JP7481233B2 - 風車翼の耐雷システム及び風力発電設備並びに風車翼の監視方法 - Google Patents

風車翼の耐雷システム及び風力発電設備並びに風車翼の監視方法 Download PDF

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Description

本開示は、風車翼の耐雷システム及び風力発電設備並びに風車翼の監視方法に関する。
風車翼を雷から保護するための装置やシステムが種々提案されている。
例えば、特許文献1には、複数のレセプタ(受雷部)が設けられた風車翼の落雷検知システムが開示されている。この落雷検知システムは、複数のレセプタに対応してそれぞれ設けられる複数の電流センサを含む。複数の電流センサは、複数のレセプタと、風車翼の内部を延びる導体(ダウンコンダクタ)との間をそれぞれ接続する分岐ライン(導体)を流れる電流をそれぞれ検出する。そして、複数の電流センサでの検出結果に基づいて、風車翼に落雷があったことを検出したり、被雷したレセプタを特定したりするようになっている。
米国特許第8258773号明細書
ところで、回転する風車翼の前縁部への雨滴や砂塵等の衝突等に起因して、風車翼にエロージョンが発生することがある。このようなエロージョンを抑制するために、風車翼の前縁部に金属製の前縁保護部が設けられる場合がある。この前縁保護部は、風車翼のエロージョンをより確実に抑制するため、風車翼の先端部に設けられるレセプタとの間に隙間がないように、すなわち、レセプタと電気的に接続されるように設けられるのが通常である。
風車翼における被雷部位を特定することは、被雷による損傷部位を早期に特定し補修するために重要である。一方、上述の金属製の前縁保護部が設けられた風車翼の場合、前縁保護部とレセプタとが電気的に接続されるため、被雷時に風車翼における被雷部位を特定することが難しく、例えば、レセプタと前縁保護部のどちらに落雷したのかを特定することが難しい。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、風車翼における被雷位置を適切に特定可能な風車翼の耐雷システム及び風力発電設備並びに風車翼の監視方法を提供することを目的とする。
本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼の耐雷システムは、
風車翼の先端部に設けられるレセプタと、
前記レセプタに電気的に接続され、前記風車翼の前縁を覆うように設けられた金属製の前縁保護部と、
前記レセプタに接続されるダウンコンダクタと、
前記レセプタよりも前記風車翼の翼長方向における翼根側の位置にて前記前縁保護部と前記ダウンコンダクタとを電気的に接続するための少なくとも1つの接続導体と、
前記ダウンコンダクタのうち、前記少なくとも1つの接続導体との接続点よりも前記翼長方向にて翼先端側の部分を流れる電流を計測するための第1電流センサと、
前記少なくとも1つの接続導体に対応してそれぞれ設けられ、前記ダウンコンダクタのうち、前記接続点よりも前記翼根側の部分を流れる電流を計測するための少なくとも1つの第2電流センサと、
前記第1電流センサによる電流計測値である第1電流計測値、及び、前記第2電流センサによる電流計測値である第2電流計測値に基づいて、前記風車翼における被雷部位を特定するように構成された特定部と、
を備える。
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る風力発電設備は、
風車翼を含む風車ロータと、
前記風車ロータの回転によって駆動されるように構成された発電機と、
上述の耐雷システムと、
を備える。
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼の監視方法は、
前記風車翼の先端部に設けられるレセプタと、
前記レセプタに電気的に接続され、前記風車翼の前縁を覆うように設けられた金属製の前縁保護部と、
前記レセプタに接続されるダウンコンダクタと、
前記レセプタよりも前記風車翼の翼長方向における翼根側の位置にて前記前縁保護部と前記ダウンコンダクタとを電気的に接続するための接続導体と、
を含む風車翼の監視方法であって、
第1電流センサを用いて、前記ダウンコンダクタのうち、前記接続導体との接続点よりも前記翼長方向にて翼先端側の部分を流れる電流を計測するステップと、
第2電流センサを用いて、前記ダウンコンダクタのうち、前記接続点よりも前記翼根側の部分を流れる電流を計測するステップと、
前記第1電流センサによる第1電流計測値、及び、前記第2電流センサによる第2電流計測値に基づいて、前記風車翼における被雷部位を特定するステップと、
を備える。
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼の監視方法は、
前記風車翼の先端部に設けられるレセプタと、
前記レセプタに電気的に接続され、前記風車翼の前縁を覆うように設けられた金属製の前縁保護部と、
前記レセプタに接続されるダウンコンダクタと、
前記レセプタよりも前記風車翼の翼長方向における翼根側の位置にて前記前縁保護部と前記ダウンコンダクタとを電気的に接続するための接続導体と、
を含む風車翼の監視方法であって、
第2電流センサを用いて、前記ダウンコンダクタのうち、前記接続導体との接続点よりも前記翼根側の部分を流れる電流を計測するステップと、
前記第2電流センサによる第2電流計測値の時間変化を示す電流波形を取得するステップと、
前記電流波形に基づいて、前記風車翼における被雷部位を特定するステップと、
を備える。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、風車翼における被雷位置を適切に特定可能な風車翼の耐雷システム及び風力発電設備並びに風車翼の監視方法が提供される。
一実施形態に係る耐雷システムが適用される風車翼を含む風力発電設備の概略図である。 一実施形態に係る耐雷システムが適用される風車翼の概略図である。 一実施形態に係る風車翼及び耐雷システムの模式図であり、図2のA-Aに沿った断面を示す図である。 一実施形態に係る風車翼及び耐雷システムの模式図である。 一実施形態に係る耐雷システム50の概略構成図である。 図4に示す耐雷システムの動作例を説明するための図である。 図4に示す耐雷システムの動作例を説明するための図である。 図4に示す耐雷システムの動作例を説明するための図である。 一実施形態に係る耐雷システムの動作例を説明するための図である。 一実施形態に係る耐雷システムの動作例を説明するための図である。 一実施形態に係る耐雷システムの動作例を説明するための図である。 電流波形の一例を示すチャートである。 電流波形の一例を示すチャートである。 一実施形態に係る風車翼の監視方法を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(風力発電設備及び風車翼の構成)
図1は、一実施形態に係る耐雷システムが適用される風車翼を含む風力発電設備の概略図である。図2は、一実施形態に係る耐雷システムが適用される風車翼の概略図である。図3及び図4は、一実施形態に係る風車翼及び耐雷システムの模式図である。なお、図3は、図2のA-Aに沿った断面であり、図4は、図2に示す風車翼の翼先端部を含む部分の模式図である。
図1に示すように、風力発電設備1は、少なくとも一本(例えば3本)の風車翼2及びハブ4で構成されるロータ(風車ロータ)5を備える。風車翼2は放射状にハブ4に取り付けられており、風車翼2で風を受けることによってロータ5が回転し、ロータ5に連結された発電機(不図示)を駆動するように構成されている。なお、図1に示す実施形態において、ロータ5は、タワー6の上方に設けられたナセル8に支持されている。タワー6は、水上又は陸上に設けられた基礎構造又は浮体構造などの土台構造に立設されていてもよい。
図2に示すように、風車翼2は、風力発電設備1のハブ4に取り付けられる翼根15と、ハブ4から最も遠くに位置する翼先端16と、翼根15と翼先端16の間に延在する翼型部と、を含む。また、図2~図4に示すように、風車翼2は、翼根15から翼先端16にかけて、翼長方向に沿って延在する前縁11と後縁12とを有する。また、風車翼2の外形は、負圧面(背面)13及び圧力面(腹面)14によって形成される。
図2~図4に示すように、風車翼2は、シェル(外皮)10a(図3参照)を含み、風車翼2の外形の大部分を形成する翼本体10を含む。翼本体10は、繊維強化プラスチックから形成されていてもよい。
(風車翼の耐雷システムの構成)
風力発電設備1は、以下に説明する耐雷システム50を含む。図2~図4に示すように、一実施形態に係る耐雷システム50は、風車翼2に設けられるレセプタ(受雷部)20と、前縁保護部28と、ダウンコンダクタ24と、すくなとも1つの接続導体30と、を備える。また、図4に示すように、一実施形態に係る耐雷システム50は、第1電流センサ34と、第2電流センサ36と、第1電流センサ34及び第2電流センサによる計測結果を示す信号を受け取って処理するための処理装置40と、を備える。
レセプタ20は、風車翼2の先端部17(翼先端16を含む領域)に設けられる。本明細書において、風車翼2の先端部17とは、翼長方向における翼根15と翼先端16との間の中央位置よりも翼先端16側の領域のことをいう。
レセプタ20は導電性材料から形成され、典型的には金属製である。図2~図4に示す例示的な実施形態では、レセプタ20は、風車翼2のうち、翼先端16を含む部分を形成している。他の実施形態では、レセプタ20は、先端部17において、翼先端16よりも翼長方向にて翼根15側の位置に設けられていてもよい。
前縁保護部28は、翼本体10の前縁11を覆うように設けられる。また、前縁保護部28は、翼長方向にそって延びるように設けられる。前縁保護部28は、金属製であり、レセプタ20と電気的に接続される。前縁保護部28は、翼長方向においてレセプタ20と部分的に重なるように設けられていてもよい。前縁保護部28は、ボルト等の締結部材または接着材などの接合手段を用いて翼本体10に取り付けられてもよい。
図4に示すように、前縁保護部28は、翼長方向に沿って配列される複数の前縁保護部材28a~28dを含んでもよい。図4には、一例として、4つの前縁保護部材28a~28dを含む前縁保護部28が示されているが、前縁保護部28を構成する前縁保護部材の個数は限定されない。複数の前縁保護部材28a~28dは、これらのうち互いに隣り合う一対の前縁保護部材が電気的に接続されるように設けられる。
ダウンコンダクタ24は、レセプタ20に電気的に接続される。ダウンコンダクタ24は、例えば導線により構成される。ダウンコンダクタ24は、風車翼2の翼長方向に沿って延びるように設けられる。ダウンコンダクタ24は、図2~図3に示すように翼本体10の内部に設けられていてもよく、あるいは、翼本体10の表面に沿って設けられていてもよい。図1及び図2に示すように、ダウンコンダクタ24は、タワー6の内部を延びるダウンコンダクタ26に接続される。風車翼2(レセプタ20又は前縁保護部28等)に落雷した際の雷電流は、ダウンコンダクタ24及びダウンコンダクタ26を介して、大地(グラウンド)等の風力発電設備1の外部に導かれるようになっている。
接続導体30は、レセプタ20よりも翼長方向における翼根15側の位置にて前縁保護部28とダウンコンダクタ24とを電気的に接続するように設けられる。図3に示すように、接続導体30は、翼本体10(シェル10a)を貫通するとともに、翼本体10の内部を延びるように設けられていてもよい。図3に示すように、接続導体30の一端側にダウンコンダクタ24との接続点31が形成され、接続導体30の他端側に前縁保護部28との接続点32が形成される。
なお、図4に示す例示的な実施形態では、前縁保護部材28a~28dのうち、最も翼根側に位置する前縁保護部材28dと、ダウンコンダクタ24とが、接続導体30を介して相互に接続されている。
第1電流センサ34は、ダウンコンダクタ24のうち、接続導体30との接続点31よりも翼長方向にて翼先端側の部分24aを流れる電流を計測するように構成される。第2電流センサ36は、接続導体30に対応してそれぞれ設けられ、ダウンコンダクタ24のうち接続点31よりも翼根15側の部分24bを流れる電流を計測するように構成される。
第1電流センサ34及び第2電流センサ36として、雷電流の周波数成分に対して有効な応答性を有するセンサを好適に用いることができる。第1電流センサ34及び第2電流センサ36として、例えば、ロゴスキーセンサ又は光ファイバ電流計等を用いることができる。
ここで、図6~図8は、図4に示す風車翼及び耐雷システムの動作例を説明するための図であり、図9~図11は、他の実施形態に係る風車翼及び耐雷システムの動作例を説明するための図である。
図9~図11に示すように、耐雷システム50は、複数の接続導体30を含んでもよい。図9~図11に示す例では、耐雷システム50は、複数の前縁保護部材28a~28gを含む前縁保護部28と、2つの接続導体30A,30Bと、該2つの接続導体30A,30Bにそれぞれ対応して設けられる2つの第2電流センサ36A,36Bと、を含む。
接続導体30Aは、複数の前縁保護部材28a~28gのうち最も翼先端16側に配置される前縁保護部材28aよりも翼長方向にて翼根15側に位置する前縁保護部材28cとダウンコンダクタ24とを接続するように設けられる。接続導体30Bは、複数の前縁保護部材28a~28gのうち、接続導体30Aが接続される前縁保護部材28cよりも翼長方向にて翼根15側に位置する前縁保護部材28gとダウンコンダクタ24とを接続するように設けられる。
第2電流センサ36Aは、ダウンコンダクタ24のうち、接続導体30Aとダウンコンダクタ24との接続点31Aよりも翼根15側、かつ、接続導体30Bとダウンコンダクタ24との接続点31Bよりも翼先端16側の部分を流れる電流を計測するように構成される。第2電流センサ36Bは、ダウンコンダクタ24のうち、接続導体30Bとダウンコンダクタ24との接続点31Bよりも翼根15側の部分を流れる電流を計測するように構成される。
幾つかの実施形態では、耐雷システム50は、前縁保護部28の温度分布を計測するように構成された温度計測部38(図5参照)を含んでもよい。温度計測部38は、例えば、赤外線サーモグラフィーであってもよい。温度計測部38は、風車翼2、ハブ4、ナセル8、又はタワー6に取り付けられていてもよく、あるいは、これらから離れた位置に設けられていてもよい。
図5は、一実施形態に係る耐雷システム50の概略構成図である。図5に示すように、一実施形態に係る耐雷システム50の処理装置40は、第1電流センサ34及び第2電流センサ36による電流計測値に基づいて風車翼2における被雷部位を特定するための特定部42、及び/又は、温度計測部38による温度計測結果に基づいて風車翼2における前縁保護部28の剥離を検出するための剥離検出部44を含む。
なお、特定部42による特定結果及び/又は剥離検出部44による検出結果は、表示部48(ディスプレイ等)に表示されるようになっていてもよい。
処理装置40は、プロセッサ(CPU等)、記憶装置(メモリデバイス;RAM等)、補助記憶部及びインターフェース等を備えた計算機を含む。処理装置40は、インターフェースを介して、上述の第1電流センサ34、第2電流センサ36、及び/又は温度計測部38からの信号(電流計測値又は温度計測値を示す信号)を受け取るようになっている。プロセッサは、このようにして受け取った信号を処理するように構成される。また、プロセッサは、記憶装置に展開されるプログラムを処理するように構成される。これにより、上述の特定部42及び剥離検出部44の機能が実現される。
処理装置40での処理内容は、プロセッサにより実行されるプログラムとして実装される。プログラムは、補助記憶部に記憶されていてもよい。プログラム実行時には、これらのプログラムは記憶装置に展開される。プロセッサは、記憶装置からプログラムを読み出し、プログラムに含まれる命令を実行するようになっている。
処理装置40は、風力発電設備1のナセル8又はタワー6の内部に設けられていてもよい。あるいは、処理装置40の機能の一部又は全部が、風力発電設備1の外部(遠隔地等)に設けられていてもよい。
第1電流センサ34、第2電流センサ36、及び/又は温度計測部38からの検出信号は、ケーブル、光ファイバ、又は無線により、処理装置40に伝送されるようになっていてもよい。
以下、上述した風力発電設備1の風車翼2の監視方法について説明する。幾つかの実施形態に係る監視方法では、風車翼2に落雷があったとき、風車翼おける被雷位置を特定する。また、幾つかの実施形態では、風車翼2に設けられた前縁保護部28の剥離を検出する。以下の説明では、上述した耐雷システム50を用いて風車翼2を監視する実施形態について説明するが、幾つかの実施形態では、以下に説明する手順の一部又は全部を他の装置により又は手動で行ってもよい。
(被雷位置特定のフロー)
幾つかの実施形態では、風車翼2に落雷があったとき、第1電流センサ34を用いて、ダウンコンダクタ24のうち接続点31よりも翼先端16側の部分(翼先端側部分)24aを流れる電流を計測して第1電流計測値を取得するとともに、第2電流センサ36を用いて、ダウンコンダクタ24のうち接続点31よりも翼根15側の部分(翼根端側部分)24bを流れる電流を計測して第2電流計測値を取得する。
そして、特定部42により、第1電流計測値及び第2電流計測値に基づいて、風車翼2における被雷部位を特定する。
ここで、図6~図8を用いて、一実施形態における被雷部位を特定する手順についてより具体的に説明する。本実施形態では、特定部42は、第1電流センサ34による第1電流計測値、及び、第2電流センサ36による第2電流計測値の大小関係に基づいて、風車翼2における被雷部位を特定する。
風車翼2の先端側領域に落雷したときの雷電流は、ダウンコンダクタ24と接続導体30との接続点31まで、ダウンコンダクタ24の翼先端側部分24aを含む経路R1、及び、接続導体30を含む経路R2に分かれて流れる。また、基本的には雷電流は接地点までの最短経路を流れるため、風車翼2における被雷部位に応じて、上述の各経路を流れる電流の大きさが異なる。すなわち、設置点までの距離が短い経路を流れる電流値が比較的大きくなる。このため、風車翼2における落雷部位に応じて、上述のダウンコンダクタ24の翼先端側部分24aを含む経路R1における電流を計測する第1電流センサ34と、上述の複数の経路(経路R1及び経路R2)の雷電流流れ方向における下流側(すなわち、ダウンコンダクタ24の翼根側部分24b)における電流を計測する第2電流センサ36とで、計測される雷電流の電流値や電流波形が異なる。
例えば、図6に示すように、風車翼2の先端部17に設けられるレセプタ20に着雷した場合、着雷位置Sから接続点31までの経路長は、ダウンコンダクタ24の翼先端側部分24aを含む経路R1のほうが、接続導体30を含む経路R2に比べて短い。したがって、雷電流の大部分は、経路R2を経由せずに経路R1を経由して上述の接続点31まで流れるから、第1電流センサ34による第1計測電流値と第2電流センサ36による第2計測電流値に大きな差はない。一方、例えば図7又は図8に示すように、前縁保護部28に着雷した場合、着雷位置Sから接続点31までの経路長は、接続導体30を含む経路R2のほうが、ダウンコンダクタ24の翼先端側部分24aを含む経路R1に比べて短い。したがって、雷電流の大部分は経路R1を経由せずに経路R2を経由して上述の接続点31まで流れるから、第1電流センサ34による第1計測電流値は小さく、第2電流センサ36による第2計測電流値は大きくなる。
したがって、第1電流センサ34による第1計測電流値と第2電流センサ36による第2計測電流値に大きな差はない場合には、レセプタ20に着雷したと特定することができる。また、第1電流センサ34による第1計測電流値は小さく、第2電流センサ36による第2計測電流値は大きいときには、前縁保護部28に着雷したと特定することができる。
さらに、図9~図11を用いて、他の一実施形態における被雷部位を特定する手順について説明する。本実施形態では、特定部42は、第1電流センサ34による第1電流計測値、及び、2つの第2電流センサ36A,36Bの各々の第2電流計測値の大小関係に基づいて、風車翼2における被雷部位を特定する。
例えば、図9に示すように、風車翼2の先端部17に設けられるレセプタ20に着雷した場合、着雷位置Sから接続点31Aまでの経路長は、ダウンコンダクタ24の翼先端側部分24aを含む経路R1のほうが、接続導体30Aを含む経路R2aに比べて短い。また、着雷位置Sから接続点31Bまでの経路長は、ダウンコンダクタ24の翼先端側部分24aを含む経路R1のほうが、接続導体30Aを含む経路R2a及び接続導体30Bを含む経路R2bに比べて短い。したがって、雷電流の大部分は、経路R2a,R2bを経由せずに経路R1を経由して上述の接続点31A及び接続点31Bまで流れるから、第1電流センサ34による第1計測電流値と第2電流センサ36A,36Bによる第2計測電流値に大きな差はない。
一方、例えば図10に示すように、前縁保護部28のうち最も翼先端16側の最先端領域A1内の前縁保護部28(図9~図11では前縁保護部材28a~28c)に着雷した場合、着雷位置Sから接続点31Aまでの経路長は、接続導体30Aを含む経路R2aのほうが、ダウンコンダクタ24の翼先端側部分24aを含む経路R1に比べて短い。また、着雷位置Sから接続点31Bまでの経路長は、接続導体30Aを含む経路R2a、及び、接続導体30Bを含む経路R2bのほうが、ダウンコンダクタ24の翼先端側部分24aを含む経路R1に比べて短い。したがって、雷電流の大部分は、経路R1を経由せずに、経路R2a又は経路R2bを経由して上述の接続点31A及び接続点31Bまで流れるから、第1電流センサ34による第1計測電流値よりも第2電流センサ36A,36Bによる第2計測電流値が大きくなる。
また、例えば図11に示すように、最先端領域A1よりも翼根15側に位置する第2先端領域A2の前縁保護部28(図9~図11では前縁保護部材28d~28g)に着雷した場合、着雷位置Sから接続点31Bまでの経路長は、ダウンコンダクタ24の翼先端側部分24aを含む経路R1が最も長く、接続導体30Aを含む経路R2aが次いで長く、接続導体30Bを含む経路R2bが最も短い。したがって、雷電流の大部分は、経路R1及びR2aを経由せずに、経路R2bを経由して接続点31Bまで流れるから、第1電流センサ34による第1計測電流値及び第2電流センサ36Aによる第2電流計測値よりも、第2電流センサ36Bによる第2計測電流値が大きくなる。
したがって、第1電流センサ34による第1計測電流値と第2電流センサ36A,36Bによる第2計測電流値に大きな差はない場合には、レセプタ20に着雷したと特定することができる。また、第1電流センサ34による第1計測電流値よりも第2電流センサ36A,36Bによる第2計測電流値が大きい場合には、最先端領域A1における前縁保護部28に着雷したと特定することができる。また、第1電流センサ34による第1計測電流値及び第2電流センサ36Aによる第2電流計測値よりも、第2電流センサ36Bによる第2計測電流値が大きい場合には、第2先端領域A2における前縁保護部28に着雷したと特定することができる。
このように、上述の実施形態によれば、第1電流センサ34による第1電流計測値、及び、第2電流センサ36(36A,36B)による第2電流計測値の大小関係に基づいて、風車翼2における被雷部位を適切に特定することができる。
また、上述の実施形態では、電流の大きさのみを用いるため、簡易な回路様式で風車翼2における被雷部位を特定することができる。
一実施形態では、特定部42により、第2電流センサ36で計測される第2電流計測値の時間変化を示す電流波形に基づいて、風車翼2における被雷部位を特定する。ここで、図12及び図13は、それぞれ、第2電流センサ36で計測される第2電流計測値の時間変化を示す電流波形の一例を示すチャートである。なお、図12は、図7に示すように、前縁保護部28を構成する前縁保護部材28a~28dのうち、翼先端16側に位置する前縁保護部材28aに着雷したときに取得される電流波形102を示す。また、図13は、図8に示すように、前縁保護部28を構成する前縁保護部材28a~28dのうち、前縁保護部材28aよりも翼根15側に位置する前縁保護部材28dに着雷したときに取得される電流波形104を示す。
風車翼2における被雷部位に応じて、第2電流センサ36による第2電流計測値から得られる電流波形は異なる。すなわち、雷電流のうち、ダウンコンダクタの翼先端側部分24aを含む経路R1を介して接続点31の下流側に流入する部分(雷電流)と、接続導体30を含む経路R2を介して接続点31の下流側に流入する部分(雷電流)とでは、被雷部位から接続点31までの経路長の違いに応じて、電流値の大きさや、ダウンコンダクタ24の翼根側部分24b(接続点31よりも雷電流の流れ方向における下流側の部分)に流入するタイミング等が異なる。
例えば、図7に示す例では、前縁保護部28における着雷位置Sが比較的翼先端16側であるため、ダウンコンダクタ24の翼先端側部分24aを含む着雷位置Sから接続点31までの経路R1の長さと、接続導体30を含む着雷位置Sから接続点31までの経路R2の長さの差が比較的小さい。よって、図12に示すように、電流波形102において、経路R1を流れた雷電流を示す電流値のピークP1が表れる時刻tP1と、経路R2を流れた雷電流を示す電流値のピークP2が表れる時刻tP2との差であるピーク時間差Δt1が比較的小さい。
一方、図8に示す例では、前縁保護部28における着雷位置Sが比較的翼根15側であるため、ダウンコンダクタ24の翼先端側部分24aを含む着雷位置Sから接続点31までの経路R1の長さと、接続導体30を含む着雷位置Sから接続点31までの経路R2の長さの差が比較的大きい。よって、図13に示すように、電流波形104において、経路R1を流れた雷電流を示す電流値のピークP1が表れる時刻tP1と、経路R2を流れた雷電流を示す電流値のピークP2が表れる時刻tP2との差であるピーク時間差Δt2が比較的大きい。
このように、風車翼2における被雷部位に応じて、第2電流センサ36により取得される第2電流計測値の時間変化を示す電流波形は異なったものとなる。よって、該電流波形に基づいて、風車翼2における被雷部位を適切に特定することができる。
一実施形態では、特定部42により、第2電流センサ36で計測される第2電流計測値の時間変化を示す電流波形に加え、第1電流センサ34で計測される第1電流計測値の時間変化を示す電流波形に基づいて、風車翼2における被雷部位を特定するようにしてもよい。第2電流センサ36の計測結果から得られる電流波形と同様に、第1電流センサ34により取得される第1電流計測値の時間変化を示す電流波形も、風車翼2における被雷部位に応じて異なったものとなる。よって、上述の実施形態では、第1電流センサ34での計測結果から得られる電流波形、及び、第2電流センサでの計測結果から得られる電流波形に基づいて、風車翼2における被雷部位を適切に特定することができる。
幾つかの実施形態では、特定部により、第2電流計測値の時間変化を示す電流波形に基づいて、前縁保護部28を構成する複数の前縁保護部材のうち被雷した前縁保護部材を特定する。
複数の前縁保護部材(例えば図7、図8に示す前縁保護部材28a~28d)は翼長方向に沿って配列されているので、各前縁保護部材を始点としたとき、ダウンコンダクタ24のうち翼先端側部分24aを含む経路R1を経由した接続点31までの経路長と、接続導体30を含む経路R2を経由した接続点31までの経路長とが、それぞれ異なる。このため、各前縁保護部材に着雷したときに第2電流計測値から得られる電流波形は、それぞれ異なる。よって、上述の実施形態によれば、第2電流計測値の時間変化を示す電流波形に基づいて、複数の前縁保護部材(例えば前縁保護部材28a~28d)のうち被雷した前縁保護部材を適切に特定することができる。
幾つかの実施形態では、特定部42は、電流波形に含まれる複数のピークの時間差に基づいて、風車翼2における被雷部位を特定する。
上述したように、風車翼2における被雷部位からの経路長の違いに応じて、経路R1を経由する雷電流と、経路R2を経由する雷電流とで、接続点31及びその下流側(ダウンコンダクタ24の翼根側部分24b)に流入するタイミングが異なる。このため、第2電流計測値の時間変化を示す電流波形において、それぞれの経路を経由した雷電流を示すピークの時間差は、各雷電流の経路長の差に応じたものとなる。
例えば、図7に示すように、翼先端16側の前縁保護部材28aに着雷したときにピーク時間差がΔt1(図12参照)となることが既知であることを前提とすると、風車翼2に落雷があったときに第2電流計測値から取得される電流波形に現れるピーク時間差が上述のΔt1とほぼ同じであれば、被雷部位が前縁保護部材28aであると特定することができる。また、図8に示すように、翼根15側の前縁保護部材28dに着雷したときにピーク時間差がΔt2(図13参照)となることが既知であることを前提とすると、風車翼2に落雷があったときに第2電流計測値から取得される電流波形に現れるピーク時間差が上述のΔt2とほぼ同じであれば、被雷部位が前縁保護部材28dであると特定することができる。
このように、上述の実施形態によれば、電流波形に含まれる複数のピークの時間差に基づいて、風車翼2における被雷部位を適切に特定することができる。
幾つかの実施形態では、特定部42は、第2電流センサ36を用いて予め取得され、風車翼2における被雷位置に関連付けられた基準電流波形と、風車翼2の被雷時に第2電流センサ36で計測された第2電流計測値から得られる電流波形との波形照合に基づいて、風車翼2における被雷部位を特定する。
本発明者らの鋭意検討の結果、特定の風車翼2について、同一の着雷位置に複数回着雷した場合、第2電流センサ36での計測結果に基づいて、互いに類似の電流波形が得られることがわかった。この点、上述の構成によれば、第2電流センサ36を用いて予め取得され、風車翼2における被雷位置に関連付けられた基準電流波形と、実際の被雷時に得られる電流波形とを波形照合するようにしたので、風車翼における被雷部位を適切に特定することができる。
上述の波形照合に基づく被雷部位の特定手順について、図14に示すフローチャートを参照して説明する。図14は、一実施形態に係る風車翼2の監視方法を示すフローチャートである。
まず、風力発電設備1の運用前に、実験設備等で、風車翼2における複数の被雷位置(例えば、レセプタ20及び前縁保護部材28a~28d)に雷撃を与え、第2電流センサ36を用いて電流値を計測する。その計測結果に基づいて、複数の被雷位置の各々に対応する電流波形を取得し、基準電流波形として記憶部46(図5参照)に記憶する(S2)。ここで、各被雷位置に対して、複数回の雷撃を与え、各回の雷撃ごとに基準電流波形を取得してもよい(すなわち、1つの被雷位置に対して複数の基準電流波形を取得してもよい)。また、電流計測結果に基づき得られる電流波形を正規化したもの(すなわち、電流波形におけるピーク値が規定値となるように調整したもの)を、基準電流波形として用いてもよい。なお、記憶部46は、処理装置40の補助記憶装置や主記憶装置であってもよく、あるいは、処理装置40とは遠隔の環境に設けられたものであってもよい。
次に、ステップS2で用いた風車翼2が設置された風力発電設備1の運用時に、風車翼2への落雷時に、第2電流センサ36を用いて雷電流の電流計測を行い(S4)、この計測結果である第2電流計測値に基づき電流波形を取得する(S6)。なお、ステップS4及びS6では、さらに、第1電流センサ34を用いて第1電流計測値を計測するとともに、第1電流計測値に基づき電流波形を取得してもよい。
次に、ステップS2で得られた複数の被雷位置に対応する複数の基準電流波形と、ステップS6で得られた電流波形との波形照合を行い、波形照合の結果に基づき、風車翼2における被雷部位を特定する(S8)。ステップS8では、ステップS2にて上述の正規化により得られた基準電流波形、及び、ステップS6で得られた電流波形を正規化したものを波形照合の対象としてもよい。
ステップS8における波形照合は、ステップS2で得られた基準電流波形の各々と、ステップS6で得られた電流波形との相関値を求めることによって行ってもよい。また、相関値の大きさが閾値以上であるときに、該当する基準電流波形に対応する被雷位置(例えば、レセプタ20及び前縁保護部材28a~28dの何れか)に、着雷があったものと推定(特定)するようにしてもよい。
そして、ステップS8で特定された被雷部位を表示部48等に出力する(S10)。
このようにして、風車翼2における被雷部位を特定することができる。また、特定された被雷部位を表示部48等に出力することで、風車翼2における被雷位置をオペレータ等が迅速に知ることができ、補修等の対応を迅速にすることができる。
幾つかの実施形態では、特定部42は、第2電流センサ36による第2電流計測値から得られる電流波形を入力とし、風車翼2における被雷位置を出力とする予測モデルを用いて、風車翼2における被雷部位を特定するようにしてもよい。
上述の実施形態では、第2電流センサ36による第2電流計測値から得られる電流波形を入力とし、風車翼2における被雷位置を出力とする予測モデルを用いて、風車翼2における被雷部位を適切に特定することができる。なお、該予測モデルは、実験設備等で、風車翼2における複数の被雷位置に雷撃を与えることで機械学習を行った学習済みモデルであってもよい。また、実運用環境における観測結果に基づいて該予測モデルを再学習させることにより、風車翼2における被雷部位の特定精度を向上することができる。
(前縁保護部の剥離検出のフロー)
幾つかの実施形態に係る、前縁保護部の剥離検出のフローについて説明する。
一実施形態では、温度計測部38により、前縁保護部28の温度分布を計測する。ここで、前縁保護部28が複数の前縁保護部材で構成される場合、各前縁保護部材の温度を計測するようにしてもよい。
次に、剥離検出部44(図5参照)は、温度計測部38により計測される温度分布に基づいて、前縁保護部28の剥離を検出する。
金属製の前縁保護部28は、日照等により、風車翼2の翼本体に比べて高温になりやすい傾向がある。そして、翼本体10に接着された前縁保護部28が部分的に剥離すると、剥離箇所においては、前縁保護部から母材(翼本体)への伝熱が少なくなるため、当該剥離箇所の周辺領域に比べて高温となりやすい。
したがって、剥離検出部44は、温度計測部38により取得される温度分布において、前縁保護部28のうち、周辺領域よりも高温となっている部分があったとき、当該部分において剥離が生じていると推定(特定)することができる。あるいは、剥離検出部44は、温度計測部38により取得される温度分布において、前縁保護部28を構成する複数の前縁保護部材(例えば前縁保護部材28a~28d)のうち、他の前縁保護部材よりも高温となっている前縁保護部材があったとき、該前縁保護部材が剥離していると推定(特定することができる)。
このように、上述の実施形態では、温度計測部38によって前縁保護部28の温度分布を計測するようにしたので、計測した温度分布に基づいて、前縁保護部28の剥離を検出することができる。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼(2)の耐雷システム(50)は、
風車翼の先端部(17)に設けられるレセプタ(20)と、
前記レセプタに電気的に接続され、前記風車翼の前縁(11)を覆うように設けられた金属製の前縁保護部(28)と、
前記レセプタに接続されるダウンコンダクタ(24)と、
前記レセプタよりも前記風車翼の翼長方向における翼根(15)側の位置にて前記前縁保護部と前記ダウンコンダクタとを電気的に接続するための少なくとも1つの接続導体(30)と、
前記ダウンコンダクタのうち、前記少なくとも1つの接続導体との接続点(31)よりも前記翼長方向にて翼先端側の部分(24a)を流れる電流を計測するための第1電流センサ(34)と、
前記少なくとも1つの接続導体に対応してそれぞれ設けられ、前記ダウンコンダクタのうち、前記接続点よりも前記翼根側の部分(24b)を流れる電流を計測するための少なくとも1つの第2電流センサと、
前記第1電流センサによる電流計測値である第1電流計測値、及び、前記第2電流センサによる電流計測値である第2電流計測値に基づいて、前記風車翼における被雷部位を特定するように構成された特定部(42)と、
を備える。
上記(1)の構成では、レセプタよりも翼根側の位置にて前縁保護部とダウンコンダクタとを電気的に接続する接続導体が設けられる。よって、風車翼の先端側領域に落雷したときの雷電流は、ダウンコンダクタと接続導体との接続点まで、ダウンコンダクタの翼先端側部分を含む経路(R1)、及び、接続導体を含む経路(R2)に分かれて流れる。また、基本的には雷電流は接地点までの最短経路を流れるため、風車翼における被雷部位に応じて、上述の各経路を流れる電流の大きさが異なる。このため、風車翼における落雷部位に応じて、上述のダウンコンダクタの翼先端部分を含む経路(R1)における電流を計測する第1電流センサと、上述の複数の経路(経路R1及び経路R2)の雷電流流れ方向における下流側(上述の接続点よりも下流側)における電流を計測する第2電流センサとで、計測される雷電流の電流値や電流波形が異なる。よって、上記(1)の構成によれば、第1電流センサにより取得される第1電流計測値、及び、第2電流センサによる第2電流計測値に基づいて、風車翼における被雷部位を特定することが可能となる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記特定部は、前記第1電流計測値、及び、前記第2電流計測値の大小関係に基づいて、前記風車翼における被雷部位を特定するように構成される。
上記(1)で述べたように、風車翼における被雷部位に応じて、第1電流センサと第2電流センサとで、計測される雷電流の電流値が異なる。例えば、レセプタに着雷した場合、雷電流の大部分は、接続導体を含む経路(R2)を経由せずにダウンコンダクタの翼先端側部分を含む経路(R1)を経由して上述の接続点まで流れるから、第1電流センサでの計測電流値と第2電流センサでの計測電流値に大きな差はない。一方、前縁保護部に着雷した場合、雷電流の大部分はダウンコンダクタの翼先端側部分を含む経路(R1)を経由せずに接続導体を含む経路(R2)を経由して上述の接続点まで流れるから、第1電流センサでの計測電流値は小さく、第2電流センサでの計測電流値は大きくなる。よって、上記(2)の構成によれば、第1電流センサによる第1電流計測値、及び、第2電流センサによる第2電流計測値の大小関係に基づいて、風車翼における被雷部位を適切に特定することができる。
また、上記(2)の構成では、電流の大きさのみを用いるため、簡易な回路様式で風車翼における被雷部位を特定することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記特定部は、前記第2電流計測値の時間変化を示す電流波形(例えば、上述の電流波形102又は104等)に基づいて、前記風車翼における被雷部位を特定するように構成される。
風車翼における被雷部位に応じて、第2電流センサによる第2電流計測値から得られる電流波形は異なる。例えば、上述したように、雷電流は基本的には接地点までの最短経路を流れるため、風車翼における被雷部位に応じて、雷電流のうち、ダウンコンダクタの翼先端側部分を含む経路(R1)を介して接続点の下流側に流入する部分(雷電流)と、接続導体を含む経路(R2)を介して接続点の下流側に流入する部分(雷電流)とで電流の大きさが異なる。また、各経路を経由する雷電流の被雷部位からの経路長の違いに応じて、上述の経路(R1)を経由する雷電流と、上述の経路(R2)を経由する雷電流とで、接続点及びその下流側に流入するタイミングが異なる。よって、上記(3)の構成によれば、第2電流センサにより取得される第2電流計測値の時間変化を示す電流波形に基づいて、風車翼における被雷部位を適切に特定することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、
前記前縁保護部は、前記翼長方向に沿って配列される複数の前縁保護部材(例えば上述の前縁保護部材28a~28g)を含み、
前記特定部は、前記第2電流計測値の時間変化を示す電流波形に基づいて、前記複数の前縁保護部材のうち被雷した前縁保護部材を特定するように構成される。
上記(4)の構成では、複数の前縁保護部材が翼長方向に沿って配列されているので、各前縁保護部材を始点としたとき、ダウンコンダクタの翼先端側部分を含む経路(R1)を経由した接続点までの経路長と、接続導体を含む経路(R2)を経由した接続点までの経路長とが、それぞれ異なる。このため、各前縁保護部材に着雷したときに第2電流計測値から得られる電流波形は、それぞれ異なる。よって、上記(4)の構成によれば、第2電流計測値の時間変化を示す電流波形に基づいて、複数の前縁保護部材のうち被雷した前縁保護部材を適切に特定することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)又は(4)の構成において、
前記特定部は、前記電流波形に含まれる複数のピークの時間差(例えば上述のΔt1又はΔt2)に基づいて、前記風車翼における被雷部位を特定するように構成される。
上述したように、風車翼における被雷部位からの経路長の違いに応じて、ダウンコンダクタの翼先端側部分を含む経路(R1)を経由する雷電流と、接続導体を含む経路(R2)を経由する雷電流とで、接続点及びその下流側に流入するタイミングが異なる。このため、第2電流計測値の時間変化を示す電流波形において、それぞれの経路を経由した雷電流を示すピークの時間差は、各雷電流の経路長の差に応じたものとなる。よって、上記(5)の構成によれば、電流波形に含まれる複数のピークの時間差に基づいて、風車翼における被雷部位を適切に特定することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(3)又は(4)の構成において、
前記特定部は、前記少なくとも1つの第2電流センサを用いて予め取得され、前記風車翼における被雷位置に関連付けられた基準電流波形と、前記電流波形との波形照合に基づいて、前記風車翼における被雷部位を特定するように構成される。
本発明者らの鋭意検討の結果、特定の風車翼について、同一の着雷位置に複数回着雷した場合、第2電流センサでの計測結果に基づいて、互いに類似の電流波形が得られることがわかった。この点、上記(6)の構成によれば、第2電流センサを用いて予め取得され、風車翼における被雷位置に関連付けられた基準電流波形と、実際の被雷時に得られる電流波形とを波形照合するようにしたので、風車翼における被雷部位を適切に特定することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(3)又は(4)の構成において、
前記特定部は、前記電流波形を入力とし、前記風車翼における被雷位置を出力とする予測モデルを用いて、前記風車翼における被雷部位を特定するように構成される。
本発明者らの鋭意検討の結果、特定の風車翼について、同一の着雷位置に複数回着雷した場合、第2電流センサでの計測結果に基づいて、互いに類似の電流波形が得られることがわかった。この点、上記(7)の構成によれば、電流波形を入力とし、風車翼における被雷位置を出力とする予測モデルを用いるので、風車翼における被雷部位を適切に特定することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、
前記風車翼の耐雷システムは、
前記前縁保護部の温度分布を計測するように構成された温度計測部(温度計測部38)と、
前記温度計測部により計測される温度分布に基づいて、前記前縁保護部の剥離を検出するように構成された剥離検出部(44)と、
を備える。
金属製の前縁保護部は、日照等により、風車翼の翼本体に比べて高温になりやすい傾向がある。そして、翼本体に接着された前縁保護部が部分的に剥離すると、剥離箇所においては、前縁保護部から母材(翼本体)への伝熱が少なくなるため、当該剥離箇所の周辺領域に比べて高温となりやすい。この点、上記(8)の構成では、温度計測部によって前縁保護部の温度分布を計測するようにしたので、計測した温度分布に基づいて、前縁保護部の剥離を検出することができる。
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係る風力発電設備(1)は、
風車翼を含む風車ロータ(5)と、
前記風車ロータの回転によって駆動されるように構成された発電機と、
上記(1)乃至(8)の何れか一項に記載の耐雷システム(50)と、
を備える。
上記(9)の構成では、レセプタよりも翼根側の位置にて前縁保護部とダウンコンダクタとを電気的に接続する接続導体が設けられる。よって、風車翼の先端側領域(ダウンコンダクタと接続導体との接続点よりも翼先端側の領域)に落雷したときの雷電流は、ダウンコンダクタと接続導体との接続点まで、ダウンコンダクタの翼先端側部分を含む経路、及び、接続導体を含む経路に分かれて流れる。また、基本的には雷電流は接地点までの最短経路を流れるため、風車翼における被雷部位に応じて、上述の各経路を流れる電流の大きさが異なる。このため、風車翼における落雷部位に応じて、上述のダウンコンダクタの翼先端部分を含む経路における電流を計測する第1電流センサと、上述の複数の経路の雷電流流れ方向における下流側(上述の接続点よりも下流側)における電流を計測する第2電流センサとで、計測される雷電流の電流値や電流波形が異なる。よって、上記(9)の構成によれば、第1電流センサにより取得される第1電流計測値、及び、第2電流センサによる第2電流計測値に基づいて、風車翼における被雷部位を特定することが可能となる。
(10)本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼の監視方法は、
前記風車翼(2)の先端部(17)に設けられるレセプタ(20)と、
前記レセプタに電気的に接続され、前記風車翼の前縁を覆うように設けられた金属製の前縁保護部(28)と、
前記レセプタに接続されるダウンコンダクタ(24)と、
前記レセプタよりも前記風車翼の翼長方向における翼根側の位置にて前記前縁保護部と前記ダウンコンダクタとを電気的に接続するための接続導体(30)と、
を含む風車翼の監視方法であって、
第1電流センサを用いて、前記ダウンコンダクタのうち、前記接続導体との接続点(31)よりも前記翼長方向にて翼先端側の部分を流れる電流を計測するステップと、
第2電流センサを用いて、前記ダウンコンダクタのうち、前記接続点よりも前記翼根側の部分を流れる電流を計測するステップと、
前記第1電流センサによる第1電流計測値、及び、前記第2電流センサによる第2電流計測値に基づいて、前記風車翼における被雷部位を特定するステップと、
を備える。
上記(10)の方法では、レセプタよりも翼根側の位置にて前縁保護部とダウンコンダクタとを電気的に接続する接続導体が設けられる。よって、風車翼の先端側領域(ダウンコンダクタと接続導体との接続点よりも翼先端側の領域)に落雷したときの雷電流は、ダウンコンダクタと接続導体との接続点まで、ダウンコンダクタの翼先端側部分を含む経路、及び、接続導体を含む経路に分かれて流れる。また、基本的には雷電流は接地点までの最短経路を流れるため、風車翼における被雷部位に応じて、上述の各経路を流れる電流の大きさが異なる。このため、風車翼における落雷部位に応じて、上述のダウンコンダクタの翼先端部分を含む経路における電流を計測する第1電流センサと、上述の複数の経路の雷電流流れ方向における下流側(上述の接続点よりも下流側)における電流を計測する第2電流センサとで、計測される雷電流の電流値や電流波形が異なる。よって、上記(10)の方法によれば、第1電流センサにより取得される第1電流計測値、及び、第2電流センサによる第2電流計測値に基づいて、風車翼における被雷部位を特定することが可能となる。
(11)本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼の監視方法は、
前記風車翼(2)の先端部(17)に設けられるレセプタ(20)と、
前記レセプタに電気的に接続され、前記風車翼の前縁を覆うように設けられた金属製の前縁保護部(28)と、
前記レセプタに接続されるダウンコンダクタ(24)と、
前記レセプタよりも前記風車翼の翼長方向における翼根側の位置にて前記前縁保護部と前記ダウンコンダクタとを電気的に接続するための接続導体(30)と、
を含む風車翼の監視方法であって、
第2電流センサを用いて、前記ダウンコンダクタのうち、前記接続導体との接続点(31)よりも前記翼根側の部分を流れる電流を計測するステップと、
前記第2電流センサによる第2電流計測値の時間変化を示す電流波形を取得するステップと、
前記電流波形に基づいて、前記風車翼における被雷部位を特定するステップと、
を備える。
風車翼における被雷部位に応じて、第2電流センサによる第2電流計測値から得られる電流波形は異なる。例えば、上述したように、雷電流は基本的には接地点までの最短経路を流れるため、風車翼における被雷部位に応じて、雷電流のうち、ダウンコンダクタの翼先端側部分(24a)を含む経路(R1)を介して接続点の下流側に流入する部分(雷電流)と、接続導体30を含む経路(R2)を介して接続点の下流側に流入する部分(雷電流)とで電流の大きさが異なる。また、各経路を経由する雷電流の被雷部位からの経路長の違いに応じて、上述の経路(R1)を経由する雷電流と、上述の経路(R2)を経由する雷電流とで、接続点及びその下流側に流入するタイミングが異なる。よって、上記(11)の構成によれば、第2電流センサにより取得される第2電流計測値の時間変化を示す電流波形に基づいて、風車翼における被雷部位を適切に特定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 風力発電設備
2 風車翼
4 ハブ
5 ロータ
6 タワー
8 ナセル
10 翼本体
10a シェル
11 前縁
12 後縁
15 翼根
16 翼先端
17 先端部
20 レセプタ
24 ダウンコンダクタ
24a 翼先端側部分
24b 翼根側部分
26 ダウンコンダクタ
28 前縁保護部
28a~28g 前縁保護部材
30,30A,30B 接続導体
31,31A,13B 接続点
32 接続点
34 第1電流センサ
36,36A,36B 第2電流センサ
38 温度計測部
40 処理装置
42 特定部
44 剥離検出部
46 記憶部
48 表示部
50 耐雷システム
102,104 電流波形
A1 最先端領域
A2 第2先端領域
S 着雷位置

Claims (17)

  1. 風車翼の先端部に設けられるレセプタと、
    前記レセプタに電気的に接続され、前記風車翼の前縁を覆うように設けられた金属製の前縁保護部と、
    前記レセプタに接続されるダウンコンダクタと、
    前記レセプタよりも前記風車翼の翼長方向における翼根側の位置にて前記前縁保護部と前記ダウンコンダクタとを電気的に接続するための少なくとも1つの接続導体と、
    前記ダウンコンダクタのうち、前記少なくとも1つの接続導体との接続点よりも前記翼長方向にて翼先端側の部分である翼先端側部分を流れる電流を計測するための第1電流センサと、
    前記少なくとも1つの接続導体に対応してそれぞれ設けられ、前記ダウンコンダクタのうち、前記接続点よりも前記翼根側の部分を流れる電流を計測するための少なくとも1つの第2電流センサと、
    前記第1電流センサによる電流計測値である第1電流計測値、及び、前記第2電流センサによる電流計測値である第2電流計測値に基づいて、前記風車翼における被雷部位を特定するように構成された特定部と、
    を備え
    前記特定部は、前記第1電流計測値、及び、前記第2電流計測値の大小関係に基づいて、前記風車翼における被雷部位が前記レセプタと前記前縁保護部の何れであるかを特定するように構成された
    風車翼の耐雷システム。
  2. 前記特定部は、前記第2電流計測値の時間変化を示す電流波形に基づいて、前記風車翼における被雷部位を特定するように構成された
    請求項1に記載の風車翼の耐雷システム。
  3. 前記前縁保護部は、前記翼長方向に沿って配列される複数の前縁保護部材を含み、
    前記特定部は、前記第2電流計測値の時間変化を示す電流波形に基づいて、前記複数の前縁保護部材のうち被雷した前縁保護部材を特定するように構成された
    請求項に記載の風車翼の耐雷システム。
  4. 風車翼の先端部に設けられるレセプタと、
    前記レセプタに電気的に接続され、前記風車翼の前縁を覆うように設けられた金属製の前縁保護部と、
    前記レセプタに接続されるダウンコンダクタと、
    前記レセプタよりも前記風車翼の翼長方向における翼根側の位置にて前記前縁保護部と前記ダウンコンダクタとを電気的に接続するための少なくとも1つの接続導体と、
    前記ダウンコンダクタのうち、前記少なくとも1つの接続導体との接続点よりも前記翼長方向にて翼先端側の部分である翼先端側部分を流れる電流を計測するための第1電流センサと、
    前記少なくとも1つの接続導体に対応してそれぞれ設けられ、前記ダウンコンダクタのうち、前記接続点よりも前記翼根側の部分を流れる電流を計測するための少なくとも1つの第2電流センサと、
    前記第1電流センサによる電流計測値である第1電流計測値、及び、前記第2電流センサによる電流計測値である第2電流計測値に基づいて、前記風車翼における被雷部位を特定するように構成された特定部と、
    を備え、
    前記特定部は、前記第2電流計測値の時間変化を示す電流波形に含まれる複数のピークの時間差に基づいて、前記風車翼における被雷部位を特定するように構成され
    車翼の耐雷システム。
  5. 前記特定部は、前記少なくとも1つの第2電流センサを用いて予め取得され、前記風車翼における被雷位置に関連付けられた基準電流波形と、前記電流波形との波形照合に基づいて、前記風車翼における被雷部位を特定するように構成された
    請求項又はに記載の風車翼の耐雷システム。
  6. 前記特定部は、前記電流波形を入力とし、前記風車翼における被雷位置を出力とする予測モデルを用いて、前記風車翼における被雷部位を特定するように構成された
    請求項又はに記載の風車翼の耐雷システム。
  7. 前記前縁保護部の温度分布を計測するように構成された温度計測部と、
    前記温度計測部により計測される温度分布に基づいて、前記前縁保護部の剥離を検出するように構成された剥離検出部と、
    を備える請求項1乃至の何れか一項に記載の風車翼の耐雷システム。
  8. 前記レセプタから前記接続点までの電流経路であり、前記ダウンコンダクタの前記翼先端側部分を含む第1経路と、
    前記レセプタから前記接続点までの電流経路であり、前記接続導体を含む第2経路と、
    を備える
    請求項1乃至の何れか一項に記載の風車翼の耐雷システム。
  9. 前記先端部に落雷した場合の雷電流が、前記レセプタから前記接続点まで、前記ダウンコンダクタの前記翼先端側部分を含む第1経路と、前記接続導体を含む第2経路とに分かれて流れるように構成された
    請求項1乃至の何れか一項に記載の風車翼の耐雷システム。
  10. 前記第1経路の長さは、前記第2経路の長さに比べて短い
    請求項又はに記載の風車翼の耐雷システム。
  11. 前記前縁保護部は、前記翼長方向に沿って配列される複数の前縁保護部材を含み、
    前記複数の前縁保護部材のうち互いに隣り合う一対の前縁保護部材が電気的に接続されている
    請求項1乃至10の何れか一項に記載の風車翼の耐雷システム。
  12. 前記少なくとも1つの接続導体は、前記複数の前縁保護部材のうち、前記翼長方向にて最も前記翼根側に位置する前縁保護部材と前記ダウンコンダクタとを接続する接続導体を含む
    請求項11に記載の風車翼の耐雷システム。
  13. 前記少なくとも1つの接続導体は、
    前記複数の前縁保護部材のうち、最も前記翼先端側に配置される前縁保護部材よりも前記翼長方向にて前記翼根側に位置する前縁保護部材と前記ダウンコンダクタとを接続する第1接続導体と、
    前記複数の前縁保護部材のうち、前記第1接続導体が接続される前記前縁保護部材よりも前記翼長方向にて前記翼根側に位置する前縁保護部材と前記ダウンコンダクタとを接続する第2接続導体と、
    を含む
    請求項11又は12に記載の風車翼の耐雷システム。
  14. 前記少なくとも1つの接続導体は、前記風車翼を構成するシェルを含む翼本体を貫通するとともに、前記翼本体の内部を延びる
    請求項1乃至13の何れか一項に記載の風車翼の耐雷システム。
  15. 風車翼を含む風車ロータと、
    前記風車ロータの回転によって駆動されるように構成された発電機と、
    請求項1乃至14の何れか一項に記載の耐雷システムと、
    を備える風力発電設備。
  16. 風車翼の監視方法であって、
    前記風車翼は、
    前記風車翼の先端部に設けられるレセプタと、
    前記レセプタに電気的に接続され、前記風車翼の前縁を覆うように設けられた金属製の前縁保護部と、
    前記レセプタに接続されるダウンコンダクタと、
    前記レセプタよりも前記風車翼の翼長方向における翼根側の位置にて前記前縁保護部と前記ダウンコンダクタとを電気的に接続するための接続導体と、
    を含み、
    第1電流センサを用いて、前記ダウンコンダクタのうち、前記接続導体との接続点よりも前記翼長方向にて翼先端側の部分を流れる電流を計測するステップと、
    第2電流センサを用いて、前記ダウンコンダクタのうち、前記接続点よりも前記翼根側の部分を流れる電流を計測するステップと、
    前記第1電流センサによる第1電流計測値、及び、前記第2電流センサによる第2電流計測値に基づいて、前記風車翼における被雷部位を特定するステップと、
    を備え
    前記特定するステップでは、前記第1電流計測値、及び、前記第2電流計測値の大小関係に基づいて、前記風車翼における被雷部位が前記レセプタと前記前縁保護部の何れであるかを特定する
    風車翼の監視方法。
  17. 風車翼の監視方法であって、
    前記風車翼は、
    前記風車翼の先端部に設けられるレセプタと、
    前記レセプタに電気的に接続され、前記風車翼の前縁を覆うように設けられた金属製の前縁保護部と、
    前記レセプタに接続されるダウンコンダクタと、
    前記レセプタよりも前記風車翼の翼長方向における翼根側の位置にて前記前縁保護部と前記ダウンコンダクタとを電気的に接続するための接続導体と、
    を含み、
    第2電流センサを用いて、前記ダウンコンダクタのうち、前記接続導体との接続点よりも前記翼根側の部分を流れる電流を計測するステップと、
    前記第2電流センサによる第2電流計測値の時間変化を示す電流波形を取得するステップと、
    前記電流波形に含まれる複数のピークの時間差に基づいて、前記風車翼における被雷部位を特定するステップと、
    を備える風車翼の監視方法。
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