以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
実施形態においては、左、右、前、後、上、及び下の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、電動作業機の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。実施形態において、電動作業機は、モータ6を有する電動工具1である。
実施形態において、モータ6の回転軸AXと平行な方向を適宜、軸方向、と称し、回転軸AXの周囲を周回する方向を適宜、周方向又は回転方向、と称し、回転軸AXの放射方向を適宜、径方向、と称する。
回転軸AXは、前後方向に延伸する。軸方向一方側は、前方であり、軸方向他方側は、後方である。また、径方向において、回転軸AXに近い位置又は接近する方向を適宜、径方向内側、と称し、回転軸AXから遠い位置又は離隔する方向を適宜、径方向外側、と称する。
[電動工具の概要]
図1は、実施形態に係る電動工具1を示す斜視図である。図2は、実施形態に係る電動工具1を示す側面図である。図3は、実施形態に係る電動工具1を示す後面図である。図4は、実施形態に係る電動工具を示す断面図である。図4は、実施形態に係る電動工具1を示す断面図である。図5は、実施形態に係る電動工具1の上部を拡大した断面図である。図6は、実施形態に係る電動工具の上部を拡大した断面図である。図5は、電動工具1の上部の縦断面図である。図6は、電動工具1の上部の横断面図である。
実施形態において、電動工具1は、インパクトドライバである。電動工具1は、ハウジング2と、リヤケース3と、ハンマケース4と、バッテリ装着部5と、モータ6と、減速機構7と、スピンドル8と、打撃機構9と、アンビル10と、チャックスリーブ11と、ファン12と、コントローラ13と、トリガスイッチ14と、正逆切換レバー15と、操作パネル16と、モード切換スイッチ17と、ライト18とを備える。
ハウジング2は、合成樹脂製である。実施形態において、ハウジング2は、ナイロン製である。ハウジング2は、左ハウジング2Lと、左ハウジング2Lの右方に配置される右ハウジング2Rとを含む。図2、図4、及び図5に示すように、左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとは、複数のねじ2Sにより固定される。ハウジング2は、一対の半割れハウジングにより構成される。
ハウジング2は、モータ収容部21と、モータ収容部21の下方に配置されるグリップ部22と、グリップ部22の下方に配置されるコントローラ収容部23とを有する。
モータ収容部21は、筒状である。モータ収容部21は、モータ6の少なくとも一部を収容する。
グリップ部22は、モータ収容部21から下方に突出する。トリガスイッチ14は、グリップ部22に設けられる。グリップ部22は、作業者に握られる。
コントローラ収容部23は、グリップ部22の下端部に接続される。コントローラ収容部23は、コントローラ13を収容する。前後方向及び左右方向のそれぞれにおいて、コントローラ収容部23の外形の寸法は、グリップ部22の外形の寸法よりも大きい。
リヤケース3は、合成樹脂製である。リヤケース3は、モータ収容部21の後方に配置される。リヤケース3は、ファン12の少なくとも一部を収容する。リヤケース3は、モータ収容部21の後部の開口を覆うように配置される。図3に示すように、リヤケース3は、2つのねじ3Sによりモータ収容部21に固定される。
モータ収容部21は、吸気口19を有する。また、モータ収容部21は、第1排気口20Bを有する。第1排気口20Bは、モータ収容部21の後部の筒状部21Aに形成される。リヤケース3は、第2排気口20Aを有する。ハウジング2の外部空間の空気は、吸気口19を介して、ハウジング2の内部空間に流入する。ハウジング2の内部空間の空気は、第1排気口20Bを通過した後、第2排気口20Aを通過する。ハウジング2の内部空間の空気は、第1排気口20B及び第2排気口20Aを介して、ハウジング2の外部空間に流出する。
ハンマケース4は、金属製である。実施形態において、ハンマケース4は、アルミニウム製である。ハンマケース4は、モータ収容部21の前方に配置される。ハンマケース4は、筒状である。ハンマケース4の前部の内径は、ハンマケース4の後部の内径よりも小さい。ハンマケース4の後部は、モータ収容部21の前部の開口に挿入される。ハンマケース4の後部は、モータ収容部21の内側に嵌められる。モータ収容部21とハンマケース4とは、ベアリングリテーナ24を介して接続される。ベアリングリテーナ24の少なくとも一部は、ハンマケース4の内側に配置される。
ハンマケース4は、減速機構7、スピンドル8、打撃機構9、及びアンビル10の少なくとも一部を収容する。減速機構7の少なくとも一部は、ベアリングリテーナ24の内側に配置される。
バッテリ装着部5は、コントローラ収容部23の下部に形成される。バッテリ装着部5は、バッテリパック25に接続される。バッテリパック25は、バッテリ装着部5に装着される。バッテリパック25は、バッテリ装着部5に着脱可能である。バッテリパック25は、二次電池を含む。実施形態において、バッテリパック25は、充電式のリチウムイオン電池を含む。バッテリ装着部5に装着されることにより、バッテリパック25は、電動工具1に電力を供給することができる。モータ6は、バッテリパック25から供給される電力に基づいて駆動する。コントローラ13及び操作パネル16は、バッテリパック25から供給される電力に基づいて作動する。
モータ6は、電動工具1の動力源である。モータ6は、インナロータ型のブラシレスモータである。モータ6は、ステータ26と、ステータ26の内側に配置されるロータ27とを有する。
ステータ26は、ステータコア28と、ステータコア28の前部に設けられる前インシュレータ29と、ステータコア28の後部に設けられる後インシュレータ30と、前インシュレータ29及び後インシュレータ30を介してステータコア28に装着される複数のコイル31とを有する。
ステータコア28は、積層された複数の鋼板を含む。鋼板は、鉄を主成分とする金属製の板である。ステータコア28は、筒状である。ステータコア28は、コイル31を支持する複数のティースを有する。前インシュレータ29及び後インシュレータ30のそれぞれは、合成樹脂製の電気絶縁部材である。前インシュレータ29は、ティースの表面の一部を覆うように配置される。後インシュレータ30は、ティースの表面の一部を覆うように配置される。コイル31は、前インシュレータ29及び後インシュレータ30を介して、ティースの周囲に配置される。コイル31とステータコア28とは、前インシュレータ29及び後インシュレータ30により電気的に絶縁される。
ロータ27は、回転軸AXを中心に回転する。ロータ27は、ロータシャフト32と、ロータシャフト32の周囲に配置されるロータコア33と、ロータコア33の周囲に配置される永久磁石34と、センサ用永久磁石35を有する。ロータシャフト32は、軸方向に延伸する。ロータコア33は、円筒状である。ロータコア33は、積層された複数の鋼板を含む。永久磁石34は、円筒状である。永久磁石34は、第1極性の第1永久磁石と、第2極性の第2永久磁石とを含む。第1永久磁石と第2永久磁石とが周方向に交互に配置されることにより、円筒状の永久磁石34が形成される。センサ用永久磁石35は、ロータコア33及び永久磁石34の前方に配置される。樹脂スリーブ36の少なくとも一部がセンサ用永久磁石35の内側に配置される。樹脂スリーブ36は、円筒状である。樹脂スリーブ36は、ロータシャフト32の前部に装着される。
前インシュレータ29に、センサ基板37及びコイル端子38が取り付けられる。センサ基板37及びコイル端子38は、ねじ29Sにより前インシュレータ29に固定される。センサ基板37は、円環状の回路基板と、回路基板に支持される回転検出素子とを有する。回転検出素子は、ロータ27のセンサ用永久磁石35の位置を検出することにより、ロータ27の回転方向の位置を検出する。コイル端子38は、複数のコイル31とコントローラ13からの3本の電源線とを接続する。
ロータシャフト32は、前軸受39及び後軸受40のそれぞれに回転可能に支持される。前軸受39は、ベアリングリテーナ24に保持される。後軸受40は、リヤケース3に保持される。前軸受39は、ロータシャフト32の前部を支持する。後軸受40は、ロータシャフト32の後部を支持する。ロータシャフト32の前端部は、ベアリングリテーナ24の開口を介して、ハンマケース4の内部空間に配置される。
ロータシャフト32の前端部にピニオンギヤ41が設けられる。ロータシャフト32は、ピニオンギヤ41を介して、減速機構7に連結される。
減速機構7は、モータ6の前方に配置される。減速機構7は、ロータシャフト32とスピンドル8とを連結する。減速機構7は、モータ6が発生した動力をスピンドル8に伝達する。減速機構7は、ロータシャフト32の回転速度よりも低い回転速度でスピンドル8を回転させる。減速機構7は、遊星歯車機構を含む。
減速機構7は、ピニオンギヤ41の周囲に配置される複数のプラネタリギヤ42と、複数のプラネタリギヤ42の周囲に配置されるインターナルギヤ43とを有する。複数のプラネタリギヤ42のそれぞれは、ピニオンギヤ41に噛み合う。プラネタリギヤ42は、ピン42Pを介してスピンドル8に回転可能に支持される。インターナルギヤ43は、プラネタリギヤ42に噛み合う内歯を有する。インターナルギヤ43は、ハンマケース4に固定される。インターナルギヤ43は、ハンマケース4に対して常に回転不可能である。
モータ6の駆動によりロータシャフト32が回転すると、ピニオンギヤ41が回転し、プラネタリギヤ42がピニオンギヤ41の周囲を公転する。プラネタリギヤ42は、インターナルギヤ43の内歯に噛み合いながら公転する。プラネタリギヤ42の公転により、ピン42Pを介してプラネタリギヤ42に接続されているスピンドル8は、ロータシャフト32の回転速度よりも低い回転速度で回転する。
スピンドル8は、モータ6の前方に配置される。スピンドル8の少なくとも一部は、減速機構7の前方に配置される。スピンドル8は、フランジ部44と、フランジ部44から前方に突出するロッド部45とを有する。プラネタリギヤ42は、ピン42Pを介してフランジ部44に回転可能に支持される。スピンドル8の回転軸とモータ6の回転軸AXとは一致する。スピンドル8は、回転軸AXを中心に回転する。スピンドル8は、後軸受46に回転可能に支持される。後軸受46は、ベアリングリテーナ24に保持される。後軸受46は、スピンドル8の後端部を支持する。
スピンドル8は、潤滑油を供給する第1供給口93と、潤滑油を供給する第2供給口92とを有する。潤滑油は、グリス(grease)を含む。第1供給口93及び第2供給口92のそれぞれは、ロッド部45に設けられる。スピンドル8は、潤滑油が収容される内部空間94を有する。第1供給口93は、第1流路93Rを介して、内部空間94に結ばれる。第2供給口92は、第2流路92Rを介して、内部空間94に結ばれる。スピンドル8の遠心力により、潤滑油は、第1供給口93及び第2供給口92のそれぞれからスピンドル8の周囲の少なくとも一部に供給される。
打撃機構9は、スピンドル8の回転に基づいて、アンビル10を回転方向に打撃する。打撃機構9は、スピンドル8の周囲に配置されるハンマ47と、スピンドル8とハンマ47との間に配置されるボール48と、スピンドル8及びハンマ47のそれぞれに支持されるコイルスプリング49とを有する。ハンマ47は、減速機構7よりも前方に配置される。
図7は、実施形態に係るスピンドル8、打撃機構9、及びアンビル10を示す斜視図である。図8は、実施形態に係るスピンドル8、打撃機構9、及びアンビル10を前方から見た分解斜視図である。図9は、実施形態に係るスピンドル8、打撃機構9、及びアンビル10を後方から見た分解斜視図である。なお、図7において、ボール48及びコイルスプリング49の図示は省略されている。
図4、図5、図6、図7、図8、及び図9に示すように、ハンマ47は、筒状である。ハンマ47は、ロッド部45の周囲に配置される。ハンマ47は、ロッド部45が配置される孔57を有する。ハンマ47は、スピンドル8と一緒に回転可能である。ハンマ47の回転軸とスピンドル8の回転軸とモータ6の回転軸AXとは一致する。ハンマ47は、回転軸AXを中心に回転する。
ボール48は、鉄鋼のような金属製である。ボール48は、ロッド部45とハンマ47との間に配置される。スピンドル8は、ボール48の少なくとも一部が配置されるスピンドル溝50を有する。スピンドル溝50は、ロッド部45の外面の一部に設けられる。ハンマ47は、ボール48の少なくとも一部が配置されるハンマ溝51を有する。ハンマ溝51は、ハンマ47の内面の一部に設けられる。ボール48は、スピンドル溝50とハンマ溝51との間に配置される。ボール48は、スピンドル溝50の内側及びハンマ溝51の内側のそれぞれを転がることができる。ハンマ47は、ボール48に伴って移動可能である。スピンドル8とハンマ47とは、スピンドル溝50及びハンマ溝51により規定される可動範囲において、軸方向及び回転方向のそれぞれに相対移動することができる。
コイルスプリング49は、ハンマ47を前方に移動させる弾性力を発生する。コイルスプリング49は、フランジ部44とハンマ47との間に配置される。フランジ部44の前面にリング状の凸部52が設けられる。凸部52は、フランジ部44の前面の周縁部から前方に突出する。ハンマ47の後面にリング状の凹部53が設けられる。凹部53は、ハンマ47の後面から前方に窪む。凹部53の内側にワッシャ54が設けられる。コイルスプリング49の後端部は、凸部52の内側に配置され、フランジ部44に支持される。コイルスプリング49の前端部は、凹部53の内側に配置され、ワッシャ54に支持される。
アンビル10は、ハンマ47の前方に配置される。アンビル10は、先端工具が挿入される挿入孔55を有する。挿入孔55は、アンビル10の前端部に設けられる。先端工具は、アンビル10に装着される。また、アンビル10は、ロッド部45の前端部が配置される孔58を有する。孔58は、アンビル10の後端部に設けられる。ロッド部45の前端部は、孔58に配置される。
アンビル10は、ハンマ47と一緒に回転可能である。アンビル10の回転軸とハンマ47の回転軸とスピンドル8の回転軸とモータ6の回転軸AXとは一致する。アンビル10は、回転軸AXを中心に回転する。アンビルは、一対の前軸受56に回転可能に支持される。一対の前軸受56は、ハンマケース4に保持される。
ハンマ47は、筒状のボディ47Bと、ハンマ突起部59とを有する。凹部53は、ボディ47Bの後面に設けられる。ハンマ突起部59は、ボディ47Bの前部に設けられる。ハンマ突起部59は、2つ設けられる。ハンマ突起部59は、ボディ47Bの前部から前方に突出する。
アンビル10は、ロッド状のボディ10Bと、アンビル突起部60とを有する。挿入孔55は、ボディ10Bの前端部に設けられる。アンビル突起部60は、アンビル10の後端部に設けられる。アンビル突起部60は、2つ設けられる。アンビル突起部60は、ボディ10Bの後端部から径方向外側に突出する。
ハンマ突起部59とアンビル突起部60とは接触可能である。ハンマ突起部59とアンビル突起部60とが接触している状態で、モータ6が駆動することにより、アンビル10は、ハンマ47及びスピンドル8と一緒に回転する。
アンビル10は、ハンマ47により回転方向に打撃される。例えば、ねじ締め作業において、アンビル10に作用する負荷が高くなると、モータ6が発生する動力だけではアンビル10を回転させることができなくなる状況が発生する場合がある。モータ6が発生する動力だけではアンビル10を回転させることができなくなると、アンビル10及びハンマ47の回転が停止する。スピンドル8とハンマ47とは、ボール48を介して軸方向及び周方向のそれぞれに相対移動可能である。ハンマ47の回転が停止しても、スピンドル8の回転は、モータ6が発生する動力により継続される。ハンマ47の回転が停止している状態で、スピンドル8が回転すると、ボール48がスピンドル溝50及びハンマ溝51のそれぞれにガイドされながら後方に移動する。ハンマ47は、ボール48から力を受け、ボール48に伴って後方に移動する。すなわち、ハンマ47は、アンビル10の回転が停止された状態で、スピンドル8が回転することにより、後方に移動する。ハンマ47が後方に移動することにより、ハンマ突起部59とアンビル突起部60との接触が解除される。
コイルスプリング49は、ハンマ47を前方に移動させる弾性力を発生する。後方に移動したハンマ47は、コイルスプリング49の弾性力により、前方に移動する。ハンマ47は、前方に移動するとき、ボール48から回転方向の力を受ける。すなわち、ハンマ47は、回転しながら前方に移動する。ハンマ47が回転しながら前方に移動すると、ハンマ突起部59は、回転しながらアンビル突起部60に接触する。これにより、アンビル突起部60は、ハンマ突起部59により回転方向に打撃される。アンビル10には、モータ6の動力とハンマ47の慣性力との両方が作用する。したがって、アンビル10は、高いトルクで回転軸AXを中心に回転することができる。
チャックスリーブ11は、アンビル10の前部の周囲に配置される。チャックスリーブ11は、挿入孔55に挿入された先端工具を保持する。
図4及び図5に示すように、ファン12は、モータ6の後方に配置される。ファン12は、モータ6を冷却するための気流を生成する。ファン12は、ロータ27の少なくとも一部に固定される。ファン12は、ブッシュ61を介して、ロータシャフト32の後部に固定される。ファン12は、後軸受40とステータ26との間に配置される。ファン12は、ロータ27の回転により回転する。ロータシャフト32が回転することにより、ファン12は、ロータシャフト32と一緒に回転する。ファン12が回転することにより、ハウジング2の外部空間の空気が、吸気口19を介してハウジング2の内部空間に流入する。ハウジング2の内部空間に流入した空気は、ハウジング2の内部空間を流通することにより、モータ6を冷却する。ハウジング2の内部空間を流通した空気は、第1排気口20B及び第2排気口20Aを介して、ハウジング2の外部空間に流出する。
図4に示すように、コントローラ13は、コントローラ収容部23に収容される。コントローラ13は、モータ6を制御する制御信号を出力する。コントローラ13は、複数の電子部品が実装された基板を含む。基板に実装される電子部品として、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ、ROM(Read Only Memory)又はストレージのような不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリ、トランジスタ、及び抵抗が例示される。
電動工具1は、コントローラ13の少なくとも一部が収容されるコントローラケース62を備える。コントローラケース62は、コントローラ収容部23の内部空間に配置される。コントローラ13の少なくとも一部は、コントローラケース62に収容される。
コントローラ13は、電動工具1の作業内容に基づいて、モータ6の制御モードを切り換える。モータ6の制御モードとは、モータ6の制御方法又は制御パターンをいう。
図1、図4、及び図5に示すように、トリガスイッチ14は、グリップ部22に設けられる。トリガスイッチ14は、モータ6を起動するために作業者に操作される。トリガスイッチ14は、トリガ部材14Aと、スイッチ回路14Bとを含む。スイッチ回路14Bは、グリップ部22に収容される。トリガ部材14Aは、グリップ部22の前部の上部から前方に突出する。トリガ部材14Aは、作業者に操作される。トリガ部材14Aが操作されることにより、モータ6の駆動と停止とが切り換えられる。
図1に示すように、正逆切換レバー15は、グリップ部22の上部に設けられる。正逆切換レバー15は、作業者に操作される。正逆切換レバー15が操作されることにより、モータ6の回転方向が正転方向及び逆転方向の一方から他方に切り換えられる。モータ6の回転方向が切り換えられることにより、スピンドル8の回転方向が切り換えられる。
図1及び図4に示すように、操作パネル16は、コントローラ収容部23に設けられる。操作パネル16は、モータ6の制御モードを切り換えるために作業者に操作される。操作パネル16は、板状である。コントローラ収容部23は、操作パネル16が配置される開口63を有する。開口63は、グリップ部22よりも前方において、コントローラ収容部23の上面に設けられる。操作パネル16の少なくとも一部は、開口63に配置される。
操作パネル16は、打撃力スイッチ64と、専用スイッチ65とを有する。打撃力スイッチ64及び専用スイッチ65のそれぞれは、作業者に操作される。打撃力スイッチ64及び専用スイッチ65の少なくとも一方が操作されることにより、モータ6の制御モードが切り換えられる。
モード切換スイッチ17は、トリガ部材14Aの上部に設けられる。モード切換スイッチ17は、作業者に操作される。モード切換スイッチ17が操作されることにより、モータ6の制御モードが切り換えられる。
ライト18は、モータ収容部21の左部及び右部のそれぞれに配置される。ライト18は、電動工具1の前方を照明する照明光を射出する。ライト18は、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を含む。
[電動工具の動作]
次に、電動工具1の動作について説明する。例えば、加工対象にねじ締め作業を実施するとき、ねじ締め作業に使用される先端工具が、アンビル10の挿入孔55に挿入される。挿入孔55に挿入された先端工具は、チャックスリーブ11により保持される。先端工具がアンビル10に装着された後、作業者は、グリップ部22を握ってトリガスイッチ14を操作する。トリガスイッチ14が操作されると、バッテリパック25からモータ6に電力が供給され、モータ6が起動する。モータ6の起動により、ロータシャフト32が回転する。ロータシャフト32が回転すると、ロータシャフト32の回転力がピニオンギヤ41を介してプラネタリギヤ42に伝達される。プラネタリギヤ42は、インターナルギヤ43の内歯に噛み合った状態で、自転しながらピニオンギヤ41の周囲を公転する。プラネタリギヤ42は、ピン42Pを介してスピンドル8に回転可能に支持される。プラネタリギヤ42の公転により、スピンドル8は、ロータシャフト32の回転速度よりも低い回転速度で回転する。
ハンマ突起部59とアンビル突起部60とが接触している状態で、スピンドル8が回転すると、アンビル10は、ハンマ47及びスピンドル8と一緒に回転する。アンビル10が回転することにより、ねじ締め作業が進行する。
ねじ締め作業の進行により、アンビル10に所定値以上の負荷が作用した場合、アンビル10及びハンマ47の回転が停止する。ハンマ47の回転が停止している状態で、スピンドル8が回転すると、ハンマ47は、後方に移動する。ハンマ47が後方に移動することにより、ハンマ突起部59とアンビル突起部60との接触が解除される。後方に移動したハンマ47は、コイルスプリング49の弾性力により、ハンマ47は、回転しながら前方に移動する。ハンマ47が回転しながら前方に移動することにより、アンビル10は、ハンマ47により回転方向に打撃される。これにより、アンビル10は、高いトルクで回転軸AXを中心に回転する。そのため、ねじは加工対象に高いトルクで締め付けられる。
[コントローラ]
図10は、実施形態に係るコントローラ13を含む電動工具1を示すブロック図である。電動工具1は、モータ6と、コントローラ13と、操作装置66と、報知装置67と、打撃検出装置68とを備える。
コントローラ13は、コンピュータシステムを含む。コントローラ13は、電動工具1の作業内容に基づいて、モータ6の制御モードを切り換える。
コントローラ13は、記憶装置69と、制御装置70とを有する。記憶装置69は、ROM(Read Only Memory)又はストレージのような不揮発性メモリを含む。なお、記憶装置69は、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含んでもよい。制御装置70は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む。
操作装置66は、作業者により操作される。操作装置66は、作業者に操作されることにより、操作信号を出力する。操作装置66は、複数のスイッチを含む。操作装置66から出力された操作信号に基づいて、モータ6の制御モードが設定される。操作装置66が操作されることにより、モータ6の制御モードが切り換えられる。実施形態において、操作装置66は、操作パネル16に設けられている打撃力スイッチ64と、操作パネル16に設けられている専用スイッチ65と、トリガ部材14Aの上方に設けられているモード切換スイッチ17とを含む。
報知装置67は、発光器71を有する。発光器71は、操作装置66の操作により設定されたモータ6の制御モードに基づいて作動する。発光器71は、複数設けられる。発光器71は、複数の動作発光器72と、識別発光器73とを含む。動作発光器72は、4つ設けられる。動作発光器72は、第1動作発光器72Aと、第2動作発光器72Bと、第3動作発光器72Cと、第4動作発光器72Dとを含む。識別発光器73は、1つ設けられる。実施形態において、発光器71は、5つ設けられる。
打撃検出装置68は、ハンマ47によりアンビル10が打撃されたか否かを検出する。打撃検出装置68は、モータ6の回転数を検出する回転数センサを含む。ハンマ47による打撃が開始されることにより、モータ6の回転数が変動する。打撃検出装置68は、モータ6の回転数を検出することにより、アンビル10が打撃されたか否かを検出することができる。
なお、打撃検出装置68は、モータ6に供給される電流を検出する電流センサを含んでもよい。ハンマ47による打撃が開始されることにより、モータ6に供給される電流が変動する。打撃検出装置68は、モータ6に供給される電流を検出することにより、アンビル10が打撃されたか否かを検出することができる。打撃検出装置68は、電動工具1に作用する振動を検出する振動センサを含んでもよい。ハンマ47による打撃が開始されることにより、電動工具1に作用する振動の振幅が変動する。打撃検出装置68は、電動工具1に作用する振動を検出することにより、アンビル10が打撃されたか否かを検出することができる。
記憶装置69は、モータ6の複数の制御モードを記憶する。実施形態において、制御モードは、複数の動作モードと、複数の動作モードから選択された登録モードとを含む。記憶装置69は、複数の動作モードを記憶する動作モード記憶部74と、登録モードを記憶する登録モード記憶部75とを有する。
制御装置70は、モータ6を制御する制御信号を出力する。制御装置70は、報知装置67を制御する制御信号を出力する。制御装置70は、指令出力部76と、モータ制御部77と、報知制御部78とを有する。
図11は、実施形態に係るコントローラ13の動作を示す模式図である。図11に示すように、モータ6の制御モードは、動作モードと、メモリモードとを含む。動作モードは、複数の第1動作モードと、複数の第2動作モードとを含む。
第1動作モードは、汎用される動作モードを示す打撃力モードである。第2動作モードは、加工対象に基づいて専用される動作モードを示す専用モードである。以下の説明においては、第1動作モードを適宜、打撃力モード、と称し、第2動作モードを適宜、専用モード、と称する。
打撃力モードは、最速モードと、強モードと、中モードと、弱モードとを含む。専用モードは、木材モードと、テクスモードと、ボルトモードとを含む。テクスモードは、テクス(薄)モードと、テクス(厚)モードとを含む。ボルトモードは、ボルト1モードと、ボルト2モードと、ボルト3モードとを含む。メモリモードは、登録モードを含む。
動作モード記憶部74は、複数の動作モード(最速モード、強モード、中モード、弱モード、木材モード、テクス(薄)モード、テクス(厚)モード、ボルト1モード、ボルト2モード、ボルト3モード)を記憶する。登録モード記憶部75は、登録モードを記憶する。
動作モード記憶部74に記憶される動作モードは、10種類である。登録モード記憶部75は、10種類の動作モードから選択された少なくとも一つの動作モードを登録モードとして記憶する。実施形態において、登録モード記憶部75に記憶される登録モードは、1種類である。記憶装置69に記憶される制御モードは、11種類である。
上述のように、報知装置67が有する発光器71の数は、5つである。記憶装置69に記憶される制御モードの数は、11種類である。報知装置67は、制御モードの数よりも少ない数の発光器71を有する。
指令出力部76は、操作装置66から出力された操作信号に基づいて、制御モードを設定するモード指令を出力する。モータ6は、設定された制御モードに基づいて駆動する。
指令出力部76は、操作装置66から出力された操作信号に基づいて、複数の動作モードから選択された動作モードを登録モードとして登録モード記憶部75に登録する登録指令を出力する。登録モード記憶部75は、選択された動作モードを登録モードとして記憶する。
指令出力部76は、操作装置66が第1操作されることにより、モード指令を出力する。操作装置66が第1操作されると、操作装置66から第1操作信号が出力される。指令出力部76は、操作装置66から出力された第1操作信号に基づいて、記憶装置69に記憶されている11種類の制御モードから、1種類の制御モードを設定するモード指令を出力する。
指令出力部76は、操作装置66が第2操作されることにより、登録指令を出力する。操作装置66が第2操作されると、操作装置66から第2操作信号が出力される。指令出力部76は、操作装置66から出力された第2操作信号に基づいて、動作モード記憶部74に記憶されている10種類の動作モードから、1種類の動作モードを登録する登録指令を出力する。
すなわち、操作装置66が第1操作され、モード指令が出力されることにより、記憶装置69に記憶されている11種類の制御モードから、第1操作により特定された1種類の制御モードが選択される。モータ6は、選択された制御モードに設定される。
操作装置66が第2操作され、登録指令が出力されることにより、動作モード記憶部74に記憶されている10種類の動作モードから、第2操作により特定された1種類の動作モードが選択される。登録モード記憶部75は、選択された動作モードを登録モードとして記憶する。
以下の説明において、登録指令により選択された動作モードを登録モードとして登録モード記憶部75に登録する処理を適宜、登録処理、と称する。また、以下の説明においては、モータ6を特定の制御モードに設定することを適宜、制御モードを設定する、と称する。また、選択された動作モードを登録モードとして登録モード記憶部75に登録することを適宜、動作モードを登録する、と称する。また、モータ6を登録モードに設定することを適宜、メモリモードに設定する、と称する。
第1操作は、操作装置66の複数のスイッチのうち1つのスイッチが操作されることを含む。第2操作は、操作装置66の複数のスイッチのうち少なくとも2つのスイッチが同時に操作されることを含む。
実施形態において、第1操作は、打撃力スイッチ64のみが操作されること、専用スイッチ65のみが操作されること、及びモード切換スイッチ17のみが操作されることの少なくとも一つを含む。
打撃力スイッチ64のみが操作されることにより、指令出力部76は、打撃力モードを設定するモード指令を出力する。モード指令が出力されると、動作モード記憶部74に記憶されている4種類の打撃力モードから、1種類の打撃力モードが選択される。モータ6は、選択された1種類の打撃力モードに設定される。
専用スイッチ65のみが操作されることにより、指令出力部76は、専用モードを設定するモード指令を出力する。モード指令が出力されると、動作モード記憶部74に記憶されている6種類の専用モードから、1種類の専用モードが選択される。モータ6は、選択された1種類の専用モードに設定される。
モード切換スイッチ17のみが操作されることにより、指令出力部76は、メモリモードを設定するモード指令を出力する。モード指令が出力されると、登録モード記憶部75に記憶されている登録モードが選択される。モータ6は、メモリモードに設定される。
第2操作は、打撃力スイッチ64とモード切換スイッチ17とが同時に操作されること、及び専用スイッチ65とモード切換スイッチ17とが同時に操作されることの少なくとも一つを含む。
打撃力スイッチ64とモード切換スイッチ17とが同時に操作されることにより、指令出力部76は、打撃力モードを登録する登録指令を出力する。登録指令が出力されると、動作モード記憶部74に記憶されている4種類の打撃力モードから、1種類の打撃力モードが選択される。選択された1種類の打撃力モードが、登録モード記憶部75に登録される。
専用スイッチ65とモード切換スイッチ17とが同時に操作されることにより、指令出力部76は、専用モードを登録する登録指令を出力する。登録指令が出力されると、動作モード記憶部74に記憶されている6種類の専用モードから、1種類の専用モードが選択される。選択された1種類の専用モードが、登録モード記憶部75に登録される。
モータ制御部77は、指令出力部76から出力されたモード指令に基づいて、モータ6を制御する制御信号を出力する。モータ制御部77は、操作装置66の第1操作により設定された制御モードに基づいて、モータ6を制御する。
報知制御部78は、指令出力部76から出力されたモード指令に基づいて、報知装置67を制御する制御信号を出力する。報知制御部78は、操作装置66の第1操作により設定された制御モードに基づいて、報知装置67を制御する。報知制御部78は、モード指令に基づいて、複数の発光器71のそれぞれを制御する。
報知制御部78は、指令出力部76から出力された登録指令に基づいて、報知装置67を制御する制御信号を出力する。報知制御部78は、操作装置66の第2操作により実施される登録処理に基づいて、報知装置67を制御する。報知制御部78は、登録指令に基づいて、複数の発光器71のそれぞれを制御する。
報知制御部78は、制御モードの設定状況及び登録処理の実施状況が報知されるように、制御モードの数よりも少ない数の発光器71の作動パターンを制御する。報知制御部78は、設定された制御モードが報知されるように、発光器71の作動パターンを制御する。報知制御部78は、登録処理の実施状況が報知されるように、発光器71の作動パターンを制御する。
報知制御部78は、登録指令により、登録処理が実施される場合、発光器71が第1状態になるように、制御信号を出力する。報知制御部78は、モード指令により、メモリモードが設定された場合、発光器71が第1状態とは異なる第2状態になるように、制御信号を出力する。
[制御モード]
図12は、実施形態に係る操作パネル16を示す図である。図12に示すように、操作パネル16は、操作装置66の少なくとも一部と、複数の発光器71を有する報知装置67とを有する。操作パネル16には、操作装置66として、打撃力モードを設定するために操作される打撃力スイッチ64と、専用モードを設定するために操作される専用スイッチ65とが設けられる。打撃力スイッチ64は、操作パネル16の右部に配置される。専用スイッチ65は、操作パネル16の左部に配置される。
発光器71は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を含む。複数の発光器71は、左右方向に間隔をあけて配置される。左右方向において、複数の発光器71は、打撃力スイッチ64と専用スイッチ65との間に配置される。
発光器71は、設定された制御モードに基づいて作動する動作発光器72と、複数の動作モードを識別するために作動する識別発光器73とを含む。
動作発光器72は、複数設けられる。動作発光器72は、第1動作発光器72Aと、第2動作発光器72Bと、第3動作発光器72Cと、第4動作発光器72Dとを含む。4つの動作発光器72は、左右方向に間隔をあけて配置される。
識別発光器73は、打撃力モードと専用モードとを識別するために作動する第1識別発光器として機能する。識別発光器73は、動作発光器72よりも左方に配置される。
操作パネル16は、複数の動作発光器72の周囲の少なくとも一部に設けられ、複数の打撃力モードのそれぞれを示す第1シンボル79と、複数の動作発光器72の周囲の少なくとも一部に設けられ、複数の専用モードのそれぞれを示す第2シンボル80とを備える。また、操作パネル16は、複数の動作発光器72の周囲の少なくとも一部に設けられ、複数の専用モードのそれぞれを示す第3シンボル81を備える。
第1シンボル79は、複数の打撃力モードを識別するために設けられる。第1シンボル79は、例えば印刷により操作パネル16の表面に付される。第1シンボル79は、数字、文字、記号、及びイラストレーションの少なくとも一つを含む。第1シンボル79は、弱モードを示すシンボル79Aと、中モードを示すシンボル79Bと、強モードを示すシンボル79Cと、最速モードを示すシンボル79Dとを含む。実施形態において、シンボル79Aは、数字の「1」である。シンボル79Bは、数字の「2」である。シンボル79Cは、数字の「3」である。シンボル79Dは、数字の「4」である。
第1シンボル79は、複数の動作発光器72のそれぞれに対応する位置に設けられる。シンボル79Aは、第1動作発光器72Aの後方に設けられる。シンボル79Bは、第2動作発光器72Bの後方に設けられる。シンボル79Cは、第3動作発光器72Cの後方に設けられる。シンボル79Dは、第4動作発光器72Dの後方に設けられる。
第1シンボル79は、操作パネル16の後端部を含む領域82に設けられる。領域82は、第1色彩で着色されている。第1色彩は、例えば黒色である。
第2シンボル80は、複数の専用モードを識別するために設けられる。第2シンボル80は、例えば印刷により操作パネル16の表面に付される。第2シンボル80は、数字、文字、記号、及びイラストレーションの少なくとも一つを含む。第2シンボル80は、木材モードを示すシンボル80Aと、テクス(薄)モードを示すシンボル80Bと、テクス(厚)モードを示すシンボル80Cと、ボルトモード(ボルト1モード、ボルト2モード、ボルト3モード)を示すシンボル80Dとを含む。実施形態において、シンボル80Aは、文字の「木材」である。シンボル80Bは、文字の「薄(テクス)」である。シンボル80Cは、文字の「厚(テクス)」である。シンボル80Dは、文字の「ボルト」である。
なお、第2シンボル80は、文字でなくてもよい。第2シンボル80は、例えばイラストレーションでもよい。
第2シンボル80は、複数の動作発光器72のそれぞれに対応する位置に設けられる。シンボル80Aは、第1動作発光器72Aの前方に設けられる。シンボル80Bは、第2動作発光器72Bの前方に設けられる。シンボル80Cは、第3動作発光器72Cの前方に設けられる。シンボル80Dは、第4動作発光器72Dの前方に設けられる。
第2シンボル80は、操作パネル16の前端部を含む領域83に設けられる。領域83は、第1色彩とは異なる第2色彩で着色されている。第2色彩は、例えば水色である。
第3シンボル81は、専用モードの一種である複数のボルトモード(ボルト1モード、ボルト2モード、ボルト3モード)を識別するために設けられる。第3シンボル81は、例えば印刷により操作パネル16の表面に付される。第3シンボル81は、数字、文字、記号、及びイラストレーションの少なくとも一つを含む。第3シンボル81は、ボルト1モードを示すシンボル81Aと、ボルト2モードを示すシンボル81Bと、ボルト3モードを示すシンボル81Cとを含む。実施形態において、シンボル81Aは、数字の「1」である。シンボル81Bは、数字の「2」である。シンボル81Cは、数字の「3」である。
第3シンボル81は、複数の動作発光器72のそれぞれに対応する位置に設けられる。シンボル81Aは、第1動作発光器72A及びシンボル80Aの前方に設けられる。シンボル81Bは、第2動作発光器72B及びシンボル80Bの前方に設けられる。シンボル81Cは、第3動作発光器72C及びシンボル80Cの前方に設けられる。
第3シンボル81は、領域83の一部の領域84に設けられる。領域84は、第1色彩及び第2色彩とは異なる第3色彩で着色されている。第3色彩は、例えば青色である。
打撃力スイッチ64の周囲に、第1色彩の領域82の一部が配置される。専用スイッチ65の周囲に、第2色彩の領域83の一部が配置される。打撃力スイッチ64が第1色彩の領域82に配置されているので、作業者は、視覚を通じて、打撃力スイッチ64と、複数の打撃力モードを識別するための第1シンボル79とを関連付けることができる。専用スイッチ65が第2色彩の領域83に配置されているので、作業者は、視覚を通じて、専用スイッチ65と、複数の専用モードを識別するための第2シンボル80とを関連付けることができる。
図13は、実施形態に係る制御モードの切換方法を示す模式図である。操作装置66が第1操作されることにより、11種類の制御モードが切り換えられる。
専用モードから打撃力モードに遷移させる場合、作業者は、図13の矢印R1で示すように、打撃力スイッチ64を短押しする。また、メモリモードから打撃力モードに遷移させる場合、作業者は、図13の矢印R2で示すように、打撃力スイッチ64を短押しする。打撃力モードに遷移した後、打撃力スイッチ64が短押しされる度に、図13の矢印R3で示すように、制御モードは、最速モード、強モード、中モード、弱モード、最速モード、…、の順に切り換えられる。
メモリモードから専用モードに遷移させる場合、作業者は、図13の矢印R4で示すように、専用スイッチ65を短押しする。また、打撃力モードから専用モードに遷移させる場合、作業者は、図13の矢印R5で示すように、専用スイッチ65を短押しする。専用モードに遷移した後、専用スイッチ65が短押しされる度に、図13の矢印R6で示すように、制御モードは、木材モード、テクス(薄)モード、テクス(厚)モード、ボルト1モード、ボルト2モード、ボルト3モード、木材モード、…、の順に切り換えられる。
打撃力モードからメモリモードに遷移させる場合、作業者は、図13の矢印R7で示すように、モード切換スイッチ17を短押しする。また、専用モードからメモリモードに遷移させる場合、作業者は、図13の矢印R8で示すように、モード切換スイッチ17を短押しする。
なお、打撃力モードからメモリモードに遷移した後、打撃力モードに遷移させる場合、作業者は、図13の矢印R9で示すように、モード切換スイッチ17を短押しすることによって、打撃力モードに遷移させることができる。
なお、専用モードからメモリモードに遷移した後、専用モードに遷移させる場合、作業者は、図13の矢印R10で示すように、モード切換スイッチ17を短押しすることによって、専用モードに遷移させることができる。
操作装置66が第2操作されることにより、特定の動作モードの登録処理が実施される。
例えば、4種類の打撃力モード(最速モード、強モード、中モード、弱モード)から、1種類の打撃力モードを登録する場合、作業者は、登録を希望する打撃力モードが設定されている状態で、図13の矢印R11で示すように、打撃力スイッチ64とモード切換スイッチ17とを同時に長押しする。例えば、強モードを登録する場合、作業者は、打撃力スイッチ64を短押して、強モードに設定する。強モードに設定した後、作業者は、打撃力スイッチ64とモード切換スイッチ17とを同時に長押しする。これにより、登録モードとして強モードが登録される。
6種類の専用モード(木材モード、テクス(薄)モード、テクス(厚)モード、ボルト1モード、ボルト2モード、ボルト3モード)から、1種類の専用モードを登録する場合、作業者は、登録を希望する専用モードが設定されている状態で、図13の矢印R12で示すように、専用スイッチ65とモード切換スイッチ17とを同時に長押しする。例えば、木材モードを登録する場合、作業者は、専用スイッチ65を短押して、木材モードに設定する。木材モードに設定した後、作業者は、専用スイッチ65とモード切換スイッチ17とを同時に長押しする。これにより、登録モードとして木材モードが登録される。
なお、実施形態において、打撃力スイッチ64は、ライト18を点灯又は消灯させるための照明スイッチとして機能する。例えば、打撃力スイッチ64が長押しされることにより、ライト18が点灯又は消灯する。
[制御特性]
図14は、実施形態に係る打撃力モードの制御特性を説明するための図である。図14において、横軸はトリガ部材14Aの操作量を示し、縦軸はモータ6を駆動させるための制御信号のデューティ比を示す。
図14に示すように、打撃力モードにおいては、トリガ部材14Aの操作量に基づいて、モータ6を駆動させるための制御信号のデューティ比が変更される。制御信号のデューティ比とモータ6の回転数とは1対1で対応する。制御信号のデューティ比が変更されることにより、モータ6の回転数が変更される。すなわち、トリガ部材14Aの操作量に基づいて、モータ6の回転数が変更される。図14に示す例においては、トリガ部材14Aの操作量が「1」から「10」までの10段階に分割される。トリガ部材14Aの操作量が大きくなるほど、制御信号のデューティ比が大きくなる。
また、打撃力モードにおいては、制御信号のデューティ比の上限値Maが設定される。すなわち、打撃力モードにおいては、モータ6の回転数の上限値Maが設定される。最速モードの上限値Ma1が最も高く、最速モードに次いで強モードの上限値Ma2が高く、強モードに次いで中モードの上限値Ma3が高く、弱モードの上限値Ma4が最も低い。
操作量が最も大きい「10」において、モータ6が上限値Maの回転数で回転する。操作量が最も小さい「1」において、モータ6が下限値Miの回転数で回転する。下限値Miの回転数は、最速モード、強モード、中モード、弱モードのそれぞれにおいて同一の値である。
打撃力モードにおいては、ねじ締め作業によりアンビル10に作用する負荷が大きくなると、ハンマ47がアンビル10を回転方向に打撃する。
図15は、実施形態に係る打撃力モードにおいてハンマ47がアンビル10を回転方向に打撃したときのモータ6の回転数を説明するための図である。図15において、横軸はねじ締め作業を開始してからの時間を示し、縦軸はモータ6の回転数を示す。
図15に示すように、ねじ締め作業によりモータ6に作用する負荷が大きくなると、時点taにおいて、モータ6の回転数が低下する。時点taの後の時点tbにおいて、ハンマ47による打撃が開始される。ハンマ47による打撃が開始されると、モータ6に作用する負荷が低下し、モータ6の回転数が変動する。
図16は、実施形態に係る木材モードの制御特性を説明するための図である。図16において、横軸はねじ締め作業を開始してからの時間を示し、縦軸はモータ6の回転数を示す。
図16に示すように、トリガ部材14Aの操作が開始され、トリガ部材14Aの操作量が大きくなると、制御信号のデューティ比が大きくなる。木材モードにおける制御信号のデューティ比は、最速モードにおける制御信号のデューティ比よりも小さい。木材に対するねじ締め作業の開始直後においては、ねじを木材に食い込ませるために、ねじをゆっくりと回転させる必要がある。すなわち、モータ6の駆動開始直後においては、モータ6の回転数を低くする必要がある。木材モードにおける制御信号のデューティ比が、最速モードにおける制御信号のデューティ比よりも小さいので、ねじはゆっくりと回転する。
モータ6に作用する負荷が大きくなると、時点taにおいて、モータ6の回転数が低下する。時点taの後の時点tbにおいて、ハンマ47による打撃が開始される。打撃検出装置68は、ハンマ47による打撃回数を検出する。モータ制御部77は、打撃検出装置68の検出信号に基づいて、ハンマ47による打撃回数が規定値を超えたと判定した場合、時点tbの後の時点tcにおいて、制御信号のデューティ比を大きくする。すなわち、ハンマ47による打撃回数が規定値を超えた場合、モータ制御部77は、ねじが木材に食い込んだと判定し、モータ6の回転数を上昇させる。ねじが木材に食い込んだ後、モータ6の回転数が上昇されることにより、木材に対するねじ締め作業は、短時間で効率良く実施される。
テクスモードは、加工対象にテクスねじを締め付けるための動作モードである。テクス(厚)モードは、加工対象の厚さが厚いときに選択される。テクス(薄)モードは、加工対象の厚さが薄いときに選択される。作業者は、テクス(厚)モードとテクス(薄)モードとを任意に選択することができる。
図17は、実施形態に係るテクス(厚)モードの制御特性を説明するための図である。図17において、横軸はねじ締め作業を開始してからの時間を示し、縦軸はモータ6の回転数を示す。
図17に示すように、トリガ部材14Aの操作が開始され、トリガ部材14Aの操作量が大きくなると、制御信号のデューティ比が大きくなる。モータ6に作用する負荷が大きくなると、時点taにおいて、モータ6の回転数が低下する。時点taの後の時点tbにおいて、ハンマ47による打撃が開始される。打撃検出装置68は、ハンマ47による打撃回数を検出する。モータ制御部77は、打撃検出装置68の検出信号に基づいて、ハンマ47による打撃回数が規定値を超えたと判定した場合、時点tbの後の時点tcにおいて、制御信号のデューティ比を小さくする。
図示は省略するが、テクス(薄)モードにおいては、モータ制御部77は、ハンマ47による打撃回数が規定値を超えたと判定した場合、モータ6の駆動を停止させる。
ボルトモードは、ボルトの締め付け作業又は取り外し作業を実施するための制御モードである。なお、ボルトモードは、ナットの締め付け作業又は取り外し作業を実施するときにも選択される。以下の説明においては、ボルトの締め付け作業又は取り外し作業を実施する場合について説明する。
ボルトの締め付け作業が実施される場合、モータ6が正転方向に回転される。ボルトの取り外し作業が実施される場合、モータ6が逆転方向に回転される。
図18は、実施形態に係るボルトの締め付け作業におけるボルトモードの制御特性を説明するための図である。図18において、横軸はボルトの締め作業を開始してからの時間を示し、縦軸はモータ6の回転数を示す。
図18に示すように、ボルトモードにおいては、モータ6の回転数の上限値Maが設定される。ボルト3モードの上限値Ma5が最も高く、ボルト3モードに次いでボルト2モードの上限値Ma6が高く、ボルト1モードの上限値Ma7が最も低い。
ボルトモードにおいては、トリガ部材14Aの操作量が「10」にならなくても、モータ6の回転数が上限値Maに到達するように設定される。すなわち、ボルトモードにおいては、トリガ部材14Aの操作量が小さくても、モータ6の回転数が上限値Maに到達するように設定される。
ボルトを回転させる場合、ボルトの頭部に嵌る先端工具が用いられる。そのため、先端工具がボルトから外れる可能性は低い。そのため、ボルトモードにおいては、トリガ部材14Aの操作量が小さくても、モータ6の回転数が上限値Maに到達するように設定される。これにより、ボルトの締め付け作業は、短時間で効率良く実施される。
モータ制御部77は、打撃検出装置68の検出信号に基づいて、ハンマ47による打撃が開始されたと判定した場合、モータ6の駆動を停止する。
図19は、実施形態に係るボルトの取り外し作業におけるボルトモードの制御特性を説明するための図である。図19において、横軸はボルトの取り外し作業を開始してからの時間を示し、縦軸はモータ6の回転数を示す。
ボルトの取り外し作業においては、モータ6の駆動開始直後において、モータ6に大きい負荷が作用する。そのため、モータ6の駆動開始直後の時点tdにおいて、ハンマ47による打撃が開始される。
ハンマ47による打撃によってボルトが緩むと、モータ6に作用する負荷が低下する。モータ6に作用する負荷が低下すると、ハンマ47による打撃が終了する。ハンマ47による打撃が終了した時点teから、モータ6の回転数が上昇する。ハンマ47による打撃が終了した時点teから所定時間Tfだけ打撃が検出されなくなると、モータ制御部77は、モータ6の駆動を停止又はモータ6の回転数を低減させる。モータ6の駆動が停止又はモータ6の回転数が低減されることにより、ボルトが先端工具から落下することが抑制される。
[報知装置]
次に、報知装置67の動作について説明する。報知制御部78は、モード指令により設定された制御モードに基づいて、複数の動作発光器72の作動パターンを変更する。報知制御部78は、モード指令により設定された制御モードに基づいて、識別発光器73の作動パターンを変更する。
複数の発光器71は、設定される制御モードに対応付けられている。制御モードに対応する特定の発光器71とは、設定された制御モードを報知するために主要的に作動する発光器71をいう。作業者は、制御モードに対応する特定の発光器71の状態を確認することにより、設定されている制御モードを認識することができる。
打撃力モードにおいて、最速モードに対応する特定の動作発光器72は、第4動作発光器72Dである。強モードに対応する特定の動作発光器72は、第3動作発光器72Cである。中モードに対応する特定の動作発光器72は、第2動作発光器72Bである。弱モードに対応する特定の動作発光器72は、第1動作発光器72Aである。
専用モードにおいて、木材モードに対応する特定の動作発光器72は、第1動作発光器72Aである。テクス(薄)モードに対応する特定の動作発光器72は、第2動作発光器72Bである。テクス(厚)モードに対応する特定の動作発光器72は、第3動作発光器72Cである。ボルト1モードに対応する特定の動作発光器72は、第1動作発光器72A及び第4動作発光器72Dである。ボルト2モードに対応する特定の動作発光器72は、第2動作発光器72B及び第4動作発光器72Dである。ボルト3モードに対応する特定の動作発光器72は、第3動作発光器72C及び第4動作発光器72Dである。
図20及び図21を参照しながら、モード指令が出力されたときの報知装置67の動作について説明する。図20は、実施形態に係る打撃力モードの設定における報知装置67の状態を示す遷移図である。図21は、実施形態に係る専用モードの設定における報知装置67の状態を示す遷移図である。
打撃力モードにおいては、図13の矢印R3で示したように、打撃力スイッチ64が短押しされる度に、指令出力部76からモード指令が出力される。打撃力モードは、最速モード、強モード、中モード、弱モード、最速モード、…、の順に切り換えられる。
専用モードにおいては、図13の矢印R6で示したように、専用スイッチ65が短押しされる度に、指令出力部76からモード指令が出力される。専用モードは、木材モード、テクス(薄)モード、テクス(厚)モード、ボルト1モード、ボルト2モード、ボルト3モード、木材モード、…、の順に切り換えられる。
図20に示すように、報知制御部78は、モード指令により打撃力モードが設定された場合、識別発光器73が第5状態になるように制御する。すなわち、報知制御部78は、最速モード、強モード、中モード、及び弱モードのそれぞれにおいて、識別発光器73が第5状態になるように制御する。実施形態において、第5状態は、消灯状態を含む。報知制御部78は、最速モード、強モード、中モード、及び弱モードのそれぞれが設定された場合、識別発光器73が消灯状態になるように制御する。
識別発光器73は、打撃力モードと専用モードとを識別するために作動する。識別発光器73が消灯状態になることにより、作業者は、打撃力モードが設定されていることを認識することができる。
報知制御部78は、設定された打撃力モード(最速モード、強モード、中モード、及び弱モード)に基づいて、複数の動作発光器72の作動パターンを変更する。これにより、報知装置67は、複数の打撃力モードのそれぞれを報知することができる。
報知制御部78は、モード指令により最速モードが設定された場合、最速モードに対応する第4動作発光器72Dが第3状態になるように制御する。実施形態において、第3状態は、連続点灯状態を含む。報知制御部78は、最速モードが設定された場合、第4動作発光器72Dを連続点灯させる。
また、報知制御部78は、最速モードが設定された場合、第4動作発光器72Dのみならず、第1動作発光器72A、第2動作発光器72B、及び第3動作発光器72Cのそれぞれが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
報知制御部78は、モード指令により強モードが設定された場合、強モードに対応する第3動作発光器72Cが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
また、報知制御部78は、強モードが設定された場合、第3動作発光器72Cのみならず、第1動作発光器72A及び第2動作発光器72Bのそれぞれが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、強モードが設定された場合、第4動作発光器72Dが消灯状態になるように制御する。
報知制御部78は、モード指令により中モードが設定された場合、中モードに対応する第2動作発光器72Bが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
また、報知制御部78は、中モードが設定された場合、第2動作発光器72Bのみならず、第1動作発光器72Aが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、中モードが指定された場合、第3動作発光器72C及び第4動作発光器72Dのそれぞれが消灯状態になるように制御する。
報知制御部78は、モード指令により弱モードが設定された場合、弱モードに対応する第1動作発光器72Aが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
また、報知制御部78は、弱モードが設定された場合、第2動作発光器72B、第3動作発光器72C、及び第4動作発光器72Dのそれぞれが消灯状態になるように制御する。
図21に示すように、報知制御部78は、モード指令により専用モードが設定された場合、識別発光器73が第5状態とは異なる第6状態になるように制御する。すなわち、報知制御部78は、木材モード、テクス(薄)モード、テクス(厚)モード、ボルト1モード、ボルト2モード、及びボルト3モードのそれぞれにおいて、識別発光器73が第6状態になるように制御する。実施形態において、第6状態は、連続点灯状態を含む。報知制御部78は、木材モード、テクス(薄)モード、テクス(厚)モード、ボルト1モード、ボルト2モード、及びボルト3モードのそれぞれが設定された場合、識別発光器73が連続点灯状態になるように制御する。
識別発光器73は、打撃力モードと専用モードとを識別するために作動する。識別発光器73が連続点灯状態になることにより、作業者は、専用モードが設定されていることを認識することができる。
報知制御部78は、設定された専用モード(木材モード、テクス(薄)モード、テクス(厚)モード、ボルト1モード、ボルト2モード、ボルト3モード)に基づいて、複数の動作発光器72の作動パターンを変更する。これにより、報知装置67は、複数の専用モードのそれぞれを報知することができる。
報知制御部78は、モード指令により木材モードが設定された場合、木材モードに対応する第1動作発光器72Aが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
また、報知制御部78は、木材モードが設定された場合、第2動作発光器72B、第3動作発光器72C、及び第4動作発光器72Dのそれぞれが消灯状態になるように制御する。
報知制御部78は、モード指令によりテクス(薄)モードが設定された場合、テクス(薄)モードに対応する第2動作発光器72Bが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
また、報知制御部78は、テクス(薄)モードが設定された場合、第1動作発光器72A、第3動作発光器72C、及び第4動作発光器72Dのそれぞれが消灯状態になるように制御する。
報知制御部78は、モード指令によりテクス(厚)モードが設定された場合、テクス(厚)モードに対応する第3動作発光器72Cが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
また、報知制御部78は、テクス(厚)モードが設定された場合、第1動作発光器72A、第2動作発光器72B、及び第4動作発光器72Dのそれぞれが消灯状態になるように制御する。
報知制御部78は、モード指令によりボルト1モードが設定された場合、ボルト1モードに対応する第1動作発光器72A及び第4動作発光器72Dのそれぞれが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
また、報知制御部78は、ボルト1モードが設定された場合、第2動作発光器72B及び第3動作発光器72Cのそれぞれが消灯状態になるように制御する。
報知制御部78は、モード指令によりボルト2モードが設定された場合、ボルト2モードに対応する第2動作発光器72B及び第4動作発光器72Dのそれぞれが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
また、報知制御部78は、ボルト2モードが設定された場合、第1動作発光器72A及び第3動作発光器72Cのそれぞれが消灯状態になるように制御する。
報知制御部78は、モード指令によりボルト3モードが設定された場合、ボルト3モードに対応する第3動作発光器72C及び第4動作発光器72Dのそれぞれが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
また、報知制御部78は、ボルト3モードが設定された場合、第1動作発光器72A及び第2動作発光器72Bのそれぞれが消灯状態になるように制御する。
図21に示したように、専用モードにおいて、第4動作発光器72Dは、複数の専用モードを識別するために作動する第2識別発光器として機能する。識別発光器73(第1識別発光器)の状態と第4動作発光器72D(第2識別発光器)の状態との組み合わせにより、木材モード、テクス(薄)モード、及びテスク(厚)モードと、ボルトモード(ボルト1モード、ボルト2モード、及びボルト3モード)とが識別される。
専用モードにおいて、識別発光器73が第6状態(連続点灯状態)になり、第4動作発光器72Dが第5状態(消灯状態)になることにより、作業者は、設定されている専用モードがボルトモード(ボルト1モード、ボルト2モード、ボルト3モード)ではないことを認識することができる。識別発光器73が連続点灯状態であり第4動作発光器72Dが消灯状態において、第1動作発光器72A、第2動作発光器72B、及び第3動作発光器72Cのいずれか一つが第3状態(連続点灯状態)なることにより、作業者は、木材モード、テクス(薄)モード、及びテクス(厚)モードのいずれか一つが設定されていることを認識することができる。
専用モードにおいて、識別発光器73が第6状態(連続点灯状態)になり、第4動作発光器72Dが第6状態(連続点灯状態)になることにより、作業者は、設定されている専用モードがボルトモード(ボルト1モード、ボルト2モード、ボルト3モード)であることを認識することができる。識別発光器73及び第4動作発光器72Dのそれぞれが連続点灯状態において、第1動作発光器72A、第2動作発光器72B、及び第3動作発光器72Cのいずれか一つが第3状態(連続点灯状態)なることにより、作業者は、ボルト1モード、ボルト2モード、及びボルト3モードのいずれか一つが設定されていることを認識することができる。
なお、実施形態においては、第5状態が消灯状態であり、第6状態が連続点灯状態であることとした。例えば、第5状態が連続点灯状態であり、第6状態が消灯状態でもよい。
次に、図22から図31を参照しながら、登録指令が出力されたときの報知装置67の動作について説明する。図22は、実施形態に係る最速モードの登録処理及びメモリモードの設定における報知装置67の状態を示す遷移図である。図23は、実施形態に係る強モードの登録処理及びメモリモードの設定における報知装置67の状態を示す遷移図である。図24は、実施形態に係る中モードの登録処理及びメモリモードの設定における報知装置67の状態を示す遷移図である。図25は、実施形態に係る弱モードの登録処理及びメモリモードの設定における報知装置67の状態を示す遷移図である。図26は、実施形態に係る木材モードの登録処理及びメモリモードの設定における報知装置67の状態を示す遷移図である。図27は、実施形態に係るテクス(薄)モードの登録処理及びメモリモードの設定における報知装置67の状態を示す遷移図である。図28は、実施形態に係るテクス(厚)モードの登録処理及びメモリモードの設定における報知装置67の状態を示す遷移図である。図29は、実施形態に係るボルト1モードの登録処理及びメモリモードの設定における報知装置67の状態を示す遷移図である。図30は、実施形態に係るボルト2モードの登録処理及びメモリモードの設定における報知装置67の状態を示す遷移図である。図31は、実施形態に係るボルト3モードの登録処理及びメモリモードの設定における報知装置67の状態を示す遷移図である。
打撃力モードを登録する場合、図13の矢印R11で示したように、登録を希望する打撃力モードが設定されている状態で、打撃力スイッチ64とモード切換スイッチ17とが同時に長押しされる。打撃力モードを含むメモリモードを設定する場合、図13の矢印R7で示したように、モード切換スイッチ17が短押しされる。
専用モードを登録する場合、図13の矢印R12で示したように、登録を希望する専用モードが設定されている状態で、専用スイッチ65とモード切換スイッチ17とが同時に長押しされる。専用モードを含むメモリモードを設定する場合、図13の矢印R8で示したように、モード切換スイッチ17が短押しされる。
報知制御部78は、登録処理が実施される場合、発光器71が第1状態になるように制御する。報知制御部78は、メモリモードが設定された場合、発光器71が第2状態になるように制御する。
第1状態は、登録モードに対応する特定の発光器71を第1点滅させることを含む。第2状態は、登録モードに対応する特定の発光器71を第2点滅させることを含む。実施形態において、第1点滅は、特定の発光器71が第1時間間隔で点滅することをいう。第2点滅は、特定の発光器71が第1時間間隔よりも長い第2時間間隔で点滅することをいう。すなわち、第1点滅は、高速点滅である。第2点滅は、低速点滅である。
図22、図23、図24、及び図25に示すように、打撃力モードの登録処理及びメモリモードの設定のそれぞれにおいて、報知制御部78は、識別発光器73が消灯状態になるように制御する。
図22に示すように、最強モードの登録処理を実施する場合、最速モードが設定される。最速モードが設定された場合、報知制御部78は、第1動作発光器72A、第2動作発光器72B、第3動作発光器72C、及び第4動作発光器72Dのそれぞれが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
最速モードが設定された後、打撃力スイッチ64とモード切換スイッチ17とが同時に長押しされることにより、最速モードの登録処理が開始される。登録処理において、報知制御部78は、最速モードに対応する第4動作発光器72Dが第1状態(高速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、第1動作発光器72A、第2動作発光器72B、及び第3動作発光器72Cのそれぞれが消灯状態になるように制御する。
最速モードを含むメモリモードが設定された場合、報知制御部78は、最速モードに対応する第4動作発光器72Dが第2状態(低速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、第1動作発光器72A、第2動作発光器72B、及び第3動作発光器72Cのそれぞれが連続点灯状態になるように制御する。
図23に示すように、強モードの登録処理を実施する場合、強モードが設定される。強モードが設定された場合、報知制御部78は、第1動作発光器72A、第2動作発光器72B、及び第3動作発光器72Cのそれぞれが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
強モードが設定された後、打撃力スイッチ64とモード切換スイッチ17とが同時に長押しされることにより、強モードの登録処理が開始される。登録処理において、報知制御部78は、強モードに対応する第3動作発光器72Cが第1点滅状態(高速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、第1動作発光器72A、第2動作発光器72B、及び第4動作発光器72Dのそれぞれが消灯状態になるように制御する。
強モードを含むメモリモードが設定された場合、報知制御部78は、強モードに対応する第3動作発光器72Cが第2状態(低速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、第1動作発光器72A及び第2動作発光器72Bのそれぞれが連続点灯状態になるように制御する。
図24に示すように、中モードの登録処理を実施する場合、中モードが設定される。中モードが設定された場合、報知制御部78は、第1動作発光器72A及び第2動作発光器72Bのそれぞれが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
中モードが設定された後、打撃力スイッチ64とモード切換スイッチ17とが同時に長押しされることにより、中モードの登録処理が開始される。登録処理において、報知制御部78は、中モードに対応する第2動作発光器72Bが第1状態(高速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、第1動作発光器72A、第3動作発光器72C、及び第4動作発光器72Dのそれぞれが消灯状態になるように制御する。
中モードを含むメモリモードが設定された場合、報知制御部78は、中モードに対応する第2動作発光器72Bが第2状態(低速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、第1動作発光器72Aが連続点灯状態になるように制御する。
図25に示すように、弱モードの登録処理を実施する場合、弱モードが設定される。弱モードが設定された場合、報知制御部78は、第1動作発光器72Aが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
弱モードが設定された後、打撃力スイッチ64とモード切換スイッチ17とが同時に長押しされることにより、弱モードの登録処理が開始される。登録処理において、報知制御部78は、弱モードに対応する第1動作発光器72Aが第1状態(高速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、第2動作発光器72B、第3動作発光器72C、及び第4動作発光器72Dのそれぞれが消灯状態になるように制御する。
弱モードを含むメモリモードが設定された場合、報知制御部78は、弱モードに対応する第1動作発光器72Aが第2状態(低速点滅状態)になるように制御する。
このように、打撃力モードの登録処理が実施される場合、登録モードに対応する特定の発光器71が第1状態(高速点滅状態)になるように制御され、モード指令によりメモリモードが設定された場合、メモリモードに対応する特定の発光器71が第1状態とは異なる第2状態(低速点滅状態)になるように制御される。これにより、作業者は、登録処理が実施されているか否かを認識することができる。また、作業者は、メモリモードが設定されているか否かを認識することができる。
また、報知制御部78は、モード指令により動作モードが設定された場合、設定された動作モードに対応する特定の発光器71が第3状態(連続点灯状態)になるように制御し、モード指令によりメモリモードが設定された場合、設定されたメモリモードに対応する特定の発光器71が第4状態(低速点滅状態)になるように制御する。
例えば、図20を参照して説明したように、モード指令により最速モードが設定された場合、最速モードに対応する第4動作発光器72Dが第3状態(連続点灯状態)になるように制御される。図22を参照して説明したように、モード指令により最速モードを含むメモリモードが設定された場合、メモリモード(最速モード)に対応する第4動作発光器72Dが第4状態(低速点滅状態)になるように制御される。これにより、作業者は、設定された最速モードが動作モード及びメモリモードのいずれであるかを識別することができる。
同様に、モード指令により強モードが設定された場合、強モードに対応する第3動作発光器72Cが第3状態(連続点灯状態)になるように制御され、モード指令により強モードを含むメモリモードが設定された場合、メモリモード(強モード)に対応する第3動作発光器72Cが第4状態(低速点滅状態)になるように制御される。中モード及び弱モードのそれぞれについても同様である。作業者は、設定された打撃力モードが動作モード及びメモリモードのいずれであるかを識別することができる。
なお、第2状態と第4状態とは、同一の状態でもよいし異なる状態でもよい。第3状態と第4状態とが異なっていればよい。
図26、図27、図28、図29、図30、及び図31に示すように、専用モードの登録処理において、報知制御部78は、識別発光器73が第7状態になるように制御する。また、専用モードを含むメモリモードの設定において、報知制御部78は、識別発光器73が第8状態になるように制御する。第7状態と第8状態とは異なる。実施形態において、第7状態は、高速点滅状態である。第8状態は、連続点灯状態である。
図26に示すように、木材モードの登録処理を実施する場合、木材モードが設定される。木材モードが設定された場合、報知制御部78は、第1動作発光器72Aが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
木材モードが設定された後、専用スイッチ65とモード切換スイッチ17とが同時に長押しされることにより、木材モードの登録処理が開始される。登録処理において、報知制御部78は、木材モードに対応する第1動作発光器72Aが第1状態(高速点滅状態)になるよう制御する。また、報知制御部78は、識別発光器73が第7状態(高速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、第2動作発光器72B、第3動作発光器72C、及び第4動作発光器72Dのそれぞれが消灯状態になるように制御する。
木材モードを含むメモリモードが設定された場合、報知制御部78は、木材モードに対応する第1動作発光器72Aが第2作態(低速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、識別発光器73が第8状態(連続点灯状態)になるように制御する。
図27に示すように、テクス(薄)モードの登録処理を実施する場合、テクス(薄)モードが設定される。テクス(薄)モードが設定された場合、報知制御部78は、第2動作発光器72Bが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
テクス(薄)モードが設定された後、専用スイッチ65とモード切換スイッチ17とが同時に長押しされることにより、テクス(薄)モードの登録処理が開始される。登録処理において、報知制御部78は、テクス(薄)モードに対応する第2動作発光器72Bが第1状態(高速点滅状態)になるよう制御する。また、報知制御部78は、識別発光器73が第7状態(高速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、第1動作発光器72A、第3動作発光器72C、及び第4動作発光器72Dのそれぞれが消灯状態になるように制御する。
テクス(薄)モードを含むメモリモードが設定された場合、報知制御部78は、テクス(薄)モードに対応する第2動作発光器72Bが第2作態(低速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、識別発光器73が第8状態(連続点灯状態)になるように制御する。
図28に示すように、テクス(厚)モードの登録処理を実施する場合、テクス(厚)モードが設定される。テクス(厚)モードが設定された場合、報知制御部78は、第3動作発光器72Cが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
テクス(厚)モードが設定された後、専用スイッチ65とモード切換スイッチ17とが同時に長押しされることにより、テクス(厚)モードの登録処理が開始される。登録処理において、報知制御部78は、テクス(厚)モードに対応する第3動作発光器72Cが第1状態(高速点滅状態)になるよう制御する。また、報知制御部78は、識別発光器73が第7状態(高速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、第1動作発光器72A、第2動作発光器72B、及び第4動作発光器72Dのそれぞれが消灯状態になるように制御する。
テクス(厚)モードを含むメモリモードが設定された場合、報知制御部78は、テクス(厚)モードに対応する第3動作発光器72Cが第2作態(低速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、識別発光器73が第8状態(連続点灯状態)になるように制御する。
図29に示すように、ボルト1モードの登録処理を実施する場合、ボルト1モードが設定される。ボルト1モードが設定された場合、報知制御部78は、第1動作発光器72A及び第4動作発光器72Dのそれぞれが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
ボルト1モードが設定された後、専用スイッチ65とモード切換スイッチ17とが同時に長押しされることにより、ボルト1モードの登録処理が開始される。登録処理において、報知制御部78は、ボルト1モードに対応する第1動作発光器72Aが第1状態(高速点滅状態)になるよう制御する。また、報知制御部78は、第2識別発光器として機能する第4動作発光器72Dが第7状態(高速点滅状態)になるよう制御する。また、報知制御部78は、識別発光器73が第7状態(高速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、第2動作発光器72B及び第3動作発光器72Cのそれぞれが消灯状態になるように制御する。
ボルト1モードを含むメモリモードが設定された場合、報知制御部78は、ボルト1モードに対応する第1動作発光器72Aが第2作態(低速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、第2識別発光器として機能する第4動作発光器72Dが第8状態(連続点灯状態)になるよう制御する。また、報知制御部78は、識別発光器73が第8状態(連続点灯状態)になるように制御する。
図30に示すように、ボルト2モードの登録処理を実施する場合、ボルト2モードに設定される。ボルト2モードが設定された場合、報知制御部78は、第2動作発光器72B及び第4動作発光器72Dのそれぞれが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
ボルト2モードが設定された後、専用スイッチ65とモード切換スイッチ17とが同時に長押しされることにより、ボルト2モードの登録処理が開始される。登録処理において、報知制御部78は、ボルト2モードに対応する第2動作発光器72Bが第1状態(第1点滅状態、高速点滅状態)になるよう制御する。また、報知制御部78は、第2識別発光器として機能する第4動作発光器72Dが第7状態(高速点滅状態)になるよう制御する。また、報知制御部78は、識別発光器73が第7状態(高速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、第1動作発光器72A及び第3動作発光器72Cのそれぞれが消灯状態になるように制御する。
ボルト2モードを含むメモリモードが設定された場合、報知制御部78は、ボルト2モードに対応する第2動作発光器72Bが第2作態(低速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、第2識別発光器として機能する第4動作発光器72Dが第8状態(連続点灯状態)になるよう制御する。また、報知制御部78は、識別発光器73が第8状態(連続点灯状態)になるように制御する。
図31に示すように、ボルト3モードの登録処理を実施する場合、ボルト3モードが設定される。ボルト3モードが設定された場合、報知制御部78は、第3動作発光器72C及び第4動作発光器72Dのそれぞれが第3状態(連続点灯状態)になるように制御する。
ボルト3モードが設定された後、専用スイッチ65とモード切換スイッチ17とが同時に長押しされることにより、ボルト3モードの登録処理が開始される。登録処理において、報知制御部78は、ボルト3モードに対応する第3動作発光器72Cが第1状態(高速点滅状態)になるよう制御する。また、報知制御部78は、第2識別発光器として機能する第4動作発光器72Dが第7状態(高速点滅状態)になるよう制御する。また、報知制御部78は、識別発光器73が第7状態(高速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、第1動作発光器72A及び第2動作発光器72Bのそれぞれが消灯状態になるように制御する。
ボルト3モードを含むメモリモードが設定された場合、報知制御部78は、ボルト3モードに対応する第3動作発光器72Cが第2作態(低速点滅状態)になるように制御する。また、報知制御部78は、第2識別発光器として機能する第4動作発光器72Dが第8状態(連続点灯状態)になるよう制御する。また、報知制御部78は、識別発光器73が第8状態(連続点灯状態)になるように制御する。
このように、専用モードの登録処理が実施される場合、登録モードに対応する特定の発光器71が第1状態(高速点滅状態)になるように制御され、モード指令によりメモリモードが設定された場合、メモリモードに対応する特定の発光器71が第1状態とは異なる第2状態(低速点滅状態)になるように制御される。これにより、作業者は、登録処理が実施されているか否かを認識することができる。また、作業者は、メモリモードが設定されているか否かを認識することができる。
また、報知制御部78は、モード指令により動作モードが設定された場合、設定された動作モードに対応する特定の発光器71が第3状態(連続点灯状態)になるように制御し、モード指令によりメモリモードが設定された場合、設定されたメモリモードに対応する特定の発光器71が第4状態(低速点滅状態)になるように制御する。
例えば、図21を参照して説明したように、モード指令により木材モードが設定された場合、木材モードに対応する第1動作発光器72Aが第3状態(連続点灯状態)になるように制御される。図26を参照して説明したように、モード指令により木材モードを含むメモリモードが設定された場合、メモリモード(木材モード)に対応する第1動作発光器72Aが第4状態(低速点滅状態)になるように制御される。これにより、作業者は、設定された木材モードが動作モード及びメモリモードのいずれであるかを識別することができる。
同様に、モード指令によりテクス(薄)モードが設定された場合、テクス(薄)モードに対応する特定の第2動作発光器72Bが第3状態(連続点灯状態)になるように制御され、モード指令によりテクス(薄)モードを含むメモリモードが設定された場合、メモリモード(テクス(薄)モード)に対応する特定の第2動作発光器72Bが第4状態(低速点滅状態)になるように制御される。テクス(厚)モード、ボルト1モード、ボルト2モード、及びボルト3モードのそれぞれについても同様である。作業者は、設定された専用モードが動作モード及びメモリモードのいずれであるかを識別することができる。
[変形抑制部材]
図32は、実施形態に係る電動工具1の下部を拡大した断面図である。図33は、実施形態に係る電動工具1の下部を拡大した断面図である。図4、図32、及び図33に示すように、コントローラ収容部23は、コントローラ13及びコントローラケース62のそれぞれを収容する。
コントローラケース62は、底板62Aと、底板の周縁部から上方に突出する壁板62Bとを有する。底板62Aの外形は、矩形状である。壁板62Bは、底板62Aの前端部から上方に突出する前壁板62Bfと、底板62Aの後端部から上方に突出する後壁板62Bbと、底板62Aの左端部から上方に突出する左壁板62Blと、底板62Aの右端部から上方に突出する前壁板62Bfとを含む。
コントローラケース62の上部に開口が設けられる。コントローラ13の少なくとも一部は、コントローラケース62の開口を介して、コントローラケース62の内側に収容される。
電動工具1は、グリップ部22とコントローラ収容部23との境界部2C又は境界部2Cの付近に配置された変形抑制部材85を備える。コントローラ収容部23は、グリップ部22の下端部に接続される。境界部2Cは、グリップ部22の下端部及びコントローラ収容部の上端部の少なくとも一方を含む。変形抑制部材85は、ハウジング2の変形を抑制する。
上述のように、ハウジング2は、合成樹脂製である。変形抑制部材85は、ハウジング2よりも高剛性である。変形抑制部材85は、金属製である。実施形態において、変形抑制部材85は、鉄製である。なお、変形抑制部材85は、アルミニウム製でもよい。なお、変形抑制部材85は、カーボン製でもよい。
変形抑制部材85は、左右方向に長い板状である。回転軸AXと平行であり操作パネル16の上面に直交する断面において、変形抑制部材85の外形は、矩形状である。左右方向において、変形抑制部材85の寸法は、グリップ部22の外形の寸法よりも大きい。
変形抑制部材85は、コントローラ収容部23の内部空間の上部に配置される。変形抑制部材85は、境界部2Cにおけるハウジング2の内面に接続される。変形抑制部材85は、ハウジング2を内側から支持する。
変形抑制部材85は、コントローラ13の上方に配置される。変形抑制部材85は、コントローラケース62の上方に配置される。変形抑制部材85の少なくとも一部は、壁板62Bの上方に配置される。
左右方向において、変形抑制部材85の寸法と、コントローラケース62の寸法とは、実質的に等しい。なお、左右方向において、変形抑制部材85の寸法は、コントローラケース62の寸法よりも大きくてもよい。図33に示すように、変形抑制部材85の左端部は、コントローラケース62の左壁板62Blの上方に配置される。変形抑制部材85の右端部は、コントローラケース62の右壁板62Brの上方に配置される。
図34は、実施形態に係る変形抑制部材85及びコントローラケース62の一部を拡大した断面図である。図34は、図33のA部分の拡大図に相当する。
図34に示すように、左右方向において、変形抑制部材85の端部は、壁板62Bの上端部の上方に配置される。電動工具1は、変形抑制部材85の下面と壁板62Bの上端部との間に配置されるクッション層86を備える。クッション層86は、変形抑制部材85の左端部と左壁板62Blの上端部との間に配置される。クッション層86は、変形抑制部材85の右端部と右壁板62Brの上端部との間に配置される。
クッション層86は、ハウジング2のコントローラ収容部23の少なくとも一部を含む。コントローラ収容部23の内面の少なくとも一部が、コントローラ収容部23の内部空間の中心に向かって突出する。変形抑制部材85と壁板62Bの上端部との間に、コントローラ収容部23の内面から突出する突出部が挟まれる。
上述のように、ハウジング2は、ナイロンのような合成樹脂製である。クッション層86は、合成樹脂製である。
なお、クッション層86は、ハウジング2とは別体でもよい。また、クッション層86は、ゴムで形成されてもよいし、熱可塑性エラストマー(TPE:Thermoplastic Elastomers)で形成されてもよい。
図4、図33、及び図34に示すように、ターミナルブロック5Aがコントローラ収容部23に保持される。ターミナルブロック5Aは、工具側端子5Bを有する。工具側端子5Bは、バッテリパック25のバッテリ端子に接触する。工具側端子5Bは、リード線を介してコントローラ13に接続される。バッテリパック25は、工具側端子5B及びリード線を介して、コントローラ13に電力を供給する。
また、コントローラ収容部23は、パネル保持部23Cと、前ケース保持部23Dと、前ブロック保持部23Eと、後ブロック保持部23Fと、横ケース保持部23Aと、接触部23Gと、横ブロック保持部23Bとを有する。
パネル保持部23Cは、操作パネル16の前部を下側から保持する。前ケース保持部23Dは、コントローラケース62の前部を下側から保持する。前ブロック保持部23Eは、ターミナルブロック5Aの前部を下側から保持する。後ブロック保持部23Fは、ターミナルブロック5Aの後部の下部に設けられている凹部に嵌る。接触部23Gは、変形抑制部材85の上面の少なくとも一部に接触する。横ケース保持部23Aは、左壁板62Bl及び右壁板62Brのそれぞれを下側から保持する。横ブロック保持部23Bは、ターミナルブロック5Aの左端部及び右端部のそれぞれを下側から保持する。
図35は、実施形態に係る操作パネル16及び変形抑制部材85を示す斜視図である。図36は、実施形態に係る操作パネル16及び変形抑制部材85を示す側面図である。図35及び図36に示すように、変形抑制部材85は、操作パネル16に固定される。
変形抑制部材85と操作パネル16とは接続部87を介して接続される。接続部87は、合成樹脂製である。接続部87は、操作パネル16と一体成形される。接続部87は、変形抑制部材85の周囲の少なくとも一部に配置される。実施形態において、接続部87は、変形抑制部材85の上面及び後面のそれぞれに接続される。変形抑制部材85は、接続部87に固定される。なお、接続部87は、変形抑制部材85の前面に接続されてもよいし、変形抑制部材85の下面に接続されてもよい。
操作パネル16の基材及び接続部87は、例えば射出成形により製造される。射出成形の金型の内側に変形抑制部材85が配置された状態で、金型の内側に合成樹脂が射出されることにより、操作パネル16と接続部87とが一体成形され、接続部87が変形抑制部材85に固定される。
なお、操作パネル16と変形抑制部材85とは、例えばボルトにより固定されてもよいし、接着剤により接続されてもよい。
図32に示すように、接続部87は、境界部2Cにおけるハウジング2の内面に接触する。変形抑制部材85は、接続部87を介して、境界部2Cにおけるハウジング2の内面に接続される。変形抑制部材85は、接続部87を介して、ハウジング2を内側から支持する。
コントローラ収容部23は、操作パネル16が配置される開口63を有する。開口63は、グリップ部22よりも前方において、コントローラ収容部23の上面に設けられる。開口63は、境界部2Cの前方に設けられる。
変形抑制部材85は、開口63の周囲の少なくとも一部に配置される。図32に示すように、前後方向において、変形抑制部材85の少なくとも一部は、境界部2Cと開口63との間に配置される。
変形抑制部材85は、境界部2Cにおけるハウジング2の変形を抑制する。ハウジング2の変形が抑制されることにより、コントローラ13及びコントローラ13の周辺部品の破損が抑制される。
図37は、比較例に係る電動工具1Jに外力が作用した状態を示す模式図である。比較例に係る電動工具1Jは、変形抑制部材85を有しない。電動工具1Jが落下により外力を受けると、ハウジング2の少なくとも一部が変形する可能性がある。グリップ部22とコントローラ収容部23との境界部2Cは、屈曲している。そのため、電動工具1Jが外力を受けると、境界部2Cにおいて変形する可能性が高い。ハウジング2が境界部2Cにおいて折れ曲がるように変形すると、ハウジング2の内面がコントローラ13及びコントローラ13の周辺部品の少なくとも一方に接触する可能性がある。その結果、コントローラ13及びコントローラ13の周辺部品の少なくとも一方が破損する可能性がある。なお、コントローラ13の周辺部品として、コントローラ収容部23に収容されている部品が例示される。
図38は、実施形態に係る電動工具1に外力が作用した状態を示す模式図である。実施形態に係る電動工具1は、境界部2Cに設けられた変形抑制部材85を有する。そのため、境界部2C又は境界部2Cの付近においてハウジング2が変形することが抑制される。
図39は、実施形態に係る変形抑制部材85を模式的に示す図である。図39に示すように、変形抑制部材85の左端部は、コントローラケース62の左壁板62Blの上方に配置される。変形抑制部材85の右端部は、コントローラケース62の右壁板62Brの上方に配置される。変形抑制部材85は、左壁板62Blと右壁板62Brとに架けられるように配置される。なお、図39に示す例において、変形抑制部材85は、左壁板62Bl及び右壁板62Brのそれぞれに直接接触する。
変形抑制部材85は、コントローラケース62の上部の開口の一部を覆うように配置される。そのため、ハウジング2の内面がコントローラ13に接近するように変形したとしても、ハウジング2の内面は、コントローラ13に接触する前に、変形抑制部材85に接触する。したがって、ハウジング2の内面がコントローラ13に接触することが抑制される。そのため、コントローラ13は、十分に保護され、コントローラ13の破損は抑制される。また、コントローラ13の周辺部品の破損も抑制される。
[ファン]
次に、ファン12について説明する。図4及び図5に示したように、ファン12は、ロータ27の少なくとも一部に固定される。ファン12は、ロータ27のロータシャフト32に固定される。ロータシャフト32の回転により、ファン12は、ロータシャフト32と一緒に回転する。ファン12は、回転軸AXを中心に回転する。ファン12は、モータ6の後方に配置される。
図40は、実施形態に係るファン12を前方から見た斜視図である。図41は、実施形態に係るファン12を後方から見た斜視図である。図42は、実施形態に係るファン12を示す断面図である。
ファン12は、遠心ファンである。ファン12は、主板部88と、主板部88の中央部から前方に突出する筒部89と、筒部89の周囲に配置される複数の羽根部91と、羽根部91の前方に配置されるリング状のバッフル部90とを有する。
主板部88は、円板状である。主板部88は、羽根部91の後方に配置される。主板部88の中央部に、ロータシャフト32が配置される開口が設けられる。主板部88の開口と筒部89の内側の空間とは結ばれる。ロータシャフト32は、筒部89の内側の空間に挿入される。
羽根部91は、筒部89の周囲に間隔をあけて複数設けられる。主板部88は、羽根部91の後面に接続される。羽根部91の前面は、筒部89の前部から径方向外側に延伸する内側部91Aと、内側部91Aよりも径方向外側に配置される外側部91Bとを含む。外側部91Bは、内側部91Aよりも後方に凹むように設けられる。外側部91Bは、バッフル部90の表面90Aよりも後方に配置される。
筒部89は、バッフル部90の内側に配置される。ブッシュ61は、筒部89の内側に配置される。
バッフル部90は、主板部88よりも前方に配置される。バッフル部90は、リング状である。バッフル部90は、板状である。バッフル部90の中心と筒部89の中心と回転軸AXとは一致する。バッフル部90は、羽根部91の前面の周縁部に接続される。
バッフル部90の内径Daは、主板部88の外径Dbよりも大きい。回転軸AXに直交する面内において、バッフル部90と主板部88とは重複しない。なお、バッフル部90の内径Daは、主板部88の外径Dbと等しくてもよい。
ファン12がロータシャフト32に固定された状態で、バッフル部90は、ステータ26の少なくとも一部に対向する。バッフル部90は、前方を向く表面90Aと、表面90Aの反対方向である後方を向く裏面90Bとを有する。ファン12がロータシャフト32に固定された状態で、表面90Aは、ステータ26の少なくとも一部に対向する。
表面90Aと裏面90Bとは、平行である。また、表面90A及び裏面90Bのそれぞれは、平坦である。実施形態において、バッフル部90は、平行平板である。ファン12がロータシャフト32に固定された状態で、表面90A及び裏面90Bのそれぞれは、回転軸AXに直交する。
図43は、実施形態に係るファン12及びモータ6の一部を示す断面図である。図43に示すように、径方向において、バッフル部90の位置とステータコア28の少なくとも一部の位置とは一致する。すなわち、バッフル部90は、モータ6の後方において、ステータコア28と対向するように配置される。実施形態において、ステータ26は、ステータコア28に支持される後インシュレータ30を有する。バッフル部90は、後インシュレータ30に対向する。バッフル部90とステータコア28の後面とは、後インシュレータ30を介して対向する。
バッフル部90の内径Daは、ステータコア28の内径Dcと等しい。なお、バッフル部90の内径Daは、ステータコア28の内径Dcよりも大きくてもよい。ステータコア28の内面にティースが設けられている場合、ステータコア28の内径Dcは、ティースが設けられていない部分におけるステータコア28の内径である。すなわち、ステータコア28の内径Dcとは、ステータコア28の内径の最大値をいう。
ファン12は、モータ6を冷却するための気流を生成する。ロータシャフト32が回転することにより、ファン12は、ロータシャフト32と一緒に回転する。ファン12が回転することにより、ハウジング2の外部空間の空気が、吸気口19を介してハウジング2の内部空間に流入する。ハウジング2の内部空間に流入した空気は、モータ6に接触しながらハウジング2の内部空間を流通する。これにより、モータ6が冷却される。図43の矢印Faで示すように、モータ6に接触した空気の少なくとも一部は、ファン12に向かって後方に流れる。モータ6からの空気は、バッフル部90の内側に流入する。ファン12は、バッフル部90の内側に流入した空気が複数の羽根部91の間を流通した後、複数の羽根部91の間から径方向外側に流出するように回転する。複数の羽根部91の間から径方向外側に流出した空気は、第1排気口20Bを通過した後、第2排気口20Aを通過して、ハウジング2の外部空間に排出される。
図6に示したように、第1排気口20Bと第2排気口20Aとは、前後方向にずれた位置に配置される。図43に示すように、第1排気口20Bは、前後方向に配置された排気口20B1と排気口20B2と排気口20B3とを含む。排気口20B1が最も前方に配置され、排気口20B1に次いで排気口20B2が前方に配置され、排気口20B3が最も後方に配置される。前後方向において、排気口20B1とバッフル部90の少なくとも一部とは、同じ位置に配置される。前後方向において、排気口20B3と主板部88の少なくとも一部とは、同じ位置に配置される。
図6に示したように、第2排気口20Aは、前後方向に配置された排気口20A1と排気口20A2と排気口20A3と排気口20A4とを有する。排気口20A1が最も前方に配置され、排気口20A1に次いで排気口20A2が前方に配置され、排気口20A2に次いで排気口20A3が前方に配置され、排気口20A4が最も後方に配置される。排気口20A1は、バッフル部90も前方に配置される。前後方向において、排気口20A4と主板部88の少なくとも一部とは、同じ位置に配置される。
バッフル部90が設けられることにより、ファン12の周囲の少なくとも一部において、空気の渦流が生成されることが抑制される。バッフル部90が存在しない場合、ファン12が回転すると、例えば羽根部91の前面の周縁部において空気の渦流が生成される可能性が高くなる。空気の渦流が生成されると、ファン12を通過する空気の流量が少なくなる可能性がある。また、空気の渦流が生成されると、ファン12から径方向外側に流通する空気の流れが阻害される可能性がある。その結果、モータ6が十分に冷却されなくなる可能性がある。
バッフル部90が設けられることにより、空気の渦流が生成されることが抑制される。そのため、空気は円滑に流通することができ、空気の流量の低下が抑制される。そのため、モータ6は効率良く冷却される。
[スピンドル]
次に、スピンドル8について説明する。図44は、実施形態に係るスピンドル8を示す斜視図である。図45は、実施形態に係るスピンドル8、ボール48、及びハンマ47を示す斜視図である。
図5、図44、及び図45に示すように、スピンドル8は、フランジ部44と、フランジ部44から前方に突出するロッド部45と、ボール48の少なくとも一部が配置されるスピンドル溝50とを有する。
スピンドル溝50は、ロッド部45の外面に設けられる。スピンドル溝50は、後方に向かって周方向一方側に傾斜する第1部分50Aと、後方に向かって周方向他方側に傾斜する第2部分50Bとを含む。第1部分50Aは、2つ設けられる。第2部分50Bは、2つ設けられる。第1部分50Aと第2部分50Bとは、周方向に交互に配置される。
また、スピンドル8は、潤滑油を供給する第1供給口93と、潤滑油を供給する第2供給口92とを有する。第1供給口93及び第2供給口92のそれぞれは、ロッド部45に設けられる。
図5を参照して説明したように、スピンドル8は、潤滑油が収容される内部空間94を有する。第1供給口93は、内部空間94よりも径方向外側に配置される。第2供給口92は、内部空間94よりも径方向外側に配置される。第1供給口93は、第1流路93Rを介して、内部空間94に結ばれる。第2供給口92は、第2流路92Rを介して、内部空間94に結ばれる。第1供給口93は、第1流路93Rの径方向外側の開口を含む。第2供給口92は、第2流路92Rの径方向外側の開口を含む。
第1供給口93は、スピンドル溝50の外側のロッド部45の外面に設けられる。第2供給口92は、スピンドル溝50の外側のロッド部45の外面に設けられる。第2供給口92は、第1供給口93よりも後方に設けられる。
第1流路93Rは、スピンドル8の中心軸(回転軸AX)を通り、ロッド部45を貫く貫通孔を含む。第1供給口93は、ロッド部45の外面の2箇所に設けられる。第2流路92Rは、スピンドル8の中心軸(回転軸AX)を通り、ロッド部45を貫く貫通孔を含む。第2供給口92は、ロッド部45の外面の2箇所に設けられる。
第1供給口93の径方向外側にボール48が配置される。第1供給口93の径方向外側にワッシャ54が配置される。なお、第1供給口93は、ボール48及びワッシャ54よりも後方に配置されてもよい。第1供給口93は、例えばコイルスプリング49の径方向内側に配置されてもよい。
第1流路93Rは、上下方向のみ又は左右方向のみに延伸する。第2流路92Rは、上下方向のみ又は左右方向のみに延伸する。なお、第1流路93Rは、径方向外側に向かって前方又は後方に傾斜してもよい。この場合、より徐々に、第1流路93Rから油が排出される。同様に、第2流路92Rは、径方向外側に向かって前方又は後方に傾斜してもよい。
図46及び図47のそれぞれは、実施形態に係るハンマ47を示す断面図である。図46は、図45に示すハンマ47のB-B線断面矢視図に相当する。図47は、図45に示すハンマ47のC-C線断面矢視図に相当する。
図45、図46、及び図47に示すように、ハンマ47は、ボール48の少なくとも一部が配置されるハンマ溝51と、ハンマ47の前面から前方に突出するハンマ突起部59とを有する。ハンマ47は、筒状である。ハンマ47は、ロッド部45の少なくとも一部が配置される孔57を有する。
ハンマ溝51は、ハンマ47の内面に設けられる。ハンマ溝51は、前方に向かって周方向一方側に傾斜する第3部分51Aと、前方に向かって周方向他方側に傾斜する第4部分51Bとを含む。第3部分51Aは、2つ設けられる。第4部分51Bは、2つ設けられる。第3部分51Aと第4部分51Bとは、周方向に交互に配置される。
図48は、実施形態に係るロッド部45の外面を模式的に示す展開図である。図48に示すように、スピンドル溝50は、第1部分50Aと第2部分50Bとを含む。第1部分50Aは、後方に向かって周方向一方側に傾斜する。第2部分50Bは、後方に向かって周方向他方側に傾斜する。
スピンドル溝50は、軸方向一方側の前端部95と、軸方向他方側の後端部96とを有する。軸方向において、第1部分50Aの前端部の位置と第2部分50Bの前端部の位置とは一致する。軸方向において、第1部分50Aの後端部の位置と第2部分50Bの後端部の位置とは一致する。前端部95は、第1部分50Aの前端部及び第2部分50Bの前端部を含む。後端部96は、第1部分50Aの後端部及び第2部分50Bの後端部を含む。
軸方向において、第1供給口93は、前端部95と後端部96との間に設けられる。すなわち、第1供給口93は、前端部95よりも後方に配置され、後端部96よりも前方に配置される。第1供給口93は、軸方向において、前端部95と後端部96との間のロッド部45の外面に設けられる。
軸方向において、第2供給口92は、後端部96よりも後方のロッド部45の外面に設けられる。
第1供給口93から供給された潤滑油は、ボール48の表面に供給される。第1供給口93は、ボール48に潤滑油を供給する供給部として機能する。
第1供給口93は、ロッド部45の外面とハンマ47の内面との間に潤滑油を供給する。第1供給口93からロッド部45の外面とハンマ47の内面との間に供給された潤滑油は、ハンマ47の移動により、ボール48の表面に供給される。
図49は、実施形態に係るハンマ47の動作を説明するための図である。図49は、ロッド部45の外面及びハンマ47の内面のそれぞれを模式的に示す展開図を含む。
上述のように、スピンドル8とハンマ47とは、スピンドル溝50及びハンマ溝51により規定される可動範囲において、軸方向及び回転方向のそれぞれに相対移動することができる。ハンマ47は、ボール48にガイドされながら軸方向に移動可能である。
例えば、ねじ締め作業において、モータ6の駆動が開始されると、スピンドル8の回転が開始される。アンビル10に作用する負荷が低い場合、ハンマ突起部59とアンビル突起部60とが接触した状態で、スピンドル8が回転する。すなわち、アンビル10に作用する負荷が低い場合、ハンマ47は、図49の[状態A]のように、ハンマ47の可動範囲の前端部に配置される。[状態A]においては、ハンマ突起部59とアンビル突起部60とが接触している状態で、スピンドル8とハンマ47とが一緒に回転する。
スピンドル8が回転すると、遠心力により、内部空間94の潤滑油は、径方向外側に向かって第1流路93Rを流通する。第1流路93Rを流通した潤滑油は、第1供給口93から、ロッド部45の外面とハンマ47の内面との間に供給される。
ねじ締め作業において、アンビル10に作用する負荷が高くなると、アンビル10及びハンマ47の回転が停止する。ハンマ47の回転が停止しても、スピンドル8の回転は、モータ6が発生する動力により継続される。ハンマ47の回転が停止している状態で、スピンドル8が回転すると、ボール48がスピンドル溝50にガイドされながら後方に移動する。ボール48が後方に移動することにより、ハンマ47は、図49の[状態B]のように、ボール48と一緒に、ハンマ47の可動範囲の前端部から後方に移動する。また、スピンドル8の回転が更に継続されると、図49の[状態C]のように、ハンマ47は、ボール48と一緒に、ハンマ47の可動範囲の後端部に向かって後方に移動する。後方に移動したハンマ47は、コイルスプリング49の弾性力により、回転しながら前方に移動する。ハンマ47は、アンビル10を回転方向に打撃する。このように、ハンマ47は、回転しながら前後方向に移動する。
第1供給口93から供給された潤滑油は、ハンマ47の内面に付着している。ハンマ47が回転しながら前後方向に移動することにより、ハンマ47の内面に付着している潤滑油の少なくとも一部は、ボール48の表面に接触する。これにより、第1供給口93から供給された潤滑油は、ハンマ47の内面を介して、ボール48の表面に供給される。
また、スピンドル8とハンマ47との相対移動により、例えば図49の[状態B]のように、第1供給口93とハンマ溝51とが対向する状態が発生する。第1供給口93とハンマ溝51とが対向する状態において、第1供給口93からの潤滑油は、ハンマ溝51の内側に供給される。ハンマ溝51の内側に潤滑油が供給されることにより、ハンマ溝51を転がるボール48の表面に潤滑油が供給される。また、スピンドル8とハンマ47との相対移動により、第1供給口93とボール48とが対向する状態が発生する。第1供給口93とボール48とが対向する状態において、第1供給口93は、ボール48の表面に潤滑油を直接的に供給することができる。
また、スピンドル8が回転すると、遠心力により、内部空間94の潤滑油は、径方向外側に向かって第2流路92Rを流通する。第2流路92Rを流通した潤滑油は、第2供給口92から、ロッド部45の外面とハンマ47の内面との間に供給される。第2供給口92は、スピンドル溝50の後端部96よりも後方において、ロッド部45の外面とハンマ47の内面との間に潤滑油を供給する。
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、ファン12にバッフル部90が設けられる。バッフル部90が設けられることにより、ファン12の周囲の少なくとも一部において、空気の渦流が生成されることが抑制される。そのため、空気は円滑に流通することができ、空気の流量の低下が抑制される。したがって、モータ6は効率良く冷却される。また、バッフル部90がステータ26の少なくとも一部に対向するので、モータ6を通過した空気は、ファン12に円滑に流入することができる。そのため、空気の流れが阻害されず、空気の流量の低下が抑制される。
径方向において、バッフル部90の位置とステータコア28の少なくとも一部の位置とは一致する。実施形態において、バッフル部90とステータコア28とは、後インシュレータ30を介して対向する。これにより、ステータコア28の内側を通過した空気は、バッフル部90の内側に円滑に流入する。したがって、空気の流れが阻害されず、空気の流量の低下が抑制される。
バッフル部90の内径Daは、ステータコア28の内径Dcと等しい又はステータコア28の内径よりも大きい。これにより、これにより、ステータコア28の内側を通過した空気は、バッフル部90の内側に円滑に流入することができる。
バッフル部90の内径Daは、主板部88の外径Dbよりも大きい。すなわち、回転軸AXに直交する面内において、バッフル部90と主板部88とは重複しない。これにより、ファン12を流通する空気の流量の低下が抑制される。
バッフル部90の表面90Aと裏面90Bとは、平行である。実施形態において、表面90A及び裏面90Bのそれぞれは、回転軸AXに直交する。バッフル部90が平行平板なので、ファン12の周囲の少なくとも一部において、空気の渦流が生成されることが効果的に抑制される。そのため、空気の流量の低下が抑制される。したがって、モータ6は効率良く冷却される。
モータ6の前方に減速機構7が配置され、ファン12はモータ6の後方に配置される。遠心ファンであるファン12は、モータ6からの空気がバッフル部90の内側に流入した後、羽根部91の間から径方向外側に流出するように回転することができる。これにより、モータ6は効果的に冷却される。
[その他の実施形態]
図50は、実施形態に係る変形抑制部材85を示す側面図である。上述の実施形態においては、変形抑制部材85は、矩形の板状であることとした。図50に示すように、変形抑制部材85は、円柱状の棒部材でもよい。また、変形抑制部材85は、ストレート状でもよいし湾曲してもよい。
図51は、実施形態に係る変形抑制部材85を示す断面図である。上述の実施形態において、変形抑制部材85は、コントローラ収容部23の内部空間に配置されることとした。図51に示すように、変形抑制部材85は、境界部2Cにおいて、ハウジング2の内部に埋設されてもよい。また、変形抑制部材85は、グリップ部22の内部空間に配置されてもよい。
図52は、実施形態に係る変形抑制部材85を示す断面図である。上述の実施形態においては、変形抑制部材85は、操作パネル16に固定されることとした。図52に示すように、変形抑制部材85は、コントローラケース62に固定されてもよい。図52に示す例において、変形抑制部材85は、コントローラケース62の底板62Aから上方に突出するロッド85Rを含む。ロッド85Rの上端部は、ハウジング2のコントローラ収容部23を内側から支持する。なお、コントローラ13の一部に、ロッド85Rが配置される開口13Mが設けられてもよい。図52に示す変形抑制部材85においても、ハウジング2の変形を抑制でき、コントローラ13を保護することができる。
上述の実施形態において、クッション層86は、省略されてもよい。
上述の実施形態において、発光器71の第1状態は、第1点滅状態(高速点滅状態)であり、発光器71の第2状態は、第2点滅状態(低速点滅状態)であることとした。例えば、第1状態が低速点滅状態であり、第2状態が高速点滅状態でもよい。
上述の実施形態において、登録モード記憶部75に記憶される登録モードは、1種類であることとした。登録モード記憶部75に記憶される登録モードは、2種類でもよいし3種類でもよい。登録モード記憶部75に登録される登録モードの数は、動作モード記憶部74に記憶される動作モードの数よりも少なければよく、任意の複数でもよい。
上述の実施形態において、第1供給口93は、スピンドル溝50の内側に設けられてもよい。
上述の実施形態において、ボール48に潤滑油を供給する供給部は、スピンドル8に設けられた第1供給口93であることとした。ボール48に潤滑油を供給する供給部は、ハンマ47の内面に設けられてもよい。
上述の実施形態においては、電動工具1がインパクトドライバであることとした。電動工具1は、インパクトドライバに限定されない。電動工具1として、ドライバドリル、アングルドリル、ハンマ、ハンマドリル、グラインダ、マルノコ、及びレシプロソーが例示される。
上述の実施形態においては、電動作業機が電動工具であることとした。電動作業機は、電動工具に限定されない。電動作業機として、園芸工具が例示される。園芸工具として、チェーンソー、ヘッジトリマ、芝刈り機、草刈機、及びブロワが例示される。