JP7495611B2 - 金型 - Google Patents

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Description

本発明は、金型に関する。
従来から、ピンチオフ部を部分的に加熱する金型を用いた成形技術が提案されている。例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂のブロー成形用分割金型において、分割金型のピンチオフ刃の近傍に、ピンチオフ刃の全長にわたって電熱線が敷設された構成が開示されている。分割金型と一体あるいは別体のピンチオフ部近傍に発熱体(電熱線)を敷設することで、ピンチオフ刃近傍のパリソンを完全には固化させず軟らかいままに保てるため、バリを製品部から素手で簡単にむしり取ることができ、作業者を不測の怪我から守ることができるものとしている。
特開2013-169661号
特許文献1の加熱方法では、発熱体自体の熱をピンチオフ部周辺に熱伝導させている。従って、加熱対象の形状や位置によっては加熱制御が難しい場合がある。
本発明は、部分的な加熱を容易とした金型を提供することを目的とする。
本発明の金型は、励磁電路と、前記励磁電路により発生した誘導電流により誘導加熱される発熱部と、前記発熱部と熱接続されるピンチオフ部と、前記励磁電路、前記発熱部及び前記ピンチオフ部を収容する金型本体と、を備え、前記金型本体は分割金型であり、前記ピンチオフ部は、環状に形成され、且つ、前記金型本体に設けられた収容部に収容される駒部材に形成され、前記発熱部は、前記収容部に収容されて前記駒部材を当接支持するコア部材であり、前記コア部材の外周には前記励磁電路である励磁コイルが巻回される、ことを特徴とする。
また、本発明の金型は、励磁電路と、前記励磁電路により発生した誘導電流により誘導加熱される発熱部と、前記発熱部と熱接続されるピンチオフ部と、前記励磁電路、前記発熱部及び前記ピンチオフ部を収容する金型本体と、を備え、前記金型本体は分割金型であり、前記ピンチオフ部は環状に形成され、前記ピンチオフ部及び前記発熱部は、前記金型本体に設けられた収容部に収容される駒部材に形成され、前記励磁電路は前記駒部材に沿って前記収容部に収容される、ことを特徴とすることもある
本発明によれば、部分的な加熱を容易とした金型を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る樹脂製パネルを成形可能な樹脂成形装置を示す図である。 本発明の実施形態1に係る第1金型を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は図2(a)のIIb-IIb断面図である。 本発明の実施形態1に係る第1金型の詳細を示す図であり、(a)は第1金型の駒部材を省略した状態の平面図であり、(b)は図2(a)の第1金型のIIIc-IIIc断面において一部を拡大した図であり、(c)は図3(b)のIIIc-IIIc断面において一つのコア部材周辺を示す拡大図である。 本発明の実施形態1に係る樹脂製パネルの製造方法を示す図であり、(a)は型枠を溶融樹脂シートに当接させた状態を示し、(b)は溶融樹脂シートを金型内に賦形させて芯材を配置した状態を示す。 本発明の実施形態1に係る樹脂製パネルの製造方法を示す図であり、第1金型及び第2金型を型締めした状態を示す。 本発明の実施形態2に係る第1金型を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は図6(a)のVIb-VIb断面図である。 本発明の実施形態2に係る第1金型の駒部材を省略した状態の平面図である。 本発明の実施形態3に係る第1金型の平面図である。 本発明の実施形態3に係る第1金型の駒部材を省略した状態の平面図である。
(実施形態1)
次に、本発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。図1は樹脂成形装置60を示す図である。樹脂成形装置60は、分割金型である第1金型1a及び第2金型1bを有し、二枚の溶融樹脂シート(第1溶融樹脂シート51及び第2溶融樹脂シート52)を成形して後述する樹脂製パネル50を形成可能な装置である。樹脂製パネル50は、例えば、風呂蓋、ベッドのサイドレールやベッドボトム、或いは自動車の荷室ボード等を含むその他の構造部材とすることができる。
まず、図2(a)、図2(b)、図3(a)及び図3(b)を参照して、第1金型1aの構成について説明する。第1金型1aは、分割金型を構成する金型本体2のキャビティ23側に、平面視矩形環状であって断面視凹溝状に形成された収容部21を有する。収容部21には円柱棒状のコア部材3が配置される。コア部材3は、収容部21の周方向において複数配置される。本実施形態では、例として、図2(a)及び図3(a)に示すように、収容部21が平面視において長矩形環状に形成されており、各長尺部21aには4本のコア部材3(301~304,307~310)が配置され、各短尺部21bには2本のコア部材3(305,306,311,312)が配置される。
コア部材3を配置する間隔は、概ね等間隔に配置することが好ましく、これにより後述する加熱の際に加熱ムラを小さくすることができる。例えば、隣り合うコア部材3の間隔は、(間隔の最小幅)/(間隔の平均幅)が0.5以上であり、(間隔の最大幅)/(間隔の平均幅)が2以下となるように配置することが好ましい。或いは、コア部材3は収容部21の全周に亘って等間隔に配置してもよい。さらに、コア部材3は、長尺部21a及び短尺部21bの各範囲内において等間隔に配置してもよいし、成形品の形状に応じて間隔の狭い部分、間隔の広い部分又は等間隔とする部分を任意に組み合わせて間隔に隔たりを持たせて配置してもよい。
コア部材3は、収容部21の深さ方向(換言すれば、後述の第1金型1aと第2金型1bの型締め方向)に立設している。コア部材3は、図2(b)に示すように、収容部21の内壁とは離間状態で、収容部21の溝深さよりも短尺に形成される。
また、収容部21には、矩形環状の駒部材22が収容される。図2(b)に示す駒部材22は、収容部21の溝幅と略同幅に形成されて、一部が収容部21内に配置される。また、駒部材22は、コア部材3の先端と当接して収容部21の深さ方向への移動が規制される。駒部材22と金型本体2とは、図示しない固定部材により固定されている。
本実施形態のコア部材3及び駒部材22は、鉄製により形成されるが、導電率及び透磁率が高いその他の金属等の誘導加熱材により形成することができる。従って、コア部材3及び駒部材22は、互いに当接して熱接続され、熱伝導容易に形成される。また、金型本体2は、アルミニウムにより形成されるが、コア部材3及び駒部材22よりも導電率及び/又は透磁率の低いその他の金属等の非誘導加熱材により形成することができる。
図3(a)に示すように、第1金型1aの収容部21内には、図示しない電源と接続された電路4(配線)が引き込まれている。電路4は、銅又は銅を主成分とする導電性の高い金属等の電線導体に、絶縁被覆を施して形成することができる(後述の電路8,9も同様)。各コア部材3の外周には電路4が巻回されて、コア部材3の外周に励磁コイル40(401~412)(励磁電路)が形成される。なお、図3(b)及び図2(b)では励磁コイル40を模式的に示しているが、励磁コイル40の電路4(巻き線)はコア部材3の軸線方向に接するように巻回させておく等密に巻くことが好ましい。これにより、コア部材3の加熱効率を高めることができる。励磁コイル40は、図2(b)のA部拡大図に示すように、収容部21の底部211と駒部材22の底面222との間に配置される。隣接するコア部材3同士における各励磁コイル40は、交互に異なる方向に巻回される。例えば、収容部21に沿って環状に配置される12本のコア部材301~312に形成された励磁コイル401~412のうち、励磁コイル401,403,405,407,409,411は、図3(a)の平面視時計回り方向に巻回される。一方、励磁コイル402,404,406,408,410,412は、平面視反時計回り方向に巻回される。各励磁コイル401~412は、直列に接続される。なお、励磁コイル40とコア部材3との間には図示しない断熱部材を配置してもよい。
次に、本実施形態における第1金型1aの加熱方法について説明する。電路4の正極4a及び負極4b間には、高周波の交流電流I1(励磁電流)が印加される。すると、コア部材3内には高周波の交流磁束B1(誘導磁束)が誘導される。そのため、図3(c)に示すように、コア部材3の内部には交流磁束B1により誘導された渦電流I2(誘導電流)が発生して、コア部材3は発熱部として加熱される。交流電流I1の周波数は、コア部材3の加熱効率が高い周波数を適宜選択することができる。また、交流電流I1の周波数は、コア部材3の加熱効率が高く非誘導加熱材である金型本体2の加熱効率が低い周波数を選択してもよい。
図3(a)乃至図3(c)では、交流電流I1、交流磁束B1及び渦電流I2の正方向を矢印等で示している。即ち、隣接する励磁コイル401~412には交互に逆回り方向に交流電流I1が流れ(図3(a)及び図3(c)参照)、コア部材301~312においても交互に逆方向の交流磁束B1が発生する(図3(b)参照)。その結果、隣接するコア部材301~312の内部にも交互に逆回り方向の渦電流I2が発生する(図3(c)参照)。
コア部材3が誘導加熱されると、コア部材3の熱エネルギーはコア部材3と当接している駒部材22側へ熱伝導される。これにより、駒部材22の表側に形成されるピンチオフ部221が加熱される。
なお、本実施形態のように駒部材22をコア部材3と同様の誘導加熱材により形成する場合では、隣接するコア部材3内に発生した交流磁束B1により駒部材22の長尺方向に沿って磁気回路を形成することもできる。長尺方向に沿って駒部材22に発生した交流磁束B2により、駒部材22自身にも渦電流を発生させて駒部材22も発熱部として直接誘導加熱することもできる。また、本実施形態では励磁コイル40を偶数本設けて、隣接するコア部材3には互いに逆方向の交流磁束B1を発生させる構成としたため、各励磁コイル40が他の励磁コイル40から受ける相互誘導の隔たりを低減して各交流磁束B1の強度ムラを低減したり、駒部材22内の交流磁束B2の分布ムラを低減することができ、駒部材22を均一に加熱することができる。
次に、第1金型1a及び第2金型1bを用いた成形品である樹脂製パネル50の製造方法について説明する。図1に示した樹脂成形装置60は、対向して配置された2台の樹脂供給装置61(第1樹脂供給装置61A、第2樹脂供給装置61B)により、それぞれ第1樹脂材である第1溶融樹脂シート51、及び第2樹脂材である第2溶融樹脂シート52を成形する。樹脂供給装置61の下方には、金型10(第1金型1a及び第2金型1b)が配置される。本実施形態では、第2金型1bについても、第1金型1aと同様にコア部材3、駒部材22及び励磁コイル40を備えピンチオフ部221を加熱する構成としており、第2金型1bの詳細な説明は同一の符号を付す等してその説明を省略又は簡略化する。従って、第2金型1bのピンチオフ部221も誘導加熱により加熱する構成とすることができる。
樹脂供給装置61は、樹脂材料の供給口とされるホッパー65と、油圧モータ68に接続されて内部に配置されるスクリューによりホッパー65から供給された材料を溶融、混錬する押出機66と、を有する。押出機66は、プランジャ72を備えるアキュムレータ70と接続される。溶融、混錬された樹脂材料は、押出機66によりアキュムレータ70に送られる。樹脂材料は、アキュムレータ70で高圧とされてTダイ71に送られる。そして、適宜のタイミングでTダイ71のダイスリットが開かれて、ローラ79により送り出された第1溶融樹脂シート51及び第2溶融樹脂シート52が形成される。第1溶融樹脂シート51及び第2溶融樹脂シート52は、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、エンジニアリングプラスチックなどから形成することができる。
第1金型1a及び第2金型1bは、対向して配置される。第1金型1a及び第2金型1bの外周には、型枠11,12が設けられる。第1金型1aには、第1金型1aのキャビティ23内に囲われた空間を減圧する真空ポンプ(不図示)が設けられる。同様に、第2金型1bにも、第2金型1bのキャビティ23内に囲われた空間を減圧する真空ポンプ(不図示)が設けられる。
まず、材料供給工程において、樹脂供給装置61は、第1溶融樹脂シート51及び第2溶融樹脂シート52を、第1金型1a及び第2金型1bの間に垂下して配置させる(図1参照)。なお、第1溶融樹脂シート51及び第2溶融樹脂シート52は、第1溶融樹脂シート51を先に供給してもよいし、同時に供給してもよい。
賦形工程では、型枠11を第1溶融樹脂シート51に向けて移動させて第1溶融樹脂シート51のシート面に当接させる(図4(a)参照)。そして、型枠11と第1金型1aとを相対的に近づけるとともに、第1溶融樹脂シート51、キャビティ23、及び型枠11とで形成される空間内を減圧して、第1溶融樹脂シート51をキャビティ23に賦形させる(図4(b)も参照)。
第1金型1aと対向する第2金型1b側も同様に、型枠12を第2溶融樹脂シート52に向けて移動させて第2溶融樹脂シート52のシート面に当接させる(図4(a)参照)。そして、型枠12と第2金型1bとを相対的に近づけるとともに、第2溶融樹脂シート52、キャビティ23、及び型枠12とで形成される空間内を減圧して、第2溶融樹脂シート52をキャビティ23に賦形させる(図4(b)も参照)。
インサート工程では、材料供給工程から賦形工程の間に図示しないロボットハンド等で支持した芯材53を、第1溶融樹脂シート51及び第2溶融樹脂シート52を賦形させた第1金型1a及び第2金型1b間に配置させる(図4(b)参照)。
芯材53は、発泡剤を添加した樹脂により形成することができる。芯材53を形成する材料としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、イソプレンペンテン、メチルペンテン等のオレフィン類の単独重合体或いは共重合体であるポリオレフィン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、エチレン-エチルアクリレート共重合体等のアクリル誘導体、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン-プロピレン-ジエン類等のターポリマー、アクリロニトリル-スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂、及びフェノール樹脂、メラニン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
また、発泡剤としては、物理発泡剤、化学発泡剤及びそれらの混合物のいずれを用いてもよい。物理発泡剤としては、空気、炭酸ガス、窒素ガス、水等の無機系物理発泡剤、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の有機系物理発泡剤、及び、それらの超臨界流体を用いることができる。
芯材53は、一方の金型である第1金型1aのキャビティ23に挿入される(図4(b)の2点鎖線参照)。芯材53は、温度の高い状態の第1溶融樹脂シート51と接触する部分が溶けて、第1溶融樹脂シート51と溶着して接続される。
次に、第1金型1aについて、前述の第1金型1aの加熱方法で説明したように、電路4に対して高周波の交流電流I1を印加して、ピンチオフ部221を加熱する。これにより、第1金型1a側のピンチオフ部221と当接する第1溶融樹脂シート51の部分は加熱されて、温度低下を防止することができる。第2金型1bのピンチオフ部221についても、電路4に交流電流I1を印加して加熱しておくことができる。
型締工程では、第1溶融樹脂シート51がキャビティ23内に賦形されて芯材53が挿入された第1金型1aと、第2溶融樹脂シート52がキャビティ23内に賦形された第2金型1bとを相対的に接近させて、環状のピンチオフ部221同士を当接するまで型締めする(図5参照)。このとき、コア部材3は、駒部材22を型締力に対抗して支持することができる(図2(b)及び図3(b)参照)。第1溶融樹脂シート51と第2溶融樹脂シート52は、芯材53を挟み込むようにして外周縁のピンチオフ部221に沿って互いに溶着されて表皮材として形成される。
第1溶融樹脂シート51を第2溶融樹脂シート52よりも早く供給する場合、先出側の第1溶融樹脂シート51は、第2溶融樹脂シート52よりも早く温度低下が進む。また、第1溶融樹脂シート51及び第2溶融樹脂シート52を同時に供給した場合であっても第1溶融樹脂シート51は芯材53と接触することで第2溶融樹脂シート52よりも温度低下が進む。従って、第1溶融樹脂シート51と第2溶融樹脂シート52との間には温度差が生じる。すると、ピンチオフ部221周辺を加熱しない場合では、型締工程において第1溶融樹脂シート51及び第2溶融樹脂シート52がピンチオフ部221により潰される際に、温度が高く柔らかい第2溶融樹脂シート52のパーティング部Pの周辺(図5のB部拡大図参照)に、シワが発生することがある。また、第1溶融樹脂シート51及び第2溶融樹脂シート52は温度が低い状態で溶着しようとすると、溶着強度が弱くなることも想定される。
本実施形態では、ピンチオフ部221を予め加熱して第1溶融樹脂シート51及び第2溶融樹脂シート52のパーティング部P周辺(又は温度の低い一方のパーティング部P周辺)を加熱することができるため、第1溶融樹脂シート51と第2溶融樹脂シート52との溶着強度を維持し、シワの発生を抑制することができる。
また、型締めの後、芯材53と、第2溶融樹脂シート52とが接する部分も、芯材53が溶けて溶着される。このようにして、芯材53が第1溶融樹脂シート51と第2溶融樹脂シート52とにより形成された表皮材の囲繞部内に覆われるようにして、樹脂製パネル50が形成される。
冷却工程では、第1溶融樹脂シート51及び第2溶融樹脂シート52の温度を低下させる。冷却工程の動作としては、ピンチオフ部221の加熱を停止させて型締め状態のまま予め定めた時間待機させてもよいし、第1金型1a及び第2金型1b内に設けた配管に予め定めた時間、水等のクーラント液を流す構成としてもよい。ピンチオフ部221の加熱は、第1金型1aと第2金型1bとの型締め前に停止させてもよいし、型締め後に停止させてもよい。
そして、取出工程では、第1金型1a及び第2金型1bを型開きさせて、第1金型1a及び第2金型1b内から成形された樹脂製パネル50が取り出される。
以上のように、本実施形態の第1金型1a及び第2金型1bは、ピンチオフ部221を部分的に容易に加熱することができる。従って、樹脂製パネル50はパーティング部における溶着強度を維持しながらシワの発生を抑制することができる。また、ピンチオフ部221を誘導加熱により加熱しているため、入力する電流量により昇温速度を容易に制御することもできる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について図6及び図7を参照して説明する。実施形態2では、実施形態1の金型10を構成する第1金型1a及び第2金型1bの代わりに、第1金型1aA及び第2金型1bAを用いる例について説明する。なお、第2金型1bAは、第1金型1aAと同様に構成されるためその詳細な説明を省略する。
第1金型1aA及び第2金型1bAは、金型本体2Aのキャビティ23側に平面視略矩形環状であって断面視凹溝状に形成された収容部21Aを有する。収容部21Aは、図6(b)のC部拡大図に示すように、溝幅方向の対向する内壁が縮幅して形成された第1段部212と、第1段部212よりも収容部21Aの底部側に設けられて第1段部212よりもさらに内壁が縮幅して形成された第2段部213とを有する。第1段部212及び第2段部213は、環状に形成される収容部21Aにおいて全周に亘って設けることができる。
収容部21Aには、矩形環状の駒部材22が収容される。図6(b)に示す駒部材22は、収容部21Aの溝幅と略同幅に形成されて、一部が収容部21A内に配置される。また、駒部材22は、第1段部212と当接して収容部21Aの深さ方向への移動が規制される。従って、駒部材22は、第1段部212に当接して第1金型1a及び第2金型1bの型締力に対抗することができる。駒部材22と金型本体2Aとは、図示しない固定部材により固定されている。
金型本体2Aは、金型本体2と同様に、アルミニウムにより形成されるが、駒部材22よりも導電率及び/又は透磁率の低いその他の金属等の非誘導加熱材により形成することができる。
図7に示すように、第1金型1aAの収容部21A内には、図示しない電源と接続された電路8(配線)が引き込まれる。収容部21Aには図7の平面視において反時計回り方向に電路8が巻回されて、収容部21Aに沿った励磁電路80が形成される。励磁電路80は、図6(b)のC部拡大図に示すように、収容部21Aにおける第2段部213よりも底部21A1側に設けられた電線収容部214に配置される。実施形態2に示す励磁電路80は、3回巻のコイル状に示しているが巻き数は任意に設定できる。
また、収容部21Aにおいて、駒部材22と励磁電路80との間には、断面視長矩形状の断熱部材81が設けられる。断熱部材81は、第2段部213及び駒部材22と当接して、収容部21Aの深さ方向(図6(b)の上下方向)への移動が規制される。断熱部材81は、収容部21Aに沿って環状に形成される。従って、駒部材22は、図6(b)のC部拡大図に示すように、断熱部材81を隔てて励磁電路80の真上に配置される。断熱部材81は、駒部材22の熱が励磁電路80に対して直接伝導されないように遮蔽することができる。
次に、本実施形態における第1金型1aAの加熱方法について説明する。電路8の正極8a及び負極8b間には、高周波の交流電流I1が印加される。すると、図6(b)に示すように、駒部材22に沿って形成された励磁電路80を流れる交流電流I1(図7も参照)周りには高周波の交流磁束B1が発生する。そのため、駒部材22に沿った周方向に、交流磁束B1により誘導された交流電流I2'(誘導電流)が発生して(図6(a)及び図6(b)参照)、駒部材22は発熱部として加熱される。駒部材22が誘導加熱されると、第1金型1aのキャビティ23側のピンチオフ部221も加熱される。
実施形態2においても、第1金型1aA及び第2金型1bAのピンチオフ部221を、部分的に容易に加熱することができる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について図8及び図9を参照して説明する。実施形態3では、実施形態2の金型10を構成する第1金型1aA及び第2金型1bAの代わりに、第1金型1aB及び第2金型1bBを用いる例について説明する。なお、第2金型1bBは、第1金型1aBと同様に構成されるためその詳細な説明を省略する。
第1金型1aB及び第2金型1bBは、実施形態2と同様に、収容部21Aを含む金型本体2Aを有する。図8に示すように、収容部21Aには、駒部材22が収容される。
図9に示すように、第1金型1aBの収容部21Aの電線収容部214内には、図示しない電源と接続された電路9(配線)が引き込まれる。収容部21Aには、平面視において、反時計回り方向に複数の励磁コイル90(91~94)(励磁電路)を形成しながら電路9が配置され。図9の例では、励磁コイル91~94が収容部21の長尺部21a及び短尺部21bに対応して一箇所ずつ設けられる。各励磁コイル91~94は直列に接続される。また、励磁コイル91~94の巻き数は、任意に設定することができる。
次に、本実施形態の第1金型1aBの加熱方法について説明する。電路9の正極9a及び負極9bの間には、高周波の交流電流I1が印加される。すると、図8のVIII-VIII断面の拡大図に示すように、励磁コイル92(90)内には高周波の交流磁束B1(誘導磁束)が誘導される。そのため、交流磁束B1が貫く駒部材22の内部には交流磁束B1により誘導された渦電流I2(誘導電流)が発生して、駒部材22は発熱部として加熱される。
発熱部とピンチオフ部221は一体の駒部材22に形成されており熱伝導容易に熱接続されている。そのため、駒部材22が誘導加熱されると、第1金型1aBのキャビティ23側のピンチオフ部221も容易に加熱される。駒部材22の渦電流I2は、各励磁コイル91~94(90)に対応するように長尺部21a及び短尺部21bにおいてそれぞれ発生する。そのため、誘導加熱によって駒部材22を全体的に加熱することができる。
なお、本実施形態では、同一方向に巻回した励磁コイル91~94により、同一方向の渦電流I2が複数発生しているが、励磁コイル91~94の巻き方向は交互に逆方向となるように配置してもよい。この場合、隣接する長尺部21a及び短尺部21bに対応する駒部材22の各領域には交互に逆回り方向の渦電流I2が発生する。
このように、実施形態3においても、第1金型1aB及び第2金型1bBのピンチオフ部221を、部分的に容易に加熱することができる。
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は各実施形態により限定されることは無く、種々の変更を加えて実施することができる。
例えば、第1金型1a,1aA,1aB側のピンチオフ部221のみを加熱して第1溶融樹脂シート51側の温度低下を防止することで第2溶融樹脂シート52との溶着強度を確保できる場合がある。従って、実施形態1乃至実施形態3では、第2金型1b,1bA,1bBについてもピンチオフ部を加熱して、第2溶融樹脂シート52の温度を上げておく又は温度低下を防止する構成としたが、第2金型1b,1bA,1bB側は加熱しない構成としてもよい。第2金型1b,1bA,1bB側を加熱しない場合は、第2金型1b,1bA,1bB側を簡易に構成したり、消費電力を低減したりすることができる。
また、実施形態1において、第1金型1a及び第2金型1bは、型締めの際に対向する互いの励磁コイル40の中心軸が略一致するようにコア部材3及び励磁コイル40を配置してもよいし、ずれるように配置してもよい。対向する励磁コイル40の中心軸を一致させた場合において、交流磁束B1の向き(正方向の向き)を同一方向となるように配置すると、第1金型1a及び第2金型1bにおける渦電流I2の発生が阻害されることを低減できる。また、第1金型1a及び第2金型1bの励磁コイル40は、交流電流I1の入力により異なるタイミングに励磁してもよいし同時に励磁してもよい。
また、実施形態1及び実施形態3の励磁コイル40,90は、一体的に制御する例について示したが、複数の励磁コイル40,90を領域毎に分けて制御してもよいし、励磁コイル40,90を個別に制御してもよい。
また、実施形態1の図2(b)の断面図において駒部材22と金型本体2とは一部が当接しており、実施形態2の図6(b)及び実施形態3の図8の断面図においても駒部材22と金型本体2Aとは一部が当接する構成について説明したが、駒部材22と金型本体2,2Aとの間の接触部の全部又は一部に断熱部材を設けてもよい。これにより、駒部材22から金型本体2,2A側へ熱伝導を低減し、駒部材22をより選択的に加熱することができる。
また、実施形態1において駒部材22とコア部材3とは別体とした場合について例示したが、駒部材22とコア部材3を一体に形成してもよい。
また、駒部材22のピンチオフ部221は、図2(b)、図6(b)及び図8の断面図等に示した形状に限らず、キャビティ23側の一部に凸部を設ける等その他の任意の形状とすることができる。また、第1金型1a,1aA,1aB及び第2金型1b,1bA,1bBを含む金型10を用いて樹脂製パネル50を成形する例について説明したが、誘導加熱により金型の一部分を加熱する構成は、他の形態の成形用金型の任意の部位にも適用することができる。
1a,1aA,1aB 第1金型 1b,1bA,1bB 第2金型
2,2A 金型本体 2A 金型本体
3 コア部材(発熱部) 4 電路
4a 正極 4b 負極
8 電路 8a 正極
8b 負極 9 電路
9a 正極 9b 負極
10 金型 11 型枠
12 型枠 21,21A 収容部
21A1 底部 21a 長尺部
21b 短尺部 22 駒部材
23 キャビティ 40 励磁コイル(励磁電路)
50 樹脂製パネル 51 第1溶融樹脂シート
52 第2溶融樹脂シート 53 芯材
60 樹脂成形装置 61 樹脂供給装置
61A 第1樹脂供給装置 61B 第2樹脂供給装置
65 ホッパー 66 押出機
68 油圧モータ 70 アキュムレータ
71 Tダイ 72 プランジャ
79 ローラ 80 励磁電路
81 断熱部材 90 励磁コイル(励磁電路)
91~94 励磁コイル 211 底部
212 第1段部 213 第2段部
214 電線収容部 221 ピンチオフ部
222 底面 301~312 コア部材
401~412 励磁コイル
B1 交流磁束(誘導磁束) B2 交流磁束(誘導磁束)
I1 交流電流(励磁電路) I2 渦電流(誘導電流)
I2' 誘導電流 P パーティング部

Claims (4)

  1. 励磁電路と、
    前記励磁電路により発生した誘導電流により誘導加熱される発熱部と、
    前記発熱部と熱接続されるピンチオフ部と、
    前記励磁電路、前記発熱部及び前記ピンチオフ部を収容する金型本体と、
    を備え
    前記金型本体は分割金型であり、
    前記ピンチオフ部は、環状に形成され、且つ、前記金型本体に設けられた収容部に収容される駒部材に形成され、
    前記発熱部は、前記収容部に収容されて前記駒部材を当接支持するコア部材であり、
    前記コア部材の外周には前記励磁電路である励磁コイルが巻回される、
    ことを特徴とする金型。
  2. 前記コア部材及び前記励磁コイルは、偶数設けられ、
    隣接する前記コア部材同士における各前記励磁コイルは、交互に異なる方向に誘導磁束を発生させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の金型。
  3. 励磁電路と、
    前記励磁電路により発生した誘導電流により誘導加熱される発熱部と、
    前記発熱部と熱接続されるピンチオフ部と、
    前記励磁電路、前記発熱部及び前記ピンチオフ部を収容する金型本体と、
    を備え、
    前記金型本体は分割金型であり、
    前記ピンチオフ部は環状に形成され、
    前記ピンチオフ部及び前記発熱部は、前記金型本体に設けられた収容部に収容される駒部材に形成され、
    前記励磁電路は前記駒部材に沿って前記収容部に収容される、
    ことを特徴とする金型。
  4. 前記収容部は、対向する内壁が縮幅して形成された第1段部を有し、
    前記駒部材は、前記第1段部に当接する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の金型。
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