以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(1)3つの実施形態1~3に共通の事項
本開示に係るターゲット管理システムの主要な事項は、認識可能なターゲットの値の取得による「可視化」、標準値の設定による「標準化」、及び可視化された値と標準値との差異を縮小するための縮小処理による「ギャップ縮小」、を実行する又は繰り返すことによって、活動のターゲットによる的確な管理を可能とする点にある。
この開示では、取得値と標準値との間の差異が大きいほど、活動及び標準値の少なくとも一方が不適正である可能性が高くなる点に着目し、値の取得、標準値の設定、及び差異の縮小のための処理、を行う又は繰り返す。これにより、差異は縮小し又は縮小していき、不適正な活動及び不適正な標準値少なくとも一方が適正化される又は適正化されていく。その結果、活動のターゲットによる的確な管理が可能になる。
本開示に係るターゲット管理システムは、取得部と、設定部と、縮小処理部とを備える。
なお、実施形態1に係るターゲット管理システム100、実施形態2に係る品出管理システム100A、及び実施形態3に係る計画最適化システム100Bの各々は、ターゲット管理システムの一形態である。
(1-1)ターゲットの値の取得
取得部は、ターゲットの値を、1以上の第1期間の各々について取得する。
ターゲットとは、ターゲット管理システムの管理対象であり、人員又は人員が属する組織、の活動に関する情報である。
人員とは、活動を行う人である。人員が属する組織は、例えば、企業、団体等である。活動は、通常、組織に属する人員によって行われる。ただし、活動は、組織に属さない人員によって行われてもよい。また、組織に属する人員に数は、通常、2人以上であるが、1人でもよい。
活動は、例えば、作業、管理及び経営の各々、又はこれらの組み合わせである。本開示における活動は、企業による営利活動であり、通常、作業、管理及び経営を含む。ただし、活動は、非営利の団体による非営利活動でもよい。非営利活動は、通常、作業及び管理を含み、経営を含まない。
組織は、2以上の層に階層化されていてもよい。2以上の層とは、例えば、下位層及び上位層からなる2層である。下位層は現場層、上位層は経営層であってもよい。
または、2以上の層は、下位層、中位層及び上位層からなる3層でもよい。中位層は、現場経営層(管理層)であってもよい。
さらに、現場層は、例えば、店舗層、店舗層の下位の部署層、部署層の下位のチーム層、などで構成されてもよい。ただし、階層の有無、及び階層を構成する層の数(階層の深さ)は問わない。
また、組織は、通常、2以上の部門で構成され、2以上の部門の各々が、2以上の層のいずれかに属する。2以上の部門は、例えば、物流部門、販売部門、管理部門、経営部門等である。物流部門及び販売部門は現場層に属し、管理部門は現場経営層に属し、経営部門は経営層に属する。
本開示におけるターゲットは、活動の状況を認識可能に示す情報である。認識とは、通常、人による認識であるが、例えば、人の知的活動を機械的な処理で実現するコンピュータ、による認識も含んでもよい。
ターゲットは、例えば、作業情報である。作業情報とは、作業に関する情報である。作業情報は、例えば、工数、在庫数量、作業効率等である。なお、工数、在庫数量、作業効率については後述する。
または、ターゲットは、経営情報でもよい。経営情報とは、経営に関する情報である。経営情報は、例えば、収益、成長率等の経営指標である。
または、ターゲットは、現場経営情報でもよい。現場経営情報とは、現場経営に関する情報である。現場経営は、例えば、作業の管理、コストの管理などである。
なお、ターゲットは、階層特定情報に対応付いていてもよい。階層特定情報とは、階層を特定する情報である。階層特定情報は、例えば“経営層”や“現場層”等の階層名であるが、または階層名に対応付いたIDでもよい。
また、ターゲットは、部門特定情報に対応付いていてもよい。部門特定情報とは、部門を特定する情報である。部門特定情報は、例えば“販売部門”や“物流部門”等の部門名であるが、部門名に対応付いたIDでもよい。
さらに、ターゲットは、人員特定情報に対応付いていてもよい。人員特定情報とは、人員を特定する情報である。人員特定情報は、例えば、氏名及び住所、携帯電話番号等であるが、氏名及び住所等に対応付いたIDでもよい。
取得部は、例えば、センサからの情報(観測結果)、キーボードやタッチパネル等の入力デバイスを介して(人手で)入力された情報、及びメモリに格納されている情報、のうち1種類以上の情報、を基に、ターゲットの値を取得する。なお、取得部がセンサを介して取得する値は、実績値である。ただし、取得部は、後述する予測部から予測値の引き渡しを受けてもよい。
センサは、例えば、カメラ3及びLPS4の各々、又はこれらを含む観測システム等である。カメラ3は、作業が行われる場所(以下、現場)に設置され、作業の対象(以下、作業対象)、及び作業を行う人員(店員、作業員等)などを撮影する。LPS4は、現場に設置され、現場における人員(又は物品)の位置を検出する。なお、LPS4については、実施形態3で説明する。または、センサは、例えば、商品に付されたバーコードを読み取る読取機でもよい。
メモリは、通常、ターゲット管理システム内のメモリであるが、外部のメモリでもよい。メモリは、ターゲット管理システムのコンピュータがアクセス可能であれば、その所在は問わない。
なお、取得部は、実施形態1では、取得部121に対応する。また、取得部は、実施形態2では、情報生成部121Aに対応する。さらに、取得部は、実施形態3では、観測部221に対応する。
(1-2)標準値の設定
設定部は、ターゲットの標準値を設定する。
標準値とは、ターゲットに関する標準的な値である。標準値は、ターゲットに関して取得される値の良し悪しや高低(例えば、効率が良い又は悪い、収益性が高い又は低い)などを判断する際の判断基準となる値である。標準値は、例えば、閾値、理想値、評価指標などであってもよい。例えば、ターゲットが工数である場合の標準値は、標準工数である。
なお、設定部は、実施形態1では、設定部122に対応する。また、設定部は、実施形態2では、処理部12Aに対応する。さらに、設定部は、実施形態3では、設定部123Bに対応する。
(1-3)差異の縮小
縮小処理部は、縮小処理を行う。
縮小処理とは、上記1以上の第1期間の後の1以上の第2期間に取得される値と標準値との差異、を縮小する又は縮小していくための処理である。なお、上記1以上の第1期間は、通常、過去の1以上の期間である。また、上記1以上の第2期間は、通常、将来の1以上の第2期間である。
ただし、上記1以上の第1期間は、上記1以上の第2期間よりも前の期間であれば、必ずしも現時点に対して過去の期間でなくてもよい。また、上記1以上の第2期間は、上記1以上の第2期間よりも後の期間であれば、必ずしも現時点に対して将来の期間でなくてもよい。
差異は、例えば、取得部(取得部121,情報生成部121A,観測部221)が取得する値と、標準値との差異である。ただし、差異は、後述する予測部が取得する予測値と、標準値との差異であってもよい。
なお、縮小処理部は、実施形態1では、縮小処理部124に対応する。また、縮小処理部は、実施形態2では、処理部12Aに対応する。さらに、縮小処理部は、実施形態3では、処理部12Bに対応する。
(1-4)縮小処理の内容
縮小処理は、出力制御及び最適化のいずれか一方、又は両方を含む。ただし、出力制御の少なくとも一部は、人を介して最適化を実現する実現手段であってもよい。
なお、実施形態1では、縮小処理として、出力制御及び最適化の両方が行われる。また、実施形態2では、縮小処理として、出力制御が行われる。さらに、実施形態3では、縮小処理として、最適化が行われる。
(1-4-1)出力制御
出力制御とは、差異を認識可能な態様で出力させるための制御である。
出力された差異を人員が認識して活動を変えることで、差異は縮小し又は縮小していき、不適正な活動が適正化される又は適正化されていく。これによって、活動の的確な管理が可能になる。
(1-4-2)最適化
本開示における最適化は、標準値(例えば、標準工数)の更新、及び予測値(例えば、工数予測値)の更新、のいずれか一方、又は両方である。
(1-4-2a)最適化1:標準値の更新
ターゲットに関する取得値と標準値との差異が縮小する又は縮小していくように、標準値を更新する又は更新していくことで、不適正な標準値が適正化される又は適正化されていく。これによって、活動のターゲットによる的確な管理が可能になる。
なお、標準値の更新は、標準値を用いて作成される情報(例えば、作業計画)の最適化にも寄与する。
なお、標準値の更新は、前述した出力制御、又は後述する予測値の更新等、と共に行われることが好適である。それによって、不適正な活動及び不適正な標準値の双方の適正化を図ることができる。また、標準値の更新のみを行う場合と比べて、不適正な活動が標準的な活動となる可能性を低減できる。
(1-4-2b)最適化2:予測値の更新
ターゲットの値として予測値を取得する場合に、取得値と標準値との差異が縮小する又は縮小していくように、予測値を更新する又は更新していくことで、取得値が標準値に近づく又は近づいていく。これによって、活動のターゲットによる的確な管理が可能になる。
なお、予測値の更新は、予測値を用いて作成される情報(例えば、作業計画)の最適化にも寄与する。
(1-4-2c)最適化3:計画の変更
ターゲットに関する取得値と標準値との差異が縮小する又は縮小していくように、活動の計画(例えば、作業計画)を変更することで、活動のターゲットによる的確な管理が可能になる。
(1-4-2d)最適化4:一連の工程の変更
ターゲットに関する取得値と標準値との差異が縮小する又は縮小していくように、一連の工程(例えば、一連の作業工程)を変更することで、活動のターゲットによる的確な管理が可能になる。
(2)2つの実施形態1及び2に共通の事項
(2-1)出力制御
縮小処理部(縮小処理部124,処理部12A)は、出力制御部を備える。出力制御部は、上記差異を認識可能な態様で出力させる。
なお、出力制御部は、実施形態1では、出力制御部1241に対応する。また、出力制御部は、実施形態2では、第1出力制御部122A及び第2出力制御部123Aに対応する。
この態様では、出力された差異を人員が認識して活動を変えることで、差異は縮小し又は縮小していき、不適正な活動が適正化される又は適正化されていく。これによって、活動の的確な管理が可能になる。
出力制御部(出力制御部1241,第1出力制御部122A,第2出力制御部123A)は、第1出力制御部と、第2出力制御部とを備える。
(2-1-1)第1出力制御
第1出力制御部は、取得部(取得部121,情報生成部121A)が取得した値である取得値を出力させる。第1出力制御部は、通常、ターゲット特定情報も出力させる。
ターゲット特定情報とは、ターゲットを特定する情報である。ターゲット特定情報は、例えば、“工数”や“収益性”等のターゲット名、又はターゲット名に対応付いたID、等を示す文字列である。
なお、第1出力制御部は、実施形態1では、第1出力制御部1241aに対応する。また、第1出力制御部は、実施形態2では、第1出力制御部122Aに対応する。
これによって、取得値の認識の容易化を図ることができる。
(2-1-2)第2出力制御
第2出力制御部は、取得値と標準値との比較結果を認識可能な態様で出力させる。
なお、第2出力制御部は、実施形態1では、第2出力制御部1241bに対応する。また、第2出力制御部は、実施形態2では、第2出力制御部123Aに対応する。
これによって、取得値と標準値との比較の容易化を図ることができる。
そして、第1出力制御及び第2出力制御の結果、活動のターゲットによる的確かつ容易な管理が可能になる。
(3)実施形態2に固有の事項
実施形態2では、組織は、店舗200を有する。店舗200では、商品の販売が行われる。
ターゲットは、店舗200における品出しに関する情報である。標準値は、品出しに関する情報の評価指標である。
第1出力制御部122Aは、品出関連情報を出力させる。品出関連情報とは、品出しに関する情報であり、情報生成部121Aが生成した情報である。
第2出力制御部123Aは、品出関連情報と評価指標との比較結果を認識可能な態様で出力させる。
これによって、品出しに関する評価の容易化を図ることができる。その結果、品出しの品出関連情報による的確かつ容易な管理が可能になる。
(4)実施形態1及び3に共通の事項
(4-1)差異の検出
ターゲット管理システム(100,計画最適化システム100B)は、検出部を更に備える。検出部は、1以上の第1期間の各々について、取得部(121,観測部221)が取得した値である取得値と標準値との差異を検出する。
検出部は、例えば、取得値と標準値との差分を算出する。差分は、例えば、取得値から標準値を減算した減算結果であり、正負の符号を含む。なお、差異は、絶対値が予め決められた閾値を超える差分でもよい。
なお、検出部は、実施形態1では、検出部123に対応する。また、検出部は、実施形態3では、検出部222に対応する。
(4-2)標準値の更新
縮小処理部(124,処理部12B)は、更新部を含んでもよい。
更新部は、検出部(123,222)が検出した差異であり、1以上の第1期間に対応する1以上の差異、を基に、1以上の第2期間に差異が縮小する又は縮小していくように標準値を更新する。
なお、更新部は、実施形態1では、更新部1242に対応する。また、更新部は、実施形態3では、更新部125に対応する。
すなわち、実施形態1では、縮小処理部124は、更新部1242を含む。更新部1242は、検出部123が検出した差異であり、1以上の第1期間に対応する1以上の差異、を基に、1以上の第2期間に差異が縮小する又は縮小していくように標準値を更新する。また、実施形態2では、処理部12Bは、更新部125を含む。更新部125は、検出部222が検出した差異であり、1以上の第1期間に対応する1以上の差異、を基に、1以上の第2期間に差異が縮小する又は縮小していくように標準値を更新する。
こうして、標準値を更新する又は更新していくことで、差異は縮小し又は縮小していき、不適正な標準値が適正化される又は適正化されていく。
これによって、活動のターゲットによる的確な管理が可能になる。
(4-3)作業の工数による管理
実施形態1,3では、例えば、活動は作業であり、ターゲットは工数である。
取得部(121,221)は、工数の値を1以上の第2期間の各々について取得する。設定部(122,123B)は、工数の標準値である標準工数を設定する。検出部(123,222)は、1以上の第2期間の各々について、取得値と標準工数との差異を取得する。更新部(1242,125)は、1以上の第2期間に差異が縮小する又は縮小していくように標準工数を更新する。
実施形態1では、取得部121は、工数の値を1以上の第2期間の各々について取得する。なお、取得部121が取得する工数の値は、予測値が好適であるが、実績値でもよい。設定部122は、工数の標準値である標準工数を設定する。検出部123は、1以上の第2期間の各々について、取得値と標準工数との差異を取得する。更新部1242は、1以上の第2期間に差異が縮小する又は縮小していくように標準工数を更新する。
実施形態3では、観測部221は、工数の値を1以上の第2期間の各々について取得する。なお、観測部221が取得する工数の値は、実績値である。設定部123Bは、工数の標準値である標準工数を設定する。検出部222は、1以上の第2期間の各々について、取得値と標準工数との差異を取得する。更新部125は、1以上の第2期間に差異が縮小する又は縮小していくように標準工数を更新する。
こうして、標準工数を更新する又は更新していくことで、差異は縮小し又は縮小していき、不適正な標準工数が適正化される又は適正化されていく。
これによって、作業の工数による的確な管理が可能になる。
(4-4)ターゲットの値予測
実施形態1,3では、縮小処理部(124,12B)は、予測部(1243,122B)を更に備える。予測部(1243,122B)は、ターゲットの値を予測し、予測値を取得する。縮小処理部(124,12B)は、予測部(1243,122B)が取得する予測値と前記標準値との差異を縮小する又は縮小していくための縮小処理を行ってもよい。
実施形態1では、縮小処理部124は、予測部1243を更に含む。
予測部1243は、1以上の第1期間に取得部が取得した値である2以上の取得値を少なくとも基に、1以上の第2期間の各々について、ターゲットの値を予測し、予測値を取得する。
予測部1243は、2以上の取得値に加え、メモリに格納されている情報も利用して、ターゲットの値を予測する。メモリは、通常、システム内のメモリ(例えば、サーバ2のメモリ)であるが、外部の装置のメモリでもよい。メモリに格納されている情報は、例えば、カレンダー情報、天候情報、売上情報等であるが、これに限らない。
取得部(121,221)は、予測部(1243,122B)から予測値を取得する。
実施形態3では、縮小処理部(処理部12B)は、予測部122Bを更に含む。予測部122Bは、観測部221の観測結果を基に、予測値を取得する。
こうして、予測値を取得し、予測値と標準値との差異を縮小することで、管理の精度向上が図られる。
(5)実施形態3に固有の事項
上記1以上の第2期間は、実施形態3では、将来の1以上の第2期間である。
縮小処理部に対応する処理部12Bは、予測部122B及び作成部124Bを含む。予測部122Bは、モデル(工数予測モデルPM)を用いた予測アルゴリズム(工数予測アルゴリズムPA)を実行することにより、将来の1以上の第2に対応する1以上の工数予測値(時間帯・部門別工数予測値PV2)を取得する。モデル(工数予測モデルPM)は、予測用データセットDPを入力とし、工数予測値(時間帯・部門別工数予測値PV2)を出力とするモデルである。予測用データセットDPは、将来の1以上の第2期間の各々について、期間特定情報(時間帯特定情報TI)、期間属性情報(日属性情報AI)及び数量情報(来客数予測値PV1)の組、を含む。期間特定情報(時間帯特定情報TI)は、期間を特定する情報である。期間属性情報(日属性情報AI)は、上記期間の属性に関する情報である。数量情報(来客数予測値PV1)は、上記期間における作業対象の数量に関する情報である。設定部123Bは、作業の標準工数を設定する。
作成部124Bは、例えば、設定部123Bが設定した標準工数と、予測部122Bが取得した1以上の工数予測値(時間帯・部門別工数予測値PV2)と、作業を行う1人以上の人員に対応する1以上の人員情報(図12A参照)と、に基づいて、作業計画(図12B)を作成する。作業計画(図12B)は、将来の1以上の第2期間に1人以上の人員によって行われる作業に関する計画である。
こうして、工数予測値を取得することで、差異が縮小し、計画作成の精度向上を図ることができる。
なお、実施形態1に固有の事項については、後述する。
(6)実施形態1
以下、本開示の実施形態1について説明する。なお、前段のものと重複する説明は、簡略化又は省略する。
(6-1)ターゲット管理システム
本開示の実施形態1に係るターゲット管理システム100は、図1に示すように、ターゲット管理装置1と、サーバ2と、カメラ3と、LPS(Local Positioning System)4とを備える。ターゲット管理装置1は、ネットワーク400を介して、サーバ2、カメラ3及びLPS4の各々と通信可能に接続される。ネットワーク400は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット、通信回線網などである。
ターゲット管理装置1は、組織の活動をターゲットにより管理する。組織は、本実施形態では営利企業であるが、非営利の団体等でもよい。活動は、例えば、作業、経営等である。ターゲットは、例えば、工数、収益性等である。
本実施形態では、組織は、現場層及び経営層の2層に階層化されている。現場層は、現場で作業を行う作業者が属する層であり、経営層に対して下位の層である。経営層は、経営を行う経営者が属する層であり、現場層に対して上位の層である。
活動は、現場層に対応する作業、及び経営層に対応する経営を含む。
サーバ2は、各種の情報を格納している。各種の情報とは、例えば、カレンダー情報、天候情報、売上情報等である。
カメラ3は、現場に設置され、現場で行われる作業の対象(来客、物品等)、及び作業を行う人員を撮影する。
LPS4は、現場に設置され、現場における人員(又は物品)の位置を検出する。
(6-2)ターゲット管理装置
ターゲット管理装置1は、図1に示すように、受付部11と、処理部12と、出力部13とを備える。
受付部11は、各種の情報を受け付ける。各種の情報とは、例えば、標準値などである。
処理部12は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、取得部121、設定部122、検出部123及び縮小処理部124などの処理である。
出力部13は、各種の情報を出力する。各種の情報とは、例えば、ターゲットの値(取得値)、差異情報などである。
処理部12は、取得部121と、設定部122と、検出部123と、縮小処理部124とを備える。
取得部121は、ターゲットの値を取得する。取得部121は、例えば、ターゲットの実測値を、1以上の第1期間の各々について取得する。
または、取得部121は、ターゲットの予測値を、1以上の第1期間の後の1以上の第2期間の各々について取得してもよい。詳しくは、取得部121は、例えば、後述する予測部1243から予測値を取得する。
本実施形態におけるターゲットは、第1ターゲット及び第2ターゲットを含む。第1ターゲットとは、作業に関するターゲットである。第1ターゲットは、例えば、工数、在庫数量、作業効率等である。第2ターゲットとは、経営に関するターゲットである。第2ターゲットは、例えば、経営指標である。経営指標は、例えば、収益性、成長率等であるが、これに限らない。
取得部121は、カメラ3からの画像情報及びLPS4からの位置情報を基に、第1ターゲットの値である第1値を、1以上の第1期間の各々について取得する。なお、取得部121は、メモリに格納されている売上情報等の情報も用いて、第1値を取得してもよい。
また、取得部121は、少なくとも第1ターゲットの値を基に、第2ターゲットの値である第2値を、1以上の第1期間の各々について取得する。なお、取得部121は、メモリに格納されている売上情報等の情報も用いて、第2値を取得してもよい。
設定部122は、ターゲットの標準値を設定する。設定部122は、例えば、工数の標準値である標準工数を設定する。
設定部122は、例えば、第1標準値を設定する。第1標準値とは、第1ターゲットの標準値である。
設定部122は、例えば、2以上の部門の各々について、第1標準値を設定する。
設定部122は、少なくとも第1標準値を基に、第2標準値を設定する。第2標準値とは、第2ターゲットの標準値である。
設定部122は、例えば、システム内のメモリ又は外部の装置のメモリ、に格納されている売上情報等の情報も利用して、第2標準値を設定する。
検出部123は、1以上の第1期間の各々について、第2差異を検出する。第2差異とは、取得部121が取得した第2値である第2取得値と第2標準値との差異である。
検出部123は、取得部121が取得した値である取得値と標準値との差異を検出する。
検出部123は、例えば、1以上の第1期間の各々について、取得部121が取得した値である取得値と標準値との差異を検出する。
検出部123は、上記1以上の第1期間の各々について、取得部121が取得した第1値である第1取得値と第1標準値との第1差異を検出する。
(6-3)縮小処理
縮小処理部124は、前述した縮小処理を行う。
縮小処理部124は、例えば、図1に示すように、出力制御部1241と、更新部1242と、予測部1243とを備える。
縮小処理部124は、例えば、検出部123が検出した第1差異であり、1以上の第1期間に対応する1以上の第1差異、を基に、第1縮小処理を行ってもよい。第1縮小処理とは、1以上の第1期間の後の1以上の第2期間に取得部121が取得する第1値と第1標準値との第1差異を縮小する又は縮小していくための処理である。
これによって、現場層では、作業の第1ターゲット(工数等)による的確な管理が可能になる。
また、縮小処理部124は、例えば、検出部123が検出した第2差異であり、1以上の第1期間に対応する1以上の第2差異、を基に、第2縮小処理を行ってもよい。第2縮小処理とは、1以上の第1期間の後の1以上の第2期間に取得部121が取得する第2値と第2標準値との第2差異を縮小する又は縮小していくための処理である。
これによって、経営層では、経営の第2ターゲット(収益性等)による的確な管理が可能になる。
縮小処理部124は、第3縮小処理を更に行ってもよい。第3縮小処理とは、検出部123が検出した第2差異であり、1以上の第1期間に対応する1以上の第2差異、を基に、検出部123が検出する第1差異であり、1以上の第2期間に対応する1以上の第1差異、を縮小する又は縮小していくための処理である。
第3縮小処理は、例えば、第2差異が閾値を超えた場合に、1以上の第1期間に対応する1以上の第1差異を認識可能な態様で出力させる処理であってもよい。その場合、縮小処理部124は、1以上の第1期間に対応する1以上の第1差異に加えて、1以上の第2期間に対応する1以上の第2差異も認識可能な態様で出力させてもよい。
これによって、経営層において、第2差異の拡大(例えば、収益性の悪化)に応じて、その主因となっている第1差異を縮小するための処理を行う(例えば、第1差異を認識可能な態様で出力する)ことで、第2差異の拡大を抑制できる。
本実施形態における組織は、現場層に属する2以上の部門を含む。現場層に属する2以上の部門とは、例えば、物流部門及び販売部門である。
この場合、取得部121は、2以上の部門、並びに1以上の第1期間及び1以上の第2期間、の組み合わせの各々について第1値及び第2値を取得する。設定部122は、2以上の部門の各々について第1標準値及び第2標準値を設定する。検出部123は、2以上の部門、並びに1以上の第1期間及び1以上の第2期間、の組み合わせの各々について第1差異及び第2差異を検出する。縮小処理部124は、2以上の部門の各々について第1縮小処理及び第2縮小処理を行う。
縮小処理部124は、例えば、2以上の部門の各々について第3縮小処理を行ってもよい。
例えば、ある部門で第2差異が閾値を超えた場合に、縮小処理部124は、その部門に対応する2以上の第1差異を認識可能な態様で出力させる。縮小処理部124は、2以上の第2差異も認識可能な態様で出力させてもよい。
これによって、作業を分担する2以上の部門の各々と経営との連携を図ることができる。
(6-3-1)出力制御
出力制御部1241は、図1に示すように、第1出力制御部1241aと、第2出力制御部1241bとを備える。
第1出力制御部1241aは、取得部121が取得した値である取得値を出力させる。第2出力制御部1241bは、取得値と標準値との比較結果を認識可能な態様で出力させる。
なお、出力制御部1241は、人員特定情報、階層特定情報、部門特定情報及び期間特定情報、から選択される1種類以上の特定情報、で特定される範囲の情報を出力させてもよい。
詳しくは、受付部11が、1種類以上の特定情報を選択する操作を受け付け、出力制御部1241は、当該受け付けられた1種類以上の特定情報、で特定される範囲の情報を出力させる。例えば、人員特定情報及び期間特定情報が選択された場合は、人員特定情報及び期間特定情報に紐づいている範囲の情報が出力される。
さらに、受付部11は、上記のようにして受け付けられた1種類以上の特定情報の各々について、特定情報の値を受け付け、出力制御部1241は、1種類以上の特定情報で特定される範囲の情報のうち、受け付けられた1以上の値に対応する情報を出力させてもよい。例えば、人員特定情報及び期間特定情報の各々の値が受け付けられた場合は、人員特定情報の値に対応する人員の、期間特定情報の値に対応する期間における勤務予定情報等の情報を出力させる。
(6-3-2)標準値の更新
更新部1242は、検出部123が検出した差異であり、1以上の第1期間に対応する1以上の差異、を基に、1以上の第2期間に差異が縮小する又は縮小していくように標準値を更新する。
更新部1242は、設定部122が設定した標準工数を、例えば、取得部121が取得するターゲットの値(例えば、実績値)が標準工数に近づくように更新してもよい。
詳しくは、更新部1242は、設定部122が設定したターゲットの標準値(メモリに保持されている標準値)を、増加方向又は減少方向(例えば、増加方向)に所定量ずつ変化(インクリメント)させていき、当該変化に応じて差異が増加するか減少するかを判断する。
当該変化に応じて、検出部123が検出する差異が増加する場合、更新部1242は、変化の方向を反転させ、上記同様の動作を行う。つまり、更新部1242は、ターゲットの標準値を当該変化とは逆の方向(例えば、減少方向)に所定量ずつ変化(デクリメント)させていき、当該変化に応じて差異が増加するか減少するかを判断する。
当該変化に応じて差異が減少する場合、更新部1242は、差異が増加に転ずる直前(つまり、極小値をとる)まで、同様の動作を継続する。これによって、ターゲットの標準値は、差異が極小となるような値に更新される。
こうして標準値を更新することで、実績値と標準値との間の差異が縮小し又は縮小していく。
(6-3-3)予測
(6-3-3a)予測値の取得
予測部1243は、1以上の第1期間に取得部121が取得した値である2以上の取得値を少なくとも基に、1以上の第2期間の各々について、ターゲットの値を予測し、予測値を取得する。
予測部1243は、例えば、メモリに格納されている情報も利用して、ターゲットの値を予測し、予測値を取得する。
(6-3-3b)予測値の更新
更新部1242は、予測部1243が取得した予測値を、検出部123が検出する差異が縮小するように更新する。
更新部1242は、例えば、取得部121が取得する実績値が標準値に近づくように、予測値を更新してもよい。
詳しくは、更新部1242は、予測部1243が取得した予測値(メモリに保持されている予測値)を、増加方向又は減少方向(例えば、増加方向)に所定量ずつ変化させていき、当該変化に応じて差異が増加するか減少するかを判断する。
当該変化に応じて差異が増加する場合、更新部1242は、変化の方向を反転させ、上記同様の動作を行う。つまり、更新部1242は、予測値を当該変化とは逆の方向(例えば、減少方向)に所定量ずつ変化させていき、当該変化に応じて差異が増加するか減少するかを判断する。
当該変化に応じて差異が減少する場合、更新部1242は、差異が増加に転ずる(つまり、極小値をとる)まで、同様の動作を継続する。これによって、予測値は、差異が極小値をとるような値に更新される。
こうして予測値を更新することで、実績値と標準値との間の差異が縮小し又は縮小していく。
これによって、差異の縮小、ひいては作業計画の最適化を図ることができる。
なお、更新部1242は、予測値の更新及び標準値の更新の両方を行うことが好適である。すなわち、更新部1242は、例えば、差異が極小値をとるように予測値を更新した後、差異が当該極小値(第1極小値)よりも小さい極小値(第2極小値)をとるように、標準値を更新する。
ただし、予測値の更新及び標準値の更新の実行順序は、上記とは逆でもよい。すなわち、更新部1242は、差異が極小値をとるように標準値を更新した後、差異が当該極小値(第1極小値)よりも小さい極小値(第2極小値)をとるように、予測値を更新してもよい。
また、更新部1242は、予測値の更新及び標準値の更新を交互に繰り返してもよい。これによって、差異の更なる縮小を図ることができる。
または、更新部1242は、予測値の更新のみを行い、標準値の更新を行わなくてもよい。または、更新部1242は、標準値の更新のみを行い、予測値の更新を行わなくてもよい。いずれの場合も、差異の縮小を図ることはできる。
(6-3-4)その他の更新
例えば、処理部12が、ターゲットに関する標準値等の情報を基に作業計画を作成し、更新部1242は、ターゲットに関する取得値と標準値との差異が縮小する又は縮小していくように、作業計画を変更してもよい。
または、更新部1242は、ターゲットに関する取得値と標準値との差異が縮小する又は縮小していくように、作業を構成する一連の作業工程を更新してもよい。
(6-3-5)ターゲット管理装置の動作
ターゲット管理装置1は、図2のフローチャートに従う処理を実行する。なお、図2の処理は、ターゲット管理装置1の電源オンに応じて開始され、電源オフに応じて終了される。
処理部12は、受付部11がターゲットの標準値を受け付けたか否か、を判断する(ステップS1)。受付部11がターゲットの標準値を受け付けたと判断された場合、処理はステップS2に進む。標準値が受け付けられていないと判断された場合、処理はステップS3に進む。
設定部は、ステップS1で受け付けられた値をターゲットの標準値に設定する(ステップS2)。設定された標準値は、メモリに保持される。その後、処理はステップS1に戻る。
処理部12は、センサ(カメラ3等)からの情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS3)。センサからの情報を受け付けていないと判断された場合、処理はステップS8に進む。
取得部121は、ステップS3で受け付けられた情報を基に、ターゲットの値を取得する(ステップS4)。なお、ここで取得されるターゲットの値は、予測値及び実績値の少なくとも一方である。本実施形態では、予測値及び実績値の両方が取得される。取得されたターゲットの値は、メモリに保持される。
処理部12は、標準値が設定済みか否かを判断する(ステップS5)。標準値が設定済みと判断された場合、処理はステップS6に進む。標準値が設定済みでないと判断された場合、処理はステップS8に進む。
検出部123は、ステップS2で取得された取得値と、ステップS4で設定された標準値との差異を検出する(ステップS6)。
縮小処理部124は、ステップS6で検出された差異を縮小するための縮小処理を実行する(ステップS7)。なお、縮小処理については、図3のフローチャートで説明する。その後、処理はステップS1に戻る。
処理部12は、標準値が更新されたか否かを判断する(ステップS8)。なお、更新部1242が後述するステップS12を実行すると、処理部12は、標準値が更新されたと判断する。標準値が更新されたと判断された場合、処理はステップS2に戻る。標準値が更新されていないと判断された場合、処理はステップS1に戻る。
上記ステップS7の縮小処理は、例えば、図3のフローチャートに従って実行される。
処理部12は、ステップS6で検出された差異が、予め決められた閾値より大きいか否かを判断する(ステップS11)。差異が閾値より大きいと判断された場合、処理はステップS12に進む。差異が閾値以下と判断された場合、処理は上位のフローチャート(図2)にリターンする。
更新部1242は、ステップS6で検出される差異が縮小するように、メモリ内の標準値を更新する(ステップS12)。また、更新部1242は、ステップS6で検出される差異が縮小するように、メモリ内の予測値も更新する(ステップS13)。つまり、差異が縮小するように、標準値及び予測値の各々が更新される。
次に、出力制御部1241は、ステップS6で検出された差異を認識可能な態様で出力させる(ステップS14)。その後、処理は、上位のフローチャート(図2)にリターンする。
なお、図3では省略しているが、縮小処理では、前述した計画の変更、前述した一連の工程の変更、なども行われてもよい。
(6-4)ターゲット管理システムの変形例
なお、ターゲット管理システム100は、予測部1243が予測に用いるモデル、を生成する生成部(図示しない)を更に備えていてもよい。
生成部は、センサ(カメラ3、LPS4等)からの各種の情報(画像情報、位置情報等)と、ターゲットの実績値(工数実績値等:教師データ)と、の組を入力として、機械学習のアルゴリズムを実行することにより、モデルを生成する。
なお、生成部は、実施形態3では、生成部121Bに対応する。また、機械学習のアルゴリズムは、実施形態3では学習アルゴリズムLAに対応する。さらに、モデルは、実施形態3では工数予測モデルPMに対応する。
(7)実施形態2
(7-1)品出管理システム
本開示の実施形態2に係る品出管理システム100Aは、図4に示すように、品出管理装置1Aと、1つ以上の売場端末20と、1つ以上の保管庫端末30とを備える。品出管理装置1Aは、例えば、無線又は有線のLAN、インターネット、電話回線網などのネットワーク400を介して、1つ以上の売場端末20及び1つ以上の保管庫端末30との各々と通信可能に接続される。
本実施形態における品出管理装置1Aは、例えば、サーバであり、プロセッサ、メモリ及び通信モジュールなど(いずれも図示しない)を有する。また、品出管理装置1Aは、通常、入力デバイス及び出力デバイス(いずれも図示しない)も有する。入力デバイスは、キーボードやタッチパネル等であり、出力デバイスは、ディスプレイやスピーカやプリンタ等である。さらに、品出管理装置1Aは、撮影デバイス(図示しない)も有していてもよい。撮影デバイスは、カメラやスキャナ等である。
品出管理装置1Aにおいて、メモリに各種の情報及びプログラムが格納され、プロセッサは、メモリ内の各種の情報及びプログラムに基づいて、後述する処理部12A等が行う各種の処理を実現する。なお、このようなプロセッサ及びメモリを「コンピュータ」と呼んでもよい。
売場端末20及び保管庫端末30は、携帯端末である。携帯端末は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等であり、プロセッサ、メモリ、通信モジュール、入力デバイス、出力デバイス及び撮影デバイスなどを有する。売場端末20及び保管庫端末30の各々においても、メモリに各種の情報及びプログラムが格納され、プロセッサは各種の処理を実現しうる。
品出管理装置1A、売場端末20及び保管庫端末30の各々が有する通信モジュールは、ネットワーク400を介した通信(品出管理装置1A、売場端末20及び保管庫端末30の間での各種の情報の送受信)を可能にする。
本実施形態の品出管理システム100Aは、スーパーやホームセンター等の小売事業者によって使用される。本実施形態における小売事業者は、本部300、及び1以上の店舗200を有する。店舗200は、売場201及び保管庫202を有し、売場201には、商品を陳列するための1以上の陳列棚(図示しない)が配置される。保管庫202は、複数の区画(図示しない)に区分され、各区画に、商品を移動可能に保管するための1台以上のカートラック(図示しない)が配置される。
なお、本実施形態では、店舗200は一の建物で構成され、当該一の建物内に売場201と保管庫202が設けられるが、売場201と保管庫202は別々の建物内に存在してもよい。また、保管庫202は、複数の店舗200の共用でもよい。
(7-2)品出管理装置
本開示の実施形態2に係る品出管理装置1Aは、図4に示すように、処理部12A、受付部11A、及び出力部13Aを備える。処理部12Aは、情報生成部121A、第1出力制御部122A、及び第2出力制御部123Aを含む。
なお、情報生成部121Aは、本実施形態では品出管理装置1Aが備えるが、売場端末20、保管庫端末30及び店舗端末4のうちいずれかが備えていてもよく、その所在は問わない。
処理部12Aは、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、情報生成部121A、第1出力制御部122A、及び第2出力制御部123Aの処理(後述)である。また、処理部12Aは、品出関連情報と評価指標(いずれも後述)の比較、フローチャートで説明する各種の判断なども行う。なお、その他の処理については、適時説明する。
受付部11Aは、各種の情報を受け付ける。各種の情報とは、例えば、欠品有無情報、在庫数情報、各種の指示(いずれも後述)などである。
受付部11Aによる受け付けは、通常、通信モジュールを介して受信された情報の受け付けである。ただし、受け付けは、品出管理装置1A内での各種の受け付け(例えば、入力デバイスを介して入力された情報の受け付け、読み取りデバイスで読み取られた情報の受け付け、メモリやディスク等の記録媒体から読み出された情報の受け付け等)でもよく、その態様は問わない。
受付部11Aは、売場端末20から通信モジュールを介して受信された欠品有無情報を受け付ける。欠品有無情報とは、当該店舗200の売場201において当該商品が欠品しているか否かを示す情報である。欠品有無情報は、例えば、当該店舗200を識別する店舗識別子、当該商品を識別する商品識別子、及び欠品しているか否かを示すフラグを有する。
ただし、店舗数が1(小売事業者が一の店舗200のみを有する)の場合、欠品有無情報は、店舗識別子を有さなくてもよい。また、当該店舗200における取扱商品の商品数が1の場合、商品識別子を有さなくてもよい。また、このような事項は、後述する在庫数量情報にも当てはまる。
また、受付部11Aは、保管庫端末30から通信モジュールを介して受信された在庫数量情報を受け付ける。ただし、欠品有無情報及び在庫数量情報のうち少なくとも一方の情報は、品出管理装置1Aが有する入力デバイスを介して受け付けられてもよい。
出力部13Aは、各種の情報を出力する。各種の情報とは、例えば、品出関連情報、第1欠品リスト及び第2欠品リスト(いずれも後述)などである。
出力部13Aによる出力は、通常、ディスプレイへの表示である。出力先のディスプレイは、通常、品出管理装置1Aが有するディスプレイであるが、本部300内の図示しない外部ディスプレイでもよいし、売場端末20又は保管庫端末30のディスプレイでもよい。
ただし、出力は、例えば、スピーカからの音声出力、プリンタによるプリントアウト、記録媒体への記録、外部の装置への送信などでもよく、その態様は問わない。なお、こうした事項は、売場端末20及び保管庫端末30の各々の出力部(22,32)にも共通する。
(7-3)品出関連情報
処理部12Aを構成する情報生成部121Aは、品出関連情報を生成する。品出関連情報とは、店舗200における品出しに関する情報である。
品出しとは、売場201に商品を搬入し、陳列することである。搬入される商品は、工場や卸売業者等の供給元から新たに配送されてきた商品でも、過去に配送されて保管庫202に保管されている商品でもよい。
本実施形態では、新たに配送されてきた商品は、通常、いったん保管庫202に入庫された後、適時、売場201に搬入されて、陳列棚等に陳列されるものとする。ただし、一部の商品は、保管庫202を通さず、直接、売場201に搬入されてもよい。
また、店舗200の保管庫202に保管されている商品は、例えば、搬入用の小型カートにピッキングされて、又はカートラックごと、売場201に搬入され、陳列されるものとする。さらに、搬入された商品のうち陳列されなかった商品は、保管庫202に入庫又は供給元に返却されるものとする。
品出関連情報は、例えば、在庫数量情報(実在庫日数)、欠品数情報(第1欠品数情報、第2欠品数情報)、作業効率情報、占有率情報、進捗情報、戻り数量情報、及び滞留在庫情報などである。
在庫数量情報とは、店舗200の保管庫202に保管されている商品の数又は量に関する情報である。
在庫数量情報は、例えば、全商品の総量に関する情報でもよいし、商品又はグループごとの数量に関する情報でもよい。在庫数量情報は、例えば、当該店舗200を識別する店舗識別子、当該商品を識別する商品識別子、及び在庫数量を有する。
本実施形態における在庫数量情報は、実在庫日数である。実在庫日数とは、何日分の販売数量に相当する在庫が保管庫202に保管されているか(実在するか)を示す情報である。
ただし、在庫数量情報は、実在庫数量でもよい。実在庫数量とは、保管庫202に保管されている商品の数量を示す情報(例えば、10個、1箱、3kg等)である。なお、実在庫日数は、実在庫数量を1日当たりの販売数量で除した値である。
または、在庫数量情報は、全商品の総量に関する情報でもよいし、商品又は商品の種類ごとの数量に関する情報でもよい。なお、商品の種類は、例えば、グループ、カテゴリ、サブカテゴリ等に階層化されていてもよい。
欠品数情報とは、欠品商品の商品数に関する情報である。欠品商品とは、店舗200の売場201において欠品している商品である。欠品とは、売場201に当該商品が存在しないことである。欠品数情報は、第1欠品数情報、及び第2欠品数情報を含む。
第1欠品数情報とは、第1欠品商品に関する情報である。第1欠品商品とは、欠品商品のうち、保管庫202に在庫が存在する商品であり、「在庫あり欠品」と称してもよい。第2欠品数情報とは、第2欠品商品に関する情報である。第2欠品商品とは、欠品商品のうち、保管庫202に在庫が存在しない商品であり、「在庫なし欠品」と称してもよい。
第1欠品数情報は、第1欠品リスト(図示しない:後述)とリンクされる。第1欠品リストとは、1つ以上の第1欠品商品に関するリストである。なお、第1欠品リストの詳細については後述する。
なお、第1欠品リストには、品出勧奨情報が対応付いていてもよい。品出勧奨情報とは、商品の保管庫202から売場201へ品出しを勧奨する情報である。品出勧奨情報は、例えば“リストに登録されている商品の品出しを行ってください。”等の文字列であるが、品出しを意味するマーク等でもよい。
第2欠品数情報は、第2欠品リスト(図示しない)とリンクされる。第2欠品リストとは、1つ以上の第2欠品商品に関するリストである。なお、第2欠品リストの詳細については後述する。
なお、第2欠品リストには、発注勧奨情報が対応付いていてもよい。発注勧奨情報とは、商品の供給元への発注を勧奨する情報である。品出勧奨情報は、例えば“リストに登録されている商品の発注を行ってください。”等の文字列であるが、発注を意味するマーク等でもよい。
作業効率情報とは、品出し作業の効率に関する情報である。品出し作業とは、店舗200において、保管庫202から売場201に商品を品出しする作業である。作業効率情報は、例えば「1人で1時間に何個の商品を品出しできたか」を示す情報であるが、「1人で1個の商品を品出しするのに要した時間」を示す情報でもよい。
作業効率情報は、例えば、進捗速度を示す情報でもよい。進捗速度とは、単位時間(例えば1時間)に作業がどれだけ進捗したかを示す情報である。進捗速度は、例えば、1人の作業者による1時間あたりの作業量(例えば、作業した商品の個数)である。なお、作業効率情報は、例えば、後述する進捗情報を基に生成されてもよい。
占有率情報とは、占有率に関する情報である。占有率とは、店舗200の保管庫202に存在する商品(在庫商品)が、当該保管庫202をどの程度、占有しているかを示す情報である。
占有率は、商品自体の保管庫202に対する占有率でもよいし、商品を保管する保管部材の保管庫202に対する占有率でもよい。保管部材は、前述したカートラックが好適であるが、搬入用の小型カートでもよいし、パレットや保管棚など、移動困難な部材でもよい。
本実施形態における占有率は、保管庫202(例えば、BR(Back Room))に対するカートラックの占有率(BRカートラック占有率)である。前述したように、保管庫202は複数区画に区分され、各区画に1台以上のカートラックが配置される。BRカートラック占有率は、商品を載せたカートラック(登録カートラック)の台数を、全区画数で除した値である。
一般に“占有率={保管部材(登録保管部材)の数}/全区画数”で算出される。ただし、ここでの分母は、保管庫202の広さに応じた数値であれば何でもよい。分母は、例えば、保管庫202の面積でもよいし、保管庫202内の全保管部材数でもよい。
進捗情報とは、欠品商品に関する品出し作業の進捗に関する情報である。進捗情報は、実行回数情報を含む。実行回数情報とは、品出し作業の実行回数に関する情報である。
品出し作業は、要求作業、ピッキング作業、陳列作業、返却作業、及び一斉店出作業、のうち1種類以上の作業を含む。
要求作業とは、欠品商品の品出し要求を行う作業である。ピッキング作業とは、品出し要求に応じて保管庫202において欠品商品に対応する商品のピッキングを行う作業である。陳列作業とは、ピッキング作業でピッキングされた商品を売場201に陳列する作業である。返却作業とは、ピッキング作業でピッキングされた商品のうち陳列作業で売場201に陳列されなかった商品を、保管庫202に返却する作業である。一斉店出作業とは、要求作業及びピッキング作業を伴わない一斉店出しにおける作業である。
進捗情報は、上記のうち1種類以上の作業のそれぞれについて、当該作業を実行した回数に関する実行回数情報を含む。進捗情報は、例えば、要求作業の回数に対する、ピッキング作業及び/又は陳列作業の回数の割合でもよい。
戻り数量情報とは、戻り数量に関する情報である。戻り数量とは、売場201に搬入された商品のうち、売場201に陳列されずに、搬入元に戻された商品(以下、「戻り商品」と称す)の数量である。戻り数量は、例えば、ピッキング作業でピッキングされた商品のうち、陳列作業で売場201に陳列されずに保管庫202に戻された商品の数量である。
なお、本実施形態における商品には、定番商品とMD(merchandising)商品の2種類がある。定番商品とは、当該店舗200に常備されている商品であり、後述する自動発注の対象となる商品である。供給元から配送されてきた定番商品は、通常、保管庫202に入庫され、売場201で欠品となる度に、保管庫202から売場201に品出しされる。ただし、配送されてきた定番商品の一部は、保管庫202を経由せずに、直接売場201に搬入される場合もある。
MD商品とは、期間や数量等を限定して販売される商品であり、自動発注の対象にならない商品である。供給元から配送されてきたMD商品は、通常、全て保管庫202に入庫され、カートラックごと売場201に搬入される。ただし、定番商品とMD商品の区別はなくてもよい。
滞留在庫数情報とは、滞留在庫数に関する情報である。滞留在庫数とは、保管庫202で保管されている期間(保管期間)が閾値(例えば、10日間、1か月等)を超える在庫商品の商品数である。
本実施形態における品出関連情報は、在庫数量情報、欠品数情報、作業効率情報、占有率情報、進捗情報、滞留在庫情報、及び戻り数量情報を含む。ただし、品出関連情報には、在庫数量情報、欠品数情報、作業効率情報、占有率情報、進捗情報、滞留在庫情報、及び戻り数量情報のうち、少なくとも1種類の情報が含まれていればよい。
(7-4)品出関連情報の生成
情報生成部121Aは、例えば、欠品有無受付部211が受け付けた欠品有無情報、及び在庫数量受付部311が受け付けた在庫数量情報に基づいて、第1欠品数情報及び第2欠品数情報を生成する。
また、情報生成部121Aは、上記のように生成した第1欠品数情報及び第2欠品数情報と、メモリに格納されている各種の情報とを用いて、作業効率情報、占有率情報、進捗情報、滞留在庫情報、及び戻り数量情報を生成する。
メモリに格納されている各種の情報とは、例えば、過去に生成された第1欠品数情報及び第2欠品数情報である。過去に生成された第1欠品数情報及び第2欠品数情報とは、前回に生成された第1欠品数情報及び第2欠品数情報、前々回に生成された第1欠品数情報及び第2欠品数情報等である。なお、メモリには、3回分を超える第1欠品数情報及び第2欠品数情報が格納されていてもよい。
また、メモリには、前述した各種の作業の実行履歴に関する実行履歴情報が格納されている。実行履歴情報は、1つ以上の実行情報の集合である。実行情報は、作業の種類、実行者、実行時刻、及び実行回数等を特定する情報などを含む。
店員によって作業が行われるたびに実行情報が売場端末20又は保管庫端末30に入力され、売場端末20又は保管庫端末30において、受付部(21又は31)が当該実行情報を受け付け、出力部(22又は32)が当該実行情報を品出管理装置1Aに送信する。品出管理装置1Aにおいて、受付部11Aが当該実行情報を受信し、処理部12Aが当該実行情報をメモリに蓄積する。これによって、メモリ内の実行履歴情報が更新される。
情報生成部121Aは、生成した第1欠品数情報及び第2欠品数情報と、メモリに格納されている実行履歴情報とを用いて、所定のアルゴリズムにより、作業効率情報、進捗情報、滞留在庫情報、及び戻り数量情報を生成する。
また、メモリには、複数のカートラック情報が、各カートラックを識別するカートラック識別子に対応付けて格納されている。カートラック情報とは、保管庫202内に配置されているカートラックに関する情報である。カートラック情報は、当該カートラックの置かれている区画を識別する区画識別子と、積み荷の有無及び種類(グループ、カテゴリ、商品名等)を特定する積み荷情報とを含む。
カートラックに対する商品の積み込み又は積み出しのたびに、店員によってカートラック情報がカートラック識別子と共に入力され、売場端末20又は保管庫端末30において、受付部(21又は31)が当該カートラック情報等を受け付け、出力部(22又は32)が当該カートラック情報等を品出管理装置1Aに送信する。品出管理装置1Aにおいて、受付部11Aが当該カートラック情報をカートラック識別子と共に受信し、処理部12Aが、当該受信されたカートラック識別子に対応するメモリ内のカートラック情報を、当該受信されたカートラック情報で更新する。
情報生成部121Aは、生成した第1欠品数情報及び第2欠品数情報と、メモリに格納されている複数のカートラック情報とを用いて、所定のアルゴリズムにより占有率情報を生成する。
(7-5)品出関連情報の出力制御
第1出力制御部122Aは、情報生成部121Aが生成した品出関連情報を出力させる。本実施形態における第1出力制御部122Aは、通常、情報生成部121Aが生成した品出関連情報を、品出管理装置1Aの出力部13Aから出力させる。
ただし、第1出力制御部122Aは、品出関連情報を、売場端末20又は保管庫端末30の出力部(22又は32)から出力させてもよい。
本実施形態における第1出力制御部122Aは、複数の店舗200に対応する複数の品出関連情報を互いに比較可能に出力させる。互いに比較可能に出力させることは、例えば、図5(後述)に示すように、複数の品出関連情報を一の画面内に表示させることである。
ただし、互いに比較可能に出力させることは、例えば、複数の店舗200に対応する複数の品出関連情報を、所定の時間間隔(例えば、5秒間隔)で順次出力させることでもよい。
また、第1出力制御部122Aは、上記第1欠品数情報に対応付けて、当該第1欠品数情報に対応する数の第1欠品商品のリストである第1欠品リストを出力させてもよい。第1欠品リストには、保管庫202に在庫がある1つ以上の欠品商品(第1欠品商品)の各々について、商品名、グループ、品出し数(売場201に品出しすべき個数)等の情報が登録される。なお、第1出力制御部122Aは、このような第1欠品リストを、前述した品出勧奨情報と共に表示してもよい。
これにより、在庫あり欠品商品の品出しの要求作業の容易化が図られる。
さらに、第1出力制御部122Aは、上記第2欠品数情報に対応付けて、当該第2欠品数情報に対応する数の第2欠品商品のリストである第2欠品リストを出力させてもよい。第2欠品リストには、保管庫202に在庫がない1つ以上の欠品商品(第2欠品商品)の各々について、商品名と発注数(供給元に発注すべき個数)との組が、1組以上登録される。なお、第1出力制御部122Aは、このような第2欠品リストを、前述した発注勧奨情報と共に表示してもよい。
これにより、在庫なし欠品商品の発注作業の容易化が図られる。
なお、例えば、欠品有無情報及び在庫数量情報が入力された場合に、情報生成部121Aが第1欠品数情報及び第2欠品数情報を生成し、第1出力制御部122Aは、当該生成された第1欠品数情報及び第2欠品数情報を内部メモリに保持し、保持している第1欠品数情報及び第2欠品数情報を定期的に又は不定期に出力させてもよい。
なお、定期的に出力させることは、例えば、予め決められた周期で(例えば、10分に1回)出力させることでもよい。また、不定期に出力させることは、例えば、第1欠品数情報又は第2欠品数情報が生成されたことに応じて、当該生成された情報を出力させることでもよい。
これにより、在庫あり欠品数情報及び在庫なし欠品数情報のリアルタイム出力が可能となる。
(7-6)品出関連情報と評価指標との比較結果の出力制御
第2出力制御部123Aは、品出関連情報と評価指標との比較結果を認識可能な態様で出力させる。
評価指標とは、品出しに関する評価を行うための基準となる情報である。評価の対象は、例えば、在庫数量、欠品数量、作業効率、占有率、進捗などである。本実施形態では、第2出力制御部123Aが、こうした対象に関する品出関連情報と、評価指標との比較結果を認識可能な態様で出力させることで、品出しに関する評価の容易化が図られる。
評価指標は、当該品出関連情報に関する基準値を含む。基準値は、例えば、目標値、閾値等であってもよい。評価指標は、例えば、第1基準値、第2基準値・・・(ただし、第1基準値<第2基準値・・・、又は第1基準値>第2基準値>・・・)といった、複数の基準値で構成されていてもよい。
比較結果を認識可能な態様で出力させることは、本実施形態では、比較結果に応じて、品出関連情報の表示態様を変えることである。表示態様は、例えば色であるが、濃淡、輝度、サイズ、フォント等でもでもよい。
具体的には、品出関連情報が作業効率情報の場合の評価指標は、作業効率の目標値である。第2出力制御部123Aは、作業効率情報を目標値と比較し、比較結果が“作業効率≧目標値”であれば青、“作業効率<目標値”であれば赤で、当該作業効率情報を表示する。これによって、店舗200における品出しの作業効率の評価が行える。
または、比較結果を認識可能な態様で出力させることは、例えば、比較結果に応じたマーカを品出関連情報に付加することでもよい。マーカの付加は、例えば、下線を引く、アイコンを張り付ける等である。第2出力制御部123Aは、比較結果が“作業効率≧目標値”であれば当該作業効率情報にOKマークを付加し、“作業効率<目標値”であれば当該作業効率情報にNGマークを付加してもよい。
本実施形態における第2出力制御部123Aは、複数の品出関連情報ごとに、当該品出関連情報と評価指標との比較結果を認識可能な態様で出力させる。比較結果を認識可能な態様で表示させることは、例えば、図5に示すように、複数の品出関連情報を、評価指標との比較結果によって異なる態様で、表示させることである。
図5では、例えば、実在庫日数について、評価指標が第1及び第2の2つの基準値“5日”及び“10日”を含んでおり、第1基準値“5”より小さい実在庫日数“4.7日”は緑(淡)で、第2基準値“10日”より大きい実在庫日数“10.6日”は赤(濃)で、第1基準値“5”以上かつ第2基準値“10日”未満の実在庫日数“5.3日”,“6.5日”,“7.2日”はオレンジ(淡と濃の中間の諧調)で、それぞれ表示される。
占有率についても同様に、評価指標が第1及び第2の2つの基準値“75%”及び“100%”を含んでおり、第1基準値“75”より小さい占有率“72%”は緑(淡)で、第2基準値“100%”より大きい占有率“105%”は赤(濃)で、第1基準値“75%”以上かつ第2基準値“100%”未満の占有率“80%”,“80%”,“93%”はオレンジ(淡と農の中間)で、それぞれ表示される。
(7-7)標準工数に基づく評価指標の決定
評価指標は、前述した1種類以上の作業ごとに、当該作業の標準工数から決定される。標準工数とは、一の作業を構成する標準的な工数である。標準工数は、例えば、一定期間(例えば1年間)における売り上げ及び取り扱い物量等を基に決定される。本実施形態では、処理部12Aが、年間売り上げ及び取り扱い物量等を基に予め決められたアルゴリズムで各種作業の標準工数を決定し、さらに、当該決定した標準工数を基に予め決められたアルゴリズムで各種作業の評価指標を決定する。
詳しくは、受付部11Aが当該店舗200における年間の売上高及び取り扱い物量を受け付け、処理部12Aは、当該受け付けられた売上高及び取り扱い物量を基に、予め決められたアルゴリズムに従って、1日当たりの作業量を決定する。次に、処理部12Aは、当該決定した作業量を基に、要求作業、ピッキング作業、陳列作業等の各種の作業の標準工数を予め決められたアルゴリズムに従って決定し、当該決定した標準工数を単位時間(1時間)当たりの目標値に変換する。
本実施形態における目標値は、当該作業の単位実行回数(1回)あたりの所要時間である。例えば、要求作業の目標値は“24分/回”のように決定される。または、目標値は、当該作業の単位実行量(1箱、1カート等)あたりの所要時間であってもよい。例えば、ピッキング作業の目標値は“0.6分/箱”のように決定される。ただし、目標値は、当該作業の単位時間当たりの実行回数/実行量でもよい。
ただし、例えば、図示しないサーバ等において標準工数が予め決定され、当該決定された標準工数が、品出管理装置のメモリに格納されており、処理部12A等は、当該格納されている標準工数を基に、評価指標を決定してもよい。または、標準工数を基に予め決定された評価指標がメモリに格納されており、処理部12A等は、当該格納されている評価指標を利用して、比較等の処理を行ってもよい。
これにより、標準工数に基づく評価指標を用いた評価が可能になる。
なお、第1出力制御部122Aが第1欠品数情報及び第2欠品数情報を出力させる場合、第2出力制御部123Aは、当該第1欠品数情報及び当該第2欠品数情報の各々の評価指標との比較結果を認識可能な態様で出力させてもよい。これにより、品出し作業の分析、評価の容易化が可能となる。
(7-8)品出管理装置の動作
品出管理装置1Aは、次のように動作する。例えば、売場端末20において、欠品有無受付部211が欠品有無情報を受け付けると、出力部22は当該欠品有無情報を品出管理装置1Aに送信する。または、保管庫端末30において、在庫数量受付部311が在庫数量情報を受け付けると、出力部32は当該在庫数量情報を品出管理装置1Aに送信する。
品出管理装置1Aにおいて、受付部11Aが上記欠品有無情報を又は上記在庫数量情報を受信すると、処理部12Aは、当該受け付けられた情報を保持する。また、処理部12Aは、保持している情報を用いて情報処理を実行し、実行した情報処理の結果を内部メモリ等に保持する。
品出管理装置1Aの図示しないメモリには、情報の出力タイミングに関するタイミング情報が格納されており、処理部12Aは、現在時刻がタイミング情報の示すタイミングに合致する場合、保持している処理結果を、出力部13Aを介して出力させる。
(7-9)売場端末
売場端末20は、受付部21と、出力部22とを備える。受付部21は、欠品有無受付部211を含む。なお、欠品有無受付部211は、本実施形態では売場端末20が備えるが、品出管理装置1Aが備えていてもよい。
売場端末20を構成する受付部21は、各種の情報を受け付ける。各種の情報とは、例えば、欠品有無情報である。また、受付部21は、後述する現存数も受け付ける。
受付部21を構成する欠品有無受付部211は、欠品有無情報を受け付ける。例えば、売場201において、各商品の陳列場所に、当該商品の商品識別子がバーコード等の態様で添付されており、店員は、売場201で欠品している商品があると、当該商品の商品識別子を売場端末20のカメラで読み取ってもよい。売場端末20の図示しないメモリには、当該店舗200の店舗識別子が格納されており、欠品有無受付部211は、商品識別子が読み取られたことに応じて、当該格納されている店舗識別子、当該読み取られた商品識別子、及び“欠品している”ことを示すフラグの組を、欠品有無情報として受け付ける。
(7-10)保管庫端末
保管庫端末30は、受付部31と、出力部32とを備える。受付部31は、在庫数量受付部311を含む。なお、在庫数量受付部311は、本実施形態では保管庫端末30が備えるが、品出管理装置1Aが備えていてもよい。
保管庫端末30を構成する受付部31は、各種の情報を受け付ける。各種の情報とは、例えば、在庫数量情報である。
受付部31を構成する在庫数量受付部311は、在庫数量情報を受け付ける。例えば、保管庫202において、各商品の保管場所に、当該商品の商品識別子がバーコード等の態様で添付されており、店員は、当該商品の商品識別子を保管庫端末30のカメラで読み取った後、タッチパネル等の入力デバイスを介して在庫数量を入力してもよい。
保管庫端末30の図示しないメモリには、当該店舗200の店舗識別子が格納されており、在庫数量受付部311は、商品識別子が読み取られたことに応じて、当該格納されている店舗識別子、当該読み取られた商品識別子、及び当該入力された数量情報を、在庫数量情報として受け付ける。
(7-11)品出管理システムの使用例
例えば、保管庫端末30の在庫数量受付部311が、商品又はグループごとの数量に関する在庫数量情報を受け付け、品出管理装置1Aの情報生成部121Aが、当該受け付けられた在庫数量情報を基に、全商品の総量に関する在庫数量情報を生成する。そして、品出管理装置1Aの第1出力制御部122Aは、本部300では総量のみ、店舗200では総量に加えて商品又はグループごとの数量も出力可能であるように、品出管理装置1A、売場端末20及び保管庫端末30の各々の出力部(13,22,32)を制御してもよい。
全商品の総量に関する在庫数量情報は、例えば、商品又はグループごとの数量の平均値である。この場合、情報生成部121Aは、過去の一定期間(例えば直近1か月)に販売実績のある商品又はグループについて、商品又はグループごとに在庫数量情報を求める。そして、情報生成部121Aは、当該求めた複数の在庫数量情報を合算し、その合算結果を商品数又はグループ数で除することにより、平均値を算出する。
具体的には、保管庫202において、店員が、商品の保管場所の商品識別子を店舗端末4のカメラで読み取り、在庫数量をタッチパネル等で入力する。売場端末20において、欠品有無受付部211は、メモリに格納されている店舗識別子、当該読み取られた商品識別子、及び当該入力された在庫数量を、当該商品の在庫数量情報として受け付ける。こうして受け付けられた複数の在庫数量情報が、出力部22を介して品出管理装置1Aに送信される。
品出管理装置1Aにおいて、図示しないメモリに、当該店舗200での各商品の1日当たりの販売数量が格納されている。受付部11Aは、売場端末20から上記複数の在庫数量情報を受信する。情報生成部121Aは、受信された複数の在庫数量情報ごとに、当該在庫数量情報に含まれる在庫数量を、当該在庫数量情報に含まれる商品識別子で識別される商品の1日当たりの販売数量で除算することにより、実在庫日数を取得する。
情報生成部121Aは、こうして取得した複数の実在庫日数を合計し、受信された在庫数量情報の個数(つまり商品数)で除算することにより、当該店舗200における各商品の実在庫日数の平均値を求める。
例えば、品出関連情報は、欠品数情報及び割合を含んでもよい。ここでの割合は、売場201に存在すべき商品数に対する、売場201に現存する商品数の割合である。評価指標は、売場201への品出しが必要となる基準(以下、単に「基準」と記す)を含む。基準は、割合に関する基準であり、例えば、「50%」等である。
第1出力制御部122Aは、第1欠品数情報に対応付けて、当該第1欠品数情報に対応する第1欠品商品以外の、割合が基準以下である商品の商品数を出力させる。また、第1出力制御部122Aは、第2欠品数情報に対応付けて、当該第2欠品数情報に対応する第2欠品商品以外の、割合が基準以下である商品の商品数を出力させる。
第2出力制御部123Aは、第1欠品数情報及び第2欠品数情報と、当該第1欠品数情報及び当該第2欠品数情報の各々に対応付けて出力される商品数とを、異なる態様で表示させてもよい。
こうして、在庫あり欠品数情報及び在庫なし欠品数情報の各々に対応付けて、割合が基準以下である商品の商品数を異なる態様で出力させることで、欠品商品、及び欠品になりつつある商品への対応の緊急度の違いの認識を容易化できる。
詳しくは、品出管理装置1Aのメモリに、画面(図5~図7参照)を生成するための画面生成情報が格納されている。画面生成情報は、複数の表示要素及び配置情報を含む。表示要素とは、画面に表示される要素である。配置情報とは、複数の表示要素の画面内における配置を示す情報である。
第1出力制御部122A及び第2出力制御部123Aは、メモリに格納されている画面生成情報及び情報生成部121Aが生成した品出関連情報を基に画面を生成し、出力部13Aを介して出力させる。これによって、品出管理装置1Aのディスプレイ(又は本部300内の外部ディスプレイ)に、例えば、図5の画面が表示される。
図5の画面は、本実施形態では、本部300に配置された品出管理装置1Aのディスプレイ(又は本部300内の外部ディスプレイ)に、最初に表示される画面であり、「本部トップ画面」と称してもよい。
図5の画面は、店舗識別子に対応する項目「店舗」と、在庫数量情報に対応する項目「実在庫日数」と、占有率情報に対応する項目「占有率」と、欠品数情報に対応する項目「欠品数」と、作業効率情報に対応する項目「作業効率」と、在庫数量情報、占有率情報、欠品数情報及び作業効率情報に基づく総合的な評価結果に対応する項目「総合評価」とを含む。
上記の6項目は、画面の1行目に、左から「店舗」「総合評価」「実在庫日数」「占有率」「欠品数」「作業効率」の順に配置される。
左から1番目の項目「店舗」の列には、「A店」や「B店」等の店舗名が、項目「総合評価」での評価が低い順(ここではB店,A店,D店,C店,E店の順)に、上から配列される。
2番目の項目「総合評価」の列には、各店の総合評価(ここでは、最低評価“1”から最高評価“5”までの5個の数値)が、上から下に配列される。第2出力制御部123Aは、各総合評価を、総合評価に関する評価指標との比較結果に応じた色に着色させる。
総合評価に関する評価指標は、具体的には、第1基準値“2”及び第2基準値“4”である。評価指標との比較結果に応じた色は、具体的には、第1基準値“3”未満である2つの総合評価“1”及び“2”は赤色、第2基準値“4”を超える評価結果“5”は緑色、第1基準値“3”以上第2基準値“4”以下である2つの評価結果“3”及び“4”はオレンジ色である。
なお、図5では、赤色を濃いハッチングで、緑色を淡いハッチングで、オレンジ色を中間の濃淡のハッチングで、それぞれ表現している。
3番目の項目「実在庫日数」の列には、各店の実在庫日数が配列される。各実在庫日数は、実在庫日数に関する評価指標との比較結果に応じた色に着色される。実在庫日数に関する評価指標は、具体的には、第1基準値“5日”及び第2基準値“10日”である。ここでの比較結果に応じた色は、具体的には、第2基準値“5日”を超える実在庫日数“10.6日”は赤色、第2基準値“5日”未満である実在庫日数“4.7”は緑色、第1基準値“5日”以上第2基準値“10日”以下である3つの実在庫日数“6.5日”,“5.3日”及び“7.2日”はオレンジ色である。
4番目の項目「占有率」の列には、各店の占有率が配列される。各占有率は、占有率に関する評価指標との比較結果に応じた色に着色される。占有率に関する評価指標は、具体的には、第1基準値“75%”及び第2基準値“100%”である。評価指標との比較結果に応じた色は、具体的には、第2基準値“100%”を超える占有率“105%”は赤色、第1基準値“75%”に満たない占有率“72”は緑色、第1基準値“75”以上第2基準値“100%”以下である3つの占有率“80%”,“93%”及び“80%”はオレンジ色である。
5番目の項目「欠品数」の列には、各店の欠品数が配列される。各欠品数は、欠品数に関する評価指標との比較結果に応じた色に着色される。欠品数に関する評価指標は、具体的には、第1基準値“15SKU”及び第2基準値“30SKU”である。評価指標との比較結果に応じた色は、具体的には、第2基準値“30SKU”を超える3つの欠品数“40SKU”,“37SKU”及び“155SKU”は赤色、第1基準値“15SKU”に満たない欠品数“13SKU”は緑色、第1基準値“15SKU”以上第2基準値“30SKU”以下である欠品数“26SKU”はオレンジ色である。なお、SKUは、商品の取り扱いの最小単位(1ダース、10箱、5kg等)である。
6番目の項目「作業効率」の列には、各店の作業効率が配列される。各作業効率は、作業効率に関する評価指標との比較結果に応じた色に着色される。作業効率に関する評価指標は、具体的には、第1基準値“7”及び第2基準値“10”である。評価指標との比較結果に応じた色は、具体的には、第1基準値“7”に満たない2つの作業効率“6”及び“5”は赤色、第2基準値“10”を超える2つの作業効率“11”及び“14”は緑色、第1基準値“7”以上第2基準値“10”以下である作業効率“8”はオレンジ色である。
なお、図5の画面では、2番目から6番目の各項目に、上向き及び下向きの2つの矢印が対応付いており、そのうち一の項目に対応付いた2つの矢印のいずれかが押下されると、当該一の項目に対する配列切替指示が品出管理装置1Aに入力される。品出管理装置1Aにおいて、受付部11Aが、当該入力された配列切替指示を受け付け、第1出力制御部122Aが当該受け付けられた配列切替指示に応じて出力部13Aを制御することで、当該一の項目に配列されている数値の順序が、降順及び昇順の間で切り替わる。
また、図5の画面では、各項目の各数値に、前回の数値に対する今回の数値の増減に関する増減情報(増減率と、増加を示す上向きの矢印又は減少を示す下向きの矢印との組)が対応付いている。詳しくは、品出管理装置1Aの図示しないメモリに、各項目の前回の数値が格納されており、第1出力制御部122Aは、項目ごとに、前回の数値に対する今回の数値の増減率を算出し、算出結果に応じて出力部13Aを制御することで、各項目の各数値に対応付けて、増減情報が表示される。
図5の画面において項目「実在庫日数」が選択されると、ディスプレイの表示は、図6のような画面に切り替わる。図6の画面には、店舗200ごとの実在庫日数が、実在庫日数を縦軸とする棒グラフの態様で表示される。この棒グラフにおける各棒は、その高さによって実在庫日数を、その色によって実在庫日数の評価指標との比較結果を、それぞれ表現している。なお、図6の画面における実在庫日数の数値は、図5の画面におけるものとは異なっている。また、図6の画面における評価指標も、図5の画面におけるものとは異なっており、具体的には、第1基準値“4日”及び第2基準値“12日”である。
E店及びD店に対応する2つの棒は、その高さが第2基準値を超えており、第2出力制御部123Aが出力部13に命じて、当該2つの棒を「在庫過多」を示す赤色に着色させる。C店及びB店に対応する2つの棒は、その高さが第1基準値以上第2基準値以下であり、「異常なし」を示す緑色に着色される。A店に対応する棒は、その高さが第1基準値に満たず、「在庫不足」を示す青色に着色される。
なお、図6では、赤色を濃いハッチングで、青色を淡いハッチングで、緑色を中間の濃淡のハッチングで、それぞれ表現している。
図5の画面において、項目「作業効率」の列に配列された複数の数値(“6”,“5”・・・)のうち、一の店舗200に対応する数値(例えば“14”)が選択されると、ディスプレイの表示は、図7のような画面に切り替わる。図7の画面には、作業効率を縦軸とし、店舗200を横軸とする棒グラフが表示される。なお、作業効率は、単位時間当たりの工数(個)である。
この棒グラフには、選択された数値に対応する店舗200(E店)と、当該店舗200と同色(緑)に着色されている1つ以上の店舗200(C店)との、2つの店舗200に対応する2本の棒が、作業効率に関する2つの目標値(“5個”及び“3個”)を示す2本の破線と共に表示される。
これによって、一の店舗200における作業効率と目標値との関係の直感的な理解が容易になり、また、作業効率が当該一の店舗200と近い他の店舗200との比較も容易になる。
なお、上記のように、一の数値の選択を受け付け、当該選択された数値に対応する店舗200と、当該選択された数値と同色に着色された数値に対応する1つ以上の店舗200との、2つ以上の店舗200に関する棒グラフを表示する代わりに、2つ以上の数値の選択を受け付け、当該選択された2つ以上の店舗200に関する棒グラフを表示してもよい。
(8)実施形態3
(8-1)計画最適化システム
本開示の実施形態3に係る計画最適化システム100Bは、図1に示すように、計画作成装置1Bと、差異検出装置2Bと、カメラ3と、LPS4とを備える。
計画作成装置1Bは、ネットワーク400を介して、差異検出装置2B、カメラ3及びLPS4の各々と通信可能に接続される。ネットワーク400は、例えば、LAN、インターネット、通話回線網などである。なお、計画作成装置1B、差異検出装置2B、カメラ3及びLPS4の各々は、ネットワーク400を介した通信を可能にする通信モジュール(図示しない)を有する。
計画作成装置1Bは、作業計画(後述)を作成する。なお、計画作成装置1Bは、プロセッサ(CPU,MPU,GPU等)及びメモリ(半導体メモリ、ディスク等)を有する。メモリには、各種のデータ及びプログラムが格納され、プロセッサが当該各種のデータを用いて当該プログラムを実行することにより、計画作成装置1Bの機能が実現される。なお、以下では、各種の機能を実現するプロセッサ及びメモリを「コンピュータ」と称する場合がある。
差異検出装置2Bは、計画作成装置1Bが作成した作業計画を基に行われる作業を、カメラ3及びLPS4を介して観測し、観測結果に基づいて、作業計画にて計画された作業と、実際に行われた作業との間の差異を検出する。なお、差異検出装置2Bは、プロセッサ及びメモリを有する。メモリには、各種のデータ及びプログラムが格納され、プロセッサが当該データを用いて当該プログラムを実行することにより、差異検出装置2Bの機能が実現される。
カメラ3は、作業が行われる場所に設置され、作業の対象(以下、作業対象)、及び作業を行う人員(店員、作業員等)などを撮影する。
LPS4は、作業が行われる場所に設置され、当該場所における人員(又は物品)の位置を検出する。なお、LPS4は、例えば、複数のビーコン及び複数のスキャナ(いずれも図示しない)で構成される。ビーコンは、人員によって携帯され(又は物品に添付され)、当該人員を特定する人員特定情報(又は当該物品を特定する物品特定情報)を含む信号を発信する。スキャナは、ビーコンからの信号を受信し、当該信号の受信強度及びそこに含まれる人員特定情報、並びにスキャナ自身の位置情報等、に基づいて、当該人員(又は当該物品)の位置を検出する。
作業は、例えば、販売に関連する作業である。販売は、例えば、物品(食品、日用品等)の販売(物販)であるが、サービス(飲食サービス、宿泊サービス等)の販売でもよい。販売に関連する作業は、例えば、レジ、品出し、加工等の複数の部門によって分担されるが、作業の分担はなくてもよい。
または、作業は、物流に関連する作業でもよい。物流に関連する作業は、例えば、集荷、仕分け等の複数の部門によって分担されるが、作業の分担はなくてもよい。
または、作業は、例えば、物品の製造に関連する作業でもよく、その種類は問わない。なお、物品の製造に関連する作業は、例えば、2以上の工程に分解され、2以上の工程が順次実行される。ただし、2以上の工程の一部は、並列に実行されてもよい。
また、2以上の工程に分解される作業は、製造に限らず、例えば、物流、販売等でもよい。以下では、一の作業を構成する2以上の工程の各々を、作業工程と記す場合がある。例えば、図11(後述)に示す物流は、保管部門500A、ピッキング部門500B、仕分け部門500C及び出荷部門500D、に対応する一連の4つの作業工程で構成される。また、図12(後述)に示す販売は、バックルーム部門200A及び店頭部門200B、に対応する一連の2つの作業工程で構成される。
作業が行われる場所は、例えば、販売の拠点となる店舗であるが、物流の拠点となる倉庫等でもよい。
作業対象は、例えば、店舗への来客、又は来客に販売される物品(店舗に入荷する物品)などであるが、物流において取り扱われる物品でもよいし、製造される物品又はその部品でも構わない。
店舗は、例えば、物品を販売する販売店(食品を販売するスーパー、日用品を販売するホームセンター等)であるが、サービスを販売する販売店(飲食サービスを提供する飲食店、宿泊サービスを提供する宿泊施設等)でもよいし、物品を製造する工場でも構わない。
作業を行う人員は、例えば、店舗の店員であるが、倉庫の作業員でもよいし、工場の製造部員でも構わない。人員は、例えば、上記のような複数の部門のいずれかに所属し、当該部門の作業を行う。なお、人員の所属先は、例えば、ある期間はレジ部門、別の期間は品出し部門、等のように可変的であるが、固定的でもよい。
(8-2)計画作成装置
(8-2-1)概要
本開示の実施形態3に係る計画作成装置1Bは、図8に示すように、受付部11Bと、処理部12Bと、出力部13Bとを備える。ただし、計画作成装置1Bは処理部12Bのみを備え、受付部11B及び出力部13Bは、計画作成装置1Bとは別体の端末装置(例えば、タブレット端末、スマートフォン等)が備えていてもよい。また、受付部11Bは、出力部13Bと別体でもよい。
処理部12Bは、生成部121Bと、予測部122Bと、設定部123Bと、作成部124Bと、更新部125とを備える。ただし、計画作成装置1B(処理部12B)は、生成部121Bを備えていなくてもよい。
受付部11Bは、各種の情報を受け付ける。各種の情報とは、例えば、後述する標準工数、後述する差異情報などである。
受付部11Bの受け付けは、例えば、タッチパネルやキーボード等の入力デバイスを介して入力された情報(例えば、標準工数)の受け付け、及び、計画最適化システム100Bを構成する他の要素(例えば、差異検出装置2B)から引き渡される情報(例えば、差異情報)の受け付けである。
また、本実施形態における受け付けは、外部の装置から送信された情報の受信、記録媒体から読み出された情報の受け付けなども含んでもよい。
処理部12Bは、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、生成部121B、予測部122B、設定部123B、作成部124B及び更新部125の各々の処理である。また、処理部12Bは、後述する各種の判断も行う。なお、その他の処理については、適時説明する。
出力部13Bは、各種の情報を出力する。各種の情報とは、例えば、後述する作業計画(時間帯及び部門別作業計画)、後述する工数予測値(時間帯及び部門別工数予測値、及び総工数予測値)、後述する入荷量予測値などである。
出力部13Bの出力は、例えば、ディスプレイへの表示であるが、スピーカからの音声出力、プリンタによるプリントアウト、他の装置への送信、記録媒体への記録などでもよい。
出力部13Bは、例えば、工数予測値等のコンピュータによって処理される情報を人が視覚的に認識可能な情報に変換し、出力(ディスプレイに表示、又はプリンタでプリントアウト等)してもよい。
(8-2-2)工数予測
処理部12Bを構成する予測部122Bは、モデル(PM:後述)を用いた予測アルゴリズム(PA:後述)を実行することにより、将来の1以上の期間に対応する1以上の工数予測値(PV2:後述)を取得する。
本実施形態における期間は、例えば、一の日、又は一の日を構成する複数の時間帯(0時台、1時台・・・23時台等)である。ただし、時間帯は、1時間単位とは限らず、例えば、15分単位、30分単位、2時間単位等でもよい。また、期間は、例えば、一の週、一の月等でもよく、その長さ(期間長)は問わない。また、期間の区分は、例えば、午前/午後、早朝/日中/夜間等でもよい。
上記1以上の期間が2以上の期間である場合、2以上の期間は、通常、連続するが、不連続でもよい。また、2以上の期間は、通常、同じ長さであるが、異なる長さでもよい。
本実施形態におけるモデルは、予測用データセット(DP:後述)を入力とし、工数予測値を出力とするモデルである。
(8-2-2a)予測用データセット
予測用データセットは、期間特定情報(時間帯特定情報TI:後述)、期間属性情報(日属性情報AI:後述)及び数量情報(来客数予測値PV1:後述)の組、を含む。
期間特定情報とは、期間を特定する情報である。期間は、将来の期間である場合と、過去の期間である場合とがある。将来の期間は、実施形態1にける第2期間に対応し、過去の期間は、実施形態1における第1期間に対応する。期間特定情報は、例えば、日付、又は時間帯特定情報である。時間帯特定情報は、開始時刻及び終了時刻の組であるが、開始時刻及び時間長の組でもよい。また、時間長が固定値の場合、時間帯特定情報は、開始時刻のみでもよい。なお、時刻は、通常、年・月・日及び時・分で表現されるが、時・分、又は分は、省略してもよい。開始時刻及び終了時刻の各々は、例えば、期間が一の日の場合は「〇年〇月〇日」、期間が1時間の場合は「〇年〇月〇日〇時」であってもよい。
期間属性情報とは、期間の属性に関する情報である。期間が一の日である場合の期間属性情報は、日属性情報である。日属性情報は、例えば、曜日(月~日)、曜日カテゴリ(平日/土日祝)、特売日フラグ等であるが、祝日フラグ、休業日フラグ等でもよい。特売日フラグは、当該一の日が特売日か否かを示すフラグである。祝日フラグは、当該一の日が祝日か否かを示すフラグである。休業日フラグは、当該一の日が休業日か否かを示すフラグである。
なお、期間が時間帯である場合の期間属性情報は、時間帯属性情報である。時間帯属性情報は、例えば、特売時間帯フラグ、時短フラグ等である。特売時間帯フラグは、当該時間帯が特売時間帯か否かを示すフラグである。時短フラグは、当該時間帯が、営業時間の短縮の結果休業となる時間帯か否かを示すフラグである。
数量情報とは、期間における作業対象の数量に関する情報である。作業対象は、前述したように、例えば、来客、又は物品である。販売の場合の数量情報は、例えば、期間における店舗への来客数に関する来客数情報、又は期間における店舗への物品の入荷量に関する情報(入荷量情報)である。なお、物流の場合の数量情報は、例えば、期間における物品の取扱量に関する情報(取扱量情報)である。また、製造の場合の数量情報は、例えば、期間における物品の出荷量に関する情報(出荷量情報)であってもよい。
販売の場合の数量情報は、例えば、来客数情報である。来客数情報は、来客数予測値が好適であるが、来客数実績値(実際の来客数:自動計測又は手入力)でもよい。来客数予測値とは、予測された来客数の値であり、来客数実績値とは、実際の来客数の値である。
来客数予測値は、例えば、人又は機械が予測した来客数の値であり、例えば、外部の装置(店舗のサーバ等)から取得される。ただし、来客数予測値は、来客数予測モデルを用いて取得された値でもよい。例えば、予測部122Bが、来客数予測モデルを用いて来客数を予測し、来客数予測値を取得してもよい。
来客数実績値は、例えば、店舗の出入口に設けられたセンサ(図示しない)、又はカメラ3及びLPS4を利用して自動計測された値である。ただし、来客数実績値は、人が入力(手入力)した値でもよい。来客数実績値は、例えば、外部の装置から取得される。
特に、販売が物品の販売(物販)の場合における数量情報は、入荷量情報でもよい。入荷量情報は、入荷量予測値が好適であるが、入荷量実績値でもよい。入荷量予測値とは、予測された入荷量の値であり、入荷量実績値とは、実際の入荷量の値である。
なお、物流の場合の数量情報は、例えば、取扱量情報である。取扱量情報は、通常、取扱量の実績値であるが、取扱量の予測値でもよい。
工数予測値は、上記のような期間における作業工数を予測した結果である。作業工数とは、作業を遂行するための工数である。工数とは、作業の量を示す数値であり、時間と人数との積で表現される。なお、工数の単位は、例えば「人時」であるが、時間の単位(日・時・分等)をそのまま用いてもよい。
なお、本実施形態では、作業の量(作業量)は、工数で表現される。つまり、前述したような各種の作業の作業量が、全て工数に変換される。また、複数の作業に対応する複数の工数を加算することで、総工数が取得される。これによって、異なる種類の作業の間で作業量を比較したり、作業量の合計を計算したりすることが可能となる。作業量から工数への変換は、人の手操作で行われても、所定のアルゴリズムを用いて行われてもよい。
(8-2-2b)予測アルゴリズム
予測アルゴリズムは、後述する生成部121Bが実行する機械学習の学習アルゴリズム、に対応する予測アルゴリズムであり、生成部121Bが機械学習により生成したモデルを用いて工数予測値を取得するアルゴリズムである。
ただし、予測アルゴリズムは、機械学習以外の手法で生成されたモデル(例えば、統計データに基づく線形予測モデル等)を用いて工数予測値を取得するアルゴリズムでもよい。
なお、工数予測モデルの生成に好適な機械学習は、教師あり学習であるが、教師なし学習、強化学習等でもよい。実施形態における機械学習は、LightGBM(Gradient boosting machine)であるが、決定木でもよいし、その他のアルゴリズムでも構わない。
(8-2-3)標準工数の設定
設定部123Bは、作業の標準工数を設定する。なお、設定された標準工数は、例えば、計画作成装置1Bのメモリに格納されるが、その格納場所は問わない。
標準工数とは、作業に関する標準的な工数であり、作業の遂行に必要な工数(正味の作業時間)に、休憩時間等の余裕時間を加えたものである。
標準工数は、例えば、手動で設定される。詳しくは、標準工数を示す数値を、人がタッチパネル等の入力デバイスを介して入力する。計画作成装置1Bにおいて、当該入力された数値を受付部11Bが受け付け、設定部123Bは、当該受け付けられた数値を標準工数に設定する。
ただし、標準工数は、自動的に設定されてもよい。詳しくは、設定部123Bは、例えば、前述した数量情報、及び人員情報等を入力とし、標準工数を出力とするアルゴリズムを実行することにより、標準工数を設定する。
人員情報とは、人員に関する情報である。人員情報は、人員特定情報を含む。人員特定情報とは、人員を特定する情報である。人員特定情報は、例えば、氏名及び住所、携帯電話番号、メールアドレスなどであるが、氏名及び住所等に対応付いたIDでもよい。なお、人員情報は、例えば、外部の装置(店舗のサーバ等)から取得されるが、その一部(後述する休暇情報等)は人員によって手入力されてもよい。
また、人員情報は、通常、勤務実績情報、及び休暇情報も含む。勤務実績情報とは、人員の勤務実績に関する情報である。勤務実績情報は、期間特定情報の集合、又は期間特定情報及び部門特定情報の組の集合である。
休暇情報とは、当該人員の休暇の取得予定に関する情報である。休暇情報は、例えば、期間特定情報の集合である。休暇情報を構成する期間特定情報は、通常、日付であるが、午前/午後、時間帯等でもよい。
なお、休暇情報は、具体的には、例えば、休暇予定日の日付の集合である。または、休暇情報は、カレンダー情報の複数の日付のうち休暇予定日の日付に、休暇予定日を示す休暇フラグを付したもの(つまり、後述する勤務予定情報の一部)でもよい。
スキル情報とは、当該人員の作業のスキルに関する情報である。スキル情報は、例えば、担当可能な部門を特定する部門特定情報の集合である。また、スキル情報は、例えば、作業の経験年数、地位、資格等に関する情報も含んでいてもよい。
また、人員情報は、勤務予定情報も含んでいてもよい。勤務予定情報とは、当該人員の勤務予定に関する情報である。勤務予定情報は、例えば、期間特定情報及び部門特定情報の組の集合(図12B参照)である。ただし、単一部門の場合、勤務予定情報は、期間特定情報の集合(図示しない)でもよい。
勤務予定情報は、具体的には、例えば、勤務予定日の日付、開始時刻及び部門名の組の集合である。ただし、定時勤務の場合、開始時刻はなくてもよい。また、単一部門の場合、部門名はなくてもよい。または、勤務予定情報は、カレンダー情報を構成する複数の日付のうち、勤務予定の日付に、開始時刻及び部門名の組、又は開始時刻、勤務日を示す勤務フラグ、を付したものでもよい。
なお、勤務予定情報は、後述する作業計画のうち、一の人員特定情報に対応する部分である。つまり、勤務予定情報は、後述する作成部124Bが作業計画を作成した後、当該作成された作業計画から取得される。ただし、勤務予定情報の初期値は、人員の手入力に基づく情報であり、当該初期値が、後に作成部124Bが作成した作業計画で更新されてもよい。
本実施形態における設定部123Bは、部門情報も用いて、部門別の標準工数を設定する。部門情報とは、作業を分担する複数の部門に関する情報である。部門情報は、例えば、部門特定情報と優先順位情報との組の集合である。部門特定情報とは、部門を特定する情報である。部門特定情報は、例えば、“レジ”や“品出し”等の部門名であるが、部門名に対応付いたIDなどでもよい。優先順位情報とは、部門間の優先順位に関する情報である。優先順位情報は、例えば、優先順位を示す数値(“1”,“2”等)である。
なお、部門特定情報と優先順位情報との組の集合とは、例えば“(レジ,1),(品出し,2),・・・”である。または、部門情報は、複数の部門特定情報を優先順位に従う順序で配列したもの(例えば、“レジ,品出し,・・・”)でもよい。
ただし、優先順位情報は必須ではなく、部門情報は、例えば、複数の部門に対応する複数の部門特定情報の集合であってもよい。
また、複数の部門特定情報は、階層化(店舗・店舗内の部署・部署内のチーム等)されていてもよい。例えば、最上位の部門が「店舗」、その下位の部門が店舗内の「部署」、更にその下位の部門が部署内の「チーム」等であってもよい。
なお、設定部123Bは、例えば、作業によって得られる売り上げに関する売上情報も用いて、コストを考慮した標準工数を設定してもよい。
なお、物品の製造の場合における標準工数は、工程別に設定されてもよい。
(8-2-4)計画作成
作成部124Bは、設定部123Bが設定した標準工数と、予測部122Bが取得した1以上の工数予測値と、作業を行う1人以上の人員に対応する1以上の人員情報と、に少なくとも基づいて、作業計画を作成する。作業を行う人員の数は、通常、2人以上であるが、1人でもよい。従って、作業計画を作成するための人員情報の数は、通常、2つ以上であるが、1つでもよい。以下では、人員の数を2人以上、人員情報の数を2つ以上として説明する。なお、作成された作業計画は、例えば、計画作成装置1Bのメモリに格納されるが、その格納場所は問わない。
作業計画とは、将来の1以上の第2期間に2人以上の人員によって行われる作業に関する計画である。本実施形態における作業計画は、例えば、図12Bに示すような、2以上の人員特定情報に対応する2以上の勤務予定情報の集合である。勤務予定情報は、前述したように、期間特定情報及び部門特定情報の組の集合である。
なお、例えば、人員特定情報“aa”に対応する勤務予定情報は、“{(2021,2,21,8),AA},{(2021,2,21,9),AA},・・・{(2021,2,21,14),AA},{(2021,2,22,9),BB}・・・”である。
なお、作業計画は、例えば、シフト計画及び人員計画で構成されてもよい。シフト計画とは、複数の人員の勤務予定(シフト)に関する計画である。シフト計画は、どの人員がどの期間(例えば、どの日)に作業をするかを示す情報であり、例えば、人員特定情報及び期間特定情報(例えば、日特定情報)の組の集合で構成される。人員計画とは、勤務予定の人員の、各部門への配置に関する計画である。人員計画は、例えば、人員特定情報、部門特定情報、及び期間特定情報(例えば、時間帯特定情報)の組の集合である。
ただし、上記は例示に過ぎず、作業計画のデータ構造は問わない。
本実施形態における作成部124Bは、部門情報も用いて、時間帯及び部門別の作業計画を作成する。なお、作業計画は、人員(スキル)及び部門(優先順位)以外の制約条件も考慮して作成されてもよい。
本実施形態における作成部124Bは、例えば、標準工数と、1以上の工数予測値と、2以上の人員情報と、を含む作成用データセットを入力とし、作業計画を出力とする作成アルゴリズムを用いて、作業計画を作成する。
(8-2-5)標準工数の更新
更新部125は、差異検出装置2Bからの差異情報に基づいて、設定部123Bが設定した標準工数を更新する。
詳しくは、例えば、計画作成装置1Bのメモリに、設定部123Bが設定した標準工数が格納されている。受付部11Bは、差異検出装置2Bから出力された差異情報を受け付け、更新部125は、当該受け付けられた差異情報が示す差異が縮小するように、メモリ内の標準工数を更新する。
具体的には、例えば、差異検出装置2Bのメモリに、現在の期間における差異情報が保持されている。更新部125は、現在の期間から次の期間への移行時に、メモリ内の現在の標準工数をインクリメント又はデクリメントする。そして、更新部125は、当該次の期間からその次の期間への移行時に、差異検出装置2Bから差異情報を取得し、メモリ内の差異情報と当該取得した差異情報とを比較する。当該比較の結果、差異が縮小している場合、更新部125は、当該インクリメント又はデクリメント後の標準工数を保持する。一方、差異が拡大している場合、更新部125は、当該インクリメント又はデクリメント後の標準工数を、元の標準工数に戻す。
上記のような処理を繰り返すことで、計画された工数と実際の工数との間の差異が縮小するように、標準工数が更新されていく。
(8-2-6)モデル生成
生成部121Bは、2以上の学習用データセット(DT:後述)を用いて機械学習の学習アルゴリズム(LA:後述)を実行することにより、モデルを生成する。なお、生成されたモデルは、例えば、計画作成装置1Bのメモリに格納されるが、その格納場所は問わない。
詳しくは、生成部121Bは、2以上の学習用データセットの各々について、学習用データセットの一部(第1部分)を入力データ、学習用データセットの他の一部(第2部分)を教師データとして、機械学習の学習アルゴリズムを実行する。
第1部分は、予測用データセットと共通する部分であり、例えば、期間特定情報、期間属性情報、及び数量情報の組である。第2部分は、予測モデルの出力に対応する部分であり、例えば、工数実績値である。
これによって、第1部分と第2部分との間の関係が学習され、未知の第1部分に対して、第2部分の予測値を出力する予測モデルが生成される。
なお、2以上の学習用データセットを用いて機械学習の学習アルゴリズムを実行することは、例えば、学習用データセットの入力値(教師データ)を予測モデルの入力層に入れ、学習用データセットの出力値を予測モデルの出力層に入れることにより、予測モデルを生成することであってもよい。
学習用データセットは、期間特定情報、期間属性情報、及び数量情報の組と、工数実績値(AV:後述)と、を含む。
工数実績値とは、期間における作業の実際の工数である。工数実績値は、2人以上の人員に対応する2以上の勤務実績情報(図12A参照:後述)から取得される。
本実施形態において、作業は、販売に関連する作業である。販売は、物品の販売でも、サービスの販売でもよい。
対象は、販売が行われる場所への来客である。数量情報は、来客数情報を含む。来客数情報は、期間における来客数に関する情報である。
来客数情報は、来客数予測値(PV1:後述)を含む。来客数予測値とは、期間における来客数を予測した結果である。
期間属性情報は、特売期間フラグを含む。特売期間フラグとは、期間が特売期間に属するか否かを示すフラグである。特売期間は、例えば、特売日、特売時間帯などである。特売期間フラグは、例えば、特売日フラグ、特売時間帯フラグなどである。
期間属性情報は、天候情報を更に含む。天候情報とは、作業が行われる場所の期間における天候に関する情報である。天候情報は、例えば、実測値であるが、予測値でもよい。天候情報は、例えば、気象庁のサーバ等から取得される。
期間は、例えば、一の日に属する2以上の時間帯の各々であってもよい。この場合、設定部123Bは、作業の時間帯別の標準工数を設定する。来客数予測値は、2以上の時間帯が属する一の日における来客数の予測値である。工数予測値は、時間帯別の工数予測値を含む。
作業は、2以上の部門によって分担されてもよい。2以上の部門は、例えば、一の企業に属する複数の店舗、一の店舗に属する複数の部署、一の部署に属する複数のチームなどである。
この場合、2以上の部門の各々に、作業を行う1人以上の人員が属する。各部門の作業は、通常、並列に実行されるが、順次実行されてもよい。設定部123Bは、時間帯及び部門別の標準工数を設定する。工数予測値は、時間帯及び部門別の工数予測値を含む。
処理部12Bは、例えば、入力されるデータセットが予測用か学習用かを判断し、判断結果に対応するアルゴリズムに当該データセットを引き渡す。なお、判断は、例えば、現在時刻情報に含まれる日付(年月日)と、データセット中の日付との比較に基づく。
すなわち、処理部12Bは、例えば、プロセッサの内蔵時計やNTP(Network Time Protocol)サーバ等から現在時刻情報を取得し、当該取得した現在時刻情報に含まれる日付と、データセット中の日付とを比較する。そして、比較の結果、データセット中の日付が現在時刻情報に含まれる日付よりも前である場合、処理部12Bは、当該データセットは学習用と判断し、当該データセットを学習アルゴリズムに引き渡す。一方、データセット中の日付が現在時刻情報に含まれる日付以降である場合、処理部12Bは、当該データセットは予測用と判断し、当該データセットを予測アルゴリズムに引き渡す。
なお、データセットを引き渡す際、処理部12Bは、当該データセット中の日付で特定される日における作業の有無を判断し、作業ありと判断した場合にのみ引き渡しを実行し、作業なしと判断した場合には引き渡しを実行しなくてもよい。
ここでの判断は、例えば、データセット中の休業日フラグ又は時短フラグに基づく。ただし、処理部12Bは、休業日フラグ等によらず、作業有無予測モデルを用いて判断してもよい。作業有無予測モデルは、予測用データセットを入力とし、作業の有無を示すフラグを出力とするモデルである。作業有無予測モデルは、例えば、生成部121Bが、学習用データセットの第1部分を入力データ、第2部分を教師データとして機械学習の学習アルゴリズムを実行することにより、生成される。
(8-2-7)モデルの詳細
本実施形態におけるモデルは、図9に示すように、予測用データセットDPを入力とし、時間帯及び部門別工数予測値PV2を出力とする工数予測モデルPMである。
予測用データセットDPは、将来の2以上の時間帯の各々について、時間帯特定情報TI、日属性情報AI、及び来客数予測値PV1の組、を含む。時間帯特定情報TIは、当該時間帯を特定する情報である。日属性情報AIは、当該時間帯が属する一の日の属性に関する情報である。来客数予測値PV1は、当該時間帯が属する一の日における来客数の予測値である。
予測用データセットDPは、部門特定情報に対応付いている。部門特定情報とは、部門を特定する情報である。
予測部122Bは、2以上の部門特定情報の各々について、当該部門特定情報に対応付いた予測用データセットDPを入力として工数予測モデルPMを用いた工数予測アルゴリズムPAを実行することにより、将来の2以上の時間帯に対応する2以上の工数予測値を部門別に取得する。
このように、本実施形態では、予測用データセットDPから直に、時間帯及び部門別の工数を予測する1段階予測が行われる。
この実施形態によれば、工数予測モデルPMを用いた1段階予測によって、時間帯及び部門別の工数予測の更なる精度向上を図ることができる。
また、本実施形態では、学習用データセットは、学習用データセットDTである。学習用データセットDTは、過去の2以上の時間帯の各々について、時間帯特定情報TI、日属性情報AI、及び来客数予測値PV1の組と、時間帯及び部門別工数実績値AVと、を含む。
時間帯及び部門別工数実績値AVは、当該時間帯における作業の部門別の実際の工数である。学習用データセットDTは、部門特定情報に対応付いている。
生成部121Bは、2以上の部門特定情報の各々について、当該部門特定情報に対応付いた学習用データセットDTの第1部分を入力データ、第2部分を教師データとして機械学習の学習アルゴリズムLAを実行することにより、工数予測モデルPMを生成する。
このように、本実施形態では、計画作成装置1B自身が、第1学習用データセットを対象(入力データおよび教師データ:以下同様)とする機械学習によって、工数予測モデルPMを生成できる。
(8-2-8)差異に基づく標準工数の更新
受付部11Bは、差異検出装置2Bから差異情報を受け付ける。なお、後述するように、差異検出装置2Bは、計画作成装置(作成部124B)が作成した作業計画を基に行われる実際の作業をカメラ3等で観測して、当該作業計画及び当該観測の結果から、計画された作業と実際の作業との間の工数に関する差異を検出し、差異情報を取得する。
更新部125は、差異検出装置2Bからの差異情報に基づいて、設定部123Bが設定した標準工数を、上記差異が縮小するように更新する。
更新部125は、設定された標準工数を、例えば、観測部221が取得する工数実績値が標準工数に近づくように更新してもよい。
詳しくは、更新部125は、設定部123Bが設定した標準工数(メモリに保持されている標準工数)を、増加方向又は減少方向(例えば、増加方向)に所定量ずつ変化させていき、当該変化に応じて差異情報が増加するか減少するかを判断する。
当該変化に応じて差異検出装置2Bからの差異情報の示す差異が増加する場合、更新部125は、変化の方向を反転させ、上記同様の動作を行う。つまり、更新部125は、標準工数を当該変化とは逆の方向(例えば、減少方向)に所定量ずつ変化させていき、当該変化に応じて差異情報が増加するか減少するかを判断する。
当該変化に応じて、差異情報の示す差異が減少する場合、更新部125は、差異が増加に転ずる(つまり、極小値をとる)まで、同様の動作を継続する。これによって、標準値は、差異情報の示す差異が極小値をとるような値に更新される。
こうして標準工数を更新することで、工数実績値と標準工数との間の差異が縮小し又は縮小していく。
これによって、差異の縮小、ひいては作業計画の最適化を図ることができる。
(8-2-9)差異に基づく工数予測値の更新
更新部125は、予測部122Bが取得した工数予測値を、差異検出装置2Bからの差異情報が示す差異が縮小するように更新する。
更新部125は、例えば、観測部221が取得する工数実績値が標準工数に近づくように、工数予測値を更新してもよい。
詳しくは、更新部125は、予測部122Bが取得した工数予測値(メモリに保持されている工数予測値)を、増加方向又は減少方向(例えば、増加方向)に所定量ずつ変化させていき、当該変化に応じて差異情報の示す差異が増加するか減少するかを判断する。
当該変化に応じて、差異検出装置2Bからの差異情報の示す差異が増加する場合、更新部125は、変化の方向を反転させ、上記同様の動作を行う。つまり、更新部125は、工数予測値を当該変化とは逆の方向(例えば、減少方向)に所定量ずつ変化させていき、当該変化に応じて差異情報の示す差異が増加するか減少するかを判断する。
当該変化に応じて、差異情報の示す差異が減少する場合、更新部125は、差異が増加に転ずる(つまり、極小値をとる)まで、同様の動作を継続する。これによって、工数予測値は、差異が極小値をとるような値に更新される。
こうして工数予測値を更新することで、工数実績値と標準値との間の差異が縮小し又は縮小していく。
これによって、差異の縮小、ひいては作業計画の最適化を図ることができる。
なお、更新部125は、工数予測値の更新及び標準工数の更新の両方を行うことが好適である。すなわち、更新部125は、例えば、差異が極小値をとるように工数予測値を更新した後、差異が当該極小値(第1極小値)よりも小さい極小値(第2極小値)をとるように、標準工数を更新する。
ただし、工数予測値の更新及び標準工数の更新の実行順序は、上記とは逆でもよい。すなわち、更新部125は、差異が極小値をとるように標準工数を更新した後、差異が当該極小値(第1極小値)よりも小さい極小値(第2極小値)をとるように、工数予測値を更新してもよい。
または、更新部125は、工数予測値の更新及び標準工数の更新を交互に繰り返してもよい。これによって、差異の更なる縮小を図ることができる。
または、更新部125は、工数予測値の更新のみを行い、標準工数の更新を行わなくてもよい。または、更新部1242は、標準工数の更新のみを行い、工数予測値の更新を行わなくてもよい。いずれの場合も、差異の縮小を図ることはできる。
(8-2-10)その他の更新
更新部125は、工数予測値又は工数実績値と標準工数との差異が縮小する又は縮小していくように、作成部124Bが作成した作業計画を更新してもよい。
または、更新部125は、工数予測値又は工数実績値と標準値との差異が縮小する又は縮小していくように、作業を構成する一連の作業工程を更新してもよい。
なお、作業計画を更新、及び作業を構成する一連の作業工程の更新、については、「(9-3)部門間の連携」で説明する。
(8-3)差異検出装置
差異検出装置2Bは、図8に示すように、受付部21Bと、処理部22Bと、出力部23とを備える。ただし、差異検出装置2Bは処理部22Bのみを備え、受付部21B及び出力部23は、差異検出装置2Bとは別体の端末装置(タブレット端末等)が備えていてもよい。
処理部22Bは、観測部221と、検出部222とを備える。
受付部21Bは、各種の情報を受け付ける。各種の情報とは、各種の情報とは、例えば、作業計画、対策情報などである。
受付部21Bは、例えば、計画作成装置1Bからネットワーク400を介して作業計画を受け付ける。また、受付部21Bは、管理者が入力する対策情報を受け付ける。
処理部22Bは、各種の処理を実行する。各種の処理とは、例えば、観測部221及び検出部222の処理である。
観測部221は、計画作成装置1Bによって作成された作業計画を基に行われる実際の作業を観測する。観測とは、例えば、カメラ3による撮影、LPS4による位置検出などである。
観測部221は、カメラ3で実際の作業を撮影し、作業を行う人員、及び当該作業対象(来客、物品等)、に関する画像情報を取得する。また、観測部221は、LPS4で位置検出を行い、作業が行われる場所(店舗、倉庫等)における人員及び対象の位置に関する位置情報を取得する。
検出部222は、計画作成装置1Bからの作業計画、及び観測部221の観測結果(画像情報及び位置情報)を基に、計画された作業と実際の作業との間の工数に関する差異を検出し、当該検出した差異に関する差異情報を取得する。
なお、工数に関する差異とは、工数の差異それ自体でもよいし、工数の差異に関連して生じる各種のギャップでもよい。各種のギャップとは、例えば、閾値を超える数の手隙の人員の存在、レジにおける閾値を超える長さの待ち行列の存在、物品の陳列場所における閾値を超える数の欠品の存在、物品の加工場所における閾値を超える数の加工待ち物品の存在、などである。
検出部222は、例えば、観測部221が取得した画像情報及び位置情報を基に、上記のような各種のギャップを検出し、当該検出した各種のギャップを基に、工数の差異を示す差異情報を取得してもよい。工数の差異を示す差異情報は、例えば、作業計画に含まれる工数に対する実際の工数の差分(通常、正負の符号を含む)であるが、余剰又は不足を示すフラグ(正負の符号に対応する情報のみ)でもよい。
詳しくは、検出部222は、例えば、画像情報及び位置情報を入力とし、各種のギャップに関するギャップ情報を出力とするギャップ検出モデル、を用いて、ギャップ情報を取得する。次に、検出部222は、ギャップ情報を入力とし、差異情報を出力とする差異検出モデル、を用いて、差異情報を取得する。
なお、ギャップ検出モデルは、例えば、画像情報及び位置情報の組と、人手で入力されたギャップ情報と、を含む学習用データセットの第1部分(画像情報及び位置情報の組)を入力データ、第2部分(ギャップ情報)を教師データとして機械学習の学習アルゴリズム(LA)を実行することにより生成される。差異検出モデルは、例えば、ギャップ情報と、人手で入力された差分情報と、を含む学習用データセットの第1部分(ギャップ情報)を入力データ、第2部分(差分情報)を教師データとして機械学習の学習アルゴリズム(LA)を実行することにより生成される。
また、差異検出装置2B(処理部22B)は、上記のようにしてギャップ検出モデルおよび差異検出モデルを生成する生成部(図示しない)を更に備えていてもよい。
ただし、後述するように、差異検出装置2B(出力部23)は、観測部221の観測結果を可視化して出力してもよい。当該視覚化された観測結果を見た人が、差異を認識して、当該認識した差異に関する差異情報を入力デバイスで入力し、差異検出装置2Bは、当該入力された差異情報を受け付けてもよい。
出力部23は、各種の情報を出力する。各種の情報とは、例えば、前述した差異情報、後述する対策情報、及び後述する観測結果などである。
出力部23は、検出部222が取得した差異情報を、例えばネットワーク400を介して送信することにより、計画作成装置1Bに引き渡す。なお、装置間での情報の受け渡しは、ネットワーク400等の通信媒体に限らず、メモリカード等の携帯型記録媒体を介して行われてもよい。
また、出力部23は、観測部221の観測結果を可視化して出力(例えば、ディスプレイに表示)してもよい。
観測結果を見た人(例えば、作業を管理する管理者)が、上記のようなギャップを認識し、ギャップを減らすための対策に関する対策情報を、キーボード等の入力デバイスを介して入力する。対策情報は、例えば、ギャップが少ない部門の作業計画や運営方法に関する情報、人員の増減や配置変更に関する指示などである。
差異検出装置2Bにおいて、上記入力された対策情報を受付部21Bが受け付け、出力部23は、当該受け付けられた対策情報を、上記差異情報と共に計画作成装置1Bに出力する。なお、対策情報は、差異情報に含めて出力されてもよい。
計画作成装置1Bにおいて、受付部11Bが上記差異情報及び上記対策情報を受け付け、更新部125は、当該差異情報を基に標準工数を更新し、出力部13Bは、当該受け付けられた対策情報を視覚化して出力する。なお、対策情報は、管理者から、作業を行う人員に、直接伝達されてもよい。
これによって、作業計画の最適化を図ることができる。
なお、上述した差異情報は、総工数に関する情報でもよいし、時間帯及び部門別の工数に関する情報でもよい。
(8-4)計画最適化システムの動作
以下、計画最適化システム100Bの動作について説明する。なお、以下の説明では、各部の詳細な動作説明は省略する。
計画最適化システム100Bを構成する計画作成装置1Bは、例えば、次のように動作する。
計画作成装置1Bを構成する受付部11Bが入力デバイスを介してデータセットを受け付けた場合、処理部12Bは、受け付けられたデータセットが予測用か否かを、プロセッサの内蔵時計等から取得される現在時刻情報に含まれる年月日と、当該データセットに含まれる年月日との比較に基づいて判断する。
学習用であると判断されたデータセットは、メモリ内の学習用データセット用領域(図示しない)に格納される。メモリに所定数の学習用データセットが格納されると、生成部121Bは、当該格納されている学習用データセット(DT)の第1部分を入力データ、第2部分を教師データとして機械学習の学習アルゴリズム(LA)を実行することにより、予測用データセット(DP)を入力とし、工数予測値(PV2)を出力とするモデル(PM)、を生成する。
予測用であると判断されたデータセットは、メモリ内の予測用データセット用領域(図示しない)に格納される。メモリに所定数の予測用データセット(DP)が格納されると、予測部122Bは、当該格納されている学習用データセット(DT)を入力として、生成されたモデル(PM)を用いた予測アルゴリズム(PA)を実行することにより、将来の1以上の第2期間に対応する1以上の工数予測値(PV2)を取得する。
受付部11Bが入力デバイスを介して計画作成指示を受け付けた場合、設定部123Bは、標準工数を設定する。作成部124Bは、設定された標準工数、取得された1以上の工数予測値(PV2)、及びメモリに格納されている2以上の人員情報等に基づいて、将来の1以上の第2期間に2人以上の人員が上記作業を行うための作業計画を作成する。
出力部13Bは、作成された作業計画を出力する。ここで出力された作業計画を基に、2人以上の人員によって作業が実行される。また、出力された作業計画は、差異検出装置2Bに引き渡される。
受付部11Bが差異検出装置2Bから差異情報を受け付けた場合、更新部125は、受け付けられた差異情報に基づいて設定された標準工数を、計画された作業と実際の作業との間の差異が縮小するように更新する。
差異検出装置2Bは、例えば、次のように動作する。
差異検出装置2Bを構成する観測部221は、計画作成装置1Bが作成した作業計画に基づいて実際に行われる作業を、カメラ3及びLPS4を介して観測する。
検出部222は、当該計画情報及び観測の結果から、当該作業計画によって計画された作業と実際の作業との間の工数に関する差異を検出し、当該検出した差異に関する差異情報を取得する。出力部23は、取得された差異情報を出力する。当該出力された差異情報は、計画作成装置1Bに引き渡される。
なお、当該出力された差異情報を基に、作業を管理する管理者等によって、差異を縮小するための対策情報の入力が行われ、受付部21Bが当該入力された対策情報を受け付け、出力部23は、当該受け付けられた対策情報を計画作成装置1Bに引き渡してもよい。
(9)具体的な適用例
実施形態1で説明したターゲット管理システム100は、例えば、図13に示す物流、図14に示す販売、及び経営(図示しない)、を含む活動の、ターゲットによる管理に適用される。なお、実施形態2で説明した品出管理システム100A及び実施形態3で説明した計画最適化システム100Bは、主として販売に適用可能である。
本例におけるターゲットは、進捗情報、入荷量情報、出荷量情報、在庫数量情報、品出関連情報、収益性等である。
(9-1)物流への適用
工場501から出荷された荷物502は、図13の物流により、店舗200へと配送され、図14の販売により、店舗200への来客の手に渡る。荷物502は、工場501と倉庫500との間、及び倉庫500と店舗との間を、トラック503で配送される。荷物502には、荷物502自身を識別するバーコード(図示しない)が付されている。ターゲット管理システム100のメモリには、各種のターゲットに関する標準値が格納されている。
物流は、図13に示すように、保管部門500A、ピッキング部門500B、仕分け部門500C、及び積み出し部門500Dによって実現される。
(9-1-1)保管部門
保管部門500Aでは、取得部121が、図示しないバーコード読取機を介して在庫数量情報の値を取得し、第1出力制御部1241aは、その取得値を出力させる。これによって、物流を管理する管理者又は作業を行う人員は、倉庫内の在庫状態をタイムリーに把握できる。
また、保管部門500Aでは、検出部123が、在庫数量情報について標準値と取得値との差異を検出し、第2出力制御部1241bは、その検出された差異を出力させる。これによって、人員は、発注すべき数量を適切に把握できる。
さらに、保管部門500Aでは、更新部1242が、在庫数量情報に関し、標準値と取得値との差異が縮小するように標準値を更新する。これによって、在庫数量情報に関する標準値が不適正であっても、その不適正な標準値が適正化される又は適正化されていく。
これにより、倉庫500内は、常に適正な在庫状態に維持される。つまり、ターゲット管理システム100は、保管部門500Aにおける適正な在庫状態の維持を支援できる。
(9-1-2)ピッキング部門
ピッキング部門500Bでは、取得部121が、カメラ3を介して進捗情報の値を取得し、第1出力制御部1241aは、その取得値を出力させる。これによって、ピッキングを行う複数の人員の各々について、作業の進捗がリアルタイムに可視化される。
また、ピッキング部門500Bでは、検出部123が、進捗情報について標準値と取得値との差異を検出し、第2出力制御部1241bは、その検出された差異を出力させる。これによって、管理者は、複数の人員の各々について、標準値と取得値との差異を認識できる。
さらに、ピッキング部門500Bでは、更新部1242が、進捗情報に関し、標準値と取得値との差異が縮小するように標準値を更新する。これによって、進捗情報に関する標準値が不適正であっても、その不適正な標準値が適正化される又は適正化されていく。
これにより、管理者は、複数の人員の各々について、作業の進捗を把握し、遅延を最小にするための的確な業務配分が可能となる。つまり、ターゲット管理システム100は、ピッキング部門500Bでの最適な業務配分を支援できる。
(9-1-3)仕分け部門
仕分け部門500Cでは、機械による仕分けと、人手による仕分けとが行われる。取得部121が、カメラ3を介して、機械による仕分け及び人手による仕分の各々について、進捗情報の値を取得し、第1出力制御部1241aは、それら2種類の取得値を出力させる。これによって、仕分け部門500Cの管理者は、機械による仕分け及び人手による仕分けの各々について、作業の進捗を把握できる。
また、仕分け部門500Cでは、検出部123が、機械による仕分け及び人手による仕分けの各々について、標準値と取得値との差異を検出し、第2出力制御部1241bは、それらの検出された差異を出力させる。これによって、管理者は、仕分け部門500Cにおけるボトルネックを抽出し、プロセスの再設計を行うことができる。また、2種類の仕分けを同期させ、仕分け部門500C全体のスループットを向上させることができる。
さらに、仕分け部門500Cでは、更新部1242が、機械による仕分け及び人手による仕分の各々の進捗情報に関し、標準値と取得値との差異が縮小するように標準値を更新する。これによって、機械による仕分け及び人手による仕分けの少なくとも一方について、進捗情報に関する標準値が不適正であっても、その又はそれらの不適正な標準値が適正化される又は適正化されていく。
これにより、仕分け部門500C全体のスループットが適正に維持される。つまり、ターゲット管理システム100は、仕分け部門500C全体における適正なスループットの維持を支援できる。
(9-1-4)出荷部門
出荷部門500Dでは、取得部121が、カメラ3を介して出荷量情報の値を取得し、第1出力制御部1241aは、その取得値を出力させる。これによって、出荷部門500Dの管理者は、出荷量を把握できる。
また、出荷部門500Dでは、出荷量情報に関する標準値は、出荷された荷物502を店舗200へと配送するトラック503の運用状態(例えば、単位時間当たりの台数、1台当たりの積載量等)に基づいて設定される。検出部123が、出荷量情報について、標準値と取得値との差異を検出し、第2出力制御部1241bは、その検出された差異を出力させる。これによって、管理者は、トラック503の運用状態に最適な出荷を実現できる。
さらに、出荷部門500Dでは、更新部1242が、出荷量情報に関し、標準値と取得値との差異が縮小するように標準値を更新する。これによって、出荷量情報に関する標準値が不適正であっても、その不適正な標準値が適正化される又は適正化されていく。
これにより、出荷部門500Dからの出荷量が、トラック503の運用状態に応じて適正に維持される。つまり、ターゲット管理システム100は、適正な出荷量の維持を支援できる。
(9-2)販売への適用
販売は、図14に示すように、バックルーム部門200A、及び店頭部門200Bによって実現される。
(9-2-1)バックルーム部門
バックルーム部門200Aでは、取得部121が、カメラ3を介して在庫数量情報の値を商品ごとに取得し、第1出力制御部1241aは、それらの取得値を出力させる。
なお、本例では、一の荷物502の中に、一の種類の商品が所定数だけ収納されている。バックルーム内は、複数の区画に区分され、複数の区画の各々に、一の種類の商品を収納した1つ以上の荷物502が置かれる。複数の区画の各々は、その区画に置かれる商品の種類を示す種類情報に対応付いている。
取得部121は、カメラ3からの画像情報を基に、複数の区画の各々について、その区画に置かれた荷物502の数を検出し、検出した数に上記所定数を乗算することにより、商品数を取得する。次に、取得部121は、複数の区画の各々について、その区画に対応付いた種類情報を用いて、その区画に存在する商品の種類および数を取得する。そして、取得部121は、取得した商品の数を種類ごとに合計する。
第1出力制御部1241aは、取得部121が取得した情報(商品数を種類ごとに示す情報)を出力させる。出力先は、ここでは、バックルームで作業する人員の携帯端末であるが、販売の管理者の端末でもよい。
これによって、バックルームにおける商品ごとの在庫数量がリアルタイムに可視化される。
また、検出部123が、在庫数量情報について、標準値と取得値との差異を商品ごとに検出し、第2出力制御部1241bは、それらの検出された差異を出力させる。これによって、販売の管理者は、在庫数量情報について、標準値と取得値との差異を商品ごとに認識できる。
さらに、バックルーム部門200Aでは、更新部1242が、在庫数量に関し、標準値と取得値との差異が縮小するように標準値を更新する。これによって、在庫数量に関する標準値が不適正であっても、その不適正な標準値が適正化される又は適正化されていく。
これにより、管理者は、在庫不足の商品がある場合に、その品名及び不足数量を把握し、速やかな発注の指示が可能となる。また、在庫過剰の商品がある場合に、その品名及び余剰数量を把握し、発注を控える又は数量を減らす指示が可能となる。つまり、ターゲット管理システム100は、バックルーム部門200Aでの最適な在庫管理を支援できる。
(9-2-2)店頭部門
店頭部門200Bでは、取得部121が、カメラ3を介して、棚に陳列されている数量に関する数量情報(以下、陳列数量情報)の値を商品ごとに取得し、第1出力制御部1241aは、それらの取得値を出力させる。これによって、店頭における商品ごとの陳列数量がリアルタイムに可視化される。
また、店頭部門200Bでは、検出部123が、陳列数量情報について標準値と取得値との差異を商品ごとに検出し、第2出力制御部1241bは、それらの検出された差異を出力させる。これによって、販売の管理者は、陳列数量情報について、標準値と取得値との差異を商品ごとに認識できる。
これにより、管理者は、陳列不足の商品がある場合に、その品名及び不足数量を把握し、タイムリーな品出しの指示が可能となる。つまり、ターゲット管理システム100は、店頭部門200Bでの最適な陳列状態の維持を支援できる。それによって、チャンスロスの削減が図られる。
また、店頭部門200Bでは、取得部121が、カメラ3を介して、来客に関する来客情報の値を取得し、第1出力制御部1241aは、それらの取得値を出力させる。なお、来客情報は、例えば、前述した来客数情報であるが、滞在時間、立ち寄った売場等に関する情報でもよい。これによって、店頭における来客の状況がリアルタイムに可視化される。
また、店頭部門200Bでは、検出部123が、来客情報について、標準値と取得値との差異を検出し、第2出力制御部1241bは、その検出された差異を出力させる。これによって、販売の管理者は、店頭における来客の状況について、標準値と取得値との差異をリアルタイムに認識できる。
さらに、店頭部門200Bでは、更新部1242が、陳列数情報及び来客情報の各々に関し、標準値と取得値との差異が縮小するように標準値を更新する。これによって、陳列数情報及び来客情報の少なくとも一方に関する標準値が不適正であっても、その又はそれらの不適正な標準値が適正化される又は適正化されていく。
加えて、店頭部門200Bでは、予測部1243が、陳列数情報及び来客情報の各々に関して予測値を取得し、取得部121に引き渡す。それによって、陳列数情報及び来客情報の各々に関する取得値の精度向上が図られる。
これにより、管理者は、来客の状況に応じて、接客、優先品出しの指示を的確に行うことができる。つまり、ターゲット管理システム100は、店頭部門200Bでの来客への的確な対応の維持を支援できる。それによって、店舗価値の向上が図られる。
(9-3)部門間の連携
工場から出荷された商品は、保管部門500A、ピッキング部門500B、仕分け部門500C及び出荷部門500D、で構成される物流(図11参照)、並びに、バックルーム部門200A及び店頭部門200Bで構成される販売(図12参照)、を経て、来客の手に渡る。
言い換えると、保管部門500A、ピッキング部門500B、仕分け部門500C、出荷部門500D、バックルーム部門200A及び店頭部門200B、の7つの部門の連携によって、工場からの商品を来客に届ける一連の7つの作業工程が実現される。
そこで、例えば、進捗情報や作業効率情報等のターゲットに関し、設定部122が上記7つの部門の各々について標準値を設定し、取得部121が上記7つの部門の各々について実績値及び予測値の少なくとも一方を取得し、検出部123が上記7つの部門の各々について取得値と標準値との差異を検出する。縮小処理部124は、上記7つの部門に対応する7つの差異を基に、上記7つの部門による一連の作業工程の全体又は一部を最適化するための最適化処理(例えば、作業効率の低い部門と高い部門との間で人員を入れ替えたり人員数を増減したりするための計画変更など)を行ってもよい。
また、例えば、バックルーム部門200A及び店頭部門200B(図12参照)の間で、在庫数量情報等のターゲットに関して、次のような縮小処理を行ってもよい。すなわち、設定部122が、バックルーム部門200Aにおける品出し作業の進捗に関する進捗情報等を基に、店頭部門200Bへの品出し作業に連動した理想の在庫数量を取得し、取得した在庫数量をターゲットの標準値として設定する。
取得部121は、カメラ3からの画像情報等を基に、ターゲットの値(実績値)を取得する。検出部123は、取得された値と標準値との差異を検出し、縮小処理部124は、検出された差異を縮小するための縮小処理を実行する。
こうして、バックルーム部門200A及び店頭部門200Bの間で、在庫数量の最適化を図るための連携が実現される。
(9-3-1)複数の部門に対応する複数の差異に基づく作業計画の変更
このような最適化処理は、例えば、複数の部門に対応する複数の差異に基づく作業計画の変更である。縮小処理部124は、差異が他の部門と比べて特に大きい部門(ボトルネック)を特定し、その特定した部門における差異が縮小(従って、上記7つの部門に対応する7つの差異が均一化)するように、その特定した部門及びそれより上流の1つ以上の部門、を含む2つ以上の部門、又は7つの部門の全体について、実施形態3で説明したシフト計画や人員計画を変更することにより、上記7つの部門による一連の作業工程の全体又は一部を最適化する。
具体的には、例えば、出荷部門500Dにおいて、トラック503の出発時刻に荷物502がそろわなかった(あるいは、そろわないことが予想される)場合に、縮小処理部124は、出荷部門500D、並びにそれよりも上流のピッキング部門及び仕分け部門、についてシフト計画や人員計画を変更することにより、これら3つの部門による一連の作業工程を最適化してもよい。
(9-3-2)差異の小さい部門から差異の大きい部門への情報提供
または、上記のような最適化処理は、例えば、差異の小さい部門から差異の大きい部門への情報の提供であってもよい。提供される情報は、例えば、実施形態3で説明した対策情報(作業計画や運営方法に関する情報、人員の増減や配置変更に関する指示など)である。
具体的には、第2出力制御部1241bが、例えば、図6に示すような在庫数量と共に、差異が小さいB店及びC店の各々の情報を含む対策情報を、出力部13に出力させてもよい。
また、例えば、縮小処理部124が、差異が大きいA店、D店及びE店の各々に対して、差異が小さいB店及びC店の各々の情報を基に、人員の増減や配置変更に関する指示を作成してもよい。こうして作成された3つの店舗(A店、D店及びE店)に対応する3つの指示は、第2出力制御部1241bに引き渡される。第2出力制御部1241bは、A店、D店及びE店の各々には、その店舗に向けた指示を更に含む対策情報を送信させる。
これによって、差異が大きいA店、D店及びE店の各々における作業工程を、差異が小さいB店及びC店の情報を基に、又は指示に応じて、変更できる。
(9-4)経営への適用(現場層と経営層との連携)
保管部門500A、ピッキング部門500B、仕分け部門500C、出荷部門500D、バックルーム部門200A及び店頭部門200Bは、現場層に属する。
取得部121は、保管部門500A、ピッキング部門500B、仕分け部門500C、出荷部門500D、バックルーム部門200A及び店頭部門200B、から選択される1つ以上の部門の各々について、カメラ3からの画像情報を基に、第1ターゲットである工数の第1値を取得する。
設定部122は、取得部121の取得対象である上記1つ以上の部門の各々について、第1標準値(標準工数)を設定する。また、設定部122は、上記1つ以上の部門に対応する1つ以上の第1標準値、及び売上情報を基に、第2ターゲットである収益率の第2標準値を設定する。
検出部123は、上記1つ以上の部門の各々について、工数に関する第1取得値と第1標準値との第1差異を検出する。
取得部121は、上記1つ以上の部門に対応する1つ以上の第1値と、上記1つ以上の部門に対応する1つ以上の第1差異と、収益率に関する第2標準値とを基に、収益率の第2値を取得する。
検出部123は、上記1つ以上の部門の各々について、収益率に関する第2取得値と第2標準値との第2差異を検出する。
縮小処理部124は、第2差異を基に第1差異を縮小する第1縮小処理を行う。本例では、第2差異が予め決められた閾値を超えた場合に、第2出力制御部1241bが、上記1つ以上の部門に対応する1つ以上の第1差異を出力させる。
これにより、経営者は、出力された1つ以上の第1差異を基に、上記1つ以上の部門のうち、第2差異の増大の主因となっている部門を特定し、その特定した部門に第1差異の縮小のための対策を指示できる。
以上により、物流、販売及び経営、を含む活動の、ターゲットによる的確な管理が可能となる。
(10)ターゲット管理方法及びプログラム
なお、実施形態1に係るターゲット管理システム100、実施形態2に係る品出管理システム100A、及び実施形態3に係る計画最適化システム100B、の各々と同様の機能は、ターゲット管理方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。なお、ターゲット管理方法は、上記各種ステップのうち、少なくとも、ステップS4(取得ステップ)と、ステップS2(設定ステップ)と、ステップS7(縮小処理ステップ)とを含む方法である。また、プログラムは、同上の計画作成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。