JP7480541B2 - 開発支援装置、及び開発支援方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンピュータに実装される開発支援装置、及び開発支援方法に関する。
近年、自動車業界を始めとした各業界で、MBD(モデルベース開発)が盛んに導入されており、シミュレーションに基づいた製品開発が浸透している(例えば、特許文献1を参照)。
特開平11-14507号公報
開発要素の1つである電池に関して劣化予測を行えることは、電池筐体の強度設計、ライフサイクル設計、冷却装置設計および維持管理など、電池を購入して組み立てる自動車メーカ、蓄電システムメーカなどの企業にとって重要である。しかしながら、電池の劣化挙動を専門家以外が把握することは困難である。
電池の電極に用いられる元素の産出量は少なく、今後はリユースが進むと考えられている。しかしながら、劣化状態によってはリユースが困難である場合もあり、回収率を把握し、適切なリサイクルを行うためには、劣化メカニズムに基づいた劣化挙動の把握が重要である。
本発明は、劣化メカニズムを考慮した蓄電デバイスの劣化シミュレーションの結果またはシミュレーションプログラムをネットワーク経由でユーザに提供できる開発支援装置、及び開発支援方法を提供することを目的とする。
開発支援装置は、端末装置のユーザ認証後に、前記端末装置から、蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する選択情報を受信する受信部と、受信した選択情報に基づき、選択された劣化メカニズムを用いて前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートするシミュレーション実行部と、該シミュレーション実行部によるシミュレーション結果、または、前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートする際に実行されるシミュレーションプログラムを前記端末装置へ送信する送信部とを備える。
開発支援方法は、端末装置と通信可能に接続される開発支援装置を用いて、蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する複数の選択肢を提示し、選択された劣化メカニズムに関する選択情報を前記端末装置から受信し、受信した選択情報に基づき、選択された劣化メカニズムを用いて前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートし、シミュレーション結果、または、前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートする際に実行されるシミュレーションプログラムを前記端末装置へ送信する。
コンピュータプログラムは、コンピュータに、蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する複数の選択肢を提示し、提示した選択肢に基づき、前記蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する選択を受付け、選択された劣化メカニズムを用いて、前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートし、シミュレーション結果、または、前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートする際に実行されるシミュレーションプログラムを出力する処理を実行させるためのコンピュータプログラムである。
上記構成によれば、劣化メカニズムを考慮した蓄電デバイスの劣化シミュレーションの結果をネットワーク経由でユーザに提供できる。
実施の形態に係るシミュレーションシステムの全体構成を説明するブロック図である。 サーバ装置の内部構成を説明するブロック図である。 電池テーブルの一例を示す概念図である。 クライアント装置の内部構成を説明するブロック図である。 インタフェース画面の一例を示す模式図である。 典型的な正極材料における固相中の電荷担体濃度と開回路電位(OCP)との関係を示すグラフである。 高エネルギ密度を有する電極材料の無次元化電荷担体濃度θと開回路電位OCPとの関係を示すグラフである。 集電箔と電極との間の剥離を説明する説明図である。 導電助剤の伝導経路切れを説明する説明図である。 抵抗体被膜形成を説明する説明図である。 電解液中のリチウムイオン濃度とイオン導電率との関係を示すグラフである。 サーバ装置及びクライアント装置が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。 膨張率の経時変化を示すグラフである。
開発支援装置は、端末装置のユーザ認証後に、前記端末装置から、蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する選択情報を受信する受信部と、受信した選択情報に基づき、選択された劣化メカニズムを用いて前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートするシミュレーション実行部と、該シミュレーション実行部によるシミュレーション結果、または、前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートする際に実行されるシミュレーションプログラムを前記端末装置へ送信する送信部とを備える。
したがって、ユーザが蓄電デバイスの劣化メカニズムに精通していない場合であっても、開発支援装置は、劣化メカニズムに関する選択情報を受付けるだけで、蓄電デバイスの劣化シミュレーションの結果をユーザに提供できる。ユーザは提供される劣化シミュレーションの結果に基づき、製品のライフサイクル予測、取り替え時期予測、リユース目的の回収率予測、発熱量等を把握できる。開発支援装置は、蓄電デバイスの劣化をシミュレートする際に実行されるシミュレーションプログラムを提供してもよい。ユーザは端末装置においてシミュレーションプログラムを実行することによって、蓄電デバイスの劣化シミュレーションの結果を取得できる。
前記シミュレーション実行部は、前記蓄電デバイスを表す物理モデルを用いて、シミュレーションを実行してもよい。この構成によれば、蓄電デバイスの物理モデルを用いてシミュレーションを実行するので、蓄電デバイス内部の物理現象を的確に反映させたシミュレーション結果を得ることができる。
前記劣化メカニズムは、前記蓄電デバイスを構成する各要素における電気抵抗の増加、活物質粒子の孤立化(孤立化の意味は後述する)、電解液における導電性の低下、及び充放電に関与する電荷担体の減少の少なくとも1つを含んでもよい。この構成によれば、各要素における電気抵抗の増加、活物質粒子の孤立化、電解液における導電性の低下、電荷担体の減少を劣化メカニズムとして、蓄電デバイスの劣化をシミュレートできる。本文中において、活物質粒子は、一次粒子が凝集した二次粒子や、一次粒子のみからなるものなどを指す。活物質は電子の授受を行う物質のことであり、リチウムイオン電池の代表的な活物質はリチウム金属複合酸化物や炭素材料である。本文中において、電荷担体とは、固相内又は液相内に存在する電荷のキャリアのことを指し、例えばリチウムイオン電池であればリチウムイオンLi+ のことである。
前記電気抵抗の増加は、集電箔と多孔体電極との接着部における電気抵抗の増加、活物質粒子中の導電経路の減少に伴う電気抵抗の増加、または、粒子表面の抵抗体被膜の増加に伴う電気抵抗の増加を含んでもよい。この構成によれば、集電箔と多孔体電極との接着部における電気抵抗の増加、活物質粒子中の導電経路の減少に伴う電気抵抗の増加、または、粒子表面の抵抗体被膜の増加に伴う電気抵抗の増加を考慮して、蓄電デバイスの劣化をシミュレートできる。
前記電気抵抗の増加、前記活物質粒子の孤立化、及び前記導電性の低下は、放電時のSOCの上限及び下限の関数により表されてもよい。この構成によれば、蓄電デバイスが搭載された機器の使用状況を考慮して、蓄電デバイスの劣化をシミュレートできる。SOCとはState Of Chargeの略称であり、満充電状態を100%、完全放電状態を0%として表す。
前記電気抵抗の増加、前記活物質粒子の孤立化、前記導電性の低下、及び前記電荷担体の減少は、経過時間、サイクル数、及び温度の少なくとも1つの関数により表されてもよい。この構成によれば、蓄電デバイスの劣化を経過時間、サイクル数、又は温度の関数として提示できる。本明細書中において、サイクル数とは充放電を行った回数を表す。
前記電荷担体の減少は、充電時における負極表面での電荷移動過程の量論係数により表されてもよい。この構成によれば、電荷担体の減少を、量論係数により表すことができる。
前記シミュレーション結果は、前記蓄電デバイスを構成する各要素における電気抵抗の値、活物質粒子の孤立化領域の体積割合、電解液の拡散係数又はイオン導電率、電荷担体量、及び蓄電デバイスの膨張率のうち、何れか1つの時間変化又はサイクル変化を含んでもよい。この構成によれば、電気抵抗の値、活物質粒子の孤立化領域の体積割合、電解液の拡散係数又はイオン導電率、電荷担体量、及び蓄電デバイスの膨張率を経過時間又はサイクル数の関数として提示できる。
開発支援装置は、蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する選択情報を受付ける受付部と、受付けた選択情報に基づき、選択された劣化メカニズムを用いて前記蓄電デバイスの劣化をシミュレーションするシミュレーション実行部と、該シミュレーション実行部によるシミュレーション結果、または、前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートする際に実行されるシミュレーションプログラムを出力する出力部とを備える。この構成によれば、ユーザが蓄電デバイスの劣化メカニズムに精通していない場合であっても、開発支援装置は、劣化メカニズムに関する選択情報を受付けるだけで、蓄電デバイスの劣化シミュレーションの結果をユーザに提供できる。上記構成によれば、開発支援装置は、シミュレーションプログラムをユーザに提供できるので、ユーザは端末装置を用いてシミュレーションプログラムを実行することによって、蓄電デバイスの劣化シミュレーションの結果を取得できる。
開発支援方法は、端末装置と通信可能に接続される開発支援装置を用いて、蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する複数の選択肢を提示し、選択された劣化メカニズムに関する選択情報を前記端末装置から受信し、受信した選択情報に基づき、選択された劣化メカニズムを用いて前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートし、シミュレーション結果、または、前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートする際に実行されるシミュレーションプログラムを前記端末装置へ送信する。この構成によれば、ユーザが蓄電デバイスの劣化メカニズムに精通していない場合であっても、開発支援装置は、劣化メカニズムに関する選択情報を受付けるだけで、蓄電デバイスの劣化シミュレーションの結果をユーザに提供できる。上記構成によれば、開発支援装置は、シミュレーションプログラムをユーザに提供できるので、ユーザは端末装置を用いてシミュレーションプログラムを実行することによって、蓄電デバイスの劣化シミュレーションの結果を取得できる。
開発支援方法は、コンピュータを用いて、蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する複数の選択肢を提示し、提示した選択肢に基づき、前記蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する選択を受付け、選択された劣化メカニズムを用いて、前記蓄電デバイスの劣化をシミュレーションし、シミュレーション結果、または、前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートする際に実行されるシミュレーションプログラムを出力する。この構成によれば、ユーザが蓄電デバイスの劣化メカニズムに精通していない場合であっても、開発支援装置は、劣化メカニズムに関する選択情報を受付けるだけで、蓄電デバイスの劣化シミュレーションの結果をユーザに提供できる。上記構成によれば、開発支援装置は、シミュレーションプログラムをユーザに提供できるので、ユーザは端末装置を用いてシミュレーションプログラムを実行することによって、蓄電デバイスの劣化シミュレーションの結果を取得できる。
コンピュータプログラムは、コンピュータに、蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する複数の選択肢を提示し、選択された劣化メカニズムに関する選択情報を端末装置から受信し、受信した選択情報に基づき、選択された劣化メカニズムを用いて前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートし、シミュレーション結果、または、前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートする際に実行されるシミュレーションプログラムを前記端末装置へ送信する処理を実行させる。この構成によれば、ユーザが蓄電デバイスの劣化メカニズムに精通していない場合であっても、開発支援装置は、劣化メカニズムに関する選択情報を受付けるだけで、蓄電デバイスの劣化シミュレーションの結果をユーザに提供できる。上記構成によれば、開発支援装置は、シミュレーションプログラムをユーザに提供できるので、ユーザは端末装置を用いてシミュレーションプログラムを実行することによって、蓄電デバイスの劣化シミュレーションの結果を取得できる。
コンピュータプログラムは、コンピュータに、蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する複数の選択肢を提示し、提示した選択肢に基づき、前記蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する選択を受付け、選択された劣化メカニズムを用いて、前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートし、シミュレーション結果、または、前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートする際に実行されるシミュレーションプログラムを出力する処理を実行させる。この構成によれば、ユーザが蓄電デバイスの劣化メカニズムに精通していない場合であっても、開発支援装置は、劣化メカニズムに関する選択情報を受付けるだけで、蓄電デバイスの劣化シミュレーションの結果をユーザに提供できる。上記構成によれば、開発支援装置は、シミュレーションプログラムをユーザに提供できるので、ユーザは端末装置を用いてシミュレーションプログラムを実行することによって、蓄電デバイスの劣化シミュレーションの結果を取得できる。
コンピュータプログラムは、コンピュータに、蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する複数の選択肢を提示し、提示した選択肢に基づき、前記蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する選択を受付け、選択された劣化メカニズムを用いて前記蓄電デバイスの劣化をサーバ装置にシミュレートさせるべく、前記劣化メカニズムの選択情報を前記サーバ装置へ送信する処理を実行させる。この構成によれば、劣化メカニズムに基づいて蓄電デバイスの劣化をシミュレートするサーバ装置に対して、劣化メカニズムの選択情報を送信するので、選択した劣化メカニズムに基づくシミュレーション結果が得られる。
ユーザに提供されるシミュレーションプログラムは、劣化を計算する計算プログラムだけでなく、後述する電気化学モデルに基づく計算プログラムを含んでもよい。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
図1は実施の形態に係るシミュレーションシステムの全体構成を説明するブロック図である。実施の形態に係るシミュレーションシステムは、通信網Nを介して互いに通信可能に接続されるサーバ装置10とクライアント装置20,20,…,20とを備える。サーバ装置10は、クライアント装置20からの要求に応じて、蓄電デバイスの劣化をシミュレートし、シミュレーション結果をクライアント装置20へ提供する。ここで、蓄電デバイスの劣化とは、例えば蓄電デバイスを繰り返し使用していると充放電容量が低下するようになり、長持ちしなくなる事象を表す。劣化は、時間が経過するだけで生じる経年劣化と、使用回数(充放電を行った回数)に応じて生じるサイクル劣化とに区別される。
実施の形態において、シミュレーション対象の蓄電デバイスは、電解質が液体の巻回式リチウムイオン電池である。代替的には、シミュレーション対象の蓄電デバイスは、ラミネートタイプのリチウムイオン電池、電解質がイオン液体のリチウムイオン電池、電解質がゲル状のリチウムイオン電池、全固体リチウムイオン電池、バイポーラ型リチウムイオン電池(電極が電気的直列に接続されたもの)、亜鉛空気電池、ナトリウムイオン電池、鉛電池などの任意の電池であってもよい。蓄電デバイスは、複数のセルを直列に接続したモジュール、複数のモジュールを直列に接続したバンク、複数のバンクを並列に接続したドメイン等を含んでもよい。以下の説明において、蓄電デバイスを単に電池とも称する。
クライアント装置20は、ユーザによって利用されるパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの端末装置である。クライアント装置20には、サーバ装置10にアクセスするためのソフトウェア(アプリケーションプログラム)がインストールされているものとする。サーバ装置10は、クライアント装置20からのアクセスを受付けた際に例えばユーザID及びパスワードに基づくユーザ認証を行い、ユーザ認証に成功した場合、クライアント装置20に対して適宜のサービスを提供する。ユーザは、蓄電デバイスの製品設計を行うメーカの技術者であってもよく、蓄電デバイスが搭載された製品を使用する最終消費者であってもよい。
実施の形態に係るサーバ装置10は、ユーザ認証の後、クライアント装置20のユーザによる各種入力を受付けるためのインタフェース画面100(図5を参照)をクライアント装置20へ送信する。インタフェース画面100は、蓄電デバイスの劣化をシミュレートするために必要な条件を受付けるように構成されている。インタフェース画面100の詳細については後に詳述する。サーバ装置10は、インタフェース画面100を通じて受付けた条件に基づいてシミュレーションを実行し、実行結果であるシミュレーション結果をクライアント装置20へ送信する。サーバ装置10がクライアント装置20に対して送信するシミュレーション結果は、シミュレーションの実行結果として得られる数値データ、グラフ等のデータを含む。サーバ装置10がクライアント装置20に対して送信するシミュレーション結果は、シミュレーションの実行結果として得られる数理モデルを含んでもよく、シミュレーションモデルを含んでもよい。サーバ装置10が提供する数理モデル又はシミュレーションモデルは、ユーザによる編集が可能な状態で提供されてもよい。この場合、ユーザは、数理モデル又はシミュレーションモデルにおけるパラメータ(例えば、後述する電解液のイオン導電率や劣化速度に関する係数など)を変更し、変更後の数理モデル又はシミュレーションモデルを用いてシミュレーションを実行できる。代替的に、数理モデル又はシミュレーションモデルは、提供者の意思によって、編集不可の状態で提供されてもよく、一部のパラメータが編集可能な状態で提供されてもよい。
代替的に、クライアント装置20は、図5に示すようなインタフェース画面100を表示させるためのアプリケーションプログラムを有していてもよい。クライアント装置20は、前記アプリケーションプログラムが実行されることによって表示されるインタフェース画面100を通じて、蓄電デバイスの劣化をシミュレートするために必要な条件を受付け、受付けた条件をサーバ装置10へ送信すればよい。
図2はサーバ装置10の内部構成を説明するブロック図である。サーバ装置10は、制御部11、記憶部12、通信部13、操作部14及び表示部15を備える。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などにより構成されている。制御部11が備えるCPUは、ROM又は記憶部12に記憶されている各種コンピュータプログラムをRAM上に展開して実行することにより、装置全体を本願の開発支援装置として機能させる。サーバ装置10は、開発支援装置の一実施形態に過ぎず、クライアント装置20と通信可能に接続された任意の情報処理装置であればよい。
制御部11は、上記の構成に限定されるものではなく、複数のCPU、マルチコアCPU、GPU(Graphics Processing Unit)、マイコン、揮発性又は不揮発性のメモリ等を備える任意の処理回路又は演算回路であってもよい。制御部11は、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ、日時情報を出力するクロック等の機能を備えていてもよい。
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いた記憶装置を備える。記憶部12には、制御部11によって実行される各種コンピュータプログラム、及びコンピュータプログラムの実行に必要なデータ等が記憶される。記憶部12に記憶されるコンピュータプログラムは、蓄電デバイスの挙動をシミュレートするシミュレーションプログラムを含む。シミュレーションプログラムは、例えば実行バイナリである。シミュレーションプログラムの元となる理論式は、蓄電デバイスの劣化メカニズムを表す代数方程式又は微分方程式によって記述される。シミュレーションプログラムは、劣化メカニズム毎に用意してもよく、1つのコンピュータプログラムとして用意してもよい。シミュレーションプログラムは、MATLAB(登録商標)、Amesim(登録商標)、Twin Builder(登録商標)、MATLAB&Simulink(登録商標)、Simplorer(登録商標)、ANSYS(登録商標)、Abaqus(登録商標)、Modelica(登録商標)、VHDL-AMS(登録商標)、C言語、C++、Java(登録商標)などの市販の数値解析ソフトウェア又はプログラミング言語によって記述されてもよい。数値解析ソフトウェアは、1D-CAEと称される回路シミュレータであってもよく、3D形状で行う有限要素法や有限体積法などのシミュレータであってもよい。代替的に、これらに基づいた縮退モデル(ROM : Reduced-Order Model)を用いてもよい。
記憶部12に記憶されるプログラムは、当該プログラムを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体M1により提供されてもよい。記録媒体M1は、例えば、CD-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、マイクロSDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)などの可搬型メモリである。この場合、制御部11は、不図示の読取装置を用いて記録媒体M1からプログラムを読み取り、読み取ったプログラムを記憶部12にインストールする。記憶部12に記憶されるプログラムは、通信部13を介した通信により提供されてもよい。この場合、制御部11は、通信部13を通じてプログラムを取得し、取得したプログラムを記憶部12にインストールする。
記憶部12には、シミュレーションの結果として得られる数理モデルが記憶されてもよい。数理モデルは、例えば、プログラミング言語又は数値解析ソフトウェアにより実行される実行コードである。数理モデルは、プログラミング言語又は数値解析ソフトウェアにより参照される、定義情報若しくはライブラリファイルであってもよい。
記憶部12は、蓄電デバイス(単に電池ともいう)の情報をユーザIDに関連付けて記憶する電池テーブルを有していてもよい。図3は電池テーブルの一例を示す概念図である。電池テーブルは、例えば、電池を識別する電池ID、ユーザを識別するユーザID、及び電池情報を関連付けて記憶する。電池テーブルに登録される電池情報は、例えば、正極及び負極の情報、電解液の情報、タブの情報などを含む。正極及び負極の情報とは、正極及び負極の材料名、厚み、幅、奥行き、開回路電位などの情報である。電解液及びタブの情報とは、イオン種、輸率、拡散係数、導電率などの情報である。電池テーブルには、蓄電デバイスの物理的性質、動作状態、回路構成等の情報を参照するリンクが含まれてもよい。電池テーブルに記憶される情報は、サーバ装置10の管理者によって登録されてもよく、クライアント装置20を介してユーザによって登録されてもよい。電池テーブルに記憶されている情報は、蓄電デバイスの劣化をシミュレートする際に、シミュレーション条件の一部として利用される。
通信部13は、通信網Nを通じてクライアント装置20と通信を行うためのインタフェースを備える。通信部13は、クライアント装置20へ送信すべき情報が制御部11から入力された場合、入力された情報をクライアント装置20へ送信する共に、通信網Nを通じて受信したクライアント装置20からの情報を制御部11へ出力する。
操作部14は、キーボード、マウスなどの入力インタフェースを備えており、ユーザによる操作を受付ける。表示部15は、液晶ディスプレイ装置などを備えており、ユーザに対して報知すべき情報を表示する。実施の形態では、サーバ装置10が操作部14及び表示部15を備える構成としたが、操作部14及び表示部15は必須ではなく、サーバ装置10の外部に接続されたコンピュータを通じて操作を受付け、通知すべき情報を外部のコンピュータへ出力する構成であってもよい。
図4はクライアント装置20の内部構成を説明するブロック図である。クライアント装置20は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等であり、制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24及び表示部25を備える。
制御部21は、CPU、ROM、RAMなどにより構成されている。制御部21が備えるCPUは、ROM又は記憶部22に記憶されている各種コンピュータプログラムをRAM上に展開して実行することにより、装置全体を本願の端末装置として機能させる。
制御部21は、上記の構成に限定されるものではなく、複数のCPU、マルチコアCPU、マイコン等を含む任意の処理回路又は演算回路であってもよい。制御部21は、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ、日時情報を出力するクロック等の機能を備えていてもよい。
記憶部22は、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリにより構成されており、各種コンピュータプログラム及びデータを記憶する。記憶部22に記憶されるコンピュータプログラムは、サーバ装置10と情報の授受を行うために用いられる専用又は汎用のアプリケーションを含む。専用のアプリケーションプログラムの一例は、蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する複数の選択肢をユーザに提示し、蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する選択を受付け、選択された劣化メカニズムを用いて蓄電デバイスの劣化をサーバ装置10にシミュレートさせるべく、劣化メカニズムの選択情報をサーバ装置10へ送信する処理をクライアント装置20に実行させるためのコンピュータプログラムである。汎用のアプリケーションプログラムの一例は、ウェブブラウザである。ウェブブラウザを用いてサーバ装置10にアクセスする場合、ユーザID及び認証コードを用いたユーザ認証を行うことが好ましく、ユーザ認証に成功した場合にのみ、サーバ装置10とクライアント装置20との間の通信を許可すればよい。
記憶部22に記憶されるプログラムは、当該プログラムを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体M2により提供されてもよい。記録媒体M2は、例えば、CD-ROM、USBメモリ、SDカード、マイクロSDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)などの可搬型メモリである。この場合、制御部21は、不図示の読取装置を用いて記録媒体M2からプログラムを読み取り、読み取ったプログラムを記憶部22にインストールする。記憶部22に記憶されるプログラムは、通信部23を介した通信により提供されてもよい。この場合、制御部21は、通信部23を通じて各種プログラムを取得し、取得した各種プログラムを記憶部22にインストールする。
通信部23は、通信網Nを通じてサーバ装置10と通信を行うためのインタフェースを備える。通信部23は、サーバ装置10へ送信すべき情報が制御部21から入力された場合、入力された情報をサーバ装置10へ送信する共に、通信網Nを通じて受信したサーバ装置10からの情報を制御部21へ出力する。
操作部24は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力インタフェースを備えており、ユーザによる操作を受付ける。表示部25は、液晶ディスプレイ装置などを備えており、ユーザに対して報知すべき情報を表示する。実施の形態では、クライアント装置20が操作部24を備える構成としたが、クライアント装置20にキーボード、マウス等の入力インタフェースが接続される構成であってもよい。
以下、クライアント装置20の表示部25に表示されるインタフェース画面100を参照しながら、実施の形態に係るシミュレーションシステムの動作について説明する。
図5はインタフェース画面100の一例を示す模式図である。図5に示すインタフェース画面100は、クライアント装置20からサーバ装置10にアクセスし、正当なユーザであることが認証された後に、クライアント装置20の表示部25に表示される画面の一例を示している。クライアント装置20は、サーバ装置10と通信を行い、サーバ装置10から表示画面用のデータを取得することにより、図5に示すようなインタフェース画面100を表示部25に表示させることができる。
インタフェース画面100は、UI(User Interface)のコンポーネントとして配置される各種表示欄及び操作ボタンを備えた画面であり、操作部24を通じてユーザによる操作を受付けるように構成されている。
図5に一例として示すインタフェース画面100は、サイクル劣化又は経時劣化の選択を受付ける選択欄110、劣化メカニズムの選択を受付ける選択欄120、シミュレーション中の計算過程が表示される表示欄130、及び電池情報の入力を受付ける入力欄140を備える。
選択欄110は、サイクル劣化についてシミュレーションの実行指示を与える際に選択されるラジオボタン111と、経時劣化についてシミュレーションの実行指示を与える際に選択されるラジオボタン112とを備える。図5の例では、サイクル劣化のシミュレーションを指示するラジオボタン111が選択されている状態を示している。代替的には、ラジオボタン112が選択されてもよく、ラジオボタン111,112の双方が選択されてもよい。
選択欄120は、蓄電デバイスの劣化メカニズムとして、電気抵抗の増加、活物質粒子の孤立化、電解液の導電性の低下、および、電荷担体の減少を指定する際に選択されるラジオボタン121~124を備える。図5の例では、劣化メカニズムとして電荷担体の減少を指定するラジオボタン124が選択されている状態を示している。代替的には、ラジオボタン121~123の何れか1つが選択されてもよく、ラジオボタン121~124のうち2つ以上が選択されてもよい。選択欄120には、各ラジオボタン121~124に対応して、編集ボタン121a~124aが配置されている。編集ボタン121a~124aが操作された場合、対応する劣化メカニズムについて、各種パラメータの設定変更を受付けるための設定画面が表示されるように構成されている。
表示欄130には、シミュレーション中の計算過程が表示される。図5の例では、電荷担体の減少について、サイクル劣化及び経時劣化をシミュレーションした場合の計算過程がグラフにより示されている。代替的には、計算過程を示す数値データを表示してもよい。表示欄130には、ダウンロードボタン131が配置されており、シミュレーション結果をダウンロードできるように構成されている。シミュレーション結果は、グラフであってもよく、数値データであってもよい。代替的には、シミュレーション結果は数理モデルにより提供されてもよい。ここで、数理モデルとは、蓄電デバイスの劣化過程を代数方程式、微分方程式及び特性パラメータを用いて数学的に記述したモデルを表し、シミュレーションを実行することによって得られるモデルである。数理モデルは、例えば、MATLAB(登録商標)、Amesim(登録商標)、Twin Builder(登録商標)、MATLAB&Simulink(登録商標)、Simplorer(登録商標)、ANSYS(登録商標)、Abaqus(登録商標)、Modelica(登録商標)、VHDL-AMS(登録商標)、C言語、C++、Java(登録商標)などの市販の数値解析ソフトウェア又はプログラミング言語において用いられるライブラリ、モジュール等のフォーマットにより提供される。
入力欄140には、蓄電デバイスの情報(電池情報)を編集するための編集ボタン141が配置されている。操作部24を用いて編集ボタン141が操作された場合、クライアント装置20は、電池情報を受付けるための受付画面を表示部25に表示させる。電池情報の受付けが完了した場合、クライアント装置20は、受付けた電池情報をサーバ装置10へ送信する。サーバ装置10は、クライアント装置20から受信した電池情報を記憶部12の電池テーブルに登録する。
図5の例では、入力欄140を通じて電池情報を受付ける構成とした。代替的には、蓄電デバイスの種別や型番毎に予め電池情報が用意されており、蓄電デバイスの種別や型番に対する選択を受付けることにより、電池情報が自動的に設定されてもよい。
クライアント装置20の表示部25に表示されるインタフェース画面を通じて、各種条件が設定された場合、サーバ装置10において、蓄電デバイスの劣化のシミュレーションが開始される。実施の形態に係るサーバ装置10は、電池の物理モデルを用いて、劣化のシミュレーションを実行する。物理モデルは、第一原理モデルを表し、確立されている自然現象(物理法則または化学法則)に則り、蓄電デバイス内部の現象を数式等により表現したモデルである。物理モデルはホワイトボックスともいう。蓄電デバイスの劣化メカニズムを物理モデルによって表現することは、当業者の間では困難と思われているため、これまでのところ、物理モデルを用いた劣化シミュレーションは行われていない。
以下、物理モデルの一例を説明する。
劣化のシミュレーションに用いる物理モデルは、Newmanモデルに代表される物理モデルである。Newmanモデルは、正極及び負極の各電極において、均質かつ単一径の球が近接して並んでいることを想定する。Newmanモデルは、以下において説明するNernst-Planck式、電荷保存式、拡散方程式、Butler-Volmer式、及びNernst式により記述される。
Nernst-Planck式は、電解質や多孔電極におけるイオン泳動とイオン拡散とを解くための方程式であり、次式により表される。
Figure 0007480541000001
ここで、il は液相電流密度(A/m2 )、σl,effは液相有効伝導率(S/m)、φl は液相電位(V)、Rは気体定数(J/(K・mol))、Tは温度(K)、Fはファラデー定数(C/mol)、fは活量係数、cl は電解質のイオン濃度(mol/m3 )、t+ はカチオン輸率、itot は体積当たりの反応電流密度(A/m3 )である。液相有効伝導率σl,eff は、多孔体中の見かけの伝導率であり、液相バルクの伝導率と固相体積比率εs との関数で表すことが多い。
電荷保存式は、活物質粒子や集電箔での電子伝導を表す式であり、次式により表される。
Figure 0007480541000002
ここで、is は固相電流密度(A/m2 )、φs は固相電位(v)、σs は固相伝導率(S/m)、itot は体積当たりの反応電流密度(A/m3 )である。
拡散方程式は、活物質粒子中での活物質の拡散を表す方程式であり、次式により表される。
Figure 0007480541000003
ここで、cs は固相中の電荷担体濃度(mol/m3 )、tは時間(s)、Ds は固相中の拡散係数(m2 /s)である。
Butler-Volmer式は、固相と液相との界面で起こる電荷移動反応での活性化過電圧を表す式、Nernst式は、開回路電位の定義式であり、それぞれ次式により表される。
Figure 0007480541000004
ここで、iloc は反応電流密度(A/m2 )、io は交換電流密度(A/m2 )、αa ,αc は酸化反応、還元反応それぞれの移行係数、ηは活性化過電圧(V)、Eeqは平衡電位(V)、E0 は標準平衡電位(V)、zは価数、aOxは酸化剤濃度(mol/m3 )、aRed は還元剤濃度(mol/m3 )である。Butler-Volmer式およびNernst式は、代替的に実験値に基づき改変した式がしばしば用いられる。例えば、交換電流密度を電荷担体濃度やイオン濃度の関数にしたり、開回路電位としてSOCおよび開回路電位の実測データを用いるなど、適宜に改変してよい。特に、リチウムイオン二次電池においてはSOC及び開回路電位の実測データを用いることが多いので、この後で説明を加える。上述した数1~数4の式における各パラメータを、他の物理値の関数としてもよい。
数5に活物質粒子の表面における、固相中の電荷担体濃度と電荷移動反応に関わる電荷担体フラックスの関係式を示す。r0 は活物質粒子の半径(m)を表し、Js は電荷担体のフラックス(mol/m2 s)である。換言すれば、Js は電荷移動反応によって消滅生成する、単位面積単位時間当たりの電荷担体の量である。
Figure 0007480541000005
数6は、電荷担体のフラックスJs と反応電流密度iloc との関係を表す式である。
Figure 0007480541000006
数7は、反応電流密度iloc と体積当たりの反応電流密度itot との関係を表す式である。Sv は単位体積あたりの表面積、すなわち比表面積(m2 /m3 )を表す。Sv は活物質粒子の半径r0 の関数で表されてもよい。
Figure 0007480541000007
図6は、典型的な正極材料における固相中の電荷担体濃度と開回路電位(OCP)との関係を示すグラフである。グラフの横軸は、数8によって定義される無次元化電荷担体濃度θであり、電荷担体濃度cs の関数である。グラフの縦軸は、開回路電位(OCP)である。
Figure 0007480541000008
ここで、csmaxは、電池が全く劣化していない0サイクル時点(例えば電池製造時)における、放電末期(=下限電圧時)の固相中の電荷担体濃度(mol/m3 )である。一方、csminは、電池が全く劣化していない0サイクル時点(例えば電池製造時)における、放電初期(=上限電圧時もしくは満充電時)の固相中の電荷担体(mol/m3 )である。満充電時はcs =csminであるため、θ=0.0であり、放電末期はcs =csmaxであるため、θ=1.0である。電池の放電に伴い、θは平均的には0.0から1.0に変化する。このように、正極の開回路電位OCPは正極における無次元化電荷担体濃度θの関数として表される。同様にして、負極の開回路電位OCPは負極における無次元化電荷担体濃度θの関数として表される。負極において、Csmaxは、電池が全く劣化していない0サイクル時点(例えば電池製造時)における、放電初期(=上限電圧時または満充電時)の固相中の電荷担体濃度(mol/m3 )である。一方、Csminは、電池が全く劣化していない0サイクル時点(例えば電池製造時)における、放電末期(=下限電圧時)の固相中の電荷担体濃度(mol/m3 )である。サーバ装置10の制御部11は、正極のOCPと負極のOCPとを個別に計算することによって、後述する孤立化による劣化を詳細にシミュレーションできる。
代替的に、制御部11は、放電時と充電時とで異なる開回路電位OCPの値を用いてもよい。例えば、高エネルギ密度を有する電極材料において、開回路電位OCPは無次元化電荷担体濃度θに対してヒステリシスを有することが確認されている。図7は高エネルギ密度を有する電極材料の無次元化電荷担体濃度θと開回路電位OCPとの関係を示すグラフである。グラフの横軸は無次元化電荷担体濃度θであり、縦軸は開回路電位OCPである。図7のグラフに示すように、同じ無次元化電荷担体濃度θであっても、充電時と放電時とでは開回路電位OCPの値が異なる。このような特性はOCPヒステリシスまたはOCP履歴現象と呼ばれ、しばしば高エネルギー密度を有する電極材料において確認されている。制御部11は、このような電極材料について計算を行う場合、放電時と充電時とで異なる開回路電位OCPの値を用いることにより、精緻なシミュレーションが実現できる。
実施の形態では、リチウムイオン電池の物理モデルの一例としてNewmanモデルを示した。代替的に、電極を単一の活物質粒子によって表現する単粒子モデルが用いられてもよい。単粒子モデルについては、例えば、非特許文献「Single-Particle Model for a Lithium-Ion Cell : Thermal Behavior, Meng Guo, Godfrey Sikha, and Ralph E. White, Journal of The Electrochemical Society ,158 (2) 122-132 (2011)」に開示されたモデルを参照すればよい。充放電特性を表すのであれば、代替的に、等価回路モデルや多項式モデルなどの物理モデル以外のモデルを用いてもよい。すなわち、実測された入出力データからモデルを推定するシステム同定を用いてもよい。システム同定は、入出力データのみからモデルを推定するブラックボックスモデリングであってもよく、システム構造の一部が既知である場合に、既知のシステム構造を反映させ、入出力データに基づきモデルを推定するグレーボックスモデリングであってもよい。多項式モデルについては、例えば、非特許文献「Modeling the Dependence of the Discharge Behavior of a Lithium-Ion Battery on the Environmental Temperature, Ui Seong Kim,a Jaeshin Yi,a Chee Burm Shin, Taeyoung Han,b and Seongyong Park, Journal of The Electrochemical Society ,158 (5) 611-618 (2011)」に開示されたモデルを参照すればよい。
以下、蓄電デバイスの劣化メカニズムについて説明する。
第1の劣化メカニズムとして、蓄電デバイスを構成する各要素における電気抵抗の増加について説明する。電気抵抗の増加による劣化メカニズムとは、電解液や電子伝導部材の抵抗率が増加することで電池の内部抵抗が大きくなり、電池の容量が低下する現象である。
実施の形態に係るサーバ装置10は、電気抵抗が増大する要因として、(正極、負極)×(集電箔と電極と間の剥離、導電助剤の伝導経路切れ、抵抗体被膜形成)の6種類を含むシミュレーションを実行する。
図8は集電箔と電極との間の剥離を説明する説明図である。使用開始直後における蓄電デバイスでは、集電箔と電極(正極又は負極)とが互いに密着した状態にあり、集電箔及び電極間の電気抵抗は比較的小さい。しかしながら、集電箔と電極とは結合性が良いわけではないので、充放電に伴う粒子(電極を構成する活物質粒子)の膨張収縮によって間に亀裂が入り、密着性が低下し、剥離する。この結果、電流の流れる経路が減少し、電気抵抗が増加する。
図9は導電助剤の伝導経路切れを説明する説明図である。蓄電デバイスにおける電極材料は電子伝導性に劣ることが多いので、アセチレンブラックなどの導電性の導電助剤を少量添加することで導電性を保っている。しかしながら、充放電に伴う粒子(電極を構成する活物質粒子)の膨張収縮によって導電助剤そのものが切断されてしまったり、導電助剤と他の導電助剤、活物質粒子などとの接触が保てなくなったりすることがある。または、導電助剤が化学反応により消失する場合もある。この結果、電流の流れる経路が減少し、電気抵抗が増大する。
図10は抵抗体被膜形成を説明する説明図である。充放電に伴って、活物質粒子の表面に抵抗体の被膜が形成される。例えば、リチウムイオン電池の場合、電解液中の有機物とリチウムイオンとからなる化合物による被膜が形成される。このような被膜は、導電性に劣るため電気抵抗が増大する。
サーバ装置10の制御部11は、例えば、以下の数9又は数10の式により電気抵抗が増大する速度、すなわち電気伝導率が減少する速度を計算する。
Figure 0007480541000009
ここで、rcycle,res はサイクル数によって電気伝導率が減少する速度(S/m/サイクル数)を表す。典型的には、rcycle,res <0である。k0,res は反応速度定数であり、例えばサイクル数の関数である。Ea0,resはサイクル劣化の活性化エネルギ(J/mol)を表し、温度の影響を表す係数である。iは電流密度(A/m2 )であり、||は絶対値を表す。電流密度iの大きさは、電極の膨張収縮速度に関連し、クリープのような歪み速度依存の破壊現象を表す係数である。αres は定数である。k0,res 、Ea0,res、αres の値はユーザが入力してもよく、サーバ装置10において予め設定されてもよい。温度が低下するほど電気伝導率の減少が速くなることが多いため、Ea0,res<0.0であることが好ましい。活物質粒子の膨張収縮が極めて少ない場合、活物質粒子が一次粒子のみからなる場合、バインダによる密着強度が非常に高い場合、または、抵抗体被膜の比抵抗が無視できるほど小さい場合など、電気伝導率の減少を考慮する必要がない場合には、k0,res =0.0とするなど、適宜に無効化してよい。
Figure 0007480541000010
ここで、rt,res は経過時間によって電気伝導率が減少する速度である(S/m/s)を表す。典型的には、rt,res <0である。k1,res は反応速度定数であり、例えば時間の関数である。代替的に、k1,res は実験データに基づく任意の関数により定義してもよい。Ea1,resは経時劣化の活性化エネルギ(J/mol)を表し、温度の影響を表す係数である。Δtは経過時間(s)である。k1,res 、Ea1,resの値はユーザが入力してもよく、サーバ装置10において予め設定されてもよい。
Nサイクル時点の伝導率をσs (N)とすると、σs (N+1)は、σs (N)にサイクル劣化速度と、1サイクルの経時劣化速度とを足した数11の式により表される。rcycle,res <0及びrt,res <0に注意すると、典型的には、σs (N+1)<σs (N)であり、サイクル数増加や時間の経過と共に、伝導率は低下する。
Figure 0007480541000011
実施の形態では、電気伝導率が減少する速度を数9及び数10の式により計算する構成について説明したが、演算式は例示に過ぎず、実験結果や文献データなどに基づいて自由に改変してもよい。
実施の形態では、電気伝導率が減少する速度をサイクル数または経過時間の関数として計算する構成について説明した。代替的に、制御部11は、SOCの上限及び下限の関数とした数12を用いて、電気抵抗が増加する速度を計算してもよい。ここで、SOCの上限及び下限とは、電池の使用範囲における上限及び下限を表す。
Figure 0007480541000012
電気抵抗の増加などの劣化が進行するのは、充放電による膨張収縮による応力が原因と言われている。膨張収縮の大きさはSOCの使用範囲と関係があることが知られており、特にSOCの下限まで使用することで膨張収縮が大きくなることが知られている。そこで、SOCの上限と下限との関数として劣化速度を与えるとよい。通電なしの場合は膨張収縮しないので、サイクル劣化のみを考慮すれば十分であることが多い。制御部11は、SOCの上限値SOCmax と下限値SOCmin とを引数とする関数を因数として乗じた数12により、サイクル数によって電気抵抗が増加する速度を計算できる。上限値SOCmax 及び下限値SOCmin の値はユーザが入力してもよく、サーバ装置10において予め設定されてもよい。多くの場合、(SOCmax -SOCmin )の値が大きくなるほど電気抵抗増大の速度が速くなることが知られているため、(SOCmax -SOCmin )が大きくなるにつれて反応速度が速くなる関数が用いられることが好ましい。
電気抵抗の増大を決定する速度式の中で、k0,res 、Ea0,res、αres 、k1,res 、Ea1,res、SOCmax 、SOCmin のパラメータを用いたが、これらの値には、集電箔と電極との間の剥離、導電助剤の伝導経路切れ、抵抗体被膜形成に関し、正極及び負極において異なる値を用いてもよい。代替的に、これらの値は、必要に応じて一部または全部を同一の値としてもよい。これらの値は、充電過程と放電過程とで異なる値であってもよい。
第2の劣化メカニズムとして、活物質粒子の孤立化について説明する。活物質粒子の孤立化による劣化メカニズムとは、充放電による膨張収縮を繰り返しにより活物質粒子が割れ、電荷担体の脱挿入ができない領域が徐々に増え、活物質粒子の電荷担体の吸蔵・放出を行える箇所が減り、貯蔵できる電気量、すなわち電池容量が減少する現象である。吸蔵とは、固相内、すなわち活物質粒子内において電荷担体が保持される現象のことである。放出とは、電荷担体が活物質粒子外に排出される現象のことである。
サーバ装置10の制御部11は、数13又は数14の式により、活物質粒子の孤立化が進行する速度を計算する。
Figure 0007480541000013
ここで、rcycle,iso はサイクル数によって活物質粒子の孤立化が進行する速度(1/サイクル数)を表す。典型的には、rcycle,iso <0である。k0,iso は反応速度定数であり、例えばサイクル数の関数である。Ea0,isoはサイクル劣化の活性化エネルギ(J/mol)を表し、温度の影響を表す係数である。iは電流密度(A/m2 )である。電流密度iの大きさは、電極の膨張収縮速度に関連し、クリープや亀裂進展のような歪み速度依存の破壊現象を表す係数である。αiso は定数である。k0,iso 、Ea0,iso、αiso の値はユーザが入力してもよく、サーバ装置10において予め設定されてもよい。
Figure 0007480541000014
ここで、rt,iso は経過時間によって活物質粒子の孤立化が進行する速度である(1/s)を表す。典型的には、rt,iso <0である。k1,iso は反応速度定数であり、例えば時間の関数である。代替的に、k1,iso は実験データに基づく任意の関数により定義してもよい。Ea1,isoは経時劣化の活性化エネルギ(J/mol)を表し、温度の影響を表す係数である。Δtは経過時間(s)である。電池内部の応力が低い場合、経時のみによって孤立化が進行することは少ないが、外部から強力な拘束を受けて高応力状態にある場合は無視しがたい。k1,iso 、Ea1,isoの値はユーザが入力してもよく、サーバ装置10において予め設定されてもよい。
Nサイクル時点の活物質粒子の固相体積比率をεs (N)とすると、εs (N+1)は、εs (N)にサイクル劣化速度と1サイクルの経時劣化速度とを足した数15の式により表される。
Figure 0007480541000015
ここで、活物質粒子の固相体積比率εs が低下すると蓄電デバイスが劣化する、すなわち蓄電デバイスに電荷担体の吸蔵が行える箇所が減り、貯蔵できる電気量すなわち電気容量が減少する理由を説明する。
吸蔵された電荷担体の最小濃度csminと最大濃度csmaxを用いて電気容量の減少を説明する。正極の場合、最大濃度となる放電末期、最小濃度となるのは満充電時である。これらの電荷担体濃度を算出するために必要な体積は、吸蔵された電荷担体が存在できる相の体積である。電極の見かけ体積(例えば、塗工面積×塗工厚み)をVapp (m3 )、製造時の電極に占める活物質粒子の固相体積比率をεs0とすると、吸蔵された電荷担体が存在できる相の体積はVapp εs0である。製造時における電池容量をQ0 (CまたはAh)とすると、数16が成立する。
Figure 0007480541000016
この電池が劣化し、電極の孤立化が進行すると、蓄電に寄与する活物質粒子の固相体積比率εs はεs0よりも低下する。活物質粒子の固相体積比率がεs となったときの電池容量をQとすると、数17が成立する。
Figure 0007480541000017
数16と数17とから不要な文字を消去し、数18を得る。
Figure 0007480541000018
すなわち、εs がεs0よりも小さくなると、QはQ0 よりも小さくなることが示された。これが、孤立化によって電池容量が低下する理由である。
実施の形態では、活物質粒子の孤立化が進行する速度を数13及び数14の式により計算する構成について説明したが、演算式は例示に過ぎず、実験結果や文献データなどに基づいて自由に改変してもよい。
実施の形態では、活物質粒子の孤立化が進行する速度をサイクル数または経過時間の関数として計算する構成について説明した。代替的にまたは追加的に、制御部11は、通電方向の切り替えが生じるときのSOCの上限及び下限の関数を因数とした数12と同様の式を用いて、活物質粒子の孤立化が進行する速度を計算してもよい。上限値SOCmax 及び下限値SOCmin の値はユーザが入力してもよく、サーバ装置10において予め設定されてもよい。多くの場合、(SOCmax -SOCmin )の値が大きくなるほど孤立化の進行速度が速くなることが知られているため、(SOCmax -SOCmin )が大きくなるにつれて反応速度が速くなる関数が用いられることが好ましい。サイクル数の代わりに、総通電電気量を用いてもよい。
Figure 0007480541000019
孤立化の進展を決定する速度式の中で、k0,iso 、Ea0,iso、αiso 、k1,iso 、Ea1,iso、SOCmax 、SOCmin のパラメータを用いたが、これらの値は、正極及び負極において異なる値を用いることが望ましい。そのため、電池全体での孤立化の原因のうち、正極の寄与分と負極の寄与分とを分離してシミュレーションできる。活物質粒子の膨張収縮が極めて少ない場合、活物質粒子が一次粒子のみからなる場合など、孤立化を考慮する必要がない場合には、k0,iso =0.0とするなど、適宜に無効化してよい。上記の値は、充電過程と放電過程とで異なる値であってもよい。
第3の劣化メカニズムとして、電解液における導電性の低下について説明する。電解液における導電性の低下による劣化メカニズムとは、電荷のキャリアが消失することによる導電性低下、電極体内の微小な気泡発生による導電性の低下、溶媒和の分子構造変化、セパレータの目詰まりなどによって、電解液の抵抗率が増加し、電池の内部抵抗が大きくなり、容量が低下する現象である。電荷のキャリア消失は、主として活物質粒子の表面に抵抗体被膜が形成された場合に生じる。
充放電を繰り返すと、電解液中のリチウムイオンが減少することが知られている。電解液の導電率は、リチウムイオン濃度の関数であり、一般的に初期製造時に最大であるが、リチウムイオン濃度の低下と共に低下することが知られている。図11は電解液中のリチウムイオン濃度とイオン導電率との関係を示すグラフである。図11に示すグラフの横軸は電解液中のリチウムイオン濃度を示し、縦軸はイオン導電率を示している。電解液中のリチウムイオン濃度とイオン導電率との関係は、図11に示すような関係になることが多い。サーバ装置10の制御部11は、導電性の低下速度を、数5及び数6と同様の関数により計算することができる。代替的に、制御部11は、SOCの上限及び下限の関数を因数とした数8と同様の式を用いて、導電性の低下速度を計算してもよい。代替的に、イオンの導電率だけではなく、拡散係数を変更してもよい。
電解液のリチウムイオン濃度が減少する要因は、ごく微量の電解液の正極での酸化反応の生成物などによって、電解質塩が不溶物として析出することが考えられる。その結果として、負極での電解液の還元分解で消費された電子数よりも多くのリチウムイオンをトラップする反応が生じている。この反応が進むことによって、徐々に電解液中のリチウムイオン濃度が低下し、電導度の低下に繋がる。
第4の劣化メカニズムとして、充放電に関与する電荷担体の減少について説明する。電荷担体の減少による劣化メカニズムとは、充電時に電極の表面で電解液中のイオンが副反応によって消失する現象である。
例えば、リチウムイオン電池の場合、電解液中のリチウムイオンが黒鉛に入る際(すなわち充電の際)、主反応(Li+ +e- +6C→LiC6)以外に、LiC6 が有機物などと反応して抵抗体被膜として電極活物質粒子表面に付着する副反応が生じる。主反応は可逆反応であり、電圧を逆に印加すれば、Li→Li+ +e- の反応が起こるが、副反応は不可逆である。すなわち、一旦抵抗体被膜となってしまったリチウムイオンは以後充放電に参加することができなくなり、容量が低下する。このメカニズムを充放電に関与する電荷担体の減少(若しくは容量バランスずれ)と呼ぶ。第4の劣化メカニズムは、電解液のリチウムイオン濃度が低下することが原因であり、電極材料が劣化するわけではない。すなわち、第4の劣化メカニズムは、解体洗浄後に再利用する余地がある。
第4の劣化メカニズムは、リチウムイオン電池の場合、経時及びサイクルの両方によって加速されることが知られている。充電時には、Li+ +e- +6C+P→xLiC6 +(1-x)LiSEI の反応式によって表されるように、Liが生成される主反応(理想的にはx=1)以外に、LiSEI という副生成物が生成される。Pは副生成物の元となる物質である。ここで、x:(1-x)は主反応:副反応の量論比であるが、通常は(1-x)/x<<1であり、副反応の量論係数は非常に小さい。副反応の量論係数に電流密度と電極の表面積を乗じてファラデー定数で割ったリチウムイオンが電解液から消失する。本メカニズムを表現するためには、液相でのLi+ の消失量をJLi+ (mol/m2 s)としたとき、固相へのLiの流入量JLi(mol/m2 s)を、JLi=xJLi+ とすればよい。
xは適宜に上限値SOCmax 及び下限値SOCmin 、温度T、電流密度iの関数としてよい。例えば、数20に記載するような関数としてもよい。hは実験データに適合するよう定められた任意の関数である。0.0≦x≦1.0であることに注意する。
Figure 0007480541000020
副反応は充電時以外に、通電をしていなくても生じるが、こちらは実測データを元に、リチウムイオンの消失速度rLiを時間の関数(rLi=g(t))として与えるとよい。関数gとして、時間tの平方根に比例する関数がしばしば用いられる。関数gは、さらに温度に関する因子を含んでもよい。
第4の劣化メカニズムにおける充放電に関与する電荷担体の減少は、第1の劣化メカニズムにおける抵抗体被膜の形成、及び第3の劣化メカニズムにおける電解液における導電性の低下に関係する。すなわち、いずれも電解液中のリチウムイオンが不可逆反応により使われなくなり、電極表面に堆積してしまうことが原因である。本願のシミュレーションでは、従来ばらばらに扱われていたこれらの現象を、関連付けて計算することが可能である。
例えば、抵抗体被膜の厚みをδ(m)、質量密度をρfilm(kg/m3 )とした場合に、数21のようになる。Mは被膜物質の分子量(kg/mol)である。
Figure 0007480541000021
数22に示す式は、時刻t(s)までの、電極活物質粒子表面積S(m2 )に亘る被膜形成のために電解液から消失したリチウムイオンの総量(mol)を表す。この式と、第3の劣化メカニズムで述べた電解液中のリチウムイオン濃度低下とを結び付ければ、抵抗体被膜の成長、電解液における導電性の低下、電荷担体の減少を関連付けて計算できる。
Figure 0007480541000022
抵抗体被膜で生じるオーム過電圧は、数23のように表される。ここで、rfilmは抵抗体被膜の抵抗率(Ωm2 )である。
Figure 0007480541000023
以下、サーバ装置10及びクライアント装置20の動作について説明する。
図12はサーバ装置10及びクライアント装置20が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。クライアント装置20の制御部21は、ユーザ認証の後にサーバ装置10から送信される表示画面用のデータを受信し、インタフェース画面100を表示部25に表示する(ステップS101)。制御部21は、表示部25に表示したインタフェース画面100を通じて、シミュレーション条件を受付ける(ステップS102)。インタフェース画面100では、例えば、サイクル劣化又は経時劣化の選択、劣化メカニズムの選択、及び電池情報の入力を受付ける。
制御部21は、インタフェース画面100を通じて受付けたシミュレーション条件を、通信部23を通じてサーバ装置10へ送信する(ステップS103)。
サーバ装置10は、クライアント装置20から送信されるシミュレーション条件を通信部13にて受信する(ステップS104)。
サーバ装置10の制御部11は、通信部13を通じて受信したシミュレーション条件に基づき、シミュレーションを実行する(ステップS105)。このとき、制御部11は、シミュレーション条件に対応するシミュレーションプログラムを選択し、選択したシミュレーションプログラムにシミュレーション条件を適用することによって、蓄電デバイスの劣化をシミュレートする。制御部11は、ステップS104で受信したシミュレーション条件を、ユーザ認証の際に入力されたユーザIDに関連付けて、記憶部12に記憶させてもよい。シミュレーションを実行した場合、制御部11は、通信部13を通じて、計算結果をクライアント装置20へ送信する(ステップS106)。ステップS106では、ある時間ステップ又はあるサイクルにおける計算対象の値(構成部材毎の電気抵抗、孤立化領域の体積割合、電解液の拡散係数またはイオン導電率、電池の膨張率など)が得られる都度、随時計算結果をクライアント装置20へ送信してもよい。
クライアント装置20は、サーバ装置10から送信される計算結果を通信部23にて受信する(ステップS107)。クライアント装置20の制御部21は、受信した計算結果をシミュレーション中の計算過程として、インタフェース画面100の表示欄130に表示する(ステップS108)。ユーザは、表示欄130に表示される計算過程を参照することにより、サーバ装置10によるシミュレーションが完了したか否かを把握できる。
次いで、インタフェース画面100においてダウンロードボタン131が操作された場合、制御部21は、通信部23を通じて、シミュレーション結果のダウンロード要求をサーバ装置10へ送信する(ステップS109)。
サーバ装置10は、クライアント装置20からダウンロード要求を受信した場合(ステップS110)、シミュレーション結果をクライアント装置20へ送信する(ステップS111)。ステップS111においてサーバ装置10が送信するシミュレーション結果は、構成部材毎の電気抵抗の値、孤立化領域の体積割合、電解液の拡散係数またはイオン導電率、減少した電荷担体量、初期状態と比較した電池の膨張率などが経過時間やサイクル数と共にどのように変化するのかを示すデータである。シミュレーション結果は、経過時間、サイクル数、及び物理値の3列の数値データであってもよい。代替的に、数値データから生成したグラフ、コンター図又は動画であってもよい。代替的に、商用シミュレーションソフトウェアの形式に従ったライブラリの形式であってもよい。代替的に、電気化学を含む劣化シミュレーション用のシミュレーションプログラムを含んでもよい。ダウンロードするファイル形式は、ユーザが使用する数値解析ソフトウェアやプログラム言語によって、ユーザが希望選択できるようにしてもよい。
クライアント装置20は、サーバ装置10から送信されるシミュレーション結果を通信部23にて受信する(ステップS112)。クライアント装置20の制御部21は、受信したシミュレーション結果を表示部25に表示させる(ステップS113)。構成部材毎の電気抵抗の値と、電解液の拡散係数またはイオン導電率とが分かると、通電時の発熱量を計算できるので、クライアントは例えば温度のシミュレーションを実施することができる。そのため、冷却設計や熱マネジメントの設計を行うことができる。孤立化領域の体積割合と、減少した電荷担体量とが分かると、電極材料の劣化が分かるので、クライアントは例えばライフサイクル予測や再利用率の予測が可能になる。初期状態と比較した場合の電池の膨張率が分かると、クライアントは例えばモジュールケースや電池の缶筐体などの強度設計が可能になる。
劣化に伴う電池の膨張には、電池内部でのガス発生による膨張、電極の割れによる体積膨張、および、充放電に伴う電極の膨張収縮が含まれる。このうち、ガス発生による膨張と、電極の割れによる体積膨張とは、一回の充放電により元の体積より大きくなるような不可逆的な膨張収縮である。一方、充放電に伴う電極の膨張収縮は、一回の充放電を行った後に元の体積に戻るような可逆的な膨張収縮である。
膨張を表す式は、例えば、数24~数26が考えられる。
Figure 0007480541000024
ここで、αgas はガス発生による元の体積に対する線膨張係数である。数24は、ガス発生による膨張を温度Tの関数として表した式である。すなわち、高温ほど蒸気圧が上がるので、電解液の蒸発や電極からの気体の脱離が生じやすい。
Figure 0007480541000025
ここで、αcrack は電極割れによる元の体積に対する線膨張係数、εs0は製造時の電極の有効活物質粒子体積割合、εs は任意時点での電極の有効活物質粒子体積割合である。有効活物質粒子体積割合とは、電極の固体部分の体積のうち、孤立化していない部分の体積割合である。活物質粒子が割れて、有効活物質粒子体積割合εs が低下すると、(εs0-εs )は増加する。数25は、電極割れによる膨張を、電極の割れ量を表す(εs0-εs )の関数として表した式である。
Figure 0007480541000026
数26は、総線膨張係数を表しており、ガス発生による膨張と、電極割れによる膨張とを引数とした関数である。
電池種や電池材料に応じて膨張の式は適宜変更され得るので、上述の数24~数26に限定されるものではない。
図13は膨張率の経時変化を示すグラフである。図13に示すグラフの横軸は時間(又はサイクル数)を表し、縦軸は膨張率を表す。電池の膨張率は、図13のグラフに示すように、逓減しつつ単調増加する成分と、充放電に伴い膨張収縮する成分との和になる。前者は不可逆的(塑性的)な膨張であり、後者は可逆的(弾性的)な膨張である。不可逆的な膨張は、経時時間やサイクル数の関数として増加するように与えられ、膨張率と経過時間やサイクル数との関係は実験により取得しておくとよい。実験データを直接用いずに、簡易に行う場合には、経過時間やサイクル数を引数とする等比数列で膨張率を定義することも可能である。例えば、1サイクルでの膨張率の増加分をr(典型的には0<r<1)とすると、Nサイクル後の膨張率はα0 を定数として数27により表される。
Figure 0007480541000027
劣化シミュレーションモデルは、応力歪みモデルや疲労モデルを含んでもよい。電極材料の多くは、充放電に伴って体積変化を起こすことが知られている。特に、リチウムイオン電池の電極材料においては電荷担体のリチウムの脱挿入に伴う体積変化が顕著である。通常、電池は樹脂材、金属材およびハイテン鋼などで拘束されているため、電極材料が膨張した際には大きな内部応力が発生し、活物質粒子に微小なクラック(亀裂)が生じうる。このクラックは前述の活物質粒子の孤立化の原因となる。そのため、活物質粒子内の応力を高めない設計が望まれる。
そこで、構造シミュレーションを行う際に、活物質粒子中の電荷担体濃度の関数として歪みを応力-歪み関係式に加えることで、充放電を考慮した電極の膨張収縮による応力歪み計算が可能となる。電荷担体濃度及び歪みの関数形は比例であってもよいし、その他任意の関数であってよい。
例えば、本モデルの電気化学を計算する部分は数値解析ソフトウェアの電気回路網と接続され、応力歪みを計算する部分は市販の数値解析ソフトウェア(有限要素法の構造解析シミュレーションソフトなど)と接続されてもよい。これにより、電池の劣化と応力歪みを同時に連成しつつ計算することも可能となる。
劣化シミュレーションモデルは、伝熱モデルを含んでもよい。劣化が進行した電池、中でも電気抵抗の増加や電解液における導電性の低下が進行した電池は、発熱量が大きくなる傾向がある。一般には、高温であるほど劣化進行が速くなることが多く、温度管理も電池の劣化を抑制する上で重要な因子である。
発熱量は、以下の式で算出できる。
(発熱量)=(電流)×(オーム過電圧+活性化過電圧)
=(電流)×(端子間開回路電圧-端子間電圧)
例えば、本モデルの電気化学を計算する部分は数値解析ソフトウェアの電気回路網と接続され、熱を計算する部分は市販の数値解析ソフトウェアの熱回路網計算部分と接続されてもよい。これにより、電池の劣化と発熱を同時に連成しつつ計算することも可能となる。
以上のように、実施の形態では、劣化メカニズムを考慮して蓄電デバイスの劣化をシミュレートし、シミュレーション結果をユーザに提供できる。必要に応じて、蓄電デバイスの劣化をシミュレートした結果として得られる数理モデルをユーザに提供できるので、クライアント装置20では、サーバ装置10からダウンロードした数理モデルを用いて、所望の条件にて蓄電デバイス若しくは蓄電デバイスを含むシステムのシミュレーション結果を取得することができる。クライアント装置20は、シミュレーション結果を算出する際に用いられたシミュレーションプログラムをサーバ装置10からダウンロードしてもよい。
クライアント装置20にダウンロードしたシミュレーションプログラムを使用する際、サーバ装置10と通信し、ユーザ認証を受けることを要件としてもよい。その際、クライアント装置20に入力されたシミュレーションの条件はサーバ装置10に送信されてもよい。
開示された実施形態は、全ての点において例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
例えば、本実施形態では、電解質が液体の巻回式リチウムイオン電池を例に挙げた。代替的には、全固体リチウムイオン電池、バイポーラ型リチウムイオン電池(電極が電気的直列に接続されたもの)、亜鉛空気電池、ナトリウムイオン電池、鉛電池など電池種に限らず、本願のシミュレーション手法を適用できる。
本明細書では、サーバ装置10とクライアント装置20との間の通信により、シミュレーションを実施する形態を例示した。代替的に、サーバ管理者がシミュレーションプログラムをDVD-ROMなどの記憶媒体の手段でクライアント利用者に提供し、クライアント端末ローカルでシミュレーションが実施される形態であってもよい。提供手段として、通信を介したダウンロード形式であってもよい。すなわち、クライアント装置20の制御部21が前記シミュレーションプログラムを実行した場合、クライアント装置20は、蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する選択情報を受付け、選択された劣化メカニズムを用いて蓄電デバイスの劣化シミュレーションを実行し、シミュレーション結果を出力する本願の開発支援装置として機能するように構成される。
10 サーバ装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 操作部
15 表示部
20 クライアント装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 操作部
25 表示部
N 通信網

Claims (11)

  1. 端末装置のユーザ認証後に、前記端末装置から、蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する選択情報を受信する受信部と、
    受信した選択情報に基づき、選択された劣化メカニズムを用いて前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートするシミュレーション実行部と、
    該シミュレーション実行部によるシミュレーション結果、または、前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートする際に実行されるシミュレーションプログラムを前記端末装置へ送信する送信部と
    を備える開発支援装置。
  2. 前記シミュレーション実行部は、前記蓄電デバイスを表す物理モデルを用いて、シミュレーションを実行する
    請求項1に記載の開発支援装置。
  3. 前記劣化メカニズムは、前記蓄電デバイスを構成する各要素における電気抵抗の増加、活物質粒子の孤立化、電解液における導電性の低下、及び充放電に関与する電荷担体の減少の少なくとも1つを含む
    請求項1又は請求項2に記載の開発支援装置。
  4. 前記電気抵抗の増加は、集電箔と多孔体電極との接着部における電気抵抗の増加、活物質粒子中の導電経路の減少に伴う電気抵抗の増加、または、粒子表面の抵抗体被膜の増加に伴う電気抵抗の増加を含む
    請求項3に記載の開発支援装置。
  5. 前記電気抵抗の増加、前記活物質粒子の孤立化、及び前記導電性の低下は、放電時のSOCの上限及び下限の関数により表される
    請求項3に記載の開発支援装置。
  6. 前記電気抵抗の増加、前記活物質粒子の孤立化、前記導電性の低下、及び前記電荷担体の減少は、経過時間、サイクル数、及び温度の少なくとも1つの関数により表される
    請求項3に記載の開発支援装置。
  7. 前記電荷担体の減少は、充電時における負極表面での電荷移動過程の量論係数により表される
    請求項3に記載の開発支援装置。
  8. 前記シミュレーション結果は、前記蓄電デバイスを構成する各要素における電気抵抗の値、活物質粒子の孤立化領域の体積割合、電解液の拡散係数又はイオン導電率、電荷担体量、及び蓄電デバイスの膨張率のうち、何れか1つの時間変化又はサイクル変化を含む
    請求項1から請求項7の何れか1つに記載の開発支援装置。
  9. 蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する選択情報を受付ける受付部と、
    受付けた選択情報に基づき、選択された劣化メカニズムを用いて前記蓄電デバイスの劣化をシミュレーションするシミュレーション実行部と、
    該シミュレーション実行部によるシミュレーション結果、または、前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートする際に実行されるシミュレーションプログラムを出力する出力部と
    を備える開発支援装置。
  10. 端末装置と通信可能に接続される開発支援装置を用いて、
    蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する複数の選択肢を提示し、選択された劣化メカニズムに関する選択情報を前記端末装置から受信し、
    受信した選択情報に基づき、選択された劣化メカニズムを用いて前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートし、
    シミュレーション結果、または、前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートする際に実行されるシミュレーションプログラムを前記端末装置へ送信する
    開発支援方法。
  11. コンピュータを用いて、
    蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する複数の選択肢を提示し、
    提示した選択肢に基づき、前記蓄電デバイスの劣化メカニズムに関する選択を受付け、
    選択された劣化メカニズムを用いて、前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートし、
    シミュレーション結果、または、前記蓄電デバイスの劣化をシミュレートする際に実行されるシミュレーションプログラムを出力する
    開発支援方法。
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