JP7486626B2 - 脈管内においてカテーテルのような導管ラインをルーティングするためのシステムおよび方法 - Google Patents

脈管内においてカテーテルのような導管ラインをルーティングするためのシステムおよび方法 Download PDF

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Description

本発明は、血管内/神経の外科的侵襲処置ないしはインターベンション処置を必要とする患者の頸動脈(または脊椎動脈)へいっそう効率的にアクセスできるようにするための、個人向けにカスタマイズされたソリューションを実現するシステムおよび方法に関する。
周知のように人体または動物体は、全身および体の各器官にくまなく血液を循環させるために、静脈系と動脈系の双方を含む広範囲にわたる血管網を有している。
近年、特定の器官の脈管構造に関連する問題点の診断および/または治療のためにアクセスが得られるようにする目的で、様々な外傷性外科処置が、体の脈管系を通して前進させられる1つまたは複数のカテーテルの使用を伴う処置に置き換えられてきている。具体例として、脳卒中(たとえば脳内の血餅による閉塞に起因する虚血性脳卒中など)、心臓内部の冠動脈閉塞、さらに様々な心臓の欠陥を、カテーテルを患部まで前進させることによって治療することができ、そこにおいて問題に対処すべく様々な処置を始めることができる。カテーテルを介してステントの展開も行われてきており、その際にこの種のステントは、インターベンションが必要とされる部位にカテーテルを用いてポジショニングされる。脚部血管、腎動脈等を含む多くの体部においてさらに別のカテーテル処置も行われるし、たとえば心臓弁膜症、大動脈解離、律動異常の治療、透析患者のためのシャントの管理を含む、その他の多くの複雑な導管経皮的血管処置も行われる。同様に脳内および他の部位における複雑な脳動脈瘤も、経皮的な血管内ルートを通して治療されることが多くなってきている。
医療処置を完了させるためにカテーテルを体内で効率的に使用する目的で、一般にカテーテルは、体の脈管系の蛇行曲線を辿りながらその中を通って進むのに十分にフレキシブルでなければならず、その一方では(たとえばインターベンション専門医がカテーテルを通して付加的なツールを送る場合などに)所定のポジションに保持するのに十分に硬質でなければならない。
カテーテルが過度にフレキシブルであると、カテーテルは脈管系内において他の脈管中に後退してしまう可能性がある。また、カテーテルが過度に硬いと、カテーテルがそもそも動かされる可能性があるならば、脈管の曲がり角を回るような経路を進むときに周囲の組織を損傷してしまうおそれが、かつ/または医療処置を完了させるために著しい時間遅延が引き起こされてしまうおそれがある。虚血性脳卒中が起きた患者の脳から血餅を除去する血管内インターベンションなどのような特定の処置の場合には、「タイム・イズ・ブレイン」(時は脳なり)であって、このことは、処置を完了させる際の遅延が患者の転帰に多大な影響を及ぼす可能性があることを意味する。
また、血管内部の屈曲度ならびに血管の硬度も、動脈硬化性疾患、脊椎の高さの低下等を含む多様な要因によって、年齢と共に増加する。高齢者層の増加および技術の改善に伴って、これらの処置が高齢者層においてますます多く実施されるようになってきており、その結果として、実施する処置がいっそう複雑になるにもかかわらず、蛇行した脈管および/またはいっそう硬くなった脈管を通してアクセスしなければならない。
しかも、種々の患者の脈管の解剖学的構造にはかなりの多様性がある。図1には、人間の典型的な大動脈弓179および連結血管が示されている。大動脈弓179は、上行大動脈178および下行大動脈180に連結されている。上行大動脈178は、右冠動脈171および左冠動脈172に連結されている。また、大動脈弓は、腕頭動脈173に連結されており、腕頭動脈173は、右鎖骨下動脈174および右総頸動脈175に分かれている。さらに大動脈弓には、左総頸動脈176および左鎖骨下動脈177も連結されている。既述のように、この図面には典型的な大動脈弓が示されているけれども、自明のとおり、血管の詳細な連結および形状は、患者ごとに異なっている可能性がある。たとえば一部の患者において、左総頸動脈が無名動脈から起始している場合がある(この変体はbovine archと呼ばれる)。この状況では、下行大動脈と左総頸動脈との間の角度がいっそう鋭角になっており、これによってカテーテル導入がいっそう困難になる。
頭部内の血管にアクセスするために、一例として以下で詳しく述べるように典型的なカテーテル処置を行うために、インターベンション専門医は一般に、大腿動脈から下行大動脈180を上に向かい大動脈弓179中へ、さらには左総頸動脈176中へと、カテーテルシステムをナビゲートする。本明細書における説明の目的で「カテーテルシステム」には、インナーカテーテル(たとえば診断用カテーテル、ガイドワイヤ、マイクロカテーテル)およびアウターガイドカテーテル(たとえば遠位アクセスカテーテルおよびバルーンガイドカテーテル)の種々の組み合わせが含まれ、この場合、内側と外側の構成要素は実質的に同軸であり、他方の上でまたは他方の中でスライド可能である。これには、同軸および3軸の処置、さらにめったにはないが4軸の処置も含まれる可能性がある。ほとんどの環境ではこれらの構成要素は、通常はアウターガイドカテーテルおよび診断用カテーテルまたはマイクロカテーテルなどのインナーカテーテルを超えて伸びているガイドワイヤと一緒に動くことになる。したがってカテーテルシステムを、このカテーテルシステムの順行運動中のカテーテル内におけるワイヤの組み合わせとすることができるだけでなく、ワイヤのないカテーテルだけを意味する場合もある。順行運動は一般に、ガイドワイヤを前進させてからそのワイヤ上でカテーテルを前進させる、という組み合わせによって実施され、これらのすべては、ガイドワイヤとカテーテルの遠位端の向きを適切な血管へとターンさせる目的で、カテーテルおよびワイヤのツイストおよびターンを含むことができる。大動脈弓に到達した後、たとえばカテーテルシステムは、左総頸動脈176を上に向かい、さらに左内頸動脈中へとナビゲートされる。基礎的な条件および実施される処置に応じて、この段階でインターベンション専門医は、頭蓋内の血管さらに最終的には処置を実施すべき場所へのアクセスが得られるようにするために、(マイクロカテーテルおよびマイクロワイヤを含む)種々のカテーテルおよび手技のバリエーションを用いることができる。
図1に示されているように血管系は、複数の血管が交差した複雑な合流点を有している。これに加え、高齢者の血管は屈曲度および/または硬度が高くなっていることが多く、しかもそれらの血管は長くなっている場合もある。過度に硬いカテーテルシステムは、蛇行した血管をまっすぐにする可能性があり(このことは有利である場合もあるし有利でない場合もある)、かつ/または急カーブを通ってナビゲートされているときに、血管に損傷を与えてしまう可能性がある。ただしカテーテルが過度にフレキシブルであると、血管内でそのポジションを維持できない場合があり、たとえばカテーテルが左内頸動脈中にうまく案内された後(特にさらに別のカテーテルおよびツールをそのカテーテルを通して脳血管に入るように前進させているときに、かつ/またはガイドワイヤを引き抜いたときに)、大動脈弓中へ後退してしまう場合もある。一部のケースでは付加的なカテーテルは、それらが前進しているときに摩擦に直面し、かくしてこの摩擦によりガイドカテーテルに対し後退方向への力が発生し、これによってインターベンション専門医が処置を完了させるのが妨げられ、かつ/または1つのカテーテルを取り除いて異なるカテーテルを選択し、そのカテーテルを所定のポジションへとナビゲートする際に時間が浪費される。
カテーテルのデザインおよびパフォーマンス
上述のように、脳の処置において用いられる2つのクラスのカテーテルは、診断用カテーテルとガイドカテーテルとである。診断用カテーテルは一般に、着目対象領域へのアクセスが得られるようにするために用いられるものであるのに対し、ガイドカテーテルは、診断用カテーテル、ガイドワイヤ、バルーン、特定の外科的手技のために必要とされる可能性のあるその他のカテーテル等を含む、付加的な機器を支持および案内するために用いられる。
典型的な診断用カテーテルは、4F~6F(フレンチ)の範囲にあり、65~125cmの長さを有する。それらのカテーテルは編組壁構造を有することができ、一般にソフトな先端をもつことになり、その先端は様々な形状に成形されている。
ガイドカテーテルは一般にこれよりも大きく(たとえば6~8F)、80~100cmの長さである。ガイドカテーテルは一般に、上述のように任意の付加的な機器を前進させるために後退方向(すなわち逆方向)支援をもたらすように、かなり硬いシャフトによって強化された構造を有している。
解剖学的な観点からすれば、カテーテルは一般に血管構造の様々なゾーンを通過し、つまり大腿動脈と大動脈弓との間の腹部および胸部の血管構造(おおよそ50~75cm)、頸部血管構造(おおよそ15~20cm)、さらには頭部/脳の血管構造(おおよそ10~15cm)を通過する。
様々な性質およびジオメトリを、診断用カテーテルおよびガイドカテーテル双方の設計に加えることもでき、これには以下が含まれる。すなわち、
a.トラッカビリティ。特に蛇行した(急カーブの)血管を通してガイドワイヤ上でスライドさせるためのカテーテルの能力。
b.プッシャビリティ。ハブからの(すなわち体外)からのオペレータによる入力に基づき、カテーテルの先端またはヘッドを前進させる能力。
c.トルカビリティ。オペレータによるハブにおけるツイストに基づき、カテーテルの先端を操る能力。
d.先端またはヘッドの形状。カテーテルの先端またはヘッドの形状によって、特定の解剖学的特徴を通してカテーテルの遠位先端をナビゲートする際にオペレータがアシストされることになる。たとえばカテーテルは特に、面一、直線、単純な曲線、複雑な曲線、背向曲線、または二重曲線の形状を有することができる。かかる形状を、単純または複雑として分類することができる。
特に診断用カテーテルには、上述の形状を有する多種多様な先端が設けられており、これによって外科医は、主として患者の解剖学的構造の多様性に対処する目的で、処置を実施するときに先端形状を選択できるようになる。
カテーテルの構造
カテーテルに特定の性質または機能特性を与える目的で、カテーテルの壁構造内部において様々な構造および/または層を有する複数の材料により、各カテーテルを構成することができる。それらは以下を含むことができる。すなわち、
・表面コーティング。表面コーティングは望ましくは血栓形成を低減し、低い摩擦係数および/または抗菌性の特性を有する。
・補強材。トルク制御/硬度特性をカテーテルに付与するために、内部ワイヤ編組が用いられる。
・ポリマー層。カテーテルのボディに様々な構造特性を与えるために、種々のポリマーを用いることができる。たとえば、
ポリウレタンをソフトで曲げやすいものとすることができ、したがってガイドワイヤにいっそう効果的に追従することができる。ただし、それらの摩擦係数は比較的高い。
硬度のためにナイロンを用いることができ、それらの中を通る液体の比較的高い流速を許容することができる。
特定の外科医のスキルと経験とによって、特定のカテーテルまたはカテーテルシステムの選択を下すことができる。
様々なカテーテルのいくつかの典型的な性質を、表1にまとめた。
表1 カテーテルの性質の概要
Figure 0007486626000001
Figure 0007486626000002
虚血性脳卒中を治療するための典型的な血管内処置
上述のように、血管内外科医が処置を開始するとき、典型的には鼠径部を通して血管構造へのアクセスが得られる。鼠径部穿刺の後、血管構造を通して着目対象部位まで種々のカテーテルを前進させるために、以下の様々なステップが実施される。典型的には、バルーンガイドカテーテルおよびステント(すなわち血餅回収デバイス)を用いた処置のケースであれば、これらのステップは以下を含む。
ステップA 大動脈弓へのアクセス
a.鼠径部穿刺の後、シースを展開させる。シースは体へのアクセスポートとしての役割を果たし、典型的には15cmの長さのうち約5cmが大腿動脈へ挿入されることになる。シースは約8Fの内径を有する。
b.バルーンガイドカテーテル(BGC)と診断用カテーテル(DC)とガイドワイヤ(GW)とから成るアセンブリを、大動脈弓に向かって前進させる。BGCは、典型的には8Fの外径を有する。DC(外径4~6F)は、BGC内部に保持され、GW(外径0.035インチ)はDC内部に保持される。
ステップB 頸動脈および大脳動脈へのアクセス
c.所望の頸動脈へのアクセスが得られるように、DCを操作する。
d.頸動脈へのアクセスが得られた後、GWを閉塞部位(ただし頸部頸動脈内)に向かって典型的には20~30cmまで前進させる。
e.GWを前進させた後(または同時に、かつ/または順次)、閉塞部位へのアクセスが得られるようにGWの上でDCを前進させる。このことを、特定の患者の詳細な事項に応じて、同時に行われるプロセスおよび/または順次連続して行われるプロセスにおいて、生じさせることができる。
ステップC バルーンガイドカテーテル(BGC)の配置
f.頸部内頸動脈の直線区間へのアクセスも得られるように、BGCをDCおよびGWの上で前進させる。
g.その後、DCおよびGWを完全に取り除く。
ステップD マイクロカテーテル/マイクロワイヤの配置
h.マイクロカテーテル(MC)およびマイクロワイヤ(MW)を、BGCを通して血餅までずっと一緒に案内し、MCおよびMWの遠位先端が血餅の遠位エッジを過ぎたところにポジショニングされるようにする。
i.MCをポジショニングしたならば、MWを取り除く。
ステップE ステントの展開
j.ステント(すなわち血餅回収デバイス)を、ステントの遠位先端がMCの遠位端に隣接するまで、MCを通して前進させる。
k.ステントを所定のポジションに保持しながら、MC上で引き戻すことによってステントを露出させる。ステントを露出させるときに、血餅と係合するようにステントは血餅まで伸びることになる。
ステップF 血餅除去
l.BGCを膨らませて順行流を停止させ、BGCを通した逆行流(吸引)を発生させる。
m.これと同時に、いまや血餅と係合したステントをMCと一緒に、BGCを通して体外に出るように近位方向で引っ張る。
n.血餅回収が成功したのか否かを調べるため、BGCを通してチェックのための血管造影を実施する。成功していなければ、ステップj~mが再び繰り返される場合もある。
o.首尾よく再潅流が達成されたならば、BGC、ステントおよび血餅を体外へ除去する。
バリエーション
この処置のバリエーションとして、遠位アクセスカテーテル(DAC)(4~6.5F)を、この処置に加えることができる。これを以下の2つの手法のうちの一方とすることができる。
a.吸引手技
i.この手技によれば、ガイドカテーテルおよびDCを用いて頸部内頸動脈へのアクセスを達成した後、BGC(すなわちDAC)ではないガイドカテーテル(GC)を頸部内頸動脈内に配置する。
ii.DCを取り除く。
iii.DAC(吸引カテーテル)の先端を血餅表面に到達させる目的で、DACとMCとMWとから成る3軸システムを頭蓋内循環に向けて前進させる。これを達成するために、MCおよびMWを血餅後方に配置させなければならない場合もあり得る。
iv.MWおよびMCを取り除く。
v.血餅の回収が成功するまで、血餅表面においてDACを用いることによって、DACを通した吸引を適用するか、または血管内外科医は、別の選択肢となるアプローチを試みる判断を下す。局所的な吸引は、いっそう多くの吸引圧力が血餅に伝達される見込みがある、という利点を有する。
b.Solumbra手技
i.この手技の最初の部分は、吸引手技(すなわちステップa(i)~a(iii))と同じである。
ii.ただしMCが血餅を越えて、DACが血餅表面にあると、MWが取り除かれて、血餅を横断してステントが展開される。
iii.次いでDACに対し吸引が適用されている間、MCおよびステントが引き抜かれる。したがって吸引圧力は、BGCを用いた場合のように頸部からではなく血餅のすぐ隣りにある。同様にステントも、まだ頭蓋内血管にあるときにDACに入り、これによって血餅が捕捉されたときに血餅を失う可能性が低減される。
血餅の除去にあたり、ステントを用いない吸引手技がうまくいかないケースでは、BGCを所定の位置におき、それに続いてGW、MCおよびステントを展開することができる。
ここで重要であるように、いかなる手順の間であっても、医師は、患者脈管構造の3次元ジオメトリと対照して、カテーテルシステムの様々な幾何学的および物理的なパラメータにおける相違について、注意深くバランスをとる必要がある。つまり医師はたとえば、診断用カテーテルシステムの遠位端の形状を、患者脈管構造の既知のジオメトリ、ガイドカテーテルの硬度、ならびにカテーテルシステム全体の処置対象と共に、考慮しなければならない。
一般に、医師は様々な診断用カテーテルを使用することができ、その際、望まれる経路および問題点の部位に応じて、特定の診断用カテーテルが選択される。医師は、特定の処置のために自身で使用可能なかなり多数の診断用カテーテルまたは診断用カテーテルのライブラリを有することができる一方、1つの特定のカテーテルの選択は、医師の経験および/または、診断結果および/またはイメージング結果からの患者脈管構造の解釈に基づくものとなることが多い。上述のように、患者の年齢およびサイズを含む他のファクタも考慮することができる。たとえば、イメージングデータを考察する場合に医師は、ある診断用カテーテルのデザインを他のデザインに優先して使用することを示唆するイメージの特定の特徴を解釈することができる。つまり医師の熟練した目には、イメージングデータは脈管構造と共に屈曲度を示すことができるものであり、このことによって特に急カーブを回るようにナビゲートできるようにするために、いっそうフレキシブルな領域を有するガイドカテーテルの使用が示唆されることになり、これによって過度に硬いガイドカテーテルが選択されたならば、結果として生じる可能性のある時間遅延が回避される。ただし過度にフレキシブルなガイドカテーテルは、後続の処置ステップのためにマイクロカテーテル、マイクロワイヤおよびその内部の他の機器を適切に支持することができないと、処置中に問題をもたらす可能性がある。さらに図2aおよび図2bに示されているように、インターベンション専門医が適切なDCを用いて着目対象血管を「引っかける」ことができるよう、患者脈管構造の形状に理想的にマッチした、DCの種々の先端形状を選択することができる。ここで理解できるように、最終的な成功および医師がDCを配置できる速度は、様々な要因の結果であり、これには前進プッシュの度合いと、DCに加えられるトルクと、実際の解剖学的構造上の要因に対する適正なデバイスの選択とのバランスをとることが含まれる。ここで重要であるように、プロセス全体を通して、DCが着目対象血管中に入らず、結局はどこか別のところで終わってしまうような、様々な複雑な状況が発生する可能性がある。
したがってここで理解できるように、カテーテルの配置に熟練するようになるためのトレーニングは、複雑に入り組んだプロセスであって、このプロセスのためには、広範囲にわたる処置を実施しながら、数100時間または数1000時間の練習、メンタリングおよび広範囲の患者およびそれらの患者の個々の解剖学的構造に接することが必要とされる。とはいえ医療トレーニングのプロセスは、段階的責任のプロセスであって、この場合、上級とされた医師は、被訓練者が患者管理の量を増やすことを徐々に許可していく。しかしながら多くの緊急事態のケースでは、特に急性脳卒中のように緊急かつ複雑なケースでは、被訓練者がどのくらいの多くの機会を得られるかという点について限界がある。その結果、医療被訓練者は、複雑な処置に接することはできるけれども、そのような緊急事態の間に被訓練者が得られる経験に基づく腕前に達するには、取得までに多くの年数がかかる可能性がある。
さらに急性脳卒中の場合には、脳が早く再潅流すればするほど患者の転帰がより良いものとなる可能性が高くなる、ということを支持する明確なデータがあり、「タイム・イズ・ブレイン」(時は脳なり)ということがまったくもって受け入れられている。したがって急性脳卒中の管理中、上述の再疎通のステップすべてを、できるかぎり早く実施するのが望ましい。これにはイメージング、イメージ処理、診断、患者の準備、および処置の実際のステップが含まれる。
医師のスキルの開発にあたって医師をアシスト可能なトレーニングシステムが存在し、このシステムには、カテーテルシステムの実際の近位端の物理的操作と、シミュレートされた血管構造内の遠位端のシミュレーションとのインタフェースを成すシミュレーションシステムが含まれる。たとえばwww.mentice.comに記載されたかかるシステムによって、手による操作スキルを開発する効果的な手法と、患者を実世界で処置する前にスキルレベルを格段に改善することのできるシミュレートされたシステムによる経験とが、医師にもたらされる。
効果的な現行のシミュレータは、以下の点で制約されている。すなわちそれらのシミュレータが、実際のイメージングデータから導出された「実際の」患者の解剖学的構造をシミュレートしている一方、それらのシミュレータは、即座に処置を必要としている現実の患者の解剖学的構造を表示しないのである。つまり現行のシミュレーションシステムによって、医師はシミュレートされた患者において練習することはできるけれども、それらの患者は眼前にある特定の解剖学的構造を有する現実の患者ではない。しかも、医師はシミュレートされた様々な患者において、それらの患者の解剖学的構造における既知の多様性および複雑性と共に練習できるけれども、かかる練習は、現実の患者がある特定の解剖学的構造を有することを示している時点では時代遅れになってしまっている可能性がある。つまり医師がある特定の解剖学的構造において最後に練習してから数ヶ月または数年が経ってしまっているかもしれない。
本願発明者の論文(ここで参照したことにより本明細書に取り込まれたものとする)"Analysis of Workflow and Time to Treatment on Thrombectomy Outcome in the Endovascular Treatment for Small Core and Proximal Occlusion Ischemic Stroke (ESCAPE) Randomized, Controlled Trial" (Circulation. 2016; 133:2279-2286. DOI: 10.1161/CIRCULATIONAHA.1 15.019983)および"Analysis of Workflow and Time to Treatment and the Effects on Outcome in Endovascular Treatment of Acute Ischemic Stroke: Results from the SWIFT PRIME Randomized Controlled Trial" (Radiology; 2016)によれば、虚血性脳卒中の発現から再疎通処置の完了に至るまでの、ワークフローの種々のステップにおけるばらつきについて論じられている。これらの研究および表2に示されているように、再疎通処置を完了させるまでに外科医が費やす可能性のある時間について、かなりの変動がある。
表2 エスケープトライアルのワークフローにおけるインターバルタイム
Figure 0007486626000003
これらの研究から、特定のステップを完了させるための時間のばらつきを、外科医のスキルおよび経験、使用可能な機器、および患者の解剖学的構造を含む、様々な要因に帰するものとすることができる。したがって、外科医のトレーニング、特定の患者に最も適している可能性のある機器の識別、および/または患者の解剖学的構造の特定の特性の認識を可能にするリソースを利用できるかぎりにおいては、再潅流までの時間を低減することができ、かつ/またはそれらの時間における比較的広いスケールでのばらつきを低減または改善することができる。
よって、これらの問題に取り組むシステムおよび方法に対するニーズ、より具体的には、外科医のスキルおよび意思決定を改善するシステムおよび方法に対するニーズがあった。しかも、外科医が数分以内に実際に処置を実施する予定である現実の患者において、外科医が練習するための個人向けにカスタマイズされたソリューションを提供することに対するニーズがあった。つまり、外科医が処置のために特定のカテーテル/機器を事前選択するのをアシストする目的で、他方、選択されたカテーテル機器をその特定の患者の解剖学的構造内に配置する練習を医師が行えるようにするためにも、血管内処置のために患者の準備が行われている間に、シミュレータ内で使用可能である診断フェーズ中に患者から得られたCTスキャンおよび/または他のイメージングデータを利用するシステムに対するニーズがある。
さらに、患者の特定の解剖学的構造に基づき、まさに実施されようとしている処置に精通した推奨される1つまたは複数の機器の部分および利用可能な機器のライブラリを示唆および/または選択するシステムに対するニーズがあった。
さらに、患者の特定の解剖学的構造に基づき、特定の解剖学的構造のジオメトリ/特性がある特定の処置に対して問題となることが以前に示されていたならば、履歴データをベースに代替となる手技を示唆するシステムに対するニーズがあった。
さらに、特定の解剖学的構造内で特定のカテーテルを用いて処置を実施する医師の経験に基づき、以前に実施された処置と同様の環境を示す処置を医師が実施しているときに、過去の状況を認識して医師にヒントまたは洞察を提供するができるシステムに対するニーズがあった。
さらに、経験済みの問題を有する可能性のある処置を考慮した将来の機器のデザインをアシストするために、過去の処置のデータを利用可能なシステムに対するニーズがあった。
さらに、カテーテルおよびワイヤのメーカが、自身の製品をデザインおよび改善する目的で、種々の解剖学的構造の多様性と対照して自身の製品をテストできるようにするシステムに対するニーズがあった。
さらに、どのようにして処置を違うやり方で、またはより良く実施できるのかを理解する目的で、医師が実際の処置を記録して、インタラクティブな環境を有するシミュレーションシステムにそれをフィードバックできるようにするシステムに対するニーズがあった。
本発明によれば、挿入ポイントから治療または診断処置を完了させることができる体内の部位まで動かすカテーテルシステムを用いた外科的処置の効率を改善するためのシステムおよび方法が提供される。
第1の観点によれば、以下を有する装置が設けられている。すなわちこの装置は、脈管のスキャンに基づき体内の脈管コースを特定するように構成されたスキャンデータリーダと、1つまたは複数の導管ラインの物理的性質を記憶するように構成されたメモリと、特定された脈管コースに基づき導管ラインを用いて脈管内の目標ポイントに到達するためのルートと、記憶された導管ライン各々について目標ポイントに到達できるか否かと、を決定するように構成されたプロセッサと、を有する。
1つの実施態様によれば、このプロセッサは、導管ラインが決定されたルートを辿るようにするために必要とされる外部操作を決定するように構成されている。
別の実施態様によれば、この装置は、複数の異なる導管ラインに基づき血管内の特定のポイントに到達する難度レベルを決定し、かつ導管ラインのいずれが最低難度レベルを有するのかを決定するように構成されている。
別の実施態様によれば、この装置は、血管の決定されたルートにマッチした導管ラインのパラメータを決定するように構成されている。
別の実施態様によれば、導管ラインの物理的性質は、厚さ、横方向弾性、縦方向弾性、横方向剛性、縦方向剛性、復元形態、および1つまたは複数の作動形態、のうちの1つまたは複数の組み合わせを有する。
さらに別の実施態様によれば、この装置は、血管をスキャンしてスキャンデータを供給するように構成されたスキャナを有する。
さらに別の実施態様によれば、この装置は、血管をスキャンし、スキャンデータを読み取り、ルートをリアルタイムで決定するように構成されている。
別の実施態様によれば、脈管合流点から特定の脈管部分に入るために導管ラインが通過しなければならない入口領域と出口領域とによって、脈管合流点がモデリングされる。
別の実施態様によれば、この装置は、医療処置中にスキャナによって与えられるフィードバックを再現するために、判定結果を出力するように構成されている。
さらに別の実施形態によれば、この装置は、特定の導管ラインの物理的性質と脈管コースとに基づき、特定の導管ラインを用いて目標ポイントに到達するための難しさの程度を特定するように構成されている。
別の観点によれば、カテーテルシステムを用いて実施される外科的処置の効率を改善する方法が記述される。この場合、外科的処置は、挿入ポイントから患者脈管構造を通って目標位置へカテーテルシステムをナビゲートすることを含み、この方法は、患者脈管構造の患者固有のイメージデータを取得するために、患者のスキャンを実施するステップと、以下のステップを実施する命令によってコーディングされた非一時的コンピュータ可読媒体を用いるステップと有し、この命令によって、患者固有のイメージデータから患者脈管構造の3次元モデルを構築するステップと、患者脈管構造の3次元モデル内で目標位置をユーザがマークできるようにするステップと、1つまたは複数の挿入ポイントから目標位置へのアクセスルートを決定し、アクセスルートパラメータを分析するステップと、少なくとも1つのカテーテルシステムの物理的性質に関するデータを記憶するデータベースにアクセスし、少なくとも1つのカテーテルシステムの物理的性質と対照してアクセスルートパラメータを分析し、挿入ポイントから目標位置へのナビゲートに適したカテーテルシステムのランキングを決定するステップと、が実施される。
別の実施態様によれば、この方法は、カテーテルシステムの選択を可能にして、選択されたカテーテルシステムの仮想モデルを生成するステップと、選択されたカテーテルシステムの仮想モデルを、患者脈管構造の3次元モデルと共に記録するステップと、患者脈管構造の3次元モデル内で、選択されたカテーテルシステムの仮想モデルを、機械-電気インタフェースを介してユーザが操作できるようにするステップと、を含む。
別の実施態様によれば、機械-電気インタフェースは、a)脈管内で同軸に移動可能かつ回転可能なカテーテルとガイドワイヤとを含む物理的なカテーテルラインの近位端のインタフェースと、b)近位端の機械運動を電気信号に変換可能であって、この電気信号により、選択されたカテーテルシステムの仮想モデルおよび患者脈管構造の3次元モデルへの入力を供給する、遠位のインタフェースとを含む。
別の実施態様によれば、この方法は、過去の処置に関する情報を記憶する機械学習データベースにアクセスするステップと、患者脈管構造の3次元モデル内で、選択されたカテーテルシステムの仮想モデルをユーザが操作している間、ユーザパフォーマンスと、機械学習データベースにより決定される処置の予め定められた知識と、に基づき、ユーザにフィードバックを与えるステップと、を含む。
別の実施態様によれば、この方法は、過去の処置に関する情報を記憶する機械学習データベースにアクセスするステップと、処置中にカテーテルシステムをユーザが操作している間、ユーザパフォーマンスと、機械学習データベースにより決定される処置の予め定められた知識と、に基づき、ユーザにフィードバックを与えるステップと、を含む。
別の実施態様によれば、この方法は、処置が完了した後、機械学習データベースに予め定められたフォーマットでフィードバックを与えるようユーザを促すステップを含む。
別の実施態様によれば、この方法は、予め決められた処置パラメータを処置中に測定された実際の処置パラメータと比較することにより決定されたユーザパフォーマンスを精査するステップと、ユーザパフォーマンスと予め定められた処置パラメータとの比較をユーザに表示するステップと、を含む。
別の実施態様によれば、本発明は、外科的処置を実施する際に用いられる特定のカテーテル機器の有効性を分析する方法を記述する。この場合、外科的処置は、以下のステップを実施する命令によってコーディングされた非一時的コンピュータ可読媒体を用いて、挿入ポイントから患者脈管構造を通って目標位置までカテーテルシステムをナビゲートすることを含み、この命令によって、特定の患者内でカテーテルシステムを用いて実施される複数の外科的処置からのデータを記憶するステップと、ただしこのデータは、内部を通して処置を実施した患者脈管構造の3次元データを含む、外科的処置中に用いられる患者データと、処置中に用いられる特定のカテーテルシステムに関連し、処置中に用いられるカテーテルシステムの複数の物理的性質を含む、カテーテルシステムデータと、患者データに関連する、処置中のカテーテルシステムの使用に関するパフォーマンスデータとを含み、患者データとカテーテルシステムデータとパフォーマンスデータとの組み合わせを分析して、特定のカテーテルシステムと処置と患者データとに関連して問題のある処置と問題のある解剖学的特徴とを識別するステップと、が実施される。
別の実施態様によれば、この方法は、規定された物理的性質を有する仮想カテーテルを、問題のある1つまたは複数の解剖学的特徴を有する患者脈管構造の3Dモデルに導入するステップと、問題のある1つまたは複数の解剖学的特徴を有する患者脈管構造の3Dモデル内における仮想カテーテルの運動を評価して、この仮想カテーテルが、特定のカテーテルシステムと比較して優れた物理的性質を有するのか劣った物理的性質を有するのかを判定するステップと、を含む。
さらに別の観点によれば、本発明は、カテーテルシステムを用いて実施される外科的処置の効率を改善するシステムを提供する。この場合、外科的処置は、挿入ポイントから患者脈管構造を通って目標位置へカテーテルシステムをナビゲートすることを含み、このシステムは、患者脈管構造の患者固有のイメージデータを取得するように動作可能なイメージングスキャナと、以下のステップを実施する命令によってコーディングされた非一時的コンピュータ可読媒体とを含み、この命令によって、患者固有のイメージデータから患者脈管構造の3次元モデルを構築するステップと、患者脈管構造の3次元モデル内で目標位置をユーザがマークできるようにするステップと、1つまたは複数の挿入ポイントから目標位置へのアクセスルートを決定し、アクセスルートパラメータを分析するステップと、少なくとも1つのカテーテルシステムの物理的性質に関するデータを記憶するデータベースにアクセスし、少なくとも1つのカテーテルシステムの物理的性質と対照してアクセスルートパラメータを分析し、挿入ポイントから目標位置へのナビゲートに適したカテーテルシステムのランキングを決定するステップと、が実施される。
別の実施態様によれば、非一時的コンピュータ可読媒体はさらに、カテーテルシステムの選択を可能にして、選択されたカテーテルシステムの仮想モデルを生成し、選択されたカテーテルシステムの仮想モデルを、患者脈管構造の3次元モデルと共に記録し、患者脈管構造の3次元モデル内で、選択されたカテーテルシステムの仮想モデルを、機械-電気インタフェースを介してユーザが操作できるようにコーディングされている。
さらに別の実施態様によれば、機械-電気インタフェースは、a)脈管内で同軸に移動可能かつ回転可能なカテーテルとガイドワイヤとを含む物理的なカテーテルラインの近位端のインタフェースと、b)近位端の機械運動を電気信号に変換可能であって、この電気信号により、選択されたカテーテルシステムの仮想モデルおよび患者脈管構造の3次元モデルへの入力を供給する、遠位のインタフェースとを含む。
別の実施態様によれば、非一時的コンピュータ可読媒体はさらに、過去の処置に関する情報を記憶する機械学習データベースにアクセスし、患者脈管構造の3次元モデル内で、選択されたカテーテルシステムの仮想モデルをユーザが操作している間、ユーザパフォーマンスと、機械学習データベースにより決定される処置の予め定められた知識と、に基づき、ユーザにフィードバックを与えるようにコーディングされている。
さらに別の実施態様によれば、非一時的コンピュータ可読媒体はさらに、過去の処置に関する情報を記憶する機械学習データベースにアクセスし、処置中にカテーテルシステムをユーザが操作している間、ユーザパフォーマンスと、機械学習データベースにより決定される処置の予め定められた知識と、に基づき、ユーザにフィードバックを与えるようにコーディングされている。
別の実施態様によれば、非一時的コンピュータ可読媒体はさらに、処置が完了した後、機械学習データベースに予め定められたフォーマットでフィードバックを与えるようユーザを促すようにコーディングされている。
1つの実施形態によれば、非一時的コンピュータ可読媒体はさらに、予め決められた処置パラメータを処置中に測定された実際の処置パラメータと比較することにより決定されたユーザパフォーマンスを精査し、ユーザパフォーマンスと予め定められた処置パラメータとの比較をユーザに表示するようにコーディングされている。
さらに別の実施態様によれば、本発明は、外科的処置を実施する際に用いられる特定のカテーテル機器の有効性を分析するシステムを提供する。この場合、外科的処置は、挿入ポイントから患者脈管構造を通って目標位置までカテーテルシステムをナビゲートすることを含み、このシステムは、以下のステップを実施する命令によってコーディングされた非一時的コンピュータ可読媒体を含み、この命令によって、特定の患者内でカテーテルシステムを用いて実施される複数の外科的処置からのデータを記憶するステップと、ただしこのデータは、内部を通して処置を実施した患者脈管構造の3次元データを含む、外科的処置中に用いられる患者データと、処置中に用いられる特定のカテーテルシステムに関連し、処置中に用いられるカテーテルシステムの複数の物理的性質を含む、カテーテルシステムデータと、患者データに関連する、処置中のカテーテルシステムの使用に関するパフォーマンスデータとを含み、患者データとカテーテルシステムデータとパフォーマンスデータとの組み合わせを分析して、特定のカテーテルシステムと処置と患者データとに関連して問題のある処置と問題のある解剖学的特徴とを識別するステップと、が実施される。
1つの実施形態によれば、非一時的コンピュータ可読媒体はさらに、規定された物理的性質を有する仮想カテーテルを、問題のある1つまたは複数の解剖学的特徴を有する患者脈管構造の3Dモデルに導入し、問題のある1つまたは複数の解剖学的特徴を有する患者脈管構造の3Dモデル内における仮想カテーテルの運動を評価して、この仮想カテーテルが、特定のカテーテルシステムと比較して優れた物理的性質を有するのか劣った物理的性質を有するのかを判定するようにコーディングされている。
患者の脈管構造モデルを生成し、この脈管構造モデルを通るモデルカテーテルの運動を評価する方法は、以下のステップを有する、すなわち、
a.各々がそれぞれ異なるレベルで患者を通した情報の平面スライスを表す、患者ボリュームの一連の2Dイメージを取得するステップと、
b.ステップaのイメージから、着目対象の脈管内部と脈管境界とを識別するステップと、
c.ステップbによる着目対象の脈管内部と脈管境界とを集結して、患者の着目対象の脈管の3Dモデルを表す、脈管内部と脈管境界とから成る3Dアセンブリを生成するステップと、
d.隣り合う平面スライス間を補間して、隣り合うスライスの一方から他方まで連続的または実質的に連続的な脈管内部表現を生成するステップと、
e.カテーテルの物理的寸法とこのカテーテルの強度パラメータとを表す有限要素モデルであるモデルカテーテルを、3Dモデルに導入するステップと、
f.3Dモデル内のモデルカテーテルの運動の実行可能性を査定するために、3Dモデル内のモデルカテーテルをユーザが操作できるようにするステップ。
コンピュータトモグラフィ脈管造影法または磁気共鳴イメージング脈管造影法によって、2Dイメージを取得する、請求項29記載の方法。
剛性および/または弾性を含む脈管の性質を反映する調整可能な性質を含むように、脈管境界をモデリングし、ユーザは、ステップfの前またはステップfの間、脈管境界の性質を調整可能である、請求項29または30記載の方法。
別の態様によれば、本発明は以下のステップを有する再疎通処置の準備方法を提供する。すなわち、
a.各々がそれぞれ異なるレベルで患者を通した情報の平面スライスを表す、患者ボリュームの一連の2Dイメージを取得するステップと、
b.再疎通処置のために患者の診断および/または準備を行っている間に、
i.ステップaのイメージから、着目対象の脈管内部と脈管境界とを識別するステップと、
ii.ステップbの着目対象の脈管内部と脈管境界とを集結して、患者の着目対象の脈管の3Dモデルを表す、脈管内部と脈管境界とから成る3Dアセンブリを生成するステップと、
iii.隣り合う平面スライス間を補間して、隣り合うスライスの一方から他方まで連続的または実質的に連続的な脈管内部表現を生成するステップと、
iv.カテーテルの物理的寸法とこのカテーテルの強度パラメータとを表す有限要素モデルであるモデルカテーテルを、3Dモデルに導入するステップと、
v.3Dモデル内のモデルカテーテルの運動の実行可能性を査定するために、3Dモデル内のモデルカテーテルをユーザが操作できるようにするステップ。
種々の実施態様によれば、モデルカテーテルを、カテーテルシステムの1つまたは複数の近位端の物理的モデルと、機械-電気インタフェースを介して連結し、3Dモデル内のモデルカテーテルの運動の実行可能性を査定するために、ユーザは近位端を操作可能である。
1つの実施形態によれば、3Dモデルを、再疎通処置を開始する領域を表す第1の体部領域から第2の体部領域まで構築し、部分的に構築された3Dモデルをユーザが操作できるように、この部分的に構築された3Dモデルを使用可能にする。
別の実施形態によれば、この方法はさらに、ステップaが完了してから6分以内に操作するために、使用可能な3Dモデルまたは部分的に構築された3Dモデルをユーザが利用できるようにするために、2Dイメージのうち選択されたイメージに対しデータストリーム処理を実施するステップを含む。
別の態様によれば、本発明は、以下のステップを有する再疎通処置の準備方法を提供する。すなわち、
a.各々がそれぞれ異なるレベルで患者を通した情報の平面スライスを表す、患者ボリュームの一連の2Dイメージを取得するステップと、
b.2Dイメージのうち選択されたイメージを分析し、2Dイメージからの複数の解剖学的特徴を測定して、一連の解剖学的測定値を取得するステップと、
c.解剖学的測定値と対応する患者3Dモデルとを定義する複数のフィールドを各々備えた複数の患者モデルレコードを有する患者脈管構造データベースに、一連の解剖学的測定値を導入するステップと、
d.ステップbによる測定された解剖学的特徴と複数の患者モデルレコードとの比較に基づき、最もマッチした患者モデルレコードを識別するステップと、
e.ステップdによる対応する患者3Dモデルにユーザがアクセスできるようにするステップと、
f.再疎通処置のために患者の準備を行っている間に、患者3Dモデル内のモデルカテーテルの運動の実行可能性を査定するために、患者3Dモデルをユーザが操作できるようにするステップ。
1つの実施態様によれば、この方法はステップaに続いて、
i.ステップaのイメージから着目対象の脈管内部と脈管境界とを識別し、
ii.ステップbによる着目対象の脈管内部と脈管境界とを集結して、患者の着目対象の脈管の3Dモデルを表す、脈管内部と脈管境界とから成る3Dアセンブリを生成し、
iii.隣り合う平面スライス間を補間し、隣り合うスライスの一方から他方まで連続的または実質的に連続的な脈管内部表現を生成して、目下の患者3Dモデルを形成し、
iv.ステップiiiの目下の患者3Dモデルにユーザがアクセスできるようにする。
別の実施態様によれば、この方法は、モデルカテーテルを目下の患者3Dモデルに導入するステップを含む。
さらに別の実施態様によれば、この方法はさらに、目下の患者3Dモデルを患者脈管構造データベースに新たな患者モデルレコードとして加えるステップを含む。
添付の図面に示されている本発明の特定の実施態様についての以下の説明から、本発明の種々の目的、特徴および利点が明らかになるであろう。図面は必ずしも正しい縮尺では描かれておらず、それよりも本発明の種々の実施態様の原理を説明することに重点がおかれている。同様の参照符号によって同様の構成要素が表されている。
大動脈弓および関連する血管の斜視図である。 3つの診断用カテーテルの選択について示す図である。 6つの診断用カテーテルの選択について示す図である。 バルーンカテーテルの端部を萎ませた形態と膨らませた形態とで示す図である。 特定のタスクを実施するためにカテーテルを使用可能であるか否かを判定するように構成された装置の1つの実施態様の概略図である。 aおよびbは、カテーテルを通過させるべき血管の概略断面図である。 大動脈弓から腕頭動脈中へシモンズカテーテルをナビゲートするために必要とされる操作を示す図である。 大動脈弓から腕頭動脈中へシモンズカテーテルをナビゲートするために必要とされる操作を示す図である。 大動脈弓から腕頭動脈中へシモンズカテーテルをナビゲートするために必要とされる操作を示す図である。 大動脈弓から腕頭動脈中へシモンズカテーテルをナビゲートするために必要とされる操作を示す図である。 大動脈弓から腕頭動脈中へシモンズカテーテルをナビゲートするために必要とされる操作を示す図である。 大動脈弓から腕頭動脈中へシモンズカテーテルをナビゲートするために必要とされる操作を示す図である。 大動脈弓から左総頸動脈中へVTKカテーテルをナビゲートするために必要とされる操作を示す図である。 大動脈弓から左総頸動脈中へVTKカテーテルをナビゲートするために必要とされる操作を示す図である。 大動脈弓から左総頸動脈中へVTKカテーテルをナビゲートするために必要とされる操作を示す図である。 本発明の1つの実施態様によるハイレベル処理アルゴリズムのフローチャートである。 処置中に機械学習データベースからのフィードバックを可能にした、本発明の1つの実施態様による処理アルゴリズムのさらに詳細な点について示すフローチャートである。 複数の処置からのデータを分析して新たなアクセス機器のデザインをアシストできるようにした、本発明の1つの実施態様による処理アルゴリズムのさらに詳細な点を示すフローチャートである。 本発明の1つの実施態様によるカテーテルシミュレーションシステムを示す概略図である。
序論
特定のタスクについて(もしあるならば)いずれの導管ラインを使用できるのか、または使用するのが望ましいのか、について決定する目的で、血管内の導管ラインのルートを決定するように構成された装置について、図面を参照しながら説明する。
すべての用語は、図面および説明から合理的に推察可能な定義を有している。
次に、本発明の様々な態様について、図面を参照しながら説明することにする。例示の目的で、図面に描かれている構成要素は、必ずしも正確な縮尺では示されていない。それよりも、本発明の様々な態様の機能に対する構成要素の様々な寄与を強調することに重点がおかれている。この説明をしていく中で、数多くの想定可能な択一的特徴について紹介する。自明のとおり、当業者の知識および見解によれば、かかる択一的特徴を様々な組み合わせで置き換えて、本発明の種々の実施態様に想到することができる。
装置形態
図3には、患者のモデル血管構造を生成するために使用可能な装置の概略図が示されており、このモデル血管構造を、モデルカテーテルと共に、トレーニングおよび医療処置のシミュレーションの目的で用いることができる。より具体的には、モデル血管構造(MV)中を通るモデル導管ライン(MVL)(たとえばモデルカテーテル)のルート(すなわち経路)を決定するために、この装置を用いることができる。特に、モデル血管構造は好ましくは、患者のスキャンに基づくものであり、この場合、スキャンをCTスキャンまたはMRIスキャンなどの3Dスキャンとすることができ、血管内部(管腔)と血管壁の両方を3D空間で確認するために、この3Dスキャンがポストイメージングで操作される。
この場合、装置300は、血管のスキャンに基づき体内の血管コースを特定するように構成されたスキャンデータリーダ301と、1つまたは複数の導管ラインの物理的性質を記憶するように構成されたメモリ302と、特定された血管コースに基づきMVLを用いてMV内の目標ポイントに到達するためのルートと、記憶されたモデル導管ライン各々について、目標ポイントに到達できるか否かと、を決定するように構成されたプロセッサ303と、を有している。スキャンデータリーダ301は、プロセッサ303の一部を成すことができる。プロセッサ303は、たとえば中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサ、単一の集積回路(IC)に含まれる中央処理ユニット、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け命令セットプロセッサ(ASIP)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、ネットワークプロセッサ、特にネットワーキングアプリケーションの分野にターゲットが定められたマイクロプロセッサ、マルチコアプロセッサ、のうちの1つまたは複数を有することができる。
メモリ302は、たとえばCD、DVD、フラッシュメモリ、フロッピーディスク、ハードディスク、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはランダムアクセスメモリ、のうちの1つまたは複数を有することができる。
自明のとおり、この装置300は、ディスプレイおよび/またはユーザインタフェースを有することもできる。ディスプレイは、たとえばブラウン管または液晶ディスプレイ(LCD)、コンピュータスクリーン、スマートフォンスクリーン、タブレットコンピュータスクリーン、タッチスクリーン、プロジェクションスクリーンおよびテレビジョンスクリーン、のうちの1つまたは複数を有することができる。ユーザインタフェースコントローラは、たとえばタッチスクリーン、キーボード、マウス、ジョイスティックおよびタッチパッド、のうちの1つまたは複数を有することができる。
さらにこの装置300を、メモリにデータを格納するためにリモートデータベースとのインタラクションが行われるように構成することができる。インターネットを介して、リモートデータベースにアクセス可能とすることができる。自明のとおり、メモリ、プロセッサおよびディスプレイは、単一のコンピュータの一部でなくてもよい。つまり様々な構成要素を、複数のデバイスにわたって格納することができる。たとえば、データベースをクラウドコンピュータに格納することができる。つまりエンドユーザは、計算を実施するリモートサーバにアクセスするように構成されたクライアント端末を有することができる。
この場合、スキャンデータは一般に、血管コースおよびこのコースに沿った血管の幅を含む血管の3次元構造に関する情報を有する。
モデル導管ラインおよび導管ラインパラメータ
モデル血管中を通るモデル導管ラインのルーティングを容易にするために、導管ライン(すなわちカテーテルシステム)をモデリングする複数の手法が存在する。
たとえば、モデル導管ラインに物理的性質をもたせることができ、それらの性質は、厚さ、横方向弾性、縦方向弾性、横方向剛性、縦方向剛性、復元形態、および1つまたは複数の作動形態、のうちの1つまたは複数の組み合わせを有することができる。作動形態を、モデルカテーテル内部のモデルワイヤのポジションに関連させることができ、これが変化すると、モデルカテーテルの物理的性質たとえばその剛性を変化させる可能性がある。自明のとおり、これらのパラメータを、モデル導管ラインの長さの関数として与えることができる。たとえばモデル導管ラインに、比較的硬い近位部分と、それよりもフレキシブルな遠位部分と、を設定することで、非均一な剛性プロファイルをもたせることができる。
導管ラインをモデリングする別の手法は、導管ラインの一部分について最小曲率半径を与えることである(これは導管ラインを曲げることのできる最大の度合いに相応する)。
このケースでは、装置のメモリは、図2bに示された6つの代表的な市販の導管ラインに関する導管ラインパラメータを記憶することができ、この図においてこれらの導管ラインは、H1,JB1,JB2、Simmons1,Simons2およびVTKとして表されている。
図4aおよび図4bには、血管435の一部分の代表的な具体例が示されている。図4bは、図4aに示した血管のさらに一部分435aである。図4aに示された血管の一部分において、所望のタスク(たとえばステントの挿入など)を実施する目的で所望の目標ポイントに到達するためには、2つの血管合流点420、421を通ってカテーテル430をルーティングしなければならない。例示の目的で、図4aおよび図4bを、現実の血管および導管ラインと、モデル血管およびモデル導管ラインと、のどちらも表すものとみなすことができる。
第1の段階において、血管435または血管系のスキャン(たとえばコントラストCT血管造影スキャンまたはMR血管造影)が実施され、スキャンリーダに読み込まれる。スキャンリーダは、血管435または血管系のコースを3D空間で特定する。血管コースを、スキャンされた血管壁により囲まれた血管ボリュームとみなすことができる。したがってモデル血管は、境界座標を含む3D空間で定義された座標を有することができる。
モデル血管を得るために用いられるステップには、スキャンデータを読み取り、各イメージ内の血管境界を識別し、モデル導管ライン(モデルカテーテル)とのインタラクションが可能な複数のモデル血管を集結するように構成された、複数の異なるプロセッサを関与させることができる。CT血管造影(CTA)の場合、種々の体平面を表す複数の2次元ディジタルイメージが得られ、これらを集結して、患者(たとえば患者の頸部領域/大脳領域)の3次元表現を生成することができる。モデル血管構造を得るための処理中、キーとなる血管およびそれらの境界を識別するために、未加工のCTAイメージが個々に分析され、後続の3Dアセンブリのためにそのように定義される。個々のイメージ各々からの血管および境界が集結されて、補間アルゴリズムによって適合可能であるように各イメージ間で適切な補間を行いながら、3Dアセンブリが生成される。3Dアセンブリの正確度について品質チェックするために、それらのイメージ全体にわたるデータ品質の検証、x/y軸のアライメントを含むシステムチェックを実施することができる。処理時間を改善するため、未加工データをフィルタリングまたは低減する他のアルゴリズムが、システムの一部を成すようにしてもよい。使用可能な血管構造3Dモデルを生成するための処理時間は、患者の治療のためにモデルが最終的に役立つよう、モデル血管構造を迅速に集結できるようにするために十分に短いのが理想的である。たとえば、診断プロセスの一部分であるイメージの通常のポスト処理の一部分として、かつ/または処置のために患者の準備を行っている間に(たとえば10~15分)、モデルが使用可能になるのが好ましい。つまり、未加工CTイメージが分析のために集結されると直ちに、血管構造の3Dモデルを構築するためにそれらのイメージが同時に解釈されるのが理想的である。よって、医師が診断分析を完了させたときに、処置実施の判断が下されたならば、その時点で、またはその少し後に、3Dモデルが使用可能となる(理想的には3Dモデルまたは部分的な3Dモデル領域を生成するための合計時間は、約4分の範囲内である)。したがって処置のために患者の準備が行われているとき、外科医は次いでモデルにアクセスしてそれを使用できるようになり、患者が準備完了状態になったときには、処置を開始する前にシミュレータを用いて作業するために数分間を利用できたことになる。
1つの完全なモデルを完成させるまでに処理時間がかかり、患者の準備が完了する前にモデルを使用するための時間が外科医に残されていない状況であれば、下から上へ向かう方向でモデルを構築して、モデル構築中にモデルの一部分を使用できるように、装置を構成することができる。つまり、頸部および大脳のイメージが完全に処理される前に利用可能になる部分モデルが生成されるように、大動脈弓のスキャンイメージを構築することができ、これによって外科医はこの処置領域について早めに評価/練習を行うことができる。CTスキャンを完了させた時間から10分よりも短い時間で、好ましくは6分よりも短い時間で、モデルの使用可能な特徴が得られるのが望ましい。
しかも、データウィンドウ化技術を含む高速データ処理技術を採用することができ、このデータウィンドウ化技術によれば、モデルが構築されるようにデータから予測および/または補間するために、近似アルゴリズムと共に用いられるデータの選択部分に基づき、モデル構築が開始される。モデル構築に使用されるデータ量が増加する(処理される)につれて、かかるモデルはいっそう洗練されたものとなるが、ここで重要であるように、より早い段階でモデルを使用できるようになる。
さらに、外科医が使用可能な初期モデルを、システム内に過去に記憶されたモデルから導出された近似に基づくものとすることができる。たとえば、モデルデータベースが大きくなったときに(つまり多数の患者からのモデル)、患者の母集団の中で共通する特徴によって、共通の特徴の連続体または部分連続体のような特徴を特徴づける手段を提供することができる。かかる共通の特徴は、主要な解剖学的特徴(たとえば大動脈弓および頸動脈など)の合流角度、直径、体積、曲率半径等といった様々な物理的パラメータを含むことができ、共通の特徴のライブラリを形成するために、それらのすべてをデータベースに入力することができる。かくして患者のイメージングに続いてシステムは、かかる共通の特徴の値を求めるように促すことができ、一部のケースでは自動的に決定することができ、データベースをサーチして、目下の患者の特徴に最もマッチする以前に記憶されたモデルを見つけ出すことができる。したがって、目下の患者のモデルが構築され改善されている間に、目下の患者の解剖学的構造について最も相応しいと予測されたモデルを、外科医に呈示して使用できるようにすることができる。このことは、頸動脈系にアクセスするのに最も相応しいカテーテルを選択するための示唆を与えるには、少なくとも予備的な基礎としては特に有用なものになり得る。
この装置によれば、オペレータの入力によってモデルにオプションを導入できるようにすることもできる。たとえばある3Dモデル血管構造が、血管と境界(すなわち実質的にリジッドな壁)とから成るリジッドな/フレキシブルでない系と、種々の圧力のもとで変形する可能性のある完全にフレキシブルな血管と境界とを有するフレキシブルな系との間の連続体にフィットするものとして、考察される場合がある。したがって、この3Dモデル血管構造は、年齢、疾患(たとえばアテローム性動脈硬化症)および/または他の医学的条件(たとえば糖尿病、高血圧症、心不全)といった様々なパラメータに基づき、モデル血管構造の挙動を、オペレータが調節できるようにするコントロールを含むことができる。心拍動性もモデルに導入することができる。
モデルが準備完了状態になったならば、ユーザは一般的には、モデル導管ラインを向かわせたい3Dモデル内の目標ポイント436を規定することになる。この目標ポイント436は、図4aにおいて星印で表されている。この場合、ユーザは、モデル血管と、種々の実施態様ではモデル導管ラインと、を表示するユーザインタフェースとのインタラクションによって、目標ポイントを規定することができる。たとえば3Dスキャンを、タッチスクリーン上に表示させることができ、ユーザは、所望の目標ポイント436に対応するポイントを押すことによって、目標ポイントを規定することができる。
ルート決定
プロセッサ303は、モデル導管ラインを用いて、挿入ポイントからモデル血管を通るルートを決定するように構成されている。一般に、挿入ポイント(たとえば大腿動脈、橈骨動脈、上腕動脈、または頸動脈)は、特定の血管またはタスクまたは用いられる処置に応じて、予め決定または予め選択されることになる。つまりたいていのケースであれば、心血管または虚血性の脳卒中の処置のためには、挿入ポイントは大腿動脈となる。ただし自明のとおり別の実施態様によれば、ユーザは他の挿入ポイントを規定することができ、または血管コースと所望の目標ポイントとに基づき、1つまたは複数の挿入ポイントを示唆するように装置を構成することができる。
上述のように、特定された血管コースに基づきモデル導管ライン430を用いて、モデル血管435内の目標ポイント436に到達するためのルートを決定するように、装置が構成されている。たいていのケースであれば、限られた個数のルートだけしか利用できない。つまり頭部に到達するためには、ルートは通常、大腿動脈を通して導管ラインを挿入し、大動脈弓に通して頸動脈および大脳動脈に入るように、上に向かってルーティングする、ということになる。考えられる1つの例外は、導管ラインを所望の血管に挿入するように構成する目的で、挿入ポイントと目標ポイントとの間に直接的には存在しない合流点に、導管ラインの遠位端が挿入される、という場合である。あとで詳しく述べるように、このことの1つの具体例は、シモンズカテーテルを弛緩した曲線形態に戻すために上行大動脈を用いることであろう。
挿入ポイントと目標ポイントとの間の血管を通る中央コース/軸によって、ルートを簡単に規定することができる。モデルカテーテルが目標ポイントにポジショニングされている場合であれば、これをカテーテルのロケーションに対応させることができる。択一的に、またはこれに加えて、モデル導管ラインが挿入ポイントと目標ポイントとの間を移動しているときに、モデル導管ラインの先端のポジションとして、ルートを規定することができる。各血管合流点において選択された血管を列挙することによって、ルートを要約することもできる。つまり合流点が存在しなければ、導管ラインは目標ポイントに到達するまで、血管に沿って前進することになる。ルートを、ピンチポイント、血管合流点および血管コーナのうちの1つまたは複数の系列として、要約またはモデリングすることができる。
モデルカテーテル
上述のように、記憶された導管ライン(たとえばモデルカテーテル)の各々について、目標ポイントに到達できるか否かを判定するように、装置が構成されている。たとえば、必要とされる合流点でのターンを行うことができないといったように、モデルカテーテルを挿入ポイントから操作できない場合には、目標ポイントに到達するのは不可能ということになる。たとえば、挿入ポイントが大腿動脈であり、目標ポイントが総頸動脈である場合に、直線カテーテルであると大動脈弓から総頸動脈へとターンさせることができないとすれば、直線カテーテルを使用できないことになる。したがってこの装置は、大動脈弓から総頸動脈中へのアクセスを必要とするタスクを実施するためには、この種の直線カテーテルを使用することはできない、と判定することになる。自明のとおり、かかる判定は患者に固有のものであり、かつシステム内でテストされるモデルカテーテルに固有のものである。たとえば、一部の患者における総頸動脈と大動脈弓との間の合流点であれば、直線カテーテルを使用することができるかもしれないのに、異なるように形成された大動脈弓をもつ他の患者の場合であると、このことが不可能となる。別のケースにおいて、それぞれ異なる血管同士が成す角度ゆえに、複雑に曲がった先端を有するカテーテルだけしか合流点を通り抜けることができない、という判定をシステムが下すことができる。
モデル導管ラインを、モデル血管を通して移動させることができるか否か、を判定するプロセスを、様々な数学的アルゴリズムと、有限要素分析(FEA)の技術および方法を含むプロセスとによって、達成することができる。これらの方法によれば、モデル血管およびモデル導管ラインを、離散的な要素として表現することができ、それらの要素各々を、固有の性質に従う挙動および/または境界力または面積力に応答する挙動として、数学的に定義することができる。導管ライン(たとえばカテーテル)をモデリングする場合、導管ラインの物理的性質を、種々の直線的なポジションで測定または予測された性質に基づき、導管ラインの長さに沿ってモデリングすることができる。たとえば100cmのカテーテルを、大脳ゾーン、頸部ゾーンおよび胸部ゾーンといった3つの基本ゾーンを有するものとしてモデリングすることができ、これらのゾーン各々は使用中の体内のカテーテルの最終的なポジションを表す。各ゾーンを、サイズおよび他のパラメータのどちらも含む様々な物理的性質を有する複数の離散的な要素としてモデリングすることができる。カテーテルの遠位端(すなわち大脳ゾーン)を、カテーテルの長さのうち16~20cmに対応させることができ、複数の1mmの要素で表現することができる。1mmの要素各々を、複数の境界条件を含むようにモデリングすることができ、それらの境界条件には、外径および内径、ならびに横方向弾性、縦方向弾性、横方向剛性、縦方向剛性および復元形態といった物理的性質が含まれる。複数の離散的な要素は、物理的性質の最大変量がカテーテルの遠位端に存在するかぎりにおいては、モデルカテーテルの長さに沿って均一でなくてもよい。複数の離散的な要素を、現実のカテーテルに対するモデルのパフォーマンスの補正を考慮するように、ならびに以下で述べる考察を計算するように、モデリングすることができる。
モデルを構築するプロセスに、テスト装置を用いて既存のカテーテルを評価することを含めることができ、このテスト装置は、カテーテルの物理的サイズをその長さに沿って測定し、かつ種々のロケーションで表面の性質を精査および測定するように構成されている。ここで重要であるように、多くの既存のカテーテルは、独自の調合のポリマーによって構成されている可能性があるので、メーカは構成情報を提供しないかもしれず、またはさもなければそのデータをもっていないかもしれず、したがってモデルに入力するためにそれらのカテーテルを測定しなければならない。カテーテルの物理的性質の測定後、それらの性質をモデルに含めることができる。標準化されたテスト血管と標準化されたモデル血管とにおいて、既存のカテーテルと対照してモデルの正確度をテストすることができ、この場合、適切な相関を保証するため、既存のカテーテルおよびモデルカテーテル双方のパフォーマンスが比較される。同様に、処置中に遭遇する可能性のある解剖学的状況の妥当な範囲を表現するテスト血管を構築することができる。
特定のモデル導管ラインを特定のルートのために使用することができるか否かの判定によって、実際の処置において特定のカテーテルを使用したならば引き起こされてしまう損傷も考慮することができる。たとえば患者各々に、血管壁において許容することのできる限界力を設定することができる(別の選択肢として汎用的な閾値を用いてもよい)。この限界力を超えるならば、その特定のカテーテルを実際の処置においては使用できないとみなすことができる。
モデル血管のルートおよび3D座標に基づき、所定の測定を行うことができる。たとえば、遠位の大動脈弓(カテーテルが到来してくる経路)と近位の総頸動脈との角度、大動脈弓頂部からの関連する血管の起点、などである。これらの測定を、処置を実施するためにいずれのカテーテルを使用できるのかを判定するために用いることができる。かかる測定を自動的に行うことでき、またはユーザによって開始することができる。たとえば所定の合流点の測定を、インジケータとして外科医に自動的に表示することができ、外科医はそれに基づいて判断を下すことができる。実際の処置のために1つまたは複数の異なるカテーテルを選択または推奨するための基礎として、自動測定を用いることもでき、これについては以下でさらに詳しく説明する。
合流点のない部分
図4bには、合流点のない曲線状の血管部分が示されている。このケースでは、中間目標ポイントはこの血管部分の終端である。このケースでは、カテーテルは単純な曲線状のカテーテルである。
合流点のない血管湾曲部分に対しては、モデル血管内の様々な曲がり角を回って進むための、弛緩ポジションからのモデル導管ラインの撓みを特定するように、装置が構成されている。この撓みと記憶された剛性パラメータとに基づき、血管壁に作用する可能性のある力を特定するように、装置が構成されている。これらの力に基づき、カテーテルを挿入すると実際の血管を損傷してしまうことになるか否かを判定するように、装置が構成されている。
自明のとおり、血管壁に加えられる力の1つの近似は、カテーテルが目標ポジションにあるときに加えられる静的耐力である。他の近似は、ルートに沿った特定の鋭敏なポイントにおける力を求めることである(たとえばピンチポイント、このポイントでは血管は狭くかつ/または急旋回している)。一部の実施態様によれば、決定されたルートに沿って目標ポジションまでカテーテルが前進するときに、一連の時点にわたり血管における様々なポイントで力を測定するように、装置を構成することができる。それぞれ異なる時点で力を特定することは、不均一な剛性プロファイルを有する導管ラインの場合に特に重要である。たとえば、ソフトな先端を有する遠位端よりも近位端が硬ければ、ソフトな先端は血管中に前進できるが、それよりも硬いいっそう近位の部分があとに続くことはできない。
自明のとおり、血管自体の弾力性を特定または推定するように装置を構成することができる。これをスキャンに基づき(たとえば血管の蛇行に基づき)、または患者に関連するデータ(たとえば年齢、性別、糖尿病または高血圧症といった条件を含む病歴など)に基づき、特定することができる。血管の弾力性に関する値を用いることにより装置は、限界力または限界変形を設定することができ、これを超えてしまうと損傷が発生する可能性がある。カテーテルが特定のルートを通過したときに過度に大きな損傷が発生してしまう場合には、処置のために考えられるオプションとして、そのカテーテルを放棄してもよい。同様に、以前の経験および機械学習に基づき、そのような度合いの弾力性および蛇行性について、処置のために考えられるオプションとして所与のカテーテルを放棄する必要がある、と判定することができる。
これに加えて、特定の導管ラインの物理的性質と血管コースとに基づき、特定の導管ラインを用いて目標ポイントに到達するための難しさの程度を特定するように、装置を構成することができる。たとえば難度レベルを、導管が目標ポイントまでルーティングされているときに血管壁に及ぼされる力を計算することに基づくものとすることができる。このような力を、導管ラインがルートの湾曲部を通って経路を進むときの導管ラインの剛性に基づき、計算することができる。自明とおり、各導管ラインはそれぞれ異なる剛性プロファイルおよび/またはそれぞれ異なるデフォルト形態を有することができる。
考慮することのできるその他のファクタは、決定されたルートに沿ってカテーテルを案内するために必要とされる操作ステップである。たとえば合流点のない部分において曲線カテーテルを、カテーテル先端の曲線を湾曲部に整列させるように、各湾曲部で回転させなければならない場合がある。このためには、単に直線カテーテルを前進させるよりもいっそう複雑な操作ステップが必要とされる可能性がある。ただし血管における湾曲部が、直線カテーテルであると血管に損傷を引き起こしてしまうようなものであるならば、曲線カテーテルを使用するほうが難しくないとみなすことができ、その理由は、操作ステップがいっそう複雑になるにもかかわらず、組織損傷のリスクが低減するからである。
一部の実施態様によれば、総合的な難度を、ルートに沿って複数の特定のポイントをナビゲートする際の難度の合計とすることができる。あとで述べるように、これによればユーザは、装置の推奨に基づき処置を実行するときに、システムにフィードバックを与えることができるようになる。つまりユーザは、実際の処置を実施した後に、難度の数値を入力することができる(たとえばユーザは大動脈弓をナビゲートする際の難度を、装置はそれを特定の患者について3/5であると見積もったにもかかわらず、5/5として評価する場合もある)。このことによって装置は、今後いっそう正確な推奨を与えるために難度評価を計算する手法を改善できるようになる。
特定の形態が、一貫して極めて困難であると評価されるならば、このことによって、そのような形態にアクセスするために、新しいカテーテルのデザインおよびトレーニングモジュールによる革新およびそれらの創出が必要であると促すことができる。これについては、図7Bを参照しながらさらに詳しく説明することにする。
合流点の考慮
図4aには、いっそう大きいルート部分が示されており、ここでは合流点のない部分に加えて、2つの合流点部分が存在している。
自明のとおり、多くのケースにおいてキーとなる合流点は大動脈弓ということになり、それというのも、そこには多数の交差する血管が存在するからである(図面には単純化されたバージョンが示されている)。つまり大動脈弓は、制約をもたらす特徴となる可能性があるものであって、これによって、特定のカテーテルを使用できるか否かが規定され、さらに場合によっては特定のカテーテルを使用するのがいかに困難になる可能性があるのか、ということが規定される。
合流点を通るルーティングの1つの重要な観点は、1つの血管の出口(たとえば420aまたは421a)から外に出して、使用可能な空間内でルート中の次の血管の入口(たとえば420cまたは421c)の中に入るようにナビゲートするための、カテーテル先端の能力である。あとで詳しく述べるように、特定の血管に関して合流点をナビゲートできるようにする複数の標準的な手順が存在する。一般に、各導管ラインのために記憶されたパラメータは、特定の導管ラインによってナビゲート可能な一連の血管合流点形態を含むことができる。血管合流点形態は、血管合流点入口(形状、領域および配向)、血管合流点出口(形状、領域および配向)、ならびに血管合流点周囲の容積、という観点で記述することができる。たとえば単純な曲線カテーテルについて記憶された導管ラインパラメータは、血管出口と血管入口とが各々10mmの円よりも広がっているならば、カテーテルが血管出口から血管入口へと80°のターンを行うことができる、ということを規定できる。
血管合流点の例(1)
多くのケースにおいて、カテーテルは単純に、挿入ポイントから目標ポイントまでダイレクトなルートを辿る(場合によっては曲線セクションを血管と整列させるために、外部からの何らかの回転操作を伴う)。たとえば、導管ライン直径が特定のポイントで血管の直径の半分の幅よりも大きい場合には、導管ラインを血管に沿って前進させるまたは導管ラインを血管から後退させる以外には、導管ラインを操作する余地が制限されている。ただし、ある種のカテーテルの場合には、特定のタスクを実施するようにカテーテルに形状を与える目的で、もっと複雑な操作を用いることができる。
しかしながら大きい血管の場合には、または細い導管ラインを使用した場合には、血管内でいっそう複雑な操作を実施する余地をもたせることができる。これは特に、自身に向かって戻るように曲がった弛緩形態を有する曲線カテーテル(たとえば図2bに示したシモンズカテーテルまたはVTKカテーテル)を用いたケースである。
図5a~図5eには、たとえば様々な処置手技との関連で、シモンズカテーテルの再成形に用いることのできる鋏式手技が示されている。シモンズカテーテル530は、図2bにおける弛緩形態で示されている。図5aには、シモンズカテーテルが血管535の横行大動脈中に前進させられたシナリオが示されている。大動脈弓上方のカテーテルのアーチのところで、カテーテルが迅速に回転させられてループが形成される。このことは図5bに示されている。カテーテルを回転し続けることによって、先端が横行大動脈から下行大動脈へと移動したときに、カテーテルによって「鋏」が形成される。このことは図5cに示されている。カテーテルを前進させると、図5dに示されているように、ループになった部分が上行大動脈の中に入る。次いでカテーテルが逆方向で回転させられて、カテーテルの遠位部分が弛緩された背向曲線形状に戻される(図5e)。その後、カテーテルを、分岐した血管のうちの1つと係合させるために、大動脈弓から後退させることができる。
図6a~図6cには、大動脈弓から出ている血管にアクセスするための択一的な手法が示されている。このケースでは導管ラインは、図2bに弛緩形態で示されたVTKカテーテルである。図6aの場合、導管ライン630は、ガイドワイヤの上で血管635の下行大動脈内にポジショニングされた状態にある。次いで図6bに示されているように、ガイドワイヤが引き戻され、VTKカテーテル630が回転させられて、下行大動脈内で成形しなおされる。その後、図6cに示されているように、VTKカテーテルが前進させられて、大動脈弓から出ている頸動脈と係合するように回転させられる。
各導管ラインのために記憶されたデータは、このような標準的な操作と、それらの操作を使用可能な環境について記述した関連するパラメータと、を包含することができる。たとえばシモンズカテーテルとの関連であれば、図5a~図5fに示された鋏式の手法を用いてアクセス可能な血管入口のポジションの範囲であるかもしれない。これに加えて、データは、この操作を実施するために必要とされる下行大動脈内の最小容積に関する情報を含むことができる。この容積を使用できなければ、プロセッサは、所望のタスクを実施するためにシモンズカテーテルを用いることはできない、と判定することができる。
このようにすれば、不具合のありそうなポイントでヒントおよびコツを提供するように、装置を構成することができ、そのようなヒントおよびコツは、たとえばVTKを用いた場合には、ワイヤがかなり高い位置で進むようにしてください、VTKカテーテルによって左総頸動脈をフッキングした後、左総頸動脈ともっときちんと係合させるために、ワイヤを前進させる前に僅かに引き戻してください、などである。あるいはbovine archがあるならば(左総頸動脈が無名動脈から起始しているならば)、カテーテルがどのぐらい右側に向かって進む傾向をもつようになるのかを、装置が医師に警告することができる。その他の考えられるヒントおよびコツには、以下のことを含めることができる。すなわち、頸動脈をより高度に見るために、コンピュータトモグラフィ血管造影(CTA)からの情報を使用すること(たとえば、分岐部はどのような様子ですか、頸動脈分岐部に疾患がありますか?)、ワイヤを内頸動脈(ICA)に入れ込むのに何らかのリスクがあるのかを判定すること、外頸動脈(ECA)が側方血管造影において前側にあるのか後側にあるのかを判定すること、および/またはAP(副伝導路)と横方向のチューブとが一致しないようにずらして、APチューブが大動脈弓のほうに向き、横方向のチューブが頸動脈分岐部のほうに向くようにすること、である。
出力
これらの判定の結果を、多くのやり方で使用することができる。たとえば装置は、(たとえば目標ポイントによって規定された)特定のタスクのためにどの導管ラインを使用できるのかに関して、ユーザに簡単にフィードバックを与えることができる。別の実施態様によれば、タスクの実施に必要とされる外部操作のしやすさなどのように予め決められた基準および/または血管損傷リスクに基づき、使用可能なカテーテルのランク付けを行うことができる。
別の実施態様によれば、医療処置中にスキャナによって与えられるフィードバックを再現するために、判定結果を出力するように装置を構成することができる。これによって、決定されたルートがどのようなものであるのかを呈示することができ、操作ステップが処置のリアルタイムx線のように見えることになる。これに加え、血管壁に加えられることになる力が表示されるように、シミュレートされたスキャンを適合させることができる(たとえば許容可能な力は緑色、損傷させてしまうかもしれない力は赤色)。このことによって、血管のいずれの部位が処置の実施によるリスクに最も晒されているのかについて、インターベンション専門医の理解を助けることができる。
一部の実施態様を、特定のタスクに対していっそう相応しいカテーテルのパラメータを決定するように構成することができる。たとえば、システムにすでに記憶されていた最も相応しいカテーテルのパラメータが、結果として特定の合流点において過剰な力を生じさせることになったならば、その特定の合流点を通過させるべきいっそうフレキシブルなカテーテル部分を示唆するように、装置を構成することができる。
その他のオプション
自明のとおり、大動脈弓などのような様々な血管の詳細な構造は患者ごとに異なるので、スキャンデータを用いることによって、患者固有の情報(たとえば血管合流点の形態)を利用できるようになり、また、患者固有のガイダンスを行うことができ、このガイダンスによって、使用するカテーテルを呈示することができる。これに加え、患者からのリアルタイムデータを使用するように装置を構成することができ、これによって患者に対し個別に合わせられた医療を提供するシステムおよび方法がもたらされる。
別の実施態様によれば、トレーニングのために仮想モデルを提供するように、かつ/または導管ラインのデザインおよびテストのために血管の3Dモデルを生成可能にする目的で、3Dデザインパラメータを出力するように、装置を構成することができる。これによってユーザは、患者の準備を行っている間に、シミュレータ(たとえば仮想モデルまたは3Dのモデル)上で処置の実施に必要とされる操作ステップを練習することもできる。自明のとおり、本明細書で説明する装置および方法を使用することになる処置の多くは、極度に時間的制約がある。
モデル導管ラインがモデル血管とどのように相互に作用し合うことになるのかが決定されたならば、導管ラインにおける重力および/または流体力(たとえば静圧または流体の流れ)の作用を特定するように、装置を構成することもできる。種々の年齢の患者において処置を実施するときに現実の相違を表現するために、患者の年齢を含む様々なパラメータを3Dモデルにファクタとして加えることができる。
機械学習
何百もの血管造影およびそれらの3Dモデル、ならびにソフトウェアをトレーニングするための以下のようなエキスパートオピニオンを記憶および使用するように、装置を構成することができる。すなわち、
・たとえば1~5のスケールというように、特定の状況を難度レベルに関して分ける。
・推奨されるカテーテルの形状を呈示する。
・そのカテーテルが実際の状況でおそらくはどのような挙動を示すことになるのかのシミュレーションを(たとえばビデオとして)提供する。
・システムの推奨を改善する目的で共通の問題/解決手法を識別するために、数多くのセンターからの多数の処置に基づくデータを利用する(すなわち学習)。
・ワイヤ選択について、および十分な支持をもたらすためにワイヤをどのような高さにするのかについて、ガイダンスを提供する。および/または
・ワイヤが十分な高さにないときに、カテーテルがどのように不適切な挙動を示す可能性があるのかを示すための実行シミュレーション。
さらにこの装置によって、医師は自らの手で自分固有のソリューションライブラリを構築することもできる。ある特定の医師にも、広くコミュニティにも、個別に合わせられたフィードバックを与えるために、これを使用することができる。つまり、医師は最初にシステムからガイダンスを受けることができる。次に医師はこのガイダンスに基づき、実際のケースを実施することができる。実際のケース中のパフォーマンスに基づき、医師はそのケース後、システムにフィードバックを与えることができる。たとえば医師は、大動脈弓を通したナビゲートは予期したよりも困難であった、と指摘することができる。今後のガイダンスの精度を改善し続けるために、装置はこの情報を機械学習によって取り込むことができる。たとえば、難度レベル予測がユーザの経験にどの程度きちんとマッチしたのかについてのフィードバックに基づき、装置は特定のカテーテルによりナビゲート可能な合流点の範囲を制限または拡大することができる。データの収集および分析を大規模に行うことができるよう、この入力を世界中の数多くのセンターから受け取ることができ、分散したユーザがその分析結果を利用可能である。
したがって、導管ラインのどのような選択がうまく動作するのかについての推奨と、好ましくは、いずれの導管ラインが最もうまく動作しそうであるのかについての指示とを提供するように、装置全体が構成されている。さらにこの装置は、十分な支持のためにはワイヤをどの程度高くするのかといったことについてのガイダンスも提供することができる。
装置はカテーテルのメニューを提供することもでき、このようにすることでインターベンション専門医は、シミュレーションにおいてどのような挙動を示すことになるのかを知るために、別のカテーテルを試すことができる。
自明のとおりこの装置は、難しい弓状部にいっそう相応しいカテーテルのデザインのための環境と、仮想モデルおよび/または3Dプリントモデルにおけるカテーテルのテストとを提供することもできる。
一部の実施態様によれば、シミュレータにおける3D仮想モデルによって、シミュレータにおけるカテーテルおよびワイヤの近位端を実際にプッシュおよびツイスト可能にすることができ、その間、カテーテルおよびワイヤの抵抗および挙動が、血管内の現実のカテーテルがどのような挙動を示すことになるのかに基づいて、シミュレートされる。これについては図7Cを参照しながら説明する。
図7には、別の実施態様において、図3の装置が、スキャンデータと所望の目標ポイントと導管ラインパラメータとに基づき、どのようにしてルートおよびいずれの導管ラインを使用するのかを決定するのか、について示すフローチャートが描かれている。図示されているように、データベースは1つまたは複数の導管ラインの物理的性質を記憶することができる。患者血管構造および特に上部胸郭、頸部および脳の血管について3Dモデルを生成するために、患者からのイメージングデータを使用することができる。3Dモデルにおいて、血管内の目標位置(たとえば血餅)にマークすることを医師に促すことができ、これによってシステムは、1つまたは複数の挿入ポイント(たとえば頸動脈アクセスまたは大腿動脈アクセス)からのルートを計算することができる。各挿入ポイントからの推奨導管ラインを決定するために、1つまたは複数の導管ラインからの物理的性質データを用いることができる。
図7Aに示されているように、上述の全般的なステップを代表的な方法論に従って完成させることができる。より具体的には、シミュレータに関連して上記にて述べたように、患者の血管の患者固有の仮想モデル(PSVM)を構築するために、患者からのイメージングデータを用いることができる。PSVMが表示されて、医師はPSVM内に目標位置をマークすることを促され、システムは1つまたは複数の挿入ポイントからのルートを決定することができる。ルートが決定されると、血管ジオメトリと患者の年齢とを含む様々なパラメータに基づき、ルートパラメータを評価することができる。
その後、導管ラインのライブラリ/データベース内に規定され記憶されている導管ラインの性質と対照して、ルートパラメータを分析することができる。この分析に基づき、1つまたは複数のルートに関して好ましい導管ラインのランキングを表示することができる。次いでこのシステムによって、医師は1つの導管ラインを選択し、選択された導管ラインの仮想モデル(VMSVL)をPSVMと統合することができる。
医師がPSVM内でVMSVLを操作できるように、PSVMをアクティブにすることができる。患者の準備が行われているときに実施可能なこのシミュレーション中、機械学習データベースに記憶させることのできる過去のデータに基づき、医師にフィードバックを与えることができ、このフィードバックにより処置についてのヒントを提供して、医師をアシストすることができる。図7Cに示されているように1つの実施態様によれば、VMSVLとユーザとの間のインタフェースが、導管ラインインタフェース50によって提供される。導管ラインインタフェースは一般に、物理的導管ラインの近位端インタフェースを含んでおり、これにはカテーテル51とガイドワイヤ51aとが含まれており、これらを3Dモデル53によるシミュレートされた血管内で同軸に移動および回転させることができる。物理的導管ラインは、適切な機械-電気インタフェース52を介して、モデル導管ラインに連結されている。
より具体的には、シミュレーションカテーテル51、51aの各遠位端がインタフェースシステム52に連結されており、このインタフェースシステム52は、遠位端に加えられている軸方向の動き(すなわち直線ポジション)と軸方向圧力とツイスト(トルク)とを測定し、これと共にこれらの運動に対し力のフィードバックまたは抵抗が与えられる(ハプティクス)。これらの運動を解釈するために、外科医が練習を行っている特定のモデル血管構造を表現する3Dモデルデータ53に関して、センサシステム52が較正され、このセンサシステム52は、モデル血管構造を通るカテーテルの運動の視覚的な画像54をモニタに供給する。具体例を挙げると、現実の患者のイメージングによる3Dデータに基づき、大動脈弓を通るシミュレーションの診断用カテーテル(たとえばVTK)の遠位端を外科医が操作すると、シミュレータは、患者血管構造についての3Dデータの境界条件に基づきモニタに運動を表示するためのベースとして、VTKの既知の性質を利用することになる。つまり、この特定のカテーテルの性質と、このカテーテルがシミュレートされたポジションの場所とを考慮しながら、遠位端に加えられるツイストおよびプッシュの力が、モニタにおける先端のシミュレートされた運動に変換されることになる。たとえば、合流点におけるカテーテルの先端ポジションに基づき、シミュレートされた先端が境界と接触していることに起因して、カテーテルをプッシュしてもそのポジションを前進させることができない。このケースではシステムは、シミュレートされた先端が境界に接触していることを連想させる力のフィードバックを、ユーザに与えることができる。ツイスト運動に対しても、同様の計算およびモデリングを実施することができる。したがって外科医は、(モデリングされた性質を備えた)幅広い範囲の種々のカテーテルを使用しながら、幅広い範囲の患者の解剖学的構造にわたって(データベースに記憶されたそれらの解剖学的構造に基づき)、自身の手技を練習することができる。ここで重要であるようにこのシステムを、現実の外科的状況において以下のように使用することもできる。すなわちこの状況によれば、患者のイメージデータが取得された後、対応する3Dデータを上述のようにシミュレートにアップロードすることができ、以前に記憶されたイメージデータとの比較に基づき、1つまたは複数のカテーテルを、患者同士の類似性をベースに特定の解剖学的構造に有用であると推奨することができ、ただしこの場合、患者において実際に処置する前に、外科医は1つまたは複数のカテーテルを用いて「練習」することもできる。典型的には、処置のために患者の準備が行われている間に、かかる練習が実施されることになる。このことは、処置が実際に開始されたときにその処置をいっそう効率的に実施できるようにするための効果的なツールになり得るものであり、その理由は、いずれのカテーテルがその患者に最も相応しいといえるかについて、外科医はより良いアイデアをもつことになるからであり、しかもシミュレータ内でそのカテーテルの操作を練習したばかりだからである。同様にこのことは、トレーニングのための効果的なツールとなり得るものであり、特に処置中に不具合が生じたポイントを把握するための、また、力と許容度を把握するための、さらにそれらに対し解剖学的構造によりどのように作用が及ぼされるかを把握するための、効果的なツールになり得る。しかもこのシミュレータは、外科医が手の動きを学習するのに効果的なものとなり得る。
これらに加え、実際の処置が実施されているときにその処置の間にこのシステムを使用して、特定のカテーテルの選択に基づき頸部血管へのアクセスが得られるまでの時間などのようなパラメータを含む、処置中の医師のパフォーマンスを監視することができ、この場合、次いでこのパフォーマンスを、同様の解剖学的構造を有する以前の患者に対し実施された可能性のある以前の処置と比較することができる。今後の処置のために機械学習データベースのパフォーマンスを改善するために、かかるモニタリングを機械学習データベースに追加することができる。処置を監視するインタフェースは、患者固有の仮想モデルに関して処置中のカテーテルシステムの運動を検出することができ、x線データと共に記録することができる(これについては以下で説明する)。
これらに加えて医師は、処置を完了させたときに、1つまたは複数の予め決められたフィードバックプロトコルに従い、自身の固有のフィードバックを機械学習データベースに与えることもできる。たとえば、処置後に入力を手動で実施することができる。
別の実施態様によれば、医師が処置中に血管を「見る」ことができるよう、3D空間で処置中に得られたx線データと共にPSVMを記録することができる。つまり、骨、カテーテルおよびガイドワイヤといった放射線不透過性のボディに対し解像力をもたらすx線データを、目下の処置中に医師が利用する。PSVMとx線データとを組み合わせて重畳(すなわち共に記録)することによって、医師は処置中のカテーテルシステムのロケーションをより良好に視覚化できるようになる。このケースでは、解剖学的特徴のポジションを特定する際に外科医をアシストするために、シミュレーションにより記録されたデータを処置中に用いることができるように、本来の診断イメージングから得られた解剖学的ランドマーク(たとえば鼻の先端または他のランドマーク)を、処置中に得られたリアルタイムデータと重畳することができる。たとえば処置中、コントラストが欠けていると、様々な特徴の識別が難しくなる可能性がある。しかしながらデータの重畳に基づき、たとえコントラストが欠けていても、ポジションを特定する際にアシストするために、シミュレートされた練習の実行により得られたフィードバックを用いることができる。
図7Bに示されているように別の態様によれば、新たな機器のデザインを改善するまたはそれに寄与するという目標のために、問題を分析および認識する目的で、システムは上述のように、複数の処置および複数の患者データから得られたデータを記憶することができる。つまりそれらのデータに基づき、処置中に自動的に収集されたデータおよび/または医者の入力によるデータから、問題のある処置を識別することができる。処置データから問題のある解剖学的特徴を識別することができ、処置を完了させるために選択された機器と対照して分析することができる。次いでこの分析を用いて、問題のある解剖学的特徴を克服するために使用できる機器がモデリングされ、その後、モデリングされたこの機器を用いて新たな機器の特徴/性質を識別することができ、このようにすれば、識別された問題を克服するようにこの新たな機器をデザインできるであろう。
同じ手順を、以下に限定されるものではないが、心臓、腎臓、脚および腕の血管などのように、体の別の部位における他の難しい解剖学的状況に適用することもできる。
その他の特徴を組み込むことができる。それらの特徴は以下を含むことができる。
患者の条件をモデリングしてモデルに組み込む。このケースでは患者の条件には、高血圧症、アテローム性動脈硬化症および/または脊椎短縮といった年齢に関連する条件、または糖尿病などのような他の条件が含まれる。つまりシミュレータによって、モデルの挙動を調節可能な重み付け係数を医師が入力可能にすることができる。たとえば、患者が75歳を超えていることを外科医が知っているならば、外科医がいっそう硬い血管内でのカテーテルの運動を練習/シミュレートできるように、年連に関連する重みを3Dモデル境界に適用することができる。外科医が種々のパラメータの取り合わせを組み込みながら練習できるように、かかるパラメータを調整可能とすることができる。
1つの実施態様によれば、シミュレータは、大腿動脈、橈骨動脈、上腕動脈および頸動脈の直接的な穿刺を含む、様々な部位からのアクセスに適応することができる。一部のケースでは、大動脈弓の解剖学的特徴を、大動脈弓を通るアクセスは極めて困難であるか不可能である、としている場合がある。したがってシミュレータは、かかる条件が認識されたときには、他のルートを通るアクセスを決定して推奨することができる。一部のケースでは、頸動脈へアクセスするための最も安全なスポットの推奨を促すことができる。
様々な患者がいくらか特有の状況を有している場合もあり、幅広い患者からの機械学習に基づき、それらの状況を認識してガイダンスを提供することができる。かかる条件には以下のことが含まれる可能性がある。すなわち、
a.内頸動脈が閉塞されている。これは珍しいことではない。外科医がこの条件を認識した場合、処置の困難な部分は、閉塞した動脈を通り抜けることであり、なぜならばそれを見ることができないからである。しかしながらしばしばCTスキャンにおいては、外科医はCTスキャンのソースイメージでは不透明化されていない動脈を見ることはできないような、何らかの石灰化した部分が観察されることがある。このことを利用して、シミュレーションおよびマッスルメモリによる支援のために、血管が予期される場所の可能性がある「影」を生成することができる。
b.血餅に到達するまでの経路上で、動脈瘤に遭遇する可能性がある。動脈瘤は危険であり、認識されないと破裂して、重大な合併症をもたらすおそれがある。したがってシミュレータがそれらを認識できるようにし、回避のための推奨を行うことができる。
c.その他の通常の解剖学的多様性。これらは、胎児の後篩骨動脈、遺残三叉神経動脈、大きい前脈絡動脈、または中大脳動脈の初期分岐部における多様性を含むことができ、これらすべてが外科医に呈示され識別されて、処置中の遅れを防ぐためにアシストすることができる。
さらに、処置中の一般的な判定ポイントにおいてアシストするために、シミュレータを用いることができる。以前の患者から得られた既知の解剖学的データに基づき、バルーンガイドカテーテルまたは遠位アクセスカテーテルといった特定のカテーテルシステムを用いる、または用いないという推奨を行うことができる。
これまで本発明を、好ましい実施態様およびそれらの好ましい用途に関して説明し例示してきたが、それらについて変形および変更を行うことができることから、本発明はそのように限定されるものではなく、当業者であれば理解できるように、それらの変形および変更は本発明の意図する最大限の範囲内にある。
参考文献
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Claims (7)

  1. 患者の脈管構造モデルを生成し、前記脈管構造モデルを通るモデルカテーテルの運動を評価するシステムの作動方法であって、前記作動方法は、
    a.前記システム、各々がそれぞれ異なるレベルで患者を通した情報の平面スライスを表す、患者ボリュームの一連の2Dイメージを取得するステップと、
    b.前記システム、ステップaの前記2Dイメージから、着目対象の脈管内部と脈管境界とを識別するステップと、
    c.前記システム、ステップbによる着目対象の前記脈管内部と前記脈管境界とを集結して、患者の着目対象の脈管の3Dモデルを表す、脈管内部と脈管境界とから成る3Dアセンブリを生成するステップと、
    d.前記システム、隣り合う平面スライス間を補間して、隣り合うスライスの一方から他方まで連続的な脈管内部表現を生成するステップと、
    e.前記システム、カテーテルの物理的寸法と前記カテーテルの強度パラメータとを表す有限要素モデルであるモデルカテーテルを、前記3Dモデルに導入するステップと、
    f.前記システム、前記3Dモデル内の前記モデルカテーテルの運動の実行可能性を査定するために、前記3Dモデル内の前記モデルカテーテルをユーザが操作できるようにするステップと、
    を有する、
    作動方法。
  2. コンピュータトモグラフィ脈管造影法または磁気共鳴イメージング脈管造影法によって、前記2Dイメージを取得する、
    請求項1記載の作動方法。
  3. 前記システム、剛性および/または弾性を含む脈管の性質を反映する調整可能な性質を含むように、前記脈管境界をモデリングし、
    ユーザは、ステップfの前またはステップfの間、前記脈管境界の性質を調整可能である、
    請求項1記載の作動方法。
  4. 再疎通処置を準備するためのシステムの作動方法であって、前記作動方法は、
    前記システムが、各々がそれぞれ異なるレベルで患者を通した情報の平面スライスを表す、患者ボリュームの一連の2Dイメージを取得するステップと、
    b.再疎通処置のために患者の診断および/または準備を行っている間に、
    i.前記システム、ステップaの前記2Dイメージから、着目対象の脈管内部と脈管境界とを識別するステップと、
    ii.前記システム、ステップbによる着目対象の前記脈管内部と前記脈管境界とを集結して、患者の着目対象の脈管の3Dモデルを表す、脈管内部と脈管境界とから成る3Dアセンブリを生成するステップと、
    iii.前記システム、隣り合う平面スライス間を補間して、隣り合うスライスの一方から他方まで連続的な脈管内部表現を生成するステップと、
    iv.前記システム、カテーテルの物理的寸法と前記カテーテルの強度パラメータとを表す有限要素モデルであるモデルカテーテルを、前記3Dモデルに導入するステップと、
    v.前記システム、前記3Dモデル内の前記モデルカテーテルの運動の実行可能性を査定するために、前記3Dモデル内の前記モデルカテーテルをユーザが操作できるようにするステップと、
    を有する作動方法。
  5. 前記システム、前記モデルカテーテルを、カテーテルシステムの1つまたは複数の近位端の物理的モデルと、機械-電気インタフェースを介して連結し、
    前記3Dモデル内の前記モデルカテーテルの運動の実行可能性を査定するために、ユーザは、前記近位端を操作可能である、
    請求項4記載の作動方法。
  6. 前記システム、前記3Dモデルを、前記再疎通処置を開始する領域を表す第1の体部領域から第2の体部領域まで構築し、
    前記システム、部分的に構築された3Dモデルをユーザが操作できるように、前記部分的に構築された3Dモデルを使用可能にする、
    請求項4記載の作動方法。
  7. 前記作動方法はさらに、
    前記システム、ステップaが完了してから6分以内に操作するために、使用可能な3Dモデルまたは部分的に構築された3Dモデルをユーザが利用できるようにするために、2Dイメージのうち選択されたイメージに対しデータストリーム処理を実施するステップ、
    を有する、
    請求項4記載の作動方法。
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