JP7499378B2 - 建具の製造方法及び建具 - Google Patents
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Description
本実施の形態に係る建具の製造方法は、挿入溝が設けられている芯材と、該芯材を化粧する化粧部材とを備える建具を製造する方法において、前記化粧部材は、前記芯材を覆う板状をなし、少なくとも一面が化粧シートで覆われることによって化粧されている化粧本体と、該化粧本体の周縁部に、前記化粧本体に交差する方向に突設されており、少なくとも前記一面に連続している面が前記化粧シートに連続している化粧シートで覆われている挿入部とを有し、前記芯材と、夫々の前記挿入部が互いに固定されており、且つ夫々の前記挿入部を覆う前記化粧シートが互いに連続している少なくとも2つの前記化粧部材とを準備し、互いに固定されている2つの前記挿入部を、前記芯材の同一の挿入溝に挿入することを特徴とする。
本実施の形態に係る建具の製造方法は、板状の基体と、該基体の少なくとも一面を覆う前記化粧シートとを備える第1の化粧板を準備し、前記基体の他面に、互いに沿う方向に延びる少なくとも3本の溝を形成することによって、前記3本の溝の内の中央の第1溝が前記第1の化粧板を分割してなる複数の多角形状の第2の化粧板を準備し、前記第1溝を境に、前記化粧シートの側が谷になるようにして前記第1の化粧板を谷折りすることによって、隣り合う2枚の前記第2の化粧板を、各第2の化粧板を覆う前記化粧シート同士が接触するように重ね、隣り合う2枚の前記第2の化粧板夫々の前記3本の溝の内の前記第1溝とは異なる第2溝と前記第1の化粧板の折り目との間に位置する部分を互いに固定し、2枚の前記第2の化粧板夫々について、前記第2溝を境に、前記化粧シートの側が山になるように山折りすることによって、夫々の前記挿入部が互いに固定されており、且つ夫々の前記挿入部を覆う前記化粧シートが互いに連続している2つの前記化粧部材を形成することを特徴とする。
本実施の形態に係る建具は、挿入溝が設けられている芯材と、夫々が前記芯材を化粧する複数の化粧部材とを備える建具において、前記化粧部材は、前記芯材を覆う板状をなし、少なくとも一面が化粧シートで覆われることによって化粧されている化粧本体と、該化粧本体の周縁部に、前記化粧本体に交差する方向に突設されており、少なくとも前記一面に連続している面が前記化粧シートに連続している化粧シートで覆われている挿入部とを有し、前記挿入溝に2つの前記化粧部材夫々の挿入部が挿入されており、同一の前記挿入溝に挿入されている2つの前記挿入部は互いに固定されており、且つ、夫々を覆う前記化粧シートが互いに連続していることを特徴とする。
2つの化粧部材夫々の化粧本体は芯材を覆う。芯材の同一の挿入溝には、2つの化粧部材夫々の挿入部が挿入されている。以上の結果、化粧部材は芯材を化粧する。
同一の挿入溝に挿入されている2つの挿入部は、互いに固定されている。故に、これらが互いに離隔することが抑制されるので、建具の美観が損なわれることを抑制することができる。
図1は、実施の形態1に係る建具の正面図である。
図中1は建具であり、建具1は一方向に長い矩形状をなす。建具1は、長手方向を上下に向けて、開き戸、引き戸、又は吊り戸等を構成する。
図3は、建具1の分解斜視図である。
図2及び図3に示すように、建具1はフラッシュパネルであり、芯材2を備える。
芯材2は、枠体21、縦桟22、及び複数本の横桟23,23,…を備える。
枠体21は縦長の矩形状をなす。枠体21は、2本の縦枠211,211と2本の横枠212,212とが縦勝ちに組まれることによって構成されている。
縦枠211、横枠212、縦桟22、及び横桟23夫々は断面矩形状の棒材である。この棒材は、例えば木製の帯状の板材が夫々の厚み方向に複数枚積層された構成を有する。
横桟23,23,…夫々は、縦枠211,211の何れか一方と縦桟22との間に架け渡されている。横桟23,23,…は横枠212,212間に等配されている。
図2~図4に示すように、芯材2には2本の挿入溝24,24が設けられている。
各挿入溝24は縦桟22及び横枠212,212に設けられている。挿入溝24は矩形断面を有し、芯材2の全長に亘る。
挿入溝24,24は、芯材2における建具1の正面側及び背面側に配されている。横方向における挿入溝24,24夫々の配置位置は互いに等しい。
図1~図3、及び図5に示すように、芯材2の正面は2つの化粧部材3,3によって化粧されている。
各化粧部材3は、化粧本体31及び挿入部32を有する。
化粧本体31は一方向に長い矩形板状をなす。
向かって左側の化粧部材3及び向かって右側の化粧部材3においては、化粧本体31の横幅の長さが互いに異なる。
の正面の中央部分及び右部分(芯材2の挿入溝24から芯材2の右端まで)を覆っている。
化粧部材3,3の挿入部32,32は互いに固定されており、芯材2の正面側の挿入溝24に挿入されている。
化粧部材3,3は、挿入部32,32を介して化粧本体31,31が互いに隣り合うように配されている。挿入部32,32は、糸33を用いて、全長に亘って互いに縫合されている。図6においては、糸33は一点鎖線で模式的に示されている。図5においては、糸33は破線で模式的に示されている。
図1~図3及び図5に示すように、化粧本体31,31が芯材2の正面を覆い、挿入部32,32が挿入溝24に挿入されることによって、芯材2を化粧部材3が正面側から目隠しする。
芯材2の正面と同様に、芯材2の背面は化粧部材3,3によって化粧されている。
以上のように、建具1の両面及び両側面が化粧されている。
なお、隣接する化粧部材3,3の視覚的な形態は互いに同じでもよい。
以上の結果、挿入部32,32の間の隙間から芯材2が見えて建具1の美観が損なわれることを抑制することができる。また、挿入部32,32の間の隙間を通して芯材2が過剰に吸放湿し、芯材2に歪みが生じることを抑制することができる。更に、正面側の挿入部32,32が形成する目地の形状と背面側の挿入部32,32が形成する目地の形状とが互いに異なることによる美観の悪化を抑制することができる。
図7は、化粧部材3の素材である化粧板300の斜視図である。
製造者は、図7のAに示す化粧板300を4枚準備する。各化粧板300は矩形状をなし、少なくとも一面が化粧されている。本実施の形態においては、化粧板300は基体301及び化粧シート302を備える。基体301は矩形板状をなす。化粧シート302は矩形状をなし、基体301の一面に接着されている。
製造者は、溝303,303が設けられた2枚の化粧板300,300を重ね合わせる。このとき、製造者は、化粧板300,300の長辺30a,30a同士が沿い、化粧板300,300の化粧面同士(化粧シート302,302同士)が接触するようにして、化粧板300,300を重ねる。図8(及び後述する図9)においては、化粧シート302は破線で模式的に示されている。
次に、製造者は、化粧板300,300の溝303,303と長辺30a,30aとの間に位置する部分を互いに固定する。具体的には、製造者は、糸33がセットされた図示しない工業用ミシンを用い、化粧板300,300の当該部分を全長に亘って縫合する。
更に、製造者は、各化粧板300について、溝303を境に、化粧板300の化粧面側が山になるように山折りすることによって、挿入部32,32が互いに固定されている化粧部材3,3を形成する(図6参照)。
各化粧板300において、溝303から化粧板300の長辺30aまでが挿入部32となり、溝303から化粧板300の他方の長辺までが化粧本体31となる。溝303の底部は、化粧部材3の化粧本体31と挿入部32との境界部分となる。
以上のようにして、製造者は、挿入部32,32が互いに固定されている化粧部材3,3を2組製造する。
また、製造者は、1組の化粧部材3,3を、挿入部32,32が上向きに突出するようにして、図示しない作業台に載置する。
更に、製造者は、もう1組の化粧部材3,3を上側から芯材2に接近させ、挿入部32,32を挿入溝24に挿入すると共に化粧本体31,31で芯材2の上面を覆う(図5参照)。
更に、製造者は、化粧部材3,3が接着された芯材2の両側面に、接着剤を塗布して帯状化粧部材11,11を接着する。
以上のようにして、建具1が製造される(図1及び図2参照)。
また、芯材2の上下に2組の化粧本体31,31,…を配し、2組の化粧本体31,31,…に挟まれた芯材2に加圧処理を1回だけ施すことによって建具1を得ることができる。
以上の結果、建具1を簡易に製造することができる。
挿入溝24は上下に延びる構成に限定されず、左右に延びる構成でもよく、斜めに伸びる構成でもよい。
化粧部材3の化粧本体31の形状は矩形に限定されない。挿入溝24が斜めに伸びる場合、化粧部材3の化粧本体31の形状は、三角形、平行四辺形、台形、又は五角形等の多角形である。
実施の形態1においては、挿入部32,32の縫合による固定を例示しているが、挿入部32,32の固定は縫合によるものに限定されない。
図10は、実施の形態2に係る建具1が備える化粧部材3,3の斜視図である。
化粧部材3,3の挿入部32,32は、複数のステープル34,34,…を用いて互いに固定されている。ステープル34,34,…は挿入部32,32の長手方向に互いに適長離隔して並んでいる。
例えば、挿入部32,32は、挿入部32,32をクリップ又は粘着テープで留めることによって、互いに固定されてもよい。或いは、挿入部32,32は、挿入部32,32間に配された接着剤又は両面テープによって、互いに固定されてもよい。又は、挿入部32,32は、一方の挿入部32に設けられた凸部が他方の挿入部32に設けられた凹部に嵌め込まれることによって、互いに固定されてもよい。
実施の形態1においては、芯材2の正面及び背面夫々を2つの化粧部材3,3が化粧している場合を例示しているが、化粧部材3の個数は3つ以上でもよい。以下に、芯材2の正面及び背面夫々を3つの化粧部材3,3,3が化粧している場合を説明する。
図12は、図11におけるXII-XII線による建具1の断面図である。
図11及び図12に示すように、建具1は左右対称形状をなす。
芯材2は2本の縦桟22,22を備える。縦桟22,22は、枠体21の短手方向の中央部において、枠体21の短手方向に並んでいる。縦桟22,22間にも横桟23が架け渡されていてもよい。
以下では、芯材2の正面側の構成について説明する。芯材2の背面側の構成は、芯材2の正面側の構成と同様である。
向かって左側の挿入溝24には、左側の化粧部材3の挿入部32と中央の化粧部材3の左側の挿入部32とが挿入されている。同様に、右側の挿入溝24には、右側の化粧部材3の挿入部32と中央の化粧部材3の右側の挿入部32とが挿入されている。同一の挿入溝24に挿入されている挿入部32,32は、互いに固定されている。
以上のような建具1を製造する場合、製造者は、3つの化粧部材3,3,3を、挿入部32,32同士の固定によって一体化させる。次に、製造者は、互いに固定された挿入部32,32を2組、2つの挿入溝24,24に挿入し、3つの化粧本体31,31,31を芯材2の正面に接着する。
実施の形態1においては、製造者は2枚の化粧板300,300から1組の化粧部材3,3を製造するが、1枚の化粧板300から1組の化粧部材3,3を製造してもよい。
図13は、実施の形態4に係る建具1が備える化粧部材3,3の素材である化粧板300の斜視図である。
製造者は、基体301及び化粧シート302を備える化粧板300を準備する(図7A参照)。
次に、製造者は、溝304を境に、化粧板300の化粧面側が谷になるように谷折りする。この結果、実施の形態1において2枚の化粧板300,300が重ね合わされた状態(図8参照)と略同様の状態の化粧板300が得られる。
この後、製造者は、化粧板300の溝303,303と溝304との間に位置する部分を互いに固定する。
実施の形態1の化粧部材3において、化粧本体31の外面と挿入部32との境界部分は弧状に湾曲しているが、これに限定されるものではない。
図15は、実施の形態5に係る建具1の断面図である。
図15に示す化粧部材3において、化粧本体31の外面と挿入部32との境界部分は平坦な傾斜面である。この結果、挿入溝24に挿入されている挿入部32,32の境界部分はV字溝状の目地のように見える。
図16に示す化粧部材3において、化粧本体31の外面と挿入部32との境界部分は直角状をなす。この結果、挿入溝24に挿入されている挿入部32,32の境界部分はほとんど目立たない。
つまり、建具1は、目地のように見える部分を有する構成に限定されない。
各実施の形態に開示されている構成要件(技術的特徴)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせによって新しい技術的特徴を形成することができる。
2 芯材
24 挿入溝
3 化粧部材
300 化粧板
303 溝
31 化粧本体
32 挿入部
34 ステープル
Claims (4)
- 挿入溝が設けられている芯材と、
該芯材を化粧する化粧部材と
を備える建具を製造する方法において、
前記化粧部材は、
前記芯材を覆う板状をなし、少なくとも一面が化粧シートで覆われることによって化粧されている化粧本体と、
該化粧本体の周縁部に、前記化粧本体に交差する方向に突設されており、少なくとも前記一面に連続している面が前記化粧シートに連続している化粧シートで覆われている挿入部と
を有し、
前記芯材と、夫々の前記挿入部が互いに固定されており、且つ夫々の前記挿入部を覆う前記化粧シートが互いに連続している少なくとも2つの前記化粧部材とを準備し、
互いに固定されている2つの前記挿入部を、前記芯材の同一の挿入溝に挿入することを特徴とする建具の製造方法。 - 板状の基体と、該基体の少なくとも一面を覆う前記化粧シートとを備える第1の化粧板を準備し、
前記基体の他面に、互いに沿う方向に延びる少なくとも3本の溝を形成することによって、前記3本の溝の内の中央の第1溝が前記第1の化粧板を分割してなる複数の多角形状の第2の化粧板を準備し、
前記第1溝を境に、前記化粧シートの側が谷になるようにして前記第1の化粧板を谷折りすることによって、隣り合う2枚の前記第2の化粧板を、各第2の化粧板を覆う前記化粧シート同士が接触するように重ね、
隣り合う2枚の前記第2の化粧板夫々の前記3本の溝の内の前記第1溝とは異なる第2溝と前記第1の化粧板の折り目との間に位置する部分を互いに固定し、
2枚の前記第2の化粧板夫々について、前記第2溝を境に、前記化粧シートの側が山になるように山折りすることによって、夫々の前記挿入部が互いに固定されており、且つ夫々の前記挿入部を覆う前記化粧シートが互いに連続している2つの前記化粧部材を形成することを特徴とする請求項1に記載の建具の製造方法。 - 挿入溝が設けられている芯材と、
夫々が前記芯材を化粧する複数の化粧部材と
を備える建具において、
前記化粧部材は、
前記芯材を覆う板状をなし、少なくとも一面が化粧シートで覆われることによって化粧されている化粧本体と、
該化粧本体の周縁部に、前記化粧本体に交差する方向に突設されており、少なくとも前記一面に連続している面が前記化粧シートに連続している化粧シートで覆われている挿入部と
を有し、
前記挿入溝に2つの前記化粧部材夫々の挿入部が挿入されており、
同一の前記挿入溝に挿入されている2つの前記挿入部は互いに固定されており、且つ、夫々を覆う前記化粧シートが互いに連続していることを特徴とする建具。 - 前記化粧本体は多角形状をなし、
前記挿入部は前記化粧本体の一辺に沿って延び、
同一の前記挿入溝に挿入されている2つの前記挿入部は、全長に亘って互いに固定されていることを特徴とする請求項3に記載の建具。
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