波の情報、及び、当該読み出した参照波の情報に基づいて、前記干渉波に係る信号強度成分から当該参照波に係る信号強度成分を減算する減算処理を行うことにより、当該被検体に係る内部状態の情報を得る
    ことを特徴とする超音波検査方法。
  8. 請求項7に記載の超音波検査方法であって、
    前記情報処理工程で得られた当該被検体に係る内部状態の情報に基づき当該被検体の検査画像を生成する工程と、
    前記生成した当該被検体の検査画像を表示部に表示させる工程と、をさらに有する
    ことを特徴とする超音波検査方法。
  9. 請求項7に記載の超音波検査方法であって、
    相互に仕様の異なる複数種の超音波プローブに係る識別情報毎に、当該複数種の各超音波プローブ毎の仕様情報をそれぞれ対応付けてプローブ仕様データベースを構築する工程をさらに有し、
    前記受付工程では、検査に用いる超音波プローブに係る識別情報をさらに受付け、
    前記情報処理工程では、前記プローブ仕様データベースの記憶内容のなかから、前記受付けた識別情報に対応する超音波プローブに係る仕様情報を読み出し、当該読み出した超音波プローブに係る仕様情報に基づいて、前記減算処理を行う際の対象時間領域から、前記参照波に係る前記レンズエコーのうち第1次レンズエコーに係る時間領域を除外するように設定する
    ことを特徴とする超音波検査方法。
  10. 請求項6~8のいずれか一項に記載の超音波検査方法であって、
    前記受付工程では、前記超音波プローブの交換要求、又は、当該超音波検査装置に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報をさらに受付け、
    前記超音波プローブの交換要求、又は、当該超音波検査装置に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報を受付けた場合、前記参照波データベースの再構築を促す旨を提示する工程をさらに有する
    ことを特徴とする超音波検査方法。
  11. 請求項6~8のいずれか一項に記載の超音波検査方法であって、
    前記受付工程では、前記超音波プローブの交換要求、又は、当該超音波検査装置に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報をさらに受付け、
    前記参照波データベースを構築する工程では、前記超音波プローブの交換要求、又は、当該超音波検査装置に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報を受付けた場合、前記参照波データベースを再構築する
    ことを特徴とする超音波検査方法。
  12. 超音波を送受する圧電素子及び音響レンズが備わる超音波プローブを備えて構成され、被検体に係る内部状態の検査を超音波を用いて行う超音波検査装置であって、
    前記圧電素子を駆動することで前記音響レンズを介して所定の出力超音波を送信する一方、当該送信した出力超音波の反射波を前記音響レンズ及び前記圧電素子を介して受信する送受信制御部と、
    前記送受信制御部に係る反射波を増幅するためのゲインを設定するゲイン設定部と、
    前記出力超音波を前記被検体が存しない試験環境に送信した場合の、前記ゲイン設定部により設定されたゲインを用いて増幅された前記反射波を、前記音響レンズ内で生じるレンズエコーに係る参照波の情報として取得する参照波情報取得部と、
    前記出力超音波を前記被検体が存する検査環境に送信した場合の、前記ゲイン設定部により設定されたゲインを用いて増幅された前記反射波を、当該被検体に係る内部状態の情報を含む干渉波の情報として取得する干渉波情報取得部と、
    前記干渉波情報取得部で取得した干渉波の情報、及び、前記参照波情報取得部で取得した参照波の情報に基づいて、当該被検体に係る内部状態の情報を得る情報処理部と、を備え、
    参照波情報取得部は、
    前記レンズエコーに係る参照波の情報を記憶する参照波データベースと、
    検査に用いる超音波プローブに係る識別情報を受付ける受付部と、をさらに備え、
    前記情報処理部は、前記干渉波情報取得部で取得した干渉波の情報、及び、前記参照波データベースに記憶された参照波の情報に基づいて、前記干渉波に係る信号強度成分から前記参照波に係る信号強度成分を減算する処理を行うことにより、当該被検体に係る内部状態の情報を得、
    前記受付部は、前記超音波プローブの交換要求、又は、当該超音波検査装置に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報をさらに受け付け、
    前記参照波情報取得部は、前記超音波プローブの交換要求、又は、当該超音波検査装置に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報を前記受付部が受付けた場合、前記参照波データベースを再構築する
    とを特徴とする超音波検査装置。
  13. 超音波を送受する圧電素子及び音響レンズが備わる超音波プローブを備え、前記音響レンズ内で生じるレンズエコーに係る参照波の情報を取得する試験モード、及び、被検体に係る内部状態の情報を取得する検査モードを有する超音波検査装置であって、
    前記圧電素子を駆動することで前記音響レンズを介して所定の出力超音波を送信する一方、当該送信した出力超音波の反射波を前記音響レンズ及び前記圧電素子を介して受信する送受信制御部と、
    前記試験モードでは、前記送受信制御部に係る反射波を増幅するための複数段にわたる試験用ゲインを設定する一方、前記検査モードでは、前記複数段にわたる試験用ゲインのうちいずれかの検査ゲイン値を設定するゲイン設定部と、
    前記試験モードにおいて、前記出力超音波を前記被検体が存しない試験環境に送信した場合の、前記複数段にわたる各試験用ゲインを用いてそれぞれ増幅された前記反射波を、前記レンズエコーに係る参照波の情報として前記複数段にわたる各試験用ゲイン毎にそれぞれ対応付けて取得する参照波情報取得部と、
    前記参照波情報取得部により取得した前記レンズエコーに係る参照波の情報を、前記複数段にわたる各試験用ゲイン毎にそれぞれ対応付けて記憶する参照波データベースと、
    前記検査モードにおいて、前記出力超音波を前記被検体が存する検査環境に送信した場合の、前記検査ゲイン値を用いて増幅された前記反射波を、当該被検体に係る内部状態の情報を含む干渉波の情報として取得する干渉波情報取得部と、
    前記干渉波情報取得部で取得した干渉波の情報、及び、前記参照波データベースに記憶された参照波の情報に基づいて、当該被検体に係る内部状態の情報を得る情報処理部と
    検査に用いる超音波プローブに係る識別情報を受付ける受付部と、
    を備えて構成され
    前記受付部は、前記超音波プローブの交換要求、又は、当該超音波検査装置に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報をさらに受け付け、
    前記参照波情報取得部は、前記超音波プローブの交換要求、又は、当該超音波検査装置に係る設置環境温度が所定の温度領域から外れた旨の情報を前記受付部が受付けた場合、前記参照波データベースを再構築する
    ことを特徴とする超音波検査装置。
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