JP7483354B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、支持ユニットに変位可能に支持された可動ユニットと制御基板とを接続するフレキシブル基板を備えた撮像装置に関する。
従来、固定ユニット(支持部材)に変位可能に支持された可動ユニット(可動部材)と制御基板とを接続するフレキシブル基板を備えた電子機器が知られている。例えば、被写体のブレを光学的に補正する機能を有する撮像装置は、撮像素子を支持する可動ユニットを固定ユニットに対して光軸と直交方向に変位させることで、被写体のブレ補正を実現する。
特許文献1には、固定ユニットと可動ユニットとを電気的に接続しつつ、可動ユニットが制御基板により駆動制御される撮像装置が開示されている。
特開2010-192749号公報
特許文献1に開示されているようなフレキシブル基板の配線部の一部は、可動ユニットの変位に応じて変形可能である。しかし、配線部の変形によって生じる反力は、可動ユニットを駆動する際の負荷になる。フレキシブル基板の構成によっては、その可撓性は低下し、可動ユニットの駆動を阻害する可能性がある。このためフレキシブル基板は、可撓性が高くなるように薄い層で形成するとともに、幅の細い配線を備えることが好ましい。
しかし、近年、撮像装置の動画の高画素化や高速連写などの機能向上のため、撮像素子の消費電力や接続信号数は増大している。このため、薄い層で形成され細い配線を備えたフレキシブル基板で多くの信号の高速伝送を実現しようとすると、通信性能が安定せず、電磁界ノイズ(不要輻射)の放射源となる可能性がある。電磁界ノイズを低減するためには、フレキシブル基板にシールド層を追加することや、電波吸収体から成るシートをフレキシブル基板の全面に貼付することが考えられる。しかし、これらの対策では、フレキシブル基板の可撓性が損なわれ、可動ユニットの駆動を阻害するおそれがある。
そこで本発明は、可動部材が変位する際に負荷の増大を抑制しつつ、電磁界ノイズを低減することが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての撮像装置は、支持部材と、撮像素子を備え、且つ像ブレを光学的に補正するために前記支持部材に対して光軸と直交する方向に変位可能に前記支持部材に支持された可動部材と、前記可動部材の移動を制御する制御部と、信号線を備え、且つ前記可動部材と前記制御部とを電気的に接続するシート状の第1のフレキシブル基板と、信号線を備えず、且つ前記第1のフレキシブル基板に重畳して配置され、且つ前記第1のフレキシブル基板に部分的に固定されたシート状の第1の電波吸収体と、を有し、前記第1のフレキシブル基板は、前記可動部材に接続される第1の接続部と、前記第1の接続部から延出する第1の配線部と、前記第1の配線部の端部に配置され前記制御部に接続される第2の接続部と、を有し、前記第1のフレキシブル基板は屈曲している屈曲部と屈曲していない非屈曲部を有し、前記第1の電波吸収体は屈曲している屈曲部と屈曲していない非屈曲部を有し、前記第1のフレキシブル基板の屈曲部と前記第1の電波吸収体の屈曲部は重畳しており、且つ、前記第1のフレキシブル基板の非屈曲部と前記第1の電波吸収体の非屈曲部は重畳しており、前記第1のフレキシブル基板の屈曲部と前記第1の電波吸収体の屈曲部は貼付されておらず、前記第1の電波吸収体の非屈曲部は、前記第1の接続部および前記第2の接続部のそれぞれの近傍の非屈曲部において前記第1のフレキシブル基板に貼付されており、前記第1の電波吸収体の非屈曲部は、前記第1のフレキシブル基板の第1の配線部の非屈曲部に貼付されており、前記第1の電波吸収体の非屈曲部と前記第1の接続部の非屈曲部の貼付部、前記第1の電波吸収体の非屈曲部と前記第1の配線部の非屈曲部の貼付部、前記第1の電波吸収体の非屈曲部と前記第2の接続部の非屈曲部の貼付部は、互いに離間している
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
本発明によれば、可動部材が変位する際に負荷の増大を抑制しつつ、電磁界ノイズを低減することが可能な撮像装置を提供することができる。
第1の実施形態における電子機器の斜視図である。 第1の実施形態における電子機器の要部を後側(撮影者側)から見た分解斜視図である。 第1の実施形態における像ブレ補正ユニットの分解斜視図である。 第1の実施形態における像ブレ補正ユニットの分解斜視図である。 第1の実施形態における第3のフレキシブル基板の正面図である。 第1の実施形態における第1のフレキシブル基板および第2のフレキシブル基板が固定された可動ユニットの背面図である。 第1の実施形態における第1のフレキシブル基板に施した電磁界ノイズ対策の説明図である。 第1の実施形態における可動ユニットが制御基板に取り付けられた状態を後側から見た図である。 第1の実施形態における像ブレ補正ユニットの斜視図である。 第1の実施形態における制御基板の内部に展開される配線パターンの正面図である。 第2の実施形態における第1のフレキシブル基板および第2のフレキシブル基板が固定された可動ユニットの背面図である。 第2の実施形態における像ブレ補正ユニットの斜視図である。 第2の実施形態における第1のフレキシブル基板に施した電磁界ノイズ対策の説明図である。 第2の実施形態における第1のフレキシブル基板に施した電磁界ノイズ対策の説明図である。 第2の実施形態における第1のフレキシブル基板に施した電磁界ノイズ対策の説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施形態における電子機器について説明する。図1(a)、(b)は、本実施形態における基板の配線構造が適用される電子機器(撮像装置10)の斜視図である。なお本実施形態において、電子機器は撮像装置10であるが、これに限定されるものではない。図1(a)、(b)に示されるように、撮像装置10の方向に関し、撮影者(ユーザ)から見た方向を基準として、上下方向、前方および後方、左右方向をそれぞれ定義する。従って、図1(a)は撮像装置10を前方(被写体)側から見た斜視図であり、図1(b)は撮像装置10を後方(撮影者側)から見た斜視図である。
撮像装置10は、複数の部材から成る筐体としての外装10cに覆われている。撮像装置10の前側には、マウント10aが設けられている。マウント10aには、不図示の交換レンズ(レンズ装置)が装着可能である。撮像装置10のマウント10aの上部には、無線アンテナ10bが内蔵されている。マウント10aの中心を通る軸は、交換レンズの撮像光学系の光軸(所定の軸、撮影光軸)Pと略一致する。
図2は、撮像装置10の要部を後方(撮影者側)から見た分解斜視図である。なお図2では、外装10c等を不図示にしている。また、図2以降の図では、理解を容易にするため、本発明の説明に必要な部分を図示し、説明に不要な部分を不図示としている。
撮像装置10は、制御基板(制御部)100、像ブレ補正ユニット(像ブレ補正装置)200、シャッタユニット300、および、ベース部材400を有する。像ブレ補正ユニット200は、シャッタユニット300とともにベース部材400に固定される。ベース部材400と制御基板100は、外装10cに固定される。像ブレ補正ユニット200は、シャッタユニット300が組み付け固定されたベース部材400に保持される。すなわち像ブレ補正ユニット200は、3本のビス600a、600b、600cと3つのコイルばね500a、500b、500cとにより、ベース部材400に対して光軸P(図1(a)参照)に沿った方向に変位可能に支持される。作業者は、ビス600a、600b、600cの締め込み量を調整することで、ベース部材400に対する撮像素子230(図3参照)の撮像面の傾きを調整することができる。撮像面の傾きの調整が完了すると、ビス600a、600b、600cは、それらの緩みを防止するため、像ブレ補正ユニット200の固定ユニット(支持ユニット、支持部材)200bに接着固定される。
制御基板100には、撮像信号を制御する制御IC101、および、コネクタ102、103、104が実装されている。また制御基板100には、チップ抵抗、セラミックコンデンサ、インダクタ、トランジスタなどの様々な電子部品(不図示)が実装されている。コネクタ102、103には、像ブレ補正ユニット200から延出するフレキシブルプリント基板である第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bが接続される。これにより、制御基板100と像ブレ補正ユニット200とが電気的に接続される。コネクタ104は、シャッタユニット300から延出するフレキシブル基板(不図示)と接続され、制御基板100とシャッタユニット300とを電気的に接続する。
次に、図3および図4を参照して像ブレ補正ユニット200について説明する。図3および図4は、像ブレ補正ユニット200の分解斜視図である。像ブレ補正ユニット200は、可動ユニット(可動部材)200aと固定ユニット(支持部材)200bとを有する。可動ユニット200aは、撮像素子230を含む。固定ユニット200bは、ベース部材400に固定される。可動ユニット200aは、固定ユニット200bに対して、光軸Pと直交する平面方向に変位可能に固定ユニット200bに支持される。可動ユニット200aが光軸Pと直交する方向に変位することにより、像ブレを光学的に補正する機能が実現される。
固定ユニット200bは、主として、前側ヨーク210、ベースプレート250、および、後側ヨーク260により構成される。可動ユニット200aは、主として、センサホルダ220および第3のフレキシブル基板240により構成される。第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bはそれぞれ、可動ユニット200aと制御基板100とを接続する。第3のフレキシブル基板240は、センサホルダ220と制御基板100とを接続する。第1のフレキシブル基板270a、第2のフレキシブル基板270b、および、第3のフレキシブル基板240はいずれも、可撓性を有するフレキシブルプリント基板である。
撮像素子基板231には、撮像素子230が実装されている。撮像素子230は、CMOSセンサやCCDセンサであり、被写体の光学像を電気信号に変換する。センサホルダ220には、撮像素子230および撮像素子基板231が接着固定されている。センサホルダ220において、撮像素子230よりも前側にローパスフィルタ221が配置されている。ローパスフィルタ221は、赤外線の入射を防止し、色モアレ等の発生を防止する。センサホルダ220には3か所の開口部223a、223b、223cが形成されている。第3のフレキシブル基板240には3つのコイル241a、241b、241cが搭載されている(図3)。開口部223a、223b、223cに対してコイル241a、241b、241cが内部に収容されるように、センサホルダ220に対して後側から第3のフレキシブル基板240が組み込まれて接着固定されている。
図3に示されるように、センサホルダ220には、3か所の球受け部222a、222b、222cが形成されている。図4に示されるように、前側ヨーク210には、球受け部222a、222b、222cと対向する位置に球受け部213a、213b、213cが形成されている。撮像素子230と撮像素子基板231を接着固定した状態のセンサホルダ220と前側ヨーク210とは、対向する球受け部同士の間に球体215a、215b、215cを挟持する。これにより、球体215a、215b、215cが支持される。
前側ヨーク210には、センサホルダ220と対向する位置に磁石212a、212b、212cが接着固定されており、センサホルダ220には磁石212a、212b、212cと対向する位置に不図示の強磁性材料(鉄等)の板材が貼り合わされている。前側ヨーク210とセンサホルダ220とを一定距離まで近接させると、センサホルダ220は前側ヨーク210に磁気吸引され、球体215a、215b、215cを介して、光軸Pと直交する平面方向に変位可能に前側ヨーク210に保持される。
図4に示されるように、前側ヨーク210には、コイル241a、241b、241cと対向する位置に磁石212a、212b、212cが貼り付けられている。また前側ヨーク210には、支柱211a、211b、211cがベースプレート250に向けて立設されている。支柱211a、211b、211cの各一端は、ベースプレート250に圧入されている。センサホルダ220を挟み込むように前側ヨーク210とベースプレート250とが接合される。
ベースプレート250には、光軸P方向視で異なる位置に開口部251a、251b、251cが形成されており、開口部251a、251b、251cに磁石261a、261b、261cがそれぞれ組み込まれている。光軸P方向視において、磁石261a、261b、261cは、対応するコイル241a、241b、241cと略同じ位置で同じ形状に形成される。また磁石261a、261b、261cは、対応するコイル241a、241b、241cとの中心が略一致する位置に配置される。
作業者は、開口部251a、251b、251cに対して、磁石261a、261b、261cが内部に収容されるように、ベースプレート250に対して後側から後側ヨーク260を装着する。後側ヨーク260およびベースプレート250はそれぞれ、強磁性材料で構成されている。作業者は、磁石261a、261b、261cが貼り合わされた後側ヨーク260をベースプレート250に位置合わせして接触させるだけで互いに磁気吸着させることができ、別途、接着材料を用いることなく2つの部品を接合可能である。
またベースプレート250には、開口部252が形成されている。センサホルダ220を前側ヨーク210とベースプレート250とで挟持すると、開口部252から撮像素子基板231が後側から露出する。図4に示されるように、撮像素子基板231には、コネクタ232a、232bが実装されている。図3に示されるように、第1のフレキシブル基板270aにはコネクタ271aが実装され、第2のフレキシブル基板270bにコネクタ271bが実装されている。作業者は、第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bを撮像素子基板231に対して後側から開口部252を通過するように組み込み、コネクタ232aとコネクタ271aおよびコネクタ232bとコネクタ271bとを嵌合する。コネクタ232a、232bとコネクタ271a、271bとは、互いに嵌合形状が適合するプラグコネクタとリセプタクルコネクタの関係になっている。またコネクタ271a、271bは、互いに平行な2列の信号端子列を有する構造となっている。
第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bはいずれも、長尺の板状の形状を有し、各々の一端部にコネクタ271a、271bが実装されている。第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bの配線方向(長手方向)の各他端部には、コネクタ273、274がそれぞれ実装されている。コネクタ273は、制御基板100に実装されているコネクタ102(図2参照)と嵌合形状が適合するプラグコネクタとリセプタクルコネクタの関係になっている。同様に、コネクタ274は制御基板100に実装されているコネクタ103(図2参照)と嵌合形状が適合するプラグコネクタとリセプタクルコネクタの関係になっている。またコネクタ273、274は、コネクタ271a、271bと同様に互いに平行な2列の信号端子列を有する構造を有する。
コネクタ271a、271b(図3参照)とコネクタ232a、232b(図4参照)とが接続されることで、第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bがそれぞれ撮像素子基板231と電気的に接続される。また、これにより、コネクタ271a、271bが可動ユニット200aに固定される。
次に、図5を参照して、第3のフレキシブル基板240について説明する。図5は、第3のフレキシブル基板240の正面図である。第3のフレキシブル基板240には、前述のように、コイル241a、241b、241cが接着固定されている。第3のフレキシブル基板240には、コイルの巻き線と電気的に接続するための半田付けランド243a、243b、243c、243d、243e、243fが形成されている。作業者は、コイル241aの巻き始めと巻き終わりの各端を半田付けランド243a、243bに半田付けする。同様に、作業者は、コイル241bの巻き始めと巻き終わりの各端を半田付けランド243c、243dに半田付けし、さらに、コイル241cの巻き始めと巻き終わりの各端を半田付けランド243e、243fに半田付けする。半田付けにより、各コイルはそれぞれ第3のフレキシブル基板240と電気的に接続される。
第3のフレキシブル基板240には、コイル241a、241b、241cの巻き線の内側にホール素子242a、242b、242cが実装されている。第3のフレキシブル基板240には、コネクタ端子部244が形成されている。各半田付けランドや各ホール素子からの配線パターンが第3のフレキシブル基板240の内部に展開されて、不図示のコネクタ端子部へ接続されている。コネクタ端子部244が制御基板100に実装されているコネクタに接続されることで、電気的に接続される。
このように、前側ヨーク210に設置されている磁石212a、212b、212cと後側ヨーク260に設置されている磁石261a、261b、261cとで形成される磁界環境中にコイル241a、241b、241cが配置されている。これらのコイルに電流を流すことにより各コイルにローレンツ力を発生させ、その力を推力としてセンサホルダ220を光軸Pと直交する平面方向に変位させることが可能な構成となっている。また、コイル241a、241b、241cの内側に実装されているホール素子242a、242b、242cにより、センサホルダ220が磁石212a、212b、212cに対して相対的に移動することによる磁力の変化が検出される。そしてその検出結果に基づいて、固定ユニット200bに対する可動ユニット200aの光軸Pと直交する平面方向の変位量を検出することができる。
前述の方向の定義によれば、像ブレ補正ユニット200を組み立てた状態において、撮像素子230に対してコイル241cは左下部に位置し、コイル241aは右上部に位置する。制御基板100(図2参照)において、コネクタ102、104は下部に実装され、コネクタ103は上部に実装されている。制御基板100においてコネクタ102、103、104は後面に実装される。撮像素子基板231においてコネクタ232a、232bは後面に搭載される。
左右方向を軸とした回転であるピッチ方向の像ブレ補正時には、可動ユニット200aは上下方向へ並進移動する。上下方向を軸とした回転であるヨー方向の像ブレ補正時には、可動ユニット200aは左右方向へ並進移動する。前後方向を軸とした回転であるロール方向の像ブレ補正時には、可動ユニット200aは前後方向に平行な軸線を中心に回転移動する。
次に、図6乃至図9を参照して、第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bの構成を説明する。図6は、第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bが固定された可動ユニット200aの背面図である。図7は、フレキシブル基板270aに施した電磁界ノイズ対策の説明図である。図8は、第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bが固定された可動ユニット200aを制御基板100に取り付けた状態を後側から見た図であり、コネクタ273、274がコネクタ102、103に接続されている状態を示している。図9は、像ブレ補正ユニット200の斜視図である。
図6に示されるように、第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bはそれぞれ、大別して3つの領域、すなわち2つの剛体部分(接続部)とこれらの剛体部分同士をつなぐ可撓部分(配線部)とで構成される。剛体部分(接続部)は、可撓部分(配線部)にガラスエポキシ樹脂などの絶縁補強材料を熱硬化性接着剤などで貼り合わせることで剛性を持たせており、可撓部分(配線部)表面にコネクタが実装されている。
図6に示されるように、第1のフレキシブル基板270aは、配線方向(長手方向)においてコネクタ271a(図3参照)に近い側から順に、第1の接続部275a、第1の配線部276、および、第2の接続部278を有する。第1の配線部276は、第1の接続部275aから、光軸P(所定の軸)に直交する下方(第1の方向)へ延出する。コネクタ271aは第1の接続部275aに配置され、コネクタ273は第2の接続部278に配置される。
第2のフレキシブル基板270bは、配線方向(長手方向)においてコネクタ271b(図3参照)に近い側から順に、第3の接続部275b、第2の配線部277、および、第4の接続部279を有する。第2の配線部277は、第3の接続部275bから、光軸Pに直交し且つ下方(第1の方向)とは反対の上方(第2の方向)へ延出する。コネクタ271bは第3の接続部275bに配置され、コネクタ274は第4の接続部279に配置される。
第1の接続部275a、第3の接続部275b、第2の接続部278、および、第4の接続部279には、ガラスエポキシ樹脂などの絶縁補強材料を熱硬化性接着剤などで貼り合わせることで剛性を持たせている。これらの接続部における補強材料を貼り合わせている面とは反対の面に基板間接続コネクタ(コネクタ271a、271b、273、274)が実装される。
図6に示されるように、第1のフレキシブル基板270aの配線方向において、第1の配線部276は、第1の接続部275aと第2の接続部278との間の領域に配置される。第1の配線部276は、可撓性を有し、且つコネクタ271aおよびコネクタ273を電気的に接続している。第2のフレキシブル基板270bの配線方向において、第2の配線部277は、第3の接続部275bと第4の接続部279との間の領域に配置される。第2の配線部277は、可撓性を有し、且つコネクタ271bとコネクタ274とを電気的に接続している。
ここで、図7を参照して、第1のフレキシブル基板270aに施した電磁界ノイズ対策に関する構成について詳述する。配線パターンの詳細に関しては後述するが、第1のフレキシブル基板270aには、高速伝送路が配線されている。高速伝送路では、高速伝送配線から電磁界ノイズが発生することがあり、主として、基板間の接続部がノイズ源となりやすい。すなわち、第1の接続部275aに実装されているコネクタ271a、および、第2の接続部278に実装されているコネクタ273がノイズ源となりやすい。
図7(a)は、第1のフレキシブル基板270aに対して施した電磁界ノイズ対策部品の貼付位置を示した分解斜視図である。図7(b)は、電磁界ノイズ対策部品が貼付された第1のフレキシブル基板270aの基板接続時の状態を説明簡単化のために抜き出して右方向から見た側面図である。
電波吸収体(第1の電波吸収体)290は、本実施例ではセンダストやフェライトなどの磁性材料の粉末を含む磁性層を有する100μm程度の薄いシート状の部材であるが、これに限定されるものではなく、他の誘電体または非導体であってもよい。両面テープ291は、例えばアクリル系の両面テープであり、図7(a)に示されるように、コネクタ271aの裏面の絶縁補強材料部およびコネクタ273の周辺部に配置され、第1のフレキシブル基板270aに対して電波吸収体290を部分的に貼り付ける。すなわち、第1のフレキシブル基板270aの剛体部分において電波吸収体290は貼付されるが、可撓部分において第1のフレキシブル基板270aに電波吸収体290は貼付されない。
電波吸収体290は、基板接続状態では図7(b)に示されるように、第1のフレキシブル基板270aに倣って屈曲するが、可撓部分において両面テープ291が存在しない構成となる。一般に、粘着層の存在が屈曲部における反発力を高める事が知られている。本実施形態では、可撓部分に粘着層、すなわち両面テープ291を配置しない構成とすることにより、可動ユニット200aが変位する際にフレキシブル基板の変形によって生じる負荷の増大を抑えることが可能である。
図8に示されるように、制御基板100の下側の辺(第1の方向の縁)には、第1の切欠き107aが形成されている。制御基板100の上側の辺(第2の方向の縁)には、第2の切欠き107bが形成されている。第1のフレキシブル基板270aの第1の配線部276は、第1の切欠き107aを通って配線され、第2のフレキシブル基板270bの第2の配線部277は、第2の切欠き107bを通って配線されている。すなわち第1の配線部276は、第1の接続部275aから下方に延びた後、後側に湾曲して第1の切欠き107aを通り、上方に延びる。そしてコネクタ273がコネクタ102に嵌っている。一方、第2の配線部277は、第3の接続部275bから上方に延びた後、後側に湾曲して第2の切欠き107bを通り、下方に延びる。そしてコネクタ274がコネクタ103に嵌っている。
図8に示されるように、第2の配線部277と第1の配線部276とで制御基板100の上下の一部を覆い囲うように配線される構成になっている。第2の配線部277と第1の配線部276とは、像ブレ振動のピッチ方向、すなわち可動ユニット200aの並進方向である上下2ルートに分かれて引き出されている。このような引き出し方向に設定することで、可動ユニット200aを右方向へ駆動させるときと左方向へ駆動させるときとで、フレキシブル基板270a、270bの変形により生じる負荷を均一に近付けることができる。
ここで、図9を参照して、各フレキシブル基板の変形により生じる負荷と可動ユニット200aの制御について説明する。可動ユニット200aが左へ移動する場合を考える。本実施形態では、可動ユニット200aが左へ移動する場合、図9に示されるように、フレキシブル基板270a、270bがそれぞれ発生させる反力として、右方向への力Fxa、Fxbが発生する。また、上下方向に関しては、第1のフレキシブル基板270aの反力として上方への力Fya、第2のフレキシブル基板270bの反力として下方への力Fybが発生する。
ところが、第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bは、上下2ルートに引き出し方向が分割されているため、力Fyaと力Fybの大きさは略等しくなり、上下方向の負荷のバランスをとることが可能となる。従って、第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bの負荷は実質的に右方向のみに生じ、その大きさは力Fxaと力Fxbの和となる。上下方向の負荷が略ゼロとなるため、必要な制御は左右方向の駆動制御のみとなり、制御が簡単になる。負荷の増大や制御の複雑化は、高精度に制御するために必要な磁石やコイルの大型化を招くおそれがあり、撮像装置10の大型化を招くおそれもある。よって、負荷の増大を抑え、かつ制御を簡単にすることは撮像装置10の小型化、消費電力低減にも寄与すると言える。
図6に示されるように、第1のフレキシブル基板270aの配線方向において、第1の配線部276と第1の接続部275aとの境界から第1の配線部276と第2の接続部278との境界までの長さが、第1の配線部276の長さL1である。第2のフレキシブル基板270bの配線方向において、第2の配線部277と第3の接続部275bとの境界から第2の配線部277と第4の接続部279との境界までの長さが、第2の配線部277の長さL2である。また、上下方向において、光軸Pから第1の接続部275aと第1の配線部276との境界までの長さをL3、光軸Pから第3の接続部275bと第2の配線部277との境界までの長さをL4とする。左右方向における、第1の配線部276の幅をW1、第2の配線部277の幅をW2とする。
基本的には、第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bの変形によって生じる負荷のバランスをより均一にするには、長さL1と長さL2とを略同じ長さとし、長さL3と長さL4とを略同じとすることが好ましい。さらに、幅W1と幅W2とを略同じとするのが好ましい。
一方、各フレキシブル基板の変形により生じる負荷は、それぞれの層構成や配線幅によっても異なるため、その負荷バラつきを相殺するように長さL、幅Wの調整が行われる。その結果、第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bの変形により生じる負荷をより均一に近づけることができ、撮像装置10の小型化、消費電力低減に寄与できる。
図8は、可動ユニット200aが変位していない初期状態を示している。初期状態において、左右方向における第1の配線部276と第1の切欠き107aとの間隔につき、左側の間隔をX1、右側の間隔をX2とする。すなわち、第1の切欠き107aの左右方向の切欠き幅は、第1の配線部276の幅+X1+X2である。一方、第1の切欠き107aの深さ方向の位置と、第1の配線部276の湾曲形状の内側面(電波吸収体290の湾曲形状の内側面)の最下端との間隔をY1とする。制御基板100の最外形の下端位置と第1の配線部276の湾曲形状の外側面との間隔をY2とする。
固定ユニット200bに対して可動ユニット200aが最大限変位した場合でも、第1の配線部276は第1の切欠き107aの左右の縁と上方の縁とに接触することがないように、間隔X1、X2、Y1が設定されている。また、固定ユニット200bに対して可動ユニット200aが最大限変位した場合でも、第1の配線部276が第1の切欠き107aから突出することがなく、従って、制御基板100の最外形の内側に収まるように間隔Y2が設定されている。
まず、ヨー方向の像ブレ補正のために可動ユニット200aが左右方向へ並進移動する。間隔X1は、可動ユニット200aの中心が光軸Pに合っているとき(初期状態)からの可動ユニット200aの左方向への並進移動の最大可動量より大きい値に設定される。間隔X2は、初期状態からの可動ユニット200aの右方向への並進移動の最大可動量より大きい値に設定される。また、ピッチ方向の像ブレ補正のために、可動ユニット200aは上下方向へ並進移動する。間隔Y1は、初期状態からの可動ユニット200aの上方向への並進移動の最大可動量より大きい値に設定される。間隔Y2は、初期状態からの可動ユニット200aの下方向への並進移動の最大可動量より大きい値に設定される。
第2の切欠き107bと第2の配線部277との位置関係も、第1の切欠き107aと第1の配線部276との位置関係と同様に設定される。従って、固定ユニット200bに対して可動ユニット200aが最大限変位した場合でも、第2の配線部277は第2の切欠き107bの左右の縁と下方の縁とに接触することがない。また、固定ユニット200bに対して可動ユニット200aが最大限変位した場合でも、第2の配線部277が第2の切欠き107bから突出することがなく、従って、制御基板100の最外形の内側に収まる。
次に、図6乃至図10を参照して、撮像装置10の内部で展開される配線パターンについて説明する。図10は、制御基板100の内部に展開される配線パターンを表す正面図である。
第1のフレキシブル基板270aには、コネクタ271a(図3参照)から第1の配線部276を介してコネクタ273(図6参照)まで電気的に接続される高速伝送配線が形成されている。この高速伝送配線は、例えばLVDS(Low Voltage Differential Signal:低電圧差動信号)等の伝送方式を採用した、2本の信号線を1対とする伝送路である。撮像装置10は、この高速伝送配線を使って撮像素子230と制御基板100との間で撮像信号を伝送し、撮像信号の高速伝送に対応している。第1のフレキシブル基板270aには、高速伝送配線以外にもグランド配線や撮像素子230に必要な配線等が配線されている。
第2のフレキシブル基板270bには、コネクタ271b(図3参照)から第2の配線部277を介してコネクタ274(図6参照)まで電気的に接続される電源配線が形成されている。第2のフレキシブル基板270bには、電源配線以外にもグランド配線や撮像素子230に必要な配線等が配線されている。
第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bはそれぞれ、多層の積層構造を有し、本実施形態では2層構成である。第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bにおいて、コネクタ271a、271bが実装されている面とは反対側の面にコネクタ273、274が実装されている。高速伝送配線は、コネクタ271aの信号端子列から配線が延出し、コネクタ273の平行な2列の信号端子列の内、コネクタ271aから見て奥側の端子列に配置される信号端子列と電気的に接続されている。具体的には、高速伝送配線は、コネクタ273の実装面の裏側の面を通過した後、スルーホールを介してコネクタ273の実装面に配線されている伝送路と電気的に接続し、コネクタ271aから見て奥側の端子列に配置される信号端子と接続する。
図10に示されるように、制御基板100に実装されているコネクタ102の右上に、矩形状のパッケージ外形をなす制御IC101が実装されている。制御IC101には、複数の信号端子が形成されており、複数の信号端子は、制御基板100と半田で接合されて制御基板100と電気的に接続されている。制御基板100には、コネクタ102から制御IC101の信号端子の一部まで電気的に接続されている高速伝送配線105として、3対の差動伝送配線が配線されている。高速伝送配線105は、第1のフレキシブル基板270aの内部を配線される高速伝送配線に対してコネクタ273およびコネクタ102を介して電気的に接続されている。高速伝送配線105は、第1のフレキシブル基板270aに配線された高速伝送配線と同様の差動伝送路を形成している。制御基板100には高速伝送配線105以外にも様々な信号配線やグランド配線が展開されているが、図10ではそれらの図示が省略されている。
一般に、高速伝送路において、同期をとることを必要とする複数の電気信号を伝送する場合、配線による遅延時間の差が十分小さくなるように、複数の電気信号が伝送される配線それぞれの長さが等しくなるように等長配線することが好ましい。また、信号線は極力短く配線し、ノイズ等の影響を受けないように設計することが好ましい。像ブレ補正ユニット200から、制御基板100に実装される制御IC101までの経路を短くするため、制御基板100のコネクタ102と制御IC101とは極力近くに配置することが好ましい。制御基板100のコネクタ102の左側または右側に制御IC101を配置してもよく、それにより高速伝送配線の配線長をより短くすることが可能となる。
前述のように、第1のフレキシブル基板270aには高速伝送路が配線されており、第1の接続部275aに実装されているコネクタ271a、第2の接続部278に実装されているコネクタ273がノイズ源となりやすい。特に、撮像素子基板231と接続されるコネクタ271aは、撮像装置10内に内蔵された無線アンテナ10b(図1(a))と近い側に配置されているため、電磁界ノイズが伝搬し無線性能を低下させてしまうおそれもある。そこで本実施形態では、第1のフレキシブル基板270aにおいて、無線アンテナ10bと近い側であるコネクタ271aの裏面の絶縁補強材料部を全面的に電波吸収体290で覆う。また貼り付けの都合から電波吸収体290に穴が開く側は、無線アンテナ10bと遠い側であるコネクタ273側としている。これにより、無線アンテナ10bへの影響をより効率的に抑制することが可能である。フレキシブル基板に対する電磁界ノイズ対策としては、銀などのシールドフィルムを貼り付け、シールド機能を与える手法も一般に知られている。
一方、LVDSに代表される高速伝送配線は、インピーダンスを一定に管理することが必要となる。よって、本実施形態のように、配線全体に貼付されておらず、その距離が一定に保たれていない構成においては、導体であるシールドフィルムがインピーダンスを変化させてしまうおそれがある。よって、本実施形態では、インピーダンスに影響の少ない磁性タイプの電波吸収体290が好適である。
以上のように、本実施形態によれば、可動ユニットが変位する際にかかる負荷の増大を抑えつつ、電磁界ノイズを低減することが可能である。また、第1の配線部276と第2の配線部277とが上下方向において互いに背向する方向へ延出されるため、可動ユニット200aが変位する際にかかる負荷のバランスを均一に近づけることができる。従って、可動ユニット200aの駆動制御の複雑化を抑制し、消費電力も抑制できる。また、第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bの可撓部分の単位長さあたりの変形量を過剰に小さく設計しなくてもよいため、撮像装置10の小型化に有利である。
また、電磁界ノイズ発生源となりやすい基板との接続部のうち、無線アンテナ10bと近い側である第1のフレキシブル基板270aのコネクタ271aの裏面の絶縁補強材料部を全面的に電波吸収体290で覆っている。このため、無線性能の低下をより効率的に回避することが可能である。
本実施形態では、第1のフレキシブル基板270aと第2のフレキシブル基板270bとが発生させる反力の大きさを略等しくすることが好ましい。このため、第1の配線部276および第2の配線部277の長さ、幅だけでなく、電波吸収体290の厚みや有無を考慮した曲げ剛性の観点で両者の反力を設計してもよい。本実施形態では、第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bの配線路の厚みを個別に設計することができる。例えば、第2のフレキシブル基板270bについては断面積を一定とした条件で厚みを増し且つ幅を狭め、第1のフレキシブル基板270aと負荷を等しくするように構成してもよい。これにより、第2のフレキシブル基板270bの定格電流値を変化させずに幅を変化させることが可能である。
なお本実施形態においては、第1のフレキシブル基板270aに対してのみ電磁界ノイズ対策を施す構成としたが、第2のフレキシブル基板270bに対しても同様の対策を施してもよい。すなわち第2のフレキシブル基板270bに対して電波吸収体290と同様の電波吸収体(第2の電波吸収体)を設けてもよい。また、第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bと第3のフレキシブル基板240とを別体に形成させずに一体的に構成してもよい。
(第2の実施形態)
次に、図11乃至図13(c)を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、主として、第1のフレキシブル基板および第2のフレキシブル基板の構成、並びに後側ヨークの構成の点で、第1の実施形態と異なる。本実施形態のその他の構成は第1の実施形態と同様である。このため、第1の実施形態における撮像装置10と同じ構成要素については、同じ符号を用いてそれらの説明を省略する。
図11は、第1のフレキシブル基板770aおよび第2のフレキシブル基板770bが固定された可動ユニット700aの背面図である。図12は、像ブレ補正ユニット700の斜視図である。図13(a)および図13(b)は、第1のフレキシブル基板770aに対して施した電磁界ノイズ対策部品の貼付位置を示した分解斜視図である。図13(c)は、電磁界ノイズ対策部品が貼付された第1のフレキシブル基板770aの基板接続時の状態を説明簡単化のために抜き出して右方向から見た側面図である。
本実施形態の像ブレ補正ユニット700は、第1の実施形態の像ブレ補正ユニット200に対応し、第1のフレキシブル基板770aおよび第2のフレキシブル基板770bを有する。本実施形態の第1のフレキシブル基板770aおよび第2のフレキシブル基板770bは、第1の実施形態の第1のフレキシブル基板270aおよび第2のフレキシブル基板270bにそれぞれ対応する。像ブレ補正ユニット700は、第1の実施形態の後側ヨーク260に対応する後側ヨーク265を有する。後側ヨーク265は、光軸P方向視の外形形状がコの字状に形成された平板形状を成している。
第1のフレキシブル基板770aは、配線方向(長手方向)においてコネクタ271a(図3参照)に近い側から順に、第1の接続部775a、配線部776、配線部780、および、第2の接続部782を有する。コネクタ271aは第1の接続部775aに配置され、コネクタ273は第2の接続部782に配置される。第1のフレキシブル基板270aと対比すると、第1の接続部775aが第1の接続部275aに対応し、配線部776および配線部780が第1の配線部276に対応し、第2の接続部782が第2の接続部278に対応する。
第2のフレキシブル基板770bは、配線方向(長手方向)においてコネクタ271b(図3参照)に近い側から順に、第3の接続部775b、配線部777、配線部781、および、第4の接続部783を有する。第3の接続部775bが第3の接続部275bに対応し、配線部777および配線部781が第2の配線部277に対応し、第4の接続部783が第4の接続部279に対応する。
第1のフレキシブル基板770aにおいて、配線部776は、第1の接続部775aから、光軸P(所定の軸線)に直交する上方へ延出する。第2のフレキシブル基板770bにおいて、配線部777は、第3の接続部775bから、光軸Pに直交し且つ上方とは反対の下方へ延出する。第1のフレキシブル基板770aには、第1の接続部775aに実装されるコネクタ271aから配線部776、780を介して第2の接続部782に実装されるコネクタ273まで電気的に接続される配線路が形成されている。また第2のフレキシブル基板770bには、第3の接続部775bに実装されるコネクタ271bから配線部777、781を介して第4の接続部783に実装されるコネクタ274まで電気的に接続される配線路が形成されている。ここで、第1のフレキシブル基板770aおよび第2のフレキシブル基板770bは、コネクタの実装面が同一面に揃っているため、片面の配線構造でも製造可能であり、本実施形態では定性的に柔らかい構成を達成しやすい片面配線構成を採用している。
第1のフレキシブル基板770aの配線方向における、第1の接続部775aと第2の接続部782との間の配線部の途中位置には、第1の固定部778が形成されている。すなわち第1の固定部778は、配線部776と配線部780との間に設けられ、後側ヨーク265に固定される。
一方、第2のフレキシブル基板770bの配線方向における、第3の接続部775bと第4の接続部783との間の配線部の途中位置には、第2の固定部779が形成されている。すなわち、第2の固定部779は、配線部777と配線部781との間に設けられ、後側ヨーク265に固定される。
第1の固定部778および第2の固定部779にはそれぞれ、後側ヨーク265に対して位置合わせを行うための穴が形成されている。作業者は、治具などを用いて固定部778、779を後側ヨーク265の対応する穴に対して位置合わせした後、後側ヨーク265に固定する。固定部778、779は後側ヨーク265に固定されるので、固定部778、779の位置およびこれらより第2の接続部782側の領域、第4の接続部783側の領域は変位しない。
配線部776は、一定量の撓みを形成した状態で第1の固定部778が後側ヨーク265に固定されることで、撓み形状が維持される。同様に、配線部777は、一定量の撓みを形成した状態で第2の固定部779が後側ヨーク265に接続されることで、撓み形状が維持される。配線部776、777に形成される撓み量は、可動ユニット700aが最も光軸Pから離れた位置に変位した場合に、配線部776、777が延びきってしまうことなく、ともに所定の撓み量を維持することができるように設定される。
ところで、左右方向において、配線部776、777は、可動ユニット700aの左右方向の並進移動の最大可動量以上離れている。これにより、像ブレ補正の際に両者が互いに干渉して負荷に影響を与えることが回避される。
前述のように、配線部776と配線部777とは、可動ユニット700aの並進方向である上下2ルートに分かれて(互いに背向する方向に)引き出されている。従って、第1の実施形態と同様に、可動ユニット700aを右方向へ駆動させるときと左方向へ駆動させるときとで、第1のフレキシブル基板770aおよび第2のフレキシブル基板770bの変形により生じる負荷を均一に近づけることができる。また、可動ユニット700aを上方向へ駆動するときと下方向へ駆動するときとで、第1のフレキシブル基板770aおよび第2のフレキシブル基板770bの変形により生じる負荷を均一に近づけることができる。
ここで、図13(a)乃至図13(c)を参照して、第1のフレキシブル基板770aに施した電磁界ノイズ対策に関する構成を詳述する。第1のフレキシブル基板770aには、高速伝送路が配線されている。高速伝送路では、高速伝送配線から電磁界ノイズが発生することがあり、主として、基板間の接続部がノイズ源となりやすい。すなわち、第1の接続部775aに実装されているコネクタ271a、第3の接続部775bに実装されているコネクタ273がノイズ源となりやすい。
図13(a)および図13(b)は、第1のフレキシブル基板770aに対して施した電磁界ノイズ対策部品の貼付位置を示す分解斜視図である。図13(c)は、電磁界ノイズ対策部品が貼付された第1のフレキシブル基板770aの基板接続時の状態を説明簡単化のために抜き出して右方向から見た側面図である。図13(a)は本実施形態における最もシンプルな電磁界ノイズ対策部品の貼付方法であり、図13(b)はその派生形となる電磁界ノイズ対策部品の貼付方法の別例を示している。
電波吸収体790は、本実施例ではセンダストやフェライトなどの磁性材料の粉末を含む磁性層を有する100μm程度の薄いシート状の部材であるが、これに限定されるものではなく、他の誘電体または非導体であってもよい。両面テープ791は、例えばアクリル系の両面テープである。図13(a)では、コネクタ271aの裏面の絶縁補強材料部、および、コネクタ273の裏面の絶縁補強材料部に両面テープ791を配置し、第1のフレキシブル基板770aに対して電波吸収体790を部分的に貼り付けている。すなわち、第1のフレキシブル基板770aの剛体部分において電波吸収体790は貼付されるが、可撓部分である配線部780、776において第1のフレキシブル基板770aに電波吸収体790は貼付されない。電波吸収体790は、基板接続状態では、図13(c)に示されるようにフレキシブル基板770aに倣って屈曲するが、可撓部分である配線部780、776において両面テープ791が存在しない構成となる。
一般に、粘着層の存在が屈曲部における反発力を高めることが知られている。図13(a)の貼付方法においては、可撓部分に粘着層、すなわち両面テープ791を配置しない構成とすることにより、可動ユニット700aが変位する際にフレキシブル基板の変形によって生じる負荷の増大を抑えることが可能となる。
一方、図13(b)では、更にアクリル系の両面テープ792を第1のフレキシブル基板770aの配線部776においても配置し、フレキシブル基板770aに対して電波吸収体790を部分的に貼り付けている。ただし、図13(b)および図13(c)に示されるように、両面テープ792の貼付位置(第4の接続部783)は、配線部776が屈曲する箇所を避けて、最小限の貼り付け面積で貼付を行っている。これにより、可動ユニット700aが変位する際にフレキシブル基板の変形によって生じる負荷の増大を抑えることが可能となる。
本実施形態において、図13(b)および図13(c)に示されるように、配線部776が屈曲する箇所(屈曲部)を避けて、第1のフレキシブル基板770aのストレート部の略中央において両面テープ792を貼付している。ただし本実施形態は、屈曲部にかからなければよく、そのような構成に限定されるものではない。
図13(a)の構成に対する、図13(b)の構成の優位な点は、第1のフレキシブル基板770aに対する電波吸収体790の追従性が高くなることである。これにより、より安定的な電磁界ノイズ対策効果を得やすくなる。よって、電磁界ノイズの対策効果が十分であれば、図13(a)のシンプルな構成を採用することが可能である。
本実施形態において、電波吸収体790は、第1のフレキシブル基板770aに対して2つのコネクタ271a、273の裏面の絶縁補強材料側に貼付を行っている。これは、逆側への貼付を選択した場合、貼り付けの都合から電波吸収体790に穴が開く構成となるためである。本実施形態の構成を採用することにより、電波吸収体790がコネクタ投影面の全面(投影領域の全体)を覆うことにより、より電磁界ノイズの対策効果を高めることが可能となる。
図11に示されるように、第1の接続部775aと配線部776との境界から第1の固定部778までの長さL5とする。第3の接続部775bと配線部777との境界から第2の固定部779までの長さをL6とする。光軸Pから第1の接続部775aと配線部776との境界までの長さをL7、光軸Pから第3の接続部775bと配線部777との境界までの長さをL8とする。左右方向における、配線部776の幅をW3と、配線部777の幅をW4とする。
基本的には、フレキシブル基板770a、770bの変形によって生じる負荷のバランスをより均一にするには、長さL5と長さL6とを略同じ長さとし、長さL7と長さL8とを略同じとするのが好ましい。また、幅W3と幅W4とを略同じとするのが好ましい。
一方、フレキシブル基板の変形によって生じる負荷はそれぞれの層構成や配線幅によっても異なるため、その負荷バラつきを相殺するように長さL、幅Wを調整が行われる。その結果、第1のフレキシブル基板770aおよび第2のフレキシブル基板770bの変形によって生じる負荷をより均一に近づけることができ、撮像装置10の小型化、消費電力低減に寄与できる。
なお本実施形態においては、第1のフレキシブル基板770aに対してのみ電磁界ノイズ対策を施す構成としたが、第2のフレキシブル基板770bに対して同様の対策を施してもよい。
以上のように、本実施形態によれば、可動ユニットが変位する際にかかる負荷の増大を抑えつつ、電磁界ノイズを低減することが可能である。特に、電磁界ノイズ発生源となりやすい基板との接続部において、電波吸収体790がコネクタ投影面の全面を覆うこととなり、より電磁界ノイズの対策効果を高めることが可能である。
また、配線部776と配線部777とが上下方向において互いに背向する方向へ延出される。このため、可動ユニット700aが変位する際にかかる負荷のバランスを均一に近づけることに関し、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
また本実施形態では、配線部776、777が主に撓み、固定部778、779よりも第2の接続部782側の領域、第4の接続部783側の領域はほとんど撓まない。従って、制御基板100の切欠き107a、107bを、可動ユニット700aの最大変位量を考慮した分だけ余裕を持って大きく形成する必要がない。これにより、制御基板100の基板面積を拡大することができる。また、第1のフレキシブル基板770aの内部に配線される高速伝送路を等長配線で揃えつつ、配線部780を適宜好適な形状にするのに有利となる。従って、高速伝送路の伝送品質を確保しつつ、制御基板100の部品配置、配線の自由度を向上させることができる。
なお、第1の固定部778および第2の固定部779は、後側ヨーク265に直接固定するのではなく、別個の保持部材等を介して固定してもよい。その場合、保持部材に円筒形の位置決め形状を設け、固定部778、779に設けられている穴と位置決め形状とを嵌合してもよい。また、配線部776、777に、例えば配線路と平行な方向に沿ったスリットを形成する等により、変形により生じる負荷を低減させてもよい。これは、像ブレ補正ユニット700を高精度に制御する上で有利となる。
なお各実施形態は、カメラ等の撮像装置に限定されるものではなく、支持ユニットに変位可能に支持された可動ユニットと制御基板とがフレキシブル基板で接続される各種の電子機器にも適用可能である。また、各実施形態を撮像装置に適用する場合、撮像装置はカメラ本体とレンズとが一体型であってもよく、またはカメラ本体に対してレンズが着脱可能に構成されていてもよい。
以上のように、各実施形態の電子機器(撮像装置10)は、支持部材(固定ユニット200b)、可動部材(可動ユニット200a)、制御部(制御基板100)、第1のフレキシブル基板270a、および、第1の電波吸収体(電波吸収体290)を有する。可動部材は、支持部材に対して変位可能に支持部材に支持されている。制御部は、可動部材の移動を制御する。第1のフレキシブル基板は、可動部材と制御部とを電気的に接続する。第1の電波吸収体は、第1のフレキシブル基板に重畳して配置され、第1のフレキシブル基板に部分的に固定されたシート状の部材である。
好ましくは、第1のフレキシブル基板は、可動部材に接続される第1の接続部275a、第1の接続部から延出する第1の配線部276、および、第1の配線部の端部に配置され制御部に接続される第2の接続部278を有する。第1の電波吸収体は、第1の接続部および第2の接続部のそれぞれの近傍において部分的に貼付されている。また好ましくは、可動部材は、支持部材に対して所定の軸(光軸P)と直交する方向に変位可能に支持部材に支持されている。
各実施形態によれば、可動ユニットが変位する際に負荷の増大を抑制しつつ、電磁界ノイズを低減することが可能な撮像装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
10 撮像装置(電子機器)
100 制御基板(制御部)
200a、700a 可動ユニット
200b 固定ユニット(支持ユニット)
270a、770a 第1のフレキシブル基板
290、790 電波吸収体(第1の電波吸収体)

Claims (15)

  1. 支持部材と、
    撮像素子を備え、且つ像ブレを光学的に補正するために前記支持部材に対して光軸と直交する方向に変位可能に前記支持部材に支持された可動部材と、
    前記可動部材の移動を制御する制御部と、
    信号線を備え、且つ前記可動部材と前記制御部とを電気的に接続するシート状の第1のフレキシブル基板と、
    信号線を備えず、且つ前記第1のフレキシブル基板に重畳して配置され、且つ前記第1のフレキシブル基板に部分的に固定されたシート状の第1の電波吸収体と、を有する撮像装置であって、
    前記第1のフレキシブル基板は、前記可動部材に接続される第1の接続部と、前記第1の接続部から延出する第1の配線部と、前記第1の配線部の端部に配置され前記制御部に接続される第2の接続部と、を有し、
    前記第1のフレキシブル基板は屈曲している屈曲部と屈曲していない非屈曲部を有し、
    前記第1の電波吸収体は屈曲している屈曲部と屈曲していない非屈曲部を有し、
    前記第1のフレキシブル基板の屈曲部と前記第1の電波吸収体の屈曲部は重畳しており、且つ、前記第1のフレキシブル基板の非屈曲部と前記第1の電波吸収体の非屈曲部は重畳しており、
    前記第1のフレキシブル基板の屈曲部と前記第1の電波吸収体の屈曲部は貼付されておらず、
    前記第1の電波吸収体の非屈曲部は、前記第1の接続部および前記第2の接続部のそれぞれの近傍の非屈曲部において前記第1のフレキシブル基板に貼付されており、
    前記第1の電波吸収体の非屈曲部は、前記第1のフレキシブル基板の第1の配線部の非屈曲部に貼付されており、
    前記第1の電波吸収体の非屈曲部と前記第1の接続部の非屈曲部の貼付部、前記第1の電波吸収体の非屈曲部と前記第1の配線部の非屈曲部の貼付部、前記第1の電波吸収体の非屈曲部と前記第2の接続部の非屈曲部の貼付部は、互いに離間していることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記可動部材は、前記支持部材に対して所定の軸と直交する方向に変位可能に前記支持部材に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記第1の配線部は、前記第1の接続部から、前記所定の軸と直交する第1の方向に延出していることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記第1の電波吸収体は、前記第1の配線部において屈曲部を避けて部分的に貼付されていることを特徴とする請求項2または3に記載の撮像装置。
  5. 前記第1の電波吸収体は、前記第1のフレキシブル基板の前記第1の接続部または前記第2の接続部の少なくとも一方に配置されたコネクタの全体が光軸方向において覆われるように、前記第1のフレキシブル基板に貼付されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の撮像装置。
  6. 前記可動部材と前記制御部とを電気的に接続する第2のフレキシブル基板を更に有し、
    前記第1の配線部は、前記第1の接続部から、前記所定の軸と直交する第1の方向に延出し、
    前記第2のフレキシブル基板は、
    前記可動部材に接続される第3の接続部と、
    前記第3の接続部から、前記所定の軸と直交し且つ前記第1の方向とは反対の第2の方向に延出する第2の配線部と、
    前記第2の配線部の端部に配置され、前記制御部に接続される第4の接続部と、を有することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載の撮像装置。
  7. 前記第2のフレキシブル基板に重畳して配置され、前記第2のフレキシブル基板に部分的に固定されたシート状の第2の電波吸収体を更に有し、
    前記第2の電波吸収体は、前記第3の接続部および前記第4の接続部のそれぞれの近傍において部分的に貼付されていることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  8. 前記第2の電波吸収体は、前記第2の配線部において屈曲部を避けて部分的に貼付されていることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  9. 前記第1の電波吸収体は、前記第1の接続部または前記第2の接続部のうち少なくとも無線アンテナに近い側の接続部に配置されたコネクタの全体が光軸方向において覆われるように、前記第1のフレキシブル基板に貼付されていることを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
  10. 前記第2の電波吸収体は、前記第2のフレキシブル基板の前記第3の接続部または前記第4の接続部の少なくとも一方に配置されたコネクタの投影領域の全体が覆われるように、前記第2のフレキシブル基板に貼付されていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の撮像装置。
  11. 前記第2の電波吸収体は、前記第3の接続部または前記第4の接続部のうち少なくとも無線アンテナに近い側の接続部に配置されたコネクタの投影領域の全体が覆われるように、前記第2のフレキシブル基板に貼付されていることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
  12. 前記第1のフレキシブル基板は、差動伝送配線を有することを特徴とする請求項5乃至11のいずれか一項に記載の撮像装置。
  13. 前記第2のフレキシブル基板は、電源配線を有することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  14. 前記第1のフレキシブル基板の前記第1の配線部と前記第2のフレキシブル基板の前記第2の配線部とは、互いの長さおよび幅が等しいことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  15. 前記第1のフレキシブル基板の配線方向における前記第1の接続部から前記第2の接続部との間の途中位置までの範囲と、前記第2のフレキシブル基板の配線方向における前記第3の接続部から前記第4の接続部との間の途中位置までの範囲とは、互いの長さおよび幅が等しいことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
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