JP7484558B2 - 熱転写フィルム - Google Patents

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Description

本開示は、熱転写フィルムに関する。
自動車等の車両の内装部品及び外装部品の加飾は、車体の軽量化や製造ラインでの工数削減の観点から、塗装レス・メッキレスの加飾が注目されている。塗装レス・メッキレスの加飾方法としては、加飾フィルムの加飾層を熱転写することで部品を加飾する方法が知られている。加飾フィルムを用いた加飾方法としては、例えば、TOM成形(Three dimension Overlay Method:3次元表面被覆成形)が知られており、様々な素材に対して加飾層が形成された立体成形体を得ることが可能である。その際、素材となる樹脂等が持つ色味を隠蔽し、加飾の意匠性を十分に発現させるために、加飾層の下地層として遮蔽層が形成される。
遮蔽層を有する加飾フィルムとしては、例えば、カーボンブラックを含む黒色層を備えた加飾フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような加飾フィルムにより部品を加飾すると、カーボンブラックを含む遮蔽層が形成された部品が得られる。
特開2002-292798号公報
ところで、自動車等の車内空間には高い快適性が求められている。しかしながら、炎天下に駐車した自動車の車内温度は急激に上昇し易く、気温35℃の炎天下における車内の熱中症指数は、窓を閉め切った状態でエンジン停止後、わずか15分で人体にとって危険なレベルに達するという報告もなされている。温暖化の影響もあり車内の温度環境は悪化しているが、温度環境改善のためにエアコンを使用して快適な空間を作り出す場合、多くのエネルギーを消費し、COの排出量を増加させ、温暖化をさらに加速させるという悪循環が生まれることとなる。
そのため、自動車等の車両の内装部品及び外装部品には、太陽光等に曝された場合であっても温度上昇し難いことが望まれる。しかしながら、上記特許文献1に記載されたような加飾フィルムにより加飾された部品は、遮蔽層が光を吸収することで温度上昇し易い傾向がある。そのため、このような部品を自動車の内装部品又は外装部品として用いた場合、車内の温度が上昇し易く、快適な空間を維持することが困難となる。
本開示は上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた転写性を有し、転写後の被転写体の温度上昇を抑えることが可能な熱転写フィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示は、遮蔽層と、基材層と、を有する熱転写フィルムであって、上記遮蔽層が、樹脂バインダーと、顔料と、を含有し、上記遮蔽層は、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと積層して積層体とした際に、当該積層体が下記要件(1)~(3)を満たす、熱転写フィルムを提供する。
(1)ISO5-2に従って測定される透過濃度が0.5以上である。
(2)波長980~1580nmの赤外線の最大吸収率が30%以下である。
(3)上記遮蔽層の表面の温度が22℃である当該積層体に、上記表面に対して垂直方向に300mmの位置から照度4647mW/mの光を上記表面に照射した際に、照射開始から60秒後の上記表面の温度上昇が15℃以下である。
上記熱転写フィルムによれば、遮蔽層が、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに当該遮蔽層を積層して積層体とした際に、当該積層体が上記要件(1)~(3)を満たすことにより、熱転写フィルムは優れた転写性を有し、転写後の被転写体の温度上昇を抑えることが可能となる。そして、このような熱転写フィルムを用いて自動車等の内装部品又は外装部品を加飾することで、部品が太陽光等に曝された場合に、赤外波長の光線吸収による発熱を抑え、車内の温度上昇を抑制して快適な空間の実現に貢献することができると共に、遮蔽層が下地層となることで加飾による意匠性を向上させることが可能となる。更に、上記熱転写フィルムによれば、自動車等の車内温度環境を改善できることから、エアコンの使用エネルギーを削減し、COの排出量を減少させ、地球温暖化への対策として貢献することが可能となる。
上記熱転写フィルムにおいて、上記顔料が、無機複合酸化物を含むことが好ましい。顔料が無機複合酸化物を含むことで、転写前の被転写体が持つ色味を遮蔽層により十分に隠蔽することができ、加飾の意匠性をより向上できると共に、被転写体の温度上昇をより抑制することができる。
上記熱転写フィルムにおいて、上記顔料が、赤外線反射顔料を含むことが好ましい。顔料が赤外線反射顔料を含むことで、被転写体の温度上昇をより抑制することができる。
上記熱転写フィルムにおいて、上記顔料が、2種類以上の顔料を含むことが好ましい。顔料が2種類以上の顔料を含むことで、転写前の被転写体が持つ色味を遮蔽層により十分に隠蔽することができ、加飾の意匠性をより向上できると共に、被転写体の温度上昇をより抑制することができる。
上記熱転写フィルムにおいて、上記顔料の含有量が、上記遮蔽層の全量を基準として5~55質量%であることが好ましい。顔料の含有量が上記範囲内であることにより、転写後の被転写体の温度上昇をより抑えるとともに、熱転写フィルムの転写性をより向上させることができる。
上記熱転写フィルムにおいて、カーボンブラックの含有量が、上記遮蔽層の全量を基準として16質量%以下であることが好ましい。カーボンブラックの含有量が上記範囲内であることで、転写後の被転写体の温度上昇をより抑えることができる。
上記熱転写フィルムにおいて、炭素原子を含む顔料の含有量が、上記遮蔽層の全量を基準として16質量%以下であることが好ましい。炭素原子を含む顔料の含有量が上記範囲内であることで、転写後の被転写体の温度上昇をより抑えることができる。
上記熱転写フィルムにおいて、上記樹脂バインダーが、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。樹脂バインダーが、エポキシ樹脂を含むことで、熱転写フィルムの転写性をより向上させることができる。
上記熱転写フィルムにおいて、上記樹脂バインダーが、厚さ10μmのフィルムとした際に、波長980~1580nmの赤外線の最大吸収率が5%以下であることが好ましい。樹脂バインダーが、厚さ10μmのフィルムとした際に、波長980~1580nmの赤外線の最大吸収率が5%以下であることで、被転写体の温度上昇をより抑制することができる。
上記熱転写フィルムにおいて、上記積層体が更に要件(4)波長980~1580nmの赤外線の最小反射率が10%以上、を満たすことが好ましい。積層体が上記要件(4)を満たすことで、被転写体の温度上昇をより抑制することができる。
上記熱転写フィルムにおいて、上記要件(1)における上記透過濃度が1.0以上であり、上記要件(2)における上記最大吸収率が25%以下であり、上記要件(3)における上記温度上昇が10℃以下であることで、転写後の被転写体の温度上昇をより抑えることができ、転写前の被転写体が持つ色味を遮蔽層により充分に隠蔽することができ、加飾の意匠性をより向上できる。
上記熱転写フィルムにおいて、上記遮蔽層が2以上の層を有することが好ましい。遮蔽層が2以上の層を有することで、転写前の被転写体が持つ色味を遮蔽層により充分に隠蔽することができ、加飾の意匠性をより向上できる。
上記熱転写フィルムがインモールド成形用又はTOM成形用であってよい。また、上記熱転写フィルムがサーマルヘッドプリンタ用であってよい。
本開示によれば、優れた転写性を有し、転写後の被転写体の温度上昇を抑えることが可能な熱転写フィルムを提供することができる。
本開示の熱転写フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。 本開示の熱転写フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。 本開示の熱転写フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。 本開示の熱転写フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。 本開示の熱転写フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。
以下、場合により図面を参照しつつ本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本実施形態に係る熱転写フィルムは、図1に示すように、基材層20と、遮蔽層10と、が積層された構造を有する。また、本実施形態に係る熱転写フィルムは、図2に示すように、基材層20と、第1遮蔽層11と、第2遮蔽層12と、がこの順で積層された構造を有していてもよい。また、本実施形態に係る熱転写フィルムは、図3に示すように、基材層20と、離型層30と、遮蔽層10と、がこの順で積層された構造を有していてもよい。また、本実施形態に係る熱転写フィルムは、図4に示すように、基材層20と、離型層30と、遮蔽層10と、接着層40と、がこの順で積層された構造を有していてもよい。更に、本実施形態に係る熱転写フィルムは、図5に示すように、基材層20と、離型層30と、表面保護層60と、加飾層50と、遮蔽層10と、接着層40と、がこの順で積層された構造を有していてもよい。以下、図1~図5に示した熱転写フィルム100、200、300、400、500を構成する各層について説明する。
[遮蔽層10]
本開示の熱転写フィルムにおける遮蔽層は、樹脂バインダーと、顔料と、を含有する。以下、各成分について詳細に説明する。
(樹脂バインダー)
樹脂バインダーとしては、例えば、ブチラール樹脂;ポリアミド樹脂;ポリエチレンイミン樹脂;スルホンアミド樹脂;ポリエステルポリオール樹脂;石油系樹脂;エポキシ樹脂;スチレン樹脂;スチレン及びその誘導体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ヒドロキシメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類及びメタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系単量体の単独又は共重合体を用いることができる。これらの樹脂は1種類又は2種類以上混合して用いることができる。樹脂バインダーは、熱転写フィルムの転写性をより向上させる観点から、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
樹脂バインダーの波長980~1580nmの赤外線の最大吸収率は5%以下であることが好ましい。樹脂バインダーの波長980~1580nmの赤外線の最大吸収率が5%以下であることで、転写後の被転写体の温度上昇をより抑えることができる。
樹脂バインダーの波長980~1580nmの赤外線の最大吸収率は、樹脂バインダーを基材フィルム上に厚さ10μmとなるように塗布してフィルムを形成した後に紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所製、UV-3600)を用いて波長980~1580nmの波長範囲における反射率及び透過率を測定し、当該波長範囲内における反射率の最小値(最小反射率)及び透過率の最大値(最大透過率)から、吸収率(%)=100-(透過率(%)+反射率(%))として最大吸収率を求めることができる。赤外線の最大吸収率の測定において、用いる基材フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであってよい。基材フィルムは、基材フィルムのみの波長980~1580nmの赤外線の最大吸収率が1.0%以下のものを用いることができる。樹脂バインダーの塗布方法としては、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、及びダイコーター等による塗布方法が挙げられる。
樹脂バインダーは、転写後の被転写体の温度上昇をより抑えることができる観点から、樹脂バインダーの波長980~1580nmの赤外線の最大吸収率が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。
樹脂バインダーの重量平均分子量は、500~10000が好ましく、800~5000が更に好ましい。重量平均分子量が500以上であると、遮蔽層は転写後の擦りに対して耐久性が優れる傾向があり重量平均分子量が10000以下であると、熱転写の感度が優れ、転写性能が向上する傾向がある。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算することで求めたものである。
遮蔽層における樹脂バインダーの含有量は、遮蔽層の全量を基準として、45~95質量%であってよく、55~90質量%であってよく、65~85質量%であってよい。
樹脂バインダーにおけるエポキシ樹脂の含有量は、樹脂バインダーの全量を基準として、50~100質量%であってよく、80~100質量%であってよく、90~100質量%であってよい。
(顔料)
顔料としては、無機顔料、有機顔料等が挙げられる。これらの中でも、顔料は、遮蔽層が優れた隠蔽性、耐光性、及び耐熱性を有する観点から、無機顔料であってよく、炭素原子を含まない顔料(カーボンブラックや黒鉛等の炭素原子を含む顔料以外の顔料)であってよい。顔料は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
顔料は、無機複合酸化物を含むことが好ましい。顔料が無機複合酸化物を含むことにより、転写前の被転写体が持つ色味を遮蔽層により十分に隠蔽することができ、加飾の意匠性をより向上できると共に、被転写体の温度上昇をより抑制することができる。無機複合酸化物としては、Zn、Fe、Co、Cr、Al、及びTi等の金属酸化物が挙げられる。
顔料は、黒色顔料であることが好ましい。顔料が黒色顔料であることで、転写後の被転写体に黒色の遮蔽層が形成することができる。黒色の遮蔽層は、白色の遮蔽層に比べて可視光の反射率が低いため、被転写体の意匠性を向上できる。
顔料は、被転写体の温度上昇をより抑制する観点から、赤外線反射顔料を含むことが好ましい。赤外線反射顔料とは、赤外線を反射する性質を有する顔料であり、波長980~1580nmの光反射率が20%以上の顔料を意味する。このような赤外線反射顔料としては、例えば、Fe、Mn、Cr、CoO、及びCuOからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む顔料が挙げられる。赤外線反射顔料としては、SG-101(石原産業株式会社製)42-703A、42-706A(いずれも東罐マテリアル・テクノロジー株式会社製)、AG235ブラック(川村化学株式会社製)等が挙げられる。
顔料はカーボンブラックを含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。遮蔽層におけるカーボンブラックの含有量は、転写後の被転写体の温度上昇をより抑えることができる観点から、遮蔽層の全量を基準として、16質量%以下が好ましく、15質量%未満がより好ましく、10質量%以下が更に好ましく、5質量%未満が特に好ましく、3質量%未満が非常に好ましい。遮蔽層は、カーボンブラックが実質的に含まれていないもの(カーボンブラックの含有量が実質的に0質量%)であってよい。
顔料は炭素原子を含む顔料を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。遮蔽層における炭素原子を含む顔料の含有量は、転写後の被転写体の温度上昇をより抑えることができる観点から、遮蔽層の全量を基準として、16質量%以下が好ましく、15質量%未満がより好ましく、10質量%以下が更に好ましく、5質量%未満が特に好ましく、3質量%未満が非常に好ましい。遮蔽層は、炭素原子を含む顔料が実質的に含まれていないもの(炭素原子を含む顔料の含有量が実質的に0質量%)であってよい。
遮蔽層における顔料の含有量は、遮蔽層の全量を基準として、5~55質量%であってよく、10~45質量%であってよく、10~35質量%であってよい。
(シリカ)
遮蔽層は、シリカを含むものであってよい。遮蔽層がシリカを含むことにより、熱転写フィルムの遮蔽層の厚さが大きい場合でも、優れた転写性を維持できる傾向がある。シリカの平均粒子径は300nm以下であってよく、250nm以下であってよく、200nm以下であってよく、100nm以下であってよい。
遮蔽層におけるシリカの含有量は、遮蔽層の全量を基準として、0.1~20質量%であってよく、0.3~15質量%であってよく、0.5~10質量%であってよい。
(その他成分)
遮蔽層は、上記成分の他に、ワックス、離型剤、軟化剤、界面活性剤等の添加剤を含有してもよい。
遮蔽層におけるワックスの含有量は、転写後の意匠性の観点から、遮蔽層の全量を基準として、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。遮蔽層は、ワックスが実質的に含まれていないもの(ワックスの含有量が実質的に0質量%)であってよい。
遮蔽層は、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと積層して積層体とした際に、要件(1)ISO5-2に従って測定される透過濃度が0.5以上、(2)波長980~1580nmの赤外線の最大吸収率が30%以下、(3)上記遮蔽層の表面の温度が22℃である当該積層体に、上記表面に対して垂直方向に300mmの位置から照度4647mW/mの光を上記表面に照射した際に、照射開始から60秒後の上記表面の温度上昇が15℃以下、を全て満たすものである。
透過濃度は、ISO(国際標準化機構)のISO5シリーズのISO5-2(ISO5-2:2009)により定義され、透過率の逆数の常用対数値である。透過濃度は、ISO5-2で規定される光学幾何条件の光を積層体に照射し、透過濃度計により測定することができる。具体的には、後述の実施例の方法で測定することができる。
積層体の透過濃度は0.5以上であることで、転写後の被転写体の温度上昇を抑えることができる。透過濃度は、転写後の被転写体の温度上昇をより抑えることができる観点から、0.8以上が好ましく、1.0以上がより好ましい。
波長980~1580nmの赤外線の最大吸収率とは、波長980~1580nmの範囲内における赤外線吸収率の最大値を意味する。波長980~1580nmの赤外線の最大吸収率は、赤外線をPETフィルム上の遮蔽層に照射し、紫外可視近赤外分光光度計により測定することができる。具体的には、後述の実施例の方法で測定することができる。
上記積層体の波長980~1580nmの赤外線の最大吸収率が30%以下であることで、転写後の被転写体の温度上昇を抑えることができる。波長980~1580nmの赤外線の最大吸収率は、転写後の被転写体の温度上昇をより抑えることができる観点から、25%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。
遮蔽層の表面温度の測定において、光を照射するランプと、遮蔽層の表面との距離が300mmとなる位置で表面温度を測定する。照度4647mW/mの光を照射するランプとしては、例えば、赤外線を発する投光器を用いることができる。具体的には、後述の実施例の方法で測定することができる。
遮蔽層の表面温度の測定において、遮蔽層の周囲の空間の温度は20~23℃であってよく、遮蔽層の周囲の空間の相対湿度が30~70%であってよい。
遮蔽層の表面の温度上昇は、転写後の被転写体の温度上昇をより抑えることができる観点から、15℃以下であることが好ましく、10℃以下であることがより好ましい。
上記積層体は、転写後の被転写体の温度上昇をより抑えることができる観点から、要件(4)波長980~1580nmの赤外線の最小反射率が10%以上、を満たすことが好ましい。
波長980~1580nmの赤外線の最小反射率とは、波長980~1580nmの範囲内における赤外線反射率の最小値を意味する。波長980~1580nmの赤外線の最小反射率は、赤外線をPETフィルム上の遮蔽層に照射し、紫外可視近赤外分光光度計により測定することができる。具体的には、後述の実施例の方法で測定することができる。
上記積層体の波長980~1580nmの赤外線の最小反射率は、転写後の被転写体の温度上昇をより抑えることができる観点から、15%以上が好ましく、20%以上がより好ましい。
遮蔽層は単層であってよく、複数の遮蔽層を積層した2以上の層を有するものであってよい。熱転写フィルムが複数の遮蔽層を有するものである場合、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと複数の遮蔽層とを積層して積層体とした際に、当該積層体が上記要件(1)~(3)を満たす。
熱転写フィルムが複数の遮蔽層を有するものである場合、本明細書において、各遮蔽層を基材層側から順に第1遮蔽層、第2遮蔽層等という。例えば、図2において、熱転写フィルム200は、基材層20側から順に第1遮蔽層11と第2遮蔽層12とを備える。
熱転写フィルムが複数の遮蔽層を有するものである場合、各遮蔽層に含有される顔料等の成分は同じであってよく、異なっていてよい。また、熱転写フィルムが複数の遮蔽層を有するものである場合、各遮蔽層の厚さは互いに同じであってよく、異なっていてよい。
熱転写フィルムが複数の遮蔽層を有するものである場合、各遮蔽層における顔料等の成分の含有量は、各遮蔽層の全量を基準として、上述した各成分の含有量の範囲内であることが好ましい。例えば、第1遮蔽層における各成分の含有量は、第1遮蔽層の全量を基準として、上述した各成分の含有量の範囲内であることが好ましい。
転写後の被転写体の温度上昇をより抑える観点から、複数の遮蔽層のうち少なくとも一つの層が赤外線反射顔料を含む層であることが好ましい。また、転写後の被転写体の温度上昇をより抑える観点から、第1遮蔽層が赤外線反射顔料を含む層であることが好ましい。
遮蔽層は、上述した樹脂バインダー、顔料等を含む溶液を基材層上に塗布し、乾燥硬化させることで形成することができる。塗布方法としては、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、及びダイコーター等による塗布方法が挙げられる。また、遮蔽層が複数の遮蔽層を積層したものである場合、樹脂バインダー、顔料等を含む溶液を基材層上に塗布し、乾燥して遮蔽層を形成した後、形成した遮蔽層上に、溶液の塗布、乾燥を繰り返すことによって、複数の遮蔽層を積層することができる。
遮蔽層の厚さは、熱転写フィルムの転写性がより向上する観点から、15μm以下が好ましく、12μm以下がより好ましい。遮蔽層の厚さの下限値としては、1μm以上であってよく、4μm超であってよく、8μm以上であってよい。熱転写フィルムが複数の遮蔽層を有する場合、複数の遮蔽層の合計の厚さが上記範囲を満たすことが好ましい。
[基材層20]
基材層は、高分子フィルムを用いることができる。高分子フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン等のポリアミド;ポリプロピレン及びシクロオレフィン等のポリオレフィン;ポリカーボネート;並びにトリアセチルセルロース等が挙げられるが、これらに限定されない。高分子フィルムはポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム又はポリオレフィンフィルムであることが好ましく、ポリエステルフィルム又はポリアミドフィルムであることがより好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが更に好ましい。ポリエチレンテレフタレートフィルムは、透明性、加工適性及び密着性の観点から望ましい。
基材層の厚さは、2~100μmの範囲内とすることが好ましく、4.5~50μmの範囲内とすることがより好ましい。厚さが2μm以上であると熱転写後に基材を剥がす際に基材が破断しにくくなり、100μm以下であると熱転写に必要な熱量を減らせることから、効率が良くなる。
[離型層30]
熱転写フィルムは、離型層を有してもよい。離型層は、基材層の遮蔽層側の表面に形成される層である。熱転写フィルムが離型層を有することで、転写性をより向上させることができる。離型層は、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル基含有ポリマー系、フッ素系から選択された樹脂を用いて形成することができる。離型層は、上述した樹脂を単独で用いて、又は上述した樹脂を2種類以上組み合わせた複合樹脂を用いて、形成することができる。
離型層は、例えば、上述した樹脂を含む溶液を基材層上に塗布し、乾燥硬化させることで形成することができる。塗布方法としては、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、及びダイコーター等による塗布方法が挙げられる。
離型層の厚さは、0.2~20μmの範囲内とすることが好ましく、0.5~5μmの範囲内とすることがより好ましい。厚さが0.2μm以上であると基材層上への離型層を形成する樹脂を塗布しやすくなり、20μm以下であると塗布量を減らせるためコストを抑えることができる。
[接着層40]
熱転写フィルムは、接着層を有してもよい。接着層は、被転写体と遮蔽層とを接着する層である。例えば、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコーン樹脂又はアルキルチタネートから選択された樹脂を用いて形成することができる。接着層は、上述した樹脂を単独で用いて、又は上述した樹脂を2種類以上組み合わせた複合樹脂を用いて、形成することができる。
接着層は、例えば、上述した樹脂を含む溶液を遮蔽層上に塗布し、乾燥硬化させることで形成することができる。塗布方法としては、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、コンマコーター及びダイコーター等による塗布方法が挙げられる。
接着層の厚さは、1~100μmの範囲内とすることが好ましく、5~50μmの範囲内とすることがより好ましい。厚さが1μm以上であると被着体と充分に接着することができ、100μm以下であると塗布量を減らせるためコストを抑えることができる。
[加飾層50]
熱転写フィルムは、加飾層を有してもよい。加飾層は、被転写体に意匠性を付与する層である。加飾層は、例えば、着色剤(顔料及び/又は染料)、及びバインダー樹脂を用いて形成することができる。加飾層は、着色剤を1種単独、又は2種類以上を組み合わせて用いてよい。
バインダー樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂;ポリアミド樹脂;ポリエチレンイミン樹脂;スルホンアミド樹脂;ポリエステルポリオール樹脂;石油系樹脂;エポキシ樹脂;スチレン樹脂;スチレン及びその誘導体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ヒドロキシメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類及びメタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系単量体の単独又は共重合体から選択された樹脂を用いて形成することができる。加飾層は、上述した樹脂を単独で用いて、又は上述した樹脂を2種類以上組み合わせた複合樹脂を用いて、形成することができる。
加飾層は、例えば、上述した樹脂を含む溶液をスクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷、熱転写印刷等の印刷法により形成することができる。
加飾層の厚さは、1~20μmの範囲内とすることが好ましく、2~10μmの範囲内とすることがより好ましい。厚さが1μm以上であると意匠性が充分に高く、20μm以下であると熱転写に必要な熱量を減らせることから、効率がよくなる。
[表面保護層60]
熱転写フィルムは、表面保護層を有してもよい。表面保護層は、転写後に被転写体の最表面となる層である。表面保護層は、耐摩耗性や耐薬品性などといった表面硬度に係る性能を有することが望ましい。表面保護層は、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の樹脂を用いて形成することができ、例えば、エポキシ樹脂、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ヒドロキシメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類及びメタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステルから選択された樹脂を用いて形成することができる。表面保護層は、上述した樹脂を単独で用いて、又は上述した樹脂を2種類以上組み合わせた複合樹脂を用いて、形成することができる。
表面保護層は、表面硬度を補うために、シリカ粒子を含有してもよい。シリカ粒子は、平均粒子径が0.3~20μmの範囲内のものを用いてもよい。また、表面保護層の耐摩耗性を補うために、滑剤としてポリテトラフルオロエチレンパウダーやポリエチレンワックス、金属石鹸等を少量添加してもよい。
表面保護層は、例えば、上述した樹脂を含む溶液を基材層上に塗布し、乾燥硬化させることで形成することができる。塗布方法としては、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、及びダイコーター等による塗布方法が挙げられる。
表面保護層の厚さは、1~50μmの範囲内とすることが好ましく、3~20μmの範囲内とすることがより好ましい。厚さが1μm以上であると優れた表面硬度が得られるため、表面保護層としての機能を充分に付与でき、50μm以下であると充分な可撓性を有するため、割れにくくなる。
本開示の熱転写フィルムは、熱により被転写体に、少なくとも遮蔽層を含む転写部を転写することで、被転写体を加飾するものである。熱転写フィルムは、サーマルヘッドプリンタ用であってよい。
熱転写フィルムは、インモールド成形用又はTOM(Three dimension Overlay Method)成形用であってよい。インモールド成形とは、真空成形による被転写体の作製から射出成形による形成及び熱転写フィルムとの一体化までを同じ金型内で行う成形方法である。TOM成形とは、熱転写フィルムで上下に隔離した気密空間の気圧差を利用して、被転写体と熱転写フィルムとを一体化する成形方法である。
転写部の転写は、赤外線ヒーターやハロゲンヒーター等を用いて熱転写フィルムを加熱し、圧着することで行ってもよい。また、転写部は、サーマルヘッドプリンタを使用して感熱転写してもよい。転写部は、図1及び図3の熱転写フィルム100、300においては遮蔽層10であり、図2の熱転写フィルム200においては第1遮蔽層11及び第2遮蔽層12であり、図4の熱転写フィルム400においては接着層40及び遮蔽層10であり、図5の熱転写フィルム500においては接着層40、遮蔽層10、加飾層50及び表面保護層60である。なお、図3~図5に示した熱転写フィルム300、400、500において、転写部には離型層30の一部又は全部が含まれていてもよい。
上述した本実施形態の熱転写フィルムは、例えば自動車等の内装部品又は外装部品を加飾する目的で使用することができる。熱転写フィルムで加飾する方法としては、上述した方法により部品に転写部を転写することができる。本実施形態の熱転写フィルムは、自動車等の内装部品又は外装部品のラッピングフィルムとして使用することもできる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本開示をより具体的に説明するが、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
[熱転写フィルムの製造方法]
上述した熱転写フィルムの製造方法は、基材層上に、加飾層を形成する工程を備える。熱転写フィルムの製造方法は、離型層、表面保護層、加飾層、印刷層、及び接着層からなる群より選ばれる少なくとも1つを更に形成する工程を備えてよい。各層の形成方法としては、例えば、塗工ユニットを有する印刷機により形成することができる。各層の形成は、複数の塗工ユニットを持つ印刷機によって連続で形成してよく、各層を1層ずつ形成してもよい。
(実施例1)
<熱転写フィルムの作製>
顔料(石原産業社製、商品名:SG-101、赤外線反射顔料)5質量部と、樹脂バインダー(東洋インキ社製、商品名:K468EPワニス、エポキシ樹脂)36質量部(固形分の質量)と、酢酸エチル59質量部とを混合し、遮蔽層形成用組成物を調製した。用いた樹脂バインダーは、厚さ10μmのフィルムとして形成した際の波長980~1580nmの赤外線の最大吸収率が2.1%であった。上記波長範囲内での最大吸収率の測定は、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所製、UV-3600)を用いて行った。
得られた遮蔽層形成用組成物を厚さ4.5μmのPETフィルム(東レ株式会社製、商品名:ルミラーF5T1)上に塗布し、乾燥させて、厚さ5μmの遮蔽層を有する熱転写フィルムを作製した。
<透過濃度の測定>
作製した熱転写フィルムの遮蔽層にISO5シリーズのISO5-2で規定される光学幾何条件の光を照射したときの透過濃度(OD値)を透過濃度計(エックスライト株式会社製、DenSitometer341)により測定した。測定結果を表1に示す。
<赤外線反射率及び赤外線吸収率の測定>
また、作製した熱転写フィルムの遮蔽層に波長980~1580nmの赤外線を照射し、上記波長範囲内における反射率及び透過率を紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所製、UV-3600)により測定し、赤外線の吸収率を下記式(A)より算出した。
吸収率(%)=100-(反射率(%)+透過率(%))・・・(A)
吸収率の最大値(最大吸収率)及び反射率の最小値(最小反射率)を表1に示す。
<転写性の評価>
作製した熱転写フィルムの遮蔽層側を厚さ12μmのPETフィルムと重ね合わせ、ヒートシール試験機を用いてシールバーの幅10mm、シールバー温度180℃、シール時間15秒、圧力0.1MPaの条件で遮蔽層をPETフィルム上に熱転写した。熱転写した転写面を観察し、転写性を以下の判定基準に基づいて評価した。評価結果を表1に示す。評価結果がA又はBであれば合格である。
A:加熱部が全面に転写されており、10倍のルーペで観察してもエッジカスレが確認できない。
B:加熱部が全面に転写されているが、10倍のルーペで観察した際に若干のエッジカスレが確認できる。
C:加熱部は転写されているものの、エッジでのカスレが目視で確認できる。
D:加熱部の一部又は全部が転写されていない。
<熱転写フィルムの表面温度の評価>
作製した熱転写フィルムの遮蔽層の表面温度と、遮蔽層の周囲の空間の温度及び相対湿度を測定した。遮蔽層の表面温度は22℃であり、遮蔽層の周囲の空間の温度及び相対湿度はそれぞれ、22℃、45%であった。遮蔽層の表面に対して垂直方向に300mmの位置に投光器(トラスコ中山株式会社製、TRUSCO リフレター投光器、レフランプ:200W型/180W、型番:RT-200)の表面がくるように配置し、投光器を用いて照度4647mW/mの光を遮蔽層の表面に照射した。照射開始から60秒後の遮蔽層の表面温度を測定し、照射開始前の遮蔽層の表面温度からの温度上昇を算出した。
<被転写体の温度上昇の評価>
作製した熱転写フィルムの遮蔽層側を厚さ12μmのPETフィルムと重ね合わせ、ヒートシール試験機を用いて遮蔽層をPETフィルム上に熱転写して、被転写体サンプルを作製した。被転写体サンプルは、試験室にて30分間放置した後に、被転写体サンプルの表面温度と、被転写体サンプルの周囲の空間の温度及び相対湿度を測定した。被転写体サンプルの表面温度は22℃であり、被転写体サンプルの周囲の空間の温度及び相対湿度は22℃、45%RHであった。被転写体サンプルの表面に対して垂直方向に300mmの位置に投光器(トラスコ中山株式会社製、TRUSCO リフレター投光器、レフランプ:200W型/180W、型番:RT-200)の表面がくるように配置し、投光器を用いて照度4647mW/mの光を被転写体サンプルの転写層の表面に照射した。照射開始から60秒後の被転写体サンプルの転写層の表面温度を測定し、照射開始前の被転写体サンプルの転写層の表面温度からの温度上昇を算出した。
(実施例2)
遮蔽層を厚さが8μmとなるように形成したこと以外は実施例1と同様にして熱転写フィルムを作製し、各測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
遮蔽層を厚さが12μmとなるように形成したこと以外は実施例1と同様にして熱転写フィルムを作製し、各測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
赤外線反射顔料(SG-101)9質量部、樹脂バインダー(K468EPワニス)32質量部(固形分の質量)と、酢酸エチル59質量部とを混合し、遮蔽層形成用組成物を調製したこと以外は実施例1と同様にして熱転写フィルムを作製し、各測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
赤外線反射顔料(SG-101)21質量部、樹脂バインダー(K468EPワニス)20質量部(固形分の質量)と、酢酸エチル59質量部とを混合し、遮蔽層形成用組成物を調製したこと以外は実施例1と同様にして熱転写フィルムを作製し、各測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
赤外線反射顔料(SG-101)4.3質量部と、顔料(大日本精化工業社製、商品名:クロモファインブラックA1103、赤外線透過顔料)4.7質量部、樹脂バインダー(K468EPワニス)32質量部(固形分の質量)と、酢酸エチル59質量部とを混合し、遮蔽層形成用組成物を調製した。この遮蔽層形成用組成物を用いて、遮蔽層を厚さが5μmとなるように形成したこと以外は実施例1と同様にして熱転写フィルムを作製し、各測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
遮蔽層を厚さが8μmとなるように形成したこと以外は実施例6と同様にして熱転写フィルムを作製し、各測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
遮蔽層を厚さが12μmとなるように形成したこと以外は実施例6と同様にして熱転写フィルムを作製し、各測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例9)
赤外反射顔料(SG-101)5質量部と、樹脂バインダー(K468EPワニス)36質量部(固形分の質量)と、酢酸エチル59質量部とを混合し、遮蔽層形成用組成物Aを調製した。得られた遮蔽層形成用組成物Aを厚さ4.5μmのPETフィルム上に塗布し、乾燥させて、厚さ2μmの第1遮蔽層を形成した。赤外透過顔料(A1103)6.7質量部と、樹脂バインダー(K468EPワニス)33.3質量部(固形分の質量)と、酢酸エチル60質量部とを混合し、遮蔽層形成用組成物Bを調整した。得られた遮蔽層形成用組成物Bを上記で形成した第1遮蔽層の上に積層し、厚さ2μmの第2遮蔽層を形成し、熱転写フィルムを作製した。実施例1と同様に各測定および評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例10)
第1遮蔽層および第2遮蔽層の厚さが、それぞれ4μmとなるように形成したこと以外は実施例9と同様にして熱転写フィルムを作製し、各測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例11)
遮蔽層形成用組成物Bにより第1遮蔽層を形成し、遮蔽層形成用組成物Aにより第2遮蔽層を形成したこと以外は実施例9と同様にして熱転写フィルムを作製し、各測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例12)
第1遮蔽層及び第2遮蔽層の厚さが、それぞれ4μmとなるように形成したこと以外は実施例11と同様にして熱転写フィルムを作製し、各測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
樹脂バインダー(K468EPワニス)45質量部(固形分の質量)と、酢酸エチル55質量部とを混合し、遮蔽層形成用組成物を調製した。この遮蔽層形成用組成物を用いて、遮蔽層を厚さが4μmとなるように形成したこと以外は実施例1と同様にして熱転写フィルムを作製し、各測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
カーボンブラック(三菱ケミカル社製、商品名:MA-100)6.7質量部と、樹脂バインダー(K468EPワニス)33.3質量部(固形分の質量)と、酢酸エチル60質量部とを混合し、遮蔽層形成用組成物を調製した。この遮蔽層形成用組成物を用いて、遮蔽層を厚さが2μmとなるように形成したこと以外は実施例1と同様にして熱転写フィルムを作製し、各測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
赤外反射顔料(SG-101)5質量部と、カーボンブラック(MA-100)6.7質量部と、樹脂バインダー(K468EPワニス)29.3質量部(固形分の質量)と、酢酸エチル59質量部とを混合し、遮蔽層形成用組成物を調製した。この遮蔽層形成用組成物を用いて、遮蔽層を厚さが2μmとなるように形成したこと以外は実施例1と同様にして熱転写フィルムを作製し、各測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0007484558000001
10…遮蔽層、11…第1遮蔽層、12…第2遮蔽層、20…基材層、30…離型層、40…接着層、50…加飾層、60…表面保護層、100,200,300,400,500…熱転写フィルム。

Claims (13)

  1. 遮蔽層と、基材層と、を有する熱転写フィルムであって、
    前記遮蔽層が、樹脂バインダーと、顔料と、を含有し、
    前記顔料が、無機複合酸化物を含み、
    前記遮蔽層は、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと積層して積層体とした際に、当該積層体が下記要件(1)~(3)を満たす、熱転写フィルム。
    (1)ISO5-2に従って測定される透過濃度が0.5以上である。
    (2)波長980~1580nmの赤外線の最大吸収率が30%以下である。
    (3)前記遮蔽層の表面の温度が22℃である当該積層体に、前記表面に対して垂直方向に300mmの位置から照度4647mW/mの光を前記表面に照射した際に、照射開始から60秒後の前記表面の温度上昇が15℃以下である。
  2. 前記顔料が、赤外線反射顔料を含む、請求項1に記載の熱転写フィルム。
  3. 前記顔料が、2種類以上の顔料を含む、請求項1又は2に記載の熱転写フィルム。
  4. 前記顔料の含有量が、前記遮蔽層の全量を基準として5~55質量%である、請求項1~のいずれか一項に記載の熱転写フィルム。
  5. カーボンブラックの含有量が、前記遮蔽層の全量を基準として16質量%以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の熱転写フィルム。
  6. 炭素原子を含む顔料の含有量が、前記遮蔽層の全量を基準として16質量%以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の熱転写フィルム。
  7. 前記樹脂バインダーがエポキシ樹脂を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の熱転写フィルム。
  8. 前記樹脂バインダーが、厚さ10μmのフィルムとした際に、波長980~1580nmの赤外線の最大吸収率が5%以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の熱転写フィルム。
  9. 前記積層体が更に下記要件(4)を満たす、請求項1~のいずれか一項に記載の熱転写フィルム。
    (4)波長980~1580nmの赤外線の最小反射率が10%以上である。
  10. 前記要件(1)における前記透過濃度が1.0以上であり、前記要件(2)における前記最大吸収率が25%以下であり、前記要件(3)における前記温度上昇が10℃以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の熱転写フィルム。
  11. 前記遮蔽層が2以上の層を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の熱転写フィルム。
  12. インモールド成形用又はTOM成形用である、請求項1~11のいずれか一項に記載の熱転写フィルム。
  13. サーマルヘッドプリンタ用である、請求項1~11のいずれか一項に記載の熱転写フィルム。
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