JP7487636B2 - レーザードップラー振動計 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザードップラー振動計に関する。
特許文献1には、レーザードップラー振動計は光のドップラー効果を利用して非接触で振動を測定する振動計が提案されている。レーザードップラー振動計によれば、振動物体に光を照射した際に発生する散乱光Einのドップラー効果由来の位相変動を検知することによって、振動を測定することが可能となる。振動測定で広く用いられる接触型の振動センサでは遠方の物体や高温・高磁場下の物体の振動測定が困難だったが、レーザードップラー振動計は非接触の測定が可能であるため、これらの振動測定も可能である。このような利点を活かし、工場やプラント内設備の予知保全用途やインフラ・ストラクチャーの点検用途として近年活躍が期待されている。
特開2001-159560号公報 Kazuro Kikuchi, "Chapter 2 Coherent Optical Communications: Historical Perspectives and Future Directions," p34-35 J. P. Gordon and H. Kogelnik, "PMD fundamentals: Polarization mode dispersion in optical fibers," PNAS, April 25, 2000, vol. 97, no. 9, 4541-4550
一般的なレーザードップラー振動計の構成を図1に示す。図1について説明する。
中心周波数fで発振するレーザー光源(LD)1001から出射した直線偏光の連続光は光カプラ1002により二方向に分岐され、一方は測定すべき対象物200に照射するための測定光E、他方は対象物200から戻る散乱光Einと干渉させるための局部発振光ELO(局発光ともいう)として用いられる。
測定光Eは偏光ビームスプリッタ(PBS)1003を通過後、λ/4波長板1004によって直線偏光から円偏光に変換され、センサヘッド1005へ光ファイバー中を伝搬する。そして、測定光Eはセンサヘッド1005によって空間に出射され対象物200に照射される。すると、対象物200により散乱光Einが発生する。このときの散乱光Einの偏光状態は、照射した測定光Eのものに対して反対回りの円偏光となる。
照射した測定光Eとは逆方向に戻る散乱光Einの一部はセンサヘッド1005によって捕捉され、再び光ファイバー中を伝搬し、λ/4波長板1004によって円偏光から直線偏光に変換される。このとき散乱光Einの直線偏光の偏波面の向きは、偏光ビームスプリッタ1003出力時の測定光Eのものに対して垂直となる。よって、散乱光Einは偏光ビームスプリッタ1003によって反射され、光位相検出回路1007に入射される。
一方、局発光ELOは周波数シフタ1006によってfからfshiftだけ周波数シフトし出力され、光位相検出回路1007に入射される。周波数シフタ1006の入出力光のスペクトルを図2に示す。
光位相検出回路1007は入射された散乱光Einと局発光ELOを干渉させる。光位相検出回路1007から出力される散乱光Einと局発光ELOの干渉光は受光器群1008によって光電変換され、アナログ・デジタル変換器(ADC)1009及びデジタル信号処理回路1010によって散乱光の位相すなわち振動の情報が得られる。
図1の構成では、測定光Eと散乱光Einの分離のために偏光ビームスプリッタ1003を使用しているため、仮に測定光Eおよび散乱光Einの偏波が変化してしまうと散乱光Einが偏光ビームスプリッタ1003によって反射されず、散乱光Einの受信パワーが低下し誤測定を招く恐れがある。高いパワーで散乱光Einを受信するためには、偏光ビームスプリッタ1003の反射直前の散乱光Einの偏波が測定光Eの偏波に対して完全に直交していなければならない。
しかし、一般的にシングルモードファイバーの場合は光ファイバーのランダムな複屈折部分布により光の偏波を保持することは困難である。特に、センサヘッド1005の手前の光ファイバーを長延化し遠方の対象物200の振動を測定する場合、光ファイバーの長延化によって偏波はほとんど保持されなくなってしまうと考えられる。
工場やプラント内設備の予知保全用途やインフラ・ストラクチャーの点検用途への応用を考慮するとセンサヘッド1005の光ファイバーの長延化は必須である。したがってレーザードップラー振動計においては、光の偏波に依存せず振動の測定が可能な偏波無依存化手段を実装する必要がある。
そこで、従来の偏波無依存化手法として、非特許文献1「コヒーレント光通信:歴史的展望と将来の方向性」に記載のデジタルコヒーレント光受信機におけるホモダイン検波系を、上記の光位相検出回路1007、受光器群1008、アナログ・デジタル変換器(ADC)1009及び信号処理回路1010に適用した場合について説明する。
ホモダイン検波系において得られる散乱光Einと局発光ELOの複素信号はそれぞれ以下の式(1)、(2)の式で表される。
Figure 0007487636000001
ここで、ω(搬送波)を測定光周波数としたとき、A、ALOはそれぞれ散乱光Ein、局発光ELOの複素振幅である。また、φ(t)は変調成分でありレーザードップラー振動計では対象物200の振動によるドップラー効果由来の位相変動に相当する。αはx偏波とy偏波のパワー比(0≦α≦1)である。δはx偏波とy偏波の位相差であり光ファイバーの複屈折から生じる時変パラメータである。
ここで、二つのパラメータαとδを消去しφ(t)を求めることが偏波無依存化に相当する。すなわち、図1の光位相検出回路1007(図3の散乱光Einと局発光ELOのそれぞれをx偏波とy偏波を分ける2つの偏光ビームスプリッタPBS-1,PBS-2と90°光ハイブリッドOH-1,OH-2)から出力される散乱光Einと局発光ELOの干渉光が、受光器群1008(図3のバランス型受光器PD1~PD4)によって光電変換される。
ここで、図3に示すように、散乱光Einと局発光ELOは、それぞれ偏光ビームスプリッタPBS-1,PBS-2によって二つの偏波成分のx偏波Einx,ELOxとy偏波Einy,ELOyに分離される。散乱光Einと局発光ELOのx偏波Einx,ELOxとy偏波Einy,ELOyは、それぞれ、偏波成分ごとにx偏波用及びy偏波用の90°光ハイブリッドOH-1及びOH-2の2つの入力に供給される。
そして、x偏波用の90°光ハイブリッドOH-1は、散乱光Einのx偏波Einxと局発光ELOのy偏波ELOyとを合波し、位相反転した2つの干渉波である干渉波ペア(下記の(2-1)~(2-4)式)を4組生成する。
Figure 0007487636000002
4組の干渉波ペアを偏波成分ごとにx偏波用バランス型受光器PD1,PD2とy偏波用のバランス型受光器PD3,PD4の各2つの入力に供給される。バランス型受光器PD1~PD4の各々は、2つの入力のフォトダイオードを備え、トランスインピーダンスアンプ(図示せず)を備える。
図3に示すように、受光器群1008の4組のバランス型受光器PD1~PD4はその各フォトダイオードの光応答電流の平均電流IPD1,IPD2,IPD2,IPD2をADC1009へ出力する。
ADC1009において、デジタル演算処理を行い散乱光と局発光における位相すなわち振動の情報である以下の式(3)の二つの偏波成分のx偏波とy偏波の複素振幅信号Ixc、Iycが得られる。
Figure 0007487636000003
ここでP、PLOはそれぞれ散乱光Einと局発光ELOのパワーである。また、Rは受光器の変換効率である。
式(3)の複素信号をアナログ・デジタル変換器1009でデジタル信号に変換すると、以下の(4)式が得られる。尚、簡略化のためにR、P、PLOの値を1とおいた。
Figure 0007487636000004
次に、以下の(5)式のように定義する比r[k]を算出する。
Figure 0007487636000005
ここでkは時間tに代わるパラメータで、離散時刻を表す整数である。
この値を用いて以下の(6)式の演算をする。
Figure 0007487636000006
ここで得られたE[k]に対して以下の(7)式の演算を行いφ[k]が求まり、振動の測定が可能となる。
Figure 0007487636000007
以上が従来の偏波無依存化の手法である。
しかし上記手法では式(4)でEとEの比を取っているため、|E|の値がゼロに近いときrが発散してしまう可能性がある。すると式(5)や式(6)で正確な値が算出されず正確な振動測定ができない恐れがある。また、従来の偏波無依存化では高価な90°光ハイブリッドや4個のバランス型受光器などを必要とするため、コストがかかるだけでなく系が煩雑になるという問題点があった。
本発明は、上記した従来の課題に鑑みなされたものであり、すなわち、|E|が著しく小さいときでも偏波無依存化を可能にし、且つ90°光ハイブリッドやバランス型受光器などの高価かつ多数の光学素子を使用せずに偏波無依存化を可能にしたレーザードップラー振動計を提供することを目的とする。
本発明のレーザードップラー振動計は、レーザー源からのレーザー光を2分岐して一方のレーザー光を測定光として他方のレーザー光を周波数変調して局発光とする光生成部と、
前記光生成部からの前記測定光を測定対象に照射し、且つ該測定対象で反射する散乱光を受光するセンサヘッドと、
前記散乱光と前記局発光とを干渉させてコヒーレント受信する光信号処理部と、を有し、
前記光信号処理部は、
前記散乱光と局発光が干渉した干渉光の偏波面を45°回転させる旋光子と、
前記旋光子により旋光された干渉光を直交する二成分の偏波に分離して出力する光学素子と、
前記光学素子から出力された前記二成分の各偏波の各々を光電変換して前記二成分の偏波に対応する電気信号を出力するシングルエンドの受光器と、
前記受光器から出力された前記二成分の各偏波に対応する電気信号から高周波成分を除去するローパスフィルタを備え、当該ローパスフィルタの出力信号に基づき生成されたジョーンズベクトルを直線偏光成分信号に変換する回転行列を作用させる演算をして前記直線偏光成分信号から振動信号を出力する信号処理回路と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、従来の90°光ハイブリッドやバランス型受光器を用いずに且つ一方の偏波成分の強度がゼロ近傍になったときでも偏波無依存化を可能にするために、レーザードップラー振動計における散乱光Einと局発光ELOの干渉部分に光カプラ、ファラデー回転子、偏光ビームスプリッタ、シングルエンドの受光器を設け、且つ得られたジョーンズベクトルに対してx偏波成分に変換する回転行列を作用させることによって、従来よりも安価且つ簡素な構成で一方の偏波成分の強度に依存せずに偏波無依存化を可能にするとともに、高精度な振動測定に可能にし、レーザードップラー振動計のセンサヘッド手前の光ファイバーを長延化し遠方の対象物の振動測定することができる。
一般的なレーザードップラー振動計の構成の一例を示す概略説明図である。 周波数シフタの入力光のスペクトル(図2(a))と出力光のスペクトル(図2(b))を示すグラフである。 一般的なレーザードップラー振動計の2つの偏光ビームスプリッタと2つの90°光ハイブリッドと4つの受光器群を説明する説明図ある。 本発明の実施例のレーザードップラー振動計の構成例の一例を示す概略説明図である。 本実施例のレーザードップラー振動計のデジタル信号処理におけるジョーンズベクトルの変換の様子を示すポアンカレ球面を説明する説明図ある。
以下、本発明の実施例によるレーザードップラー振動計について、図面を参照して説明する。さらに、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(構成の説明)
図4は、本実施例のレーザードップラー振動計の構成例の一例を示す概略説明図である。なお、図中の実線は、例えば、光ファイバー等の光配線を示し、破線は、例えば、導電体等の電気配線を示す。
本実施例のレーザードップラー振動計は、光処理回路として、レーザー光源3001、光カプラ3002、サーキュレータ3003、センサヘッド3004、周波数シフタ3005、光カプラ3006、ファラデー回転子3007及び光ビームスプリッタ3008と、光処理回路として、受光器3009-1,3009-2、アナログ・デジタル変換器3010及び信号処理回路3011とを備える。
レーザー光源3001は中心周波数fで発振するレーザー光を発生する。レーザー光源3001には、対象物200に応じて、例えば、線幅が数100kHz(線幅100kHzでコヒーレント長3km)以下の連続光光源や、線幅1~10MHz(コヒーレント長300m~30m)程度のDFB(Distributed Feedback )レーザー等を使用できる。
光カプラ3002は、レーザー光源3001が出射する連続レーザー光を2分岐し、一方の光を周波数シフタ3005に出射し、他方をサーキュレータ3003に出射する無偏光ビームスプリッタである。一方のサーキュレータ3003へのレーザー光は測定すべき対象物200に照射するための測定光E、他方の周波数シフタ3005へのレーザー光は対象物200から戻る散乱光Einと干渉させるための局発光ELO(局部発振光)として用いられる。光カプラ3002のパワー分岐比は、受光器3009-1,3009-2に適切なパワーの局発光を入力し、且つ対象物200からの散乱光のSN比を大幅に劣化させないように選択される。
サーキュレータ3003は、光カプラ3002が出射する測定光Eをセンサヘッド3004に接続する光ファイバーに出射すると共に、センサヘッド3004から戻る散乱光Einを受光し、90°光ハイブリッドOH-1,OH-2に出射する光学素子である。
センサヘッド3004は、その内部にコリメートレンズ(図示せず)を備えている。測定光Eを空間に放出し、空間を伝搬した光を光ファイバーに結合させる場合、ファイバーコリメータでもよい。センサヘッド3004は、測定光Eを対象物200に向けて照射し、対象物200の表面で拡散した散乱光Einの一部を取り込む。センサヘッド3004が可動となるように、サーキュレータ3003との間は光ファイバーで接続されている。
周波数シフタ3005は、例えば、音響光学変調器(AOM:Acousto-Optic Modulator)であり、駆動信号の高い周波数(40MHz~400MHz、例えば、80MHz)の高周波電力を供給することにより、レーザー光が通過する結晶(例えば、PbMoO4)に超音波による回折格子が形成される。該結晶を通過中に、レーザー光は、回折角だけ偏向すると共に、光周波数が周波数fからfshiftだけシフトする局発光ELOを生成する。
光カプラ3006は、周波数シフタ3005からの局発光ELOとサーキュレータ3003からの散乱光Einと合波する無偏光ビームスプリッタである。光カプラ3006のパワー分岐比は、受光器3009-1,3009-2に適切なパワーの局発光を入力し、且つ対象物200からの散乱光のSN比を大幅に劣化させないように選択される。
ファラデー回転子3007は、YIG、BiYGのような強磁性体結晶体からなり、該結晶体の磁場中で光が磁場方向に進むとその偏光面(偏波面)を回転させる光学素子である。なお、ファラデー回転子3007には、その周囲に該ファラデー回転子に磁気力を加えて該ファラデー回転子による回転角を変化させる磁気印加手段(図示せず)を設けてもよい。
本実施例では、“ランダムな偏波状態で得られる散乱光Ein”と“直線偏波で得られる局発光ELO”の干渉によって得られる干渉光を、局発光ELOの偏波面に対して+45度の成分と局発光ELOの偏波面に対して-45度の成分に分離(直交偏波分離)することを実現している。散乱光Einと局発光ELOをただ干渉させるだけだと、それぞれの偏波が直交した場合に干渉が起こらないという問題が発生しまうが、本実施例の構成を施すことによって、散乱光Einがどのような偏波状態であっても分離後のどちらかの成分において必ず干渉させることができる。干渉を実現するためには、散乱光Einと局発光ELOの干渉光を偏光ビームスプリッタ3008の偏波面に対して45度傾けて入射する必要があり、45度傾けるための手段としてファラデー回転子を利用している。なお、偏光ビームスプリッタ3008の偏波面に対して45度傾けて入射することができる旋光子の光学素子を用いてもよい。ちなみに偏光ビームスプリッタ3008で分離した成分が後の(3)式のIxcとIycになります。
偏光ビームスプリッタ3008は、ランダム偏光の光をs偏光の反射光とp偏光の透過光(x偏波とy偏波)に各々分割し、分割した偏波はどちらも偏光状態になる光学素子である。
受光器3009-1,3009-2の各々は、1つのフォトダイオードを備えるが、トランスインピーダンスアンプ(図示せず)を備えてもよい。
アナログ・デジタル変換器(ADC)3010は、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)をも含み、アナログ電気信号をデジタル化して、フィルタリングや解析、伝送のための算術演算を高速に実行するプロセッサである。ADC3010は、加算、減算、乗算、除算などの数学関数を特に高速に実行するためにFPGA(Field Programmable Gate Array)で設計されていてもよい。
信号処理回路3011は、ADC3010の演算結果を所望の振動測定の結果を装置のインターフェイス(図示せず)に出力する回路である。
本実施例では制御部(図示せず)を備え、制御部がCPU(Central Processing Unit)であり、内蔵する記憶部(FROM)に格納された計測プログラムを実行することにより、装置のインターフェイス(図示せず)から受け付けた操作命令に基づいて、制御信号や駆動信号によりレーザー光源3001や周波数シフタ3005を制御する。これにより、使用者による計測スイッチの押下や、周期的な割込発生などによっても装置を起動できる。
本実施例は、レーザー光の送光及び受光手段においてサーキュレータ3003を使用し且つ2つの受光器3009-1,3009-2で受光することで実装が可能である。また、干渉部に、高価な90°光ハイブリッドやバランス型受光器の代わりに光カプラ3002、ファラデー回転子3007を設け、干渉光の偏波分離部に、偏光ビームスプリッタ3008をシングルエンドの受光器3009-1,3009-2を使用しているので、安価となる。本実施例では受光器の数が従来のものより減り構成が簡素となる。
中心周波数fで発振するレーザー光源3001から出射した直線偏光の連続光は、光カプラ3002により分岐され、一方は対象物200に照射するための測定光E、もう一方は散乱光Einと干渉させるための局発光ELOとして用いられる。測定光Eはサーキュレータ3003を通過後、センサヘッド3004によって空間に出射され対象物200に照射される。
対象物200から生じた散乱光Einの一部はセンサヘッド3004によって捕捉され、サーキュレータ3003を通過し光カプラ3006に入射される。一方、局発光ELOは周波数シフタ3005によってfshiftだけ周波数シフトし出力され光カプラ3006に入射される。散乱光Einと局発光ELOは光カプラ3006で合波され干渉光となる。
光カプラ3006から出力される干渉光は、ファラデー回転子3007によって偏波面が45°回転され、偏光ビームスプリッタ3008によって直交偏波成分(x偏波とy偏波)に分離される。
直交したそれぞれの干渉光のx偏波とy偏波はそれぞれ受光器3009-1,3009-2によって光電変換され、それらの出力はADC3010へ出力される。
受光器3009-1,3009-2では散乱光と局発光における位相すなわち振動の情報である以下の式(3a)の二つの偏波成分のx偏波とy偏波の振幅信号E’、E’が得られる。
Figure 0007487636000008
ここでP、PLOはそれぞれ散乱光Einと局発光ELOのパワーである。また、Rは受光器の変換効率である。
式(3a)の振幅信号をADC3010でデジタル信号に変換すると、以下の(8)式が得られる。尚、簡略化のためにR、P、PLOの値を1とおき、|E+|E=1となるように規格化した。
Figure 0007487636000009
ここでP’はパワー、ωは周波数シフタ3005による角周波数シフト量(ω=2πfshift)、φは対象物の振動による位相変動、αはx偏波とy偏波のパワー比、δはx偏波とy偏波の位相差である。
図4のアナログ・デジタル変換器3010にて行われる演算において、式(8)にexp(-jωt[k])を乗じローパスフィルタによって高周波成分を除去すると以下の(9)式の信号が得られる。
Figure 0007487636000010
式(9)のように任意の振幅をx軸、y軸方向の振幅へ分解し表現したものはジョーンズベクトルと呼ばれる。式(9)のジョーンズベクトル(E,Eに下記の式(10)のパウリのスピン行列δ、δ、δを作用させ、下記の式(11)のようにポアンカレ球面上のストークパラメーターS=(s,s,s)に変換する(非特許文献2、参照)。
Figure 0007487636000011
Figure 0007487636000012
この変換により光の任意の偏波状態を可視化することができる。例えばストークスパラメーターが(1,0,0)のときはx軸に平行な直線偏光を表し、(0,1,0)のときはx軸に対し45°傾いた直線偏光、(0,0,1)のときは右回りの円偏光を表す。
得られたストークスパラメーターを直交座標(s,s,s)から球面座標(r,θ1,θ2)に変換し、方位角θ1と仰角θ2を用いて下記の式(12)の回転行列(ジョーンズ行列)を作用させる。式(12)の回転行列は任意のジョーンズベクトルを(E’,0)すなわちx軸に平行な直線偏光に変換する性質を持つ。またポアンカレ球面上では、任意の座標(s,s,s)を(1,0,0)すなわちx成分のみの直線偏光に変換する性質を持つ[非特許文献2、参照]。
したがって式(9)のジョーンズベクトルEに下記の式(12)の回転行列を作用させることで、下記の式(13)のジョーンズベクトルE’が得られる。EからE’への変換の様子をポアンカレ球面上で表した様子を図5に示す。
Figure 0007487636000013
Figure 0007487636000014
式(13)によって得られたジョーンズベクトルは、y偏波成分はゼロでx偏波成分のみ値を持つため、x偏波成分に対して式(7)で示す偏角を算出し、φ[k]を求めることが可能である。以上の手法で偏波無依存化が可能となる。
このように本実施例によれば、光信号処理部は、光カプラ3006、ファラデー回転子3007及び光ビームスプリッタ3008の光処理回路並びに受光器3009-1,3009-2及びアナログ・デジタル変換器3010の電気信号処理回路を備える。当該光処理回路において、旋光子であるファラデー回転子3007が散乱光Einと局発光ELOが干渉した干渉光の偏波面を45°回転させ、偏光ビームスプリッタ3008が、旋光された干渉光を直交する二成分の偏波に分離する。そして、電気信号処理回路において、シングルエンドの受光器3009が、分離された二成分の各偏波の各々を光電変換して二成分の偏波に対応する電気信号を出力し、アナログ・デジタル変換器3010が、出力された前記二成分の各偏波に対応する電気信号から高周波成分を除去するローパスフィルタを備え、当該ローパスフィルタの出力信号に基づき生成されたジョーンズベクトルを直線偏光成分信号に変換する回転行列を作用させる演算をして直線偏光成分信号から振動信号を出力する。
(効果の説明)
従来の偏波無依存化の受信系の光信号処理部において、90°光ハイブリッドやバランス型受光器を使用せず、且つ一方の偏波成分の強度に依存せずに偏波無依存化が可能となる。その結果従来よりも安価かつ簡素な構成で高精度な振動測定が可能となり、レーザードップラー振動計のセンサヘッド手前の可動の光ファイバーを長延化し遠方の対象物の振動測定することが可能となる。
レーザードップラー振動計に適用した例を説明したがセンサヘッド部分を光ファイバーにすれば光ファイバーセンサにも適用可能である。
レーザードップラー振動計において、散乱光Einと局発光ELOの干渉部分に光カプラ、ファラデー回転子、偏光ビームスプリッタ、シングルエンドの受光器を設け、且つ得られたジョーンズベクトルに対してx偏波成分に変換する回転行列を作用させることによって、従来よりも安価且つ簡素な構成で一方の偏波成分の強度に依存せずに偏波無依存化を可能にする。
3001 レーザー光源
3002、3006 光カプラ
3003 サーキュレータ
3004 センサヘッド
3005 周波数シフタ
3007 ファラデー回転子
3008 光ビームスプリッタ
3009-1,3009-2 受光器
3010 アナログ・デジタル変換器
3011 信号処理回路

Claims (6)

  1. レーザー源からのレーザー光を2分岐して一方のレーザー光を測定光として他方のレーザー光を周波数変調して局発光とする光生成部と、
    前記光生成部からの前記測定光を測定対象に照射し、且つ該測定対象で反射する散乱光を受光するセンサヘッドと、
    前記散乱光と前記局発光とを干渉させてコヒーレント受信する光信号処理部と、を有し、
    前記光信号処理部は、
    前記散乱光と局発光が干渉した干渉光の偏波面を45°回転させる旋光子と、
    前記旋光子により旋光された干渉光を直交する二成分の偏波に分離して出力する光学素子と、
    前記光学素子から出力された前記二成分の各偏波の各々を光電変換して前記二成分の偏波に対応する電気信号を出力するシングルエンドの受光器と、
    前記受光器から出力された前記二成分の各偏波に対応する電気信号から高周波成分を除去するローパスフィルタを備え、当該ローパスフィルタの出力信号に基づき生成されたジョーンズベクトルを直線偏光成分信号に変換する回転行列を作用させる演算をして前記直線偏光成分信号から振動信号を出力する信号処理回路と、
    を有することを特徴とするレーザードップラー振動計。
  2. 前記信号処理回路における前記演算は前記二成分の偏波に対応する前記ローパスフィルタの出力信号の一方と他方の偏光成分信号との比率を利用する
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザードップラー振動計。
  3. 前記旋光子はファラデー回転子である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザードップラー振動計。
  4. 前記光学素子は偏光ビームスプリッタである
    ことを特徴とする請求項1乃至3に記載のレーザードップラー振動計。
  5. 前記光生成部及び前記信号処理回路と前記センサヘッドとはサーキュレータにより光接続され、前記センサヘッドと前記サーキュレータは光ファイバーにより光接続されていることを特徴とする請求項1乃至4に記載のレーザードップラー振動計。
  6. 前記センサヘッドは可動である
    ことを特徴とする請求項5に記載のレーザードップラー振動計。
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