JP7498880B1 - 乗客コンベアの遠隔点検システム - Google Patents
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Abstract
乗客コンベアの現場状態を遠隔地で取得することによって現場での点検作業の負担を軽減することができる乗客コンベアの遠隔点検システムを提供する。
乗客コンベアの遠隔点検システムは、乗客コンベアの現場状態を示す現場データを取得する現場データ取得装置と、乗客コンベアの動作を制御する制御装置とは別に独立して設けられ、現場データ取得装置が取得する現場データを蓄積する点検装置と、乗客コンベアの保守員が操作する端末装置からのアクセスが可能な外部装置と、現場データを点検装置から外部装置へ送信する通信装置と、を備える。
乗客コンベアの遠隔点検システムは、乗客コンベアの現場状態を示す現場データを取得する現場データ取得装置と、乗客コンベアの動作を制御する制御装置とは別に独立して設けられ、現場データ取得装置が取得する現場データを蓄積する点検装置と、乗客コンベアの保守員が操作する端末装置からのアクセスが可能な外部装置と、現場データを点検装置から外部装置へ送信する通信装置と、を備える。
Description
本開示は、乗客コンベアの現場の状態を遠隔で点検する遠隔点検システムの技術に関する。
特許文献1には、エスカレーターの異常検出装置の作動に伴う点検作業において、簡便且つ迅速に異常検出に関与したステップの点検を行なうための技術が開示されている。この技術では、異常検出装置によってステップの浮き上がりを検出したときにおける特定ステップの位置を位置検出装置により検出する。そして、位置検出装置の位置検出情報に基づいて、異常検出時におけるステップ配置を自動的に再現する。これにより、異常検出に関与したステップについて簡便且つ迅速に点検を実施することが可能になるとしている。
乗客コンベアの定期点検では、保守員の現場への訪問負担を減らすことが求められている。しかしながら、乗客コンベアの定期点検項目には、保守員が自身の目或いは耳等で現場状態を確認すべき項目が含まれている。このため、現場において行われる点検と同等の点検を遠隔で実現するためには、点検項目に関連する現場のデータを取得して遠隔で確認するための新たなシステムの構築が必要となる。
しかしながら、乗客コンベアには既設の号機も含めて多くの機種が存在する。このため、幅広い機種に対して適用可能な簡易なシステム構成によって乗客コンベアの遠隔点検を実現することに課題がある。特許文献1の装置では、このような課題に対する解決策が見出されてはいない。
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、簡易なシステム構成によって乗客コンベアの現場状態の遠隔点検を実現し、保守員による現場での点検作業の負担を軽減することができる乗客コンベアの遠隔点検システムを提供することを目的とする。
本開示の乗客コンベアの遠隔点検システムは、乗客コンベアの現場状態を示す現場データを取得する現場データ取得装置と、乗客コンベアの動作を制御する制御装置とは別に独立して設けられ、現場データ取得装置が取得する現場データを蓄積する点検装置と、乗客コンベアの保守員が操作する端末装置からのアクセスが可能な外部装置と、現場データを点検装置から外部装置へ送信する通信装置と、を備え、外部装置は、現場データのうち、乗客コンベアの常時監視項目に関連する監視データを採取する監視用サーバと、現場データのうち、乗客コンベアの定期点検項目に関連する点検データを採取する点検用サーバと、を含み、点検用サーバは、点検データの採取条件を定めたデータ採取要求を端末装置から受信して登録するデータ採取要求登録部と、データ採取要求に基づいて点検データを点検装置から採取し、採取データとして記憶装置に保存するデータ保存部と、を備えるものである。
本開示の技術によれば、現場データ取得装置が取得する現場データを蓄積する点検装置が乗客コンベアの動作を制御する制御装置とは別に独立して設けられている。これにより、幅広い機種に対して適用可能な簡易なシステム構成によって乗客コンベアの現場状態の遠隔点検を実現することができ、これにより、保守員による現場での点検作業の負担を軽減することが可能となる。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施の形態.
1.実施の形態における乗客コンベアの遠隔点検システムの全体構成
図1は、実施の形態における乗客コンベアの遠隔点検システムの構成例を示す図である。図1は、遠隔点検システムが適用される乗客コンベアの一例として、複数階床を備える建物に設置されたエスカレーターを示す。動く歩道といった乗客コンベアの他の例については、詳細な説明を省略する。
1.実施の形態における乗客コンベアの遠隔点検システムの全体構成
図1は、実施の形態における乗客コンベアの遠隔点検システムの構成例を示す図である。図1は、遠隔点検システムが適用される乗客コンベアの一例として、複数階床を備える建物に設置されたエスカレーターを示す。動く歩道といった乗客コンベアの他の例については、詳細な説明を省略する。
図1に示す乗客コンベアは、トラス1、及びステップ2を備えている。トラス1は、上下の階に架け渡される。乗客は、ステップ2に乗って乗り口3から降り口4に移動する。すなわち、図1は、上りのエスカレーターを示す。なお、図1に示す乗客コンベアは、下りのエスカレーターでもよい。また、図1に示す例では、共通構造を有する複数号機のエスカレーターが設置されているが、設置されるエスカレーターの号機の数に限定はない。
乗り口3の下方に機械室5が設けられる。機械室5は、トラス1の内部に形成された空間である。機械室5は床板6によって塞がれる。床板6は、乗り口3の床を形成する。乗客は、床板6からステップ2に乗り移る。
降り口4の下方に機械室7が設けられる。機械室7は、トラス1の内部に形成された空間である。機械室7は床板8によって塞がれる。床板8は、降り口4の床を形成する。乗客は、ステップ2から床板8に移動する。
機械室7に、電動機9及び制御装置10が設けられる。電動機9は、ステップ2を駆動する。制御装置10は、電動機9を制御することによって乗客コンベアの動作を制御する。例えば、電動機9は、減速機を介して機械室7に設けられた軸12を回転させる。軸12にスプロケット13及び17が設けられる。スプロケット13及び17は、軸12と共に回転する。スプロケット13にステップチェーン14が巻き掛けられる。ステップチェーン14に多数のステップ軸15が設けられる。各ステップ軸15にステップ2が固定される。これにより、ステップチェーン14に多数のステップ2が無端状に連結される。ステップチェーン14に牽引されることにより、ステップ2は循環移動する。図1に示す例では、ステップ2は、乗り口3で床板6の下から現れ、降り口4に向かって移動する。
乗り口3から降り口4に向かって移動するステップ2の両側に、スカートガード16が設けられる。床板6の下から現れたステップ2は、スカートガード16の間をスカートガード16に沿って移動する。ステップ2は、降り口4で床板8の下に入り、機械室7で反転する。ステップ2は、反転した状態で機械室5に向かってトラス1内を移動する。ステップ2は、機械室5で更に反転することによって正常な姿勢に戻り、床板6の下から再び現れる。
スプロケット17に手摺チェーン18が巻き掛けられている。手摺チェーン18は、移動手摺19を駆動するための駆動装置に電動機9の駆動力を伝達する。
遠隔点検システム100は、乗客コンベアの遠隔点検及びそれに付随する処理を実現するためのシステムである。遠隔点検システム100は、主要な構成として、現場データ取得装置20と、点検装置30と、中継機31と、通信装置40と、外部装置50と、端末装置80と、システムサーバ90と、を備えている。点検装置30と中継機31との間の通信路は、例えばLAN回線37によって接続されている。また、各号機の点検装置30と通信装置40間の通信路はLAN回線37によって接続されている。通信装置40と外部装置50との間の通信路、及び外部装置50とシステムサーバ90と端末装置80との間の通信路は、それぞれLTE等の公衆回線41によって接続されている。以下、遠隔点検システム100の主要な構成について詳細に説明する。
2.遠隔点検システム100を構成する各装置の機能
2-1.現場データ取得装置20
現場データ取得装置20は、乗客コンベアの現場状態を含む現場データを取得するための装置である。ここでの現場データは、保守員による定期的な点検を必要とする現場状態に関連するデータである。現場データ取得装置20は、マイク装置22と、上部カメラ装置24と、チェーン弛み検知装置26と、下部カメラ装置28と、を含む。現場データ取得装置20は、例えば既設の乗客コンベアに後付けされる。
2-1.現場データ取得装置20
現場データ取得装置20は、乗客コンベアの現場状態を含む現場データを取得するための装置である。ここでの現場データは、保守員による定期的な点検を必要とする現場状態に関連するデータである。現場データ取得装置20は、マイク装置22と、上部カメラ装置24と、チェーン弛み検知装置26と、下部カメラ装置28と、を含む。現場データ取得装置20は、例えば既設の乗客コンベアに後付けされる。
マイク装置22は、乗客コンベアの作動音を集音するための音取得装置である。マイク装置22によって取得された現場データは、以下「作動音データ」と呼ばれる。マイク装置22は、例えば機械室7内において電動機9の近傍に設置されている。マイク装置22は、例えば予め定められたタイミングで作動音を随時集音する。作動音データは、軸受破損、駆動チェーンの破断等の異常音の診断に利用される。マイク装置22によって取得された作動音データは、点検装置30に随時送られる。
上部カメラ装置24は、乗客コンベアの上部の例えば降り口4において床板8とステップ2との隙間に設置された上部櫛の状態を撮像するための画像取得装置である。上部カメラ装置24によって取得された現場データは、以下「上部櫛画像データ」と呼ばれる。上部カメラ装置24は、例えば降り口4のスカートガード16の内部に設置される。上部カメラ装置24は、例えば予め定められたタイミングで上部櫛を随時撮像する。上部櫛画像データは、上部櫛の櫛折れ等の外観異常の診断に利用される。上部カメラ装置24によって取得された上部櫛画像データは、点検装置30に随時送られる。
チェーン弛み検知装置26は、手摺チェーン18の弛み異常の発生を検知するための装置である。チェーン弛み検知装置26は、例えば機械室7内において手摺チェーン18の近傍に設置されている。典型的には、チェーン弛み検知装置26は、手摺チェーン18の弛み限度状態において回転レバーが手摺チェーン18と接触して回転することで検知する機械式スイッチを含む。チェーン弛み検知装置26は、乗客コンベアの動作中、手摺チェーン18の弛みを常時監視している。そして、チェーン弛み検知装置26は、手摺チェーン18の弛み異常が検知されたときに「弛み検知信号」を現場データとして出力する。チェーン弛み検知装置26によって出力された弛み検知信号は、その都度点検装置30に送られる。
下部カメラ装置28は、乗客コンベアの下部の例えば乗り口3において床板6とステップ2との隙間に設置された下部櫛の状態を撮像するための画像取得装置である。下部カメラ装置28によって取得された現場データは、以下「下部櫛画像データ」と呼ばれる。下部カメラ装置28は、例えば乗り口3のスカートガード16の内部に設置される。下部カメラ装置28は、例えば予め定められたタイミングで下部櫛を随時撮像する。下部櫛画像データは、下部櫛の櫛折れ等の外観異常の診断に利用される。下部カメラ装置28によって取得された下部櫛画像データは、中継機31を介して点検装置30に随時送られる。
2-2.中継機31
中継機31は、例えば機械室5に設置され、乗り口3の周辺に設置される現場データ取得装置20と点検装置30との間の接続を中継する。中継機31に接続される現場データ取得装置20としては、例えば下部カメラ装置28が例示される。なお、下部カメラ装置28が点検装置30に直接接続されている場合、中継機31は必須の構成ではない。また、中継機31は、点検装置30と同様の点検装置として構成されていてもよい。
中継機31は、例えば機械室5に設置され、乗り口3の周辺に設置される現場データ取得装置20と点検装置30との間の接続を中継する。中継機31に接続される現場データ取得装置20としては、例えば下部カメラ装置28が例示される。なお、下部カメラ装置28が点検装置30に直接接続されている場合、中継機31は必須の構成ではない。また、中継機31は、点検装置30と同様の点検装置として構成されていてもよい。
2-3.点検装置30
点検装置30は、現場データ取得装置20が取得する現場データを定期的に取り込んで蓄積するための装置であり、乗客コンベアの制御装置10とは別の独立した装置として構成される。これにより、幅広い機種の乗客コンベアに対して共通仕様の点検装置30が利用される。点検装置30は、建物に設置されている1又は複数の乗客コンベアの号機毎に、それぞれ機械室7に設置される。一例では、点検装置30は、既設の乗客コンベアの機械室7に後付けされる。
点検装置30は、現場データ取得装置20が取得する現場データを定期的に取り込んで蓄積するための装置であり、乗客コンベアの制御装置10とは別の独立した装置として構成される。これにより、幅広い機種の乗客コンベアに対して共通仕様の点検装置30が利用される。点検装置30は、建物に設置されている1又は複数の乗客コンベアの号機毎に、それぞれ機械室7に設置される。一例では、点検装置30は、既設の乗客コンベアの機械室7に後付けされる。
図2は、実施の形態の遠隔点検システムにおける点検装置の構成を説明するためのブロック図である。点検装置30は、制御装置32と、記憶装置33と、を備えている。記憶装置33は、現場データ取得装置20が取得する現場データを一時的に格納する装置である。記憶装置33は、例えばRAM、HDD等の記憶装置である。なお、記憶装置33は、点検装置30から独立してクラウド等がその役割を担ってもよい。
制御装置32は、少なくとも一つのプロセッサと、少なくとも一つのメモリとを備えるマイクロコンピュータである。制御装置32は、情報処理装置とも呼ばれる。メモリには、現場データ取得装置20のそれぞれの動作条件が定められたデータ取得プログラムと、当該データ取得プログラムに関連する各種のデータが格納されている。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)を含んでいる。プロセッサがデータ取得プログラムを読み出して実行することにより、点検装置30の各種機能が実現される。なお、データ取得プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。
図2に示すように、点検装置30の制御装置32は、その機能ブロックとして、取り込み部34と、記憶制御部35と、インターフェース部36と、を含んでいる。
取り込み部34は、現場データ取得装置20が取得した現場データを点検装置30に取り込むための機能ブロックである。ここでの現場データは、例えば、上述の作動音データ、上部櫛画像データ、下部櫛画像データ、及び弛み検知信号である。
記憶制御部35は、記憶装置33に対する現場データの保存及び読み出しに関連する処理を制御するための機能ブロックである。典型的には、記憶制御部35は、取り込み部34が取り込んだ現場データを、日時情報及び号機情報と関連付けて保存する。また、記憶制御部35は、後述する外部装置50からの要求を受けて、対象となる日時及び号機の現場データを読み出す。
インターフェース部36は、外部装置50に通じる通信路を接続するためのインターフェースである。インターフェース部36には、通信装置40を介して外部装置50が接続される。
2-4.通信装置40
図3は、通信装置の機能を説明するためのブロック図である。通信装置40は、管理対象の建物に設置された1又は複数の点検装置30と外部装置50との間のデータ通信を制御する。通信装置40は、例えば建物に設置されている1又は複数号機の乗客コンベアの何れかの機械室7に設置される。通信装置40は、主要な機能ブロックとして、インターフェース部42と、制御部44と、通信部46と、を備えている。インターフェース部42は、LAN回線37を通じて各点検装置30のインターフェース部36との間で現場データの送受信を行う。通信部46は、公衆回線41を通じて外部装置50との間で通信を行う。制御部44は、インターフェース部36を介した各点検装置30から現場データの読み込みを制御する。また、制御部44は、通信部46を介した外部装置50への現場データの書き出しを制御する。典型的には、制御部44は、後述するデータ採取要求に応じて、現場データのうちの作動音データ、上部櫛画像データ、及び下部櫛画像データを点検データとして点検装置30から受信し、外部装置50の点検用サーバ60へ送信する。また、制御部44は、現場データのうちの弛み検知信号を監視データとして点検装置30から受信し、外部装置50の監視用サーバ70へ即座に送信する。
図3は、通信装置の機能を説明するためのブロック図である。通信装置40は、管理対象の建物に設置された1又は複数の点検装置30と外部装置50との間のデータ通信を制御する。通信装置40は、例えば建物に設置されている1又は複数号機の乗客コンベアの何れかの機械室7に設置される。通信装置40は、主要な機能ブロックとして、インターフェース部42と、制御部44と、通信部46と、を備えている。インターフェース部42は、LAN回線37を通じて各点検装置30のインターフェース部36との間で現場データの送受信を行う。通信部46は、公衆回線41を通じて外部装置50との間で通信を行う。制御部44は、インターフェース部36を介した各点検装置30から現場データの読み込みを制御する。また、制御部44は、通信部46を介した外部装置50への現場データの書き出しを制御する。典型的には、制御部44は、後述するデータ採取要求に応じて、現場データのうちの作動音データ、上部櫛画像データ、及び下部櫛画像データを点検データとして点検装置30から受信し、外部装置50の点検用サーバ60へ送信する。また、制御部44は、現場データのうちの弛み検知信号を監視データとして点検装置30から受信し、外部装置50の監視用サーバ70へ即座に送信する。
2-5.外部装置50
外部装置50は、1又は複数の管理対象の建物に設置されている1又は複数の号機の乗客コンベアを、遠隔で点検及び監視する処理を実行する装置である。外部装置50は、各建物に設置された通信装置40のそれぞれと公衆回線41を通じて通信を行う。また、外部装置50は、保守員が操作する端末装置80から公衆回線41を通じてアクセスが可能に構成されている。
外部装置50は、1又は複数の管理対象の建物に設置されている1又は複数の号機の乗客コンベアを、遠隔で点検及び監視する処理を実行する装置である。外部装置50は、各建物に設置された通信装置40のそれぞれと公衆回線41を通じて通信を行う。また、外部装置50は、保守員が操作する端末装置80から公衆回線41を通じてアクセスが可能に構成されている。
外部装置50は、点検用サーバ60と、監視用サーバ70と、を含んでいる。点検用サーバ60は、主に乗客コンベアの定期点検項目に関連する処理を実行する。一方、監視用サーバ70は、主に乗客コンベアの常時監視項目に関連する処理を実行する。点検用サーバ60及び監視用サーバ70は、例えば管理対象の建物の立地から離れた遠隔地にそれぞれ設置される。以下、これらのサーバの機能について説明する。
2-5-1.点検用サーバ60
点検用サーバ60は、点検装置30に保存されている現場データのうち、遠隔点検に関連する点検データ、具体的には作動音データ、上部櫛画像データ、及び下部櫛画像データを取り扱う装置である。図4は、実施の形態の遠隔点検システムにおける点検用サーバの構成を説明するためのブロック図である。点検用サーバ60は、その主要な構成として、制御装置61と、記憶装置62と、を備えている。
点検用サーバ60は、点検装置30に保存されている現場データのうち、遠隔点検に関連する点検データ、具体的には作動音データ、上部櫛画像データ、及び下部櫛画像データを取り扱う装置である。図4は、実施の形態の遠隔点検システムにおける点検用サーバの構成を説明するためのブロック図である。点検用サーバ60は、その主要な構成として、制御装置61と、記憶装置62と、を備えている。
図5は、点検用サーバの制御装置のハードウェア資源の例を示す図である。制御装置61は、ハードウェア資源として、少なくとも一つのプロセッサ612と、少なくとも一つのメモリ614とを含む処理回路610を備えるマイクロコンピュータである。制御装置61は、情報処理装置とも呼ばれる。メモリ614は、例えば半導体メモリである。メモリ614には、乗客コンベアの遠隔点検に関連する処理を実行するための遠隔点検プログラムと、当該遠隔点検プログラムに関連する各種のデータが格納されている。プロセッサ612は、CPU(Central Processing Unit)を含んでいる。プロセッサ612が遠隔点検プログラムを読み出して実行することにより、点検用サーバ60の各種機能が実現される。なお、遠隔点検プログラムは、通信路で接続された他のデータベースに記憶されていてもよいし、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。
図6は、点検用サーバの制御装置のハードウェア資源の他の例を示す図である。図6に示す例では、制御装置61は、例えばプロセッサ612、メモリ614、及び専用ハードウェア616を含む処理回路610を備える。図6は、制御装置61が有する機能の一部を専用ハードウェア616によって実現する例を示す。制御装置61が有する機能の全部を専用ハードウェア616によって実現しても良い。専用ハードウェア616として、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらの組み合わせを採用できる。
点検用サーバ60は、保守員が操作する端末装置80から公衆回線41を通じてアクセスが可能に構成されている。端末装置80は、入力装置82と、出力装置84と、記憶装置86と、を備えるメンテナンスコンピュータ、スマートフォン、或いはタブレット等の装置である。入力装置82は、情報を入力するためのマウス、キーボード等の装置を含む。出力装置84は、画像を出力するためのディスプレイと音声を出力するためのスピーカーとを含む。また、入力装置82及び出力装置84は、タッチパネルディスプレイとして構成されていてもよい。記憶装置86は、各種データを一時的に保存するための装置である。
図4に示すように、点検用サーバ60の制御装置61は、その機能ブロックとして、検索処理部63と、データ採取要求登録部64と、データ保存部65と、データ削除部66と、データ参照部67と、を含んでいる。
検索処理部63は、端末装置80の入力装置82からの入力を受けて点検対象の建物及び乗客コンベアの号機を検索するための機能ブロックである。この処理は、以下「検索処理」と呼ばれる。
図7は、遠隔点検システムにおいて実行される検索処理のフローチャートである。図7に示すルーチンのステップS100において、検索処理部63は、端末装置80の出力装置84に表示されている遠隔点検画面における建物検索の入力欄に、入力装置82から建物番号が入力されたかどうかを判定する。その結果、入力が認められた場合、処理はステップS102に進み、入力が認められない場合、本ルーチンの処理は終了される。
ステップS102において、検索処理部63は、入力された建物番号に対応する建物及び当該建物に設置されている乗客コンベアの1又は複数の号機を検索し、その検索結果一覧を出力装置84に表示する。
データ採取要求登録部64は、点検データの採取条件を定めたデータ採取要求を登録するための機能ブロックである。この処理は、以下「データ採取要求登録処理」と呼ばれる。ここでの採取条件は、少なくとも点検対象の乗客コンベアの号機の指定を含む。また、採取条件は、更に点検データの採取時期の指定、採取する点検データの取得日時の指定、採取する点検データの種類の指定、等を含んでいてもよい。
データ採取要求登録処理において、データ採取要求登録部64は、端末装置80の入力装置82から保守員によって入力されたデータ採取要求を登録する。典型的には、保守員は、検索処理によって出力装置84に表示された検索結果一覧の中から、点検データの採取を希望する乗客コンベアの号機を入力装置82によって選択し、データ採取要求を登録する。
データ保存部65は、データ採取要求登録処理によって登録されたデータ採取要求に従い、データ採取対象の乗客コンベアが接続されている点検装置30から採取対象の点検データを抽出し、記憶装置62に保存するための機能ブロックである。この処理は、以下「データ保存処理」と呼ばれ、保存された点検データは、以下「採取データ」と呼ばれる。記憶装置62は、例えばRAM、HDD等の記憶装置である。なお、記憶装置62は、点検用サーバ60から独立してクラウド等がその役割を担ってもよい。
図8は、遠隔点検システムにおいて実行されるデータ保存処理のフローチャートである。図8に示すルーチンのステップS110において、データ保存部65は、データ採取要求の登録があるかどうかを判定する。その結果、判定の成立が認められた場合、処理はステップS112に進み、判定の成立が認められない場合、本ルーチンの処理は終了される。
ステップS112において、データ保存部65は、データ採取要求に含まれる採取条件に対応する点検データを記憶装置33から抽出するための抽出指令を点検装置30に送信する。点検装置30の記憶制御部35は、受信した抽出指令に従い点検データを抽出し、通信装置40を通じて点検用サーバ60へ送信する。
ステップS112の処理が完了すると、処理はステップS114に進む。ステップS114において、データ保存部65は、通信装置40から点検データを受信したかどうかを判定する。その結果、判定の成立が認められない場合、ステップS114の処理が繰り返し実行され、判定の成立が認められた場合、処理はステップS116に進む。ステップS116において、データ保存部65は、受信した点検データを採取データとして記憶装置62に保存する。
以上のようなデータ保存処理によれば、端末装置80を操作する保守員の要求に応じた点検データを採取データとして記憶装置62に保存することが可能となる。
データ削除部66は、データ保存処理によって記憶装置62に保存されている採取データのうち、一定期間を経過した採取データを順次削除するための機能ブロックである。この処理は、以下「データ削除処理」と呼ばれる。
図9は、遠隔点検システムにおいて実行されるデータ削除処理のフローチャートである。図9に示すルーチンのステップS120において、データ削除部66は、記憶装置62に保存されている採取データのうち、一定期間を経過した採取データがあるかどうかを判定する。その結果、判定の成立が認められた場合、処理はステップS122に進み、判定の成立が認められない場合、本ルーチンの処理は終了される。ステップS122において、データ削除部66は、ステップS120の判定に該当する採取データを記憶装置62から削除する。
以上のようなデータ削除処理によれば、不要な採取データを整理して記憶装置62の容量を確保することができる。
データ参照部67は、記憶装置62に保存されている採取データのうち、保守員によって端末装置80から指定された採取データを出力するための機能ブロックである。この処理は、以下「データ参照処理」と呼ばれる。
図10は、遠隔点検システムにおいて実行されるデータ参照処理のフローチャートである。図10に示すルーチンのステップS130において、データ参照部67は、採取データを参照する建物の号機が指定されたかどうかを判定する。ここでは、出力装置84に表示されている検索結果一覧において採取データが保存されている建物の号機の欄に表示されているデータ参照のためのリンクが入力装置82によってクリックされたかどうかが判定される。その結果、判定の成立が認められない場合、処理はステップS134に進み、判定の成立が認められた場合、処理はステップS132に進む。
ステップS132において、データ参照部67は、入力装置82から参照を指定された採取データを記憶装置62から読み出して、端末装置80の出力装置84の取得データ参照画面において出力する。例えば、参照データのうち、上部櫛画像データ及び下部櫛画像データは出力装置84であるディスプレイに画像を表示し、当該画像をクリックすることで画像を更に拡大表示する。また、参照データのうち、作動音データは出力装置84に音波形を表示し、画面上の再生ボタンをクリックすることで作動音を出力装置84であるスピーカーから出力する。保守員は、出力装置84から出力された採取データを確認して点検異常有無を診断する。ステップS132の処理が行われると、処理はステップS134に進む。
ステップS134において、データ参照部67は、保守員が証拠データとして保存する採取データが指定されたかどうかを判定する。ここでは、出力装置84に表示されている採取データのそれぞれに対応した画面上の保存ボタンが入力装置82によってクリックされたかどうかが判定される。その結果、何れかの保存ボタンクリックされた場合、処理はステップS136に進み、何れの保存ボタンもクリックされない場合、本ルーチンの処理は終了される。
ステップS136において、データ参照部67は、ステップS134の処理において指定された採取データを記憶装置62から読み出して、証拠データとして端末装置80の記憶装置86へ保存する。記憶装置86に保存された証拠データは、例えば後述する報告書作成処理において利用される。
以上のようなデータ参照処理によれば、遠隔地において、保守員は端末装置80に出力される点検データを参照して点検を行うことが可能となる。
2-5-2.監視用サーバ70
監視用サーバ70は、点検装置30に保存されている現場データのうち、遠隔監視に関連する監視データ、具体的には弛み検知信号を取り扱う装置である。図11は、実施の形態の遠隔点検システムにおける監視用サーバの構成を説明するためのブロック図である。監視用サーバ70は、図示しない制御装置のプロセッサがプログラムを実行することにより実現される機能として、信号受信部72と、発報処理部74と、を備えている。
監視用サーバ70は、点検装置30に保存されている現場データのうち、遠隔監視に関連する監視データ、具体的には弛み検知信号を取り扱う装置である。図11は、実施の形態の遠隔点検システムにおける監視用サーバの構成を説明するためのブロック図である。監視用サーバ70は、図示しない制御装置のプロセッサがプログラムを実行することにより実現される機能として、信号受信部72と、発報処理部74と、を備えている。
信号受信部72は、1又は複数の建物のそれぞれに設置された通信装置40から現場データのうちの弛み検知信号を監視データとして受信するための機能ブロックである。発報処理部74は、発報を行うための機能ブロックである。典型的には、発報処理部74は、信号受信部72が弛み検知信号を受信した場合に発報を行う。
2-6.システムサーバ90
システムサーバ90は、乗客コンベアの遠隔点検における点検報告書の作成を支援する機能を備えた装置である。システムサーバ90は、端末装置80からの公衆回線41を通じてアクセスが可能に構成されている。図12は、実施の形態の遠隔点検システムにおけるシステムサーバの構成を説明するためのブロック図である。システムサーバ90は、図示しない制御装置のプロセッサがプログラムを実行することにより実現される機能として、報告書作成処理部92を含んでいる。
システムサーバ90は、乗客コンベアの遠隔点検における点検報告書の作成を支援する機能を備えた装置である。システムサーバ90は、端末装置80からの公衆回線41を通じてアクセスが可能に構成されている。図12は、実施の形態の遠隔点検システムにおけるシステムサーバの構成を説明するためのブロック図である。システムサーバ90は、図示しない制御装置のプロセッサがプログラムを実行することにより実現される機能として、報告書作成処理部92を含んでいる。
報告書作成処理部92は、端末装置80を操作する保守員からの入力を受けて、遠隔点検の点検報告書の作成を支援する。この処理は、以下「報告書作成処理」と呼ばれる。保守員は、弛み検知信号に基づく発報実績データを監視用サーバ70から受信し、端末装置80の記憶装置86に保存している。報告書作成処理において、報告書作成処理部92は、端末装置80からの発報実績データの入力を受け付け、受信した実績実績データの内容を点検報告書の内容に反映させる。
また、保守員は、点検報告書の作成作業において、点検報告書に添付するための証拠データを記憶装置86に保存している。報告書作成処理において、報告書作成処理部92は、端末装置80に保存されている証拠データのうち、入力装置82を操作する保守員によって選択された証拠データの入力を受け付け、受信した証拠データを点検報告書の内容に反映させる。
以上のような報告書作成処理によれば、証拠データを含んだ点検報告書の作成負担が軽減される。
3.変形例
実施の形態の遠隔点検システム100は、以下のような変形した態様を採用してもよい。
実施の形態の遠隔点検システム100は、以下のような変形した態様を採用してもよい。
3-1.現場データ取得装置20
現場データ取得装置20は、機械室7を撮像する機械室カメラ装置を更に備えていてもよい。この場合、機械室カメラ装置によって取得された画像データは、現場データとして他の現場データと同様に取り扱えばよい。
現場データ取得装置20は、機械室7を撮像する機械室カメラ装置を更に備えていてもよい。この場合、機械室カメラ装置によって取得された画像データは、現場データとして他の現場データと同様に取り扱えばよい。
3-2.点検装置30
点検装置30は、作動音データに基づいて異常音の有無を診断する機能を備えていてもよい。この場合、診断結果は、現場データとして作動音データ等と同様に利用すればよい。
点検装置30は、作動音データに基づいて異常音の有無を診断する機能を備えていてもよい。この場合、診断結果は、現場データとして作動音データ等と同様に利用すればよい。
4.その他
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、本開示は上述した実施の形態等に制限されることはなく、請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、本開示は上述した実施の形態等に制限されることはなく、請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
乗客コンベアの現場状態を示す現場データを取得する現場データ取得装置と、
前記乗客コンベアの動作を制御する制御装置とは別に独立して設けられ、前記現場データ取得装置が取得する前記現場データを蓄積する点検装置と、
前記乗客コンベアの保守員が操作する端末装置からのアクセスが可能な外部装置と、
前記現場データを前記点検装置から前記外部装置へ送信する通信装置と、
を備える乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記2)
前記外部装置は、
前記現場データのうち、前記乗客コンベアの常時監視項目に関連する監視データを採取する監視用サーバと、
前記現場データのうち、前記乗客コンベアの定期点検項目に関連する点検データを採取する点検用サーバと、を含む
付記1に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記3)
前記点検用サーバは、
前記点検データの採取条件を定めたデータ採取要求を前記端末装置から受信して登録するデータ採取要求登録部と、
前記データ採取要求に基づいて前記点検データを前記点検装置から採取し、採取データとして記憶装置に保存するデータ保存部と、
を備える付記2に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記4)
前記点検用サーバは、
前記採取データのうち、前記端末装置の入力装置から参照を指定されたデータを前記端末装置の出力装置に出力するデータ参照部を更に備える付記3に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記5)
前記データ参照部は、
前記採取データのうち、前記端末装置の入力装置から保存を指定されたデータを証拠データとして前記端末装置に保存するように構成される付記4に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記6)
前記点検用サーバは、
前記採取データのうち、一定期間を経過したデータを前記記憶装置から削除するデータ削除部を更に備える付記3から付記5の何れか1項に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記7)
前記現場データ取得装置は、
前記乗客コンベアの作動音を集音した作動音データを前記現場データとして取得する音取得装置を含み、
前記通信装置は、前記作動音データを前記点検データとして前記点検用サーバに送信する
ように構成される付記2から付記6の何れか1項に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記8)
前記現場データ取得装置は、
前記乗客コンベアの櫛の状態を撮像した櫛画像データを前記現場データとして取得する画像取得装置を含み、
前記通信装置は、前記櫛画像データを前記点検データとして前記点検用サーバに送信する
ように構成される付記2から付記7の何れか1項に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記9)
前記現場データ取得装置は、
前記乗客コンベアの手摺チェーンの弛み異常の発生を検知した弛み検知信号を前記現場データとして取得するチェーン弛み検知装置を含み、
前記通信装置は、
前記弛み検知信号を前記監視データとして前記監視用サーバに送信する
ように構成される付記2から付記8の何れか1項に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記10)
前記監視用サーバは、前記弛み検知信号を受信した場合に発報を行う発報処理部を備える
付記9に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記11)
前記端末装置からのアクセスが可能なシステムサーバを更に備え、
前記システムサーバは、前記端末装置から前記証拠データの入力を受け付けて報告書の内容に反映させる報告書作成処理部を備える
付記5に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
乗客コンベアの現場状態を示す現場データを取得する現場データ取得装置と、
前記乗客コンベアの動作を制御する制御装置とは別に独立して設けられ、前記現場データ取得装置が取得する前記現場データを蓄積する点検装置と、
前記乗客コンベアの保守員が操作する端末装置からのアクセスが可能な外部装置と、
前記現場データを前記点検装置から前記外部装置へ送信する通信装置と、
を備える乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記2)
前記外部装置は、
前記現場データのうち、前記乗客コンベアの常時監視項目に関連する監視データを採取する監視用サーバと、
前記現場データのうち、前記乗客コンベアの定期点検項目に関連する点検データを採取する点検用サーバと、を含む
付記1に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記3)
前記点検用サーバは、
前記点検データの採取条件を定めたデータ採取要求を前記端末装置から受信して登録するデータ採取要求登録部と、
前記データ採取要求に基づいて前記点検データを前記点検装置から採取し、採取データとして記憶装置に保存するデータ保存部と、
を備える付記2に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記4)
前記点検用サーバは、
前記採取データのうち、前記端末装置の入力装置から参照を指定されたデータを前記端末装置の出力装置に出力するデータ参照部を更に備える付記3に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記5)
前記データ参照部は、
前記採取データのうち、前記端末装置の入力装置から保存を指定されたデータを証拠データとして前記端末装置に保存するように構成される付記4に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記6)
前記点検用サーバは、
前記採取データのうち、一定期間を経過したデータを前記記憶装置から削除するデータ削除部を更に備える付記3から付記5の何れか1項に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記7)
前記現場データ取得装置は、
前記乗客コンベアの作動音を集音した作動音データを前記現場データとして取得する音取得装置を含み、
前記通信装置は、前記作動音データを前記点検データとして前記点検用サーバに送信する
ように構成される付記2から付記6の何れか1項に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記8)
前記現場データ取得装置は、
前記乗客コンベアの櫛の状態を撮像した櫛画像データを前記現場データとして取得する画像取得装置を含み、
前記通信装置は、前記櫛画像データを前記点検データとして前記点検用サーバに送信する
ように構成される付記2から付記7の何れか1項に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記9)
前記現場データ取得装置は、
前記乗客コンベアの手摺チェーンの弛み異常の発生を検知した弛み検知信号を前記現場データとして取得するチェーン弛み検知装置を含み、
前記通信装置は、
前記弛み検知信号を前記監視データとして前記監視用サーバに送信する
ように構成される付記2から付記8の何れか1項に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記10)
前記監視用サーバは、前記弛み検知信号を受信した場合に発報を行う発報処理部を備える
付記9に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
(付記11)
前記端末装置からのアクセスが可能なシステムサーバを更に備え、
前記システムサーバは、前記端末装置から前記証拠データの入力を受け付けて報告書の内容に反映させる報告書作成処理部を備える
付記5に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
1 トラス、 3 乗り口、 4 降り口、 5 機械室、 6 床板、 7 機械室、 8 床板、 9 電動機、 10 制御装置、 12 軸、 13 スプロケット、 14 ステップチェーン、 15 ステップ軸、 16 スカートガード、 17 スプロケット、 18 手摺チェーン、 19 移動手摺、 20 現場データ取得装置、 22 マイク装置、 24 上部カメラ装置、 26 チェーン弛み検知装置、 28 下部カメラ装置、 30 点検装置、 31 中継機、 32 制御装置、 33 記憶装置、 34 取り込み部、 35 記憶制御部、 36 インターフェース部、 37 LAN回線、 40 通信装置、 41 公衆回線、 42 インターフェース部、 44 制御部、 46 通信部、 50 外部装置、 60 点検用サーバ、 61 制御装置、 62 記憶装置、 63 検索処理部、 64 データ採取要求登録部、 65 データ保存部、 66 データ削除部、 67 データ参照部、 70 監視用サーバ、 72 信号受信部、 74 発報処理部、 80 端末装置、 82 入力装置、 84 出力装置、 86 記憶装置、 90 システムサーバ、 92 報告書作成処理部、 100 遠隔点検システム、 610 処理回路、 612 プロセッサ、 614 メモリ、 616 専用ハードウェア
Claims (9)
- 乗客コンベアの現場状態を示す現場データを取得する現場データ取得装置と、
前記乗客コンベアの動作を制御する制御装置とは別に独立して設けられ、前記現場データ取得装置が取得する前記現場データを蓄積する点検装置と、
前記乗客コンベアの保守員が操作する端末装置からのアクセスが可能な外部装置と、
前記現場データを前記点検装置から前記外部装置へ送信する通信装置と、
を備え、
前記外部装置は、
前記現場データのうち、前記乗客コンベアの常時監視項目に関連する監視データを採取する監視用サーバと、
前記現場データのうち、前記乗客コンベアの定期点検項目に関連する点検データを採取する点検用サーバと、を含み、
前記点検用サーバは、
前記点検データの採取条件を定めたデータ採取要求を前記端末装置から受信して登録するデータ採取要求登録部と、
前記データ採取要求に基づいて前記点検データを前記点検装置から採取し、採取データとして記憶装置に保存するデータ保存部と、
を備える乗客コンベアの遠隔点検システム。 - 前記点検用サーバは、
前記採取データのうち、前記端末装置の入力装置から参照を指定されたデータを前記端末装置の出力装置に出力するデータ参照部を更に備える請求項1に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。 - 前記データ参照部は、
前記採取データのうち、前記端末装置の入力装置から保存を指定されたデータを証拠データとして前記端末装置に保存するように構成される請求項2に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。 - 前記点検用サーバは、
前記採取データのうち、一定期間を経過したデータを前記記憶装置から削除するデータ削除部を更に備える請求項1から請求項3の何れか1項に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。 - 前記現場データ取得装置は、
前記乗客コンベアの作動音を集音した作動音データを前記現場データとして取得する音取得装置を含み、
前記通信装置は、前記作動音データを前記点検データとして前記点検用サーバに送信する
ように構成される請求項1から請求項3の何れか1項に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。 - 前記現場データ取得装置は、
前記乗客コンベアの櫛の状態を撮像した櫛画像データを前記現場データとして取得する画像取得装置を含み、
前記通信装置は、前記櫛画像データを前記点検データとして前記点検用サーバに送信する
ように構成される請求項1から請求項3の何れか1項に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。 - 前記現場データ取得装置は、
前記乗客コンベアの手摺チェーンの弛み異常の発生を検知した弛み検知信号を前記現場データとして取得するチェーン弛み検知装置を含み、
前記通信装置は、
前記弛み検知信号を前記監視データとして前記監視用サーバに送信する
ように構成される請求項1から請求項3の何れか1項に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。 - 前記監視用サーバは、前記弛み検知信号を受信した場合に発報を行う発報処理部を備える
請求項7に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。 - 前記端末装置からのアクセスが可能なシステムサーバを更に備え、
前記システムサーバは、前記端末装置から前記証拠データの入力を受け付けて報告書の内容に反映させる報告書作成処理部を備える
請求項3に記載の乗客コンベアの遠隔点検システム。
Publications (1)
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