JP2002168838A - 内部欠陥検出方法、およびそれを用いて内部欠陥を検出する超音波顕微鏡 - Google Patents

内部欠陥検出方法、およびそれを用いて内部欠陥を検出する超音波顕微鏡

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JP2002168838A
JP2002168838A JP2000364216A JP2000364216A JP2002168838A JP 2002168838 A JP2002168838 A JP 2002168838A JP 2000364216 A JP2000364216 A JP 2000364216A JP 2000364216 A JP2000364216 A JP 2000364216A JP 2002168838 A JP2002168838 A JP 2002168838A
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English (en)
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Takehiko Suginouchi
剛彦 杉ノ内
Masahiko Hashimoto
雅彦 橋本
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N29/00Investigating or analysing materials by the use of ultrasonic, sonic or infrasonic waves; Visualisation of the interior of objects by transmitting ultrasonic or sonic waves through the object
    • G01N29/04Analysing solids
    • G01N29/12Analysing solids by measuring frequency or resonance of acoustic waves
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波顕微鏡画像に重なった超音波の散乱
や、媒質の流れによる画像のコントラスト差をキャンセ
ルし、内部欠陥によるコントラスト差を抽出することを
目的とする。 【解決手段】 受信信号12のフーリエ変換を行い、パ
ワースペクトラムを求めて中心周波数f1で正規化す
る。レンズ焦点と試料表面の距離を決める時に用いた周
波数のパワースペクトラムf2を走査範囲全部で求めて
相対値を輝度差として2次元画像31に画像化する。こ
れによって超音波の散乱による周波数依存分はキャンセ
ルされ、V(z)曲線における振幅差が画像化され、内
部欠陥がコントラスト差として表れ、内部欠陥の検出を
容易にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料表面に弾性表
面波を励起するための集束型の超音波探触子を用いて試
料内部の欠陥を検出する内部欠陥検出方法、及びそれに
より内部欠陥を検出する超音波顕微鏡であって、特に1
00MHz以下の低周波での超音波顕微鏡において、試
料表面下の特徴を抽出するための信号処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】超音波顕微鏡は、試料面を機械的走査し
ながら、集束型の超音波探触子によって試料に超音波を
送信し、試料表面に表面波を励起させて、試料からの受
信信号の振幅や位相の分布を画像化することにより、試
料の表面および内部の情報や試料の弾性的性質を取得で
きる。
【0003】一般的には100MHz〜数GHzの周波
数を使用し、開口角の広いレンズを用いて試料表面に表
面波を励起し、表面波を使って試料の情報を取得する。
しかし、液体カプラには純水が多く使われているため、
非常に高価である。このため、100MHz〜数GHz
の周波数を使用するには、走査系の精度を高める必要が
あり、それだけで装置が高価になってしまう。
【0004】そこで、超音波顕微鏡としては低周波(3
0〜50MHz)のセンサを用いるものが考えられてい
る。そして、表面のキズ等を検出する用途に用いる際
に、分解能を上げるため、一般的に媒質として用いられ
る純水の縦波波長の約1/3であるフッ素系不活性液体
を媒質として使用する。
【0005】これにより、音速が水に比べて遅い(約1
/3)ため、レンズの開口角を大きくする必要がなく、
安価にセンサの製作を行うことが可能となる。また、金
属試料を錆させることもなく、試料を媒質中から取り出
した後も、試料の後処理が不要であり、総合的に安価で
簡便な超音波顕微鏡システムを構築できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このシ
ステムを使って直接反射波と漏洩弾性表面波を干渉させ
て表面下の欠陥を検出する場合、センサを金属試料に対
して焦点距離よりも短くするデフォーカス操作を行う
と、Δzの周期が、低周波であることと媒質の音速が遅
いことによって長くなり、もともとフッ素系不活性液体
での減衰を考慮して焦点距離を短くしてあるため、焦点
距離に対するデフォーカス量の比は大きくなってしま
う。
【0007】すると、デフォーカス量を大きくしていく
につれてビームスポットも大きくなり、超音波の媒質中
での波長に比べて試料表面の凸凹が小さい場合、スペッ
クルノイズを考慮しなければならない領域になってしま
う。
【0008】そのため直接反射波と漏洩弾性表面波を干
渉させる方式では、さらに超音波の散乱波が干渉しあ
い、試料を走査して取得した受信信号を画像化した時の
コントラストが複雑なものになり(実際の試料表面およ
び表面下の形状とは違うコントラスト)、漏洩弾性表面
波の内部欠陥からの特徴量が埋もれてしまう。
【0009】従来、スペックルノイズを低減するには、
スペックルパターンについて相関の小さい複数の画像を
重ね合わせればよい。超音波信号の入射方向を変えてえ
られた画像を重ねる方法(空間的コンパウンド法)と中
心周波数の異なる超音波信号を使ってえられた画像を重
ねる方法(周波数コンパウンド法)がある。しかしこの
手法は、複数の画像を重ねることによる平均化をおこな
っているわけであり、微少な内部欠陥による受信信号の
変化もきえてしまうおそれがある。
【0010】さらに、媒質のゆらぎによる受信信号の変
化が加わる。試料を機械的に走査するため超音波センサ
によって媒質をかきまぜてしまうことになり、それによ
って媒質を伝搬する超音波信号に影響が出て、いっそう
受信信号の画像を複雑なものとしてしまう。
【0011】本発明は、超音波の散乱による画像の劣化
および媒質のゆらぎによる媒質を伝搬する超音波信号の
変化がおこっても、表面下内部欠陥による弾性表面波の
減衰が直接反射波と漏洩弾性表面波との干渉による信号
に与える影響をよりよく評価し、超音波の散乱等の影響
をキャンセルして内部欠陥のコントラスト差を抽出可能
とすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、使用するセンサの帯域内の周波数ごとにお
けるV(z)曲線の振幅の差が大きいレンズ焦点と試料
表面の距離で走査し、受信信号をフーリエ変換してパワ
ースペクトラムを求め、次にパワースペクトラムを用い
て表面内部の欠陥を抽出する内部欠陥検出方法とそれに
用いる超音波顕微鏡であって、特に、パワースペクトラ
ムは、差分値を比較、あるいは微分値を対数化して比
較、または帯域内のいずれかの周波数で正規化してスペ
クトラム形状を比較することで、内部欠陥の抽出に用い
る。
【0013】これにより、超音波の散乱による画像の劣
化および媒質のゆらぎによる媒質を伝搬する超音波信号
の変化がおこっても、表面下内部欠陥による弾性表面波
の減衰が直接反射波と漏洩弾性表面波との干渉による信
号に影響がでているのかをよりよく評価することができ
る。
【0014】例えば、評価に用いる周波数のV(z)曲
線を計算で求め、センサの中心周波数におけるV(z)
曲線と比較し、振幅差の大きいところをデフォーカス量
として試料を走査し、中心周波数でFFTパワースペク
トラムを正規化し、評価に用いた周波数の減衰度合を相
対的に画像化することにより、内部欠陥の検出をするこ
とができる。
【0015】これは、同じ帯域のものであるためスペッ
クルノイズは相関があり、従来の周波数コンパウンド法
のように画像を加算するのではなく、減算することによ
って超音波の散乱によるスペックルノイズをキャンセル
することができるため、V(z)曲線における振幅差を
画像化することができる。すなわち、弾性表面波は表面
下1波長程度にエネルギーが集中しているため、内部欠
陥と弾性表面波との間では周波数が変化することにより
弾性表面波の波長が変化し、内部欠陥が1波長以下であ
れば、内部欠陥に対する減衰率が変化するため、表面下
1波長以内に内部欠陥があれば、V(z)曲線の振幅差
に違いが生じ、内部欠陥の検出を容易にすることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、使用するセンサの帯域内の周波数ごとにおけるV
(z)曲線の振幅の差が大きいレンズ焦点と試料表面の
距離で走査し、受信信号をフーリエ変換してパワースペ
クトラムを求め、次にパワースペクトラムの差分値を比
較することにより表面内部の欠陥を抽出する内部欠陥検
出方法であり、表面の粗さによる超音波散乱による画像
のコントラスト差をキャンセルして、内部欠陥の抽出を
可能にする作用を有する。
【0017】そして請求項2に記載の発明のように、前
記パワースペクトラムの差分値を求める際に、周波数ご
とのスペックルノイズの相関を考慮し、相関の大きい範
囲でパワースペクトラムの差分値を比較することを特徴
とした請求項1記載の内部欠陥検出方法としても、表面
の粗さによる超音波散乱による画像のコントラスト差を
キャンセルし、内部欠陥の抽出を可能にする作用を有す
る。
【0018】本発明の請求項3に記載の発明は、使用す
るセンサの帯域内の周波数ごとにおけるV(z)曲線の
振幅の差が大きいレンズ焦点と試料表面の距離で走査
し、受信信号をフーリエ変換してパワースペクトラムを
求め、次にパワースペクトラムの微分値を求めた後に対
数化し比較することにより表面内部の欠陥を抽出する内
部欠陥検出方法であり、表面の粗さによる超音波散乱に
よる画像のコントラスト差をキャンセルし、内部欠陥の
抽出を可能にする作用を有する。
【0019】そして請求項4に記載の発明のように、前
記パワースペクトラムの微分値を求める際に、周波数ご
とのスペックルノイズの相関を考慮し、相関の大きい範
囲でパワースペクトラムの微分値を対数化し比較するこ
とを特徴とした請求項3記載の内部欠陥検出方法として
も、表面の粗さによる超音波散乱による画像のコントラ
スト差をキャンセルし、内部欠陥の抽出を可能にする作
用を有する。
【0020】本発明の請求項5に記載の発明は、使用す
るセンサの帯域内の周波数ごとにおけるV(z)曲線の
振幅の差が大きいレンズ焦点と試料表面の距離で走査
し、受信信号をフーリエ変換してパワースペクトラムを
求め、パワースペクトラムを求めた後、前記帯域内の周
波数のいずれかで正規化し、前記帯域内の周波数のパワ
ースペクトラムの形状を比較することにより表面内部の
欠陥を抽出する内部欠陥検出方法であり、表面の粗さに
よる超音波散乱による画像のコントラスト差をキャンセ
ルし、内部欠陥の抽出を可能にする作用を有する。
【0021】そして請求項6に記載の発明のように、前
記パワースペクトラムの形状を比較する際に、周波数ご
とのスペックルノイズの相関を考慮して周波数ごとに相
関の大きさによる重みつけをして比較することを特徴と
した請求項5記載の内部欠陥検出方法としても、表面の
粗さによる超音波散乱による画像のコントラスト差をキ
ャンセルし、内部欠陥の抽出を可能にする作用を有す
る。
【0022】本発明の請求項7に記載の発明は、使用す
るセンサの帯域内の2つの周波数におけるV(z)曲線
の振幅の差が大きいレンズ焦点と試料表面の距離で走査
し、受信信号をフーリエ変換してパワースペクトラムを
求め、前記2つの周波数のいずれかで正規化し、前記2
つの周波数のうち正規化に用いなかったパワースペクト
ラムで比較することにより表面内部の欠陥を抽出する内
部欠陥検出方法であり、表面の粗さによる超音波散乱に
よる画像のコントラスト差をキャンセルし、内部欠陥の
抽出を可能にする作用を有する。
【0023】そして請求項8に記載の発明のように、前
記2つの周波数を決める際に、周波数ごとのスペックル
ノイズの相関を考慮し、相関の大きい範囲で周波数を決
定することを特徴とした請求項7記載の内部欠陥検出方
法としても、表面の粗さによる超音波散乱による画像の
コントラスト差をキャンセルし、内部欠陥の抽出を可能
にする作用を有する。
【0024】本発明の請求項9に記載の発明は、使用す
る狭帯域センサの受信信号の中心周波数と中心周波数で
ない周波数におけるV(z)曲線の振幅の差が大きいレ
ンズ焦点と試料表面の距離で走査し、受信信号をフーリ
エ変換してパワースペクトラムを求め、前記パワースペ
クトラムを受信信号の中心周波数で正規化し、前記中心
周波数でない周波数におけるパワースペクトラムを比較
する内部欠陥検出方法であり、表面の粗さによる超音波
散乱による画像のコントラスト差をキャンセルし、内部
欠陥の抽出を可能にする作用を有する。
【0025】そして請求項10に記載の発明のように、
前記中心周波数でない周波数を決める際に、周波数ごと
のスペックルノイズの相関を考慮し、相関の大きい範囲
で前記中心周波数でない周波数を決定することを特徴と
した請求項9記載の内部欠陥検出方法としても、表面の
粗さによる超音波散乱による画像のコントラスト差をキ
ャンセルし、内部欠陥の抽出を可能にする作用を有す
る。
【0026】また、請求項11に記載の発明のように、
前記中心周波数でない周波数を決める際に、中心周波数
から高周波側にずれた周波数を用いることを特徴とする
請求項9または10記載の内部欠陥検出方法としても、
表面の粗さによる超音波散乱による画像のコントラスト
差をキャンセルし、内部欠陥の抽出を可能にする作用を
有する。
【0027】本発明の請求項12に記載の発明は、請求
項1から11のいずれか記載の内部欠陥検出方法を用い
て内部欠陥を検出する超音波顕微鏡であり、減衰率が高
く、音速の遅い液体を媒質として、請求項1から11の
いずれか記載の内部欠陥検出方法を用いることにより、
表面の凸凹の周期が媒質中での超音波の波長に比べて十
分小さい場合、レンズ焦点と試料表面の距離を近づけて
いくとビームスポットが大きくなるにつれてスペックル
状のノイズが超音波画像に重なってしまっても、内部欠
陥検出を可能とすることを特徴とし、さらに超音波セン
サを試料面上を走査する際におこる媒質のゆらぎによる
超音波信号の変化が超音波画像に重なっても、内部欠陥
検出を可能とすることを特徴とした超音波顕微鏡であ
り、低周波の超音波センサを用いて安価に分解能の高い
超音波顕微鏡を実現することを可能にする作用を有す
る。
【0028】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図5を用いて説明する。
【0029】(実施の形態)集束超音波センサを試料面
に対して焦点から近づけていくと、受信信号の振幅が周
期的に変化する。これはV(z)曲線と呼ばれているこ
とがよく知られている。これは直接反射波4と漏洩弾性
表面波5が干渉することによって起きる現象であり、図
1において漏洩弾性表面波5は圧電板1がレンズ2によ
って試料3に対してθlsawで送信された超音波が試料3
表面において表面波6を励起し、この表面波6がフッ素
系不活性液体7に対して漏洩弾性表面波5を送信し、直
接反射波4と干渉する。ここでθlsawは、次の(数1)
で表される。
【0030】
【数1】
【0031】V(z)曲線が試料3の弾性的性質を反映
した試料固有の波形を示すことが知られている。このV
(z)曲線を利用してレンズ焦点と試料表面の距離8を
決める手順を次に示す。
【0032】図2において、直接反射波4と漏洩弾性表
面波5は、その径路差により時間差Δtlsawが生じる。
時間差Δtlsawは、次の(数2)のように幾何学的に求
めることができる。
【0033】
【数2】
【0034】直接反射波4と漏洩弾性表面波5は、次の
(数3)のように簡易的に仮定することができる。
【0035】
【数3】
【0036】(数3)を用いて、干渉波W’は次の(数
4)のように表される。
【0037】
【数4】
【0038】図3において干渉波W’の振幅をレンズ焦
点と試料表面の距離zを横軸にしてプロットすることに
より簡易的なV(z)曲線をシミュレーションすること
ができる。超音波周波数fをバースト波で送信する場合
には送信波の周波数、パルス波で送信する場合には超音
波センサの受信信号の中心周波数を用いてV(z)曲線
9を求める。
【0039】次に、中心周波数よりも高く、超音波受信
信号の感度が信号処理のできる周波数においてV(z)
曲線10を求める。ここで中心周波数以外の周波数でV
(z)曲線を求める場合、狭帯域な超音波センサであれ
ば、周波数での感度差があるので、中心周波数を用いた
V(z)曲線9とそれ以外の周波数で求めたV(z)曲
線10はそのまま比較できない。それ以外の周波数で求
めたV(z)曲線10の振幅を超音波センサの感度に応
じて中心周波数を用いたV(z)曲線9よりも低く見積
もる必要がある。
【0040】次に、この2つのV(z)曲線の差分11
を求める。使用するセンサの焦点距離を考慮してV
(z)曲線の差分11の大きいzをレンズ焦点と試料表
面の距離8と決定する。以上の行程を (1)内部欠陥を検出したい試料の音速 (2)計測したい表面下範囲 の2つを考慮して (1)θlsawを含む開口角をもつ音響レンズを備える (2)試料の弾性表面波の波長が計測したい表面下範囲
を満たす (3)(2)から求まる周波数範囲からフッ素系不活性
液体7の減衰を考慮した焦点距離 (4)V(z)曲線の干渉が観測できるだけの焦点距離
(音響レンズの瞳関数、直接反射波の折り返しを考慮) をすべて満たす超音波センサ16について行う。
【0041】ここでは、あくまでも簡易的なV(z)曲
線をシミュレーションしているだけなので、実際に超音
波センサ16を用いてV(z)曲線を実験的に求めるほ
うが確実である。
【0042】次に、この超音波センサ16を図4に示す
装置により、上で求めたレンズ焦点と試料表面の距離8
で試料3を走査しながら超音波を送受信する。
【0043】ここで、図4に示す装置について説明す
る。水槽27にフッ素系不活性液体7を満たし、その中
に試料3が配置されている。超音波センサ16はアーム
26に固定されており、アーム26は超音波センサ16
の角度を調節する機能を有し、超音波センサ16から送
信される送信波が試料3に垂直に入射されるよう調節し
てある。
【0044】水槽27はXYステージ28に固定されて
おり、アーム26はZステージ32に固定されている。
試料の走査を行うXYステージ28および先ほどのシミ
ュレーションで決定した距離8に超音波センサ16を移
動させるZステージ32はパソコン21により制御され
る。
【0045】パソコン21からGPIB22を通してZ
ステージ26の位置をコントローラ23に指示する。コ
ントローラ23によってZステージドライバ24に指示
が伝わり、Zステージ26を駆動してこの試料3と先ほ
どのシミュレーションで決定した距離8に超音波センサ
16が移動する。
【0046】同様にパソコン21によりGPIB22を
通してXYステージ28の軌道をコントローラ23に指
示する。コントローラ23によってXYステージドライ
バ24に指示が伝わり、XYステージ28を駆動して試
料3を走査する。
【0047】次に超音波の送受信について説明する。超
音波センサ16の共振周波数に発振器12の周波数を調
整し、連続波を発振させる。この連続波はダイオードス
イッチ13によりバースト波を生成する。バースト波の
波数はタイミング発生回路14により調節される。
【0048】生成されたバースト波はパワーアンプ15
により増幅され、超音波センサ16に送信される。送信
された信号は超音波センサ16より超音波を発生し、フ
ッ素系不活性液体7を介して試料3に入射される。入射
された信号の一部は試料3表面で反射され直接反射波と
して超音波センサ16にもどり、θlsawで入射された信
号は試料表面で弾性表面波を励起し、漏洩弾性表面波を
発しながら試料表面を伝搬する。
【0049】そして一部が超音波センサ16にもどって
くる。この前記直接反射波と前記漏洩弾性表面波が干渉
したかたちで超音波センサ16に受信される。受信信号
はクランプ用ダイオード17を介して受信アンプ18で
増幅される。増幅された受信信号はローパスフィルタ1
9をとおってA/Dボード20に入力され、デジタル信
号としてパソコン21のメモリに蓄積される。これをX
Yステージ28の走査と同期して逐次行い、計測範囲す
べての受信信号がパソコン21のメモリに蓄積される。
【0050】蓄積されたデータの信号処理について図5
において説明する。受信信号12は直接反射波と漏洩弾
性表面波が干渉しており、さらに超音波の散乱波や試料
のエッジで反射した弾性表面波が漏洩弾性表面波として
干渉している。ここで直接反射波と漏洩弾性表面波と超
音波散乱波のみが干渉している時間範囲に窓関数13を
かける。
【0051】次にフーリエ変換を行い、パワースペクト
ラムを求めて中心周波数f1で正規化する。前記レンズ
焦点と試料表面の距離8を決める時に用いた周波数のパ
ワースペクトラムf2を走査範囲全部で求めて相対値を
輝度差として2次元画像化する。
【0052】これによって、超音波の散乱による周波数
依存分はキャンセルされ、V(z)曲線における振幅差
を画像化することができ、内部欠陥をコントラスト差と
して表すことができるため、内部欠陥を容易に検出する
ことができる。
【0053】以上のように、超音波顕微鏡により表面下
の欠陥を検出する測定法において、使用するセンサの帯
域内のスペックルノイズの相関の大きい範囲内の周波数
ごとにおけるV(z)曲線の振幅の差が大きいレンズ焦
点と試料表面の距離で走査し、受信信号をフーリエ変換
してパワースペクトラムを求め、前記帯域内の周波数の
いずれかで正規化し、前記帯域内の周波数のパワースペ
クトラムの形状で比較することにより表面内部の欠陥を
抽出することを特徴とした内部欠陥検出方法を用いるこ
とにより、表面における超音波の散乱をキャンセルし、
内部欠陥のコントラスト差を抽出しやすくすることで、
内部欠陥の検出を容易にすることができ、特に表面の凸
凹の周期が媒質中での超音波の波長に比べて十分小さい
場合には、有効である。
【0054】なお、パワースペクトラムを求めた後、そ
の差分値を比較することで内部欠陥を抽出してもよく、
あるいはその微分値を求めて対数化して比較することで
内部欠陥を抽出してもよい。
【0055】または、パワースペクトラムを求めた後、
センサ帯域内の2つの周波数のいずれか一方で正規化
し、この正規化に用いなかった他方のパワースペクトラ
ムで比較することで内部欠陥を抽出してもよい。
【0056】または、パワースペクトラムを求めた後、
センサの受信信号の中心周波数で正規化し、この正規化
に用いなかった中心周波数以外の周波数でのパワースペ
クトラムで比較することで内部欠陥を抽出してもよい。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、超音波顕
微鏡により表面下の欠陥を検出する測定法において、表
面における超音波の散乱をキャンセルし、内部欠陥のコ
ントラスト差を抽出しやすくすることで、内部欠陥の検
出が容易になるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるV(z)曲線の生
成機構を示す概略図
【図2】本発明の一実施の形態による直接反射波と漏洩
弾性表面波の時間差を示す概略図
【図3】本発明の一実施の形態によるレンズ焦点と試料
表面の距離を決定するために用いる概略図
【図4】本発明の一実施の形態による超音波顕微鏡の構
成を示す概略図
【図5】本発明の一実施の形態による内部欠陥検出のた
めの信号処理を示す概略図
【符号の説明】
1 圧電板 2 音響レンズ 3 試料 4 直接反射波 5 漏洩弾性表面波 6 弾性表面波 7 フッ素系不活性液体 8 レンズ焦点と試料表面の距離 9 中心周波数によるV(z)曲線 10 超音波受信信号の感度が信号処理のできる周波数
によるV(z)曲線 11 V(z)曲線9とV(z)曲線10の差分 12 受信信号 13 窓関数 14 パワースペクトラム 15 パワーアンプ 16 超音波センサ 17 クランプ用ダイオード 18 受信アンプ 19 ローパスフィルタ 20 A/Dボード 21 パソコン 22 GPIB 23 コントローラ 24 XYステージドライバ 25 Zステージドライバ 26 アーム 27 水槽 28 XYステージ 29 発振器 30 ダイオードスイッチ 31 超音波2次元画像 32 Zステージ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用するセンサの帯域内の周波数ごとに
    おけるV(z)曲線の振幅の差が大きいレンズ焦点と試
    料表面の距離で走査し、受信信号をフーリエ変換してパ
    ワースペクトラムを求め、次にパワースペクトラムの差
    分値を比較することにより表面内部の欠陥を抽出する内
    部欠陥検出方法。
  2. 【請求項2】 前記パワースペクトラムの差分値を求め
    る際に、周波数ごとのスペックルノイズの相関を考慮
    し、相関の大きい範囲でパワースペクトラムの差分値を
    比較することを特徴とした請求項1記載の内部欠陥検出
    方法。
  3. 【請求項3】 使用するセンサの帯域内の周波数ごとに
    おけるV(z)曲線の振幅の差が大きいレンズ焦点と試
    料表面の距離で走査し、受信信号をフーリエ変換してパ
    ワースペクトラムを求め、次にパワースペクトラムの微
    分値を求めた後に対数化し比較することにより表面内部
    の欠陥を抽出する内部欠陥検出方法。
  4. 【請求項4】 前記パワースペクトラムの微分値を求め
    る際に、周波数ごとのスペックルノイズの相関を考慮
    し、相関の大きい範囲でパワースペクトラムの微分値を
    対数化し比較することを特徴とした請求項3記載の内部
    欠陥検出方法。
  5. 【請求項5】 使用するセンサの帯域内の周波数ごとに
    おけるV(z)曲線の振幅の差が大きいレンズ焦点と試
    料表面の距離で走査し、受信信号をフーリエ変換してパ
    ワースペクトラムを求め、パワースペクトラムを求めた
    後、前記帯域内の周波数のいずれかで正規化し、前記帯
    域内の周波数のパワースペクトラムの形状を比較するこ
    とにより表面内部の欠陥を抽出する内部欠陥検出方法。
  6. 【請求項6】 前記パワースペクトラムの形状を比較す
    る際に、周波数ごとのスペックルノイズの相関を考慮し
    て周波数ごとに相関の大きさによる重みつけをして比較
    することを特徴とした請求項5記載の内部欠陥検出方
    法。
  7. 【請求項7】 使用するセンサの帯域内の2つの周波数
    におけるV(z)曲線の振幅の差が大きいレンズ焦点と
    試料表面の距離で走査し、受信信号をフーリエ変換して
    パワースペクトラムを求め、前記2つの周波数のいずれ
    かで正規化し、前記2つの周波数のうち正規化に用いな
    かったパワースペクトラムで比較することにより表面内
    部の欠陥を抽出する内部欠陥検出方法。
  8. 【請求項8】 前記2つの周波数を決める際に、周波数
    ごとのスペックルノイズの相関を考慮し、相関の大きい
    範囲で周波数を決定することを特徴とした請求項7記載
    の内部欠陥検出方法。
  9. 【請求項9】 使用する狭帯域センサの受信信号の中心
    周波数と中心周波数でない周波数におけるV(z)曲線
    の振幅の差が大きいレンズ焦点と試料表面の距離で走査
    し、受信信号をフーリエ変換してパワースペクトラムを
    求め、前記パワースペクトラムを受信信号の中心周波数
    で正規化し、前記中心周波数でない周波数におけるパワ
    ースペクトラムを比較する内部欠陥検出方法。
  10. 【請求項10】 前記中心周波数でない周波数を決める
    際に、周波数ごとのスペックルノイズの相関を考慮し、
    相関の大きい範囲で前記中心周波数でない周波数を決定
    することを特徴とした請求項9記載の内部欠陥検出方
    法。
  11. 【請求項11】 前記中心周波数でない周波数を決める
    際に、中心周波数から高周波側にずれた周波数を用いる
    ことを特徴とする請求項9または10記載の内部欠陥検
    出方法。
  12. 【請求項12】 請求項1から11のいずれか記載の内
    部欠陥検出方法を用いて内部欠陥を検出する超音波顕微
    鏡。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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