JP7482962B2 - 燃料供給装置 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1においては、インジェクタと、インジェクタの燃料供給口に燃料を供給するとともにインジェクタを保持する燃料ジョイント(燃料チャンバ部)と、燃料ジョイントに取り付けられるとともに燃料ジョイント内の燃料を加熱するための棒状のヒータ部を備えるヒータ装置と、を備えている。インジェクタとヒータ部とは、互いに軸線を平行かつ同軸にして配置されている。
この構成によれば、内燃機関の上方に機器のフレーム部材が配置され、インジェクタに接続されるヒータ装置が、上下方向から見てフレーム部材の長手方向(第一方向)と直交する幅方向(第二方向)にオフセットして配置されることで、ヒータ装置とフレーム部材との間のクリアランスを確保しやすくなる。これにより、フレーム部材に対するヒータ装置の上下方向の配置自由度を向上させるとともに、ヒータ装置の上方からのメンテナンス性を確保することができる。ヒータ装置とフレーム部材との間のクリアランスを確保しながら内燃機関とフレーム部材とを近付けて配置し、機器自体をコンパクトにすることができる。
この構成によれば、ヒータ装置とフレーム部材とを上下方向でオーバーラップさせて配置することで、インジェクタに燃料チャンバ部およびヒータ装置を接続した構成を効率よく配置することができる。
この構成によれば、内燃機関の吸気通路が左右方向一側にオフセットして配置されることで、吸気通路に設けられるインジェクタおよびヒータ装置を左右方向一側に配置しやすく、フレーム部材に対してヒータ装置をオフセットさせた配置を容易にすることができる。
図1に示すように、本実施形態は、鞍乗り型車両である自動二輪車1に適用される。自動二輪車1の前輪2は、左右一対のフロントフォーク3の下端部に支持されている。左右フロントフォーク3の上部は、ステアリングステム4を介して車体フレーム20の前端部のヘッドパイプ21に支持されている。ステアリングステム4の上部には、操向用のバーハンドル6が取り付けられている。
エンジン10は、クランクケース11の前部上方にシリンダ12を起立させている。シリンダ12の後部には、吸気通路部品32が接続されている。シリンダ12の前部には、排気管14が接続されている。排気管14は、エンジン10の前方から下方を通って例えば右後方に取り回され、車体後部右側に配置された排気マフラー14aに接続されている。
図1を参照し、車体フレーム20は、複数種の鋼材を溶接等により一体結合して構成されている。
車体フレーム20は、車体左右中央に軸心を配置する単一のヘッドパイプ21と、ヘッドパイプ21の上部から後下方へ車体左右中央に沿って延びる単一のメインフレーム22と、メインフレーム22の後下端部から相対的に急傾斜をなして後下方へ車体左右中央に沿って延びる単一のピボットフレーム23と、ヘッドパイプ21の下部から後下方へメインフレーム22よりも急傾斜をなして車体左右中央に沿って延びる単一のダウンフレーム27と、を備えている。
図3を参照し、メインフレーム22は、左右一対のメインプレスフレーム体22L,22Rを一体に接合して構成されている。左右メインプレスフレーム体22L,22Rは、それぞれ一体の鋼板プレス成型部品であり、それぞれ車幅方向外側(左右方向外側)に膨出する膨出形状を有している。前記膨出形状の両端からは、それぞれ接合フランジ22bが屈曲して延びている。これら接合フランジ22bを車幅方向で互いに当接させて、スポット溶接等で一体に接合することで、左右の膨出形状を対向させた閉断面構造を持つ一体のメインフレーム22が構成されている。
ピボットフレーム23、ダウンフレーム27および左右シートレール25も概ね同様の閉断面構造を有しており、詳細説明は省略する。サポートフレーム26は例えば角鋼管で構成されている。
車体フレーム20は、プレスフレーム体を組み合わせたものに限らず、鋼管を組み合わせたものでもよい。ダウンフレーム27は、単一のものに限らず、左右一対のものでもよい。
図1、図2を参照し、エンジン10は、クランクシャフト(不図示)の回転中心軸線(クランク軸線)を左右方向(車幅方向)に沿わせた空冷単気筒エンジンである。エンジン10は、クランクケース11の前部上端にシリンダ12を前傾姿勢で起立させている。エンジン10は、ガソリンの他に、エタノール又はガソリンとエタノールとの混合燃料(以下、エタノール燃料と総称する。)を用いて運転可能である。すなわち、自動二輪車1は、複数種の燃料による走行が可能なフレキシブル・フューエル・モーターサイクル(FFM)である。
ここで、自動二輪車1は、燃料タンク15、燃料ポンプ(不図示)、燃料ホース(不図示)、インジェクタ(燃料噴射弁)40等を含んで燃料供給装置を構成している。
図1、図2、図6を参照し、燃料タンク15の燃料は、例えば燃料タンク15内に配置した燃料ポンプに吸入され、下流側へ吐出される。燃料ポンプから吐出された燃料は、インジェクタ40に連なる燃料チャンバ部50のチャンバ室T3内に供給される。チャンバ室T3にはヒータ部62が臨んでおり、チャンバ室T3内に溜めた燃料を加熱可能である。
図3、図4を併せて参照し、スロットルボディ33を含む吸気通路部品32は、車体左右中央CLに対して全体的に左右一側(実施形態では右側)に偏って配置されている。
以下、吸気通路部品32全体で形成する吸気通路(第一吸気通路T1および第二吸気通路T2を含む)を吸気通路TAと称する(図1参照)。図2中線33vは、回動中心軸線33d1およびボア中心軸線33cと直交する直線であり、この直線33vに沿う方向を直交方向33vと称する。
図5、図6を参照し、吸気管部材36の前部上側には、インジェクタ40が取り付けられている。
インジェクタ40は、筒状のインジェクタボディ41と、インジェクタボディ41内に収容される弁部(不図示)と、弁部を駆動する電磁駆動部(不図示)と、を備えている。
インジェクタボディ41は、内部に燃料を流通させる燃料流路を形成している。燃料流路には、弁部およびリターンスプリング(不図示)が設けられている。弁部は、リターンスプリングから付与された付勢力によって、燃料流路を閉塞させる。この結果、インジェクタ40は閉弁される。
ヒータ装置60は、本体部61からチャンバ室T3内へ、棒状のヒータ部62を突出させている。ヒータ部62は、チャンバケース51と同軸に配置されている。本体部61の上後端には、ヒータ作動用の給電ハーネスを接続するためのカプラ63が突設されている。
エタノール燃料エンジン10においては、冷間時の始動性を向上させるために、および排ガス中に含まれる有害成分を低減するために、加熱した燃料を吸気通路TAに噴射し、噴射燃料の気化を促進させることが有効である。
燃料チャンバ部50の第二中心軸線C2は、第一中心軸線C1と同様、後上がりに傾斜しており、吸気通路TAの中心軸線(この場合はボア中心軸線33c)に近づくように後方に傾斜している。
ヒータ装置60の本体部61の全体が上面視でスロットルボディ33と重なるように配置されると、ヒータ装置60の配置スペースは水平方向に広がらないが、ヒータ装置60とスロットルボディ33との間の上下方向のクリアランスは確保し難くなる。
車両を駐停車してエンジン10の駆動を止めている場合、エンジン10は冷えており、燃料供給装置内の燃料も冷えている。吸気通路TAに噴射する燃料の気化を促進するためには、ヒータ装置60による燃料の昇温をエンジン10の始動前に行う必要がある。ヒータ装置60による燃料の昇温開始のタイミングとしては、例えばエンジン10を停止して駐停車状態にある車両のメインスイッチがオンになったタイミングが好適である。
本実施形態は、燃料を加熱し始めて所定の条件が揃えば(例えば所定時間の経過等)、ヒータオフとするものであるが、車両走行中での燃料の気化を促進するためにも、ヒータオンによる加熱を継続するものであってもよい。なお、本実施形態では、燃料チャンバ部50に、エンジン10の周囲を流れて熱を帯びた走行風が当たりやすい構造であるので、ヒータオンを継続する際の電力量を抑えることに寄与する。
ヒータ装置60は、エンジン10の特にシリンダ本体12a、シリンダヘッド12bおよびヘッドカバー12cの何れかと、車両前後方向視にて重なる配置である。
吸気通路部品32(特にインジェクタ40、燃料チャンバ部50およびヒータ部62)は、車体左右中央CLに位置するメインフレーム22に対し、左右方向一側(右側)にオフセットして配置されている。前記吸気通路部品32は、上面視でメインフレーム22を左右方向一側(右側)に避けて配置されている。
この構成によれば、インジェクタ40における第一長手方向に沿う第一中心軸線C1が、スロットルボディ33のボア中心軸線33cに対して、吸気通路TAの上流側に向かうほどスロットルボディ33から離れるように傾斜して配置され、燃料チャンバ部50における第二長手方向に沿う第二中心軸線C2が、インジェクタ40の第一中心軸線C1に対して、吸気通路TAの上流側に向かうほどスロットルボディ33からさらに離れるように傾斜して配置されることで、インジェクタ40の上流側に連なる燃料チャンバ部50を、スロットルボディ33からその径方向で可及的に離して配置することができる。このため、インジェクタ40の長手方向に燃料チャンバ部50が配置される構成でも、燃料チャンバ部50とスロットルボディ33との間のクリアランスを確保しやすく、スロットルボディ33の周囲に付設される部品の配置自由度を高めることができる。
この構成によれば、燃料チャンバ部50の長手方向に沿ってヒータ部62が延びることで、燃料チャンバ部50内の燃料を効率よく加熱することができる。インジェクタ40の上流側に連なる燃料チャンバ部50およびヒータ装置60を、スロットルボディ33からその径方向で可及的に離して配置することができる。このため、インジェクタ40の長手方向に連なって燃料チャンバ部50およびヒータ装置60が配置される構成でも、燃料チャンバ部50およびヒータ装置60とスロットルボディ33との間のクリアランスを確保しやすく、スロットルボディ33の周囲に付設される部品の配置自由度を高めることができる。
この構成によれば、バタフライバルブ33dの周囲はデッドスペースが生じやすく、バタフライバルブ33dの回動中心軸線33d1とボア中心軸線33cとに直交する直交方向33vから見て、ヒータ装置60とスロットルボディ33とが重なる配置とすることで、前記デッドスペースを有効利用して燃料チャンバ部50およびヒータ装置60を配置することができる。
この構成によれば、スロットルボディ33の上面視で、ヒータ装置60とスロットルボディ33とが重なる配置とすることで、上記同様、バタフライバルブ33dの周囲のデッドスペースを有効利用して燃料チャンバ部50およびヒータ装置60を配置することができる。
この構成によれば、燃料チャンバ部50の第二中心軸線C2が、インジェクタ40の第一中心軸線C1よりも車両前後方向(車両進行方向)に対して直角に近い角度に配置されることで、燃料チャンバ部50の前面投影面積を確保しやすくなる。このため、エンジン10の周囲を流れて熱を帯びた走行風が燃料チャンバ部50に当たりやすく、エンジン10の熱を利用して燃料チャンバ部50内の燃料を加熱しやすくすることができる。
この構成によれば、燃料チャンバ部50の外壁にリブ55を一体形成することで、燃料チャンバ部50の外表面積(受熱面積)を増やしてエンジン10の熱を受けやすくし、燃料チャンバ部50内の燃料をより一層加熱しやすくすることができる。これにより、車両走行中での燃料の気化を促進することができる。
この構成によれば、エンジン10の上方に自動二輪車1のメインフレーム22が配置され、インジェクタ40に接続されるヒータ装置60が、上下方向から見てメインフレーム22の長手方向(車両前後方向)と直交する車幅方向(車両左右方向)にオフセットして配置されることで、ヒータ装置60とメインフレーム22との間のクリアランスを確保しやすくなる。これにより、メインフレーム22に対するヒータ装置60の上下方向の配置自由度を向上させるとともに、ヒータ装置60の上方からのメンテナンス性を確保することができる。
この構成によれば、ヒータ装置60とメインフレーム22とを上下方向でオーバーラップさせて配置することで、インジェクタ40に燃料チャンバ部50およびヒータ装置60を接続した構成を効率よく配置することができる。
この構成によれば、エンジン10の吸気通路TAが左右方向一側にオフセットして配置されることで、吸気通路TAに設けられるインジェクタ40およびヒータ装置60を左右方向一側に配置しやすく、メインフレーム22に対してヒータ装置60をオフセットさせた配置を容易にすることができる。
前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪(四輪バギー等)の車両も含まれる。HEV(Hybrid Electric Vehicle)等の原動機に電気モータを含む車両に適用してもよい。鞍乗り型車両以外の車両(乗用車、バス、トラック等)に適用してもよい。すなわち、実施形態の車両はフレキシブル・フューエル・モーターサイクル(FFM)であるが、四輪車(フレキシブル・フューエル・ビークル(FFV))でもよい。
本実施形態の燃料供給装置は、車両に適用されるものであるが、本発明は車両への適用に限らず、航空機や船舶等の種々輸送機器、ならびに建設機械や産業機械等、様々な乗物や移動体に適用してもよい。さらに、本発明は、乗物以外でも燃料供給装置を備える機器であれば、例えば手押しの芝刈り機や清掃機等に広く適用可能である。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
10 エンジン(内燃機関)
22 メインフレーム(フレーム部材)
32 吸気通路部品
33 スロットルボディ
33c ボア中心軸線
33d バタフライバルブ
33d1 回動中心軸線
33v 直交方向
36 吸気管部材(吸気通路形成部)
40 インジェクタ(燃料噴射弁)
50 燃料チャンバ部
52 外周壁(外壁)
55 リブ
60 ヒータ装置
61 本体部
62 ヒータ部
C1 第一中心軸線
C2 第二中心軸線
CL 車体左右中央
T3 チャンバ室(内部空間)
TA 吸気通路
Claims (3)
- 機器(1)に搭載される内燃機関(10)と、
前記機器(1)の上下方向で前記内燃機関(10)の上方に配置され、前記上下方向から見て第一方向に延びる、前記機器(1)のフレーム部材(22)と、
前記内燃機関(10)に供給する燃料を噴射するインジェクタ(40)と、
前記インジェクタ(40)の長手方向の延長部分に接続され、前記インジェクタ(40)に供給する燃料を溜める燃料チャンバ部(50)と、
前記燃料チャンバ部(50)に接続され、前記燃料チャンバ部(50)内に溜めた燃料を加熱するヒータ装置(60)と、を備え、
前記ヒータ装置(60)は、前記フレーム部材(22)に対して、前記上下方向から見て前記第一方向と直交する第二方向にオフセットして配置されており、
前記燃料チャンバ部(50)のチャンバケース(51)には、前記インジェクタ(40)のインジェクタボディ(41)が嵌め込まれて接続され、
前記燃料チャンバ部(50)の中心軸線(C2)と前記インジェクタ(40)の中心軸線(C1)とは、互いに傾斜して配置されている、燃料供給装置。 - 前記ヒータ装置(60)と前記フレーム部材(22)とは、前記第二方向から見て互いに重なるように配置されている、請求項1に記載の燃料供給装置。
- 前記第一方向は前記機器(1)の前後方向、前記第二方向は前記機器(1)の左右方向であり、
前記フレーム部材(22)は、前記機器(1)の左右中央(CL)に沿って前後方向に延び、
前記内燃機関(10)の吸気通路(TA)は、前記左右中央(CL)に対して左右方向一側にオフセットして配置されている、請求項1又は2に記載の燃料供給装置。
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