JP7488428B1 - モータコアの製造装置及びモータコアの製造方法 - Google Patents

モータコアの製造装置及びモータコアの製造方法 Download PDF

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Abstract

本開示のモータコアの製造装置は、所定の間隔を空けて環状に配設された複数の樹脂充填部を含むモータコアを保持可能な金型と、前記金型に形成され端部が前記複数の樹脂充填部のそれぞれに連通可能な樹脂充填路に連通し、且つ内部に所定の肉厚を有する環状の樹脂材を収容可能な環状のチャンバと、前記環状のチャンバ内を移動可能な環状プランジャと、前記金型内に配設された第1加熱機及び前記環状のチャンバの外側周囲に配設された第2加熱機を含む加熱機と、を含む。

Description

本開示は、モータコアの製造装置及びモータコアの製造方法に関するものである。
回転電機には、モータコア、例えばロータコアに所定の間隔を空けて円環状に配設された複数個のスロット内に永久磁石をそれぞれ取り付けたものがある。モータコアに永久磁石を取り付ける方法として、スロット内に永久磁石を挿入した後、周囲に樹脂を充填し硬化させる方法が知られている。
特開2019-134566号公報には、ロータコアの磁石挿入穴内に充填剤としての樹脂を充填する際に、タブレット型の樹脂を充填剤供給部(「ポット」と呼ばれることもある)に投入して加熱し、充填前に軟化・溶融させて、充填を行うものが記載されている。
車両に搭載されるモータ等に用いられるモータコアのように、モータコア自体が大型である場合には、スロットの大型化やスロット数の増加、また積層高さが高くなる等に伴い、樹脂の充填量も増大する。モータコアへの樹脂の充填量が多くなると、それに比例してポットに投入される樹脂材も大きくする必要がある。樹脂材を加熱する加熱手段は、ポットの周囲に配設されるのが一般的であるが、特開2019-134566号公報のもののように樹脂材がタブレット型(換言すると、中実の円柱状)であると、樹脂材が大きくなることによって加熱手段からの距離に大きな差が生じ得る。結果、特に樹脂材の表面部と中心部との間に温度差が生じやすくなり、樹脂材全体の加熱を均一に行うことが難しくなる。樹脂材の不均一な加熱は、樹脂材の硬化反応のバラツキの原因となる。
加えて、特開2019-134566号公報のものは、タブレット型の樹脂材を軟化・溶融させるポットが上型の中央に形成されている。磁石挿入穴はロータコアの外周側に配設されていることから、ポットと磁石挿入穴との距離が遠く、上型に形成される樹脂充填路が長くなってしまう。樹脂充填路が長いと、充填に要する時間が長くなり、樹脂充填路内で樹脂の硬化反応が進んでしまうため、磁石挿入穴に十分に樹脂が充填されない懸念がある。
本開示は、上述した課題に鑑み、樹脂材を均一に加熱することができ、且つ樹脂充填路を短くすることが可能なモータコアの製造装置及びモータコアの製造方法を提供する。
本開示の第1の態様に係るモータコアの製造装置は、所定の間隔を空けて環状に配設された複数の樹脂充填部を含むモータコアを保持可能な金型と、前記金型に形成され端部が前記複数の樹脂充填部のそれぞれに連通可能な樹脂充填路に連通し、且つ内部に所定の肉厚を有する環状の樹脂材を収容可能な環状のチャンバと、前記環状のチャンバ内を移動可能な環状プランジャと、前記金型内に配設された第1加熱機及び前記環状のチャンバの外側周囲に配設された第2加熱機を含む加熱機と、を含む。
上記のようなモータコアの製造装置においては、チャンバ内で加熱される樹脂材を環状の樹脂材としたことで、第2加熱機から遠い中央部分には樹脂材がなく、チャンバ内の樹脂材の加熱を均一に行うことができる。また、環状に配設された樹脂充填部に対して、環状のチャンバから樹脂を充填するため、樹脂充填部とチャンバとの間をつなぐ樹脂充填路を短くすることができる。さらに、環状の樹脂材の径を調整することによって、樹脂充填路を短く維持したまま樹脂を充填するモータコアの品種変更(例えば、大型化・小型化、コア自体は同径だが樹脂充填位置が変更されたもの、等)にも対応することができる。さらにまた、樹脂材が環状であることで、タブレット型の樹脂材用いた場合に比べて短時間で所定温度まで加熱することができる。
本開示の第2の態様に係るモータコアの製造装置は、上記本開示の第1の態様に係るモータコアの製造装置において、前記加熱機は、前記環状のチャンバの内側周囲に配設された第3加熱機をさらに含む。
上記のようなモータコアの製造装置においては、環状の樹脂材の内側部分も確実に加熱することができる。よって、均一な加熱を確実に実施することができる。
本開示の第3の態様に係るモータコアの製造装置は、上記本開示の第1又は第2の態様に係るモータコアの製造装置において、前記環状のチャンバは、前記環状の樹脂材と前記環状の樹脂材を内部に収容した治具とを収容可能である。
上記のようなモータコアの製造装置においては、環状の樹脂材の成形時に用いる治具から環状の樹脂材を分離することなくチャンバに投入することができる。
本開示の第4の態様に係るモータコアの製造方法は、環状のチャンバ内に所定の肉厚を有する環状の樹脂材を投入する工程と、前記環状のチャンバに連通した樹脂充填路が形成された金型内に、所定の間隔を空けて環状に配設された複数の樹脂充填部を含むモータコアを、前記樹脂充填路の端部が前記複数の樹脂充填部に連通するように保持する工程と、前記環状のチャンバ内の前記環状の樹脂材を加熱して軟化させる工程と、前記環状のチャンバ内を移動可能な環状プランジャを動作させて、前記環状のチャンバ内において軟化された前記環状の樹脂材からなる軟化樹脂を前記複数の樹脂充填部内へ充填する工程と、前記複数の樹脂充填部内に充填された前記軟化樹脂を硬化させる工程と、を含む。
上記のようなモータコアの製造方法においては、チャンバ内で加熱される樹脂材を環状の樹脂材としたことで、チャンバ内で加熱した際に全体に均一に熱を伝えることができる。また、環状に配設された樹脂充填部に対して、環状のチャンバから樹脂を充填するため、樹脂充填部とチャンバとの間をつなぐ樹脂充填路が短くなり、樹脂の充填を短時間で完了できる。さらに、従来工法より多くの樹脂材料をスロット部内へ充填することができる。さらにまた、樹脂材が環状であることで、タブレット型の樹脂材を用いた場合に比べて短時間で所定温度まで加熱することができる。
本開示の第5の態様に係るモータコアの製造方法は、上記本開示の第4の態様に係るモータコアの製造方法において、前記金型及び前記モータコアの少なくとも一方を予熱する工程をさらに含む。
上記のようなモータコアの製造方法においては、チャンバ内で軟化された樹脂が金型内及びモータコア内に到達した際に冷却されて粘度が低下することがなく、安定した樹脂充填を実現できる。
本開示のモータコアの製造装置及びモータコアの製造方法によれば、樹脂材を均一に加熱することができ、且つ樹脂充填路を短くすることが可能となる。
本開示の一実施の形態に係るモータコアの製造装置の一例を示した概略説明図である。 図1に示すモータコアの製造装置に使用されるロータコアの一例を示した概略斜視図である。 図1に示すモータコアの製造装置に使用される環状の樹脂材の一例を示した概略斜視図である。 本開示の一実施の形態に係るモータコアの製造方法の一例を示したフローチャートである。 図1に示すモータコアの製造装置の動作状態の一例を示した動作説明図である。 図1に示すモータコアの製造装置の動作状態の一例を示した動作説明図である。 図1に示すモータコアの製造装置の動作状態の一例を示した動作説明図である。 図1に示すモータコアの製造装置の動作状態の一例を示した動作説明図である。 図1に示すモータコアの製造装置の一変形例に係るモータコアの製造装置の、図4に対応する状態を示した図である。 図1に示すモータコアの製造装置の他の変形例に係るモータコアの製造装置の、図4に対応する状態を示した図である。 図9に示すモータコアの製造装置の下型を下降させた状態を示した図である。
この出願は、日本国で2022年12月12日に出願された特願2022-198169号に基づいており、その内容は本出願の内容としてその一部を形成する。
また、本開示は以下の詳細な説明によりさらに完全に理解できるであろう。本願のさらなる応用範囲は、以下の詳細な説明により明らかとなろう。しかしながら、詳細な説明及び特定の実例は、本開示の望ましい実施の形態であり、説明の目的のためにのみ記載されているものである。この詳細な説明から、種々の変更、改変が、本開示の精神と範囲内で、当業者にとって明らかであるからである。
出願人は、記載された実施の形態のいずれをも公衆に献上する意図はなく、開示された改変、代替案のうち、特許請求の範囲内に文言上含まれないかもしれないものも、均等論下での発明の一部とする。
以下、図面を参照して本開示を実施するための各実施の形態について説明する。なお、以下では本開示の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本開示の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。また、図中の互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。さらに、一の図面中に互いに同一又は相当する部材が複数個含まれている場合には、図を見易くするために、そのうちのいくつかにのみ符号を付している場合がある。
<モータコアの製造装置>
図1は、本開示の一実施の形態に係るモータコアの製造装置の一例を示した概略説明図である。本実施の形態に係るモータコアの製造装置1は、モータコア、例えばインナーロータ型のロータコア2に形成されたスロット部4に永久磁石3を取り付けるための装置であってよい。そして、この永久磁石3の取り付けを樹脂モールドによって実現するものであってよい。なお、本実施の形態においては、モータコアとしてロータコア2を例示しているが、本開示はこれに限定されない。具体的には、当該モータコアの製造装置1を、例えばモータコアとしてのステータコアのコイルが巻き回された部分等を樹脂モールドするため、またはかしめのない積層コアの軸方向に設けられた貫通孔等に樹脂を充填して積層コアを一体に固定するために利用することもできる。また、以下の説明においては、その理解を容易にするために、図1中に示したX方向を左右方向、Y方向を前後方向、Z方向を高さ方向(あるいは上下方向)として説明を行うことがある。
図2A及び図2Bは、図1に示すモータコアの製造装置に使用されるロータコア及び環状の樹脂材の一例を示した概略斜視図である。ロータコア2は、図2Aに示すように、薄い電磁鋼板が複数枚積層されて構成された略円筒状の磁性体で構成することができる。ロータコア2の軸心部分には、モータとして組み立てられた際に回転軸を構成するシャフトが挿入される貫通穴5が設けられていてよい。また、ロータコア2には、この貫通穴5を包囲するように、ロータコア2の軸心方向に沿って延びる複数(図2Aにおいては4個)のスロット部4が環状に配設されていてよい。このスロット部4は、永久磁石3(図1参照)が挿入可能な形状、例えばロータコア2の肉厚方向に貫通する直方体状あるいは円弧状の貫通穴で構成することができるが、その具体的形状は特に限定されない。同様に、その数についても任意で変更可能であり、図2Aに示す4個より多い、例えば10~40個程度とすることもできる。
ロータコア2のスロット部4は、その内部に永久磁石3が挿入され固定されるものである。永久磁石3は、例えばスロット部4よりも僅かに小さな直方体あるいは平面視円弧状のブロック体で構成することができる。また、この永久磁石3は、スロット部4に挿入される時点で着磁されているか否かを問わない。さらに、この永久磁石3は、積層方向、又は積層方向に直交する方向に分割されているかどうかは問わない。スロット部4に永久磁石3を挿入すると、永久磁石3の外周面とスロット部4の内周面との間に、少なくとも部分的にギャップが形成される。このスロット部4に形成されるギャップが、樹脂充填部の一例としての充填空間6として機能し得る。この複数の充填空間6は、ロータコア2が下型22上に載置されたとき、それぞれが樹脂充填路25の端部に連通し得るものである。
本実施の形態に係るモータコアの製造装置1で用いられる環状の樹脂材Pは、主に熱硬化性の樹脂材料で構成することができる。詳しくは、環状の樹脂材Pには、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂あるいはシアネート樹脂といった熱硬化性樹脂材料を主に含むものを用いることができる。また、この環状の樹脂材Pには、熱硬化性の樹脂材料に加えて、硬化剤や充填剤等が添加されていてよい。
環状の樹脂材Pは、図2Bに示すように、所定の肉厚を有する環状、好ましくは円環状に成形された樹脂成形体で構成することができる。言い換えれば、本実施の形態に係る環状の樹脂材Pは、その中央部に貫通穴Hを有するドーナツ状に成形された樹脂成形体であるといえる。この環状の樹脂材Pの詳細な寸法等は、後述するチャンバ30及び樹脂充填路25の形状や、充填空間6の容量等に合わせて調整されていてよい。
本実施の形態に係るモータコアの製造装置1は、図1に示すように、少なくとも、ロータコア2を保持可能な金型20と、環状の樹脂材Pを収容可能な環状のチャンバ30と、チャンバ30内を移動可能な環状プランジャ35と、金型20及びチャンバ30の周囲に配設された加熱機40と、を含む。また、上述した各構成要素は、製造装置本体10内に収容され、あるいは製造装置本体10の適所に取り付けられ得る。
製造装置本体10は、基台11と、基台11の表面に複数本(例えば4本)立設された支柱12と、この支柱12の先端部分に支持された天板13とを含むものであってよい。天板13は、その下側の面に後述する金型20の上型21が固定されていてよく、図示しないアクチュエータを用いて、支柱12及びこの上型21と共に上下方向に昇降可能であってよい。天板13の昇降動作は、主に金型20にロータコア2を保持する、あるいは金型20からロータコア2を取り外して搬出する際に実施され得る。
金型20は、ロータコア2を保持するための部材である。具体的には、この金型20は、ロータコア2の上部、詳しくはその上面に当接して支持する上型21と、ロータコア2の下部、詳しくは下面に当接して支持する下型22とを含むものとすることができる。
下型22の内部には、下型22上に載置されたロータコア2の複数の充填空間6へ軟化した樹脂を供給するための樹脂充填路25が設けられていてよい。樹脂充填路25の経路構造は、ロータコア2の充填空間6の数や形状、チャンバ30の形状等に合わせて変更するとよいが、好ましくは充填空間6とチャンバ30との間を最短距離でつなぐ構造とするとよい。
スロット部4に樹脂が充填されるロータコア2は、しばしば他の形状のものに変更され得るため、下型22は、異なる構造の樹脂充填路25を有するものを予め複数個準備しておき、金型20内に保持されるロータコア2に合わせて適宜交換して使用するとよい。また、下型22は、チャンバ30内への環状の樹脂材Pの投入や樹脂充填路25のクリーニング等を行うために、下型22を昇降させることが可能なリフタ26をさらに含んでいてよい。
また、上型21は、上述した通り天板13と共に上下方向に移動可能であってよい。そして、この上型21が下型22上にロータコア2が載置された際に下降し、所定の押圧力でロータコア2の上面を押圧することで、ロータコア2を上型21と下型22の間に挟むように保持することができる。上型21及び下型22のロータコア2に当接する面は、充填空間6への樹脂の充填時に、充填された樹脂がロータコア2外に漏れ出すことがないよう、その形状や素材等が調整され得る。具体的には、上型21及び下型22にてロータコア2を挟んだ際に、その接触面が密閉状態となるように調整され得る。
本実施の形態においては、上述の通り上型21を天板13と共に上下に移動させる構造を採用しているが、上型21と下型22の上下方向位置を相対的に変更可能な構造であれば、他の構造を採用することができる。具体的には、例えば上型21を上下方向に移動させることに代えて、下型22を上下方向に移動させる、あるいは上型21と下型22の両方を上下方向に移動させる構造を採用してもよい。
本実施の形態においては、ロータコア2のスロット部4として、上下方向に開口し且つ前後及び左右方向に実質的に隙間を有しない直方体形状のものを例示している。そのため、上型21及び下型22は、略平坦な当接面を有するものを採用しているが、上型21及び下型22の当接面の形状は、保持するロータコア2の形状に合わせて適宜変更することができる。例えば、本実施の形態に係るモータコアの製造装置1をインナーロータ型のステータコアの樹脂モールドに用いる場合には、上型21及び下型22として、ステータコアの中央に形成される空間に挿入される突起を含むものを採用するとよい。
チャンバ(「ポット」と呼ばれることもある)30は、充填空間6に充填される環状の樹脂材Pが投入され得る環状の空間を形成している。換言すると、チャンバ30は、基台11上に設けられた支持台31の内部に形成された、上下方向に延在する筒状の空間から構成されている。そして、このチャンバ30は、下型22に形成された樹脂充填路25に連通している。なお、本実施の形態では、チャンバ30の形状として、平面視円環状の空間で形成されたものを例示しているが、投入される環状の樹脂材Pの形状等に合わせて適宜変更することができる。
環状プランジャ35は、環状の空間からなるチャンバ30内の樹脂を、樹脂充填路25に向けて搬送するための部材であってよい。したがって、この環状プランジャ35は、少なくともその上部に位置する押圧面37が環状であればよく、この押圧面37は、環状プランジャ35の底部を封鎖するように配設され得る。この場合、押圧面37はチャンバ30の底面としても機能する。また、環状プランジャ35の押圧面37とは反対側の面には、図示しないアクチュエータに連結された昇降アーム36が取り付けられていてよい。アクチュエータの動作が昇降アーム36を介して環状プランジャ35に伝達されることにより、押圧面37はチャンバ30内を昇降する。環状プランジャ35の先端の内外周にシール部材(好ましくはメタルシール)を設け、より一層樹脂漏れ対策を施した構成とすることができる。
加熱機40は、周知のヒータ等で構成することができ、製造装置本体10内の適所を加熱するものであってよい。本実施の形態に係る加熱機40は、金型20内に配設された第1加熱機の一例としての金型ヒータ41と、環状のチャンバ30の外側周囲に配設された第2加熱機の一例としてのチャンバ外周ヒータ42とを少なくとも含む。
金型ヒータ41は、上型21内及び下型22内の少なくとも一方に配設されているとよい。また、チャンバ外周ヒータ42は、環状のチャンバ30の外側の壁面に近接する位置に、例えばチャンバ30の周囲を包囲するように配設されているとよい。金型ヒータ41及びチャンバ外周ヒータ42、あるいは後述するチャンバ内周ヒータ43には、例えば赤外線ヒータやシーズヒータを採用することができる。
チャンバ30内に環状の樹脂材Pを投入した後、チャンバ外周ヒータ42を動作させると、環状の樹脂材Pの加熱を行うことができる。ここで、環状の樹脂材Pには貫通穴Hが形成されているため、樹脂材全体がチャンバ外周ヒータ42から比較的近い距離に配設される。これにより、チャンバ30内で環状の樹脂材Pを加熱して軟化させる際に、熱源(例えばチャンバ外周ヒータ42)に対する距離の違いによって生じ得る部分的な温度差を小さく抑えることが可能となっている。
また、加熱機40は、上述した金型ヒータ41及びチャンバ外周ヒータ42に加えて、環状のチャンバ30の内側周囲に配設された第3加熱機の一例としてのチャンバ内周ヒータ43を含むこともできる。本実施の形態に係るチャンバ内周ヒータ43は、下型22の下面中央部に形成されチャンバ30の内側の壁面を形成する柱状の突出部22Aに設けられているものを例示している。突出部22Aに設けられるチャンバ内周ヒータ43は、環状のチャンバ30の中心部分に、チャンバ30の内側の壁面に沿って配設されているとよい。このチャンバ内周ヒータ43を設けることで、チャンバ外周ヒータ42から比較的離れた位置にある環状の樹脂材Pの内側部分の加熱を補助することができる。したがって、樹脂材の均一な加熱をより確実に実行することができるようになる。なお、本実施の形態に係る加熱機40は、上述した各種のヒータに限定されない。例えば、環状プランジャ35の押圧面37に隣接する位置に別途ヒータを設けることも可能である。
加えて、上述したように、本実施の形態では第3加熱機の一例としてのチャンバ内周ヒータ43を、下型22に形成された突出部22Aに設けたものを例示したが、チャンバ内周ヒータ43に関連する構造はこれに限定されない。具体的には、例えば突出部22Aに代えて、基台11の環状のチャンバ30に対向する領域又は当該領域の周辺に配置された他の構成要素(例えば支持台31)から環状のチャンバ30の中心部分に向けて延びる柱状部材を設け、当該柱状部材にチャンバ内周ヒータ43を設けるようにしてもよい。なお、この柱状部材は、その先端部分の周面が環状のチャンバ30の内周面を形成するように、その径が調整されているとよい。また、当該柱状部材は、環状プランジャ35の動作を制限しないように、その形状が工夫されているとよい。
本実施の形態に係るモータコアの製造装置1は、さらに、上述した各構成要素を制御するための制御装置50を含んでいてよい。この制御装置50は、上述した各構成要素に電気的に接続されてその動作を制御することで、任意の製造工程を実現することが可能な装置であってよい。この制御装置50は、例えば図1中に点線で示すように、各構成要素に有線又は無線通信を介して通信可能に接続されていてよい。この制御装置50は、シーケンサ(Programmable Logic Controller、PLC)や周知のコンピュータを用いて実現することができる。また、制御装置50は、上述したコンピュータ等のうちの1つのみから又は複数を組み合わせて構成され得る。
この制御装置50は、上述した各構成要素を動作させることにより、後述する本実施の形態に係るモータコアの製造方法を実現することができる。これに関連して、本実施の形態に係るモータコアの製造方法は、制御装置50を構成するコンピュータに、所定の動作を実行させるための指令を含むソフトウェア等のプログラムの形態で、このプログラムが格納された非一時的な記録媒体の形態で、あるいはネットワーク等を介して提供されるアプリケーションプログラムの形態で、提供され得るものである。本実施の形態に係るモータコアの製造方法の詳細については後述する。
上述した構成を備えるモータコアの製造装置1において、樹脂を充填するロータコア2の複数の充填空間6が所定の間隔を空けて環状に配設されていること、及びチャンバ30が環状であることは、特に留意すべき事項である。本実施の形態のもののように、充填空間6の配置とチャンバ30の外径が概ね一致していると、チャンバ30と充填空間6との間をつなぐ樹脂充填路25の長さは、例えば従来のチャンバが装置中央に位置しているものに比べて短くなる。したがって、本実施の形態に係るモータコアの製造装置1によれば、従来のものに比して、樹脂充填路25の通過に要する時間を短縮することができ、従来工法より多くの樹脂材をスロット部4内へ充填することができる。
以上説明した通り、本実施の形態に係るモータコアの製造装置1によれば、チャンバ30及びチャンバ30に投入される樹脂材(P)をいずれも環状としたことで、樹脂材を加熱する際に温度差が生じにくくなり、均一に加熱することができる。チャンバ30内で加熱され軟化された樹脂は、加熱時の温度差が抑制されているため、硬化反応を均一に進行させることができる。そのため、意に反して硬化反応が進むことに起因する樹脂充填路25の詰まりや流動性の低下を抑制することができる。
また、チャンバ30の形状を充填空間6の配置に合わせて環状としたことで、樹脂充填路25の長さを短くすることができ、樹脂充填路25内で樹脂の硬化反応が進んでしまうことを抑制することができる。これにより、スロット部4内に十分に樹脂を充填することができるようになる。
上記に関連して、チャンバ30の外径及び内径は、充填空間6の配置を考慮して設定するとよい。好ましくは、チャンバの外径及び内径は、チャンバ30と充填空間6との間の距離ができるだけ短くなるように調整されているとよい。チャンバ30と充填空間6との間の距離が短ければ、チャンバ30と充填空間6との間をつなぐ樹脂充填路25も短くすることができる。
次に、本実施の形態に係るモータコアの製造方法について説明する。以下のモータコアの製造方法の説明に際しては、上述したモータコアの製造装置1を用いて、ロータコア2を製造する場合を例示的に説明するが、モータコアの製造装置1以外の装置を用いて実現することもできる。
<モータコアの製造方法>
図3は、図1に示すモータコアの製造装置で実施される製造プロセスの一例を示したフローチャートである。また、図4乃至図7は、図1に示すモータコアの製造装置の動作状態の一例を示した動作説明図である。以下には、主に図3乃至図7を参照して本実施の形態に係るモータコアの製造方法の説明を行う。なお、図4乃至図7は、図を見やすくするために、一連の動作に関連の低い部材やそれらの符号を一部省略して示している。
本実施の形態に係るモータコアの製造方法においては、先ず、図4に示すように、リフタ26を動作させて下型22を上昇させ、これにより露出したチャンバ30内に環状の樹脂材Pを投入する(工程S01)。チャンバ30内に投入された環状の樹脂材Pは、環状プランジャ35の押圧面37上に載置される。チャンバ30に投入される環状の樹脂材Pのサイズは、後に保持されるロータコア2の充填空間6及び樹脂充填路25のサイズを考慮して調整されていてよい。
上記工程S01の前に、チャンバ30の予熱を行っておくと好ましい。チャンバ30の予熱は、例えばチャンバ外周ヒータ42及びチャンバ内周ヒータ43の少なくとも一方を動作させることで実現できる。
次に、チャンバ30内に環状の樹脂材Pが投入される前又は後に、もしくは環状の樹脂材Pの投入と並行して、永久磁石3とこの永久磁石3を取り付けるロータコア2を準備し、ロータコア2のスロット部4内に永久磁石3を挿入する(工程S02)。そして、金型20及びロータコア2の予熱を行う(工程S03)。金型20の予熱は、例えば金型ヒータ41を用いて行うことができる。ロータコア2の予熱は、図示しない公知の加熱手段等を用いて金型20の予熱とは別個に行われてもよいが、下型22上に載置された状態で金型ヒータ41を動作させれば、金型20の予熱と同時に行うこともできる。金型20とロータコア2を同時に予熱する際は、工程S03の前に後述する工程S04を実施するとよい。金型20及びロータコア2の予熱温度は、例えば100~180℃程度とすることができる。なお、当該予熱は金型20及びロータコア2のいずれか一方のみに対して行ってもよい。
さらに、工程S02と工程S03の順序は変更することができる。その場合は、ロータコア2と金型20の予熱の後にロータコア2のスロット部4内に(別途予熱された、あるいは予熱されていない)永久磁石3を挿入することとなる。
金型20及びロータコア2の予熱が完了すると、図5に示すように、リフタ26を動作させて下型22を下降させた後、下型22上にロータコア2を載置し、次いで上型21を下方向に移動させることで、金型20内にロータコア2を保持する(工程S04)。このとき、上型21は所定の圧力でロータコア2の上面を押圧するように調整されており、それによって上型21とロータコア2の上面、及び下型22とロータコア2の下面をそれぞれ密着させることができる。
上述した工程S01の後の適切なタイミングで、チャンバ外周ヒータ42及びチャンバ内周ヒータ43を動作させ、環状の樹脂材Pを加熱する(工程S05)。チャンバ30内での加熱は、環状の樹脂材Pの粘度を低下させ、軟化した樹脂(以下、「軟化樹脂」という)P1とするためのものである。この加熱に用いられるチャンバ外周ヒータ42及びチャンバ内周ヒータ43は、環状の樹脂材Pに部分的な温度差が発生しないように制御されると好ましい。当該加熱により、環状の樹脂材Pは溶融してその粘度が低下し、流動性の高い軟化樹脂P1に変化させることができる。
環状の樹脂材Pが軟化樹脂P1に変化すると、次に、図6に示すように、環状プランジャ35を矢印A1方向に上昇させて軟化樹脂P1を押し上げることで、各スロット部4内の充填空間6へ軟化樹脂P1の充填を行う(工程S06)。環状プランジャ35の押圧面37に押し上げられた軟化樹脂P1は、チャンバ30から樹脂充填路25を通過し、各充填空間6に流入する。なお、工程S06における充填空間6への軟化樹脂P1の充填を円滑に実行するために、例えば上型21の適所に充填空間6内の空気を抜くための空気穴(図示省略)を設けてもよい。
充填空間6への軟化樹脂P1の充填が完了すると、金型ヒータ41を動作させて充填空間6内の軟化樹脂P1を工程S05での加熱よりも高温で加熱することにより、軟化樹脂P1を硬化させる(工程S07)。軟化樹脂P1を硬化する際は、金型ヒータ41により軟化樹脂P1の温度をその粘度が大きく上昇する温度範囲で数分程度加熱するとよい。軟化樹脂P1が当該加熱によって硬化樹脂P2に変化することで、永久磁石3はロータコア2のスロット部4内に樹脂モールドで固定される。なお、この工程S07における加熱時間は、環状の樹脂材Pに用いられている樹脂の種類等に合わせて適宜調整され得る。
上述した一連の樹脂モールドプロセスが完了すると、上型21を上昇させ、樹脂モールドされたロータコア2をロボットアーム等の図示しない搬送手段を用いて装置外へ搬出する(工程S08)。搬出されたロータコア2は、例えばシャフトの取り付け等のために別の装置へ移送され得る。そして、このロータコア2の搬出が完了すると、製造装置1のクリーニングを行う(工程S09)。製造装置1のクリーニングは、図7に示すように、リフタ26を動作させて樹脂充填路25内で硬化した硬化樹脂P2を除去することを含む。加えて、ブラシ等のクリーニング用の部材を用いて、金型20表面やチャンバ30内等をクリーニングすることを含み得る。
以上説明した通り、本実施の形態に係るモータコアの製造方法によれば、チャンバ30及びチャンバ30に投入した環状の樹脂材Pがいずれも環状であるため、チャンバ30内における樹脂の加熱時に温度差が生じにくく、均一に加熱することができる。また、チャンバ30の形状が充填空間6の配置に合致しているため、両者をつなぐ樹脂充填路25の長さを短くすることができ、樹脂充填路25内で樹脂の硬化反応が進んでしまうことを抑制し、従来工法より多くの樹脂材をスロット部内に充填することができる。
また、本実施の形態に係るモータコアの製造装置及びモータコアの製造方法によれば、環状の樹脂材Pの形状より、従来のタブレット型の樹脂材と比較して短時間で所定温度への加熱が可能である。チャンバ30への投入前に環状の樹脂材Pの予熱を行ってもよいが、チャンバ30内での短時間での均一な加熱が可能となるため、予熱をせずに環状の樹脂材Pをチャンバ30に投入することもできる。また仮に予熱を行う場合でも、チャンバ30内で加熱する場合と同様に、環状の樹脂材Pの形状より、短時間での均一な予熱が可能となる。
なお、上述した本実施の形態では、下型22に樹脂充填路25を設け、下方から軟化樹脂P1を充填空間6へ充填する態様を例示したが、充填方向はこれに限定されるものではない。例えば、下型22に代えて上型21に樹脂充填路を設け、上方から軟化した樹脂を充填する態様としてもよいし、下型22と上型21の両方に樹脂充填路を設け、下方と上方の両方から樹脂を充填する態様としてもよい。
上述した一連の実施の形態においては、チャンバ30内には環状の樹脂材Pのみが投入されるものを例示しているが、本開示のモータコアの製造装置及びモータコアの製造方法においては、環状の樹脂材Pが単体で投入されるもの以外も含み得る。そこで、以下には上述した一実施の形態の一変形例として、環状の樹脂材Pに加えて環状の樹脂材Pを内部に収容した治具60を投入可能なチャンバ30Aを含むモータコアの製造装置1Aを説明する。
図8は、図1に示すモータコアの製造装置の一変形例に係るモータコアの製造装置の、図4に対応する状態を示した図である。本変形例に係るモータコアの製造装置1Aは、チャンバ30A部分の構成以外は上述した一実施の形態に係るモータコアの製造装置1と同様の構成を含んでいてよい。したがって、以下には、上述したモータコアの製造装置1と異なる構成を中心に説明を行い、モータコアの製造装置1と同様の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
本変形例に係るモータコアの製造装置1Aは、図8に示すように、チャンバ30Aの外側の径が上述したモータコアの製造装置1のチャンバ30よりも大きく調整されている。そして、この外側の径が大きな環状のチャンバ30A内には、環状の樹脂材Pと、この環状の樹脂材Pを内部に収容した治具60とが収容可能であってよい。
治具60は、例えば、環状の樹脂材Pの外側周囲と内側周囲とを包囲するように環状の樹脂材Pに取り付けられた部材であってよい。この治具60は、例えば環状の樹脂材Pを成形する際に用いられる金型の一部であってよい。また、治具60は、チャンバ30Aの周囲に設けられたチャンバ外周ヒータ42及びチャンバ内周ヒータ43からの熱を遮断することがないよう、熱伝導率のよい材料、例えば金属材料からなるものであると好ましい。なお、治具60には、上述の構造に加えて、環状の樹脂材Pの外側周囲又は内側周囲のみを包囲しているものも含まれる。
このように、治具60に取り付けられた状態の環状の樹脂材Pを、治具60から分離(離型ともいう)させることなくチャンバ30A内へ投入可能な構成を採用すれば、環状の樹脂材Pの成形プロセスを含む一連の製造プロセスを簡略化できる。
また、上述した一連の実施の形態においては、チャンバ30内に環状の樹脂材Pを投入する際、下型22が上昇しているため、チャンバ30の中央部分は一時的に空洞となる。そのため、例えば環状の樹脂材Pの外径がチャンバ30の外径に対して小さい場合等には、チャンバ30内に投入された環状の樹脂材Pの内周側の一部が、上述した空洞に位置する可能性がある。この空洞部分に環状の樹脂材Pの一部が位置すると、下型22の下降時に突出部22Aに接触し、下型22の動作を阻害したり、環状の樹脂材Pの内周側が破損したりする可能性がある。そこで、以下には上述した一実施の形態の他の変形例として、チャンバ30内に環状の樹脂材Pを投入する際に、上述した空洞が発生しないようにしたモータコアの製造装置1Bを説明する。
図9、図1に示すモータコアの製造装置の他の変形例に係るモータコアの製造装置の、図4に対応する状態を示した図である。また、図10は、図9に示すモータコアの製造装置の下型を下降させた状態を示した図である。本変形例に係るモータコアの製造装置1Bは、図9及び図10に示すように、チャンバ30の中央部分に、チャンバ30内に投入される環状の樹脂材Pの内周面を一時的に位置決め可能なガイド部材70を含むものである。なお、本実施の形態に係るモータコアの製造装置1Bは、ガイド部材70を含む点以外は上述したモータコアの製造装置1と同様の構成を有しているものとする。
ガイド部材70は、一端が環状プランジャ35の基部の中央に支持され、上方向に延在するコイルバネ72と、コイルバネ72の他端に取り付けられ、チャンバ30の中央部分を塞ぐブロック体71とで構成することができる。なお、コイルバネ72は、同様の機能を有する付勢手段に変更することができる。
ブロック体71は、その直径が下型22の突出部22Aと実質的に等しい円柱状の部材で構成することができる。また、ブロック体71は、図9に示すように下型22が上昇しているときはコイルバネ72の付勢力により上方に押し上げられて、チャンバ30の中央部分を塞ぐように配設される。このとき、ブロック体71の上面は、環状プランジャ35の押圧面37よりも高い位置に配設されているとよい。ブロック体71によってその中央部分が塞がれたチャンバ30内に環状の樹脂材Pを投入すると、環状の樹脂材Pはその内周面の位置がブロック体71によって位置決めされた状態で、チャンバ30内に配設される。
チャンバ30内への環状の樹脂材Pの投入が完了した後、下型22を下降させると、ブロック体71は下型22の突出部22Aに押圧され、コイルバネ72の付勢力に抗して下降する。このとき、ブロック体71の直径と突出部22Aの直径とは、上述したように実質的に等しくなるように調整されているため、突出部22Aの環状の樹脂材Pの内周側への挿入動作はスムーズに実施できる。下型22の下降が完了したとき、ブロック体71の上面は、図10に示すように、押圧面37よりも下方に移動するよう構成されているとよい。
上述したガイド部材70を設けることにより、本変形例に係るモータコアの製造装置1Bにおいては、下型22の下降時に突出部22Aと環状の樹脂材Pとが接触することがなく、下型22の下降動作を環状の樹脂材Pを破損することなくスムーズに行うことができる。なお、ブロック体71の上面の外周囲は、環状の樹脂材Pの投入を円滑にするために面取り又はアール加工が施されている、あるいはテーパ形状となっているとよい。
本開示は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本開示の技術思想に含まれるものである。また、本開示において、各構成要素は、矛盾が生じない限りは1つのみ存在しても2つ以上存在してもよい。
本明細書中で引用する刊行物、特許出願及び特許を含むすべての文献を、各文献を個々に具体的に示し、参照して組み込むのと、また、その内容のすべてをここで述べるのと同じ限度で、ここで参照して組み込む。
本開示の説明に関連して(特に以下の請求項に関連して)用いられる名詞及び同様な指示語の使用は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数及び複数の両方に及ぶものと解釈される。語句「備える」、「有する」、「含む」及び「包含する」は、特に断りのない限り、オープンエンドターム(すなわち「~を含むが限らない」という意味)として解釈される。本明細書中の数値範囲の具陳は、本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は、本明細書中で個々に列挙されたかのように、明細書に組み込まれる。本明細書中で説明されるすべての方法は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、あらゆる適切な順番で行うことができる。本明細書中で使用するあらゆる例又は例示的な言い回し(例えば「など」)は、特に主張しない限り、単に本開示をよりよく説明することだけを意図し、本開示の範囲に対する制限を設けるものではない。明細書中のいかなる言い回しも、請求項に記載されていない要素を、本開示の実施に不可欠であるものとして示すものとは解釈されないものとする。
本明細書中では、本開示を実施するため本発明者が知っている最良の形態を含め、本開示の好ましい実施の形態について説明している。当業者にとっては、上記説明を読めば、これらの好ましい実施の形態の変形が明らかとなろう。本発明者は、熟練者が適宜このような変形を適用することを期待しており、本明細書中で具体的に説明される以外の方法で本開示が実施されることを予定している。したがって本開示は、準拠法で許されているように、本明細書に添付された請求項に記載の内容の修正及び均等物をすべて含む。さらに、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、すべての変形における上記要素のいずれの組合せも本開示に包含される。

Claims (5)

  1. 所定の間隔を空けて環状に配設された複数の樹脂充填部を含むモータコアを保持可能な金型と、
    前記金型に形成され端部が前記複数の樹脂充填部のそれぞれに連通可能な樹脂充填路に連通し、且つ内部に所定の肉厚を有する環状の樹脂材を収容可能な環状のチャンバと、
    前記環状のチャンバ内を移動可能な環状プランジャと、
    前記金型内に配設された第1加熱機及び前記環状のチャンバの外側周囲に配設された第2加熱機を備える加熱機と、を備える、
    モータコアの製造装置。
  2. 前記加熱機は、前記環状のチャンバの内側周囲に配設された第3加熱機をさらに備える、
    請求項1に記載のモータコアの製造装置。
  3. 前記環状のチャンバは、前記環状の樹脂材と前記環状の樹脂材を内部に収容した治具とを収容可能である、
    請求項1に記載のモータコアの製造装置。
  4. 環状のチャンバ内に所定の肉厚を有する環状の樹脂材を投入する工程と、
    前記環状のチャンバに連通した樹脂充填路が形成された金型内に、所定の間隔を空けて環状に配設された複数の樹脂充填部を含むモータコアを、前記樹脂充填路の端部が前記複数の樹脂充填部に連通するように保持する工程と、
    前記環状のチャンバ内の前記環状の樹脂材を加熱して軟化させる工程と、
    前記環状のチャンバ内を移動可能な環状プランジャを動作させて、前記環状のチャンバ内において軟化された前記環状の樹脂材からなる軟化樹脂を前記複数の樹脂充填部内へ充填する工程と、
    前記複数の樹脂充填部内に充填された前記軟化樹脂を硬化させる工程と、を備える、
    モータコアの製造方法。
  5. 前記金型及び前記モータコアの少なくとも一方を予熱する工程をさらに備える、
    請求項4に記載のモータコアの製造方法。
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