JP7485927B2 - プレス矯正システム、出力制御装置、プレス矯正方法及びプログラム - Google Patents
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Description
[1]
油圧シリンダーに備えられたラムヘッドで板状の被矯正材をプレスするプレス装置と、
前記ラムヘッドのストローク量を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記ストローク量の実績値Stに対する油圧荷重の実績値Ptの傾きを算出する傾き算出部と、
前記傾き算出部により算出された前記ストローク量の実績値Stに対する前記油圧荷重の実績値Ptの前記傾きに基づいて、前記被矯正材の変形が塑性域における変形か否かを判定する塑性域判定部と、
前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spを算出する変形量算出部と、
前記油圧荷重の予測値Ppが前記被矯正材の変形開始時の油圧荷重Piと等しくなるときの前記ストローク量の予測値Spを予測矯正量Scとし、前記予測矯正量Scと目標矯正量Saとの差が所定の閾値ΔSth以下であるか否かを判定する加圧停止判定部と、
前記加圧停止判定部により前記予測矯正量Scと前記目標矯正量Saとの差が所定の前記閾値ΔSth以下であると判定されたときに、前記プレスを停止する信号の出力を制御する出力制御部と、を有し、
前記変形量算出部は、前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記油圧荷重の実績値Pt及び前記ストローク量の実績値Stと、当該塑性域となる前の弾性域の傾きEと、に基づいて、現時刻tで前記油圧荷重を除荷した場合における現時刻t以降の前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spを算出する、又は、前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記油圧荷重の実績値Pt及び前記ストローク量の実績値Stと、現時刻tにおけるPt/Stと、前記傾きEと、に基づいて、時刻t+Δtで前記油圧荷重を除荷した場合における時刻t+Δt以降の前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spを算出する、プレス矯正システム。
[2]
下記式(1)及び下記式(2)を用いて前記油圧荷重の実績値Ptを前記被矯正材に作用する荷重である作用荷重Pt’に補正する作用荷重算出部を更に備える、
[1]に記載のプレス矯正システム。
Pt’=Pt+Pm(I) …式(1)
Pt’=Pt+Pm(II) …式(2)
ここで、
Pt:前記油圧荷重の実績値
Pm(I):前記ラムヘッドによる負荷時の前記油圧荷重の補正量
Pm(II):前記除荷時の前記油圧荷重の補正量
である。
[3]
前記出力制御部は、更に、前記変形量算出部により算出された現時刻t若しくは時刻t+Δt以降の前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spがプロットされたグラフ、又は前記変形量算出部により算出された現時刻t若しくは時刻t+Δt以降の作用荷重の予測値Pp’と前記ストローク量の予測値Spがプロットされたグラフを逐次表示する出力を制御する、[2]に記載のプレス矯正システム。
[4]
油圧シリンダーに備えられたラムヘッドによる板状の被矯正材のプレス中に取得される前記ラムヘッドの現時刻tにおける油圧荷重の実績値Ptとストローク量の実績値Stの組み合わせ、及び、前記油圧荷重の実績値Ptと、前記ストローク量の実績値Stと、弾性域の傾きEと、に基づいて予測された、現時刻tにおいて前記油圧荷重が除荷されたときの現時刻t以降の前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spの組み合わせがプロットされたXY平面、又は、現時刻tにおける、前記油圧荷重の実績値Ptと、前記ストローク量の実績値Stと、塑性域での現時刻tにおける前記ストローク量の実績値Stに対する前記油圧荷重の実績値Ptの比Pt/Stと、に基づいて予測された時刻t+Δtでの前記油圧荷重及び前記ストローク量の組み合わせ、及び、前記時刻t+Δtの時点で前記油圧荷重が除荷した場合における時刻t+Δt以降の前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spの組み合わせがプロットされたXY平面の少なくともいずれかを逐次表示する出力を制御する、出力制御装置。
[5]
油圧シリンダーに備えられたラムヘッドで板状の被矯正材をプレスするプレス矯正方法であって、
ラムヘッドのストローク量の実績値Stに対する油圧荷重の実績値Ptの傾きを算出する傾き算出ステップと、
前記傾き算出ステップにおいて算出された前記ストローク量の実績値Stに対する前記油圧荷重の実績値Ptの前記傾きに基づいて、前記被矯正材の変形が塑性域における変形か否かを判定する塑性域判定ステップと、
前記塑性域判定ステップにおいて塑性域における変形と判定された場合に、前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spを算出する変形量算出ステップと、
前記油圧荷重の予測値Ppが前記被矯正材の変形開始時の油圧荷重Piと等しくなるときの前記ストローク量の予測値Spを予測矯正量Scとし、前記予測矯正量Scと目標矯正量Saとの差が所定の閾値ΔSth以下であるか否かを判定する加圧停止判定ステップと、
前記予測矯正量Scと前記目標矯正量Saとの差が所定の前記閾値ΔSth以下であると判定されたときに、前記プレスを停止する信号の出力を制御する出力制御ステップと、
を含み、
前記変形量算出ステップでは、前記塑性域判定ステップにおいて塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記油圧荷重の実績値Pt及び前記ストローク量の実績値Stと、当該塑性域となる前の弾性域の傾きEと、に基づいて、現時刻tで前記油圧荷重を除荷した場合における現時刻t以降の前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spが算出される、又は、前記塑性域判定ステップにおいて塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記油圧荷重の実績値Pt及び前記ストローク量の実績値Stと、現時刻tにおけるPt/Stと、前記傾きEと、に基づいて、時刻t+Δtで前記油圧荷重を除荷した場合における時刻t+Δt以降の前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spが算出される、プレス矯正方法。
[6]
油圧シリンダーに備えられたラムヘッドで、当該ラムヘッドのストローク量を制御して板状の被矯正材をプレスする際に、
コンピュータを、
前記ストローク量の実績値Stに対する油圧荷重の実績値Ptの傾きを算出する傾き算出部と、
前記傾き算出部により算出された前記ストローク量の実績値Stに対する前記油圧荷重の実績値Ptの前記傾きに基づいて、前記被矯正材の変形が塑性域における変形か否かを判定する塑性域判定部と、
前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spを算出する変形量算出部と、
前記油圧荷重の予測値Ppが前記被矯正材の変形開始時の油圧荷重Piと等しくなるときの前記ストローク量の予測値Spを予測矯正量Scとし、前記予測矯正量Scと目標矯正量Saとの差が所定の閾値ΔSth以下であるか否かを判定する加圧停止判定部と、
前記予測矯正量Scと前記目標矯正量Saとの差が所定の前記閾値ΔSth以下であると判定されたときに、前記プレスを停止する信号の出力を制御する出力制御部と、
として機能させ、
前記変形量算出部が、前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記油圧荷重の実績値Pt及び前記ストローク量の実績値Stと、当該塑性域となる前の弾性域の傾きEと、に基づいて、現時刻tで前記油圧荷重を除荷した場合における現時刻t以降の前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spを算出する、又は、前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記油圧荷重の実績値Pt及び前記ストローク量の実績値Stと、現時刻tにおけるPt/Stと、前記傾きEと、に基づいて、時刻t+Δtで前記油圧荷重を除荷した場合における時刻t+Δt以降の前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spを算出するための、プログラム。
[7]
油圧シリンダーに備えられたラムヘッドで板状の被矯正材をプレスするプレス装置と、
前記ラムヘッドのストローク量を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記プレス中の前記油圧シリンダーによる油圧荷重の実績値Ptと、ストローク量の実績値Stと、シム板間隔Lと、プレス位置xと、から、曲げモーメントMt及び曲率κtを算出する、変換部と、
前記曲率κtに対する前記曲げモーメントMtの傾きを算出する傾き算出部と、
前記傾き算出部により算出された、前記曲率κtに対する前記曲げモーメントMtの前記傾きに基づいて、前記被矯正材の変形が塑性域における変形か否かを判定する塑性域判定部と、
前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記曲げモーメントMt及び前記曲率κtと、当該塑性域となる前の弾性域の傾きEと、に基づいて、現時刻tで前記油圧荷重を除荷した場合における現時刻t以降の曲げモーメントの予測値Mpと曲率の予測値κpを算出する変形量算出部と、
前記曲げモーメントの予測値Mpが前記被矯正材の変形開始時の前記曲げモーメントMiと等しくなるときの前記曲率の予測値κpを予測曲率κcとし、前記予測曲率κcと目標曲率κaとの差が所定の閾値Δκth以下であるか否かを判定する加圧停止判定部と、
前記加圧停止判定部により前記予測曲率κcと前記目標曲率κaとの差が所定の前記閾値Δκth以下であると判定されたときに、前記プレスを停止する信号の出力を制御する出力制御部と、
を有し、
前記変形量算出部は、前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記曲げモーメントMt及び前記曲率κtと、当該塑性域となる前の弾性域の傾きEと、に基づいて、現時刻tで前記油圧荷重を除荷した場合における現時刻t以降の曲げモーメントの予測値Mpと曲率の予測値κpを算出する、又は、前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記曲げモーメントMt及び前記曲率κtと、現時刻tにおけるMt/κtと、前記傾きEと、に基づいて、時刻t+Δtで前記油圧荷重を除荷した場合における時刻t+Δt以降の曲げモーメントの予測値Mpと曲率の予測値κpを算出する、プレス矯正システム。
[8]
下記式(3)及び下記式(4)を用いて前記油圧荷重の実績値Ptを前記被矯正材に作用する荷重である作用荷重Pt’に補正する作用荷重算出部を更に備え、
前記変換部は、前記油圧荷重の実績値Ptに代えて前記作用荷重Pt’を用いて補正曲げモーメントMt’を算出する、[7]に記載のプレス矯正システム。
Pt’=Pt+Pm(I) …式(3)
Pt’=Pt+Pm(II) …式(4)
ここで、
Pt:前記油圧荷重の実績値
Pm(I):前記ラムヘッドによる負荷時の前記油圧荷重の補正量
Pm(II):前記除荷時の前記油圧荷重の補正量
である。
[9]
前記出力制御部は、更に、前記変形量算出部により算出された現時刻t若しくは時刻t+Δt以降の前記曲げモーメントの予測値Mpと前記曲率の予測値κpがプロットされたグラフ、又は前記変形量算出部により算出された時刻t若しくはt+Δt以降の前記補正曲げモーメントの予測値Mp’と前記曲率の予測値κpがプロットされたグラフを逐次表示する出力を制御する、[8]に記載のプレス矯正システム。
[10]
油圧シリンダーに備えられたラムヘッドによる板状の被矯正材のプレス中に取得される前記ラムヘッドの現時刻tにおける、前記油圧シリンダーによる油圧荷重の実績値Ptと、ストローク量の実績値Stと、シム板間隔Lと、プレス位置xと、に基づいて算出された、曲率κtと曲げモーメントMtの組み合わせ、及び、前記曲率κtと、前記曲げモーメントMtと、弾性域の傾きEと、に基づいて予測された、現時刻tにおいて前記油圧荷重が除荷されたときの現時刻t以降の前記曲率の予測値κpと前記曲げモーメントの予測値Mpの組み合わせがプロットされたXY平面、又は、現時刻tにおける、前記曲げモーメントMt及び前記曲率κtと、塑性域での現時刻tにおける前記曲率κtに対する前記曲げモーメントMtの比Mt/κtと、に基づいて予測された時刻t+Δtでの前記曲げモーメント及び前記曲率の組み合わせ、及び、前記時刻t+Δtの時点で前記油圧荷重が除荷した場合における時刻t+Δt以降の前記曲げモーメントの予測値Mpと前記曲率の予測値κpの組み合わせがプロットされたXY平面の少なくともいずれかを逐次表示する出力を制御する、出力制御装置。
[11]
油圧シリンダーに備えられたラムヘッドで板状の被矯正材をプレスするプレス矯正方法であって、
前記プレス中の前記油圧シリンダーによる油圧荷重の実績値Ptと、ストローク量の実績値Stと、シム板間隔Lと、プレス位置xと、から、曲げモーメントMt及び曲率κtを算出する、変換ステップと、
前記曲率κtに対する前記曲げモーメントMtの傾きを算出する傾き算出ステップと、
前記傾き算出部により算出された、前記曲率κtに対する前記曲げモーメントの実績値Mtの前記傾きに基づいて、前記被矯正材の変形が塑性域における変形か否かを判定する塑性域判定ステップと、
前記塑性域判定ステップにおいて塑性域における変形と判定された場合に、前記曲げモーメントの予測値Mpと前記曲率の予測値κpを算出する変形量算出ステップと、
前記曲げモーメントの予測値Mpが前記被矯正材の変形開始時の前記曲げモーメントMiと等しくなるときの前記曲率の予測値κpを予測曲率κcとし、前記予測曲率κcと目標曲率κaとの差が所定の閾値Δκth以下であるか否かを判定する加圧停止判定ステップと、
前記加圧停止判定ステップにおいて前記予測曲率κcと前記目標曲率κaとの差が所定の前記閾値Δκth以下であると判定されたときに、前記プレスを停止する信号の出力を制御する出力制御ステップと、
を含み、
前記変形量算出ステップでは、前記塑性域判定ステップにおいて塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記曲げモーメントMt及び前記曲率κtと、当該塑性域となる前の弾性域の傾きEと、に基づいて、現時刻tで前記油圧荷重を除荷した場合における現時刻t以降の曲げモーメントの予測値Mpと曲率の予測値κpが算出される、又は、前記塑性域判定ステップにおいて塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記曲げモーメントMt及び前記曲率κtと、現時刻tにおけるMt/κtと、前記傾きEと、に基づいて、時刻t+Δtで前記油圧荷重を除荷した場合における時刻t+Δt以降の曲げモーメントの予測値Mpと曲率の予測値κpが算出される、プレス矯正方法。
[12]
油圧シリンダーに備えられたラムヘッドで、当該ラムヘッドのストローク量を制御して板状の被矯正材をプレスする際に、
コンピュータを、
前記プレス中の前記油圧シリンダーによる油圧荷重の実績値Ptと、ストローク量の実績値Stと、シム板間隔Lと、プレス位置xと、から、曲げモーメントMt及び曲率κtを算出する、変換部と、
前記曲率κtに対する前記曲げモーメントMtの傾きを算出する傾き算出部と、
前記傾き算出部により算出された、前記曲率κtに対する前記曲げモーメントの実績値Mtの前記傾きに基づいて、前記被矯正材の変形が塑性域における変形か否かを判定する塑性域判定部と、
前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、前記曲げモーメントの予測値Mpと前記曲率の予測値κpを算出する変形量算出部と、
前記曲げモーメントの予測値Mpが前記被矯正材の変形開始時の前記曲げモーメントMiと等しくなるときの前記曲率の予測値κpを予測曲率κcとし、前記予測曲率κcと目標曲率κaとの差が所定の閾値Δκth以下であるか否かを判定する加圧停止判定部と、
前記加圧停止判定部により前記予測曲率κcと前記目標曲率κaとの差が所定の前記閾値Δκth以下であると判定されたときに、前記プレスを停止する信号の出力を制御する出力制御部と、
として機能させ、
前記変形量算出部が、前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記曲げモーメントMt及び前記曲率κtと、当該塑性域となる前の弾性域の傾きEと、に基づいて、現時刻tで前記油圧荷重を除荷した場合における現時刻t以降の曲げモーメントの予測値Mpと曲率の予測値κpを算出する、又は、前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記曲げモーメントMt及び前記曲率κtと、現時刻tにおけるMt/κtと、前記傾きEと、に基づいて、時刻t+Δtで前記油圧荷重を除荷した場合における時刻t+Δt以降の曲げモーメントの予測値Mpと曲率の予測値κpを算出するためのプログラム。
(1-1.第1の実施形態に想到した背景)
本発明に係る第1の実施形態について説明するに先立ち、本発明の第1の実施形態をより明確なものとするために、本発明者らが本発明に想到した背景について説明する。なお、以下の説明では、一例として、被矯正材が板材である場合について説明する。
図3及び図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係るプレス矯正システムの構成について説明する。図3は、第1の実施形態に係るプレス矯正システム10の概略構成を示す図である。図4は、図3に示すラムヘッド131が被矯正材2の表面に接触している状態を示す斜視図である。
プレス装置100は、プレスする際の基台となるベッド110と、ベッド110上に所定の間隔を有して載置される2つのシム板120と、ベッド110の上方に配置される押圧機構130と、を備える。
続いて、図5~11を参照して、制御装置200を詳細に説明する。図5は、本実施形態に係るプレス矯正システム10が有する制御装置200の機能構成の一例を示すブロック図である。図6は、本実施形態の制御装置200が有する作図部210の機能について説明するための図である。図7は、本実施形態の制御装置200が有する作図部210、塑性域判定部230及び変形量算出部240の機能について説明するための図である。図8及び図9は、本実施形態の制御装置200が有する作図部210及び変形量算出部240の機能について説明するための図である。図10は、目標矯正量Saの設定方法を説明するための被矯正材のXZ断面における表面高さ分布を示す図である。図11は、本実施形態の制御装置200が有する出力制御部260の機能について説明するための図である。
被矯正材2の変形が塑性域に入ったと判定されると、傾き算出部220は、弾性域においてそれまでに取得された傾きe1、e2、・・・、e(n-1)の平均値から、弾性域の傾きEを算出する。具体的には、当該弾性域での傾きEは、下記式(101)に従って算出され得る。ただし、弾性域での傾きEを求める方法はかかる例に限定されず、例えば、当該弾性域での傾きEは、弾性域におけるあるタイミングで算出された傾きen(例えば、E=e(n-1)、すなわち傾きの変化量の絶対値Δeが閾値Δethよりも大きくなった直前のタイミングで算出された傾きe(n-1))として設定されてもよい。ここまで、傾き算出部220による傾きEの算出方法を説明した。
以上、プレス矯正システム10の概略構成について説明した。
続いて、図12を参照して、第1の実施形態に係るプレス矯正方法の処理手順について説明する。図12は、本実施形態に係るプレス矯正方法の処理手順の一例を示すフロー図である。なお、図12に示す各処理は、図5に示す制御装置200によって実行される処理に対応している。各処理の内容について、図5に示す各機能における処理として既に説明している事項については、ここではその詳細な説明を省略する。
以上、第1の実施形態に係るプレス矯正方法の処理手順について説明した。
第1の実施形態では、制御装置200は、リアルタイムで、すなわち被矯正材2に対してラムヘッド131をプレスしている間に逐次、油圧荷重の実績値及びストローク量の実績値を取得する。そして、制御装置200は、取得した油圧荷重及びストローク量の関係(すなわち、F-S関係)に基づいて、プレス中にスプリングバック量を逐次計算し、所望の形状が得られるような、すなわちスプリングバック量を考慮した矯正量(すなわち、プレス完了後の被矯正材2の変形量)が目標矯正量と一致するような、除荷タイミングを決定する。そして、当該除荷タイミングに達した時点で、プレスを終了する旨のガイダンスを上記出力装置に出力させる。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、プレス中に、現在実際にプレスを行っている被矯正材2についてのF-S関係を逐次取得し、当該F-S関係に基づいて、当該被矯正材2についての目標ストローク量を決定する。従って、上記特許文献1、2に記載の技術のように事前に取得されたF-S線図に基づいて目標ストローク量を決定する方法に比べて、矯正後の形状の精度を格段に向上させることができる。
(2-1.第1の実施形態の変形例に想到した背景)
変形例について説明するに先立ち、本発明者らが当該変形例に想到した背景について説明する。本変形例は、矯正の精度を更に向上させるものである。以下、本発明者ら得た矯正の精度を更に向上させるための知見について詳細に説明する。
図13のF-S線図は油圧荷重を用いて作図している。油圧荷重は、プレス機の油圧回路内に設けられた圧力計で測定した圧力値から算出されるため、シリンダ内の圧力を正確に反映していない可能性がある。すなわち算出した油圧荷重が誤差を含む可能性がある。
そこでベッドの上に荷重センサ(ロードセル)を配置し、荷重センサをラムヘッドで直接プレスしたときの荷重について荷重センサで測定した値と油圧荷重値の比較を行った。図14は、一般のプレス矯正システムを用いて、荷重センサをラムヘッドで直接プレスしたときの荷重センサによる測定値と油圧荷重値のF-S線図である。図14のように両者は、負荷時と除荷時いずれも差が生じていることが明らかとなったため、油圧荷重が荷重センサの測定値に一致するように、負荷時と除荷時の油圧荷重に対して式(102)と式(103)でそれぞれ補正を行った。
Pt’=Pt+Pm(II) …式(103)
ここで、
Pt’:被矯正材に作用する荷重の算出値(作用荷重)
Pt:油圧荷重
Pm(I):負荷時の油圧荷重の補正量
Pm(II):除荷時の油圧荷重の補正量
ここで荷重誤差Pm(I)とPm(II)は油圧荷重Ptの関数f1(Pt)とf2(Pt)としてそれぞれ下記式(104)、(105)のように定式化した。
Pm(I)=f1(Pt) …式(104)
Pm(II)=f2(Pt) …式(105)
図15に示すように、負荷時の弾性域での傾きE(図中点線で示す)と、除荷時の傾きE’(図中一点鎖線で示す)と、を比較すると、両者がほぼ同じ傾きになっていることが分かる。つまり、すなわちF-S線図における負荷時の弾性域における傾きEと除荷時の傾きE’との不一致についても、ほぼ解消していると言える。
なお作用荷重Pt’を直接測定し、その測定値を用いてF-S関係を取得すれば、油圧荷重誤差が含まれていない、図15に示すようなF-S線図と同様のものを作成することが可能になる。作用荷重Pt’をより直接的に測定するためには、例えば、ひずみセンサ等の荷重センサをラムヘッド131に取り付ける方法が考えられる。しかしながら、プレス装置においては、一般的に、作用荷重Pt’を直接測定可能に構成されているものは少なく、油圧荷重Ptを測定可能に構成されているものが多い。従って、プレス装置において、作用荷重Pt’を直接測定し、その測定値を用いて求めたF-S関係に基づいて目標ストローク量を算出するシステムを構築しようとすると、ひずみセンサ等の荷重センサを設置する作業、及び当該荷重センサの保守、点検を行う作業等が発生し、コストが増大化し得る。よって、既存の設備を利用することによりコストの増加を抑えつつ、矯正の精度をより向上させるためには、本変形例のように、油圧荷重誤差をあらかじめ算出し、算出した油圧荷重誤差によって油圧荷重Ptを補正してF-S関係を求める方法がより好ましいと考えられる。なお、この際、上述したように、油圧荷重Ptの誤差を取得するために、荷重センサをラムヘッド131に取り付けて作用荷重Pt’を直接測定する方法も、当該荷重センサの取り付けが一時的なものであり、当該荷重センサの保守、点検を長期的に行う必要がないことから、コストの大幅な増加を招くことがないため、有効であると考えられる。
変形例に係るプレス矯正システムの構成は、図3を参照して説明した第1の実施形態に係るプレス矯正システム10と略同様であるため、その詳細な説明は省略する。ただし、変形例では、制御装置200の機能が異なる。ここでは、図16を参照して変形例に係る制御装置400の機能構成について説明する。図16は、本変形例の制御装置400が有する作図部410の機能について説明するための図である。
Pt’=Pt+Pm …式(106)
以上、変形例に係る制御装置400の機能構成について説明した。
図17を参照して、変形例に係るプレス矯正方法の処理手順について説明する。図17は、変形例に係るプレス矯正方法の処理手順の一例を示すフロー図である。各処理の内容について、既に説明している事項については、ここではその詳細な説明を省略する。また、図17に示す各処理のうち、ステップS201、ステップS209~ステップS215における処理は、図12に示すステップS101、ステップS107~ステップS113における処理と、それぞれ同様の処理である。
次に、作図部410が作用荷重Pt’及びストローク量実績値Stの組み合わせをXY平面上にプロットする(ステップS205)。続いて、傾き算出部220は、作用荷重Pt’及びストローク量実績値StからF-S線図の傾きetを算出する(ステップS207)。傾き算出部220は、算出したF-S線図の傾きetについての情報を、塑性域判定部230及び変形量算出部240に提供する。
以上説明したように、変形例によれば、第1の実施形態に係るプレス矯正方法において、F-S関係に基づいて目標ストローク量を決定する際に、荷重誤差Pmが考慮される。具体的には、プレス中に取得される油圧荷重の実績値Pt及びストローク量の実績値Stを用いてF-S線図の傾きを求める際に、荷重誤差Pmの値を用いて当該油圧荷重の実績値が補正され、その補正されて得られた作用荷重Pt’を用いてF-S線図の傾きが求められる。従って、この傾きに基づいて求められる現時点で除荷した場合の被矯正材2の矯正量を、より精度良く予測することが可能となる。よって、変形例によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、その矯正の精度を更に向上させることが可能になる。
(3-1.第2の実施形態に想到した背景)
第2の実施形態について説明するに先立ち、本発明者らが第2の実施形態に想到した背景について説明する。第1の実施形態に係るプレス矯正は、プレス荷重とストローク量との関係に基づいてプレス矯正を行うことで、所望のプレス矯正量を得る。本実施形態は、プレス荷重とストローク量との関係に代えて、曲げモーメントと曲率との関係に基づいてプレス矯正を行い、矯正の精度を更に向上させるものである。以下、図18を参照して、本発明者ら得た矯正の精度を更に向上させるための知見について詳細に説明する。図18は、被矯正材の表面高さhと曲率κとの関係を説明するための図である。
以下、第2の実施形態に係るプレス矯正システムについて具体的に説明する。
第2の実施形態に係るプレス矯正システムの構成は、図3を参照して説明した第1の実施形態に係るプレス矯正システム10と略同様であるため、その詳細な説明は省略する。ただし、本実施形態では、制御装置200の機能が異なる。ここでは、図19を参照して変形例に係る制御装置500の機能構成について説明する。図19は、本実施形態に係るプレス矯正システムが有する制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
Mt=M(x,F(t))
よって、曲げモーメントMtは、油圧荷重の実績値Ptと、シム板120の間隔Lと、プレス位置xと、から、算出することができる。例えば、図20のような場合には、プレス位置に作用する曲げモーメントMtはMt=F(t)・L/2と表せる。
よって、曲率κtは、シム板120の間隔Lと、ストローク量の実績値Stから、算出することができる。
ここまで、作図部510が作図するM-κ線図について説明した。
被矯正材2の変形が塑性域に入ったと判定されると、傾き算出部520は、弾性域においてそれまでに取得された傾きe’1、e’2、・・・、e’(n-1)の平均値から、弾性域の傾きEを算出する。具体的には、当該弾性域での傾きEは、上記式(101)におけるeiをe’iに置き換えた式に従って算出され得る。ただし、弾性域での傾きEを求める方法はかかる例に限定されず、例えば、当該弾性域での傾きEは、弾性域におけるあるタイミングで算出された傾きe’n(例えば、E=e’(n-1)、すなわち傾きの変化量の絶対値Δe’が閾値Δe’thよりも大きくなった直前のタイミングで算出された傾きe’(n-1))として設定されてもよい。ここまで、傾き算出部520による傾きEの算出方法を説明した。
しかしながら、上記により、現時刻tからΔtだけ経過した後に除荷した場合の曲率が予測可能であるため、オペレータがプレス装置100を操作して加圧を停止する場合、より高精度で被矯正材を矯正することが可能となる。またプレス装置100を自動停止する場合には、制御のタイムラグによって過剰に変形を加えてしまうことを抑制できる。
予測曲率κcと目標曲率κaとの差Δκが所定の閾値Δκth以下であれば、実際の曲率を目標曲率κaから許容される範囲内とすることが可能となる。
以上、プレス矯正システム10の概略構成について説明した。
続いて、図24を参照して、第2の実施形態に係るプレス矯正方法の処理手順について説明する。図24は、本実施形態に係るプレス矯正方法の処理手順の一例を示すフロー図である。なお、図24に示す各処理は、図19に示す制御装置500によって実行される処理に対応している。各処理の内容について、図19に示す各機能における処理として既に説明している事項については、ここではその詳細な説明を省略する。
以上、第2の実施形態に係るプレス矯正方法の処理手順について説明した。
第2の実施形態では、制御装置500は、リアルタイムで、すなわち被矯正材2に対してラムヘッド131をプレスしている間に逐次、油圧荷重の実績値及びストローク量の実績値を取得し、油圧荷重の実績値Ptと、ストローク量の実績値Stと、シム板間隔Lと、プレス位置xと、から、曲げモーメントMt及び曲率κtを算出することができる。そして、制御装置500は、算出した曲げモーメントMt及び曲率κtの関係(すなわち、M-κ関係)に基づいて、プレス中にスプリングバック量を逐次計算し、所望の形状が得られるような、すなわちスプリングバック量を考慮した曲率(すなわち、プレス完了後の被矯正材2の曲率)が目標曲率と一致するような、除荷タイミングを決定する。そして、当該除荷タイミングに達した時点で、プレスを終了する旨のガイダンスを上記出力装置に出力させる。
以下、第2の実施形態の変形例について具体的に説明する。なお、第2の実施形態の変形例は、上述した第2の実施形態において、プレス中にM-κ関係を取得する際に、油圧荷重誤差を考慮して当該M-κ関係を取得するものに対応し、その他の事項は上述した第2の実施形態と略同様である。従って、以下の変形例についての説明では、上述した第2の実施形態と相違する事項について主に説明を行い、重複する事項についてはその詳細な説明を省略する。
本変形例に係る制御装置600は、第1の実施形態の変形例に係る制御装置200の作用荷重算出部480を有する点で制御装置500とは異なる。作用荷重算出部480については、既に説明しているため、ここでの詳細な説明は省略する。
以上、変形例に係る制御装置600の機能構成について説明した。
図25を参照して、本変形例に係るプレス矯正方法の処理手順について説明する。図25は、第2の実施形態の変形例に係るプレス矯正方法の処理手順の一例を示すフロー図である。各処理の内容について、既に説明している事項については、ここではその詳細な説明を省略する。また、図25に示す各処理のうち、ステップS401、ステップS411~ステップS417における処理は、図24に示すステップS101、ステップS309~ステップS315における処理と、それぞれ同様の処理である。
次に、変換部590が、作用荷重Pt’と、ストローク量の実績値Stと、シム板間隔Lと、プレス位置xと、から、補正曲げモーメントMt’及び曲率κtを算出する(ステップS405)。
次に、作図部610が補正曲げモーメントMt’及び曲率κtの組み合わせをXY平面上にプロットする(ステップS407)。続いて、傾き算出部520は、補正曲げモーメントMt’及び曲率κtから補正曲げモーメントMt’についてのM-κ線図の傾きe’tを算出する(ステップS409)。傾き算出部520は、算出したM-κ線図の傾きe’tについての情報を、塑性域判定部530及び変形量算出部540に提供する。
以上説明したように、本変形例によれば、第2の実施形態に係るプレス矯正方法において、M-κ関係に基づいて目標ストローク量を決定する際に、荷重誤差Pmが考慮される。具体的には、プレス中に取得される油圧荷重の実績値Ptが荷重誤差Pmの値を用いて補正され、その補正されて得られた作用荷重Pt’を用いて補正曲げモーメントMt’が算出される。そして、補正曲げモーメントMt’についてのM-κ線図が作成され、M-κ線の傾きが求められる。従って、この傾きに基づいて求められる現時点で除荷した場合の被矯正材2の曲率を、より精度良く予測することが可能となる。よって、変形例によれば、第2の実施形態と同様の効果が得られるとともに、その矯正の精度を更に向上させることが可能になる。
次に、図26を参照しながら、本発明の実施形態に係る制御装置200、400、500、600のハードウェア構成について、詳細に説明する。図26は、本発明の実施形態に制御装置200、400、500、600のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
被矯正材の板厚t=約50(mm)
シム板間の距離Ls=約450(mm)
被矯正材のヤング率E=約210000(MPa)
被矯正材の降伏応力σy=約480(MPa)
被矯正材の加工硬化係数Fn=約1500(MPa)
被矯正材の矯正前の曲率κ0=約0.005(1/m)
変形例における負荷時の荷重誤差Pm(I)についての補正係数δ=0.10
変形例における除荷時の荷重誤差Pm(II)についての補正係数η=0.51
更に、変形例では、特に除荷時の油圧荷重Pが比較的大きい場合において、第1の実施形態よりも、矯正量h’をより精度良く予測できていることが分かる。これは、変形例では、荷重誤差Pmの影響を排除したF-S関係を用いて目標ストローク量を算出しているからである。従って、変形例に係るプレス矯正方法に従って計算される矯正量h’が目標矯正量に一致するようにプレス矯正を行うことにより、実際の矯正量がその計算された矯正量h’と略一致するような、すなわち、より精度の高い矯正を行うことが可能となる。
被矯正材:板厚t=50(mm)
板幅w=2000(mm)
長さl=5000(mm)
ヤング率E=200(GPa)
降伏応力σy=800(MPa)
被矯正材の形状:板幅方向の反り
矯正前の曲率(初期曲率)κ0=0.015/m(上に向かって凸状)
シム板間の距離Ls=640(mm)
許容最大表面高さhmax=2.0mm
許容最大曲率κmax=0.004/m
Pt’=Pt+Pm(I) …式(107)
Pt’=Pt+Pm(II) …式(108)
荷重誤差Pm(I)には、油圧荷重Ptに補正係数δ=0.10を乗じた値を用いた。また、荷重誤差Pm(II)には、油圧荷重Ptni補正係数η=0.51を乗じた値を用いた。
第2の実施形態にかかるプレス矯正システムによれば、曲率を平坦度の指標とすることで、第1の実施形態と比較して、残留曲率κresをより小さくすることができる。更に、第2の実施形態の変形例に係るプレス矯正システムによれば、より精度の高い矯正を行うことが可能である。
10 プレス矯正システム
100 プレス装置
110 ベッド
120 シム板
130 押圧機構
131 ラムヘッド
132 シリンダー
200、400、500、600 制御装置
210、410、510、610 作図部
220、520 傾き算出部
230、530 塑性域判定部
240、540 変形量算出部
250、550 加圧停止判定部
260、560 出力制御部
270、570 記憶部
280、580 通信部
300 表示装置
480 作用荷重算出部
590 変換部
Claims (12)
- 油圧シリンダーに備えられたラムヘッドで板状の被矯正材をプレスするプレス装置と、
前記ラムヘッドのストローク量を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記ストローク量の実績値Stに対する油圧荷重の実績値Ptの傾きを算出する傾き算出部と、
前記傾き算出部により算出された前記ストローク量の実績値Stに対する前記油圧荷重の実績値Ptの前記傾きに基づいて、前記被矯正材の変形が塑性域における変形か否かを判定する塑性域判定部と、
前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spを算出する変形量算出部と、
前記油圧荷重の予測値Ppが前記被矯正材の変形開始時の油圧荷重Piと等しくなるときの前記ストローク量の予測値Spを予測矯正量Scとし、前記予測矯正量Scと目標矯正量Saとの差が所定の閾値ΔSth以下であるか否かを判定する加圧停止判定部と、
前記加圧停止判定部により前記予測矯正量Scと前記目標矯正量Saとの差が所定の前記閾値ΔSth以下であると判定されたときに、前記プレスを停止する信号の出力を制御する出力制御部と、を有し、
前記変形量算出部は、前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記油圧荷重の実績値Pt及び前記ストローク量の実績値Stと、当該塑性域となる前の弾性域の傾きEと、に基づいて、現時刻tで前記油圧荷重を除荷した場合における現時刻t以降の前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spを算出する、又は、前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記油圧荷重の実績値Pt及び前記ストローク量の実績値Stと、現時刻tにおけるPt/Stと、前記傾きEと、に基づいて、時刻t+Δtで前記油圧荷重を除荷した場合における時刻t+Δt以降の前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spを算出する、プレス矯正システム。 - 下記式(1)及び下記式(2)を用いて前記油圧荷重の実績値Ptを前記被矯正材に作用する荷重である作用荷重Pt’に補正する作用荷重算出部を更に備える、
請求項1に記載のプレス矯正システム。
Pt’=Pt+Pm(I) …式(1)
Pt’=Pt+Pm(II) …式(2)
ここで、
Pt:前記油圧荷重の実績値
Pm(I):前記ラムヘッドによる負荷時の前記油圧荷重の補正量
Pm(II):前記除荷時の前記油圧荷重の補正量
である。 - 前記出力制御部は、更に、前記変形量算出部により算出された現時刻t若しくは時刻t+Δt以降の前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spがプロットされたグラフ、又は前記変形量算出部により算出された現時刻t若しくは時刻t+Δt以降の作用荷重の予測値Pp’と前記ストローク量の予測値Spがプロットされたグラフを逐次表示する出力を制御する、請求項2に記載のプレス矯正システム。
- 油圧シリンダーに備えられたラムヘッドによる板状の被矯正材のプレス中に取得される前記ラムヘッドの現時刻tにおける油圧荷重の実績値Ptとストローク量の実績値Stの組み合わせ、及び、前記油圧荷重の実績値Ptと、前記ストローク量の実績値Stと、弾性域の傾きEと、に基づいて予測された、現時刻tにおいて前記油圧荷重が除荷されたときの現時刻t以降の前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spの組み合わせがプロットされたXY平面、又は、現時刻tにおける、前記油圧荷重の実績値Ptと、前記ストローク量の実績値Stと、塑性域での現時刻tにおける前記ストローク量の実績値Stに対する前記油圧荷重の実績値Ptの比Pt/Stと、に基づいて予測された時刻t+Δtでの前記油圧荷重及び前記ストローク量の組み合わせ、及び、前記時刻t+Δtの時点で前記油圧荷重が除荷した場合における時刻t+Δt以降の前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spの組み合わせがプロットされたXY平面の少なくともいずれかを逐次表示する出力を制御する、出力制御装置。
- 油圧シリンダーに備えられたラムヘッドで板状の被矯正材をプレスするプレス矯正方法であって、
ラムヘッドのストローク量の実績値Stに対する油圧荷重の実績値Ptの傾きを算出する傾き算出ステップと、
前記傾き算出ステップにおいて算出された前記ストローク量の実績値Stに対する前記油圧荷重の実績値Ptの前記傾きに基づいて、前記被矯正材の変形が塑性域における変形か否かを判定する塑性域判定ステップと、
前記塑性域判定ステップにおいて塑性域における変形と判定された場合に、前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spを算出する変形量算出ステップと、
前記油圧荷重の予測値Ppが前記被矯正材の変形開始時の油圧荷重Piと等しくなるときの前記ストローク量の予測値Spを予測矯正量Scとし、前記予測矯正量Scと目標矯正量Saとの差が所定の閾値ΔSth以下であるか否かを判定する加圧停止判定ステップと、
前記予測矯正量Scと前記目標矯正量Saとの差が所定の前記閾値ΔSth以下であると判定されたときに、前記プレスを停止する信号の出力を制御する出力制御ステップと、
を含み、
前記変形量算出ステップでは、前記塑性域判定ステップにおいて塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記油圧荷重の実績値Pt及び前記ストローク量の実績値Stと、当該塑性域となる前の弾性域の傾きEと、に基づいて、現時刻tで前記油圧荷重を除荷した場合における現時刻t以降の前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spが算出される、又は、前記塑性域判定ステップにおいて塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記油圧荷重の実績値Pt及び前記ストローク量の実績値Stと、現時刻tにおけるPt/Stと、前記傾きEと、に基づいて、時刻t+Δtで前記油圧荷重を除荷した場合における時刻t+Δt以降の前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spが算出される、プレス矯正方法。 - 油圧シリンダーに備えられたラムヘッドで、当該ラムヘッドのストローク量を制御して板状の被矯正材をプレスする際に、
コンピュータを、
前記ストローク量の実績値Stに対する油圧荷重の実績値Ptの傾きを算出する傾き算出部と、
前記傾き算出部により算出された前記ストローク量の実績値Stに対する前記油圧荷重の実績値Ptの前記傾きに基づいて、前記被矯正材の変形が塑性域における変形か否かを判定する塑性域判定部と、
前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spを算出する変形量算出部と、
前記油圧荷重の予測値Ppが前記被矯正材の変形開始時の油圧荷重Piと等しくなるときの前記ストローク量の予測値Spを予測矯正量Scとし、前記予測矯正量Scと目標矯正量Saとの差が所定の閾値ΔSth以下であるか否かを判定する加圧停止判定部と、
前記予測矯正量Scと前記目標矯正量Saとの差が所定の前記閾値ΔSth以下であると判定されたときに、前記プレスを停止する信号の出力を制御する出力制御部と、
として機能させ、
前記変形量算出部が、前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記油圧荷重の実績値Pt及び前記ストローク量の実績値Stと、当該塑性域となる前の弾性域の傾きEと、に基づいて、現時刻tで前記油圧荷重を除荷した場合における現時刻t以降の前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spを算出する、又は、前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記油圧荷重の実績値Pt及び前記ストローク量の実績値Stと、現時刻tにおけるPt/Stと、前記傾きEと、に基づいて、時刻t+Δtで前記油圧荷重を除荷した場合における時刻t+Δt以降の前記油圧荷重の予測値Ppと前記ストローク量の予測値Spを算出するための、プログラム。 - 油圧シリンダーに備えられたラムヘッドで板状の被矯正材をプレスするプレス装置と、
前記ラムヘッドのストローク量を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記プレス中の前記油圧シリンダーによる油圧荷重の実績値Ptと、ストローク量の実績値Stと、シム板間隔Lと、プレス位置xと、から、曲げモーメントMt及び曲率κtを算出する、変換部と、
前記曲率κtに対する前記曲げモーメントMtの傾きを算出する傾き算出部と、
前記傾き算出部により算出された、前記曲率κtに対する前記曲げモーメントMtの前記傾きに基づいて、前記被矯正材の変形が塑性域における変形か否かを判定する塑性域判定部と、
前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記曲げモーメントMt及び前記曲率κtと、当該塑性域となる前の弾性域の傾きEと、に基づいて、現時刻tで前記油圧荷重を除荷した場合における現時刻t以降の曲げモーメントの予測値Mpと曲率の予測値κpを算出する変形量算出部と、
前記曲げモーメントの予測値Mpが前記被矯正材の変形開始時の前記曲げモーメントMiと等しくなるときの前記曲率の予測値κpを予測曲率κcとし、前記予測曲率κcと目標曲率κaとの差が所定の閾値Δκth以下であるか否かを判定する加圧停止判定部と、
前記加圧停止判定部により前記予測曲率κcと前記目標曲率κaとの差が所定の前記閾値Δκth以下であると判定されたときに、前記プレスを停止する信号の出力を制御する出力制御部と、
を有し、
前記変形量算出部は、前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記曲げモーメントMt及び前記曲率κtと、当該塑性域となる前の弾性域の傾きEと、に基づいて、現時刻tで前記油圧荷重を除荷した場合における現時刻t以降の曲げモーメントの予測値Mpと曲率の予測値κpを算出する、又は、前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記曲げモーメントMt及び前記曲率κtと、現時刻tにおけるMt/κtと、前記傾きEと、に基づいて、時刻t+Δtで前記油圧荷重を除荷した場合における時刻t+Δt以降の曲げモーメントの予測値Mpと曲率の予測値κpを算出する、プレス矯正システム。 - 下記式(3)及び下記式(4)を用いて前記油圧荷重の実績値Ptを前記被矯正材に作用する荷重である作用荷重Pt’に補正する作用荷重算出部を更に備え、
前記変換部は、前記油圧荷重の実績値Ptに代えて前記作用荷重Pt’を用いて補正曲げモーメントMt’を算出する、請求項7に記載のプレス矯正システム。
Pt’=Pt+Pm(I) …式(3)
Pt’=Pt+Pm(II) …式(4)
ここで、
Pt:前記油圧荷重の実績値
Pm(I):前記ラムヘッドによる負荷時の前記油圧荷重の補正量
Pm(II):前記除荷時の前記油圧荷重の補正量
である。 - 前記出力制御部は、更に、前記変形量算出部により算出された現時刻t若しくは時刻t+Δt以降の前記曲げモーメントの予測値Mpと前記曲率の予測値κpがプロットされたグラフ、又は前記変形量算出部により算出された時刻t若しくはt+Δt以降の前記補正曲げモーメントの予測値Mp’と前記曲率の予測値κpがプロットされたグラフを逐次表示する出力を制御する、請求項8に記載のプレス矯正システム。
- 油圧シリンダーに備えられたラムヘッドによる板状の被矯正材のプレス中に取得される前記ラムヘッドの現時刻tにおける、前記油圧シリンダーによる油圧荷重の実績値Ptと、ストローク量の実績値Stと、シム板間隔Lと、プレス位置xと、に基づいて算出された、曲率κtと曲げモーメントMtの組み合わせ、及び、前記曲率κtと、前記曲げモーメントMtと、弾性域の傾きEと、に基づいて予測された、現時刻tにおいて前記油圧荷重が除荷されたときの現時刻t以降の前記曲率の予測値κpと前記曲げモーメントの予測値Mpの組み合わせがプロットされたXY平面、又は、現時刻tにおける、前記曲げモーメントMt及び前記曲率κtと、塑性域での現時刻tにおける前記曲率κtに対する前記曲げモーメントMtの比Mt/κtと、に基づいて予測された時刻t+Δtでの前記曲げモーメント及び前記曲率の組み合わせ、及び、前記時刻t+Δtの時点で前記油圧荷重が除荷した場合における時刻t+Δt以降の前記曲げモーメントの予測値Mpと前記曲率の予測値κpの組み合わせがプロットされたXY平面の少なくともいずれかを逐次表示する出力を制御する、出力制御装置。
- 油圧シリンダーに備えられたラムヘッドで板状の被矯正材をプレスするプレス矯正方法であって、
前記プレス中の前記油圧シリンダーによる油圧荷重の実績値Ptと、ストローク量の実績値Stと、シム板間隔Lと、プレス位置xと、から、曲げモーメントMt及び曲率κtを算出する、変換ステップと、
前記曲率κtに対する前記曲げモーメントMtの傾きを算出する傾き算出ステップと、
前記傾き算出部により算出された、前記曲率κtに対する前記曲げモーメントの実績値Mtの前記傾きに基づいて、前記被矯正材の変形が塑性域における変形か否かを判定する塑性域判定ステップと、
前記塑性域判定ステップにおいて塑性域における変形と判定された場合に、前記曲げモーメントの予測値Mpと前記曲率の予測値κpを算出する変形量算出ステップと、
前記曲げモーメントの予測値Mpが前記被矯正材の変形開始時の前記曲げモーメントMiと等しくなるときの前記曲率の予測値κpを予測曲率κcとし、前記予測曲率κcと目標曲率κaとの差が所定の閾値Δκth以下であるか否かを判定する加圧停止判定ステップと、
前記加圧停止判定ステップにおいて前記予測曲率κcと前記目標曲率κaとの差が所定の前記閾値Δκth以下であると判定されたときに、前記プレスを停止する信号の出力を制御する出力制御ステップと、
を含み、
前記変形量算出ステップでは、前記塑性域判定ステップにおいて塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記曲げモーメントMt及び前記曲率κtと、当該塑性域となる前の弾性域の傾きEと、に基づいて、現時刻tで前記油圧荷重を除荷した場合における現時刻t以降の曲げモーメントの予測値Mpと曲率の予測値κpが算出される、又は、前記塑性域判定ステップにおいて塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記曲げモーメントMt及び前記曲率κtと、現時刻tにおけるMt/κtと、前記傾きEと、に基づいて、時刻t+Δtで前記油圧荷重を除荷した場合における時刻t+Δt以降の曲げモーメントの予測値Mpと曲率の予測値κpが算出される、プレス矯正方法。 - 油圧シリンダーに備えられたラムヘッドで、当該ラムヘッドのストローク量を制御して板状の被矯正材をプレスする際に、
コンピュータを、
前記プレス中の前記油圧シリンダーによる油圧荷重の実績値Ptと、ストローク量の実績値Stと、シム板間隔Lと、プレス位置xと、から、曲げモーメントMt及び曲率κtを算出する、変換部と、
前記曲率κtに対する前記曲げモーメントMtの傾きを算出する傾き算出部と、
前記傾き算出部により算出された、前記曲率κtに対する前記曲げモーメントの実績値Mtの前記傾きに基づいて、前記被矯正材の変形が塑性域における変形か否かを判定する塑性域判定部と、
前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、前記曲げモーメントの予測値Mpと前記曲率の予測値κpを算出する変形量算出部と、
前記曲げモーメントの予測値Mpが前記被矯正材の変形開始時の前記曲げモーメントMiと等しくなるときの前記曲率の予測値κpを予測曲率κcとし、前記予測曲率κcと目標曲率κaとの差が所定の閾値Δκth以下であるか否かを判定する加圧停止判定部と、
前記加圧停止判定部により前記予測曲率κcと前記目標曲率κaとの差が所定の前記閾値Δκth以下であると判定されたときに、前記プレスを停止する信号の出力を制御する出力制御部と、
として機能させ、
前記変形量算出部が、前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記曲げモーメントMt及び前記曲率κtと、当該塑性域となる前の弾性域の傾きEと、に基づいて、現時刻tで前記油圧荷重を除荷した場合における現時刻t以降の曲げモーメントの予測値Mpと曲率の予測値κpを算出する、又は、前記塑性域判定部により塑性域における変形と判定された場合に、現時刻tにおける前記曲げモーメントMt及び前記曲率κtと、現時刻tにおけるMt/κtと、前記傾きEと、に基づいて、時刻t+Δtで前記油圧荷重を除荷した場合における時刻t+Δt以降の曲げモーメントの予測値Mpと曲率の予測値κpを算出するためのプログラム。
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