JP7505390B2 - 内燃機関の制御方法および制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、成層燃焼と均質燃焼との切換が可能な内燃機関に関し、特に、触媒暖機のための点火時期リタードを伴う成層燃焼から触媒暖機完了後の通常点火時期での均質燃焼への移行の際の制御に関する。
例えば内燃機関の冷間始動後の触媒の早期活性化のために、内燃機関の点火時期を大幅にリタードすることが知られている。この点火時期リタードは、燃焼の不安定化を招来するが、一般に、均質燃焼に比較して成層燃焼の方がリタード時の燃焼安定性が高く得られることから、触媒暖機運転としては点火時期リタードを伴う成層燃焼(いわゆる成層リタード燃焼)とし、触媒暖機が完了したら(あるいは運転者が発進加速をした場合)、点火時期を通常点火時期(例えばMBT点付近)とした均質燃焼に切り換えることがしばしば行われている。
特許文献1は、ピストン冠面に燃料噴霧を衝突させて点火プラグ付近に反射してくる燃料により着火可能な混合気を形成する成層燃焼の方式(いわゆるウォールガイド成層燃焼)の内燃機関において、点火時期をリタードした成層燃焼から均質燃焼に切り換える際に、ピストン冠面に残留する燃料量に応じて均質燃焼切換後に一時的に点火時期をリタードする技術を開示している。このように一時的に均質リタード燃焼とすることで、ピストン冠面に付着していた燃料に起因する切換時の排気微粒子(いわゆるPMもしくはPNとして評価される)の増加が抑制される。
特許文献2は、特許文献1とは異なる成層化技術として、吸気行程から圧縮行程前半において要求燃料噴射量の多くの部分を噴射した後、点火時期直前に比較的少ない割合の燃料を噴射し、筒内ガス流動を利用して噴霧が壁面に到達する以前に点火プラグ付近に適当な当量比の混合気を形成することで、成層燃焼を実現する技術(いわゆるスプレーガイド成層燃焼)が開示されている。
国際公開第2016/166860号公報 国際公開第2019/197861号公報
特許文献1のように成層リタード燃焼から均質燃焼に切り換える際に一時的に均質リタード燃焼とする従来の制御にあっては、点火時期をリタードしたまま均質燃焼となることから燃焼が不安定化する懸念がある。
また、特許文献1で用いている成層化の方式(ウォールガイド成層燃焼)では、設定できる点火時期の範囲が狭い。このため、ウォールガイド成層燃焼方式では、切り替え時のリタード補正時(触媒暖機運転時の点火時期よりは進角側の位置)に、成層燃焼では対応できず、均質燃焼とする必要があるが、燃焼が不安定となる。
この発明は、筒内に予め混合気を形成した後に点火時期直前に一部燃料を筒内に噴射して壁面に到達する前の燃料噴霧によって点火プラグ付近に着火可能な混合気を形成する成層燃焼と、均質燃焼と、に切換可能な内燃機関の制御方法ないし制御装置において、
点火時期をリタードした触媒暖機運転を成層燃焼により実行し、
この触媒暖機運転の終了が要求されたら、成層燃焼のまま点火時期を徐々に進角し、
予め求めた均質燃焼の下での点火時期と燃焼安定度との相関から、現在の点火時期で仮に均質燃焼である場合に燃焼安定度が目標レベルを満たすか否かを繰り返し判定し、
燃焼安定度が上記目標レベルを満たすと判定されるまでは成層燃焼を継続し、
燃焼安定度が上記目標レベルを満たすと判定したら均質燃焼に切り換える。
この発明では、成層リタード燃焼による触媒暖機運転が終了して通常点火時期での均質燃焼へ切り換える際に、一時的に成層燃焼のまま点火時期を徐々に進角するので、ピストン冠面に多量の燃料が残留している状態で点火時期が進角することによる排気微粒子の増加が抑制される。そして、所定の燃焼安定度が得られる点火時期まで進角した段階で均質燃焼に切り換えられるため、切換に伴う失火や騒音・振動の悪化が抑制される。
この発明の一実施例における内燃機関の燃焼室等の説明図。 一実施例の動作を説明するタイムチャート。 一実施例の成層リタード燃焼から均質燃焼への移行の制御の流れを示すフローチャート。 燃焼重心と筒内圧ばらつきとの関係を示す特性図。 ピストン冠面の推定液膜量と進角限界燃焼重心との関係を示す特性図。 第2実施例における触媒温度変化と第2閾値との関係を示した特性図。
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。初めに、この発明が適用される火花点火式内燃機関1の概略の構成を図1に基づいて説明する。内燃機関1は、例えばガソリンを燃料とする火花点火式機関である。各々の気筒は、例えば一対の吸気弁2と一対の排気弁3とを有し、これら計4つの弁2,3によって囲まれた燃焼室4の天井壁面4aの中央部に、燃料噴射弁5と点火プラグ6とが配置されている。燃焼室4は、天井壁面4aとピストン7とによって画成される。
燃料噴射弁5は、例えばソレノイドや圧電素子を駆動源とし、噴射パルス信号が印加されると弁体がリフトすることで、基本的に噴射パルス信号のパルス幅に比例した量の燃料が噴射される構成となっている。つまり、噴射される燃料量は、噴射パルス信号のパルス幅によって計量される。天井壁面4aにおける燃料噴射弁5と点火プラグ6の位置関係として、燃料噴射弁5は相対的に吸気弁2寄りに位置し、点火プラグ6は相対的に排気弁3寄りに位置する。
吸気ポート8と吸気弁2とを含む吸気系および燃焼室4の形状等は、筒内にタンブル流を生成するように構成されている。タンブル流は、矢印Tで示すように、吸気弁2から出た吸気が天井壁面4aに沿って排気弁3側へ向かい、かつ排気弁3側のシリンダ壁面に沿って下降する流れ、つまりいわゆる正タンブルとして形成される。燃料噴射弁5は、このタンブル流Tに関して、点火プラグ6の上流側に位置している。従って、後述するように弱成層化のために点火時期の直前に噴射された比較的少量の燃料は、タンブル流によって点火プラグ6へ向けて輸送され、シリンダ壁面に衝突する前に点火プラグ6付近に適当な当量比の混合気を形成する。
燃料噴射弁5の燃料噴射時期ならびに噴射量および点火プラグ6の点火時期は、エンジンコントローラ11によって制御される。エンジンコントローラ11は、このほか、吸気通路における図示せぬスロットル弁の開度制御など内燃機関1の種々の制御を行っている。エンジンコントローラ11には、入力信号として、吸入空気量を計量するエアフロメータ12、機関回転速度を検出するクランク角センサ13、排気通路に設けられた空燃比センサ14、冷却水温を検出する水温センサ15、運転者によるアクセルペダルの踏込に応じたアクセル開度を検出するアクセル開度センサ16、等の種々のセンサ類の検出信号が入力されている。
ここで、内燃機関1は、均質燃焼と成層燃焼とに切換可能な構成となっている。均質燃焼は、例えば吸気行程中に筒内に燃料を噴射することで理論空燃比付近の均質な混合気を形成し、この混合気に点火することで実現される。一方、成層燃焼は、例えば、筒内に比較的均質な混合気を形成するために吸気行程から圧縮行程前半に噴射される1回目の噴射(これを主噴射と呼ぶこととする)と、点火プラグ6付近に局所的に適当な当量比の混合気を形成するために点火時期直前に噴射される2回目の噴射(これを成層化用噴射と呼ぶこととする)と、によって弱成層化した混合気を形成するものである。一例では、必要な燃料総量の90%程度を主噴射として噴射し、10%程度を成層化用噴射として噴射する。これにより弱成層化した混合気が形成される。特に、成層化用噴射はシリンダ壁面やピストン冠面に衝突する前に点火プラグ6付近に適当な当量比の混合気を形成し、この適当な当量比の混合気に点火プラグ6によって着火がなされる。つまり、いわゆるスプレーガイド成層燃焼の形式である。
なお、主噴射を複数回に分割してもよい。また、この成層燃焼は、空燃比をリーンとした希薄燃焼にも適しているが、本発明が意図する触媒暖機運転は基本的に理論空燃比(λ=1)での燃焼となる。
また、均質燃焼および成層燃焼のいずれでも、点火時期をMBT点付近の通常点火時期とした燃焼形態のほか、点火時期を大幅に(例えば上死点後まで)遅角したリタード燃焼の形態が可能である。リタード燃焼においては、リタード量が大きいほど燃焼が不安定化し、失火の可能性が高くなるとともに、サイクル毎の筒内圧の変動が大きくなって騒音・振動が悪化する、という傾向がある。そして、均質燃焼と成層燃焼とを比較すると、特にリタード燃焼にあっては、成層燃焼の方が相対的に燃焼安定度が高く得られる。
図2は、一実施例の冷間始動後の種々の動作ないしパラメータの変化を示したタイムチャートである。
図2の(a)は、時間t0で内燃機関1が始動(冷間始動)した後のピストン7の温度変化を示す。(b)は、ピストン7の冠面に残留する燃料量(いわゆる液膜量)の変化を示している。残留燃料量は、例えば各サイクルの吸気上死点における量で代表される。この残留燃料量は、始動直後はピストン7の温度が低いことから徐々に増えていき、その後、ピストン7の温度が上昇するに伴い徐々に減少していく傾向となる。
(c)は、燃焼方式つまり成層燃焼であるか均質燃焼であるかを示している。このタイムチャートの例では、時間t5までは成層燃焼であり、時間t5以降は均質燃焼である。なお、時間t1以前は、クランキングから自立運転に移行しかつ水温に応じた燃料増量等がなされる期間であり、本発明の対象外であるので、図2の(c)~(h)では、時間t1以前を図示省略している。
(d)は、点火時期を示している。図の上方が進角側であり、0の線は上死点である。(e)は、燃焼安定度を示しており、図の上方が悪化方向を示す。図中の閾値は、許容される燃焼安定度の限界を示す。(f)は、燃焼重心(いわゆるMB50)の変化を示す。図の上方が遅角側である。燃焼重心は、基本的に点火時期に相関する。
(g)は、点火時期変化(リタード量の変化)によるトルク変化を抑制するように制御される空気量の変化(例えば%で示す)を示す。(h)は、触媒(例えば排気マニホルド出口に配置される上流側触媒)の温度変化を示す。図中の第1閾値Tem1は、触媒活性温度に相当する。
図2の(c),(d)から明らかなように、冷間始動後の触媒暖機運転は、点火時期を大幅にリタードした成層燃焼(これは超リタード成層燃焼とも呼ばれる)の形で行われる。このように大幅に点火時期を遅角することで燃焼重心が遅角し、排気温度が上昇する。そのため、(h)に示す触媒温度が速やかに上昇する。なお、外部へ出力されるトルクは非常に小さくなるので、内燃機関1には多量の空気および燃料が供給される。また、燃焼安定度は比較的低いが、許容される範囲内に燃焼安定度は維持される。
時間t2において触媒温度が第1閾値(触媒活性温度)Tem1に到達し、これに伴って、触媒暖機運転の終了が要求される。従って、本来の触媒暖機運転である超リタード成層燃焼は時間t2において終了する。その後、時間t5において均質燃焼に切り換えられるまでの間(つまり、時間t2~t5の間)は、排気微粒子の増加ならびに燃焼不安定化を抑制しつつ均質燃焼に移行するための移行用の成層燃焼期間となる。
具体的には、時間t2以降は、点火時期をそれまでの超リタード成層燃焼時の点火時期から徐々に進角させながら成層燃焼を継続する。ここで、点火時期は連続的に変化させるようにしてもよいが、図示例では、ある時間の間は一定の点火時期を保つようにして、ステップ状に点火時期を変化させている。すなわち、時間t2において点火時期がある量だけ進角し、時間t3までの間、その点火時期による成層リタード燃焼が行われる。このときの点火時期は、(b)に示す残留燃料量(つまりA点における残留燃料量)に基づいて設定される。同様に、時間t3において点火時期がある量だけ進角し、時間t4までの間、その点火時期による成層リタード燃焼が行われる。このときの点火時期は、(b)の特性図のB点における残留燃料量に基づいて設定される。また、時間t4において点火時期がある量だけ進角し、時間t5までの間、その点火時期による成層リタード燃焼が行われる。このときの点火時期は、(b)の特性図のC点における残留燃料量に基づいて設定される。さらに、時間t5において点火時期がある量だけ進角する。このときの点火時期は、(b)の特性図のD点における残留燃料量に基づいて設定される。
このように点火時期リタードを継続することで、ピストン7の冠面に残留した燃料に起因した排気微粒子の増加が抑制される。つまり、仮に残留燃料量が多い状態で点火時期をMBT点付近まで進角したとすると、ピストン7が上死点付近にある状態で火炎が残留燃料に到達するので、排気微粒子が一時的に大きく増加する。上記実施例では、このような排気微粒子の増加が抑制される。
一方、燃焼安定度は、(e)に示すように、点火時期が進角するに伴い、徐々に良好なものとなる。
なお、点火時期の進角つまりリタード量の減少に伴ってトルクが増加する傾向となるが、(g)に示すように空気量(同時に燃料量も)が少なくなり、基本的に等トルクに維持される。なお、シリーズハイブリッド車用内燃機関のようにトルク変化が問題とならない場合には、空気量の補正は必ずしも必要ではない。
時間t2から点火時期を段階的に進角させた結果、図示例では、時間t5において、リタード燃焼のための点火時期が、均質燃焼であっても閾値以上の燃焼安定度が得られる点火時期に到達する。従って、この時間t5において、それまでの成層燃焼から均質燃焼に切り換えられる。なお、図示例では、均質燃焼に切り換えたときに、点火時期がなおも上死点後であり、リタード均質燃焼となる。時間t5以降は、均質燃焼のまま徐々に点火時期が進角し、時間t6においてMBT点付近の通常点火時期となる。
燃焼安定度は、(e)に示すように、時間t5において成層燃焼から均質燃焼に切り換わることで比較的大きく悪化するが、この燃焼安定度が閾値よりも悪化しないように点火時期のリタード量が既に小さくなっているので、閾値よりも悪化することはない。時間t5以降は、点火時期が徐々に進角することで、燃焼安定度が向上していく。
このように上記実施例では、排気微粒子の増加ならびに燃焼安定度の低下を抑制しつつ触媒暖機に効果的な超リタード成層燃焼から燃費に優れた通常点火時期の均質燃焼へと円滑に移行させることができる。
ここで、図1に基づいて説明した成層燃焼の形式(いわゆるスプレーガイド成層燃焼)では、特許文献1に記載された成層燃焼の形式(いわゆるウォールガイド成層燃焼)に比較して、点火時期の自由度が高い。従って、触媒暖機のための超リタード成層燃焼ならびにその後の移行のための成層リタード燃焼の双方において、適切な点火時期に設定することが可能となる。
なお、触媒温度は、(h)に示すように、超リタード成層燃焼により第1閾値(触媒活性温度)Tem1に到達した後も、移行のための成層リタード燃焼が継続されるので、緩やかな温度上昇が継続し、その後、ほぼ一定の温度を保つようになる。
次に、図3は、上述した超リタード成層燃焼から均質燃焼への移行の際のエンジンコントローラ11により実行される制御を示したフローチャートである。このフローチャートに示すルーチンは、超リタード成層燃焼により触媒暖機が完了した時点(図2の時間t2)において開始し、一定時間毎もしくは燃焼サイクルに同期した形で繰り返し実行される。フローチャート中の「Comb_flag」は均質/成層の燃焼形態を示しており、同フラグが1であれば均質燃焼が実行され、2であれば成層燃焼が実行される。従って、フローチャートの開始時点では、「Comb_flag」が2であり、成層燃焼である。ステップ1では、ピストン7冠面に堆積しているであろう残留燃料量つまり液膜推定量Mfilmを算出する。液膜推定量Mfilmは、冷却水温や始動からの経過時間、それまでの燃料噴射量などから公知の手法により求めることができる。ステップ2では、液膜推定量Mfilmに対応する進角限界燃焼重心MB50limitを、図5に示す特性を有するマップを用いて算出する。図5に明らかなように、液膜推定量Mfilmが大であるほど進角限界燃焼重心MB50limitは遅角側となる。これは、液膜推定量Mfilmが大であるときに燃焼重心が進み側にあると、ピストン7冠面の残留燃料がいわゆるプールファイアを生じ、排気微粒子が増加する、という観点から実験的に定められる。
ステップ3では、フラグComb_flagが2であるかどうかを判定する。時間t2時点では2であるので、ステップ4へ進む。ステップ4では、ステップ2で求めた進角限界燃焼重心MB50limitで仮に均質燃焼である場合の筒内圧ばらつきσPi(MB50lim)@Homoが目標レベルσPiTargetよりも大きいか否かを判定する。サイクル毎の筒内圧ばらつきσPiは、燃焼安定度を表す。ステップ4の判定は、図4のような特性を有するマップを用いて行われる。すなわち、特性L1は、実験的に求めた均質燃焼の下での燃焼重心MB50と筒内圧ばらつきσPiとの関係を示しており、特性L2は同様に成層燃焼の下での燃焼重心MB50と筒内圧ばらつきσPiとの関係を示している。またTargetの線が目標レベルを示す。図示するように、L1,L2のいずれも燃焼重心MB50が遅れ側(図では大)であるほど燃焼安定度が低下する傾向を示すが、燃焼重心MB50が通常(例えば点火時期をMBT付近とした場合)よりも遅れ側にある場合、均質燃焼の燃焼安定度は成層燃焼の燃焼安定度よりも相対的に低い。
ステップ4でYESであれば、成層燃焼を継続するものとし、ステップ5へ進んで、そのときの進角限界燃焼重心MB50limitに対応する点火時期の値を、点火時期として設定する。これにより、図2の時間t2~t5の期間に示したように、点火時期をリタードした成層燃焼が継続される。そして、時間経過(燃焼サイクルの増加)に伴い液膜推定量Mfilmが少なくなっていくので、進角限界燃焼重心MB50limitひいては点火時期が徐々に進角していく。
なお、図2に示したように、移行期間中の成層リタード燃焼の点火時期は、ステップ的に変化させるようにしてもよく、あるいは、サイクル毎に連続的に変化させてもよい。
図2の時間t5に対応するタイミングに達すると、ステップ4の判定がNOとなる。つまり、均質燃焼とした場合の筒内圧ばらつきσPi(MB50lim)@Homoが目標レベルσPiTarget以下となる。このステップ4の判定に基づき、ステップ4からステップ6へ進み、ステップ6において、フラグComb_flagを1とする。これにより、成層燃焼から均質燃焼に切り換えられる。そして、ステップ7へ進んで、そのときの進角限界燃焼重心MB50limitに対応する点火時期の値を、点火時期として設定する。これにより、図2の時間t5直後のように、点火時期をリタードした均質燃焼が実行される。次のステップ8では、切換制御中であるか否かを示すフラグTrans_flagが0であるか否か判定する。同フラグは、切換制御中は1であり、燃焼重心MB50が十分に進角(例えば30deg.ATDC等)したときに0にリセットされる。従って、液膜推定量Mfilm(ステップ1)が十分に減少してこれに対応する進角限界燃焼重心MB50limitが十分に進角するまでは、図2の時間t5~t6の間に示すように点火時期を徐々に進角させながら均質リタード燃焼が継続される。図2の時間t6においてフラグTrans_flagが0となり、図3のルーチンが全て終了して通常の均質燃焼に移行する。
なお、燃焼重心MB50に代えて、目標とする点火時期を液膜推定量Mfilmから直接に求めるようにしてもよい。また、燃焼安定度を示す指標としては、筒内圧ばらつきσPiに限らず、公知のいかなる指標であってもよい。
次に、図6を参照して、第2実施例を説明する。図6は、第2実施例における触媒温度変化と第2閾値との関係を示した特性図である。第2実施例では、前述した超リタード成層燃焼の終了が、触媒活性温度(第1閾値Tem1)ではなく、触媒活性温度よりも低い第2閾値Tem2に触媒温度が到達したことを条件としている。つまり、より早期に超リタード成層燃焼が終了し、移行のための点火時期を徐々に進角させる成層リタード燃焼が開始する。ここで、第2閾値Tem2は、均質燃焼に切り換えるまでの期間に触媒温度が触媒活性温度Tem1に到達するように設定される。つまり、前述したように超リタード成層燃焼を終了した後の成層リタード燃焼によっても触媒温度の上昇が継続するので、第2実施例では、これを考慮して早期に超リタード成層燃焼を終了するのである。
閾値温度の設定以外の制御ないし動作は前述した第1実施例と変わりはない。
なお、第1実施例および第2実施例のいずれも、触媒暖機完了に基づいて超リタード成層燃焼から均質燃焼に移行する例を説明したが、内燃機関1の冷間始動後、触媒が十分に暖機される前に車両の発進(つまり内燃機関1の負荷の上昇)が行われた場合においても、同様に超リタード成層燃焼を終了し均質燃焼に移行する。
5…燃料噴射弁
6…点火プラグ
7…ピストン
11…エンジンコントローラ

Claims (6)

  1. 筒内に予め混合気を形成した後に点火時期直前に一部燃料を筒内に噴射して壁面に到達する前の燃料噴霧によって点火プラグ付近に着火可能な混合気を形成する成層燃焼と、均質燃焼と、に切換可能な内燃機関の制御方法であって、
    点火時期をリタードした触媒暖機運転を成層燃焼により実行し、
    この触媒暖機運転の終了が要求されたら、成層燃焼のまま点火時期を徐々に進角し、
    予め求めた均質燃焼の下での点火時期と燃焼安定度との相関から、現在の点火時期で仮に均質燃焼である場合に燃焼安定度が目標レベルを満たすか否かを繰り返し判定し、
    燃焼安定度が上記目標レベルを満たすと判定されるまでは成層燃焼を継続し、
    燃焼安定度が上記目標レベルを満たすと判定したら均質燃焼に切り換える、内燃機関の制御方法。
  2. 上記の燃焼安定度として、内燃機関の筒内圧ばらつきを用いる、請求項1に記載の内燃機関の制御方法。
  3. 触媒暖機完了時もしくは加速要求時に触媒暖機運転終了が要求される、請求項1または2に記載の内燃機関の制御方法。
  4. 触媒暖機運転の終了が要求された後の成層燃焼中の点火時期は、ピストン冠面の残留燃料量に応じて設定される、請求項1~3のいずれかに記載の内燃機関の制御方法。
  5. 触媒温度が触媒活性温度よりも低い第2閾値に達したときに触媒暖機運転の終了が要求され、ここで上記第2閾値は、均質燃焼に切り換えるまでの期間に触媒温度が触媒活性温度に到達するように設定される、請求項1に記載の内燃機関の制御方法。
  6. 筒内に予め混合気を形成した後に点火時期直前に一部燃料を筒内に噴射して壁面に到達する前の燃料噴霧によって点火プラグ付近に着火可能な当量比の混合気を形成する成層燃焼と、均質燃焼と、に切換可能な内燃機関の制御装置であって、
    点火時期をリタードした触媒暖機運転を成層燃焼により実行し、
    この触媒暖機運転の終了が要求されたら、成層燃焼のまま点火時期を徐々に進角し、
    予め求めた均質燃焼の下での点火時期と燃焼安定度との相関から、現在の点火時期で仮に均質燃焼である場合に燃焼安定度が目標レベルを満たすか否かを繰り返し判定し、
    燃焼安定度が上記目標レベルを満たすと判定されるまでは成層燃焼を継続し、
    燃焼安定度が上記目標レベルを満たすと判定したら均質燃焼に切り換える、内燃機関の制御装置。
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