JP7492874B2 - レベル出し体形成方法 - Google Patents
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Description
また、前記補強層の厚さはコンクリート構造物の減肉量等によって変化する前記補強層の設計厚に合わせてゲージ部材を取り替えることができる。
図1は本発明に係るレベル出し体形成方法で使用する垂直基準面出し装置の一例を示す斜視図、図2は図1に示す直棒体の他例を示す斜視図、図3は図1に示す垂直測定器の他例を示す斜視図、図4は図1に示す直棒体にゲージ部材を取り付けた状態を示す斜視図、図5はゲージ部材の他例を示す斜視図、図6は本発明に係るレベル出し体形成方法の実施の一例を示し、実施する工程で、コンクリート構造物の垂直面の劣化層の除去後の補修対象面となる健全面に、第1レベル出し体となる可塑性物質からなる第1塊を配置した状態を示す断面図、図7は本発明に係るレベル出し体形成方法を実施する工程で、図6に示す第1塊に図1に示す直棒体の円弧面を当接させた状態を示す拡大端面図、図8は本発明に係るレベル出し体形成方法を実施する工程で、図7に示す状態から直棒体を第1塊に押し込み、素地面形成用の垂直基準面を有する第1レベル出し体を形成した状態を示す拡大端面図、図9は本発明に係るレベル出し体形成方法を実施する工程で、図8に示す第1レベル出し体を形成した健全面に補修材を塗布し、第1レベル出し体の素地面形成用の垂直基準面に沿って素地面を形成した状態を示す拡大端面図、図10は本発明に係るレベル出し体形成方法を実施する工程で、図9に示す素地面に第2塊を配置し、図4に示すゲージ部材を取り付けた直棒体を第2塊に当接させた状態を示す拡大端面図、図11は本発明に係るレベル出し体形成方法を実施する工程で、図10に示す状態から直棒体をゲージ部材が素地面に当接するまで第2塊に押し込み、補強層形成用の垂直基準面を有する第2レベル出し体を形成した状態を示す拡大端面図、図12は本発明に係るレベル出し体形成方法を実施する工程で、図11に示す素地面に補修材を塗布し、補強層形成用の垂直基準面に沿って補強層を形成した状態を示す拡大端面図である。
本例の垂直基準面出し装置1は、外周に真円弧状の円弧面2を有する直棒体3と、直棒体3の垂直状体を確認する垂直測定器4とを備えている(図1参照)。
直棒体3を形成する素材は特に限定されないが、本例の直棒体3は、後述する垂直測定器の視認を容易にするために、透明なアクリル樹脂で形成している。
また、直棒体3の長さも特に限定されず、補修対象となるコンクリート構造物10の垂直面の高さに応じて選択される。後述するところの、本発明に係るレベル出し体形成方法の実施の形態の一例のように、補修対象面に第1塊及び/又はは第2塊を垂直方向に並べて配置する場合は、複数の第1塊及び/又は第2塊を、それぞれ一度に押し潰すことができる長さを持っていることが望ましい。
垂直測定器4の構成や配置は本例に限られず、直棒体3の垂直を確認することができればよい。例えば、円筒管形状の容器に液体と気泡を封入した円筒管型水準器を2つ用い、円筒管の軸方向が直棒体3の軸方向と直交し、且つ、円筒管の軸方向同士が直交するように円筒管を配置して、2つの水準器のいずれも水平である場合に直棒体3が垂直であることを示すようにした垂直測定器であってもよい。
具体的には、直角に折り曲げた板片状の支持体6を直棒体3にとりつけ、支持体6の一方の片6aに第1の円筒管型水準器7を配置し、支持体6の他方の片6bに第2の円筒型水準器8を配置する(図3参照。)。このように配置された第1の円筒管水準器7と第2の円筒管水準器8のいずれもが水平であることが示されれば、直棒体3の軸方向は垂直に保持されていることが分かる。
ゲージ部材9は後述するレベル出し体形成方法において、第2塊の押し潰しにより形成される第2レベル出し体の垂直基準面の高さを補強層の設計厚Tとするために、第2塊を押し潰したときに直棒体3の円弧面2と素地面との間に補強層の設計厚Tに相当するスペースを確保するものであり、本例のゲージ部材9は設計厚Tに相当する厚みのリング幅Wを有し、直棒体3の外周に嵌脱可能に嵌合するリング形状に形成されている。ゲージ部材9を直棒体3に嵌合させると、リング部は直棒体3の外周面に全周に渡ってリング幅W分突出し(図4参照。)、円弧面2と素地面との間に補強層の設計厚Tに相当するスペースを確実に確保することができる。
補強層の設計厚Tとは、コンクリート構造物の元の厚さから、素地面形成時のコンクリート構造物の厚さを減じた厚さをコンクリート構造物の減肉量とし、この減肉量からコンクリート構造物の強度の低下量を計算し、そして、減肉量とコンクリート構造物の構造や補強層の形成に使用する補修材の特性を基に、低下した強度を回復することができる補強層の厚さを設計し、この設計された補強層の厚さを補強層の設計厚Tとしている。
また、ゲージ部材9は直棒体3に嵌脱可能に形成されているので、後述するレベル出し体形成方法で第1塊の押し潰しにより第1レベル出し体を形成する場合は、ゲージ部材9を取り外し、第2塊の押し潰しにより第2レベル出し体を形成する場合は、ゲージ部材9を取り付けて使用するといったことができる。
なお、ゲージ部材9の形状は本例の形状に限られず、例えば厚さWのリング幅を有する帯体に形成したゲージ部材9を用いて、両面テープ等の接着手段により直棒体3の円弧面2に取り付けるようにしてもよい(図5参照。)。
図6はコンクリート構造物の垂直面の劣化層の除去後、第1塊を配置した状態の一例を示す断面図、図7は図6に示す第1塊に図1に示す直棒体の円弧面を当接させた状態を示す拡大端面図、図8は図1に示す直棒体を第1塊に押し込み、素地面形成用の垂直基準面を有する第1レベル出し体を形成した状態を示す拡大端面図、図9は健全面に補修材を塗布し、図8に示す素地面形成用の垂直基準面に沿って素地面を形成した状態を示す拡大端面図、図10は図9に示す素地面に第2塊を配置し、ゲージ部材を取り付けた直棒体を第2塊に当接させた状態を示す拡大端面図、図11は図10に示す直棒体をゲージ部材が素地面に当接するまで第2塊に押し込み、補強層形成用の垂直基準面を有する第2レベル出し体を形成した状態を示す拡大端面図、図12は図11に示す素地面に補修材を塗布し、補強層形成用の垂直基準面に沿って補強層を形成した状態を示す拡大端面図である。
直棒体3の転動は健全面11に形成されている凹凸の最も突出した箇所に当接した位置で行う。このようにすることにより、平坦且つ垂直な素地面15の位置を示す垂直基準面13を有する第1レベル出し体14を形成することができる。
本例では、第1塊12の貼り付けを、垂直方向に並んだ第1塊12の列を構成し、第1塊12の列が水平方向に間隔を開けて複数配置されるように行っているので、垂直方向に揃った垂直基準面13を有する第1レベル出し体14の列が周方向に複数形成される。
補修材を垂直基準面13に沿って、その周囲を埋めるように塗布することにより、垂直な素地面15を容易に形成することができる。また、健全面11に形成されている凹凸の最も突出した箇所に当接した位置で直棒体3を転動させて垂直基準面13を形成しているので、素地面15に健全面11の凹凸が表れず、平坦な素地15面を確実に形成することができる。また、本例では、垂直方向に揃った垂直基準面13を有する第1レベル出し体14の列が周方向に複数形成されているので、垂直な素地面15をより容易に形成することができる。
直棒体3の転動は、ゲージ部材9が素地面15上を転動するように行うので、素地面15からゲージ部材9のリングのリング幅Wのスペースを空けた位置で行われ、第2レベル出し体18の厚さはゲージ部材9のリング幅Wと同じ寸法となり、即ち、補強層19の設計厚Tと同じ寸法となる。このようにすることにより、設計厚Tの厚さの補強層19の表面の位置を示す垂直基準面17を有する第2レベル出し体18を形成することができる。
本例では、第2塊16の貼り付けを、垂直方向に並んだ第2塊16の列を構成し、第2塊16の列が水平方向に間隔を開けて複数配置されるように行っているので、垂直方向に揃った垂直基準面17を有する第2レベル出し体18の列が周方向に複数形成される。
このようにして、コンクリート構造物10の補修対象面に、素地面15の垂直な面の位置を示す垂直基準面13を有する第1レベル出し体14と、補強層19の垂直な面の位置を示す垂直基準面17を有する第2レベル出し体18を形成することができる。
補強層19の形成に使用する補修材はモルタル又は光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等からなる公知の補修材であればよく特に限定されない。
また、補強層19の厚さはコンクリート構造物の減肉量等によって変化する補強層19の設計厚Tに合わせてゲージ部材9を取り替えることができる。
2 円弧面
3 直棒体
4 垂直測定器
5 丸形水準器
6 支持体
6a 支持体の一方の片
6b 支持体の他方の片
7 第1の円筒管型水準器
8 第2の円筒管型水準器
9 ゲージ部材
10 コンクリート構造物
11 健全面
12 第1塊
13 垂直基準面
14 第1レベル出し体
15 素地面
16 第2塊
17 垂直基準面
18 第2レベル出し体
19 補強層
Claims (4)
- コンクリート構造物の補修対象面に補修材を塗布して垂直な面を有する素地面及び/又は補強層を形成するために垂直基準面を有するレベル出し体を形成する方法であって、
外周に真円弧状の円弧面を有する直棒体と、前記直棒体の垂直状体を確認する垂直測定器とを備えてなる垂直基準面出し装置を用い、
前記コンクリート構造物の補修対象面に配置された可塑性物質からなる塊に前記直棒体の前記円弧面を当接させて前記補修対象面側に押し込むことにより、前記コンクリート構造物の前記補修対象面に前記素地面又は前記補強層の垂直な面の位置を示す前記垂直基準面を有する前記レベル出し体を形成することを特徴とするレベル出し体形成方法。 - 前記垂直基準面出し装置に備えた前記直棒体は、断面真円形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレベル出し体形成方法。
- 前記垂直基準面出し装置に備えた前記直棒体の前記円弧面には、前記コンクリート構造物の補修対象面上に形成される前記補強層の厚さに設定されたゲージ部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレベル出し体形成方法。
- 前記垂直基準面出し装置に備えた前記直棒体の前記円弧面に取り付けられた前記ゲージ部材は、前記直棒体に嵌脱可能に嵌合するリング形状に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のレベル出し体形成方法。
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