JP7489150B1 - 風速計、風速計算方法、及び、プログラム - Google Patents

風速計、風速計算方法、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

Figure 0007489150000001
【課題】風速計による計測精度を向上させる。
【解決手段】移動体に設置する風速計が、第1計測点で計測して第1計測結果を出力する第1計測部と、第2計測点で計測して第2計測結果を出力する第2計測部と、第3計測点で計測して第3計測結果を出力する第3計測部と、第4計測点で計測して第4計測結果を出力する第4計測部と、前記第1計測結果、前記第2計測結果、前記第3計測結果、及び、前記第4計測結果に基づき、風速を計算する計算部とを備え、前記第1計測点、前記第3計測点、及び、前記第4計測点が設置される設置平面において、前記第1計測点と前記第2計測点が前記移動体の進行方向である第1方向において、前記設置平面の水平成分が第1距離であり、前記第3計測点と前記第2計測点の前記水平成分が第2距離であり、前記第4計測点と前記第2計測点の前記水平成分が第3距離であり、前記第1距離は、前記第2距離、及び、前記第3距離のいずれよりも長い距離である。
【選択図】図1

Description

本発明は、風速計、風速計算方法、及び、プログラムに関する。
超音波等を用いて風速を計測する技術が知られている。
具体的には、4個の超音波送受信器を正方形の頂点に配置する。次に、正方形の対角線で対向して向かい合う2組の測定器対で、風向を計測する。また、同一の2組の測定器対で、風速を計測する。そして、超音波送受信器の対向角度を風速、及び、風向の計測結果に基づき変更する。このようにして、従来の超音波風速計では測定することができなかった強風速域において計測を可能にする技術が知られている(例えば、特許文献1等を参照)。
ほかには、白色雑音を出力した後、白色雑音を散乱させる。次に、散乱された白色雑音を受信して電気信号に変換する。続いて、変換した電気信号から相互相関関数を演算する。そして、相互相関関数から、白色雑音を出力するスピーカと散乱板との間を通過する風の風向、又は、風速をベクトル演算する。このようにして、外乱の影響を受けにくくし、かつ、測定精度の向上を図る技術が知られている(例えば、特許文献2等を参照)。
水平方向、及び、鉛直方向の風向を計測する風向計と、水平方向、及び、鉛直方向の風速を計測する風速計とを使用して、風向、及び、風速に関するデータを送信し、かつ、マルチホップ接続によって他の装置からのデータも無線通信で取得する。このようにして、屋外の高所にも好適に設置でき、複数台を設置することで、所定の経路に沿った風向、及び、風速の情報を効率よく取得する技術が知られている(例えば、特許文献3等を参照)。
ほかにも、複数のセンサを使う技術が知られている。まず、到来する風を平面上で、少なくとも3方向においてそれぞれ捉え、前記3方向毎に風強度情報を得る風強度取得手段と、得られた少なくとも3方向の風強度情報の大小比較を行って第1位の風強度情報と第2位の風強度情報が得られた風方向中の2方向を検出する2方向検出手段と、2方向検出手段で検出した2方向のそれぞれの方向をベクトルの向きとし、それぞれの方向の風強度情報をベクトルの大きさとする2つのベクトルを発生し、このベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得るベクトル加算手段と、風の方向と風速とにより構成される風情報を出力するための風情報出力手段と、ベクトル加算手段により得られた加算結果ベクトルの方向を風方向情報とし、加算結果ベクトルの大きさを風速情報として風情報出力手段に出力する出力制御手段と、数回の試験運用によって得られた加算結果ベクトルにより求められた風方向と風速と、試験運用時に実測した風方向と風速との比較結果に基づき補正係数を求める補正係数取得手段とを具備する。そして、ベクトル加算手段は、第2位の風強度情報に補正係数を掛けて第2位の補正風強度情報を得て、この第2位の補正風強度情報を用いてベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得る。このようにして、小型の構成とし、かつ、必要な場所へ移動させて簡便に風向風速の測定が可能となる技術が知られている(例えば、特許文献4等を参照)。
ほかにも、土台板と、前記土台板の上面側に設けられ、風向風速を計測するための超音波センサと、前記土台板の下面側に設けられ、電子部品を収容する収容部とを具備する風向風速計の技術が知られている。風向風速計では、土台板は、収容部の平面視形状よりも大きく、土台板の辺縁は、収容部に衝突した風が前記土台板の上面側に回り込むことを防ぐための防風部である。このようにして、収容部に衝突した風による計測結果への影響を低減する技術が知られている(例えば、特許文献5等を参照)。
特許第6931953号公報 特開2021-175963号公報 特開2019-095222号公報 特許第7288205号公報 特開2017-20830号公報
従来の技術は、計測精度が条件によって低くなる場合がある。すなわち、従来の技術は、計測精度が低い課題がある。
本発明は、風速計による計測精度を向上させることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様では、風速計は、
移動体に設置する風速計であって、
第1計測点で計測して第1計測結果を出力する第1計測部と、
第2計測点で計測して第2計測結果を出力する第2計測部と、
第3計測点で計測して第3計測結果を出力する第3計測部と、
第4計測点で計測して第4計測結果を出力する第4計測部と、
前記第1計測結果、前記第2計測結果、前記第3計測結果、及び、前記第4計測結果に基づき、風速を計算する計算部とを備え、
前記第1計測点、前記第3計測点、及び、前記第4計測点が設置される設置平面において、
前記第1計測点と前記第2計測点が前記移動体の進行方向である第1方向において、前記設置平面の水平成分が第1距離であり、
前記第3計測点と前記第2計測点の前記水平成分が第2距離であり、
前記第4計測点と前記第2計測点の前記水平成分が第3距離であり、
前記第1距離は、前記第2距離、及び、前記第3距離のいずれよりも長い距離である。
本発明によれば、風速計による計測精度を向上させることができる。
風速計における音波送受信器の配置例(X-Y平面)を示す図である。 風速計における音波送受信器の配置例(Y-Z平面)を示す図である。 風速計を移動体に設置した例を示す図である。 移動体への設置する装置構成例を示す図である。 移動体への設置する装置構成における内部構造例を示す図である。 ハードウェア構成例を示す図である。 電源構成、及び、通信回線構成の例を示す図である。 風速の計算例を説明する図である。 計算式例を示す図(その1)である。 実験結果を示す図である。 風速の計算第2例における各名称を説明する図である。 船首方向成分の算出例を示す図である。 進行方向風の削除例を示す図である。 船首方向の風のベクトル図である。 船舶のピッチングの例を示す図である。 船舶のローリングの例を示す図である。 ピッチングにおける座標系を示す図である。 ローリングにおける座標系を示す図である。 ローリング、かつ、ピッチングにおける座標系を示す図である。 ピッチング角の例を示す図である。 ローリング角の例を示す図である。 複数の移動体座標系の例を示す図である。 計算式例を示す図(その2)である。 音波の送受信タイミング例を示す図である。 全体処理例を示す図である。 機能構成例を示す図である。 ドローンへ搭載する場合の第1例を示す図である。 ビット合成の第1例を示す図である。 ドローンへ搭載する場合の第2例を示す図である。 FFT解析結果の例である。 ビット合成の第2例を示す図である。 配置の第1変形例を示す図である。 配置の第2変形例を示す図である。 配置の第3変形例を示す図である。
以下、添付する図面を参照して、具体例を説明する。なお、以下の説明において、図面に記載する符号は、同一の要素を指す。
図1は、風速計における音波送受信器の第1配置例(X-Y平面)を示す図である。以下、一方向を「Y軸方向」とする。そして、Y軸方向に対して直交方向を「X軸方向」とする。また、X-Yによる平面が水平面とする。さらに、X-Y平面に対して垂直となる方向を「Z軸方向」とする。したがって、Z軸方向が重力方向となる。
図2は、風速計における音波送受信器の第1配置例(Y-Z平面)を示す図である。
風速計10は、4点で音波を送受信して風速を計測する。例えば、4点の計測点には、第1音波送受信器1、第2音波送受信器2、第3音波送受信器3、及び、第4音波送受信器4が設置される。各々の音波送受信器は、計測結果を示すデータを生成する。
第1計測点と第2計測点を結ぶ線分を「第1線分L12」という。なお、第1計測点と第2計測点を配置する方向、すなわち、第1線分L12と一致する方向を「第1方向」という場合がある。また、第1方向は、Y軸方向とも一致する。
同様に、第2計測点と第3計測点を結ぶ線分を「第2線分L23」という。また、第2線分L23と一致する方向を「第2方向」という場合がある。
第2計測点と第4計測点を結ぶ線分を「第3線分L24」という。また、第3線分L24と一致する方向を「第3方向」という場合がある。
第1計測点と第2計測点のX-Y平面における距離、すなわち、第1線分L12のX-Y平面における長さ(すなわち、水平成分の長さである。)を「第1距離D1」とする。同様に、第2計測点と第3計測点の距離、すなわち、第2線分L23のX-Y平面における長さを「第2距離D2」とする。また、第2計測点と第4計測点の距離、すなわち、第3線分L24のX-Y平面における長さを「第3距離D3」とする。
[計測点の第1配置例]
以下、第2音波送受信器2を中心とする。したがって、第1音波送受信器1、第3音波送受信器3、及び、第4音波送受信器4は、第2音波送受信器2を中心にして、第2音波送受信器2の周辺に配置される。
X-Y平面上において、すなわち、図1において、第2音波送受信器2に対して、第1音波送受信器1は、Y軸方向において前方向の位置に設置される。したがって、第1音波送受信器1、及び、第2音波送受信器2は、どちらもY軸上に位置(Y座標で示す。第1音波送受信器1、及び、第2音波送受信器2は、Y座標が異なる。)し、X軸方向の位置(X座標で示す。)が一致する位置関係である。また、第1音波送受信器1、及び、第2音波送受信器2は、高さ(Z座標で示す。)が異なる位置関係である。
第3音波送受信器3、及び、第4音波送受信器4は、第1線分L12を対称軸として線対称(図1における左右対称である。)となる配置である。したがって、第2距離D2、及び、第3距離D3は同じ長さである。
さらに、第2線分L23、及び、第3線分L24は、第1線分L12に対してのX-Y平面における角度が同一である。したがって、第1線分L12、第2線分L23、及び、第3線分L24は、Y軸方向を起点「0°」とし、Y軸方向に対して時計回りに「120°」、「240°」の角度で設置される。このような角度の配置であると、第1線分L12、第2線分L23、及び、第3線分L24が形成する角度がいずれも「120°」に同一となる。したがって、第1方向と第2方向の間に形成される角度は、「120°」となる。同様に、第1方向と第3方向の間に形成される角度は、「120°」となる。
Y-Z平面、すなわち、図2において、第1音波送受信器1、第3音波送受信器3、及び、第4音波送受信器4は、同一の高さに設置される。一方で、第2音波送受信器2は、第1音波送受信器1等より高い配置である。以下、第1音波送受信器1、第3音波送受信器3、及び、第4音波送受信器4が配置される高さを基準とし、第2音波送受信器2の設置される高さを「設置高H1」という。
X-Y平面において、第1音波送受信器1が進行方向に対して前に配置され、かつ、第3音波送受信器3、及び、第4音波送受信器4が進行方向に対して後に配置される。したがって、X-Y平面において、第1音波送受信器1乃至第4音波送受信器4は、「逆Y字形状」に配置される。
具体的には、「逆Y字形状」の配置では、移動体の進行方向において、第1音波送受信器1が最も前方となる配置である。そして、移動体の進行方向において後方に向かって、第1音波送受信器1より後方、かつ、第3音波送受信器3と第4音波送受信器4より前方に、第2音波送受信器2が配置される。次に、移動体の進行方向において後方に向かって、第2音波送受信器2から分岐するように、第2音波送受信器2より後方に第3音波送受信器3と第4音波送受信器4が配置される。
一方で、「逆Y字形状」の配置では、直交方向において、第1音波送受信器1と第2音波送受信器2は、同一の位置である。これに対し、第3音波送受信器3は、移動体の進行方向に対して、第2音波送受信器2より右手に配置される。さらに、第4音波送受信器4は、移動体の進行方向に対して、第2音波送受信器2より左手に配置される。
また、垂直方向において、第2音波送受信器2が他の音波送受信器より高い位置となる、第2音波送受信器2が突起する配置となる。一方で、第1音波送受信器1、第3音波送受信器3、及び、第4音波送受信器4は、高さが同一の同一平面上に配置される。
以下、第1音波送受信器1、第3音波送受信器3、及び、第4音波送受信器4が設置されるX-Y平面を「設置平面」という。また、以下の説明では、設置平面を高さの基準とする。したがって、第2音波送受信器2は、設置平面に対して高い位置にある配置である。
[移動体への設置例]
図3は、風速計を移動体に設置した例を示す図である。例えば、風速計10は、車両20等の移動体に設置される。このように移動体に設置する場合には、移動体の主な進行方向がY軸方向であるとする。ゆえに、風速計10は、第1線分L12が移動体の主な進行方向(この例ではY軸方向とも一致する。)と一致するように設置される。
移動体は、車両20に限られず、船舶等の水上を移動する移動体、又は、ドローン等の空中を移動する移動体等でもよい。
図4は、移動体への設置する装置構成例を示す図である。例えば、風速計10は、Y軸方向(長手方向である。)に「250mm」、かつ、X軸方向(幅方向である。)に「225mm」の寸法である。
風速計10は、屋根となる天板12を支柱13で支え、土台となる本体11と2段構造である。そして、天板12と本体11の間が通風路14となる。なお、風速計10は、この構造に限られず、第1音波送受信器1乃至第4音波送受信器4が「逆Y字形状」に配置できればよい。
第1音波送受信器1乃至第4音波送受信器4は、位置が固定でなくともよい。例えば、第1音波送受信器1は、進行方向に対し、手動、又は、アクチュエータ等で位置が変更できてもよい。したがって、風速計10は、第1線分L12、すなわち、第1音波送受信器1と第2音波送受信器2の距離等が設置後に変更できる構造でもよい。
図5は、移動体への設置する装置構成における内部構造例を示す図である。以下、図4における「A-A’」の断面図で説明する。
進行方向に対して、風速計10は、長手方向が一致する向きで設置される。そのため、通風路14には、進行方向から風が流れ込む構成となる。図では、左から右(図において矢印で示す方向である。以下「流入方向15」という。)に風が流れ込む構成となる。ゆえに、流入方向15において、第1音波送受信器1が最も上流に位置する配置となる。そして、第2音波送受信器2は、流入方向15において、第1音波送受信器1より下流、かつ、第3音波送受信器3等より上流に位置する配置である。さらに、第3音波送受信器3、及び、第4音波送受信器4が最も下流に位置する配置となる。
ただし、流入方向15、及び、通風路14の構造は、これに限定されない。例えば、通風路14の構造は、分岐路がある等の構造でもよい。したがって、流入方向15も一方でなく複数あってもよい。
[ハードウェア構成例]
図6は、ハードウェア構成例を示す図である。例えば、風速計10は、マイクロコンピュータ31、主記憶装置32、補助記憶装置33、入力装置34、出力装置35、及び、通信装置36等を備える。そして、風速計10は、第1音波送受信器1乃至第4音波送受信器4を接続し、データを送受信する。
マイクロコンピュータ31は、演算装置、及び、制御装置の例である。したがって、マイクロコンピュータ31は、主記憶装置32等と協働して処理を実行する装置である。
主記憶装置32は、メモリ等である。また、補助記憶装置33は、データ、及び、プログラム等を記憶する。
入力装置34は、ユーザによる操作、又は、外部装置から受信するデータ等を入力する装置である。
出力装置35は、ユーザへの表示、又は、外部装置へデータを送信する等の出力を行う装置である。
通信装置36は、外部装置とデータを送受信する通信を行う。なお、通信は、有線、無線、又は、これらの組み合わせである。
また、第1音波送受信器1乃至第4音波送受信器4がケーブル等による有線、又は、アンテナ等による無線で接続し、計測結果等を示すデータが送受信される。
なお、ハードウェア構成は、上記の構成に限られない。例えば、風速計10は、他に演算装置、制御装置、記憶装置、入力装置、出力装置、通信装置、センサ、又は、補助装置等を更に備えてもよい。
図7は、電源構成、及び、通信回線構成の例を示す図である。図5に示す通り、風速計10は、第2音波送受信器2等が天板12側、すなわち、本体11に対して離れた位置に配置される。したがって、天板12側等のように本体11に対して離れた位置に配置されるハードウェアに対して、本体11は、電力供給、及び、通信を行う構成を備える。
図7(a)は、高周波トランス37の構成例を示す図である。例えば、高周波トランス37は、四角形の形状である。また、高周波トランス37は、高周波用高透磁率鉄心トランスコアーとして使用される構成である。
高周波の周波数は、10kHz以上の周波数である。特に、20kHz以上の周波数が望ましい。
図7(b)は、高周波トランス37の電源供給における概略図を示す図である。図7(a)に示すように、高周波トランス37は、天板12側に天板側コイルを配置し、かつ、本体11側に本体側コイルを配置する構成である。このようなコイルの配置とすると、電力を本体11側から天板12側に高周波で供給することができる。
本体側から第1コイル(図7(a)における「本体側コイル」である。)に高周波電力を印加すると、電力は、磁束に変換されてコアーを通る。一方で、天板側の第2コイル(図7(a)における「天板側コイル」である。)により、磁束は、電力として取り出される。
パーマロイの硬い金属等を用いると、支柱としても兼用できる強度を備える。例えば、鉄製のコアーに高周波を印加すると、発熱して電力をコアーが消費する。そのため、変換効率が悪くなりやすい。一方で、パーマロイ等の金属を用いると、発熱を少なくでき、高効率で変換できる。高周波は、少ないコイルの巻数で大きな電流を伝達させることができる。
なお、高周波トランスの鉄心は、パーマロイ以外の素材でもよい。例えば、鉄心は、フェライト、又は、アモルファス(これらの合金でもよい。)等でもよい。
なお、電力の供給は、ケーブル等を用いて有線で行ってもよい。
トランスコアーには、高透磁率材であるパーマロイ(Permalloy)を使用する。パーマロイは、ニッケル(Ni)を35乃至80%程度含むニッケル及び鉄の合金である。
通信は、電源用とは別の支柱13を用いる構成とする。具体的には、支柱13内に2本の光ファイバを通す。2本の光ファイバのうち、1本をI2C(登録商標)(Inter-Integrated Circuit)通信に用いる。そして、光ファイバによる光通信でデータの送受信を行う。一方で、2本の光ファイバのうち、他方の1本は、送受音の開始同期信号を送受信する通信路として使用する。このような構成であると、I2C(登録商標)方式において、開始信号を送った場合の遅延時間を少なくできる。
以上のように、支柱13と通信に用いるケーブルの配線経路等を兼ねる構成であると、別々に設置する構成等と比較して、風速計10を小型化させることができる。
[風速の計算第1例]
図8は、風速の計算例を説明する図である。以下、変数を下記の通りとする。
Lag 第1音波送受信器1と第2音波送受信器2の距離(以下、「センサ間距離Lag」という。)
λ 設置平面(本体11の表面と一致する。)と第1線分L12の形成する角度(以下、「傾斜角度λ」という。)
Vs 音速 下記(1)式で定まる。下記(1)式における「T」は、風の絶対温度である。以下、単に「音速Vs」という。なお、第1音波送受信器1から第2音波送受信器2へ(後方へ)をプラスとする。単位系は「m/s」
Vs=331.5+0.6077 × T (1)
Vc 計測風速 実際の風速に対して移動体の移動速度分が加算された値(以下、「計測風速Vc」という。)である。単位系は「m/s」
Vx Vx=音速+風速+移動体の移動速度
=Vs+Vc (2)
Vx1 センサ間距離Lagにおける第1音波送受信器1から第2音波送受信器2へ(後方へ)発する音波の音速(以下「第1音速Vx1」という。)である。単位系は「m/s」
Vx1=音速+風速+移動体の移動速度
=Vs+Vc (3)
Vx2 センサ間距離Lagにおける第2音波送受信器2から第1音波送受信器1へ(前方へ)発する音波の音速(以下「第2音速Vx2」という。)である。単位系は「m/s」
Vx2=音速-(風速+移動体の移動速度)
=Vs-Vc (4)
第2音速Vx2は、音速の向きを基準とする計算であり、(風速+移動体の移動速度)を減算する計算
Vm 移動体の速度(以下「移動体速度Vm」という。移動体は水平移動するため、移動体速度Vmは水平成分のみである。)である。単位系は「m/s」
例えば、移動体速度VmはGNSS(Global Navigation Satellite System)又は速度計等で計測される速度
Vmc 移動体速度Vmで水平移動する移動体の傾斜角度λ上での移動体速度である。以下、「センサ間距離Lag上の移動体速度Vmc」という。単位系は「m/s」
Vmc=Vm × cosλ (5)
Vwc Vwで水平移動する移動体におけるセンサ間距離Lag上での風速である。以下、「センサ間距離Lag上の風速Vwc」という。単位系は「m/s」
Vwc=Vw × cosλ (6)
Vw センサ間距離Lag上の風速Vwcをcosλで除算すると求まるセンサ間距離Lag上の風速Vwcの水平成分である。以下「出力風速Vw」という。単位系は「m/s」
Vw=Vwc ÷ cosλ (7)
Tx1 第1音波送受信器1から第2音波送受信器2へ(後方へ)音波を伝搬するのにかかる時間の実測値である。単位系は「μs」
Vx1=Lag ÷ Tx1 (8)
Tx2 第2音波送受信器2から第1音波送受信器1へ(前方へ)音波を伝搬するのにかかる時間の実測値である。単位系は「μs」
Vx2=Lag ÷ Tx2 (9)
Tmc 計測風速Vc中の移動体風速の占める時間である。単位系は「μs」
Twc 計測風速Vc中の風速の占める時間である。単位系は「μs」
出力風速Vwが計測結果として計算される。なお、センサ間距離Lag上の風速Vwc等が計測結果に含まれてもよい。
図9は、計算式例を示す図(その1)である。風速計10は、図示する計算式を用いて計測結果から、最終的には出力風速Vwを計算する。具体的には、各式は下記のような計算である。
(10)式は、傾斜角度λ、設置高H1、及び、センサ間距離Lagの関係を示す式である。(10)式が示すように、本体11の表面に対して、第1音波送受信器1から第2音波送受信器2への傾斜角度λは、設置高H1、及び、センサ間距離Lagで定まる。
(11)式は、センサ間距離Lag、すなわち、第1音波送受信器1及び第2音波送受信器2の間で音波が伝搬する距離の関係を示す式である。(11)式が示すように、第1音波送受信器1及び第2音波送受信器2の間で音波が伝搬する距離は、設置高H1、及び、センサ間距離Lagで定まる。
(3)式が示す通り、音は風に乗り、追い風では速くなる。一方で、(4)式が示す通り、向かい風では音は遅く進む。まず、3組の音の伝搬時間から速度を算出し、図8に示すようにベクトル解析して出力風速Vwを計算する。
3組の音は、第2音波送受信器2から送信されて、第1音波送受信器1、第3音波送受信器3、及び、第4音波送受信器4の3つの計測点で受信されるまでの伝搬時間が計測される。
次に、第1音波送受信器1、第3音波送受信器3、及び、第4音波送受信器4から第2音波送受信器2へ向かって順に音が送信され、第2音波送受信器2で受信されるまでの各々の伝搬時間が計測される。
図9の(12)式に示す通り、各音波送受信器を往復すると、往路と復路の伝搬時間の差、(3)式、(4)式、及び、(1)式に基づき、追い風、向い風、及び、温度変化の影響を相殺できる。
次に、移動体が移動するため、風速計10は、移動体速度Vmの影響を除く計算を行う。具体的には、風速計10は、図9の(13)式を計算する。
進行方向、すなわち、流入方向15には、対地風速に移動体速度Vmが加わる。そして、各々の音波送受信器送受音器が送受信する音波の音速、対地風速、及び、移動体速度Vmが合わさった速度で音波が伝搬する。そのため、移動体速度Vmが速くなると、対地風速は、少ないクロック数で計測されるため、分解能が低下しやすい。そこで、分解能を保持するため、第1距離D1は、第2距離D2、及び、第3距離D3より長い距離、すなわち、伝搬時間が長くなる距離とする。したがって、同じ速度であれば長い距離を移動する方が、伝搬時間がかかるため、音波を多くのクロック数で計測できる。ゆえに、第1距離D1を長くすると、分解能を高めることができる。このため、第1距離D1、第2距離D2、及び、第3距離D3のうち、第1距離D1が他の距離よりも長い不平衡のスター形(「逆Y字」の形状と同じ意味である。)とする。
なお、移動体速度Vmは、第1方向と第2方向の間に形成される角度、及び、第1方向と第3方向の間に形成される角度がいずれも「120°」である場合、移動体速度Vmの影響は、第1方向を「1」とすると、第2方向、及び、第3方向は、いずれも「cos120=-0.5」の影響が生じる。
(13)式に示す計算を行うと、往路と復路の平均を計算するに相当し、音速の成分である音速Vsが削除される。ただし、計測風速Vcには、センサ間距離Lag上の「センサ間距離Lag上の風速Vwc」と「センサ間距離Lag上の移動体速度Vmc」を含む。
(14)式が、計測風速Vc、「センサ間距離Lag上の風速Vwc」、及び、「センサ間距離Lag上の移動体速度Vmc」の関係を示す関係式である。
「センサ間距離Lag上の移動体速度Vmc」は、移動体速度Vmの斜め方向(センサ間距離Lagの方向である。)の成分であるため、(5)式、及び、(6)式に示す通り、「Vwc」を「Vmc」に、「Vw」を「Vm」に置き換えた計算で計算される。
なお、移動体の移動方向と風速計10の向きが異なる場合には、移動体速度Vmを移動方向ベクトルに変換して「Vm」とする。
(13)式における「計測風速Vc」から「センサ間距離Lag上の移動体速度Vmc」を減算する計算を行うと、「センサ間距離Lag上の風速Vwc」が求まる。「センサ間距離Lag上の風速Vwc」は、斜め方向(センサ間距離Lagの方向である。)の成分である。そこで、「センサ間距離Lag上の風速Vwc」から、(7)式の計算により、出力風速Vw、すなわち、対地風速とする。
[実験結果]
図10は、実験結果を示す図である。実験結果表40は、「解析番号」が「1」乃至「4」の4つの解析結果を示す。なお、実験結果表40における変数は、上記と同様のものは説明を省略する。
「Twc差」は、センサ間距離Lagが異なることにより生じる「Twc」の差である。
「解析番号」が「1」乃至「4」の4つで、いずれも「風速Vw」は10(m/s)である。同様に、「解析番号」が「1」乃至「4」の4つで、いずれも「音速Vs」は340(m/s)である。
一方で、「解析番号」が「1」乃至「4」の4つにおいて、下記の通り、センサ間距離Lag、及び、移動体速度Vmの実験条件が異なる。
「解析番号 1」 Lag=0.1m、Vm=0(m/s)
「解析番号 2」 Lag=0.1m、Vm=30(m/s)
「解析番号 3」 Lag=0.2m、Vm=0(m/s)
「解析番号 4」 Lag=0.2m、Vm=30(m/s)
以上の通り、「解析番号 1」及び「解析番号 2」は、「解析番号 3」及び「解析番号 4」とセンサ間距離Lagが異なる実験条件である。また、「解析番号 1」及び「解析番号 3」は、「解析番号 2」及び「解析番号 4」と移動体速度Vmが異なる実験条件である。
第1方向における「計測風速Vc」には、進行方向と一致するため、移動体速度Vmの影響が含まれる。そして、第2方向、及び、第3方向には、第1方向に対して、いずれも「120°」の角度であると、移動体速度Vmは、第1方向の「0.5倍」の影響となる。すなわち、第2方向、及び、第3方向に対し、第1方向は、移動体速度Vmの影響が2倍ともいえる。
したがって、第1距離D1、第2距離D2、及び、第3距離D3が同じ距離になるように送受音器を配置すると、第1距離D1における計算の精度が低くなる。
「解析番号 2」と「解析番号 4」を比較すると、「Twc差」が6.73(μs)である。したがって、センサ間距離Lagを2倍にすると、倍の分解能となる。したがって、風速を計測する分解能を向上させることができる。
(15)式は、送受音器の配置角度と距離を任意に変更可能にした場合のベクトル計算式である。
(15)式において、「Wx」は、直交座標系のX軸値である。また、(15)式において、「Wy」は、直交座標系のY軸値である。
以下、(15)式では、「A」、「B」、及び、「C」という3つの任意のセンサを想定して、(15-1)式、(15-2)式、(15-3)式とする。具体的には、(15)式において、「Wax」は、「A」というセンサによるX軸上の値である。同様に、(15)式において、「Way」は、「A」というセンサによるY軸上の値である。
(15)式において、「Wbx」は、「B」というセンサによるX軸上の値である。同様に、(15)式において、「Wby」は、「B」というセンサによるY軸上の値である。
(15)式において、「Wcx」は、「C」というセンサによるX軸上の値である。同様に、(15)式において、「Wcy」は、「C」というセンサによるY軸上の値である。
以上のように、(15-1)式、(15-2)式、(15-3)式に示すように、各センサ値をX軸の成分とY軸の成分に分解して計算する。
(15-4)式に示す通り、X軸の成分である「Wx」は、「A」、「B」、及び、「C」のセンサで計測するセンサ値のX軸の各成分を加算して計算する。
同様に、(15-5)式に示す通り、Y軸の成分である「Wy」は、「A」、「B」、及び、「C」のセンサで計測するセンサ値のY軸の各成分を加算して計算する。
(15-6)式の左辺は、ベクトルで示す風向風速値である。
第1距離、第2距離、及び、第3距離、すなわち、軸の長さは、風防を被せて無風状態で再キャリブレーションを行うと変更できる。この距離の計測結果が(15)式における「Wa」、「Wb」、及び、「Wc」となる。
各計測点同士が成す角度は、風防を被せて無風状態で再キャリブレーションを行うと変更できる。この角度の計測結果が(15)式における「A」、「B」、及び、「C」となる。具体的には、図1では、いずれの角度も360°を均等に分けているため、「A=B=C=120°」である。また、角度を動的に変えながら計測する場合には、エンコーダ等の角度計測器があるのが望ましい。
なお、距離、及び、角度を同時に変更する場合は、距離を計測するためのキャリブレーションを先に行うのが望ましい。
(15)式に基づき、風向と風速のベクトル値を算出して、移動体風向風速を求める。
(15)式における(Wx、Wy)は、直交座標系に変換されて算出されたX軸、及び、Y軸の各ベクトル値となる。
(15)式における(Wax+Wbx+Wcx)、(Way+Wby+Wcy)は、(Wx、Wy)の値となる。
この計算式は、軸の角度が120度以外でも、軸が重らなければいかなる角度でも計算が行える。
軸の長さは、風速の計算処理で単位が一致するため(15)式とは関連しない。
[風速の計算第2例]
第2例では、風速計10は、例えば、船舶に設置される。第1例では、移動体は車両であり、車両は主に水平面、すなわち、ピッチ軸(Pitch軸)の移動があまりない。一方で、第2例で説明する船舶は、ピッチ軸の回転がある。
図11は、風速の計算第2例における各名称を説明する図である。以下、移動体を船舶50とする例で説明する。
第1例と同様に、船舶50の進行方向を「Y軸方向」とする。そして、Y軸方向に対して直交方向を「X軸方向」とする。垂直となる方向を「Z軸方向」とする。したがって、Z軸方向が重力方向となる。
図12は、X-Y平面、すなわち、水平面を示す図である。そして、船舶50は、基本的には水平面を移動する移動体である。
船舶50は、風で船体が流されるのを防ぐため、Y軸方向に対して、船首を風上に向けて進行する場合がある。また、船舶50は、波浪を正船首に受けないように波に対して角度(例えば20°乃至30°程度である。)をつける場合もある。例えば、図11は、船首を「船首方向51」に向けた例を示す図である。以下、北となる方向を「磁北方向52」という。磁北方向52は、例えば、GNSS、又は、コンパス等で計測される。
磁北方向52に対して、船首方向51が成す角度を「船首磁北方角53」という。また、磁北方向52に対して、進行方向が成す角度を「進行方向角度56」という。
図12は、船首方向成分の算出例を示す図である。進行方向(Y軸方向となる。)に吹く風を船首方向51と、船首方向51に対して直交する船首方向側舷風58の方向に分解する。
以下、船首方向51に分解した成分を「船首方向成分Sh」と示す。一方で、船首方向側舷風58の方向に分解した成分を「直交成分Sl」と示す。
図13は、進行方向風の削除例を示す図である。進行方向風を「Vp」とすると、「船首方向ベクトルWe」は、(16)式の計算で算出される。
図14は、船首方向の風のベクトル図である。磁北方向52に対して進行方向に「進行方向風角度θ」の角度で風が吹くとする。
図15は、船舶のピッチングの例を示す図である。船舶50は、波によってピッチング(Pitch回転、X軸を回転中心とする回転である。)が生じる。具体的には、船舶50は、波を受けてピッチングすると、船首が上下(Z軸方向である。)に動く。以下、ピッチングによって生じる船首と水平の角度を「ピッチング角α」とする。
図16は、船舶のローリングの例を示す図である。船舶50は、船舶50は、波によってローリング(Roll回転、Y軸を回転中心とする回転である。)が生じる。具体的には、船舶50は、波を受けてローリングすると、船体が左右に揺れるように動く。以下、ローリングによって生じる船体と水平の角度を「ローリング角β」とする。
図17は、ピッチングにおける座標系を示す図である。地上、すなわち、ピッチングがない状態では、「地上座標系60」となる。これに対して、船舶50がピッチング角αとなるピッチングが生じると、船舶50における座標系は、「ピッチング座標系61」となる。
図18は、ローリングにおける座標系を示す図である。地上、すなわち、ローリングがない状態では、「地上座標系60」となる。これに対して、船舶50がローリング角βとなるローリングが生じると、船舶50における座標系は、「ローリング座標系62」となる。
図19は、ローリング、かつ、ピッチングにおける座標系を示す図である。地上、すなわち、ローリング、かつ、ピッチングがない状態では、「地上座標系60」となる。これに対して、ローリング、及び、ピッチングが同時に生じると、船舶50における座標系は、「ローリング・ピッチング座標系63」となる。
図20は、ピッチング角の例を示す図である。船舶50にピッチングが起きている状態をY-Z面、進行方向に対して左舷側から見る視点とすると、地上座標系60とピッチング座標系61のなす角度がピッチング角αとなる。
風速計10、すなわち、ピッチング座標系61における計測値から、地上座標系60の風(以下「前後風Wα」という。)に換算するには、(17)式の計算を行う。前後風Wαは、地上座標系60におけるY軸方向の成分の風である。
(17)式における「Vh」は、出力風速Vwの船首方向51のベクトルである。
図21は、ローリング角の例を示す図である。船舶50にローリングが起きている状態をX‐Z面、進行方向に対して船首位置から見る視点とすると、地上座標系60とローリング座標系62のなす角度がローリング角βとなる。
風速計10、すなわち、ローリング座標系62における計測値から、地上座標系60の風(以下「左右風Wβ」という。)に換算するには、(18)式の計算を行う。左右風Wβは、地上座標系60におけるX軸方向の成分の風である。
(18)式における「Vl」は、出力風速Vwの船首方向51に対して直交方向のベクトルである。
船舶50が波等によって傾けば、船舶50上に設置される風速計10は、対地の位置関係が静止状態の場合とは、ずれが生じる。
図22は、複数の移動体座標系の例を示す図である。船舶50における設置の高さは、設置高軸64における位置となる。例えば、設置高軸64における位置は、船舶50が備えるマストの高さである。したがって、マストの高さによって、移動体における座標系は、例えば、「第1移動体座標系65」、又は、「第2移動体座標系66」のようになる。
第1移動体座標系65、又は、第2移動体座標系66から地上座標系60に下す法線の位置に投影するベクトルを第1投影ベクトル67、及び、第2投影ベクトル68とする。
第1投影ベクトル67、及び、第2投影ベクトル68は、ベクトルの長さ、及び、方向は同一となる。したがって、第1移動体座標系65、及び、第2移動体座標系66の組み合わせのように、高さが異なっても、地上座標系60に投影したベクトルの長さ、及び、方向は同一となる。
第1投影ベクトル67、及び、第2投影ベクトル68は、船舶50上のベクトルであるため、対地風向風速(対地風向風速は、「真風向風速」ともいう。)とするには、船首方向51から磁北方向52に合わせる計算を行う。
図23は、計算式例を示す図(その2)である。
進行方向風角度θは、例えば、GNSS等で特定する。また、船首磁北方角53は、例えば、船舶50に備えるジャイロコンパス等で特定する。以下、船首磁北方角53を「δ」とする。
なお、船舶では、GPSを受信して、例えば、RS-422通信規格で配信する。この配信によって、位置情報の必要な機器は、GPSの電波の届かない場所(例えば、船底等である。)に位置しても、それらの機器にGPSに関する機器が不要となる。
風速計10は、例えば、船外に設置される。このような設置場所であっても、風速計10の設置において、NMEA(National Marine Electronics Association、米国海洋電子機器協会)に規定する情報をRS-422ケーブル等で、マストの上まで引き込む等の配線を不要にできる。
(19)式は、船首方向風向角度φを計算する式である。この計算は、ベクトルの対地方向と風速値はそのままとし、風向の呼び方を対地方角に変更する処理となる。
(20)式は、対地風向を計算する式である。「対地風向Wd」(すなわち、(20)式の左辺である。)は、船首磁北方角53である「δ」、(19)式で計算する船首方向風向角度φ、及び、進行方向風角度θの和で定まる。
[音波の送受信タイミング例]
図24は、音波の送受信タイミング例を示す図である。例えば、「送信タイミング」に示すように、第1送信タイミングTM01、及び、第2送信タイミングTM02のタイミングで送信をする例で説明する。
例えば、風速計10は、第2音波送受信器2から音波が第1音波送受信器1に向かって送信される。したがって、この例では、第2音波送受信器2が送信器となる。一方で、第1音波送受信器1が受信器となる。ゆえに、この例では、第2音波送受信器2が送信した音波を第1音波送受信器1が受信する関係となる。なお、送信器、及び、受信器の関係は、適宜設定される。
例えば、風速が「0m/s」、すなわち、無風の条件下では、「送信タイミング」で送信される音波は、「受信タイミング(風速0m/s)」のタイミングで受信する。具体的には、第1送信タイミングTM01で送信する音波は、無風の条件下では、第11受信タイミングTM11のタイミングで受信される。同様に、第2送信タイミングTM02で送信する音波は、無風の条件下では、第12受信タイミングTM12のタイミングで受信される。
風速が「100m/s」、すなわち、送信側から受信側に向かって風が吹く条件下では、送信される音波は、「受信タイミング(風速100m/s)」のタイミングで受信する。具体的には、第1送信タイミングTM01で送信する音波は、送信側から受信側に向かって風が吹く条件下では、第21受信タイミングTM21のタイミングで受信される。同様に、第2送信タイミングTM02で送信する音波は、送信側から受信側に向かって風が吹く条件下では、第22受信タイミングTM22のタイミングで受信される。
このように、送信側から受信側に向かって風が吹く条件であると、音波は、風によって、無風の条件よりも速くなる。そのため、無風の条件と比較して、送信側から受信側に向かって風が吹く条件下では、受信タイミングは、タイミングが早くなる。
風速が「-100m/s」、すなわち、受信側から送信側に向かって風が吹く条件下では、送信される音波は、「受信タイミング(風速-100m/s)」のタイミングで受信する。具体的には、第1送信タイミングTM01で送信する音波は、受信側から送信側に向かって風が吹く条件下では、第31受信タイミングTM31のタイミングで受信される。同様に、第2送信タイミングTM02で送信する音波は、受信側から送信側に向かって風が吹く条件下では、第32受信タイミングTM32のタイミングで受信される。
このように、受信側から送信側に向かって風が吹く条件であると、音波は、風によって、無風の条件よりも遅くなる。そのため、無風の条件と比較して、受信側から送信側に向かって風が吹く条件下では、受信タイミングは、タイミングが遅くなる。
上記に説明の通り、受信タイミングは、風の条件によりタイミングが変動する。したがって、受信可能のタイミング(以下、受信可能なタイミングを「窓70」で示す。)は、時間幅を持つように設定される。具体的には、窓70は、風速が「-100m/s」乃至「100m/s」となっても受信できるように設定される。
一方で、窓70以外の範囲では、例えば、受信する音波は、ノイズとして処理するのが望ましい。ノイズは、例えば、反射波等である。このように窓70が設定されると、あまりに速い、又は、あまりに遅いタイミングでノイズが混入した場合でも、ノイズの影響がなく、風速が精度良く計測できる。
また、窓70を受信する時間帯とし、音波の音量で更にフィルタリングがされてもよい。すなわち、閾値を事前に設定し、閾値よりも小さい音量の音波は、受信の際にノイズとして処理する。同様に、閾値よりも大きい音量の音波は、受信の際にノイズとして処理する。なお、音量の大きい用、又は、小さい用の閾値は、別々に設定、所謂「上限値」、及び、「下限値」のように2種類設定される。このように、音量で更にノイズがフィルタリングできると、より精度良く計測ができる。
[全体処理例]
図25は、全体処理例を示す図である。例えば、風速計10は、以下のような全体処理を実行して風速計算方法を実行する。
ステップS01では、風速計10は、第1計測結果を出力する。
ステップS02では、風速計10は、第2計測結果を出力する。
ステップS03では、風速計10は、第3計測結果を出力する。
ステップS04では、風速計10は、第4計測結果を出力する。
ステップS01乃至ステップS04は、例えば、並列に実行する。ただし、ステップS01乃至ステップS04は、前後して実行されてもよい。
例えば、第2音波送受信器2から音波を送信し、第1音波送受信器1が受信した場合には、計測結果が第1計測結果として出力される。一方で、第2音波送受信器2と第1音波送受信器1の間に対して音波を往復させる場合には、往路の結果が第1計測結果として出力され、かつ、復路の結果が第2計測結果として出力される。
ステップS05では、風速計10は、第1計測結果乃至第4計測結果に基づき、風速を計算する。
ステップS01乃至ステップS04によって、第1計測点、第2計測点、第3計測点、及び、第4計測点では、音波の送受信が行われて、第1計測結果乃至第4計測結果が各々の計測点で計測される。
[機能構成例]
図26は、機能構成例を示す図である。例えば、風速計10は、第1計測部10F1、第2計測部10F2、第3計測部10F3、第4計測部10F4、及び、計算部10F5を備える。
第1計測部10F1は、第1計測点で計測して第1計測結果を出力する第1計測手順を行う。例えば、第1計測部10F1は、第1音波送受信器1等で実現する。
第2計測部10F2は、第2計測点で計測して第2計測結果を出力する第2計測手順を行う。例えば、第2計測部10F2は、第2音波送受信器2等で実現する。
第3計測部10F3は、第3計測点で計測して第3計測結果を出力する第3計測手順を行う。例えば、第3計測部10F3は、第3音波送受信器3等で実現する。
第4計測部10F4は、第4計測点で計測して第4計測結果を出力する第4計測手順を行う。例えば、第4計測部10F4は、第4音波送受信器4等で実現する。
計算部10F5は、第1計測結果、第2計測結果、第3計測結果、及び、第4計測結果に基づき、風速を計算する計算手順を行う。例えば、計算部10F5は、マイクロコンピュータ31等で実現する。
第1計測部10F1乃至第4計測部10F4は、例えば、図1に示す通り、移動体の進行方向に対して、「逆Y字」等の配置とする。具体的には、第1距離は、第2距離、及び、第3距離のいずれよりも長い距離である。したがって、第2計測部10F2が他の計測部より進行方向において前に位置する。
また、第1計測部10F1乃至第4計測部10F4のうち、第1計測部10F1、第3計測部10F3、及び、第4計測部10F4は、同一の設置平面、すなわち、同じ高さに設置される。一方で、第2計測部10F2は、第1計測部10F1、第3計測部10F3、及び、第4計測部10F4より高い位置に設置されるのが望ましい。
以上のような位置関係の構成であると、風速計10による計測精度を向上させることができる。
[ドローンへの搭載例]
[第1補正方法例]
図27は、ドローンへ搭載する場合の第1例を示す図である。所謂マルチコプター型のドローンでは、プロペラが生じさせる風の影響を補正する。
ドローンのプロペラの回転制御は、Pulse Width Modulation(PWM、パルス幅変調)制御で行われる。具体的には、PWM信号80は、アンプ81を通し出力される。アンプ81によって増幅した後、PWM信号80は、平滑化される。その後、A/D変換器82によって、PWM信号80は、数値化、すなわち、デジタルデータに変換される。デジタルデータとなった後、デジタルデータは、ビット合成回路83によって合成される。
図28は、ビット合成の第1例を示す図である。合成されたデータは、無線機84(例えば、Bluetooth(登録商標)等で無線通信を行う。)によって送信される。
ドローンは、無風状態で計測される風速を事前に記憶する。以下、記憶するデータを「補正ベクトル」という。
図28に示す通り、合成されたデータは、A/D変換器82の分解能のプロペラの数乗となる。例えば、4ビットのA/D変換器82で4基のプロペラであれば、合成されたデータは、16ビットである。したがって、その組み合わせは65536行が必要となる。
このように、事前に補正ベクトルを記憶しておく。その後、計測結果から補正ベクトルを減算すると、プロペラの影響分を補正できる。
[第2補正方法例]
図29は、ドローンへ搭載する場合の第2例を示す図である。第2例では、ドローンにマイクロフォン90を設置する。マイクロフォン90は、プロペラごとに設置する。
マイクロフォン90で収録したプロペラの風を切る音を収録した音データをFFT(高速フーリエ変換)する。そして、FFT解析において、ピーク値を求める。
図30は、FFT解析結果の例である。ピーク値を求めた後、スペクトル番号変換の例のように、周波数帯別に番号分けを行う。この結果をビット合成する回路を経て、合成されたデータは、無線機で送信される。
第1補正方法例と同様に、ドローンは、無風状態で計測される風速を事前に「補正ベクトル」として記憶する。
図31は、ビット合成の第2例を示す図である。第2補正方法例では、合成されたデータは、A/D変換器82の分解能のプロペラの数乗となる。例えば、4ビットのA/D変換器82で4基のプロペラであれば、合成されたデータは、16ビットである。したがって、その組み合わせは65536行が必要となる。
基本周波数、及び、15の高調波数の場合では、16周波数であるため、16段階に分類される。なお、例えば、32周波数では、2つの周波数ごとに分類し、16段階に情報を圧縮する。
指向性マイクロフォンは、他のプロペラ音の影響を避けるために用いられる。
ドローンのような、急激な方向変換、又は、速度増減による加速度の影響が無視できない移動体では、加速度計の時間積分により、その影響を時間経過上の速度として求める事で補正が行われる。
[他の配置例]
計測点は、以下のような配置であってもよい。
図32は、配置の第1変形例を示す図である。例えば、第3計測点、及び、第4計測点は、X軸方向に狭く展開してもよい。このように、第1計測点、第3計測点、及び、第4計測点は、角度が等間隔でない配置でもよい。
図33は、配置の第2変形例を示す図である。第3計測点、及び、第4計測点は、第2計測点よりも進行方向に対して、前に位置してもよい。
図34は、配置の第3変形例を示す図である。このように計測点の配置は、左右対称でなくともよい。
[他の実施形態]
複数の計測点から、風向風速のベクトルをマイクロコンピュータ31等の計算機が受け取ると、多種多様の応用が可能となる。
複数の風速計10で計測すると、「点」での計測が「線」での計測になる。例えば、複数の漁船が移動しながら各々で計測すると、「面」、すなわち、漁場全体の風の変化が捉えられる。このように、「面」で風速が計測できると、漁場の危険海域、又は、漁場のポイントの経験的にしか知りえない暗黙知を、数値化することで形式知として知ることができる。
例えば、荒波の揺れが補正されると、風速計10は、台風下でも風向風速が平常時の状態と同じ結果で得られる。したがって、気象情報の精度を向上させることができる。例えば、ブイに取り付けた定点観測は、荒波の影響を受ける事が少なく、平常時の精度で計測される。
例えば、高速道路の風の状態を一台の車で計測すると、未測定部分が発生する場合がある。そこで、複数のドライバーにより、風速計10が個々の車両で風を計測し、走行中の風の情報を情報センターに送信してもらうと、道路の始点から終点までの風をすべて同時に知ることができる。この情報を電光掲示板に表示する事で運転者の行先の情報として提供できる。また、小型で安価に実現できる。そのため、普及することで公共の利益に供するものである。
例えば、風速計10によって計測した結果に基づき、高速道路の電波ビーコンから風に関する情報を発信すると、カーナビ等に目的地迄の風向風速が表示できる。したがって、危険場所が分かり、う回路の選定が行える。
例えば、風速計10は、滑走路脇等に設置しても離着陸の障害となりにくい。具体的には、風速計10は、縦置きと横置きにすると、飛行場でのダウンバーストを監視できる。
滑走路長が4000m等の場合、長距離の滑走路上の風は一様では無い場合が多い。そこで、滑走路脇に複数個を設置することで、滑走路全体のダウンバースト、又は、横風の状態が監視できる。このようにして、空港における飛行機の安全性を向上させることができる。
風速計10は、携帯可能である。例えば、登山では、谷風の吹き上げ風速、角度、及び、温度の観測を行うと、進退の判断に有益な情報となる。風速計10にGPSを内蔵させると、緯度、経度、高度が取得できる。そして、地図上の現在位置の把握が行える。また、内蔵ジャイロコンパスは、磁針コンパスとしての機能を備える。このようにして、登山の安全性を向上させることができる。
消防活動において延焼を避けるための予防放水、又は、避難を行う指標として風向、及び、風速が有益な情報となる場合が多い。例えば、消防車両の屋根に設置すると、複数の消防車両で計測ができる。そして、複数の計測結果に基づき、風向風速と位置情報を地図上に矢印で表示する。このようにして、火災旋風の発生の有無、又は、延焼方向の判断のもとに予防放水地区と避難経路の決定等に役立てることができる。
森林火災(山火事)において山を駆け上る風の迎角と風速と方向から、火の進む方向を推測することができる。あらかじめ樹木を伐採する等によって、空白地帯を設けて延焼を食い止める際の指標となる。例えば、携帯用であれば、消防隊員が携行可能である。そして、三次元風向風速計等では水平に保つ必要があるが、風速計10は、風に向けるだけで迎角が傾斜計で読み取れる。
例えば、マルチコプター型のドローン等に搭載する。このようにして、ドローン空域の風向風速を観測すると、計測結果はドローンの交通情報として活用できる。例えば、風による事故を未然に防ぐことができる。例えば、10m上空等は、地上とは異なる風が吹いく場合も多いため、局所の風の情報を活用できる。
例えば、農薬散布を行うドローンに風速計10を搭載し、風向、及び、風速を計測しながら散布を行うと、無駄のない散布を行うことができる。
例えば、ドローンでゴルフコース場上空の風の状態を計測してゴルフ等のレジャーに用いられてもよい。
地、海、空の風速、風向、温度の同時測定により、三次元的な気象学の学術的検証に用いるのも可能である。
例えば、渡り鳥、又は、野生動物に取り付けて生態の観測が行える。例えば、位置、風向風速、温度、加速度、又は、傾斜の各種データを記録すると、ヒマラヤ越えする白鳥の精密な調査の資料と成り得る。白鳥は2週間の飛行を行う事から、記録はその期間を記録出来る記録時間間隔で行う。必ずしも連続測定の必要は無く、数分間隔で行う事でバッテリの消耗を抑え、また太陽電池を組み込む事で充電しながら観測を行う事が可能である。
例えば、クリーンルームや無菌室での塵埃の飛翔は、人が室内に入ると急激に増加する。風の流れは、塵埃を嫌う機器の室内の配置の参考となる。風速計10は、固定して測定する事が可能である。また、風速計10は、微風向風速の測定が可能で有り、かつ、水平又は垂直に設置できるため、三次元的な微風個風速の計測ができる。ゆえに、風速計10は、空調の最適な強度と方向の指標となる情報を提供できる。
例えば、風速計10は、人に取り付けた場合、気候変化による行動パターンの解析が可能となる。
例えば、風速計10は、固定して使用する場合、設置作業での水平出しと風向風速計の先頭を北に合わせる作業が不要となる。
[その他の実施形態]
計測点は、5点以上あってもよい。また、1つの計測点で複数回計測がされてもよい。
風速計算方法は、プログラム(ファームウェア、及び、一部の処理を処理回路等で実行する構成を含む。)で実現されてもよい。すなわち、プログラムに基づいて処理を実行する情報処理装置、又は、情報処理システムにより、演算装置、制御装置、及び、記憶装置が協働して処理を実行する構成でもよい。
なお、各構成は、一体でなくともよい。すなわち、各装置は、複数の装置を組み合わせた構成でもよい。例えば、処理を複数の情報処理装置で実行する情報処理システムの構成であってもよい。したがって、情報処理システムは、処理を並列、冗長、又は、分散して実行するでもよい。
なお、本発明は、上記に例示する各実施形態に限定されない。したがって、本発明は、技術的な要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の追加、又は、変形が可能である。ゆえに、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。なお、上記に例示する実施形態は、実施において好適な具体例である。そして、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現で可能であって、このような変形例は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
1 :第1音波送受信器
2 :第2音波送受信器
3 :第3音波送受信器
4 :第4音波送受信器
10 :風速計
10F1 :第1計測部
10F2 :第2計測部
10F3 :第3計測部
10F4 :第4計測部
10F5 :計算部
11 :本体
12 :天板
13 :支柱
14 :通風路
15 :流入方向
20 :車両
50 :船舶
51 :船首方向
52 :磁北方向
53 :船首磁北方角
56 :進行方向角度
58 :船首方向側舷風
60 :地上座標系
61 :ピッチング座標系
62 :ローリング座標系
63 :ピッチング座標系
64 :設置高軸
65 :第1移動体座標系
66 :第2移動体座標系
67 :第1投影ベクトル
68 :第2投影ベクトル
70 :窓
D1 :第1距離
D2 :第2距離
D3 :第3距離
H1 :設置高
L12 :第1線分
L23 :第2線分
L24 :第3線分
Lag :センサ間距離
Sh :船首方向成分
Sl :直交成分
TM01 :第1送信タイミング
TM02 :第2送信タイミング
TM11 :第11受信タイミング
TM12 :第12受信タイミング
TM21 :第21受信タイミング
TM22 :第22受信タイミング
TM31 :第31受信タイミング
TM32 :第32受信タイミング
Vc :計測風速
Vm :移動体速度
Vmc :移動体速度
Vs :音速
Vw :出力風速
Vwc :風速
Vx1 :第1音速
Vx2 :第2音速
Wd :対地風向
We :船首方向ベクトル
Wα :風
Wβ :左右風
α :ピッチング角
β :ローリング角
θ :進行方向風角度
λ :傾斜角度
φ :船首方向風向角度

Claims (9)

  1. 移動体に設置する風速計であって、
    第1計測点で計測して第1計測結果を出力する第1計測部と、
    第2計測点で計測して第2計測結果を出力する第2計測部と、
    第3計測点で計測して第3計測結果を出力する第3計測部と、
    第4計測点で計測して第4計測結果を出力する第4計測部と、
    前記第1計測結果、前記第2計測結果、前記第3計測結果、及び、前記第4計測結果に基づき、風速を計算する計算部とを備え、
    前記第1計測点、前記第3計測点、及び、前記第4計測点が設置される設置平面において、
    前記設置平面は、水平面であり、
    前記第1計測点と前記第2計測点を結ぶ線分の水平成分の長さが第1距離であり、かつ、前記移動体の進行方向である第1方向において、前記第1計測点が前記第2計測点より上流に位置し
    前記第3計測点と前記第2計測点を結ぶ線分の前記水平成分の長さが第2距離であり、
    前記第4計測点と前記第2計測点を結ぶ線分の前記水平成分の長さが第3距離であり、
    前記第1距離は、前記第2距離、及び、前記第3距離のいずれよりも長い距離であり、
    無風状態における前記移動体の補正ベクトルを記憶し、
    前記計算部は、
    前記補正ベクトルに基づき、前記風速を補正する
    風速計。
  2. 移動体に設置する風速計であって、
    第1計測点で計測して第1計測結果を出力する第1計測部と、
    第2計測点で計測して第2計測結果を出力する第2計測部と、
    第3計測点で計測して第3計測結果を出力する第3計測部と、
    第4計測点で計測して第4計測結果を出力する第4計測部と、
    前記第1計測結果、前記第2計測結果、前記第3計測結果、及び、前記第4計測結果に基づき、風速を計算する計算部とを備え、
    前記第1計測点、前記第3計測点、及び、前記第4計測点が設置される設置平面において、
    前記設置平面は、水平面であり、
    前記第1計測点と前記第2計測点を結ぶ線分の水平成分の長さが第1距離であり、かつ、前記移動体の進行方向である第1方向において、前記第1計測点が前記第2計測点より上流に位置し
    前記第3計測点と前記第2計測点を結ぶ線分の前記水平成分の長さが第2距離であり、
    前記第4計測点と前記第2計測点を結ぶ線分の前記水平成分の長さが第3距離であり、
    前記第1距離は、前記第2距離、及び、前記第3距離のいずれよりも長い距離であり、
    第1コイルに印加した電力を第2コイルで取り出す電源構成であって、
    前記第1コイル、及び、前記第2コイルのコアーが支柱となり、
    前記第1コイルを有する本体側に対して、前記第2コイルを有する天板側が前記支柱によってささえられる構成である
    風速計。
  3. 前記第2計測点は、
    垂直方向において前記第1計測点、前記第3計測点、及び、前記第4計測点よりも高い位置であり、
    前記第1計測点、前記第3計測点、及び、前記第4計測点は、
    前記垂直方向において同じ高さの位置である請求項1に記載の風速計。
  4. 前記第2距離、及び、前記第3距離は、等しい距離であり、
    前記第1距離は、前記第2距離、及び、前記第3距離の1.5倍以上の距離である請求項1に記載の風速計。
  5. 前記移動体のピッチング角、及び、前記移動体のローリング角を計測し、
    前記ピッチング角、及び、前記ローリング角に基づき、対地風速を計算する請求項1に記載の風速計。
  6. 第1計測点で計測して第1計測結果を出力する第1計測部と、
    第2計測点で計測して第2計測結果を出力する第2計測部と、
    第3計測点で計測して第3計測結果を出力する第3計測部と、
    第4計測点で計測して第4計測結果を出力する第4計測部と、
    前記第1計測結果、前記第2計測結果、前記第3計測結果、及び、前記第4計測結果に基づき、風速を計算する計算部とを備え、
    移動体に設置する風速計が実行する風速計算方法であって、
    前記第1計測点で計測して前記第1計測結果を前記第1計測部が出力する第1計測手順と、
    前記第2計測点で計測して前記第2計測結果を前記第2計測部が出力する第2計測手順と、
    前記第3計測点で計測して前記第3計測結果を前記第3計測部が出力する第3計測手順と、
    前記第4計測点で計測して前記第4計測結果を前記第4計測部が出力する第4計測手順と、
    前記第1計測結果、前記第2計測結果、前記第3計測結果、及び、前記第4計測結果に基づき、風速を前記計算部が計算する計算手順とを含み、
    前記第1計測点、前記第3計測点、及び、前記第4計測点が設置される設置平面において、
    前記設置平面は、水平面であり、
    前記第1計測点と前記第2計測点を結ぶ線分の水平成分の長さが第1距離であり、かつ、前記移動体の進行方向である第1方向において、前記第1計測点が前記第2計測点より上流に位置し
    前記第3計測点と前記第2計測点を結ぶ線分の前記水平成分の長さが第2距離であり、
    前記第4計測点と前記第2計測点を結ぶ線分の前記水平成分の長さが第3距離であり、
    前記第1距離は、前記第2距離、及び、前記第3距離のいずれよりも長い距離であり、
    無風状態における前記移動体の補正ベクトルを記憶し、
    前記計算手順では、
    前記補正ベクトルに基づき、前記風速を補正する
    風速計算方法。
  7. 請求項6に記載の風速計算方法を情報処理装置に実行させるためのプログラム。
  8. 第1計測点で計測して第1計測結果を出力する第1計測部と、
    第2計測点で計測して第2計測結果を出力する第2計測部と、
    第3計測点で計測して第3計測結果を出力する第3計測部と、
    第4計測点で計測して第4計測結果を出力する第4計測部と、
    前記第1計測結果、前記第2計測結果、前記第3計測結果、及び、前記第4計測結果に基づき、風速を計算する計算部とを備え、
    第1コイルに印加した電力を第2コイルで取り出す電源構成であって、
    前記第1コイル、及び、前記第2コイルのコアーが支柱となり、
    前記第1コイルを有する本体側に対して、前記第2コイルを有する天板側が前記支柱によってささえられる構成である
    移動体に設置する風速計が実行する風速計算方法であって、
    前記第1計測点で計測して前記第1計測結果を前記第1計測部が出力する第1計測手順と、
    前記第2計測点で計測して前記第2計測結果を前記第2計測部が出力する第2計測手順と、
    前記第3計測点で計測して前記第3計測結果を前記第3計測部が出力する第3計測手順と、
    前記第4計測点で計測して前記第4計測結果を前記第4計測部が出力する第4計測手順と、
    前記第1計測結果、前記第2計測結果、前記第3計測結果、及び、前記第4計測結果に基づき、風速を前記計算部が計算する計算手順とを含み、
    前記第1計測点、前記第3計測点、及び、前記第4計測点が設置される設置平面において、
    前記設置平面は、水平面であり、
    前記第1計測点と前記第2計測点を結ぶ線分の水平成分の長さが第1距離であり、かつ、前記移動体の進行方向である第1方向において、前記第1計測点が前記第2計測点より上流に位置し
    前記第3計測点と前記第2計測点を結ぶ線分の前記水平成分の長さが第2距離であり、
    前記第4計測点と前記第2計測点を結ぶ線分の前記水平成分の長さが第3距離であり、
    前記第1距離は、前記第2距離、及び、前記第3距離のいずれよりも長い距離である
    風速計算方法。
  9. 請求項8に記載の風速計算方法を情報処理装置に実行させるためのプログラム。
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