JP7490256B2 - 湿気硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、湿気硬化性組成物に関する。
空気中の水分と反応し硬化が進行する1液型の湿気硬化性組成物は、接着剤や目地材として幅広く使用されている。とりわけ、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体を含む変性シリコーン系の湿気硬化性組成物は、硬化時に毒物を発生しない安全性や、硬化後の弾性及び強靱性を備えていることから、その用途が広がっている。
しかしながら、1液型の湿気硬化性組成物は、被着体が水分を含まない材質である場合や被着体が水分を透過しない非孔質の場合などでは硬化の進行が遅くなり、深部の硬化が不十分になるという問題があった。
そこで、特許文献1には、変成シリコーン系ポリマー、硬化触媒並びにゼオライトが少なくとも配合されている湿気硬化型樹脂組成物が開示されている。又、特許文献2には、酸化亜鉛を含有させることが提案されている。
特開2005-281404号公報 特表2010-522801号公報
しかしながら、特許文献1の湿気硬化型樹脂組成物では、ゼオライトから水分が放出されるため、湿気硬化型樹脂組成物の貯蔵安定性が低下するという別の問題点を生じる。
又、特許文献2にて提案されるように酸化亜鉛を添加すると、触媒作用が過剰となり、湿気硬化性組成物の貯蔵安定性が低下するという問題点を生じる。
本発明は、優れた深部硬化性を付与しつつ、優れた貯蔵安定性を有する湿気硬化性組成物を提供する。
本発明の湿気硬化性組成物は、
加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)と、
表面処理された炭酸カルシウム(B)と、
周期表の第11族に属する金属原子からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属原子を含む金属含有無機化合物(C)と、
シラノール縮合触媒(D)と、を含有することを特徴とする。
[加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体]
湿気硬化性組成物は、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(以下、単に「ポリオキシアルキレン系重合体」ということがある)(A)を含有している。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖は、一般式(1)で表される繰り返し単位を含有する重合体が好ましい。
-(R1-O)n- (1)
(式中、R1は炭素数が1~14のアルキレン基を表し、nは、繰り返し単位の数であって正の整数である。)
アルキレン基とは、脂肪族飽和炭化水素中の異なる2個の炭素原子に結合する2個の水素原子を除いて生じる2価の原子団であり、直鎖状及び分岐状の双方の原子団を含む。なお、分岐状とは、1個の炭素(メチル基)が側鎖として結合している場合が含まれる。
アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基[-CH2-CH2-CH2-(トリメチレン基)、-CH(CH3)-CH2-]、ブチレン基、アミレン基、ヘキシレン基などが挙げられる。
ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖は、一種のみの繰り返し単位からなっていてもよいし、二種以上の繰り返し単位からなっていてもよい。
ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合体、及びポリオキシプロピレン-ポリオキシブチレン共重合体などが挙げられ、ポリオキシプロピレンが好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格中における一般式(1)で表される繰り返し単位の含有量は、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以上がより好ましく、100質量%以上がより好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体(A)は、分子中に加水分解性シリル基を有している。加水分解性シリル基としては、例えば、ケイ素原子と結合した加水分解性基を有するケイ素含有基又はシラノール基のように、湿気又は架橋剤の存在下、必要に応じて触媒などを使用することによって縮合反応を生じる基をいう。なお、シラノール基とは、ケイ素原子に直接結合しているヒドロキシ基(≡Si-OH)を意味する。
加水分解性シリル基の加水分解性基としては、特に限定されず、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。
加水分解性シリル基としては、例えば、メトキシシリル基、エトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基、ジメチルエトキシシリル基などのモノアルコキシシリル基、ジメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基などのジアルコキシシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などのトリアルコキシシリル基、トリクロロシリル基などのハロゲンが結合したハロゲン化シリル基が挙げられ、アルコキシシリル基が好ましく、ジアルコキシシリル基が好ましく、ジメトキシシリル基が好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体(A)は、例えば、末端に水酸基などの官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基及び不飽和基を有する有機化合物を反応させ、次いで、得られた反応生成物に加水分解性基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化することによって製造することができる。
ポリオキシアルキレン系重合体(A)の数平均分子量は、8000以上が好ましく、9000以上がより好ましく、10000以上がより好ましく、11000以上がより好ましい。ポリオキシアルキレン系重合体(A)の数平均分子量が8000以上であると、湿気硬化性組成物の硬化物の弾性が向上する。ポリオキシアルキレン系重合体(A)の数平均分子量は、50000以下であり、40000以下が好ましく、38000以下がより好ましい。ポリオキシアルキレン系重合体(A)の数平均分子量が50000以下であると、湿気硬化性組成物の施工性が向上する。
ポリオキシアルキレン系重合体(A)の分子量分布は、1.6以下が好ましく、1.5以下が好ましく、1.45以下がより好ましい。ポリオキシアルキレン系重合体(A)の分子量分布が1.6以下であると、ポリオキシアルキレン系重合体(A)の粘度が下がるため、湿気硬化性組成物の施工性が向上する。ポリオキシアルキレン系重合体(A)の分子量分布は、1.05以上が好ましく、1.1以上がより好ましい。
なお、本発明において、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体の数平均分子量及び重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって測定された値である。具体的には、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体6~7mgを採取し、採取したポリオキシアルキレン系重合体を試験管に供給した上で、試験管にテトラヒドロフラン(THF)加えてポリオキシアルキレン系重合体の濃度が1mg/mLとなるように希釈した希釈液を測定試料とする。この測定試料を用いてGPC法によってポリオキシアルキレン系重合体の数平均分子量及び重量平均分子量を測定することができる。
加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体における数平均分子量及び重量平均分子量は、例えば、下記測定装置及び測定条件にて測定することができる。
測定装置
Waters社製 Waters 2690
測定条件
カラム:shodex LF-804 (8.0×300mm)×2本
カラム温度:40℃
移動相:THF
流量:1mg/mL
注入量:50μL
検出器:UV260nm
[炭酸カルシウム]
湿気硬化性組成物は、表面処理された炭酸カルシウム(B)を含有している。炭酸カルシウムとしては、例えば、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、コロライド炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなどが挙げられる。
重質炭酸カルシウムは、例えば、天然のチョーク(白亜)、大理石、石灰石などの天然の炭酸カルシウムを微粉状に粉砕することにより得ることができる。
沈降性炭酸カルシウムは、例えば、石灰石を原料として用い、化学的反応を経て製造することができる。
炭酸カルシウム(B)は、その表面に表面処理が施されている。炭酸カルシウムの表面処理は、特に限定されないが、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩、又はロジン酸によって処理されていることが好ましく、脂肪酸、又はロジン酸によって処理されていることがより好ましい。表面処理された炭酸カルシウム(B)を含有していることによって、硬化性組成物に優れた深部硬化性を付与することができ、更に、湿気硬化性組成物の保存中に、湿気硬化性組成物を構成している成分同士の分離を抑制して均一に混合した状態を良好に維持することができる。
脂肪酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アライン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、オブッシル酸、カルロレイン酸、ウンデシレン酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、モリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アスクレビン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、ゴンドイン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、セラコレイン酸、キシメン酸、ルメクエン酸、ソルビン酸、リノール酸などが挙げられ、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸が好ましい。
脂肪酸エステルとしては、例えば、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ラウリル、パルミチン酸ステアリル、パルミチン酸ラウリルなどが挙げられる。
脂肪酸金属塩としては、例えば、上記脂肪酸のナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられ、ラウリン酸のナトリウム塩、ミリスチン酸のナトリウム塩、パルミチン酸のナトリウム塩、ステアリン酸のナトリウム塩又はオレイン酸のナトリウム塩が好ましい。
ロジン酸は、ロジンに含まれる樹脂酸である。樹脂酸としては、例えば、アビエチン酸、パラストリン酸、イソピマール酸、ネオアビエチン酸、ピマール酸、及びデヒドロアビエチン酸が挙げられる。ロジン酸は、1種の樹脂酸のみを含んでいてもよいが、好ましくは、2種以上の樹脂酸の混合物である。
表面処理された炭酸カルシウム(B)の一次粒子の平均粒子径は、0.001μm以上が好ましく、0.008μm以上がより好ましく、0.01μm以上がより好ましく、0.02μm以上がより好ましく、0.03μm以上がより好ましい。表面処理された炭酸カルシウム(B)の一次粒子の平均粒子径は、0.2μm以下が好ましく、0.008μm以下がより好ましく、0.01μm以下がより好ましく、0.02μmがより好ましく、0.03μm以下がより好ましい。表面処理された炭酸カルシウム(B)の一次粒子の平均粒子径が0.001μm以上であると、表面処理された炭酸カルシウム(B)を湿気硬化性組成物中に凝集させることなく均一に分散させることができ、湿気硬化性組成物の深部硬化性を向上させることができる。表面処理された炭酸カルシウム(B)の一次粒子の平均粒子径が0.2μm以下であると、表面処理された炭酸カルシウム(B)の表面積を増加させることによって、湿気硬化性組成物の深部硬化性を向上させることができる。
なお、炭酸カルシウムの一次粒子の平均粒子径は、炭酸カルシウム1g当たりの比表面積値を用いて下記式に基づいて算出された値をいう。なお、炭酸カルシウム1g当たりの比表面積値は、島津製作所から商品名「SS-100型」にて市販されている粉体比表面積測定装置を用いることができる。
炭酸カルシウムの平均粒子径(μm)=6×10000/(比重×比表面積)
湿気硬化性組成物において、表面処理された炭酸カルシウム(B)の含有量は、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して10質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましく、30質量部以上がより好ましく、35質量部以上がより好ましい。湿気硬化性組成物において、表面処理された炭酸カルシウム(B)の含有量は、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して300質量部以下が好ましく、250質量部以下がより好ましく、200質量部以下がより好ましく、150質量部以下がより好ましい。表面処理された炭酸カルシウム(B)の含有量が10質量部以上であると、湿気硬化性組成物の貯蔵安定性と、湿気硬化性組成物の硬化物の強靱性が向上する。表面処理された炭酸カルシウム(B)の含有量が300質量部以下であると、湿気硬化性組成物の塗工性が向上する。
炭酸カルシウムは、表面処理された炭酸カルシウム(B)以外に、表面処理されていない炭酸カルシウムを含んでいてもよい。なお、表面処理されていない炭酸カルシウムは、表面処理を施す前の炭酸カルシウムを用いることができる。
表面処理されていない炭酸カルシウムの一次粒子の平均粒子径は、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、2μm以上がより好ましく、3μm以上がより好ましく、4μm以上がより好ましい。表面処理されていない炭酸カルシウムの一次粒子の平均粒子径は、10μm以下が好ましく、9μm以下がより好ましく、8μm以下がより好ましく、7μm以下がより好ましく、6μm以下がより好ましい。表面処理されていない炭酸カルシウムの一次粒子の平均粒子径が0.5μm以上であると、湿気硬化性組成物の硬化物の硬度が向上して強靱性が向上する。表面処理されていない炭酸カルシウムの一次粒子の平均粒子径が10μm以下であると、湿気硬化性組成物中において炭酸カルシウムの沈澱が生じにくくなり均一に分散されるので好ましい。
炭酸カルシウムは、湿気硬化性組成物の貯蔵安定性が向上するので、表面処理された炭酸カルシウム(B)と、表面処理されていない炭酸カルシウムとを含有していることが好ましい。
表面処理された炭酸カルシウム(B)と、表面処理されていない炭酸カルシウムとの含有比率[表面処理された炭酸カルシウム(B)の含有質量/表面処理されていない炭酸カルシウムの含有質量]は、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましく、0.3以上がより好ましい。表面処理された炭酸カルシウム(B)と、表面処理されていない炭酸カルシウムとの含有比率[表面処理された炭酸カルシウム(B)の含有質量/表面処理されていない炭酸カルシウムの含有質量]は、3以下が好ましく、2以下がより好ましく、1.5以下がより好ましく、1以下がより好ましく、0.8以下がより好ましく、0.7以下がより好ましく、0.65以下がより好ましい。表面処理された炭酸カルシウム(B)と、表面処理されていない炭酸カルシウムとの含有比率[表面処理された炭酸カルシウム(B)の含有質量/表面処理されていない炭酸カルシウムの含有質量]が0.1以上であると、湿気硬化性組成物の塗工性が向上する。表面処理された炭酸カルシウム(B)と、表面処理されていない炭酸カルシウムとの含有比率[表面処理された炭酸カルシウム(B)の含有質量/表面処理されていない炭酸カルシウムの含有質量]が2以下であると、湿気硬化性組成物の塗工性が向上する。
[金属含有無機化合物(C)]
湿気硬化性組成物は、周期表の第11族に属する金属原子からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属原子を含む金属含有無機化合物(以下、単に「金属含有無機化合物」ということがある)(C)を含有している。金属含有無機化合物(C)を含有していることによって、湿気硬化性組成物に優れた深部硬化性及び貯蔵安定性を付与することができる。湿気硬化性組成物は、表面処理された炭酸カルシウム(B)及び金属含有無機化合物(C)を含有していることにより、湿気硬化性組成物は、より優れた深部硬化性及び貯蔵安定性を有する。
金属含有無機化合物(C)は、周期表の第11族に属する金属原子からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属原子を含む。金属含有無機化合物(C)が、所定の金属原子を含むことによって、これらの原子による硬化反応の促進作用により、水分の供給が不十分になる湿気硬化性組成物の深部における硬化反応を円滑に進行させて深部硬化性を向上させることができる。このように、湿気硬化性組成物の深部における硬化反応を促進させることができるので、別途、水分の供給を行なうための添加材などを添加する必要もないため、硬化性組成物に保存時の優れた貯蔵安定性を付与することができる。
金属含有無機化合物(C)に含まれる金属原子としては、周期表の第11族に属する金属原子が挙げられる。周期表の第11族に属する金属原子として、具体的には、金原子、銀原子、銅原子、及びレントゲニウム原子が挙げられる。なかでも、金原子、銀原子、及び銅原子が好ましく、銀原子、及び銅原子がより好ましく、銀原子が特に好ましい。金属含有無機化合物(C)は、好ましくは、金原子、銀原子及び銅原子からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属原子を含む。金属含有無機化合物(C)は、1種のみの金属原子を含んでいてもよく、2種以上の金属原子を含んでいてもよい。
周期表の第11族に属する金属原子からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属原子を含有させる無機化合物としては、所定の金属原子を含有させることができれば、特に限定されない。このような無機化合物としては、例えば、活性炭、活性アルミナ、シリカゲルなどの無機系吸着剤、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、チタン酸カリウム、含水酸化アンチモン、含水酸化ビスマス、含水酸化ジルコニウム、ハイドロタルサイトなどの無機イオン交換体などが挙げられ、ゼオライト、リン酸ジルコニウムが好ましく、ゼオライトがより好ましい。なお、金属含有無機化合物(C)は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
金属含有無機化合物(C)は、多孔質体であることが好ましい。湿気硬化性組成物は、空気が遮断された密封状態にて保存されている。この保存状態の密封体内に含まれている水分量も極めて少ない状態に保持されている。金属含有無機化合物(C)が多孔質体であると、金属含有無機化合物(C)は、密封体内の微量の水分を多孔質体の細孔内に吸着保持し、湿気硬化性組成物の硬化反応を抑制して貯蔵安定性を向上させることができる。
一方、湿気硬化性組成物の使用時、湿気硬化性組成物の密封体は開放されるので、湿気硬化性組成物は、空気中の水分に接触する。金属含有無機化合物(C)が多孔質体であると、空気中の水分を吸着して湿気硬化性組成物中に取り込もうとする。水分量は、湿気硬化性組成物の保存時に比して多量に存在した状態となるので、金属含有無機化合物(C)が取り込んだ水分は細孔内だけでなく、表面にも付着した状態で存在し、この水分の存在下、金属含有無機化合物(C)の所定の金属原子による硬化促進作用によって、湿気硬化性組成物は、深部においても円滑に硬化される。
金属含有無機化合物(C)は粒子状であることが好ましい。金属含有無機化合物(C)が粒子状であると、金属含有無機化合物(C)の表面積を増加させることができ、湿気硬化性組成物の深部硬化性を向上させることができる。
金属含有無機化合物(C)の平均粒子径は、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上がより好ましく、0.5μm以上がより好ましい。金属含有無機化合物(C)の平均粒子径は、11μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がより好ましい。金属含有無機化合物(C)の平均粒子径が0.1μm以上であると、金属含有無機化合物(C)を湿気硬化性組成物中に凝集させることなく均一に分散させることができ、湿気硬化性組成物の深部硬化性を向上させることができる。金属含有無機化合物(C)の平均粒子径は、11μm以下であると、金属含有無機化合物(C)の表面積を増加させることによって、湿気硬化性組成物の深部硬化性を向上させることができる。
なお、金属含有無機化合物(C)の平均粒子径は下記の要領で測定される。金属含有無機化合物(C)の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(以下、「TEM」ということがある)により測定を行なう。
TEMは、透過型電子顕微鏡(加速電圧200kV、観察倍率3万倍)を用い、乳鉢で軽く粉砕した試料をアセトン中に超音波分散させ、プラスチック支持膜上に滴下し自然乾燥させたものを検鏡用試料とし、写真を撮影した。写真中の各一次粒子について、最長径R1とその中点において直角方向の径R2の算術平均を算出し、この平均値を一次粒子の平均粒子径とする。合計300個の一次粒子の平均粒子径を測定し、一次粒子の平均粒子径の算術平均値を金属含有無機化合物の平均粒子径とする。なお、TEMは、日本電子株式会社から商品名「JEM-2100」にて市販されている透過型電子顕微鏡を用いることができる。
無機化合物に所定の金属原子を含有させる方法としては、特に限定されず、例えば、物理吸着又は化学吸着により無機化合物に担持させる方法、無機化合物に含まれる陽イオンをイオン交換反応によって金属イオンで置換させて無機化合物に含有させる方法、金属金、金属銀、金属銅、酸化銀又は酸化銅として無機化合物に担持させる方法、金属錯体(例えば、チオスルファト銀錯体など)として無機化合物に担持させる方法、ガラス成分として金属原子を含有させる方法(例えば、SiO2-B23-Na2O系ガラスなどの溶解性ガラスのガラス成分として金属原子を含有させる方法など)、結合剤を用いて金属原子を含む化合物を担持させる方法、銀化合物又は銅化合物を無機化合物に打ち込むことにより担持させる方法、蒸着、溶解析出反応、スパッタなどの薄膜形成法により無機化合物の表面に金属原子を含む化合物の薄層を形成させることにより担持させる方法などが挙げられる。
金属含有無機化合物(C)において、周期表の第11族に属する金属原子からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属原子の含有量は、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.4質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。金属含有無機化合物(C)において、周期表の第11族に属する金属原子からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属原子の含有量は、10質量%以下が好ましく、9質量%以下がより好ましく、8質量%以下がより好ましく、7質量%以下がより好ましい。金属原子の含有量が0.1質量%以上であると、湿気硬化性組成物の深部硬化性及び貯蔵安定性が向上する。金属原子の含有量が10質量%以下であると、湿気硬化性組成物の貯蔵安定性が向上すると共に、湿気硬化性組成物への着色も抑制することができる。
湿気硬化性組成物の深部硬化性及び貯蔵安定性が向上するので、金属含有無機化合物(C)としては、分子中の陽イオンを周期表の第11族に属する金属原子からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属原子の陽イオンとイオン交換してなるゼオライトが好ましい。
ゼオライトの結晶構造は、特に限定されず、例えば、A型、フェリエライト型、MCM-22型、ZSM-5型、モルデナイト型、L型、Y型、X型、ベータ型などが挙げられ、湿気硬化性組成物の深部硬化性及び貯蔵安定性が向上するので、A型、Y型、X型が好ましく、A型がより好ましい。
なお、陽イオンを銀イオンとイオン交換してなるA型のゼオライトは、シナネンゼオミック社から商品名「ゼオミックAW10N」(銀含有量:0.5質量%)、「ゼオミックAJ10N」(銀含有量:2.2質量%)、商品名「ゼオミックAK10N」(銀含有量:5.0質量%)にて市販されているものを用いることができる。
湿気硬化性組成物中における金属含有無機化合物(C)の含有量は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して0.0001質量部以上が好ましく、0.0003質量部以上がより好ましい。湿気硬化性組成物中における金属含有無機化合物(C)の含有量は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して90質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、70質量部以下がより好ましく、60質量部以下がより好ましく、55質量部以下がより好ましく、45質量部以下がより好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下がより好ましく、25質量部以下がより好ましく、20質量部以下がより好ましく、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下がより好ましく、1質量部以下がより好ましく、0.1質量部以下がより好ましく、0.01質量部以下がより好ましく、0.005質量部以下がより好ましく、0.002質量部以下がより好ましい。金属含有無機化合物(C)の含有量が0.0001質量部以上であると、湿気硬化性組成物の深部硬化性及び貯蔵安定性が向上する。金属含有無機化合物(C)の含有量が90質量部以下であると、湿気硬化性組成物の貯蔵安定性が向上する。
湿気硬化性組成物中において、表面処理された炭酸カルシウム(B)と、金属含有無機化合物(C)との含有比率[表面処理された炭酸カルシウム(B)の含有質量/金属含有無機化合物(C)の含有質量]は、5以上が好ましく、10以上がより好ましく、30以上がより好ましく、35以上がより好ましく、100以上がより好ましく、1000以上がより好ましく、5000以上がより好ましく、10000以上がより好ましい。上記含有比率が5以上であると、湿気硬化性組成物の深部硬化性及び貯蔵安定性が向上する。
湿気硬化性組成物中において、表面処理された炭酸カルシウム(B)と、金属含有無機化合物(C)との含有比率[表面処理された炭酸カルシウム(B)の含有質量/金属含有無機化合物(C)の含有質量]は、1000000以下が好ましく、700000以下がより好ましく、500000以下がより好ましく、200000以下がより好ましく、170000以下がより好ましい。上記含有比率が1000000以下であると、気硬化性組成物の深部硬化性及び貯蔵安定性が向上する。
[シラノール縮合触媒]
湿気硬化性組成物は、シラノール縮合触媒(D)を含有している。シラノール縮合触媒とは、分子中に加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)が含有する加水分解性シリル基が加水分解することなどにより形成されたシラノール基同士の脱水縮合反応を促進させるための触媒である。
シラノール縮合触媒としては、特に限定されず、例えば、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫オキシラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジオクチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジオクチル錫ジラウレート、ビス(ジブチル錫ビストリエトキシシリケート)オキサイド、及びジブチル錫オキシビスエトキシシリケートなどの有機錫系化合物;テトラ-n-ブトキシチタネート、及びテトライソプロポキシチタネートなどの有機チタン系化合物;1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカー5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカー5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、6-ジブチルアミノ-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナー5-エンなどのシクロアミジン系化合物;ジブチルアミン-2-エチルヘキソエートなどが挙げられ、湿気硬化性組成物の硬化性を向上させることができると共に、湿気硬化性組成物の貯蔵安定性を向上させることができるので、有機錫系化合物が好ましい。又、他の酸性触媒や塩基性触媒もシラノール縮合触媒として用いることができる。なお、シラノール縮合触媒は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。シラノール縮合触媒としては、湿気硬化性組成物の硬化性を向上させることができるので、有機錫系化合物が好ましい。
湿気硬化性組成物中におけるシラノール縮合触媒の含有量は、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましい。シラノール縮合触媒の含有量が0.1質量部以上であると、湿気硬化性組成物の硬化性が向上する。湿気硬化性組成物中におけるシラノール縮合触媒の含有量は、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して10質量部以下が好ましく、6質量部以下がより好ましい。シラノール縮合触媒の含有量が10質量部以下であると、湿気硬化性組成物の貯蔵安定性が向上する。
[シランカップリング剤]
湿気硬化性組成物は、シランカップリング剤を更に含有していてもよい。湿気硬化性組成物がシランカップリング剤を含有していることによって、湿気硬化性組成物の硬化性及び深部硬化性が向上する。
シランカップリング剤は、湿気硬化性組成物の硬化物の接着性が向上するので、アミノ基含有シランカップリング剤、又は、エポキシ基含有シランカップリング剤を含有していることが好ましく、アミノ基含有シランカップリング剤を含有していることがより好ましい。
シランカップリング剤は、アミノ基含有シランカップリング剤、及び、エポキシ基含有シランカップリング剤を含有していることがより好ましい。シランカップリング剤が、アミノ基含有シランカップリング剤、及び、エポキシ基含有シランカップリング剤を含有していると、湿気硬化性組成物の耐水接着性が向上する。
アミノ基含有シランカップリング剤は、一分子中にアルコキシ基が結合した珪素原子と、窒素原子を含有する官能基とを含む化合物を意味する。アミノ基含有シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’-ビス-〔3-(トリメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’-ビス-〔3-(トリエトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’-ビス-〔3-(メチルジメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’-ビス-〔3-(トリメトキシシリル)プロピル〕ヘキサメチレンジアミン、N,N’-ビス-〔3-(トリエトキシシリル)プロピル〕ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられ、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。
エポキシ基含有シランカップリング剤とは、一分子中にアルコキシ基が結合した珪素原子と、エポキシ基を含有する官能基とを含む化合物を意味する。エポキシ基含有シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、及び2-(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられ、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。
湿気硬化性組成物中におけるシランカップリング剤の含有量は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、2.5質量部以上が特に好ましい。湿気硬化性組成物中におけるシランカップリング剤の含有量は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましく、6質量部以下が特に好ましい。シランカップリング剤の含有量が0.1質量部以上であると、湿気硬化性組成物の接着性が向上する。シランカップリング剤の含有量が10質量部以下であると、湿気硬化性組成物の貯蔵安定性を向上させることができる。
湿気硬化性組成物中にアミノ基含有シランカップリング剤が含有されている場合、湿気硬化性組成物中におけるアミノ基含有シランカップリング剤の含有量は、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、2質量部以上が特に好ましい。湿気硬化性組成物中にアミノ基含有シランカップリング剤が含有されている場合、湿気硬化性組成物中におけるアミノ基含有シランカップリング剤の含有量は、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、6質量部以下がより好ましい。アミノ基含有シランカップリング剤の含有量が0.5質量部以上であると、湿気硬化性組成物の硬化性及び接着性が向上する。アミノ基含有シランカップリング剤の含有量が20質量部以下であると、湿気硬化性組成物の貯蔵安定性が向上する
湿気硬化性組成物中にエポキシ基含有シランカップリング剤が含有されている場合、湿気硬化性組成物中におけるエポキシ基含有シランカップリング剤の含有量は、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して0.3質量部以上が好ましく、0.4質量部以上がより好ましく、0.45質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がより好ましい。湿気硬化性組成物中にエポキシ基含有シランカップリング剤が含有されている場合、湿気硬化性組成物中におけるエポキシ基含有シランカップリング剤の含有量は、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、6質量部以下がより好ましく、4質量部以下が特に好ましい。エポキシ基含有シランカップリング剤の含有量が0.3質量部以上であると、湿気硬化性組成物の硬化性及び接着性が向上する。エポキシ基含有シランカップリング剤の含有量が20質量部以下であると、湿気硬化性組成物の貯蔵安定性が向上する。
[可塑剤]
湿気硬化性組成物は、可塑剤を含有していてもよい。可塑剤としては、特に限定されず、例えば、ジブチルフタレート、ジ(2-エチルヘキシル)フタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシルなどの非芳香族二塩基酸エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチルなどの脂肪族エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステルなどのポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェートなどのリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン-アクリロニトリル、ポリクロロプレン;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニルなどの炭化水素系油;プロセスオイル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオール、ポリエーテルポリオールの水酸基をエステル基、エーテル基などに変換した誘導体などのポリエーテル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジルなどのエポキシ系可塑剤類;セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸などの2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤類;アクリル系可塑剤を始めとするビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られるビニル系重合体類などが挙げられる。なお、可塑剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
湿気硬化性組成物中における可塑剤の含有量は、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して20質量部以上が好ましく、25質量部以上がより好ましい。湿気硬化性組成物中における可塑剤の含有量は、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して100質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましい。可塑剤の含有量が20質量部以上であると、湿気硬化性組成物の塗工性が向上する。可塑剤の含有量が100質量部以下であると、湿気硬化性組成物の貯蔵安定性が向上する。
[脱水剤]
湿気硬化性組成物は、脱水剤を含有していてもよい。脱水剤によれば、湿気硬化性組成物を保存している際に、空気中などに含まれている水分によって湿気硬化性組成物が硬化することを抑制することができる。
脱水剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、及びジフェニルジメトキシシランなどのシラン化合物;並びにオルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、及びオルト酢酸エチルなどのエステル化合物などを挙げることができる。脱水剤としては、ビニルトリメトキシシランが好ましい。なお、脱水剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
湿気硬化性組成物中における脱水剤の含有量は、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、1.1質量部以上が特に好ましい。湿気硬化性組成物中における脱水剤の含有量は、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、5質量部以下が特に好ましい。脱水剤の含有量が上記範囲であると、湿気硬化性組成物の貯蔵安定性が向上する。
[他の添加剤]
湿気硬化性組成物は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、顔料、染料、沈降防止剤防カビ剤などの他の添加剤を含んでいてもよい。なかでも、酸化防止剤が好ましく挙げられる。湿気硬化性組成物は、溶剤を含有していないことが好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、ポリフェノール系酸化防止剤などが挙げられ、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。湿気硬化性組成物中における酸化防止剤の含有量は、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましい。湿気硬化性組成物中における酸化防止剤の含有量は、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
湿気硬化性組成物は、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)、表面処理された炭酸カルシウム(B)、金属含有無機化合物(C)及び必要に応じて他の添加剤を混合することによって製造することができる。なお、混合は、減圧下で行うことが好ましい。
湿気硬化性組成物は、貯蔵安定性に優れていることから、保存中に粘度が上昇して塗工性が低下するようなことはなく、使用時においては適切な粘度にて容易に塗工することができる。
湿気硬化性組成物は、空気中の湿気(水分)、目地部を構成している部材、又は、床仕上げ材、床下地材などの被着体に含まれている湿気(水分)によって硬化して硬化物を生成する。
そして、湿気硬化性組成物は、塗工後においては、深部硬化性に優れていることから、内部まで十分に硬化して所望の物性を有する硬化物を容易に得ることができる。
湿気硬化性組成物は、シーリング材、コーティング材、接着剤、及び塗料など各種用途に使用することができる。
湿気硬化性組成物を目地構造用シーリング材として用いて目地構造を形成することができる。
湿気硬化性組成物を目地部に施工して目地構造を得る方法としては、湿気硬化性組成物を目地部に充填した後に養生させて硬化させる方法が用いられる。得られる目地構造は、建築構造物の壁部を構成している壁部材と、互いに隣接する壁部材間に形成された目地部に充填された、湿気硬化性組成物の硬化物とを有している。建築構造物の壁部としては、例えば、外壁、内壁、天井部などが挙げられ、外壁が好ましい。壁部材としては、例えば、外壁部材、内壁部材、天井部材などが挙げられ、外壁部材が好ましい。
目地部は、特に制限されないが、建築構造物の外壁、内壁、及び天井における目地部などが挙げられる。湿気硬化性組成物は、深部硬化性に優れており、内部まで十分に硬化させることができるので、気温や日照などの温度変化による部材の膨張や収縮による、或いは振動や風圧などの作用による目地部の幅の変化に対して優れた追随性を呈し、部材の損傷や建築構造物内への漏水を防止することができる。従って、硬化性組成物は、建築構造物の外壁における目地部など、所謂、「ワーキングジョイント」とも呼ばれる目地部をシーリングするために好適に用いられる。
建築構造物の外壁における目地部としては、外壁部材間の接合部に形成される目地部が挙げられる。外壁部材は、建築構造物の外壁を構成しているものであればよく、必ずしも板状である必要はなく、サッシ(窓枠)などのように一部に開閉可能な開口部が形成された部材であってもよく、建築構造物の外面を構成している部材が含まれる。外壁部材としては、例えば、モルタル板、コンクリート板、窯業系サイディングボード、金属系サイディングボード、ALC板、金属板、サッシなどが挙げられる。
湿気硬化性組成物は、被着同士を接着一体化させるための接着剤として好適に用いることができる。湿気硬化性組成物は、例えば、床構造の構築に好適に用いられる。床構造は、例えば、床基盤上に敷設された床下地材上に、湿気硬化性組成物を硬化させてなる硬化物層を介して床仕上げ材が接着一体化されることによって構築される。床構造は、床基盤と、上記床基盤上に敷設されている床下地材と、上記床下地材上に形成され且つ上記床下地材と接着一体化している、湿気硬化性組成物を硬化させてなる硬化物層と、上記硬化物層上に敷設され且つ上記硬化物層と接着一体化している床仕上げ材とを含んでいる。
床仕上げ材を構成する部材としては、例えば、合板及びミディアム・デンシティ・ファイバーボード(MDF:Medium Density Fiberboard)などの木質系材料、タイル、塩化ビニルシート、及び石材などが挙げられ、中でも、塩化ビニルシートのように薄く、柔らかい素材の使用が好ましい。
床下地材を構成する部材としては、例えば、合板、パーチクルボード、木根太、石膏ボード、スレート板、及びコンクリート板などが挙げられる。
本発明の湿気硬化性組成物は、優れた深部硬化性及び貯蔵安定性を有している。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
実施例及び比較例の湿気硬化性組成物の製造において下記の化合物を使用した。
[加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)]
・加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)(数平均分子量:18000、分子量分布:1.40、主鎖:-[CH(CH3)-CH2-O]n-、旭硝子社製 製品名「エクセスター3430」)
[炭酸カルシウム]
・表面処理された沈降性炭酸カルシウム(B1)(一次粒子の平均粒子径:0.05μm、脂肪酸による表面処理、丸尾カルシウム社製 製品名「カルファイン200M」)
・表面処理された沈降性炭酸カルシウム(B2)(一次粒子の平均粒子径:0.08μm、ロジン酸による表面処理、白石工業社製 製品名「ホモカルD」)
・表面処理されていない重質炭酸カルシウム(非表面処理の重質炭酸カルシウム、一次粒子の平均粒径:5μm、東洋ファインケミカル社製 製品名「ホワイトン P-30」)
[金属含有無機化合物(C)]
・金属含有無機化合物(陽イオンを銀イオンとイオン交換してなるA型のゼオライト、多孔質粒子、銀原子含有量:0.1質量%以上、平均粒子径:2.5μm、シナネンゼオミック社製 製品名「ゼオミックZtype」)
[その他の無機化合物]
・酸化亜鉛(金原子、銀原子及び銅原子を含まない、堺化学社製 製品名「FINEX-25」)
[シラノール縮合触媒(D)]
・ジブチル錫オキシラウレート(日東化成社製 製品名「ネオスタンU-130」)
[脱水剤]
・ビニルトリメトキシシラン(信越化学工業社製 製品名「KBM-1003」
[シランカップリング剤]
・アミノ基含有シランカップリング剤[N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製 製品名「KBM-603」]
(実施例1~8、比較例1~4)
加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)、炭酸カルシウム、金属含有無機化合物(C)、酸化亜鉛、シラノール縮合触媒、シランカップリング剤及び脱水剤をそれぞれ、表1に示した配合量となるように、密封した攪拌機中で減圧しながら均一に混合して湿気硬化性組成物を作製した。
なお、表1において、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、単に「ポリオキシアルキレン系重合体」と表記した。
また、湿気硬化性組成物中における、表面処理された炭酸カルシウム(B)と、表面処理されていない炭酸カルシウムとの含有比率[表面処理された炭酸カルシウム(B)の含有質量/表面処理されていない炭酸カルシウムの含有質量]を、表1の“含有比率[(B)/非表面処理の炭酸カルシウム]”の欄に示した。
さらに、湿気硬化性組成物中における、表面処理された炭酸カルシウム(B)と、金属含有無機化合物(C)との含有比率[表面処理された炭酸カルシウム(B)の含有質量/金属含有無機化合物(C)の含有質量]を、表1の“含有比率[(B)/(C)]”の欄に示した。
得られた湿気硬化性組成物について、表面硬化性、深部硬化性及び貯蔵安定性を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(表面硬化性)
湿気硬化性組成物の表面硬化性について、JIS A1439.5.19「指触乾燥時間試験」に準拠し、気温23℃で且つ相対湿度50%の環境下で5分毎に指触試験を24時間経過まで行った。指先に試料が付着しなくなった時間を表面硬化時間とした。なお、比較例2は、24時間経過しても硬化膜が形成されなかったため、測定できなかった。
(深部硬化性)
湿気硬化性組成物を、直径5cmの平面円形状の開口部を有し且つ2cmの深さを有する有底円筒状の金属容器内に湿気硬化性組成物を隙間なく全面的に充填した。湿気硬化性組成物の上端面を開口部に合わせてヘラを用いて平坦にした。湿気硬化性組成物を雰囲気温度23℃で且つ相対湿度50%の環境下で6時間、12時間及び24時間静置させた時点での硬化膜の厚みを測定した。硬化膜であるか否かは、湿気硬化性組成物をスパチュラで触り、スパチュラに湿気硬化性組成物が付着しない部分を硬化膜とした。
(貯蔵安定性)
湿気硬化性組成物について、雰囲気温度23℃における粘度をJIS K6833に準拠してB型粘度計を用いて回転数10rpmの条件にて測定し、得られた湿気硬化性組成物の粘度を「初期粘度」とした。
湿気硬化性組成物330mLをカートリッジに充填した後、カートリッジ内の空気を抜いて、真空状態となるように密封した。密封状態のカートリッジを50℃にて4週間に亘って放置した後、カートリッジを開封した。カートリッジ内の湿気硬化性組成物について、湿気硬化性組成物を構成している成分同士に分離が生じているか否かを目視観察した。湿気硬化性組成物中において、成分同士の分離が生じていない場合を「A」、成分同士の分離が生じている場合を「B」とし、表1の「成分の分離の有無」の欄に記載した。
カートリッジ内の湿気硬化性組成物について、雰囲気温度23℃における粘度をJIS K6833に準拠してB型粘度計を用いて回転数10rpmの条件にて測定し、得られた湿気硬化性組成物の粘度を「貯蔵後粘度」とした。粘度変化を下記式に基づいて算出し、下記基準に基づいて評価した。
粘度変化=貯蔵後粘度/初期粘度
A・・・粘度変化:1.2未満
B・・・粘度変化:1.2以上で且つ1.5未満
C・・・粘度変化:1.5以上で且つ1.8未満
D・・・粘度変化:1.8以上
Figure 0007490256000001

Claims (6)

  1. 加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)と、
    表面処理された炭酸カルシウム(B)と、
    銀原子を含む金属含有無機化合物(C)と、
    シラノール縮合触媒(D)と、を含有することを特徴とする湿気硬化性組成物。
  2. 金属含有無機化合物(C)の含有量は、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100質量部に対して、0.0001~90質量部であることを特徴とする請求項1に記載の湿気硬化性組成物。
  3. 金属含有無機化合物(C)は、粒子状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の湿気硬化性組成物。
  4. 金属含有無機化合(C)は、多孔質粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の湿気硬化性組成物。
  5. 表面処理された炭酸カルシウム(B)と、金属含有無機化合物(C)との含有比率[上記表面処理された炭酸カルシウム(B)の含有質量/上記金属含有無機化合物(C)の含有質量]が、5以上であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の湿気硬化性組成物。
  6. シラノール縮合触媒(D)が有機錫化合物を含むことを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の湿気硬化性組成物。
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