以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態)
図1は、実施形態の電動パワーステアリング装置の模式図である。図2から図4は、実施形態の電動パワーステアリング装置の斜視図である。図1に示すように、電動パワーステアリング装置80は、操作者から与えられる力が伝達する順に、ステアリングホイール81と、ステアリングシャフト82と、第1ユニバーサルジョイント84と、中間シャフト85と、第2ユニバーサルジョイント86と、を備えピニオンシャフト87に接合されている。以下の説明においては、電動パワーステアリング装置80が搭載された車両における前方は単に前方と記載され、車両における後方は単に後方と記載される。
図1に示すように、ステアリングシャフト82は、入力軸82aと、出力軸82bとを備える。入力軸82aの一方の端部がステアリングホイール81に連結され、入力軸82aの他方の端部が出力軸82bに連結される。また、出力軸82bの一方の端部が入力軸82aに連結され、出力軸82bの他方の端部が第1ユニバーサルジョイント84に連結される。
図1に示すように、中間シャフト85は、第1ユニバーサルジョイント84と第2ユニバーサルジョイント86とを連結している。中間シャフト85の一方の端部が第1ユニバーサルジョイント84に連結され、他方の端部が第2ユニバーサルジョイント86に連結される。ピニオンシャフト87の一方の端部が第2ユニバーサルジョイント86に連結され、ピニオンシャフト87の他方の端部がステアリングギヤ88に連結される。ステアリングシャフト82の回転が中間シャフト85を介してピニオンシャフト87に伝わる。すなわち、中間シャフト85はステアリングシャフト82に伴って回転する。
図1に示すように、ステアリングギヤ88は、ピニオン88aと、ラック88bとを備える。ピニオン88aは、ピニオンシャフト87に連結される。ラック88bは、ピニオン88aに噛み合う。ステアリングギヤ88は、ピニオン88aに伝達された回転運動をラック88bで直進運動に変換する。ラック88bは、タイロッド89に連結される。ラック88bが移動することで車輪の角度が変化する。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置80は、減速装置92と、モータユニット1と、を備える。減速装置92は、例えばウォーム減速装置である。モータユニット1は、電動モータ2と、制御装置3を備える。電動モータ2で生じたトルクは、減速装置92の内部のウォームを介してウォームホイールに伝達され、ウォームホイールを回転させる。減速装置92は、ウォーム及びウォームホイールによって、電動モータ2で生じたトルクを増加させる。そして、減速装置92は、出力軸82bに補助操舵トルクを与える。すなわち、電動パワーステアリング装置80はコラムアシスト方式である。制御装置3は、ECU(Electronic Control Unit)である。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置80は、トルクセンサ94と、車速センサ95と、を備える。電動モータ2、トルクセンサ94及び車速センサ95は、制御装置3と電気的に接続される。トルクセンサ94は、入力軸82aに伝達された操舵トルクをCAN(Controller Area Network)通信により制御装置3に出力する。車速センサ95は、電動パワーステアリング装置80が搭載される車体の走行速度(車速)を検出する。車速センサ95は、車体に備えられ、車速をCAN通信により制御装置3に出力する。
制御装置3は、電動モータ2に取り付けられており、電動モータ2の動作を制御する。例えば、制御装置3は、PWM(Pulse Width Modulation)制御によって電動モータ2を制御する。PWM制御によるスイッチングノイズが制御装置3の外部に発生する可能性がある。制御装置3は、トルクセンサ94及び車速センサ95のそれぞれから信号を取得する。制御装置3には、イグニッションスイッチ98がオンの状態で、電源装置99(例えば車載のバッテリ)から電流が供給される。制御装置3は、操舵トルク及び車速に基づいて補助操舵指令値を算出する。制御装置3は、補助操舵指令値に基づいて電動モータ2へ供給する電流値を調節し、電動モータ2に補助操舵トルクを発生させる。制御装置3は、電動モータ2から誘起電圧の情報又は電動モータ2に設けられたレゾルバ等から出力される情報を取得する。制御装置3が電動モータ2を制御し、電動モータ2に補助操舵トルクを発生させることによってステアリングホイール81の操作に要する力が小さくなる。
図5は、実施形態のモータユニットの分解斜視図である。図6は、実施形態のモータユニットの分解斜視図である。図7は、実施形態のモータユニットの背面図である。図8は、実施形態のモータユニットの平面図である。図9は、実施形態のモータユニットの左側面図である。図10は、図7のA-A断面図である。図11は、図10のC部拡大図である。図12は、図7のB-B断面図である。図13は、図12のD部拡大図である。
図5に示すように、モータユニット1は、電動モータ2と、制御装置3と、カバー4と、を備える。モータユニット1においては、電動モータ2と制御装置3とが近接して配置されている。以下の説明において、電動モータ2の回転軸Rに平行な方向は軸方向と記載される。軸方向に対して直交する方向は径方向と記載される。回転軸Rを中心とした円に沿う方向は周方向と記載される。
図5に示すように、電動モータ2は、モータケース21と、モータフランジ23と、3つのモータ端子25と、を備える。モータケース21は、略円筒状の部材であって、例えば金属で形成されている。モータケース21は、ロータ及びステータ等を内蔵している。ロータは回転軸Rを中心に回転する。ステータにはコイルが巻かれている。コイルには三相交流が供給される。モータフランジ23は、モータケース21の一端の開口を塞ぐ部材である。図4に示すように、モータフランジ23は、外周面から突出する2つの支持部231を備える。モータ端子25は、導体であって、コイルと制御装置3とを接続する部材である。モータ端子25は、金属で形成されている。制御装置3で生成される三相交流が、3つのモータ端子25を介してコイルに供給される。モータ端子25は、モータフランジ23から径方向の外側に延びている。図10に示すように、モータ端子25は、モータケース21とモータフランジ23の間を通って外に延びている。
図5及び図6に示すように、制御装置3は、制御装置ケース31と、基板36と、コネクタ34と、コネクタ35と、を備える。制御装置ケース31は、本体32と、蓋33と、を備える。本体32及び蓋33は、金属で形成されている。本体32及び蓋33は、導体である。本体32は、基板36を支持する部材である。本実施形態の本体32は、基板36の放熱を促進するための部材でもある。すなわち、本体32は、ヒートシンクでもある。本体32の底面は、モータケース21の外周面に面している。本体32は、モータフランジ23に支持される。より具体的には、本体32は、固定部材39によってモータフランジ23の支持部231に取り付けられる。蓋33は、基板36を覆うように本体32に取り付けられる。
基板36は、例えば樹脂等で形成されたプリント基板である。基板36は、ネジ等によって本体32に取り付けられる。基板36は、制御回路を構成する複数の電子部品、及び電源回路を構成する複数の電子部品を含む。基板36は、制御回路基板及び電源回路基板を兼ねている。基板36は、複数のモータ駆動素子37を備える。モータ駆動素子37は、FET(Field Effect Transistor)である。モータ駆動素子37によって、スイッチングノイズが発生する。モータ駆動素子37は、基板36のうちコネクタ35に近い部分に配置される。モータ駆動素子37で発生するスイッチングノイズによるコネクタ35への影響を小さくすることによって、電磁環境適合性(EMC)が向上する。コネクタ34は、本体32に取り付けられる。コネクタ34は、モータ端子25ではない他の機器に接続される。
コネクタ35は、モータ端子25が接続される部材である。図5に示すように、コネクタ35は、制御装置ケース31の蓋33に覆われないように配置される。すなわち、コネクタ35は、制御装置ケース31から露出している。コネクタ35は、径方向でモータフランジ23の外側に配置される。コネクタ35は、モータフランジ23によって覆われていない。このため、モータユニット1を組み立てる作業者は、コネクタ35がカバー4によって覆われる前であれば、コネクタ35を視認できる。
図5及び図11に示すように、コネクタ35は、コネクタケース350と、3つの接続端子355と、を備える。コネクタケース350は、制御装置ケース31の本体32に取り付けられる。図5に示すように、コネクタケース350は、突起351と、凹部353と、を備える。突起351は、電動モータ2とは反対方向に向いたコネクタケース350の表面に配置される。凹部353は、3つの接続端子355が並ぶ方向における、コネクタケース350の両端に配置される。接続端子355は、コネクタケース350に支持される導体である。接続端子355は、金属で形成されている。接続端子355は、取付部材38によってモータ端子25と接続される。具体的には、取付部材38の頭部と接続端子355との間にモータ端子25が挿入された後、取付部材38が締め付けられる。接続端子355は、基板36と接続されている。
図5及び図6に示すように、カバー4は、コネクタ35を囲むように制御装置ケース31に取り付けられる部材である。図11に示すように、カバー4は、第1カバー5と、第2カバー6と、を備える。
図14は、実施形態のカバーの分解斜視図である。図15は、実施形態のカバーの斜視図である。図16は、実施形態の第2カバーの斜視図である。図17は、実施形態の第2カバーの正面図である。図18は、実施形態の第2カバーの平面図である。図19は、実施形態の第2カバーの底面図である。図20は、実施形態の第2カバーの左側面図である。図21は、実施形態の第2カバーの右側面図である。図22は、実施形態の第2カバーの背面図である。
以下の説明において、XYZ直交座標系が用いられる。X軸は、コネクタ35の接続端子355が並ぶ方向と平行である。Y軸は、X軸及び電動モータ2の回転軸Rに対して直交する。Z軸は、電動モータ2の回転軸Rと平行である。X軸と平行な方向は、X方向と記載される。Y軸と平行な方向は、Y方向と記載される。Z軸と平行な方向は、Z方向と記載される。Y方向のうち電動モータ2から制御装置3に向かう方向を+Y方向とする。Z方向のうちカバー4からコネクタ35に向かう方向を+Z方向とする。+Y方向を上として+Z方向を向いた場合の右方向を+X方向とする。
第1カバー5は、絶縁体である。例えば、第1カバー5は、樹脂で形成される。より具体的には、第1カバー5は、ポリカーボネイトで形成される。図14に示すように、第1カバー5は、第1基部51と、2つの第1アーム部53と、2つの爪部57と、2つの第1側面部54と、第1上面部55と、第1底面部58と、を備える。
図14に示すように、第1基部51は、Z軸に対して直交する板状の部材である。第1アーム部53は、第1基部51のX方向の両端に配置される。第1アーム部53は、第1基部51から+Z方向に延びている。第1アーム部53は、Z軸に対して直交する端面531を備える。爪部57は、第1アーム部53の先端に配置される。爪部57の幅は、第1アーム部53から離れるにしたがって小さくなっている。第1側面部54は、第1基部51のX方向の両端に配置される。第1側面部54は、第1アーム部53の-Y方向に配置される。第1側面部54は、X軸に対して直交する板状の部材である。
第1上面部55は、第1基部51の+Y方向の端部に配置される。第1上面部55は、Y軸に対して直交する板状の部材である。第1上面部55は、2つの穴551を備える。第1底面部58は、第1基部51の-Y方向の端部に配置される。第1底面部58は、Y軸に対して直交する板状の部材である。
第1カバー5をコネクタ35に取り付ける時、図5に示すコネクタ35の突起351が第1上面部55の穴551に嵌められる。その後、第1アーム部53がコネクタ35に押し込まれる。爪部57がコネクタ35から受ける反力によって、第1アーム部53が弾性変形する。爪部57がコネクタ35の凹部353に達すると、第1アーム部53の弾性変形が戻り、爪部57が凹部353に嵌まる。これにより、第1カバー5がコネクタ35に取り付けられる。このように、第1カバー5は、固定部材等を使用せずに1度の動作でコネクタ35に取り付けることが可能である。また、第1カバー5でコネクタ35が覆われることによって、コネクタ35への異物の侵入が抑制される。また、爪部57が凹部353に嵌まることによって、第1カバー5がコネクタ35から脱落しにくくなる。
第2カバー6は、導体である。例えば、第2カバー6は、金属で形成される。第2カバー6は、第1カバー5の外側に配置される。第2カバー6は、第1カバー5を囲む。以下の説明において、第2カバー6に対して第1カバー5が配置される側を内側とし、第2カバー6に対して第1カバー5とは反対側を外側とする。
図14に示すように、第2カバー6は、第2基部61と、2つの第2アーム部63と、2つの第2側面部64と、第2上面部65と、第3上面部66と、2つのケース接触部67と、第2底面部68と、を備える。
図14に示すように、第2基部61は、Z軸に対して直交する板状の部材である。第2アーム部63は、第2基部61のX方向の両端に配置される。第2アーム部63は、第2基部61から+Z方向に延びている。第2アーム部63は、X軸に対して直交する板状の部材である。第2アーム部63は、凸部631と、ガイド部639と、を備える。凸部631は、内側に向かって凸である。ガイド部639は、第2アーム部63の先端に配置され、外側に折れ曲がっている。第2側面部64は、第2基部61のX方向の両端に配置される。第2側面部64は、第2アーム部63の-Y方向に配置される。第2側面部64は、X軸に対して直交する板状の部材である。第2側面部64は、ガイド部649を備える。ガイド部649は、第2側面部64の先端に配置され、外側に折れ曲がっている。
第2上面部65は、第2基部61の+Y方向の端部に配置される。第2上面部65は、Y軸に対して直交する板状の部材である。第2上面部65は、ガイド部659を備える。ガイド部659は、第2上面部65の先端に配置され、外側に折れ曲がっている。第3上面部66は、第2上面部65の両隣りに配置される。第3上面部66は、Y軸に対して直交する板状の部材である。第3上面部66は、凸部661を備える。
ケース接触部67は、第2基部61の+Y方向の端部に配置される。ケース接触部67は、第2基部61のX方向の両端に配置される。ケース接触部67は、第2上面部65及び第3上面部66よりも+Y方向に配置される。ケース接触部67の先端は、第2上面部65の先端よりも+Z方向に配置される。ケース接触部67は、ガイド部679を備える。ガイド部679は、ケース接触部67の先端に配置され、外側に折れ曲がっている。
図16に示すように、第2底面部68は、第2基部61の-Y方向の端部に配置される。第2底面部68は、Y軸に対して直交する板状の部材である。第2底面部68は、ガイド部689を備える。ガイド部689は、第2底面部68の先端に配置され、外側に折れ曲がっている。
第2カバー6を第1カバー5に取り付ける時、第2カバー6がZ方向に沿って第1カバー5に押し込まれる。第2カバー6がガイド部639、ガイド部649、ガイド部659、ガイド部679、及びガイド部689を備えているので、押し込む時の第1カバー5に対する第2カバー6の位置合わせが容易である。第2カバー6が第1カバー5に押し込まれると、凸部631が第1カバー5から受ける反力によって、第2アーム部63が弾性変形する。また、凸部661が第1カバー5から受ける反力によって、第3上面部66が弾性変形する。凸部631が第1アーム部53の端面531に達すると、第2アーム部63の弾性変形が戻り、凸部631が端面531に引っ掛かる。凸部661が第1基部51の角511に達すると、第3上面部66の弾性変形が戻り、凸部661が角511に引っ掛かる。これにより、第2カバー6が第1カバー5に取り付けられる。このように、第2カバー6は、固定部材等を使用せずに1度の動作で第1カバー5に取り付けることが可能である。また、凸部631が端面531に引っ掛かり且つ凸部661が角511に引っ掛かることによって、第2カバー6が第1カバー5から脱落しにくくなる。
図11に示すように、第2カバー6が第1カバー5に取り付けられた状態において、第2基部61が第1基部51に接し、第2上面部65が第1上面部55に接し、第2底面部68が第1底面部58に接する。これにより、第1カバー5及び第2カバー6は、相対的にずれにくくなる。図13に示すように、第2カバー6及び第1カバー5がコネクタ35に取り付けられた状態において、ケース接触部67は、制御装置ケース31の本体32に接する。これにより、第2カバー6の電位が、制御装置ケース31の電位と同じとなる。モータユニット1において、制御装置ケース31の電位が基準電位である。また、第2カバー6が第1カバー5に押し込まれる時、ケース接触部67が本体32から受ける反力によって弾性変形する。ケース接触部67は、本体32を押しながら接する。このため、ケース接触部67が本体32に接した状態が保たれやすくなる。なお、第2カバー6は、必ずしも2つのケース接触部67を備えていなくてもよく、少なくとも1つのケース接触部67を備えていればよい。ただし、ケース接触部67が制御装置ケース31に接した状態を保ちやすくするために、第2カバー6は、複数のケース接触部67を備える方が望ましい。
なお、予め組み立てられた第1カバー5及び第2カバー6がコネクタ35に取り付けられてもよいし、コネクタ35に第1カバー5を取り付けた後に第2カバー6を第1カバー5に取り付けてもよい。また、カバー4は、必ずしも第1カバー5及び第2カバー6を備えていなくてもよい。カバー4は、例えば、第1カバー5を備えず、第2カバー6を備えていてもよい。また、カバー4は、必ずしもコネクタ35に押し込むことによって、コネクタ35に取り付けられなくてもよい。例えば、カバー4は、ネジ等の取付部材によってコネクタ35に取り付けられてもよい。
図23は、比較例、第1実施例、及び第2実施例に対するエミッション試験の結果を示す図である。比較例、第1実施例、及び第2実施例に対して実施されたエミッション試験は、車載用電子機器から外部への放射される不要輻射を評価する試験であり、CISPR25規格に準拠した試験である。EUT(供試品)としての比較例、第1実施例、及び第2実施例のモータユニットが、ハーネスを介して負荷と接続された状態で、水平な基準グラウンド面に置かれる。アンテナが、ハーネスから水平方向に所定距離だけ離れた位置に配置される。比較例は、上述した第1カバー5及び第2カバー6を備えないモータユニットである。第1実施例は、第1カバー5及び第2カバー6を備えるが、第2カバー6が制御装置ケース31に接しない(第2カバー6がケース接触部67を備えない)モータユニットである。第2実施例は、上述したモータユニット1である。すなわち、第2実施例は、第1カバー5及び第2カバー6を備え、第2カバー6が制御装置ケース31に接する(第2カバー6がケース接触部67を備える)モータユニットである。図23は、測定される放射ノイズ電圧の1分間当たりの平均値である。図23は、上述したXYZ直交座標系のZ方向が鉛直方向となり且つ+X方向がアンテナに向くように、モータユニット1が基準グラウンド面に置かれた状態で行われたエミッション試験の結果である。
図23に示すように、第1実施例においては、比較例と比較して、測定される放射ノイズが低減されやすい。すなわち、第1実施例は、比較例よりも電磁環境適合性を向上できる。第2実施例においては、第1実施例と比較して、測定される放射ノイズが低減されやすい。すなわち、第2実施例は、第1実施例と比較して、電磁環境適合性を向上できる。
以上で説明したように、本実施形態のモータユニット1は、電動モータ2と、制御装置3と、カバー4と、を備える。電動モータ2は、筒状のモータケース21、モータケース21の一端に配置されるモータフランジ23、及びモータフランジ23の径方向の外側に延びるモータ端子25を備える。制御装置3は、電動モータ2に支持される制御装置ケース31、及びモータフランジ23よりも径方向で外側に配置され且つモータ端子25が接続されるコネクタ35を備える。カバー4は、コネクタ35を囲むように制御装置ケース31に取り付けられる。
これにより、コネクタ35がモータフランジ23によって塞がれないので、電動モータ2と制御装置3の接続が容易であり、且つ接続の信頼性が確保される。より具体的には、モータ端子25が取付部材38によってコネクタ35と接続されている状態を容易に確認することができる。その上で、カバー4がコネクタ35を覆うので、電磁環境適合性(EMC)が向上する。したがって、本実施形態のモータユニット1は、電動モータ2と制御装置3の接続を容易することができ、接続の信頼性を確保でき、且つ電磁環境適合性を向上できる。より具体的には、モータユニット1は、制御装置3のPWM制御によるスイッチングノイズに対する耐性が向上する。
本実施形態のモータユニット1において、カバー4は、絶縁体であってコネクタ35を囲む第1カバー5と、導体であって第1カバー5を囲む第2カバー6と、を備える。
導体である第2カバー6によってコネクタ35が囲まれることになる。第2カバー6によって放射ノイズが遮閉されやすくなる。したがって、モータユニット1は、電磁環境適合性をより向上できる。また、コネクタ35と第2カバー6との間に絶縁体である第1カバー5が配置されることによって、コネクタ35と導体である第2カバー6との間の絶縁性が向上する。このため、第2カバー6がコネクタ35を流れる電流に影響を与えにくくなる。
本実施形態のモータユニット1において、制御装置ケース31は、導体である。第2カバー6は、制御装置ケース31に接するケース接触部67を備える。
これにより、第2カバー6の電位が、基準電位としての制御装置ケース31の電位と等しくなる。このため、第2カバー6が放射ノイズをより遮閉しやすくなる。したがって、モータユニット1は、図23に示すように電磁環境適合性をより向上できる。
本実施形態のモータユニット1において、第1カバー5は、コネクタ35に向かって押し込まれることによって弾性変形しコネクタ35の凹部353に嵌まる爪部57を備える。
これにより、第1カバー5は、固定部材等を使用せずに1度の動作でコネクタ35に取り付けることが可能である。したがって、モータユニット1は、容易に組み立てることができる。また、モータユニット1は、爪部57によって第1カバー5の脱落を抑制できる。
本実施形態の電動パワーステアリング装置80は、モータユニット1を備える。制御装置3が電動モータ2を制御し、電動モータ2に補助操舵トルクを発生させる。
モータユニット1が高い電磁環境適合性を有するので、制御装置3から電動モータ2へ供給される電流が放射ノイズによって妨害されにくくなる。したがって、電動パワーステアリング装置80は、誤動作の生じる可能性をより低減することができる。すなわち、電動パワーステアリング装置80は、信頼性を向上させることができる。
(第1変形例)
図24は、第1変形例のモータユニットの背面図である。図25は、図24のE-E断面図である。図26は、図24のF-F断面図である。図27は、第1変形例のカバーの分解斜視図である。図28は、第1変形例のカバーの分解斜視図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図25に示すように、第1変形例のモータユニット1Aは、カバー4Aを備える。図25に示すように、カバー4Aは、第1カバー5Aと、第2カバー6Aと、を備える。
第1カバー5Aは、絶縁体である。例えば、第1カバー5Aは、樹脂で形成される。より具体的には、第1カバー5Aは、ポリカーボネイトで形成される。図27に示すように、第1カバー5Aは、第1基部51Aと、2つの第1側面部54Aと、第1上面部55Aと、第1底面部58Aと、を備える。
図27に示すように、第1基部51Aは、Z軸に対して直交する板状の部材である。第1基部51Aは、スリット512を備える。スリット512は、第1基部51Aの-Y方向の端部に配置される。スリット512の-Y方向の端部は、開口している。第1側面部54Aは、第1基部51AのX方向の両端に配置される。第1側面部54Aは、第1アーム部53の-Y方向に配置される。第1側面部54Aは、X軸に対して直交する板状の部材である。第1側面部54Aは、凸部543を備える。凸部543は、外側に向かって凸である。凸部543のX方向への突出長さは、+Z方向に向かうにしたがって大きくなっている。
図27に示すように、第1上面部55Aは、第1基部51Aの+Y方向の端部に配置される。第1上面部55Aは、Y軸に対して直交する板状の部材である。第1上面部55Aは、2つの凸部553を備える。凸部553は、+Y方向に向かって凸である。凸部553のY方向の突出長さは、+Z方向に向かうにしたがって大きくなっている。凸部553は、2つの穴551に対して外側に配置される。図28に示すように、第1底面部58Aは、第1基部51Aの-Y方向の端部に配置される。第1底面部58Aは、Y軸に対して直交する板状の部材である。第1底面部58Aは、スリット582を備える。スリット582は、第1底面部58AのZ方向の全長に亘って設けられる。スリット582は、第1基部51Aのスリット512と繋がっている。
第2カバー6Aは、導体である。例えば、第2カバー6Aは、金属で形成される。第2カバー6Aは、第1カバー5Aの外側に配置される。第2カバー6Aは、第1カバー5Aを囲む。
図27に示すように、第2カバー6Aは、第2基部61Aと、2つの第2側面部64Aと、第2上面部65Aと、2つのモータ接触部67Aと、第2底面部68Aと、を備える。
図27に示すように、第2基部61Aは、Z軸に対して直交する板状の部材である。第2基部61Aは、スリット612を備える。スリット612は、第2基部61Aの-Y方向の端部に配置される。スリット612の-Y方向の端部は、開口している。第2側面部64Aは、第2基部61AのX方向の両端に配置される。第2側面部64Aは、第2アーム部63の-Y方向に配置される。第2側面部64Aは、X軸に対して直交する板状の部材である。第2側面部64Aは、穴643を備える。
第2上面部65Aは、第2基部61Aの+Y方向の端部に配置される。第2上面部65Aは、Y軸に対して直交する板状の部材である。第2上面部65Aは、2つの穴651を備える。
図28に示すように、モータ接触部67Aは、第2基部61Aの-Y方向の端部に配置される。モータ接触部67Aは、第2基部61Aから+Z方向に向かって突出している。モータ接触部67Aは、スリット512及びスリット582に挿入される。モータ接触部67Aは、スリット612を介して視認可能である。図26に示すように、モータ接触部67Aは、ガイド部679Aを備える。ガイド部679Aは、モータ接触部67Aの-Y方向の端部に配置される。ガイド部679Aは、XY平面に対して傾斜している。
図28に示すように、第2底面部68Aは、第2基部61Aの-Y方向の端部に配置される。第2底面部68Aは、Y軸に対して直交する板状の部材である。第2底面部68Aは、スリット682を備える。スリット682は、第2底面部68AのZ方向の全長に亘って設けられる。スリット682は、第2基部61Aのスリット612と繋がっている。
第2カバー6Aを第1カバー5Aに取り付ける時、第2カバー6AがZ方向に沿って第1カバー5Aに押し込まれる。第2カバー6Aがガイド部639及びガイド部679Aを備えているので、押し込む時の第1カバー5Aに対する第2カバー6Aの位置合わせが容易である。第2カバー6Aが第1カバー5Aに押し込まれると、第2側面部64Aが第1側面部54Aの凸部543から受ける反力によって弾性変形する。第2側面部64Aの穴643が凸部543に達すると、第2側面部64Aの弾性変形が戻り、凸部543が穴643に嵌まる。また、第2上面部65Aが第1上面部55Aの凸部553から受ける反力によって弾性変形する。第2上面部65Aの穴651が凸部553に達すると、第2上面部65Aの弾性変形が戻り、凸部553が穴651に嵌まる。これにより、第2カバー6Aが第1カバー5Aに取り付けられる。このように、第2カバー6Aは、固定部材等を使用せずに1度の動作で第1カバー5Aに取り付けることが可能である。
図26に示すように、第2カバー6A及び第1カバー5Aがコネクタ35に取り付けられた状態において、モータ接触部67Aは、電動モータ2のモータフランジ23に接する。モータフランジ23は、導体である。例えば、モータフランジ23は、金属で形成される。これにより、第2カバー6Aの電位が、モータフランジ23の電位と同じとなる。モータユニット1Aにおいて、モータフランジ23及びモータケース21の電位が基準電位である。また、第2カバー6Aが第1カバー5Aに押し込まれる時、モータ接触部67Aがモータフランジ23から受ける反力によって弾性変形する。モータ接触部67Aは、モータフランジ23を押しながら接する。このため、モータ接触部67Aがモータフランジ23に接した状態が保たれやすくなる。
なお、モータ接触部67Aは、電動モータ2のモータケース21に接してもよい。モータケース21は、導体である。例えば、モータケース21は、金属で形成される。これにより、第2カバー6Aの電位が、モータケース21の電位と同じとなる。また、第2カバー6Aは、必ずしも2つのモータ接触部67Aを備えていなくてもよく、少なくとも1つのモータ接触部67Aを備えていればよい。ただし、モータ接触部67Aがモータフランジ23又はモータケース21に接した状態を保ちやすくするために、第2カバー6Aは、複数のモータ接触部67Aを備える方が望ましい。
上述したように、第1変形例のモータユニット1Aにおいて、モータケース21及びモータフランジ23は、導体である。第2カバー6Aは、モータケース21又はモータフランジ23に接するモータ接触部67Aを備える。
これにより、第2カバー6Aの電位が、基準電位としてのモータケース21及びモータフランジ23の電位と等しくなる。このため、第2カバー6Aが放射ノイズをより遮閉しやすくなる。したがって、モータユニット1Aは、電磁環境適合性をより向上できる。
(第2変形例)
図29は、第2変形例のモータユニットの背面図である。図30は、図29のG-G断面図である。図31は、図29のH-H断面図である。図32は、第2変形例のカバーの分解斜視図である。図33は、第2変形例のカバーの分解斜視図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図29に示すように、第2変形例のモータユニット1Bは、カバー4Bを備える。図30に示すように、カバー4Bは、第1カバー5Bと、第2カバー6Bと、を備える。
第1カバー5Bは、絶縁体である。例えば、第1カバー5Bは、樹脂で形成される。より具体的には、第1カバー5Bは、ポリカーボネイトで形成される。図32及び図33に示すように、第1カバー5Bは、上述した実施形態で説明した第1アーム部53、及び第1上面部55、並びに第1変形例で説明した第1基部51A、第1側面部54A、及び第1底面部58Aを備える。
第2カバー6Bは、導体である。例えば、第2カバー6Bは、金属で形成される。第2カバー6Bは、第1カバー5Bの外側に配置される。第2カバー6Bは、第1カバー5Bを囲む。
図32及び図33に示すように、第2カバー6Bは、上述した実施形態で説明した第2アーム部63、第2上面部65、第3上面部66、及びケース接触部67、並びに第1変形例で説明した第2基部61A、第2側面部64A、第2底面部68A、及びモータ接触部67Aを備える。第2カバー6Bは、ケース接触部67及びモータ接触部67Aの両方を備える。
図30及び図31に示すように、第2カバー6Bが第1カバー5Bに取り付けられた状態において、ケース接触部67が制御装置ケース31の本体32に接し、且つモータ接触部67Aがモータフランジ23に接する。これにより、第2カバー6Bの電位が、制御装置ケース31及びモータフランジ23の電位と同じとなる。モータユニット1Bにおいて、制御装置ケース31及びモータフランジ23の電位が基準電位である。
第2カバー6Bが第1カバー5Bに押し込まれる時、ケース接触部67が本体32から受ける反力によって弾性変形する。ケース接触部67は、本体32を押しながら接する。このため、ケース接触部67が本体32に接した状態が保たれやすくなる。また、第2カバー6Bが第1カバー5Bに押し込まれる時、モータ接触部67Aがモータフランジ23から受ける反力によって弾性変形する。モータ接触部67Aは、モータフランジ23を押しながら接する。このため、モータ接触部67Aがモータフランジ23に接した状態が保たれやすくなる。なお、モータ接触部67Aは、モータケース21に接してもよい。
上述したように、第2変形例のモータユニット1Bにおいて、制御装置ケース31、モータケース21及びモータフランジ23は、導体である。第2カバー6Bは、制御装置ケース31に接するケース接触部67と、モータケース21又はモータフランジ23に接するモータ接触部67Aと、を備える。
これにより、第2カバー6Bの電位が、基準電位としての制御装置ケース31、モータケース21及びモータフランジ23の電位と等しくなる。このため、第2カバー6Bが放射ノイズをより遮閉しやすくなる。したがって、モータユニット1Bは、電磁環境適合性をより向上できる。