JP2024068106A - ひずみセンサ付き軸受装置および工作機械用スピンドル装置 - Google Patents

ひずみセンサ付き軸受装置および工作機械用スピンドル装置 Download PDF

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耀示 大口
Yoji Oguchi
大地 近藤
Daichi Kondo
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Abstract

【課題】高い精度で軸受予圧を検出することが可能なひずみセンサ付き軸受装置を提供する。【解決手段】第1軸受24と第2軸受25の間には、第1内輪31、第1転動体32、第1外輪30、外輪間座26、第2外輪35、第2転動体37、第2内輪36を通って予圧が伝達するように軸方向の予圧が付与されているセンサ付き軸受装置において、外輪間座26に、第1外輪接触面40とひずみセンサ28の間を周方向に横切る第1周方向溝54と、第2外輪接触面41とひずみセンサ28の間を周方向に横切る第2周方向溝55とが設けられている。【選択図】図2

Description

この発明は、ひずみセンサ付き軸受装置、およびそのひずみセンサ付き軸受装置を使用した工作機械用スピンドル装置に関する。
マシニングセンタや旋盤等の工作機械や、その他の産業機械では、工具や加工物等の対象物が取り付けられる回転軸を回転可能に支持するスピンドル装置が用いられる。このようなスピンドル装置の使用分野において、近年、省人化や無人化のための状態監視機能の高機能化および高性能化が求められるようになっている。
そこで、本願の出願人は、上記のニーズに応えるため、ひずみセンサ付き軸受装置を既に提案している(特許文献1)。
特許文献1のひずみセンサ付き軸受装置は、軸方向に間隔をおいて配置された第1軸受および第2軸受と、第1軸受と第2軸受の間に設けられた筒状の外輪間座と、外輪間座に取り付けられたひずみセンサとを有する。
第1軸受は、第1外輪と、第1外輪の径方向内側に設けられた第1内輪と、第1外輪と第1内輪の間に組み込まれた複数の第1転動体とを有する。同様に、第2軸受は、第2外輪と、第2外輪の径方向内側に設けられた第2内輪と、第2外輪と第2内輪の間に組み込まれた複数の第2転動体とを有する。外輪間座は、第1外輪と第2外輪の間に軸方向に挟み込まれて配置されている。
第1軸受と第2軸受の間には、第1内輪、第1転動体、第1外輪、外輪間座、第2外輪、第2転動体、第2内輪を通って予圧が伝達するように軸方向の予圧が付与されている。第1軸受は、軸方向の予圧で、第1転動体が第1外輪を押圧する径方向分力を生じるように構成されたアンギュラ玉軸受であり、第2軸受も、軸方向の予圧で、第2転動体が第2外輪を押圧する径方向分力を生じるように構成されたアンギュラ玉軸受である。
ひずみセンサは、外輪間座の外周(または内周)に取り付けられ、このひずみセンサの出力に基づいて、第1軸受および第2軸受の予圧荷重(以下「軸受予圧」という)を検出することが可能となっている。
特開2021-014886号公報
ところで、特許文献1のひずみセンサ付き軸受装置において、外輪間座のひずみセンサの出力に基づいて検出される軸受予圧の大きさに誤差が生じることがあった。この誤差を無くし、高い精度で軸受予圧を検出することができれば、省人化や無人化のための状態監視の信頼性を高めることが可能となる。
この発明が解決しようとする課題は、高い精度で軸受予圧を検出することが可能なひずみセンサ付き軸受装置を提供することである。
本願の発明者らは、上記の特許文献1のひずみセンサ付き軸受装置において、軸受予圧を変化させ、外輪間座のひずみセンサの出力に基づいてその軸受予圧を検出する評価試験を行なったところ、軸受予圧が増加する過程と、軸受予圧が減少する過程とで、軸受予圧の大きさが同じでもひずみセンサの出力が同じにならず、前者と後者の間に一定の差が生じるというヒステリシスが生じ、そのヒステリシスが、ひずみセンサの出力に基づいて検出される軸受予圧の誤差の原因となっていることを見出した。
上記のヒステリシスが生じる理由は、次のように考えられる。
軸受予圧が増大するとき、第1外輪は、第1転動体から受ける径方向分力が増大することで拡径方向に弾性変形し、この弾性変形により、第1外輪と外輪間座の接触面間には、第1外輪が外輪間座に対して径方向外方に相対的に移動する微小なすべりが生じる。一方、軸受予圧が減少するときは、第1外輪は、第1転動体から受ける径方向分力が減少することで縮径方向に弾性復元し、この弾性復元により、第1外輪と外輪間座の接触面間には、第1外輪が外輪間座に対して径方向内方に相対的に移動する微小なすべりが生じる。
同様に、軸受予圧が増大するとき、第2外輪は、第2転動体から受ける径方向分力が増大することで拡径方向に弾性変形し、この弾性変形により、第2外輪と外輪間座の接触面間には、第2外輪が外輪間座に対して径方向外方に相対的に移動する微小なすべりが生じる。一方、軸受予圧が減少するときは、第2外輪は、第2転動体から受ける径方向分力が減少することで縮径方向に弾性復元し、この弾性復元により、第2外輪と外輪間座の接触面間には、第2外輪が外輪間座に対して径方向内方に相対的に移動する微小なすべりが生じる。
そして、第1外輪と外輪間座の接触面間や、第2外輪と外輪間座の接触面間に、上記の径方向のすべりが生じると、軸受予圧が増加する過程と、軸受予圧が減少する過程とで、外輪間座の変形が同じにならない。そのため、軸受予圧が増加する過程と、軸受予圧が減少する過程とで、軸受予圧の大きさが同じでもひずみセンサの出力が同じにならず、前者と後者の間に一定の差が生じるというヒステリシスが生じるものと考えられる。このひずみセンサの出力のヒステリシスは、ひずみセンサの出力に基づいて検出される軸受予圧の誤差の原因となる。
さらに、本願の発明者らは、外輪間座を径方向に変形しやすくすれば(すなわち径方向の剛性を低くすれば)、第1外輪および第2外輪が径方向に変形したときに、外輪間座が、第1外輪および第2外輪の変形に追従して径方向に変形するので、第1外輪と外輪間座の接触面間、および、第2外輪と外輪間座の接触面間の径方向のすべりが抑制され、その結果、外輪間座のひずみセンサの出力のヒステリシスも低減され、ヒステリシスによる誤差を小さく抑えることができるという着想を得た。
この着想に基づいて、この発明では、上記の課題を解決するため、以下の構成のひずみセンサ付き軸受装置を提供する。
[構成1]
軸方向に間隔をおいて配置された第1軸受および第2軸受と、前記第1軸受と前記第2軸受の間に設けられた筒状の外輪間座と、前記外輪間座に取り付けられたひずみセンサとを有し、
前記第1軸受は、第1外輪と、第1外輪の径方向内側に設けられた第1内輪と、第1外輪と第1内輪の間に組み込まれた複数の第1転動体とを有し、
前記第2軸受は、第2外輪と、第2外輪の径方向内側に設けられた第2内輪と、第2外輪と第2内輪の間に組み込まれた複数の第2転動体とを有し、
前記外輪間座は、前記第1外輪に接触する第1外輪接触面と、前記第2外輪に接触する第2外輪接触面とを有し、
前記第1軸受と前記第2軸受の間には、前記第1内輪、前記第1転動体、前記第1外輪、前記外輪間座、前記第2外輪、前記第2転動体、前記第2内輪を通って予圧が伝達するように軸方向の予圧が付与され、
前記第1軸受は、前記軸方向の予圧で、前記第1転動体が前記第1外輪を押圧する径方向分力を生じるように構成され、前記第2軸受も、前記軸方向の予圧で、前記第2転動体が前記第2外輪を押圧する径方向分力を生じるように構成されている、センサ付き軸受装置において、
前記外輪間座に、前記第1外輪接触面と前記ひずみセンサの間を周方向に横切る第1周方向溝と、前記第2外輪接触面と前記ひずみセンサの間を周方向に横切る第2周方向溝とが設けられていることを特徴とするひずみセンサ付き軸受装置。
この構成を採用すると、外輪間座に、第1外輪接触面とひずみセンサの間を周方向に横切る第1周方向溝と、第2外輪接触面とひずみセンサの間を周方向に横切る第2周方向溝とが設けられているので、外輪間座が、第1外輪接触面とひずみセンサの間、および、第2外輪接触面とひずみセンサの間でそれぞれ径方向に変形しやすくなる。そのため、第1外輪および第2外輪が、第1転動体および第2転動体から受ける径方向分力によって径方向に変形したときに、外輪間座が、その第1外輪および第2外輪の径方向の変形に追従して径方向に変形し、第1外輪と外輪間座の接触面間の径方向のすべりや、第2外輪と外輪間座の接触面間の径方向のすべりが抑制される。その結果、外輪間座のひずみセンサの出力のヒステリシスが低減され、高い精度で軸受予圧を検出することが可能となる。
[構成2]
前記第1周方向溝は断面円弧状の溝底をもつU字溝であり、前記第2周方向溝も断面円弧状の溝底をもつU字溝である、構成1に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
この構成を採用すると、第1周方向溝および第2周方向溝が、断面円弧状の溝底をもつU字溝なので、軸方向の予圧荷重が負荷された状態で、外輪間座が第1周方向溝および第2周方向溝に沿って径方向に変形するときに、第1周方向溝および第2周方向溝の溝底に応力集中が生じにくい。そのため、外輪間座の耐久性を確保しながら、外輪間座の径方向の変形のしやすさを高めることが可能となる。
[構成3]
前記第1周方向溝として、前記外輪間座の内周に形成された内径側の第1周方向溝と、前記内径側の第1周方向溝から軸方向にずれた位置における前記外輪間座の外周に形成された外径側の第1周方向溝とを有し、
前記第2周方向溝として、前記外輪間座の内周に形成された内径側の第2周方向溝と、前記内径側の第2周方向溝から軸方向にずれた位置における前記外輪間座の外周に形成された外径側の第2周方向溝とを有する、構成1または2に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
この構成を採用すると、第1外輪接触面とひずみセンサの間に、複数の第1周方向溝が設けられているので、第1外輪接触面とひずみセンサの間での外輪間座の径方向の変形のしやすさを効果的に高めることが可能となる。同様に、第2外輪接触面とひずみセンサの間に、複数の第2周方向溝が設けられているので、第2外輪接触面とひずみセンサの間での外輪間座の径方向の変形のしやすさを効果的に高めることが可能となる。
[構成4]
前記内径側の第1周方向溝の溝深さと前記外径側の第1周方向溝の溝深さの合計深さが、前記外輪間座の径方向厚さの1/2以上となるように、前記内径側の第1周方向溝と前記外径側の第1周方向溝とが形成され、
前記内径側の第2周方向溝の溝深さと前記外径側の第2周方向溝の溝深さの合計深さが、前記外輪間座の径方向厚さの1/2以上となるように、前記内径側の第2周方向溝と前記外径側の第2周方向溝とが形成されている、構成3に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
この構成を採用すると、内径側の第1周方向溝の溝深さと外径側の第1周方向溝の溝深さの合計深さが、外輪間座の径方向厚さの1/2以上あるので、第1外輪接触面とひずみセンサの間での外輪間座の径方向の変形のしやすさを効果的に高めることが可能となる。同様に、内径側の第2周方向溝の溝深さと外径側の第2周方向溝の溝深さの合計深さが、外輪間座の径方向厚さの1/2以上あるので、第2外輪接触面とひずみセンサの間での外輪間座の径方向の変形のしやすさを効果的に高めることが可能となる。
[構成5]
前記内径側の第1周方向溝と前記外径側の第1周方向溝は、前記第1外輪接触面の側から前記ひずみセンサの側に向かって、前記内径側の第1周方向溝、前記外径側の第1周方向溝の順に配置され、
前記内径側の第2周方向溝と前記外径側の第2周方向溝は、前記第2外輪接触面の側から前記ひずみセンサの側に向かって、前記内径側の第2周方向溝、前記外径側の第2周方向溝の順に配置されている、構成3または4に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
この構成を採用すると、外輪間座を、特に拡径方向に変形しやすいものとすることが可能となる。
[構成6]
前記第1周方向溝は、前記外輪間座の外周の全周のうち、前記ひずみセンサの周方向位置に対応する周方向位置のみに設けられ、
前記第2周方向溝も、前記外輪間座の外周の全周のうち、前記ひずみセンサの周方向位置に対応する周方向位置にのみ設けられ、
前記第1周方向溝は、周方向中央から周方向両端に向かって次第に浅くなる形状を有し、
前記第2周方向溝も、周方向中央から周方向両端に向かって次第に浅くなる形状を有する、構成1に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
この構成を採用すると、第1周方向溝および第2周方向溝がひずみセンサの周方向位置に対応する周方向位置のみに設けられているので、第1周方向溝および第2周方向溝が設けられていない周方向位置において外輪間座の肉厚を確保することができる。また、第1周方向溝および第2周方向溝は、周方向中央から周方向両端に向かって次第に浅くなる形状を有するので、第1周方向溝および第2周方向溝の周方向両端に近い部分においても、外輪間座の肉厚を確保することができる。そのため、第1周方向溝および第2周方向溝を設けることで、外輪間座をひずみセンサの周方向位置で径方向に変形しやすくしながら、第1周方向溝および第2周方向溝を設けることによる外輪間座の剛性低下を小さく抑えることができる。
[構成7]
前記第1周方向溝は平面状の溝底を有し、
前記第2周方向溝も平面状の溝底を有する、構成6に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
この構成を採用すると、第1周方向溝と第2周方向溝をエンドミル等で高精度に加工することが可能であり、また第1周方向溝と第2周方向溝の寸法精度の管理も容易となる。
[構成8]
前記外輪間座の外周に、前記第1周方向溝と前記第2周方向溝との間に軸方向に挟まれる部分を除去した構成の連結凹部が形成され、
前記連結凹部は、前記第1周方向溝の溝底と前記第2周方向溝の溝底とを滑らかにつなぐ平面状の内面を有する、構成7に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
この構成を採用すると、軸方向に隣り合う第1周方向溝と第2周方向溝とが平面状の内面を有する連結凹部を介して一体化しているので、第1周方向溝と第2周方向溝の加工と寸法精度の管理とが特に容易となる。
[構成9]
前記第1周方向溝は、軸方向に直交する断面において凸円弧状に延びる溝底を有し、
前記第2周方向溝も、軸方向に直交する断面において凸円弧状に延びる溝底を有する、構成6に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
この構成を採用すると、第1周方向溝および第2周方向溝を設けることによる外輪間座の剛性低下を最小限に抑えながら、ひずみセンサの周方向位置において外輪間座を効果的に径方向変形させることが可能となる。
[構成10]
前記第1外輪接触面を周方向に分割する複数の第1スリットと、前記第2外輪接触面を周方向に分割する複数の第2スリットとが、前記外輪間座に設けられている、構成1から5に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
この構成を採用すると、外輪間座の径方向の変形のしやすさを効果的に高めることが可能となる。
[構成11]
前記複数の第1スリットは、前記第1外輪接触面から前記第1周方向溝に至る軸方向深さを有し、
前記複数の第2スリットは、前記第2外輪接触面から前記第2周方向溝に至る軸方向深さを有する、構成10に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
この構成を採用すると、外輪間座の径方向の変形のしやすさを特に効果的に高めることが可能となる。
[構成12]
前記第1外輪接触面が、前記第1外輪との摩擦係数を増大させる摩擦増大処理を施した面とされ、
前記第2外輪接触面が、前記第2外輪との摩擦係数を増大させる摩擦増大処理を施した面とされている、構成1から11のいずれかに記載のひずみセンサ付き軸受装置。
この構成を採用すると、外輪間座の第1外輪接触面に、第1外輪との摩擦係数を増大させる摩擦増大処理が施されているので、第1外輪と外輪間座の接触面間の径方向のすべりを特に効果的に抑制することが可能となる。同様に、外輪間座の第2外輪接触面に、第2外輪との摩擦係数を増大させる摩擦増大処理が施されているので、第2外輪と外輪間座の接触面間の径方向のすべりを特に効果的に抑制することが可能となる。
[構成13]
前記外輪との摩擦係数を増大させる摩擦増大処理は、ショットピーニング処理である、構成12に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
[構成14]
前記外輪との摩擦係数を増大させる摩擦増大処理は、滑り止め効果のある皮膜形成処理である、構成12に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
[構成15]
前記ひずみセンサは、前記外輪間座の内周に配置されている、構成1から14のいずれかに記載のひずみセンサ付き軸受装置。
[構成16]
前記ひずみセンサは、前記外輪間座の外周に配置されている、構成1から14のいずれかに記載のひずみセンサ付き軸受装置。
[構成17]
前記ひずみセンサは、前記外輪間座の内周と外周の両方に配置されている、構成1から14のいずれかに記載のひずみセンサ付き軸受装置。
この構成を採用すると、外輪間座の内周に配置されたひずみセンサの出力と、外輪間座の外周に配置されたひずみセンサの出力は、大小関係が逆のヒステリシス特性を示すことから、外輪間座の内周のひずみセンサの出力と、外輪間座の外周のひずみセンサの出力との和をとることでヒステリシスを相殺し、安定した精度で軸方向の予圧荷重を検出することが可能となる。
また、この発明では、上記のひずみセンサ付き軸受装置を使用した工作機械用スピンドル装置として、以下の構成のものを併せて提供する。
[構成18]
構成1から17のいずれかに記載のひずみセンサ付き軸受装置と、
前記ひずみセンサ付き軸受装置で回転可能に支持される工作機械の主軸と、
前記主軸を回転駆動するモータと、を有する工作機械用スピンドル装置。
この構成を採用すると、工作機械の省人化や無人化のための状態監視を安定して行なうことが可能となる。また、切削加工中の工作機械の主軸に作用する加工荷重を検出することも可能となる。
この発明のひずみセンサ付き軸受装置は、外輪間座に、第1外輪接触面とひずみセンサの間を周方向に横切る第1周方向溝と、第2外輪接触面とひずみセンサの間を周方向に横切る第2周方向溝とが設けられているので、外輪間座が、第1外輪接触面とひずみセンサの間、および、第2外輪接触面とひずみセンサの間でそれぞれ径方向に変形しやすい。そのため、第1外輪および第2外輪が、第1転動体および第2転動体から受ける径方向分力によって径方向に変形したときに、外輪間座が、その第1外輪および第2外輪の径方向の変形に追従して径方向に変形し、第1外輪と外輪間座の接触面間の径方向のすべりや、第2外輪と外輪間座の接触面間の径方向のすべりが抑制される。その結果、外輪間座のひずみセンサの出力のヒステリシスが低減され、高い精度で軸方向の予圧荷重を検出することが可能である。
この発明の第1実施形態にかかるひずみセンサ付き軸受装置を使用した工作機械用スピンドル装置を示す断面図 図1のひずみセンサ付き軸受装置の近傍の拡大図 図2のIII-III線に沿った断面図 図3のIV-IV線に沿った断面図 図3に示す外輪間座のひずみセンサの個数を3個に変更した変形例を示す図 図2に示す外輪間座の周方向溝のうち内径側の周方向溝のみを設けた変形例を示す図 図2に示す外輪間座の周方向溝のうち外径側の周方向溝のみを設けた変形例を示す図 図3に示すひずみセンサの配置を外輪間座の内周から外周に変更した変形例を示す図 図8のIX-IX線に沿った断面図 図3に示すひずみセンサを外輪間座の内周と外周の両方に配置した変形例を示す図 図10のXI-XI線に沿った断面図 図3に示す外輪間座に複数の第1スリットおよび複数の第2スリットを設けた変形例を示す図 図12のXIII-XIII線に沿った断面図 図3に示す外輪間座の内径側の周方向溝と外径側の周方向溝を、外輪間座の全周ではなく、ひずみセンサに対応する位相のみに形成した変形例を示す図 図14のXV-XV線に沿った断面図 図7に示す外輪間座にひずみセンサの位置を通る周溝を形成した変形例を示す図 図16のXVII-XVII線に沿った断面図 この発明の第2実施形態を図3に対応して示す断面図 図18のXIX-XIX線に沿った断面図 図18に示す外輪間座の斜視図 図20に示す第1周方向溝と第2周方向溝の間に軸方向に挟まれる部分を除去した構成の連結凹部を形成した変形例の外輪間座を示す斜視図 図20に示す第1周方向溝と第2周方向溝の間に第3周方向溝を形成した変形例の外輪間座を示す斜視図 図20に示す第1周方向溝と第2周方向溝をそれぞれ軸方向に間隔をおいて2列形成した変形例の外輪間座を示す斜視図 図20に示すひずみセンサの配置間隔を90°間隔から120°間隔に変更した変形例の外輪間座を示す斜視図 図24に示す第1周方向溝と第2周方向溝の間に軸方向に挟まれる部分を除去した構成の連結凹部を形成した変形例の外輪間座を示す斜視図 図24に示す外輪間座の断面図 図26に示す第1周方向溝を、軸直角断面において直線状に延びる溝底を有するものから軸直角断面において凸円弧状に延びる溝底を有するものに変更した変形例を示す外輪間座の断面図 図4に示す外輪間座の第1外輪接触面にショットピーニング処理を施した面とした変形例を示す第1外輪接触面の近傍の拡大断面図 図4に示す外輪間座の第1外輪接触面を滑り止め効果のある皮膜形成処理を施した面とした変形例を示す第1外輪接触面の近傍の拡大断面図
図1に、この発明の第1実施形態にかかるひずみセンサ付き軸受装置1(以下、単に「軸受装置1」という)を使用した工作機械用スピンドル装置を示す。このスピンドル装置は、工作機械の主軸2と、主軸2を収容する主軸ハウジング3と、主軸2を回転駆動するモータ4と、モータ4よりも軸方向前側で主軸2を回転可能に支持する実施形態の軸受装置1と、モータ4よりも軸方向後側で主軸2を回転可能に支持する後側軸受装置5とを有する。
主軸ハウジング3は、両端が開放した中空筒状に形成されている。主軸ハウジング3は、軸方向の前側から後側に向かって順に軸受装置1とモータ4とを収容している。図では、主軸ハウジング3の軸受装置1を収容する部分と、主軸ハウジング3のモータ4を収容する部分とを継ぎ目の無い一体に形成しているが、主軸ハウジング3の軸受装置1を収容する部分と、主軸ハウジング3のモータ4を収容する部分とを別体に形成し、その両部分を連結して一体化してもよい。
主軸2は、主軸2の前端が主軸ハウジング3の前端開口から突出した状態で主軸ハウジング3に挿入されている。主軸2の前端には、工具または加工物を把持するチャック(図示せず)が着脱可能に取り付けられるようになっている。主軸2には、工作機械のドローバー(図示せず)を軸方向に摺動可能に収容する貫通孔6が軸方向に貫通して形成されている。
モータ4は、主軸2の外周に取り付けられたロータ7と、ロータ7に回転力を付与する環状のステータ8とを有する。ロータ7は、主軸2の外周に嵌合するロータスリーブ9と、ロータスリーブ9の外周に固定されたロータコア10とを有する。ロータコア10は、例えば、電磁鋼板の積層体である。ロータスリーブ9は、主軸2と一体回転するように主軸2に回り止めされている。ロータスリーブ9の軸方向前端は、主軸2の外周に形成された段差部11に接触し、その段差部11との接触によって軸方向に位置決めされている。
ステータ8は、主軸ハウジング3の内周に固定されたステータコア12と、ステータコア12に周方向に間隔をおいて形成された複数のティース部分にそれぞれ巻回された電磁コイル13とを有する。電磁コイル13に通電すると、ステータコア12とロータコア10の間に働く電磁力によってロータコア10に回転力が発生し、ロータ7と主軸2が一体に回転する。ここでは、モータ4として、電力で回転力を発生する電動モータを採用したが、電動モータに代えて、圧縮空気など他の動力源で回転力を発生する方式のモータを採用することも可能である。
後側軸受装置5は、主軸ハウジング3の後端に同軸に固定された環状の軸受支持部材14と、軸受支持部材14に組み込まれた転がり軸受15とを有する。転がり軸受15は、軸受支持部材14の内周に嵌合する外輪16と、主軸2の外周に嵌合する内輪17と、外輪16と内輪17の間に組み込まれた複数の円筒ころ18とを有する円筒ころ軸受である。
軸受支持部材14には、外輪押さえ部材19が取り付けられている。外輪押さえ部材19は、外輪16の軸方向後端面に接触することで外輪16の軸方向位置を固定している。主軸2の外周には、内輪17を軸方向前方に押圧するナット部材20と、内輪17とナット部材20の間に組み込まれた環状のスペーサ21とが装着されている。ナット部材20は、主軸2の後端部外周に形成された雄ねじ22にねじ係合している。スペーサ21の軸方向前端面は、内輪17の軸方向後端面に接触し、スペーサ21の軸方向後端面は、ナット部材20の軸方向前端面に接触している。内輪17の軸方向前端面は、ロータスリーブ9の軸方向後端に接触している。
軸受装置1は、主軸ハウジング3に固定された軸受支持筒23と、軸受支持筒23に軸方向に間隔をおいて組み込まれた第1軸受24および第2軸受25と、第1軸受24と第2軸受25の間に設けられた外輪間座26および内輪間座27と、外輪間座26に取り付けられたひずみセンサ28とを有する。
図2に示すように、第1軸受24は、軸受支持筒23の内周に嵌合する第1外輪30と、第1外輪30の径方向内側に回転可能に設けられた第1内輪31と、第1外輪30と第1内輪31の間に組み込まれた複数の第1転動体32とを有する。第1転動体32は、ここでは玉である。第1外輪30の内周には、第1転動体32が転がり接触する断面円弧状の第1外輪軌道面33が設けられている。第1外輪30は、第1外輪軌道面33に対して軸方向前側の外輪肩部と軸方向後側の外輪肩部のうち、軸方向前側の外輪肩部を除去した形状の肩落とし外輪である。第1内輪31の外周には、第1転動体32が転がり接触する断面円弧状の第1内輪軌道面34が設けられている。第1内輪31は、第1転動体32が転がり接触する第1内輪軌道面34に対して軸方向前側の内輪肩部と軸方向後側の内輪肩部のうち、軸方向後側の内輪肩部を除去した形状の肩落とし内輪である。第1内輪31は、主軸2の外周に締め代をもって嵌合している。
第2軸受25は、軸受支持筒23の内周に嵌合する第2外輪35と、第2外輪35の径方向内側に回転可能に設けられた第2内輪36と、第2外輪35と第2内輪36の間に組み込まれた複数の第2転動体37とを有する。第2転動体37は、ここでは玉である。第2外輪35の内周には、第2転動体37が転がり接触する断面円弧状の第2外輪軌道面38が設けられている。第2外輪35は、第1外輪30から軸方向後方に間隔をおいて配置され、第2内輪36も、第1内輪31から軸方向後方に間隔をおいて配置されている。第2外輪35は、第2外輪軌道面38に対して軸方向前側の外輪肩部と軸方向後側の外輪肩部のうち、軸方向後側の外輪肩部を除去した形状の肩落とし外輪である。第2内輪36の外周には、第2転動体37が転がり接触する断面円弧状の第2内輪軌道面39が設けられている。第2内輪36は、第2転動体37が転がり接触する第2内輪軌道面39に対して軸方向前側の内輪肩部と軸方向後側の内輪肩部のうち、軸方向前側の内輪肩部を除去した形状の肩落とし内輪である。第2内輪36は、主軸2の外周に締め代をもって嵌合している。
ここで、第1軸受24は、軸方向の予圧で、第1転動体32が第1外輪30を押圧する径方向分力を生じるように構成され、同様に、第2軸受25も、軸方向の予圧で、第2転動体37が第2外輪35を押圧する径方向分力を生じるように構成されている。この実施形態では、第1軸受24は、第1内輪31と第1転動体32の接触点と、第1外輪30と第1転動体32の接触点とを結ぶ直線が、半径方向内側から半径方向外側に向かって軸方向後方に傾斜するアンギュラ玉軸受である。また、第2軸受25は、第2内輪36と第2転動体37の接触点と、第2外輪35と第2転動体37の接触点とを結ぶ直線が、半径方向内側から半径方向外側に向かって軸方向前方に傾斜するアンギュラ玉軸受である。つまり、第1軸受24と第2軸受25は、背面合わせの関係で軸方向に間隔をおいて配置された一対のアンギュラ玉軸受である。
外輪間座26は、両端が開放した中空の筒状部材である。外輪間座26は、軸受支持筒23の内周に隙間をもって嵌合している。外輪間座26は、第1外輪30の軸方向後端面と第2外輪35の軸方向前端面との間で軸方向に挟み込まれている。外輪間座26は、第1外輪30と接触する第1外輪接触面40と、第2外輪35と接触する第2外輪接触面41とを有する。第1外輪接触面40は、外輪間座26の軸方向前端に形成され、第2外輪接触面41は、外輪間座26の軸方向後端に形成されている。
内輪間座27も、外輪間座26と同様、両端が開放した中空の筒状部材である。内輪間座27は、主軸2の外周に隙間をもって嵌合している。内輪間座27は、第1内輪31と第2内輪36の間で軸方向に挟み込まれている。内輪間座27の軸方向前端面は、第1内輪31の軸方向後端面に接触し、内輪間座27の軸方向後端面は、第2内輪36の軸方向前端面に接触している。
主軸ハウジング3の軸方向前端には、外輪押さえ部材42が固定されている。外輪押さえ部材42は、第1外輪30の軸方向前端面に接触することで第1外輪30の軸方向位置を固定している。外輪押さえ部材42は、軸受支持筒23の内周に嵌合する筒部43と、筒部43の軸方向前端から径方向外方に延びるフランジ部44とを有する。フランジ部44は、軸受支持筒23の軸方向前端面に固定されている。主軸2の軸方向前端部の外周には、第1内輪31の軸方向前方への移動を規制する段差部45が設けられている。段差部45は、第1内輪31の軸方向前端面に接触し、第1内輪31を軸方向に位置決めしている。
主軸2の外周には、第2内輪36を軸方向前方に押圧する予圧ナット46と、第2内輪36と予圧ナット46の間に組み込まれた環状のスペーサ47とが装着されている。予圧ナット46は、主軸2の外周の段差部11(図1参照)から軸方向前側に延びる部分に形成された雄ねじ48にねじ係合している。スペーサ47の軸方向前端面は、第2内輪36の軸方向後端面に接触し、スペーサ47の軸方向後端面は、予圧ナット46の軸方向前端面に接触している。軸受支持筒23の内周には、第2外輪35の軸方向後方への移動を規制する段差部49が設けられている。段差部49は、第2外輪35の軸方向後端面に接触し、第2外輪35を軸方向に位置決めしている。
図1に示すように、軸受支持筒23は、主軸ハウジング3の内周に嵌合している。軸受支持筒23の外周には、軸受装置1の冷却用の冷媒が流れる冷却溝50が形成されている。冷却溝50は、軸受支持筒23の外周に軸方向に間隔をおいて形成された複数の環状溝または軸受支持筒23の外周を螺旋状に延びる螺旋溝である。
図2に示すように、予圧ナット46は所定の力で締め付けられ、その予圧ナット46の軸力が、スペーサ47、第2内輪36、第2転動体37、第2外輪35、外輪間座26、第1外輪30、第1転動体32、第1内輪31を伝達し、段差部45で受け止められた状態となっている。すなわち、予圧ナット46の軸力により、第1軸受24と第2軸受25の間には、第1内輪31、第1転動体32、第1外輪30、外輪間座26、第2外輪35、第2転動体37、第2内輪36を順に通って予圧が伝達するように軸方向の予圧が付与された状態となっている。
ひずみセンサ28は、外輪間座26の軸方向中央部に取り付けられている。具体的には、ひずみセンサ28は、外輪間座26の軸方向の中心位置から、外輪間座26の軸方向全長の1/4の軸方向距離の範囲内の領域にひずみセンサ28が収まるように外輪間座26に取り付けられている。
図3に示すように、ひずみセンサ28は、外輪間座26の内周に周方向に間隔をおいて複数(ここでは4つ)設けられている。外輪間座26の内周には、ひずみセンサ28の個数と同数の軸方向溝51が周方向に等間隔に形成されている。軸方向溝51は、それぞれ軸線に平行な平面状の溝底面を有し、その各溝底面にひずみセンサ28が取り付けられている。
図4に示すように、ひずみセンサ28は、ひずみ検出部52と、ひずみ検出部52に接続された処理部53とを有する。ひずみ検出部52は、ひずみに応じて電気抵抗が変化するひずみゲージである。処理部53は、ひずみゲージの電気抵抗の変化に基づいてひずみを検出するひずみ検出回路と、その検出回路で検出されたひずみをアナログ信号からデジタル信号に変換して出力するAD変換回路とを有する。
ここで、ひずみ検出部52は、ひずみセンサ28の取り付け位置における外輪間座26の軸方向ひずみを検出する軸方向ひずみ検出部(軸方向をひずみ検出方向として配置したひずみゲージ)と、ひずみセンサ28の取り付け位置における外輪間座26の周方向ひずみを検出する周方向ひずみ検出部(周方向をひずみ検出方向として配置したひずみゲージ)とを有するものを採用している。そして、処理部53は、軸方向ひずみ検出部で検出される軸方向ひずみと、周方向ひずみ検出部で検出される周方向ひずみとの差分(つまり、軸方向ひずみの絶対値と周方向ひずみの絶対値の和)をとり、その差分をひずみセンサ28の出力とするように構成されている。
外輪間座26の内周には、第1外輪接触面40とひずみセンサ28の間を周方向に横切る内径側の第1周方向溝54が形成され、外輪間座26の外周にも、第1外輪接触面40とひずみセンサ28の間を周方向に横切る外径側の第1周方向溝54が形成されている。内径側の第1周方向溝54と外径側の第1周方向溝54は、いずれも断面円弧状の溝底をもつU字溝である。内径側の第1周方向溝54と外径側の第1周方向溝54は、溝中心の位置が軸方向にずれており、第1外輪接触面40の側からひずみセンサ28の側に向かって、内径側の第1周方向溝54、外径側の第1周方向溝54の順となるように配置されている。内径側の第1周方向溝54の溝深さと外径側の第1周方向溝54の溝深さの合計深さは、外輪間座26の径方向厚さの1/2以上(好ましくは3/4以上)とされている。また、内径側の第1周方向溝54の溝中心と外径側の第1周方向溝54の溝中心の間の軸方向距離は、内径側の第1周方向溝54の溝幅と外径側の第1周方向溝54の溝幅の和の2倍以下とされている。
同様に、外輪間座26の内周には、第2外輪接触面41とひずみセンサ28の間を周方向に横切る内径側の第2周方向溝55が形成され、外輪間座26の外周にも、第2外輪接触面41とひずみセンサ28の間を周方向に横切る外径側の第2周方向溝55が形成されている。内径側の第2周方向溝55と外径側の第2周方向溝55は、いずれも断面円弧状の溝底をもつU字溝である。内径側の第2周方向溝55と外径側の第2周方向溝55は、溝中心の位置が軸方向にずれており、第2外輪接触面41の側からひずみセンサ28の側に向かって、内径側の第2周方向溝55、外径側の第2周方向溝55の順となるように配置されている。内径側の第2周方向溝55の溝深さと外径側の第2周方向溝55の溝深さの合計深さは、外輪間座26の径方向厚さの1/2以上(好ましくは3/4以上)とされている。また、内径側の第2周方向溝55の溝中心と外径側の第2周方向溝55の溝中心の間の軸方向距離は、内径側の第2周方向溝55の溝幅と外径側の第2周方向溝55の溝幅の和の2倍以下とされている。
図2に示す軸受装置1において、第1軸受24および第2軸受25の予圧荷重(以下「軸受予圧」という)は、スピンドル装置の運転時における主軸2の回転速度によって変化する。そして、ひずみセンサ28で検出される外輪間座26のひずみに基づいて、その軸受予圧を検出することが可能となっている。
すなわち、スピンドル装置の運転時において、主軸2の回転速度が変化すると、第1転動体32および第2転動体37の遠心力が変化し、その遠心力の変化に応じて、第1転動体32が第1外輪軌道面33を押圧する荷重(第1軸受24の予圧荷重)および第2転動体37が第2外輪軌道面38を押圧する荷重(第2軸受25の予圧荷重)も変化する。ここで、第1外輪軌道面33および第2外輪軌道面38は、軸方向に対して傾斜した角度をもって第1転動体32および第2転動体37と接触しているので、第1転動体32が第1外輪軌道面33を押圧する荷重および第2転動体37が第2外輪軌道面38を押圧する荷重が変化すると、第1外輪30および第2外輪35から外輪間座26に負荷される軸方向の予圧荷重が変化し、外輪間座26のひずみが変化する。そのため、ひずみセンサ28で検知される外輪間座26のひずみに基づいて、第1軸受24および第2軸受25の予圧荷重(軸受予圧)を検出することが可能となっている。
ところで、軸受予圧が増大するとき、第1外輪30は、第1転動体32から受ける径方向分力が増大することで拡径方向に弾性変形し、このとき第1外輪30に作用する拡径方向の力が、第1外輪30と外輪間座26の接触面間の最大静止摩擦力よりも大きくなることによって、第1外輪30と外輪間座26の接触面間には、第1外輪30が外輪間座26に対して径方向外方に相対的に移動する微小なすべりが生じる可能性がある。一方、軸受予圧が減少するときは、第1外輪30は、第1転動体32から受ける径方向分力が減少することで縮径方向に弾性復元し、このとき第1外輪30に作用する縮径方向の力が、第1外輪30と外輪間座26の接触面間の最大静止摩擦力よりも大きくなることによって、第1外輪30と外輪間座26の接触面間には、第1外輪30が外輪間座26に対して径方向内方に相対的に移動する微小なすべりが生じる可能性がある。
同様に、軸受予圧が増大するとき、第2外輪35は、第2転動体37から受ける径方向分力が増大することで拡径方向に弾性変形し、この弾性変形により、第2外輪35と外輪間座26の接触面間には、第2外輪35が外輪間座26に対して径方向外方に相対的に移動する微小なすべりが生じる可能性がある。一方、軸受予圧が減少するときは、第2外輪35は、第2転動体37から受ける径方向分力が減少することで縮径方向に弾性復元し、この弾性復元により、第2外輪35と外輪間座26の接触面間には、第2外輪35が外輪間座26に対して径方向内方に相対的に移動する微小なすべりが生じる可能性がある。
そして、第1外輪30と外輪間座26の接触面間や、第2外輪35と外輪間座26の接触面間に、上記の径方向のすべりが生じると、軸受予圧が増加する過程と、軸受予圧が減少する過程とで、外輪間座26の変形が同じにならない。そのため、軸受予圧が増加する過程と、軸受予圧が減少する過程とで、軸受予圧の大きさが同じでもひずみセンサ28の出力が同じにならず、前者と後者の間に一定の差が生じるというヒステリシスが生じ、そのヒステリシスによって、ひずみセンサ28の出力に基づいて検出される軸受予圧に誤差が生じるという問題がある。
この問題に対し、この実施形態の軸受装置1では、外輪間座26に、第1外輪接触面40とひずみセンサ28の間を周方向に横切る内径側の第1周方向溝54および外径側の第1周方向溝54と、第2外輪接触面41とひずみセンサ28の間を周方向に横切る内径側の第2周方向溝55および外径側の第2周方向溝55とが設けられているので、外輪間座26が、第1外輪接触面40とひずみセンサ28の間、および、第2外輪接触面41とひずみセンサ28の間でそれぞれ径方向に変形しやすい(すなわち径方向の剛性が低い)。そのため、第1外輪30および第2外輪35が、第1転動体32および第2転動体37から受ける径方向分力によって径方向に変形したときに、外輪間座26が、その第1外輪30および第2外輪35の径方向の変形に追従して径方向に変形し、第1外輪30と外輪間座26の接触面間の径方向のすべりや、第2外輪35と外輪間座26の接触面間の径方向のすべりが抑制される。その結果、外輪間座26のひずみセンサ28の出力のヒステリシスが低減され、高い精度で軸方向の予圧荷重を検出することが可能となっている。
また、この軸受装置1は、図4に示すように、内径側の第1周方向溝54、外径側の第1周方向溝54、内径側の第2周方向溝55、外径側の第2周方向溝55が、それぞれ断面円弧状の溝底をもつU字溝なので、軸方向の予圧荷重が負荷された状態で、それぞれの周方向溝54,55に沿って外輪間座26が径方向に変形するときに、それぞれの周方向溝54,55の溝底に応力集中が生じにくい。そのため、外輪間座26の耐久性を確保しながら、外輪間座26の径方向の変形のしやすさを高めることが可能となっている。
また、この軸受装置1は、図4に示すように、第1外輪接触面40とひずみセンサ28の間に、複数の第1周方向溝54が設けられているので、第1外輪接触面40とひずみセンサ28の間での外輪間座26の径方向の変形のしやすさを効果的に高めることが可能となっている。同様に、第2外輪接触面41とひずみセンサ28の間にも、複数の第2周方向溝55が設けられているので、第2外輪接触面41とひずみセンサ28の間での外輪間座26の径方向の変形のしやすさを効果的に高めることが可能となっている。
また、この軸受装置1は、図4に示す内径側の第1周方向溝54の溝深さと外径側の第1周方向溝54の溝深さの合計深さが、外輪間座26の径方向厚さの1/2以上あるので、第1外輪接触面40とひずみセンサ28の間での外輪間座26の径方向の変形のしやすさを効果的に高めることが可能となっている。同様に、内径側の第2周方向溝55の溝深さと外径側の第2周方向溝55の溝深さの合計深さも、外輪間座26の径方向厚さの1/2以上あるので、第2外輪接触面41とひずみセンサ28の間での外輪間座26の径方向の変形のしやすさを効果的に高めることが可能となっている。
また、この軸受装置1は、図4に示すように、内径側の第1周方向溝54と外径側の第1周方向溝54とが、第1外輪接触面40の側からひずみセンサ28の側に向かって、内径側の第1周方向溝54、外径側の第1周方向溝54の順に配置され、同様に、内径側の第2周方向溝55と外径側の第2周方向溝55とが、第2外輪接触面41の側からひずみセンサ28の側に向かって、内径側の第2周方向溝55、外径側の第2周方向溝55の順に配置されているので、外輪間座26を、特に拡径方向に変形しやすいものとすることが可能となっている。
上記実施形態では、図3に示すように、ひずみセンサ28を周方向に等間隔に4つ設けたものを例に挙げたが、図5に示すように、ひずみセンサ28を周方向に等間隔に3つ設けるようにしてもよい。ひずみセンサ28は、周方向に等間隔に3つ以上(好ましくは4つ以上)設けると好ましい。このようにすると、各ひずみセンサ28の周方向位置における外輪間座26のひずみに基づいて、切削加工中の工作機械の主軸2に作用するモーメント荷重を検知することが可能となる。
また、上記実施形態では、図4に示すように、外輪間座26の内周に、第1周方向溝54および第2周方向溝55を設けるとともに、外輪間座26の外周にも第1周方向溝54および第2周方向溝55を設けたものを例に挙げたが、図6に示すように、外輪間座26の外周には周方向溝を設けずに、外輪間座26の内周にのみ第1周方向溝54および第2周方向溝55を設けてもよく、また、図7に示すように、外輪間座26の内周には周方向溝を設けずに、外輪間座26の外周にのみ第1周方向溝54および第2周方向溝55を設けてもよい。
また、上記実施形態では、図3、図4に示すように、ひずみセンサ28を外輪間座26の内周に配置したものを例に挙げたが、図8、図9に示すように、ひずみセンサ28を外輪間座26の外周に配置してもよい。図8、図9において、外輪間座26の外周には、ひずみセンサ28の個数と同数の軸方向溝56が周方向に等間隔に形成されている。軸方向溝56は、それぞれ軸線に平行な平面状の溝底面を有し、その各溝底面にひずみセンサ28が取り付けられている。
また、図10、図11に示すように、ひずみセンサ28を外輪間座26の内周と外周の両方に配置してもよい。このようにすると、外輪間座26の内周に配置されたひずみセンサ28の出力と、外輪間座26の外周に配置されたひずみセンサ28の出力は、大小関係が逆のヒステリシス特性を示すことから、外輪間座26の内周のひずみセンサ28の出力と、外輪間座26の外周のひずみセンサ28の出力との和をとることでヒステリシスを相殺し、安定した精度で軸方向の予圧荷重を検出することが可能となる。
図10、図11において、外輪間座26の外周の各ひずみセンサ28は、外輪間座26の内周の各ひずみセンサ28に対応する周方向位置に形成されている。外輪間座26の外周の軸方向溝56の溝底面は、外輪間座26の内周の軸方向溝51の溝底面と平行に形成され、その各溝底面にひずみセンサ28が取り付けられている。
図12、図13に示すように、外輪間座26に、第1外輪接触面40を周方向に分割する複数の第1スリット57と、第2外輪接触面41を周方向に分割する複数の第2スリット58とを形成してもよい。このようにすると、外輪間座26の径方向の変形のしやすさを効果的に高めることが可能となる。
図12、図13において、各第1スリット57は、第1外輪接触面40から、第1周方向溝54(軸方向に間隔をおいて形成された複数の第1周方向溝54のうち、第1外輪接触面40から最も遠い第1周方向溝54)に至る軸方向深さを有し、各第2スリット58は、第2外輪接触面41から第2周方向溝55(軸方向に間隔をおいて形成された複数の第2周方向溝55のうち、第2外輪接触面41から最も遠い第2周方向溝55)に至る軸方向深さを有する。
また、上記実施形態では、第1周方向溝54、第2周方向溝55として、外輪間座26の全周にわたって設けたものを例に挙げたが、図14、図15に示すように、外輪間座26のひずみセンサ28が設けられた位相(周方向位置)に対応する位置のみに設けた第1周方向溝54、第2周方向溝55を採用してもよい。
図16、図17に示すように、外輪間座26の軸方向中央部に円筒状の溝底面をもつ周溝59を形成し、その周溝59の溝底面にひずみセンサ28を形成してもよい。このようにすると、外輪間座26の変形しやすい箇所のひずみを取得でき、軸受予圧に対するひずみセンサ28の感度を向上させることができる。
図18~図20に、この発明の第2実施形態を示す。第1実施形態に対応する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
図19、図20に示すように、外輪間座26の外周には、第1外輪接触面40とひずみセンサ28の間を周方向に横切る第1周方向溝54と、第2外輪接触面41とひずみセンサ28の間を周方向に横切る第2周方向溝55とが形成されている。
図18に示すように、第1周方向溝54は、外輪間座26の外周の全周のうち、ひずみセンサ28の周方向位置に対応する周方向位置のみに設けられている。ひずみセンサ28は周方向に等間隔に4箇所に設けられ、第1周方向溝54も、ひずみセンサ28に対応して周方向に等間隔に4箇所設けられている。周方向に隣り合う第1周方向溝54の間は、第1周方向溝54による外輪間座26の肉厚の減少の無い第1溝非形成部61(軸受支持筒23の内周と嵌合する部分円筒面)とされている。第1周方向溝54と第1溝非形成部61は、外輪間座26の外周に周方向に交互に設けられている。
第1周方向溝54は、第1周方向溝54の周方向中央の位置が、ひずみセンサ28の周方向位置と対応するように形成されている。第1周方向溝54は、周方向中央から周方向両端に向かって次第に浅くなる形状を有する。
第1周方向溝54は平面状の溝底を有する。第1周方向溝54の平面状の溝底の周方向一方の端部は、第1周方向溝54の周方向一方の側に隣接する第1溝非形成部61に接続し、第1周方向溝54の平面状の溝底の周方向他方の端部は、第1周方向溝54の周方向他方の側に隣接する第1溝非形成部61に接続している。
同様に、第2周方向溝55は、外輪間座26の外周の全周のうち、ひずみセンサ28の周方向位置に対応する周方向位置のみに設けられている。周方向に隣り合う第2周方向溝55の間は、第2周方向溝55による外輪間座26の肉厚の減少の無い第2溝非形成部62(軸受支持筒23の内周と嵌合する部分円筒面)とされている。第2周方向溝55と第2溝非形成部62は、外輪間座26の外周に周方向に交互に設けられている。
第2周方向溝55は、第2周方向溝55の周方向中央の位置が、ひずみセンサ28の周方向位置と対応するように形成されている。第2周方向溝55は、周方向中央から周方向両端に向かって次第に浅くなる形状を有する。
第2周方向溝55は平面状の溝底を有する。第2周方向溝55の平面状の溝底の周方向一方の端部は、第2周方向溝55の周方向一方の側に隣接する第2溝非形成部62に接続し、第2周方向溝55の平面状の溝底の周方向他方の端部は、第2周方向溝55の周方向他方の側に隣接する第2溝非形成部62に接続している。
第2実施形態の構成を採用すると、図18、図20に示すように、第1周方向溝54および第2周方向溝55がひずみセンサ28の周方向位置に対応する周方向位置のみに設けられているので、第1周方向溝54および第2周方向溝55が設けられていない周方向位置において外輪間座26の肉厚を確保することができる。また、図18に示すように、第1周方向溝54および第2周方向溝55は、周方向中央から周方向両端に向かって次第に浅くなる形状を有するので、第1周方向溝54および第2周方向溝55の周方向両端に近い部分においても、外輪間座26の肉厚を確保することができる。そのため、第1周方向溝54および第2周方向溝55を設けることで、外輪間座26をひずみセンサ28の周方向位置で径方向に変形しやすくしながら、第1周方向溝54および第2周方向溝55を設けることによる外輪間座26の剛性低下を小さく抑えることができる。
また、この実施形態では、図18、図19に示すように、第1周方向溝54が平面状の溝底を有し、第2周方向溝55も平面状の溝底を有するので、第1周方向溝54と第2周方向溝55をエンドミル等で高精度に加工することが可能である。また、第1周方向溝54と第2周方向溝55の寸法精度の管理も容易である。その他、第2実施形態は、第1実施形態と同様の作用効果を有する。
図21に、第2実施形態の変形例を示す。第2実施形態に対応する部分は同一の符号を付して説明を省略する。外輪間座26の外周には、図20に示す第1周方向溝54と第2周方向溝55との間に軸方向に挟まれる部分を除去した構成の連結凹部63が形成されている。連結凹部63は、第1周方向溝54の溝底と第2周方向溝55の溝底とを滑らかにつなぐ平面状の内面を有する。
この構成を採用すると、軸方向に隣り合う第1周方向溝54と第2周方向溝55とが平面状の内面を有する連結凹部63を介して一体化しているので、第1周方向溝54と第2周方向溝55とを一工程でまとめて加工することができ、加工が容易である。また、連結凹部63の寸法精度を管理することで、第1周方向溝54と第2周方向溝55の寸法精度をまとめて管理することができるので、寸法精度の管理が容易である。
図22に、第2実施形態の他の変形例を示す。図22において、第1周方向溝54と第2周方向溝55の中間に、第1周方向溝54と同一形状の第3周方向溝64が形成されている。それ以外の構成は第2実施形態と同様である。
図23に、第2実施形態の更に他の変形例を示す。図23において、第1周方向溝54は、軸方向に間隔をおいて2列形成されており、第2周方向溝55も、軸方向に間隔をおいて2列形成されている。それ以外の構成は第2実施形態と同様である。
図24、図26に、第2実施形態の更に他の変形例を示す。図24、図26において、ひずみセンサ28は周方向に等間隔に3箇所に設けられ、第1周方向溝54および第2周方向溝55も、ひずみセンサ28に対応して周方向に等間隔に3箇所設けられている。それ以外の構成は第2実施形態と同様である。
図25に、第2実施形態の更に他の変形例を示す。この変形例は、図24に示す変形例に、図21に示す連結凹部63を形成したものである。
図27に、第2実施形態の更に他の変形例を示す。図27に示すように、第1周方向溝54は、軸方向に直交する断面において凸円弧状に延びる溝底を有する。同様に、第2周方向溝55(図19参照)も、軸方向に直交する断面において凸円弧状に延びる溝底を有する。
この構成を採用すると、第1周方向溝54および第2周方向溝55を設けることによる外輪間座26の剛性低下を最小限に抑えながら、ひずみセンサ28の周方向位置において外輪間座26を効果的に径方向変形させることが可能となる。
第2実施形態においても、図12、図13と同様の第1スリット57と第2スリット58を設けてもよい。
図28、図29に示すように、上記各実施形態において、第1外輪接触面40は、第1外輪30(図2参照)との摩擦係数を増大させる摩擦増大処理を施した面とすることができる。図18は、摩擦増大処理としてショットピーニング処理を採用した例を示し、図19は、摩擦増大処理として滑り止め効果のある皮膜形成処理(例えば、パーカー加工株式会社製の商品名「パプロフリック」処理)を採用した例を示す。このようにすると、図2に示す第1外輪30と外輪間座26の接触面間の径方向のすべりを特に効果的に抑制することが可能となる。同様に、第2外輪接触面41も、第2外輪35との摩擦係数を増大させる摩擦増大処理を施した面とすると、第2外輪35と外輪間座26の接触面間の径方向のすべりを特に効果的に抑制することが可能となる。
上記実施形態では、軸方向の予圧で第1転動体32が第1外輪30を押圧する径方向分力を生じるように構成された第1軸受24、および、軸方向の予圧で第2転動体37が第2外輪35を押圧する径方向分力を生じるように構成された第2軸受25として、アンギュラ玉軸受を例に挙げて説明したが、第1軸受24および第2軸受25として、例えば、円すいころ軸受や深溝玉軸受など、軸方向の予圧で径方向分力を生じる他の形式の転がり軸受を採用することも可能である。
また、上記実施形態では、ひずみセンサ28として、ひずみ検出部52と処理部53とを有するものを例に挙げたが、ひずみセンサ28は、ひずみ検出部52のみ(ひずみゲージのみ)で構成することも可能である。
また、上記実施形態では、工作機械(マシニングセンタや旋盤など)の主軸2を回転可能に支持する軸受装置1を例に挙げて説明したが、この発明は、例えば、風力発電装置の主軸など、他の装置の回転軸を回転可能に支持する軸受装置に適用することも可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 センサ付き軸受装置
2 主軸
4 モータ
24 第1軸受
25 第2軸受
26 外輪間座
28 ひずみセンサ
30 第1外輪
31 第1内輪
32 第1転動体
35 第2外輪
36 第2内輪
37 第2転動体
40 第1外輪接触面
41 第2外輪接触面
54 第1周方向溝
55 第2周方向溝
57 第1スリット
58 第2スリット
63 連結凹部

Claims (18)

  1. 軸方向に間隔をおいて配置された第1軸受(24)および第2軸受(25)と、前記第1軸受(24)と前記第2軸受(25)の間に設けられた筒状の外輪間座(26)と、前記外輪間座(26)に取り付けられたひずみセンサ(28)とを有し、
    前記第1軸受(24)は、第1外輪(30)と、第1外輪(30)の径方向内側に設けられた第1内輪(31)と、第1外輪(30)と第1内輪(31)の間に組み込まれた複数の第1転動体(32)とを有し、
    前記第2軸受(25)は、第2外輪(35)と、第2外輪(35)の径方向内側に設けられた第2内輪(36)と、第2外輪(35)と第2内輪(36)の間に組み込まれた複数の第2転動体(37)とを有し、
    前記外輪間座(26)は、前記第1外輪(30)に接触する第1外輪接触面(40)と、前記第2外輪(35)に接触する第2外輪接触面(41)とを有し、
    前記第1軸受(24)と前記第2軸受(25)の間には、前記第1内輪(31)、前記第1転動体(32)、前記第1外輪(30)、前記外輪間座(26)、前記第2外輪(35)、前記第2転動体(37)、前記第2内輪(36)を通って予圧が伝達するように軸方向の予圧が付与され、
    前記第1軸受(24)は、前記軸方向の予圧で、前記第1転動体(32)が前記第1外輪(30)を押圧する径方向分力を生じるように構成され、前記第2軸受(25)も、前記軸方向の予圧で、前記第2転動体(37)が前記第2外輪(35)を押圧する径方向分力を生じるように構成されている、ひずみセンサ付き軸受装置において、
    前記外輪間座(26)に、前記第1外輪接触面(40)と前記ひずみセンサ(28)の間を周方向に横切る第1周方向溝(54)と、前記第2外輪接触面(41)と前記ひずみセンサ(28)の間を周方向に横切る第2周方向溝(55)とが設けられていることを特徴とするひずみセンサ付き軸受装置。
  2. 前記第1周方向溝(54)は断面円弧状の溝底をもつU字溝であり、前記第2周方向溝(55)も断面円弧状の溝底をもつU字溝である、請求項1に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  3. 前記第1周方向溝(54)として、前記外輪間座(26)の内周に形成された内径側の第1周方向溝(54)と、前記内径側の第1周方向溝(54)から軸方向にずれた位置における前記外輪間座(26)の外周に形成された外径側の第1周方向溝(54)とを有し、
    前記第2周方向溝(55)として、前記外輪間座(26)の内周に形成された内径側の第2周方向溝(55)と、前記内径側の第2周方向溝(55)から軸方向にずれた位置における前記外輪間座(26)の外周に形成された外径側の第2周方向溝(55)とを有する、請求項1または2に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  4. 前記内径側の第1周方向溝(54)の溝深さと前記外径側の第1周方向溝(54)の溝深さの合計深さが、前記外輪間座(26)の径方向厚さの1/2以上となるように、前記内径側の第1周方向溝(54)と前記外径側の第1周方向溝(54)とが形成され、
    前記内径側の第2周方向溝(55)の溝深さと前記外径側の第2周方向溝(55)の溝深さの合計深さが、前記外輪間座(26)の径方向厚さの1/2以上となるように、前記内径側の第2周方向溝(55)と前記外径側の第2周方向溝(55)とが形成されている、請求項3に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  5. 前記内径側の第1周方向溝(54)と前記外径側の第1周方向溝(54)は、前記第1外輪接触面(40)の側から前記ひずみセンサ(28)の側に向かって、前記内径側の第1周方向溝(54)、前記外径側の第1周方向溝(54)の順に配置され、
    前記内径側の第2周方向溝(55)と前記外径側の第2周方向溝(55)は、前記第2外輪接触面(41)の側から前記ひずみセンサ(28)の側に向かって、前記内径側の第2周方向溝(55)、前記外径側の第2周方向溝(55)の順に配置されている、請求項3に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  6. 前記第1周方向溝(54)は、前記外輪間座(26)の外周の全周のうち、前記ひずみセンサ(28)の周方向位置に対応する周方向位置のみに設けられ、
    前記第2周方向溝(55)も、前記外輪間座(26)の外周の全周のうち、前記ひずみセンサ(28)の周方向位置に対応する周方向位置にのみ設けられ、
    前記第1周方向溝(54)は、周方向中央から周方向両端に向かって次第に浅くなる形状を有し、
    前記第2周方向溝(55)も、周方向中央から周方向両端に向かって次第に浅くなる形状を有する、請求項1に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  7. 前記第1周方向溝(54)は平面状の溝底を有し、
    前記第2周方向溝(55)も平面状の溝底を有する、請求項6に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  8. 前記外輪間座(26)の外周に、前記第1周方向溝(54)と前記第2周方向溝(55)との間に軸方向に挟まれる部分を除去した構成の連結凹部(63)が形成され、
    前記連結凹部(63)は、前記第1周方向溝(54)の溝底と前記第2周方向溝(55)の溝底とを滑らかにつなぐ平面状の内面を有する、請求項7に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  9. 前記第1周方向溝(54)は、軸方向に直交する断面において凸円弧状に延びる溝底を有し、
    前記第2周方向溝(55)も、軸方向に直交する断面において凸円弧状に延びる溝底を有する、請求項6に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  10. 前記第1外輪接触面(40)を周方向に分割する複数の第1スリット(57)と、前記第2外輪接触面(41)を周方向に分割する複数の第2スリット(58)とが、前記外輪間座(26)に設けられている、請求項1または2に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  11. 前記複数の第1スリット(57)は、前記第1外輪接触面(40)から前記第1周方向溝(54)に至る軸方向深さを有し、
    前記複数の第2スリット(58)は、前記第2外輪接触面(41)から前記第2周方向溝(55)に至る軸方向深さを有する、請求項10に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  12. 前記第1外輪接触面(40)が、前記第1外輪(30)との摩擦係数を増大させる摩擦増大処理を施した面とされ、
    前記第2外輪接触面(41)が、前記第2外輪(35)との摩擦係数を増大させる摩擦増大処理を施した面とされている、請求項1または2に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  13. 前記外輪との摩擦係数を増大させる摩擦増大処理は、ショットピーニング処理である、請求項12に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  14. 前記外輪との摩擦係数を増大させる摩擦増大処理は、滑り止め効果のある皮膜形成処理である、請求項12に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  15. 前記ひずみセンサ(28)は、前記外輪間座(26)の内周に配置されている、請求項1または2に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  16. 前記ひずみセンサ(28)は、前記外輪間座(26)の外周に配置されている、請求項1または2に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  17. 前記ひずみセンサ(28)は、前記外輪間座(26)の内周と外周の両方に配置されている、請求項1または2に記載のひずみセンサ付き軸受装置。
  18. 請求項1または2に記載のひずみセンサ付き軸受装置(1)と、
    前記ひずみセンサ付き軸受装置(1)で回転可能に支持される工作機械の主軸(2)と、
    前記主軸(2)を回転駆動するモータ(4)と、を有する工作機械用スピンドル装置。
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