JP7492183B2 - 多層膜の非接触測定法 - Google Patents

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Description

本発明は、多層膜の非接触測定法に関し、より詳細には、光デバイスの製造工程において、各工程において形成される膜の膜厚、屈折率を非接触で測定する測定法に関する。
半導体レーザ、フォトダイオード、光波長合分波器、光スイッチなどの光デバイスは、光集積回路を備えて構成される。光ファイバ通信においては、伝送媒体である光ファイバはもとより、光信号処理を行うためのこれら光デバイスにおける光集積回路が重要な役割を果たす(例えば、非特許文献1参照)。半導体レーザは、光の発振器として信号を重畳するための光波を生成し、フォトダイオードは、光信号の強度を電気信号に変換する素子として動作する。また、アレイ導波路格子に代表される光波長合分波器は、異なる光の波長を合波・分波する素子として波長分割多重通信に用いられる(例えば、非特許文献2参照)。光スイッチは、光の経路をルーティングする素子としてROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexing)システムにおいて重要な機能を有している。これらの光集積回路は、一般に基板上に形成された光導波路により構成される。光導波路は、光信号が伝搬するコアとそれを取り囲むクラッドからなる。半導体レーザやフォトダイオードは、InPなどの半導体材料により構成され、アレイ導波路格子や光スイッチは、主に石英ガラスからなる光導波路材料で構成される。
図1に、従来の光導波路の製造方法を示す。石英系ガラスからなる石英系平面光波回路を例に説明する。最初に、下部クラッド堆積工程1において、シリコン基板(ウエハ)11上に下部クラッド12となるガラス膜を堆積する。下部クラッド12は、火炎堆積法(FHD:Flame Hydrolysis Deposition)により堆積されたPやBを添加したSiOからなる。FHD法で堆積されたスート状のガラス粒子を1000℃以上の高温で加熱し透明な下部クラッド12を得る。次に、コア堆積工程2において、同じくFHD法を用いて、下部クラッド12よりも高い屈折率を有するコア13となる薄膜ガラスを堆積する。コア13の堆積にあたっては、GeOをSiOに添加することにより、所望の屈折率値を得ることができる。下部クラッド堆積工程1と同様に1000℃以上の高温で加熱し、透明なコア13を形成する。
フォトレジスト成膜工程3において、スピンコートにより基板上にフォトレジスト膜14を成膜する。次に、回路パターン露光工程4において、フォトマスク15を介してUV光16をフォトレジスト膜に照射することにより、マスクパターンに応じた回路パターンを露光する。そして、フォトレジスト現像工程5において、フォトレジスト膜の回路パターンを現像し、フォトレジストパターン17を得る。
次に、エッチング工程6において、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)により、フォトレジストパターン17をコアに転写し、コアパターン18を得る。そして、レジスト除去工程7において、コア上に残ったフォトレジストをアッシングにより除去する。最後に、上部クラッド堆積工程8において、下部クラッド堆積工程1における下部クラッド堆積と同様の方法によって、上部クラッド19を堆積する。
以上の製造工程で得られる光導波路に対して、光学特性など種々の特性の検査が行われる。従来、この検査結果を製造工程に反映するためには、一連の工程が全て終了した後、それぞれの工程において、検査結果を反映した製造条件を設定していた。この方法は、それぞれの工程における製造誤差が蓄積していくので、後工程になるほど、検査結果の精度が低いという問題があった。一方、一工程が終了した時点で得られた検査結果から、当該工程の製造条件を再設定したり、後工程の製造条件を調整することにより、製造誤差の蓄積を抑えることができる。
そこで、ある工程で得られる加工結果の情報、例えば、フォトリソグラフィ現像工程で得られるレジストパターン幅の情報を、現像工程の工程直後に知ることができれば、後工程であるエッチング工程においてパターン幅の情報を反映した工程を実施できる。また、コア堆積工程で得られるコアの膜厚、屈折率を、堆積工程の工程直後に知ることができれば、後のフォトリソグラフィ工程やエッチング工程で形成される光導波路の光学特性を予測することもできる。このように、前の工程で得られる光導波路構成要素の特性値を、前の工程中または工程直後に取得することにより、後工程の加工条件に反映したり、後工程で得られる光学特性の予測に用いることができることは、製造工程のスループットの点でも好都合である。
しかしながら、製造工程を中断することなく、上述したように、前工程で得られた情報を、後工程の加工条件に反映等するためには、前工程での検査は、非接触で行われ、製造工程に影響を与えない検査が必要である。
T. Miya, "Silica-based planar lightwave circuits: passive and thermally active devices," in IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics, vol. 6, no. 1, pp. 38-45, Jan.-Feb. 2000, doi: 10.1109/2944.826871. Inoue, Y.; Kaneko, A.; Hanawa, F.; Takahashi, H.; Hattori, K.; Sumida, S.: 'Athermal silica-based arrayed-waveguide grating multiplexer', Electronics Letters, 1997, 33, (23), p. 1945-1947, DOI: 10.1049/el:19971317
本発明の目的は、多層膜を形成する製造工程において、各々の工程における膜厚、屈折率を非接触により測定することができる測定法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、一実施態様は、基板上に形成された多層膜の各膜の物性値を測定する多層膜の非接触測定法において、前工程で得られた第1の膜の第1の測定結果を取得するステップであって、前記第1の測定結果は、前記第1の膜の表面に照射したレーザ光の当該表面からの反射光の光強度である、ステップと、現在の工程で形成された第2の膜の第2の測定結果を取得するであって、前記第2の測定結果は、前記第2の膜の表面に照射したレーザ光の当該表面からの反射光の光強度である、ステップと、前記第2の測定結果と前記第1の測定結果の差分であって、前記反射光の光強度から求めた、波長に対する反射率で表された反射スペクトルの差分を算出するステップと、前記差分から前記第2の膜の膜厚および屈折率を算出するステップとを備えたことを特徴とする。
図1は、従来の光導波路の製造方法を示す図、 図2は、本発明の一実施形態にかかる光導波路の製造方法を示す図、 図3は、本実施形態のフィードフォワードシステムを一般化して示すブロック図、 図4は、本発明の一実施形態にかかる測定装置の概略の構成を示す図、 図5は、本実施形態の測定装置による下部クラッドの反射スペクトルを示す図、 図6は、下部クラッドの膜厚および屈折率の算出方法を説明するための図、 図7は、本発明の一実施形態にかかる多層膜の測定方法を示す図、 図8は、本実施形態の測定装置によるコアの反射スペクトルを示す図、 図9は、コアの膜厚および屈折率の算出方法を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態の製造方法は、製造工程における一工程で形成される、その時点での光デバイスの構成要素または特性について計測を行い、その計測したデータを基づいて、後工程の製造条件を調整ないし補正を行う(以下、この方式を「フィードフォワードシステム」とも言う)。フィードフォワードシステムにより、光デバイスの光学特性のばらつきを抑制するなど、最終的に得られる光デバイスについて所望の光学特性を得ることを可能にする。
図2に、本発明の一実施形態にかかる光導波路の製造方法を示す。フィードフォワードシステムは、一工程で形成される光デバイスの構成要素について「計測」を行い、この計測結果に基づいて光学特性推定処理21によって「光学特性推定」を行う。そして、推定結果に基づきプロセスコントロール処理22によって後工程のプロセスの「制御」を行う。
例えば、下部クラッド堆積工程1で形成される下部クラッド膜の屈折率と厚み、コア堆積工程2において堆積するコア層の屈折率と厚みを「計測」する。 この測定結果に基づいて、標準の(ノミナルの)設計値で作製されたデバイスの最終的な光学特性を推定する。そして、推定された光学特性に基づいて、後工程であるエッチング工程6において、エッチングの強度ないし時間を「制御」する。
具体的には、「計測」したコア層の膜厚および屈折率、下部クラッドの屈折率に基づいて、光デバイスとして要求される性能を満たすためのパターンの理想的なコア幅を推定(予測)する。そして、エッチング工程6では、この予測値に基づいてエッチングを行う。例えば、標準の(ノミナルの)設計値では「コア加工後の導波路幅が太く」、所望の性能を満たすことができないという予測情報の場合、エッチング工程で、形成されるコア幅を細くする補正を行う。この時の調整方法は、エッチング時間を短く/長くする、またはエッチング強度を弱く/強くすることにより、コア幅を太く/細くする方法などが考えられる。さらに、エッチング工程6で形成される導波路のパターンにおけるコアの幅や段差を「計測」し、この計測結果に基づき、上部クラッド堆積工程8で形成する上部クラッド膜の屈折率などを「制御」し、最終的に得られる光導波路の光学特性を調整することもできる。
以上のとおり、本実施形態のフィードフォワードシステムは、光デバイスを製造する複数の工程のうち、前工程の工程中において、形成された光デバイスの構成要素の形状、特性等を測定し、この測定結果に基づいて、最終的に完成したデバイスの性能が所期の条件を満たすように、後工程における製造条件を調整ないし補正を行う。
図3に、本実施形態のフィードフォワードシステムを一般化して示す。フィードフォワードシステムは、M個の工程からなる光デバイスの製造手順を含み、製造対象物である光デバイスを、工程1、工程2・・・、工程i、・・・工程j、・・・工程Mの順序で実施する。ここで、i<jのとき、工程jは工程iより時間的に後の工程である。フィードフォワードシステムは、計測データ処理部31および制御データ処理部32を含む。計測データ処理部31は、図2を参照して上述した光学特性推定処理21を実行し、制御データ処理部32は、プロセスコントロール処理22を実行する。計測データ処理部31および制御データ処理部32は、CPU、RAM、ROMなどを有して構成されるコンピュータの形態とすることができる。
図3において、実線は製造対象物の工程に従った流れを示している。また、破線はそれぞれの工程の「計測」によって得られる計測データを、また、一点鎖線はそれぞれの工程に対する「制御」のための制御データを、それぞれ示している。このように、本実施形態のフィードフォワードシステムは、工程iで、その製造に係る製造装置もしくはその計測装置から計測データを取得し、計測データ処理部31へと転送する。計測データ処理部31は、計測データに基づいて、工程iで形成される光デバイスの構成要素の形状ないし特性を予測する。または、計測データに基づき、工程iにおいて最終的に得られる、光デバイスの光学特性を予測してもよい。
計測データ処理部31で導出された予測値は、制御データ処理部32に渡される。制御データ処理部32は、予測値に基づいて、後工程である工程jにおける製造条件を求める。制御データ処理部32は、工程jが実行される際に、求めた製造条件に応じて、製造装置に設定する工程j用の制御データを供給する。後工程jを実行する際に供給される前工程に基づく制御データは、前工程iに基づく制御データのみであってもよく、あるいは、前工程のいくつかに基づく複数種類の制御データであってもよい。その形態は、実際に構成される製造装置および製造対象物などの条件に応じて定められることはもちろんである。
本実施形態のフィードフォワードシステムにおいて、各々の工程における膜厚、屈折率を非接触により測定する方法について、以下に説明する。
[測定装置]
図4に、本発明の一実施形態にかかる測定装置の概略の構成を示す。測定装置は、製造対象物である光デバイスにレーザ光を照射し、対象物からの反射光を解析して、非接触により、光デバイスに形成されている膜の物性値、例えば膜厚、屈折率を測定する。測定原理として、従来の分光反射式膜厚計、分光エリプソメーターなどの測定方式を適用することができる。
測定装置は、光学測定系101とテスタ102とにより構成されている。測定対象となる光デバイスが形成されたシリコンウエハ114は、ウエハチャック113に固定され、基台111上の駆動機構112によって、3軸方向に移動させられる。テスタ102に接続されたテストヘッド121は、送光光学系122、受光光学系123および制御回路124を備えている。テスタ1は、シリコンウエハ114に形成されている光デバイスを構成する膜の所望の位置に、送光光学系122からのレーザ光を照射するように、駆動機構112を制御し、テストヘッド121の制御回路124に指令を送出する。対象物からの反射光を受光光学系123により受光し、制御回路124は、受光光学系123からの信号を処理して、測定結果をテスタ1に送り返す。
テスタ1は、後述するように、受光光学系123からの信号を解析して、シリコンウエハ114に形成されている各膜の物性値を算出する。
[膜厚、屈折率の非接触測定法]
例えば、図1,2の下部クラッド堆積工程1で形成される下部クラッド12を、分光反射式で測定する場合を説明する。テスタ1は、テストヘッド121の送光光学系122から、下部クラッド12の表面に対して、所定の入射角で波長掃引範囲450-900nmのレーザ光を照射する。受光光学系123で受光した光の光強度から、テスタ1は、波長に対する反射率で表された反射スペクトルを算出する。
図5に、本実施形態の測定装置による下部クラッドの反射スペクトルを示す。送光光学系122から出射されたレーザ光は、下部クラッド12の表面と、基板11と下部クラッド12の界面とにおいて反射し、受光光学系123には、両者が干渉した反射光が入射される。この光の干渉が反射スペクトルに反映され、膜が均一に形成されていれば、干渉により波打ったスペクトルが観測される。膜厚が薄い場合は、波の幅は大きくなり(波の数は少なくなり)、膜厚が厚い場合は、波の幅は小さくなる(波の数は多くなる)。テスタ1は、この反射スペクトルの波の振幅、周期から下部クラッド12の膜厚と屈折率とを算出することができる。
図6を参照して、下部クラッドの膜厚および屈折率の算出方法を説明する。送光光学系122からの入射光の強度E、下部クラッド12の表面から反射された反射光の強度E、基板11と下部クラッド12の界面とにおいて反射された反射光の強度Eとする。さらに、下部クラッド12および基板11と下部クラッド12の界面の間を往復して、下部クラッド12の表面から出射される反射光をE,E4,...、受光光学系123に入射される反射光全体の光強度Eとすると、
Figure 0007492183000001
(1)
となる。ここで、rijは屈折率nのi番目の層(0は空気中)からの入射光が屈折率nのj番目の層との界面で反射したときの反射率であり、rij=-rjiである。また、tijはi層とj層の界面をi層からj層に透過したときの透過率であり、tjiはその逆であり、i番目の層の膜厚d、屈折率n、波長λとしたとき、i番目の層を往復したときの位相係数Δは、
Figure 0007492183000002
である。このとき、TE(P)波に対する反射率と透過率とは、
Figure 0007492183000003
であり、TM(S)波に対する反射率と透過率とは、
Figure 0007492183000004
である。上式をマクローリン展開から整理して、1番目の層である下部クラッド12からの反射光全体の反射率rは、
Figure 0007492183000005
となる。次に、反射率rの波長依存性、すなわち反射スペクトルの振幅、周期から、下部クラッド12の膜厚dと屈折率nとを算出する。
[多段階測定法]
次に、図1,2のコア堆積工程2で形成されるコア13を、分光反射式で測定する場合を説明する。上述した送光光学系122から出射されたレーザ光は、コア13の表面、コア13と下部クラッド12の界面、および基板11と下部クラッド12の界面において反射する。分光反射式で測定する場合、基板11と下部クラッド12の界面からの反射光はノイズとなるので、膜厚と屈折率の算出に際しては除去する必要がある。一方、石英系平面光波回路では、コア13と下部クラッド12との屈折率差は1%程度と小さいため、コア13と下部クラッド12の界面における反射率よりも、基板11と下部クラッド12の界面における反射率の方が高い。加えて、コア13の膜厚は数μm程度と薄いため、基板11と下部クラッド12の界面からの反射光の成分が大きく、膜厚と屈折率の算出が困難である。
そこで、本実施形態では、多層膜を形成する製造工程において、前工程で測定した結果を、現在の工程の測定結果に反映させる多段階測定法を適用する。
図7に、本発明の一実施形態にかかる多層膜の測定方法を示す。コア堆積工程2で形成されるコア13を、分光反射式で測定する場合を説明する。前工程の下部クラッド堆積工程1で形成される下部クラッド12の測定結果を取得する。反射スペクトルは図5に示した通りであり、ここから得られた下部クラッド12の物性値(n,d)、ここでは屈折率と膜厚を取得する(S141)。次に、コア堆積工程2で形成されるコア13の測定結果を取得する(S142)。
図8に、本実施形態の測定装置によるコアの反射スペクトルを示す。上述したように、コア13の測定結果は、コア13と下部クラッド12との屈折率差が小さいため、図8に示すように、反射スペクトルの包絡線にゆらぎが生じる。
図9を参照して、コアの膜厚および屈折率の算出方法を説明する。送光光学系122からの入射光に対して、受光光学系123に入射される反射光全体の光強度Etotalは、
total=E+E’
である。(1)式により算出した、コア13の表面から出射される反射光全体の強度Eに加えて、下部クラッド12から反射された反射光全体の強度E’が加わる。ここで求めた反射率の反射依存性、すなわち反射スペクトル(図8)から、前工程の測定結果である反射スペクトル(図5)の差分を算出する(S143)。この差分、すなわちゆらぎの振幅、周期からコア13の膜厚と屈折率とを算出する(S144)。
さらに、上部クラッド19を形成するなど、3つ以上の層を形成する場合には、前工程の測定結果である膜厚と屈折率とを定数として反射率を求め、反射率の波長依存性を解析し、現在の工程の膜厚と屈折率の解を求める。例えば、基板上に4つの層を積層し、最後の工程で形成した層の膜厚と屈折率を算出する場合を考える。最初の工程で形成した層からの反射光全体の反射率rを定数として、2番目の工程で形成した層の反射率r3+4を求め、さらに、3番目の工程で形成した層の反射率r2+3+4を求める。最後の工程で形成した層の反射率r1+2+3+4から、反射率の波長依存性を解析し、最後の工程で形成した4番目の層の膜厚と屈折率の解を求める。
Figure 0007492183000006
本実施形態によれば、多層膜を形成する製造工程において、各々の工程における膜厚、屈折率を非接触により測定し、その差分を解析することにより、各工程で形成された膜の物性値を取得することができる。
[温度情報の活用]
屈折率の測定は、測定時の温度によって左右される。例えば、基板材料であるSiOは、線膨張係数が約0.5×10-6(室温~1000℃)、屈折率変化率約10-5/Kである。一般的に、光信号処理を行う光デバイスでは、屈折率を10-5程度の精度で制御する必要があるために、温度情報を活用した測定値の補正は有益である。
本実施形態の測定装置においては、ウエハチャック113の上面に、複数のサーミスタを配置して、シリコンウエハ114の任意の位置の温度を測定する。下部クラッド12、コア13の屈折率を算出する際に、測定された温度から、上記の温度に対する屈折率変化率を加味して算出する。また、膜厚を算出する際に、測定された温度から、上記の線膨張係数を加味して算出する。
ウエハにおける温度の測定点は、所定の間隔で設けてもよいし、ウエハに形成される光回路1チップごとに、所定の測定点を設けてもよい。さらに、1チップの中に形成される機能部品、屈折率変換に影響を受け易い機能部品ごとに測定点を設けることが好適である。この場合、上述した反射率の測定における測定点も、温度測定の測定点と同じとする。
例えば、代表的な光回路であるアレイ導波路格子(AWG)について説明する。AWGは、入力導波路に接続された入力スラブ導波路と出力導波路に接続された出力スラブ導波路との間を、それぞれの物理的な導波路長の差がΔLの複数のアレイ導波路で接続している。AWGの光学特性のうち、中心波長λは、
Figure 0007492183000007
により決定される。ここで、nはアレイ導波路の実効屈折率、mは回折次数である。アレイ導波路の実効屈折率は、クラッドとコアの膜厚によって決定され、その均一性が干渉特性に影響を与える。このため、製造誤差が中心波長の精度に与える影響が大きい。従って、複数のアレイ導波路を精度よく均一に作製するために、例えば、入力スラブ導波路、アレイ導波路の中間地点、出力スラブ導波路の付近において、温度の測定点を設け、温度分布を導出しておく。このように屈折率の測定精度を担保することにより、後工程の製造条件を調整ないし補正を行う精度も向上させることが可能となる。
[機械学習による特性予想]
上述した温度の測定結果は、機械学習による物性値の予想に必要なデータとして格納しておくことが考えられる。取得した温度情報からウエハチャック113上に固定されたシリコンウエハ114の温度分布を算出することにより、サーミスタが配置されていない光回路の任意の位置の温度も取得することができ、より正確な屈折率、膜厚の補正を行うことができる。
温度分布を算出する上で、フィッティングに必要な関係式が不明であっても、実測データを教師データとして、中心波長に対する導波路幅、高さなど、相関のある特徴量と合わせて学習させることにより、温度分布を算出することができる。

Claims (3)

  1. 基板上に形成された多層膜の各膜の物性値を測定する多層膜の非接触測定法において、
    前工程で得られた第1の膜の第1の測定結果を取得するステップであって、前記第1の測定結果は、前記第1の膜の表面に照射したレーザ光の当該表面からの反射光の光強度である、ステップと、
    現在の工程で形成された第2の膜の第2の測定結果を取得するであって、前記第2の測定結果は、前記第2の膜の表面に照射したレーザ光の当該表面からの反射光の光強度である、ステップと、
    前記第2の測定結果と前記第1の測定結果の差分であって、前記反射光の光強度から求めた、波長に対する反射率で表された反射スペクトルの差分を算出するステップと、
    前記差分から前記第2の膜の膜厚および屈折率を算出するステップと
    を備えたことを特徴とする多層膜の非接触測定法。
  2. 前記基板の任意の位置の温度を測定するステップをさらに備え、
    前記膜厚および前記屈折率を算出するステップは、温度による補正をさらに行うことを特徴とする請求項1に記載の多層膜の非接触測定法。
  3. 前記基板の複数の位置において測定された温度から、機械学習により温度分布を算出するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の多層膜の非接触測定法。
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