[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1及び図2を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2は、上側を前方へ傾けた状態で示すパチンコ機の正面図斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備などに設置されて使用されるものである。このパチンコ機1は、多数(例えば、40~60個)の遊技球Bが、外部へ排出されたり外部から供給されたりすることなく封入されており、内部において循環することで、遊技者が遊技球Bに触れることのない、所謂、封入式遊技機や管理遊技機と呼ばれている遊技機である。このパチンコ機1では、遊技者の持ち球数を持球データとしてデータ化して扱っている。
パチンコ機1に封入されている遊技球Bは、直径が従来のパチンコ機に使用される遊技球と同じであるが、材質をSUS304のような磁着しないステンレス鋼により形成されている。これにより、遊技球Bがパチンコ機1内において長期に亘って封入されていても錆びることはないと共に、磁着する従来の遊技球(鉄球SB)と区別している。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
[2.外枠]
パチンコ機1の外枠2について、図1乃至図10を参照して説明する。図3は、扉枠を取外した状態で示すパチンコ機の正面図である。図4は扉枠及び遊技盤を取外した状態で示すパチンコ機の正面図であり、図5は図4のパチンコ機の背面図であり、図6は図4のパチンコ機を斜め前から見た斜視図である。図7は図4のパチンコ機を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図8は図4のパチンコ機を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図9は、図4のパチンコ機を上下中央で切断した平面図である。図10は、図9においてア-ア線で切断した断面図である。
外枠2は、図示しない遊技ホールの島設備に取付けられると共に、本体枠4を前方へ開閉可能、且つ、着脱可能、に取付けることができるものである。外枠2は、全体が縦長の枠状に形成されている外枠本体10と、外枠本体10を組付けている外枠組付金具20と、本体枠4を開閉可能に支持する外枠ヒンジ機構30と、本体枠4を閉じた状態でロックするための外枠ロック金具(図示は省略)と、外枠本体10の下枠体14に取付けられる幕板45と、幕板45の上面に取付けられるスベリ板46と、を備えている。
外枠2の外枠本体10は、上下方向に延出し左右に離間して設けられている左枠体11及び右枠体12と、左枠体11及び右枠体12の上端同士を連結している上枠体13と、左枠体11及び右枠体12の下端同士を連結している下枠体14と、を備えている。左枠体11及び右枠体12は、夫々がアルミニウム合金のような金属の押出型材により形成されている。上枠体13及び下枠体14は、木材によって形成されている。左枠体11、右枠体12、上枠体13、及び下枠体14は、前後方向の寸法が同じである。
外枠2の外枠組付金具20は、左枠体11と上枠体13とを連結している左上金具(図示は省略)と、右枠体12と上枠体13とを連結している右上金具(図示は省略)と、左枠体11と下枠体14とを連結している左下金具23と、右枠体12と下枠体14とを連結している右下金具(図示は省略)と、を有している。
外枠ヒンジ機構30は、外枠本体10の左上端に設けられている外枠上ヒンジ体31と、外枠本体10の左下端に設けられている外枠下ヒンジ体35と、を有している。
外枠ヒンジ機構30の外枠上ヒンジ体31は、上枠体13の左端上面に取付けられており、前端が外枠本体10よりも前方へ突出している。外枠上ヒンジ体31は、外枠本体10よりも前方へ突出している部位に、上下に貫通していると共に一つの側辺において解放されている軸受溝31aと、外枠本体10よりも前方へ突出している部位の下面に設けられており軸受溝31aの解放されている部位を開閉可能なロック部材32と、を有している。
外枠上ヒンジ体31の軸受溝31aは、解放されている部位から、本体枠4における本体枠上ヒンジ体411の本体枠ヒンジ軸411aを挿入することで当該本体枠ヒンジ軸411aを軸支することができる。外枠上ヒンジ体31のロック部材32は、通常の状態では、図示しない弾性片の付勢力によって軸受溝31aの解放されている部位を閉鎖するロック位置の状態に位置している。ロック部材32を、弾性片の付勢力に抗して解除位置へ移動させると、軸受溝31aが側面側へ開放された状態となり、側面側から本体枠ヒンジ軸411aを軸受溝31aに挿入したり、軸受溝31aに挿入されている本体枠ヒンジ軸411aを軸受溝31aから外したりすることができる。
外枠ヒンジ機構30の外枠下ヒンジ体35は、幕板45の左端上面における下枠体14と重なる部位(上方の部位)に取付けられており、前端が外枠本体10よりも前方へ突出している。外枠下ヒンジ体35は、外枠本体10よりも前方へ突出している部位に、上方へ突出しているヒンジ軸35aを有している。外枠下ヒンジ体35のヒンジ軸35aを、本体枠4における本体枠下ヒンジ体412の外枠用軸孔(図示は省略)に挿入させることで、本体枠下ヒンジ体412を回転可能に支持することができる。
外枠ヒンジ機構30は、外枠上ヒンジ体31の軸受溝31aに本体枠4における本体枠上ヒンジ体411の本体枠ヒンジ軸411aを軸支させると共に、外枠下ヒンジ体35のヒンジ軸35aを本体枠下ヒンジ体412の外枠用軸孔に挿入させることで、本体枠4を開閉可能に支持することができる。
外枠2の外枠ロック金具は、右枠体12の内側面(左側面)に上下に離間して二つ設けられている。外枠ロック金具は、本体枠4における錠ユニット680の外枠ロック爪684が夫々係止されることで、外枠2に対して本体枠4を閉じた状態で開放不能にロックすることができる。
外枠2の幕板45は、下枠体14に取付けられており、前端が下枠体14よりも前方へ突出している。幕板45を、合成樹脂によって形成されている。スベリ板46は、幕板45の上面において、左右に離間して二つ設けられている。スベリ板46は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の下端面が当接するものである。スベリ板46は、摩擦抵抗の低い低摩擦材料によって形成されており、本体枠4を滑り易くして、開閉を容易にしている。
[3.扉枠]
パチンコ機1の扉枠3について、図1及び図2を参照して説明する。扉枠3は、外枠2の枠内と略同じ大きさで正面視において上下に延びた四角形に形成されており、本体枠4を介して外枠2の枠内を前側から開閉可能に取付けられている。扉枠3は、本体枠4に対して開閉可能に設けられており閉じた時に本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aが前方へ臨む遊技窓101を有する扉枠本体100と、扉枠本体100の後側に着脱可能に取付けられており遊技窓101を閉鎖する透明なガラス120と、遊技者の持ち球数を表示する持ち球数表示部140と、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むために遊技者が操作するハンドル160と、ハンドル160の外周を囲んでいる筒状のハンドルカバー170と、遊技者が操作可能な計数ボタンスイッチ180と、を備えている。
また、扉枠3は、扉枠本体100の前面において下端から一定の高さで左右方向の全幅に亘って延出している扉枠幕板190と、扉枠本体100の前面における遊技窓101と扉枠幕板190との間の部位において前方へ突出している棚ユニット200と、棚ユニット200の左右方向中央に設けられており遊技者が操作可能な演出操作ユニット250と、を備えている。持ち球数表示部140、及び計数ボタンスイッチ180は、棚ユニット200の上面(棚部201の上面)に設けられている。
更に、扉枠3は、扉枠本体100の前面における遊技窓101よりも上側に設けられている扉枠トップユニット300と、扉枠本体100の前面における遊技窓101よりも左側に設けられている扉枠左サイドユニット320と、扉枠本体100の前面における遊技窓101よりも右側に設けられている扉枠右サイドユニット340と、を備えている。
扉枠本体100は、本体枠4に対して開閉可能に取付けるための扉枠ヒンジ機構110を有している。扉枠ヒンジ機構110は、扉枠本体100の左上端に設けられている扉枠上ヒンジ体(図示は省略)と、扉枠本体100の左下端に設けられている扉枠下ヒンジ体112と、を有している。扉枠上ヒンジ体は、上方へ突出している扉枠上ヒンジ軸(図示は省略)を有している。扉枠ヒンジ機構110は、扉枠上ヒンジ体の扉枠上ヒンジ軸を後述する本体枠上ヒンジ体411の扉枠用上軸孔411bに下方から挿入すると共に、扉枠下ヒンジ体112の扉枠下ヒンジ軸112aを後述する本体枠下ヒンジ体412の扉枠用下軸孔412bに上方から挿入することで、扉枠3を本体枠4に対して開閉可能に支持することができる。
持ち球数表示部140は、6桁の7セグメントLEDにより構成されている。持ち球数表示部140は、棚ユニット200の上面における左右方向中央よりも左側の部位に設けられている。
ハンドル160は、扉枠本体100の前面における右下隅、すなわち、扉枠本体100の前面における遊技窓101と扉枠幕板190との間の右端付近に設けられている。ハンドル160は、回転軸を前後方向へ向けて遊技者が回転操作可能に取付けられている。ハンドル160は、自動車のステアリングのような形態に形成されており、中央のハブ部160aと、ハブ部160aから外方へ延出している複数(ここでは三本)のスポーク部160bと、スポーク部160bの先端同士を繋いでいる円環状のリング部160cと、を有している。
ハンドル160におけるリング部160cは、筒状のハンドルカバー170の前端から僅かに離れた前方の部位に設けられており、遊技者がリング部160cを握ることはできないように設けられている。従って、遊技者がハンドル160を回転操作する際には、主に、指をスポーク部160bの間を通すようにしてハブ部160aを握った状態で操作することとなる。この状態では、遊技者の指が、ハンドルカバー170の筒内に突っ込まれた状態となる。これにより、遊技者がハンドル160を操作している時に、本体枠4のバスレフダクト401eから本体枠スピーカ403の駆動による空気振動(風)が前方へ放出されると、扉枠幕板190のダクトグリル191、及び、ハンドルカバー170の開口部171、を通してハンドル160を握っている遊技者の指に風が送られることとなり、遊技者を驚かせることができると共に、これまでにない演出を遊技者に体感させることができる。
ハンドル160には、遊技者が押圧操作可能な発射停止スイッチ161と、ハンドル160の静電気容量の変化を検知するハンドルタッチセンサ162と、ハンドル160の回転角度を検知するハンドル回転センサ163と、を備えている(図35を参照)。
発射停止スイッチ161は、遊技者により押圧操作すると、枠制御基板640によって発射ソレノイド453の駆動が停止させられる。従って、遊技者がハンドル160を回転操作中に発射停止スイッチ161を押圧操作すると、ハンドル160の回転操作を戻さなくても、遊技球Bの発射を一時的に停止させることができる。その後、ハンドル160の回転操作はそのままで発射停止スイッチ161の押圧操作を解除すると、発射停止スイッチ161を押圧操作する前の打込み強さ(ハンドル160の回転操作に応じた打込み強さ)で再び遊技球Bを遊技領域5a内に打込むことができる。
ハンドルタッチセンサ162は、ハンドル160に作用する静電気を検知するものであり、遊技者がハンドル160に接触することで、遊技者から作用する静電気を検知し、遊技者のハンドル160への接触(タッチ)を検出する。そして、ハンドルタッチセンサ162が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル160を回動させると、ハンドル回転センサ163の検知が受付けられ、ハンドル160の回転角度に応じた強さで発射ソレノイドの駆動が制御されて、遊技球Bを打込むことができる。
従って、遊技者がハンドル160に触れずに、何らかの方法でハンドル160を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、ハンドルタッチセンサ162が遊技者の接触を検知していないことから、発射ソレノイド453は駆動されず、遊技球Bを打込むことができない。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル160を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
ハンドル回転センサ163は、可変抵抗器とされており、ハンドル160を回転させると、検知軸が回転すると共に検知軸の回転角度に応じて内部抵抗が変化する。従って、ハンドル160を回転させてハンドル回転センサ163の内部抵抗を変化させると、その内部抵抗に応じて後述する球発射ユニット450における発射ソレノイド453の駆動力が変化することとなり、ハンドル160の回転角度に応じた強さで、遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことができる。
ハンドルカバー170は、ハンドル160における環状部分の後方の部位から直径が広がるように後方へ延出しており、円錐筒状に形成されている。ハンドルカバー170の外周面における右周面と下周面に、内部と連通している開口部171が設けられている。ハンドルカバー170における下周面の開口部171の下方には、扉枠幕板190のダクトグリル191が位置している。これにより、遊技者がハンドル160を操作している時に、本体枠4のバスレフダクト401eから本体枠スピーカ403の駆動による空気振動(風)が前方へ放出されると、扉枠幕板190のダクトグリル191、及び、ハンドルカバー170の開口部171、を通してハンドル160を握っている遊技者の指に風が送られることとなり、遊技者を驚かせることができると共に、これまでにない演出を遊技者に体感させることができる。
計数ボタンスイッチ180は、棚ユニット200の上面において、左右方向中央よりも右側の部位に設けられている。計数ボタンスイッチ180は、詳細は後述するが、持ち球がある状態で押圧操作することで、持ち球を遊技球貸出装置8へ送って精算することができるものである。
扉枠幕板190は、一定の高さで、扉枠本体100の左右方向の幅と同じ長さで左右に延出しており、扉枠本体100の前面における下端に取付けられている。扉枠幕板190は、右端付近において前後に貫通しており、後述する本体枠4のバスレフダクト401eの前方に位置するダクトグリル191を有している。
ダクトグリル191は、縦格子と横格子とからなる格子状に形成されている。ダクトグリル191の横格子は、前後方向が一定の幅の帯板状で、前端が後端よりも上方に位置するように傾斜させた状態で設けられている。このダクトグリル191は、ハンドル160の下方(直下)に設けられている。これにより、遊技者がハンドル160を操作している時に、本体枠4のバスレフダクト401eから本体枠スピーカ403の駆動による空気振動(風)が前方へ放出されると、その風がダクトグリル191の横格子により斜め上前方へ誘導され、ハンドルカバー170の開口部171、を通してハンドル160を握っている遊技者の指に風が送られることとなり、遊技者を驚かせることができると共に、これまでにない演出を遊技者に体感させることができる。
棚ユニット200は、扉枠本体100の前面における遊技窓101と扉枠幕板190との間の部位に設けられている。棚ユニット200の左右方向中央には球形の演出操作ユニット250が設けられている。棚ユニット200は、上端から遊技窓101の下端に沿うように前方へ棚状に膨出している棚部201と、下端における左右方向中央より左側の部位から前方へ膨出している皿部202と、棚部201と皿部202との間の部位に設けられているスピーカグリル203と、棚部201の上面に設けられており前後左右に並んだ四つの押しボタンからなる設定調節ボタン204と、を有している。
棚部201は、上面が滑らかな面に形成されている。棚部201は、前端縁に扉枠左サイドユニット320及び扉枠右サイドユニット340の夫々の下端から連続するように半チューブ状に形成されている前端装飾部201aを有している。半チューブ状の前端装飾部201aは、球状の演出操作ユニット250の左右両側面に接続されるように設けられている。棚部201の上面には、左右方向中央よりも左側の部位に持ち球数表示部140が、左右方向中央よりも右側の部位に計数ボタンスイッチ180が、計数ボタンスイッチ180から前方且つ左方の部位に設定調節ボタン204が、夫々設けられている。
皿部202は、浅い皿状に形成されている。これにより、皿部202に、遊技者が手(指)を掛けたり、ポーチ、携帯電話機、サイフ、自動車等のキー、のような小物を置いたりすることができ、便利である。
スピーカグリル203は、後述する本体枠4における本体枠スピーカ403の前方に位置しており、複数の貫通孔を有するパンチングメタルにより形成されている。
演出操作ユニット250は、棚ユニット200における左右方向の中央に設けられており、前端が棚ユニット200よりも前方へ突出していると共に、上端が棚ユニット200よりも上方へ突出している。演出操作ユニット250は、全体が球状に形成されている。演出操作ユニット250は、上面に中央付近の設けられている円形の第一演出ボタン251と、第一演出ボタン251の周囲を囲むように設けられている環状の第二演出ボタン252と、を有している。詳細な図示は省略するが、第一演出ボタン251は円柱状に形成されており、第二演出ボタン252は円筒状に形成されている。第一演出ボタン251及び第二演出ボタン252は、同軸上に設けられており、その軸線が上方へ向かうほど前方へ移動するように傾斜している。
第一演出ボタン251及び第二演出ボタン252は、遊技者参加型演出に応じて全体が上方へ移動(ポップアップ)するように設けられている。第一演出ボタン251は、常時押圧可能とされているのに対して、第二演出ボタン252は、ポップアップした時のみ押圧可能とされている。
なお、図示は省略するが、第一演出ボタン251の内部には、バイブレータ(振動装置)が設けられている。
扉枠トップユニット300は、扉枠本体100の前面における遊技窓101よりも上側の部位で、左右方向の両端が扉枠左サイドユニット320の上端部分と扉枠右サイドユニット340の上端部分との間に挟まれるように設けられている。扉枠トップユニット300は、庇のように前方へ突出している。扉枠トップユニット300は、前端縁に沿って左右に延出し透光性を有する半チューブ状の扉枠トップ装飾体301を備えている。扉枠トップ装飾体301は、平面視において、左右方向中央が最も前方へ位置するように前後方向に湾曲している。
扉枠トップユニット300は、図示は省略するが、扉枠トップ装飾体301を発光装飾させるための複数のLEDが実装されている扉枠トップ装飾基板と、音声、音楽、効果音等のサウンドを出力する扉枠トップスピーカと、を有している。
扉枠左サイドユニット320は、扉枠本体100の前面における遊技窓101よりも左側の部位で、扉枠本体100の上端付近から棚ユニット200の棚部201よりも下方のスピーカグリル203付近まで上下に長く設けられている。扉枠左サイドユニット320は、上下方向の全長に亘って延出しており、透光性を有する半チューブ状の扉枠左サイド装飾体321を備えている。扉枠左サイド装飾体321は、下端付近が右方へ湾曲している。
扉枠左サイドユニット320は、図示は省略するが、扉枠左サイド装飾体321を発光装飾させるための複数のLEDが実装されている扉枠左サイド装飾基板を有している。
扉枠右サイドユニット340は、扉枠本体100の前面における遊技窓101よりも右側の部位で、扉枠本体100の上端付近から棚ユニット200の棚部201よりも下方のハンドルカバー170まで上下に長く設けられている。扉枠右サイドユニット340は、扉枠左サイドユニット320よりも前方へ長く突出しており、上下に長い仕切り立状に形成されている。
扉枠右サイドユニット340は、前端に沿って上下に延出しており透光性を有する半チューブ状の扉枠右サイド装飾体341と、扉枠右サイド装飾体341の後方に設けられており左側面を形成している透光性を有する扉枠右サイド左側面装飾体(図示は省略)と、扉枠右サイド装飾体341の後方に設けられており右側面を形成している透光性を有する扉枠右サイド右側面装飾体(図示は省略)と、扉枠右サイド装飾体341、扉枠右サイド左側面装飾体及び扉枠右サイド右側面装飾体を発光装飾させるための複数のLEDが実装されている扉枠右サイド装飾基板(図示は省略)と、を備えている。扉枠右サイド装飾体341は、下端付近が左方へ湾曲している。
また、扉枠右サイドユニット340は、下端付近において前後に貫通し、錠ユニット680の鍵穴682が前方へ臨む開口部342を有している。
[3-1.計数ボタンスイッチ]
計数ボタンスイッチ180は、棚ユニット200の上面において、左右方向中央よりも右側の部位に設けられている。計数ボタンスイッチ180は、持ち球がある(持ち球数>0)状態で押圧操作することで、持ち球を遊技球貸出装置8へ送って精算することができるものである。計数ボタンスイッチ180は、詳細は後述するが、押圧時間に応じて、持ち球を1個ずつ送ったり、所定個数(例えば、250個毎)ずつ送ったり、することができる。遊技球貸出装置8へ送られた持ち球数は、通信ネットワークを介して管理サーバ9へ送られると共に、その持ち球数を記憶したICカードが遊技球貸出装置8から排出される。
ここで、遊技球貸出装置8は、遊技ホールの島設備においてパチンコ機1に隣接するように設けられているものである(サンドとも称する)。遊技球貸出装置8には、詳細に図示は省略するが、現金やプリペイドカード等を投入する投入口、ICカードを挿入/排出するカード口、球貸ボタンスイッチ8a、返却ボタンスイッチ、投入金額や計数球数等が表示される表示部、等が設けられている。遊技球貸出装置8は、現金等を投入口に投入した状態で、球貸ボタンスイッチ8aを押圧操作すると、投入した金額の範囲内で所定個数ずつ遊技球Bが貸し出される。本実施形態では、貸し出された遊技球Bの数が、デジタルデータとして枠制御基板へ送信されると共に、通信ネットワークを介して管理サーバ9へ送信されて管理される。
計数ボタンスイッチ180について詳述すると、持ち球がある状態で遊技者が計数ボタンスイッチ180を「短押し(例えば、1回の押圧時間が500ms未満)」すると、持ち球から遊技球Bを1個計数する。計数ボタンスイッチ180を、「長押し(例えば、1回の押圧時間が500ms以上)」すると、持ち球数が250個未満になるまで、長押し中は所定時間(例えば、300ms)毎の計数通知タイミングで遊技球Bを250個ずつ計数する。長押し中に持ち球数が250個以下になると、遊技球Bを1個ずつ計数する。また、計数ボタンスイッチ180を、「長押し(例えば、1回の押圧時間が500ms以上)」した場合、計数ボタンスイッチ180を押し続けていなくても、無条件に持ち球の全数を計数するようにしても良い。
計数ボタンスイッチ180の押圧操作により計数されると、持ち球数表示部140において表示されている持ち球数が減算されて表示されると共に、遊技球貸出装置8の図示しない表示部に計数球数が表示される。
計数ボタンスイッチ180の操作による処理について更に説明する。計数ボタンスイッチ180を押して、上記のような計数処理を実行中に、遊技者がハンドル160に触れてハンドルタッチセンサ162がONになると、計数処理を中断する。これは、計数処理によって持ち球数が「0」になったタイミングで、球発射ユニット450から遊技球Bが発射されてしまう可能性を回避させるためである。換言すると、枠制御基板640では、球発射ユニット450(発射ソレノイド453)への発射許可の信号を送信するものの、球発射ユニット450での発射動作がどのような状態になっているのかはフィードバックしていないため、遊技者がハンドル160を回転操作する前のハンドル160に触れた(ハンドルタッチセンサ162がON)段階で計数処理を中断させることで、持ち球数が「0」になったタイミングで発射されてしまうことを回避させている。
上記の計数処理の中断処理としては、例えば、発射減算スイッチ454がONからOFFになってから1200ms(1.2sec)の間を「計数無効期間」として、計数ボタンスイッチ180が押されても計数を行わない。この1200msは、球発射ユニット450における一連の発射動作ルーチンが約600msであることから安全マージンを加味して2倍の時間としたものである。
或いは、計数処理の中断処理として、ハンドルタッチセンサ162がONになった場合に計数処理を即時無効(中断)するようにしても良い。
更には、計数処理の中断処理として、計数ボタンスイッチ180を「長押し」中に、ハンドルタッチセンサ162がONになった場合で、且つ、計数ボタンスイッチ180が押し続けられている場合には、計数処理における計数ボタンスイッチ180の押し時間の計測中断を行わずに、ハンドルタッチセンサ162がOFFになってから1200ms(1.2sec)経過した後に「長押し」として計数処理を再開させるようにしても良い。
なお、計数ボタンスイッチ180には、フルカラーLEDが設けられており、発光色や点灯/点滅等により計数可/計数不可、計数中、等の状態を案内(報知)することができる。具体的には、例えば、計数が可能な時には「青色」、計数中は「赤色」、計数が不能な時には「緑色」、のように発光させて案内する。
[4.本体枠]
パチンコ機1の本体枠4について、図3乃至図11等を参照して詳細に説明する。図11は、図3の正面図において発射ユニット及びファールユニット等を断面にして示す要部正面図である。本体枠4は、前方が開放された箱枠状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
本体枠4は、外枠2に対して開閉可能に支持される枠状の本体枠ベースユニット400と、遊技球Bを遊技盤5の遊技領域5aへ打込むための球発射ユニット450と、球発射ユニット450により発射されたにも関わらず遊技領域5aに打ち込まれなかった遊技球Bを回収するためのファールユニット470と、遊技盤5から排出された遊技球B及びファールユニット470により回収された遊技球Bを球発射ユニット450側へ送るための循環球経路ユニット500と、循環球経路ユニット500の下流端から遊技球Bを上方へ移動させる球揚上ユニット550と、球揚上ユニット550により揚上された遊技球Bを一つずつ球発射ユニット450へ送る球送ユニット600と、を備えている。
また、本体枠4は、循環球経路ユニット500の球抜口513pから排出された遊技球Bを受けるための球受トレー620と、球発射ユニット450や球揚上ユニット550等を制御する枠制御基板640を有する枠基板ユニット630と、外枠2と本体枠4及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する錠ユニット680と、を備えている。
[4-1.本体枠ベースユニット]
本体枠4における本体枠ベースユニット400について、主に図12及び図13等を参照して詳細に説明する。図12は本体枠における本体枠ベースユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図13は本体枠における本体枠ベースユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。本体枠ベースユニット400は、外枠2に対して前方へ開閉可能に支持されると共に、扉枠3を前方へ開閉可能に支持することが可能なものである。本体枠ベースユニット400には、球発射ユニット450、ファールユニット470、循環球経路ユニット500、球揚上ユニット550、球送ユニット600、球受トレー620、枠基板ユニット630、錠ユニット680、等が取付けられている。
本体枠ベースユニット400は、前後に貫通しており遊技盤5が前方から挿入され遊技盤挿入部401a、及び遊技盤挿入部401aの下側に設けられているベース壁部401bを有し、全体が縦長の四角形に形成されている本体枠ベース401と、本体枠ベース401の左側面を補強している側面補強板402と、を備えている。
また、本体枠ベースユニット400は、本体枠ベース401におけるベース壁部401bの後側に取付けられる本体枠スピーカ403と、本体枠スピーカ403を後方から覆うようにベース壁部401bに取付けられ前方が解放されている箱状の本体枠スピーカボックス404と、本体枠ベース401における遊技盤挿入部401aを後方から開閉可能に設けられている裏カバー405と、を備えている。
更に、本体枠ベースユニット400は、本体枠ベース401に取付けられている遊技盤ロック部材406と、本体枠ベース401に取付けられている扉開放スイッチ407及び枠開放スイッチ408と、本体枠ベース401に取付けられている本体枠ヒンジ機構410と、を備えている。
本体枠ベース401は、正面視の形状が縦長の四角形で合成樹脂により形成されている。本体枠ベース401は、上端付近から下方へ全高の約2/3の範囲において前後に貫通している遊技盤挿入部401aと、遊技盤挿入部401aの下側に設けられているベース壁部401bと、ベース壁部401bの上端面における左右方向中央付近において上方(遊技盤挿入部401a内)へ突出している遊技盤規制部401cと、ベース壁部401bの左端付近において前後に貫通しており本体枠スピーカ403が前方へ臨む本体枠スピーカ口401dと、ベース壁部401bにおける右下隅において前後に貫通しているバスレフダクト401eと、を備えている。
また、本体枠ベース401は、ベース壁部401bにおける左右方向の中央の下部において前面側から後方へ凹んでおり球受トレー620が挿入されるトレー挿入凹部401fと、ベース壁部401bにおけるトレー挿入凹部401fの上方で前後に貫通しており循環球経路ユニット500の球蛇行部材513及び蛇行カバー514が挿入される球貯留通路挿入口401gと、を備えている。
また、本体枠ベース401は、ベース壁部401bの前面における球貯留通路挿入口401gの上方において左右に並んで設けられているファールユニット取付部401h及び球発射ユニット取付部401iと、ベース壁部401bにおける球発射ユニット取付部401iの右方において縦長に開口している球揚上ユニット取付部401jと、ベース壁部401bの後面における球発射ユニット取付部401iの後方となる部位に設けられている球送ユニット取付部401kと、ベース壁部401bの後面に設けられている循環球経路ユニット取付部401lと、ベース壁部401bにおける右上隅付近において前後に貫通しており錠ユニット680の錠シリンダ681が挿通されるシリンダ挿通口401mと、を備えている。
更に、本体枠ベース401は、トレー挿入凹部401fの左端から前方へ突出し、トレー挿入凹部401fに挿入されている球受トレー620の前端に弾性係止されることで、球受トレー620の前方への移動を規制している係止爪401nを備えている。
本体枠ベース401の遊技盤挿入部401aは、遊技盤5が前方から着脱可能に挿入される。ベース壁部401bは、上端面に遊技盤5が載置される。ベース壁部401bの前面には、扉開放スイッチ407、球発射ユニット450、ファールユニット470、球受トレー620、が取付けられる。また、ベース壁部401bの後面には、本体枠スピーカ403、本体枠スピーカボックス404、枠開放スイッチ408、循環球経路ユニット500、球揚上ユニット550、球送ユニット600、が取付けられる。
遊技盤規制部401cは、遊技盤挿入部401aに遊技盤5を挿入した時に、遊技盤5の左右方向及び後方への移動を規制するものである。本体枠スピーカ口401dは、図示するように、格子状に形成されており、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態で、扉枠3のスピーカグリル203の後方に位置するように設けられている。本体枠スピーカ口401dを後方から閉鎖するように、ベース壁部401bの後面に本体枠スピーカ403が取付けられる。
バスレフダクト401eは、左右に長い長孔筒状に形成されており、左右に並んで二つ設けられている。バスレフダクト401eは、詳細は後述するが、ベース壁部401bと本体枠スピーカボックス404とで構成される本体枠スピーカ403のエンクロージャ404aと連通しており、本体枠スピーカ403から後方へ出力されサウンドの位相を反転させて前方へ放出させるためのものである。本実施形態では、筒状のバスレフダクト401eにより、本体枠スピーカ403から出力されたサウンドの音域のうち、低音域を共振・増幅させてより重低音のサウンドを響かせることが可能である。このバスレフダクト401eは、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態で、扉枠3のダクトグリル191の後方に位置するように設けられている。
トレー挿入凹部401fは、前方から球受トレー620を着脱可能に支持することができる。トレー挿入凹部401fの底壁は、前端側が低くなるように傾斜している(図10を参照)。これにより、トレー挿入凹部401fに球受トレー620が挿入されていない状態で、遊技球Bがトレー挿入凹部401fにこぼれても、前方へ排出させることができる。また、トレー挿入凹部401fの底壁が、前端側が低くなるように傾斜しているため、載置されている球受トレー620を前方へスライドさせ易くすることができる。
球貯留通路挿入口401gは、ベース壁部401bの後面に取付けられた循環球経路ユニット500の球蛇行部材513及び蛇行カバー514の前側部分が貫通して前方へ突出するように設けられている。ファールユニット取付部401hは、ベース壁部401bの上端付近で本体枠スピーカ口401dよりも右側に設けられている。球発射ユニット取付部401iは、ファールユニット取付部401hよりも右側に設けられている。球揚上ユニット取付部401jは、ベース壁部401bの上端付近からバスレフダクト401eとの間の部位に設けられている。
球送ユニット取付部401kは、ベース壁部401bの後面において球送ユニット600の上面が上方(遊技盤挿入部401a内)へ臨むように設けられており、上方から球送ユニット600を着脱できるように設けられている。球送ユニット取付部401kに球送ユニット600を取付けると、球発射ユニット450の右方において球送ユニット600の弾性爪609bがベース壁部401bの係止孔を貫通して前方へ臨んだ状態となる。この状態で、弾性爪609bを後方へ押圧して弾性変形させると共に、球送ユニット600の上面に設けられているツマミ部609aを摘まんで引き上げると、球送ユニット600を上方へ取外すことができる。
循環球経路ユニット取付部401lは、ベース壁部401bの後面の左右方向中央部分で後述する本体枠スピーカボックス404のボックス拡張部404cよりも上方の部位に設けられている。シリンダ挿通口401mは、ベース壁部401bの上端付近で球揚上ユニット取付部401jの右方に設けられている。
側面補強板402は、平面視の形状が、右方へ開放されているコ字状に形成されており、本体枠ベース401の左側面に取付けられている。側面補強板402は、アルミ合金のような金属の押出型材により形成されている。側面補強板402は、左位置規制部材402aが上下に離間して二つ設けられている。左位置規制部材402aは、遊技盤5の左辺を位置決めするためのものである。
本体枠スピーカ403は、本体枠ベース401の本体枠スピーカ口401dを後方から閉鎖するようにベース壁部401bの後側に取付けられている。本体枠スピーカ403は、主に低音を出力するコーン型のスピーカである。
本体枠スピーカボックス404は、前方へ開放されている箱状に形成されており、本体枠スピーカ403を後方から覆うようにベース壁部401bの後側に取付けられる。本体枠スピーカボックス404は、ベース壁部401bに取付けることで本体枠スピーカ403のエンクロージャ404aを形成するものである。
本体枠スピーカボックス404は、本体枠スピーカ403の後方に位置するボックス本体部404bと、ボックス本体部404bの下端と接続されており正面視において右方へ延出しているボックス拡張部404cと、ボックス本体部404bの後面に設けられている枠基板ユニット軸支部404dと、を有している。本体枠スピーカボックス404のボックス拡張部404cは、バスレフダクト401eの後方を覆うように、本体枠ベース401の右端付近まで右方へ延出していると共に、一部がボックス本体部404bよりも後方へ延出している。
エンクロージャ404aは、ボックス本体部404bとボックス拡張部404cとで構成されており、バスレフダクト401eを通して外部と連通している。つまり、バスレフダクト401e、本体枠スピーカ403、本体枠スピーカボックス404、によって位相反転型のバスレフ型スピーカを構成している。
詳述すると、本体枠スピーカ403からは、所定のサウンドが前方及び後方に出力される。本体枠スピーカ403から前方へ出力されたサウンドは、本体枠スピーカ口401d、スピーカグリル203を通してパチンコ機1の前方へ放出される。
一方、本体枠スピーカ403から後方へ出力されたサウンドは、本体枠スピーカボックス404(エンクロージャ404a)内の空気を振動させることとなる。そして、このエンクロージャ404aは、筒状のバスレフダクト401eにより前方(外部)に解放されているため、バスレフダクト401eから前方へ放出されることとなる。この際に、バスレフダクト401eが所定長さの筒状に形成されていることから、その内部において気柱振動による共振により低音域が増幅されると共に、位相が反転された状態で前方へ放出される。
これにより、本体枠スピーカ403から前方へ出力されたサウンドと、後方へ出力されたサウンドとが、互いに打ち消し合って減衰するように作用することはなく、互いに共振して増幅するように作用することとなり、本体枠スピーカ403の口径が小さくても重低音が響く大きなサウンドを出力させることができ、豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
このバスレフダクト401eは、扉枠3においてハンドル160の下方のダクトグリル191の後方に設けられているため、本体枠スピーカ403の駆動による空気振動(風)がバスレフダクト401eから前方へ放出されると、その風がダクトグリル191の横格子により斜め上前方へ誘導され、ハンドルカバー170の開口部171からハンドルカバー170内へ送られることとなる。従って、遊技者がハンドル160を操作している時に本体枠スピーカ403が駆動(サウンドが出力)されると、バスレフダクト401e及びダクトグリル191を介して、ハンドル160を握っている遊技者の指に風が送られることとなり、遊技者を驚かせることができると共に、これまでにない演出を遊技者に体感させることができる。
本体枠スピーカボックス404のボックス拡張部404cは、前後方向の奥行が上下の高さよりも長く形成されており、後端が枠基板ユニット630の後端よりも僅かに後方へ突出するように設けられている(図10を参照)。ボックス拡張部404cは、本体枠4に組立てた状態で、枠基板ユニット630(ユニットベース670及び電源基板ボックス672)との間に隙間が形成されるように、枠基板ユニット630の下方を覆っている。これにより、ボックス拡張部404cによって、枠基板ユニット630に接続されている各種の配線を垂れ下がり難くしている。
ボックス拡張部404cは、上面が後方へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上方から落下してきたゴミや遊技球B等を後方へ案内して排出させることができる。また、ボックス拡張部404cは、下面が後方へ向かって高くなるように傾斜している。これにより、外枠2に対して本体枠4を閉じる際に、ボックス拡張部404cが本体枠4の下枠体14に接触することはない。
この本体枠スピーカボックス404は、本体枠4に組立てた状態で、本体枠ベース401におけるトレー挿入凹部401fの後端側を吊り下げるように支持している。これにより、循環球経路ユニット500から排出された遊技球Bが球受トレー620に受けられることで、球受トレー620を介してトレー挿入凹部401fに上方から荷重(複数の遊技球Bの重さ)が作用しても、トレー挿入凹部401fが変形することはない。
裏カバー405は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体枠4に取付けられている遊技盤5の後方を覆うように、本体枠ベース401に対して開閉可能に設けられている。裏カバー405は、透明な合成樹脂によって形成されている。裏カバー405は、正面視において左辺側が、本体枠ベース401に対して回転可能に支持され、右辺側が弾性係止爪により本体枠ベース401に着脱可能に係止される。
遊技盤ロック部材406は、本体枠ベース401(ベース壁部401b)の前面に、前後方向に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられている。遊技盤ロック部材406は、遊技盤挿入部401aに遊技盤5を挿入した状態でロック位置に回転させることにより、遊技盤5の下端側が前方へ移動するのを阻止することができる。
扉開放スイッチ407は、本体枠4に対する扉枠3の開閉を検知するためのものである。扉開放スイッチ407は、本体枠ベース401のベース壁部401bにおけるシリンダ挿通口401mの下方に取付けられている。
枠開放スイッチ408は、外枠2に対する本体枠4の開閉を検知するためのものである。枠開放スイッチ408は、本体枠ベース401のベース壁部401bにおける扉開放スイッチ407の下方に取付けられている。
本体枠ヒンジ機構410は、本体枠ベース401の左辺上端に取付けられる本体枠上ヒンジ体411と、本体枠ベース401の左辺下端に取付けられる本体枠下ヒンジ体412と、を有している。
本体枠上ヒンジ体411は、上方へ円柱状に突出し外枠2における外枠上ヒンジ体31の軸受溝31aに挿入される本体枠ヒンジ軸411aと、本体枠ヒンジ軸411aに隣接して設けられており扉枠3における扉枠上ヒンジ体の扉枠上ヒンジ軸が下方から挿入される扉枠用上軸孔411bと、を備えている。
本体枠下ヒンジ体412は、外枠2における外枠下ヒンジ体35のヒンジ軸35aが下方から挿入される外枠用軸孔(図示は省略)と、扉枠3における扉枠下ヒンジ体112の扉枠下ヒンジ軸112aが上方から挿入される扉枠用下軸孔412bと、を備えている。
本体枠ヒンジ機構410は、本体枠上ヒンジ体411の本体枠ヒンジ軸411aを外枠2における外枠上ヒンジ体31の軸受溝31aに挿入させると共に、本体枠下ヒンジ体412の外枠用軸孔に外枠2における外枠下ヒンジ体35のヒンジ軸35aを挿入させることで、外枠2に対して本体枠4が開閉可能に支持される。
また、本体枠ヒンジ機構410は、本体枠上ヒンジ体411の扉枠用上軸孔411bに下方から扉枠3における扉枠上ヒンジ体の扉枠上ヒンジ軸を挿入させると共に、本体枠下ヒンジ体412の扉枠用下軸孔412bに上方から扉枠3における扉枠下ヒンジ体112の扉枠下ヒンジ軸112aを挿入させることで、本体枠4に対して扉枠3が開閉可能に支持される。
[4-2.球発射ユニット]
本体枠4における球発射ユニット450について、主に図14乃至図16等を参照して詳細に説明する。図14(a)は本体枠における球発射ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は本体枠における球発射ユニットを後ろから見た斜視図である。図15(a)は球発射ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球発射ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図16(a)は球発射ユニットの発射ユニットカバーを左後ろから見た斜視図であり、(b)は正面視において発射ユニットカバーのみを断面で示す球発射ユニットの説明図である。
球発射ユニット450は、遊技盤5の遊技領域5aに遊技球Bを発射するためのものであり、球送ユニット600から送られた遊技球Bを受取る球入口450aと、発射された遊技球Bが外部へ放出される球発射口450bと、遊技球Bを排出するための球排出口450cと、を有している。球発射ユニット450は、扉枠3の前面右下隅のハンドル160の回動角度に応じた強さで遊技球Bを打込むことができる。球発射ユニット450は、本体枠ベース401のベース壁部401bの前面の上部において、左右方向中央よりも右側に設けられている球発射ユニット取付部401iに取付けられる。
球発射ユニット450の球入口450aは、後面に設けられており、一つの遊技球Bが通過可能な大きさで四角く開口している。この球入口450aは、本体枠4に組立てた状態で、球送ユニット600の球送出口602の前方に位置しており、球送出口602と連通する。球発射口450bは、上面の左端において、左端側が低くなるように斜めに開口している。この球発射口450bは、本体枠4に組立てた状態で、ファールユニット470のファール右開口部470bの上部と連通する。球排出口450cは、左側面において開口している。この球排出口450cは、本体枠4に組立てた状態で、ファールユニット470のファール右開口部470bの下部と連通する。
球発射ユニット450は、平板状のユニットベース451と、ユニットベース451の前面側を覆うように取付けられている発射ユニットカバー452と、ユニットベース451よりも前方へ回転軸453aが突出するようにユニットベース451の後側に取付けられている発射ソレノイド453と、遊技球Bの発射の有無を検知可能な発射減算センサ454と、発射ソレノイド453の回転軸453aに取付けられている発射槌455と、発射槌455を発射ソレノイド453の回転軸453aに取付けているナット456と、発射ソレノイド453の回転軸453aに挿入されている円環状のスペーサ457と、発射槌455と接触可能な二つの当ゴム458と、一方の当ゴム458を保持している当ゴムホルダ459と、を備えている。
球発射ユニット450のユニットベース451は、鉄板のような金属板により形成されている。ユニットベース451には、球入口450aが設けられており、正面視において中央から上方の部位に四角く貫通している。
発射ユニットカバー452は、透光性の低い不透明な合成樹脂を使用して射出成形によって形成されている。発射ユニットカバー452は、ユニットベース451に対して前方へ離隔して設けられる平板状の前板452aと、前板452aの後側でユニットベース451の球入口450aの直下となる部位に設けられており左端側が高くなるように傾斜している球発射台452bと、球発射台452bを上下に貫通している検知口452cと、を備えている。
また、発射ユニットカバー452は、前板452aの後側で球発射台452bの正面視右上において球発射台452bとの間に遊技球Bが通過不能な隙間を形成している発射台上方壁部452dと、前板452aの後側で球発射台452b及び発射台上方壁部452dとを挟むように設けられているセンサ下取付部452e及びセンサ上取付部452fと、を備えている。
更に、発射ユニットカバー452は、前板452aの後側における球発射台452bよりも左方で球発射台452bの傾斜している延長線に沿うように設けられているガイド壁部452gと、前板452aの後側で球発射台452bの左端から下方へ延出した後に左方へ向かって低くなるように延出している排出案内壁部452hと、を備えている。
球発射台452bは、球入口450aを通って供給された遊技球Bが載置される。球発射台452bは、上面が正面視において左端が高くなるように傾斜している。球発射台452bは、上面が傾斜している方向へ沿って下方へ窄まるように一定の断面形状(台形状)に凹んでいる。球発射台452bは、傾斜方向(発射方向)の長さが遊技球Bの直径よりも若干長く、台形状に凹んでいる二つの傾斜面に接するように遊技球Bが一つのみ載置されるように形成されている。本実施形態では、球発射台452bが水平に対して約27度の角度で傾斜している。
検知口452cは、球発射台452bにおける台形状に凹んでいる部位の底部に設けられている。発射台上方壁部452dは、球発射台452bの傾斜している下端側の上方に設けられている。発射台上方壁部452dは、球発射台452bとの間で、遊技球Bが通過不能、且つ、発射槌455の先端が通過可能、の隙間を形成するように設けられている。これにより、球発射台452bに供給された遊技球Bは、発射台上方壁部452dの左端に当接して球発射台452bの傾斜方向の下流側(ここでは右方)への移動が規制された状態で球発射台452bに載置される。
センサ下取付部452eとセンサ上取付部452fとは、夫々に発射減算センサ454を構成している発光部454aと受光部454bとが取付けられる。
ガイド壁部452gは、上面が球発射口450bの底面を構成している。ガイド壁部452gは、上面が球発射台452bの傾斜と同じ角度で傾斜しており、球発射台452bから左方へ遊技球Bの直径よりも長く離れた部位に設けられている。本実施形態では、球発射台452bを可及的に短くしているため、球発射台452b上の遊技球Bを発射槌455により打撃した時に、遊技球Bの発射方向が定まり難く遊技盤5の外レール1001と内レール1002との間に上手く打ち込まれない恐れがあるが、ガイド壁部452gを設けているため、球発射台452bから発射された遊技球Bがガイド壁部452gの上面で跳ねることで、球発射口450bから外方へ飛び出して遊技球Bを外レール1001と内レール1002との間に打ち込ませることができる。
また、ガイド壁部452gを球発射台452bから離して設けているため、遊技球Bの打込み強さによってはガイド壁部452gにおいて遊技球Bが球発射台452bの方向へ戻ろうとしても、ガイド壁部452gと球発射台452bとの間を通って下方の排出案内壁部452h上に流下することとなり、球発射台452bに戻ることはない。
排出案内壁部452hは、ガイド壁部452gとの間で球排出口450cを形成している。排出案内壁部452hは、左端側が低くなるように傾斜しており、球発射台452bとガイド壁部452gとの間を通って流下してきた遊技球Bを左方へ案内して、左端の球排出口450cからファールユニット470側へ排出することができる。これにより、球発射台452bにおいて発射槌455により打撃されたのにも関わらず、球発射口450bから発射されなかった遊技球Bは、排出案内壁部452hに案内されて球排出口450cからファールユニット470へ排出される。
発射ソレノイド453は、前後に延びた回転軸453aを有するロータリーソレノイドにより構成されている。
発射減算センサ454は、球発射台452b上における遊技球Bの有無を検知することができる。発射減算センサ454は、検知光を照射する発光部454aと、検知光を受光する受光部454bと、で構成されており、夫々が発射ユニットカバー452のセンサ下取付部452eとセンサ上取付部452fとに取付けられる。発光部454aから発光された検知光は、球発射台452bの底部に設けられている検知口452cを通って受光部454bに受光される。この際に、球発射台452bに遊技球Bが載置されていると、遊技球Bにより検知光が遮られ、受光部454bにおいて検知光が受光されることはない。これにより、球発射台452bにおける遊技球Bの有無を検知することができる。
発射減算センサ454は、詳細は後述するが、球発射台452bから遊技球Bが発射されたことを検知して、遊技者の持ち球数を1個減算するためのものである。
発射槌455は、遊技球Bを打撃して発射するためのものである。発射槌455は、発射ソレノイド453の回転軸453aに取付けられ、回転軸453aと一緒に回転(回動)する。発射槌455の先端は、球発射台452bと発射台上方壁部452dとの間を通って、球発射台452bに載置されている遊技球Bに対して当接可能に設けられている。
ナット456は、発射ソレノイド453の回転軸453aに螺合されるものである。スペーサ457は、発射ソレノイド453の回転軸453aが挿入されるものである。発射ソレノイド453の回転軸453aが、後方からスペーサ457、発射槌455の順に挿通され、発射槌455から前方へ突出している先端にナット456が螺合されて締め付けられることにより、発射槌455が取付けられる。
当ゴム458は、発射槌455における回転範囲(回動範囲)を規制するようにユニットベース451に取付けられている。発射槌455が遊技球Bを打撃する方向(ここでは、反時計回りの方向)への回動端に設けられている当ゴム458は、当ゴムホルダ459を介してユニットベース451に取付けられている。
本実施形態の球発射ユニット450によれば、球発射台452bにおいて遊技球Bが1個のみ載置されるようにしていると共に、発射減算センサ454により球発射台452bから遊技球Bが発射されたことを検知するようにしているため、遊技球Bの発射を1個ずつ確実に検知することができる。
また、球発射ユニット450によれば、ユニットベース451を金属板としていると共に、発射ユニットカバー452を透光性の低い不透明な合成樹脂により形成しているため、外部からの光によってフォトセンサからなる発射減算センサ454が誤検知してしまうことを防止することができる。
また、球発射ユニット450によれば、遊技球Bの発射を検知しているため、遊技者が遊技をやめて精算する際に、遊技者に返却するために球発射台452bに載置されている遊技球Bを自動的に空打ちしてファール球にする必要はない。
[4-3.ファールユニット]
本体枠4におけるファールユニット470について、主に図17乃至図19を参照して詳細に説明する。図17(a)は本体枠におけるファールユニットを前から見た斜視図であり、(b)は本体枠におけるファールユニットを後ろから見た斜視図である。図18(a)はファールユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図19(a)はファールユニットの側面断面においてファールシャッターを閉じた状態で示す説明図であり、(b)はファールユニットの側面断面においてファールシャッターを開いた状態で示す説明図である。
ファールユニット470は、球発射ユニット450により発射されて遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に打ち込まれたものの、遊技領域5aには打ち込まれなかった遊技球B、球発射ユニット450により発射されたものの発射強度が弱すぎて遊技盤5(外レール1001と内レール1002との間)にたどり着かなかった遊技球B、等を回収するためのものである。ファールユニット470は、上面において開口しているファール上開口部470aと、右側面において開口しているファール右開口部470bと、ファール上開口部470a及びファール右開口部470bと連通しており下端において後方へ向かって開口しているファール球出口470cと、を有している。
ファールユニット470は、本体枠ベース401のベース壁部401bの前面上部における左右方向中部分に設けられているファールユニット取付部401hに取付けられる。ファールユニット470は、本体枠4に組立てた状態で、上端がベース壁部401bの上端と略同じ高さであり、ファール右開口部470bが球発射ユニット450の球発射口450b及び球排出口450cにより閉鎖されている。つまり、本体枠4に組立てた状態では、ファール右開口部470bが、球発射口450bと球排出口450cとに連通している。ファール上開口部470a及びファール右開口部470bは、後述するユニットベース472と前カバー473とにより形成され、球排出口450cは、ユニットベース472に形成されている。
ファールユニット470は、ファール上開口部470aを遊技球Bが通過不能に開閉可能なファールシャッター471と、本体枠ベース401のベース壁部401bに取付けられるユニットベース472と、ユニットベース472の前面側に取付けられている前カバー473と、ファールシャッター471の後部を覆うようにユニットベース472の後側に取付けられている後カバー474と、ファールシャッター471を前方へ付勢しているバネ475と、ユニットベース472と前カバー473との間に設けられているファール球アース板金476と、を備えている。
ファールシャッター471は、ユニットベース472と前カバー473とが協働することで前後方向へスライド可能に支持されている。ファールシャッター471は、左右に長い帯板状のシャッター部471aと、シャッター部471aの左右両端から夫々が前方へ突出している二つの前方突出部471bと、シャッター部471aの後端辺から下方へ延出している平板状の後壁部471cと、を有している。
ファールシャッター471は、シャッター部471aによってファール上開口部470aを遊技球Bが通過不能に閉鎖することができる。二つの前方突出部471bは、前端が前カバー473よりも前方へ突出するように設けられていると共に、扉枠3における扉枠本体100の後面が当接可能に設けられている。後壁部471cは、後面にバネ475の前端が当接する。
ユニットベース472は、左右に長く右端付近において下方へ延出している部位を有する偏T字状で平板状の本体部472aと、本体部472aの上端付近において前後に貫通していると共に左右に延出しているシャッター挿通口472bと、本体部472aにおける下方へ延出している部位よりも左側の下端縁に沿って設けられており前後に貫通している複数の後支持口472cと、を有している。
ユニットベース472には、本体部472aにおける下方へ延出している部位の下端付近において、前後に貫通し角筒状に後方へ延出しているファール球出口470cが設けられている。筒状のファール球出口470cは、後方へ低くなるように傾斜している。
本体部472aは、下方へ延出している部位よりも左側の部位の下端縁が、右方へ低くなるように傾斜している。シャッター挿通口472bは、ファールシャッター471のシャッター部471aと前方突出部471bとが挿通可能な大きさに設けられている。複数の後支持口472cは、夫々が右方へ低くなるように左右に長く設けられており、本体部472aの傾斜している下端縁に沿って列設されている。後支持口472cは、ファール球アース板金476の支持片476aが隙間を有した状態で挿入されるように設けられている。
前カバー473は、左右に長く右端付近において下方へ延出している部位を有する偏T字状で平板状の前板473aと、前板473aの左端縁から後方へ延出している左壁部473bと、左壁部473bの下端から前板473aの下端縁に沿って右方へ延出していると共に後方へ延出している下壁部473cと、下壁部473cの右端から前板473aにおける下方へ延出している部位の左端縁に沿って下方へ延出していると共に後方に延出している垂下壁部473dと、垂下壁部473dの下端から前板473aにおける下方へ延出している部位の下端縁に沿って右方へ延出していると共に後方に延出している底壁部473eと、前板473aの右上端から後方へ延出している右壁部473fと、を備えている。
前板473aの上端縁及び右端縁は、ファール上開口部470a及びファール右開口部470bの前端縁を構成している。左壁部473bの上端の右端縁は、ファール上開口部470aの左端縁を、右壁部473fの上端の左端縁は、ファール上開口部470aの右端縁を、夫々構成している。右壁部473fの下端縁は、ファール右開口部470bの上端縁を、底壁部473eの右端縁は、ファール右開口部470bの下端縁を、夫々構成している。
前カバー473は、下壁部473cがファール上開口部470aの下方に位置しており、ファール上開口部470aを通して流下してきた遊技球Bを右方へ案内した後に、垂下壁部473dに沿って底壁部473e上に流下させることができる。この底壁部473eは、ファール球出口470cの前方となる部位が後方へ低くなるように傾斜していると共に、当該部位よりも右側の部位が右方へ高くなるように傾斜している。従って、底壁部473eに流下してきた遊技球Bは、後方へ案内されてファール球出口470cから後方へ排出されることとなる。また、底壁部473eは、右端縁がファール右開口部470bの下端縁を構成していることから、ファール右開口部470bから進入した遊技球Bは、底壁部473e上へ流下することとなり、底壁部473eに案内されてファール球出口470cから後方へ排出されることとなる。
また、前カバー473は、前板473aにおいて、下壁部473cに沿って左右に列設されており、前後に貫通している複数の前支持口473gを備えている。複数の前支持口473gは、ユニットベース472の後支持口472cと向かい合うように設けられている。また、前支持口473gは、ファール球アース板金476の支持片476aが隙間を有した状態で挿入されるように設けられている。
後カバー474は、前方が解放された箱状に形成されている。後カバー474の内部には、ファールシャッター471の後部が挿入されると共に、バネ475が配置される。後カバー474の後壁の前面には、バネ475の後端が当接する。
バネ475は、左右に離隔して二つ設けられており、箱状の後カバー474の内部に配置される。バネ475は、前端がファールシャッター471における後壁部471cの後面に当接していると共に、後端が後カバー474の後壁の前面に当接している。バネ475は、ファールシャッター471を前方へ付勢している。
ファール球アース板金476は、鉄板のような金属板により形成されており、最終的に図示しないアース線を介して遊技ホールのアースに接続されている。ファール球アース板金476は、左右に長い帯板状に形成されており、前後の長辺から複数の支持片476aが外方へ延出している。ファール球アース板金476は、前カバー473における下壁部473cの上面に載置されると共に、複数の支持片476aが、ユニットベース472の後支持口472c、及び、前カバー473の前支持口473g、に対して遊びを有した状態で挿入される。
これにより、ファール上開口部470aを通して下壁部473cへ向かって流下してきた遊技球Bは、ファール球アース板金476に接触して帯電している静電気が除去された状態で右方へ案内される。この際に、支持片476aが、後支持口472c及び前支持口473gに遊嵌されているため、遊技球Bの接触により、ファール球アース板金476が振動すると共に、その振動によりファール球アース板金476上の塵やゴミが、遊嵌されている後支持口472c及び前支持口473gの隙間を通して外部に排出される。なお、このファール球アース板金476は、落下してくる遊技球Bに対する補強も兼ねている。
このファールユニット470は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体枠4のベース壁部401bの前面における左右方向中央付近の上部に設けられているファールユニット取付部401hに取付けられている。この状態では、ファールユニット470の右側に球発射ユニット450が隣接して取付けられている。
そして、図11に示すように、ファールユニット470のファール上開口部470aは、ベース壁部401bの上端付近に位置していると共に、球発射ユニット450における遊技球Bの発射方向の軸線上に位置している。換言すると、ファール上開口部470aは、遊技盤5における外レール1001と内レール1002の間の下端の開口部分と、球発射ユニット450の球発射口450bと、の間の部位に設けられている。
一方、ファールユニット470のファール右開口部470bは、その上部が球発射ユニット450の球発射口450bと連通していると共に、下部が球発射ユニット450の球排出口450cと連通している。従って、遊技盤5における外レール1001と内レール1002の間の下端の開口部分と、球発射ユニット450の球発射口450bと、の間の部位には、ファール上開口部470aとファール右開口部470bとが設けられている。これにより、球発射ユニット450の球発射口450bから発射された遊技球Bは、ファール右開口部470bからファールユニット470内に進入した上で、ファール上開口部470aを通って遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に進入することとなる。
本実施形態のファールユニット470は、本体枠4に対して扉枠3を前方へ開いた状態にすると、図19(a)に示すように、ファールシャッター471がバネ475の付勢力により前方へスライドし、ファールシャッター471のシャッター部471aが、ユニットベース472の前面と前カバー473の前板473aとの間に突出して、ファール上開口部470aを遊技球Bが通過不能に閉鎖している。つまり、ファールシャッター471が閉位置の状態となっている。この状態では、ファールシャッター471の後壁部471cがユニットベース472の本体部472aの後面に当接しており、これ以上前方へスライドすることはない。
ファールシャッター471が閉位置の状態で、球発射ユニット450から遊技球Bが発射されると、発射された遊技球Bは、ファール右開口部470bからファールユニット470内に進入した上で、ファールシャッター471のシャッター部471aの下面に当接し、ファール上開口部470aを通って上方へ打ち出されることなくファールユニット470内を流下することとなる。ファールユニット470内を流下した遊技球Bは、下壁部473c(ファール球アース板金476)、垂下壁部473d、底壁部473e、等に案内されて、後側のファール球出口470cから循環球経路ユニット500に供給される。これにより、扉枠3を開いている時に、遊技球Bが発射されても、ファールユニット470から遊技球Bが外部へ漏れることはない。
なお、扉枠3を本体枠4に対して開くと、扉開放スイッチ407がOFFになるため、扉開放スイッチ407のOFFにより球発射ユニット450から遊技球Bの発射を停止させるようにしても良い。或いは、扉枠3を開いた時には、遊技球Bの発射を停止させるのではなく、主制御基板1310による遊技一時停止とし、扉枠3を閉じると遊技再開とするようにしても良い。
また、本体枠4を外枠2に対して開いた(枠開放スイッチ408がOFF)時には、扉枠3が閉じられており遊技球Bが外部へ漏れることはないため、球発射ユニット450からの遊技球Bの発射を停止させないようにしても良い。或いは、本体枠4を開いた時に、上記の扉枠3を開いた時と同じ処理を行うようにしても良い。
本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態にすると、扉枠3の後面がファールシャッター471における二つの前方突出部471bの前端に当接し、バネ475の付勢力に抗してファールシャッター471が後方へスライドした状態となる(図19(b)を参照)。この状態では、ファールシャッター471のシャッター部471aがユニットベース472の前面よりも後方に位置しており、ファール上開口部470aを遊技球Bが通過可能に開口している。つまり、ファールシャッター471が開位置の状態となっている。
ファールシャッター471が開位置の状態で、球発射ユニット450から遊技球Bが発射されると、発射された遊技球Bは、ファール右開口部470bからファールユニット470内に進入した上で、ファール上開口部470aを通って上方の遊技盤5側(外レール1001と内レール1002との間)へ打ち出されることとなる。そして、打ち出された遊技球Bが内レール1002の上端に設けられている逆流防止部材1007を越えることで、遊技球Bが遊技領域5a内に打ち込まれることとなる。
なお、球発射ユニット450から発射されたものの、内レール1002の上端の逆流防止部材1007を越えなかった遊技球B(遊技領域内に打ち込まれなかった遊技球B)は、外レール1001と内レール1002との間を流下してファール球としてファール上開口部470aから進入してファールユニット470により回収される。ファール上開口部470aを通って回収された遊技球Bは、下壁部473cの上面に載置されているファール球アース板金476上に流下し、ファール球アース板金476により静電気が除去される。この際に、ファール球アース板金476は遊嵌されているため、遊技球Bが当接することで振動し、その振動によりファール球アース板金476上の塵やゴミ等が後支持口472cや前支持口473gからファールユニット470外へ排出される。
ファール球アース板金476(下壁部473c)上に流下した遊技球Bは、その傾斜により右方へ案内され、垂下壁部473dに沿って底壁部473e上に流下し、底壁部473eの傾斜により後方へ案内されてファール球出口470cが循環球経路ユニット500へ排出される。
また、ファールユニット470では、球発射ユニット450の球排出口450cから排出された遊技球Bを、ファール右開口部470bの下部において受け取る。ファール右開口部470bの下部からファールユニット470内に進入した遊技球Bは、底壁部473e上に流下し、底壁部473eの傾斜により後方へ案内されてファール球出口470cが循環球経路ユニット500へ排出される。
このように、ファールユニット470によれば、球発射ユニット450から発射されたにも関わらず遊技盤5の遊技領域5aに打ち込まれなかった遊技球Bを外部へ漏らすことなく回収して、循環球経路ユニット500へ供給することができる。そして、詳細は後述するが、循環球経路ユニット500では、ファール球出口470cから供給された遊技球Bをファール球センサ507により検知する。このファール球センサ507により遊技球Bが検知されると、遊技者の持ち球数を1個加算する。
また、ファールユニット470では、ユニットベース472、前カバー473、後カバー474、等が透明に合成樹脂によって形成されているため、外部から内部を視認することができ、内部での球詰まりを発見し易い。
[4-3a.ファールユニットの第二実施形態]
続いて、ファールユニット470の第二実施形態について説明する。第二実施形態のファールユニット470は、ファールシャッター471の開閉機構が異なるのみで、他の構成は上記のファールユニット470と同じである。第二実施形態のファールユニット470は、図示省略するが、ファールシャッター471を開閉するためのモータやソレノイドのような電動アクチュエータが設けられている。
この実施形態では、本体枠4に対して扉枠3を開くことで扉開放スイッチ407がOFFになると、電動アクチュエータによりファールシャッター471が閉位置へスライドする。これにより、扉枠3を開けた状態で球発射ユニット450から遊技球Bが発射されても、ファール上開口部470aから遊技球Bが外部へ飛び出すことはない。
そして、扉枠3を閉じて扉開放スイッチ407がONになると、電動アクチュエータによりファールシャッター471が開位置へスライドして、球発射ユニット450から発射された遊技球Bを、ファール上開口部470aを通って遊技盤5側へ打ち込むことが可能となる。
なお、本体枠4を外枠2に対して開くことで枠開放スイッチ408がOFFになった時にも、電動アクチュエータによりファールシャッター471が閉位置へスライドするようにしても良い。この場合、枠開放スイッチ408によるファールシャッター471の開閉処理を、上記の扉開放スイッチ407による開閉処理と同じにすると、ソフトウエアにかかる構成を簡単にすることができる。
また、扉枠3の開放と本体枠4の開放の何れも検知可能な開放スイッチ(図示は省略)を設けて、電動アクチュエータによりファールシャッター471を開閉させるようにしても良く、開閉にかかる機構を簡単なものにすることができる。
[4-4.循環球経路ユニット]
本体枠4における循環球経路ユニット500について、主に図20乃至図27等を参照して詳細に説明する。図20(a)は本体枠における循環球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は本体枠における循環球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。図21は循環球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図22は循環球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図23(a)は循環球経路ユニットにおける球蛇行部材及び球抜シャッターのみを示す平面図であり、(b)は循環球経路ユニットにおける球蛇行部材及び球抜シャッターのみを示す前から見た斜視図である。図24(a1)は閉位置の球抜シャッター及び球蛇行部材を球受トレーと共に側面断面で示す説明図であり、(a2)は(a1)における球抜シャッターの部位のみを底面から示す説明図であり、(b1)は開位置の球抜シャッター及び球蛇行部材を球受トレーと共に側面断面で示す説明図であり、(b2)は(b1)における球抜シャッターの部位のみを底面から示す説明図である。
また、図25(a)は閉位置の球抜シャッターに鉄球が磁着している状態で球蛇行部材及び球抜トレーと共に側面断面で示す説明図であり、(b)は開位置の球抜シャッターに鉄球が磁着している状態で球蛇行部材及び球抜トレーと共に側面断面で示す説明図であり、(c)は(b)の状態から球抜シャッターを閉位置へスライドさせて下面に鉄球が磁着している状態で球蛇行部材及び球抜トレーと共に側面断面で示す説明図である。図26(a)は循環球経路ユニットをアウト球センサの部位で切断して正面断面で示す説明図であり、(b)は循環球経路ユニットをセーフ球センサの部位で切断して正面断面で示す説明図である。図27(a)は循環球経路ユニットの蛇行カバーを外した状態で外枠と共に本体枠の下部を拡大して示す前から見た斜視図であり、(b)は循環球経路ユニットの蛇行カバーを外した状態で外枠と共に本体枠の下部を拡大して示す後ろから見た斜視図である。
循環球経路ユニット500は、遊技盤5から排出された遊技球B及びファールユニット470により回収された遊技球Bを、複数貯留すると共に、貯留している遊技球Bを、球揚上ユニット550を介して球発射ユニット450側へ送るためのものである。循環球経路ユニット500は、本体枠ベース401のベース壁部401bの後面に設けられている循環球経路ユニット取付部401lに取付けられる。
循環球経路ユニット500は、左右に長く上方へ向かって開口しているアウト球受口500aと、アウト球受口500aの後方に設けられ左右に長く上方へ向かって開口しているセーフ球受口500bと、前面において開口しているファール球受口500cと、下端付近において右方へ向かって開口している球放出口500dと、を有している。アウト球受口500a及びセーフ球受口500bは、前後方向の奥行が遊技球Bの直径よりもやや広く形成されており、左右方向には複数の遊技球Bが通過可能に形成されている。ファール球受口500c及び球放出口500dは、遊技球Bが一つずつ通過可能な大きさに形成されている。
アウト球受口500aには、遊技盤5のアウト口に受入れられた遊技球B(アウト球)が受けられる。セーフ球受口500bには、遊技盤5の一般入賞口、始動口、大入賞口、等の入賞口に受入れられた遊技球B(セーフ球)が受けられる。ファール球受口500cには、ファールユニット470のファール球出口470cから排出された遊技球B(ファール球)が受けられる。球放出口500dは、アウト球受口500a、セーフ球受口500b、ファール球受口500c、に受けられて内部に貯留された遊技球Bを放出して球揚上ユニット550に受け渡すものである。
また、循環球経路ユニット500は、アウト球受口500aに受けられた遊技球Bが流通するアウト球通路501と、セーフ球受口500bに受けられた遊技球Bが流通するセーフ球通路502と、ファール球受口500cに受けられた遊技球Bが流通するファール球通路503と、アウト球通路501、セーフ球通路502、及びファール球通路503、の夫々の下流端と連通しており下流端が球放出口500dとされている球貯留通路504と、を有している。
更に、循環球経路ユニット500は、アウト球通路501を流通している遊技球B(アウト球)を一つずつ検知するアウト球センサ505と、セーフ球通路502を流通している遊技球B(セーフ球)を一つずつ検知するセーフ球センサ506と、ファール球通路503を流通している遊技球B(ファール球)を一つずつ検知するファール球センサ507と、を有している。セーフ球センサ506は、従来のパチンコ機で言う全入賞口センサと言う意味があり、全ての入賞口の入賞個数の合計と比較することによって不正入賞の判定に使うことが可能である。
循環球経路ユニット500は、平板状の球受前板510と、球受前板510の後側に取付けられている球受前部材511と、球受前部材511の後側に取付けられている球受後部材512と、を備えている。球受前板510、球受前部材511、球受後部材512、の下方に球貯留通路504が設けられている。
また、循環球経路ユニット500は、球受前板510、球受前部材511、球受後部材512、の下方に設けられており上方へ開放されている球蛇行部材513と、球蛇行部材513の上方を覆っている蛇行カバー514と、球蛇行部材513から遊技球Bを排出するための球抜シャッター515と、球抜シャッター515に取付けられている磁石516と、球受前部材511の後側に取付けられている循環球経路中継基板517と、を備えている。
球受前板510は、左右に延出しており、左右方向中央の下部付近において前後に貫通しているファール球受口500cが設けられている。
球受前部材511は、上面において、球受前板510と協働してアウト球受口500aを形成している。球受前部材511には、アウト球通路501及びファール球通路503が、前方へ開放された状態で形成されており、球受前板510が取付けられることによりそれらの前方側が閉鎖される。アウト球通路501は、その下流端が、球受前部材511の左端下部において下方へ向かって開口している。アウト球通路501の下流端の開口は、セーフ球通路502の下流端の開口の前方に位置している。ファール球通路503は、その下流端が、球受前部材511においてアウト球通路501の下流端よりも右下の部位で下方へ向かって開口している。
球受前部材511は、アウト球受口500aの左端縁を形成している垂直壁の途中から左右方向中央付近まで右方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト球受板部上511aと、アウト球受口500aの右端縁を形成している垂直壁におけるアウト球受板部上511aよりも下方の部位からアウト球受口500aの左端縁の下方付近まで左方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト球受板部下511bと、アウト球受板部下511bの左端から遊技球Bが一列で流通可能な幅で左下へ向かってクランク状に延出しているクランク部511cと、を有している。
アウト球受板部上511aの右端と、アウト球受板部下511bとの間の高さは、遊技球Bの直径の2倍ほどであり、それにより左側におけるアウト球受板部下511bの高さは、左方へ向かうほど低くなるように形成されている。これにより、アウト球受口500aに受けられた遊技球Bを1段に整列させることができる。
クランク部511cにおけるアウト球受板部下511bの下流端の直下となる垂直に延出している部位に、アウト球センサ505が取付けられている。
球受前部材511では、アウト球受板部上511a、アウト球受板部下511b、クランク部511c、等によってアウト球通路501を構成している。従って、アウト球通路501は、上流側が多くの遊技球Bを受入可能に広く形成されており、受入れられた遊技球Bを一列に整列させて下流の球貯留通路504(球蛇行部材513)へ受け渡すようにしている。
また、球受前部材511において、ファール球通路503は、アウト球受板部上511aの下方、且つ、アウト球受板部下511bの下方の部位で、ファール球受口500cの後方の部位からアウト球受板部下511bの左端よりも右側の部位まで左方へ向かって低くなるように傾斜した後に、下方へ向かって短く延出している。球受前部材511では、ファール球通路503における左方へ延出している部位にファール球センサ507が取付けられている。このファール球通路503は、遊技球bが一列で流通するように形成されており、ファール球通路503を流通した遊技球Bは、球貯留通路504(球蛇行部材513)におけるアウト球通路501から受け渡される部位よりも下流の部位に受け渡される。
球受前部材511は、アウト球受板部上511aの前端縁、アウト球受板部下511bの前端縁、及び、ファール球通路503を形成し左右に延出している底壁の前端縁、に遊技球Bの流通を妨げない大きさで凹んでいる凹部511dが設けられている。この凹部511dにより、アウト球通路501内やファール球通路503内の塵やゴミ等を外部に排出可能としている。
また、球受前部材511は、後面におけるファール球通路503の後方の部位に、循環球経路中継基板517が取付けられる。
球受後部材512は、上面において、球受前部材511と協働してセーフ球受口500bを形成している。球受後部材512には、セーフ球通路502が前方へ開放された状態で形成されており、球受前部材511が取付けられることによりセーフ球通路502の前方側が閉鎖される。セーフ球通路502は、球受後部材512の左端下部においてその下流端が下方へ向かって開口している。セーフ球通路502の下流端の開口は、アウト球通路501の下流端の開口の後方に位置している。つまり、アウト球通路501の下流端の開口と、セーフ球通路502の下流端の開口とは、前後に並んでいる。
球受後部材512は、セーフ球受口500bの左端縁を形成している垂直壁の途中から左右方向中央付近まで右方へ向かって低くなるように傾斜しているセーフ球受板部上512aと、セーフ球受口500bの右端縁を形成している垂直壁におけるセーフ球受板部上512aよりも下方の部位からセーフ球受口500bの左端縁の下方付近まで左方へ向かって低くなるように傾斜しているセーフ球受板部下512bと、セーフ球受板部下512bの左端から遊技球Bが一列で流通可能な幅で左下へ向かってクランク状に延出しているクランク部512cと、を有している。
セーフ球受板部上512aの右端と、セーフ球受板部下512bとの間の高さは、遊技球Bの直径の2倍ほどであり、それにより左側におけるセーフ球受板部下512bの高さは、左方へ向かうほど低くなるように形成されている。これにより、セーフ球受口500bに受けられた遊技球Bを1段に整列させることができる。
クランク部512cにおけるセーフ球受板部下512bの下流端の直下となる垂直に延出している部位に、セーフ球センサ506が取付けられている。
球受後部材512では、セーフ球受板部上512a、セーフ球受板部下512b、クランク部512c、等によってセーフ球通路502を構成している。従って、セーフ球通路502は、上流側が多くの遊技球Bを受入可能に広く形成されており、受入れられた遊技球Bを一列に整列させて下流の球貯留通路504(球蛇行部材513)の最上流部に受け渡すようにしている。
球受後部材512は、セーフ球受板部上512aの前端縁、セーフ球受板部下512bの前端縁、に遊技球Bの流通を妨げない大きさで凹んでいる凹部512dが設けられている。この凹部512dにより、セーフ球通路502内の塵やゴミ等を外部に排出可能としている。
球蛇行部材513は、前後に蛇行しながら右端側が低くなるように左右方向に延出しており、多数の遊技球Bを貯留可能な球貯留通路504を形成している。球蛇行部材513は、図23等に示すように、後部を上流端として前方へ向かって低くなるように傾斜している第一直行部513aと、第一直行部513aの下流端(前端)から右方へ屈曲した後に更に後方へ低くなるように屈曲している第一折返部513bと、第一折返部513bの下流端(後端)から後方へ低くなるように第一直行部513aの後端付近の位置まで延出している第二直行部513cと、第二直行部513cの下流端(後端)から右方へ屈曲した後に更に前方へ低くなるように屈曲している第二折返部513dと、第二折返部513dの下流端(前端)から前方へ低くなるように第二直行部513cの前端と同じ位置まで延出している第三直行部513eと、第三直行部513eの下流端(前端)から右方へ屈曲した後に更に後方へ低くなるように屈曲している第三折返部513fと、第三折返部513fの下流端(後端)から後方へ低くなるように第三直行部513eの後端と同じ位置まで延出している第四直行部513gと、第四直行部513gの下流端(後端)から右方へ屈曲した後に更に前方へ低くなるように屈曲している第四折返部513hと、第四折返部513hの下流端(前端)から前方へ低くなるように第四直行部513gの前端と同じ位置まで延出している第五直行部513iと、第五直行部513iの下流端(前端)から右方へ低くなるように屈曲している第一屈曲部513jと、第一屈曲部513jの下流端(右端)から右方へ低くなるように延出している第一横行部513kと、第一横行部513kの下流端(右端)から後方へ低くなるように屈曲している第二屈曲部513lと、第二屈曲部513lの下流端(後端)から後方へ低くなるように第五直行部513iの下流端付近の位置まで延出している第六直行部513mと、第六直行部513mの下流端(後端)から右方へ低くなるように屈曲している第三屈曲部513nと、第三屈曲部513nの下流端(右端)から右方へ低くなるように延出している第二横行部513oと、を備えている。第二横行部513oの下流端の開口が、右方へ開口している球放出口500dを形成している。
球蛇行部材513(球貯留通路504)では、第一直行部513aの後端の上方に、セーフ球通路502の下流端の開口が位置すると共に、その前方にアウト球通路501の下流端の開口が位置する。また、第二直行部513cの後端の上方に、ファール球通路503の下流端の開口が位置する。
また、球蛇行部材513は、第一横行部513kにおいて上下に貫通している球抜口513pと、第一横行部513kの下面において球抜口513pの左右両端縁に沿うように前後に延出していると共に下方へ突出している一対のレール部513qと、一対のレール部513qの夫々の下端から互いに接近するように突出している支持片513rと、一対のレール部513qにおける互いに対面している側面において凹んでいる係止凹部513sと、を備えている。
球蛇行部材513の球抜口513pは、詳細は後述するが、球抜シャッター515により開閉可能に閉鎖される。一対のレール部513qは、球抜口513pよりも後方に延出している。一対のレール部513qは、球抜シャッター515を前後方向へスライド可能に支持する。二つの支持片513rは、球抜シャッター515の落下を防止している。また、二つの支持片513rは、球抜口513pの部位で夫々のレール部513qから突出している。これにより、球抜口513pを通して球抜シャッター515に遊技球Bの荷重が作用しても、球抜シャッター515を十分に支持することができ、球抜シャッター515の脱落を防止している。係止凹部513sは、球抜シャッター515の係止突起515fが挿入されることで、球抜シャッター515を開位置に保持することができる。
なお、球蛇行部材513には、詳細は後述するが、遊技球B(循環球)の適量を目視で確認可能なゲージ部520と、流通している遊技球Bを検知可能な循環球過少センサ521及び循環球過多センサ522とが、設けられている。
この球蛇行部材513によれば、前後に蛇行していると共に右方へ低くなるように左右方向へ延びている球貯留通路504を形成することができる。また、球蛇行部材513は、複数の折返部(第一折返部513b、第二折返部513d、第三折返部513f、第四折返部513h)や複数の屈曲部(第一屈曲部513j、第二屈曲部513l、第三屈曲部513n)が設けられているため、それらの部位で遊技球Bの流通速度を抑制させることができ、球揚上ユニット550の入口側にかかる衝撃を緩和させることができる。
蛇行カバー514は、球蛇行部材513の開放されている上端を覆うように球蛇行部材513に取付けられる。蛇行カバー514は、球蛇行部材513に取付けることで、球蛇行部材513(球貯留通路504)から遊技球Bが外部に漏れたり、外部から球貯留通路504に対応していない遊技球Bや不正な遊技球Bが入れられたり、するのを防止することができる。
蛇行カバー514は、左端における前後に延びている部位の長さが、球蛇行部材513の第一直行部513aよりも後方へ短く形成されている。これにより、球蛇行部材513に蛇行カバー514を取付けた状態にすると、球蛇行部材513の第一直行部513aの後部が上方へ開放された状態となり、その部位を通してアウト球通路501及びセーフ球通路502と連通可能となる。
また、蛇行カバー514は、球蛇行部材513における第二直行部513cの後端付近の上方となる部位に上下に貫通している開口部514aを有している。この開口部514aを通して、ファール球通路503が球貯留通路504と連通可能となる。
球抜シャッター515は、循環球経路ユニット500等から遊技球B(循環遊技球)を抜く(排出する)ためのものであり、球蛇行部材513の下面に前後方向へスライド可能に取付けられている。球抜シャッター515は、球抜口513pを閉鎖可能な平板状の扉部515aと、扉部515aの前端縁から上下左右に延出しているツマミ部515bと、扉部515aの左右両端の後端から夫々が後方へ延出している一対の棹部515cと、扉部515aの後方において一対の棹部515cを繋ぐことで上下に貫通している開口部515dを形成している繋部515eと、一対の棹部515cにおける繋部515eと後端との間において夫々の外側面から膨出している係止突起515fと、一対の棹部515cの後端から互いに外方へ延出している鉤部515gと、扉部515aの下面から円筒状に突出している磁石支持部515hと、を有している。
球抜シャッター515の磁石支持部515hは、筒内に円筒状の磁石516を挿入させることで当該磁石516を支持することができる。この磁石支持部515hは、支持している磁石516の外周面の後端側が、開口部515dにおける前側の内周面と一致するように、後方へ開放されている(図24等を参照)。
球抜シャッター515は、球蛇行部材513に取付けた状態では、扉部515aと一対の棹部515cとの左右両外側に、球蛇行部材513の一対のレール部513qが位置すると共に、扉部515aと一対の棹部515cとの上下両側に第一横行部513kの下面と一対の支持片513rの上面とが位置している。これにより、球抜シャッター515は、後述する閉位置と開位置との間で前後方向にスライド可能とされている。
なお、球抜シャッター515における磁石支持部515hの下端面には、ビス孔が設けられており、磁石支持部515hに磁石516を挿入した状態でビス孔にビスをねじ込むと、ビスの頭部の一部が磁石516の下方に位置し、磁石支持部515hから磁石516が落下することはない。
球抜シャッター515は、通常の状態では、図24(a1)及び(a2)に示すように、扉部515aによって球抜口513pを遊技球Bが通過不能としている閉位置の状態となっている。この状態では、ツマミ部515bの後面が第一横行部513kの前面に当接していると共に、一対の係止突起515fが一対のレール部513qの夫々の後端面に接している。これにより、球抜シャッター515は前後方向への移動が規制されて閉位置に保持されている。従って、球抜シャッター515が閉位置の状態では、球抜口513pから遊技球Bが下方の球受トレー620に排出されることはない。
また、球抜シャッター515が閉位置の状態では、磁石支持部515h(磁石516)が球抜口513pの中央付近の下方に位置している。詳細は後述するが、球貯留通路504を鉄球SB(図25を参照)が流通してきた場合、磁石516の磁力により当該鉄球SBが扉部515a上に磁着して球詰りが発生することとなり、鉄球SBの混入を検出することが可能となる。
閉位置の状態の球抜シャッター515において、ツマミ部515bを摘まんで前方へ引っ張ると、棹部515cに設けられている係止突起515fがレール部513qの後端面に強く当接することとなる。この際に、係止突起515fにかかる力によって棹部515cが内側へ弾性変形し、係止突起515fがレール部513qの内側面側へ移動して球抜シャッター515が閉位置から前方へスライドすることとなる。そして、係止突起515fが係止凹部513sの部位に到達すると、棹部515cの弾性力によって係止突起515fが係止凹部513sに挿入されると共に、棹部515cの後端に設けられている鉤部515gがレール部513qの後端面に接近した状態となる。これにより、球抜シャッター515がこれ以上の前方へのスライドが規制された状態となる。
この状態では、図24(b1)及び(b2)に示すように、球抜シャッター515の開口部515dが球抜口513pと一致しており、球抜口513pを遊技球Bが通過可能な状態となっている。つまり、球抜シャッター515が開位置の状態となっている。球抜シャッター515が開位置の状態では、球貯留通路504における球抜口513pよりも上流側の遊技球Bが、球抜口513p及び開口部515dを通って下方の球受トレー620に排出される。これにより、循環している遊技球Bを外部へ抜くことが可能となる。
そして、球受トレー620に遊技球Bが溜まって重くなると、前端側が低くなるように傾斜しているトレー挿入凹部401fの底壁に球受トレー620が載置されるため、底壁の傾斜により前方へスライドしようとするが、係止爪401nの係止により前方へのスライドが阻止されている。この状態で、係止爪401nの係止を解除すると、貯留されている遊技球Bの重量により球受トレー620が前方へ自動的にスライドし、球受トレー620をトレー挿入凹部401fから簡単に取り出すことができる。
なお、球抜シャッター515は、パチンコ機1に組立てた状態で、ツマミ部515bの前面に扉枠3の後面が近接しており、何らかの理由により球抜シャッター515が前方へスライドしようとしても、ツマミ部515bが扉枠3に当接して、開位置へのスライドが阻止される。これにより、循環している遊技球Bが勝手に抜けてなくなってしまったり、球抜口513pを通した不正な遊技球Bが混入されたり、することはない。
磁石516は、球抜シャッター515の磁石支持部515hに挿入可能な円筒状に形成されている。この磁石516は、鉄球SBを吸着するためのものである。磁石516は、ネオジム磁石のような磁力の強いものを使用している。
ところで、遊技ホール等において、本実施形態のパチンコ機1と、遊技者が遊技球(鉄球SB)を触れることが可能な従来のパチンコ機とが混在している場合、本実施形態のパチンコ機1のメンテナンス等により遊技球Bを補充したり交換したりした時に、鉄球SBが混入してしまう恐れがある。
これに対して本パチンコ機1では、鉄球SBが混入した場合、球抜シャッター515に磁石516が設けられているため、鉄球SBが球貯留通路504を流通すると、閉位置の球抜シャッター515における扉部515aの上面において、磁石516の磁力によって鉄球SBが磁着して停止することとなる(図25(a)を参照)。この際に、磁力が強い磁石516を用いているため、磁着している鉄球SBの上流側に多数の遊技球Bが溜まることで下流側へ押圧する力が作用しても、扉部515aの上面から鉄球SBが移動することはない。
そして、球貯留通路504内における球抜シャッター515の扉部515a(磁石516)に鉄球SBが磁着している状態で、球発射ユニット450からの遊技球Bの発射が継続されると、磁着している鉄球SBよりも下流側の遊技球Bが順次消費されると共に、消費(発射)された遊技球Bが鉄球SBよりも上流側へ順次供給されることとなる。従って、球抜シャッター515よりも下流に設けられている循環球過少センサ521や揚上入口センサ553等では遊技球Bの検知がOFFになり、球抜シャッター515よりも上流に設けられている循環球過多センサ522やアウト球センサ505、セーフ球センサ505、ファール球センサ507、等では遊技球Bの検知がONになる。これにより、循環球過少センサ521等と循環球過多センサ522等との間で球詰りが発生していることを検知して報知することができる。つまり、扉部515aにおいて鉄球SBが磁着していることを検出することができる。
図25(a)に示すように、磁石516の磁力により球抜シャッター515の扉部515aの上面に鉄球SBが磁着している状態で、球抜シャッター515を閉位置から前方の開位置へスライドさせると、扉部515aの上面に磁着している鉄球SBの前端が第一横行部513kの前壁に当接し、鉄球SBのみ前方への移動が阻止される。そして、球抜シャッター515が更に前方へスライドすると、鉄球SBの下端を支持していた扉部515aがなくなり、重力により鉄球SBが下方の開口部515d内へ移動することとなる。この際に、磁石516の外周面の後端側が、開口部515dの前側の内面と一致しているため、鉄球SBが磁石516の外周面に磁着した状態となる(図25(b)を参照)。
なお、鉄球SBは、磁石516においてその外周面から磁力の強い極側(ここでは下端面側)へ移動しようとするが、球抜シャッター515が開位置の状態では磁石516の下方に球受トレー620の上端面が位置しており、鉄球SBが磁石516の下方へ移動することはない。従って、球抜シャッター515を開位置へスライドさせ状態では、鉄球Bが開口部515dと重なる部位に位置しており、鉄球SBの上流側の遊技球Bが開口部515dつまり球抜口513pを通って下方へ排出されることはない。
球抜シャッター515を開位置にスライドさせた後に、球抜シャッター515を後方の閉位置へスライドさせると、扉部515aにより鉄球SBの上流側の遊技球Bが球抜口513pを通ることを阻止しつつ、磁石516の外周面に磁石していた鉄球SBが磁石516の下面側へ移動し、磁石516の下面に鉄球SBが磁着している状態となる(図25(c)を参照)。その後、球受トレー620を引き出してトレー挿入凹部401fから取り外し、磁石516の下面に磁着している鉄球SBを取り除く。
このように、磁石516によって球抜シャッター515の扉部515aに鉄球SBが磁着している状態で、球抜シャッター515を前後にスライドさせると、磁着された鉄球SBのみを球貯留通路504から外部に取り出すことができる。
循環球経路中継基板517は、球受前部材511の後面におけるファール球通路503の後方の部位で、球受後部材512のアウト球受板部下511bの下方の部位に、取付けられている。循環球経路中継基板517は、アウト球センサ505、セーフ球センサ506、ファール球センサ507、循環球過少センサ521及び循環球過多センサ522と、後述する枠制御基板640と、の接続を中継するためのものである。
本実施形態の循環球経路ユニット500は、球受前板510、球受前部材511、球受後部材512、球蛇行部材513、及び、蛇行カバー514、が透明な合成樹脂により形成されている。従って、外部から内部の状態を視認することが可能である。
循環球経路ユニット500は、アウト球センサ505とファール球センサ507とが、球受前板510と球受前部材511との間に挟まれた状態で取付けられており、セーフ球センサ506が、球受前部材511と球受後部材512との間に挟まれた状態で取付けられている。アウト球センサ505とセーフ球センサ506は、前後に並んで設けられている。
アウト球センサ505、セーフ球センサ506、ファール球センサ507、循環球過少センサ521、循環球過多センサ522は、例えば、誘導電流の変化を検知することで、非接触により遊技球Bを検知するものである。
循環球経路ユニット500は、本体枠ベース401のベース壁部401bに後側から取付けられる。循環球経路ユニット500は、本体枠4に組立てた状態で、アウト球受口500a及びセーフ球受口500bが、ベース壁部401bの上面と同じ高さで、ベース壁部401bの上面の後端縁に接するように取付けられている。
また、循環球経路ユニット500は、本体枠4に組立てた状態で、ベース壁部401bとの間に球送ユニット600が位置するように取付けられている。
更に、循環球経路ユニット500は、本体枠4に組立てた状態で、球蛇行部材513及び蛇行カバー514の前後方向の中央より前側の部位が、ベース壁部401bに設けられている球貯留通路挿入口401gを後方から貫通して前方へ突出している。これにより、本体枠4に対して扉枠3を開いた状態にすると、球蛇行部材513(球貯留通路504)内の遊技球Bを前方(外部)から視認することができる。
また、循環球経路ユニット500は、本体枠4に組立てた状態で、枠基板ユニット630を後方へ開いた状態にすると、アウト球通路501、セーフ球通路502、ファール球通路503、及び球貯留通路504におけるベース壁部401bよりも後側の部位、の夫々の内部を後方から視認することができる。これにより、球詰りが発生した時に、枠基板ユニット630を開くことで、アウト球通路501内等を確認することができ、球詰りの発生個所を特定し易い。
また、循環球経路ユニット500は、本体枠4に組立てた状態で、球蛇行部材513における第二横行部513oが、ベース壁部401bよりも後方で、且つ、球発射ユニット450よりも下方の部位に位置している。つまり、循環球経路ユニット500は、球放出口500dがベース壁部401bの後方で、球発射ユニット450よりも低い位置で右方へ向かって開口している。この球放出口500dは、後述する球揚上ユニット550の球揚上入口通路551と連通している。
本実施形態の循環球経路ユニット500は、球貯留通路504(球蛇行部材513)に貯留されている遊技球Bの適正量を目視で知ることが可能なゲージ部520と、貯留されている遊技球B(循環球)が過少であることを検知するための循環球過少センサ521と、貯留されている遊技球B(循環球)が過多であることを検知するための循環球過多センサ522と、を有している(図37を参照)。
ゲージ部520は、球蛇行部材513における球貯留通路504の流通方向に対して、所定長さの適量領域を他の部位と異なる色に着色したものである。ここでは、並んだ状態で貯留されている遊技球Bの列の後端が、ゲージ部520にかかっている状態を適量としている。
ゲージ部520は、メンテナンス等の際に見た時に、ゲージ部520(適量領域)の部位に遊技球Bを見ることができない場合は、遊技球Bが適量よりも少ない遊技球過少であることが判る。遊技球Bを補充する場合、遊技盤5のアウト口1008、或いは、アウト球受口500aやセーフ球受口500b、から適量になるまで遊技球Bを投入する。
一方、ゲージ部520を見た時に、ゲージ部520の全ての部位で遊技球Bが見られる場合(遊技球Bの列の後端が見えない場合)は、遊技球Bが適量よりも多い遊技球過多であることが判る。遊技球Bが過多の場合は、球抜シャッター515を前方へ引いて開位置へスライドさせることで、球抜口513pから球貯留通路504内の遊技球Bを排出して、適量にする。
循環球過少センサ521は、球貯留通路504におけるゲージ部520の下流端付近に設けられている。循環球過多センサ522は、球貯留通路504におけるゲージ部520の上流端付近に設けられている。循環球過少センサ521及び循環球過多センサ522は、循環球経路中継基板517を介して枠制御基板640に接続されている。
詳細は後述するが、遊技球Bが適量の状態では、循環球過少センサ521が遊技球Bを所定時間(例えば、80ms)以上検知すると共に、循環球過多センサ522が遊技球Bを所定時間(例えば、80ms)以上検知しない。遊技球Bが過少の状態では、循環球過少センサ521及び循環球過多センサ522が、何れも所定時間(例えば、80ms)以上遊技球Bを検知しない。一方、遊技球Bが過多の状態では、循環球過少センサ521及び循環球過多センサ522が、何れも所定時間(例えば、80ms)以上遊技球Bを検知する。なお、循環球過少センサ521が遊技球Bを所定時間(例えば、80ms)以上検知せずに、循環球過多センサ522が遊技球Bを所定時間(例えば、80ms)以上検知する場合は、循環球過少センサ521と循環球過多センサ522との間で鉄球SBの混入を含む球詰りが発生している。
ここで、遊技球Bの有無を検知するための閾値としての所定時間k80msの理由について説明する。例えば、循環経路R上において、循環球過多センサ522、循環球過少センサ521、揚上入口センサ553、揚上出口センサ554、発射手前センサ604、等のセンサが置かれている位置は、球揚上ユニット550や球送ユニット600等が停止している際の遊技球Bの停止位置に置かれている。この位置は遊技球Bが1個送られる毎に次の遊技球Bが位置する位置である。そのため、ここでの遊技球Bの検知は、80ms以上検知されているか否かという検知方法になっている。これは、傾斜が5度程度の斜面で転がる遊技球Bが検知される時間が50ms程度であるため、その位置に確実に遊技球Bが存在したことを検知するためにマージンを付加して80msで検知するようにしている。つまり、この80msと言う値は実験によって得られた実用的な値である。
このように、循環球過少センサ521と循環球過多センサ522とによる遊技球Bの検知状態の組み合わせにより、枠制御基板640において遊技球Bの量や球詰り等を自動的に判断して報知することが可能である。
なお、上記の実施形態では、球蛇行部材513におけるゲージ部520として、適量領域を他の部位と異なる色に着色したものを示したが、球蛇行部材513においてゲージ部520の部位の成形色を異ならせるようにしても良いし、ゲージ部としてシールを貼り付けても良いし、適量領域の下流端と上流端の部位に色の付いた線を引いたゲージ部としても良い。
また、上記の実施形態では、循環球過少センサ521及び循環球過多センサ522を設けたものを示したが、循環球過少センサ521を後述する揚上入口センサで代用すると共に、循環球過多センサ522をアウト球センサ505、セーフ球センサ506、ファール球センサ507で代用するようにしても良い。
[4-4a.球詰解消機構]
次に、循環球経路ユニット500において、図28に示すような、アウト球センサ505やセーフ球センサ506での球詰りを解消させ易くするための球詰解消機構530を設けても良い。図28(a)は本体枠に取付けられている循環球経路ユニットにおいて球解消機構の蓋部材を閉じた状態でアウト球センサの部位で切断した背面断面の要部を拡大して示す説明図であり、(b)は(a)において蓋部材を開いた状態で示す説明図である。
球詰解消機構530は、循環球経路ユニット500における球受前部材511及び球受後部材512において、アウト球センサ505及びセーフ球センサ506の上方の壁部を、開閉可能な蓋部材531としたものである。蓋部材531は、図28(a)に示すように、通常の状態では、閉じられている。蓋部材531は、図示しない係止爪による係止によって閉じた状態に保持されている。
この球詰解消機構530は、アウト球通路501やセーフ球通路502において球詰りが発生したり、不正行為として遊技球Bよりも大径の不正球B’が投入されてアウト球センサ505等が塞がれてしまったり、した時にそれらを解消するために使用される。
例えば、遊技盤5のアウト口1008等から遊技球Bよりも大径の不正球B’が投入されてアウト球センサ505が塞がれた場合、外枠2に対して本体枠4を開いた上で枠基板ユニット630を開くと、循環球経路ユニット500の後部が現れる。そして、本実施形態では、循環球経路ユニット500における球詰解消機構530が設けられている部位と、本体枠スピーカボックス404のボックス本体部404bとの間には指を挿入可能な隙間が形成されているため、その隙間を通して蓋部材531の係止爪を解除し、蓋部材531の下端が上方へ移動するように回動させることで、蓋部材531を開くことができる(図28(b)を参照)。
そして、蓋部材531を開いた状態とすることで、アウト球通路501内におけるアウト球センサ505の上方部位に対して、指を挿入することができるようになり、アウト球センサ505を塞いでいる不正球B’を容易に取り出すことができる。このように、ドライバを使用してネジ止めされている循環球経路ユニット500を取外さなくても、不正球B’を簡単に取り出すことができる。
なお、セーフ球センサ506を不正球B’によって塞がれた場合も、上記と同様の手順によって不正球B’を取出すことができる。
上記では、球詰解消機構530として、開閉可能な蓋部材531を設けたものを示したが、例えば、球受後部材512及び球受前部材511に弾性爪を設け、弾性爪の係止により、球受後部材512及び球受前部材511を後方へ着脱可能とするようにしても良い。この場合、通常の状態では、循環球経路ユニット500の後方に枠基板ユニット630が位置しており、弾性爪の係止が緩んでも、球受後部材512や球受前部材511が後方へ外れることはない。そして、アウト球センサ505が不正球B’で塞がれた場合は、外枠2に対して本体枠4を開いた上で枠基板ユニット630を開くと、循環球経路ユニット500の後部が現れるため、球受後部材512や球受前部材511を取付けている弾性爪の係止を解除することで、球受後部材512や球受前部材511を簡単に取外すことができ、アウト球センサ505を塞いでいる不正球B’を容易に取り出すことができる。
或いは、球詰解消機構530として、球受前板510と球受後部材512との間に挟まれている球受前部材511において、アウト球センサ505の上方の部位を上方へスライドさせて取外すことができるようにしても良い。この場合、通常の状態では、循環球経路ユニット500の上方には遊技盤5が位置していると共に、重力の作用により球受前部材511におけるスライド可能な部位が上方へ外れることはない。そして、アウト球センサ505が不正球B’で塞がれた場合は、本体枠4に対して扉枠3を開くと共に、本体枠4から遊技盤5を取外すと、循環球経路ユニット500の上部が現れるため、球受前部材511のスライド可能な部位を上方へスライドさせて外すことで、アウト球センサ505を塞いでいる不正球B’を容易に取り出すことができる。
[4-5.球揚上ユニット]
本体枠4における球揚上ユニット550について、主に図29乃至図32等を参照して詳細に説明する。図29(a)は本体枠における球揚上ユニットを左前から見た斜視図であり、(b)は本体枠における球揚上ユニットを右前から見た斜視図であり、(c)は本体枠における球揚上ユニットを後ろから見た斜視図である。図30(a)は球揚上ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球揚上ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図31は、本体枠に取付けられている球揚上ユニットから球磨カセットを取外した状態で要部を拡大して示す正面図である。図32(a)は球揚上ユニットにおいて球磨機構及び球揚上機構の要部を示す右側面図であり、(b)は球揚上機構の要部を示す背面図であり、(c)は球揚上機構の要部を(b)の矢視Aから見た平面図である。
球揚上ユニット550は、遊技盤5やファールユニット470から排出されて循環球経路ユニット500を流通した遊技球Bを、球送ユニット600を介して球発射ユニット450へ送るためのものである。球揚上ユニット550は、本体枠ベース401におけるベース壁部401bの後面に設けられている球揚上ユニット取付部401jに取付けられる。
球揚上ユニット550は、遊技球Bを揚上するための球揚上機構560と、循環球経路ユニット500から送られた遊技球Bを球揚上機構560へ供給する球揚上入口通路551と、球揚上機構560により揚上された遊技球Bを球送ユニット600へ供給する球揚上出口通路552と、球揚上入口通路551に設けられており流通している遊技球Bを検知する揚上入口センサ553と、球揚上出口通路552に設けられており流通している遊技球Bを検知する揚上出口センサ554と、を備えている。
また、球揚上ユニット550は、球揚上入口通路551において遊技球Bと接触可能に設けられている球揚上入口アース板金555と、球揚上出口通路552において遊技球Bと接触可能に設けられている球揚上出口アース板金556と、枠制御基板640との接続を中継している球揚上中継基板557と、球揚上ユニット550は、球揚上機構560により揚上されている遊技球Bを磨くための球磨機構580と、を備えている。
まず、球揚上ユニット550の球揚上機構560は、上下に延出しており外周面に螺旋状の揚上溝561aを有する揚上スパイラルシャフト561と、揚上スパイラルシャフト561の下端に取付けられているシャフトギア562と、シャフトギア562と噛合しており揚上スパイラルシャフト561の軸芯と直交する軸周りに回転可能なモータギア563と、回転軸にモータギア563が取付けられており揚上スパイラルシャフト561を回転させるための揚上モータ564と、シャフトギア562の下端からフランジ状に延出している周方向の一部において切り欠かれるように設けられている検知部565aを有する揚上モータインデックス565と、揚上モータインデックス565の検知部565aを検知可能な揚上モータインデックスセンサ566と、を備えている。
また、球揚上機構560は、揚上モータ564が取付けられていると共にモータギア563を回転可能に支持しているモータベース板金567と、モータベース板金567の一取付けられていると共に揚上スパイラルシャフト561を回転可能に支持し、本体枠ベース401におけるベース壁部401bの球揚上ユニット取付部401jに取付けられる揚上機構ベース568及び揚上機構カバー569と、を備えている。
揚上スパイラルシャフト561は、外周面に遊技球Bを一列で収容可能な深さで螺旋状の揚上溝561aが設けられている。揚上スパイラルシャフト561は、その軸方向の上方から見た時(図32(c)を参照)に、時計回りの方向へ回転することで遊技球Bを揚上させることができるように、揚上溝561aが形成されている。揚上溝561aの螺旋のピッチは、上下両端付近がそれらの間よりも長く形成されている。揚上スパイラルシャフト561は、揚上機構ベース568及び揚上機構カバー569によって回転可能に支持されている。この揚上スパイラルシャフト561は、正面視において上端が下端よりも右方に位置するように回転軸が垂直に対して傾斜している。これにより、揚上スパイラルシャフト561の上端側を球送ユニットから右方へ遠ざけることができ、球揚上出口通路552の長さを相対的に長くして遊技球Bの貯留量をより多くすることが可能となる。本実施形態では、揚上スパイラルシャフト561の回転軸は、垂直に対して12度の角度で傾斜している。
シャフトギア562は、平歯車である。モータギア563は、ウォームギアである。これにより、揚上スパイラルシャフト561の揚上溝561a内に多数の遊技球Bが収容されることで作用する荷重によって、揚上スパイラルシャフト561が回転しようとしても、シャフトギア562に噛合しているウォームギアからなるモータギア563により回転を阻止することができる。揚上モータ564は、DCモータである。
揚上モータインデックス565は、フランジ状にシャフトギア562と一体成形されている。揚上モータインデックス565の検知部565aは、全周に対して45度の角度の範囲が切り欠かれるように設けられている。揚上モータインデックスセンサ566は、フォトセンサである。揚上モータインデックスセンサ566は、揚上モータインデックス565において検知部565aの部位では受光状態となり、検知部565a以外の部位では遮光されて非受光状態となる。これにより、揚上モータインデックス565を介して揚上スパイラルシャフト561の回転位置を検知することが可能である。
なお、詳細は後述するが、揚上スパイラルシャフト561は、シャフトギア562及びモータギア563により、揚上モータ564の回転軸が32回転すると、揚上スパイラルシャフト561が1回転する。そして、揚上モータインデックスセンサ566では、検知部565a以外の部位に位置して非受光状態になってから揚上モータ564が28回転すると、検知部565aに到達して受光状態となり、受光状態になってから揚上モータ564が更に4回転すると、検知部565aから離れて非受光状態となる。本実施形態では、検知部565aに到達して受光状態になってから、揚上モータ564が2回転した位置を、原点としている。つまり、検知部565aの中央を、揚上スパイラルシャフト561の回転の原点としている。
モータベース板金567は、正面視左端側において揚上モータ564を取付けており、右端側においてモータギア563の右端を回転可能に支持している。モータベース板金567は、上端側が揚上機構ベース568に取付けられていると共に、下端側が揚上機構カバー569に取付けられている。
揚上機構ベース568は、揚上機構カバー569と協働して揚上スパイラルシャフト561を収容していると共に、揚上スパイラルシャフト561を回転可能に支持している。揚上機構ベース568は、遊技球Bが通過不能な大きさで揚上スパイラルシャフト561が前方へ臨むように前後に貫通している球磨口568a、を有している。この球磨口568aは、揚上スパイラルシャフト561により揚上されている遊技球Bの一部が前方へ突出するように設けられており、遊技球Bにおける球磨口568aよりも前方へ突出している部位が球磨機構580の磨布582に接触することで遊技球Bが磨かれる。
揚上機構ベース568には、下端付近における揚上スパイラルシャフト561よりも正面視右方の部位に、球揚上入口通路551の下流部分が設けられている。球揚上入口通路551における揚上機構ベース568に設けられている部分は、上流端が後方へ向かって開口し左方の揚上スパイラルシャフト561の下端部へ向かって低くなるように傾斜している。また、揚上機構ベース568には、揚上スパイラルシャフト561の下端よりも正面視右方の部位に、揚上入口センサ553が取付けられている。
また、揚上機構ベース568には、上端付近に球揚上出口通路552の上流部分が設けられている。球揚上出口通路552における揚上機構ベース568に設けられている部分は、揚上スパイラルシャフト561の上端部の前方から正面視左方へ低くなるように傾斜した後に後方へ低くなるように傾斜して下流端が後方へ向かって開口している。球揚上出口通路552ついては、揚上機構ベース568における後方へ向かって開口している部位から左方へ向かって低くなるように傾斜した後に、前方へ向かって低くなるように傾斜し、前端において前方へ向かって開口している。球揚上出口通路552における当該部位は、揚上機構ベース568と揚上機構カバー569とが協働して形成している。
また、揚上機構ベース568には、球磨機構580の球磨モータ588が取付けられる球磨モータベース586が、上下に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられている。
揚上機構カバー569は、揚上機構ベース568と協働して揚上スパイラルシャフト561を収容していると共に、揚上スパイラルシャフト561を回転可能に支持しており、本体枠ベース401におけるベース壁部401bの球揚上ユニット取付部401jに後方から取付けられる。揚上機構カバー569の後面には、球揚上中継基板557が取付けられている。
揚上機構カバー569には、球揚上入口通路551における揚上機構ベース568に設けられている部分よりも上流側の部分が設けられている。球揚上入口通路551における揚上機構ベース568に設けられている部分は、下流端が揚上スパイラルシャフト561の下端付近の正面視右方の部位で前方へ向かって開口しており、後方へ延出した上で、左方へ屈曲して揚上スパイラルシャフト561の後方を通った後に、斜め前方へ延出して上流端が左方へ向かって開口している。この揚上機構カバー569には、揚上スパイラルシャフト561の下端の後方において、球揚上入口通路551を流通している遊技球Bと接触可能に設けられている球揚上入口アース板金555が取付けられている。
また、揚上機構カバー569には、球揚上出口通路552における揚上機構ベース568に設けられている部分よりも下流側の部分が設けられている。球揚上出口通路552における揚上機構カバー569に設けられている部分は、上流端が後方へ開口しており正面視左方へ屈曲して左端まで左方へ延出した後に前方へ屈曲し、揚上機構カバー569の前端において下流端が前方へ向かって開口している。
また、揚上機構カバー569には、球揚上出口通路552における正面視左方へ延出している部位の左端付近に、揚上出口センサ554が取付けられている。更に、揚上機構カバー569には、球揚上出口通路552において左方へ延出している部位における揚上出口センサ554よりも上流の部位に、球揚上出口通路552を流通している遊技球Bと接触可能に設けられている球揚上出口アース板金556が取付けられている。
続いて、球揚上ユニット550の球揚上入口通路551は、上流端の開口(入口)が球揚上ユニット550の左側面の下部付近において左方へ向かって開口している。この開口は、本体枠4に組立てた時に、循環球経路ユニット500の球放出口500dと対面するように設けられている。球揚上入口通路551は、左端の入口から右方へ向かって低くなるように傾斜しており、揚上スパイラルシャフト561の後方を迂回するように揚上スパイラルシャフト561よりも右方に延出した後に、前方側へ折り返して左方へ揚上スパイラルシャフト561の下端付近まで延出している。そして、揚上スパイラルシャフト561の近傍において揚上スパイラルシャフト561の前側へ回り込むようにクランク状に屈曲し、揚上スパイラルシャフト561の下端付近の前側で揚上スパイラルシャフト561の揚上溝561aと連通している。
球揚上入口通路551は、上流端の開口が、循環球経路ユニット500における球貯留通路504の下流端の開口を形成している球放出口500dと、対面するように設けられており、球貯留通路504を流通した遊技球Bが受け渡されて流通する。
球揚上入口通路551は、揚上スパイラルシャフト561と接する下流端付近の左方へ向かって低くなっている部位に、揚上入口センサ553が設けられていると共に、揚上スパイラルシャフト561の後方の部位に、球揚上入口アース板金555が取付けられている。
球揚上出口通路552は、球揚上ユニット550の上端付近において、上流端が揚上スパイラルシャフト561の上端付近の前側において揚上溝561aと連通しており、揚上スパイラルシャフト561よりも左方へ延出した後に後方へ屈曲して、揚上スパイラルシャフト561の後端と同じ位置まで延出した上で左方へ屈曲している。そして、そこから球揚上ユニット550の左端付近で左方へ延出した上で前方へ屈曲し、下流端が球揚上ユニット550(揚上機構カバー569)の前面において前方へ向かって開口している。
球揚上出口通路552は、下流端の開口が、後述する球送ユニットの球供給口と対面するように設けられており、球送ユニット600へ遊技球Bを供給することができる。
球揚上出口通路552は、球揚上ユニット550の後端付近において左方へ延出している部位の左端付近に、揚上出口センサ554が設けられていと共に、その上流側(右方側)に球揚上出口アース板金556が取付けられている。なお、球揚上出口通路552における球揚上出口アース板金556が設けられている部位の底壁には、遊技球Bの流通を妨げない大きさで開口している開口部が設けられており、当該開口部を通して塵やゴミ等を外部へ排出可能としている。
揚上入口センサ553は、揚上モータ564の駆動により揚上スパイラルシャフト561を回転させて遊技球Bを揚上させる際に、揚上させる遊技球Bの有無を検知するものである。詳細は後述するが、揚上入口センサ553において遊技球Bが非検知の状態では、揚上モータ564が駆動されない。
揚上出口センサ554は、球送ユニットに供給される遊技球Bの有無を検知するものである。詳細は後述するが、揚上入口センサ553が遊技球Bを検知している状態で、揚上出口センサ554において遊技球Bが非検知の状態になると共に、所定条件の充足(ここでは、発射減算センサ454による所定数(例えば3個)の遊技球Bの減算)により、揚上モータ564の駆動により揚上スパイラルシャフト561が回転して所定数の遊技球Bが揚上される。
揚上入口センサ553及び揚上出口センサ554は、例えば、誘導電流の変化を検知することで、非接触により遊技球Bを検知するものである。
球揚上入口アース板金555は、循環球経路ユニット500から球揚上入口通路551に供給された遊技球Bの静電気を除去するものである。球揚上入口アース板金555は、揚上入口センサ553よりも上流側に設けられている。これにより、揚上入口センサ553を通る遊技球Bの静電気を事前に除去することができ、遊技球Bからの静電気により揚上入口センサ553において誤検知が生じたり枠制御基板640が故障したりすることを回避させることができる。
球揚上出口アース板金556は、球揚上機構560により揚上されると共に、球磨機構580により磨かれた遊技球Bの静電気を除去するものである。球揚上出口アース板金556は、揚上出口センサ554よりも上流側に設けられている。これにより、揚上出口センサ554を通る遊技球Bの静電気を事前に除去することができ、遊技球Bからの静電気により揚上出口センサ554において誤検知が生じたり枠制御基板640が故障したりすることを回避させることができる。
球揚上中継基板557は、揚上入口センサ553、揚上出口センサ554、揚上モータ564、揚上モータインデックスセンサ566、球磨モータ588、等と枠制御基板640との接続を中継するためのものである。球揚上中継基板557は、揚上機構カバー569の後側に取付けられている。
球磨機構580は、球揚上機構560の前側に取付けられている。球磨機構580は、外形が縦長直方体の箱状の球磨カセット581と、一部が球磨カセット581の後面において外部に露出している無端環ベルト状の磨布582と、磨布582における外部に露出している部位と球磨カセット581の後面との間に設けられているシート状の球磨スポンジ583と、球磨カセット581内の下部において左右方向の軸周りに回転可能に支持されている球磨送歯車584と、磨布582を間にして球磨送歯車584と噛合しており左右方向の軸周りに回転可能に支持されている球磨従動歯車585と、を備えている。
また、球磨機構580は、球磨カセット581の左方において前後の奥行が一定で上下延出しており後端辺が揚上機構ベース568に回転可能に取付けられている平板状の球磨モータベース586と、球磨モータベース586の左面に取付けられているギアカバー587と、ギアカバー587の左面に取付けられており回転軸がギアカバー587と球磨モータベース586との間に突出している球磨モータ588と、球磨モータ588の回転軸に取付けられている平歯車状のモータギア589と、モータギア589と噛合している平歯車状の大径ギア部590a、及び大径ギア部590aと一体回転する小径で平歯車状の小径ギア部590bを有し、球磨モータベース586とギアカバー587との間で回転可能に支持されている変速ギア590と、変速ギア590の小径ギア部590bと噛合しており球磨モータベース586とギアカバー587との間で回転可能に支持されている平歯車状の伝達ギア591と、伝達ギア591と一体回転し球磨モータベース586を貫通して右方へ突出している回転連結部592と、を備えている。
更に、球磨機構580は、球磨カセット581の前面に当接しており、左端側が球磨モータベース586の前端に係止されていると共に、右端側が本体枠ベース401におけるベース壁部401bの前面に取付けられる平板状のカセット押圧片593と、カセット押圧片593の右端側をベース壁部401bの前面に対して着脱可能に取付けているナイラッチ594と、を備えている。
球磨機構580の球磨カセット581は、内部が空洞の箱状に形成されており、後面の上下両端縁に磨布582が通過可能なスリットが設けられている。球磨カセット581は、球揚上機構560における揚上機構ベース568に対して球磨口568aを閉鎖するように前方から着脱可能に取付けられている。
磨布582は、左右が一定の幅の無端環のベルト状に形成されている。磨布582は、図32(a)に示すように、球磨カセット581内では、前後に蛇行している状態で収容されており、球磨カセット581の上下のスリットを通して一部が球磨カセット581の後面よりも後方に露出している。
球磨スポンジ583は、球磨カセット581の後面と磨布582における後方へ露出している部位との間に設けられており、球磨カセット581の後面に取付けられている。球磨スポンジ583の後面には磨布582の内側面が接触している。この球磨スポンジ583は、球揚上ユニット550に組立てた状態で、球揚上機構560の球磨口568aから前方へ露出している遊技球Bに対して、磨布582を弾性押圧しており、遊技球Bの球面に対してより広い範囲で磨布582が接触するようにしている。なお、球磨スポンジ583は、球磨カセット581に対して交換可能に取付けられている。
球磨送歯車584は、球磨カセット581を取付けた状態で、その軸芯が伝達ギア591(回転連結部592)の軸芯と一致するように設けられており、回転軸の左端が回転連結部592と連結して伝達ギア591と一体回転する。
球磨従動歯車585は、球磨送歯車584との間で磨布582が入る隙間を有するように噛合しており、球磨送歯車584が回転することで逆方向へ回転すると共に、球磨送歯車584との間に挟まれている磨布582を送ることが可能である。
球磨モータベース586は、球磨カセット581の左側面に沿うように上下に延出しており、後端辺が揚上機構ベース568に対し上下方向に延びている軸周りに回転可能に取付けられている。これにより、球磨モータベース586は、前端側を球磨カセット581から遠ざかる方向へ回動させることができる。球磨モータベース586は、前端縁における上下方向中央よりも上側の部位に、左右に貫通している係止孔586aを有している。この係止孔586aには、カセット押圧片593の左端に設けられている係止鉤部593aが挿入されて係止される。
球磨モータ588は、揚上モータ564の作動とは無関係に制御されており、遊技球Bを1000個発射する毎に、磨布582が0.17mm移動するように制御されている。
カセット押圧片593は、左右に延出しており、左端に球磨モータベース586の係止孔586aに挿入されて係止される鉤状の係止鉤部593aが設けられている。カセット押圧片593の右端付近には、ナイラッチ594が設けられている。
ナイラッチ594は、操作部594aを押した状態にすることで、ロックすることができ、手前に引いた状態にすることでロックを解除することができる。
本実施形態の球揚上ユニット550は、本体枠4に組立てた状態で、本体枠ベース401のベース壁部401bの後側に取付けられている。この球揚上ユニット550は、本体枠4の本体枠ベース401に組付ける場合、球揚上機構560から球磨機構580の球磨カセット581とカセット押圧片593とを取外した状態で、ベース壁部401bの後面に設けられている球揚上ユニット取付部401jに取付ける。この際に、揚上機構ベース568から前方へ突出している球磨モータベース586を、球揚上ユニット取付部401jにおける前後に貫通している部位を通して前端側をベース壁部401bの前方へ突出させる。この状態では、ベース壁部401bの後面の球揚上ユニット取付部401jにおける貫通している部位に、球揚上機構560の揚上機構ベース568の球磨口568aが位置しており、球磨口568aを通してベース壁部401b(本体枠4)の前方から揚上スパイラルシャフト561に揚上されている遊技球Bを視認することができる(図31を参照)。つまり、本体枠4に対して扉枠3を開けると共に、球磨カセット581を取外すことで、前方から揚上スパイラルシャフト561や揚上スパイラルシャフト561に揚上されている遊技球Bを確認することができる。
球揚上ユニット550の球揚上機構560側をベース壁部401bの球揚上ユニット取付部401jに取付けたら、ベース壁部401bの前方から、磨布582が露出している面を後方へ向けた状態で球磨カセット581を、球磨口568aを前方から閉鎖するように揚上機構ベース568の前方に配置する。この際に、球磨モータベース586を、その先端側が球磨カセット581から遠ざかるように回動させておく。
続いて、球磨モータベース586の前端の係止孔586aに、カセット押圧片593の左端の係止鉤部593aを挿入して係止させると共に、カセット押圧片593を後方へ押して球磨カセット581を後方へ押圧する。これにより、球磨モータベース586が球磨カセット581の左側面と平行になるように回動すると共に、球磨モータベース586の右側面から突出している回転連結部592が、球磨カセット581に支持されている球磨送歯車584の左端と係合する。そして、ナイラッチ594の操作部594aを押してロックすることで、カセット押圧片593の右端側がベース壁部401bの前面に取付けられた状態となり、球磨カセット581の取付けが完了する。
球磨カセット581を取外す場合は、ナイラッチ594の操作部594aを手前に引いてロックを解除した後に、上記とは逆の手順を行うことで球磨カセット581を取外すことができる。
本実施形態の球揚上ユニット550は、本体枠4に組立てた状態で、球揚上入口通路551の上流端の開口が、循環球経路ユニット500の球放出口500dと対面しており、蛇行状の球貯留通路504を流通した遊技球Bが供給される。球揚上入口通路551に供給された遊技球Bは、球揚上入口アース板金555に接触して静電気が除去された上で、揚上入口センサ553に検知されて、揚上スパイラルシャフト561の下端に供給される。この際に、遊技球Bは、前端側が前方へ貫通している球磨口568aに挿入されて、遊技球Bの前端側が球磨機構580の磨布582に接触すると共に、縦長の球磨口568aにより左右方向への移動が規制された状態となる。
この状態で、揚上モータ564により揚上スパイラルシャフト561が遊技球Bを揚上させる方向へ回転すると、揚上溝561aにより下から押されて遊技球Bが球磨口568aに沿って上方へ移動することとなる。この際に、遊技球Bは、球磨口568aの内周縁における上下に延びている部位と揚上溝561aとに接しつつ、回転しながら上方へ移動することとなる。これにより、遊技球Bにおける前端側の磨布582と接している部位が、遊技球Bの上昇(回転)に伴って変化することとなり、遊技球Bの全面を満遍なく磨くことが可能となる。
そして、遊技球Bが揚上スパイラルシャフト561の上端側に到達すると、球揚上出口通路552に進入し、球揚上出口アース板金556に接触した上で、揚上出口センサ554に検知され、球揚上出口通路552の下流端から、球送ユニットへ送られることとなる。この際に、球揚上機構560により揚上されることで遊技球Bが磨布582により磨かれて静電気が帯電しても、揚上出口センサ554の上流にある球揚上出口アース板金556との接触により、静電気が除去されることとなり、揚上出口センサ554や枠制御基板640等において球磨の静電気による不具合が生じることはない。
一方、球磨機構580では、球磨カセット581を取付けた状態で、球磨モータ588により球磨送歯車584が右側面視において時計回りの方向へ回動させると、磨布582における球磨カセット581の後面から外部に露出している部位が、球磨カセット581の下側のスリットを通って球磨カセット581内に収容される。この際に、磨布582における外部に露出している部位が下方へ引っ張られるため、球磨カセット581の上側のスリットを介して、磨布582における球磨カセット581内に収容されている部位が外部から繰り出されることとなる。
球磨機構580の磨布582は、間欠的にゆっくりとした速度で移動している。本実施形態では、遊技球Bを1000個発射する毎に、磨布582が0.17mm移動する。
このように、本実施形態の球揚上ユニット550によれば、遊技球Bを磨きつつ、循環球経路ユニット500から排出された遊技球Bを、球送ユニット600へ供給することができる。
[4-6.球送ユニット]
本体枠4における球送ユニット600について、主に図33乃至図35等を参照して詳細に説明する。図33(a)は本体枠における球送ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は本体枠における球送ユニットを後ろから見た斜視図である。図34(a)は球送ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送ユニットを分解して後ろが見た分解斜視図である。図35は、発射手前センサの部位で切断した球送ユニットの正面断面図である。
球送ユニット600は、球揚上ユニット550により揚上された遊技球Bを一つずつ球発射ユニット450へ供給するためのものである。球送ユニット600は、本体枠ベース401におけるベース壁部401bの後側に設けられている球送ユニット取付部401kに取付けられる。球送ユニット600は、ベース壁部401bと循環球経路ユニット500との間に挟まれるように、ベース壁部401bの上面から上方へ臨むと共に、上方へ着脱可能に取付けられる。
球送ユニット600は、後面において開口しており球揚上ユニット550から供給される遊技球Bが進入可能な球供給口601と、前面において開口しており球発射ユニット450の球発射台452bに遊技球Bを送球するための球送出口602と、球供給口601と球送出口602とを繋いでおり遊技球Bが流通可能な球送通路603と、球送通路603を流通する遊技球Bを検知可能な発射手前センサ604と、発射手前センサ604により検知された遊技球Bを一つずつ球送出口602から放出させるための球送可動部材605と、球送可動部材605を可動させて遊技球Bを球発射ユニット450へ送球するための球送ソレノイド606と、球送ソレノイド606及び発射手前センサ604と枠制御基板640との接続を中継している球送中継基板607と、を備えている。
また、球送ユニット600は、球送ソレノイド606におけるプランジャの進退を伝達させて球送可動部材605を可動させる伝達部材608と、後方へ開放されている箱状で内部に発射手前センサ604や球送ソレノイド606等が設けられているユニットベース609と、ユニットベース609の後端の開口を閉鎖するように取付けられている平板状のユニットカバー610と、を備えている。
球送ユニット600の球供給口601は、球送ユニット600の後面を構成しているユニットカバー610を貫通して設けられており、正面視中央から右上の部位に設けられている。球供給口601は、遊技球Bが一つずつ通過可能な大きさに形成されている。
球送出口602は、球送ユニット600の前面側を構成しているユニットベース609を前後に貫通して設けられており、正面視中央から下寄りの部位に設けられている。球送出口602は、遊技球Bが一つずつ通過可能な大きさに形成されている。
球送通路603は、球供給口601と球送出口602とを繋いでおり、球供給口601の部位から球送出口602の上方の部位まで左方へ低くなるように延出した後に、球送出口602の部位まで下方へ延出している。この球送通路603における左方へ延出している部位の左端付近に発射手前センサ604が設けられている。また、球送通路603における球送出口602の後方の上下に延びている部位に、球送可動部材605の球受部605aが位置している。
発射手前センサ604は、球送通路603における左方へ低くなるように延出している左端付近に設けられている。つまり、発射手前センサ604は、球送可動部材605における球受部605aの上流側直前に設けられている。この発射手前センサ604は、例えば、誘導電流の変化を検知することで、非接触により遊技球Bを検知するものである。
球送可動部材605は、球送ソレノイド606の駆動に可動することで、球送通路603内の遊技球Bを一つずつ球送出口602から放出させて球発射ユニット450に供給するためのものである。球送可動部材605を、右方及び前後に解放されたコ字状で底壁が前方へ向かって傾斜しており遊技球Bを一つのみ収容可能な球受部605aと、球受部605aの左端から左方へ延出している棹部605bと、棹部605bの左端において前後に貫通しておりユニットカバー610の第一軸ピン610aが相対回転可能に挿入される軸受部605cと、軸受部605cと同軸上で右方へ扇状に設けられている可動ギア部605dと、を有している。
球送ソレノイド606は、球送可動部材605を可動させて球送通路603内の遊技球Bを一つずつ球送出口602から球発射ユニット450に供給するためのものである。球送ソレノイド606は、ユニットベース609とユニットカバー610との間において、通電により磁力が発生する磁極部を下方へ向けた状態で、正面視左上隅に設けられている。
球送中継基板607は、発射手前センサ604及び球送ソレノイド606と、枠制御基板640との接続を中継するためのものである。球送中継基板607は、ユニットベース609とユニットカバー610の間で、正面視右上隅に設けられている。
伝達部材608は、球送可動部材605が可動するように球送ソレノイド606のプランジャの進退を伝達させるものである。伝達部材608は、球送ソレノイド606の磁極部に磁着可能な板金608aが取付けられている板金保持部608bと、板金保持部608bから右方へ延出している棹部608cと、棹部608cの右端において前後に貫通しておりユニットカバー610の第二軸ピン610bが相対回転可能に挿入される軸受部608dと、軸受部608dと同軸上で左方へ扇状に設けられており球送可動部材605の可動ギア部605dと噛合する駆動ギア部608eと、を有している。
ユニットベース609は、後方へ開放された箱状に形成されており、前面の中央下寄りの部位に球送出口602が前後に貫通して設けられている。ユニットベース609は、ユニットカバー610と協働して、球送通路603を形成していると共に、発射手前センサ604、球送可動部材605、球送ソレノイド606、球送中継基板607、伝達部材608、を保持している。
ユニットベース609は、上面の左右方向中央付近において下方へ凹んでいるツマミ部609aと、前面の右下隅に設けられている弾性爪609bと、を有している。ツマミ部609aは、作業者が上方から摘まめるように形成されており、球送ユニット600を本体枠4の本体枠ベース401から上方へ取外す際に使用される。弾性爪609bは、球送ユニット600を本体枠ベース401の球送ユニット取付部401kに取付けた状態にすると、球送ユニット取付部401kの係止孔に係止されて上方へ取外せないようにするためのものである。
球送ユニット600を本体枠ベース401から取外す場合は、ベース壁部401bの係止孔を貫通して前方へ臨んでいる弾性爪609bを後方へ押圧して弾性変形させると共に、上面に設けられているツマミ部609aを摘まんで引き上げることで、本体枠ベース401の球送ユニット取付部401kから上方へ取外すことができる。
ユニットカバー610は、正面視中央から右上の部位に球供給口601が前後に貫通して設けられている。ユニットカバー610は、ユニットベース609と協働して、球送通路603を形成していると共に、発射手前センサ604、球送可動部材605、球送ソレノイド606、球送中継基板607、伝達部材608、を保持している。ユニットカバー610は、正面視左下隅付近に、円柱状に前方へ突出している第一軸ピン610a及び第二軸ピン610bを、有している。第一軸ピン610aは、球送可動部材605の軸受部605cに挿入することで、球送可動部材605を回転(回動)可能に支持することができる。第二軸ピン610bは、伝達部材608の軸受部608dに挿入することで、伝達部材608を回転(回動)可能に支持することができる。
本実施形態の球送ユニット600は、組立てた状態では、球送可動部材605の軸受部605cに第一軸ピン610aが挿入されていると共に、伝達部材608の軸受部608dに第二軸ピン610bが挿入されており、球送可動部材605の可動ギア部605dと伝達部材608の駆動ギア部608eとが互いに噛合している。この状態では、球送可動部材605の右端の球受部605aが、球送通路603内における球送出口602の後方の上下に延びている部位に位置しており、軸受部605cを中心として球送可動部材605が回動すると、球受部605aが球送通路603における上下に延びている部位を上下に移動する。
球送ユニット600は、通常の状態では、球送ソレノイド606が非通電(OFF)となっている。そのため、伝達部材608の板金608aが重力により球送ソレノイド606の磁極部から下方へ離れた状態となっている。この状態では、球送可動部材605の球受部605aの下面が、球送通路603の下流端の底壁と当接し、球受部605aの前端開口が球送出口602と一致していると共に、球受部605aの右端開口が球送通路603と一致していない。従って、上流から球受部605aへ向かって流通してきた遊技球Bは、球受部605aのコ字状の上部の部位に当接して球受部605aに受けられることはない。一方、球受部605aに受けられている遊技球Bは、球受部605aの底壁の傾斜により前方へ転動して球送出口602から前方へ放出される。
この通常の状態で、球送ソレノイド606に通電(ON)されると、球送ソレノイド606の磁極部に発生した磁力により伝達部材608の板金608aが上方の磁極部へ吸い寄せられ、伝達部材608がその軸受部608dを中心にして時計回りの方向へ回動することとなる。伝達部材608が時計回りの方向へ回動すると、伝達部材608の駆動ギア部608eと噛合している球送可動部材605の可動ギア部605dにより、球送可動部材605がその軸受部605cを中心にして反時計回りの方向へ回動することとなり、球受部605aが上方へ移動することとなる。
球送可動部材605の球受部605aが上方へ移動すると、球受部605aの前端開口が球送出口602と一致していない状態になると共に、球受部605aの右端開口が球送通路603と一致した状態となり、球送通路603から遊技球Bが球受部605aに受け取られる。この状態では、球受部605aの右端開口が球送出口602と一致していないため、球受部605aに受けられた遊技球Bが前方へ転動して球送出口602から放出されることはない。また、球受部605aは、遊技球Bを一つのみ収容可能な大きさとしているため、球受部605aに遊技球Bが一つ受けられると、その上流側の遊技球Bは球受部605aに受けられることはない。
その後、球送ソレノイド606の通電が停止(OFF)されると、球送ソレノイド606の磁極部からの伝達部材608の板金608aに対する吸着が解除される。この際に、球送可動部材605の球受部605aに遊技球Bが受けられているため、遊技球Bの重さにより球受部605aが下方へ移動するように、球送可動部材605がその軸受部605cを中心にして時計回りの方向へ回動すると共に、球送可動部材605の可動ギア部605dと噛合している駆動ギア部608eを介して伝達部材608がその軸受部608dを中心にして反時計回りの方向へ回動し、通常の状態に復帰する。
そして、球送ユニット600が通常の状態に復帰すると、球送可動部材605の球受部605aの前端開口が球送出口602と一致するため、球受部605aに受けられていた遊技球Bが前方へ転動して球送出口602から球発射ユニット450へ放出されることとなる。
このように、本実施形態の球送ユニット600によれば、球送ソレノイド606をON・OFFすることで、遊技球Bを一つずつ球発射ユニット450へ送ることができる。
[4-7.球受トレー]
本体枠4における球受トレー620について、主に図7及び図8、図10、等を参照して説明する。球受トレー620は、循環球経路ユニット500の下方に設けられており、循環球経路ユニット500の球抜口513pから排出された遊技球Bを受けるためのものである。球受トレー620は、上方へ開放された容器状に形成されており、底壁が前方へ向かって低くなるように傾斜している。
球受トレー620は、本体枠ベース401におけるトレー挿入凹部401fに前方から挿入されて取付けられている。球受トレー620は、本体枠ベース401に取付けた状態で、本体枠ベース401の係止爪401nに係止されて、前方へ抜けることはない。球受トレー620を取外す場合、係止爪401nを左方へ弾性変形させることで、係止が解除され、前方へ引き出すことが可能となる。
球受トレー620を本体枠ベース401のトレー挿入凹部401fに取付ける場合は、トレー挿入凹部401fの前方から球受トレー620を後方へ移動させて、トレー挿入凹部401f内に挿入する。この際に、係止爪401nの前端が鏃状に傾斜しているため、係止爪401nに前方から球受トレー620の後端が当接すると、鏃状の傾斜により係止爪401nが左方へ弾性変形し、球受トレー620をトレー挿入凹部401fに挿入させることができる。そして、球受トレー620の前端が係止爪401nの部位に到達して係止爪401nの前端との当接がなくなると、弾性変形していた係止爪401nが元の状態に戻り、球受トレー620の前端を係止して球受トレー620の前方へのスライドを阻止している状態となる。
この球受トレー620は、前端側が低くなるように傾斜しているトレー挿入凹部401fの底壁に載置されるため、循環球経路ユニット500の球抜口513pから排出された遊技球Bが貯留されて重くなると、底壁の傾斜により前方へスライドしようとするが、係止爪401nの係止によりスライドが阻止される。そして、係止爪401nの係止を解除すると、貯留されている遊技球Bの重量により球受トレー620が前方へ自動的にスライドし、球受トレー620をトレー挿入凹部401fから簡単に取り出すことができる。
[4-8.枠基板ユニット]
本体枠4における枠基板ユニット630について、主に図7及び図8等を参照して説明する。枠制御基板640は、詳細は後述するが、持ち球数表示部140での持ち球数の表示、計数ボタンスイッチ180に操作による精算処理、球発射ユニット450、球揚上ユニット550、球送ユニット600、等の制御や、循環球経路ユニット500における遊技球Bの管理(監視)、等を行うためのものである。
枠基板ユニット630は、本体枠ベースユニット400における本体枠ベース401のベース壁部401bの後方の部位に開閉可能に取付けられる。枠基板ユニット630は、枠制御基板640と、電源基板650と、インターフェース基板660と、遊技球貸出装置接続端子板665と、を備えている。
また、枠基板ユニット630は、本体枠ベースユニット400の後側に開閉可能に取付けられるユニットベース670と、ユニットベース670の後側に取付けられ枠制御基板640を収容している枠制御基板ボックス671と、枠制御基板ボックス671とユニットベース670との間に取付けられ電源基板650を収容している電源基板ボックス672と、枠制御基板ボックス671の正面視左方においてユニットベース670に取付けられインターフェース基板660及び遊技球貸出装置接続端子板665を収容しているインターフェース基板ボックス673と、ユニットベース670を本体枠ベースユニット400に対して開閉不能に固定するためのナイラッチ674と、を備えている。
枠制御基板640は、図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶しているROM、一時的にデータを記憶するためのRAM、処理プログラムやコマンドを実行させるCPU、等を備えている。
枠制御基板640は、枠制御基板640は、RAMに記憶されている情報を消去するためのRAMクリアスイッチ641と、封入されている遊技球Bを循環球経路ユニット500の球抜口513pから外部(球受トレー620)へ抜く際に使用する球抜スイッチ642と、RAM等に記憶されている遊技者の持ち球数をクリアすると共に扉枠3の持ち球数表示部140での表示をクリアするための球数記憶・表示クリアスイッチ643と、を有している(図38を参照)。
枠制御基板640には、遊技盤5に設けられている後述する主制御基板1310が双方向通信で接続されていると共に、遊技球貸出装置接続端子板665が双方向通信で接続されている。枠制御基板640は、遊技球貸出装置接続端子板665を介して遊技球貸出装置8に接続されている。
枠制御基板640には、扉枠3の持ち球数表示部140、発射停止スイッチ161、ハンドルタッチセンサ162、ハンドル回転センサ163、計数ボタンスイッチ180、が接続されている。
また、枠制御基板640には、本体枠4の扉開放スイッチ407、枠開放スイッチ408、発射ソレノイド453、発射減算センサ454、アウト球センサ505、セーフ球センサ506、ファール球センサ507、循環球過少センサ521、循環球過多センサ522、揚上入口センサ553、揚上出口センサ554、揚上モータ564、揚上モータインデックスセンサ566、球磨モータ588、発射手前センサ604、球送ソレノイド606、が接続されている。
電源基板650は、枠制御基板640や主制御基板1310、周辺制御基板1510等に、所定電圧の電力を供給するためのものである。
インターフェース基板660は、枠制御基板640と、扉枠3側や遊技盤5側に設けられている各種の中継基板との接続を中継するためのものである。
遊技球貸出装置接続端子板665は、枠制御基板640と遊技球貸出装置8との接続を中継するためのものである。
ユニットベース670は、左右に長く形成されており、左端に本体枠ベースユニット400の本体枠スピーカボックス404の後面に設けられている枠基板ユニット軸支部404dに軸支されるヒンジ軸670aが設けられていると共に、右端に二つのナイラッチ674が操作部674aを後方へ向けて取付けられている。
ユニットベース670は、平面視において左端から左右方向の全長に対して1/4の長さで右方へ延出している後面部670bと、後面部670bの右端から前方へ短く延出している繋部670cと、繋部670cの前端から右端まで延出している前面部670dと、を有している。これにより、ユニットベース670は、後面部670bと前面部670dとの間において前後方向の段差を有している。
ユニットベース670の後面部670bの後側には、インターフェース基板ボックス673が着脱可能に取付けられる。一方、ユニットベース670の前面部670dの後側には、電源基板ボックス672が着脱可能に取付けられると共に、電源基板ボックス672の後側に枠制御基板ボックス671が着脱可能に取付けられる。
本実施形態の枠基板ユニット630は、通常の状態(使用状態)では、ユニットベース670の左端に設けられているヒンジ軸670aが本体枠ベースユニット400の枠基板ユニット軸支部404dに軸支されていると共に、ユニットベース670の右端に取付けられているナイラッチ674が本体枠ベース401のベース壁部401bの後面に取付けられている。この状態では、枠基板ユニット630が、ベース壁部401bの後側に取付けられている循環球経路ユニット500や球揚上ユニット550の後方を覆っており、それらに対してアプローチ不能としている。
また、通常の状態では、図10に示すように、枠基板ユニット630におけるユニットベース670の前面部670d、電源基板ボックス672、枠制御基板ボックス671、が本体枠スピーカボックス404におけるボックス拡張部404cの上方に位置している。この際に、前面部670d及び電源基板ボックス672が、枠制御基板ボックス671よりも上下が短く形成されているため、電源基板ボックス672とボックス拡張部404cとの間に、配線等を収容可能な空間が形成されている。
通常の状態からナイラッチ674の操作部674aを後方へ引いてロックを解除すると、ユニットベース670の右端側の取付けが外れ、左端のヒンジ軸670aを中心にしてヒンジ回転させることで、枠基板ユニット630を後方へ開くことが可能となる。この枠基板ユニット630を後方へ開くことで、ベース壁部401bの後側に取付けられている循環球経路ユニット500や球揚上ユニット550が現れることとなり、それらに対するアプローチが可能となる。
[4-9.錠ユニット]
本体枠4における錠ユニット680について、主に図7及び図8等を参照して説明する。錠ユニット680は、本体枠ベースユニット400における本体枠ベース401の正面視右端縁に沿って後方から取付けられている。錠ユニット680は、外枠2と本体枠4及び扉枠3と本体枠4の間を施錠するためのものである。
錠ユニット680は、本体枠ベース401のシリンダ挿通口401mを後方から貫通して前端が前方へ突出する筒状の錠シリンダ681と、錠シリンダ681の前端面に設けられている鍵穴682と、鍵穴682に対応する鍵を挿入して所定方向へ回動させると扉枠3と本体枠4との施錠が解除される扉枠ロック爪683と、鍵穴682に対応する鍵を挿入して上記とは判定方向へ回動させると本体枠4と外枠2との施錠が解除される外枠ロック爪684と、を有している。
[5.遊技盤の簡単な説明]
パチンコ機1の遊技盤5について、後述する図101等で示す遊技盤5Aと同じ盤面構成であり、ここでは図3を参照して簡単に説明する。遊技盤5は、遊技球Bが打ち込まれる遊技領域5a内に、遊技球Bの受入れにより特典が付与される一般入賞口2001、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、等の入賞口が設けられており、入賞口に遊技球Bが受入れられるように遊技者がハンドル160を操作して遊技球Bの打込みを楽しませるためのものである。遊技盤5は、本体枠4の遊技盤挿入部401aに前側から着脱可能に取付けられる。遊技盤5は、パチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の遊技窓101を通して遊技者側から視認可能とされ、遊技者がハンドル160を操作することにより遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。
遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の前面における遊技領域5a内において遊技球Bと当接可能に所定のゲージ配列で植設されている複数の障害釘N(図84等を参照)と、を備えている。
遊技盤5の前構成部材1000は、全体が透明に形成されている。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球Bが当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、枠内における正面視左右方向中央下部で、アウト誘導部1003の後端において前後に貫通しているアウト口1008を備えている。アウト口1008に受入れられた遊技球Bは、遊技領域5aに戻されることなく遊技パネル1100の後方において遊技盤5から下方(循環球経路ユニット500のアウト球受口500a)へ排出される。
遊技盤5は、遊技パネル1100の後方に設けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310と、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左上隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、を備えている。
また、遊技盤5は、遊技パネル1100の後方に設けられている周辺制御基板1510と、遊技パネル1100の後方で正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を備えている。
遊技盤5(表ユニット2000)には、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数の一般入賞口2001と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bが通過可能なゲート2010と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bの受入れにより第一特別図柄及び第二特別図柄の抽選が行われる第一始動口2003及び第二始動口2004と、第一始動口2003や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入が可能となる大入賞口2005(図115等を参照)と、を備えている。
第一始動口2003は、遊技領域5a内の中央に設けられている枠状のセンター役物2500の下方でアウト口1008の直上に設けられている。第二始動口2004は、アタッカユニット2400に設けられており、ゲート2010を遊技球Bが通過することにより抽選された普通図柄の抽選結果に応じて遊技球Bを受入可能に開閉する。
大入賞口2005は、遊技領域5a内における右下隅に取付けられているアタッカユニット2400に設けられている。
また、遊技盤5には、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、ゲート2010を通過している遊技球Bを検知するゲートセンサ2011と、第一始動口2003に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ2101と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2401と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402と、を備えている(図38を参照)。
一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方において一般入賞口センサ3001に検知された上で、遊技盤5から下方の循環球経路ユニット500におけるセーフ球受口500bに排出される。第一始動口2003に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方において第一始動口センサ2101に検知された上で、遊技盤5から下方の循環球経路ユニット500におけるセーフ球受口500bに排出される。第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方において第二始動口センサ2401に検知された上で、遊技盤5から下方の循環球経路ユニット500におけるセーフ球受口500bに排出される。大入賞口2005に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方において大入賞口センサ2402に検知された上で、遊技盤5から下方の循環球経路ユニット500におけるセーフ球受口500bに排出される。
主制御基板1310は、パチンコ機1において遊技領域5a内での遊技球Bを使用した遊技の制御を行うものである。主制御基板1310は、本体枠4に設けられている枠制御基板640に対して双方向通信で接続されていると共に、周辺制御基板1510に対して出力信号のみの一方向で接続されている。
主制御基板1310は、一般入賞口センサ3001、ゲートセンサ2011、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、等からの遊技球Bの検知信号が入力される。また、主制御基板1310は、第二始動口2004を開閉するための始動口ソレノイド2412、大入賞口2005を開閉するためのアタッカソレノイド2414、等へ駆動信号を出力する。
主制御基板1310は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bが一般入賞口センサ3001に検知されると、所定数(例えば、10個)の賞球コマンドを出力する。これは従来のパチンコ機と変らないため主制御基板1310のソフトウエアを変更しなくても良い。この賞球コマンド受け付けると枠制御基板640では、持ち球加算信号と解釈する。また、第一始動口2003に受入れられた遊技球Bが第一始動口センサ2101に検知されると、所定数(例えば、1個)の賞球コマンドを出力する。また、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bが第二始動口センサ2401に検知されると、所定数(例えば、1個)の賞球コマンドを出力する。更に、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bが大入賞口センサ2402に検知されると、所定数(例えば、10個、または、13個)の賞球コマンドを出力する。
また、主制御基板1310は、普通図柄の抽選結果や特別図柄の抽選結果等の信号を、周辺制御基板1510へ出力する。
機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通図柄の抽選結果や特別図柄の抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略するが、遊技状態を表示する三つのLEDからなる状態表示器と、ゲート2010での遊技球Bの通過により抽選される普通図柄の抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器と、ゲート2010での遊技球Bの通過により抽選される普通図柄の保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、を備えている。
また、機能表示ユニット1400は、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄の抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器と、第一始動口2003への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄の抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、を備えている。
更に、機能表示ユニット1400は、特別図柄(第一特別図柄又は第二特別図柄)の抽選結果が「当り」等の時に、大入賞口2005の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する五つのLEDからなるラウンド表示器、を備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
周辺制御基板1510は、演出表示装置1600の後側に取付けられている。周辺制御基板1510は、主制御基板1310から送られた信号に基づいて、演出表示装置1600に演出画像を表示させたり発光演出や可動演出等を実行させたりするものである。
[6.遊技球の流れ]
続いて、パチンコ機1における遊技球Bの流れについて、主に図36及び図37等を参照して説明する。図36は、本体枠の後面側における遊技球の各種通路を背面から示す説明図である。図37は、本体枠における遊技球の流れを模式的に示す説明図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技者がハンドル160を操作していない状態では、図37に示すように、多数(例えば、40~60個)の循環する遊技球Bが本体枠4における遊技盤5よりも下方の部位において貯留されている。本体枠4における遊技球Bの循環経路Rは、上流側から順に、ファールユニット470及び循環球経路ユニット500、球揚上ユニット550、球送ユニット600、球発射ユニット450、が設けられている。循環経路Rは、アウト球通路501、セーフ球通路502、ファール球通路503、球貯留通路504、球揚上入口通路551、球揚上出口通路552、等により構成されている。
循環経路Rを流通している遊技球Bを検知するための複数のセンサは、上流側から、セーフ球センサ506、アウト球センサ505、ファール球センサ507、循環球過多センサ522、循環球過少センサ521、揚上入口センサ553、揚上出口センサ554、発射手前センサ604、発射減算センサ454、の順に設けられている。これら各種センサからの信号に基づいて、枠制御基板640において後述する様々な制御処理が実行される。
遊技者がハンドル160を操作していない状態では、セーフ球センサ506、アウト球センサ505、ファール球センサ507、循環球過多センサ522、がOFF(非検知)の状態となっており、循環球過少センサ521、揚上入口センサ553、揚上出口センサ554、発射手前センサ604、発射減算センサ454、がON(検知)の状態となっている。
本体枠4における循環経路R内では、多数の遊技球Bが一列に並んでいる状態で貯留されている。一列に並んでいる多数の遊技球Bは、先頭が球発射ユニット450における発射ユニットカバー452の球発射台452b上に位置しており、最後部が循環球経路ユニット500の球貯留通路504におけるゲージ部520の範囲内で、球抜シャッター515よりも上流側に位置している。
循環経路Rにおいて、球揚上ユニット550における揚上スパイラルシャフト561の上端と揚上出口センサ554との間の部位は、所定個数(例えば、5個)の遊技球Bが並ぶ長さに対して所定個数よりも少ない特定個数(例えば、4個)の遊技球Bが並んでいる。これは、揚上スパイラルシャフト561を原点復帰させる際に、遊技球Bが1個揚上されても、その揚上された遊技球Bを受け取るスペースを確保するためである。
また、循環経路Rにおいて、発射手前センサ604と揚上出口センサ554との間の部位は、所定個数(例えば、10個)が並んでいる。これにより、揚上出口センサ554において遊技球Bの検知がOFF(非検知)になった後にも、球発射ユニット450において遊技球Bが発射され続けている場合、揚上スパイラルシャフト561の回転により遊技球Bが揚上されて補充されるまでの間に、発射される遊技球Bがなくなってしまうことを回避させることができる。
そして、遊技者がハンドル160を操作して球発射ユニット450の発射ソレノイド453が駆動されると、発射ユニットカバー452における球発射台452bに載置されていた遊技球Bが発射され、発射減算センサ454において遊技球Bの検知が非検知(OFF)となる。これにより、遊技者の持ち球数が1個減算される(後述の持ち球減算処理)。その後、球送ユニット600の球送ソレノイド606に所定時間通電され、球送可動部材605の球受部605aが上下に移動して、1個の遊技球Bが球発射台452bに載置されて、発射減算センサ454が検知(ON)の状態となる。
遊技者のハンドル160の操作により遊技球Bが1個ずつ発射されと、発射手前センサ604と揚上スパイラルシャフト561の上端との間(球揚上出口通路552)に貯留されている複数の遊技球Bが1個ずつ減少し、やがて揚上出口センサ554において遊技球Bの検知が非検知(OFF)となる。そして、揚上出口センサ554が非検知になってから所定数(例えば、3個)の遊技球Bが発射されると、球揚上ユニット550の揚上モータ564により揚上スパイラルシャフト561が回転を開始し、3回転して3個の遊技球Bを球揚上出口通路552へ供給した後に停止する(後述の揚上モータ動作処理)。
揚上モータ564により揚上スパイラルシャフト561が回転すると、球揚上入口通路551の下流端に位置している遊技球Bが、揚上スパイラルシャフト561の下端側へ移動して上方へ移動させられる。これにより、球揚上入口通路551及び球貯留通路504において並んでいる多数の遊技球Bが下流側へ流れることとなり、球貯留通路504に貯留されている遊技球Bが減少することとなる。
球発射ユニット450から発射されて遊技盤5の遊技領域5aに打ち込まれた遊技球Bは、アウト口1008、又は、入賞口(一般入賞口2001、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005)の何れかに受入れられる。遊技盤5のアウト口1008に受入れられた遊技球Bは、遊技盤5から下方へ排出されて循環球経路ユニット500のアウト球受口500aに受け渡される。アウト球受口500aに受け渡された遊技球Bは、アウト球通路501を通ることでアウト球センサ505に検知され、球貯留通路504へ送られる。
一方、遊技盤5の入賞口に受入れられた遊技球Bは、遊技盤5から下方へ排出されて循環球経路ユニット500のセーフ球受口500bに受け渡される。セーフ球受口500bに受け渡された遊技球Bは、セーフ球通路502を通ることでセーフ球センサ506に検知され、球貯留通路504へ送られる。
アウト球センサ505により遊技球Bが検知されるとアウト球数がカウントされ、セーフ球センサ506により遊技球Bが検知されるとセーフ球数がカウントされる。これにより、正確な遊技球Bの出玉率を算出することが可能となる。なお、算出された出玉率は、主制御基板1310に設けられている表示部(図示は省略)に表示される。この出玉率は、遊技状態に応じて変化するため、所定期間(例えば、単位時間当り、所定時間当り、一日当たり、等)内の出玉率として、「(所定期間内の入賞による持ち球の加算数-所定期間内のセーフ球数)÷所定期間内のアウト球数=所定期間内の出玉率」のように算出する。
ところで、球発射ユニット450(球発射台452b)から発射されたにも関わらず遊技盤5の遊技領域5aに打ち込まれなかった遊技球Bは、ファール球としてファールユニット470により回収された後に、循環球経路ユニット500のファール球受口500cに受け渡される。そして、ファール球受口500cに受け渡された遊技球Bは、ファール球通路503を流通することでファール球センサ507に検知され、球貯留通路504へ送られる。ファール球センサ507により遊技球Bが検知されると、遊技者の持ち球数が1個加算される(後述の持ち球加算処理)。
このように、本実施形態のパチンコ機1では、遊技球Bが、外部へ排出されたり外部から供給されたりすることなく封入されており、内部において循環することで、遊技者が遊技球Bに触れることはない。
[7.各種制御処理]
次に、本実施形態のパチンコ機1における枠制御基板640での各種の制御処理について、図38乃至図49等を参照して詳細に説明する。図38は、パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。図39は、発射許可処理を示すフローチャートである。図40は持ち球減算処理を示すフローチャートであり、図41はファール球による持ち球加算処理を示すフローチャートである。図42は、発射制御処理を示すフローチャートである。図43は、賞球処理を示すフローチャートである。図44は揚上モータ動作処理を示すフローチャートであり、図45は揚上入口センサ及び揚上出口センサと揚上モータの動作との関係を示す表であり、図46は遊技球の発射動作と球揚上ユニットの動作との関係を示すグラフである。図47は、球揚上ユニットにおける球揚上機構の動作を示すグラフである。図48(a)はセキュリティ処理を示すフローチャートであり、(b)は(a)とは異なる実施形態のセキュリティ処理を示すフローチャートである。図49は、循環球過少センサ及び循環球過多センサとエラー報知との関係を示す表である。なお、図38では、主制御基板1310や周辺制御基板1510等に接続されているセンサ、ソレノイド、モータ、LED、等の電子部品の一部を省略して示している。
パチンコ機1の主な制御構成は、図38に示すように、本体枠4に取付けられている枠制御基板640と、遊技盤5に取付けられている主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、から構成されている。枠制御基板640は、主に遊技球Bの発射や循環、持ち球数、等の制御処理を行うものである。主制御基板1310は、主に遊技の制御処理を行うものである。周辺制御基板1510は、主に演出の制御処理を行うものである。
枠制御基板640には、発射停止スイッチ161、ハンドルタッチセンサ162、ハンドル回転センサ163、計数ボタンスイッチ180、扉開放スイッチ407、枠開放スイッチ408、発射減算センサ454、アウト球センサ505、セーフ球センサ506、ファール球センサ507、循環球過少センサ521、循環球過多センサ522、揚上入口センサ553、揚上出口センサ554、揚上モータインデックスセンサ566、発射手前センサ604、RAMクリアスイッチ641、球抜スイッチ642、球数記憶・表示クリアスイッチ643、等からの信号が入力される。
また、枠制御基板640は、持ち球数表示部140、発射ソレノイド453、揚上モータ564、球磨モータ588、球送ソレノイド606、等へ信号を出力する。
更に、枠制御基板640は、遊技球貸出装置接続端子板665を介して遊技球貸出装置8から信号が入力されたり、信号を出力したりする。また、枠制御基板640は、主制御基板1310から信号が入力されたり、信号を出力したりする。
主制御基板1310には、一般入賞口センサ3001、ゲートセンサ2011、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、等からの信号が入力される。また、主制御基板1310は、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、周辺制御基板1510、等へ信号を出力する。
なお、遊技球貸出装置8は、パチンコ機1の外部に設けられており、通信ネットワークを介して管理サーバ9へ信号を出力する。遊技球貸出装置8には、球貸ボタンスイッチ8a、返却ボタンスイッチ、枠制御基板640、等からの信号が入力される。また、遊技球貸出装置8は、表示部、枠制御基板640、等へ信号を出力する。
[7-1.発射許可処理]
発射許可処理について図39を参照して説明する。発射許可処理は、遊技球Bを発射すべきか否かを判断する処理である。発射許可処理が開始されると、まずステップS101において、遊技者がハンドル160に触れているか否かを確認し、遊技者がハンドル160に触れてハンドルタッチセンサ162がONの場合(YES)には、次のステップS102へ進む。ステップS101においてハンドルタッチセンサ162がOFFの場合(NO)には、ステップS107へ進み、枠制御発射許可信号をOFFにして処理を終了する。
ステップS102では、発射停止スイッチ161がOFFになっているか否かを確認し、発射停止スイッチ161がOFFの場合には、YESとして次のステップS103へ進む。一方、ステップS102において発射停止スイッチ161がOFFの場合は、NOとしてステップS107へ進み、枠制御発射許可信号をOFFにして処理を終了する。
ステップS103では、枠制御基板640が遊技球貸出装置接続端子板665を介して遊技球貸出装置8と接続されているか否かを確認し、遊技球貸出装置8に接続されている場合には、YESとして次のステップS104へ進む。一方、ステップS103において遊技球貸出装置8との接続が確認されない場合は、NOとしてステップS107へ進み、枠制御発射許可信号をOFFにして処理を終了する。
ステップS104では、主制御基板1310からの主制御発射許可の有無を確認し、主制御発射許可が有る場合には、YESとして次のステップS105へ進む。一方、ステップS104において、主制御発射許可が無い場合は、NOとしてステップS107へ進み、枠制御発射許可信号をOFFにして処理を終了する。
ステップS105では、遊技者の持ち球数が0よりも多いか否かを確認し、持ち球数が0よりも多い場合には、YESとして次のステップS106へ進み、枠制御発射許可信号をONにして処理を終了する。一方、ステップS105において、持ち球数が0よりも少ない(持ち球数が0個)場合は、NOとしてステップS107へ進み、枠制御発射許可信号をOFFにして処理を終了する。
このように、発射許可処理により遊技球Bの発射が許可された状態となり、この状態で遊技者がハンドル160を回転操作すると、その回転角度に応じた強さで発射ソレノイド453が駆動されて、球発射ユニット450から遊技球Bが発射されることとなる。発射ソレノイド453を駆動する際には、後述する発射制御処理が実行される。
[7-2.持ち球減算処理]
持ち球減算処理について図40を参照して説明する。持ち球減算処理は、遊技球Bの発射により遊技者の持ち球数を減算する処理である。持ち球減算処理は、まずステップS111において、球発射ユニット450の発射減算センサ454が、ONの状態からOFFの状態になったか否かを判断する。球発射ユニット450の球発射台452bに遊技球Bが載置されている状態では、発射減算センサ454が遊技球Bを検知しておりONの状態になっている。この状態から、発射ソレノイド453の駆動により発射槌455が球発射台452bの遊技球Bを打撃して遊技球Bが発射されると、発射減算センサ454が非検知となりOFFの状態となる。
そして、ステップS111において、遊技球Bが発射されて発射減算センサ454がONからOFFになると、YESとして次のステップS112へ進み、持ち球数を1個減算して処理を終了する。
一方、ステップS111において、発射減算センサ454がONからOFFにならずにONのままの状態であれば、NOとして持ち球数を減算せずに処理を終了する。
このように、持ち球減算処理により、球発射ユニット450から遊技球Bが発射されると、遊技者の持ち球数が1個減算されることとなる。
[7-3.持ち球加算処理]
ファールによる持ち球加算処理について図41を参照して説明する。球発射ユニット450から遊技球Bが発射されると、持ち球減算処理により遊技者の持ち球数が減算されるが、発射された遊技球Bが遊技盤5の遊技領域5aに打ち込まれなかった場合、当該遊技球Bによる遊技が行われることはないため、持ち球数が減算されたままでは遊技者の興趣を低下させてしまう。そこで、持ち球加算処理では、遊技領域5aに打ち込まれなかった遊技球B(ファール球)を、遊技者の持ち球数に加算するものである。
持ち球加算処理は、ステップS121において、循環球経路ユニット500のファール球センサ507が遊技球B(ファール球)を検知することでOFFからONになったか否かを判断し、ファール球センサ507がONになった場合、YESとして次のステップS122へ進み、持ち球数を1個加算して処理を終了する。
一方、ステップS121において、ファール球センサ507がONにならずにOFFのままであれば、NOとして持ち球数を加算することなく処理を終了する。
このように、持ち球加算処理により、球発射ユニット450から発射されたにも関わらず、遊技盤5の遊技領域5aに遊技球Bが打ち込まれなかった場合に、ファール球を持ち球数に加算して遊技者が不利になることを回避させることができる。
[7-4.発射制御処理]
発射制御処理について図42等を参照して説明する。発射制御処理は、発射許可処理において枠制御発射許可信号がONになってから遊技者がハンドル160を回転操作した後に、発射ソレノイド453の駆動により実際に遊技球Bを発射するか否かを判断するものである。発射制御処理は、まず、ステップS131において、枠制御発射許可の有無(ON/OFF)を判断し、枠制御発射許可が有る(ON)場合は、YESとして次のステップS132へ進む。一方、ステップS131において、枠制御発射許可が無い(OFF)場合は、NOとして発射ソレノイド453を駆動せずに処理を終了する。
ステップS132では、発射減算センサ454がONであるか否かを判断し、発射減算センサ454がON(球発射台452bに遊技球Bが有る)の場合、YESとして次のステップS133へ進み、発射ソレノイド453をONにしてハンドル160の回転角度に応じた強さで遊技球Bを打撃して処理を終了する。
一方、ステップS132において、発射減算センサ454がONでない(OFF)の場合は、NOとして次のステップS134へ進む。発射減算センサ454がOFFの場合、球発射台452bに遊技球Bが載置されていないことから、ステップS134以下の処理が行われる。
ステップS134では、発射手前センサ604がONであるか否かを判断し、発射手前センサ604がONではない場合(遊技球Bを非検知の場合)には、NOとして次のステップS135へ進み、「発射球切れ」を示すエラー表示をONにし、ステップS134へ戻り、発射手前センサ604がONになるまで繰り返す。なお、エラー表示は、例えば、演出表示装置の表示画面に表示される。
なお、エラー表示は、報知ランプを設けて点灯させても良いし、演出表示装置において画像表示させても良い。或いは、エラー信号を遊技球貸出装置8を介して遊技ホールのホールコンピュータ(ホルコン)へ出力して、遊技ホール側に設けられている報知ランプを点灯させても良い。
このステップS134において、発射手前センサ604が遊技球Bを検知してONの場合には、YESとして次のステップS136へ進み、球送ソレノイド606をON(通電)にして球送可動部材605を可動させる。これにより、発射手前センサ604により検知されている遊技球Bが、球送可動部材605の球受部605aに受け渡され、所定短時間後に球送ソレノイド606がOFFになると、球受部605aに受け渡された遊技球Bが球発射台452bへ供給される。この際に、球送可動部材605により球発射台452bへ送られた遊技球Bよりも上流側(球揚上出口通路552)に遊技球Bがあれば、その遊技球Bが下流側へ移動して発射手前センサ604がONになる。
ステップS136において、球送ソレノイド606をONにしたら、次のステップS137へ進み、再び発射減算センサ454がONであるか否かを判断し、発射減算センサ454がONでなければ、NOとしてステップS134へ戻り、発射減算センサ454がONになるまで上記のフローを繰り返す。
そして、ステップS137において、発射減算センサ454がONの場合は、YESとして次のステップS138へ進み、「発射球切れ」のエラー表示をOFFにした上で、ステップS133へ進んで発射ソレノイド453をONにし、ハンドル160の回転角度に応じた強さで遊技球Bを打撃して処理を終了する。
このように、発射制御処理により、球発射ユニット450における球発射台452bに遊技球Bが載置されていることを確認した上で、遊技球Bを発射させることができる。
[7-5.賞球処理]
賞球処理について図43等を参照して説明する。賞球処理は、遊技盤5に設けられている一般入賞口2001、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、等の入賞口に遊技球Bが受入れられることにより、特典として入賞口に応じた所定個数の賞球が付与され、その賞球を遊技者の持ち球数に加算するものである。
賞球処理では、遊技盤5において入賞口に遊技球Bが受入れられことで主制御基板1310から出力された信号(賞球信号)が枠制御基板640に入力されると、ステップS141において入力された賞球信号を解析する。主制御基板1310から出力される賞球信号としては、賞球個数としても良いし、遊技球Bが受入れられた入賞口の種類としても良い。
そして、ステップS141において賞球信号が解析されると、続くステップS142において、解析された賞球信号に応じた賞球個数を、遊技者の持ち球数に加算し、処理を終了する。
このように、賞球処理により、遊技盤5において遊技球Bが入賞した入賞口に応じた数の遊技球B(賞球個数)を、遊技者の待ち球数に加算することができる。
[7-6.揚上モータ動作処理]
揚上モータ動作処理について図44乃至図47等を参照して説明する。揚上モータ動作処理は、球発射ユニット450により遊技球Bが発射されることで球揚上出口通路552内の遊技球Bが減少すると、球揚上入口通路551内の遊技球Bを球揚上ユニット550の揚上スパイラルシャフト561の回転により揚上させて球揚上出口通路552に供給するものである。
揚上モータ動作処理は、まず、ステップS201において、リトライカウンタ1をクリアして次のステップS202に進む。ステップS202では、球揚上ユニット550の球揚上機構560における揚上スパイラルシャフト561の下端に取付けられている揚上モータインデックス565を検知するための揚上モータインデックスセンサ566がONか否かを判断する。
揚上モータインデックス565は、円盤状(フランジ状)の周方向に対して一部を切り欠くようにして設けられている検知部565aを有しており、揚上スパイラルシャフト561の回転により揚上モータインデックス565の検知部565aが揚上モータインデックスセンサ566の部位に位置すると、揚上モータインデックスセンサ566がONにより、検知部565a以外の部位では揚上モータインデックスセンサ566がOFFとなる。
ステップS202において、揚上モータインデックスセンサ566がONの場合は、YESとして次のステップS203へ進み、揚上出口センサ554が80ms以上ONであるか否かが判断される。このステップS203において、揚上出口センサ554が80ms以上ONでない(揚上出口センサ554がOFF)と判断されると、NOとして次のステップS204へ進む。
一方、ステップS203において、揚上出口センサ554が80ms以上ONと判断された場合は、YESとしてステップS203に戻り、揚上出口センサ554が80ms以上ONでなくなるまで(揚上出口センサ554がOFFになるまで)繰り返される。つまり、球揚上出口通路552内の複数の遊技球Bの列の最後部が、遊技球Bの発射により減少して揚上出口センサ554よりも下流側になるまで繰り返され、揚上出口センサ554がOFFになるとステップS204へ進む。
ステップS204では、揚上入口センサ553が80ms以上ONであるか否かが判断され、揚上入口センサ553が80ms以上ONでない(揚上入口センサ553がOFF)と判断された場合、NOとしてステップS205へ進み、「揚上入口球切れ」を示すエラー表示をONにしてステップS204へ戻る。これにより、球揚上入口通路551での球切れを報知して球切れの解消を促すことができる。
ステップS204において、揚上入口センサ553が80ms以上ONであると判断された場合は、YESとして次のステップS206へ進み、「揚上入口球切れ」を示すエラー表示をOFFにした後に、続くステップS207において1800ms経過後に揚上モータ564の作動を開始させて揚上スパイラルシャフト561を回転させる。これにより、球揚上入口通路551内の遊技球Bの揚上が開始される。揚上スパイラルシャフト561は、1回転すると遊技球Bを1個吐出する。
ここで、揚上モータ564の作動開始について換言すると、図46に示すように、揚上入口センサ553が80ms以上ON(連続ON)、揚上モータ564が停止、揚上出口センサ554が80ms以上ON(連続ON)、発射手前センサ604が80ms以上ON(連続ON)、の状態で、ハンドル160の操作により所定時間(ここでは600ms)間隔で遊技球Bが連続するように発射されている。そして、揚上出口センサ554がOFFになると、そこからt1時間(ここでは1800ms)経過後に、揚上モータ564の作動が開始して、揚上スパイラルシャフト561の上端から球揚上出口通路552側への遊技球Bの吐出(揚上装置球吐出)が開始する。
本実施形態では、揚上出口センサ554がOFFになってから、遊技球Bが3個発射されると、揚上モータ564が作動して揚上スパイラルシャフト561の回転が開始する。なお、揚上スパイラルシャフト561の回転により遊技球Bを吐出する時間間隔は、遊技球Bを連続発射する時間間隔よりも短く設定している。これにより、球発射ユニット450への遊技球Bの供給が、遊技球Bの発射に対して追い付かなくなることはない。
なお、球揚上ユニット550に設けられている球磨モータ588は、図46に示すように、揚上モータ564の作動とは無関係に制御されており、遊技球Bを1000個発射する毎に、磨布582が0.17mm移動するように作動している。
この揚上モータ564は、図45に示すように、揚上入口センサ553がONで、揚上出口センサ554がOFFの組み合わせ以外では作動することはなく停止している。
揚上モータ動作処理の説明に戻ると、ステップS207において揚上モータ564の作動が開始されると、続くステップS208でリトライカウンタ2をクリアし、続くステップS209で揚上モータインデックス565(揚上モータインデックスセンサ566)がOFF後600ms以内に再度ONになったか否かが判断される。
ステップS209において、揚上モータインデックス565がOFF後600ms以内に再度ONになった(揚上スパイラルシャフト561が回転している)と判断された場合、YESとして次のステップS210へ進み、揚上出口センサ554が80ms以上ONであるか否かを判断し、ONでない場合には、NOとしてステップS208へ戻り、揚上モータ564の作動が継続される。
一方、ステップS210において、揚上出口センサ554が80ms以上ONであると判断された場合は、YESとして次のステップS211へ進み、揚上モータインデックス565の検知部565aの検出3回目の位置にて揚上モータ564を停止させ、ステップS201へ戻り、揚上モータ動作処理を繰り返す。
つまり、図46及び図47に示すように、揚上出口センサ554がON(連続ON)になってから、揚上モータインデックス565の回転により非遮光(検知部565aにより揚上モータインデックスセンサ566がON)の3回目の時に、揚上モータ564が停止する。この際に、揚上モータインデックス565と一体回転する揚上スパイラルシャフト561により、1回転に付き1個の遊技球Bが球揚上出口通路552側へ吐出(揚上装置球吐出)されるため、揚上出口センサ554がONになってから揚上モータ564が停止するまでの間に3個の遊技球Bが吐出されることとなる。換言すると、揚上出口センサ554がONになると、3個の遊技球Bを球揚上出口通路552側へ吐出して揚上モータ564が停止する。これにより、球揚上出口通路552内には、余裕を持った数の遊技球Bが貯留される。なお、後述する揚上モータ原点復帰処理が円滑に実行されるように、球揚上出口通路552内を遊技球Bで満タンにすることはなく、所定個数の空きが出るようにしている。
この揚上モータ動作処理では、ステップS202において、揚上モータインデックス565がONでない(揚上モータインデックスセンサ566がOFF)と判断された場合、NOとして次のステップS212へと進み、リトライカウンタ1が3未満であるか否かが判断される。
ステップS212において、リトライカウンタ1が3未満である場合は、YESとして次のステップS213の揚上モータ原点復帰処理を実行した上で、ステップS214においてリトライカウンタ1に「1」を加算してステップS202へ戻る。
ステップS213の揚上モータ原点復帰処理は、揚上モータインデックスセンサ566がOFFの場合、揚上モータ564を作動させて揚上スパイラルシャフト561と一緒に揚上モータインデックス565を回転させ、揚上モータインデックスセンサ566がOFFの状態で、検知部565aが到達することでONの状態になった後に、揚上モータ564が2回転して停止し、揚上モータ564(揚上モータインデックス565)が原点に復帰する。
詳述すると、揚上モータインデックス565(揚上スパイラルシャフト561)は、シャフトギア562とモータギア563とのギア比により、揚上モータ564が32回転すると1回転するように構成されている。そして、揚上モータインデックス565の検知部565aの周方向の長さを、揚上モータ564が4回転する長さに形成しているため、揚上モータインデックスセンサ566がONになってから揚上モータ564が2回転して停止する位置は、検知部565aの中央に位置している。つまり、揚上モータインデックス565における検知部565aの中央を、揚上モータ564(揚上スパイラルシャフト561、揚上モータインデックス565)の原点としている(図47を参照)。
揚上モータ原点復帰処理が実行されると、揚上スパイラルシャフト561がおよそ1回転するため、1個の遊技球Bが球揚上出口通路552へ吐出されるが、球揚上出口通路552では遊技球Bの収容に対して所定個数の空きを持たせているため、揚上スパイラルシャフト561からの遊技球Bの吐出が妨げられることはなく、揚上モータ564を原点復帰させることができる。
上記のステップS212において、リトライカウンタ1が3未満ではないと判断された場合は、NOとしてステップS215へ進み、「揚上球ガミエラー」を示すエラー表示をONにして、続くステップS216により動作停止する。この動作停止の解除条件は、本体枠4における電源基板650に設けられている図示しない電源スイッチを切入することで解除することができる。
一方、上記のステップS209において、揚上モータインデックス565がOFF後600ms以内に再度ONにならなかった(揚上スパイラルシャフト561が回転していない)と判断された場合、ONとしてステップS217へ進み、リトライカウンタ2が3未満であるか否かを判断し、リトライカウンタ2が3未満でないと判断された場合には、NOとしてステップS215へ進み、「揚上球ガミエラー」を示すエラー表示をONにして、続くステップS216により動作停止する。
一方、ステップS217において、リトライカウンタ2が3未満であると判断された場合は、YESとして次のステップS218の球ガミ解除処理を実行し、続くステップS219でリトライカウンタ2に「1」を加算してステップS209に戻る。
ステップS218の球ガミ解除処理は、揚上出口センサ554のON/OFFを監視しない状態で、揚上モータ564を停止させた後に、揚上モータ564を逆回転させ、所定時間(例えば、100ms)経過後に揚上モータ564を停止させ、再び揚上モータ564を作動(正転)させる。
このように、揚上モータ動作処理により、遊技球Bが発射されることで球揚上出口通路552内の遊技球Bが減少すると、揚上モータ564の作動により揚上スパイラルシャフト561を回転させて、下端から球揚上入口通路551内の遊技球Bを揚上させると共に、上端から吐出させて球揚上出口通路552に供給することができる。
なお、上記した揚上モータ564の作動時間や遊技球Bの吐出個数等は一例であり、適宜の時間や個数にしても良い。
[7-7.セキュリティ処理]
セキュリティ処理について図48等を参照して説明する。セキュリティ処理は、不正行為の有無を監視するためものである。セキュリティ処理は、図48(a)に示すように、ステップS301において矛盾カウンタをクリアし、続くステップS302において、循環球経路ユニット500における所定時間内の回収球数を算出する。回収球数は、アウト球数とセーフ球数とファール球数との和によって算出される。
ステップS302において回収球数を算出したら、次のステップS303へ進み、発射減算センサ454による発射球数と回収球数とが同じであるか否かを判断し、同じと判断された場合には、YESとしてステップS302へ戻る。一方、発射球数と回収球数とが同じでないと判断された場合には、NOとして次のステップS304へ進み、矛盾カウンタに「1」を加算して続くステップS305へ進む。
ステップS305では、矛盾カウンタがn(例えば、50)よりも大きいか否かを判断し、nよりも小さいと判断された場合には、NOとしてステップS302に戻る。一方、矛盾カウンタがnよりも大きいと判断された場合は、YESとして次のステップS306へ進み、不正行為が行われている旨のエラー表示をONにした後に、続くステップS307において遊技停止処理を実行して処理を終了する。
ステップS306でのエラー表示の解除は、本体枠4における電源基板650に設けられている図示しない電源スイッチを切入することで解除することができる。
また、ステップS307での遊技停止処理としては、球発射ユニット450における遊技球Bの発射停止、球揚上ユニット550による遊技球Bの揚上停止(循環停止)、主制御基板1310側での遊技の停止、等がある。
セキュリティ処理としては、図48(b)に示すような処理としても良い。このセキュリティ処理では、まず、ステップS311において矛盾カウンタをクリアし、続くステップS312において、発射減算センサ454による発射球数が、ファール球センサ507によるファール球数以上か否かを判断する。
ステップS312において、発射球数がファール球数以上と判断された場合には、YESとしてステップS312へ戻る。一方、発射球数がファール球数以上でないと判断された場合には、NOとして次のステップS313へ進み、矛盾カウンタに「1」を加算して続くステップS314へ進む。
ステップS314では、矛盾カウンタがn(例えば、50)よりも大きいか否かを判断し、nよりも小さいと判断された場合には、NOとしてステップS312に戻る。一方、矛盾カウンタがnよりも大きいと判断された場合は、YESとして次のステップS315へ進み、不正行為が行われている旨のエラー表示をONにした後に、続くステップS316において遊技停止処理を実行して処理を終了する。
ステップS315でのエラー表示の解除は、本体枠4における電源基板650に設けられている図示しない電源スイッチを切入することで解除することができる。
また、ステップS316での遊技停止処理としては、球発射ユニット450における遊技球Bの発射停止、球揚上ユニット550による遊技球Bの揚上停止(循環停止)、主制御基板1310側での遊技の停止、等がある。
このように、発射球数と、遊技盤5から排出された遊技球Bの数(回収球数)やファール球数等と、によって不正行為の有無を判断することができる。
[7-8.封入球量検知処理]
封入球量検知処理について図49等を参照して説明する。封入球量検知処理は、封入されている遊技球Bの量(球数)が適量であるか否かを検知するものである。封入球量検知処理は、循環球過少センサ521のON/OFFと、循環球過多センサ522のON/OFFとの組み合わせにより、遊技球Bが適量であるか否かを判断している。循環球過少センサ521及び循環球過多センサ522では、遊技球Bの検知が所定時間(例えば、80ms)以上継続している時を、ONとしている。
具体的には、球揚上ユニット550における球揚上入口通路551の上流側となる循環球経路ユニット500の球貯留通路504において、一列に並んでいる遊技球Bの最後部が、循環球過少センサ521と循環球過多センサ522との間に位置していると、循環球過少センサ521がONで循環球過多センサ522がOFFとなる。このような組み合わせの時には、遊技球Bの量が適量であると判断し、関係するようなエラーが報知されることはない。
一方、球貯留通路504において一列に並んでいる遊技球Bの最後部が、循環球過少センサ521よりも下流に位置している場合は、循環球過少センサ521がOFFで循環球過多センサ522がOFFのとなる。このような組み合わせの時には、遊技球Bの量が過少であると判断し、「遊技球過少」の旨を案内するエラーが報知される。
また、球貯留通路504において一列に並んでいる遊技球Bの最後部が、循環球過少センサ521及び循環球過多センサ522を越えて循環球過多センサ522よりも上流に位置している場合は、循環球過少センサ521がONで循環球過多センサ522がONとなる。このような組み合わせの時には、遊技球Bの量が過多であると判断し、「遊技球過多」の旨を案内するエラーが報知される。
ところで、本実施形態のパチンコ機1が設置される環境(遊技ホール)によっては、従来の鉄球SBを遊技球とするパチンコ機と一緒に設置される場合があり、本実施形態のパチンコ機1のメンテナンス等により遊技球Bを補充したり交換したりした時に、鉄球SBが混入してしまう恐れがある。そして、本パチンコ機1に鉄球SBが混入された場合、循環経路Rにおける球貯留通路504の球抜シャッター515に強力な磁石516を設けているため、混入された鉄球Bが磁石516により磁着して、球抜シャッター515上で停止した状態となる。
球抜シャッター515に鉄球SBが磁着した状態で、球発射ユニット450において遊技球Bの発射が続けられると、球貯留通路504における球抜シャッター515よりも下流側の遊技球Bが球揚上ユニット550により揚上されて減少し、やがて循環球過少センサ521がOFFになる。一方、球発射ユニット450から発射された遊技球Bは、循環球経路ユニット500のアウト球受口500aやセーフ球受口500b、ファールユニット470等により回収されて球貯留通路504の上流側へ供給され、球抜シャッター515(鉄球SB)よりも上流側に溜まることとなり、やがて循環球過多センサ522がONになる。このように、循環球過少センサ521がOFFで循環球過多センサ522がONとなった組み合わせの場合には、球抜シャッター515に鉄球SBが磁着していると判断し、「鉄球混入」の旨を案内するエラーが報知される。
なお、循環球過少センサ521と循環球過多センサ522との間において、球ガミによる球詰まりが発生した場合は、上記と同様の組み合わせとなるため、「鉄球混入」の旨を案内するエラーが報知される。
また、エラーの報知は、報知ランプを設けて点灯させても良いし、演出表示装置において画像表示させても良い。或いは、エラー信号を、遊技球貸出装置8を介して遊技ホールのホールコンピュータ(ホルコン)へ出力して、遊技ホール側に設けられている報知ランプを点灯させても良い。
このように、封入球量検知処理により、封入されている遊技球Bの量を適量に管理することができると共に、鉄球SBの混入を検知することができる。
[7-9.球抜処理]
球抜処理について説明する。球抜処理は、循環球経路ユニット500において、球抜シャッター515により球抜口513pを開いて球受トレー620へ遊技球Bを抜く際に実行するものである。球抜処理は、扉枠3を本体枠4に対して開いて扉開放スイッチ407をOFFにし、球抜シャッター515を手前に引いて球抜口513pを開くと共に、枠制御基板640に設けられている球抜スイッチ642をONにすることで実行される。
球抜処理では、揚上入口センサ553のON/OFFが無効にされ、球発射ユニット450における発射ソレノイド453が所定時間間隔でON/OFFを繰り返すと共に、揚上モータ564が作動したままの状態となる。
この際に、発射ソレノイド453がONになることで遊技球Bが発射されても、扉枠3を開いていることでファールシャッター471が閉位置の状態となっており、ファールユニット470から外部へ打ち出されることなくファール球として循環球経路ユニット500へ送られる。
そして、所定時間の経過後、又は、電源基板650の電源スイッチをOFFにすると、球抜処理が終了する。
このように、球抜処理により、封入されている遊技球Bを抜くことができる。なお、遊技球Bを入れる場合は、遊技盤5のアウト口1008から入れたり、本体枠4から遊技盤5を取外して上方へ開口しているアウト球受口500aやセーフ球受口500b、から入れたり(補充する)ことが可能である。
[8.遊技盤の全体構成]
パチンコ機1における遊技盤5の全体構成について、主に図50乃至図56を参照して詳細に説明する。図50は、透明なセンター役物等を不透明にして示す遊技盤の正面図である。図51は図50の遊技盤を右前から見た斜視図であり、図52は図50の遊技盤を左前から見た斜視図であり、図53は図50の遊技盤を後ろから見た斜視図である。図54は遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図55は遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図56は、遊技パネルの面と平行に表ユニットを切断して遊技球が流通する遊技領域内を示す遊技盤の正面図である。
パチンコ機1の遊技盤5は、遊技者がハンドル160を操作することで遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。遊技領域5aには、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定個数の持ち球数の加算)を付与する一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、第二V入賞口2008、が備えられている。この遊技盤5は、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、及び役物入賞口2006等に、受入れられるように、ハンドル160の打込操作と遊技領域5a内での遊技球Bの流通とを楽しませる遊技を行うためのものである。
遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技領域5a内において不正に作用する磁気を検知する複数の磁気センサ1030(図70を参照)と、遊技盤5(パチンコ機1)に作用する振動を検知する振動センサ1040(図70等を参照)と、を備えている。遊技パネル1100の前面における遊技領域5a内となる部位には、遊技球Bと当接する複数の障害釘N(図84等を参照)が所定のゲージ配列で植設されている。
また、遊技盤5は、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(図70等を参照)を有している主制御ユニット1300と、を備えている。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左上隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の後側に配置されており主制御基板1310と周辺制御基板1510との接続を中継しているパネル中継基板(図示は省略)と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。
裏ユニット3000の後面に演出表示装置1600が設けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が設けられている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している普通入賞口2002と、センター役物2500の下方における左右方向の中央に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2003と、遊技球Bが普通入賞口2002に受入れられることにより抽選される普通図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別図柄や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第二特別図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入が可能となる大入賞口2005又は役物入賞口2006と、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが受入可能となる第一V入賞口2007及び第二V入賞口2008と、を備えている。また、遊技盤5は、遊技領域5a内において不正に作用する磁気を検知する複数の磁気センサ1030(図70を参照)を、備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内における最も下流に設けられており、遊技球Bを受入可能に常時開口していると共に、受入れた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外に排出するアウト口2020と、遊技領域5a内におけるアウト口2020よりも上流に設けられており、遊技球Bを受入可能に常時開口していると共に、受入れた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外に排出する二つのサブアウト口2021と、を備えている。アウト口2020は、第一始動口2003を間にして左右に二つ設けられている。また、二つのサブアウト口2021は、遊技領域5aの左右方向中央よりも左方の部位と、遊技領域5aの左右方向中央よりも右方の部位と、に夫々設けられている。
更に、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2003及びアウト口2020を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001と一つのサブアウト口2021とを有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に設けられているサイド左上ユニット2300と、始動口ユニット2100の右方に設けられており第二始動口2004と大入賞口2005と一つのサブアウト口2021とを有しているアタッカユニット2400と、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに設けられており役物入賞口2006、第一V入賞口2007及び第二V入賞口2008を有している枠状のセンター役物2500と、アタッカユニット2400の右端上方に設けられており普通入賞口2002を有している普通入賞口ユニット2600と、を備えている。
センター役物2500は、役物入賞口2006及び第一V入賞口2007を有している枠状の本体ユニット2510と、本体ユニット2510の枠内の下部に設けられており第二V入賞口2008を有している抽選役物2550と、を備えている。
裏ユニット3000は、遊技領域5a内において不正に作用する磁気を検知する複数の磁気センサ1030と、遊技盤5(パチンコ機1)に作用する振動を検知する振動センサ1040と、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後壁に演出表示装置1600を着脱可能に取付けているロックスライダ3020と、演出表示装置1600の後方に配置されており裏箱3010の後壁に取付けられている裏基板ユニット3040と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010内の前端付近の下部に設けられており遊技パネル1100の後方へ誘導された遊技球Bが流通する裏球誘導ユニット3100と、裏箱3010内における裏球誘導ユニット3100の後に設けられている裏装飾ユニット3200と、裏箱3010内に前端付近における裏球誘導ユニット3100の左方及び上方に設けられている裏前演出ユニット3300と、裏箱3010内における裏前演出ユニット3300の後ろに設けられている裏後演出ユニット3400と、を備えている。
[8-1.前構成部材]
遊技盤5における前構成部材1000について、主に図54及び図55等を参照して詳細に説明する。前構成部材1000は、全体が透明に形成されている。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球Bが当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、枠内における正面視左右方向中央下部で、アウト誘導部1003の後端において前後に貫通しているアウト口1008を備えている。このアウト口1008は、始動口ユニット2100によって前方から閉鎖されている。
また、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、の夫々の部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1009を備えている。この防犯凹部1009は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー(図示は省略)の後方へ突出した後方突片(図示は省略)が挿入された状態となる。これにより、防犯カバーと遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバーの後方突片と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバーと前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1010を備えている。この切欠部1010は、遊技パネル1100の切欠部1122と一致している。この切欠部1010は、遊技球を遊技者に払出すタイプのパチンコ機の本体枠に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部1122を貫通して下部満タン球経路ユニットの下部通常払出通路及び下部満タン払出通路の前端開口が前方へ臨ませて扉枠の上皿や下皿へ遊技球を供給するためのものである。
更に、前構成部材1000は、正面視において左上隅に形成されており、機能表示ユニット1400が取付けられる機能表示ユニット取付部1011と、右下隅に形成されている証紙貼付部1012と、を備えている。
また、前構成部材1000は、略全体が透明に形成されており、後側に配置されている遊技パネル1100や裏ユニット3000等を前方から視認することができる。
[8-2.遊技パネル]
遊技盤5における遊技パネル1100について、主に図54及び図55等を参照して詳細に説明する。遊技パネル1100は、前構成部材1000の後面に取付けられており、表ユニット2000及び裏ユニット3000が取付けられるものである。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。遊技パネル1100の前面には、所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが植設されている。
遊技パネル1100のパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダ1120よりも薄く、障害釘Nを前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8~10mm)とされている。なお、本実施形態では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
パネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となり前構成部材1000のアウト口1008と対応した位置が、下端から上方へ窪んでいる。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部1112が複数形成されている。
また、パネル板1110は、図示は省略するが、前後に貫通した丸孔及び短い長孔に形成されている複数の位置決孔と、上縁と下縁とにおいて夫々左右方向へ離隔しており板厚が薄く形成されている複数の係合段部と、を備えている。位置決孔は、パネルホルダ1120の突出ピン(図示は省略)が挿入されることで、パネルホルダ1120との位置決めをするためのものである。係合段部は、パネルホルダ1120の係合爪(図示は省略)や係合片(図示は省略)に係合されることで、パネルホルダ1120に対して着脱可能に取付けられるためのものである。
パネル板1110は、センター役物2500を取付けるための大きな開口部1112が、正面視において中央よりも上側にオフセットしている。これにより、パネル板1110が枠状となっており、正面視において、遊技球Bの流通方向(枠状の周方向)に対して直交している幅が、中央より上側を除いた、左側及び右側と下側が複数の遊技球Bが並ぶことが可能な広い幅となっており、上側が複数の遊技球Bが並ぶことが不能な狭い幅となっている。
遊技パネル1100のパネルホルダ1120は、パネル板1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、パネル板1110よりも厚く(本実施形態では、約20mm)形成されている。パネルホルダ1120は、透明な合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。このパネルホルダ1120は、パネル板1110と略同じ大きさで前面側から後方側に向かって凹んでいる保持段部(図示は省略)と、保持段部を略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通している貫通口1121を備えている。
また、パネルホルダ1120は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1122を備えている。この切欠部1122は、前構成部材1000の切欠部1010と一致するように形成されている。この切欠部1122は、遊技球を遊技者に払出すタイプのパチンコ機の本体枠に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部1122を貫通して下部満タン球経路ユニットの下部通常払出通路及び下部満タン払出通路の前端開口が前方へ臨ませて扉枠の上皿や下皿へ遊技球を供給するためのものである。
更に、パネルホルダ1120には、下端からアウト口1008に対応した位置まで上方へ延びており、後面から前方へ向かって窪んでいるアウト凹部1123が形成されている。アウト凹部1123は、上部がアウト口1008と連通している。
また、パネルホルダ1120は、図示は省略するが、保持段部から前方へ突出しておりパネル板1110の複数の位置決孔に夫々が挿入される複数の突出ピンと、保持段部よりも外側に配置されておりパネル板1110の上側と左下の傾斜している部位の係合段部に対して弾性係合する三つの係合爪と、保持段部の下外側から上方へ突出しておりパネル板1110の下辺の二つの係合段部と夫々係合する一対の係合片と、を備えている。パネルホルダ1120は、前方斜め上からパネル板1110の下辺の係合段部を、係合片に係合させた上で、パネル板1110の上部を後方へ移動させて、上側と左下の傾斜している部位の係合段部を係合爪に弾性係合させることで、パネル板1110を保持段部に収容した状態で着脱可能に取付けることができる。この際に、パネル板1110の位置決孔に、パネルホルダ1120の突出ピンが挿入され、パネル板1110がパネルホルダ1120に対して所定の位置に位置決めされる。
この遊技パネル1100は、前側に取付けられる前構成部材1000と共に透明に形成されているため、遊技盤5に組立てた時に、遊技領域5aの境界が明瞭に見えることを低減させることができ、遊技者に対して開放感を与えることができると共に、実際の遊技領域5aの大きさが変わらないものの、遊技者に対して遊技領域5aを大きく(広く)見せることができる。
また、遊技パネル1100を、前構成部材1000と共に透明としているため、演出表示装置1600、表ユニット2000や裏ユニット3000、等からの光を、前方(遊技者側)へ反射させたり屈折させたりすることで発光しているように見せることができ、遊技盤5の全体の装飾性をより高めることができる。
[8-3.基板ホルダ]
遊技盤5における基板ホルダ1200について、主に図54及び図55等を参照して詳細に説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。基板ホルダ1200は、底面における左右方向中央において、前端から後方へ向かって切欠かれている排出部1201を有している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側及び後側から覆っていると共に、後面に主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320が取付けられている。
基板ホルダ1200は、パチンコ機1に組立てた状態で、排出部1201が、本体枠4の循環球経路ユニット500におけるアウト球受口500a及びセーフ球受口500bの直上に位置している。これにより、アウト口2020やサブアウト口2021を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球Bは、循環球経路ユニット500におけるアウト球受口500aへ排出され、アウト球受口500aに受けられることでアウト球通路501を流通してアウト球センサ505により一つずつ検知(カウント)される。一方、一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006のような入賞口に受入れられて表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球Bは、循環球経路ユニット500におけるセーフ球受口500bへ排出され、セーフ球受口500bに受けられることでセーフ球通路502を流通してセーフ球センサ506により一つずつ検知(カウント)される。
[8-4.主制御基板ユニット]
遊技盤5における主制御ユニット1300について、主に図57乃至図61等を参照して詳細に説明する。図57(a)は主制御ユニットの一つである第一仕様主制御ユニットの背面図であり、(b)は第一仕様主制御ユニットを前から見た斜視図であり、(c)は第一仕様主制御ユニットを後ろから見た斜視図である。図58(a)は第一仕様主制御ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は第一仕様主制御ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図59(a)主制御ユニットの一つである第二仕様主制御ユニットの背面図であり、(b)は第二仕様主制御ユニットを後ろから見た斜視図である。図60(a)は第二仕様主制御ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は第二仕様主制御ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図61(a1)は第一仕様主制御ユニットの背面図における設定キースイッチが実装されている部位を拡大して示す説明図であり、(a2)は(a1)における設定キースイッチの部位を断面で示す説明図であり、(b1)は第二仕様主制御ユニットの背面図における(a1)と同じ部位を拡大して示す説明図であり、(b2)は(b1)における(a2)と同じ部位を断面で示す説明図である。
主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技者への特典の付与等を制御する主制御基板1310(図70を参照)と、主制御基板1310を収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、基板ホルダ1200に取付けられると共に後面に主制御基板1310が取付けられる基板ベース1330と、主制御基板1310を後方から覆うように基板ベース1330に取付けられている基板カバー1340と、から構成されている。基板ベース1330と基板カバー1340とは、透明なポリカーボネイトにより形成されている。基板ベース1330と基板カバー1340とにより形成される内部空間には、主制御基板1310が収容されている。基板ベース1330と基板カバー1340が透明なポリカーボネイトにより形成されていることによって、主制御基板1310の表面側や裏面側の状態(不正な改変が行われているか否か、又は不正ICが実装されているか否か)を、主制御基板ボックス1320の外側から確認することができるようになっている。
また、主制御基板ボックス1320は、基板ベース1330と基板カバー1340とに夫々対応するように複数の封印機構1350を備えており、一つの封印機構1350を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構1350を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
主制御ユニット1300の主制御基板1310は、インターフェース基板660、アウト球センサ505、周辺制御基板1510、等と接続されている。また、主制御基板1310は、機能表示ユニット1400、一般入賞口センサ3001、普通入賞口センサ3002、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2501、第一V入賞口センサ2502、第二V入賞口センサ2503、ハズレ口センサ2504、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、役物入賞口ソレノイド2516、第一振分ソレノイド2534、第二振分ソレノイド2544、抽選ループソレノイド2558、打撃片駆動モータ2561、樋揺動駆動モータ2564、揺動片ソレノイド2565、磁気センサ1030、振動センサ1040、等と接続されている。
また、主制御基板1310には、四つの7セグメントLEDからなるベースモニタ1311を有している。ベースモニタ1311は、透明な基板カバー1340を通して後方から視認することができる。このベースモニタ1311は、球発射ユニット450により発射された遊技球Bのうち、遊技領域5a内に打込まれた後に遊技盤5から下方へ排出されて、本体枠4の循環球経路ユニット500に設けられているアウト球センサ505により検知されることでカウントされた遊技球Bの球数を表示するものである。本実施形態のベースモニタ1311は、100発発射してアウト球センサ505によりカウントされた球数(遊技ホール側へ戻ってきた球数)を百分率にして表示している。
本実施形態のパチンコ機1では、主制御ユニット1300として、遊技内容等の設定を変更することが可能な第一仕様主制御ユニット1300Aと、遊技内容等の設定を変更することが不能な第二仕様主制御ユニット1300Bと、の二つの仕様の異なるものが予め用意されており、本パチンコ機1を設置する遊技ホール側の要望に応じて何れか一方を遊技盤5に装着することができる。
まず、主制御ユニット1300としての第一仕様主制御ユニット1300Aについて、図57、図58、及び図61を参照して詳細に説明する。第一仕様主制御ユニット1300Aは、遊技内容及び遊技者への特典の付与等を制御する第一仕様主制御基板1310Aと、第一仕様主制御基板1310Aを収容しており基板ホルダ1200に取付けられる第一仕様主制御基板ボックス1320Aと、を備えている。
第一仕様主制御基板ボックス1320Aは、基板ホルダ1200に取付けられると共に後面に第一仕様主制御基板1310Aが取付けられる基板ベース1330と、第一仕様主制御基板1310Aを後方から覆うように基板ベース1330に取付けられている第一仕様基板カバー1340Aと、基板ベース1330と第一仕様基板カバー1340Aとを開閉の痕跡が残るように封印可能な複数の封印機構1350と、を有している。第一仕様主制御基板ボックス1320Aは、ポリカーボネイトのような透明な合成樹脂により形成されており、内部に収容されている第一仕様主制御基板1310Aを外部から視認することができる。第一仕様主制御基板ボックス1320Aの基板ベース1330及び封印機構1350は、上記の主制御基板ボックス1320と同じ構成であるため、詳細な説明は省略する。
第一仕様主制御基板1310Aは、上記の主制御基板1310と同様に、インターフェース基板660、アウト球センサ505、周辺制御基板1510、等と接続されている。また、第一仕様主制御基板1310Aは、機能表示ユニット1400、一般入賞口センサ3001、普通入賞口センサ3002、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2501、第一V入賞口センサ2502、第二V入賞口センサ2503、ハズレ口センサ2504、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、役物入賞口ソレノイド2516、第一振分ソレノイド2534、第二振分ソレノイド2544、抽選ループソレノイド2558、打撃片駆動モータ2561、樋揺動駆動モータ2564、揺動片ソレノイド2565、磁気センサ1030、振動センサ1040、等とも接続されている。
また、第一仕様主制御基板1310Aは、背面視において右上隅付近に、四つの7セグメントLEDからなるベースモニタ1311が設けられている。ベースモニタ1311は、透明な第一仕様基板カバー1340Aを通して後方から視認することができる。本実施形態のベースモニタ1311は、例えば、発射した遊技球Bに対して、何個の遊技球Bが賞球として排出されるかの割合(所謂ベース)を表示している。
また、第一仕様主制御基板1310Aは、背面視において右上隅に設定キースイッチ1312が設けられている。設定キースイッチ1312は、背面視において、ベースモニタ1311と同じ高さの右方に設けられている。この設定キースイッチ1312は、第一仕様主制御基板1310Aにのみ設けられている特有の特定部品である。この設定キースイッチ1312は、パチンコ機1の設定値の切替えと、設定値の確認と、を行うためのものである。設定キースイッチ1312は、設定キー(図示は省略)の挿入口1312aが第一仕様基板カバー1340Aの設定キー窓1341から外方へ臨んでいる。
設定キースイッチ1312は、底部から取付用の脚1312bや、接続用の端子1312cが突出している。設定キースイッチ1312は、図58(a)に示すように、第一仕様主制御基板1310Aに実装した状態では、脚1312b及び端子1312cの夫々の先端が、第一仕様主制御基板1310Aを貫通して基板の裏側に突出している。この第一仕様主制御基板1310Aには、設定キースイッチ1312の脚1312b及び端子1312cが挿入される取付孔及びスルーホールが、予め設けられている。
また、設定キースイッチ1312は、挿入口1312aが設けられている部位を形成している円柱状の円柱部1312dと、円柱部1312dの円の直径よりも一辺が長い正方形で円柱部1312dの前端から前方へ角柱状に延出している角柱部1312eと、を有している。設定キースイッチ1312の円柱部1312dは、第一仕様基板カバー1340Aの筒部1342内に挿入される。設定キースイッチ1312は、円柱部1312dと角柱部1312eとの間に、段差が形成されている。角柱部1312eの前端から脚1312b及び端子1312cが前方へ延出している。
この設定キースイッチ1312は、設定キーの挿入口1312aの長手方向が、図示するように上下方向となっている位置が、初期位置とされており、設定キースイッチ1312がOFFとなっていると共に、挿入口1312aに対して設定キーを差し込んだり、挿し込まれた設定キーを挿入口1312aから抜いたりすることができる。設定キースイッチ1312は、挿入口1312aに設定キーを差し込んで、初期位置から時計回りの方向へ60度回転させると、第一位置として設定キーONとなり、その信号が主制御MPU(図示は省略)へ入力される。一方、挿し込んだ設定キーを初期位置から反時計回りの方向へ60度回転させると、第二位置として決定キーONとなり、その信号が主制御MPU(図示は省略)へ入力される。このように、本実施形態の設定キースイッチ1312は、設定キーを回転させる方向によって、設定キーONの機能と、決定キーONの機能と、の二つの機能を操作することができ、初期位置にすることで何れの機能の操作もOFFとすることができる。
設定キースイッチ1312による設定値の変更方法としては、パチンコ機1の電源がOFFの状態で、設定キースイッチ1312に設定キーを差し込んで、時計回りの方向(右)へ回した状態とする。この状態で、RAMクリアスイッチ(図示は省略)を押しながら電源基板650の電源スイッチ(図示は省略)をONにすると、ベースモニタ1311に設定が表示される。設定が表示されたら、設定変更スイッチ(ここではRAMクリアスイッチと兼用)を押すと、表示されている設定値が変わるため、所望の設定値を表示させた上で、設定キーを左に回して元の初期位置へ戻すと、設定が確定する。
一方、現在設定されている設定値を確認する場合は、パチンコ機1の電源がOFFの状態で、設定キースイッチ1312に設定キーを差し込んで、時計回りの方向(右)へ回した状態とする。この状態で、パチンコ機1の電源スイッチをONにすると、ベースモニタ1311に現在設定されている設定値が表示される。設定値の確認が終了したら、設定キーを左に回して元の初期位置へ戻すと、通常の状態に戻る。
ここで、設定値について簡単に説明すると、「設定値」とは、大当りか否かを抽選判定するための確率や、遊技者にとって有利となる(つまり、遊技者が獲得することができる遊技球Bの球数を増やすことができる)確率(有利度合い)が予め設定されているものである。本実施形態では、設定値として、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6が予め用意されており、設定値1から設定値6へ向かって遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定されている。
そして、第一仕様主制御基板1310Aの主制御MPUは、設定値と対応付けた各種抽選判定で用いられる各種テーブル(例えば、大当りに当選したことを示す大当り判定値の割合が規定される大当り判定テーブル)を選択する。
なお、各種抽選判定で用いられる各種テーブルは、相互に少なくとも一部の値が異なるように設定され、各種振分け率で用いられる各種テーブルは、相互に少なくとも一部の値が異なるように設定されているものもあれば、一の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルと他の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルとの関係性に基づいて値が異なるように設定されているものもある。また、上述した設定値としては、設定値1から設定値6までに亘る範囲の6つの設定値(整数)としていたが、これと比べて少ない範囲のものでもあっても良いし、多い範囲のものであっても良い。例えば、設定値1~設定値4までに亘る範囲の4つの設定値(整数)としても良いし、設定値1~設定値8までに亘る範囲の8つの設定値(整数)としても良い。
第一仕様主制御ユニット1300Aにおける第一仕様主制御基板ボックス1320Aの第一仕様基板カバー1340Aは、設定キースイッチ1312の後端(挿入口1312a)を後方へ臨ませる設定キー窓1341と、設定キー窓1341の周縁から後方へ円筒状に突出している筒部1342と、を有している。また、第一仕様基板カバー1340Aは、筒部1342よりも上方の部位の裏面に、案内部1343として「設定キー」の文字が凸状に刻印されている(図61(a1)を参照)。この第一仕様基板カバー1340Aは、透明な合成樹脂により形成されているため、裏面に案内部1343が設けられていても、表側から視認することができる。
第一仕様主制御ユニット1300Aは、組立てた状態で、第一仕様基板カバー1340Aの筒部1342の内部に、設定キースイッチ1312の円柱部1312dが挿入されている。これにより、設定キースイッチ1312の後端面が第一仕様基板カバー1340Aの後面よりも後方へ突出していない状態で、当該後端面が設定キー窓1341から後方へ臨んでいる。また、第一仕様基板カバー1340Aの筒部1342の前端が、設定キースイッチ1312における円柱部1312dと角柱部1312eとの間の段差に当接している。これにより、設定キー窓1341の前端側が角柱部1312eと重なって閉鎖されている状態となり、設定キー窓1341を通して第一仕様主制御基板ボックス1320A内へのピアノ線のような不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、第一仕様主制御ユニット1300Aに組立てた状態では、設定キー窓1341から設定キースイッチ1312の後端面に設けられている挿入口1312aが後方へ露出して臨んでいると共に、その上方に設けられている案内部1343の「設定キー」の文字を視認することができるため、作業者に対して設定キー窓1341から臨んでいる挿入口1312aが、設定キーを挿入するためのものであることを認識させることができる。従って、この第一仕様主制御ユニット1300Aが、設定値を変更することが可能なものであることを容易に認識させることができる。
続いて、主制御ユニット1300としての第二仕様主制御ユニット1300Bについて、図59乃至図61を参照して詳細に説明する。第二仕様主制御ユニット1300Bは、遊技内容及び遊技者への特典の付与等を制御する第二仕様主制御基板1310Bと、第二仕様主制御基板1310Bを収容しており基板ホルダ1200に取付けられる第二仕様主制御基板ボックス1320Bと、を備えている。
第二仕様主制御基板ボックス1320Bは、基板ホルダ1200に取付けられると共に後面に第二仕様主制御基板1310Bが取付けられる基板ベース1330と、第二仕様主制御基板1310Bを後方から覆うように基板ベース1330に取付けられている第二仕様基板カバー1340Bと、基板ベース1330と第二仕様基板カバー1340Bとを開閉の痕跡が残るように封印可能な複数の封印機構1350と、を有している。第二仕様主制御基板ボックス1320Bは、ポリカーボネイトのような透明な合成樹脂により形成されており、内部に収容されている第二仕様主制御基板1310Bを外部から視認することができる。第二仕様主制御基板ボックス1320Bの基板ベース1330及び封印機構1350は、上記の主制御基板ボックス1320と同じ構成であるため、詳細な説明は省略する。
第二仕様主制御基板1310Bは、上記の主制御基板1310と同様に、インターフェース基板660、アウト球センサ505、周辺制御基板1510、等と接続されている。また、第二仕様主制御基板1310Bは、機能表示ユニット1400、一般入賞口センサ3001、普通入賞口センサ3002、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2501、第一V入賞口センサ2502、第二V入賞口センサ2503、ハズレ口センサ2504、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、役物入賞口ソレノイド2516、第一振分ソレノイド2534、第二振分ソレノイド2544、抽選ループソレノイド2558、打撃片駆動モータ2561、樋揺動駆動モータ2564、揺動片ソレノイド2565、磁気センサ1030、振動センサ1040、等とも接続されている。
また、第二仕様主制御基板1310Bは、背面視において右上隅付近に、四つの7セグメントLEDからなるベースモニタ1311が設けられている。ベースモニタ1311は、透明な第二仕様基板カバー1340Bを通して後方から視認することができる。このベースモニタ1311は、球発射ユニット450により発射された遊技球Bのうち、遊技領域5a内に打込まれた後に遊技盤5から下方へ排出されて、本体枠4の循環球経路ユニット500に設けられているアウト球センサ505により検知されることでカウントされた遊技球Bの球数を表示するものである。本実施形態のベースモニタ1311は、100発発射してアウト球センサ505によりカウントされた球数(遊技ホール側へ戻ってきた球数)を百分率にして表示している。
この第二仕様主制御基板1310Bは、第一仕様主制御基板1310Aとは異なり、設定キースイッチ1312が設けられていない。換言すると、第二仕様主制御基板1310Bは、背面視において右上隅(ベースモニタ1311の右方の部位)に、何らの電子部品も実装されていない未実装領域1313を有している(図61(b1)において二点鎖線で囲んでいる領域)。第二仕様主制御基板1310Bにおける未実装領域1313には、電子部品を取付けるための取付孔、電子部品を電気的に接続するためのスルーホール、等が一切設けられていない。
このように、第二仕様主制御基板1310Bには、特定部品としての設定キースイッチ1312が設けられていないため、設定値を変更することが不能となっており、パチンコ機1(遊技盤5)の遊技内容等にかかる設定値が変更不能に固定されている。
なお、図示は省略するが、第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313に、電子部品(特定部品)が実装されていないことを認識させる文字や記号等を、シルク印刷等により施すようにしても良い。
第二仕様主制御基板ボックス1320Bにおける第二仕様基板カバー1340Bは、第二仕様主制御ユニット1300Bに組立てた時に、第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313と対向する面部1344に、第二仕様主制御基板1310Bへ向かって円筒状に延出している未実装識別部1345を有している。第二仕様基板カバー1340Bの未実装識別部1345は、第一仕様基板カバー1340Aの筒部1342と同じ構成である。
この第二仕様基板カバー1340Bは、第一仕様基板カバー1340Aとは異なり、設定キー窓1341及び案内部1343を有しておらず、設定キー窓1341の部位、つまり、未実装識別部1345の筒状の後端開口が面部1344によって閉鎖されている。従って、第二仕様基板カバー1340Bは、後面における未実装領域1313の後方となる部位が、凹凸のない平坦な面となっている。そして、第二仕様基板カバー1340Bは、透明な合成樹脂によって形成されているため、外部から未実装識別部1345を視認することができる。
なお、第二仕様基板カバー1340Bにおける未実装領域1313と対向する部位に、未実装識別部1345として、円筒状の部位に加えて特定部品が実装されていないことを示す文字や記号等を設けるようにしても良いし、円筒状の部位に替えて特定部品が実装されていないことを示す文字や記号等を設けるようにしても良い。
このように、第二仕様主制御ユニット1300Bによれば、透明な第二仕様基板カバー1340Bにおける第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313と対向する面部1344に、特定部品としての設定キースイッチ1312と対応可能な筒状の未実装識別部1345を設けているため、当該未実装識別部1345が見えることで作業者の視線を、未実装識別部1345に誘導させることができる。そして、作業者の視線が未実装識別部1345に誘導されることで、未実装識別部1345と対向している第二仕様主制御基板1310Bの部位(未実装領域1313)が見えることとなり、当該部位に何も電子部品が実装されていないことを認識させることができる。
この際に、第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313には、電子部品を取付けるための取付孔やスルーホール等が設けられていないため、作業者に対して、当該第二仕様主制御ユニット1300Bは未実装領域1313に電子部品(特定部品としての設定キースイッチ1312)が実装されていない遊技仕様のものであると即座に認識させることができ、第二仕様主制御ユニット1300Bにおける遊技仕様の違いが判り易いパチンコ機1を提供することができる。
なお、上記の実施形態では、第一仕様主制御基板1310Aに実装され第二仕様主制御基板1310Bには実装されていない特定部品として、設定キースイッチ1312を示したが、これに限定するものではなく、その他のスイッチ、コネクタ、ROM、IC、等としても良い。
また、上記の実施形態では、第二仕様基板カバー1340Bの未実装識別部1345として、円筒状のものを示したが、これに限定するものではなく、未実装領域1313と対向している面部1344において、表面や裏面から突出しているものとしても良いし、表面や裏面において凹んでいるものとしても良いし、表面や裏面に設けられている線状(パーティングラインを含む)のものとしても良いし、他の面部よりも一段低い面部1344としても良い。
更に、上記の実施形態では、未実装識別部1345として、第二仕様基板カバー1340Bと一体的に形成されているものを示したが、これに限定するものではなく、第二仕様基板カバー1340Bに貼り付けられるシール、第二仕様基板カバー1340Bに施される印刷や塗装によるインク、等により未実装識別部を構成するようにしても良い。
[8-5.機能表示ユニット]
遊技盤5における機能表示ユニット1400について、主に図50等を参照して詳細に説明する。機能表示ユニット1400は、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、パチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の遊技窓101を通して前方(遊技者側)から視認することができる。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通図柄の抽選結果や特別図柄の抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略するが、遊技状態を表示する三つのLEDからなる状態表示器と、普通入賞口2002への遊技球Bの受入れにより抽選される普通図柄の抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器と、普通入賞口2002への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、を備えている。
また、機能表示ユニット1400は、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄の抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器と、第一始動口2003への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄の抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、を備えている。
更に、機能表示ユニット1400は、第一特別図柄の抽選結果又は第二特別図柄の抽選結果が「当り」等の時に、大入賞口2005の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する五つのLEDからなるラウンド表示器、を備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[8-6.周辺制御ユニット]
遊技盤5における周辺制御ユニット1500について、主に図53等を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後側に設けられている演出表示装置1600の後方に設けられている。詳述すると、周辺制御ユニット1500は、裏箱3010の後面に演出表示装置1600を取付けている液晶スペーサ1610の後面に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510(図70を参照)と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。周辺制御基板1510は、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための演出表示制御部1512と、を備えている。
周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510は、主制御基板1310、演出操作ユニット250、扉枠3側の各種装飾基板、演出表示装置1600、等と接続されている(図70を参照)。周辺制御ユニット1500は、詳細は後述するが、演出表示装置1600の後側に取付けられている。
[8-7.演出表示装置]
遊技盤5における演出表示装置1600について、主に図54及び図55等を参照して説明する。演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。演出表示装置1600は、裏箱3010の後壁に取付けられる液晶スペーサ1610の前面に取付けられている。液晶スペーサ1610は、裏箱3010に対して着脱可能としていることから、演出表示装置1600が液晶スペーサ1610を介して裏箱3010から着脱させることができる。演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、透明な遊技パネル1100や枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。
演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとした15inchのフルカラーの液晶表示装置であり、横長の状態で液晶スペーサ1610の前面に取付けられている。演出表示装置1600は、周辺制御基板1510に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。
演出表示装置1600は、液晶スペーサ1610に対して、上方及び左方にスペースが形成されるように、その中心が液晶スペーサ1610の中心よりも右下に位置するようにオフセット(偏芯)して取付けられている。
液晶スペーサ1610は、19inchの液晶表示装置と同じ大きさで透明平板状に形成されている。液晶スペーサ1610は、上端面から上方へ突出している二つの上固定片1611と、下端面から下方へ突出している一つの下固定片1612と、を備えている。この液晶スペーサ1610は、演出表示装置1600の液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の開口部3010aの上内周面に開口している二つの固定溝3010cに、裏箱3010の斜め後方から二つの上固定片1611を挿入した上で、下固定片1612側を前方へ移動させて、下固定片1612をロックスライダ3020の開口部内に挿入し、ロックスライダ3020を背面視において左方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[8-8.表ユニットの全体構成]
遊技盤5における表ユニット2000について、主に図54及び図55等を参照して詳細に説明する。表ユニット2000は、遊技パネル1100に、前方から取付けられており、前端が遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出していると共に、後端の一部が遊技パネル1100の開口部1112内に突出している。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能に常時開口している複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している普通入賞口2002と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2003と、遊技球Bが普通入賞口2002に受入れられることにより抽選される普通図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別図柄又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第二特別図柄に応じて遊技球Bの受入れが可能となる大入賞口2005や役物入賞口2006と、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが受入可能となる第一V入賞口2007や第二V入賞口2008と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを遊技領域5a外へ排出するアウト口2020及びサブアウト口2021を、更に備えている。アウト口2020及びサブアウト口2021は、遊技球Bを受入可能に常時開口している。また、アウト口2020は、遊技領域5aの下流端に設けられている。
また、表ユニット2000は、第一始動口2003に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ2101と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2401と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402と、第一V入賞口2007に受入れられた遊技球Bを検知する第一V入賞口センサ2502と、第二V入賞口2008に受入れられた遊技球Bを検知する第二V入賞口センサ2503と、ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bを検知するハズレ口センサ2504と、遊技領域5a内に作用する不正な磁気を検知する磁気センサ1030と、を備えている。
複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の下部における左右方向中央に対して左側に配置されている。普通入賞口2002は、遊技領域5a内における正面視右端付近で上下方向中央よりも下方に配置されている。第一始動口2003は、遊技領域5a内の左右方向中央で二つのアウト口2020の間に配置されている。第二始動口2004は、遊技領域5a内における右端付近で普通入賞口2002よりも下方に配置されている。大入賞口2005は、遊技領域5a内における第一始動口2003の右方に配置されている。役物入賞口2006は、遊技領域5a内における右端付近で普通入賞口2002よりも上方に配置されている。
アウト口2020は、遊技領域5aの下流端で第一始動口2003の左右両側の下方に配置されている。サブアウト口2021は、一つが三つの一般入賞口2001よりも左方に配置されていると共に、残りの一つが第二始動口2004の下方に配置されている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2003及びアウト口2020を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001及び一つのサブアウト口2021を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に設けられているサイド左上ユニット2300と、を備えている。
また、表ユニット2000は、始動口ユニット2100の右方に設けられており第二始動口2004、大入賞口2005、及び一つのサブアウト口2021を有しているアタッカユニット2400と、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに設けられており、役物入賞口2006、第一V入賞口2007、第二V入賞口2008、及びハズレ口2009を有している枠状のセンター役物2500と、アタッカユニット2400の上方に設けられており普通入賞口2002を有している普通入賞口ユニット2600と、を更に備えている。
[8-8a.始動口ユニット]
次に、表ユニット2000の始動口ユニット2100について、主に図50乃至図52、及び図56等を参照して説明する。表ユニット2000の始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口1008の直上に配置されており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。始動口ユニット2100は、遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している第一始動口2003と、遊技球Bを受入可能に常時開口しており受入れた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外に排出する二つのアウト口2020と、を有している。また、始動口ユニット2100は、第一始動口2003に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ2101を、有している(図70を参照)。
アウト口2020は、第一始動口2003よりも低い位置に設けられている。始動口ユニット2100の二つのアウト口2020は、第一始動口2003を間にして左右対称の位置に設けられている。第一始動口2003は、遊技球Bが一つ通過可能な幅で上方へ向かって開口している。アウト口2020は、遊技球B二つ分の幅で上方へ向かって開口しており、遊技領域5a内の最も低い位置に設けられている。
始動口ユニット2100は、第一始動口2003とアウト口2020との高低差が、従来のパチンコ機における第一始動口とアウト口(アウト口1008)との高低差よりも小さく(低く)設けられている。これにより、遊技者に対して第一始動口2003が、従来の第一始動口よりも下方に設けられているように錯覚させることができ、相対的に遊技領域5a内を広く見せることができる。
始動口ユニット2100は、第一始動口2003の下方に設けられており所定の絵柄を表示可能な始動口表示部2110を有している。始動口表示部2110は、一つの7セグメントLEDにより構成されている。この始動口表示部2110は、遊技の進行に応じて所定の絵柄(数字を含む)を表示することができる。始動口ユニット2100は、遊技盤5に組立てた状態で、始動口表示部2110によりアウト口1008を前方から閉鎖しており、遊技者側からアウト口1008を視認不能にしている。これにより、アウト口2020が遊技領域5aの最も下端であることを遊技者に認識させることができる。
始動口ユニット2100は、遊技盤5に組立てた状態で、第一始動口2003がセンター役物2500のステージ2513における中央放出部2513aの直下に位置しており、中央放出部2513aから放出された遊技球Bを高い確率で受入れることができる。この第一始動口2003に受入れられた遊技球Bは、第一始動口センサ2101に検知された上で、遊技パネル1100の後方へ誘導されて、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡されて下方の循環球経路ユニット500のセーフ球受口500bへ排出される。
アウト口2020に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導されて、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された後に、裏球誘導ユニット3100から下方の循環球経路ユニット500のアウト球受口500aへ排出される。
[8-8b.サイドユニット]
次に、表ユニット2000のサイドユニット2200について、主に図50乃至図52、及び図56等を参照して説明する。表ユニット2000のサイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延出しており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、遊技球Bを常時受入可能に開口している三つの一般入賞口2001と、遊技球Bを常時受入可能に開口している一つのサブアウト口2021と、を備えている。
サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001は、内レール1002に沿うように円弧状に列設されており、左方へ向かうほど高い位置に設けられている。各一般入賞口2001は、遊技球B一つ分の大きさ(幅)で開口している。最も左方の一般入賞口2001の左方に、一つのサブアウト口2021が設けられている。サブアウト口2021は、遊技球B一つ分の大きさ(幅)で開口している。
また、サイドユニット2200は、最も右方の一般入賞口2001よりも右側に、右方へ向かうに従って低くなるように傾斜している棚部2201を有している。棚部2201は、始動口ユニット2100における左側のアウト口2020の右端付近まで、右方へ延出している。つまり、遊技球Bが棚部2201を転動すると、左側のアウト口2020に受入れられる。
サイドユニット2200は、遊技盤5に組立てた状態で、三つの一般入賞口2001と一つのサブアウト口2021とが、遊技パネル1100の前面よりも前方に突出している。このサイドユニット2200は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを、遊技パネル1100の後方に誘導し、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡すことができる。裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受渡された遊技球Bは、一般入賞口センサ3001に検知された上で下方へ排出される。
また、サイドユニット2200は、サブアウト口2021に受入れられた遊技球Bを、遊技パネル1100の後方に誘導して、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡すことができる。裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受渡された遊技球Bは、下方の循環球経路ユニット500のセーフ球受口500bへ排出される。
[8-8c.サイド左上ユニット]
次に、表ユニット2000のサイド左上ユニット2300について、主に図50乃至図52、及び図56等を参照して説明する。表ユニット2000のサイド左上ユニット2300は、遊技領域5a内において、サイドユニット2200の左方で内レール1002に接するように、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイド左上ユニット2300は、右方へ低くなるように傾斜した棚部2301を有している。
サイド左上ユニット2300は、遊技盤5に組立てた状態で、棚部2301が遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出している。サイド左上ユニット2300は、センター役物2500の左側を流下してきた遊技球Bを、棚部2301により、センター役物2500の下方となる右方側へ誘導することができる。
[8-8d.アタッカユニット]
次に、表ユニット2000のアタッカユニット2400について、主に図50乃至図52、及び図56等を参照して説明する。表ユニット2000のアタッカユニット2400は、遊技領域5a内において、正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に配置されており、遊技パネル1100の前面に前方から取付けられている。このアタッカユニット2400は、第二始動口2004、大入賞口2005、及び一つのサブアウト口2021を備えている(図56等を参照)。
アタッカユニット2400は、正面視において、第二始動口2004が左右方向中央から右寄りの上部に設けられており、大入賞口2005が左右方向中央より左側で第二始動口2004よりも低い位置に設けられており、一つのサブアウト口2021が第二始動口2004の下方で大入賞口2005よりも低い位置に設けられている。
また、アタッカユニット2400は、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2401と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402と、不正な磁気を検知する磁気センサ1030と、を備えている(図70を参照)。大入賞口センサ2402は、左右に並んで二つ設けられている。
また、アタッカユニット2400は、サブアウト口2021の後方で前方から視認可能な位置にダミーセンサ2403を有している。このダミーセンサ2403は、遊技球Bを検知することはできないが、大入賞口センサ2402のように遊技球Bの通過を検知するスルーセンサと同じ態様に形成されている。この構成によれば、ダミーセンサ2403を、実際に遊技球Bを検知可能なセンサと交換することができるため、本体枠4においてアウト球をカウントする場合と、カウントしない場合の何れにも変更可能である。なお、ダミーセンサ2403を、スルーセンサと同じ態様のものとしたが、当該部位において球詰りが発生するような段差をなくすスペーサとしても良い。
アタッカユニット2400は、第二始動口2004を開閉可能な第二始動口扉2411と、第二始動口扉2411を普通入賞口2002における遊技球Bの受入れにより抽選された普通抽選結果に応じて開閉させる始動口ソレノイド2412と、大入賞口2005を開閉可能な大入賞口扉2413と、大入賞口扉2413を第一始動口2003又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて開閉させるアタッカソレノイド2414と、を備えている。
アタッカユニット2400の第二始動口2004は、左右方向の幅が遊技球Bの直径よりも若干大きい幅で上方へ向かって開口している。大入賞口2005は、左右方向の幅が、遊技球Bの直径に対して4~6倍の幅で上方へ向かって開口している。第二始動口2004を開閉可能としている第二始動口扉2411は、前後方向へ進退可能に設けられており、左端側が低くなるように傾斜している。大入賞口2005を開閉可能としている大入賞口扉2413は、左右方向に延びている軸芯周りに回動することで、前後方向へ進退可能に設けられており、左端側が低くなるように傾斜している。
この第二始動口扉2411は、前後方向へ移動するように設けられている。第二始動口扉2411は、始動口ソレノイド2412が通電されていない状態では、始動口ソレノイド2412のプランジャがバネの付勢力により突出することにより前方へ移動し、第二始動口2004を閉鎖している。また、第二始動口扉2411は、始動口ソレノイド2412が通電されている状態では、始動口ソレノイド2412のプランジャがバネの付勢力に抗して後退することにより、後方へ移動し、第二始動口2004を開放する。
大入賞口扉2413は、左右に長い平板状で、大入賞口センサ2402よりも下方に設けられている左右方向に延びた軸芯周りに回動することにより、前後に移動するように設けられている。大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414のプランジャの前後方向への進退により、大入賞口2005を開閉することができる。大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414が通電されていない状態では、アタッカソレノイド2414のプランジャがバネの付勢力により突出することにより前方へ移動し、大入賞口2005を閉鎖している。また、大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414が通電されている状態では、アタッカソレノイド2414のプランジャがバネの付勢力に抗して後退することにより、後方へ移動し、大入賞口2005を開放する。
アタッカユニット2400は、その上端に、第二始動口2004及び大入賞口2005との間に遊技球Bが流通可能な空間を形成していると共に、左方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの上方を覆うように設けられている上棚部2421を有している。上棚部2421は、第二始動口2004の右端上方から大入賞口2005の左端上方の部位まで、左右方向へ延出している。
アタッカユニット2400は、第二始動口2004よりも上方でアタッカユニット2400の右端(右レール1005)から左方へ遊技球Bが一つ通過可能な間隔をあけた部位から左方の第二始動口2004へ向かって低くなるように傾斜している第一棚部2422と、第二始動口2004の左端から左方へ低くなるように傾斜している第二棚部2423と、第二棚部2423の左方且つ下方で第二棚部2423との間に遊技球Bが通過可能な隙間をあけた部位から左方の大入賞口2005へ向かって低くなるように傾斜している第三棚部2424と、大入賞口2005の左端から左方へ向かって低くなるように傾斜している第四棚部2425と、を備えている。
このアタッカユニット2400は、第一棚部2422よりも右方の隙間、第二棚部2423と第三棚部2424との間の隙間、に遊技球Bが進入すると、サブアウト口2021に受入れられて、遊技領域5a外へ遊技球Bを排出する。
アタッカユニット2400は、詳細な図示は省略するが、上棚部2421と大入賞口2005との間の遊技球Bが左方へ流通可能な空間内において、当該空間を形成している前壁と後壁とから左右方向へ互い違いとなるように、平面視三角形状の複数の当接部が当該空間内に突出している。これら複数の当接部は、大入賞口2005が閉状態の時に、大入賞口扉2413上を転動している遊技球Bを、前後方向へ大きくジグザグ状に流通させることができ、大入賞口扉2413上を流通する遊技球Bの流通時間を長くしている。
アタッカユニット2400は、通常の状態では、始動口ソレノイド2412及びアタッカソレノイド2414が、夫々非通電(OFF)の状態となっている。この通常の状態では、始動口ソレノイド2412のプランジャが、図示しないバネの付勢力により前方へ突出していると共に、第二始動口扉2411が前方へ突出している。この状態では、第二始動口扉2411が、第二始動口2004の上方に位置しており、第二始動口扉2411により第二始動口2004への遊技球Bの受入れが不能な状態となっている。つまり、第二始動口2004が第二始動口扉2411により閉鎖されている。
また、通常の状態では、アタッカソレノイド2414のプランジャが、図示しないバネの付勢力により前方へ突出していると共に、大入賞口扉2413が前方へ突出している。この状態では、大入賞口扉2413が、大入賞口2005の上方に位置しており、大入賞口2005への遊技球Bの受入れが不能な状態となっている。つまり、大入賞口2005が大入賞口扉2413により閉鎖されている。
この通常の状態で、第一棚部2422上に遊技球Bが流下すると、第一棚部2422の傾斜により遊技球Bが左方へ転動し、第二始動口扉2411の上面、及び第二棚部2423を転動した上で、第二棚部2423の左端から左方へ放出される。第二棚部2423から左方へ放出された遊技球Bは、その勢いに応じて、第三棚部2424又は大入賞口扉2413上に落下し、それらの傾斜により左方へ転動する。なお、第二棚部2423から左方へ放出された遊技球Bが、上棚部2421の下面に当接して右方へ跳ね返ると、第二棚部2423と第三棚部2424との間の隙間に進入することがある。
そして、大入賞口2005を閉鎖している大入賞口扉2413上を転動している遊技球Bは、上棚部2421と大入賞口2005との間の空間に設けられている複数の当接部に対して、交互に当接することとなり、前後方向へジグザグしながら左方へ転動することとなる。大入賞口扉2413上を左方へ転動した遊技球Bは、第四棚部2425を転動した後に、その左端からアタッカユニット2400外へ放出される。第四棚部2425の左端は、第一始動口2003よりも低い位置にあるため、第四棚部2425から左方へ放出された遊技球Bは、アウト口2020に受入れられることとなる。
アタッカユニット2400は、上棚部2421上に遊技球Bが流下すると、その傾斜により左方へ誘導され、第二始動口2004や大入賞口2005に受入れられる機会が与えられることなく、アタッカユニット2400の左方へ放出される。上棚部2421の左端は、第一始動口2003よりも高い位置に設けられているため、上棚部2421から左方へ放出された遊技球Bは、第一始動口2003に受入れられる可能性がある。
このアタッカユニット2400では、第一棚部2422よりも右方に遊技球Bが流下すると、サブアウト口2021に進入する。また、遊技球Bが、第二棚部2423と第三棚部2424との間の隙間に進入すると、サブアウト口2021に進入する。サブアウト口2021に進入した遊技球Bは、遊技領域5a内に戻されることなく裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100を通って下方の基板ホルダ1200上に排出され、循環球経路ユニット500のアウト球受口500aに受け渡される。このアタッカユニット2400では、第一棚部2422の右側を流通した遊技球Bと、第二棚部2423と第三棚部2424の間の隙間を通った遊技球Bとが、何れもサブアウト口2021に進入するように形成されており、実質的にサブアウト口2021が二つ設けられている。
この通常の状態において、普通入賞口2002に遊技球Bが受入れられることで抽選された普通抽選結果に応じて、始動口ソレノイド2412に通電(ON)されると、バネの付勢力に抗してプランジャが後退し、第二始動口扉2411が後方に移動する。そして、第二始動口扉2411が後方へ移動することにより、第二始動口2004の上方が開放された状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。つまり、第二始動口2004が開状態となる。
第二始動口2004が開状態の時に、遊技球Bが第二始動口2004に受入れられると、第二始動口センサ2401に検知された後に、アタッカユニット2400から後方へ放出される。第二始動口2004に受入れられてアタッカユニット2400から後方へ放出された遊技球Bは、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、下方の循環球経路ユニット500のセーフ球受口500bに排出される。
一方、通常の状態において、第一始動口2003や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果や第二特別抽選結果)に応じて、アタッカソレノイド2414に通電(ON)されると、バネの付勢力に抗してプランジャが後退し、大入賞口扉2413が後方へ移動する。大入賞口扉2413が後方へ移動することにより、大入賞口2005が上方へ開放された状態となり、大入賞口2005への遊技球Bの受入れが可能な状態となる。つまり、大入賞口2005が開状態となる。
大入賞口2005が開状態の時に、遊技球Bが大入賞口2005に受入れられると、下方に設けられている二つの大入賞口センサ2402のうちの一つに検知された上で、アタッカユニット2400から後方へ放出される。大入賞口2005に受入れられてアタッカユニット2400から後方へ放出された遊技球Bは、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡されて下方の循環球経路ユニット500のセーフ球受口500bに排出される。
このように、本実施形態のアタッカユニット2400によれば、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを、二つの大入賞口センサ2402の何れかにより検知してから後方へ放出するようにしているため、大入賞口2005と大入賞口センサ2402との間で遊技球Bが滞ることを抑制させることができると共に、短時間で多くの遊技球Bを受入れることができる。
[8-8e.センター役物]
次に、表ユニット2000におけるセンター役物2500について、主に図50乃至図52、図56、図62乃至図65等を参照して詳細に説明する。図62(a)はセンター役物における抽選役物の正面図であり、(b)は抽選役物を前方の上方から見た斜視図である。図63は、センター役物における抽選役物を左右方向の中央で切断した側面断面図である。図64(a)は抽選役物において遊技球がループ不能な状態を断面で示す説明図であり、(b)は抽選役物において遊技球がループ可能な状態を断面で示す説明図である。図65は、抽選役物における遊技球の流れを示す説明図である。
表ユニット2000のセンター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、透明な枠状に形成されている。
センター役物2500は、詳細は後述するが、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄の抽選結果に応じて遊技球Bを受入可能に開閉する役物入賞口2006と、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bのみが受入可能となる第二V入賞口2008と、役物入賞口2006に受入れられた後に第二V入賞口2008に受入れられなかった遊技球Bが受入れられるハズレ口2009と、を備えている。
センター役物2500は、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bを検知する役物入賞口センサ2501と、第一V入賞口2007に受入れられた遊技球Bを検知する第一V入賞口センサ2502と、第二V入賞口2008に受入れられた遊技球Bを検知する第二V入賞口センサ2503と、ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bを検知するハズレ口センサ2504と、を備えている。
センター役物2500は、枠状に形成されている本体ユニット2510と、本体ユニット2510の枠内の下部に設けられている抽選役物2550と、を備えている。本体ユニット2510は、役物入賞口2006及び第一V入賞口2007を有している。抽選役物2550は、第二V入賞口2008及びハズレ口2009を有している。
[8-8e-1.本体ユニット]
センター役物2500の本体ユニット2510について詳細に説明する。本体ユニット2510は、役物入賞口2006を有している。本体ユニット2510は、遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に取付けられる透明枠状のセンターベース2511と、センターベース2511の外側から枠の内側へ遊技球Bを夫々誘導可能なワープ通路2512と、センターベース2511の枠内における下辺部に設けられておりワープ通路2512を流通した遊技球Bを左右方向へ転動させた後に遊技領域5a内へ放出させるステージ2513と、を備えている。
センターベース2511は、前後方向に延びている枠状の周壁部2511aと、周壁部2511aの外周から突出しており遊技パネル1100のパネル板1110の前面に当接する平板状のフランジ部2511bと、周壁部2511aの内周から突出している平板状のサポート部2511cと、を有している。周壁部2511aは、遊技盤5に組立てた状態で、その後端が遊技パネル1100のパネル板1110の後面と一致する位置まで後方に延出している。また、周壁部2511aは、遊技盤5に組立てた状態で、枠状(環状)の下辺部を除いた前端が、遊技パネル1100のパネル板1110の前面よりも前方に突出している。つまり、センターベース2511は、枠状の下辺部の部位では、周壁部2511aの前端からフランジ部2511bが外方へ延出している。これにより、遊技盤5に組立てた状態で、周壁部2511aによってセンター役物2500の外側から枠内の内側への遊技球Bの侵入を防止することができる。
フランジ部2511bとサポート部2511cの厚さは、パネル板1110の厚さよりも薄く(パネル板1110の厚さの1/4~1/5の厚さ)形成されている。フランジ部2511bとサポート部2511cは、前後方向の同じ位置で周壁部2511aから突出している。従って、サポート部2511c(フランジ部2511b)の後面から周壁部2511aの後端までの距離が、パネル板1110の厚さと同じである。
サポート部2511cは、周壁部2511aの内周において、部分的に複数設けられている。また、サポート部2511cは、周壁部2511aにおけるフランジ部2511bの突出していない部位にも設けられており、周壁部2511aを補強している。また、サポート部2511cは、周壁部2511aから突出した端辺が、周壁部2511aの正面形状に倣った形状、若しくは、直線状に形成されており、サポート部2511cが目立たないようにしている。このサポート部2511cは、周壁部2511aからの突出量を、サポート部2511cの厚さ~パネル板1110の厚さ(1mm~10mm)、の範囲内としており、補強としての効果を発揮させつつ遊技者から目立ち難いようにしている。
ワープ通路2512は、周壁部2511aにおける正面視左側で遊技パネル1100(パネル板1110)の前面(フランジ部2511b)よりも前側の部位において、遊技領域5a内の遊技球Bが進入可能に開口している。ワープ通路2512は、進入した遊技球Bを、ステージ2513へ誘導することができる。
ステージ2513は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2003の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100のパネル板1110に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状(W字状)に形成されている。このステージ2513は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(中央放出部2513a)と、その左右両側の最も低くなっている部位(サイド放出部2513b)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
ステージ2513は、遊技盤5に組立てた状態で、その左右方向中央の高くなっている部位(中央放出部2513a)が、始動口ユニット2100の第一始動口2003の直上に位置している。これにより、ステージ2513の中央の中央放出部2513aから遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2003に受入れられる。
また、センター役物2500の本体ユニット2510は、センターベース2511の右上隅に設けられており、遊技球Bが流通可能な二つの通路からなる案内通路群2520を、備えている。案内通路群2520は、普通入賞口2002及びアタッカユニット2400の上方へ遊技球Bを案内するものである。
案内通路群2520は、図56に示すように、センターベース2511の周壁部2511aの枠外に設けられており、上部の入口が衝止部1006の部位に設けられている第一案内通路2521と、上部の入口が第一案内通路2521の入口の左側に隣接して設けられている第二案内通路2522と、から構成されている。案内通路群2520(第一案内通路2521及び第二案内通路2522)は、何れも無色透明な部材により形成されており、内部を流通する遊技球Bを、前方から視認することができる。
第一案内通路2521は、前構成部材1000の衝止部1006から垂直に短く下方へ延びた後に右方へ直角に屈曲し、右レール1005に近接すると、下方へ屈曲して右レール1005に沿って延び、遊技領域5aの高さの下から3/4の高さ付近で左方へ屈曲して、緩い角度で低くなるように左方へ延び、第二案内通路2522の入口よりも遊技球B一つ分左側の位置で下方へ屈曲して遊技領域5aの中央の高さまで延びた上で、右方へ屈曲して右レール1005付近まで延び、その後下方へ屈曲して出口が下方へ向かって開口した形状に形成されている。
第一案内通路2521は、前後方向へは屈曲しておらず、遊技パネル1100の前面と略同一面上で遊技球Bを下方へ案内している。第一案内通路2521における上側の左方へ延びている部位に、役物入賞口2006が設けられている。また、第一案内通路2521の出口の下方には、普通入賞口2002が上方へ向けて開口している。
一方、第二案内通路2522は、第一案内通路2521の入口から左方へ間隔をあけた部位で、上方へ向かって入口が開口している。第二案内通路2522は、上端の入口から略真直ぐに下方へ延び、第一案内通路2521が最初に右方へ屈曲する部位の高さよりも低い高さの位置で後方へ屈曲した上で、遊技パネル1100の前面よりも後側で下方へ屈曲して第一案内通路2521と前後方向に並んだ状態で、第一案内通路2521における最も左方に位置して下方へ延びている部位と左右方向が概ね一致するように下方へ延び、遊技領域5aの中央の高さの部位でクランク状に右方へ屈曲した上で下方へ屈曲し、そして、第一案内通路2521における下側の右方へ延びている部位よりも下方の部位で前方へ屈曲した後に、第一案内通路2521と前後方向が同一面となった状態で、第一案内通路2521における下側の右方へ延びている部位の下側に沿って延びるように右方へ屈曲し、その後、第一案内通路2521の出口の左側に隣接するように下方へ屈曲して、出口が下方へ向かって開口した形状に形成されている。
また、本体ユニット2510は、案内通路群2520のうちの一つの通路(ここでは、第一案内通路2521)の途中に設けられており、第一始動口2003及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果に応じて遊技球Bが受入可能となる役物入賞口2006と、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bをチャンス口2531に振分ける第一振分装置2530と、第一振分装置2530によりチャンス口2531に振分けられた遊技球Bを第一V入賞口2007に振分ける第二振分装置2540と、第二振分装置2540により第一V入賞口2007に振分けられなかった遊技球B(第二スカ口2541に振分けられた遊技球B)を抽選役物2550へ誘導する抽選案内通路2545と、を備えている。
本体ユニット2510(センター役物2500)における役物入賞口2006は、第一案内通路2521における上側の左方へ延びている部位に設けられており、当該部位の左右方向の略全長に亘って左右に延びていると共に、上方へ向かって開口している。役物入賞口扉2515は、前後に延びていると共に、左端が低くなるように左右に延びた板状に形成されており、前後に進退することで上方へ開口している役物入賞口2006を開閉可能としている。役物入賞口扉2515は、前進することで役物入賞口2006を閉鎖することができ、役物入賞口2006を閉鎖している状態では、第一案内通路2521における左方へ延びている部位の底面を形成して、上流側から流通してきた遊技球Bを、第一案内通路2521の出口側へ誘導することができる。
役物入賞口扉2515は、役物入賞口ソレノイド2516の駆動によって後退することで役物入賞口2006を開放して、第一案内通路2521を流通してきた遊技球Bを、役物入賞口2006に受入れさせることができる。この役物入賞口扉2515は、役物入賞口ソレノイド2516がOFF(非通電時)の時は役物入賞口2006を閉鎖し、役物入賞口ソレノイド2516がON(通電時)の時は役物入賞口2006を開放させる。
第一振分装置2530は、役物入賞口2006に受入れられて役物入賞口センサ2501により検知された遊技球Bが進入可能なチャンス口2531及び第一スカ口2532と、遊技球Bを一つのみ収容可能な収容部2533aを外周面に有し、前後方向の軸周りに回動可能な振分回転体2533と、振分回転体2533の収容部2533aが右方を向いている状態と上方を向いている状態との間で振分回転体2533を回動させるための第一振分ソレノイド2534(図70を参照)と、を備えている。振分回転体2533は、外周面が後方へ窄まった円錐台状に形成されている。
第一振分装置2530のチャンス口2531は、遊技球Bの流れに対して振分回転体2533よりも下流側に設けられており、振分回転体2533の収容部2533aに収容された遊技球Bが進入可能とされており、振分回転体2533の右方に設けられている。チャンス口2531は、第二振分装置2540に繋がっている。第一スカ口2532は、遊技球Bの流れに対して振分回転体2533よりも上流側に設けられており、振分回転体2533の収容部2533aに収容されなかった遊技球Bが進入し、振分回転体2533の上方に設けられている。第一スカ口2532は、前方へ向かって開口しており、進入した遊技球Bを遊技パネル1100よりも後方へ誘導する。
第一振分装置2530は、第一振分ソレノイド2534がOFF(非通電)の状態では、振分回転体2533の収容部2533aが右方を向いている。この状態で、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが、役物入賞口センサ2501に検知された後に振分回転体2533へ上方から流下すると、振分回転体2533の外周面に当接する。この振分回転体2533の外周面は、後方へ窄まった円錐台状に形成されているため、外周面の傾斜により遊技球Bが後方へ誘導され、第一スカ口2532へ進入することとなる。
一方、第一振分ソレノイド2534がON(通電)の状態では、振分回転体2533が反時計回りの方向へ90度回動して、収容部2533aが上方を向いている状態となる。この状態で、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが、役物入賞口センサ2501に検知された後に振分回転体2533へ上方から流下すると、収容部2533aに一つのみ収容される。振分回転体2533の収容部2533aに遊技球Bが収容されている状態で、役物入賞口2006側から更に遊技球Bが上方から振分回転体2533へ流下すると、当該遊技球Bが収容部2533aに収容されている遊技球Bに当接した後に、後方の第一スカ口2532に進入することとなる。第一スカ口2532に進入した遊技球Bは、センサにより検知された上で、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受渡され、裏球誘導ユニット3100から下方の循環球経路ユニット500のセーフ球受口500bに排出される。
収容部2533aに遊技球Bが収容されている状態で、第一振分ソレノイド2534により振分回転体2533が時計回りの方向へ90度回動して、収容部2533aが右方を向くと、収容部2533aに収容されている遊技球Bが、収容部2533aから右方へ転動しチャンス口2531に受入れられることとなる。チャンス口2531に受入れられた遊技球Bは、次の第二振分装置2540へ送られる。
このように、第一振分装置2530では、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bを、チャンス口2531側(第二振分装置2540側)、又は、第一スカ口2532側の何れかに振分けることができる。
第二振分装置2540は、第一振分装置2530において、チャンス口2531へ振分けられた遊技球Bを、第二スカ口2541又は第一V入賞口2007の何れかに振分けるものである。第二振分装置2540は、正面視において、第一振分装置2530と、案内通路群2520の出口との間の高さに設けられている。第二振分装置2540は、第一振分装置2530の振分回転体2533よりも後方に設けられている。
第二振分装置2540は、第一振分装置2530において振分回転体2533の収容部2533aに収容されてチャンス口2531に振分けられた遊技球Bが進入可能に設けられている第二スカ口2541及び第一V入賞口2007と、前後方向へ進退することで第二スカ口2541を開閉可能としている振分片2543と、振分片2543を進退させるための第二振分ソレノイド2544(図70を参照)と、を備えている。
第二スカ口2541は、振分回転体2533よりも右方の位置で上方へ向かって開口しており、チャンス口2531に振分けられた遊技球Bが上方から供給される。第一V入賞口2007は、第二スカ口2541の右側に隣接して設けられており、上方へ向かって開口している。振分片2543は、右方へ低くなるように傾斜している平板状で、前方へ突出することで第二スカ口2541の上端開口を閉鎖して第二スカ口2541への遊技球Bの受入れを不能とすることができると共に、上面に当接した遊技球Bを右方へ誘導して第一V入賞口2007へ受入れさせることができる。
第二振分装置2540は、第二振分ソレノイド2544がOFF(非通電)の状態では、振分片2543が前進しており、第二スカ口2541を閉鎖している。この状態で、第一振分装置2530においてチャンス口2531に振分けられた遊技球Bが流下してくると、振分片2543の上面に当接し、振分片2543の傾斜により右方へ誘導されて第一V入賞口2007に受入れられる(振分けられる)。第一V入賞口2007に振分けられた遊技球Bは、第一V入賞口センサ2502により検知された上で、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、裏球誘導ユニット3100から下方の循環球経路ユニット500のセーフ球受口500bに排出される。
一方、第二振分ソレノイド2544がON(通電)の状態では、振分片2543が後退して、第二スカ口2541が上方へ開放された状態となり、第二スカ口2541への遊技球Bの受入れが可能な状態となる。この状態で、第一振分装置2530においてチャンス口2531に振分けられた遊技球Bが流下してくると、当該遊技球Bが後退している振分片2543の前方を通って第二スカ口2541に受入れられる(振分けられる)こととなる。そして、第二スカ口2541に振分けられた遊技球Bは、抽選案内通路2545により左方の抽選役物2550へ誘導される。
このように、第二振分装置2540では、第一振分装置2530において振分回転体2533の収容部2533aに収容された遊技球B、つまり、チャンス口2531に振分けられた遊技球Bを、第二スカ口2541(抽選役物2550)側、又は、第一V入賞口2007側、の何れかに振分けることができる。
抽選案内通路2545には、遊技球Bの流通を検知する抽選役物入球センサ2546が設けられている。この抽選役物入球センサ2546により遊技球Bが検知されると、周辺制御基板1510の周辺制御部1511により、演出表示装置1600、本体枠スピーカ403、トップ中央スピーカ、トップサイドスピーカ、遊技盤5や扉枠3に設けられるLED等を制御して、抽選役物2550内での遊技球Bの抽選(振分け)を盛り上げる演出が実行される。これにより、第二振分装置2540において第二スカ口2541に遊技球Bが振分けられることで、遊技者の残念な気分を払拭して抽選役物2550に対する期待感を高めさせる。
[8-8e-2.抽選役物]
センター役物2500における抽選役物2550について、主に図62乃至図65等を参照して詳細に説明する。センター役物2500の抽選役物2550は、枠状に形成されている本体ユニット2510の枠内の下部に設けられており、第二V入賞口2008及びハズレ口2009を有している。この抽選役物2550は、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが供給される。詳しくは、役物入賞口2006に受入れられて第一振分装置2530によりチャンス口2531に振分けられた上で、更に、第二振分装置2540により第二スカ口2541に振分けられた遊技球Bが供給される。また、抽選役物2550は、第二V入賞口2008に受入れられた遊技球Bを検知する第二V入賞口センサ2503と、ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bを検知するハズレ口センサ2504と、を備えている。
センター役物2500の抽選役物2550は、第二振分装置2540により第二スカ口2541へ振分けられて抽選案内通路2545を流通した遊技球Bが供給され、左方へ向かって低くなるように傾斜している誘導路2551と、誘導路2551を流通した遊技球Bをループ側又は非ループ側(ハズレ口2009側)の何れかに振分ける振分部2552と、振分部2552によりループ側に振分けられた遊技球Bを後方へ打撃可能な打撃部2553と、打撃部2553により後方へ打撃された遊技球Bが供給され、前方へ向かって低くなるように傾斜していると共に、上下方向の軸芯周りに対して揺動するように往復回動可能な揺動樋2554と、揺動樋2554により誘導された遊技球Bが転動し、前方の誘導路2551へ向かって低くなるように傾斜している前後及び左右に広い面状で、下流端付近に第二V入賞口2008が設けられているテーブル2555と、テーブル2555における第二V入賞口2008と揺動樋2554との間に設けられており、上下方向の軸芯周りに対して揺動可能な一対の揺動片2556と、を有している。
この抽選役物2550は、詳細は後述するが、振分部2552により遊技球Bがループ側へ振分けられる限り、第二V入賞口2008が設けられているテーブル2555から放出された遊技球Bが打撃部2553へ供給され、打撃部2553とテーブル2555との間で遊技球Bがループすることが可能なものである。
抽選役物2550の誘導部2551は、抽選役物2550の右端辺に沿って後端付近から前端まで前方が低くなるように延出した後に、抽選役物2550の前端辺に沿って左端付近まで左方が低くなるように延出しており、平面視においてL字状に形成されている。この誘導部2551は、遊技球Bの直径よりもやや大きい幅で延出している。誘導部2551には、右端辺に沿って前後方向へ延出している部位に、抽選案内通路2545から遊技球Bが供給される。
抽選役物2550の振分部2552は、誘導部2551の左右方向へ延出している部位における下流端(左端)に近い部位に設けられている。振分部2552は、誘導部2551を貫通し上方へ向かって開口しているハズレ口2009と、ハズレ口2009の左端付近において前後方向へ延びた軸芯周りに対して回動可能に設けられておりハズレ口2009を開閉可能としているハネ橋状の振分橋2557と、振分橋2557を回動させるための抽選ループソレノイド2558(図70を参照)と、を備えている。誘導路2551は、ハズレ口2009を境にして上流側と下流側とに分割されている。
振分橋2557は、平面視において、左右に長い平板状に形成されており、左辺側が前後方向の軸芯周りに対して回動可能に支持されており、右辺側が自由端とされている。振分橋2557は、右辺側がハズレ口2009の右辺に接近して左右方向へ延びて倒れた状態のループ位置(図64(a)を参照)と、右辺側が左辺側の上方へ位置して上下方向へ延びて直立した状態の非ループ位置(図64(b)を参照)と、の間で回動可能に設けられている。
振分橋2557は、ループ位置の状態となることで、ハズレ口2009により上流側と下流側とに二つに分割された誘導路2551を橋渡すような状態となり、振分橋2557上を通って遊技球Bが上流側から下流側へ転動することができる。つまり、振分橋2557は、ループ位置の状態となることで、ハズレ口2009を閉鎖して、遊技球Bを受入不能することができる。一方、振分橋2557は、非ループ位置の状態となることで、ハズレ口2009が上方へ開放された状態となり、上流から転動してきた遊技球Bを、下流側へ渡すことなくハズレ口2009へ受入れさせることができる。このように、振分部2552では、振分橋2557によって遊技球Bをループ側又は非ループ側の何れかに振分けることができる。
この振分橋2557は、遊技球Bの転動面とは反対側に、×印が施されて旗状に形成されている振分表示部2557aが設けられている。この振分表示部2557aは、振分橋2557がハズレ口2009を開放する非ループ位置の状態になると、遊技者側から視認可能となる。これにより、遊技者に対して遊技球Bが下流側の打撃部2553へ行けない(ループすることができない)状態であることを認識させることができる。
また、振分橋2557は、回動可能に支持されている左端側が、テーブル2555の下流端(前端辺)における左端よりも左方に設けられている。従って、テーブル2555から誘導路2551側へ放出される遊技球Bは、非ループ位置の振分橋2557よりも右方の部位に放出されるため、非ループ位置の時にテーブル2555から遊技球Bが、二つに分割されている誘導路2551の下流側(振分橋2557よりも下流側)へ行くことはなく、開放されているハズレ口2009に受入れられる。
抽選役物2550の打撃部2553は、前端が誘導路2551の下流端よりも低く後方へ向かって高くなるように傾斜しており振分部2552によりループ側に振分けられた遊技球Bが供給される登坂部2559と、登坂部2559の下流端に設けられており遊技球Bを打撃可能な扇状の打撃片2560と、打撃片2560を登坂部2559と垂直な軸芯周りに対して回転させる打撃片駆動モータ2561(図70を参照)と、を備えている。
扇状の打撃片2560は、打撃片駆動モータ2561により比較的早い速度で回転させられている。従って、遊技球Bが打撃片2560の設けられている部位に到達するタイミングと、打撃片2560の回転位置のタイミングと、によって遊技球Bが打撃される強さが区々となる。そのため、遊技球Bがある程度強く打撃されると、登坂部2559を乗り越えて後方の揺動樋2554側へ行くことができ、打撃が弱いと、登坂部2559を乗り越えることができずに、前方へ戻ってくることとなる。これにより、遊技球Bが強く打撃されて揺動樋2554(テーブル2555)側へ行くか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができる。また、打撃片2560による打撃が弱いと遊技球Bが戻ってくるため、当該遊技球Bによる遊技が確定するまでの時間を長くすることができると共に、遊技者に対して得した気分にさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
この抽選役物2550は、打撃部2553と揺動樋2554との間に、登坂部2559を乗り越えた遊技球Bが供給され、左右両端が高く中央が低くなるように湾曲している揺動通路2562と、揺動通路2562の中央に設けられており遊技球Bを揺動樋2554へ放出する放出口2563と、を有している。揺動通路2562の高くなっている左右両端付近には複数の凹凸が設けられており、遊技球Bの転動速度を減衰させることができる。この揺動通路2562は、抽選役物2550の後端辺に沿って設けられており、テーブル2555よりも後ろに設けられている。打撃部2553から揺動通路2562へ供給された遊技球Bは、ステージ2513と同様に、左右方向へ転動した後に、中央の放出口2563から揺動樋2554へ放出される。
抽選役物2550の揺動樋2554は、円盤状に形成されており、中心から外周へ向かって延出している樋状に凹んだ樋部2554aを有している。円盤状の揺動樋2554は、後側が高くなるようにその回転軸が傾斜している。抽選役物2550は、揺動樋2554を所定角度の範囲内で往復回動させるための樋揺動駆動モータ2564(図70を参照)を有している。この揺動樋2554は、樋揺動駆動モータ2564によって、樋部2554aの先端が前方の第二V入賞口2008を向いている状態を中心として、その先端が所定の角度の範囲で左右方向を向くように往復回動する。
揺動樋2554は、テーブル2555の左右方向中央の後端(上端)に設けられており、放出口2563から放出された遊技球Bが樋部2554aに受け渡される。樋部2554aに受け渡された遊技球Bは、揺動樋2554が往復回動しているため、テーブル2555における樋部2554aの先端が向いている回動方向に応じた扇状の範囲内へ遊技球Bを放出させることができる。この際に、受け取られた遊技球Bが樋部2554aを転動して先端から放出されるまでのも、揺動樋2554が回動しているため、当該回動により遊技球Bに慣性力が作用することとなる。そのため、樋部2554aの先端から放出された遊技球Bは、樋部2554aの向いている方向へ真直ぐにテーブル2555上を転動することはなく、転動方向が予想し難くなっている。
抽選役物2550のテーブル2555は、前端側が低くなるように傾斜しており、下流端となる前端側の左右方向の長さが、後端の左右方向の長さよりも短く形成されている。また、テーブル2555は、左右方向中央の上端に揺動樋2554が設けられていると共に、左右方向中央の下端付近に第二V入賞口2008が設けられている。テーブル2555は、左右方向中央において揺動樋2554から第二V入賞口2008へ延びている中央溝2555aを有していると共に、左右方向中央の下端付近において周囲よりも凹んでいる凹部2555bを有している。凹部2555bは、五角形のホームベース状に凹んでおり、その底部に第二V入賞口2008が設けられている。
このテーブル2555は、第二V入賞口2008へ続く中央溝2555aや、底部に第二V入賞口2008が設けられている凹部2555bを有しているため、遊技者に対して、それらに遊技球Bが進入すると第二V入賞口2008に受入れられるように思わせることができ、テーブル2555上を転動している遊技球Bの動きを楽しませることができる。
テーブル2555の下流端である前端側は、前方の誘導路2551よりも高い位置に設けられている。従って、誘導路2551を流通している遊技球Bが、打撃部2553及び揺動樋2554を経由せずにテーブル2555上へ供給されることはない。
抽選役物2550の揺動片2556は、テーブル2555における揺動樋2554と第二V入賞口2008との間で、テーブル2555の左右方向中央を境にして左右対称の位置に、左右対称に一対が設けられている。揺動片2556は、流滴状に形成されており、基端となる円形の部位を前側にして尖った先端を後方へ向けていると共に、円形の基端側を中心として回動可能に設けられている。
抽選役物2550は、一対の揺動片2556を上下方向の軸芯周りに対して所定角度範囲内で往復回動させることで揺動させるための揺動片ソレノイド2565を備えている。一対の揺動片2556は、一つの揺動片ソレノイド2565により、互いに相反する方向へ回動するように設けられている。
一対の揺動片2556は、揺動片ソレノイド2565により回動されるため、駆動モータにより回動される場合と比較して、回動速度が速くなっている。従って、揺動片2556が揺動して動いている時に、揺動片2556に遊技球Bが当接すると、当該遊技球Bを強く跳ね飛ばすことができる。従って、揺動片2556の回動方向によって、当接した遊技球Bを、テーブル2555の左右方向中央側へ送ったり左右方向両端側へ送ったりすることができ、遊技球Bの流れに変化を付与することができる。
一対の揺動片2556は、尖った先端が互いに接近している状態では、揺動片2556同士の間の間隔が狭くなると共に、揺動片2556の後方を向いている面部が、前方へ向かうに従って左右方向中央から遠ざかるように傾斜しており、一対の揺動片2556が後方へ窄まった状態となっている。これにより、揺動樋2554やテーブル2555の後方から流下してきた遊技球Bが、一対の揺動片2556の間を通ると、第二V入賞口2008に受入れられる可能性が高くなり、一対の揺動片2556における後方を向いている面部に当接すると、その傾斜により左右方向中央から遠ざかる方向へ誘導されるため、第二V入賞口2008に受入れられる可能性が低くなる。
一方、一対の揺動片2556が、それらの尖った先端が互いに遠ざかっている状態(図65において破線で示す状態)では、揺動片2556の後方を向いている面部が、前方へ向かうに従って左右方向中央に接近するように傾斜しており、一対の揺動片2556が後方へ拡開した状態となっている。これにより、揺動樋2554やテーブル2555の後方から流下してきた遊技球Bが、一対の揺動片2556における後方を向いている面部に当接すると、その傾斜により左右方向中央へ誘導され、第二V入賞口2008に受入れられる可能性がある。
従って、一対の揺動片2556が後方へ拡開している状態では、揺動片2556に当接した遊技球Bが左右方向の中央へ誘導されるため、一対の揺動片2556が後方へ窄まっている状態と比較して、後方から流下してきた遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられる可能性が高くなっている。換言すると、一対の揺動片2556の状態に応じて、第二V入賞口2008への遊技球Bの受入確率を変化させることができる。
本実施形態の抽選役物2550は、上方から全体を覆う透明なカバー2566を備えている(図50乃至図52等を参照)。このカバー2566により、抽選案内通路2545を通って供給された遊技球Bが、抽選役物2550から外部へ飛び出してしまうことを防止することができると共に、抽選案内通路2545以外の外部から遊技球Bが供給される(侵入する)ことを防止することができる。
次に、抽選役物2550での遊技球Bの流れについて説明する。抽選役物2550には、第一始動口2003や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられて抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果(例えば、「役物当り」)に応じて、所定パターンで開閉する役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bの一つが、抽選案内通路2545を通って誘導路2551の上流付近に供給される。誘導路2551の上流付近に供給された遊技球Bは、誘導路2551の傾斜に従って左方の振分部2552へ向かって転動する。
振分部2552では、所定時間の間、振分橋2557が倒れてループ位置の状態となっているおり、上流側から転動してきた遊技球Bが、振分橋2557を通って下流側の打撃部2553へ転動することとなる。そして、打撃部2553へ供給された遊技球Bは、回転している打撃片2560により後方へ打撃されることで、後方へ延出している登坂部2559を登るように転動することとなる。
この際に、打撃片2560が扇形に形成されていると共に、比較的早い速度で回転しているため、打撃片2560の回転位置に対する遊技球Bが当接するタイミングによっては、遊技球Bに強く当接したり、遊技球Bに掠るように当接したり、することとなり、後方へ打撃される遊技球Bの勢いが様々となる。従って、打撃片2560による打撃が弱いと、後方へ高くなっている登坂部2559を登り切ることができず、登坂部2559を戻ってきてしまい、遊技球Bが登坂部2559を行ったり来たりすることがある。
そして、打撃片2560により打撃された遊技球Bが登坂部2559を乗り越えると、後方に設けられている揺動通路2562に進入し、左右方向中央が低くなっている揺動通路2562を左右方向へ転動することとなる。この際に、揺動通路2562の左右両端付近には複数の凹凸が設けられているため、遊技球Bが凹凸の部位を通ることで、凹凸の衝撃により転動速度が減衰することとなる。これにより、打撃片2560により打撃されて登坂部2559を乗り越えた遊技球Bの勢いを低減させることができる。
揺動通路2562を左右方向へ揺動するように転動した遊技球Bは、最後に中央に設けられている放出口2563から揺動樋2554を介してテーブル2555上に放出される。この際に、揺動樋2554は、樋揺動駆動モータ2564により所定角度の範囲内において往復するように揺動回動しているため、遊技球Bが放出口2563から揺動樋2554へ放出されるタイミングと、揺動樋2554の回動位置とのタイミングと、によって揺動樋2554から様々な方向へ遊技球Bが放出されることとなる。
揺動樋2554からテーブル2555へ放出された遊技球Bは、テーブル2555の傾斜に従って前方へ転動し、前端辺から誘導路2551へ放出されることとなる。この際に、テーブル2555の前後方向の中央付近には、左右に離隔して設けられている一対の揺動片2556が揺動しているため、揺動片2556により当接した遊技球Bを弾いて転動方向を変化させることができる。また、テーブル2555の左右方向中央における前端付近には、第二V入賞口2008が設けられているため、テーブル2555を転動している遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられることがある。
第二V入賞口2008に受入れられた遊技球Bは、第二V入賞口センサ2503により検知された上で、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された後に、下方の循環球経路ユニット500のセーフ球受口500bへ排出される。この第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられると、大入賞口2005を所定のパターンで開閉させる有利遊技状態としての「大当り遊技」が実行される。従って、遊技球Bが抽選役物2550に供給されると、当該遊技球Bが第二V入賞口2008へ受入れられるか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
テーブル2555の前端辺から誘導路2551へ放出された遊技球Bは、所定の時間内であれば、振分部2552の振分橋2557がループ位置の状態となっているため、振分橋2557を通って打撃部2553へ供給されることとなる。従って、振分橋2557がループ位置の状態では、第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられない限り、打撃部2553とテーブル2555との間を遊技球Bが何回でもループすることができる。つまり、振分橋2557がループ位置の状態では、第二V入賞口2008への遊技球Bの受入れ機会が何度でも訪れる。これにより、テーブル2555を転動している遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられなかった場合でも、ループ位置の振分橋2557を通ることで、第二V入賞口2008へ受入可能となる機会が再び訪れるため、遊技者を継続して楽しませることができる。
そして、所定時間が経過すると、振分部2552の振分橋2557がループ位置から、立上った非ループ位置の状態となり、振分橋2557により閉鎖されていたハズレ口2009が上方へ開放される。この状態では、テーブル2555の前端辺から放出された遊技球Bや、誘導路2551を転動してきた遊技球Bが、ハズレ口2009に受入れられることとなり、遊技球Bがループすることなく抽選役物2550での抽選が終了する。この際に、直立した振分橋2557により、×印の旗を模した振分表示部2557aが立上って視認可能となるため、振分表示部2557aにより遊技者に対して遊技球Bがループしないことを認識させることができる。
ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bは、ハズレ口センサ2504に検知された上で、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された後に、下方の循環球経路ユニット500のセーフ球受口500bへ排出される。
このように、本実施形態の抽選役物2550によれば、役物入賞口2006から供給された遊技球Bが、第二V入賞口2008に受入れられるか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができる。また、遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられなかった場合でも、振分部2552の振分橋2557がループ位置の時には、当該遊技球Bが打撃部2553を介して再び第二V入賞口2008の上流に位置している揺動樋2554へ送られてループするため、再び第二V入賞口2008へ受入れられる機会が与えられることで、遊技者に対して再び期待感を付与することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[8-8f.普通入賞口ユニット]
次に、表ユニット2000における普通入賞口ユニット2600について、主に図50乃至図52、及び図56等を参照して説明する。普通入賞口ユニット2600は、普通入賞口2002を有しており、遊技領域5a内における左端付近で、上下方向の中央よりも下方の部位に設けられている。この普通入賞口ユニット2600は、アタッカユニット2400とセンター役物2500における案内通路群2520との間に設けられており、普通入賞口2002が第一案内通路2521の出口の直下に位置するように設けられている。
普通入賞口ユニット2600の普通入賞口2002は、上方へ向けて遊技球Bを受入可能に常時開口している。普通入賞口2002に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された後に、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、普通入賞口センサ3002に検知された上で下方の循環球経路ユニット500のセーフ球受口500bへ排出される。
[8-9.遊技領域内での遊技球の流れ]
次に、遊技領域5a内での遊技球Bの流れについて、主に図56等を参照して詳細に説明する。遊技盤5に組立てた状態では、センター役物2500が遊技領域5aの略中央に設けられている。図示は省略するが、遊技領域5a内において、センター役物2500の左右両外側の部位と下側の部位、及び、アタッカユニット2400とセンター役物2500における案内通路群2520との間の部位に、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されている。また、センター役物2500の左側でサイド左上ユニット2300の上方に、遊技球Bの当接により回転する風車W(図101を参照)が設けられている。
センター役物2500の左側には、内レール1002との間に所定のゲージ配列で植設されている複数の障害釘Nが設けられている。遊技領域5a内におけるセンター役物2500の左側において、センターベース2511の周壁部2511aにおける上下方向の中央よりも下方の部位において、左方からやや上方を向けてワープ通路2512の入口が開口している。そして、ワープ通路2512とサイド左上ユニット2300の棚部2301との間に風車Wが設けられている。
センター役物2500の左側へ打込まれた遊技球Bは、或る程度の確率でワープ通路2512に進入する。ワープ通路2512に進入した遊技球Bは、センター役物2500の枠内に設けられているステージ2513に供給され、ステージ2513上を左右方向へ転動し、中央放出部2513a又はサイド放出部2513bの何れかから遊技領域5a内へ還流するように放出される。ステージ2513の中央放出部2513aは、遊技領域5a内の左右方向中央で第一始動口2003の直上に設けられているため、中央放出部2513aから放出された遊技球Bは、高い確率で第一始動口2003に受入れられる。中央放出部2513aの左右両側のサイド放出部2513bから放出された遊技球Bは、或る程度の確率で第一始動口2003に受入れられる。
第一始動口2003に受入れられた遊技球Bは、始動口ユニット2100の第一始動口センサ2101に検知された後に遊技パネル1100の後方へ誘導されて、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡されて裏球誘導ユニット3100から下方へ排出される。第一始動口センサ2101により遊技球Bが検知されると、持ち球数に所定個数の遊技球Bが加算される特典が付与されると共に、所定条件を充足している状態(例えば、第一特別図柄の保留数が4未満の状態)で、遊技者に有利となる有利遊技状態の発生を可能としている第一特別図柄の抽選が実行される。なお、抽選された第一特別図柄を、第一特別抽選結果とも称する。
ステージ2513から放出されて第一始動口2003に受入れられなかった遊技球Bは、アウト口2020に受入れられて遊技領域5a外へ排出される。アウト口2020に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導されて、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された後に、裏球誘導ユニット3100から下方の循環球経路ユニット500のアウト球受口500aへ排出される。
センター役物2500の左外側へ打込まれ、ワープ通路2512に進入しなかった遊技球Bは、風車Wの中心よりも右側を流通した場合では、高い確率で、センター役物2500の下辺に沿って斜めに列設されている複数の障害釘Nに沿うように右方へ流下する。風車Wの中心よりも右側を流通した遊技球Bは、第一始動口2003やサイドユニット2200に設けられている一般入賞口2001に受入れられる可能性がある。また、風車Wの中心よりも右側を流通した遊技球Bは、サイドユニット2200に設けられているサブアウト口2021に受入れられることがある。第一始動口2003、一般入賞口2001、及びサブアウト口2021に受入れられなかった遊技球Bは、アウト口2020に受入れられて遊技領域5a外へ排出される。
一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された上で裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、一般入賞口センサ3001に検知された上で下方へ排出される。一般入賞口センサ3001に遊技球Bが検知されると、持ち球数を所定個数加算する特典が付与される。
一方、風車Wの中心よりも左側を流通した場合では、サイド左上ユニット2300の棚部2301上に流下し、棚部2301を右方へ流下する。風車Wの中心よりも左側を流通した遊技球Bは、サイドユニット2200に設けられている一般入賞口2001及びサブアウト口2021に受入れられる可能性がある。サブアウト口2021に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方に誘導された後に、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、裏球誘導ユニット3100から下方へ排出される。一般入賞口2001及びサブアウト口2021に受入れられなかった遊技球Bは、アウト口2020に受入れられて遊技領域5a外へ排出される。
続いて、センター役物2500の右側には、案内通路群2520、役物入賞口2006、普通入賞口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、及び、サブアウト口2021、が上から順に設けられている。案内通路群2520と第二始動口2004との間、に夫々複数の障害釘Nが植設されている。
本実施形態の遊技盤5では、センター役物2500の周壁部2511aの上辺における左右方向中央付近から右方へ向かって低くなる部位の上方に、遊技球Bが進入する強さで遊技球Bを打込むと、案内通路群2520の第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを遊技球Bが流通する。
具体的に詳述すると、遊技球Bを、遊技領域5aの周縁の一部を構成する外レール1001から内方へ突出している衝止部1006に当接する強さで打込む(所謂、右打ちする)と、衝止部1006に当接した遊技球Bが第一案内通路2521に進入する。この第一案内通路2521に進入した遊技球Bは、第一案内通路2521の途中の役物入賞口2006を閉鎖している役物入賞口扉2515の上面を転動した上で、案内通路群2520の下端の右側の出口から下方の普通入賞口ユニット2600側へ放出される。
一方、センター役物2500の上方に打込まれた遊技球Bが第二案内通路2522の入口に進入して流通すると、後方へひねられて第一案内通路2521と前後方向に並んだ後に、前方へひねられて第一案内通路2521の出口の左側の出口から下方の普通入賞口ユニット2600側へ放出される。
普通入賞口ユニット2600の普通入賞口2002は、第一案内通路2521の出口の直下に設けられているため、第一案内通路2521を流通した遊技球Bの方が、第二案内通路2522を流通した遊技球Bよりも、普通入賞口2002に受入れられる可能性が高い。
普通入賞口2002に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された上で裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、普通入賞口センサ3002に検知された上で下方の循環球経路ユニット500のセーフ球受口500bへ排出される。普通入賞口センサ3002に遊技球Bが検知されると、持ち球数を所定個数加算する特典が付与されると共に、所定条件を充足している状態(例えば、普通図柄の保留数が4未満の状態)で、第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能とする普通図柄の抽選が実行される。なお、抽選された普通図柄を、普通抽選結果とも称する。
遊技領域5a内へ右打ちされて案内通路群2520を流通した後に、普通入賞口2002に受入れられなかった遊技球Bは、複数の障害釘Nに当接しながらアタッカユニット2400上へ流下する。そして、遊技球Bがアタッカユニット2400の上棚部2421に流下すると、上棚部2421の傾斜に従って左方且つ下方へ誘導され、第二始動口2004や大入賞口2005に受入れられる機会もなく、アタッカユニット2400から左方へ排出される。なお、アタッカユニット2400の上棚部2421の下流端(左端)は、第一始動口2003よりも上方に位置しているため、上棚部2421を流通した遊技球Bが第一始動口2003に受入れられる可能性がある。
一方、アタッカユニット2400の第一棚部2422に遊技球Bが流下すると、その傾斜により左方へ転動して、第二始動口扉2411の上面、及び第二棚部2423を転動した上で、第二棚部2423の左端から左方へ放出される。そして、第二棚部2423から左方へ放出された遊技球Bは、その勢いに応じて、第三棚部2424又は大入賞口扉2413上に落下し、それらの傾斜により左方へ転動し、大入賞口扉2413から第四棚部2425を転動した後に、第四棚部2425からアタッカユニット2400外となる左方へ放出される。第四棚部2425から放出された遊技球Bは、アウト口2020に受入れられる。
更に、アタッカユニット2400の上棚部2421及び第一棚部2422の何れにも流下せず、第一棚部2422よりも右方へ遊技球Bが流下すると、サブアウト口2021に受入れられる。また、遊技球Bが第一棚部2422上に流下した場合でも、第二棚部2423と第三棚部2424との間の隙間に進入すると、サブアウト口2021に受入れられる。サブアウト口2021に受入れられた遊技球Bは、遊技領域5a内に戻されることなく裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡されて、下方の循環球経路ユニット500のアウト球受口500aに排出される。
アタッカユニット2400の第一棚部2422に遊技球Bが流下すると、当該遊技球Bが第二始動口扉2411を転動する。従って、普通入賞口2002への遊技球Bの受入れにより普通図柄(普通抽選結果)として「普通当り」が抽選されて、始動口ソレノイド2412により第二始動口扉2411が後退して第二始動口2004が開放されているタイミングで、第一棚部2422側から遊技球Bが流通(転動)してくると、当該遊技球Bが第二始動口2004に受入れられる。
第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、第二始動口センサ2401に検知された後に、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された上で、裏球誘導ユニット3100から下方へ排出される。第二始動口センサ2401により遊技球Bが検知されると、持ち球数を所定個数加算する特典が付与されると共に、所定条件を充足している状態(例えば、第二特別図柄の保留数が4未満の状態)で、遊技者に有利となる有利遊技状態の発生を可能としている第二特別図柄の抽選が実行される。なお、抽選された第二特別図柄を、第二特別抽選結果とも称する。
また、アタッカユニット2400の第一棚部2422に流下して第二始動口扉2411や第二棚部2423を転動した遊技球Bは、大入賞口扉2413上を転動する。従って、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄(第一特別抽選結果)、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄(第二特別抽選結果)、に応じて(例えば、抽選された特別図柄(特別抽選結果)が、「大当り」、「中当り」、「小当り」、等の時)、アタッカソレノイド2414により大入賞口扉2413が後退して大入賞口2005が開放されているタイミングで、第二棚部2423側から遊技球Bが流通(転動)してくると、当該遊技球Bが大入賞口2005に受入れられる。
大入賞口2005に受入れられた遊技球Bは、下方に設けられている二つの大入賞口センサ2402の何れかに検知された後に、遊技パネル1100の後方へ誘導されて裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された上で、下方の循環球経路ユニット500のセーフ球受口500bに排出される。大入賞口センサ2402により遊技球Bが検知されると、持ち球数を所定個数加算する特典が付与される。
ところで、第一始動口2003や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられて第一特別図柄や第二特別図柄として「役物当り」が抽選された場合、第一案内通路2521の途中に設けられている役物入賞口2006が所定のパターンで開閉すると共に、第一振分装置2530の振分回転体2533及び第二振分装置2540の振分片2543が所定のパターンで動作する。従って、「役物当り」が抽選された場合、役物入賞口2006が開閉することから、遊技者に対して、遊技球Bが役物入賞口2006に受入れられるようにするために、役物入賞口2006が設けられている第一案内通路2521に遊技球Bが流通するように、「右打ち」を行わせることができる。
本実施形態では、「役物当り」は、「大当り」よりも抽選される確率が高く、「役物当り」として、「第一役物当り」、「第二役物当り」、「第三役物当り」の三つのパターンが設定されており、何れのパターンも役物入賞口2006が大別して2回開閉する。
まず、各「役物当り」における役物入賞口2006の開閉について詳述する。「第一役物当り」は、実行開始から一定時間(3000ms)経過した後に、役物入賞口2006が、短い時間(80ms)開状態となり、その後、閉状態となって短い時間(1252ms)経過した後に、再び短い時間(80ms)開状態となった上で閉状態となって完了する。「第二役物当り」は、実行開始から一定時間(3000ms)経過した後に、役物入賞口2006が、短い時間(80ms)開状態となり、その後、閉状態となって「第一役物当り」よりも長い時間(5420ms)経過した後に、長い時間(9414ms)開状態となった上で閉状態となって完了する。「第三役物当り」は、実行開始から一定時間(3000ms)経過した後に、役物入賞口2006が、短い時間(80ms)開状態となり、その後、閉状態となって「第二役物当り」よりも長い時間(19366ms)経過した後に、長い時間(9404ms)開状態となった上で閉状態となって完了する。
「第一役物当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態は、実行開始から「第一役物当り」が完了する時間よりも後に開始される。また、「第三役物当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態は、実行開始から「第二役物当り」が完了する時間よりも後に開始される。
なお、「第二役物当り」及び「第三役物当り」における2回目の長い時間の開状態では、8回の開状態(80ms)が一定の間隔(1252ms)で繰返されている。つまり、役物入賞口2006は、「第一役物当り」では2回、「第二役物当り」及び「第三役物当り」では9回、開閉する(開状態となる)。
次に、「役物当り」における第一振分装置2530の振分回転体2533の動作は、実行開始と同時に反時計回りに回動して所定時間(3020ms)収容部2533aを上方へ向けた1回目の収容可能状態となり、その後、時計回りに回動して収容部2533aを右方へ向けた収容不能状態となって所定時間(4560ms)経過すると、1回目よりも長い時間(13446ms)2回目の収容可能状態となり、短時間(500ms)収容不能状態となった後に、2回目と同じ時間(13446ms)3回目の収容可能状態となった上で、収容不能状態となる。
この振分回転体2533は、1回目の収容可能状態が、「役物当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態の途中で終了して収容不能状態となる。また、振分回転体2533は、実行開始から「第一役物当り」が完了する時間よりも後に2回目の収容可能状態となる。従って、「第一役物当り」の時には、2回目の収容可能状態となる前に、振分回転体2533の制御が終了し、2回目と3回目の収容可能状態は実行されない。この振分回転体2533は、2回目の収容可能状態が、「第二役物当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態よりも前に開始され、当該2回目の開状態が閉状態となった後で、収容不能状態となる。
また、振分回転体2533は、実行開始から「第二役物当り」が完了する時間よりも後に3回目の収容可能状態となる。従って、「第二役物当り」の時には、3回目の収容可能状態となる前に、振分回転体2533の制御が終了し、3回目の収容可能状態は実行されない。つまり、振分回転体2533は、「第一役物当り」の時には1回、「第二役物当り」の時には2回、「第三役物当り」の時には3回、夫々収容可能状態となる。この振分回転体2533は、3回目の収容可能状態が、「第三役物当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態よりも前に開始され、当該2回目の開状態が終了して閉状態となった後で、収容不能状態となる。
次に、「役物当り」における第二振分装置2540の振分片2543の動作は、実行開始と同時に前方へ突出して所定時間(3020ms)第二スカ口2541を閉鎖する1回目の閉状態(第一V入賞口2007へ振分可能な状態)となり、その後、後退して第二スカ口2541が開放された開状態(抽選役物2550へ振分可能な状態)となって所定時間(23006ms)経過すると、1回目の開状態よりも長い時間(13446ms)2回目の閉状態となった上で、開状態となる。
この振分片2543は、1回目の閉状態が、「役物当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態の途中で終了して開状態となる。また、第二振分装置2540は、振分片2543の2回目の閉状態が、「第三役物当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態の途中から開始され、役物入賞口2006の2回目の開状態が閉状態となった後で、振分片2543が閉状態から開状態となる。従って、第二振分装置2540では、「第三役物当り」の時のみ、振分片2543の2回目の閉状態が実行され、「第一役物当り」や「第二役物当り」の時には振分片2543の2回目の閉状態は実行されない。
このようなことから、「第一役物当り」では、役物入賞口2006の開閉が、短時間に2回、実行されるため、「右打ち」により第一案内通路2521を流通している遊技球Bが、役物入賞口2006の受入れられる可能性は低い。また、「第二役物当り」及び「第三役物当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態も、短時間であることから、遊技球Bが役物入賞口2006の受入れられる可能性は低い。また、第一振分装置2530おける振分回転体2533の1回目の収容可能状態が、「役物当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態と重なっている時間が、役物入賞口2006の1回目の開状態の時間よりも短いため、役物入賞口2006の1回目の開状態の時に、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが、振分回転体2533の収容部2533aに収容される可能性は更に低い。そして、振分回転体2533の1回目の収容可能状態と、第二振分装置2540における振分片2543の1回目の閉状態とが終了する時間が同じであるため、振分回転体2533の1回目の収容可能状態の時に、収容部2533aに収容された遊技球Bが、第一V入賞口2007側へ振分けられることはない。
一方、「第二役物当り」及び「第三役物当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態は、時間が長いため、第一案内通路2521を通って、遊技球Bが役物入賞口2006に受入れられる可能性は高い。この際に、第一振分装置2530の振分回転体2533が、役物入賞口2006が開状態となる前に収容可能状態となった上で、役物入賞口2006が開状態から閉状態となった後に収容不能状態となるため、2回目の開状態の時の役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが、振分回転体2533の収容部2533aに収容される可能性は高い。
このように、本例では「第二役物当り」及び「第三役物当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態において遊技球Bが役物入賞口2006の受入れられる可能性は低いことに加えて、役物入賞口2006の1回目の開状態の時に、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが、振分回転体2533の収容部2533aに収容される可能性は更に低いにもかかわらず、役物当り遊技状態の実行開始と同時に振分回転体2533を反時計回りに回動して収容部2533aを上方へ向けた収容可能状態とし、所定期間(3020ms)収容部2533aを上方へ向けた後に時計回りに回動して収容部2533aを右方へ向けた収容不能状態としている。即ち、役物当り遊技状態の開始直後には振分回転体2533が遊技球Bをチャンス口2531側に振分ける可能性は低いものの、振分回転体2533が遊技球Bをチャンス口2531側に振分ける動作を実行して振分回転体2533による振分け動作を事前に示すようになっている。
同様に、役物当り遊技状態の開始直後には振分回転体2533が遊技球Bをチャンス口2531側に振分ける可能性は低いものの、役物当り遊技状態の実行開始と同時に第二振分装置2540の振分片2543を前方へ突出して第二スカ口2541を閉鎖することで第一V入賞口2007へ振分可能な状態とし、所定時間(3020ms)経過後に後退して第二スカ口2541が開放することで抽選役物2550へ振分ける状態とするようになっている。即ち、役物当り遊技状態の開始直後には振分片2543が遊技球Bを第一V入賞口2007側に振分ける可能性は低いものの、振分片2543が遊技球Bを第一V入賞口2007側に振分ける動作を実行して振分片2543による振分け動作を事前に示すようになっている。
本例では、振分回転体2533及び振分片2543は役物当り遊技状態の実行開始と同時、即ち役物当り遊技状態開始時の演出(役物当り遊技状態のオープニング演出であって例えば「役物入賞口2006を狙ってね」等の役物当り遊技状態における遊技の説明等が行われる演出)の実行中に動作し、振分回転体2533及び振分片2543の動作後に役物入賞口2006が1回目の開状態となる。これにより、振分回転体2533による遊技球Bのチャンス口2531側への振分けと、振分片2543による遊技球Bの第二スカ口2541側への振分けと、の可能性を低くしている。なお、振分回転体2533による遊技球Bのチャンス口2531側への振分けと、振分片2543による遊技球Bの第二スカ口2541側への振分けと、の可能性がない、若しくは限りなく低いものであれば、振分回転体2533及び振分片2543の動作と同時に役物入賞口2006を1回目の開状態としても良い。
また、振分回転体2533と振分片2543との一方のみを事前に動作させ、他方については事前に動作させないようにしても良い。即ち、役物入賞口2006に入賞した遊技球Bの振分けを行う複数の可動部(振分回転体2533、振分片2543)のうち一部の可動部について事前に動作させて振分け動作を示し、他の可動部については事前に動作させないようにしても良い。例えば、動作することでV入賞口(この例では第一V入賞口2007)へ遊技球Bを進入させる可能性が高い(V入賞期待度が高い)振分片2543については事前に動作させないようにし、振分片2543よりもV入賞口(この例では第二V入賞口2008)へ遊技球Bを進入させる可能性が低い(V入賞期待度が低い)振分回転体2533についてのみ事前に動作させるようにしても良い。これにより、役物入賞口2006に入賞した遊技球Bの振分け先の一部について事前に知ることができるものの、他の振分け先については未知の状態とすることができ、他の振分け先が明らかになったときに振分け先が増えたことにより遊技者を驚かせて期待感を高めさせることができると共に、振分けられる遊技球Bに注目させてその動きを楽しませることができ、遊技興趣の低下を抑制することができる。
また、V入賞期待度の高い可動部(振分片2543)については事前に動作させないことでその存在を隠蔽して、抽選役物2550へ遊技球Bが進入すると遊技者に思い込ませることで「第三役物当り」が実行されたときにV入賞期待度の高い可動部(振分片2543)が動作して遊技球BをV入賞口(この例では第一V入賞口2007)に進入させることで意外性を与えると共に、予想もしていなかった振分け先に遊技球Bが進入することで遊技興趣を向上させることができる。また、振分け先として第一V入賞口2007側への振分けが隠蔽され、第一スカ口2532側と抽選役物2550側との2つだけと思い込ませることができ、「第三役物当り」よりもV入賞期待度が低い「第二役物当り」が実行されて抽選役物2550側に遊技球Bが振分けられても遊技者を落胆させない。
また、本例では振分回転体2533については遊技者が容易に視認できる態様で配置するのに対し、振分片2543については遊技盤5の前後に進退する平板状とされて前面側の面積が狭いため、動作していてもその動作を気付かれ難い。ひいては、振分片2543が前方に突出することで進入可能となる第一V入賞口2007側の通路について遊技者に気付かれ難い。そのため、「第三役物当り」となった場合に振分片2543が動作して第一V入賞口2007に遊技球Bが進入した時の遊技球Bの挙動に気付かれ難くなり、遊技球Bが第一V入賞口2007に進入したことに気付かせることなく、突然V入賞が発生して15R大当りが実行されたかのような感覚を遊技者に与えることができる。
また、役物当り遊技状態のオープニング演出中に振分回転体2533が事前に動作させることで、オープニング演出における指示内容、例えば「役物入賞口2006を狙ってね」に加えて振分回転体2533の動作によっても打込み先、即ち役物当り遊技状態中に狙うべき位置を遊技者に容易に認識させることができる。
上記のように「役物当り」が抽選されることで、役物入賞口2006が開状態となった時に、第一案内通路2521を流下してきた遊技球Bが、役物入賞口2006に受入れられると、役物入賞口センサ2501により検知された後に、第一振分装置2530へ送られる。役物入賞口センサ2501により遊技球Bが検知されると、持ち球数を所定個数加算する等の特典が付与される。
「役物当り」のうち、「第二役物当り」では、役物入賞口2006が2回目の開状態の時に、第二振分装置2540の振分片2543が開状態であるため、振分回転体2533が収容可能状態から収容不能状態に回動すると、収容部2533aに収容されている遊技球Bが、チャンス口2531を通って第二振分装置2540側へ流下し、第二スカ口2541から抽選案内通路2545を流通して抽選役物入球センサ2546により検知された上で、抽選役物2550へ送られることとなる。
抽選役物2550では、非ループ位置の振分橋2557がループ位置の状態となる。例えば、第二振分装置2540における振分片2543の後退による第二スカ口2541の開放に応じて、振分橋2557をループ位置の状態にする。そして、第二振分装置2540から抽選役物2550に送られた遊技球Bは、誘導路2551を左方へ転動し、ループ位置の振分橋2557を通って打撃部2553に送られる。そして、打撃部2553に送られた遊技球Bは、高速回転している打撃片2560の打撃により、テーブル2555の中央後端に設けられている揺動樋2554に供給され、揺動樋2554からテーブル2555上へ放出されることとなる。
テーブル2555上に放出された遊技球Bは、その傾斜により前方へ向かって転動し、テーブル2555の中央前端に設けられている第二V入賞口2008に受入れられるか、テーブル2555の前端辺から前方(誘導路2551)へ放出されるか、の何れかの動きをする。テーブル2555の前端辺から前方へ遊技球Bが放出された時に、振分橋2557がまだループ位置の状態であれば、当該遊技球Bが振分橋2557を通って打撃部2553へ供給されることとなる。従って、振分橋2557がループ位置の状態では、遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられるまで、当該遊技球Bが、打撃部2553、揺動樋2554、テーブル2555、及び誘導路2551の順に巡回するようにループする。
そして、第二V入賞口2008への遊技球Bの受入れ、又は、所定時間の経過により振分橋2557が非ループ位置の状態となることで開放されるハズレ口2009への遊技球Bの受入れ、の何れかにより抽選役物2550でのV入賞にかかる抽選が終了する。
第二V入賞口2008に受入れられた遊技球Bは、第二V入賞口センサ2503により検知された上で、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100を介して下方の循環球経路ユニット500のセーフ球受口500bに排出される。一方、ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bは、ハズレ口センサ2504により検知された上で、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100を介して下方の循環球経路ユニット500のセーフ球受口500bに排出される。第二V入賞口センサ2503により遊技球Bが検知されると、大入賞口2005が所定のパターンで開閉する特典が付与される。
ところで、「第三役物当り」では、役物入賞口2006が2回目の開状態の時に、第二振分装置2540の振分片2543が閉状態であるため、振分回転体2533が収容可能状態から収容不能状態に回動すると、収容部2533aに収容されている遊技球Bが、チャンス口2531を通って第二振分装置2540の閉状態の振分片2543の上面に当接して右方へ誘導され、第一V入賞口2007に進入する(受入れられる)こととなる。第一V入賞口2007に進入した遊技球Bは、第一V入賞口センサ2502により検知された後に、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100を介して下方の循環球経路ユニット500のセーフ球受口500bに排出される。第一V入賞口センサ2502により遊技球Bが検知されると、大入賞口2005が所定のパターンで開閉する特典が付与される。
本実施形態では、大入賞口2005や役物入賞口2006が開閉して遊技者が有利となる有利遊技状態が発生する第一特別図柄や第二特別図柄の特別図柄の抽選において、第一始動口2003が遊技球Bを受入可能に常時開口しているのに対して、第二始動口2004が普通入賞口2002への遊技球Bの受入れにより抽選される普通抽選が「普通当り」の時のみ所定パターンで遊技球Bを受入可能にしている。これにより、第二始動口2004よりも第一始動口2003の方が、遊技球Bが受入れられる可能性が高くなっている。
このようなことから、通常の状態では、遊技者に対して、第一始動口2003に遊技球Bが受入れられるように、センター役物2500の左側を遊技球Bが流下するように、遊技球Bの打込操作を行わせることができ、複数の障害釘Nにより案内される遊技球Bの動きを見せて、遊技球Bによるパチンコ機1本来の遊技を楽しませることができると共に、第一始動口2003への遊技球Bの受入れに対する期待感を高めさせることができる。
そして、第一始動口2003へ遊技球Bが受入れられることで、第一特別図柄の抽選結果として「当り」(例えば、「小当り」、「中当り」、「大当り」、「役物当り」、等)が抽選されると、大入賞口2005又は役物入賞口2006が所定のパターンで開閉するため、大入賞口2005又は役物入賞口2006に遊技球Bが受入れられるように、センター役物2500の右側を狙った遊技球Bの打込操作(所謂、「右打ち」)を楽しませることができる共に、大入賞口2005又は役物入賞口2006への遊技球Bの受入れに対する期待感を高めさせることができる。
センター役物2500の右側へ遊技球Bを打込む際に、センター役物2500の右側には、第一案内通路2521と第二案内通路2522とからなる案内通路群2520が設けられており、多様な流路を有しているため、所望の流路を遊技球Bが流通するように、遊技球Bの打込強さを調整させることができ、遊技者に対して遊技球Bの打込操作を楽しませることができる。
また、センター役物2500の右側には、普通入賞口2002が設けられており、普通入賞口2002に遊技球Bが受入れられることで第二始動口2004が受入可能となる普通抽選の抽選が行われるため、右側に打込んだ遊技球Bが普通入賞口2002を通過するか否かによって遊技者を楽しませることができると共に、第二始動口2004が受入可能となった時に、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられるか否かによっても遊技者を楽しませることができる。この際に、普通入賞口2002が、案内通路群2520における第一案内通路2521の出口の直下に設けられているため、第一案内通路2521を狙った遊技球Bの打込操作を楽しませることができる。
更に、役物入賞口2006では、受入れられて第一振分装置2530により選別された一つの遊技球Bが、第二振分装置2540において第一V入賞口2007又は第二スカ口2541の何れかに振分けられるため、当該遊技球Bが第一V入賞口2007へ振分けられるか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができる。そして、第二振分装置2540において遊技球Bが第二スカ口2541へ振分けられてしまっても、当該遊技球Bが、センター役物2500の下部中央において目立つように設けられている抽選役物2550へ供給されるため、抽選役物2550において第二V入賞口2008への遊技球Bの受入れに対する期待感を抱かせることができる。その後、抽選役物2550のテーブル2555を転動している遊技球Bが、第二V入賞口2008に受入れられるか否かによって遊技者を再びドキドキ・ワクワクさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
そして、遊技球Bが、第一V入賞口2007又は第二V入賞口2008に受入れられた場合、或いは、第一始動口2003及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより第一特別図柄及び第二特別図柄として「大当り」が抽選された場合、アタッカユニット2400の大入賞口2005が所定のパターンで開閉することで多くの遊技球Bが持ち球数に加算される機会が到来するため、開閉している大入賞口2005に遊技球Bが受入れられるように、センター役物2500の右側を狙った遊技球Bの打込操作を行わせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[8-10.裏ユニットの全体構成]
次に、遊技盤5における裏ユニット3000の全体構成について、主に図54及び図55等を参照して詳細に説明する。裏ユニット3000は、遊技盤5(パチンコ機1)に作用する振動を検知する振動センサ1040(図70を参照)と、一般入賞口2001に受入れられて遊技パネル1100の後方に誘導された遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、普通入賞口2002に受入れられて遊技パネル1100の後方に誘導された遊技球Bを検知する普通入賞口センサ3002、を備えている。一般入賞口センサ3001及び普通入賞口センサ3002は、裏球誘導ユニット3100に設けられている。
裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後壁に左右方向へスライド可能に設けられており演出表示装置1600を着脱させるためのロックスライダ3020と、裏箱3010の後壁にヒンジ回転可能に取付けられている裏基板ユニット3040と、を備えている。
裏基板ユニット3040は、正面視の形状がL字型で前後に薄い箱状の基板ボックス3041と、基板ボックス3041内に収容されているパネル中継基板及び演出駆動基板(図示は省略)と、を備えている。基板ボックス3041は、L字型の上下に延びている部位の外側辺に、裏箱3010の軸支部3010fに回転可能に支持される二つの軸部3041aを有している。また、基板ボックス3041は、L字型の左右に延びている部位の先端に、裏箱3010の係止部3010gに係止される係止爪3041bを有している。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010内の前端付近の下部に設けられており遊技パネル1100の後方へ誘導された遊技球Bが流通する裏球誘導ユニット3100と、裏箱3010内における裏球誘導ユニット3100の後に設けられている裏装飾ユニット3200と、裏箱3010内に前端付近における裏球誘導ユニット3100の左方及び上方に設けられている裏前演出ユニット3300と、裏箱3010内における裏前演出ユニット3300の後ろに設けられている裏後演出ユニット3400と、を備えている。
裏球誘導ユニット3100は、裏装飾ユニット3200の前面に取付けられている。裏装飾ユニット3200は、取付サポータ(図示は省略)を介して裏箱3010の後壁の前面に取付けられている。裏前演出ユニット3300は、左端側が裏箱3010の前端付近に取付けられていると共に、右端側が裏後演出ユニット3400の右端側の前面に取付けられている。裏後演出ユニット3400は、上部が取付サポータ(図示は省略)を介して裏箱3010の後壁の前面に取付けられていると共に、下部が裏装飾ユニット3200に取付けられている。
裏ユニット3000における裏装飾ユニット3200、裏前演出ユニット3300、及び裏後演出ユニット3400は、遊技の進行に応じで、所定の可動演出や発光演出を遊技者に見せることができるものである。
[8-10a.裏箱]
次に、裏ユニット3000における裏箱3010について、主に図54及び図55等を参照して詳細に説明する。裏箱3010は、遊技パネル1100(パネルホルダ1120)の後側に取付けられるものであり、箱状の内部に演出ユニットが取付けられると共に、後面に演出表示装置1600や裏基板ユニット3040が取付けられるものである。裏箱3010は、透明に形成されている。これにより、遊技盤5に組立てた状態でも外側から内部を視認することができる。
裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの下辺に設けられており演出表示装置1600が載置される載置面部3010bと、開口部3010aの上辺において枠内の内側から上方へ向かって窪んでいる二つの固定溝3010cと、載置面部3010bの左右方向中央付近の下側に設けられておりロックスライダ3020が左右へスライド可能に取付けられるロック機構部3010dと、を備えている。
裏箱3010の開口部3010aは、正面視において縦横の比が、3:4の四角形に形成されている。開口部3010aは、左右方向が、裏箱3010の後壁の左右方向と略同じ大きさに形成されている。また、開口部3010aは、上下方向が、裏箱3010の上下方向の中心に対して上方にオフセット(偏芯)した位置に設けられている。開口部3010aは、液晶スペーサ1610(19インチの液晶表示装置)と同じ大きさに形成されている。
裏箱3010の二つの固定溝3010cには、下方から演出表示装置1600が取付けられる液晶スペーサ1610の上固定片1611が挿入される。また、裏箱3010のロック機構部3010dには、ロックスライダ3020を背面視において左方へスライドさせた状態で、演出表示装置1600が取付けられる液晶スペーサ1610の下固定片1612を後方から挿入させることができる。ロック機構部3010dに液晶スペーサ1610の下固定片1612を挿入させた状態で、ロックスライダ3020を背面視において右方へスライドさせると、ロックスライダ3020により下固定片1612の後方への移動を阻止して液晶スペーサ1610(演出表示装置1600)を取付けることができる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100の後面に当接した状態で、遊技パネル1100に取付けられる。
更に、裏箱3010は、後面に裏基板ユニット3040の軸部3041aを上下方向に延びた軸周りに対して回転可能に支持することが可能な一対の軸支部3010fと、一対の軸支部3010fとは左右方向の反対側の後面に設けられており裏基板ユニット3040の係止爪3041bが係止される係止部3010gと、を備えている。
裏箱3010は、一対の軸支部3010fと係止部3010gとにより、開口部3010a(液晶スペーサ1610や演出表示装置1600)を跨いで裏基板ユニット3040を後側に取付けることができる。遊技盤5に組立てた時に、裏基板ユニット3040におけるL字型の上下に延びている部位が、背面視において周辺制御ユニット1500の左方に位置している。また、裏基板ユニット3040におけるL字型の左右に延びている部位は、周辺制御ユニット1500の下方に位置している。
裏箱3010は、遊技盤5に組立てた状態で、係止部3010gに係止されている裏基板ユニット3040の係止爪3041bを解除して、軸部3041aを中心として係止爪3041bが後方へ移動するように回動させることで、裏箱3010に取付けられている液晶スペーサ1610の後方を開放させることができ、裏箱3010から裏基板ユニット3040を取外すことなく、液晶スペーサ1610つまり演出表示装置1600を着脱させることができる。
また、裏箱3010は、固定片部3010eを除いた前後方向を向いている面に設けられており上下又は左右に並んでいる二つの貫通孔を一組とした複数の機能孔部と、パチンコ機1(遊技盤5)の組立て等の際に用いることが可能な前後方向を向いている機能面部と、を有している。機能孔部の二つの貫通孔は、同じ直径である。機能孔部は、演出ユニットを直接、又は、取付サポータを介して、裏箱3010に取付けるためのものである。
[8-10b.裏球誘導ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100について、主に図54等を参照して説明する。裏球誘導ユニット3100は、裏箱3010内における前端付近の下部に設けられており、裏装飾ユニット3200を介して裏箱3010に取付けられている。裏球誘導ユニット3100は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、普通入賞口2002に受入れられた遊技球Bを検知する普通入賞口センサ3002と、遊技領域5a内に作用する不正な磁気を検知可能な複数の磁気センサ1030と、を備えている。
裏球誘導ユニット3100は、表ユニット2000における一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、第一V入賞口2007、第二V入賞口2008、ハズレ口2009、及び第一スカ口2532、に受入れられた遊技球Bを遊技パネル1100の後方において受け取って、左右方向の中央付近へ誘導した後に、下方の循環球経路ユニット500のセーフ球受口500bへ排出することができるものである。また、裏球誘導ユニット3100は、表ユニット2000におけるアウト口2020、及びサブアウト口2021、に受入れられた遊技球Bを遊技パネル1100の後方において受け取って、左右方向の中央付近へ誘導した後に、下方の循環球経路ユニット500のアウト球受口500aへ排出することができるものである。
[8-10c.裏装飾ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏装飾ユニット3200について、主に図54及び図55等を参照して説明する。裏装飾ユニット3200は、裏箱3010内における裏球誘導ユニット3100の後に設けられており、取付サポータを介して裏箱3010の後壁の前面に取付けられている。裏装飾ユニット3200には、振動センサ1040が取付けられている。この裏装飾ユニット3200の前面には、裏球誘導ユニット3100が取付けられる。
裏装飾ユニット3200は、遊技盤5に組立てた状態で、センター役物2500における抽選役物2550の左右両外側の後部を装飾する裏下左装飾体3210及び裏下右装飾体3220と、裏下左装飾体3210及び裏下右装飾体3220を夫々発光装飾させるための複数のLEDが実装されている裏下左装飾基板及び裏下右装飾基板(図示は省略)と、を備えている。
裏下左装飾体3210及び裏下右装飾体3220は、透光性を有しており、夫々の上面に、ミニチュア状に町を模した複数の凹凸が形成されている。裏下左装飾基板及び裏下右装飾基板は、裏下左装飾体3210及び裏下右装飾体3220の夫々の下方に設けられており、上面に複数のLED(フルカラーLED)が実装されている。裏下左装飾基板や裏下右装飾基板に実装されているLEDを適宜発光させることで、裏下左装飾体3210や裏下右装飾体3220を発光装飾させることができる。
[8-10d.裏前演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏前演出ユニット3300について、主に図50乃至図52、及び図54等を参照して説明する。裏前演出ユニット3300は、裏箱3010内の前端付近における裏球誘導ユニット3100の左方及び上方に設けられており、左端側が裏箱3010の前端付近に取付けられていると共に、右端側が裏後演出ユニット3400の右端側に取付けられている。
裏前演出ユニット3300は、左端側に設けられており上下に長い平板状の裏前左装飾体3301と、裏前左装飾体3301の右方において昇降可能に設けられている裏前昇降装飾体ユニット3310と、裏前昇降装飾体ユニット3310を昇降させるための裏前昇降機構3350と、を備えている。
裏前演出ユニット3300の裏前左装飾体3301は、上下方向中央から下寄りの位置に設けられている磁気センサ1030が設けられている。裏前左装飾体3301は、裏箱3010内の全高と略同じ長さで上下に延びており、透光性を有している。裏前左装飾体3301の後には、前面に複数のLEDが実装されている裏前左装飾基板(図示は省略)が設けられている。この裏前左装飾基板のLEDを適宜発光させることで、裏前左装飾体を発光装飾させることができる。
裏前昇降装飾体ユニット3310は、左右方向に長く形成されている。裏前昇降装飾体ユニット3310は、左右に長い透明平板状の裏前昇降ベース3311と、裏前昇降ベース3311の前面中央に取付けられており演出カウント表示部3005を有する裏前中央装飾体3320と、裏前昇降ベース3311の前面における裏前中央装飾体3320の左方に取付けられている裏前中左装飾体3330と、裏前昇降ベース3311の前面における裏前中央装飾体3320の右方に取付けられている裏前中右装飾体3340と、を備えている。
裏前中央装飾体3320は、立体的な所定形状に形成されている裏前中央装飾部3321と、裏前中央装飾部3321の後に設けられており複数のLEDが実装されている裏前中央装飾基板(図示は省略)と、裏前中央装飾基板及び裏前中央装飾部3321を後方から支持しており裏前昇降ベース3311に取付けられる裏前中央ベース3323と、を有している。裏前中央装飾部3321は、松の図柄を立体的に模した部位を有しており、当該部位に四つの7セグメント表示からなる演出カウント表示部3005が設けられている。演出カウント表示部3005は、裏前中央装飾基板に実装されている複数のLEDのうちの一部を使用している。
裏前中左装飾体3330は、所定のキャラクタの頭部を模したレリーフ状に形成されており透光性を有している裏前中左装飾部3331と、裏前中左装飾部3331の後に設けられており複数のLEDが実装されている裏前中左装飾基板(図示は省略)と、裏前中左装飾基板及び裏前中左装飾部3331を後方から支持しており裏前昇降ベース3311に取付けられる裏前中左ベース3333と、を有している。裏前中左装飾体3330は、裏前中左装飾基板のLEDを適宜発光させることで、裏前中左装飾部3331を発光装飾させることができる。
裏前中右装飾体3340は、所定のキャラクタの頭部を模したレリーフ状に形成されており透光性を有している裏前中右装飾部3341と、裏前中右装飾部3341の後に設けられており複数の第一LED3342a及び第二LED3342bが実装されている裏前中右装飾基板3342と、裏前中右装飾基板3342及び裏前中右装飾部3341を後方から支持しており裏前昇降ベース3311に取付けられる裏前中右ベース3343と、を有している(図71を参照)。裏前中右装飾体3340は、裏前中右装飾基板3342の第一LED3342aや第二LED3342bを適宜発光させることで、裏前中右装飾部3341を発光装飾させることができる。
裏前昇降機構3350は、裏前左装飾体3301の後に設けられており裏前昇降装飾体ユニット3310の左端側を昇降可能に支持している裏前左昇降レール(図示は省略)と、裏前昇降装飾体ユニット3310の右端側を昇降可能に支持している裏前右昇降レール3352と、裏前左装飾体3301の後に設けられており裏前昇降装飾体ユニット3310を昇降させるための裏前昇降駆動部(図示は省略)と、を備えている。また、裏前昇降機構3350は、図示は省略するが、裏前昇降装飾体ユニット3310を上昇している待機位置の状態から落下させるための落下ソレノイドと、裏前昇降装飾体ユニット3310を下方へ落下した演出位置から上方の待機位置へ上昇させる裏前昇降駆動モータと、を有している。
裏前演出ユニット3300の裏前昇降装飾体ユニット3310は、遊技盤5に組立てた状態で、センター役物2500の枠内を通して前方から視認可能に設けられている。裏前演出ユニット3300は、通常の状態では、裏前昇降装飾体ユニット3310が上方の移動端である待機位置に位置しており、ロック爪の係止により下方への落下が阻止されている。裏前昇降装飾体ユニット3310は、通常の状態では、図50等に示すように、演出表示装置1600の表示画面の上端付近に位置している。
また、裏前演出ユニット3300の裏前昇降装飾体ユニット3310は、通常の状態である待機位置の状態では、その後方に裏後演出ユニット3400における退避位置の裏後昇降装飾体ユニットが位置しており、裏後昇降装飾体3410を前方から視認不能な状態としている。
裏前演出ユニット3300は、通常の状態から、裏前昇降駆動モータにより昇降スライダを下端側へ移動させることで、裏前昇降装飾体ユニット3310が待機位置から下方の演出位置へ落下可能な状態となる。そして、その状態から、落下ソレノイドによりロック爪による係止を解除すると、裏前昇降装飾体ユニット3310が待機位置へ向かって自由落下する。裏前昇降装飾体ユニット3310が演出位置へ落下した状態では、裏前昇降装飾体ユニット3310が、センター役物2500の抽選役物2550よりも上方で遊技領域5aの上下方向中央に対してやや下寄りに位置している。
裏前昇降装飾体ユニット3310が落下して演出位置の状態になると、後方に設けられている裏後演出ユニット3400の退避位置の裏後昇降装飾体3410が前方から視認可能な状態となる。これにより、遊技者を驚かせることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと(チャンスの到来と)思わせることができる。
なお、裏前昇降機構3350の下部には、落下してきた裏前昇降装飾体ユニット3310による衝撃を吸収又は緩和させるためのダンパが設けられている。
演出位置に落下した裏前昇降装飾体ユニット3310は、裏前昇降駆動モータによる昇降スライダの上方への移動により、上方の待機位置へ上昇し、ロック爪が自動で係止されることで待機位置の状態に復帰する。
この裏前演出ユニット3300には、裏前昇降装飾体ユニット3310(裏前中央装飾体3320)に四つの7セグメント表示からなる演出カウント表示部3005を有しているため、演出カウント表示部3005において表示されている数字が減少するカウントダウン表示を実行することで、裏前昇降装飾体ユニット3310が落下するカウントダウン演出を遊技者に見せることができる。なお、カウントダウン演出では、裏前昇降装飾体ユニット3310を落下させずに、裏後昇降装飾体3410を下方の出現位置へ移動させても良いし、裏前昇降装飾体ユニット3310を落下させると共に裏後昇降装飾体3410を下方の出現位置へ移動させるようにしても良い。
[8-10e.裏後演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏後演出ユニット3400について、主に図54及び図55等を参照して説明する。裏後演出ユニット3400は、裏箱3010内における裏前演出ユニット3300の後に設けられており、上部が取付サポータを介して裏箱3010の後壁に取付けられていると共に、下部が裏装飾ユニット3200に取付けられている。裏後演出ユニット3400は、左右に長い裏後昇降装飾体3410と、裏後昇降装飾体3410を昇降させるための裏後昇降機構3450と、を備えている。
裏後演出ユニット3400における裏後昇降装飾体3410は、左右に長く透光性を有する裏後昇降装飾部3411と、裏後昇降装飾部3411の後に設けられており複数のLEDが実装されている裏後昇降装飾基板(図示は省略)と、裏後昇降装飾基板及び裏後昇降装飾部を後方から支持しており裏後昇降機構3450により昇降させられる裏後昇降ベース(図示は省略)と、を備えている。裏後昇降装飾部3411は、左右方向の全長に亘って施されており所定のロゴからなるロゴ部3411aと、ロゴ部3411aの上方にレリーフ状に設けられており裏前昇降装飾体ユニット3310とは異なる複数のキャラクタが左右に列設されているキャラクタ部3411bと、を有している。裏後昇降装飾基板のLEDを適宜発光させることで、裏後昇降装飾部3411を発光装飾させることができる。
裏後演出ユニット3400における裏後昇降機構3450は、下方へ開放されたコ字状の裏後ベース3451と、裏後ベース3451の上辺の前面に設けられており透光性を有する平板状の裏後固定装飾部3452と、裏後固定装飾部3452と裏後ベース3451との間に設けられており複数のLEDが実装されている裏後固定装飾基板3453と、を備えている。裏後固定装飾部3452は、左右方向が裏後昇降装飾体3410と略同じ長さに形成されており、前面に所定の絵柄が施されている。裏後固定装飾基板3453のLEDを適宜発光させることで、裏後固定装飾部3452を発光装飾させることができる。
また、裏後昇降機構3450は、図示は省略するが、裏後ベース3451の左辺に設けられており裏後昇降装飾体3410の左端側を昇降可能に支持している裏後左レールと、裏後ベース3451の右辺に設けられており裏後昇降装飾体3410の右端側を昇降可能に支持している裏後右レールと、裏後ベースの左辺側に設けられており裏後昇降装飾体3410を昇降させるための裏後昇降駆動部と、を有している。
裏後昇降駆動部は、裏後昇降駆動モータを有しており、裏後昇降駆動モータの駆動により裏後昇降装飾体3410を上方の移動端である退避位置と、下方の移動端である出現位置と、の間で昇降させることができると共に、退避位置と出現位置との間の任意の位置で裏後昇降装飾体3410を停止させることができる。
裏後演出ユニット3400は、通常の状態では、裏後昇降装飾体3410が上方の移動端である退避位置の状態となっている。この状態では、裏後昇降装飾体3410が裏後昇降機構3450の裏後固定装飾部3452の前方に位置している。従って、裏後固定装飾部3452は、退避位置の裏後昇降装飾体3410によって前方から視認不能に隠された状態となっている。
この裏後演出ユニット3400は、遊技盤5に組立てた状態では、裏前演出ユニット3300の後に設けられているため、通常の状態では、裏後昇降装飾体3410の前方に裏前演出ユニット3300の待機位置の裏前昇降装飾体ユニット3310が位置しており、裏前昇降装飾体ユニット3310により隠されて前方から視認不能な状態となっている。
裏後演出ユニット3400は、通常の状態から、裏後昇降機構3450の裏後昇降駆動モータの駆動により裏後昇降装飾体3410を下方の移動端である出現位置へ移動させると、待機位置の裏前昇降装飾体ユニット3310よりも下方で遊技領域5aの上下方向中央に対してやや上寄りに位置する。これにより、裏後昇降装飾体3410が遊技者側から視認可能な状態となる。
なお、裏後昇降装飾体3410を退避位置から下方へ移動させた状態でも、裏前昇降装飾体ユニット3310が待機位置の状態では、裏後固定装飾部3452の前方に裏前昇降装飾体ユニット3310が位置しているため、裏後固定装飾部3452は前方から視認することはではない。従って、裏後昇降装飾体3410を退避位置から下方(出現位置)へ移動させると共に、裏前昇降装飾体ユニット3310を待機位置から下方の演出位置へ落下させると、初めて、裏後固定装飾部3452が前方から視認可能な状態となる。これにより、裏後固定装飾部3452が見えることに対してプレミアム感を付与することができる。
裏後昇降装飾体3410を下方の出現位置へ移動させた状態で、裏前昇降装飾体ユニット3310を落下させて演出位置の状態にすると、裏後昇降装飾体3410の裏後昇降装飾部3411におけるロゴ部3411aの前方に、裏前昇降装飾体ユニット3310が位置し、ロゴ部3411aが隠された状態となると共に、複数のキャラクタが列設されているキャラクタ部3411bが、裏前昇降装飾体ユニット3310よりも上側から前方へ臨んだ状態となる(図74を参照)。
裏後昇降装飾体3410を出現位置へ移動させた状態で、裏後昇降機構3450の裏後昇降駆動モータを逆転させることで、裏後昇降装飾体3410が上昇し、退避位置へ復帰させることができる。
[8-11.遊技盤による演出]
続いて、遊技盤5による演出について、主に図66乃至図69を参照して詳細に説明する。図66は、通常の状態で示す遊技盤の正面図である。図67は、通常の状態から裏前演出ユニットの裏前昇降装飾体ユニットを待機位置から演出位置へ落下させた状態で示す遊技盤の正面図である。図68は、通常の状態から裏後演出ユニットの裏後昇降装飾体を退避位置から出現位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図69は、通常の状態から、裏前演出ユニットの裏前昇降装飾体ユニットを待機位置から演出位置へ落下させると共に、裏後演出ユニットの裏後昇降装飾体を退避位置から出現位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。
本実施形態の遊技盤5は、図66等に示すように、主にセンター役物2500の枠内を通して、後方に設けられている裏ユニット3000や演出表示装置1600の表示画面等が視認可能となっている。この遊技盤5は、センター役物2500の枠内を通して、その下辺付近において抽選役物2550とその左右に設けられている裏装飾ユニット3200の裏下左装飾体3210及び裏下右装飾体3220が常時視認可能に設けられていると共に、センター役物2500の枠内における左辺付近に裏前演出ユニット3300の裏前左装飾体3301が常時視認可能に設けられている。
遊技盤5は、通常の状態では、裏ユニット3000における裏前演出ユニット3300の裏前昇降装飾体ユニット3310が上方の移動端である待機位置に移動していると共に、裏後演出ユニット3400の裏後昇降装飾体3410が上方の移動端である退避位置に移動している。待機位置に移動している裏前昇降装飾体ユニット3310は、センター役物2500の枠内における上辺付近において視認可能に前方へ臨んでいる。退避位置に移動している裏後昇降装飾体3410は、裏前昇降装飾体ユニット3310の後で待機位置の裏前昇降装飾体ユニット3310と同じ高さに位置しており、裏前昇降装飾体ユニット3310により隠されて前方から視認不能な状態となっている。
また、通常の状態では、裏後演出ユニット3400の裏後固定装飾部3452の前方に、退避位置の裏後昇降装飾体3410が位置していると共に、更にその前方に、待機位置の裏前昇降装飾体ユニット3310が位置しており、それらによって隠されて前方から視認不能な状態となっている。
この通常の状態では、裏前昇降装飾体ユニット3310が上方の待機位置に移動していため、裏前昇降装飾体ユニット3310(裏前中央装飾体3320)に設けられている演出カウント表示部3005が、演出表示装置1600の表示画面の中央の上方に位置しており、演出表示装置1600に表示されている演出画像を妨げることなく、遊技者側から目立つように見える。
本実施形態の遊技盤5は、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3300を使用して図67に示すような演出を実行することができる。この演出は、裏前昇降装飾体ユニット3310が上方の待機位置へ移動している通常の状態で、裏前昇降機構3350において、裏前昇降駆動モータにより昇降スライダを下端側へ移動させた後に、落下ソレノイドによりロック爪による係止を解除し、裏前昇降装飾体ユニット3310を自由落下させて演出位置の状態とする。裏前昇降装飾体ユニット3310が演出位置へ落下した状態では、裏前昇降装飾体ユニット3310が、センター役物2500の抽選役物2550よりも上方で遊技領域5aの上下方向中央に対してやや下寄りに位置しており、演出表示装置1600の表示画面の上下方向中央付近を隠した状態となる。また、裏前昇降装飾体ユニット3310が演出位置へ落下すると、センター役物2500の枠内における上辺付近において、裏後演出ユニット3400の退避位置の裏後昇降装飾体3410が見えるようになる。これにより、裏前昇降装飾体ユニット3310が自由落下してくるため、遊技者を驚かせることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと(チャンスの到来と)思わせることができる。
次に、遊技盤5は、裏ユニット3000の裏後演出ユニット3400を使用して図68に示すような演出を実行することができる。この演出は、裏後昇降装飾体3410が上方の退避位置へ移動している通常の状態で、裏後昇降機構3450の裏後昇降駆動モータにより裏後昇降装飾体3410を下方の移動端へ移動させて出現位置の状態とする。これにより、裏前昇降装飾体ユニット3310によって視認不能となっていた裏後昇降装飾体3410が視認可能となるため、遊技者を驚かせることができ、チャンスが到来したと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。また、裏後昇降装飾体3410が出現位置へ移動すると、演出表示装置1600の表示画面の上下方向の略中央に位置するため、裏後昇降装飾体3410によって表示画面を上下に分割することができ、演出画像が物理的に上下に分割される演出を遊技者に見せることができる。
また、裏後演出ユニット3400を使用した演出として、裏後昇降装飾体3410が裏後昇降駆動モータにより退避位置と出現位置との間であれば任意の高さに移動させることができるため、予告演出として、裏後昇降装飾体3410を退避位置から僅かに下方へ移動させたり上下に振動させたりしても良い。
続いて、遊技盤5は、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3300と裏後演出ユッニト3400の両方を使用して図69に示すような演出を実行することができる。この演出では、裏前昇降装飾体ユニット3310を待機位置から落下させて演出位置の状態とすると共に、裏後昇降装飾体3410を退避位置から下方へ移動させて出現位置の状態とする。これにより、裏前昇降装飾体ユニット3310と裏後昇降装飾体3410とにより演出表示装置1600の表示画面を覆ったような状態となるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができると共に、これまで視認できなかった表示画面の上方に設けられている裏後固定装飾部3452が視認可能となるため、遊技者に対してプレミアム感を付与することができ、遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、大当り遊技)の発生に対する期待感を高めさせることができる。
この演出では、裏前昇降装飾体ユニット3310と裏後昇降装飾体3410とを同時に下方へ移動させても良いし、裏前昇降装飾体ユニット3310を先に落下させてから裏後昇降装飾体3410を下方へ移動させても良いし、裏後昇降装飾体3410を先に下方へ移動させてから裏前昇降装飾体ユニット3310を落下させても良い。
また、遊技盤5は、裏ユニット3000に前方から常時視認可能に設けられている演出カウント表示部3005を有しているため、当該演出カウント表示部3005を使用した演出を実行することができる。例えば、演出カウント表示部3005に表示される数字を刻々と減少させるカウントダウン表示により、裏前昇降装飾体ユニット3310が落下したり、裏後昇降装飾体3410が下方へ移動したり、するタイミングをカウントダウンさせるようにしても良い。或いは、例えば、抽選役物入球センサ2546による遊技球Bの検知により抽選役物2550において遊技球Bがループ不能となるまでをカウントダウンさせるようにしても良い。
また、演出カウント表示部3005において、第一始動口2003や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別図柄に対する期待度を数字として表示(示唆)させるようにしても良い。或いは、演出カウント表示部3005では、四つの7セグメント表示を有していることから、各セグメントの発光の組合せにより演出図柄を構成するようにして、当該演出図柄を変動表示させた後、停止表示させて、停止表示された演出図柄により期待度を示唆させるようにしても良い。
[9.制御構成]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御構成について、図38及び図70等を参照して説明する。図70は、パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。なお、図70では、枠制御基板640に接続されているセンサ、ソレノイド、モータ、LED、等の電子部品の一部を省略して示している。
パチンコ機1の主な制御構成は、図示するように、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる枠制御基板640と、から構成されており、夫々の制御が分担されている。主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御する。周辺制御基板1510は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部1511と、周辺制御部1511からのコマンドに基づいて演出表示装置1600での演出画像の表示を制御する演出表示制御部1512と、を備えている。
[9-1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板1310は、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPUと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポートと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路と、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路と、主制御MPUに内蔵されているRAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチと、設定値の表示やエラー表示を行うための設定表示器、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口2020及びサブアウト口2021により回収された遊技球Bの球数を表示するためのベースモニタと、を備えている。主制御MPUは、その内蔵されたROMやRAMのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPUには、その内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ(以下、「主制御内蔵WDT」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPUは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPUを製造したメーカーによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPUは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができるようになっている。
また、主制御MPUは、電気的なノイズの影響を受けると、ハードウェアによって強制的にリセットがかかる回路も内蔵されている(以下、「内蔵リセット回路」と記載する)。内蔵リセット回路は、主制御MPUの所定のレジスタの内容を監視して、つじつまの合わない内容にレジスタが変化した場合に、電気的なノイズの影響を受けたとして、主制御MPUを強制的にリセットする回路である。このような内蔵リセット回路による強制リセットは、ユーザプログラムによって制御して無効化することができない仕組みとなっている。このため、主制御MPUは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、後述する主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、後述する主制御側電源投入時処理を実行することとなる。この場合、主制御側電源断時処理が実行されていないため、後述するように、必ず主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーとなるため、主制御内蔵RAMの内容が完全に消去(クリア)されることとなる。なお、主制御MPUが内蔵リセット回路により強制リセットがかかったとしても、主制御MPUの内蔵リセット回路から枠制御基板640に対してリセット信号を出力することがないため、主制御基板1310(主制御MPU)のみが再起動することとなり、枠制御基板640は起動した状態が維持されている。
また、主制御MPUは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数をハードウェアにより更新するハード乱数回路(以下、「主制御内蔵ハード乱数回路」と記載する。)が内蔵されている。この主制御内蔵ハード乱数回路は、予め定めた数値範囲(本実施形態では、最小値として値0~最大値として値65535という数値範囲が予め設定されている。)内において乱数を生成し、初期値として予め定めた値が固定されず(つまり、初期値が固定されず)、主制御MPUがリセットされるごとに異なる値がセットされるように回路構成されている。具体的には、主制御内蔵ハード乱数回路は、主制御MPUがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPUに入力されるクロック信号(主制御MPUと別体に設けた図示しない水晶発振器から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路が繰返し行い、主制御MPUは、主制御内蔵ハード乱数回路から値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
主制御入力回路は、その各種入力端子に各種センサからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路は、図示しない主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路は、その各種入力端子に入力されている各種センサからの検出信号に基づく情報が主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御基板1310の主制御MPUは、第一始動口2003に受入れられた遊技球Bを検出する第一始動口センサ2101、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検出する第二始動口センサ2401、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検出する一般入賞口センサ3001、普通入賞口2002に受入れられた遊技球Bを検知する普通入賞口センサ3002、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bを検知する役物入賞口センサ2501、第一V入賞口2007に受入れられた遊技球Bを検知する第一V入賞口センサ2502、第二V入賞口2008に受入れられた遊技球Bを検知する第二V入賞口センサ2503、ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bを検知するハズレ口センサ2504、遊技盤5から排出された遊技球Bを検知するアウト球センサ505、セーフ球センサ506、遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ1030、及び遊技盤5に作用する振動を検知する振動センサ1040、等からの検出信号は、主制御入力回路を介して主制御MPUの所定の入力ポートの入力端子に、入力されている。
また、設定変更基板に備える設定キースイッチ1312、設定変更スイッチ(RAMクリアスイッチ)からのそれぞれの検出信号は、主制御入力回路を介して主制御MPUの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、扉開放スイッチ407からの検出信号と枠開放スイッチ408からの検出信号とは、枠制御基板640を介して、主制御基板1310へそれぞれ入力されると、主制御入力回路を介して、主制御MPUの所定の入力ポートの入力端子にそれぞれ入力されている。
なお、アウト球センサ505、第一始動口センサ2101、及び第二始動口センサ2401からのそれぞれの検出信号は、他の基板を介すことなく、つまり直接、主制御基板1310に入力され、主制御入力回路を介して主制御MPUの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。これに対して、一般入賞口センサ3001、普通入賞口センサ3002、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2501、第一V入賞口センサ2502、第二V入賞口センサ2503、ハズレ口センサ2504、磁気センサ1030、及び振動センサ1040からのそれぞれの検出信号は、パネル中継基板を介して、つまり間接的に、主制御基板1310に入力され、主制御入力回路を介して主制御MPUの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
主制御MPUは、これらの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子から主制御ソレノイド駆動回路に制御信号を出力することにより、主制御ソレノイド駆動回路から始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、役物入賞口ソレノイド2516、第一振分ソレノイド2534、第二振分ソレノイド2544、抽選ループソレノイド2558、打撃片駆動モータ2561、樋揺動駆動モータ2564、揺動片ソレノイド2565、へそれぞれの駆動信号を、パネル中継基板を介して、つまり間接的に、出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から機能表示ユニット1400の状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器、へそれぞれの駆動信号を、他の基板を介すことなく、つまり直接、出力したり、する。また、主制御MPUは、これらの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子から駆動信号を出力することにより、設定変更基板の設定変更許可ランプへ駆動信号を出力する。
また、主制御MPUは、その所定の出力ポートの出力端子から遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、枠制御基板640に対して遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から信号(停電クリア信号)を出力することにより、停電監視回路に対して信号(停電クリア信号)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から遊技球Bの発射を許可する旨を伝える発射許可信号を出力することにより、枠制御基板640に対して遊技球Bの発射を許可する旨を伝える発射許可信号を出力したりする。この発射を許可する旨を伝える発射許可信号の論理は、発射を許可するときには発射許可論理に設定される一方、発射を許可しないときには発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定される。なお、発射許可信号の論理は、初期値(デフォルト)として、パチンコ機1が電源投入されてから(復電してから)後述する主制御側タイマ割り込み処理における発射許可信号設定処理が開始されるまでに亘って、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されるようにリセット機能付き主制御出力回路を含むハードウェアにより構成されている。
なお、本実施形態において、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、普通入賞口センサ3002、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2501、第一V入賞口センサ2502、第二V入賞口センサ2503、ハズレ口センサ2504、アウト球センサ505、セーフ球センサ506、ファール球センサ507には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3001には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球Bが、第一始動口2003や第二始動口2004、普通入賞口2002には頻繁に入球するため、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、及び普通入賞口センサ3002による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、及び普通入賞口センサ3002には、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。
また、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(「大当り」遊技、等)が発生すると、大入賞口2005や役物入賞口2006が開放されて遊技球Bが頻繁に入球するため、大入賞口センサ2402や役物入賞口センサ2501による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、大入賞口センサ2402や役物入賞口センサ2501にも、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技領域5aに発射された遊技球Bは、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口2020やサブアウト口2021により多量に回収されるため、アウト球センサ505による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、アウト球センサ505に対しても、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球Bが頻繁に入球しない一般入賞口2001には、一般入賞口センサ3001による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3001には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。なお、一般入賞口2001に遊技球Bが頻繁に入球する・しないに関係なく、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いてもよい。
また、主制御MPUは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び特典の付与に関する各種コマンド等を枠制御基板640に送信したり、この枠制御基板640からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPUは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポートを介して周辺制御基板1510の周辺制御部1511に送信したりする。なお、主制御MPUは、その詳細な説明は後述するが、枠制御基板640からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部1511に送信する。
主制御基板1310には、詳細な説明は後述するが、枠基板ユニット630の電源基板650から各種電圧が供給されている。この主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板650は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されると、RAMから完全に消去(クリア)される。このRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)は、枠制御基板640にも出力される。
また、主制御基板1310には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板650から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力する。この停電予告信号は、主制御I/Oポートを介して主制御MPUに入力される他に、枠制御基板640等にも出力されている。
[9-2.枠制御基板]
遊技者の遊技球Bの持ち球数等を制御する枠制御基板640は、RAMに記憶されている情報を消去するためのRAMクリアスイッチ641と、封入されている遊技球Bを循環球経路ユニット500の球抜口513pから外部(球受トレー620)へ抜く際に使用する球抜スイッチ642と、RAM等に記憶されている遊技者の持ち球数をクリアすると共に扉枠3の持ち球数表示部140での表示をクリアするための球数記憶・表示クリアスイッチ643と、を備えている。
[9-3.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、図70に示すように、主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部1511と、この周辺制御部1511からの制御データに基づいて、演出表示装置1600の描画制御を行う演出表示制御部1512と、を備えている。
[9-3a.周辺制御部]
周辺制御基板1510における演出制御を行う周辺制御部1511は、詳細な図示は省略するが、CPU、RAM、VDP、VRAM、音源、SATAコントローラ、そして各種I/Oインターフェース等が1つの半導体チップ上に集積された周辺制御ICと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROMと、高音質の演奏を行う音源ICと、この音源ICが参照する音楽、音声、及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMと、を備えている。
周辺制御ICには、1つの半導体チップ上にパラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数集積されており、主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、周辺制御ICのCPUは遊技盤5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の各装飾基板に送信したり、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットを作動させる駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の駆動モータ或いは駆動ソレノイドに送信したり、扉枠3に設けられたバイブレータ等への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから扉枠3側に送信したり、演出表示装置1600に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を表示制御部用シリアルI/Oポートから演出表示制御部1512に送信したり、するほかに、音ROMから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源ICに出力したりする。
扉枠3に設けられた演出操作ユニット250の第一演出ボタン251や第二演出ボタン252からの検知信号は、周辺制御ICに入力されている。
また周辺制御ICのCPUは、演出表示制御部1512が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が演出表示制御部1512から入力されており、この動作信号に基づいて演出表示制御部1512の動作を監視している。
音源ICは、周辺制御ICのCPUからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROMから音情報を抽出し、扉枠3や本体枠4等に設けられた、トップ中央スピーカ、トップサイドスピーカや、本体枠4の本体枠スピーカ403等から各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるように制御を行う。なお、周辺制御基板1510が収容された周辺制御基板ボックスから後方へ突出している音量調整スイッチを回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。本実施形態では、扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ403とに、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、2.1chサラウンド信号、或いは、4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができる。
なお、周辺制御部1511は、周辺制御ICのCPUに内蔵された内蔵WDT(ウォッチドックタイマ)のほかに、図示しない、外部WDT(ウォッチドックタイマ)も備えており、周辺制御ICのCPUは、内蔵WDTと外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御ICのCPUから演出表示制御部1512に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御ICのCPUから遊技盤5側に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド等は、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
[9-3b.演出表示制御部]
演出表示制御部1512は、演出表示装置1600の描画制御を行うものである。演出表示制御部1512は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての表示制御MPUと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する表示制御ROMと、演出表示装置1600を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)と、演出表示装置1600に表示される画面の各種データを記憶する画像ROMと、この画像ROMに記憶されている各種データが転送されてコピーされる画像RAMと、を備えている。
この表示制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDPを制御して演出表示装置1600の描画制御を行っている。なお、表示制御MPUは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部1511に出力する。また表示制御MPUは、VDPから実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
表示制御ROMは、演出表示装置1600に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、演出表示装置1600に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、画像ROMに記憶されている各種データを画像RAMの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って演出表示装置1600に描画される画面データを、前もって、画像ROMから画像RAMの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
表示制御MPUは、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。このように、表示制御MPUは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。
VDPは、表示制御MPUから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて画像RAMからスプライトデータを抽出して演出表示装置1600に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを、演出表示装置1600に出力する。またVDPは、演出表示装置1600が、表示制御MPUからの画面データを受入れないときに、その旨を伝える実行中信号を表示制御MPUに出力する。なお、VDPは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、演出表示装置1600の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを、演出表示装置1600に出力する方式である。
画像ROMには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。画像ROMの容量が大きくなると、つまり、演出表示装置1600に描画するスプライトの数が多くなると、画像ROMのアクセス速度が無視できなくなり、演出表示装置1600に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速い画像RAMに、画像ROMに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、この画像RAMからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態で画像ROMに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、演出表示装置1600に、纏まった単位として表示されるイメージである。例えば、演出表示装置1600に、種々の人物(キャラクタ)を表示させる場合には、夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、演出表示装置1600に複数人の人物を表示させる場合には、複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて演出表示装置1600に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「スプライトキャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのスプライトキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。このように、スプライトキャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
演出表示装置1600は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰返し行う副走査と、によって駆動される。演出表示装置1600は、演出表示制御部1512から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、演出表示装置1600は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[10.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図56等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドル160を遊技者が回転操作することで、循環経路R内に封入されている遊技球Bが、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打込まれて、遊技球Bによる遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打込まれた遊技球Bは、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球Bの打込強さは、ハンドル160の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球B、つまり、0.6秒間隔で遊技球Bを打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが遊技パネル1100の前面に植設されており、遊技球Bが障害釘Nに当接することで、遊技球Bの流下速度が抑制されると共に、遊技球Bに様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘Nの他に、遊技球Bの当接により回転する風車Wがサイド左上ユニット2300の上方でセンター役物2500の左方に設けられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球Bは、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入すると、センター役物2500の左側、つまり、内レール1002とセンター役物2500との間を、複数の障害釘Nに当接しながら流通することとなる。センター役物2500の左側には、ワープ通路2512の入口が、遊技球Bを受入可能に常時開口している。
ワープ通路2512に進入した遊技球Bは、センター役物2500の枠内に設けられているステージ2513に供給され、ステージ2513上を左右方向へ転動し、中央放出部2513a又はサイド放出部2513bの何れかから遊技領域5a内へ還流するように放出される。ステージ2513の中央放出部2513aは、遊技領域5a内の左右方向中央で第一始動口2003の直上に設けられているため、中央放出部2513aから放出された遊技球Bは、高い確率で第一始動口2003に受入れられる。中央放出部2513aの左右両側のサイド放出部2513bから放出された遊技球Bは、或る程度の確率で第一始動口2003に受入れられる可能性がある。
第一始動口2003に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310を介して枠制御基板640において所定個数(例えば、3個)の遊技球Bが、持ち球数に加算されると共に、主制御基板1310において、第一特別図柄(例えば、「ハズレ」、「小当り」、「役物当り」、「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」、「確変(確率変更)当り」、「時短(時間短縮)当り」、「確変時短当り」、「確変時短無し当り」、「第二大当り」、等)の抽選が行われる。抽選された第一特別図柄の抽選結果が、「ハズレ」以外であると、遊技者が有利な有利遊技状態が発生する。そして、抽選された第一特別図柄の抽選結果は、所定時間(例えば、0.1~360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆される。
本実施形態では、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより特別抽選の開始から抽選された第一特別図柄の抽選結果が示唆されるまで(特別変動時間)の間に、第一始動口2003に遊技球Bが受入れられると、第一特別図柄の抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された第一特別図柄の抽選結果の示唆が完了するまで、第一特別図柄の抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される第一特別図柄の抽選結果の保留数は、第一始動口2003に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2003に遊技球Bが受入れられても第一特別図柄の抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球Bが、ワープ通路2512に進入しなかった場合、サイド左上ユニット2300の棚部2301や障害釘Nにより左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット2200の一般入賞口2001やサブアウト口2021、或いは、始動口ユニット2100の第一始動口2003等、に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310を介して枠制御基板640において所定個数(例えば、10個)の遊技球Bが、持ち球数に加算される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球Bが、センター役物2500の周壁部2511aの最も高くなった部位よりも右側に進入すると、センター役物2500の案内通路群2520の第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを通る。第一案内通路2521に進入した遊技球Bは、途中において役物入賞口2006を閉鎖している役物入賞口扉2515の上面を転動した上で、普通入賞口ユニット2600の上方(直上)に放出される。一方、第二案内通路2522に進入した遊技球Bは、普通入賞口2002の左寄りの上方に放出される。従って、第一案内通路2521に遊技球Bが進入すると、役物入賞口2006に受入れられる可能性がある。
役物入賞口2006は、第一始動口2003や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される特別図柄の抽選結果が、「小当り」や「役物当り」等の時に、所定のパターンで開閉して遊技球Bを受入可能な状態となる。遊技球Bが役物入賞口2006に受入れられると、主制御基板1310を介して枠制御基板640において所定個数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、持ち球数に加算される。
役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bは、第一振分装置2530へ送られ、振分回転体2533によりチャンス口2531又は第一スカ口2532の何れかに振分けられる。第一スカ口2532に振分けられた遊技球Bは排出される。チャンス口2531に振分けられた遊技球Bは、第二振分装置2540へ送られる。第二振分装置2540へ送られた遊技球Bは、第一V入賞口2007又は第二スカ口2541の何れかに振分けられる。第二振分装置2540の振分により第一V入賞口2007に遊技球Bが受入れられると、大入賞口2005が所定の開閉パターンで開閉する「大当り」遊技が実行される。
第二振分装置2540において第二スカ口2541に遊技球Bが振分けられると、抽選役物2550へ送られる。抽選役物2550へ送られた遊技球Bは、振分部2552の振分橋2557がループ位置へ移動している時間の間、第二V入賞口2008が設けられているテーブル2555と、遊技球Bをテーブル2555へ供給する打撃部2553との間でループする。そして、第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられると、大入賞口2005が所定の開閉パターンで開閉する「大当り」遊技が実行される。
一方、所定時間が経過して振分橋2557がループ位置から非ループ位置へ移動してハズレ口2009が開放された状態となると、テーブル2555の第二V入賞口2008に受入れられなかった遊技球Bがハズレ口2009に受入れられる。ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bは、排出される。
案内通路群2520の下流に設けられている普通入賞口2002は、第一案内通路2521の出口の直下に設けられているため、第一案内通路2521を流通した遊技球Bの方が、第二案内通路2522を流通した遊技球Bよりも、普通入賞口2002に受入れられる可能性が高い。普通入賞口2002に受入れられなかった遊技球Bは、アタッカユニット2400へ流下する。
この普通入賞口2002に遊技球Bが受入れられて普通入賞口センサ3002により検知されると、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通図柄の抽選結果が「普通当り」の場合、第二始動口扉2411により閉鎖されている第二始動口2004が所定時間(例えば、0.3~10秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。
本実施形態では、普通入賞口2002に遊技球Bが受入れられることで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通図柄の抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01~60秒、普通変動時間とも称す)。この普通図柄の抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。
なお、遊技球Bが普通入賞口2002に受入れられてから普通図柄の抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球Bが普通入賞口2002に受入れられると、普通図柄の抽選結果の示唆を開始することができないため、普通図柄の抽選結果の示唆の開始を、先の普通図柄の抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通図柄の抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、普通入賞口2002に遊技球Bが受入れられても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
普通入賞口2002に受入れられずに流下した遊技球Bは、アタッカユニット2400における上棚部2421、第一棚部2422、第一棚部2422よりも右方、の何れかに流下する。上棚部2421に流下した遊技球Bは左方へ誘導されて大入賞口2005よりも左方に放出される。従って、上棚部2421上に流下した遊技球Bは、第二始動口2004及び大入賞口2005に受入れられることはない。
アタッカユニット2400の第一棚部2422に流下した遊技球Bは、その傾斜により左方へ転動し、第二始動口2004を閉鎖している第二始動口扉2411、第二棚部2423、大入賞口2005を閉鎖している大入賞口扉2413、及び第四棚部2425を転動した後に、左方へ放出される。第四棚部2425から放出された遊技球Bは、アウト口2020に受入れられて排出される。従って、遊技球Bが第一棚部2422に流下すると、第二始動口2004や大入賞口2005に受入れられ可能性がある。
アタッカユニット2400の第一棚部2422よりも右方に流下した遊技球Bは、サブアウト口2021に受入れられて排出される。なお、稀ではあるが、第一棚部2422に流下した遊技球Bが、第二棚部2423と第三棚部2424との間の隙間に進入すると、サブアウト口2021に受入れられて排出される。
アタッカユニット2400の第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310を介して枠制御基板640において所定個数(例えば、1個)の遊技球Bが、持ち球数に加算されると共に、主制御基板1310において、第二特別図柄(例えば、「ハズレ」、「小当り」、「役物当り」、「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」、「確変(確率変更)当り」、「時短(時間短縮)当り」、「確変時短当り」、「確変時短無し当り」、「第二大当り」、等)の抽選が行われる。抽選された第二特別図柄の抽選結果が、「ハズレ」以外であると、遊技者が有利な有利遊技状態が発生する。そして、抽選された第二特別図柄の抽選結果は、第一特別図柄の抽選結果の特別変動時間よりも長い所定時間(例えば、0.1~360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆される。
本実施形態では、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより特別抽選の開始から抽選された第二特別図柄の抽選結果が示唆されるまで(特別変動時間)の間に、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、第二特別図柄の抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された第二特別図柄の抽選結果の示唆が完了するまで、第二特別図柄の抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される第二特別図柄の抽選結果の保留数は、第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられても第二特別図柄の抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄の抽選結果の特別変動時間は、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄の抽選結果の特別変動時間よりも長く設定されている。これにより、第二特別図柄の抽選結果の方が保留数の消費に時間がかかるため、第一始動口2003及び第二始動口2004に対する単位時間当たりの遊技球Bの受入数が同じであっても、第二始動口2004の方が実行される第二特別図柄の抽選結果の数が少なくなる。従って、通常の状態において、センター役物2500の右側へ遊技球Bを打込んでも、第二始動口2004しか受入れられる可能性がなく、第二特別図柄の抽選結果が実行される頻度が低いため、遊技者に対して遊技球Bがセンター役物2500の左側を流通するような打込操作を積極的に行わせることができる
上記のように、第一始動口2003又は第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選された第一特別図柄の抽選結果又は第二特別図柄の抽選結果により、大入賞口2005や役物入賞口2006が、所定の開閉パターンで開閉して、遊技球Bを受入可能な状態となる。
そして、アタッカユニット2400において、第一特別図柄の抽選結果や第二特別図柄の抽選結果に応じて、或いは、第一V入賞口2007や第二V入賞口2008への遊技球Bの受入れ、等により大入賞口2005が受入可能となっているタイミングで遊技球Bが流下してくると、当該遊技球Bが大入賞口2005に受入れられる。遊技球Bが大入賞口2005に受入れられると、主制御基板1310を介して枠制御基板640において所定個数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、持ち球数に加算される。
大入賞口2005は、遊技球Bを受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、20秒~40秒)経過、或いは、大入賞口2005への所定個数(例えば、10個)の遊技球Bの受入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球Bを受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「2R大当り」であれば2ラウンド、「5R大当り」であれば5ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。
なお、「大当り」では、大当り遊技の終了後に、「大当り」等の第一特別図柄や第二特別図柄が抽選される確率を変更(「確変当り」)したり、第一特別図柄の抽選結果や第二特別図柄の抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更(「時短当り」)したりする「当り」がある。
第一特別図柄の抽選結果や第二特別図柄の抽選結果(例えば、第二特別図柄の抽選結果)が「第二大当り」の場合、大入賞口2005又は役物入賞口2006が、所定のパターンで遊技球Bを受入可能とした後に、有利遊技状態としてST(スペシャル・タイム)を発生させる。このSTとは、予め決められた特定の変動回数の間、確変や時短の状態を維持するものである。
このように、大入賞口2005や役物入賞口2006が遊技球Bを受入可能な時に、大入賞口2005や役物入賞口2006に遊技球Bを受入れさせることで、多くの遊技球Bを持ち球数に加算させることができるため、遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
本実施形態では、第一特別図柄の抽選結果や第二特別図柄の抽選結果の示唆を、機能表示ユニット1400と演出表示装置1600とで行っている。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別図柄の抽選結果(第一特別図柄の抽選結果及び第二特別図柄の抽選結果)の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別図柄の抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別図柄の抽選結果を示唆する。
一方、演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基づいて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別図柄の抽選結果の示唆が行われる。演出表示装置1600での特別図柄の抽選結果を示唆する演出画像は、複数の絵柄からなる絵柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各絵柄列を変動させ、変動表示されている絵柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの絵柄列の絵柄が、特別図柄の抽選結果と対応した組合せとなるように夫々の絵柄列が停止表示される。特別図柄の抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの絵柄列が停止して各絵柄が停止表示された後に、特別図柄の抽選結果を示唆する確定画像が演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別図柄の抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、「小当り」遊技、「大当り」遊技、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別図柄の抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(特別変動時間))と、演出表示装置1600での特別図柄の抽選結果を示唆する時間(絵柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別図柄の抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別図柄の抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット250における第一演出ボタン251や第二演出ボタン252を操作させる遊技者参加型演出を行うことができる。遊技者参加型演出では、第一演出ボタン251及び第二演出ボタン252をポップアップさせて目立たせることができ、第一演出ボタン251や第二演出ボタン252の操作により遊技者参加型演出を楽しませることができる。
また、周辺制御基板1510では、扉枠3に備えられている各装飾基板や、遊技盤5に備えられている各装飾基板、演出表示装置1600、始動口表示部2110、演出カウント表示部3005、裏装飾ユニット3200、裏前演出ユニット3300、裏後演出ユニット3400、等を適宜用いて、発光演出、表示演出、可動演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、周辺制御基板1510では、第一演出ボタン251や第二演出ボタン252を操作する遊技者参加型演出において、遊技者が操作すべき操作を間違えたり、行わなかったりした時に、正しい操作を行わせるように遊技者にその旨を告知する。
本実施形態によれば、遊技者によって遊技球Bが遊技領域5aに打込まれて、所定条件の充足として、第一始動口2003や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別図柄の抽選結果により役物入賞口2006が所定パターンで開閉し、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが第一振分装置2530及び第二振分装置2540を経た遊技球Bが、センター役物2500における抽選役物2550の誘導路2551に供給され、当該遊技球Bが下流の振分部2552へ向かって流通する。この振分部2552では、誘導路2551に開口しているハズレ口2009を振分橋2557により閉鎖している状態では当該遊技球Bが第一側としての打撃部2553へ振分けられ、振分橋2557が抽選ループソレノイド2558により回動させられてハズレ口2009を開放している状態では当該遊技球Bがハズレ口2009(第二側)へ振分けられ、遊技球Bの振分状態が振分橋2557の振分表示部2557aにより示されている。そして、振分部2552において、遊技球Bが第一側へ振分けられると、打撃部2553へ供給される。一方、振分部2552において、遊技球Bが第二側(ハズレ口2009)へ振分けられると、打撃部2553へ供給されることはなく、抽選役物2550から排出される。
振分部2552から打撃部2553へ供給された遊技球Bは、当該打撃部2553の回転している打撃片2560により後方へ打撃されて、後方へ向かって高くなっている登坂部2559を登るように流通(転動)することとなる。この打撃部2553では、遊技球Bが供給されるタイミングと、遊技球Bを打撃片2560が打撃するタイミングとによっては、遊技球Bが強く打撃されたり殆ど打撃されなかったりすることとなり、後方へ打撃される遊技球Bの勢いが様々となるため、打撃された遊技球Bの勢いが弱いと、遊技球Bが登坂部2559を登り切れずに打撃部2553へ戻ってしまい、遊技球Bが前後に登坂部2559を行ったり来たりすることとなる。そして、遊技球Bが打撃部2553により強く打撃されて登坂部2559を乗り越えると、テーブル2555の後端で左右方向の中央に設けられている揺動樋2554に供給され、揺動樋2554からテーブル2555に放出される。この際に、揺動樋2554が上下方向の軸芯周りに対して揺動するように往復回動しているため、遊技球Bが供給されるタイミングと揺動樋2554の回動位置のタイミングとによって、揺動樋2554の樋部2554aから様々な方向へ遊技球Bがテーブル2555に放出されることとなる。
揺動樋2554からテーブル2555へ放出された遊技球Bは、その傾斜に従って前方へ転動し、テーブル2555の前端から誘導路2551へ放出されることとなる。この際に、テーブル2555の前端付近で揺動樋2554の中心を通る前後方向の中央軸線上に設けられている第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられる可能性があると共に、揺動樋2554と第二V入賞口2008との間で中央軸線を境にして左右対称に設けられている揺動片2556に遊技球Bが当接することで、遊技球Bの流通方向が、第二V入賞口2008へ向かったり、第二V入賞口2008から遠ざかったりする。テーブル2555の第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられると、有利遊技状態(例えば、大当り遊技)が発生する。一方、遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられずにテーブル2555の前端から誘導路2551へ放出された後に、振分部2552によって一方側へ振分けられると、当該遊技球Bが打撃部2553によって揺動樋2554へ供給される。従って、遊技球Bが振分部2552により一方側(打撃部2553)へ振分けられる限り、当該遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられるまで、誘導路2551、振分部2552、打撃部2553、揺動樋2554、テーブル2555の順にループする。
このようなことから、役物入賞口2006が所定パターンで開閉して遊技球Bを抽選役物2550へ供給可能となった時に、振分部2552の振分表示部2557aを見ることで、振分部2552において遊技球Bが第一側(打撃部2553)へ振分ける状態であるか否かを遊技者に確認させることができる。これにより、振分表示部2557aを見て振分部2552が第一側(打撃部2553、ひいては、第二V入賞口2008)へ振分ける状態となっている時に、役物入賞口2006に受入れられた遊技球B(ここでは、第一振分装置2530において振分回転体2533の収容部2533aに収容されている遊技球B)が抽選役物2550(誘導路2551)に供給される否かで遊技者をワクワクさせることができる。その後、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが抽選役物2550(誘導路2551)に供給されると、振分部2552において第一側(打撃部2553側)へ振分けられるか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができる。そして、遊技球Bが第一側へ振分けられて打撃部2553に供給されると、遊技球Bが打撃されるタイミング等によっては遊技球Bが登坂部2559を行ったり来たりするため、遊技球Bが登坂部2559を乗り越える強さで打撃されるか否かによって遊技者を楽しませることができる。また、登坂部2559を乗り越えた遊技球Bは、往復回動している揺動樋2554に供給されるため、揺動樋2554が遊技球Bを第二V入賞口2008へ向かって放出できるタイミングで、揺動樋2554に遊技球Bが供給されるように、遊技球Bが登坂部2559を乗り越える強さで打撃されるか否かによっても、遊技者をハラハラ・ドキドキさせて楽しませることができる。
打撃部2553により打撃された遊技球Bが登坂部2559を乗り越えて揺動樋2554に供給されると、往復回動している揺動樋2554から遊技球Bが第二V入賞口2008へ向かって放出されるか否かによって遊技者をワクワク・ドキドキさせることができる。この揺動樋2554から遊技球Bが中央軸線(第二V入賞口2008)から離れる方向へ放出されても、中央軸線を境にして左右対称に設けられている一対の揺動片2556の揺動状況によっては、揺動片2556に当接した遊技球Bが中央軸線側へ寄せられて、第二V入賞口2008へ向かう可能性があるため、遊技者をガッカリさせることはなく、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。そして、テーブル2555の下流端付近に設けられている第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられるか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、第二V入賞口2008に受入れられると、有利遊技状態(大入賞口2005が所定パターンで開閉する大当り遊技)が発生するため、遊技者を大いに楽しませることができる。
一方、第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられなかった場合でも、テーブル2555の下流端から誘導路2551に放出されるため、誘導路2551の下流に設けられている振分部2552によって、遊技球Bが再び第一側(打撃部2553)へ振分けられる否かによって遊技者の期待感を高めさせることができ、振分部2552によって再び第一側へ振分けられると、打撃部2553及び登坂部2559を介してテーブル2555の上流の揺動樋2554へ供給されるため、第二V入賞口2008へ受入れられるチャンスが再び到来することで、遊技者をガッカリさせることはない。この際に、振分橋2557の振分表示部2557aを見て振分部2552が第一側(打撃部2553)へ振分ける状態となっている時に、テーブル2555の前端から遊技球Bが誘導路2551へ放出されるか否かで遊技者をワクワクさせることもできる。従って、抽選役物2550における様々な場面において遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができるため、遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができると共に、遊技者を楽しませられる抽選役物2550を備えたパチンコ機1機を提供することができる。
また、センター役物2500の抽選役物2550には、前後及び左右に広い面状のテーブル2555を有していると共に、テーブル2555の前端よりも前方に誘導路2551を設けていることから、抽選役物2550が大きなものとなっているため、本抽選役物2550によりパチンコ機1を目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、抽選役物2550を使用する遊技に対して遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くして遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、後端が高くなるように傾斜しているテーブル2555の左右方向の中央軸線上に第二V入賞口2008を設けているため、第二V入賞口2008を目立たせることができ、遊技者の視線を第二V入賞口2008へ向けさせ易くすることができると共に、第二V入賞口2008への遊技球Bの受入れに対する期待感を抱かせ易くすることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、後端が高くなっているテーブル2555の中央軸線上の後端付近に、揺動樋2554を設けると共に、中央軸線を境にして左右対称に一対の揺動片2556を設けているため、揺動片2556によって後方の揺動樋2554の視認性が阻害されることはなく、遊技者からテーブル2555に設けられている第二V入賞口2008、一対の揺動片2556、及び揺動樋2554を良好に視認させることができる。従って、一対の揺動片2556や揺動樋2554の回動状況や揺動状況が認識し易くなるため、それらの動きによる遊技球Bの転動経路等が予測し易くなり、予測通りに遊技球Bが転動するか否かによって遊技球Bの動きを楽しませることができる。
また、振分部2552において、第二側に連通するハズレ口2009を誘導路2551に設けているため、振分橋2557により閉鎖している状態から抽選ループソレノイド2558により振分橋2557を回動させてハズレ口2009を開放させた状態にすると、誘導路2551においてハズレ口2009が上方へ開口している状態となるため、遊技者からハズレ口2009を目立たせることができ、誘導路2551を流通している遊技球Bが第二側(ハズレ口2009)に振分けられる状態、つまり、第一側(打撃部2553、ひいては、第二V入賞口2008)に振分けられない状態であることを認識させ易くすることができる。従って、目立つハズレ口2009が振分橋2557により閉鎖されていると、第一側(打撃部2553)へ振分けられる状態であることを容易に認識させることができ、誘導路2551を見るだけで何れに振分ける状態であるのかを容易に判別させることができる。
更に、打撃部2553による遊技球Bを打撃するタイミング等によっては、遊技球Bが登坂部2559を行ったり来たりするため、抽選役物2550における遊技球Bの滞在時間を稼ぐ(長くする)ことができ、短時間で抽選役物2550における遊技が終わることで遊技者をガッカリさせてしまうことを回避させることができると共に、登坂部2559により稼いだ時間により演出表示装置1600における演出画像等による演出を遊技者に対して十分に見せることができ、遊技者をより楽しませられるパチンコ機1を提供することができる。
また、打撃部2553と揺動樋2554(揺動通路2562)との間に登坂部2559を設けていることから、打撃部2553において遊技球Bが強く打撃されても、登坂部2559を登ることでその勢いを減衰させることができると共に、揺動通路2562において左右方向へ揺動させていることで更にその勢いを減衰させることができるため、勢い良く揺動樋2554に遊技球Bが供給されることで、揺動樋2554が往復回動して放出方向を変化させているのにも関わらず、遊技球Bの勢いによって揺動樋2554の放出方向とは異なる方向へ揺動樋2554から放出されてしまい、遊技者に対して不快感を与えてしまったり、揺動樋2554から勢いよくテーブル2555に遊技球Bが放出されることで、テーブル2555における遊技球Bの滞在時間(転動時間)が短くなってしまったり、することを回避させることができる。従って、遊技者に不快感を与えることなく揺動樋2554での遊技球Bの放出を楽しませることができると共に、テーブル2555上を転動している遊技球Bの動きを楽しませられ易くすることができる。
また、抽選役物2550に遊技球Bが供給されるタイミングを、遊技球Bの打込操作によって遊技者が選択できるような場合では、振分表示部2557aにおいて遊技球Bが第一側へ振分けられる状態であることを表示するタイミングで、遊技球Bが供給されるように打込操作を行うことが可能となるため、抽選役物2550内における遊技球Bの動きだけでなく、遊技球Bの打込操作も楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、ハズレ口2009を開放すると、振分橋2557が、その先端を基端よりも上方に位置させて誘導路2551から直立したような状態になるため、誘導路2551を遊技球Bが勢い良く流通してきてハズレ口2009を飛び越えようとしても、直立している振分橋2557により飛び越えて第一側(打撃部2553)へ侵入してしまうことを防止することができ、遊技球Bを確実にハズレ口2009(第二側)に振分けることができる。
また、ハズレ口2009を開放すると、振分橋2557が、その先端を基端よりも上方に位置させて誘導路2551から直立したような状態になるため、振分橋2557が遊技者から目立って見えることになると共に、振分橋2557に設けられている振分表示部2557aが見える状態となるため、振分橋2557(振分表示部2557a)によっても遊技球Bが第二側へ振分けられる状態であることを判別させることができる。
更に、本実施形態によれば、遊技ホールの係員等の作業者がメンテナンス等の際に主制御ユニット1300(第二仕様主制御ユニット1300B)を見ると、透明な主制御基板ボックス1320(第二仕様主制御基板ボックス1320B)の基板カバー1340(第二仕様基板カバー1340B)の平坦な面部1344に未実装識別部1345が見えるため、作業者の視線を、未実装識別部1345を介して面部1344と対向している主制御基板1310(第二仕様主制御基板1310B)の未実装領域1313へ誘導させることができる。この際に、平坦な面部1344に未実装識別部1345を設けているため、凹凸のある部位に未実装識別部1345を設ける場合と比較して、未実装識別部1345を見え易くすることができ、当該未実装識別部1345によって作業者の視線を第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313へ誘導させ易くすることができると共に、当該面部1344を通して第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313が歪んで見えることはなく、未実装領域1313を良好な状態で視認させることができる。そして、作業者が第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313を見ることで、当該未実装領域1313に設定キースイッチ1312のような電子部品等が何も実装されていないことを認識させることができるため、作業者に対して、当該第二仕様主制御ユニット1300Bは未実装領域1313に特定部品(設定キースイッチ1312)が実装されていない遊技仕様のものであると即座に認識させることができ、第二仕様主制御ユニット1300Bにおける遊技仕様の違いが判り易いパチンコ機1を提供することができる。
また、上述したように、第二仕様主制御基板ボックス1320Bの第二仕様基板カバー1340Bの未実装識別部1345によって、作業者の視線を第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313へ誘導して、当該第二仕様主制御ユニット1300Bは未実装領域1313に設定キースイッチ1312が実装されていないものであると即座に認識させることができるため、複数のメーカーの新旧のパチンコ機の機種がある遊技ホールにおいて、係員等の作業者がメンテナンス等をする際に、パチンコ機1の表側の意匠だけではなく裏側からも的確に遊技仕様の違いを判別することができ、短時間に多数台のメンテナンスを行うことができると共に、メンテナンス等を円滑に行わせることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
ところで、特定部品が設定キースイッチ1312であったりコネクタであったりする場合、当該特定部品が実装されている遊技仕様の第一仕様主制御ユニット1300Aでは、特定部品(設定キースイッチ1312)の一部が外部に露出するように第一仕様基板カバー1340Aに設定キー窓1341が設けられている。一方、特定部品(設定キースイッチ1312)を有しない遊技仕様の第二仕様主制御ユニット1300Bでは、第二仕様基板カバー1340Bに設定キー窓1341を設けたままにすると、その設定キー窓1341を通して不正行為が行われてしまう恐れがあるため、設定キー窓1341を塞いだ状態にすることとなる。しかしながら、第二仕様基板カバー1340Bにおいて、元から設定キー窓1341も何もなかったような状態にしてしまうと、設定キー窓1341の部位、つまり、第二仕様主制御ユニット1300Bにおける未実装領域1313が、何処にあるのかが判り難くなり、当該主制御ユニット1300が何れの遊技仕様のものであるのかを判別するのに時間がかかってしまう問題がある。これに対して、本実施形態では、平坦な面部1344により、第二仕様基板カバー1340Bにおいて、元から設定キー窓1341も何もなかったような状態にしても、未実装識別部1345を設けているため、未実装識別部1345により作業者の視線を容易に第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313へ誘導させることができ、本主制御ユニット1300が第二仕様主制御ユニット1300Bであることを即座に判別させることができる。
また、第二仕様基板カバー1340Bの未実装識別部1345を、特定部品としての設定キースイッチ1312の円柱部1312dを囲むように、第二仕様基板カバー1340Bの面部1344から第二仕様主制御基板1310Bへ向かって筒状に突出している形状のものとしていることから、作業者が第二仕様基板カバー1340B(第二仕様主制御ユニット1300B)を見ると、第二仕様主制御基板1310Bへ向かって突出している筒状の部位(未実装識別部1345)が見えるため、未実装識別部1345に注目させる(視線を誘導させる)ことができ、その形状により当該部位と対向している未実装領域1313に設定キースイッチ1312が実装されるものと認識させることができると共に、その筒状の未実装識別部1345が面部1344によって塞がれていることで、当該主制御ユニット1300が設定キースイッチ1312(特定部品)を実装しない第二仕様主制御ユニット1300Bであると即座に認識させることができ、遊技仕様の違いを判り易くすることができる。
更に、第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313において、設定キースイッチ1312(特定部品)を取付可能とする場合、仮に、未実装領域1313に設定キースイッチ1312を取付けるための取付孔やスルーホール、銅箔による回路、等が設けられていても、第二仕様基板カバー1340Bの未実装領域1313と対向している平坦な面部1344に、未実装識別部1345を設けていると共に、筒状の未実装識別部1345を面部1344によって塞いでいるため、作業者に、当該第二仕様主制御ユニット1300Bは未実装領域1313に設定キースイッチ1312が実装されていないものであると即座に認識させることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313に、遊技仕様に応じて特定部品(設定キースイッチ1312)を取付可能としているため、主制御基板1310(第一仕様主制御基板1310Aや第二仕様主制御基板1310B)の製造工程において、遊技仕様が異なっていても途中までは同一の工程で製造することが可能となるため、製造にかかるコストを低減させることができ、コストの増加を抑制することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
[11.演出基板を有する装飾体]
続いて、パチンコ機1やスロットマシンのような遊技機に設けられている演出基板3520を有する装飾体3500について、主に図71乃至図75等を参照して詳細に説明する。図71(a)は演出基板を有する装飾体の正面図であり、(b)は(a)の装飾体の断面図である。図72は、図71の演出基板の製造において、定尺基板に対して繋部を残して演出基板の外周を形成した上で、LED等の電子部品を実装した後に、演出基板と捨基板とを分離させる前の状態を示す説明図である。図73(a)は繋部を残して演出基板の外周を形成して捨基板から分離させる前の状態を示す説明図であり、(b)は繋部の部位を切断して演出基板と捨基板とを分離させた状態を示す説明図であり、(c)は演出基板における繋部の部位を仕上げた状態を示す説明図である。
図74(a)は図72の状態から演出基板と捨基板とを分離させた状態の演出基板を示す説明図であり、(b)は(a)の状態から演出基板の外周を仕上げた状態を示す説明図である。図75(a)は、図72とは異なる繋部の形態を示す説明図であり、(b1)~(b3)は更に異なる形態の繋部を示すと共に捨基板から分離して仕上げるまでを示す説明図である。なお、ここで説明する装飾体3500は、複数の実施形態のうちの第一実施形態であり、他の実施形態と区別するために装飾体3501と記載する場合がある。
装飾体3500(第一実施形態の装飾体3501)は、図71に示すように、所定形状に形成されている装飾部3510と、装飾部3510の後に設けられており複数のLED3530が実装されている演出基板3520と、演出基板3520の後に設けられている装飾ベース3540と、を備えている。この装飾体3500は、演出基板3520に実装されているLED3530を適宜発光させることで、装飾部3510と装飾ベース3540のレンズ部3545とを発光装飾させることができる。なお、図71に示す装飾体3500は、裏前演出ユニット3300の裏前昇降装飾体ユニット3310における裏前中右装飾体3340と同じものである。
装飾部3510は、透光性を有しており、全体が略一定の厚さで立体的に形成されている。この装飾部3510は、所定のキャラクタの頭部を模しており、レリーフ状に形成されている。装飾部3510は、外周縁付近の部位に前後方向(中央の部位に対して交差する方向)へ延出している側壁部3511と、側壁部3511における板厚の端面となり後方を向いている後端面3512と、を有している。本実施形態の装飾部3510では、中央の部位(前壁部3513)と側壁部3511とが滑らかな曲面により連続しており、中央の部位(前壁部3513)との明確な境界は有していない。
演出基板3520は、装飾部3510(後端面3512)よりも後ろに設けられている。演出基板3520は、装飾部3510の外周形状に倣った(沿った)形状で、装飾部3510の外周よりも小さく形成されている。演出基板3520の外周縁は、略全体が装飾部3510における後端面3512の後方となるように形成されている。換言すると、演出基板3520の外周縁は、装飾部3510と重ねた時(装飾体3500に組立てた時)に、後端面3512の外周と内周との間に位置するように形成されている。
演出基板3520は、図73に示すように、基板母材3521の表面に電子回路を形成している銅箔3522と、銅箔3522を被覆している被覆膜3523と、を有している。
銅箔3522は、演出基板3520の外周縁から所定距離L1(例えば、0.5mm~3mm、本実施形態では1mm)控えて設けられている。この銅箔3522の控えは、演出基板3520の外周縁における直線状の部位や曲線状の部位に関わらず設けられている。例えば、図73に示すように、演出基板3520の外周縁に円弧状の凹みがある場合、銅箔3522の控えが、その凹みと同心円状に設けられている。また、銅箔3522の控えは、演出基板3520に貫通孔が設けられている場合、その貫通孔に対してもその周縁から所定距離L1控えて設けられている。この銅箔3522の控えにより、静電気等の放電やショートに対する絶縁性を高めることができ、放電等による破損を抑制することができる。
被覆膜3523は、明色の色を有しており、銅箔3522の側面も確実に被覆するように設けられている。本実施形態の被覆膜3523は、白色のソルダレジストとしている。この被覆膜3523は、スクリーン印刷、ドライフィルム、等によって施されている。この被覆膜3523は、明色であるため、演出基板3520に実装されているLED3530からの光を反射させることができ、装飾部3510をより明るく発光装飾させることができる。また、LED3530を発光させていない時でも、装飾部3510を通って演出基板3520に照射された光を反射させることができるため、装飾部3510が暗く見えてしまうことを抑制させることができると共に、演出基板3520を認識させ辛くすることができ、装飾体3500の見栄えを良くすることができる。
なお、本実施形態では、被覆膜3523の明色として白色のものを示しているが、これに限定するものではなく、黄色、灰色、青色、緑色、赤色、等における明るい色であれば良く、例えば、黒色の明度を0、白色の明度を10とした時に、明度が5~10の範囲内のものとすることが望ましい。
被覆膜3523は、演出基板3520の外周縁から所定距離L2(例えば、0.4mm~0.8mm、本実施形態では0.5mm)控えて設けられており、その周縁が銅箔3522の周縁と演出基板3520の周縁との間に位置している。この被覆膜3523の控えは、演出基板3520の外周縁における直線状の部位や曲線状の部位に関わらず設けられている。例えば、図73に示すように、演出基板3520の外周縁に円弧状の凹みがある場合、被覆膜3523の控えが、その凹みと同心円状に設けられている。また、被覆膜3523の控えは、演出基板3520に貫通孔が設けられている場合、その貫通孔に対してもその周縁から所定距離L2控えて設けられている。図73における網掛けの部位は、被覆膜3523が設けられている領域を示している。
演出基板3520に実装されている複数のLED3530は、前面(表面)に実装されている複数の第一LED3531と、後面(裏面)に実装されている複数の第二LED3532と、から構成されている。第一LED3531は、演出基板3520の板面に対して垂直方向へ光を照射するトップビュータイプであり、第二LED3532は、演出基板3520の板面と平行な方向へ光を照射するサイドビュータイプである。第一LED3531及び第二LED3532は、何れもフルカラーLEDである。
装飾ベース3540は、全体が無色透明に形成されており、演出基板3520の後に位置している平板状の本体部3541と、本体部3541の外周縁から前方へ壁状に延出している周壁部3542と、本体部3541を貫通しており内部に演出基板3520の後面に実装されている第二LED3532が挿入される開口部3543と、本体部3541の周縁に設けられており周縁外方へ向かうに従って前方へ位置するように斜めに形成されている面取部3544と、周壁部3542の前端面に設けられている複数の凹凸からなるレンズ部3545と、を有している。
装飾ベース3540の周壁部3542は、本体部3541の全周に亘って設けられており、前後に短い筒状に形成されている。この周壁部3542の内周の大きさは、装飾部3510の外周の大きさよりも若干大きく形成されている。これにより、筒状の周壁部3542の内側に前方から装飾部3510を挿入することができる。また、周壁部3542は、装飾体3500に組立てた時に、その前端(レンズ部3545)が装飾部3510の後端面3512よりも前方へ突出するように形成されている。
この装飾ベース3540は、装飾体3500に組立てた時に、演出基板3520の後面に実装されているサイドビュータイプの第二LED3532が開口部3543内に挿入されるため、第二LED3532を発光させると、その光が開口部3543の内周面に照射され、当該内周面から本体部3541内へ入射されることとなる。そして、本体部3541内に入射された光は、本体部3541の外周縁に設けられている面取部3544により前方の周壁部3542側へ反射し、周壁部3542の前端のレンズ部3545から前方へ放射されることとなる。これにより、第二LED3532の発光により、レンズ部3545を発光させることができ、装飾部3510の外周を発光装飾させることができる。
本実施形態の装飾体3500は、演出基板3520の前面に実装されている第一LED3531を発光させると、装飾部3510を発光装飾させることができ、演出基板3520の後面に実装されている第二LED3532を発光させると、装飾部3510の外周に設けられている装飾ベース3540のレンズ部3545を発光装飾させることができる。この際に、演出基板3520の表面(前面及び後面)には、明色(ここでは白色)の被覆膜3523が設けられているため、第一LED3531や第二LED3532からの光を反射させることができ、装飾部3510やレンズ部3545をより明るく発光装飾させることができる。
また、演出基板3520の表面が被覆膜3523によって明色となっているため、装飾部3510を通して演出基板3520が透けて見えても、演出基板3520が目立ち難く、装飾体3500の見栄えの悪化を抑制させることができる。また、装飾部3510に着色されている部位を有している場合、後ろの演出基板3520が被覆膜3523によって明色であるため、装飾部3510の色が違う色に見えてしまったり暗く見えてしまったりすることを回避させることができ、装飾部3510による装飾効果を確実に発揮させることができる。
更に、装飾体3500では、演出基板3520の外周縁の前方に装飾部3510の周端面が位置しているため、装飾部3510が透明であっても、前方に設けられている曲面状の側壁部3511のレンズ効果により演出基板3520の外周縁を明瞭には見え辛くすることができる。また、演出基板3520の外周縁(外周側面)よりも外側が装飾ベース3540の周壁部3542により囲まれていると共に、周壁部3542の前端に複数の凹凸からなるレンズ部3545が設けられているため、周壁部3542を通して演出基板3520の外周縁を見え辛くすることができる。このように、装飾体3500では、演出基板3520の外周縁が見え難くなっているため、外周縁(外周側面)に明色の被覆膜3523が設けられていなくても、見栄えが悪化することはなく、装飾体3500の見栄えを良くすることができる。
また、装飾体3500では、演出基板3520の外側を装飾ベース3540の周壁部3542により囲んでいるため、遊技盤5の組立て時において、作業者が演出基板3520の外周側面に触れることはない。これにより、外周側面の仕上げ具合の違いにより、演出基板3520の外周側面にギザギザな部位(例えば、後述する特定痕跡部3561)を有していても、当該部位により作業者が怪我をしてしまうことを回避させることができる。また、演出基板3520の外周側面や周縁付近には、被覆膜3523が設けられていないため、当該部位に作業者の脂質が付着することを回避させることができ、脂質による不具合の発生を抑制させることができる。
[11-1.演出基板の詳細]
次に、装飾体3500に設けられている演出基板3520の詳細について、主に図71乃至図74等を参照して詳細に説明する。まず、初めに、本実施形態の装飾体3500(装飾部3510)のように、所定のキャラクタを模すことで外周形状が単純な矩形状ではなく、不定形の複雑な形状とする場合、発光装飾させるためのLEDが実装されている演出基板を単純な矩形状にすると、装飾部3510の後方において演出基板(LED)が設けられていない部位が存在し易くなるため、当該部位の存在により装飾部3510全体を均一な明るさで発光装飾することができず、十分な演出効果を得られなくなる恐れがある。そこで、演出基板3520の外周形状を装飾部3510の外周形状と対応した形状とすることで、上記のような問題を解決することが可能となる。
演出基板3520の外周形状を不定形の複雑な形状に形成する方法としては、NCマシンのような加工機械を使用して矩形状の定尺基板3550から切り出す方法(切削加工する方法)がある。この場合、演出基板3520を構成している基板母材3521の切粉が大量に発生するため、LEDやセンサやコネクタ等の電子部品を演出基板3520に実装する前に、演出基板3520を切り出す(分離させる)ことが望ましい。しかしながら、切り出した演出基板3520の外周形状が不定形であると、電子部品を実装するためのインサートマシンに当該演出基板3520をセットすることが難しくなる問題が発生する。
そこで、本実施形態では、演出基板3520の製造を以下のような方法で実施する。まず、矩形状の定尺基板3550(基板母材3521)に、回路を構成する銅箔3522、LED3530等の電子部品を取付けるための取付孔やスルーホール3524、及び明色の被覆膜3523(ソルダレジスト)を施した状態にする。この際に、銅箔3522の外周縁は、切り出す演出基板3520の外周縁から所定距離L1控えた位置とすると共に、被覆膜3523の外周縁は、所定距離L1よりも短く切り出す演出基板3520の外周縁から所定距離L2控えた位置とする(図73を参照)。
ところで、被覆膜3523では、明色にするための顔料(例えば、酸化チタン)を含ませることとなるため、当該顔料が含まれていないものと比較して硬質(硬い素材)となり、後述する切削加工を実施すると、微細な切粉(粉末)が生じ易く、明色の被覆膜3523の粉末は清掃し難い。そして、LED3530等の電子部品を実装する際に、被覆膜3523の粉末が残っていると、不具合が発生する恐れがある。これに対して、本実施形態では、被覆膜3523の外周縁を、演出基板3520の外周縁よりも所定距離L2控えて設けているため、演出基板3520の外周形状を切削加工する際に、被覆膜3523が切削されることはなく、被覆膜3523の粉末が発生することはない。
そして、定尺基板3550にインサートマシンを使用して電子部品を実装する前に、NCマシンのような切削加工機を使用して、定尺基板3550から演出基板3520が切り出されるように、エンドミル等を使用して演出基板3520の外周形状に沿ったスリット3551を形成する切削加工を実施する。この際に、演出基板3520を完全に分離させずに、繋部3552により部分的に繋がっている状態とする。この繋部3552は、図72において拡大して示すように、二つのスリット3551の間に一つの貫通孔3553が設けられている形態としている。
繋部3552を設ける位置は、図72に示すように、演出基板3520の外周形状において、直線状又は凸状の部位としている。これにより、後述する仕上げ工程において、ヤスリ等を使用して繋部3552が綺麗に仕上げ易いものとなる。
また、繋部3552を、演出基板3520の外周縁(外周形状)における外方へ膨出している部位や直線状の部位、換言すると、直線状又は凸状の部位に設けているため、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、演出基板3520の製造時において、繋部3552を設ける部位として、例えば、演出基板3520の外周縁(基板外形)における基板の中央側へ窪んでいるような窪み部分にのみ繋部3552を設けるようにすると、窪み部分との間の外方へ膨出している部位に繋部3552が存在しないこととなるため、当該膨出している部位が自重によって下方へ変形し易くなる。具体的には、例えば、演出基板3520の外形が二つの円形状を合わせて間がくびれているようなヒョウタン型の場合、そのくびれている部分にのみ定尺基板3550との繋部3552を設けると、両側の円形状の部分には繋部3552が存在しないこととなるため、円形状の部分では繋部3552から遠ざかるほど自重によって下方へ変形し易くなる。そして、演出基板3520が自重によって変形すると、インサートマシンを使用してLED3530のような電子部品を実装する際に、電子部品を確実に実装することが困難となる恐れがある。これに対して、本実施形態では、繋部3552を演出基板3520の外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設けているため、演出基板3520の製造時において、繋部3552を演出基板3520の外周縁における窪んでいるような窪み部分にのみ設ける場合と比較して、演出基板3520における繋部3552同士の間の部位を自重による下方への変形がし難くいものとすることができ、インサートマシンによりLED3530やIC等の電子部品を実装する際に、演出基板3520の変形が抑制されていることにより電子部品を確実に実装することができる。
なお、図72に示すように、一部のスリット3551は、演出基板3520の外周から外方へ離れて、Vカット3554まで設けられている。このVカット3554は、定尺基板3550から演出基板3520を分離させる前に、折って切断することで、捨基板3555と演出基板3520とを分離させ易くするためのものである。また、定尺基板3550は、四隅に、取付用や位置決め用の孔3556が設けられている。
そして、定尺基板3550に対してスリット3551の切削加工が完了したら、切粉を集塵機等により吸い取って清掃する。この際に、明色の被覆膜3523を演出基板3520の外周縁から控えて設けているため、被覆膜3523が切削加工されることはなく、被覆膜3523の粉末が発生することはない。従って、微細な切粉が残ることなく綺麗に清掃することができる。なお、演出基板3520の切削加工に先だって、エンドミル等で被覆膜3523だけを削り取っても良い。このように演出基板3520の端面(設計上の外形線)近くの被覆膜3523を予め除いておくことによって後工程での振動等による被覆膜3523の粉末の飛散を防ぐ効果がある。
その後、スリット3551を形成した定尺基板3550を、インサートマシンにセットして、演出基板3520の部位にLED3530等の電子部品を実装する。この際に、演出基板3520が定尺基板3550から切り離されておらず、外周が矩形状のままであるため、定尺基板3550を介して演出基板3520をインサートマシンに容易にセットして電子部品を実装させることができる。図72は、演出基板3520にLED3530等の電子部品を実装して、分離させる直前の状態である。
LED3530等の電子部品を実装したら、Vカット3554の部位で折り曲げて切断する。これにより、演出基板3520の外側に四つの捨基板3555が繋部3552で繋がっている状態となる。そして、繋部3552において切断して捨基板3555と演出基板3520とを分離させる(図73(b)及び図74(a)を参照)。なお、繋部3552では、二つのスリット3551の間に孔3556を設けているため、強度・剛性が低下しており、折り曲げることで簡単に破断して分離させることができる。
演出基板3520を分離したら、外周形状から突出している繋部3552の残りの部位(繋残部3552a)を、ヤスリ等を使用して外周形状の仮想線(図74(a)において二点鎖線で示す)まで削り落として仕上げることで、演出基板3520が完成する(図73(c)及び図74(b)を参照)。この繋残部3552aを仕上げる際に切粉が発生するが、仕上げる(削る)量が演出基板3520の全周に対して極めて短い(少ない)ため、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機等によって十分に吸い取ることができ、演出基板3520に実装されているLED3530等の電子部品に影響を与えることはない。この際、明色の被覆膜3523が、所定距離L2控えて設けられているため、繋部3552を切断したり仕上げたりしても、被覆膜3523の粉末が発生することはない。
ところで、演出基板3520は、外周側面の仕上がり状態が、スリット3551の部位ではエンドミル等を使用して形成しているため、エンドミル等による切削痕(一般痕跡部3560)となっているのに対して、繋部3552の部位ではヤスリ等により仕上げているため、一般痕跡部3560とは異なる切削痕(特定痕跡部3561)となっている。つまり、演出基板3520には、外周を形成した際に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561が設けられている。従って、演出基板3520の側面を見るだけで、特定痕跡部3561を認識することができ、繋部3552が設けられていた部位を判別することができる。
なお、一般痕跡部3560と特定痕跡部3561との仕上げ具合(例えば、表面の粗度)の違いは、一般痕跡部3560よりも特定痕跡部3561の方の粗度を細かく(例えば、滑らか、ツルツル、等)しても良いし、特定痕跡部3561よりも一般痕跡部3560の方の粗度を細かくしても良い。また、特定痕跡部3561を、鏡面状にしても良い。
上記では、繋部3552として、二つのスリット3551の間に一つの孔3556を設けたものを示したが、これに限定するものではなく、図75に示すような繋部3552としても良い。詳述すると、図75(a)は、二つのスリット3551の間に二つ以上の孔3556を設けたものである。また、図75(b1)~(b3)は、二つのスリット3551を、スリット3551の幅と同じくらい接近させると共に、それらの間の部位の厚さを薄くしたものである。この場合の特定痕跡部3561は、図75(b3)に示すように、厚さ方向が全体に亘らず一部のみの状態となる。なお、図75における網掛けの部位は、被覆膜3523が設けられている領域を示している。
このように、本実施形態の演出基板3520によれば、定尺基板3550(捨基板3555)との繋部3552(特定痕跡部3561)を、演出基板3520の外周形状における直線状又は凸状の部位に設けているため、繋部3552(繋残部3552a)の仕上作業を行い易いものとすることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、特定痕跡部3561を綺麗に仕上げ易くすることができ、見栄えの良い演出基板3520を提供することができる。
また、演出基板3520の外周に繋部3552による特定痕跡部3561を設けていることから、演出基板3520の外周をNCマシンのような切削加工機により形成しているため、外周形状が複雑、つまり、装飾性の高い形状の演出基板3520でも容易に製造することができると共に、見栄えの良い演出基板3520を得ることができる。従って、演出基板3520が見えても遊技者に不快感を与え難くすることができ、興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板3520の外周に特定痕跡部3561を設けているため、作業者が組立てる際に、特定痕跡部3561を目安にして、演出基板3520の取付方向等を特定する目印にすることができる。
ところで、明色の被覆膜3523(ソルダレジスト)は、他のソルダレジストと比較して硬い素材となっているため、粉末になり易い。従って、明色の被覆膜3523を表面に施した定尺基板3550から演出基板3520を切り出すために切削加工をすると、基板母材3521の大量の切粉に加えて、明色の被覆膜3523の粉末が多く発生する。そして、明色の被覆膜3523の粉末は、微細であることから、清掃(除去)に手間がかかりコストが増加する恐れがあると共に、手間がかかる故に除去しきれずに当該粉末が残ってしまう恐れがある。また、演出基板3520を定尺基板3550から切り出した後でも、演出基板3520の切断端縁まで明色の被覆膜3523が施されていると、演出基板3520の切断端縁に他の部材が当接すると、硬い素材である明色の被覆膜3523が粉末となって飛散して、演出基板3520や他の部材(装飾体3500)等に付着したり堆積したりする恐れがある。
そして、演出基板3520や装飾体3500等に、明色の被覆膜3523の粉末が付着・堆積すると、以下のような不具合が発生する恐れがある。例えば、当該粉末が、演出基板3520に実装されている電子部品としてのLED3530に付着・堆積するとLED3530を発光させた時にその影が投影されて発光演出の見栄えが悪くなる恐れがある。また、演出基板3520に実装されている電子部品としてのコネクタに付着・堆積すると接触不良が発生する恐れがある。更に、当該粉末が、演出基板3520や装飾体3500(装飾部3510)等の表面に付着・堆積するとその粉により演出基板3520や装飾体3500等の見栄えが悪くなる(低下する)恐れがある。このような不具合により、遊技者に不快感や不信感を与えてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがある。
これに対して、本実施形態によれば、演出基板3520の表面に施されている明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を、演出基板3520の切断端縁と銅箔3522の端縁との間で、特定痕跡部3561の端縁を含む演出基板3520の切断端縁から内側に(ここでは、所定距離L2)控えて設けているため、定尺基板3550から切削加工により演出基板3520を切り出すようにしても、明色の被覆膜3523が切削されることはなく、当該被覆膜3523の粉末が発生することはない。従って、切削加工後の清掃にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、演出基板3520に明色の被覆膜3523の粉末が残ることはない。また、明色の被覆膜3523を演出基板3520の切断端縁から控えて設けていることから、演出基板3520の切断端縁に他の部材(装飾体3500の装飾部3510等)等が当接しても、被覆膜3523に当接することはないため、被覆膜3523の粉末が発生することはなく、被覆膜3523の粉末が飛散して演出基板3520や装飾体3500等に付着・堆積することはない。このようなことから、明色の被覆膜3523の粉末が発生しないため、当該粉末によって、LED3530の発光による発光演出の際に影が映って見栄えが悪くなったり、コネクタ等において接触不良となったり、演出基板3520や装飾体3500等の表面の見栄えが悪くなったり、するような不具合の発生を防止することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、明色の被覆膜3523を、特定痕跡部3561からも控えて(所定距離L2)設けているため、特定痕跡部3561(繋残部3552a)をヤスリ等で仕上げても、明色の被覆膜3523の粉末が発生することはなく、上記と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記では、不定形な演出基板3520を定尺基板3550から切り出しながら、インサートマシンにおいて一体的に扱う方法として、NCマシン等の加工機械を使用して演出基板3520と定尺基板3550とが繋部3552で繋がれている状態に切削加工することで一体的に扱う方法を示したが、その他の方法として、打抜金型を使用して定尺基板から演出基板を打ち抜いた後に、定尺基板の打ち抜いた穴に演出基板を再び嵌め込んだ状態とすることで一体的に扱う方法(プッシュバック方式)がある。
このプッシュバック方式を詳述すると、打抜金型を使用して定尺基板から演出基板を打ち抜くと、打ち抜いた演出基板と定尺基板の打ち抜かれた穴との間の隙間が僅かなため、定尺基板の打ち抜かれた穴に、演出基板を嵌め込むと、演出基板が定尺基板に位置決めされた状態となり、演出基板を定尺基板と一体的に取り扱うことが可能となる。従って、プッシュバック方式では、上記の切削加工する方法と異なり、繋部3552を設ける必要がないため、演出基板に特定痕跡部が生じることはない。プッシュバック方式では、打抜金型を使用するため、短時間で多くの演出基板を打ち抜くことができる。このプッシュバック方式でも、明色の被覆膜(ソルダレジスト)を打ち抜くと粉末が発生する恐れがあるため、上記と同様に、明色の被覆膜を演出基板の切断端縁から控えて設けることが望ましい。なお、プッシュバック方式では、打抜金型が比較的高価であるため、NCマシン等の加工機械を使用して切削加工する方法の方が、多品種、小ロット、コスト、納期、等の面で有利である。
また、本実施形態によれば、演出基板3520の表面に明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523を設けているため、明色の被覆膜3523によってLED3530等からの光を反射させることができ、装飾体3500を明るく発光装飾させることができる。この際に、明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523を、演出基板3520の外周縁から控えて設けている。つまり、特定痕跡部3561を含む基板の外周縁の色を、他の部位(被覆膜3523)と異ならせている。従って、特定痕跡部3561等を光が反射し難い色や光沢のない色とすることで、特定痕跡部3561を相対的に他の部位よりも暗く見せることができ、特定痕跡部3561を目立ち難くして装飾体3500の見栄えが悪くなることを回避させることができる。
この演出基板3520(後述の演出基板3520A)は、明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を演出基板3520の外周縁から控えて設けているため、特定痕跡部3561を含めて演出基板3520の外周縁が明色のソルダレジストとは色が異なっている。演出基板3520(演出基板3520A)の特定痕跡部3561を含む外周縁の異なる色としては、明色のソルダレジストよりも暗い色とすることが望ましい。また、演出基板3520等の外周縁は、ソルダレジスト(被覆膜3523)よりも光沢のないものとすることが望ましい。本実施形態では、演出基板3520(演出基板3520A)における特定痕跡部3561を含む外周縁を、明色のソルダレジストの色よりも暗い色で、明色のソルダレジストよりも光沢のないものとしている。
[11-2.第二実施形態の演出基板]
次に、上記の演出基板3520とは異なる実施形態の演出基板3520Aについて、図76乃至図79を参照して詳細に説明する。図76(a)は第二実施形態の演出基板における捨基板との繋部の部位を拡大して示す説明図であり、(b)は(a)の状態から捨基板と演出基板とを分離させた状態で示す説明図であり、(c)は(b)の状態から繋部を仕上げた状態で示す説明図である。図77(a)は図76とは異なる形態の被覆膜が設けられている演出基板を拡大して示す説明図であり、(b)は更に異なる形態の被覆膜が設けられている演出基板を拡大して示す説明図であり、(c)は(a)とは異なる形態の銅箔が設けられている演出基板を拡大して示す説明図である。
また、図78は、図74等の第一実施形態の装飾体の演出基板に図76の構成を適用した第二実施形態の装飾体の演出基板の表面を示す説明図である。図79は、図78に示す第二実施形態の装飾体の演出基板の裏面を示す説明図である。図76における網掛けの部位は、被覆膜3523が設けられている領域を示している。図79における網掛けの部位は、部品配置領域3534を示している。
第二実施形態の演出基板3520Aは、上記の装飾体3500(第一実施形態の装飾体3501)に設けられている演出基板3520と同じ構成の部位については、同じ符号を付し詳細な説明は省略する。この演出基板3520Aは、図76等に示すように、外周から台形状に凹んでいる凹部3557を設け、その凹部3557の底部3557aに繋部3552を設けたものである。換言すると、この演出基板3520Aは、凹部3557の底部3557aに、外周を形成した際に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561を設けたものである。演出基板3520Aにおける凹部3557は、例えば、図78に示すように、外周における直線状又は凸状の部位に設けられている。従って、凹部3557の底部3557aは、演出基板3520Aの外周形状に倣って、直線状又は凸状となっている。
更に詳述すると、本実施形態の演出基板3520Aでは、凹部3557の深さが、定尺基板3550において演出基板3520Aの外周形状に沿って形成されるスリット3551の幅と同じである。これにより、定尺基板3550から演出基板3520Aを分離させる際に、繋部3552における最も細くなっている中央部分が破断(切断)されることとなるため、演出基板3520Aに残された繋残部3552aが、凹部3557の底部3557aからスリット3551の幅(凹部3557の深さ)の半分の長さで外側へ向けて突出することとなる。従って、繋部3552が切断される位置が多少ズレたとしても、繋残部3552aの先端が、演出基板3520Aの設計上の外形線(図76(c)及び図78において二点鎖線で示す線)よりも外方へ突出することはない。因みに、本実施形態の演出基板3520Aでは、凹部3557の深さが、演出基板3520Aの外周縁から銅箔3522の外周縁までの長さと同じである。
なお、繋残部3552aの突出長さは、凹部3557の深さの1/3~2/3の範囲内とすることが望ましく、繋残部3552aを設計上の外形線よりも演出基板3520Aの中央側へ確実に位置させることができる。また、繋残部3552aの突出長さに対して、凹部3557の深さが相対的に深くなることを回避させることができ、凹部3557が無用に大きくなることで見栄えが悪くなったり、凹部3557の分だけ明色の被覆膜3523が少なくなることで反射光が減少して発光演出の明るさが暗くなったり不均一になったり、することはない。
この演出基板3520Aは、図76に示すように、明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523の外周縁が、一般部(凹部3557を除いた部位)では演出基板3520Aの外周縁から所定距離L2控えて設けられており、凹部3557の部位では凹部3557の周縁から所定距離L2控えて設けられている。従って、スリット3551や孔3556を切削加工しても、明色の被覆膜3523が切削されることはなく、被覆膜3523による微細な切粉が発生することはない。
ところで、上記の第一実施形態の演出基板3520では、演出基板3520の外周縁に繋部3552を設けているため、捨基板3555と分離させた後に外周よりも突出している繋部3552の繋残部3552aを削って仕上げる際に、当該繋残部3552a(特定痕跡部3561)の仕上げが不十分であると、演出基板3520における設計上の外形線よりも特定痕跡部3561が外方へ突出した状態となり、装飾体3500における演出基板3520の外周を囲んでいる装飾ベース3540の周壁部3542に、突出している特定痕跡部3561が当ってしまい装飾ベース3540に演出基板3520を取付けることができなくなってしまう恐れがある。
これに対して、本実施形態の演出基板3520Aは、凹部3557の底部3557aに繋部3552を設けているため、繋部3552を切断して捨基板3555から演出基板3520Aを分離させると、繋部3552における演出基板3520Aに残った繋残部3552a(特定痕跡部3561)が、演出基板3520Aの設計上の外形線(図76(c)及び図78において二点鎖線で示す線)よりも外方へ突出することはない。従って、底部3557aから突出している繋部3552の繋残部3552a(特定痕跡部3561)を削って仕上げなくても(特定痕跡部3561が底部3557aから突出していても)、演出基板3520Aを装飾ベース3540における筒状の周壁部3542の内側へ挿入して取付けることができ、確実に装飾体3500(第二実施形態の装飾体3502)を組立てることができる。
また、演出基板3520Aによれば、底部3557aから突出している特定痕跡部3561(繋残部3552a)の仕上げを省くことができるため、演出基板3520A、ひいては、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
この演出基板3520Aは、上述したように、第一実施形態の演出基板3520と比較して、基板の外周縁に凹部3557が設けられていると共に、凹部3557の底部3557aから外方へ向けて特定痕跡部3561(繋残部3552a)が突出していることから、基板の外周縁が凸凹している。しかしながら、当該演出基板3520Aを装飾体3500に組立てた状態にすると、図71(b)に示すように、基板の外周縁の前方に装飾部3510の側壁部3511の後端面3512が位置すると共に、基板の外周縁よりも基板面に沿った方向の外側に装飾ベース3540の周壁部3542が位置するため、前方から基板の外周縁が視認し難くなる。これにより、基板の外周縁に凹部3557や外方へ突出している特定痕跡部3561(繋残部3552a)が設けられていても、装飾部3510の側壁部3511や装飾ベース3540の周壁部3542に隠されることで、装飾体3500の見栄えが悪くなることはない。
また、演出基板3520Aの表面に、明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523を設けているため、明色の被覆膜3523によってLED3530等からの光を反射させることができ、装飾体3500を明るく発光装飾させることができる。この際に、明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523を、一般痕跡部3560とは異なる痕跡の特定痕跡部3561を含む演出基板3520Aの外周縁から控えて設けている。つまり、特定痕跡部3561を含む基板の外周縁の色を、他の部位(被覆膜3523)と異ならせている。従って、特定痕跡部3561等を光が反射し難い色や光沢のない色とすることで、特定痕跡部3561を相対的に他の部位よりも暗く見せることができ、特定痕跡部3561を目立ち難くして装飾体3500の見栄えが悪くなることを回避させることができる。
また、演出基板3520Aでは、繋部3552(特定痕跡部3561)を、演出基板3520Aの外周縁(外周形状)における外方へ膨出している部位や直線状の部位、換言すると、直線状又は凸状の部位に設けているため、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、演出基板3520Aの製造時において、繋部3552を設ける部位として、例えば、演出基板3520Aの外周縁(基板外形)における基板の中央側へ窪んでいるような窪み部分にのみ繋部3552を設けるようにすると、窪み部分との間の外方へ膨出している部位に繋部3552が存在しないこととなるため、当該膨出している部位が自重によって下方へ変形し易くなる。具体的には、例えば、演出基板3520Aの外形が二つの円形状を合わせて間がくびれているようなヒョウタン型の場合、そのくびれている部分にのみ定尺基板3550との繋部3552を設けると、両側の円形状の部分には繋部3552が存在しないこととなるため、円形状の部分では繋部3552から遠ざかるほど自重によって下方へ変形し易くなる。そして、演出基板3520Aが自重によって変形すると、インサートマシンを使用してLED3530のような電子部品を実装する際に、電子部品を確実に実装することが困難となる恐れがある。これに対して、本実施形態では、繋部3552(特定痕跡部3561)を演出基板3520Aの外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設けているため、演出基板3520Aの製造時において、繋部3552を演出基板3520Aの外周縁における窪んでいるような窪み部分にのみ設ける場合と比較して、演出基板3520Aにおける繋部3552同士の間の部位を自重による下方への変形がし難くいものとすることができ、インサートマシンによりLED3530やIC等の電子部品を実装する際に、演出基板3520Aの変形が抑制されていることにより電子部品を確実に実装することができる。
なお、上記の実施形態では、凹部3557の底部3557aから突出している特定痕跡部3561(繋残部3552a)を仕上げないものを示したが、これに限定するものではなく、図76(c)に示すように、特定痕跡部3561を仕上げるようにしても良い。この場合、凹部3557を、演出基板3520Aの外周形状の直線状又は凸状の部位に設けていることから、凹部3557の底部3557aもその外周形状に倣った直線状又は凸状となっているため、底部3557aから突出している繋部3552の一部(特定痕跡部3561)を、ヤスリ等の工具を使用して簡単に仕上げることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、特定痕跡部3561を綺麗に仕上げることができ、見栄えの良い演出基板3520Aを提供することができる。
また、上記の実施形態では、演出基板3520Aの外周縁における凹部3557の部位において、被覆膜3523の外周縁を凹部3557の周縁から控えたものを示したが、これに限定するものではなく、図77(a)に示すようにしても良い。図77(a)の例では、被覆膜3523の外周縁を、凹部3557の底部3557aに設けられている繋部3552を切断して捨基板3555から演出基板3520Aを分離させた時に、演出基板3520A側に残っている繋残部3552a(特定痕跡部3561)の周縁から所定距離L2控えるようにしたものである。この場合、底部3557aから突出している部位(特定痕跡部3561)は、仕上げない。この実施形態によっても、上記と同様の作用効果を奏することができる。また、繋残部3552aにも明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523を設けているため、更に多くの光を反射させることができ、装飾部3510をより明るく発光装飾させることができる。
また、上記の実施形態では、装飾体3500に組立てた時に演出基板3520Aの外周縁が視認し難いものを示したが、演出基板3520Aの外周縁を認識できるような場合でも、見栄えが悪くなることを抑制させることができる。詳述すると、この演出基板3520Aでは、明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523を凹部3557の周縁に沿って設けているため(繋残部3552aに設けていないため)、繋残部3552a(特定痕跡部3561)を他の部位(被覆膜3523)とは異なる暗い色にすることが可能となり、繋残部3552aを認識させ難くすることができ、見栄えが悪くなることを抑制させることができる。
更に、上記の実施形態では、被覆膜3523の外周縁を演出基板3520Aの外周縁から控えたものを示したが、これに限定するものではなく、図77(b)に示すように、演出基板3520Aの外周縁まで被覆膜3523(図において網掛け部分)が設けられていても良い。これにより、演出基板3520Aの全面に明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523が施されているため、より多くの光を反射させることができ、装飾部3510をより明るく発光装飾させることができる。この場合、演出基板3520Aの製造において、演出基板3520Aの外周縁に対して控えていない状態で(或いは定尺基板3550の全面に)被覆膜3523を施して基板外形を形成するようにしても良いし、演出基板3520Aの基板外形を形成してから被覆膜3523を施すようにしても良い。
また、上記の実施形態の演出基板3520Aとして、図77(c)に示すように、銅箔3522の周縁付近にスルーホール3524が設けられているものとしても良い。これにより、演出基板3520Aの製造工程において作用する振動や衝撃等に対して銅箔3522を基板母材3521から剥がれ難くしている。
また、図77(c)に示すように、本実施形態では、銅箔3522の外周縁が演出基板3520Aの外周縁に沿って一定の距離で基板中央側へ控えられており、凹部3557の部位でも凹部3557の周縁に沿って一定の距離で控えられている。演出基板3520Aの外周縁から銅箔3522の外周縁までの距離(控えられている距離)は、凹部3557の深さと同じである。また、演出基板3520Aの外周縁からスルーホール3524までの距離が、凹部3557の深さよりも長い。換言すると、基板の外周縁からスルーホール3524までの距離よりも凹部3557の深さが浅い。これにより、製造誤差等により凹部3557の位置がズレていても、銅箔3522が削られてしまうことはないと共に、仮に削られてしまってもスルーホール3524が削られることはないためスルーホール3524により銅箔3522を基板母材3521に支持することができ、銅箔3522が剥がれることはない。
更に、第二実施形態の演出基板3520Aについて詳述すると、この演出基板3520Aの後面(裏面)には、図79に示すように、サイドビュータイプの第二LED3532が複数実装されていると共に、ICやLEDドライバのような特定電子部品3533が実装されている。特定電子部品3533としてのICやLEDドライバは、黒色が一般的であるため、それらを演出基板3520Aの後面に設けていることから、前方から見えることはなく、装飾体3500の見栄えを良くすることができる。
演出基板3520Aは、複数の第二LED3532の夫々が、演出基板3520Aの外方へ光が照射されるように設けられていると共に、演出基板3520Aの外周縁に接近するように設けられている。詳述すると、第二LED3532は、第二LED3532を通る演出基板3520Aの中心(中央)と演出基板3520Aの外周縁とを結んだ線分において、その線分の中央よりも演出基板3520Aの外周縁に近い側に設けられている。これにより、演出基板3520Aの外周縁よりも外側(装飾ベース3540の周壁部3542やレンズ部3545)をより明るく発光装飾させることができる。
この演出基板3520Aは、後面にも前面と同様に明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523が設けられている。これにより、サイドビュータイプの第二LED3532から照射されて、装飾ベース3540の本体部3541から前方へ漏れた光を後方へ反射させて本体部3541内へ戻すことができる。従って、本体部3541を介して周壁部3542(レンズ部3545)をより明るく発光装飾させることができる。
また、演出基板3520Aは、第二LED3532が、特定痕跡部3561(凹部3557)の近傍に設けられていると共に、第二LED3532の光の照射範囲に特定痕跡部3561が入るように設けられている。つまり、特定痕跡部3561の近傍に設けられている第二LED3532は、その光の放射面を特定痕跡部3561へ向けて設けられている。上記の構成は、特定痕跡部3561(凹部3557)を、第二LED3532の近傍でその光の照射範囲内の部位に設けているとも言える。
ところで、演出基板3520Aでは、外周縁から凹んでいる凹部3557を設けているため、当該凹部3557の部位には明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523が設けられていない。そのため、凹部3557の部位では光の反射量が減少するため、装飾ベース3540の周壁部3542における凹部3557に近い部位が、他の部位よりも暗くなる恐れがある。
これに対して、第二実施形態の演出基板3520Aは、凹部3557(特定痕跡部3561)に近い第二LED3532を、凹部3557へ向けて設けているため、凹部3557を設けることによる光量不足を補うことができ、装飾ベース3540の周壁部3542を均一な明るさで発光装飾させることができる。この際に、特定痕跡部3561を繋残部3552aにより凹部3557の底部3557aから外側へ向けて突出させているため、その分の反射光を増加させることができ、凹部3557による光量不足をより補うことができる。なお、詳細は後述するが、図80に示すように、繋残部3552aの部位まで明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523を設けるようにすることで、更に反射光の光量不足を補うことができる。
そして、第二実施形態の演出基板3520Aは、上述したように、サイドビュータイプの第二LED3532の光の照射範囲に特定痕跡部3561が設けられていることから、第二LED3532を発光させると特定痕跡部3561が照らされて目立つようになる。しかしながら、この演出基板3520Aを装飾体3500に組立てた状態では、特定痕跡部3561が設けられている演出基板3520Aの外周縁の前後や側面が装飾部3510の側壁部3511や装飾ベース3540の本体部3541及び周壁部3542によって隠されるため、特定痕跡部3561における光の反射による効果を発揮させつつ、特定痕跡部3561による見栄えの悪化を回避させることができる。
また、遊技の進行に応じて演出基板3520Aと一緒に装飾体3500を移動させることで、演出基板3520Aと遊技者との位置関係が変化しても、上述したように、演出基板3520Aの側面が装飾ベース3540の周壁部3542によって隠されているため、特定痕跡部3561が見えることはない。従って、装飾体3500を使用する可動演出の見栄えが悪くなることはなく、装飾体3500の可動演出による演出効果を確実に発揮させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aは、図79に示すように、実装されているLED3530(第一LED3531及び第二LED3532)を発光させるためのICやLEDドライバ、抵抗器、ダイオード、センサ、のような電子部品(特定電子部品3533)が後面(裏面、つまり、遊技者側とは反対側の面)に実装されている。多くの特定電子部品3533は、特定痕跡部3561の近傍に設けられている。更に詳述すると、複数の特定電子部品3533は、複数(ここでは三つ)の特定痕跡部3561に囲まれた部品配置領域3534(網掛け部分)内に設けられている。
ところで、演出基板3520Aは、上述したように、定尺基板3550から演出基板3520Aを分離させずに、繋部3552により部分的に繋がっている状態で、インサートマシンを使用して特定電子部品3533を含む電子部品を実装するようにしている。演出基板3520Aが繋部3552により部分的に繋がっている状態では、元の定尺基板3550と比較して全体の強度・剛性が低下しているため、撓み易くなっている。そして、元の定尺基板3550を基準にした演出基板3520Aの撓み量は、繋部3552から遠ざかるほど大きくなる傾向がある。そのため、インサートマシンにより電子部品を実装する際に、電子部品のリードや電極が銅箔3522に対して十分に接触していない状態でハンダ付けされてしまったり、電子部品が傾いた状態でハンダ付けされてしまったり、する恐れがある。この問題は、第一実施形態の演出基板3520においても同様である。
そして、演出基板3520Aに対して電子部品のハンダ付けが不十分であったり、電子部品が傾いた状態でハンダ付けされていたり、電子部品に対して実装不良がある場合、以下のような不都合が発生する。例えば、電子部品として、ICやLEDドライバのような特定電子部品3533の場合、実装不良によって正常に作動しなくなることで、演出基板3520Aに実装されているLED3530等の多くの電子部品に対して影響を及ぼしてしまう恐れがある。また、電子部品として、位置センサのような検知にかかる特定電子部品3533の場合、実装不良によって接続不良や傾いて取付けられていたりすると、可動役物(可動装飾体)の移動位置を検知できなくなることで、当該可動役物による可動演出を実行できなくなる恐れがある。更に、電子部品として、コネクタのような配線にかかる特定電子部品3533の場合、実装不良によって周辺制御基板1510との信号の遣り取りができなくなったり、コネクタに配線ケーブルを抜き差しする力により演出基板3520Aからコネクタが取れてしまったりする恐れがある。このような不都合が発生すると、演出基板3520Aによる演出効果を十分に発揮させることができなくなり、遊技者の興趣を低下させてしまう恐れがある。更に説明すると、抵抗器やLED3530は取付不良(実装不良)になっても影響範囲は1個に過ぎないが、LEDドライバ(特定電子部品3533)は取付不良になるとその影響は配下のLED3530全てに及ぶため、特にLEDドライバ(特定電子部品3533)は重要であり、確実に実装しなくてはならない。
これに対して、本実施形態では、特定電子部品3533を特定痕跡部3561の近傍に設けている。或いは、特定電子部品3533を二つの特定痕跡部3561の間に設けている。更には、特定電子部品3533を三つ以上の特定痕跡部3561により囲まれている部品配置領域3534に設けている。つまり、特定電子部品3533を、演出基板3520Aにおける撓み難い部位(撓み量の少ない部位)に設けるようしているため、特定電子部品3533のリードや電極が銅箔3522に対して確実に接触している状態でハンダ付けすることができると共に、特定電子部品3533が傾いた状態で取付けられることはない。これにより、演出基板3520Aを使用した演出を確実に実行させることができるため、演出基板3520Aによる演出効果を十分に発揮させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[11-2a.その他の実施形態の演出基板]
続いて、その他の実施形態の演出基板について、主に図80及び図81等を参照して詳細に説明する。図80(a)は第三実施形態の演出基板の背面図であり、(b)は第四実施形態の演出基板の正面図である。図81(a)は特定痕跡部とサイドビュータイプのLEDとが設けられている演出基板を概略で示す説明図であり、(b)は(a)において特定痕跡部同士の間に外方へ延出している延出部を設けた演出基板の説明図であり、(c)は(a)及び(b)とは異なる形態の演出基板を示す説明図である。
まず、演出基板3520Bは、図80(a)に示すように、背面視において左端付近にICやLEDドライバ、コネクタ等の複数の特定電子部品3533が実装されている。この演出基板3520Bは、図示するように、上辺と下辺に設けられている複数の特定痕跡部3561(凹部3557)が、夫々の辺の長手方向へ均等ではなく、長手方向の中央よりも左側が多くなるように偏って設けられている。演出基板3520Bは、上辺と下辺の左から二つの特定痕跡部3561と、左辺の特定痕跡部3561と、で部品配置領域3534(網掛け部分)を形成しており、その部品配置領域3534に複数の特定電子部品3533が設けられている。
この演出基板3520Bによれば、複数の特定痕跡部3561に囲まれている部品配置領域3534は、演出基板3520Bの製造時において、定尺基板3550に対して繋がれている複数の繋部3552により囲まれている領域であるため、当該領域を囲む複数の繋部3552の存在によって、演出基板3520Bにおける他の部位よりも強度・剛性が高く、撓み難い領域である。従って、演出基板3520Bの製造において、部品配置領域3534が撓み難いことから、インサートマシンにより電子部品(特定電子部品3533)を取付ける際に、特定電子部品3533のリードや電極を銅箔3522に対して十分に接触している状態でハンダ付けしたり、特定電子部品3533を真直ぐな状態でハンダ付けしたり、することができ、実装不良や接続不良が発生することはない。これにより、演出基板3520Bを使用した演出を確実に実行させることができるため、演出基板3520Bによる演出効果を十分に発揮させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板3520Bでは、特定電子部品3533としてのICやLEDドライバは、黒色が一般的であるため、それらを演出基板3520Bの後面に設けていることから、前方から見えることはなく、装飾体3500の見栄えを良くすることができる。
次に、図80(b)に示す演出基板3520Cは、正面視において、上辺と左辺には、凹部3557の底部3557aから突出している特定痕跡部3561(繋残部3552a)が夫々において一つずつ設けられており、下辺と右辺には、凹部3557の底部3557aから突出している特定痕跡部3561(繋残部3552a)が夫々において二つずつ設けられている。これにより、演出基板3520Cの外周縁において、外周縁の部位に応じて異なる形態の特定痕跡部3561を設けているため、パチンコ機1(遊技盤5)の組立てにおいて、視覚だけでなく触覚によっても演出基板3520Cの向きを特定することができ、組立てを容易なものとすることができると共に、組立て間違えを防止することができる。
続いて、図81(a)に示す演出基板3520Dは、透光性を有する装飾体(図示は省略)の後方に設けられるものである。演出基板3520Dは、基板外周縁から外方へ向けて突出している特定痕跡部3561(繋残部3552a)が複数設けられている。この演出基板3520Dは、基板表面に明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523が施されている。被覆膜3523は、繋残部3552aの先端まで施されている。この演出基板3520Dは、基板表面に沿って外方へ向けて光を照射するサイドビュータイプの複数のLED3535が設けられている。一部のLED3535は、その光軸を含む光の照射方向を特定痕跡部3561へ向けて設けられている。
この演出基板3520Dによれば、一部のLED3535を、外方へ突出している特定痕跡部3561(繋残部3552a)へ向けて光が照射されるように設けているため、当該LED3535から照射された光を特定痕跡部3561においても反射されることができ、前方に設けられている装飾体をより明るく発光装飾させることができる。
次に、図81(b)に示す演出基板3520Eは、上記の演出基板3520Dに対して、特定痕跡部3561へ向けて設けられているLED3535同士の間に、少なくとも一つのサイドビュータイプのLED3535が設けられていると共に、特定痕跡部3561同士の間において基板の外周縁から外方へ延出している延出部3525が設けられている。演出基板3520Eは、延出部3525の表面にも明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523が施されている。
この演出基板3520Eによれば、基板面に沿って外方へ光を照射するサイドビュータイプのLED3535からの光を、基板の外周縁から外方へ延出している延出部3525の部位でも反射させることができる。また、前方からの光を、延出部3525の部位でも反射させることができる。従って、より多くの光を反射させることができ、前方に設けられている装飾体をより明るく発光装飾させることができる。
次に、図示は省略するが、上記の演出基板3520Eに対して、基板の外周縁において、特定痕跡部3561同士の間に設けられている延出部3525に加えて、当該延出部3525とは特定痕跡部3561を間にした反対側の部位にも、基板の外周縁から外方へ延出している延出部3525を設けると共に、その延出部3525の表面にも明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523が施すようにしても良い。これにより、基板面に実装されているLED3535からの光やや前方からの光等を、特定痕跡部3561の両側に設けられている延出部3525により反射させることができ、前方に設けられている装飾体をより明るく発光装飾させることができる。
なお、演出基板3520Eでは、基板の外周縁から一定の距離で外方へ延出している延出部3525を示したが、これに限定するものではなく、特定痕跡部3561の部位を除いたLED3535の正面となる部位のみを延出させるようにしても良いし、波状や円弧状に外方へ延出させるようにしても良い。
上記のようなサイドビュータイプの第二LED3532やLED3535が設けられている演出基板3520Bや演出基板3520D及び演出基板3520Eは、装飾体(役物)に組立てた時に、外周縁(特定痕跡部3561)が視認不能または認識不能となるような装飾体に使用することが望ましいが、以下のように、外周縁が視認可能または認識可能となるような装飾体に使用することも可能である。詳述すると、例えば、遊技に進行に応じて可動する装飾体のLED基板として演出基板3520A、演出基板3520D、演出基板3520E(以下では、単に演出基板3520Dとも称する)を使用する場合、可動演出により可動装飾体の位置が変化することで遊技者から見える角度が変わって演出基板3520Dの外周縁が遊技者から視認可能になると共に、LED3535の発光により特定痕跡部3561(繋残部3552a)が光って目立つようになっても、当該可動装飾体が移動する可動演出によって遊技者の関心を可動演出に強く引き付けることができるため、光っている特定痕跡部3561に気付き難くすることができ、特定痕跡部3561が見えることによる見栄えの悪化を抑制させることができると共に、可動装飾体による可動演出の演出効果を十分に発揮させることができる。
また、可動しない固定されている装飾体のLED基板として上記の演出基板3520D等を使用する場合、演出基板3520Dの外周縁が遊技者から視認可能であっても、固定装飾体が移動しないことから特定痕跡部3561を遊技者から視認し難い部位に設けておくことで、LED3535の発光により特定痕跡部3561が光っても目立ち難くして特定痕跡部3561の存在を誤魔化すことができ、固定装飾体の見栄えが悪くなることはない。
続いて、図81(c)に示す演出基板3520Fは、サイドビュータイプのLED3535の光の照射範囲を避けて特定痕跡部3561が設けられているものである。上述したように、LED3535の光の照射範囲に外方へ突出している特定痕跡部3561(繋残部3552a)を設けると共に、当該特定痕跡部3561に明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を設けることで、光を反射させて装飾体3500をより明るく発光装飾させることができる。その反面、特定痕跡部3561においてLED3535からの光が反射することで、特定痕跡部3561が光って目立つようになる。この演出基板3520Fは、特定痕跡部3561がLED3535の光の照射範囲を避けて設けているため、LED3535を発光させた時に、特定痕跡部3561を基板の外周縁の他の部位よりも暗くして目立ち難くすることができる。
詳述すると、演出基板3520Fの製造時において、定尺基板3550との繋部3552を破断により切断して演出基板3520Fを分離させる場合、特定痕跡部3561(繋残部3552aの先端)には破断によるバリが生じ易い。そして、サイドビュータイプのLED3535の光の照射範囲に破断によるバリを有する特定痕跡部3561が設けられていると、LED3535からの光により特定痕跡部3561のバリがキラキラと輝いて特定痕跡部3561が目立ってしまうと共に、特定痕跡部3561が輝くことで演出基板の他の部位と明るさが不均一となり、発光演出の演出効果が低減してしまう恐れがある。
これに対して、本実施形態では、サイドビュータイプのLED3535の光の照射範囲を避けて特定痕跡部3561を設けているため、特定痕跡部3561にバリを有していても、当該バリがLED3535からの光によりキラキラと輝いて目立つことを回避させることができると共に、特定痕跡部3561の部位と演出基板3520Fの他の部位との明るさが不均一となることを抑制させることができ、演出基板3520Fの前方に設けられる装飾体3500を一様な明るさで発光装飾させて発光演出による演出効果を確実に発揮させることができる。
なお、演出基板3520Fでは、図77(a)や(b)のように特定痕跡部3561(繋残部3552a)に明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を設けても良いが、図76(b)のように特定痕跡部3561(繋残部3552a)に明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を設けないようにしても良い。或いは、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を被覆膜3523とは異なる暗い色にしても良い。これにより、特定痕跡部3561が他の部位よりも暗くなることで。目立ち難くすることができ、装飾体の見栄えが悪くなることを回避させることができる。
この演出基板3520Fは、装飾体(役物)に組立てた時に、外周縁(特定痕跡部3561)が視認可能または認識可能となるような装飾体に使用することが可能である。詳述すると、例えば、可動しない固定されている装飾体のLED基板として演出基板3520Fを使用する場合、仮に演出基板3520Fの外周縁が遊技者から視認可能な状態であっても、LED3535の発光により特定痕跡部3561が光ることはないため、特定痕跡部3561を目立ち難くすることができ、固定装飾体の見栄えが悪くなることはない。また、LED3535を発光させても特定痕跡部3561(繋残部3552a)が目立つことはないため、固定装飾体に特定痕跡部3561を視認し難くするような部位を態々設ける必要がなく、遊技盤5にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、遊技に進行に応じて可動する装飾体のLED基板として演出基板3520Fを使用する場合、仮に可動装飾体の移動により遊技者から見える角度が変わって演出基板3520Fの外周縁が遊技者から視認可能な状態になっても、LED3535の発光により特定痕跡部3561が光ることはないため、特定痕跡部3561を目立ち難くすることができ、可動装飾体の見栄えが悪くなることはない。また、LED3535を発光させても特定痕跡部3561(繋残部3552a)が目立つことはないため、可動装飾体に特定痕跡部3561を視認し難くするような部位を態々設ける必要がなく、遊技盤5にかかるコストの増加を抑制させることができる。
なお、上記の演出基板3520D、演出基板3520E、演出基板3520F、では、基板面の全面に明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523を施すものを示したが、これに限定するものではなく、図77(a)等に示すように、基板の端縁から控えて被覆膜3523を施すようにしても良い。換言すると、基板の端縁から所定幅の部位には被覆膜3523を施さないようにしても良い。これにより、上述の演出基板3520等と同様に、演出基板3520D等の製造時において、被覆膜3523の粉末による不都合や不具合の発生を防止することができる。
また、上記の演出基板3520、演出基板3520A~演出基板3520F(以下では単に演出基板3520とも称する)では、一つの基板において繋残部3552aを仕上げた特定痕跡部3561か繋残部3552aを仕上げていない特定痕跡部3561の何れかが設けられているものを示したが、これに限定するものではなく、一つの基板において、繋残部3552aを仕上げた特定痕跡部3561(基板の外周縁から突出していないタイプ)と、繋残部3552aを仕上げていない特定痕跡部3561(基板の外周縁から突出しているタイプ)と、が混在しているものとしても良い。この場合、遊技者から見え易い部位では繋残部3552aを仕上げて突出していないタイプの特定痕跡部3561とし、遊技者から見え難い部位では繋残部3552aを仕上げていない突出したタイプの特定痕跡部3561とすることが望ましい。これにより、装飾体の見栄えを良くすることができると共に、必要な仕上げ加工を少なくすることでコストを低減させることができる。
更に、上記の実施形態では、演出基板3520の特定痕跡部3561として、基板製造時における繋部3552の痕跡を示したが、これに限定するものではなく、例えば、定尺基板3550から演出基板3520を切り出してからインサートマシンにより電子部品を実装する場合における基板の支持装置に支持(把持)された痕跡、等としても良い。
また、上記の実施形態では、明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523を基板の外周縁から控えて設けることで、特定装飾部3561を含む基板の外周縁を被覆膜3523とは異なる色にしたものを示したが、これに限定するものではなく、特定痕跡部3561や基板の外周縁から所定幅の範囲等に、被覆膜3523とは異なる色を着色するようにしても良い。この際に、光沢のない黒っぽい暗い色に着色する場合、特定痕跡部3561や基板の外周縁を目立ち難くすることができる。或いは、光沢のある明るい色に着色する場合、基板全体の光の反射率を高めることができ、装飾体をより明るく発光装飾させることができる。
更に、上記の実施形態では、ICやLEDドライバのような電子部品をそのままの色の状態で使用するものを示したが、これに限定するものではなく、ICやLEDドライバのような電子部品に対して白色のような明色に着色しても良い。これにより、電子部品を目立ち難くすることができる。また、明色に着色することでICやLEDドライバのような電子部品を目立ち難くすることができるため、それら電子部品を演出基板3520の前面に設けることが可能となり、演出基板3520にかかるコストを低減させることができる。
また、上記の実施形態の演出基板3520等において、基板表面に、実装される電子部品、基板の型番、等を表す文字や記号を明色で施しても良い。これにより、文字や記号により組立て等の際に間違え難くすることができると共に、基板表面に文字や記号が施されていても装飾体の見栄えが悪くなることはない。
[11-3.演出基板を有する他の実施形態の装飾体]
続いて、演出基板を有する他の実施形態の装飾体について、主に図82及び図83を参照して詳細に説明する。図82(a)は第三実施形態の装飾体の要部を断面で示す説明図であり、(b)は第四実施形態の装飾体の要部を断面で示す説明図であり、(c)は第五実施形態の装飾体の要部を断面で示す説明図である。図83(a)は第六実施形態の装飾体の要部を断面で示す説明図であり、(b)は第七実施形態の装飾体の要部を断面で示す説明図であり、(c)は第八実施形態の装飾体の要部を断面で示す説明図である。以下の説明では、図82及び図83の紙面の上下方向を前後方向として記載する。また、以下では、上記の装飾体3500(装飾体3501や装飾体3502)と同じ構成の部位については、同じ符号を付して説明する。
[11-3a.第三実施形態の装飾体]
第三実施形態の装飾体3503は、図82(a)に示すように、所定形状に形成されており透光性を有する装飾部3510と、表面に複数のLED3530が実装されている演出基板3520Aと、を有している。装飾部3510は、前方を向いている前壁部3513と、前壁部3513の外周縁から後方へ壁状に突出している周壁部3514と、前壁部3513の一部と周壁部3514とに設けられている金属光沢を有するメッキ部3515と、を有している。装飾部3510は、前壁部3513と周壁部3514とにより、後方へ開放された容器状(箱状)に形成されている。
この装飾部3510は、前壁部3513におけるメッキ部3515よりも内側の部位が、メッキ部3515の部位よりも光の透過度が高くなっている。つまり、メッキ部3515により光の透過度が高い開口3516が設けられている。図82(a)における拡大して示す図の網掛け部は、メッキ部3515である。
演出基板3520Aは、装飾部3510における前壁部3513の後に設けられていると共に、周壁部3514の後端よりも前方に設けられている。つまり、演出基板3520Aは、容器状の装飾部3510の内部に設けられている。演出基板3520Aは、外周形状が装飾部3510の外周形状に倣った(沿った)形状で、周壁部3514の内周形状よりも小さく形成されている。この演出基板3520Aは、外周に凹部3557が形成されていると共に、凹部3557の底部3557aから繋部3552の一部(残り)が突出している。つまり、底部3557aに、外周を形成した際に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561が設けられている。
また、図示は省略するが、この演出基板3520Aにおいても、表面に明色の被覆膜3523が施されていると共に、当該被覆膜3523の外周縁が演出基板3520Aの外周縁よりも所定距離L2控えて設けられている。
この装飾体3503は、組立てた状態で、演出基板3520Aの外周縁が正面視において装飾部3510のメッキ部3515と重なっているため、当該メッキ部3515によって演出基板3520Aの外周縁、即ち、凹部3557や特定痕跡部3561が前方から視認し難くなっている。また、演出基板3520Aの外周を装飾部3510の周壁部3542により囲んでいると共に、当該周壁部3514にもメッキ部3515を設けているため、側方からも凹部3557や特定痕跡部3561が視認し難くなっている。
このように、本実施形態の装飾体3503によれば、演出基板3520Aに繋部3552の繋残部3552aが残っているような特定痕跡部3561を有することで、演出基板3520Aの見栄えが悪くなっていても、その見栄えの悪い部位をメッキ部3515によって隠すことができるため、見栄えの悪化を回避させることができ、装飾体3503の見栄えを良くすることができる。
また、メッキ部3515によって特定痕跡部3561を隠すことができることから、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を仕上げる必要がないため、演出基板3520Aにかかるコストを低減させることができ、ひいては、パチンコ機1のような遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aにおける外周縁から台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設けているため、特定痕跡部3561が底部3557aから外方へ突出していても、演出基板3520Aにおける設計上の外形線よりも突出することはなく、演出基板3520Aを装飾部3510の内部に対して確実に取付けることができる。
更に、容器状の装飾部3510の内部に演出基板3520Aを設けており、演出基板3520Aの外周を周壁部3514によって囲んでいるため、演出基板3520Aの外周側面に、繋部3552の繋残部3552aが残る破断面のようなギザギザの特定痕跡部3561を有していても、周壁部3514によって特定痕跡部3561に触れ難くすることができ、作業者が怪我をしてしまうことを回避させることができる。また、演出基板3520Aの外周側面や周縁付近に、作業者の脂質が付着することを回避させることができ、脂質による不具合の発生を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aの外周に設けられている特定痕跡部3561をメッキ部3515によって隠すことができると共に、表面の明色(白色)により演出基板3520Aを目立ち難くすることができるため、装飾部3510の前壁部3513と演出基板3520Aとの間の距離を短く(狭く)しても、装飾部3510の見栄えが悪くなることはなく、装飾部3510と演出基板3520Aとを有する装飾体3503の厚さを薄くすることができる。従って、装飾体3503の配置自由度を高めることができるため、より効果的な位置に装飾体3503を設けることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。また、装飾体3503が薄くなることで、相対的に他の装飾体等を設けるスペースを確保し易くすることができるため、より多くの装飾体等を有するパチンコ機1とすることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、演出基板3520Aの表面に明色の被覆膜3523が設けられているため、LED3530等からの光を反射させることができ、装飾体3503(装飾部3510における開口3516内)を明るく発光装飾させることができる。
なお、上記の実施形態では、装飾部3510にメッキ部3515を設けるものを示したが、これに限定するものではなく、メッキ部3515の部位に、所定の色からなる着色部を設けたり、光を乱反射させるレンズ部を設けたり、摺ガラス状のシボ部を設けたり、しても良い。
また、上記の実施形態では、凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設ける演出基板3520Aを示したが、これに限定するものではなく、外周縁に凹部3557を有しない外周縁に特定痕跡部3561が設けられている演出基板としても良い。この場合、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を、仕上げても良いし、仕上げなくても良い。
[11-3b.第四実施形態の装飾体]
第四実施形態の装飾体3504は、図82(b)に示すように、所定形状に形成されており透光性を有する装飾部3510と、装飾部3510の外周を囲むように設けられている枠状の枠部3570と、装飾部3510の後で枠部3570の枠内に設けられており表面に複数のLED3530が実装されている演出基板3520Aと、を有している。装飾部3510は、前方を向いている前壁部3513と、前壁部3513の外周縁から後方へ壁状に突出している側壁部3511と、側壁部3511の後端から外方へ延出しているフランジ部3517と、を有している。
枠部3570は、外周が装飾部3510よりも大きい平板部3571と、平板部3571を貫通しており装飾部3510の前壁部3513が通過可能な開口3572と、平板部3571の外周縁から後方へ壁状に延出している周壁部3573と、を有している。枠部3570は、外周形状が装飾部3510の外周形状に倣った(沿った)形状に形成されている。枠部3570は、周壁部3573の内周形状が、装飾部3510の外周形状よりも若干大きく形成されている。この枠部3570は、装飾部3510よりも光の透過度が低く、不透明に形成されている。
演出基板3520Aは、外周形状が枠部3570の外周形状に倣った(沿った)形状で、周壁部3573の内周形状よりも小さく形成されている。この演出基板3520Aは、外周に凹部3557が形成されていると共に、凹部3557の底部3557aから繋部3552の繋残部3552aが突出している。つまり、底部3557aに、外周を形成した際に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561が設けられている。
また、図示は省略するが、この演出基板3520Aにおいても、表面に明色の被覆膜3523が施されていると共に、当該被覆膜3523の外周縁が演出基板3520Aの外周縁よりも所定距離L2控えて設けられている。
この装飾体3504は、組立てた状態で、枠部3570に後方から装飾部3510が挿入されており、枠部3570の開口3572から装飾部3510の前壁部3513が前方へ臨んでいると共に、枠部3570の平板部3571にフランジ部3517が当接している。また、装飾体3504は、演出基板3520Aが枠部3570の枠内、つまり、枠部3570の周壁部3573の後端よりも前方に位置しており、演出基板3520Aの外周が周壁部3573によって囲まれている。
また、装飾体3504は、図示するように、演出基板3520Aの外周縁が正面視において不透明な枠部3570の平板部3571と重なっているため、当該平板部3571によって演出基板3520Aの外周縁、即ち、凹部3557や特定痕跡部3561が前方から視認し難くなっている。また、演出基板3520Aの外周を不透明な枠部3570の周壁部3573により囲んでいるため、側方からも凹部3557や特定痕跡部3561が視認し難くなっている。
このように、本実施形態の装飾体3504によれば、演出基板3520Aに繋部3552の繋残部3552aが残っているような特定痕跡部3561を有することで、演出基板3520Aの見栄えが悪くなっていても、その見栄えの悪い部位を不透明な枠部3570によって隠すことができるため、見栄えの悪化を回避させることができ、装飾体3504の見栄えを良くすることができる。
また、不透明な枠部3570によって特定痕跡部3561を隠すことができることから、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を仕上げる必要がないため、演出基板3520Aにかかるコストを低減させることができ、ひいては、パチンコ機1のような遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aにおける外周縁から台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設けているため、特定痕跡部3561が底部3557aから外方へ突出していても、演出基板3520Aにおける設計上の外形線よりも突出することはなく、演出基板3520Aを枠部3570の内部に対して確実に取付けることができる。
更に、演出基板3520Aの外周を枠部3570の周壁部3573によって囲んでいるため、演出基板3520Aの外周側面に、繋部3552の繋残部3552aが残る破断面のようなギザギザの特定痕跡部3561を有していても、周壁部3573によって特定痕跡部3561に触れ難くすることができ、作業者が怪我をしてしまうことを回避させることができる。また、演出基板3520Aの外周側面や周縁付近に、作業者の脂質が付着することを回避させることができ、脂質による不具合の発生を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aの外周に設けられている特定痕跡部3561を枠部3570によって隠すことができると共に、表面の明色(白色)により演出基板3520Aを目立ち難くすることができるため、装飾部3510の前壁部3513と演出基板3520Aとの間の距離を短く(狭く)しても、装飾部3510の見栄えが悪くなることはなく、装飾部3510と演出基板3520Aと枠部3570とを有する装飾体3504の厚さを薄くすることができる。従って、装飾体3504の配置自由度を高めることができるため、より効果的な位置に装飾体3504を設けることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。また、装飾体3504が薄くなることで、相対的に他の装飾体等を設けるスペースを確保し易くすることができるため、より多くの装飾体等を有するパチンコ機1とすることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、演出基板3520Aの表面に明色の被覆膜3523が設けられているため、LED3530等からの光を反射させることができ、装飾体3504(枠部3570における開口3572内、つまり、装飾部3510の前壁部3513)を明るく発光装飾させることができる。
なお、上記の実施形態では、不透明な枠部3570を示したが、これに限定するものではなく、枠部3570として、透明な部材の表面にメッキ部を設けたものとしても良いし、透明な部材に所定の色からなる着色部を設けたものとしても良いし、透明な部材の表面に光を乱反射させるレンズ部を設けたものとしても良いし、透明な部材の表面に摺ガラス状のシボ部を設けたものとしても良い。
また、上記の実施形態では、凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設ける演出基板3520Aを示したが、これに限定するものではなく、外周縁に凹部3557を有しない外周縁に特定痕跡部3561が設けられている演出基板としても良い。この場合、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を、仕上げても良いし、仕上げなくても良い。
[11-3c.第五実施形態の装飾体]
第五実施形態の装飾体3505は、図82(c)に示すように、所定形状に形成されており透光性を有する装飾部3510と、装飾部3510の後に設けられており複数のLED3530が実装されている演出基板3520Aと、演出基板3520Aの後に設けられている透明な装飾ベース3540と、を備えている。この装飾体3505は、上記の第一実施形態の装飾体3501の構成に対して、凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561が設けられている演出基板3520Aを用いたものであり、演出基板3520Aを除いて同じ構成である。
装飾部3510は、全体が略一定の厚さで立体的に形成されている。装飾部3510は、外周縁付近の部位に前後方向(中央の部位の前壁部3513に対して交差する方向)へ延出している側壁部3511と、側壁部3511における板厚の端面となり後方を向いている後端面3512と、を有している。本実施形態の装飾部3510では、中央の部位(前壁部3513)と側壁部3511とが滑らかな曲面により連続しており、中央の部位(前壁部3513)との明確な境界は有していない。
演出基板3520Aは、装飾部3510(後端面3512)よりも後ろに設けられている。演出基板3520Aは、装飾部3510の外周形状に倣った(沿った)形状で、装飾部3510の外周よりも小さく形成されている。演出基板3520Aの外周縁は、略全体が装飾部3510における後端面3512の後方となるように形成されている。換言すると、演出基板3520Aの外周縁は、装飾部3510と重ねた時(装飾体3505に組立てた時)に、後端面3512の外周と内周との間(図82(c)の拡大図において網掛けの部位)に位置するように形成されている。
演出基板3520Aは、外周に凹部3557が形成されていると共に、凹部3557の底部3557aから繋部3552の繋残部3552aが突出している。つまり、底部3557aに、外周を形成した際に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561が設けられている。
演出基板3520に実装されている複数のLED3530は、前面に実装されているトップビュータイプの複数の第一LED3531と、後面に実装されているサイドビュータイプの複数の第二LED3532と、から構成されている。
また、図示は省略するが、この演出基板3520Aにおいても、表面に明色の被覆膜3523が施されていると共に、当該被覆膜3523の外周縁が演出基板3520Aの外周縁よりも所定距離L2控えて設けられている。
装飾ベース3540は、演出基板3520Aの後に位置している平板状の本体部3541と、本体部3541の外周縁から前方へ壁状に延出している周壁部3542と、本体部3541を貫通しており内部に演出基板3520Aの後面に実装されている第二LED3532が挿入される開口部3543と、本体部3541の周縁に設けられており周縁外方へ向かうに従って前方へ位置するように斜めに形成されている面取部3544と、周壁部3542の前端面に設けられている複数の凹凸からなるレンズ部3545と、を有している。
装飾ベース3540の周壁部3542は、本体部3541の全周に亘って設けられており、前後に短い筒状に形成されている。この周壁部3542の内周の大きさは、装飾部3510の外周の大きさよりも若干大きく形成されている。これにより、筒状の周壁部3542の内側に前方から装飾部3510を挿入することができる。また、周壁部3542は、装飾体3500に組立てた時に、前端のレンズ部3545が装飾部3510の後端面3512よりも前方へ突出するように形成されている。
この装飾体3505は、組立てた状態で、演出基板3520Aの外周縁が、装飾部3510における後端面3512の後方に位置している。これにより、正面視において、演出基板3520Aの外周縁が、装飾部3510の後端面3512(図82(c)の拡大図において網掛けの部位)と重なっている。また、装飾体3505は、演出基板3520Aの外周縁付近の前後が、装飾部3510の後端面3512と装飾ベース3540の本体部3541とに囲まれていると共に、演出基板3520Aの外周側面の外側が装飾ベース3540の周壁部3542によって囲まれている。
このように、本実施形態の装飾体3505によれば、曲面状に形成されている装飾部3510における側壁部3511の後端面3512の後方に、演出基板3520Aの外周縁を設けているため、曲面状の側壁部3511のレンズ効果により、後方を歪ませて見せることができ、演出基板3520の外周縁(凹部3557や特定痕跡部3561)を前方から明瞭には見え辛くすることができる。また、演出基板3520の外周側面を装飾ベース3540の周壁部3542により囲んでいると共に、周壁部3542の前端に複数の凹凸からなるレンズ部3545を設けているため、側方からも演出基板3520Aの外周縁(凹部3557や特定痕跡部3561)を視認し難くすることができる。
従って、演出基板3520Aに繋部3552の繋残部3552aが残っているような特定痕跡部3561を有することで、演出基板3520Aの見栄えが悪くなっていても、その見栄えの悪い部位を不透明な枠部3570によって隠すことができるため、見栄えの悪化を回避させることができ、装飾体3505の見栄えを良くすることができる。
また、装飾部3510の側壁部3511や装飾ベース3540の周壁部3542によって特定痕跡部3561を隠すことができることから、特定痕跡部3561(繋部3552)を仕上げる必要がないため、演出基板3520Aにかかるコストを低減させることができ、ひいては、パチンコ機1のような遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、演出基板3520Aの外周を装飾ベース3540の周壁部3542によって囲んでいるため、演出基板3520Aの外周側面に、繋部3552の繋残部3552aが残る破断面のようなギザギザの特定痕跡部3561を有していても、周壁部3542によって特定痕跡部3561に触れ難くすることができ、作業者が怪我をしてしまうことを回避させることができる。また、演出基板3520Aの外周側面や周縁付近に、作業者の脂質が付着することを回避させることができ、脂質による不具合の発生を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aの表面に明色の被覆膜3523が設けられているため、LED3530等からの光を反射させることができ、装飾体3505(装飾部3510及び装飾ベース3540のレンズ部3545)を明るく発光装飾させることができる。
なお、上記の実施形態では、凹部3557の底部3557aから突出している繋部3552の繋残部3552aを仕上げていない特定痕跡部3561としたものを示したが、これに限定するものではなく、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を、仕上げても良い。
[11-3d.第六実施形態の装飾体]
第六実施形態の装飾体3506は、図83(a)に示すように、所定形状に形成されており透光性を有する装飾部3510と、装飾部3510の後に設けられており前面に複数のLED3530が実装されている演出基板3520Aと、を有している。装飾部3510、所定の立体形状に形成されている前壁部3513と、前壁部3513の外周縁から後方へ壁状に突出している周壁部3514と、を有している。装飾部3510の周壁部3514は、後方を向いた後端面3512とされている。
演出基板3520Aは、装飾部3510の後端面3512に当接するように設けられている。演出基板3520Aは、外周形状が装飾部3510の外周形状に倣った(沿った)形状で、外周縁が装飾部3510の後端面3512と重なるように形成されている。更に詳述すると、演出基板3520Aの外周縁は、装飾部3510の後端面3512の外周縁と接する遊技者(本パチンコ機1の前方に着座する一般的な遊技者をモデルにした仮想上の視点)からの視線(図において一点鎖線で示す)よりも装飾部3510の中央側(後端面3512の内周縁側)へ位置するように設けられている。
また、この演出基板3520Aは、外周に凹部3557が形成されていると共に、凹部3557の底部3557aから繋部3552の繋残部3552aが突出している。つまり、底部3557aに、外周を形成した際に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561が設けられている。
また、図示は省略するが、この演出基板3520Aにおいても、表面に明色の被覆膜3523が施されていると共に、当該被覆膜3523の外周縁が演出基板3520Aの外周縁よりも所定距離L2控えて設けられている。
この装飾体3506は、組立てた状態で、演出基板3520Aの外周縁が装飾部3510の後端面3512に当接していると共に、演出基板3520Aの外周縁が後端面3512の外周縁と接する遊技者からの視線よりも後端面3512における内周縁側に位置しているため、遊技者から演出基板3520Aの外周側面を直接視認することができず、演出基板3520Aの外周縁(凹部3557や特定痕跡部3561)を視認し辛い。
このように、本実施形態の装飾体3506によれば、演出基板3520Aに繋部3552の繋残部3552aが残っているような特定痕跡部3561を有することで、演出基板3520Aの見栄えが悪くなっていても、その見栄えの悪い部位を装飾部3510の周壁部3514によって隠すことができるため、見栄えの悪化を回避させることができ、装飾体3506の見栄えを良くすることができる。
また、周壁部3514によって特定痕跡部3561を隠すことができることから、特定痕跡部3561(繋部3552)を仕上げる必要がないため、演出基板3520Aにかかるコストを低減させることができ、ひいては、パチンコ機1のような遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aの表面に明色の被覆膜3523が設けられているため、LED3530等からの光を反射させることができ、装飾体3506(装飾部3510)を明るく発光装飾させることができる。
なお、上記の実施形態において、装飾部3510の周壁部3514に光を撹乱(拡散)させるレンズ部を設けるようにしても良く、周壁部3514を通して演出基板3520Aをより見え難くすることができる。
また、上記の実施形態では、凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設ける演出基板3520Aを示したが、これに限定するものではなく、外周縁に凹部3557を有しない外周縁に特定痕跡部3561が設けられている演出基板としても良い。この場合、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を、仕上げても良いし、仕上げなくても良い。
[11-3e.第七実施形態の装飾体]
第七実施形態の装飾体3507は、図83(b)に示すように、所定形状に形成されており透光性を有する装飾部3510と、装飾部3510の後に設けられており前面に複数のLED3530が実装されている演出基板3520Aと、を有している。また、図示は省略するが、装飾体3507は、装飾部3510の後に設けられており演出基板3520Aを支持している後部材(例えば、装飾ベース、リフレクタ、等)を有している。この後部材により、演出基板3520Aが装飾部3510よりも後方の部位に設けられている。
装飾部3510は、所定の立体形状に形成されている前壁部3513と、前壁部3513の外周縁から後方へ壁状に突出している周壁部3514と、を有している。装飾部3510の周壁部3514は、後方を向いた後端面3512とされている。
演出基板3520Aは、装飾部3510の後端よりも後方に設けられている。演出基板3520Aは、外周形状が装飾部3510の外周形状に倣った(沿った)形状に形成されている。更に詳述すると、演出基板3520Aの外周縁は、装飾部3510の後端面3512の外周縁と接する遊技者(本パチンコ機1の前方に着座する一般的な遊技者をモデルにした仮想上の視点)からの視線(図において一点鎖線で示す)よりも装飾部3510(前壁部3513)の中央側へ位置するように設けられている。
また、この演出基板3520Aは、外周に凹部3557が形成されていると共に、凹部3557の底部3557aから繋部3552の繋残部3552aが突出している。つまり、底部3557aに、外周を形成した際に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561が設けられている。
また、図示は省略するが、この演出基板3520Aにおいても、表面に明色の被覆膜3523が施されていると共に、当該被覆膜3523の外周縁が演出基板3520Aの外周縁よりも所定距離L2控えて設けられている。
この装飾体3507、組立てた状態で、演出基板3520Aが装飾部3510よりも後方に位置していると共に、演出基板3520Aの外周縁が後端面3512の外周縁と接する遊技者からの視線よりも後端面3512における内周縁側に位置しているため、遊技者から演出基板3520Aの外周側面を直接視認することができず、演出基板3520Aの外周縁(凹部3557や特定痕跡部3561)を視認し辛い。
このように、本実施形態の装飾体3507によれば、演出基板3520Aに繋部3552の一部が残っているような特定痕跡部3561を有することで、演出基板3520Aの見栄えが悪くなっていても、その見栄えの悪い部位を装飾部3510の周壁部3514によって隠すことができるため、見栄えの悪化を回避させることができ、装飾体3507の見栄えを良くすることができる。
また、周壁部3514によって特定痕跡部3561を隠すことができることから、特定痕跡部3561(繋部3552)を仕上げる必要がないため、演出基板3520Aにかかるコストを低減させることができ、ひいては、パチンコ機1のような遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aの表面に明色の被覆膜3523が設けられているため、LED3530等からの光を反射させることができ、装飾体3506(装飾部3510)を明るく発光装飾させることができる。
なお、上記の実施形態において、装飾部3510の周壁部3514に光を撹乱(拡散)させるレンズ部を設けるようにしても良く、周壁部3514を通して演出基板3520Aをより見え難くすることができる。
また、上記の実施形態では、凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設ける演出基板3520Aを示したが、これに限定するものではなく、外周縁に凹部3557を有しない外周縁に特定痕跡部3561が設けられている演出基板としても良い。この場合、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を、仕上げても良いし、仕上げなくても良い。
[11-3f.第八実施形態の装飾体]
第八実施形態の装飾体3508は、図83(c)に示すように、所定形状に形成されており透光性を有する装飾部3510と、前面に複数のLED3530が実装されている演出基板3520Aと、を有している。装飾部3510は、所定の立体形状に形成されている前壁部3513と、前壁部3513の外周縁から後方へ壁状に突出している周壁部3514と、前壁部3513と周壁部3514の一部とに設けられており色彩を有する加飾部3518と、を有している。装飾部3510は、前壁部3513と周壁部3514とが無色透明に形成されており、加飾部3518が有色の不透明に形成されている。この加飾部3518は、周壁部3514の後端までは設けられておらず、周壁部3514の後端との間に加飾部3518が設けられていない部位(余白部)を有している。また、加飾部3518は、スクリーン印刷やインクジェット印刷等によって形成されており、キャラクタやロゴ等の絵柄を有している。
演出基板3520Aは、装飾部3510における前壁部3513の後に設けられていると共に、周壁部3514の後端よりも前方に設けられている。つまり、演出基板3520Aは、容器状の装飾部3510の内部に設けられている。演出基板3520Aは、外周形状が装飾部3510の外周形状に倣った(沿った)形状で、周壁部3514の内周形状よりも小さく形成されている。更に詳述すると、演出基板3520Aの外周縁は、装飾部3510における加飾部3518の外周縁と接する遊技者(本パチンコ機1の前方に着座する一般的な遊技者をモデルにした仮想上の視点)からの視線(図において一点鎖線で示す)よりも装飾部3510(前壁部3513)の中央側へ位置するように設けられている。
また、この演出基板3520Aは、外周に凹部3557が形成されていると共に、凹部3557の底部3557aから繋部3552の一部(残り)が突出している。つまり、底部3557aに、外周を形成した際に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561が設けられている。
また、図示は省略するが、この演出基板3520Aにおいても、表面に明色の被覆膜3523が施されていると共に、当該被覆膜3523の外周縁が演出基板3520Aの外周縁よりも所定距離L2控えて設けられている。
この装飾体3508、組立てた状態で、演出基板3520Aが容器状の装飾部3510の内部に位置していると共に、演出基板3520Aの外周縁が加飾部3518の外周縁と接する遊技者からの視線よりも前壁部3513の中央側に位置しているため、遊技者から見ると演出基板3520Aが加飾部3518と重なる位置となり、加飾部3518に遮られて、演出基板3520Aを視認することができず、演出基板3520Aの外周縁(凹部3557や特定痕跡部3561)が視認し難くなっている。また、演出基板3520Aの外周を装飾部3510の周壁部3542により囲んでいるため、この周壁部3514の存在により側方からも演出基板3520Aの凹部3557や特定痕跡部3561が視認し難くなっている。
このように、本実施形態の装飾体3508によれば、演出基板3520Aに繋部3552の繋残部3552aが残っているような特定痕跡部3561を有することで、演出基板3520Aの見栄えが悪くなっていても、その見栄えの悪い部位を装飾部3510の加飾部3518や周壁部3514によって隠すことができるため、見栄えの悪化を回避させることができ、装飾体3508の見栄えを良くすることができる。
また、加飾部3518によって特定痕跡部3561を隠すことができることから、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を仕上げる必要がないため、演出基板3520Aにかかるコストを低減させることができ、ひいては、パチンコ機1のような遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、容器状の装飾部3510の内部に演出基板3520Aを設けており、演出基板3520Aの外周を周壁部3514によって囲んでいるため、演出基板3520Aの外周側面に、繋部3552の繋残部3552aが残る破断面のようなギザギザの特定痕跡部3561を有していても、周壁部3514によって特定痕跡部3561に触れ難くすることができ、作業者が怪我をしてしまうことを回避させることができる。また、演出基板3520Aの外周側面や周縁付近に、作業者の脂質が付着することを回避させることができ、脂質による不具合の発生を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aの表面に明色の被覆膜3523が設けられているため、LED3530等からの光を反射させることができ、装飾体3508(装飾部3510)を明るく発光装飾させることができる。
なお、上記の実施形態において、装飾部3510の周壁部3514に光を撹乱(拡散)させるレンズ部を設けるようにしても良く、周壁部3514を通して演出基板3520Aをより見え難くすることができる。
また、上記の実施形態では、凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設ける演出基板3520Aを示したが、これに限定するものではなく、外周縁に凹部3557を有しない外周縁に特定痕跡部3561が設けられている演出基板としても良い。この場合、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を、仕上げても良いし、仕上げなくても良い。
なお、上記の実施形態では、明色の被覆膜3523が設けられている演出基板3520及び演出基板3520Aとして、LED3530を電子部品として実装しているものを示したが、これに限定するものではなく、電子部品として、有機EL、LCD、センサ、コネクタ、ダイオード、抵抗器、IC、等を実装しているものとしても良く、LED3530を実装していないものとしても良い。また、この演出基板3520や演出基板3520Aとしては、演出表示装置1600よりも前方に設けられているもの、裏箱3010内(裏ユニット3000)に設けられているもの、遊技パネル1100よりも前方(表ユニット2000)に設けられているもの、前構成部材1000に設けられているもの、扉枠3に設けられているもの、等が挙げられる。
また、上記の実施形態では、被覆膜3523をソルダレジストとするものを示したが、これに限定するものではなく、被覆膜3523をソルダレジストとは別に設けられているもの(ソルダレジストを被覆しているもの)としても良い。
また、上記の実施形態では、被覆膜3523を演出基板3520の外周縁から所定距離L2控えて設けるものを示したが、これに限定するものではなく、被覆膜3523が捨基板3555にまで設けられているものとしても良い。この場合、被覆膜3523には、切削加工した時、切削端縁に他の部材が当接した時、等に粉末の発生し難いものを使用することが望ましい。
更に、上記の実施形態では、装飾体3500として演出基板3520の外周縁に沿って側壁部3511が設けられているものを示したが、これに限定するものではなく、特定痕跡部3561と対向する部位にのみ側壁部3511を設けるものとしても良い。これにより、特定痕跡部3561を側壁部3511により隠すことができ、装飾体3500の見栄えの悪化を抑制することができる。
また、上記の実施形態では、装飾体3500として演出基板3520の外周縁に沿って側壁部3511が設けられているものを示したが、これに限定するものではなく、側壁部3511における特定痕跡部3561と対向する部位にスリット又は凹部が設けられているものとしても良い。これにより、基板の外周縁から外方へ突出している特定痕跡部3561が設けられている演出基板3520では、特定痕跡部3561(繋残部3552a)が側壁部3511のスリットや凹部に挿入されることとなり、特定痕跡部3561が側壁部3511に当接することはない。従って、演出基板3520の外周縁に凹部3557を設けると共に、その底部3557aに特定痕跡部3561を設けるようにする必要がなく、演出基板3520にかかるコストを低減させることができる。また、演出基板3520の特定痕跡部3561(繋残部3552a)を側壁部3511のスリットや凹部に挿入させるようにすることで、特定痕跡部3561により位置決めを行うことができ、装飾体3500の組立てミスを低減させることができる。
なお、側壁部3511に特定痕跡部3561(繋残部3552a)が挿入される凹部を設ける場合、その凹部を円弧状や多面体状のレンズ部としても良い。凹部のレンズ効果により外部から特定痕跡部3561を見え難くすることができる。
[11-4.演出基板を有する装飾体の作用効果]
このように、本実施形態によれば、演出に関する電子部品としてのLED3530が実装されている演出基板3520Aの外周形状を、前方に設けられている装飾部3510の外周形状と対応した形状としていると共に、外周における直線状又は凸状の部位において台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに他の部位(一般痕跡部3560)とは粗度の異なる特定痕跡部3561を設けているため、当該特定痕跡部3561により演出基板3520Aの見栄えの悪化を抑制することが可能となり、演出基板3520Aにより遊技者に不快感を与えてしまうことを低減させることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
詳述すると、演出基板3520A(又は演出基板3520)の製造時において、NCマシンのような加工機械を使用して定尺基板3550から演出基板3520Aを切り出す際に、演出基板3520Aを完全に分離させずに、特定痕跡部3561の部位(繋部3552)で定尺基板3550(捨基板3555、又は、他の基板)と繋がっている状態にすると、演出基板3520Aの外周形状が複雑な形状であっても、特定痕跡部3561の部位で矩形状の定尺基板3550と繋がっているため、定尺基板3550を介して分離前の演出基板3520Aを簡単にインサートマシンにセットすることができ、分離前の演出基板3520Aに電子部品(LED3530等)を実装することができる。そして、分離前の演出基板3520Aに電子部品を実装したら、定尺基板3550と繋がっている繋部3552(特定痕跡部3561の部位)を切断して、定尺基板3550から演出基板3520Aを分離し、演出基板3520Aにおける定尺基板3550と繋がっていた繋残部3552aを仕上げることで、当該繋残部3552aの部位に他の部位とは異なる特定痕跡部3561が生じると共に、外周が所定形状に形成された演出基板3520Aが完成する。この際に、定尺基板3550と繋がっている繋部3552(特定痕跡部3561の部位)が、演出基板3520Aの全周に対して短い(少ない)ため、繋部3552を切断して仕上げても、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機によって十分に吸い取ることができ、演出基板3520Aに実装されている電子部品に影響を与えることはない。
また、特定痕跡部3561を、外周から台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに設けるようにしているが、当該底部3557aは、演出基板3520Aの外周における直線状又は凸状の部位において台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aであることから、当該底部3557aの形状が演出基板3520Aの外周に倣った(平行な)形状となっており、直線状又は凸状の形状となっている。従って、演出基板3520Aの製造時において、底部3557aから突出している定尺基板3550と繋がっていた繋残部3552aを仕上げる際に、平ヤスリ等の工具を使用して簡単に仕上作業を行うことができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、特定痕跡部3561を綺麗に仕上げることができ、見栄えの良い演出基板3520Aを提供することができる。
また、演出基板3520Aの外周形状を装飾部3510の外周形状と対応させているため、演出基板3520Aの外周形状により装飾性を発揮させることができる。この際に、上述したように、演出基板3520Aの外周に特定痕跡部3561を設けているため、外周形状が複雑な装飾性の高い演出基板3520Aでも、見栄えの良いものとすることができ、演出基板3520Aによる装飾効果を十分に発揮させることができると共に、遊技者に不快感を与え難くすることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
このように、演出基板3520Aの外周に特定痕跡部3561を設けているため、外周形状が複雑、つまり、装飾性の高い演出基板3520Aでも容易に製造することができると共に、見栄えの良い演出基板3520Aを得ることができ、喩え演出基板3520Aが見えても遊技者に不快感を与え難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aの外周に特定痕跡部3561を設けているため、作業者が組立てる際に、特定痕跡部3561を目安にして、演出基板3520Aの取付方向等を特定する目印にすることができる。
また、演出基板3520Aの表面を明色にしているため、電子部品として実装されているLED3530からの光や、他のLEDや照明等からの光を、前方へ反射させ易くすることができる。これにより、演出基板3520Aの前方に設けられている装飾部3510をより明るく発光装飾させることができるため、装飾部3510の発光演出をより目立たせることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、特定痕跡部3561の表面の粗度を他の部位(一般痕跡部3560)とは異ならせているため、演出基板3520Aの周縁を一見しただけで、特定痕跡部3561の位置を特定することができる。従って、例えば、製造された演出基板3520Aを検査する場合では、特定痕跡部3561の位置を素早く把握することができ、製品(演出基板3520A)の良否の確認を容易に行うことができると共に、検査にかかる時間を短縮することができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、特定痕跡部3561の粗度を異ならせるようにしているため、例えば、粗度を細かく(数値を小さく)して鏡面状にすると、特定痕跡部3561において光を反射させることが可能となるため、演出基板3520Aの周面の一部が光るようなこれまでにない発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を驚かせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、演出基板3520Aにおける外周から台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設けているため、特定痕跡部3561が底部3557aから繋残部3552aが外方へ突出していても、演出基板3520Aにおける設計上の外形線よりも突出することはなく、演出基板3520Aを取付対象物(装飾部3510や装飾ベース3540)に対して確実に取付けることができる。
また、演出基板3520Aにおける外周から台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設けていることから、特定痕跡部3561の部位で切断しても、特定痕跡部3561が演出基板3520Aの外形線から突出することはないため、特定痕跡部3561(繋残部3552a)の仕上げを省くことが可能となり、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
更に、本実施形態によれば、遊技の進行に応じて発光するLED3530が実装されている演出基板3520Aの外周縁において台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに、外形を形成した時に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561を有していても、側方から見た時に装飾体3500における装飾部3510の周壁部3514や枠部3570の周壁部3573による遊技者からの視線の影となる領域(周壁部3514と重なる領域)に特定痕跡部3561が位置して、周壁部3514により視認し難くしている上に、周壁部3514が透明な素材によって形成されていても、当該周壁部3514にレンズ部を設けることによりそのレンズ効果によっても特定痕跡部3561を不明瞭に見せて視認し難くすることができるため、特定痕跡部3561や凹部3557が良く見えることによる演出基板3520Aの見栄えの悪化を低減させることができる。この作用効果は、演出基板3520でも同じである。従って、演出基板3520A(演出基板3520)によって装飾部3510の見栄えが悪く見えてしまうことを回避させることができるため、相対的に装飾部3510(装飾体3500)の見栄えを良くすることができ、装飾部3510による装飾効果を確実に発揮させて遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、装飾部3510の周壁部3514にレンズ部を設けたり、装飾ベース3540の周壁部3542にレンズ部3545を設けたりすることで、演出基板3520A(演出基板3520)に実装されているLED3530を発光させると、その光によりレンズ部を光らせることができるため、レンズ部の光により周壁部3514(周壁部3542)を通して特定痕跡部3561(演出基板3520A(演出基板3520)の外周縁)を視認し難くすることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。また、演出基板3520A(演出基板3520)のLED3530の発光により周壁部3514(周壁部3542)が光ることで、装飾部3510の外周が発光装飾されることとなるため、装飾部3510をより目立たせることができ、装飾部3510(装飾体3500)前方体の発光演出を楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設けており、演出基板3520Aの外周縁に凹部3557を設けることで演出基板3520Aの外周形状の見栄えが悪化しても、特定痕跡部3561が周壁部3514(周壁部3542、周壁部3573)やレンズ部による遊技者からの視線の影となる領域に位置することで視認し難くしていることから、特定痕跡部3561と一緒に凹部3557も視認し難くすることができるため、凹部3557や特定痕跡部3561が良く見えることによる演出基板3520Aの見栄えの悪化を低減させることができる。従って、演出基板3520Aによって装飾部3510の見栄えが悪く見えてしまうことを回避させることができるため、相対的に装飾部3510(装飾体3500)の見栄えを良くすることができ、装飾体3500による装飾効果を確実に発揮させて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態によれば、演出基板3520や演出基板3520Aの表面に施されている明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を、演出基板3520や演出基板3520Aの切断端縁と銅箔3522の端縁との間で、特定痕跡部3561の端縁を含む演出基板3520や演出基板3520Aの切断端縁から内側に(ここでは、所定距離L2)控えて設けているため、定尺基板3550から切削加工により演出基板3520や演出基板3520Aを切り出すようにしても、明色の被覆膜3523が切削されることはなく、当該被覆膜3523の粉末が発生することはない。従って、切削加工後の清掃にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、演出基板3520や演出基板3520Aに明色の被覆膜3523の粉末が残ることはない。また、明色の被覆膜3523を演出基板3520や演出基板3520Aの切断端縁から控えて設けていることから、演出基板3520や演出基板3520Aの切断端縁に他の部材(装飾体)等が当接しても、被覆膜3523に当接することはないため、被覆膜3523の粉末が発生することはなく、被覆膜3523の粉末が飛散して演出基板3520(演出基板3520A)や装飾体3500等に付着・堆積することはない。このようなことから、明色の被覆膜3523の粉末が発生しないため、当該粉末によって、発光演出の際に影が映って見栄えが悪くなったり、コネクタ等において接触不良となったり、演出基板3520(演出基板3520A)や装飾体3500等の表面の見栄えが悪くなったり、するような不具合の発生を防止することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
詳述すると、演出基板3520や演出基板3520Aの製造時において、NCマシンのような加工機械を使用して切削加工により定尺基板3550から演出基板3520や演出基板3520Aを切り出す際に、演出基板3520や演出基板3520Aを完全に分離させずに、特定痕跡部3561の部位(繋部3552)で定尺基板3550(捨基板3555、又は、他の基板)と繋がっている状態にすると、演出基板3520や演出基板3520Aの外周形状が複雑な形状であっても、特定痕跡部3561の部位で矩形状の定尺基板3550と繋がっているため、定尺基板3550を介して分離前の演出基板3520や演出基板3520Aを簡単にインサートマシンにセットすることができる。換言すると、被覆膜3523が施されている演出基板3520や演出基板3520AにLED3530等の電子部品を実装する前に、特定痕跡部3561の部位(繋部3552)を残して演出基板3520や演出基板3520Aの外周の殆どを切削加工により形成する。これにより、LED3530等の電子部品が実装されていないため、大量に発生する切粉の清掃を容易に行うことができると共に、被覆膜3523が演出基板3520や演出基板3520Aの切断端縁(ここでは設計上の外形線)から内側へ控えて設けられているため、被覆膜3523の粉末が発生することはない。続いて、定尺基板3550及び演出基板3520や演出基板3520Aの清掃後に、演出基板3520や演出基板3520AにLED3530等の電子部品を実装する。この際に、当該演出基板3520や演出基板3520Aが特定痕跡部3561の部位(繋部3552)により定尺基板3550と繋がっているため、定尺基板3550を介して分離前の演出基板3520や演出基板3520Aをインサートマシンに容易にセットすることができ、演出基板3520や演出基板3520AにLED3530等の電子部品を実装させることができる。そして、分離前の演出基板3520や演出基板3520AにLED3530等の電子部品を実装したら、定尺基板3550と繋がっている繋部3552を切断(又は破断)することで、当該繋部3552に他の部位とは異なる痕跡(特定痕跡部3561)が生じると共に、外周が所定形状に形成された演出基板3520や演出基板3520Aが完成する。この際に、定尺基板3550と繋がっている繋部3552が、演出基板3520や演出基板3520Aの全周に対して短い(少ない)ため、繋部3552を切断しても、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機によって十分に吸い取ることができると共に、被覆膜3523を特定痕跡部3561の端縁(繋部3552の切断端縁)から内側に控えているため、被覆膜3523の粉末が発生することはなく、演出基板3520や演出基板3520Aに実装されているLED3530等の電子部品に影響を与えることはない。従って、上述したように、明色の被覆膜3523の粉末によって、LED3530の発光による発光演出の際に影が映って見栄えが悪くなったり、コネクタ等において接触不良となったり、演出基板3520(演出基板3520A)や装飾体3500等の表面の見栄えが悪くなったり、するような不具合の発生を防止することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、上述したように、切削加工により演出基板3520や演出基板3520Aの外周を形成しても、表面に施されている明色の被覆膜3523の粉末による不具合の発生を防止することができるため、演出基板3520や演出基板3520Aの外周形状をNCマシンのような加工自由度の高い加工機械で形成することができ、外周形状が複雑、つまり、装飾性の高い演出基板3520や演出基板3520Aを容易に製造することができる。
また、被覆膜3523の端縁を、演出基板3520や演出基板3520Aの切断端縁(基板母材3521の切断端縁)と銅箔3522の端縁との間に位置するように設けていることから、銅箔3522の全面を被覆膜3523により被覆しており、表面に銅箔3522が露出していないため、演出基板3520や演出基板3520Aの表面全体を被覆膜3523の明色とすることができる。これにより、被覆膜3523により演出基板3520や演出基板3520Aの表面を明色にしているため、電子部品として実装されているLED3530からの光や、他のLEDや照明等からの光を、前方へ反射させ易くすることができる。これにより、より明るい発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。更に、被覆膜3523により演出基板3520や演出基板3520Aの表面を明色にしているため、演出基板3520や演出基板3520Aを目立ち難くすることができると共に、当該表面の色による前方に設けられている部材(例えば、装飾部3510、装飾体、等)への影響を低減させることができ、当該部材による装飾効果を確実に発揮させて見栄えの良いパチンコ機1を提供することができる。
また、演出基板3520や演出基板3520Aの外周に特定痕跡部3561を設けているため、当該特定痕跡部3561が上述したように演出基板3520や演出基板3520Aの全周に対して短く、定尺基板3550と繋いでいた部位(繋部3552)の仕上時間を短くすることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、特定痕跡部3561を綺麗に仕上げることで演出基板3520や演出基板3520Aの見栄えを良くすることができ、演出基板3520や演出基板3520Aが見えても遊技者に不快感を与え難くして興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態によれば、遊技の進行に応じて発光するLED3530が実装されている演出基板3520Aの外周縁において台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに、外形を形成した時に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561を有していても、当該特定痕跡部3561と対面するように設けられ演出基板3520Aの外周面を囲んでいる装飾部3510の周壁部3514や装飾ベース3540の周壁部3542や枠部3570の周壁部3573により、他の部材等が演出基板3520Aの特定痕跡部3561を含む外周面に接触することを回避させることができるため、特定痕跡部3561との接触による傷付きを防止することができ、傷が無いことで他の部材の見栄えを良くして遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。また、凹部3557を有しない演出基板3520でも、同様の作用効果を奏することができる。
また、装飾部3510の周壁部3514や装飾ベース3540の周壁部3542や枠部3570の周壁部3573により演出基板3520や演出基板3520Aの特定痕跡部3561を含む外周面との接触を回避させることができるため、パチンコ機1の製造や搬送、設置やメンテナンス等の作業において、作業者の手指等が演出基板3520や演出基板3520Aの特定痕跡部3561に触れてしまうことを防止することができ、傷付いて怪我をしてしまうことを回避させることができる。また、装飾部3510の周壁部3514や装飾ベース3540の周壁部3542や枠部3570の周壁部3573により特定痕跡部3561を含む演出基板3520や演出基板3520Aの外周面への接触を回避させることができることから、演出基板3520や演出基板3520Aの外周縁に対して作業者の手指等を接触し難くすることができるため、演出基板3520や演出基板3520Aに作業者の脂質が付着することを回避させることができ、脂質による不具合の発生を抑制させることができる。
更に、装飾部3510の周壁部3514や装飾ベース3540の周壁部3542や枠部3570の周壁部3573により演出基板3520や演出基板3520Aの特定痕跡部3561との接触を回避させることができるため、演出基板3520や演出基板3520Aを製造する際に、特定痕跡部3561を仕上げずに切断したままの状態とすることができ、演出基板3520や演出基板3520A、ひいては、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、装飾部3510の周壁部3514や装飾ベース3540の周壁部3542や枠部3570の周壁部3573を通して演出基板3520や演出基板3520Aの特定痕跡部3561を含む外周面を視認困難としているため、特定痕跡部3561や外周面が見えることによる演出基板3520や演出基板3520A、ひいては、前方の装飾部3510の見栄えの悪化を抑制することができ、装飾部3510の見栄えを良くすることができると共に、演出基板3520や演出基板3520Aの特定痕跡部3561や外周面が見えることにより遊技者に不快感を与えてしまうことを低減させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aにおける外周縁から台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設けているため、特定痕跡部3561が底部3557aから外方へ突出していても、演出基板3520Aにおける設計上の外形線よりも突出して装飾部3510の周壁部3514や装飾ベース3540の周壁部3542や枠部3570の周壁部3573に当ることはなく、演出基板3520Aを装飾部3510や装飾ベース3540や枠部3570等に対して確実に取付けることができる。
更に、本実施形態によれば、遊技の進行に応じて発光するLED3530が実装されている演出基板3520Aの外周縁において台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに、外形を形成した時に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561を有していても、当該特定痕跡部3561を前方から重なるように設けられている装飾部3510のメッキ部3515や枠部3570や装飾部3510の側壁部3511(後端面3512)により視認困難としていることから、演出基板3520Aによる装飾部3510の見栄えの悪化を阻止することができるため、装飾部3510の見栄えを良くすることができ、遊技者に不快感を与えてしまうことを低減させて興趣の低下を抑制させることができる。
詳述すると、演出基板3520Aの製造時において、NCマシンのような加工機械を使用して定尺基板3550から演出基板3520Aを切り出す際に、演出基板3520Aを完全に分離させずに、外周から台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aで定尺基板3550(捨基板3555、又は、他の基板)と繋がっている状態にすると、演出基板3520Aの外周形状が複雑な形状であっても、凹部3557の底部3557a(繋部3552)で矩形状の定尺基板3550と繋がっているため、定尺基板3550を介して分離前の演出基板3520Aを簡単にインサートマシンにセットすることができ、分離前の演出基板3520AにLED3530等の電子部品を実装することができる。そして、分離前の演出基板3520Aに電子部品を実装したら、定尺基板3550と繋がっている繋部3552を切断(又は破断)することで、凹部3557の底部3557aにおいて繋がっていた繋部3552に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる特定痕跡部3561が生じると共に、外周が所定形状に形成された演出基板3520Aが完成する。この際に、定尺基板3550と繋がっている繋部3552(特定痕跡部3561の部位)が、演出基板3520Aの全周に対して短い(少ない)ため、繋部3552を切断しても、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機によって十分に吸い取ることができ、演出基板3520Aに実装されているLED3530等の電子部品に影響を与えることはない。
このように、演出基板3520Aの外周に設けられている特定痕跡部3561は、外周の他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡となっていると共に、特定痕跡部3561を外周縁から台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに設けており、他の部位よりも目立つことから、特定痕跡部3561や凹部3557の存在により演出基板3520Aの見栄えが悪化する虞があるが、前方から重なるように設けられている装飾部3510のメッキ部3515や枠部3570や装飾部3510の側壁部3511(後端面3512)により特定痕跡部3561を凹部3557と一緒に視認困難としているため、演出基板3520Aの特定痕跡部3561や凹部3557が目立つことはなく、演出基板3520Aによる装飾部3510の見栄えの悪化を阻止することができ、装飾部3510の見栄えを良くすることができると共に、演出基板3520Aの特定痕跡部3561や凹部3557により遊技者に不快感を与えてしまうことはなく、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aの外周に特定痕跡部3561を有しており、演出基板3520Aの外形をNCマシンのような加工自由度の高い加工機械で形成しているため、外周形状が複雑、つまり、装飾性の高い装飾部3510と対応する演出基板3520Aでも容易に製造することができ、演出基板3520AのLED3530により発光装飾される装飾部3510の装飾効果を確実に発揮させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、演出基板3520Aにおける外周縁から台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設けているため、特定痕跡部3561が底部3557aから外方へ突出していても、演出基板3520Aにおける設計上の外形線よりも突出することはなく、演出基板3520Aを装飾部3510や枠部3570等の取付対象物に対して確実に取付けることができる。
更に、演出基板3520Aの外周に設けられている特定痕跡部3561や凹部3557を、前方から重なるように設けられている装飾部3510のメッキ部3515や枠部3570や装飾部3510の側壁部3511(後端面3512)によって隠すことができると共に、表面の明色(白色)により演出基板3520Aを目立ち難くすることができるため、装飾部3510を通して演出基板3520Aの前面が見えても、演出基板3520Aの存在によって装飾部3510の見栄えが悪くなることはなく、装飾部3510による装飾効果を確実に発揮させることができる。また、上述したように、演出基板3520Aを目立ち難くすることができるため、装飾部3510(前壁部3513)と演出基板3520Aとの間の距離を短く(狭く)しても、装飾部3510の見栄えが悪くなることはなく、装飾部3510と演出基板3520Aとを有する装飾体3503や装飾体3504の厚さを薄くすることができる。従って、装飾部3510(装飾体3503や装飾体3504)の配置自由度を高めることができるため、より効果的な位置に装飾体3503や装飾体3504を設けることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。また、装飾体3503や装飾体3504が薄くなることで、相対的に他の装飾体等を設けるスペースを確保し易くすることができるため、より多くの装飾体等を有するパチンコ機1とすることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、演出基板3520Aの特定痕跡部3561を装飾部3510のメッキ部3515や枠部3570や装飾部3510の側壁部3511(後端面3512)によって視認困難としているため、演出基板3520Aを製造する際に、特定痕跡部3561を仕上げずに切断したままの状態とすることができ、演出基板3520A、ひいては、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、装飾部3510のメッキ部3515や枠部3570や装飾部3510の側壁部3511(後端面3512)を、演出基板3520Aの外周縁と重なるように設けていることから、装飾部3510のメッキ部3515や枠部3570や装飾部3510の側壁部3511(後端面3512)が装飾部3510の外周縁の全周に亘って設けられることとなるため、装飾部3510のメッキ部3515や枠部3570や装飾部3510の側壁部3511(後端面3512)により装飾部3510の外周縁を装飾することが可能となり、装飾部3510の見栄えをより良くすることができ、見栄えの良い装飾部3510により遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、演出基板3520AのLED3530の発光による装飾部3510の発光装飾によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aの表面を明色(白色)にしているため、実装されているLED3530からの光や、他のLEDや照明等からの光を、装飾部3510へ反射させ易くすることができる。これにより、より明るい装飾部3510の発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。更に、演出基板3520Aの表面を明色(白色)にしているため、演出基板3520Aを目立ち難くすることができると共に、当該表面の色による装飾部3510への影響を低減させることができ、装飾部3510による装飾効果を確実に発揮させて見栄えの良いパチンコ機1を提供することができる。
なお、上記に示した定尺基板3550から演出基板3520等(以下では単に演出基板3520とも称する)を切り出す手法や、そのときの特定痕跡部3561の処理(突出しないように削り取る、凹部3557に残す、あえて突出するように残す)や特定痕跡部3561に対するソルダレジスト(被覆膜3523)の有無などの処理などは、演出基板3520と装飾部3510等との形状や位置関係や見栄えなどに応じて適宜選択されるべきであり、実施例として紹介された組合わせに限定されない。
また、演出基板3520と特定痕跡部3561との関係としては、以下のようなパターンが挙げられる。例えば、特定痕跡部3561が一つの演出基板3520に複数設けられており、その全ては凹部3557の底部3557aに設けられていても良い(図78を参照)。これにより、演出基板3520の仮想外形線から特定痕跡部3561が外側へ突出することはなく、特定痕跡部3561が他の部材に当接することを回避させることができる。また、特定痕跡部3561が他の部材に当接することを回避させるために、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を削る必要はない。
また、例えば、特定痕跡部3561が一つの演出基板3520に複数設けられており、その全ては演出基板3520の外形から突出していても良い。この場合、特定痕跡部3561は、演出基板3520の直接の外周から突出していても良いし、演出基板3520の凹部3557の底部3557aから突出していても良い。これにより、製造工程において特定痕跡部3561の手触りを目安にして作業することができる。
更に、例えば、特定痕跡部3561が一つの演出基板3520に複数設けられており、その全ては演出基板3520の突部か直線部に設けられていても良い。これにより、演出基板3520の外形を、ヤスリ等を使用して仕上げる際に、特定痕跡部3561を削り易くすることができ、作業時間を短縮してコストを低減させることができると共に、演出基板3520の見栄えを良くすることができる。
また、例えば、特定痕跡部3561が演出基板3520における凹部3557の底部3557aに設けられており、その特定痕跡部3561が削られて底部3557aから突出していなくても良い。これにより、凹部3557を演出基板3520の位置決溝として使用することが可能となる。
また、例えば、演出基板3520における遊技領域5aの中央に違い側の辺に設けられている特定痕跡部3561は削られて仕上げられており、遊技領域5aの中央から遠い側の辺に設けられている特定痕跡部3561は仕上げられていないものとしても良い。これにより、遊技者から演出基板3520の側面が見えたとしても、見える側面の特定痕跡部3561は仕上げられて奇麗になっているため、見栄えが悪く見えることはない。また、演出基板における中央から遠い側の辺は、遊技者から見え難いため、特定痕跡部3561を仕上げてなくても見栄えが悪くなることはないと共に、全ての特定痕跡部3561を仕上げる必要がなくコストダウンを図ることができる。
また、演出基板3520と特定痕跡部3561との関係としては、上記したようなパターンに限定するものではなく、演出基板3520の形状や使用部位等に応じて様々なパターンから適宜選択されるべきものである。
[11-5.第二実施形態の始動口ユニット]
次に、遊技盤5における第二実施形態の始動口ユニット2150について、主に図84乃至図89等を参照して詳細に説明する。図84は、第二実施形態の始動口ユニットが設けられている遊技盤の正面図である。図85は、第二実施形態の始動口ユニットが設けられている遊技盤において遊技パネルよりも後側を省略して示す斜視図である。図86(a)は第二実施形態の始動口ユニットを遊技パネルの一部と共に示す前から見た斜視図であり、(b)は(a)の始動口ユニットを後ろから見た斜視図である。図87(a)は第二実施形態の始動口ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は第二実施形態の始動口ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図88(a)は第二実施形態の始動口ユニットを正面から示す説明図であり、(b)は第二実施形態の始動口ユニットを断面で示す説明図である。図89(a)及び(b)は第二実施形態の始動口ユニットにおける始動口前板の貫通孔と前板シールとの関係を示す説明図である。
まず、第二実施形態の始動口ユニット2150が設けられている遊技盤5のサイドユニット2200について説明する。このサイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2150の左方で内レール1002に沿うように延びており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、遊技球Bを常時受入可能に開口している三つの一般入賞口2001を備えている。サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001は、内レール1002に沿うように円弧状に列設されている。右側の二つの一般入賞口2001は上方へ向けて開口しており、左側の一般入賞口2001は左上へ向けて開口している。
サイドユニット2200は、上方及び後方に解放されている樋状で一般入賞口2001を形成している三つの球受部2202と、夫々の球受部2202の前後方向の途中を繋いでおり遊技パネル1100の前面に取付けられる平板状の台板2203と、を備えている。三つの球受部2202のうち右から二つの球受部2202は、前端の下部が、後方へ向かって斜めに傾斜している。このサイドユニット2200は、遊技盤5に組立てた状態で、球受部2202における台板2203よりも前方の部位が、一般入賞口2001として遊技パネル1100の前面よりも前方に突出している。サイドユニット2200は、一般入賞口2001(球受部2202)に受入れられた遊技球Bを、遊技パネル1100の後方に誘導し、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受渡すことができる。
第二実施形態の始動口ユニット2150は、遊技領域5a内における左右方向中央の下端部付近に設けられておりアウト口1008の直上でセンター役物2500の下方に配置されている。始動口ユニット2150は、遊技パネル1100に前方から取付けられている。始動口ユニット2150は、遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している第一始動口2003を有している。始動口ユニット2150の第一始動口2003は、センター役物2500におけるステージ2513の中央放出部2513aの直下に設けられている。
始動口ユニット2150が設けられている遊技盤5には、遊技球Bが流通する遊技領域5a内における遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されている。また、遊技盤5の遊技領域5a内には、センター役物2500の左方でワープ通路2512の入口とサイド左上ユニット2300との間の高さの部位に、遊技球Bの当接により回転する風車Wが設けられている。風車Wは、障害釘Nによって回転可能に設けられている。また、遊技盤5の遊技領域5a内には、風車Wの近傍における風車Wの中心よりも下方の部位から斜め右下(始動口ユニット2150)へ向かって複数の障害釘Nが遊技球Bを誘導可能な間隔で列設されている。
この遊技盤5では、列設されている複数の障害釘Nの連釘NR(道釘とも言う)が、三つのグループ(連釘NR)に分けられている。これら連釘NR同士の間には、遊技球Bが通過可能な広さの隙間が設けられており、連釘NRにより誘導された遊技球Bがその隙間を通って下方へ流下することがある。複数の連釘NRは、複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001を有するサイドユニット2200の上方に位置している。そして、三つの連釘NRによる二つの隙間は、サイドユニット2200における右から二つの一般入賞口2001の直上に対してやや左寄り(上流側)の部位に設けられており、その隙間を通って下方へ流下した遊技球Bが一般入賞口2001へ受入れられる可能性がある。
一般入賞口2001に最も近い二つの障害釘Nは、一般入賞口2001の開口幅と同じような間隔をあけて設けられており、一般入賞口2001への受入確率(入賞確率)に関係する重要な特定障害釘N1とされている。
また、遊技領域5a内には、始動口ユニット2150の右方において、始動口ユニット2150へ向かって低くなるように列設されている一つの連釘NRが設けられている。始動口ユニット2150の左右に設けられているこれらの連釘NRにより、始動口ユニット2150(第一始動口2003)へ向かって遊技球Bを誘導させることができる。
更に、遊技領域5a内には、植設されている複数の障害釘Nとして、第一始動口2003の直上で第一始動口2003の開口幅と略同じ間隔で左右に離隔している一対の特定障害釘N1と、一対の特定障害釘N1の左右両外側で且つ第一始動口2003と特定障害釘N1との間の高さに設けられている一対の準特定障害釘N2と、が設けられている(図86(a)及び図88(a)を参照)。
一対の特定障害釘N1は、その間隔が広がると遊技球Bが第一始動口2003へ受入れられ易くなり、その間隔が狭くなると遊技球Bが第一始動口2003へ受入れられ難くなり、第一始動口2003への遊技球Bの受入確率(入賞確率)に大きく関わるものである。これら一対の特定障害釘N1は、始動口ユニット2150の左右両側に設けられている連釘NRの最も下流の障害釘Nよりもやや上方に設けられている。
準特定障害釘N2は、接近している特定障害釘N1や接近している連釘NR、との間に遊技球Bが通過可能な隙間をあけて設けられている。特定障害釘N1と準特定障害釘N2との隙間は、一対の特定障害釘N1同士の間隔よりも広い。また、準特定障害釘N2と連釘NRとの隙間は、特定障害釘N1と準特定障害釘N2との隙間よりも広い。
また、準特定障害釘N2は、接近している連釘NRよりも下方で、その連釘NRの延長線上からやや上方(1mm~2mm)、或いは、連釘NRの延長線から上方へ遊技球Bの直径Dの1/10~1/3の距離の範囲内の部位に設けられている。これにより、連釘NRにより誘導された遊技球Bが準特定障害釘N2に当接すると、当該遊技球Bが上方へ跳ね上がり易く、第一始動口2003に受入れられる可能性がある。
この始動口ユニット2150が設けられている遊技盤5では、始動口ユニット2150の第一始動口2003に受入れられた遊技球Bが、遊技パネル1100の開口部1112を通して裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に送られ、裏球誘導ユニット3100に設けられている第一始動口センサ2101に検知された後に下方へ排出される。また、始動口ユニット2150が設けられている遊技盤5では、始動口ユニット2150よりも下方へ流下した遊技球Bが、アウト口1008を通して遊技領域5a内から排出される。
この始動口ユニット2150は、図87等に示すように、遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に前方から取付けられる始動口本体2151と、始動口本体2151の前面に取付けられる平板状の始動口前板2152と、始動口前板2152の前面に貼り付けられる前板シール2153と、を備えている。
始動口ユニット2150の始動口本体2151は、上方及び後方へ開放されている樋状の球受部2151aと、球受部2151aの底部から上方へ延出しており上端が後方へ向かうに従って低くなるように傾斜している誘導リブ2151bと、球受部2151aの外周面における前後方向の途中から平板状に外方へ延出し遊技パネル1100の前面に当接するフランジ部2151cと、フランジ部2151cの後面から円柱状に突出している位置決ピン2151dと、を備えている。
球受部2151aは、断面がU字状に形成されている。球受部2151aは、遊技盤5が組立てられている状態では、フランジ部2151cよりも後の部位が、遊技パネル1100(パネル板1110)の開口部1112に挿入されており、後端がパネル板1110の後面と同一面上に位置している。誘導リブ2151bは、前端が球受部2151aの前壁の後面に接しており、前壁の上端付近から水平に対して45度の角度で球受部2151aの底部付近まで後方へ低くなるように傾斜した後に、水平に対して約5度の角度で球受部2151aの後端まで低くなるように傾斜しており、前後方向の途中で折れ曲がっている(図88(b)を参照)。この誘導リブ2151bは、左右に間隔をあけて二つ設けられている。フランジ部2151cは、球受部2151aに対して左右両外側及び下側へ延出している。位置決ピン2151dは、球受部2151aを間にして左右両側に夫々設けられており、遊技パネル1100の位置決孔1113に挿入される。
また、始動口本体2151は、フランジ部2151cにおける球受部2151aの左右両側と下側において貫通している複数(ここでは三つ)の取付孔2151eと、フランジ部2151cにおける球受部2151aの下方の取付孔2151eの左右両外側の部位から前方へ円柱状に突出している一対のボス部2151fと、一対のボス部2151fの夫々と球受部2151aの左右の垂直に延びている側壁の下端とを繋いでいる一対の斜壁部2151gと、フランジ部2151cの前面において一対のボス部2151f同士を繋いでおり左右方向中央が低くなるように屈曲している下壁部2151hと、球受部2151aの前面下部と一対のボス部2151fとに夫々設けられている前板取付孔2151iと、を備えている。
一対のボス部2151fは、前端が球受部2151aの前壁の前面と同一面上である。斜壁部2151gと下壁部2151hは、前端におけるボス部2151fに接している付近が、球受部2151の前壁の前面よりも後方に控えられている。これにより、ボス部2151fの前端を、後述する始動口前板2152の筒部2152eに確実に挿入させることができる。また、斜壁部2151gと下壁部2151hの前端の一部が後方へ控えられていることで、始動口前板2152を取付けた時に、始動口前板2152との間に隙間が形成される。また、下壁部2151hは、左右方向中央が球受部2151aの下方の取付孔2151eよりも下方に位置するように屈曲している。これにより当該取付孔2151eは、一対の斜壁部2151gと下壁部2151hとで囲まれた部位に設けられている。
始動口前板2152は、正面視において始動口本体2151よりも大きく形成されている。始動口前板2152は、第一始動口2003の直上で左右に離隔している一対の特定障害釘N1の頭部が後方から挿入される一対の第一保持部2152aと、第一始動口2003の直上において左右に離隔している一対の特定障害釘N1の左右両外側で且つ下方に設けられている一対の準特定障害釘N2の頭部が後方から挿入される第二保持部2152bと、を備えている。第一保持部2152a及び第二保持部2152bは、始動口前板2152を貫通している丸孔であり、第一保持部2152aは、第二保持部2152bよりも内径が小さく形成されている。
本実施形態では、障害釘Nの頭部の直径が4.3mmであり、第一保持部2152aの内径を6mmとしていると共に、第二保持部2152bの内径を8mmとしている。
また、始動口前板2152は、始動口本体2151の取付孔2151eと対応する部位で貫通している複数の貫通孔2152cと、始動口本体2151の前板取付孔2151iと対応する部位で貫通している取付孔2152dと、後面から円筒状に短く後方へ延出しており始動口本体2151のボス部2151fの先端が挿入される一対の筒部2152eと、外周縁から一定の幅を残して前面から凹んでおり前板シール2153が貼り付けられるシール貼付部2152fと、上端辺における左右方向の中央においてシール貼付部2152fへ突出している位置決突部2152gと、を備えている。
貫通孔2152cは、始動口ユニット2150を遊技パネル1100に取付ける際に、ドライバが挿通されるものである。取付孔2152dは、始動口前板2152を始動口本体2151へ取付けるためのものであり、前方から挿通させた取付ビスの先端を始動口本体2151の前板取付孔2151iにねじ込むことで、始動口前板2152を始動口本体2151に取付けることができる。一対の筒部2152eは、夫々に始動口本体2151のボス部2151fの先端が挿入されることで、始動口前板2152を始動口本体2151に対して位置決めすることができる。位置決突部2152gは、前板シール2153の位置決部2153aに挿入させることでシール貼付部2152fに対して前板シール2153を位置決めすることができる。
前板シール2153は、透光性を有しており、図示は省略するが、絵柄や模様、文字等が施されている。この前板シール2153は、外形が始動口前板2152のシール貼付部2152fの内周形状よりもやや小さく形成されており、上辺における左右方向の中央において切欠かれている位置決部2153aを有している。また、前板シール2153は、裏面に始動口前板2152に貼り付けるための粘着部2153bを有している。
粘着部2153bは、図88(a)において網掛けで示すように、前板シール2153の外周縁から一定の幅で全周に亘って設けられている。また、粘着部2153bは、始動口前板2152における第一保持部2152a、第二保持部2152b、貫通孔2152c、取付孔2152d、等の各孔を避けるように設けられている。これにより、前板シール2153を始動口前板2152に貼り付けた時に、始動口前板2152の各孔を通して粘着部2153bが後方へ露出することはない。
始動口ユニット2150は、遊技盤5に組立てた状態で、前端がサイドユニット2200やサイド左上ユニット2300の前端よりも若干前方に突出している。また、始動口ユニット2150(始動口前板2152)の前面は、第一保持部2152aや第二保持部2152bの内部に障害釘Nの頭部を位置させつつ、障害釘Nが前板シール2153に接触しないように障害釘Nの前端よりも前方に位置している。
また、遊技盤5に組立てた状態で、始動口ユニット2150における始動口本体2151の取付孔2151eがザグリ孔となっていると共に、挿通されている取付ビスの頭部が平らであるため、取付ビスの頭部がザグリ孔(フランジ部2151cの前面)から突出して遊技球Bの動きを阻害することはない。また、始動口前板2152の取付孔2152dもザグリ孔であると共に、取付ビスの頭部が平らであるため、取付ビスの頭部がザグリ孔(シール貼付部2152fの前面)から突出して前板シール2153にシワ等が入ることはない。
この始動口ユニット2150は、遊技盤5に組立てた状態で、図88等に示すように、始動口前板2152の第一保持部2152aに特定障害釘N1の頭部が挿入されていると共に、第二保持部2152bに準特定障害釘N2の頭部が挿入されている。これにより、遊技ホールに設置されて遊技に使用されることで多くの遊技球Bが特定障害釘N1や準特定障害釘N2に当接し、その衝撃により特定障害釘N1等が曲がろうとしても、特定障害釘N1等の頭部が第一保持部2152a等の内周面に接触することで、特定障害釘N1等がそれ以上曲がることを防止することができる。従って、本遊技盤5(パチンコ機1)を使用し続けても、第一始動口2003への遊技球Bの入賞確率が変化することはなく、遊技盤5の品質を長期間に亘って維持することができる。つまり、特定障害釘N1等への遊技球Bの当接による経年変化が目立たないパチンコ機1を提供することができる。
また、特定障害釘N1の頭部が挿入される第一保持部2152aの内径を、準特定障害釘N2の頭部が挿入される第二保持部2152bの内径よりも小さくしていることから、第一始動口2003に近付くほど、特定障害釘N1や準特定障害釘N2等の障害釘Nの変形を抑制することができ、遊技盤5ごとにおける第一始動口2003の入賞確率のバラツキをより一層少なくして、一定の品質のパチンコ機1を提供することができる。
また、特定障害釘N1の頭部が挿入される第一保持部2152aを第二保持部2152bよりも小さくしていることから、不正行為として、第一始動口2003への遊技球Bの入賞確率を変化させるために特定障害釘Nを曲げようとしても、特定障害釘N1の頭部との間の隙間が狭い第一保持部2152aにより特定障害釘N1を曲げ難くなっており、不正行為が行われることを回避させることができると共に、第一保持部2152a等を有する始動口前板2152の存在を認識することで不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、特定障害釘N1の頭部や準特定障害釘N2の頭部が挿入されている始動口前板2152の第一保持部2152a及び第二保持部2152bの前方を、始動口前板2152に貼り付けられている前板シール2153によって覆っているため、遊技盤5の製造時や搬送時等の際に、特定障害釘N1等に他の部材が当接することを始動口前板2152や前板シール2153により阻止することができ、特定障害釘N1等の変形を防止して所定の品質の遊技盤5を確実に提供することができる。
また、前板シール2153の粘着部2153bを、始動口前板2152の貫通孔2152c等の孔を避けるように設けているため、図89(a)に示すように、貫通孔2152cを通して遊技球Bが前板シール2153に接触しても、遊技球Bが粘着部2153bに貼り付いてしまうことはなく、球詰まりのような不具合が発生することはない。
また、前面に前板シール2153が貼り付けられる始動口前板2152に、第一保持部2152a等の孔を設けているため、製造時に前板シール2153を貼り損ねた時や廃棄する時に、前板シール2153に対して当該孔を通して後方から押圧することで、前板シール2153を容易に剥がすことができる。
更に、始動口ユニット2150の始動口前板2152に、特定障害釘N1の頭部が挿入される第一保持部2152aと、準特定障害釘N2の頭部が挿入される第二保持部2152bと、が設けられているため、遊技盤5の製造時において、位置決ピン2151dにより始動口ユニット2150を遊技パネル1100に対して仮止めして、第一保持部2152a等の中心に特定障害釘N1等が位置しているか否かを見ることで、障害釘Nの植設状態を検査することができる。
また、始動口ユニット2150の前面に平らな始動口前板2152を設けているため、遊技盤5の製造時において、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されているか否かを確認するための釘検査フィルムを遊技盤5の前面に被せた時に、始動口前板2152によって当該釘検査フィルムを撓み難くすることができ、撓むことによる検査誤差を低減させて遊技盤5の品質を高めることができると共に、検査にかかる手間を容易なものとすることができ、コストの増加を抑制させることができる。
なお、上記の実施形態では、障害釘Nの頭部が後方から挿入される第一保持部2152a及び第二保持部2152bを、始動口前板2152を貫通している丸孔であるものを示したが、これに限定するものではなく、始動口前板2152を貫通せずに始動口前板2152の後面から前方へ凹んでいる溝としても良い。これにより、上記と同様の作用効果を奏する他に、始動口前板2152の前方から障害釘Nに他の部材が接触することを確実に防止することができる。
また、上記の実施形態では、前板シール2153において粘着部2153bを、始動口前板2152の貫通孔2152c等から控えて設けることで、貫通孔2152c等を通して遊技球Bが粘着部2153bに接触しないようにしたものを示したが、これに限定するものではなく、図89(b)に示すように、貫通孔2152cの直径を、貫通孔2152cを通して遊技球Bが前板シール2153に接触しない大きさとしても良い。具体的には、貫通孔2152cの直径をL5、貫通孔2152cの深さ(始動口前板2152の厚さ)をL6、遊技球Bの直径をD、とした場合、
L5<2×(D×L6-L62)-2
とすることが望ましい。これにより、貫通孔2152c等を通して遊技球Bが前板シール2153の裏面に接触することはなく、前板シール2153の後面の全体に粘着部2153bを設けても遊技球Bが粘着部2153bに貼り付くことはない。
[11-6.第三実施形態の始動口ユニット]
次に、遊技盤5における第三実施形態の始動口ユニット2160について、主に図90乃至図94等を参照して詳細に説明する。図90は、遊技パネルよりも後側の部材を省略して示す第三実施形態の始動口ユニットが設けられている遊技盤の正面図である。図91は、図90の遊技盤を斜め前から見た斜視図である。図92(a)は第三実施形態の始動口ユニットを遊技パネルの一部と共に示す前から見た斜視図であり、(b)は(a)の始動口ユニットを後ろから見た斜視図である。図93(a)は第三実施形態の始動口ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は第三実施形態の始動口ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図94(a)は第三実施形態の始動口ユニットを正面から示す説明図であり、(b)は第三実施形態の始動口ユニットを断面で示す説明図である。
第三実施形態の始動口ユニット2160は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近においてアウト口1008の直上でセンター役物2500の下方に配置されている。始動口ユニット2160は、遊技パネル1100に前方から取付けられている。始動口ユニット2160は、遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している第一始動口2003を有している。始動口ユニット2160の第一始動口2003は、センター役物2500におけるステージ2513の中央放出部2513aの直下に設けられている。
始動口ユニット2160が設けられている遊技盤5には、遊技球Bが流通する遊技領域5a内における遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されている。また、遊技盤5の遊技領域5a内には、センター役物2500の左方でワープ通路2512の入口とサイド左上ユニット2300との間の高さの部位に、遊技球Bの当接により回転する風車Wが設けられている。風車Wは、障害釘Nによって回転可能に設けられている。また、遊技盤5の遊技領域5a内には、風車Wの近傍における風車Wの中心よりも下方の部位から斜め右下(始動口ユニット2160)へ向かって複数の障害釘Nが遊技球Bを誘導可能な間隔で列設されている。
この遊技盤5では、列設されている複数の障害釘Nの連釘NR(道釘とも言う)が、三つのグループ(連釘NR)に分けられている。これら連釘NR同士の間には、遊技球Bが通過可能な広さの隙間が設けられており、連釘NRにより誘導された遊技球Bがその隙間を通って下方へ流下することがある。複数の連釘NRは、複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001を有するサイドユニット2200の上方に位置している。そして、三つの連釘NRによる二つの隙間は、サイドユニット2200における右から二つの一般入賞口2001の直上に対してやや左寄り(上流側)の部位に設けられており、その隙間を通って下方へ流下した遊技球Bが一般入賞口2001へ受入れられる可能性がある。
一般入賞口2001に最も近い二つの障害釘Nは、一般入賞口2001の開口幅と同じような間隔をあけて設けられており、一般入賞口2001への受入確率(入賞確率)に関係する重要な特定障害釘N1とされている。
また、遊技領域5a内には、始動口ユニット2160の右方において、始動口ユニット2150へ向かって低くなるように列設されている一つの連釘NRが設けられている。始動口ユニット2160の左右に設けられているこれらの連釘NRにより、始動口ユニット2160(第一始動口2003)へ向かって遊技球Bを誘導させることができる。
この始動口ユニット2160が設けられている遊技盤5では、始動口ユニット2160の第一始動口2003に受入れられた遊技球Bが、遊技パネル1100の開口部1112を通して裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に送られ、裏球誘導ユニット3100に設けられている第一始動口センサ2101に検知された後に下方へ排出される。また、始動口ユニット2160が設けられている遊技盤5では、始動口ユニット2160よりも下方へ流下した遊技球Bが、アウト口1008を通して遊技領域5a内から排出される。
この始動口ユニット2160は、図93等に示すように、遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に前方から取付けられる始動口本体2161と、始動口本体2161の前面に取付けられる平板状の始動口前板2162と、始動口本体2161と始動口前板2162との間に架渡されている複数の釘シャフト2163と、始動口前板2162の前面に貼り付けられる前板シール(図示は省略)と、始動口本体2161に始動口前板2162を取付けている複数の取付ビス2164と、を備えている。始動口ユニット2160は、遊技盤5に組立てた状態で、前端がサイドユニット2200やサイド左上ユニット2300の前端よりも若干前方に突出している。
始動口ユニット2160の始動口本体2161は、遊技パネル1100の前面に当接する平板状の台板2161aと、遊技球Bが通過可能に台板2161aを貫通している開口部2161bと、台板2161aの前面における開口部2161bの周縁から前方へ突出しており上方へ開放されている球受部2161cと、球受部2161cの後端と連続し台板2161aの後面から後方へ筒状に突出している樋部2161dと、球受部2161c及び樋部2161dの底部から上方へ延出しており上端が後方へ向かうに従って低くなるように傾斜している誘導リブ2161eと、台板2161aの後面から円柱状に突出している位置決ピン2161fと、を備えている。
台板2161aは、正面視において左右に長く上辺及び下辺が夫々上方及び下方へ膨らむように円弧状に形成されている。開口部2161bは、台板2161aの中央に設けられている。球受部2161cは、断面がU字状に形成されている。樋部2161dは、断面がU字の上端同士を繋いだような形状に形成されている。この樋部2161dは、遊技盤5が組立てられている状態で、遊技パネル1100(パネル板1110)の開口部1112に挿入されており、後端がパネル板1110の後面と同一面上に位置している。誘導リブ2161eは、前端が球受部2161cの前壁の後面に接しており、前壁の上端付近から水平に対して45度の角度で球受部2161cの底部付近まで後方へ低くなるように傾斜した後に、水平に対して約5度の角度で樋部2161dの後端まで低くなるように傾斜しており、前後方向の途中で折れ曲がっている(図94(b)を参照)。誘導リブ2161eは、球受部2161c及び樋部2161dの左右方向中央に一つ設けられている。位置決ピン2161fは、球受部2161cを間にして左右両側に夫々設けられており、遊技パネル1100の位置決孔1113に挿入される。
また、始動口本体2161は、台板2161aの上辺に沿うように設けられており台板2161aの後面から後方へ円柱状に突出している複数の支持ボス2161gと、複数の支持ボス2161gを夫々前後に貫通しており釘シャフト2163の後端が挿入される後支持孔2161hと、球受部2161cの左右両外側の部位において台板2161aを貫通している二つの取付孔2161iと、台板2161aにおける左右両下隅付近から前方へ円柱状に突出している一対のボス部2161jと、球受部2161cの前面下部と一対のボス部2161jと夫々設けられている前板取付孔2161kと、を備えている。
複数の支持ボス2161g及び後支持孔2161hは、夫々が四つずつ設けられている。二つの支持ボス2161g及び後支持孔2161hは、図94(a)に示すように、球受部2161cの上方で第一始動口2003の開口幅とほぼ同じ間隔で左右に離隔して設けられている。第一始動口2003の上方に設けられている二つ(一対)の後支持孔2161hには、釘シャフト2163としての特定釘シャフト2163aの後端が挿入されて保持される。
残り二つの支持ボス2161g及び後支持孔2161hは、二つ(一対)の支持ボス2161g及び後支持孔2161h(特定釘シャフト2163a)の左右両外側で、且つ、第一始動口2003と支持ボス2161g及び後支持孔2161hとの間の高さに設けられている。これら二つの後支持孔2161hには、釘シャフト2163としての準特定釘シャフト2163bの後端が挿入されて保持される。
一対のボス部2161jは、球受部2161cとの間に遊技球Bが通過可能な間隔をあけて設けられていると共に、四つのうちの左右両外側に設けられている支持ボス2161g及び後支持孔2161hとの間にも遊技球Bが通過可能な間隔をあけて設けられている。この一対のボス部2161jは、前端が球受部2161cの前壁の前面と同一面上である。
一対のボス部2161jは、夫々において上下左右に遊技球Bが通過可能な隙間が形成されるように設けられていると共に、遊技球Bが当接可能に設けられている。ボス部2161jは、貫通している取付孔2162cに取付ビス2164が挿入される(ねじ込まれる)。ボス部2161jは、遊技球Bの流通方向を変化させることができることから、障害釘Nと同様の作用を有する。換言すると、ボス部2161jは、障害釘Nの一種とも言える。
始動口前板2162は、始動口本体2161の台板2161aと略同じ大きさに形成されている。始動口前板2162は、後面から前方へ凹んでおり釘シャフト2163の前端が挿入される複数の前支持孔2162aと、始動口本体2161の取付孔2161iと対応する部位で貫通している一対の貫通孔2162bと、始動口本体2161の前板取付孔2161kと対応する部位で貫通している複数の取付孔2162cと、後面から円筒状に短く後方へ突出しており始動口本体2161のボス部2161jの前端が挿入される一対の筒部2162dと、外周縁から一定の幅を残して前面から凹んでおり前板シールが貼り付けられるシール貼付部2162eと、を備えている。
複数(ここでは四つ)の前支持孔2162aは、始動口本体2161の複数の後支持孔2161hと対応する部位に設けられている。貫通孔2162bは、始動口ユニット2160を遊技パネル1100に取付ける際に、ドライバが挿通されるものである。取付孔2162cは、始動口前板2162を始動口本体2161へ取付けるためのものであり、前方から挿通させた取付ビス2164の先端を始動口本体2161の前板取付孔2161kにねじ込むことで、始動口前板2162を始動口本体2161に取付けることができる。一対の筒部2162dは、夫々に始動口本体2161のボス部2161jの先端が挿入されることで、始動口前板2162を始動口本体2161に対して位置決めすることができる。
釘シャフト2163は、障害釘Nの軸部と同じ直径の円柱状に形成されており、障害釘Nと同じ材質(例えば、真鍮)で形成されている。つまり、釘シャフト2163は、障害釘Nの軸部に相当するものである。釘シャフト2163は、前端が始動口前板2162の前支持孔2162aに挿入され、後端が始動口本体2161の後支持孔2161hに挿入される。始動口ユニット2160を組立てた状態では、釘シャフト2163の前後両端は、前支持孔2162a及び後支持孔2161hとの間に隙間を有していない。釘シャフト2163の後端側は、図94(b)に示すように、始動口本体2161の支持ボス2161gの後端まで深く挿入され、遊技球Bが当接しても曲がり難いものとしている。
複数(ここでは四つ)の釘シャフト2163のうち、第一始動口2003(球受部2161c)の上方に設けられている後支持孔2161h及び前支持孔2162aに両端が挿入される一対の釘シャフト2163は、第一始動口2003への遊技球Bの受入確率(入賞確率)に大きく関わる特定釘シャフト2163aである。残り二つの釘シャフト2163は、準特定釘シャフト2163bである。
一対の特定釘シャフト2163aは、第一始動口2003の直上で第一始動口2003の開口幅と略同じ間隔で左右に離隔している。一対の特定釘シャフト2163aは、その間隔が広がると遊技球Bが第一始動口2003へ受入れられ易くなり、その間隔が狭くなると遊技球Bが第一始動口2003へ受入れられ難くなり、第一始動口2003への遊技球Bの受入確率(入賞確率)に大きく関わるものである。これら一対の特定釘シャフト2163aは、始動口ユニット2160の左右両側に設けられている連釘NRの最も下流の障害釘Nよりもやや上方に設けられている。
準特定釘シャフト2163bは、接近している特定釘シャフト2163aや接近している連釘NR、との間に遊技球Bが通過可能な隙間をあけて設けられている。特定釘シャフト2163aと準特定釘シャフト2163bとの隙間は、一対の特定釘シャフト2163a同士の間隔よりも広い。また、準特定釘シャフト2163bと連釘NRとの隙間は、特定釘シャフト2163aと準特定釘シャフト2163bとの隙間よりも広い。
また、準特定釘シャフト2163bは、接近している連釘NRよりも下方で、その連釘NRの延長線上からやや上方(1mm~2mm)、或いは、連釘NRの延長線から上方へ遊技球Bの直径Dの1/10~1/3の距離の範囲内の部位に設けられている。これにより、連釘NRにより誘導された遊技球Bが準特定釘シャフト2163bに当接すると、当該遊技球Bが上方へ跳ね上がり易く、第一始動口2003に受入れられる可能性がある。
前板シール(図示は省略)は、透光性を有しており、絵柄や模様、文字等が施されている。この前板シールは、外形が始動口前板2162のシール貼付部2162eの内周形状よりもやや小さく形成されている。この前板シールは、裏面に始動口前板2162に貼り付けるための粘着部を有している。前板シールの粘着部は、外周縁から一定の幅で全周に亘って設けられており、貫通孔2162bを避けるように設けられている。これにより、前板シールを始動口前板2162に貼り付けた時に、貫通孔2162bを通して粘着部が後方へ露出することはない。
始動口ユニット2160は、遊技盤5に組立てた状態で、始動口本体2161の取付孔2161iがザグリ孔となっていると共に、挿通されている取付ビスの頭部が平らであるため、取付ビスの頭部がザグリ孔(台板2161aの前面)から突出して遊技球Bの動きを阻害することはない。また、始動口前板2162の取付孔2162cもザグリ孔であると共に、取付ビス2164の頭部が平らであるため、取付ビス2164の頭部がザグリ孔(シール貼付部2162eの前面)から突出して前板シールにシワ等が入ることはない。
この始動口ユニット2160は、第一始動口2003の上方に設けられている一対の特定釘シャフト2163aの前後両端と、一対の特定釘シャフト2163aの左右両外側に設けられている一対の準特定釘シャフト2163bの前後両端と、を始動口前板2162の前支持孔2162a及び始動口本体2161の後支持孔2161hで移動しないように支持(保持)している。これにより、遊技ホールに設置されて遊技に使用されることで多くの遊技球Bが特定釘シャフト2163aや準特定釘シャフト2163bに当接し、その衝撃により特定釘シャフト2163a等が曲がろうとすることを防止することができる。従って、本遊技盤5(パチンコ機1)を使用し続けても、第一始動口2003への遊技球Bの入賞確率が変化することはなく、遊技盤5の品質を長期間に亘って維持することができる。つまり、特定釘シャフト2163a等への遊技球Bの当接による経年変化が目立たないパチンコ機1を提供することができる。
また、上記のように、特定釘シャフト2163a等の釘シャフト2163の変形を抑制することができるため、遊技盤5ごとにおける第一始動口2003の入賞確率のバラツキをより一層少なくして、一定の品質のパチンコ機1を提供することができる。
また、特定釘シャフト2163a等の釘シャフト2163の両端を移動不能に保持していることから、不正行為として、第一始動口2003への遊技球Bの入賞確率を変化させるために釘シャフト2163を曲げようとしても、前端が始動口前板2162の前支持孔2162aに挿入されていることで曲げることは困難であり、不正行為が行われることを回避させることができると共に、釘シャフト2163の両端が保持されていることで不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、特定釘シャフト2163a等の釘シャフト2163の前方に始動口前板2162を設けているため、遊技盤5の製造時や搬送時等の際に、釘シャフト2163に他の部材が当接することを阻止することができ、釘シャフト2163の変形を防止して所定の品質の遊技盤5を確実に提供することができる。
また、前板シールの粘着部を、始動口前板2162の貫通孔2162bを避けるように設けているため、貫通孔2162bを通して遊技球Bが前板シールに接触しても、遊技球Bが粘着部に貼り付いてしまうことはなく、球詰まりのような不具合が発生することはない。
また、前面に前板シールが貼り付けられる始動口前板2162に、貫通孔2162bを設けているため、製造時に前板シールを貼り損ねた時や廃棄する時に、前板シールに対して貫通孔2162bを通して後方から押圧することで、前板シールを容易に剥がすことができる。
更に、始動口ユニット2160の前面に平らな始動口前板2162を設けているため、遊技盤5の製造時において、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されているか否かを確認するための釘検査フィルムを遊技盤5の前面に被せた時に、始動口前板2162によって当該釘検査フィルムを撓み難くすることができ、撓むことによる検査誤差を低減させて遊技盤5の品質を高めることができると共に、検査にかかる手間を容易なものとすることができ、コストの増加を抑制させることができる。
なお、この始動口ユニット2160においても、上記の始動口ユニット2150における始動口前板2152の貫通孔2152cと同様に、始動口前板2162の貫通孔2162bの直径を、貫通孔2162bを通して遊技球Bが前板シールに接触しない大きさとしても良い。これにより、前板シールの後面の全体に粘着部を設けても遊技球Bが粘着部に貼り付くことはない。
また、上記の実施形態では、第一始動口2003を有する始動口ユニット2160に遊技球Bの受入確率に関わる釘シャフト2163(特定釘シャフト2163a)が設けられているものを示したが、これに限定するものではなく、一般入賞口2001を有するサイドユニット2200に遊技球Bの受入確率に関わる釘シャフト2163を設けるようにしても良いし、普通入賞口2002を有する普通入賞口ユニット2600に遊技球Bの受入確率に関わる釘シャフト2163を設けるようにしても良いし、後述するゲート2010を有するゲート部材2630に遊技球Bの受入確率に関わる釘シャフト2163を設けるようにしても良い。つまり、ゲートや入賞口が設けられているユニットに釘シャフト2163を設けるようにしても良い。これにより、第一始動口2003の他に他の入賞口においても釘シャフト2163の存在によって遊技球Bの入賞確率が経年変化することはなく、そのバラツキを少なくして一定の品質のパチンコ機1を提供することができる。
[11-6a.第三実施形態の始動口ユニットと前板]
続いて、第三実施形態の始動口ユニット2160と前板2170について、主に図95乃至図97を参照して詳細に説明する。図95は、第三実施形態の始動口ユニットが設けられていると共に前板が設けられており遊技パネルよりも後側の部材を省略して示す遊技盤の正面図である。図96は、図95の遊技盤を斜め前から見た斜視図である。図97は前板を分離させた状態で示す図95の遊技盤の分解斜視図である。図95乃至図97に示す実施形態の遊技盤5は、図90乃至図94に示す遊技盤5の構成に前板2170を加えたものであり、前板2170を除いた構成は同一であり、同一の符号を付して説明する。
この遊技盤5は、遊技パネル1100(パネル板1110)の前方に透明平板状の前板2170が設けられている。前板2170は、遊技パネル1100との間に遊技球Bが流通可能な間隔をあけて設けられている。この前板2170は、内レール1002の前端と、センター役物2500におけるセンターベース2511の周壁部2511aの前端と、を繋ぐように設けられている。前板2170は、センター役物2500の上部における左右方向中央から左寄りの部位において周壁部2511aが垂直に延出している部位から、反時計回りの方向へ、センター役物2500の周囲を回ってアタッカユニット2400と接する部位まで、遊技領域5aの前方を覆うように円弧状に形成されている。
この前板2170が設けられている遊技盤5は、始動口ユニット2160が設けられている遊技盤5と同様に、遊技球Bが流通する遊技領域5a内における遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されている。また、遊技盤5の遊技領域5a内には、センター役物2500の左方でワープ通路2512の入口とサイド左上ユニット2300との間の高さの部位に、遊技球Bの当接により回転する風車Wが設けられている。風車Wは、障害釘Nによって回転可能に設けられている。また、遊技盤5の遊技領域5a内には、風車Wの近傍における風車Wの中心よりも下方の部位から斜め右下(始動口ユニット2160)へ向かって複数の障害釘Nが遊技球Bを誘導可能な間隔で列設されている。
列設されている複数の障害釘Nの連釘NR(道釘とも言う)は、三つのグループ(連釘NR)に分けられている。これら連釘NR同士の間には、遊技球Bが通過可能な広さの隙間が設けられており、連釘NRにより誘導された遊技球Bがその隙間を通って下方へ流下することがある。複数の連釘NRは、複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001を有するサイドユニット2200の上方に位置している。そして、三つの連釘NRによる二つの隙間は、サイドユニット2200における右から二つの一般入賞口2001の直上に対してやや左寄り(上流側)の部位に設けられており、その隙間を通って下方へ流下した遊技球Bが一般入賞口2001へ受入れられる可能性がある。
一般入賞口2001に最も近い二つの障害釘Nは、一般入賞口2001の開口幅と同じような間隔をあけて設けられており、一般入賞口2001への受入確率(入賞確率)に関係する重要な特定障害釘N1とされている。
また、遊技領域5a内には、始動口ユニット2160の右方において、始動口ユニット2150へ向かって低くなるように列設されている一つの連釘NRが設けられている。始動口ユニット2160の左右に設けられているこれらの連釘NRにより、始動口ユニット2160(第一始動口2003)へ向かって遊技球Bを誘導させることができる。
これら始動口ユニット2160へ向かって列設されている連釘NRは、その延長線上からやや上方(1mm~2mm)、或いは、延長線から上方へ遊技球Bの直径Dの1/10~1/3の距離の範囲内の部位に、始動口ユニット2160の準特定釘シャフト2163bが位置するように設けられている。これにより、連釘NRにより誘導された遊技球Bが準特定釘シャフト2163bに当接すると、当該遊技球Bが上方へ跳ね上がり易く、第一始動口2003に受入れられる可能性がある。
この遊技盤5では、始動口ユニット2160の第一始動口2003に受入れられた遊技球Bが、遊技パネル1100の開口部1112を通して裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に送られ、裏球誘導ユニット3100に設けられている第一始動口センサ2101に検知された後に下方へ排出される。また、始動口ユニット2160が設けられている遊技盤5では、始動口ユニット2160よりも下方へ流下した遊技球Bが、アウト口1008を通して遊技領域5a内から排出される。
本実施形態の前板2170は、前後に貫通しており障害釘Nの頭部が後方から挿入される複数の釘保持部2171と、風車Wの前端が後方から挿入される風車保持部2172と、始動口ユニット2160の始動口前板2162、サイドユニット2200における球受部2202の前端、サイド左上ユニット2300の前端、等が後方から挿入される複数の開口部2173と、を備えている。釘保持部2171、風車保持部2172、及び開口部2173は、前板2170を貫通している孔である。
釘保持部2171は、例えば、障害釘Nの頭部同士の間隔が、障害釘Nの頭部の直径よりも離れて設けられている障害釘Nの部位では、当該障害釘Nの頭部の直径より大きい丸孔状に形成されている。また、釘保持部2171は、例えば、障害釘Nの頭部同士の間隔が、障害釘Nの頭部の直径よりも接近して設けられている障害釘Nの部位では、接近している障害釘Nの頭部も一緒に挿入されるように繋がったスリット状に形成されている。釘保持部2171は、障害釘Nの頭部との間に、0.5mm~2mmの隙間ができるように形成されている。なお、上記では、障害釘Nの頭部の直径を基準として、釘保持部2171の形態を丸孔状やスリット状とするものを示したが、目安であり、障害釘Nの頭部の直径以外のものを基準としても良い。
風車保持部2172は、風車Wの外周との間に、0.5mm~2mmの隙間ができる内径の丸孔に形成されている。風車保持部2172は、一部の連釘NRが挿入される釘保持部2171と繋がっている。
前板2170は、遊技盤5に組立てた状態で、前端が始動口ユニット2160の前端と一致しており、サイドユニット2200やサイド左上ユニット2300の前端よりも若干前方に突出している。また、前板2170は、釘保持部2171の内部に障害釘Nの頭部を位置させつつ、障害釘Nの前端が前板2170の前面よりも前方へ突出しないように取付けられている。
この実施形態では、始動口ユニット2160の始動口前板2162の前支持孔2162aに障害釘Nとしての釘シャフト2163の前端が挿入されていると共に、前板2170の釘保持部2171に障害釘Nの前端(頭部)が挿入されていることから、二つの前板を備えているとも言える。
この前板2170によれば、遊技盤5に組立てることにより、釘保持部2171に障害釘Nの頭部が挿入された状態となると共に、風車保持部2172に風車Wの前端が挿入された状態となるため、遊技ホールに設置されて遊技に使用されることで多くの遊技球Bが障害釘Nや風車Wに当接し、その衝撃により障害釘Nや風車Wが曲がろうとしても、障害釘Nの頭部が釘保持部2171の内面や風車Wの前端が風車保持部2172の内面に接触することで、障害釘Nや風車Wがそれ以上曲がることを防止することができる。従って、本遊技盤5(パチンコ機1)を使用し続けても、障害釘Nや風車Wが出荷時の状態とほとんど変わることはないため、一般入賞口2001、第一始動口2003、ワープ通路2512の入口、等への入球確率が変化することはなく、遊技盤5の品質を長期間に亘って維持することができる。つまり、障害釘Nや風車Wへの遊技球Bの当接による経年変化が目立たないパチンコ機1を提供することができる。
また、前板2170の釘保持部2171に障害釘Nの頭部を挿入させているため、障害釘Nを曲げるような不正行為をしようとしても、釘保持部2171によって障害釘Nが曲げられ難くなっており、不正行為が行われることを回避させることができると共に、前板2170の存在を認識することで不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、前板2170の風車保持部2172に風車Wの前端を挿入させるようにしているため、経年変化等により風車Wが傾くように変形することを抑制することができる。これにより、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、図示するように、風車Wの右下付近からは右方の始動口ユニット2100へ向かって列設されている複数の連釘NRが設けられていることから、例えば、風車Wが右方(第一始動口2003側)へ傾くように変形した場合、風車Wの上方から流下してきた遊技球Bが右方へ変形している風車Wによって、風車Wの左方へ流下し易くなるため、連釘NRにより誘導され難くなり、第一始動口2003への受入確率(入賞確率)が低下してしまう恐れがある。これに対して、本実施形態では、前板2170の風車保持部2172により風車Wが傾くことを抑制することができるため、風車Wを介した第一始動口2003への受入確率が変化することはなく、経年変化が目立たないパチンコ機1を提供することができる。
更に、遊技盤5に植設されている多くの障害釘Nの頭部を前板2170の釘保持部2171に挿入させていると共に、風車Wの前端を前板2170の風車保持部2172に挿入させているため、遊技盤5の製造時や搬送時等の際に、障害釘Nや風車Wに他の部材が当接することを前板2170によって阻止することができ、障害釘Nや風車Wの変形を防止して所定の品質の遊技盤5を確実に提供することができる。
また、前板2170の釘保持部2171や風車保持部2172に障害釘Nの頭部や風車Wの前端を挿入させるようにしていることから、遊技盤5の製造時において、前板2170を取付ける際に、障害釘Nや風車Wが変形していると、前板2170を取付けることが困難となるため、前板2170によって障害釘Nや風車Wが変形していないか否かを検査することができる。
また、多くの障害釘Nが触接されている遊技領域5aの前方に透明で平板状の前板2170を設けていると共に、始動口ユニット2160の前面に平らな始動口前板2162を設けているため、遊技盤5の製造時において、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されているか否かを確認するための釘検査フィルムを遊技盤5の前面に被せた時に、前板2170や始動口前板2162によって当該釘検査フィルムを撓み難くすることができ、撓むことによる検査誤差を低減させて遊技盤5の品質を高めることができると共に、検査にかかる手間を容易なものとすることができ、コストの増加を抑制させることができる。
また、前板2170の釘保持部2171は、充分に小さいため、力を加えられたとしても変形範囲が制限され、ほぼ弾性変形の範囲の変形であるので障害釘Nが変形するほど曲げるのは困難である。
なお、上記の実施形態では、障害釘Nの頭部が後方から挿入される釘保持部2171、及び、風車Wの前端が後方から挿入される風車保持部2172、が前板2170を貫通している孔であるものを示したが、これに限定するものではなく、前板2170を貫通せずに前板2170の後面から前方へ凹んでいる溝としても良い。これにより、上記と同様の作用効果を奏する他に、前板2170の前方から障害釘Nに他の部材が接触することを確実に防止することができる。
また、上記の実施形態では、複数の釘保持部2171として、障害釘Nの頭部と釘保持部2171の内面との隙間が同じであるものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、第一始動口2003や一般入賞口2001、ワープ通路2512の入口、等へ近付くほど、障害釘Nの頭部との間の隙間が狭くなるように、釘保持部2171の大きさを異ならせるようにしても良い。遊技に重要な入賞口等へ近付くほど、障害釘Nを変形し難くすることができる。
更に、前板2170において、一般入賞口2001の入口に設けられている特定障害釘N1が挿入される釘保持部2171の内径を、他の釘保持部2171の内径よりも小さくするようにしても良い。これにより、一般入賞口2001への遊技球Bの受入れに大きく関わる特定障害釘N1の変形を抑制することができ、遊技盤5ごとにおける一般入賞口2001の入賞確率のバラツキをより一層少なくして、一定の品質のパチンコ機1を提供することができる。
また、上記の実施形態において、前板2170の前面に、模様、絵柄、文字、等の装飾が施された装飾シールを貼り付けるようにしても良い。また、前板2170の前面に装飾シールを貼り付ける場合、装飾シールによって釘保持部2171の前端側を閉鎖するようにすると、前方から釘保持部2171を通して障害釘Nに他の部材や不正な工具等が接触することを防止することができる。また、この場合、製造時に装飾シールを貼り損ねた時や廃棄する時に、釘保持部2171を通して後方から装飾シールを押圧することができ、装飾シールを容易に剥がすことができる。
また、上記の実施形態では、前板2170として、一つの板材からなるものを示したが、これに限定するものではなく、複数の板材に分割されているものとしても良い。
更に、上記の実施形態では、第三実施形態の始動口ユニット2160と前板2170とを組合せたものを示したが、これに限定するものではなく、第二実施形態の始動口ユニット2150と前板2170とを組合せても良い。
[11-7.始動口ユニット及びサイドユニットの前方の前板]
次に、遊技盤5の変形例として、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200の前方に設けられている前板2180について、主に図98乃至図100を参照して詳細に説明する。図98は、始動口ユニット及びサイドユニットの前方に前板が設けられており遊技パネルよりも後側の部材を省略して示す遊技盤の正面図である。図99は、図98の遊技盤を斜め前から見た斜視図である。図100は、図99において前板を分離させた状態で要部を拡大して示す遊技盤の分解斜視図である。
この実施形態の遊技盤5は、図98乃至図100に示すように、遊技領域5a内の左右方向中央でセンター役物2500と遊技領域5aの下端のアウト口1008との間に設けられており第一始動口2003を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、遊技領域5aにおけるセンター役物2500下方の領域の前方に設けられており始動口ユニット2100及びサイドユニット2200の前端に取付けられている透明平板状の前板2180と、を備えている。
始動口ユニット2100は、遊技領域5a内における左右方向中央の下端部付近に設けられておりアウト口1008の直上でセンター役物2500の下方に配置されている。始動口ユニット2100は、遊技パネル1100に前方から取付けられている。始動口ユニット2100は、遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している第一始動口2003を有している。始動口ユニット2100の第一始動口2003は、センター役物2500におけるステージ2513の中央放出部2513aの直下に設けられている。
この始動口ユニット2100は、上方及び後方に解放されている樋状で第一始動口2003を形成している球受部2102と、球受部2102の前後方向の途中から平板状に左方方向外方へ延出しており遊技パネル1100の前面に取付けられる台板2103と、球受部2102の前面下部に設けられており前板2180を取付けるための前板取付孔2104と、を備えている。始動口ユニット2100は、遊技盤5に組立てた状態で、球受部2102における台板2103よりも前方の部位が、第一始動口2003として遊技パネル1100の前面よりも前方に突出している。始動口ユニット2100は、第一始動口2003(球受部2102)に受入れられた遊技球Bを、遊技パネル1100の後方に誘導し、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受渡すことができる。
サイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延びており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、遊技球Bを常時受入可能に開口している三つの一般入賞口2001を備えている。サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001は、内レール1002に沿うように円弧状に列設されている。右側の二つの一般入賞口2001は上方へ向けて開口しており、左側の一般入賞口2001は左上へ向けて開口している。
サイドユニット2200は、上方及び後方に解放されている樋状で一般入賞口2001を形成している三つの球受部2202と、夫々の球受部2202の前後方向の途中を繋いでおり遊技パネル1100の前面に取付けられる平板状の台板2203と、を備えている。三つの球受部2202のうち右から二つの球受部2202は、前端の下部が、後方へ向かって斜めに傾斜している。また、サイドユニット2200は、右から二つの球受部2202の前端下部の傾斜している部位に設けられている突部2204と、突部2204の前面に設けられており前板2180を取付けるための前板取付孔2205と、を備えている。
このサイドユニット2200は、遊技盤5に組立てた状態で、球受部2202における台板2203よりも前方の部位が、一般入賞口2001として遊技パネル1100の前面よりも前方に突出している。サイドユニット2200は、一般入賞口2001(球受部2202)に受入れられた遊技球Bを、遊技パネル1100の後方に誘導し、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受渡すことができる。
この遊技盤5には、遊技球Bが流通する遊技領域5a内における遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されている。また、遊技盤5の遊技領域5a内には、センター役物2500の左方でワープ通路2512の入口とサイド左上ユニット2300との間の高さの部位に、遊技球Bの当接により回転する風車Wが設けられている。風車Wは、障害釘Nによって回転可能に設けられている。また、遊技盤5の遊技領域5a内には、風車Wの近傍における風車Wの中心よりも下方の部位から斜め右下(始動口ユニット2100)へ向かって複数の障害釘Nが遊技球Bを誘導可能な間隔で列設されている。
列設されている複数の障害釘Nの連釘NR(道釘とも言う)は、三つのグループ(連釘NR)に分けられている。これら連釘NR同士の間には、遊技球Bが通過可能な広さの隙間が設けられており、連釘NRにより誘導された遊技球Bがその隙間を通って下方へ流下することがある。複数の連釘NRは、複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001を有するサイドユニット2200の上方に位置している。そして、三つの連釘NRによる二つの隙間は、サイドユニット2200における右から二つの一般入賞口2001の直上に対してやや左寄り(上流側)の部位に設けられており、その隙間を通って下方へ流下した遊技球Bが一般入賞口2001へ受入れられる可能性がある。
一般入賞口2001に最も近い二つの障害釘Nは、一般入賞口2001の開口幅と同じような間隔をあけて設けられており、一般入賞口2001への受入確率(入賞確率)に関係する重要な特定障害釘N1とされている。
また、遊技領域5a内には、始動口ユニット2100の右方において、始動口ユニット2100へ向かって低くなるように列設されている一つの連釘NRが設けられている。始動口ユニット2100の左右に設けられているこれらの連釘NRにより、始動口ユニット2100(第一始動口2003)へ向かって遊技球Bを誘導させることができる。
更に、遊技領域5a内には、植設されている複数の障害釘Nとして、第一始動口2003の直上で第一始動口2003の開口幅と略同じ間隔で左右に離隔している一対の特定障害釘N1と、一対の特定障害釘N1の左右両外側で且つ第一始動口2003と特定障害釘N1との間の高さに設けられている一対の準特定障害釘N2と、が設けられている(図100を参照)。
一対の特定障害釘N1は、その間隔が広がると遊技球Bが第一始動口2003へ受入れられ易くなり、その間隔が狭くなると遊技球Bが第一始動口2003へ受入れられ難くなり、第一始動口2003への遊技球Bの受入確率(入賞確率)に大きく関わるものである。これら一対の特定障害釘N1は、始動口ユニット2100の左右両側に設けられている連釘NRの最も下流の障害釘Nよりもやや上方に設けられている。
準特定障害釘N2は、接近している特定障害釘N1や接近している連釘NR、との間に遊技球Bが通過可能な隙間をあけて設けられている。特定障害釘N1と準特定障害釘N2との隙間は、一対の特定障害釘N1同士の間隔よりも広い。また、準特定障害釘N2と連釘NRとの隙間は、特定障害釘N1と準特定障害釘N2との隙間よりも広い。
また、準特定障害釘N2は、接近している連釘NRよりも下方で、その連釘NRの延長線上からやや上方(1mm~2mm)、或いは、連釘NRの延長線から上方へ遊技球Bの直径Dの1/10~1/3の距離の範囲内の部位に設けられている。これにより、連釘NRにより誘導された遊技球Bが準特定障害釘N2に当接すると、当該遊技球Bが上方へ跳ね上がり易く、第一始動口2003に受入れられる可能性がある。
前板2180は、遊技パネル1100との間に遊技球Bが流通可能な間隔をあけて設けられている。前板2180は、遊技領域5aにおける、左右方向が風車Wとアタッカユニット2400との間で、上下方向がセンター役物2500の周壁部2511aと前構成部材1000の内周との間、の領域内を覆うように設けられている。
前板2180は、前後に貫通しており障害釘Nの頭部が後方から挿入される複数の釘保持部2181と、風車Wの前端の第一始動口2003に近い右側を囲むように円弧状に凹んでいる風車保持部2182と、前板2180を始動口ユニット2100及びサイドユニット2200に取付けるための貫通孔からなる複数の取付孔2183と、を備えている。釘保持部2181は、前板2180を貫通している孔である。
釘保持部2181は、例えば、障害釘Nの頭部同士の間隔が、障害釘Nの頭部の直径よりも離れて設けられている障害釘Nの部位では、当該障害釘Nの頭部の直径より大きい丸孔状に形成されている。また、釘保持部2181は、例えば、障害釘Nの頭部同士の間隔が、障害釘Nの頭部の直径よりも接近して設けられている障害釘Nの部位(ここでは、連釘NRの部位)では、接近している障害釘Nの頭部も一緒に挿入されるように繋がったスリット状に形成されている。釘保持部2181は、障害釘Nの頭部との間に、0.5mm~2mmの隙間ができるように形成されている。なお、上記では、障害釘Nの頭部の直径を基準として、釘保持部2181の形態を丸孔状やスリット状とするものを示したが、目安であり、障害釘Nの頭部の直径以外のものを基準としても良い。
風車保持部2182は、風車Wの外周との間に、0.5mm~2mmの隙間ができるように形成されている。
取付孔2183は、始動口ユニット2100の前板取付孔2104及びサイドユニット2200の前板取付孔2205と対応する部位に設けられている。これら取付孔2183を通して取付ビスを始動口ユニット2100の前板取付孔2104及びサイドユニット2200の前板取付孔2205にねじ込むことで、前板2180を取付けることができる。
前板2180は、遊技盤5に組立てた状態で、釘保持部2181の内部に障害釘Nの頭部を位置させつつ、障害釘Nの前端が前板2180の前面よりも前方へ突出しないように取付けられている。
また、遊技盤5に組立てた状態で、前板2180の取付孔2183がザグリ孔となっていると共に、挿通されている取付ビスの頭部が平らであるため、取付ビスの頭部がザグリ孔(前板2180の前面)から突出してパチンコ機1における遊技盤5の前方の部材(例えば、ガラス120)に接触することはない。
この前板2180によれば、遊技盤5に組立てることにより、釘保持部2181に障害釘Nの頭部が挿入された状態となるため、遊技ホールに設置されて遊技に使用されることで多くの遊技球Bが障害釘Nに当接し、その衝撃により障害釘Nが曲がろうとしても、障害釘Nの頭部が釘保持部2181の内面に接触することで、障害釘Nがそれ以上曲がることを防止することができる。従って、本遊技盤5(パチンコ機1)を使用し続けても、障害釘Nが出荷時の状態とほとんど変わることはないため、二つの一般入賞口2001、第一始動口2003、等への入球確率が変化することはなく、遊技盤5の品質を長期間に亘って維持することができる。つまり、障害釘Nへの遊技球Bの当接による経年変化が目立たないパチンコ機1を提供することができる。
また、前板2180の釘保持部2181に障害釘Nの頭部を挿入させているため、障害釘Nを曲げるような不正行為をしようとしても、釘保持部2181によって障害釘Nが曲げられ難くなっており、不正行為が行われることを回避させることができると共に、前板2180の存在を認識することで不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、前板2180の風車保持部2182により風車Wの前端の第一始動口2003に近い右外側の一部を囲むようにしているため、経年変化等により風車Wが右方へ傾くように変形することを抑制することができる。これにより、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、図示するように、風車Wの右下付近からは始動口ユニット2100へ向かって列設されている複数の連釘NRが設けられていることから、例えば、風車Wが右方(第一始動口2003の方向)へ傾くように変形した場合、風車Wの上方から流下してきた遊技球Bが右方へ変形している風車Wによって、風車Wの左方へ流下し易くなるため、連釘NRにより誘導され難くなり、第一始動口2003への受入確率(入賞確率)が低下してしまう恐れがある。これに対して、本実施形態では、前板2180の風車保持部2182により風車Wが右方へ傾くことを抑制することができるため、風車Wを介した第一始動口2003への受入確率が低下することはない。
更に、遊技盤5に植設されている多くの障害釘Nの頭部を前板2180の釘保持部2181に挿入させていると共に、風車Wの前端の右外側を前板2180の風車保持部2182により囲むようにしているため、遊技盤5の製造時や搬送時等の際に、障害釘Nや風車Wに他の部材が当接することを前板2180によって阻止することができ、障害釘Nや風車Wの変形を防止して所定の品質の遊技盤5を確実に提供することができる。
また、前板2180の釘保持部2181に障害釘Nの頭部を挿入させるようにしていると共に、風車保持部2182により風車Wの前端の右外側を囲むようにしていることから、遊技盤5の製造時において、前板2180を取付ける際に、障害釘Nや風車Wが変形していると、前板2180を取付けることが困難となるため、前板2180によって障害釘Nや風車Wが変形していないか否かを検査することができる。
更に、多くの障害釘Nが触接されている遊技領域5aの前方に透明で平板状の前板2180を設けているため、遊技盤5の製造時において、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されているか否かを確認するための釘検査フィルムを遊技盤5の前面に被せた時に、前板2180によって当該釘検査フィルムを撓み難くすることができ、撓むことによる検査誤差を低減させて遊技盤5の品質を高めることができると共に、検査にかかる手間を容易なものとすることができ、コストの増加を抑制させることができる。
また、前板2180を、遊技領域5aにおけるセンター役物2500の下方の領域を覆うような大きさとしているため、例えば、遊技領域5aの左半分を覆うような大きさとする場合と比較して、遊技ホールにおける温度や湿度等による環境の変化により前板2180が伸縮した時に、その伸縮による釘保持部2181等の位置の変化を低減させることができる。これにより、前板2180の伸縮による釘保持部2181の位置が変化することで釘保持部2181により障害釘Nが押圧されて、障害釘Nが変形したり前板2180が変形したりすることを回避させることができる。
また、前板2180の釘保持部2181は、充分に小さいため、力を加えられたとしても変形範囲が制限され、ほぼ弾性変形の範囲の変形であるので障害釘Nが変形するほど曲げるのは困難である。
なお、上記の実施形態では、障害釘Nの頭部が後方から挿入される釘保持部2181が前板2180を貫通している孔であるものを示したが、これに限定するものではなく、前板2180を貫通せずに前板2180の後面から前方へ凹んでいる溝としても良い。これにより、上記と同様の作用効果を奏する他に、前板2180の前方から障害釘Nに他の部材が接触することを確実に防止することができる。
また、上記の実施形態では、前板2180における複数の釘保持部2181として、障害釘Nの頭部と釘保持部2181の内面との隙間が同じであるものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、第一始動口2003や一般入賞口2001等へ近付くほど、障害釘Nの頭部との間の隙間が狭くなるように、釘保持部2181の大きさを異ならせるようにしても良い。遊技に重要な入賞口等へ近付くほど、障害釘Nを変形し難くすることができる。
更に、前板2180において、第一始動口2003や一般入賞口2001の入口に設けられている特定障害釘N1が挿入される釘保持部2181の内径を、他の釘保持部2181の内径よりも小さくするようにしても良い。これにより、第一始動口2003や一般入賞口2001への遊技球Bの受入れに大きく関わる特定障害釘N1の変形を抑制することができ、遊技盤5ごとにおける一般入賞口2001の入賞確率のバラツキをより一層少なくして、一定の品質のパチンコ機1を提供することができる。
また、上記の実施形態において、前板2180の前面に、模様、絵柄、文字、等の装飾が施された装飾シールを貼り付けるようにしても良い。また、前板2180の前面に装飾シールを貼り付ける場合、装飾シールによって釘保持部2181の前端側を閉鎖するようにすると、前方から釘保持部2181を通して障害釘Nに他の部材や不正な工具等が接触することを防止することができる。また、この場合、製造時に装飾シールを貼り損ねた時や廃棄する時に、釘保持部2181を通して後方から装飾シールを押圧することができ、装飾シールを容易に剥がすことができる。
[12.第二実施形態の遊技盤]
次に、第二実施形態の遊技盤5Aについて、図101乃至図111等を参照して詳細に説明する。なお、以下では、第一実施形態の遊技盤5と同じ構成については、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。図101は第二実施形態の遊技盤の正面図であり、図102は第二実施形態の遊技盤の背面図である。図103は第二実施形態の遊技盤における前ユニットのみを示す正面図であり、図104は第二実施形態の遊技盤における後ユニットのみを示す正面図である。
遊技盤5Aは、本体枠4の本体枠ベースユニット400における本体枠ベース401の遊技盤挿入部401aに前方から挿入されると共に、ベース壁部401bの上端面に載置され、本体枠4に対して着脱可能に装着されるものである(図115を参照)。この遊技盤5Aは、本体枠4に装着したままの状態で前方へ取外すことが可能な前ユニット6Aと、前ユニット6Aを後方から支持し本体枠4に着脱可能に装着される後ユニット6Bと、を備えている。前ユニット6Aと後ユニット6Bとは、複数個所(ここでは三カ所)のユニット固定部1020において着脱可能に固定されている。また、後ユニット6Bと本体枠4とは、盤固定部1133において着脱可能に固定されている。
第二実施形態の遊技盤5Aは、詳細は後述するが、第一実施形態の遊技盤5に対して、遊技パネル1100Aと裏ユニット3000との間に、装着ユニット1130を新たに設けたものであり、装着ユニット1130の前面に遊技パネル1100Aが分離可能に当接し、装着ユニット1130の後面に裏ユニット3000及び基板ホルダ1200が取付けられる。従って、第二実施形態の遊技盤5Aの分解斜視図を、第一実施形態の遊技盤5の分解斜視図である図54及び図55のように現した場合、前構成部材1000Aと遊技パネル1100Aとの組立体と、裏ユニット3000との間に、装着ユニット1130が描かれることとなる。
遊技盤5Aの前ユニット6Aは、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000Aと、前構成部材1000Aの後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100Aと、遊技パネル1100Aに取付けられている表ユニット2000と、を備えている。遊技パネル1100Aの前面における遊技領域5a内となる部位には、遊技球Bと当接する複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されている。
遊技盤5Aの後ユニット6Bは、前面に前ユニット6Aを支持可能としていると共に本体枠4に対して着脱可能に装着される装着ユニット1130と、装着ユニット1130の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(図70等を参照)を有している主制御ユニット1300と、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示する機能表示ユニット1400と、を備えている。
また、遊技盤5Aの後ユニット6Bは、装着ユニット1130の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、装着ユニット1130の後側に配置されており主制御基板1310と周辺制御基板1510との接続を中継しているパネル中継基板(図示は省略)と、装着ユニット1130の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。
遊技盤5Aの後ユニット6Bにおける裏ユニット3000は、前ユニット6Aのユニット間コネクタ前1060と接続されるユニット間コネクタ後1150と、装着ユニット1130の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010内の前端の下部に設けられている裏球誘導ユニット3100と、裏箱3010内における裏球誘導ユニット3100の後に設けられている裏下演出ユニット3600と、裏箱3010内の上隅に設けられている裏上演出ユニット3620と、裏箱3010内の左隅に設けられている裏左演出ユニット3640と、裏箱3010内の右隅に設けられている裏右演出ユニット3660と、を備えている。
ユニット間コネクタ後1150は、裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100の前面に取付けられている。また、裏ユニット3000(裏箱3010)の後面に演出表示装置1600が設けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が設けられている。
パチンコ機1の遊技盤5Aは、上記の遊技盤5と同様に、遊技者がハンドル160を操作することで遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。遊技領域5aには、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、持ち球数への所定個数の加算)を付与する一般入賞口2001、ゲート2010、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、第二大入賞口2012、が備えられている。この遊技盤5Aは、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、ゲート2010、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、及び第二大入賞口2012等に、受入れられる又は通過するように、ハンドル160の打込操作と遊技領域5a内での遊技球Bの流通とを楽しませる遊技を行うためのものである。
また、遊技盤5Aは、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、ゲート2010を通過している遊技球Bを検知するゲートセンサ2011と、第一始動口2003に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ2101と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2401と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402と、第二大入賞口2012に受入れられた遊技球Bを検知する第二大入賞口センサ2452と、を備えている。
遊技盤5Aでは、一般入賞口センサ3001と第一始動口センサ2101が、後ユニット6Bに設けられており、ゲートセンサ2011、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、第二大入賞口センサ2452が、前ユニット6Aに設けられている。
ところで、大入賞口2005や第二大入賞口2012は、抽選された特別図柄の抽選結果に応じて所定のパターンで開閉している時に遊技球Bを入球させると、特典として多くの遊技球Bが持ち球数に加算されるため、その持ち球数の加算の契機となる大入賞口センサ2402や第二大入賞口センサ2452を遊技者から見えるようにすることで、遊技者に安心感を付与することができると共に、遊技者をより楽しませることができる。一方、一般入賞口2001、第一始動口2003及び第二始動口2004では、入球した遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ2101及び第二始動口センサ2401を遊技者から見えるようにしても、大入賞口センサ2402や第二大入賞口センサ2452が見えることほどの効果は得られない。つまり、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ2101及び第二始動口センサ2401は、遊技者から見えなくても、遊技者の興趣が低下することはない。このようなことから、本実施形態では、一般入賞口センサ3001及び第一始動口センサ2101を、前ユニット6Aではなく後ユニット6B(裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100)に設けている。
これにより、前ユニット6Aに設けられている電気部品の数を少なくすることができると共に、前ユニット6Aに一般入賞口センサ3001や第一始動口センサ2101が設けられることでそれらからユニット間コネクタ前1060まで延出する配線ケーブルを隠すための構成を設ける必要がなく、前ユニット6Aにかかるコストを低減させることができる。なお、本実施形態では、第二始動口センサ2401を前ユニット6Aに設けているが、第二始動口2004をアタッカユニット2400に設けているため、第二始動口センサ2401をアタッカユニット2400(前ユニット6A)から除いて後ユニット6Bに設けるよりも、アタッカユニット2400に設ける方が第二始動口2004にかかる構成を簡単なものとすることができる。また、遊技球Bを検知するための全てのセンサを、後ユニット6Bに設けるようにしても良い(後述の[12-7.第二実施形態の遊技盤のその他の変形例]を参照)。
また、設けられている位置については省略するが、遊技盤5Aは遊技領域5a内において不正に作用する磁気を検知する複数の磁気センサ1030と、遊技盤5A(パチンコ機1)に作用する振動を検知する振動センサ1040と、を備えている。磁気センサ1030は、前ユニット6Aの表ユニット2000と後ユニット6Bの裏ユニット3000に夫々適宜の数が設けられており、振動センサ1040は後ユニット6Bの裏ユニット3000に設けられている。
また、遊技盤5Aは、枠状のセンター役物2500の枠内、及び透明な遊技パネル1100A(パネル板1110)を通して、裏ユニット3000の裏下演出ユニット3600、裏上演出ユニット3620、裏左演出ユニット3640、裏右演出ユニット3660、及び演出表示装置1600の表示画面が、前方から視認可能に構成されている。
[12-1.遊技盤の前ユニット]
次に、遊技盤5Aの前ユニット6Aについて、図103、図105乃至図109等を参照して詳細に説明する。図105(a)は遊技盤ロック部材により第二実施形態の遊技盤を本体枠にロックしている状態を示す説明図であり、(b)は遊技盤ロック部材によるロックを解除した状態を示す説明図である。図106(a)は第二実施形態の遊技盤のユニット固定部において前ユニットロック部材によりロックして前ユニットが裏ユニットに固定されている状態を模式的に示す説明図であり、(b)は(a)の状態から前ユニットロック部材によるロックを解除した状態を示す説明図であり、(c)は(b)の状態で後ユニットから前ユニットを外した状態を示す説明図である。
図107は、第二実施形態の遊技盤における前ユニットと後ユニットの位置決めを示す説明図である。図108は、第二実施形態の遊技盤におけるアース経路を示す説明図である。図109(a)は第二実施形態の遊技盤における前ユニットの入賞口と後ユニットの球受口との関係を示す説明図であり、(b)は(a)の状態から前ユニットと後ユニットとを分離させた状態を示す説明図である。
本実施形態では、後ユニット6Bと組になる前ユニット6Aとして、障害釘Nの配置と表ユニット2000とが異なる第一前ユニット6A1と第二前ユニット6A2とがあり、以下ではそれらを区別する場合を除いて前ユニット6Aと記載して説明する。
遊技盤5Aの前ユニット6Aは、図103等に示すように、遊技領域5aの外周を区画している枠状の前構成部材1000Aと、前構成部材1000Aの後に取付けられており前方に遊技領域5aが設けられている遊技パネル1100Aと、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外(遊技パネル1100Aの後方)に排出するアウト口1008と、遊技パネル1100Aのパネル板1110の前面に取付けられている表ユニット2000と、を備えている。アウト口1008は、前構成部材1000Aと遊技パネル1100Aとが協働することにより形成されている。表ユニット2000は、前構成部材1000Aの枠内に設けられている。遊技盤5Aでは、前構成部材1000A、遊技パネル1100A、及び表ユニット2000の位置関係が、第一実施形態の遊技盤5と同じである。
また、前ユニット6Aは、後ユニット6Bに固定するための複数のユニット固定部1020と、各ユニット固定部1020に設けられているユニット固定部材1021と、後ユニット6Bの機能表示ユニット1400が挿入される機能表示ユニット挿入部1050と、後ユニット6Bの盤固定部1133が挿入される盤固定部挿入溝1051と、後ユニット6Bの位置決ボス1136が挿入される位置決孔1055と、アース経路を形成するための第一接続金具1056及び第二接続金具1057と、を備えている。
更に、前ユニット6Aは、図105等に示すように、本体枠4の遊技盤ロック部材406が挿入される遊技盤ロック溝1058と、本体枠4の左位置規制部材402aとの接触を回避させるための装着用切欠部1059と、を備えている。遊技盤ロック溝1058は、下端前面における外レール1001よりも左方の部位に設けられている。詳述すると、遊技盤ロック溝1058は、前構成部材1000Aの前面における外レール1001と切欠部1010との間の部位に設けられており、前方から凹んでいると共に、下方へ開放された形態に形成されている。この遊技盤ロック溝1058に遊技盤ロック部材406が挿入されることで、前ユニット6A(遊技盤5A)の前方への移動が規制されると共に、遊技盤5Aの下辺が後方へ押し付けられる。装着用切欠部1059は、左辺から右方へ凹んでおり、本体枠4の側面補強板402に設けられている左位置規制部材402aと対応するように、上下に離間して設けられている。
前ユニット6Aの表ユニット2000は、詳細は後述するが、第一始動口2003を有している始動口ユニット2100と、三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、遊技球Bを誘導可能なサイド左上ユニット2300と、第二始動口2004、大入賞口2005、一つのサブアウト口2021、を有しているアタッカユニット2400と、第二大入賞口2012を有している第二アタッカユニット2450と、枠状のセンター役物2500と、一つの一般入賞口2001及び一つのサブアウト口2021を有しているサイド右中ユニット2610と、ゲート2010を有しているゲート部材2630と、を備えている。
表ユニット2000のアタッカユニット2400には、遊技球Bを検知するための第二始動口センサ2401や大入賞口センサ2402、第二始動口2004を開閉させるためのアタッカソレノイド2414、第二始動口2004や大入賞口2005を発光装飾させるためのLED、のような電気部品が設けられている。第二アタッカユニット2450には、遊技球Bを検知するための第二大入賞口センサ2452、第二大入賞口2012を開閉させるための第二アタッカソレノイド2451、第二大入賞口2012を発光装飾させるためのLED、のような電気部品が設けられている。ゲート部材2630には、電気部品として、遊技球Bを検知するためのゲートセンサ2011が設けられている。
また、表ユニット2000のアタッカユニット2400や第二アタッカユニット2450には、第二始動口2004、大入賞口2005、や第二大入賞口2012を発光装飾させるための複数のLEDが設けられている。
また、表ユニット2000は、詳細は後述するが、後ユニット6Bのユニット間コネクタ後1150と接続されるユニット間コネクタ前1060、を備えている。ユニット間コネクタ前1060は、アタッカユニット2400の後に取付けられている。
前ユニット6Aは、表ユニット2000に設けられているLEDの数が、後ユニット6Bに設けられているLEDの数よりも少ない。更には、前ユニット6AにおけるLEDやセンサ等の電気部品の総数は、後ユニット6Bに設けられている電気部品の総数よりも少ない。これにより、前ユニット6Aにかかるコストの増加が抑制されている。
なお、表ユニット2000に、所定の装飾が施されている装飾体と装飾体を発光装飾させるための複数のLEDとからなる装飾体ユニット、導光板と導光板の絵柄を発光表示させるための複数のLEDとからなる導光板ユニット、演出表示装置1600とは別に演出画像を表示可能なサブ表示装置、役物入賞口に受入れられた遊技球BをV入賞口及びハズレ口の何れかに振分ける振分装置、等を設けるようにしても良い。上記のようなユニットや装置を設ける場合でも、前ユニット6AにおけるLEDやセンサやソレノイド(アクチュエータ)のような電気部品の総数を、後ユニット6Bに設けられている電気部品の総数よりも少なくすることが望ましい。
[12-1a.前ユニットのユニット固定部]
次に、前ユニット6Aのユニット固定部1020について詳細に説明する。ユニット固定部1020は、前ユニット6Aを後ユニット6Bに固定するための部位であり、複数(ここでは三か所)設けられている。ユニット固定部1020は、正面視において、左上隅、右上隅、及び右下隅、の三カ所に設けられている。前ユニット6Aのユニット固定部1020は、前後に貫通し、後ユニット6Bのロック爪1135が挿通される挿通孔1020aと、挿通孔1020aを前方から隠すように左右方向へスライド可能に設けられているユニット固定部材1021と、を備えている(図106を参照)。挿通孔1020aは、前構成部材1000Aと遊技パネル1100Aのパネルホルダ1120Aとを貫通して設けられている。
ユニット固定部1020のユニット固定部材1021は、取外不能な状態で前構成部材1000Aに取付けられている。ユニット固定部材1021は、前方から左右方向へスライド操作可能に前構成部材1000Aに取付けられているロック本体1021aと、ロック本体1021aから後方へ突出している鉤状のロック片1021bと、ロック片1021bの先端において斜めに設けられている案内部1021cと、を有している。
このユニット固定部材1021は、ロック本体1021aを左右方向へスライドさて、ロック片1021bを挿通孔1020aに挿入されているにロック爪1135に係合させることで、前ユニット6Aを後ユニット6Bに対して取外不能な状態に固定することができる。つまり、ユニット固定部材1021を操作(スライド)することで、前ユニット6Aを後ユニット6Bに対して装着したり取外したりすることが可能となる。
また、ユニット固定部1020では、前面におけるユニット固定部材1021と隣接している部位に、ユニット固定部材1021がスライドする方向へ離隔して「〇」印と「×」印とが施されている。一方、ユニット固定部材1021では、ユニット固定部1020における「〇」印及び「×」印の設けられている方向へ向いた矢印が施されている。そして、ユニット固定部材1021の矢印がユニット固定部1020の「〇」印を指している状態がロック位置の状態であり、当該矢印が「×」印を指している状態が解除位置の状態であることを示している。
なお、三つのユニット固定部1020のうち、右上隅と右下隅の二つのユニット固定部1020は、後ユニット6B(遊技盤5A)を本体枠4に固定している遊技盤固定部材1134(盤固定部1133)に隣接して設けられている。また、右下隅のユニット固定部1020に使用されているユニット固定部材1021は、他のユニット固定部材1021とは正面視の形態が異なっており、前面に証紙貼付部1012が設けられている。従って、ユニット固定部材1021を操作して前ユニット6Aを後ユニット6Bから脱着したり、遊技盤固定部材1134を操作して本遊技盤5Aを本体枠4から脱着したりする際に、右下隅のユニット固定部材1021の前面に設けられている証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙が作業者の視界に入り、当該証紙の記載内容を確認させることができ、間違った前ユニット6Aや遊技盤5Aが取付けられてしまうことを防止することができる。
[12-1b.前ユニットの機能表示ユニット挿入部]
続いて、前ユニット6Aの機能表示ユニット挿入部1050について説明する。機能表示ユニット挿入部1050は、前ユニット6Aの正面視において、左上隅に設けられているユニット固定部1020の下方の部位に設けられており、後ユニット6Bの機能表示ユニット1400が前方へ臨むように形成されている。この機能表示ユニット挿入部1050は、左辺から右方へ向かって切り欠かれていると共に、前後に貫通しており、機能表示ユニット1400が挿入されることにより遊技パネル1100Aの面に沿った方向への位置決めを行うことができる。
[12-1c.前ユニットの盤固定部挿入溝]
続いて、前ユニット6Aの盤固定部挿入溝1051について説明する。盤固定部挿入溝1051は、前ユニット6Aの正面視において、右上隅と右下隅に設けられており、後ユニット6Bの盤固定部1133が挿入されるものである。盤固定部挿入溝1051は、前構成部材1000A及び遊技パネル1100Aのパネルホルダ1120Aを切り欠くようにして設けられている。この盤固定部挿入溝1051に隣接して、右上隅と右下隅のユニット固定部1020が設けられている。盤固定部挿入溝1051は、前ユニット6Aを後ユニット6Bに取付ける際に、前ユニット6Aを後ユニット6Bへ案内することができると共に、後ユニット6Bの盤固定部1133が挿入されることで、前ユニット6Aを後ユニット6Bに対して位置決めすることができる。
[12-1d.前ユニットの位置決孔]
次に、前ユニット6Aの位置決孔1055について説明する。位置決孔1055は、前ユニット6Aの後面から前方へ向かって形成されており、複数設けられている(図107等を参照)。位置決孔1055に、後ユニット6Bの位置決ボス1136を挿入することで、前ユニット6Aを後ユニット6Bに対して上下方向及び左右方向が位置決めされる。
[12-1e.前ユニットの第一接続金具及び第二接続金具]
続いて、前ユニット6Aの第一接続金具1056及び第二接続金具1057について説明する。前ユニット6Aは、前端が外レール1001に取付けられており、後端が前ユニット6Aの後面から後方へ突出している第一接続金具1056と、前端が前ユニット6Aの前面から前方へ突出していると共に、後端が前ユニット6Aの後面が後方へ突出している第二接続金具1057と、を有している(図108を参照)。第二接続金具1057は、前ユニット6Aを前後に貫通して設けられている。図示は省略するが、第一接続金具1056及び第二接続金具1057は、前構成部材1000Aに取付けられている。
第一接続金具1056は、前ユニット6Aにおける左下隅で、外レール1001の外側に接するように設けられている。この第一接続金具1056は、パチンコ機1において、球発射ユニット450から発射された遊技球Bが、外レール1001に対して最初に接触する部位付近に前端側が外レール1001に取付けられている。この第一接続金具1056は、後端に設けられているU字状の後接触部1056aと、後接触部1056aを後方へ付勢することが可能なバネ部1056bと、を有している。
第二接続金具1057は、前ユニット6Aにおける左上隅で、ユニット固定部1020の下方且つスペック表示部1013の左方の部位に設けられている。この第二接続金具1057は、後端に設けられているU字状の後接触部1057aと、後接触部1057aを後方へ付勢することが可能な後バネ部1057bと、前端に設けられているU字状の前接触部1057cと、前接触部1057cを前方へ付勢することが可能な前バネ部1057dと、を有している。
第一接続金具1056の後接触部1056aと第二接続金具1057の後接触部1057aは、前ユニット6Aを後ユニット6Bに装着することで、後ユニット6Bの開口部1137を通して装着補強板金1132に接触する。これにより、互いに離れた位置に設けられている第一接続金具1056と第二接続金具1057とが、装着補強板金1132により電気的に接続される。また、第二接続金具1057の前接触部1057cは、遊技盤5Aを本体枠4に取付けた状態で、扉枠3を本体枠4に対して閉じると、扉枠3の板金からなる扉枠補強ユニット(図示は省略)に接触し、外レール1001が、第一接続金具1056、装着補強板金1132、及び第二接続金具1057を介して、扉枠3の扉枠補強ユニットと電気的に接続された状態となる。そして、扉枠補強ユニットは、扉枠上ヒンジ体、外枠2の外枠上ヒンジ体31、を介して遊技ホール側のアースに、電気的に接続されており、外レール1001からの静電気を逃がすためのアース経路が構築される。
[12-1f.前ユニットの前構成部材]
続いて、前ユニット6Aの前構成部材1000Aについて説明する。前ユニット6Aにおける前構成部材1000Aは、上記の遊技盤5における前構成部材1000と同じような構成であり、外レール1001と、内レール1002と、アウト誘導部1003と、右下レール1004と、右レール1005と、衝止部1006と、逆流防止部材1007と、アウト口1008と、防犯凹部1009と、切欠部1010と、を備えている。前構成部材1000Aの外レール1001は、金属板により形成されている。
また、前構成部材1000Aは、正面視において右下隅に設けられている証紙貼付部1012と、左上隅に設けられているスペック表示部1013と、を備えている。スペック表示部1013は、機能表示ユニット挿入部1050の上方で、外レール1001よりも外側の部位に、外レール1001に沿うように設けられている。この前構成部材1000Aは、略全体が透明に形成されており、後方に配置されている遊技パネル1100Aや裏ユニット3000等を前方から視認することができる。
なお、証紙貼付部1012に貼り付けられる証紙は、本パチンコ機1(遊技盤5A)のメーカー、製造番号、遊技盤の種類、等を特定可能な内容が記載されているシールである。詳述すると、「証紙」は、横長の台形の底辺に横長の長方形が接している変五角形の外形を呈している証紙本体を有しており、証紙本体の全面に所定の模様が施されている。この証紙本体の横長の長方形の部位に、パチンコ機等の遊技機の組合証、遊技盤の種類、メーカー名が、記載されている。また、「証紙」は、証紙本体の色によって、遊技盤の種類を識別可能としている。更に、「証紙」は、証紙本体における台形の部位に、製造業者記号、製造番号、及び二次元バーコード、が記載されている製造番号票のシールが貼り付けられている。製造番号票の二次元バーコードには、情報ID(例えば、本遊技盤のID、組となる主制御基板のID、組となる周辺制御基板のID、等)、種別、製造業者記号、製造年、製造番号、等の情報が入れられている。このようなことから、本実施形態の「証紙」は、証紙本体(所謂、証紙)と製造番号票と、を組合せたものである。
スペック表示部1013に貼り付けられるスペックシールは、大当り確率、賞球数、大当りラウンド数、カウント数、等の遊技盤5Aのスペックが記載されているシールである。スペック表示部1013(スペックシール)は、遊技盤5Aをパチンコ機1に取付けた時に、扉枠3の遊技窓101を通して前方から視認可能な部位に設けられている。これら証紙やスペックシールは、予め貼り付けられた状態で遊技ホール側へ出荷される。
証紙貼付部1012に貼り付けられる証紙は、主制御ユニット1300の管理シール貼付部1301に貼り付けられる管理シール、周辺制御ユニット1500の管理シール貼付部1501に貼り付けられる管理シール、に対して組となるような内容が記載されており、互いに関連しているものであるか否かが判別できるようにしている。組となる記載としては、例えば、証紙に記載されている製造番号が、主制御ユニット1300や周辺制御ユニット1500に貼り付けられている管理シールにも記載されている。この際に、組となる記載は、管理シールとは別のシールであっても良い。
[12-1g.前ユニットの遊技パネル]
次に、前ユニット6Aの遊技パネル1100Aについて説明する。前ユニット6Aにおける遊技パネル1100は、上記の遊技盤5における遊技パネル1100と同じような構成であり、透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000Aの後側に取付けられる枠状のパネルホルダ1120Aと、を備えている。遊技パネル1100Aの前面には、所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが植設されていると共に、表ユニット2000が取付けられている。
遊技パネル1100Aのパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダ1120Aよりも薄く、障害釘Nを前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8~10mm)とされている。なお、本実施形態では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
この遊技パネル1100Aにおけるパネル板1110とパネルホルダ1120Aとの取付けは、上記の遊技盤5における遊技パネル1100と同じ構成である。
[12-1h.前ユニット(第一前ユニット)の表ユニット]
続いて、前ユニット6Aの表ユニット2000について説明する。前ユニット6Aとしての第一前ユニット6A1の表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bが通過可能に設けられているゲート2010と、センター役物2500の下方における左右方向の中央に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2003と、遊技球Bがゲート2010を通過することにより抽選される普通図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別図柄や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第二特別図柄の抽選結果に応じて何れかが遊技球Bの受入が可能となる大入賞口2005及び第二大入賞口2012と、を備えている。
また、第一前ユニット6A1の表ユニット2000は、アウト口1008よりも上流に設けられており、遊技球Bを受入可能に常時開口していると共に、受入れた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外に排出する二つのサブアウト口2021と、を備えている。二つのサブアウト口2021は、遊技領域5aの右端付近における上下方向の中央よりも上方の部位と、遊技領域5aの右下隅付近の部位と、に夫々設けられている。
また、第一前ユニット6A1の表ユニット2000は、ゲート2010を通過している遊技球Bを検知するゲートセンサ2011と、ゲートセンサ2011による遊技球Bの検知により抽選された普通図柄の抽選結果に応じて第二始動口2004を開閉させる始動口ソレノイド2412と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2401と、を備えている。
また、第一前ユニット6A1の表ユニット2000は、第一始動口センサ2101(図104を参照)又は第二始動口センサ2401による遊技球Bの検知により抽選された特別図柄の抽選結果に応じて大入賞口2005を開閉させるアタッカソレノイド2414と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402と、第一始動口センサ2101又は第二始動口センサ2401による遊技球Bの検知により抽選された特別図柄の抽選結果に応じて第二大入賞口2012を開閉させる第二アタッカソレノイド2451と、を備えている。
第一前ユニット6A1の表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2003を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に設けられているサイド左上ユニット2300と、を備えている。
また、第一前ユニット6A1の表ユニット2000は、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に設けられており第二始動口2004、大入賞口2005、一つのサブアウト口2021、第二始動口センサ2401、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、大入賞口センサ2402、を有しているアタッカユニット2400を、備えている。
更に、第一前ユニット6A1の表ユニット2000は、アタッカユニット2400の上方に設けられており第二大入賞口2012、第二アタッカソレノイド2451、第二大入賞口センサ2452、を有している第二アタッカユニット2450と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに設けられている枠状のセンター役物2500と、第二アタッカユニット2450の上方に設けられており一つの一般入賞口2001及び一つのサブアウト口2021を有しているサイド右中ユニット2610と、サイド右中ユニット2610の上方に設けられておりゲート2010及びゲートセンサ2011を有しているゲート部材2630と、アタッカユニット2400の後面の右端付近に取付けられているユニット間コネクタ前1060と、を備えている。
[12-1h-1.始動口ユニット]
前ユニット6Aの始動口ユニット2100は、図109に示すように、遊技パネル1100Aの前面よりも前方に突出し上方へ向かって開口している受部2121と、受部2121から後方へ樋状に延出している誘導部2122と、を有している。始動口ユニット2100は、受部2121により第一始動口2003を形成している。誘導部2122は、遊技パネル1100Aにおけるパネル板1110の開口部1112を通って、遊技パネル1100A(前ユニット6A)の後面よりも後方へ突出している。
始動口ユニット2100の誘導部2122は、前ユニット6Aを後ユニット6Bに固定した状態で、裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100の球受口3101に挿入されている。従って、前ユニット6Aを後ユニット6Bに取付ける際に、誘導部2122を球受口3101に挿入することで、後ユニット6Bの所定位置に案内される。
前ユニット6Aにおける後方へ突出している誘導部2122は、筒状又は樋状の球受口3101の内部に挿入されることで、誘導部2122の後端において、球受口3101の底部よりも誘導部2122の底部の方が高い段差が形成されている。
ところで、本実施形態では、第一始動口2003のような入賞口に上方から受入れられた(入賞した)遊技球Bを、一旦後方へ誘導した上で、裏球誘導ユニット3100において下方へ誘導するようにしているため、下方へ誘導するための後壁が比較的に入賞口に接近する場合がある。この場合、入賞口に進入した遊技球Bの勢いによっては、後壁に当接した遊技球Bが前方へ跳ね返ることで、一旦入賞したのに逆流して入賞口の位置まで戻ってしまいその遊技球Bが見えることで遊技者に不信感を与えて遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがある。
また、図109に示すように、上方から入賞口(第一始動口2003)に受入れられた遊技球Bが誘導部2122により後方へ誘導され、球受口3101に受け渡された後に下方へ誘導されるようにしており、遊技球Bの流れがクランク状となっているため、遊技球Bの流通速度が減速し易い。そのため、入賞口に受入れられて先行している遊技球Bに対して後発(後続)の遊技球Bが当接すると、後続の遊技球Bが上流側へ跳ね返り、逆流することで入賞口まで戻ってしまう恐れがある。
これに対して、本実施形態では、誘導部2122を球受口3101に挿入していることにより、誘導部2122の後端に段差が形成されるようにしているため、誘導部2122から球受口3101に受け渡されて球受口3101の後方に設けられている後壁に遊技球Bが当接したり先行している遊技球Bに後発の遊技球Bが当接したりして上流側へ跳ね返っても、跳ね返った遊技球Bが段差に当接することで下流側へ跳ね返させることができ、入賞口へ逆流することを防止して、入賞口まで遊技球Bが戻ってしまうことを阻止することができる。従って、遊技球Bが一旦受入れられた(入賞した)のに逆流して入賞口まで戻ってしまい、入賞口から遊技球Bが見えることで遊技者に不信感を与えてしまうことを、回避させることができるため、遊技者に入賞口への遊技球Bの受入れを確実に楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
[12-1h-2.サイドユニット及びサイド左上ユニット]
前ユニット6Aのサイドユニット2200は、三つの一般入賞口2001を有しており、遊技パネル1100A(パネル板1110)の前面に取付けられている。詳細な図示は省略するが、このサイドユニット2200でも、始動口ユニット2100の誘導部2122と同様に、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを後方へ誘導する誘導部が、前ユニット6Aの後面よりも後方へ突出しており、裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100の球受口3101に挿入される。
前ユニット6Aのサイド左上ユニット2300は、遊技盤5のサイド左上ユニット2300と同じ構成である。従って、説明は省略する。
[12-1h-3.アタッカユニット及び第二アタッカユニット]
第一前ユニット6A1のアタッカユニット2400は、遊技盤5のアタッカユニット2400と同じ構成である。このアタッカユニット2400においても、始動口ユニット2100の誘導部2122と同様に、第二始動口2004や大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを後方へ誘導する誘導部が、前ユニット6Aの後面よりも後方へ突出しており、裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100の球受口3101に挿入される。
また、第一前ユニット6A1のアタッカユニット2400は、図示は省略するが、前面に複数のLEDが実装されているアタッカ装飾基板を備えている。アタッカ装飾基板のLEDを適宜発光させることで、アタッカユニット2400(大入賞口2005や第二始動口2004等)を発光装飾させることができる。
第一前ユニット6A1の第二アタッカユニット2450は、センター役物2500の周壁部2511aにおける右辺よりも右側で、右下案内通路2525と遊技領域5aの上下方向の中央との間に配置されており、遊技パネル1100Aにおけるパネル板1110の前面に取付けられている。第二アタッカユニット2450は、左方へ向けて開閉可能に開口している第二大入賞口2012を備えている。
第一前ユニット6A1の第二アタッカユニット2450は、第二大入賞口2012に受入れられた遊技球Bを検知する第二大入賞口センサ2452と、第一始動口センサ2101又は第二始動口センサ2401による遊技球Bの検知により抽選された特別図柄の抽選結果に応じて第二大入賞口2012を開閉させる第二アタッカソレノイド2451と、を有している。
この第一前ユニット6A1の第二アタッカユニット2450においても、始動口ユニット2100の誘導部2122と同様に、第二大入賞口2012に受入れられた遊技球Bを後方へ誘導する誘導部が、前ユニット6Aの後面よりも後方へ突出しており、裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100の球受口3101に挿入される。
また、第一前ユニット6A1の第二アタッカユニット2450は、図示は省略するが、前面に複数のLEDが実装されている第二アタッカ装飾基板を備えている。第二アタッカ装飾基板のLEDを適宜発光させることで、第二アタッカユニット2450(第二大入賞口2012)を発光装飾させることができる。
なお、アタッカユニット2400を発光装飾させるLED(アタッカ装飾基板)や、第二アタッカユニット2450を発光装飾させるLED(第二アタッカ装飾基板)を、後ユニットに備えるようにしても良い。
[12-1h-4.センター役物]
第一前ユニット6A1のセンター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100Aにおけるパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、透明な枠状に形成されており、後方に設けられた演出表示装置1600や裏ユニット3000に備えられている裏下演出ユニット3600、裏上演出ユニット3620、裏左演出ユニット3640、裏右演出ユニット3660、のような各種演出ユニット等を前方から視認することができる。
第一前ユニット6A1のセンター役物2500は、遊技パネル1100A(パネル板1110)の前面に取付けられる透明枠状のセンターベース2511と、センターベース2511の外側から枠の内側へ遊技球Bを夫々誘導可能なワープ通路2512と、センターベース2511の枠内における下辺部に設けられておりワープ通路2512を流通した遊技球Bを左右方向へ転動させた後に遊技領域5a内へ放出させるステージ2513と、を備えている。
センターベース2511は、前後方向に延びている枠状の周壁部2511aと、周壁部2511aの外周から突出しており遊技パネル1100Aのパネル板1110の前面に当接する平板状のフランジ部2511bと、周壁部2511aの内周から突出している平板状のサポート部2511cと、を有している。
ワープ通路2512は、周壁部2511aにおける正面視左側で遊技パネル1100A(パネル板1110)の前面よりも前側の部位において、遊技領域5a内の遊技球Bが進入可能に開口している。ワープ通路2512は、進入した遊技球Bを、ステージ2513へ誘導することができる。
ステージ2513は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2003の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100Aのパネル板1110に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状(W字状)に形成されている。このステージ2513は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(中央放出部2513a)と、その左右両側の最も低くなっている部位(サイド放出部2513b)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
ステージ2513は、遊技盤5Aに組立てた状態で、その左右方向中央の高くなっている部位(中央放出部2513a)が、始動口ユニット2100の第一始動口2003の直上に位置している。これにより、ステージ2513の中央の中央放出部2513aから遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2003に受入れられる。
また、第一前ユニット6A1のセンター役物2500は、右上隅に設けられており、遊技球Bが流通可能な二つの通路からなる案内通路群2520を、備えている。案内通路群2520は、ゲート2010、サイド右中ユニット2610、第二アタッカユニット2450、アタッカユニット2400、の上方へ遊技球Bを案内するものである。
第一前ユニット6A1のセンター役物2500は、遊技盤5Aに組立てた状態で、案内通路群2520の右端(センター役物2500の右上隅の端部)が、遊技領域5aの内周縁(前構成部材1000Aの衝止部1006付近の右レール1005)に略接しており、センター役物2500の上方の右側に打込まれた遊技球Bが、必ず案内通路群2520を通るように形成されている。
案内通路群2520は、上下方向の長さが、遊技領域5aの全高に対して、約1/7の長さである。この案内通路群2520は、何れも前方へ開放された溝状に形成されており、内部を流通する遊技球Bを、前方から良好な状態で視認することができる。
案内通路群2520は、センター役物2500における周壁部2511aの外側に設けられており、周壁部2511aから離れている第一案内通路2521と、第一案内通路2521の左方で周壁部2511aに沿って延びている第二案内通路2522と、から構成されている。第一案内通路2521の入口と第二案内通路2522の入口は、左右に離隔している。また、第一案内通路2521の出口と第二案内通路2522の出口は、左右に隣接しており、右レール1005上部の円弧に沿うように斜め右下へ向かって開口している。
案内通路群2520は、センター役物2500を遊技盤5Aに組立てた状態で、ゲート2010の上方に位置している。また、第一案内通路2521は、その入口の右端が前構成部材1000Aの衝止部1006の下端の直下に位置しており、衝止部1006に当接した遊技球Bの殆どが第一案内通路2521へ進入するように形成されている。
また、第一前ユニット6A1のセンター役物2500は、周壁部2511aの右下隅から右方へ突出しており、上方からの遊技球Bを右方へ誘導した後に下方へ放出する右下案内通路2525を、備えている。この右下案内通路2525は、入口が左右方向の前幅に亘って上方へ開口しており、出口が遊技球B一つ分の幅で斜め左下へ向かって開口している。
この右下案内通路2525は、遊技盤5Aに組立てた状態で、右端が右レール1005に略接しており、アタッカユニット2400と第二アタッカユニット2450との間に位置している。従って、案内通路群2520と右下案内通路2525との間には、第二アタッカユニット2450、サイド右中ユニット2610、及びゲート部材2630が、配置されている。
[12-1h-5.サイド右中ユニット及びゲート部材]
第一前ユニット6A1のサイド右中ユニット2610は、遊技領域5a内において、第二アタッカユニット2450の直上に配置されており、遊技パネル1100Aにおけるパネル板1110の前面に取付けられている。このサイド右中ユニット2610は、一つの一般入賞口2001と、一つのサブアウト口2021と、を備えている。
第一前ユニット6A1のサイド右中ユニット2610においても、始動口ユニット2100の誘導部2122と同様に、一般入賞口2001やサブアウト口2021に受入れられた遊技球Bを後方へ誘導する誘導部が、前ユニット6Aの後面よりも後方へ突出しており、裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100の球受口3101に挿入される。
第一前ユニット6A1のゲート部材2630は、遊技領域5a内において、センター役物2500の案内通路群2520とサイド右中ユニット2610との間に配置されており、遊技パネル1100Aにおけるパネル板1110の前面に取付けられている。ゲート部材2630は、遊技球Bの通過により第二始動口2004を開閉させる普通図柄の抽選が行われるゲート2010と、ゲート2010を遊技球Bが通過したことを検知するためのゲートセンサ2011と、を有している。ゲートセンサ2011における遊技球Bを検知するための検知孔を、ゲート2010としている。
[12-1i.ユニット間コネクタ前]
続いて、第一前ユニット6A1の表ユニット2000におけるユニット間コネクタ前1060について説明する。ユニット間コネクタ前1060は、前方から遊技パネル1100(パネル板1110)の開口部1112を通して後方へ露出しているアタッカユニット2400の後面の右端付近に取付けられている。
このユニット間コネクタ前1060には、アタッカユニット2400の第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、アタッカ装飾基板(LEDやLEDドライバ)、第二アタッカユニット2450の第二アタッカソレノイド2451、第二大入賞口センサ2452、第二アタッカ装飾基板(LEDやLEDドライバ)、ゲートセンサ2011、等からの配線が電気接続されている。
ユニット間コネクタ前1060は、前ユニット6Aを後ユニット6Bに固定すると、後ユニット6Bのユニット間コネクタ後1150(図104を参照)に、自動的に係合して接続される。なお、本実施形態では、ユニット間コネクタ前1060及びユニット間コネクタ後1150に、ドロワコネクタを使用している。ここで、ドロワコネクタとは、家具の引き出しのように係合するコネクタであり、互いを案内する案内機能を有し、多少傾いていたり軸芯がズレていたりしても案内機能により係合して良好に接続できるコネクタである。なお、ドロワコネクタ以外に、ユニット間コネクタ前1060及びユニット間コネクタ後1150に使用可能なコネクタとしては、基板同士を連結して接続するのに使用される基板間コネクタ(基板対基板コネクタ)、配線ケーブルの先端に設けられているコネクタと係合し基板に実装されている一般的なコネクタ(基板対ケーブルコネクタ)、等が挙げられる。
これにより、前ユニット6Aに電気部品が設けられていても、後ユニット6Bの電気的な接続を簡単に行うことができ、前ユニット6Aの着脱にかかる手間を少なくすることができる。また、ユニット間コネクタ前1060とユニット間コネクタ後1150とにより、前ユニット6Aと後ユニット6Bとを電気的に接続しているため、前ユニット6Aの着脱の際に、電気配線に作業者や他の部材が触れることはなく、断線の恐れがない。また、ユニット間コネクタ前1060とユニット間コネクタ後1150とをドロワコネクタとしているため、確実に電気的に接続することができる。
更に、ユニット間コネクタ前1060を、アタッカユニット2400の後面の右端付近、つまり、前ユニット6Aの右端付近に設けているため、前ユニット6Aを後ユニット6Bに着脱する際に、ユニット間コネクタ前1060をユニット間コネクタ後に対して良好な状態で抜き差しすることができる。詳述すると、例えば、本体枠4に装着されている遊技盤5Aから前ユニット6Aのみを取外す場合、本実施形態では、ユニット固定部材1021によるロックを解除した状態で、前方へ移動させることで、後ユニット6B(本体枠4)から取外すことが可能である。
しかしながら、作業者や作業状況によっては、前ユニット6Aの左辺を軸芯にして、右辺が前方へ移動するように前ユニット6Aを回動させた後に前方へ移動させて取外した方が、作業がし易い場合がある。詳述すると、例えば、本実施形態では、遊技盤5Aを装着する本体枠4が、遊技ホールの島設備に取付けられている外枠2によって、左辺側をヒンジ回転の軸芯として開閉可能に設けられていると共に、本体枠4を前方から覆うように同じく扉枠3がその左辺側をヒンジ回転の軸芯として開閉可能に設けられている。従って、島設備において、扉枠3を開いて本体枠4に装着されている遊技盤5Aから前ユニット6Aを取外す場合、遊技盤5Aの左辺側(扉枠3や本体枠4の軸芯側)は扉枠3の存在により前方の作業スペースが狭くなる。このようなことから、扉枠3や本体枠4の軸芯に近い前ユニット6Aの左辺を軸芯にして、右辺が前方へ移動するように前ユニット6Aを回動させた後に前方へ移動させて取外した方が、作業がし易い。このような場合、ユニット間コネクタ前1060が前後方向に対して斜め方向へ抜かれることとなり、ユニット間コネクタ前1060やユニット間コネクタ後1150に無理な力が作用して破損してしまう恐れがある。
これに対して、本実施形態では、ユニット間コネクタ前1060を、前ユニット6Aの右端付近、つまり、取外作業の際の軸芯となる左辺から遠い位置に設けているため、ユニット間コネクタ前1060が大きな半径の円弧に沿って移動することとなる。これにより、ユニット間コネクタ前1060とユニット間コネクタ後1150とが接合する部位において、ユニット間コネクタ前1060の移動軌跡である当該円弧の接線方向が、前後方向(接合方向)に近くなるため、ユニット間コネクタ前1060の移動方向の傾きが前後方向に対して僅かとなり、ユニット間コネクタ前1060やユニット間コネクタ後1150に無理な力が作用することはなく、破損することもない。これは、前ユニット6Aを後ユニット6Bに装着する時も同じであり、ユニット間コネクタ前1060を、前後方向に近い方向からユニット間コネクタ後1150に係合させることができるため、ユニット間コネクタ後1150に確実に係合させて電気的に接続させることができる。
また、ユニット間コネクタ前1060を、アタッカユニット2400の後面の右端付近、つまり、前ユニット6Aの右下隅付近に設けており、この右下隅付近にはユニット固定部1020が設けられている。これにより、前ユニット6Aを後ユニット6Bに取付ける際に、ユニット固定部1020のユニット固定部材1021を解除位置からロック位置へ移動させると、ユニット固定部材1021により前ユニット6Aが後方の後ユニット6Bに押し付けられるため、その力がユニット固定部1020に近いユニット間コネクタ前1060にも強く作用することとなり、ユニット間コネクタ前1060をユニット間コネクタ後1150に対して十分に係合させることができ、確実に接続させることができる。
本実施形態の第一前ユニット6A1は、上述したように、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、アタッカ装飾基板(アタッカ装飾基板のLEDやLEDドライバ)、第二アタッカソレノイド2451、第二大入賞口センサ2452、第二アタッカ装飾基板(第二アタッカ装飾基板のLEDやLEDドライバ)、ゲートセンサ2011、のような複数の電気部品を備えている。これら電気部品は、前ユニット6Aにおける左右方向中央よりも右側の領域に設けられている。更に詳述すると、前ユニット6Aでは、電気部品が、右辺に近い右隅の領域、換言すると、開閉可能に設けられている本体枠4の軸芯から遠い領域、に設けられている。
また、第一前ユニット6A1では、第二始動口センサ2401や大入賞口センサ2402のような各電気部品が、互いの近傍に設けられている。これら電気部品が設けられている領域は、遊技領域5aの全体に対して、1/2の領域、更には、1/3の領域とすることが望ましい。また、ユニット間コネクタ前1060は、電気部品が設けられる領域の中央、或いは、中央付近、に設けることが望ましい。このようなことから、第一前ユニット6A1に設けられている電気部品は、ユニット間コネクタ前1060の近傍に設けられている。
なお、電気部品は、前ユニット6Aの右下隅の領域に設けることが望ましい。或いは、電気部品を、前ユニット6Aにおける上下方向中央よりも下側の領域に設けるようにしても良い。これにより、電気部品が特定の領域内に纏まった状態となるため、ユニット間コネクタ前1060に対して電気部品からの電気配線を集約し易くすることができると共に、第一前ユニット6A1の右下隅に設けられているアタッカユニット2400や第二アタッカユニット2450により、ユニット間コネクタ前1060へ接続される電気配線を、透明な遊技パネル1100A(パネル板1110)を通して前方から見え難い構造にし易くすることができる。
また、第二始動口センサ2401や始動口ソレノイド2412等の電気部品からユニット間コネクタ前1060までの配線の経路は、装飾シールや装飾シート等の絵柄や模様等の後方の部位、金属光沢を有するメッキ部や不透光性部材等の後方の部位、前後に延びている壁状の部位(例えば、センター役物2500の周壁部2511a)の後方、拡散レンズやシボ加工のような無数の凹凸が形成されている部位の後方、後に設けられているLEDのような発光手段の前方から離れている部位、等を通る経路とすることが望ましい。これにより、電気部品とユニット間コネクタ前1060とを接続している配線を前方から見え難くすることができる。
[12-2.遊技盤の第二前ユニット]
次に、遊技盤5Aにおける前ユニット6Aとして、上記の第一前ユニット6A1とは別の第二前ユニット6A2について、図110及び図111を参照して詳細に説明する。図110(a)は第二実施形態の遊技盤における図103に示す前ユニットとしての第一前ユニットを示す正面図であり、(b)は第二実施形態の遊技盤における第一前ユニットとは異なる形態の第二前ユニットを示す正面図である。図111は、図110(b)に示す第二前ユニットを後ユニットに取付けた第二実施形態の遊技盤を本体枠に取付けた状態で示す正面図である。
この第二前ユニット6A2は、遊技パネル1100Aに植設されている障害釘Nの配置、表ユニット2000、証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙、スペック表示部1013に貼り付けられているスペックシール、が異なるのみで、その他は第一前ユニット6A1と同じ構成である。以下では、第一前ユニット6A1と同じ構成については、同じ符号を付して、説明を省略する。
第二前ユニット6A2の表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bが通過可能に設けられているゲート2010と、センター役物2500の下方における左右方向の中央に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2003と、遊技球Bがゲート2010を通過することにより抽選される普通図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別図柄や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第二特別図柄の抽選結果に応じて何れかが遊技球Bの受入が可能となる大入賞口2005と、を備えている。
また、第二前ユニット6A2の表ユニット2000は、遊技領域5a内における最も下流に設けられており、遊技球Bを受入可能に常時開口していると共に、受入れた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外に排出するアウト口1008を、備えている。
また、第二前ユニット6A2の表ユニット2000は、ゲート2010を通過している遊技球Bを検知するゲートセンサ2011と、ゲートセンサ2011による遊技球Bの検知により抽選された普通図柄の抽選結果に応じて第二始動口2004を開閉させる始動口ソレノイド2412と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2401と、を備えている。
また、第二前ユニット6A2の表ユニット2000は、第一始動口センサ2101(図104を参照)又は第二始動口センサ2401による遊技球Bの検知により抽選された特別図柄の抽選結果に応じて大入賞口2005を開閉させるアタッカソレノイド2414と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402と、を備えている。
第二前ユニット6A2の表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2003を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に設けられているサイド左上ユニット2300と、を備えている。
また、第二前ユニット6A2の表ユニット2000は、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に設けられており、一つの一般入賞口2001、第二始動口2004、大入賞口2005、第二始動口センサ2401、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、大入賞口センサ2402、を有しているアタッカユニット2400を、備えている。
更に、第二前ユニット6A2の表ユニット2000は、アタッカユニット2400の上方に設けられており、ゲート2010及びゲートセンサ2011を有しているゲート部材2630を、備えている。
第二前ユニット6A2の表ユニット2000では、始動口ユニット2100、サイドユニット2200、サイド左上ユニット2300、が第一前ユニット6A1と同じである。
第二前ユニット6A2のアタッカユニット2400は、第二始動口2004が遊技領域5aの右下隅に位置するように設けられており、大入賞口2005が第二始動口2004と第一始動口2003との間に位置するように設けられている。また、アタッカユニット2400は、一つの一般入賞口2001が第二始動口2004の上方に位置するように設けられている。この一般入賞口2001の直上にゲート2010が設けられている。
また、第二前ユニット6A2のアタッカユニット2400は、図示は省略するが、前面に複数のLEDが実装されているアタッカ装飾基板を備えている。アタッカ装飾基板のLEDを適宜発光させることで、アタッカユニット2400(第二始動口2004、大入賞口2005)を発光装飾させることができる。
また、第二前ユニット6A2のアタッカユニット2400は、後面に後ユニット6Bのユニット間コネクタ後1150と接続されるユニット間コネクタ前1060が設けられている。このユニット間コネクタ前1060には、アタッカユニット2400の第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、アタッカ装飾基板、ゲートセンサ2011、等からの配線が電気接続されている。
第二前ユニット6A2のアタッカユニット2400においても、始動口ユニット2100の誘導部2122と同様に、一般入賞口2001、第二始動口2004、大入賞口2005、に受入れられた遊技球Bを後方へ誘導する誘導部が、第二前ユニット6A2の後面よりも後方へ突出しており、裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100の球受口3101に挿入される。
第二前ユニット6A2のセンター役物2500は、遊技パネル1100A(パネル板1110)の前面に取付けられる透明枠状のセンターベース2511と、センターベース2511の外側から枠の内側へ遊技球Bを夫々誘導可能なワープ通路2512と、センターベース2511の枠内における下辺部に設けられておりワープ通路2512を流通した遊技球Bを左右方向へ転動させた後に遊技領域5a内へ放出させるステージ2513と、を備えている。
センターベース2511は、前後方向に延びている枠状の周壁部2511aと、周壁部2511aの外周から突出しており遊技パネル1100Aのパネル板1110の前面に当接する平板状のフランジ部2511bと、周壁部2511aの内周から突出している平板状のサポート部2511cと、を有している。
ワープ通路2512は、周壁部2511aにおける正面視左側で遊技パネル1100A(パネル板1110)の前面よりも前側の部位において、遊技領域5a内の遊技球Bが進入可能に開口している。ワープ通路2512は、進入した遊技球Bを、ステージ2513へ誘導することができる。
ステージ2513は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2003の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100Aのパネル板1110に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状(W字状)に形成されている。このステージ2513は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(中央放出部2513a)と、その左右両側の最も低くなっている部位(サイド放出部2513b)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
ステージ2513は、遊技盤5Aに組立てた状態で、その左右方向中央の高くなっている部位(中央放出部2513a)が、始動口ユニット2100の第一始動口2003の直上に位置している。これにより、ステージ2513の中央の中央放出部2513aから遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2003に受入れられる。
また、第二前ユニット6A2のセンター役物2500は、右辺側における上下方向の中央よりも上方の部位に、遊技球Bが一列で流通可能な幅の案内通路2526を、備えている。センター役物2500の上方の右側に打込まれた遊技球Bが、必ず案内通路2526を通るように形成されている。この案内通路2526の下流に、ゲート部材2630(ゲート2010)が設けられている。
第二前ユニット6A2のゲート部材2630は、遊技領域5a内において、上下方向の中央よりも下方で、センター役物2500の案内通路2526と、アタッカユニット2400との間に配置されており、遊技パネル1100Aにおけるパネル板1110の前面に取付けられている。ゲート部材2630は、遊技球Bの通過により第二始動口2004を開閉させる普通図柄の抽選が行われるゲート2010と、ゲート2010を遊技球Bが通過したことを検知するためのゲートセンサ2011と、を有している。ゲートセンサ2011における遊技球Bを検知するための検知孔を、ゲート2010としている。
本実施形態の第二前ユニット6A2は、上述したように、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、アタッカ装飾基板(LEDやLEDドライバ)、ゲートセンサ2011、のような複数の電気部品を備えている。これら電気部品は、前ユニット6Aにおける左右方向中央よりも右方で、且つ、上下方向中央よりも下方、の領域、つまり、右下隅の領域に設けられている。更に詳述すると、前ユニット6Aでは、電気部品が、右辺に近い右隅の領域、換言すると、開閉可能に設けられている本体枠4の軸芯から遠い領域、に設けられている。
この第二前ユニット6A2では、第二始動口センサ2401や大入賞口センサ2402のような各電気部品が、互いの近傍に設けられている。これら電気部品が設けられている領域は、遊技領域5aの全体に対して、1/3の領域に設けられている。また、ユニット間コネクタ前1060は、電気部品が設けられる領域の中央、或いは、中央付近、に設けられている。このようなことから、第二前ユニット6A2に設けられる電気部品は、ユニット間コネクタ前1060の近傍に設けられている。
従って、第二前ユニット6A2の構成によれば、電気部品が特定の領域内に纏まった状態としているため、ユニット間コネクタ前1060に対して電気配線を集約し易くすることができると共に、第二前ユニット6A2の右下隅に設けられているアタッカユニット2400により、ユニット間コネクタ前1060へ接続される電気配線を、透明な遊技パネル1100A(パネル板1110)を通して前方から見え難い構造にし易くすることができる。
また、本実施形態の第二前ユニット6A2は、第一前ユニット6A1と比較して、第二大入賞口2012を有していないため、遊技者に対してよりシンプルな遊技を楽しませることができる。
[12-3.遊技盤の後ユニット]
次に、遊技盤5Aの後ユニット6Bについて、図104、図108、及び図112等を参照して詳細に説明する。図112(a)は後ユニットロック部材により第二実施形態の遊技盤を本体枠にロックしている状態を示す説明図であり、(b)は後ユニットロック部材によるロックを解除した状態を示す説明図である。遊技盤5Aの後ユニット6Bは、前面に前ユニット6Aを支持可能としていると共に本体枠4に対して着脱可能に装着される装着ユニット1130と、装着ユニット1130の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられている主制御ユニット1300と、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示する機能表示ユニット1400と、を備えている。
後ユニット6Bの主制御ユニット1300は、管理シールが貼り付けられる管理シール貼付部1301を有している(図102を参照)。本実施形態では、管理シール貼付部1301が、主制御基板ボックス1320における基板カバー1340に設けられている。管理シール貼付部1301に貼り付けられる管理シール(図示は省略)は、前ユニット6Aの証紙貼付部1012に貼り付けられる証紙、周辺制御ユニット1500の管理シール貼付部1501に貼り付けられる管理シール、に対して組となるような内容が記載されており、互いに関連しているものであるか否かが判別できるようにしている。
詳述すると、主制御ユニット1300の管理シール貼付部1301に貼り付けられる管理シールには、製造業者記号、製造番号、及び二次元バーコード、が記載されている。そして、管理シールの二次元バーコードには、情報ID(例えば、組となる遊技盤のID、本主制御基板のID、組となる周辺制御基板のID、等)、種別、製造業者記号、製造年、製造番号、等の情報が入れられている。管理シールに記載されている製造業者記号は、証紙に記載されている製造業者記号と同じである。また、管理シールに記載されている製造番号は、証紙に記載されている製造番号と、同じ、若しくは、証紙の製造番号と関連付けられているもの、である。なお、主制御ユニット1300に貼り付けられている管理シールは、周辺制御ユニット1500に貼り付けられる管理シールと同じ構成である。これにより、前ユニット6Aに貼り付けられている証紙の記載内容と照合することで、互いに関連している(組となっている)ものであるか否かが判別できる。
主制御ユニット1300は、左右方向の一方の端部に基板ホルダ1200に弾性係止される係止片1321と、左右方向の反対側の端部に基板ホルダ1200に挿入される突片(図示は省略)と、を備えている。主制御ユニット1300は、係止片1321による係止を解除することにより基板ホルダ1200から取外すことができる。
第二実施形態の遊技盤5Aの主制御ユニット1300は、第一実施形態の遊技盤5の第一仕様主制御ユニット1300Aと同じ構成である。なお、第二仕様主制御ユニット1300Bと同じ構成にしても良い。
後ユニット6Bの基板ホルダ1200は、上記の遊技盤5の基板ホルダ1200と同じ構成である。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に対して着脱可能に取付けられている。機能表示ユニット1400は、上記の遊技盤5の機能表示ユニット1400と同様の機能を有しており、装着ユニット1130における装着ベース1131の前面から突出するように設けられている。
機能表示ユニット1400の前面は、後ユニット6Bに前ユニット6Aを取付けた状態で、前ユニット6Aの前構成部材1000Aの前面と一致するように形成されている。これにより、後ユニット6Bに対して前ユニット6Aを取付けた時に、機能表示ユニット1400の前面と前構成部材1000Aの前面とが一致している場合は、正しく取付けられていることが判り、機能表示ユニット1400の前面と前構成部材1000Aの前面との間で段差がある場合は、正しく取付けられていない(取付不良である)ことが判る。
また、遊技盤5Aの後ユニット6Bは、装着ユニット1130の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、装着ユニット1130の後側に配置されており主制御基板1310と周辺制御基板1510との接続を中継しているパネル中継基板(図示は省略)と、装着ユニット1130の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を備えている。
後ユニット6Bの裏ユニット3000は、装着ユニット1130の後面に裏箱3010を介して取付けられている。裏ユニット3000における裏箱3010の後面に演出表示装置1600が着脱可能に設けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が着脱可能に設けられている。
[12-3a.装着ユニット]
装着ユニット1130は、後ユニット6Bを本体枠4に固定するためのものであり、前面に機能表示ユニット1400が取付けられていると共に、後面に基板ホルダ1200と、裏箱3010を介して裏ユニット3000が取付けられている。装着ユニット1130は、外形が扉枠3における遊技盤挿入部401a内へ挿入可能な大きさで、平板な枠状に形成されており、枠内を通して後に取付けられている裏ユニット3000の装飾や演出ユニット、演出表示装置1600の表示画面、等が前方から視認可能となっている。機能表示ユニット1400は、装着ユニット1130の前面における左上隅付近に、前方へ突出している状態で取付けられている。
装着ユニット1130は、図104及び図108等に示すように、外形が略四角形で枠状に形成されている装着ベース1131と、装着ベース1131の後側に取付けられている装着補強板金1132と、を備えている。また、装着ユニット1130は、装着ベース1131の右上隅及び右下隅に設けられており本体枠4に固定するための盤固定部1133と、盤固定部1133に設けられている遊技盤固定部材1134と、を備えている。
また、装着ユニット1130は、前ユニット6Aにおけるユニット固定部1020と対応する部位に設けられており装着ベース1131の前面から前方へ突出している複数のロック爪1135と、装着ベース1131の前面から円柱状に前方へ突出している位置決ボス1136と、を備えている。また、装着ユニット1130は、装着ベース1131を貫通しており装着補強板金1132を前方へ露出される開口部1137と、装着ベース1131の左辺において上下に離間して設けられている二つの位置決当接部1138と、を備えている。
更に、装着ユニット1130は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1139を備えている。この切欠部1139は、前構成部材1000Aの切欠部1010及び遊技パネル1100Aの切欠部1122と、一致しておいる。この切欠部1139は、遊技球を遊技者に払出すタイプのパチンコ機の本体枠に取付けた時に、切欠部1010、切欠部1122、切欠部1139、を貫通して下部満タン球経路ユニットの下部通常払出通路及び下部満タン払出通路の前端開口が前方へ臨ませて扉枠の上皿や下皿へ遊技球を供給するためのものである。
また、装着ユニット1130は、図示は省略するが、後面における下辺の左右方向中央付近において凹んでおり、上下方向に開放されているアウト凹部1123を備えている。このアウト凹部1123は、前ユニット6Aのアウト口1008と対応する位置に設けられている。
装着ユニット1130の装着補強板金1132は、枠状に形成されており、装着ユニット1130に対して全周に亘って設けられている。装着補強板金1132は、下端から前方へ屈曲している座板部1132aを有している(図108を参照)。この装着補強板金1132により、装着ユニット1130が歪むことはない。また、座板部1132aにより装着補強板金1132の強度・剛性を高めていると共に、本体枠4に取付けた時に、座板部1132aが本体枠ベース401のベース壁部401bの上端面に当接することで、装着ユニット1130の後に取付けられている演出表示装置1600や裏ユニット3000からの荷重を十分に支持することができる。
装着補強板金1132は、後ユニット6Bに前ユニット6Aを装着した時に、開口部1137を通して第一接続金具1056の後接触部1056aと第二接続金具1057の後接触部1057aとが前面に接触する。これにより、装着補強板金1132は、外レール1001等からの静電気を逃がすためのアース経路の一部となる。
この装着補強板金1132は、前ユニット6Aの表ユニット2000や裏ユニット3000に設けられている装飾基板や中継基板から、所定距離(例えば、10mm~20mm以上)の位置に設けられている。これにより、装着補強板金1132を、アース経路の一部に使用しても、装着補強板金1132と、装飾基板や中継基板等との間で、放電やショートが発生することはない。
装着ユニット1130の盤固定部1133は、装着ベース1131の正面視における右上隅と右下隅の二箇所において、装着ベース1131の前面から前方へ突出して設けられている。これら盤固定部1133は、その外形が、前ユニット6Aにおける対応している盤固定部挿入溝1051に後方から挿入可能に形成されている。これにより、後ユニット6Bの前面に前ユニット6Aを取付ける際に、上下二つの盤固定部1133を盤固定部挿入溝1051に挿入させると、後ユニット6Bに対する前ユニット6Aの上下方向及び右方向への移動を規制することができると共に、前ユニット6Aを後方へ案内することができる。
盤固定部1133は、前ユニット6Aを取付けた状態で、その前面が前構成部材1000Aの前面と一致する。盤固定部1133の前面には、後方へ凹んでいると共に、右方へ開放されており、遊技盤固定部材1134が取付けられる取付凹部1133aが設けられている(図112を参照)。
装着ユニット1130の遊技盤固定部材1134は、後ユニット6Bを本体枠4の遊技盤挿入部401aに挿入した状態で、操作することにより後ユニット6Bを取外不能にするためのものである。遊技盤固定部材1134は、盤固定部1133の取付凹部1133a内に取付けられており、右端となる先端側が、上下方向の軸芯周りに対して回動可能、且つ、左右方向へスライド可能に取付けられている。
遊技盤固定部材1134は、先端側に設けられている楔部1134aと、基端側に設けられている操作部1134bと、を有している。遊技盤固定部材1134は、ロック位置の状態(図112(a)を参照)では楔部1134aが装着ユニット1130の右辺よりも右方へ突出し、解除位置の状態(図112(b)を参照)では楔部1134aが装着ユニット1130内に没入する。この遊技盤固定部材1134は、ロック位置へスライドさせて楔部1134aを、本体枠4における遊技盤ロック溝401oに挿入させることで、後ユニット6Bの前方への移動を阻止することができ、後ユニット6Bを本体枠4に固定することができる。
この遊技盤固定部材1134は、操作部1134bを操作して前方へ引っ張って、盤固定部1133の前方よりも前方へ操作部1134bが位置するように、先端側を中心として回動させると、左右方向へスライド可能な状態となり、ロック位置、又は、解除位置、へスライドさせることが可能となる。また、操作部1134bを、盤固定部1133の前面よりも後方へ没入させると、操作部1134bが取付凹部1133a内に係止され、移動不能な状態となる。
装着ユニット1130のロック爪1135は、装着ベース1131の前面から逆L字状に前方へ突出している。ロック爪1135は、先端において斜めに設けられている案内部1135aを有している。このロック爪1135は、前ユニット6Aのユニット固定部1020における挿通孔1020aに挿入可能に設けられており、挿通孔1020aに挿入されている状態で、前ユニット6Aにおけるユニット固定部材1021のロック片1021bと係合させられることで、前ユニット6Aの前方への移動を阻止することができる。
装着ユニット1130の位置決ボス1136は、装着ベース1131の前面から前方へ突出しており、前ユニット6Aの位置決孔1055に対して挿入可能に設けられている。この位置決ボス1136を位置決孔1055に挿入することにより、後ユニット6Bの前面において前ユニット6Aの上下方向及び左右方向を位置決めすることができる。位置決ボス1136は、装着ベース1131の前面から、盤固定部1133の前面よりも短く前方へ突出している。
この位置決ボス1136は、図107に示すように、前方へ長く突出している第一位置決ボス1136aと、第一位置決ボス1136aよりも短く突出している第二位置決ボス1136bと、を有している。これにより、前ユニット6Aを後ユニット6Bに取付ける際に、前ユニット6Aを後方(後ユニット6B)へ多段階で案内することができ、取付けの作業性を高めていると共に、確実に位置決めできるようにしている。
装着ユニット1130の開口部1137は、図108に示すように、前ユニット6Aの第一接続金具1056の後接触部1056aや第二接続金具1057の後接触部1057aが挿入されるものである。この開口部1137を通して、第一接続金具1056の後接触部1056a及び第二接続金具1057の後接触部1057aが、装着補強板金1132の前面に接触する。
装着ユニット1130の位置決当接部1138は、装着ベース1131の前面から後方へ凹んでいると共に、左方へ開放されている。二つの位置決当接部1138は、本体枠4における左位置規制部材402aと対応する部位に設けられており、後ユニット6Bを本体枠4に取付けている状態で、位置決当接部1138に左位置規制部材402aが前方から当接している。この位置決当接部1138に左位置規制部材402aを当接させることで、装着ユニット1130(後ユニット6B)の左辺に対して、前後方向及び上下方向へ移動を規制することができ、当該左辺を位置決めすることができる。
[12-3b.後ユニットの周辺制御ユニット及び演出表示装置]
次に、後ユニット6Bの周辺制御ユニット1500及び演出表示装置1600について、図102及び図113等を参照して詳細に説明する。図113(a)は周辺制御ユニットを演出表示装置に取付けている状態を断面で示す説明図であり、(b)は周辺制御ユニットを演出表示装置から取外した状態を断面で示す説明図である。演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、裏ユニット3000における裏箱3010の後側に着脱可能に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、演出表示装置1600の後側に着脱可能に取付けられている。
まず、後ユニット6Bの周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510と、周辺制御基板1510を収容している透明な周辺制御基板ボックス1520と、管理シールが貼り付けられる管理シール貼付部1501と、を備えている。本実施形態では、管理シール貼付部1501が周辺制御基板ボックス1520の後面に設けられている。
また、周辺制御基板1510は、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための演出表示制御部1512と、を備えている。周辺制御基板1510は、周辺制御部1511や演出表示制御部1512等を構成しているCPU、VDP、ROM、IC、等の各種の電子部品が実装されている表面が後方を向くように周辺制御基板ボックス1520内に取付けられている。
周辺制御部1511は、表ユニット2000のアタッカ装飾基板や第二アタッカ装飾基板、裏ユニット3000の裏下演出ユニット3600等に設けられている装飾基板、アクチュエータ(モータやソレノイド)、位置センサ、等と接続されている。また、周辺制御部1511は、扉枠3の演出操作ユニット250における第一演出ボタン251や第二演出ボタン252、バイブレータ、装飾基板、トップ中央スピーカ、トップサイドスピーカ、等と接続されている。更に、周辺制御部1511は、本体枠4の本体枠スピーカ403に、接続されている。
管理シール貼付部1501に貼り付けられる管理シール(図示は省略)は、前ユニット6Aの証紙貼付部1012に貼り付けられる証紙、主制御ユニット1300の管理シール貼付部1301に貼り付けられる管理シール、に対して組となるような内容が記載されており、互いに関連しているものであるか否かが判別できるようにしている。
詳述すると、周辺制御ユニット1500の管理シール貼付部1501に貼り付けられる管理シールには、製造業者記号、製造番号、及び二次元バーコード、が記載されている。そして、管理シールの二次元バーコードには、情報ID(例えば、組となる遊技盤のID、組となる主制御基板のID、本周辺制御基板のID、等)、種別、製造業者記号、製造年、製造番号、等の情報が入れられている。なお、周辺制御ユニット1500に貼り付けられている管理シールは、主制御ユニット1300に貼り付けられる管理シールと同じ構成である。これにより、前ユニット6Aに貼り付けられている証紙の記載内容と照合することで、互いに関連している(組となっている)ものであるか否かが判別できる。
なお、管理シールは、周辺制御基板1510に貼り付けても良いし、周辺制御基板1510に実装されているROM、CUP、VDP、等に貼り付けても良い。
後ユニット6Bの周辺制御基板1510は、前方へ向けて取付けられる裏面に、グランド接続部1513と、周辺側接続コネクタ1514と、有している。グランド接続部1513は、周辺制御基板1510における左右方向の一方の端部に近い部位に設けられている。グランド接続部1513は、周辺制御基板1510の電子回路におけるグランド(GND)と接続されており、面状に形成されている。
グランド接続部1513は、周辺制御基板1510が周辺制御基板ボックス1520内に収容されている状態で、金具用開口部1523と前後方向が一致している。このグランド接続部1513は、周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600の後に取付けると、グランド金具1623の先端が接触し、グランド金具1623を介してシールド板金1620と電気的に接続される。
周辺側接続コネクタ1514は、左右方向におけるグランド接続部1513とは反対側の端部に近い部位に設けられている。周辺側接続コネクタ1514は、周辺制御基板1510が周辺制御基板ボックス1520内に収容されている状態で、接続用開口部1524に挿入されている。周辺側接続コネクタ1514は、周辺制御基板1510における演出表示制御部1512からのビデオ信号を演出表示装置1600へ送信するためのものであり、演出表示装置1600における後述する接続中継基板1624に取付けられている表示側接続コネクタ1625に接続される。
後ユニット6Bの周辺制御基板ボックス1520は、内部に周辺制御基板1510が収容されている透明な薄い箱状に形成されており、外部から内部の周辺制御基板1510を視認することができる。この周辺制御基板ボックス1520は、左右方向へ長く形成されており、左右方向の一方の端面に外方へ突出している取付片1521と、反対側の端面において凹んでいる取付凹部1522と、を有している。
また、周辺制御基板ボックス1520は、演出表示装置1600に取付けた時に前面となる部位で取付片1521に近い位置で貫通している金具用開口部1523と、前面における取付凹部1522に近い位置で貫通している接続用開口部1524と、を有している。金具用開口部1523は、周辺制御基板1510のグランド接続部1513と一致する部位に設けられており、接続用開口部1524は、周辺側接続コネクタ1514と一致する部位に設けられている。
この周辺制御基板ボックス1520は、演出表示装置1600の面に対して取付片1521が接近するように前面を左右方向に対して斜めにした状態で、取付片1521を後カバー1621の取付係止部1621bに係止させた後に、前面を演出表示装置1600の後面と平行な状態にし、着脱ロック部材1622をスライドさせて突部1622aを取付凹部1522に挿入することで、演出表示装置1600の後面に取付けることができる。
なお、詳細な図示は省略するが、着脱ロック部材1622の突部1622aを、取付凹部1522に挿入すると、突部1622aにより、取付凹部1522を介して周辺制御基板ボックス1520(周辺制御ユニット1500)が前方の演出表示装置1600側へ押圧されるように構成されている。これにより、後述する周辺側接続コネクタ1514と表示側接続コネクタ1625との接続を確実なものとしている。
演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100Aの後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。演出表示装置1600は、遊技盤5Aを組立てた状態で、透明な遊技パネル1100A、枠状のセンター役物2500や装着ユニット1130の枠内を通して、前側(遊技者側)から表示画面を視認することができる。
演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとした19inchのフルカラーの液晶表示装置であり、裏箱3010における後壁の左右方向の幅と略同じ幅である。演出表示装置1600は、周辺制御基板1510に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。
後ユニット6Bの演出表示装置1600は、表示画面の後側に設けられている金属板からなるシールド板金1620と、シールド板金1620の後に設けられている後カバー1621と、後カバー1621にスライド可能に取付けられており周辺制御ユニット1500(周辺制御基板ボックス1520)を着脱させるための着脱ロック部材1622と、を備えている。
また、後ユニット6Bの演出表示装置1600は、基端がシールド板金1620に取付けられており先端が後カバー1621を貫通して後方へ延出しているグランド金具1623と、シールド板金1620と後カバー1621との間に設けられている接続中継基板1624と、接続中継基板1624に取付けられており周辺制御基板1510の周辺側接続コネクタ1514に接続される表示側接続コネクタ1625と、を備えている。なお、接続中継基板1624は、シールド板金1620に取付けられていても良いし、後カバー1621に取付けられていても良い。本実施形態の接続中継基板1624は、シールド板金1620に取付けられている。
シールド板金1620は、詳細な図示は省略するが、表示画面(表示装置本体)の後面の全面と概ね同じ大きさである。
後カバー1621は、透明な樹脂により形成されており、周辺制御ユニット1500が取付けられる左右方向に長い矩形状の取付領域部1621aと、取付領域部1621aの左右方向の一方の端部に設けられている取付係止部1621bと、取付領域部1621aにおける取付係止部1621bに近い部位で貫通しておりグランド金具1623が通過する金具用開口部1621cと、取付領域部1621aにおける金具用開口部1621cとは左右方向の反対側の端部に近い部位で貫通しており表示側接続コネクタ1625が通過するコネクタ用開口部1621dと、を有している。
後カバー1621の取付係止部1621bは、後カバー1621の後面から逆L字状に後方へ突出しており、先端を取付領域部1621aの中央へ向けて設けられている。この取付係止部1621bの先端と後カバー1621の後面との間に、周辺制御基板ボックス1520の取付片1521が挿入される。
着脱ロック部材1622は、後カバー1621の後面から後方へ突出するように設けられており、後端に左右方向へ突出している突部1622aを有している。着脱ロック部材1622は、後カバー1621の後面における取付領域部1621aの外側で、取付領域部1621aを間にして取付係止部1621bとは左右方向の反対側の部位に、左右方向へスライド可能に設けられている。着脱ロック部材1622は、突部1622aが取付領域部1621aの中央へ向けて突出するように設けられている。着脱ロック部材1622の突部1622aは、周辺制御基板ボックス1520の取付凹部1522に挿入可能に形成されている。
グランド金具1623は、基端がシールド板金1620の後面に取付けられており、基端から後カバー1621の金具用開口部1621cを通って後カバー1621の後方へ先端が延びている。このグランド金具1623は、基端から後方へ斜めに延出しており、先端付近が円弧状に前方へ曲げられている。このグランド金具1623は、導電性を有すると共に弾性を有する金属のバネ材により形成されており、シールド板金1620と電気的に接続されている。
グランド金具1623は、取付領域部1621aに周辺制御ユニット1500を取付けることで、その先端が周辺制御基板1510のグランド接続部1513に接触し、周辺制御基板1510のグランドと電気的に接続される。なお、詳細な図示は省略するが、グランド金具1623は、先端がフォークのように複数に分岐しており、グランド接続部1513に対して複数個所で接触する。また、グランド金具1623を複数設けても良い。
接続中継基板1624は、演出表示装置1600の表示装置本体から延出しているFPC1626(フレキシブル プリント 配線基板)が接続されており、FPC1626からの配線が表示側接続コネクタ1625に接続されている。換言すると、接続中継基板1624には、周辺側接続コネクタ1514と接続されIN側のコネクタとなる表示側接続コネクタ1625と、演出表示装置1600からのFPC1626と接続されOUT側のコネクタとなるFPC接続コネクタ1624aと、が設けられている。表示側接続コネクタ1625は、取付領域部1621aに周辺制御ユニット1500を取付けることで、周辺制御基板1510の周辺側接続コネクタ1514と接続されるものである。
次に、後ユニット6Bにおける演出表示装置1600の後面への周辺制御ユニット1500の着脱について、図113を参照して説明する。演出表示装置1600の取付領域部1621aに周辺制御ユニット1500が取付けられている状態では、図113(a)に示すように、周辺制御基板ボックス1520の取付片1521が、後カバー1621の取付係止部1621bに係止されていると共に、周辺制御基板ボックス1520の取付凹部1522にロック位置に位置している着脱ロック部材1622の突部1622aが挿入されている。これにより、周辺制御基板ボックス1520(周辺制御ユニット1500)が取外不能な状態となっている。
なお、詳細な図示は省略するが、図102に示すように、周辺制御ユニット1500の後面には、複数のコネクタが後方へ露出しており、それらコネクタには主制御基板1310や中継基板等に接続されている配線(ハーネス)のコネクタが接続されている。
この状態では、周辺制御基板1510のグランド接続部1513に演出表示装置1600のグランド金具1623の先端が接触している。このグランド金具1623は、弾性のある金属のバネ材により形成されており、先端がグランド接続部1513を後方へ押圧する(付勢する)ように接触している。これにより、周辺制御基板1510の電子回路のグランドは、グランド接続部1513及びグランド金具1623を介してシールド板金1620と接続されている。
詳述すると、演出表示装置1600(液晶表示装置)の裏側のシールド板金1620は、対ノイズ性を高めるためのものであって、周辺制御基板1510のグランド(GND)と電気的に接続するのが望ましい。そのために、本実施形態では、演出表示装置1600の裏側のシールド板金1620から弾性のある金属片からなるグランド金具1623を立ち上げて、周辺制御基板1510のGND(グランド接続部1513)と電気的に接続するようにしている。更には、グランド金具1623は、先端をフォークのように分岐させているため、分岐した先端の何れかがグランド接続部1513に接触することにより確実に電気的に接続できるようにしている。
また、この状態では、周辺制御基板1510の周辺側接続コネクタ1514と、演出表示装置1600の表示側接続コネクタ1625とが接続されている。これにより、周辺制御基板1510における演出表示制御部1512からのビデオ信号を、周辺側接続コネクタ1514及び表示側接続コネクタ1625を介して演出表示装置1600へ送信して演出画像を表示させることができる。
周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600から取外す場合は、まず、周辺制御ユニット1500に後方から接続されている配線のコネクタを全て取外す。そして、着脱ロック部材1622を周辺制御ユニット1500から遠ざかる方向(解除位置)へスライドさせて、先端の突部1622aを、周辺制御ユニット1500における周辺制御基板ボックス1520の取付凹部1522から抜く。その状態で、周辺制御ユニット1500の取付凹部1522側が後方へ移動するように、左右方向の反対側の取付片1521を支点にして、周辺制御ユニット1500を回動させて演出表示装置1600の後面に対して斜めの状態にする。
この際に、周辺制御ユニット1500の周辺側接続コネクタ1514が、取付片1521側を中心として円弧状に移動することとなり、周辺側接続コネクタ1514が、前後方向に対して傾いた方向へ移動することとなる。これに対して本実施形態では、周辺側接続コネクタ1514を取付片1521から遠い位置に設けているため、周辺側接続コネクタ1514が大きな半径の円弧に沿って移動することとなる。これにより、周辺側接続コネクタ1514と表示側接続コネクタ1625とが接合する部位において、周辺側接続コネクタ1514の移動軌跡である当該円弧の接線方向が、前後方向(接合方向)に近くなるため、周辺側接続コネクタ1514の移動方向の傾きが前後方向に対して僅かとなり、周辺側接続コネクタ1514が演出表示装置1600の表示側接続コネクタ1625からスムーズに抜ける。
その後、周辺制御ユニット1500を斜め後方へ移動させて取付片1521を、取付係止部1621bと後カバー1621との間から抜くことにより、周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600から取外すことができる。
一方、演出表示装置1600の後に周辺制御ユニット1500を取付ける場合は、上記とは逆の手順を行うことで、取付けることができる。
ところで、従来から、演出表示装置1600のような液晶表示装置に対する入力は、一般的にFPC(フレキシブル プリント 配線基板)やFFC(フレキシブル フラット ケーブル)を介して行われている。そして、工場では、液晶表示装置から延びているFPC等を、周辺制御基板に設けられたコネクタに接続するという作業を行っている。この接続作業は、熟練者でないと難しく、斜めに接続したり挿入が浅かったりして接続不良を生じることが多い。
このような問題から、本実施形態では、FPC等の接続作業を、周辺制御ユニット1500の交換作業者にさせないために、接続中継基板1624を演出表示装置1600の裏側に設け、FPC1626と接続中継基板1624(FPC接続コネクタ1624a)との接続を工場で熟練者が行い、接続中継基板1624と周辺制御基板1510の間を簡易に接続できる方法としている。つまり、接続中継基板1624を設けることによって、接続するコネクタの種類の変換を行うものである。
従って、例えば、周辺側接続コネクタ1514と表示側接続コネクタ1625をドロワコネクタとして、接続中継基板1624と周辺制御基板1510の間の接続をドロワコネクタで行えば、細かい位置決めを気にすることなく接続が可能である。なお、ドロワコネクタは、比較的高価であり、コストがかかるので、周辺側接続コネクタ1514及び表示側接続コネクタ1625として、一般的に基板を重ねて設置する際に使用される基板間コネクタ(基板対基板コネクタ)としても良い。
このように、本実施形態では、演出表示装置1600に、これまでのパチンコ機では設けられていなかった接続中継基板1624を新たに設けると共に、接続中継基板1624に周辺制御ユニット1500の周辺側接続コネクタ1514と直接接続される表示側接続コネクタ1625を設けている。この表示側接続コネクタ1625は、接続中継基板1624のIN側のコネクタであり、接続中継基板1624のOUT側のコネクタであるFPC接続コネクタ1624aに、演出表示装置1600から延出しているFPC1626を接続している。そして、表示側接続コネクタ1625と周辺側接続コネクタ1514とを、素人でも確実に接続できるタイプのコネクタ(例えば、ドロワコネクタ、基板対基板コネクタ(基板間コネクタ)、等)としている。つまり、周辺制御基板1510と演出表示装置1600との間に接続中継基板1624を設けることで、接続するコネクタの種類を変換している。
これにより、パチンコ機1の工場において、初めに熟練者がFPC1626のコネクタと接続中継基板1624のFPC接続コネクタ1624aとの接続を行い、以後は、表示側接続コネクタ1625において接続(抜き差し)を行わせることが可能となり、FPC1626に触れる必要はないため、熟練者ではなくても表示側接続コネクタ1625と周辺側接続コネクタ1514とを確実に接続することができ、素人でも不具合を発生させることなく演出表示装置1600に対して周辺制御ユニット1500を着脱させることができる。つまり、演出表示装置1600から延出しているFPC1626に触れることなく、周辺制御基板1510(周辺制御ユニット1500)を交換することができる。従って、演出表示装置1600の再利用にかかるコストを低減させることができると共に、演出表示装置1600を再利用し易いパチンコ機1を提供することができる。
また、演出表示装置1600(シールド板金1620)に接続中継基板1624を取付けているため、接続中継基板1624の表示側接続コネクタ1625において、周辺側接続コネクタ1514との抜き差しを繰り返しても、接続中継基板1624が不動であることから演出表示装置1600からのFPC1626が移動することはなく、FPC1626の位置の変化によってノイズを拾い易くなることはない。従って、周辺制御ユニット1500を交換しても、ノイズが入るようなことはなく、ノイズの無い良好な演出画像を遊技者に楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600に着脱する際に、周辺制御ユニット1500における周辺側接続コネクタ1514から遠い、周辺制御基板ボックス1520の取付片1521を回動中心にして、着脱するようにしている。これにより、周辺側接続コネクタ1514が大きな半径の円弧に沿って移動することとなり、周辺側接続コネクタ1514と表示側接続コネクタ1625とが接合する部位において、周辺側接続コネクタ1514の移動軌跡である当該円弧の接線方向が、前後方向(接合方向)に近くなるため、周辺側接続コネクタ1514の移動方向の傾きが、表示側接続コネクタ1625と周辺側接続コネクタ1514との抜き差し方向(接合方向)に対して僅かとなり、周辺側接続コネクタ1514を表示側接続コネクタ1625に対してスムーズに直接接続することができ、周辺制御ユニット1500の着脱作業を容易なものとすることができる。
なお、上記では、周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510に設けられている周辺側接続コネクタ1514と、演出表示装置1600の接続中継基板1624に設けられている表示側接続コネクタ1625とを、直接接続する構成を示したが、これに限定するものではなく、図114に示すような構成としても良い。図114(a)は図113とは異なる形態で周辺制御ユニットを演出表示装置に取付けている状態を断面で示す説明図であり、(b)は(a)における周辺制御基板と接続中継基板との接続を模式的に示す説明図である。
図114の実施形態は、周辺制御基板1510と接続中継基板1624とに、それぞれ信号の変換機能を持たせ、周辺側接続コネクタ1514と表示側接続コネクタ1625とを、両端にコネクタ1631を有する所定のハーネス1630を介して接続するものである。
詳述すると、周辺制御基板1510にビデオ信号をシリアル信号に変換するトランシーバIC1515を設けると共に、接続中継基板1624にシリアル信号をビデオ信号に変換するレシーバIC1627を設ける。そして、周辺制御基板1510のトランシーバIC1515に接続されている周辺側接続コネクタ1514と、接続中継基板1624のレシーバIC1627に接続されている表示側接続コネクタ1625とに、ツイストケーブルからなるハーネス1630の両端のコネクタ1631を接合して、周辺制御基板1510と接続中継基板1624とを接続している(図114(b)を参照)。
この実施形態では、周辺制御基板1510の表面(後面)に周辺側接続コネクタ1514を設けていると共に、接続用開口部1524を周辺制御基板ボックス1520の後面側に設けている。また、演出表示装置1600では、後カバー1621のコネクタ用開口部1621d(接続中継基板1624)を、取付領域部1621aよりも外側の部位に設けている。
周辺制御基板1510のトランシーバIC1515と、接続中継基板1624のレシーバIC1627は、同じものであり、例えば、ザイン社製の「V-by-One(商標)」や、ローム社製の「BU17074KV」等を使用することができる。
周辺制御基板1510と接続中継基板1624(演出表示装置1600)との間で送信されるビデオ信号(RGBの信号)は、大雑把にDE(データ・イネーブル信号)、HS(水平同期信号)、VS(垂直同期信号)という信号、R(赤色信号)で8ビット、G(緑色信号)で8ビット、B(青色信号)で8ビット、PCLK(クロック信号)の少なくとも28本の信号線が必要だが、例えば、ローム社製の「BU17074KV」のトランシーバICでは、これをたった2本の電線(DFTX+とDFTX-)で送信することが可能である。その分、信号の周波数は高くなるが、差動信号で送信しツイストケーブル(ハーネス1630)で送信することにより比較的長い距離を引き回すことが可能である。なお、図114(b)は2本の電線(DFTX+とDFTX-)に加えてグランドラインも撚り線としている。このように構成すると、通常のツイストペアの電線を使うよりも、より一層ノイズに強くなる。
従って、本実施形態のような構成とすることにより、ビデオ信号をシリアル信号で送信すれば、LVDS方式やRGB方式に比較して劇的に電線の本数を減らすことができ、接続するためのコネクタにかかるコストを低減させることができると共に、不慣れな作業者でも確実に接続することが可能となり、接続作業がより簡単になる。本実施形態では、上記のような工夫を行うことにより、更に前ユニット6Aの交換作業の信頼性をあげることができる。
図114の実施形態によれば、図113の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記の周辺制御ユニット1500では、周辺制御部1511と演出表示制御部1512とを一つの周辺制御基板1510に設けたものを示したが、これに限定するものではなく、周辺制御部1511が設けられている周辺制御基板1510とは別に、演出表示制御部1512が設けられている演出表示制御基板を、設けるようにしても良い。この場合、接続中継基板1624の表示側接続コネクタ1625と接続される周辺側接続コネクタ1514は、演出表示制御基板に設けられる。
[12-3c.後ユニットの裏ユニット]
続いて、後ユニット6Bの裏ユニット3000について説明する。裏ユニット3000は、表ユニット2000の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、表ユニット2000の第一始動口2003に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ2101と、遊技パネル1100A(前ユニット6A)の後の後ユニット6Bにおける装着ユニット1130の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後壁に演出表示装置1600を着脱可能に取付けているロックスライダ3020と、演出表示装置1600の後方に配置されており裏箱3010の後壁に取付けられている裏基板ユニット3040と、を備えている。
また、後ユニット6Bの裏ユニット3000は、前ユニット6Aのユニット間コネクタ前1060と接続されるユニット間コネクタ後1150と、裏箱3010内の前端の下部に設けられている裏球誘導ユニット3100と、裏箱3010内における裏球誘導ユニット3100の後に設けられている裏下演出ユニット3600と、裏箱3010内の上隅に設けられている裏上演出ユニット3620と、裏箱3010内の左隅に設けられている裏左演出ユニット3640と、裏箱3010内の右隅に設けられている裏右演出ユニット3660と、を備えている。
裏ユニット3000における裏下演出ユニット3600、裏上演出ユニット3620、裏左演出ユニット3640、裏右演出ユニット3660は、遊技の進行に応じで、所定の可動演出や発光演出を遊技者に見せることができるものである。
後ユニット6Bのユニット間コネクタ後1150は、正面視において裏ユニット3000の右下隅に設けられており、裏球誘導ユニット3100の前面に取付けられている。ユニット間コネクタ後1150は、枠状の装着ユニット1130の枠内を通して前方へ露出している。ユニット間コネクタ後1150は、主制御基板1310、パネル中継基板、周辺制御基板1510、演出駆動基板、等から前ユニット6Aへ向かう配線が接続されている。このユニット間コネクタ後1150は、ドロワコネクタである。
後ユニット6Bの裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100は、裏箱3010内における前端の下部に取付けられており、左右に延びた両端が上方へ屈曲されたような形状に形成されている。裏球誘導ユニット3100は、略全体が透明に形成されている。裏球誘導ユニット3100は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、第一始動口2003に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ2101と、を備えている。
また、裏球誘導ユニット3100は、前ユニット6Aの表ユニット2000において、おける一般入賞口2001、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、第二大入賞口2012、に受入れられて遊技パネル1100Aの後方へ誘導された遊技球Bを受け取って、下方の本体枠4における循環球経路ユニット500のセーフ球受口500bへ向かって排出させるものである。また、裏球誘導ユニット3100は、サブアウト口2021に受入れられて遊技パネル1100Aの後方へ誘導された遊技球Bを受け取って、下方の本体枠4における循環球経路ユニット500のアウト球受口500aへ向かって排出させるものである。
この裏球誘導ユニット3100は、表ユニット2000における一般入賞口2001等の入賞口やサブアウト口2021等に受入れられて遊技パネル1100Aの後方へ誘導された遊技球Bが受け渡される球受口3101を有している。球受口3101は、筒状又は樋状に前方へ突出しており、後ユニット6Bの前面に前ユニット6Aを取付けた状態で、前ユニット6A(表ユニット2000)から後方へ突出している樋状の誘導部2122が内部に挿入される(図109を参照)。
裏球誘導ユニット3100の球受口3101は、先端が装着ユニット1130における装着ベース1131の前面よりも前方へ突出している。従って、後ユニット6Bに前ユニット6Aを取付ける際に、前ユニット6Aの誘導部2122を挿入することで、前ユニット6Aを後ユニット6Bの所定位置に案内することができる。
また、球受口3101に誘導部2122が挿入されると、誘導部2122の後端において、球受口3101の底部よりも誘導部2122の底部の方が高い段差が形成さる。この段差により、第一始動口2003等の入賞口に受入れられた遊技球Bが、誘導部2122から球受口3101に受け渡されて球受口3101の後方に設けられている後壁に遊技球Bが当接したり先行している遊技球Bに後発の遊技球Bが当接したりして上流側へ跳ね返っても、跳ね返った遊技球Bが段差に当接することで下流側へ跳ね返させることができ、入賞口へ逆流することを防止して、入賞口まで遊技球Bが戻ってしまうことを阻止することができる。従って、遊技球Bが一旦受入れられた(入賞した)のに逆流して入賞口まで戻ってしまい、入賞口から遊技球Bが見えることで遊技者に不信感を与えてしまうことを、回避させることができるため、遊技者に入賞口への遊技球Bの受入れを確実に楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
[12-4.第二実施形態の遊技盤における本体枠への着脱及び前ユニットの交換]
次に、本実施形態の遊技盤5Aにおける本体枠4への着脱及び前ユニット6Aの交換について、図115乃至図117等を参照して詳細に説明する。図115は、図101に示す第二実施形態の遊技盤を本体枠に取付けた状態で示す正面図である。図116は、図115の状態から遊技盤の前ユニットを取外した状態で示す正面図である。図117(a)は第二実施形態の遊技盤を本体枠に取付けた状態で側面から模式的に示す説明図であり、(b)は(a)において前ユニットを取外した状態で示す説明図である。まず、遊技盤5Aにおける本体枠4への着脱について説明する。
遊技盤5Aは、前ユニット6A(第一前ユニット6A1)と後ユニット6Bとが互いに取付けられている状態で工場から出荷される。なお、遊技盤5Aは、当該遊技盤5Aのみを出荷する場合と、当該遊技盤5Aに加えて外枠2、扉枠3、及び本体枠4も一緒に、つまり、パチンコ機1全体を出荷する場合とがある。ここでは、遊技盤5Aのみを出荷する場合を説明する。
遊技盤5Aの出荷時点では、遊技盤5Aの第一前ユニット6Aの証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙の内容、後ユニット6Bに取付けられている主制御ユニット1300の管理シール貼付部1301に貼り付けられている管理シールの内容、及び周辺制御ユニット1500の管理シール貼付部1501に貼り付けられている管理シールの内容、は互いに関連している。
詳述すると、第一前ユニット6A1に貼り付けられている証紙には、パチンコ機等の遊技機の組合証、遊技盤の種類、メーカー名、製造業者記号、製造番号、及び二次元バーコードが記載されている。一方、後ユニット6Bの主制御ユニット1300及び周辺制御ユニット1500に貼り付けられている管理シールには、製造業者記号、製造番号、及び二次元バーコード、が記載されている。証紙と管理シールの製造業者記号は同じであり、製造番号は同じ又は関連付けられているものである。なお、証紙と管理シールに記載されている二次元バーコードは、所定のバーコードリーダを使用することで、その内容(情報)を表示させることができる。従って、これら貼り付けられている証紙や管理シールの内容から、互いに関連しているものであるか否かが判別できる。
まず、遊技盤5A(パチンコ機1)を設置する遊技ホール側では、島設備に取付けられている対応するパチンコ機1の扉枠3を開いて、本体枠4に取付けられている遊技盤を取外した状態にする。遊技盤の取外しは、本体枠4の前面に取付けられている遊技盤ロック部材406をロック位置から解除位置へ回動させると共に、遊技盤に設けられているロック部材(遊技盤固定部材1134と同じような部材)をロック位置から解除位置へスライドさせる。この状態で、遊技盤の右辺側を手前に引いて斜めにし、遊技盤の左辺側を本体枠4の側面補強板402から引き抜くように前方へ移動させることで、遊技盤を本体枠4から取外すことができる。
遊技盤5Aの本体枠4への取付けは、遊技盤5Aの遊技領域5aを前方へ向けた状態で、遊技盤5Aの左辺側が右辺側よりも後方へ位置するように斜めにした状態で、本体枠4の遊技盤挿入部401aに挿入すると共に、遊技盤5Aの下面を本体枠4のベース壁部401bの上端面に載置しつつ、遊技盤5Aの左辺側を、コ字状の側面補強板402内に挿入する。この際に、遊技盤5Aの左辺に設けられている位置決当接部1138が、本体枠4の左位置規制部材402aの後に当接するように、遊技盤5Aを挿入する。
続いて、遊技盤5Aの右辺側を後方へ移動させて遊技盤挿入部401a内に挿入させる。これにより、遊技盤5Aのアウト凹部1123の一部が本体枠4の遊技盤規制部401cに挿入され、遊技盤5Aの左右方向及び後方向への移動が規制された状態となる。
この状態で、遊技盤5A(後ユニット6B)の盤固定部1133に設けられている遊技盤固定部材1134を、解除位置から右方のロック位置へスライドさせて、楔部1134aを本体枠4の遊技盤ロック溝401oに挿入させる(図112を参照)。また、本体枠4の遊技盤ロック部材406を、解除位置からロック位置へ回動させて、遊技盤5A(前ユニット6A)の遊技盤ロック溝1058に遊技盤ロック部材406の一部を挿入させる(図105を参照)。
これにより、遊技盤5Aが本体枠4に取付けられた状態となる(図115を参照)。この状態では、遊技盤5Aは、本体枠4に対して後方へ押し付けられている。
本体枠4に遊技盤5Aを取付けたら、本体枠4を外枠2に対して前方へ開き、遊技盤5Aの後側において、主制御ユニット1300(主制御基板1310)や周辺制御ユニット1500(周辺制御基板1510)を、所定の配線ケーブルを使用して、本体枠4の枠基板ユニット630の枠制御基板640やインターフェース基板660等と、接続する。
その後、外枠2に対して本体枠4を閉じた上で、扉枠3を閉じることで、遊技盤5Aの取付けが完了する。扉枠3を閉じると、遊技盤5A(前ユニット6A)の前面から突出している第二接続金具1057の前接触部1057cが、扉枠3の金属板からなる扉枠補強ユニット(図示は省略)の後面に接触する。これにより、外レール1001からの静電気を、遊技ホール側のアースへ逃がすためのアース経路が構築される。
次に、遊技盤5Aが本体枠4に取付けられている状態での前ユニット6Aの交換について説明する。前ユニット6Aの交換として、第一前ユニット6A1から第二前ユニット6A2に交換する場合、工場から遊技盤交換セット(図示は省略)が出荷される。遊技盤交換セットは、第二前ユニット6A2、第二前ユニット6A2用の主制御ユニット1300、第二前ユニット6A2の周辺制御ユニット1500、等が同梱されている。
まず、遊技ホールの島設備において、本体枠4に対して扉枠3を前方へ開いて、本体枠4の前面を前方へ露出させる。なお、扉枠3を取外しても良い。そして、遊技盤5A(第一前ユニット6A1)の左上隅、右上隅、及び右下隅、に設けられているユニット固定部1020において、ユニット固定部材1021を、ロック位置から解除位置へスライドさせる。
詳述すると、ユニット固定部1020において、第一前ユニット6A1(前ユニット6A)を後ユニット6Bに固定してロックしている状態では、図106(a)に示すように、ユニット固定部材1021がロック位置の状態となっており、ロック片1021bが挿通孔1020aに挿入されている後ユニット6Bのロック爪1135と係合している。これにより、第一前ユニット6A1の前方への移動が阻止され、取外不能な状態となっている。そして、ユニット固定部材1021を解除位置へ移動(スライド)させると、ロック片1021bがロック爪1135から遠ざかって、ロック爪1135と係合していない状態となる(図106(b)を参照)。
また、本体枠4に設けられている遊技盤ロック部材406を、ロック位置から解除位置へ回動させて、第一前ユニット6A1(前ユニット6A)の遊技盤ロック溝1058から遊技盤ロック部材406を取り除く。
この状態で、第一前ユニット6Aが後ユニット6Bに対して前方へ移動させることが可能となるため、第一前ユニット6Aを前方へ移動させて後ユニット6Bから取外す。この際に、第一前ユニット6Aの後面に設けられているユニット間コネクタ前1060が、後ユニット6Bの前面に設けられているユニット間コネクタ後1150から外れ、第一前ユニット6A1と後ユニット6Bとの間の電気信号等の電気的な接続が解除される。
また、第一前ユニット6A1を後ユニット6Bから取外して前方へ移動させると、第一前ユニット6A1の後面から突出している第一接続金具1056の後接触部1056a及び第二接続金具1057の後接触部1057aが、後ユニット6Bにおける装着ユニット1130の装着補強板金1132から離れ、第一接続金具1056と第二接続金具1057との電気的な接続が解除される。
第一前ユニット6Aを取外した状態では、遊技盤5Aの後ユニット6Bのみが本体枠4に取付けられている状態となる(図116を参照)。この状態の後ユニット6Bは、左辺側が上下二つの位置決当接部1138に当接している本体枠4の左位置規制部材402aにより移動が規制されていると共に、右辺側が上下二つの遊技盤固定部材1134の楔部1134aが挿入されている本体枠4の遊技盤ロック溝401oにより移動が規制されている。従って、後ユニット6Bが本体枠4から外れることはない。
また、後ユニット6Bは、その重心位置が、本体枠4に取付けられる装着ユニット1130よりも後方に位置している(図117を参照)。従って、何らかの理由により、遊技盤固定部材1134等による移動の規制が解除されても、後ユニット6Bが本体枠4の遊技盤挿入部401aから前方へ転倒するように外れることはない。これにより、前ユニット6Aの交換作業にかかる安全性を確保することができる。
なお、本実施形態では、遊技盤固定部材1134とユニット固定部材1021とを、別々に設けるものを示したが、例えば、後ユニット6Bの重心位置が十分後方に位置する等することにより、後ユニット6Bが前方へ転倒するように外れることがほぼないような構成にする場合は、遊技盤固定部材1134とユニット固定部材1021とを兼用させても良い。
第一前ユニット6A1を取外したら、第二前ユニット6A2を後ユニット6Bの前面に取付ける。第二前ユニット6A2の取付けは、その遊技領域5aを前方へ向けた状態で、左辺側を、後ユニット6Bの装着ユニット1130の前面と本体枠4の左位置規制部材402aとの間に挿入した後に、右辺側の後面を後ユニット6Bの前面に当接させる。この第二前ユニット6A2は、左上隅、右上隅、及び右下隅、に設けられているユニット固定部材1021が解除位置の状態(矢印が「×」印を指している状態)となっている。
この際に、後ユニット6Bには、装着ベース1131の前面から前方へ突出している盤固定部1133を有しているため、盤固定部1133が盤固定部挿入溝1051に挿入されるようにすることで、後ユニット6Bに対して第二前ユニット6A2を大まかに位置合わせすることができる。そして、盤固定部1133の先端が盤固定部挿入溝1051にかかると、盤固定部1133をガイドとすることが可能となり、盤固定部1133に沿って第二前ユニット6A2を後方へ移動させる。
この第二前ユニット6A2の後方への移動に伴って、まず、前方への突出長さが長い第一位置決ボス1136aが対応する位置決孔1055に挿入され、続いて、第一位置決ボス1136aよりも短い第二位置決ボス1136bが対応する位置決孔1055に挿入される。これにより、第二前ユニット6A2が、後ユニット6Bに対して徐々に位置決めされた後に、完全に位置決めされる。
また、第二前ユニット6A2(前ユニット6A)では、始動口ユニット2100の誘導部2122が後方へ突出しており、誘導部2122が後ユニット6Bの裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100の球受口3101内に挿入されると共に、球受口3101によっても案内される。
また、第二前ユニット6A2が後ユニット6Bへ向かって後方へ移動すると、第二前ユニット6A2におけるアタッカユニット2400の後に設けられているユニット間コネクタ前1060が、後ユニット6Bにおける裏球誘導ユニット3100の前に設けられているユニット間コネクタ後1150に係合する。本実施形態では、ユニット間コネクタ前1060及びユニット間コネクタ後1150にドロワコネクタを使用しており、ユニット間コネクタ前1060及びユニット間コネクタ後1150を介して、第二前ユニット6A2と後ユニット6Bとの間での電気信号等の電気的な接続が確実に行われる。
更に、第二前ユニット6A2が後方へ移動すると、第二前ユニット6A2の後面から突出している第一接続金具1056の後接触部1056aと第二接続金具1057の後接触部1057aが、後ユニット6Bの装着ユニット1130における装着ベース1131の開口部1137を通って、装着補強板金1132の前面に当接する。この際に、第一接続金具1056のバネ部1056bと第二接続金具1057の後バネ部1057bが弾性変形し、夫々の後接触部1056a及び後接触部1057aが装着補強板金1132を後方へ付勢している状態で接触する。
第一接続金具1056の後接触部1056a及び第二接続金具1057の後接触部1057aが装着補強板金1132に接触することで、互いに離れた位置に設けられている第一接続金具1056と第二接続金具1057とが電気的に接続された状態となる。
また、第二前ユニット6A2が後方の後ユニット6Bへ移動することにより、後ユニット6Bの装着ベース1131から前方へ突出しているロック爪1135が、第二前ユニット6A2のユニット固定部1020の挿通孔1020aに挿入される。そして、第二前ユニット6A2の後面を後ユニット6B(装着ユニット1130)の前面に当接させたら、第二前ユニット6A2における、左上隅、右上隅、及び右下隅、に設けられているユニット固定部1020の夫々に設けられているユニット固定部材1021を、解除位置からロック位置(ユニット固定部材1021の矢印が「〇」印を指す位置)へスライドさせる。
これにより、ユニット固定部材1021のロック片1021bが、挿通孔1020aに挿入されているにロック爪1135に係合され、第二前ユニット6Aが後ユニット6Bに対して取外不能な状態に固定される。この際に、ロック片1021bの先端に設けられている案内部1021cと、ロック爪1135の先端に設けられている案内部1135aと、によって、第二前ユニット6A2と後ユニット6Bとの間に隙間があっても、傾斜している案内部1021c及び案内部1135aの案内作用により、第二前ユニット6A2が後方へ案内され、第二前ユニット6A2の後面が後ユニット6Bの前面に確実に当接した状態となる。
そして、右下隅のユニット固定部1020の後方に、ユニット間コネクタ前1060及びユニット間コネクタ後1150を設けているため、上記のように、ユニット固定部材1021のロック位置への移動による後方への押圧によって、ユニット間コネクタ前1060を、ユニット間コネクタ後1150へ強く押圧することができ、ユニット間コネクタ前1060とユニット間コネクタ後1150とを十分に係合させることができる。
なお、本実施形態では、第二前ユニット6A2(前ユニット6A)における右下隅のユニット固定部1020に設けられているユニット固定部材1021の前面に証紙貼付部1012を設けていると共に、その証紙貼付部1012に証紙を貼り付けているため、作業者が当該ユニット固定部材1021をスライド操作する際に、証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙が視界に入り、当該証紙に記載されている内容を確認させることができ、間違った第二前ユニット6A2が誤って取付けられてしまうことを回避させることができる。
また、ユニット固定部材1021による固定(ロック)と合わせて、本体枠4に設けられている遊技盤ロック部材406を解除位置からロック位置へ回動させて、遊技盤ロック部材406の一部を遊技盤ロック溝1058に挿入する。これにより、第二前ユニット6A2が、遊技盤ロック部材406によって後ユニット6Bに押し付けられた状態となり、第二前ユニット6A2が後ユニット6Bに取付けられた状態となる。
このようにして、第二前ユニット6A2を後ユニット6Bに取付けることができ、第一前ユニット6A1から第二前ユニット6A2への交換作業が完了する。なお、第二前ユニット6A2を交換しただけでは、主制御ユニット1300や周辺制御ユニット1500が対応していないため、主制御ユニット1300や周辺制御ユニット1500も交換する。
続いて、主制御ユニット1300及び周辺制御ユニット1500の交換は、まず、本体枠4を外枠2に対して前方へ開き、主制御ユニット1300(主制御基板1310)や周辺制御ユニット1500(周辺制御基板1510)に接続されている配線を取外す。そして、主制御ユニット1300の係止片1321を操作して、基板ホルダ1200との係止を解除し、主制御ユニット1300を基板ホルダ1200から取外す。
また、周辺制御ユニット1500では、演出表示装置1600の後側の着脱ロック部材1622をロック位置から解除位置へスライドさせて、周辺制御ユニット1500の取付凹部1522から着脱ロック部材1622の突部1622aを抜く。そして、周辺制御ユニット1500の取付凹部1522側を後方へ移動させて、斜めにしながら、取付凹部1522とは反対側の取付片1521を取付係止部1621bから抜いて、周辺制御ユニット1500を取外す。
この取外しの際に、周辺制御ユニット1500を後方へ移動させることにより、周辺側接続コネクタ1514が表示側接続コネクタ1625から外れ、周辺制御基板1510と接続中継基板1624との接続が解除される。また、周辺制御基板1510のグランド接続部1513が、グランド金具1623から離れ、周辺制御基板1510のGND(グランド)とシールド板金1620との接続が解除される。
主制御ユニット1300及び周辺制御ユニット1500を取外したら、遊技盤交換セットに同梱されている主制御ユニット1300を基板ホルダ1200に取付けると共に、周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600の後面に取付ける。これらの取付けは、上記とは逆の手順により行う。また、主制御ユニット1300及び周辺制御ユニット1500を取付ける際には、それらの管理シール貼付部1301に貼り付けられている管理シールの内容、及び管理シール貼付部1501に貼り付けられている管理シールの内容を確認して、間違えのないように取付ける。
主制御ユニット1300及び周辺制御ユニット1500を交換したら、先に取外した配線を夫々の所定のコネクタに接続する。これにより、遊技盤5Aの後側での交換作業が完了する。
その後、外枠2に対して本体枠4を閉じると共に、扉枠3を閉じる。この扉枠3を閉じると、後ユニット6Bを介して本体枠4に取付けられている第二前ユニット6A2の、前方へ突出している第二接続金具1057の前接触部1057cが、扉枠3の板金からなる扉枠補強ユニット(図示は省略)に接触する。この際に、第二接続金具1057の前バネ部1057dが弾性変形し、前接触部1057cが扉枠補強ユニットに付勢された(押し付けられた)状態となる。これにより、第二前ユニット6A2における外レール1001が、第一接続金具1056、装着補強板金1132、第二接続金具1057、及び扉枠補強ユニット、を介して遊技ホール側のアースと電気的に接続された状態となり、外レール1001からの静電気を逃がすためのアース経路が構築される。
このようにして、遊技ホール側での遊技盤交換セットによる交換作業が完了し、遊技盤5Aの全体を交換することなく、第一前ユニット6A1とは異なる第二前ユニット6A2による遊技を遊技者に楽しませることができる。
なお、上記では、後ユニット6Bにおいて、主制御ユニット1300と一緒に周辺制御ユニット1500も交換する例を示したが、周辺制御ユニット1500は交換せずに主制御ユニット1300のみを交換するようにしても良い。周辺制御ユニット1500を交換しない場合としては、例えば、演出内容を変更しない場合、周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510に遊技仕様(主制御ユニット1300)に応じた複数の演出内容が予め記憶されている場合、周辺制御ユニット1500に遊技仕様に応じた切替スイッチが設けられている場合、等が挙げられる。
[12-5.第二実施形態の遊技盤の変形例1]
次に、第二実施形態の遊技盤5Aの変形例1について説明する。上記の実施形態では、遊技盤5Aと本体枠4との間の電気信号等の遣り取りを、両端にコネクタが設けられている配線ケーブルを使用するものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、図118及び図119に示すような、コネクタ同士による直接的な接続としても良い。図118は第二実施形態の遊技盤の変形例1であり、(a1)は遊技盤を本体枠に取付けた状態で遊技盤の右下隅を正面から模式的に示す説明図であり、(a2)は(a1)を側面から示す説明図であり、(b1)は本体枠から取外した状態の遊技盤の右下隅を正面から模式的に示す説明図であり、(b2)は遊技盤を本体枠が取外した状態で遊技盤と共に側面から模式的に示す説明図である。図119(a)は図118(a1)を平面視で示す説明図であり、(b)は図118(b2)を平面視で示す説明図である。
詳述すると、本体枠4には、本体枠ベース401の遊技盤挿入部401a内に設けられているコネクタ支持部415と、コネクタ支持部415の前面に取付けられている本体枠側接続コネクタ416と、が設けられている。本体枠側接続コネクタ416は、枠制御基板640と接続されている第一本体枠側接続コネクタ416aと、インターフェース基板660を介して扉枠副中継基板(図示は省略)と接続されている第二本体枠側接続コネクタ416bと、を有している。第一本体枠側接続コネクタ416aと第二本体枠側接続コネクタ416bは、左右方向に列設されている。
コネクタ支持部415は、正面視において、遊技盤挿入部401aの右下隅に設けられている。コネクタ支持部415の前面は、左端よりも右端が後方へ位置するように傾斜している。本体枠側接続コネクタ416は、コネクタ支持部415の前面に対して垂直に突出するように、取付けられている。
また、本体枠4は、ベース壁部401bの上端面におけるコネクタ支持部415の前方の部位で下方へ凹んでいる遊技盤固定溝417を備えている。この遊技盤固定溝417には、遊技盤5Aの固定操作部1145の一部が挿入される。遊技盤固定溝417は、前側の壁(前壁)が、上端よりも下端の方が後方へ位置するように傾斜している。これにより、固定操作部1145を回転操作してその先端を下方へ挿入させる程、傾斜している前壁により固定操作部1145を介して遊技盤5Aを後方へ押圧することができ、遊技盤側接続コネクタ1142を本体枠側接続コネクタ416に対して奥までしっかり係合させることができる。
一方、遊技盤5Aには、正面視における右下隅において、後ユニット6Bの装着ユニット1130の後面から後方へ突出している取付座部1140と、取付座部1140の後面に取付けられているコネクタ基板1141と、コネクタ基板1141の後面に取付けられている遊技盤側接続コネクタ1142と、が設けられている。取付座部1140は、遊技盤5Aを本体枠4に取付けた状態で、本体枠4のコネクタ支持部415の前方に位置し、その後面が本体枠4のコネクタ支持部415の前面と平行になるように、左端よりも右端が後方に位置するように傾斜している(図119(a)を参照)。
コネクタ基板1141は、左右に長く形成されており、取付座部1140の後面に取付けられている。遊技盤側接続コネクタ1142は、コネクタ基板1141の基板面に対して垂直に突出するようにコネクタ基板1141の後面に取付けられている。
遊技盤側接続コネクタ1142は、主制御基板1310と接続されている第一遊技盤側接続コネクタ1142aと、周辺制御基板1510と接続されている第二遊技盤側接続コネクタ1142bと、を有している。第一遊技盤側接続コネクタ1142aと第二遊技盤側接続コネクタ1142bは、左右方向に列設されている。第一遊技盤側接続コネクタ1142aは、第一本体枠側接続コネクタ416aと係合されると共に、第二遊技盤側接続コネクタ1142bは、第二本体枠側接続コネクタ416bに係合される。
また、遊技盤5Aは、取付座部1140の前方で前面から凹んでいると共に下方へ開放されている凹部1144と、凹部1144に回動可能に設けられている固定操作部1145と、を備えている。固定操作部1145は、半円盤状に形成されており、前後方向へ延びている回動軸が正面視において第一遊技盤側接続コネクタ1142aと第二遊技盤側接続コネクタ1142bとの間に位置している。この固定操作部1145は、全体が遊技盤5Aの下端よりも上方に位置している解除位置(図118(b1)を参照)と、一部が遊技盤5Aの下端よりも下方へ突出しているロック位置(図118(a1)を参照)と、の間で回動可能に設けられている。
この変形例1における本体枠側接続コネクタ416及び遊技盤側接続コネクタ1142に使用するコネクタの種類としては、ドロワコネクタ、基板間コネクタ(基板対基板コネクタ)、等が挙げられる。
この変形例1では、本体枠4に遊技盤5Aが取付けられている状態では、本体枠4のコネクタ支持部415と遊技盤5Aの取付座部1140(コネクタ基板1141)とが、互いに対向しており、第一本体枠側接続コネクタ416aと第一遊技盤側接続コネクタ1142aとが係合していると共に、第二本体枠側接続コネクタ416bと第二遊技盤側接続コネクタ1142bとが係合している。これにより、第一本体枠側接続コネクタ416a及び第一遊技盤側接続コネクタ1142aを介して、枠制御基板640と主制御基板1310とが接続されている。また、第二本体枠側接続コネクタ416b及び第二遊技盤側接続コネクタ1142bを介して、インターフェース基板660(扉枠副中継基板(図示は省略))と周辺制御基板1510とが接続されている。
この状態では、本体枠4のコネクタ支持部415の前面と、遊技盤5Aの取付座部1140の後面とが、互いに平行な状態となっており、夫々の左端よりも右端が後方に位置するように傾斜している。従って、コネクタ支持部415の前面や取付座部1140の後面と垂直な、本体枠側接続コネクタ416と遊技盤側接続コネクタ1142との係合方向は、前方へ向かうに従って右方へ位置するように傾斜している。
また、この状態では、固定操作部1145がロック位置の状態となっており、固定操作部1145の一部が本体枠4の遊技盤固定溝417に挿入(嵌入)されていると共に、固定操作部1145により遊技盤5Aが後方へ押圧されている。この固定操作部1145は、正面視において第一遊技盤側接続コネクタ1142aと第二遊技盤側接続コネクタ1142bとの間に設けられているため、固定操作部1145からの後方への押圧力が、第一遊技盤側接続コネクタ1142a及び第二遊技盤側接続コネクタ1142bに対して均等に作用している。この押圧力により遊技盤側接続コネクタ1142は、本体枠側接続コネクタ416に対して、奥までしっかり係合されている。
次に、本体枠4から遊技盤5Aを取外す場合は、固定操作部1145をロック位置から解除位置へ回動させ、固定操作部1145の一部を遊技盤固定溝417から抜くと共に、固定操作部1145の全体を遊技盤5Aの下端よりも上方へ位置させる。そして、上述したように、遊技盤5Aの右辺側を手前に引いて、左辺側が中心軸となるように回動させて斜めにし、遊技盤の左辺側を本体枠4の側面補強板402から引き抜くように前方へ移動させて本体枠4から取外す。
この際に、本体枠側接続コネクタ416と遊技盤側接続コネクタ1142との係合方向が、前方へ向かうに従って右方へ位置するように傾斜しているため、遊技盤側接続コネクタ1142が係合方向に近い方向へ移動することとなる。これにより、遊技盤側接続コネクタ1142が本体枠側接続コネクタ416からスムーズに抜ける(外れる)。
一方、本体枠4に遊技盤5Aを取付ける場合は、上記とは逆の手順を実施することにより、遊技盤5Aを本体枠4に取付けることができると共に、本体枠側接続コネクタ416に対して遊技盤側接続コネクタ1142を良好な状態で係合させることができる。
このように、本変形例1によれば、本体枠4に遊技盤5Aを取付けるだけで、本体枠側接続コネクタ416及び遊技盤側接続コネクタ1142が互いに係合して、本体枠4と遊技盤5Aとの間の電気信号等の配線接続を自動的に行うことができる。従って、遊技盤5Aの着脱の際に、作業者が配線ケーブルのコネクタの抜き差しを行う必要がなく、交換作業にかかる手間を少なくすることができると共に、配線ケーブルの断線や接続間違い等の不具合の発生をなくすことができる。
また、本変形例1によれば、本体枠4に遊技盤5Aを取付けると、本体枠側接続コネクタ416及び遊技盤側接続コネクタ1142によって本体枠4と遊技盤5Aとの電気的な接続が自動的に行われ、本体枠4から遊技盤5Aを取外すと、本体枠側接続コネクタ416及び遊技盤側接続コネクタ1142によって本体枠4と遊技盤5Aとの電気的な接続が自動的に解除され、本体枠4に対する遊技盤5Aの取付け取外し作業を容易なものとすることができる。この際に、本体枠側接続コネクタ416及び遊技盤側接続コネクタ1142の前方に遊技盤5Aを本体枠4に取付けるための盤固定部1133を設けているため、盤固定部1133による固定によって遊技盤5Aを本体枠4へ押圧させることが可能となり、本体枠側接続コネクタ416と遊技盤側接続コネクタ1142との接続を確実なものとすることができる。
また、本変形例1によれば、本体枠4と遊技盤5Aとを本体枠側接続コネクタ416及び遊技盤側接続コネクタ1142により電気的に接続しているため、本体枠4と遊技盤5Aとの間で配線ケーブルが延びておらず、配線ケーブルが他の部際に引っ掛かったり挟まったりすることはないと共に、本体枠4と遊技盤5Aとの間において断線の恐れがなく、電気的な接続での不具合の発生を防止することができる。
なお、例えば、本体枠側接続コネクタ416と遊技盤側接続コネクタ1142とを、ドロワコネクタとすれば、細かい位置決めを気にすることなく接続が可能であり、交換作業の作業性を高めることができる。
[12-6.第二実施形態の遊技盤の変形例2]
次に、第二実施形態の遊技盤5Aの変形例2について、図120等を参照して説明する。図120は第二実施形態の遊技盤の変形例2であり、(a)は可動する証紙貼付補助部材を設けた前ユニットを後ユニット及び本体枠と共に側面から模式的に示す説明図であり、(b)は(a)とは異なる形態の可動する証紙貼付補助部材を設けた前ユニットを後ユニット及び本体枠と共に側面から模式的に示す説明図である。上記の実施形態では、遊技盤5Aの前ユニット6Aにおいて、ユニット固定部1020のユニット固定部材1021の前面に証紙貼付部1012を設けた構成を示したが、これに限定するものではなく、図120に示すような構成としても良い。
変形例2は、遊技盤5Aの前ユニット6Aに、前面から凹んでいる収容凹部1065と、収容凹部1065に収容可能に設けられており一端側が回転可能に軸支されている証紙貼付補助部材1066と、備えている。この証紙貼付補助部材1066には、収容凹部1065に収容した時に、前後方向を向く面に証紙貼付部1012が設けられている。
図120(a)の例は、証紙貼付補助部材1066を平板状とし、その回転軸を前ユニット6Aの前端付近に設けたものである。また、図120(b)の例は、証紙貼付補助部材1066を側面視においてL字状に形成し、その回転軸を前ユニット6Aの後端付近に設けたものである。
この証紙貼付補助部材1066は、収容凹部1065に収容していない状態で、少なくとも一部が前ユニット6Aの正面投影範囲よりも外方へ突出するように設けられている。従って、その状態で、前ユニット6Aを本体枠4に取付けられている後ユニット6Bの前面に取付けようとすると、証紙貼付補助部材1066が本体枠4に当接する。これにより、前ユニット6Aの交換作業を行う作業者に対して、証紙貼付補助部材1066の存在に気付かせることができると共に、証紙貼付補助部材1066の証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙を視認させることができる。従って、証紙に記載されている内容を確認させることができ、間違った前ユニット6Aが取付けられてしまうことを回避させることができる。
なお、図120(a)の変形例のように、本体枠4に取付けられている後ユニット6Bに前ユニット6Aを取付けている状態でも、証紙貼付補助部材1066をさせることができるような場合には、収容凹部1065の底部に、前ユニット6Aを後ユニット6Bに取付けるためのユニット固定部1020(ユニット固定部材1021)を設けるようにしても良い。これにより、ユニット固定部材1021を操作するためには、必ず証紙貼付補助部材1066を回転させる必要があり、証紙貼付補助部材1066の証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙を視認させて、証紙に記載されている内容を確認させることができ、上記と同様の作用効果をより一層発揮させることができる。
また、証紙貼付補助部材1066を、透明な部材により形成しても良い。これにより、証紙貼付補助部材1066の証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙の裏側を見ることができ、裏側からでも証紙の色を確認することができると共に、証紙に対する不正な痕跡を発見し易くすることができる。詳述すると、例えば、証紙に着色してその色により遊技盤5Aを区別できるようにすれば、証紙を表側から見なくても当該証紙が貼り付けられている前ユニット6Aが、正しいものであるか否かを判別することができる。
[12-7.第二実施形態の遊技盤のその他の変形例]
次に、第二実施形態の遊技盤5Aの上記とは異なるその他の変形例について説明する。まず、上記の実施形態では、ユニット固定部材1021や証紙貼付補助部材1066のように可動する部材に証紙貼付部1012を設けたものを示したが、これに限定するものではなく、前ユニット6Aにおける可動しない部位に証紙貼付部1012を設けても良い。
この場合、証紙貼付部1012は、前ユニット6Aと後ユニット6Bとを互いに固定するためのユニット固定部1020に隣接して設けることが望ましい。これにより、前ユニット6Aの交換作業において、ユニット固定部1020のユニット固定部材1021を操作する際に、隣接して設けられている証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙が作業者の視界に入ることとなり、当該証紙の記載内容を確認させることができ、間違った前ユニット6Aが取付けられてしまうことを防止することができる。
また、上記の実施形態では、前ユニット6Aと後ユニット6Bとが組であることを判別する手段(組判別手段)として、前ユニット6Aに貼り付けられている証紙と、後ユニット6Bの主制御ユニット1300や周辺制御ユニット1500に貼り付けられている管理シールと、に夫々記載されている内容により判別するものを示したが、これに限定するものではなく、以下のような構成としても良い。他の判別手段の構成としては、例えば、前ユニット6Aに貼り付けられているスペックールと、主制御ユニット1300や周辺制御ユニット1500に貼り付けられている管理シール又は管理シールとは別のシールと、を使用して判別するようにしても良い。或いは、組判別手段を、上記のような証紙、スペックシール、管理シール、とは別の専用シールとしても良い。また、組判別手段としては、色彩、模様、絵柄、バーコードや二次元バーコード、等を使用しても良い。
更に、上記の実施形態では、第二前ユニット6A2において、障害釘Nの配置や表ユニット2000が、第一前ユニット6A1と異なる構成のものを示したが、これに限定するものではなく、第一前ユニット6A1と同じ構成にしても良い。この場合、表ユニット2000の意匠部(例えば、サイドユニット2200、センター役物2500、等)の形状や色彩、スペックシールの形状や色彩、等を異ならせるようにして、第一前ユニット6A1と第二前ユニット6A2との遊技仕様の違いが目立つようにすることが望ましい。このような構成にすると、意匠部の形状や色彩、スペックシールの形状や色彩、等が、主制御ユニット1300や周辺制御ユニット1500と組であることを示す「組判別手段」として機能する。
また、上記の実施形態では、前ユニット6Aと後ユニット6Bとを互いに固定するためのユニット固定部材1021として、ロック位置と解除位置との間でスライドするものを示したが、これに限定するものではなく、ロック位置と解除位置との間で回転するものとしても良い。
更に、上記の実施形態では、本体枠4に遊技盤5Aの後ユニット6Bを取付けるための遊技盤固定部材1134を、後ユニット6Bに設けたものを示したが、これに限定するものではなく、本体枠4に設けても良い。
また、上記の実施形態では、遊技盤5Aの前ユニット6Aと後ユニット6Bとを、ドロワコネクタからなるユニット間コネクタ前1060とユニット間コネクタ後1150とで、直接接続するものを示したが、これに限定するものではなく、両端に接続コネクタを有する配線ケーブルを使用して、前ユニット6Aと後ユニット6Bとを電気的に接続するようにしても良い。この場合、比較的高価なドロワコネクタを使用しないため、コストダウンになる。
また、上記の実施形態では、前ユニット6Aのユニット間コネクタ前1060を、アタッカユニット2400の後面に設けるものを示したが、これに限定するものではなく、ユニット間コネクタ前1060を、パネル板1110、パネルホルダ1120A、始動口ユニット2100、第二アタッカユニット2450、センター役物2500、等の後面に設けるようにしても良い。ユニット間コネクタ前1060を、パネルホルダ1120Aの後面に設ける場合、その殆どが遊技領域5aよりも外側に位置しているパネルホルダ1120Aによって、ユニット間コネクタ前1060や、ユニット間コネクタ前1060と電気部品との間の配線を、前方から見え難くすることができ、見栄えの良いパチンコ機1を提供することができる。
更に、上記の実施形態では、後ユニット6Bのユニット間コネクタ後1150を、裏ユニット3000の前面に設けるものを示したが、これに限定するものではなく、ユニット間コネクタ後1150を、装着ユニット1130の前面に設けるようにしても良いし、装着ユニット1130にユニット間コネクタ後1150が前方へ臨む開口又は切欠きを設けた上で裏箱3010の固定片部3010eの前面に設けるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、遊技盤5Aにおいて、前ユニット6Aに設けられている第二始動口センサ2401や始動口ソレノイド2412のような電気部品からの配線をユニット間コネクタ前1060に集約すると共に、後ユニット6Bに設けられている主制御基板1310や周辺制御基板1510から前ユニット6A側へ延びる配線をユニット間コネクタ後1150に集約し、ユニット間コネクタ前1060とユニット間コネクタ後1150とを接続することにより前ユニット6Aと後ユニット6Bとを電気的に接続するものを示したが、これに限定するものではなく、ユニット間コネクタ前1060及びユニット間コネクタ後1150を使用せずに、前ユニット6Aと後ユニット6Bとを電気的に接続するようにしても良い。具体的には、例えば、前ユニット6Aの電気部品に設けられているコネクタと、後ユニット6Bの主制御基板1310や周辺制御基板1510や中継基板等に設けられているコネクタとを、両端に接続コネクタを有する配線ケーブルを使用して、夫々を接続するようにしても良い。この場合、後ユニット6Bにおいて、装着ユニット1130や裏ユニット3000の裏箱3010に、配線ケーブルが通過する貫通孔又は切欠部を、設けることが望ましい。このような構成とする場合、前ユニット6Aを交換する際に、配線ケーブルの両端の接続コネクタを、前ユニット6Aのコネクタからのみ外して配線ケーブルを流用するようにしても良いし、後ユニット6Bのコネクタからのみ外して配線ケーブル毎交換するようにしても良い。これにより、比較的高価なドロワコネクタを使用する必要がなく、遊技盤5Aにかかるコストの増加を抑制させることができる。
なお、上記のように、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの電気的な接続を、両端に接続コネクタを有する配線ケーブルを使用する場合、前ユニット6Aや後ユニット6Bに設けられるコネクタの向きを側方(例えば、右方)へ向けても良いし、後ユニット6Bに設けられるコネクタの向きを後方へ向けても良い。
また、上記のように、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの電気的な接続を、両端に接続コネクタを有する配線ケーブルを使用する場合、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの間では、多くの配線ケーブルが延びることとなるため、それら配線ケーブルを纏める(束ねる)配線纒手段(例えば、スパイラルチューブ、結束バンド、ハーネス押え、等)を設けることが望ましい。これにより、バラバラな配線ケーブルが邪魔になったり他の部材に引っ掛かって断線したりすることはない。
また、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの電気的な接続としては、例えば、前ユニット6Aのパネルホルダ1120Aの後面にユニット間コネクタ前1060を設けると共に、後ユニット6Bの装着ユニット1130及び裏箱3010の固定片部3010eに、ユニット間コネクタ前1060が後方へ突出する貫通孔又は切欠部を設けるようにし、固定片部3010eの後面から後方へ突出しているユニット間コネクタ前1060に、ユニット間コネクタ後1150、又は、主制御基板1310や周辺制御基板1510等から延出している配線ケーブルの先端の接続コネクタ、を接続するような構成としても良い。
更に、上記の実施形態では、遊技盤5Aにおける後ユニット6Bにおいて、装着ユニット1130を裏ユニット3000とは別に構成するものを示したが、これに限定するものではなく、装着ユニット1130を裏ユニット3000の一部となるように構成しても良い。具体的には、例えば、裏ユニット3000の裏箱3010において、前端から外方へ延出しているフランジ状の固定片部3010eを、本体枠4の遊技盤挿入部401aに装着可能な大きさ及び形状に形成すると共に、その前面又は後面に補強板金を設ける構成とする。そして、裏箱3010の固定片部3010eに、装着ユニット1130と同様に、盤固定部1133、遊技盤固定部材1134、ロック爪1135、位置決ボス1136、位置決当接部1138、及び切欠部1139の構成を設けると共に、機能表示ユニット1400を取付けるようにする。これにより、装着ユニット1130を別途に設ける必要がなく、遊技盤5Aにかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、上記の実施形態では、遊技盤5Aの前ユニット6Aに、第二始動口センサ2401、始動口ソレノイド2412、アタッカ装飾基板(LEDやLEDドライバ)、のような電気部品を設けるものを示したが、これに限定するものではなく、前ユニット6Aに対して電気部品を設けない構成としても良い。具体的には、例えば、アタッカユニット2400のような入賞口を開閉する入賞口扉を有する入賞口ユニットの場合、入賞口ユニット全体を後ユニット6Bに設けると共に、遊技パネル1100A(パネル板1110)に入賞口ユニットが後方から挿入される開口部を設けて、入賞口及び入賞口扉の部位をパネル板1110の前面よりも前方へ突出させるような構成としても良い。或いは、前ユニット6Aには、入賞口と入賞口を開閉するための入賞口扉を設けると共に、後ユニット6Bには、入賞口に受入れられた遊技球Bを検知するためのセンサと、入賞口扉を開閉させるためのアクチュエータ(例えば、ソレノイド、モータ)を設けて、アクチュエータからの駆動を入賞口扉に伝達させるような構成としても良い。換言すると、第二始動口センサ2401、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、大入賞口センサ2402等の電気部品を、後ユニット6Bに設けるようにして、前ユニット6Aを後ユニット6Bに組付けた時に、第二始動口2004や大入賞口2005の球通路や開閉機構部と連結するようにしても良い。
また、上記のように、前ユニット6Aに電気部品を設けない場合のゲート2010としては、ゲートセンサ2011を後ユニット6Bに設けると共に、前ユニット6Aのゲート部材2630を後方へ開放されているように設けて、ゲート部材2630に対してゲートセンサ2011が後方から挿入される構成としても良い。或いは、ゲート2010を、第一実施形態の遊技盤5における第二案内通路2522のように、遊技パネル1100Aの前面から一旦後方へ誘導した後に遊技パネル1100Aの前面へ戻すような通路状のゲート通路とすると共に、当該ゲート通路を前ユニット6A側と後ユニット6B側の二つに分割して、ゲート通路の後ユニット6B側にゲートセンサ2011を設ける構成としても良い。
更に、上記のように、前ユニット6Aに電気部品を設けない場合、以下のような構成が挙げられる。例えば、後ユニット6Bにおいて前ユニット6Aにおける発光装飾させたい部位の後方の位置に前方へ光を照射するLEDのような発光手段を設ける構成としても良い。また、前ユニット6Aに後方からの光により特定部位が発光装飾される導光手段を設けると共に、後ユニット6Bに導光手段へ光を照射するLEDのような発光手段を設ける構成としても良い。このように、前ユニット6Aに電気部品を設けない構成とすることにより、前ユニット6Aにかかるコストの増加を抑制させることが可能となる。
また、上記の実施形態では、装着補強板金1132として枠状に形成されているものを示したが、これに限定するものではなく、コ字状に形成されているもの、L字状に形成されているもの、帯板状に形成されているもの、複数の金属板から構成されているもの、等としても良い。
また、上記の実施形態では、外レール1001と装着補強板金1132との電気的な接続や、装着補強板金1132と扉枠3の扉枠補強ユニットとの電気的な接続として、第一接続金具1056や第二接続金具1057の接触により接続するものを示したが、これに限定するものではなく、双方に設けられている接続コネクタ同士が直接接続(接合)されることにより電気的に接続されるようにしても良いし、双方に設けられている接続コネクタ同士を両端に接続コネクタが設けられている配線ケーブルにより電気的に接続されるようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、装着補強板金1132のアース経路として、遊技パネル1100Aを貫通して前方の扉枠3へ接続されるものを示したが、これに限定するものではなく、遊技パネル1100Aを貫通して本体枠4へ接続されるようにしても良いし、遊技パネル1100Aの側面を迂回して前方の扉枠3又は本体枠4へ接続されるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、周辺制御基板1510のグランド接続部1513と、演出表示装置1600のシールド板金1620とを板バネ状のグランド金具1623により電気的に接続するものを示したが、これに限定するものではなく、導電性樹脂により形成されている板バネ、金属や導電性樹脂により形成されているコイルバネ、導電性の発泡体、導電性のスポンジ、等を使用して電気的に接続するようにしても良い。
また、上記の実施形態では、周辺制御基板1510にグランドと接続されているグランド接続部1513を設けるものを示したが、これに限定するものではなく、周辺制御基板ボックス1520の外側面に周辺制御基板1510のグランドと接続されている金属板を設け、その金属板にグランド金具1623を接触させるようにしても良い。
[12-8.第二実施形態の遊技盤の作用効果]
第二実施形態の遊技盤5Aによれば、複数の障害釘Nと複数の一般入賞口2001や第一始動口2003のような入賞口と遊技パネル1100Aと証紙(証紙貼付部1012)とが設けられている機能部としての前ユニット6Aを、本体枠4に取付けられている遊技盤5Aから交換可能に設けているため、遊技ホールの島設備に取付けられているパチンコ機1の遊技盤5Aに対して、遊技仕様や機種を変更したい時に、本体枠4から遊技盤5A全体を取外さなくても、前ユニット6Aのみを取外すことができる。そして、予め用意した遊技仕様や機種の異なる前ユニット6Aと交換することで、遊技ホールにおいて遊技仕様や機種の変更を行うことができ、遊技仕様や機種の変更を容易に行うことが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、上述したように、遊技ホールにおいて機能部としての前ユニット6Aを交換することで、遊技仕様や機種の変更を容易に行うことができるため、遊技仕様や機種の変更にかかる時間を可及的に短くすることができ、変更にかかるコストを低減させることができると共に、遊技ホールにおけるパチンコ機1(島設備)の稼働率の低下を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、機能部としての前ユニット6Aにおけるユニット固定部材1021の前面に証紙が貼り付けられている証紙貼付部1012を設けるようにしているため、前ユニット6Aを交換するために作業者がユニット固定部材1021を操作しようとユニット固定部材1021に視線を向けると、証紙貼付部1012に設けられている証紙が視界に入り、証紙を見落とすことはない。従って、前ユニット6Aに設けられている証紙の内容を確実に確認させることができ、間違った前ユニットや不正な前ユニットに交換してしまうことを防止することができる。
また、機能部としての前ユニット6Aにおいて、本体枠4に取付けられている遊技盤5Aからの交換の際に操作されるユニット固定部材1021に隣接して、証紙が貼り付けられている証紙貼付補助部材1066を移動可能に設けているため、証紙貼付補助部材1066が遊技盤5Aの外方へ移動しているままの状態で、当該前ユニット6Aを本体枠4に取付けられている遊技盤5Aの残りの部位(後ユニット6B)に取付けようとすると、外方へ移動している証紙貼付補助部材1066が取付けの邪魔をしたり、取付けることができたとしても本体枠4に対して前方から扉枠3を閉めようとすると前方へ移動している証紙貼付補助部材1066により扉枠3を閉めることをできなくしたり、することが可能となる。従って、交換する前ユニット6Aを本体枠4に取付けられている後ユニット6Bに取付ける際に、証紙貼付補助部材1066を移動させて収容凹部1065に収容させるようにすることができる。この証紙貼付補助部材1066を移動させる際に、証紙貼付補助部材1066の証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙が作業者の視界に入ることとなり、証紙の内容を確実に確認させることができ、当該証紙に記載されている内容により本体枠4に取付けられている後ユニット6Bとの整合性を確認(照合)することができると共に、間違った前ユニットや不正な前ユニットが取付けられてしまうことを回避させることができる。
更に、機能部としての前ユニット6Aにゲートセンサ2011や始動口ソレノイド2412、LEDが実装されている装飾基板のような電気部品を有するようにする場合、前ユニット6Aに電気部品を有しないようにする場合と比較して、後ユニット6Bに設けたソレノイドのようなアクチュエータからの駆動を伝達させるための機構や、後ユニット6Bに設けたLEDからの光を導光するための機構、等の余分な機構を前ユニット6Aに設ける必要がないため、前ユニット6Aにかかるコストの増加を抑制させることができ、遊技仕様や機種の変更にかかるコストを抑制させることができる。
また、前ユニット6Aに電気部品を有するようにする場合、上述したように、機能部としての前ユニット6Aに、後ユニット6Bに設けたソレノイドのようなアクチュエータからの駆動を伝達させるための機構や、後ユニット6Bに設けたLEDからの光を導光するための機構、等の余分な機構を設ける必要がないため、当該機構が設けられていることで後ユニット6Bに対する前ユニット6Aの取付けや取り外しが複雑になることはなく、前ユニット6Aの取付け取外しを簡単なものとすることができ、遊技ホールにおいて遊技仕様や機種の変更を容易に行うことが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、機能部としての前ユニット6Aにゲートセンサ2011や始動口ソレノイド2412、LEDが実装されている装飾基板のような電気部品を有するようにしているため、交換前の前ユニット6Aとは、入賞口(開閉する入賞口)や発光装飾の異なる前ユニット6Aとすることが可能となり、外観を大きく変更させることが可能となるため、単なる遊技仕様の変更にとどまらず、より遊技者に対する訴求力を高められる変更を行うことができ、前ユニット6Aの交換にかかるコスト以上の効果を期待することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、機能部としての前ユニット6Aにおける電気部品からの配線を纏めてユニット間コネクタ前1060により、後ユニット6Bのユニット間コネクタ後1150へ接続するようにしているため、前ユニット6Aを交換する際に、前ユニット6Aを後ユニット6Bに対して外したり付けたりするだけで、電気的な接続を外したり付けたりすることができ、前ユニット6Aの交換作業を容易なものとすることができる。
また、ユニット間コネクタ前1060とユニット間コネクタ後1150とを、直接接続させようにしていることから、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの間で配線ケーブルが延びていないため、配線ケーブルが他の部際に引っ掛かったり挟まったりすることはないと共に、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの間において断線の恐れがなく、電気的な接続での不具合の発生を防止することができる。
また、機能部としての前ユニット6Aは、ドライバのような工具を使用しなくても交換できるようにしているため、遊技ホール側において工具を用意しなくても容易に前ユニット6Aの交換作業を行うことができ、遊技ホールの係員でも容易に交換作業を行うことができる。
更に、第二実施形態の遊技盤5Aによれば、遊技盤5Aにおいて、複数の障害釘Nと一般入賞口2001や第一始動口2003のような複数の入賞口とが設けられている遊技パネル1100Aを、遊技盤5Aから分離可能に設けているため、例えば、遊技ホールの島設備に取付けられている本体枠4に装着されている遊技盤5Aに対して、遊技仕様や機種を変更したい時に、本体枠4から遊技盤5A全体を取外さなくても、遊技パネル1100A(前ユニット6A)のみを取外すことができる。そして、予め用意した遊技仕様や機種の異なる遊技パネル1100A(前ユニット6A)と交換することで、遊技ホールにおいて遊技仕様や機種の変更を行うことができ、遊技仕様や機種の変更を容易に行うことが可能なパチンコ機1を提供することができる。この際に、遊技パネル1100Aにおける左右方向中央を境にして本体枠4の軸芯から遠い側で、左右方向中央よりも右側を特定領域として第二始動口センサ2401や大入賞口センサ2402等の電気部品を設けているため、当該電気部品と接続されているユニット間コネクタ前1060を介して遊技盤の残りの部位(後ユニット6B)のユニット間コネクタ後1150と接続することで、遊技パネル1100A(前ユニット6A)の取付作業や取外作業の際に、後ユニット6Bとの電気的な接続にかかる作業を遊技パネル1100A(前ユニット6A)のあちこちにおいて行う必要がなく、右下隅の特定領域内で効率良く作業することができ、遊技パネル1100A(前ユニット6A)の取付作業や取外作業を容易にすることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、本体枠4に遊技盤5Aを装着している状態でヒンジ回転させて遊技ホールの島設備から本体枠4を開くと、本体枠4の自由端側の近くに遊技パネル1100A(前ユニット6A)の特定領域が位置しているため、特定領域に設けられている第二始動口センサ2401や大入賞口センサ2402等の電気部品と、後ユニット6Bとの電気的な接続に対する接続作業や解除作業を行い易いものとすることができる。詳述すると、本実施形態では、第二始動口センサ2401や大入賞口センサ2402等の電気部品と接続されているユニット間コネクタ前1060を、後ユニット6Bに設けられているユニット間コネクタ後1150に対して直接接続させるようにしている。そして、本体枠4に装着されている遊技盤5Aから遊技パネル1100A(前ユニット6A)を取外す際に、本体枠4がヒンジ回転することから、その軸芯側は島設備や扉枠3等により作業スペースが狭いため、遊技パネル1100Aも本体枠4の軸芯に近い側(左端側)を軸芯として回転させながら斜めにして取付作業や取外作業を行う方が楽である。この際に、遊技パネル1100A(前ユニット6A)が後ユニット6Bに対して斜めの状態になるが、軸芯から遠い位置に直接接続されるユニット間コネクタ前1060を設けているため、当該ユニット間コネクタ前1060の移動方向の傾きが、当該ユニット間コネクタ前1060の本来の抜き差し方向(ここでは前後方向)に対して僅かとなり、遊技パネル1100A(前ユニット6A)のユニット間コネクタ前1060と後ユニット6Bのユニット間コネクタ後1150との接続や解除をスムーズにすることができる。このようなことから、遊技パネル1100A(前ユニット6A)の取付作業や取外作業の際に、後ユニット6Bとの電気的な接続にかかる作業が容易であるため、遊技パネル1100A(前ユニット6A)の取付作業や取外作業を容易にすることができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、遊技パネル1100A(前ユニット6A)に配線纒手段としてのユニット間コネクタ前1060を有するようにしているため、遊技パネル1100Aの取付作業や取外作業の際に、第二始動口センサ2401や大入賞口センサ2402等の電気部品からの配線ケーブルがバラバラになることはなく、バラバラになった配線ケーブルが他の部材に引っ掛かることで作業を邪魔してしまうことを回避させることができ、遊技パネル1100A(前ユニット6A)の取付作業や取外作業の行い易い遊技機を提供することができる。
更に、上述したように、配線纒手段としてのユニット間コネクタ前1060により配線ケーブルを他の部材に引っ掛かり難くすることができるため、遊技パネル1100A(前ユニット6A)と後ユニット6Bとの間の電気的な接続において断線の恐れをなくすことができ、電気的な接続での不具合の発生を防止することができる。
また、遊技パネル1100A(前ユニット6A)の特定領域に、第二始動口センサ2401や大入賞口センサ2402等の電気部品を設けているため、遊技パネル1100Aとして透明な部材を使用する場合、電気部品から延出している配線ケーブルを隠すための構成(工夫)をある程度の範囲に纏めることが可能となり、コストの増加を抑制させることができると共に、配線ケーブルを隠すための構成が遊技パネル1100Aを透明にするメリットを阻害し難くすることができ、意図した効果を発揮させて遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、第二実施形態の遊技盤5Aによれば、遊技盤5Aにおける表示ユニットとしての演出表示装置1600に、これまでのパチンコ機では設けられていなかった接続中継基板1624を新たに設けると共に、接続中継基板1624に周辺制御ユニット1500の周辺側接続コネクタ1514と接続される表示側接続コネクタ1625を設けている。そして、接続中継基板1624に、演出表示装置1600から延出しているFPC1626が接続されるFPC接続コネクタ1624aを設け、演出表示装置1600と接続中継基板1624とはFPC1626で接続し、FPC接続コネクタ1624aと表示側接続コネクタ1625とを接続中継基板1624の配線回路により繋ぐことで、周辺制御基板1510側との接続をFPC接続コネクタ1624aではなく、表示側接続コネクタ1625により行わせることができ、表示側接続コネクタ1625を素人でも確実に接続できるタイプのコネクタ(例えば、ドロワコネクタ、基板間コネクタ、等)とすることが可能となる。つまり、接続中継基板1624において、接続するコネクタの種類を変換することができる。従って、パチンコ機1の工場において、初めに熟練者がFPC1626のコネクタと接続中継基板1624の被コネクタとの接続を行い、以後は、表示側接続コネクタ1625において接続(抜き差し)を行わせることが可能となるため、熟練者ではなくても表示側接続コネクタ1625と周辺側接続コネクタ1514とを確実に接続することができ、素人でも不具合を発生させることなく演出表示装置1600に対して周辺制御ユニット1500を着脱させることができる。このようなことから、演出表示装置1600の再利用にかかるコストを低減させることができると共に、演出表示装置1600を再利用し易いパチンコ機1を提供することができる。
また、演出表示装置1600からのFPC1626のコネクタが接続中継基板1624に接続されることに加えて、接続中継基板1624を演出表示装置1600(シールド板金1620)に取付けられているようにしているため、接続中継基板1624の表示側接続コネクタ1625において抜き差しを繰り返しても、接続中継基板1624が不動であることから演出表示装置1600からのFPC1626が移動することはなく、ノイズを拾い易くなることはない。従って、周辺制御ユニット1500を交換しても、ノイズが入るようなことはなく、ノイズの無い良好な演出画像を遊技者に楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、周辺側接続コネクタ1514を周辺制御基板1510に取付けているため、周辺制御ユニット1500において周辺制御基板1510とは別に周辺側接続コネクタ1514を取付けるための接続中継基板を設ける必要がなく、周辺制御ユニット1500にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、演出表示装置1600に周辺制御ユニット1500を取付けると、表示側接続コネクタ1625と周辺側接続コネクタ1514とが、自動的に接続されるようにしているため、周辺制御ユニット1500の着脱作業(交換作業)の際に、演出表示装置1600側との電気的な接続作業を省くことができ、周辺制御ユニット1500の着脱作業をより容易なものとすることができる。
また、表示側接続コネクタ1625と周辺側接続コネクタ1514とを直接接続するようにしていることから、演出表示装置1600と周辺制御ユニット1500との間で配線ケーブルが延びていないため、配線ケーブルが他の部際に引っ掛かったり挟まったりすることはないと共に、演出表示装置1600と周辺制御ユニット1500との間において断線の恐れがなく、演出表示装置1600において周辺制御基板1510からの演出画像を確実に表示させることができ、遊技者に演出画像を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、演出表示装置1600のグランド(シールド板金1620)と周辺制御ユニット1500のグランド(周辺制御基板1510のグランド接続部1513)とを、グランド金具1623により電気的に接続するようにしているため、ノイズに強くなり、演出表示装置1600や周辺制御基板1510での電気回路の動作を安定させることができる。
また、演出表示装置1600に周辺制御ユニット1500を取付けると、シールド板金1620に取付けられているグランド金具1623の先端が、反対の周辺制御基板におけるグランド接続部1513に弾性接触するため、演出表示装置1600と周辺制御基板1510とのグランド接続を自動的に行うことができ、接続作業を更に容易なものとすることができる。
更に、周辺制御ユニット1500を、周辺制御基板ボックス1520の一つの端辺に設けられている取付片1521を回動中心にして、演出表示装置1600に着脱可能としていることから、当該取付片1521により周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600に対して位置決めすることができ、周辺制御ユニット1500の着脱作業を容易なものとすることができる。
また、周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600に着脱する際に、周辺制御ユニット1500における周辺制御基板ボックス1520の取付片1521を回動中心にしていることから、表示側接続コネクタ1625に向かって周辺側接続コネクタ1514が円弧状に移動することとなるが、当該取付片1521を周辺側接続コネクタ1514から遠い位置に設けているため、周辺側接続コネクタ1514の移動方向の傾きが、表示側接続コネクタ1625と周辺側接続コネクタ1514との抜き差し方向(ここでは前後方向)に対して僅かとなり、周辺側接続コネクタ1514を表示側接続コネクタ1625に対してスムーズに直接接続することができ、周辺制御ユニット1500の着脱作業を容易なものとすることができる。
更に、上述したように、表示ユニットとしての演出表示装置1600と周辺制御ユニット1500とを容易に着脱することができるため、以下のような優れた作用効果を奏することができる。詳述すると、パチンコ機1を設置する遊技ホール側では、一旦、島設備に設置した所定の遊技仕様のパチンコ機を、別の遊技仕様のものに変更したい場合がある。このような場合、パチンコ機のメーカーでは、遊技ホール側から当該パチンコ機を工場に引き取って、クリーニングすると共に、所望の遊技仕様に変更して遊技ホール側へ出荷するようにしている。しかしながら、パチンコ機を工場に引き取るようにする場合、遊技仕様が変更されたパチンコ機が戻ってくるまでに時間がかかり、その間、島設備の当該パチンコ機の部位が空いたままとなり、遊技ホールの稼働率が低下して、遊技ホール側に負担がかかる問題があった。これに対して、本実施形態では、演出表示装置1600と周辺制御ユニット1500との着脱が素人でも容易であるため、遊技ホールの島設備に取付けられているパチンコ機1に対して、遊技仕様や機種を変更したい時に、遊技ホールの係員等が、島設備にパチンコ機1を取付けたまま周辺制御ユニット1500を取外して交換することが可能となり、パチンコ機1全体を交換しなくても遊技仕様や機種の変更を容易に行うことができる。また、パチンコ機1において、演出表示装置1600はそのままで周辺制御ユニット1500を交換すれば良いため、パチンコ機1全体を交換する場合と比較して、遊技仕様や機種の変更にかかるコストを低減させることができる。なお、遊技仕様や機種の変更において、遊技を制御するための主制御基板1310を有する主制御ユニット1300を交換する必要があることは言うまでもない。
また、上記のように、パチンコ機1を工場に引き取らなくても遊技ホールにおいて演出制御ユニットの交換ができるため、遊技仕様や機種の変更にかかる時間を可及的に短くすることができ、変更にかかるコストを低減させることができると共に、遊技ホールにおけるパチンコ機(島設備)の稼働率の低下を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、グランド金具1623の先端側を、フォークのように複数に分岐させて、周辺制御基板1510のグランド接続部1513に弾性接触させるようにしているため、接触する部位が増加することで、接触不良を低減させることができ、演出表示装置1600と周辺制御基板1510とのグランド接続を確実なものとすることができる。
更に、第二実施形態の遊技盤5Aによれば、遊技盤5Aの前ユニット6Aの前構成部材1000Aにおける金属の外レール1001により遊技球Bを遊技領域5a内へ案内するようにしているため、樹脂レールにより案内する場合と比較して、遊技球Bとの接触による静電気の発生を低減させることができる。そして、外レール1001における遊技球Bが最初に接触する部位(下流端付近の部位)は、遊技球Bが最も強く当接することから、高い静電気が発生し易い部位となっており、外レール1001の当該部位において第一接続金具1056を介して後ユニット6Bの装着補強板金1132と電気的に接続するようにしているため、遊技球Bの当接により発生した静電気を直ちにアース接続されている装着補強板金1132を介して逃すことができ、外レール1001と他の部材との間での放電やショートの発生を防止して、不具合の発生を抑制することができる。この際に、装着補強板金1132を遊技パネル1100Aの後に設けているため、装着補強板金1132を前方から見え難くすることができ、パチンコ機1の見栄えが悪くなることはなく、静電気による不具合の発生を防止しつつ見栄えの良いパチンコ機1を提供することができる。
また、遊技球Bを遊技領域5aへ案内する金属の外レール1001を、装着補強板金1132を介してアース接続しているため、静電気を帯びている(帯電している)遊技球Bが遊技領域5a内へ供給されようとしても、当該遊技球Bが外レール1001に接触して案内されることで、遊技球Bから静電気を除去することができる。従って、帯電していない遊技球Bを遊技領域5a内に供給することができることから、帯電している遊技球Bが遊技領域5a内に供給されることで引き起こされる不具合(例えば、遊技球Bとセンサとの間での放電やショートによる不具合、遊技球BとLEDや基板との間での放電やショートによる不具合、等)を回避させることができるため、不具合による遊技の中断によって遊技者に不快感を与えてしまうことを防止することができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、装着補強板金1132を、主制御基板1310やゲートセンサ2011のような電気部品から離れた位置に設けると共に、装着補強板金1132のアース経路が遊技パネル1100を貫通して前方へ接続するようにしているため、装着補強板金1132やそのアース経路を、遊技パネル1100Aの後に設けられている電気部品から遠ざけている。従って、装着補強板金1132(アース経路)と、遊技パネル1100Aの後に設けられている電気部品と、の間で放電やショートが発生することを回避させることができるため、静電気により電気部品が破損したりノイズが入ったりする不具合の発生を防止することができ、不具合による遊技の中断によって遊技者に不快感を与えて遊技に対する興趣を低下させてしまうことを抑制させることが可能なパチンコ機1を確実に提供することができる。
また、遊技パネル1100Aの後にアース接続されている装着補強板金1132を設けており、装着補強板金1132を外レール1001よりも面積(体積)を大きくしているため、大きな装着補強板金1132により外レール1001からの静電気を拡散させて弱める(電圧を低下させる)ことが期待でき、放電やショートを発生し難くすることができる。
また、前ユニット6Aと後ユニット6Bとを互いに取付けた時に、第一接続金具1056と第二接続金具1057とにより外レール1001と装着補強板金1132とが自動的に電気的に接続されるようしているため、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの分離や取付け作業を容易なものとすることができ、前ユニット6Aの交換による遊技仕様や機種の変更にかかる時間を可及的に短くすることができる。
更に、第二実施形態の遊技盤5Aによれば、遊技盤5Aを前後に分離可能な前ユニット6Aと後ユニット6Bとで構成しているため、遊技ホールの島設備に取付けられている本体枠4に装着されている遊技盤5Aに対して、遊技仕様や機種を変更したい時に、遊技盤5Aの前ユニット6Aのみを交換すれば良く、遊技盤5A全体を交換しなくても遊技仕様や機種の変更を容易に行うことができると共に、遊技盤5A全体を交換する場合と比較して、遊技仕様や機種の変更にかかるコストを低減させることができる。この際に、前ユニット6A及び後ユニット6Bを、本体枠4における本体枠ベース401の遊技盤挿入部401aに挿入した状態で自立するようにしているため、本体枠4に取付けられている遊技盤5Aから前ユニット6Aを取外して、本体枠4に後ユニット6Bのみが取付けられている状態にしても、本体枠4の遊技盤挿入部401aに挿入されている後ユニット6Bが自立して前方へ倒れてくることはない。従って、本体枠4から倒れないように後ユニット6Bを支える必要がなく、前ユニット6Aの取外し(交換)にかかる手間を容易なものとすることができ、作業性を高めることができる。このように、遊技ホールの島設備に設置されているパチンコ機1の本体枠4から遊技盤5Aにおける前ユニット6Aの着脱を容易なものとすることができることから、遊技盤5A(前ユニット6A)を工場に引き取らなくても前ユニット6Aの交換作業を遊技ホールにおいて実施することが可能となるため、遊技仕様や機種の変更にかかる時間を可及的に短くすることができ、変更にかかるコストを低減させることができると共に、遊技ホールにおけるパチンコ機1(島設備)の稼働率の低下を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、遊技盤5Aの後ユニット6Bに、遊技盤5Aの外形と同じような大きさの装着補強板金1132を有するようにしているため、装着補強板金1132の存在により後ユニット6Bの強度・剛性を高めることができる。従って、後ユニット6Bに重量のある重い演出装置(裏下演出ユニット3600のような演出ユニット、演出表示装置1600、等)を備え易くすることができるため、より遊技者を楽しませられる演出装置を設けることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、装着補強板金1132によって後ユニット6Bの強度・剛性が高いため、前ユニット6Aの遊技パネル1100Aに強度を分担させる必要がなく、前ユニット6A(遊技パネル1100A)を薄くしたり強度の弱い安価なもので構成したりすることが可能となり、前ユニット6Aの軽量化やコストの軽減化等を図ることができる。
更に、後ユニット6Bに複数の位置決ボス1136を設けているため、後ユニット6Bと前ユニット6Aとを互いに取付ける際に、位置決ボス1136により前ユニット6Aを案内させて後ユニット6Bに対して前ユニット6Aを正しい位置に位置決めすることができる。従って、前ユニット6Aと後ユニット6Bとを分離できるようにしても、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの間で位置のズレによる問題が生ずることはないため、前ユニット6Aと後ユニット6Bとを容易に分離できるようにすることが可能となる。このようなことから、前ユニット6Aの交換が容易なパチンコ機1とすることができるため、前ユニット6Aの交換により遊技仕様や機種の変更を容易に行うことができ、上述と同様の作用効果を奏するパチンコ機1を確実に提供することができる。
また、複数の位置決ボス1136を、前方への突出長さが異なる第一位置決ボス1136aと第二位置決ボス1136bとで構成しているため、前ユニット6Aと後ユニット6Bとを互いに取付ける際に、長く前方へ突出している第一位置決ボス1136aが初めに前ユニット6Aを案内し、前ユニット6Aが後ユニット6Bに接近するのに伴って、突出長さの短い第二位置決ボス1136bも前ユニット6Aを案内するようになり、前ユニット6Aを後ユニット6Bに対して多段階で案内させることができる。従って、初めの段階では、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの位置合わせを大まかなものとすることが可能となるため、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの取付作業を容易なものとすることができる。
また、前ユニット6Aに証紙が貼り付けられる証紙貼付部1012を設けていることから、本体枠4に初めに取付けられていた遊技盤5Aの前ユニット6A(第一前ユニット6A1)にも証紙が設けられているため、当該証紙に記載されている内容と、後ユニット6Bの主制御ユニット1300の管理シール貼付部1301に貼り付けられている管理シールの内容とを照合することで、前ユニット6Aの整合性を確認することができ、間違った前ユニット6Aや不正な前ユニット6Aが取付けられてしまうことを回避させることができる。
[13.本発明と実施形態との関係]
本実施形態における本体枠4の球発射ユニット450は本発明の球発射手段に、本実施形態におけるファールユニット470、循環球経路ユニット500、球揚上ユニット550、及び球送ユニット600は本発明の球循環手段に、本実施形態の本体枠4の本体枠ベース401におけるトレー挿入凹部401fの底壁は本発明の傾斜面に、本実施形態における本体枠ベース401の係止爪401nは本発明の規制部に、夫々相当している。
本実施形態における循環球経路ユニット500の球貯留通路504及び球蛇行部材513は本発明の球通路に、本実施形態における球蛇行部材513の第一屈曲部513jは本発明の減速部に、本実施形態における球蛇行部材513の球抜口513pは本発明の球抜口に、本実施形態における球抜シャッター515は本発明の球抜手段に、本実施形態における磁石516は本発明の磁力発生手段に、本実施形態における球揚上ユニット550は本発明の球揚上手段に、本実施形態における球受トレー620は本発明の球受部に、夫々相当している。
[14.本実施形態の特徴的な作用効果]
本実施形態によれば、遊技盤5の遊技領域5aへ遊技球Bを発射する球発射ユニット450から発射された遊技球Bを、ファールユニット470や循環球経路ユニット500により回収して球発射ユニット450へ供給すると共に、遊技者の持球データに基づいて球発射ユニット450から遊技球Bを発射させるようにしているパチンコ機1(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、通常の状態では、扉枠3が本体枠4に対して閉じられていると共に、循環球経路ユニット500の球抜シャッター515が閉位置の状態となっている。この状態では、扉枠3によって球抜シャッター515の開位置(前方)へのスライドが不能とされているため、球抜シャッター515が遊技の振動等により勝手に閉位置から開位置へスライドすることはなく、球蛇行部材513の球抜口513pから遊技球Bが球受トレー620に抜けることはない。従って、封入されている遊技球Bの数が減少することはなく、連続した遊技球Bの発射ができなくなるようなトラブルの発生を回避させることができるため、遊技者に対して連続した遊技球Bの発射を確実に楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
そして、メンテナンス等により封入されている遊技球Bを外部(球受トレー620)に抜く場合は、本体枠4から扉枠3を開き、球抜シャッター515を閉位置から開位置へスライドさせると、球貯留通路504(球蛇行部材513)において上下に貫通している球抜口513pが開いて球貯留通路504の底壁が抜けた状態となり、球抜口を球貯留通路の側壁に設ける場合と比較して、球貯留通路504から遊技球Bを確実に下方の球受トレー620へ抜くことができる。この際に、球抜口513pを球貯留通路504における第一屈曲部513j(減速部)の下流に隣接するように設けていることから、第一屈曲部513jの屈曲により遊技球Bの流通速度が減速されているため、遊技球Bが球抜口513pを飛び越えてしまうことを回避させることができ、球抜口513pから遊技球Bを確実に球受トレー620へ抜くことができる。これにより、球抜口513p(球抜シャッター515)の下方に設けられている容器状の球受トレー620に循環球経路ユニット500から遊技球Bを抜くことができるため、当該遊技球Bが球受トレー620により受けられることで封入されている遊技球Bが外部へばらまかれることはなく、球受トレー620により封入されている遊技球Bを纏めた状態で取出すことができ、メンテナンス等にかかる負担を軽減させることができる。
この球受トレー620は、本体枠ベース401のトレー挿入凹部401fにおける前方へ向かって低くなるように傾斜している底壁(傾斜面)に載置されていると共に、係止爪401n(規制部)により前方への移動が規制されているため、球抜シャッター515により循環球経路ユニット500から抜かれた遊技球Bが球受トレー620に溜まることで、その重量により球受トレー620が底壁の傾斜に沿って前方へスライドしようとしても、係止爪401nにより前方へのスライドが規制され、係止爪401nによる規制が解除されるまでは、球抜シャッター515により抜かれた遊技球Bを受けさせることができる。そして、球受トレー620に複数の遊技球Bが貯留されている状態で係止爪401nによる規制を解除すると、球受トレー620に貯留されている遊技球Bの重量により、球受トレー620がトレー挿入凹部401fの底壁の傾斜に沿って前方へスライドすることとなり、多くの遊技球Bを纏めた状態で簡単に取り出すことができる。
磁力516を有する球抜シャッター515による鉄球SBの取り出しは、球抜シャッター515が閉位置の通常の状態で、球貯留通路504を鉄球SBが流通してくると、磁石516により鉄球SBが球抜シャッター515の扉部515aの上面に磁着する。この状態で、球抜シャッター515を閉位置から開位置へスライドさせると、磁着している鉄球SBが扉部515aと一緒にスライドすることとなるが、球貯留通路504の側壁(第一横行部513kの前側の側壁)に鉄球SBが当接することで鉄球SBのみスライドが阻止される。そして、球抜シャッター515のみが更にスライドすると、鉄球SBを下から支持していた扉部515aがなくなることで鉄球SBが下方へ移動し球抜口513pを通ることとなる。この際に、鉄球SBは、磁石516の磁力により扉部515aから離れることはなく、磁着したまま扉部515aの下面側へ回り込もうとする。この状態で、球抜シャッター515を開位置から閉位置へスライドさせると、球抜口513pが閉じられると共に鉄球SBが扉部515(磁石516)の下面に磁着したままとなり、球受トレー620へ落下することはない。これにより、扉部515aの下面に磁着している鉄球SBを取り除くことで鉄球SBを取り出すことができると共に、ステンレス球のみを球受トレー620に受け取らせることができる。
また、球受トレー620が載置されるトレー挿入凹部401fの底壁を前方へ低くなる傾斜面としているため、トレー挿入凹部401fに球受トレー620を挿入していない状態で球抜シャッター515をスライドさせて循環球経路ユニット500(球抜口513p)から遊技球Bが抜かれた場合、トレー挿入凹部401fの底壁の傾斜により前方へ誘導して排出させることができ、遊技球Bを散らばり難くすることが可能となる。
また、球蛇行部材513の第一屈曲部513jにより流通速度を減速させた状態で球抜口513pから遊技球Bを球受トレー620へ抜くようにしているため、球抜口513pから排出された遊技球Bの勢いが弱くなることで球受トレー620に作用する衝撃を低減させることができ、球受トレー620が破損することはない。
更に、封入されている遊技球Bを抜くための球抜シャッター515(球抜口513p)を、球揚上ユニット550(揚上スパイラルシャフト561)へ遊技球Bを供給する球貯留通路504の下流端付近に設けていることから、遊技球Bの循環経路Rにおいて最も低い位置の付近に球抜シャッター515が設けられていることとなるため、球抜シャッター515から外部へ排出された遊技球Bが球受トレー620により受けられずにこぼれても、当該遊技球Bが比較的低い位置から落下することにより広範囲に散らばり難くいものとすることができ、球抜きに係る手間を軽減させることができる。
また、球抜シャッター515(球抜口513p)を球貯留通路504における球揚上ユニット550の下端(入口)の近くに設けているため、球抜口513pよりも上流側の遊技球Bを球貯留通路504の傾斜により自然に抜くことができ、球揚上ユニット550において揚上中などの一部の遊技球Bを揚上スパイラルシャフト561により揚上させれば良く、従来と比較して球抜きにかかる時間を短縮させることができ、メンテナンス等にかかる負担を軽減させることができる。
更に、球抜シャッター515をスライドさせて遊技球Bを抜いている時には、球揚上ユニット550(揚上スパイラルシャフト561)を動作(回転)させて遊技球Bを揚上させるようにしているため、循環経路R(球通路)における球揚上ユニット550の下端(入口)側の遊技球、球揚上ユニット550による揚上中の遊技球B、等を球抜口513pへ送ることができ、封入されている全ての遊技球Bを外部へ抜くことができる。なお、球抜シャッター515の操作により球揚上ユニット550を動作させるようにしても良いし、球抜スイッチ642の操作により球揚上ユニット550を動作させるようにしても良い。
また、扉枠3を閉じている状態では、球抜シャッター515が閉位置から開位置へスライドしないようにしているため、不正行為を行うための不正球(例えば、鉄球SB)を球抜シャッター515(球抜口513p)から循環球経路ユニット500へ混入されてしまうことを防ぐことができ、不正球の混入により不正行為が達成されてしまうことを阻止することが可能なセキュリティ性の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、球抜シャッター515に磁石516を有するようにしているため、封入されている遊技球Bにステンレス球を使用している本実施形態のパチンコ機1の場合、遊技ホールにおいて遊技球として鉄球SBを使用している従来のパチンコ機と混在するように本パチンコ機1が設置されると、メンテナンス等によりステンレス球を交換したり補充したりする際に、鉄球SBが混入する可能性が高くなる。そして、メンテナンス等の時に鉄球SBが混入した場合、その鉄球SBを磁石516からの磁力により球抜シャッター515に磁着させることができ、ステンレス球に対して選別することができる。そして、磁石516により球抜シャッター515に磁着している鉄球SBを、球抜シャッター515により簡単に外部へ取り出すことが可能となる。
また、不正行為を行うための不正球として鉄球SBが混入されても、磁石516からの磁力により鉄球SBを球抜シャッター515に磁着させることができるため、不正行為を行うための鉄球SBが球発射ユニット450により遊技領域5aへ発射されてしまうことを回避させることができ、不正行為の達成を妨害してセキュリティ性の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、磁石516により鉄球SBが球抜シャッター515に磁着すると、磁着した鉄球SBにより球貯留通路504における遊技球Bの流通が阻害され、下流側の循環球過少センサ521や揚上入口センサ553が何時までたっても遊技球B(ステンレス球)を検知しなくなるため、球抜シャッター515において鉄球SBが磁着していることを検知することができ、鉄球SBの混入を報知させて混入した鉄球SBを除去させることができる。
[15.本実施形態に包含されている別の特徴について]
[15-1.第一技術的特徴]
本明細書には、上記とは異なる以下のような技術的特徴を有している。
[15-1a.第一技術的特徴の背景]
パチンコ機のような遊技機として、遊技中は内部に封入されている多数の遊技球を循環させ、遊技者が遊技球に触れることのない遊技機(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)が知られている(例えば、特許文献A:特開2020-89489号公報)。この特許文献Aの技術では、本体枠に着脱可能に設けられ遊技球による遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、遊技領域を前方から視認可能としており本体枠に対して開閉可能に設けられている扉枠とを備え、本体枠における遊技盤よりも外側の部位に、遊技を行うための遊技球を遊技領域へ打ち込むための球発射手段が設けられている。
しかしながら、特許文献Aの技術では、扉枠を前方へ開くと、遊技領域(遊技盤)が前方へ開放された状態となるため、扉枠を開いた状態で球発射手段から遊技球が発射されると、遊技盤側へ打ち込まれた遊技球が外部へ放出されてしまい、遊技球がまき散らされてしまう問題があると共に、遊技球が外部へ放出されることで封入されていた遊技球の数が減少し、連続した遊技球の発射ができなくなるようなトラブルが発生する。
また、特許文献Aのような遊技に使用する遊技球が封入されている遊技機では、遊技球として錆び難いステンレス球を使用することが望ましいが、そうする場合、遊技ホールによっては遊技球として鉄球を使用する従来の遊技機と混在することとなるため、メンテナンスなどの際に球発射手段の出口を通して鉄球が混入する恐れがあり、鉄球の混入により様々な不都合が生じる恐れがある。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、扉枠を開いた時に球発射装置側から外部へ遊技球が放出されることを阻止することが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
[15-1b.第一技術的特徴の解決手段]
手段1:遊技機において、
「本体枠に前方から着脱可能に支持され、遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、該遊技盤の遊技領域を前方から視認可能としており、前記本体枠に対して開閉可能に設けられている扉枠と、前記本体枠における前記遊技盤よりも下方に設けられており前記遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、該球発射手段により発射されても前記遊技領域に供給されなかった遊技球を回収するファール球回収手段と、前記球発射手段により発射された遊技球を回収して再び該球発射手段に供給する球循環手段と、を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて前記球発射手段により遊技球を発射させるようにした遊技機であって、
前記扉枠が開いている時に、前記球発射手段から前記遊技盤側への遊技球の供給を阻止する球供給阻止手段が設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「球供給阻止手段」としては、「扉枠を開くと球発射手段側の出口を閉じるように開閉するシャッターを有するもの」、「バネの付勢力により球発射手段から発射された遊技球をファール球回収手段へ誘導する誘導位置と、閉じる方向へ移動する扉枠に押圧されることでバネの付勢力により誘導位置から非誘導位置へスライドするシャッターを有するもの」、「扉枠が開くと非誘導位置から誘導位置へスライドして球発射手段から発射された遊技球をファール球回収手段へ誘導させるシャッターと、扉枠の開閉を検知する扉開閉スイッチと、扉開閉スイッチのON/OFFによりシャッターを誘導位置と非誘導位置の間でスライドさせる電動アクチュエータと、を有するもの」、「球発射手段による遊技球の発射停止をさせるもの」、「扉枠が開くと遊技盤での遊技一時停止をさせ、扉枠が閉じると遊技再開をさせるもの」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、本体枠に前方から着脱可能に支持され、遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、遊技盤の遊技領域を前方から視認可能としており本体枠に対して開閉可能に設けられている扉枠と、本体枠における遊技盤よりも下方に設けられており遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、球発射手段により発射されても遊技領域に供給されなかった遊技球を回収するファール球回収手段と、球発射手段により発射された遊技球を回収して再び球発射手段に供給する球循環手段と、を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて球発射手段により遊技球を発射させるようにした遊技機であって、扉枠が開いている時に、球発射手段から遊技盤側への遊技球の供給を阻止する球供給阻止手段が設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、[4-3.ファールユニット]の章、及び、図17乃至図19等の記載を参照)
これにより、遊技領域へ遊技球を発射する球発射手段から発射された遊技球を、球循環手段により回収して球発射手段へ供給すると共に、遊技者の持球データに基づいて球発射手段から遊技球を発射させるようにした遊技機(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、遊技盤を支持している本体枠に対して開閉可能に設けられている扉枠を開くと、遊技盤の遊技領域が前方へ露出して遊技球が外部へ放出可能な状態になるが、球供給阻止手段により球発射手段から遊技盤への遊技球の供給が阻止されるため、遊技球が外部へ放出されることはなく、遊技球がまき散らされることはない。従って、封入されている遊技球の数が減少することはなく、連続した遊技球の発射ができなくなるようなトラブルの発生を回避させることができるため、遊技者に対して連続した遊技球の発射を確実に楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠が開いている時に、球発射手段から遊技盤側への遊技球の供給を阻止する球供給阻止手段を設けていることから、球供給阻止手段として扉枠を開くと球発射手段側の出口を閉じるシャッターを有するようにすると、扉枠を開いた時に球発射手段から発射された遊技球を当該シャッターにより遮って外部へ放出されることを防ぐことができると共に、球発射手段の出口を通して外部から遊技球が混入されることをシャッターにより防ぐことができる。従って、封入されている遊技球にステンレス球を使用する場合、遊技ホールにおいて遊技球に鉄球を使用している従来の遊技機と混在するように本遊技機が設置されることで鉄球が混入する可能性が高くなっても、シャッターによって外部から球発射手段の出口を介して鉄球が混入されることを防止することができ、鉄球の混入による様々な不都合が生じることはない。また、鉄球の混入による不正行為を回避させることができ、セキュリティ性の高い遊技機を提供することができる。
なお、球供給阻止手段に、扉枠が開くと非誘導位置から誘導位置へスライドして、球発射手段から発射された遊技球をファール球回収手段へ誘導させるシャッターを有するようにしても良い。これにより、扉枠を開くとシャッターが非誘導位置から誘導位置へスライドし、球発射手段から発射された遊技球がシャッターに当接してファール球回収手段へ誘導されるため、遊技球が外部へ放出されてまき散らされることはなく、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記のように球供給阻止手段にシャッターを設ける場合、球発射手段から発射された遊技球をシャッターによりファール球回収手段へ誘導させるようにしているため、扉枠が開いた状態で発射された遊技球をファール球として扱うことができ、遊技者が不利になることを低減させて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
更に、上記のように扉枠を開くとシャッターが非誘導位置から誘導位置へスライドして球発射手段から発射された遊技球をファール球回収手段へ誘導させるようにする場合、扉枠を開いた時に当該シャッターによって、ファール球回収手段側や球発射装置側への他の遊技球の混入を防ぐことが可能となる。これにより、封入されている遊技球にステンレス球を使用する場合、遊技ホールにおいて遊技球に鉄球を使用している従来の遊技機と混在して本遊技機が設置されても、シャッターによって外部からファール球回収手段や球発射手段を介して鉄球が混入されることを防止することができ、鉄球の混入による様々な不都合が生じることはない。また、鉄球の混入による不正行為を回避させることができ、セキュリティ性の高い遊技機を提供することができる。
また、上記のように球供給阻止手段にシャッターを設ける場合、シャッターを、バネの付勢力により誘導位置へ付勢され、閉じる方向へ移動する扉枠により押圧されることでバネの付勢力に抗して誘導位置から非誘導位置へスライドされるようにすることが望ましい。これにより、遊技盤を支持している本体枠に対して開閉可能に設けられている扉枠を開くと、遊技盤の遊技領域が前方へ露出して遊技球が外部へ放出可能な状態になるが、球供給阻止手段では扉枠が開く方向へ移動することによりバネの付勢力によってシャッターが非誘導位置から誘導位置へスライドすることとなり、シャッターが誘導位置の状態となることで、球発射手段から発射された遊技球がシャッターに当接してファール球回収手段へ誘導させることができ、遊技球が外部へ放出されてまき散らされることを確実に阻止して上記と同様の作用効果を奏することができる。
更に、上記のように球供給阻止手段に設けられているシャッターをバネの付勢力により非誘導位置から誘導位置へ付勢する場合、扉枠を開いた状態から閉じた状態にすると、扉枠の閉じる方向への移動による押圧によってシャッターをバネの付勢力に抗して誘導位置から非誘導位置へスライドさせることができるため、球発射手段から発射された遊技球をシャッターが妨げることはなく、遊技盤の遊技領域へ遊技球を供給させることができ、遊技者に遊技を楽しませることが可能となる。
また、上記のように球供給阻止手段に設けられているシャッターをバネの付勢力により非誘導位置から誘導位置へ付勢する場合、バネの付勢力と扉枠の開閉による移動とによって、シャッターを誘導位置と非誘導位置との間でスライドさせるようにしているため、電動アクチュエータによりシャッターをスライドさせる場合と比較して、遊技機の構成を簡単なものとすることができ、上述した作用効果を奏する遊技機を具現化することができると共に、電気的な誤信号による誤動作を無くすることができ、扉枠を開いた時にシャッターを確実に誘導位置へスライドさせることができる。
更に、ファール球回収手段を、球発射手段から発射された遊技球が通過して遊技盤へ打ち込まれるように、遊技盤と球発射手段との間に設けるようにしても良い。これにより、球発射手段から発射された遊技球がファール球回収手段を通って遊技盤へ打ち込まれるようにしているため、発射された遊技球が遊技盤へ打ち込まれたものの遊技領域に到達せずに戻ってきた場合に、球発射手段の手前でファール球回収手段に進入することとなり、戻ってきた遊技球(ファール球)を容易に回収することができる。
また、上記のように、球発射手段から発射された遊技球がファール球回収手段を通るようにする場合、球発射手段における発射強さが弱くてファール球回収手段を通り抜けることができずに遊技球が遊技盤に到達しなくても、遊技球がファール球回収手段に入っているため、当該遊技球をそのままファール球回収手段に回収することができる。
更に、上記のように、球発射手段から発射された遊技球がファール球回収手段を通るようにする場合、ファール球回収手段における球発射手段により発射された遊技球の通り道に、扉枠を開くと現れるシャッターを設けることで、遊技球が遊技盤側へ打ち込まれることを防止することができると共に、当該遊技球をファール球としてファール球回収手段に回収させることができる。また、この場合、扉枠を開くと現れるシャッターを設けることで、ファール球回収手段を介して外部から鉄球のような他の遊技球が混入されることを防止することができる。
また、上記のように、球発射手段から発射された遊技球がファール球回収手段を通るようにする場合、球供給阻止手段を、ファール球回収手段に設けるようにすることが望ましい。これにより、扉枠が開いている時に球発射手段から発射された遊技球が遊技盤に供給されることを阻止する球供給阻止手段をファール球回収手段に設けているため、阻止した遊技球をファール球としてファール球回収手段に回収させることができ、ファール球として扱うことで遊技者が不利になることを低減させて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、上記のように、球発射手段から発射された遊技球がファール球回収手段を通るようにすると共に、扉枠が開いている時に、球発射手段から遊技盤側への遊技球の供給を阻止する球供給阻止手段をファール球回収手段に設けるようにする場合、球供給阻止手段として扉枠を開くとファール球回収手段の球受口を閉じるシャッターを有するようにすると、扉枠を開いた時にファール球回収手段の球受口を通して外部から他の遊技球が混入されることをシャッターにより防ぐことができる。従って、封入されている遊技球にステンレス球を使用する場合、遊技ホールにおいて遊技球に鉄球を使用している従来の遊技機と混在して本遊技機が設置されても、シャッターによって外部からファール球回収手段の球受口を介して鉄球が混入されることを防止することができ、鉄球の混入による様々な不都合が生じることはない。また、鉄球の混入による不正行為を回避させることができ、セキュリティ性の高い遊技機を提供することができる。
手段2:手段1の遊技機において、
「前記球供給阻止手段は、
前記扉枠が開くと非誘導位置から誘導位置へスライドして、前記球発射手段から発射された遊技球を前記ファール球回収手段へ誘導させるシャッターを有している」
ものであることを特徴とする。
ここで、「シャッター」としては、「バネの付勢力により誘導位置へ付勢されており、閉じる方向へ移動する扉枠により押圧されることでバネの付勢力に抗して誘導位置から非誘導位置へスライドするもの」、「扉枠の開閉を検知することで作動する電動アクチュエータにより誘導位置と非誘導位置との間でスライドするもの」、等が挙げられる。
手段2の構成によると、球供給阻止手段に、扉枠が開くと非誘導位置から誘導位置へスライドして、球発射手段から発射された遊技球をファール球回収手段へ誘導させるシャッターを有するようにしたものである。([発明を実施するための形態]では、ファールユニット470のファールシャッター471に関する記載を参照)
これにより、扉枠を開くとシャッターが非誘導位置から誘導位置へスライドし、球発射手段から発射された遊技球がシャッターに当接してファール球回収手段へ誘導されるため、遊技球が外部へ放出されてまき散らされることはなく、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、球発射手段から発射された遊技球をシャッターによりファール球回収手段へ誘導させるようにしているため、扉枠が開いた状態で発射された遊技球をファール球として扱うことができ、遊技者が不利になることを低減させて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠を開くとシャッターが非誘導位置から誘導位置へスライドして球発射手段から発射された遊技球をファール球回収手段へ誘導させるようにしているため、扉枠を開いた時に当該シャッターによって、ファール球回収手段側や球発射装置側への他の遊技球の混入を防ぐことが可能となる。これにより、封入されている遊技球にステンレス球を使用する場合、遊技ホールにおいて遊技球に鉄球を使用している従来の遊技機と混在して本遊技機が設置されても、シャッターによって外部からファール球回収手段や球発射手段を介して鉄球が混入されることを防止することができ、鉄球の混入による様々な不都合が生じることはない。また、鉄球の混入による不正行為を回避させることができ、セキュリティ性の高い遊技機を提供することができる。
手段3:手段2の構成において、
「前記シャッターは、
バネの付勢力により前記誘導位置へ付勢されており、閉じる方向へ移動する前記扉枠により押圧されることで前記バネの付勢力に抗して前記誘導位置から前記非誘導位置へスライドする」
ものであることを特徴とする。
手段3の構成によれば、シャッターを、バネの付勢力により誘導位置へ付勢され、閉じる方向へ移動する扉枠により押圧されることでバネの付勢力に抗して誘導位置から非誘導位置へスライドされるようにしたものである。([発明を実施するための形態]では、ファールユニット470のファールシャッター471及びバネ475に関する記載を参照)
これにより、遊技盤を支持している本体枠に対して開閉可能に設けられている扉枠を開くと、遊技盤の遊技領域が前方へ露出して遊技球が外部へ放出可能な状態になるが、球供給阻止手段では扉枠が開く方向へ移動することによりバネの付勢力によってシャッターが非誘導位置から誘導位置へスライドすることとなり、シャッターが誘導位置の状態となることで、球発射手段から発射された遊技球がシャッターに当接してファール球回収手段へ誘導させることができ、遊技球が外部へ放出されてまき散らされることを確実に阻止して上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、扉枠を開いた状態から閉じた状態にすると、扉枠の閉じる方向への移動による押圧によってシャッターをバネの付勢力に抗して誘導位置から非誘導位置へスライドさせることができるため、球発射手段から発射された遊技球をシャッターが妨げることはなく、遊技盤の遊技領域へ遊技球を供給させることができ、遊技者に遊技を楽しませることが可能となる。
更に、バネの付勢力と扉枠の開閉による移動とによって、シャッターを誘導位置と非誘導位置との間でスライドさせるようにしているため、電動アクチュエータによりシャッターをスライドさせる場合と比較して、遊技機の構成を簡単なものとすることができ、上述した作用効果を奏する遊技機を具現化することができると共に、電気的な誤信号による誤動作を無くすることができ、扉枠を開いた時にシャッターを確実に誘導位置へスライドさせることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記ファール球回収手段は、
前記球発射手段から発射された遊技球が通過して前記遊技盤へ打ち込まれるように、該遊技盤と前記球発射手段との間に設けられている」
ものであることを特徴とする遊技機。
手段4の構成によると、ファール球回収手段を、球発射手段から発射された遊技球が通過して遊技盤へ打ち込まれるように、遊技盤と球発射手段との間に設けるようにしたものである。([発明を実施するための形態]では、ファールユニット470に関する記載を参照)
これにより、球発射手段から発射された遊技球がファール球回収手段を通って遊技盤へ打ち込まれるようにしているため、発射された遊技球が遊技盤へ打ち込まれたものの遊技領域に到達せずに戻ってきた場合に、球発射手段の手前でファール球回収手段に進入することとなり、戻ってきた遊技球(ファール球)を容易に回収することができる。
また、球発射手段から発射された遊技球がファール球回収手段を通るようにしているため、球発射手段における発射強さが弱くてファール球回収手段を通り抜けることができずに遊技球が遊技盤に到達しなくても、遊技球がファール球回収手段に入っているため、当該遊技球をそのままファール球回収手段に回収することができる。
更に、球発射手段から発射された遊技球がファール球回収手段を通るようにしているため、ファール球回収手段における球発射手段により発射された遊技球の通り道に、扉枠を開くと現れるシャッターを設けることで、遊技球が遊技盤側へ打ち込まれることを防止することができると共に、当該遊技球をファール球としてファール球回収手段に回収させることができる。また、扉枠を開くと現れるシャッターを設けることで、ファール球回収手段を介して外部から鉄球のような他の遊技球が混入されることを防止することができる。
手段5:手段4の構成において、
「前記球供給阻止手段は、
前記ファール球回収手段に設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、球供給阻止手段を、ファール球回収手段に設けるようにしたものである。([発明を実施するための形態]では、ファールユニット470に関する記載を参照)
これにより、扉枠が開いている時に球発射手段から発射された遊技球が遊技盤に供給されることを阻止する球供給阻止手段をファール球回収手段に設けているため、阻止した遊技球をファール球としてファール球回収手段に回収させることができ、ファール球として扱うことで遊技者が不利になることを低減させて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠が開いている時に、球発射手段から遊技盤側への遊技球の供給を阻止する球供給阻止手段をファール球回収手段に設けていることから、球供給阻止手段として扉枠を開くとファール球回収手段の球受口を閉じるシャッターを有するようにすると、扉枠を開いた時にファール球回収手段の球受口を通して外部から他の遊技球が混入されることをシャッターにより防ぐことができる。従って、封入されている遊技球にステンレス球を使用する場合、遊技ホールにおいて遊技球に鉄球を使用している従来の遊技機と混在して本遊技機が設置されても、シャッターによって外部からファール球回収手段の球受口を介して鉄球が混入されることを防止することができ、鉄球の混入による様々な不都合が生じることはない。また、鉄球の混入による不正行為を回避させることができ、セキュリティ性の高い遊技機を提供することができる。
手段6:遊技機において、
「本体枠に前方から着脱可能に支持され、遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、該遊技盤の遊技領域を前方から視認可能としており、前記本体枠に対して開閉可能に設けられている扉枠と、前記本体枠における前記遊技盤よりも下方に設けられており前記遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、該球発射手段により発射されても前記遊技領域に供給されなかった遊技球を回収するファール球回収手段と、前記球発射手段により発射された遊技球を回収して再び該球発射手段に供給する球循環手段と、を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて前記球発射手段により遊技球を発射させるようにした遊技機であって、
前記ファール球回収手段は、
前記球発射手段から発射された遊技球が通過して前記遊技盤へ打ち込まれるように、該遊技盤と前記球発射手段との間に設けられており、更に、
前記ファール球回収手段に設けられ、前記扉枠が開くと非誘導位置から誘導位置へスライドして前記球発射手段から発射された遊技球を前記ファール球回収手段へ誘導させ、バネの付勢力により前記誘導位置へ付勢されていると共に、閉じる方向へ移動する前記扉枠により押圧されることで前記バネの付勢力に抗して前記誘導位置から前記非誘導位置へスライドするシャッターを有し、前記扉枠が開いている時に前記球発射手段から前記遊技盤側への遊技球の供給を阻止する球供給阻止手段が設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段6の構成によると、本体枠に前方から着脱可能に支持され、遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、遊技盤の遊技領域を前方から視認可能としており本体枠に対して開閉可能に設けられている扉枠と、本体枠における遊技盤よりも下方に設けられており遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、球発射手段により発射されても遊技領域に供給されなかった遊技球を回収するファール球回収手段と、球発射手段により発射された遊技球を回収して再び球発射手段に供給する球循環手段と、を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて球発射手段により遊技球を発射させるようにした遊技機であって、ファール球回収手段は、球発射手段から発射された遊技球が通過して遊技盤へ打ち込まれるように、遊技盤と球発射手段との間に設けられており、更に、ファール球回収手段に設けられ、扉枠が開くと非誘導位置から誘導位置へスライドして球発射手段から発射された遊技球をファール球回収手段へ誘導させ、バネの付勢力により誘導位置へ付勢されていると共に、閉じる方向へ移動する扉枠により押圧されることでバネの付勢力に抗して誘導位置から非誘導位置へスライドするシャッターを有し、扉枠が開いている時に球発射手段から遊技盤側への遊技球の供給を阻止する球供給阻止手段を設けるようにしたものである。
これにより、遊技領域へ遊技球を発射する球発射手段から発射された遊技球を、球循環手段により回収して球発射手段へ供給すると共に、遊技者の持球データに基づいて球発射手段から遊技球を発射させるようにした遊技機(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、遊技盤を支持している本体枠に対して開閉可能に設けられている扉枠を開くと、遊技盤の遊技領域が前方へ露出して遊技球が外部へ放出可能な状態になるが、球供給阻止手段では扉枠が開く方向へ移動することによりバネの付勢力によってシャッターが非誘導位置から誘導位置へスライドすることとなり、シャッターが誘導位置の状態となることで、球発射手段から発射された遊技球がシャッターに当接してファール球回収手段へ誘導させることができ、遊技球が外部へ放出されてまき散らされることを確実に阻止することができる。従って、封入されている遊技球の数が減少することはなく、連続した遊技球の発射ができなくなるようなトラブルの発生を回避させることができるため、遊技者に対して連続した遊技球の発射を確実に楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠を開くとシャッターが非誘導位置から誘導位置へスライドして球発射手段から発射された遊技球をファール球回収手段へ誘導させるようにしているため、扉枠を開いた時に当該シャッターによって、外部からファール球回収手段側へ遊技球の混入を防ぐことが可能となる。これにより、封入されている遊技球にステンレス球を使用する場合、遊技ホールにおいて遊技球に鉄球を使用している従来の遊技機と混在するように本遊技機が設置されることで、鉄球が混入する可能性が高くなっても、誘導位置のシャッターによって外部からファール球回収手段を介して鉄球が混入されることを防止することができ、鉄球の混入による様々な不都合が生じることはない。また、鉄球の混入による不正行為を回避させることができ、セキュリティ性の高い遊技機を提供することができる。
一方、扉枠を開いた状態から閉じた状態にすると、扉枠の閉じる方向への移動による押圧によってシャッターをバネの付勢力に抗して誘導位置から非誘導位置へスライドさせることができるため、球発射手段から発射された遊技球をシャッターが妨げることはなく、遊技盤の遊技領域へ遊技球を供給させることができ、遊技者に遊技を楽しませることが可能となる。
また、球供給阻止手段では、バネの付勢力と扉枠の開閉による移動とによって、シャッターを誘導位置と非誘導位置との間でスライドさせるようにしているため、電動アクチュエータによりシャッターをスライドさせる場合と比較して、遊技機の構成を簡単なものとすることができ、上述した作用効果を奏する遊技機を具現化することができると共に、電気的な誤信号による誤動作を無くすることができ、扉枠を開いた時にシャッターを確実に誘導位置へスライドさせることができる。
また、球発射手段から発射された遊技球がファール球回収手段を通るようにしていると共に、球供給阻止手段のシャッターをファール球回収手段に設けるようにしているため、扉枠が開いている時に球発射手段から発射された遊技球をシャッターによって阻止して、遊技盤側へ打ち込まれることを確実に防止することができると共に、阻止した遊技球をファール球としてファール球回収手段に回収させることができ、ファール球として扱うことで遊技者が不利になることを低減させて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
更に、球発射手段から発射された遊技球がファール球回収手段を通って遊技盤へ打ち込まれるようにしているため、発射された遊技球が遊技盤へ打ち込まれたものの遊技領域に到達せずに戻ってきた場合に、球発射手段の手前でファール球回収手段に進入することとなり、戻ってきた遊技球(ファール球)を容易に回収することができる。
また、球発射手段から発射された遊技球がファール球回収手段を通るようにしているため、球発射手段における発射強さが弱くてファール球回収手段を通り抜けることができずに遊技球が遊技盤に到達しなくても、遊技球がファール球回収手段に入っているため、当該遊技球をそのままファール球回収手段に回収することができる。
このように、上記の解決手段によれば、扉枠を開いた時に球発射装置側から外部へ遊技球が放出されることを阻止することが可能な遊技機を提供することができる。
[15-1c.第一技術的特徴の解決手段と実施形態との関係]
本実施形態における本体枠4の球発射ユニット450は上記解決手段の球発射手段に、本実施形態におけるファールユニット470は上記解決手段のファール球回収手段に、本実施形態におけるファールユニット470のファールシャッター471及びバネ475は上記解決手段の球供給阻止手段に、本実施形態におけるファールシャッター471は上記解決手段のシャッターに、本実施形態における循環球経路ユニット500、球揚上ユニット550、及び球送ユニット600は上記解決手段の球循環手段に、夫々相当している。
[15-1d.第一技術的特徴の特徴的な作用効果]
本実施形態によれば、遊技盤5の遊技領域5aへ遊技球Bを発射する球発射ユニット450から発射された遊技球Bを、ファールユニット470や循環球経路ユニット500により回収して球発射ユニット450へ供給すると共に、遊技者の持球データに基づいて球発射ユニット450から遊技球Bを発射させるようにしているパチンコ機1(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、遊技盤5を支持している本体枠4に対して開閉可能に設けられている扉枠3を開くと、遊技盤5の遊技領域5aが前方へ露出して遊技球Bが外部へ放出可能な状態になるが、本体枠4のファールユニット470では扉枠3が開く方向へ移動することによりバネ475の付勢力によってファールシャッター471が非誘導位置(開位置)から誘導位置(閉位置)へスライドすることとなり、ファールシャッター471が誘導位置(閉位置)の状態となることで、球発射ユニット450から発射された遊技球Bがファールシャッター471に当接してファールユニット470内部の下方へ誘導させることができ、遊技球Bが外部へ放出されてまき散らされることを確実に阻止することができる。従って、封入されている遊技球Bの数が減少することはなく、連続した遊技球の発射ができなくなるようなトラブルの発生を回避させることができるため、遊技者に対して連続した遊技球Bの発射を確実に楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3を開くとファールユニット470のファールシャッター471が開位置から閉位置へスライドして球発射ユニット450から発射された遊技球Bをファールユニット470内へ誘導させるようにしているため、扉枠3を開いた時に当該ファールシャッター471によって、外部からファールユニット470内へ遊技球Bの混入を防ぐことが可能となる。これにより、封入されている遊技球Bにステンレス球を使用している本実施形態のパチンコ機1の場合、遊技ホールにおいて遊技球に鉄球SBを使用している従来のパチンコ機と混在するように本パチンコ機1が設置されることで、鉄球SBが混入する可能性が高くなっても、閉位置のファールシャッター471によって外部からファールユニット470(ファール上開口部470a)を介して鉄球SBが混入されることを防止することができ、鉄球SBの混入による様々な不都合が生じることはない。また、鉄球SBの混入による不正行為を回避させることができ、セキュリティ性の高いパチンコ機1を提供することができる。
一方、扉枠3を開いた状態から閉じた状態にすると、扉枠3の閉じる方向への移動による押圧によってファールシャッター471をバネ475の付勢力に抗して誘導位置(閉位置)から非誘導位置(開位置)へスライドさせることができるため、球発射ユニット450から発射された遊技球Bをファールシャッター471が妨げることはなく、遊技盤5の遊技領域5aへ遊技球Bを供給させることができ、遊技者に遊技を楽しませることが可能となる。
また、ファールユニット470では、バネ475の付勢力と扉枠3の開閉による移動とによって、ファールシャッター471を誘導位置(閉位置)と非誘導位置(開位置)との間でスライドさせるようにしているため、電動アクチュエータによりファールシャッター471をスライドさせる場合と比較して、パチンコ機1の構成を簡単なものとすることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を具現化することができると共に、電気的な誤信号による誤動作を無くすることができ、扉枠3を開いた時にファールシャッター471を確実に誘導位置(閉位置)へスライドさせることができる。
また、球発射ユニット450から発射された遊技球Bがファールユニット470を通るようにしていると共に、ファールシャッター471をファールユニット470のファール上開口部470aを開閉するように設けているため、扉枠3が開いている時に球発射ユニット450から発射された遊技球Bをファールシャッター471によって阻止して、遊技盤5側へ打ち込まれることを確実に防止することができると共に、阻止した遊技球Bをファール球としてファールユニット470に回収させることができ、ファール球として扱うことで遊技者が不利になることを低減させて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
更に、球発射ユニット450から発射された遊技球Bがファールユニット470を通って遊技盤5へ打ち込まれるようにしているため、発射された遊技球Bが遊技盤5へ打ち込まれたものの遊技領域5aに到達せずに戻ってきた場合に、球発射ユニット450の手前でファールユニット470に進入することとなり、戻ってきた遊技球B(ファール球)を容易に回収することができる。
また、球発射ユニット450から発射された遊技球Bがファールユニット470を通るようにしているため、球発射ユニット450における発射強さが弱くてファールユニット470を通り抜けることができずに遊技球Bが遊技盤5に到達しなくても、遊技球Bがファールユニット470に入っているため、当該遊技球Bをそのままファールユニット470に回収することができる。
[15-2.第二技術的特徴]
本明細書には、上記とは異なる以下のような技術的特徴を有している。
[15-2a.第二技術的特徴の背景]
パチンコ機のような遊技機として、遊技中は内部に封入されている多数の遊技球を循環させ、遊技者が遊技球に触れることのない遊技機(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)が知られている(例えば、特許文献B:特開2014-184062号公報)。この特許文献Bのような遊技機では、遊技盤の遊技領域に打ち込まれた遊技球を球循環手段により回収して、球発射手段へ供給するようにしている。
しかしながら、特許文献Bの技術では、遊技球の循環経路を構成している球循環手段において球詰りが発生した場合、球詰りを解消させるための機構を設けていないため、球循環手段を構成している部品を取り外したりしなければならず手間がかかる問題があった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、遊技球の循環経路での球詰りを容易に解消させることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
[15-2b.第二技術的特徴の解決手段]
手段1:遊技機において、
「遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、
該遊技盤の前記遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、
該球発射手段により発射された遊技球を回収して再び該球発射手段に供給する球循環手段と、を具備し、
データ化された遊技者の持球データに基づいて前記球発射手段により遊技球を発射させるようにした遊技機であって、
前記球循環手段は、
前記球発射手段により発射されて回収された遊技球が流通する球回収通路と、
該球回収通路を流通している遊技球を検知する球センサと、
前記球回収通路に設けられており前記球センサに対して上流側からアプローチ可能なアプローチ部と
を備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「球回収通路」としては、「遊技盤のアウト口に受入れられた遊技球が回収されて流通するアウト球通路」、「遊技盤の入賞口に受入れられた遊技球が回収されて流通するセーフ球通路」、「球発射手段により発射されたにも関わらず遊技領域に打ち込まれなかった遊技球が回収されて流通するファール球通路」、「回収された遊技球が一列で流通する球貯留通路」、等が挙げられる。
また、「球センサ」としては、遊技球が通過可能な検知孔を有しているものが望ましく、「アウト球通路を流通している遊技球を検知するアウト球センサ」、「セーフ球通路を流通している遊技球を検知するセーフ球センサ」、「ファール球通路を流通している遊技球を検知するファール球センサ」、等が挙げられる。
更に、「アプローチ可能」としては、「メンテナンスする作業者の指を挿入可能」、「メンテナンスするための工具を挿入可能」、等が挙げられる。
また、「アプローチ部」としては、「ヒンジ回転することにより球回収通路の壁部を開閉可能としている蓋部材」、「スライドすることにより球回収通路の壁部を開閉可能としている蓋部材」、「着脱することにより球回収通路の壁部を開閉可能としている蓋部材」、「1、2本のネジ止めにより球回収通路の壁部を開閉可能としている蓋部材」、「遊技球が通過不能な大きさで球回収通路の壁部を貫通しており、球詰りを解消させるための工具を挿入可能な工具挿入口」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、遊技盤の遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、球発射手段により発射された遊技球を回収して再び球発射手段に供給する球循環手段と、を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて球発射手段により遊技球を発射させるようにした遊技機であって、球循環手段は、球発射手段により発射されて回収された遊技球が流通する球回収通路と、球回収通路を流通している遊技球を検知する球センサと、球回収通路に設けられており球センサに対して上流側からアプローチ可能なアプローチ部と、を備えるようにしたものである。([発明を実施するための形態]では、[4-4.循環球経路ユニット]及び[4-4a.球詰解消機構]の章、及び、図20乃至図28等の記載を参照)
これにより、遊技領域へ遊技球を発射する球発射手段から発射された遊技球を、球循環手段により回収して球発射手段へ供給すると共に、遊技者の持球データに基づいて球発射手段から遊技球を発射させるようにした遊技機(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、遊技球の循環経路を構成している球循環手段に球回収通路と、球回収通路を流通している遊技球を検知する球センサとを設けていることから、球回収通路では、球発射手段により発射された遊技球を回収するために受け取った後に一列に整列させて球センサへ送ることとなる。従って、球回収通路における球センサよりも上流の部位は、遊技球を一列に整列させるために、当該通路の幅や高さが、遊技球1個分が通る大きさに徐々に狭くなるため、当該部位において球詰りが発生し易くなるが、球センサの上流側へアプローチ可能なアプローチ部を設けているため、アプローチ部から指や工具等を挿入することで咬みこんでいる遊技球を解して球詰りを容易に解消させることができる。
ところで、例えば、遊技盤側から遊技球よりも直径の大きい不正球(大玉)を球循環手段に混入させて、意図的に球詰りを発生させるような不正行為が行われた場合、球詰りの解消に時間がかかると遊技機の稼働時間が減少して遊技ホールの負担が増加することとなるが、上述したように、球回収通路における球センサの上流側へアプローチ可能なアプローチ部を設けているため、アプローチ部から指や工具等を挿入することで球詰りの原因となっている大玉(不正球)を簡単に除去することができ、遊技ホールの負担の増加を抑制させることができると共に、不正行為に対する抑止力の高い遊技機を提供することができる。
なお、遊技盤に、遊技球の受入れにより持球データに所定個数を加算する入賞口と、持球データに加算しないアウト口と、を遊技領域内に設け、且つ、球循環手段に、球回収通路としてアウト口に受入れられた遊技球が流通するアウト球通路を有すると共に、球センサとしてアウト球通路を流通している遊技球を検知するアウト球センサを有し、更に、アプローチ部を、少なくともアウト球センサに対して上流側からアプローチ可能とするようにしても良い。これにより、遊技盤の遊技領域に打ち込まれた多くの遊技球はアウト口に受入れられることから、球回収通路におけるアウト球通路を多くの遊技球が流通するため、アウト球通路において球詰りが発生する可能性が高くなる。これに対して、上記のようなアプローチ部を、少なくともアウト球通路におけるアウト球センサに対して上流側からアプローチ可能としているため、アプローチ部から指や工具等を挿入することで咬みこんでいる遊技球を解して球詰りを容易に解消させることができる。
また、上記のように、遊技盤のアウト口に受入れられた遊技球が流通するアウト球通路のアウト球センサに対してアプローチ部を設ける場合、遊技盤では入賞口よりもアウト口の方が遊技球を受入れられ易くしていることから、遊技球よりも直径の大きい不正球(大玉)を混入させるような不正行為が行われる場合、大玉をアウト口から混入される恐れがあり、大玉が混入されるとアウト球通路(アウト球センサ)において大玉による球詰りが発生することとなるが、上述したように、アプローチ部により少なくともアウト球センサの上流側へアプローチすることができるため、アプローチ部から指や工具等を挿入することで球詰りの原因となっている大玉(不正球)を簡単に除去することができ、遊技ホールの負担の増加を抑制させることができると共に、不正行為に対する抑止力の高い遊技機を提供することができる。
更に、遊技機に、遊技盤を前方から着脱可能に支持していると共に、球発射手段及び球循環手段を支持している本体枠と、少なくともアプローチ部を後方から覆うように本体枠に対して開閉可能に設けられており、球発射手段及び球循環手段を制御可能な枠制御基板を有する枠基板ユニットと、を更に備えるようにしても良い。これにより、枠基板ユニットを閉じた通常の状態では、枠基板ユニットによってアプローチ部の後方を覆っているための、アプローチ部を介して球循環手段の内部(例えば、球センサ)に対して不正行為を行おうとしても、後方を覆っている枠基板ユニットにより不正な工具の挿入を阻止することができる。一方、球回収通路において球詰りが発生した場合は、枠基板ユニットを開くとアプローチ部が現れるため、アプローチ部を介して咬みこんでいる遊技球を解してり不正球(大玉)を除去したりすることができる。従って、不正行為に対する抑止力を高めつつ、球詰りを容易に解消させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、上記のように、本体枠と枠基板ユニットとを設ける場合、枠制御基板を有する枠基板ユニットを、アプローチ部の後方、つまり、球循環手段の後方に設けていることから、球循環手段の後方のスペースを有効活用することができる。
また、アプローチ部を、球回収通路の壁部を開くことで外部から球センサの上流側へアプローチ可能とすることが望ましい。これにより、球回収通路の壁部におけるアプローチ部を構成している部位を開くことで、球回収通路の内部を臨むことが可能となるため、当該開いた部位を通して咬みこんでいる遊技球を解したり大玉(不正球)を除去したりして容易に球詰りを解消させることができ、上述した作用効果を奏する遊技機を具現することができる。
更に、球センサに、遊技球が通過可能な検知孔を有するようにしても良い。これにより、球回収通路において球センサにおける遊技球を検知するための検知孔の部位が最も狭くなることから、球センサの部位で球詰りが発生し易くなるが、球センサに対して上流側からアプローチ可能なアプローチ部を設けているため、アプローチ部から指や工具等を挿入することで咬みこんでいる遊技球を解したり大玉(不正球)を除去したりすることができ、球詰りを容易に解消させることができる。
また、球回収通路における上流端に近い部に、アプローチ部によりアプローチ可能な球センサを設けるようにしても良い。これにより、遊技球を検知する球センサを、球回収通路の上流端(入口)に近い部位に設けており、当該球センサへ向かって球回収通路が狭くなることから、球回収通路の上流端に近い部位で球詰りが発生し易くなるが、当該球センサに対してアプローチ部を設けているため、アプローチ部から指や工具等を挿入して咬みこんでいる遊技球を解したり大玉(不正球)を除去したりすることができ、球詰りを容易に解消させることができる。この際に、球センサ及びアプローチ部を、球回収通路の上流端に近い部位に設けているため、球回収通路の奥の方にアプローチ部を設ける場合と比較して、アプローチ部の構成を簡単なものとすることが可能となり、アプローチ部にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、上記のように、球センサ及びアプローチ部を、球回収通路の上流端に近い部位に設ける場合、不正行為として大玉(不正球)が混入された時に、大玉が球回収通路の奥まで侵入してしまうことを阻止することができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記遊技盤は、
遊技球の受入れにより前記持球データに所定個数を加算する入賞口と、前記持球データに加算しないアウト口と、が前記遊技領域内に設けられており、
前記球循環手段は、
前記球回収通路として前記アウト口に受入れられた遊技球が流通するアウト球通路を有していると共に、前記球センサとして前記アウト球通路を流通している遊技球を検知するアウト球センサを有しており、
前記アプローチ部は、
少なくとも前記アウト球センサに対して上流側からアプローチ可能としている」
ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、遊技盤に、遊技球の受入れにより持球データに所定個数を加算する入賞口と、持球データに加算しないアウト口と、を遊技領域内に設け、且つ、球循環手段に、球回収通路としてアウト口に受入れられた遊技球が流通するアウト球通路を有すると共に、球センサとしてアウト球通路を流通している遊技球を検知するアウト球センサを有し、更に、アプローチ部を、少なくともアウト球センサに対して上流側からアプローチ可能とするものである。([発明を実施するための形態]では、循環球経路ユニット500及び球詰解消機構530に関する記載を参照)
これにより、遊技盤の遊技領域に打ち込まれた多くの遊技球はアウト口に受入れられることから、球回収通路におけるアウト球通路を多くの遊技球が流通するため、アウト球通路において球詰りが発生する可能性が高くなる。これに対して、上記のようなアプローチ部を、少なくともアウト球通路におけるアウト球センサに対して上流側からアプローチ可能としているため、アプローチ部から指や工具等を挿入することで咬みこんでいる遊技球を解して球詰りを容易に解消させることができる。
また、遊技盤では入賞口よりもアウト口の方が遊技球を受入れられ易くしていることから、遊技球よりも直径の大きい不正球(大玉)を混入させるような不正行為が行われる場合、大玉をアウト口から混入される恐れがあり、大玉が混入されるとアウト球通路(アウト球センサ)において大玉による球詰りが発生することとなるが、上述したように、アプローチ部により少なくともアウト球センサの上流側へアプローチすることができるため、アプローチ部から指や工具等を挿入することで球詰りの原因となっている大玉(不正球)を簡単に除去することができ、遊技ホールの負担の増加を抑制させることができると共に、不正行為に対する抑止力の高い遊技機を提供することができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記遊技盤を前方から着脱可能に支持していると共に、前記球発射手段及び前記球循環手段を支持している本体枠と、
少なくとも前記アプローチ部を後方から覆うように前記本体枠に対して開閉可能に設けられており、前記球発射手段及び前記球循環手段を制御可能な枠制御基板を有する枠基板ユニットと、
を更に具備している」ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、遊技機に、遊技盤を前方から着脱可能に支持していると共に、球発射手段及び球循環手段を支持している本体枠と、少なくともアプローチ部を後方から覆うように本体枠に対して開閉可能に設けられており、球発射手段及び球循環手段を制御可能な枠制御基板を有する枠基板ユニットと、を更に備えるようにするものである。([発明を実施するための形態]では、球詰解消機構530及び枠基板ユニット630に関する記載を参照)
これにより、枠基板ユニットを閉じた通常の状態では、枠基板ユニットによってアプローチ部の後方を覆っているための、アプローチ部を介して球循環手段の内部(例えば、球センサ)に対して不正行為を行おうとしても、後方を覆っている枠基板ユニットにより不正な工具の挿入を阻止することができる。一方、球回収通路において球詰りが発生した場合は、枠基板ユニットを開くとアプローチ部が現れるため、アプローチ部を介して咬みこんでいる遊技球を解してり不正球(大玉)を除去したりすることができる。従って、不正行為に対する抑止力を高めつつ、球詰りを容易に解消させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、枠制御基板を有する枠基板ユニットを、アプローチ部の後方、つまり、球循環手段の後方に設けていることから、球循環手段の後方のスペースを有効活用することができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記アプローチ部は、
前記球回収通路の壁部を開くことで外部から前記球センサの上流側へアプローチ可能としている」ものであることを特徴とする。
ここで、「壁部を開く」構成としては、「壁部の一部をヒンジ回転させる」、「壁部の一部をスライドさせる」、「壁部の一部を取外す」、等が挙げられる。
手段4の構成によると、アプローチ部を、球回収通路の壁部を開くことで外部から球センサの上流側へアプローチ可能とするようにものするものである。([発明を実施するための形態]では、球詰解消機構530に関する記載を参照)
これにより、球回収通路の壁部におけるアプローチ部を構成している部位を開くことで、球回収通路の内部を臨むことが可能となるため、当該開いた部位を通して咬みこんでいる遊技球を解したり大玉(不正球)を除去したりして容易に球詰りを解消させることができ、上述した作用効果を奏する遊技機を具現することができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記球センサは、
遊技球が通過可能な検知孔を有している」ものであることを特徴とする。
ここで、球センサは、遊技球が接近するとONする球センサと、遊技球が通過するとONする通過型の球センサがある。通過型の球センサは、遊技球が通過できるだけの孔(検知孔)を備え、この孔を遊技球が通過したときに遊技球を検知できる。
手段5の構成によると、球センサに、遊技球が通過可能な検知孔を有するようにするものである。つまり、球センサを、遊技球が検知孔を通ることで検知するものである。([発明を実施するための形態]では、アウト球センサ505に関する記載を参照)
これにより、球回収通路において球センサにおける遊技球を検知するための検知孔の部位が最も狭くなることから、球センサの部位で球詰りが発生し易くなるが、球センサに対して上流側からアプローチ可能なアプローチ部を設けているため、アプローチ部から指や工具等を挿入することで咬みこんでいる遊技球を解したり大玉(不正球)を除去したりすることができ、球詰りを容易に解消させることができる。
手段6:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、
前記球回収通路は、
上流端に近い部に前記アプローチ部によりアプローチ可能な前記球センサが設けられている
ものであることを特徴とする。
手段6の構成によると、球回収通路における上流端に近い部に、アプローチ部によりアプローチ可能な球センサを設けるようにするものである。([発明を実施するための形態]では、球詰解消機構530に関する記載を参照)
これにより、遊技球を検知する球センサを、球回収通路の上流端(入口)に近い部位に設けており、当該球センサへ向かって球回収通路が狭くなることから、球回収通路の上流端に近い部位で球詰りが発生し易くなるが、当該球センサに対してアプローチ部を設けているため、アプローチ部から指や工具等を挿入して咬みこんでいる遊技球を解したり大玉(不正球)を除去したりすることができ、球詰りを容易に解消させることができる。この際に、球センサ及びアプローチ部を、球回収通路の上流端に近い部位に設けているため、球回収通路の奥の方にアプローチ部を設ける場合と比較して、アプローチ部の構成を簡単なものとすることが可能となり、アプローチ部にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、球センサ及びアプローチ部を、球回収通路の上流端に近い部位に設けているため、不正行為として大玉(不正球)が混入された時に、大玉が球回収通路の奥まで侵入してしまうことを阻止することができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。
手段7:遊技機において、
「遊技球により遊技が行われ入賞口及びアウト口が設けられている遊技領域を有する遊技盤と、
該遊技盤の前記遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、
該球発射手段により発射された遊技球を回収して再び該球発射手段に供給する球循環手段と、
前記遊技盤を前方から着脱可能に支持していると共に、前記球発射手段及び前記球循環手段を支持している本体枠と、
該本体枠に対して開閉可能に設けられており、前記球発射手段及び前記球循環手段を制御可能な枠制御基板を有する枠基板ユニットと、
を具備し、
データ化された遊技者の持球データに基づいて前記球発射手段により遊技球を発射させると共に、前記入賞口に遊技球が受入れられた場合は前記持球データに所定個数を加算し前記アウト口に遊技媒体が受入れられた場合は前記持球データに加算しないようにした遊技機であって、
前記球循環手段は、
前記アウト口に受入れられた遊技球が流通するアウト球通路を有し、前記球発射手段により発射されて回収された遊技球が流通する球回収通路と、
該球回収通路の前記アウト球通路を流通している遊技球を検知するように該アウト球通路の上流端に近い部位に設けられているアウト球センサを有し、前記球回収通路を流通している遊技球が通過可能な検知孔を有する球センサと、
前記球回収通路の壁部を開くことで外部から少なくとも前記球センサの前記アウト球センサに対して上流側からアプローチ可能なアプローチ部と、
を備え、前記枠基板ユニットを前記本体枠に対して閉じた時に少なくとも前記アプローチ部が後方から覆われるように設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段7の構成によると、遊技球により遊技が行われ入賞口及びアウト口が設けられている遊技領域を有する遊技盤と、遊技盤の遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、球発射手段により発射された遊技球を回収して再び球発射手段に供給する球循環手段と、記遊技盤を前方から着脱可能に支持していると共に、球発射手段及び球循環手段を支持している本体枠と、本体枠に対して開閉可能に設けられており球発射手段及び球循環手段を制御可能な枠制御基板を有する枠基板ユニットと、を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて球発射手段により遊技球を発射させると共に、入賞口に遊技球が受入れられた場合は持球データに所定個数を加算しアウト口に遊技媒体が受入れられた場合は持球データに加算しないようにした遊技機であって、球循環手段は、アウト口に受入れられた遊技球が流通するアウト球通路を有し、球発射手段により発射されて回収された遊技球が流通する球回収通路と、球回収通路のアウト球通路を流通している遊技球を検知するようにアウト球通路の上流端に近い部位に設けられているアウト球センサを有し、球回収通路を流通している遊技球が通過可能な検知孔を有する球センサと、球回収通路の壁部を開くことで外部から少なくとも球センサのアウト球センサに対して上流側からアプローチ可能なアプローチ部と、を備え、枠基板ユニットを本体枠に対して閉じた時に少なくともアプローチ部が後方から覆われるように設けられているものである。
これにより、遊技領域へ遊技球を発射する球発射手段から発射された遊技球を、球循環手段により回収して球発射手段へ供給すると共に、遊技者の持球データに基づいて球発射手段から遊技球を発射させ遊技領域の入賞口に遊技球が受入れられると持球データに所定個数を加算するようにした遊技機(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、遊技球の循環経路を構成している球循環手段に球回収通路と、球回収通路を流通している遊技球を検知する球センサとを設けていることから、球回収通路では、球発射手段により発射された遊技球を回収するために受け取った後に一列に整列させて球センサの検知孔を通過するように送ることとなる。そのため、球回収通路における球センサよりも上流の部位は、遊技球を一列に整列させるために、球センサへ向かって当該通路の幅や高さが、遊技球1個分が通る大きさに徐々に狭くなるため、当該部位において球詰りが発生し易くなる。この球回収通路には、遊技盤のアウト口に受入れられた遊技球を回収して流通させるアウト球通路を有しており、アウト球通路の上流端(入口)に近い部に球センサとしてのアウト球センサが設けられていると共に、アウト球センサに対して上流側からアプローチ可能なアプローチ部が設けられている。そして、遊技盤の遊技領域に打ち込まれた多くの遊技球はアウト口に受入れられることから、球回収通路におけるアウト球通路を多くの遊技球が流通するため、アウト球通路において球詰りが発生する可能性が高くなるが、少なくともアウト球通路におけるアウト球センサに対して上流側からアプローチ可能なアプローチ部を設けているため、アプローチ部を開くことで外部から指や工具等をアウト球通路に挿入することが可能となり、咬みこんでいる遊技球を解すことで球詰りを容易に解消させることができる。
ところで、遊技盤側から遊技球よりも直径の大きい不正球(大玉)を球循環手段に混入させて、意図的に球詰りを発生させるような不正行為が行われた場合、球詰りの解消に時間がかかると遊技機の稼働時間が減少して遊技ホールの負担が増加することとなる。このような大玉を混入させる不正行為は、入賞口よりも遊技球が受入れられ易いアウト口から混入される恐れがあり、大玉が混入されるとアウト球通路(アウト球センサ)において大玉による球詰りが発生することとなるが、上述したように、アプローチ部を開くことで少なくともアウト球センサの上流側へアプローチすることができるため、アプローチ部から指や工具等を挿入することで球詰りの原因となっている大玉(不正球)を簡単に除去することができ、遊技ホールの負担の増加を抑制させることができると共に、不正行為に対する抑止力の高い遊技機を提供することができる。
また、枠基板ユニットを閉じた通常の状態では、枠基板ユニットによってアプローチ部の後方を覆っているための、アプローチ部を介して球循環手段の内部(例えば、球センサ)に対して不正行為を行おうとしても、後方を覆っている枠基板ユニットにより不正な工具の挿入を阻止することができる。一方、球回収通路において球詰りが発生した場合は、枠基板ユニットを開くとアプローチ部が現れるため、アプローチ部を介して咬みこんでいる遊技球を解したり不正球(大玉)を除去したりすることができる。従って、不正行為に対する抑止力を高めつつ、球詰りを容易に解消させることが可能な遊技機を提供することができる。
更に、アウト口に受入れられた遊技球を検知するアウト球センサを、球回収通路におけるアウト球通路の上流端(入口)に近い部位に設けており、当該アウト球センサへ向かってアウト球通路が狭くなることから、アウト球通路の上流端に近い部位で球詰りが発生し易くなるが、当該アウト球センサに対してアプローチ部を設けているため、アプローチ部を開くことよって咬みこんでいる遊技球を解したり大玉(不正球)を除去したりすることができる。この際に、アウト球センサ及びアプローチ部を、アウト球通路の上流端に近い部位に設けているため、アウト球通路(球回収通路)の奥の方にアプローチ部を設ける場合と比較して、アプローチ部の構成を簡単なものとすることが可能となり、アプローチ部にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、アウト球センサ及びアプローチ部を、アウト球通路の上流端に近い部位に設けているため、不正行為として大玉(不正球)が混入された時に、大玉がアウト球通路(球回収通路)の奥まで侵入してしまうことを阻止することができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。
また、枠制御基板を有する枠基板ユニットを、アプローチ部の後方、つまり、球循環手段の後方に設けていることから、球循環手段の後方のスペースを有効活用することができる。
このように、上記の解決手段によれば、遊技球の循環経路での球詰りを容易に解消させることが可能な遊技機を提供することができる。
[15-2c.第二技術的特徴の解決手段と実施形態との関係]
本実施形態における本体枠4の球発射ユニット450は上記解決手段の球発射手段に、本実施形態におけるファールユニット470、循環球経路ユニット500、球揚上ユニット550、及び球送ユニット600は上記解決手段の球循環手段に、本実施形態における循環球経路ユニット500のアウト球通路501、セーフ球通路502、ファール球通路503は上記解決手段の球回収通路に、本実施形態における循環球経路ユニット500のアウト球センサ505、セーフ球センサ506、ファール球センサ507は上記解決手段の球センサに、本実施形態における球詰解消機構530の蓋部材531は上記解決手段のアプローチ部に、本実施形態におけるアウト口1008は上記解決手段のアウト口に、本実施形態における一般入賞口2001、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005は上記解決手段の入賞口に、夫々相当している。
[15-2d.第二技術的特徴の特徴的な作用効果]
本実施形態によれば、遊技盤5の遊技領域5aへ遊技球Bを発射する球発射ユニット450から発射された遊技球Bを、ファールユニット470や循環球経路ユニット500により回収して球発射ユニット450へ供給すると共に、遊技者の持球データに基づいて球発射ユニット450から遊技球Bを発射させ遊技領域5aの入賞口(一般入賞口2001、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005)に遊技球Bが受入れられると持球データ(持ち球数)に所定個数を加算するようにしているパチンコ機1(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、遊技球Bの循環経路Rを構成している循環球経路ユニット500に、アウト球通路501(球回収通路)と、アウト球通路501を流通している遊技球Bを検知する球センサとしてのアウト球センサ505とを設けていることから、アウト球通路501では、球発射ユニット450により発射された遊技球Bを回収するために受け取った後に一列に整列させてアウト球センサ505の検知孔を通過するように送ることとなる。そのため、アウト球通路501におけるアウト球センサ505よりも上流の部位は、遊技球Bを一列に整列させるために、アウト球センサ505へ向かって当該通路の幅や高さが、遊技球B1個分が通る大きさに徐々に狭くなるため、当該部位において球詰りが発生し易くなる。この循環球経路ユニット500には、アウト球通路501の上流端(入口)に近い部にアウト球センサ505が設けられていると共に、アウト球センサ505に対して上流側からアプローチ可能な球詰解消機構530の蓋部材531(アプローチ部)が設けられている。そして、遊技盤5の遊技領域5aに打ち込まれた多くの遊技球Bはアウト口1008に受入れられることから、循環球経路ユニット500におけるアウト球通路501を多くの遊技球Bが流通するため、アウト球通路501において球詰りが発生する可能性が高くなるが、少なくともアウト球通路501におけるアウト球センサ505に対して上流側からアプローチ可能な蓋部材531を設けているため、蓋部材531を開くことで外部から指や工具等をアウト球通路501に挿入することが可能となり、咬みこんでいる遊技球Bを解すことで球詰りを容易に解消させることができる。
ところで、遊技盤5側から遊技球Bよりも直径の大きい不正球B’(大玉)を循環球経路ユニット500に混入させて、意図的に球詰りを発生させるような不正行為が行われた場合、球詰りの解消に時間がかかるとパチンコ機1の稼働時間が減少して遊技ホールの負担が増加することとなる。このような大玉を混入させる不正行為は、一般入賞口2001や第一始動口2003のような入賞口よりも遊技球Bが受入れられ易いアウト口1008から混入される恐れがあり、大玉が混入されるとアウト球通路501(アウト球センサ505)において大玉による球詰りが発生することとなるが、上述したように、蓋部材531を開くことで少なくともアウト球センサ505の上流側へアプローチすることができるため、蓋部材531の部位から指や工具等を挿入することで球詰りの原因となっている大玉(不正球B’)を簡単に除去することができ、遊技ホールの負担の増加を抑制させることができると共に、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、枠基板ユニット630を閉じた通常の状態では、枠基板ユニット630によって蓋部材531(循環球経路ユニット500)の後方を覆っているための、蓋部材531を介して循環球経路ユニット500の内部に対して不正行為を行おうとしても、後方を覆っている枠基板ユニット630により不正な工具の挿入を阻止することができる。一方、循環球経路ユニット500のアウト球通路501において球詰りが発生した場合は、枠基板ユニット630を後方へ開くと蓋部材531が現れるため、蓋部材531を開いて咬みこんでいる遊技球Bを解したり不正球B’(大玉)を除去したりすることができる。従って、不正行為に対する抑止力を高めつつ、球詰りを容易に解消させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、遊技盤5のアウト口1008に受入れられた遊技球Bを検知するアウト球センサ505を、循環球経路ユニット500におけるアウト球通路501の上流端(入口)に近い部位に設けており、当該アウト球センサ505へ向かってアウト球通路501が狭くなることから、アウト球通路501の上流端に近い部位で球詰りが発生し易くなるが、当該アウト球センサ505に対して蓋部材531を設けているため、蓋部材531を開くことよって咬みこんでいる遊技球Bを解したり大玉(不正球B’)を除去したりすることができる。この際に、アウト球センサ505及び蓋部材531を、アウト球通路501の上流端に近い部位に設けているため、アウト球通路501(循環球経路ユニット500)の奥の方に蓋部材を設ける場合と比較して、蓋部材531(球詰解消機構530)の構成を簡単なものとすることが可能となり、球詰解消機構530にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、アウト球センサ505及び蓋部材531を、アウト球通路501の上流端に近い部位に設けているため、不正行為として大玉(不正球B’)が混入された時に、大玉がアウト球通路501(循環球経路ユニット500)の奥まで侵入してしまうことを阻止することができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。
また、枠制御基板640を有する枠基板ユニット630を、蓋部材531の後方、つまり、循環球経路ユニット500の後方に設けていることから、循環球経路ユニット500の後方のスペースを有効活用することができる。
[15-3.第三技術的特徴]
本明細書には、上記とは異なる以下のような技術的特徴を有している。
[15-3a.第三技術的特徴の背景]
パチンコ機のような遊技機には、遊技が行われる遊技領域において遊技媒体を受入可能な入賞口と、遊技媒体の流れを変化させる複数の障害釘と、が設けられている。この種の遊技機として、入賞口の直上に設けられている障害釘の下端に沿うように保護部材を設けたものが提案されている(例えば、特許文献C:特開2018-140155号公報)。この特許文献Cの技術によれば、障害釘を曲がり難くすることで、入賞口への遊技媒体の受入確率が変化しないようにしている。
しかしながら、特許文献Cの技術では、障害釘が下方以外の方向へ曲がることが可能であり、入賞口への受入確率(入賞確率)が変化してしまう恐れがあった。そのため、経年変化により遊技機ごとに入賞確率が異なってしまう恐れがあり、遊技機ごとに入賞確率が異なることで遊技者に不信感を与えて興趣を低下させてしまう恐れがあった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、入賞口への入賞確率に対する遊技機ごとの経年変化を目立ち難くすることで遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
[15-3b.第三技術的特徴の解決手段]
手段1:遊技機において、
「遊技媒体による遊技が行われる遊技領域が前方に設けられている遊技パネルと、該遊技パネルの前面に設けられており前記遊技領域内の遊技媒体を受入可能な入賞口と、前記遊技領域に複数設けられており遊技媒体の流れを変化させる障害釘と、が設けられている遊技機であって、
前記遊技パネルの前方に該遊技パネルとの間に遊技媒体が流通可能な隙間をあけて前板が設けられており、
該前板は、
前記入賞口への遊技媒体の受入れに関わる前記障害釘の前端を収容可能な収容部を有している」ものであることを特徴とする。
ここで、「遊技パネル」としては、「不透明板」、「透明板」、等が挙げられ、材質としては、「合板(例えば、ベニヤ板)」、「集成材」、「金属板」、「アクリル樹脂板」、「ポリスチレン」、「ポリカーボネイト樹脂板」、「ABS樹脂板」、「ポリプロピレン板」、「ポリアリレート樹脂板」、「メタクリル樹脂板」、「ガラス板」、等が挙げられる。また、「遊技パネル」としては、「一枚の板材により形成されているもの」、「前側に遊技領域が形成される板状のパネル板と、パネル板の外周を保持するパネルホルダと、から構成されているもの」、等が挙げられる。
また、「入賞口」としては、「遊技領域内において常時開口している一般入賞口」、「遊技領域内において常時開口しており、遊技媒体の受入れにより遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別図柄の抽選(特別抽選)が行われる始動入賞口(始動口)」、「遊技領域内における特定の一般入賞口(普通入賞口)に遊技媒体が受入れられることで、抽選される普通図柄の抽選結果に応じて、遊技媒体の受入れが可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(ゲート、スルーチャッカー、等)を遊技媒体が通過することで抽選される普通図柄の抽選結果に応じて、遊技媒体の受入れが可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「役物入賞口に受入れられた遊技媒体が振分手段により振分けられて受入れられると、遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるV入賞口」、「特別図柄の抽選結果に応じて、遊技者が有利となる有利遊技状態として、所定のパターンで開閉して遊技媒体の受入れが可能となる大入賞口や役物入賞口」、等が挙げられる。
更に、「障害釘」としては、後端側が遊技パネルに取付けられるものであっても良いし、後端側が遊技パネルに取付けられる台板に取付けられるものであっても良い。また、「障害釘」としては、前端に軸部よりも大径の頭部を有しているものであっても良いし、前端が軸部と同じ径のシャフト状のものであっても良い。
また、入賞口への遊技媒体の受入れに関わる「障害釘」としては、「入賞口の直前において入賞口と略同じ幅で離隔している一対の障害釘(特定障害釘)」、「入賞口の直前において入賞口と略同じ幅で離隔している一対の障害釘(特定障害釘)に接近して設けられている障害釘(準特定障害釘)」、「入賞口へ向けて遊技媒体を誘導可能に列設されている釘列を構成している障害釘」、「入賞口へ向けて遊技媒体を誘導可能に列設されている釘列に対して遊技媒体を誘導可能としている障害釘(風車)」、等が挙げられる。
更に、「前板」としては、遊技領域内を流通している遊技媒体を視認可能なものであれば良く、入賞口を形成している球受部の前面に取付けられるものであっても良いし、遊技領域を区画しているレールやセンター役物のような枠状の周壁部に取付けられるものであっても良い。また、「前板」としては、一つの部材により構成されているものであっても良いし、複数の部材に分割されて構成されているものであっても良い。
また、「収容部」としては、障害釘の前端との間に隙間が形成されるものであっても良いし、障害釘の前端との間に隙間が形成されないものであっても良い。また、「収容部」としては、前板を前後に貫通している孔であっても良いし、前板を貫通せずに後面から前方へ凹んでいる溝であっても良い。
手段1の構成によると、遊技媒体による遊技が行われる遊技領域が前方に設けられている遊技パネルと、遊技パネルの前面に設けられており遊技領域内の遊技媒体を受入可能な入賞口と、遊技領域に複数設けられており遊技媒体の流れを変化させる障害釘と、が設けられている遊技機であって、遊技パネルの前方に遊技パネルとの間に遊技媒体が流通可能な隙間をあけて前板が設けられており、前板は、入賞口への遊技媒体の受入れに関わる障害釘の前端を収容可能な収容部を有しているものである。([発明を実施するための形態]では、[11-5.第二実施形態の始動口ユニット]~[11-7.始動口ユニット及びサイドユニットの前方の前板]の章、及び、図84乃至図100等の記載を参照)
これにより、入賞口への遊技媒体の受入れに関わる障害釘の前端を、前板の収容部に収容させるようにしているため、遊技ホールに設置されて遊技に使用されることで多くの遊技媒体が当該障害釘に当接し、その衝撃により当該障害釘が曲がろうとしても、当該障害釘の前端が収容部の内面に接触することで、当該障害釘がそれ以上曲がることを防止することができる。従って、本遊技機を使用し続けても、入賞口への遊技媒体の入賞確率が変化することはなく、遊技機の品質を長期間に亘って維持することができる。つまり、入賞口への入賞確率に対する遊技機ごとの経年変化を目立ち難くすることができ、遊技者に不信感を与えることはなく、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、入賞口への遊技媒体の受入れに関わる障害釘の前端を、前板の収容部に収容させるようにしているため、不正行為として、入賞口への遊技媒体の入賞確率を変化させるために当該障害釘を曲げようとしても、前板の収容部により曲げ難くなっており、不正行為が行われることを回避させることができると共に、収容部を有する前板の存在を認識することで不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高い遊技機を提供することができる。
更に、障害釘の前端を前板の収容部に収容させているため、遊技機の製造時や搬送時等の際に、障害釘の前端に他の部材が当接することを前板により阻止することができ、障害釘の変形を防止して所定の品質の遊技機を確実に提供することができる。
また、障害釘の前端を収容可能な収容部を有する前板を設けているため、前板を板状とすることにより、遊技機の製造時において、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されているか否かを確認するための釘検査フィルムを遊技機(遊技盤)の前面に被せた時に、板状の前板によって当該釘検査フィルムを撓み難くすることができ、撓むことによる検査誤差を低減させて遊技機の品質を高めることができると共に、検査にかかる手間を容易なものとすることができ、コストの増加を抑制させることができる。
なお、収容部を、入賞口に近付くほど障害釘の前端との隙間が小さくなるように形成するようにしても良い。これにより、入賞口に近付くほど前板の収容部と障害釘の前端との隙間が小さくなるようにしていることから、入賞口に近付くほど、障害釘の変形を抑制することができ、遊技機ごとにおける入賞口への入賞確率のバラツキをより一層少なくして、一定の品質の遊技機を提供することができる。
また、遊技機に、障害釘により回転可能に支持されている風車を更に設けると共に、前板に、風車の外周縁の少なくとも一部を囲む風車収容部を有するようにしても良い。これにより、前板に、風車の外周縁の少なくとも一部を囲む風車収容部を設けているため、遊技ホールに設置されて遊技に使用されることで多くの遊技媒体が風車に当接し、その衝撃により風車が曲がろうとしても、風車の外周縁が風車収容部に接触することで、風車がそれ以上曲がることを防止することができる。従って、本遊技機を使用し続けても、風車が出荷時の状態とほとんど変わることはないため、風車を通った時の入賞口への入賞確率が変化することはなく、遊技機の品質を長期間に亘って維持することができる。つまり、風車への遊技媒体の当接による経年変化が目立たない遊技機を提供することができる。
また、上記のように、前板に風車収容部を設けると共に、風車の下付近から入賞口へ向かって複数の障害釘が列設されている釘列が設けられているような場合、風車が入賞口の方へ傾くように変形すると、風車の上方から流下してきた遊技媒体が入賞口の方へ変形している風車によって、入賞口とは逆の方向へ流下し易くなるため、入賞口へ向かって列設されている釘列により遊技媒体が誘導され難くなり、入賞口への入賞確率が低下してしまう恐れがある。これに対して、この場合、風車の外周縁の一部を風車収容部で囲むようにしていることから、風車の外周縁における入賞口に近い側を風車収容部で囲むことにより、風車が入賞口の方へ傾くことを抑制することができ、風車を介した入賞口への入賞確率が変化することはなく、経年変化が目立たない遊技機を提供することができる。
更に、遊技機に、前板の前面に貼り付けられる装飾シールを更に設けるようにした上で、装飾シールに、前板に貼り付けるための粘着部を、前板を貫通している孔を避けて設けるようにしても良い。これにより、前板の前面に装飾シールを貼り付けるようにしていることから、障害釘の前端が収容される収容部を前板を貫通している孔とする場合、当該孔を装飾シールによって覆うことが可能となるため、遊技機の製造時や搬送時等の際に、障害釘に他の部材が当接することを装飾シールにより阻止することができ、障害釘の変形を防止して所定の品質の遊技機を確実に提供することができる。
また、上記のように、装飾シールを設ける場合、装飾シールの粘着部を、前板を貫通している孔を避けるように設けているため、当該孔を通して前板の後方から遊技媒体が装飾シールの後面に接触するような場合、装飾シールの粘着部に遊技媒体が貼り付いてしまうことはなく、球詰まりのような不具合が発生することはない。
また、上記のように、装飾シールを設ける場合、前面に装飾シールが貼り付けられる前板に孔が設けられているため、製造時に装飾シールを貼り損ねた時や廃棄する時に、当該孔を通して装飾シールを後方から押圧することができるため、前板から装飾シールを容易に剥がすことができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記収容部は、
前記入賞口に近付くほど前記障害釘の前端との隙間が小さくなるように形成されている」ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、収容部を、入賞口に近付くほど障害釘の前端との隙間が小さくなるように形成するようにしたものである。([発明を実施するための形態]では、始動口前板2152の第一保持部2152a及び第二保持部2152bに関する記載を参照)
これにより、入賞口に近付くほど前板の収容部と障害釘の前端との隙間が小さくなるようにしていることから、入賞口に近付くほど、障害釘の変形を抑制することができ、遊技機ごとにおける入賞口への入賞確率のバラツキをより一層少なくして、一定の品質の遊技機を提供することができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記障害釘により回転可能に支持されている風車が更に設けられており、
前記前板は、
前記風車の外周縁の少なくとも一部を囲む風車収容部を有している」ものであることを特徴とする。
ここで、「風車収容部」としては、風車の前端外周縁の全周を囲むものであっても良いし、風車の前端外周縁の一部(例えば、入賞口に近い側)を囲むものであっても良い。
手段3の構成によると、遊技機に、障害釘により回転可能に支持されている風車を更に設けると共に、前板に、風車の外周縁の少なくとも一部を囲む風車収容部を有するようにしたものである。([発明を実施するための形態]では、前板2170の風車保持部2172や前板2180の風車保持部2182に関する記載を参照)
これにより、前板に、風車の外周縁の少なくとも一部を囲む風車収容部を設けているため、遊技ホールに設置されて遊技に使用されることで多くの遊技媒体が風車に当接し、その衝撃により風車が曲がろうとしても、風車の外周縁が風車収容部に接触することで、風車がそれ以上曲がることを防止することができる。従って、本遊技機を使用し続けても、風車が出荷時の状態とほとんど変わることはないため、風車を通った時の入賞口への入賞確率が変化することはなく、遊技機の品質を長期間に亘って維持することができる。つまり、風車への遊技媒体の当接による経年変化が目立たない遊技機を提供することができる。
また、風車の下付近から入賞口へ向かって複数の障害釘が列設されている釘列が設けられているような場合、風車が入賞口の方へ傾くように変形すると、風車の上方から流下してきた遊技媒体が入賞口の方へ変形している風車によって、入賞口とは逆の方向へ流下し易くなるため、入賞口へ向かって列設されている釘列により遊技媒体が誘導され難くなり、入賞口への入賞確率が低下してしまう恐れがある。これに対して、本構成によれば、風車の外周縁の一部を風車収容部で囲むようにしていることから、風車の外周縁における入賞口に近い側を風車収容部で囲むことにより、風車が入賞口の方へ傾くことを抑制することができ、風車を介した入賞口への入賞確率が変化することはなく、経年変化が目立たない遊技機を提供することができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記前板の前面に貼り付けられる装飾シールが更に設けられており、
該装飾シールは、
前記前板に貼り付けるための粘着部が前記前板を貫通している孔を避けて設けられている」ものであることを特徴とする。
ここで、前板を貫通している「孔」としては、「障害釘の前端が挿入される収容部としての貫通孔」、「前板を取付けるための取付孔としての貫通孔」、「入賞口及び前板が設けられている入賞口ユニットにおいて、当該入賞口ユニットを遊技パネルに取付けるためのドライバが挿通される貫通孔」、等が挙げられる。
手段4の構成によると、遊技機に、前板の前面に貼り付けられる装飾シールを更に設けるようにした上で、装飾シールに、前板に貼り付けるための粘着部を、前板を貫通している孔を避けて設けるようにしたものである。([発明を実施するための形態]では、前板シール2153に関する記載を参照)
これにより、前板の前面に装飾シールを貼り付けるようにしていることから、障害釘の前端が収容される収容部を前板を貫通している孔とする場合、当該孔を装飾シールによって覆うことが可能となるため、遊技機の製造時や搬送時等の際に、障害釘に他の部材が当接することを装飾シールにより阻止することができ、障害釘の変形を防止して所定の品質の遊技機を確実に提供することができる。
また、装飾シールの粘着部を、前板を貫通している孔を避けるように設けているため、当該孔を通して前板の後方から遊技媒体が装飾シールの後面に接触するような場合、装飾シールの粘着部に遊技媒体が貼り付いてしまうことはなく、球詰まりのような不具合が発生することはない。
また、前面に装飾シールが貼り付けられる前板に孔が設けられているため、製造時に装飾シールを貼り損ねた時や廃棄する時に、当該孔を通して装飾シールを後方から押圧することができるため、前板から装飾シールを容易に剥がすことができる。
手段5:遊技機において、
「遊技媒体による遊技が行われる遊技領域が前方に設けられている遊技パネルと、該遊技パネルの前面に設けられており前記遊技領域内の遊技媒体を受入可能な入賞口と、前記遊技領域に複数設けられており遊技媒体の流れを変化させる障害釘と、が設けられている遊技機であって、
前記遊技パネルの前方に該遊技パネルとの間に遊技媒体が流通可能な隙間をあけて設けられている前板と、
該前板の前面に貼り付けられる装飾シールと、
前記障害釘により回転可能に支持されている風車と、を更に備えており、
前記前板は、
前記入賞口への遊技媒体の受入れに関わる前記障害釘の前端を収容可能としていると共に、前記入賞口に近付くほど前記障害釘の前端との隙間が小さくなるように形成されている収容部と、
前記風車の外周縁の少なくとも一部を囲む風車収容部と、を有しており、
前記装飾シールは、
前記前板に貼り付けるための粘着部が前記前板を貫通している孔を避けて設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、遊技媒体による遊技が行われる遊技領域が前方に設けられている遊技パネルと、遊技パネルの前面に設けられており遊技領域内の遊技媒体を受入可能な入賞口と、遊技領域に複数設けられており遊技媒体の流れを変化させる障害釘と、が設けられている遊技機であって、遊技パネルの前方に遊技パネルとの間に遊技媒体が流通可能な隙間をあけて設けられている前板と、前板の前面に貼り付けられる装飾シールと、障害釘により回転可能に支持されている風車と、を更に備えており、前板は、入賞口への遊技媒体の受入れに関わる障害釘の前端を収容可能としていると共に、入賞口に近付くほど障害釘の前端との隙間が小さくなるように形成されている収容部と、風車の外周縁の少なくとも一部を囲む風車収容部と、を有しており、装飾シールは、前板に貼り付けるための粘着部が前板を貫通している孔を避けて設けられているものである。
これにより、入賞口への遊技媒体の受入れに関わる障害釘の前端を、前板の収容部に収容させるようにしているため、遊技ホールに設置されて遊技に使用されることで多くの遊技媒体が当該障害釘に当接し、その衝撃により当該障害釘が曲がろうとしても、当該障害釘の前端が収容部の内面に接触することで、当該障害釘がそれ以上曲がることを防止することができる。従って、本遊技機を使用し続けても、入賞口への遊技媒体の入賞確率が変化することはなく、遊技機の品質を長期間に亘って維持することができる。つまり、入賞口への入賞確率に対する遊技機ごとの経年変化を目立ち難くすることができ、遊技者に不信感を与えることはなく、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、入賞口に近付くほど前板の収容部と障害釘の前端との隙間が小さくなるようにしていることから、入賞口に近付くほど、障害釘の変形を抑制することができ、遊技機ごとにおける入賞口への入賞確率のバラツキをより一層少なくして、一定の品質の遊技機を提供することができる。
更に、障害釘の前端を前板の収容部に収容させているため、遊技機の製造時や搬送時等の際に、障害釘の前端に他の部材が当接することを前板により阻止することができ、障害釘の変形を防止して所定の品質の遊技機を確実に提供することができる。
また、前板に、風車の外周縁の少なくとも一部を囲む風車収容部を設けているため、遊技ホールに設置されて遊技に使用されることで多くの遊技媒体が風車に当接し、その衝撃により風車が曲がろうとしても、風車の外周縁が風車収容部に接触することで、風車がそれ以上曲がることを防止することができる。従って、本遊技機を使用し続けても、風車が出荷時の状態とほとんど変わることはないため、風車を通った時の入賞口への入賞確率が変化することはなく、遊技機の品質を長期間に亘って維持することができる。つまり、風車への遊技媒体の当接による経年変化が目立たない遊技機を提供することができる。
また、風車の下付近から入賞口へ向かって複数の障害釘が列設されている釘列が設けられているような場合、風車が入賞口の方へ傾くように変形すると、風車の上方から流下してきた遊技媒体が入賞口の方へ変形している風車によって、入賞口とは逆の方向へ流下し易くなるため、入賞口へ向かって列設されている釘列により遊技媒体が誘導され難くなり、入賞口への入賞確率が低下してしまう恐れがある。これに対して、本構成では、風車の外周縁の一部を風車収容部で囲むようにしていることから、風車の外周縁における入賞口に近い側を風車収容部で囲むことにより、風車が入賞口の方へ傾くことを抑制することができ、風車を介した入賞口への入賞確率が変化することはなく、経年変化が目立たない遊技機を提供することができる。
更に、入賞口への遊技媒体の受入れに関わる障害釘の前端を、前板の収容部に収容させるようにしているため、不正行為として、入賞口への遊技媒体の入賞確率を変化させるために当該障害釘を曲げようとしても、前板の収容部により曲げ難くなっており、不正行為が行われることを回避させることができると共に、収容部を有する前板の存在を認識することで不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高い遊技機を提供することができる。
また、障害釘の前端を収容可能な収容部を有する前板を設けているため、前板を板状とすることにより、遊技機の製造時において、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されているか否かを確認するための釘検査フィルムを遊技機(遊技盤)の前面に被せた時に、板状の前板によって当該釘検査フィルムを撓み難くすることができ、撓むことによる検査誤差を低減させて遊技機の品質を高めることができると共に、検査にかかる手間を容易なものとすることができ、コストの増加を抑制させることができる。
更に、前板の前面に装飾シールを貼り付けるようにしていることから、障害釘の前端が収容される収容部を、前板を貫通している孔とする場合、当該孔を装飾シールによって覆うことが可能となるため、遊技機の製造時や搬送時等の際に、障害釘に他の部材が当接することを装飾シールにより阻止することができ、障害釘の変形を防止して所定の品質の遊技機を確実に提供することができる。
また、装飾シールの粘着部を、前板を貫通している孔を避けるように設けているため、当該孔を通して前板の後方から遊技媒体が装飾シールの後面に接触するような場合、装飾シールの粘着部に遊技媒体が貼り付いてしまうことはなく、球詰まりのような不具合が発生することはない。
また、前面に装飾シールが貼り付けられる前板に孔が設けられているため、製造時に装飾シールを貼り損ねた時や廃棄する時に、当該孔を通して装飾シールを後方から押圧することができるため、前板から装飾シールを容易に剥がすことができる。
このように、上記の解決手段によれば、入賞口への入賞確率に対する遊技機ごとの経年変化を目立ち難くすることで遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
[15-3c.第三技術的特徴の解決手段と実施形態との関係]
本実施形態における遊技盤5の一般入賞口2001及び第一始動口2003は上記解決手段の入賞口に、本実施形態における始動口ユニット2150の始動口前板2152、始動口ユニット2160の始動口前板2162、前板2170、及び前板2180は上記解決手段の前板に、本実施形態における第一保持部2152a、第二保持部2152b、前支持孔2162a、釘保持部2171、及び釘保持部2181は上記解決手段の収容部に、夫々相当している。
また、本実施形態における貫通孔2152c、貫通孔2162b、開口部2173、及び取付孔2183は上記解決手段の孔に、本実施形態における前板シール2153は上記解決手段の装飾シールに、本実施形態における障害釘N及び釘シャフト2163は上記解決手段の障害釘に、本実施形態における風車保持部2172及び風車保持部2182は、上記解決手段の風車収容部に、本実施形態における風車Wは上記解決手段の風車に、夫々相当している。
[15-3d.第三技術的特徴の特徴的な作用効果]
本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5における入賞口としての第一始動口2003への遊技球Bの受入れに関わる特定障害釘N1や準特定障害釘N2を含む障害釘Nの前端(頭部)を、始動口ユニット2150の始動口前板2152の第一保持部2152aや第二保持部2152bに挿入して収容させるようにしているため、遊技ホールに設置されて遊技に使用されることで多くの遊技球Bが当該障害釘Nに当接し、その衝撃により当該障害釘Nが曲がろうとしても、当該障害釘Nの前端が第一保持部2152aや第二保持部2152bの内面に接触することで、当該障害釘Nがそれ以上曲がることを防止することができる。従って、本パチンコ機1を使用し続けても、第一始動口2003への遊技球Bの入賞確率が変化することはなく、パチンコ機1の品質を長期間に亘って維持することができる。つまり、第一始動口2003等の入賞口への入賞確率に対するパチンコ機1ごとの経年変化を目立ち難くすることができ、遊技者に不信感を与えることはなく、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、第一始動口2003に近付くほど始動口前板2152の第一保持部2152a及び第二保持部2152bと障害釘N(特定障害釘N1及び準特定障害釘N2)の頭部との隙間が小さくなるようにしていることから、第一始動口2003に近付くほど、障害釘Nの変形を抑制することができ、パチンコ機1ごとにおける第一始動口2003への入賞確率のバラツキをより一層少なくして、一定の品質のパチンコ機1を提供することができる。
更に、障害釘Nの前端(頭部)を始動口前板2152等の第一保持部2152a等に挿入して収容させているため、パチンコ機1の製造時や搬送時等の際に、障害釘Nの前端に他の部材が当接することを始動口前板2152等により阻止することができ、障害釘Nの変形を防止して所定の品質のパチンコ機1を確実に提供することができる。
また、前板2170及び前板2180に、風車Wの外周縁の少なくとも一部を囲む風車保持部2172及び風車保持部2182を設けているため、遊技ホールに設置されて遊技に使用されることで多くの遊技球Bが風車Wに当接し、その衝撃により風車Wが曲がろうとしても、風車Wの外周縁が風車保持部2172や風車保持部2182に接触することで、風車Wがそれ以上曲がることを防止することができる。従って、本パチンコ機1を使用し続けても、風車Wが出荷時の状態とほとんど変わることはないため、風車Wを通った時の第一始動口2003等の入賞口への入賞確率が変化することはなく、パチンコ機1の品質を長期間に亘って維持することができる。つまり、風車Wへの遊技球Bの当接による経年変化が目立たないパチンコ機1を提供することができる。
また、風車Wが第一始動口2003の方へ傾くように変形すると、風車Wの上方から流下してきた遊技球Bが第一始動口2003の方へ変形している風車Wによって、第一始動口2003とは逆の方向へ流下し易くなるため、第一始動口2003へ向かって列設されている連釘NRにより遊技球Bが誘導され難くなり、第一始動口2003への入賞確率が低下してしまう恐れがある。これに対して、本実施形態では、風車Wの外周縁の一部を風車保持部2172や風車保持部2182で囲むようにしていることから、風車Wの外周縁における少なくとも第一始動口2003に近い側を風車保持部2172や風車保持部2182で囲むことにより、風車Wが第一始動口2003の方へ傾くことを抑制することができ、風車Wを介した第一始動口2003への入賞確率が変化することはなく、経年変化が目立たないパチンコ機1を提供することができる。
更に、第一始動口2003への遊技球Bの受入れに関わる障害釘N(釘シャフト2163)の前端を、始動口前板2152の第一保持部2152aや始動口前板2162の前支持孔2162aに挿入して収容させるようにしているため、不正行為として、第一始動口2003への遊技球Bの入賞確率を変化させるために当該障害釘N(釘シャフト2163)を曲げようとしても、第一保持部2152aや前支持孔2162aにより曲げ難くなっており、不正行為が行われることを回避させることができると共に、第一保持部2152aや前支持孔2162aを有する始動口前板2152や始動口前板2162の存在を認識することで不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、障害釘Nの前端(頭部)を挿入して収容可能な第一保持部2152a、前支持孔2162a、釘保持部2171、及び釘保持部2181を有する始動口前板2152、始動口前板2162、前板2170、及び前板2180、等の前板を設けているため、パチンコ機1の製造時において、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されているか否かを確認するための釘検査フィルムをパチンコ機1の遊技盤5の前面に被せた時に、前板によって当該釘検査フィルムを撓み難くすることができ、撓むことによる検査誤差を低減させてパチンコ機1の品質を高めることができると共に、検査にかかる手間を容易なものとすることができ、コストの増加を抑制させることができる。
更に、始動口前板2152の前面に前板シール2153を貼り付けるようにしていることから、障害釘Nの頭部が挿入されて収容される第一保持部2152aや第二保持部2152bを前板シール2153によって覆うことが可能となるため、パチンコ機1の製造時や搬送時等の際に、障害釘Nに他の部材が当接することを前板シール2153により阻止することができ、障害釘Nの変形を防止して所定の品質のパチンコ機1を確実に提供することができる。
また、前板シール2153の粘着部2153bを、始動口前板2152を貫通している貫通孔2152c等を避けるように設けているため、貫通孔2152c等を通して始動口前板2152の後方から遊技球Bが前板シール2153の後面に接触するような場合、前板シール2153の粘着部2153bに遊技球Bが貼り付いてしまうことはなく、球詰まりのような不具合が発生することはない。
また、前面に前板シール2153が貼り付けられる始動口前板2152に貫通孔2152c等の孔が設けられているため、製造時に前板シール2153を貼り損ねた時や廃棄する時に、当該孔を通して前板シール2153を後方から押圧することができるため、始動口前板2152から前板シール2153を容易に剥がすことができる。
[15-4.第四技術的特徴]
本明細書には、上記とは異なる以下のような技術的特徴を有している。
[15-4a.第四技術的特徴の背景]
パチンコ機やスロットマシンのような遊技機として、光を透過可能な所定の装飾形状に形成されている前方体の後に、複数のLEDが実装されている演出基板を有し、遊技の進行に応じて演出基板の複数のLEDを発光させることで、前方体を発光装飾させて遊技者を楽しませられるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献D:特開2018-019858号公報)。
しかしながら、特許文献Dの技術による従来の前方体の発光装飾では、遊技者によっては早期に見慣れてしまい、発光演出を楽しめなくなることで遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがあった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、演出基板のLEDによって前方体を見栄え良く光らせることで遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
[15-4b.第四技術的特徴の解決手段]
手段1:遊技機において、
「遊技の進行に応じて発光するLEDが設けられている演出基板と、該演出基板の前方に設けられ前記LEDからの光を透過可能な前方体と、を具備している遊技機であって、
前記演出基板は、
前記LEDが設けられている面の表面に施されている明色のソルダレジストと、基板外形を形成した際に他の部位とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部と、を有し、
該特定痕跡部は、
前記演出基板の外周縁の特定部位において外側へ突出して設けられていると共に、表面に前記明色のソルダレジストが施されている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「遊技の進行に応じて」としては、「遊技者により遊技媒体が打込まれる遊技領域内に配置された入賞口(例えば、一般入賞口、普通入賞口、始動口、大入賞口、役物入賞口、V入賞口、等)への遊技媒体の受入れに応じて」、「遊技領域内を流通する遊技媒体が特定領域(例えば、ゲート、ワープ通路、ステージ、等)を通過したことに応じて」、「遊技領域内に配置された入賞口(例えば、始動口)への遊技媒体の受入れにより抽選された特別図柄(特別抽選結果)に応じて」、「遊技領域内に配置された入賞口(例えば、始動口)への遊技媒体の受入れにより抽選された特別図柄(特別抽選結果)を示唆するための演出の種類(例えば、リーチ演出、大当り演出、ハズレ演出、等)に応じて」、「遊技者による遊技媒体の投入を契機として夫々に複数の図柄が備えられた複数の回胴体の回転に応じて」、「遊技媒体の投入を契機として夫々に複数の図柄が備えられた複数の回胴体を回転させた後に順次停止させ、停止した回胴体の図柄の組合せに応じて」、「遊技領域内へ打込まれる遊技媒体の打込量に応じて」、「遊技領域内へ打込まれる遊技媒体の打込ブランクの長さに応じて」、等が挙げられる。
また、「LED」としては、「基板面に対して垂直な方向へ光を照射可能なトップビュータイプのLED」、「基板面に沿った方向へ光を照射可能なサイドビュータイプのLED」、等が挙げられる。
また、「前方体」としては、「キャラクタやアイテムやロゴや模様等の装飾を有しているもの(装飾体)」、「演出基板を保護するようにカバーしているもの(カバー、ケース、等)」、等が挙げられる。
更に、「明色」としては、明るい色であれば良く、例えば、黒色の明度を0、白色の明度を10とした時に、明度が5~10の範囲内のものが望ましい。
また、「痕跡」としては、「エンドミルやドリル等による切削痕」、「鋸による切断痕」、「ハサミやニッパー等による剪断痕」、「回転砥石による研削痕」、「折り曲げによる疲労痕」、「強度低下による破断痕」、「ヤスリやサンドペーパー等による研磨痕」、等が挙げられる。
また、「特定痕跡部」としては、基板表面に明色のソルダレジストを施してから生じた痕跡であっても良いし、基板表面に明色のソルダレジストを施す前に生じた痕跡であっても良い。
更に、「特定部位」としては、「演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位」、「演出基板の外周縁における直線状の部位」、「ICやLEDドライバのような電子部品の近傍の部位」、等が挙げられる。
ところで、演出基板に設けられているLEDの数を増やしたり、高輝度のLEDを設けるようにしたり、することで前方体を見栄え良く光らせるようにすることが考えられるが、この場合、LEDの増加や高輝度化により消費電力が増加すると共に、遊技機にかかるコストが増加する恐れがある。
手段1の構成によると、遊技の進行に応じて発光するLEDが設けられている演出基板と、演出基板の前方に設けられ前記LEDからの光を透過可能な前方体と、を具備している遊技機であって、演出基板は、LEDが設けられている面の表面に施されている明色のソルダレジストと、基板外形を形成した際に他の部位とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部と、を有し、特定痕跡部は、演出基板の外周縁の特定部位において外側へ突出して設けられていると共に、表面に明色のソルダレジストが施されているものである。([発明を実施するための形態]では、[11-2.第二実施形態の演出基板]の章、及び、図77(b)等の記載を参照)
これにより、演出基板の表面に明色のソルダレジストを施しているため、演出基板に設けられている複数のLEDからの光や、他のLEDや照明等からの光を、前方体へ反射させ易くすることができる。この際に、演出基板の外周縁から外側へ突出している特定痕跡部の表面にも明色のソルダレジストを施しているため、特定痕跡部の部位でも光を反射させることができ、演出基板の表面の全体を使用して光を一様に反射させることができる。従って、特定痕跡部を含めて演出基板に施されている明色のソルダレジストにより前方体を均一な明るさで発光装飾させる(光らせる)ことが可能となるため、演出基板のLEDを増やしたり高輝度のLEDにしたりしなくても、前方体を見栄え良く光らせることができ、遊技者に前方体の発光演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、上述したように、前方体を見栄え良く光らせることができるため、演出基板のLEDの数を増やしたり高輝度のLEDに変更したりしなくても良く、前方体の発光演出にかかる消費電力を抑制することができ、節電効果の高い遊技機を提供することができる。また、明色のソルダレジストを特定痕跡部にも施すことで、前方体を見栄え良く光らせることができるため、演出基板において、LEDの数を増やしたり高輝度のLEDを使用したりしなくても良く、遊技機にかかるコストを低減させることができる。
また、演出基板の外周縁から外側へ突出している特定痕跡部の表面にも明色のソルダレジストを施しており、遊技者側から前方体を通して演出基板の表面が見えるような場合でも、突出している特定痕跡部を目立ち難いものとすることができるため、特定痕跡部が見えることにより前方体の見栄えが悪くなることを抑制することができ、前方体の装飾を確実に楽しませて遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
ところで、特許文献Dのように、所定の装飾形状に形成されている前方体の後に設けられる演出基板は、その外周形状が、単純な矩形状ではなく、前方体の外周に沿った複雑な形状(不定形)に形成されている。このような不定形の演出基板を、NCマシンのような加工機械を使用して定尺の基板(定尺基板とも称する)から切り出す場合、大量の切粉が発生するため、LEDやセンサやコネクタ等の電子部品を演出基板に実装する前に、演出基板を切り出す(分離させる)ことが望ましい。しかしながら、切り出した演出基板の外形(外周形状)が不定形であると、電子部品を実装するためのインサートマシンに当該演出基板をセットすることが難しくなる問題が発生する。
上記のような問題に対して、本構成によれば、演出基板の外周縁から外側へ突出している特定痕跡部を設けていることから、当該特定痕跡部を定尺基板との繋部の一部として利用することにより、NCマシンのような加工機械を使用して演出基板の基板外形をある程度形成してから電子部品を実装することが可能となる。詳述すると、演出基板の製造時において、NCマシンのような加工機械を使用して定尺基板から演出基板を切り出す際に、演出基板を完全に分離させずに、繋部(特定痕跡部の部位)で定尺基板(捨基板、又は、他の基板)と繋がっている状態にすると、演出基板の外周形状が複雑な形状であっても、繋部で矩形状の定尺基板と繋がっているため、定尺基板を介して分離前の演出基板を簡単にインサートマシンにセットすることができ、分離前の演出基板に電子部品を実装することができる。そして、分離前の演出基板に電子部品を実装したら、定尺基板と繋がっている繋部の途中を切断して、定尺基板から分離することで所望の演出基板を得ることができる。この際に、切断した繋部の残りが演出基板の外周縁から突出している特定痕跡部となると共に、定尺基板と繋がっている繋部が、演出基板の全周に対して短い(少ない)ため、繋部切断しても、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機によって十分に吸い取ることができ、演出基板に実装されている電子部品に影響を与えることはない。
また、特定痕跡部を演出基板の外周縁から外側へ突出している形態としているため、演出基板を製造する際に、定尺基板と繋がっていた繋部を切断したままで、演出基板の外周縁に沿うように繋部の残りの部位を仕上げなくても良く、演出基板、ひいては、遊技機にかかるコストを低減させることができる。
また、演出基板の外周縁から外側へ突出している特定痕跡部を設けているため、作業者が組立てる際に、特定痕跡部を目安にして、演出基板の取付方向等を特定する目印にすることができる。この場合、例えば、一か所の特定部位において、外側へ突出している特定痕跡部の数を、演出基板の辺によって異なられるようにしても良い。これにより、視覚だけでなく触覚によっても演出基板の取付方向を特定することができ、組立てにかかる手間を容易なものとすることができる。
なお、演出基板に、特定痕跡部同士の間の部位における基板の外周縁から外側に延出している延出部を設けるようにしも良い。これにより、演出基板の表面に明色のソルダレジストが施されていることから当該延出部にも明色のソルダレジストが施されているため、特定痕跡部に加えて延出部の部位でも光を反射させることができ、前方体をより見栄え良く発光装飾させる(光らせる)ことができる。
また、上記のように演出基板に延出部を設ける場合、延出部を、特定痕跡部よりも外側に延出させるようにしても良い。これにより、延出部を特定痕跡部よりも外側へ延出させているため、演出基板の表面に施されている明色のソルダレジストによってより一層多くの光を反射させることができ、前方体をより見栄え良く光らせることができると共に、上述した作用効果を確実に奏することが可能な遊技機を提供することができる。
また、上記のように演出基板に特定痕跡部よりも外側に延出している延出部を設ける場合、演出基板の外周縁における特定痕跡部同士の間の部位に設けられている延出部を、特定痕跡部よりも外側へ突出させているため、前方体に演出基板の外周を囲むような周壁部を有している場合、延出部によって特定痕跡部が前方体の周壁部に当接し難くすることが可能となり、外側へ突出している特定痕跡部が周壁部に当接することで演出基板と前方体とを互いに組立てられなくなることを回避させることができ、演出基板と前方体とを確実に組立てることができる。
更に、LEDに、演出基板の基板面に沿った方向へ光を照射可能なサイドビューLEDを含めると共に、特定痕跡部を、サイドビューLEDの光の照射範囲を避けて設けるようにしても良い。これにより、サイドビューLEDの光の照射範囲を避けて特定痕跡部を設けているため、特定痕跡部にバリを有していても、当該バリがサイドビューLEDからの光によりキラキラと輝いて目立つことを回避させることができると共に、特定痕跡部の部位と演出基板の他の部位との明るさが不均一となることを抑制して前方体を一様な明るさで見栄え良く光らせることができ、前方体の発光演出による演出効果を確実に発揮させることができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記演出基板は、
前記特定痕跡部同士の間の部位における基板の外周縁から外側に延出している延出部が設けられている」ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、演出基板に、特定痕跡部同士の間の部位における基板の外周縁から外側に延出している延出部を設けるようにしたものである。([発明を実施するための形態]では、演出基板3520Eの延出部3525に関する記載を参照)
これにより、演出基板の外周縁における特定痕跡部同士の間の部位に外側へ延出している延出部を設けており、演出基板の表面に明色のソルダレジストが施されていることから当該延出部にも明色のソルダレジストが施されているため、特定痕跡部に加えて延出部の部位でも光を反射させることができ、前方体をより見栄え良く発光装飾させる(光らせる)ことができる。
手段3:手段2の構成において、
「前記延出部は、
前記特定痕跡部よりも外側に延出している」ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、延出部を、特定痕跡部よりも外側に延出させるようにしたものである。([発明を実施するための形態]では、演出基板3520Eの延出部3525に関する記載を参照)
これにより、延出部を特定痕跡部よりも外側へ延出させているため、演出基板の表面に施されている明色のソルダレジストによってより一層多くの光を反射させることができ、前方体をより見栄え良く光らせることができると共に、上述した作用効果を確実に奏することが可能な遊技機を提供することができる。
また、演出基板の外周縁における特定痕跡部同士の間の部位に設けられている延出部を、特定痕跡部よりも外側へ突出させているため、前方体に演出基板の外周を囲むような周壁部を有している場合、延出部によって特定痕跡部が前方体の周壁部に当接し難くすることが可能となり、外側へ突出している特定痕跡部が周壁部に当接することで演出基板と前方体とを互いに組立てられなくなることを回避させることができ、演出基板と前方体とを確実に組立てることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記LEDは、
前記演出基板の基板面に沿った方向へ光を照射可能なサイドビューLEDを含んでおり、
前記特定痕跡部は、
前記サイドビューLEDの光の照射範囲を避けて設けられている」
ものであることを特徴とする。
ところで、特定痕跡部を、基板外形を形成する際に設けられた定尺基板との繋部を破断により切断して形成する場合、特定痕跡部の先端には破断によるバリが生じ易い。そして、演出基板に、基板面に沿った方向へ光を照射可能なサイドビューLEDが設けられている場合、そのサイドビューLEDの光の照射範囲に破断によるバリを有する特定痕跡部が設けられていると、サイドビューLEDからの光により特定痕跡部のバリがキラキラと輝いて特定痕跡部が目立ってしまうと共に、特定痕跡部が輝くことで演出基板の他の部位と明るさが不均一となり、発光演出の見栄えが悪くなることで演出効果が低減してしまう恐れがある。
手段4の構成によると、LEDに、演出基板の基板面に沿った方向へ光を照射可能なサイドビューLEDを含めると共に、特定痕跡部を、サイドビューLEDの光の照射範囲を避けて設けるようにしたものである。([発明を実施するための形態]では、演出基板3520Fに関する記載を参照)
これにより、サイドビューLEDの光の照射範囲を避けて特定痕跡部を設けているため、特定痕跡部にバリを有していても、当該バリがサイドビューLEDからの光によりキラキラと輝いて目立つことを回避させることができると共に、特定痕跡部の部位と演出基板の他の部位との明るさが不均一となることを抑制して前方体を一様な明るさで見栄え良く光らせることができ、前方体の発光演出による演出効果を確実に発揮させることができる。
手段5:遊技機において、
「遊技の進行に応じて発光するLEDが設けられている演出基板と、該演出基板の前方に設けられ前記LEDからの光を透過可能な前方体と、を具備している遊技機であって、
前記LEDは、
前記演出基板の基板面に沿った方向へ光を照射可能なサイドビューLEDを含んでおり、
前記演出基板は、
前記LEDが設けられている面の表面に施されている明色のソルダレジストと、基板外形を形成した際に他の部位とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部と、
該特定痕跡部同士の間の部位における基板の外周縁から該特定痕跡部よりも外側に延出している延出部と、を有し、
該特定痕跡部は、
前記演出基板の外周縁の特定部位において外側へ突出して設けられていると共に、前記サイドビューLEDの光の照射範囲を避けて設けられており、表面に前記明色のソルダレジストが施されている」
ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、遊技の進行に応じて発光するLEDが設けられている演出基板と、演出基板の前方に設けられLEDからの光を透過可能な前方体と、を具備している遊技機であって、LEDは、演出基板の基板面に沿った方向へ光を照射可能なサイドビューLEDを含んでおり、演出基板は、LEDが設けられている面の表面に施されている明色のソルダレジストと、基板外形を形成した際に他の部位とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部と、特定痕跡部同士の間の部位における基板の外周縁から特定痕跡部よりも外側に延出している延出部と、を有し、特定痕跡部は、演出基板の外周縁の特定部位において外側へ突出して設けられていると共に、サイドビューLEDの光の照射範囲を避けて設けられており、表面に明色のソルダレジストが施されているものである。
これにより、演出基板の表面に明色のソルダレジストを施しているため、演出基板に設けられている複数のLEDからの光や、他のLEDや照明等からの光を、前方体へ反射させ易くすることができる。この際に、演出基板の外周縁から外側へ突出している特定痕跡部の表面にも明色のソルダレジストを施していると共に、特定痕跡部同士の間の部位における基板の外周縁から外側に延出している延出部を設けているため、特定痕跡部の部位と延出部の部位とでも光を反射させることができ、演出基板の表面の全体を使用して光を一様に反射させることができる。従って、特定痕跡部を含めて演出基板に施されている明色のソルダレジストにより前方体を均一な明るさで発光装飾させる(光らせる)ことが可能となるため、演出基板のLEDを増やしたり高輝度のLEDにしたりしなくても、前方体を見栄え良く光らせることができ、遊技者に前方体の発光演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、上述したように、前方体を見栄え良く光らせることができるため、演出基板のLEDの数を増やしたり高輝度のLEDに変更したりしなくても良く、前方体の発光演出にかかる消費電力を抑制することができ、節電効果の高い遊技機を提供することができる。また、明色のソルダレジストを特定痕跡部にも施すことで、前方体を見栄え良く光らせることができるため、演出基板において、LEDの数を増やしたり高輝度のLEDを使用したりしなくても良く、遊技機にかかるコストを低減させることができる。
また、演出基板の外周縁から外側へ突出している特定痕跡部の表面にも明色のソルダレジストを施しており、遊技者側から前方体を通して演出基板の表面が見えるような場合でも、突出している特定痕跡部を目立ち難いものとすることができるため、特定痕跡部が見えることにより前方体の見栄えが悪くなることを抑制することができ、前方体の装飾を確実に楽しませて遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
ところで、従来技術のように、所定の装飾形状に形成されている前方体の後に設けられる演出基板は、その外周形状が、単純な矩形状ではなく、前方体の外周に沿った複雑な形状(不定形)に形成されている。このような不定形の演出基板を、NCマシンのような加工機械を使用して定尺の基板(定尺基板とも称する)から切り出す場合、大量の切粉が発生するため、LEDやセンサやコネクタ等の電子部品を演出基板に実装する前に、演出基板を切り出す(分離させる)ことが望ましい。しかしながら、切り出した演出基板の外形(外周形状)が不定形であると、電子部品を実装するためのインサートマシンに当該演出基板をセットすることが難しくなる問題が発生する。
上記のような問題に対して、本構成によれば、演出基板の外周縁から外側へ突出している特定痕跡部を設けていることから、当該特定痕跡部を定尺基板との繋部の一部として利用することにより、NCマシンのような加工機械を使用して演出基板の基板外形をある程度形成してから電子部品を実装することが可能となる。詳述すると、演出基板の製造時において、NCマシンのような加工機械を使用して定尺基板から演出基板を切り出す際に、演出基板を完全に分離させずに、繋部(特定痕跡部の部位)で定尺基板(捨基板、又は、他の基板)と繋がっている状態にすると、演出基板の外周形状が複雑な形状であっても、繋部で矩形状の定尺基板と繋がっているため、定尺基板を介して分離前の演出基板を簡単にインサートマシンにセットすることができ、分離前の演出基板に電子部品を実装することができる。そして、分離前の演出基板に電子部品を実装したら、定尺基板と繋がっている繋部の途中を切断して、定尺基板から分離することで所望の演出基板を得ることができる。この際に、切断した繋部の残りが演出基板の外周縁から突出している特定痕跡部となると共に、定尺基板と繋がっている繋部が、演出基板の全周に対して短い(少ない)ため、繋部切断しても、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機によって十分に吸い取ることができ、演出基板に実装されている電子部品に影響を与えることはない。
また、特定痕跡部を演出基板の外周縁から外側へ突出している形態としているため、演出基板を製造する際に、定尺基板と繋がっていた繋部を切断したままで、演出基板の外周縁に沿うように繋部の残りの部位を仕上げなくても良く、演出基板、ひいては、遊技機にかかるコストを低減させることができる。
また、演出基板の外周縁から外側へ突出している特定痕跡部を設けているため、作業者が組立てる際に、特定痕跡部を目安にして、演出基板の取付方向等を特定する目印にすることができる。この場合、例えば、一か所の特定部位において、外側へ突出している特定痕跡部の数を、演出基板の辺によって異なられるようにしても良い。これにより、視覚だけでなく触覚によっても演出基板の取付方向を特定することができ、組立てにかかる手間を容易なものとすることができる。
また、特定痕跡部同士の間に設けられている延出部を、特定痕跡部よりも外側に延出させるようにしているため、演出基板の表面に施されている明色のソルダレジストによってより一層多くの光を反射させることができ、前方体をより見栄え良く光らせることができると共に、上述した作用効果を確実に奏することが可能な遊技機を提供することができる。
更に、演出基板の外周縁における特定痕跡部同士の間の部位に設けられている延出部を、特定痕跡部よりも外側へ突出させているため、前方体に演出基板の外周を囲むような周壁部を有している場合、延出部によって特定痕跡部が前方体の周壁部に当接し難くすることが可能となり、外側へ突出している特定痕跡部が周壁部に当接することで演出基板と前方体とを互いに組立てられなくなることを回避させることができ、演出基板と前方体とを確実に組立てることができる。
また、演出基板に設けられている複数のLEDのうちサイドビューLEDの光の照射範囲を避けて特定痕跡部を設けているため、特定痕跡部にバリを有していても、当該バリがサイドビューLEDからの光によりキラキラと輝いて目立つことを回避させることができると共に、特定痕跡部の部位と演出基板の他の部位との明るさが不均一となることを抑制して前方体を一様な明るさで見栄え良く光らせることができ、前方体の発光演出による演出効果を確実に発揮させることができる。
このように、上記の解決手段によれば、演出基板のLEDによって前方体を見栄え良く光らせることで遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
[15-4c.第四技術的特徴の解決手段と実施形態との関係]
本実施形態における遊技盤5の演出基板3520A、演出基板3520D、演出基板3520E、演出基板3520Fは上記解決手段の演出基板に、本実施形態における装飾部3510は上記解決手段の前方体に、本実施形態における被覆膜3523は上記解決手段の明色のソルダレジストに、本実施形態におけるLED3530及びLED3535は上記解決手段のLEDに、本実施形態におけるLED3535は上記解決手段のサイドビューLEDに、夫々相当している。
[15-4d.第四技術的特徴の特徴的な作用効果]
本実施形態のパチンコ機1によれば、演出基板3520Aの表面に被覆膜3523として明色のソルダレジストを施しているため、演出基板3520Aに設けられている複数のLED3530からの光や、他のLEDや照明等からの光を、前方に設けられている装飾部3510へ反射させ易くすることができる。この際に、演出基板3520Aの外周縁から外側へ突出している特定痕跡部3561の表面にも明色のソルダレジストを施しているため、特定痕跡部3561の部位でも光を反射させることができ、演出基板3520Aの表面の全体を使用して光を一様に反射させることができる。従って、特定痕跡部3561を含めて演出基板3520Aに施されている明色のソルダレジスト(被覆膜3523)により装飾部3510(装飾体3500)を均一な明るさで発光装飾させる(光らせる)ことが可能となるため、演出基板3520AのLED3530を増やしたり高輝度のLEDにしたりしなくても、装飾体3500を見栄え良く光らせることができ、遊技者に装飾体3500の発光演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、上述したように、装飾部3510(装飾体3500)を見栄え良く光らせることができるため、演出基板3520AのLED3530の数を増やしたり高輝度のLEDに変更したりしなくても良く、装飾体3500の発光演出にかかる消費電力を抑制することができ、節電効果の高いパチンコ機1を提供することができる。また、明色のソルダレジスト(被覆膜3523)を特定痕跡部3561にも施すことで、装飾体3500を見栄え良く光らせることができるため、演出基板3520Aにおいて、LED3530の数を増やしたり高輝度のLEDを使用したりしなくても良く、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、演出基板3520Eの外周縁における特定痕跡部3561同士の間の部位に外側へ延出している延出部3525を設けており、演出基板3520Eの表面に明色のソルダレジストからなる被覆膜3523が施されていることから当該延出部3525にも明色のソルダレジストからなる被覆膜3523が施されているため、特定痕跡部3561に加えて延出部3525の部位でも光を反射させることができ、前方の装飾部3510をより明るく発光装飾させることができる。
また、演出基板3520Aの外周縁から外側へ突出している特定痕跡部3561の表面にも明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を施しており、遊技者側から装飾部3510を通して演出基板3520Aの表面が見えるような場合でも、突出している特定痕跡部3561を目立ち難いものとすることができるため、特定痕跡部3561が見えることにより装飾部3510の見栄えが悪くなることを抑制することができ、装飾部3510(装飾体3500)の装飾を確実に楽しませて遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
ところで、従来技術のように、所定の装飾形状に形成されている装飾部3510の後に設けられる演出基板3520Aは、その外周形状が、単純な矩形状ではなく、装飾部3510の外周に沿った複雑な形状(不定形)に形成されている。このような不定形の演出基板3520Aを、NCマシンのような加工機械を使用して定尺の基板(定尺基板3550とも称する)から切り出す場合、大量の切粉が発生するため、LED3530やセンサやコネクタ等の電子部品を演出基板3520Aに実装する前に、演出基板3520Aを切り出す(分離させる)ことが望ましい。しかしながら、切り出した演出基板3520Aの外形(外周形状)が不定形であると、電子部品を実装するためのインサートマシンに当該演出基板3520Aをセットすることが難しくなる問題が発生する。
上記のような問題に対して、本実施形態によれば、演出基板3520Aの外周縁から外側へ突出している特定痕跡部3561を設けていることから、当該特定痕跡部3561を定尺基板3550との繋部3552の一部(繋残部3552a)として利用することにより、NCマシンのような加工機械を使用して演出基板3520Aの基板外形をある程度形成してから電子部品を実装することが可能となる。詳述すると、演出基板3520Aの製造時において、NCマシンのような加工機械を使用して定尺基板3550から演出基板3520Aを切り出す際に、演出基板3520Aを完全に分離させずに、繋部3552(特定痕跡部3561の部位)で定尺基板3550(捨基板3555、又は、他の基板)と繋がっている状態にすると、演出基板3520Aの外周形状が複雑な形状であっても、繋部3552で矩形状の定尺基板3550と繋がっているため、定尺基板3550を介して分離前の演出基板3520Aを簡単にインサートマシンにセットすることができ、分離前の演出基板3520Aに電子部品を実装することができる。そして、分離前の演出基板3520Aに電子部品を実装したら、定尺基板3550と繋がっている繋部3552の途中を切断して、定尺基板3550から分離することで所望の演出基板3520Aを得ることができる。この際に、切断した繋部3522の残り(繋残部3552a)が演出基板3520Aの外周縁から突出している特定痕跡部3561となると共に、定尺基板3550と繋がっている繋部3552が、演出基板3520Aの全周に対して短い(少ない)ため、繋部3552切断しても、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機によって十分に吸い取ることができ、演出基板3520Aに実装されている電子部品に影響を与えることはない。
また、特定痕跡部3561を演出基板3520A等の外周縁から外側へ突出している形態としているため、演出基板3520A等を製造する際に、定尺基板3550と繋がっていた繋部3552を切断したままで、演出基板3520A等の外周縁に沿うように繋残部3552aを仕上げなくても良く、演出基板3520A等、ひいては、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、演出基板3520(3520C)の外周縁から外側へ突出している特定痕跡部3561を設けているため、作業者が組立てる際に、特定痕跡部3561を目安にして、演出基板3520Cの取付方向等を特定する目印にすることができる。この場合、例えば、図169(b)に示すように、一か所の特定部位において、外側へ突出している特定痕跡部3561の数を、演出基板3520Cの辺によって異なられるようにしても良い。これにより、視覚だけでなく触覚によっても演出基板3520Cの取付方向を特定することができ、組立てにかかる手間を容易なものとすることができる。
また、特定痕跡部3561同士の間に設けられている延出部3525を、特定痕跡部3561よりも外側に延出させるようにしているため、演出基板3520Eの表面に施されている明色のソルダレジストからなる被覆膜3523によってより一層多くの光を反射させることができ、前方の装飾部3510をより見栄え良く光らせることができると共に、上述した作用効果を確実に奏することが可能な遊技機を提供することができる。
更に、演出基板3520Eの外周縁における特定痕跡部3561同士の間の部位に設けられている延出部3525を、特定痕跡部3561よりも外側へ突出させているため、前方の装飾部3510に演出基板3520Eの外周を囲むような周壁部を有している場合、延出部3525によって特定痕跡部3561が装飾部3510の周壁部に当接し難くすることが可能となり、外側へ突出している特定痕跡部3561が周壁部に当接することで演出基板3520Eと装飾部3510とを互いに組立てられなくなることを回避させることができ、演出基板3520Eと装飾部3510とを確実に組立てることができる。
また、演出基板3520Fでは、複数のサイドビュータイプのLED3535の光の照射範囲を避けて特定痕跡部3561を設けているため、特定痕跡部3561にバリを有していても、当該バリがLED3535からの光によりキラキラと輝いて目立つことを回避させることができると共に、特定痕跡部3561の部位と演出基板3520Fの他の部位との明るさが不均一となることを抑制して前方に設けられている装飾部3510(装飾体3500)を一様な明るさで見栄え良く光らせることができ、装飾体3500の発光演出による演出効果を確実に発揮させることができる。
[15-5.第五技術的特徴]
本明細書には、上記とは異なる以下のような技術的特徴を有している。
[15-5a.第五技術的特徴の背景]
パチンコ機やスロットマシンのような遊技機として、所定の装飾形状に形成されている透明な前方体の後に、複数のLEDが実装されている不透明な演出基板を有し、遊技領域の中央から離れた退避位置と遊技領域の中央付近の出現位置との間で移動可能な装飾ユニットを備えたものが提案されている(例えば、特許文献E:特開2011-130969号公報)。この特許文献Eの技術によれば、装飾ユニットを退避位置から出現位置へ移動させることで、装飾ユニットを目立たせて、遊技者を驚かせることができ、遊技者を楽しませることが可能となる。
しかしながら、特許文献Eの技術では、装飾ユニットを移動させると、遊技者から見える角度が変化することで演出基板の外周縁が見え易くなり、演出基板の外周縁の見栄えが悪いと、前方体の見栄えも悪くなって遊技者に不快感を与えてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがあった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、演出基板の外周縁を目立ち難くすることで前方体の見栄えを良くして遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
[15-5b.第五技術的特徴の解決手段]
手段1:遊技機において、
「遊技の進行に応じて発光するLEDが設けられている演出基板と、該演出基板の前方に設けられ前記LEDからの光を透過可能な前方体と、を具備している遊技機であって、
前記演出基板は、
前記LEDが設けられている面の表面に施されている明色のソルダレジストと、基板外形を形成した際に他の部位とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部と、を有し、
該特定痕跡部は、
前記明色のソルダレジストとは異なる色で前記演出基板の外周縁の特定部位に設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「遊技の進行に応じて」としては、「遊技者により遊技媒体が打込まれる遊技領域内に配置された入賞口(例えば、一般入賞口、普通入賞口、始動口、大入賞口、役物入賞口、V入賞口、等)への遊技媒体の受入れに応じて」、「遊技領域内を流通する遊技媒体が特定領域(例えば、ゲート、ワープ通路、ステージ、等)を通過したことに応じて」、「遊技領域内に配置された入賞口(例えば、始動口)への遊技媒体の受入れにより抽選された特別図柄(特別抽選結果)に応じて」、「遊技領域内に配置された入賞口(例えば、始動口)への遊技媒体の受入れにより抽選された特別図柄(特別抽選結果)を示唆するための演出の種類(例えば、リーチ演出、大当り演出、ハズレ演出、等)に応じて」、「遊技者による遊技媒体の投入を契機として夫々に複数の図柄が備えられた複数の回胴体の回転に応じて」、「遊技媒体の投入を契機として夫々に複数の図柄が備えられた複数の回胴体を回転させた後に順次停止させ、停止した回胴体の図柄の組合せに応じて」、「遊技領域内へ打込まれる遊技媒体の打込量に応じて」、「遊技領域内へ打込まれる遊技媒体の打込ブランクの長さに応じて」、等が挙げられる。
また、「LED」としては、「基板面に対して垂直な方向へ光を照射可能なトップビュータイプのLED」、「基板面に沿った方向へ光を照射可能なサイドビュータイプのLED」、等が挙げられる。
また、「前方体」としては、「キャラクタやアイテムやロゴや模様等の装飾を有しているもの(装飾体)」、「演出基板を保護するようにカバーしているもの(カバー、ケース、等)」、等が挙げられる。また、「前方体」としては、全体が演出基板よりも前方に位置しているものであっても良いし、少なくとも遮蔽部の部位が演出基板よりも前方に位置しているものであっても良い。
更に、「明色」としては、明るい色であれば良く、例えば、黒色の明度を0、白色の明度を10とした時に、明度が5~10の範囲内のものが望ましい。
また、「痕跡」としては、「エンドミルやドリル等による切削痕」、「鋸による切断痕」、「ハサミやニッパー等による剪断痕」、「回転砥石による研削痕」、「折り曲げによる疲労痕」、「強度低下による破断痕」、「ヤスリやサンドペーパー等による研磨痕」、等が挙げられる。
また、「特定痕跡部」としては、「基板の外周縁から外側へ向かって突出しているもの」、「基板の外周縁(外周側面)と同一面状のもの」、等が挙げられる。また、「特定痕跡部」としては、視認した時に他の部位とは痕跡が明らかに異なる部位のことであり、例えば、「他の部位を切削痕の部位とし、特定痕跡部を研磨痕の部位としたもの」、「他の部位を切削痕の部位とし、特定痕跡部を破断痕の部位としたもの」、等が挙げられる。
更に、「特定痕跡部」としては、「ソルダレジストを施さないことにより明色のソルダレジストとは異なる色のもの」、「明色のソルダレジストとは異なる色のインクや塗料等の着色剤が施されているもの」、「明色のソルダレジストとは異なる色のソルダレジストが施されているもの」、等が挙げられる。また、「特定痕跡部」におけるソルダレジストとは異なる色としては、明色のソルダレジストの色よりも暗い色とすることが望ましい。また、特定痕跡部を、明色のソルダレジストよりも光沢のないものとしても良い。
また、「特定部位」としては、「演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位」、「演出基板の外周縁における直線状の部位」、「ICやLEDドライバのような電子部品の近傍の部位」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技の進行に応じて発光するLEDが設けられている演出基板と、演出基板の前方に設けられ前記LEDからの光を透過可能な前方体と、を具備している遊技機であって、演出基板は、LEDが設けられている面の表面に施されている明色のソルダレジストと、基板外形を形成した際に他の部位とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部と、を有し、特定痕跡部は、明色のソルダレジストとは異なる色で演出基板の外周縁の特定部位に設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、[11-1.演出基板の詳細]及び[11-2.第二実施形態の演出基板]の章、並びに、図71乃至図81等の記載を参照)
これにより、複数のLEDが設けられている演出基板の表面に明色のソルダレジストを施しているため、演出基板に設けられている複数のLEDからの光や、他のLEDや照明等からの光を、前方体へ反射さることができ、従来よりも前方体をより明るく発光装飾させることができると共に、前方体の発光装飾をより目立たせることができ、遊技者に対する発光演出によるインパクトをより高めることができる。この際に、演出基板の外周縁において、他の部位とは異なる痕跡を有する特定痕跡部を、明色のソルダレジストとは異なる色としているため、特定痕跡部の色をソルダレジストの明色によりも暗い色にすると、ソルダレジストよりも特定痕跡部を相対的に暗く見せることができ、特定痕跡部ひいては演出基板の外周縁を目立ち難くすることができる。従って、遊技者から演出基板の外周縁が見えたとしても、当該外周縁が近接して設けられているソルダレジストの明色により目立たなくなっているため、演出基板の存在によって前方体の見栄えが悪くなることはなく、従来よりも前方体の見栄えを良くすることができ、前方体による演出を楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、演出基板の外周縁に設けられている特定痕跡部を、演出基板の表面に施されている明色のソルダレジストとは異なる色にしており、遊技者側から前方体を通して演出基板の表面が見えるような場合でも、ソルダレジストの明色により色の異なる特定痕跡部を目立ち難いものとすることができるため、特定痕跡部が見えることにより前方体の見栄えが悪くなることを抑制することができ、前方体の装飾を確実に楽しませて遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
ところで、特許文献Eのように、所定の装飾形状に形成されている前方体の後に設けられる演出基板は、その外周形状が、単純な矩形状ではなく、前方体の外周に沿った複雑な形状(不定形)に形成されている。このような不定形の演出基板を、NCマシンのような加工機械を使用して定尺の基板(定尺基板とも称する)から切り出す場合、大量の切粉が発生するため、LEDやセンサやコネクタ等の電子部品を演出基板に実装する前に、演出基板を切り出す(分離させる)ことが望ましい。しかしながら、切り出した演出基板の外形(外周形状)が不定形であると、電子部品を実装するためのインサートマシンに当該演出基板をセットすることが難しくなる問題が発生する。
これに対して、本構成では、演出基板の外周縁の特定部位に他の部位とは異なる痕跡を有する特定痕跡部を設けていることから、当該特定痕跡部を定尺基板との繋部の一部として利用することにより、NCマシンのような加工機械を使用して演出基板の基板外形をある程度形成してから電子部品を実装することが可能となり、上記のような問題を解決することができる。詳述すると、演出基板の製造時において、NCマシンのような加工機械を使用して定尺基板から演出基板を切り出す際に、演出基板を完全に分離させずに、特定痕跡部の部位で定尺基板(捨基板、又は、他の基板)と繋がっている状態にすると、演出基板の外周形状が複雑な形状であっても、特定痕跡部の部位で矩形状の定尺基板と繋がっているため、定尺基板を介して分離前の演出基板を簡単にインサートマシンにセットすることができ、分離前の演出基板にLED等の電子部品を実装することができる。そして、分離前の演出基板に電子部品を実装したら、定尺基板と繋がっている部位(特定痕跡部の部位)を切断(又は破断)することで、繋がっていた部位に他の部位とは異なる特定痕跡部が生じると共に、外周が所定形状に形成された演出基板が完成する。この際に、定尺基板と繋がっている部位(特定痕跡部の部位)が、演出基板の全周に対して短い(少ない)ため、繋がっている部位を切断しても、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機によって十分に吸い取ることができ、演出基板に実装されているLED等の電子部品に影響を与えることはない。
このように、演出基板の外周縁に設けられている特定痕跡部は、外周縁の他の部位とは異なる痕跡となっており、他の部位よりも目立つことから、特定痕跡部の存在により演出基板の見栄えが悪化する虞があるが、上述したように、特定痕跡部を明色のソルダレジストとは異なる色にしていることで、演出基板の特定痕跡部が目立つことはなく、演出基板による前方体の見栄えの悪化を阻止することができ、前方体の見栄えを良くすることができると共に、演出基板の特定痕跡部により遊技者に不快感を与えてしまうことはなく、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板の外周縁に特定痕跡部を有しており、演出基板の外形をNCマシンのような加工自由度の高い加工機械で形成することが可能となるため、外周形状が複雑、つまり、装飾性の高い前方体と対応する演出基板でも容易に製造することができ、演出基板のLEDにより発光装飾される前方体の装飾効果を確実に発揮させることが可能な遊技機を提供することができる。
更に、演出基板の特定痕跡部を明色のソルダレジストとは異なる色にすることで、特定痕跡部を目立ち難くしているため、演出基板を製造する際に、定尺基板と繋がっていた繋部を切断したままで、演出基板の外周縁に沿うように繋部の残りの部位を仕上げなくても良く、演出基板、ひいては、遊技機にかかるコストを低減させることができる。
また、演出基板の外周縁に他の部位とは異なる痕跡の特定痕跡部を設けているため、作業者が組立てる際に、特定痕跡部を目安にして、演出基板の取付方向等を特定する目印にすることができる。この場合、例えば、一か所の特定部位において、特定痕跡部の態様を演出基板の辺によって異なられるようにしても良い。これにより、演出基板の取付方向を確実に特定することができ、組立てにかかる手間を容易なものとすることができる。
なお、演出基板に、外周縁から基板中央側へ所定幅で明色のソルダレジストとは異なる色の縁取部を設けるようにしても良い。これにより、演出基板の外周縁に明色のソルダレジストとは異なる色の縁取部を設けているため、明色のソルダレジストが明るく見えることで相対的に縁取部を暗く見せて演出基板の外周縁を目立ち難くすることができ、演出基板の存在によって前方体の見栄えが悪くなることを軽減させることができると共に、従来よりも前方体の見栄えを良くすることができ、前方体による演出を楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、特定痕跡部を、演出基板の外周縁から外側へ突出させるようにしても良い。これにより、演出基板の外周縁から外側へ突出していることにより特定痕跡部が目立つような形態であっても、上述したように、実使用状態であるLED点灯時は、特定痕跡部を明色のソルダレジストとは異なる色にしていることで相対的に目立ち難くすることができるため、特定痕跡部が突出していても前方体の見栄えが悪くなることを抑制することができる。
また、上記のように、特定痕跡部を演出基板の外周縁から外側へ突出させるようにする場合、演出基板を製造する際に、定尺基板と繋がっていた繋部を切断したままで、演出基板の外周縁に沿うように繋部の残りの部位を仕上げなくても良く、演出基板、ひいては、遊技機にかかるコストを低減させることができる。
更に、明色のソルダレジストを、演出基板の外周縁から控えて施すようにすることが望ましい。これにより、演出基板の外周縁から控えて明色のソルダレジストを施しているため、演出基板の外周縁に設けられている特定痕跡部を、演出基板の外周縁と一緒に明色のソルダレジストとは異なる色にすることができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能な遊技機を提供することができる。
また、上記のように、演出基板の表面に施されている明色のソルダレジストを、演出基板の外周縁から内側に控えて施すことから、定尺基板に対して予め演出基板の外周縁から控えてソルダレジストを施すようにする場合、定尺基板から切削加工により演出基板を切り出すようにしても、明色のソルダレジストが切削されることはなく、当該ソルダレジストの粉末が発生することはない。従って、切削加工後の清掃にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、演出基板に明色のソルダレジストの粉末が残ることはない。
また、上記のように、明色のソルダレジストを演出基板の外周縁から予め控えて施す場合、演出基板の外周縁に他の部材(装飾体)等が当接しても、ソルダレジストに当接することはないため、明色のソルダレジストが欠けて粉末が発生することはなく、明色のソルダレジストの粉末が飛散して演出基板や装飾体等に付着・堆積することはない。このようなことから、明色のソルダレジストの粉末が発生しないため、当該粉末によって、発光演出の際に影が映って見栄えが悪くなったり、コネクタ等において接触不良となったり、演出基板や装飾体等の表面の見栄えが悪くなったり、するようなことはなく、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、上記のように、演出基板の外周縁から控えて明色のソルダレジストを施すようにしていることから、後工程で、ソルダレジストの切り粉を除去することを前提に、定尺基板に対してエンドミル等の切削工具で加工する際に外周縁のソルダレジストを工具で除去することで、演出基板の外周縁から控えて施されている明色のソルダレジストを構築するようにしても良い。この場合でも、外周縁と一緒に特定痕跡部を明色のソルダレジストと異なる色にすることができるため、上記と同様の作用効果を奏することができる。
更に、特定部位を、演出基板の外周縁から台形状に凹んでいる凹部の底部としても良い。これにより、演出基板の外周縁から凹んでいる凹部の底部を特定部位として特定痕跡部を設けていることから、特定痕跡部が前方体等に当たることはないため、特定痕跡部として、演出基板の製造時において、定尺基板と繋がっていた部位を切断したままま外側へ突出している形態のものとすることができ、特定痕跡部を仕上げる必要がなく、演出基板、ひいては、遊技機にかかるコストを低減させることができる。この際に、特定痕跡部を明色のソルダレジストとは異なる色にしているため、特定痕跡部を目立ち難くすることができ、特定痕跡部と一緒に凹んでいる凹部も目立ち難くすることが可能となり、前方体の見栄えを良くすることができる。
また、特定部位を、演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位及び直線状の部位の少なくとも一方の部位としても良い。これにより、特定痕跡部として、演出基板の製造時において、定尺基板と繋がっていた繋部を切断した後に、繋部の残りの部位を削って演出基板の外周縁と一致するように仕上げることで生じた特定痕跡部とする場合、演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位及び直線状の部位の少なくとも一方の部位を特定痕跡部が設けられる特定部位としているため、繋部の残りの部位をヤスリ等で削って奇麗に仕上げ易くすることができる。従って、前方体を通して演出基板の特定痕跡部が見えたとしても、特定痕跡部が奇麗に仕上げられていることから、前方体の見栄えが悪くなることはない。
また、上記のように、特定部位(特定痕跡部)を演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設ける場合、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、演出基板の製造時において、定尺基板と演出基板とを繋いでいる繋部を設ける部位として、例えば、演出基板の外周縁(基板外形)における基板の中央側へ窪んでいるような窪み部分にのみ繋部を設けるようにすると、窪み部分との間の外方へ膨出している部位に繋部が存在しないこととなるため、当該膨出している部位が自重によって下方へ変形し易くなる。具体的には、例えば、演出基板の外形が二つの円形状を合わせて間がくびれているようなヒョウタン型の場合、そのくびれている部分にのみ定尺基板との繋部を設けると、両側の円形状の部分には繋部が存在しないこととなるため、円形状の部分では繋部から遠ざかるほど自重によって下方へ変形し易くなる。そして、演出基板が自重により変形すると、インサートマシンを使用してLEDのような電子部品を実装する際に、電子部品を確実に実装することが困難となる恐れがある。これに対して、本構成では、特定部位(特定痕跡部)を演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設けているため、演出基板の製造時において、定尺基板と演出基板とを繋いでいる繋部を演出基板の外周縁における窪んでいるような窪み部分にのみ設ける場合と比較して、演出基板における繋部同士の間の部位を自重による下方への変形がし難くいものとすることができ、インサートマシンによりLEDやIC等の電子部品を実装する際に、演出基板の変形が抑制されていることにより電子部品を確実に実装することができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記演出基板は、
外周縁から基板中央側へ所定幅で前記明色のソルダレジストとは異なる色の縁取部が設けられている」ものであることを特徴とする。
ここで、「縁取部」としては、「明色のソルダレジストを演出基板の外周縁から控えて施すことにより演出基板の外周縁に形成されている部位」、「インクや塗料等の着色剤が施されている部位」、「明色のソルダレジストとは異なる色のソルダレジストが施されている部位」、等が挙げられる。
手段2の構成によると、演出基板に、外周縁から基板中央側へ所定幅で明色のソルダレジストとは異なる色の縁取部を設けるようにしたものである。([発明を実施するための形態]では、演出基板3520Aに関する記載を参照)
これにより、演出基板の外周縁に明色のソルダレジストとは異なる色の縁取部を設けているため、明色のソルダレジストが明るく見えることで相対的に縁取部を暗く見せて演出基板の外周縁を目立ち難くすることができ、演出基板の存在によって前方体の見栄えが悪くなることを軽減させることができると共に、従来よりも前方体の見栄えを良くすることができ、前方体による演出を楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記特定痕跡部は、
前記演出基板の外周縁から外側へ突出している」ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、特定痕跡部を、演出基板の外周縁から外側へ突出させるようにしたものである。([発明を実施するための形態]では、繋残部3552a及び特定痕跡部3561に関する記載を参照)
これにより、演出基板の外周縁から外側へ突出していることにより特定痕跡部が目立つような形態であっても、上述したように、実使用状態であるLED点灯時は、特定痕跡部を明色のソルダレジストとは異なる色にしていることで相対的に目立ち難くすることができるため、特定痕跡部が突出していても前方体の見栄えが悪くなることを抑制することができる。
また、特定痕跡部を演出基板の外周縁から外側へ突出させるようにしていることから、演出基板を製造する際に、定尺基板と繋がっていた繋部を切断したままで、演出基板の外周縁に沿うように繋部の残りの部位を仕上げなくても良く、演出基板、ひいては、遊技機にかかるコストを低減させることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記明色のソルダレジストは、
前記演出基板の外周縁から控えて施されている」ものであることを特徴とする。
ところで、明色のソルダレジストとして、酸化チタンのような白色の顔料の添加により、明色に着色されているような明色のソルダレジストは、他のソルダレジストと比較して硬い素材となっているため、粉末になり易い。従って、明色のソルダレジストを表面に施した定尺基板から演出基板を切り出すために切削加工をすると、基板母材の大量の切粉に加えて、明色のソルダレジストの粉末が多く発生する。そして、明色のソルダレジストの粉末は、微細であることから、清掃(除去)に手間がかかりコストが増加する恐れがあると共に、手間がかかる故に除去しきれずに当該粉末が残ってしまう恐れがある。また、演出基板を定尺基板から切り出した後でも、演出基板の切断端縁(外周縁)まで明色のソルダレジストが施されていると、演出基板の切断端縁に他の部材が当接すると、硬い素材である明色のソルダレジストが粉末となって飛散して、演出基板や他の部材(装飾体)等に付着したり堆積したりする恐れがある。
そして、演出基板や装飾体等に、明色のソルダレジストの粉末が付着・堆積すると、以下のような不具合が発生する恐れがある。例えば、当該粉末が、演出基板に実装されているLEDに付着・堆積するとLEDを発光させた時にその影が投影されて発光演出の見栄えが悪くなる恐れがある。また、演出基板に実装されている電子部品としてのコネクタに付着・堆積すると接触不良が発生する恐れがある。更に、当該粉末が、演出基板や装飾体等の表面に付着・堆積するとその粉により演出基板や装飾体等の見栄えが悪くなる(低下する)恐れがある。
手段4の構成によると、明色のソルダレジストを、演出基板の外周縁から控えて施すようにしたものである。([発明を実施するための形態]では、被覆膜3523に関する記載を参照)
これにより、演出基板の外周縁から控えて明色のソルダレジストを施しているため、演出基板の外周縁に設けられている特定痕跡部を、演出基板の外周縁と一緒に明色のソルダレジストとは異なる色にすることができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能な遊技機を提供することができる。
また、演出基板の表面に施されている明色のソルダレジストを、演出基板の外周縁から内側に控えて施していることから、定尺基板に対して予め演出基板の外周縁から控えてソルダレジストを施すようにすると、定尺基板から切削加工により演出基板を切り出すようにしても、明色のソルダレジストが切削されることはなく、当該ソルダレジストの粉末が発生することはない。従って、切削加工後の清掃にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、演出基板に明色のソルダレジストの粉末が残ることはない。また、明色のソルダレジストを演出基板の外周縁から予め控えて施すようにすると、演出基板の外周縁に他の部材(装飾体)等が当接しても、ソルダレジストに当接することはないため、明色のソルダレジストが欠けて粉末が発生することはなく、明色のソルダレジストの粉末が飛散して演出基板や装飾体等に付着・堆積することはない。このようなことから、明色のソルダレジストの粉末が発生しないため、当該粉末によって、発光演出の際に影が映って見栄えが悪くなったり、コネクタ等において接触不良となったり、演出基板や装飾体等の表面の見栄えが悪くなったり、するようなことはなく、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、演出基板の外周縁から控えて明色のソルダレジストを施すようにしていることから、後工程で、ソルダレジストの切り粉を除去することを前提に、定尺基板に対してエンドミル等の切削工具で加工する際に外周縁のソルダレジストを工具で除去することで、演出基板の外周縁から控えて施されている明色のソルダレジストを構築するようにしても良い。この場合でも、外周縁と一緒に特定痕跡部を明色のソルダレジストと異なる色にすることができるため、上記と同様の作用効果を奏することができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記特定部位は、
前記演出基板の外周縁から台形状に凹んでいる凹部の底部としている」ものであることを特徴とする。
ところで、特定痕跡部を明色のソルダレジストとは異なる色にすることで、特定痕跡部を目立ち難くすることができることから、演出基板を製造する際に、定尺基板と繋がっていた繋部を切断した残りの部位(特定痕跡部)が演出基板の外周縁から外側へ突出しているままとすることが可能となる。しかしながら、演出基板の外周縁から特定痕跡部が突出していると、装飾体を組立てる際に、演出基板が取付けられる前方体等との隙間によっては、突出している特定痕跡部が当ってしまい、演出基板を取付けることができなくなってしまう恐れがある。
手段5の構成によると、特定部位を、演出基板の外周縁から台形状に凹んでいる凹部の底部とするものである。([発明を実施するための形態]では、凹部3557に関する記載を参照)
これにより、演出基板の外周縁から凹んでいる凹部の底部を特定部位として特定痕跡部を設けていることから、特定痕跡部が前方体等に当たることはないため、特定痕跡部として、演出基板の製造時において、定尺基板と繋がっていた部位を切断したままま外側へ突出している形態のものとすることができ、特定痕跡部を仕上げる必要がなく、演出基板、ひいては、遊技機にかかるコストを低減させることができる。この際に、特定痕跡部を明色のソルダレジストとは異なる色にしているため、特定痕跡部を目立ち難くすることができ、特定痕跡部と一緒に凹んでいる凹部も目立ち難くすることが可能となり、前方体の見栄えを良くすることができる。
手段6:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、
「前記特定部位は、
前記演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位及び直線状の部位の少なくとも一方の部位に設けられている」ものであることを特徴とする。
手段6の構成によると、特定部位を、演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位及び直線状の部位の少なくとも一方の部位としたものである。([発明を実施するための形態]では、演出基板3520Aに関する記載を参照)
これにより、特定痕跡部として、演出基板の製造時において、定尺基板と繋がっていた繋部を切断した後に、繋部の残りの部位を削って演出基板の外周縁と一致するように仕上げることで生じた特定痕跡部とする場合、演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位及び直線状の部位の少なくとも一方の部位を特定痕跡部が設けられる特定部位としているため、繋部の残りの部位をヤスリ等で削って奇麗に仕上げ易くすることができる。従って、前方体を通して演出基板の特定痕跡部が見えたとしても、特定痕跡部が奇麗に仕上げられていることから、前方体の見栄えが悪くなることはない。
また、特定部位(特定痕跡部)を演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設けているため、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、演出基板の製造時において、定尺基板と演出基板とを繋いでいる繋部を設ける部位として、例えば、演出基板の外周縁(基板外形)における基板の中央側へ窪んでいるような窪み部分にのみ繋部を設けるようにすると、窪み部分との間の外方へ膨出している部位に繋部が存在しないこととなるため、当該膨出している部位が自重によって下方へ変形し易くなる。具体的には、例えば、演出基板の外形が二つの円形状を合わせて間がくびれているようなヒョウタン型の場合、そのくびれている部分にのみ定尺基板との繋部を設けると、両側の円形状の部分には繋部が存在しないこととなるため、円形状の部分では繋部から遠ざかるほど自重によって下方へ変形し易くなる。そして、演出基板が自重により変形すると、インサートマシンを使用してLEDのような電子部品を実装する際に、電子部品を確実に実装することが困難となる恐れがある。これに対して、本構成では、特定部位(特定痕跡部)を演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設けているため、演出基板の製造時において、定尺基板と演出基板とを繋いでいる繋部を演出基板の外周縁における窪んでいるような窪み部分にのみ設ける場合と比較して、演出基板における繋部同士の間の部位を自重による下方への変形がし難くいものとすることができ、インサートマシンによりLEDやIC等の電子部品を実装する際に、演出基板の変形が抑制されていることにより電子部品を確実に実装することができる。
手段7:遊技機において、
「遊技の進行に応じて発光するLEDが設けられている演出基板と、該演出基板の前方に設けられ前記LEDからの光を透過可能な前方体と、を具備している遊技機であって、
前記演出基板は、
前記LEDが設けられている面の表面に前記演出基板の外周縁から控えて施されている明色のソルダレジストと、基板外形を形成した際に他の部位とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部と、前記演出基板の外周縁から基板中央側へ所定幅で設けられており該明色のソルダレジストとは異なる色の縁取部と、前記演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位及び直線状の部位の少なくとも一方の部位において台形状に凹んでおり底部が特定部位とされている凹部と、を有し、
前記特定痕跡部は、
前記明色のソルダレジストとは異なる色で前記演出基板の外周縁の前記特定部位において外側へ突出して設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段7の構成によると、遊技の進行に応じて発光するLEDが設けられている演出基板と、演出基板の前方に設けられ前記LEDからの光を透過可能な前方体と、を具備している遊技機であって、演出基板は、LEDが設けられている面の表面に演出基板の外周縁から控えて施されている明色のソルダレジストと、基板外形を形成した際に他の部位とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部と、演出基板の外周縁から基板中央側へ所定幅で設けられており明色のソルダレジストとは異なる色の縁取部と、演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位及び直線状の部位の少なくとも一方の部位において台形状に凹んでおり底部が特定部位とされている凹部と、を有し、特定痕跡部は、明色のソルダレジストとは異なる色で演出基板の外周縁の特定部位において外側へ突出して設けられているものである。
これにより、複数のLEDが設けられている演出基板の表面に明色のソルダレジストを施しているため、演出基板に設けられている複数のLEDからの光や、他のLEDや照明等からの光を、前方体へ反射さることができ、従来よりも前方体をより明るく発光装飾させることができると共に、前方体の発光装飾をより目立たせることができ、遊技者に対する発光演出によるインパクトをより高めることができる。この際に、明色のソルダレジストを演出基板の外周縁から控えて施していると共に、演出基板の外周縁から所定幅で明色のソルダレジストとは異なる色の縁取部を設けており、演出基板の外周縁において、他の部位とは異なる痕跡を有する特定痕跡部を、明色のソルダレジストとは異なる色としているため、特定痕跡部を含む演出基板の外周縁の色をソルダレジストの明色によりも暗い色にすると、ソルダレジストの明色により特定痕跡部を含む演出基板の外周縁を相対的に暗く見せることができ、特定痕跡部と一緒に演出基板の外周縁を目立ち難くすることができる。従って、遊技者から演出基板の外周縁が見えたとしても、当該外周縁が近接して設けられているソルダレジストの明色により目立たなくなっているため、演出基板の存在によって前方体の見栄えが悪くなることはなく、従来よりも前方体の見栄えを良くすることができ、前方体による演出を楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、明色のソルダレジストを演出基板の外周縁から控えて施していると共に、演出基板の外周縁から所定幅で明色のソルダレジストとは異なる色の縁取部を設けているため、遊技者側から前方体を通して演出基板の表面が見えるような場合でも、ソルダレジストの明色により特定痕跡部と一緒に演出基板の外周縁を暗く見せて目立ち難くすることができ、特定痕跡部を有する演出基板の存在によって前方体の見栄えが悪くなることを軽減させることができると共に、従来よりも前方体の見栄えを良くすることができ、前方体による演出を楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
ところで、従来より、所定の装飾形状に形成されている前方体の後に設けられる演出基板は、その外周形状が、単純な矩形状ではなく、前方体の外周に沿った複雑な形状(不定形)に形成されている。このような不定形の演出基板を、NCマシンのような加工機械を使用して定尺の基板(定尺基板とも称する)から切り出す場合、大量の切粉が発生するため、LEDやセンサやコネクタ等の電子部品を演出基板に実装する前に、演出基板を切り出す(分離させる)ことが望ましい。しかしながら、切り出した演出基板の外形(外周形状)が不定形であると、電子部品を実装するためのインサートマシンに当該演出基板をセットすることが難しくなる問題が発生する。
これに対して、本構成では、演出基板の外周縁の特定部位に他の部位とは異なる痕跡を有する特定痕跡部を設けていることから、当該特定痕跡部を定尺基板との繋部の一部として利用することにより、NCマシンのような加工機械を使用して演出基板の基板外形をある程度形成してから電子部品を実装することが可能となり、上記のような問題を解決することができる。詳述すると、演出基板の製造時において、NCマシンのような加工機械を使用して定尺基板から演出基板を切り出す際に、演出基板を完全に分離させずに、特定痕跡部の部位で定尺基板(捨基板、又は、他の基板)と繋がっている状態にすると、演出基板の外周形状が複雑な形状であっても、特定痕跡部の部位で矩形状の定尺基板と繋がっているため、定尺基板を介して分離前の演出基板を簡単にインサートマシンにセットすることができ、分離前の演出基板にLED等の電子部品を実装することができる。そして、分離前の演出基板に電子部品を実装したら、定尺基板と繋がっている部位(特定痕跡部の部位)を切断(又は破断)することで、繋がっていた部位に他の部位とは異なる特定痕跡部が生じると共に、外周が所定形状に形成された演出基板が完成する。この際に、定尺基板と繋がっている部位(特定痕跡部の部位)が、演出基板の全周に対して短い(少ない)ため、繋がっている部位を切断しても、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機によって十分に吸い取ることができ、演出基板に実装されているLED等の電子部品に影響を与えることはない。
このように、演出基板の外周縁に設けられている特定痕跡部は、外周縁の他の部位とは異なる痕跡となっており、他の部位よりも目立つことから、特定痕跡部の存在により演出基板の見栄えが悪化する虞があるが、上述したように、特定痕跡部を明色のソルダレジストとは異なる色にしていることで、演出基板の特定痕跡部が目立つことはなく、演出基板による前方体の見栄えの悪化を阻止することができ、前方体の見栄えを良くすることができると共に、演出基板の特定痕跡部により遊技者に不快感を与えてしまうことはなく、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板の外周縁に特定痕跡部を有しており、演出基板の外形をNCマシンのような加工自由度の高い加工機械で形成することが可能となるため、外周形状が複雑、つまり、装飾性の高い前方体と対応する演出基板でも容易に製造することができ、演出基板のLEDにより発光装飾される前方体の装飾効果を確実に発揮させることが可能な遊技機を提供することができる。
更に、演出基板の特定痕跡部を明色のソルダレジストとは異なる色にすることで、特定痕跡部を目立ち難くしているため、演出基板を製造する際に、定尺基板と繋がっていた繋部を切断したままで、演出基板の外周縁に沿うように繋部の残りの部位を仕上げなくても良く、演出基板、ひいては、遊技機にかかるコストを低減させることができる。
また、演出基板の外周縁に他の部位とは異なる痕跡の特定痕跡部を設けているため、作業者が組立てる際に、特定痕跡部を目安にして、演出基板の取付方向等を特定する目印にすることができる。この場合、例えば、一か所の特定部位において、特定痕跡部の態様を演出基板の辺によって異なられるようにしても良い。これにより、演出基板の取付方向を確実に特定することができ、組立てにかかる手間を容易なものとすることができる。
また、演出基板の外周縁から外側へ突出していることにより特定痕跡部が目立つような形態であっても、上述したように、実使用状態であるLED点灯時は、特定痕跡部を明色のソルダレジストとは異なる色にしていることで相対的に目立ち難くすることができるため、特定痕跡部が突出していても前方体の見栄えが悪くなることを抑制することができる。
更に、演出基板の外周縁から控えて明色のソルダレジストを施しているため、演出基板の外周縁に設けられている特定痕跡部を、演出基板の外周縁と一緒に明色のソルダレジストとは異なる色にすることができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能な遊技機を提供することができる。
また、演出基板の表面に施されている明色のソルダレジストを、演出基板の外周縁から内側に控えて施すようにしていることから、定尺基板に対して予め演出基板の外周縁から控えてソルダレジストを施すようにすると、定尺基板から切削加工により演出基板を切り出すようにしても、明色のソルダレジストが切削されることはなく、当該ソルダレジストの粉末が発生することはない。従って、切削加工後の清掃にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、演出基板に明色のソルダレジストの粉末が残ることはない。
更に、明色のソルダレジストを演出基板の外周縁から予め控えて施すようにすると、演出基板の外周縁に他の部材(装飾体)等が当接しても、ソルダレジストに当接することはないため、明色のソルダレジストが欠けて粉末が発生することはなく、明色のソルダレジストの粉末が飛散して演出基板や装飾体等に付着・堆積することはない。このようなことから、明色のソルダレジストの粉末が発生しないため、当該粉末によって、発光演出の際に影が映って見栄えが悪くなったり、コネクタ等において接触不良となったり、演出基板や装飾体等の表面の見栄えが悪くなったり、するようなことはなく、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、演出基板の外周縁から控えて明色のソルダレジストを施すようにしていることから、後工程で、ソルダレジストの切り粉を除去することを前提に、定尺基板に対してエンドミル等の切削工具で加工する際に外周縁のソルダレジストを工具で除去することで、演出基板の外周縁から控えて施されている明色のソルダレジストを構築するようにしても良い。この場合でも、外周縁と一緒に特定痕跡部を明色のソルダレジストと異なる色にすることができるため、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、演出基板の外周縁から凹んでいる凹部の底部を特定部位として特定痕跡部を設けていることから、特定痕跡部が前方体等に当たることはないため、特定痕跡部として、演出基板の製造時において、定尺基板と繋がっていた部位を切断したままま外側へ突出している形態のものとすることができ、特定痕跡部を仕上げる必要がなく、演出基板、ひいては、遊技機にかかるコストを低減させることができる。この際に、特定痕跡部を明色のソルダレジストとは異なる色にしているため、特定痕跡部を目立ち難くすることができ、特定痕跡部と一緒に凹んでいる凹部も目立ち難くすることが可能となり、前方体の見栄えを良くすることができる。
また、特定部位(特定痕跡部)を演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設けているため、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、演出基板の製造時において、定尺基板と演出基板とを繋いでいる繋部を設ける部位として、例えば、演出基板の外周縁(基板外形)における基板の中央側へ窪んでいるような窪み部分にのみ繋部を設けるようにすると、窪み部分との間の外方へ膨出している部位に繋部が存在しないこととなるため、当該膨出している部位が自重によって下方へ変形し易くなる。具体的には、例えば、演出基板の外形が二つの円形状を合わせて間がくびれているようなヒョウタン型の場合、そのくびれている部分にのみ定尺基板との繋部を設けると、両側の円形状の部分には繋部が存在しないこととなるため、円形状の部分では繋部から遠ざかるほど自重によって下方へ変形し易くなる。そして、演出基板が自重により変形すると、インサートマシンを使用してLEDのような電子部品を実装する際に、電子部品を確実に実装することが困難となる恐れがある。これに対して、本構成では、特定部位(特定痕跡部)を演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設けているため、演出基板の製造時において、定尺基板と演出基板とを繋いでいる繋部を演出基板の外周縁における窪んでいるような窪み部分にのみ設ける場合と比較して、演出基板における繋部同士の間の部位を自重による下方への変形がし難くいものとすることができ、インサートマシンによりLEDやIC等の電子部品を実装する際に、演出基板の変形が抑制されていることにより電子部品を確実に実装することができる。
このように、上記の解決手段によれば、演出基板の外周縁を目立ち難くすることで前方体の見栄えを良くして遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
[15-5c.第五技術的特徴の解決手段と実施形態との関係]
本実施形態における遊技盤5の演出基板3520A、演出基板3520B、演出基板3520C、演出基板3520D、演出基板3520E、演出基板3520Fは上記解決手段の演出基板に、本実施形態における装飾部3510(装飾体3500)は上記解決手段の前方体に、本実施形態における被覆膜3523は上記解決手段の明色のソルダレジストに、本実施形態におけるLED3530及びLED3535は上記解決手段のLEDに、本実施形態における凹部3557は上記解決手段の凹部に、本実施形態における距離L2は上記解決手段の縁取部の所定幅に、夫々相当している。
[15-5d.第五技術的特徴の特徴的な作用効果]
本実施形態のパチンコ機1によれば、複数のLED3530が設けられている演出基板3520A等の表面に明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を施しているため、演出基板3520A等に設けられている複数のLED3530からの光や、他のLEDや照明等からの光を、前方の装飾部3510(装飾体3500)へ反射さることができ、従来よりも装飾体3500をより明るく発光装飾させることができると共に、装飾体3500の発光装飾をより目立たせることができ、遊技者に対する発光演出によるインパクトをより高めることができる。この際に、明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を演出基板3520A等の外周縁から控えて施していると共に、演出基板3520A等の外周縁から所定距離L2で明色のソルダレジストとは異なる色の縁取部を設けており、演出基板3520A等の外周縁において、他の部位とは異なる痕跡を有する特定痕跡部3561を、明色のソルダレジストとは異なる色(暗い色)としているため、ソルダレジストの明色により特定痕跡部3561を含む演出基板3520A等の外周縁を相対的に暗く見せることができ、特定痕跡部3561と一緒に演出基板3520A等の外周縁を目立ち難くすることができる。従って、遊技者から演出基板3520A等の外周縁が見えたとしても、当該外周縁が近接して設けられているソルダレジストの明色により目立たなくなっているため、演出基板3520A等の存在によって前方の装飾体3500(装飾部3510)の見栄えが悪くなることはなく、従来よりも装飾体3500の見栄えを良くすることができ、装飾体3500による演出を楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を演出基板3520A等の外周縁から控えて施していると共に、演出基板3520A等の外周縁から距離L2の幅で明色のソルダレジストとは異なる色の縁取部を設けているため、遊技者側から装飾部3510(装飾体3500)を通して演出基板3520A等の表面が見えるような場合でも、ソルダレジスト(被覆膜3523)の明色により特定痕跡部3561と一緒に演出基板3520A等の外周縁を暗く見せて目立ち難くすることができ、特定痕跡部3561を有する演出基板3520A等の存在によって装飾体3500の見栄えが悪くなることを軽減させることができると共に、従来よりも装飾体3500の見栄えを良くすることができ、装飾体3500による演出を楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
ところで、従来技術のように、所定の装飾形状に形成されている装飾部3510の後に設けられる演出基板3520Aは、その外周形状が、単純な矩形状ではなく、装飾部3510の外周に沿った複雑な形状(不定形)に形成されている。このような不定形の演出基板3520Aを、NCマシンのような加工機械を使用して定尺の基板(定尺基板3550とも称する)から切り出す場合、大量の切粉が発生するため、LED3530やセンサやコネクタ等の電子部品を演出基板3520Aに実装する前に、演出基板3520Aを切り出す(分離させる)ことが望ましい。しかしながら、切り出した演出基板3520Aの外形(外周形状)が不定形であると、電子部品を実装するためのインサートマシンに当該演出基板3520Aをセットすることが難しくなる問題が発生する。
上記のような問題に対して、本実施形態によれば、演出基板3520Aの外周縁から外側へ突出している特定痕跡部3561を設けていることから、当該特定痕跡部3561を定尺基板3550との繋部3552の一部(繋残部3552a)として利用することにより、NCマシンのような加工機械を使用して演出基板3520Aの基板外形をある程度形成してから電子部品を実装することが可能となる。詳述すると、演出基板3520Aの製造時において、NCマシンのような加工機械を使用して定尺基板3550から演出基板3520Aを切り出す際に、演出基板3520Aを完全に分離させずに、繋部3552(特定痕跡部3561の部位)で定尺基板3550(捨基板3555、又は、他の基板)と繋がっている状態にすると、演出基板3520Aの外周形状が複雑な形状であっても、繋部3552で矩形状の定尺基板3550と繋がっているため、定尺基板3550を介して分離前の演出基板3520Aを簡単にインサートマシンにセットすることができ、分離前の演出基板3520Aに電子部品を実装することができる。そして、分離前の演出基板3520Aに電子部品を実装したら、定尺基板3550と繋がっている繋部3552の途中を切断して、定尺基板3550から分離することで所望の演出基板3520Aを得ることができる。この際に、切断した繋部3522の残り(繋残部3552a)が演出基板3520Aの外周縁から突出している特定痕跡部3561となると共に、定尺基板3550と繋がっている繋部3552が、演出基板3520Aの全周に対して短い(少ない)ため、繋部3552切断しても、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機によって十分に吸い取ることができ、演出基板3520Aに実装されている電子部品に影響を与えることはない。
このように、演出基板3520A等の外周縁に設けられている特定痕跡部3561は、外周縁の他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡となっており、他の部位よりも目立つことから、特定痕跡部3561の存在により演出基板3520A等の見栄えが悪化する虞があるが、上述したように、特定痕跡部3561を明色のソルダレジストからなる被覆膜3523とは異なる色にしていることで、演出基板3520A等の特定痕跡部3561が目立つことはなく、演出基板3520A等による装飾部3510(装飾体3500)の見栄えの悪化を阻止することができ、装飾体3500の見栄えを良くすることができると共に、演出基板3520A等の特定痕跡部3561により遊技者に不快感を与えてしまうことはなく、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板3520A等の外周縁に特定痕跡部3561を有しており、演出基板3520A等の外形をNCマシンのような加工自由度の高い加工機械で形成することが可能となるため、外周形状が複雑、つまり、装飾性の高い装飾部3510(装飾体3500)と対応する演出基板3520A等でも容易に製造することができ、演出基板3520A等のLED3530により発光装飾される装飾体3500の装飾効果を確実に発揮させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、演出基板3520A等の特定痕跡部3561を明色のソルダレジストからなる被覆膜3523とは異なる色にすることで、特定痕跡部3561を目立ち難くしているため、演出基板3520A等を製造する際に、定尺基板3550と繋がっていた繋部3552を切断したままで、演出基板3520A等の外周縁に沿うように繋残部3552aを仕上げなくても良く、演出基板3520A等、ひいては、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、演出基板3520等の外周縁に他の部位とは異なる痕跡の特定痕跡部3561を設けているため、作業者が組立てる際に、特定痕跡部3561を目安にして、演出基板3520等の取付方向等を特定する目印にすることができる。この場合、例えば、一か所の特定部位において、特定痕跡部の態様を演出基板の辺によって異なられるようにしても良い。これにより、演出基板の取付方向を確実に特定することができ、組立てにかかる手間を容易なものとすることができる。
また、演出基板3520A等の外周縁から外側へ突出していることにより特定痕跡部3561(繋残部3552a)が目立つような形態であっても、上述したように、実使用状態であるLED3530等の点灯時は、特定痕跡部3561を明色のソルダレジスト(被覆膜3523)とは異なる色にすることで相対的に目立ち難くすることができるため、特定痕跡部3561が突出していても装飾部3510(装飾体3500)の見栄えが悪くなることを抑制することができる。
更に、演出基板3520A等の外周縁から控えて明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を施しているため、演出基板3520A等の外周縁に設けられている特定痕跡部3561を、演出基板3520A等の外周縁と一緒に明色のソルダレジストとは異なる色にすることができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、演出基板3520A等の表面に施されている明色のソルダレジスト(被覆膜3523)を、演出基板3520A等の外周縁から内側に控えて施すようにしていことから、定尺基板3550に対して予め演出基板3520A等の外周縁から控えてソルダレジストを施すようにすると、定尺基板3550から切削加工により演出基板3520A等を切り出すようにしても、明色のソルダレジストが切削されることはなく、当該ソルダレジストの粉末が発生することはない。従って、切削加工後の清掃にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、演出基板3520A等に明色のソルダレジストの粉末が残ることはない。
更に、明色のソルダレジスト(被覆膜3523)を演出基板3520A等の外周縁から予め控えて施すようにすると、演出基板3520A等の外周縁に他の部材(装飾体)等が当接しても、ソルダレジストに当接することはないため、明色のソルダレジストが欠けて粉末が発生することはなく、明色のソルダレジストの粉末が飛散して演出基板3520A等や装飾体3500等に付着・堆積することはない。このようなことから、明色のソルダレジストの粉末が発生しないため、当該粉末によって、発光演出の際に影が映って見栄えが悪くなったり、コネクタ等において接触不良となったり、演出基板3520A等や装飾体3500等の表面の見栄えが悪くなったり、するようなことはなく、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、演出基板3520Aの外周縁から控えて明色のソルダレジスト(被覆膜3523)を施すようにしていることから、後工程で、ソルダレジストの切り粉を除去することを前提に、定尺基板3550に対してエンドミル等の切削工具で加工する際に外周縁のソルダレジストを工具で除去することで、演出基板3520A等の外周縁から控えて施されている明色のソルダレジストを構築するようにしても良い。この場合でも、外周縁と一緒に特定痕跡部3561を明色のソルダレジストと異なる色にすることができるため、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、演出基板3520A等の外周縁から凹んでいる凹部3557の底部3557aを特定部位として特定痕跡部3561を設けていることから、特定痕跡部3561が装飾部3510等に当たることはないため、特定痕跡部3561として、演出基板3520A等の製造時において、定尺基板3550と繋がっていた繋部3552を切断したままま外側へ突出している形態のものとすることができ、特定痕跡部3561を仕上げる必要がなく、演出基板3520A等、ひいては、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。この際に、特定痕跡部3561を明色のソルダレジスト(被覆膜3523)とは異なる色にしているため、特定痕跡部3561を目立ち難くすることができ、特定痕跡部3561と一緒に凹んでいる凹部3557も目立ち難くすることが可能となり、装飾部3510の見栄えを良くすることができる。
また、特定部位(特定痕跡部3561)を演出基板3520A等の外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設けているため、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、演出基板3520A等の製造時において、定尺基板3550と演出基板3520A等とを繋いでいる繋部3552を設ける部位として、例えば、演出基板3520A等の外周縁(基板外形)における基板の中央側へ窪んでいるような窪み部分にのみ繋部を設けるようにすると、窪み部分との間の外方へ膨出している部位に繋部3552が存在しないこととなるため、当該膨出している部位が自重によって下方へ変形し易くなる。具体的には、例えば、演出基板3520A等の外形が二つの円形状を合わせて間がくびれているようなヒョウタン型の場合、そのくびれている部分にのみ定尺基板3550との繋部3552を設けると、両側の円形状の部分には繋部3552が存在しないこととなるため、円形状の部分では繋部3552から遠ざかるほど自重によって下方へ変形し易くなる。そして、演出基板3520A等が自重によって変形すると、インサートマシンを使用してLED3530のような電子部品を実装する際に、電子部品を確実に実装することが困難となる恐れがある。これに対して、本実施形態では、特定部位(特定痕跡部3561)つまり繋部3552を演出基板3520A等の外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設けているため、演出基板3520A等の製造時において、定尺基板3550と演出基板3520A等とを繋いでいる繋部3552を演出基板3520A等の外周縁における窪んでいるような窪み部分にのみ設ける場合と比較して、演出基板3520A等における繋部3552同士の間の部位を自重による下方への変形がし難いものとすることができ、インサートマシンによりLED3530やIC等の電子部品を実装する際に、演出基板3520A等の変形が抑制されていることにより電子部品を確実に実装することができる。
[15-6.第六技術的特徴]
本明細書には、上記とは異なる以下のような技術的特徴を有している。
[15-6a.第六技術的特徴の背景]
パチンコ機やスロットマシンのような遊技機として、所定の装飾形状に形成されている装飾体の後に、複数のLEDが設けられている演出基板を有しているものが提案されている(例えば、特許文献F:特開2019-209029号公報)。この特許文献Fの技術では、演出基板に複数のLEDの発光を制御可能なICやLEDドライバ等の電子部品が実装されており、当該電子部品によって様々な態様でLEDを発光させることで、遊技者に演出基板を使用した演出を楽しませられるようにしている。
しかしながら、特許文献Fの技術では、演出基板に対して電子部品の実装が不十分であると、演出基板による演出を十分に実行することができなくなり、遊技者を楽しませることができなくなることで、遊技者の興趣を低下させてしまう恐れがあった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、演出基板による演出効果を確実に発揮させることで遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
[15-6b.第六技術的特徴の解決手段]
手段1:遊技機において、
「始動条件の成立に基づいて図柄を変動表示させ、該変動表示の結果に基づいて利益を付与する遊技機であって、
前記図柄の変動表示中に行う演出に関する電子部品が実装されている演出基板を備え、
該演出基板は、
基板表面に明色のソルダレジストが施されていると共に、基板外周の特定部位に基板外周を形成した際に他の部位とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部が設けられており、
前記電子部品は、
少なくとも抵抗器とLEDとLEDドライバとを含んでおり、
複数の前記特定痕跡部により囲まれている特定領域に、前記電子部品のうちの少なくともLEDドライバを含む特定電子部品が設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「始動条件の成立」としては、「遊技領域内に設けられている入賞口(例えば、普通入賞口、始動入賞口(始動口)、等)への遊技媒体の受入れ」、「遊技領域内に設けられている特定領域(例えば、ゲート)を遊技媒体が通過」、「遊技媒体の投入後に始動レバーの操作」、等が挙げられる。
また、図柄の「変動表示」としては、「液晶表示装置のような表示装置において、複数の図柄からなる図柄列が複数表示されており、夫々の図柄列を変動表示させるもの」、「LEDのような発光手段において、複数の発光手段の点灯・消灯の組み合わせにより図柄を構成し、各発光手段を点灯・点滅・消灯させるもの」、「複数の図柄が列設されている回胴体が複数設けられており、各回胴体を回転させるもの」、等が挙げられる。
また、「電子部品」としては、「IC」、「LEDドライバ」、「LED」、「有機EL」、「LCD」、「センサ」、「コネクタ」、「ダイオード」、「抵抗器」、等が挙げられる。
また、「特定電子部品」としては、「IC」、「LEDドライバ」、「センサ」、等が挙げられ、一つで多くの電子部品(例えば、LED)に影響を及ぼすものが望ましい。また、「特定電子部品」としては、白色のソルダレジストよりも暗い色(例えば、黒色、灰色、濃い色、等)の電子部品、影ができた時に目立ち易く一般的なLEDよりも基板表面からの高さが高い電子部品、等が挙げられる。また、「LED」としては、「基板面に対して垂直な方向へ光を照射可能なトップビュータイプのLED」、「基板面に沿った方向へ光を照射可能なサイドビュータイプのLED」、等が挙げられる。
更に、「演出基板」としては、「LEDが実装されている基板(例えば、装飾基板)」、「可動装飾体の位置を検知するためのセンサが実装されている基板(例えば、センサ基板)」、「演出制御基板とLEDが実装されている装飾基板とを接続するための基板(例えば、中継基板)」、「遊技者から視認可能に設けられている基板」、「演出表示手段よりも前方に設けられている基板」、「演出にかかる光が直接的又は間接的に照射される基板」、等が挙げられる。
また、「明色」としては、明るい色であれば良く、例えば、黒色の明度を0、白色の明度を10とした時に、明度が5~10の範囲内のものが望ましい。
また、「痕跡」としては、「エンドミルやドリル等による切削痕」、「鋸による切断痕」、「ハサミやニッパー等による剪断痕」、「回転砥石による研削痕」、「折り曲げによる疲労痕」、「強度低下による破断痕」、「ヤスリやサンドペーパー等による研磨痕」、等が挙げられる。
また、「特定痕跡部」としては、「基板の外周縁から外側へ向かって突出しているもの」、「基板の外周縁(外周側面)と同一面状のもの」、等が挙げられる。また、「特定痕跡部」としては、視認した時に他の部位とは痕跡が明らかに異なる部位のことであり、例えば、「他の部位を切削痕の部位とし、特定痕跡部を研磨痕の部位としたもの」、「他の部位を切削痕の部位とし、特定痕跡部を破断痕の部位としたもの」、等が挙げられる。
更に、「特定部位」としては、「演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位」、「演出基板の外周縁における直線状の部位」、「ICやLEDドライバのような電子部品の近傍の部位」、等が挙げられる。
また、「特定領域」としては、二つの特定痕跡部(特定部位)に挟まれている間の領域としても良いし、三つ以上の特定痕跡部(特定部位)を頂点とした多角形の内側の領域としても良い。
ところで、特許文献Fの技術では、装飾体に演出基板が取付けられており、装飾体を移動させると演出基板も一緒に移動するため、装飾体の移動位置によっては装飾体を通して或いは横から演出基板が見えることがあり、演出基板の見栄えが悪いと遊技者によってガッカリしてしまい、演出基板による演出効果を十分に発揮させることができなくなる恐れがあった。
手段1の構成によると、始動条件の成立に基づいて図柄を変動表示させ、変動表示の結果に基づいて利益を付与する遊技機であって、図柄の変動表示中に行う演出に関する電子部品が実装されている演出基板を備え、演出基板は、基板表面に明色のソルダレジストが施されていると共に、基板外周の特定部位に基板外周を形成した際に他の部位とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部が設けられており、電子部品は、少なくとも抵抗器とLEDとLEDドライバとを含んでおり、複数の特定痕跡部により囲まれている特定領域に、電子部品のうちの少なくともLEDドライバを含む特定電子部品が設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、[11-1.演出基板の詳細]及び[11-2.第二実施形態の演出基板]の章、並びに、図79及び図80等の記載を参照)
これにより、演出基板の表面に明色のソルダレジストを施していることから、当該明色のソルダレジストにより光を反射させることができると共に、演出基板の表面に電子部品としてのLEDを設けていることから、当該LEDにより光を照射することができるため、明色のソルダレジストにより反射した光とLEDから照射された光とによる明るさにより演出基板の外周縁に設けられている他の部位とは異なる痕跡を有する特定痕跡部を演出基板の外周縁と一緒に相対的に暗く見せて目立ち難くすることができ、特定痕跡部が見えることで演出基板の見栄えが悪くなることを低減させることができる。従って、演出基板に施されている明色のソルダレジストにより、演出基板の見栄えを良くすることができるため、演出基板が見えても遊技者をガッカリさせることはなく、演出基板による演出効果を発揮させ易くすることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、演出基板の表面に明色のソルダレジストを施していると共に、電子部品としてのLEDを設けていることから、明色のソルダレジストによる反射光とLEDからの光とにより、より明るい発光演出を遊技者に見せることができる。これにより、例えば、演出基板の前方に透光性を有する装飾体を設けると、複数のLEDからの光と、明色のソルダレジストにより反射した光と、で装飾体を均一な明るさで発光装飾させることが可能となるため、発光装飾の見栄えを良くすることができ、演出効果の高い演出基板が設けられている遊技機を提供することができる。
また、演出基板の表面に明色のソルダレジストを施しているため、演出基板の表面を明色にするためにソルダレジストとは別に明色の塗料やインクを印刷する(施す)必要がなく、演出基板(遊技機)にかかる手間やコストを低減させることができると共に、上述と同様の作用効果を奏する遊技機を提供することができる。
ところで、特許文献Fのように、所定の装飾形状に形成されている装飾体の後に設けられる演出基板は、その外周形状が、単純な矩形状ではなく、装飾体の外周に沿った複雑な形状(不定形)に形成されている。このような不定形の演出基板を、NCマシンのような加工機械を使用して定尺の基板(定尺基板とも称する)から切り出す場合、大量の切粉が発生するため、LEDやセンサやコネクタ等の電子部品を演出基板に実装する前に、演出基板を切り出す(分離させる)ことが望ましい。しかしながら、切り出した演出基板の外形(外周形状)が不定形であると、電子部品を実装するためのインサートマシンに当該演出基板をセットすることが難しくなる問題が発生する。
これに対して、本構成では、演出基板の外周縁の特定部位に他の部位とは異なる痕跡を有する特定痕跡部を設けていることから、当該特定痕跡部を定尺基板との繋部の一部として利用することにより、NCマシンのような加工機械を使用して演出基板の基板外形をある程度形成してから電子部品を実装することが可能となり、上記のような問題を解決することができる。詳述すると、演出基板の製造時において、NCマシンのような加工機械を使用して定尺基板から演出基板を切り出す際に、演出基板を完全に分離させずに、特定痕跡部の部位で定尺基板(捨基板、又は、他の基板)と繋がっている状態にすると、演出基板の外周形状が複雑な形状であっても、特定痕跡部の部位で矩形状の定尺基板と繋がっているため、定尺基板を介して分離前の演出基板を簡単にインサートマシンにセットすることができ、分離前の演出基板にLED等の電子部品を実装することができる。そして、分離前の演出基板に電子部品を実装したら、定尺基板と繋がっている部位(特定痕跡部の部位)を切断(又は破断)することで、繋がっていた部位に他の部位とは異なる特定痕跡部が生じると共に、外周が所定形状に形成された演出基板が完成する。この際に、定尺基板と繋がっている部位(特定痕跡部の部位)が、演出基板の全周に対して短い(少ない)ため、繋がっている部位を切断しても、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機によって十分に吸い取ることができ、演出基板に実装されているLED等の電子部品に影響を与えることはない。
このように、演出基板の外周縁に設けられている特定痕跡部は、外周縁の他の部位とは異なる痕跡となっており、他の部位よりも目立つことから、特定痕跡部の存在により演出基板の見栄えが悪化する虞があるが、上述と同様の理由により、演出基板の表面に施されている明色のソルダレジストによる反射光と、演出基板の設けられているLEDからの光とにより、演出基板の外周縁を相対的に暗くして外周縁に設けられている特定痕跡部を目立ち難くすることができるため、演出基板が見えても遊技者をガッカリさせることはなく、演出基板による演出効果を発揮させ易くすることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、演出基板の外周縁に特定痕跡部を有しており、演出基板の外形をNCマシンのような加工自由度の高い加工機械で形成することが可能となるため、外周形状が複雑、つまり、装飾性の高い装飾体と対応する演出基板でも容易に製造することができ、演出基板に設けられている電子部品としてのLEDにより発光装飾される装飾体の装飾効果を確実に発揮させることが可能な遊技機を提供することができる。
更に、上述したように、演出基板の表面に明色のソルダレジストを施していることから、外周縁と一緒に外周縁の特定部位に設けられている特定痕跡部を目立ち難くしているため、演出基板を製造する際に、定尺基板と繋がっていた繋部を切断したままで、演出基板の外周縁に沿うように繋部の残りの部位を仕上げなくても良く、演出基板、ひいては、遊技機にかかるコストを低減させることができる。
ところで、演出基板の製造時において、演出基板が複数の繋部により定尺基板に繋がれている状態では、元の定尺基板と比較して全体の強度・剛性が低下しているため、撓み易くなっている。そして、元の定尺基板を基準にした演出基板の撓み量は、繋部から遠ざかるほど大きくなる傾向がある。そのため、インサートマシンを使用してLED、LEDドライバ、IC、センサ(例えば、フォトセンサ)、コネクタ、のような電子部品を演出基板に実装する際に、演出基板が下方へ撓んでいることで電子部品のリードや電極と演出基板との間に僅かな隙間が形成されてしまい、演出基板に対してリードや電極が十分に接触していない状態でハンダ付けがなされてしまったり、電子部品が傾いた状態でハンダ付けされてしまったり、する恐れがある。そして、上記のような実装不良があると、電子部品が正常に作動しなくしなることで、意図した演出を実行することができなくなり、演出基板による演出効果を十分に発揮させることができなくなる恐れがある。更に説明すると、抵抗器やLEDは取付不良(実装不良)になっても影響範囲は1個に過ぎないが、LEDドライバ(特定電子部品)は取付不良になるとその影響は配下のLED全てに及ぶため、特にLEDドライバは重要であり、確実に実装しなくてはならない。
これに対して、本構成では、電子部品のうちLEDドライバのようなLEDの発光に重要な役割を有する特定電子部品を、複数の特定痕跡部により囲まれている特定領域に設けるようにしており、特定痕跡部を演出基板の製造時における定尺基板と繋いでいる繋部とすることで、複数の繋部により囲まれている領域に特定電子部品を設けるようにしている。これにより、複数の繋部により囲まれている特定領域は、演出基板における他の領域と比較して、撓み難い領域となっているため、インサートマシンを使用して特定電子部品を実装する際に、当該特定領域内では特定電子部品のリードや電極と演出基板との間に隙間が形成され難く、演出基板に特定電子部品のリードや電極が十分に接触している状態でハンダ付けすることができ、接触が不十分な状態でハンダ付けされたり傾いた状態でハンダ付けされたりするような特定電子部品の実装不良を可及的に低減させることができる。従って、演出基板に実装されている(設けられている)特定電子部品を正常に作動させて、演出基板を使用した演出を確実に実行させることができるため、演出基板による演出効果を十分に発揮させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板の外周縁に他の部位とは異なる痕跡の特定痕跡部を設けているため、作業者が組立てる際に、特定痕跡部を目安にして、演出基板の取付方向等を特定する目印にすることができる。この場合、例えば、一か所の特定部位において、特定痕跡部の態様を演出基板の辺によって異なられるようにしても良い。これにより、演出基板の取付方向を確実に特定することができ、組立てにかかる手間を容易なものとすることができる。
なお、演出基板において、電子部品としてのLEDが設けられている方の基板面を表面とすると共に反対側の基板面を裏面とし、特定電子部品を、演出基板の裏面に設けるようにすることが望ましい。これにより、電子部品として、LEDドライバのような特定電子部品を、演出基板の裏面(後面、つまり、遊技者側とは反対側の面)に設けているため、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、特定電子部品として、LEDドライバやIC等は黒色のものが多いため、明色のソルダレジストが施されている演出基板の表面(前面)に黒色の特定電子部品が設けられていると、当該特定電子部品が目立つこととなり、演出基板の見栄えが悪くなる恐れがある。これに対して、本構成では、特定電子部品を演出基板の裏面(後面)に設けているため、特定電子部品の色が黒色や濃い色のような明色でない色であっても、遊技者から当該特定電子部品が見えることはなく、演出基板の見栄えが悪くなることはない。
また、上記のように、特定電子部品を演出基板の裏面に設ける場合、遊技者から見えないようにすることができるため、特定電子部品を見え難くするために、特定電子部品にわざわざ着色したり明色の色が着いた特定電子部品を用意したりする必要がなく、演出基板(遊技機)にかかる手間やコストを低減させることができる。
また、上記のように、LEDが設けられている基板面を演出基板の表面とする場合、LEDからの光が遊技者側を向くこととなるため、LEDからの光によってより明るく見せて演出基板の外周縁(特定痕跡部)を相対的に暗く見せることができ、特定痕跡部を見え難くすることが可能となり上記と同様の作用効果を奏することができる。
更に、演出基板に、電子部品が接続される電子回路の一部を構成し基板表面において外周縁から控えて設けられている銅箔と、銅箔の外周縁付近に設けられている複数のスルーホールと、を設けるようにしても良い。これにより、銅箔を演出基板の外周縁から控えて設けているため、他の部材から演出基板の銅箔を遠ざけることができ、他の部材のとの間でのスパーク(放電)の発生を回避させることができると共に、スパークによる演出基板や他の基板や電子部品等に不具合が発生することを防止して演出基板等を正常に作動させることができ、演出基板等による演出効果等を確実に発揮させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、上記のように、演出基板に銅箔と、銅箔の外周縁付近に複数のスルーホールをと設ける場合、当該スルーホールにより演出基板の表裏の銅箔を繋いでいるため、演出基板の製造時において、基板外形をエンドミル等により切削加工することで振動が作用しても銅箔を剥がれ難くすることができる。なお、銅箔の表面に施される明色のソルダレジストを、銅箔の外周縁よりも外側(演出基板の外周縁に近い側)にソルダレジストの外周縁が位置するように施すと、ソルダレジストによっても銅箔を剥がれ難くすることができると共に、銅箔の金属光沢が表面に現れないようにして演出基板の見栄えが悪くなることを回避させることができる。
また、特定部位を、演出基板の外周縁から台形状に凹んでいる凹部の底部としても良い。これにより、演出基板の外周縁から凹んでいる凹部の底部を特定部位として特定痕跡部を設けていることから、特定痕跡部が装飾体等の他の部材に当たることはないため、特定痕跡部として、演出基板の製造時において、定尺基板と繋がっていた部位を切断したままま外側へ突出している形態のものとすることができ、特定痕跡部を仕上げる必要がなく、演出基板、ひいては、遊技機にかかるコストを低減させることができる。この際に、演出基板の表面を明色にしていることから、その明るさにより相対的に特定痕跡部を目立ち難くすることが可能となるため、特定痕跡部と一緒に凹んでいる凹部も目立ち難くすることが可能となり、演出基板や装飾体等の見栄えを良くすることができる。
更に、特定部位を、演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位及び直線状の部位の少なくとも一方の部位に設けるようにしても良い。これにより、特定痕跡部として、演出基板の製造時において、定尺基板と繋がっていた繋部を切断した後に、繋部の残りの部位を削って演出基板の外周縁と一致するように仕上げることで生じた特定痕跡部とする場合、演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位及び直線状の部位の少なくとも一方の部位を特定痕跡部が設けられる特定部位としているため、繋部の残りの部位をヤスリ等で削って奇麗に仕上げ易くすることができる。従って、演出基板の特定痕跡部が見えたとしても、特定痕跡部が奇麗に仕上げられていることから、演出基板の見栄えが悪くなることはない。
また、上記のように、特定部位(特定痕跡部)を演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設ける場合、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、演出基板の製造時において、定尺基板と演出基板とを繋いでいる繋部を設ける部位として、例えば、演出基板の外周縁(基板外形)における基板の中央側へ窪んでいるような窪み部分にのみ繋部を設けるようにすると、窪み部分との間の外方へ膨出している部位に繋部が存在しないこととなるため、当該膨出している部位が自重によって下方へ変形し易くなる。具体的には、例えば、演出基板の外形が二つの円形状を合わせて間がくびれているようなヒョウタン型の場合、そのくびれている部分にのみ定尺基板との繋部を設けると、両側の円形状の部分には繋部が存在しないこととなるため、円形状の部分では繋部から遠ざかるほど自重によって下方へ変形し易くなる。そして、演出基板が自重により変形すると、インサートマシンを使用してLEDのような電子部品を実装する際に、電子部品を確実に実装することが困難となる恐れがある。これに対して、本構成では、特定部位(特定痕跡部)を演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設けているため、演出基板の製造時において、定尺基板と演出基板とを繋いでいる繋部を演出基板の外周縁における窪んでいるような窪み部分にのみ設ける場合と比較して、演出基板における繋部同士の間の部位を自重による下方への変形がし難くいものとすることができ、インサートマシンによりLED等の電子部品を実装する際に、演出基板の変形が抑制されていることにより、特定領域外に設けられている電子部品でも確実に実装することができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記演出基板は、
前記電子部品としてのLEDが設けられている方の基板面を表面とすると共に反対側の基板面を裏面とし、
前記特定電子部品は、
前記演出基板の前記裏面に設けられている」ものであることを特徴とする。
ここで、演出基板の表面及び裏面としては、LEDが設けられている基板面を表面とする他に、「基板面が前後方向を向いている場合は、前方を向いている面を表面、後方を向いている面を後面」、「基板面が左右方向を向いている場合は、遊技領域の中央を向いている面を表面、遊技領域の中央とは反対側へ向いている面を裏面」、「基板面が上下方向を向いている場合は、遊技領域の中央を向いている面を表面、遊技領域の中央とは反対側へ向いている面を裏面」、等が挙げられる。
手段2の構成によると、演出基板において、電子部品としてのLEDが設けられている方の基板面を表面とすると共に反対側の基板面を裏面とし、特定電子部品を、演出基板の裏面に設けるものである。([発明を実施するための形態]では、特定電子部品3533に関する記載を参照)
これにより、電子部品として、LEDドライバのような特定電子部品を、演出基板の裏面(後面、つまり、遊技者側とは反対側の面)に設けているため、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、特定電子部品として、LEDドライバやIC等は黒色のものが多いため、明色のソルダレジストが施されている演出基板の表面(前面)に黒色の特定電子部品が設けられていると、当該特定電子部品が目立つこととなり、演出基板の見栄えが悪くなる恐れがある。これに対して、本構成では、特定電子部品を演出基板の裏面(後面)に設けているため、特定電子部品の色が黒色や濃い色のような明色でない色であっても、遊技者から当該特定電子部品が見えることはなく、演出基板の見栄えが悪くなることはない。
また、上述したように、特定電子部品を演出基板の裏面に設けることで、遊技者から見えないようにすることができるため、特定電子部品を見え難くするために、特定電子部品にわざわざ着色したり明色の色が着いた特定電子部品を用意したりする必要がなく、演出基板(遊技機)にかかる手間やコストを低減させることができる。
また、LEDが設けられている基板面を演出基板の表面としていることから、LEDからの光が遊技者側を向くこととなるため、LEDからの光によってより明るく見せて演出基板の外周縁(特定痕跡部)を相対的に暗く見せることができ、特定痕跡部を見え難くすることが可能となり上記と同様の作用効果を奏することができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記演出基板は、
前記電子部品が接続される電子回路の一部を構成し基板表面において外周縁から控えて設けられている銅箔と、
該銅箔の外周縁付近に設けられている複数のスルーホールと、
が更に設けられている」ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、演出基板に、電子部品が接続される電子回路の一部を構成し基板表面において外周縁から控えて設けられている銅箔と、銅箔の外周縁付近に設けられている複数のスルーホールと、を設けるようにしたものである。([発明を実施するための形態]では、銅箔3522及びスルーホール3524に関する記載を参照)
これにより、銅箔を演出基板の外周縁から控えて設けているため、他の部材から演出基板の銅箔を遠ざけることができ、他の部材のとの間でのスパーク(放電)の発生を回避させることができると共に、スパークによる演出基板や他の基板や電子部品等に不具合が発生することを防止して演出基板等を正常に作動させることができ、演出基板等による演出効果等を確実に発揮させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、銅箔の外周縁付近に複数のスルーホールを設けており、当該スルーホールにより演出基板の表裏の銅箔を繋いでいるため、演出基板の製造時において、基板外形をエンドミル等により切削加工することで振動が作用しても銅箔を剥がれ難くすることができる。
なお、銅箔の表面に施される明色のソルダレジストを、銅箔の外周縁よりも外側(演出基板の外周縁に近い側)にソルダレジストの外周縁が位置するように施すと、ソルダレジストによっても銅箔を剥がれ難くすることができると共に、銅箔の金属光沢が表面に現れないようにして演出基板の見栄えが悪くなることを回避させることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記特定部位は、
前記演出基板の外周縁から台形状に凹んでいる凹部の底部としている」ものであることを特徴とする。
ところで、演出基板の表面を明色にすることで、その明るさにより特定痕跡部を目立ち難くすることができることから、演出基板を製造する際に、定尺基板と繋がっていた繋部を切断した残りの部位(特定痕跡部)が演出基板の外周縁から外側へ突出しているままとすることが可能となる。しかしながら、演出基板の外周縁から特定痕跡部が突出していると、装飾体を組立てる際に、演出基板が取付けられる装飾体等との隙間によっては、突出している特定痕跡部が当ってしまい、演出基板を取付けることができなくなってしまう恐れがある。
手段4の構成によると、特定部位を、演出基板の外周縁から台形状に凹んでいる凹部の底部とするものである。([発明を実施するための形態]では、凹部3557に関する記載を参照)
これにより、演出基板の外周縁から凹んでいる凹部の底部を特定部位として特定痕跡部を設けていることから、特定痕跡部が装飾体等の他の部材に当たることはないため、特定痕跡部として、演出基板の製造時において、定尺基板と繋がっていた部位を切断したままま外側へ突出している形態のものとすることができ、特定痕跡部を仕上げる必要がなく、演出基板、ひいては、遊技機にかかるコストを低減させることができる。この際に、演出基板の表面を明色にしていることから、その明るさにより相対的に特定痕跡部を目立ち難くすることが可能となるため、特定痕跡部と一緒に凹んでいる凹部も目立ち難くすることが可能となり、演出基板や装飾体等の見栄えを良くすることができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記特定部位は、
前記演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位及び直線状の部位の少なくとも一方の部位に設けられている」ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、特定部位を、演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位及び直線状の部位の少なくとも一方の部位に設けるようにしたものである。([発明を実施するための形態]では、演出基板3520等に関する記載を参照)
これにより、特定痕跡部として、演出基板の製造時において、定尺基板と繋がっていた繋部を切断した後に、繋部の残りの部位を削って演出基板の外周縁と一致するように仕上げることで生じた特定痕跡部とする場合、演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位及び直線状の部位の少なくとも一方の部位を特定痕跡部が設けられる特定部位としているため、繋部の残りの部位をヤスリ等で削って奇麗に仕上げ易くすることができる。従って、演出基板の特定痕跡部が見えたとしても、特定痕跡部が奇麗に仕上げられていることから、演出基板の見栄えが悪くなることはない。
また、特定部位(特定痕跡部)を演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設けているため、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、演出基板の製造時において、定尺基板と演出基板とを繋いでいる繋部を設ける部位として、例えば、演出基板の外周縁(基板外形)における基板の中央側へ窪んでいるような窪み部分にのみ繋部を設けるようにすると、窪み部分との間の外方へ膨出している部位に繋部が存在しないこととなるため、当該膨出している部位が自重によって下方へ変形し易くなる。具体的には、例えば、演出基板の外形が二つの円形状を合わせて間がくびれているようなヒョウタン型の場合、そのくびれている部分にのみ定尺基板との繋部を設けると、両側の円形状の部分には繋部が存在しないこととなるため、円形状の部分では繋部から遠ざかるほど自重によって下方へ変形し易くなる。そして、演出基板が自重により変形すると、インサートマシンを使用してLEDのような電子部品を実装する際に、電子部品を確実に実装することが困難となる恐れがある。これに対して、本構成では、特定部位(特定痕跡部)を演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設けているため、演出基板の製造時において、定尺基板と演出基板とを繋いでいる繋部を演出基板の外周縁における窪んでいるような窪み部分にのみ設ける場合と比較して、演出基板における繋部同士の間の部位を自重による下方への変形がし難くいものとすることができ、インサートマシンによりLED等の電子部品を実装する際に、演出基板の変形が抑制されていることにより、特定領域外に設けられている電子部品でも確実に実装することができる。
手段6:遊技機において、
「始動条件の成立に基づいて図柄を変動表示させ、該変動表示の結果に基づいて利益を付与する遊技機であって、
前記図柄の変動表示中に行う演出に関する電子部品が実装されている演出基板を備え、
該演出基板は、
前記電子部品が接続される電子回路の一部を構成し基板表面において外周縁から控えて設けられている銅箔、該銅箔の外周縁付近に設けられている複数のスルーホール、及び、基板外周の特定部位に基板外周を形成した際に他の部位とは異なる痕跡が生じた複数の特定痕跡部、が設けられていると共に、基板表面に明色のソルダレジストが施されており、且つ、前記電子部品としてのLEDが設けられている方の基板面を表面とすると共に反対側の基板面を裏面としており、
前記特定部位は、
前記演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位及び直線状の部位の少なくとも一方の部位において、該演出基板の外周縁から台形状に凹んでいる凹部の底部とされており、
前記電子部品は、
少なくとも抵抗器とLEDとLEDドライバとを含んでおり、
複数の前記特定痕跡部により囲まれている特定領域における前記演出基板の前記裏面に、前記電子部品のうちの少なくともLEDドライバを含む特定電子部品が設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段6の構成によると、始動条件の成立に基づいて図柄を変動表示させ、変動表示の結果に基づいて利益を付与する遊技機であって、図柄の変動表示中に行う演出に関する電子部品が実装されている演出基板を備え、演出基板は、電子部品が接続される電子回路の一部を構成し基板表面において外周縁から控えて設けられている銅箔、銅箔の外周縁付近に設けられている複数のスルーホール、及び、基板外周の特定部位に基板外周を形成した際に他の部位とは異なる痕跡が生じた複数の特定痕跡部、が設けられていると共に、基板表面に明色のソルダレジストが施されており、且つ、電子部品としてのLEDが設けられている方の基板面を表面とすると共に反対側の基板面を裏面としており、特定部位は、演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位及び直線状の部位の少なくとも一方の部位において、演出基板の外周縁から台形状に凹んでいる凹部の底部とされており、電子部品は、少なくとも抵抗器とLEDとLEDドライバとを含んでおり、複数の特定痕跡部により囲まれている特定領域における演出基板の裏面に、電子部品のうちの少なくともLEDドライバを含む特定電子部品が設けられているものである。
これにより、演出基板の表面に明色のソルダレジストを施していることから、当該明色のソルダレジストにより光を反射させることができると共に、演出基板の表面に電子部品としてのLEDを設けていることから、当該LEDにより光を照射することができるため、明色のソルダレジストにより反射した光とLEDから照射された光とによる明るさにより演出基板の外周縁に設けられている他の部位とは異なる痕跡を有する特定痕跡部を演出基板の外周縁と一緒に相対的に暗く見せて目立ち難くすることができ、特定痕跡部が見えることで演出基板の見栄えが悪くなることを低減させることができる。従って、演出基板に施されている明色のソルダレジストにより、演出基板の見栄えを良くすることができるため、演出基板が見えても遊技者をガッカリさせることはなく、演出基板による演出効果を発揮させ易くすることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、電子部品として、LEDドライバのような特定電子部品を、演出基板の裏面(後面、つまり、遊技者側とは反対側の面)に設けているため、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、特定電子部品として、LEDドライバやIC等は黒色のものが多いため、明色のソルダレジストが施されている演出基板の表面(前面)に黒色の特定電子部品が設けられていると当該特定電子部品が目立つこととなり、演出基板の見栄えが悪くなる恐れがある。これに対して、本構成では、特定電子部品を演出基板の裏面(後面)に設けているため、特定電子部品の色が黒色や濃い色のような明色でない色であっても、遊技者から当該特定電子部品が見えることはなく、演出基板の見栄えが悪くなることはない。
また、上述したように、特定電子部品を演出基板の裏面に設けることで、遊技者から見えないようにすることができるため、特定電子部品を見え難くするために、特定電子部品にわざわざ着色したり明色の色が着いた特定電子部品を用意したりする必要がなく、演出基板(遊技機)にかかる手間やコストを低減させることができる。
また、LEDが設けられている基板面を演出基板の表面としていることから、LEDからの光が遊技者側を向くこととなるため、LEDからの光によってより明るく見せて演出基板の外周縁(特定痕跡部)を相対的に暗く見せることができ、特定痕跡部を見え難くすることが可能となり上記と同様の作用効果を奏することができる。
更に、演出基板の表面に明色のソルダレジストを施していると共に、電子部品としてのLEDを設けていることから、明色のソルダレジストによる反射光とLEDからの光とにより、より明るい発光演出を遊技者に見せることができる。これにより、例えば、演出基板の前方に透光性を有する装飾体を設けると、複数のLEDからの光と、明色のソルダレジストにより反射した光と、で装飾体を均一な明るさで発光装飾させることが可能となるため、発光装飾の見栄えを良くすることができ、演出効果の高い演出基板が設けられている遊技機を提供することができる。
また、演出基板の表面に明色のソルダレジストを施しているため、演出基板の表面を明色にするためにソルダレジストとは別に明色の塗料やインクを印刷する(施す)必要がなく、演出基板(遊技機)にかかる手間やコストを低減させることができると共に、上述と同様の作用効果を奏する遊技機を提供することができる。
ところで、従来より、所定の装飾形状に形成されている装飾体の後に設けられる演出基板は、その外周形状が、単純な矩形状ではなく、装飾体の外周に沿った複雑な形状(不定形)に形成されている。このような不定形の演出基板を、NCマシンのような加工機械を使用して定尺の基板(定尺基板とも称する)から切り出す場合、大量の切粉が発生するため、LEDやセンサやコネクタ等の電子部品を演出基板に実装する前に、演出基板を切り出す(分離させる)ことが望ましい。しかしながら、切り出した演出基板の外形(外周形状)が不定形であると、電子部品を実装するためのインサートマシンに当該演出基板をセットすることが難しくなる問題が発生する。
これに対して、本構成では、演出基板の外周縁の特定部位に他の部位とは異なる痕跡を有する特定痕跡部を設けていることから、当該特定痕跡部を定尺基板との繋部の一部として利用することにより、NCマシンのような加工機械を使用して演出基板の基板外形をある程度形成してから電子部品を実装することが可能となり、上記のような問題を解決することができる。詳述すると、演出基板の製造時において、NCマシンのような加工機械を使用して定尺基板から演出基板を切り出す際に、演出基板を完全に分離させずに、特定痕跡部の部位で定尺基板(捨基板、又は、他の基板)と繋がっている状態にすると、演出基板の外周形状が複雑な形状であっても、特定痕跡部の部位で矩形状の定尺基板と繋がっているため、定尺基板を介して分離前の演出基板を簡単にインサートマシンにセットすることができ、分離前の演出基板にLED等の電子部品を実装することができる。そして、分離前の演出基板に電子部品を実装したら、定尺基板と繋がっている部位(特定痕跡部の部位)を切断(又は破断)することで、繋がっていた部位に他の部位とは異なる特定痕跡部が生じると共に、外周が所定形状に形成された演出基板が完成する。この際に、定尺基板と繋がっている部位(特定痕跡部の部位)が、演出基板の全周に対して短い(少ない)ため、繋がっている部位を切断しても、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機によって十分に吸い取ることができ、演出基板に実装されているLED等の電子部品に影響を与えることはない。
このように、演出基板の外周縁に設けられている特定痕跡部は、外周縁の他の部位とは異なる痕跡となっており、他の部位よりも目立つことから、特定痕跡部の存在により演出基板の見栄えが悪化する虞があるが、上述と同様の理由により、演出基板の表面に施されている明色のソルダレジストによる反射光と、演出基板の表面に設けられているLEDからの光とにより、演出基板の外周縁を相対的に暗くして外周縁に設けられている特定痕跡部を目立ち難くすることができるため、演出基板が見えても遊技者をガッカリさせることはなく、演出基板による演出効果を発揮させ易くすることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、演出基板の外周縁に特定痕跡部を有しており、演出基板の外形をNCマシンのような加工自由度の高い加工機械で形成することが可能となるため、外周形状が複雑、つまり、装飾性の高い装飾体と対応する演出基板でも容易に製造することができ、演出基板に設けられている電子部品としてのLEDにより発光装飾される装飾体の装飾効果を確実に発揮させることが可能な遊技機を提供することができる。
更に、上述したように、演出基板の表面に明色のソルダレジストを施していることから、外周縁と一緒に外周縁の特定部位に設けられている特定痕跡部を目立ち難くしているため、演出基板を製造する際に、定尺基板と繋がっていた繋部を切断したままで、演出基板の外周縁に沿うように繋部の残りの部位を仕上げなくても良く、演出基板、ひいては、遊技機にかかるコストを低減させることができる。
また、演出基板の外周縁に他の部位とは異なる痕跡の特定痕跡部を設けているため、作業者が組立てる際に、特定痕跡部を目安にして、演出基板の取付方向等を特定する目印にすることができる。この場合、例えば、一か所の特定部位において、特定痕跡部の態様を演出基板の辺によって異なられるようにしても良い。これにより、演出基板の取付方向を確実に特定することができ、組立てにかかる手間を容易なものとすることができる。
ところで、演出基板の製造時において、演出基板が複数の繋部により定尺基板に繋がれている状態では、元の定尺基板と比較して全体の強度・剛性が低下しているため、撓み易くなっている。そして、元の定尺基板を基準にした演出基板の撓み量は、繋部から遠ざかるほど大きくなる傾向がある。そのため、インサートマシンを使用してLED、LEDドライバ、IC、センサ(例えば、フォトセンサ)、コネクタ、のような電子部品を演出基板に実装する際に、演出基板が下方へ撓んでいることで電子部品のリードや電極と演出基板の銅箔との間に僅かな隙間が形成されてしまい、銅箔に対してリードや電極が十分に接触していない状態でハンダ付けがなされてしまったり、電子部品が傾いた状態でハンダ付けされてしまったり、する恐れがある。そして、上記のような実装不良があると、電子部品が正常に作動しなくしなることで、意図した演出を実行することができなくなり、演出基板による演出効果を十分に発揮させることができなくなる恐れがある。更に説明すると、抵抗器やLEDは取付不良(実装不良)になっても影響範囲は1個に過ぎないが、LEDドライバ(特定電子部品)は取付不良になるとその影響は配下のLED全てに及ぶため、特にLEDドライバは重要であり、確実に実装しなくてはならない。
これに対して、本構成では、電子部品のうちLEDドライバのようなLEDの発光に重要な役割を有する特定電子部品を、複数の特定痕跡部により囲まれている特定領域に設けるようにしており、特定痕跡部を演出基板の製造時における定尺基板と繋いでいる繋部とすることで、複数の繋部により囲まれている領域に特定電子部品を設けるようにしている。これにより、複数の繋部により囲まれている特定領域は、演出基板における他の領域と比較して、撓み難い領域となっているため、インサートマシンを使用して特定電子部品を実装する際に、当該特定領域内では特定電子部品のリードや電極と銅箔との間に隙間が形成され難く、銅箔に電子部品のリードや電極が十分に接触している状態でハンダ付けすることができ、接触が不十分な状態でハンダ付けされたり傾いた状態でハンダ付けされたりするような特定電子部品の実装不良を可及的に低減させることができる。従って、演出基板に実装されている(設けられている)特定電子部品を正常に作動させて、演出基板を使用した演出を確実に実行させることができるため、演出基板による演出効果を十分に発揮させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、銅箔を演出基板の外周縁から控えて設けているため、他の部材から演出基板の銅箔を遠ざけることができ、他の部材のとの間でのスパーク(放電)の発生を回避させることができると共に、スパークによる演出基板や他の基板や電子部品等に不具合が発生することを防止して演出基板等を正常に作動させることができ、演出基板等による演出効果等を確実に発揮させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、演出基板において、銅箔の外周縁付近に複数のスルーホールを設けており、当該スルーホールにより演出基板の表裏の銅箔を繋いでいるため、演出基板の製造時において、基板外形をエンドミル等により切削加工することで振動が作用しても銅箔を剥がれ難くすることができる。なお、演出基板(銅箔)の表面に施される明色のソルダレジストを、銅箔の外周縁よりも外側(演出基板の外周縁に近い側)にソルダレジストの外周縁が位置するように施すと、ソルダレジストによっても銅箔を剥がれ難くすることができると共に、銅箔の金属光沢が表面に現れないようにして演出基板の見栄えが悪くなることを回避させることができる。
また、演出基板の外周縁から凹んでいる凹部の底部を特定部位として特定痕跡部を設けていることから、特定痕跡部が装飾体等の他の部材に当たることはないため、特定痕跡部として、演出基板の製造時において、定尺基板と繋がっていた部位を切断したままま外側へ突出している形態のものとすることができ、特定痕跡部を仕上げる必要がなく、演出基板、ひいては、遊技機にかかるコストを低減させることができる。この際に、演出基板の表面を明色にしていることから、その明るさにより相対的に特定痕跡部を目立ち難くすることが可能となるため、特定痕跡部と一緒に凹んでいる凹部も目立ち難くすることが可能となり、演出基板や装飾体等の見栄えを良くすることができる。
更に、特定痕跡部として、演出基板の製造時において、定尺基板と繋がっていた繋部を切断した後に、繋部の残りの部位を削って演出基板の外周縁と一致するように仕上げることで生じた特定痕跡部とする場合、演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位及び直線状の部位の少なくとも一方の部位を特定痕跡部が設けられる特定部位としているため、繋部の残りの部位をヤスリ等で削って奇麗に仕上げ易くすることができる。従って、演出基板の特定痕跡部が見えたとしても、特定痕跡部が奇麗に仕上げられていることから、演出基板の見栄えが悪くなることはない。
また、特定部位(特定痕跡部)を演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設けているため、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、演出基板の製造時において、定尺基板と演出基板とを繋いでいる繋部を設ける部位として、例えば、演出基板の外周縁(基板外形)における基板の中央側へ窪んでいるような窪み部分にのみ繋部を設けるようにすると、窪み部分との間の外方へ膨出している部位に繋部が存在しないこととなるため、当該膨出している部位が自重によって下方へ変形し易くなる。具体的には、例えば、演出基板の外形が二つの円形状を合わせて間がくびれているようなヒョウタン型の場合、そのくびれている部分にのみ定尺基板との繋部を設けると、両側の円形状の部分には繋部が存在しないこととなるため、円形状の部分では繋部から遠ざかるほど自重によって下方へ変形し易くなる。そして、演出基板が自重により変形すると、インサートマシンを使用してLEDのような電子部品を実装する際に、電子部品を確実に実装することが困難となる恐れがある。これに対して、本構成では、特定部位(特定痕跡部)を演出基板の外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設けているため、演出基板の製造時において、定尺基板と演出基板とを繋いでいる繋部を演出基板の外周縁における窪んでいるような窪み部分にのみ設ける場合と比較して、演出基板における繋部同士の間の部位を自重による下方への変形がし難くいものとすることができ、インサートマシンによりLED等の電子部品を実装する際に、演出基板の変形が抑制されていることにより、特定領域外に設けられている電子部品でも確実に実装することができる。
このように、上記の解決手段によれば、演出基板による演出効果を確実に発揮させることで遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
[15-6c.第六技術的特徴の解決手段と実施形態との関係]
本実施形態における遊技盤5の演出基板3520、演出基板3520A、演出基板3520B、演出基板3520C、演出基板3520D、演出基板3520E、演出基板3520Fは上記解決手段の演出基板に、本実施形態における被覆膜3523は上記解決手段の明色のソルダレジストに、本実施形態におけるLED3530及びLED3535は上記解決手段のLEDに、本実施形態における特定電子部品3533は上記解決手段の特定電子部品に、本実施形態における部品配置領域3534は上記解決手段の特定領域に、本実施形態における凹部3557は上記解決手段の凹部に、夫々相当している。
[15-6d.第六技術的特徴の特徴的な作用効果]
本実施形態のパチンコ機1によれば、演出基板3520等の表面に明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を施していることから、当該明色のソルダレジストにより光を反射させることができると共に、演出基板3520等の表面に電子部品としてのLED3530を設けていることから、当該LED3530により光を照射することができるため、明色のソルダレジストにより反射した光とLED3530から照射された光とによる明るさにより演出基板3520等の外周縁に設けられている他の部位とは異なる痕跡を有する特定痕跡部3561を演出基板3520等の外周縁と一緒に相対的に暗く見せて目立ち難くすることができ、特定痕跡部3561が見えることで演出基板3520等の見栄えが悪くなることを低減させることができる。従って、演出基板3520等に施されている明色のソルダレジストにより、演出基板3520等の見栄えを良くすることができるため、演出基板3520等が見えても遊技者をガッカリさせることはなく、演出基板3520等による演出効果を発揮させ易くすることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、電子部品として、LEDドライバのような特定電子部品3533を、部品配置領域3534における演出基板3520等の裏面(後面、つまり、遊技者側とは反対側の面)に設けているため、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、特定電子部品3533として、LEDドライバやIC等は黒色のものが多いため、明色のソルダレジスト(被覆膜3523)が施されている演出基板3520等の表面(前面)に黒色の特定電子部品3533が設けられていると当該特定電子部品3533が目立つこととなり、演出基板3520等の見栄えが悪くなる恐れがある。これに対して、本実施形態では、特定電子部品3533を演出基板3520等の裏面(後面)に設けているため、特定電子部品3533の色が黒色や濃い色のような明色でない色であっても、遊技者から当該特定電子部品3533が見えることはなく、演出基板3520等の見栄えが悪くなることはない。
また、上述したように、特定電子部品3533を部品配置領域3534における演出基板3520等の裏面に設けることで、遊技者から見えないようにすることができるため、特定電子部品3533を見え難くするために、特定電子部品3533にわざわざ着色したり明色の色が着いた特定電子部品3533を用意したりする必要がなく、演出基板3520等(パチンコ機1)にかかる手間やコストを低減させることができる。
また、第一LED3531が設けられている基板面を演出基板3520等の表面としていることから、第一LED3531からの光が遊技者側を向くこととなるため、第一LED3531からの光によってより明るく見せて演出基板3520等の外周縁(特定痕跡部3561)を相対的に暗く見せることができ、特定痕跡部3561を見え難くすることが可能となり上記と同様の作用効果を奏することができる。
更に、演出基板3520等の表面に明色のソルダレジストを施していると共に、電子部品としてのLED3530を設けていることから、明色のソルダレジストによる反射光とLED3530からの光とにより、より明るい発光演出を遊技者に見せることができる。これにより、演出基板3520等の前方に透光性を有する装飾体3500(装飾部3510)が設けられていると、複数のLED3530からの光と、明色のソルダレジストにより反射した光と、で装飾体3500を均一な明るさで発光装飾させることが可能となるため、発光装飾の見栄えを良くすることができ、演出効果の高い演出基板3520等が設けられているパチンコ機1を提供することができる。
また、演出基板3520等の表面に明色のソルダレジスト(被覆膜3523)を施しているため、演出基板3520等の表面を明色にするためにソルダレジストとは別に明色の塗料やインクを印刷する(施す)必要がなく、演出基板3520等(パチンコ機1)にかかる手間やコストを低減させることができると共に、上述と同様の作用効果を奏するパチンコ機1を提供することができる。
ところで、従来より、所定の装飾形状に形成されている装飾体3500の後に設けられる演出基板3520等は、その外周形状が、単純な矩形状ではなく、装飾体3500の外周に沿った複雑な形状(不定形)に形成されている。このような不定形の演出基板3520等を、NCマシンのような加工機械を使用して定尺の基板(定尺基板3550とも称する)から切り出す場合、大量の切粉が発生するため、LED3530、ICやLEDドライバやセンサやコネクタ等の特定電子部品3533等を演出基板3520等に実装する前に、演出基板3520等を切り出す(分離させる)ことが望ましい。しかしながら、切り出した演出基板3520等の外形(外周形状)が不定形であると、電子部品を実装するためのインサートマシンに当該演出基板3520等をセットすることが難しくなる問題が発生する。
これに対して、本実施形態では、演出基板3520等の外周縁の特定部位に他の部位とは異なる痕跡を有する特定痕跡部3561を設けていることから、当該特定痕跡部3561を定尺基板3550との繋部3552の一部として利用することにより、NCマシンのような加工機械を使用して演出基板3520等の基板外形をある程度形成してから電子部品を実装することが可能となり、上記のような問題を解決することができる。詳述すると、演出基板3520等の製造時において、NCマシンのような加工機械を使用して定尺基板3550から演出基板3520等を切り出す際に、演出基板3520等を完全に分離させずに、特定痕跡部3561の部位で定尺基板3550(捨基板3555、又は、他の基板)と繋がっている状態にすると、演出基板3520等の外周形状が複雑な形状であっても、特定痕跡部3561の部位で矩形状の定尺基板3550と繋がっているため、定尺基板3550を介して分離前の演出基板3520等を簡単にインサートマシンにセットすることができ、分離前の演出基板3520等にLED3530や特定電子部品3533等を実装することができる。そして、分離前の演出基板3520等にLED3530や特定電子部品3533等を実装したら、定尺基板3550と繋がっている部位(特定痕跡部3561の部位)を切断(又は破断)することで、繋がっていた繋部3552に他の部位とは異なる特定痕跡部3561が生じると共に、外周が所定形状に形成された演出基板3520等が完成する。この際に、定尺基板3550と繋がっている繋部3552(特定痕跡部3561の部位)が、演出基板3520等の全周に対して短い(少ない)ため、繋部3552を切断しても、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機によって十分に吸い取ることができ、演出基板3520等に実装されているLED3530や特定電子部品3533等に影響を与えることはない。
このように、演出基板3520等の外周縁に設けられている特定痕跡部3561は、外周縁の他の部位とは異なる痕跡となっており、他の部位よりも目立つことから、特定痕跡部3561の存在により演出基板3520等の見栄えが悪化する虞があるが、上述と同様の理由により、演出基板3520等の表面に施されている明色のソルダレジストによる反射光と、演出基板3520等の表面に設けられているLED3530からの光とにより、演出基板3520等の外周縁を相対的に暗くして外周縁に設けられている特定痕跡部3561を目立ち難くすることができるため、演出基板3520等が見えても遊技者をガッカリさせることはなく、演出基板3520等による演出効果を発揮させ易くすることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、演出基板3520等の外周縁に特定痕跡部3561を有しており、演出基板3520等の外形をNCマシンのような加工自由度の高い加工機械で形成することが可能となるため、外周形状が複雑、つまり、装飾性の高い装飾体3500と対応する演出基板3520等でも容易に製造することができ、演出基板3520等に設けられている電子部品としてのLED3530により発光装飾される装飾体3500の装飾効果を確実に発揮させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、上述したように、演出基板3520等の表面に明色のソルダレジストを施していることから、外周縁と一緒に外周縁の特定部位に設けられている特定痕跡部3561を目立ち難くしているため、演出基板3520等を製造する際に、定尺基板3550と繋がっていた繋部3552を切断したままで、演出基板3520等の外周縁に沿うように繋部3552の残りの繋残部3552aを仕上げなくても良く、演出基板3520等、ひいては、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、演出基板3520等の外周縁に他の部位とは異なる痕跡の特定痕跡部3561を設けているため、作業者が組立てる際に、特定痕跡部3561を目安にして、演出基板3520等の取付方向等を特定する目印にすることができる。この場合、例えば、一か所の特定部位において、特定痕跡部3561の態様を演出基板3520等の辺によって異なられるようにしても良い。これにより、演出基板3520等の取付方向を確実に特定することができ、組立てにかかる手間を容易なものとすることができる。
ところで、演出基板3520等の製造時において、演出基板3520等が複数の繋部3552により定尺基板3550に繋がれている状態では、元の定尺基板3550と比較して全体の強度・剛性が低下しているため、撓み易くなっている。そして、元の定尺基板3550を基準にした演出基板3520等の撓み量は、繋部3552から遠ざかるほど大きくなる傾向がある。そのため、インサートマシンを使用してLED3530、LEDドライバ、IC、センサ(例えば、フォトセンサ)、コネクタ、のような特定電子部品3533、等を演出基板3520等に実装する際に、演出基板3520等が下方へ撓んでいることで特定電子部品3533のリードや電極と銅箔3522との間に僅かな隙間が形成されてしまい、銅箔3522に対してリードや電極が十分に接触していない状態でハンダ付けがなされてしまったり、特定電子部品3533が傾いた状態でハンダ付けされてしまったり、する恐れがある。そして、上記のような実装不良があると、特定電子部品3533が正常に作動しなくしなることで、意図した演出を実行することができなくなり、演出基板3520等による演出効果を十分に発揮させることができなくなる恐れがある。更に説明すると、抵抗器やLED3530は取付不良(実装不良)になっても影響範囲は1個に過ぎないが、LEDドライバ(特定電子部品3533)は取付不良になるとその影響は配下のLED3530全てに及ぶため、特にLEDドライバ(特定電子部品3533)は重要であり、確実に実装しなくてはならない。
これに対して、本実施形態では、電子部品のうちLEDドライバのようなLED3530の発光に重要な役割を有する特定電子部品3533を、複数の特定痕跡部3561により囲まれている部品配置領域3534に設けるようにしていると共に、特定痕跡部3561を演出基板3520等の製造時における定尺基板3550と繋いでいる繋部3552としていることから、複数の繋部3552により囲まれている領域(部品配置領域3534)に特定電子部品3533を設けるようにしている。これにより、複数の繋部3552により囲まれている部品配置領域3534は、演出基板3520等における他の領域と比較して、撓み難い領域となっているため、インサートマシンを使用してLED3530や特定電子部品3533を実装する際に、当該部品配置領域3534内では特定電子部品3533のリードや電極と銅箔3522との間に隙間が形成され難く、銅箔3522に特定電子部品3533のリードや電極が十分に接触している状態でハンダ付けすることができ、接触が不十分な状態でハンダ付けされたり傾いた状態でハンダ付けされたりするような特定電子部品3533の実装不良を可及的に低減させることができる。従って、演出基板3520等に実装されている(設けられている)特定電子部品3533を正常に作動させて、演出基板3520等を使用した演出を確実に実行させることができるため、演出基板3520等による演出効果を十分に発揮させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、銅箔3522を演出基板3520等の外周縁から控えて設けているため、他の部材から演出基板3520等の銅箔3522を遠ざけることができ、他の部材のとの間でのスパーク(放電)の発生を回避させることができると共に、スパークによる演出基板3520等や他の基板や電子部品等に不具合が発生することを防止して演出基板3520等を正常に作動させることができ、演出基板3520等による演出効果等を確実に発揮させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、演出基板3520等において、銅箔3522の外周縁付近に複数のスルーホール3524を設けており、当該スルーホール3524により演出基板3520等の表裏の銅箔を繋いでいるため、演出基板3520等の製造時において、基板外形をエンドミル等により切削加工することで振動が作用しても銅箔3522を剥がれ難くすることができる。また、演出基板3520等(銅箔3522)の表面に明色のソルダレジスト(被覆膜3523)を施すようにしていると共に、銅箔3522の外周縁よりも外側(演出基板3520等の外周縁に近い側)にソルダレジストの外周縁が位置するように施しているため、ソルダレジストによっても銅箔3522を剥がれ難くすることができると共に、銅箔3522の金属光沢が表面に現れないようにして演出基板3520等の見栄えが悪くなることを回避させることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ機1やスロットマシンに適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の実施形態では、パチンコ機1として、所謂、遊技者が遊技球Bに触れることのない、封入式遊技機や、管理遊技機と呼ばれる遊技機に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、遊技者が遊技球Bに触れることの可能な遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。この遊技機としては、例えば、遊技者の操作によって扉枠の皿に貯留されている遊技球が遊技盤の遊技領域内に打込まれ、打込まれた遊技球が遊技領域内に設けられている入賞口への受入れられることで、当該入賞口に応じた所定個数の遊技球を扉枠の皿に払出すようなパチンコ機が挙げられる。