JP7485931B2 - 電磁鋼板用コーティング組成物、電磁鋼板、積層コア及び回転電機 - Google Patents

電磁鋼板用コーティング組成物、電磁鋼板、積層コア及び回転電機 Download PDF

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Description

本発明は、電磁鋼板用コーティング組成物、電磁鋼板、積層コア及び回転電機に関する。
回転電機に使用されるコア(鉄心)として、複数の電磁鋼板が互いに接合されて積層された積層コアが知られている。電磁鋼板同士の接合方法としては、かしめや溶接が知られている。しかし、かしめや溶接では、加工時の機械歪や熱歪によって電磁鋼板の磁気特性(コア鉄損)が劣化しやすい。
かしめ、溶接以外の接合方法としては、例えば、表面に接着能を有する絶縁被膜が形成された電磁鋼板を互いに接着させる方法が知られている(特許文献1)。前記絶縁被膜を用いた接着は機械歪や熱歪を与えないため、かしめや溶接に比べてコア鉄損に優れる。エポキシ樹脂は、体積変化が少なく、耐熱性や耐油性、耐薬品性に優れており、電磁鋼板同士を接着する接着剤として非常に優れている。
近年、モータ効率の更なる向上の要請を受け、より一層のコア鉄損の低減が求められている。コア鉄損の低減には、電磁鋼板の薄手化が有力である。しかし、鋼板は板厚の減少に伴ってヤング率が低下するため、鉄損劣化の原因となる応力歪を鋼板に付与しないことが求められる。エポキシ樹脂は硬く靱性が低いことから、接着時の硬化によって鋼板に応力歪が付与されるため、鋼板が薄くなると鉄損劣化の原因となる。また、靱性が低いと駆動時の振動衝撃によって接着が剥がれたりする恐れがある。特に電気自動車用モータのような用途では、駆動時に高温に曝された状態でも十分な接着強度を保持できる耐熱性を有することが重要である。
特開2000-173816号公報
本発明は、積層コアの磁気特性と、駆動時の高温状態でも電磁鋼板同士の接着強度を保持できる耐熱性とを両立できる電磁鋼板用コーティング組成物、それを用いた電磁鋼板、積層コア及び回転電機を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤と、ウレタンプレポリマーとを含有し、前記ウレタンプレポリマーは、ジイソシアネートとポリエーテルポリオールとの反応物、及びジイソシアネートとポリエステルポリオールとの反応物のいずれか一方又は両方を含有し、前記ウレタンプレポリマーは、末端にイソシアネート基又は水酸基のいずれかを有し、かつ数平均分子量が2000以上50000以下である、電磁鋼板用コーティング組成物。
[2]前記ウレタンプレポリマーの含有量が、前記エポキシ樹脂100質量部に対して、5質量部以上40質量部以下である、[1]に記載の電磁鋼板用コーティング組成物。
[3][1]又は[2]に記載の電磁鋼板用コーティング組成物が塗布されてなる絶縁被膜を表面に有する、電磁鋼板。
[4][3]に記載の電磁鋼板が複数積層され、互いに接着されている、積層コア。
[5][4]に記載の積層コアを備える回転電機。
本発明によれば、積層コアの磁気特性と、駆動時の高温状態でも電磁鋼板同士の接着強度を保持できる耐熱性とを両立できる電磁鋼板用コーティング組成物、それを用いた電磁鋼板、積層コア及び回転電機を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る積層コアを備えた回転電機の断面図である。 同積層コアの側面図である。 図2のA-A断面図である。 同積層コアを形成する素材の平面図である。 図4のB-B断面図である。 図5のC部の拡大図である。 同積層コアを製造するために用いられる製造装置の側面図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る積層コアと、この積層コアを備えた回転電機と、この積層コアを形成する素材について説明する。なお、本実施形態では、回転電機として電動機、具体的には交流電動機、より具体的には同期電動機、より一層具体的には永久磁石界磁型電動機を一例に挙げて説明する。この種の電動機は、例えば、電気自動車などに好適に採用される。
(回転電機10)
図1に示すように、回転電機10は、ステータ20と、ロータ30と、ケース50と、回転軸60と、を備える。ステータ20及びロータ30は、ケース50内に収容される。ステータ20は、ケース50内に固定される。
本実施形態では、回転電機10として、ロータ30がステータ20の径方向内側に位置するインナーロータ型を採用している。しかしながら、回転電機10として、ロータ30がステータ20の外側に位置するアウターロータ型を採用してもよい。また、本実施形態では、回転電機10が、12極18スロットの三相交流モータである。しかしながら、極数、スロット数、相数などは、適宜変更することができる。
回転電機10は、例えば、各相に実効値10A、周波数100Hzの励磁電流を印加することにより、回転数1000rpmで回転することができる。
ステータ20は、ステータ用接着積層コア(以下、ステータコア)21と、図示しない巻線と、を備える。
ステータコア21は、環状のコアバック部22と、複数のティース部23と、を備える。以下では、ステータコア21(又はコアバック部22)の中心軸線O方向を軸方向と言い、ステータコア21(又はコアバック部22)の径方向(中心軸線Oに直交する方向)を径方向と言い、ステータコア21(又はコアバック部22)の周方向(中心軸線O回りに周回する方向)を周方向と言う。
コアバック部22は、ステータ20を軸方向から見た平面視において円環状に形成されている。
複数のティース部23は、コアバック部22の内周から径方向内側に向けて(径方向に沿ってコアバック部22の中心軸線Oに向けて)突出する。複数のティース部23は、周方向に同等の角度間隔をあけて配置されている。本実施形態では、中心軸線Oを中心とする中心角20度おきに18個のティース部23が設けられている。複数のティース部23は、互いに同等の形状でかつ同等の大きさに形成されている。よって、複数のティース部23は、互いに同じ厚み寸法を有している。
前記巻線は、ティース部23に巻回されている。前記巻線は、集中巻きされていてもよく、分布巻きされていてもよい。
ロータ30は、ステータ20(ステータコア21)に対して径方向の内側に配置されている。ロータ30は、ロータコア31と、複数の永久磁石32と、を備える。
ロータコア31は、ステータ20と同軸に配置される環状(円環状)に形成されている。ロータコア31内には、前記回転軸60が配置されている。回転軸60は、ロータコア31に固定されている。
複数の永久磁石32は、ロータコア31に固定されている。本実施形態では、2つ1組の永久磁石32が1つの磁極を形成している。複数組の永久磁石32は、周方向に同等の角度間隔をあけて配置されている。本実施形態では、中心軸線Oを中心とする中心角30度おきに12組(全体では24個)の永久磁石32が設けられている。
本実施形態では、永久磁石界磁型電動機として、埋込磁石型モータが採用されている。ロータコア31には、ロータコア31を軸方向に貫通する複数の貫通孔33が形成されている。複数の貫通孔33は、複数の永久磁石32の配置に対応して設けられている。各永久磁石32は、対応する貫通孔33内に配置された状態でロータコア31に固定されている。各永久磁石32のロータコア31への固定は、例えば永久磁石32の外面と貫通孔33の内面とを接着剤により接着すること等により、実現できる。なお、永久磁石界磁型電動機として、埋込磁石型に代えて表面磁石型モータを採用してもよい。
ステータコア21及びロータコア31は、いずれも積層コアである。例えばステータコア21は、図2に示すように、複数の電磁鋼板40が積層方向に積層されることで形成されている。
なお、ステータコア21及びロータコア31それぞれの積厚(中心軸線Oに沿った全長)は、例えば50.0mmとされる。ステータコア21の外径は、例えば250.0mmとされる。ステータコア21の内径は、例えば165.0mmとされる。ロータコア31の外径は、例えば163.0mmとされる。ロータコア31の内径は、例えば30.0mmとされる。ただし、これらの値は一例であり、ステータコア21の積厚、外径や内径、及びロータコア31の積厚、外径や内径は、これらの値のみに限られない。ここで、ステータコア21の内径は、ステータコア21におけるティース部23の先端部を基準とする。すなわち、ステータコア21の内径は、全てのティース部23の先端部に内接する仮想円の直径である。
ステータコア21及びロータコア31を形成する各電磁鋼板40は、例えば、図4から図6に示すような素材1を打ち抜き加工すること等により形成される。素材1は、電磁鋼板40の母材となる鋼板(電磁鋼板)である。素材1としては、例えば、帯状の鋼板や切り板などが挙げられる。
積層コアの説明の途中ではあるが、以下では、この素材1について説明する。なお本明細書において、電磁鋼板40の母材となる帯状の鋼板を素材1という場合がある。素材1を打ち抜き加工して積層コアに用いられる形状にした鋼板を電磁鋼板40という場合がある。
(素材1)
素材1は、例えば、図7に示すコイル1Aに巻き取られた状態で取り扱われる。本実施形態では、素材1として、無方向性電磁鋼板を採用している。無方向性電磁鋼板としては、JIS C 2552:2014の無方向性電磁鋼板を採用できる。しかしながら、素材1として、無方向性電磁鋼板に代えて方向性電磁鋼板を採用してもよい。この場合の方向性電磁鋼板としては、JIS C 2553:2019の方向性電磁鋼板を採用できる。また、JIS C 2558:2015の無方向性薄電磁鋼帯や方向性薄電磁鋼帯を採用できる。
素材1の平均板厚t0の上下限値は、素材1が電磁鋼板40として用いられる場合も考慮して、例えば以下のように設定される。
素材1が薄くなるに連れて素材1の製造コストは増す。そのため、製造コストを考慮すると、素材1の平均板厚t0の下限値は、0.10mm、好ましくは0.15mm、より好ましくは0.18mmとなる。
一方で素材1が厚すぎると、製造コストは良好になるが、素材1が電磁鋼板40として用いられた場合に、渦電流損が増加してコア鉄損が劣化する。そのため、コア鉄損と製造コストを考慮すると、素材1の平均板厚t0の上限値は、0.65mm、好ましくは0.35mm、より好ましくは0.30mmとなる。
素材1の平均板厚t0の上記範囲を満たすものとして、0.20mmを例示できる。
なお、素材1の平均板厚t0は、後述する母材鋼板2の厚さだけでなく、絶縁被膜3の厚さも含まれる。また、素材1の平均板厚t0の測定方法は、例えば、以下の測定方法による。例えば、素材1がコイル1Aの形状に巻き取られている場合、素材1の少なくとも一部を平板形状にほどく。平板形状にほどかれた素材1において、素材1の長手方向の所定の位置(例えば、素材1の長手方向の端縁から、素材1の全長の10%分の長さ、離れた位置)を選定する。この選定した位置において、素材1を、その幅方向に沿って5つの領域に区分する。これらの5つの領域の境界となる4か所において、素材1の板厚を測定する。4か所の板厚の平均値を、素材1の平均板厚t0とすることができる。
この素材1の平均板厚t0についての上下限値は、電磁鋼板40としての平均板厚t0の上下限値としても当然に採用可能である。なお、電磁鋼板40の平均板厚t0の測定方法は、例えば、以下の測定方法による。例えば、積層コアの積厚を、周方向に同等の間隔をあけて4か所において(すなわち、中心軸線Oを中心とした90度おきに)測定する。測定した4か所の積厚それぞれを、積層されている電磁鋼板40の枚数で割って、1枚当たりの板厚を算出する。4か所の板厚の平均値を、電磁鋼板40の平均板厚t0とすることができる。
図5及び図6に示すように、素材1は、母材鋼板2と、絶縁被膜3と、を備えている。素材1は、帯状の母材鋼板2の両面が絶縁被膜3によって被覆されてなる。本実施形態では、素材1の大部分が母材鋼板2によって形成され、母材鋼板2の表面に、母材鋼板2よりも薄い絶縁被膜3が積層されている。
母材鋼板2の化学組成は、以下に質量%単位で示すように、質量%で2.5%~4.5%のSiを含有する。なお、化学組成をこの範囲とすることにより、素材1(電磁鋼板40)の降伏強度を、例えば、380MPa以上540MPa以下に設定することができる。
Si:2.5%~4.5%
Al:0.001%~3.0%
Mn:0.05%~5.0%
残部:Fe及び不純物
素材1が電磁鋼板40として用いられるときに、絶縁被膜3は、積層方向に隣り合う電磁鋼板40間での絶縁性能を発揮する。また本実施形態では、絶縁被膜3は、接着能を備えていて、積層方向に隣り合う電磁鋼板40を接着する。絶縁被膜3は、単層構成であってもよく、複層構成であってもよい。より具体的には、例えば、絶縁被膜3は、絶縁性能と接着能とを兼ね備えた単層構成であってもよく、絶縁性能に優れる下地絶縁被膜と、接着性能に優れる上地絶縁被膜とを含む複層構成であってもよい。
本実施形態では、絶縁被膜3は、母材鋼板2の両面を全面にわたって隙間なく覆っている。しかしながら、前述の絶縁性能や接着能が確保される範囲において、絶縁被膜3の一部の層は、母材鋼板2の両面を隙間なく覆っていなくてもよい。言い換えると、絶縁被膜3の一部の層が、母材鋼板2の表面に間欠的に設けられていてもよい。ただし、絶縁性能を確保するには、母材鋼板2の両面は全面が露出しないように絶縁被膜3によって覆われている必要がある。具体的には、絶縁被膜3が絶縁性能に優れる下地絶縁被膜を有さず、絶縁性能と接着能を兼ね備えた単層構成である場合は、絶縁被膜3は母材鋼板2の全面にわたって隙間なく形成されている必要がある。これに対し、絶縁被膜3が、絶縁性能に優れる下地絶縁被膜と、接着能に優れる上地絶縁被膜とを含む複層構成である場合、下地絶縁被膜と上地絶縁被膜の両方を母材鋼板2の全面にわたって隙間なく形成する他に、下地絶縁被膜を母材鋼板の全面にわたって隙間なく形成し、上地絶縁被膜を間欠的に設けても、絶縁性能と接着能の両立が可能である。
下地絶縁被膜を形成するコーティング組成物としては、特に限定されず、例えば、公知の下地処理剤を制限なく使用できる。具体例としては、例えば、クロム酸含有処理剤、リン酸塩含有処理剤等の一般的な処理剤を使用できる。
接着能を備える絶縁被膜3は、以下に説明する電磁鋼板用コーティング組成物が母材鋼板上に塗布されてなる。
電磁鋼板用コーティング組成物からなる絶縁被膜は、積層コア製造時の加熱圧着前においては、未硬化状態又は半硬化状態(Bステージ)であり、加熱圧着時の加熱によって硬化反応が進行して接着能が発現する。
電磁鋼板用コーティング組成物は、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤と、ウレタンプレポリマーとを含有する。
エポキシ樹脂としては、一般的なエポキシ樹脂が使用でき、具体的には、一分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂であれば特に制限なく使用できる。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、アクリル酸変性エポキシ樹脂(エポキシアクリレート)、リン含有エポキシ樹脂、及びこれらのハロゲン化物(臭素化エポキシ樹脂等)や水素添加物等が挙げられる。エポキシ樹脂としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
電磁鋼板用コーティング組成物は、アクリル樹脂を含有してもよい。
アクリル樹脂としては、特に限定されない。アクリル樹脂に用いるモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートを例示できる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。アクリル樹脂としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
アクリル樹脂は、アクリルモノマー以外の他のモノマーに由来する構成単位を有していてもよい。他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、スチレン等が挙げられる。他のモノマーとしては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
アクリル樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂にアクリル樹脂をグラフトさせたアクリル変性エポキシ樹脂として用いてもよい。電磁鋼板用コーティング組成物においては、アクリル樹脂を形成するモノマーとして含まれていてもよい。
エポキシ樹脂硬化剤としては、潜在性を持つ加熱硬化タイプのものが使用可能であり、例えば、芳香族ポリアミン、酸無水物、フェノール系硬化剤、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素-アミン錯体、有機酸ヒドラジッド等が挙げられる。芳香族ポリアミンとしては、例えば、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。フェノール系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂、トリアジン変性フェノールノボラック樹脂、フェノールレゾール樹脂等が挙げられる。
ポットライフの点から、エポキシ樹脂硬化剤としては、フェノール系硬化剤、芳香族ポリアミン、ジシアンジアミドが好ましく、フェノールレゾール樹脂、芳香族ポリアミンがより好ましい。エポキシ樹脂硬化剤としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
電磁鋼板用コーティング組成物中のエポキシ樹脂硬化剤の含有量の下限値は、エポキシ樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部、より好ましくは3質量部である。エポキシ樹脂硬化剤の含有量の上限値は、好ましくは20質量部、より好ましくは15質量部である。
ウレタンプレポリマーは、ジイソシアネートとポリオールとの反応物からなり、分子鎖の末端にイソシアネート基又は水酸基のいずれか一方のみを有するウレタン樹脂である。すなわち、ウレタンプレポリマーにおいては、すべての末端基がイソシアネート基であるか、水酸基であるかのいずれかであり、末端が水酸基である方が好ましい。
ジイソシアネートとしては、特に限定されず、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等が挙げられる。なかでも、作業性の点から、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。ジイソシアネートとしては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ウレタンプレポリマーを形成するポリオールとしては、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、脂肪族系等が市販されているが、本発明ではポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールを用いる。すなわち、電磁鋼板用コーティング組成物は、ウレタンプレポリマーとして、ポリエーテルポリオールとジイソシアネートとの反応物(プレポリマー)か、ポリエステルポリオールとジイソシアネートとの反応物(プレポリマー)のどちらか一方、又はそれらの両方を含有する。
ポリエーテルポリオールは、多価アルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドを重合したものが挙げられ、比較的高分子量の直鎖のものが好ましい。ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。なかでも、耐加水分解性の点から、ポリテトラメチレングリコールが好ましい。ポリエーテルポリオールとしては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、カルボン酸又はその誘導体(酸無水物、酸ハロゲン化物等)と、ジオールとを縮重合させて得られるものが挙げられる。
カルボン酸及びその誘導体としては、特に限定されず、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ポリカプロラクトン等が挙げられる。なかでも、耐熱性の点から、ポリカプロラクトンが好ましい。ジカルボン酸及びその誘導体としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ジオールとしては、特に限定されず、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。なかでも、分子量を制御し易い点から、1,4-ブタンジオールが好ましい。ジオールとしては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオールとしては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
電磁鋼板用コーティング組成物がウレタンプレポリマーとしてポリエーテルポリオールを用いたプレポリマーとポリエステルポリオールを用いたプレポリマーの両方を含有する場合、ポリエステルポリオールの含有量Wに対するポリエーテルポリオールの含有量Wの質量比W/Wは、0.1以上10以下が好適である。質量比W/Wが前記下限値以上であれば、耐食性に優れる。質量比W/Wが前記上限値以下であれば、耐熱性に優れる。
質量比W/Wの下限値は、好ましくは1、より好ましくは3である。質量比W/Wの上限値は、好ましくは9、より好ましくは8である。
ウレタンプレポリマーに用いるポリオールは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールに加えて、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールを構成するジオールとして例示したもの等の他のポリオールを含んでもよい。本発明の効果が得られやすい点では、ウレタンプレポリマーに用いるポリオールは、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールのいずれか、又はそれらのいずれかと1,4-ブタンジオールとの組み合わせが好ましい。
ウレタンプレポリマーの数平均分子量(Mn)は、2000以上50000以下が好ましい。ウレタンプレポリマーのMnが前記下限値以上であれば、電磁鋼板同士の接着強度が高くなる。ウレタンプレポリマーのMnが前記上限値以下であれば、高温時でも電磁鋼板同士の接着強度を確保できる耐熱性と磁気特性を両立できる。
ウレタンプレポリマーのMnの下限値は、好ましくは5000、より好ましくは8000である。ウレタンプレポリマーのMnの上限値は、好ましくは45000、より好ましくは40000である。
ウレタンプレポリマーの末端基は、ジイソシアネートとポリオールとを反応させる際のイソシアネート基と水酸基とのモル比NCO/OHによって制御できる。例えば、モル比NCO/OHを1.00以上3.00以下、好ましくは1.03以上2.00以下とすることで、末端基がイソシアネート基であるウレタンプレポリマーとすることができる。また、モル比NCO/OHを0.50以上0.80以下、好ましくは0.60以上0.80以下とすることで、末端基が水酸基であるウレタンプレポリマーとすることができる。
電磁鋼板用コーティング組成物中のウレタンプレポリマーの含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、5質量部以上40質量部以下である。ウレタンプレポリマーの含有量が前記範囲内であれば、磁気特性に優れた積層コアが得られる。
ウレタンプレポリマーの含有量の下限値は、エポキシ樹脂100質量部に対して、好ましくは10質量部、より好ましくは20質量部である。ウレタンプレポリマーの含有量の上限値は、エポキシ樹脂100質量部に対して、好ましくは39質量部、より好ましくは38質量部である。
電磁鋼板用コーティング組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及びウレタンプレポリマー以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、硬化促進剤(硬化触媒)、乳化剤、消泡剤、鉱物等が挙げられる。
電磁鋼板用コーティング組成物中の他の成分の含有量の上限値は、電磁鋼板用コーティング組成物の総質量に対して、好ましくは30質量%、より好ましくは20質量%である。
絶縁被膜3は、例えば電磁鋼板用コーティング組成物を母材鋼板の表面に塗布して乾燥し、焼き付けることで形成できる。
焼き付ける際の到達温度の下限値は、好ましくは120℃、より好ましくは150℃である。焼き付ける際の到達温度の上限値は、好ましくは250℃、より好ましくは230℃である。
焼き付け時間の下限値は、好ましくは5秒、より好ましくは8秒である。焼き付け時間の上限値は、好ましくは60秒、より好ましくは30秒である。
一般に耐熱性の高いエポキシ樹脂接着剤は、高温での接着強度を担保すると常温付近ではヤング率が大きくなり過ぎるため、鋼板に応力が付与されてコア鉄損が劣化しやすい。一方、常温付近で適度な強度を持つ樹脂組成では耐熱性が不十分となりやすい。
これに対し、本発明では、エポキシ樹脂と相溶するウレタンプレポリマーをエポキシ樹脂に特定の割合で配合する。これにより、硬化後のウレタン樹脂は弾性体として機能し、常温付近での応力付与を緩和できるため、コア鉄損の劣化が抑制される。また、硬化後のウレタン樹脂同士はつながっておらず、高温でも樹脂の流動が抑制されるため、高温での接着強度が担保される。このように、特定のウレタンプレポリマーを特定量用いることで、磁気特性(コア鉄損)と耐熱性が両立される。
絶縁被膜3の平均厚みt1の上下限値は、素材1が電磁鋼板40として用いられる場合も考慮して、例えば以下のように設定される。
素材1が電磁鋼板40として用いられる場合において、絶縁被膜3の平均厚みt1(電磁鋼板40(素材1)片面あたりの厚さ)は、互いに積層される電磁鋼板40間での絶縁性能及び接着能を確保できるように調整する。
単層構成の絶縁被膜3の場合、絶縁被膜3の平均厚みt1(電磁鋼板40(素材1)片面あたりの厚さ)は、例えば、1.5μm以上8.0μm以下とすることができる。
複層構成の絶縁被膜3の場合、下地絶縁被膜の平均厚みは、例えば、0.3μm以上2.5μm以下とすることができ、0.5μm以上1.5μm以下が好ましい。上地絶縁被膜の平均厚みは、例えば、1.5μm以上8.0μm以下とすることができる。
なお、素材1における絶縁被膜3の平均厚みt1の測定方法は、素材1の平均板厚t0と同様の考え方で、複数箇所の絶縁被膜3の厚みを求め、それらの厚みの平均として求めることができる。
この素材1における絶縁被膜3の平均厚みt1についての上下限値は、電磁鋼板40における絶縁被膜3の平均厚みt1の上下限値としても当然に採用可能である。なお、電磁鋼板40における絶縁被膜3の平均厚みt1の測定方法は、例えば、以下の測定方法による。例えば、積層コアを形成する複数の電磁鋼板のうち、積層方向の最も外側に位置する電磁鋼板40(表面が積層方向に露出している電磁鋼板40)を選定する。選定した電磁鋼板40の表面において、径方向の所定の位置(例えば、電磁鋼板40における内周縁と外周縁との丁度中間(中央)の位置)を選定する。選定した位置において、電磁鋼板40の絶縁被膜3の厚みを、周方向に同等の間隔をあけて4か所において(すなわち、中心軸線Oを中心とした90度おきに)測定する。測定した4か所の厚みの平均値を、絶縁被膜3の平均厚みt1とすることができる。
なお、このように絶縁被膜3の平均厚みt1を、積層方向の最も外側に位置する電磁鋼板40において測定した理由は、絶縁被膜3の厚みが、電磁鋼板40の積層方向に沿った積層位置で殆ど変わらないように、絶縁被膜3が作り込まれているからである。
以上のような素材1を打ち抜き加工することで電磁鋼板40が製造され、電磁鋼板40によって積層コア(ステータコア21やロータコア31)が製造される。
(積層コアの積層方法)
以下、積層コアの説明に戻る。ステータコア21を形成する複数の電磁鋼板40は、図3に示すように、絶縁被膜3を介して積層されている。
積層方向に隣り合う電磁鋼板40は、絶縁被膜3によって全面にわたって接着されている。言い換えると、電磁鋼板40において積層方向を向く面(以下、第1面という)は、全面にわたって接着領域41aとなっている。ただし、積層方向に隣り合う電磁鋼板40が、全面にわたって接着されていなくてもよい。言い換えると、電磁鋼板40の第1面において、接着領域41aと非接着領域(不図示)とが混在していてもよい。
本実施形態では、ロータコア31を形成する方の複数の電磁鋼板は、図1に示すかしめ42(ダボ)によって互いに固定されている。しかしながら、ロータコア31を形成する複数の電磁鋼板も、ステータコア21と同様に絶縁被膜3により固定した積層構造を有してもよい。
また、ステータコア21やロータコア31などの積層コアは、いわゆる回し積みにより形成されていてもよい。
(積層コアの製造方法)
前記ステータコア21は、例えば、図7に示す製造装置100を用いて製造される。以下では、製造方法の説明にあたり、まず先に、積層コアの製造装置100(以下、単に製造装置100という)について説明する。
製造装置100では、コイル1A(フープ)から素材1を矢印F方向に向かって送り出しつつ、各ステージに配置された金型により複数回の打ち抜きを行って電磁鋼板40の形状に徐々に形成していく。そして、打ち抜いた電磁鋼板40を積層して昇温させながら加圧する。その結果、積層方向に隣り合う電磁鋼板40を絶縁被膜3によって接着させ(すなわち、絶縁被膜3のうちの接着領域41aに位置する部分に接着能を発揮させ)、接着が完了する。
図7に示すように、製造装置100は、複数段の打ち抜きステーション110を備えている。打ち抜きステーション110は、二段であってもよく、三段以上であってもよい。各段の打ち抜きステーション110は、素材1の下方に配置された雌金型111と、素材1の上方に配置された雄金型112とを備える。
製造装置100は、さらに、最も下流の打ち抜きステーション110よりも下流位置に積層ステーション140を備える。この積層ステーション140は、加熱装置141と、外周打ち抜き雌金型142と、断熱部材143と、外周打ち抜き雄金型144と、スプリング145と、を備えている。
加熱装置141、外周打ち抜き雌金型142、断熱部材143は、素材1の下方に配置されている。一方、外周打ち抜き雄金型144及びスプリング145は、素材1の上方に配置されている。なお、符号21は、ステータコアを示している。
以上説明の構成を有する製造装置100において、まずコイル1Aより素材1を図7の矢印F方向に順次送り出す。そして、この素材1に対し、複数段の打ち抜きステーション110による打ち抜き加工を順次行う。これら打ち抜き加工により、素材1に、図3に示したコアバック部22と複数のティース部23を有する電磁鋼板40の形状を得る。ただし、この時点では完全には打ち抜かれていないので、矢印F方向に沿って次工程へと進む。
そして最後に、素材1は積層ステーション140へと送り出され、外周打ち抜き雄金型144により打ち抜かれて精度良く、積層される。この積層の際、電磁鋼板40はスプリング145により一定の加圧力を受ける。以上説明のような、打ち抜き工程、積層工程、を順次繰り返すことで、所定枚数の電磁鋼板40を積み重ねることができる。さらに、このようにして電磁鋼板40を積み重ねて形成された積層コアは、加熱装置141によって例えば温度200℃まで加熱される。この加熱により、隣り合う電磁鋼板40の絶縁被膜3同士が接着される。
なお、加熱装置141は、外周打ち抜き雌金型142に配置されていなくてもよい。すなわち、外周打ち抜き雌金型142で積層された電磁鋼板40を接着させる前に、外周打ち抜き雌金型142外に取り出してもよい。この場合、外周打ち抜き雌金型142に断熱部材143がなくてもよい。さらにこの場合、積み重ねられた接着前の電磁鋼板40を、図示されない治具で積層方向の両側から挟んで保持した上で、搬送したり加熱したりしてもよい。
以上の各工程により、ステータコア21が完成する。
以上説明したように、本発明では、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び特定のウレタンプレポリマーを特定の比率で組み合わせた電磁鋼板用コーティング組成物によって電磁鋼板の表面に絶縁被膜を形成する。これにより、積層コアの優れた磁気特性(コア鉄損)と、駆動時の高温状態でも電磁鋼板同士の接着強度を保持できる優れた耐熱性とを両立できる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
ステータコアの形状は、前記実施形態で示した形態に限定されるものではない。具体的には、ステータコアの外径及び内径の寸法、積厚、スロット数、ティース部の周方向と径方向の寸法比率、ティース部とコアバック部との径方向の寸法比率、などは所望の回転電機の特性に応じて任意に設計可能である。
前記実施形態におけるロータでは、2つ1組の永久磁石32が1つの磁極を形成しているが、本発明はこれに限られない。例えば、1つの永久磁石32が1つの磁極を形成していてもよく、3つ以上の永久磁石32が1つの磁極を形成していてもよい。
以上、本発明の一実施形態及び実施例について説明した。ただし、本発明の技術的範囲は前記実施形態及び実施例のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、ステータコア21の形状は、上記実施形態で示した形態のみに限定されるものではない。具体的には、ステータコア21の外径および内径の寸法、積厚、スロット数、ティース部23の周方向と径方向の寸法比率、ティース部23とコアバック部22との径方向の寸法比率等は、所望の回転電機の特性に応じて任意に設計可能である。
前記実施形態におけるロータ30では、2つ1組の永久磁石32が1つの磁極を形成しているが、本発明はこの形態のみに限られない。例えば、1つの永久磁石32が1つの磁極を形成していてもよく、3つ以上の永久磁石32が1つの磁極を形成していてもよい。
上記実施形態では、回転電機10として、永久磁石界磁型電動機を一例に挙げて説明したが、回転電機10の構造は、以下に例示するようにこれのみに限られず、更には以下に例示しない種々の公知の構造も採用可能である。
上記実施形態では、回転電機10として、永久磁石界磁型電動機を一例に挙げて説明したが、本発明はこれのみに限られない。例えば、回転電機10がリラクタンス型電動機や電磁石界磁型電動機(巻線界磁型電動機)であってもよい。
上記実施形態では、交流電動機として、同期電動機を一例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、回転電機10が誘導電動機であってもよい。
上記実施形態では、回転電機10として、交流電動機を一例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、回転電機10が直流電動機であってもよい。
上記実施形態では、回転電機10として、電動機を一例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、回転電機10が発電機であってもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[原料]
実施例で使用した原料を以下に示す。
(エポキシ樹脂)
E1:フェノールノボラック型エポキシ樹脂
E2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(エポキシ樹脂硬化剤)
A1:フェノールレゾール樹脂
A2:ジシアンジアミド
(ウレタンプレポリマー)
B1:ウレタンプレポリマー(Mn:6000)
撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、及び窒素導入管を備えた反応容器に、ポリエステルジオール(株式会社クラレ製「クラレポリオールP-2010」、Mn=2000)100質量部に、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート45質量部(NCO/OH(モル比)=1.05)、及びジラウリン酸ジ-n-ブチルスズ0.01質量部を仕込み、窒素雰囲気下80℃で2時間反応させ、ウレタンプレポリマー(Mn=6000)溶液を得た。
B2:ウレタンプレポリマー(Mn:11000)
B3:ウレタンプレポリマー(Mn:26000)
B4:ウレタンプレポリマー(Mn:46000)
B5:ウレタンプレポリマー(Mn:3000)
B6:ウレタンプレポリマー(Mn:7000)
ウレタンプレポリマーB2~B6は、仕込みを表1に示すとおりに変更した以外は、ウレタンプレポリマーB1と同様の方法で合成した。
(ウレタンプレポリマー(比較対象))
C1:ウレタンプレポリマー(Mn:1600)
C2:ウレタンプレポリマー(Mn:55000)
C3:ウレタンプレポリマー(Mn:89000)
ウレタンプレポリマーC1~C3は、仕込みを表1に示すとおりに変更した以外は、ウレタンプレポリマーB1と同様の方法で合成した。
Figure 0007485931000001
なお、表1中の記号は以下の意味を示す。
P-2010:ポリエステルジオール(株式会社クラレ製「クラレポリオールP-2010」、Mn=2000)
P-1010:ポリエステルジオール(株式会社クラレ製「クラレポリオールP-1010」、Mn=1000)
PTG(650):ポリエーテルジオール(保土ヶ谷化学工業株式会社製「PTG」、Mn=650)
PTG(2000):ポリエーテルジオール(保土ヶ谷化学工業株式会社製「PTG」、Mn=2000)
MDI:4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート
TDI:トリレンジイソシアネート
1,4-BD:1,4-ブタンジオール
[磁気特性]
各例の電磁鋼帯から55mm×55mmサイズの矩形の電磁鋼板を切り出し、鋼板温度180℃、圧力10MPa、加圧時間1時間の条件で電磁鋼板2枚を積層接着して積層コアを作製した。得られた積層コアについて、JIS C2556に規定された単板磁気測定法により、圧延方向と圧延方向に対して直角方向の単板磁気特性を測定し、それらの値の平均値を磁気特性として求めた。なお、磁気特性(磁性)としては、鉄損として「W10/400(W/kg)」を評価した。「W10/400」は、周波数400Hz、最大磁束密度1.0Tのときの鉄損である。
[接着強度]
各例の電磁鋼帯から、幅30mm×長さ60mmの長方形の電磁鋼板を2枚切り出し、互いの幅30mm×長さ10mmの先端部分同士を重ね合わせ、鋼板温度230℃、圧力30MPa、加圧時間1時間で接着してサンプルを作製した。雰囲気温度25℃、引張速度2mm/分として剪断引張強度を測定し、接着面積で除した数値を接着強度(MPa)とした。
[判定]
各例について、以下の基準で判定を行った。
○(優良):25℃の接着強度が5MPa以上、180℃の接着強度が0.5MPa以上、かつ磁気特性が12W/kg未満である。
△(可):25℃の接着強度が4MPa以上5MPa未満、180℃の接着強度が0.5MPa以上、かつ磁気特性が12W/kg未満である。
×(不良):25℃の接着強度が4MPa以上、180℃の接着強度が0.5MPa以上、かつ磁気特性が12W/kg未満のいずれか1つ以上を満たさない。
[実施例1]
母材鋼板として、質量%で、Si:3.0%、Mn:0.2%、Al:0.5%、残部がFe及び不純物からなる板厚0.25mm、幅100mmの無方向性電磁鋼板を用いた。
表2に示す各成分を混合して電磁鋼板用コーティング組成物を調製した。得られた電磁鋼板用コーティング組成物を母材鋼板の表面に塗布し、200℃で10秒間焼き付けて平均厚みが3.0μmの絶縁被膜を形成して電磁鋼帯を得た。
[実施例2~6、比較例1~8]
電磁鋼板用コーティング組成物の組成及び焼き付け条件を表2に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして電磁鋼帯を得た。
Figure 0007485931000002
各例の磁気特性(磁性)及び接着強度の評価結果を表3に示す。
Figure 0007485931000003
表3に示すように、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び特定のウレタンプレポリマーを特定の比率で組み合わせた実施例1~6では、150℃での十分な接着強度が確保され、耐熱性に優れるうえ、磁気特性にも優れていた。
一方、ウレタンプレポリマーの含有量及びMnが本発明の範囲外の比較例1~7では、耐熱性と磁気特性が両立できなかった。ウレタンプレポリマーを配合していない比較例8では、磁気特性が劣っていた。
本発明によれば、積層コアの耐熱性と磁気特性を両立できる。よって、産業上の利用可能性は大である。
1…素材、2…母材鋼板、3…絶縁被膜、10…回転電機、20…ステータ、21…ステータコア、40…電磁鋼板。

Claims (4)

  1. エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤と、ウレタンプレポリマーとを含有し、前記ウレタンプレポリマーは、ジイソシアネートとポリエーテルポリオールとの反応物、及びジイソシアネートとポリエステルポリオールとの反応物のいずれか一方又は両方を含有し、前記ウレタンプレポリマーは、末端にイソシアネート基又は水酸基のいずれかを有し、かつ数平均分子量が2000以上50000以下であり、前記ウレタンプレポリマーの含有量が前記エポキシ樹脂100質量部に対して5質量部以上40質量部以下である、電磁鋼板用コーティング組成物。
  2. 請求項1に記載の電磁鋼板用コーティング組成物が塗布されてなる絶縁被膜を表面に有する、電磁鋼板。
  3. 請求項に記載の電磁鋼板が複数積層され、互いに接着されている、積層コア。
  4. 請求項に記載の積層コアを備える回転電機。
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