JP7480256B1 - ひずみセンサ付き軸受装置および工作機械用スピンドル装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 0007480256000001
【課題】高い精度で軸受予圧を検出することが可能なひずみセンサ付き軸受装置を提供する。
【解決手段】第1内輪31の第2内輪36の側とは反対側の軸方向端面と、第2内輪36の第1内輪31の側とは反対側の軸方向端面とに、第1内輪31と第2内輪36とを接近させる方向の予圧が付与され、その予圧が、第1内輪31、第1転動体32、第1外輪30、外輪間座26、第2外輪35、第2転動体37、第2内輪36を伝達するように構成されているひずみセンサ付き軸受装置において、第1外輪30の第2外輪35の側とは反対側の軸方向端面と、第2外輪35の第1外輪30の側とは反対側の軸方向端面とに、第1外輪30と第2外輪35とを接近させる方向の押圧力を付与し、その押圧力の大きさを予圧よりも大きく設定する。
【選択図】図4

Description

この発明は、ひずみセンサ付き軸受装置、およびそのひずみセンサ付き軸受装置を使用した工作機械用スピンドル装置に関する。
マシニングセンタや旋盤等の工作機械や、その他の産業機械では、工具や加工物等の対象物が取り付けられる回転軸を回転可能に支持するスピンドル装置が用いられる。このようなスピンドル装置の使用分野において、近年、省人化や無人化のための状態監視機能の強化が求められるようになっている。
そこで、本願の出願人は、状態監視機能の強化のニーズに応えるため、ひずみセンサ付き軸受装置を既に提案している(特許文献1)。
特許文献1のひずみセンサ付き軸受装置は、軸方向に間隔をおいて配置された第1軸受および第2軸受と、第1軸受と第2軸受の間に設けられた筒状の外輪間座と、外輪間座に取り付けられたひずみセンサとを有する。
第1軸受は、第1外輪と、第1外輪の径方向内側に設けられた第1内輪と、第1外輪と第1内輪の間に組み込まれた複数の第1転動体とを有する。同様に、第2軸受は、第2外輪と、第2外輪の径方向内側に設けられた第2内輪と、第2外輪と第2内輪の間に組み込まれた複数の第2転動体とを有する。外輪間座は、第1外輪と第2外輪の間に軸方向に挟み込まれて配置されている。
第1内輪の第2内輪の側とは反対側の軸方向端面と、第2内輪の第1内輪の側とは反対側の軸方向端面には、予圧ナットの締め込みにより、第1内輪と第2内輪とを接近させる方向の予圧が付与されている。第1軸受と第2軸受は、この予圧が、第1内輪、第1転動体、第1外輪、外輪間座、第2外輪、第2転動体、第2内輪を伝達するように構成されている。第1軸受は、第1外輪と第1内輪の間の軸方向の予圧で、第1転動体が第1外輪を押圧する径方向分力を生じるように構成されたアンギュラ玉軸受であり、第2軸受も、第2外輪と第2内輪の間の軸方向の予圧で、第2転動体が第2外輪を押圧する径方向分力を生じるように構成されたアンギュラ玉軸受である。
ひずみセンサは、外輪間座の外周(または内周)に取り付けられ、このひずみセンサの出力に基づいて、第1軸受および第2軸受の予圧荷重(以下「軸受予圧」という)を検出することが可能となっている。
特開2021-014886号公報
ところで、特許文献1のひずみセンサ付き軸受装置において、外輪間座のひずみセンサの出力に基づいて検出される軸受予圧の大きさに誤差が生じることがあった。この誤差を無くし、高い精度で軸受予圧を検出することができれば、省人化や無人化のための状態監視の信頼性を高めることが可能となる。
この発明が解決しようとする課題は、高い精度で軸受予圧を検出することが可能なひずみセンサ付き軸受装置を提供することである。
本願の発明者らは、上記の特許文献1のひずみセンサ付き軸受装置において、軸受予圧を変化させ、外輪間座のひずみセンサの出力に基づいてその軸受予圧を検出する評価試験を行なったところ、軸受予圧が増加する過程と、軸受予圧が減少する過程とで、軸受予圧の大きさが同じでもひずみセンサの出力が同じにならず、前者と後者の間に一定の差が生じるというヒステリシスが生じ、そのヒステリシスが、ひずみセンサの出力に基づいて検出される軸受予圧の誤差の原因となっていることを見出した。
上記のヒステリシスが生じる理由は、次のように考えられる。
軸受予圧が増大するとき、第1外輪は、第1転動体から受ける径方向分力が増大することで拡径方向に弾性変形し、この弾性変形により、第1外輪と外輪間座の接触面間には、第1外輪が外輪間座に対して径方向外方に相対的に移動する微小なすべりが生じる。一方、軸受予圧が減少するときは、第1外輪は、第1転動体から受ける径方向分力が減少することで縮径方向に弾性復元し、この弾性復元により、第1外輪と外輪間座の接触面間には、第1外輪が外輪間座に対して径方向内方に相対的に移動する微小なすべりが生じる。
同様に、軸受予圧が増大するとき、第2外輪は、第2転動体から受ける径方向分力が増大することで拡径方向に弾性変形し、この弾性変形により、第2外輪と外輪間座の接触面間には、第2外輪が外輪間座に対して径方向外方に相対的に移動する微小なすべりが生じる。一方、軸受予圧が減少するときは、第2外輪は、第2転動体から受ける径方向分力が減少することで縮径方向に弾性復元し、この弾性復元により、第2外輪と外輪間座の接触面間には、第2外輪が外輪間座に対して径方向内方に相対的に移動する微小なすべりが生じる。
そして、第1外輪と外輪間座の接触面間や、第2外輪と外輪間座の接触面間に、上記の径方向のすべりが生じると、軸受予圧が増加する過程と、軸受予圧が減少する過程とで、外輪間座の変形が同じにならない。そのため、軸受予圧が増加する過程と、軸受予圧が減少する過程とで、軸受予圧の大きさが同じでもひずみセンサの出力が同じにならず、前者と後者の間に一定の差が生じるというヒステリシスが生じるものと考えられる。このひずみセンサの出力のヒステリシスは、ひずみセンサの出力に基づいて検出される軸受予圧の誤差の原因となる。
さらに、本願の発明者らは、第1外輪と外輪間座の接触面間の面圧を大きくすれば、第1外輪と外輪間座の接触面間の摩擦力が大きくなるので、軸受予圧の変化に応じて第1外輪が第1転動体から受ける径方向分力が変化したときに、第1外輪と外輪間座の接触面間の径方向のすべりを抑制することが可能となり、同様に、第2外輪と外輪間座の接触面間の面圧を大きくすれば、第2外輪と外輪間座の接触面間の摩擦力が大きくなるので、軸受予圧の変化に応じて第2外輪が第2転動体から受ける径方向分力が変化したときに、第2外輪と外輪間座の接触面間の径方向のすべりを抑制することが可能となり、その結果、外輪間座のひずみセンサの出力のヒステリシスが低減され、ヒステリシスによる誤差を小さく抑えることができるという着想を得た。
この着想に基づいて、この発明では、上記の課題を解決するため、以下の構成のひずみセンサ付き軸受装置を提供する。
[構成1]
軸方向に間隔をおいて配置された第1軸受および第2軸受と、前記第1軸受と前記第2軸受の間に設けられた筒状の外輪間座と、前記外輪間座に取り付けられたひずみセンサとを有し、
前記第1軸受は、第1外輪と、第1外輪の径方向内側に設けられた第1内輪と、第1外輪と第1内輪の間に組み込まれた複数の第1転動体とを有し、
前記第2軸受は、第2外輪と、第2外輪の径方向内側に設けられた第2内輪と、第2外輪と第2内輪の間に組み込まれた複数の第2転動体とを有し、
前記第1内輪の前記第2内輪の側とは反対側の軸方向端面と、前記第2内輪の前記第1内輪の側とは反対側の軸方向端面とに、前記第1内輪と前記第2内輪とを接近させる方向の予圧が付与され、
前記予圧が、前記第1内輪、前記第1転動体、前記第1外輪、前記外輪間座、前記第2外輪、前記第2転動体、前記第2内輪を伝達するように構成されているひずみセンサ付き軸受装置において、
前記第1外輪の前記第2外輪の側とは反対側の軸方向端面と、前記第2外輪の前記第1外輪の側とは反対側の軸方向端面とに、前記第1外輪と前記第2外輪とを接近させる方向の押圧力が付与され、
前記押圧力の大きさが、前記内輪予圧よりも大きく設定されていることを特徴とするひずみセンサ付き軸受装置。
この構成を採用すると、第1外輪と外輪間座の接触面間には、第1内輪と第2内輪の軸方向端面に付与される予圧と、第1外輪と第2外輪の軸方向端面に付与される押圧力とを合計した大きさの面圧が作用することとなるので、第1外輪と外輪間座の接触面間の面圧が大きくなる。そのため、第1外輪と外輪間座の接触面間の摩擦力が大きくなり、軸受予圧の変化に応じて第1外輪が第1転動体から受ける径方向分力が変化したときに、第1外輪と外輪間座の接触面間の径方向のすべりを抑制することが可能となる。同様に、第2外輪と外輪間座の接触面間にも、第1内輪と第2内輪の軸方向端面に付与される予圧と、第1外輪と第2外輪の軸方向端面に付与される押圧力とを合計した大きさの面圧が作用することとなるので、第2外輪と外輪間座の接触面間の面圧が大きくなる。そのため、第2外輪と外輪間座の接触面間の摩擦力が大きくなり、軸受予圧の変化に応じて第2外輪が第2転動体から受ける径方向分力が変化したときに、第2外輪と外輪間座の接触面間の径方向のすべりを抑制することが可能となる。その結果、外輪間座のひずみセンサの出力のヒステリシスが低減され、高い精度で軸受予圧を検出することが可能となる。
[構成2]
前記押圧力の大きさが、前記予圧の10倍以上の大きさに設定されている構成1に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
この構成を採用すると、第1外輪および第2外輪の軸方向端面に、予圧に比べて著しく大きい押圧力が付与されるので、第1外輪と外輪間座の接触面間の面圧と、第2外輪と外輪間座の接触面間の面圧とが、特に大きいものとなる。そのため、第1外輪と外輪間座の接触面間の摩擦力が特に効果的に大きいものとなり、軸受予圧の変化に応じて第1外輪が第1転動体から受ける径方向分力が変化したときに、第1外輪と外輪間座の接触面間の径方向のすべりを特に効果的に抑制することが可能となる。同様に、第2外輪と外輪間座の接触面間の摩擦力が特に効果的に大きいものとなり、軸受予圧の変化に応じて第2外輪が第2転動体から受ける径方向分力が変化したときに、第2外輪と外輪間座の接触面間の径方向のすべりを特に効果的に抑制することが可能となる。
[構成3]
前記押圧力は、前記第1外輪および前記第2外輪を、前記第1外輪の外周と前記第2外輪の外周とに嵌合する軸受支持筒の内周に設けた環状の外輪位置決め段部と、前記軸受支持筒の軸方向端面にねじ部材で固定される蓋部材との間に、軸方向の締め代をもって組み込むことで付与されている構成1または2に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
この構成を採用すると、ねじ部材を締め付ける簡単な方法で、第1外輪および第2外輪の軸方向端面に大きい押圧力を付与することができる。
[構成4]
前記ねじ部材は、前記ひずみセンサと同じ周方向位置に配置されている構成3に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
この構成を採用すると、ひずみセンサと同じ周方向位置にねじ部材が配置されているので、第1外輪と外輪間座の接触面間の面圧と、第2外輪と外輪間座の接触面間の面圧とを、ひずみセンサと同じ周方向位置で効果的に大きくすることができる。そのため、ひずみセンサの出力のヒステリシスを効果的に低減することが可能となる。
[構成5]
前記軸方向の締め代が10μm以上に設定されている構成3または4に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
[構成6]
前記第1軸受および前記第2軸受がアンギュラ玉軸受である構成1から5のいずれかに記載のひずみセンサ付き軸受装置。
また、この発明では、上記のひずみセンサ付き軸受装置を使用した工作機械用スピンドル装置として、以下の構成のものを併せて提供する。
[構成7]
構成1から6のいずれかに記載のひずみセンサ付き軸受装置と、
前記ひずみセンサ付き軸受装置で回転可能に支持される工作機械の主軸と、
前記主軸を回転駆動するモータと、を有する工作機械用スピンドル装置。
この構成を採用すると、工作機械の省人化や無人化のための状態監視を安定して行なうことが可能となる。また、切削加工中の工作機械の主軸に作用する加工荷重を検出することも可能となる。
この発明のひずみセンサ付き軸受装置は、第1外輪と外輪間座の接触面間に、第1内輪と第2内輪の軸方向端面に付与される予圧と、第1外輪と第2外輪の軸方向端面に付与される押圧力とを合計した大きさの面圧が作用するので、第1外輪と外輪間座の接触面間の面圧が大きい。そのため、第1外輪と外輪間座の接触面間の摩擦力が大きく、軸受予圧の変化に応じて第1外輪が第1転動体から受ける径方向分力が変化したときに、第1外輪と外輪間座の接触面間の径方向のすべりを抑制することが可能である。同様に、第2外輪と外輪間座の接触面間にも、第1内輪と第2内輪の軸方向端面に付与される予圧と、第1外輪と第2外輪の軸方向端面に付与される押圧力とを合計した大きさの面圧が作用するので、第2外輪と外輪間座の接触面間の面圧が大きい。そのため、第2外輪と外輪間座の接触面間の摩擦力が大きく、軸受予圧の変化に応じて第2外輪が第2転動体から受ける径方向分力が変化したときに、第2外輪と外輪間座の接触面間の径方向のすべりを抑制することが可能である。その結果、外輪間座のひずみセンサの出力のヒステリシスが低減され、高い精度で軸受予圧を検出することが可能である。
この発明の実施形態にかかるひずみセンサ付き軸受装置を使用した工作機械用スピンドル装置を示す断面図 図1のひずみセンサ付き軸受装置の近傍の拡大図 図2のIII-III線に沿った断面図 図2に示す第1内輪と第2内輪の間に付与される軸方向の予圧の伝達経路と、第1外輪と第2外輪の間に付与される軸方向の押圧力の伝達経路とを示す図
図1に、この発明の実施形態にかかるひずみセンサ付き軸受装置1(以下、単に「軸受装置1」という)を使用した工作機械用スピンドル装置を示す。このスピンドル装置は、工作機械の主軸2と、主軸2を収容する主軸ハウジング3と、主軸2を回転駆動するモータ4と、モータ4よりも軸方向前側で主軸2を回転可能に支持する実施形態の軸受装置1と、モータ4よりも軸方向後側で主軸2を回転可能に支持する後側軸受装置5とを有する。
主軸ハウジング3は、両端が開放した中空筒状に形成されている。主軸ハウジング3は、軸方向の前側から後側に向かって順に軸受装置1とモータ4とを収容している。図では、主軸ハウジング3の軸受装置1を収容する部分と、主軸ハウジング3のモータ4を収容する部分とを継ぎ目の無い一体に形成しているが、主軸ハウジング3の軸受装置1を収容する部分と、主軸ハウジング3のモータ4を収容する部分とを別体に形成し、その両部分を連結して一体化してもよい。
主軸2は、主軸2の前端が主軸ハウジング3の前端開口から突出した状態で主軸ハウジング3に挿入されている。主軸2の前端には、工具または加工物を把持するチャック(図示せず)が着脱可能に取り付けられるようになっている。主軸2には、工作機械のドローバー(図示せず)を軸方向に摺動可能に収容する貫通孔6が軸方向に貫通して形成されている。
モータ4は、主軸2の外周に取り付けられたロータ7と、ロータ7に回転力を付与する環状のステータ8とを有する。ロータ7は、主軸2の外周に嵌合するロータスリーブ9と、ロータスリーブ9の外周に固定されたロータコア10とを有する。ロータコア10は、例えば、電磁鋼板の積層体である。ロータスリーブ9は、主軸2と一体回転するように主軸2に回り止めされている。ロータスリーブ9の軸方向前端は、主軸2の外周に形成された段差部11に接触し、その段差部11との接触によって軸方向に位置決めされている。
ステータ8は、主軸ハウジング3の内周に固定されたステータコア12と、ステータコア12に周方向に間隔をおいて形成された複数のティース部分にそれぞれ巻回された電磁コイル13とを有する。電磁コイル13に通電すると、ステータコア12とロータコア10の間に働く電磁力によってロータコア10に回転力が発生し、ロータ7と主軸2が一体に回転する。ここでは、モータ4として、電力で回転力を発生する電動モータを採用したが、電動モータに代えて、圧縮空気など他の動力源で回転力を発生する方式のモータを採用することも可能である。
後側軸受装置5は、主軸ハウジング3の後端に同軸に固定された環状の軸受支持部材14と、軸受支持部材14に組み込まれた転がり軸受15とを有する。転がり軸受15は、軸受支持部材14の内周に嵌合する外輪16と、主軸2の外周に嵌合する内輪17と、外輪16と内輪17の間に組み込まれた複数の円筒ころ18とを有する円筒ころ軸受である。
軸受支持部材14には、外輪押さえ部材19が取り付けられている。外輪押さえ部材19は、外輪16の軸方向後端面に接触することで外輪16の軸方向位置を固定している。主軸2の外周には、内輪17を軸方向前方に押圧するナット部材20と、内輪17とナット部材20の間に組み込まれた環状のスペーサ21とが装着されている。ナット部材20は、主軸2の後端部外周に形成された雄ねじ22にねじ係合している。スペーサ21の軸方向前端面は、内輪17の軸方向後端面に接触し、スペーサ21の軸方向後端面は、ナット部材20の軸方向前端面に接触している。内輪17の軸方向前端面は、ロータスリーブ9の軸方向後端に接触している。
軸受装置1は、主軸ハウジング3に固定された軸受支持筒23と、軸受支持筒23に軸方向に間隔をおいて組み込まれた第1軸受24および第2軸受25と、第1軸受24と第2軸受25の間に設けられた外輪間座26および内輪間座27と、外輪間座26に取り付けられたひずみセンサ28とを有する。
軸受支持筒23は、主軸ハウジング3の内周に嵌合している。軸受支持筒23の外周には、軸受装置1の冷却用の冷媒が流れる冷却溝29が形成されている。冷却溝29は、軸受支持筒23の外周に軸方向に間隔をおいて形成された複数の環状溝または軸受支持筒23の外周を螺旋状に延びる螺旋溝である。軸受支持筒23の内径は、ロータ7の外径よりも大きい。
図2に示すように、第1軸受24は、軸受支持筒23の内周に嵌合する第1外輪30と、第1外輪30の径方向内側に回転可能に設けられた第1内輪31と、第1外輪30と第1内輪31の間に組み込まれた複数の第1転動体32とを有する。第1転動体32は、ここでは玉である。第1外輪30の内周には、第1転動体32が転がり接触する断面円弧状の第1外輪軌道面33が設けられている。第1外輪30は、第1外輪軌道面33に対して軸方向前側の外輪肩部と軸方向後側の外輪肩部のうち、軸方向前側の外輪肩部を除去した形状の肩落とし外輪である。第1外輪30の外周は、軸受支持筒23の内周に隙間をもって嵌合している。第1内輪31の外周には、第1転動体32が転がり接触する断面円弧状の第1内輪軌道面34が設けられている。第1内輪31は、第1転動体32が転がり接触する第1内輪軌道面34に対して軸方向前側の内輪肩部と軸方向後側の内輪肩部のうち、軸方向後側の内輪肩部を除去した形状の肩落とし内輪である。第1内輪31は、主軸2の外周に締め代をもって嵌合している。
第2軸受25は、軸受支持筒23の内周に嵌合する第2外輪35と、第2外輪35の径方向内側に回転可能に設けられた第2内輪36と、第2外輪35と第2内輪36の間に組み込まれた複数の第2転動体37とを有する。第2転動体37は、ここでは玉である。第2外輪35の内周には、第2転動体37が転がり接触する断面円弧状の第2外輪軌道面38が設けられている。第2外輪35は、第1外輪30から軸方向後方に間隔をおいて配置され、第2内輪36も、第1内輪31から軸方向後方に間隔をおいて配置されている。第2外輪35は、第2外輪軌道面38に対して軸方向前側の外輪肩部と軸方向後側の外輪肩部のうち、軸方向後側の外輪肩部を除去した形状の肩落とし外輪である。第2外輪35の外周は、軸受支持筒23の内周に隙間をもって嵌合している。第2内輪36の外周には、第2転動体37が転がり接触する断面円弧状の第2内輪軌道面39が設けられている。第2内輪36は、第2転動体37が転がり接触する第2内輪軌道面39に対して軸方向前側の内輪肩部と軸方向後側の内輪肩部のうち、軸方向前側の内輪肩部を除去した形状の肩落とし内輪である。第2内輪36は、主軸2の外周に締め代をもって嵌合している。
ここで、第1軸受24は、軸方向の予圧で、第1転動体32が第1外輪30を押圧する径方向分力を生じるように構成され、同様に、第2軸受25も、軸方向の予圧で、第2転動体37が第2外輪35を押圧する径方向分力を生じるように構成されている。この実施形態では、第1軸受24は、第1内輪31と第1転動体32の接触点と、第1外輪30と第1転動体32の接触点とを結ぶ直線が、半径方向内側から半径方向外側に向かって軸方向後方に傾斜するアンギュラ玉軸受である。また、第2軸受25は、第2内輪36と第2転動体37の接触点と、第2外輪35と第2転動体37の接触点とを結ぶ直線が、半径方向内側から半径方向外側に向かって軸方向前方に傾斜するアンギュラ玉軸受である。つまり、第1軸受24と第2軸受25は、背面合わせの関係で軸方向に間隔をおいて配置された一対のアンギュラ玉軸受である。
外輪間座26は、両端が開放した中空の筒状部材である。外輪間座26は、軸受支持筒23の内周に隙間をもって嵌合している。外輪間座26は、第1外輪30の軸方向後端面(第1外輪30の第2外輪35の側の軸方向端面)と、第2外輪35の軸方向前端面(第2外輪35の第1外輪30の側の軸方向端面)との間で軸方向に挟み込まれている。
内輪間座27も、外輪間座26と同様、両端が開放した中空の筒状部材である。内輪間座27は、主軸2の外周に隙間をもって嵌合している。内輪間座27は、第1内輪31と第2内輪36の間で軸方向に挟み込まれている。
図4に示すように、主軸2の外周には、第1内輪31の軸方向前端面(第1内輪31の第2内輪36の側とは反対側の軸方向端面)に軸方向に対向する環状の内輪位置決め段部40が形成されている。内輪位置決め段部40は、第1内輪31の軸方向前方(第2外輪35から遠ざかる方向)への移動を規制することで、第1内輪31を軸方向に位置決めしている。また、主軸2の外周には、第2内輪36よりも軸方向後側に予圧ナット41が装着されている。予圧ナット41は、主軸2の外周に形成された雄ねじ42にねじ係合している。第2内輪36と予圧ナット41の間には、環状のスペーサ43が組み込まれている。スペーサ43の軸方向前端面は、第2内輪36の軸方向後端面に接触し、スペーサ43の軸方向後端面は、予圧ナット41の軸方向前端面に接触している。
予圧ナット41は所定の力で締め付けられ、その予圧ナット41の軸力により、第1内輪31の軸方向前端面(第1内輪31の第2内輪36の側とは反対側の軸方向端面)と、第2内輪36の軸方向後端面(第2内輪36の第1内輪31の側とは反対側の軸方向端面)とに、第1内輪31と第2内輪36とを接近させる方向の予圧が付与されている。すなわち、第1内輪31と第2内輪36の間には、図の太い実線に示すように、予圧ナット41の軸力により、第1内輪31、第1転動体32、第1外輪30、外輪間座26、第2外輪35、第2転動体37、第2内輪36を順に通って予圧が伝達するように軸方向の予圧が付与された状態となっている。
ひずみセンサ28は、外輪間座26の軸方向中央部に取り付けられている。具体的には、ひずみセンサ28は、外輪間座26の軸方向の中心位置から、外輪間座26の軸方向全長の1/4の軸方向距離の範囲内の領域にひずみセンサ28が収まるように外輪間座26に取り付けられている。
図3に示すように、ひずみセンサ28は、外輪間座26の内周に周方向に等間隔に複数(ここでは3つ)設けられている。外輪間座26の内周には、ひずみセンサ28の個数と同数の軸方向溝44が周方向に等間隔に形成されている。軸方向溝44は、それぞれ軸線に平行な平面状の溝底面を有し、その各溝底面にひずみセンサ28が取り付けられている。
図4に示すように、各ひずみセンサ28は、ひずみ検出部45と、ひずみ検出部45に接続された処理部46とを有する。ひずみ検出部45は、ひずみに応じて電気抵抗が変化するひずみゲージである。処理部46は、ひずみゲージの電気抵抗の変化に基づいてひずみを検出するひずみ検出回路と、その検出回路で検出されたひずみをアナログ信号からデジタル信号に変換して出力するAD変換回路とを有する。
ここで、ひずみ検出部45は、ひずみセンサ28の取り付け位置における外輪間座26の軸方向ひずみを検出する軸方向ひずみ検出部(軸方向をひずみ検出方向として配置したひずみゲージ)と、ひずみセンサ28の取り付け位置における外輪間座26の周方向ひずみを検出する周方向ひずみ検出部(周方向をひずみ検出方向として配置したひずみゲージ)とを有するものを採用している。そして、処理部46は、軸方向ひずみ検出部で検出される軸方向ひずみと、周方向ひずみ検出部で検出される周方向ひずみとの差分(つまり、軸方向ひずみの絶対値と周方向ひずみの絶対値の和)をとり、その差分をひずみセンサ28の出力とするように構成されている。
軸受支持筒23の内周には、第2外輪35の軸方向後端面(第2外輪35の第1外輪30の側とは反対側の軸方向端面)に軸方向に対向する環状の外輪位置決め段部50が形成されている。外輪位置決め段部50は、第2外輪35の軸方向後方(第1外輪30から遠ざかる方向)への移動を規制することで、第2外輪35を軸方向に位置決めしている。
軸受支持筒23の軸方向前端面には、環状の蓋部材51が固定されている。蓋部材51は、軸受支持筒23の内周に嵌合する筒部52と、筒部52の軸方向前端から径方向外方に延びる円環板状のフランジ部53とを有する。
図2、図3に示すように、フランジ部53は、周方向に等間隔に配置された複数のねじ部材54で、軸受支持筒23の軸方向前端面に固定されている。ここでは、ねじ部材54はボルトである。ねじ部材54は、ひずみセンサ28と同じ周方向位置に配置されている。すなわち、図3において、ひずみセンサ28は、外輪間座26の上側から時計回りに0°、120°、240°の各周方向位置に配置され、ねじ部材54は、ひずみセンサ28の周方向位置をすべて含む周方向位置(図では、0°、60°、120°、180°、240°、300°の各周方向位置)に配置されている。
フランジ部53には、ねじ部材54が挿通される複数の貫通穴55が周方向に等間隔に形成されている。また、軸受支持筒23の軸方向前端面には、ねじ部材54がねじ込まれる複数のねじ穴56が周方向に等間隔に形成されている。ねじ部材54の締め込みによって、フランジ部53は軸受支持筒23の軸方向前端面に押し付けられている。また、筒部52の軸方向後端は、第1外輪30の軸方向前端面(第1外輪30の第2外輪35の側とは反対側の軸方向端面)に接触している。
図4に示すように、第1外輪30および第2外輪35は、蓋部材51と外輪位置決め段部50との間に軸方向の締め代をもって組み込まれ、その軸方向の締め代によって、第1外輪30の軸方向前端面(第1外輪30の第2外輪35の側とは反対側の軸方向端面)と、第2外輪35の軸方向後端面(第2外輪35の第1外輪30の側とは反対側の軸方向端面)とに、第1外輪30と第2外輪35とを接近させる方向の押圧力が付与されている。
すなわち、図4に示す軸受支持筒23から、第1外輪30と外輪間座26と第2外輪35とを取り外した状態で、蓋部材51を軸受支持筒23に固定したときの蓋部材51と外輪位置決め段部50の軸方向の対向面間の距離は、軸受支持筒23から第1外輪30と外輪間座26と第2外輪35とを取り外した状態で、その第1外輪30と外輪間座26と第2外輪35とを隙間なく軸方向に並べたときの第1外輪30の軸方向前端面から第2外輪35の軸方向後端面までの距離よりも、軸方向の締め代に相当する分、短く設定されている。そして、軸受支持筒23に第1外輪30と外輪間座26と第2外輪35とを組み込み、その後、蓋部材51を複数のねじ部材54で軸方向に締め込むことで、軸方向の締め代の分、第1外輪30と外輪間座26と第2外輪35とが、蓋部材51と外輪位置決め段部50との間で軸方向に圧縮され、その結果、図の太い破線に示すように、第1外輪30と第2外輪35の間に、軸方向の押圧力が付与された状態となっている。軸方向の締め代は、10μm以上50μm以下(好ましくは20μm以下)の範囲で設定されている。
ここで、軸方向の締め代により第1外輪30および第2外輪35の軸方向端面に付与される軸方向の押圧力の大きさは、予圧ナット41の締め付けにより第1内輪31および第2内輪36の軸方向端面に付与される軸方向の予圧の大きさに比べて、著しく大きいものとなっている。
すなわち、予圧ナット41の締め付けにより、第1内輪31および第2内輪36の軸方向端面に付与される軸方向の予圧の大きさは、1kN未満(数十~数百N程度)である。一方、軸方向の締め代により第1外輪30および第2外輪35の軸方向端面には、10kN以上の大きさの軸方向の押圧力が付与されている。軸方向の締め代により第1外輪30および第2外輪35の軸方向端面に付与される軸方向の押圧力の大きさは、予圧ナット41の締め付けにより第1内輪31および第2内輪36の軸方向端面に付与される軸方向の予圧の大きさの10倍以上(好ましくは50倍以上)の大きさに設定されている。
図2に示す軸受装置1において、第1軸受24および第2軸受25の予圧荷重(以下「軸受予圧」という)は、スピンドル装置の運転時における主軸2の回転速度によって変化する。そして、ひずみセンサ28で検出される外輪間座26のひずみに基づいて、その軸受予圧を検出することが可能となっている。
すなわち、スピンドル装置の運転時において、主軸2の回転速度が変化すると、第1転動体32および第2転動体37の遠心力が変化し、その遠心力の変化に応じて、第1転動体32が第1外輪軌道面33を押圧する荷重(第1軸受24の予圧荷重)および第2転動体37が第1外輪軌道面33を押圧する荷重(第2軸受25の予圧荷重)も変化する。ここで、第1外輪軌道面33および第2外輪軌道面38は、軸方向に対して傾斜した角度をもって第1転動体32および第2転動体37と接触しているので、第1転動体32が第1外輪軌道面33を押圧する荷重および第2転動体37が第1外輪軌道面33を押圧する荷重が変化すると、第1外輪30および第2外輪35から外輪間座26に負荷される軸方向の予圧荷重が変化し、外輪間座26のひずみが変化する。そのため、ひずみセンサ28で検知される外輪間座26のひずみに基づいて、第1軸受24および第2軸受25の予圧荷重(軸受予圧)を検出することが可能となっている。
また、主軸2にモーメント荷重が作用すると、周方向に等間隔に配置された各ひずみセンサ28の位置には異なる大きさの荷重が加わる。そのため、複数のひずみセンサ28のそれぞれの出力に基づいて、切削加工中の工作機械の主軸2に作用するモーメント荷重を検知することも可能である。
ところで、軸受予圧が増大するとき、第1外輪30は、第1転動体32から受ける径方向分力が増大することで拡径方向に弾性変形し、このとき第1外輪30に作用する拡径方向の力が、第1外輪30と外輪間座26の接触面間の最大静止摩擦力よりも大きくなることによって、第1外輪30と外輪間座26の接触面間には、第1外輪30が外輪間座26に対して径方向外方に相対的に移動する微小なすべりが生じる可能性がある。一方、軸受予圧が減少するときは、第1外輪30は、第1転動体32から受ける径方向分力が減少することで縮径方向に弾性復元し、このとき第1外輪30に作用する縮径方向の力が、第1外輪30と外輪間座26の接触面間の最大静止摩擦力よりも大きくなることによって、第1外輪30と外輪間座26の接触面間には、第1外輪30が外輪間座26に対して径方向内方に相対的に移動する微小なすべりが生じる可能性がある。
同様に、軸受予圧が増大するとき、第2外輪35は、第2転動体37から受ける径方向分力が増大することで拡径方向に弾性変形し、この弾性変形により、第2外輪35と外輪間座26の接触面間には、第2外輪35が外輪間座26に対して径方向外方に相対的に移動する微小なすべりが生じる可能性がある。一方、軸受予圧が減少するときは、第2外輪35は、第2転動体37から受ける径方向分力が減少することで縮径方向に弾性復元し、この弾性復元により、第2外輪35と外輪間座26の接触面間には、第2外輪35が外輪間座26に対して径方向内方に相対的に移動する微小なすべりが生じる可能性がある。
そして、第1外輪30と外輪間座26の接触面間や、第2外輪35と外輪間座26の接触面間に、上記の径方向のすべりが生じると、軸受予圧が増加する過程と、軸受予圧が減少する過程とで、外輪間座26の変形が同じにならない。そのため、軸受予圧が増加する過程と、軸受予圧が減少する過程とで、軸受予圧の大きさが同じでもひずみセンサ28の出力が同じにならず、前者と後者の間に一定の差が生じるというヒステリシスが生じ、そのヒステリシスによって、ひずみセンサ28の出力に基づいて検出される軸受予圧に誤差が生じるという問題がある。
この問題に対し、図4に示すように、この実施形態の軸受装置1では、蓋部材51と外輪位置決め段部50の間に軸方向の締め代を設定することで、第1外輪30および第2外輪35の軸方向端面に、第1外輪30と第2外輪35とを接近させる方向の押圧力を付与しているので、第1外輪30と外輪間座26の接触面間には、第1内輪31と第2内輪36の軸方向端面に付与される予圧(図の太い実線)と、第1外輪30と第2外輪35の軸方向端面に付与される押圧力(図の太い破線)とを合計した大きさの面圧が作用し、第1外輪30と外輪間座26の接触面間の面圧が大きいものとなる。そのため、第1外輪30と外輪間座26の接触面間の摩擦力が大きく、軸受予圧の変化に応じて第1外輪30が第1転動体32から受ける径方向分力が変化したときに、第1外輪30と外輪間座26の接触面間の径方向のすべりを抑制することが可能である。同様に、第2外輪35と外輪間座26の接触面間にも、第1内輪31と第2内輪36の軸方向端面に付与される予圧(図の太い実線)と、第1外輪30と第2外輪35の軸方向端面に付与される押圧力(図の太い破線)とを合計した大きさの面圧が作用するので、第2外輪35と外輪間座26の接触面間の面圧が大きい。そのため、第2外輪35と外輪間座26の接触面間の摩擦力が大きく、軸受予圧の変化に応じて第2外輪35が第2転動体37から受ける径方向分力が変化したときに、第2外輪35と外輪間座26の接触面間の径方向のすべりを抑制することが可能である。その結果、外輪間座26のひずみセンサ28の出力のヒステリシスが低減され、高い精度で軸受予圧を検出することが可能となっている。
特に、この軸受装置1では、第1外輪30および第2外輪35の軸方向端面に付与する軸方向の押圧力(図の太い破線)を、予圧ナット41の締め付けにより第1内輪31および第2内輪36の軸方向端面に付与される軸方向の予圧(図の太い実線)の大きさの10倍以上(好ましくは50倍以上)と著しく大きく設定しているので、第1外輪30と外輪間座26の接触面間の面圧と、第2外輪35と外輪間座26の接触面間の面圧とが、特に大きいものとなる。そのため、第1外輪30と外輪間座26の接触面間の摩擦力が特に効果的に大きいものとなり、軸受予圧の変化に応じて第1外輪30が第1転動体32から受ける径方向分力が変化したときに、第1外輪30と外輪間座26の接触面間の径方向のすべりを特に効果的に抑制することが可能である。同様に、第2外輪35と外輪間座26の接触面間の摩擦力が特に効果的に大きいものとなり、軸受予圧の変化に応じて第2外輪35が第2転動体37から受ける径方向分力が変化したときに、第2外輪35と外輪間座26の接触面間の径方向のすべりを特に効果的に抑制することが可能である。
また、この軸受装置1は、第1外輪30および第2外輪35の軸方向端面に押圧力を付与する方法として、軸方向の締め代を利用しているので、ねじ部材54を締め付ける簡単な方法で、第1外輪30および第2外輪35の軸方向端面に大きい押圧力を付与することが可能である。
また、この軸受装置1は、図3に示すように、ひずみセンサ28と同じ周方向位置にねじ部材54が配置されているので、図4に示す第1外輪30と外輪間座26の接触面間の面圧と、第2外輪35と外輪間座26の接触面間の面圧とを、ひずみセンサ28と同じ周方向位置で効果的に大きくすることができる。そのため、ひずみセンサ28の出力のヒステリシスを効果的に低減することが可能である。
軸方向の締め代は、第1外輪30の軸方向端面または第2外輪35の軸方向端面の少なくともいずれか一方に、定められた押込量(μm)と押圧力(N)を負荷および測定できる試験機等で押圧力を与え、押込量(μm)と押圧力(N)の関係を導くことで設定することができる。
上記実施形態では、ひずみセンサ28を外輪間座26の内周に配置したものを例に挙げたが、ひずみセンサ28は外輪間座26の外周に配置するようにしてもよい。
上記実施形態では、第1軸受24および第2軸受25として、アンギュラ玉軸受を例に挙げて説明したが、第1軸受24および第2軸受25として、例えば、円すいころ軸受や深溝玉軸受など、軸方向の予圧で径方向分力を生じる他の形式の転がり軸受を採用することも可能である。
また、上記実施形態では、ひずみセンサ28として、ひずみ検出部45と処理部46とを有するものを例に挙げたが、ひずみセンサ28は、ひずみ検出部45のみ(ひずみゲージのみ)で構成することも可能である。
また、上記実施形態では、工作機械(マシニングセンタや旋盤など)の主軸2を回転可能に支持する軸受装置1を例に挙げて説明したが、この発明は、例えば、風力発電装置の主軸など、他の装置の回転軸を回転可能に支持する軸受装置に適用することも可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ひずみセンサ付き軸受装置
2 主軸
4 モータ
23 軸受支持筒
24 第1軸受
25 第2軸受
26 外輪間座
28 ひずみセンサ
30 第1外輪
31 第1内輪
32 第1転動体
35 第2外輪
36 第2内輪
37 第2転動体
50 外輪位置決め段部
51 蓋部材
54 ねじ部材

Claims (7)

  1. 軸方向に間隔をおいて配置された第1軸受(24)および第2軸受(25)と、前記第1軸受(24)と前記第2軸受(25)の間に設けられた筒状の外輪間座(26)と、前記外輪間座(26)に取り付けられたひずみセンサ(28)とを有し、
    前記第1軸受(24)は、第1外輪(30)と、第1外輪(30)の径方向内側に設けられた第1内輪(31)と、第1外輪(30)と第1内輪(31)の間に組み込まれた複数の第1転動体(32)とを有し、
    前記第2軸受(25)は、第2外輪(35)と、第2外輪(35)の径方向内側に設けられた第2内輪(36)と、第2外輪(35)と第2内輪(36)の間に組み込まれた複数の第2転動体(37)とを有し、
    前記第1内輪(31)の前記第2内輪(36)の側とは反対側の軸方向端面と、前記第2内輪(36)の前記第1内輪(31)の側とは反対側の軸方向端面とに、前記第1内輪(31)と前記第2内輪(36)とを接近させる方向の予圧が付与され、
    前記予圧が、前記第1内輪(31)、前記第1転動体(32)、前記第1外輪(30)、前記外輪間座(26)、前記第2外輪(35)、前記第2転動体(37)、前記第2内輪(36)を伝達するように構成されているひずみセンサ付き軸受装置において、
    前記第1外輪(30)の前記第2外輪(35)の側とは反対側の軸方向端面と、前記第2外輪(35)の前記第1外輪(30)の側とは反対側の軸方向端面とに、前記第1外輪(30)と前記第2外輪(35)とを接近させる方向の押圧力が付与され、
    前記押圧力の大きさが、前記予圧よりも大きく設定されていることを特徴とするひずみセンサ付き軸受装置。
  2. 前記押圧力の大きさが、前記予圧の10倍以上の大きさに設定されている請求項1に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  3. 前記押圧力は、前記第1外輪(30)および前記第2外輪(35)を、前記第1外輪(30)の外周と前記第2外輪(35)の外周とに嵌合する軸受支持筒(23)の内周に設けた環状の外輪位置決め段部(50)と、前記軸受支持筒(23)の軸方向端面にねじ部材(54)で固定される蓋部材(51)との間に、軸方向の締め代をもって組み込むことで付与されている請求項1または2に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  4. 前記ねじ部材(54)は、前記ひずみセンサ(28)と同じ周方向位置に配置されている請求項3に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  5. 前記軸方向の締め代が10μm以上に設定されている請求項3に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  6. 前記第1軸受(24)および前記第2軸受(25)がアンギュラ玉軸受である請求項1または2に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  7. 請求項1または2に記載のひずみセンサ付き軸受装置(1)と、
    前記ひずみセンサ付き軸受装置(1)で回転可能に支持される工作機械の主軸(2)と、
    前記主軸(2)を回転駆動するモータ(4)と、を有する工作機械用スピンドル装置。
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