JP2023027875A - 振動計及び振動測定方法 - Google Patents

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広太 木村
Kota Kimura
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Abstract

【課題】偏波クロストークが生じた場合でも、正確に測定対象物の振動を測定する。【解決手段】レーザー光源、偏波保持光ファイバ、光分配部、干渉光学系、光検出器、及び、信号処理回路を備える。レーザー光源は、連続光を生成し、偏波保持光ファイバを伝搬させて光分配部に送る。光分配部は、連続光の一部を参照光として偏波保持光ファイバに送り、連続光の一部を測定光として測定対象物に照射する。測定光が測定対象物で散乱して生じる散乱光、及び、参照光は、偏波保持光ファイバを伝搬して、干渉光学系に送られる。干渉光学系は、参照光及び散乱光を干渉させて干渉光を生成する。光検出器は、干渉光を電気信号である干渉信号に変換する。信号処理回路は、干渉信号を複素平面上に描画して得られる楕円のパラメータを算出し、パラメータを用いて、楕円を円に補正して位相角を取得し、及び、位相角から、測定対象物の振動を算出する。【選択図】図1

Description

この発明は、振動計、例えば、レーザードップラー振動計と、振動測定方法に関する。
振動している物体に光を照射することにより散乱光を発生させると、散乱光にはドップラー効果による振動成分が重畳される。従って、振動している物体に光を照射した際に発生する散乱光を受光し、受光した散乱光を復調することによって、ドップラー効果由来の位相変動が検知され、物体の振動を測定できる。
このように、光のドップラー効果を利用して非接触で振動を測定する振動計がレーザードップラー振動計である。
従来、振動測定においては、接触型の振動計が広く用いられていた。接触型の振動計は、測定対象物が遠方にある場合の測定や、高温・高磁場下の測定が困難だった。また、接触型の振動計は、振動計自体が固有振動数を持つ。このため、kHzオーダー以上の振動を正確に測定できなかった。
これに対し、レーザードップラー振動計は、非接触型の振動計であるため、遠方・高温・高磁場下での振動を測定できる。また、レーザードップラー振動計は、kHzオーダー以上の振動を正確に測定できる。
非接触型の利点を活かせるレーザードップラー振動計は、工場やプラント内設備の予知保全用途や、インフラ・ストラクチャーの点検用途での活躍が、近年期待されている。
図3を参照して、一般的なレーザードップラー振動計の構成を説明する。図3は、一般的なレーザードップラー振動計の構成を説明するための模式図である(例えば、特許文献1参照)。
レーザー光源110は、中心周波数fで発振する直線偏光の連続光を生成して、その連続光を出射する。レーザー光源110から出射された連続光は、カプラ121に送られる。
カプラ121は、連続光を2分岐する。2分岐された一方は、測定対象物200に照射するための測定光として用いられ、他方は、散乱光と干渉させるための参照光として用いられる。
参照光は、周波数シフタ126において周波数シフトされた後、光位相検出回路122に送られる。測定光は、偏光ビームスプリッタ(PBS:Polarizing Beam Splitter)124を透過後、λ/4板144に送られる。λ/4板144は、測定光を直線偏光から円偏光に変換する。円偏光に変換された測定光は、光ファイバ130を伝搬し、対物レンズ150によって空間に出射され、測定対象物200に照射される。
測定対象物200に照射された測定光が、測定対象物200で散乱して生じた散乱光の一部は、対物レンズ150で捕捉される。対物レンズ150で捕捉された散乱光は、光ファイバ130を伝搬してλ/4板144に送られる。λ/4板144は、散乱光を円偏光から直線偏光に変換する。λ/4板144で直線偏光に変換された散乱光は、PBS12
4に送られる。
PBS124に送られる、直線偏光である散乱光の偏光の向きは、PBS124に送られた、測定光の偏光の向きに対して直角である。従って、散乱光はPBS124で反射され、光位相検出回路122に送られる。光位相検出回路122に送られた、散乱光と参照光は、光位相検出回路122において干渉して干渉光を生成する。干渉光は、受光器160に送られる。受光器160は、干渉光を光電変換して、干渉電気信号を生成する。干渉電気信号は、アナログ・ディジタル変換器(ADC:Analog to Digital Converter)170に送られる。干渉電気信号は、ADC170においてディジタル信号に変換された後、信号処理回路180に送られる。信号処理回路180は、ディジタル信号から、測定対象物200の振動に由来する、散乱光の位相変動成分を算出し、振動の、周波数、変位、速度、加速度などの情報を得る。
ここで、図3を参照して説明した、一般的なレーザードップラー振動計は、参照光と、測定光及び散乱光とが、異なる経路を経由する。このため、測定光及び散乱光がカプラ121から光位相検出回路122に到達するまでに、光ファイバ130に外乱振動が加わると、光ファイバ130の振動に由来する位相変動が干渉光に重畳され、本来の測定対象物200の振動測定が不正確になってしまう問題がある。
この問題を解決するために、参照光と測定光を第1の光ファイバを伝搬させた後測定光を測定対象物に照射し、参照光と散乱光を第2の光ファイバを伝搬させる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に開示されている技術では、第1の光ファイバを伝搬したレーザー光を、偏光軸が45度傾いた状態でPBSに入射し、互いに直交する参照光と測定光に分離する。参照光は、偏光軸が90度回転した後、PBSに入射され透過する。一方、測定光が測定対象物で散乱して生じた散乱光は、測定光に対して偏光軸が90度回転した状態で、PBSに入射され反射する。PBSを透過した参照光と、PBSで反射した散乱光は、第2の光ファイバを伝搬し、光位相検出回路に送られる。
この特許文献2に開示されている技術では、第1の光ファイバや第2の光ファイバに外乱振動が加わったとしても、参照光と測定光には、同一の位相変動が生じ、参照光と散乱光にも、同一の位相変動が生じる。従って、測定対象物本来の振動を測定できる。
しかしながら、上述の特許文献1に開示されている技術では、第1の光ファイバと第2の光ファイバの2本の光ファイバが必要となるため、系が複雑になり、高価になってしまう。
一方、参照光と測定光を、光ファイバを伝搬させた後測定光を測定対象物に照射し、参照光と散乱光を、同じ光ファイバを伝搬させる技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3に開示されている技術では、レーザー光を光ファイバを伝搬させた後ハーフミラーで分離する。ハーフミラーで反射した成分が参照光となり、ハーフミラーを透過した成分が測定光となる。測定光は、測定対象物で散乱する。測定対象物で生じた散乱光は、測定光及び参照光に対して偏光軸が90度回転した状態でハーフミラーを通過する。この参照光及び散乱光は、レーザー光と同じ光ファイバを伝搬して、光位相検出回路に送られる。
この特許文献3に開示されている技術においても、光ファイバに外乱振動が加わったとしても、参照光と測定光には、同一の位相変動が生じ、参照光と散乱光にも、同一の位相変動が生じる。従って、測定対象物本来の振動を測定できる。
特開2001-159560号公報 特開平4-218730号公報 特開平4-249719号公報
横田健太、「楕円当てはめの精度比較:最小二乗法から超精度くりこみ法まで」、情報処理学会研究報告、Vol.2012-CVIM-180 No.24,2012年1月19日
しかしながら、上述の特許文献3に開示されている技術では、光ファイバを伝播するレーザー光の直交する偏光成分の間や、参照光と散乱光の間に、偏波クロストークが生じる場合がある。偏波保持ファイバである光ファイバの長さが大きくなるほど、偏波クロストークが大きくなることが知られている。
偏波クロストークが大きくなると、本来必要な信号が相対的に小さくなってしまうため、正確な測定が困難になる。また、光ファイバの屈折率変動により偏波クロストークが変動するとさらに測定が困難になる。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものである。この発明の目的は、光ファイバに加わった外乱振動の影響を受けることなく測定対象物本来の振動を測定でき、光ファイバにおいて偏波クロストークが生じた場合でも、正確に測定対象物の振動を測定可能な、振動計及び振動測定方法を提供することにある。
上述した目的を達成するために、この発明の振動計は、レーザー光源、偏波保持光ファイバ、光分配部、干渉光学系、光検出器、及び、信号処理回路を備えて構成される。
レーザー光源は、連続光を生成し、連続光を、偏波保持光ファイバを伝搬させて光分配部に送る。光分配部は、連続光の一部を参照光として偏波保持光ファイバに送り、連続光の一部を測定光として測定対象物に照射する。測定光が測定対象物で散乱して生じる散乱光は、光分配部を経て偏波保持光ファイバに送られる。参照光及び散乱光は、偏波保持光ファイバを伝搬して、干渉光学系に送られる。干渉光学系は、参照光及び散乱光を干渉させて干渉光を生成する。
光検出器は、干渉光を電気信号である干渉信号に変換する。信号処理回路は、干渉信号を複素平面上に描画して得られる楕円のパラメータを算出し、パラメータを用いて、楕円を円に補正して位相角を取得し、及び、位相角から、測定対象物の振動を算出する。
この発明の振動計の好適実施形態によれば、光分配部は、ハーフミラーと、λ/4板を備える。ハーフミラーは、連続光の一部を反射して、参照光として偏波保持光ファイバに送り、連続光の一部を透過させて、測定光としてλ/4板に送る。測定光は、λ/4板で直線偏光から円偏光に変換された後、測定対象物に照射される。散乱光は、λ/4板で円偏光から直線偏光に変換された後、ハーフミラーに送られる。
干渉光学系は、偏光ビームスプリッタ、第1ビームスプリッタ、第2ビームスプリッタ、周波数シフタ、及び、λ/2板を備える。偏光ビームスプリッタは、参照光を透過させ
て、第1ビームスプリッタに送り、散乱光を反射させて、第1光路を経て第2ビームスプリッタに送る、第1ビームスプリッタに送られた参照光は、第2光路を経て第2ビームスプリッタに送られる。周波数シフタは、第1光路及び第2光路のいずれか一方に設けられ、所定の周波数シフトを与える。λ/2板は、第1光路及び第2光路のいずれか一方に設けられ、偏光の向きを90度回転させる。
また、この発明の振動測定方法は、連続光を生成する過程と、連続光を、偏波保持光ファイバを伝搬させる過程と、連続光の一部を参照光として偏波保持光ファイバを伝搬させ、連続光の一部を測定光として測定対象物に照射し、測定光が測定対象物で散乱して生じる散乱光を、偏波保持光ファイバを伝搬させる過程と、参照光及び散乱光を干渉させて干渉光を生成する過程と、干渉光を電気信号である干渉信号に変換する過程と、干渉信号を複素平面上に描画して得られる楕円のパラメータを算出する過程と、パラメータを用いて、楕円を円に補正して位相角を取得する過程と、位相角から、測定対象物の振動を算出する過程とを備える。
この発明の振動計及び振動測定方法によれば、偏波クロストークが生じた場合でも、正確に測定対象物の振動を測定できる。
この発明の振動計を説明するための模式図である。 周波数シフタの入出力光を説明するための模式図である。 従来の振動計を説明するための模式図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。また、特許文献1~3などと共通の構成要素については、説明を省略することもある。
図1を参照して、この発明の振動計の実施形態を説明する。図1は、この発明の振動計を説明するための模式図であり、レーザードップラー振動計の一構成例を示している。
振動計は、レーザー光源10、偏波保持光ファイバ30、光分配部40、干渉光学系20、光検出器60、及び、信号処理回路80を備えて構成される。光分配部40は、ハーフミラー42と、λ/4板44を備える。光分配部40は、連続光から参照光及び測定光を生成する。また、干渉光学系20は、偏光ビームスプリッタ(PBS)24、第1ビームスプリッタ(BS)21、第2ビームスプリッタ(BS)22、周波数シフタ26、及び、λ/2板28を備える。干渉光学系20は、参照光と散乱光を干渉させて干渉光を生成する。
レーザー光源10は、中心周波数fで発振する直線偏光の連続光(レーザー光)を生成して、その連続光を出射する。
レーザー光源10から出射された連続光は、干渉光学系20の第1BS21及びPBS24と、偏波保持光ファイバ30を順に経て、光分配部40のハーフミラー42に送られる。ハーフミラー42は、連続光の一部を透過させ、一部を反射させる。ハーフミラー4
2を透過した透過光は、測定対象物100に照射される測定光として用いられる。一方、ハーフミラー42で反射した反射光は、測定対象物100で生じる散乱光と干渉させるための参照光として用いられる。
測定光は、ハーフミラー42からλ/4板44に送られる。λ/4板44は、測定光を直線偏光から円偏光に変換する。円偏光に変換された測定光は、対物レンズ50によって空間に出射され、測定対象物100に照射される。
測定対象物100に照射された測定光が、測定対象物100で散乱して生じた散乱光の一部は、対物レンズ50で捕捉される。対物レンズ50で捕捉された散乱光は、λ/4板44に送られる。λ/4板44は、散乱光を円偏光から直線偏光に変換する。このλ/4板44で直線偏光に変換された散乱光の偏光の向きは、レーザー光源10で生成された連続光の偏光の向きに対して直交している。λ/4板44で直線偏光に変換された散乱光は、ハーフミラー42を経て偏波保持光ファイバ30に送られる。
一方、連続光の一部がハーフミラー42で反射して得られる参照光も、偏波保持光ファイバ30に送られる。この参照光の偏光の向きは、レーザー光源10で生成された連続光の偏光の向きに対して平行である。
偏波保持光ファイバ30に送られた、参照光及び散乱光は、偏波保持光ファイバ30を伝搬して、干渉光学系20のPBS24に入射される。PBS24に入射した参照光の偏光方向が連続光と平行であり、PBS24に入射した散乱光の偏光方向が連続光と直交する。このため、PBS24に入射した参照光は、PBS24を透過し、第1BS21に送られる。一方、PBS24に入射した散乱光は、PBS24で反射され、λ/2板28に送られる。
λ/2板28は、PBS24で反射された散乱光の、偏光の向きを90度回転させる。この結果、λ/2板28から出力される散乱光の偏光の向きは、連続光及び参照光の偏光の向きに平行になる。λ/2板28から出力される散乱光は、第2BS22を反射又は透過して、光検出器60に送られる。
第1BS21に送られた参照光は、第1BS21で反射された後、周波数シフタ26に送られる。図2は、周波数シフタ26の入出力光のスペクトルを示す模式図である。図2(A)は、周波数シフタ26に入力される参照光のスペクトルを示し、図2(B)は周波数シフタ26から出力される参照光のスペクトルを示す。周波数シフタ26は、入力される周波数fの参照光に周波数fshiftの周波数シフトを与える。周波数fshiftの周波数シフトを受けた参照光は、第2BS22に送られる。
第2BS22に送られた参照光は、第2BS22を透過又は反射して、光検出器60に送られる。第2BS22に送られた、散乱光及び参照光は、偏光の向きが、連続光に平行、すなわち、互いに平行である。従って、散乱光及び参照光は、干渉して、干渉光を生成する。
ここで、PBS24から第2BS22までの光路のうち、散乱光の光路を第1光路と称し、参照光の光路を第2光路と称する。この例では、λ/2板28が第1光路に設けられる例を説明したが、λ/2板28は、第1光路及び第2光路のいずれに設けられてもよい。すなわち、参照光及び散乱光のいずれの偏光の向きを90度回転させてもよい。また、この例では、周波数シフタ26が第2光路に設けられる例を説明したが、周波数シフタ26は、第1光路及び第2光路のいずれに設けられてもよい。すなわち、参照光及び散乱光のいずれに周波数シフトを与えてもよい。
光検出器60は、参照光と散乱光が干渉して得られる干渉光から電流信号を得る、光検出器60で得られる電流信号は、アナログ・ディジタル変換器(ADC)70に送られる。
ADC70は、アナログ信号である電流信号を、所定の標本化周波数でサンプリングしてディジタル信号を得る。ADC70で生成されたディジタル信号は、信号処理回路80に送られる。
信号処理回路80は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)で構成される。信号処理回路80は、ディジタル信号を処理する部分である。信号処理回路80では、例えば、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより、所望の機能が実現される。
信号処理回路80は、参照光と散乱光が干渉して得られる干渉光から得られるディジタル信号に信号処理を施す。測定対象物100が振動状態にあると、散乱光にはドップラー効果により測定対象物の振動成分が付加される。信号処理回路80は、干渉光から得られるディジタル信号を復調することによって、干渉光の位相変化を取得し、この位相変化に基づいて測定対象物100の振動状態を算出することができる。
光検出器60に入射される散乱光の複素信号は、以下の式(1)で与えられる。
Figure 2023027875000002
ここで、jは虚数単位である。また、ASIは散乱光の複素振幅、ω(=2πf)はレーザー光源10で生成される連続光の中心角周波数である。また、tは、時間であり、φ(t)は測定対象物100の振動由来の光の位相変動成分である。
一方、光検出器60に入射される参照光の複素信号は、以下の式(2)で与えられる。
Figure 2023027875000003
ここで、ALOは参照光の複素振幅、ωshift(=2πfshift)は周波数シフタ26の角周波数シフト量である。
光検出器60において、干渉光から得られる電流信号は、以下の式(3)で与えられる。
Figure 2023027875000004
ここで、Rは光検出器60の変換効率、PSI及びPLOは、それぞれ、散乱光及び参照光のパワーであり、以下の式(4)及び(5)の関係を満たす。
Figure 2023027875000005
ここで、偏波保持光ファイバ30における偏波クロストークを考慮すると、光検出器60に入射される散乱光及び参照光の複素信号は、以下の式(6)及び(7)で表現される。
Figure 2023027875000006
ここで、ASI1は散乱光の複素振幅、ASI2は、参照光の偏波クロストークにより生じる漏洩光の複素振幅、ALO1は参照光の複素振幅、ALO2は、散乱光の偏波クロストークにより生じる漏洩光の複素振幅である。上記式(6)及び(7)のそれぞれ第2項が偏波クロストークに起因する信号成分である。偏波クロストークが大きくなると、上記式(6)及び(7)のASI2及びALO2が大きくなる。
上記(6)及び(7)で与えられる散乱光及び参照光が干渉して得られる干渉光から得られる電流信号は、以下の式(8)で与えられる。
Figure 2023027875000007
次に、上記式(8)からバンドパスフィルタによってωshiftの信号成分を抽出すると、以下の式(9)が得られる。
Figure 2023027875000008
ここで、式の簡略化のために、変換効率Rを1とした。
なお、バンドパスフィルタは、アナログ回路として構成してもよいし、ディジタル回路として構成してもよい。
バンドパスフィルタをアナログ回路で構成する場合は、バンドパスフィルタは光検出器60の後段に設けられる。バンドパスフィルタの出力が、ADC70を経て、信号処理回路80に入力される。
バンドパスフィルタをディジタル回路で構成する場合は、光検出器60の出力をADC70で、周波数シフト量の2倍以上、すなわち、2fshift以上の十分大きいサンプリング周波数でサンプリングした後、信号処理回路80で、ディジタルのバンドパスフィルタを作用させる。
バンドパスフィルタによって、ωshiftの信号成分を抽出した後、上記式(9)にexp(-jωt)を乗じ、ローパスフィルタで周波数2fshiftの信号を除去して、式を変形すると、以下の式(10)が得られる。
Figure 2023027875000009
ここで、偏波クロストークが発生しない状況下では、PSI2~0、PLO2~0とおけるので、上記式(10)から近似的に以下の式(11)が得られる。
Figure 2023027875000010
従って、偏波クロストークが発生しない状況下では、上記式(11)の位相角を算出することで、振動の情報を抽出できる。
しかし、偏波クロストークが発生している状況下では、上記式(10)から上記式(11)を得るのが困難である。従って、上記式(10)から上記式(11)が得られるような信号処理が必要である。そこで、上記式(10)から上記式(11)を得るための信号処理を説明する。
上記式(10)を、複素平面上にプロットすると、楕円が描画される。この楕円を任意好適な従来公知の最小二乗法を用いてフィッティングすると、楕円のパラメータが得られる。楕円フィッティングについては、例えば、非特許文献1に開示されている。
楕円フィッティングにより、楕円のパラメータとして、中心座標、長軸長、短軸長、及び、傾きが算出される。この算出されたパラメータを用いて、楕円を、原点を中心とし、半径がrの円に補正する。この補正により、上記式(10)の(PSI1LO11/2+(PSI2LO21/2、(PSI1LO11/2-(PSI2LO21/2がいずれもrとなり、また、(PSI1LO21/2と(PSI2LO11/2がいずれも0となる。したがって、以下の式(12)が得られる。
Figure 2023027875000011
上記式(12)から位相角が取得され、測定対象物100の振動が算出できる。
このように、この発明の振動計及び振動測定方法によれば、参照光と、測定光及び散乱光が同じ偏波保持光ファイバを伝搬するので、光ファイバに外乱振動が生じても、参照光と、測定光及び散乱光に同一の位相変動が生じるので、測定対象物本来の振動を測定できる。
さらに、偏波保持光ファイバにおいて偏波クロストークが発生した場合でも、光検出器で得られる電気信号を複素平面にプロットして描画される楕円を円に補正することで、偏波クロストークの影響を緩和し、対象物の振動を正確に測定できる。
ここで、光ファイバのわずかな屈折率変動により、楕円の形状が時間経過に伴って変動する場合がある。この場合は、楕円の形状が不変とみなせる時間長ごとに、楕円フィッティングを行って円に補正すると良い。
なお、楕円のパラメータに突発的な外れ値が生じると精度劣化の原因になりうる。従って、従来公知のカルマンフィルタなどの信号処理でパラメータ推定するのが好ましい。
10、110 レーザー光源
20 干渉光学系
21、22 ビームスプリッタ(BS)
24、124 偏光ビームスプリッタ(PBS)
26、126 周波数シフタ
28 λ/2板
30 偏波保持光ファイバ
40 光分配部
42 ハーフミラー
44、144 λ/4板
50、150 対物レンズ
60 光検出器
70、170 アナログ・ディジタル変換器(ADC)
80、180 信号処理回路
100、200 測定対象物
121 カプラ
122 光位相検出回路
130 光ファイバ
160 受光器

Claims (3)

  1. レーザー光源、偏波保持光ファイバ、光分配部、干渉光学系、光検出器、及び、信号処理回路
    を備え、
    前記レーザー光源は、連続光を生成し、前記連続光を、前記偏波保持光ファイバを伝搬させて前記光分配部に送り、
    前記光分配部は、前記連続光の一部を参照光として前記偏波保持光ファイバに送り、前記連続光の一部を測定光として測定対象物に照射し、
    前記測定光が前記測定対象物で散乱して生じる散乱光は、前記光分配部を経て前記偏波保持光ファイバに送られ、
    前記参照光及び前記散乱光は、前記偏波保持光ファイバを伝搬して、前記干渉光学系に送られ、
    前記干渉光学系は、前記参照光及び前記散乱光を干渉させて干渉光を生成し、
    前記光検出器は、前記干渉光を電気信号である干渉信号に変換し、
    前記信号処理回路は、干渉信号を複素平面上に描画して得られる楕円のパラメータを算出し、前記パラメータを用いて、前記楕円を円に補正して位相角を取得し、及び、前記位相角から、前記測定対象物の振動を算出する
    ことを特徴とする振動計。
  2. 前記光分配部は、ハーフミラーと、λ/4板を備え、
    前記ハーフミラーは、前記連続光の一部を反射して、前記参照光として前記偏波保持光ファイバに送り、前記連続光の一部を透過させて、前記測定光として前記λ/4板に送り、
    前記測定光は、前記λ/4板で直線偏光から円偏光に変換された後、前記測定対象物に照射され、
    前記散乱光は、前記λ/4板で円偏光から直線偏光に変換された後、前記ハーフミラーに送られ、
    前記干渉光学系は、偏光ビームスプリッタ、第1ビームスプリッタ、第2ビームスプリッタ、周波数シフタ、及び、λ/2板を備え、
    前記偏光ビームスプリッタは、参照光を透過させて、前記第1ビームスプリッタに送り、前記散乱光を反射させて、第1光路を経て前記第2ビームスプリッタに送り、
    前記第1ビームスプリッタに送られた参照光は、第2光路を経て前記第2ビームスプリッタに送られ、
    前記周波数シフタは、前記第1光路及び前記第2光路のいずれか一方に設けられ、所定の周波数シフトを与え、
    前記λ/2板は、前記第1光路及び前記第2光路のいずれか一方に設けられ、偏光の向きを90度回転させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の振動計。
  3. 連続光を生成する過程と、
    前記連続光を、偏波保持光ファイバを伝搬させる過程と、
    前記連続光の一部を参照光として前記偏波保持光ファイバを伝搬させ、前記連続光の一部を測定光として測定対象物に照射し、前記測定光が前記測定対象物で散乱して生じる散乱光を、前記偏波保持光ファイバを伝搬させる過程と、
    前記参照光及び前記散乱光を干渉させて干渉光を生成する過程と、
    前記干渉光を電気信号である干渉信号に変換する過程と、
    前記干渉信号を複素平面上に描画して得られる楕円のパラメータを算出する過程と、
    前記パラメータを用いて、前記楕円を円に補正して位相角を取得する過程と、
    前記位相角から、前記測定対象物の振動を算出する過程と
    を備えることを特徴とする振動測定方法。
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