JP7499191B2 - 電子機器、情報処理方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器に関し、特に、飲み物を抽出する際に用いられる電子機器、情報処理方法及びプログラムに関する。
世界各地において、珈琲(コーヒー)、紅茶、緑茶等の各種の飲み物が飲まれている。また、これらの飲み物を淹れる機器(抽出機器)として多数の機器が存在し、また、今も様々な機器が提案されている。例えば、珈琲を抽出するための珈琲ドリッパーが存在する(例えば、特許文献1)。
特開2014-104155号公報
上述の従来技術では、各種の機器を用いて、個人の好みに応じた飲み物を淹れることができる。しかし、好みの飲み物を作るためには、ある程度の熟練した技術を要することがある。そこで、飲み物を淹れる際にユーザを補助することが可能な機器を用いることができれば、飲み物が上手にできる可能性が高くなり便利であるとともに、飲み物を作る楽しみが増加すると考えられる。
そこで、本発明は、飲み物に関する楽しみを提供することを目的とする。
本発明の一形態は、飲み物を抽出するための物質を収容するドリッパーに注がれた液体を前記ドリッパーの下側に配置された容器に溜める場合に、前記容器の上側に配置され、前記ドリッパーから前記容器への前記液体の供給を調整するための処理を行う電子機器である。また、その処理を行うための処理方法ならびにその方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
また、その形態において、前記電子機器は、前記ドリッパーと前記容器との間に配置されて使用可能であるようにしてもよい。
また、その形態において、前記電子機器は、前記ドリッパーに備えられるようにしてもよい。
また、それらの形態において、前記ドリッパーから前記容器への前記液体の供給を阻止する抽出停止部を備え、前記抽出停止部は、前記容器に溜められる前記液体の液量が所定の液量となったタイミングで前記供給の阻止を前記調整として行うようにしてもよい。
また、それらの形態において、前記容器に溜まった液量を検出する液量検出部を備え、前記液量検出部により検出された液量に基づいて前記調整するための処理を行うようにしてもよい。
また、それらの形態において、前記液量検出部は、前記容器に溜まった液体に関する画像を取得し、前記取得した画像に基づいて前記容器に溜まった液体の液量を検出するようにしてもよい。
また、それらの形態において、前記ドリッパーに収容される前記物質と、前記ドリッパーの内部に留まる前記液体との重量を計量する計量部を備え、前記計量部により検出された重量に基づいて前記調整するための処理を行うようにしてもよい。
また、それらの形態において、前記ドリッパーから前記容器への前記液体の流路において温度を検出する温度検出部を備え、前記温度検出部により検出された温度に基づいて前記調整するための処理を行うようにしてもよい。
また、それらの形態において、前記物質の量と前記容器に溜める液量との関係を示す分量データを用いて、前記抽出に使用する前記物質の量と前記容器に溜める液体の量とのうちの少なくとも1つを決定するための処理を行うようにしてもよい。
また、それらの形態において、前記ドリッパーに収容される前記物質と、前記ドリッパーの内部に留まる前記液体との重量を計量する計量部と、前記液体の落下の開始から終了までの期間において、前記液量検出部により検出される液量及び前記計量部により計量される重量のうちの少なくとも1つを前記飲み物の抽出の状況を示す抽出状況情報として出力させる制御を行う制御部とをさらに備えるようにしてもよい。
また、それらの形態において、前記制御部は、前記液量検出部により検出された液量及び前記計量部により計量された重量の抽出時における遷移に関する抽出履歴データと、前記抽出状況情報とに基づいて、抽出の状況を比較可能な情報を出力させる制御を行うようにしてもよい。
また、それらの形態において、前記電子機器は、ハンドドリップ方式による前記抽出における前記調整するための処理を行うようにしてもよい。
また、本発明の一形態は、飲み物を抽出するための物質を収容するドリッパーに注がれた液体を前記ドリッパーの下側に配置された容器に溜める場合に、前記ドリッパーに収容された前記物質と、前記ドリッパーに注がれる前記液体との計測に基づいて、前記ドリッパーに注ぐ前記液体に関する支援情報を出力部から出力させるための処理を行う電子機器である。また、その処理を行うための処理方法ならびにその方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
また、その形態において、前記計測の結果の前記抽出時における遷移に関する所定の抽出履歴データにおける前記計測の結果と、前記抽出の途中において行われる前記計測の結果とを比較した結果に基づいて前記支援情報を出力させるようにしてもよい。
また、その形態において、前記容器に溜まった液量を検出する液量検出部と、前記ドリッパーに収容される前記物質と、前記ドリッパーの内部に留まる前記液体との重量を計量する計量部と、前記液量検出部により検出される液量及び前記計量部により計量される重量のうちの少なくとも1つを前記計測の結果として前記支援情報を前記出力部から出力させる制御を行う制御部とを備えるようにしてもよい。
また、本発明の一形態は、飲み物を抽出するための物質を収容するドリッパーに注がれた液体を前記ドリッパーの下側に配置された容器に溜める場合に、前記ドリッパーから前記容器への流路における開口の度合いを制限して抽出速度を調整し、前記容器に溜められる前記液体の液量が所定の液量となった場合には前記流路を遮蔽するための処理を行う電子機器である。また、その処理を行うための処理方法ならびにその方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
また、その形態において、前記容器に溜まった液量を検出する液量検出部と、前記液量検出部により検出された液量の遷移が、前記容器に溜まる液量の抽出時において基準となる遷移に近づくように前記抽出速度を前記抽出中に調整する制御を行う制御部とを備えるようにしてもよい。
また、その形態において、前記開口の度合いの抽出時において基準となる遷移に基づいて、前記抽出速度を前記抽出中に調整する制御を行う制御部を備えるようにしてもよい。
また、本発明の一形態は、飲み物を抽出するための物質を収容するドリッパーに注がれた液体を前記ドリッパーの下側に配置された容器に溜める場合に、前記ドリッパーに溜っている液体の計測に基づいて、前記ドリッパーから前記容器への前記液体の供給を調整するための処理を行う電子機器である。また、その処理を行うための処理方法ならびにその方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
また、本発明の一形態は、各種情報を表示してユーザ操作を受け付けるパネルに入力画面を表示させ、前記ユーザ操作に基づく入力情報を前記入力画面に表示させる制御部を有し、前記制御部は、前記入力画面への入力内容を破棄して前記入力画面の直前に表示されていた第1画面に戻るための操作を受け付ける第1操作標識と、前記入力画面への入力内容を保存して前記第1画面に戻るための操作を受け付ける第2操作標識とを前記入力画面に表示させ、前記第1操作標識の操作が受け付けられた場合には、前記入力画面への入力内容を破棄して前記入力画面を消去して前記第1画面を表示させ、前記第2操作標識の操作が受け付けられた場合には、前記入力画面への入力内容を記憶部に保存して前記入力画面を消去して前記第1画面を表示させる電子機器である。また、その処理を行うための処理方法ならびにその方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
本発明によれば、飲み物に関する楽しみを提供することができるという効果を奏する。
第1実施形態における電子機器20が取り付けられる珈琲抽出器1の外観構成の一例を示す図である。 第1実施形態におけるドリッパー10と、電子機器20と、容器40との外観構成の一例を示す図である。 第1実施形態における電子機器20の外観構成及び断面図の一例を示す図である。 第1実施形態における電子機器20の機能構成例を示すブロック図である。 第1実施形態におけるタッチパネルディスプレイ22に珈琲粉の計量時に表示される操作表示画面の一例を示す図である。 第1実施形態におけるタッチパネルディスプレイ22に珈琲粉の計量時に表示される操作表示画面の図5と異なる一例を示す図である。 第1実施形態におけるタッチパネルディスプレイ22に珈琲の抽出中に表示される抽出状況表示画面の一例を示す図である。 第1実施形態におけるタッチパネルディスプレイ22に表示される分量データ一覧画面及び設定画面の一例を示す図である。 第1実施形態におけるタッチパネルディスプレイ22に表示される抽出履歴データの一覧画面及び詳細画面の一例を示す図である。 第1実施形態における液量検出部270による液量の検出動作の一例を示す図である。 第1実施形態における電子機器20を用いて抽出を行う場合の動作の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態における電子機器500の機能構成例を示すブロック図である。 第2実施形態における電子機器500の通信部510による通信の一例を示す図である。 第3実施形態における電子機器810が取り付けられる珈琲抽出器800の外観構成の一例を示す図である。 第3実施形態における電子機器810の下面構成及び断面図の一例を示す図である。 第4実施形態における垂直方向から水平方向に向きを変えるプレートを備える抽出停止部822の一例を示す図である。 第4実施形態における垂直方向に動くプレートを備える抽出停止部の一例を示す図である。 第4実施形態における側面に孔が開いた円柱がバルブとして動作する抽出停止部の一例を示す図である。 第5実施形態における電子機器1100が取り付けられる珈琲抽出器1001の外観構成の一例を示す図である。 第5実施形態におけるタッチパネルディスプレイ22に表示される登録されたドリッパーの一覧画面と抽出比較データの選択画面と珈琲粉の計量時に表示される画面との一例を示す図である。 第5実施形態におけるタッチパネルディスプレイ22に表示される抽出中表示選択画面及び簡易ガイド付表示画面の一例を示す図である。 第5実施形態におけるタッチパネルディスプレイ22に表示される抽出方針データ表示画面と期間詳細表示画面と期間変更画面との一例を示す図である。 第5実施形態におけるタッチパネルディスプレイ22に珈琲の抽出中に表示される詳細ガイド付表示画面の一例を示す図である。 第5実施形態における電子機器1100を用いて簡易ガイド付表示画面を表示する簡易ガイドモードで抽出を行う場合の動作の一例を示すフローチャートの前半部分である。 第5実施形態における電子機器1100を用いて簡易ガイド付表示画面を表示する簡易ガイドモードで抽出を行う場合の動作の一例を示すフローチャートの後半部分である。 第5実施形態における電子機器1100を用いて詳細ガイド付表示画面を表示する詳細ガイドモードで抽出を行う場合の動作の一例を示すフローチャートの後半部分である。 第6実施形態における円板状のプレートが軸を中心に回転して流路を開閉する抽出停止部の一例を示す図である。 第6実施形態における抽出速度制御モード選択画面及び都度ユーザ指定制御モードにおける抽出状況表示画面の一例を示す図である。 第6実施形態における開口度制御データ選択画面と、開口度制御データ設定変更画面と、期間別開口度指定モードにおける抽出状況表示画面との一例を示す図である。 第6実施形態における抽出速度制御データ選択画面と、抽出速度制御データ設定変更画面と、抽出液量参照自動モードにおける抽出状況表示画面との一例を示す図である。 第6実施形態における電子機器810を用いて都度ユーザ指定モードで抽出を行う場合の動作の一例を示すフローチャートである。 第6実施形態における電子機器810を用いて期間別開口度指定モードで抽出を行う場合の動作の一例を示すフローチャートの後半部分である。 第6実施形態における電子機器810を用いて抽出液量参照自動モードで抽出を行う場合の動作の一例を示すフローチャートの後半部分である。 第7実施形態における電子機器1300の外観構成の一例を示す図である。 第7実施形態における電子機器1300の孔1320の内部の一例を示す図である。 第7実施形態における電子機器1300の機能構成例を示すブロック図である。 第7実施形態における電子機器1300を用いて詳細ガイドモードで抽出を行う場合の動作の一例を示すフローチャートの1枚目である。 第7実施形態における電子機器1300を用いて詳細ガイドモードで抽出を行う場合の動作の一例を示すフローチャートの2枚目である。 第7実施形態における電子機器1300を用いて詳細ガイドモードで抽出を行う場合の動作の一例を示すフローチャートの3枚目である。
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態:珈琲を入れる場合に容器に目的の水量が溜まると抽出を停止させる例]
[珈琲抽出器及び電子機器の外観構成例]
図1は、第1実施形態における電子機器20が取り付けられる珈琲抽出器1の外観構成の一例を示す図である。図1(1)には、電子機器20が取り付けられる珈琲抽出器1の斜視図を示し、図1(2)には、電子機器20が取り付けられる珈琲抽出器1の側面図を示す。
図2は、図1に示す珈琲抽出器1から電子機器20を取り外した場合の斜視図及び側面図を示す。図2(1)には珈琲抽出器1の斜視図を示し、図3(2)にはドリッパー10の側面図を示す。
図3は、第1実施形態における電子機器20の外観構成及び断面図の一例を示す図である。図3(1)には電子機器20の上面図を示し、図3(2)には電子機器20の下面図を示す。また、図3(3)には、容器へ抽出液が落ちる場合の電子機器20の断面図を示し、図3(4)には、容器への抽出液の落下が阻止されている場合の電子機器20の断面図を示す。
珈琲抽出器1は、ドリッパー10と、電子機器20と、容器40とを有する。なお、珈琲抽出器1は、飲み物抽出器、飲み物を濾す機器、飲み物生成機器等と称することができる。
ドリッパー10は、収容部11と、フランジ部12と、脚部13とを有し、電子機器20を使用しないときは容器40の開口部42に配置して使用される珈琲ドリッパーである。なお、第1実施形態では、フランジ部12の下部には電子機器20が取り付けられることを想定して説明する。
収容部11は、珈琲豆を粉砕した粉を内部に収容する収容部であり、底部には、収容部11内に注がれたお湯を流下させるための孔(鉛直方向に貫通する孔)が設けられている。このように、収容部11は、上側から珈琲粉(珈琲豆を粉砕した粉)にお湯を注ぐための上部開口部と、珈琲粉に注がれたお湯を容器40に落とすための孔(下部開口部、抽出口)とを備える。また、収容部11は、内部に収容された珈琲粉に注がれたお湯を、その粉を経由して収容部11の下側に配置される容器40に注ぐ器具である。なお、図1では、図示を省略するが、収容部11の外側面には取手等の各種の部材を設けるようにしてもよい。
例えば、収容部11は、漏斗状に形成され、珈琲豆から抽出される(漉し出される)液体をろ過する紙フィルターを保持する収容部とすることができる。また、収容部11を金属フィルターとするようにしてもよく、ネルフィルターを保持する収容部とするようにしてもよい。また、収容部11の形状は、台形型、円錐型、バスケット型などのように各種の形状とすることができる。
フランジ部12は、水平方向において、収容部11の下部から外側に向かって広がる円盤状のフランジ部である。また、フランジ部12は、収容部11の下部に設けられ、収容部11を容器40の開口部42に設置した場合に収容部11を安定的に支持する。
脚部13は、フランジ部12の下面に設けられるリング状の突起であり、ドリッパー10を容器40の開口部42以外の部分に直接おく場合にドリッパー10を支持するものである。なお、脚部13は、陶器(例えば、茶碗、お椀)の底、糸底、糸尻に相当する。また、図2では、脚部13をリング状の突起とする例を示すが、脚部13は、ドリッパー10を支持することができるように、3点以上の複数の突起(例えば、円周上に並ぶ複数の突起)とするようにしてもよい。
なお、収容部11と、フランジ部12と、脚部13とを耐熱ガラス、陶器、樹脂等により一体で構成するようにしてもよく、収容部11と、フランジ部12と、脚部13とを個別に構成して接合するようにしてもよい。なお、脚部13については、省略するようにしてもよい。
容器40は、ドリッパー10から流下される珈琲豆の抽出液を溜める容器(珈琲サーバー)である。また、容器40は、ドリッパー10から流下される珈琲豆の抽出液を入れるための開口部42を有し、開口部42に配置されるドリッパー10を支持する。なお、容器40は、耐熱ガラスにより構成することができる。また、容器40を、保温性を高めた部材により構成するようにしてもよく(例えば、ステンレスサーバー)、陶器製のものを用いるようにしてもよい。また、容器40の形状は、図1に示す形状以外でも、各種の形状とすることができる。なお、図1では、図示を省略するが、容器40の外側面には取手等の各種の部材を設けるようにしてもよい。
電子機器20は、ドリッパー10のフランジ部12と、容器40の開口部42との間に挟むように取り付けられる電子機器や情報処理装置である。すなわち、電子機器20は、ドリッパー10のフランジ部12と、容器40の開口部42との間(ドリッパー10と容器40との間)に配置されて使用可能な電子機器や情報処理装置である。
また、電子機器20は、長方形状の筐体に各機器を収容する構成とすることができる。また、電子機器20の外観形状は、第1実施形態では、長方形の筐体を想定しているため、図1乃至図3に示すように、一般的なデジタルキッチンスケールのような形状とすることができる。なお、第1実施形態はこれに限定されるものではなく、ドリッパー10のフランジ部12と容器40の開口部42との間に挟めて安定して抽出を行うことが可能な形状であれば他の形状とするようにしてもよい。例えば、円柱状や正方形状の筐体とすることができる。また、所定のインタフェース(有線通信ケーブル、無線通信の利用)を介して、電子機器20を他の機器(例えば、表示機器や音声出力機器)と接続して各情報を他の機器から出力させるようにしてもよい。
また、電子機器20を構成する筐体は、熱湯や湯気と接するため、金属、ポリプロピレン、AS樹脂などの耐熱性の部材を用いることが望ましい。
電子機器20の上面(主に図3(1)参照)には、電源ボタン21と、タッチパネルディスプレイ22と、計量台24とが備えられている。
電源ボタン21は、押下することで電子機器20に電源を投入または切断するためのボタンである。なお、第1実施形態では、電源ボタン21が電子機器20の上面に配置される例を示すがこれに限定されるものではなく、電子機器20の他の部分(例えば、側面、下面)に配置するようにしてもよい。また、電源ボタン21を省略して他の手段により電源投入を行うようにしてもよい。例えば、電源ボタン21の押下による電源投入の代わりに、計量台24に重みが加わった場合に、自動的に電源が投入されるようにしてもよい。
タッチパネルディスプレイ22は、入力及び表示を行うためのデバイスであり、タッチパネル式のディスプレイで構成される。すなわち、表示パネルと、表示パネルに重ねられたタッチパネルとにより構成される。表示パネルは、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイにより構成される。また、タッチパネルは、例えば、静電容量方式のタッチパネルで構成される。
なお、第1実施形態では、電子機器20の入力デバイス及び表示デバイスとして、電子機器20に設けられたタッチパネルディスプレイ22を想定するがこれに限定されるものではない。例えば、入力デバイスのない表示パネルと、決定ボタンや十字キーボタンなどの物理的な操作部材(入力デバイスの一例)とで、入力部及び出力部(表示部)を構成するようにしてもよい。また、電子機器20の入力デバイス及び表示デバイスは、電子機器20から取り外し可能であったり、電子機器20と無線で接続された別の装置であったりしてもよい。なお、スマートフォンやタブレット端末などの無線機器を入力デバイス及び表示デバイスとする例については、第2実施形態及び第3実施形態で説明する。
計量台24は、重量の計量対象物であるドリッパー10を載せるためのものである。すなわち、電子機器20は、ドリッパー10のフランジ部12と計量台24を介して接する。なお、計量台24には、ドリッパー10自身の重量やドリッパー10に入れられた珈琲粉や液体などの重量が掛かり、これらの重量が計量される。
この計量台24は、第1実施形態では、円形のプレートの中心に孔(孔26)が設けられている形状である。このように、計量台24は、ドリッパー10から容器40への液体の落下を妨げないように、孔(孔26)が計量台24の中心に設けられている。
この孔26は、電子機器20の上面の計量台24のみに設けられているのではなく、電子機器20の下面まで貫通する孔として設けられている。電子機器20の斜視図が示されている図2(1)では、孔が貫通する様子が電子機器20の内部に破線で示された円柱により示され、電子機器20の断面図が示されている図3(3)及び図3(4)では、電子機器20の上面から下面へ貫通して開いている孔として示されている。
なお、この計量台24に設けられた孔26は、ドリッパー10のフランジ部12の外径より狭く、脚部13の外径より広くすることが好ましい。このようにすることにより、フランジ部12を計量台24の上に安定的に設置することができ、突起状の脚部13を孔26の内側に配置することができる。すなわち、計量台24の上にドリッパー10を安定して設置することができる。
なお、計量台24の孔26については、様々な大きさに変更できるようにすると、様々なドリッパーに対応可能な電子機器20とすることができて利便性が広がる。例えば、孔26が様々なサイズの計量台24を用意して計量台24を取り外し可能にすることで、様々なドリッパーを安定して設置させて電子機器20を利用することができる。
また、計量台24は、外周が円形状のものを想定したが、これに限定されるものではなく、他の形状でもよい。例えば、外周及び内周を多角形(例えば、三角形や四角形)とするようにしてもよく、外周及び内周を異なる形状とするようにしてもよい。
電子機器20の下面(主に図3(2)参照)には、排水容器23と、液量検出部25と、スピーカ28と、4つの容器位置固定部31a乃至dとが備えられている。
排水容器23は、ドリッパー10から容器40への抽出液の落下が妨げられた際に電子機器20の内部に溜まる抽出液(排水)を溜める容器である。この排水容器23は、抽出液の出入り口が、電子機器20の上面から下面へ貫通して開いている孔26と繋がっている(図2(1)、図3(3)、図3(4)参照)。また、この排水容器23は、電子機器20から取り外し可能であり、ユーザはこの排水容器23に溜まった液体が一杯となり電子機器20からあふれることがないように溜まった液体を捨てる。なお、ユーザが液体を捨てることを忘れないように、抽出作業前に排水容器23が空であることをチェックする機能を電子機器20に設けるようにしてもよい。
なお、電子機器20の内部で抽出液の落下が妨げられて排水容器23に抽出液が溜まることの詳細は、電子機器20の断面図である図3(3)及び(4)を用いて後で詳細に説明するため、ここでの説明を省略する。
また、第1実施形態では、排水容器23が設けられる電子機器20の例について説明したが、これに限定されるものではない。ドリッパー10から容器40への抽出液の落下が妨げられた際に容器40へ抽出液が落ちないようにすればよく、例えば、電子機器20に液が溜まる容器を設ける代わりに、電子機器20の近くに置いたコップなどの容器へ流れ落ちるようにすることなども考えられる。この場合は、排水容器23の代わりに、コップなどの容器へ抽出液を導くための構造物(例えば、シリコンチューブでコップへ導く)が設けられる。また、電子機器20の内部に排水容器の代わりとなるスペースを設けることも考えられる。なお、この代わりとなるスペースの例については、第7実施形態で説明する。
液量検出部25は、容器40に溜まった抽出液の量(抽出量)を検出するためのものである。この液量検出部25は、第1実施形態では、容器40の内部を撮像した画像から容器40に溜まった抽出液の量を検出することを想定する。図3(2)では、イメージセンサとレンズとから構成されるカメラモジュールと、容器40内が暗い場合に明るくするためのLED(Light Emitting Diode)ライトとを示す2つの円が液量検出部25に示されている。
液量検出部25として設けられるカメラモジュール及びLEDライトは、容器40の底や壁面や容器40に溜まった抽出液の液面などの容器40の内側を撮像したり明るくしたりできる位置に配置される。第1実施形態では、ステンレスサーバーなどの不透明な部材で構成された容器40でも対応できるように、容器40の上に電子機器20を配置したときに開口部42の内側になるような電子機器20の位置に液量検出部25が配置される。なお、カメラモジュールのレンズは、容器40の壁及び抽出液の上側の表面(水面)の縁が多く写せるように、できる限り広い範囲を写せるものが望ましい。すなわち、カメラモジュールのレンズには、超広角レンズや魚眼レンズなどに分類される光学特性を有するレンズが望ましい。
また、カメラモジュールとともにLEDライトを設けることで、ステンレスサーバーなどの不透明な部材で構成された容器40を用いても明るい画像を撮像することができ、適切に液量を検出することができるようになる。
スピーカ28は、警告音や、操作音や、音声案内などの各種音情報を出力するためのものである。スピーカ28は、例えば、珈琲の抽出が終わった場合には、終わったことを知らせるメロディを出力する。
容器位置固定部31a乃至dは、電子機器20と容器40の位置関係を固定するためのものである。この容器位置固定部31a乃至dは、容器40の開口部42の外周に軽く接する位置で電子機器20から突出する構造体であり、複数設けることで、電子機器20と容器40の位置が固定される。第1実施形態では、電子機器20の四辺のそれぞれ方向に配置される4つの容器位置固定部31a乃至dが設けられる。なお、電子機器20のタッチパネルディスプレイ22が設けられる側(図3(2)の左側)の容器位置固定部31aは、容器40の注ぎ口の形状に対応するように、三角状の切り込みが設けられる。
また容器位置固定部31a乃至dは、開口部42のサイズが異なる複数の容器40に対応するために、開口部42のサイズに合わせて容器位置固定部31a乃至dの位置を調整できることが望ましい。図3(2)では、容器位置固定部31a乃至dをスライド式に移動することを想定し、スライドする範囲を示す溝が容器位置固定部31a乃至dと直交する細い長方形によりそれぞれ示されている。
この容器位置固定部31a乃至dは、電子機器20と容器40の位置関係が抽出のたびに容器40を取り外ししてもズレないようにするためのものであり、位置関係が一定になることにより液量検出部25による液量検出が容易になる。
次に、電子機器20による抽出液の落下の阻止動作(抽出液の流路の遮蔽動作とも称する)について、図3(3)及び図3(4)を用いて説明する。なお、図3(3)及び図3(4)は、図3(1)の破線99における断面を示し、破線99の右端において破線99と直交する矢印97の方向で見た際の断面図を示す。
図3(3)には、電子機器20による阻止動作が行われる前に、ドリッパー10から容器40へ抽出液が落下する場合の断面図の例が示されている。また、図3(4)には、電子機器20による阻止動作が行われて、ドリッパー10から排水容器23へ抽出液が流れる場合の断面図の例が示されている。
この図3(3)及び図3(4)には、電子機器20の筐体(ケース)の他に、排水容器23と、計量台24と、液量検出部25と、計量部27と、抽出停止部32との断面図が示されている。なお、計量部27及び抽出停止部32以外の構成については既に説明したため、説明を省略する。また、容器位置固定部31a乃至dについては図示を省略する。
計量部27は、計量台24に載せられた物質の重量を測定するものである。すなわち、この計量部27は、電子スケールに設けられるロードセルや回路ユニットに対応する。
抽出停止部32は、抽出終了のタイミングでドリッパー10から容器40への抽出液の通路(流路)を塞いで容器40への抽出液の落下を阻止して抽出を停止させるものである。この抽出停止部32は、電子機器20の上面から下面へ貫通して開いている孔26の途中に設けられる。
第1実施形態では、抽出停止部32として、阻止動作が行われない場合(抽出中)は孔26の周囲における電子機器20の筐体の中に格納され、阻止動作が行われる場合(抽出終了後)は孔26へ突出するプレート32bが設けられることを想定する。
図3(3)及び図3(4)で示すように、電子機器20の内部においてタッチパネルディスプレイ22が設けられる側(図3の左側)にプレート収容部32aが設けられる。このプレート収容部32aは、プレート32bを水平方向にスライド移動可能に収容するものであり、スライド方向の長さは、プレート32bのスライド方向の長さよりも長くする。例えば、プレート収容部32a及びプレート32bは、スライド方向へのプレート32bの移動を可能とし、スライド方向に直交する直交方向(上下方向、左右方向)へのプレート32bの移動を規制するレール構造の部材により実現される。
また、プレート32bは、孔26の外周の直径よりも、各辺が長い1枚のプレート(例えば、短辺と長辺との両方が孔26の外周の直径よりも長い長方形状のプレート)であり、プレート収容部32aにスライド可能に保持される。また、プレート32bは、孔26を塞ぐように、排水容器23が設けられる側(図3の右側)に突出することで、抽出液の容器40への落下を阻止する。なお、プレート32bを突出させるスライド動作と、プレート32bをプレート収容部32aへ収容させる格納動作とは、例えば、筐体に設けられた駆動手段(例えば、モータ、アクチュエータ)により行われる。
なお、図3(3)及び図3(4)の破線98は、抽出停止部32の動作による抽出液の進行方向の違いを示している。図3(3)には阻止動作が行われない場合はドリッパー10から容器40へ抽出液が流れることが示され、図3(4)では阻止動作が行われるとドリッパー10から排水容器23へ抽出液が流れることが示されている。
なお、第1実施形態では、1枚のプレート32bを用いて抽出液の容器40への落下を阻止することを想定するがこれに限定されるものではない。例えば、カメラのレンズの絞りのように複数の羽(プレート)が動いて孔を閉じたり開いたりすることで抽出液の容器40への落下を阻止することも考えられる。また、孔26の内部で垂直方向に向いていたプレートを水平方向に向きを変えることで阻止することも考えられる。この垂直方向に向いていたプレートを水平方向に向きを変えることで阻止する例については、後の第4及び第5実施形態において説明する。
また、プレート32bの形状や配置に関しても、液体の流れを誘導する溝をプレート32bの上面に設けたり、液体の流れを誘導するためにプレート32bを斜め方向にスライド可能になるように設置したりすることも考えられる。
また、第1実施形態では、孔26の直径より両辺が長いプレート32bが単純に水平方向にスライドして孔26を塞ぐ例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、単純に水平方向にスライドさせただけでは、容器40へ漏れ落ちる抽出液の量が多い場合も考えられる。この場合には、水平に移動後にパッキンなどの密着する部材に接するようにするとよい。
また、電子機器20は、ドリッパー10に熱湯(お湯)が注がれた場合や電子機器20の取り外し作業を行う場合等には、電子機器20の全体や各部に水等が付着することも想定される。そこで、電子機器20の全体や各部に防水加工処理を施すことが好ましい。
また、熱湯が注がれている抽出中に、電子機器20が熱を持つことが想定される。そこで、電子機器20に内蔵される各機器については、熱の影響を受けないように、耐熱性の部材を用いたり、断熱性部材等により内包したり、断熱処理を施したりすることが好ましい。例えば、発泡材系、フェルト系等の断熱材を使用するようにしてもよく、これらのうちの2種以上の部材を組み合わせるようにしてもよい。
また、ドリッパー10に熱湯が注がれた場合に、容器40に溜まる珈琲(液体)から湯気が発生し、液量検出部25のカメラモジュールのレンズが曇ることが想定される。そこで、レンズの表面に曇り止め処理を施すことが好ましい。または、曇り止め処理が施された透明部材でレンズ全体を覆うようにしてもよい。また、湯気が溜まるのを防ぐために電子機器20に換気ファンを取り付けて、レンズの周りの湯気を容器40と電子機器20との間から外へ排出するようにしてもよい。また、熱の影響を防止するため、レンズ自体、または、曇り止め処理が施された透明部材にも、断熱処理を施すことが好ましい。
[電子機器の機能構成例]
図4は、第1実施形態における電子機器20の機能構成例を示すブロック図である。
電子機器20は、操作部210と、表示部220と、音出力部230と、タイマ240と、制御部250と、計量部260と、液量検出部270と、抽出停止部280と、記憶部290とを有する。なお、電子機器20は、バッテリを内蔵または装着してバッテリを電源として用いるようにしてもよく、バッテリを内蔵せずに外部からの電源を用いるようにしてもよい。
操作部210は、電子機器20を操作するための操作入力を受け付けるものであり、受け付けられた操作入力に対応する操作情報を制御部250に送信する。すなわち、操作部210は、図1から図3に示した電源ボタン21と、タッチパネルディスプレイ22を構成するタッチパネルに対応する。この操作部210は、例えば、珈琲粉の分量に対する液量の設定入力、文字入力、選択欄からの選択入力、各種動作の決定入力などに用いられる。
表示部220は、制御部250の制御に基づいて各種情報を表示するものである。すなわち、表示部220は、図1から図3に示したタッチパネルディスプレイ22の表示パネルに対応する。この表示部220は、例えば、抽出中の抽出状況の表示、各種メニュー表示、各種設定画面の表示、警告表示などに用いられる。
音出力部230は、制御部250の制御に基づいて各種音声情報を出力するものである。すなわち、音出力部230は、図1から図3に示したスピーカ28に対応する。この音出力部230は、例えば、警告音、抽出終了音、各操作の入力音などの出力に用いられる。
タイマ240は、時間を計時するものであり、計時した時間に関する時間情報を制御部250に出力する。タイマ240は、例えば、珈琲粉を蒸らすために注がれた液を液量検出部270が検出したら時間の計測を開始する。
制御部250は、記憶部290に記憶されている制御プログラムに基づいて電子機器20の各部を制御するものである。制御部250は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により実現される。なお、CPUは、制御装置(制御回路)及び演算装置(演算回路)からなる中央処理装置(電子機器)である。
計量部260は、ドリッパー10に載せられている珈琲粉や液体(お湯)の重量を計量するものであり、計量結果を制御部250に出力する。すなわち、計量部260は、図1から図3に示した計量台24及び計量部27に対応する。計量部260は、例えば、抽出動作前に珈琲粉の重さ(重量)を測定する。この測定された重さは表示部220に表示され、ユーザはこの表示された重さを見てドリッパー10に載せる珈琲粉の重さ(量)を調整する。また、計量部260は、抽出中は珈琲粉と液量との重さを測定する。この測定された抽出中の重さは、抽出中のドリッパー10の状況の遷移として記憶部290に記憶される。
液量検出部270は、容器40に溜まった抽出液の量を検出するものである。すなわち、液量検出部270は、図1から図3に示した液量検出部25に対応する。この液量検出部270は、制御部250の制御に基づいて、容器40を撮像して画像(画像データ)を生成し、撮像した画像から液量を検出する。なお、この撮像した画像を用いた液量の検出は、定められた液量が入っている容器40の画像を事前に液量毎に取得しておき(100ml、110ml、120ml・・・と液量を変えて画像を取得して記録しておく)、この画像と比較することで行う。なお、メーカや形状の異なる複数の容器40に対応できるように、事前に液量毎に取得する動作は、ユーザ自身で行えるようにするとよい。これらの複数の容器40に関する情報は、記憶部290に記憶することにより電子機器20に登録可能である。
また、複数の容器40が電子機器20に登録されている場合において、電子機器20にセットされた容器40を自動判別するために、液体が入っていない画像を事前に取得するようにしてもよい。これにより、抽出動作前の溶液が容器40へ落ちていない段階(例えば、抽出に使用する珈琲粉の量の調整段階)に画像を取得して事前に取得した画像と比較して判別することで、どの容器40が設置されたかを自動判別することができる。
また、液量検出部270は、例えば、レンズと、レンズにより集光された被写体からの光を入射する撮像素子(イメージセンサ、画像センサ)と、その撮像素子により生成された画像データについて所定の画像処理を施す画像処理部とにより構成される。撮像素子として、例えば、CCD(Charge Coupled Device)型やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の撮像素子を用いることができる。なお、レンズは、ズームレンズ、フォーカスレンズ、絞りなどを備えるようにしてもよい。なお、液量検出部270は、レンズと撮像素子のセット(カメラモジュール)が1つ設けられることを想定するが、これに限定されるものではなく、複数が設けられるようにしてもよい。
抽出停止部280は、制御部250の制御に基づいて、抽出終了のタイミングでドリッパー10から容器40への抽出液の流路を塞いで容器40への抽出液の落下を阻止して抽出を停止させるものである。この抽出停止部280は、液量検出部270が検出した液量が所定の液量となった場合(目的の液量の抽出が終わった場合)に容器40への抽出液の落下を阻止して抽出を停止させる。すなわち、抽出停止部280は、容器40に溜められる液量が所定の液量となった場合に、ドリッパー10から容器40への液体の供給を阻止するための処理を行う。なお、この阻止は、ドリッパー10から容器40へ液体が落ちる経路を塞いで行われる。この抽出停止部280は図1から図3に示した抽出停止部32に対応する。すなわち、プレート32bを突出させるスライド動作と、プレート32bをプレート収容部32aへ収容させる格納動作とを行う駆動手段(例えば、モータ、アクチュエータ)は、制御部250により制御される。なお、プレート32bによる流路の遮蔽方法などは既に説明したため詳細な説明を省略する。
記憶部290は、各種情報を記憶するメモリである。例えば、記憶部290には、電子機器20が各種処理を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム)が記憶される。また、記憶部290には、ユーザが設定した情報、計量部260が計量した重量の遷移や液量検出部270が検出した液量の遷移などの抽出時の状況に関する情報などが記録される。
続いて、電子機器20の動作について、タッチパネルディスプレイ22の表示例を用いながら図5乃至図9を用いて説明する。なお、以降は、機能構成例と外観構成例に対応する構成がある機能については、主に機能構成例の符号を用いて説明する。
まず、珈琲抽出の手順と各図面の表示例の関係について簡単に説明する。
珈琲を抽出するために、最初に、ユーザは、容器40の上に電子機器20をセットし、さらに電子機器20の計量台24の上にドリッパー10をセットしたのちに電子機器20の電源を入れる。そして、ドリッパー10の収容部11の内部に紙フィルターを装着し、その紙フィルターに珈琲粉を入れる。
この珈琲粉を入れる際に、電子機器20は珈琲粉の重さを量り、適切な量(重量)の珈琲粉がドリッパー10にセットされるようにユーザを補助する。このときのタッチパネルディスプレイ22に表示される画面(珈琲粉計量画面)の表示例を図5及び図6を用いて後に詳細に説明する。
なお、珈琲粉の量を決定する際に、珈琲粉の量(重量)に基づいて算出される抽出液の量(液量)がタッチパネルディスプレイ22に表示される。この算出のためには、珈琲粉の量と抽出液の量との関係が事前に設定されている必要がある。この珈琲粉の量と抽出液の量との間の関係を設定するための画面について図8を用いて後に詳細に説明する。
続いて、ユーザは、沸騰させた後に90度程度に冷やしたお湯を、ドリッパー10にセットされた珈琲粉に少量注ぎ、20秒乃至30秒程度蒸らす。この蒸らしの行程において、注がれたお湯は珈琲豆の粉が吸収するものの、吸収しきれなかった少量のお湯が容器40へ落ちる。液量検出部270がこの落ちた少量のお湯を検出すると、抽出動作の開始と判断され、タイマ240による時間の計測がスタートする。なお、第1実施形態では落ちた少量のお湯を検出する場合を想定するが、抽出の開始の際に開始ボタンをユーザが押して時間の計測をスタートするようにしてもよい。
蒸らしの期間が終了したら、ユーザは、ドリッパー10にセットされた蒸らされた状態の珈琲粉にお湯を好みの量だけユーザの好みのタイミングで順次注いでいく。このように、珈琲粉にお湯が注がれると、珈琲粉がお湯を吸収しきれず、珈琲の液体(抽出液)が容器40に落ちるようになる。液量検出部270は容器40に落ちた抽出液の量を随時検出し、目的の抽出液の量が溜まったと制御部250により判断された場合には、抽出停止部280が容器40への抽出液の落下を阻止して容器40への抽出を停止させる。なお、この蒸らし開始(抽出開始)から抽出終了までの期間において、タッチパネルディスプレイ22には、抽出開始からの経過時間や容器40に溜まった抽出液の量などを表示してユーザに抽出の状況を示す画面(抽出状況表示画面)が表示される。この抽出状況表示画面の表示例については、図7を用いて後に詳細に説明する。
なお、抽出開始から抽出終了までにおいて液量検出部270が検出した抽出液の量や計量部260が検出した重量の遷移は、抽出履歴データとして記憶部290に保存される。この抽出履歴データは、抽出動作のユーザ自身による検討や、過去の抽出を再現するために用いられる。この抽出履歴データの一覧例及び表示例については、図9(1)及び図9(2)を用いて後に詳細に説明する。また、抽出中に比較する表示例については、図7(2)を用いて後に詳細に説明する。
このように、電子機器20は、ユーザがハンドドリップを行う際にユーザを補助することができる。
[珈琲粉の計量時に表示される画面の例]
図5及び図6は、第1実施形態におけるタッチパネルディスプレイ22に珈琲粉の計量時に表示される操作表示画面(珈琲粉計量画面)の一例を示す図である。
図5(1)には、珈琲粉14がドリッパー10にセットされている状態の一例が示され、図5(2)には、名称が「標準」の分量データが選択されているときに珈琲粉の重さから抽出液の量が算出される場合におけるタッチパネルディスプレイ22の表示例が示されている。また、図5(3)には、名称が「Aドリッパー用」の分量データが選択されているときに珈琲粉の重さから抽出液の量が算出される場合におけるタッチパネルディスプレイ22の表示例が示されている。
さらに、図6(1)には、名称が「標準」の分量データ(以降は、「標準」分量データとも称する。他の名称の分量データも同様に称する。)が選択されているときにユーザが指定する抽出液の量から珈琲粉の量が算出される場合におけるタッチパネルディスプレイ22の表示例が示されている。また、図6(2)には、図5(2)で示す表示画面において「設定分量表示」ボタン319が押下(タッチ)された場合におけるタッチパネルディスプレイ22の表示例が示されている。なお、図6(3)には、図5(3)で示す表示画面において「設定分量表示」ボタン319が押下(タッチ)された場合におけるタッチパネルディスプレイ22の表示例が示されている。
図5(1)に示すように、抽出開始前にドリッパー10に珈琲粉14を載せると、計量部27はその載せられた珈琲粉14の重さを計量する。そして、電子機器20は、その計量結果をタッチパネルディスプレイ22に表示させる。なお、この際に、電子機器20は、珈琲粉の量(重さ)から抽出液の量(液量)を算出するか、ユーザが指定した抽出液の量から珈琲粉の量を算出するかの処理を行う。
これらの算出処理をするためには珈琲粉の量と抽出液の量との間の関係に関する情報が必要である。しかし、1杯の珈琲に対する粉の量は、ドリッパーの形状毎に異なることが多い。また、1杯の液量(カップのサイズ)は、ユーザ毎に異なることが多い。さらに言うと、使用する珈琲粉やユーザの嗜好によっても異なることが多い。
そこで、予め設定されている情報の他に、ユーザがこの情報を設定できるようにするのが望ましい。第1実施形態では、この珈琲粉の量と抽出液の量との間の関係に関する情報を選択することを分量データの選択と称して、図5(2)では電子機器20にプリセットされている分量データである「標準」分量データで算出する例を示し、図5(3)ではユーザが設定した分量データである「Aドリッパー用」分量データで算出する例を示す。
図5(2)において示す「標準」分量データが選択されて抽出液の量が算出される場合におけるタッチパネルディスプレイ22の表示例では、複数のボタン、計量した珈琲粉の重量(珈琲粉重量 25g)、計算された抽出量(抽出停止量 360ml(3杯))、ドリッパー(ドリッパー:XXXドリッパー)、分量データ一覧が示されている。
この表示例では、ボタンとして、「ZERO」ボタン311、「ml」ボタン312、「g」ボタン313、「+」ボタン314、「-」ボタン315、「メニュー画面」ボタン316、「上」ボタン317、「下」ボタン318、「設定分量表示」ボタン319が示されている。
「ZERO」ボタン311は、計量台24に載っている物の重さを含めて「0」グラム(g)とするボタンである。すなわち、一般的な電子スケールにおいて容器の重さを差し引いてゼロとするボタンであるZEROボタンやTAREボタンに相当するものである。珈琲粉の重さを計量するときに紙フィルターをセットしたドリッパー10を計量台24に載せた後に「ZERO」ボタン311を押すことで、ドリッパー10に載せる珈琲粉の重量のみを量ることができる。
「ml」ボタン312及び「g」ボタン313は、電子機器20が算出する対象を決定するボタンである。図5(2)では、2重線で囲まれた「ml」ボタン312と、破線で囲まれたが「g」ボタン313が示されている。なお、第1実施形態では、2重線で囲まれたボタンの方が押下されて選択されていることを想定して図示する。
「ml」ボタン312を押下すると、計量部260によって計量された珈琲粉の重さに基づいて抽出液の量(抽出停止量)が算出される。電子機器20は、抽出中にこの算出された量(抽出停止量)の抽出液が容器40に溜まったことを液量検出部270が検出すると、抽出停止部280が抽出を停止させる。
一方、「g」ボタン313を押下すると、ユーザが入力した抽出停止量に基づいて珈琲粉の量(重量)が算出される。なお、「g」ボタン313を押下した場合については、図6(1)を用いて後で説明する。
「+」ボタン314及び「-」ボタン315は、算出された抽出停止量を微調整するためのボタンである。例えば、「+」ボタン314を押下すると抽出停止量が10mlずつ増加し、「-」ボタン315を押下すると抽出停止量が10mlずつ減少する。図5(2)には、「+」ボタン314及び「-」ボタン315はどちらも一度も押下されていないことを想定した例を示している。なお、押下された場合には、押下されたことがわかるように抽出停止量を表示するとよい。例えば、図5(2)の場合に「+」ボタン314が一度押下されると、mlのところは「360ml +10ml」と表示される例などが考えられる。
「メニュー画面」ボタン316は、電子機器20の各種設定を行うためのメニュー画面を表示するためのボタンである。第1実施形態では詳細な説明を省略するが、このボタンを押した後のメニュー画面では、各種設定、分量データの作成、過去の抽出のログの表示などを行うことができる。
「上」ボタン317及び「下」ボタン318は、分量データ一覧に表示される分量データを変更するためのボタンである。電子機器20に分量データが複数設定されている場合には、タッチパネルディスプレイ22に全ての分量データを一度に表示することは難しい。この「上」ボタン317及び「下」ボタン318を押下することにより、分量データ一覧に表示される分量データが変更されてユーザが所望する分量データが選択可能となる。なお、選択された分量データに登録(設定)されているドリッパーの名称が、「ドリッパー:」の表記の右隣に表示される。
この図5(2)では、分量データ一覧には3つの分量データ(「標準」、「Aドリッパー用」、「私のお気に入り味」)が示され、そして、選択されている「標準」分量データが2重線で囲まれて示され、また、この分量データを用いるために使用するドリッパーとして「XXXドリッパー」が示されている。
「設定分量表示」ボタン319は、選択されている分量データに登録されている珈琲粉の量と抽出液の量との間の関係を表示するためのボタンである。なお、以降では、珈琲粉の量(g)と抽出液の量(ml)との間の関係(分量関係)を設定分量とも称する。また、「設定分量表示」ボタン319が押下された場合の例については、図6(2)及び図6(3)を用いて後で説明する。
次の表示例の図5(3)では、「Aドリッパー用」分量データが設定されて抽出液の量が算出される場合における表示例が示されている。なお、表示されている各ボタンについては、図5(2)と同じであるため同一の符号を付して説明を省略する。
この図5(3)では、分量データ一覧に3つの分量データ(「Aドリッパー用」、「私のお気に入り味」、「X店ブレンド豆用」)が示され、そして、選択されている「Aドリッパー用」が2重線で囲まれて示されている。また、「Aドリッパー用」分量データを用いるために使用するドリッパーとして、「Aドリッパー」が示されている。
この図5(3)では、図5(2)と同様の珈琲粉の重量(25g)が計量されたものの、図5(2)と異なる抽出停止量(250ml(2.1杯))が算出された様子が示されている。図5(2)における抽出停止量が図5(1)と異なるのは、珈琲粉の量と抽出液の量との間の関係(設定分量)が異なる分量データが設定されたためである。設定分量については、図6(2)及び図6(3)、図8を用いて後で説明する。
この図5(2)及び図5(3)に示すように、電子機器20を用いることにより、計量された珈琲粉の量から抽出液の量を算出し、その算出された抽出液の量がドリッパー10に入ったときに抽出が終了するようにユーザを補助することができる。
続いて、図6(1)では、「標準」分量データが選択されているときにおいて、ユーザが指定する抽出液の量から珈琲粉の量が算出される場合におけるタッチパネルディスプレイ22の表示例が示されている。すなわち、この図6(1)で示す表示例は、図5(2)の画面において「g」ボタン313が押下された場合の例が示されている。なお、計量された珈琲粉の量は図5(2)の例と異なる(24.5g)ことを想定して説明する。なお、この図6(1)で表示されている複数のボタンのうち、「上(ml)」ボタン321、「下(ml)」ボタン322、「上(杯)」ボタン323、「下(杯)」ボタン324以外については図5(2)と同じであるため、同一の符号を付して説明を省略する。
この図6(1)では、図5(2)で表示されている計量した珈琲粉の重量及び計算された抽出量に代えて、ユーザが入力した抽出量(抽出停止量 360ml(3杯))、抽出量に基づいて算出された珈琲粉の重量(珈琲粉重量 算出 25g)、ドリッパーに載せられている珈琲粉の重量(珈琲粉重量 計測 24.5g)が示されている。
「上(ml)」ボタン321及び「下(ml)」ボタン322は、ユーザが抽出停止量をml単位で指定するためのボタンである。例えば、「上(ml)」ボタン321を押下すると抽出停止量が10mlずつ増加し、「下(ml)」ボタン322を押下すると抽出停止量が10mlずつ減少する。
「上(杯)」ボタン323及び「下(杯)」ボタン324は、ユーザが抽出停止量を杯(カップ)単位で指定するためのボタンである。例えば、「上(杯)」ボタン323を押下すると抽出停止量が1杯ずつ増加し、「下(杯)」ボタン324を押下すると抽出停止量が1杯ずつ減少する。
ユーザは、図6(1)に示すような場合(珈琲粉の重量を算出する場合)では、まず、所望の抽出液の量を入力する。そして、電子機器20は設定されている分量データに応じて珈琲粉の量を算出して表示する。その後、ユーザは、算出された量となるように珈琲粉をドリッパー10に入れる。そしてユーザは抽出を開始し、ユーザが入力した量(抽出停止量)の抽出液が容器40に溜まったことを液量検出部270が検出すると、抽出停止部280が抽出を停止させる。
この図6(1)に示すように、電子機器20を用いることにより、ユーザが所望する抽出液の量から珈琲粉の量を算出し、その算出した量の珈琲粉がドリッパー10に入るようにユーザを補助することができる。
続いて、図5(2)及び図5(3)に示した表示において「設定分量表示」ボタン319が押下された場合の表示例について、図6(2)及び図6(3)を用いて説明する。
図6(2)には、図5(2)で示す表示画面において「設定分量表示」ボタン319が押下(タッチ)された場合の表示例が示され、図6(3)には、図5(3)で示す表示画面において「設定分量表示」ボタン319が押下(タッチ)された場合の表示例が示されている。
既に説明したように、「設定分量表示」ボタン319が押下されると、選択されている分量データの設定分量が表示される。第1実施形態では、分量データ一覧に関する表示が設定分量の表示に変わり、それ以外の表示は変わらない例を想定する。
図6(2)及び図6(3)では、図5(2)及び図5(3)で示した「設定分量表示」ボタン319の代わりに「分量データ一覧表示」ボタン327が示され、分量データ一覧と「上」ボタン317と「下」ボタン318との代わりに設定分量一覧と「上」ボタン325と「下」ボタン326が示されている。また、それ以外は図5(2)及び図5(3)と同じものが示されている。
「分量データ一覧表示」ボタン327は、設定分量の表示を分量データ一覧の表示に変えるためのボタンである。すなわち、図6(2)の表示で押下されると図5(2)の表示に変わり、図6(3)の表示で押下されると図5(3)の表示に変わる。
「上」ボタン325と「下」ボタン326は、設定分量一覧に表示されている設定分量を変更するためのボタンである。設定されている設定分量(抽出液の量(杯)と珈琲粉の量(g)との間の関係)が多い場合は、設定分量一覧に一度で表示しきれない。この場合に「上」ボタン325あるいは「下」ボタン326を押下することで、隠れて表示しきれなかった設定分量の設定を表示する。
図6(2)で示すように、「標準」分量データでは、1杯が120mlであり、1~4杯の抽出において珈琲粉の量は、1杯なら11g、2杯なら18g、3杯なら25g、4杯なら32gと設定されている。一方、図6(3)で示すように、「Aドリッパー用」分量データでは、1杯が120mlであり、1~4杯の抽出において珈琲粉の量は、1杯なら12g、2杯なら24g、3杯なら36g、4杯なら48gと設定されている。すなわち、「標準」分量データと「Aドリッパー用」分量データとでは異なる設定分量であるため、25gの珈琲粉に対する抽出停止量の算出は、「標準」分量データは360ml(3杯)になり、「Aドリッパー用」は250ml(2.1杯)になる。
なお、図6(3)の例における250ml(2.1杯)の算出は、例えば次のように行われる。珈琲粉の25gは「Aドリッパー用」分量データの2杯(240ml)の24gと3杯(360ml)の36gとの間の重さであるため、この2つの設定から1gで10mlを抽出と算出され、その結果、250ml(240+10ml)と2.1杯(2+約0.1杯)とが算出される。
なお、分量データにおける設定分量を設定する画面の一例については、図8を用いて後に詳細に説明する。
また、図5及び図6で示す珈琲粉計量画面では、蒸らしの液が落ちたことを検出することで珈琲粉計量画面が終了して抽出中の画面に移行する例を想定しているが、珈琲粉の量の計量が終了したことをユーザが入力するボタン(計量終了ボタン)を珈琲粉計量画面に設けるようにしてもよい。
次に、抽出中の画面(抽出状況表示画面)の表示例について、図7を用いて説明する。
[珈琲の抽出中に表示される画面の例]
図7は、第1実施形態におけるタッチパネルディスプレイ22に珈琲の抽出中に表示される画面(抽出状況表示画面)の一例を示す図である。なお、図7では、2つの例が示されており、図7(1)には現在の抽出状況のみを表示する例が示され、図7(2)には過去の抽出と比較して表示する例が示されている。
図7(1)では、現在の抽出状況のみを表示する例として、「途中終了(遮蔽有)」ボタン328、「途中終了(遮蔽無)」ボタン329、抽出量(100ml)、抽出停止量(240ml(3杯))、経過時間(01:30)が示されている。
「途中終了(遮蔽有)」ボタン328及び「途中終了(遮蔽無)」ボタン329は、抽出中に行われている電子機器20の各動作(タイマ240による時間計測、計量部260による計量、液量検出部270による液量検出など)を抽出中に止めるためのボタンである。これらのボタンが押下されると、抽出が途中の場合(抽出停止量ほどの量の抽出液が容器40に溜まっていない場合)であっても電子機器20は動作を終了させる。
「途中終了(遮蔽有)」ボタン328が押下された場合には、抽出停止部280が遮蔽動作を行って抽出液が排水容器23に流れる状態にしてから電子機器20の各動作が終了する。なお、「途中終了(遮蔽無)」ボタン329が押下された場合には、抽出停止部280は遮蔽動作を行わずに抽出液が容器40に流れる状態のまま電子機器20の各動作が終了する。
なお、「途中終了(遮蔽有)」ボタン328及び「途中終了(遮蔽無)」ボタン329が押下されない場合には、抽出が終了するまで抽出状況表示画面が表示される。すなわち、タイマ240が計時する抽出開始からの時間に応じて経過時間の表示が増加するとともに、液量検出部270が検出する容器40の液量に応じて抽出量の表示が増加する。そして、液量検出部270が検出する液量(抽出量)が抽出停止量と同じになったときに抽出停止部280が遮蔽動作を行って抽出が終了となる。
続いて、抽出中に過去の抽出と比較しながら現在の抽出状況を表示する例について、図7(2)を用いて説明する。
図7(2)の表示例では、「途中終了(遮蔽有)」ボタン328、「途中終了(遮蔽無)」ボタン329、抽出量/抽出停止量(100/240ml)、経過時間(01:30)、抽出比較データに設定した抽出履歴データの取得日時(×月△日 □時○分)、抽出比較データに設定した抽出履歴データのユーザ評価(酸:5 苦:3 雑:2)、重量遷移グラフ331、液量遷移グラフ332が示されている。
「途中終了(遮蔽有)」ボタン328、「途中終了(遮蔽無)」ボタン329は、図7(1)で示したものと同様であるため説明を省略する。また、抽出量/抽出停止量は、図7(1)で示した抽出量及び抽出停止量を1つにまとめて表示したものである。
抽出比較データには、実行中の抽出と比較する抽出を行った日時が示される。また、ユーザ評価には、その比較する抽出に対してユーザが付けた評価が表示される。なお、抽出比較データとして用いる抽出履歴データの詳細については、図9を用いて後に詳細に説明する。
重量遷移グラフ331は、抽出中に計量部260が計量する重さ(重量)の遷移(経時変化)を示すグラフである。なお、計量部260が計量する重さのうち、ドリッパー10の重量及び珈琲粉の重量は変化しないため、重量遷移はドリッパー10の内部に留まっているお湯の量の遷移を示す。
また、液量遷移グラフ332は、抽出中に液量検出部270が検出する抽出液の量の遷移(経時変化)を示すグラフである。なお、第1実施形態では、蒸らしの液の落下を液量検出部270が検出してタイマ240が時間の計測を開始したときを抽出の開始とし、所定の液量が溜まったことを液量検出部270が検出して抽出停止部280が遮蔽したときを抽出の終了とする期間を抽出中としてグラフが示されている。
この2つのグラフには、実行中の抽出の遷移が実線で示され、比較に用いる過去の抽出(×月△日□時○分の抽出)の遷移が破線で示されている。このように、過去の抽出に関する情報(抽出履歴データ)を記憶部290に保持させることにより、抽出中に抽出の状態の遷移を比較することが可能となる。なお、比較に用いる抽出履歴データは、例えば、味が1番好みだった抽出をユーザが指定することにより、その好みの味を再現することを電子機器20が補助することができる。
なお、図7(2)で示した比較は、同じ珈琲粉の量で同じ液量を抽出する場合に行うことが望ましい。しかし、違う珈琲粉の量で行う場合には、液量は抽出を停止させた液量を100とし、開始を0とする100分率を用いてグラフを描いたりすることで比較することができる。
図7(1)及び図7(2)に示したように、電子機器20は、抽出中に抽出の状況を示すデータ(時間、ドリッパー10の中の重さ、容器40の中の液量)を表示させることにより、ユーザによる抽出の動作を補助することができる。
ここまでは、珈琲粉の量の計量から抽出終了までの期間における電子機器20の動作に着目して説明した。次に、電子機器20にユーザが保持させる情報に着目して説明する。まず、珈琲粉の量から抽出液の量を算出するのに必要な分量データの設定画面について図8を参照して説明し、続いて、抽出中に比較して表示するのに必要な抽出履歴データについて図9を参照して説明する。また、液量検出部270による液量の検出について、図10を参照して説明する。
[分量データの設定時に表示される画面の例]
図8は、第1実施形態におけるタッチパネルディスプレイ22に表示される分量データ一覧画面及び設定画面の一例を示す図である。
図8(1)には分量データの一覧の表示例が示され、図8(2)には分量データの設定時の表示例が示されている。メニュー画面で分量データを表示させる選択を行うと図8(1)のように分量データが一覧で表示されて、図8(1)の画面で既存の分量データを編集する選択及び分量データを新規作成する選択をすると、図8(2)のように分量データを設定する画面が表示される。
図8(1)に示す分量データの一覧の表示例(分量データ一覧画面)では、「上」ボタン341、「下」ボタン342、「新規作成」ボタン343、「編集」ボタン344、「メニューに戻る」ボタン345、複数の分量データが示されている。なお、複数の分量データとしては、4つの分量データ(標準、Aドリッパー用、私のお気に入り味、X店ブレンド豆用)が示され、私のお気に入り味が選択されていることを意味する2重線の枠が示されている。また、分量データの名称の右隣に表されている数値は、設定されている珈琲粉の量(g)であり、左端を1杯目とし右端を6杯目とする1から6杯までの珈琲粉の量が示されている。なお設定されていない珈琲粉の量は、「――」で示されている。
「上」ボタン341及び「下」ボタン342は、分量データの一覧に表示されている分量データを変更するためのボタンである。登録されている分量データが多い場合には、一度で表示しきれない。この場合に、「上」ボタン341及び「下」ボタン342を押下することで、表示している分量データを隠して表示しきれなかった分量データを表示する。
「新規作成」ボタン343は、分量データを新規作成するためのボタンである。この「新規作成」ボタン343が押下されると、分量データを新規作成するための画面に移行する。なお、分量データを新規作成するための画面は、後の図8(2)に示す画面の入力欄が全て空白の画面である。
「編集」ボタン344は、既に作成された分量データの設定を変更して編集するためのボタンである。この「編集」ボタン344が押下されると、選択された分量データを編集するための画面に移行する。なお、図8(1)では、私のお気に入り味が選択されており、この状態で「編集」ボタン344が押下されると、図8(2)に示すような分量データ設定画面に移行する。
「メニューに戻る」ボタン345は、メニュー画面に戻るためのボタンである。分量データの設定や確認が終わった後にこのボタンを押下することによりメニュー画面に戻って他の操作を行うことができる。
図8(2)に示す分量データを設定するための画面の表示例(分量データ設定画面)では、「破棄して戻る」ボタン346、「保存して戻る」ボタン347、「名称」入力欄351、「1杯のサイズ」入力欄352、「珈琲粉分量」入力欄353及び354、「コメント」入力欄355、「ドリッパー」入力欄356が表示されている。
「破棄して戻る」ボタン346は、この分量データ設定画面で各入力欄に入力した情報を保存せずに破棄して分量データ設定画面を終了するためのボタンである。例えば、図8(1)で示した「新規作成」ボタン343を押下して分量データ設定画面に移行した場合には、分量データを新規作成しないで分量データ一覧画面に戻る。また、図8(2)で示した 「編集」ボタン344を押下して分量データ設定画面に移行した場合には、選択された分量データの各設定(入力欄の各入力情報)を変更しないで分量データ一覧画面に戻る。
「保存して戻る」ボタン347は、この分量データ設定画面で各入力欄に入力した情報を保存して分量データ設定画面を終了するためのボタンである。図8(1)で示した「新規作成」ボタン343を押下して分量データ設定画面に移行した場合には、各入力欄に入力された情報に基づいて分量データが新規作成されて分量データ一覧画面に戻る。また、図8(1)で示した 「編集」ボタン344を押下して分量データ設定画面に移行した場合には、選択された分量データの各設定にユーザが今回変更した情報を反映して分量データ一覧画面に戻る。
このように、電子機器20の制御部250は、各種情報を表示してユーザ操作を受け付けるタッチパネルディスプレイ22(パネルの一例)に分量データ設定画面(図8(2)に示す)(入力画面の一例)を表示させ、そのユーザ操作に基づく入力情報を分量データ設定画面に表示させる制御を実行する。また、制御部250は、その分量データ設定画面への入力内容を破棄してその分量データ設定画面の直前に表示されていた分量データ一覧画面(図8(1)に示す)(第1画面の一例)に戻るための操作を受け付ける「破棄して戻る」ボタン346(第1操作標識の一例)と、分量データ設定画面への入力内容を保存して分量データ一覧画面に戻るための操作を受け付ける「保存して戻る」ボタン347(第2操作標識の一例)とを分量データ設定画面に表示させる。また、制御部250は、「破棄して戻る」ボタン346の操作が受け付けられた場合には、分量データ設定画面への入力内容を破棄して分量データ設定画面を消去して分量データ一覧画面を表示させる。一方、制御部250は、「保存して戻る」ボタン347の操作が受け付けられた場合には、分量データ設定画面への入力内容を記憶部290に保存して分量データ設定画面を消去して分量データ一覧画面を表示させる。なお、この例では、電子機器20が備えるタッチパネルディスプレイ22の表示制御の一例を示したが、他の電子機器(例えば、スマートフォン、タブレット端末、テレビ)が備えるタッチパネルディスプレイ(例えば、図13のタッチパネルディスプレイ610参照)や、外部装置としての機器(例えば、電子機器により無線操作される表示装置)の表示制御についても適用可能である。
「名称」入力欄351は、分量データ名を入力するための欄である。
「1杯のサイズ」入力欄352は、1杯あたりの抽出液の量(ml)を入力するための欄である。
「珈琲粉分量」入力欄353及び354は、1杯ごとの珈琲粉の量(分量)を入力するための欄である。入力がない場合や「0」を入力した場合は、「設定無」と表示される。図8(2)では、1から3杯目までが入力され、4から6杯目は入力されずに「設定無」と表示されていることが示されている。この分量データを使用して珈琲粉を計量した場合には、3杯目の25gより多い珈琲粉を計量時にドリッパー10に載せると、多すぎることを警告するエラーが表示される。また、計量時に1杯目の10gより珈琲粉が少ない場合も最低1杯分の10gを載せるように警告するエラーが表示される。
「コメント」入力欄355は、設定している分量データのコメントを入力するための欄である。
「ドリッパー」入力欄356は、使用するドリッパーを識別するためにドリッパーの名称を入力するための欄である。
このように、珈琲粉の量(g)と抽出液の量(ml)との間の関係を示す情報(設定分量)を分量データとしてユーザが設定できるようにすることにより、ユーザ毎に異なる嗜好に合わせて抽出作業を補助することができる。また、設定分量の異なる複数の分量データを保持できるようにすることにより、形状の異なるドリッパーの使用や異なる珈琲豆の使用における抽出作業を補助することができる。
[抽出履歴データの確認時に表示される画面の例]
図9は、第1実施形態におけるタッチパネルディスプレイ22に表示される抽出履歴データの一覧画面及び詳細画面の一例を示す図である。
図9(1)には抽出履歴データの一覧の表示例が示され、図9(2)には抽出履歴データの詳細の表示例が示されている。メニュー画面で抽出履歴データを表示させる選択を行うと図9(1)のように抽出履歴データが一覧で表示され、図9(1)の画面で詳細を確認する選択をすると図9(2)のように抽出履歴データの詳細の画面が表示される。
図9(1)に示す抽出履歴データの一覧の表示例(抽出履歴データ一覧画面)では、「分量データ」変更ボタン361、「上」ボタン362、「下」ボタン363、「抽出比較データに設定」ボタン364、「詳細表示」ボタン365、「メニューに戻る」ボタン366、複数の抽出履歴データ、抽出比較データが示されている。なお、抽出比較データとは、図7(2)に示した抽出中に抽出状況を比較する際に比較する抽出として表示される抽出履歴データであり、第1実施形態では、この抽出履歴データ一覧画面で一覧に並んでいる抽出履歴データから選択されて設定されることを想定する。
「分量データ」変更ボタン361は、分量データ毎に一覧に表示される抽出履歴データを変更するために、分量データの設定を変更するためのボタンである。第1実施形態では、この抽出履歴データ一覧画面には、同じ分量データで抽出した抽出履歴データが一覧で表示されることを想定する。図9(1)の表示例では「標準」分量データが選択されており、「標準」分量データを用いた抽出の抽出履歴データが一覧に示されている。「標準」分量データ以外の分量データを選択すると、その分量データを用いた抽出の抽出履歴データが一覧に表示される。
なお、この図9(1)では、抽出比較データは分量データ毎に表示されることを想定すしたがこれに限定されるものではなく、珈琲粉の重量毎に表示したりすることも考えられる。
「上」ボタン362及び「下」ボタン363は、抽出履歴データの一覧に表示されている抽出履歴データを変更するためのボタンである。登録されている抽出履歴データが多い場合には一度で表示しきれないため、これらのボタンを押下することで一覧に表示している抽出履歴データを変更して表示しきれなかった抽出履歴データを表示する。なお、複数の抽出履歴データとしては、4つの抽出履歴データ(○月○日○時○分、△月△日△時△分、×月△日□時○分、×月×日×時×分)が示され、×月△日□時○分が選択されていることを意味する2重線の枠が示されている。そして、抽出履歴データの右隣に表されている数値は、抽出に用いた珈琲粉の量(g)と、ユーザが付けた味の評価(酸味(酸)、苦み(苦)、雑味(雑))が示されている。
「抽出比較データに設定」ボタン364は、抽出履歴データ一覧において選択されている抽出履歴データを抽出比較データに設定するためのボタンである。
「詳細表示」ボタン365は、抽出履歴データ一覧において選択されている抽出履歴データの詳細を表示するためのボタンである。このボタンが押下されると、図9(2)に示す抽出履歴データの詳細の画面に移行する。
「メニューに戻る」ボタン366は、メニュー画面に戻るためのボタンである。抽出履歴データの確認や抽出比較データの設定が終わった後にこのボタンを押下することによりメニュー画面に戻って他の操作を行うことができる。
図9(2)に示す抽出履歴データの詳細を確認するための画面の表示例(抽出履歴データ表示画面)では、「一覧に戻る」ボタン367、「評価星数」入力欄371、「コメント」入力欄372、重さの遷移を示すグラフ、液量の遷移を示すグラフ、抽出履歴データの基本情報が示されている。
なお、抽出履歴データの基本情報として、取得日時(×月△日□時○分)、使用した分量データ(基準)、抽出に使用した珈琲粉の重量(珈琲粉:25g)、容器40に溜めた抽出液の量(抽出量:360ml)、抽出開始から終了までの時間(抽出時間:3分55秒)が示されている。なお、容器40に溜める抽出液の量については、図5乃至図8では抽出停止量と称したが、ここでは抽出量と称する。
また、重さの遷移を示すグラフ及び液量の遷移を示すグラフは、表示する抽出履歴データのデータのみを表示する以外は図7(2)で示したグラフ(重量遷移グラフ331及び液量遷移グラフ332)と同じものであるため、ここでの詳細な説明を省略する。
「一覧に戻る」ボタン367は、抽出履歴データ表示画面を終了して抽出履歴データ一覧画面に戻るためのボタンである。なお、抽出履歴データ表示画面に表示される各入力欄において入力を行った場合には、その入力を保存して抽出履歴データ一覧画面に戻る。
「評価星数」入力欄371は、表示している抽出履歴データに関する味の評価を入力するための欄である。この抽出履歴データで抽出した珈琲を飲んだユーザがこの欄を入力することで、抽出履歴データに味の評価が付けられる。なお第1実施形態では、味の評価として、酸味、苦さ、雑味の3つのポイントをそれぞれ5段階で評価することを想定する。この「評価星数」入力欄371では、押下することでオンオフ可能な5つの星が3つのポイントそれぞれに示されており、ユーザはオンにする星の数を指定することで評価を決定する。図9(2)では、「酸味」で3つの星がオンにされ、「苦さ」で3つの星がオンにされ、「雑味」で1つの星がオンにされた様子が示されている。
「コメント」入力欄372は、表示している抽出履歴データのコメントを入力するための欄である。
この図9(2)の「評価星数」入力欄371及び「コメント」入力欄372に示すように、抽出履歴データには、ユーザの評価やコメントを入力することができる。これにより、抽出比較データに設定するか否かをユーザ自身が判断する際の材料を抽出履歴データとともに保存することができる。
この図9(2)で説明したように、抽出履歴データには、抽出を行った時の状況と、その抽出に関するユーザの評価やコメントが記録される。抽出を行った時の状況としては、抽出を行った日時(取得日時)、使用した分量データ、抽出に使った珈琲粉の量(珈琲粉)、抽出を終わらせた液量(抽出量)、抽出を終わらせた時間(抽出時間)、抽出中のドリッパー10内の重量変化(重量遷移)、抽出中の容器40内の液量変化(液量遷移)が記録される。
[液量検出の例]
図10は、第1実施形態における液量検出部270による液量の検出動作の一例を示す図である。
図10(1)には、容器40に溜まった抽出液(珈琲液413)が少量(容器40の高さの約9分の1ほどの液量)場合の例が示され、図10(2)には、容器40に溜まった抽出液(珈琲液423)が中量(容器40の高さの約4分の1ほどの液量)の場合における例が示されている。
この図10(1)及び図10(2)では、電子機器20及び容器40の側面図が左側に示され、この左側に示した量の珈琲液を液量検出部25が撮像した場合における撮像画像の例(撮像画像410及び420)が右側に示されている。
なお撮像画像410及び420は、撮像した際に写る珈琲液の液面に着目して図示し、撮像した際に写る容器40の側面、液面に浮遊する泡、湯気、などは図示を省略する。そのため、撮像画像410及び420では、珈琲液の液面(液面412及び液面422)と、容器40の側面に接した液面の縁(液面の縁411及び液面の縁421)とが示されている。
撮像画像410及び420では、液面412及び422は、図10における左側が急なカーブであり、右側が緩やかなカーブである楕円で示されている。これは、液量検出部25の位置が、容器40の中心に対応する電子機器20の位置からズレている(図10の左側)ことを反映して図示している。撮像画像410と撮像画像420とを比較すると、開口部より底が広い容器40の形状のため、撮像画像420で示す液面422は撮像画像410で示す液面412より面積が小さい。また、撮像画像420で示す液面の縁421の撮像画像における位置は撮像画像410で示す液面の縁411の位置より撮像画像の中心に近い。このように、容器40に溜まった珈琲液の液量が変わると、撮像画像における液面の面積と液面の縁の位置とが変化する。液量に応じて変化するため、図4で説明したように定められた液量が入っている容器40の画像を事前に液量毎に取得しておけば、この画像と比較することで電子機器20は液量を決定することができる。
例えば、予め撮像した複数の画像のうちの100mlの液量の画像における液面及び液面の縁が撮像画像410の液面412及び液面の縁411と略一致する場合には、撮像画像410の撮影されたタイミングにおける液量は100mlと決定される。
このように、電子機器20は、定められた液量が入っている容器40の画像を事前に液量毎に取得しておくことで抽出時に液量を検出することができる。
[電子機器の動作例]
図11は、第1実施形態における電子機器20を用いて抽出を行う場合の動作(抽出処理手順)の一例を示すフローチャートである。図11では、容器40へ電子機器20を付けた後に電源ボタン21を押下して電子機器20の電源をオンにした後の動作例を示す。また、図11では、抽出中にドリッパー10の中の重さを計量しない動作(図7(1)のような抽出状況表示画面を表示する動作)の例を示す。なお、抽出中にドリッパー10の中の重さを計量する動作の例については、第5乃至第7実施形態において説明するため、ここでの説明を省略する。
最初に、電子機器20の液量検出部270は、容器40の画像を取得する(ステップS101)。そして、この取得した画像に基づいて、制御部250は容器40が正しい位置にセットされているか否かを判断する(ステップS102)。具体的には、制御部250は、前もって取得された容器40の画像のうちの液体が入っていない画像と比較して判断する。
そして、容器40の位置が正しくないと判断された場合には(ステップS102)、容器40の位置を修正させる警告を表示部220に表示させ(ステップS103)、ステップS101に戻る。
一方、容器40の位置が正しいと判断された場合には(ステップS102)、計量台24に載せられた物体の重量の計量が開始され、計量台24に係る重量が取得される(ステップS104)。そして、制御部250は、ドリッパー10の重量をゼロ処理(ドリッパー10の重量を差し引く処理)したか否かを判断する(ステップS105)。すなわち、制御部250は、珈琲粉を入れていないドリッパー10が計量台24に載せられて、その後、ユーザにより「ZERO」ボタン311が押下されたか否を判断する。そして、ゼロ処理が行われていないと判断された場合には(ステップS105)、ステップS104に戻る。
一方、ゼロ処理が行われたと判断された場合には(ステップS105)、ゼロ処理が行われた計量台24に係る重量、すなわち、珈琲粉の重量が取得される(ステップS106)。続いて、ユーザにより選択された分量データの設定分量に基づいて、抽出停止量または珈琲粉の分量が算出される(ステップS107)。
そして、珈琲粉の重量の取得結果及び算出結果が反映された珈琲粉計量画面が表示部220に表示される(ステップS108)。これにより、ユーザは自分の行いたい抽出に応じて適切な量の珈琲粉をドリッパー10に入れることができる。なお、珈琲粉計量画面の表示開始について特にステップとして表示しなかったが、図5及び図6で示したように「ZERO」ボタン311が珈琲粉計量画面に表示される場合には、ステップS102で容器40の位置が正しいと判断されたのちに珈琲粉計量画面の表示が開始される。この場合には、ドリッパー10の重量のゼロ処理が終わるまでは「ドリッパーのみを計量台に載せて「ZERO」ボタンを押してください」などのアラームを表示させ、ゼロ処理が行われたと判断された場合にアラームを消して珈琲粉の計量を可能にする。
なお、ドリッパー10の重量のゼロ処理は別の表示にして、図5及び図6で説明した「ZERO」ボタン311が無い珈琲粉計量画面を、ステップS105でゼロ処理が行われたと判断されたのちに表示することも考えられる。
そして、珈琲粉計量画面を表示している際に液量検出部270は容器40の画像を取得し(ステップS109)、この取得した画像に基づいて、制御部250は液体が容器40へ落ちたか否かを判断する(ステップS110)。第1実施形態では、制御部250は珈琲粉計量画面の表示中に蒸らしの液体が容器40へ落ちたら抽出開始と判断するため、ステップS110では抽出の開始が判断される。蒸らしの液体が容器40へ落ちていないと判断された場合には(ステップS110)、ステップS106に戻る。
一方、蒸らしの液体が容器40へ落ちたと判断された場合には(ステップS110)、抽出の開始と判断され、珈琲粉計量画面での設定分量に基づく算出結果、ユーザの入力、ドリッパー10にセットされた珈琲粉の重量に基づいて、抽出に使用する珈琲粉の重量及び容器40に溜める抽出液の量が決定される(ステップS111)。続いて、制御部250は、タイマ240による抽出時間の測定を開始させる(ステップS112)。この際、表示部220に珈琲の抽出中に表示される画面(抽出状況表示画面)の表示が開始される。すなわち、図7に示したような抽出状況表示画面の表示が開始される。
次に、液量検出部270が取得した画像に基づいて、容器40へ溜まった抽出液の量が検出される(ステップS113)。続いて、この検出された抽出液や測定された抽出時間(抽出開始からの経過時間)が反映された抽出状況表示画面が表示部220に表示される(ステップS114)。これにより、ユーザは、現状の抽出状況を適切に認識することができる。
続いて、検出された液量に基づいて、決定された抽出液の量が容器40に溜まったか否かが制御部250により判断される(ステップS115)。決定された抽出液の量が容器40に溜まっていないと判断された場合には(ステップS115)、ステップS113に戻り抽出が継続される。
一方、決定された抽出液の量が容器40に溜まったと判断された場合には(ステップS115)、抽出停止部280が抽出液の容器40への落下を遮蔽して抽出を終了させる(ステップS116)。そして、制御部250は、音出力部230に抽出の終了をユーザに知らせる音(終了通知音)を出力させるとともに、表示部220に抽出の終了をユーザに知らせる画面(抽出終了画面)を表示させて(ステップS117)、抽出処理手順は終了する。
このように、第1実施形態によれば、珈琲粉の量と抽出液の量との間の関係を示す情報を保持する機能と、珈琲粉の量を計量する機能とを電子機器20に備えることにより、珈琲粉の量を計量するだけで適切な抽出液の量を算出することができる。また、容器40に溜まった抽出液の量を検出する機能と容器40へ抽出液の落下を阻止する機能とを電子機器20に備えることにより、目的の液量での抽出の終了を容易に行うことができる。すなわち、これらの機能を有する電子機器20を用いることにより、ユーザが行う珈琲の抽出動作を補助することができる。
[第2実施形態:外部の機器との通信機能を備える例]
第1実施形態では、通信機能を備えていない電子機器20の例を示した。通信機能を電子機器20に設けることにより、電子機器20の利便性を広げることができる。また、通信機能を電子機器20に設けてスマートフォンなどの外部の情報処理端末を用いて画像情報出力、音情報出力、設定入力などを行うことにより、電子機器20に設けられるタッチパネルディスプレイ22やスピーカ28を省略することができる。これらの機能を電子機器20から省略することにより、電子機器20の製造コストを低減させることができる。
そこで、通信機能を備える電子機器20の例について、第2実施形態における電子機器500として図12及び図13を参照して説明する。なお、第2実施形態では、タッチパネルディスプレイ22やスピーカ28を省略しないで単に通信機能が追加された例について説明する。すなわち、電子機器500の外観構成例は電子機器20の外観構成例と同様であるため、説明には電子機器20の符号を用いて説明を省略する。
このように、第2実施形態における電子機器500は、第1実施形態における電子機器20の変形例であるため、共通する部分については説明を省略する。
[電子機器の機能構成例]
図12は、第2実施形態における電子機器500の機能構成例を示すブロック図である。
電子機器500は、図4において示した電子機器20の各部に加えて、通信部510を備える。なお、通信部510以外の各部の機能は図4において説明したものと同じため、ここでは通信部510に着目して説明する。
通信部510は、制御部250の制御に基づいて、他の機器との間で、有線回線または無線回線を介して、各種情報のやりとりを行うものである。例えば、無線通信を利用して各種情報のやりとりを行う場合には、通信部510は、アンテナ(図示せず)を介して、電波の送受信を行う。例えば、通信部510は、無線LAN(Local Area Network)(例えば、Wi-Fi(Wireless Fidelity))、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)、赤外線、携帯電波等により無線通信を行うことができる。なお、通信部510は、例えば、アンテナを備え、無線通信機能を備える通信モジュールや、有線通信機能を備える通信モジュールにより実現される。
なお、第2実施形態では、ネットワークに接続することも想定するため、Wi-Fiモジュールを通信部510が備えていることを想定して説明する。
この通信部510は、例えば、スマートフォンやタブレット端末などのタッチパネルディスプレイやスピーカを備える携帯型の通信機器と無線通信を介して接続することにより、これらの通信機器のタッチパネルディスプレイやスピーカを利用してユーザに各種情報を出力することができる。なお、この例については、図13(1)を参照して説明する。
また、この通信部510は、例えば、インターネットに接続することにより、抽出履歴データのダウンロードやアップロード、電子機器500の使用頻度のアップロードなどを行うことができる。この例については、図13(2)を参照して説明する。
[通信機能を使用して他の機器と連携する例]
図13は、第2実施形態における電子機器500の通信部510による通信の一例を示す図である。図13(1)には携帯型の通信機器(電子機器600)のタッチパネルディスプレイやスピーカを利用してユーザに各種情報を出力する例を示し、図13(2)にはインターネットに接続することで更に利便性が増す例を示す。
図13(1)で示す例では、電子機器500を備える珈琲抽出器1と、ユーザP1が保持している電子機器600とが示されている。
電子機器600には、タッチパネルディスプレイ610が設けられ、また、この電子機器600はWi-Fiモジュールを通信機能として備えている。なお、電子機器600は一般的なスマートフォンやタブレット端末を想定している。また、電子機器600のタッチパネルディスプレイ610及び通信機能は、これまで説明したタッチパネルディスプレイ22や通信部510と同様のものであるため、説明を省略する。
また、電子機器600には、電子機器500と送受信したデータを処理してコンテンツをユーザに提供するためのアプリケーション( プログラム)がインストールされているものとする。
電子機器500と電子機器600との間の通信により、例えば、電子機器500のタッチパネルディスプレイ22に表示する画像を電子機器600のタッチパネルディスプレイ610に表示させることができる。これにより、スマートフォンやタブレット端末の大きいディスプレイを用いての表示が可能となる。
図13(2)で示す例では、電子機器500を備える珈琲抽出器1と、ネットワーク720及びサーバ710から構成される通信システム700とが示されている。なお、通信システム700を構成する機器として、無線通信を行うための基地局やアクセスポイント等も想定されるが、ここでの図示及び説明を省略する。
サーバ710は、電子機器500のそれぞれと送受信する情報を管理するサーバ(情報処理装置)である。例えば、サーバ710は、ユーザがアップロードした抽出履歴データを保持して管理する。
ネットワーク720は、公衆回線網、インターネット等のネットワークである。
サーバ710と電子機器500との間の通信により、例えば、他人の抽出履歴データをダウンロードすることができる。プロや熟練者が抽出した際の抽出履歴データをサーバ710に登録しておき、ユーザが電子機器500にダウンロードする。そして、抽出する際の抽出比較データ(図7(2)及び図9参照)としてダウンロードした抽出履歴データを用いることにより、プロや熟練者の抽出を模倣することができる。
また、別の例として、電子機器500の使用頻度をサーバ710に毎日アップロードし、使用頻度が変わったときに第三者へEメールなどを通じて通知する。これにより、既に知られている家電の使用状況を用いた安否確認サービスと同様のことを行うことができる。
このように、第2実施形態によれば、通信機能を備える電子機器500を用いることにより、他の機器との連携や、サーバとのデータのやり取りが可能となり、さらなるユーザの補助が可能となる。
[第3実施形態:ドリッパーと電子機器とが一体型の例]
第1及び第2実施形態では、電子機器20及び500の備えている計量台24にドリッパー10を載せる例を示した。様々なドリッパーに対応できなくなるが、ドリッパー10と電子機器20とを一体にすると、電子機器20から排水容器23を省くことができる。
そこで、ドリッパー10と電子機器20とが一体の例について、第3実施形態における電子機器810として図14及び図15を参照して説明する。なお、第3実施形態では、第2実施形態で説明した通信機能を備え、タッチパネルディスプレイ22が省略された例について説明する。
なお、ドリッパー10と電子機器20とが一体であり、通信機能を備えるがタッチパネルディスプレイ22が省かれている以外は第1実施形態及び第2実施形態と同様のものであるため、図14及び図15では違いに着目して説明する。
[珈琲抽出器及び電子機器の外観構成例]
図14は、第3実施形態における電子機器810が取り付けられる珈琲抽出器800の外観構成の一例を示す図である。図14(1)には、電子機器810が取り付けられる珈琲抽出器800の斜視図を示し、図14(2)には、電子機器810が取り付けられる珈琲抽出器800の側面図を示す。
図15は、第3実施形態における電子機器810の下面構成及び断面図の一例を示す図である。図15(1)には電子機器810の下面図を示し、図15(2)には、容器への抽出液の落下が阻止されている場合の電子機器810の断面図を示す。
なお、電子機器810の機能構成は、図12で示した第2実施形態の電子機器500のうちの表示部220が省かれたものと同様のものであるため、説明を省略する。
珈琲抽出器800は、電子機器810と、容器40とを有する。
電子機器810は、容器40の開口部42に取り付けられる電子機器や情報処理装置であり、図1において示した電子機器20とドリッパー10とが一体型になったものである。また、電子機器810は、通信機能を備えて外部の電子機器を利用してユーザに各種情報を出力するため、電子機器20のタッチパネルディスプレイ22が省かれたものである。
電子機器810の上面には、図14(1)で示されているように、ドリッパー部811と電源ボタン812とが備えられている。なお、電源ボタン812は、第1実施形態の電源ボタン21と同じもののため、説明を省略する。
また、電子機器810の外観形状は、第3実施形態においては、円柱型の筐体の上面にドリッパー部が繋がっていることを想定している。このため、図1及び図2に示すように、フランジ部12の厚みが厚いドリッパーのような形状と形容することもできる。なお、電子機器810の外観形状は、第1実施形態と同様に、図示された形状に限定されるものではなく、容器40の開口部42に安定して配置されれば他の形状でもよい。
ドリッパー部811は、図1において示したドリッパー10の収容部11に対応するものであり、紙や金属などのフィルターと珈琲豆を粉砕した粉とを内部に収容するものである。このドリッパー部811は電子機器810の筐体と繋がっている。このため、電子機器20の内部で抽出液の落下が阻止された場合には、抽出液はドリッパー部811の内部に留まる。この阻止された場合に抽出液がドリッパー部811の内部に留まることの詳細は、電子機器810の断面図である図15(2)を用いて後で詳細に説明するため、ここでの説明を省略する。
電子機器810の下面(主に図14(2)及び図15参照)には、計量台813と、スピーカ816とが備えられている。 また、計量台813の下面には、4つの容器位置固定部814a乃至dと、液量検出部815とを備えている。また、計量台813の上面には計量部819が設けられ、電子機器810の筐体と計量部819を介して繋がっている(図15(2)参照)。
なお、スピーカ816、4つの容器位置固定部814a乃至d、液量検出部815、計量部819は、図1のスピーカ28、4つの容器位置固定部31a乃至d、液量検出部25、計量部27と同様のものであるため、詳細な説明を省略する。
計量台813は、重量の計量対象物である電子機器810の重量を量るためのものである。この計量台813は、下面は容器40の開口部42の上に配置され、上面は電子機器810の筐体と計量部819を介して繋がっている(図15(2)参照)。すなわち、計量台813は、容器40の上に安定して載せられることにより、計量台813の上に計量部819を介して載せられた電子機器810に掛る重量を測定するための台となる。このように、第3実施形態の計量台813には、電子機器810自身と、珈琲粉と、液体との重量が掛かり、計量部819によりこれらの重量が計量される。
この計量台813の下面は、容器40の開口部42と接する面である。このため、第1実施形態において電子機器20の下面に設けられていた4つの容器位置固定部31a乃至d及び液量検出部25は、計量部819の下面に4つの容器位置固定部814a乃至d及び液量検出部815として設けられる。また、電子機器810の筐体を貫通する孔(孔818)を通過する抽出液の落下を妨げないように、孔(孔817)が計量台813の中心に設けられている。なお、第3実施形態では、孔818の壁面を伝わって落ちてきた抽出液が計量台813にかからないように、孔817の直径は孔818の直径よりもやや長いことを想定している。
次に、電子機器810の断面構造について、図15(2)を用いて説明する。なお、図15(2)は、図15(1)の破線899における断面を示し、破線899の右端において破線899と直交する矢印897の方向で見た際の断面図を示す。
この図15(2)では、電子機器810による抽出液の落下の阻止動作(流路の遮蔽動作とも称する)が行われて、ドリッパー部811に抽出液が溜まる場合の断面図の例が示されている。すなわち、図15(2)は、第1実施形態で示した図3(4)に対応する。
図15(2)には、ドリッパー部811を含む電子機器810の筐体の他に、計量台813と、液量検出部815と、計量部819と、抽出停止部822とが示されている。なお、抽出停止部822は、図3(3)及び(4)において示した抽出停止部32に対応する。
また、この図15(2)には、液量検出部815からの信号(画像情報)を電子機器810の内部の電子回路に伝えるための信号線として、信号線831が示されている。また、孔818の壁面を伝わって落ちてきた抽出液が電子機器810の筐体の下面を伝わって計量台813や液量検出部815にかからないようにするために、電子機器810の筐体の下面の孔818の外周において突起部821が設けられている。
図15(2)に示すように、電子機器810の筐体がドリッパー部811と一体型となっているため、電子機器810の筐体の上面からドリッパー部811の内側に孔818が直接繋がっている。また、図15(2)では、孔818の直径は、ドリッパー部811と電子機器810の筐体との接合位置における大きさと、電子機器810の筐体の下面における大きさとが同じ孔を想定している。
この図15(2)に示すように、抽出停止部822のプレート822bがスライドして抽出液の落下の阻止動作が行わると、破線898が示すように、抽出液はドリッパー部811の内部に留まる。すなわち、電子機器810の筐体がドリッパー部811と一体型となることにより、第1実施形態で示した排水容器23を備えなくとも、落下が妨げられた抽出液が容器40へ落ちないようにすることができる。
このように、第3実施形態の電子機器810は、ドリッパー部811が電子機器810に繋がっていることにより、第1及び第2実施形態の排水容器23を省きつつ、第1及び第2実施形態の電子機器20と同様の動作を行うことができる。
なお、一体型となっているドリッパー部811については、電子機器810の筐体と繋がっていて外れないことを想定して図示したが、これに限定される物ではない。阻止動作した後に液体が漏れない接続(例えば、瓶やペットボトルの蓋のように密着可能な接続)ならば電子機器810から着脱可能にしてサイズの異なるドリッパー部811と交換可能にすることも可能である。
また、図14及び図15では、分量データについて特に説明しなかった。ドリッパー部811が交換不可能である場合は、分量データにおけるドリッパーに関する情報や設定(図5及び6の分量データに登録されているドリッパーの名称表示、図8(2)の「ドリッパー」入力欄356での設定)は不要である。
なお、第3実施形態の電子機器810では、阻止動作により孔818を遮蔽しても、抽出液がドリッパー部811の内部一杯になって上面から溢れるまでは、抽出液はドリッパー部811の内部に留まる。すなわち、抽出中に抽出停止部822により流路(孔818)を半開にすると、流路を通過する抽出液の量(抽出速度)が全開の時よりも少なく(遅く)なるとともに、抽出液がドリッパー部811の内部に留まる時間を調整することができる。この半開により抽出液の落ちる量(抽出速度)を調整する例については、第6実施形態として図27乃至図33を参照して説明する。
[第4実施形態:抽出停止部の変形例]
第1乃至第3実施形態では、プレート(プレート32b及び822b)が水平方向にスライドして抽出液の落下の阻止動作が行われる抽出停止部(抽出停止部32及び822)の例について説明した。しかしながら、抽出液の落下の阻止の方法については、他の方法も考えられる。そこで、他の方法のうちの一部について、図16乃至18を参照して第4実施形態として説明する。
なお、第4実施形態では、第3実施形態において示した電子機器810の抽出停止部822の変形例を想定して説明する。そのため、図示していない構成の符号については、第3実施形態の符号を用いて説明する。
[垂直方向から水平方向に向きを変えるプレートを備える抽出停止部の例]
図16は、第4実施形態における垂直方向から水平方向に向きを変えるプレートを備える抽出停止部の一例を示す図である。
図16(1)では、プレート914が垂直方向(鉛直方向)に向いている場合(プレート914の平面が電子機器810の垂直方向と平行な場合)における電子機器810の上面から見た孔911の内側の構成例を示す。また、図16(2)では、プレート914が水平方向に向いている場合(プレート914の平面が電子機器810の水平方向と平行な場合)における電子機器810の上面から見た孔911の内側の構成例を示す。
図16(3)及び(4)では、軸915がモータで回転することによりプレート914が90度回転する電子機器810の断面図が示されている。図16(3)では遮蔽動作が行われていない場合(流路が全開の場合)が示され、図16(4)では遮蔽動作が行われている場合(流路が閉じている場合)が示されている。
また、図16(5)及び(6)では、棒916bが水平方向にスライドすることでプレート914が動く場合の電子機器810の断面図が示されている。図16(5)では遮蔽動作が行われていない場合が示され、図16(6)では遮蔽動作が行われている場合が示されている。
なお、図16(3)乃至(6)において示す断面図は、図16(1)の破線999における断面を示し、破線999の右端において破線999と直交する矢印998の方向で見た際の断面図を示す。
この図16に示す電子機器810では、電子機器810の筐体を貫通する孔は、電子機器810の内部を貫通する途中(流路の途中)において、プレートの形状に合わせて水平方向の断面の形状が変わる例を示している。電子機器810の上面から下面に向けて、ドリッパー部811の内側の孔と同じ直径の孔911、プレート914の四辺より少し長い四辺が外周の孔912、プレート914の四辺より少し短い四辺が外周の孔913と形状が変わる例が示されている。
遮蔽動作時に孔を塞ぐプレート914は、断面の形状が孔912から孔913へ切り替わる場所に設けられる。なお、この孔912から孔913へ切り替わる場所は、電子機器810の水平方向に平らであり、孔912より広いプレート914の平面が孔912を塞ぐように接すると、抽出液の落下を阻止できる。なお、プレート914は、孔912から孔913へ切り替わる場所において回転する軸(図16(3)及び(4)の軸915、図16(5)及び(6)の軸917)を介して電子機器810の筐体と繋がっている。
電子機器810の垂直方向と平面が平行になる方向へプレート914が回転すると、孔913が開いて抽出液が容器40へ落下する。一方、電子機器810の水平方向と平面が平行になる方向へプレート914が回転すると、孔913が遮蔽されて抽出液の落下が阻止される。
すなわち、抽出液の容器40への落下が阻止されていない場合における上面から見た孔911の内側には、図16(1)に示すように、孔911の内側に孔912及び913が見える。また、プレート914は、平面が電子機器810の垂直方向と平行になっているため、孔912の1つの辺(図16(1)で示す左側の辺)の内側に接するように配置されている細い板のように見える。
一方、抽出液の容器40への落下が阻止されている場合における上面から見た孔911の内側には、図16(2)に示すように、孔912とプレート914の平面とが見えるが、プレート914により覆われた孔913は見えない。
なお、プレート914の駆動方法は様々な方法が考えられる。図16(3)及び(4)で示した軸915をモータなどの駆動手段が回転させる例とは別の例として、図16(5)及び(6)において、電子機器810の筐体に格納された棒916bが筐体内の収納部916aからスライドして飛び出ることでプレート914を押し倒して流路を遮蔽する例が示されている。
この図16(5)及び(6)で示す例では、プレート914を電子機器810の筐体と繋ぐ軸917に駆動手段は設けられない。その代わりに、第1実施形態の抽出停止部32のように孔の中に飛び出る部材(駆動部916、収納部916a、棒916b)が設けられ、棒916bが垂直方向と平面が平行なプレート914を押し倒すことで流路が遮蔽されて抽出液の落下が阻止される。なお、押し倒されたプレート914を再び垂直方向と平行に向ける動作(図16(6)の状態から図16(5)の状態にする動作)は、電子機器810の使用前にユーザ自らが行う。
このように、平面の方向を変えられるプレート914と駆動手段(軸915、駆動部916)により構成される抽出停止部によっても、抽出液の落下の阻止を行うことができる。
次に、更に別の抽出停止部の例として、電子機器810の垂直方向に動くプレートを備える抽出停止部の例について、図17を参照して説明する。
[垂直方向に動くプレートを備える抽出停止部の例]
図17は、第4実施形態における垂直方向に動くプレートを備える抽出停止部の一例を示す図である。
図17(1)では、電子機器810の上面から見た孔921の内側の構成例が示されている。この図17で示す電子機器810では、プレート922が電子機器810の垂直方向に動くため、抽出液の落下の阻止の有無で上面から見た構成例は変わらない。
すなわち、図17(1)で示すように、孔921の内部には、プレート922と、プレート922を駆動手段と連結するためのプレート支持部923とが常に見られる。なお、図17では、プレート922の平面の形状は、孔921の断面形状と同じ円形であることを想定し、プレート922の平面の直径は、孔921の直径より小さいことを想定する。
図17(2)では、抽出液の落下の阻止動作が行われていない場合における電子機器810の断面図が示され、図17(3)では、阻止動作が行われている場合における電子機器810の断面図が示されている。 なお、図17(2)及び(3)は、図17(1)の破線997における断面を示し、破線997の右端において破線997と直交する矢印996の方向で見た際の断面図を示す。
図17(2)及び(3)で示すように、電子機器810の筐体を貫通する孔は、電子機器810の内部を貫通する途中において断面の大きさが変わり、プレート922より直径が長い孔(孔921)からプレート922より直径が短い孔(孔924)に変わる。プレート922は駆動手段により垂直方向に動かされ、図17(2)で示すように、電子機器810の上面側にプレート922が動かされた場合には、孔924は開かれて抽出液は容器40へ落下する。一方、図17(3)で示すように、電子機器810の下面側にプレート922が動かされた場合には、プレート922により孔924が塞がれて、抽出液の落下の阻止が行われる。
続いて、抽出停止部の別の例として、側面に孔が開いた円柱がバルブとして動作する抽出停止部の例について、図18を参照して説明する。
[側面に孔が開いた円柱がバルブとして動作する抽出停止部の例]
図18は、第4実施形態における側面に孔が開いた円柱がバルブとして動作する抽出停止部の一例を示す図である。
図18(1)乃至(4)では抽出液の落下の阻止が行われていない場合(流路が開かれている場合)の例が示され、図18(5)乃至(8)では抽出液の落下の阻止が行われている場合(流路が閉じられている場合)の例が示されている。なお、図18(1)及び(5)では電子機器810の上面から見た孔931の内側の構成例が示され、図18(2)及び(6)では弁体933の向きが示されている。また、図18(3)及び(7)では、図18(1)における破線995の右端において破線995と直交する矢印994の方向で見た際の断面図が示されている。そして、図18(4)及び(8)では、図18(2)における破線993の上端において破線993と直交する矢印992の方向で見た際の断面図が示されている。
この図18で示す例では、図18(2)及び(6)で示すように、円柱の側面から側面に向かって真っ直ぐに貫通する孔(孔932)が設けられている物体が弁体(弁体933)として電子機器810に設けられる。この弁体933は、図18(3)及び(7)に示すように、円柱状の弁体の側面の長さ(図18(2)及び(6)の左右方向)が孔931の直径より長く、また、図18(4)及び(8)に示すように底面の直径が孔931の直径より長い。
また、弁体933は、側面が電子機器810の筐体の上面及び下面(ドリッパー部811が接続される面及び容器40が配置される面)と略並行となるように配置される。なお、弁体933は、電子機器810を貫通する孔931の途中において、孔931と孔932とが繋がった場合に孔の中心線同士がほぼ同じ位置になるように設けられる。
この弁体933は、駆動手段により側面が回転する。図18(1)乃至(4)に示すように、電子機器810の孔931と弁体933の孔932とが繋がる位置で回転が止まっている場合には、抽出液はドリッパー部811から容器40に落下する。なお、図18(5)乃至(6)に示すように、電子機器810の孔931と弁体933の孔932とが繋がらない位置回転が止まっている場合には、抽出液の落下は阻止される。
なお、弁体933の回転は、例えば、弁体933の一方の底面の中心に接続された軸をモータで回転させることや、側面に歯車を設けてこの歯車を動かす駆動機構を設けることより行われる。
なお、電子機器810の孔931が中途半端に塞がれる位置で回転が止まることでわずかに孔が繋がっている場合には、抽出液の落下の量が少なくなることで、抽出速度を遅くすることができる。これにより、ドリッパー部811に抽出液が溜まり、抽出液が珈琲粉と接する時間を長くすることができる。
また、図18では円柱の弁体を想定して説明したがこれに限定されるものではなく、例えば、ボールベアリングのように円形の弁体で構成することも考えられる。
[第5実施形態:監視した抽出状況を利用してユーザに指示を出す例]
第1乃至第4実施形態では、抽出終了時に抽出停止部が抽出液の落下を阻止することにより抽出が自動的に止まる例について説明した。しかし、抽出の終了はドリッパー及び電子機器を容器から外せば良いため、ユーザによっては抽出停止部が不要な場合も考えられる。このような場合には、抽出停止部を省くことにより電子機器を小型化することができる。
また、図7(2)において過去の抽出と比較しながら現在の抽出状況を表示する例に付いて説明したが、単なる比較のみならず、現在の抽出状況に応じて電子機器が抽出動作をユーザに指示したり、ユーザへ提案を行ったりする例も考えられる。なお、このような動作(ユーザの支援動作)については第1乃至第4実施形態の電子機器においても想定することができる機能であるが、この第5実施形態における抽出停止部が省かれた電子機器の機能として説明する。
なお、第1実施形態では、分量データにドリッパーの名称を登録する例を想定して説明したが、ドリッパーの名称とそのドリッパーの重量とを関連づけたデータを電子機器に保持させる例も考えられる。この場合には、珈琲粉計量画面において珈琲粉の重さを量る前に、ドリッパーの重量の計量からドリッパーを特定することができ、図5及び図6で示した分量データの選択や、抽出比較データの選択などでユーザの負担を軽減させることができる。第5実施形態では、珈琲粉の計量前のドリッパーのみの重量を計量した時にドリッパーを特定することで、抽出比較データの選択を容易にする例を想定して説明する。
[珈琲抽出器及び電子機器の外観構成例]
図19は、第5実施形態における電子機器1100が取り付けられる珈琲抽出器1001の外観構成の一例を示す図である。
この図19で示す電子機器1100は、第1実施形態における電子機器20から抽出停止部32及び排水容器23を省いたものである。また、珈琲抽出器1001は、図1の珈琲抽出器1に対応し、電子機器20の代わりに電子機器1100が設けられる以外は同じである。そこで、図1(1)と同じものには同一の符号を付して説明を省略する。
電子機器1100は、抽出停止部32及び排水容器23を省くことにより、電子機器1100の上面(計量台24が設けられる面)と下面(容器40と接する面)との間の距離を短くすることができる。すなわち、図19に示すように、抽出液の落下を阻止する装置を省くことにより、厚さ(高さ)が薄い(低い)電子機器1100を設計することができる。なお、図14で示したドリッパーが一体型の電子機器810と比較しても、抽出停止部を省く分、電子機器の厚さを薄くすることが容易になる。
なお、電子機器1100の機能構成については、図4で示した抽出停止部280を省いた以外は同様のものであるため、説明を省略する。
続いて、電子機器1100の動作について、図20乃至図23において図示する表示画面の例を参照して説明する。なお、図20では、計量台24に載せられたドリッパー10の重量からドリッパーを特定する動作と、抽出比較データをユーザが選択する際の動作と、使用する抽出比較データを決めた後の珈琲粉の重さを量る動作とを表示画面の例を参照して説明する。また、図21乃至図23では、抽出動作時におけるユーザの支援動作について、表示画面の例を参照して説明する。
[登録されているドリッパーの一覧画面と抽出比較データの選択画面と珈琲粉の計量時に表示される画面との例]
図20は、第5実施形態におけるタッチパネルディスプレイ22に表示される登録されているドリッパーの一覧画面と抽出比較データの選択画面と珈琲粉の計量時に表示される画面(珈琲粉計量画面)との一例を示す図である。図20(1)には、ドリッパーの一覧画面が表示され、図20(2)には抽出比較データの選択画面が示され、図20(3)には珈琲粉計量画面が示されている。
図20(1)で示すドリッパーの一覧画面(登録ドリッパー一覧画面)の表示例では、「上」ボタン1101、「下」ボタン1102、「編集」ボタン1103、「新規追加」ボタン1104、「メニューに戻る」ボタン1105、4つの登録されたドリッパー重量データが示されている。
ここで、ドリッパー重量データについて説明する。ドリッパー重量データは、ドリッパーの名称と、ドリッパーの重量とが関連づけたデータである。なお、第5実施形態では、フィルターを載せたドリッパーの重量を想定して説明する。このドリッパー重量データを電子機器1100に保持させることにより、抽出の準備段階において重量をチェックすることで使用するドリッパーの間違いを防ぐことや、ドリッパーを変更する際のユーザによる電子機器1100の設定変更を容易にすることができる。
この登録ドリッパー一覧画面は、例えば、登録されたドリッパーに関する設定変更を行う選択をメニュー画面で行うと表示され、この登録ドリッパー一覧画面で各種操作を行うことにより、新たなドリッパーの登録や、登録されたドリッパーに関する変更が行われる。
なお、ここで表示されている各ボタンの役割は、表示や操作の対象がドリッパー重量データであること以外は、図8(1)の各ボタンと同様のものであるため、詳細な説明を省略する。
この図20(1)で示す登録ドリッパー一覧画面では、4つの登録されたドリッパー重量データ(XXXドリッパー(紙フィルター)、XXXドリッパー(金属フィルター)、Aドリッパー(A用フィルター)、XXXドリッパー(~6杯)(6杯用紙))がそれぞれの重量(150g、225g、320g、250g)とともに示されている。また、Aドリッパー(A用フィルター)の表示は、選択されていることを示す2重線で囲まれている。
この登録ドリッパー一覧画面において、「編集」ボタン1103あるいは「新規追加」ボタン1104を押下すると、名称の入力欄、ドリッパー重量の計量ボタン、計量したドリッパーの重量、変更決定ボタン、変更キャンセルボタンを備える表示画面(ドリッパー重量登録画面)が表示される。例えば、「新規追加」ボタン1104の押下によりドリッパー重量登録画面が表示された場合には、名称の入力欄と計量したドリッパーの重量とが空白のドリッパー重量登録画面が表示される。そして、この画面の表示中に、ユーザによる名称の入力と、ドリッパーの重量の計量ボタンの押下による計量とが行われる。その後、変更決定ボタンの押下により入力が決定させることにより、新たなドリッパー重量データが登録される。なお、このドリッパー重量登録画面については、単にドリッパーの名称と重量とを関連づけるだけの簡単な表示画面であるため、図示を省略する。
なお、第1実施形態ではドリッパー重量データを用いない例を説明したが、第1実施形態の電子機器20においてもドリッパー重量データを用いてもよい。この場合には、分量データの設定のドリッパーの指定(図8(2)の「ドリッパー」入力欄356)は、既に登録されているドリッパー重量データから選択するようになる。これにより、珈琲粉計量画面での分量データの選択の際にドリッパーが一致する分量データのみを表示するなどにより分量データの選択におけるユーザの負担を軽減することができる。また、ドリッパーが一致しない分量データの選択を防ぐこともできる。
このように、第5実施形態では、ドリッパーの名称と重量とが関連づけられたデータであるドリッパー重量データが電子機器1100の記憶部290に保持される。これにより、抽出時に用いられるドリッパーの特定が珈琲粉の計量前に行われ、この特定が行われることにより、ユーザによる抽出比較データの選択や分量データの選択を容易にすることができる。
図20(2)には、抽出比較データの選択画面(抽出比較データ選択画面)の一例が示されている。この抽出比較データ選択画面では、珈琲粉の計量前のドリッパーと紙フィルターのみを計量台24に載せて重量を計量した後において、前回と別の抽出比較データを用いて抽出するために前回とは別の抽出比較データを選択する際の表示例を想定して説明する。
この図20(2)に示す抽出比較データ選択画面は、ドリッパーの重量の計量結果で前回と同じドリッパーと判定されて前回と同じ抽出比較データを提示されたものの、別の抽出比較データを使うことを選択した場合などに表示される例である。また、この抽出比較データ選択画面は、ドリッパーの重量の計量結果で別のドリッパーと判断された場合に、計量した重量と近似するドリッパーの一覧から一つのドリッパーを選択した後に行われる抽出比較データの選択画面でもある。
この図20(2)に示す抽出比較データ選択画面には、「ドリッパー変更」ボタン1106、「詳細確認」ボタン1107、「決定」ボタン1108、「上」ボタン1109、「下」ボタン1110、4つの抽出方針データ、抽出に使用するドリッパー名が示されている。なお、抽出比較データ選択画面には、抽出に使用するドリッパー名として、紙フィルターが備えられたXXXドリッパー(以降は、XXXドリッパー(紙フィルター)とも称する)が示されている。なお、抽出方針データを示す情報として、抽出方針データの名称(名称)、粉の量(粉)、抽出停止量(液量)、抽出時間(時間)、使用する分量データ(分量データ)、ユーザが入力したコメント(メモ)が示されている。
ここで、抽出方針データについて説明する。抽出方針データは、第5実施形態において抽出比較データとして選択する対象(候補)となるデータである。抽出方針データは、第1実施形態で抽出比較データとして選択される抽出履歴データと同様にそれぞれのデータがそれぞれの抽出の履歴を保持しており、抽出の際に参照することで抽出の方針となるデータである。このため、抽出方針データは、ドリッパー毎、抽出量毎、抽出パターン毎に作成され、電子機器1100の記憶部290に保持される。
なお、第1実施形態では、説明を容易にするために、単純に抽出履歴データから抽出比較データを選択する例を説明した。しかしながら、抽出履歴データは抽出を数多くこなせばこなすほど数が増えるデータであるため、抽出履歴データの数が多くなった場合には、選択に時間がかかることが想定される。そこで、抽出比較データとして用いる予定のデータを、ユーザが選択する際に識別しやすい名称を付して抽出方針データとして抽出履歴データとは別に保持しておくことで、抽出比較データの選択を容易にすることができる。このため、この第5実施形態では、抽出方針データを用いて、抽出方針データから抽出比較データを選択することを想定して説明する。
なお、抽出方針データについて、第1実施形態の電子機器20においてこの抽出方針データを用いる場合には、抽出履歴データに含まれる各種情報に、抽出方針データとしての名称を加えたデータを抽出方針データとして用いればよい。ユーザが独自の抽出方針データを作成する場合には、好みの味になった抽出の抽出履歴データの各種情報を用いて(コピーして)、この情報に識別しやすい名称を加えれば、抽出方針データを作成することができる。
なお、この第5実施形態の抽出方針データは、抽出履歴データの各種情報と抽出方針データとしての名称の他に、抽出開始から終了までの期間(抽出期間)を動作毎に分割した情報(期間情報)がさらに加わる。また、第5実施形態の抽出履歴データについても、この期間情報がさらに加わる。この期間情報については、図22で詳細に説明するため、ここでの説明を省略する。
この図20(2)で示す抽出比較データ選択画面の例では、この説明した抽出方針データのうちの、XXXドリッパー(紙フィルター)のドリッパー重量データを用いた分量データが関連づけられている抽出方針データが一覧で表示される。これは、この抽出比較データ選択画面に移行する前に、計量台24にセットされたドリッパーがXXXドリッパー(紙フィルター)だと計量部260の計量結果に基づいて決定されたためである。別のドリッパーだと決定された場合には、そのドリッパーのドリッパー重量データを用いた分量データが関連づけられている抽出方針データが一覧で表示される。
続いて、抽出比較データ選択画面に表示される各ボタンについて説明する。「ドリッパー変更」ボタン1106は、抽出に使用すると決定されたドリッパーを変更する(決定を解除して再決定する)ためのボタンである。この「ドリッパー変更」ボタン1106が押下されると、ドリッパーの再計量と、再計量から求められた重量からドリッパーを判定してユーザに確認するための画面に遷移する。なお、この遷移した画面において、近い重量のドリッパー重量データが複数ある場合には、それらを表示してどのドリッパーかユーザに問う動作が加わる。そして、ドリッパーが決定された場合には、その決定されたドリッパーのドリッパー重量データが関連付けられた分量データを用いる抽出方針データの一覧がこの抽出比較データ選択画面に表示される。
「詳細確認」ボタン1107は、選択されている抽出方針データの詳細な情報を確認するためのボタンである。図20(2)では、2重線で囲まれている抽出方針データ(XXXドリッパー、3杯)が選択されている抽出方針データであり、この状態において「詳細確認」ボタン1107が押下されると、「XXXドリッパー、3杯」抽出方針データの各種情報を確認するための画面に遷移する。この各種情報を確認するための画面では、例えば、この図20(2)で示した抽出方針データの情報(名称、粉、液量、時間、分量データ、メモ)に加えて、抽出期間中の重量遷移、液量遷移、期間情報などが確認できる。なお、各種情報を確認するための画面は、一例として、後で示す図22(1)のような画面が考えられる。
「決定」ボタン1108は、選択されている抽出方針データを抽出比較データに決定するためのボタンである。この図20(2)で示す抽出比較データ選択画面では、「XXXドリッパー、3杯」抽出方針データが選択されており、この状態で「決定」ボタン1108が押下されると、「XXXドリッパー、3杯」抽出方針データが抽出比較データに決定され、次の画面(珈琲粉計量画面)に遷移する。
「上」ボタン1109及び「下」ボタン1110は、コレまでの表示例で示した「上」ボタン「下」ボタンと同様のものであり、表示対象の抽出方針データが多いために一度に表示しきれない場合に表示している抽出方針データを変えるためのボタンである。
この図20(2)で説明したように、ドリッパー重量データを電子機器1100に保持させて珈琲粉の計量前にドリッパーの特定に用いることで、ユーザによる抽出比較データの選択における負担を軽減させることができる。
続いて、図20(2)で示して抽出比較データ選択画面で抽出比較データを決定した後の珈琲粉計量画面について、図20(3)を参照して説明する。なお、図20(3)は、図20(2)で示した抽出方針データのうちの「XXXドリッパー、3杯」抽出方針データが抽出比較データとして選択されたことを想定して説明する。
図20(3)には、抽出中にユーザの支援動作を行う場合の珈琲粉計量画面の表示例が示されている。この珈琲粉計量画面には、操作ボタンとして、「抽出比較データの設定に戻る」ボタン1111、「算出抽出終了量に調整して実行」ボタン1112、「推奨抽出終了量で実行」ボタン1113が示されている。
また、この珈琲粉計量画面には、抽出比較データ(「XXXドリッパー、3杯」抽出方針データ)の珈琲粉重量(推奨:珈琲粉重量(25g))と、この抽出比較データの抽出終了量(推奨:抽出終了量(360ml(3杯)))とが示されている。さらに、この珈琲粉計量画面には、計量中の珈琲粉重量(計量:珈琲粉重量(24.1g))が示されている。さらに、この珈琲粉重量(24.1g)から「標準」分量データ(「XXXドリッパー、3杯」抽出方針データに設定されている分量データ)の設定分量に基づいて算出される抽出終了量(算出:抽出終了量(343ml(2.9杯)))が示されている。
なお、抽出終了量は、第1実施形態の抽出停止量と同じものであり、抽出を終了させる液量を示す。第5実施形態の電子機器1100では抽出停止部280を備えていないため、電子機器1100が抽出を停止させることができない。このため、第5実施形態では、抽出停止量の代わりに抽出終了量と表示することとする。
「抽出比較データの設定に戻る」ボタン1111は、抽出比較データの決定を取り消して、抽出方針データから選択のやり直しを行うためのボタンである。この「抽出比較データの設定に戻る」ボタン1111が押下されると、例えば、図20(2)に示した抽出比較データ選択画面のような抽出方針データから抽出比較データを選択するための画面に遷移する。
「算出抽出終了量に調整して実行」ボタン1112は、ドリッパー10に入れられた珈琲粉の重量(計量:珈琲粉重量)から算出された抽出量(算出:抽出終了量)を抽出終了量に設定して抽出を行うためのボタンである。なお、この算出は、抽出比較データに選択された抽出方針データの分量データの設定分量に基づいて算出される。この「算出抽出終了量に調整して実行」ボタン1112を押下して決定される抽出終了量は、抽出比較データの示す抽出終了量と異なる。このため、抽出実行前に、抽出比較データの示す各タイミングにおける重量及び液量を、計量した珈琲粉の重量及び算出した抽出終了量に合うように調整する。
例えば、図20(3)では「XXX、3杯」抽出方針データを抽出比較データに用いることを想定しているため、抽出比較データの指定する抽出終了量は360mlである。これに対し、図20(3)で示す珈琲粉の重量から算出された343mlを抽出終了量とすると、約1割ほど抽出量が少なくなる。この場合、抽出比較データが示す抽出中の各タイミングにおける液量を1割減となるように算出(調整)してから実行中の抽出との比較が行われる。なお、珈琲粉の重量も、25gと24.1gとで差が生じるため、抽出スタート時の重量を両方ともゼロとしてドリッパー内の重量を計測するような、基準をお互いに合わる処理を行ってから実行中の抽出との比較が行われる。
「推奨抽出終了量で実行」ボタン1113は、抽出比較データに選択された抽出方針データの抽出量(推奨:抽出終了量)を抽出終了量に設定して抽出を行うためのボタンである。この「推奨抽出終了量で実行」ボタン1113は、基本的には、抽出比較データの示す通りの抽出を行うためのボタンである。しかしながら、計量した珈琲粉の重量と抽出比較データの示す重量とで差がある場合には、先ほど説明した基準をお互いに合わる処理を行ってから実行中の抽出との比較が行われる。
この図20に示すように、第5実施形態では、ドリッパー重量データと抽出方針データとを用いることで、電子機器1100の操作におけるユーザの負担を軽減させることができる。
続いて、電子機器1100による抽出動作時におけるユーザの支援動作について、図21乃至図23を参照して説明する。
[抽出中表示選択画面及び簡易ガイド付表示画面の例]
図21は、第5実施形態におけるタッチパネルディスプレイ22に表示される抽出中の表示を選択する画面(抽出中表示選択画面)と、容器40の内の液量を指標に抽出中のガイド動作(支援動作)を行う画面(簡易ガイド付表示画面)との一例を示す図である。図21(1)には抽出中表示選択画面が示され、図21(2)には簡易ガイド付表示画面が示されている。
電子機器1100は、ユーザが抽出を行う前に、抽出中にどのような情報を表示するかがユーザにより選択される。なお、この第5実施形態では、一例として、図5及び図6において説明したメニュー画面から抽出中の表示を選択できる場合を想定する。しかし、これに限定されるものではなく、電子機器1100の電源が入る際に選択する場合や、珈琲粉の計量終了時に抽出の度に選択する場合なども考えられる。
図21(1)に示す抽出中表示選択画面の例では、「簡易ガイド付表示」ボタン1121、「詳細ガイド付表示」ボタン1122、「現状のみ表示」ボタン1123、「過去抽出と比較表示」ボタン1124が示されている。この4つのボタンのうち、「現状のみ表示」ボタン1123を押下すると、図7(1)において説明した現在の抽出状況のみを表示する画面が抽出中に表示される。また、「過去抽出と比較表示」ボタン1124を押下すると、図7(2)において説明した過去の抽出と比較して表示する画面が抽出中に表示される。
一方、「簡易ガイド付表示」ボタン1121が押下されると、液量検出部270が検出した容器40内の液量に基づいて抽出状況が判断されて、この抽出状況に応じたユーザへの指示(ガイド情報)を含む画面(簡易ガイド付表示画面)が抽出中に表示される。なお、ガイド情報は、例えば、お湯を注ぐ速度に関する助言などである。
また、「詳細ガイド付表示」ボタン1122が押下されると、簡易ガイド付表示画面よりも詳細に抽出状況を判断して生成されたガイド情報が抽出中に表示される。このガイド情報は、簡易ガイド付表示画面における容器40内の液量に基づくガイド情報に加えて、ドリッパー10内の重量に基づくガイド情報、抽出比較データに選択された抽出方針データに設定された期間情報に基づくガイド情報が抽出中に表示される。期間情報に基づくガイド情報には、現時刻が含まれる動作(現動作)や次の動作(次動作)の内容や開始タイミングが含まれ、簡易ガイド付表示画面のガイド情報よりも抽出比較データが示す抽出の再現をより容易にすることができる。
なお、この詳細ガイド付表示画面の表示に必要な期間情報については、図22を用いて後に詳細に説明する。また、詳細ガイド付表示画面については、図23を用いて後に詳細に説明する。
なお、この抽出中表示選択画面における抽出中の表示の選択は、表示モードの選択と称し、簡易ガイド付表示画面を表示するモードは簡易ガイドモード、詳細ガイド付表示画面を表示するモードは詳細ガイドモードと称する。
続いて、簡易ガイド付表示画面について図21(2)を参照して説明する。図21(2)には、「簡易ガイド付表示」ボタン1121が押下されて表示モードが簡易ガイドモードに設定された際に抽出中に表示される簡易ガイド付表示画面の例が示されている。
まず、簡易ガイド付表示画面の説明の前に、簡易ガイドモードについて詳細に説明する。簡易ガイドモードでは、抽出比較データが示す容器40に溜まった抽出液の量と、抽出実行中の容器40に溜まった抽出液の量とを比較して、ドリッパー10へお湯を注ぐ速度に関するガイド情報がユーザに随時通知される。その比較の際、抽出比較データの抽出液の量よりも容器40内の抽出液の量が多い場合には、抽出速度が下がるようにドリッパー10にお湯をゆっくり注がせるためのガイド情報をユーザに通知する。
また、抽出比較データの量よりも少ない場合には、抽出速度が上がるようにお湯をはやく注がせるためのガイド情報をユーザに通知し、抽出比較データの量とほぼ同じぐらいの場合には、お湯を注ぐ速度を維持するためのガイド情報をユーザに通知する。すなわち、抽出比較データの示す抽出液の量を基準として抽出状況が判断され、この判断結果に基づいてガイド情報がユーザに通知される。なお、この判断の基準とする抽出比較データの示す抽出液の量は、これ以降の説明において基準抽出量とも称して説明する。一方、液量検出部270により検出される抽出中の抽出液の量は、これ以降の説明において、検出抽出量とも称して説明する。
この通知するガイド情報の決定は、例えば、ガイド情報の切り替えの判断基準となる抽出液の量の閾値を基準抽出量に基づいて設定し、設定した閾値と検出抽出量とを比較することで行われる。
ここで、閾値を用いたガイド情報の決定について詳細に説明する。なお、簡易ガイドモードのガイド情報は、「かなり速いです。遅くしてください。」、「かなり遅いです。速くしてください。」、「同じように再現できています。」などと文字情報で表示される3パターンのガイド情報であることを想定して説明する。
この場合において、閾値は、「かなり速い・・・」と「同じように・・・」とを区別する閾値(TH1)と、「同じように・・・」と「かなり遅い・・・」とを区別する閾値(TH2)との2つの閾値が基準抽出量に基づいて設定される。そして、判断する際に検出抽出量が閾値(TH1)の液量を超えていると「かなり速い・・・」のガイド情報が表示され、閾値(TH1)と閾値(TH2)との間の液量だと「同じように・・・」のガイド情報が表示され、閾値(TH2)を下回っていると「かなり遅い・・・」のガイド情報が表示される。
なお、3つのガイド情報が設定されている場合を想定したが、「少し速い・・・」、「少し遅い・・・」などのさらに細かいガイド情報が設定される場合には、ガイド情報の数に合わせて複数の閾値が設定されて、それら設定された閾値と検出抽出量とが比較される。
なお、閾値は、抽出期間中の閾値と検出抽出量とが比較されるタイミング毎に算出される。ここでは、ガイド情報を決定する間隔については特に考慮しないが、例えば、ガイド情報が頻繁に変わるのを防ぐために5秒おきや10秒おきにガイド情報を決定する場合には、この5秒おきや10秒おきの閾値が算出される。なお、抽出液の量やドリッパー内の重量の検出の度(例えば、1秒以下の短い間隔)に行ってもよく、この決定の間隔(タイミング)は、各種の実験により求められて設定される。
各タイミングの閾値は、基準抽出量に所定の液量(例えば、割合で加算するなら基準抽出量の5%の液量を加算、液量で加算するなら5mlの液量を加算)を加算もしくは減算することにより算出される。この加算もしくは減算される液量は、表示するガイド情報を適切に切り替えられるように、事前に各種の実験により求められて設定されている。なお、この液量は、ドリッパーの種類、コーヒー粉の量、最終的な抽出量(何杯か)により変わることが考えられるので、複数のパターンを用意して最適と思われるパターンを用いるようにしても良い。
また、各タイミングの閾値は、抽出量と抽出時間との両方を抽出比較データの示す抽出と一致させるために、抽出時間が経過するにつれて閾値の条件を徐々に厳しくするパターン(例えば、抽出開始は閾値と基準抽出量の差は30ml、抽出終了間近の間隔は5ml)も考えられる。
また、閾値と各タイミングの基準抽出量との間の差の度合いが異なるパターン(例えば、差が少ないものを「厳しい」、中間を「標準」、差が大きいものを「甘い」)を用意して、ユーザが選択するようにしてもよい。抽出に慣れないうちは「甘い」を選択し、慣れたら「厳しい」を選択するなどの場合も考えられる。
なお、基準抽出量に所定の液量を加算または減算して閾値を算出する例を示したが、この加算または減算する液量を閾値とし、比較するタイミングに検出抽出量から基準抽出量を引いて算出した値をこの閾値と比較するようにしてもよい。
ここまでは、文字情報でガイド情報を通知することを想定したが、これ限定されるものではなく、様々な例が考えられる。例えば、簡易ガイド付表示画面による視覚的な通知に加えて、文字情報と略同じ内容を音声でスピーカ28から出力することによる聴覚的な通知を行う例も考えられる。
また、スピーカ28からの出力によるユーザへの通知は、効果音で通知する例も考えられる。例えば、遅くするよう通知する場合は「ピー」音を繰り返し、速くするよう通知する場合は「プー」音を繰り返し、同じように再現できている場合は無音にするなどが考えられる。
さらに、視覚的な通知による通知方法ついても、図21(2)において示しているような文字情報による通知の他に、絵やバックライトの色(背景の色)で通知する例も考えられる。例えば、バックライトの色の場合には、遅くするよう通知する場合は画面の背景を赤くし、速くするよう通知する場合は画面の背景を青くし、同じように再現できている場合は白くするなどが考えられる。なお、色分けによる通知については、簡易ガイド付表示画面の背景の色の変化の他に、通知用のLEDを電子機器1100に設ける例も考えられる。
続いて、図21(2)に示されている簡易ガイド付表示画面の表示内容について説明する。図21(2)に示す簡易ガイド付表示画面では、お湯をゆっくり注いで抽出速度を下げさせるためのガイド情報がユーザに通知される例が示されている。この図21(2)に示す表示画面例では、「途中終了」ボタン1125、ガイド情報欄1131、液量遷移グラフ1132、抽出量/予定量(100/80ml)、抽出終了量(360ml)、抽出終了時間(04:00)、抽出比較データ(XXX、3杯)、経過時間(01:35)が示されている。
なお、抽出量/予定量は、実行中の抽出で現時点の検出抽出量(抽出量)と、抽出比較データの同じ経過時間における基準抽出量(予定量)を示す。また、抽出終了量は、図20(3)で示した珈琲粉計量画面において推奨または算出の抽出終了量のうちの決定された方の抽出終了量を示す。抽出終了時間は、抽出比較データに保存された抽出開始から終了までの抽出時間を示し、抽出比較データは、抽出比較データに選択された抽出方針データの名称を示す。
なお、この図21(2)では、図20(3)の表示例において「推奨抽出終了量で実行」ボタン1113が押下され、「XXX、3杯」抽出方針データの抽出終了量(360ml)及び抽出時間(04:00)に従って抽出が行われていることを想定する。
「途中終了」ボタン1125は、図7において示した「途中終了(遮蔽無)」ボタン329に対応し、抽出中に行われている電子機器1100の各動作を抽出中に止めるためのボタンである。
ガイド情報欄1131は、簡易ガイド付表示画面におけるガイド情報を表示するためのスペースである。この図21(2)に示す簡易ガイド付表示画面では、一例として、容器40内の抽出液の量を比較してガイド情報の判定を行った経過時間(01:30)と、この時間の判定結果に基づくガイド情報(かなり速いです。遅くしてください)とが示されている。
液量遷移グラフ1132は、図7(2)において示した液量遷移グラフ332と同様に、抽出液の量の遷移(経時変化)を示すグラフである。
この図21(2)の簡易ガイド付表示画面で示すように、容器40に溜まる抽出液の量を過去の抽出と比較することで、お湯を注ぐ速度に関するガイド情報をユーザに通知することができる。なお、電子機器1100はドリッパー10に掛る重さを量る計量部260を備えるため、ドリッパー10の中に溜まったお湯の量についても比較することができる。容器40に溜まる抽出液の量は増加するのみに対し、ドリッパー10に掛る重さは、お湯を注ぐ速度や回数により増減する。このため、ドリッパー10に掛る重さの比較を用いるガイド情報の通知は、容器40に溜まる抽出液の量の比較を用いるガイド情報の通知よりもさらに詳細な助言をユーザに通知することができる。このドリッパー10に掛る重さの比較を用いるガイド情報の通知については、詳細ガイド付表示として図23において説明する。
なお、図21(2)では、抽出中に液量遷移グラフのみを表示する例について説明したが、重量遷移グラフも一緒に表示するようにしてもよい。
[抽出方針データの確認時に表示される画面の例]
図22は、第5実施形態におけるタッチパネルディスプレイ22に表示される抽出方針データ表示画面と期間詳細表示画面と期間変更画面との一例を示す図である。
図22(1)には、抽出方針データの詳細を確認するための画面の一例が示され、図22(2)には抽出方針データの期間詳細の確認画面(期間詳細表示画面)の一例が示され、図22(3)には期間詳細の内容を変更する画面(期間変更画面)の一例が示されている。
図22(1)に示す抽出方針データの詳細を確認するための表示画面(抽出方針データ表示画面)の表示例では、「付随情報表示」ボタン1141、「期間詳細表示」ボタン1142、「一覧に戻る」ボタン1143が示されている。また、これらの各ボタンに加えて、抽出方針データの名称(名称:XXX、3杯(自作))、使用する分量データの名称(分量データ:標準)、抽出に使用する珈琲粉の量(珈琲粉:25g)、容器に溜める抽出液の量(抽出量:360ml)、抽出開始から終了までの時間(抽出時間:3分55秒)、使用するドリッパー(ドリッパー:XXXドリッパー(紙フィルター))、重量遷移、液量遷移が示されている。
この図22(1)に示す抽出方針データ表示画面は、図9(2)に示す抽出履歴データ表示画面に対応し、例えば、メニュー画面で抽出方針データを表示させる選択を行って表示された抽出方針データの一覧画面において、詳細を表示したい抽出方針データを選択すると表示される。なお、図22では期間情報に着目するため、抽出方針データの一覧画面などの図示は省略する。
なお、この図22で示す「XXX、3杯(自作)」抽出方針データは、図9(2)で示した抽出履歴データから自作(各データをコピーして名称を付けて作成)したことを想定して説明する。
「付随情報表示」ボタン1141は、抽出方針データ表示画面に表示されていない抽出方針データの情報(付随情報)を表示するためのボタンである。例えば、この「付随情報表示」ボタン1141を押下すると、付随情報として、コメント、ユーザ評価、参照した抽出履歴データを指し示す情報(自作した場合のみ)などが表示される。なお、参照した抽出履歴データを指し示す情報は、この例では取得日時(×月△日□時○分)であるが、通し番号などで抽出履歴データが管理される場合には、この通し番号も考えられる。
「期間詳細表示」ボタン1142は、抽出方針データの期間情報を確認するためのボタンである。このボタンを押下すると、図22(2)に示す期間詳細表示画面に移行する。
「一覧に戻る」ボタン1143は、図9(2)で示した「一覧に戻る」ボタン367と同様のボタンであり、押下すると、抽出方針データの一覧画面に戻る。
この図22(1)に示すように、抽出方針データには、第1実施形態で説明した抽出履歴データの各情報に、名称、参照した抽出履歴データの情報(自作した場合)、後の図22(2)及び(3)で詳しく説明する期間情報などが加わる。なお、期間情報は、第5実施形態では、必須ではないが便宜上(抽出履歴データから抽出方針データを作成する際に楽であるため)、抽出履歴データにも加えられることとする。この場合には、図9(2)で示した抽出履歴データ表示画面に「期間詳細表示」ボタン1142が追加される。
なお、図22(1)で示す表示例は一例であり、抽出方針データの名称、珈琲粉分量、抽出終了量、重量遷移、液量遷移などを変更できるように表示してもよい。続いて、期間情報について、図22(2)及び(3)を参照して説明する。
図22(2)に示す期間詳細表示画面の表示例では、「上」ボタン1144、「下」ボタン1145、「変更」ボタン1146、「追加」ボタン1147、「自動再設定」ボタン1148、「遷移詳細表示に戻る」ボタン1149、設定された複数の期間、重量遷移グラフが示されている。
なお、複数の期間としては、4つの期間(0:00~0:30、0:30~0:45、0:45~1:15、1:15~2:00)が示され、抽出開始後45秒から1分15秒の期間(0:45~1:15)が選択されていることを意味する2重線の枠が示されている。また、期間を示す数値の右隣には期間の動作の名称と、その期間の詳細とが示されている。なお、重量遷移グラフには、重量の遷移を示す実線に加えて、期間の区切りを示す破線と、選択されている期間を示す斜線で塗られた区間とが示されている。
「上」ボタン1144及び「下」ボタン1145は、期間の一覧に表示されている期間を変更するためのボタンである。期間が多い場合には一度に表示できないため、これらのボタンを押下することで表示している期間を隠して表示しきれなかった期間を表示する。
「変更」ボタン1146は、選択されている期間に設定されている各情報を変更するためのボタンである。この図22(2)に示すように0:45~1:15の期間が選択されている時に「変更」ボタン1146が押下されると、図22(3)に示す0:45~1:15の期間における各情報を変更するための期間変更画面に移行する。
「追加」ボタン1147は、選択されている期間の直後に新たな期間を新規に追加するためのボタンである。例えば、図22(2)に示す0:45~1:15の期間が選択されている時に「追加」ボタン1147を押下すると、1;15を開始としその他の各情報は未設定の期間変更画面に移行する。なお、新たな期間の終了時を設定すると、次の期間の開始時(図22(2)の例では1:15~2:00の期間の1:15)は、自動的にその新たな期間の終了時に再設定される。
「自動再設定」ボタン1148は、抽出履歴データに設定されている期間を再設定するためのボタンである。この「自動再設定」ボタン1148が押下されると、重量遷移グラフが示す重量の遷移に基づいて電子機器1100が期間を判断し、期間の数、期間の開始時と終了時、期間の動作名称、期間の詳細などが全て再設定される。
「遷移詳細表示に戻る」ボタン1149は、期間詳細表示画面から抽出履歴データの詳細画面に戻るためのボタンである。
次に、各期間に設定される情報の例について図22(3)で示す期間変更画面を参照して説明する。
図22(3)に示す期間変更画面の表示例では、「破棄して戻る」ボタン1151、「保存して戻る」ボタン1152、「動作名称」入力欄1161、「詳細」入力欄1162、「開始時刻」欄1163及び「終了時刻」欄1164、重量遷移グラフ及び液量遷移グラフが示されている。
「破棄して戻る」ボタン1151は、この期間変更画面で各入力欄に新規に入力した情報を破棄して期間詳細表示画面に移行するためのボタンである。
「保存して戻る」ボタン1152は、期間変更画面で各入力欄に新規に入力した情報を保存して期間詳細表示画面に移行するためのボタンである。
「動作名称」入力欄1161は、期間変更画面で変更中あるいは新規作成中の期間における動作を指し示す名称(動作名称)を入力するための欄である。この期間変更画面で「動作名称」入力欄1161を選択してユーザが文字を入力することにより、ユーザの好みの文字に変更することができる。
「詳細」入力欄1162は、期間変更画面で変更中あるいは新規作成中の期間における動作に関する詳細な情報を入力するための欄である。この詳細についても動作名称と同様に、ユーザが文字を入力することによりユーザの好みの文字に変更することができる。
「開始時刻」欄1163及び「終了時刻」欄1164は、設定中の期間の開始時刻または終了時刻を入力するための欄である。これらの欄の数値を変更した場合には、設定中の期間に隣接する期間の時刻も連動して変更される。例えば、0:45の開始時間を0:38に変更すると、直前の給湯(速)の期間(0:30~0:45)の終了時刻が0:45から0:38に変更される。
図22(3)に示す重量遷移グラフ及び液量遷移グラフは、これまでに説明した重量遷移グラフ及び液量遷移グラフと同様のものであり、図22(3)では2つ表示されているグラフの左が重量遷移グラフで右が液量遷移グラフである。これらグラフには、図22(2)と同様に、重量または液量の遷移を示す実線に加えて、抽出履歴データにおける各期間の区切りを示す破線と、この期間変更画面で変更中の期間を示す斜線で塗られた区間とが示されている。
この図22(3)に示すように、期間情報を構成する各期間の情報には、開始時刻、終了時刻、動作名称、詳細が設定される。そして、詳細ガイドモードで抽出が行われる際には、これらの情報を用いてガイド情報が生成される。
なお、「自動再設定」ボタン1148で期間が設定された際における各期間の情報は、まず、ドリッパー10内の重量の遷移に基づいて期間の開始時刻及び終了時刻が電子機器1100により自動的に設定される。そして、設定された期間内の重量の遷移に応じた動作名称と、詳細が自動的に設定される。
第5実施形態では、この図23で説明したような期間情報が抽出方針データ及び抽出履歴データに保存され、詳細ガイドモードにおいて用いられる。
なお、抽出履歴データの期間情報については説明を省略したが、期間情報付の抽出比較データを用いた抽出の抽出履歴データには、用いた抽出比較データの期間情報に基づいて期間情報が設定される。
次に、抽出液の量の比較とドリッパー10の中のお湯の量の比較との両方を用いたガイド情報(詳細ガイド)の通知について図23を参照して説明する。
[詳細ガイド付表示画面の例]
図23は、第5実施形態におけるタッチパネルディスプレイ22に珈琲の抽出中に表示される詳細ガイド付表示画面の一例を示す図である。図23(1)には珈琲の抽出における蒸らしのタイミングにおける詳細ガイド付表示画面の例が示され、図23(2)には珈琲の抽出における1度目のお湯を大量に注いだ後にドリッパー10内のお湯が減るのを待っているタイミング(待機のタイミング)における詳細ガイド付表示画面の例が示されている。
この図23において説明する詳細ガイド付表示画面は、図21(1)において示した抽出中表示選択画面で「詳細ガイド付表示」ボタン1122が押下されて詳細ガイド付表示モードが表示モードとして選択された場合に抽出中に表示される。この詳細ガイド付表示画面では、抽出中のドリッパー10内の重量の遷移と、抽出比較データの重量の遷移と、抽出比較データに設定した期間とに基づいて、簡易ガイドモードよりさらに詳しいガイド情報がユーザに通知される。
図23(1)において示す蒸らしのタイミングにおける詳細ガイド付表示画面の例には、「途中終了」ボタン1179、重量遷移グラフ1171、ガイド情報欄1172、動作ガイド欄1173、抽出量/予定量(0/0ml)、抽出終了量(360ml)、抽出終了時間(03:55)、抽出比較データ(XXX、3杯)、経過時間(00:20)が示されている。なお、数値が異なるものの図21(2)の簡易ガイド付表示画面と同じ内容の表示については、ここでの説明を省略する。また、「途中終了」ボタン1179も図21(2)の「途中終了」ボタン1125と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
重量遷移グラフ1171は、これまでに説明した重量遷移グラフと同様に、ドリッパー10内の重量の遷移を示すグラフである。この重量遷移グラフ1171は、図22(2)及び(3)で示した重量遷移グラフと同様に、実行中の抽出の遷移(実線)、抽出比較データの抽出の遷移(破線)、期間の区切りを示す縦軸と平行な破線、現時刻が含まれる期間(蒸らし)を示す斜線で塗られた区間が示されている。なお、この重量遷移グラフ1171には、一例として、斜線で示された蒸らしの期間において重量の遷移が略同じであることが示されている。
ガイド情報欄1172は、詳細ガイド付表示画面において、計量部260が計量した重量及び液量検出部270が検出した液量に基づいて決定されるガイド情報を表示するためのスペースである。この図23(1)に示す経過時間(0:20)のガイド情報欄1172には、一例として、図21(2)のガイド情報欄1131と同様に、ガイド情報の判定を行った経過時間(00:15)と、この時間の判定結果に基づくガイド情報(予定通りです。)とが示されている。
動作ガイド欄1173は、抽出比較データに設定されている期間の情報に基づいて、現状の抽出動作と次の抽出動作をユーザに通知するスペースである。この図23(1)に示す経過時間(0:20)の動作ガイド欄1173には、一例として、現動作の名称(蒸らし)と、現動作の期間の残り時間(5秒)と、次の動作の名称(給湯(速))とが示されている。
図23(2)に示す1度目のお湯を大量に注いだ後のお湯の減少を待っている期間(待機)における詳細ガイド付表示画面には、図23(1)で示した経過時間(0:20)の40秒後の経過時間(01;00)に表示される例が示されている。この図23(2)には、経過時間(01;00)に検出された抽出液の量(抽出量(40ml))が、抽出比較データの同時刻の抽出液の量(予定量(60ml))より少ない例が示されている。
また、重量遷移グラフ1174には、現在の期間(待機)及び1つ前の期間(給湯(速))における実行中の抽出の重量変化が、抽出比較データの重量変化と比べて、重量の増加が少ない方向に大幅にずれていることが表示されている。
この場合には、ガイド情報欄1175に抽出が遅いことを通知するガイド情報(遅い。お湯をもっと注ごう)が表示される。また、動作ガイド欄1176に示すように、現動作の名称(待機)と、現動作の残り時間(15秒)と、次の動作の名称(給湯(遅い))とが動作ガイド情報として表示される。
この図23(2)に示す詳細ガイド付表示画面を抽出中に確認したユーザは、1回目の給湯のタイミングにおけるお湯の量の不足により抽出速度が遅いこと、現動作(待機)は残り15秒であること、次の動作は給湯(遅い)であることを認識する。そして、ユーザは、どの期間においてお湯を多く注ぐかを抽出中に判断しながら抽出を継続する。例えば、給湯の動作においてお湯を多く注ぐと判断したユーザは、動作ガイド欄1176及び重量遷移グラフ1174に従って給湯のタイミングにお湯を多く注ぐ。
このように、詳細なガイド情報を表示することで、抽出比較データの示す抽出をユーザが再現することを、より支援することができる。
なお、表示されるガイド情報については、図示したものに限定されるものではない。例えば、期間ごとに再現できた割合(再現率)を算出し、この再現率をユーザに通知することで、抽出の良し悪しを抽出中にユーザに通知する場合も考えられる。また、計量部260が計量した重量の遷移の再現の度合いに基づいてアドバイスを判断し、このアドバイスをガイド情報として表示することも考えられる。
また、期間情報により、抽出期間中におけるお湯を注ぐタイミングが判明しているため、参照している抽出と実行中の抽出とがズレた場合に、どのタイミングで調整するかをガイド情報として指示する例も考えられる。例えば、図23(2)のように実際の抽出量が少ない場合に、次の給湯タイミングを早めるように指示する例などが考えられる。
なお、容器内の抽出液の量(液量遷移)及びドリッパー内の重量(重量遷移)からのガイド情報の判断基準は、簡易ガイドモードで示した例と同様に、比較を行うタイミング毎における閾値を設定し、この設定した閾値との比較により行われる。なお、この重量の閾値の算出については、ドリッパー内で重量が変化するのは、ドリッパー内に留まるお湯の量の変化だけであるため、計測したドリッパー内の重量から珈琲粉の重量の分を除いて、お湯の重量のみから閾値を算出するようにするとよい。また、重量遷移の表示(例えば、図23の重量遷移グラフ1171及び重量遷移グラフ1174)についても、お湯の量のみの重量の遷移を表示するようにしてもよい。
また、図22で説明した期間ごとに設定された詳細を詳細ガイド付表示画面に表示することで、期間における抽出動作の詳細を抽出中にユーザに通知することも考えられる。
このように、詳細ガイドモードでは、容器内の抽出液の量と、ドリッパー内の重量(ドリッパー内のお湯の量)と、期間情報とに基づいてガイド情報が決定されるため、簡易ガイドモードより詳細なガイドをユーザに通知することができる。
[電子機器の動作例]
図24及び図25は、第5実施形態における電子機器1100を用いて簡易ガイド付表示画面を表示しながら抽出を行う場合の動作(抽出処理手順)の一例を示すフローチャートである。図24ではフローチャートの前半部分が示され、図25ではフローチャートの後半部分が示されている。なお、図11と同様に電源をオンにした後の動作例であり。また、図21(1)で示した選択画面では簡易ガイド付表示(簡易ガイドモード)が選択されていることとする。
この図24及び図25で示すフローチャートは、抽出液の量に基づくガイド情報の表示と、ドリッパーの重量に基づくドリッパーの特定と、抽出比較データの設定とのステップを図11で示した動作例に加えたものである。このため、図11と同一のステップには同一の符号を付して説明を省略し、加えたステップを中心に説明する。
まず、容器40の位置が正しいと制御部250により判断された場合には(ステップS102)、ドリッパーの重量をユーザに計量させるための画面(ドリッパー重量計量画面)が表示部220に表示される(ステップS201)。続いて、ドリッパーの重量が計量部260により計量されたか否かが制御部250により判断され(ステップS202)、計量されていないと判断された場合には、ステップS201に戻る。具体的には、フィルターを設置したドリッパーを計量台に載せることを促すメッセージと、計量ボタン(「ZERO」ボタン)とがドリッパー重量計量画面(図示せず)に表示され、「ZERO」ボタンが押下されるまでドリッパー重量計量画面が表示される。
そして、ドリッパーの重量が計量されたと判断された場合には(ステップS202)、その計量された重量に基づいて、前回と同じドリッパーか否かが制御部250により判断される(ステップS203)。計量された重量が前回と異なることにより前回と同じドリッパーではないと判断された場合には(ステップS203)、ステップS207に進む。
一方、計量された重量が前回と同じことにより前回と同じドリッパーだと判断された場合には(ステップS203)、前回の抽出において抽出比較データとして用いた抽出方針データの情報が表示部220に表示される(ステップS204)。そして、前回の抽出比較データを今回も使用するか否かが制御部250により判断され(ステップS205)、前回の抽出比較データを使用しないと判断された場合には、ステップS208に進む。具体的には、前回の抽出において抽出比較データとして用いた抽出方針データの情報と、「変更」ボタン及び「決定」ボタンとを表示して(図示せず)、この抽出方針データを今回も使用するか否かをユーザに判断させる。そしてユーザにより「変更」ボタンが押下された場合には、前回の抽出比較データを使用しないと制御部250は判断し、「決定」ボタンが押下された場合には前回の抽出比較データを使用すると判断する。
続いて、前回の抽出比較データを使用すると判断された場合には(ステップS205)、前回の抽出比較データが今回の抽出比較データとして制御部250により設定され(ステップS206)、ステップS106に進む。
なお、ステップS203において前回と同じドリッパーではないと判断された場合には、ドリッパーの特定が制御部250により行われる(ステップS207)。具体的には、計量部260により計量された重量に近い重量が登録されているドリッパー重量データが一覧表示(図示せず)され、適切なドリッパー重量データをユーザが選択することによりドリッパーが特定される。そして、選択されたドリッパー重量データを使用する抽出方針データの一覧(例えば、図20(2))から抽出比較データを選択する画面(抽出比較データ選択画面)が表示部220に表示される(ステップS208)。続いて、この一覧からユーザが選択した抽出方針データが今回の抽出比較データに制御部250により設定され(ステップS209)、ステップS106に進む。
なお、ステップS205において前回の抽出比較データを使用しないと判断された場合には、使用するドリッパー(前回と同じドリッパー)のドリッパー重量データを使用する抽出方針データの一覧から抽出比較データを選択する画面(抽出比較データ選択画面)が表示され(ステップS208)、ステップS106に進む。
そして、ステップS108に進んだ後に、珈琲粉の計量を終了するか否かが制御部250により判断され(ステップS211)、終了しないと判断された場合にはステップS106に戻る。具体的には、図20(3)で示したような珈琲粉計量画面が表示され、「算出抽出終了量に調整して実行」ボタン1112または「推奨抽出終了量で実行」ボタン1113がユーザにより押下されると終了と判断され、押下されるまでは終了しないと判断される。
一方、珈琲粉の計量を終了すると判断された場合には(S211)、ステップS111に進み、抽出で使用する珈琲粉の量と抽出で容器40に溜められる抽出液の量とが決定される。そして、設定された条件(抽出比較データ、閾値と基準抽出量との間の差の度合いやパターン)に基づいて、抽出期間中の比較を行うタイミング毎の抽出量の閾値が制御部250により算出される(ステップS212)。この閾値の算出は、図21で説明したように、抽出比較データが示す各タイミングの液量を基準にして行われる。
そして、ステップS113に進んだ後に、検出された抽出液の量(抽出量)と閾値との比較が制御部250により行われる(ステップS213)。その後、その比較結果に基づいてユーザに通知するガイド情報が制御部250により決定され(ステップS214)、その決定されたガイド情報が反映された抽出状況表示画面(図21(2)参照)が表示部220に表示される(ステップS215)。その後、ステップS116に進む。
そして、ステップS117において抽出終了画面が表示されると、終了した抽出(今回の抽出)に係る抽出履歴データが記憶部290に保存され(ステップS216)、抽出処理手順は終了する。
なお、抽出期間中に閾値との比較を行うタイミングの間隔が抽出量の検出の間隔より広い場合には(例えば、5秒おきや10秒おき)、ステップS213の比較の結果はその比較を行うタイミング毎に更新され、その更新された結果に基づいてガイド情報が決定される。これは、図26におけるドリッパー内の重量についても同様である。
続いて、詳細ガイド付表示画面を表示する詳細ガイドモードで抽出を行う場合の動作(抽出処理手順)の一例について、図26を参照して説明する。なお、フローチャートの前半部分は図24で示したフローチャートと同じであるため、説明を省略する。
図26は、第5実施形態における電子機器1100を用いて詳細ガイド付表示画面を表示する動作(抽出処理手順)の一例を示すフローチャートの後半部分である。なお、この図26は、図25で示した動作例に、ドリッパー内の重量に基づくガイド情報の決定と、期間情報に基づくガイド情報の決定とを加えたものである。このため、図25と同一のステップには同一の符号を付して説明を省略し、加えたステップを中心に説明する。
ステップS212において抽出期間中のタイミング毎の抽出液の量の閾値が算出されると、このステップと同様に、設定された条件(抽出比較データ、閾値と基準とする重量との間の差の度合いやパターン)に基づいて、抽出期間中のタイミング毎のドリッパー10内の重量の閾値が制御部250により算出される(ステップS221)。なお、この閾値の算出は、ステップS212と同様に、抽出比較データが示す各タイミングの重量を基準にして行われる。
そして、その後の動作のステップS213に進んで抽出量の閾値との比較が終わると、ドリッパー10内の重量が計量部260により検出される(ステップS222)。そして、ドリッパー10内の重量と、重量の閾値との比較が制御部250により行われる(ステップS223)。続いて、検出したタイミング(現在)が属する期間と、次の期間とに関する情報が制御部250により取得された後に(ステップS224)、抽出量と閾値との間の比較結果と、重量と閾値との間の比較結果と、期間に関する情報とに基づいてガイド情報が制御部250により決定される(ステップS225)。
そして、決定されたガイド情報が反映された抽出状況表示画面(図23参照)が表示部220に表示され(ステップS226)、ステップS115に進む。なお、ガイド情報は、図23で示した例の他にも様々な例が考えられ、例えば、抽出量は予定通りだけど重量が許容範囲外の場合には、「抽出速度は予定通りですが、抽出手順がおかしいです。」などのガイド情報がユーザに通知される。また、抽出量が予定より少なく、重量も予定より少なく、現在の期間が待機で次の期間が給湯の場合には、「注いでいるお湯の量が全体的に少ないです。次の給湯タイミングで増やしてください」などのガイド情報がユーザに通知される。
このように、第5実施形態によれば、抽出中にガイド情報(支援情報)を通知することにより、ユーザの好みな味を再現するような抽出を容易にすることができる。
なお、第5実施形態で説明したガイド情報(支援情報)の通知でユーザを補助する機能については、抽出停止部280を備える電子機器で行うことも可能であり、両方の機能を備えることにより、味の再現を更に容易にすることができる。
ここまでは、抽出停止部(抽出停止部32、822)の役割として、抽出の終了タイミングにおいて抽出液の経路(流路)を遮蔽(抽出液の落下の阻止)することを想定して説明した。これにより、余分な抽出液が容器へ落ちるのを防ぐことができる。特に、内側が確認しにくいステンレスサーバーを用いて抽出を行う場合は、抽出停止部を備える電子機器(電子機器20、500、810)を用いることで目的通りの抽出が容易になる。
なお、抽出停止部が部分的に流路を塞ぐことにより容器40への抽出液の落下の量(抽出速度)の制御を可能にすると、ドリッパー内のお湯の量に係わらずに抽出速度の調整ができる。これにより、抽出動作の幅が広がり、ハンドドリップ条件のさらなる検討が可能となりさらに抽出が楽しくなる。
そこで、この抽出停止部が部分的に流路を塞ぐことにより抽出速度を制御する電子機器の例について、第6実施形態として図27乃至図33を参照して説明する。
[第6実施形態:抽出速度を制御する例]
[軸を中心に回転するプレートを備える抽出停止部の例]
図27は、第6実施形態における円板状のプレートが軸を中心に回転して流路を開閉する抽出停止部822の一例を示す図である。
なお、第6実施形態における電子機器は、抽出停止部が流路を部分的に遮蔽する機能を有することと、遮蔽した際にドリッパー内に溜まる抽出液が漏れないようにすることとが必要である。つまり、第3実施形態のドリッパーが一体型の電子機器(電子機器810)のように、電子機器810の内部(抽出液の流路)で抽出液の落下を妨げても、ドリッパー部811の上面の注ぎ口以外から抽出液が出ない(他の出入り口が存在しない)必要がある。
そこで、第6実施形態では、第3実施形態のドリッパー一体型の電子機器810の外観構成と同一であることを想定し、同一の符号を用いて説明する。なお、第6実施形態の電子機器の機能構成は、抽出停止部が流路を部分的に遮蔽すること以外は第3実施形態と同様のものであり、第2実施形態の電子機器500の表示部220が省かれたものである。このため、第6実施形態の電子機器の機能構成は、第2実施形態の電子機器500と同一の符号を用いて説明する。
なお、第3実施形態ではタッチパネルディスプレイ22が省かれた電子機器の例を電子機器810として説明した。この電子機器810は、第2実施形態の電子機器500のように通信部510を備え、通信相手の電子機器600のタッチパネルディスプレイ610に操作画面を表示する。この第6実施形態の表示例においても、電子機器600のタッチパネルディスプレイ610に表示されていることを想定して説明する。
なお、図示して説明しないが、第3実施形態のドリッパー一体型の電子機器810にタッチパネルディスプレイ22が追加された電子機器(例えば、円柱型の筐体の代わりに図1の長方形のタッチパネルディスプレイ付の筐体)を想定してもよい。
また、この第6実施形態では、抽出の際に抽出比較データを用いる場合には、第5実施形態で説明した抽出方針データから選択されることとする。また、第5実施形態と同様に、抽出方針データ及び抽出履歴データに期間情報が含まれていることとする。
図27(1)乃至(3)には、電子機器810の上面から見た孔1203の内側の構成例が示されている。また、図(4)乃至(6)には、図27(1)における破線1202の上端において破線1202と直交する矢印1201の方向で見た際の断面図が示されている。なお、図27(1)及び(4)には流路が完全に遮蔽された(閉ざされた)例が示され、図27(2)及び(5)には流路が部分的に閉ざされた例が示され、図27(3)及び(4)には流路が完全に開かれた例が示されている。
そして、図27(7)及び(8)には、孔1203のサイズが大きい場合においても抽出速度を細かく調整する電子機器810の例として、4つの抽出停止部により細かく流量を制御する電子機器810の上面から見た孔1203の内側の構成例が示されている。
この第6実施形態における抽出停止部822は、図27(4)乃至(6)に示すように、孔1203の途中において、孔1203の側面と直交する方向(図27の水平方向)に平行に伸びる軸1205と、この軸1205を中心に孔1203内で回転する円板状のプレート1204とを弁体として備える。
このプレート1204は、図27(1)及び(4)に示すように、平面が孔1203の側面と直交する位置で止まると孔1203を完全に塞いで遮蔽する。そして、図27(2)及び(5)に示すように、プレート1204の平面が、孔1203の側面と直交する方向から少し回転すると、孔1203が部分的に開かれた状態になる。この場合においては、図27(1)及び(4)で示す遮蔽状態からの回転の度合いに応じて隙間が大きくなり、隙間が大きくなるほど孔1203を通って容器40へ落ちる抽出液の量が多くなって抽出速度が速くなる。
なお、図27(3)及び(6)に示すように、プレート1204の平面が孔1203の側面と平行になると、孔1203が完全に開かれた状態となり、抽出速度が最も速くなる。また、図27(1)乃至(6)において示したプレート1204の回転は、軸1205を回転させる駆動手段(モータ)の動作を制御部250(図4参照)が制御を行うことにより実現される。
このように、第6実施形態における抽出停止部822は、一般的にバタフライ弁と呼ばれている弁構造と略同様の構成で実現される。
ここまでの図27(1)乃至(6)では、1つの抽出停止部822が備えられる例を示した。しかしながら、複数の抽出停止部822を設けて個々に開閉の度合いを制御すると、抽出速度がより細かく制御できると考えられる。
図27(7)及び(8)では、孔1210の内部において孔1210よりサイズの小さな4つの孔(孔1211乃至1214)が設けられ、その4つの孔(孔1211乃至1214)それぞれに抽出停止部822が設けられる電子機器810の例が示されている。ドリッパー部811から孔1210に流れてきた抽出液は、孔1211乃至1214のいずれかを通って容器40に流れていく。この孔1211乃至1214それぞれにおいて開口の度合いを制御することにより、多段階の抽出速度を容易に設定することができる。
例えば、孔1211乃至1214それぞれに設けられている抽出停止部が全開と遮蔽との2通りのみの動作だとしても、5段階(全開(4)、全開(3)遮蔽(1)、全開(2)遮蔽(2)、全開(1)遮蔽(3)、遮蔽(4))の抽出速度を設定することができる。部分的に開かれた状態を維持できる抽出停止部を設けた場合には、さらに多段階の抽出速度を設定することができる。
例えば、全開、遮蔽、半開の3段階に開閉する4つの抽出停止部が設けられていて、できるだけ均等に開くように、全開と遮蔽が混在しないようにすることを想定する。この場合、9段階(全開(4)、全開(3)半開(1)、全開(2)半開(2)、全開(1)半開(3)、半開(4)、半開(3)遮蔽(1)、半開(2)遮蔽(2)、半開(1)遮蔽(3)、遮蔽(4))の抽出速度を設定することができる。
図27(7)には、一例として、2つの孔(孔1212及び1213)が部分的に開かれており、もう2つの孔(孔1211及び1214)が完全に閉じられている例が示されている。また、図27(8)には、4つの孔(孔1211乃至1214)の全てが閉じられている例が示されている。
このように、第6実施形態の電子機器810は、抽出液の流路を部分的に遮蔽できる抽出停止部が設けられることにより、抽出速度を制御することができる。なお、電子機器810では、バタフライ弁の抽出停止部を想定するが、電子機器810が開閉を抽出期間中に制御できればよく、第1乃至第5実施形態で示した抽出停止部でもよい。
次に、電子機器810を用いた抽出速度を制御しながら珈琲の抽出を行う例について、図28乃至図30の表示画面の例を参照して説明する。
[抽出速度制御モードにおける表示画面の例]
図28は、第6実施形態における抽出速度制御モード選択画面及び都度ユーザ指定制御モードにおける抽出状況表示画面の一例を示す図である。
図28(1)には、抽出停止部280による抽出速度の制御方法(抽出速度制御モード)を選択するための画面(抽出速度制御モード選択画面)が示され、図28(2)には都度ユーザ指定制御モードにおける抽出状況表示画面が示されている。
なお、図28(1)において示す抽出速度制御モード選択画面は、表示される各ボタンで選択するものが異なる以外は、図21(1)において示した抽出中表示設定画面と同じものである。そこで、ここでは抽出速度制御モード選択画面で選択される4つの抽出速度制御モードに着目して説明する。
図28(1)で示す抽出速度制御モード選択画面には、この画面で抽出速度制御モードを選択するための4つのボタンとして、「全開モード」ボタン1221、「都度ユーザ指定モード」ボタン1222、「期間別開口度指定モード」ボタン1223、「抽出液量参照自動モード」ボタン1224が示されている。
「全開モード」ボタン1221は、抽出停止部280による部分的な遮蔽による抽出速度の制御を抽出中に行わないモード(全開モード)を選択するためのボタンである。この「全開モード」ボタン1221により選択される全開モードでは、抽出停止部280における開閉の状態は、全開及び遮蔽のいずれかとなる。すなわち、全開モードが設定されると、第1乃至第4実施形態において示した抽出動作と同じ動作になる。
「都度ユーザ指定モード」ボタン1222は、抽出停止部280における開閉動作による抽出液の流路の開口の度合い(開口度)を、抽出中にユーザが抽出動作を行いながら選択するモード(都度ユーザ指定モード)を選択するためのボタンである。この「都度ユーザ指定モード」ボタン1222が押下されて都度ユーザ指定モードが選択された場合における電子機器810の動作については、図28(2)において説明するため、ここでの説明を省略する。
「期間別開口度指定モード」ボタン1223は、抽出中の期間ごとの開口度をユーザが直接指定した情報(開口度制御データ)に基づいて、抽出中に開口度が変化するモード(期間別開口度指定モード)を選択するためのボタンである。ここで、開口度制御データとは、抽出前(事前)にユーザが抽出中の期間ごとに設定した開口度の情報であり、時間毎の開口度、期間、開口度制御データそのもののコメント、期間ごとのコメントの情報により構成される。なお、開口度制御データの情報のうち、時間毎の開口度以外の情報は、期間別開口度指定モードにおける開口度の制御に必須ではなく、抽出中の表示などでユーザの支援などに必要な場合のために設定される。
この「期間別開口度指定モード」ボタン1223が押下されて期間別開口度指定モードが選択された場合における電子機器810の動作については、図29において説明するため、ここでの説明を省略する。
「抽出液量参照自動モード」ボタン1224は、抽出中における容器40内の液量の遷移を事前に指定した情報に基づいて、抽出中の適切な開口度を電子機器810が判定して開口度が自動的に制御されるモード(抽出液量参照自動モード)を選択するためのボタンである。この「抽出液量参照自動モード」ボタン1224が押下されて抽出液量参照自動モードが選択された場合における電子機器810の動作については、図30において説明するため、ここでの説明を省略する。
図28(2)には、都度ユーザ指定モードにおける抽出状況表示画面の例が示されている。
なお、この図28(2)で示す都度ユーザ指定モードにおける抽出状況表示画面は、ユーザが抽出中に開口度を指定するための表示が加えられた以外は図7(1)で示した抽出状況表示画面と同様のものであるため、ここでは開口度を指定するための表示に着目して説明する。
図28(2)で示す都度ユーザ指定モードにおける抽出状況表示画面には、「上」ボタン1225及び「下」ボタン1226、「途中終了(遮蔽有)」ボタン1227、「途中終了(遮蔽無)」ボタン1228と抽出状況を示す表示が示されている。抽出状況を示す表示として、現在の抽出液の量(抽出量 100ml)、抽出を終わらせる液量(抽出停止量 240ml(3杯)、抽出開始からの経過時間(経過時間 01:30)、抽出停止部280の開口度(開口度(8:全開 0:遮蔽) 8)を示す表示が示されている。
「上」ボタン1225及び「下」ボタン1226は、抽出中に抽出停止部280における開口度をユーザが指定するためのボタンである。「上」ボタン1225を押下すると、開口度を示す数値が上昇し、「下」ボタン1226を押下すると、開口度を示す数値が減少する。
なお、この図28(2)においては、一例として、「0」を遮蔽の状態とし、数値が上昇するにつれて開口の度合いが上昇し、「8」を全開の状態とする9段階のうちの「9」段目(全開)に設定されていることを示す数値(8)が、「上」ボタン1225と「下」ボタン1226との間に示されている。
この図28(2)に示すように、都度ユーザ指定モードが設定されると、抽出中に開口度をユーザが自由に調整することができる。
なお、都度ユーザ指定モードにおける抽出状況表示画面は、この図28(2)に示すものに限定されるものではない。例えば、図7(2)に示した表示画面に開口度を設定する表示を追加したり、第5実施形態で説明したガイド情報と一緒に表示したりするようにしてもよい。
[期間別開口度指定モードにおける表示画面の例]
図29は、第6実施形態における開口度制御データ選択画面と、開口度制御データ設定変更画面と、期間別開口度指定モードにおける抽出状況表示画面との一例を示す図である。
図29(1)には、期間別開口度指定モードで抽出する際に使用する開口度制御データを選択するための画面(開口度制御データ選択画面)が示され、図29(2)には、開口度制御データの内容の詳細を表示及び変更するための画面(開口度制御データ詳細表示画面)が示され、図29(3)には期間別開口度指定モードにおける抽出状況表示画面が示されている。
図29(1)で示す開口度制御データ選択画面には、「上」ボタン1231、「下」ボタン1232、「詳細確認・変更」ボタン1233、「新規追加」ボタン1234、「使用データに設定」ボタン1235、「メニューに戻る」ボタン1236、開口度制御データの一覧、使用開口度制御データが示されている。
一覧には、4つの開口度制御データ(後半高速、A豆・粗挽き・6分抽出用、2分溜め抽出用、給湯毎に貯める用)が示され、そして、「2分溜め抽出用」と名付けられた開口度制御データが選択されていることを示す2重線の枠が示されている。なお、使用開口度制御データの表示として、左から名称、抽出時間、コメントが表示されている。
使用開口度制御データは、抽出中に開口度を制御するために使用される開口度制御データであり、図29(1)では、「後半高速」と名付けられた開口度制御データが設定されている様子が示されている。
「上」ボタン1231及び「下」ボタン1232は、一覧に表示されている開口度制御データを変更するためのボタンであり、これまでの一覧が表示されている表示例で示した「上」ボタン及び「下」ボタンと同様のものである。
「詳細確認・変更」ボタン1233は、2重線の枠で示される選択された開口度制御データの詳細を確認、または、開口度制御データに含まれる情報の変更をするためのボタンである。この「詳細確認・変更」ボタン1233が押下されると、図29(2)で示す開口度制御データ詳細表示画面に移行する。
「新規追加」ボタン1234は、使用開口度制御データを新たに作成して開口度制御データの一覧に追加するためのボタンである。この「新規追加」ボタン1234が押下されると、開口度制御データを構成する全情報が無い状態で、図29(2)で示す開口度制御データ詳細表示画面に移行する。
「使用データに設定」ボタン1235は、2重線の枠で示される選択された開口度制御データを使用開口度制御データに設定するためのボタンである。例えば、図29(1)で示すように「2分溜め抽出用」の開口度制御データが選択されている状態でこの「使用データに設定」ボタン1235を押下すると、使用開口度制御データが「2分溜め抽出用」に変更される。
「メニューに戻る」ボタン1236は、開口度制御データ選択画面からメニュー画面に変更するためのボタンである。なお、第6実施形態においては、メニュー画面からこの開口度制御データ選択画面に移行する例を想定して説明するが、これに限定されるものではなく、抽出に使用する珈琲粉を用意する計量前に設定するようにしてもよい。
図29(2)には、開口度制御データ詳細表示画面が示されている。開口度制御データは、図28(1)で説明したように、時間毎の開口度、期間、開口度制御データそのもののコメント、期間ごとのコメントの情報から構成される。ここで示す開口度制御データ詳細表示画面では、開口度制御データを構成するこれらの情報を設定することができる。
図29(2)で示す開口度制御データ詳細表示画面では、「コメントの確認・変更」ボタン1241、「抽出方針データ変更」ボタン1242、「破棄して戻る」ボタン1243、「保存して戻る」ボタン1244、「期間追加」ボタン1245、「名称」入力欄1251、「期間番号」指定ボタン1252、「開口度」指定ボタン1253、「期間開始時刻」入力欄1254、「期間終了時刻」入力欄1255、重量遷移グラフ1298、開口度遷移グラフ1299が示されている。
「コメントの確認・変更」ボタン1241は、開口度制御データ詳細表示画面において表示している開口度制御データ(図29(2)では「2分溜め抽出用」)に登録されるコメントを表示して、確認及び変更を行うためのボタンである。この「コメントの確認・変更」ボタン1241が押下されると、登録されたコメントが表示される画面(図示せず)に移行する。なお、開口度制御データに登録されるコメントは、開口度制御データそのものに対するコメント(図9(2)の「コメント」入力欄372参照)の他、期間ごとのコメント(図22(3)の「詳細」入力欄1162参照)も期間ごとに登録される。これらのコメントは、ユーザによる開口度制御データの識別(図29(1)の一覧における表示参照)の他、抽出中にガイドを表示する場合にユーザが抽出動作を認識するのに使われる。
「抽出方針データ変更」ボタン1242は、この開口度制御データ詳細表示画面において、ユーザが開口度を設定するために参照する抽出方針データを変更するためのボタンである。図29(2)では、この参照する抽出方針データの保持するドリッパー部811内の重量遷移の情報が重量遷移グラフ1298の実線によりに示されている。ユーザは、この重量遷移グラフ1298を参照して、開口度制御データの各情報を設定する。
なお、この図29(2)では、ドリッパー部811内の重量遷移を参照する例について説明したが、容器40内の液量遷移を参照するようにする例も考えられる。
また、参照する抽出方針データが存在しない場合(例えば、初めて検討する場合)には、参照する抽出方針データを指定しないで開口度制御データの各情報をユーザが登録する。なお、抽出履歴データを参照してもよい。
「破棄して戻る」ボタン1243及び「保存して戻る」ボタン1244は、これまでの表示例で示した「破棄して戻る」ボタン及び「保存して戻る」ボタンと同様のものである。すなわち、開口度制御データに変更を加えた場合に、変更を破棄又は保存して開口度制御データ選択画面に戻るためのボタンである。
「名称」入力欄1251は、変更している開口度制御データの名称を変更するための入力欄である。
「期間番号」指定ボタン1252は、開口度制御データ詳細表示画面に表示する期間を指定するためのボタンである。「期間番号」指定ボタン1252を押下すると、表示している開口度制御データに設定された期間を示す番号の一覧が表示される。そして、一覧から番号のうちの1つを押下すると、その番号に対応する期間の各情報が表示される。すなわち、「期間番号」指定ボタン1252の押下で表示する期間を変更すると、選択された番号の区間の開口度、開始時刻と、終了時刻と、開口度遷移グラフ1299上において選択された番号の区間を示す斜線で塗られた領域とが、押下された番号の期間の情報に更新される。
「開口度」指定ボタン1253は、「期間番号」指定ボタン1252により指定された期間において設定されている開口度を指定するためのボタンである。
「期間開始時刻」入力欄1254及び「期間終了時刻」入力欄1255は、期間の開始タイミングと終了タイミングとを指定するための入力欄である。
図29(2)の表示画面の例では、総数が2(図中の「/2」)の期間のうちの1つ目を表示していることが、「期間番号」指定ボタン1252の左隣の「1」と、開口度遷移グラフの斜線の区間により示されている。また、この期間の開口度が「0」であり、開始時刻と終了時刻が「0:00」と「2:00」であることが、「開口度」指定ボタン1253の左隣の番号と、「期間開始時刻」入力欄1254及び「期間終了時刻」入力欄1255の数値とにより示されている。
「期間追加」ボタン1245は、新たな期間を追加するためのボタンである。例えば、図29(2)の表示画面の例でこの「期間追加」ボタン1245が押下されると、期間番号「2」の期間が期間番号「3」に繰り上がり、開始時刻を「2:00」とする新たな期間が、期間番号「2」の新たな期間として追加される。なお、新たな期間番号「3」の期間の開始時刻は、例えば、新たな期間番号「2」の期間の終了時刻をユーザが指定した際にその時刻に設定される。
なお、図29(2)では、操作を簡単にするために、期間ごとに開口度を設定する表示画面の例(時刻毎の開口度を期間ごとに一度に設定する例)を示して説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、15秒間隔で開口度を1つずつ設定し、期間に関する情報は別に設定するような表示画面も考えられる。
図29(3)には、期間別開口度指定モードで抽出を行った際に抽出中に表示される抽出状況表示画面が示されている。
この図29(3)の抽出状況表示画面には、「途中終了(遮蔽有)」ボタン1246及び「途中終了(遮蔽無)」ボタン1247、抽出量/予定量、抽出終了量、経過時間、抽出終了時間、重量遷移グラフ、液量遷移グラフ、開口度遷移グラフが表示されている。なお、「途中終了(遮蔽有)」ボタン1246及び「途中終了(遮蔽無)」ボタン1247は、これまでの抽出状況表示画面において説明した「途中終了(遮蔽有)」ボタン及び「途中終了(遮蔽無)」ボタンと同じものであるため、ここでの説明を省略する。また、抽出量/予定量、抽出終了量、経過時間、抽出終了時間も数値が異なる以外はこれまでの抽出状況表示画面と同じであるため、個々での説明を省略する。
なお、この図29(3)の抽出状況表示画面では、図29(2)で示した「2分溜め抽出用」と名付けられた開口度制御データが使用開口度制御データとして設定されていることを想定して図示する。
重量遷移グラフ及び液量遷移グラフには、抽出方針データの各遷移が破線で示され、実行中の抽出の各遷移が実線で示されている。また、使用開口度制御データに設定される期間の変わり目のタイミングが縦軸と平行な破線で示されている。
開口度遷移グラフには、使用開口度制御データに設定されている開口度の遷移が破線で示され、実行中の抽出の遷移が実線で示されている。
この図29(3)の抽出状況表示画面には、経過時間が「01:30」の状態では、抽出停止部822では流路が閉じられた状態(遮蔽状態)の開口度が「0」であり、容器40内の抽出液の量は「0」mlであることが示されている。そして、経過時間がもう少し経過すると、開口度が「8」の流路が全開の状態となり、容器40内の液量が増える予定であることが、開口度遷移グラフ及び液量遷移グラフの各破線により示されている。
このように、期間別開口度指定モードでは、使用開口度制御データに基づいて開口度が制御されながら抽出が行われる。なお、抽出中の時間毎の開口度の制御は、使用開口度制御データに保存された時間毎の開口度の情報(開口度の遷移の情報)にのみ基づいて行われ、他の情報は開口度の制御以外に用いられる。図29(3)の表示例では、期間の変わるタイミングが表されているのみであるが、例えば、現時刻が属する期間に関する詳細な情報(図29(2)に示した期間番号、開口度、終了までの残り時間など)をガイド情報として表示したり、次の期間における動作をガイド情報として表示したりすることが考えられる。
なお、表示については、第5実施形態において説明したようにガイド情報を表示することも考えられる。ガイド情報の一例として、ドリッパー部811内の重さの過不足に関する通知などが考えられる。
このように、開口度制御データは、時間毎の開口度、期間の開始終了時刻、開口度制御データそのもののコメント、期間ごとのコメントの情報により構成され、この開口度制御データに基づいて抽出中に抽出速度を制御することにより、ハンドドリップの手法のパターンが広がり、ユーザはハンドドリップを更に楽しむことができる。
ここまでは、ユーザ自身が開口度制御データを作成する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、この図29(2)で示した「2分溜め抽出用」のような単純な抽出動作の開口度制御データについては、予め電子機器810の記憶部(図4の記憶部290を参照)にプリセットの開口度制御データとして記憶しておくことが考えられる。また、第2実施形態のように、他人がお勧めする開口度制御データをサーバからダウンロードして使用することも考えられる。
なお、この図29では、抽出比較データに保持されている各情報は開口度制御データに含まれない例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図30において説明する抽出速度制御データのように抽出比較データの各情報も含むようにしてもよい。この場合には、抽出時に抽出比較データを参照すること無く、開口度制御データのみで図29(3)のような抽出状況表示画面を表示することや、開口度制御データのみで抽出中のガイド情報をユーザに通知することができる。
[抽出液量参照自動モードにおける表示画面の例]
図30は、第6実施形態における抽出速度制御データ選択画面と、抽出速度制御データ設定変更画面と、抽出液量参照自動モードにおける抽出状況表示画面との一例を示す図である。
図30(1)には、抽出液量参照自動モードで抽出する際に使用する抽出速度制御データを選択するための画面(抽出速度制御データ選択画面)が示され、図30(2)には、抽出速度制御データの内容の詳細を表示及び変更するための画面(抽出速度制御データ設定変更画面)が示され、図30(3)には抽出液量参照自動モードにおける抽出状況表示画面が示されている。
図30(1)で示す抽出速度制御データ選択画面には、「上」ボタン1261及び「下」ボタン1262、「詳細確認・変更」ボタン1263、「新規追加」ボタン1264、「使用データに設定」ボタン1265、「メニューに戻る」ボタン1266、抽出速度制御データの一覧、使用抽出速度制御データが示されている。
なお、図30(1)に示す抽出速度制御データ選択画面は、選択対象が異なる以外は図29(1)の開口度制御データ選択画面と同様の表示画面である。すなわち、表示されている各ボタンも、対象が抽出速度制御データである以外は、図29(1)の開口度制御データ選択画面の各ボタンと同じであるため、ここでの詳細な説明を省略する。
抽出速度制御データ選択画面に表示される抽出速度制御データの一覧には、4つの抽出速度制御データ(深煎り粗挽き・満杯、浅煎り粗挽き・満杯、深煎り粗挽・2分溜・満杯、中煎り中挽・ラスト高速)が示されている。なお、抽出速度制御データの情報として、名称、抽出時間、使用して抽出した回数、コメントが左から順に示されている。また、使用抽出速度制御データに「深煎り粗挽・2分溜・満杯」と名付けられた抽出速度制御データが設定されている。
次に、抽出速度制御データについて、図30(2)を参照して説明する。
図30(2)には、図30(1)において示した「詳細確認・変更」ボタン1263及び「新規追加」ボタン1264を押下すると表示される抽出速度制御データ設定変更画面が示されている。この抽出速度制御データ設定変更画面には、「重量・液量遷移変更」ボタン1268、「コメントの確認・変更」ボタン1269、「過去実施(トライ)情報変更」ボタン1270、「破棄して戻る」ボタン1271、「保存して戻る」ボタン1272、「名称」入力欄1267、抽出情報表示欄1281、重量遷移グラフ1295、液量遷移グラフ1296、予定開口度グラフ1294が示されている。
なお、「破棄して戻る」ボタン1271、「保存して戻る」ボタン1272、「名称」入力欄1267は、対象が抽出速度制御データである以外は、図29(2)で示したものと同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
「重量・液量遷移変更」ボタン1268は、抽出速度制御データに保持される時刻毎(タイミング毎)のドリッパー部811内の予定の重量と、容器40内の予定の液量とに関する情報を変更するためのボタンである。この「重量・液量遷移変更」ボタン1268が押下されると、時刻毎のドリッパー部811内の予定の重量と、容器40内の予定の液量とを変更するための画面(図示せず)が表示されてユーザが変更することが可能になる。なお、期間が設定される場合には、この変更するための画面において行われる。また、時刻毎のドリッパー部811内の予定の重量の情報と期間の情報は、抽出状況表示画面で使用しない場合には設定しなくとも抽出液量参照自動モードでの抽出は可能である。
「コメントの確認・変更」ボタン1269は、表示中の抽出速度制御データ(深煎り粗挽き・2分溜・満杯)に登録されるコメントを表示して、確認及び変更を行うためのボタンである。この「コメントの確認・変更」ボタン1269が押下されると、登録されたコメントが表示される画面(図示せず)に移行する。なお、抽出速度制御データそのものに対するコメントの他、期間ごとのコメント、使用する珈琲豆の煎り具合及び挽き具合、分量、抽出量、抽出時間も、コメントが表示される画面で登録や変更が行われる。
「過去実施(トライ)情報変更」ボタン1270は、表示している抽出速度制御データ(深煎り粗挽き・2分溜・満杯)に設定される時間毎の予測の開口度を算出するために用いられた抽出履歴データを変更するためのボタンである。なお、この算出するために用いられた抽出履歴データは、「深煎り粗挽き・2分溜・満杯」と名付けられた抽出速度制御データを用いた抽出液量参照自動モードにより抽出を行った過去の抽出の抽出履歴データである。
この第6実施形態では、抽出履歴データには、第5実施形態で説明した抽出履歴データの各情報に加えて、使用した抽出速度制御データを指し示す情報(例えば、名称や識別番号)と、実際に行った開口度の時間毎のデータ(遷移データ)とを保持していることとする。さらに、この第6実施形態では、抽出速度制御データには、この抽出速度制御データを用いた抽出液量参照自動モードにより抽出を行った抽出の抽出履歴データを指し示す情報(名称や識別番号)が登録されることとする。
「過去実施(トライ)情報変更」ボタン1270を押下すると、予測の開口度を算出するために用いた抽出履歴データを変更することができ、これにより予定開口度を調整することができる。例えば、7回の過去の抽出履歴データのうち、1回が失敗の抽出だった場合に、この失敗だった1回の抽出履歴データを外す。そして、6回の過去の抽出履歴データに基づいて予定開口度が再計算される。なお、予定開口度が計算される際には、過去の抽出履歴データの開口度の情報のみではなく、容器40内の抽出液の増加速度も考慮される。例えば、過去の抽出履歴データにおける特定の区間の抽出液の増加速度が、抽出速度制御データにおいて指定したその区間の液量の増加速度より大きすぎる場合には、その抽出履歴データの開口度は大きすぎるので本来は小さくするべきだったと判断し、予定の開口度の算出の際には、その判断を考慮して計算される。
なお、過去の実施(トライ)回数が0回の場合には、登録された煎り具合、挽き具合、分量、抽出量、抽出時間、液量遷移グラフから電子機器810が大まかな予測をおこない抽出中に開口度の制御を行う。
このように、過去の実施(トライ)回数が増えるほど、予定開口度の精度が高くなる。そして、予定開口度の精度が高くなるほど、実行中の抽出液の量の遷移を液量遷移グラフ1296に示されている遷移に近づけることができる。
ここで、抽出情報表示欄1281に表示されている情報について説明する。抽出情報表示欄1281には、過去実施(トライ)回数が「7回」、珈琲豆の煎り具合(煎り)が「深煎り」、珈琲豆の挽き具合(挽)が「粗挽き」、珈琲粉の量(珈琲粉)が「25g」、珈琲の抽出量(抽出量)が「360ml」、抽出時間(抽出時間)が「04:00」であることが示されている。
過去実施(トライ)回数は、何個の抽出履歴データを参照して予測開口度を設定するかによって決定するが、他の情報は、「コメントの確認・変更」ボタン1269の押下で表示される画面でユーザにより入力される。
この入力される情報(煎り具合、挽き具合、珈琲粉、抽出量、抽出時間)は、予定開口度の設定に関わらないものの、予定した開口度の開閉動作により予定の液量が流れるか否かに関わる重要な条件である。そこで、第6実施形態の抽出液量参照自動モードでは、珈琲粉の量、珈琲の抽出量、抽出時間に加えて、珈琲豆の煎り具合と珈琲豆の挽き具合とを抽出速度制御データに登録することで、これらの情報をユーザに通知し、予定通りの抽出の実現の可能性を高める。なお、コメント欄(図示されず)に、豆の入手先も書いておくと、より予定通りの抽出の実現の可能性を高めることができる。
これらの情報の用途として、例えば、使用する珈琲粉を用意する時に、抽出速度制御データに登録された煎り具合及び挽き具合の珈琲粉を、登録された重量ほどドリッパー内に用意するようにユーザに通知(ユーザを支援)することなどが考えられる。
なお、抽出速度制御データには抽出比較データに含まれる情報は全て含まれているため、抽出液量参照自動モードで抽出比較データは使用されない。
また、抽出速度制御データに登録されるドリッパー内の重量遷移の情報は、この抽出におけるユーザの抽出動作の指標として使われるのみで、予定の開口度の設定には用いられない。しかし、ドリッパー部811内のお湯の量が抽出の速度に多大な影響を与えるため、抽出中表示選択画面では重量遷移グラフを表示して、実行中の重量遷移が抽出速度制御データの重量遷移に近づくようにユーザがお湯を注ぐことが望ましい。
なお、予定開口度は事前の予定であるため、抽出中に容器40に溜まった抽出液の量にズレが生じたら、ズレに応じて開口度が変化する。
この図30(2)に示すように、抽出速度制御データは、開口度の制御に必須な容器40内の時刻毎の液量の情報(液量遷移の情報)に加えて、抽出を再現するのに必要な、ドリッパー部811内の重量遷移の情報、期間情報、この抽出速度制御データを用いた過去の抽出の抽出履歴データを指し示す情報、開口度の遷移予定を作成するのに使用する抽出履歴データを指し示す情報、時間毎の予定の開口度の情報、煎り具合、挽き具合、分量、抽出量、抽出時間により構成される。
図30(3)には、抽出液量参照自動モードで抽出を行った際に抽出中に表示される抽出状況表示画面が示されている。
この図30(3)の抽出状況表示画面には、「途中終了(遮蔽有)」ボタン1273及び「途中終了(遮蔽無)」ボタン1274、抽出量/予定量、抽出終了量、経過時間、抽出終了時間、重量遷移グラフ、液量遷移グラフ、開口度遷移グラフが表示されている。なお、この図30(3)に示す抽出状況表示画面は、各情報の数値、各遷移のパターン、符号が異なる以外は図29(3)に示した期間別開口度指定モードの抽出状況表示画面と同様のものであるため、詳細な説明を省略する。
なお、図30(3)には、予定開口度が計算されている抽出速度制御データ(深煎り粗挽・2分溜・満杯)の例を示したため、開口度遷移グラフに予定開口度を示す細い線が示されている。過去実施(トライ)回数が「0」の抽出速度制御データなどの予定開口度が計算されていない場合には、抽出中の開口度を示す太い実線のみが開口度遷移グラフに表される。
なお、図29(3)と同様に、抽出状況表示画面はこの表示例に限定されるものではなく、第5実施形態において説明したようなガイド情報も表示するようにしてもよい。
このように、期間別開口度指定モードでは、抽出速度制御データで指定する容器40内の液量の遷移(抽出速度)に基づいて開口度を調整して実行中の抽出速度を制御することにより、ハンドドリップの手法のパターンが広がり、ユーザはハンドドリップを更に楽しむことができる。
なお、抽出速度制御データについてはユーザ自身が生成する例を図30で説明したが、図29において説明した開口度制御データにおいて言及したように予めプリセットとして電子機器に記録する他、サーバからダウンロードすることも考えられる。
ここまでは、電子機器810の3つの抽出動作(都度ユーザ指定モード、期間別開口度指定モード、抽出液量参照自動モード)について、電子機器810の操作画面を参照しながら説明した。
続いて、電子機器810のこの3つの抽出動作の動作例について、図31乃至図33で示すフローチャートを用いて説明する。なお、図31乃至図33では、モードを設定する操作は予め終わっていることを想定する。また、図32及び図33では、使用する開口度制御データ及び抽出速度制御データは既に選択されていることを想定する。
[電子機器の動作例]
図31は、第6実施形態における電子機器810を用いて都度ユーザ指定モードで抽出を行う場合の動作(抽出処理手順)の一例を示すフローチャートである。
この図31で示すフローチャートでは、図11で示した動作例に開口度を変更できる動作を加えた例を示し、加えたステップを中心に説明する。なお、電子機器810はタッチパネルディスプレイを備えていないため、通信相手の電子機器600のタッチパネルディスプレイ610における表示を想定している。このため、動作例における表示に関する動作については、電子機器810は表示画面のデータを通信部510から出力し、通信相手の電子機器600のタッチパネルディスプレイ610に表示させる動作になる。このような、内蔵のタッチパネルか、外部のタッチパネルかで出力対象が異なるだけが図11の動作例と異なる表示に関する動作については、符号を変えずに説明を省略する。なお、この説明の省略は、図31のみではなく、図32及び図33においても同様にして説明する。
抽出が開始された後にステップS112に進んで時間の計測が開始されると、ユーザが指定(設定)した開口度に応じた遮蔽が抽出停止部280により行われる(ステップS301)。なお、スタート直後の開口度は、蒸らし開始(抽出開始)前に既に設定されていることとする。例えば、図28(1)において示した抽出速度制御モード選択画面において都度ユーザ指定モードを選択した後に、抽出開始直後の開口度を設定する操作をユーザに行わせる例が考えられる。なお、開口度について、ステップS112に進むまでは、全開にしておき、蒸らしの液体が容器に落ちやすいようにしておくことを想定する。この全開の想定は、図32及び図33も同様である。
なお、ステップS113で抽出液の量が検出された後に、抽出状況及び開口度をユーザに通知する抽出状況表示画面が制御部250により通信部510を介して出力され、電子機器600のタッチパネルディスプレイ610に表示される(ステップS302)。そして、ステップS115に進む。
このステップS302の抽出状況表示画面では、図28(2)に示すように、抽出中に開口度をユーザが変更するためのボタンが表示され、このボタンを介したユーザの操作により開口度が抽出中に変更される。なお、抽出状況表示画面(図28(2)参照)の表示中に、表示内の開口度の値がユーザにより変更されると、ステップS301においてこの変更された値に開口度が再設定され、この再設定された開口度に応じた遮蔽が抽出停止部280により行われる。
このように、都度ユーザ指定モードでは、抽出中にユーザによる操作で開口度を変更することができる。
図32は、第6実施形態における電子機器810を用いて期間別開口度指定モードで抽出を行う場合の動作(抽出処理手順)の一例を示すフローチャートの後半部分である。この図32で示すフローチャートは、図26で示した動作例からガイド情報に関する動作を外し、開口度制御データに基づいて開口度を制御する動作を加えたものである。この図32では、加えたステップを中心に説明する。なお、フローチャートの前半部分については、図24と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
ステップS111において今回の抽出の珈琲粉の量及び抽出液の量が決定されると、今回の抽出で使用する開口度制御データが制御部250により記憶部290から取得される(ステップS311)。そして、抽出が開始されてステップS112に進んで時間の計測が開始されると、開口度制御データにより指定された開口度に応じた遮蔽が抽出停止部280により行われる(ステップS312)。
そして、ステップS113及びステップS222による抽出液の量及びドリッパー内の重量の計測が終わると、抽出状況をユーザに通知する抽出状況表示画面(図29(3)参照)が通信部510を介して出力され、電子機器600のタッチパネルディスプレイ610に表示される(ステップS313)。
このように、期間別開口度指定モードでは、事前に用意した開口度制御データに基づいて遮蔽の度合いが抽出中に変更される。
図33は、第6実施形態における電子機器810を用いて抽出液量参照自動モードで抽出を行う場合の動作の一例を示すフローチャートの後半部分である。この図33で示すフローチャートは、図26で示した動作例からガイド情報に関する動作を外し、抽出速度制御データに基づいて開口度を制御する動作を加えたものである。この図33では、加えたステップを中心に説明する。なお、フローチャートの前半部分は、図24で示したフローチャートから抽出比較データの選択に関する動作(ステップS203乃至ステップS209)を省いたものである。それ以外は同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
ステップS111が終わると、今回の抽出で使用する抽出速度制御データが制御部250により記憶部290から取得される(ステップS321)。そして、抽出が開始されてステップS112に進んで時間の計測が開始されると、抽出液の量の比較結果と、予定開口度とに基づいて開口度が制御部250により決定される(ステップS322)。この決定では、現タイミングの抽出液の量と抽出速度制御データの示す同タイミングの抽出液の量とを比較して、液量が同じと判断される場合には、予定開口度通りの開口度が決定される。また、液量が異なると判断される場合には、そのズレを修正するように予定開口度から調整された開口度が決定される。なお、液量が同じか否かの判断は、例えば、図21で説明したガイド情報の判断と同様に、閾値を用いて判断する。
続いて、決定された開口度に応じた遮蔽が抽出停止部280により行われる(ステップS323)。そして、ステップS113及びステップS222による抽出液の量及びドリッパー内の重量の計測が終わると、抽出状況をユーザに通知する抽出状況表示画面(図30(3)参照)が通信部510を介して出力され、電子機器600のタッチパネルディスプレイ610に表示される(ステップS324)。
そして、抽出が終わって、ステップS216における今回行った抽出に係る抽出履歴データの保存が終わると、今回行った抽出用いた抽出速度制御データに今回の抽出に関するデータを加える更新が行われた後に(ステップS325)、抽出処理手順は終了する。
このように、第6実施形態によれば、抽出停止部が流路の遮蔽を部分的に行うことにより、抽出速度を調整することができる。これにより、抽出動作の幅が広がり、ハンドドリップ条件のさらなる検討が可能となりさらに抽出が楽しくなる。
ここまでの第1乃至第6実施形態では、抽出時の温度について、特に考慮しない例を説明した。抽出比較データの示す抽出と同じ温度で抽出することが容易にできれば、より容易に味を再現することができると考えられる。そこで、温度センサを備える電子機器について、第7実施形態として図34乃至図39を参照して説明する。
[第7実施形態:抽出温度を測定する例]
[電子機器の外観構成例]
図34は、第7実施形態における電子機器1300の外観構成の一例を示す図である。図34(1)には電子機器1300の斜視図が示され、図34(2)には電子機器1300の上面図が示されている。
第7実施形態で説明する電子機器1300は、抽出液の温度を計測するための温度センサを備えるが、この温度センサは電子機器1300の内部の抽出液の経路に設けられるため図34では図示されない。このため、温度センサについては図35において詳細に説明し、この図34では第1乃至第6実施形態で示した電子機器との外観構成上の違いに着目して説明する。
なお、電子機器1300の外観構成は、第1実施形態の電子機器20の変形例であり、抽出液が通過する孔(孔1320)の内部における構造と、排水を貯める場所とが異なる以外は同一である。そこで、電子機器20と同じものについては同一の符号を付して説明を省略する。
なお、温度センサについては、第1乃至第6実施形態で示した電子機器に設けて抽出液の温度や室温を計測することも可能であるが、ここでは、電子機器20の変形例である電子機器1300に設けられることを一例として示す。
また、第7実施形態では、電子機器1300内部を通過する抽出液の温度を測る温度センサの例を説明する。この例の他に、容器(図1の容器40)に溜まった抽出液の温度を測定する例が考えられる。しかし、容器40に溜まった抽出液の温度は、抽出液の量が少ないほど容器40の温度や室温の影響が大きいため、測定結果が不安定になる可能性がある。このため、第7実施形態では電子機器1300内部を通過する抽出液の温度を測る例について説明する。ちなみに、容器40に溜まった抽出液の温度を測定する例では、電子機器の下面から接触型の温度センサを伸ばす例(使用しないときは電子機器の下面と接するように折りたためる90度可動式の温度センサ)や、非接触型の温度計(放射温度計)を電子機器の下面に設ける例などが考えられる。
図34(1)及び(2)に示すように、電子機器1300は、電子機器20の取り外し可能な排水容器23の代わりに、取り外し不可能な排水スペース1310を備える。
排水スペース1310は、電子機器1300の筐体に設けられた空間(スペース)であり、電子機器20の排水容器23と同様に、抽出液の通過が妨げられた際に電子機器1300の内部に溜まる抽出液(排水)を溜めるスペースである。排水スペース1310は、図34の例では、電子機器1300の上面に面する部位に壁を設けずに開いており、溜まった抽出液を上面から捨てやすいことを想定して図示している。なお、これは一例であり、排水スペース1310の上面を閉じるとともに排水スペース1310の側面のうちの上面に近い位置に孔を開けてこの孔から溜まった抽出液を捨てる例なども考えられる。
孔1320は、第1実施形態の電子機器20の孔26と比較して、内部に温度センサが設けられている点が異なる、この孔1320は、内部の温度センサにより、抽出液の温度を測定できる。また、この孔1320の内部は、抽出液の温度を測定し易い構造となっている。この孔1320の内部の構造及び温度センサについては、次の図35を参照して説明する。
[孔の内部の温度センサの例]
図35は、第7実施形態における電子機器1300の孔1320の内部の一例を示す図である。
図35(1)は、抽出停止部(図35(6)の抽出停止部1331及び1332)により抽出液の流路が遮蔽されていない場合の上面図を示し、図35(2)は、この場合における下面図を示す。また、図35(3)は、抽出停止部1331及び1332により抽出液の流路が遮蔽されている場合の上面図を示し、図35(4)は、この場合における下面図を示す。
そして、図35(5)では、孔1320の上面図に排水スペース1310及び水路を追加した上面図を示す。また、図35(6)は、図35(5)の破線1391における断面を示し、破線1391の右端において破線1391と直交する矢印1392の方向で見た際の断面図を示す。
図35(1)乃至(4)には、孔1320、孔1321、孔1322、流路分離部1323、孔1324、温度センサ1325のうちの上面もしくは下面から見えるものが示されている。また、図35(5)には、図35(3)で示した上面図に、孔1320と排水スペース1310との間を繋ぐ水路を示す破線と、排水スペース1310の一部を示す破線とが示されている。そして、図35(6)には、図35(1)乃至(5)で示した構成に加えて、計量部27、計量台24、抽出停止部1331、抽出停止部1332が示されている。また、図35(3)乃至(6)には、プレート1331b及びプレート1332bが示されている。
なお、計量部27及び計量台24は電子機器20と同様の物であり、また、抽出停止部1331及び抽出停止部1332は、設置される孔が異なる以外は電子機器20の抽出停止部32と同様の物であるため、ここでの説明を省略する。同様に、プレート1331b及びプレート1332bについても、電子機器20のプレート32bと同様の物であるため、ここでの説明を省略する。
孔1320の内部では、抽出液で満たされやすい流路(孔1321)と、抽出液が溜まらずに流れやすい流路(孔1322)とが設けられ、ドリッパー(図1のドリッパー10)から落下した抽出液はどちらかの孔を通って容器(図1の容器40)へと落ちる(図35(2)、(4)、(6)参照)。孔1321は、内部が抽出液で満たされやすいようにするため、抽出液を孔1321に優先的に流すための隔壁(流路分離部1323)が孔1321の上面に設けられる(図35(1)、(3)、(6)参照)。
流路分離部1323は、温度センサ1325が設けられる孔1321に抽出液を集めるために設けられた漏斗状の隔壁である。流路分離部1323は、上面(孔1324)が孔1320の中心(図35(1)の中心1393)を含むように、また、孔1320の面積の大部分を上面(孔1324)が占めるように構成される(図35(1)及び(3)参照)。一方、流路分離部1323の下面は、孔1321と繋がっており、孔1324の内側に落ちた抽出液は優先的に孔1321へと流れる(図35(6)参照)。
また、流路分離部1323は、図35(6)の幅1394で示すように、電子機器1300の上面より幅1394ほど電子機器1300の内側になるように上面が構成される。これにより、流路分離部1323の上面から抽出液が溢れた場合には、抽出液は電子機器1300の上面には溢れずに、流路分離部1323の外側が繋がっている孔1322へ流れるように溢れる。
ここで、流路分離部1323の内部や孔1321の内部のサイズについて、これらの内部に溜まる抽出液の量に着目して説明する。この抽出液の量は、孔1321の内部に設置される温度センサ(温度センサ1325)が、蒸らしの後の1度目のお湯を注いでから抽出終了までの期間において、出来る限り多くの時間において抽出液と接触していることが可能となる量が望ましい。なお、抽出液の溜まる速度は、抽出量によりかなり異なる。例えば、1杯分だけの抽出と4杯分もの抽出とでは、抽出時間を同じにすると、抽出速度が4倍近く異なる。また、ドリッパー10の内部に留まっているお湯の量によっても異なってくる。
さらに、第7実施形態の電子機器1300は、後に説明する抽出前のお湯の温度の測定機能を備えている。このお湯の温度を測定する時に、孔1321の内部に液が溜まるように抽出停止部1331により流路を遮蔽する場合には、お湯を注いだ時にお湯の温度が正確に測れるような量のお湯が孔1321及び流路分離部1323の内部に溜められると望ましい。この場合に、溜まるお湯の量が少なすぎると、電子機器1300の筐体や空気中に逃げる熱の量が多すぎて正確に測れなくなる。また、お湯の温度を測定する時に抽出停止部1331により流路を遮蔽しない場合には、少量のお湯の量で測れるように、孔1321を小さくしてお湯が流れる速度を遅くすることが望ましい。流路分離部1323や孔1321は、これらのことを考慮した適切なサイズを事前に各種の実験により求められて設定される。
続いて、孔1322について説明する。孔1322は、流路分離部1323から溢れた抽出中の抽出液を容器40に落とす(流す)ための孔(流路)である。この孔1322は、流路分離部1323から溢れた抽出液が電子機器1300の内部で溜まらずに容器40へ落ちるサイズであればよく、図35(1)乃至(6)では、一例として、孔1321よりかなり大きな孔が設けられる例が示されている。なお、第7実施形態では、流路分離部1323から溢れた抽出液が通る孔は1つ(孔1322)だけであることを想定して説明するが、複数の孔を設ける例も考えられる。
次に、排水スペース1310と孔1321及び孔1322との関係について説明する。排水スペース1310は、孔1322に流れる抽出液の流路である流路分離部1323の外側と繋がっている。一方、流路分離部1323の内側とは繋がっていない(図35(5)及び(6)参照)。これにより、抽出中に流路分離部1323の内部及び孔1321の内部に抽出液が溜まるようになり、さらに、抽出終了時に流路が遮蔽された際には孔1320の内部から排水スペース1310へ抽出液が流れるようになる。
続いて、温度センサ1325について説明する。温度センサ1325は、接触型の温度を計測するためのセンサである。この温度センサ1325は、図35(1)乃至(6)で示す例では、孔1321の内部において、温度を感知する部位(感温部)が孔1321の壁面から孔1321の中心に向けて突出する例が示されている。なお、温度センサ1325の位置は、抽出液の温度を適切に測れる位置であればよく、孔1321の壁面に埋め込む例や、流路分離部1323の下面近くに配置する例なども考えられる。
なお、この温度センサ1325は、電子機器1300の電源が投入された際に温度を測定することで、室温を検出することに用いられる。この検出された室温は、抽出終了後に抽出履歴データに保存される。また、抽出方針データにも登録され、抽出方針データから抽出比較データをユーザが選択する際に参照される。
また、温度センサ1325は、第7実施形態では、抽出開始前にお湯の温度を測定してドリップ開始時のお湯の温度を調整する際にも用いられる。なお、この機能は他の装置を用いてお湯の温度が既に適切な場合には不要であるため、設定により省けるようにされている。例えば、温度計を別に用意してドリップポット内のお湯の温度を測定してからドリップを開始するユーザや、細かくお湯の温度を調整できる電子ケトルを使用してお湯を用意するユーザには不要である。
この抽出開始前のお湯の温度の調整は、例えば、次のような手順により行われる。まず、使用する珈琲粉を用意する計量の終了後に、ドリッパー10を計量台24から外す動作をユーザに行ってもらう。次に、流路分離部1323の内部にお湯をユーザに注いでもらい、電子機器1300はこの注がれたお湯の温度を測定する。なお、注がれるお湯の量を少なくするため、お湯の注ぎ及び測定の動作は、例えば30秒毎に行われる。なお、抽出停止部1331により流路を遮蔽してお湯を溜めて測定する場合には、お湯の温度の測定が完了したら流路を開けてお湯を容器40に捨てたのちに、また遮蔽して次の測定に移る。
そして、目的の温度ぐらいになったらお湯の温度測定の動作を終了させ、孔1321から容器40に落ちたお湯を捨てたのち、ドリッパー10を再び計量台24に載せて、抽出を開始させる。このような一連の動作をユーザに行わせることにより、電子機器1300は、お湯の温度を抽出に適切な温度に調整することができる。
なお、抽出開始時のお湯の温度は、室温と同様に、抽出履歴データや抽出方針データに保持される。なお、他の装置により温度を調整して電子機器1300を用いてお湯の温度を調整しなかった場合には、ユーザが温度を入力することで抽出履歴データに保持される。
温度センサ1325は、抽出中も温度を測定し、抽出液の温度の遷移(温度遷移)のデータとして抽出履歴データに保存される。この温度遷移は、抽出方針データにも保持され、第1乃至第6実施形態の液量遷移及び重量遷移と同様に、過去の抽出(お手本の抽出)の再現や、ガイド情報の生成に用いられる。
このように、電子機器1300は、温度センサ1325を孔1320の内部に設けることにより、室温の測定と、抽出前のお湯の温度の調整と、抽出中の抽出液の温度の測定との3つの動作を行うことができる。また、室温と、抽出前のお湯の温度と、抽出中の抽出液の温度遷移とを抽出履歴データ及び抽出方針データに保持させることにより、温度も考慮した過去の抽出の再現及びガイド情報の生成を行うことができる。
なお、ここまでの説明では特に考慮しなかったが、ドリッパー10及び容器40を予め温める動作も行うことが望ましい。例えば、抽出に使用する珈琲粉の用意の計量後から抽出開始までの間において、珈琲粉をフィルターと一緒に外し、ドリッパー10にお湯をかけて温めることが考えられる。ドリッパー10にかけられたお湯は、電子機器1300を通過して容器40に落ちることで、容器40も温められる。その後、お湯の温度の調整動作に入ることで、ドリッパー10と、電子機器1300と、容器40とが温められた状態で抽出を行うことができ、より温度を管理した抽出を行うことができる。
なお、孔1320の内部の構造については、図35で示した例の他に様々な例が考えられる。図示は省略するが、例えば、お湯の温度を調節した際のお湯が排水スペース1310へと流れるようにする例が考えられる。具体的には、図35(6)の抽出停止部1331の下(電子機器1300の下面側)に孔1320の全体を遮蔽するように抽出停止部1332を配置する。これにより、抽出停止部1332が流量を閉じると全ての液が排水スペース1310へと流れるようになり、お湯の温度を調節した際も容器40にお湯が落ちるのを阻止することができる。
また、この電子機器において、孔1321の出口が狭いことにより孔1321及び流路分離部1323の内部に溜まる液の流速が遅い場合には、抽出停止部1331を設けずに、全ての液の流路を遮蔽する抽出停止部1332のみを設ける電子機器の例も考えられる。具体的には、図35(6)の抽出停止部1331を省き、抽出停止部1331の下(電子機器1300の下面側)に孔1320の全体を遮蔽するように抽出停止部1332を配置する。このような装置においても、抽出停止部1332が流量を閉じると全ての液が排水スペース1310へと流れるため、お湯の温度の調整と、抽出の停止とを実現することができる。
[電子機器の機能構成例]
図36は、第7実施形態における電子機器1300の機能構成例を示すブロック図である。
なお、電子機器1300の機能構成は、第2実施形態の電子機器500の機能構成の抽出停止部280の代わりに、第1抽出停止部1342及び第2抽出停止部1343を備える。また、電子機器500の抽出停止部280以外の機能構成に加えて、温度検出部1341を備える。ここでは、図4及び図12で示したものと同様の機能構成については、ここでの説明を省略する。
温度検出部1341は、電子機器1300の内部を通過する抽出液の温度を検出し、検出結果を制御部250に出力するものである。また、温度検出部1341は、室温の検出や、抽出開始前にお湯の温度を検出して調整することにも用いられる。すなわち、温度検出部1341は、抽出開始前にお湯の温度を調整することにより、ドリッパーから容器へ供給される抽出液の温度の調整を行う。この、温度検出部1341は、図35に示した温度センサ1325に対応する。
第1抽出停止部1342及び第2抽出停止部1343は、抽出停止部280と同様に、制御部250の制御に基づいて、抽出終了のタイミングで抽出液の流路を遮蔽して容器40への抽出液の落下を阻止して抽出を停止させるものである。第1抽出停止部1342は、温度が測定された抽出液が通過する流路に設けられ、第2抽出停止部1343は、もう一方の流路に設けられる。第1抽出停止部1342は、電子機器1300を用いた抽出開始前のお湯の温度調整を行う際に、流路を遮蔽して測定対象のお湯を温度センサの周囲に溜める。なお、第1抽出停止部1342は、図35に示した抽出停止部1331に対応し、第2抽出停止部1343は抽出停止部1332に対応する。
続いて、電子機器1300の動作例について、図37乃至図39を参照して説明する。なお、動作例については、第5実施形態で説明した詳細ガイドモードの動作例(図24及び図26)に、室温の測定、抽出前のお湯温度の調整、抽出中の抽出液温度の測定、温度に基づくガイド情報の表示の機能を加えた例を示す。
また、これまでの動作例では考慮しなかったが、温度にこだわって抽出を行う場合には、ドリッパー10と、容器40と、電子機器1300とを抽出開始前に予め温めてから使用すると、より温度を適切に管理した抽出を行うことができる。第7実施形態では、温度センサ1325による温度の検出により抽出温度にこだわって抽出するため、ドリッパー10と、容器40と、電子機器1300の孔1320の内部とを抽出開始前に予め温める動作も加えた例を示す。
[電子機器の動作例]
図37乃至図39は、第7実施形態における電子機器1300を用いて詳細ガイドモードで抽出を行う場合の動作(抽出処理手順)の一例を示す一連のフローチャートである。図37には、一連のフローチャートのうちの抽出比較データの決定の終了までの動作例が示され、図38には、抽出比較データの決定後の珈琲粉の計量の開始からお湯の温度の調整の終了までの動作例が示されている。そして、図39には、抽出開始から抽出終了後までの動作例が示されている。
なお、図37は、図24の変形例であり、図24に室温を検出する動作を加えたものである。また、図38は、図26の抽出開始前までの動作に、抽出液の温度に基づいてガイド情報を判定するための閾値の算出の動作、器具を予め温める動作、お湯の温度の調整動作を加えたものである。また、図39は、図26の抽出開始から終了までの動作に、抽出液温度に基づくガイド情報の表示を加えたものである。このため、図24及び図26と共通する動作に付いては説明を省略し、異なる動作に着目して説明する。
まず、電子機器1300の動作が開始されると、温度検出部1341により室温が検出される(ステップS401)。その後、ステップS101から図38のステップS221までは図24及び図26と同じ動作が行われる。
そして、図38で示すステップS221において抽出期間中の比較するタイミング毎のドリッパー内の重量の閾値が算出されると、この比較するタイミング毎の抽出液温度の閾値が制御部250により算出される(ステップS402)。続いて、ドリッパー10内からフィルターごと珈琲粉を外した後にお湯を注いで器具(ドリッパー10、容器40、電子機器1300の孔1320の内部)を温めるための指示画面(図示せず)が表示部220に表示される(ステップS403)。具体的には、例えば、「フィルターごと珈琲粉を外してからお湯をドリッパーに注いで器具を温めてください」などの指示と、「終了」ボタンとを含む指示画面が表示され、ユーザはこの指示画面を見て器具を予め温める動作を行う。なお、金属のメッシュやセラミックで構成されるフィルター機能が一体型のドリッパーを用いる場合には、珈琲粉はドリッパーごと外され、電子機器1300の孔1320の内部及び容器40のみが温められる。
そして、器具を温める動作が終了したか否かが制御部250により判断される(ステップS404)。この判断において、「終了」ボタンが押されるまでは、温められていないと判断されて(ステップS404)、ステップS403に戻り、「終了」ボタンが押下されて温めが終了したと判断されるまで待機する。
一方、温められたと判断された場合には(ステップS404)、電子機器1300の温度検出部1341を用いて抽出に用いるお湯の温度を調整するか否かが制御部250により判断される(ステップS405)。具体的には、例えば、「これからお湯の温度を調整しますか?」などの表示と、「はい」及び「いいえ」ボタンとを含む画面が表示され、ユーザによるボタンの押下に基づいて判断される。そして、「いいえ」ボタンの押下により温度の調整を行わないと判断された場合には(ステップS405)、ステップS410に進む。なお、「いいえ」ボタンがユーザにより押下される場合とは、ドリップポットに温度計を付けて温度を調整した場合や、温度調整機能が付いた電子ケトルでお湯を沸かして既に温度が調整済みの場合などである。
一方、温度を調整する動作を行うと判断された場合には(ステップS405)、ドリッパー10を計量台24から外すための指示画面(図示せず)が表示部220に表示される(ステップS406)。具体的には、例えば、「ドリッパーを計量台から外してください」と表示される。
そして、ドリッパー10が計量台24から外れたか否かが制御部250により判断される(ステップS407)。具体的には、例えば、計量部260が重量を計測し、ユーザがドリッパー10を計量台24から外してドリッパー10分の重量が軽くなると、ドリッパー10が計量台24から外れたと判断される。なお、外れていないと判断されると(ステップS407)、ステップS406に戻り、ドリッパー10が計量台24から外されるまで待機する。
一方、ドリッパー10が計量台24から外れたと判断された場合には(ステップS407)、流路分離部1323の内部に注がれたお湯の温度を調整する動作が行われる(ステップS408)。具体的には、調整中の指示画面(図示せず)として、例えば、お湯を注ぐタイミング(例えば、30秒間隔)、最新の計測した温度、調整予定の温度(抽出比較データに登録された温度)、「調整終了」ボタン、「やり直し」ボタンなどが表示される。そして、この指示画面に従って流路分離部1323の内部に向けてユーザがお湯を注ぐことでお湯の温度がタイミング毎に繰り返して測定され、用意する予定の温度付近までお湯が冷めたことが測定されると、お湯の温度の調整が終了する。
そして、お湯の温度を調整する動作を終了するか否かが制御部250により判断される(ステップS409)。この判断において、お湯の温度を調整する動作を終了しないと判断された場合には(ステップS409)、ステップS408に戻り、お湯の温度の調整が継続される。具体的には、例えば、お湯の温度が調整予定の温度まで冷めていない場合には、終了しないと判断される。また、お湯の温度が調整予定の温度よりも冷めすぎたことなどにより、ユーザが「やり直し」ボタンを押下した場合についても、終了しないと判断される。
一方、お湯の温度を調整する動作を終了すると判断された場合には(ステップS409)、容器40の内部に溜まったお湯を廃棄させるためのお湯廃棄指示画面(図示せず)が表示部220に表示される(ステップS410)。この判断は、測定したお湯の温度が調整予定の温度付近(例えば、調整予定温度±2℃以内)になった場合と、お湯の温度に係わらずにユーザが「調整終了」ボタンを押下した場合(抽出比較データのお湯温度と異なる温度で抽出する場合)とに動作を終了すると判断される。なお、お湯廃棄指示画面には、例えば、「容器を外して溜まったお湯を捨てて下さい。捨てたら容器を再びセットください。」などの通知が表示される。
その後、容器40の内部に溜まったお湯が捨てられたか否かが制御部250により判断される(ステップS411)。この判断は、例えば、液量検出部270が取得した画像の解析により行われ、お湯廃棄指示画面の表示開始直前の容器40の画像と、最新の容器40の画像とを用いて行われる。例えば、表示開始直前の容器40の画像から捨てる対象のお湯の液面及び液面の縁を検出し、最新の容器40の画像でこのお湯の液面及び液面の縁が無くなった場合にはお湯が捨てられたと判断される。なお、この判断の別の例として、お湯廃棄指示画面に「完了」ボタンを表示して、ユーザがこの「完了」ボタンを押下した場合にお湯が捨てられたと判断されるようにしてもよい。
なお、お湯が捨てられていないと判断された場合には(ステップS411)、ステップS410に戻り、お湯が捨てられたと判断されるまで待機する。
一方、お湯が捨てられたと判断された場合には(ステップS411)、ドリッパー10及びフィルターごと外した珈琲粉を計量台24に再セットさせるための再セット指示画面(図示せず)が表示部220に表示される。具体的には、例えば、「外したドリッパーと珈琲粉を再セットしてください。」などの通知が表示される。
そして、珈琲粉及びドリッパーが再セットされたか否かが制御部250により判断される(ステップS413)。この判断は、例えば、計量部260が計量台24に係る重量を測定し、ドリッパー10及び珈琲粉を計量台24から外す前の重量と略同じ重量が測定された場合には、再セットされたと判断される。
なお、再セットされていないと判断された場合には(ステップS413)、ステップS412に戻り、再セットされるまで待機する。一方、再セットされたと判断された場合には(ステップS413)、図39で示すステップS109に進む。
その後、ステップS224まで進んだ後に、抽出液の温度が温度検出部1341により検出される(ステップS414)。続いて、検出された抽出液の温度と、温度の閾値との比較が行われる(ステップS415)。そして、抽出量と閾値との間の比較結果、重量と閾値との間の比較結果、温度と閾値との間の比較結果、期間に関する情報に基づいてガイド情報が制御部250により決定される(ステップS416)。その後、決定されたガイド情報が反映された抽出状況表示画面が表示部220に表示される(ステップS417)。
その後、ステップS117まで進んで抽出終了画面が表示されると、終了した抽出(今回の抽出)に係る抽出履歴データが記憶部290に保存される(ステップS418)。なお、電子機器1300では、第5実施形態で説明した抽出履歴データの各情報に、室温、抽出前のお湯の温度、抽出中の抽出液の温度遷移が加えられて抽出履歴データとして保存される。また、ステップS405において電子機器1300を用いたお湯の温度の調整を行わなかった場合には、抽出前のお湯の温度をユーザが入力することで抽出履歴データに記録される。
その後、終了した抽出を統括するガイド情報(図示せず)が表示され(ステップS419)、抽出処理手順は終了する。このガイド情報は、例えば、液量遷移及び重量遷移の閾値との比較結果をまとめ、基準(抽出比較データの遷移)からのズレが多い場合には、「抽出動作を確認しよう。」などのガイド情報を表示する。また、温度については、抽出の室温と基準の室温との間の比較結果、抽出開始時のお湯の温度と基準のお湯の温度との間の比較結果、温度遷移の閾値との比較結果のまとめに基づいてガイド情報が表示される。例えば、室温が大きく異なる場合には、「基準の抽出と室温が大幅に異なるので、味が満足できない場合には、今の時期用の抽出方針データを用意しよう。」などのガイド情報が表示される。また、開始時のお湯の温度が略同じ場合に、抽出中に抽出温度が下がっている場合には、「用意するお湯の量を増やしてお湯が冷えにくいようにしよう。」などのガイド情報が表示される。
このように、第7実施形態によれば、電子機器1300に温度検出部1341を設けることにより、室温、お湯の温度、抽出液の温度などの抽出に係わる温度についても考慮した抽出を容易に行うことができる。これにより、ユーザの好みな味を再現するような抽出を容易にすることができる。
なお、図36乃至図38では、電子機器1300の温度検出部1341を用いて室温を検出(ステップS401)する例を示したがこれに限定されるものではなく、例えば、無線通信機能を有する温度計(温湿度計)などから通信部510を介して室温を取得する例も考えられる。電子機器1300を1日に断続的に何回も使用する場合には、温度検出部1341が常に暖まっている場合もあるため、電子機器1300を高頻度で使うユーザのために、電子機器1300に通信部510を介して室温を取得する機能も設けるとよい。抽出開始前のお湯の温度についても、通信機能を備える温度計が計測したドリップポット内のお湯の温度を通信部510を介して取得する例も考えられる。
なお、第7実施形態では考慮しなかったが、室温の用途について、室温毎に異なる抽出方針データを用意した場合、抽出時の室温に適切な抽出方針データを電子機器1300が自動的に選択する例なども考えられる。例えば、10℃以下の室温の範囲ではA抽出方針データ、10~30℃の室温の範囲ではB抽出方針データ、30℃以上の室温の範囲ではC抽出方針データと記録されている情報(グループ情報)を記憶部290に保持しておく。そして、抽出時に抽出方針データを選択する際(抽出する際)には、このグループ情報が参照され、選択する際の室温が範囲に含まれる抽出方針データが電子機器1300により自動的に選択される。このように、電子機器1300が取得する抽出に関する温度は、様々な抽出時のユーザの補助に用いることができる。
このように、第1乃至第7実施形態で示した電子機器によれば、ドリッパー内の重さ、容器内の抽出液の量、室温やお湯や抽出液などの温度を検出することで、注ぐお湯の量やタイミングをユーザに調整させることができ、ドリッパーから容器への抽出液の供給を調整することができる。
なお、第1乃至第7実施形態で示した各制御動作は、各処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムに基づいて実行されるものであり、その各制御動作は、方法、プログラムの発明としても把握することができる。例えば、第1及び第7実施形態で示した各制御動作に係るプログラムを電子機器、サーバ等の情報処理装置の記憶媒体に記憶させ、この記憶媒体からそのプログラムを読み出し、読み出したプログラムをその情報処理装置に実行させることにより、第1及び第7実施形態で示した各制御動作を実現することができる。また、その情報処理装置の外部の記憶媒体(例えば、CD(Compact Disc)、DVD (Digital Versatile Disc)、メモリカード) 等にそのプログラムを記憶させ、用いるようにしてもよい。
なお、第1乃至第7実施形態は、請求の範囲に記載の発明を実現するための一例を示したものであり、これらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
1、800、1001 珈琲抽出器
10 ドリッパー
11 収容部
12 フランジ部
13 脚部
20、500、600、810、1100、1300 電子機器
21 電源ボタン
22、610 タッチパネルディスプレイ
23 排水容器
24、813 計量台
25、270、815 液量検出部
27、260、819 計量部
28、810 スピーカ
31a~31d 容器位置固定部
32、280、822、1331、1332 抽出停止部
40 容器
210 操作部
220 表示部
230 音出力部
240 タイマ
250 制御部
290 記憶部
510 通信部
700 通信システム
710 サーバ
720 ネットワーク
811 ドリッパー部
1325 温度センサ
1341 温度検出部

Claims (14)

  1. 飲み物を抽出するための物質を収容するドリッパーに注がれた液体を前記ドリッパーの下側に配置された容器に溜める場合に、前記容器の上側に配置され、
    前記ドリッパーから前記容器への前記液体の供給を調整するための処理を行う
    電子機器。
  2. 前記電子機器は、前記ドリッパーと前記容器との間に配置されて使用可能である
    請求項1記載の電子機器。
  3. 前記電子機器は、前記ドリッパーに備えられる
    請求項1記載の電子機器。
  4. 前記ドリッパーから前記容器への前記液体の供給を阻止する抽出停止部を備え、
    前記抽出停止部は、前記容器に溜められる前記液体の液量が所定の液量となったタイミングで前記供給の阻止を前記調整として行う
    請求項1乃至3の何れかに記載の電子機器。
  5. 前記容器に溜まった液量を検出する液量検出部を備え、
    前記液量検出部により検出された液量に基づいて前記調整するための処理を行う
    請求項1乃至4の何れかに記載の電子機器。
  6. 前記液量検出部は、前記容器に溜まった液体に関する画像を取得し、前記取得した画像に基づいて前記容器に溜まった液体の液量を検出する
    請求項5に記載の電子機器。
  7. 前記ドリッパーに収容される前記物質と、前記ドリッパーの内部に留まる前記液体との重量を計量する計量部を備え、
    前記計量部により検出された重量に基づいて前記調整するための処理を行う
    請求項1乃至6の何れかに記載の電子機器。
  8. 前記ドリッパーから前記容器への前記液体の流路において温度を検出する温度検出部を備え、
    前記温度検出部により検出された温度に基づいて前記調整するための処理を行う
    請求項1乃至7の何れかに記載の電子機器。
  9. 前記物質の量と前記容器に溜める液量との関係を示す分量データを用いて、前記抽出に使用する前記物質の量と前記容器に溜める液体の量とのうちの少なくとも1つを決定するための処理を行う
    請求項1乃至8の何れかに記載の電子機器。
  10. 前記ドリッパーに収容される前記物質と、前記ドリッパーの内部に留まる前記液体との重量を計量する計量部と、
    前記液体の落下の開始から終了までの期間において、前記液量検出部により検出される液量及び前記計量部により計量される重量のうちの少なくとも1つを前記飲み物の抽出の状況を示す抽出状況情報として出力させる制御を行う制御部とをさらに備える
    請求項5に記載の電子機器。
  11. 前記制御部は、前記液量検出部により検出された液量及び前記計量部により計量された重量の抽出時における遷移に関する抽出履歴データと、前記抽出状況情報とに基づいて、抽出の状況を比較可能な情報を出力させる制御を行う
    請求項10に記載の電子機器。
  12. 前記電子機器は、ハンドドリップ方式による前記抽出における前記調整するための処理を行う
    請求項1乃至11の何れかに記載の電子機器。
  13. 飲み物を抽出するための物質を収容するドリッパーに注がれた液体を前記ドリッパーの下側に配置された容器に溜める場合に、前記容器の上側に配置される電子機器における情報処理方法であって、
    前記ドリッパーから前記容器への前記液体の供給を調整するための処理を含む情報処理方法。
  14. 飲み物を抽出するための物質を収容するドリッパーに注がれた液体を前記ドリッパーの下側に配置された容器に溜める場合に、前記容器の上側に配置される電子機器のコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記ドリッパーから前記容器への前記液体の供給を調整するための機能を前記コンピュータに実現させるためのプログラム。
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