JP7498188B2 - 癒合促進デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、癒合促進デバイスに関する。
医療分野において生体器官を外科的手術により接合する手技(例えば消化管の吻合術)が知られている。上記のような手技が行われた場合、生体器官同士が接合された接合部における癒合の遅延が生じないことが術後の予後決定因子として重要であることが知られている。
生体器官を接合する手技では種々の方法や医療器具が用いられるが、例えば生分解性の縫合糸により生体器官を縫合する方法や、ステープラーによる吻合を行う機械式の吻合装置(特許文献1参照)を利用する方法が提案されている。特に、機械式の吻合装置を利用して吻合術を行う場合、縫合糸を用いた方法と比較して接合部における生体器官同士の接合力を高めることができるため、縫合不全のリスクを低減させることが可能になる。
特表2007-505708号公報
しかしながら、接合部における癒合の進行の程度は、患者の接合対象部位(被接合部位)における生体組織の状態等にも依存する。そのため、例えば、特許文献1に記載されているような接合装置を使用した場合においても、患者の生体組織の状態如何によっては、縫合不全のリスクを十分に低減させることができない可能性もある。
そこで本発明は、外科手術等の術後における縫合不全のリスクを低減させることができる癒合促進デバイスを提供することを目的とする。
本発明に係るデバイスは、切断された消化管同士を接合する際に使用され、消化管における第1被接合部位と前記第1被接合部位に対向する第2被接部位とを接合し、前記第1被接合部位又は前記第2被接合部位と当接可能であって磁性材料を含む第1磁性部が取付け可能な係合器具を備えた医療器具によって前記第1被接合部位と前記第2被接合部位とを接合する際に、消化管の間に配置され、貫通孔を含む本体部と、前記本体部を前記第1被接合部位と前記第2被接合部位の間に配置し、前記係合器具を前記第1被接合部位又は前記第2被接合部位に当接させた際に、前記本体部の面方向において前記第1磁性部と対向する位置に設けられ、前記第1磁性部から受ける力によって前記第1磁性部と密着可能な第2磁性部と、を有する。係合器具は、第1係合器具と、第1係合器具と係合可能な第2係合器具を備え、第1係合器具と第2係合器具は、第1被接合部位及び第2被接合部位を介して本体部を挟み込み可能であって、第2係合器具は、円板状に形成され、軸方向の端部に配置されたヘッドと、軸方向における第1係合器具の側に設けられた長尺状のシャフトと、を備え、第1磁性部は、ヘッドに取り付けられて一体となっており、本体部はシャフトに挿通可能な孔部を備える。
本発明に係る癒合促進デバイスによれば、外科手術等の術後における縫合不全のリスクを低減させることができる。
本発明の第1実施形態に係る癒合促進デバイスと医療器具を示す概略斜視図である。 図1に係る医療器具を構成する第1係合器具の先端と第2係合器具とを示す斜視図である。 医療器具を構成する第2係合器具のシャフトに癒合促進デバイスを挿通した状態を示す斜視図である。 図3の側面図である。 図1の癒合促進デバイスにおける貫通孔について示す断面図である。 癒合促進デバイスを用いた処置方法の各手順を示すフローチャートである。 処置方法の実施形態(大腸吻合術)の手順を示すフローチャートである。 大腸吻合術を説明するための模式的な断面斜視図である。 大腸吻合術を説明するための模式的な断面図である。 大腸吻合術を説明するための模式的な断面図である。 大腸吻合術を説明するための模式的な断面図である。 第1実施形態の変形例に係る医療器具の第2係合器具と癒合促進デバイスを示す側面図である。 第2実施形態に係る医療器具の第2係合器具、補強部材、及び癒合促進デバイスを示す概略斜視図である。 図13に示す状態から補強部材の取付け部(外周片)を第2係合器具に貼付した状態を示す概略斜視図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張され、実際の比率とは異なる場合がある。
<第1実施形態>
図1~図4は本発明の第1実施形態に係る癒合促進デバイス100と医療器具200の説明に供する図である。図5は、癒合促進デバイス100の貫通孔11について示す断面図である。図6~図11は癒合促進デバイス100を用いて大腸を一例として消化管の吻合を行う際を説明する図である。なお、本実施形態において癒合促進デバイス100と医療器具200とは、合わせて医療器具セットと呼ぶことができる。
癒合促進デバイス100は、図8~図11に示すように所定の生体器官同士を接合する手技(例えば、消化管の吻合術)に適用することができる。後述するように、本明細書の説明では癒合促進デバイス100を使用した手技の例として大腸吻合術を説明するが、本発明に係る癒合促進デバイスを使用可能な部位は大腸に限定されない。
癒合促進デバイス100は、医療器具200によって大腸等の第1被接合部位と第2被接合部位とを接合する際に使用される。癒合促進デバイス100の説明にあたり医療器具200について説明する。
<医療器具>
医療器具200は、生体組織における第1被接合部位と第1被接合部位に対向する第2被接合部位とを接合する。医療器具200は、第1被接合部位及び第2被接合部位を介して本体部10を挟み込み可能な第1係合器具210と第2係合器具270を備える。第1係合器具210は第1被接合部位と当接可能であり、第2係合器具270は第2被接合部位と当接可能に構成している。詳細については後述する。第1係合器具210は、トロッカーと呼ばれる場合があり、第2係合器具270はアンビルと呼ばれる場合がある。
<第1係合器具>
第1係合器具210は、長尺部材220と、位置決め部230と、放出部240と、打抜き部250と、操作部260と、を備える。
長尺部材220は、第1係合器具210の本体に相当する。長尺部材220は、図2に示すように長手方向の先端において位置決め部230のシャフトを相対的に進退移動可能な空間Sを備える。なお、本明細書において長尺部材220の先端部における長手方向を方向Xとする。長尺部材220は、方向Xに交差する断面を中空の円形状に構成している。長尺部材220は、本実施形態において長手方向に直線状に延在するとともに屈曲箇所を備えているが、後述する吻合機能と打抜き機能を実現できれば、長尺部材には屈曲箇所を設けなくてもよい。
位置決め部230は、長尺状のシャフトを備える。位置決め部230のシャフトは、図2に示すように長尺部材220の長手方向における先端において空間Sから相対的に進退移動自在に構成している。
放出部240は、第1被接合部位と第2被接合部位とを接合する複数のステープルを放出可能に構成している。放出部240は長尺部材220の長手方向における先端側において略円板状に形成している。放出部240は、長尺部材220の先端において周方向θに沿ってステープルの放出箇所を複数設けることによって構成している。なお、本明細書において長尺部材220の先端部における長手方向と交差する面方向を方向YZ、放射方向又は径方向を径方向r、周方向又は角度方向を周方向θとする。
打抜き部250は、長尺部材220の先端において放出部240よりも径方向rの内方に配置し、第1被接合部位と第2被接合部位の放射方向内方を打ち抜くように構成している。打抜き部250は、図2に示すように放出部240よりも径方向rの内方に第1被接合部位と第2被接合部位を打ち抜く環状のブレードを備えるように構成している。
操作部260は、位置決め部230と放出部240と打抜き部250とを操作できるように構成している。操作部260は、回転部261と、ハンドル262と、を備える。
回転部261は、長尺部材220の長手方向における基端部(基端側)に設けている。回転部261は、長尺部材220の基端側における長手方向を回転軸として長尺部材220に対して回転可能に構成している。回転部261は、第2係合器具270が第1係合器具210と係合した状態において、長尺部材220に対して回転させることによって第1係合器具210と第2係合器具270とを相対的に接近離間できるように構成している。
ハンドル262は、長尺部材220の基端部(基端側)とともに使用者によって把持可能に構成している。ハンドル262は、回転軸263によって長尺部材220と回転可能に接続されている。ハンドル262は、使用者によって握られることによって回転軸263の周りに回転して長尺部材220と相対的に接近する。これにより、放出部240からステープルを放出し、長尺部材220の先端から打抜き部250の環状ブレードを突出できるように構成している。
<第2係合器具>
第2係合器具270は、第1被接合部位と第2被接合部位を介して癒合促進デバイス100の本体部10を挟み込み可能に構成している。第2係合器具270は、図3に示すようにヘッド280と、当接部290と、第1磁性部310と、シャフト320と、を備える。
ヘッド280は、第1係合器具210と第2係合器具270とを係合させた際に第1係合器具210の長尺部材220の特に先端側に隣接して配置される。ヘッド280は、本実施形態において図2、3に示すように略円板形状に構成しており、断面形状が長尺部材220の円形状と同一又は類似する形状として構成している。
当接部290は、放出部240から放出される複数のステープルと当接可能に構成している。当接部290は、ヘッド280の軸方向(板厚方向、図3の方向X参照)において第1係合器具210の側に設けている。当接部290は、放出部240から放出される複数のステープルと当接可能に構成している。放出部240から放出されたステープルは当接部290で当接し、変形することによって第1被接合部位と第2被接合部位とを接合する。
第1磁性部310は、癒合促進デバイス100の本体部10に設けられた第2磁性部20と磁力によって引き合うように構成している。これにより、第1磁性部310と第2磁性部20とは密着可能に構成している。第1磁性部310は、本実施形態においてヘッド280の板厚方向(方向X)において第1係合器具210の側である当接部290の側においてヘッド280に取付けて一体となるように構成している。第1磁性部310は円板形状に形成しており、第1磁性部310の外径d1が当接部290の内径d2よりも小さくなるように構成している。第1磁性部310は、永久磁石を構成する硬磁性材料等の磁性材料を含む。磁性材料は特に限定されないが、一例として、鉄、コバルト、ニッケル、サマリウム、ネオジウム等を挙げることができる。
シャフト320は、第1係合器具210と第2係合器具270とを係合するために設けられる。シャフト320は、ヘッド280の軸方向(方向X)において第1係合器具210の側から軸方向に長尺状に延在するように構成している。シャフト320は、本実施形態において長手方向に直行する断面を円状に形成している。シャフト320には第1係合器具210の位置決め部230のシャフトを収容する空間を設けている。シャフト320は、位置決め部230のシャフトと嵌合するように構成しており、これにより第1係合器具210と第2係合器具270との位置合わせが可能になる。
<癒合促進デバイス>
癒合促進デバイス100は、図3に示すように本体部10と、第2磁性部20と、補強部30と、孔部40と、を備える。
<本体部>
本体部10は、生体組織における第1被接合部位と第1被接合部位に対向する第2接合部位とを接合する際に生体組織の癒合を促進する。
本体部10は、図3、図5に示すように厚さ方向(方向X)に挿通するように形成された貫通孔11を複数備える。本体部10の貫通孔11の大きさについて例示すれば、好ましくは0.05~0.3mm、より好ましくは0.1~0.2mmである。本体部10は、貫通孔11の寸法DとピッチPとの比が0.2以上40未満となるように構成できる。
本体部10は、生分解性の材料で構成することができる。本体部10の構成材料について特に制限はなく、例えば、生分解性樹脂が挙げられる。
具体的には、(1)脂肪族ポリエステル、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、ポリカーボネート、ポリホスファゼン、ポリリン酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリペプチド、多糖、タンパク質、セルロースからなる群から選択される重合体;(2)上記(1)を構成する一以上の単量体から構成される共重合体などが挙げられる。
すなわち、生分解性シートは、脂肪族ポリエステル、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、ポリカーボネート、ポリホスファゼン、ポリリン酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリペプチド、多糖、タンパク質、セルロースからなる群から選択される重合体、ならびに前記重合体を構成する一以上の単量体から構成される共重合体からなる群より選択される少なくとも一種の生分解性樹脂を含むことが好ましい。
第2磁性部20は、本体部10を第1被接合部位と第2被接合部位の間に配置し、医療器具200を第1被接合部位と第2被接合部位に当接させた際に本体部10の面方向(方向YZ)において第1磁性部310と対向する位置に設けられる。第2磁性部20は、第1磁性部310から受ける磁力によって第1磁性部310と密着可能に構成している。第2磁性部20は、本実施形態において扁平な略円板形状に構成している。
第2磁性部20は、本実施形態において永久磁石を含む第1磁性部310によって磁化可能な鉄等の軟磁性材料を含むように構成している。ただし、第1磁性部310と第2磁性部20とを密着できれば、上記以外にも第1磁性部310を軟磁性材料、第2磁性部20を硬磁性材料で構成してもよい。また、上記以外にも第1磁性部310及び第2磁性部20ともに永久磁石等の硬磁性材料によって構成してもよい。
補強部30は、医療器具200によって癒合促進デバイス100を第1被接合部位と第2被接合部位との間に留置する際等に癒合促進デバイス100が破損等しにくくするために設けられる。補強部30は、本実施形態において中空の略円形状の外周において本体部10のような貫通孔11を設けない形状として構成している。ただし、癒合促進デバイス100の強度を向上できれば、具体的な形状や配置は上記に限定されない。
孔部40は、医療器具200のシャフト320に挿通可能に構成している。孔部40は、本実施形態において軸方向から見た際に略円形状に構成している。本実施形態では、癒合促進デバイス100と医療器具200について以下の関係が成り立つように構成している(図2、3参照)。
d3>d4+(d5-d6)
ここで、d3は、医療器具200の打抜き部250の外径であり、d4は癒合促進デバイス100において本体部10の外周に設けた補強部30の外径である。d5は本体部10の内周に設けた第2磁性部20の内径であり、d6は医療器具200のシャフト320の外径である。即ち、打抜き部250の外径d3は、本体部10の外径d4と、本体部10の内径d5からシャフト320の外径d6をひいたものと、の和より大きくなるように構成している。
本体部10の製造方法は特に限定されない。本体部10の貫通孔11の部分については、一例として上述した生分解性材料を含む繊維を円周状に配置し、同様の繊維を放射方向に配置して円周状の繊維と放射方向の繊維とを編み込むように一体にする方法が考えられる。生分解性樹脂からなる繊維を作製する方法としてはエレクトロスピニング法(電界紡糸法・静電紡糸法)やメルトブロー法等が挙げられる。本体部10は、上記方法のうち1種のみを選択してもよいし、2種以上を適宜組み合わせてもよい。
本体部10は、本体部10を構成する生分解性樹脂等の構成材料によって生体反応を惹起させる。本体部10は、この作用により、フィブリン等の生体成分の発現を誘導する。このようにして誘導された生体成分は、本体部10の貫通孔11を貫通するようにして集積することで、癒合を促進することができる。したがって、接合対象となる生体器官同士の間に、癒合促進デバイス100の本体部10を配置することにより、上記のメカニズムによる癒合の促進が生じる。
<処置方法>
次に癒合促進デバイス100を用いた処置方法を説明する。図6、図7は癒合促進デバイス100を用いた処置方法の各手順を示すフローチャートである。図8は大腸吻合術を説明するための模式的な断面斜視図である。
処置方法は、生体器官の接合対象となる一方の第1被接合部位と他方の第2被接合部位との間に生体組織の癒合を促進するシート状の本体部10を備える癒合促進デバイス100を配置すること(S11)を含む。処置方法は、一方の第1被接合部位と他方の第2被接合部位との間に癒合促進デバイス100の本体部10の少なくとも一部を配置した状態で一方の第1被接合部位と他方の第2被接合部位とを接合すること(S12)を含む。
処置方法により接合される生体器官及び生体器官における被接合部位は特に限定されず、任意に選択することができる。ただし、以下の説明では、大腸吻合術を例に挙げて説明する。
また、以下に説明する各手技において、公知の手技手順や公知の接合装置については詳細な説明を適宜省略する。
以下、本明細書の説明において「生体器官の間に癒合促進デバイスを配置する(以下、上記記載と言う)」とは、生体器官に癒合促進デバイスが直接的に又は間接的に接触した状態で配置されることを意味し得る。
また、上記記載は生体器官との間に空間的な隙間が形成された状態で癒合促進デバイスが配置されることを意味し得る。また、上記記載はその両方の状態で癒合促進デバイスが配置されること(例えば、一方の生体器官に癒合促進デバイスが接触し、他方の生体器官には癒合促進デバイスが接触していない状態で配置されること)を意味し得る。
また、本明細書の説明において「周辺」とは、厳密な範囲(領域)を規定するものではなく、処置の目的(生体器官同士の接合)を達成し得る限りにおいて、所定の範囲(領域)を意味する。
また、各処置方法において説明する手技手順は、処置の目的を達成し得る限りにおいて、順番を適宜入れ替えることが可能である。また、本明細書の説明において「相対的に接近させる」とは、接近させる対象となる2つ以上のものを、互いに接近させること、一方のみを他方のみに接近させることの両方を意味する。
本実施形態に係る処置方法において、接合対象となる生体器官は、癌腫瘍の切除に伴い切断された大腸である。具体的には、接合対象となる生体器官は、切断した大腸の口側A2と、切断した大腸の肛門側A1である。以下の説明では、切断した大腸の口側A2の口部周辺(第2被接合部位)と、切断した大腸の肛門側A1の腸壁の一部(第1被接合部位)を接合する手順を説明する。
図7に示すように、本実施形態に係る処置方法は、大腸の口部周辺と大腸の腸壁の間に癒合促進デバイス100を配置すること(S101)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁を相対的に接近させること(S102)を含む。処置方法は、大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間で癒合促進デバイス100の本体部10を挟み込むこと(S103)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間に癒合促進デバイス100に本体部10を挟み込んだ状態で接合すること(S104)を含む。以下、詳述する。
図8に示すように、術者は、大腸の口側A2に、医療器具200の第2係合器具270を挿入する。術者は、大腸の肛門側A1に、医療器具200の第1係合器具210を配置する。
第1係合器具210を大腸の肛門側A1に配置(挿入)することによって大腸の肛門側A1に貫通孔A11が形成される。なお、貫通孔A11を形成するタイミングは、第1係合器具210を配置する前であれば、特に限定されない。
次に、術者は、第2係合器具270のシャフト320を大腸の口側A2に挿入し、シャフト320を突出した状態で巾着縫合し、縫合部A21を形成する。縫合部A21の外表面は、縫合に伴い凸側に部分的に突出した形状となる。
次に、術者は、図8に示すように、大腸の口側A2と大腸の肛門側A1との間に癒合促進デバイス100を配置する(S101)。術者は、癒合促進デバイス100を配置する際に図9に示すように第2係合器具270が備えるシャフト320を本体部10に形成された孔部40に通す。この時点で本体部10は、生体において隆起するように形成された縫合部A21の形状に合わせて本体部10の径方向rの内方が図9に示すように隆起するように変形する。
なお、術者は、第1係合器具210が備える位置決め部230のシャフトを本体部10に形成された孔部40に通すことにより、大腸の肛門側A1に癒合促進デバイス100を配置してもよい。
次に、術者は、大腸の口側A2に対して本体部10を保持した状態を維持しつつ、位置決め部230のシャフトと第2係合器具270のシャフト320とを離間した位置で係合させる。そして、回転部261を回転させて、図10に示すように第1係合器具210と第2係合器具270を相対的に接近させる。これにより、大腸の口部周辺と大腸の腸壁とが相対的に接近する(S102)。
次に、術者は、第1係合器具210と第2係合器具270との間で、大腸の口側A2の口部周辺、癒合促進デバイス100の本体部10、大腸の肛門側A1の腸壁に形成した貫通孔A11周辺を挟み込む(S103)。
術者は、医療器具200の操作部260のハンドル262を回転軸263の回りに回転させて打抜き部250の環状ブレードを突出させる。そして、第1係合器具210と第2係合器具270との間に挟まれた大腸の口側A2の一部、本体部10の第2磁性部20、及び大腸の肛門側A1の一部を切除し、切除した部位の周囲をステープル(図示省略)により接合する(S104)。
次に、術者は、図11に示すように、医療器具200を、例えば、大腸の肛門側A1から肛門を介して生体外へ取り出す。このとき、第1係合器具210の打抜き部250の外径d3より内方側に構成された領域を医療器具200とともに生体外へ取り出す。これにより、癒合促進デバイス100において打抜き部250よりも径方向rの内方に位置する第2磁性部20は体内に残らず、除去される。
癒合促進デバイス100の本体部10が接合対象となる生体器官の間に挟み込まれて留置されることによって、本体部10の貫通孔11を通じて接合対象となる生体器官の癒合を促進させることができる。
このような処置方法によれば、シート状の本体部10を第1被接合部位と第2被接合部位との間に挟み込ませるという簡便な方法により、接合手技(例えば、消化管の吻合術)後の縫合不全等のリスクを低減させることができる。
以上説明したように本実施形態に係る癒合促進デバイス100は、医療器具200によって第1被接合部位と第2被接合部位とを接合する際に用いられる。医療器具200は、第1被接合部位と第1被接合部位に対向する第2被接合部位とを接合し、第1被接合部位又は第2被接合部位に当接可能であって、磁性材料を含む第1磁性部310が取付け可能な第2係合器具270を備える。癒合促進デバイス100は、本体部10と、第2磁性部20と、を有する。本体部10は、医療器具200によって第1被接合部位と第2被接合部位とを接合する際に生体組織の癒合を促進する。第2磁性部20は、本体部10を第1被接合部位と第2被接合部位との間に配置し、第2係合器具270を第1被接合部位又は第2被接合部位に当接させた際に本体部10の面方向において第1磁性部310と対向する位置に設けられる。第2磁性部20は、第1磁性部310から受ける磁力によって第1磁性部310と密着可能に構成している。
癒合促進デバイスの本体部は、通常柔らかく、ヨレやズレが発生しやすい。また、癒合促進デバイスの本体部は、腸官等の生体組織に密着する力が弱い傾向があり、脱落が発生しやすい。これについて、医療器具200の第1磁性部310と密着可能な第2磁性部20を癒合促進デバイス100に設けることによって、脱落等の原因となり得る医療器具200との位置ずれを防止又は抑制することができる。このように、癒合促進デバイス100によれば、外科手術等の術後における縫合不全のリスクを低減できる。
また、医療器具200は、第1被接合部位及び第2被接合部位を介して本体部10を挟み込み可能な第1係合器具210と第2係合器具270とを備える。第2係合器具270は、板状に形成されたヘッド280を備え、第1磁性部310はヘッド280に取付けられて一体となるように構成している。このように構成することによって医療器具200と癒合促進デバイス100との位置ずれを防止又は抑制することができる。
また、第1係合器具210は、放出部240と、打抜き部250と、を備える。放出部240は、円板状に形成され、第1被接合部位と第2被接合部位とを接合する複数のステープルを放出可能に構成している。打抜き部250は、第1被接合部位と第2被接合部位の放射方向内方を打抜き、放出部240よりも径方向rの内方に配置するように構成している。第2係合器具270は、ヘッド280の軸方向において第1係合器具210の側に設けられ、放出部240から放出される複数のステープルと当接可能な当接部290を備える。第1磁性部310は、第2係合器具270の軸方向において当接部290の側に設けられ、外径d1が当接部290の内径d2よりも小さくなるように構成している。当接部290は、放出部240の径と同等であり、打抜き部250の径に近しい。そのため、上記のように構成することによって、癒合促進デバイス100の孔部40と第2係合器具270のシャフト320との間に径方向rの隙間が存在しても、第2係合器具270に対して癒合促進デバイス100を位置ズレしにくくできる。また、第2磁性部20の外径は、第1磁性部310の外径d1よりも小さく構成することによって、第2磁性部20が打抜き部250より外方に位置ズレするリスクが少なくなり、第2磁性部20を打抜き部250によって体外に除去できる。
また、第1係合器具210は、第1被接合部位と第2被接合部位の径方向rの内方を打抜き、環状に形成された打抜き部250を備える。第2係合器具270はヘッド280の軸方向における一方の側に設けられた長尺状であって断面が円状のシャフト320を備える。本体部10は、シャフト320を挿通可能な孔部40を備える。打抜き部250の外径d3は、本体部10の外径d4と、本体部10の内径d5からシャフト320の外径d6を引いたものと、の和よりも大きくなるように構成している。これにより、孔部40とシャフト320の間に径方向rの隙間があることによって癒合促進デバイス100が第2係合器具270のシャフト320に対して位置ズレ(芯ズレ)しても、第2磁性部20を打抜いて生体組織から除去することができる。
また、第1磁性部310及び第2磁性部20の少なくとも一方は、硬磁性材料を含むように構成している。これにより、他方が硬磁性材料でなくても両者を互いに引き付けあい、位置合わせできるように密着させることができる。
<第1実施形態の変形例>
次に第1実施形態の変形例について説明する。図12は第1実施形態の変形例に係る医療器具の第2係合器具270aを示す側面図である。第1実施形態では第1磁性部310をヘッド280において当接部290の側に設けると記載したが、以下のように構成することもできる。なお、本変形例において癒合促進デバイスと医療器具の第1係合器具は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。なお、本変形例においても第2係合器具270aを含む医療器具と癒合促進デバイス100とを合わせて医療器具セットとすることができる。
第2係合器具270aにおいて第1磁性部310aは、本変形例において図12に示すようにヘッド280の板厚方向(図12の方向X参照)において当接部290と反対側に設けている。第1磁性部310aの外径d7は、打抜き部250の外径d3(図2参照)よりも大きくなるように構成している。なお、第2係合器具270aにおけるその他の構成と処置方法は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
本変形例において第1係合器具210は、第1実施形態と同様に放出部240と、打抜き部250と、を備える。放出部240は、円板状に配置され、第1被接合部位と第2被接合部位とを接合する複数のステープルを放出可能に構成している。打抜き部250は、第1被接合部位と第2被接合部位の放射方向内方を打抜き、放出部240よりも径方向rの内方に配置している。第2係合器具270aは、第1実施形態と同様にヘッド280の軸方向において第1係合器具210の側に設けられ、放出部240から放出される複数のステープルと当接可能な当接部290を備える。第1磁性部310aは、第2係合器具270aの軸方向において当接部290と反対側に設けられ、外径d7が打抜き部250の外径d3よりも大きくなるように構成している。このように構成することによっても第1磁性部310aと第2磁性部20とによって、上記脱落等が生じないように癒合促進デバイス100と医療器具200との位置ズレを防止又は抑制することができる。
<第2実施形態>
次に第2実施形態に係る癒合促進デバイス100について説明する。図13、図14は本発明の第2実施形態に係る癒合促進デバイス100と医療器具の第2係合器具270bを示す斜視図である。なお、本実施形態においても癒合促進デバイス100と第2係合器具270bを含む医療器具とを合わせて医療器具セットを構成することができる。
第1実施形態では第1磁性部310が第2係合器具270のヘッド280に取付けられて一体となっていると説明したが、以下のように構成することもできる。なお、医療器具の第1係合器具及び癒合促進デバイス100は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、第2係合器具270bは、第1磁性部を備えない点を除き、第1実施形態の第2係合器具270と同様であるため、説明を省略する。
第2実施形態では医療器具と癒合促進デバイスとの位置決めに補強部材400が用いられる。補強部材400は、第1係合器具210及び第2係合器具270bと別部品として構成している。補強部材400は、図13に示すように補強部410と、取付け部420と、第1磁性部430と、孔部440と、を備える。
補強部410は、医療器具によって接合される第1被接合部位と第2被接合部位において生体組織の内腔を流通する血液等の体液がステープル等を挿通させる癒合促進デバイス100の貫通孔11を伝って外部に漏出することを防止するために設けられる。補強部410は、径方向rにおいて、取付け部420と第1磁性部430との間に設けている。補強部410は、癒合促進デバイス100の貫通孔11を設けた部位と同様に構成できる。補強部410は、上記のように本体部10の貫通孔11の部位と同様の部位を設けることによって、本体部10からの体液等の漏れに対する耐性を補強する。
取付け部420は、径方向rの外方において補強部材400を第2係合器具270bに取付け可能に構成している。取付け部420は、本実施形態において図13に示すように補強部410の外周に複数部分的に設けている。取付け部420は、本実施形態において頂点が径方向rの外方を向いた略三角形状を補強部410の外周に複数配置している。
これにより、補強部材400を第2係合器具270bに取付けた状態において補強部材400に対して医療器具200を周方向θに回転させれば、補強部410及び第1磁性部430と取付け部420とが分離する。上記操作によって、第1被接合部位と第2被接合部位との接合時には第2係合器具270bと癒合促進デバイス100との位置合わせを行ないつつ、接合後には針穴からのリークを防止する補強部410を癒合促進デバイス100と共に接合部位に留置できる。
第1磁性部430は、第1実施形態における第1磁性部310と同様にリング状に構成し、第1磁性部430はリング部に相当する。そのため、詳細な説明を省略する。
孔部440は、補強部材400を医療器具200bに取付けるために設けられる。孔部440は、本実施形態において第2係合器具270bのシャフト320に挿通するように構成している。孔部440は、本実施形態においてシャフト320の外径と同程度の径に構成しているが、補強部材400を医療器具200bに取付けできれば、具体的な寸法関係は上記に限定されない。
<処置方法>
次に本実施形態に係る処置方法について説明する。まず、術者は、第2係合器具270bのシャフト320に補強部材400の孔部440を挿通させる。そして、補強部材400の取付け部420を第2係合器具270bのヘッド280に貼付して補強部材400を第2係合器具270bと一体にする。そして、大腸の口側A2と大腸の肛門側A1との間に癒合促進デバイス100を配置する(S101)。術者は、癒合促進デバイス100を配置する際に第2係合器具270bが備えるシャフト320を本体部10に形成された孔部40に通す。
次に、術者は、大腸の口側A2に対して本体部10を保持した状態を維持しつつ、位置決め部230のシャフトと第2係合器具270bのシャフト320とを離間した位置で係合させる。そして、回転部261を回転させて、図10に示すように第1係合器具210と第2係合器具270を相対的に接近させる。これにより、大腸の口部周辺と大腸の腸壁とが相対的に接近する(S102)。
次に、術者は、第1係合器具210と第2係合器具270bとの間で、大腸の口側A2の口部周辺、補強部材400の補強部410、癒合促進デバイス100の本体部10、大腸の肛門側A1の腸壁に形成した貫通孔A11周辺を挟み込む(S103)。
術者は、第1係合器具210の操作部260のハンドル262を回転軸263の回りに回転させて打抜き部250の環状ブレードを突出させる。そして、第1係合器具210と第2係合器具270bとの間に挟まれた大腸の口側A2の一部、補強部材400の第1磁性部430、本体部10の第2磁性部20、及び大腸の肛門側A1の一部を切除する。そして、切除した部位の周囲をステープル(図示省略)により接合する(S104)。
次に、術者は、図11に示すように、第1係合器具210と第2係合器具270bを含む医療器具を、例えば、大腸の肛門側A1から肛門を介して生体外へ取り出す。このとき、医療器具の第1係合器具210の打抜き部250の外径d3より内方側に構成された領域を医療器具とともに生体外へ取り出す。言い換えれば、打抜き部250の外径d3より外側の補強部材400の補強部410及び癒合促進デバイス100の本体部10の貫通孔11の部分は第1被接合部位と第2被接合部位との間に挟持された状態で留置される。このように第1被接合部位と第2被接合部位との間に癒合促進デバイス100の本体部10だけでなく補強部材400が留置されることによって、ステープル箇所からの血液等のリークを防止することができる。
以上説明したように本実施形態では、第1係合器具210は第1実施形態と同様に第1被接合部位と第2被接合部位の径方向rの内方を打抜き、環状に形成された打抜き部250を備える。第2係合器具270bは、ヘッド280の軸方向における第1係合器具210の側に設けられた長尺状のシャフト320を備える。本体部10は、シャフト320に挿通可能な孔部40を備える。第1磁性部430は、第1係合器具210及び第2係合器具270bと別部品である補強部材400に設けている。第1磁性部430を備えた補強部材400は、第2係合器具270bに取付けられる。第1磁性部430を備えた補強部材400は孔部440をシャフト320に挿通させた際に本体部10の第2磁性部20と対向するリング形状となるように構成している。このように構成することによって、医療器具200b自体が第2磁性部と対になる第1磁性部を備えていなくても、癒合促進デバイス100を医療器具200bに対して位置決めし、癒合促進デバイス100の脱落を防止することができる。
また、補強部材400は、径方向rの外方において第2係合器具270bに取付け可能な取付け部420と、径方向rにおいて第1磁性部430のリング形状と取付け部420との間に設けられ、本体部10を補強する補強部410を備える。取付け部420は、補強部410の外周において複数部分的に設けるように構成している。このように構成することによって、補強部材400を第2係合器具270bと一体にし、補強部材400を癒合促進デバイス100と共に接合部位に配置して医療器具200bを周方向θに回転させると、取付け部420が補強部410から分離する。これにより、第1被接合部位と第2被接合部位とを接合するまでは補強部材400を第2係合器具270bに固定できる。そして、接合後には補強部410を取付け部420から分離することによって、接合部位においてステープル箇所からの漏れを防止する補強部410を生体内に留置できる。
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されず、特許請求の範囲において種々の変更が可能である。第1実施形態では医療器具200の第2係合器具270のシャフト320を縫合部A21に挿通させ、癒合促進デバイス100の孔部40に挿通させた際に本体部10の径方向rの内方が縫合部A21の形状に合わせて隆起するように変形すると説明した。しかし、これに限定されず、本体部10の径方向rにおける内方は、縫合部A21と隣接しなくても、製品単体の形状として径方向rの内方に縫合部A21の形状と類似する長手方向(方向X)に隆起する形状を設けてもよい。これにより、縫合部A21との位置合わせが容易になり、その分、第1被接合部位と第2被接合部位とを接合する際に癒合促進デバイス100の脱落等を防止することができる。
また、上記において第1磁性部及び第2磁性部は略円板形状である実施形態について説明した。しかし、上記に限定されず、第1磁性部の円板形状に凸部を追加し、第1磁性部の凸部と一致する凹部を第2磁性部に設けるように構成してもよい。これにより、医療器具を構成する第1係合器具又は第2係合器具を癒合促進デバイスと位置合わせし易くして、癒合促進デバイスの接合時の脱落を防止することができる。
また、第2実施形態では補強部材400が第2係合器具270bに貼付等で取付けられる実施形態について説明したが、これに限定されない。上記以外にも補強部材は第1係合器具に取付けられて一体化する場合も本発明の一実施形態に含まれる。このような場合にも上記と同様に補強部材を第1係合器具と一体にし、補強部材を接合部位に配置した状態で医療器具を周方向θに回転させることで取付け部が補強部から分離する。これにより、ステープル箇所からのリークを防止する補強部を接合部位に留置することができる。
本出願は、2019年9月25日に出願された日本国特許出願2019-174342号に基づいており、その開示内容は参照により全体として引用される。
100 癒合促進デバイス、
10 本体部、
20 第2磁性部、
40 孔部、
200 医療器具、
210 第1係合器具、
240 放出部、
250 打抜き部、
270、270a、270b 第2係合器具、
280 ヘッド、
310、310a、430 第1磁性部、
d1、d7 外径(第1磁性部の外径)、
d2 内径(当接部の内径)、
d3 外径(打抜き部の外径)
d4 外径(本体部の外径)、
d5 内径(本体部の内径)、
d6 外径(シャフトの外径)、
r 径方向(放射方向)、
θ 周方向(角度方向)。

Claims (7)

  1. 切断された消化管同士を接合する際に使用されるデバイスであって、
    前記消化管における第1被接合部位と前記第1被接合部位に対向する第2被接合部位とを接合し、前記第1被接合部位又は前記第2被接合部位と当接可能であって磁性材料を含む第1磁性部が取付け可能な係合器具を備えた医療器具によって前記第1被接合部位と前記第2被接合部位とを接合する際に、前記消化管の間に配置され、貫通孔を含む本体部と、
    前記本体部を前記第1被接合部位と前記第2被接合部位の間に配置し、前記係合器具を前記第1被接合部位又は前記第2被接合部位に当接させた際に、前記本体部の面方向において前記第1磁性部と対向する位置に設けられ、前記第1磁性部から受ける磁力によって前記第1磁性部と密着可能な第2磁性部と、を有し、
    前記係合器具は、第1係合器具と、前記第1係合器具と係合可能な第2係合器具を備え、
    前記第1係合器具と前記第2係合器具は、前記第1被接合部位及び前記第2被接合部位を介して前記本体部を挟み込み可能であって、
    前記第2係合器具は、円板状に形成され、軸方向の端部に配置されたヘッドと、前記軸方向における前記第1係合器具の側に設けられた長尺状のシャフトと、を備え、
    前記第1磁性部は、前記ヘッドに取り付けられて一体となっており、
    前記本体部は、前記シャフトに挿通可能な孔部を備えるデバイス。
  2. 前記第1係合器具は、円板状に配置され、前記第1被接合部位と前記第2被接合部位とを接合する複数のステープルを放出可能な放出部と、前記放出部よりも径方向における内方に配置した打抜き部と、を備え、
    前記第2係合器具は、前記ヘッドの板厚方向において前記第1係合器具の側に設けられ、前記放出部から放出される複数の前記ステープルと当接可能な当接部と、を備え、
    前記第1磁性部は、前記ヘッドの板厚方向において前記当接部の側に設けられ、外径が前記当接部の内径よりも小さく、
    前記打抜き部は、前記第1係合器具と前記第2係合器具が前記第1被接合部位、前記本体部及び前記第2被接合部位を挟み込んだ状態において前記打抜き部よりも内方に位置する前記第1被接合部位、前記第2被接合部位、及び前記本体部の前記第2磁性部を切除する請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記第1係合器具は、円板状に配置され、前記第1被接合部位と前記第2被接合部位とを接合する複数のステープルを放出可能な放出部と、前記放出部よりも径方向における内方に配置した打抜き部と、を備え、
    前記第2係合器具は、前記ヘッドの板厚方向において前記第1係合器具の側に設けられ、前記放出部から放出される複数の前記ステープルと当接可能な当接部と、を備え、
    前記第1磁性部は、前記ヘッドの前記板厚方向において前記当接部と反対側に設けられ、外径が前記当接部の外径よりも大きく、
    前記打抜き部は、前記第1係合器具と前記第2係合器具が前記第1被接合部位、前記本体部及び前記第2被接合部位を挟み込んだ状態において前記打抜き部よりも内方に位置する前記第1被接合部位、前記第2被接合部位、及び前記本体部の前記第2磁性部を切除する請求項に記載のデバイス。
  4. 前記第1係合器具は、環状に形成された打抜き部を備え、
    前記第1磁性部は、前記第1係合器具及び前記第2係合器具と別部品であって、前記第1係合器具及び前記第2係合器具のいずれかに取付け、かつ前記本体部の前記孔部を前記シャフトに挿通させた際に前記本体部の前記第2磁性部と対向するリング部を備え、
    前記打抜き部は、前記第1係合器具と前記第2係合器具が前記第1被接合部位、前記本体部及び前記第2被接合部位を挟み込んだ状態において前記打抜き部よりも内方に位置する前記第1被接合部位、前記第2被接合部位、及び前記本体部の前記第2磁性部を切除する請求項に記載のデバイス。
  5. 前記別部品は、径方向の外方において前記第1係合器具及び前記第2係合器具のいずれかに取付け可能な取付け部をさらに備える請求項に記載のデバイス。
  6. 前記第1係合器具は、環状に形成された打抜き部を備え、
    前記シャフトは、断面が円状に形成され、
    前記孔部は、円状に形成され、
    前記打抜き部の内径は、前記本体部の外径と、前記本体部の内径から前記シャフトの外径を引いたものと、の和よりも大きい請求項に記載のデバイス。
  7. 前記第1磁性部及び前記第2磁性部の少なくとも一方は、硬磁性材料を含む請求項1~6のいずれか1項に記載のデバイス。
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